Wikibooks jawikibooks https://ja.wikibooks.org/wiki/%E3%83%A1%E3%82%A4%E3%83%B3%E3%83%9A%E3%83%BC%E3%82%B8 MediaWiki 1.45.0-wmf.7 first-letter メディア 特別 トーク 利用者 利用者・トーク Wikibooks Wikibooks・トーク ファイル ファイル・トーク MediaWiki MediaWiki・トーク テンプレート テンプレート・トーク ヘルプ ヘルプ・トーク カテゴリ カテゴリ・トーク Transwiki Transwiki‐ノート TimedText TimedText talk モジュール モジュール・トーク 高校受験参考書 0 761 276357 85723 2025-06-28T15:59:42Z Tomzo 248 /* 関連項目 */ 276357 wikitext text/x-wiki {{進捗状況}} [[小学校・中学校・高等学校の学習]] > 高校受験参考書 ==英語== *[[高校受験参考書/英語|英語]] ==数学== *[[高校受験数学|数学]] {{進捗|00%|2005-05-08}} ==国語== *[[高校受験現代文|現代文]] {{進捗|00%|2013-12-05}} *[[高校受験古文|古文]] {{進捗|00%|2010-3-28}} *[[高校受験参考書/漢文|漢文]] ==理科== *[[高校受験参考書/理科/第1分野|第1分野]] *[[高校受験参考書/理科/第2分野|第2分野]] ==社会== *[[高校受験社会 歴史|歴史]] *[[高校受験参考書/社会 地理|地理]] *[[高校受験参考書/社会 公民|公民]] ==面接== *[[高校受験面接|面接]] {{進捗|00%|2013-12-05}} == 関連項目 == *[[高校受験ガイド]] *[[学習方法/高校受験/高校受験全般]] {{stub|中}} {{DEFAULTSORT:こうこうしゆけんさんこうしよ}} [[Category:中学校教育]] [[Category:入学試験]] rbli9y86yh2jrltjdllfxfm9lax01yd Scheme 0 859 276312 188756 2025-06-28T15:23:27Z Tomzo 248 /* 外部リンク */ 276312 wikitext text/x-wiki {{Pathnav|メインページ|工学|情報技術|プログラミング|frame=1}} == 対象読者 == このページではプログラミングのまったくの初心者、もしくは他のプログラミング言語は知っているがSchemeについて知識がないかたを主な対象者として、Schemeプログラミングを素早く習得できるように解説していきます。 ==Schemeの紹介== [[w:Scheme|Scheme]](スキーム)とは[[w:プログラミング言語]]のひとつです。 Schemeの最大の魅力はそのシンプルさにあります。おそらく([[w:Brainfuck|Brainf***]]などのジョーク言語を除けば)現存するあらゆる言語のなかでも最も言語仕様が小さい言語で、つまりはもっとも習得のしやすい言語であるといえます。また、実用にもじゅうぶん耐えうるだけの機能を持ち、プログラミングの楽しさを体験するにはまさにうってつけです。すでに[[C言語]]や[[Perl]]などの他の言語を習得している方にとっても、プログラミングの理解を深める上で覚えておいて損はない言語です。 この項ではSchemeの知識がゼロの状態から、最低限必要なことだけを最短で理解できるように解説していきます。この項では基本的だがしかし本格的なプログラミングの概念を学び終えるのに、初学者の方でも半日とかからない分量にしています。 さあ、Schemeでプログラミングをあっという間に身に着けてしまいましょう! Schemeは2015年現在に至るまで何度か改良が加えられ、Revised7 Report on the Algorithmic Language Scheme(R7RS)という仕様書がもっとも新しいものです。ここではR7RSに準じて説明していきます。仕様の詳細については[[Scheme#外部リンク|外部リンク]]の項を参照してください。 ==処理系に触れてみる== プログラムを実行するには、その言語に対応した何らかの処理系(プログラムを処理する[[w:ソフトウェア|ソフトウェア]]。ここではプログラムを実行するもののこと)が必要です。プログラムの構文解説に入る前に、自分でプログラムを入力して確かめることができるように[[w:インタプリタ|インタプリタ]]の使い方を覚えましょう。[[w:フリーウェア|フリーウェア]]として公開されている処理系も多いので探してみましょう。処理系を探すには[[Scheme#外部リンク|外部リンク]]の項も参照してください。 もし処理系のインストール作業が億劫であれば、Webブラウザ上でSchemeプログラムの実行を試せるサイトがあります。次の「[http://codepad.org/ codepad]」というサイトでは、(1)ページ左のオプションボタンから、「Scheme」を選択する (2)テキストボックスにプログラムを入力する、もしくはコピーアンドペーストする (3)「Submit」ボタンを押す という手順を踏むだけで処理系のインストール作業なしにSchemeの実行を試すことができます。この項目程度の内容であれば「Codepad」でもじゅうぶん事足ります。 [[画像:Scheme_codepad.png|400px]] ためしに「codepad」を使ってみましょう。「Scheme」を選んでからテキストボックスに「(display "Hello, World!")」と入力し、「Submit」ボタンを押すと次のような結果が表示されます。 [[Image:Scheme codepad2.png|400px]] このコードを実行したところ、「Hello, World!」という文字列が出力された、ということです。他のコードを試してみる場合、「(display "Hello, World!")」の「"Hello, World!"」の部分を表示したい値に置き換えてください。たとえば、「(display (+ 5 9))」を入力すると「14」が出力されます。 他のインタプリタの大まかな使い方を説明します(以下は「Codepad」の使いかたではありません)。Schemeの処理系が入手できたら、そのヘルプにしたがって起動してみましょう。たいていのインタプリタでは、起動すると「>」記号が表示されてユーザからの入力待ちになります。 > では、インタプリタに「(+ 1 2)」と入力してみましょう。たいていの対話式の処理系では改行すると実行します。 >(+ 1 2) 3 > 「3」が表示され、再びユーザからの入力待ちになりましたね。Schemeプログラム「(+ 1 2)」の実行結果が「3」だったということです。プログラムを入力して改行すると、入力されたプログラムが実行され、次の行に先ほどのプログラムの実行結果が表示されます。これを繰り返してSchemeプログラミングを進めていきます。 ==Schemeプログラムの構造、意味と評価の過程== プログラムとはおおまかに言えば命令と式の羅列です。数値計算の時にはまさに数式を書いていくのですが、プログラミング言語には、文字列から一部分を切り取ったり、リストからデータを取り出したりと、数値計算ではない式があります。下図を見ればわかるように、数学で使われる数式の表現と対応するものが多くあります。数式に対応するものをSchemeで書けば、それがまさに数値計算をするプログラムになります。 {| class="wikitable" |+ 数学とSchemeの対応する主な表現 !scope="col"| 意味 !scope="col"| 数学の表記 !scope="col"| 対応するSchemeの表記 |- !scope="row"| 関数の適用 | <math>f(x, y)</math> || <syntaxhighlight lang="scheme" inline>(f x y)</syntaxhighlight> |- !scope="row"| 変数の値の更新 | なし || <syntaxhighlight lang="scheme" inline>(set! x y)</syntaxhighlight> |- !scope="row"| 等値性の検査 | <math>x = y</math> || <syntaxhighlight lang="scheme" inline>(= x y)</syntaxhighlight> |- !scope="row"| 関数の定義 | <math>f(x, y) = x + y</math> || <syntaxhighlight lang="scheme" inline>(define (f x y) (+ x y))</syntaxhighlight> |- !scope="row"| 乗算 | <math>a \times b</math> || <syntaxhighlight lang="scheme" inline>(* a b)</syntaxhighlight> |} Schemeでは一貫して括弧の入れ子構造になっているのがおわかりになると思います。これがまさにSchemeの言語仕様がシンプルであるという所以です。Schemeではプログラムの実行を進めていくことを「評価」と呼びますが、これも簡単に言えば数式を変形して簡単にしていくことに似ています。たとえば、数学では次のように式を変形し、値を求めていきます。 ::<math>\begin{align} 1 + ((4 - 2) + 1) &= 1 + (2 + 1) \\ &= 1 + 3 \\ &= 4 \end{align}</math> これ以上簡単にしようがない「4」が出てきた時点で変形は終了です。これで答えが求まりました。このような変形をSchemeで表せば次のようになります。 (+ 1 (+ (- 4 2) 1)) ↓ (+ 1 (+ 2 1)) ↓ (+ 1 3 ) ↓ 4 数学の表記とは数字や記号の順番が異なりますが、何となく似た雰囲気はつかめると思います。入れ子になった括弧は、数学と同様に内側から評価してきます。プログラムといっても、数学の式を独特の表記で書き換えたようなものなのです。ただ、実際は式変形の途中経過は見せず、即座に「その式の値」つまり答えのみが出力されます。以下は実際の入力と出力の一例です。 >(+ 1 (+ (- 4 2) 1)) ←入力(プログラム、式) 4 ←出力(答え、式の値) この式を「codepad」で試すときは「(display (+ 1 (+ (- 4 2) 1)))」と入力してください(「display」はこの式の評価結果を表示させるという意味です。詳しくは後ほど解説します)。 このように評価して値を得ることを「値が返る(値を返す、値を戻す)」、返ってきた値を「返り値(戻り値)」などともいいます。ソースコード上でいえば、「値が返る」とは「ある式を評価し、その式の部分をその値で置き換える」ことだと考えるとわかりやすいかもしれません。 ==式の要素== プログラムとは式そのものですから、[[w:ソースコード]]では数字や文字列といったデータを記述していく必要があります。プログラミング言語にはそれぞれこのようなデータを書くための構文があり、このコード中に直接書かれた値を「リテラル」(literal)と呼びます。 ここでは最低限必要と思われるものだけ解説しますが、以下で紹介される以外にもいろいろな表現があります。詳しくは仕様を参照してください。また、以下の中にはまだ使い方が説明されていないものがありますが、それは後述します。 ===数値リテラル=== Schemeでソースコード中に数値を記述するには、そのまま半角数字で表記し、これを「数値リテラル」といいます。小数は小数点をピリオドで入力し、負の数を示すマイナス記号(-)も使えます。「2004」「3.14159265358979」「-273.15」などです。ただし、入力した数値が必ずしも入力したとおりの精度で扱われるとは限りません。頭に「#e」をつけ完全な精度で扱うことを指定することもできます。 数値型は、整数型integer、有理数型ratioral、実数型real、複素数型complexの構造を持っており、右のものは、すべての左のものを含みます。 ===文字列リテラル=== 文字列の値を記述する場合は、その文字列をダブルクォーテーション{{code|"}}で囲んで記述します。これを「文字列リテラル」といいます。これはソースコード上で数値や変数(後述)と区別するためであり、実際の評価にこのダブルクォーテーションが影響することはありません。たとえば、{{code|"古今"}}と{{code|"東西"}}というふたつの文字列をつなげると、{{code|"古今""東西"}}ではなく{{code|"古今東西"}}となります。また、{{code|123}}は数値ですが{{code|"123"}}は文字列です。さらに、{{code|"Hello."}}{{code|"こんにちは。"}}なども文字列です。 特別な文字を表す表現もあります。たとえば改行は{{code|\n}}、タブ文字は{{code|\v}}、逆スラッシュは{{code|\\}}と入力します。また、これらの特別な文字は文字列リテラルの中では直接入力できません。つまり、{{code|"(改行)"}}と書くと構文エラーになります(エラーにならない処理系もあります)。 リテラルを評価すると、そのリテラルそのものが示す値を返します。{{code|1}}を評価すると{{code|1}}、{{code|"こんにちは"}}を評価すると{{code|"こんにちは"}}がそのまま返ります。 ===文字リテラル=== 単一の文字を表現するには文字リテラルを使います。これは{{code|#\}}に任意の一文字を続けて表記します。たとえば{{code|#\a}}は{{code|a}}を表します。また、スペースを{{code|#\space}}、タブ文字を{{code|#\tab}}で表します。 これは文字列リテラルとは扱いが異なりますので注意してください。たとえば{{code|"a"}}と{{code|#\a}}はどちらも画面に表示させると{{code|a}}ですが、それぞれ「'''一文字の'''文字列」と「文字」で異なるので注意してください。 ===真偽値リテラル=== 条件が真か偽かを表すには、真偽値型の値を使います。{{code|#t}}は真、{{code|#f}}は偽を表し、条件によって処理をわけるときなどに使います。ただし、{{code|#f}}以外のすべての値は真として扱われます。これを利用すると、失敗したり無効だったときは偽を返し、それ以外は何か別の型の値を返す、といった関数を実装できます。 式が真偽値型か調べるには、関数boolean?を利用します。 ==コメント== ソースコード中には[[w:コメント (コンピュータ)|コメント]]と呼ばれる注釈を書くことができます。コメント部分はプログラムの評価に一切関与しません。Schemeでは{{code|;}}からその行末までがコメントです。 >(define hoge 10) ;ここがコメント hoge Wikipedia:サンドボックス#ここから下に書き込んでください。 注釈を書く用途のほか、プログラムの一部分を一時的に評価しないようにするためにも使われます。もし評価して欲しくない部分を単純に削除してしまうと、あとで戻そうと思ったときに書き直さなければならず手間がかかるからです。コメントにしておけば先頭のセミコロンを削除するだけで元に戻せます。このように評価して欲しくない部分をコメントにすることをコメントアウトと呼びます。 ==手続き== Schemeには「手続き」(procedure)という概念があります。これは幾つかの処理を行いその結果を返すまとまりで、[[w:数学]]における[[w:関数]]と非常に良く似ています。たとえば、数学では「f(x,y) = x + y のとき、 f(1,2) = 3である」などといいますよね。Schemeでは{{code|f(x,y) {{=}} x + y}}の部分を「手続きの定義」、{{code|f}}を「手続き」、手続きの評価に必要な値を受け取る{{code|x}}と{{code|y}}を「仮引数」と呼びます。{{code|f(1,2)}}」の部分を「手続きの呼び出し」、{{code|1}}と{{code|2}}のように手続きの評価に使われる値を「引数」、実行した結果である{{code|3}}を「返り値」といいます。 では、手続きの呼び出しを表現してみましょう(実は下記の手続きの解説には幾つか方便が含まれています。ですが、ここで詳細を解説すると難しくなりすぎるので、詳しくは後述します。手続きの定義は少し難しいので後回しにします)。 手続きはただ命令や数式の列をまとめる役目だけではありません。Schemeの豊富な機能は手続きを介して提供されているのです。また、あなたの書いたプログラムの機能を他のプログラムに公開するとき、それは手続きの定義によって行われます。Schemeの機能を呼び出すとは、用意された手続きを呼び出す構文を書くことと同義です。 ===手続きの文法=== Schemeの手続きの呼び出しは{{code|(手続き名 引数1 引数2 ……)}}という文法です。手続き名は変数です。手続きがどんな引数を取るのかは手続きによって異なります。手続き名やそれぞれの引数の間はひとつ以上の[[w:空白文字|空白文字]]で区切らなければなりません。手続き名や引数の間に空白文字がないと、区切りが分からなくなってしまうからです。空白文字とは[[w:改行|改行]]、[[w:タブ文字|タブ文字]]、[[w:半角スペース|半角スペース]]の3つのいずれかです。この構文はどんな手続きでも同じです。Schemeのほとんどの手続きは、その引数が評価されてから手続きに渡されます。 手続き呼び出しの丸括弧は数学の優先順位を示す括弧とは異なり、省略'''できません'''。このため、数学のような乗算が加算に優先する、といった優先順位はSchemeには'''存在しません'''。この仕様は記号の優先順位を覚える必要がない反面、数式を煩雑にしがちで、Schemeらしい点でもあります。手続きの呼び出しが何重にもなると括弧の数を間違いやすいです。括弧は{{code|(}}と{{code|)}}がきちんと対になっていなければなりませんから気をつけましょう。SchemeのようなLisp系の言語は括弧だらけになるから苦手、という人も少なくないです。 ===実際に試してみる=== Schemeには加算をする手続き「+」が予め定義されています。さっきの構文にのっとると、数学での<math>1+2</math>はSchemeでは{{code|(+ 1 2)}}と表記されます。処理系で実行して試してみましょう。できたら<math>1+2</math>以外にも試してみましょう。引数の和が返ってくるはずです。 >(+ 1 2) 3 >(+ 10 50) 60 >(+ 2004 2004) 4008 >(+ -25 10) -15 >(+ 3.141592 -273.15) -270.008408 なんだか変な構文だと思われるかもしれませんが、これらの構文は[[w:S式|S式]]と呼ばれ、Schemeの構文のシンプルな言語仕様を支えています。「S式」は前置記法と呼ばれるもののひとつで、手続き名にあたるものが先頭に来ます。 「前置記法」の他に「中置記法」や「後置記法」もあります。C言語などは、数学のような{{code|1 + 2}}という感じの中置記法が中心ですが、3種類全ての記法が入り混じっています。これに対してSchemeでは、前置記法のみしか使わないシンプルな言語仕様になっています。 ===注意=== 幾つか手続き呼び出しに関して気をつけておくことがあります。手続きには「手続き名」「引数の数」「引数の型」「返り値の型」などの要素を持っています。たとえば、幾つ引数をとるかは手続きごとに決められており、多すぎたり少なかったりすると実行したときに[[w:エラー]]になります。ただ、たまたま「+」は引数が幾つあってもよい手続きです。 また、手続きは引数の型が決まっています。たとえば、[[w:加算]]をする手続き{{code|+}}は文字列を引数に呼び出すとエラーです。 たまたま「+」は引数の順番を変えても同じ値が返ってきますが、ほとんどの手続きは引数はその順番に意味があります。たとえば、{{code|-}}は1つ目の引数の値から2つめ以降の引数の値を減算する手続きなので、{{code|(- 10 5)}}と{{code|(- 5 10)}}の値は違います。 Schemeには予め幾つかの手続きが定義されており、ユーザは新たに手続きを定義することもできます。そのScheme処理系にどの手続きが用意されているか確かめるには、その処理系の[[w:ヘルプ]]と言語仕様を確認する必要があります。 ==束縛== 束縛とは変数に値を関連付けることです。例を見てみましょう。手続きdefineは第一引数の変数に第2引数の値を束縛します。値が束縛された変数を評価すると、その変数に束縛された値が返ります。つまり、束縛された値を取得するには、単にその変数を書きます。 >(define year 2004) year >(+ year 1) 2005 変数yearには数{{code|2004}}が束縛されましたので、変数yearが評価されるとyearに束縛された値{{code|2004}}が返ります。手続き+は{{code|2004}}と{{code|1}}の和{{code|2005}}を返します。今まで説明に使ってきた手続き+も、じつはインタプリタ起動と同時に+に加算をする手続きが束縛されていたから使えるのです。手続きも一種の値として扱えるため、defineで束縛することができるのです。また、何も束縛されていない変数を評価しようとするとエラーです。 ==構文== 上で束縛を説明しました。が、ここで疑問に思って欲しいことがあります。次の例を見てみましょう。 >(define year 2004) year >(define year 1000) year 下のdefineでは、yearはすでに2004が束縛されています。手続きは引数を評価してから渡すのですから、yearは2004を返すはずです。従って、{{code|(define year 1000)}}は{{code|(define 2004 1000)}}になるはずではありませんか。2004は変数ではないので、束縛はできないはずです。いや、そもそも最初のdefineではyearには何も束縛されていませんでしたから、なにも束縛されていない変数yearが評価されてエラーになるはずです。これはどうしたことでしょうか。 実はSchemeには手続き呼び出しと同じような構文でありながら、引数を評価せずに受け取る手続き呼び出しとはまったく別の式も存在します。defineは引数(のように見える部分)は評価しないのです。defineは手続きではなく、定義を行う「構文」に分類されます。 ==リスト== Schemeなど[[w:Lisp]]系の言語が何故これほどまでにシンプルな構文にこだわったかには訳があります。Schemeプログラムは「リスト」と呼ばれるツリー状の構造をとるようになっているのです。Lispが[[w:人工知能]]研究の分野に使われてきたのは、プログラム上でプログラムを組み立てるのが非常に容易だからです。 たとえば、{{code|(+ 1 (- 2 3))}}という式は、実は次のようなリストです。 [[画像:scheme.png]] グレーの矩形は[[w:carとcdr]]の二つの区画を持つ「ペア」と呼ばれるものです。car部はそのペアが持っている値、cdr部はその次の要素を格納していると捉えることができます。car部には別のペアを格納することができます。cdr部は次の要素を示しますが、リストの終端を示すには空リストを使います。図中では{{code|()}}で表されているのが空リストです。Lispプログラムはこの構造の繰り返しであり、このツリー構造を作り上げることでLispプログラムを作ることができるのです。{{code|car}}や{{code|cdr}}、{{code|set-car!}}、{{code|set-cdr!}}、{{code|list}}、{{code|quote}}などの手続きを使えば、Schemeプログラムをそのままリストとして扱えます。実はペアを直接作成する専用の構文もあるのですが、知らなくても今のところは構わないので、ここでは割愛します。 ==Schemeの重要な手続きや構文== 実は、以上で大まかな文法は説明し終わりました。Schemeの文法はほとんど[[w:S式]]なのです。まだまだ説明していない概念はいくらでもあるのですが、それらの機能はすべて手続きや構文で提供されるのです。たとえば、数値の大小を比較するのも手続きですし、文字列を表示するのもまた手続きです。[[w:GUI]][[w:ライブラリ]]が提供されれば、ウィンドウを開いたりファイルを操作したり画像を表示したりするのもまた、手続きを介して行われます。 とはいえ、実際にあなたが望む機能を実現するには、どの手続きをどのように使えばいいのかわからないことでしょう。あとあなたに必要なのは、どんな手続きや構文が用意されているのか知り、具体的なプログラムを読んだり書いたりしてプログラミングの経験を積むことです。そのためには言語仕様を読めるようになる必要があります。ですが、以下でかんたんに主な手続きや構文を紹介しておこうかと思います。このほかにも有用なものがたくさんありますので、すべての機能を知るには言語仕様を参照しましょう。 ===cons, car, cdr=== Schemeの最も重要な手続きはペアをつくり、ペアから要素を 取り出す次の3つです。 *cons ペア(dotted pair)をつくる *car pairの最初の要素を取り出す *cdr pairの次の要素を取り出す consはペアを作る手続きです。 {{code|(cons 1 2)}} => {{code|1 . 2}} このペアから無限に続くリストが作れます。リストの終わりを{{code|()}}という空リストで示すこととすれば、1 2 3と続くリストは、 {{code|(cons 1 (cons 2 (cons 3 '())))}}と定義され、 {{code|(1 2 3)}}と表現されます。 特に、Schemeでは、リスト構造が根本であり、それは、リストは再帰的(recursive)に定義される構造だからです。 <syntaxhighlight lang="scheme"> (cons 1 2) => (1 . 2) (car (cons 1 2)) => 1 (cdr (cons 1 2)) => 2 (cons 1 (cons 2 '())) => (1 2) (car (cons 1 (cons 2 '()))) => 1 (cdr (cons 1 (cons 2 '()))) => (2) </syntaxhighlight> この例だけ見ると、リストの重要性は判らないかも知れません。 ===四則演算=== *+ 加算 *- 減算 *<nowiki>*</nowiki> 乗算(「×」ではなく「*」を使います) */ 除算(「÷」ではなく「/」を使います) これらの[[w:四則演算]]の手続きは、整数や小数など数値型の値に適用できます。これだけでもSchemeを簡易電卓として使えそうですね。 ===display=== displayは引数に与えられた値を出力します。プログラム実行中の途中経過を表示したりする場合にも便利です。下の例では結果が1010となっていますが、displayが表示した10とインタプリタがプログラムから得た値10が、改行していないのでつながって見えるだけです。文字列や変数も引数として使えます。 >(display 10) 1010 表示できるのは、Schemeの処理系が受け付けるすべての S式です。数値、文字、文字列、クオートされたリストなど、何でも表示できます。ただし、関数は内部表現が処理系毎に異なることに注意して下さい。{{code|(display 10)}} の評価値は、未定義です。他の変数に束縛する意味はありません。複数の値を表示するとき、Scheme では以下のように書くことができます。 >(define x "Xvalue") >(for-each display `(1 2 3 x ,x "\n" "newline")) 1 2 3 x Xvalue newline 準引用により {{code|,}} が前に付くと、値が展開されます。それから >(display 10 output-port) と書けば、出力先を変更できます。output-port は、関数 open-output-file の返り値を指定します。 ===lambda=== lambdaは手続きを新たに定義し、その手続きを表す値を返す構文です。Schemeは手続きであっても、数値や文字列と同じように値として処理することができます。lambda構文の第一引数には手続きの引数名となる変数のリストを渡します。第2引数以降は手続き本体となる式を渡します。ここで作成された手続きは一種の値なので、defineで束縛することができます。サンプルプログラムを示します。 > (define average (lambda (x y) (/ (+ x y) 2))) average > (average 10 20) 15 新たに定義した手続きは二つの引数をとり、その平均を返します。その手続きは変数averageに束縛しています。インタプリタは{{code|(average 10 20)}}を手続き呼び出しだと判断し呼び出しました。前述では手続き名には変数を記述すると解説しましたが、実際には手続きの値をとる式を書きます。averageには手続きが束縛されているため、リストの先頭に書くことができます。従って次のようなこともできます。 > ((lambda (x y) (/ (+ x y) 2)) 10 20) 15 平均を計算する無名の手続きを定義し、返り値をリストの先頭に使いその手続きを呼び出しています。 手続きは引数や返り値にも使えるため、手続きを返す手続きも作成できます。下の例では、最初に平均を計算する手続きを返す手続きを作成し、それを変数create-average-functionに束縛しています。そして、2つめ、3つめで変数create-average-functionに束縛されていた平均を計算する手続きをつくる手続きに、まず加算と乗算の定義を与え、平均を計算する手続きを得ます。そして、その手続きに引数10と20を与えて、具体的な平均値を計算しています。 <syntaxhighlight lang="scheme"> > (define create-average-function (lambda (add multiply) (lambda (x y) (multiply (add x y) (/ 1 2))))) </syntaxhighlight> <code> create-average-function</code> <syntaxhighlight lang="scheme"> > ((create-average-function + *) 10 20) ; 相加平均 </syntaxhighlight> <code> 15</code> <syntaxhighlight lang="scheme"> > ((create-average-function * expt) 10 20) ; 相乗平均、exptは累乗を計算する組み込み関数。 </syntaxhighlight> <code> 14.1421356...</code> ===quote=== quoteは引数に与えられたものを評価せずにそのまま返す構文です。 >(quote (+ 1 2)) (+ 1 2) ;(+ 1 2)は評価しないと(+ 1 2)というリスト >(define hoge 10) hoge >hoge 10 ;quoteを使わなければ、変数は束縛されている値を返す >(quote hoge) hoge ;quoteを使うと、変数は変数そのものを返す 特別な構文(Schemeの機能の「構文」ではなく、一般的な意味の構文)として、{{code|'(+ 1 2)}}と書くことができます。{{code|(quote (+ 1 2))}}まったく同じ意味ですが、字数が少なく見やすくなります。このように、書きやすさ、見やすさのために導入された構文を[[w:糖衣構文]](シンタックスシュガー)といいます。 == 関連項目 == * [[/継続]] * [[/継続の種類と利用例]] *[[48時間でSchemeを書こう]] ==外部リンク== {{Wikipedia}} *R5RS **[http://www.schemers.org/Documents/Standards/R5RS/ R5RS] 本家。 **[http://www.sci.toyama-u.ac.jp/~iwao/Scheme/r5rsj/html/r5rsj_toc.html アルゴリズム言語Schemeに関する第五改訂報告書] 日本語訳。 **[http://www.unixuser.org/~euske/doc/r5rs-ja/index.html R5RS日本語訳] 日本語訳。 *[http://www.r6rs.org/ R6RS] *[http://milkpot.sakura.ne.jp/scheme/r7rs.html R7RS] *インタプリタとコンパイラ **[http://www.gnu.org/software/guile/guile.html Guile] GNUプロジェクトで開発されているインタプリタ。 **[http://sourceforge.jp/projects/gauche/ Gauche] インタプリタ。 **[http://www.scheme.com/chezscheme.html Chez Scheme] 商用Schemeコンパイラ。 **[http://www.scheme.com/petitechezscheme.html Petite Chez Scheme] 上記[http://www.scheme.com/chezscheme.html Chez Scheme]のフリー版インタプリタ。 {{stub|it}} [[Category:Scheme|*]] {{NDC|007.64}} 75mv9ug0qxx29a29iq5w2fz3v7uwwjz 量子力学II 0 2143 276295 216298 2025-06-28T12:03:45Z Tomzo 248 276295 wikitext text/x-wiki <small>[[物理学]] > 量子力学II </small> ---- この項は物理学 量子力学IIの解説です。 *[[量子力学/角運動量の合成|角運動量の合成]] *[[量子力学/時間に依存しない摂動論|時間に依存しない摂動論]] {{stub}} [[Category:量子力学|*2]] [[Category:分岐ページ|りようしりきかく2]] 38x7qmh7we0mcimg9yuth3jeyub7d7t TeX/LaTeX入門 0 2813 276318 274726 2025-06-28T15:34:07Z Tomzo 248 /* 参考文献 */ 276318 wikitext text/x-wiki {{Pathnav|メインページ|frame=1|small=1}} {{DISPLAYTITLE:{{TeX}}/{{LaTeX}}入門}} == はじめに == [[w:TeX|{{TeX}}]]とは[[w:ドナルド・クヌース|ドナルド・クヌース]]が開発した[[w:電子|電子]][[w:組版|組版]]ソフトウェアである。[[w:Microsoft Windows|Microsoft Windows]]、[[w:macOS|macOS]]、[[w:UNIX|UNIX]]など様々なプラットフォームで利用可能であり、商業印刷並みの品質で印刷を行うことができる。[[w:LaTeX|{{LaTeX}}]]は[[w:レスリー・ランポート|レスリー・ランポート]]が{{TeX}}の上にマクロパッケージを組み込んで構築した文書処理システム(テキストベースの組版処理システム)である。ごく基本的な機能を有している{{TeX}}と組み合わせて用いることで、より手軽に組版を行うことができる。 {{LaTeX}}は、数式を綺麗に出力できるため、理工系の文章で広く使われている。このような事情があるから、{{LaTeX}}を理工系専用の論文・レポート作成ツールだと思っている人も多いかもしれないが、{{LaTeX}}はそれだけでなく、幅広い文書の組版をすることができる。例えば、技術書や専門書には{{LaTeX}}で組まれたものが多く存在する。他にも、縦組みの小説、プレゼンテーション資料、漢文訓読文、楽譜の組版なども他の商用DTPと遜色ない程度で可能である。 === 長所と短所 === ==== 長所 ==== * 組版の元となるデータ(ソースファイル)はテキストファイルであり、特定の環境やアプリケーションに依存しない * 商用DTPに勝るとも劣らない、高精度な出力 * 章や節などの論理構造で記述することができる * ページ番号や章番号、図番号などを自動で割り振る * 目次や索引、参考文献目録なども自動で作成可能 * 相互参照が可能 * 数式の優れた印刷 ==== 短所 ==== * ソースファイルは出力形式で記述できないため、表などを作る際には多少の慣れが必要 * コンパイルではコマンドライン操作が必要となるため、[[w:GUI|GUI]]に慣れたユーザには取っ付きづらい。 == {{TeX}}/{{LaTeX}}環境の導入 == === UNIX === [http://www.tug.org/texlive/ TeX Live]などの{{TeX}}ディストリビューション、またはこれを元にした公式パッケージ([[w:FreeBSD|FreeBSD]]であればports、[[w:Fedora|Fedora]] であればyum、[[w:Debian|Debian]] や [[w:Ubuntu|Ubuntu]] であれば .deb など)を導入することで容易に利用可能となる。 ====Ubuntu==== Ubuntuに {{TeX}} Live をインストールするにはコマンドラインを開いて以下のコマンドを入力する。 <syntaxhighlight lang="bash"> $ curl -Lo install-tl-unx.tar.gz https://mirror.ctan.org/systems/texlive/tlnet/install-tl-unx.tar.gz $ tar xzf install-tl-unx.tar.gz $ cd install-tl-20* $ sudo ./install-tl --no-interaction </syntaxhighlight>最後のコマンドの実行には数時間かかる。インストールが完了したら、vimなどで<code>~/.bashrc</code>を開き、最後の行に <syntaxhighlight lang="bash">export PATH="/usr/local/texlive/2025/bin/x86_64-linux:$PATH"</syntaxhighlight> を追加する。 ====macOS==== macOSに {{TeX}} Live をインストールするにはコマンドラインを開いて以下のコマンドを入力する。 <syntaxhighlight lang="bash"> $ curl -Lo install-tl-unx.tar.gz https://mirror.ctan.org/systems/texlive/tlnet/install-tl-unx.tar.gz $ tar xzf install-tl-unx.tar.gz $ cd install-tl-20* $ sudo ./install-tl --no-interaction </syntaxhighlight>最後のコマンドの実行には数時間かかる。インストールが完了したら、vimなどで<code>~/.zshrc</code>を開き、最後の行に <syntaxhighlight lang="bash">export PATH="/usr/local/texlive/2025/bin/universal-darwin:$PATH"</syntaxhighlight> を追加する。 masOS には TeX Live の代わりに、MacTeXをインストールすることができる。[https://www.tug.org/mactex/ MacTeX]はTeXのほか、TeXShopやBibDeskなど、関連ツールがインストールされる。[[w:MacTeX|MacTeX]]は、[https://brew.sh/ Homebrew]によって導入することもできる。 ====MathLibre==== MathLibreは[[w:Knoppix|Knoppix]] を原型に開発されたLinux ディストリビューションであり、{{TeX}}など様々な数学ソフトウェアが初期搭載されている。 === Windows === [[w:TeX Live|{{TeX}} Live]]にWindows用のインストーラ(install-tl-windows.exeまたはinstall-tl.zip)が作成されており、これらを用いることで比較的容易に環境を構築することができる。またWindows向けに簡単な[http://did2memo.net/2016/04/24/easy-latex-install-windows-10-2016-04/ インストーラ]が公開されている。 インストールに数時間ほど掛かる。 ===Cloud LaTeX=== [https://cloudlatex.io/ Cloud LaTeX] は[[w:アカリク|株式会社アカリク]]が開発した日本語対応済みオンライン{{LaTeX}}コンパイルサービスである。利用にはアカウント登録が必要になる。論文誌等のテンプレート各種も用意されている。 ===ShareLaTeX=== [[w:ShareLaTeX|ShareLaTeX]]は英国[https://www.sharelatex.com/ ShareLaTeX社]が開発したオンラインで使用できるLATEXエディタで、リアルタイムの共同制作が可能である。日本語で利用するにはプリアンブルを次のように書く: <syntaxhighlight lang=latex> \documentclass{article} \usepackage{xeCJK} \setCJKmainfont{AozoraMinchoRegular.ttf} </syntaxhighlight> == LaTeXを始める == この章では最初にlatexコマンドを用いた英語のみの文書作成、続いてuplatexコマンドを用いた日本語を含む文書作成の順に解説します。入力するコマンドが''command''である場合、以下の様に示します。 <syntaxhighlight lang=bash> $ command output, output output, output </syntaxhighlight> $は[[w:シェル|シェル]]の出力(プロンプト)であり、ユーザが入力する必要はありません。コマンドを実行(commandを入力しEnterキー等を入力)すると、上の例では“output, output”が二行出力されていることを示します。コマンド入力に関しては[[UNIX/Linux入門]]や[[MS-DOS/PC DOS入門]]を参照して下さい。 === Hello, TeX 文書を作ろう === ==== 準備 ==== 日本語を扱った文書を作成する前に、まずは動作確認を含めて英語の文書を作成しましょう。テキストエディタを用いてtest1.texというファイルを作成します。ファイルの内容は以下のようにします。 * 以下の内容に含まれる\は、環境によっては¥([[w:¥記号|円記号]])、あるいは\([[w:バックスラッシュ|バックスラッシュ]])に見えます。 <syntaxhighlight lang=latex line> \documentclass{article} \begin{document} Hello, \TeX \\ Hello, \LaTeX \\ \end{document} </syntaxhighlight> 大文字と小文字は区別されます。大文字は小文字にしないで入力してください。 ==== コンパイル ==== これを保存した上で、以下のようにコマンド<code>latex test1</code>で{{LaTeX}}を実行します。引数には作成した{{LaTeX}}ファイルの拡張子(.texサフィックス)を除いた名前を指定します。すると下記のような出力画面になります。 <syntaxhighlight lang=bash> $ latex test1 Output written on test1.dvi (1 page, 340 bytes). Transcript written on test1.log. </syntaxhighlight> 問題なくコンパイルされると最後の二行が上のようになり(環境によっては出力されるサイズが異なるかもしれません、以下同様です)、text1.dviという''[[w:DVI (ファイルフォーマット)|DVIファイル]]''が作成されます。 ;背景 TeX が誕生した時点では PDF のように便利なファイル形式は存在しなかったため、DVIという独自のファイル形式で出力されます。DVI ファイルを閲覧するには dviout や xdvi, evince などのソフトが必要になります。PC環境にも寄りますが、DVIファイルをダブルクリックまたは実行で、プレビューができます。 作成されたDVIファイルは、[[w:dvipdfmx|dvipdfmx]]で[[w:PDF|PDF]]に変換することが出来ます。PDF化されたドキュメントには、TeX・LaTeXともにロゴに変換された上で、1行目に"Hello, {{TeX}}"、2行目に"Hello, {{LaTeX}}"と表示されます。 ちなみに、lualatex などの比較的最近の latex は dvi を経由せずに直接 pdf ファイルを出力します。 ==== 解説 ==== test1.texファイルと照らし合わせて解説をします。 <syntaxhighlight lang=latex start=2 line>\documentclass{article} </syntaxhighlight> 全てのLaTeXドキュメントは'''\documentclass{...}'''コマンドより始まります。この波括弧内に''クラスファイル''と呼ばれる、文書のレイアウトなどを定義しているファイルを指定します。今回の場合、クラスファイルは'''article'''です。これは短いドキュメントの書式で、論文の記事に類似しています。 <syntaxhighlight lang=latex start=3 line>\begin{document} </syntaxhighlight> '''\begin{...}'''は'''\end{...}'''と対応して使い、''環境''と呼ばれる区切りをあらわします。今回の場合、環境は'''document'''です。これは文書の本文を示す重要な環境で、この中にあるものが出力されます。\begin{document}より前の行を''プリアンブル''と呼びます。 <syntaxhighlight lang=latex start=4 line>Hello, \TeX \\ </syntaxhighlight> 最初の段落で、\に続く'''\TeX'''は''コマンド''と呼ばれ、様々な表現を可能にします。このコマンドは{{TeX}}のロゴ({{TeX}})を表示します。'''\\'''は強制改行をするコマンドです。 <syntaxhighlight lang=latex start=5 line>Hello, \LaTeX \\ </syntaxhighlight> 前の段落で強制改行されているので、行頭は字下げされずに出力されます。'''\LaTeX'''は{{LaTeX}}のロゴ({{LaTeX}})を出力するコマンドです。行末に強制改行のコマンドがあります。 <syntaxhighlight lang=latex start=6 line>\end{document} </syntaxhighlight> 本文の終わりを示します。これ以降は出力されません。 === 日本語の文書を作ってみよう === ==== 準備 ==== 続いて日本語を扱った文書を作成します。日本語を扱うためには pLaTeX /upLaTeXが必要となり、ソースファイルを保存するときは[[w:文字コード|文字コード]]に気をつけなければなりません。まずはソースファイルを保存するときに必要とされる文字コードを調べて見ましょう。以下のコマンドを実行してみてください。 <syntaxhighlight lang=bash> $ uplatex --version e-upTeX 3.14159265-p3.5-u1.11-130605-2.6 (utf8.uptex) (TeX Live 2014) </syntaxhighlight> 出力の最初の行に'''(utf8.uptex)'''と表示されると思います。これは利用した組版ソフト(今回の場合はuplatex)に設定されたソースファイルに使用する文字コードと内部文字コードを示しています。上記の例ではソースファイルに使用する文字コードは[[w:UTF-8|UTF-8]]、内部文字コードはuptexを示しています。 次に以下の内容を、組版ソフトに設定された文字コードと同じになるように、utf8.uptexであればUTF-8で、test2.texとして保存してください。ソースファイルの文字コードが組版ソフトの設定と異なると、出力結果が文字化けを起こすことがあります。 <syntaxhighlight lang="latex">\documentclass{ujarticle} \begin{document} こんにちは、世界。 こんにちは、\TeX。 こんにちは、\LaTeX。 \end{document}</syntaxhighlight> 今回は日本語を扱っているのでクラスファイルには'''ujarticle'''を指定してください。 ==== コンパイル ==== 先ほどと同様にコンパイルしてみましょう。今回は日本語の含まれるソースをコンパイルするので、コマンドにはuplatexを使用します。 <syntaxhighlight lang=bash> $ uplatex test2 Output written on test2.dvi (1 page, 444 bytes). Transcript written on test2.log. </syntaxhighlight> うまくコンパイル出来れば、最後の二行が上のように出力されます。こちらも同様にdvipdfmxでPDFに変換することが出来ます。 ==== 解説 ==== 今回は日本語を含んでいるソースファイルをコンパイルしました。日本語を含む文書作成の際、クラスファイルには'''ujarticle'''や'''ujreport'''などを指定します。 TeXでは一行以上空けない改行は全て無視されます。ですから、DVIファイルの“こんにちは、世界。”と“こんにちは、{{TeX}}。”は同じ行に出力されています。テキストエディタで編集している際、一行が長くなると場合によっては横スクロールが必要となり、見やすさが損なわれるので適度に改行することがあります。 では段落を作りたいときはどうすれば良いのでしょうか。一つは英語だけの文書を作成した際に利用した、'''\\'''コマンドです。しかし先ほど説明したとおり、強制改行の命令なので行頭の字下げは行われません。そこで今回のように、一行空けた改行を行います。こうすることで新たな段落を作ることができるのです。 === コメント === 下記のようなファイルを test3.tex という名前で作ってみましょう。 <syntaxhighlight lang=latex line> % File name: test3.tex \documentclass{article} \begin{document} Hello, \TeX \\ Hello, \LaTeX \\ \end{document} </syntaxhighlight> '''%'''以降は全て''コメント''とみなされ、出力されません。今回はファイル名を明確にするために書いてみました。 コンパイル結果は先ほどの test1.tex とファイル名以外は同じです。(ほぼ同じなので省略します。) === LuaLaTeXを使う === LuaLaTeX などのモダンな {{LaTeX}} エンジンは、DVI ファイルを経由せずに直接 pdf を生成します。 例えば、次のようなファイルを test4.tex という名前で保存してみましょう。<syntaxhighlight lang="latex">\documentclass{jlreq} \begin{document} こんにちは、世界。 こんにちは、\TeX。 こんにちは、\LaTeX。 \end{document}</syntaxhighlight>次のように入力しコンパイルすると、 test4.pdf が作成されます。<syntaxhighlight lang="bash"> lualatex test4 </syntaxhighlight> == 文書構造 == この章ではレポートなどの文書を作成する際に必要となる、表紙や章立ての作成を行います。論文の作成を例に話を進めますが、レポートでも同様に作業を行なうことができます。 === クラスファイルオプション === TeX文書の最初に使用する'''\documentclass{}コマンド'''は、大括弧([と])を用いてオプションを渡すことが出来ます。オプションを指定することで、細かい指定をすることが出来ます。 ==== 準備 ==== 以下の内容をclassoption.texなどとし、保存してください。 <syntaxhighlight lang=latex> % File name: classoption.tex \documentclass[12pt]{ujarticle} \begin{document} こんにちは、世界! \end{document} </syntaxhighlight> 続いて、以下のコマンドでコンパイルします。 <syntaxhighlight lang=bash> $ uplatex classoption </syntaxhighlight> ==== 解説 ==== \documentclassコマンドの中括弧の前に、大括弧でオプションを指定することが出来ます。省略された場合はデフォルトのオプションが実行されることになります。 以下にujarticle.clsで指定できる殆どのオプションを掲載します。カンマで区切っているものは、そのいずれかしか選択できないものです(a4paperとa4jの項目も同時指定不可)。 ; a4paper, a5paper, b4paper, b5paper : それぞれの用紙に設定します。 ; a4j, a5j, b4j, b5j, a4p, a5p, b4p, b5p : より日本語組版の通例にマッチした、本文領域が広めの体裁になるようにマージンを確保します。 ; 10pt, 11pt, 12pt : 基準となるフォントサイズを指定します。 ; landscape : 用紙を横置き(横の長さが長い)に設定します。<ref>ターミナルからdvipdfmxコマンドでPDFを出力した場合、本文記事中で\documentclassコマンドにlandscapeオプションを指定しただけでは横長の用紙設定でPDFが出力されないことがあります。これには2種類の対処方法があります。 * ターミナルからdvipdfmxコマンドを入力する際、-lオプションを指定 * プリアンブルに\AtBeginDvi{\special{landscape}}の一行を追加 なお、本文記事中にlandscapeオプションを指定しないと、用紙は横長だが本文レイアウトが縦長のまま出力されてしまうことに注意してください </ref> ; tombow, tombo :用紙サイズに合わせたトンボを出力します。tomboオプションは作成日時を出力しません。 ; tate :縦書きで組版します。<ref>documentclassにujarticleを指定した場合、不具合が出る場合があります。 : 例)タイトルページを組み込んでも、\authorに縦書き設定が反映されない。 その場合はdocumentclassにutarticleを指定してください。</ref> ; oneside, twoside :片面印刷・両面印刷に適した組版を行うように設定します。 ; onecolumn, twocolumn :本文を二段組にするかのオプションです。 ; titlepage, notitlepage :\maketitleコマンドの出力に1ページ確保するかの設定です。 ; openright, openany :chapterを右ページから行うか、或いは任意であるかのオプションです。 ; leqno, fleqn :leqnoオプションは数式番号を左側へ、fleqnオプションは数式番号を右側へ出力するように設定します。 ; openbib :参考文献リストを各項目ごとに改行する、オープンスタイル書式で出力します。 ; draft, final :draftオプションは、オーバーフルボックスが発生した箇所へ5ptの罫線を引きます。 === プリアンブル === ''プリアンブル''とは、パッケージや独自のマクロを定義する際に用いる場所です。 ''パッケージ''とは、別のTeX文書をプリアンブルへ読み込むことで、初期状態では用意されていないような便利な機能(正確には'''マクロ'''と呼ばれます)を追加することが出来ます。 ''マクロ''とは、今までに紹介した'''\TeXコマンド'''など、一度呼び出すと一連の処理を行うものです。 ==== 準備 ==== まずは以下の内容をpreamble.texなどとし、保存してください。 <syntaxhighlight lang=latex> % File name: preamble.tex \documentclass{ujarticle} % urlパッケージを使う \usepackage{url} % Wikiプロジェクトの名前と、日本語版プロジェクトへのURLを作る \newcommand{\wikiproj}[1]{% Wiki#1 (http://ja.wiki#1.org/)} \begin{document} 日本語版ウィキブックスは\url{http://ja.wikibooks.org/}にあります。 % 出力結果↓ \wikiproj{pedia}, % Wikipedia (http://ja.wikipedia.org/), \wikiproj{books}. % Wikibooks (http://ja.wikibooks.org/). \end{document} </syntaxhighlight> 今まで通りにコンパイルしますが、urlパッケージが無い場合は以下のようなエラーが表示されます。エラーが表示されたら、xを入力してEnterキーを押して終了します。 <syntaxhighlight lang=bash> $ uplatex preamble ! LaTeX Error: File `url.sty' not found. Type X to quit or <RETURN> to proceed, or enter new name. (Default extension: sty) Enter file name: </syntaxhighlight> ==== 解説 ==== '''\usepackage{}コマンド'''は、中括弧に指定されたファイル名に、拡張子が.styのファイルを読み込むコマンドです。'''\newcommandコマンド'''は新たにマクロを定義するコマンドです。 ここではプリアンブルへ\usepackage{}コマンドの書き方を覚えるだけで十分です。\newcommandコマンドに関してはここで理解する必要はありませんので、詳しくは[[#応用]]で説明します。 === 表紙 === 論文では最初のページに、表題や著作者などを記すことが多いと思います。LaTeXでは比較的簡単に作成することが出来ます。 ==== 準備 ==== 下の内容をmaketitle.texなどとし、保存してください。 <syntaxhighlight lang=latex> % File name: maketitle.tex \documentclass{ujarticle} \begin{document} \title{文書のタイトル} \author{名無しの権兵衛} \date{2001年1月15日} \maketitle 本文。 \end{document} </syntaxhighlight> 続いて、以下のコマンドでコンパイルします。 <syntaxhighlight lang=bash> $ uplatex maketitle </syntaxhighlight> ==== 解説 ==== では、この例に出てくる主要なコマンドの解説をします。コマンド名が太字のものは\maketitleを使用する際に必須のコマンドで、省略することはできません。 ; \title{} : 表題を定義するコマンドです。\LARGEサイズ(サイズに関しては後述します)で印刷されます。 ; \author{} : 著者を定義するコマンドです。\Largeサイズで印刷されます。 ; \date{} : 日付を定義するコマンドです。\largeサイズで印刷されます。このコマンドを指定しないと、ujarticleクラスでは“平成13年1月15日”の形で印刷され、日付を出力したくない場合は引数を空にします。例では英語版Wikipediaのプロジェクトが始まった日を西暦で表示します。 ; \maketitle : このコマンドを記述することで、上のコマンドで定義した表紙の要素を印刷します。つまりこのコマンドよりも前に、上のコマンドを記述する必要があります。 \titleと\author、そして\dateコマンドは引数を取るコマンドです。引数は例の通り、''{''と''}''の中括弧で囲みます。例では本文の開始と同じページに表紙を印刷しましたが、1ページ使って表紙を印刷したい場合はクラスファイルオプションにtitlepageを指定します。つまり、\documentclass[titlepage]{ujarticle}と書けばそれだけでいいのです。 === 概要 === ==== 準備 ==== 以下の内容を、abstract.texと保存しましょう。 <syntaxhighlight lang=latex> % File name: abstract.tex \documentclass{ujarticle} \begin{document} \title{概要を表示する} \author{ウィキブックス} \date{\today} \maketitle \begin{abstract} ここに概要を書きます。 \end{abstract} 本文。 \end{document} </syntaxhighlight> ==== 解説 ==== 概要は'''abstract環境'''を用います。環境は、\begin{}コマンドと\end{}コマンドで囲うものですね。abstract環境では“概要”という文字を太字で印刷し、概要の文章の左右に空白を空けて印刷します。jsarticleクラスでは\smallサイズで印刷します。 “概要”という文字を“要約”などに変更したい場合は、[[#応用]]で詳しく説明します。 === 目次 === ==== 準備 ==== 以下の内容を、toc.texと保存しましょう。 <syntaxhighlight lang=latex> % File name: toc.tex \documentclass{ujarticle} \begin{document} \tableofcontents % 以下の \section{}, \subsection{}コマンドについては後述します。 \section{はじめに} \subsection{時代背景} \subsection{著者について} \section{人生について} \subsection{人生とは} \end{document} </syntaxhighlight> '''\tableofcontentsコマンド'''を使用するときは、3回程度はコンパイルします。 <syntaxhighlight lang=bash> $ uplatex toc $ uplatex toc </syntaxhighlight> ==== 解説 ==== \tableofcontentsコマンドでは、コンパイル時に生成される'''.tocファイル'''を基に目次を生成します。この.tocファイルは後述の\sectionコマンドなどの情報を書き出してあるファイルで、初めてのコンパイル作業では.tocファイルがないため、目次は生成されません。 また2回目のコンパイルで目次が挿入されると目次以降の本文がずれてしまい、2回だけでは目次と本文のページ番号が合わない場合がありますので、コンパイルは少なくとも3回程度行なってください。 === 章立て === 論文では複数の“章”や“節”という固まりを作ることになると思います。ここでは、章立ての仕方について解説します。 ==== 準備 ==== 以下の内容を、section.texなどで保存しましょう。 <syntaxhighlight lang=latex> % File name: section.tex \documentclass{ujarticle} \begin{document} \section{はじめに} 第一章です。 \subsection{時代背景} 第一章、第一節です。 \subsection{著者について} 第一章、第二節です。 \section{人生について} \subsection{人生とは} 第二章、第一節です。 \end{document} </syntaxhighlight> 今までと同様にコンパイルしてみましょう。 <syntaxhighlight lang=bash> $ uplatex section </syntaxhighlight> ==== 解説 ==== 上の例では'''\section'''コマンドと'''\subsection'''コマンドのみを使いましたが、同様のコマンドは以下の表の通りです。 {| class="wikitable" |+ '''章立てコマンドの一覧''' |- ! コマンド !! 章節 !! レベル |- | \part{} || 部 || -1 |- | \chapter{} || 章 || 0 |- | \section{} || 節 || 1 |- | \subsection{} || 小節 || 2 |- | \subsubsection{} || 小々節 || 3 |- | \paragraph{} || 段落 || 4 |- | \subparagraph{} || 小段落 || 5 |} ※\chapter{}コマンドはarticle, ujarticleクラスでは使用できません。 章立てコマンドは自動的に章番号をつけ、上位レベルのコマンドを記述すると番号は再び1から始まります。これらのコマンドは、\sectionに続けて\subsubsectionを記述することができますが、文書の論理構造的に正しくないので、\sectionの次は\subsection以上のものを記述するようにしましょう。 章番号を付けずに、目次へ出力しない章を作りたいときはどうすればよいのでしょうか。これは簡単で、それぞれのコマンド名のあとに[[w:アスタリスク|アスタリスク]](半角の*)を付けるだけです。 <syntaxhighlight lang=latex> \section*{前に番号がつかず、目次にも現れない章} </syntaxhighlight> 番号を出力するとともに“章”という文字を出力したりする場合は、[[#応用]]を参照してください。 === 参考文献リスト === (stab) == 書式 == この章では文字列の見た目を変更するコマンドを紹介します。 === サイズ === ==== 例 ==== <syntaxhighlight lang=latex> % File name: fontsize.tex \documentclass{ujarticle} \begin{document} ここは普通の大きさです。 {\small ここは小さい文字になります。} 普通の大きさです。 {\large ここは大きい文字になります。} 普通の大きさです。 {\small 小さい文字の中に、{\large 大きい文字を入れて、}再び小さい文字になります。} \end{document} </syntaxhighlight> ==== 解説 ==== フォントサイズは、サイズを変更したい文字列を中括弧で囲い、最初に変更するコマンドを記述します。中括弧で囲んでいる中に、別の中括弧を含めた場合は最も内側が優先されます。 上記以外のサイズ変更コマンドは以下の表の通りです(ujarticleクラス)。各コマンドにおける実際のフォントサイズは、\documentclassコマンドのオプション等で指定された基準のフォントサイズ(\normalsize)によって異なります。 {| class="wikitable" |+ '''サイズ変更コマンド一覧''' |- ! コマンド ! colspan="3" | ポイント |- | \tiny || 5 || 6 || 6 |- | \scriptsize || 7 || 8 || 8 |- | \footnotesize || 8 || 9 || 10 |- | \small || 9 || 10 || 11 |- | bgcolor="#CCCCCC" | \normalsize | bgcolor="#CCCCCC" | 10 | bgcolor="#CCCCCC" | 11 | bgcolor="#CCCCCC" | 12 |- | \large || 12 || 12 || 14 |- | \Large || 14 || 14 | 17 |- | \LARGE || 17 || 17 || 20 |- | \huge || 20 || 20 || 25 |- | \Huge || 25 || 25 || 25 |} === 書体 === {{LaTeX}}で書体を扱う際、以下の種類に分けることが出来ます。 ; ファミリー(Family) : デザインで分類したもの。いわゆるフォントにほぼ同じです。 ; シリーズ(Series) : 文字の太さを分類したもの。{{TeX}}以外ではウェイトと呼ばれています。 ; シェイプ(Shape) : 見た目の形で分類したもの。斜体やスモールキャップ体などです。 更に記述の方法は、以下の2種類あります。 * 宣言型(Declaration) * コマンド型 宣言型の記述では、中括弧を用いて範囲を指定しない限り最後まで変更されます。 ==== ファミリー ==== <syntaxhighlight lang=latex> % File name: fontfamily.tex \documentclass{ujarticle} \begin{document} Normal. % 宣言型 {\gtfamily Gothic.} {\rm Roman.} % コマンド型 \texttt{Typewriter.} \end{document} </syntaxhighlight> {| class="wikitable" |- ! !! 宣言型 !! コマンド型 |- | 明朝体 || \mcfamily || \textmc |- | ゴシック体 || \gtfamily || \textgt |- | ローマン体 || \rmfamily || \textrm |- | サンセリフ体 || \sffamily || \textsf |- | タイプライタ体 || \ttfamily || \texttt |} ==== シリーズ ==== <syntaxhighlight lang=latex> % File name: fontseries.tex \documentclass{ujarticle} \begin{document} Normal. {\bfseries Bold.} \end{document} </syntaxhighlight> {| class="wikitable" |- ! !! 宣言型 !! コマンド型 |- | ミディアム || \mdseries || \textmd |- | ボールド || \bfseries || \textbf |} ==== シェイプ ==== <syntaxhighlight lang=latex> % File name: fontshape.tex \documentclass{ujarticle} \begin{document} Normal. {\itshape Italic.} {\slshape Slanted.} \end{document} </syntaxhighlight> {| class="wikitable" |- ! !! 宣言型 !! コマンド型 |- | 通常体(Upright) || \upshape || \textup |- | イタリック体(Italic) || \itshape || \textit |- | スモールキャップ体(Small caps) || \scshape || \textsc |- | 斜体(Slanted) || \slshape || \textsl |} イタリック体と斜体の違いですが、イタリック体は通常体を傾けた形でデザインされたものを使用するのに対し、斜体は通常体を無理矢理傾けて使用します。 ==== その他 ==== 宣言型では'''\normalfontコマンド'''、コマンド型では'''\textnormal{}コマンド'''は通常の書体設定(大抵は宣言型記述で、\rmfamily\mdseries\upshape)に戻します。また宣言型記述方法で、タイプライタ体を\ttコマンドで記述できるシステムがありますが、互換性維持のためのコマンドなので上で示したコマンドを使いましょう。 ファミリーとシリーズ、シェイプは以下のように、それぞれを組み合わせることが可能です。同じ種類のコマンドを記述すると最後のものが優先されます。 <syntaxhighlight lang=latex> % File name: fontother.tex \documentclass{ujarticle} \begin{document} Normal. {\ttfamily\bfseries\itshape Typewriter, Bold and Italic.} {\ttfamily\scshape\rmfamily Roman and Small caps.} \end{document} </syntaxhighlight> == 環境 == この章では文書作成の上で有用な環境である、箇条書きを幾つか紹介します。 === 箇条書き === 箇条書きには幾つか種類があります。 * HTMLでは <syntaxhighlight lang=html inline><ul></syntaxhighlight> のような記号に続くリスト('''itemize環境''')。 * HTMLでは <syntaxhighlight lang=html inline><ol></syntaxhighlight> のような数字に続くリスト('''enumerate環境''')。 * HTMLでは <syntaxhighlight lang=html inline><dl></syntaxhighlight> のような任意の言葉に続くリスト('''description環境''')。 箇条書きの構造は、'''\begin{}コマンド'''で見た目を決定する環境を開始し、'''\itemコマンド'''で要素を記述します。 ==== itemize環境 ==== <syntaxhighlight lang=latex> % File name: itemize.tex \documentclass{ujarticle} \begin{document} 以下はWikibooksの姉妹プロジェクトのリストです。 \begin{itemize} \item Wikipedia \item Wiktionary \item Wikiquote \end{itemize} \end{document} </syntaxhighlight> このソースファイルをコンパイルすると、中黒で順序のない箇条書きを作ることが出来ます。またソースファイルでは、LaTeXの構造を分かりやすくするために\itemコマンドの前に半角スペースを2個入れていますが、出力には影響ありません。 ==== enumerate環境 ==== <syntaxhighlight lang=latex> % File name: enumerate.tex \documentclass{ujarticle} \begin{document} Wikiを使うメリットは以下の3点です。 \begin{enumerate} \item インターネット上のどこからでも更新できる。 \item ブラウザだけで作業が出来る。 \item Wikiの文法は覚えやすく、Wiki内のリンクは簡単。 \end{enumerate} \end{document} </syntaxhighlight> このソースファイルをコンパイルすると、算用数字で順序のある箇条書きを作ることが出来ます。 ==== description環境 ==== <syntaxhighlight lang=latex> % File name: description.tex \documentclass{ujarticle} \begin{document} 以下の期日で新年会を行います。 \begin{description} \item[日時] 20xx年1月1日 xx時より \item[場所] 日本語版ウィキブックス、談話室にて \item[会費] ψ0 \end{description} \end{document} </syntaxhighlight> このソースファイルをコンパイルすると、\itemコマンドの直後に[と]で囲んだ文字列が太字で印刷され、定義リストを作ることが出来ます。 === 引用 === 他の文献などから引用する場合に用いるのが'''quote環境'''と'''quotation環境'''です。 <syntaxhighlight lang=latex> % File name: quote.tex \documentclass{ujarticle} \begin{document} 先ずはquote環境を使います。 \begin{quote} 吾輩は猫である。名前はまだ無い。 どこで生れたかとんと見当がつかぬ。 何でも薄暗いじめじめした所でニャーニャー泣いていた事だけは記憶している。 \end{quote} 続いてquotation環境を使います。 \begin{quotation} 吾輩は猫である。名前はまだ無い。 どこで生れたかとんと見当がつかぬ。 何でも薄暗いじめじめした所でニャーニャー泣いていた事だけは記憶している。 \end{quotation} 夏目漱石『吾輩は猫である』より。 \end{document} </syntaxhighlight> ==== quote環境 ==== 引用文中の段落の字下げを行わない引用環境です。短い引用に用いられます。 ==== quotation環境 ==== 引用文中の段落の字下げを行う引用環境です。比較的長い文章を引用する際に用いられます。 === 整形済みテキスト === ==== verbatim環境 ==== begin〜end間のテキストをそのまま出力する環境です。プログラムのソースファイルなどをそのまま載せたいとき、LaTeXの制御文字を連続して使用する場合などに用います。ただし、行頭のタブは無視され、行の途中のタブは半角スペースに置き換えられるので注意してください。 <syntaxhighlight lang=latex> % File name: verbatim.tex \documentclass{ujarticle} \begin{document} \begin{verbatim} !"#$%&'()+*<>?_|~= \end{verbatim} \end{document} </syntaxhighlight> ==== verbatim*環境 ==== verbatim環境とほとんど同じですが、半角スペースがあるところにアキの印が出力されます。 ==== \verbと\verb* ==== verbatim環境は使用すると、整形済みテキストの前に必ず改行されます。これは、文中にちょっとしたものを書きたいときには不便です。\verbを使うことで、文中に整形済みテキストを挿入することができます。使い方は、\verbの後に任意の記号を置き、その後に整形済みテキストを置き、\verbの後に置いた記号をもう一度置きます。\verbの後に置く記号は、整形済みテキストに含まれていないものなら、何でもかまいません。 <syntaxhighlight lang=latex> % File name: verbatim.tex \documentclass{ujarticle} \begin{document} 今日はとても楽しかった\verb+(^_^)+ですね。 \end{document} </syntaxhighlight> == 数式 == TeXは数式の組版に強いと言われます。なぜなら開発者の[[w:ドナルド・クヌース|クヌース]]が自身の著書である[[w:en:The Art of Computer Programming]]を書くときに、当時コンピュータで作った組版状態が綺麗ではなく、自ら満足するソフトを作ったからです。この作ったものこそ、{{TeX}}なのです。 === 数式を使うには === 数式を扱うには大きく分けて二つあります。 * 数式を文中へ埋め込む場合で、'''$'''で挟む方法(textstyle) * 別の段落として数式を印刷する場合で、'''\['''と'''\]'''で囲んだり、'''数式環境'''に入れる方法(displaystyle) 後者はページの中心に数式が印刷されます。また、どちらも専用のフォントで表示されます。 <syntaxhighlight lang=latex> \documentclass{ujarticle} \begin{document} 積分は一般に以下の形で記される。 \[ \int^{b}_{a} f(x) dx \] \end{document} </syntaxhighlight> === 数式モードの基礎 === * 式に含まれる空白は自動的に調節されます * textstyleでは行内に収めるため、圧縮されたような表示になります ** textstyle表示をdisplaystyle表示にしたいときは、'''\displaystyleコマンド'''を用います ==== 数式環境 ==== 文中に数式を挿入する場合は次のいずれかのコマンドで囲みます。 * '''$''' と '''$''' * '''\(''' と '''\)''' 例: <syntaxhighlight lang=latex> \( 数式 \) </syntaxhighlight> 文中に入れるのではなく、数式として独立させたい場合は、'''eqnarray環境'''を用います。 <syntaxhighlight lang=latex> \begin{eqnarray} 数式 \\ 数式 \\ 数式 \end{eqnarray} </syntaxhighlight> eqnarray環境では1行ごとに番号が付加されます。必要ない場合は'''eqnarray*環境'''を用います。 ==== 四則演算 ==== 足し算(+)と引き算(-)は何も考えずに表示できます。 <syntaxhighlight lang=latex> \[ 4 + 5 - 2 = 7 \] </syntaxhighlight> 掛け算(<math>\times</math>)と割り算(<math>\div</math>)は、それぞれ'''\timesコマンド'''、'''\divコマンド'''を用います。 <syntaxhighlight lang=latex> \[ 4 \times 5 \div 2 = 10 \] </syntaxhighlight> ==== 分数 ==== '''\fracコマンド'''を用います。最初の引数で分子を指定し、次の引数で分母を指定します。 <syntaxhighlight lang=latex> \begin{eqnarray*} \frac{1}{2} + \frac{1}{3} &=& \frac{3}{6} + \frac{2}{6} \\ &=& \frac{3 + 2}{6} \\ &=& \frac{5}{6} \end{eqnarray*} </syntaxhighlight> ※注:この例では見やすくするため半角スペースを用いて = の位置を揃えていますが、実際の処理では & を用いた位置で揃えられます。 ==== 平方根 ==== '''\sqrtコマンド'''を用います。 <syntaxhighlight lang=latex> \[ \sqrt{4} = 2 \] </syntaxhighlight> 3乗根や5乗根を表現したいときは、コマンド名の直後に角括弧([と])で数字を囲みます。 <syntaxhighlight lang=latex> \[ \sqrt[3]{8} = 2 \] </syntaxhighlight> ==== べき乗 ==== '''^'''を用います。 <syntaxhighlight lang=latex> \begin{eqnarray*} 2^{3} &=& 2 \times 2 \times 2 \\ &=& 8 \end{eqnarray*} </syntaxhighlight> ^の後が一文字だけであれば{}で囲む必要はありませんが、複数文字で表現したいときに忘れることがあるので、出来る限り{}で囲むようにしましょう。 ==== 数列 ==== 数列の添え字は'''_'''を用います。これも{}を付けない場合、続く1文字だけが添字だと解釈されます。 <syntaxhighlight lang=latex> \begin{eqnarray*} a_{n + 1} = a_{n} + 4 \end{eqnarray*} </syntaxhighlight> = === 和(シグマ)、極限、積分 ==== 和は'''\sumコマンド'''、極限は'''\limコマンド'''、積分は'''\intコマンド'''を用います。 <syntaxhighlight lang=latex> \begin{eqnarray*} \sum_{k = 0}^{10} k \\ \lim_{x \to \infty} f(x) \\ \int^{b}_{a} f(x) dx \end{eqnarray*} </syntaxhighlight> それぞれ記号の上下に範囲を印刷しますが、べき乗と数列で扱った'''^'''と'''_'''を用いて表現します。 ==== 関数名 ==== 数学にはsinやcosなど、名前のついた関数がありますが、これらをそのまま<code>sin x</code>のように書いてしまうと、s×i×n×xのように解釈されてしまうため文字が斜体となりきれいに表示されません。有名な関数は'''<code>\sin</code>'''のように、コマンドになっています。 <syntaxhighlight lang=latex> \sin^2 x + \cos^2 x = 1 </syntaxhighlight> また、modについては、二項演算子として使う'''<code>\bmod</code>'''と、カッコつきの'''<code>\pmod</code>'''があります。 <syntaxhighlight lang=latex> \begin{eqnarray*} a \bmod b = 2 \\ a \equiv b \pmod{3} \end{eqnarray*} </syntaxhighlight> ただし一部の関数はコマンドになっておらず、そう言った場合は<code>\mathrm</code>を用いて斜体を解除する必要があります。[[w:sinc関数|sinc関数]]を例にすると<code>\mathrm{sinc}(n \pi)</code>とすると、<math>\mathrm{sinc}(n \pi)</math>のように表示されます。ちなみに、<code>\mathrm</code>は、数式環境用の<code>\textrm</code>です。 これを応用して、数式環境で単位を表示させたいときにも<code>$f_{s}=4\mathrm{kHz}$</code>(textstyleの書き方)のように書くことができます。 ==== 特殊記号 ==== 数式にはいろんな記号が登場します。これらは、専用の命令で呼び出せます。日本語のフォントにあるからと言って、それを直接数式モードで使わないようにしましょう。環境によってはエラーになりますし、スペースの配分がうまくいかなくなる原因にもなります。 {| class="wikitable" |+ 特殊記号 ! 記法 !! 結果 |- | <code>\alpha \beta \gamma \delta</code> || <math>\alpha \beta \gamma \delta</math> |- | <code>\Delta \Lambda \Psi \Omega</code> || <math>\Delta \Lambda \Psi \Omega</math> |- | <code>= \neq &lt; &gt; \leq \geq \equiv</code> || <math>= \neq < > \leq \geq \equiv</math> |- | <code>\cap \cup \in \ni \forall \exists</code> || <math>\cap \cup \in \ni \forall \exists</math> |- | <code>\nabla \partial \infty</code> || <math>\nabla \partial \infty</math> |} == BibTeX == BibTeXは、{{LaTeX}}での文献管理のためのツールであり、論文やレポートの参考文献を適切なフォーマットで引用することができる。BibTeXは、<code>.bib</code>にある文献情報を参照し出力する。例えば、<code>references.bib</code>に次のように書く: <syntaxhighlight lang="bibtex">@article{Einstein1905, author = {Einstein, A.}, title = {Zur Elektrodynamik bewegter K\"{o}rper}, journal = {Annalen der Physik}, volume = {322}, number = {10}, pages = {891-921}, year = {1905} }</syntaxhighlight><code>Einstein1905</code>という部分は文献の参照のためのキーであり、任意の文字列を設定できるが、ファイル内で一意な文字列でなくてはならない。また、<code>.bib</code>ファイルは直接入力してもいいが、[https://ndlsearch.ndl.go.jp/ 国立国会図書館サーチ]や[https://www.jstage.jst.go.jp/browse/-char/ja J-STAGE]、[https://cir.nii.ac.jp/ CiNii]、大学図書館の蔵書検索システムなどで、文献情報をBibTeX形式で出力することもできる。文献を引用する場合は、{{LaTeX}} の本文中に次のように書く。 <syntaxhighlight lang="latex"> Einsteinが1905年に発表した論文 \cite{Einstein1905} では、電磁気学と力学の統一的な理論としての特殊相対性理論が提唱された。 </syntaxhighlight> また、本文の最後に次のように書く。<syntaxhighlight lang="latex">\bibliographystyle{jplain} %参考文献の引用形式 \bibliography{references} %references.bib を参照する</syntaxhighlight>コンパイルする際には、{{LaTeX}}, BibTeX, {{LaTeX}}, {{LaTeX}} の順番にコンパイルする。BibTeXの実行は、{{LaTeX}}ファイルが<code>main.tex</code>ならば、コマンドラインで<syntaxhighlight lang="bash"> pbibtex main </syntaxhighlight> と入力する。 ==Beamer== [[w:Beamer|Beamer]](ビーマー)は LATEX に基づくプレゼンテーションソフトウェアであり、組み込みの各種スタイルや各種色使いが用意されている。documentclassは<code>\documentclass[dvipdfmx,10pt]{beamer}</code>のようになる。CTAN上で配布されている'''beamerposter.sty'''と組み合わせることでポスターの作成にも使える。印刷に適した「配布資料」作成機能も持つ。例えば、Beamerで作成したpresentation.pdfの配布資料(縦2枚、横2枚)を作りたい場合は、 <syntaxhighlight lang=latex> \documentclass[a4paper,landscape]{article} \usepackage{pdfpages} \begin{document} \includepdf[pages=1-last,nup=2x2]{presentation.pdf} \end{document} </syntaxhighlight> とする。コンパイルオプションはpdflatexにする。 == 小説の組版 == {{LaTeX}}エンジンは<span style="font-family:serif">Lua</span>{{LaTeX}}、文書クラスはjlreqを使用するものとする。文庫本サイズの小説を書く場合、次のようにする。 <syntaxhighlight lang="latex">\documentclass[book, paper=a6,%A6判(文庫本) tate,%縦組み jafontsize=12Q,%文字サイズ number_of_lines=17,%一ページあたりの行数 line_length=40zw,%一行あたりの文字数 hanging_punctuation,%ぶら下げ組み open_bracket_pos=nibu_tentsuki,%段落初めの初め括弧を二分アキ、折り返し行頭での初め括弧を天付きとする。 ]{jlreq} \usepackage{luatexja-ruby} \usepackage{titling} \NewPageStyle{mybook}{ running_head_position=top-left, running_head_font=\footnotesize, nombre_position=top-left, odd_running_head=\thetitle } \pagestyle{mybook} \newcommand{\bouten}[1]{\kenten[kenten=﹅,size=0.4]{#1}} \def\――{―\kern-.5\zw―\kern-.5\zw―} \begin{document} \title{蟹工船} \author{小林多喜二} \section*{一} 「おい地獄さ\ruby{行}{え}ぐんだで!」 二人はデッキの手すりに寄りかかって、\ruby{蝸牛}{かたつむり}が背のびをしたように延びて、海を\ruby{抱}{かか}え込んでいる\ruby{函館}{はこだて}の街を見ていた。\――漁夫は指元まで吸いつくした\ruby{煙草}{たばこ}を\ruby{唾}{つば}と一緒に捨てた。巻煙草はおどけたように、色々にひっくりかえって、高い\ruby{船腹}{サイド}をすれずれに落ちて行った。彼は\ruby{身体}{からだ}一杯酒臭かった。 \end{document}</syntaxhighlight>2段組みにする場合は、jlreqのオプションに<code>twocolumn</code>を追加する。判型はa0~a10、b0~b10等を指定できる。B列にはISOとJISの二種類があるが、jlreqでは日本で主流のJIS B列<ref>A列は、A0を面積が 1 m<sup>2</sup> で縦横比が <math>\sqrt{2}</math> の大きさのものとして、A0の半分の面積のものをA1というように順次定めたものである(長辺を半分にするように切れば短辺:長辺=<math>1:\sqrt{2} = \frac{\sqrt{2}}{2}:1</math> となるから縦横比は変わらない)。B列でも縦横比は <math>\sqrt{2}</math> である。ISO B列では、B0の面積は <math>\sqrt{2} \, \rm{m^2}</math> と定められているから、A列の間をちょうど補完する大きさになっている。対して、JIS B列では、B0 の面積が 1.5 m<sup>2</sup> となっているから、ISO B列よりも6%大きいものになる。</ref>となる。 ルビは、<code>\ruby{蝸牛}{かたつむり}</code> というように書く。 圏点は、 <code>\kenten{へさき}</code> で指定する。デフォルトでは圏点が黒点となる。圏点として黒ゴマを使うには、<code>\kenten[kenten=﹅,size=0.4]{へさき}</code> と書く。上の例ではプリアンブルで黒ゴマ圏点用に、<code>\bouten</code> を定義した。 また、原稿が {{LaTeX}} を前提に書かれていない場合、原稿をそのまま{{LaTeX}}でコンパイルしても正しく出力されない。例えば、{{LaTeX}}では改段落には空行が必要だが、原稿でそのように書かれていない場合、改行を意図して入れた改行でも出力では改行されないことになる。このような場合は、原稿を<code>原稿.txt</code>と保存し、コマンドライン上で、 <syntaxhighlight lang="bash">perl -pi -e 's/\n/\n\n/g' 原稿.txt</syntaxhighlight> と実行する。あるいは、Vimで<syntaxhighlight lang="vim"> :%s/$/\r/ </syntaxhighlight>のコマンドを実行してもいい。他にも、Visual Studio Codeなど正規表現が利用できるテキストエディタなら同様の置換をすることができる。 == 応用 == === 他のファイルを読み込む === 例えば大きな文書を作成しているときや、共通する部分を持つ文書を作成するとき、一つのLaTeX文書を複数に分割することで編集作業や再利用が容易になります。 <syntaxhighlight lang=latex> % --- article.tex --- \documentclass{ujarticle} \begin{document} \include{title} \include{body} \end{document} % --- title.tex --- \title{文書のタイトル} \author{名無しの権兵衛} \maketitle % --- body.tex --- \section{はじめに} ファイルを分割してみました! </syntaxhighlight> '''include{}コマンド'''を利用することで、指定したファイルをその位置に読み込みます。従って、読み込まれるファイルでは\documentclassコマンドなどを記述する必要はありません。 コンパイルするときは大元の文書ファイルを指定します。他のファイルは自動的に読み込まれます。 <syntaxhighlight lang=bash> $ uplatex article </syntaxhighlight> === ラベルの変更 === ==== 準備 ==== この本は入門なので、簡単に変更できるような方法を紹介します。そのためにjsarticleドキュメントクラスを導入しましょう。 jsarticleドキュメントクラスは[[w:奥村晴彦|奥村晴彦]]が作成した新ドキュメントクラスで、フォントサイズがujarticleに比べて多く用意されていたり、\sectionコマンドのラベルを容易に変更できるようになっています。 jsarticleドキュメントクラスの導入は[https://oku.edu.mie-u.ac.jp/~okumura/jsclasses/ jsarticleのサポートサイト]に載っているので、そちらを参照してください。 ==== 解説 ==== 例えば\sectionの出力を“第1章 はじめに”のようにしたい場合は、[[#プリアンブル]]へ以下の記述をします。 <syntaxhighlight lang=latex> \documentclass[uplatex]{jsarticle} % 以下2行が章のラベルを書き換える \renewcommand{\presectionname}{第} \renewcommand{\postsectionname}{章} \begin{document} \section{はじめに} \end{document} </syntaxhighlight> ujarticleでも以下で紹介する殆どを変更できますが、jsarticleを用いれば\sectionコマンドの出力も変更できます。 {| class="wikitable" |+ '''変更可能ラベル一覧 |- ! 変数 !! コマンド !! 初期値 |- | \prepartname | rowspan="2" | \part || 第 |- | \postpartname || 部 |- | \prechaptername | rowspan="2" | \chapter(book系のみ) | 第 |- | \postchaptername || 章 |- | \presectionname | rowspan="2" | \section | |- | \postsectionname | |- | \contentsname | \tableofcontents || 目次 |- | \listfigurename || \listoffigures || 図目次 |- | \listtablename || \listoftables || 表目次 |- | \refname || \thebibliography(book系以外) || 参考文献 |- | \bibname || \thebibliography(book系) || 参考文献 |- | \indexname || \theindex環境 || 索引 |- | \figurename || \label || 図 |- | \tablename || \label || 表 |- | \appendixname || \appendix || 付録 |- | \abstractname || abstract環境(book系以外) || 概要 |} === マクロ === '''\newcommandコマンド'''は[[w:マクロ_(コンピュータ用語)|マクロ]]を定義するコマンドで、以下のような形式を取ります。 \newcommand{\定義したいコマンド名}{コマンドなど} マクロは定義した名前を呼ぶことで、一連の手続きを手軽に扱うことができます。これにより、煩雑なコマンドも独自のマクロで容易に扱えるようになります。 ==== 簡単なマクロ ==== [[#プリアンブル]]に例があります。 == 脚注 == <references /> ==外部リンク== *[https://texwiki.texjp.org/ TeX Wiki] *[https://www.math.sci.hokudai.ac.jp/~abenori/tex/ TeXの話] *[https://ctan.org/?lang=en CTAN Comprehensive TeX Archive Network] *[https://www.slideshare.net/ssuser4ebddd/cloudlatex Cloudlatex講習] *[https://doratex.hatenablog.jp/entry/20131203/1386068127 TeXによる化学組版] *[https://www.math.sci.hokudai.ac.jp/~abenori/soft/abtexinst.html TeXインストーラ3] ===Beamer関連=== *[http://www.ms.u-tokyo.ac.jp/~tado/beamer/ LaTeX Beamer 入門]<!--リンク切れ--> *[http://www.ms.u-tokyo.ac.jp/~tado/beamer/poster.html Beamer ポスター入門]<!--リンク切れ--> *[https://termoshtt.hatenablog.com/entry/2014/02/17/235005 Beamerによる発表小技集] *[http://math.shinshu-u.ac.jp/~hanaki/beamer/beamer.html Beamerの基本的な使い方サンプル] ==参考文献== *[[奥村晴彦]]、[[黒木裕介]]『[改訂第7版]LATEX2ε美文書作成入門』技術評論社、2017年1月、ISBN 978-4-7741-8705-1 {{stub|it}} {{DEFAULTSORT:TeX/LaTeXにゆうもん}} [[Category:ソフトウェアのマニュアル]] [[Category:マークアップ言語]] {{NDC|007.63}} 4bl6tzsj9y5iioxp21c6cp1zq6vpept スポーツ 0 3069 276325 274794 2025-06-28T15:39:29Z 鍼灸 84326 276325 wikitext text/x-wiki [[メインページ]] > '''スポーツ''' {{NDC|780|すほおつ}} {| style="float:right" |- |{{Wikipedia|スポーツ|スポーツ}} |- |{{Wikinews|スポーツ|Category:スポーツ|カテゴリ}} |- |{{蔵書一覧}} |- |{{進捗状況}} |} ;アウトドアスポーツ [[登山]] - [[ゴルフ]] - [[ロッククライミング]]([[ボルタリング]])- [[グライダー]] - [[パラグライダー]] - [[パラシューティング]] - [[フライングディスク]]<br>[[スカイダイビング]] - [[パラセイリング]] - [[釣り]] - [[サーフィン]] - [[ボディーボード]] - [[ウィンドサーフィン]] - [[スクーバダイビング]] - [[水上スキー]] - [[ウェイクボード]] - [[マウンテンボード]] - [[ライフセービング]] - [[ウェイクスケート]] - [[スキムボード]] - [[カイトボード]] - [[ウェイクサーフィン]] ;アニマルスポーツ [[競馬]] - [[馬術]] - [[ポロ]] - [[闘牛]] - [[闘犬]] - [[闘鶏]] ;格闘技、武術 [[相撲]] - [[柔術]] - [[柔道]] - [[空手道]] - [[テコンドー]] - [[合気道]] - [[剣道]] - [[剣術]] - [[居合道]] - [[居合術]] - [[杖道]] - [[杖術]] - [[短剣術]] - [[短剣道]] - [[銃剣道]] - [[銃剣術]] - [[なぎなた]] - [[少林寺拳法]] - [[日本拳法]] - [[レスリング]] - [[総合格闘技]] - [[ボクシング]] - [[スポーツチャンバラ]] - [[フェンシング]] - [[棒術]] - [[棒道]] - [[槍道]] - [[槍術]] - [[斧道]] - [[斧術]] - [[抜刀術]] - [[抜刀道]] - [[キックボクシング]] - [[太極拳]] - [[八極拳]] - [[少林拳]] - [[形意拳]] - [[心意六合拳]] - [[八卦掌]] - [[詠春拳]] - [[カポエイラ]] - [[躰道]] - [[サンボ]] - [[システマ]] - [[ボビナム]] - [[シュートボクシング]] - [[ムエタイ]] - [[截拳道]] - [[刀道]] - [[ブフ]] - [[ヤールギュレシ]] - [[散打]] - [[シュアイジャオ]] - [[新体道]] - [[太気拳]] - [[ブラジリアン柔術]] - [[ヨーロピアン柔術]] - [[骨法]] - [[カラリパヤット]] - [[クシュティー]] - [[シラット]] - [[エスクリマ]] - [[シルム]] - [[ラウェイ]] - [[グリマ]] - [[クラッシュ]] - [[クロシュ]] - [[ブノ]] - [[ヴァット]] - [[ペルワニ]] - [[ボリ・ケラ]] - [[カウンラバタ]] - [[ルチャ・リブレ]] - [[ルタ・リーブリ]] - [[ランゲルン]] - [[シュヴィンゲン]] - [[ルチャ・カナリア]] - [[キャッチ・アズ・キャッチ・キャン]] - [[チダオバ]] - [[ルッテ・トラディショナル]] - [[リバンダ]] - [[セネガル相撲]] - [[モラング]] ;極限スポーツ [[バンジージャンプ]] - [[ロッククライミング]] - [[スケートボード]] - [[スノーボード]] ;混合競技 [[近代五種競技]] - [[トライアスロン]] ;自転車競技 [[競輪]] - [[マウンテンバイク]] - [[サイクリング]] - [[一輪車]] ;射的競技 [[射撃]] - [[ライフル射撃]] - [[クレー射撃]] - [[ピストル射撃]] - [[ベンチレスト射撃]] - [[アーチェリー]] - [[弓道]] - [[弓術]] - [[クロスボウ射撃]] - [[スリングショット]] - [[ゴルフ]] - [[スポーツ吹矢]] - [[ボウリング]] - [[ダーツ]] - [[グラウンド・ゴルフ]] - [[パークゴルフ]] - [[マレットゴルフ]] - [[ディスクゴルフ]] ;水上競技 [[セーリング]] - [[水泳]] - [[競泳]] - [[アースティックスイミング]] - [[水球]] - [[飛込競技]] - [[ボート]] - [[ヨット]] - [[競艇]] - [[カヌー]] - [[カヤック]] - [[ドラゴンボート]] ;スキー競技 [[アルペンスキー]] - [[ノルディックスキー]] - [[スキージャンプ]] - [[クロスカントリースキー]] - [[フリースタイルスキー]] [[バックカントリースキー]] - [[モーグル]] - [[エアリアル]] - [[スノーボード]] - [[バイアスロン]] - [[ローラースキー]] ;スケート競技 [[スピードスケート]] - [[ショートトラックスピードスケート|ショートトラック]] - [[フィギュアスケート]] - [[スケートボード]] - [[ローラースケート]] - [[カーリング]] - [[インラインスケート]] - [[キックスケーター]] ;ソリ競技 [[スケルトン]] - [[リュージュ]] - [[ボブスレー]] ;体操 [[体操競技]] - [[新体操]] - [[エアロビクス]] - [[トランポリン]] - [[ラート]] ;団体競技 [[アイスホッケー]] - [[アメリカンフットボール]] - [[アルティメット]] - [[インラインホッケー]] - [[エイトマン]] - [[オーストラリアンフットボール]] - [[カナディアンフットボール]] - [[カバディ]] - [[キンボール]] - [[クリケット]] - [[ゲートボール]] - [[ゲーリックフットボール]] - [[サッカー]] - [[サバイバルゲーム]] - [[水球]] - [[3x3]] - [[セパタクロー]] - [[ソサイチ]] - [[ソフトボール]] - [[ティーボール]] - [[ドッジボール]] - [[ハーリング]] - [[バスケットボール]] - [[バレーボール]] - [[ハンドボール]] - [[ビーチバレー]] - [[フィールドホッケー]] - [[4v4]] - [[フットサル]] - [[フニーニョ]] - [[フライングディスク]] - [[ポートボール]] - [[野球]] - [[ラグビー]] {{進捗|25%|2007-03-30}} - [[ラクロス]] - [[ローラーホッケー]] ;パワースポーツ [[ボディービル]] - [[パワーリフティング]] - [[重量挙げ]] ;マインドスポーツ [[コントラクトブリッジ]] - [[チェス]] - [[チェッカー]] - [[ポーカー]] - [[囲碁]] - [[麻雀]] - [[将棋]] - [[シャンチー]] - [[競技かるた]] - [[バックギャモン]] - [[チャンギ]] - [[チャトランガ]] - [[チャトラジ]] ;モータースポーツ *[[自動車競技]] **[[ジムカーナ]] **[[ダートトライアル]] **[[ラリー]] *[[オートバイ競技]] **[[オートレース]] **[[ロードレース]] **[[モトクロス]] **[[トライアル]] **[[スーパーモタード]] **[[エンデューロ]] **[[スピードウェイ]] *[[モーターボート競走]] **[[パワーボート]] ***[[競艇]] *[[ジェットスポーツ]] *[[航空レース]] ;ラケット競技 [[バドミントン]] - [[テニス]] - [[ソフトテニス]] - [[卓球]]{{進捗|50%|2025-04-22}} - [[スカッシュ]] ;陸上競技 [[競走]] - [[跳躍競技]] - [[投てき競技]] ;ダンス [[競技ダンス|ダンススポーツ]] - [[バレエ]] - [[メヌエット]] - [[ワルツ]] - [[フラメンコ]] - [[タンゴ]] - [[サルサ]] - [[サンバ]] - [[マンボ]] - [[ルンバ]] - [[フラダンス]] - [[チアリーディング]] - [[チアダンス]] - [[フォークダンス]] - [[バトントワリング]] - [[ストリートダンス]] ;屋内スポーツ [[ボウリング]] - [[ビリヤード]] - [[スヌーカー]] ;その他 [[スポーツスタッキング]] - [[アームレスリング]] [[Category:スポーツ|*]] [[de:Regal:Sport]] [[en:Wikibooks:Games and athletics bookshelf]] [[fr:Sport]] jzxj4xjofyl3deatsqjsxaqsq1qbcmn Vi 0 3281 276341 224742 2025-06-28T15:47:15Z Tomzo 248 /* viクローンにおける付加機能 */ 276341 wikitext text/x-wiki {{Pathnav|情報技術}} ---- ==概要== [[w:vi|vi]]は、[[w:ビル・ジョイ|ビル・ジョイ]]によってexというラインエディタの改良版として作られました。ラインエディタのexに対して、viはスクリーン全体を使って編集が可能であり、様々な機能を持っていました。 現在では、純粋なviはほとんど使われておらず、代わりにviと同じ機能を持ち、さらに拡張されたviクローンが主流となっています。viクローンには、[[w:nvi|nvi]]、[[w:vim|vim]]、[[w:elvis|elvis]]、どがあり、各種Unix、Unix互換OS上の多くに標準搭載されています。 かつては、Xが動いていないUnixで用いられるエディタは、viかEmacsでした。これらは動作が異なっており、どちらが優れているかが論争の的となっていました。少なくとも初期のviと比較すれば、Emacsの機能は非常に豊富であり、起動の速度、移植性などの問題を除けば、Emacsの方が高機能でした。しかしながら、現在のviクローンは初期のviと比べてかなり機能が拡張されており、実用上では機能上の差異は感じられなくなっています。 その後、X Window System の普及で[[w:gedit]]や[[w:kedit]]といったX上のエディタを利用することが一般的となっており、viやEmacsの重要性は薄れつつあります。 現在、Visual Studio Codeなど、viやEmacsの機能を凌駕する新しいエディタが登場しています。 さらに、多くのプラットフォームで利用でき、さまざまな言語をサポートしているため、多くの開発者が愛用するエディタとなっています。 しかし、viやviクローンは、[[OSS開発ツール]]としては、特にUnixやUnixクローンでの開発作業に欠かせないツールとして、今でも多くのユーザーに親しまれています。 ==viにおけるモード== viは通常のエディタと異なり、複数のモードを切り替えて編集を行います。 まず、コマンドモードでは、キー操作によってテキストの移動、コピー、ペースト、削除などができます。一方、入力モードでは、打鍵したキーがそのままテキストに入力されます。 通常、viを起動するとコマンドモードになるため、文字列を入力する場合は入力モードに移行する必要があります。 これらのモード間の切り替えは、いくつかのキー操作で行うことができます。また、入力モードに移行する最も基本的なコマンドは「i」です。 一方、入力モードからコマンドモードに移行するには、EscキーまたはCtrl + cを使います。 viにおいて、文字入力以外の操作はすべてコマンドモードで行います。次の章では、Viにおけるコマンドモードの動作について詳しく説明します。 ==モードとコマンド== ここでは、Viのモードと最もよく使われるコマンドを紹介します。 *コマンドモード:Viを開いたときのデフォルトのモードです。このモードを使用して、ナビゲート、検索、コマンドを実行します。他のモードからコマンドモードに戻るには、Escキーを押します。 *挿入モード:文書にテキストを挿入するためのモードです。iキーを押すと、挿入モードになります。 *ビジュアルモード:このモードでは、テキストを選択することができます。vを押してビジュアルモードに移行します。 ;ナビゲーション * h: カーソルを1文字分左に移動します。 * j: カーソルを1行下に移動します。 * k: カーソルを1行上に移動します。 * l: カーソルを1文字分右に移動します。 * 0: カーソルを行頭に移動します。 * $: カーソルを行末に移動します。 * G:カーソルを文書の末尾に移動する。 * gg: カーソルをドキュメントの先頭に移動します。 * Ctrl-f:カーソルを1ページ前に移動します。 * Ctrl-b:カーソルを1ページ後ろに移動します。 * w: カーソルを1語前に移動します。 * b: カーソルを1語後ろに移動します。 * /text}:文書中の{text}を検索します。 * n: 検索語の次の語句に移動する。 * N: 検索語の前の語句に移動する。 ;編集 * i:現在のカーソル位置でインサートモードに入る。 * a: 現在のカーソル位置の後に挿入モードを開始する。 * O: 現在の行の下にある新しい行に挿入モードを開始する。 * O: 現在の行の上にある新しい行に挿入モードを開始する。 * x: カーソルの下の文字を削除する。 * dd: 現在の行を削除する。 * yy: 現在の行をコピーする。 * p: 最近コピーまたは削除されたテキストを現在のカーソル位置の後に貼り付ける。 * u: 直前のコマンドを取り消す。 * Ctrl-r: 最後に取り消したコマンドをやり直します。 * w: ドキュメントを保存します。 * q:Viを終了します。 * q!:変更を保存せずにViを終了します。 ;高度な編集 * r:カーソル下の文字を入力された次の文字に置き換えます。 * S:カーソル下の文字を入力された次の文字に置き換え、挿入モードに入ります。 * J:現在の行と次の行を結合します。 * Ctrl-v: ビジュアルブロックモードに入り、長方形のテキストブロックを選択します。 * y: 選択されたテキストをコピーします。 * d: 選択されたテキストを削除します。 * c: 選択されたテキストを削除し、挿入モードに入ります。 ;その他 * .: 直前のコマンドを繰り返す。 * ~:カーソルの下にある文字の大文字と小文字を変更する。 * %:カーソルを一致する括弧または括弧に移動します。 * :set nu: ドキュメントに行番号を表示します。 * :set nonu:文書中の行番号を非表示にします。 ==viクローンにおける付加機能== [[en:Learning the vi Editor]] [[fr:Vi]] [[it:Vi]] [[pt:Vim]] {{stub|it}} [[Category:ソフトウェアのマニュアル]] {{NDC|007.63}} dt77hysxvabiqwefz6nt64xmai0ffec 経済法 0 4142 276308 210057 2025-06-28T14:13:00Z Tomzo 248 276308 wikitext text/x-wiki [[法学]] > [[経済法]] ==経済法とは== {{wikipedia|経済法}} 経済法とは、経済活動を規律する法律群のことである。 ===経済法小史=== == 経済法の教科書 == *[[独占禁止法]] *[[不正競争防止法]] *[[金融商品取引法]] {{stub|law}} [[Category:法学の書庫|けいさいほう]] [[category:経済法|*]] 8o0m2gt10f2huv2jcqrgv53iyieb068 会社法第134条 0 5919 276393 231788 2025-06-29T06:22:26Z ~2025-93424 88285 /* 解説 */誤字修正 276393 wikitext text/x-wiki [[法学]]>[[民事法]]>[[商法]]>[[コンメンタール会社法]]>[[第2編 株式会社 (コンメンタール会社法)|第2編 株式会社]] >[[第2編第2章 株式 (コンメンタール会社法)|第2章 株式]] ==条文== 【株主の請求による株主名簿記載事項の記載又は記録】 ;第134条 :[[会社法第133条|前条]]の規定は、株式取得者が取得した[[株式]]が[[譲渡制限株式]]である場合には、適用しない。ただし、次のいずれかに該当する場合は、この限りでない。 :# 当該株式取得者が当該譲渡制限株式を取得することについて[[会社法第136条|第136条]]の承認を受けていること。 :# 当該株式取得者が当該譲渡制限株式を取得したことについて[[会社法第137条|第137条]]第1項の承認を受けていること。 :# 当該株式取得者が[[会社法第140条|第140条]]第4項に規定する指定買取人であること。 :# 当該株式取得者が相続その他の一般承継により譲渡制限株式を取得した者であること。 ==解説== :株式取得者が取得した株式が譲渡制限株式である場合、名義書換請求の前に、会社による[[第2編第2章 株式 (コンメンタール会社法)#3-2|株式の譲渡に係る承認手続]]を経ることを要するため、[[会社法第133条|前条]]は適用されず、株式取得者の請求のみで名義書き換えはなされない。 :本条第1号から第3号は、譲渡承認手続き完了後の処理である。 :ただし、相続や会社の合併など一般承継による、譲渡制限株式の譲渡は承認手続きを要さない。 ==関連条文== *[[会社法第136条|第136条]](株主からの承認の請求) *[[会社法第137条|第137条]](株式取得者からの承認の請求) *[[会社法第137条|第137条]](株式会社又は指定買取人による買取り) ---- {{前後 |[[コンメンタール会社法|会社法]] |[[第2編 株式会社 (コンメンタール会社法)|第2編 株式会社]]<br> [[第2編第2章 株式 (コンメンタール会社法)|第2章 株式 ]]<br> [[第2編第2章 株式 (コンメンタール会社法)#3|第3節 株式の譲渡等]]<br> [[第2編第2章 株式 (コンメンタール会社法)#3-1|第1款 株式の譲渡]] |[[会社法第133条]]<br>(株主の請求による株主名簿記載事項の記載又は記録) |[[会社法第135条]]<br>(親会社株式の取得の禁止) }} {{stub|law}} [[category:会社法|134]] 81bbgxgyjcxexepwu6q3da2v3fifu1a 初級システムアドミニストレータ 0 6637 276378 158621 2025-06-28T22:55:32Z Tomzo 248 /* 関連項目 */ 276378 wikitext text/x-wiki {{wikipedia}} * [[情報技術]] > [[情報技術#情報処理技術者試験|情報処理技術者試験]] > '''初級システムアドミニストレータ''' [[w:初級システムアドミニストレータ|初級システムアドミニストレータ]]の試験対策ページです(初級システムアドミニストレータは2009年度の春季試験を以て終了しています)。 #[[初級システムアドミニストレータ/基礎知識|基礎知識]] #[[初級システムアドミニストレータ/コンピュータシステム|コンピュータシステム]] #[[初級システムアドミニストレータ/システムの開発と運用|システムの開発と運用]] #[[初級システムアドミニストレータ/表計算ソフト|表計算ソフト]] #[[初級システムアドミニストレータ/データベース|データベース]] #[[初級システムアドミニストレータ/通信ネットワーク|通信ネットワーク]] #[[初級システムアドミニストレータ/セキュリティ|セキュリティ]] #[[初級システムアドミニストレータ/標準化|標準化]] #[[初級システムアドミニストレータ/情報化と経営|情報化と経営]] == 試験概要 == 初級システムアドミニストレータ試験は'''午前'''、'''午後'''の2つの試験からなります。 全ての試験で600点以上を取ることで、晴れて初級システムアドミニストレータの資格を得ることができます。 試験制度の改定により、2009年度春期試験が最後になります。 == 関連項目 == *[[ITパスポート]] - 事実上の後継試験 *[[基本情報技術者]] {{stub|it}} {{stub|資}} {{DEFAULTSORT:しよきゆうしすてむあとみにすとれた}} [[Category:初級システムアドミニストレータ|*]] [[Category:情報処理技術者試験]] {{NDC|007.6}} 2px955aq4j5qwpbszlbw5zl2q8ijyw4 マタイによる福音書 (ラテン語) 第5章 0 6691 276380 215253 2025-06-28T22:57:56Z Tomzo 248 276380 wikitext text/x-wiki '''[[ラテン語]]'''>'''[[聖書 (ラテン語)]]'''>'''[[新約聖書 (ラテン語)]]'''>[[マタイによる福音書 (ラテン語)]]>第5章 #[[wikt:videns|videns]] [[wikt:autem|autem]] [[wikt:turbas|turbas]] [[wikt:ascendit|ascendit]] [[wikt:in|in]] [[wikt:montem|montem]] [[wikt:et|et]] [[wikt:cum|cum]] [[wikt:sedisset|sedisset]] [[wikt:accesserunt|accesserunt]] [[wikt:ad|ad]] [[wikt:eum|eum]] [[wikt:discipuli|discipuli]] [[wikt:eius|eius]] #:(参考 文語訳)イエス群衆を見て、山にのぼり、坐し給へば、弟子たち御許にきたる。 #:(訳) #::(翻訳解説) #et [[wikt:aperiens|aperiens]] [[wikt:os|os]] [[wikt:suum|suum]] [[wikt:docebat|docebat]] [[wikt:eos|eos]] [[wikt:dicens|dicens]] #:(参考 文語訳)イエス口をひらき、敎へて言ひたまふ、 #:(訳) #::(翻訳解説) #[[wikt:beati|beati]] [[wikt:pauperes|pauperes]] [[wikt:spiritu|spiritu]] [[wikt:quoniam|quoniam]] [[wikt:ipsorum|ipsorum]] [[wikt:est|est]] [[wikt:regnum|regnum]] [[wikt:caelorum|caelorum]] #:(参考 文語訳)幸福なるかな、心の貧しき者、天國はその人のものなり。 #:(訳) #::(翻訳解説) #beati [[wikt:mites|mites]] quoniam [[wikt:ipsi|ipsi]] [[wikt:possidebunt|possidebunt]] [[wikt:terram|terram]] #:(参考 文語訳)幸福なるかな、悲しむ者、その人は慰められん。 #:(訳) #::(翻訳解説) #beati [[wikt:qui|qui]] [[wikt:lugent|lugent]] quoniam ipsi [[wikt:consolabuntur|consolabuntur]] #:(参考 文語訳)幸福なるかな、柔和なる者、その人は地を嗣がん。 #:(訳) #::(翻訳解説) #beati qui [[wikt:esuriunt|esuriunt]] et [[wikt:sitiunt|sitiunt]] [[wikt:iustitiam|iustitiam]] quoniam ipsi [[wikt:saturabuntur|saturabuntur]] #:(参考 文語訳)幸福なるかな、義に飢ゑ渇く者、その人は飽くことを得ん。 #:(訳) #::(翻訳解説) #beati [[wikt:misericordes|misericordes]] [[wikt:quia|quia]] ipsi [[wikt:misericordiam|misericordiam]] [[wikt:consequentur|consequentur]] #:(参考 文語訳)幸福なるかな、憐憫ある者、その人は憐憫を得ん。 #:(訳) #::(翻訳解説) #beati [[wikt:mundo|mundo]] [[wikt:corde|corde]] quoniam ipsi [[wikt:Deum|Deum]] [[wikt:videbunt|videbunt]] #:(参考 文語訳)幸福なるかな、心の淸き者、その人は神を見ん。 #:(訳) #::(翻訳解説) #beati [[wikt:pacifici|pacifici]] quoniam [[wikt:filii|filii]] [[wikt:Dei|Dei]] [[wikt:vocabuntur|vocabuntur]] #:(参考 文語訳)幸福なるかな、平和ならしむる者、その人は神の子と稱へられん。 #:(訳) #::(翻訳解説) #beati qui [[wikt:persecutionem|persecutionem]] [[wikt:patiuntur|patiuntur]] [[wikt:propter|propter]] [[wikt:iustitiam|iustitiam]] quoniam ipsorum est regnum caelorum #:(参考 文語訳)幸福なるかな、義のために責められたる者、天國はその人のものなり。 #:(訳) #::(翻訳解説) #beati [[wikt:estis|estis]] cum [[wikt:maledixerint|maledixerint]] [[wikt:vobis|vobis]] et [[wikt:persecuti|persecuti]] [[wikt:vos|vos]] [[wikt:fuerint|fuerint]] et [[wikt:dixerint|dixerint]] [[wikt:omne|omne]] [[wikt:malum|malum]] [[wikt:adversum|adversum]] vos [[wikt:mentientes|mentientes]] [[wikt:propter|propter]] [[wikt:me|me]] #:(参考 文語訳)我がために人、なんぢらを罵り、また責め、詐りて各樣の惡しきことを言ふときは、汝ら幸福なり。 #:(訳) #::(翻訳解説) #[[wikt:gaudete|gaudete]] et [[wikt:exultate|exultate]] quoniam [[wikt:merces|merces]] [[wikt:vestra|vestra]] [[wikt:copiosa|copiosa]] est in [[wikt:caelis|caelis]] [[wikt:sic|sic]] [[wikt:enim|enim]] [[wikt:persecuti|persecuti]] [[wikt:sunt|sunt]] [[wikt:prophetas|prophetas]] qui [[wikt:fuerunt|fuerunt]] [[wikt:ante|ante]] vos #:(参考 文語訳)喜び喜べ、天にて汝らの報は大なり。汝等より前にありし預言者等をも、斯く責めたりき。 #:(訳) #::(翻訳解説) #vos [[wikt:estis|estis]] [[wikt:sal|sal]] terrae [[wikt:quod|quod]] [[wikt:si|si]] sal [[wikt:evanuerit|evanuerit]] in [[wikt:quo|quo]] [[wikt:sallietur|sallietur]] ad [[wikt:nihilum|nihilum]] [[wikt:valet|valet]] [[wikt:ultra|ultra]] [[wikt:nisi|nisi]] [[wikt:ut|ut]] [[wikt:mittatur|mittatur]] [[wikt:foras|foras]] et [[wikt:conculcetur|conculcetur]] [[wikt:abhomi|abhomi]] [[wikt:nibus|nibus]] #:(参考 文語訳)汝らは地の鹽なり、鹽もし效力を失はば、何をもてか之に鹽すべき。後は用なし、外にすてられて人に踏まるるのみ。 #:(訳) #::(翻訳解説) #vos estis lux mundi non potest civitas abscondi supra montem posita #:(参考 文語訳) #:(訳) #::(翻訳解説) #neque accendunt lucernam et ponunt eam sub modio sed super candelabrum ut luceat omnibus qui in domo sunt #:(参考 文語訳) #:(訳) #::(翻訳解説) #sic luceat lux vestra coram hominibus ut videant vestra bona opera et glorificent Patrem vestrum qui in caelis est #:(参考 文語訳) #:(訳) #::(翻訳解説) #nolite putare quoniam veni solvere legem aut prophetas non veni solvere sed adimplere #:(参考 文語訳) #:(訳) #::(翻訳解説) #amen quippe dico vobis donec transeat caelum et terra iota unum aut unus apex non praeteribit a lege donec omnia fiant #:(参考 文語訳) #:(訳) #::(翻訳解説) #qui ergo solverit unum de mandatis istis minimis et docuerit sic homines minimus vocabitur in regno caelorum qui autem fecerit e t docuerit hi c magnus vocabitur in regno caelorum #:(参考 文語訳) #:(訳) #::(翻訳解説) #dico enim vobis quia nisi abundaverit iustitia vestra plus quam scribarum et Pharisaeorum non intrabitis in regnum caelorum #:(参考 文語訳) #:(訳) #::(翻訳解説) #audistis quia dictum est antiquis non occides qui autem occiderit reus erit iudicio #:(参考 文語訳) #:(訳) #::(翻訳解説) #ego autem dico vobis quia omnis qui irascitur fratri suo reus erit iudicio qui autem dixerit fratri suo racha reus erit concili o qui autem dix erit fatue reus erit gehennae ignis #:(参考 文語訳) #:(訳) #::(翻訳解説) #si ergo offeres munus tuum ad altare et ibi recordatus fueris quia frater tuus habet aliquid adversum te #:(参考 文語訳) #:(訳) #::(翻訳解説) #relinque ibi munus tuum ante altare et vade prius reconciliare fratri tuo et tunc veniens offers munus tuum #:(参考 文語訳) #:(訳) #::(翻訳解説) #esto consentiens adversario tuo cito dum es in via cum eo ne forte tradat te adversarius iudici et iudex tradat te ministroet i n carcerem mit taris #:(参考 文語訳) #:(訳) #::(翻訳解説) #amen dico tibi non exies inde donec reddas novissimum quadrantem #:(参考 文語訳) #:(訳) #::(翻訳解説) #audistis quia dictum est antiquis non moechaberis #:(参考 文語訳) #:(訳) #::(翻訳解説) #ego autem dico vobis quoniam omnis qui viderit mulierem ad concupiscendum eam iam moechatus est eam in corde suo #:(参考 文語訳) #:(訳) #::(翻訳解説) #quod si oculus tuus dexter scandalizat te erue eum et proice abs te expedit enim tibi ut pereat unum membrorum tuorum quamtotum corpus tuum mi ttatur in gehennam #:(参考 文語訳) #:(訳) #::(翻訳解説) #et si dextera manus tua scandalizat te abscide eam et proice abs te expedit tibi ut pereat unum membrorum tuorum quam totumcorp us tuum eat in gehennam #:(参考 文語訳) #:(訳) #::(翻訳解説) #dictum est autem quicumque dimiserit uxorem suam det illi libellum repudii #:(参考 文語訳) #:(訳) #::(翻訳解説) #ego autem dico vobis quia omnis qui dimiserit uxorem suam excepta fornicationis causa facit eam moechari et qui dimissam duxeri t adulterat #:(参考 文語訳) #:(訳) #::(翻訳解説) #iterum audistis quia dictum est antiquis non peierabis reddes autem Domino iuramenta tua #:(参考 文語訳) #:(訳) #::(翻訳解説) #ego autem dico vobis non iurare omnino neque per caelum quia thronus Dei est #:(参考 文語訳) #:(訳) #::(翻訳解説) #neque per terram quia scabillum est pedum eius neque per Hierosolymam quia civitas est magni Regis #:(参考 文語訳) #:(訳) #::(翻訳解説) #neque per caput tuum iuraveris quia non potes unum capillum album facere aut nigrum #:(参考 文語訳) #:(訳) #::(翻訳解説) #sit autem sermo vester est est non non quod autem his abundantius est a malo est #:(参考 文語訳) #:(訳) #::(翻訳解説) #audistis quia dictum est oculum pro oculo et dentem pro dente #:(参考 文語訳) #:(訳) #::(翻訳解説) #ego autem dico vobis non resistere malo sed si quis te percusserit in dextera maxilla tua praebe illi et alteram #:(参考 文語訳) #:(訳) #::(翻訳解説) #et ei qui vult tecum iudicio contendere et tunicam tuam tollere remitte ei et pallium #:(参考 文語訳) #:(訳) #::(翻訳解説) #et quicumque te angariaverit mille passus vade cum illo alia duo #:(参考 文語訳) #:(訳) #::(翻訳解説) #qui petit a te da ei et volenti mutuari a te ne avertaris #:(参考 文語訳) #:(訳) #::(翻訳解説) #audistis quia dictum est diliges proximum tuum et odio habebis inimicum tuum #:(参考 文語訳) #:(訳) #::(翻訳解説) #ego autem dico vobis diligite inimicos vestros benefacite his qui oderunt vos et orate pro persequentibus et calumniantibusvos #:(参考 文語訳) #:(訳) #::(翻訳解説) #ut sitis filii Patris vestri qui in caelis est qui solem suum oriri facit super bonos et malos et pluit super iustos et iniusto s #:(参考 文語訳) #:(訳) #::(翻訳解説) #si enim diligatis eos qui vos diligunt quam mercedem habebitis nonne et publicani hoc faciunt #:(参考 文語訳) #:(訳) #::(翻訳解説) #et si salutaveritis fratres vestros tantum quid amplius facitis nonne et ethnici hoc faciunt #:(参考 文語訳) #:(訳) #::(翻訳解説) #estote ergo vos perfecti sicut et Pater vester caelestis perfectus est #:(参考 文語訳) #:(訳) #::(翻訳解説) {{DEFAULTSORT:またい5}} [[Category:聖書 (ラテン語)]] {{stub|言語}} 1ubtwu527qthgbx49hnmbw5mzdhn7fa Wikijunior:人間の体/耳 0 7489 276326 275990 2025-06-28T15:39:29Z Tomzo 248 276326 wikitext text/x-wiki [[画像:Earcov.JPG|thumb|150px|人の耳]] '''耳(みみ)'''は音を聞くはたらきをするところで、骨(ほね)があります。 == だんめん == 耳は大きくわけて外耳(がいじ)、中耳(ちゅうじ)、内耳(ないじ)の3つからできています。外からはいってきた音は鼓膜(こまく)を震わせて音をかんじとります。 {{ウィキジュニアのスタブ}} [[Category:人間の体 (ウィキジュニア)|みみ]] 8xqx50t7uoaq85hzix0u0popuy6tsaa Adeste Fideles 0 7581 276321 28669 2025-06-28T15:36:21Z Tomzo 248 276321 wikitext text/x-wiki '''[[ラテン語]]'''>[[讃美歌 (ラテン語)]]>[[Adeste Fideles]] :[[wikt:adeste|Adeste]] [[wikt:fideles|fideles]] :[[wikt:Laeti|laeti]] [[wikt:triumphantes|triumphantes]]  :[[wikt:venite|Venite]] venite [[wikt:in|in]] [[wikt:Bethlehem|Bethlehem]]  :[[wikt:Natum|natum]] [[wikt:videte|videte]]   :[[wikt:regem|Regem]] [[wikt:angelorum|Angelorum]] :Venite [[wikt:adoremus|adoremus]], Venite adoremus, Venite adoremus, [[wikt:dominum|Dominum]]  :[[wikt:cantet|Cantet]] [[wikt:nunc|nunc]] [[wikt:io|io]]  :[[wikt:chorus|Chorus]] angelorum :Cantet nunc [[wikt:aula|aula]] [[wikt:caelestium|caelestium]] :[[wikt:gloria|Gloria]], gloria  :In [[wikt:excelsis|excelsis]] [[wikt:deo|Deo]] :Venite adoremus, Venite adoremus, Venite adoremus, Dominum  :[[wikt:ergo|Ergo]] [[wikt:qui|qui]] [[wikt:natus|natus]] :[[wikt:die|Die]] [[wikt:hodierna|hodierna]]  :[[wikt:Jesu|Jesu]], [[wikt:tibi|tibi]] [[wikt:sit|sit]] gloria :[[wikt:patris|Patris]] [[wikt:aeterni|aeterni]]  :[[wikt:verbum|Verbum]] [[wikt:caro|caro]] [[wikt:factus|factus]] :Venite adoremus, Venite adoremus, Venite adoremus, Dominum  {{stub|言語}} [[Category:ラテン語]] [[Category:讃美歌 (ラテン語)]] 6gz77ccn47419ls0k9hpwu3qytq8nit 実用英語技能検定 0 8453 276372 267439 2025-06-28T22:51:19Z Tomzo 248 276372 wikitext text/x-wiki {{Pathnav|メインページ|試験|資格試験}} {{stub|資}} '''実用英語技能検定'''(じつようえいごぎのうけんてい)は資格試験の一つである。日本で有名な資格の一つであり、'''英検'''とも呼ばれる。<br> 国際共通の英語に関するテストについては、[[TOEIC]]を参照していただきたい。 == 検定級 == {|class="wikitable" cellpadding="4" cellspacing="0" style="font-size:100%;" !style="width:2em; background: #574e54; color: White;" |級 !style="background: #574e54; color: White;"|レベル !style="background: #574e54; color: White;"|試験内容 |- !1 |大学上級程度 |rowspan="5"|筆記・リスニング・面接 |- !準1 |大学中級程度 |- !2 |高校卒業程度 |- !準2 |高校中級程度 |- !3 |中学校卒業程度 |- !4 |中学校中級程度 |rowspan="2"|筆記・リスニング(・スピーキング) |- !5 |中学校初級程度 |- |} *4級・5級のスピーキングテストは、合格に必須ではない。 === 受験内容 === ;一次試験 :筆記による試験を行う。リスニング試験も同時に行う。 ;二次試験(3級以上) :一次試験の約1か月後、一次試験の合格者に対して面接試験を行う。 ==受験方法(従来型)== この検定は、年度3回(6~7月・10~11月・1~2月)実施される。申込締め切りは一次試験の約1ヶ月前。受験方法には、本会場と準会場実施があり、方式により検定料が異なる。 ;本会場 :いわゆる一般受験。英検の協会が用意した会場で受験する方式。基本的に日曜日実施である。 ;準会場 :塾など、英検の協会から準会場認定を受けた会場で受ける方式。土曜もしくは日曜実施。また、中学や高校で受ける方式(特別準会場)もある。この場合、金曜もしくは土曜に受けることができる。ただし、準1級以上は準会場で受けられない。また二次試験は、必ず本会場で受験することになる。 ===申し込みの流れ=== (以下加筆中です) ====一次試験まで==== ;受験の申込方法 *本会場の申し込みは、ネット・コンビニ・書店で申し込める。 *準会場(特別準会場含む)の申し込みは、その団体の担当者へ申し込む。 ;受験直前 :受験日の6日前までに受験票が自宅に到着する。 ;受験当日 :受験当日は、指定された会場・時間に行くこと。会場に行く際は周辺の迷惑にならないよう、公共交通機関を利用すること。 :*3級以上の受験者は、受験票に写真(3×2.4cm)が必要となる。また身分証明者(写真なし可)も必要になるので、忘れずに持っていくこと。忘れた場合は受験ができない。 ==受験方法(S-CBT)== この検定は、コンピューター上で解答を行うCBTタイプの試験であり、スピーキングを含めた4技能を1日で測ることができる(後日面接はない)。原則毎週実施され、級・スコアは英検(従来型)と同等に扱われる。ただし、準1級-3級しか受けられない。 ;スピーキング: 問題が画面上に表示され、解答者はヘッドセットを用いて録音する。 ;リスニング・リーディング: 問題が画面上に表示され、解答者はマウスを用いて解答する。 ;ライティング: 問題が画面上に表示され、解答者は解答用紙に手書きで記入するか、キーボードで入力するかを選択して解答する。 ===日程=== 年度内に第1回(4月-7月)・第2回(8月-11月)・第3回(12月-3月)の中で原則毎週実施され、受験者は同回次において同一級を2回まで受験できる(従来型を含めると最大3回)。なお、試験を欠席・棄権した場合にもそれは受験回数に含まれる。 ===申込方法=== ウェブ上で受験級・受験会場・受験日時を選択し、アカウント認証・個人情報等の入力を行った後に、コンビニ払い・クレジットカード払い・郵便局ATMで支払う。その後、申込完了メールと受験票が届く。<ref>[https://www.eiken.or.jp/s-cbt/apply/flow/ お申し込みの流れ|英検S-CBT|公益財団法人 日本英語検定協会](2025-01-13閲覧)</ref> == 学習方法 == *英検のテキストを購入する。 *スクールの講座を受講する。 ==脚注== {{Reflist}} ==関連リンク== {{Wikipedia|実用英語技能検定}} *[https://www.eiken.or.jp/eiken/ 実用英語技能検定 公式サイト] *[https://www.ei-navi.jp/dictionary/ 英ナビ辞書] - 英和辞典。1級を除く各級の単語一覧も掲載している。 {{DEFAULTSORT:しつようえいこきのうけんてい}} [[Category:語学系資格]] [[Category:英語]] 0x84br38d0dw93kyh5n4xlr2642nxs5 Mizar 0 8773 276319 204323 2025-06-28T15:34:44Z Tomzo 248 /* 目次 */ 276319 wikitext text/x-wiki == 目次 == {| border="0" align=right width=250px cellpadding="4" cellspacing=0 class="noprint" style="clear: right; border: solid #aaa 1px; margin: 0 0 1em 1em; font-size: 90%; background: #f9f9f9" |- |[[画像:Wikipedia.png|50px|none|Wikipedia]] |'''[[w:メインページ|ウィキペディア]]'''に'''[[w:{{{1|{{PAGENAME}}}}}|{{{2|{{{1|{{PAGENAME}}}}}}}}]]'''の記事があります。 |} <noinclude> * [[Mizar/はじめに|はじめに]] ** [[Mizar/はじめに#Mizarとは|Mizarとは]] * [[証明法]] ** [[Mizar/証明思考法|証明思考法]] * [[Mizar/構文| 構文]] ** [[Mizar/article|article]] *** [[Mizar/環境部|環境部]] *** [[Mizar/本体部|本体部]] ** [[Mizar/mode型|型]] ** [[Mizar/記号|記号]] ** [[Mizar/他言語との比較|他言語との比較]] ** [[Mizar/ErrorCode|ErrorCode]] * [[Mizar/演習|演習]] * [[Mizar/Q&A|Q&A]] * 外部リンク ** [http://markun.cs.shinshu-u.ac.jp/kiso/projects/proofchecker/mizar/index-j.html Manual] * 索引 ** [http://markun.cs.shinshu-u.ac.jp/Mirror/search_mml.html Article検索] [[Category:Mizar|*]] [[Category:プログラミング言語]] [[Category:数式処理システム]] [[Category:ソフトウェアのマニュアル]] {{NDC|007.63}} {{stub|it}} fdsy9o5j7n7b2qn2dfwerl8qh2kvfgw 社会保険労務士試験 0 9194 276373 208965 2025-06-28T22:52:09Z Tomzo 248 /* 外部リンク */ 276373 wikitext text/x-wiki {{wikipedia}} == 関連項目 == == 外部リンク(登場人物・物) == *け [[w:健康保険組合連合会|健康保険組合連合会]] 平成20年問6 *け [[w:健康保険組合|健康保険組合]] 平成20年問6 *し [[w:使用者|使用者]] 平成20年問2 *ろ [[w:労働者|労働者]] 平成20年問2 == 外部リンク(〇〇契約) == *ろ [[w:労働契約|労働契約]]平成20年問2 == 外部リンク == *[http://www.sharosi-siken.or.jp/ 社会保険労務士試験オフィシャルサイト] *[http://www.sharosisikaku.com/ 社会保険労務士試験過去問研究室] 平成19~平成14年 {{stub|資}} {{DEFAULTSORT:しゃかいほけんろうむし}} [[Category:資格試験(法律・会計)]] e5jh1tse0km0qauwun3f1cvf5dt0doq Windows入門 0 9400 276342 270171 2025-06-28T15:47:40Z Tomzo 248 /* 関連項目 */ 276342 wikitext text/x-wiki == Windowsとは == Windows(Microsoft Windows)とは、[[w:マイクロソフト|マイクロソフト社]]が開発した[[w:オペレーティングシステム|OS]]。家庭向けから企業向けまで幅広い範囲で使用されている。 == 最新バージョン == * Windows 11 バージョン 24H2<ref>{{Cite web | url = https://learn.microsoft.com/ja-jp/windows/release-health/windows11-release-information | title = Windows 11 のリリース情報 | date = 2024-10-01 | accessdate = 2024-10-25 }}</ref> * Windows 10 バージョン 22H2(最終バージョン、サポート期限は2025年10月14日まで)<ref>{{Cite web | url = https://learn.microsoft.com/ja-jp/windows/release-health/release-information | title = Windows 10 リリース情報 | date = 2022-10-18 | accessdate = 2023-03-05 }}</ref> * Windows Server 2025<ref>{{Cite web | url = https://docs.microsoft.com/ja-jp/windows-server/get-started/windows-server-release-info | title = Windows Server のリリース情報 {{!}} Microsoft Docs | date = 2024/11/01 | accessdate = 2024/11/04 }}</ref> == Windowsの世代別の特徴 == Windowsは、MS-DOSおよびPC-DOSのアドオンとして最初にリリースされました。その後、DOSを必要としない9x系が登場し、Windows 95からWindows Meまでのバージョンが展開されました。これらのバージョンの名称には、発行年の下二桁が冠されています(例: Windows 95、Windows 98)。これらのバージョンは一般に「9x系」として知られています。しかし、この系列は動作が不安定であるという問題がありました。そのため、Windows Meを最後に、完全にNT系へと移行しました。 ===DOSアドオン時代=== DOSアドオン時代のWindowsは、MS-DOSとPC-DOSの機能を拡張するために開発されました。初期のWindowsは、グラフィカルユーザーインターフェイス(GUI)を提供し、ユーザーがコンピュータをより直感的に操作できるようにすることを目指していました。最初のバージョンであるWindows 1.0は1985年にリリースされ、その後のバージョンでは多くの機能が追加されていきました。 この時代のWindowsは、主にアプリケーションの実行やファイル管理に利用されており、MS-DOSのコマンドライン環境に依存していました。ユーザーは、プログラムを起動する際にDOSのコマンドを使用し、その後GUIに切り替える形で操作を行っていました。Windows 3.0(1990年)は、そのシンプルなデザインとマルチタスク機能により、広く受け入れられ、PC市場での地位を確立しました。 しかし、DOSアドオン時代のWindowsは、MS-DOSの制約により限界がありました。特に、メモリ管理やハードウェアの制御に関する問題が多く、安定性に欠けることがしばしばありました。このため、ユーザーはより高機能で安定したオペレーティングシステムを求めるようになり、結果的にWindows NT系への移行が進むこととなりました。 {|class="wikitable" |+ DOSアドオン時代のWindows !|Win Ver.!!DOS Ver.!!プロダクト名!!発売年 |- |1.0||1.0||[[w:Microsoft Windows 1.0|Microsoft Windows 1.0]]||1985年 |- |2.0||2.0||[[w:Microsoft Windows 2.0|Microsoft Windows 2.0]]||1987年 |- |3.0||3.0||[[w:Microsoft Windows 3.0|Microsoft Windows 3.0]]||1990年 |- |3.1||3.1||[[w:Microsoft Windows 3.1|Microsoft Windows 3.1]]||1993年 |} Windows 3.1と同時期にリリースされたOS/2 Ver.2.11には、Windows互換環境であるWIN-OS/2が含まれていました。また、Windows 3.1がインストールされているPC向けには、OS/2 Ver.2.11 for Windowsがリリースされ、Windows 3.1を基にWIN-OS/2を構成することが可能でした。 OS/2 V2は完全な32ビットOSであり、その上にマルチDOS仮想マシン環境としてWIN-OS/2が構築されました。このため、16ビットコードと32ビットコードが保護機構なしに混在するWindows 9x系と比べて、OS/2はより安定していました。 ===9.x系=== Windows 9.x系は、Windows 95、Windows 98、Windows Meなどを含む、Microsoftのオペレーティングシステムのシリーズです。この系列は、ユーザーに直感的な操作を提供するグラフィカルユーザーインターフェイス(GUI)を採用し、MS-DOSを基盤とした従来のWindowsとは異なり、MS-DOSを必要としない新しいアーキテクチャを導入しました。 Windows 95から始まる9.x系では、独自のカーネルを使用し、MS-DOSの制約から解放されました。これにより、より高いパフォーマンスと安定性を実現し、多くの家庭向けや一般ユーザー向けのアプリケーションに対応しました。しかし、動作が不安定であることや、メモリ管理の問題が指摘され、特に大規模なアプリケーションを実行する際には課題が残りました。 最終的に、9.x系の限界が明らかになるにつれて、より高機能で安定したNT系への移行が進みました。 {|class="wikitable" |+ Windows 9.x系 !|Win Ver.!!DOS Ver.!!プロダクト名!!発売年 |- |4.0||7.0<br />(OSR2以降は7.1)||[[w:Microsoft Windows 95|Windows 95]]||1995年 |- |4.10||7.1||[[w:Microsoft Windows 98|Windows 98]]||1998年 |- |4.10||7.1||Windows 98 Second Edition||1999年 |- |4.90||8||[[w:Microsoft Windows Millennium Edition|Windows Me]]||2000年 |- |} ==== OSR2 ==== OSR2(OEM Service Release 2)は、1996年にリリースされたWindows 95のマイナーアップデート版です。このバージョンは主にOEM(オリジナル機器メーカー)向けに提供され、初期のWindows 95からの改善が多数含まれています。 OSR2では、Internet Explorer 4.0が統合されており、ユーザーがインターネットに簡単に接続できるようになりました。また、USB(Universal Serial Bus)デバイスのサポートも追加され、さまざまな周辺機器を接続する利便性が向上しました。さらに、従来のFAT16ファイルシステムよりも効率的なFAT32が導入され、大容量のハードディスクをより効果的に利用できるようになったことも大きな特徴です。 OSR2は、Windows 95の最終バージョンとして位置づけられ、これによりWindows 98への移行がスムーズに進む重要な役割を果たしました。 :{| class="wikitable" !style="width:4rem"|項目 !style="width:7rem"|OSR !OSR2 |- !発売時期 |1995年8月 |1996年12月 |- !対象 |一般ユーザー |OEM |- !販売形態 |パッケージ販売 |OEM提供のみ |- !主な機能 | - |FAT32ファイルシステム、Internet Explorer 3.01、DirectX 3.0、USBサポート強化、IEEE 1394サポート、その他バグ修正 |} === NT系 === NT系(Windows NT)は、Microsoftが開発したオペレーティングシステムのシリーズで、最初のバージョンであるWindows NT 3.1が1993年にリリースされました。NTは「New Technology」の略で、主に企業向けやサーバー環境を想定した設計がされています。 NT系の特徴として、完全32ビットアーキテクチャを採用しており、高度なメモリ管理、セキュリティ機能、マルチタスク処理を実現しています。また、ハードウェアの抽象化層(HAL)を導入することで、さまざまなハードウェアプラットフォームに対応可能です。 この系列は、Windows 2000、Windows XP、Windows Serverなど、後の多くのWindowsバージョンの基盤となり、特にビジネス環境において広く利用されています。NT系は、その安定性とセキュリティにより、個人ユーザーから企業まで幅広いユーザーに支持されています。 Windows 8.1までのOSのサポートは終了している。 以下のオペレーティングシステムがNT系に該当する。なお、発売年は最初に発売された言語版もしくはエディションを記載する。 {|class="wikitable" |+ Windows NT系のリビジョンと発売年次 |- style="position:sticky; top:0;" ! NT Ver. !! RTM Build !! プロダクト名 !! エディション !! 発売年 |- |NT 3.1||528||Windows NT 3.1||Windows NT, Windows NT Advanced Server||1993年 |- |NT 3.5||807||Windows NT 3.5||Workstation, Server||1994年 |- |NT 3.51||1057||Windows NT 3.51||Workstation, Server||1995年 |- |NT 4.0||1381||Windows NT 4.0||Workstation, Server, Server Enterprise Edition, Terminal Server, Embedded||1996年 |- |NT 5.0||2195||[[W:Microsoft Windows 2000|Windows 2000]]||Professional, Server, Advanced Server, Datacenter Server||2000年 |- |NT 5.1||2600||[[W:Microsoft Windows XP|Windows XP]]||Home, Professional, Media Center, Tablet PC, Starter, Embedded, Nエディション||2001年 |- |NT 5.1||2600||Windows Fundamentals for Legacy PCs|| - ||2006年 |- |NT 5.2||3790||[[W:Microsoft Windows Server 2003|Windows Server 2003]]||Standard, Enterprise, Datacenter, Web, Storage, Small Business Server, Compute Cluster Server||2003年 |- |NT 5.2||3790||[[w:Microsoft Windows XP Professional x64 Edition|Windows XP x64 Edition]]||64-bit Edition, Professional x64 Edition||2003年<br/>2005年 |- |NT 5.2||3790||[[W:Microsoft Windows Home Server|Windows Home Server]]||||2007年 |- |NT 6.0||6000||[[W:Microsoft Windows Vista|Windows Vista]]||Starter, Home Basic, Home Premium, Business, Enterprise, Ultimate, N Edition||2006年<ref>ビジネス向け</ref><br />2007年<ref>一般消費者向け</ref> |- |NT 6.0||6001||Windows Vista Service Pack 1|| ||2008年 |- |NT 6.0||6001||[[W:Microsoft Windows Server 2008|Windows Server 2008]]||Standard, Enterprise, Datacenter, Web, Foundation, Itanium-based Systems, Storage, Small Business Server||2008年 |- |NT 6.0|| 6002 ||Windows Vista Service Pack 2|| ||2009年 |- |NT 6.0|| 6002 ||Windows Server 2008 Service Pack 2|| ||2009年 |- |NT 6.1|| 7600 ||[[W:Microsoft Windows 7|Windows 7]]|| Starter, Home Basic, Home Premium, Professional, Enterprise, Ultimate ||2009年 |- |NT 6.1|| 7600 ||[[w:Windows Server 2008 R2|Windows Server 2008 R2]]||Standard, Enterprise, Datacenter, Web, Foundation, Itanium-based Systems||2009年 |- |NT 6.2|| 9200 ||[[W:Microsoft Windows 8|Windows 8]]|| 無印, Pro , Enterprise , Windows RT ||2012年 |- |NT 6.3|| 9600 ||[[W:Microsoft Windows 8#Windows_8.1|Windows 8.1]]<ref>Windows 8.1は、Windows 8の仕様変更・改良版です。</ref>|| 無印, Pro , Enterprise , Windows RT ||2013年 |- |NT 10.0|| 10240 ||[[W:Microsoft Windows 10|Windows 10]]|| Home, Pro, Education/Pro Education, Enterprise/Enterprise LTSB ||2015年 |- |NT 10.0|| 14393 ||[[W:Microsoft Windows Server 2016|Windows Server 2016]]||Standard, Enterprise, Datacenter||2016年 |- |NT 10.0|| (なし) ||[[W:Microsoft Windows Server 2019|Windows Server 2019]]||Standard, Enterprise, Datacenter||2018年 |- |NT 10.0|| (なし) ||[[W:Microsoft Windows Server 2022|Windows Server 2022]]||Standard, Datacenter, Datacenter: Azure Edition||2021年 |- |NT 10.0|| (なし) ||[[W:Microsoft Windows Server 2025|Windows Server 2025]]||Standard, Datacenter, Datacenter: Azure Edition||2024年 |- |NT 10.0|| 22000 ||[[w:Microsoft Windows 11|Windows 11]]||Home, Pro, Education, Pro For Workstations, Enterprise, IoT Enterprise||2024年 |} ==== クライアントOS ==== ; Windows NT 3.1 : 1993年にリリースされた最初のNT系オペレーティングシステムで、主にサーバーやワークステーション向けに設計された。 ; Windows NT 4.0 : 1996年にリリースされ、Windows 95のGUIを採用し、ユーザーフレンドリーなインターフェイスが特徴。クライアントおよびサーバー向けに広く使用された。 ; Windows 2000 : 2000年に登場し、ビジネス向けに特化した機能や、セキュリティ向上が図られた。エンタープライズ環境での利用が推奨された。 ; Windows XP : 2001年にリリースされ、個人向けとビジネス向けの両方のエディションが登場。ユーザーインターフェイスの大幅な改善と、安定性、セキュリティの向上が評価された。 ; Windows Vista : 2007年に登場し、セキュリティ機能の強化や新しいインターフェイスが導入されたが、ハードウェア要件が高く、批判も受けた。 ; Windows 7 : 2009年にリリースされ、Vistaの改善版として位置づけられ、使いやすさとパフォーマンスの向上が評価された。 ; Windows 8/8.1 : 2012年に登場したWindows 8はタッチスクリーン操作を意識した設計で、2013年に8.1がリリースされ、ユーザーからのフィードバックを反映した改良が行われた。 ; Windows 10 : 2015年にリリースされ、ユーザーのフィードバックを取り入れた機能が追加され、Windows 7と8の要素を統合した。定期的なアップデートが行われるサービスモデルを採用。 ; Windows 11 : 2021年に発表され、新しいユーザーインターフェイスとともに、タスクバーやウィンドウの操作性が向上。新しいシステム要件が設定された。 ==== サーバOS ==== ; Windows NT Server 3.1 : 1993年にリリースされた最初のNT系サーバOSで、基本的なサーバ機能を提供し、企業向けに設計された。 ; Windows NT Server 4.0 : 1996年に登場し、Windows 95のインターフェイスを採用。リモート管理機能やセキュリティの強化が図られ、広く普及した。 ; Windows 2000 Server : 2000年にリリースされ、Active Directoryを導入。ネットワーク管理が容易になり、信頼性とセキュリティが向上した。 ; Windows Server 2003 : 2003年に登場し、Windows 2000 Serverの後継として、セキュリティ機能やパフォーマンスが大幅に改善された。 ; Windows Server 2008 : 2008年にリリースされ、仮想化機能のHyper-Vが追加され、クラウド環境への対応が進んだ。また、サーバーマネージャーによる管理の簡素化が図られた。 ; Windows Server 2012 : 2012年に登場し、さらに強化されたHyper-V機能や、ストレージ機能の向上が特徴。クラウドサービスとの統合が進められた。 ; Windows Server 2016 : 2016年にリリースされ、コンテナ機能のサポートや、セキュリティ強化のための新機能が追加された。さらに、データセンター向けの機能が強化された。 ; Windows Server 2019 : 2018年に登場し、Hybrid Cloud機能が強化され、オンプレミスとクラウドの統合が容易になった。また、セキュリティやストレージ機能も改善された。 ; Windows Server 2022 : 2021年にリリースされ、セキュリティ強化や、クラウド接続機能の向上が図られ、データセンター向けの新機能も追加された。 ; Windows Server 2025 : 2025年にリリースされ、AIや機械学習機能の統合、さらなるセキュリティの強化、クラウドネイティブアプリケーションがサポートされている。 == Windowsのセットアップ == == Windowsでの操作方法 == この節では基本操作や基礎知識を説明する。 === スタートボタン === Windowsではスタートボタンから、ソフトを起動したり、シャットダウンすることができる。Windows 3.51以前のものとWindows 8を除くすべてのOSでは左下のWindowsマーク([[File:Windows logo - 2012.svg|15px]]など)があるところがスタートボタンと呼ばれる。また、キーボードのショートカットキーはWindowsキーである。 === コントロールパネル === コントロールパネルは、Windowsオペレーティングシステムにおいて、システムやソフトウェアの設定を行うためのツールで、プリンタの設定から使用中のソフトウェアの管理など幅広い設定が行えます。異なるバージョンのWindowsでは、このツールの名称が異なる場合があります。 === 設定アプリ === Windows 10以降、Microsoftは従来の「コントロールパネル」の機能を新しい「設定⚙」アプリに置き換える取り組みを進めています。設定アプリはより直感的で使いやすいインターフェースを提供し、モバイルデバイスやタッチスクリーンにも適しています。また、設定アプリは従来のコントロールパネルよりもさまざまな設定項目にアクセスしやすくなっており、新しい機能の追加やアップデートも継続的に行われています。このような動きは、Windowsの使いやすさや一貫性を向上させることを目指しています。 ==== Windows Update ==== Windows Updateは、Windowsオペレーティングシステムの更新プログラムに関する情報を提供し、必要に応じてその更新プログラムを表示およびインストールするためのツールです。システムのセキュリティや機能の向上のために定期的な更新プログラムの適用が重要です。 ==== デバイス マネージャー==== デバイス マネージャーは、ディスプレイ、プリンター、マウス、キーボードなどの周辺機器、およびPC内部のハードウェアやCPUなどを「デバイス」として管理します。このツールを使用することで、デバイスに関する情報を参照し、設定を変更できます。 また、コマンドプロンプトを使用して、デバイス マネージャーを起動することもできます(「<syntaxhighlight lang="shell" inline> mmc devmgmt.msc </syntaxhighlight>」コマンドを使用)。 ==== プログラムと機能 ==== 「プログラムと機能」は、コンピュータにインストールされているアプリケーションの一覧を表示し、必要に応じてアプリケーションの削除や変更を行うためのツールです。また、Windowsの更新プログラムもここから管理できます。 ==== 既定のプログラム ==== 「既定のプログラム」は、特定のファイル拡張子やプロトコルに対して、どのアプリケーションが関連づけられるかを設定するためのツールです。例えば、ファイルの拡張子が「.docx」の場合、関連づけられているアプリケーションとして[[Microsoft Word]]を選択できます。 この設定を使用することで、特定のファイルを開く際に使用するアプリケーションを指定できます。 ;注意 :Windows 10以降では、「設定⚙」が徐々にコントロールパネルの機能を置き換えつつあり、新しい設定オプションが提供されています。そのため、一部の設定項目はコントロールパネルではなく「設定⚙」で管理されています。ユーザーは特定の設定項目を見つけるために、Windowsのバージョンに応じて設定アプリを活用することをお勧めします。 === ファイルの使いかた === ここでは、ファイルの使い方を説明する。Windowsのファイルでは、おもにWindowsでは、最も標準的なファイル形式を使っている。また、Windows各種では、あらかじめ写真など(イメージ画像など)が入っている場合が多い。 Windows独自の拡張子で代表的なものとしては .exe (実行可能アプリケーション) が多い。 === PC === PCはPCに接続されている周辺機器の情報を表示するウインドウである。 カメラなどをUSB接続する場合はPCから開くこともできる。 Windows 8.1から現在の'''PC'''という名称になったが、 [[w:Microsoft Windows XP|Windows XP]]以前は'''マイコンピュータ'''、 [[W:Microsoft Windows Vista|Windows Vista]]では、'''コンピュータ'''、 [[W:Microsoft Windows 7|Windows 7]] と [[W:Microsoft Windows 8|Windows 8]]では、'''コンピューター''' という名称であった。 === ホットキー === ホットキーとは、画面上のメニューからマウスで選択して実行する命令や、特定の文字列の入力などの利用頻度が高い連続したキー操作を簡単なキー操作で実行する機能である。また、そのために割り当てられたキー入力の組み合わせ入力数を減らしたり、マウスを使わずに操作できる。Windowsには、3つのホットキーが搭載されている(デスクトップパソコンのみ)。 === クリック/ダブルクリック/ドラッグ/右クリック/ホイール === クリックとはマウスの左側のボタンを1回クリックする動作のことを言い、右側を1回クリックすることを右クリックという。右クリックは基本プロパティを開くために使われていて、基本使われることはない。左側を2回クリックすることをダブルクリックと言い、アイコンの上でダブルクリックすると、ソフトウェアが起動する。 :左側のボタンを押したまま動かすとドラッグという動作になる。アイコンの上でドラッグをして、ファイルの移動などで使われるのが一般的である。 :ホイールとは中心にある軸のことを言い、スクロールの操作などに使われる。最近のマウスでは左右に動かせるマウスもある。 :一見どのパソコンにも共通しているような操作だが、微妙に違う。 :設定で左側のボタンと、右側のボタンの操作を入れ替えることができる。 == 脚注 == <references/> == 関連項目 == {{Commons|Category:Microsoft Windows|Microsoft Windows}} {{Wikipedia|Microsoft Windows}} {{Wikipedia|MS-DOS}} *[[MS-DOS/PC DOS入門]] - [[w:cmd.exe|コマンドプロンプト]]の使い方など *[[OSとアプリケーション]] *[[拡張子ハンドブック]] {{Stub|it}} [[カテゴリ:Microsoft Windows]] cqi7n3men9ciy5ihharcm20ki17hbta SVG 0 10146 276316 251821 2025-06-28T15:25:46Z Tomzo 248 /* 脚注 */ 276316 wikitext text/x-wiki <!-- __NOTOC__ --> {{pathnav|メインページ|工学|情報工学|プログラミング|frame=1}} SVG(Scalable Vector Graphics)は、XMLベースのベクター画像フォーマットであり、Webページやアプリケーションなどで利用されます。SVGは、HTMLと同様にブラウザで表示され、CSSやJavaScriptなどと連携して操作することができます。本チュートリアルでは、SVGの基礎的な使い方を紹介します。 == 前提条件 == 本チュートリアルに進む前に、以下の前提条件を満たしている必要があります。 # Webブラウザを利用できること # HTMLおよびCSSの基本的な知識を持っていること # テキストエディタを利用できること == SVGの基礎 == SVGは、座標系を利用してベクター画像を表現します。座標系において、原点(0, 0)からx軸正方向に正の値を持つ座標が増加する右手系が一般的です。 SVGでは、以下のような要素を使用して図形を描画します。 * <rect> : 矩形 * <circle> : 円 * <line> : 直線 * <path> : 複雑なパス これらの要素には、座標やサイズ、色などの属性を設定することができます。 == SVGの構文 == SVGはXMLベースの言語であるため、HTMLと同様にタグと属性を使用して要素を定義します。以下は、簡単なSVGファイルの例です。 :<syntaxhighlight lang=xml> <svg version="1.1" baseProfile="full" width="100" height="100" xmlns="http://www.w3.org/2000/svg"> <circle cx="50" cy="50" r="40" stroke="black" stroke-width="2" fill="red" /> </svg> </syntaxhighlight> : <svg> 要素は、SVGコンテンツのルート要素であり、SVG画像の横幅や縦幅などを指定します。 : <circle> 要素は、SVG画像上に描画される円を表します。cx属性とcy属性は円の中心座標を指定し、r属性は半径を指定します。stroke属性は、円周の線の色を指定し、stroke-width属性は線の太さを指定します。fill属性は、円の内部の色を指定します。 * id属性: 要素に一意の識別子を割り当てます。 * class属性: 要素にスタイルシートから参照されるクラス名を割り当てます。 * style属性: 要素にスタイルを直接指定します。 * fill属性: 要素の内部の塗りつぶし色を指定します。 * stroke属性: 要素の縁取りの色を指定します。 * stroke-width属性: 要素の縁取りの太さを指定します。 * opacity属性: 要素の不透明度を指定します。 * transform属性: 要素を移動、回転、拡大縮小するための変換を指定します。 これらの属性を組み合わせることで、SVG画像を複雑な図形にすることができます。 == SVGの例 == 以下は、SVGを使用した簡単な例です。 :<syntaxhighlight lang=xml> <svg version="1.1" baseProfile="full" width="200" height="200" xmlns="http://www.w3.org/2000/svg"> <circle cx="100" cy="100" r="50" stroke="black" stroke-width="2" fill="red" /> <rect x="50" y="50" width="100" height="100" stroke="black" stroke-width="2" fill="none" /> <line x1="0" y1="0" x2="200" y2="200" stroke="blue" stroke-width="2" /> <path d="M10 10 L90 90 L180 20" stroke="green" stroke-width="2" fill="none" /> </svg></syntaxhighlight> この例では、円、矩形、直線、パスを使用して図形を描画しています。それぞれの要素には、cx、cy、r、x、y、width、height、x1、y1、x2、y2、dなどの属性が設定されています。 == 目次 == 「※」がついている単元はサブページ未作成。 (編集者へ: サブページが出来たら、更新して「※」を除去してください。) * [[SVG/はじめに]] (動作確認の方法、技術的背景、など) :※ * SVG/図形の描画 :※ * SVG/テキストの描画 :※ * SVG/図形の変換 * [[SVG/動画]] :※ * SVG/構造化 :※ * SVG/関連情報の記述方法 * [[#参考文献|参考文献]] == ブラウザでの外部ファイル表示 == SVGは規格と実装との間に差があり、 外部ファイルとしてSVGファイルを読み込ませる場合のプログラミングがやや面倒です。(JavaScriptのよう簡単にはいきません。) ウェブブラウザに外部ファイルとしてSVGファイルを読み込ませたい場合、Firefoxの場合なら、その外部SVGファイルに冒頭に、下記コードのように :名前空間を <code> xmlns="http://www.w3.org/2000/svg" </code> というふうに設定する必要と、 :キャンバスサイズをwidthやheight属性などで設定する必要というように、 こういった必要があります。(Windows版のFirefoxの場合、キャンバスサイズをGoogle Chrome と同様に省略できるが(標準設定のサイズになる)、Linuxなど他OSの場合ではキャンバスサイズが必要になる場合もある。ブラウザが同じ「Firefox」でもOSごとに実装が微妙に違う。) Google Chrome および Microsoft Edge の場合も同様に、名前空間 <code> xmlns="http://www.w3.org/2000/svg" </code> の指定が必要です。(なお Google Chrome および Microsoft Edge の場合、キャンバスサイズの指定がなくても自動でキャンバスサイズの設定が行われる。) この様に、名前空間などを記述が欠落するとSVGファイルであることがブラウザに伝わらず。希望通り表示できなかったりエラーメッセージを伴う結果と成る。 ;外部ファイル側のコード例 :たとえばファイル名を "test.svg" とする。 :<syntaxhighlight lang=xml> <svg xmlns="http://www.w3.org/2000/svg" width="300" height="200"> <rect x="150" y="40" width="100" height="500" fill="lightblue" stroke="black" stroke-width=" 5" /> </svg> </syntaxhighlight> なお、キャンバスサイズを図形より小さい場合にはハミだしている部分は非表示になります(上記コードでは意図的にハミ出しています)。上記コードは縦長の長方形を表示するコードですがキャンバスサイズをハミ出た下半分は非表示になります。 ;HTMLファイル側 上記の外部SVGファイルを呼び出すHTMLファイル側は使う要素によって下記のようにマークアップが異なる。 * IMAGE要素 :<syntaxhighlight lang=html highlight=8 line> <!DOCTYPE html> <html lang="ja"> <head> <meta charset="utf-8"> <title>外部SVG読み込みテスト</title> </head> <body> <image src="test.svg" type="image/svg+xml"> </body> </html> </syntaxhighlight> SVGファイルは画像ファイルなので、IMAGE要素で読み込めます。IMAGE要素ではsrc属性で外部ファイルを指定します。 もしWindowsで、上記コードを実行した場合にブラウザの要素などのタイトルが文字化けする場合、<code><meta charset="utf-8"></code>を除去してください(Windowsではバージョンによっては文字コードがUTF-8ではなくShift_JISなので)。以下のOBJECT要素などでも同様です。 * OBJECT要素 :<syntaxhighlight lang=html highlight=8 line> <!DOCTYPE html> <html lang="ja"> <head> <meta charset="utf-8"> <title>外部SVG読み込みテスト</title> </head> <body> <object data="test.svg" type="image/svg+xml"> </body> </html> </syntaxhighlight> OBJECT要素は、オブジェクトデータを記述するためのHTML要素です。 OBJECT要素ではsrc属性に代わってdata属性で外部ファイル指定します。<ref>https://html.spec.whatwg.org/multipage/iframe-embed-object.html#htmlobjectelement HTML Living Standard — HTMLObjectElement</ref>。 * EMBED要素 このほか、EMBED要素を使う方法もある。 :<syntaxhighlight lang=html highlight=8 line> <!DOCTYPE html> <html> <head lang="2"> <meta charset="utf-8"> <title>外部SVG読み込みテスト</title> </head> <body> <embed src="test.svg" type="image/svg+xml"> </body> </html> </syntaxhighlight> EMBED要素は、埋め込み外部コンテンツ要素を記述するためのHTML要素である。 EMBED要素ではsrc属性で外部ファイル指定します。 == 画像そのものの記法 == === 四角形 === ==== 基本 ==== '''rect'''要素で表します。<ref name="mdn:svg:rect">https://developer.mozilla.org/ja/docs/Web/SVG/Element/rect</ref> :<syntaxhighlight lang=xml> <svg> <rect x="1" y="1" width="100" height="100" fill="#FFFFFF" stroke="#000000" stroke-width="5"/> </svg> </syntaxhighlight> 改行をする必要はありませんが、上記コードでは見やすさを重視してfill属性の手前で改行してあります。 rect要素で最低限必要なのは、位置と幅を指定するための次の4要素です。 ;x :x座標 ;y :y座標 ;width :横幅 ;height :縦幅 rectの不等号のペア(<code><rect … ></code>)の最後に、下記のように<code>/</code>が必要です。(下記コードの場合、 stroke-width="5" の次の部分。 ) :<syntaxhighlight lang=xml> <rect x="1" y="1" width="100" height="100" fill="#FFFFFF" stroke="#000000" stroke-width="5" /> </syntaxhighlight> もし、この<code>/</code>が終わりに無いと、ファイルの終端まで<code></rect></code>を探すことになります。(長方形以外の、円や線分など他の静止図形のタグでも同様、最後に「/」が必要です。) なお、下記のように、付随的な要素をstyleでまとめても良い。なお、下記のようにstyleでまとめる記法は[[CSS]]に由来するものであり、インラインCSSという記法です。(fillの次の点々はセミコロン、#FFFFFFの次の点々はコロンです。混同しないよう、注意しましょう。) :<syntaxhighlight lang=xml> <svg> <rect x="1" y="1" width="100" height="100" style="fill: #FFFFFF; stroke: #000000; stroke-width: 5; "/> </svg> </syntaxhighlight> なお、fillは閉じた領域の塗りつぶしの色です。strokeは、境界線など線分の色です。 <code>fill="#FFFFFF;</code>のFFは16進数です(十進数の255に相当)。 fillを指定しない場合、noneと書いても良いです。 :<syntaxhighlight lang=xml> <svg> <rect x="1" y="1" width="100" height="100" style="fill: none; stroke: #000000; stroke-width: 5; "/> </svg> </syntaxhighlight> なお、noneの代わりにblueやredと書くと、それぞれの色になります(つまり、HTMLカラーが使えます)。たとえば青色に内側を塗りつぶすなら :<syntaxhighlight lang=xml> <svg> <rect x="1" y="1" width="100" height="100" style="fill: blue; stroke: #000000; stroke-width: 5; "/> </svg> </syntaxhighlight> とも書けます。 ==== 色の指定方法 ==== 色については <code>rgb(11,11,11)</code>のように0~255の十進数の数値指定で書いてもよいでしょう。つまり、 :<syntaxhighlight lang=xml> <svg> <rect x="1" y="1" width="100" height="100" fill="rgb(220,220,255)" stroke="rgb(0,0,0)" stroke-width="5 "/> </svg> </syntaxhighlight> とも書ける。この場合、水色(うすめの青)で塗りつぶしています。 rectに限らず、円や線分など他の図形でも同様に、styleやrgbを使うことができます。 ;百分率も可能 色の指定は%単位でも可能ですが、rgbの3色すべてに%をつける必要があります。 :<syntaxhighlight lang=xml> <svg> <rect x="1" y="1" width="100" height="100" fill="rgb(0%,0%,100%)" stroke="rgb(0,0,0)" stroke-width="5 "/> </svg> </syntaxhighlight> ==== 透明化 ==== ;不透明度アルファ 色はさらに、不透明度アルファを追加した{{code|rgba()}}を使える。ただし、不透明度の値の指定は 0.0 ~ 1.0 の間の数値で行わなければならない。SVGの不透明度は 0 で完全に不透明であり、1 で完全に透明である。 :<syntaxhighlight lang=xml> <svg> <rect x="50" y="50" width="100" height="100" fill="rgba(255,0,0,1)" stroke="rgba(0,0,0,1)" stroke-width="5 "/> <rect x="1" y="1" width="100" height="100" fill="rgba(220,220,255,0.7)" stroke="rgba(0,0,0,1)" stroke-width="5 "/> </svg> </syntaxhighlight> {{code|rgba}}の第4引数は'''不'''透明度である。0から1の間で指定する。不透明にしたい場合には値を1にする。この不透明の数値の指定方法は、CSSに由来する方法である。(Inkscapeなどのドローソフトでは不透明度を0~255の数値で指定するものもあるが、ブラウザ版SVGの仕様とは異なるので注意。) rgba()関数は、0~255までの定義域と、0~1までの定義域とが混在しているので、あまりメンテナンスがしやすくないかもしれません。 ;透明の属性 rgb()関数でも透明の処理もできるように、属性で fill-opacity という塗りつぶし領域の不透明度を 0.0 ~ 1.0 で指定できる属性がありますので、メンテナンスのしやすさから、不透明度の指定には fill-opacity を使うほうがいいかもしれません。 fill-opacity は 0 で完全に不透明であり、1 で完全に透明である。 :<syntaxhighlight lang=xml> <svg> <rect x="50" y="50" width="100" height="100" fill-opacity="1.0" fill="rgb(255,0,0 )" stroke="rgb(0,0,0)" stroke-width="5 "/> <rect x="1" y="1" width="100" height="100" fill-opacity="0.7" fill="rgb(220,220,255)" stroke="rgb(0,0,255)" stroke-width="3 " /> </svg> </syntaxhighlight> なお、ストロークの不透明度を指定できる stroke-opacity という属性もあるのですが、あまり実装の性能がよくありません。ハードウェアの事情により、太いストロークを描画する場合に、微妙に表示が崩れてしまう場合があります。<!-- WindowsだけでなくFedora Linux 32 でも同様に表示くずれが確認できたので、OSの問題でなくハードウェアの問題。 --> ==== 図形の加工 ==== ;フィレット 図形のカドを丸まらせたい場合(製図の用語で言う「フィレット」)、rxおよびryで丸めの半径を指定できる。 :<syntaxhighlight lang=xml> <svg> <rect x="1" y="1" width="100" height="100" fill="rgb(255,255,1)" stroke="rgba(0,0,0,1)" stroke-width="5 " rx="10" ry="10" /> </svg> </syntaxhighlight> この他、transfrom属性とrotate()関数を使って、斜めに傾いた長方形などの図形を書けます。長方形以外の図形や文字列もrotate()関数に対応しています。 詳しくは、回転の単元で説明します。 === 円 === '''circle'''要素で表します。<ref name="mdn:svg:circle">https://developer.mozilla.org/ja/docs/Web/SVG/Element/circle</ref>circleでは、円の形を中心点の座標位置と半径のペアで表します。 :<syntaxhighlight lang=xml> <svg> <circle cx="1" cy="1" r="100" style="fill: #FFFFFF; stroke: #000000; "/> </svg> </syntaxhighlight> ;cx :円の中心点のx座標 ;cy :円の中心点のy座標 ;r :半径 === 多角形 === '''polygon'''要素で表します。<ref name="mdn:svg:polygon">https://developer.mozilla.org/ja/docs/Web/SVG/Element/polygon</ref>英語の polygon ポリゴンとは、日本語で「多角形」を意味します。 下記のコード例では座標 (0,100)、(50,0)、(100,100) を結んだ三角形を表示します。 :<syntaxhighlight lang=xml> <svg> <title>正三角形</title> <polygon points="0,100 50,0 100,100"/> </svg> </syntaxhighlight> ;points :各点の座標 :隣りあう点が結ばれる事と、および、始点と終点が結ばれます。 <nowiki><polygon points="第1点のx座標,y座標 第2点のx座標,y座標 第3点のx座標,y座標"/> </nowiki> の書式です。 なお、閉じていない単なる折れ線を描画したい場合には、polygon 要素ではなく polyline (ポリライン)要素を使います。 === 折れ線 === polyline (ポリライン)要素で折れ線を書けますが、fill属性およびstroke属性が必要です。 どのブラウザでも、fillの指定が無いと、塗りつぶしをしてしまいます。 また、fillをnoneにしたあとは、strokeが設定の無い限りストローク色も無しになってしまい描画されない状態なので、strokeも再設定する必要があります。 :<syntaxhighlight lang=xml> <svg> <polyline points="0,100 50,0 100,100" fill="none" stroke="black" /> </svg> </syntaxhighlight> ;曲がり具合の指定 折れ線の内部の、それぞれの曲がりのある角の箇所での描画方法を指定できます。 線の太さ(stroke-width)の範囲内で、角を丸めるか(round)、尖らすか(miter)、面取り(bevel)をするかを指定できます。 何も指定ない場合には、miterで描画するように設定されています。 SVGのこれらの機能は、あくまで線の太さの範囲内でしか、処理を行えません。(つまり、たとえば製図ソフト AutoCAD のような面取り・フィレットは、SVGのこれらの指定では出来ないです。) また、その折れ線の内部のすべての曲がり箇所で、同様の曲がり具合(あるいは尖り具合)で描画します。 :<syntaxhighlight lang=xml> <svg> <polyline points="10,100 50,10 100,100" fill="none" stroke="black" stroke-width="20" stroke-linejoin="round" /> </svg> </syntaxhighlight> stroke-linejoin属性によって、"round"または"miter"または"bevel"を指定します。 ;破線など stroke-dasharray(ストローク・ダッシュ アレイ)属性を使って、破線などを描くことができます。 書式は <pre> stroke-dasharray="描く部分の長さ1 描かない部分の長さ1 描く部分の長さ2 描かない部分の長さ2 " </pre> といったふうに、描く部分と描かない部分との繰り返しです。 :<syntaxhighlight lang=xml> <svg> <!-- 一点鎖線 --> <polyline points="50,40 300,40" fill="none" stroke="black" stroke-dasharray="20 4 4 4 " /> <!-- 破線 --> <polyline points="50,80 300,80" fill="none" stroke="black" stroke-dasharray="6 3" /> </svg> </syntaxhighlight> == テキストの描画 == SVGのTEXT要素は、テキストを描画するために使用されます。具体的には、SVGにテキストを配置するために使用され、さまざまなスタイル、フォント、配置オプションを指定することができます。 以下は、TEXT要素の使い所の例です。 # グラフやチャートでラベルを表示する:SVGを使用して、棒グラフや円グラフなどのチャートを作成する場合、テキスト要素を使用して各要素にラベルを付けることができます。これにより、グラフの視覚的な表現がより明確になります。 # インフォグラフィックや地図でテキストを使用する:SVGはインフォグラフィックや地図を作成するためにも使用されます。この場合、テキスト要素を使用して、情報を示すテキストを配置することができます。例えば、地図上に都市名を表示することができます。 # ロゴやタイトルを表示する:SVGは、Webサイトのロゴやタイトルなどのグラフィックスを作成するためにも使用されます。この場合、テキスト要素を使用して、ブランド名やタイトルを表示することができます。また、さまざまなスタイルやフォントを使用して、テキストの見栄えを改善することもできます。 # オンラインアニメーションでテキストを使用する:SVGは、アニメーションを作成するためにも使用されます。この場合、テキスト要素を使用して、アニメーションの一部としてテキストを表示することができます。たとえば、文字列を点滅させたり、スライドイン/アウトさせたりすることができます。 :<syntaxhighlight lang=xml> <svg> <text x="100" y="60"> テスト </text> </svg> </syntaxhighlight> ;x :文字列の開始位置(左下)のx座標 ;y :文字列の開始位置(左下)のy座標 文字列の開始位置は、左'''下'''です。左上ではないので、注意してください。 追加の属性として、 :font-size でフォントの大きさ、 :text-decoration="underline" で下線の追加、 など、設定できます。 ;例 :<syntaxhighlight lang=xml> <svg> <text x="100" y="60" font-size="30" text-decoration="underline" > テスト </text> </svg> </syntaxhighlight> == 回転 == まず、基準の図形として、回転していない図形の描画をしましょう。 :<syntaxhighlight lang=xml> <svg> <rect x="150" y="80" width="100" height="50" fill="lightblue" stroke="black" stroke-width=" 5" /> </svg> </syntaxhighlight> この図形をたとえば斜めに傾かせたい場合、回転させる図形のタグの属性において transform="rotate(回転角, 回転中心のx座標, y座標)" の書式で属性を追記することで、回転を指定できます。 角度の単位は、直角を90度とする「度」単位です。(日本なら、小学校で習う角度の単位と同じです。) なお、座標を指定しない場合、原点を中心として回転します。 :<syntaxhighlight lang=xml> <svg> <rect id="some" x="150" y="80" width="100" height="50" fill="lightblue" stroke="black" stroke-width=" 5" transform="rotate(-10,100,100)" /> </svg> </syntaxhighlight> たとえば上記コードなら、長方形の右上が10度持ちあがった図形になります。 長方形だけでなく、楕円や折れ線や多角形など他の図形でも、この方法で回転が可能です。 また、textタグの文字列も同様に、この方法で回転が可能です。 == 構造化 == === グループ化 === g タグを用いて、gタグ内のオブジェクトに共通する属性を一括で記述できます。このような仕組みをSVG用語では一般に「グループ化」といいます。 :<syntaxhighlight lang=xml> <svg> <g stroke="blue" fill="white" > <rect x="1" y="1" width="100" height="100" stroke-width="5" /> <circle cx="30" cy="30" r="10" stroke-width="3" /> </g> </svg> </syntaxhighlight> たとえば上のコードの場合、長方形と円との両方に、ストロ-ク色を青に指定し、内側の塗りつぶし色を白に指定と、一括で指定しています。 ;各オブジェクトとグループ内要素に矛盾のある場合 なお、各オブジェクトにgタグの指定内容と矛盾する属性がある場合、普通は各オブジェクト側の指定が優先されます。たとえばcircleタグで <code> stroke="red"</code> という指定と、gタグの開始タグで <code> stroke="blue"</code> があれば、円のストローク色は赤色で表示されます。(Firefox, google Chrome, Microsoft Edge どれも結果は同じく、円ストロークだけ赤色の結果です。WindowsだけでなくLinuxでも同様の結果です。 ) === SVGとCSSとセレクタ === SVGとCSSは、Webページで視覚的なデザインを行うために広く使用されています。CSSは、HTML要素のスタイルを設定することができますが、SVG要素にも同様のスタイルを設定することができます。SVG要素にCSSを適用するには、SVG要素にIDやクラスを割り当て、それらをCSSセレクタで参照する必要があります。 例えば、以下のSVGファイルは、<circle>要素にIDを割り当て、CSSセレクタで参照して、円の色や大きさを変更しています。 :<syntaxhighlight lang=xml> <svg width="100" height="100"> <circle id="myCircle" cx="50" cy="50" r="40" stroke="black" stroke-width="2" fill="red" /> </svg> <style> #myCircle { fill: blue; r: 20; } </style> </syntaxhighlight> この例では、CSSのセレクタ #myCircle が、IDが myCircle である要素に適用されています。fill プロパティは円の内部の色を設定し、r プロパティは円の半径を変更しています。 SVG要素に適用できるCSSプロパティは、HTML要素に適用できるCSSプロパティと同様です。しかし、SVG要素にはHTML要素にはない独自のプロパティもあります。例えば、<code>stroke-dasharray</code> プロパティは、SVGの線要素に適用することができ、線の点線や破線を設定することができます。 また、SVG要素にCSSを適用することで、SVG要素をアニメーションさせることもできます。例えば、以下のSVGファイルは、RECT要素にクラスを割り当て、CSSでアニメーションを設定しています。 :<syntaxhighlight lang=xml> <svg width="200" height="200"> <rect class="myRect" x="20" y="20" width="60" height="60" fill="red" /> </svg> <style> .myRect { animation: move 2s ease-in-out infinite alternate; } @keyframes move { 0% { transform: translate(0, 0); } 100% { transform: translate(80px, 80px); } } </style> </syntaxhighlight> : このコードは、CSSアニメーションを使用してSVGの矩形要素をアニメーション化しています。 : まず、SVG要素は<code>width</code>と<code>height</code>属性を指定して200x200のキャンバスを作成しています。 : そして、<code>rect</code>要素を使用して、赤い色で塗りつぶされた60x60の四角形を作成しています。<code>rect</code>要素には<code>class</code>属性があり、その値が<code>myRect</code>です。 : 次に、CSSで定義された<code>myRect</code>クラスは、<code>animation</code>プロパティを持っています。 : このアニメーションは、<code>move</code>という名前のキーフレームアニメーションを使用しています。 : このアニメーションは、<code>transform</code>プロパティを使用して四角形を移動させます。: : 最初のキーフレーム(0%)では、四角形は元の位置にあります。最後のキーフレーム(100%)では、四角形は右下に80px移動します。 : <code>ease-in-out</code>タイミング関数が使用されているため、アニメーションはゆっくり始まり、ゆっくり終わります。 : <code>infinite alternate</code>値が<code>animation</code>プロパティに追加されているため、アニメーションは無限に繰り返されます。 == SVGで付加情報を記述する方法 == SVGでは、要素に対してタイトルや解説などの情報を付加することができます。例えば、以下のように記述します。 :<syntaxhighlight lang=xml> <svg width="200" height="200"> <title>矩形の描画</title> <desc>SVGでは左上の座標と幅と高さで矩形のジオメトリーを表します</desc> <rect x="150" y="80" width="100" height="50" fill="lightblue" stroke="black" stroke-width="5" /> </svg> </syntaxhighlight> タイトルは、<code>title</code>要素で記述します。一方、解説は<code>desc</code>要素で表します。これらの要素は、SVG内のどこにでも記述することができますが、一般的には<code>svg</code>開始タグの直後に記載するのが慣例です。 ただし、ブラウザによっては、<code>title</code>要素の内容が表示されない場合があります。また、ファイル名に対する情報として表示される場合もあります。 == 用語集 == ; SVG (Scalable Vector Graphics): XMLベースの2次元ベクターグラフィックス形式。 ; ベクターグラフィックス (Vector graphics): 座標や数学的方程式によって画像を生成する方法。拡大や縮小が自在で、拡大しても画質が劣化しない。 ; ラスターグラフィックス (Raster graphics): ピクセル単位で画像を生成する方法。拡大すると画質が劣化する。 ; XML (eXtensible Markup Language): 構造化されたデータを扱うためのマークアップ言語。 ; パス (Path): SVGでの形状の描画に使われる基本要素。座標を指定して直線や曲線を描くことができる。 ; 属性 (Attribute): 要素に対して、その性質や特徴を指定するために用いられるもの。例えば、色や座標、大きさなど。 ; fill: オブジェクトの塗りつぶし色を指定する属性。 ; stroke: オブジェクトの枠線の色を指定する属性。 ; stroke-width: オブジェクトの枠線の太さを指定する属性。 ; viewBox: SVGの描画領域を指定する属性。座標系や拡大率、表示範囲を指定することができる。 ; transform: オブジェクトの座標変換を指定する属性。例えば、平行移動や回転、拡大縮小などが可能。 ; gradient: グラデーションを指定する属性。色や透明度を徐々に変化させることができる。 ; filter: オブジェクトに対してフィルターを適用する属性。ぼかしや色変換などのエフェクトをかけることができる。 ; clipPath: オブジェクトをクリップするための属性。表示範囲を指定して、オブジェクトを切り抜くことができる。 ; mask: オブジェクトに対してマスクを適用するための属性。表示範囲を指定して、オブジェクトを隠すことができる。 ; animate: アニメーションを指定する属性。属性値を時間経過に応じて変化させることができる。 == まとめ == SVGは、XMLベースのベクター画像フォーマットであり、Webページやアプリケーションなどで利用されます。SVGを使用することで、高品質でスケーラブルな図形を簡単に作成することができます。SVGはHTMLと同様にタグと属性を使用して要素を定義し、CSSやJavaScriptと組み合わせて操作することができます。 == 参考文献 == * [http://www.w3.org/Graphics/SVG/ W3CのSVGサイト] * [https://www.w3.org/TR/2018/CR-SVG2-20181004/ Scalable Vector Graphics (SVG) 2(C.R.)](2018-10-04) ** [https://github.com/w3c/svgwg/ SVG Working Group specifications リポジトリー(Github)] * [https://www.w3.org/TR/2005/WD-SVG12-20050413/ Scalable Vector Graphics (SVG) 1.2 Specification](2005-04-13) ** [https://www.w3.org/TR/2008/REC-SVGTiny12-20081222/ Scalable Vector Graphics (SVG) Tiny 1.2 Specification](2008-12-22) * [https://www.w3.org/TR/2011/REC-SVG11-20110816/ Scalable Vector Graphics (SVG) 1.1 Specification](2011-08-16)([http://www.hcn.zaq.ne.jp/___/REC-SVG11-20030114/ 日本語訳](2003-01-14)) * [https://www.w3.org/TR/2001/REC-SVG-20010904/ Scalable Vector Graphics (SVG) 1.0 Specification](2001-09-04) * [http://www.adobe.com/jp/svg/ AdobeのSVGサイト] * [https://developer.mozilla.org/ja/Mozilla_SVG_Project Mozilla SVG Project - MDC] == 脚注 == {{reflist}} {{stub|it}} {{NDC|007.64}} [[カテゴリ:SVG|*]] o8mh6qne1jz85sywtuzrw5leyk8po09 マタイによる福音書 (ラテン語) 第7章 0 10537 276381 215254 2025-06-28T22:58:51Z Tomzo 248 276381 wikitext text/x-wiki '''[[ラテン語]]'''>'''[[聖書 (ラテン語)]]'''>'''[[新約聖書 (ラテン語)]]'''>[[マタイによる福音書 (ラテン語)]]>第7章 # nolite iudicare ut non iudicemini #:(訳)人をさばくな。自分がさばかれないためである。 #::(翻訳解説) # in quo enim iudicio iudicaveritis iudicabimini et in qua mensura mensi fueritis metietur vobis #:(訳)あなたがたがさばくそのさばきで、自分もさばかれ、あなたがたの量るそのはかりで、自分にも量り与えられるであろう。 #::(翻訳解説) # quid autem vides festucam in oculo fratris tui et trabem in oculo tuo non vides #:(訳)なぜ、兄弟の目にあるちりを見ながら、自分の目にある梁を認めないのか。 #::(翻訳解説) # aut quomodo dicis fratri tuo sine eiciam festucam de oculo tuo et ecce trabis est in oculo tuo #:(訳)自分の目には梁があるのに、どうして兄弟にむかって、あなたの目からちりを取らせてください、と言えようか。 #::(翻訳解説) # hypocrita eice primum trabem de oculo tuo et tunc videbis eicere festucam de oculo fratris tui #:(訳)偽善者よ、まず自分の目から梁を取りのけるがよい。そうすれば、はっきり見えるようになって、兄弟の目からちりを取りのけることができるだろう。 #::(翻訳解説) # nolite dare sanctum canibus neque mittatis margaritas vestras ante porcos ne forte conculcent eas pedibus suis et conversi disrumpant vos #:(訳)聖なるものを犬にやるな。また真珠を豚に投げてやるな。恐らく彼らはそれらを足で踏みつけ、向きなおってあなたがたにかみついてくるであろう。 #::(翻訳解説) # petite et dabitur vobis quaerite et invenietis pulsate et aperietur vobis #:(訳)求めよ、そうすれば、与えられるであろう。捜せ、そうすれば、見いだすであろう。門をたたけ、そうすれば、あけてもらえるであろう。 #::(翻訳解説) # omnis enim qui petit accipit et qui quaerit invenit et pulsanti aperietur #:(訳)すべて求める者は得、捜す者は見いだし、門をたたく者はあけてもらえるからである。 #::(翻訳解説) # aut quis est ex vobis homo quem si petierit filius suus panem numquid lapidem porriget ei #:(訳)あなたがたのうちで、自分の子がパンを求めるのに、石を与える者があろうか。 #::(翻訳解説) # aut si piscem petet numquid serpentem porriget ei #:(訳)魚を求めるのに、へびを与える者があろうか。 #::(翻訳解説) # si ergo vos cum sitis mali nostis bona dare filiis vestris quanto magis Pater vester qui in caelis est dabit bona petentibus se #:(訳)このように、あなたがたは悪い者であっても、自分の子供には、良い贈り物をすることを知っているとすれば、天にいますあなたがたの父はなおさら、求めてくる者に良いものを下さらないことがあろうか。 #::(翻訳解説) # omnia ergo quaecumque vultis ut faciant vobis homines et vos facite eis haec est enim lex et prophetae #:(訳)だから、何事でも人々からしてほしいと望むことは、人々にもそのとおりにせよ。これが律法であり預言者である。 #::(翻訳解説) # intrate per angustam portam quia lata porta et spatiosa via quae ducit ad perditionem et multi sunt qui intrant per eam #:(訳)狭い門からはいれ。滅びにいたる門は大きく、その道は広い。そして、そこからはいって行く者が多い。 #::(翻訳解説) # quam angusta porta et arta via quae ducit ad vitam et pauci sunt qui inveniunt eam #:(訳)命にいたる門は狭く、その道は細い。そして、それを見いだす者が少ない。 #::(翻訳解説) # adtendite a falsis prophetis qui veniunt ad vos in vestimentis ovium intrinsecus autem sunt lupi rapaces #:(訳)にせ預言者を警戒せよ。彼らは、羊の衣を着てあなたがたのところに来るが、その内側は強欲なおおかみである。 #::(翻訳解説) # a fructibus eorum cognoscetis eos numquid colligunt de spinis uvas aut de tribulis ficus #:(訳)あなたがたは、その実によって彼らを見わけるであろう。茨からぶどうを、あざみからいちじくを集める者があろうか。 #::(翻訳解説) # sic omnis arbor bona fructus bonos facit mala autem arbor fructus malos facit #:(訳)そのように、すべて良い木は良い実を結び、悪い木は悪い実を結ぶ。 #::(翻訳解説) # non potest arbor bona fructus malos facere neque arbor mala fructus bonos facere #:(訳)良い木が悪い実をならせることはないし、悪い木が良い実をならせることはできない。 #::(翻訳解説) # omnis arbor quae non facit fructum bonum exciditur et in ignem mittitur #:(訳)良い実を結ばない木はことごとく切られて、火の中に投げ込まれる。 #::(翻訳解説) # igitur ex fructibus eorum cognoscetis eos #:(訳)このように、あなたがたはその実によって彼らを見わけるのである。 #::(翻訳解説) # non omnis qui dicit mihi Domine Domine intrabit in regnum caelorum sed qui facit voluntatem Patris mei qui in caelis est ipse intrabit in regnum caelorum #:(訳)わたしにむかって『主よ、主よ』と言う者が、みな天国にはいるのではなく、ただ、天にいますわが父の御旨を行う者だけが、はいるのである。 #::(翻訳解説) # multi dicent mihi in illa die Domine Domine nonne in nomine tuo prophetavimus et in tuo nomine daemonia eiecimus et in tuo nomine virtutes multas fecimus #:(訳)その日には、多くの者が、わたしにむかって『主よ、主よ、わたしたちはあなたの名によって預言したではありませんか。また、あなたの名によって悪霊を追い出し、あなたの名によって多くの力あるわざを行ったではありませんか』と言うであろう。#::(翻訳解説) # et tunc confitebor illis quia numquam novi vos discedite a me qui operamini iniquitatem #:(訳)そのとき、わたしは彼らにはっきり、こう言おう、『あなたがたを全く知らない。不法を働く者どもよ、行ってしまえ』。 #::(翻訳解説) # omnis ergo qui audit verba mea haec et facit ea adsimilabitur viro sapienti qui aedificavit domum suam supra petram #:(訳)それで、わたしのこれらの言葉を聞いて行うものを、岩の上に自分の家を建てた賢い人に比べることができよう。 #::(翻訳解説) # et descendit pluvia et venerunt flumina et flaverunt venti et inruerunt in domum illam et non cecidit fundata enim erat super petram #:(訳)雨が降り、洪水が押し寄せ、風が吹いてその家に打ちつけても、倒れることはない。岩を土台としているからである。 #::(翻訳解説) # et omnis qui audit verba mea haec et non facit ea similis erit viro stulto qui aedificavit domum suam supra harenam #:(訳)また、わたしのこれらの言葉を聞いても行わない者を、砂の上に自分の家を建てた愚かな人に比べることができよう。 #::(翻訳解説) # et descendit pluvia et venerunt flumina et flaverunt venti et inruerunt in domum illam et cecidit et fuit ruina eius magna #:(訳)雨が降り、洪水が押し寄せ、風が吹いてその家に打ちつけると、倒れてしまう。そしてその倒れ方はひどいのである」。 #::(翻訳解説) # et factum est cum consummasset Iesus verba haec admirabantur turbae super doctrinam eius #:(訳)イエスがこれらの言を語り終えられると、群衆はその教にひどく驚いた。 #::(翻訳解説) # erat enim docens eos sicut potestatem habens non sicut scribae eorum et Pharisaei #:(訳)それは律法学者たちのようにではなく、権威ある者のように、教えられたからである。 #::(翻訳解説) {{DEFAULTSORT:またい7}} [[Category:聖書 (ラテン語)]] {{stub|言語}} b9xq4ukbragmyzm8v3mkm4dv7sm25sf ガリア戦記 第6巻 0 10983 276399 276245 2025-06-29T11:40:35Z Linguae 449 /* 35節 */ 修整 276399 wikitext text/x-wiki [[Category:ガリア戦記|6]] [[Category:ガリア戦記 第6巻|*]] [[ガリア戦記]]>&nbsp;'''第6巻'''&nbsp;>[[ガリア戦記 第6巻/注解|注解]] <div style="text-align:center"> <span style="font-size:20px; font-weight:bold; font-variant-caps: petite-caps; color:white; background: rgb(47,94,255);background: linear-gradient(180deg, rgba(47,94,255,1) 0%, rgba(24,56,255,1) 50%, rgba(0,8,255,1) 100%);">&nbsp;C&nbsp;IVLII&nbsp;CAESARIS&nbsp;COMMENTARIORVM&nbsp;BELLI&nbsp;GALLICI&nbsp;</span> <span style="font-size:40px; font-weight:bold; color:white; background: rgb(47,94,255);background: linear-gradient(180deg, rgba(47,94,255,1) 0%, rgba(24,56,255,1) 50%, rgba(0,8,255,1) 100%);">&nbsp;LIBER SEXTVS&nbsp;</span> </div> [[画像:Gaule_-53.png|thumb|right|150px|ガリア戦記 第6巻の情勢図(BC53年)。<br>黄色の領域がローマ領。桃色が同盟部族領。]] {| id="toc" style="align:left;clear:all;" align="left" cellpadding="5" ! style="background:#ccccff; text-align:left;" colspan="2" | ガリア戦記 第6巻 目次 |- | style="text-align:right; font-size: 0.86em;"| '''[[#ガッリア北部の平定|ガッリア北部の平定]]''':<br /> '''[[#第二次ゲルマーニア遠征|第二次ゲルマーニア遠征]]''':<br /> '''[[#ガッリア人の社会と風習について|ガッリア人の社会と風習について]]''':<br /> '''[[#ゲルマーニア人の社会と風習について|ゲルマーニア人の社会と風習について]]''':<br /> '''[[#ヘルキュニアの森林と野獣について|ヘルキュニアの森林と野獣について]]''':<br /> '''[[#対エブローネース族追討戦(1)|対エブローネース族追討戦(1)]]''':<br /> '''[[#スガンブリー族のアドゥアートゥカ攻略戦|スガンブリー族のアドゥアートゥカ攻略戦]]''':<br /> '''[[#対エブローネース族追討戦(2)|対エブローネース族追討戦(2)]]''':<br /> <br /> <br /> <br /> <br /> <br /> | style="text-align:left; font-size: 0.86em;"| [[#1節|01節]] | [[#2節|02節]] | [[#3節|03節]] | [[#4節|04節]] | [[#5節|05節]] | [[#6節|06節]] | [[#7節|07節]] | [[#8節|08節]] <br /> [[#9節|09節]] | [[#10節|10節]] <br /> [[#11節|11節]] | [[#12節|12節]] | [[#13節|13節]] | [[#14節|14節]] | [[#15節|15節]] | [[#16節|16節]] | [[#17節|17節]] | [[#18節|18節]] | [[#19節|19節]] | [[#20節|20節]] <br /> [[#21節|21節]] | [[#22節|22節]] | [[#23節|23節]] | [[#24節|24節]] <br /> [[#25節|25節]] | [[#26節|26節]] | [[#27節|27節]] | [[#28節|28節]] <br /> [[#29節|29節]] | [[#30節|30節]] | [[#31節|31節]] | [[#32節|32節]] | [[#33節|33節]] | [[#34節|34節]] <br /> [[#35節|35節]] | [[#36節|36節]] | [[#37節|37節]] | [[#38節|38節]] | [[#39節|39節]] | [[#40節|40節]] | [[#41節|41節]] | [[#42節|42節]] <br/> [[#43節|43節]] | [[#44節|44節]] <br/> &nbsp;&nbsp;1節 [[#コラム「カエサルの軍団」|コラム「カエサルの軍団」]]<br> 10節 [[#コラム「スエービー族とカッティー族・ケールスキー族・ウビイー族について」|コラム「スエービー族とカッティー族・ケールスキー族・ウビイー族について」]]<br>10節 [[#コラム「ガッリア・ゲルマーニアの地誌・民族誌について」|コラム「ガッリア・ゲルマーニアの地誌・民族誌について」]]<br /> [[#脚注|脚注]]<br /> [[#参考リンク|参考リンク]]<br /> |} <br style="clear:both;" /> __notoc__ <div style="background-color:#dfffdf;"> ==<span style="color:#009900;">はじめに</span>== :<div style="color:#009900;width:85%;">カエサルは、第1巻の年([[w:紀元前58年|紀元前58年]])から<ruby><rb>[[w:プロコンスル|前執政官]]</rb><rp>(</rp><rt>プロコンスル</rt><rp>)</rp></ruby>として属州総督に赴任した。が、これは[[w:ガリア・キサルピナ|ガッリア・キサルピーナ]]、[[w:イリュリクム|イッリュリクム]]および[[w:ガリア・ナルボネンシス|ガッリア・トラーンサルピーナ]]の三属州の統治、および4個軍団を5年間にもわたって任されるというローマ史上前代未聞のものであった。これはカエサルが[[w:マルクス・リキニウス・クラッスス|クラッスス]]、[[w:グナエウス・ポンペイウス|ポンペイウス]]と非公式な盟約を結んだ[[w:三頭政治#第一回三頭政治|三頭政治]]の成果であった。カエサルには属州の行政に従事する気持ちははじめからなく、任期のほとんどを夏季は[[w:ガリア戦争|ガッリア侵攻]]に、冬季は首都ローマへの政界工作に費やした。[[ガリア戦記_第3巻#はじめに|第3巻]]の年([[w:紀元前56年|紀元前56年]])に3人は[[w:ルッカ|ルカ]]([[w:la:Luca|Luca]])の会談を行い、カエサルはクラッススとポンペイウスが翌年に執政官になること、カエサルの総督の任期をさらに5年間延長されることを求めた。会談の結果、任期が大幅に延長されることになったカエサルは、もはや軍事的征服の野望を隠そうとせず、ガッリアに止まらず、[[w:ゲルマニア|ゲルマーニア]]や[[w:ブリタンニア|ブリタンニア]]の征服へと向かっていく。一方、第4巻の年([[w:紀元前55年|前55年]])に再び執政官になった二人は、[[w:パルティア|パルティア]]を攻略するためにクラッススが[[w:シリア属州|シュリア]]総督になること、ポンペイウスがカエサルと同様に[[w:ヒスパニア|両ヒスパーニア]]と[[w:アフリカ属州|アフリカ]]の三属州の総督になって4個軍団を任されることを決める。</div> <div style="text-align:center"> {| |- |[[画像:First Triumvirate of Caesar, Crassius and Pompey.jpg|thumb|right|500px|後に[[w:三頭政治#第一回三頭政治|三頭政治]](<span style="font-family:Times New Roman;">[[w:la:Triumviratus|Triumviratus]]</span>)と呼ばれることになる非公式な盟約を結んでいた、左から[[w:ガイウス・ユリウス・カエサル|カエサル]]、[[w:マルクス・リキニウス・クラッスス|クラッスス]]、[[w:グナエウス・ポンペイウス|ポンペイウス]]。<br>3人の同盟はついに破綻の時を迎える。]] |} </div> :<div style="color:#009900;width:85%;">[[w:ガリア戦記 第5巻|第5巻]]の年([[w:紀元前54年|前54年]])、カエサルは満を持して二回目の[[w:ローマによるブリタンニア侵攻 (紀元前55年-紀元前54年)|ブリタンニア侵攻]]を敢行するが、大した戦果は得られず、背後のガッリア情勢を気にしながら帰還する。ついに[[w:アンビオリクス|アンビオリークス]]率いる[[w:エブロネス族|エブローネース族]]、ついで[[w:ネルウィイ族|ネルウィイー族]]が反乱を起こし、カエサルは何とか動乱を鎮めるが、ガッリア諸部族の動きは不穏であり、カエサルは諸軍団とともに越冬することを決める。</div> :<div style="color:#009900;width:85%;">カエサルがブリタンニア遠征で不在の間に、ポンペイウスに嫁していたカエサルの一人娘[[w:ユリア (ガイウス・ユリウス・カエサルの娘)|ユーリア]]が[[w:産褥|産褥]]で命を落とす。一方、クラッススは属州[[w:シリア属州|シュリア]]に向かうが、これはクラッススの命運とともに三頭政治の瓦解、カエサルとポンペイウスの関係悪化を招来することになる。</div> :<div style="color:#009900;width:85%;">本巻の年([[w:紀元前53年|前53年]])、カエサルは[[w:エブロネス族|エブローネース族]]追討戦に向かうが、これは大きな嵐の前の出来事に過ぎない。</div> </div> <!-- **:<span style="color:#009900;">(訳注: **:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注: --> ==ガッリア北部の平定== ===1節=== *<span style="background-color:#ffd;">[[/注解/1節]] {{進捗|00%|2024-09-18}}</span> ;カエサルがポンペイウスの助けにより新兵を徴募する *<!--❶-->Multis de causis Caesar maiorem Galliae [[wikt:en:motus#Noun_2|motum]] [[wikt:en:exspectans|exspectans]] **多くの理由から、カエサルは、ガッリアのより大きな動乱を予期しており、 *per [[wikt:en:Marcus#Latin|Marcum]] [[wikt:en:Silanus#Latin|Silanum]], [[wikt:en:Gaius#Latin|Gaium]] [[wikt:en:Antistius#Latin|Antistium]] Reginum, [[wikt:en:Titus#Latin|Titum]] [[wikt:en:Sextius#Latin|Sextium]], legatos, **<ruby><rb>[[w:レガトゥス|総督副官]]</rb><rp>(</rp><rt>レガトゥス</rt><rp>)</rp></ruby>の[[w:マルクス・ユニウス・シラヌス (紀元前25年の執政官)|マールクス・スィーラーヌス]]、ガーイウス・アンティスティウス・レーギーヌス、ティトゥス・セクスティウスを介して **:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:[[w:en:Marcus Junius Silanus (consul 25 BC)|Mārcus Iūnius Sīlānus]] はこの年([[w:紀元前53年|前53年]])からカエサルの副官、[[w:紀元前25年|前25年]]に執政官。<br>    ''[[w:fr:Caius Antistius Reginus|Gaius Antistius Reginus]]'' は副官として[[ガリア戦記_第7巻#83節|第7巻83節]]と[[ガリア戦記_第7巻#90節|90節]]でも後出。<br>    [[w:en:Titus Sextius|Titus Sextius]] はこの年からカエサルの副官、[[ガリア戦記_第7巻#83節|第7巻83節]]でも後出、<br>     [[w:三頭政治#第二回三頭政治|第二回三頭政治]]では[[w:アフリカ属州|アフリカ属州]]の総督を務め、[[w:マルクス・アエミリウス・レピドゥス|レピドゥス]]に引き継ぐ。)</span> *[[wikt:en:dilectus#Noun|dilectum]] habere [[wikt:en:instituo#Latin|instituit]]; **<small>(兵士の)</small>徴募を行なうことを決める。 **:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:[[wikt:en:dilectus#Noun|dīlēctus]] = [[wikt:en:delectus#Noun_2|dēlēctus]]「選択、徴募」)</span> :  *<!--❷-->simul ab [[wikt:en:Gnaeus#Latin|Gnaeo]] [[wikt:en:Pompeius#Proper_noun|Pompeio]] [[wikt:en:proconsul#Latin|proconsule]] [[wikt:en:peto#Latin|petit]], **同時に、<ruby><rb>[[w:プロコンスル|前執政官]]</rb><rp>(</rp><rt>プロコンスル</rt><rp>)</rp></ruby>の[[w:グナエウス・ポンペイウス|グナエウス・ポンペイウス]]に<small>(以下のことを)</small>求める。 *[[wikt:en:quoniam#Latin|quoniam]] ipse ad <u>urbem</u> cum imperio rei publicae causa [[wikt:en:remaneo#Latin|remaneret]], **<small>(ポンペイウス)</small>自身は<u>首都</u><small>〔[[w:ローマ|ローマ市]]〕</small>の辺りに、<ruby><rb>[[w:インペリウム|軍隊司令権]]</rb><rp>(</rp><rt>インペリウム</rt><rp>)</rp></ruby>を伴って、国務のために留まっていたので、 **:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:[[wikt:en:urbs#Latin|urbs (urbem)]] は普通名詞として「都市・街」を意味するが、特に首都'''[[w:ローマ|ローマ市]]'''を指す。)</span> **:<span style="color:#009900;">(訳注:ポンペイウスは、第4巻の年([[w:紀元前55年|前55年]])に[[w:マルクス・リキニウス・クラッスス|クラッスス]]とともに[[w:執政官|執政官]]を務め、<br>    第5巻の年(昨年=[[w:紀元前54年|前54年]])には[[w:ヒスパニア|両ヒスパーニア]]と[[w:アフリカ属州|アフリカ]]の属州総督となったが、<br>    首都ローマの政局が気がかりであったため、任地には副官を派遣して、<br>    自らはローマ郊外に滞在していた。ただ彼は属州総督であったため、<br>    [[w:ポメリウム|ポメリウム]]と呼ばれるローマ市中心部に立ち入ることは禁じられていた。)</span> *quos ex [[wikt:en:cisalpinus#Latin|Cisalpina]] Gallia <u>consulis</u> [[wikt:en:sacramentum#Latin|sacramento]] [[wikt:en:rogo#Latin|rogavisset]], **[[w:ガリア・キサルピナ|ガッリア・キサルピーナ]]の内から、<ruby><rb>[[w:執政官|執政官]]</rb><rp>(</rp><rt>コンスル</rt><rp>)</rp></ruby>のための宣誓を求めていた者たちに、 **:<span style="color:#009900;">(訳注:ポンペイウスは執政官のときに元老院の許可を得て、<br>    カエサルの属州で、自らの属州に派遣するための4個軍団の徴募を行った。<br>    徴集された新兵たちは執政官に宣誓したようである。)</span> **:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:下線部は、主要写本&omega; では [[wikt:en:consulis#Noun|consulis]]「執政官の」だが、<br>         [[ガリア戦記/注解編/写本と校訂版#Ciacconius|Ciacconius]]は [[wikt:en:consul#Latin|consul]]「執政官が」と修正提案している。)</span> *ad signa [[wikt:en:convenio#Latin|convenire]] et ad se [[wikt:en:proficiscor#Latin|proficisci]] [[wikt:en:iubeo#Latin|iuberet]], **軍旗のもとに集まって、自分<small>〔カエサル〕</small>のもとへ進発することを命じるようにと。 **:<span style="color:#009900;">(訳注:カエサルは、ポンペイウスに軍団兵の融通を求めたわけだ。<br>    ポンペイウスが執政官のときに徴募していたうちの1個軍団がカエサルに貸し出された。<br>    ところがその後、<u>第8巻54節の記述</u>によれば <ref>ラテン語文は、[[s:la:Commentarii_de_bello_Gallico/Liber_VIII#54]] などを参照。</ref><ref>英訳は、[[s:en:Commentaries_on_the_Gallic_War/Book_8#54]] などを参照。</ref>、[[w:マルクス・リキニウス・クラッスス|クラッスス]]の死後に、[[w:元老院|元老院]]は、<br>    対[[w:パルティア|パルティア]]戦争のために、カエサルとポンペイウスがそれぞれ1個軍団を供出することを可決したが、<br>    ポンペイウスはカエサルに1個軍団の返還を求めたので、<br>    カエサルは計2個軍団の引き渡しを求められることになる。<br>    このことは、[[内乱記_第1巻#2節|『内乱記』第1巻2節]]以降でも言及される。)</span> :  *<!--❸-->magni [[wikt:en:intersum#Latin|interesse]] etiam in reliquum tempus ad [[wikt:en:opinio#Latin|opinionem]] Galliae [[wikt:en:existimans#Latin|existimans]] **ガッリアの世論に対して、これから後の時期にさえも、(カエサルが)大いに重要であると考えていたのは、 *tantas videri Italiae [[wikt:en:facultas#Latin|facultates]] **(以下の程度に)イタリアの(動員)能力が豊富であると見えることである。 **:<span style="color:#009900;">(訳注:Italiaという語は多義的でさまざまに解釈できるが、<br>    本書ではガッリア・キサルピーナを指すことが多い。)</span> *ut, si [[wikt:en:aliquid#Etymology_2|quid]] esset in bello [[wikt:en:detrimentum#Latin|detrimenti]] acceptum, **もし、戦争において何がしかの(兵員の)損害を蒙ったとしても、 *non modo id [[wikt:en:brevis#Latin|brevi]] tempore [[wikt:en:sarcio#Latin|sarciri]], **それが短期間で修復(できる)だけでなく、 *sed etiam [[wikt:en:maior#Adjective_2|maioribus]] [[wikt:en:augeo#Latin|augeri]] copiis posset. **より多く軍勢で増されることが可能だ<br>(とガッリアの世論に思われることが重要であるとカエサルは考えたのである)。 :  *<!--❹-->Quod cum [[wikt:en:Pompeius#Proper_noun|Pompeius]] et rei publicae et amicitiae [[wikt:en:tribuo#Latin|tribuisset]], **そのことを、ポンペイウスは公儀<small>〔ローマ国家〕</small>のためにも(三頭政治の)盟約のためにも認めたので、 *celeriter [[wikt:en:confectus#Latin|confecto]] per suos [[wikt:en:dilectus#Noun|dilectu]] **(カエサルの)配下の者たちを介して速やかに徴募が成し遂げられて *tribus ante [[wikt:en:exactus#Latin|exactam]] [[wikt:en:hiems#Latin|hiemem]] et [[wikt:en:constitutus#Participle|constitutis]] et [[wikt:en:adductus#Latin|adductis]] legionibus **冬が過ぎ去る前に、3個[[w:ローマ軍団|軍団]]が組織されて<small>(カエサルのもとへ)</small>もたらされ、 *[[wikt:en:duplicatus#Latin|duplicato]]<nowiki>que</nowiki> earum [[wikt:en:cohors#Latin|cohortium]] numero, quas cum [[wikt:en:Quintus#Latin|Quinto]] [[wikt:en:Titurius#Latin|Titurio]] [[wikt:en:amitto#Latin|amiserat]], **それらの<ruby><rb>[[w:コホルス|歩兵大隊]]</rb><rp>(</rp><rt>コホルス</rt><rp>)</rp></ruby>の数は、[[w:クィントゥス・ティトゥリウス・サビヌス|クィーントゥス・ティトゥーリウス(・サビーヌス)]]とともに失っていたものの倍にされた。 **:<span style="color:#009900;">(訳注:前巻でサビーヌスとコッタは1個軍団と5個[[w:コホルス|歩兵大隊]](=15個歩兵大隊)を失ったが、<br>    代わりに3個軍団(=30個歩兵大隊)を得たということ。)</span> *et [[wikt:en:celeritas#Latin|celeritate]] et copiis [[wikt:en:doceo#Latin|docuit]], **<small>(徴兵の)</small>迅速さと軍勢<small>(の多さ)</small>において<small>(ガッリア人たちに)</small>示したのは、 *quid populi Romani [[wikt:en:disciplina#Latin|disciplina]] atque [[wikt:en:ops#Noun_4|opes]] possent. **ローマ国民の規律と能力がいかに有力であるかということである。 {| class="wikitable" |- | style="vertical-align:top; text-align:left;" |[[画像:Hw-pompey.jpg|thumb|right|250px|[[w:グナエウス・ポンペイウス|グナエウス・ポンペイウス]]の胸像。カエサルおよび[[w:マルクス・リキニウス・クラッスス|マルクス・クラッスス]]とともに[[w:三頭政治|三頭政治]]を行ない、[[w:共和政ローマ|共和政末期のローマ]]を支配した。この巻の年にクラッススが戦死し、ポンペイウスに嫁いでいたカエサルの娘[[w:ユリア (ガイウス・ユリウス・カエサルの娘)|ユーリア]]が前年に病没、三頭政治は瓦解して、やがて[[w:ローマ内戦 (紀元前49年-紀元前45年)|内戦]]へ向かう。]] | style="vertical-align:top; text-align:left;" |[[画像:Theatre of Pompey 3D cut out.png|thumb|left|400px|'''[[w:ポンペイウス劇場|ポンペイウス劇場]]'''の復元図。[[w:グナエウス・ポンペイウス|ポンペイウス]]の名を冠したこの劇場は、彼が執政官であった[[w:紀元前55年|紀元前55年]]頃に竣工し、当時最大の劇場であった。<br> 伝記作家[[w:プルタルコス|プルータルコス]]は以下のように伝えている<ref>[[s:en:Plutarch%27s_Lives_(Clough)/Life_of_Pompey]] より</ref>:「クラッススは執政官の任期が切れるとすぐに属州へと出発したが、ポンペイウスはローマで劇場の開館式や奉献式に出席し、その式にはあらゆる競技・ショー・運動・体操・音楽などで人々を楽しませた。野獣の狩猟や餌付け、野獣との闘いもあり、500頭のライオンが殺された。しかし何よりも、象の闘いは、恐怖と驚きに満ちた見世物であった」と。<br><br> カエサルの最期の場所でもあり、血みどろのカエサルはポンペイウスの胸像の前で絶命したとされている。]] |} <!-- <span style="color:#009900;"></span> **:<span style="color:#009900;">(訳注: **:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注: --> <div style="background-color:#dfffdf;"> ===<span style="color:#009900;">コラム「カエサルの軍団」</span>=== :<div style="color:#009900;width:75%;">カエサルは第1巻の年([[w:紀元前58年|紀元前58年]])に三属州の総督に任官するとともに4個軍団(VI・VII・[[w:en:Legio VIII Augusta|VIII]]・[[w:en:Legio IX Hispana|IX]])を任された。[[w:ヘルウェティイ族|ヘルウェーティイー族]]([[w:la:Helvetii|Helvetii]])と対峙するうちに、元老院に諮らずに独断で2個軍団([[w:en:Legio X Equestris|X]]・[[w:en:Legio XI Claudia|XI]])を徴募する(1巻10節)。<br> 第2巻の年([[w:紀元前57年|紀元前57年]])に3個軍団([[w:en:Legio XII Fulminata|XII]]・[[w:en:Legio XIII Gemina|XIII]]・[[w:en:Legio XIV Gemina|XIV]])を徴募して、計9個軍団。<br><br> [[ガリア戦記_第5巻#24節|『第5巻』24節]]の時点で、カエサルは8個軍団と5個[[w:コホルス|歩兵大隊]]を保持していると記されている。最古参の第6軍団が半減していると考えると、[[w:アドゥアトゥカの戦い|アドゥアートゥカの戦い]]で[[w:アンビオリクス|アンビオリークス]]によって、[[w:クィントゥス・ティトゥリウス・サビヌス|サビーヌス]]やコッタらとともに滅ぼされたのは、第14軍団([[w:en:Legio XIV Gemina|XIV]])と古い第6軍団(VI)の生き残りの5個[[w:コホルス|歩兵大隊]]と考えることができる。<br><br> 本巻の年([[w:紀元前53年|紀元前53年]])では、ポンペイウスの第1軍団がカエサルに譲られ、後にカエサルの軍団の番号系列に合わせて第6軍団(VI)と改称されたようだ。「第14軍団」は全滅させられたので通常は欠番にするところだが、カエサルはあえて再建して第14軍団と第15軍団が徴募され、これら3個軍団を加えると、カエサルが保持するのは計10個軍団となる。<br> もっとも本巻ではカエサルは明瞭な記述をしておらず、上述のように後に2個軍団を引き渡すことになるためか、伝記作家[[w:プルタルコス|プルータルコス]]は、ポンペイウスがカエサルに2個軍団を貸し出した、と説明している。 </div> </div> ===2節=== *<span style="background-color:#ffd;">[[/注解/2節]] {{進捗|00%|2024-09-29}}</span> ;ガッリア北部の不穏な情勢、トレーウェリー族がライン川東岸のゲルマーニア人を勧誘 *<!--❶-->[[wikt:en:interfectus#Latin|Interfecto]] [[wikt:en:Indutiomarus#Latin|Indutiomaro]], ut [[wikt:en:doceo#Latin|docuimus]], **<small>([[ガリア戦記 第5巻#58節|第5巻58節]]で)</small>述べたように、インドゥーティオマールスが殺害されると、 *ad eius propinquos a [[wikt:en:Treveri#Latin|Treveris]] imperium [[wikt:en:defero#Latin|defertur]]. **トレーウェリー族の者たちにより彼の縁者たちへ支配権がもたらされる。 *Illi finitimos [[wikt:en:Germanus#Noun|Germanos]] [[wikt:en:sollicito#Latin|sollicitare]] et [[wikt:en:pecunia#Latin|pecuniam]] [[wikt:en:polliceor#Latin|polliceri]] non [[wikt:en:desisto#Latin|desistunt]]. **彼らは隣接する[[w:ゲルマニア|ゲルマーニア]]人たちをそそのかすこと、および金銭を約束することをやめない。 *Cum ab proximis [[wikt:en:impetro#Latin|impetrare]] non possent, [[wikt:en:ulterior#Latin|ulteriores]] [[wikt:en:tempto#Latin|temptant]]. **たとえ隣人たちによって(盟約を)成し遂げることができなくても、より向こう側の者たちに試みる。 :  *<!--❷-->[[wikt:en:inventus#Latin|Inventis]] [[wikt:en:nonnullus#Latin|non nullis]] civitatibus **少なからぬ部族国家を見出して *[[wikt:en:ius_iurandum#Latin|iure iurando]] inter se [[wikt:en:confirmo#Latin|confirmant]] **互いに誓約し合って(支持を)固め、 *obsidibusque de pecunia [[wikt:en:caveo#Latin|cavent]]; **金銭(の保証)のために人質たちを提供する。 *[[wikt:en:Ambiorix#Latin|Ambiorigem]] sibi [[wikt:en:societas#Latin|societate]] et [[wikt:en:foedus#Latin|foedere]] [[wikt:en:adiungo#Latin|adiungunt]]. **[[w:アンビオリクス|アンビオリークス]]を自分たちにとっての連合や同盟に加盟させる。 :  *<!--❸-->Quibus rebus [[wikt:en:cognitus#Participle|cognitis]] Caesar, **それらの事情を知るや、カエサルは、 *cum undique bellum [[wikt:en:paro#Latin|parari]] videret, **至る所で戦争が準備されていることを見ていたので、 *[[wikt:en:Nervii#Latin|Nervios]], [[wikt:en:Aduatuci#Latin|Atuatucos]] ac [[wikt:en:Menapii#Latin|Menapios]] [[wikt:en:adiunctus#Participle|adiunctis]] **(すなわち)[[w:ネルウィイ族|ネルウィイー族]]、アトゥアトゥキー族とメナピイー族を加盟させたうえに *<u>Cisrhenanis</u> omnibus <u>[[wikt:en:Germanus#Noun|Germanis]]</u> esse in armis, **レーヌス<small>〔[[w:ライン川|ライン川]]〕</small>のこちら側のすべてのゲルマーニア人たちが武装していて、 **:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:''[[w:en:Germani cisrhenani|Germani Cisrhenani]]''「レーヌスのこちら側のゲルマーニア人」(西岸の諸部族) は西岸部族の総称。<br>    ''Germani Transrhenani'' 「レーヌスの向こう側のゲルマーニア人」(東岸の諸部族) の対義語で、<br>     西岸の諸部族が東岸の諸部族を招き寄せているというのが『ガリア戦記』の主張である。)</span> *[[wikt:en:Senones#Latin|Senones]] ad [[wikt:en:imperatum#Latin|imperatum]] non venire **セノネース族は<small>(カエサルから)</small>命令されたことに従わずに *et cum [[wikt:en:Carnutes#Latin|Carnutibus]] finitimisque civitatibus consilia [[wikt:en:communico#Latin|communicare]], **カルヌーテース族および隣接する諸部族とともに謀計を共有しており、 *a [[wikt:en:Treveri#Latin|Treveris]] [[wikt:en:Germanus#Noun|Germanos]] crebris [[wikt:en:legatio#Latin|legationibus]] [[wikt:en:sollicito#Latin|sollicitari]], **ゲルマーニア人たちがたびたびトレーウェリー族の使節団によってそそのかされていたので、 *[[wikt:en:mature#Adverb|maturius]] sibi de bello [[wikt:en:cogitandus#Latin|cogitandum]] [[wikt:en:puto#Latin|putavit]]. **<small>(カエサルは)</small>自分にとって<small>(例年)</small>より早めに戦争を計画するべきだと見なした。 <!-- <span style="color:#009900;"></span> **:<span style="color:#009900;">(訳注: **:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注: --> ===3節=== *<span style="background-color:#ffd;">[[/注解/3節]] {{進捗|00%|2024-10-06}}</span> ;カエサルがネルウィイー族を降し、ガッリアの領袖たちの会合を召集する *<!--❶-->Itaque [[wikt:en:nondum#Latin|nondum]] [[wikt:en:hiems#Latin|hieme]] [[wikt:en:confectus#Latin|confecta]] **<small>(カエサルは)</small>こうして、まだ冬が終わらないうちに、 *proximis quattuor [[wikt:en:coactus#Latin|coactis]] legionibus **近隣の4個[[w:ローマ軍団|軍団]]を集めて、 **:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:[[ガリア戦記_第5巻#52節|第5巻52節]]で言及されたように、カエサルは、本営を置いていた<br>    サマロブリーウァ(現在の[[w:アミアン|アミアン]])周辺の冬営に3個軍団、<br>    およびファビウスの軍団を配置していたと思われる。)</span> *[[wikt:en:de_improviso#Latin|de improviso]] in fines [[wikt:en:Nervii#Latin|Nerviorum]] [[wikt:en:contendo#Latin|contendit]] **不意に[[w:ネルウィイ族|ネルウィイー族]]の領土に急いだ。 :  *<!--❷-->et, [[wikt:en:priusquam#Latin|prius quam]] illi aut [[wikt:en:convenio#Latin|convenire]] aut [[wikt:en:profugio#Latin|profugere]] possent, **そして、彼ら<small>(の軍勢)</small>は、集結したり、あるいは逃亡したりできるより前に、 *magno [[wikt:en:pecus#Latin|pecoris]] atque hominum numero [[wikt:en:captus#Latin|capto]] **家畜たちおよび人間たちの多数を捕らえて、 *atque ea [[wikt:en:praeda#Latin|praeda]] militibus [[wikt:en:concessus#Participle|concessa]] **それらの戦利品を兵士たちに譲り、 *[[wikt:en:vastatus#Latin|vastatis]]<nowiki>que</nowiki> agris **耕地を荒らして、 *in [[wikt:en:deditio#Latin|deditionem]] venire atque obsides sibi dare [[wikt:en:cogo#Latin|coegit]]. **<small>(ネルウィイー族に、ローマ勢へ)</small>降伏すること、人質たちを自分<small>〔カエサル〕</small>に供出することを強いた。 :  *<!--❸-->Eo celeriter [[wikt:en:confectus#Latin|confecto]] [[wikt:en:negotium#Latin|negotio]] **その戦役は速やかに成し遂げられたので、 *rursus in [[wikt:en:hibernum#Latin|hiberna]] legiones [[wikt:en:reduco#Latin|reduxit]]. **再び諸軍団を冬営に連れ戻した。 **:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:本営を置いていたサマロブリーウァ周辺の冬営。)</span> :  *'''ガッリアの領袖たちの会合''' *<!--❹-->[[wikt:en:concilium#Latin|Concilio]] Galliae primo [[wikt:en:ver#Latin|vere]], ut [[wikt:en:instituo#Latin|instituerat]], [[wikt:en:indictus#Participle|indicto]], **ガッリアの<small>(領袖たちの)</small>会合を、定めていたように、春の初めに通告すると、 **:<span style="color:#009900;">(訳注:会合の集合場所は、当初は本営のあるサマロブリーウァだったであろう。)</span> *cum reliqui praeter [[wikt:en:Senones#Latin|Senones]], [[wikt:en:Carnutes#Latin|Carnutes]] [[wikt:en:Treveri#Latin|Treveros]]<nowiki>que</nowiki> venissent, **[[w:セノネス族|セノネース族]]、カルヌーテース族とトレーウェリー族を除いて、ほかの者たちは(会合に)現われていたので、 **:<span style="color:#009900;">(訳注:ガッリア北部では、このほかエブローネース族とメナピイー族が参加していないはずである。)</span> *initium belli ac [[wikt:en:defectio#Latin|defectionis]] hoc esse [[wikt:en:arbitratus#Latin|arbitratus]], **このこと<span style="color:#009900;">〔3部族の不参加〕</span>は戦争と背反の始まりであると思われて、 *ut omnia [[wikt:en:postpono#Latin|postponere]] videretur, **<small>(他の)</small>すべて<small>(の事柄)</small>を後回しにすることと見なされるように、 *[[wikt:en:concilium#Latin|concilium]] [[wikt:en:Lutetia#Latin|Lutetiam]] [[wikt:en:Parisii#Latin|Parisiorum]] [[wikt:en:transfero#Latin|transfert]]. **会合を[[w:パリシイ族|パリースィイー族]]の(城塞都市である)[[w:ルテティア|ルーテーティア]]に移す。 **:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:ルーテーティア Lutetia は、写本によってはルーテーキア Lutecia とも表記されている。<br>    ラテン語では Lutetia Parisiorum「パリースィイー族の泥土」と呼ばれ、現在の[[w:パリ|パリ市]]である。<br>    [[w:ストラボン|ストラボーン]]などによれば[[w:ケルト語|ケルト語]]でルコテキア Lukotekia と呼ばれていたらしい。)</span> :  ;   セノネース族について [[画像:Plan_de_Paris_Lutece2_BNF07710745.png|thumb|right|200px|ルテティア周辺の地図(18世紀頃)]] *<!--❺-->[[wikt:en:confinis#Latin|Confines]] erant hi [[wikt:en:Senones#Latin|Senonibus]] **彼ら<small>〔パリースィイー族〕</small>はセノネース族に隣接していて、 *civitatemque patrum memoria [[wikt:en:coniungo#Latin|coniunxerant]], **父祖の伝承では<small>(セノネース族と一つの)</small>部族として結びついていた。 *sed ab hoc consilio [[wikt:en:absum#Latin|afuisse]] [[wikt:en:existimo#Latin|existimabantur]]. **しかし<small>(パリースィイー族は)</small>これらの謀計には関与していなかったと考えられていた。 :  *<!--❻-->Hac re pro [[wikt:en:suggestus#Latin|suggestu]] [[wikt:en:pronuntiatus#Latin|pronuntiata]] **<small>(カエサルは)</small>この事を演壇の前で宣言すると、 *eodem die cum legionibus in [[wikt:en:Senones#Latin|Senones]] [[wikt:en:proficiscor#Latin|proficiscitur]] **同日に諸軍団とともにセノネース族のところに出発して、 *magnisque itineribus eo [[wikt:en:pervenio#Latin|pervenit]]. **強行軍でもってそこに到着した。 <!-- <span style="color:#009900;"></span> **:<span style="color:#009900;">(訳注: **:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注: --> ===4節=== *<span style="background-color:#ffd;">[[/注解/4節]] {{進捗|00%|2024-10-09}}</span> ;セノネース族のアッコーが造反するが、カエサルはセノネース族とカルヌーテース族を降伏させる *<!--❶-->[[wikt:en:cognitus#Participle|Cognito]] eius [[wikt:en:adventus#Latin|adventu]], **彼<small>〔カエサル〕</small>の到来を知ると、 *[[wikt:en:Acco#Latin|Acco]], qui princeps eius consilii fuerat, **その画策の首謀者であった<small>(セノネース族の)</small>'''アッコー''' は、 *[[wikt:en:iubeo#Latin|iubet]] in oppida multitudinem [[wikt:en:convenio#Latin|convenire]]. **群衆に諸[[w:オッピドゥム|城塞都市]]に集結することを命じる。 :  *[[wikt:en:conans#Latin|Conantibus]], [[wikt:en:priusquam|prius quam]] id [[wikt:en:effici|effici]] posset, [[wikt:en:adsum#Latin|adesse]] Romanos [[wikt:en:nuntio#Verb|nuntiatur]]. **そのことが遂行され得るより前に、ローマ人が接近していることが、企てている者たちに報告される。 :  *<!--❷-->Necessario [[wikt:en:sententia#Latin|sententia]] [[wikt:en:desisto#Latin|desistunt]] **<small>(セノネース族は)</small>やむなく<small>(カエサルへの謀反の)</small>意図を思いとどまって、 **:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:[[wikt:en:necessario#Adverb|necessāriō]] = [[wikt:en:necessarie#Adverb|necessāriē]]「やむを得ず」)</span> *legatosque [[wikt:en:deprecor#Latin|deprecandi]] causa ad Caesarem mittunt; **<small>(恩赦を)</small>嘆願するために、使節たちをカエサルのもとへ遣わして、 *<u>adeunt</u> per [[wikt:en:Aedui#Latin|Haeduos]], quorum [[wikt:en:antiquitus|antiquitus]] erat in fide civitas. **部族国家が昔から<small>(ローマ人に対して)</small>忠実であった[[w:ハエドゥイ族|ハエドゥイー族]]を介して、頼み込む。 **:<span style="color:#009900;">(訳注:この部分は、セノネース族がハエドゥイー族の庇護下にあったように訳されることも多いが、<br>    [[ガリア戦記 第5巻#54節|第5巻54節]]における両部族とローマ人の関係の記述を考慮して、上のように訳した<ref>[[s:en:Commentaries_on_the_Gallic_War/Book_6#4|英語版ウィキソース]]では「they make advances to him through the Aedui, whose state was from ancient times under the protection of Rome.」と英訳されている。</ref>。)</span> **:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:[[wikt:de:adire|adeō]]「(誰かに)アプローチする」「(誰かに)頼る、頼む、懇願する」<ref>[https://www.frag-caesar.de/lateinwoerterbuch/adeo-uebersetzung-1.html adeo-Übersetzung im Latein Wörterbuch]</ref>)</span> :  *<!--❸-->Libenter Caesar [[wikt:en:petens#Latin|petentibus]] [[wikt:en:Aedui#Latin|Haeduis]] dat [[wikt:en:venia#Latin|veniam]] **カエサルは、懇願するハエドゥイー族に対して、喜んで<small>(セノネース族への)</small>恩赦を与え、 *[[wikt:en:excusatio#Latin|excusationem]]<nowiki>que</nowiki> accipit, **<small>(セノネース族の)</small>弁解を受け入れる。 *quod [[wikt:en:aestivus#Latin|aestivum]] tempus [[wikt:en:instans#Latin|instantis]] belli, **というのは、夏の時季は差し迫っている<small>(エブローネース族らとの)</small>戦争のためのものであり、 *non [[wikt:en:quaestio#Latin|quaestionis]] esse [[wikt:en:arbitror#Latin|arbitrabatur]]. **<small>(謀反人に対する)</small>尋問のためのものではないと<small>(カエサルが)</small>判断していたからである。 **:<span style="color:#009900;">(訳注:エブローネース族との戦争が終わった後に、謀反人への尋問が行なわれることになる。[[#44節|44節]]参照。)</span> :  *<!--❹-->Obsidibus [[wikt:en:imperatus#Latin|imperatis]] centum, **<small>(カエサルは)</small>100人の人質<small>(の供出)</small>を命令すると、 *hos Haeduis [[wikt:en:custodiendus#Latin|custodiendos]] [[wikt:en:trado#Latin|tradit]]. **彼ら<small>〔人質たち〕</small>を監視するべく[[w:ハエドゥイ族|ハエドゥイー族]]に引き渡す。 :  *<!--❺-->[[wikt:en:eodem#Adverb|Eodem]] [[wikt:en:Carnutes#Latin|Carnutes]] legatos obsidesque [[wikt:en:mitto#Latin|mittunt]], **ちょうどそこに、カルヌーテース族が使節たちと人質たちを遣わして、 *[[wikt:en:usus#Participle|usi]] [[wikt:en:deprecator#Latin|deprecatoribus]] [[wikt:en:Remi#Proper_noun_3|Remis]], quorum erant in [[wikt:en:clientela#Latin|clientela]]; **<small>(カルヌーテース族が)</small><ruby><rb>[[w:クリエンテス|庇護]]</rb><rp>(</rp><rt>クリエンテーラ</rt><rp>)</rp></ruby>を受ける関係にあったレーミー族を<ruby><rb>助命仲介者</rb><rp>(</rp><rt>デープレカートル</rt><rp>)</rp></ruby>として利用して、 *eadem ferunt [[wikt:en:responsum#Latin|responsa]]. **<small>(セノネース族のときと)</small>同じ返答を獲得する。 :  *<!--❻-->[[wikt:en:perago#Latin|Peragit]] [[wikt:en:concilium#Noun|concilium]] Caesar **カエサルは<small>(ガッリア諸部族の領袖たちの)</small>会合を完了して、 *equitesque [[wikt:en:impero#Latin|imperat]] civitatibus. **[[w:騎兵|騎兵]]たち<small>(の供出)</small>を諸部族に命令する。 <!-- <span style="color:#009900;"></span> **:<span style="color:#009900;">(訳注: **:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注: --> ===5節=== *<span style="background-color:#ffd;">[[/注解/5節]] {{進捗|00%|2024-10-10}}</span> ;アンビオリークスへの策を練り、メナピイー族へ向かう *<!--❶-->Hac parte Galliae [[wikt:en:pacatus#Latin|pacata]], **ガッリアのこの方面が平定されたので、 **:<span style="color:#009900;">(訳注:[[#3節|3節]]~[[#4節|4節]]でネルウィイー族、セノネース族とカルヌーテース族がカエサルに降伏したことを指す。)</span> *totus et mente et animo in bellum [[wikt:en:Treveri#Latin|Treverorum]] et [[wikt:en:Ambiorix#Latin|Ambiorigis]] [[wikt:en:insisto#Latin|insistit]]. **<small>(カエサルは)</small>全身全霊をかけて、トレーウェリー族と[[w:アンビオリクス|アンビオリークス]]との戦争に着手する。 **:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:totus et [[wikt:en:mens#Latin|mente]] et [[wikt:en:animus#Latin|animo]] 「全身全霊をかけて」''with all his heart and soul'' )</span> :  *<!--❷-->[[wikt:en:Cavarinus#Latin|Cavarinum]] cum equitatu [[wikt:en:Senones#Latin|Senonum]] [[wikt:en:secum#Latin|secum]] [[wikt:en:proficiscor#Latin|proficisci]] [[wikt:en:iubeo#Latin|iubet]], **カウァリーヌスに、セノネース族の[[w:騎兵|騎兵]]隊を伴って、自分<small>〔カエサル〕</small>とともに出発することを命じる。 **:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:''[[w:de:Cavarinus|Cavarinus]]'' は、[[ガリア戦記 第5巻#54節|第5巻54節]]で前述のように、<br>    カエサルにより王位に据えられていたが、独立主義勢力により追放された。)</span> *ne [[wikt:en:aliquis#Latin|quis]] <u>aut</u> ex huius [[wikt:en:iracundia#Latin|iracundia]] <u>aut</u> ex eo, quod [[wikt:en:mereo#Latin|meruerat]], [[wikt:en:odium#Latin|odio]] civitatis [[wikt:en:motus#Noun_2|motus]] [[wikt:en:exsistat|exsistat]]. **彼の激しやすさから、<u>あるいは</u>彼が招来していた反感から、部族国家の何らかの動乱が起こらないようにである。 **:<span style="color:#009900;">(訳注:前節でアッコーら独立主義者たちがカエサルに降伏して、<br>    カウァリーヌスが王位に戻されたために、<br>    部族内で反感をかっていたのであろう。)</span> :  *<!--❸-->His rebus [[wikt:en:constitutus#Participle|constitutis]], **これらの事柄が取り決められると、 *quod pro explorato habebat, [[wikt:en:Ambiorix#Latin|Ambiorigem]] [[wikt:en:proelium#Latin|proelio]] non esse <u>concertaturum</u>, **<small>(カエサルは)</small>[[w:アンビオリクス|アンビオリークス]]が戦闘で激しく争うつもりではないことを、確実と見なしていたので、 **:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:[[wikt:en:pro#Latin|pro]] [[wikt:en:exploratus#Latin|explorato]] = [[wikt:en:exploratus#Latin|exploratum]]「確かなものとして(''as certain'')」)</span> **:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:下線部は、&chi;系(A・Q)およびL・N写本では non esse <u>[[wikt:en:concertaturum|concertaturum]]</u>「激しくつもりではないこと」だが、<br>         &beta;系写本では non esse <u>[[wikt:en:contenturum|contenturum]]</u><br>         B・M・S写本では non esse <u>concertaturum [[wikt:en:tenturum|tenturum]]</u> となっている。)</span> *reliqua eius [[wikt:en:consilium#Latin|consilia]] animo [[wikt:en:circumspicio#Latin|circumspiciebat]]. **彼<small>〔アンビオリークス〕</small>のほかの計略に思いをめぐらせていた。 :  ;   カエサルがメナピイー族の攻略を決意 *<!--❹-->Erant [[wikt:en:Menapii#Latin|Menapii]] propinqui [[wikt:en:Eburones#Latin|Eburonum]] finibus, **メナピイー族は[[w:エブロネス族|エブローネース族]]の領土に隣り合っていて、 *[[wikt:en:perpetuus#Latin|perpetuis]] [[wikt:en:palus#Latin|paludibus]] [[wikt:en:silva#Latin|silvis]]<nowiki>que</nowiki> [[wikt:en:munitus#Latin|muniti]], **絶え間ない沼地と森林によって守られており、 *qui uni ex Gallia de pace ad Caesarem legatos [[wikt:en:numquam#Latin|numquam]] [[wikt:en:mitto#Latin|miserant]]. **彼らは[[w:ガリア|ガッリア]]のうちでカエサルのもとへ講和の使節たちを決して遣わさなかった唯一の者たちであった。 :  *Cum his esse [[wikt:en:hospitium#Latin|hospitium]] [[wikt:en:Ambiorix#Latin|Ambiorigi]] [[wikt:en:scio#Latin|sciebat]]; **<small>(カエサルは)</small>[[w:アンビオリクス|アンビオリークス]]が彼らのもとで歓待されていることを知っていたし、 *item per [[wikt:en:Treveri#Latin|Treveros]] venisse Germanis in [[wikt:en:amicitia#Latin|amicitiam]] [[wikt:en:cognosco#Latin|cognoverat]]. **同様にトレーウェリー族を通じて[[w:ゲルマニア|ゲルマーニア]]人と盟約を結んだことも探知していた。 :  *<!--❺-->Haec <u>prius</u> illi [[wikt:en:detrahendus#Latin|detrahenda]] auxilia [[wikt:en:existimo#Latin|existimabat]] <u>quam</u> ipsum bello [[wikt:en:lacesso#Latin|lacesseret]], **<ruby><rb>彼奴</rb><rp>(</rp><rt>あやつ</rt><rp>)</rp></ruby><small>〔アンビオリークス〕</small>へのこれらの支援は、彼奴自身に戦争で挑みかかる<u>より前に</u>引き離されるべきだと考えていた。 *ne [[wikt:en:desperatus#Latin|desperata]] [[wikt:en:salus#Latin|salute]] **<small>(アンビオリークスが)</small>身の安全に絶望して、 *<u>aut</u> se in [[wikt:en:Menapii#Latin|Menapios]] [[wikt:en:abdo#Latin|abderet]], **<u>あるいは</u>メナピイー族のところに身を隠したりしないように、 *<u>aut</u> cum [[wikt:en:Transrhenanus#Latin|Transrhenanis]] [[wikt:en:congredior#Latin|congredi]] [[wikt:en:cogo#Latin|cogeretur]]. **<u>あるいは</u>レーヌス<small>〔[[w:ライン川|ライン川]]〕</small>の向こう側の者たちと合同することを強いられないように、である。 **:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:''Germani Transrhenani'' 「レーヌスの向こう側のゲルマーニア人」(東岸の諸部族)を<br>    ''[[w:en:Germani cisrhenani|Germani Cisrhenani]]''「レーヌスのこちら側のゲルマーニア人」(西岸の諸部族) が<br>    招き寄せているというのが『ガリア戦記』の主張である。)</span> :  *<!--❻-->Hoc [[wikt:en:initus#Participle|inito]] consilio, **この計略を決断すると、 *[[wikt:en:totus#Etymology_1|totius]] exercitus [[wikt:en:impedimentum#Latin|impedimenta]] ad [[wikt:en:Labienus#Latin|Labienum]] in [[wikt:en:Treveri#Latin|Treveros]] [[wikt:en:mitto#Latin|mittit]] **<small>(カエサルは)</small>全軍の[[w:輜重|輜重]]を、トレーウェリー族のところにいる[[w:ティトゥス・ラビエヌス|ラビエーヌス]]のもとへ送り、 *duasque ad eum legiones [[wikt:en:proficiscor#Latin|proficisci]] [[wikt:en:iubeo#Latin|iubet]]; **2個[[w:ローマ軍団|軍団]]に彼<small>〔ラビエーヌス〕</small>のもとへ出発することを命じる。 :  *ipse cum legionibus [[wikt:en:expeditus#Participle|expeditis]] quinque in [[wikt:en:Menapii#Latin|Menapios]] [[wikt:en:proficiscor#Latin|proficiscitur]]. **<small>(カエサル)</small>自身は軽装の5個軍団とともにメナピイー族のところに出発する。 :  *<!--❼-->Illi, [[wikt:en:nullus#Adjective|nulla]] [[wikt:en:coactus#Latin|coacta]] [[wikt:en:manus#Latin|manu]], **あの者らは、何ら手勢を集めず、 *loci [[wikt:en:praesidium#Latin|praesidio]] [[wikt:en:fretus#Adjective|freti]], **地勢の要害を信頼して、 *in [[wikt:en:silva#Latin|silvas]] [[wikt:en:palus#Latin|paludes]]<nowiki>que</nowiki> [[wikt:en:confugio#Latin|confugiunt]] **森林や沼地に避難して、 *[[wikt:en:suus#Latin|sua]]<nowiki>que</nowiki> [[wikt:en:eodem#Adverb|eodem]] [[wikt:en:confero#Latin|conferunt]]. **自分たちの家財を同じところに運び集める。 <!-- <span style="color:#009900;"></span> <small></small> **:<span style="color:#009900;">(訳注: **:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注: --> ===6節=== *<span style="background-color:#ffd;">[[/注解/6節]] {{進捗|00%|2024-10-20}}</span> ;メナピイー族がついにカエサルの軍門に降る *<!--❶-->Caesar, **カエサルは、 *[[wikt:en:partitus#Latin|partitis]] copiis cum [[wikt:en:Gaius#Latin|Gaio]] [[wikt:en:Fabius#Latin|Fabio]] legato et [[wikt:en:Marcus#Latin|Marco]] [[wikt:en:Crassus#Latin|Crasso]] [[wikt:en:quaestor#Latin|quaestore]] **[[w:レガトゥス|副官]]である[[w:ガイウス・ファビウス|ガーイウス・ファビウス]]と[[w:クァエストル|財務官]]である[[w:マルクス・リキニウス・クラッスス (財務官)|マールクス・クラッスス]]とともに軍勢を分配して、 *celeriterque [[wikt:en:effectus#Participle|effectis]] [[wikt:en:pons#Latin|pontibus]] **速やかに橋梁を造って、 **:<span style="color:#009900;">(訳注:橋梁は軽装の軍団兵が沼地を渡るためのものなので、丸太道のようなものであろうか。)</span> *[[wikt:en:adeo#Verb|adit]] [[wikt:en:tripertito|tripertito]], **三方面から<small>(メナピイー族の領土に)</small>接近して、 [[画像:GallischeHoeve.jpg|thumb|right|200px|復元されたメナピイー族の住居(再掲)]] *[[wikt:en:aedificium#Latin|aedificia]] [[wikt:en:vicus#Latin|vicos]]<nowiki>que</nowiki> [[wikt:en:incendo#Latin|incendit]], **建物や村々を焼き討ちして、 *magno [[wikt:en:pecus#Latin|pecoris]] atque hominum numero [[wikt:en:potior#Latin|potitur]]. **家畜や人間の多数を<small>(戦利品として)</small>獲得する。 :  *<!--❷-->Quibus rebus [[wikt:en:coactus#Participle|coacti]] **そのような事態に強いられて、 *[[wikt:en:Menapii#Latin|Menapii]] legatos ad eum [[wikt:en:pax#Latin|pacis]] [[wikt:en:petendus#Latin|petendae]] causa [[wikt:en:mitto#Latin|mittunt]]. **メナピイー族は和平を求めるための使節たちを彼<small>〔カエサル〕</small>のもとへ遣わす。 :  *<!--❸-->Ille [[wikt:en:obses#Latin|obsidibus]] [[wikt:en:acceptus#Latin|acceptis]], **彼<small>〔カエサル〕</small>は人質たちを受け取ると、 *hostium se [[wikt:en:habiturus#Latin|habiturum]] numero [[wikt:en:confirmo#Latin|confirmat]], si aut [[wikt:en:Ambiorix#Latin|Ambiorigem]] aut eius legatos finibus suis [[wikt:en:recipio#Latin|recepissent]]. **もし[[w:アンビオリクス|アンビオリークス]]か彼の使節を自領に迎え入れたら、自分は<small>(メナピイー族を)</small>敵として見なすだろうと断言する。 **:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:属格の名詞 + numero「〜として」) :  *<!--❹-->His [[wikt:en:confirmatus#Latin|confirmatis]] rebus, **これらの事柄を確立すると、 *[[wikt:en:Commius#Latin|Commium]] [[wikt:en:Atrebas#Latin|Atrebatem]] cum [[wikt:en:equitatus#Latin|equitatu]] [[wikt:en:custos#Latin|custodis]] loco in [[wikt:en:Menapii#Latin|Menapiis]] [[wikt:en:relinquo#Latin|relinquit]]; **アトレバーテース族である[[w:コンミウス|コンミウス]]を[[w:騎兵|騎兵]]隊とともに、目付け役として、メナピイー族のところに残す。 **:<span style="color:#009900;">(訳注:コンミウスは、カエサルがアトレバテース族の王にすえて、ブリタンニア遠征の先導役として遣わし、<br>    カッスィウェッラウヌスの降伏の仲介を</span>果たしていた。[[ガリア戦記 第4巻#21節|第4巻21節]]・27節や[[ガリア戦記 第5巻#22節|第5巻22節]]などを参照。) *ipse in [[wikt:en:Treveri#Latin|Treveros]] [[wikt:en:proficiscor#Latin|proficiscitur]]. **<small>(カエサル)</small>自身はトレーウェリー族のところに出発する。 <!-- <span style="color:#009900;"></span> <small></small> **:<span style="color:#009900;">(訳注: **:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注: --> ===7節=== *<span style="background-color:#ffd;">[[/注解/7節]] {{進捗|00%|2024-10-27}}</span> [[画像:Titelberg_01.jpg|thumb|right|200px|トレーウェリー族の城砦跡(再掲)]] ;トレーウェリー族の開戦準備、ラビエーヌスの計略 *<!--❶-->Dum haec a Caesare [[wikt:en:gero#Latin|geruntur]], **これらのことがカエサルによって遂行されている間に、 *[[wikt:en:Treveri#Latin|Treveri]] magnis [[wikt:en:coactus#Participle|coactis]] [[wikt:en:peditatus#Latin|peditatus]] [[wikt:en:equitatus#Etymology_1|equitatus]]<nowiki>que</nowiki> copiis **トレーウェリー族は、[[w:歩兵|歩兵]]隊と[[w:騎兵|騎兵]]隊の大軍勢を徴集して、 *[[wikt:en:Labienus#Latin|Labienum]] cum una legione, quae in eorum finibus <u>[[wikt:en:hiemo#Latin|hiemaverat]]</u>, **彼らの領土において越冬していた1個[[w:ローマ軍団|軍団]]とともに[[w:ティトゥス・ラビエヌス|ラビエーヌス]]を、 **:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:下線部は、&alpha;系写本では [[wikt:en:hiemaverat|hiemaverat]] <small>(過去完了形)</small> だが、<br>         &beta;系写本では [[wikt:en:hiemabat|hiemabat]] <small>(未完了過去形)</small> などとなっている。)</span> *[[wikt:en:adorior#Latin|adoriri]] [[wikt:en:paro#Latin|parabant]], **襲撃することを準備していた。 :  *<!--❷-->iamque ab eo non longius [[wikt:en:biduum#Latin|bidui]] via [[wikt:en:absum#Verb|aberant]], **すでに、そこ<small>〔ラビエーヌスの冬営〕</small>から2日間の道のりより遠く離れていなかったが、 *cum duas venisse legiones [[wikt:en:missus#Noun_2|missu]] Caesaris [[wikt:en:cognosco#Latin|cognoscunt]]. **そのときに、カエサルが派遣した2個軍団が到着したことを知る。 **:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:[[#5節|5節]]で既述のように、カエサルはラビエーヌスのところへ全軍の輜重と2個軍団を派遣していた。<br>    こうして、ラビエーヌスはローマ全軍の輜重と3個軍団を任されることになった。) :  *<!--❸-->[[wikt:en:positus#Latin|Positis]] <u>castris</u> a milibus passuum [[wikt:en:quindecim#Latin|quindecim]](XV) **<small>(トレーウェリー勢は、ラビエーヌスの冬営から)</small>15ローママイルのところに<u>野営地</u>を設置して、 **:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:1[[ガイウス・ユリウス・カエサルの著作/通貨・計量単位#ミーッレ・パッスーム、ミーリア(ローママイル)|ローママイル]]は約1.48 kmで、15マイルは約22 km)</span> **:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:[[w:カストラ|カストラ]] [[wikt:en:castra#Latin|castra]] という語はローマ勢の行軍中の野営地や常設の宿営地に用いられ、<br>    非ローマ系部族の野営地に用いられることは稀である。)</span> *auxilia [[wikt:en:Germani#Latin|Germanorum]] [[wikt:en:exspecto#Latin|exspectare]] [[wikt:en:constituo#Latin|constituunt]]. **[[w:ゲルマニア|ゲルマーニア]]人の援軍を待つことを決める。 :  *<!--❹-->[[wikt:en:Labienus#Latin|Labienus]] hostium [[wikt:en:cognitus#Participle|cognito]] consilio **ラビエーヌスは、敵勢<small>〔トレーウェリー族〕</small>の計略を知ると、 *[[wikt:en:sperans#Latin|sperans]] [[wikt:en:temeritas#Latin|temeritate]] eorum [[wikt:en:fore#Etymology_2_2|fore]] [[wikt:en:aliqui#Latin|aliquam]] [[wikt:en:dimico#Latin|dimicandi]] facultatem, **彼らの無謀さにより何らかの争闘する機会が生ずるであろうと期待して、 *[[wikt:en:praesidium#Latin|praesidio]] quinque(V) cohortium [[wikt:en:impedimentum#Latin|impedimentis]] [[wikt:en:relictus#Latin|relicto]] **5個<ruby><rb>[[w:コホルス|歩兵大隊]]</rb><rp>(</rp><rt>コホルス</rt><rp>)</rp></ruby>の守備隊を[[w:輜重|輜重]]のために残し、 *cum XXV(viginti quinque) cohortibus magnoque [[wikt:en:equitatus#Etymology_1|equitatu]] contra hostem [[wikt:en:proficiscor#Latin|proficiscitur]] **25個<ruby><rb>[[w:コホルス|歩兵大隊]]</rb><rp>(</rp><rt>コホルス</rt><rp>)</rp></ruby>および多勢の騎兵隊とともに、敵に抗して進発する。 *et mille passuum [[wikt:en:intermissus#Latin|intermisso]] spatio castra [[wikt:en:communio#Latin|communit]]. **<small>(トレーウェリー勢から)</small>1ローママイルの間隔を置いて、[[w:カストラ|陣営]]<small>〔野営地〕</small>を固める。 **:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:1[[ガイウス・ユリウス・カエサルの著作/通貨・計量単位#ミーッレ・パッスーム、ミーリア(ローママイル)|ローママイル]]は約1.48 km)</span> :  *<!--❺-->Erat inter [[wikt:en:Labienus#Latin|Labienum]] atque hostem [[wikt:en:difficilis#Latin|difficili]] [[wikt:en:transitus#Latin|transitu]] flumen [[wikt:en:ripa#Latin|ripis]]<nowiki>que</nowiki> [[wikt:en:praeruptus#Adjective|praeruptis]]. **ラビエーヌスと敵の間には、渡ることが困難な川が、急峻な岸とともにあった。 *Hoc <u>neque</u> ipse [[wikt:en:transeo#Latin|transire]] habebat in animo **これを<small>(ラビエーヌス)</small>自身は渡河するつもりではなかったし、 **:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:~ habeo in animo「~するつもりである」)</span> **:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:neque ~, neque …「~でもないし、…でもない」)</span> *<u>neque</u> hostes [[wikt:en:transiturus#Latin|transituros]] [[wikt:en:existimo#Latin|existimabat]]. **敵勢も渡河して来ないであろうと<small>(ラビエーヌスは)</small>考えていた。 :  *<!--❻-->[[wikt:en:augeo#Latin|Augebatur]] auxiliorum [[wikt:en:cotidie#Latin|cotidie]] spes. **<small>(トレーウェリー勢にとって、ゲルマーニア人の)</small>援軍への期待は日ごとに増されるばかりであった。 *[[wikt:en:loquor#Latin|Loquitur]] <u>in consilio</u> [[wikt:en:palam#Adverb|palam]]: **<small>(ラビエーヌスは)</small>会議において公然と<small>(以下のように)</small>述べる。 **:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:下線部は、主要写本&omega;では in [[wikt:en:consilio|consilio]] だが、<br>         [[ガリア戦記/注解編/写本と校訂版#Aldus|Aldus]] は in [[wikt:en:concilium#Latin|concilio]] と修正提案し、<br>         Hecker は [[wikt:en:consulto#Adverb|consulto]] と修正提案している。)</span> *[[wikt:en:quoniam#Latin|quoniam]] [[wikt:en:Germani#Latin|Germani]] [[wikt:en:adpropinquo#Latin|adpropinquare]] [[wikt:en:dico#Latin|dicantur]], **ゲルマーニア人<small>(の軍勢)</small>が近づいていることが言われているので、 *sese suas exercitusque fortunas in [[wikt:en:dubium#Noun|dubium]] non [[wikt:en:devocaturus#Latin|devocaturum]] **自分は自らと軍隊の命運を不確実さの中に引きずり込むことはないであろうし、 *et postero die prima luce castra [[wikt:en:moturus#Latin|moturum]]. **翌日の夜明けには陣営を引き払うであろう。 :  *<!--❼-->Celeriter haec ad hostes [[wikt:en:defero#Latin|deferuntur]], **これら<small>(のラビエーヌスの発言)</small>は速やかに敵勢<small>〔トレーウェリー族〕</small>のもとへ報じられたので、 *ut ex magno Gallorum equitum numero [[wikt:en:nonnullus#Latin|non nullos]] <u>Gallos</u> [[wikt:en:gallicus#Latin|Gallicis]] rebus [[wikt:en:faveo#Latin|favere]] natura [[wikt:en:cogo#Latin|cogebat]]. **ガッリア人の境遇を想う気質が、<small>(ローマ側)</small>ガッリア人騎兵の多数のうちの若干名を励ましていたほどである。 **:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:下線部の [[wikt:en:Gallus#Noun|Gallos]] は &alpha;系写本の記述で、&beta;系写本では欠く。)</span> :  *<!--❽-->[[wikt:en:Labienus#Latin|Labienus]], noctu tribunis militum primisque ordinibus <u>convocatis</u>, **ラビエーヌスは、夜間に<ruby><rb>[[w:トリブヌス・ミリトゥム|兵士長官]]</rb><rp>(</rp><rt>トリブヌス・ミリトゥム</rt><rp>)</rp></ruby>たちと第一序列(の[[w:ケントゥリオ|百人隊長]])たちを召集すると、 **:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:1個軍団当たりの<ruby><rb>[[w:トリブヌス・ミリトゥム|兵士長官]]</rb><rp>(</rp><rt>トリブヌス・ミリトゥム</rt><rp>)</rp></ruby> の定員は計6名。<br>    第一序列の<ruby><rb>[[w:ケントゥリオ|百人隊長]]</rb><rp>(</rp><rt>ケントゥリオー</rt><rp>)</rp></ruby>たち primorum ordinum centuriones は、軍団内における[[w:下士官|下士官]]のトップであり、<br>     第一<ruby><rb>[[w:コホルス|歩兵大隊]]</rb><rp>(</rp><rt>コホルス</rt><rp>)</rp></ruby> においては定員5名だが、<br>     ほかの歩兵大隊においては定員6名であった。)</span> **:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:下線部は、&alpha;系写本では [[wikt:en:convocatus#Latin|convocatis]] だが、<br>         &beta;系写本では [[wikt:en:coactus#Participle|coactis]] などとなっている。)</span> *quid sui sit consilii, [[wikt:en:propono#Latin|proponit]] **自分の計略がいかなるものであるかを呈示して、 *et, quo facilius hostibus [[wikt:en:timor#Latin|timoris]] [[wikt:en:det#Latin|det]] [[wikt:en:suspicio#Noun|suspicionem]], **それ<small>〔計略〕</small>によって、よりたやすく敵勢に<small>(ローマ勢の)</small>恐怖心という推測を起こすべく、 *maiore [[wikt:en:strepitus#Latin|strepitu]] et [[wikt:en:tumultus#Latin|tumultu]], quam populi Romani fert [[wikt:en:consuetudo#Latin|consuetudo]] **ローマ国民の習慣が引き起こすよりもより大きな騒音や喧騒をもって *castra [[wikt:en:moveo#Latin|moveri]] [[wikt:en:iubeo#Latin|iubet]]. **陣営を引き払うことを命じる。 *His rebus fugae [[wikt:en:similis#Latin|similem]] [[wikt:en:profectio#Latin|profectionem]] [[wikt:en:efficio#Latin|effecit]]. **<small>(ラビエーヌスは)</small>これらの事によって、逃亡に似た進発を実現した。 :  *<!--❾-->Haec quoque per [[wikt:en:explorator#Latin|exploratores]] **これらのこともまた、<small>(トレーウェリー勢の)</small>斥候たちを通じて、 *ante [[wikt:en:lux#Latin|lucem]] in tanta [[wikt:en:propinquitas#Latin|propinquitate]] castrorum ad hostes [[wikt:en:defero#Latin|deferuntur]]. **夜明け前には、陣営のこれほどの近さにより、敵勢へ報じられる。 <!-- <span style="color:#009900;"></span> <small></small> **:<span style="color:#009900;">(訳注: **:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注: --> ===8節=== *<span style="background-color:#ffd;">[[/注解/8節]] {{進捗|00%|2024-10-28}}</span> ;ラビエーヌスがトレーウェリー族を降す :  ;   トレーウェリー勢が、渡河してラビエーヌスの軍勢に攻めかかろうとする *<!--❶-->[[wikt:en:vix#Latin|Vix]] [[wikt:en:agmen#Latin|agmen]] [[wikt:en:novissimus#Latin|novissimum]] extra [[wikt:en:munitio#Latin|munitiones]] [[wikt:en:procedo#Latin|processerat]], **<small>(ローマ勢の)</small>行軍隊列の最後尾が防塁の外側にほぼ進み出ようとしていた、 *cum Galli [[wikt:en:cohortatus#Latin|cohortati]] inter se, ne [[wikt:en:speratus#Latin|speratam]] [[wikt:en:praeda#Latin|praedam]] ex manibus [[wikt:en:dimitto#Latin|dimitterent]] **そのときにガッリア人たちは、期待していた戦利品を<small>(彼らの)</small>手から逸しないように、互いに鼓舞し合って、 *── longum esse, [[wikt:en:perterritus#Latin|perterritis]] Romanis [[wikt:en:Germani#Proper_noun|Germanorum]] auxilium [[wikt:en:exspecto#Latin|exspectare]]; **── ローマ人が<ruby><rb>怖気</rb><rp>(</rp><rt>おじけ</rt><rp>)</rp></ruby>ているのに、[[w:ゲルマニア|ゲルマーニア]]人の支援を待つことは悠長なものである。 *neque suam [[wikt:en:patior#Latin|pati]] [[wikt:en:dignitas#Latin|dignitatem]], **<small>(以下のことは)</small>自分たちの尊厳が耐えられない。 *ut [[wikt:en:tantus#Latin|tantis]] copiis [[wikt:en:tam#Latin|tam]] [[wikt:en:exiguus#Latin|exiguam]] manum, praesertim [[wikt:en:fugiens#Latin|fugientem]] atque [[wikt:en:impeditus#Latin|impeditam]], **これほどの大軍勢で<small>(ローマの)</small>それほどの貧弱な手勢を、特に逃げ出して<small>(荷物で)</small>妨げられている者たちを *[[wikt:en:adorior#Latin|adoriri]] non [[wikt:en:audeo#Latin|audeant]] ── **あえて襲撃しないとは──<small>(と鼓舞し合って)</small> *flumen [[wikt:en:transeo#Latin|transire]] et iniquo loco [[wikt:en:committo#Latin|committere]] proelium non [[wikt:en:dubito#Latin|dubitant]]. **川を渡って<small>(切り立った岸を登りながら)</small>不利な場所で交戦することをためらわない。 :  ;   ラビエーヌス勢が怖気を装いながら、そろりそろりと進む *<!--❷-->Quae fore [[wikt:en:suspicatus#Latin|suspicatus]] [[wikt:en:Labienus#Latin|Labienus]], **こうしたことが生じるであろうと想像していた[[w:ティトゥス・ラビエヌス|ラビエーヌス]]は、 *ut omnes citra flumen [[wikt:en:elicio#Latin|eliceret]], **<small>(敵の)</small>総勢を川のこちら側に誘い出すように、 *[[wikt:en:idem#Latin|eadem]] [[wikt:en:usus#Participle|usus]] [[wikt:en:simulatio#Latin|simulatione]] itineris **行軍の同じ見せかけを用いて、 **:<span style="color:#009900;">(訳注:前節で語られたように、<ruby><rb>怖気</rb><rp>(</rp><rt>おじけ</rt><rp>)</rp></ruby>て今にも逃げ出しそうな風に装いながらの行軍。)</span> *[[wikt:en:placide#Adverb|placide]] [[wikt:en:progredior#Latin|progrediebatur]]. **穏やかに前進していた。 :  ;   ラビエーヌスが全軍の兵を叱咤激励する *<!--❸-->Tum [[wikt:en:praemissus#Latin|praemissis]] paulum impedimentis **それから、[[w:輜重|輜重]]<small>(の隊列)</small>を少し先に遣わして、 *atque in [[wikt:en:tumulus#Latin|tumulo]] [[wikt:en:quidam#Adjective|quodam]] [[wikt:en:collocatus#Latin|conlocatis]], **とある高台に配置すると、 *<!--▲直接話法--><span style="background-color:#e8e8ff;"><span style="color:#009900;">«</span>&nbsp;[[wikt:en:habetis|Habetis]],<span style="color:#009900;">»</span></span> [[wikt:en:inquam#Latin|inquit]], <!--▲直接話法--><span style="background-color:#e8e8ff;"><span style="color:#009900;">«</span>milites, quam [[wikt:en:petistis|petistis]], [[wikt:en:facultas#Latin|facultatem]]; </span> **<small>(ラビエーヌスは)</small>「兵士らよ、<small>(諸君は)</small>求めていた機会を得たぞ」と言った。 **:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:以下、<!--▲直接話法--><span style="background-color:#e8e8ff;">&nbsp;<span style="color:#009900;">«</span> ~ <span style="color:#009900;">»</span>&nbsp;</span> の箇所は、直接話法で記されている。)</span> *<!--▲直接話法--><span style="background-color:#e8e8ff;">hostem [[wikt:en:impeditus#Latin|impedito]] atque [[wikt:en:iniquus#Latin|iniquo]] loco [[wikt:en:tenetis|tenetis]]: </span> **「<small>(諸君は)</small>敵を<small>(川岸で)</small>妨げられた不利な場所に追いやった。」 *<!--❹--><!--▲直接話法--><span style="background-color:#e8e8ff;">[[wikt:en:praestate|praestate]] eandem nobis [[wikt:en:dux#Latin|ducibus]] [[wikt:en:virtus#Latin|virtutem]], quam saepe numero [[wikt:en:imperator#Latin|imperatori]] [[wikt:en:praestitistis|praestitistis]], </span> **「我々<ruby><rb>将帥</rb><rp>(</rp><rt>ドゥクス</rt><rp>)</rp></ruby>らに、<small>(諸君が)</small>しばしば<ruby><rb>将軍</rb><rp>(</rp><rt>インペラートル</rt><rp>)</rp></ruby><small>〔カエサル〕</small>に見せて来たのと同じ武勇を見せてくれ。」 *<!--▲直接話法--><span style="background-color:#e8e8ff;">atque illum adesse et haec [[wikt:en:coram#Adverb|coram]] [[wikt:en:cerno#Latin|cernere]] [[wikt:en:existimate|existimate]].<span style="color:#009900;">»</span></span> **「彼<small>〔カエサル〕</small>が訪れて、これ<small>〔武勇〕</small>を目の前で見ていると思ってくれ。」 :  ;   ラビエーヌスが軍を反転させて攻撃態勢を整える *<!--❺-->Simul signa ad hostem [[wikt:en:converto#Latin|converti]] aciemque [[wikt:en:dirigo#Latin|dirigi]] [[wikt:en:iubeo#Latin|iubet]], **同時に、軍旗が敵の方へ向きを変えられることと、戦列が整えられること、を命じる。 **:<span style="color:#009900;">(訳注:軍勢が敵側へ向けて反転して、戦列を整えること、を命じた。)</span> [[画像:Pilensalve.jpg|thumb|right|250px|[[w:ピルム|ピールム]](投槍)を投げるローマ軍兵士(帝政期)の再演]] *et paucis [[wikt:en:turma#Latin|turmis]] praesidio ad impedimenta [[wikt:en:dimissus#Latin|dimissis]], **かつ若干の<ruby><rb>[[w:トゥルマ|騎兵小隊]]</rb><rp>(</rp><rt>トゥルマ</rt><rp>)</rp></ruby>を輜重のための守備隊として送り出して、 **:<span style="color:#009900;">(訳注:騎兵小隊 turma はローマ軍の<br>    [[w:アウクシリア|支援軍]]における中規模の編成単位で、<br>    各30騎ほどと考えられている。)</span> *reliquos equites ad latera [[wikt:en:dispono#Latin|disponit]]. **残りの[[w:騎兵|騎兵]]たちを<small>(軍勢の)</small>両側面へ分置する。 :  ;   ラビエーヌス勢が喊声を上げて、投げ槍を投げ始める *<!--❻-->Celeriter nostri, clamore [[wikt:en:sublatus#Latin|sublato]], [[wikt:en:pilum#Latin|pila]] in hostes [[wikt:en:inmitto#Latin|inmittunt]]. **我が方<small>〔ローマ勢〕</small>は、雄叫びを上げると、速やかに<ruby><rb>[[w:ピルム|投げ槍]]</rb><rp>(</rp><rt>ピールム</rt><rp>)</rp></ruby>を敵勢へ放り入れる。 :  ;   不意を突かれたトレーウェリー勢が、一目散に逃げ出して、最寄りの森林を目指す *Illi, ubi [[wikt:en:praeter#Latin|praeter]] spem, quos <span style="color:#009900;">&lt;modo&gt;</span> [[wikt:en:fugio#Latin|fugere]] [[wikt:en:credo#Latin|credebant]], [[wikt:en:infestus#Latin|infestis]] signis ad se ire viderunt, **<span style="font-size:11pt;">彼らは、期待に反して、<span style="color:#009900;">&lt;ただ&gt;</span>逃げていると信じていた者たちが、軍旗を攻勢にして自分らの方へ来るのを見るや否や、</span> *[[wikt:en:impetus#Latin|impetum]] <u>modo</u> ferre non potuerunt **<small>(ローマ勢の)</small>突撃を持ちこたえることができずに、 **:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:下線部 modo は主要写本&omega;ではこの位置にあるが、<br>    上記の &lt;modo&gt; に移す修正提案がある。)</span> *ac primo [[wikt:en:concursus#Noun|concursu]] in fugam [[wikt:en:coniectus#Participle|coniecti]] **最初の猛攻で敗走に追い込まれて、 *proximas silvas [[wikt:en:peto#Latin|petierunt]]. **近隣の森を目指した。 :  ;   ラビエーヌス勢が、トレーウェリー勢の多数を死傷させ、部族国家を奪回する *<!--❼-->Quos [[wikt:en:Labienus#Latin|Labienus]] equitatu [[wikt:en:consectatus#Latin|consectatus]], **<small>(敗走した)</small>その者たちを、ラビエーヌスは騎兵隊で追撃して、 *magno numero [[wikt:en:interfectus#Latin|interfecto]], **多数の者を<ruby><rb>殺戮</rb><rp>(</rp><rt>さつりく</rt><rp>)</rp></ruby>して、 *compluribus [[wikt:en:captus#Latin|captis]], **かなりの者たちを捕らえて、 *paucis post diebus civitatem recepit. **数日後に<small>(トレーウェリーの)</small>部族国家を<small>(蜂起の前の状態に)</small>戻した。 :  [[画像:Bund-ro-altburg.jpg|thumb|right|180px|トレーウェリー族の再現された住居(再掲)]] [[画像:Trier_Kaiserthermen_BW_1.JPG|thumb|right|180px|トレーウェリー族(Treveri)の名を現代に伝えるドイツの[[w:トリーア|トリーア市]](Trier)に残るローマ時代の浴場跡]] ;   ゲルマーニア人の援軍が故国へ引き返す *Nam [[wikt:en:Germani#Latin|Germani]], qui auxilio veniebant, **なぜなら、援軍として来ようとしていたゲルマーニア人たちは、 *[[wikt:en:perceptus#Latin|percepta]] [[wikt:en:Treveri#Latin|Treverorum]] fuga **トレーウェリー族の敗走を把握したので、 *sese [[wikt:en:domus#Latin|domum]] <u>receperunt</u>. **故国に撤退していった。 **:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:下線部は、&alpha;系写本では [[wikt:en:receperunt|receperunt]] だが、<br>         &beta;系写本では [[wikt:en:contulerunt|contulerunt]] となっている。)</span> :  ;   インドゥーティオマールスの残党がゲルマーニアへ出奔する *<!--❽-->Cum his [[wikt:en:propinquus#Latin|propinqui]] [[wikt:en:Indutiomarus#Latin|Indutiomari]], **彼ら<small>〔ゲルマーニア人〕</small>とともに、インドゥーティオマールスの縁者たちは、 *qui [[wikt:en:defectio#Latin|defectionis]] [[wikt:en:auctor#Latin|auctores]] fuerant, **その者らは<small>(トレーウェリー族におけるカエサルへの)</small>謀反の張本人であったが、 *[[wikt:en:comitatus#Participle|comitati]] eos ex civitate [[wikt:en:excedo#Latin|excesserunt]]. **彼ら<small>〔ゲルマーニア人〕</small>を伴って、部族国家から出て行った。 :  ;   カエサルとローマに忠節なキンゲトリークスに、部族の統治権が託される *<!--❾-->[[wikt:en:Cingetorix#Latin|Cingetorigi]], **キンゲトリークスに対しては、 *quem ab initio [[wikt:en:permaneo#Latin|permansisse]] in [[wikt:en:officium#Latin|officio]] [[wikt:en:demonstravimus|demonstravimus]], **──その者が当初から<small>(ローマへの)</small>忠義に留まり続けたことは前述したが── **:<span style="color:#009900;">(訳注:キンゲトリークスについては、[[ガリア戦記 第5巻#3節|第5巻3節]]~4節・[[ガリア戦記 第5巻#56節|56節]]~57節で述べられている。)</span> *[[wikt:en:principatus#Latin|principatus]] atque [[wikt:en:imperium#Latin|imperium]] est traditum. **首長の地位と支配権が託された。 <!-- <span style="color:#009900;"></span> <span style="font-size:11pt;"></span> <small></small> **:<span style="color:#009900;">(訳注: **:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注: --> ==第二次ゲルマーニア遠征== ===9節=== *<span style="background-color:#ffd;">[[/注解/9節]] {{進捗|00%|2024-11-06}}</span> ;再びレーヌスを渡河、ウビイー族を調べる *<!--❶-->Caesar, [[wikt:en:postquam#Latin|postquam]] ex [[wikt:en:Menapii#Latin|Menapiis]] in [[wikt:en:Treveri#Latin|Treveros]] venit, **カエサルは、メナピイー族のところからトレーウェリー族のところに来た後で、 *duabus de causis [[wikt:en:Rhenus#Latin|Rhenum]] [[wikt:en:transeo#Latin|transire]] [[wikt:en:constituo#Latin|constituit]]; **二つの理由からレーヌス<small>〔[[w:ライン川|ライン川]]〕</small>を渡ることを決めた。 :  *<!--❷-->quarum una erat, quod <span style="color:#009900;">&lt;Germani&gt;</span> auxilia contra se [[wikt:en:Treveri#Latin|Treveris]] [[wikt:en:mitto#Latin|miserant]]; **その<small>(理由の)</small>一つは、<span style="color:#009900;">&lt;ゲルマーニア人が&gt;</span>自分<small>〔カエサル〕</small>に対抗して、トレーウェリー族に援軍を派遣していたことであった。 **:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:&lt;[[wikt:en:Germani#Latin|Germani]]&gt; は、主要写本&omega;にはなく、[[ガリア戦記/注解編/写本と校訂版#Hotomanus|Hotomanus]] による挿入提案。)</span> *<span style="color:#009900;">(quarum)</span> altera <span style="color:#009900;">(erat)</span>, ne ad eos [[wikt:en:|Ambiorix]] [[wikt:en:receptus#Noun|receptum]] haberet. **もう一つ<small>(の理由)</small>は、彼らのもとへ[[w:アンビオリクス|アンビオリークス]]が避難所を持たないように、ということであった。 :  [[画像:Caesar's Rhine Crossing.jpg|thumb|right|250px|カエサルがライン川に橋を架けたとされる有力な地点の図示。ライン川と[[w:モーゼル川|モーゼル川]]の合流点にある[[w:コブレンツ|コブレンツ]]([[w:en:Koblenz|Koblenz]])と下流の[[w:アンダーナッハ|アンダーナッハ]]([[w:en:Andernach|Andernach]])との間の[[w:ノイヴィート|ノイヴィート]]([[w:en:Neuwied|Neuwied]])辺りが有力な地点の一つとされる。'''([[ガリア戦記_第4巻#17節|第4巻17節]]の図を再掲)''']] *<!--❸-->His [[wikt:en:constitutus#Participle|constitutis]] rebus, **これらの事柄を決定すると、 *[[wikt:en:paulum#Adverb|paulum]] supra eum locum, [[wikt:en:quo#Adverb|quo]] ante exercitum [[wikt:en:traduco#Latin|traduxerat]], **<u>以前に軍隊を渡らせていた場所</u>の少し上流に、 *facere [[wikt:en:pons#Latin|pontem]] [[wikt:en:instituo#Latin|instituit]]. **橋を造ることを決意する。 **:<span style="color:#009900;">(訳注:[[ガリア戦記_第4巻#17節|第4巻17節]] でカエサルが[[w:ライン川|ライン川]]に架橋した場所のこと。<br>    第4巻の'''[[ガリア戦記_第4巻#コラム「ゲルマーニア両部族が虐殺された場所はどこか?」|コラム]]''' や [[ガリア戦記_第4巻#17節|第4巻17節]]の図で説明したように、<br>    カエサルの最初の架橋地点には異論もあるが、<br>    今回の架橋地点がトレーウェリー族領であった<br>    [[w:モーゼル川|モーゼル川]]渓谷から近かったであろうことから有力視される。)</span> :  *<!--❹-->[[wikt:en:notus#Latin|Nota]] atque [[wikt:en:institutus#Latin|instituta]] ratione, **経験しかつ建造していた方法で、 *magno militum [[wikt:en:studium#Latin|studio]] **兵士たちの大きな熱意により *paucis diebus [[wikt:en:opus#Latin|opus]] [[wikt:en:efficio#Latin|efficitur]]. **わずかな日数で作業が完遂される。 :  *<!--❺-->[[wikt:en:firmus#Latin|Firmo]] in [[wikt:en:Treveri#Latin|Treveris]] ad pontem praesidio [[wikt:en:relictus#Latin|relicto]], **トレーウェリー族領内の橋のたもとへ強力な守備隊を残して、 *ne [[wikt:en:aliquis#Latin|quis]] ab his subito [[wikt:en:motus#Noun_2|motus]] <u>oreretur</u>, **──彼ら<small>〔トレーウェリー族〕</small>による何らかの動乱が不意に起こされないためであるが、── **:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:下線部は、&chi;系・B・&rho;系写本では [[wikt:en:oreretur|oreretur]]、<br>         &phi;系・&pi;系写本では [[wikt:en:oriretur|oriretur]] だが、語形の相異。)</span> *reliquas copias [[wikt:en:equitatus#Noun|equitatum]]<nowiki>que</nowiki> [[wikt:en:traduco#Latin|traducit]]. **残りの軍勢と騎兵隊を<small>(レーヌス川の東岸へ)</small>渡らせる。 :  *<!--❻-->[[wikt:en:Ubii#Latin|Ubii]], qui ante obsides [[wikt:en:dederant|dederant]] atque in [[wikt:en:deditio#Latin|deditionem]] venerant, **ウビイー族は、以前に<small>(カエサルに対して)</small>人質たちを供出していて、降伏していたが、 **:<span style="color:#009900;">(訳注:この事はすでに[[ガリア戦記 第4巻#16節|第4巻16節]]で述べられている。)</span> *<u>[[wikt:en:purgandus#Latin|purgandi]] sui</u> causa ad eum legatos mittunt, **自分たちの申し開きをすることのために、彼<small>〔カエサル〕</small>のもとへ使節たちを遣わして、 **:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:下線部は、&alpha;系写本では [[wikt:en:purgandi|purgandi]] [[wikt:en:sui#Pronoun|sui]] だが、<br>         &beta;系写本では purgandi のみ。)</span> *qui [[wikt:en:doceant|doceant]], **<small>(以下のように)</small>説かせた。 *neque <u>auxilia ex sua civitate</u> in [[wikt:en:Treveri#Latin|Treveros]] [[wikt:en:missus#Participle|missa]] **自分たちの部族から援軍をトレーウェリー族のところに派遣してもいないし、 **:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:下線部は、&chi;系・B・M・S写本では [[wikt:en:auxilia#Latin|auxilia]] ex sua [[wikt:en:civitate|civitate]]、<br>         L・N・&beta;系写本では ex sua civitate auxilia の語順になっている。)</span> *neque ab se [[wikt:en:fides#Latin|fidem]] [[wikt:en:laesus#Latin|laesam]]: **自分らにより<small>(ローマへの)</small>信義を傷つけてもいない、と。 :  *<!--❼-->[[wikt:en:peto#Latin|petunt]] atque [[wikt:en:oro#Latin|orant]], **<small>(ウビイー族の使節たちは、以下のように)</small>求め、かつ願った。 *ut sibi [[wikt:en:parco#Latin|parcat]], **自分たちを容赦し、 *ne [[wikt:en:communis#Latin|communi]] [[wikt:en:odium#Latin|odio]] [[wikt:en:Germani#Latin|Germanorum]] [[wikt:en:innocens#Latin|innocentes]] pro [[wikt:en:nocens#Latin|nocentibus]] poenas [[wikt:en:pendo#Latin|pendant]]; **[[w:ゲルマニア|ゲルマーニア]]人一般への憎しみから、潔白な者たちが加害者たちのために罰を償うことがないように、と。 *si [[wikt:en:amplius|amplius]] obsidum <u>vellet, dare</u> [[wikt:en:polliceor#Latin|pollicentur]]. **もし、より多くの人質を欲するのなら、供出することを約束する、と。 **:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:下線部は、&alpha;系写本では [[wikt:en:vellet#Latin|vellet]] <small>(未完了過去・接続法)</small> [[wikt:en:dare#Latin|dare]] <small>(現在・能動・不定)</small> だが、<br>         &beta;系写本では [[wikt:en:velit#Latin|velit]] <small>(現在・接続法)</small> [[wikt:en:dari#Latin|dari]] <small>(現在・受動・不定法)</small> となっている。)</span> :  *<!--❽-->Cognita Caesar causa **カエサルは事情を調査して、 *<u>repperit</u> ab [[wikt:en:Suebi#Latin|Suebis]] auxilia [[wikt:en:missus#Participle|missa]] esse; **スエービー族により<small>(トレーウェリー族に)</small>援軍が派遣されていたことを見出した。 **:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:下線部は、主要写本 &omega; では [[wikt:en:repperit|repperit]] <small>(完了形)</small> だが、<br>         近世以降の印刷本 [[ガリア戦記/注解編/写本と校訂版#クリティカル・アパラトゥスとその略号|edd.]] では [[wikt:en:reperit|reperit]] <small>(現在形)</small> となっている。)</span> :  *[[wikt:en:Ubii#Latin|Ubiorum]] [[wikt:en:satisfactio#Latin|satisfactionem]] <u>accepit</u>, **ウビイー族の弁解を受け入れて、 **:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:下線部は、主要写本 &omega; では [[wikt:en:accepit|accepit]] <small>(完了形)</small> だが、<br>         [[ガリア戦記/注解編/写本と校訂版#Davisius|Davisius]] の修正提案では [[wikt:en:accipit|accipit]] <small>(現在形)</small> となっている。)</span> *[[wikt:en:aditus#Noun_2|aditus]] viasque in [[wikt:en:Suebi#Latin|Suebos]] [[wikt:en:perquiro#Latin|perquirit]]. **スエービー族のところに出入りする道筋を問い質す。 <!-- <span style="color:#009900;"></span> <small></small> **:<span style="color:#009900;">(訳注: **:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注: --> ===10節=== *<span style="background-color:#ffd;">[[/注解/10節]] {{進捗|00%|2024-11-16}}</span> ;ウビイー族を通じてスエービー族の動静を探る *<!--❶-->Interim paucis post diebus fit ab [[wikt:en:Ubii#Latin|Ubiis]] certior, **数日後の間に、ウビイー族によって報告されたことには、 *[[wikt:en:Suebi#Latin|Suebos]] omnes in unum locum copias [[wikt:en:cogo#Latin|cogere]] **スエービー族は、すべての軍勢を一か所に集めて、 **:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:後述するように、これはカッティー族 [[w:en:Chatti|Chatti]] のことであろう。)</span> *atque iis [[wikt:en:natio#Latin|nationibus]], quae sub eorum sint imperio, **彼らの支配下にある種族たちに *[[wikt:en:denuntio#Latin|denuntiare]], ut auxilia [[wikt:en:peditatus#Latin|peditatus]] [[wikt:en:equitatus#Noun|equitatus]]<nowiki>que</nowiki> mittant. **[[w:歩兵|歩兵]]隊と[[w:騎兵|騎兵]]隊の援軍を派遣するように布告する。 :  *<!--❷-->His [[wikt:en:cognitus#Participle|cognitis]] rebus, **<small>(カエサルは)</small>これらの事情を知ると、 *rem [[wikt:en:frumentarius#Latin|frumentariam]] [[wikt:en:provideo#Latin|providet]], **糧食調達を手配して、 *castris idoneum locum [[wikt:en:deligo#Latin|deligit]]; **[[w:カストラ|陣営]]<small>(を設置するために)</small>に適切な場所を選ぶ。 :  *[[wikt:en:Ubii#Latin|Ubiis]] [[wikt:en:impero#Latin|imperat]], ut [[wikt:en:pecus#Latin|pecora]] [[wikt:en:deduco#Latin|deducant]] suaque omnia ex agris in oppida [[wikt:en:confero#Latin|conferant]], **ウビイー族には、家畜を連れ去り、自分らの一切合財を農村地帯から<ruby><rb>[[w:オッピドゥム|城塞都市]]</rb><rp>(</rp><rt>オッピドゥム</rt><rp>)</rp></ruby>に運び集めるように命令する。 *[[wikt:en:sperans#Latin|sperans]] [[wikt:en:barbarus#Adjective|barbaros]] atque [[wikt:en:imperitus#Latin|imperitos]] homines **<small>(カエサルが)</small>期待したのは、野蛮で未熟な連中が *[[wikt:en:inopia#Noun_2|inopia]] [[wikt:en:cibaria#Latin|cibariorum]] [[wikt:en:adductus#Latin|adductos]] **食糧の欠乏に動かされて、 *ad [[wikt:en:iniquus#Latin|iniquam]] [[wikt:en:pugno#Latin|pugnandi]] [[wikt:en:condicio#Latin|condicionem]] posse [[wikt:en:dēdūcō|deduci]]; **不利な条件のもとで戦うことにミスリードされ得ることであった。 :  ;   ウビイー族の間者たちを通じて、スエービー族の奥地への撤収が報じられる *<!--❸-->[[wikt:en:mando#Latin|mandat]], ut [[wikt:en:creber#Latin|crebros]] [[wikt:en:explorator#Latin|exploratores]] in [[wikt:en:Suebi#Latin|Suebos]] [[wikt:en:mitto#Latin|mittant]] [[wikt:en:quis#Pronoun|quae]]<nowiki>que</nowiki> apud eos [[wikt:en:gero#Latin|gerantur]] [[wikt:en:cognosco#Latin|cognoscant]]. **多数の斥候をスエービー族領に遣わして、彼らのもとで遂行されていることを探知するように<small>(ウビイー族に)</small>委ねる。 :  *<!--❹-->Illi [[wikt:en:imperatum#Latin|imperata]] faciunt **彼ら<small>〔ウビイー族〕</small>は、命令されたことを実行して、 *et paucis diebus [[wikt:en:intermissus#Latin|intermissis]] [[wikt:en:refero#Latin|referunt]]: **わずかな日々を間に置いて(以下のことを)報告する。 *[[wikt:en:Suebi#Latin|Suebos]] omnes, posteaquam [[wikt:en:certior#Latin|certiores]] [[wikt:en:nuntius#Latin|nuntii]] de exercitu Romanorum venerint, **スエービー族総勢は、ローマ人の軍隊についてより確実な報告がもたらされた後で、 *cum omnibus suis [[wikt:en:socius#Noun_2|sociorum]]<nowiki>que</nowiki> copiis, quas [[wikt:en:coegissent|coegissent]], **自分たちの総勢と、集結していた同盟者の軍勢とともに、 *[[wikt:en:penitus#Adverb|penitus]] ad [[wikt:en:extremus#Adjective|extremos]] fines se [[wikt:en:recepisse#Latin|recepisse]]; **領土の最も遠い奥深くまで撤退した、ということだった。。 :  *<!--❺-->silvam esse ibi [[wikt:en:infinitus#Latin|infinita]] magnitudine, quae [[wikt:en:appellatur|appellatur]] <u>Bacenis</u>; **そこには、'''バケーニス'''と呼ばれている限りない大きさの森林がある。 **:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:バケーニス [[wikt:en:Bacenis#Latin|Băcēnis]] は、ギリシア語で Βακέννη とも表記されるが、どこなのかは諸説ある。<br>     ①ドイツ西部[[w:ヘッセン州|ヘッセン州]]にあったブコニアの森 ''[[w:de:Buchonia|Buchonia]]; [[w:fr:Forêt de Buconia|Buconia]]'' は有力。<br>     ②ドイツの奥地・中東部の[[w:テューリンゲン州|テューリンゲン州]]にある[[w:テューリンゲンの森|テューリンゲンの森]]という説<ref>[[s:de:RE:Bacenis silva]], [[wikt:de:Bacenis]] 等を参照。</ref><br>     ③ドイツ西部[[w:ラインラント=プファルツ州|ラインラント=プファルツ州]]ライン川沿岸のニールシュタイン [[w:en:Nierstein|Nierstein]] 説、<br>    などがある。史実としてスエービーという部族連合が居住していたのはテューリンゲンであろうが、<br>    ライン川からはあまりにも遠すぎる。)</span> *hanc longe <u>introrsus</u> [[wikt:en:pertineo#Latin|pertinere]] **これ<small>〔森林〕</small>は、はるか内陸に及んでいて、 **:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:[[wikt:en:introrsus|introrsus]] = [[wikt:en: introrsum#Latin|introrsum]]「内部へ」)</span> *et pro [[wikt:en:nativus#Latin|nativo]] [[wikt:en:murus#Latin|muro]] [[wikt:en:obiectus#Participle|obiectam]] **天然の防壁として横たわっており、 *[[wikt:en:Cheruscos|Cheruscos]] ab [[wikt:en:Suebi#Latin|Suebis]] [[wikt:en:Suebi#Latin|Suebosque]] ab [[wikt:en:Cheruscis|Cheruscis]] [[wikt:en:iniuria#Latin|iniuriis]] [[wikt:en:incursio#Latin|incursionibus]]<nowiki>que</nowiki> [[wikt:en:prohibeo#Latin|prohibere]]: **ケールスキー族をスエービー族から、スエービー族をケールスキー族から、無法行為や襲撃から防いでいる。 *ad eius [[wikt:en:initium#Latin|initium]] silvae [[wikt:en:Suebi#Latin|Suebos]] [[wikt:en:adventus#Latin|adventum]] Romanorum [[wikt:en:exspecto#Latin|exspectare]] [[wikt:en:constituo#Latin|constituisse]]. **その森の始まりのところで、スエービー族はローマ人の到来を待ち構えることを決定した。 <!-- <span style="color:#009900;"></span> <small></small> **:<span style="color:#009900;">(訳注: **:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注: --> <div style="border:solid #999 1px;background:#feedff;max-width:80%;padding:0.25em 1em;margin:0.5em auto;align:left;overflow:auto;text-align:justify;"> ===コラム「スエービー族とカッティー族・ケールスキー族・ウビイー族について」=== [[画像:Hermann (Arminius) at the battle of the Teutoburg Forest in 9 CE by Peter Jannsen, 1873, with painting creases and damage removed.jpg|thumb|right|250px|ウァルスの戦い([[w:de:Varusschlacht|Varusschlacht]])こと[[w:トイトブルク森の戦い|トイトブルク森の戦い]](AD9年)で戦う、ゲルマーニア軍とローマ軍(Johann Peter Theodor Janssen画、1870~1873年頃)。中央上の人物はケールスキー族の名将[[w:アルミニウス (ゲルマン人)|アルミニウス]]。<br>アルミニウスが率いるケールスキー族・カッティー族らゲルマーニア諸部族同盟軍は、P.クィン(ク)ティリウス・ウァルス麾下ローマ3個軍団を壊滅させ、アウグストゥスに「ウァルスよ諸軍団を返せ([[w:la:Publius_Quinctilius_Varus|Quintili Vare]], legiones redde!)」と嘆かせた。]] <br> <div style="background:#ecf;">  '''スエービー族とカッティー族'''</div> :『ガリア戦記』では、第1巻・第4巻および第6巻でたびたび[[w:スエビ族|スエービー族]]の名が言及される。タキトゥス<ref>『ゲルマーニア』タキトゥス著、泉井久之助訳注、岩波文庫の38章「スエービー」などを参照。</ref>など多くの史家が伝えるようにスエービー族 [[wikt:en:Suebi#Latin|Suēbī]] またはスエウィ族 Suēvī とは、単一の部族名ではなく、多くの独立した部族国家から構成される連合体の総称とされる。 :19世紀のローマ史家[[w:テオドール・モムゼン|テオドール・モムゼン]]によれば<ref>『モムゼン ローマの歴史Ⅳ』長谷川博隆訳、名古屋大学出版会、のp.201, p.224, p.232などを参照。</ref>、カエサルの時代のローマ人には 「スエービー」とは遊牧民を指す一般的な呼称で、カエサルがスエービーと呼ぶのはカッティー族だという。 :カッティー族とスエービー系諸部族の異同は明確ではないが、多くの史家は両者を区別して伝えている。 : 第1巻37節・51節・53節~54節、第4巻1節~4節・7節などで言及され、「百の郷を持つ」と されている「スエービー族」は、スエービー系諸部族の総称、あるいは遊牧系の部族を指すのであろう。 : 他方、第4巻16節・19節・第6巻9節~10節・29節で、ウビイー族を圧迫する存在として言及される :「スエービー族」はモムゼンの指摘のように、カッティー族 [[w:en:Chatti|Chatti]] であることが考えられる。 :タキトゥス著『ゲルマーニア』<ref>『ゲルマーニア』タキトゥス著、泉井久之助訳注、岩波文庫の36章「ケルスキー」などを参照。</ref>でも、カッティー族はケールスキー族と隣接する宿敵として描写され、本節の説明に合致する。 <div style="background:#ecf;">  '''ケールスキー族'''</div> :ケールスキー族は、『ガリア戦記』では[[#10節|本節]]でカッティー族と隣接する部族として名を挙げられる :のみである。しかしながら、本巻の年(BC53年)から61年後(AD9年)には、帝政ローマの :[[w:アウグストゥス|アウグストゥス帝]]がゲルマーニアに派遣していたプブリウス・クィンクティリウス・ウァルス :([[w:la:Publius_Quinctilius_Varus|Publius Quinctilius Varus]])が率いるローマ軍3個軍団に対して、名将[[w:アルミニウス (ゲルマン人)|アルミニウス]]を :指導者とするケールスキー族は、カッティー族ら諸部族の同盟軍を組織して、ウァルスの3個軍団を :[[w:トイトブルク森の戦い|トイトブルク森の戦い]]において壊滅させ、老帝アウグストゥスを嘆かせたという。 <div style="background:#ecf;">  '''ウビイー族'''</div> :ウビイー族は『ガリア戦記』の第4巻・第6巻でも説明されているように、ローマ人への忠節を :認められていた。そのため、タキトゥスによれば<ref>『ゲルマーニア』タキトゥス著、泉井久之助訳注、岩波文庫の28章などを参照。</ref>、ゲルマニアへのローマ人の守りとして :BC38年頃にレヌス(ライン川)左岸のコロニア([[w:la:Colonia_Agrippina|Colonia]];植民市)すなわち現在の[[w:ケルン|ケルン市]]に移された。) </div> ==ガッリア人の社会と風習について== <div style="border:solid #999 1px;background:#feedff;max-width:80%;padding:0.25em 1em;margin:0.5em auto;align:left;overflow:auto;text-align:justify;"> ===コラム「ガッリア・ゲルマーニアの地誌・民族誌について」=== [[画像:Testa di saggio o principe, forse il filosofo poseidonio, 50 ac. ca 01.JPG|thumb|right|200px|アパメアの[[w:ポセイドニオス|ポセイドニオス]]の胸像。地中海世界やガッリアなどを広く訪れて、膨大な著作を残した。<br>『ガリア戦記』の地誌・民族誌的な説明も、その多くを彼の著作に依拠していると考えられている。]] :これ以降、11節~20節の10節にわたってガッリアの地誌・民族誌的な説明が展開され、さらには、ゲルマーニアの地誌・民族誌的な説明などが21節~28節の8節にわたって続く。ガッリア戦争の背景説明となるこのような地誌・民族誌は、本来ならば第1巻の冒頭に置かれてもおかしくはない。しかしながら、この第6巻の年(BC53年)は、カエサル指揮下のローマ勢にとってはよほど書かれるべき戦果が上がらなかったためか、ガッリア北部の平定とエブローネース族の追討戦だけでは非常に短い巻となってしまうため、このような位置に置いたとも考えられる。ゲルマーニアの森にどんな獣が住んでいるかなど、本筋にほとんど影響のないと思われる記述も見られる。 :『ガリア戦記』におけるガッリアの地誌・民族誌的な説明、特にこの11節以降の部分は、文化史的に重要なものと見なされ、考古学やケルトの伝承などからも裏付けられる。しかし、これらの記述はカエサル自身が見聞したというよりも、むしろ先人の記述、とりわけBC2~1世紀のギリシア哲学ストア派の哲学者・地理学者・歴史学者であった[[w:ポセイドニオス|ポセイドニオス]]([[w:la:Posidonius Apameus|Posidonius Apameus]])の著作に依拠していたと考えられている<ref>『ケルト事典』ベルンハルト・マイヤー著、鶴岡真弓監修、創元社の「ポセイドニオス」「カエサル」の項を参照。</ref> <ref>『ケルト人』ヴァンセスラス・クルータ([[w:fr:Venceslas Kruta|Venceslas Kruta]])著、鶴岡真弓訳、白水社 のp.20-21を参照。</ref>。ポセイドニオスは、ローマが支配する地中海世界やガッリア地域などを広く旅行した。彼の52巻からなる膨大な歴史書は現存しないが、その第23巻にガッリアに関する詳細な記述があったとされ、[[w:シケリアのディオドロス|ディオドロス]]、[[w:ストラボン|ストラボン]]、[[w:アテナイオス|アテナイオス]]らによって引用され、同時代および近代のケルト人観に多大な影響を与えたと考えられている。 :現存するガッリアの地誌・民族誌は、ストラボン<ref>『ギリシア・ローマ世界地誌Ⅰ』ストラボン著、飯尾都人訳、龍溪書舎を参照。</ref>、ディオドロス<ref>『神代地誌』ディオドロス著、飯尾都人訳、龍溪書舎を参照。</ref>、ポンポニウス・メラ<ref>『世界地理』ポンポニウス・メラ著、飯尾都人訳(上掲『神代地誌』に所収)</ref>のものなどがある。現存するゲルマーニアの地誌・民族誌は、ストラボン、タキトゥス<ref>『ゲルマーニア』タキトゥス著、泉井久之助訳注、岩波文庫などを参照。</ref>、ポンポニウス・メラなどのものがある。 </div> ===11節=== *<span style="background-color:#ffd;">[[/注解/11節]] {{進捗|00%|2024-11-25}}</span> ;ガッリア人の派閥性 *<!--❶-->[[wikt:en:quoniam#Latin|Quoniam]] ad hunc locum perventum est, **この地<small>〔ゲルマーニア〕</small>にまで到達したので、 *non [[wikt:en:alienus#Latin|alienum]] esse videtur, de Galliae Germaniaeque [[wikt:en:mos#Latin|moribus]] et, quo [[wikt:en:differo#Latin|differant]] hae [[wikt:en:natio#Latin|nationes]] inter sese, [[wikt:en:propono#Latin|proponere]]. **[[w:ガリア|ガッリア]]と[[w:ゲルマニア|ゲルマーニア]]の風習について、これらの種族が互いにどのように異なるか述べることは不適切でないと思われる。 :  *<!--❷-->In Gallia non solum in omnibus civitatibus atque in omnibus <u>pagis</u> partibusque, **ガッリアにおいては、すべての部族において、さらにすべての<u>郷</u>や地方においてのみならず、 **:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:''[[wikt:en:pagus#Latin|pagus]]'' (郷) はここでは、部族の領土の農村区画を指す行政用語<ref name="pagus">''[[w:en:Pagus]]'' 等を参照。</ref>。)</span> *sed paene etiam in singulis [[wikt:en:domus#Latin|domibus]] [[wikt:en:factio#Latin|factiones]] sunt, **ほとんどの個々の氏族においてさえも、派閥があり、 *earumque factionum [[wikt:en:princeps#Latin|principes]] sunt, **それらの派閥には、領袖たちがいる。 :  *<!--❸-->qui summam [[wikt:en:auctoritas#Latin|auctoritatem]] eorum [[wikt:en:iudicium#Latin|iudicio]] habere [[wikt:en:existimo#Latin|existimantur]], **その者<small>〔領袖〕</small>らは、彼ら<small>〔派閥〕</small>の判断に対して、最大限の影響力を持っていると考えられている。 *quorum ad [[wikt:en:arbitrium#Latin|arbitrium]] [[wikt:en:iudicium#Latin|iudicium]]<nowiki>que</nowiki> [[wikt:en:summa#Noun_6|summa]] omnium rerum [[wikt:en:consilium#Latin|consiliorum]]<nowiki>que</nowiki> [[wikt:en:redeo#Latin|redeat]]. **すべての事柄と協議は結局のところ、その者<small>〔領袖〕</small>らの裁量や判断へと帰する。 :  *<!--❹--><u>Idque</u> eius rei causa [[wikt:en:antiquitus#Latin|antiquitus]] [[wikt:en:institutus#Latin|institutum]] videtur, **それは、それらの事柄のために昔から取り決められたものと見られ、 **:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:下線部は &beta;系写本の記述で、&alpha;系写本では <u>[[wikt:en:itaque#Latin|itaque]]</u> となっている。)</span> *ne [[wikt:en:aliquis#Latin|quis]] ex [[wikt:en:plebs#Latin|plebe]] contra [[wikt:en:potentior|potentiorem]] [[wikt:en:auxilium#Latin|auxilii]] [[wikt:en:egeo#Latin|egeret]]: **権勢者と対立する平民の誰かが、助けに欠くことがないように、ということである。 *suos enim [[wikt:en:quisque#Latin|quisque]] [[wikt:en:opprimo#Latin|opprimi]] et [[wikt:en:circumvenio#Latin|circumveniri]] non [[wikt:en:patior#Latin|patitur]], **すなわち<small>(領袖たちの)</small>誰も、身内の者たちが抑圧されたり欺かれたりすることを容認しない。 *neque, [[wikt:en:aliter#Latin|aliter]] si faciat, [[wikt:en:ullus#Latin|ullam]] inter suos habet [[wikt:en:auctoritas#Latin|auctoritatem]]. **もし<small>(領袖が)</small>そうでなくふるまったならば、身内の者たちの間で何ら影響力を持てない。 :  *<!--❺-->Haec eadem [[wikt:en:ratio#Latin|ratio]] est in [[wikt:en:summa#Latin|summa]] totius Galliae; **これと同じ理屈が、ガッリア全体の究極において存在する。 *namque omnes [[wikt:en:civitas#Latin|civitates]] <u>in partes divisae sunt duas</u>. **すなわち、すべての部族が二つの党派に分けられているのである。 **:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:下線部は、&alpha;系写本の語順で、&beta;系写本では divisae sunt in duas partes となっている。)</span> <!-- <span style="color:#009900;"></span> <small></small> **:<span style="color:#009900;">(訳注: **:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注: --> ===12節=== *<span style="background-color:#ffd;">[[/注解/12節]] {{進捗|00%|2024-12-09}}</span> ;ハエドゥイー族、セークァニー族、レーミー族の覇権争い *<!--❶-->Cum Caesar in Galliam venit, **<small>(当初)</small>カエサルがガッリアに来たときに、 *alterius [[wikt:en:factio#Latin|factionis]] principes erant [[wikt:en:Aedui#Latin|Haedui]], alterius [[wikt:en:Sequani#Latin|Sequani]]. **一方の派閥の盟主は[[w:ハエドゥイ族|ハエドゥイー族]]であり、他方<small>(の派閥の盟主)</small>はセークァニー族であった。 **:<span style="color:#009900;">(訳注:第1巻31節の記述によれば、ハエドゥイー族と[[w:アルウェルニ族|アルウェルニー族]]がそれぞれの盟主であった。<br>    カエサルが本節でアルウェルニー族の名を伏せている理由は不明である。<br>    また、[[w:ストラボン|ストラボーン]]によれば<ref>ストラボン『ギリシア・ローマ世界地誌Ⅰ』(前掲、p.330)</ref>、ハエドゥイー族とセークァニー族の敵対関係においては、<br>    両部族を隔てるアラル川の水利権(川舟の通行税)をめぐる争いが敵意を助長していたという。)</span> :  *<!--❷-->Hi cum per se minus [[wikt:en:valerent|valerent]], **後者<small>〔セークァニー族〕</small>は自力ではあまり有力ではなかったので、 *quod [[wikt:en:summus#Latin|summa]] [[wikt:en:auctoritas#Latin|auctoritas]] [[wikt:en:antiquitus|antiquitus]] erat in [[wikt:en:Aedui#Latin|Haeduis]] **──というのは、昔から最大の威勢はハエドゥイー族にあって、 *magnaeque eorum erant [[wikt:en:clientela#Latin|clientelae]], **彼ら<small>〔ハエドゥイー族〕</small>には多くの庇護民がいたからであるが、── *[[wikt:en:Germani#Latin|Germanos]] atque [[wikt:en:Ariovistus#Latin|Ariovistum]] sibi [[wikt:en:adiungo#Latin|adiunxerant]] **[[w:ゲルマニア|ゲルマーニア]]人と[[w:アリオウィストゥス|アリオウィストゥス]]を自分たちに会盟させており、 *eosque ad se magnis [[wikt:en:iactura#Noun|iacturis]] [[wikt:en:pollicitatio#Latin|pollicitationibus]]<nowiki>que</nowiki> [[wikt:en:perduco#Latin|perduxerant]]. **多大な犠牲と約束で 彼らを自分たちの味方に引き入れていた。 :  *<!--❸-->Proeliis vero compluribus [[wikt:en:factus#Latin|factis]] [[wikt:en:secundus#Adjective|secundis]] **<small>(セークァニー族は)</small>実に幾多の戦闘で勝利を収めて、 **:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:[[w:紀元前63年|紀元前63年]]の'''マゲトブリガの戦い''' <ref name="マゲトブリガ">[[w:en:Battle of Magetobriga]]</ref> のことであろう。)</span> *atque omni [[wikt:en:nobilitas#Latin|nobilitate]] [[wikt:en:Aedui#Latin|Haeduorum]] [[wikt:en:interfectus#Latin|interfecta]] **ハエドゥイー族の貴族たちを皆殺しにして、 *tantum [[wikt:en:potentia#Latin|potentia]] [[wikt:en:antecedo#Latin|antecesserant]], **勢力の点で<small>(ハエドゥイー族より)</small>はるかに抜きん出ていたので、 :  *<!--❹-->ut magnam partem [[wikt:en:cliens#Latin|clientium]] ab [[wikt:en:Aedui#Latin|Haeduis]] ad se [[wikt:en:traduco#Latin|traducerent]] **その結果として、ハエドゥイー族から庇護民の大半を自分たちへ味方に付けて、 *obsidesque ab iis [[wikt:en:princeps#Noun_3|principum]] [[wikt:en:filius#Latin|filios]] [[wikt:en:accipio#Latin|acciperent]] **彼ら<small>〔庇護民〕</small>から領袖の息子たちを人質として受け取り、 *et [[wikt:en:publice#Adverb|publice]] [[wikt:en:iuro#Latin|iurare]] [[wikt:en:cogo#Latin|cogerent]] nihil se contra [[wikt:en:Sequani#Latin|Sequanos]] [[wikt:en:consilium#Latin|consilii]] [[wikt:en:initurus#Latin|inituros]], **自分たち<small>〔ハエドゥイー族〕</small>がセークァニー族に対していかなる謀計を着手するつもりはない、と公に誓うことを強いて、 *et partem finitimi agri per [[wikt:en:vis#Noun_10|vim]] [[wikt:en:occupatus#Participle|occupatam]] [[wikt:en:possideo#Latin|possiderent]] **近隣の土地の一部を力ずくで占領して所有地として、 *Galliaeque totius [[wikt:en:principatus|principatum]] [[wikt:en:obtineo#Latin|obtinerent]]. **全ガッリアの覇権を手に入れた。 :  *<!--❺-->Qua [[wikt:en:necessitas#Latin|necessitate]] [[wikt:en:adductus#Latin|adductus]] **そのことにより、やむを得ずに突き動かされて、 *[[wikt:en:Diviciacus|Diviciacus]] [[wikt:en:auxilium#Latin|auxilii]] [[wikt:en:petendi|petendi]] causa [[wikt:en:Roma#Latin|Romam]] ad [[wikt:en:senatus#Latin|senatum]] [[wikt:en:profectus#Participle_2|profectus]] <u>imperfecta</u><!--infecta--> re [[wikt:en:redeo#Latin|redierat]]. **[[w:ディウィキアクス|ディーウィキアークス]]は支援を懇請するために[[w:ローマ|ローマ市]]の元老院へ赴いたが、事を成就せずに帰っていた。 **:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:''[[w:en:Diviciacus (Aedui)|Diviciacus]]'' は、第1巻に登場したハエドゥイー族の親ローマ派の領袖。<br>    [[w:紀元前63年|紀元前63年]]のマゲトブリガの戦い <ref name="マゲトブリガ"/> で、ハエドゥイー族が<br>    セークァニー族・[[w:アルウェルニ族|アルウェルニー族]]の同盟軍とゲルマーニア勢に撃破された後、<br>    彼はローマの元老院を訪れて軍事支援を求めたが、叶えられなかった。<br>    このとき元老院議員・弁論家の[[w:マルクス・トゥッリウス・キケロ|キケロー]]が彼を歓待し、[[w:ドルイド|ドルイド]]と紹介している<ref>キケロー『予言について』 [https://www.thelatinlibrary.com/cicero/divinatione1.shtml#90 De Divinatione, I. xli. 90]</ref>。<br>    [[ガリア戦記_第5巻#7節|第5巻7節]]で彼の弟ドゥムノリークス ''[[w:en:Dumnorix|Dumnorix]]'' がカエサルの命で殺害されたときには、<br>    ディーウィキアークスはすでに没していたと考えられている。)</span> **:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:下線部は、&alpha;系写本では [[wikt:en:imperfectus#Latin|imperfecta]] だが、&beta;系写本では [[wikt:en:infectus#Adjective|infecta]] となっている。)</span> :  *<!--❻-->[[wikt:en:adventus#Latin|Adventu]] Caesaris [[wikt:en:factus#Participle|facta]] [[wikt:en:commutatio#Latin|commutatione]] rerum, **カエサルの到来により、状況の変化が生じて、 *obsidibus [[wikt:en:Aedui#Latin|Haeduis]] [[wikt:en:redditus|redditis]], **ハエドゥイー族の人質たちは返還されて、 *veteribus [[wikt:en:clientela#Latin|clientelis]] [[wikt:en:restitutus|restitutis]], **昔からの庇護民が取り戻されて、 *[[wikt:en:novus#Latin|novis]] per Caesarem [[wikt:en:comparatus|comparatis]], **<small>(さらに)</small>カエサルを通じて新参者たちを仲間にした。 *quod ii qui se ad eorum amicitiam [[wikt:en:adgregaverant|adgregaverant]], **──というのは、彼ら<small>〔ハエドゥイー族〕</small>の盟約のもとに仲間となっていた者たちが、 *[[wikt:en:melior#Latin|meliore]] [[wikt:en:condicio#Latin|condicione]] atque [[wikt:en:aequior|aequiore]] [[wikt:en:imperium#Latin|imperio]] se [[wikt:en:utor#Latin|uti]] videbant, **<small>(セークァニー族)</small>より良い条件とより公平な支配を享受しているようと考えていて、 *reliquis rebus eorum [[wikt:en:gratia#Latin|gratia]] [[wikt:en:dignitas|dignitate]]<nowiki>que</nowiki> [[wikt:en:amplificatus|amplificata]] **ほかの事柄においても彼ら<small>〔ハエドゥイー族〕</small>の信望と品格がより増されて、 *[[wikt:en:Sequani#Latin|Sequani]] [[wikt:en:principatus#Latin|principatum]] [[wikt:en:dimitto#Latin|dimiserant]]. **セークァニー族は覇権を放棄した。── :  *<!--❼-->In eorum locum [[wikt:en:Remi#Latin|Remi]] [[wikt:en:succedo#Latin|successerant]]: **彼ら<small>〔セークァニー族〕</small>の地位に、レーミー族が取って代わった。 *quos quod [[wikt:en:adaequo#Latin|adaequare]] apud Caesarem [[wikt:en:gratia#Latin|gratia]] [[wikt:en:intellego#Latin|intellegebatur]], **その者ら<small>〔レーミー族〕</small>はカエサルのもとで信望において<small>(ハエドゥイー族と)</small>同等であると認識されたので、 *ii qui propter [[wikt:en:vetus#Latin|veteres]] [[wikt:en:inimicitia#Latin|inimicitias]] [[wikt:en:nullus#Adjective|nullo]] [[wikt:en:modus#Latin|modo]] cum [[wikt:en:Aedui#Latin|Haeduis]] [[wikt:en:coniungo#Latin|coniungi]] poterant, **昔からの敵対関係のゆえに、ハエドゥイー族とどのようなやり方でも団結することができなかった者たちは、 *se [[wikt:en:Remi#Latin|Remis]] in [[wikt:en:clientela#Latin|clientelam]] dicabant. **レーミー族との庇護関係に自らを委ねた。 :  *<!--❽-->Hos illi diligenter [[wikt:en:tueor#Latin|tuebantur]]; **あの者たち<small>〔レーミー族〕</small>はかの者ら<small>〔庇護民〕</small>を誠実に保護していて、 *ita et novam et repente [[wikt:en:collectus#Latin|collectam]] [[wikt:en:auctoritas#Latin|auctoritatem]] [[wikt:en:teneo#Latin|tenebant]]. **このようにして、最近に得られた新たな威勢を保持していた。 :  *<!--❾-->Eo tum [[wikt:en:status#Noun_9|statu]] res erat, ut longe principes haberentur [[wikt:en:Aedui#Latin|Haedui]], **当時の情勢は、ハエドゥイー族が圧倒的に盟主と見なされるようであって、 *[[wikt:en:secundus#Latin|secundum]] locum [[wikt:en:dignitas#Latin|dignitatis]] [[wikt:en:Remi#Latin|Remi]] [[wikt:en:obtineo#Latin|obtinerent]]. **レーミー族が第二の尊厳ある地位を占めていた。 <!-- <span style="color:#009900;"></span> <small></small> **:<span style="color:#009900;">(訳注: **:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注: --> ===13節=== *<span style="background-color:#ffd;">[[/注解/13節]] {{進捗|00%|2024-12-11}}</span> ;ガッリア人の社会階級、平民およびドルイドについて(1) *<!--❶-->In omni Gallia eorum hominum, qui [[wikt:en:aliqui#Latin|aliquo]] sunt [[wikt:en:numerus#Latin|numero]] atque [[wikt:en:honor#Latin|honore]], [[wikt:en:genus#Latin|genera]] sunt duo. **全ガッリアにおいて、何らかの地位や顕職にある人々の階級は二つである。 **:<span style="color:#009900;">(訳注:後述のように、[[w:ドルイド|ドルイド]](神官)と[[w:騎士|騎士]]である。)</span> :  '''平民について''' *Nam [[wikt:en:plebes#Latin|plebes]] paene [[wikt:en:servus#Latin|servorum]] habetur loco, **これに対して、平民はほとんど奴隷の地位として扱われており、 *quae [[wikt:en:nihil#Latin|nihil]] [[wikt:en:audeo#Latin|audet]] per se, <u>nulli</u> [[wikt:en:adhibeo#Latin|adhibetur]] consilio. **自分たちでは何もあえてしようとはせず、いかなる評議に召集されることもない。 **:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:下線部は、&alpha;系写本では [[wikt:en:nullus#Adjective|nullo]] (単数・奪格) だが、<br>         &beta;系写本では [[wikt:en:nullus#Pronoun|nulli]] (単数・与格、あるいは男性・複数・主格) となっている。<br>          動詞 [[wikt:en:adhibeo#Latin|adhibeo]] は与格(もしくは奪格)をとる。<br>          なお、[[ガリア戦記 第1巻/注解/40節|第1巻40節]]に &quot; ad id consilium [[wikt:en:adhibitis|adhibitis]] centurionibus &quot;<br>          「その会議に百人隊長たちが召集されて」という表現もある。)</span> :  *<!--❷-->[[wikt:en:plerique#Noun|Plerique]], cum <u>aut</u> [[wikt:en:aes alienum|aere alieno]] <u>aut</u> magnitudine [[wikt:en:tributum#Latin|tributorum]] <u>aut</u> iniuria [[wikt:en:potentior|potentiorum]] [[wikt:en:premo#Latin|premuntur]], **大多数の者は、<u>あるいは</u>負債、<u>あるいは</u>貢納の多さ、<u>あるいは</u>権勢者たちの横暴によって抑圧されており、 *sese in [[wikt:en:servitus#Latin|servitutem]] [[wikt:en:dico#Etymology_2|dicant]] [[wikt:en:nobilis#Latin|nobilibus]], **貴族たちに仕える奴隷身分に、身を捧げている。 *''<u>quibus</u>'' in hos eadem omnia sunt [[wikt:en:ius#Latin|iura]], quae [[wikt:en:dominus#Latin|dominis]] in [[wikt:en:servus#Latin|servos]]. **貴族たちには彼ら<small>〔平民〕</small>に対して、奴隷に対する主人のと同様なすべての権利がある。 **:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:下線部の ''quibus'' は、主要写本&omega; にはなく、[[ガリア戦記/注解編/写本と校訂版#Dinter|Dinter]] による挿入提案である。)</span> :  '''ドルイドについて''' *<!--❸-->Sed de his duobus [[wikt:en:genus#Latin|generibus]] **ともかく、これら二つの <small>(特権的な)</small> 階級について、 *<u>alterum</u> est [[wikt:en:Druides#Latin|druidum]], <u>alterum</u> [[wikt:en:eques#Latin|equitum]]. **<u>一方は</u>[[w:ドルイド|ドルイド]] <small>(聖職者)</small> であり、<u>他方は</u>[[w:騎士|騎士]]である。 **:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:「[[w:ドルイド|ドルイド]]」と訳されるラテン語の単語 [[wikt:en:Druides#Latin|Druidēs]](ドルイデース)は複数形であり、<br>    集合的に用いられる。)</span> :  [[画像:Two_Druids.PNG|thumb|right|200px|二人のドルイド。フランスの[[w:オータン|オータン]]、すなわちガッリア中部のビブラクテ辺りで発見された[[w:レリーフ|レリーフ]]。]] *<!--❹-->Illi rebus [[wikt:en:divinus#Latin|divinis]] [[wikt:en:intersum#Latin|intersunt]], **前者<small>〔ドルイド〕</small>は神事に関わり、 *[[wikt:en:sacrificium#Latin|sacrificia]] [[wikt:en:publicus#Latin|publica]] ac [[wikt:en:privatus#Adjective|privata]] [[wikt:en:procuro#Latin|procurant]], **公的および私的な<ruby><rb>[[w:供犠|供犠]]</rb><rp>(</rp><rt>くぎ</rt><rp>)</rp></ruby>を司り、 **:<span style="color:#009900;">(訳注:供犠とは、人や獣を<ruby><rb>[[w:生贄|生贄]]</rb><rp>(</rp><rt>いけにえ</rt><rp>)</rp></ruby>として神前に捧げることである。<br>    <ruby><rb>[[w:人身御供|人身御供]]</rb><rp>(</rp><rt>ひとみごくう</rt><rp>)</rp></ruby>とも。)</span> *[[wikt:en:religio#Latin|religiones]] [[wikt:en:interpretor#Latin|interpretantur]]: **信仰上の事柄を解釈する。 *ad hos magnus [[wikt:en:adulescens#Noun|adulescentium]] numerus [[wikt:en:disciplina#Latin|disciplinae]] causa [[wikt:en:concurro#Latin|concurrit]], **この者ら<small>〔ドルイド〕</small>のもとへ、若者たちの多数が教えのために群り集まり、 *magnoque hi sunt apud eos [[wikt:en:honor#Latin|honore]]. **この者ら<small>〔ドルイド〕</small>は、彼ら<small>〔ガッリア人〕</small>のもとで大いなる名誉を持つ。 :  *<!--❺-->Nam fere de omnibus [[wikt:en:controversia#Latin|controversiis]] [[wikt:en:publicus#Latin|publicis]] [[wikt:en:privatus#Adjective|privatis]]<nowiki>que</nowiki> [[wikt:en:constituo#Latin|constituunt]], **なぜなら<small>(ドルイドは)</small>ほとんどすべての公的および私的な訴訟ごとを判決するのである。 *et, si [[wikt:en:aliquod|quod]] est [[wikt:en:admissus#Latin|admissum]] [[wikt:en:facinus#Latin|facinus]], si [[wikt:en:caedes#Latin|caedes]] [[wikt:en:factus#Participle|facta]], **もし何らかの罪悪が犯されれば、もし殺人がなされれば、 *si de [[wikt:en:hereditas#Latin|hereditate]], de finibus [[wikt:en:controversia#Latin|controversia]] est, **もし、遺産相続について、地所について、訴訟ごとがあれば、 *[[wikt:en:idem#Latin|idem]] [[wikt:en:decerno#Latin|decernunt]], [[wikt:en:praemium#Latin|praemia]] [[wikt:en:poena#Latin|poenas]]<nowiki>que</nowiki> [[wikt:en:constituo#Latin|constituunt]]; **同じ者たち<small>〔ドルイド〕</small>が裁決して、補償や懲罰を判決するのである。 :  *<!--❻-->si [[wikt:en:aliqui#Latin|qui]] <u>aut</u> [[wikt:en:privatus#Noun|privatus]] <u>aut</u> [[wikt:en:populus#Etymology_1|populus]] eorum [[wikt:en:decretum#Latin|decreto]] non [[wikt:en:sto#Latin|stetit]], **もし何らかの個人<u>あるいは</u>群衆が彼ら<small>〔ドルイド〕</small>の裁決を遵守しなければ、 *[[wikt:en:sacrificium#Latin|sacrificiis]] [[wikt:en:interdico#Latin|interdicunt]]. **<small>(その者らに)</small><ruby><rb>供犠</rb><rp>(</rp><rt>くぎ</rt><rp>)</rp></ruby>を禁じる。 *Haec [[wikt:en:poena#Latin|poena]] apud eos est [[wikt:en:gravissimus#Latin|gravissima]]. **これは、彼ら<small>〔ガッリア人〕</small>のもとでは、非常に重い懲罰である。 :  *<!--❼-->Quibus ita [[wikt:en:interdico#Latin|est interdictum]], **このように<small>(<ruby><rb>供犠</rb><rp>(</rp><rt>くぎ</rt><rp>)</rp></ruby>を)</small>禁じられると、 *hi numero [[wikt:en:impius#Latin|impiorum]] ac [[wikt:en:sceleratus#Participle|sceleratorum]] habentur, **彼らは、不信心で極道な輩と見なされて、 *his omnes [[wikt:en:decedo#Latin|decedunt]], **皆が彼らを忌避して、 *[[wikt:en:aditus#Latin|aditum]] <u>(eorum)</u> [[wikt:en:sermo#Latin|sermonem]]<nowiki>que</nowiki> [[wikt:en:defugio#Latin|defugiunt]], **アプローチや会話を避ける。 **:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:下線部の eorum はβ系写本の記述で、α系写本にはない。)</span> *ne [[wikt:en:aliquis#Latin|quid]] ex [[wikt:en:contagio#Latin|contagione]] [[wikt:en:incommodum#Noun|incommodi]] [[wikt:en:accipio#Latin|accipiant]], **<small>(彼らとの)</small>接触から、何らかの災厄を<ruby><rb>蒙</rb><rp>(</rp><rt>こうむ</rt><rp>)</rp></ruby>ることがないようにである。 *<u>neque</u> his [[wikt:en:petens#Latin|petentibus]] [[wikt:en:ius#Etymology_1|ius]] [[wikt:en:reddo#Latin|redditur]], **彼らが請願しても<small>(元通りの)</small>権利は回復されないし、 *<u>neque</u> <u>honos</u> [[wikt:en:ullus#Latin|ullus]] [[wikt:en:communico#Latin|communicatur]]. **いかなる名誉も分け与えられない。 **:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:neque ~, neque …「~でもないし、…でもない」)</span> **:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:[[wikt:en:honos#Latin|honos]] は、[[wikt:en:honor#Latin|honor]] の古い語形。)</span> :  *<!--❽-->His autem omnibus [[wikt:en:Druides#Latin|druidibus]] [[wikt:en:praesum#Latin|praeest]] unus, **ところで、これらすべてのドルイドを一人が統轄しており、 *qui summam inter eos habet [[wikt:en:auctoritas#Latin|auctoritatem]]. **その者は彼ら<small>〔ドルイド〕</small>の間で最高の権威を持っている。 :  *<!--❾-->Hoc [[wikt:en:mortuus#Participle|mortuo]], **この者が死去すると、 *<u>aut</u>, si qui ex reliquis [[wikt:en:excello#Latin|excellit]] [[wikt:en:dignitas#Latin|dignitate]], [[wikt:en:succedo#Latin|succedit]], **<u>あるいは</u>、もし残りの者たちの中から威厳において傑出した者がおれば、継承して、 *<u>aut</u>, si sunt plures [[wikt:en:par#Latin|pares]], [[wikt:en:suffragium#Latin|suffragio]] [[wikt:en:Druides#Latin|druidum]] <u>(adlegitur)</u>; **<u>あるいは</u>、もしより多くの者たちが同等であれば、ドルイドの投票で <u>(選ばれる)</u>。 **:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:aut ~, aut …「あるいは~、あるいは…」)</span> **:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:下線部の [[wikt:en:adlegitur|adlegitur]] はβ系写本の記述で、α系写本にはない。)</span> *[[wikt:en:nonnumquam|non numquam]] etiam [[wikt:en:arma#Latin|armis]] de [[wikt:en:principatus#Latin|principatu]] [[wikt:en:contendo#Latin|contendunt]]. **ときには、武力でさえも首座を争うことがある。 :  *<!--❿-->Hi certo anni tempore **彼ら<small>〔ドルイド〕</small>は、年間の定められた時期に *in finibus [[wikt:en:Carnutes#Latin|Carnutum]], quae regio totius Galliae media habetur, [[wikt:en:consido#Latin|considunt]] in loco [[wikt:en:consecratus|consecrato]]. **<u>全ガッリア</u>の中心地域と見なされているカルヌーテース族の領土において、'''聖なる地'''に集合する。 **:<span style="color:#009900;">(訳注:カルヌーテース族 ''[[w:en:Carnutes|Carnutes]]'' については、[[ガリア戦記_第5巻#25節|第5巻25節]]で言及された。<br>    彼らの首邑は ''[[w:en:Chartres|Chartres]]''([[w:シャルトル|シャルトル]]市)として現代に部族名の名残を伝えている。<br>     だが、むしろ繁栄の中心地・'''[[w:聖地|聖なる地]]はケナブム'''(''[[w:en:Cenabum|Cenabum]]'')であり、<br>    3世紀に[[w:ルキウス・ドミティウス・アウレリアヌス|アウレーリアーヌス帝]]の街と呼ばれ、現在の'''[[w:オルレアン|オルレアン市]]'''に帝の名を遺す。<br>     本節の記述はあくまでカエサルが支配する「全ガッリア」の話であって、<br>    ガッリアの他の地方には別の中心地があったようである。)</span> :  *Huc omnes undique, qui [[wikt:en:controversia#Latin|controversias]] habent, [[wikt:en:convenio#Latin|conveniunt]] **ここへ、四方八方から訴訟などを持つあらゆる者たちが集まって、 *eorumque [[wikt:en:decretum#Latin|decretis]] [[wikt:en:iudicium#Latin|iudiciis]]<nowiki>que</nowiki> [[wikt:en:pareo#Latin|parent]]. **彼ら<small>〔ドルイド〕</small>の裁決や判定に服従する。 :  *<!--⓫-->[[wikt:en:disciplina#Latin|Disciplina]] in [[wikt:en:Britannia#Latin|Britannia]] [[wikt:en:repertus#Latin|reperta]] <span style="color:#009900;">(esse)</span> **<small>(ドルイドの)</small>教説は[[w:ブリタンニア|ブリタンニア]]で見出され、 *atque inde in Galliam [[wikt:en:translatus#Participle|translata]] esse [[wikt:en:existimo#Latin|existimatur]], **そこからガッリアにもたらされたと考えられている。 **:<span style="color:#009900;">(訳注:これに対して、[[w:シケリアのディオドロス|ディオドロス]]は、ガッリア人の信仰は[[w:ピュタゴラス教団|ピュタゴラスの教説]]であると伝えている<ref>ディオドロス『神代地誌』(前掲、p.408)</ref>。<br>    [[w:ストラボン|ストラボーン]]によれば、これは東方のゲタエ人([[w:en:Getae|Getae]];[[w:トラキア|トラキア]]系ないし[[w:ダキア|ダキア]]系)<br>    を通じて取り入れたものだという<ref>ストラボン『ギリシア・ローマ世界地誌Ⅰ』(前掲、第7巻 第3章 第5節)</ref>。)</span> *<!--⓬-->et nunc, qui [[wikt:en:diligenter#Latin|diligentius]] eam rem [[wikt:en:cognosco#Latin|cognoscere]] [[wikt:en:volo#Latin|volunt]], **今でも、その事柄をより入念に探究することを欲する者たちは、 *[[wikt:en:plerumque#Adverb|plerumque]] [[wikt:en:illo#Adverb|illo]] [[wikt:en:disco#Latin|discendi]] causa [[wikt:en:proficiscor|proficiscuntur]]. **たいてい、かの地<small>〔ブリタンニア〕</small>に研究するために旅立つ。 <!-- <span style="color:#009900;"></span> <small></small> **:<span style="color:#009900;">(訳注: **:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注: --> ===14節=== *<span style="background-color:#ffd;">[[/注解/14節]] {{進捗|00%|2025-01-03}}</span> ;ドルイドについて(2) *<!--❶-->[[wikt:en:Druides#Latin|Druides]] a bello [[wikt:en:absum#Latin|abesse]] [[wikt:en:consuesco#Latin|consuerunt]], **[[w:ドルイド|ドルイド]]は、戦争に関与しない習慣であり、 *neque [[wikt:en:tributum#Latin|tributa]] una cum reliquis [[wikt:en:pendo#Latin|pendunt]]; **ほかの者と一緒に貢納<small>(租税)</small>を支払うこともない。 *[[wikt:en:militia#Latin|militiae]] [[wikt:en:vacatio#Latin|vacationem]] omniumque rerum habent [[wikt:en:immunitas#Latin|immunitatem]]. **[[w:徴兵制度|兵役]]の免除や、あらゆる事柄において免除特権を持っているのである。 :  [[画像:Druids,_in_the_early_morning_glow_of_the_sun.jpg|thumb|right|200px|現代イギリスのドルイド教復興主義者たち]] *<!--❷-->[[wikt:en:tantus#Latin|Tantis]] [[wikt:en:excitatus#Latin|excitati]] [[wikt:en:praemium#Latin|praemiis]] **このような特典に駆り立てられて *et sua [[wikt:en:spons#Latin|sponte]] multi in [[wikt:en:disciplina#Latin|disciplinam]] [[wikt:en:convenio#Latin|conveniunt]] **自らの意思で多くの者が教え<small>(の場)</small>に集まっても来るし、 *et a [[wikt:en:parens#Etymology_1|parentibus]] propinquisque [[wikt:en:mitto#Latin|mittuntur]]. **両親や縁者たちによって送られても来る。 :  *<!--❸-->Magnum ibi numerum [[wikt:en:versus#Etymology_3_2|versuum]] [[wikt:en:edisco#Latin|ediscere]] [[wikt:en:dico#Latin|dicuntur]]. **<small>(彼らは)</small>そこで詩句の多数を習得すると言われている。 :  *Itaque annos [[wikt:en:nonnullus#Latin|non nulli]] <u>XX([[wikt:en:vicenus#Latin|vicenos]])</u> in [[wikt:en:disciplina#Latin|disciplina]] [[wikt:en:permaneo#Latin|permanent]]. **こうして、少なからぬ者たちが、20年にもわたって教え<small>(の場)</small>に残留する。 **:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:下線部は、&alpha;系写本では [[wikt:en:XX#Translingual|XX]] だが、&beta;系写本では [[wikt:en:vicenos|vicenos]] となっているが、意味は同じ。)</span> :  *Neque [[wikt:en:fas#Latin|fas]] esse [[wikt:en:existimo#Latin|existimant]] ea litteris [[wikt:en:mando#Latin|mandare]], **それら<small>(の詩句)</small>を文字で刻み込むことは、<ruby><rb>神意</rb><rp>(</rp><rt>ファース</rt><rp>)</rp></ruby>に背くと考えている。 *cum in reliquis fere rebus, **もっとも、ほぼ他の事柄においては、 *[[wikt:en:publicus#Adjective|publicis]] [[wikt:en:privatus#Adjective|privatis]]<nowiki>que</nowiki> [[wikt:en:ratio#Latin|rationibus]], [[wikt:en:Graecus#Adjective|Graecis]] litteris [[wikt:en:utor#Latin|utantur]]. **公的および私的な用件に[[w:ギリシア文字|ギリシア文字]]を用いる。 {| class="wikitable" |- | style="vertical-align:top; text-align:left;" |[[画像:Dédicace_de_Segomaros_(inscription gallo-grecque).png|thumb|left|300px|ギリシア文字で刻まれたガッリアの碑文]] | style="vertical-align:top; text-align:left;" |[[画像:Carte des inscriptions en langue gauloise répertoriées sur le site du RIIG jusqu'en juillet 2024.jpg|thumb|left|200px|フランスにおける[[w:ガリア語|ガッリア語]]碑文の分布図。<br>緑色の丸印は[[w:ギリシア文字|ギリシア文字]]、赤色の丸印は[[w:ラテン文字|ラテン文字]]、橙色の丸印はその他の文字で刻まれたもの。]] |} :  *<!--❹-->Id mihi duabus de causis [[wikt:en:instituo#Latin|instituisse]] videntur, **それは、私<small>〔カエサル〕</small>には、二つの理由から<small>(ドルイドが)</small>定めたことと思われる。 **:<span style="color:#009900;">(訳注:これは、カエサルが自らを一人称で示している珍しい個所である。)</span> *quod <u>neque</u> in <u>vulgum</u> [[wikt:en:disciplina#Latin|disciplinam]] [[wikt:en:effero#Latin|efferri]] [[wikt:en:volo#Latin|velint]] **というのは、教えが一般大衆にもたらされることを欲してもいないし、 **:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:下線部は、主要写本&omega; では [[wikt:en:vulgum|vulgum]] だが、<br>         近世以降の印刷本[[ガリア戦記/注解編/写本と校訂版#Editio_princeps|ed.pr.]] では [[wikt:en:vulgus#Latin|vulgus]] としているが、語形の相異。)</span> *<u>neque</u> eos, qui [[wikt:en:disco#Latin|discunt]], litteris [[wikt:en:confisus#Latin|confisos]] minus memoriae [[wikt:en:studeo#Latin|studere]];<!--:--> **<small>(教えを)</small>学ぶ者が、文字を頼りにして、あまり暗記することに努めなくならないようにでもある。 **:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:neque ~, neque …「~でもないし、…でもない」)</span> :  [[画像:Dying_gaul.jpg|thumb|right|200px|『[[w:瀕死のガリア人|瀕死のガリア人]]』([[w:en:Dying_Gaul|Dying Gaul]])像(ローマ市の[[w:カピトリーノ美術館|カピトリーノ美術館]])]] *quod fere [[wikt:en:plerique#Noun|plerisque]] [[wikt:en:accido#Etymology_1|accidit]], **というのも、ほとんど多くの者たちに、起こることには、 *ut [[wikt:en:praesidium#Latin|praesidio]] litterarum [[wikt:en:diligentia#Noun|diligentiam]] in [[wikt:en:perdiscendo|perdiscendo]] ac memoriam [[wikt:en:remitto#Latin|remittant]]. **文字の助けによって、入念に猛勉強することや暗記することを放棄してしまうのである。 :  *<!--❺-->[[wikt:en:in_primis#Latin|In primis]] hoc volunt [[wikt:en:persuadeo#Latin|persuadere]], **とりわけ、彼ら<small>〔ドルイド〕</small>が説くことを欲しているのは、 *non [[wikt:en:intereo#Latin|interire]] animas, **霊魂は滅びることがないのみならず、 *sed ab [[wikt:en:alius#Latin|aliis]] post [[wikt:en:mors#Latin|mortem]] [[wikt:en:transeo#Latin|transire]] ad [[wikt:en:alius#Latin|alios]], **死後にある者から別のある者へ乗り移るということである。 **:<span style="color:#009900;">(訳注:ガッリア人の[[w:輪廻転生|転生信仰]]は、[[w:ピュタゴラス教団|ピュタゴラスの教説]]であると、[[w:シケリアのディオドロス|ディオドロス]]が伝えている<ref>ディオドロス『神代地誌』(前掲、p.408)</ref>。)</span> *atque hoc maxime ad [[wikt:en:virtus#Latin|virtutem]] [[wikt:en:excito#Latin|excitari]] [[wikt:en:puto#Latin|putant]], [[wikt:en:metus#Latin|metu]] [[wikt:en:mors#Latin|mortis]] [[wikt:en:neglectus#Latin|neglecto]]. **このこと<small>〔霊魂の不滅〕</small>によって死の恐怖に無頓着になってとりわけ武勇へ駆り立てられると<small>(ドルイドは)</small>思っている。 [[画像:Universum.jpg|thumb|right|200px|古代以来の伝統的な世界観における天空と平らな大地。カルデアやギリシアを除けば、丸い地球という観念は知られていなかった。]] :  *<!--❻-->Multa [[wikt:en:praeterea|praeterea]] **さらにおおくのことを、 *de [[wikt:en:sidus#Latin|sideribus]] atque eorum [[wikt:en:motus#Noun_2|motu]], **星々とその動きについて、 *de [[wikt:en:mundus#Noun_2|mundi]] ac [[wikt:en:terra#Latin|terrarum]] [[wikt:en:magnitudo#Latin|magnitudine]], **天空と大地の大きさについて、 *de [[wikt:en:res#Latin|rerum]] [[wikt:en:natura#Latin|natura]], **事物の性質について、 *de [[wikt:en:deus#Latin|deorum]] [[wikt:en:immortalis#Latin|immortalium]] [[wikt:en:vis#Latin|vi]] ac [[wikt:en:potestas#Latin|potestate]] **不死なる神々の力と支配について、 *[[wikt:en:disputo#Latin|disputant]] et [[wikt:en:iuventus#Latin|iuventuti]] [[wikt:en:trado#Latin|tradunt]]. **研究して、青年たちに教示するのである。 :  :<span style="color:#009900;">('''訳注:ドルイドについて'''<br>    ケルト社会の神官・祭司・僧などとされるドルイドについては、<br>    おそらくは[[w:ポセイドニオス|ポセイドニオス]]、そして'''カエサル'''、および[[w:シケリアのディオドロス|ディオドロス]]<ref>ディオドロス『神代地誌』(前掲、p.410-p.411)</ref>、<br>    [[w:ストラボン|ストラボン]]<ref>ストラボン『ギリシア・ローマ世界地誌Ⅰ』(前掲、p.341-p.342) </ref>、ポンポニウス・メラ<ref>ポンポニウス・メラ『世界地理』(前掲、p.549)</ref>などのギリシア人・ローマ人の<br>    著述家たちがそれぞれ書き残しているために同時代や現代に知られている。<br>    しかし、本節にもあるように、その秘密主義からか、古代ギリシア・ローマの<br>    著作にあるほかには、その詳細については不明である。)</span> <!-- <span style="color:#009900;"></span> <small></small> **:<span style="color:#009900;">(訳注: **:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注: --> ===15節=== *<span style="background-color:#ffd;">[[/注解/15節]] {{進捗|00%|2025-01-12}}</span> [[画像:BIATEC_pri_NBS_1.jpg|thumb|right|200px|ケルト系の王ビアテック([[w:en:Biatec|Biatec]])の騎馬像([[w:スロバキア国立銀行|スロバキア国立銀行]])。彼はBC1世紀のケルトの硬貨に刻まれた人物で、現代[[w:スロバキア・コルナ|スロバキアの5コルナ]]硬貨にも刻まれている。]] [[画像:Bige_Musée_de_Laon_050208.jpg|thumb|right|200px|二頭立て二輪馬車([[w:チャリオット|戦車]])に乗るガッリア人像(仏・[[w:ラン (フランス)|ラン]]博物館)]] '''ガッリア人の騎士階級について''' *<!--❶-->Alterum [[wikt:en:genus#Noun_6|genus]] est [[wikt:en:eques#Latin|equitum]]. **<small>([[w:ドルイド|ドルイド]]と並ぶ)</small>もう一つの階級は、[[w:騎士|騎士]]である。 :  *Hi, cum [[wikt:en:utor#Latin|est usus]] atque [[wikt:en:aliqui#Latin|aliquod]] bellum [[wikt:en:incido#Etymology_1|incidit]] **彼らは、必要とし、かつ何らかの戦争が勃発したときには、 *quod fere ante Caesaris [[wikt:en:adventus#Latin|adventum]] [[wikt:en:quotannis#Latin|quotannis]] [[wikt:en:accido#Latin|accidere]] [[wikt:en:soleo#Latin|solebat]], **それ<small>〔戦争〕</small>はカエサルの到来以前にはほとんど毎年のように起こるのが常であり、 *uti <u>aut</u> ipsi [[wikt:en:iniuria#Latin|iniurias]] [[wikt:en:infero#Latin|inferrent]] <u>aut</u> [[wikt:en:inlatus#Latin|inlatas]] [[wikt:en:propulso#Latin|propulsarent]], **自身が侵犯行為を引き起こすためか、<u>あるいは</u>引き起こされて撃退するためであったが、 **:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:aut ~, aut …「あるいは~、あるいは…」)</span> *omnes in bello [[wikt:en:versor#Latin|versantur]], **総勢が戦争に従事する。 :  *<!--❷-->atque eorum ut [[wikt:en:quisque#Latin|quisque]] est [[wikt:en:genus#Noun_6|genere]] [[wikt:en:copia#Latin|copiis]]<nowiki>que</nowiki> [[wikt:en:amplissimus|amplissimus]], **さらに彼らのめいめいが、生まれの高貴さや富の豊かさにおいて際立っていればいるほど、 **:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:ut quisque ~ ita;おのおのが~であればあるほどますます)</span> *ita plurimos [[wikt:en:circum#Preposition|circum]] se [[wikt:en:ambactus#Latin|ambactos]] [[wikt:en:cliens#Latin|clientes]]<nowiki>que</nowiki> habet. **自らの周囲に非常に多くの従臣や庇護民たちを侍らせる。 *Hanc unam [[wikt:en:gratia#Latin|gratiam]] [[wikt:en:potentia#Latin|potentiam]]<nowiki>que</nowiki> [[wikt:en:nosco#Latin|noverunt]]. **<small>(騎士たちは)</small>これが信望や権勢<small>(を示すこと)</small>の一つであると認識しているのである。 <!-- <span style="color:#009900;"></span> <small></small> **:<span style="color:#009900;">(訳注: **:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注: --> ===16節=== *<span style="background-color:#ffd;">[[/注解/16節]] {{進捗|00%|2025-01-18}}</span> ;ガッリア人の信仰と生け贄、ウィッカーマン :  ;   人間を<ruby><rb>生</rb><rp>(</rp><rt>い</rt><rp>)</rp></ruby>け<ruby><rb>贄</rb><rp>(</rp><rt>にえ</rt><rp>)</rp></ruby>として捧げる *<!--❶-->[[wikt:en:natio#Latin|Natio]] est <u>omnium</u> [[wikt:en:Galli#Latin|Gallorum]] [[wikt:en:admodum|admodum]] [[wikt:en:deditus|dedita]] [[wikt:en:religio#Latin|religionibus]], **ガッリア人全体の部族民は、まったく信心<small>(または迷信)</small>に献身している。 **:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:下線部は、&alpha;系写本では [[wikt:en:omnium#Latin|omnium]] だが、<br>         &beta;系写本では [[wikt:en:omnis#Latin|omnis]] となっている。)</span> **:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:[[wikt:en:religio#Latin|religio]] は ''superstitious rites''「迷信的儀式」などと訳される。)</span> **:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:[[wikt:en:dedo#Latin|est dēditus]] +与格「~に捧げられている」)</span> [[画像:Myths and legends; the Celtic race (1910) (14781091124).jpg|thumb|ガッリアの<ruby><rb>人身</rb><rp>(</rp><rt>ひとみ</rt><rp>)</rp></ruby><ruby><rb>御供</rb><rp>(</rp><rt>ごくう</rt><rp>)</rp></ruby>の想像画(1910年、[[w:en:T. W. Rolleston|トーマス・ウィリアム・ロールストン]]著『神話と伝説;ケルト民族』の挿絵)。]] *<!--❷-->atque ob eam causam, **その理由のために、 *qui sunt [[wikt:en:adfectus#Participle|adfecti]] [[wikt:en:gravior#Latin|gravioribus]] [[wikt:en:morbus#Latin|morbis]] **重篤な病を患っている者たち **:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:[[wikt:en:adficio|sunt adfectus]] ([[wikt:en:afficiō|sunt affectus]]) ~「~に苦しめられている」)</span> *quique in [[wikt:en:proelium#Latin|proeliis]] [[wikt:en:periculum#Latin|periculis]]<nowiki>que</nowiki> [[wikt:en:versor#Latin|versantur]], **および危険な合戦に従事している者たちは、 *<u>aut</u> pro [[wikt:en:victima#Latin|victimis]] homines [[wikt:en:immolo#Latin|immolant]] **<u>あるいは</u> [[w:生贄|<ruby><rb>生</rb><rp>(</rp><rt>い</rt><rp>)</rp></ruby>け<ruby><rb>贄</rb><rp>(</rp><rt>にえ</rt><rp>)</rp></ruby>]]<small>〔犠牲獣〕</small>として人間を供えたり、 *<u>aut</u> se [[wikt:en:immolaturus#Latin|immolaturos]] [[wikt:en:voveo#Latin|vovent]], **<u>あるいは</u> 自らを犠牲にするつもりであると誓願して、 **:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:aut ~, aut …「あるいは~、あるいは…」)</span> **:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:[[wikt:en:immolo#Latin|immolātūrus (esse)]] 「犠牲に供えるつもりである」)</span> *[[wikt:en:administer#Latin|administris]]<nowiki>que</nowiki> ad ea [[wikt:en:sacrificium#Latin|sacrificia]] [[wikt:en:Druides#Latin|druidibus]] [[wikt:en:utor#Latin|utuntur]];<!--,--> **その<ruby><rb>[[w:供犠|供犠]]</rb><rp>(</rp><rt>くぎ</rt><rp>)</rp></ruby>のための司祭として[[w:ドルイド|ドルイド]]を雇うのである。 :  *<!--❸-->quod, pro vita hominis [[wikt:en:nisi#Conjunction|nisi]] hominis vita [[wikt:en:reddo#Latin|reddatur]], **というのは<small>(一人の)</small>人間の生命のためには、<small>(もう一人の)</small>人間の生命が償われない限り、 *non posse <sup>(*)</sup> [[wikt:en:deus#Latin|deorum]] [[wikt:en:immortalis#Latin|immortalium]] [[wikt:en:numen#Latin|numen]] [[wikt:en:placo#Latin|placari]] [[wikt:en:arbitror#Latin|arbitrantur]], **不死なる神々の<ruby><rb>御霊</rb><rp>(</rp><rt>みたま</rt><rp>)</rp></ruby>が<ruby><rb>宥</rb><rp>(</rp><rt>なだ</rt><rp>)</rp></ruby>められることができないと<small>(部族民たちが)</small>思っており、 **:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:(*) 印は、&beta;系写本では [[wikt:en:aliter#Latin|aliter]] という記述だが、<br>        &nbsp; &alpha;系写本では省かれている。)</span> *[[wikt:en:publice|publice]]<nowiki>que</nowiki> [[wikt:en:idem#Latin|eiusdem]] [[wikt:en:genus#Latin|generis]] habent [[wikt:en:institutus#Latin|instituta]] [[wikt:en:sacrificium#Latin|sacrificia]]. **同じような類いの供儀を公けに定めているからである。 :  ;    枝編細工の巨像([[w:ウィッカーマン|ウィッカーマン]]) *<!--❹-->[[wikt:en:alius#Latin|Alii]] [[wikt:en:immanis#Latin|immani]] [[wikt:en:magnitudo#Latin|magnitudine]] [[wikt:en:simulacrum#Latin|simulacra]] habent, **他の者たちは、桁外れに巨大な像を持っていて、 *quorum [[wikt:en:contextus#Participle|contexta]] [[wikt:en:vimen#Latin|viminibus]] [[wikt:en:membrum#Latin|membra]] [[wikt:en:vivus#Latin|vivis]] hominibus [[wikt:en:compleo#Latin|complent]]; **その小枝で編み込まれた四肢を、生きている人間たちで満杯にして、 *quibus [[wikt:en:succensus#Latin|succensis]] **それらが燃やされると、 *[[wikt:en:circumventus|circumventi]] [[wikt:en:flamma#Latin|flamma]] [[wikt:en:exanimō|exanimantur]] homines. **<small>(像に詰め込まれた)</small>人々は炎に取り巻かれて息絶えさせられるのである。 :  *<!--❺--><u>Supplicia</u> eorum, qui in [[wikt:en:furtum#Latin|furto]] <u>aut</u> in [[wikt:en:latrocinium#Latin|latrocinio]] **窃盗あるいは強盗に関わった者たちを<u>犠牲</u>にすることにより、 **:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:[[wikt:en:supplicium#Latin|supplicium]]「拷問、刑罰、極刑」あるいは「犠牲、供物」)</span> *<u>aut</u> [[wikt:en:aliqui#Latin|aliqua]] <u>noxia</u> sint [[wikt:en:comprehensus#Latin|comprehensi]], **あるいは何らかの加害行為により捕らわれた者たち<small>(の処刑)</small>によって、 **:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:・・ aut ~, aut …「・・あるいは~、あるいは…」)</span> **:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:下線部は、&chi;系・&pi;系・S写本では [[wikt:en:noxia#Latin|noxia]] だが、<br>         &rho;系・BMLN写本では [[wikt:en:noxa#Latin|noxa]] などと異読がある。)</span> **:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:[[wikt:comprehendo#Latin|sint comprehensi]]「捕らわれた」)</span> *[[wikt:en:gratior#Latin|gratiora]] [[wikt:en:deus#Latin|dis]] [[wikt:en:immortalis#Latin|immortalibus]] esse [[wikt:en:arbitror#Latin|arbitrantur]]; **不死なる神々に受け<ruby><rb>容</rb><rp>(</rp><rt>い</rt><rp>)</rp></ruby>れられやすいと<small>(人々を[[w:火刑|火刑]]に処した者たちは)</small>思っている。 :  *sed, cum eius generis [[wikt:en:copia#Latin|copia]] [[wikt:en:deficio#Latin|defecit]], **しかしながら、その類いの供給が欠けたときには、 *etiam ad [[wikt:en:innocens#Latin|innocentium]] <u>[[wikt:en:supplicium#Latin|supplicia]]</u> [[wikt:en:descendo#Latin|descendunt]]. **<ruby><rb>無辜</rb><rp>(</rp><rt>むこ</rt><rp>)</rp></ruby>の者たちさえも<u>犠牲</u>にすることに頼るのである。 :  :<span style="color:#009900;">(訳注:このような、いわゆる「'''[[w:ウィッカーマン|ウィッカーマン]]'''」の供犠については[[w:ストラボン|ストラボーン]]も伝えており<ref>ストラボーン『ギリシア・ローマ世界地誌Ⅰ』(前掲、p.343)</ref>、<br>    [[w:人身御供|人身御供]]の種類の一つとして、干し草やたきぎで巨像を作り、その中へあらゆる<br>    家畜・野生動物や人間たちを投げ込んで丸焼きにする習慣があったという。<br>     また、[[w:シケリアのディオドロス|ディオドロス]]<ref>ディオドロス『神代地誌』(前掲、p.410~p.411)</ref>やストラボーンによれば、ドルイドはむしろ'''[[w:予言|予言者]]・[[w:占い|占い師]]'''<br>    であるという。ドルイドが重要な問題について占うときには、供犠される人間の<br>     腹または背中を剣などで刺して、犠牲者の倒れ方、肢体のけいれん、出血の様子<br>    などを観察して、将来の出来事を占うのだという。)</span> {| class="wikitable" |- | style="vertical-align:bottom; text-align:left;" |[[画像:Wicker man (Britannia antiqua illustrata).jpg|thumb|left|500px|ウィッカーマンの想像画(1676年)]] | style="vertical-align:bottom; text-align:left;" |[[画像:The Wicker Man of the Druids crop.jpg|thumb|left|400px|想像画(1773/1776年) ]] | style="vertical-align:bottom; text-align:left;" |[[画像:The religious denominations in the United States- their history, doctrine, government and statistics. With a preliminary sketch of Judaism, paganism and Mohammedanism (1854) (14777386845).jpg|thumb|left|250px|想像画(1854年)]] | style="vertical-align:bottom; text-align:left;" |[[画像:The 2007 wicker man.jpg|thumb|left|250px|2007年に造られたウィッカーマン]] |- | colspan="4" |柳の枝で編んだ巨人[[w:ウィッカーマン|ウィッカーマン]]([[w:en:Wicker_Man|Wicker Man]])の想像画(17~19世紀)。この特異な風習は、近代になって人々の興味をかき立て、いくつもの想像画が描かれた<ref>例えば『ケルト人─蘇るヨーロッパ<幻の民>』C.エリュエール著、鶴岡真弓監修、創元社、p.130の挿絵などを参照。</ref>。 |} <!-- <span style="color:#009900;"></span> <small></small> **:<span style="color:#009900;">(訳注: **:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注: --> ===17節=== *<span style="background-color:#ffd;">[[/注解/17節]] {{進捗|00%|2025-01-26}}</span> ;ガッリアの神々(ローマ風解釈) *<!--❶--><u>Deum</u> maxime [[wikt:en:Mercurius#Latin|Mercurium]] [[wikt:en:colo#Latin|colunt]]. **<small>(ガッリア人たちは)</small>神々のうちでとりわけ[[w:メルクリウス|メルクリウス]]を崇拝している。 **:<span style="color:#009900;">(訳注:メルクリウスは[[w:ローマ神話|ローマ神話]]の神名であり、<br>    本節の神名はすべてローマ風解釈である。)</span> **:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:下線部の [[wikt:en:deum|deum]] は、主要写本&omega; の記述だが、<br>         [[wikt:en:deorum#Latin|deorum]] とする [[ガリア戦記/注解編/写本と校訂版#Ciacconius|Ciacconius]] の修正提案がある。)</span> *Huius sunt [[wikt:en:plurimus#Latin|plurima]] [[wikt:en:simulacrum#Latin|simulacra]]<!--:-->, **彼の偶像が最も多い。 *hunc omnium [[wikt:en:inventor#Latin|inventorem]] [[wikt:en:ars#Latin|artium]] ferunt, **<small>(ガッリア人たちは)</small>彼をすべての技術の発明者であると言い伝えており、 *hunc [[wikt:en:via#Latin|viarum]] atque [[wikt:en:iter#Latin|itinerum]] [[wikt:en:dux#Latin|ducem]], **彼を道および旅の案内者として、 *hunc ad [[wikt:en:quaestus#Latin|quaestus]] [[wikt:en:pecunia#Latin|pecuniae]] [[wikt:en:mercatura#Latin|mercaturas]]<nowiki>que</nowiki> habere [[wikt:en:vis#Latin|vim]] [[wikt:en:maximus#Latin|maximam]] [[wikt:en:arbitror#Latin|arbitrantur]]. **彼が金銭の利得や商取引で絶大な力を持つと<small>(ガッリア人たちは)</small>思っている。 **:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:これらは、ローマ神話の[[w:メルクリウス|メルクリウス]] [[w:la:Mercurius (deus)|Mercurius]] が比定されるようになっていた<br>         ギリシア神話の[[w:ヘルメース|ヘルメース]] [[wikt:en:Ἑρμῆς|Ἑρμῆς]] の説明とも受け取れる。)</span> :  *<!--❷-->Post hunc Apollinem et Martem et Iovem et Minervam. **彼に続いて、アポッローとマールスとユッピテルとミネルウァを<small>(ガッリア人は崇拝している)</small>。 [[画像:Taranis_Jupiter_with_wheel_and_thunderbolt_Le_Chatelet_Gourzon_Haute_Marne.jpg|thumb|right|200px|ガッリアの雷神タラニス([[w:en:Taranis|Taranis]])の神像([[w:en:National_Archaeological_Museum_(France)|フランス国立考古学博物館]])。雷を司ることからローマ神話の[[w:ユーピテル|ユッピテル]]と同一視された。左手に車輪、右手に稲妻を持っている。]] [[画像:God_of_Etang_sur_Arroux_possible_depiction_of_Cernunnos.jpg|thumb|right|200px|ガッリアの神ケルヌンノス([[w:en:Cernunnos|Cernunnos]])の神像(フランス国立考古学博物館)。]] :  *De his **これら<small>(の神々)</small>について、 *[[wikt:en:idem#Latin|eandem]] fere, quam [[wikt:en:reliquus#Latin|reliquae]] [[wikt:en:gens#Latin|gentes]], habent [[wikt:en:opinio#Latin|opinionem]]: **<small>(以下のような)</small>ほかの種族<small>(が持っているの)</small>とほぼ同じ見解を持っている。 *[[wikt:en:Apollo#Latin|Apollinem]] [[wikt:en:morbus#Latin|morbos]] [[wikt:en:depello#Latin|depellere]], **[[w:アポローン|アポッロー]]は病気を追い払い、 **:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:[[w:la:Apollo|Apollo]] は、医術と病気の神アポローン [[wikt:en:Ἀπόλλων|Ἀπόλλων]] に比定される。)</span> *[[wikt:en:Minerva#Latin|Minervam]] [[wikt:en:opus#Latin|operum]] atque [[wikt:en:artificium#Latin|artificiorum]] [[wikt:en:initium#Latin|initia]] [[wikt:en:trado#Latin|tradere]], **[[w:ミネルウァ|ミネルウァ]]は工芸や芸術の初歩を教示し、 **:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:[[w:la:Minerva|Minerva]] は、工芸や芸術の女神アテーナー [[wikt:en:Ἀθηνᾶ|Ἀθηνᾶ]] に比定される。<br>     Mercurius が [[wikt:en:ars#Latin|ars]] を司ると前述したのに対して、<br>     Minerva は [[wikt:en:opus#Latin|opus]] や [[wikt:en:artificium#Latin|artificium]] を司ると述べている。<br>    なお、ローマ神話のミネルウァは、[[w:en:Etruscan religion|エトルリア神話]]の<br>    女神メンルウァ ''[[w:en:Menrva|Menrva]]'' を移入したものと考えられている。)</span> *[[wikt:en:Iuppiter#Latin|Iovem]] [[wikt:en:imperium#Latin|imperium]] [[wikt:en:caelestia#Latin|caelestium]] [[wikt:en:tenere#Latin|tenere]], **[[w:ユーピテル|ユッピテル]]は天界の統治を司り、 **:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:[[w:la:Iuppiter|Iuppiter]] は、天上の支配者ゼウス [[wikt:en:Ζεύς|Ζεύς]] に比定される。)</span> *[[wikt:en:Mars#Latin|Martem]] [[wikt:en:bellum#Latin|bella]] [[wikt:en:rego#Latin|regere]]. **[[w:マルス (ローマ神話)|マールス]]は戦争を支配する。 **:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:[[w:la:Mars (deus)|Mars]] は、荒ぶる戦争の神アレース [[wikt:en:Ἄρης|Ἄρης]] に比定される。)</span> :  *<!--❸-->Huic, cum [[wikt:en:proelium#Latin|proelio]] [[wikt:en:dimico#Latin|dimicare]] [[wikt:en:constituo#Latin|constituerunt]], **彼<small>〔マルス〕</small>には、<small>(ガッリア人が)</small>戦闘で干戈を交えることを決心したときに、 *ea quae [[wikt:en:bellum#Latin|bello]] [[wikt:en:capio#Latin|ceperint]], plerumque [[wikt:en:devoveo#Latin|devovent]]: **戦争で捕獲したものを、たいていは奉納するものである。 *<u>cum</u> <u>superaverunt</u>, [[wikt:en:animal#Latin|animalia]] [[wikt:en:captus#Latin|capta]] [[wikt:en:immolo#Latin|immolant]] **<small>(戦闘で)</small>打ち勝ったときには、捕獲された獣を<ruby><rb>生</rb><rp>(</rp><rt>い</rt><rp>)</rp></ruby>け<ruby><rb>贄</rb><rp>(</rp><rt>にえ</rt><rp>)</rp></ruby>に供えて、 **:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:下線部の cum は、[[ガリア戦記/注解編/写本と校訂版#Ciacconius|Ciacconius]] の修正提案で、<br>         主要写本&omega; では quae となっている。)</span> **:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:下線部の動詞は、<br>        &alpha;系・V写本では [[wikt:en:superaverint|superaverint]] <small>(3人称・複数・完了・<u>接続法</u>)</small> 、<br>        &rho;系・T写本では [[wikt:en:superarint|superarint]] <small>( 同 上 )</small> だが、<br>        印刷本 [[ガリア戦記/注解編/写本と校訂版#Editio_princeps|ed.pr.]] では、[[wikt:en:superaverunt|superaverunt]] <small>(3人称・複数・完了・<u>直接法</u>)</small><br>         となっている。)</span> *reliquasque res in unum locum [[wikt:en:confero#Latin|conferunt]]. **残りの物を1か所に運び集める。 :  *<!--❹-->Multis in [[wikt:en:civitas#Latin|civitatibus]] **多くの部族において、 *harum rerum [[wikt:en:exstructus#Latin|exstructos]] [[wikt:en:tumulus#Latin|tumulos]] **これらの物が積み上げられた塚を、 *locis [[wikt:en:consecratus#Latin|consecratis]] [[wikt:en:conspicor#Latin|conspicari]] [[wikt:en:licet#Latin|licet]]; **<u>聖なる地</u> で見ることができる。 **:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:<u>聖なる地</u> locus [[wikt:en:consecratus|consecratus]] については、[[#13節|13節]]で言及された。)</span> :  *<!--❺-->neque saepe [[wikt:en:accido#Etymology_1|accidit]], ut [[wikt:en:neglectus#Latin|neglecta]] [[wikt:en:quispiam#Pronoun|quispiam]] [[wikt:en:religio#Latin|religione]] **何らかの者が信仰を軽視するようなことが、しばしば起こることはない。 *<u>aut</u> [[wikt:en:captus#Latin|capta]] apud se [[wikt:en:occulto#Latin|occultare]] **<u>あるいは</u>捕獲されたものを自分のもとに隠すこと、 *<u>aut</u> [[wikt:en:positus#Latin|posita]] [[wikt:en:tollo#Latin|tollere]] [[wikt:en:audeo#Latin|auderet]], **<u>あるいは</u><small>(塚に)</small>置かれたものをあえて運び去ることは。 **:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:aut ~, aut …「あるいは~、あるいは…」)</span> *[[wikt:en:gravissimus#Latin|gravissimum]]<nowiki>que</nowiki> ei rei [[wikt:en:supplicium#Latin|supplicium]] cum [[wikt:en:cruciatus#Noun|cruciatu]] [[wikt:en:constitutus#Latin|constitutum]] est. **そんな事には、拷問を伴う最も重い刑罰が決められている。 **:<span style="color:#009900;">(訳注:最も重い刑罰とは、処刑であると思われる。)</span> <br> :<span style="color:#009900;">(訳注:'''ローマ風解釈について'''<br>    ガッリアなどケルト文化の社会においては、非常に多くの神々が信仰されており、<br>    ケルト語による多くの神名が知られており、考古学的にも多くの神像が遺されている。<br>    しかしながら、これらの神々がどのような性格や権能を持っていたのか、詳しくは判っていない。<br>    ローマ人は、数多くのケルトの神々をローマ神話の神々の型に当てはめて解釈した。<br>    [[w:タキトゥス|タキトゥス]]はこれを「[[w:ローマ風解釈|ローマ風解釈]]」[[w:en:Interpretatio_graeca#Interpretatio_romana|Interpretatio Romana]] <ref>タキトゥス『ゲルマーニア』43章([[s:la:De_origine_et_situ_Germanorum_(Germania)#XLIII|ラテン語原文]])を参照。</ref>と呼んでいる<ref>『ケルト事典』(前掲)「ローマ風解釈」の項を参照。</ref>。)</span> <!-- <span style="color:#009900;"></span> <small></small> **:<span style="color:#009900;">(訳注: **:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注: --> ===18節=== *<span style="background-color:#ffd;">[[/注解/18節]] {{進捗|00%|2025-01-26}}</span> ;ガッリア人の時間や子供についての観念 *<!--❶-->[[wikt:en:Galli#Latin|Galli]] se omnes ab [[wikt:en:Dis#Latin|Dite]] patre [[wikt:en:prognatus#Latin|prognatos]] [[wikt:en:praedico#Etymology_1|praedicant]] **ガッリア人は、自分たちは皆、ディース・パテルの末裔であると公言しており、 **:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:ディース・パテル [[w:en:Dis_Pater|Dis Pater]] も前節と同様に、ローマ神話の神名の<br>    「[[w:ローマ風解釈|ローマ風解釈]]」[[w:en:Interpretatio_graeca#Interpretatio_romana|Interpretatio Romana]] である。ギリシア語の神名<br>    [[wikt:en:プルートーン|プルートーン]] [[wikt:en:Πλούτων|Πλούτων]] は「富裕な」という意味を持つことから、<br>    「富裕な」を意味するラテン語の [[wikt:en:dis#Latin|dīs]] が当てられて、<br>    「富裕な父」を意味するディース・パテル Dis Pater となった。<br>     これに比定されるケルト神話の神としては、<br>     スケッルス [[w:en:Sucellus|Sucellus]]、タラニス [[w:en:Taranis|Taranis]]、ケルヌンノス [[w:en:Cernunnos|Cernunnos]]<br>      など諸説がある。<br>      ⇒英語記事 ''[[w:en:Gaulish Dis Pater|Gaulish Dis Pater]]'' などを参照せよ。)</span> [[画像:Gaul_god_Sucellus.jpg|thumb|right|200px|ガッリアの神スケッルス([[w:en:Sucellus|Sucellus]])の神像。[[w:冥界|冥界]]の神とされ、ディス・パテルと同一視されたという説も考えられている。]] *idque ab [[wikt:en:Druides#Latin|druidibus]] [[wikt:en:proditus|proditum]] [[wikt:en:dico#Latin|dicunt]]. **そのことは[[w:ドルイド|ドルイド]]により伝えられた、と言っている。 :  ;  時間の観念 *<!--❷-->Ob eam causam **その理由のために、 *[[wikt:en:spatium#Latin|spatia]] omnis [[wikt:en:tempus#Latin|temporis]] non numero [[wikt:en:dies#Latin|dierum]], **すべての[[w:時間|時間]]の間隔を、[[w:昼|昼間]]の数ではなく、 *sed [[wikt:en:nox#Latin|noctium]] [[wikt:en:finio#Latin|finiunt]]; **[[w:夜|夜間]]<small>(の数)</small>で区切る。 **:<span style="color:#009900;">(訳注:日没を一日のはじまりとする数え方は、<br>    現代の太陰暦を用いる社会でも見られる。)</span> *[[wikt:en:dies#Latin|dies]] [[wikt:en:natalis#Latin|natales]] et [[wikt:en:mensis#Latin|mensum]] et [[wikt:en:annus#Latin|annorum]] [[wikt:en:initium#Latin|initia]] **誕生日も、月や年の初めも、 *<u>sic</u> [[wikt:en:observo#Latin|observant]], <u>ut</u> [[wikt:en:nox#Latin|noctem]] dies [[wikt:en:subsequor#Latin|subsequatur]]. **夜間に日が続くように注意を払っている。 **:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:[[wikt:en:sic#Latin|sīc]] ~ [[wikt:en:ut#Latin|ut]] ・・・「・・・ように~」)</span> :  ;  元服前の子どもは、父親から遠ざけられる *<!--❸-->In reliquis vitae [[wikt:en:institutum#Latin|institutis]] **人生のほかの慣習において、 *hoc fere ab reliquis [[wikt:en:differo#Latin|differunt]], **以下の点でほかの<small>(種族の)</small>者たちからほぼ異なっている。 *quod suos [[wikt:en:liber#Noun_5|liberos]], **自分の子供たちが、 *nisi cum [[wikt:en:adolesco#Latin|adoleverunt]], ut [[wikt:en:munus#Latin|munus]] [[wikt:en:militia#Latin|militiae]] [[wikt:en:sustineo#Latin|sustinere]] possint, **[[w:徴兵制度|兵役の義務]]を果たすことができるように成長したときでない限り、 *palam ad se [[wikt:en:adeo#Latin|adire]] non [[wikt:en:patior#Latin|patiuntur]] **公然と自分のもとへ近づくことは許されないし、 *[[wikt:en:filius#Latin|filium]]<nowiki>que</nowiki> [[wikt:en:puerilis#Latin|puerili]] [[wikt:en:aetas#Latin|aetate]] in publico in [[wikt:en:conspectus#Noun_2|conspectu]] [[wikt:en:pater#Latin|patris]] [[wikt:en:adsisto|adsistere]] [[wikt:en:turpis#Latin|turpe]] [[wikt:en:duco#Latin|ducunt]]. **少年期の息子が公けに父親の見ているところでそばに立つことは恥ずべきだと見なしている。 <!-- <span style="color:#009900;"></span> <small></small> **:<span style="color:#009900;">(訳注: **:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注: --> ===19節=== *<span style="background-color:#ffd;">[[/注解/19節]] {{進捗|00%|2025-02-08}}</span> ;ガッリア人の婚姻と財産・葬儀の制度 *<!--❶-->[[wikt:en:vir#Latin|Viri]], <u>quantas</u> [[wikt:en:pecunia#Latin|pecunias]] ab [[wikt:en:uxor#Latin|uxoribus]] [[wikt:en:dos#Latin|dotis]] nomine [[wikt:en:accipio#Latin|acceperunt]], **夫は、妻から[[w:持参金|持参金]]の名目で受け取った金銭<u>の分だけ</u>、 *<u>tantas</u> ex suis [[wikt:en:bonum#Noun_2|bonis]] [[wikt:en:aestimatio#Latin|aestimatione]] [[wikt:en:factus#Participle|facta]] cum [[wikt:en:dos#Latin|dotibus]] [[wikt:en:communico#Latin|communicant]]. **自分の財産のうちから見積もられた分を、持参金とともに一つにする。 **:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:[[wikt:en:quantus#Latin|quantus]] ~ [[wikt:en:tantus#Latin|tantus]] ・・・「~だけ・・・」)</span> :  ;   財産と持参金を元手に、利殖に励む [[画像:Hallstatt_culture_ramsauer.jpg|thumb|right|200px|[[w:ハルシュタット文化|ハルシュタット文化]]の[[w:墳丘墓|墳丘墓]]から発掘された遺骸と[[w:副葬品|副葬品]](19世紀の模写)。ガッリアなどではハルシュタット文化後期から[[w:土葬|土葬]]が普及したが、[[w:ラ・テーヌ文化|ラ・テーヌ文化]]中期から再び[[w:火葬|火葬]]が主流になったと考えられている。]] *<!--❷-->Huius omnis [[wikt:en:pecunia#Latin|pecuniae]] [[wikt:en:coniunctim|coniunctim]] [[wikt:en:ratio#Latin|ratio]] habetur **これらのすべての金銭は共同に算定が行なわれて、 *[[wikt:en:fructus#Latin|fructus]]<nowiki>que</nowiki> [[wikt:en:servo#Latin|servantur]]: **[[w:利子|利子]]が貯蓄される。 *[[wikt:en:uter#Etymology_1|uter]] eorum vita [[wikt:en:supero#Latin|superarit]], **彼ら2人のいずれかが、人生において生き残ったら、 *ad eum pars [[wikt:en:uterque#Latin|utriusque]] cum [[wikt:en:fructus#Latin|fructibus]] [[wikt:en:superior#Latin|superiorum]] [[wikt:en:tempus#Latin|temporum]] [[wikt:en:pervenio#Latin|pervenit]]. **双方の分がかつての<small>(貯蓄の)</small>期間の利子とともに<small>(生き残った)</small>その者<small>(の所有)</small>に帰する。 :  ;   上級国民の家父長は、妻子を「生かすも殺すも思いのまま」にできる *<!--❸-->[[wikt:en:vir#Latin|Viri]] in [[wikt:en:uxor#Latin|uxores]], [[wikt:en:sicuti|sicuti]] in [[wikt:en:liber#Latin|liberos]], [[wikt:en:vita#Latin|vitae]] [[wikt:en:nex#Latin|necis]]<nowiki>que</nowiki> habent [[wikt:en:potestas#Latin|potestatem]]; **夫は、妻において、子供におけるのと同様に、生かすも殺すも勝手である。 **:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:「[[w:家父長制|家父長]]の権限」 [[wikt:en:patria_potestas#Latin|patria potestas]] を認められた家庭の夫・父親が<br>    妻子の生死を自由にできる「[[w:生殺与奪の権利|生殺与奪の権]]」を握っているのは<br>    ローマ人も同様で、これは [[wikt:en:ius vitae necisque|ius vitae necisque]] と呼ばれている。)</span> ;   夫が遺産目当てに謀殺されたら、妻は拷問によってなぶり殺しにされる *et cum [[wikt:en:pater#Latin|pater]] familiae [[wikt:en:inlustrior|inllustriore]] loco [[wikt:en:natus#Participle|natus]] [[wikt:en:decedo#Latin|decessit]], **上流身分に生まれた、家庭の父親が死去したとき、 *eius [[wikt:en:propinquus#Latin|propinqui]] [[wikt:en:convenio#Latin|conveniunt]] **彼の親類縁者たちが集まって、 *et de [[wikt:en:mors#Latin|morte]], si res in [[wikt:en:suspicio#Noun|suspicionem]] venit, **<small>(夫の)</small>死について、もし<small>(妻による殺害の)</small>疑念が出来したならば、 *de uxoribus in [[wikt:en:servilis#Latin|servilem]] [[wikt:en:modus#Latin|modum]] [[wikt:en:quaestio#Latin|quaestionem]] habent, **妻について、[[w:奴隷|奴隷]]におけるようなやり方で審問して、 *et si [[wikt:en:compertus#Latin|compertum]] est, **もし<small>(財産目的での夫の殺害が)</small>確認されたならば、 *[[wikt:en:ignis#Latin|igni]] atque omnibus [[wikt:en:tormentum#Latin|tormentis]] [[wikt:en:excruciatus#Latin|excruciatas]] [[wikt:en:interficio#Latin|interficiunt]]. **火やあらゆる責め道具によって[[w:拷問|拷問]]にかけて<small>(妻を)</small><ruby><rb>誅殺</rb><rp>(</rp><rt>ちゅうさつ</rt><rp>)</rp></ruby>する。 :  ;   盛大な葬儀:家畜や郎党たちも副葬品とともに火中に投じられる *<!--❹-->[[wikt:en:funus#Latin|Funera]] sunt pro [[wikt:en:cultus#Noun_3|cultu]] [[wikt:en:Galli#Latin|Gallorum]] [[wikt:en:magnificus#Latin|magnifica]] et [[wikt:en:sumptuosus#Latin|sumptuosa]]; **[[w:葬儀|葬儀]]は、ガッリア人の生活習慣の割には派手でぜいたくなものである。 *<u>omniaque quae</u> [[wikt:en:vivus#Latin|vivis]] cordi fuisse [[wikt:en:arbitror#Latin|arbitrantur]] in [[wikt:en:ignis#Latin|ignem]] [[wikt:en:infero#Latin|inferunt]], etiam [[wikt:en:animal#Latin|animalia]], **生前に大切であったと思われるもの一切合財を、獣でさえも、火の中に投げ入れる。 **:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:下線部は、&beta;系写本では [[wikt:en:omnia#Latin|omnia]]<u>que</u> [[wikt:en:quae#Latin|quae]] だが、<br>         &alpha;系写本では omnia [[wikt:en:quaeque|quaeque]] となっている。)</span> **:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:~<small>(与格)</small> [[wikt:en:cor#Latin|cordī]] esse 「~にとって大切である」)</span> *ac paulo supra hanc [[wikt:en:memoria#Latin|memoriam]] **さらに、この<small>(時代の)</small>少し前の記憶によると、 *[[wikt:en:servus#Latin|servi]] et [[wikt:en:cliens#Latin|clientes]], quos ab his [[wikt:en:dilectus#Participle|dilectos]] esse [[wikt:en:consto#Latin|constabat]], **彼ら<small>〔故人〕</small>により寵愛されていたことが知られていた奴隷や庇護民をも、 *[[wikt:en:iustus#Latin|iustis]] [[wikt:en:funus#Latin|funeribus]] [[wikt:en:confectus#Latin|confectis]] **慣習による葬儀が成し遂げられたら、 *una [[wikt:en:cremo#Latin|cremabantur]]. **一緒に火葬されていたのである。 <!-- <span style="color:#009900;"></span> <small></small> **:<span style="color:#009900;">(訳注: **:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注: --> ===20節=== *<span style="background-color:#ffd;">[[/注解/20節]] {{進捗|00%|2025-02-09}}</span> ;ガッリア部族国家の情報統制 *<!--❶-->Quae [[wikt:en:civitas#Latin|civitates]] [[wikt:en:commode#Latin|commodius]] suam [[wikt:en:res_publica#Latin|rem publicam]] [[wikt:en:administro#Latin|administrare]] [[wikt:en:existimantur|existimantur]], **自分たちの公儀<small>〔国家体制〕</small>をより適切に治めていると考えられているような部族国家は、 *habent [[wikt:en:lex#Latin|legibus]] [[wikt:en:sanctus#Latin|sanctum]], **<small>(以下のように)</small>定められた法度を持つ。 *si [[wikt:en:aliquis#Latin|quis]] [[wikt:en:aliquid#Etymology_2|quid]] de [[wikt:en:res_publica#Latin|re publica]] a [[wikt:en:finitimus#Latin|finitimis]] [[wikt:en:rumor#Latin|rumore]] aut [[wikt:en:fama#Latin|fama]] [[wikt:en:acceperit|acceperit]], **もし、誰かが公儀に関して近隣の<small>(他部族の)</small>者たちから何らかの噂や風聞を受け取ったならば、 *uti ad [[wikt:en:magistratus#Latin|magistratum]] [[wikt:en:deferat|deferat]] [[wikt:en:neve#Latin|neve]] cum [[wikt:en:aliquo#Pronoun|quo]] [[wikt:en:alius#Latin|alio]] [[wikt:en:communicet|communicet]], **官吏に報告して、他の誰かと伝え合ってはならないと。 :  ;   フェイクニュースに右往左往する人々は・・・ *<!--❷-->quod saepe homines [[wikt:en:temerarius#Latin|temerarios]] atque [[wikt:en:imperitus#Latin|imperitos]] **というのは、無分別で無知な人々はしばしば *[[wikt:en:falsus#Participle|falsis]] [[wikt:en:rumor#Latin|rumoribus]] [[wikt:en:terreri|terreri]] **虚偽な<ruby><rb>流言飛語</rb><rp>(</rp><rt>りゅうげんひご</rt><rp>)</rp></ruby>を怖れて、 *et ad [[wikt:en:facinus#Latin|facinus]] [[wikt:en:impelli|impelli]] **罪業に駆り立てられ、 *et de summis rebus [[wikt:en:consilium#Latin|consilium]] [[wikt:en:capio#Latin|capere]] [[wikt:en:cognosco#Latin|cognitum est]]. **重大な事態についての謀計を企てる、と認識されているからである。 :  ;   官僚たちは機密情報を隠蔽する *<!--❸-->[[wikt:en:magistratus#Latin|Magistratus]] quae [[wikt:en:visus#Participle|visa]] sunt [[wikt:en:occulto#Latin|occultant]], **官吏は、<small>(隠すことが)</small>良いと思われることを隠して、 *<u>[[wikt:en:quisque#Latin|quaeque]]</u> esse ex [[wikt:en:usus#Latin|usu]] [[wikt:en:iudico#Latin|iudicaverunt]], [[wikt:en:multitudo#Latin|multitudini]] [[wikt:en:prodo#Latin|produnt]]. **有益と判断していたことを、群集に明らかにする。 **:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:下線部は、&alpha;系写本では quaeque だが、<br>         &beta;系写本では quae となっている。)</span> *De [[wikt:en:res_publica#Latin|re publica]] [[wikt:en:nisi#Conjunction|nisi]] per [[wikt:en:concilium#Latin|concilium]] [[wikt:en:loquor#Latin|loqui]] non [[wikt:en:concedo#Latin|conceditur]]. **公儀について、集会を通じてでない限り、語ることは認められていない。 <!-- <span style="color:#009900;"></span> <small></small> **:<span style="color:#009900;">(訳注: **:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注: --> ==ゲルマーニア人の社会と風習について== ===21節=== *<span style="background-color:#ffd;">[[/注解/21節]] {{進捗|00%|2025-02-23}}</span> ;ゲルマーニア人の信仰と性 *<!--❶-->[[wikt:en:Germani#Latin|Germani]] [[wikt:en:multum#Adverb|multum]] ab hac [[wikt:en:consuetudo#Latin|consuetudine]] [[wikt:en:differo#Latin|differunt]]. **[[w:ゲルマニア|ゲルマーニア]]人は、これらの風習とは大いに異なっている。 *Nam neque [[wikt:en:Druides#Latin|druides]] habent, qui rebus [[wikt:en:divinus#Latin|divinis]] [[wikt:en:praesum#Latin|praesint]], neque [[wikt:en:sacrificium#Latin|sacrificiis]] [[wikt:en:studeo#Latin|student]]. **すなわち、神事を司る[[w:ドルイド|ドルイド]]も持たないし、供犠に熱心でもない。 :  *<!--❷-->[[wikt:en:deus#Latin|Deorum]] numero **神々に数えるものとして、 *eos solos [[wikt:en:duco#Latin|ducunt]], quos [[wikt:en:cerno#Latin|cernunt]] et quorum [[wikt:en:aperte#Adverb_2|aperte]] [[wikt:en:ops#Noun_4|opibus]] [[wikt:en:iuvo#Latin|iuvantur]], [[wikt:en:Sol#Latin|Solem]] et [[wikt:en:Vulcanus#Latin|Vulcanum]] et [[wikt:en:Luna#Latin|Lunam]];<!--,--> **(彼らが)見分けるものや明らかにその力で助けられるもの、[[w:太陽|太陽]]と[[w:ウゥルカーヌス|ウルカーヌス]](火の神)と[[w:月|月]]だけを信仰して、 *reliquos <u>ne</u> [[wikt:en:fama#Latin|fama]] <u>quidem</u> [[wikt:en:accipio#Latin|acceperunt]]. **ほかのものは風聞によってさえも受け入れていない。 **:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:[[wikt:en:ne quidem|ne ~ quidem]]「~でさえ…ない」)</span> **:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:これに対して、[[w:タキトゥス|タキトゥス]]は、ゲルマーニア人はメルクリウスやマルスなどを信仰すると伝えている<ref>タキトゥス『ゲルマーニア』2章・9章を参照</ref>。)</span> :  *<!--❸-->Vita omnis in [[wikt:en:venatio#Latin|venationibus]] atque in [[wikt:en:studium#Latin|studiis]] rei [[wikt:en:militaris#Adjective|militaris]] [[wikt:en:consisto#Latin|consistit]]: **すべての人生は、[[w:狩猟|狩猟]]に、および[[w:軍事|軍事]]への執心に依拠しており、 *ab [[wikt:en:parvulus#Latin|parvulis]] [[wikt:en:labor#Latin|labori]] ac [[wikt:en:duritia#Latin|duritiae]] [[wikt:en:studeo#Latin|student]]. **幼時より労役や負担に努める。 :  ;   大きな体格と屈強な体力を養う *<!--❹-->Qui [[wikt:en:diu#Latin|diutissime]] [[wikt:en:impubes#Latin|impuberes]] [[wikt:en:permaneo#Latin|permanserunt]], **最も長く純潔に留まった者たちは、 *maximam inter suos [[wikt:en:fero#Latin|ferunt]] [[wikt:en:laus#Latin|laudem]]: **身内の者たちの間で最大の賞賛を得る。 *<u>hoc alii [[wikt:en:statura#Noun_2|staturam]], alii</u> [[wikt:en:vis#Latin|vires]] [[wikt:en:nervus#Latin|nervos]]<nowiki>que</nowiki> [[wikt:en:confirmari|confirmari]] [[wikt:en:puto#Latin|putant]]. **これによって、ある者には背の高さが、ある者には力と筋肉が強化されると、思っている。 **:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:下線部は、&alpha;系写本では hoc [[wikt:en:alii#Latin|aliī]] staturam, [[wikt:en:alii#Latin|aliī]] となっているが、<br>         &beta;系写本では alii hoc staturam alii hoc となっており、<br>         [[ガリア戦記/注解編/写本と校訂版#Aldus|Aldus]] は hoc ali staturam ali と修正している。)</span> :  ;   房事は恥だが、密事とせず <!-- [[wikt:en:| --> *<!--❺-->Intra [[wikt:en:annus#Latin|annum]] vero [[wikt:en:vicesimus#Latin|vicesimum]] [[wikt:en:femina#Latin|feminae]] [[wikt:en:notitia#Latin|notitiam]] [[wikt:en:habuisse|habuisse]] **<ruby><rb>二十歳</rb><rp>(</rp><rt>はたち</rt><rp>)</rp></ruby>にもならない内に女を知ってしまったことは、 *in [[wikt:en:turpissimus|turpissimis]] habent rebus; **とても恥ずべきことであると見なしている。 *cuius rei [[wikt:en:nullus#Latin|nulla]] est [[wikt:en:occultatio#Latin|occultatio]], **その事を何ら隠すことはない。 *quod et [[wikt:en:promiscue#Adverb|promiscue]] in [[wikt:en:flumen#Latin|fluminibus]] [[wikt:en:perluo#Latin|perluuntur]] **というのは、川の中で<small>(男女が)</small>混じって入浴しても、 *et [[wikt:en:pellis#Latin|pellibus]] aut [[wikt:en:parvus#Latin|parvis]] [[wikt:en:reno#Latin|renonum]] [[wikt:en:tegimentum|tegimentis]] [[wikt:en:utor#Latin|utuntur]], **[[w:毛皮|毛皮]]や<small>([[w:トナカイ|トナカイ]]の)</small>小さな獣皮の覆いを<small>(衣服のように)</small>用いるが、 *magna [[wikt:en:corpus#Latin|corporis]] parte [[wikt:en:nudus#Latin|nuda]]. **体の大部分は裸なのである。 **:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:[[ガリア戦記_第4巻#1節|第4巻1節]] の末尾にも同様の記述があり、<br>     毛皮以外に衣服を持たず、体の大部分をむき出しにして、<br>     川の中で水浴びをする、と述べられている。)</span> <!-- <span style="color:#009900;"></span> <small></small> **:<span style="color:#009900;">(訳注: **:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注: --> ===22節=== *<span style="background-color:#ffd;">[[/注解/22節]] {{進捗|00%|2025-02-27}}</span> ;ゲルマーニア人の土地制度 *<!--❶-->[[wikt:en:agri cultura|Agri culturae]] non [[wikt:en:student#Latin|student]], **<small>(ゲルマーニア人たちは)</small>[[w:農耕|土地を耕すこと]]に熱心ではなく、 *maiorque pars eorum [[wikt:en:victus#Etymology_1|victus]] in [[wikt:en:lac#Latin|lacte]], [[wikt:en:caseus#Latin|caseo]], [[wikt:en:caro#Latin|carne]] [[wikt:en:consisto#Latin|consistit]]. **彼らの大部分は、[[w:乳|乳]]、[[w:チーズ|チーズ]]、[[w:肉|肉]]を生活の糧として生き続けている。 :  ;   何人も決まった土地を所有しない *<!--❷-->Neque [[wikt:en:quisquam#Pronoun|quisquam]] [[wikt:en:ager#Latin|agri]] [[wikt:en:modus#Latin|modum]] [[wikt:en:certus#Latin|certum]] aut [[wikt:en:finis#Latin|fines]] habet [[wikt:en:proprius#Latin|proprios]]; **何者も、土地を確定した境界で、しかも持続的な領地として、持ってはいない。 *sed [[wikt:en:magistratus#Latin|magistratus]] ac [[wikt:en:princeps#Latin|principes]] in annos [[wikt:en:singulus#Latin|singulos]] **けれども、官吏や領袖たちは、各年ごとに、 *[[wikt:en:gens#Latin|gentibus]] [[wikt:en:cognatio#Latin|cognationibus]]<nowiki>que</nowiki> hominum, <u>qui <span style="color:#009900;">[cum]</span></u> una [[wikt:en:coeo#Latin|coierunt]], **一緒に集住していた種族や血縁関係の人々に、 **:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:下線部は、&alpha;系写本では qui cum だが、[  ] 部分が削除提案されている。<br>         &beta;系写本では [[wikt:en:quique#Latin|quique]] となっている。)</span> *[[wikt:la:quantum|quantum]] et quo loco [[wikt:en:visus#Participle|visum]] est agri [[wikt:en:adtribuunt|adtribuunt]] **適切と思われる土地の規模と場所を割り当てて、 *atque anno post [[wikt:en:alio#Adverb|alio]] [[wikt:en:transeo#Latin|transire]] [[wikt:en:cogo#Latin|cogunt]]. **翌年には<ruby><rb>他所</rb><rp>(</rp><rt>よそ</rt><rp>)</rp></ruby>へ移ることを強いるのである。 **:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:[[ガリア戦記 第4巻#1節|第4巻1節]]には、スエービー族の説明として同様の記述がある。)</span> :  *<!--❸-->Eius rei multas [[wikt:en:adferunt|adferunt]] causas: **<small>(官吏たちは)</small>その事の多くの理由を<small>(以下のように)</small>説明する。 **:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:以下、[[wikt:en:ne#Conjunction_5|nē]] ~の節が四つも連続して、さらに [[wikt:en:ut#Latin|ut]] の節が後続する。)</span> *<u>ne</u> [[wikt:en:adsidua#Latin|adsidua]] [[wikt:en:consuetudo#Latin|consuetudine]] [[wikt:en:captus#Latin|capti]] studium belli [[wikt:en:gerendus#Latin|gerendi]] [[wikt:en:agri cultura|agri cultura]] [[wikt:en:commuto#Latin|commutent]]; **<small>(部族民が)</small>[[w:居住|定住]]する習慣にとらわれて、戦争遂行の熱意を土地を耕すことに変えてしまわないように。 *<u>ne</u> [[wikt:en:latus#Adjective|latos]] fines [[wikt:en:paro#Latin|parare]] [[wikt:en:studeo#Latin|studeant]], [[wikt:en:potentior|potentiores]]<nowiki>que</nowiki> [[wikt:en:humilior|humiliores]] [[wikt:en:possessio#Latin|possessionibus]] [[wikt:en:expello#Latin|expellant]]; **広大な領地を獲得することに熱心になって、有力者たちが弱者たちを地所から追い出さないように。 *<u>ne</u> [[wikt:en:accuratius|accuratius]] ad [[wikt:en:frigus#Latin|frigora]] atque <u>aestus</u> [[wikt:en:vitandus#Latin|vitandos]] [[wikt:en:aedifico#Latin|aedificent]]; **寒さや暑さを避けるために<small>(住居を)</small>非常な入念さで造営することがないように。 **:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:[[wikt:en:aestus#Latin|aestus]] という単語は、本節や本巻[[#30節|30節]]では「暑さ」を意味しているが、<br>     [[ガリア戦記_第5巻#1節|第5巻1節]]・[[ガリア戦記_第5巻#8節|8節]]、本巻[[#31節|31節]]では「潮」を意味している。)</span> *<u>ne</u> [[wikt:en:aliqui#Latin|qua]] [[wikt:en:orior#Latin|oriatur]] [[wikt:en:pecunia#Latin|pecuniae]] [[wikt:en:cupiditas#Latin|cupiditas]], qua ex re [[wikt:en:factio#Latin|factiones]] [[wikt:en:dissensio#Latin|dissensiones]]<nowiki>que</nowiki> [[wikt:en:nascuntur|nascuntur]]; **金銭への何らかの欲望が増して、その事から派閥や不和が生ずることのないように。 : <!-- [[wikt:en:| --> *<!--❹-->ut animi [[wikt:en:aequitas#Latin|aequitate]] [[wikt:en:plebs#Latin|plebem]] [[wikt:en:contineant|contineant]], cum suas [[wikt:en:quisque#Latin|quisque]] [[wikt:en:ops#Noun_4|opes]] cum [[wikt:en:potentissimus|potentissimis]] [[wikt:en:aequo#Latin|aequari]] [[wikt:en:videat|videat]]. **おのおのが自分の財産も最有力者のも同列に置かれていると見ることで、心の平静により民衆を抑えるように。 :  :<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:[[w:ストラボン|ストラボン]]<ref>ストラボン『ギリシア・ローマ世界地誌Ⅰ』(前掲、p.510)</ref>や[[w:タキトゥス|タキトゥス]]<ref>タキトゥス『ゲルマーニア』23章・16章などを参照。26章では農耕についても解説されている。</ref>などの著述家たちも、ゲルマーニアの住民が農耕をせず、<br>         遊牧民のように移動しながら暮らし、小さな住居に住み、食料を家畜に頼っていると記述している。)</span> <!-- <span style="color:#009900;"></span> <small></small> **:<span style="color:#009900;">(訳注: **:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注: --> ===23節=== *<span style="background-color:#ffd;">[[/注解/23節]] {{進捗|00%|2025-03-08}}</span> ;ゲルマーニア諸部族のあり方 *<!--❶-->[[wikt:en:civitas#Latin|Civitatibus]] [[wikt:en:maximus#Latin|maxima]] [[wikt:en:laus#Latin|laus]] est **諸部族にとって、最も称賛されることは、 *[[wikt:en:quam#Adverb|quam]] [[wikt:en:latissime|latissime]] [[wikt:en:circum#Preposition|circum]] se [[wikt:en:vastatus#Latin|vastatis]] finibus [[wikt:en:solitudo#Latin|solitudines]] habere. **できる限り広く自分たちの周辺で領地を荒らして荒野に保っておくことである。 **:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:[[ガリア戦記_第4巻#3節|第4巻3節]] に、本節と同様の記述がある。)</span> :  *<!--❷-->Hoc [[wikt:en:proprius#Latin|proprium]] [[wikt:en:virtus#Latin|virtutis]] [[wikt:en:existimo#Latin|existimant]], **以下のことを<small>(自分たちの)</small>武勇の<ruby><rb>証</rb><rp>(</rp><rt>あか</rt><rp>)</rp></ruby>しと考えている。 *[[wikt:en:expulsus#Latin|expulsos]] [[wikt:en:ager#Latin|agris]] [[wikt:en:finitimus#Latin|finitimos]] [[wikt:en:cedo#Latin|cedere]], **近隣の者たち<small>〔部族民〕</small>が土地から追い払われて立ち去ること、 *neque [[wikt:en:quisquam#Latin|quemquam]] [[wikt:en:prope#Latin|prope]] <span style="color:#009900;">(se)</span> [[wikt:en:audeo#Latin|audere]] [[wikt:en:consisto#Latin|consistere]]; **および、何者も自分たちの近くにあえて定住しないこと、である。 **:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:下線部の se は &beta;系写本の記述で、&alpha;系写本にはない。)</span> :  *<!--❸-->[[wikt:en:simul#Latin|simul]] hoc se [[wikt:en:fore#Verb_2|fore]] [[wikt:en:tutior#Latin|tutiores]] [[wikt:en:arbitror#Latin|arbitrantur]], [[wikt:en:repentinus#Latin|repentinae]] [[wikt:en:incursio#Latin|incursionis]] [[wikt:en:timor#Latin|timore]] [[wikt:en:sublatus#Etymology_1|sublato]]. **同時に、これにより、予期せぬ襲撃の恐れが取り除かれて、自分たちはより安全であるだろうと思っている。 :  *<!--❹-->Cum bellum [[wikt:en:civitas#Latin|civitas]] <u>aut</u> [[wikt:en:inlatus|inlatum]] [[wikt:en:defendo#Latin|defendit]] <u>aut</u> [[wikt:en:infero#Latin|infert]], **部族国家が、しかけられた戦争を防戦したり、あるいはしかけたりしたときには、 *[[wikt:en:magistratus#Latin|magistratus]], qui ei bello [[wikt:en:praesum#Latin|praesint]], <u>ut</u> [[wikt:en:vita#Latin|vitae]] [[wikt:en:nex#Latin|necis]]<nowiki>que</nowiki> [[wikt:en:habeant|habeant]] [[wikt:en:potestas#Latin|potestatem]], [[wikt:en:deligo#Latin|deliguntur]]. **その戦争を統轄して、[[w:生殺与奪の権利|生殺与奪の権]]を持つ、将官が選び出される。 **:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:下線部の ut は主要写本&omega; の記述だが、[[ガリア戦記/注解編/写本と校訂版#Ciacconius|Ciacconius]] は et に修正提案している。)</span> **:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:vitae necisque ・・ potestatem は[[#19節|19節]]で既出「[[w:生殺与奪の権利|生殺与奪の権]]」 = [[wikt:en:ius vitae necisque|ius vitae necisque]] に同じ。)</span> :  *<!--❺-->In [[wikt:en:pax#Latin|pace]] [[wikt:en:nullus#Latin|nullus]] est [[wikt:en:communis#Latin|communis]] [[wikt:en:magistratus#Latin|magistratus]], **平時においては、<small>(部族に)</small>共通の将官は誰もいないが、 *sed [[wikt:en:princeps#Latin|principes]] regionum atque <u>[[wikt:en:pagus#Latin|pagorum]]</u> inter suos [[wikt:en:ius#Etymology_1|ius]] [[wikt:en:dico#Latin|dicunt]] [[wikt:en:controversia#Latin|controversias]]<nowiki>que</nowiki> [[wikt:en:minuo#Latin|minuunt]]. **地域や<u>郷</u>の領袖たちが、地域民の間で判決を下して、訴訟ごとを減らす。 **:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:''pagus'' (郷) はここでは、部族の領土の農村区画を指す行政用語<ref name="pagus"/>。)</span> :  *<!--❻-->[[wikt:en:latrocinium#Latin|Latrocinia]] [[wikt:en:nullus#Adjective|nullam]] habent [[wikt:en:infamia#Latin|infamiam]], quae [[wikt:en:extra#Preposition_2|extra]] fines [[wikt:en:quisque#Latin|cuiusque]] [[wikt:en:civitas#Latin|civitatis]] [[wikt:en:fiunt|fiunt]], **それぞれの部族の領地の外で行なう略奪のことは、何ら恥辱とは見なしていない。 *atque ea [[wikt:en:iuventus#Latin|iuventutis]] [[wikt:en:exercendus#Latin|exercendae]] ac [[wikt:en:desidia#Etymology_1|desidiae]] [[wikt:en:minuendus#Latin|minuendae]] causa [[wikt:en:fieri#Latin|fieri]] [[wikt:en:praedico#Latin|praedicant]]. **それ<small>〔略奪〕</small>は、青年たちを訓練することのため、怠惰を減らすことのために行なわれる、と公言している。 :  *<!--❼-->Atque ubi [[wikt:en:aliquis#Latin|quis]] ex [[wikt:en:princeps#Latin|principibus]] in [[wikt:en:concilium#Latin|concilio]] [[wikt:en:dico#Etymology_1|dixit]] **そして、領袖たちのうちのある者が集会において<small>(以下のように)</small>言うや否や、 *se [[wikt:en:dux#Latin|ducem]] [[wikt:en:fore#Verb_2|fore]], qui [[wikt:en:sequi#Latin|sequi]] [[wikt:en:velint|velint]], [[wikt:en:profiteor#Latin|profiteantur]], **《自分が<small>(略奪の)</small>引率者となるから、追随したい者は申し出るように》と(言うや否や)、 *[[wikt:en:consurgunt|consurgunt]] ii qui et causam et hominem [[wikt:en:probo#Latin|probant]], suumque [[wikt:en:auxilium#Latin|auxilium]] [[wikt:en:polliceor#Latin|pollicentur]] **<small>(略奪の)</small>口実にも<small>(引率する)</small>人物にも賛同する者は立ち上がって、自らの助太刀を約束して、 *atque ab [[wikt:en:multitudo#Latin|multitudine]] [[wikt:en:conlaudantur|conlaudantur]]: **群衆から大いに誉め讃えられる。 :  *<!--❽-->qui ex his [[wikt:en:secutus#Participle|secuti]] non sunt, **これら<small>〔助太刀を約束した者〕</small>のうちで<small>(略奪に)</small>追随しなかった者たちは、 *in [[wikt:en:desertus#Latin|desertorum]] ac [[wikt:en:proditor#Latin|proditorum]] numero [[wikt:en:duco#Latin|ducuntur]], **逃亡兵や裏切り者と見なされて、 *omniumque his rerum postea [[wikt:en:fides#Noun|fides]] [[wikt:en:derogo#Latin|derogatur]]. **その後は、彼らにとってあらゆる事の信頼が<small>(皆から)</small>拒まれる。 : <!-- [[wikt:en:| --> *<!--❾-->[[wikt:en:hospes#Latin|Hospitem]] [[wikt:en:violo#Latin|violare]] [[wikt:en:fas#Latin|fas]] non [[wikt:en:puto#Latin|putant]]; **客人を傷つけることは神意に<ruby><rb>悖</rb><rp>(</rp><rt>もと</rt><rp>)</rp></ruby>ると思っている。 *qui <u>quaque</u> de causa ad eos [[wikt:en:venerunt|venerunt]], **彼ら<small>〔ゲルマーニア人〕</small>のもとへ来た者<small>〔客人〕</small>はいかなる理由であれ、 **:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:下線部は、&alpha;系写本では [[wikt:en:quisque#Latin|quaque]] だが、<br>         &beta;系写本では [[wikt:en:quicumque#Latin|quacumque]] となっている。)</span> *ab [[wikt:en:iniuria#Latin|iniuria]] [[wikt:en:prohibeo#Latin|prohibent]], <u>sanctos</u> habent, **乱暴<ruby><rb>狼藉</rb><rp>(</rp><rt>ろうぜき</rt><rp>)</rp></ruby>から防ぎ、尊ぶべきであると思っている。 **:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:下線部は、&alpha;系写本では [[wikt:en:sanctus#Participle|sanctos]] だが、<br>         &beta;系写本では [[wikt:en:sanctus#Participle|sanctos]]<nowiki>que</nowiki> となっている。)</span> *hisque omnium [[wikt:en:domus#Latin|domus]] [[wikt:en:pateo#Latin|patent]] **彼ら<small>〔客人〕</small>にとってすべての者の家は開放されており、 *[[wikt:en:victus#Noun|victus]]<nowiki>que</nowiki> [[wikt:en:communico#Latin|communicatur]]. **生活の<ruby><rb>糧</rb><rp>(</rp><rt>かて</rt><rp>)</rp></ruby>は共有されている。 **:<span style="color:#009900;">(訳注:客人への接待ぶりについては、[[w:タキトゥス|タキトゥス]]<ref>タキトゥス『ゲルマーニア』21章を参照。</ref>も伝えている。)</span> <!-- <span style="color:#009900;"></span> <small></small> **:<span style="color:#009900;">(訳注: **:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注: --> ===24節=== *<span style="background-color:#ffd;">[[/注解/24節]] {{進捗|00%|2025-03-13}}</span> [[画像:Celts.svg|thumb|right|200px|ケルト文化の広がり(BC800年~BC400年頃)。ケルト系部族の優越は、[[w:鉄器|鉄器]]文化の発達などによると考えられている。]] [[画像:Mappa_di_Eratostene.jpg|thumb|right|200px|[[w:エラトステネス|エラトステネース]]の地理観を再現した世界地図(19世紀)。左上に「Orcynia Silva(オルキュニアの森)」とある。]] [[画像:Hallstatt_LaTene.png|thumb|right|200px|[[w:ハルシュタット文化|ハルシュタット文化]]期と[[w:ラ・テーヌ文化|ラ・テーヌ文化]]期におけるケルト系部族の分布。右上にウォルカエ族(Volcae)やボイイ族(Boii)の名が見える。ボイイ族が居住していた地域はボイオハエムム(Boihaemum)と呼ばれ、[[w:ボヘミア|ボヘミア]](Bohemia)として現在に残る。]] ;ゲルマーニア人とガッリア人 *<!--❶-->Ac fuit antea tempus, **かつて<small>(以下のような)</small>時期があった。 *cum [[wikt:en:Germani#Latin|Germanos]] [[wikt:en:Galli#Latin|Galli]] [[wikt:en:virtus#Latin|virtute]] [[wikt:en:supero#Latin|superarent]], **[[w:ガリア|ガッリア]]人が武勇の点で[[w:ゲルマニア|ゲルマーニア]]人を凌駕しており、 *[[wikt:en:ultro#Latin|ultro]] [[wikt:en:bellum#Noun|bella]] [[wikt:en:infero#Latin|inferrent]], propter hominum multitudinem [[wikt:en:ager#Latin|agri]]<nowiki>que</nowiki> [[wikt:en:inopia#Latin|inopiam]] **人口の多さと土地の不足のゆえに<small>(ガッリア人は)</small>自発的に戦争をしかけて、 *trans [[wikt:en:Rhenus#Latin|Rhenum]] [[wikt:en:colonia#Latin|colonias]] [[wikt:en:mitto#Latin|mitterent]]. **レーヌス<small>〔[[w:ライン川|ライン川]]〕</small>の向こう側へ入植者たちを送り込んでいた。 :  ;   ヘルキュニアの森、ウォルカエ・テクトサゲース族 *<!--❷-->Itaque ea, quae [[wikt:en:fertilissimus|fertilissima]] [[wikt:en:Germania#Latin|Germaniae]] sunt, loca circum [[wikt:en:Hercynia|Hercyniam]] silvam, **それゆえに、ヘルキュニアの森の周辺のゲルマーニアで最も肥沃な地を、 *quam [[wikt:en:Eratosthenes#Latin|Eratostheni]] et [[wikt:en:quidam#Adjective|quibusdam]] [[wikt:en:Graecus#Noun|Graecis]] [[wikt:en:fama#Latin|fama]] [[wikt:en:notus#Latin|notam]] esse [[wikt:en:video#Latin|video]], **──それは[[w:エラトステネス|エラトステネース]]やある[[w:ギリシア人|ギリシア人]]らの報告で知られたと私は理解しており、 **:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:カエサルは、ギリシア人地理学者の[[w:ティモステネス|ティモステネース]]や<br>     ([[#コラム「ガッリア・ゲルマーニアの地誌・民族誌について」|既述]]の) [[w:ポセイドニオス|ポセイドニオス]]に依拠していた、と考えられている <ref>[[ガリア戦記/注解編#Hammond_(1996)|Hammond による英訳]] の巻末注を参照せよ。</ref>。)</span> *quam illi Orcyniam [[wikt:en:appello#Latin|appellant]], **それを彼ら<small>〔ギリシア人〕</small>はオルキュニアと呼んでいるが、── **:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:[[w:ケルト祖語|ケルト祖語]]の ''[[wikt:en:Reconstruction:Proto-Celtic/Φerkunyos|Φerkunyos]]'' がギリシア語の Ὀρκύνιος (Orkúnios) になり、<br>    そこからラテン語の [[wikt:en:Hercynia|Hercynia]] が生じたという推定がある。)</span> *<u>Volcae</u> [[wikt:en:Tectosages#Latin|Tectosages]] [[wikt:en:occupo#Latin|occupaverunt]] atque ibi [[wikt:en:consido#Latin|consederunt]]; **<small>(その地を)</small>ウォルカエ族系のテクトサゲース族が占領して、そこに定住した。 **:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:[[w:ウォルカエ族|ウォルカエ族]] [[w:en:Volcae|Volcae]] という部族連合の支族の一つが<br>    テクトサゲース族 [[w:en:Tectosages|Tectosages]]である。)</span> **:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:[[wikt:en:Volcae#Latin|Volcae]] は [[ガリア戦記/注解編/写本と校訂版#Ursinus|Ursinus]] による修正で、<br>     B・S写本では volgae 、&chi;系写本では volgo 、<br>     &beta;系やM・L・N写本では vulgo などとなっている。)</span> <div style="text-align:center"> {| |- |[[画像:Volcae Arecomisci and Tectosages (migrations).svg|thumb|right|500px|[[w:ストラボン|ストラボーン]]によれば、ウォルカエ・テクトサゲース族は、もともとは[[w:小アジア|小アジア]]の[[w:ガラティア|ガラティア]]方面にいたが、ガッリアへ移住してきたという。]] |} </div> *<!--❸-->quae [[wikt:en:gens#Latin|gens]] ad hoc tempus his [[wikt:en:sedes#Latin|sedibus]] sese [[wikt:en:contineo#Latin|continet]], **その種族<small>〔ウォルカエ・テクトサゲース族〕</small>は、この時代までこの居住地に留まっており、 *[[wikt:en:summus#Latin|summam]]<nowiki>que</nowiki> habet [[wikt:en:iustitia#Latin|iustitiae]] et [[wikt:en:bellicus#Latin|bellicae]] [[wikt:en:laus#Latin|laudis]] [[wikt:en:opinio#Latin|opinionem]]. **公正さと戦いの称賛で最高の評判を得ている。 :  *<!--❹-->Nunc, <u>quod</u> in eadem [[wikt:en:inopia#Noun_2|inopia]], [[wikt:en:egestas#Latin|egestate]], [[wikt:en:patientia#Latin|patientia]] <u>qua</u> [[wikt:en:Germani#Latin|Germani]] [[wikt:en:permaneo#Latin|permanent]], **現在も、ゲルマーニア人と同じ欠乏、貧困や忍耐に持ちこたえており、 **:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:下線部の [[wikt:en:quod#Latin|quod]] は &alpha;系写本の記述で、&beta;系写本では [[wikt:en:quoniam#Latin|quoniam]] となっている。)</span> **:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:下線部の [[wikt:en:qua#Pronoun_2|qua]] は主要写本の記述だが、<br>     [[ガリア戦記/注解編/写本と校訂版#Aldus|Aldus]] は patientia<u>[[wikt:en:-que#Latin|que]]</u> と修正提案し、<br>     [[ガリア戦記/注解編/写本と校訂版#Heller|Heller]] は qua &lt;[[wikt:en:ante#Latin|ante]]&gt; と挿入提案している。)</span> *eodem [[wikt:en:victus#Latin|victu]] et [[wikt:en:cultus#Noun_3|cultu]] corporis [[wikt:en:utor#Latin|utuntur]].<!--;--> **<small>(ゲルマーニア人のと)</small>同じ<ruby><rb>生活の糧</rb><rp>(</rp><rt>ウィークトゥス</rt><rp>)</rp></ruby>や体の衣服を用いている。 :  ;   ローマ属州に隣接するガッリア人社会の文明化と変容 *<!--❺-->[[wikt:en:Galli#Latin|Gallis]] autem [[wikt:en:provincia#Latin|provinciarum]] [[wikt:en:propinquitas#Latin|propinquitas]] et [[wikt:en:transmarinus#Latin|transmarinarum]] rerum [[wikt:en:notitia#Latin|notitia]] **他方で、ガッリア人にとって<small>(ローマの)</small>属州に近接していること、および舶来の文物を知っていることは、 *multa ad [[wikt:en:copia#Latin|copiam]] atque [[wikt:en:usus#Latin|usus]] [[wikt:en:largior#Verb|largitur]];<!--,--> **富や生活必需品の多くをもたらしている。 **:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:属州に近い部族のもとには、地中海文明のぜいたくな商品を供給する商人が出入りしていた。<br>    [[ガリア戦記_第1巻#1節|第1巻1節]]では、ローマ属州から離れた部族のもとには、<br>     「・・・心を軟弱にする類いのものを持ち込む商人たちが滅多に行き来しない・・・」<br>    などと記されていた。)</span> *<!--❻-->[[wikt:en:paulatim|paulatim]] [[wikt:en:adsuefactus|adsuefacti]] [[wikt:en:superari|superari]] [[wikt:en:multus#Latin|multis]]<nowiki>que</nowiki> [[wikt:en:victus#Participle|victi]] [[wikt:en:proelium#Latin|proeliis]], **<small>(ガッリア人は)</small>しだいに<small>(ゲルマーニア人に)</small>征服されることや多くの戦闘で打ち破られることに慣らされて、 *[[wikt:en:ne_quidem|ne]] se [[wikt:en:ne_quidem|quidem]] ipsi cum illis [[wikt:en:virtus#Latin|virtute]] [[wikt:en:comparo#Latin|comparant]]. **<small>(ガッリア人)</small>自身でさえも彼ら<small>〔ゲルマーニア人〕</small>と武勇で肩を並べようとはしないのである。 :  :<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">('''訳注''':本節の最初の段落については、[[w:タキトゥス|タキトゥス]]が著書『[[w:ゲルマニア (書物)|ゲルマーニア]]』28章([[s:la:De_origine_et_situ_Germanorum_(Germania)#XXVIII|原文]])において、<br>    次のように言及している。<br>     ''Validiores olim Gallorum res fuisse summus auctorum divus Iulius tradit; ''<br>      かつてガッリア人の勢力がより強力であったことは、<br>       最高の証言者である神君ユーリウス(・カエサル)も伝えている。<br>     ''eoque credibile est etiam Gallos in Germaniam transgressos:''<br>      それゆえに、ガッリア人でさえもゲルマーニアに渡って行ったと信ずるに値するのである。)</span> <!-- <span style="color:#009900;"></span> <small></small> **:<span style="color:#009900;">(訳注: **:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注: --> ==ヘルキュニアの森林と野獣について== {{Wikipedia|la:Hercynia silva|Hercynia silva (ラテン語)}} {{Wikipedia|en:Hercynian Forest|Hercynian Forest (英語)}} [[#ゲルマーニア人の社会と風習について|ゲルマーニア人の社会と風習について]] の話は前節までで終わり、ここからは前節([[#24節|24節]])で言及されたヘルキュニアの森林とそこに生息するという奇妙な野獣についての話が[[#28節|28節]]まで続く。この25節~28節は、後世の人が写本に書き入れたという一部の学者の見方もあるほどさらに異質な内容となっている <ref>[[ガリア戦記/注解編#Hammond_(1996)|Hammond による英訳]] の巻末注を参照せよ。</ref>。 ===25節=== *<span style="background-color:#ffd;">[[/注解/25節]] {{進捗|00%|2025-03-13}}</span> ;ヘルキュニアの森林地帯 *<!--❶-->Huius [[wikt:en:Hercynia|Hercyniae]] silvae, quae supra [[wikt:en:demonstratus|demonstrata]] est, [[wikt:en:latitudo#Latin|latitudo]] **前に述べたヘルキュニアの森の幅は、 *novem dierum iter [[wikt:en:expeditus#Participle|expedito]] [[wikt:en:pateo#Latin|patet]]: **軽装の旅で9日間<small>(の旅程だけ)</small>広がっている。 *non enim [[wikt:en:aliter#Latin|aliter]] [[wikt:en:finiri|finiri]] potest, **なぜなら<small>(ゲルマーニア人は)</small>他に境界を定めることができないし、 *neque [[wikt:en:mensura#Noun|mensuras]] itinerum [[wikt:en:nosco#Latin|noverunt]]. **道のりの測量というものを知っていないのである。 [[画像:FeldbergPanorama.jpg|thumb|center|1000px|ヘルキュニアの森林地帯(ドイツ南西部、[[w:シュヴァルツヴァルト|シュヴァルツヴァルトの森]]の最高峰フェルドベルク山 [[w:enrecta#Latin:Feldberg_(Black Forest)|Feldberg]] の眺望)]] :  *<!--❷-->[[wikt:en:orior#Latin|Oritur]] ab [[wikt:en:Helvetius#Noun|Helvetiorum]] et [[wikt:fr:Nemetes|Nemetum]] et [[wikt:en:Rauraci#Latin|Rauracorum]] finibus **<small>(そのヘルキュニアの森は)</small>[[w:ヘルウェティイ族|ヘルウェティイー族]]とネメテース族とラウラキー族の領土から発しており、 **:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:これはライン川東岸に沿って南北に長い現在の[[w:シュヴァルツヴァルト|シュヴァルツヴァルトの森]]のことである。)</span> *[[wikt:en:recta#Adverb|recta]]<nowiki>que</nowiki> fluminis [[wikt:en:Danubius#Latin|Danubii]] [[wikt:en:regio#Latin|regione]] **ダヌビウス川の流域に沿って真っ直ぐに(流れ)、 **:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:ダヌビウス Danubius はダヌウィウス Danuvius とも呼ばれ、現在の[[w:ドナウ川|ドナウ川]]である。)</span> *[[wikt:en:pertineo#Latin|pertinet]] ad fines [[wikt:en:Dacus#Latin|Dacorum]] et [[wikt:en:Anartes#Latin|Anartium]]; **[[w:ダキア人|ダーキー族]]やアナルテース族の領土へ至る。 **:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:これは[[w:ダキア|ダキア]] [[wikt:en:Dacia#Etymology_1|Dacia]] すなわち現在の[[w:ルーマニア|ルーマニア]]辺りの地域である。)</span> :  *<!--❸-->[[wikt:en:hinc#Latin|hinc]] se [[wikt:en:flectō|flectit]] [[wikt:en:sinistrorsus|sinistrorsus]] **<small>(ヘルキュニアの森は)</small>ここから左方へ向きを変えて、 *[[wikt:en:diversus#Latin|diversis]] ab flumine regionibus **川<small>〔ダヌビウス川〕</small>の流域に背を向けて、 **:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:ドナウ川が南へ折れるのとは逆に、<br>    森は北へそれて[[w:エルツ山地|エルツ山地]]を通って[[w:カルパティア山脈|カルパティア山脈]]に至ると考えられている<ref>タキトゥス『ゲルマーニア』泉井久之助訳注、岩波文庫、p.131-132の注などを参照</ref>。)</span> *[[wikt:en:multus#Latin|multarum]]<nowiki>que</nowiki> [[wikt:en:gens#Latin|gentium]] fines propter magnitudinem [[wikt:en:adtingo#Latin|adtingit]]; **<small>(森の)</small>大きさのゆえに、多くの種族の領土に接しているのである。 :  *<!--❹-->neque [[wikt:en:quisquam#Pronoun|quisquam]] est huius [[wikt:en:Germania#Latin|Germaniae]], qui se <u>aut adisse</u> ad [[wikt:en:initium#Latin|initium]] eius silvae [[wikt:en:dico#Etymology_1|dicat]], **その森の<small>(東側の)</small>端へ訪れたと言う者は、こちら<small>〔西側〕</small>の[[w:ゲルマニア|ゲルマーニア]]に属する者では誰もいないし、 **:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:下線部は、主要写本&omega; では aut [[wikt:en:audisse|audisse]] aut [[wikt:en:adisse#Latin|adisse]] だが、<br>     オックスフォードなど後代の一部の写本では aut adisse としており、<br>     こちらが支持されている。)</span> *cum dierum iter [[wikt:en:sexaginta#Latin|sexaginta]](LX) [[wikt:en:procedo#Latin|processerit]], **60日間の旅程を進んでも<small>(いないのであるが)</small>、 **:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:「60日間の」ではなくて、「600マイルの」ではないかという見解もある。)</span> *<u>aut</u>, quo ex loco [[wikt:en:orior#Latin|oriatur]], [[wikt:en:accipio#Latin|acceperit]]: **あるいは<small>(森が)</small>どの場所から生じているか把握した<small>(者もいないのである)</small>。 **:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:aut ~, aut ・・・「あるいは~、あるいは・・・」)</span> : <!-- [[wikt:en:| --> ;   ヘルキュニアの森林に生息する珍獣とは *<!--❺-->[[wikt:en:multus#Latin|multa]]<nowiki>que</nowiki> in ea [[wikt:en:genus#Latin|genera]] [[wikt:en:fera#Latin|ferarum]] [[wikt:en:nascor#Latin|nasci]] [[wikt:en:consto#Latin|constat]], quae reliquis in locis visa non sint; **それ<small>〔ヘルキュニアの森〕</small>の中には、ほかの地では見られない<ruby><rb>野獣</rb><rp>(</rp><rt>フェラ</rt><rp>)</rp></ruby>の多くの種類が生息していることが知られている。 *ex quibus quae maxime [[wikt:en:differo#Latin|differant]] ab [[wikt:en:ceterus#Latin|ceteris]] et [[wikt:en:memoria#Latin|memoriae]] [[wikt:en:prodendus|prodenda]] videantur, **それら<small>〔野獣〕</small>のうちで、ほか<small>(の地の野獣)</small>ととりわけ異なったものは、記録で伝えるべきものと思われる。 *haec sunt. **以下のものである。 **:<span style="color:#009900;">(訳注:以下、[[#26節|26節]]~[[#28節|28節]]で説明される。)</span> <!-- <span style="color:#009900;"></span> <small></small> **:<span style="color:#009900;">(訳注: **:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注: --> ===26節=== [[画像:Rentier fws 1.jpg|thumb|right|200px|[[w:トナカイ|トナカイ]]([[w:la:Tarandrus|Rangifer tarandus]])。発達した枝角を持ち、雌雄ともに角があるという特徴は本節の説明に合致している。が、角が一本ということはないし、野生のトナカイは少なくとも現在では極北の地にしか住まない。]] *<span style="background-color:#ffd;">[[/注解/26節]] {{進捗|00%|2025-03-21}}</span> ;ヘルキュニアの野獣①──トナカイ *<!--❶-->Est <u>bos</u> [[wikt:en:cervus#Latin|cervi]] figura, **<ruby><rb>雄[[w:シカ|鹿]]</rb><rp>(</rp><rt>おじか</rt><rp>)</rp></ruby>の姿形をした<u>ウシ</u>がいる。 **:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:[[wikt:en:bos#Latin|bos]] は直訳すると「[[w:ウシ属|ウシ (牛)]]」だが、<br>     例えば[[w:エピロス王|エペイロス王]] [[w:ピュロス|ピュロス]]の戦[[w:ゾウ|象]]を初めて見たときに、<br>     [[wikt:en:Luca bos|Lūca bōs]] 「[[w:ルッカ|ルカ]]のウシ」と呼んだように、<br>    ローマ人は大きな獣を「ウシ」と表現する傾向があった。)</span> *cuius a media [[wikt:en:frons#Latin|fronte]] inter [[wikt:en:auris#Latin|aures]] unum [[wikt:en:cornu#Latin|cornu]] [[wikt:en:exsisto#Latin|exsistit]] **それの両耳の間の額の真ん中から一つの角が出ており、 *[[wikt:en:excelse#Adverb|excelsius]] [[wikt:en:magis#Adverb|magis]]<nowiki>que</nowiki> [[wikt:en:directus#Latin|directum]] his, quae nobis [[wikt:en:notus#Latin|nota]] sunt, [[wikt:en:cornu#Latin|cornibus]]. **我々<small>〔ローマ人〕</small>に知られている角よりも非常に高くて真っ直ぐである。 :  *<!--❷-->Ab eius summo [[wikt:en:sicut#Latin|sicut]] [[wikt:en:palma#Latin|palmae]] [[wikt:en:ramus#Latin|rami]]<nowiki>que</nowiki> [[wikt:en:late#Latin|late]] [[wikt:en:diffundo#Latin|diffunduntur]]. **その<small>(角の)</small>先端部から、<ruby><rb>掌</rb><rp>(</rp><rt>てのひら</rt><rp>)</rp></ruby>や枝のように幅広く広がっている。 :  ;   雌雄同体 *<!--❸-->[[wikt:en:idem#Latin|Eadem]] est [[wikt:en:femina#Latin|feminae]] [[wikt:en:mas#Latin|maris]]<nowiki>que</nowiki> natura, **<ruby><rb>雌</rb><rp>(</rp><rt>めす</rt><rp>)</rp></ruby>と<ruby><rb>雄</rb><rp>(</rp><rt>おす</rt><rp>)</rp></ruby>の特徴は同じであり、 *[[wikt:en:idem#Latin|eadem]] [[wikt:en:forma#Latin|forma]] [[wikt:en:magnitudo#Latin|magnitudo]]<nowiki>que</nowiki> [[wikt:en:cornu#Latin|cornuum]]. **角の形や大きさも<small>(雌雄で)</small>同じである。 : <!-- [[wikt:en:| --> :<span style="color:#009900;">('''訳注''':カエサルによる本節の記述は[[w:ユニコーン|ユニコーン]](一角獣)の伝説に結び付けられている。<br>    しかし本節における発達した枝角の説明は、むしろ[[w:トナカイ|トナカイ]]や[[w:ヘラジカ|ヘラジカ]]のような獣を想起させる。<br>    カエサルの無知や思い違いはともかく、本節で述べられたのは[[w:トナカイ|トナカイ]]だと考えられている。) <!-- <span style="color:#009900;"></span> <small></small> **:<span style="color:#009900;">(訳注: **:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注: --> ===27節=== *<span style="background-color:#ffd;">[[/注解/27節]] {{進捗|00%|2025-03-22}}</span> [[画像:Bigbullmoose.jpg|thumb|right|250px|[[w:ヘラジカ|ヘラジカ]](Alces alces)。<br>発達した枝角と大きな体を持ち、名称以外は本節の説明とまったく合致しない。<br>しかしながら、[[w:ガイウス・プリニウス・セクンドゥス|大プリニウス]]の『[[w:博物誌|博物誌]]』第8巻(16章・39節)には、[[w:アクリス|アクリス]]([[w:en:Achlis|achlis]])という一見ヘラジカ(alces)のような奇獣が紹介され、その特徴は本節2段落目以下のカエサルの説明とほぼ同じであることが知られている。]] [[画像:Gressoney-Saint-Jean-Museo-IMG 1824.JPG|thumb|right|250px|[[w:ノロジカ|ノロジカ]](Capreolus capreolus)。<br>ヨーロッパに広く分布する小鹿で、まだら模様で山羊にも似ているので、本節冒頭の説明と合致する。しかし、関節はあるし、腹ばいにもなる。]] ;ヘルキュニアの野獣②──シカ *<!--❶-->Sunt item, quae [[wikt:en:appello#Etymology_2_2|appellantur]] [[wikt:en:alces#Latin|alces]]. **アルケースと呼ばれるものもいる。 **:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:アルケース alces とは[[w:ヘラジカ|ヘラジカ]](オオシカ)を指す<br>    単語であるが本節の説明と矛盾する。<br>    [[w:ガイウス・プリニウス・セクンドゥス|大プリーニウス]]『[[w:博物誌|博物誌]]』[[s:la:Naturalis_Historia/Liber_VIII|VIII]]巻の39 もヘラジカに言及している。)</span> *Harum est [[wikt:en:consimilis#Latin|consimilis]] [[wikt:en:capra#Latin|capris]] [[wikt:en:figura#Latin|figura]] et [[wikt:en:varietas#Latin|varietas]] [[wikt:en:pellis#Latin|pellium]], **これら<small>〔鹿〕</small>の姿形や毛皮のまだらは<ruby><rb>雌</rb><rp>(</rp><rt>め</rt><rp>)</rp></ruby><ruby><rb>[[w:ヤギ|山羊]]</rb><rp>(</rp><rt>やぎ</rt><rp>)</rp></ruby>に似ている。 *sed magnitudine paulo [[wikt:en:antecedo#Latin|antecedunt]], **けれども、大きさの点で<small>(山羊に)</small>やや優っていて、 *<u>mutilae</u>que sunt [[wikt:en:cornu#Latin|cornibus]], **<ruby><rb>角</rb><rp>(</rp><rt>つの</rt><rp>)</rp></ruby>を<u>欠いており</u>、 **:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:[[wikt:en:mutilus#Latin|mutilae]] の直訳は「切断されている」<br>    あるいは「(角が伸びて)ない」。)</span> *et [[wikt:en:crus#Latin|crura]] sine <u>nodis</u> <u>articulis</u><nowiki>que</nowiki> habent. **<ruby><rb><u>節</u></rb><rp>(</rp><rt>ふし</rt><rp>)</rp></ruby>や<u>関節</u>のない脚を持つ。 **:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:[[wikt:en:nodus#Latin|nodus]] は「[[w:結び目|結び目]]、<ruby><rb>節</rb><rp>(</rp><rt>ふし</rt><rp>)</rp></ruby>」、<br>    [[wikt:en:articulus#Latin|articulus]] は「[[w:関節|関節]]」と訳されるが、<br>    ここでは同じ意味。)</span> :  *<!--❷--><u>Neque</u> [[wikt:en:quies#Latin|quietis]] causa [[wikt:en:procumbo#Latin|procumbunt]] **休息のために横たわらないし、 *<u>neque</u>, si [[wikt:en:aliquis#Latin|quo]] [[wikt:en:adflictus#Latin|adflictae]] [[wikt:en:casu#Adverb|casu]] [[wikt:en:conciderunt#Etymology_1|conciderunt]], **もし何か不幸なことで偶然にも倒れたならば、 **:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:neque ~, neque ・・・「~でもないし、・・・でもない」)</span> *[[wikt:en:erigo#Latin|erigere]] sese aut [[wikt:en:sublevo#Latin|sublevare]] possunt. **自らを起き上がらせることも立ち上げることもできない。 :  ;   木々は鹿の寝床 *<!--❸-->His sunt [[wikt:en:arbor#Latin|arbores]] pro [[wikt:en:cubile#Latin|cubilibus]]; **これら<small>〔鹿〕</small>にとって木々は <ruby><rb><u>塒</u></rb><rp>(</rp><rt>ねぐら</rt><rp>)</rp></ruby> の代わりである。 *ad eas se [[wikt:en:applico#Latin|adplicant]] **それら<small>〔木々〕</small>へ自らを寄りかからせて、 *atque ita paulum modo [[wikt:en:reclinatus#Latin|reclinatae]] [[wikt:en:quies#Latin|quietem]] capiunt. **その程度に少しだけもたれかかって休息を取るのである。 :  ;   猟師は木々の根元を伐って、倒れやすくしておく *<!--❹-->Quarum ex [[wikt:en:vestigium#Latin|vestigiis]] **それら<small>〔鹿〕</small>の足跡から *cum est [[wikt:en:animadversus#Participle|animadversum]] a [[wikt:en:venator#Latin|venatoribus]], [[wikt:en:quo#Adverb|quo]] se [[wikt:en:recipio#Latin|recipere]] [[wikt:en:consueverunt|consuerint]], **<small>(鹿が)</small>どこへ戻ることを常としているかを狩人によって気付かれたときには、 *omnes eo loco <u>aut</u> ab [[wikt:en:radix#Latin|radicibus]] [[wikt:en:subruunt|subruunt]] <u>aut</u> [[wikt:en:accidunt#Etymology_2|accidunt]] arbores, **<small>(狩人たちは)</small>その場所のすべての木々を根元から<ruby><rb>伐</rb><rp>(</rp><rt>き</rt><rp>)</rp></ruby>り倒すか、あるいは切り傷を付けて、 **:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:aut ~, aut ・・・「あるいは~、あるいは・・・」)</span> *[[wikt:en:tantum#Adverb|tantum]], ut [[wikt:en:summus#Latin|summa]] [[wikt:en:species#Latin|species]] earum [[wikt:en:stans#Latin|stantium]] [[wikt:en:relinquatur|relinquatur]]. **ただ、それら<small>〔木々〕</small>のいちばん<small>(外側)</small>の見かけが、立っているかのように残して置かれる。 : <!-- [[wikt:en:| --> *<!--❺-->[[wikt:en:huc#Latin|Huc]] cum se [[wikt:en:consuetudo#Latin|consuetudine]] [[wikt:en:reclinaverunt|reclinaverunt]], **そこに<small>(鹿が)</small>習性によってもたれかかったとき、 *[[wikt:en:infirmus#Latin|infirmas]] arbores [[wikt:en:pondus#Latin|pondere]] [[wikt:en:affligo#Latin|adfligunt]] **弱った木々を重みで倒してしまい、 *atque una ipsae [[wikt:en:concidunt#Etymology_1|concidunt]]. **自身も一緒に倒れるのである。 :  :<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:これは『ガリア戦記』に散見される与太話の一つである。<br>    [[w:軟体動物|軟体動物]]や[[w:無脊椎動物|無脊椎動物]]には「[[w:関節|関節]]」がないが、<br>    [[w:脊椎動物|脊椎動物]]や一部の[[w:節足動物|節足動物]]には関節がある。<br>    そもそも四肢に関節がなければ、軟体動物のように這うしかない。)</span> <!-- <span style="color:#009900;"></span> <small></small> **:<span style="color:#009900;">(訳注: **:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注: --> ===28節=== *<span style="background-color:#ffd;">[[/注解/28節]] {{進捗|00%|2025-03-23}}</span> [[画像:Wisent.jpg|thumb|right|250px|[[w:ヨーロッパバイソン|ヨーロッパバイソン]]([[w:la:Bison|Bison bonasus]])。<br>かつてヨーロッパに多数生息していた野牛で、相次ぐ乱獲により野生のものは20世紀初頭にいったん絶滅したが、動物園で繁殖させたものを再び野生に戻す試みが行なわれている。]] [[画像:Muybridge Buffalo galloping.gif|thumb|right|200px|疾走するバイソン]] ;ヘルキュニアの野獣③──バイソン(野牛) *<!--❶-->[[wikt:en:tertius#Latin|Tertium]] est [[wikt:en:genus#Latin|genus]] eorum, qui [[wikt:en:urus#Latin|uri]] [[wikt:en:appellantur|appellantur]]. **第三のものは、野牛と呼ばれる種類である。 *Hi sunt magnitudine paulo infra [[wikt:en:elephantus#Latin|elephantos]], **これらは、大きさで少し[[w:ゾウ|象]]に劣るが、 *[[wikt:en:species#Latin|specie]] et [[wikt:en:color#Latin|colore]] et [[wikt:en:figura#Latin|figura]] [[wikt:en:taurus#Latin|tauri]]. **見かけと色と姿形は<ruby><rb>雄</rb><rp>(</rp><rt>お</rt><rp>)</rp></ruby><ruby><rb>[[w:ウシ|牛]]</rb><rp>(</rp><rt>うし</rt><rp>)</rp></ruby>である。 :  *<!--❷-->Magna [[wikt:en:vis#Latin|vis]] eorum est et magna [[wikt:en:velocitas#Latin|velocitas]]; **それら<small>〔野牛〕</small>の力は大きく、動きもとても速く、 *neque homini neque [[wikt:en:fera#Latin|ferae]], quam [[wikt:en:conspicio#Latin|conspexerunt]], [[wikt:en:parco#Latin|parcunt]]. **人間でも野獣でも、見かけたものには容赦しない。 : <!-- [[wikt:en:| --> *<!--❸-->Hos studiose foveis captos interficiunt; **<small>(ゲルマーニア人は)</small>これらを熱心に落とし穴で捕らえて、殺す。 *hoc se labore durant adulescentes **この労苦により青年たちを鍛え、 *atque hoc genere venationis exercent, **[[w:狩猟|狩猟]]のこの類いで鍛錬するのであり、 *et qui plurimos ex his interfecerunt, **彼らのうちから最も多く<small>(の野牛)</small>を殺した者は、 *relatis in publicum cornibus, quae sint testimonio, **証拠になるための[[w:角|角]]を公の場に持参して、 *magnam ferunt laudem. **大きな賞賛を得るのである。 : <!-- [[wikt:en:| --> *<!--❹-->Sed [[wikt:en:adsuescere#Etymology_1|adsuescere]] ad homines et mansuefieri ne parvuli quidem excepti possunt. **けれども<small>(野牛は)</small>幼くして捕らえられてさえも、人間に慣れ親しんで飼い慣らされることはできない。 :  [[画像:Drinkhoorn_roordahuizum.JPG|thumb|right|300px|酒杯として用いられた野獣の角。銀で縁取りされている。]] *<!--❺-->Amplitudo cornuum et figura et species **角の大きさや形や見かけは、 *multum a nostrorum boum cornibus differt. **我々<small>〔ローマ〕</small>の牛の角とは大いに異なる。 : <!-- [[wikt:en:| --> *<!--❻-->Haec studiose conquisita **<small>(ゲルマーニア人は)</small>これらを熱心に探し求めると、 *ab labris argento circumcludunt **縁を[[w:銀|銀]]で囲って、 *atque in amplissimis epulis pro poculis utuntur. **とても贅沢な祝宴において[[w:盃|杯]]として用いるのである。 <!-- <span style="color:#009900;"></span> <small></small> **:<span style="color:#009900;">(訳注: **:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注: --> ==対エブローネース族追討戦(1)== ===29節=== *<span style="background-color:#ffd;">[[/注解/29節]] {{進捗|00%|2025-03-29}}</span> ;カエサルがゲルマーニアから撤兵、アンビオリークスへの報復戦争へ出陣 *<!--❶-->Caesar, [[wikt:en:postquam#Latin|postquam]] per [[wikt:en:Ubii#Latin|Ubios]] [[wikt:en:explorator#Latin|exploratores]] [[wikt:en:comperio#Latin|comperit]], [[wikt:en:Suebi#Latin|Suebos]] sese in silvas [[wikt:en:recipio#Latin|recepisse]], **カエサルは、ウビイー族の斥候たちを通じて、<u>スエービー族</u>が<u>森</u>に撤収したことを確報を受けた後で、 **:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:[[#10節|10節]]によれば、バケーニス Bacenis の森。<br>    [[#コラム「スエービー族とカッティー族・ケールスキー族・ウビイー族について」|既述]]のように、カエサルの言う「スエービー族」とはカッティー族 [[w:en:Chatti|Chatti]] と考えられる。)</span> *[[wikt:en:inopia#Latin|inopiam]] [[wikt:en:frumentum#Latin|frumenti]] [[wikt:en:veritus#Latin|veritus]], **糧食の欠乏を恐れて、 *quod, ut supra [[wikt:en:demonstro#Latin|demonstravimus]], [[wikt:en:minime#Latin|minime]] omnes [[wikt:en:Germani#Latin|Germani]] [[wikt:en:agri_cultura#Latin|agri culturae]] [[wikt:en:studeo#Latin|student]], **──というのは、前に説明したように、ゲルマーニア人は皆が土地を耕すことに決して熱心でないので、── **:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:[[#22節|22節]]を参照。耕地がなければ、ローマ軍は穀物の現地調達ができない。)</span> *[[wikt:en:constituo#Latin|constituit]] non [[wikt:en:progredior#Latin|progredi]] [[wikt:en:longe#Adverb_2|longius]]; **より遠くへ前進しないことを決めた。 :  ;   ライン川に架けてあった橋を破却して、12個大隊を守備隊として残す *<!--❷-->sed, ne [[wikt:en:omnino#Latin|omnino]] [[wikt:en:metus#Latin|metum]] [[wikt:en:reditus#Latin|reditus]] sui [[wikt:en:barbarus#Noun|barbaris]] [[wikt:en:tollo#Latin|tolleret]] **けれども、自分たち<small>〔ローマ勢〕</small>が戻って来る恐れを蛮族からまったく取り去ってしまわないように、 *atque ut eorum [[wikt:en:auxilium#Latin|auxilia]] [[wikt:en:tardo#Latin|tardaret]], **かつ、彼ら<small>〔ゲルマーニア人〕</small>の<small>(ガッリアへの)</small>支援を遅らせるように、 *[[wikt:en:reductus#Latin|reducto]] [[wikt:en:exercitus#Noun|exercitu]] partem [[wikt:en:ultimus#Latin|ultimam]] [[wikt:en:pons#Latin|pontis]], quae [[wikt:en:ripa#Latin|ripas]] [[wikt:en:Ubii#Latin|Ubiorum]] [[wikt:en:contingo#Latin|contingebat]], **ウビイー族側の岸<small>〔ライン川東岸〕</small>につなげていた橋の最後の部分に軍隊を連れ戻して、 *in [[wikt:en:longitudo#Latin|longitudinem]] [[wikt:en:pes#Latin|pedum]] [[wikt:en:ducenti#Latin|ducentorum]] [[wikt:en:rescindo#Latin|rescindit]] **<small>(橋を)</small>長さ200<u>ペース</u>にわたって切り裂いて、 **:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:1[[ガイウス・ユリウス・カエサルの著作/通貨・計量単位#ペース|ペース]]は約29.6cmで、200ペースは約60cm。)</span> :  *<!--❸-->atque in [[wikt:en:extremus#Adjective|extremo]] [[wikt:en:pons#Latin|ponte]] [[wikt:en:turris#Latin|turrim]] [[wikt:en:tabulatum#Latin|tabulatorum]] quattuor [[wikt:en:constituo#Latin|constituit]] **橋の末端のところに4層の櫓を建てて、 *[[wikt:en:praesidium#Latin|praesidium]]<nowiki>que</nowiki> [[wikt:en:cohors#Latin|cohortium]] duodecim [[wikt:en:pons#Latin|pontis]] [[wikt:en:tuendus#Latin|tuendi]] causa [[wikt:en:pono#Latin|ponit]] **12個[[w:コホルス|歩兵大隊]]の守備隊を橋を防護するために配置して、 *[[wikt:en:magnus#Latin|magnis]]<nowiki>que</nowiki> eum locum [[wikt:en:munitio#Latin|munitionibus]] [[wikt:en:firmo#Latin|firmat]]. **その地点を大掛かりな防塁で固める。 :  *<!--❹A-->Ei loco [[wikt:en:praesidium#Latin|praesidio]]<nowiki>que</nowiki> [[wikt:en:Gaius#Latin|Gaium]] <u>Volcatium</u> <u>Tullum</u> [[wikt:en:adulescens#Noun|adulescentem]] <u>praefecit</u>. **その場所と守備隊を青年ガーイウス・ウォルカーティウス・トゥッルスに指揮させた。 **:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:[[wikt:en:Volcatius|Volcatium]] は&beta;系の多数の写本の記述だが、&alpha;系では表記が割れている。<br>    [[ガリア戦記/注解編/写本と校訂版#Dittenberger|Dittenberger]] は Volcacium と修正提案している。<br>     この氏族名の綴りは、Volcātius と Volcācius がある。)</span> **:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:[[wikt:en:Tullus#Latin|Tullum]] は&alpha;系写本の記述で、&beta;系写本にはない。)</span> **:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:元執政官 [[w:en:Lucius_Volcatius_Tullus_(consul_66_BC)|Lucius Volcatius Tullus]] に対して、青年 adulescentem と区別したのであろう。)</span> **:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:下線部の [[wikt:en:praefecit|praefecit]] (完了形) は &chi;系・B・M・S・&beta;系写本の記述で、<br>    写本L・Nでは [[wikt:en:praeficit|praeficit]] (現在形) となっている。)</span> :  ;   カエサルが、アルデンヌの森を通って、対アンビオリークス戦へ出発 *<!--❹B-->Ipse, cum [[wikt:en:maturesco#Latin|maturescere]] [[wikt:en:frumentum#Latin|frumenta]] [[wikt:en:incipio#Latin|inciperent]], **<small>(カエサル)</small>自身は、穀物が熟し始めたので、 *ad bellum [[wikt:en:Ambiorix#Latin|Ambiorigis]] [[wikt:en:profectus#Etymology_3|profectus]] per [[wikt:en:Arduenna#Latin|Arduennam]] silvam, **[[w:アンビオリクス|アンビオリークス]]との戦争へ、<u>アルドゥエンナの森</u>を通って進発して、 **:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:現在の[[w:アルデンヌ|アルデンヌ]]の森。[[ガリア戦記 第5巻#3節|第5巻3節]]で既述。)</span> *quae est [[wikt:en:totus#Latin|totius]] [[wikt:en:Gallia#Latin|Galliae]] maxima **──それ<small>〔森〕</small>は全ガッリアで最も大きく、 *atque ab [[wikt:en:ripa#Latin|ripis]] [[wikt:en:Rhenus#Latin|Rheni]] [[wikt:en:finis#Latin|finibus]]<nowiki>que</nowiki> [[wikt:en:Treveri#Latin|Treverorum]] ad [[wikt:en:Nervii#Latin|Nervios]] [[wikt:en:pertineo#Latin|pertinet]] **レーヌス<small>〔[[w:ライン川|ライン川]]〕</small>の岸およびトレーウェリー族の境界から、[[w:ネルウィイ族|ネルウィイー族]](の領土)へ及んでおり、 *[[wikt:en:mille#Latin|milibus]]<nowiki>que</nowiki> [[wikt:en:amplius|amplius]] [[wikt:en:quingenti#Latin|quingentis]] in [[wikt:en:longitudo#Latin|longitudinem]] [[wikt:en:pateo#Latin|patet]], **長さは500<u>ローママイル</u>より大きく広がっているのだが、── **:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:1[[ガイウス・ユリウス・カエサルの著作/通貨・計量単位#ミーッレ・パッスーム、ミーリア(ローママイル)|ローママイル]]は約1.48 kmで、500マイルは約740km)</span> :  ;   ミヌキウス・バスィルスに騎兵隊を率いて先行させる *[[wikt:en:Lucius#Latin|Lucium]] [[wikt:en:Minucius#Proper_noun|Minucium]] <u>Basilum</u> cum [[wikt:en:omnis#Latin|omni]] [[wikt:en:equitatus#Latin|equitatu]] [[wikt:en:praemitto#Latin|praemittit]], **<small>(カエサルは)</small>ルーキウス・ミヌキウス・バスィルスをすべての騎兵隊とともに先遣する。 **:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:下線部の [[wikt:en:Basilus|Basilum]] は [[ガリア戦記/注解編/写本と校訂版#Jungermann|Jungermann]] による修正で、<br>    主要写本&omega; では [[wikt:en:Basilius|Basilium]] となっている。)</span> *si [[wikt:en:aliquis#Latin|quid]] [[wikt:en:celeritas#Latin|celeritate]] itineris atque [[wikt:en:opportunitas#Latin|opportunitate]] [[wikt:en:tempus#Latin|temporis]] [[wikt:en:proficio#Latin|proficere]] [[wikt:en:possit|possit]]; **行軍の迅速さと時間の有利さによって、何かを得られるかどうかということである。 : <!-- ▼ --><!-- [[wikt:en:| --> *<!--❺--><u>[[wikt:en:moneo#Latin|monet]]</u>, ut [[wikt:en:ignis#Latin|ignes]] in [[wikt:en:castra#Latin|castris]] [[wikt:en:fio#Latin|fieri]] [[wikt:en:prohibeo#Latin|prohibeat]], **野営において火が生じることを禁じるように、 **:<span style="color:#009900;">(訳注:騎兵隊の野営から立ち昇る煙がエブローネース族に気付かれないように。)</span> *ne [[wikt:en:aliqui#Latin|qua]] eius [[wikt:en:adventus#Latin|adventus]] [[wikt:en:procul|procul]] [[wikt:en:significatio#Latin|significatio]] [[wikt:en:fio#Latin|fiat]]: **遠くから彼の到来の何らかの予兆が生じないように、<u>戒める</u>。 **:<span style="color:#009900;">(訳注:バスィルスと騎兵隊の急襲がアンビオリークスに感付かれないように。)</span> *sese [[wikt:en:confestim#Latin|confestim]] [[wikt:en:subsequor#Latin|subsequi]] [[wikt:en:dicit|dicit]]. **<small>(カエサル)</small>自らは、ただちに後から続くと言う。 <!-- <span style="color:#009900;"></span> <small></small> **:<span style="color:#009900;">(訳注: **:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注: --> ===30節=== *<span style="background-color:#ffd;">[[/注解/30節]] {{進捗|00%|2025-03-30}}</span> ;アンビオリークスが、バスィルス率いる追手のローマ騎兵から逃れる *<!--❶--><u>Basilus</u>, ut [[wikt:en:imperatus#Latin|imperatum]] est, facit. **バスィルスは、<small>(カエサルから)</small>命令されたように、遂行する。 **:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:下線部の [[wikt:en:Basilus|Basilus]] は ''[[ガリア戦記/注解編/写本と校訂版#Jungermann|Jungermann]]'' による修正で、<br>    主要写本&omega; では [[wikt:en:Basilius|Basilius]] となっている。)</span> *Celeriter [[wikt:en:contra#Preposition_6|contra]]<nowiki>que</nowiki> omnium [[wikt:en:opinio#Latin|opinionem]] [[wikt:en:confectus#Latin|confecto]] [[wikt:en:iter#Latin|itinere]], **速やかに、かつ皆の予想に反して、行軍を成し遂げて、 *multos in agris [[wikt:en:inopinans#Latin|inopinantes]] [[wikt:en:deprehendo#Latin|deprehendit]]: **<small></small>耕地にて不意を突かれた多くの者たちを捕らえる。 *eorum [[wikt:en:indicium#Latin|indicio]] **彼らの申し立てにより、 *ad [[wikt:en:ipse#Latin|ipsum]] [[wikt:en:Ambiorix#Latin|Ambiorigem]] [[wikt:en:contendo#Latin|contendit]], quo in loco cum paucis [[wikt:en:eques#Latin|equitibus]] esse dicebatur. **[[w:アンビオリクス|アンビオリークス]]その人がわずかな騎兵たちとともにいると言われていた場所の方へ急行する。 :  ;   カエサルが、あらかじめ作戦の失敗を運や偶然のせいにし始める *<!--❷-->Multum <u>cum</u> in omnibus rebus, <u>tum</u> in re [[wikt:en:militaris#Latin|militari]] potest [[wikt:en:fortuna#Latin|fortuna]]. **<small>(他の)</small>あらゆる事柄におけるのと同様に、軍事においてもまた、命運が大いに力を持つ。 **:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:[[wikt:en:cum#Conjunction_2|cum]] ~, [[wikt:en:tum#Latin|tum]] ・・・「~と同様に・・・もまた」)</span> *Nam magno [[wikt:en:accidit#Etymology_1|accidit]] [[wikt:en:casus#Latin|casu]], **実際、大きな偶然により生じたのは、 **:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:nam と magno の間に、<br>     ''[[ガリア戦記/注解編/写本と校訂版#Schneider,K.E.Chr.|Schneider]]'' は &lt;ut&gt; を挿入提案し、<br>     ''[[ガリア戦記/注解編/写本と校訂版#Stephanus_(Estienne)|Stephanus]]'' らは &lt;sicut&gt; を挿入提案している。)</span> *ut in [[wikt:en:ipse#Latin|ipsum]] [[wikt:en:incautus#Latin|incautum]] etiam atque [[wikt:en:imparatus|imparatum]] [[wikt:en:incideret#Etymology_1|incideret]], **<small>(アンビオリークス)</small>自身でさえも油断していて不用意なところに<small>(バスィルスが)</small>遭遇したが、 *<u>prius</u><nowiki>que</nowiki> eius [[wikt:en:adventus#Latin|adventus]] ab <u>hominibus</u> videretur, **彼<small>〔バスィルス〕</small>の到来が<small>(エブローネース族の)</small>連中により見られたのが、 **:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:[[wikt:en:prius#Adverb|prius]] ~, [[wikt:en:quam#Adverb|quam]] …「・・・より早くに~」)</span> **:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:下線部は、&phi;系写本では hominibus だが、<br>         &chi;系・&beta;系写本では omnibus となっている。)</span> *<u>quam</u> [[wikt:en:fama#Latin|fama]] ac [[wikt:en:nuntius#Latin|nuntius]] [[wikt:en:adferretur|adferretur]]: **風聞や報告が伝えられるよりも、早かったのである。 *[[wikt:en:sic#Latin|sic]] magnae fuit [[wikt:en:fortuna#Latin|fortunae]], **同様に<small>(アンビオリークスにとって)</small>大きな幸運に属したのは、 *omni [[wikt:en:militaris#Latin|militari]] [[wikt:en:instrumentum#Latin|instrumento]], [[wikt:en:qui#Pronoun_8|quod]] [[wikt:en:circum#Preposition|circum]] se habebat, [[wikt:en:ereptus#Latin|erepto]], **自らの周りに持っていたすべての武具を奪われて、 *[[wikt:en:raeda#Latin|raedis]] [[wikt:en:equus#Latin|equis]]<nowiki>que</nowiki> [[wikt:en:comprehensus|comprehensis]], **四輪馬車や馬を差し押さえられても、 *[[wikt:en:ipse#Latin|ipsum]] [[wikt:en:effugio#Latin|effugere]] [[wikt:en:mors#Latin|mortem]]. **<small>(アンビオリークス)</small>自身は死を逃れたことである。 :  ;   アンビオリークスの手勢がローマ騎兵の奇襲に持ちこたえる *<!--❸-->Sed hoc [[wikt:en:quoque#Adverb|quoque]] factum est, **しかし、以下のこともまた起こった。 *quod [[wikt:en:aedificium#Latin|aedificio]] [[wikt:en:circumdatus|circumdato]] [[wikt:en:silva#Latin|silva]], **<small>(アンビオリークスの)</small>館が森で取り巻かれており、 *ut sunt fere [[wikt:en:domicilium#Latin|domicilia]] [[wikt:en:Galli#Latin|Gallorum]], qui [[wikt:en:vitandus#Latin|vitandi]] <u>aestus</u> causa **── ガッリア人の住居というものはほぼ、<u>暑さ</u>を避けることのために、 **:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:[[wikt:en:aestus#Latin|aestus]] という単語は、[[#22節|22節]]や本節(30節)では「暑さ」を意味しているが、<br>     [[ガリア戦記_第5巻#1節|第5巻1節]]・[[ガリア戦記_第5巻#8節|8節]]、本巻[[#31節|31節]]では「潮」を意味している。)</span> *[[wikt:en:plerumque#Latin|plerumque]] [[wikt:en:silva#Latin|silvarum]] atque [[wikt:en:flumen#Latin|fluminum]] [[wikt:en:peto#Latin|petunt]] [[wikt:en:propinquitas#Latin|propinquitates]], **たいてい森や川に近接したところを求めるのであるが ── *[[wikt:en:comes#Latin|comites]] [[wikt:en:familiaris#Noun|familiares]]<nowiki>que</nowiki> eius [[wikt:en:angustus#Latin|angusto]] in loco **彼<small>〔アンビオリークス〕</small>の従者や郎党どもが、狭い場所で、 *paulisper [[wikt:en:eques#Latin|equitum]] nostrorum [[wikt:en:vis#Latin|vim]] [[wikt:en:sustineo#Latin|sustinuerunt]]. **しばらく、我が方<small>〔ローマ勢〕</small>の騎兵の攻勢を持ちこたえたのだ。 :  ;   アンビオリークスが瀬戸際で危急をのがれる *<!--❹-->His [[wikt:en:pugnans#Latin|pugnantibus]], *彼らが戦っているときに、 *illum in [[wikt:en:equus#Latin|equum]] [[wikt:en:quidam#Latin|quidam]] ex suis [[wikt:en:intulit|intulit]]: **彼<small>〔アンビオリークス〕</small>を配下のある者が馬に押し上げて、 *[[wikt:en:fugiens#Latin|fugientem]] [[wikt:en:silva#Latin|silvae]] [[wikt:en:texerunt|texerunt]]. **逃げて行く者<small>〔アンビオリークス〕</small>を森が覆い隠した。 *[[wikt:en:sic#Latin|Sic]] et ad [[wikt:en:subeundus|subeundum]] [[wikt:en:periculum#Latin|periculum]] et ad [[wikt:en:vitandus|vitandum]] **このように<small>(アンビオリークスが)</small>危険に遭遇することや回避することにおいて、 *multum [[wikt:en:fortuna#Latin|fortuna]] [[wikt:en:valeo#Latin|valuit]]. **命運というものが力をもったのである。 <!-- [[wikt:en:| --><!-- <span style="color:#009900;"></span> <small></small> **:<span style="color:#009900;">(訳注: **:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注: --> ===31節=== *<span style="background-color:#ffd;">[[/注解/31節]] {{進捗|00%|2025-04-29}}</span> ;エブローネース族の避難、共同王カトゥウォルクスの最期 *<!--❶-->[[wikt:en:Ambiorix|Ambiorix]] copias suas [[wikt:en:iudicium#Latin|iudicio]]<u><span style="color:#990099;"><nowiki>ne</nowiki></span></u> non [[wikt:en:conduco#Latin|conduxerit]], quod [[wikt:en:proelium#Latin|proelio]] [[wikt:en:dimicandus#Latin|dimicandum]] non [[wikt:en:existimo#Latin|existimarit]], **[[w:アンビオリクス|アンビオリークス]]は、戦闘で争闘するべきとは考えていなかったので、判断で配下の軍勢を集めなかった<u>のか</u>、 **:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:~ [[wikt:en:-ne#Latin|-ne]], [[wikt:en:an#Latin|an]] <!--▲三点-->&#8943; ⇔ [[wikt:en:utrum#Latin|utrum]] ~ [[wikt:en:an#Latin|an]] <!--▲三点-->&#8943; 間接疑問「~なのか、あるいは…なのかどうか」)</span> *<u><span style="color:#990099;">an</span></u> tempore [[wikt:en:exclusus#Latin|exclusus]] et [[wikt:en:repentinus#Latin|repentino]] [[wikt:en:eques#Latin|equitum]] [[wikt:en:adventus#Latin|adventu]] [[wikt:en:prohibitus#Latin|prohibitus]], **<u>あるいは</u>、時間に阻まれ、予期せぬ[[w:騎兵|騎兵]]の到来に妨げられて、  <!--◆画像◆-->[[画像:Taxus baccata JPG2Aa.jpg|thumb|right|300px|[[w:ヨーロッパイチイ|ヨーロッパイチイ]]([[w:en:Taxus baccata|Taxus baccata]])の樹(ベルギー)。イチイはケルトの人々にとって聖なる樹木であり、[[w:ドルイド|ドルイド]]はイチイの枝を用いて祭儀を行なったという<ref name="マルカル">[[ガリア戦記/注解編#Markale_(1999)|マルカル『ケルト文化事典』]]「イチイ」の項を参照。</ref>。<br>また、'''[[w:エブロネス族|エブローネース族]]''' '''[[wikt:en:Eburones#Latin|Eburōnēs]]''' という部族名はイチイを表わすケルト祖語 ''[[wikt:en: Reconstruction:Proto-Celtic/eburos|*eburos]] に由来すると考えられている<ref name="マルカル"/>。]] <!--◆画像◆-->[[画像:Taxus baccata MHNT.jpg|thumb|right|300px|[[w:ヨーロッパイチイ|ヨーロッパイチイ]]([[w:en:Taxus baccata|Taxus baccata]])<br>欧州などに広く自生するイチイ科の[[w:針葉樹|針葉樹]]。赤い果実は食用で甘い味だが、種子には[[w:タキシン|タキシン]](taxine)という[[w:アルカロイド|アルカロイド]]系の毒物が含まれており、種子を多量に摂れば[[w:痙攣|けいれん]]を起こして[[w:呼吸困難|呼吸困難]]で死に至る。<br>他方、[[w:タキサン|タキサン]](taxane)という成分は[[w:抗がん剤|抗がん剤]]などの[[w:医薬品|医薬品]]に用いられる。]] *cum reliquum [[wikt:en:exercitus#Noun|exercitum]] [[wikt:en:subsequor#Latin|subsequi]] [[wikt:en:credo#Latin|crederet]], **<small>(ローマ勢の)</small>残りの軍隊<small>〔軍団兵〕</small>が後続して来ることを信じたため<u>なのか</u>、 *[[wikt:en:dubius#Latin|dubium]] est. **不確かなことである<small>〔多分そうだろう〕</small>。 :  ;   エブローネース族の総勢が落ち伸びる *<!--❷-->Sed [[wikt:en:certe#Latin|certe]] [[wikt:en:dimissus#Latin|dimissis]] per [[wikt:en:ager#Latin|agros]] [[wikt:en:nuntius#Latin|nuntiis]] **けれども、確かに領地を介して伝令を四方に遣わして、 *sibi [[wikt:en:quisque#Latin|quemque]] [[wikt:en:consulo#Latin|consulere]] [[wikt:en:iubeo#Latin|iussit]]. **めいめいに自助することを命じた。 *Quorum pars in [[wikt:en:Arduenna#Latin|Arduennam]] [[wikt:en:silva#Latin|silvam]], **それらの者たち<small>〔領民〕</small>の一部はアルドゥエンナ<small>〔[[w:アルデンヌ|アルデンヌ]]〕</small>の森に、 **:<span style="color:#009900;">(訳注:現在の[[w:ルクセンブルク|ルクセンブルク]]の辺り。)</span> *pars in [[wikt:en:continens#Latin|continentes]] [[wikt:en:palus#Latin|paludes]] [[wikt:en:profugio#Latin|profugit]]; **<small></small>(別の)一部は絶え間ない沼地に退避した。 :  *<!--❸-->qui [[wikt:en:proximus#Latin|proximi]] [[wikt:en:Oceanus#Latin|Oceano]] [[wikt:en:fuerunt|fuerunt]], **<ruby><rb>大洋<span style="color:#009900;">〔[[w:大西洋|大西洋]]〕</span></rb><rp>(</rp><rt>オーケアヌス</rt><rp>)</rp></ruby>にとても近いところにいた者たちは、 *hi [[wikt:en:insula#Latin|insulis]] sese [[wikt:en:occulto#Latin|occultaverunt]], quas <u>aestus</u> [[wikt:en:efficio#Latin|efficere]] [[wikt:en:consuesco#Latin|consuerunt]]: **<u>満潮</u>が形成するのが常であった島々に身を隠した。 **:<span style="color:#009900;">(訳注:レーヌス〔[[w:ライン川|ライン川]]〕河口辺りの中洲のことか。<br>    [[ガリア戦記_第4巻#10節|第4巻10節]]を参照。)</span> **:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:[[wikt:en:aestus#Latin|aestus]] という単語は、[[#22節|22節]]や[[#30節|30節]]では「暑さ」を意味していたが、<br>     [[ガリア戦記_第5巻#1節|第5巻1節]]・[[ガリア戦記_第5巻#8節|8節]]、そして本節(31節)では「潮」を意味している。)</span> :  *<!--❹-->multi ex suis finibus [[wikt:en:egressus#Participle|egressi]] **多くの者たちは、自分たちの領地から抜け出て行って、 *se suaque [[wikt:en:omnia#Noun|omnia]] [[wikt:en:alienissimus|alienissimis]] [[wikt:en:credo#Latin|crediderunt]]. **自らとその一切合財を見ず知らずの異邦人たちに委ねた。 :  ;   カトゥウォルクスの自決 *<!--❺-->[[wikt:en:Catuvolcus#Latin|Catuvolcus]], [[wikt:en:rex#Latin|rex]] [[wikt:en:dimidius#Latin|dimidiae]] partis [[wikt:en:Eburones#Latin|Eburonum]], **カトゥウォルクスは、[[w:エブロネス族|エブローネース族]]の半分の地方の王であり、 *qui una cum [[wikt:en:Ambiorix|Ambiorige]] consilium [[wikt:en:inierat|inierat]], **アンビオリークスと一緒に<small>(カエサルに造反する)</small>企てに着手していた者であるが、 **:<span style="color:#009900;">(訳注:[[ガリア戦記 第5巻#26節|第5巻26節]]を参照。)</span> *[[wikt:en:aetas#Latin|aetate]] iam [[wikt:en:confectus#Latin|confectus]], **すでに加齢によって疲弊しており、 *cum laborem aut belli aut fugae ferre non posset, **戦争の労苦、あるいは逃亡の労苦に耐えることができなかったので、 *omnibus [[wikt:en:prex#Latin|precibus]] [[wikt:en:detestatus#Latin|detestatus]] [[wikt:en:Ambiorix|Ambiorigem]], qui eius consilii [[wikt:en:auctor#Latin|auctor]] [[wikt:en:fuisset|fuisset]], **その企ての張本人であった[[w:アンビオリクス|アンビオリークス]]をあらゆる呪詛のことばで呪って、 *'''[[wikt:en:taxus#Latin|taxo]]''', cuius magna in [[wikt:en:Gallia#Latin|Gallia]] [[wikt:en:Germania#Latin|Germania]]<nowiki>que</nowiki> [[wikt:en:copia#Latin|copia]] est, se [[wikt:en:exanimo#Latin|exanimavit]]. **[[w:ガリア|ガッリア]]や[[w:ゲルマニア|ゲルマーニア]]に豊富にあった'''[[w:ヨーロッパイチイ|イチイ]]'''によって、息絶えたのであった。 **:<span style="color:#009900;">(訳注:「イチイの木で首を吊った」などと解する訳書もあるが、<br>    樹木名を記しているので、服毒であろう。)</span><!-- [[wikt:en:| --> <!-- <span style="color:#009900;"></span> <small></small> **:<span style="color:#009900;">(訳注: **:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注: --> ===32節=== [[画像:Régions naturelles de Belgique.jpg|thumb|300px|現代[[w:ベルギー|ベルギー]]の生態区分図。<br />図の<span style="background-color:#E6E6FA;>薄紫色の部分</span>「コンドロ」([[w:en:Condroz|Condroz]])の辺りにコンドルースィー族 ''[[w:en:Condrusi|Condrusi]]'' が、その南の[[w:アルデンヌ|アルデンヌ]]にセグニー族 ''[[w:en:Segni (tribe)|Segni]]'' がいたと考えられている。]] *<span style="background-color:#ffd;">[[/注解/32節]] {{進捗|00%|2025-05-18}}</span> ;ゲルマーニア部族の弁明、アドゥアートゥカに輜重を集める *<!--❶-->[[wikt:en:Segni#Latin|Segni]] [[wikt:en:Condrusi#Latin|Condrusi]]<nowiki>que</nowiki>, ex [[wikt:en:gens#Latin|gente]] et [[wikt:en:numerus#Latin|numero]] [[wikt:en:Germani#Latin|Germanorum]], **[[w:ゲルマニア|ゲルマーニア]]人の種族や人員のうち、<u>セグニー族</u>と<u>コンドルースィー族</u>は、 *qui sunt inter [[wikt:en:Eburones#Latin|Eburones]] [[wikt:en:Treveri#Latin|Treveros]]<nowiki>que</nowiki>, **[[w:エブロネス族|エブローネース族]]とトレーウェリー族の間にいたが、 **:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:セグニー族 ''[[w:en:Segni (tribe)|Segni]]'' は本節が初出。<br>    コンドルースィー族 ''[[w:en:Condrusi|Condrusi]]'' の名は何度か言及されており、<br>    [[ガリア戦記_第4巻#6節|第4巻6節]]ではトレーウェリー族の庇護民と説明されている。<br>    彼らはケルト語を話す部族であったと考えられている。) *[[wikt:en:legatus#Latin|legatos]] ad Caesarem [[wikt:en:mitto#Latin|miserunt]] [[wikt:en:oratum#Verb|oratum]], **カエサルのもとへ嘆願するために使節たちを遣わした。 *ne se in hostium [[wikt:en:numerus#Latin|numero]] [[wikt:en:duceret|duceret]] **自分たちを敵として見なさないように、と。 *[[wikt:en:neve#Latin|neve]] omnium [[wikt:en:Germani#Latin|Germanorum]], qui essent citra [[wikt:en:Rhenus#Latin|Rhenum]], unam esse causam [[wikt:en:iudicaret|iudicaret]]<!--;-->: **または、<u>レーヌス</u>〔[[w:ライン川|ライン川]]〕<u>のこちら側にいるゲルマーニア人</u>すべての事情は1つであると裁断しないように、と。 **:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:''[[w:en:Germani cisrhenani|Germani Cisrhenani]]''「レーヌスのこちら側のゲルマーニア人」(西岸の諸部族) は西岸部族の総称。<br>    ''Germani Transrhenani'' 「レーヌスの向こう側のゲルマーニア人」(東岸の諸部族) の対義語で、<br>     西岸の諸部族が東岸の諸部族を招き寄せているというのが『ガリア戦記』の主張である。)</span> *[[wikt:en:nihil#Latin|nihil]] se de bello [[wikt:en:cogitavisse|cogitavisse]], **自分たちは、戦争についてまったく考えたことはないし、 *[[wikt:en:nullus#Latin|nulla]] [[wikt:en:Ambiorix#Latin|Ambiorigi]] auxilia [[wikt:en:misisse|misisse]]. **[[w:アンビオリクス|アンビオリークス]]に何ら援軍を派遣したことはない、と。 :  *<!--❷-->Caesar, [[wikt:en:exploratus#Latin|explorata]] re [[wikt:en:quaestio#Latin|quaestione]] [[wikt:en:captivus#Noun|captivorum]], **カエサルは、捕虜を審問することによってその事を探り出すと、 *si qui ad eos [[wikt:en:Eburones#Latin|Eburones]] ex fuga [[wikt:en:convenissent|convenissent]], **もし彼ら<small></small>のもとへ逃亡している[[w:エブロネス族|エブローネース族]]のうちの誰かが集まっていたならば、 *ad se ut [[wikt:en:reducerentur|reducerentur]], [[wikt:en:imperavit|imperavit]]; **自分<small>〔カエサル〕</small>のもとへ連れ戻されるようにと、命令した。 *si ita [[wikt:en:fecissent|fecissent]], **もし<small></small>そのように行なったならば、 *fines eorum se [[wikt:en:violaturus#Latin|violaturum]] [[wikt:en:negavit|negavit]]. **彼らの領土を自分<small>〔カエサル〕</small>が侵害することはないであろうと主張した。 :  ;   全軍の輜重隊をアドゥアートゥカに集める *<!--❸-->Tum [[wikt:en:copiae|copiis]] in tres partes [[wikt:en:distributus#Latin|distributis]], **<small>(カエサルは)</small>それから、軍勢を三方面に分配すると、 *[[wikt:en:impedimentum#Latin|impedimenta]] omnium legionum [[wikt:en:Aduatuca#Latin|Aduatucam]] [[wikt:en:contulit|contulit]]. **全軍団の[[w:輜重|輜重]]をアドゥアートゥカに運び集めた。 **:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:アドゥアートゥカ Aduatuca の表記は、<br>     写本によってはアトゥアートゥカ Atuatuca となっている。<br>     現在の[[w:トンゲレン|トンゲレン市]]。)</span> **:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:輜重は <ruby><rb>軍属奴隷</rb><rp>(</rp><rt>カーローネース</rt><rp>)</rp></ruby> [[wikt:en:calo#Noun_5|cālōnēs]] という数千人の奴隷が運ぶのだが、<br>    しばしば行軍の足手まといになるので、中継点に留めたのであろう。)</span> :  *<!--❹-->Id [[wikt:en:castellum#Latin|castelli]] [[wikt:en:nomen#Latin|nomen]] est. **それ<small>〔アドゥアートゥカ〕</small>は、城砦の名前である。 *Hoc fere est in [[wikt:en:medius#Latin|mediis]] [[wikt:en:Eburones#Latin|Eburonum]] finibus, **これは、[[w:エブロネス族|エブローネース族]]の領土のほぼ真ん中にあり、 *[[wikt:en:ubi#Latin|ubi]] [[wikt:en:Titurius#Latin|Titurius]] atque [[wikt:en:Aurunculeius#Latin|Aurunculeius]] [[wikt:en:hiemandi#Verb|hiemandi]] causa [[wikt:en:consederant|consederant]]. **そこには、<u>ティトゥーリウス</u> と <u>アウルンクレーイウス</u> が越冬するために陣取っていた。 **:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:[[w:クィントゥス・ティトゥリウス・サビヌス|ティトゥーリウス・サビヌス]] と アウルンクレーイウス・コッタ の顛末については、<br>     [[ガリア戦記_第5巻#24節|第5巻24節]]~[[ガリア戦記_第5巻#37節|37節]] を参照。<br>     第5巻ではカエサルは冬営の地名についてはまったく記していないが、<br>     本節の記述から「[[w:アドゥアトゥカの戦い|アドゥアトゥカの戦い]]」と呼ばれている。)</span> :  *<!--❺-->Hunc <u>cum</u> reliquis rebus locum [[wikt:en:probabat|probabat]], **<small>(カエサルは)</small>この場所を、ほかの事柄によっても是認したし、 *<u>tum</u> quod [[wikt:en:superior#Latin|superioris]] anni [[wikt:en:munitio#Latin|munitiones]] [[wikt:en:integer#Latin|integrae]] [[wikt:en:manebant|manebant]], **またとりわけ前年の防備が損なわれずに存続していたので、 **:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:[[wikt:en:cum#Conjunction_2|cum]] ~, [[wikt:en:tum#Latin|tum]] ・・・「~と同様に・・・もまた」)</span> *ut militum laborem [[wikt:en:sublevaret|sublevaret]]. **兵士の労苦を軽減するためでもある。 :  *<!--❻-->[[wikt:en:praesidium#Latin|Praesidio]] [[wikt:en:impedimentum#Latin|impedimentis]] legionem [[wikt:en:quartam decimam|quartam decimam]] [[wikt:en:reliquit|reliquit]], **<small>(全軍の)</small>輜重の守備隊として第14軍団を<small>(そこに)</small>残した。 **:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:「第14軍団」は前年にサビーヌスとコッタとともに全滅したが、<br>     カエサルは慣例を破ってこれを欠番とせずに、<br>     新たに徴募した軍団を同じ「第14軍団」とした。)</span> *unam ex his tribus, quas [[wikt:en:proxime#Adverb|proxime]] [[wikt:en:conscriptus#Latin|conscriptas]] ex <u>Italia</u> [[wikt:en:traduxerat|traduxerat]]. **<small>(それは)</small>最近にイタリアから徴募されたものとして連れて来られた3個<small>(軍団)</small>のうちの1個である。 **:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:[[#1節|1節]]を参照。ここでイタリア [[wikt:en:Italia#Latin|Italia]] とは[[w:イタリア本土 (古代ローマ)|本土イタリア]]のことではなく、<br>    カエサルが総督であった[[w:ガリア・キサルピナ|ガッリア・キサルピーナ]]のことである。)</span> : <!-- [[wikt:en:| --> *<!--❼-->Ei legioni [[wikt:en:castra#Latin|castris]]<nowiki>que</nowiki> [[wikt:en:Quintus#Latin|Quintum]] [[wikt:en:Tullius#Latin|Tullium]] [[wikt:en:Cicero#Latin|Ciceronem]] <u>praeficit</u> **その[[w:ローマ軍団|軍団]]と陣営には[[w:クィントゥス・トゥッリウス・キケロ|クィーントゥス・トゥッリウス・キケロー]]を指揮者として、 **:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:下線部は、&alpha;系写本では [[wikt:en:praeficit|praeficit]] (現在形) だが、<br>         &beta;系写本では [[wikt:en:praefecit|praefecit]] (完了形) となっている。)</span> *[[wikt:en:ducenti#Latin|ducentos]]<nowiki>que</nowiki> [[wikt:en:eques#Latin|equites]] <u>ei</u> [[wikt:en:adtribuit|adtribuit]]. **200騎の騎兵を彼に割り当てた。 **:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:下線部の ei は&alpha;系写本の記述だが、&beta;系写本にはない。)</span> <!-- <span style="color:#009900;"></span> <small></small> **:<span style="color:#009900;">(訳注: **:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注: --> ===33節=== [[画像:Ancient north-east Gaul topographic map (Latin).svg|right|thumb|300px|ガッリア北東部の[[ガリア戦記/ガリアの河川#ライン川水系|ライン川水系]]の図。<hr>[[w:la:Rhenus|Rhenus]]:レーヌス 〔[[w:ライン川|ライン川]]〕<br>[[w:la:Mosella (flumen)|Mosella]]:モセッラ 〔[[w:モーゼル川|モーゼル川]]〕<br>[[w:la:Vacalus|Vacalus]]:ウァカルス〔[[w:ワール川|ワール川]]〕<br>[[w:la:Mosa|Mosa]] :モサ    〔[[w:マース川|マース川]]〕<br>[[w:la:Scaldis|Scaldis]]:スカルディス〔[[w:スヘルデ川|スヘルデ川]]〕]] *<span style="background-color:#ffd;">[[/注解/33節]] {{進捗|00%|2025-05-25}}</span> ;軍勢をカエサル、ラビエーヌス、トレボーニウスの三隊に分散 :  ;   ラビエーヌスと3個軍団を大西洋岸地方へ派兵 *<!--❶-->[[wikt:en:partitus#Latin|Partito]] [[wikt:en:exercitus#Noun|exercitu]], **<small>(カエサルは)</small>軍隊を分配すると、 *[[wikt:en:Titus#Latin|Titum]] [[wikt:en:Labienus#Latin|Labienum]] cum [[wikt:en:legio#Latin|legionibus]] [[wikt:en:tres#Latin|tribus]] **[[w:ティトゥス・ラビエヌス|ティトゥス・ラビエーヌス]]に、3個[[w:ローマ軍団|軍団]]とともに、 *ad [[wikt:en:Oceanus#Latin|Oceanum]] [[wikt:en:versus#Latin|versus]] **<ruby><rb>大洋<span style="color:#009900;"><small>〔[[w:大西洋|大西洋]]〕</small></span></rb><rp>(</rp><rt>オーケアヌス</rt><rp>)</rp></ruby>の方へ向きを変えて、 *in eas partes, quae [[wikt:en:Menapii#Latin|Menapios]] [[wikt:en:adtingunt|adtingunt]], [[wikt:en:proficisci|proficisci]] [[wikt:en:iubeo#Latin|iubet]]; **メナピイー族<small>(領)</small>に接する地方に出発することを命じる。 :  ;   トレボーニウスと3個軍団をアドゥアートゥキー族方面へ派兵 *<!--❷-->[[wikt:en:Gaius#Latin|Gaium]] [[wikt:en:Trebonius#Latin|Trebonium]] cum [[wikt:en:par#Latin|pari]] legionum numero **[[w:ガイウス・トレボニウス|ガーイウス・トレボーニウス]]には、軍団の同数<small>〔3個〕</small>とともに、 *ad eam [[wikt:en:regio#Latin|regionem]], quae <u>(ad) Aduatucos</u> [[wikt:en:adiaceo#Latin|adiacet]], **アドゥアートゥキー族に隣接する領域へ、 **:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:下線部は、写本A<sup>1</sup>, BM では &nbsp; ad [[wikt:en:Aduatucos|Aduatucos]] &nbsp; だが、<br>         写本A<sup>c</sup>Q, SLN では &nbsp; Aduatucos 、<br>         &beta;系写本では &nbsp; Atuatucis となっている。)</span> *[[wikt:en:depopulandus#Latin|depopulandam]] [[wikt:en:mitto#Latin|mittit]]; **荒廃させるべく派遣する。 [[画像:Schelde_4.25121E_51.26519N.jpg|thumb|right|200px|ベルギーの[[w:アントウェルペン|アントウェルペン]]周辺を流れる[[w:スヘルデ川|スヘルデ川]]河口付近の[[w:衛星画像|衛星画像]]。ラビエーヌスが向かったメナピイー族に接する地方である。]] :  ;   カエサル自身は3個軍団を率いて、アンビオリークスらを追撃 *<!--❸-->ipse cum reliquis tribus ad flumen <u>Scaldem</u>, quod [[wikt:en:influo#Latin|influit]] in [[wikt:en:Mosa#Latin|Mosam]], **自身は、残りの3個<small>(軍団)</small>とともに、モサ<small>(川)</small>に流れ込むスカルディス川のたもとへ、 **:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:スカルディス Scaldis は現在の[[w:スヘルデ川|スヘルデ川]] Schelde で、<br>    フランス北部からベルギー、オランダへ流れている。<br>    モサ川 Mosa すなわち現在の[[w:マース川|マース川]] Maas とは運河でつながるが、<br>    当時の関係およびカエサルの目的地は不詳。)</span> **:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:下線部は、&alpha;系写本では [[wikt:en:Scaldis#Latin|Scaldem]] だが、<br>         &beta;系写本では Scaldim とするなどの異読があり、<br>         ''[[ガリア戦記/注解編/写本と校訂版#Stephanus_(Estienne)|Stephanus]]'' は [[wikt:en:Sabim|Sabim]](サビス川 [[wikt:en:Sabis|Sabis]])の誤写ではないかとするなど、<br>         いくつかの修正提案がある。)</span> *[[wikt:en:extremus#Adjective|extremas]]<nowiki>que</nowiki> [[wikt:en:Arduenna#Latin|Arduennae]] partes [[wikt:en:ire#Latin|ire]] [[wikt:en:constituo#Latin|constituit]], **かつ、アルドゥエンナ<small>〔[[w:アルデンヌ|アルデンヌ]]〕(の森林)</small>の外縁の地方へ行軍することを決めた。 *[[wikt:en:quo#Adverb|quo]] cum paucis [[wikt:en:eques#Latin|equitibus]] [[wikt:en:profectus#Etymology_3|profectum]] [[wikt:en:Ambiorix#Latin|Ambiorigem]] [[wikt:en:audio#Latin|audiebat]]. **そこへは、[[w:アンビオリクス|アンビオリークス]]がわずかな騎兵たちとともに出発したと聞いていたのだ。 :  ;   カエサルが、アドゥアートゥカへの帰還を確言 *<!--❹-->[[wikt:en:discedens#Latin|Discedens]] post diem septimum sese [[wikt:en:reversurus#Latin|reversurum]] [[wikt:en:confirmo#Latin|confirmat]]; **<small>(カエサルは、陣営を)</small>離れるに当たって、<u>7日目の後</u>に自分は引き返して来るであろうと断言する。 **:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:ローマ人は日数を当日から起算するため、「7日目の後」は、6日後のこと。)</span> *quam ad diem ei [[wikt:en:legio#Latin|legioni]], quae in [[wikt:en:praesidium#Latin|praesidio]] [[wikt:en:relinquebatur|relinquebatur]], [[wikt:en:deberi|deberi]] frumentum [[wikt:en:sciebat|sciebat]]. **その当日には、守備に残されている軍団にとって糧食が必要とされることを<small>(カエサルは)</small>知っていたのだ。 : <!-- [[wikt:en:| --> *<!--❺-->[[wikt:en:Labienus#Latin|Labienum]] [[wikt:en:Trebonius#Latin|Trebonium]]<nowiki>que</nowiki> [[wikt:en:hortatur|hortatur]], **<small>(カエサルは)</small>ラビエーヌスとトレボーニウスを<small>(以下のように)</small>鼓舞する。 *si rei publicae [[wikt:en:commodo#Adverb_2|commodo]] facere [[wikt:en:possint|possint]], **もし<small>(ローマ軍全体の)</small>公務のために都合良く行動することができるならば、 *ad <u>eum</u> diem [[wikt:en:revertantur|revertantur]], **その日には戻って来て、 **:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:下線部は、&alpha;系写本では [[wikt:en:eum#Latin|eum]] <small>(男性・単数・対格)</small> だが、<br>         &beta;系写本では [[wikt:en:eam#Latin|eam]] <small>(女性・単数・対格)</small> としている。)</span> *ut, rursus [[wikt:en:communicatus#Latin|communicato]] [[wikt:en:consilium#Latin|consilio]] [[wikt:en:exploratus#Latin|exploratis]]<nowiki>que</nowiki> hostium [[wikt:en:ratio#Latin|rationibus]] **再び<small>(互いの)</small>考えを伝達して、敵たちの作戦を探り出し、 *aliud initium belli capere <u>possent</u>. **次なる戦争の端緒を捉えようではないか、と。 **:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:下線部は、&alpha;系写本では [[wikt:en:possent|possent]] <small>(未完了過去・接続法)</small> だが、<br>         &beta;系写本では [[wikt:en:possint|possint]] <small>(現在・接続法)</small> となっている。)</span> <br> :<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:'''カエサル麾下の軍団配分について'''<br> [[ガリア戦記 第5巻#8節|第5巻8節]]の記述によれば、ブリタンニアへ2度目の遠征をする前(BC54年)のカエサルは少なくとも8個軍団と騎兵4000騎を :指揮していた。[[ガリア戦記 第5巻#24節|第5巻24節]]によれば、帰還後は8個軍団および軍団から離れた5個[[w:コホルス|歩兵大隊]]を指揮していたが、 :アンビオリークスによる[[w:アドゥアトゥカの戦い|アドゥアートゥカの戦い]]で[[w:クィントゥス・ティトゥリウス・サビヌス|サビーヌス]]らとともに1個軍団と5個大隊が壊滅したので、残りは7個軍団となる。 :[[#1節|本巻1節]]によれば、この年(BC53年)には3個軍団を新たに徴集したので、計10個軍団となったはずである。 :[[#29節|29節]]では、このうちから12個大隊をライン川に架かる橋の守備に残し、[[#32節|32節]]では輜重の守備としてアドゥアートゥカに1個軍団を残した。 :本節の記述通りにラビエーヌス、トレボーニウス、カエサルがそれぞれ3個軍団(計9個)を受け持ったとすると、あわせて10個軍団と12個大隊という勘定になる。 :したがって、この勘定が正しいのであれば、ライン川に残した12個大隊は各軍団から引き抜いたものであり、各軍団は定員を割っていると考えられる。) :  <!-- <span style="color:#009900;"></span> <small></small> **:<span style="color:#009900;">(訳注: **:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注: --> ===34節=== *<span style="background-color:#ffd;">[[/注解/34節]] {{進捗|00%|2025-06-01}}</span> ;ローマ兵の死傷を極度に怖れながらの対エブローネース族包囲網 :  ;   エブローネース族の分散状況 *<!--❶-->Erat, ut supra [[wikt:en:demonstravimus|demonstravimus]], [[wikt:en:manus#Latin|manus]] [[wikt:en:certus#Latin|certa]] [[wikt:en:nullus#Adjective|nulla]], **前に説明したように、<small>(エブローネース族には)</small>決まった手勢がなかったし、 **:<span style="color:#009900;">(訳注:[[#31節|31節]]を参照。)</span> *non [[wikt:en:oppidum#Latin|oppidum]], non [[wikt:en:praesidium#Latin|praesidium]], quod se [[wikt:en:arma#Latin|armis]] [[wikt:en:defenderet|defenderet]], **自分たちが武器で防衛するような<ruby><rb>[[w:オッピドゥム|城塞都市]]</rb><rp>(</rp><rt>オッピドゥム</rt><rp>)</rp></ruby>も、防塁もなかった。 *sed in omnes partes [[wikt:en:dispersus#Latin|dispersa]] [[wikt:en:multitudo#Latin|multitudo]]. **けれども、群衆は四方八方に散らばってしまっていた。 :  *<!--❷-->[[wikt:en:ubi#Latin|Ubi]] [[wikt:en:quisque#Latin|cuique]] <u>aut</u> [[wikt:en:vallis#Latin|valles]] [[wikt:en:abditus#Latin|abdita]] <u>aut</u> locus [[wikt:en:silvestris#Latin|silvestris]] <u>aut</u> [[wikt:en:palus#Latin|palus]] [[wikt:en:impeditus#Latin|impedita]] **めいめいにとって、<u>あるいは</u>人けのない峡谷、<u>あるいは</u>森に覆われた土地、<u>あるいは</u>入り組んだ沼沢地といった、 **:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:aut ~, aut …, aut 〰「あるいは~、あるいは…、あるいは〰」)</span> *[[wikt:en:spes#Latin|spem]] [[wikt:en:praesidium#Latin|praesidii]] aut [[wikt:en:salus#Latin|salutis]] [[wikt:en:aliqui#Latin|aliquam]] [[wikt:en:offerebat|offerebat]], [[wikt:en:consederat|consederat]]. **守備あるいは身の安全の何らかの希望を提供するところに、陣取っていた。 :  ;   伏兵に用心、ローマ兵の被害を怖れる *<!--❸-->Haec [[wikt:en:locum#Latin|loca]] [[wikt:en:vicinitas#Latin|vicinitatibus]] erant [[wikt:en:notus#Latin|nota]], **これらの場所は、近隣の者たちは知っていたので、 **:<span style="color:#009900;">(訳注:すなわち、近隣のガッリア人には地の利があり、ローマ人には地の利がなかったので)</span> *magnamque res [[wikt:en:diligentia#Noun|diligentiam]] [[wikt:en:requirebat|requirebat]] **戦況はたいへんな注意深さを必要としていた。 *non in summa exercitus [[wikt:en:tuendus#Latin|tuenda]] **<small>(ローマ人の)</small>軍隊全体を守るためではなく、 *([[wikt:en:nullus#Latin|nullum]] enim poterat [[wikt:en:universus#Latin|universis]] <u>ab</u> [[wikt:en:perterritus#Latin|perterritis]] ac [[wikt:en:dispersus#Latin|dispersis]] [[wikt:en:periculum#Latin|periculum]] [[wikt:en:accido#Etymology_1|accidere]]), **──なぜなら、脅かされ分散されている者たちにより<small>(ローマ軍)</small>総勢に何らの危険が起こり得なかったので── **:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:下線部は、主要写本&omega;では欠くが、<br>     より劣化した写本 <small>([[ガリア戦記/注解編/写本と校訂版#クリティカル・アパラトゥスとその略号|codd.deter.]])</small> では ab となっており、<br>     ''[[ガリア戦記/注解編/写本と校訂版#Glandorpius_(Glandorp)|Glandorp]]'' は &lt;a&gt; と挿入提案している。)</span> *sed in [[wikt:en:singulus#Latin|singulis]] [[wikt:en:miles#Latin|militibus]] [[wikt:en:conservandus#Latin|conservandis]]; **けれども、<small>(ローマ勢の)</small>個々の兵士たちを守ることのために<small>(注意深さを必要としていた)</small>。 *quae tamen ex parte res ad [[wikt:en:salus#Latin|salutem]] exercitus [[wikt:en:pertineo#Latin|pertinebat]]. **少なくとも、ある面では、そういう事態は軍隊の安全に及んでいた。 :  *<!--❹-->Nam <u>et</u> [[wikt:en:praeda#Latin|praedae]] [[wikt:en:cupiditas#Latin|cupiditas]] multos longius [[wikt:en:evoco#Latin|evocabat]], **すなわち、略奪品への欲望が多くの者たちをより遠くへ呼び寄せていたし、 *<u>et</u> silvae [[wikt:en:incertus#Adjective|incertis]] [[wikt:en:occultus#Latin|occultis]]<nowiki>que</nowiki> [[wikt:en:iter#Latin|itineribus]] [[wikt:en:confertus#Latin|confertos]] [[wikt:en:adeo#Verb|adire]] [[wikt:en:prohibeo#Latin|prohibebant]]. **森林の不確かで隠された道のりによって密集した行軍を妨げていた。 **:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:et ~, et …「~でもあるし、…でもある」)</span> :  *<!--❺-->Si [[wikt:en:negotium#Latin|negotium]] [[wikt:en:confici|confici]] [[wikt:en:stirps#Latin|stirpem]]<nowiki>que</nowiki> hominum [[wikt:en:sceleratus#Participle|sceleratorum]] [[wikt:en:interfici|interfici]] <u>vellet</u>, **もし、戦役が完遂されること、および非道な連中<small>〔エブローネース族〕</small>の血筋が滅ぼされることを欲するならば、 **:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:下線部は、主要写本&omega; では [[wikt:en:vellent|vellent]] <small>(<u>複数</u>・未完了過去・接続法)</small> だが、<br>         より劣化した写本 <small>([[ガリア戦記/注解編/写本と校訂版#クリティカル・アパラトゥスとその略号|codd.deter.]])</small> では [[wikt:en:vellet#Latin|vellet]] <small>(<u>単数</u>・未完了過去・接続法)</small> となっている。)</span> *[[wikt:en:dimittendus#Latin|dimittendae]] plures manus [[wikt:en:diducendus#Latin|diducendi]]<nowiki>que</nowiki> erant milites; **いくつもの部隊が分遣され、兵士たちが展開されるべきである。 :  *<!--❻-->si [[wikt:en:contineo#Latin|continere]] ad [[wikt:en:signum#Latin|signa]] [[wikt:en:manipulus#Latin|manipulos]] <u>vellet</u>, ut [[wikt:en:institutus#Latin|instituta]] ratio et [[wikt:en:consuetudo#Latin|consuetudo]] exercitus Romani [[wikt:en:postulo#Latin|postulabat]], **もし、ローマ軍の決められた流儀や慣行が要求するように、<ruby><rb>[[w:マニプルス|中隊]]</rb><rp>(</rp><rt>マニプルス</rt><rp>)</rp></ruby>が軍旗のもとに留まることを欲するならば、 **:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:下線部は、&alpha;系写本では [[wikt:en:vellent|vellent]] <small>(<u>複数</u>・未完了過去・接続法)</small> だが、<br>         &beta;系写本では [[wikt:en:vellet#Latin|vellet]] <small>(<u>単数</u>・未完了過去・接続法)</small> となっている。)</span> *locus ipse erat [[wikt:en:praesidium#Latin|praesidio]] [[wikt:en:barbarus#Noun|barbaris]], **その場所が蛮族にとって守りとなるであろう。 *neque <u>ex occulto</u> [[wikt:en:insidiandi#Verb|insidiandi]] et [[wikt:en:dispersus#Latin|dispersos]] [[wikt:en:circumveniendi#Verb|circumveniendi]] **隠れたところから待ち伏せするため、分散した者たち<small>〔ローマ兵〕</small>を包囲するために、 **:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:ex [[wikt:en:occultus#Latin|occulto]]「隠れたところから、密かに」)</span> *singulis [[wikt:en:desum#Latin|deerat]] [[wikt:en:audacia#Latin|audacia]]. **<small>(エブローネース族の)</small>おのおのにとって勇敢さには事欠かなかった。 :  *<!--❼-->Ut in [[wikt:en:eiusmodi#Latin|eiusmodi]] [[wikt:en:difficultas#Latin|difficultatibus]], [[wikt:en:quantum#Determiner|quantum]] [[wikt:en:diligentia#Latin|diligentia]] [[wikt:en:provideri|provideri]] poterat, [[wikt:en:providebatur|providebatur]], **そのような困難さにおいては、できるかぎりの注意深さで用心されるほどに、用心されるものであるが、 *ut <u>potius</u> in [[wikt:en:nocendo#Verb_2|nocendo]] [[wikt:en:aliquis#Latin|aliquid]] [[wikt:en:praetermitteretur|praetermitteretur]], **結果として、<u>むしろ</u><small>(敵勢への)</small>何らかの加害は差し控えられることになった。 **:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:[[wikt:en:potius#Adverb|potius]] ~ [[wikt:en:quam#Adverb|quam]] …「・・・よりも、むしろ~」)</span> *[[wikt:en:etsi#Latin|etsi]] omnium animi ad [[wikt:en:ulciscendum#Verb|ulciscendum]] [[wikt:en:ardeo#Latin|ardebant]], **たとえ、皆の心が<small>(エブローネース族に)</small>報復するために燃え立っていたとしても、 *<u>quam</u> cum [[wikt:en:aliqui#Latin|aliquo]] militum [[wikt:en:detrimentum#Latin|detrimento]] [[wikt:en:noceretur|noceretur]]. **<small>(ローマ人の)</small>兵士たちの何らかの損失を伴って加害がなされるよりも。 **:<span style="color:#009900;">(訳注:伏兵によって被害をこうむるよりは、ローマ人の安全のために、ローマ兵による攻撃は避けられた。)</span> :  ;   カエサルが、近隣の諸部族に対して、エブローネース族の[[w:ジェノサイド|ジェノサイド]](種族皆殺し)を通告 *<!--❽-->[[wikt:en:dimitto#Latin|Dimittit]] ad [[wikt:en:finitimus#Latin|finitimas]] [[wikt:en:civitas#Latin|civitates]] [[wikt:en:nuntius#Latin|nuntios]] Caesar; **カエサルは、近隣の諸部族のところへ伝令たちを分遣する。 *omnes <u>evocat</u> [[wikt:en:spes#Latin|spe]] [[wikt:en:praeda#Latin|praedae]] ad [[wikt:en:diripiendus#Latin|diripiendos]] [[wikt:en:Eburones#Latin|Eburones]], **[[w:エブロネス族|エブローネース族]]を略奪することへ、戦利品の望みによって<small>(近隣の諸部族に)</small>呼びかける。 **:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:下線部は、&beta;系写本では [[wikt:en:evocat#Latin|evocat]] だが、<br>         &alpha;系写本では ad se [[wikt:en:vocat|vocat]] となっている。)</span> *ut <u>potius</u> in silvis [[wikt:en:Galli#Latin|Gallorum]] vita <u>quam</u> [[wikt:en:legionarius#Latin|legionarius]] [[wikt:en:miles#Latin|miles]] [[wikt:en:periclitor#Latin|periclitetur]], **森の中で、軍団の兵士たち<small>(の生命)</small><u>よりも、むしろ</u>ガッリア人たちの生命が危険にさらされるように、 **:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:[[wikt:en:potius#Adverb|potius]] ~ [[wikt:en:quam#Adverb|quam]] …「・・・よりも、むしろ~」)</span> *simul ut magna multitudine [[wikt:en:circumfusus#Latin|circumfusa]] **同時にまた、たいへんな大勢で取り囲むことによって、 *pro [[wikt:en:talis#Latin|tali]] [[wikt:en:facinus#Latin|facinore]] [[wikt:en:stirps#Latin|stirps]] ac nomen civitatis [[wikt:en:tollo#Latin|tollatur]]. **<small>(サビーヌスらを滅ぼした)</small>あれほどの罪業の報いとして、部族の血筋と名前が抹殺されるように、と。 :  *<!--❾-->Magnus [[wikt:en:undique#Latin|undique]] numerus celeriter [[wikt:en:convenio#Latin|convenit]]. **至る所から多数の者が速やかに集結した。 :  :<span style="color:#009900;">(訳注:現代においては、アフガニスタンやイラクで数十万人の現地住民を平気で大量殺戮した米国の社会が<br>    たった数千人のアメリカ兵の戦死によっても大きなダメージを受けて全面撤退に追い込まれたことを、<br>    本節は想起させる。)</span> <!-- <span style="color:#009900;"></span> <small></small> **:<span style="color:#009900;">(訳注: **:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注: --> ==スガンブリー族のアドゥアートゥカ攻略戦== ===35節=== '''スガンブリー族が略奪に駆り立てられてアドゥアートゥカへ向かう''' : <!-- [[wikt:en:| --> *① Haec in omnibus Eburonum partibus gerebantur, **これらのこと(=追討戦)が[[w:エブロネス族|エブローネース族]]のすべての地方で遂行されていたが、 *diesque [[wikt:en:adpetebat|adpetebat]] septimus, quem ad diem Caesar ad impedimenta legionemque reverti constituerat. **カエサルがその日に[[w:輜重|輜重]]と(キケロの)[[w:ローマ軍団|軍団]]のところへ引き返すと決めていた7日目が近づいていた。 : <!-- [[wikt:en:| --> *② Hic quantum in bello Fortuna possit et quantos [[wikt:en:adferat|adferat]] casus, cognosci potuit. **ここに、戦争では運命(の女神)がどれほどのことに力を持ち、どれほどの結末を引き起こすかを知ることができた。 **:(訳注:[[#30節|30節]]でもそうだが、カエサルは戦況が芳しくないと運命 Fortuna を持ち出すようである。[[#42節|42節]]も参照。) : <!-- [[wikt:en:| --> *③ Dissipatis ac perterritis hostibus, ut demonstravimus, **(前節で)説明したように、追い散らされて、脅かされている敵たちには、 *manus erat nulla quae parvam modo causam timoris [[wikt:en:adferret|adferret]]. **(ローマ勢に敵を)恐れる理由を少しの程度も引き起こすようないかなる手勢もなかった。 : <!-- [[wikt:en:| --> *④ Trans Rhenum ad Germanos **<u>レーヌス</u>〔[[w:ライン川|ライン川]]〕<u>の向こう側の[[w:ゲルマニア|ゲルマーニア]]人</u>のもとへ、 **:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:''Germani Transrhenani'' 「レーヌスの向こう側のゲルマーニア人」(東岸の諸部族) は東岸部族の総称。<br>    ''[[w:en:Germani cisrhenani|Germani Cisrhenani]]''「レーヌスのこちら側のゲルマーニア人」(西岸の諸部族) の対義語で、<br>     西岸の諸部族が東岸の諸部族を招き寄せているというのが『ガリア戦記』の主張である。)</span> *pervenit fama, diripi Eburones atque ultro omnes ad praedam evocari. **エブローネース族が収奪され、(近隣部族の)皆が略奪品へ向けて自発的に誘惑されているという風評が達した。 : <!-- [[wikt:en:| --> *⑤ Cogunt equitum duo milia Sugambri, qui sunt proximi Rheno, **レーヌスの近隣にいたスガンブリー族は、騎兵2000騎を徴集した。 *a quibus receptos ex fuga Tenctheros atque Usipetes supra docuimus. **前に説明したように、彼らによって[[w:テンクテリ族|テンクテリ族]]と[[w:ウスィペテス族|ウスィペテス族]]が逃亡から迎え入れられたのだ。 **:(訳注:[[ガリア戦記 第4巻#16節|第4巻16節]]および[[ガリア戦記 第4巻#18節|18~19節]]を参照。) : <!-- [[wikt:en:| --> *⑥ Transeunt Rhenum navibus ratibusque **(スガンブリー族は)レーヌスを船団や筏で渡河した。 *triginta milibus passuum infra eum locum, ubi pons erat perfectus praesidiumque ab Caesare relictum. **カエサルにより橋が造り上げられて守備隊が残された地点よりも下流に30ローママイル(約44km)のところを。 *Primos Eburonum fines adeunt; **手始めとしてエブローネース族の領土に殺到して、 *multos ex fuga dispersos excipiunt, **逃亡からちりぢりにさせられた多くの者たちを追い捕らえて、 *magno pecoris numero, cuius sunt cupidissimi barbari, potiuntur. **蛮族たちが最も熱望している家畜の多数をわがものにした。 : <!-- [[wikt:en:| --> *⑦ Invitati praeda longius procedunt. **(スガンブリー族の軍勢は)略奪品に誘われて、より遠くに進み出た。 *Non hos palus ─ in bello latrociniisque natos ─, non silvae morantur. **戦争や追いはぎに生まれついていたので、沼地も森林も彼らを妨げることがなかった。 *Quibus in locis sit Caesar, ex captivis quaerunt; **カエサルがどの場所にいるのか、捕虜から問い質した。 *profectum longius reperiunt omnemque exercitum discessisse cognoscunt. **(彼が)より遠くに旅立って、軍隊の総勢が立ち去ったことを、知った。 : <!-- [[wikt:en:| --> *⑧ Atque unus ex captivis "Quid vos," inquit, **なおかつ、捕虜たちのうちの一人が「なぜ、あんたたちは」と言い出した。 *"hanc miseram ac tenuem sectamini praedam, **「この取るに足らない、ちっぽけな略奪品を追い求めるのか。 **:(訳注:sectamini はデポネンティア動詞 sector の直説法・2人称複数・現在形) *quibus licet iam esse fortunatissimos? **(あんたたちは)今や、最も富裕な者に成り得るのに。 : <!-- [[wikt:en:| --> *⑨ Tribus horis Aduatucam venire potestis: **(この場所から)3時間でアドゥアートゥカに到達できる。 **:(訳注:古代ローマの時間は、不定時法であり、当地の緯度や季節により長さは異なる。) *huc omnes suas fortunas exercitus Romanorum contulit; **ここへ、ローマ軍がすべての財産を運び集めたのだ。 *praesidii tantum est, ut ne murus quidem cingi possit, **守備隊は、城壁が取り巻かれることさえできないほどの(貧弱な)ものでしかない。 *neque quisquam egredi extra munitiones audeat." **何者も防備の外側へあえて出て行こうとはしないのだ。」 : <!-- [[wikt:en:| --> *⑩ Oblata spe Germani, **ゲルマーニア人たちは(ローマ軍の財産という)望みを提示されて、 *quam nacti erant praedam, in occulto relinquunt; **(すでにエブローネース族の者たちから)獲得していた略奪品を秘されたところに残しておいて、 *ipsi Aduatucam contendunt usi eodem duce, cuius haec indicio cognoverant. **自身は、このことを申告により知ったところの同じ(捕虜の)案内人を使役して、アドゥアートゥカに急いだ。 <br> :('''訳注:部族名・地名の表記について''' :スガンブリー族 Sugambri:α系写本では Sugambri、T・U写本では Sygambri、V・R写本では Sigambri :テンクテリ族 Tenctheri:β系写本では Tenctheri、α系写本では Thenctheri :アドゥアートゥカ Aduatuca:α系・T写本では Aduatuca、V・ρ系写本では Atuatuca) ===36節=== '''アドゥアートゥカのキケロが糧秣徴発に派兵する''' *① [[w:la:Quintus_Tullius_Cicero|Cicero]], qui omnes superiores dies **[[w:クィントゥス・トゥッリウス・キケロ|キケロ]]は(期日の7日目)より以前の日々すべてを *praeceptis Caesaris cum summa diligentia milites in castris continuisset **カエサルの指図により、最高の入念さとともに、兵士たちを陣営の中に留めておき、 *ac <u>ne</u> [[wikt:en:calo#Noun_5|calonem]] <u>quidem</u> quemquam extra munitionem egredi passus esset, **<ruby><rb>軍属奴隷</rb><rp>(</rp><rt>カーロー</rt><rp>)</rp></ruby> でさえも、何者も防備の外側に出て行くことを許されなかった。 **:<span style="color:#009900;">(訳注:<ruby><rb>軍属奴隷</rb><rp>(</rp><rt>カーロー</rt><rp>)</rp></ruby> ''[[wikt:en:calo#Etymology_2_3|cālō]]'' (複数形 ''[[wikt:en:calones|cālōnēs]]'') は、[[ガリア戦記_第2巻#24節|第2巻24節]]で言及されたが、<br>    輜重の運搬や陣営の世話のために使役された非ローマ人の奴隷で、<br>    1個軍団では2000名ほどと推定されている。)</span> **:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:[[wikt:en:ne_quidem|nē ~ quidem]]「~でさえ・・・ない」)</span> *septimo die diffidens de numero dierum Caesarem fidem servaturum, **(期日の)7日目に、カエサルが日数についての約束を守るであろうか、という不信を抱いた。 *quod longius eum<ref>eum はβ系写本の記述で、α系写本にはない。</ref> progressum audiebat, **というのは、彼(カエサル)は、はるか遠くに前進したと聞いていたのだし、 *neque ulla de reditu eius fama adferebatur, **彼の帰還については何ら伝言を届けられていなかったからである。 *② simul eorum permotus vocibus, **同時に(キケロは)以下のような者たちの声に揺り動かされた。 *qui illius patientiam paene obsessionem appellabant, siquidem ex castris egredi non liceret, **もし本当に陣営から出て行くことが許されないならば、彼の忍耐はほぼ攻囲(籠城)であるというのだ。 *nullum eiusmodi casum exspectans, **以下のような事態を予期してもいなかった。 *quo novem oppositis legionibus maximoque equitatu, **9個[[w:ローマ軍団|軍団]]と最大限の[[w:騎兵|騎兵]]隊が(敵と)対峙して、 *dispersis ac paene deletis hostibus **敵たちは散らばらされて、ほとんど抹殺されたのに、 *in milibus passuum tribus offendi posset, **(自陣から)3ローママイルの内で(敵対勢力から)襲撃され得るとは。 [[画像:PraetorianVexillifer_1.jpg|thumb|right|200px|帝政期に用いられた軍旗(ウェクスィッルム)の一種を再現したもの。]] *quinque cohortes frumentatum in proximas segetes mittit, **5個<ruby><rb>[[w:コホルス|歩兵大隊]]</rb><rp>(</rp><rt>コホルス</rt><rp>)</rp></ruby>を糧秣徴発するために、近隣の耕地に派遣した。 *quas inter et castra unus omnino collis intererat. **それら(の耕地)と陣営の間には、ただ一つの丘陵が介在するだけであった。 *③ Complures erant in castris<ref>in castris はβ系写本の記述で、α系写本にはない。</ref> ex legionibus aegri relicti; **陣営の中には、諸軍団のうちから少なからぬ傷病者たちが残留していた。 *ex quibus qui hoc spatio dierum convaluerant, circiter trecenti(CCC), **その者たちのうちから、この日々の間に回復していた約300名が、 *sub vexillo una mittuntur; **<ruby><rb>[[w:ウェクスィッルム|軍旗]]</rb><rp>(</rp><rt>ウェクスィッルム</rt><rp>)</rp></ruby>のもとで一緒に派遣された。 *magna praeterea multitudo calonum, magna vis iumentorum quae in castris subsederant, **そのうえに、軍属奴隷の大多数、陣営の中に残留していた(ロバなどの)役畜の多数が、 *facta potestate sequitur. **機会を与えられて、随行した。 ===37節=== [[画像:Castra1.png|thumb|right|200px|ローマ式[[w:カストラ|陣営]]([[w:la:Castra_Romana|castra Romana]])の概略図(再掲)。'''7'''が第10大隊の門(porta decumana)で、陣営の裏門に当たる。]] '''スガンブリー族がキケロの陣営に襲来''' *① Hoc ipso tempore et casu Germani equites interveniunt **このまさにその時と状況に、[[w:ゲルマニア|ゲルマーニア]]人の[[w:騎兵|騎兵]]たちが出現して、 *protinusque eodem illo, quo venerant, cursu **さらに前方へ(彼らが)やって来たのと同じ突進でもって、 *ab decumana porta in castra inrumpere conantur, **第10大隊の門(=裏門)から陣営の中に突入することを試みた。 **:(訳注:decumana porta は[[ガリア戦記 第2巻#24節|第2巻24節]]で既出、図を参照。) *② nec prius sunt visi obiectis ab ea parte silvis, quam [[wikt:la:castrum|castris]] adpropinquarent, **その方面については森林がじゃま立てしていたので(彼らは)陣営に接近するまでは視認されなかったのだ。 *usque eo ut qui sub [[w:la:Vallum|vallo]] tenderent mercatores, recipiendi sui facultatem non haberent. **そこまで(敵が急に来たので)、防柵の下に宿営していた商人たちが退避する機会を持たなかったほどであった。 *③ Inopinantes nostri re nova perturbantur, **予感していなかった我が方は、新しい事態に混乱させられて、 *ac vix primum impetum cohors in statione sustinet. **やっとのことで[[w:歩哨|歩哨]]に就いていた[[w:コホルス|歩兵大隊]]が(敵の)最初の突撃を持ちこたえた。 *④ Circumfunduntur ex reliquis hostes partibus, si quem aditum reperire possent. **敵たちは、何らかの入口を探り出せないかと、ほかの方面から取り囲んだ。 *⑤ Aegre portas nostri tuentur; **我が方(=ローマ勢)は辛うじて(四方の)諸門を固守して、 *reliquos aditus locus ipse per se munitioque defendit. **ほかの入口を、その位置そのものと防備が(敵の突入から)防護した。 *⑥ Totis trepidatur castris, **陣営の全体が震撼させられて、 *atque alius ex alio causam tumultus quaerit; **各人がほかの者に騒乱の原因を尋ね合った。 **:(訳注:エブローネース族を追討している最中に、スガンブリー族が来襲するとは予想だにしなかったからである。) *neque quo signa ferantur, neque quam in partem quisque conveniat provident. **が、どこへ軍旗が運ばれるのか、どの方面におのおのが集結するのか、判らなかった。 *⑦ Alius iam castra capta pronuntiat, **ある者は、すでに陣営は占拠されたと公言し、 *alius deleto exercitu atque imperatore victores barbaros venisse contendit; **別のある者は、軍隊も将軍(カエサル)も滅びて蛮族が勝利者としてやって来たのだ、と断言した。 *⑧ plerique novas sibi ex loco religiones fingunt **たいていの者たちは、その場所から、新奇な迷信的感情を創り上げ、 *Cottaeque et Tituri calamitatem, qui in eodem occiderint castello, **同じ砦のところで斃れたコッタと[[w:クィントゥス・ティトゥリウス・サビヌス|ティトゥリウス(・サビヌス)]]の敗亡を *ante oculos ponunt. **眼前に想い描いた。 *⑨ Tali timore omnibus perterritis **このような怖れによって(陣営内部の)皆が脅えており、 *confirmatur opinio barbaris, ut ex captivo audierant, nullum esse intus praesidium. **蛮族にとっては、捕虜から聞いていたように、内部に守備隊が存在していないという見解が強められた。 *⑩ Perrumpere nituntur **(スガンブリー勢は、陣営の防備を)突破することに努め、 *seque ipsi adhortantur, ne tantam fortunam ex manibus dimittant. **これほどの幸運を手から取りこぼさないように、自分たちが自身を鼓舞した。 ===38節=== '''バクルスと百人隊長たちが防戦する''' *① Erat aeger cum<ref>cum はα系写本の記述で、β系写本では in となっている。</ref> praesidio relictus P.(Publius) Sextius Baculus, **(キケロの陣営には)プーブリウス・セクスティウス・バクルスが傷病者として、守備兵とともに残されていた。 **:<span style="color:#009900;">(訳注:[[w:la:Publius Sextius Baculus|Publius Sextius Baculus]] などの記事を参照。)</span> *qui primum pilum ad<ref>ad はα系写本の記述で、β系写本では apud となっている。</ref> Caesarem duxerat, **その者はカエサルのもとで<ruby><rb>[[w:プリムス・ピルス|首位百人隊長]]</rb><rp>(</rp><rt>プリムス・ピルス</rt><rp>)</rp></ruby> の座に就いていたことがあり、 *cuius mentionem superioribus proeliis fecimus, **かつての戦闘で彼に言及したが、 **:<span style="color:#009900;">(訳注:[[ガリア戦記 第2巻#25節|第2巻25節]] および [[ガリア戦記 第3巻#5節|第3巻5節]]を参照。)</span> *ac diem iam quintum cibo caruerat. **(このとき)食物を欠いてすでに5日目であった。 *② Hic diffisus suae atque omnium saluti inermis ex tabernaculo prodit; **彼は、自らと皆の身の安全に疑念を抱いて、非武装のまま天幕小屋から出て来て、 *videt imminere hostes atque in summo esse rem discrimine; **敵たちが迫って来ていること、および事態が重大な危急にあることを目の当たりにして、 *capit arma a proximis atque in porta consistit. **すぐ近くの者から武器を取って、門のところに陣取った。 *③ Consequuntur hunc centuriones eius cohortis quae in statione erat; **歩哨に立っていた(1個)<ruby><rb>[[w:コホルス|歩兵大隊]]</rb><rp>(</rp><rt>コホルス</rt><rp>)</rp></ruby> の<ruby><rb>[[w:ケントゥリオ|百人隊長]]</rb><rp>(</rp><rt>ケントゥリオ</rt><rp>)</rp></ruby> たちが彼に追随して、 **:(訳注:1個歩兵大隊の百人隊長は、定員通りであれば、6名いた。) *paulisper una proelium sustinent. **しばらく一緒に戦闘を持ちこたえた。 *④ Relinquit animus Sextium gravibus acceptis vulneribus; **セクスティウス(・バクルス)は重い傷を受けて、気を失った。 *Deficiens<ref>deficiens はβ系写本の記述で、α系写本にはない。</ref> aegre per manus tractus servatur. **(彼は)衰弱して、(味方の)手から手に運ばれて辛うじて救助された。 *⑤ Hoc spatio interposito reliqui sese confirmant **こうしてしばらくした後で、ほかの者たちは意を強くした。 *tantum, ut in munitionibus consistere audeant speciemque defensorum praebeant. **(それは)防壁にあえて陣取って、防戦者たちの姿を示したほどであった。 ===39節=== '''スガンブリー族が糧秣徴発部隊をも襲う''' *① Interim confecta frumentatione milites nostri clamorem exaudiunt; **その間に、糧秣徴発を成し遂げると、我が方の兵士たち(=ローマ軍団兵)は叫び声を聞きつけて、 *praecurrunt equites; **[[w:騎兵|騎兵]]たちが先駆けして、 *quanto res sit in periculo cognoscunt. **事態がどれほどの危険にあるかを認識した。 *② Hic vero nulla munitio est quae perterritos recipiat; **そこには、まさに、脅え上がった者たちを受け入れるような、いかなる防備もなかったのである。 *modo conscripti atque usus militaris imperiti **やっと徴集されたばかりの者たち、なおかつ兵役の経験に通じていない者たちは、 *ad tribunum militum centurionesque ora convertunt; **<ruby><rb>[[w:トリブヌス・ミリトゥム|兵士長官]]</rb><rp>(</rp><rt>トリブヌス・ミリトゥム</rt><rp>)</rp></ruby>や<ruby><rb>[[w:ケントゥリオ|百人隊長]]</rb><rp>(</rp><rt>ケントゥリオ</rt><rp>)</rp></ruby>たちの方へ顔を向けた。 *quid ab his praecipiatur exspectant. **彼ら(上官たち)によって何を指図されるか、待っていたのである。 *③ Nemo est tam fortis, quin rei novitate perturbetur. **新奇な事態に不安にさせられないほど勇敢な者は、誰もいなかった。 *④ Barbari signa procul conspicati oppugnatione desistunt, **蛮族たちは、(糧秣徴発隊の)軍旗を遠くから視認すると、(陣営への)攻囲を停止した。 *redisse primo legiones credunt, quas longius discessisse ex captivis cognoverant; **(彼らは)当初は、より遠くに立ち去ったことを捕虜から知っていた(ローマの)諸軍団が戻って来たと思ったが、 *postea despecta paucitate ex omnibus partibus impetum faciunt. **後には、(糧秣徴発隊の)寡勢ぶりを侮って、あらゆる方向から突撃して来た。 ===40節=== '''敵中突破して陣営へ戻る糧秣徴発部隊の明暗''' *① [[wikt:en:calo#Noun_5|Calones]] in proximum tumulum procurrunt. **<ruby><rb>軍属奴隷</rb><rp>(</rp><rt>カーロー</rt><rp>)</rp></ruby> たちは、近隣の丘に先駆けした。 **:<span style="color:#009900;">(訳注1:<ruby><rb>軍属奴隷</rb><rp>(</rp><rt>カーロー</rt><rp>)</rp></ruby> ''[[wikt:en:calo#Etymology_2_3|cālō]]'' (複数形 ''[[wikt:en:calones|cālōnēs]]'') については、<br>     [[ガリア戦記_第2巻#24節|第2巻24節]]・本巻[[#36節|36節]]で既述。)</span> *Hinc celeriter deiecti **(彼らは)ここから、(突撃して来る敵の軍勢を眺めて)たちまち当てが外れて、 *se in signa manipulosque coniciunt; **(後方にいた)軍旗と[[w:マニプルス|歩兵中隊]]のところに身を投じた。 *eo magis timidos perterrent milites. **それゆえに、臆病な兵士たちを大いに脅かした。 [[画像:Wedge-diagram.svg|thumb|right|200px|[[w:くさび|楔(くさび)]]の図。本節で述べられているのは、ローマ勢が楔(図の黒い部分)のように突撃することにより、敵を中央突破しようという戦術であろう。]] *② Alii cuneo facto ut celeriter perrumpant, censent **(ローマ兵の)ある者たちは、速やかに(敵中を)突破するように、<ruby><rb>[[w:くさび|楔形]]</rb><rp>(</rp><rt>くさびがた</rt><rp>)</rp></ruby>隊列を形成しようと考慮した。 *─ quoniam tam propinqua sint castra, **─ 陣営がこれほどまで近隣にあるので、 *etsi pars aliqua circumventa ceciderit, at reliquos servari posse confidunt ─, **たとえ、一部の誰かが包囲されて斃れたとしても、残りの者たちは救われることが可能だと確信したのだ ─。 *③ alii ut in iugo consistant atque eundem omnes ferant casum. **別のある者たちは、(丘の)尾根に陣取って、皆が同じ命運に耐え忍ぼうと(考えた)。 *④ Hoc veteres non probant milites, quos sub vexillo una profectos docuimus. **既述したように軍旗のもとで一緒に発って来た古参兵たちは、後者(の案)を承認しなかった。 **:(訳注:[[#36節|36節]]③項で既述のように、回復した傷病兵たちが同行してきていた。) *Itaque inter se cohortati **こうして、(古参の傷病兵たちは)互いに激励し合って、 *duce C.(Gaio) Trebonio equite Romano, qui iis erat praepositus, **彼らの指揮を委ねられていたローマ人[[w:騎士|騎士階級]]のガイウス・トレボニウスを統率者として、 **:(訳注:[[#33節|33節]]で3個軍団を率いて出発した副官の[[w:ガイウス・トレボニウス|ガイウス・トレボニウス]]とは明らかに同名の別人である。) *per medios hostes perrumpunt incolumesque ad unum omnes in castra perveniunt. **敵たちの中央を突破して、一人に至るまで皆が無傷で陣営に到着した。 *⑤ Hos subsecuti calones equitesque eodem impetu militum virtute servantur. **彼らに追随して、軍属奴隷と[[w:騎兵|騎兵]]たちが同様の突撃をして、兵士たちの武勇により救われた。 *⑥ At ii qui in iugo constiterant, **それに対して(丘の)尾根に陣取った者たちは、 *nullo etiam nunc usu rei militaris percepto **今になってさえも、軍事的行動というものを把握しておらず、 *neque in eo quod probaverant consilio permanere, ut se loco superiore defenderent, **より高い場所で身を守るという、彼らが承認していた考えに留まりもせず、 *neque eam quam prodesse aliis vim celeritatemque viderant, imitari potuerunt, **(彼らが)別の者たち(=古参兵)に役立ったのを見ていたところの力と迅速さを真似することもできなかった。 *sed se in castra recipere conati iniquum in locum demiserunt. **けれども、陣営に退却することを試みたが、不利な場所に落ち込んで行った。 *⑦ Centuriones, quorum nonnulli ex inferioribus ordinibus reliquarum legionum **[[w:ケントゥリオ|百人隊長]]たちといえば、彼らの少なからぬ者たちは、ほかの[[w:ローマ軍団|軍団]]のより低い序列から、 *virtutis causa in superiores erant ordines huius legionis traducti, **武勇のおかげで、この軍団のより高い序列に異動させられていたが、 *ne ante partam rei militaris laudem amitterent, fortissime pugnantes conciderunt. **かつて獲得した軍事的な賞賛を失わないように、とても果敢に奮戦して斃れた。 *⑧ Militum pars horum virtute **兵士たちの一部は、これら(討ち死にした百人隊長たち)の武勇により、 *submotis hostibus praeter spem incolumis in castra pervenit, **予想に反して敵たちが撃退されたので、無傷で陣営に到着した。 *pars a barbaris circumventa periit. **別の一部は、蛮族によって包囲されて、討ち死にした。 ===41節=== '''スガンブリー族の撤退、カエサルの帰還''' *① Germani desperata expugnatione castrorum, **[[w:ゲルマニア|ゲルマーニア]]人たちは(キケロの)[[w:カストラ|陣営]]の攻略に絶望して、 *quod nostros iam constitisse in munitionibus videbant, **というのは、我が方(ローマ勢)が防備のところに立っているのを見たからであるが、 *cum ea praeda quam in silvis deposuerant, trans Rhenum sese receperunt. **森の中にしまい込んでいた略奪品とともに、レヌス(=[[w:ライン川|ライン川]])の向こう側に撤退した。 *② Ac tantus fuit etiam post discessum hostium terror, **敵たちの立ち去った後でさえ(ローマ勢の)畏怖はたいへんなものであったので、 *ut ea nocte, cum C.(Gaius) Volusenus missus cum equitatu ad castra venisset, **その夜に、(追討戦に)派遣されていたガーイウス・ウォルセーヌスが騎兵隊とともに陣営へ帰着したときに **:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:''[[w:en:Gaius Volusenus|Gaius Volusenus]]'' は、[[ガリア戦記_第3巻#5節|第3巻5節]]のアルプス・オクトードゥールスの戦い、<br>    [[ガリア戦記_第4巻#21節|第4巻21節]]・[[ガリア戦記_第4巻#23節|23節]]のブリタンニアへの先遣で既述。<br>    この後、さらに第8巻23節<sub>([[s:la:Commentarii_de_bello_Gallico/Liber_VIII#23|s]])</sub>、48節<sub>([[s:la:Commentarii_de_bello_Gallico/Liber_VIII#48|s]])</sub>でも活躍する。)</span> *fidem non faceret adesse cum incolumi Caesarem exercitu. **カエサルが無傷の軍隊とともに近くに来ていることを(陣営の残留組に)信用させなかったほどである。 *③ Sic omnino animos timor praeoccupaverat, ut paene alienata mente **ほとんど気でも違ったかのように、皆の心を怖れが占めていた。 **:(訳注:sic … ut ~ の構文;「~と同様に…である」) *deletis omnibus copiis equitatum se ex fuga recepisse dicerent **(残留者たちは、カエサルら)全軍勢が滅ぼされて、[[w:騎兵|騎兵隊]]が敗走から退いて来たのだ、と言った。 *neque incolumi exercitu Germanos castra oppugnaturos fuisse contenderent. **(カエサルら)軍隊が無傷であれば、ゲルマーニア人が陣営を襲撃しなかっただろう、と断言した。 **:(訳注:oppugnaturos fuisse ;間接話法では非現実な[[w:条件法|条件文]]の帰結は「未来分詞+fuisse」で表される。) *④ Quem timorem Caesaris adventus sustulit. **その怖れをカエサルの到着が取り除いた。 **:(訳注:sustulit は tollō の完了・能動3人称単数形) ===42節=== '''カエサルがスガンブリー族の襲来と撤退を運命に帰する''' *① Reversus ille, eventus belli non ignorans, **引き返して来た彼(カエサル)は、戦争の成り行きというものを知らないはずがないので、 *unum quod cohortes ex statione et praesidio essent emissae, **ひとつ(だけ)、<ruby><rb>[[w:コホルス|諸大隊]]</rb><rp>(</rp><rt>コホルス</rt><rp>)</rp></ruby> が[[w:歩哨|歩哨]]や守備から(糧秣徴発に)派遣されたことを *questus ─ ne minimo quidem casu locum relinqui debuisse ─ **不慮の事態に対して最小限のいかなる余地も残されるべきではなかった、と嘆いた。 *multum Fortunam in repentino hostium adventu potuisse iudicavit, **不意の敵たちの到来においては運命(の女神)が大いに力を持つ、と断じた。 *② multo etiam amplius, quod paene ab ipso vallo portisque castrorum barbaros avertisset. **さらに、より一層大きかったのは、(運命が)ほとんど蛮族をその陣営の防柵と諸門から追い返してしまったことである。 *③ Quarum omnium rerum maxime admirandum videbatur, **それらのすべての事態でとりわけ驚くべきと思われたのは、 *quod Germani, qui eo consilio Rhenum transierant, ut Ambiorigis fines depopularentur, **その意図で[[w:アンビオリクス|アンビオリークス]]の領土を荒らすようにレヌス(=[[w:ライン川|ライン川]])を渡河していた[[w:ゲルマニア|ゲルマーニア]]人が、 *ad castra Romanorum delati **ローマ人の陣営の方へそらされて、 *optatissimum Ambiorigi beneficium obtulerunt. **アンビオリークスに最も望ましい恩恵を施してしまったことである。 ==対エブローネース族追討戦(2)== ===43節=== '''アンビオリークスが辛うじて追討を逃れる''' *① Caesar rursus ad vexandos hostes profectus **カエサルは再び敵たちを苦しめるために出発して、 *magno coacto &lt;equitum&gt; numero ex finitimis civitatibus in omnes partes dimittit. **[[w:騎兵|騎兵]]の多数を隣接する諸部族から徴集して、あらゆる方面に派遣した。 **:(訳注:&lt;equitum&gt; 「騎兵の」は近代の校訂者による挿入である。) *② Omnes vici atque omnia aedificia quae quisque conspexerat incendebantur, **おのおのが目にしたすべての村々およびすべての建物が焼き打ちされた。 *pecora interficiebantur<ref>pecora interficiebantur はβ系写本の記述で、α系写本にはない。</ref>, praeda ex omnibus locis agebatur; **家畜は屠殺され、あらゆる場所から略奪品が奪い去られた。 *③ frumenta non solum tanta multitudine iumentorum atque hominum consumebantur, **役畜および人間たちのこれほど大勢により穀物が消費され尽くしたのみならず、 *sed etiam anni tempore atque imbribus procubuerant, **季節と豪雨によってさえも(穀物が)倒れた。 *ut si qui etiam in praesentia se occultassent, **その結果、もし(エブローネース族の)何者かが現状では身を隠しているとしても、 *tamen his deducto exercitu rerum omnium inopia pereundum videretur. **それでも彼らは(ローマ人の)軍隊が引き揚げれば、あらゆるものの欠乏により死滅するはずと思われた。 *④ Ac saepe in eum locum ventum est tanto in omnes partes diviso equitatu, **たいへん多くの騎兵隊があらゆる方面に分遣されて、しばしば以下のような状態に出くわした。 *ut non modo visum ab se Ambiorigem in fuga circumspicerent captivi **捕虜たちが、自分たちによって逃亡中の[[w:アンビオリクス|アンビオリークス]]が目撃されたと見回しただけでなく、 *nec plane etiam abisse ex conspectu contenderent, **(アンビオリークスが)視界からまったく消え去ってはいないとさえ主張した。 *⑤ ut spe consequendi inlata atque infinito labore suscepto, **その結果、(アンビオリークスを)追跡する希望がもたらされて、さらに限りない労苦が従事された。 *qui se summam ab Caesare gratiam inituros putarent, **カエサルから最高の恩恵を得ようと思った者たちは、 *paene naturam studio vincerent, **熱意により(身体的な)資質にほとんど打ち克ったが、 *semperque paulum ad summam felicitatem defuisse videretur, **いつも最高の恵みにあと少しで足りなかったと思われる。 *⑥ atque ille latebris aut silvis<ref>aut silvis はβ系写本の記述で、α系写本にはない。</ref> aut saltibus se eriperet **かつ彼(アンビオリークス)は隠れ処、あるいは森林、あるいは峡谷によって自らを救い、 *et noctu occultatus alias regiones partesque peteret **夜に秘されて、別の地方や方面をめざした。 *non maiore equitum praesidio quam quattuor, **4名より多くない騎兵の護衛によって、 *quibus solis vitam suam committere audebat. **自らの生命をその者たちだけにあえて委ねたのだ。 ===44節=== '''カエサルが撤退し、造反者アッコーを処刑する''' *① Tali modo vastatis regionibus **このようなやり方で(エブローネース族の)諸地域を荒廃させて、 [[画像:Porte_Mars_01.jpg|thumb|right|200px|ドゥロコルトルム(現在の[[w:ランス (マルヌ県)|ランス]])に建てられた帝政ローマ時代(3世紀)の[[w:凱旋門|凱旋門]]。]] *exercitum Caesar duarum cohortium damno [[w:la:Remi|Durocortorum]] Remorum reducit **カエサルは、2個<ruby><rb>[[w:コホルス|歩兵大隊]]</rb><rp>(</rp><rt>コホルス</rt><rp>)</rp></ruby> の損失(だけ)で、軍隊を[[w:レミ族|レミ族]]の[[w:ドゥロコルトルム|ドゥロコルトルム]]に連れ戻して、 **:(訳注:ドゥロコルトルムはレミ族の首邑で、現在の[[w:ランス (マルヌ県)|ランス]] Reims である。) *concilioque in eum locum Galliae indicto **その地においてガッリアの(領袖たちの)会合を公示して、 *de coniuratione Senonum et Carnutum quaestionem habere instituit **[[w:セノネス族|セノネス族]]と[[w:カルヌテス族|カルヌテス族]]の共謀について詮議することを決定した。 *② et de Accone, qui princeps eius consilii fuerat, **その謀計の首謀者であった[[w:アッコ (セノネス族)|アッコー]]については *graviore sententia pronuntiata more maiorum supplicium sumpsit. **より重い判決が布告され、(ローマ人の)先祖の習慣により極刑に処した。 **:(訳注:ローマ史家[[w:テオドール・モムゼン|モムゼン]]は、アッコーはローマの<ruby><rb>[[w:リクトル|先導吏]]</rb><rp>(</rp><rt>リクトル</rt><rp>)</rp></ruby> により[[w:斬首刑|斬首]]されたと言及している<ref>『モムゼン ローマの歴史Ⅳ』長谷川博隆訳、名古屋大学出版会、p.233 を参照。</ref>。 **:外国から来た侵略者カエサルがこのような刑罰を下したことに、ガッリア人たちは憤激した。[[ガリア戦記 第7巻#1節|第7巻1節]]を参照。) *③ Nonnulli iudicium veriti profugerunt. **少なからぬ者たちは、裁判を恐れて逃走した。 *Quibus cum aqua atque igni interdixisset, **その者たちには水と火が禁じられたうえで、 **:(訳注:「水と火を禁じる」とは追放処分のことで、居住権や財産の没収などを指す。) *duas legiones ad fines Treverorum, duas in Lingonibus, **2個[[w:ローマ軍団|軍団]]をトレーウェリー族の領土へ、2個(軍団)を[[w:リンゴネス族|リンゴネス族]](の領土)に、 *sex reliquas in Senonum finibus [[w:la:Agedincum|Agedinci]] in hibernis conlocavit **残りの6個(軍団)を[[w:セノネス族|セノネス族]]の領土の[[w:アゲディンクム|アゲディンクム]]に、冬営地に宿営させた。 **:(訳注:アゲディンクムは、現在の[[w:サン (ヨンヌ県)|サン]] Sens である。) *frumentoque exercitui proviso, **軍隊の糧秣を調達してから、 *ut instituerat, in Italiam ad conventus agendos profectus est. **定めていたように、イタリアに開廷(巡回裁判)を行なうために出発した。 **:(訳注:ここで「イタリア」とはカエサルが総督を務める[[w:ガリア・キサルピナ|ガッリア・キサルピーナ]]のことと思われる。) ---- *<span style="background-color:#99ff99;">「ガリア戦記 第6巻」了。「[[ガリア戦記 第7巻]]」へ続く。</span> ==脚注== <references /> ==参考リンク== *ウィキペディア英語版・日本語版 **[[w:en:Category:Tribes of ancient Gaul|Category:Tribes of ancient Gaul]]([[w:Category:ガリアの部族|Category:ガッリアの部族]]) ***[[w:en:Eburones|Eburones]]([[w:エブロネス族|エブローネース族]]) ***[[w:en:Nervii|Nervii]]([[w:ネルウィイ族|ネルウィイ族]]) ***[[w:en:Senones|Senones]](セノネス族)- [[w:la:Senones|la:Senones]] ***[[w:en:Carnutes|Carnutes]](カルヌテス族) ***[[w:en:Parisii (Gaul)|Parisii (Gaul)]]([[w:パリシイ族|パリスィ族]]) ****[[w:en:Lutetia|Lutetia]]([[w:ルテティア|ルテティア]]) ***[[w:en:Menapii|Menapii]](メナピイ族) ***[[w:en:Treveri|Treveri]](トレーウェリー族) ***[[w:en:Aedui|Aedui]]([[w:ハエドゥイ族|ハエドゥイ族]]) ***[[w:en:Sequani|Sequani]](セクアニ族) ***[[w:en:Remi|Remi]](レーミー族) **[[w:en:Category:Germanic peoples|Category:Germanic peoples]](ゲルマーニア人のカテゴリ) ***[[w:en:Category:Ancient Germanic peoples|Category:Ancient Germanic peoples]](古代ゲルマーニア人) ***[[w:en:Germanic 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公衆の目に触れるような方法で客待ちをし、又は広告その他これに類似する方法により人を売春の相手方となるように誘引すること。 : <small>(令和4年6月17日法律第68号<ref>{{Cite web|url=https://www.shugiin.go.jp/internet/itdb_housei.nsf/html/housei/20820220617068.htm|title=法律第六十八号(令四・六・一七)|publisher=衆議院|accessdate=2025-06-29}}</ref>改正)</small> === 改正前 === ==== 昭和31年5月24日法律第118号<ref>{{Cite web|url=https://www.shugiin.go.jp/internet/itdb_housei.nsf/html/houritsu/02419560524118.htm|title=法律第百十八号(昭三一・五・二四)|publisher=衆議院|accessdate=2025-03-20}}</ref> ==== (勧誘等) ; 第5条 : 売春をする目的で、次の各号の<u>一に</u>該当する行為をした者は、6月以下の<u>懲役又は1万円以下</u>の罰金に処する。 :# 公衆の目に<u>ふれる</u>ような方法で、人を売春の相手方となるように勧誘すること。 :# 売春の相手方となるように勧誘するため、道路その他公共の場所で、人の身辺に立ちふさがり、又はつきまとうこと。 :# 公衆の目に<u>ふれる</u>ような方法で客待ちをし、又は広告その他これに類似する方法により人を売春の相手方となるように誘引すること。 == 解説 == 本条は、各号の行為が風紀を乱し、公衆に迷惑を及ぼすものとして、処罰の対象としたものである。 本条は、性別を限定していないため、男女の別なく本条の主体となり得る。 また、売春をする目的で行わなければ、本条の罪は成立しない。 === 第1号 === 本条1号は、売春をしようとする者が、自ら相手方を探して勧誘する行為を処罰しようとするものである。 「'''公衆の目に触れるような方法'''」とは、不特定の一般人の目に触れる可能性のある方法のすべてをいい、この公衆とは、第2号の「'''道路その他公共の場所で'''」というよりもやや広い概念とされる。 勧誘する者以外に通行人が偶然いない場合の路上の勧誘であっても、不特定の者の目に入る可能性がある場合であれば本号の処罰対象に含まれる。しかし、勧誘する姿が公衆の目に触れず声だけが聞こえるような場合は本号には該当しない。 「'''勧誘'''」とは、特定の人に対し売春の相手方となるよう積極的に働きかけることをいい、方法は言葉か身振りかを問わず、相手方が勧誘に応じたか否かも本罪の成否に影響を及ぼさない。ただし、客待ちをしているだけでは勧誘とはいえない。 === 第2号 === 本条2号は、売春をしようとする者が、売春の相手方を探して勧誘するための準備を公共の場所でする行為を処罰しようとするものである。 「'''道路その他公共の場所で'''」とは、国家や地方公共団体の管理下にある場所に限らず、駅や私道、興行場、飲食店、ホテルのロビーなど、広く公衆の利用し得る場所をいう。 「'''人の身辺に立ちふさがり'''」とは、人の前に立ってその通行を妨げることをいい、「'''つきまとう'''」とは、人の前後左右について、その人が歩いたり立ち止まったりするのに合わせて行動し離れないことをいう。これらは、公衆の迷惑になる行為であるために処罰対象となっている。そのため、これらの行為によってその人が不快感を抱いたかどうか、その人がそれに気付いているかどうかなどは本罪の成否に影響を及ぼさない。 === 第3号 === 本条3号は、売春をしようとする者が、自ら売春をする意思があることを表示し、相手方の申し込みを待つ行為を処罰しようとするものである。 「'''客待ち'''」とは、積極的に相手方に働きかけないが、その挙動によって売春する意思があることを表示しながら相手方の申し込みを待つ行為をいう。本号の処罰対象となるには、時間、場所、服装、態度、挙動などを総合的に判断して、通常行われる街中での待ち合わせなどとは客観的に区別される程度の行為とされなければならない。 「'''広告その他これに類似する方法'''」とは、新聞雑誌への広告掲載、看板や張り紙の掲出、チラシやビラの頒布、拡声器による宣伝など、不特定または多数人に呼び掛ける方法をいう。 「'''誘引'''」とは、売春をする意思があることを表示して誘い、相手方の申し込みを待つ行為をいう。 == 参照条文 == * [[売春防止法第16条]](刑の執行猶予の特例) == 判例 == #[https://www.courts.go.jp/app/hanrei_jp/detail2?id=57001 売春防止法違反](最高裁判所第三小法廷決定、昭和34年6月30日、昭和37年(あ)第1838号、最高裁判所刑事判例集16巻12号1713頁) #;売春防止法第5条の趣旨 #:売春防止法第5条は、女性のみを処罰の対象とするものではない。 #:*売春防止法5条は女性のみを対象として売春の予備的行為を処罰するものであつて、両性の本質的平等に反する規定であり、憲法14条に違反する旨の主張は、同条は女性のみを処罰の対象とするものではないから、その前提を欠く。 <!--#[https://www.courts.go.jp/app/hanrei_jp/detail2?id=57923 売春防止法違反](最高裁判所第二小法廷決定、平成7年6月9日、平成3年(あ)第1223号、最高裁判所裁判集刑事265号763頁) #;売春防止法5条3号前段の「客待ち」に当たるとされた事例 #:被告人の行為が売春防止法5条3号前段の「客待ち」に当たるとした原判断は、相当である。 ※リンク先「全文」を確認しても被告人のどのような行為を「客待ち」にあたると判断したのかが不明であり、参照判例とすることが疑問であるため、一旦コメントアウト--> ---- {{前後 |[[コンメンタール売春防止法]] |売春防止法第5条<br>(勧誘等) |[[売春防止法第4条]]<br>(適用上の注意) |[[売春防止法第6条]]<br>(周旋等) }} {{stub|law}} [[category:売春防止法|05]] 9haehs096w8reksyt007cc2a1itq3r3 276343 276340 2025-06-28T15:48:10Z Fukupow 34984 /* 脚注 */ 追加 276343 wikitext text/x-wiki [[コンメンタール]]>[[コンメンタール売春防止法]]>売春防止法第5条 == 条文 == (勧誘等) ; 第5条 : 売春をする目的で、次の各号のいずれかに該当する行為をした者は、6月以下の拘禁刑又は2万円以下の罰金に処する。 :# 公衆の目に触れるような方法で、人を売春の相手方となるように勧誘すること。 :# 売春の相手方となるように勧誘するため、道路その他公共の場所で、人の身辺に立ちふさがり、又はつきまとうこと。 :# 公衆の目に触れるような方法で客待ちをし、又は広告その他これに類似する方法により人を売春の相手方となるように誘引すること。 : <small>(令和4年6月17日法律第68号<ref>{{Cite web|url=https://www.shugiin.go.jp/internet/itdb_housei.nsf/html/housei/20820220617068.htm|title=法律第六十八号(令四・六・一七)|publisher=衆議院|accessdate=2025-06-29}}</ref>改正)</small> === 改正前 === ==== 昭和31年5月24日法律第118号<ref>{{Cite web|url=https://www.shugiin.go.jp/internet/itdb_housei.nsf/html/houritsu/02419560524118.htm|title=法律第百十八号(昭三一・五・二四)|publisher=衆議院|accessdate=2025-03-20}}</ref> ==== (勧誘等) ; 第5条 : 売春をする目的で、次の各号の<u>一に</u>該当する行為をした者は、6月以下の<u>懲役又は1万円以下</u>の罰金に処する。 :# 公衆の目に<u>ふれる</u>ような方法で、人を売春の相手方となるように勧誘すること。 :# 売春の相手方となるように勧誘するため、道路その他公共の場所で、人の身辺に立ちふさがり、又はつきまとうこと。 :# 公衆の目に<u>ふれる</u>ような方法で客待ちをし、又は広告その他これに類似する方法により人を売春の相手方となるように誘引すること。 == 解説 == 本条は、各号の行為が風紀を乱し、公衆に迷惑を及ぼすものとして、処罰の対象としたものである。 本条は、性別を限定していないため、男女の別なく本条の主体となり得る。 また、売春をする目的で行わなければ、本条の罪は成立しない。 === 第1号 === 本条1号は、売春をしようとする者が、自ら相手方を探して勧誘する行為を処罰しようとするものである。 「'''公衆の目に触れるような方法'''」とは、不特定の一般人の目に触れる可能性のある方法のすべてをいい、この公衆とは、第2号の「'''道路その他公共の場所で'''」というよりもやや広い概念とされる。 勧誘する者以外に通行人が偶然いない場合の路上の勧誘であっても、不特定の者の目に入る可能性がある場合であれば本号の処罰対象に含まれる。しかし、勧誘する姿が公衆の目に触れず声だけが聞こえるような場合は本号には該当しない。 「'''勧誘'''」とは、特定の人に対し売春の相手方となるよう積極的に働きかけることをいい、方法は言葉か身振りかを問わず、相手方が勧誘に応じたか否かも本罪の成否に影響を及ぼさない。ただし、客待ちをしているだけでは勧誘とはいえない。 === 第2号 === 本条2号は、売春をしようとする者が、売春の相手方を探して勧誘するための準備を公共の場所でする行為を処罰しようとするものである。 「'''道路その他公共の場所で'''」とは、国家や地方公共団体の管理下にある場所に限らず、駅や私道、興行場、飲食店、ホテルのロビーなど、広く公衆の利用し得る場所をいう。 「'''人の身辺に立ちふさがり'''」とは、人の前に立ってその通行を妨げることをいい、「'''つきまとう'''」とは、人の前後左右について、その人が歩いたり立ち止まったりするのに合わせて行動し離れないことをいう。これらは、公衆の迷惑になる行為であるために処罰対象となっている。そのため、これらの行為によってその人が不快感を抱いたかどうか、その人がそれに気付いているかどうかなどは本罪の成否に影響を及ぼさない。 === 第3号 === 本条3号は、売春をしようとする者が、自ら売春をする意思があることを表示し、相手方の申し込みを待つ行為を処罰しようとするものである。 「'''客待ち'''」とは、積極的に相手方に働きかけないが、その挙動によって売春する意思があることを表示しながら相手方の申し込みを待つ行為をいう。本号の処罰対象となるには、時間、場所、服装、態度、挙動などを総合的に判断して、通常行われる街中での待ち合わせなどとは客観的に区別される程度の行為とされなければならない。 「'''広告その他これに類似する方法'''」とは、新聞雑誌への広告掲載、看板や張り紙の掲出、チラシやビラの頒布、拡声器による宣伝など、不特定または多数人に呼び掛ける方法をいう。 「'''誘引'''」とは、売春をする意思があることを表示して誘い、相手方の申し込みを待つ行為をいう。 == 参照条文 == * [[売春防止法第16条]](刑の執行猶予の特例) == 判例 == #[https://www.courts.go.jp/app/hanrei_jp/detail2?id=57001 売春防止法違反](最高裁判所第三小法廷決定、昭和34年6月30日、昭和37年(あ)第1838号、最高裁判所刑事判例集16巻12号1713頁) #;売春防止法第5条の趣旨 #:売春防止法第5条は、女性のみを処罰の対象とするものではない。 #:*売春防止法5条は女性のみを対象として売春の予備的行為を処罰するものであつて、両性の本質的平等に反する規定であり、憲法14条に違反する旨の主張は、同条は女性のみを処罰の対象とするものではないから、その前提を欠く。 <!--#[https://www.courts.go.jp/app/hanrei_jp/detail2?id=57923 売春防止法違反](最高裁判所第二小法廷決定、平成7年6月9日、平成3年(あ)第1223号、最高裁判所裁判集刑事265号763頁) #;売春防止法5条3号前段の「客待ち」に当たるとされた事例 #:被告人の行為が売春防止法5条3号前段の「客待ち」に当たるとした原判断は、相当である。 ※リンク先「全文」を確認しても被告人のどのような行為を「客待ち」にあたると判断したのかが不明であり、参照判例とすることが疑問であるため、一旦コメントアウト--> == 脚注 == {{reflist}} {{前後 |[[コンメンタール売春防止法]] |売春防止法第5条<br>(勧誘等) |[[売春防止法第4条]]<br>(適用上の注意) |[[売春防止法第6条]]<br>(周旋等) }} {{stub|law}} [[category:売春防止法|05]] s3n9kncak91ianwfvczud8v1tc59k9k X86アセンブラ/組み込みデータ型 0 13065 276344 183842 2025-06-28T15:48:21Z Tomzo 248 276344 wikitext text/x-wiki {{stub|it}} 厳密に言えば、アセンブリには、高級言語のような定義済みのデータ型はありません。汎用レジスタは、2バイト、4バイトあるいは8バイトの任意のシーケンスを保持することができ、そのバイトが数字や文字、その他のデータを表すかどうかは関係ありません。同じように、メモリーブロックにも具体的な型はなく、好きな値を割り当てることができます。 しかし、アセンブリのデータは、整数型と浮動小数点型の2つに分類することができる。浮動小数点の値をレジスタにロードして整数と同じように扱うこともできますが、予想外の結果になるので、分けて考えた方がよいでしょう。 == 整数 == 整数とは、正または負の整数を表します(コンピューターでは0を正として扱います)。8086アーキテクチャーでは、当初、8ビットと16ビットのサイズがあり、最も基本的な操作を行うことができた。その後、80386からはレジスターの大きさが拡張されて32ビットに対応し、そのサイズの整数の演算が可能になりました。最新のx86アーキテクチャーのシステムでは、64ビット命令に対応していますが、最適な効果を得るためには64ビットのオペレーティングシステムが必要である。 コンピューターは、負の数を格納するために2の補数を使用します。最上位のビットが符号を表し、セットされたビットは負の符号を表す。正の数の場合、残りのビットは通常の方法で値を格納します。負の数が格納されている場合、残りのビットは最大値までの差を格納します。これにより、オーバーフロー時に発生する効果を利用した操作が容易になります。ただし、値を符号なしの値として扱うことも可能です。アセンブリ命令の中には、符号ビットの扱いが微妙に異なるものがあるため、符号付き整数と符号なし整数は微妙に区別されます。 == 浮動小数点数 == 浮動小数点数は、実数の(有限の)サブセットです。浮動小数点数は通常、3.14159のように、小数点の前後に数字を含みます。小数点がすべての桁の後にあると理解されている整数とは異なり、浮動小数点数では小数点が桁の並びのどこかに浮かんでいる。 元々、浮動小数点はメインプロセッサーの一部ではなく、エミュレーションソフトウェアを使用する必要があった。しかし、このデータ型を演算できる浮動小数点コプロセッサーが登場し、486DXからはCPUに直接組み込まれるようになった。 このように、浮動小数点演算は必ずしもすべてのプロセッサに対応しているわけではないので、この種の演算を行う必要がある場合には、ソフトウェアライブラリをバックアップコードパスとして使用するとよいでしょう。 最近のプロセッサはすべてIEEE 754規格を採用しており、その詳細はWikibook「{{仮リンク|浮動小数点数|en|Floating Point}}」に記載されています。比較的短い2の累乗(負の累乗も含む)の和として表現できない数値は、常に近似値であることを覚えておく必要があります。 [[en:X86 Assembly/Intrinsic Data Types]] 2cz4qopcsspc23gn7yzr4l49f6vb1d3 哲学概論 0 13353 276402 272743 2025-06-29T11:55:52Z Opus-ultimum 60388 276402 wikitext text/x-wiki [[哲学・思想]] > 哲学概論 『'''哲学概論'''』は、哲学という学問分野における基礎的本質的な事項に絞って概説した教科書である。 哲学は、他の学問分野のみならず、各国の統治と政治、各種の思想と宗教はもとより、技術と産業、物流や軍事以外にも、芸術と芸能、エンターテイメントやスポーツとさえ、比較照応の機会を有するとはいえ、少なくともアリストテレスの認識論に遡る、有数の基礎科学についての、科学研究の姿勢を前提とした論述を行う。しかも、哲学研究の現状と来歴を尊重し、哲学研究の中枢を明晰化する本質的な哲学研究についての配慮を優越する。微積分学の完成に続く近代哲学成立以降の現実として、数理哲学とは相違する哲学における数学的方法を準則とする。思想研究に類する技術研究に関するセオリーは積極的には優越せず、一部の傑出した業績を残した人物についての特記以外は、基本的には積極的に自粛する。</br> 既存の研究業績に基き、その師ソクラテスの言行を記録したプラトン、万学の祖として名を馳せアレクサンドロス3世に哲学を教えたアリストテレス、プラトンの証明に反対し人間主義の源流となったアウグスティヌス、神の存在証明の代表者アンセルムス、中世神学の普遍体系の樹立を目指したトマス・アクィナス、経験主義論理学の限界地点を実証したオッカムのウィリアム、更には、オランダからは、デカルト、スピノザ、ライプニッツ、イギリスからは、ロック、バークリー、ヒューム、ドイツからは、カント、ヘーゲル、シューペンハウアー、アメリカ合衆国からは、パース、ジェイムズ、クワインを重視し、他には、ニーチェ、フレーゲ、フッサール、ホワイトヘッド、ラッセル、ウィトゲンシュタイン、ハイデカーを重視する。</br> ただし、ヒューム、ニーチェ、シェストフ、ハイデカーについては、日本の思想伝統との呼応関係に由来する過大評価を警戒し、必要に応じて著述を制限する。</br> 更に、プラトンの『饗宴』で言及されている事項を含む事柄について述べる。スピノザ、ホワイトヘッド、ツェルメロ、フーコー、パトナムについては、生活様式と境遇を要素とする、他の著名な哲学者との相関に現れた主体性の明確な相違を含めて、当事者の研究内容と他の研究者の研究内容への接続性を含めた言及については、警戒を行い明確に区別する。近年の類例は多いが、煩雑になることから、ここでは明示は行わない。異分野の人員との比較照応に関しては、『ベーオウルフ』とニュートンの主として物理学の研究姿勢についての活動実績を踏まえ、クレオパトラとシャトレの2例を考慮する。哲学と類縁関係のある人間学の現状以上の要素として、プラトン以来の思想的な伝統に触れると、絵画とタブローの問題がある。クヌートニコラウスが創始した絵画学の指針に従い、諸個人の積極的自由の相互活動の一種を相対視し、既存博物館と従属的かつ情操的な絵画保存修復を規範とする図像学的研究と既存の情報開示を尊重する。源流の一つは、プラトンの主著『国家』であり、解剖学的生理学的な研究との類縁関係を示すと同時に、実証主義的な研究に対する一応の批判を内在する、本格的な解明作業が示される(602D)。更に、『ティマイオス』では、大陸的な大理論であるモダニズム以前の、旧来の絵画が世界精神の体現を代行して来た抜本的な性質を超越する精神的な内容を開示するヘレネスの、ポスト構造主義以前の、絵画批判の到達地点が描写されている(29D)。それは、独善的な破壊活動を拡大する、迷惑極まりない、近代的な画家を糾弾する一大理論体系である。つまり、芸術学成立以降の美学のコンプリメント及びアデンダムとしての哲学の主要な原基である。 ==はじめに== [[ファイル:Plato.png|thumb|right|150px|プラトン(427年-347年)は古代アテナイの哲学者。一時は政治指導者を志しながらもソクラテスの指導で哲学の道に進み、学園アカデメイアを設立した。人間には直接的には知覚できず、理性の働きによってのみ捉えることができるイデアこそが事物の本質であるというイデア論を提唱した。主な著作には『饗宴』、『国家』、『法律』などがある。]] 本書は哲学に関する基礎的な理解を助けることを目的として作成される教科書であり、次のような目標を達成することを狙うものである。 第一に、哲学研究における初歩的な概念、方法、そして理論の概要について示すことを目指しており、重要な哲学者については人物データとして示している。</br> 第二に、哲学における諸領域を概観することを助けるために単元は主題によって区分している。本書は単に初心者に哲学を学ぶ上で最低限必要な知識を付与する入門書でも、専門的な研究活動の上での発展的内容を扱う研究書でもなく、両者を媒介することができる内容となるように試みている。 本書の主題は哲学と定められている。キリスト教、東洋思想におけるイスラム教や仏教、さらに儒教や道教などの思想をほぼ扱っていない。ここで哲学として扱われているのは古代ギリシア哲学に由来し、スコラ哲学の成果を継承し、主に近現代において西欧世界において発展した哲学の研究、さらに現代においてなされた哲学の研究を内容に含んでいる。絶対的な基準ではないが、宗教学や他の学問で扱われる内容を哲学の研究領域として位置づけることを避けた。</br> ユダヤタルムード、インド思想、中国思想への言及は、同様の理由で極力控えた。 本書の内容は、以下から構成されている。第1章はじめに、第2章哲学の基礎、第3章主要な研究領域、第4章近縁の研究領域、第5章学際的な研究領域、第6章人物列伝。 == 哲学の基礎 == [[ファイル:Aristotle Altemps Inv8575.jpg|thumb|right|150px|アリストテレス(384年-322年BC)は古代アテネの哲学者。広域的なオルガノンの先鞭を著書の形で伝える。そのオルガノンは、広義の哲学との高い整合性を示す。生物学者でもある。]] 哲学(philosophy)とは何かという疑問そのものも哲学的な問題で有り得る。哲学という言葉はギリシア語の「愛する」を意味する接頭辞と「知恵」を意味する名詞が組み合わさった「叡智に対する献身」または「知恵への愛」という合成語として成り立っている。アリストテレスが指摘しているように人間には動かしがたい知的な好奇心があり、哲学では新規の情報を持たずにこのような欲求に応答することが目標とされている。 しかし、それだけではない。メタ哲学(metaphilosophy)では哲学そのものの本性や概念、目標または方法について研究する。メタ哲学では哲学そのものが何であるかを考察し、どのような問題を研究しなければならず、研究のためにどのような方法があるかを明らかにする。これは自明な問題ではなく、古代から現代にかけて哲学の位置づけや方法論は変遷しており、しかも現代においてもメタ哲学には議論の余地が残されている。ここでは哲学の概念、哲学の問題、哲学の方法について概説することで哲学を研究する起点となりうる一般的な理解を促す。 ===哲学の意義=== 哲学の意義について検討する為には、哲学とは何かという問と向き合い、自身と自身が帰属する共同体の語彙を精査し、考察の陳述の健全性を向上する必要がある。少なくとも哲学研究に従事すること及び実践哲学への貢献者として生きることは、博物的な知識や時事的な情報を収集したり情報量を悪用したりすることではない。これは哲学という学問が他の学問とは全く異る水準であっても理解される意義、問題意識に対する能動性を持っていることを示唆している。 ここでは、基礎付け主義と不可知論及び懐疑論の二つの立場から、哲学の意義について異なる見解を確認する。基礎付け主義の哲学で示される哲学の意義とは一般的な理論の構築や整備、特に確実性を堅固にする為の努力に重点を置いている。懐疑論は哲学の意義とはその反省にあり、既存の学説や理論、通念に対する批判的態度が重要視されている。これらは哲学の位置付けをめぐる論争というよりも、哲学の意義に異なる説明が可能であることを示唆している。 ====基礎付け主義==== [[ファイル:Frans_Hals_-_Portret_van_René_Descartes.jpg|thumb|right|150px|ルネ・デカルト(1596年-1650年)はフランス出身の哲学者。若年期より哲学や数学に関心を寄せており、ポワティエ大学で法学を修め、軍隊に入隊して各地を遍歴した後にオランダで哲学の研究を行った。方法的懐疑に基づいて機械論的な世界観、近代的な自我、物心二元論に関する成果を収めて近代哲学の確立に寄与した。哲学における重要な著作に『方法序説』、『哲学の原理』、『情念論』などがある。]] 哲学は一般に高度に抽象的な概念を用いながら考察を進める学問である。哲学では世界の根源、人間のあり方、社会の成り立ちについて普遍的な原理や基礎的な概念によって解釈や説明を繰り返し試みてきた。観測される個々の具体的な事象の背景には包括的な原理や単一的な規則性が存在し、それを明らかにすることは哲学者の中心的な関心であった。個々の研究対象を持つ学問を哲学の知見によって総合し、包括的な統一理論を構築する伝統は哲学の指針付けと方向性を顕著に示す考え方の一つであり、基礎付け主義(foundationalism)と呼ばれる。 デカルトは明証性、真理性を疑うことができず、またあらゆる事物の認識がそれに依存するような原理を追及する研究を哲学と見なした。その成果のひとつが「私は考える、ゆえに私はある」として知られるデカルトの命題であり、あらゆる真理の認識の起点としての推論する自我を基礎付ける試みであった。デカルトは少しでも疑いの余地があるものを思考の論拠から排除し、感覚的な経験も数学的な前提も哲学の基礎付けから退けた。そして最後には残った確実な思考の起点とは、そのように真理を求めてあらゆるものを疑う自分自身の自我であると考えたのである。 デカルトの哲学的な態度は、実証的社会転換(positive social change)の旗印であるコントなどによって定式化された社会実証主義(sosial positivism)にも認めることが可能である。実証主義(positivism)は確実に正しい知識とは経験的に観察することができるものに限定されると主張している。ベンサムは、社会において最大多数の最大幸福を実現することを道徳や立法の規範と定めた功利主義の原理を提唱しているが、これは功利を重視した倫理学における一つの基礎付け主義の立場として捉えることができる。 また、ラッセルやウィトゲンシュタインによって示された論理実証主義(logical positivism)はより厳格な基礎を前提としており、哲学における問題のほとんどが生活上の要素との関連を安定的に維持しつつも論理的に無意味であり、概念や言語表現の明確化や経験科学への助力だけが哲学の役割であると論じた。論理実証主義の一人であるエイヤーは検証原理の概念を提唱し、定義によって真であるかどうか、また検証可能であるかどうかによって、それが哲学的な問題であるかどうかを検証することが可能となる原理を示している。これは基礎付け主義においても特に論理的な妥当性を重要視する立場であり、それとは異なる基礎付け主義としては特定の基準を倫理的な問題を評価する根拠として位置付ける立場もある。 ====世界宗教と世界哲学==== 歴史研究の来歴を経て、ヘレニズムがギリシア哲学の本体として存立することになる。その後に、地中海世界の統一を遠因とするコスモポリタニズムが創唱され現在に至る。その精神は、コイネーの時代の七十人訳聖書にも反映されている。つまり、ギリシャ人哲学者達は、人類のコイノニアとしてのスタンスを忘れていない。 エピクロスが哲学研究を本格的に開始する原点としたのは、ヘシオドスの作品の中の混沌、つまり、その歴史に関する事柄を彼にうまく説明することができなかったことであることが、エピクロス派の学頭アポロドスにより知られている。それは、哲学史上はキリスト降誕の中核的な前段階である、エピクロス哲学に対する要請が、世界宗教の抜本的な改革に際しての要件であり、それが当時のパリサイ派の躍進と普及であると考えたことを意味している。詩歌の研究についてもヘロドトスとの関わりを重視していることからも、世界宗教の確立についての歴史的な正当性を重視していると理解されている。後の、ニケーア公会議で唱えられた、キリスト教の三位一体への影響がある。初期キリスト教と現存のカトリックでのオーセンティシティに反映された敬虔さは、神学研究の地平にも貢献している。 ====不可知論と懐疑論==== 少なくとも、キリスト教の成立を追い風としたエピクロスの哲学体系に到達する以前の、キケロとセネカの頃に、外在する知識と存在を根幹から疑問視しし、その不可知を本体とする姿勢の研究が活発に行われた。その研究体系の前期の本体を不可知論(agnosticism)と称する。その不可知論から発展した立場が懐疑論(scepticism)と呼ばれる。哲学は基本的に具体的もしくは個別的偶有的な対象について研究することは無く、既存の思想に対してそれを問題視し、また時には常識から離れて物事を解釈を試みる場合もある。共同体的、社会的、文化的、政治的に、正当であると評価されている考え方であっても、また常識的に疑うことが極めて困難と思える基礎的な信念すらも、哲学を研究する為には批判的な態度を採ることがある。</br> 例えば、『西洋哲学史』ではラッセルは、ローマ人には歴としたが無いと記している。だが、義憤の研究を行なった哲学者の論理を踏襲したセネカの怒りの研究にも、ローマ人の色濃い血統が感じられる。 哲学における懐疑論に対して反哲学的な批判を展開した議論として、プラトンは著作の中でソクラテスに対するカリクレスの主張を紹介している。彼は哲学というものが「必要以上にそれにかかずらっていると人間を破滅させてしまうことになる」と主張している。カリクレスによれば、哲学に没頭している間に人間は国家社会の法律にうとくなり、交渉のための弁論の経験も不足するために非常識を曝し、良い素質を持っていても人間を悪い方向に誘う結果となることを主張する。 ソクラテスはそもそも人間の善悪の基準を問い直すことでカリクレスに応答しており、必ずしも正しさとは自明だとは限らないと反論する。ソクラテスの見解では国家の法律や弁論に習熟したとしても本当の正義を理解しているとは限らず、哲学によってのみ真の正義を理解することが可能となると述べている。当時の古代ギリシアの社会的通念を反映した議論を展開するカリクレスに対して、哲学者としてのソクラテスの反論は哲学の懐疑的な性格を示唆している。ソクラテスは社会の中での常識としての正義を哲学的な思索を通じて改めて根本的に問い直すことを試みている。懐疑論の態度は特定の哲学者の学説にも向けられうる。 論理実証主義による哲学の基礎付けに対して反実証主義の哲学が提起されている。生の哲学者ショーペンハウアーやディルタイなどは実証的な研究にそぐわない人間の生を見出しており、フッサールは直観によって得られる経験を記述、吟味することによってある事象を明らかにする現象学(phanomenologie)を哲学の研究に位置づけた。基礎付け主義に対する重要な批判を展開したローティはデカルト以後の近代哲学が知識の妥当性を基礎付けるため哲学であったことを批判する。ローティはプラグマティズムの立場から哲学を社会的実践の一環として捉えることにより、基礎付け主義から哲学を解放することを主張している。 ====ドイツ観念論とイギリス経験論==== ドイツ人の哲学についての姿勢のほぼ全ては、その哲学が属する人種と民族の思想風土に依存せずに、哲学の研究業績等が、皆、観念的であるというものである。</br> それに対して、イギリス人の真理と本質の実在する源泉は、プラトンのイデア論やグリーンの理想主義ではなく、イギリス人が共通して具有している、歴史的な信頼性の上に成り立つ経験であり、しかも、他ではないというものである。 全力で全体主義を維持するのがフランス人であり、パスカル以降も多様な哲学思想を生み出し続けている。 更には、ドイツの隣国であるポーランドでは、現代哲学の啓蒙主義に反対し、ポーランド論理学派を樹立している。 他者に対する留保を当然前提とする理論の一部は、観念論なり記号論なりとして、厳しい批判に晒されることがある。</br> それらを調停する意見の中でも、最も高い信頼性を獲得しているのは、ライプニッツの哲学体系であり、中世神学でも現代行為論でも同様に高い妥当性を示している。ライプニッツ哲学の普及に先立ち、いち早くラッセルがその指摘を行っている。 =====唯物論と唯心論===== 全ての事物が[[物質]]であるなら、[[人間]]の意識等も物質に還元されると考える。このような問いは、心身問題として、多様な思考体系を生んでいる。 唯一絶対の支配的な原理を物と見るのか心と見るのかでは、根底的かつ決定的な相違が存在するに違いないが、両者の定式化や調停は依然として完了してはいない。 =====有神論と無神論===== 神学的な前提として、このようなことが言える。唯物論(と唯心論)を無神論と結びつける者もいる。ただし、無神論ならば唯物論とは言えない。人格神論が有神論の全てではないからである。有神論から人格神論を除いた残りが理神論であるとも言えない。トマスアクィナスのように、機械論と生気論の関係を、神に当て嵌める考えを否定する研究者も多い。 無神論の主張を要約すれば、以下のように言えるだろう。「ただ1つ言えるのは、宇宙を創造されたのは神ではない。宇宙に創造主は存在しない。無から何かを作ることは不可能だからだ。この宇宙は今も昔も、変わらない無限なのである。」 ===哲学の問題=== 哲学の議論において取り上げられる問題は特定の主題や対象によって制限されない特徴がある。哲学は概念的な思索が対象とすることが可能なあらゆる事柄を問題としてきた。またどれが哲学の問題であるかどうかを判断する基準は哲学者の立場によって異なってくる。ここでは便宜的に規範的問題と客観的問題に哲学の諸問題を区別する。規範的問題、または道徳的、倫理的な問題とは「どうすべきか」、「何でなければならないか」、「何が望ましいのか」というような疑問を問題としている。また客観的問題とは「どうあるのか」、「何であるのか」、「何が事実であるのか」というような疑問を想定した問題である。この二つの問題は信仰と理性に対応する基本的に混合することができない問題であり、オッカムによって明確に区別されるようになった。ここでは二つの問題の基本的な性質について個別に概説する。 ====規範的問題==== 明晰判明知の異なる人間の生活の細分化と進展、人類の組織体制の細分化と進展、行動と言語的要素の細分化と進展以外にも、規範についての問題は存在している。 ====客観的問題==== [[ファイル:Ludwig Wittgenstein 1929.jpg|thumb|right|150px|ルートヴィヒ・ヨゼフ・ヨハン・ウィトゲンシュタイン(1889年-1951年)はオーストリア出身の哲学者。ケンブリッジ大学でラッセルとフレーゲの下で学び、第一次世界大戦後に著作を発表して一時的に研究から離れるが、後に研究に復帰してケンブリッジ大学の教授となる。哲学の多くの問題が言語の誤用に起因し、また言語哲学の領域に寄与した。著作には『論理哲学論考』、『青色本・茶色本』、『哲学探求』などがある。]] 客観的実在(Objectivity)の問題は、民族と個人を超えて、人類に共通の課題を示している。人類の完全性(complement)は、網羅的な完全性を意味しない。 この意味での客観性の問題に取り組んだ哲学者は数多く、その回答の多くが、解釈者に対する回答のインストールと正当化を期待する性質のものではない。ちんどん屋や噺家との相互独立性は、人類が擁する各職能の完全性を視野に入れたものである。認識論の水準での複数の中核的な同一性原理は、論理的言語的分析とも呼応関係を顕著に示す哲学の業績である。 日本語圏では、物質(または物(もの))の問題が特徴的な役割を演じている。物体の普遍的な学説の提起者といえばホッブズだが、現存の4大公害問題との類比関係が存在し、政府の責任問題にも発展した。 ===哲学の方法=== 哲学において一般的に承認された方法論が確立されているとは言いがたい。その背景には哲学のあり方や問題設定の形式に起因する方法論的な議論があるためである。つまり哲学を研究する上では特定の方法論に頼らずに、問題に対する着目や問題の解釈の仕方、議論で使用する概念の分析と応用、演繹や帰納を用いた論理的な推論の方法、そして結論の検証と問題の解決まで及ぶ創意工夫が求められる。「そもそもその問題は解決が可能であるのか」、「その議論の前提は明確化されているのか」、「その議論において見落とされた要因はないのか」などを総合的に考慮することが哲学を研究する上で必要となる。ここでは特に、問題の設定、概念の分析、そして推論の検証に関する基本的な哲学的思考の手続きについて概説していく。 ====問題の設定==== 統治問題に対する統治者の理性的な反省が存立した地平で、神話が隆盛し、その余波についての反省を踏まえて展開した、プラトンの対話篇の本質的な合意箇所の一つである。ともすれば現代では、性愛と愛欲との予断に埋もれてしまい勝ちな、論理学成立以前の、単射や直示的定義を超えた、非法則的でコロニアルな愛である。プラトンは、善美によって導かれた、全体の経営と分割と再配列の正義と節制を尊重する。 近縁の過去の問題は、ヘシオドスとホメロスに代表される、顕著な先例とは距離を取る、ソロンの潮流を汲むプラトンのオーセンティックな活動の同一性については、詩と歴史との並行関係が指摘されている。数々の「プロトレプティコス」によって証言されるその陰影は、オルガノン樹立に先行する記念碑的著作と相補的なアリストテレスの著作群によって積極的かつ能動的に研究動向を指針付けている。</br> プラトンに至って開花した問題設定は、今日の基本姿勢と大きくは乖離することなく展開している。ヘレネスとプラグマティストによって指摘された、その指針策定についての問題は、呼応関係を示している。 ====概念の分析==== 事実主義的な合意に抵抗し、著された対話篇は、当初のランガージュの帰趨を超越し、ギリシャ人が獲得したギリシャ型の論理に到達する。プラトンによる、40に迫る主要な主題と現実的な選抜が、各研究者の指針との照応を許し、同様に、論理的言語的分析についても、徹底的な反省を視野に入れた建設的かつ肯定的な姿勢を示している。 対話篇の編纂は語彙の変動と時を同じくしていた。ロゴスに象徴されるストイケイオンの発見と継承発展は、人類が獲得した歴史である。ヘロドトスとアレクサンドロス3世が象徴する人類の共同体の経営負荷の変動は今後も人類の課題との並行関係を有するに違いない。 ====推論の検証==== 2者以上の対話の成立は、必ずしも、不動のランガージュを意味しない。既存論理学の範囲での検証が無意味とは言い切れない。推論の検証は、既存論理学と同等の範囲でのみ成り立つとは限らず、実証主義的な範囲での確認作業も過去に幾度も試みられている。 ==主要な研究領域== ===認識論=== ====知識==== 古代ギリシア以来の知識論では、主要な概念は、包括的な完全性を最大限内在している。主要な概念を原子的な要素とする知識論は、素朴かつ多様な資料を中間的な要素として成り立っている。 ====知覚==== 明晰な形で知覚することは、人生のシーケンシャルなディビジョンを特徴付ける。象徴的な知覚の解明に対する要求は、多様な研究業績を生んでいる。 ====認識==== 抽象的かつ言語的な要素を、知覚と類する体裁で獲得する過程が認識であると言える。その認識相互の関連性は、それ以上の認識にも通じている。 ====認知==== 各自の主体的な認識の限度を超えて、諸集団の認知についての学際領域が存在している。科学哲学の不整合を背景とした、哲学を含む諸科学の学際領域である認知科学である。認知科学における認知は、哲学以外の領域における[[力]]と[[情報]]の再配列を念頭に置く概念的な要素である。 ===形而上学=== T・M・ノックスがコリングウッドの研究で明らかにしたように、形而上学的生物学を形而上学的神学と同一視すると、その一つは無生物形而上学となる。形而下の明確な存在、対象、事象を超えて、人間が考察し理論化し知識や認識能力の拡充として認めることが可能な、形而下の抽象的な存在、対象、事象が検討可能である。コリングウッドは、キリスト教神学での感受性と知解作用により、唯一の行為者としての神への言及を正当化している。 プラトンが述べた、記憶の覚醒とも呼べる、産まれて来る以前のことについての研究の強力な勧めは、人類の活動一切の始源としての経営であり、その意味で理解することが可能である。プラトンの主著『国家』の中でも特に10巻で述べられる詩人追放論と称される絵画批判が分岐する明晰さの追求の途は、アリストテレスの主著『形而上学』でそのように述べられている。数学研究の応用的な領域でもある、厳密学や、数学についての還元主義である論理主義は、第一原因への言及等としてその源流の姿を伝えている。微積分の時代は背後状況としての教養の普及であり、ロゴスの集約としての表情を有している。実存主義者カール・ヤスパースは、包摂的かつ超越的な暗号として、歴史上の枢要時代と実存を解明する。 『聖書』は、ノアの名を借りて、神の創造とディアスポラの出来事を深刻な契機として記述している。現在の地球環境と人類の存在容態と各種の活動についても、創造と破滅についての理解が応用領域として存在している。思考の歴史として凡ゆる歴史を評価し考察するコリングウッドは、歴史の間隙から覗き見られる、死、頽落、戦争の深奥に、厳然としている推移の絶対的な存在を痛烈に描写している。 ====存在==== 経験論者は、世界内存在が謬見であることを主張し実証したが、存在一般の解明作業は依然として進展する余地を持つ。例えば、この世界の物資的な存在は、本当に単なる存在の普遍的な存在容態であるのかは、依然として示されてはいない。 ====自己==== 数多くの論者によってより良く理解されている事柄であるが、めいめいの自意識や生命体が、自分自身を識別し認知している状況で、その固有の自己を、期待に適合するかたちで、正当化することができない。それは、単なる物体がそれぞれ異なる存在容態であることとは異なるという予断が多いと同時に、そのような単なる物体に埋もれるかのように潜在してしまう。 人間の各員が期待し理想とする状況の解明や実践は、そこまでは実現していない。そのような過渡的な状況での各員の識別は不十分な状態に留まっている。 相互評価を重視する必要性がそもそも高くはなく、各員の主体的な決定を尊重することなどを踏まえると、不徹底が存在することは、容易に想像できる。 ===一大体系としての問い=== 中世には、国家全体で教育された自然に対する「沈黙」は、17世紀にはフランス科学アカデミーによって、中世の「諦念」の彼方を探求する途として指針付けられた。 中世の論理学によって生成した神の存在証明は、J・S・ミルによって、単なる高座からの批判に晒された。 ====神学==== 古代におけるアルケーの探求は、アレテイア探求の途の一端にもなる。一人称などの、具体的な現実を強力に克服することを伴うことがあり得る。そのような途についての配慮は、アリストテレスの『形而上学』にも、その表れを認めることができる。 ====自然哲学==== 近世の自然哲学の旗印の下、懐疑的な認識の途を再度吟味する学的研究がなされた。 ====科学哲学==== 現在では文転に代表される進学の動向としても存在する科学哲学の途がある。 ====認知科学==== 鈍化した自然科学による牽引を疑問視し、従来の哲学と諸科学の連携を重視することで発展した学際領域の一つが認知科学である。 ==近縁の研究領域== ===論理学=== 論理学は、論理の審問を行い、論理の普遍的な究明活動を目指す学問である。 ====論理==== 論理、論理の研究、論理学の存立、ディアスポラの論理と、それに拮抗すると見られる論理を偽装ないし誤認した対象並びに対象の要素の包括的かつ徹底的な研究が求められ、その経緯を伴いつつ、現在の研究動向の客観的な安定感の推移の存立を課題として残していると(も)見られる。 研究動向の客観的な安定感についての省察、再評価、価値と魅力、誘引の発展的かつ機能的な構造の解明作業の表象に対する、具体的かつ建設的な指摘が各専門的な人員の有用性のアピール等についての反省を踏まえて展開することを、条件次第では、念頭に置き考慮する。 尚、国家間の論理にまつわる相違、そして、言語間の論理にまつわる相違、それも具体的な相違が、各種の資料に対する影響力を有している。例えば、2023年には人口世界一となったインド共和国の外務大臣スブラマニヤム・ジャイシャンカルの著書『インド外交の流儀』は、よりプラクティカルな意味での論理を踏まえて、インドの論理に言及している。 排中律、誤謬、真理値もしくは論理値、二重否定、二重否定律、背理法、三段論法等の知識、理解、運用の能力、そして、それらについての、言い換えると、既存論理学についての認識が、広く言語運用と言語的活動にとっての接続性を有し、合理化や効率化といった有益性を持つ。 哲学では、歴史的な来歴を辿ると、逆説的で楽観的な吟遊詩人と扇情的なだけのソフィストによって公知のものとなった一定の類似性を認められる活動に対しての反対が、プラトンを代表とした2400年以上の伝統として、ロゴス・言語についての、真理観が厳然と存在している。 詰まり、哲学では、論理学者による論理の審問であってもその破壊能力を危険視し警戒する。その上で、哲学者たちの主体的な論理観に基き論理と言語を認め、言語観と言語の研究へも応用する。國分功一郎の中動態の研究もこれに相当する。1の5乗根が1であることと同じで、有限の存在としての人間が、寿命の限界を2倍にできないように、人生の結論の種類や強度を2倍にできないことを、フーコーが指摘した。 =====排中律===== 現実、試行、物理理論、そして亦、このようなことの先行研究が、同様の帰結に対しての情報を提供している場合、多少なりとも論理学的な案件が留意の対象であるとしても、それ以上の状況の進展が存在しない場合に基く。 論理学における論理学者の為の配慮と留保が、論理学者による論理学者の為の論理学の活用行為を誘発していることである場合にも、論理学者の私益の追求であっても、主体的かつ能動的な範囲で構成された理論が矛盾している場合であり、それに留まっていることが自明の理でありかつ逆理であり、その上で更に私益の追求であることが別の観点からも問題であることがある。 =====背理法===== 背理法は誤謬の一種である。背理法は、或る仮定が誤りであることに基いて、仮定が誤りであり、その結果として、そもそもの仮定の逆・裏・対偶の正しさを証明しようとする誤謬である。 ====推論==== 論理学の研究の過程で、推論が生じる。推論によって生じる支障を積極的に肯定し、論理の審問を重視するなら、状況次第では、多様な苦情を生じる。そのような状況を無視して、論理学の研究の都合を押し付けることはできない。 ====矛盾==== 論理学者の活動が必ず矛盾しないという保証が存在していない。論理学では、矛盾を、肯定ないし否定、もしくは、真ないし偽の観点から、構造上の必然性に基き、定義しようとしている。実生活では、それ以上の多様性を背景にした、欺瞞的な言い方を含めて、学術的な用語とは大なり小なりの相違を生じている。 ===倫理学=== 倫理学は、共同体における規範・規則・原理などの倫理的な事象を研究する学問である。道徳哲学、道徳学とも呼ばれ、哲学の一分野と見做されることがある。研究領域が有する客観的性質によって推移することもあるが、哲学者と倫理学者の主体性により今後の関係性が変動することは大いに有り得る。 哲学は、倫理学の主体的な拡充と牽引を意味しないという特徴を持つ。実践哲学とも称される倫理学は、根底に横たわる政治構造の問題により、実践哲学とも称される哲学の原義との本質的な対立へと発展するという課題がある。哲学と倫理学の共同研究には、幾つかの問題が必然的に生じる。その一つが比較哲学の問題である。比較哲学については、比較が単に有する性質が顕著に感受され、哲学の本質は全く見えて来ないという状態に堕してしまうことが、懸念される。 ====メタ倫理==== ====規範倫理==== ===美学=== 美学は、規範的な美の本質や原理、形式を究明する学問である。その学問は、美醜の問題と向き合いそれを乗り越える姿勢を尊重し、美の追求を理想とした学術的な審問により、美の問題と向き合う。研究対象には、規範的な美の偶有性を獲得した形態としての芸術の研究を含める。古くは審美学とも称した。 美学体系についての主体的な決定と美学体系の立脚と正当化については、ライプニッツよりも後に生まれたヒュームの研究動向の多様性とヒュームにのしかかった本質問題のイングランド本土での帰趨が関係している。学的研究領域の規範の研究への拡張は、美学の創始とも密接に関わり合っている。 美学者佐々木健一の研究姿勢についても、自由が介在する余地を視野に入れている。この事に関して、芸術家の自由の問題がある。セザンヌの例はあまりにも有名である。普仏戦争を戦わずに済ませ、絵を描いていた。新しくはハイデカーによって論じられた常識的かつ否定的な芸術論がある。芸術家各位の生誕が悲劇であり、芸術の本質が詩であること。歴史上の記念碑的な詩の来歴には、改竄を含む隠蔽があったこと。そして、ジルソンが引用したシラーの『芸術家』の一節が痛烈に否定している本質がある。 ウィトゲンシュタインの主著には、「倫理と美は一つである。」という節がある。プラトンの対話篇に始まる基幹的な伝統であり、規範理論についての正当化の姿勢としては最も顕著なものである。 ====芸術学==== 芸術学は、偶有性を獲得した諸芸術についての個別の実証主義的な研究の総称である。諸芸術家の技術知を超越した領域を擁する。 規範的な学問追求を本分とするからには、文字言語と音声言語による研究が中核になるが、キリスト教成立以降の伝統として、図像の研究を擁している。その一部は、図像学及び図像解釈学として形式化されている。図像学は、宗教的な背景に基いた、実践的な要素の原動力としてのアトリビュートと、一定の様式を示す実際の芸術を審問し、その生成・転化を問題とする。 解析学的研究ではなく、解釈学的研究であるから、芸術について、学問上の、愛好の追求と意思決定の徹底の両立を迫られる。試みに例を挙げれば、『葬送のフリーレン』における七崩賢のアウラであり、芸術学的な限界だと思われている。 ジョンロックが大著で指摘していることがある。被造物の芸術には幸福は無い。芸術には致命的な欠陥があるのだ。それは選択できないことである。芸術家はその専門性の選択を主張するが、芸術の部門の意味でも個別の作品の意味でも、期待するような意味は無い。言わば、真理は一つであり、虚偽は無数にある。芸術の部門と形式が数え切れないこともその傍証である。 現代の空洞化が何を意味するのかである。象徴的には、誰も頂点にはいない。同様に、素朴な図式が訴求力を持たない。原点の一つは疑い無く、ニューヨークチーズケーキである。コーンスターチの使用が陳腐化したことを示す1指標であると同時に、チーズケーキを用いて製造された新しいチーズケーキが意味する存在論的な機能である。歴史的な指標としての現実が、ウィトゲンシュタインの『論理哲学論考』とゲーデルの不完全性定理の信頼性と普遍性を証言する余地を有している。混同と同一視の特別な機能が失われたことは、哲学が獲得した分析性の傍証でもあり、アメリカ合衆国の継承と発展の先にある事柄については、ラッセルも言及している。 類縁領域には、美術史学、音楽史学、美術解剖学、博物館学などがある。 ===心の哲学=== [[ファイル:Wm james.jpg|thumb|right|150px|ウィリアム・ジェームズ(1842年-1910年)はアメリカ合衆国の哲学者、心理学者で、「プラグマティズム」の理論的な確立者で提唱者。]]  心の哲学の源流は118年前に出版されたジェイムズの主著『プラグマティズム』である。その副題も然ることながら、研究と教育の内部での完全性を重視しない人々の見解を基本とし、講壇の枢要としての立場に魅力を感じて貰うことを念頭に工夫したことも伝えている。ジェイムズは、アリストテレスに連なる伝統的な言語観に基き、自説を正当化する。一人一人の規模を大きく超過した話題については、提唱者との同一視が課題となる。「一と多」については、その視点が多い。<br>  民族や国民の単位で調和が成立していることと、民族や国民の単位で類似性が顕著に得られていることでは、やや相違がある。<br>  プラグマティズムでは、特定の見解を強固に確信することを積極的に避けることを重視する。ヨーロッパ哲学の伝統では独自の視点を掘り下げることとの対照で、理解することが可能である。<br>  背景は以下の2点がある。通俗的な出来事としては、そのような過度の確信による失敗が多く見受けられることと、理性的な視点では、プラグマティズムの格率が、多くのプラグマティストの福利に繋がるだろうことがある。 ====一元論====  ジェイムズの主著の第4章では、数学的方法の優越が見られる。エレア派などの古代の哲学学派の流れを汲む哲学問題であることをジェイムズは認める。該当書でも言及のある広義の数学者についても、同様のことがあった。その一部はインド哲学とも並行関係が認められることだろう。<br>  その「一と多」は、アリストテレスの主著『形而上学』の1924年のロスによる校訂本にも、1946年には出版されたラッセルによる世界初の『西洋哲学史』にも反映されている視点である。或る種の並行論を視野に入れつつ、その規模と影響力についての信頼性を獲得した哲学が哲学であることを同書で認めている。<br>  「その明白な事実」にも拘わらず、「一元論的な洞察」を誇示する人が現れる。世界は一つであると我々は主張する。世界というものが一つでなければ、世界ではあり得ない。経験論者も合理主義者も同様に、この種の抽象的一元論を主張することを、ジェイムズは唱える。<br>  ジェイムズは、「世界は一である。」という定式が特権を有する理由を検討すると、漠然とした信念に過ぎず、それが有する意味も我々には殆ど理解できないとしている。 ====二元論====  二元論にも幾つかの種類がある。  哲学では、パルメニデスに連なる二元論がある(パルメニデス 断片2、6)。プラトンに至るとそれが「恋敵達」となり、愛知の途としての哲学における愛の深さがはっきり示されている。  世界宗教では、ユダヤ教とイスラム教、そしてキリスト教が、一神教であり、ゾロアスター教が二神教的であるとされる。そこでゾロアスター教を例に取り説明を進める。ゾロアスター教では、善神と悪神の対立が語られる。創世に際して、創造神スンプタマンユはもう一人の創造神に出会う。結局、善を選択したのがスンプタマンユであり、悪を選択したのがアンラマンユであった。スンプタマンユとの対決で敗北したアンラマンユは、その後、盛り返す。その悪神はアーリマンと呼ばれ、ヘーゲルの『歴史哲学講義』3篇7節の結辞ともなっている。スンプタマンユはアムシャスプンタの筆頭となるがその神々は、同じくダエーワに対抗することになるヤザタに取って代わられる。ただし、アーリマンが生み出したアジダハーカは英雄に討滅されることが定まっているという。<br>  その神学的研究の一部は、ジェイムズの「一と多」に通じるものである。  日本思想では、東浩紀が自身の哲学の二元論を原点として認めていることが知られている。投機的姿勢を基本構造として理解される哲学と思想の構造分類に着手し、ガタリの視線的な分析によって分たれる領分までを思想の現実であると見做している。 ==学際的な研究領域== 学際的領域は、[[法学]]、[[倫理学]]、[[歴史学]]、[[言語学]]などの一部であると看做せる。[[教育]]、[[宗教]]以外にも、[[社会学]]、[[論理学]]、[[数学]]などとの学際領域もある。 ===言語哲学=== [[数学]]の双対になぞらえられる学際領域として、分析哲学を特徴付ける論理的言語的分析が存在している。形式的には、数学と論理学の学際領域としては[[数学基礎論]]があり、哲学と言語学の学際領域として言語哲学と言語学の哲学がある。それらとは異なる、ラッセルとウィトゲンシュタインが活躍した時代の分析哲学の言語哲学は、論理記号への着眼によって、ポテンシャルの理論を生成した。そして、ラッセルの中性一元論とクワインの全体論、ローティによって導かれた自然化、ブランダムによるプラグマティック不浄の生物としての解釈の研究の発見、プラトンの主著『国家』で示された[[絵画批判]]を源流とする明晰さの追求によって照らし出される[[音声中心主義批判]]の絵画批判との呼応関係の究明は概念相互の厳密な研究と結びつき、[[行為論]]の問題と哲学の諸問題の関連性を解明して来ている。これは知識論の認識論への発展とも関連する。単なる情報技術の骨子だったエピステモロジーは現代のエピステーメーにおいては、明晰さの高い諸観念の分析と定位など以外にも、行為と行動、現象と物質の分析にも関連付けられる。ブッヒャーの抽出とも関連するドイツ語の研究によって、認知科学とセントラルサイエンスの相違は、普遍性と個別性の研究の糸口にもなる。 ===歴史哲学=== [[戦争史]]と[[精神史]]に象徴される人類の歴史は、[[歴史哲学]]の問題も導いた。分析哲学における言語哲学の成立は、再帰性を重視する哲学、それも通史の研究を含めた、その全体に有効な境界領域の研究を生んでいる。 ===政治哲学=== 人類の構成と成果の蓄積、形質の分配と連合などによっても、政治の様態は相違している。具体的、偶有的な現実に従って相違することもある政治の現実には、理念的な背景と実際の都合なども存在し、純粋な哲学の主潮流とは必ずしも整合していない。 クーデターなどの際には、特異な状態の確認の問題などを含むとはいえ、本稿では、法解釈と統治機構に関する研究などのロースクール関連の研究領域と主題の多くを便宜的にまとめる。 ====法哲学==== 物々交換の時代に象徴されるように、緻密な明文法などの成立以前に、法律についての研究も、通貨経済についての研究も存在していた。ヘンリー1世の時代には、政策レベルでの通貨経済についての方策が実践されていた。その後の重商主義と重農主義の対立は有名で、それに続く、代表的な経済理論の実践者は、アダムスミスとケインズである。 [[国際法]]の無化とそれに準じる対応が象徴するように、法理学とも称された法哲学の周辺領域は多様であり、法学全般と相違する。現代では、法務以上には中間的な法行為論についての研究があり、サンデルや門脇俊介はその研究者である。 ====政治権力==== 先史時代には、力の図式によって、単純な形で合理化された組織体制によって創出された、墳墓などには装飾などの工作品が存在している。当事者による説明などの言説は、実質的には継承されておらず、細かなことは判明していない。 先行する自意識や行動の散在的な発生を含めて、第一人者に代表される合議を象徴とする歴史的な統治を認めることができる。分化・細分化によって、安定化・先鋭化した人間の職能が新たに獲得した欲求と衝動が、意味と価値を超えて、各種の闘争を産んでいる。時には、戦争によって、民族と国家の体制を変革し、技術を先鋭化した人類は、その過程と推移を隠蔽することによって、将来とその可能性を獲得して来た。 古代の詩作の一部は、統治体制と社会福祉の不完全性に由来する、需要と内的必然性と呼ぶべき欲求によって立脚され、人間の職能や外界の性質についての言及を生じ、分化的な側面のみならず、人類の総合的な始源としての有益性としての評価を獲得している。古代の詩作の一部は、統治者の名に帰せられるものがあり、屈原の『離騒』などはその代表格である。 『ベーオウルフ』と『マグナカルタ』の成立を経て、その後の[[王権神授説]]に連なる[[統治]]問題は、ホッブズの立脚にも類似する功利主義的圧迫を伴う執筆活動によって、ロックの『統治二論』となった。それはアメリカ合衆国の精神的な背景であるとも言われている。フッサールによって指摘されたヨーロッパ諸国の危機は、地盤であり、その後のアメリカ人による動向の創出とその安定化の背景には、情報の普及によって明らかになったアメリカ人の生存戦略があった。20世紀前半の終盤に生まれたポップコーンは、アメリカ人の市民生活を活気のあるものとし、人類の生活空間とその原理的な要素の成分の多くを支えている。 ====イデオロギー==== 中期ハイデカーが言及した、価値の転倒を前提とするその構造は、社会的な活動を覗いた政治的な活動にも関係して来る。こだわりや気骨を理論的に整理しても、各自が有する旗印が志向性を決定付けないので、理論上の限界が消失を決定的な形で印象付ける。 ====社会科学の哲学==== 社会科学の研究の多くは社会学の研究に集約する。現代では、社会科学の哲学の提唱が目指されている。純粋な哲学と[[科学]]的な[[技術]]の中間領域に存在するコント以来の混乱と矛盾は、ハーバーマスによっても言及されている。 ===経済哲学=== 『統治二論』によって預言された、グラスゴーのアダムは、ラッセルとウィトゲンシュタインが活躍した時代の分析哲学の周辺的な知識を支えた。 ===応用倫理学=== ===宗教哲学=== 宗教世界に先行した哲学は、キリスト教神学に準じる、キリスト教の枢機卿として、末期スコラ学の残影までに、非常に重要な展開を見せている。 ====神の存在==== 実体として措定された神の概念は、神格としての内容を有する各種の命題とその要素によって論理的に補填され、東ローマ帝国の芸術と文化に象徴される普遍的な充実を部分として持つ実践上の充実に繋がった。文芸的な内容の多くは、人類の殆どの分野へ応用され、博学、碩学以上の多様な成果となった。 ====信仰と理性==== 慈愛や福祉は、梃子の原理のような背後構造を必要とし、信仰生活の安定的な遂行の全般的な傾向としては、初期文芸復興美術での、歪みの予言として知られる要素としても知られる現象を生じ勝ちである。それは、信仰生活における理性の重要性を意味し、理性に基いた信仰生活のピラミッドは修養上の美的な徳であり、アルベルティも言及している。建設的かつ肯定的な生成と集約は合理的かつ効率的な経路を必要とする。 ===教育哲学=== 教育の衝動と向き合い、期待される教育を吟味し遂行する、職能上・職業上の責任や能力は、教育活動と教育学のみならず、各種の関連する分野とその分野を包摂する包括的な綜合についての抽象的な吟味、解明、分析、徹底といった原子論的な精神の構造的な遂行と連合する。その性質はその内容の理解のみならず、電荷、脳波、思考、思索、精神の歴史性と連合する。それは、力の均衡と対を成す、人間の原理、それも個人とその総体の原理の平衡と安定化を生成し、更なる高確度の精神作用を可能とする。それは情操教育全般以外にも、残りの領域にも影響する事柄である。 ==人物列伝== ===主要人物=== <gallery widths="100px" heights="140px" perrow="8"> ファイル:Socrates Louvre.jpg|ソクラテス(紀元前469年-399年)は古代アテナイの哲学者。自然哲学を研究し、アテナイのペロポネソス戦争に従軍した後に哲学者として思弁を深めた。根本的な質問を繰り返すことで相手に無知を自覚させる問答法(dialektike)を用いたことや、自らの知らない事柄の自覚である無知の知で知られる。自らの思想を著作として残していないがクセノフォンやプラトンの著作に記されている。 ファイル:Saint_Augustine_by_Philippe_de_Champaigne.jpg|アウグスティヌス(354年頃-430年)は人間主義の原点である中世の教父(神学者)兼哲学者。『パイドン』で予言さていた存在である上、イングランドの初代カンタベリー大司教であるカンタベリーのアウグスティヌス名前が同じであり、ヒッポのアウグスティヌスともヒッポの教父とも呼ばれる。本格的な聖書注解書の他、時間論、神に対する敬虔さ、ガイウス・ユリウス・カエサルに対する姿勢など、非常に多岐に渡る著作の執筆者としても知られている。 ファイル:John Locke.jpg|ジョン・ロック(1632年-1704年)はイギリスの哲学者。オックスフォード大学で教鞭をとり、イギリス革命のために一時国外で過ごすが後に帰国して研究を発表している。政治哲学において自由主義の古典的な理論を示す。著作には『人間悟性論』、『統治二論』、『寛容書簡』などがある。 ファイル:Spinoza.jpg|ベネディクトゥス・デ・スピノザ(1632年-1677年)は、デカルトに続く、学的哲学、数学的哲学の研究者。客観的な世界についての研究では、バークリーの先鞭ともなっている。 ファイル:Gottfried Wilhelm von Leibniz.jpg|ゴットフリート・ライプニッツ(1646年-1716年)は近代の復古的論理学と形而上学の確立者。分析哲学の源流の一。 ファイル:George_Berkeley.jpg|ジョージ・バークリー(1685年-1753年)はアイルランドの哲学者。プラトンの『メノン』の立場から、人間の本性について経験主義の立場を確立、功利主義的知見からその自著を批判的に評価した。 ファイル:David Hume.jpg|デイヴィッド・ヒューム(1711年-1776年)はスコットランドの哲学者であり歴史家。エディンバラ大学で哲学を学んだ後に職業を転々としながら著述活動は続け、イギリスの歴史に関する著作も発表する。経験主義の立場に立脚した人間本性の議論と因果律の必然性に対する懐疑論を示す研究業績を残している。著作には『人間本性論』、『道徳政治論集』などがある。 ファイル:Immanuel Kant (portrait).jpg|イマヌエル・カント(1724年-1804年)はプロイセンの哲学者。ケーニヒスベルク大学の哲学教授として研究を行い、三批判書の執筆を通じて近代哲学の大成に貢献する。従来の経験主義と合理主義を総合する立場に立った研究を行い、特に倫理学の議論をカント主義から基礎付けた。著作には『純粋理性批判』、『実践理性批判』、『判断力批判』などがある。 ファイル:Hegel portrait by Schlesinger 1831.jpg|ゲオルグ・フリードリヒ・ヘーゲル(1770年-1831年)はドイツの哲学者。純粋に思弁的な時空で、自己の哲学を学問として確立。 ファイル:Arthur Schopenhauer by J Schäfer, 1859b.jpg|アーサー・ショーペンハウアー(1788年-1860年)は、ドイツの哲学者。早期に現有へ到達し、その無意味を確認。自己の体系の下で再吟味を行い、死没の前年まで更新し続けた。 ファイル:Nietzsche1882.jpg|フリードリヒ・ニーチェ(1844年-1900年)はドイツの古典文献学者、哲学者。ソクラテス以前の哲学者に対する現代的な解釈を確立した。 ファイル:Edmund Husserl 1900.jpg|エトムント・フッサール(1859年-1938年)はオーストリアの哲学者。最初期の現象学者、形而上的には創始者である。マッハが否定的に評価し、物理的な研究を見送った領域を踏まえて、哲学を研究した。終期には、古典的な哲学と社会学的にも分岐した諸科学の危機にも論及した。 ファイル:Russell1907-2.jpg|バートランド・ラッセル(1872年-1970年)はイギリスの哲学者。イェール大学で哲学の博士号を取得し、スタンフォード大学で教鞭をとっていただけでなく、政治学や文化論にも参加した。ラッセルのパラドクスの発見に象徴される記号論理学の創造への貢献、論理学の意味論的研究と論理学の応用研究により、分析哲学の領域で最大の業績を残した。主な著作には『数学原理』、『表示について』、『論理的原子論』、『西洋哲学史』などがある。 ファイル:Heidegger 4 (1960) cropped.jpg|マルティン・ハイデガー(1889年-1976年)はドイツの哲学者。哲学の一般的かつ安定的な領域を強化したと捉えられる。哲学史的にはラッセルとシンクロしていた時期もある。 ファイル:Jean-Paul Sartre FP.JPG|ジャン・ポール・サルトル(1905年-1980年)はフランスの作家であり哲学者。現象学とは異なる観点から、従来であれば非本質的となる論点を提出した。 ファイル:Willard Van Orman Quine on Bluenose II in Halifax NS harbor 1980.jpg|ウィラード・ヴァン・オーマン・クワイン(1908年-2000年)はアメリカの哲学者。ハーバード大学でホワイトヘッドの下で学び、同大学の教授として哲学の研究と教育にあたった。カルナップの分析と綜合の区別を否定して分析哲学の領域で成果を残した研究者であり、論理実証主義の問題を指摘して翻訳の不確定性を定式化した。プラグマティストの一人として第一科学としての物理学について述べ、カントに端を発する諸様相を全面的かつ論理的に否定するとともに、論理としては一階古典述語論理のみを正当化する。主著には『論理的観点から』、『ことばと対象』などがある。 </gallery> === 周辺状況の証言者 === <gallery widths="100px" heights="140px" perrow="8"> ファイル:Anselm of Canterbury.jpg|アンセルムス(1033年-1109年) ファイル:St-thomas-aquinas.jpg|トマス・アクィナス(1225年頃-1274年) ファイル:William_of_Ockham.png|オッカムのウィリアム(1285年-1347年) ファイル:Santi di Tito - Niccolo Machiavelli's portrait.jpg|ニッコロ・マキアヴェッリ(1469年-1527年)はイタリアの行政官。 ファイル:Jean-Jacques Rousseau (painted portrait).jpg|ジャン・ジャック・ルソー(1712年-1778年)はスイス出身の哲学者、作曲家。 ファイル:Jeremy_Bentham_by_Henry_William_Pickersgill_detail.jpg|ジェレミー・ベンサム(1748年-1832年) ファイル:Mary Wollstonecraft by John Opie (c. 1797).jpg|メアリー・ウルストンクラフト(1759年-1797年)は、先駆的フェミニスト。 ファイル:JohnStuartMill.jpg|ジョン・スチュアート・ミル(1806年-1873年)はイギリスの哲学者。 ファイル:Kierkegaard.jpg|セーレン・オービエ・キルケゴール(1813年-1855年)はデンマークの思想家、哲学者。ヘーゲルと高い呼応関係をもつ象徴的な人生を背景とする。 ファイル:Karl Marx.jpg|カール・マルクス(1818年-1883年)はドイツの経済学者であり革命家、哲学者。 ファイル:Gregor Mendel 2.jpg|グレゴール・ヨハン・メンデル(1822年-1884年)はオーストリア帝国の司祭。遺伝についての生気論的な通説を否定、粒子遺伝を唱えた。生物の普遍語の研究を行ったのである。 ファイル:Dilthey1-4.jpg|ヴィルヘルム・ディルタイ(1833年-1911年)は、『精神現象学』の「精神」を具体的に述べた。 ファイル:Thomashillgreen.jpg|トマス・ヒル・グリーン(1836年-1882年)はイギリスの哲学者。オックスフォード大学で学位を取得し、同大学で哲学教授となった。ヘーゲルの影響を受けており、倫理学や政治哲学で正義を自由の概念で根拠付けた。著作に『倫理学序説』、『政治的義務の原理』など。 ファイル:Charles Sanders Peirce theb3558.jpg|チャールズ・パース(1839年-1914年)はアメリカ合衆国の哲学者。プラグマティックな経験主義の研究があり、後期フッサール以上に、絵画的で機械論的な要素を遺している。沢田允茂の論理学の研究書にも影響を与えている。誤謬についての行為論的な研究は、人間の素朴かつ直感的な行動の問題に着眼した、プラグマティズムの正当化である。 ファイル:Giuseppe Peano.jpg|ジュゼッペ・ペアノ(1858年–1932年)はイタリアの数学者。二階化された業績が数学の内部で認められている。分析哲学の発展にも貢献した。分析哲学における記号論理学の研究を開拓したフレーゲとの文通が残っている。 ファイル:Bust of Paul Johannes Tillich (daylight).JPG|パウル・ティリッヒ(1886年-1965年)はドイツの神学者。ベルリン大学で学んだが後にアメリカに亡命してハーヴァード大学などで教える。究極的なかかわりとしての宗教とその象徴としての神を論じ、現代の神学の理論を示した。著作には『体系的神学』、『誤謬の動態』などがある。 ファイル:Giovanni Gentile.png|ジョヴァンニ・ジェンティーレ(1875年-1944年)はイタリアの哲学者であり政治家。ピサ大学で学んだ後に各地の大学で講師を務めた後にファシズム政権に加わった。主体と客体や理論と実践の区分を否定し、純粋活動としての精神の理論を提唱した。著作には『芸術の哲学』、『社会の発生と構造』など。 |カール・マンハイム(1893年-1947年)はハンガリーの哲学者。 ファイル:Herbert Marcuse in Newton, Massachusetts 1955.jpeg|ヘルベルト・マルクーゼ(1898年-1979年) ファイル:AlfredTarski1968.jpeg|アルフレト・タルスキー(1901年-1983年)はポーランドの数学者・論理学者。ワルシャワ大学で学び、後にアメリカに移住した。意味論的な真理の理論的な発展をもたらす研究業績を残す。著作には『論理・意味論・メタ数学』などがある。 ファイル:Karl Popper.jpg|thumb|right|150px|カール・ポッパー(1902年-1994年) ファイル:Maurice Merleau-Ponty.jpg|モーリス・メルロ・ポンティ(1908年-1961年) ファイル:IsaiahBerlin1983.jpg|アイザイア・バーリン(1909年-1997年) ファイル:Alfred Jules Ayer.png|アルフレッド・エイヤー(1910年-1989年)は、イギリスの哲学者で、論理実証主義の代表者。該当分野や主題についての、本人の強さとの独立性に関して、体を張って格闘した。 ファイル::John Leslie Mackie.jpg|ジョン・マッキー(1917年-1981年)はオーストラリアの哲学者。オックスフォード大学で学び、オタゴ大学やシドニー大学などで研究を行う。メタ倫理学において道徳的な主観主義の議論を行い、また宗教哲学の領域でも業績を残した。著作には『真理、蓋然性、パラドックス』、『倫理学』などがある。 ファイル:Philosopher R.M. Hare at Princeton in 1957.jpg|リチャード・ヘア(1919年–2002年)はイギリスの哲学者。オックスフォード大学で学び、同大学とフロリダ大学で教える。一切の道徳的判断は究極的には選好の表現としての一般的な処世訓であることを論じた。主な著作には『道徳の言語』、『自由と理性』などがある。 ファイル:John Rawls (1971 photo portrait).jpg|ジョン・ロールズ(1921年-2002年)はアメリカの哲学者。 ファイル:Thomas Kuhn.jpg|トーマス・クーン(1922年-1996年) ファイル:Michael Dummett September 2004.jpg|マイケル・ダメット(1925年-2011年)はイギリスの哲学者、ナイト。フレーゲの研究でも有名。該当大学の講内には資料が無かったという。広範な理解は分析哲学の解明に大いに貢献した。叔父のアードレイは「世界内存在」が謬見であることを知る人物である。 ファイル:BernardWilliams.jpg|バーナード・ウィリアムズ(1929年-2003年)はイギリスの哲学者。オックスフォード大学で学び、同大学で教鞭をとった。倫理学の領域でカント主義と功利主義の非人格性に対する批判的な研究を行った。著作には『道徳性』、『倫理学と哲学の限界』などがある。 [[ファイル:Una foto en la ventana de Rorty en Barcelona.jpg|thumb|right|150px|リチャード・ローティ(1931年-2007年)はアメリカの哲学者。イェール大学で哲学の博士号を取得し、スタンフォード大学で教鞭をとっていただけでなく、政治学や文化論にも参加した。プラグマティズムの方法を発展させるプラグマティズムの立場から近代哲学の認識論に対する批判と新プラグマティズムの立場を展開したことで業績が認められている。主な著作に『哲学と自然の鏡』、『哲学の脱構築』、『偶然性・アイロニー・連帯』などがある。]] ファイル:John searle2.jpg|ジョン・サール(1932年生)はアメリカの哲学者。ウィスコンシン大学で学び、カルフォルニア大学で教授となる。言語哲学において言語行為の理論を提唱し、心を情報処理の機能から研究することについて批判している。著作には『言語行為』、『心・脳・科学』などがある。 ファイル:Kripke.JPG|ソール・クリプキ(1940年-2022年)はアメリカの哲学者。ハーヴァード大学で学んだ後にニューヨーク市立大学大学院センターで教育にあたる。言語哲学や形而上学の領域だけでなく、真理理論についてモデル論理を提唱することで業績を残す。著作には『名指しと必然性』、『ウィトゲンシュタインのパラドックス』などがある。 ファイル:Singer1.jpg|ピーター・シンガー(1946年生)はオーストラリアの哲学者。メルボルン大学で学び、プリンストン大学で教鞭をとっている。差別の道徳的特性についての研究から動物の権利の原因を明らかにしたことで知られる。著作には『動物の権利』、『実践の倫理』などがある。 </gallery> [[カテゴリ:哲学・思想|てつかくかいろん]] 60ntfwjgzwa8k0v2gbluj9cpe3e7p23 言語学 0 13858 276307 235828 2025-06-28T13:40:20Z Tomzo 248 276307 wikitext text/x-wiki {{Pathnav|メインページ|人文科学|frame=1}} {{stub|言語}} {{Wikipedia|言語学}} {{wikiversity|School:言語学|言語学}} {{NDC|800}} {{進捗状況}} このページ ([[{{PAGENAME}}]]) には、言語学の教科書が集められています。 == 書庫 == === 言語学の分類 === * [[言語学概論]]{{進捗|00%|2023-09-25}} ** 言語を科学的に研究するとはどのようなことでしょうか。言語研究の目的、意義、分野、理論と方法について学びます。 * [[歴史言語学]] * [[音声学]]{{進捗|00%|2023-09-25}} * [[音韻論]] * [[形態論]] * [[統語論]]{{進捗|00%|2023-09-25}} * [[意味論]] * [[生成文法]]{{進捗|00%|2023-09-25}} * [[認知言語学]] * [[言語類型論]] * [[手話言語学]] * [[社会言語学]] * [[文字論]] * [[言語学史]] === 初歩 === * [[言語学の初歩]]{{進捗|00%|2023-09-25}} === 言語史 === * [[日本語史]]{{進捗|00%|2023-09-25}} [[Category:人文科学]] [[Category:言語学|*]] [[Category:書庫]] {{DEFAULTSORT:けんこかく}} o29vc6x6zu51roysfl1ixxos6p36653 正規表現 0 14125 276371 242386 2025-06-28T22:50:10Z Tomzo 248 /* 関連書籍 */ 276371 wikitext text/x-wiki <small>{{Pathnav|工学|情報技術|プログラミング}}</small> {{Wikipedia}} 正規表現(''regular expression'')とは、文字列のマッチパターンを表現する方法です。 正規表現を使うと、テキスト・データ・レコード内の特定のパターンにマッチする文字列を探し出して修正することができ、テキスト・データを操作するユーティリティ・プログラムやプログラミング言語でよく使われます。 正規表現は非常に強力です。 しばしば混同されるのですが、シェルなどのワイルドカードとして知られる [[w:グロブ|glob]] とは異なります。 == 文法 == ここでは特定のプログラミング言語やソフトウェアによらない基本的な正規表現の文法を解説し、個々の文法や具体的なパターンマッチの方法についてはそれぞれの言語やソフトウェアのページに譲ります。 POSIX(Portable Operating System Interface)は、異なるUNIX系システム間で互換性を確保するための標準インターフェースです。POSIX正規表現は、この標準の一部として採用された正規表現の規則です。 基本的なPOSIX正規表現は、基本的なパターンマッチング機能を提供します。文字や文字列のパターンを指定してマッチングを行う際に、特定のメタ文字(.、*、^、$など)を使用します。ただし、特定の拡張機能は提供されません。 一方、POSIX拡張正規表現は、より多くの機能を提供します。例えば、基本正規表現にはない文字クラスや量指定子の拡張が含まれます。この拡張は、より複雑なパターンのマッチングや検索を可能にし、より柔軟な操作ができます。 基本正規表現と拡張正規表現の主な違いは、提供される機能の範囲にあります。基本正規表現は、シンプルなパターンマッチングに使われることが一般的ですが、複雑なマッチングやパターン操作を行う場合は拡張正規表現の利用が推奨されます。 === POSIX基本正規表現のメタ文字の一覧 === {| class="wikitable" |+ POSIX基本正規表現のメタ文字の一覧 ! メタ文字 ! 解説 |- ! . | 任意の1文字にマッチする。たとえば <code>.ook</code> という正規表現は "book" や "cook" などにマッチする。文脈によっては改行文字にマッチする場合もある。 |- ! * | 直前の正規表現の0回以上の繰り返し。たとえば <code>.*</code> という正規表現は任意の1文字の0文字以上の繰り返しなので、すべての文字列にマッチする。 |- ! ^ | 行頭にマッチする。例えば <code>^Wikipedia</code>は<code>Wikipedia</code>と<code>Wikipedia日本語版</code>にマッチするが、<code>日本語版Wikipedia</code>にはマッチしない。 |- ! $ | 行末にマッチする。例えば <code>Wikipedia$</code>は<code>Wikipedia</code>と<code>日本語版Wikipedia</code>にマッチするが、<code>Wikipedia日本語版</code>にはマッチしない。 |- ! [string] | 文字列stringに含まれる任意の1文字にマッチする。たとえば <code>[bcl]ook</code> は "hook" と "sook" にはマッチしないが、"book" と "cook" と "look" にマッチする。 |- ! [^string] | 文字列stringに含まれない任意の1文字にマッチする。たとえば <code>[^bcl]ook</code> は "hook" と "sook" にはマッチするが、"book" と "cook" と "look" にマッチしない。 |- ! [S-E] | 文字Sから文字Eの間の任意の1文字にマッチする。たとえば、<code>[A-C]</code> は "A" "B" "C" にマッチする。 |- ! [^S-E] | 文字Sから文字Eの間にない任意の1文字にマッチする。たとえば、<code>[^A-C]</code> は "A" "B" "C" 以外にマッチする。 |} ;例: * <code>^abc</code>: "abc"で始まる行にマッチ。 * <code>abc$</code>: "abc"で終わる行にマッチ。 * <code>a[bc]</code>: "a"の後に"b"か"c"が続く文字にマッチ。 * <code>a[^bc]</code>: "a"の後に"b"か"c"以外の文字が続く文字にマッチ。 * <code>ab*</code>: "a"の後に"b"が0回以上続く文字列にマッチ。 * <code>a\{2,4\}</code>: "a"が2回以上4回以下続く文字列にマッチ。 これらは基本的なPOSIX正規表現の一部です。特定の実装や環境によっては、異なる挙動をすることがありますので、詳細はその環境のドキュメントを参照することをお勧めします。 === POSIX拡張正規表現での追加メタ文字の一覧 === {| class="wikitable" |+ POSIX拡張正規表現での追加メタ文字の一覧 ! メタ文字 ! 解説 |- ! \ | メタ文字の意味を打ち消し、メタ文字自身を表す。 |- ! <nowiki>?</nowiki> | 直前の正規表現の0回または1回の繰り返し。直前の文字があってもなくてもマッチすることを意味する。たとえば <code>s?he</code> は "she" と "he" にマッチする。 |- ! + | 直前の文字の1文字以上の繰り返し。たとえば <code>Goo+gle</code> という正規表現は "Google" や "Gooogle"、"Goooooooogle" などにマッチするが、"Gogle" にはマッチしない。 |- ! regexp1<nowiki>|</nowiki>regexp2 | regexp1またはregexp2にマッチする。 |- ! (regexp) | 正規表現をグループ化する。括弧の中の文字列を1つのかたまりとして扱う。たとえば <code>Wiki(books)?</code> は "Wiki" または "Wikibooks" にマッチする。 |- !regexp{m,n} |regexpのm回以上n回以下の繰り返し。たとえば、<code>we{2,4}k</code> は "week" "weeek" "weeeek" にマッチする。 |} ;例: * <code>(abc|def)</code>: "abc"または"def"にマッチ。 * <code>a(bc)+</code>: "a"の後に"bc"が1回以上続く文字列にマッチ。 * <code>a?b</code>: "b"または"ab"にマッチ。 * <code>(abc)\1</code>: "abcabc"にマッチ。 * <code>a\|b</code>: "a"または"b"にマッチ。 * <code>a\+</code>: "a+"にマッチ。 これらのメタ文字は、基本的な正規表現を拡張し、より複雑なパターンのマッチングを可能にします。しかし、環境によってはサポートされない場合があるため、実際の挙動を確認するためにはその環境のドキュメントを参照することが重要です。 == サポートしているソフトウェア == 正規表現は、コマンドラインツール、プレーンテキストエディタ、プログラミング言語など、さまざまなソフトウェアツールでサポートされています。 これらのツールのほとんどは、Unix、Linux、Windows、Mac OS Xなどの様々なコンピューティングプラットフォームで利用できます。 これらのツールは、それぞれ微妙に異なる構文を採用しています。いくつかの注目すべきものを見てみましょう。 正規表現を使用するツールは以下の通りです。 ; コマンドラインツール : grep : egrep : sed : awk ; プレーンテキストエディタ : ed : vi(ex) : emacs ; プログラミング言語 : [[Java]] : [[JavaScript/正規表現|JavaScript]] : [[Perl/正規表現|Perl]] : [[PHP]] : [[Python#正規表現|Python]] : [[Ruby]] : Tcl 正規表現は、より大きなテキストセットからサブセットを見つけたり、分離したりする小さなコンピュータプログラムと考えることができます。 通常のコンピュータプログラムがそれを実行するためにコンピュータを必要とするのと同じように、正規表現はそれを解釈し、意味を与えるためのソフトウェア・アプリケーションを必要とします。 == PCRE == PCRE(Perl Compatible Regular Expressions)は、Perlと互換性のある正規表現ライブラリです。これは、Perlの正規表現エンジンを元にして作られ、C言語で実装されています。PCREは、多くのプログラミング言語やツールで利用できるようになっており、さまざまな環境で正規表現を利用する際の基盤として広く採用されています。 PCREは、POSIX正規表現と比べて機能が豊富で、Perlとの互換性を持っているため、より複雑なパターンマッチングや文字列操作が可能です。文字クラス、量指定子、キャプチャなど、様々な拡張機能が含まれており、高度なパターンマッチングを実現します。 このライブラリは、C言語をベースにしているため、C言語を使用するプログラムだけでなく、Python、PHP、JavaScriptなどの多くのプログラミング言語でもPCREの機能を利用することができます。 PCREは、柔軟性とパワフルな機能を提供することから、広く使われています。 === PCRE1とPCRE2 === PCRE(Perl Compatible Regular Expressions)は、バージョン1(PCRE1)とバージョン2(PCRE2)の2つのメジャーバージョンがあります。 PCRE1は初期のバージョンであり、多くのシステムで広く利用されています。これはPerlとの互換性を重視し、多くの機能を提供していますが、いくつかの制約や改善の余地がありました。 PCRE2は、PCRE1の改良版であり、より多くの新機能や改善が追加されています。PCRE2では、性能の向上、メモリ効率の改善、新しい機能の追加などが行われています。UTF-16/UTF-32サポート、改良されたバックトラックエンジン、より大規模なパターンのサポートなどがその特徴です。 PCRE2は、より最新の機能やパフォーマンスを求める場合に選択されることがありますが、PCRE1はまだ多くのシステムやプロジェクトで使用されています。選択肢は使用環境やニーズによって異なりますが、PCRE2はPCRE1の機能拡張版として、多くの点で改良されています。 == PCRE以外の正規表現エンジン == PCRE以外にも多くの正規表現エンジンが存在します。それらは、さまざまなプログラミング言語や環境で使用されています。いくつかの代表的な正規表現エンジンを以下に挙げます: #JavaScriptの正規表現エンジン:JavaScriptには、組み込みのRegExpオブジェクトがあります。このエンジンは、ブラウザやNode.jsなどのJavaScriptランタイムで使用され、パターンマッチングや置換などの機能を提供します。 #Pythonのreモジュール:Pythonのreモジュールは、正規表現をサポートするための組み込みモジュールです。このモジュールは、Pythonの標準ライブラリに含まれており、パターンマッチングや置換、検索などの機能を提供します。 #Javaのjava.util.regexパッケージ:Javaでは、java.util.regexパッケージが正規表現をサポートしています。このパッケージを使用することで、Javaプログラム内でパターンマッチングや置換を行うことができます。 #Rubyの正規表現エンジン:Rubyには、組み込みの正規表現エンジンがあります。これは、Ruby言語で正規表現を利用するための機能を提供します。 #Perlの正規表現エンジン:Perlは、正規表現の機能が最初に広く使われた言語の一つであり、その正規表現エンジンは非常に強力で柔軟です。 これらの正規表現エンジンは、それぞれ言語や環境に組み込まれており、その特性や機能、使いやすさが異なる場合があります。特定のニーズや使用する言語に応じて、適切な正規表現エンジンを選択することが重要です。 == C言語で正規表現を使う例 == C言語で正規表現を使うためには、通常、regex.hヘッダーファイルを使用し、正規表現ライブラリ関連の関数を利用します。 以下は、簡単な正規表現を使った文字列のマッチングの例です。 :<syntaxhighlight lang=c> #include <stdio.h> #include <stdlib.h> #include <regex.h> int main() { regex_t regex; // 正規表現パターン char *pattern = "Hello.*world"; // 正規表現のコンパイル int reti = regcomp(&regex, pattern, 0); if (reti) { fprintf(stderr, "正規表現のコンパイルエラー\n"); exit(EXIT_FAILURE); } // マッチング対象の文字列 char *str = "Hello beautiful world"; // 文字列のマッチング reti = regexec(&regex, str, 0, NULL, 0); if (!reti) { printf("文字列 '%s' はパターンにマッチします\n", str); } else if (reti == REG_NOMATCH) { printf("文字列 '%s' はパターンにマッチしません\n", str); } else { char msgbuf[100]; regerror(reti, &regex, msgbuf, sizeof(msgbuf)); fprintf(stderr, "正規表現の実行エラー: %s\n", msgbuf); exit(EXIT_FAILURE); } // 正規表現の解放 regfree(&regex); return 0; } </syntaxhighlight> ;実行結果:<syntaxhighlight lang=c> 文字列 'Hello beautiful world' はパターンにマッチします </syntaxhighlight> この例では、regcomp()で正規表現をコンパイルし、regexec()で文字列をマッチングしています。regcomp()やregexec()はエラーチェックが重要です。regfree()を使用して最後にメモリを解放することも重要です。 正規表現のパターンやマッチング対象の文字列を変更することで、別のマッチングを試すことができます。また、正規表現のオプションを変更することで、マッチングの挙動を制御することも可能です。 == 関連書籍 == * [[JavaScript/RegExp]] * [[Perl/正規表現]] * [[Python#正規表現]] * [[UNIX/Linux入門#正規表現]] * [[物理学のための計算機とオープンソース#正規表現]] {{DEFAULTSORT:せいきひようけん}} [[Category:コンピュータ言語]] [[Category:計算機科学]] [[カテゴリ:正規表現|*]] {{stub|it}} 4o1odpffenuawv1ge0poo491734r0sm センター試験 地理対策 0 15190 276309 104168 2025-06-28T14:15:25Z Tomzo 248 276309 wikitext text/x-wiki *[[日本の大学受験ガイド]] > [[センター試験 地理歴史対策]] > センター試験 地理対策 == 総説 == == 地理全体の出題について == == 各説 == *[[センター試験 地理A対策]] *[[センター試験 地理B対策]] {{stub|高}} [[Category:センター試験|ちりたいさく]] [[Category:分岐ページ|せんたあしけん ちりたいさく]] mco0mnbcmr4qq9r7lfs6of710w0wnek Lojban For Beginners 日本語訳/11のまとめ 0 15244 276323 275775 2025-06-28T15:37:55Z Tomzo 248 276323 wikitext text/x-wiki この章では *論理的接続 *非論理的接続(joi) *sumti 接続(.a .e .o .u .onai .anai) *tanru 接続(ja je jo ju jonai janai) *述語接続(gi'a gi'e gi'o gi'u gi'onai gi'anai) *論理接続の疑問(ji je'i gi'i) を学びました。 {{stub|言語}} [[Category:ロジバン|11のまとめ]] 3bz6zer5j4cak36cgz8t9c3zbspp1rs Scheme/継続の種類と利用例 0 16222 276315 227767 2025-06-28T15:25:14Z Tomzo 248 /* 脚注 */ 276315 wikitext text/x-wiki ==Introduction== このセクションでは、継続を用いたプログラムを実際に動かしてみる。教科書の例題を解くためだけでなく、制御処理の仕組みを継続を活用して作ったり、既存のライブラリの動作をカスタマイズすることで実用的なプログラミングに応用できるようになることを目指す。また、処理系における実装の方法についても触れ、継続呼び出しのパフォーマンスについても考察する予定。 ==call/cc== ===導入=== '''call/cc'''は、<font style="color:#66cc66;">(</font><font style="color:#B1B100;">call/cc</font> ''proc''<font style="color:#66cc66;">)</font> 式を評価した後すべき計算を、継続オブジェクトとして ''proc'' に渡す手続きである。 この継続オブジェクトは、C言語で考えると <font style="color:#66cc66;">(</font><font style="color:#B1B100;">call/cc</font> ''proc''<font style="color:#66cc66;">)</font> を評価した後の処理へgotoするマクロ、もしくは <font style="color:#66cc66;">(</font><font style="color:#B1B100;">call/cc</font> ''proc''<font style="color:#66cc66;">)</font> を評価したときに setjmp() によってマークした地点に longjmp() によって移動する関数に似ている。しかし、call/ccで渡される継続オブジェクトには、式の評価がどの関数から呼ばれたのかが記録されていて、''proc'' が呼び出した関数からはもちろん、外側の[[w:動的スコープ|動的スコープ]]からでも呼び出せる点で、より強力である。 なお、R5RSでは'''call-with-current-continuation'''という手続き名で仕様が決められているが、ほとんどの処理系で略称のcall/ccを使える。 ===ループ脱出=== まずは一番簡単な例から紹介する。C 言語のbreak文やreturn文のように、行うべき続きの処理をスキップして、call/ccの外側まで移動することができる。 <syntaxhighlight lang="scheme"> (call/cc (lambda (break) (let loop () (display (* 2 (let ((x (read))) (if (number? x) x (break "input error!"))))) (newline) (loop)))) </syntaxhighlight> ===ループ=== call/ccでの継続を呼び出すことで、行うべき続きの処理を以前の状態に巻き戻すことができる。 以下は人工的な例に感じられるかもしれないが、継続呼び出しによる巻き戻しを用いてループを行っている。<syntaxhighlight lang="scheme"> (let ((x (call/cc (lambda (c) (cons c 4))))) (cond ; 継続呼び出しを行わなければ、値を返してプログラムは終了する。 ((= (cdr x) 0) #t) ; x を表示した後、(car x)に保存されている継続を呼び出す。 (else (display x) (newline) ((car x) (cons (car x) (- (cdr x) 1)))))) </syntaxhighlight> 出力は、以下のようになる。 <pre> (#<continuation> . 4) (#<continuation> . 3) (#<continuation> . 2) (#<continuation> . 1) </pre> ===コルーチン・マイクロスレッド・ジェネレータ=== ここまでの例で、継続の呼び出しはgoto文の実行と同じようなものだという感覚が分かったと思う。ここではより複雑な例として、コルーチン・マイクロスレッド・ジェネレータを取り上げる。これらは処理の途中で継続を保存して、必要な時に継続を呼び出して再開する仕組みを持っている。 [[w:ジェネレータ (プログラミング)|'''ジェネレータ''']]は「中断可能な関数」のようなものである。ジェネレータの内部でyieldが呼び出されると処理が一旦中断し値が返されるが、その後ジェネレータをもう一度呼び出すことでyieldした位置から処理を再開することができる。これをcall/ccを使って実装してみる。今回は動作確認のため、ジェネレータで[[w:ハノイの塔|ハノイの塔]]の円盤を中断/再開しつつ移動してみることにする。 <syntaxhighlight lang="scheme"> (define yield #f) ;ジェネレータの実装 (define (make-generator thunk) (define state (cons thunk '())) (define (run-generator) (set! state (call/cc (lambda (return) (set! yield (lambda (x) (call/cc (lambda (c) (return (cons c x)))))) (apply (car state) (cdr state)) (return (cons values '(#f)))))) (apply values (cdr state))) run-generator) ;ハノイの塔の円盤を、fromからtoへn個動かす。 ;towersは塔のリストで、塔は上から順に並べた円盤のリストである。 (define (hanoi n from to tmp towers) (if (= n 0) towers (let* ((t1 (hanoi (- n 1) from tmp to towers));まずn-1個の円盤をfromからtmpに動かす。 (t2 (yield (move t1 from to)))) ;n個目の円盤をfromからtoへ動かし、一旦中断する。 (hanoi (- n 1) tmp to from t2)))) ;その後、n-1個の円盤をtmpからtoへ動かす。 ;ハノイの塔の一番上の円盤をfromからtoに移動する。 (define (move lis from to) (define (moved-tower lis from to index) (cond ((= index from) (cdr (list-ref lis from))) ((= index to) (cons (car (list-ref lis from)) (list-ref lis to))) (else (list-ref lis index)))) (let loop ((n 0)) (if (= n (length lis)) '() (cons (moved-tower lis from to n) (loop (+ n 1)))))) (define hanoi-generator (make-generator (lambda () (hanoi 5 0 1 2 '((0 1 2 3 4) () ()))))) </syntaxhighlight> このジェネレータは以下のように呼び出すことができる。 > (hanoi-generator) ((1 2 3 4) (0) ()) > (hanoi-generator) ((2 3 4) (0) (1)) > (hanoi-generator) ((2 3 4) () (0 1)) > (hanoi-generator) ((3 4) (2) (0 1)) > (hanoi-generator) ((0 3 4) (2) (1)) ... > (hanoi-generator) (() (0 1 2 3 4) ()) > (hanoi-generator) #f > (hanoi-generator) #f ... このジェネレータを呼び出すと、 # 呼び出し元に戻る継続をreturnに束縛する。 # 計算の続き(継続)と返り値をstateに保存し、returnによってジェネレータの呼び出し元に戻るような関数をyieldに保存する。 # stateに保存されていた計算の続きを計算する。 # 計算が終了したら、返り値#fをreturnする。続きの計算はなくなったので、恒等関数valuesを代わりにセットしておく。 という処理が行われる。保存されている「計算の続き」にはジェネレータ内部 (''thunk'') でなされる計算だけでなく、以前ジェネレータを呼び出した呼び出し元の情報までもが保存されているが、実際にはその継続が呼ばれる前にreturnしてしまうので、その情報は使われることはない。 '''[[w:イテレータ|外部イテレータ]]'''とは、Pythonのイテレータやfor文、JavaのIterator.next()メソッドのように、手続きを呼び出すごとに次々とデータを探索する手続きやオブジェクトである。このようなものをジェネレータを用いて書くことができる。 (書きかけ) '''マイクロスレッド'''、もしくは[[w:ファイバー (コンピュータ)|'''ファイバー''']]は、軽量なスレッドの実装である。一定時間が経過すれば自動的に次のスレッドに切り替わる普通の[[w:プリエンプィブ|プリエンプィブ]]なスレッドと異なり、処理があらかじめプログラムに記述された中断点に達した時に初めて次のマイクロスレッドが呼び出されるようになっている。マイクロスレッドは[[w:スレッド (コンピュータ)|ユーザ空間に実装されたスレッド]]であり、クロックによるハードウェア割り込みも使われないのでスレッド切り替えのオーバヘッドが少なく、1ステップが非常に短い処理を短時間のうちに多数こなすことができる。Schemeにおいてはネイティブスレッドの代替としてマルチタスクの簡易な実装として紹介されていることも多いが、ゲームでオブジェクトを多数移動させるなどの切り替えの多い処理をおこなうときに、真価を発揮する。 マイクロスレッドの実装は停止/再開可能な手続きという点ではジェネレータと違いはなく、同じように実装できる。加えて、スレッドを[[w:ラウンドロビン・スケジューリング|ラウンドロビン]]で実行するための簡易的なスケジューラを書く。 <syntaxhighlight lang="scheme"> (define yield #f) (define running-threads '()) ;ジェネレータから名前を変えただけ。 (define (make-microthread thunk) (define state (cons thunk '())) (define (run-microthread) (set! state (call/cc (lambda (return) (set! yield (lambda x (call/cc (lambda (c) (return (cons c x)))))) (apply (car state) (cdr state)) (return (cons values '(#f)))))) (apply values (cdr state))) run-microthread) ;スケジュールに追加する。 (define (start-microthread proc) (set! running-threads (cons proc running-threads))) ;running-threadsを順番に呼び出すだけの手続き。 (define (microthread-main-loop) (let loop () (for-each (lambda (x) (x)) running-threads)) (loop))) </syntaxhighlight> 以下のように使用される。 (書きかけ) 複数の通常スレッドの内部にそれぞれ多数のマイクロスレッドを所属させることもできる。この手法はマルチコアCPUを有効に活用するために必須である。以下ではsrfi-18のスレッドがネイティブスレッドで実装されている処理系([[w:Gauche|Gauche]]など)を対象に、次のようなコードを書いてみる。 (書きかけ) ===バックトラッキング=== '''[[w:バックトラッキング|バックトラッキング]]'''は[[w:非決定性オートマトン|非決定性オートマトン]]を実行する手法の一つである。バックトラッキングを使って、n-Queen問題や数独などの論理パズルを解くプログラムや、文字列を[[w:正規表現|正規表現]]にマッチするプログラムを書くことができる。バックトラッキングのアルゴリズムは、以下のようになる。 (状態遷移図を書く) # 次に行うべき処理(オートマトンの状態の遷移先)が複数ある場合、分岐点を一旦保存した後、とりあえず一つの分岐先を選んで次のステップの処理を実行する。 # その分岐先で解が見つかった場合、その結果を出力し、プログラムは終了する。 # 分岐先で解が見つからなかった場合は、保存されていた分岐点へ戻り、他の選択肢が試される。 「分岐点を保存」という文句を読んで、ここにはcall/ccでの継続取り出しが使えそうだと直感したなら、継続の意味や応用の方法はもう分かってきているのだと思う。実際、call/ccを用いることで、普通のSchemeプログラムとバックトラッキングを融合させ、解の探索プログラムを簡潔に表現することができる。 <syntaxhighlight lang="scheme"> (define (fail) #f) (define (amb-proc . x) (define former-fail fail) (if (null? x) (fail) (call/cc (lambda (return) ; 分岐点 (set! fail (lambda () ; 選ばなかった選択肢を保存 (set! fail former-fail) (return (apply amb-proc (cdr x))))) (return ((car x))))))) ; 一つの選択肢を返す </syntaxhighlight> 実用的には、amb マクロを実装すると、遅延評価のために(lambda () ...)を書く必要がなく便利である。 <syntaxhighlight lang="scheme"> (define-syntax amb (syntax-rules () ((_) (amb-proc)) ((_ value ...) (amb-proc (lambda () value) ...)))) </syntaxhighlight> 使用例: <syntaxhighlight lang="scheme"> (display (let ((i (amb 1 2 3)) (j (amb 3 4 5))) (if (= (* i i) j) (cons i j) (amb)))) ; => (2 . 4) </syntaxhighlight> これを使って、数独を解くプログラムを作る。 初めに、問題の表し方を決める。?は空欄を表す。 <syntaxhighlight lang="scheme"> (define problem '( (5 3 ? ? 7 ? ? ? ?) (6 ? ? 1 9 5 ? ? ?) (? 9 8 ? ? ? ? 6 ?) (8 ? ? ? 6 ? ? ? 3) (4 ? ? 8 ? 3 ? ? 1) (7 ? ? ? 2 ? ? ? 6) (? 6 ? ? ? ? 2 8 ?) (? ? ? 4 1 9 ? ? 5) (? ? ? ? 8 ? ? 7 9))) </syntaxhighlight> (問題は[[commons:File:Sudoku-by-L2G-20050714.svg]]より) 次に、与えられたパターンが数独のルール(行、列、3x3ブロックの中ではすべて異なる) を満たしているかどうか判別する関数を書く。 <syntaxhighlight lang="scheme"> ; srfi-1 を使います (require 'srfi-1) ; リスト中の数字(1~9)が全て異なれば #t を返す (define (unique x) (define check (make-vector 10 #t)) (define (loop x) (if (null? x) #t (cond ((eq? (car x) '?) (loop (cdr x))) ((vector-ref check (car x)) (vector-set! check (car x) #f) (loop (cdr x))) (else #f)))) (loop x)) ; (group n (1 2 3 ... )) => ((1 2 ... n) (n+1 n+2 ... 2n) ...) (define (group count lis) (if (null? lis) '() (cons (take lis count) (group count (drop lis count))))) ; matrix が数独のルールを満たしていれば #t を返す (define (sudoku-check matrix) (and ; 行のチェック (every unique matrix) ; 列のチェック (every (lambda (x) (unique (map (lambda (row) (list-ref row x)) matrix))) (iota 9)) ; 3x3 ブロックのチェック (every (lambda (three-rows) (every (lambda (x) (unique (append-map (lambda (row) (list-ref row x)) (map (lambda (row) (group 3 row)) three-rows)))) (iota 3))) (group 3 matrix)))) </syntaxhighlight> 最後に、 * 空いている空欄を一つ選んで、数字に置き換える * 数独のルールに合致しているかどうか確認する を繰り返すプログラムを書く。 空きマスを置き換える数を(amb 1 2 ... 9)にしているので、一旦1を埋めて次にすすみ、その後どのようにマスを埋めて行っても数独のルールを満たすパターンを見つけられなかった場合は、2を選んで次に進む、という動作をする。 call/ccは環境(set!での値の変更)を元に戻さないので、再帰呼び出しによるループを使う必要がある。これは少々不便な点である。 <syntaxhighlight lang="scheme"> ; ?のマスを一つ置き換える (define (replace-matrix proc subst matrix) (define replaced #f) (map (lambda (row) (map (lambda (cell) (cond ((and (not replaced) (proc cell)) (set! replaced #t) subst) (else cell))) row)) matrix)) (define (solve problem) (let loop ((answer problem)) (if (sudoku-check answer) ; 数字が重複していないかどうか (if ; ? が残っているかどうか (any (lambda (row) (any (lambda (x) (eq? x '?)) row)) answer) ; ? を (amb 1 2 ...) に置き換え、loopに戻る。 (loop (replace-matrix (lambda (x) (eq? '? x)) (amb 1 2 3 4 5 6 7 8 9) answer)) ; 答えを返す answer) ; 失敗 (amb))) ; 問題を解いて表示する (for-each (lambda (x) (display x) (newline)) (solve problem))) </syntaxhighlight> (注・比較的速い実装を使った場合でも、実行には数十秒程度かかることがあります) ===例外処理=== ループ脱出の応用で、例外の発生と例外処理の仕組みを書くことができる。 <syntaxhighlight lang="scheme"> (define raise-error #f) (define (may-throw-error) (let ([num (read)]) (if (not (number? num)) (raise-error "**input error** : Not a number!")) ; 掛け算した結果を表示 (display (* 2 num)) (newline))) (define (run-with-exception) (call/cc (lambda (return) (let ([e (call/cc (lambda (on-error) (set! raise-error on-error) (return (may-throw-error))))]) ; 例外の補促 (display "Error: ") (display e) (newline) ; やり直し (run-with-exception))))) </syntaxhighlight> この例では、raise-errorが呼ばれた段階で制御が例外の捕捉へと移るので、数値以外の入力に対しては掛け算は行われず、全体の処理がやり直される。 ===dynamic-wind=== dynamic-wind は、継続の呼び出しにより制御が「飛んで」移動した場合でも、スコープに突入・脱出する時に決められた操作を実行させるための手続きである。 <!-- 修士論文の途中でちょっと解説というものだけど、図がわかりやすく、日本語なので… --> <ref>[http://www.cs.tsukuba.ac.jp/H18Syuron/200420314.pdf 動的環境と限定継続をもつプログラム言語の意味論と実装] (田中陽・亀山幸義, 2007 p.14 4.3章 call/cc と dynamic-wind の意味論) が分かりやすい。厳密には、dynamic-windの実現のために継続を適用する動作そのものが少し拡張されている。</ref> 前項の例外処理では、例外を起こすコードは一つであったが、現実には何層もネストして try-catch を書く場合がある。また、例外処理とその他の目的での継続を併用することもある。実用的なプログラムでは、コルーチンの再開などによって try が再開されその後エラーが発生した場合でも、対応する catch が呼ばれるべきである。dynamic-wind を使えば、どのようにして try スコープに突入したとしても、必ず catch を呼ぶエラーハンドラを事前に設定することができる。 実用的な例外処理システムとして、[http://srfi.schemers.org/srfi-34/srfi-34.html srfi-34] ([http://www.chino-js.com/ja/tech/srfi/srfi-34/srfi-34.html 日本語訳]) の例外処理がある。参照実装としてcall/ccとdynamic-windを使ったプログラムが掲載されている。 ===実装例=== スタックを用いている処理系<ref>3impでいうところのスタックベースの実装</ref>では、call/ccの捕まえた継続が外部から呼び出された時に、その時点での変数の値 (引数の束縛) や呼び出し元の情報を復元するために、call/ccはコールスタックをまるごとヒープにコピーする。これへのポインタが継続オブジェクトとして手続きに渡される。 このコピーは時間のかかる処理なので、コピーをしないで済むのならば避けたい。break・return・continueの代用として使う場合など、捕まえた継続が外部からは呼ばれないことが分かっている場合、C言語のsetjmp・longjmpのようにスタックポインタのみを用いる方法に最適化することができる。 プログラムをCPS変換してからコンパイルする処理系 (たとえば[[w:Chicken Scheme|Chicken Scheme]]) では、call/ccは単にcall/ccの呼び出しを表す関数と、現在のスタックポインタを継続オブジェクトとして渡せば十分である。この実装はcall/ccの呼び出しや継続オブジェクトの呼び出しが高速である一方で、継続オブジェクトが生きている段階でスタックを使い切ってしまうと、ガーベッジコレクタが継続が参照しているスタック変数をすべてコピーしなくてはならない。 ===call/ccの副作用=== call/ccで取り出された継続を適用することは、副作用のある操作であると考えられている。 <ref>[http://practical-scheme.net/wiliki/wiliki.cgi?Scheme%3Acall%2Fccと副作用] </ref><!-- というよりここが二番煎じしているだけ... --> たとえば、以下のコードはそのことを示している。 <syntaxhighlight lang="scheme"> ; 一つ目の(call/cc values)の返す継続と、二つ目の(call/cc values)の ; 返す継続は同じでない。参照透過でない。 (cons (call/cc values) (call/cc values)) ; そもそも、副作用がないプログラムの実行結果から、関数の引数の ; 評価順を外部から判定することはできないはず。 (call/cc (lambda (c) (cons (c 1) (c 2))) </syntaxhighlight> set!構文とは異なり、環境を書きかえない「継続の適用」に副作用があることは、直観的でないと感じるかもしれない。 実際、call/cc以外に副作用のないプログラムは、単純にCPS変換するだけで副作用のないプログラムになる。しかし、(最適化の対象として)副作用がないというためには、環境を書きかえないことだけでは不十分であり、プログラム全体の評価ツリーを書き換えないことが必要である。 もっといえば、ある「括弧」(動的スコープ)を評価することによって、その「括弧」の外側にある式にまで、どのように評価されるかを決定・変更する作用が「副作用」ということになる。逆に、「括弧」を値に置き換えるだけで式全体の評価値が計算できるなら、それは副作用がないといえる。 継続の適用は、外側の動的スコープにある「続きの計算」の評価を省略し、その継続が取り出された (call/cc (lambda (c) ... )) という外側の「括弧」の評価値を決定するという点で、副作用を持っている。この性質によって、継続呼び出しのあるプログラムには、評価順序の入れ替え、メモ化など「副作用のないプログラムのためのプログラム変換(最適化)」を利用することができない。 部分継続では、shiftの取り出す継続の範囲はresetまでに限られているので、部分継続の適用によって「副作用を及ぼせる範囲」はresetの内側に限られる。したがって、部分継続以外には副作用のないプログラムは、reset呼びだしの外側では、部分継続の適用も含めてメモ化を適用できるなど副作用のないプログラムと同様に扱うことができる。 ==shift / reset== shift / reset は部分継続(partial continuation, 限定継続 [[w:en:delimited continuation|delemited continuation]])を使うための構文である。 call/ccにより渡される継続と異なり、続きの計算全てを表す継続ではなく、resetのある途中位置までの継続を表し、終わりまで達したならば継続の呼び出し元へ返る。呼び出し元へ返るという点では部分継続は普通の関数と同じように扱うことができる。 ===部分継続を用いた対話型プログラム=== ===実装例=== call/ccを用いる方法と、処理系に組み込む方法がある。call/ccを用いる方法は移植性が高いものの、一般にパフォーマンスはとても悪い。 ==control / prompt== ==bshift / breset == ==gshift / greset == ==脚注== <references/> {{stub|it}} [[Category:Scheme]] ibjx5axpxhk1adeh8vwx97esu4uvojp Scheme/syntax-rules 0 16687 276313 159917 2025-06-28T15:23:55Z Tomzo 248 /* let-syntaxによる構文要素(型)の判定 */ 276313 wikitext text/x-wiki '''syntax-rules'''は、R5RSで導入された'''衛生的マクロ'''('''hygienic macro''')である。衛生的なsyntax-rulesを使うことで、文脈に依存せず正しく動作するマクロを書くことができる。また、現実の問題として、R5RSで規格化されたマクロはsyntax-rulesしかないので、実装に依存しないマクロを書くためにsyntax-rulesを使う必要があるかもしれない。 純粋な衛生的なマクロは、伝統的なS式の変換によるマクロと比較して表現力が劣るが、それでも数多くのマクロを表現することができる。たとえば、伝統的マクロとして実装されているS式のパターンマッチマクロ match (Andrew Wrightのmatch) も、syntax-rulesのみを使った別実装がされている(Alex Shinn<ref>[http://synthcode.com synthcode] (accessdate=2012-01-24)</ref>による。) ==衛生的マクロとは== ==パターン変数== ==キーワード== ==省略 (...)== ==再帰的マクロ== ==let-syntax== let-syntaxはその内部で使用されるマクロを定義する構文である。let-syntaxを使うことで、グローバル名前空間を汚染しない、その場限りのマクロを定義することができる。また、マクロの引数を利用して、新たなマクロを定義する場合にも使われる。 ==継続渡し== マクロの展開や特殊形式の認識は外側の式から順に行われるため、マクロ定義に、他のマクロの返り値(他のマクロによって展開されたプログラム)を直接埋め込むことはできない。 たとえば、以下のコードは(lambda (x y) (+ x y))に展開することを意図したものだが、(lambda (get-vars (x 'number) (y 'number)) (+ x y)) で展開が終了してしまい正しく動かない。 <syntaxhighlight lang="scheme"> (define-syntax get-vars (syntax-rules () ((_ (var type) ...) (var ...)))) (define-syntax my-macro (syntax-rules () ((_ body args ...) (lambda (get-vars args ...) body)))) (my-macro (+ x y) (x 'number) (y 'number)) </syntaxhighlight> マクロの展開を次々と連鎖させるためには、マクロの展開形も(マクロ 引数 ...)という形になっていなければならない。 そこで、マクロを継続渡しスタイルで定義する。まず注意すべき点は、マクロの展開型として許されるのは構文だけであり、継続としてマクロ自身を直接扱うことはできないことである。したがって、マクロの引数とbodyを継続として扱い、その情報をもとにcpsマクロの内部で継続マクロを組み立てる必要がある。 以下が、cpsで書かれたマクロである。一見ややこしく見えるが、マクロの組み立てと適用の部分が煩雑なだけであり、本質は機械的なCPS変換である。 <syntaxhighlight lang="scheme"> (define-syntax get-vars-cps (syntax-rules (syntax-lambda) ((_ (syntax-lambda cont-args cont-body) (var type) ...) (let-syntax ((cont-syntax (syntax-rules () ((_ cont-args) cont-body)))) (cont-syntax (var ...)))))) (define-syntax my-macro-cps (syntax-rules (syntax-lambda) ((_ (syntax-lambda cont-args cont-body) body args ...) (get-vars-cps (syntax-lambda it (let-syntax ((cont-syntax (syntax-rules () ((_ cont-args) cont-body)))) (cont-syntax ((lambda it body))))) args ...)))) (define-syntax my-macro-2 (syntax-rules () ((_ body args ...) (my-macro-cps (syntax-lambda (it) it) body args ...)))) </syntaxhighlight> これによって、展開自体は適切に行われる。 <!--しかし、環境が合致しないので意図したとおりには動きませんよ! その辺はまた ... --> ==チューリング完全性== マクロの入力と、マクロの出力(マクロ展開形)に適当なマッピング(対応付け)を施すと、チューリング機械をエミュレートできる。これは、入力と出力の仔細にこだわらなければ、ありとあらゆるプログラム変換をマクロによってできるということを意味する。入力されるプログラムによってはマクロの展開が停止しない場合があるような変換も表現することができる。 この能力はマクロの再帰的呼び出しによってもたらされている。 ===制限=== 一方で、衛生的マクロであることから、(構文的)環境を変える変換を行うことができない。チューリングマシンの万能性からして制限があることを奇妙に思われるかも知れないが、これはチューリングマシンでテープアルファベット以外の文字を出力できないのと同じ道理である。 ==let-syntaxによる構文要素(型)の判定== let-syntaxによるマクロのその場定義を利用して、構文要素の型を判定することもできる。Oleg<ref>[http://okmij.org/ftp/Scheme/macros.html http://okmij.org/ftp/Scheme/macros.html] (accessdate=2012-01-24)</ref>のアイディアによる。 <syntaxhighlight lang="scheme"> (define-syntax type-of (syntax-rules () ((_ ()) 'null) ((_ (expr ...)) 'pair) ((_ #(expr ...)) 'vector) ((_ symbol-or-literal) (let-syntax ((test (syntax-rules () ((_ symbol-or-literal) 'symbol) ((_ _) 'literal) ; 数値・真偽値・文字・文字列のどれか ))) (test match-me))))) </syntaxhighlight> 型の不明な構文 symbol-or-literal を新しく定義するマクロ test のパターン中に埋め込み、そのマクロの挙動をみてもとの構文を判断するという仕組みである。構文がシンボルなら、パターン中の構文は変数として作用するため、match-meのような任意のシンボルにマッチするという性質を使っている。 R5RSではこのように技巧的な手段が必要であるが、R6RSの衛生的マクロでは自然に定義できる。 <references/> {{stub|it}} 4tks1pg222ihhgss44h7kdc31bwvtoa 276314 276313 2025-06-28T15:24:41Z Tomzo 248 /* let-syntaxによる構文要素(型)の判定 */ 276314 wikitext text/x-wiki '''syntax-rules'''は、R5RSで導入された'''衛生的マクロ'''('''hygienic macro''')である。衛生的なsyntax-rulesを使うことで、文脈に依存せず正しく動作するマクロを書くことができる。また、現実の問題として、R5RSで規格化されたマクロはsyntax-rulesしかないので、実装に依存しないマクロを書くためにsyntax-rulesを使う必要があるかもしれない。 純粋な衛生的なマクロは、伝統的なS式の変換によるマクロと比較して表現力が劣るが、それでも数多くのマクロを表現することができる。たとえば、伝統的マクロとして実装されているS式のパターンマッチマクロ match (Andrew Wrightのmatch) も、syntax-rulesのみを使った別実装がされている(Alex Shinn<ref>[http://synthcode.com synthcode] (accessdate=2012-01-24)</ref>による。) ==衛生的マクロとは== ==パターン変数== ==キーワード== ==省略 (...)== ==再帰的マクロ== ==let-syntax== let-syntaxはその内部で使用されるマクロを定義する構文である。let-syntaxを使うことで、グローバル名前空間を汚染しない、その場限りのマクロを定義することができる。また、マクロの引数を利用して、新たなマクロを定義する場合にも使われる。 ==継続渡し== マクロの展開や特殊形式の認識は外側の式から順に行われるため、マクロ定義に、他のマクロの返り値(他のマクロによって展開されたプログラム)を直接埋め込むことはできない。 たとえば、以下のコードは(lambda (x y) (+ x y))に展開することを意図したものだが、(lambda (get-vars (x 'number) (y 'number)) (+ x y)) で展開が終了してしまい正しく動かない。 <syntaxhighlight lang="scheme"> (define-syntax get-vars (syntax-rules () ((_ (var type) ...) (var ...)))) (define-syntax my-macro (syntax-rules () ((_ body args ...) (lambda (get-vars args ...) body)))) (my-macro (+ x y) (x 'number) (y 'number)) </syntaxhighlight> マクロの展開を次々と連鎖させるためには、マクロの展開形も(マクロ 引数 ...)という形になっていなければならない。 そこで、マクロを継続渡しスタイルで定義する。まず注意すべき点は、マクロの展開型として許されるのは構文だけであり、継続としてマクロ自身を直接扱うことはできないことである。したがって、マクロの引数とbodyを継続として扱い、その情報をもとにcpsマクロの内部で継続マクロを組み立てる必要がある。 以下が、cpsで書かれたマクロである。一見ややこしく見えるが、マクロの組み立てと適用の部分が煩雑なだけであり、本質は機械的なCPS変換である。 <syntaxhighlight lang="scheme"> (define-syntax get-vars-cps (syntax-rules (syntax-lambda) ((_ (syntax-lambda cont-args cont-body) (var type) ...) (let-syntax ((cont-syntax (syntax-rules () ((_ cont-args) cont-body)))) (cont-syntax (var ...)))))) (define-syntax my-macro-cps (syntax-rules (syntax-lambda) ((_ (syntax-lambda cont-args cont-body) body args ...) (get-vars-cps (syntax-lambda it (let-syntax ((cont-syntax (syntax-rules () ((_ cont-args) cont-body)))) (cont-syntax ((lambda it body))))) args ...)))) (define-syntax my-macro-2 (syntax-rules () ((_ body args ...) (my-macro-cps (syntax-lambda (it) it) body args ...)))) </syntaxhighlight> これによって、展開自体は適切に行われる。 <!--しかし、環境が合致しないので意図したとおりには動きませんよ! その辺はまた ... --> ==チューリング完全性== マクロの入力と、マクロの出力(マクロ展開形)に適当なマッピング(対応付け)を施すと、チューリング機械をエミュレートできる。これは、入力と出力の仔細にこだわらなければ、ありとあらゆるプログラム変換をマクロによってできるということを意味する。入力されるプログラムによってはマクロの展開が停止しない場合があるような変換も表現することができる。 この能力はマクロの再帰的呼び出しによってもたらされている。 ===制限=== 一方で、衛生的マクロであることから、(構文的)環境を変える変換を行うことができない。チューリングマシンの万能性からして制限があることを奇妙に思われるかも知れないが、これはチューリングマシンでテープアルファベット以外の文字を出力できないのと同じ道理である。 ==let-syntaxによる構文要素(型)の判定== let-syntaxによるマクロのその場定義を利用して、構文要素の型を判定することもできる。Oleg<ref>[http://okmij.org/ftp/Scheme/macros.html http://okmij.org/ftp/Scheme/macros.html] (accessdate=2012-01-24)</ref>のアイディアによる。 <syntaxhighlight lang="scheme"> (define-syntax type-of (syntax-rules () ((_ ()) 'null) ((_ (expr ...)) 'pair) ((_ #(expr ...)) 'vector) ((_ symbol-or-literal) (let-syntax ((test (syntax-rules () ((_ symbol-or-literal) 'symbol) ((_ _) 'literal) ; 数値・真偽値・文字・文字列のどれか ))) (test match-me))))) </syntaxhighlight> 型の不明な構文 symbol-or-literal を新しく定義するマクロ test のパターン中に埋め込み、そのマクロの挙動をみてもとの構文を判断するという仕組みである。構文がシンボルなら、パターン中の構文は変数として作用するため、match-meのような任意のシンボルにマッチするという性質を使っている。 R5RSではこのように技巧的な手段が必要であるが、R6RSの衛生的マクロでは自然に定義できる。 <references/> {{stub|it}} [[category:Scheme|syntax-rules]] 5nkx6uo6wh1onh11pyzepkersj1kinp 運転免許試験 0 18235 276363 273498 2025-06-28T16:02:46Z Tomzo 248 /* 試験の内容 */ 276363 wikitext text/x-wiki {{Pathnav|メインページ|試験|資格試験|frame=1}} '''運転免許試験'''(うんてんめんきょしけん)とは、日本において自動車を運転するのに必要な免許(国家資格)である。 ==概要== 自動車やオートバイを運転するのに必要な資格試験である。[[w:運転免許試験場|運転免許試験場]]で受験する[[w:一発試験|一発試験]]や[[w:指定自動車教習所|指定自動車教習所]]で受講して[[w:卒業検定|卒業検定]]に合格し、試験場で学科試験を受けて取得する試験である。 ===受験資格=== 各免許区分(仮免許含む)の年齢および経歴制限は、次の通りとなる。 *原付・小特・普通二輪…満16歳以上、 *普通一種・準中型・大特一種・大型二輪…満18歳以上 *中型一種…満20歳以上で、普通・準中型・大特免許のいずれかを取得して2年以上の運転経験。受験者資格特例教習修了者で満19歳以上かつ普通・準中型・大特免許のいずれかを取得して1年以上の運転経験。 *大型一種…満21歳以上で、普通・準中型・中型・大特免許のいずれかを取得して3年以上の運転経験。受験者資格特例教習修了者で満19歳以上かつ普通・準中型・中型・大特免許のいずれかを取得して1年以上の運転経験。 *けん引一種…満18歳以上で、普通・準中型・中型・大型・大特免許のいずれかの保有者 *普通二種・中型二種・大型二種・大特二種…満21歳以上で、普通一種・準中型・中型一種・大型一種・大特一種免許のいずれかを取得して3年以上の運転経験。受験者資格特例教習修了者で満19歳以上かつ普通一種・準中型・中型一種・大型一種・大特一種免許のいずれかを取得して1年以上の運転経験。 *けん引二種…満21歳以上で、普通一種・準中型・中型一種・大型一種・大特一種・けん引一種免許のいずれかを取得して3年以上の運転経験または他の二種免許取得者 これ以外にも、視力・聴力・深視力(原付・普通などを除く)が一定以上の要件が必要となる。 == 試験の内容 == * [[運転免許試験/自動車等の運転に必要な適性]] * [[運転免許試験/自動車等の運転に必要な技能]] * [[運転免許試験/自動車等の運転に必要な知識]] {{Stub|資}} {{DEFAULTSORT:うんてんめんきよしけん}} [[Category:運転免許試験|*]] [[Category:資格試験]] fxmxwt9moua6x1ki0q41nh4ihhpgn3q UEFIアプリケーションの書き方 0 19217 276339 238792 2025-06-28T15:46:46Z Tomzo 248 /* 目次 */ 276339 wikitext text/x-wiki {{Pathnav|情報技術|プログラミング|frame=1}} [[w:UEFI|UEFI]]とは、正式名称 '''unified extensible firmware interface''' といい、技術の古くなったBIOSを置き換えることを目的に作られたシステムです。このシステムを用いると、OSを起動せずにアプリケーションを動かすことができます。この本では、'''Linuxオペレーティングシステムでプログラミングすることを想定しています。''' == 目次 == #[[/環境を整える/]] #[[/Hello Worldプログラム/]] {{stub|it}} [[カテゴリ:UEFI]] [[Category:分岐ページ]] dewknhtc3dl83d64rsugcsfhpr5trzx UEFIアプリケーションの書き方/Hello Worldプログラム 0 19222 276338 179875 2025-06-28T15:45:43Z Tomzo 248 /* ハードウェアエミュレータ上での実行 */ 276338 wikitext text/x-wiki どのような環境/言語であっても、最初に[[:w:Hello_world|Hello world]]プログラムを書くことは作法になっています。 == ソースコードを書く == プログラミング言語はCを使用します。ホスト環境のCプログラムとは違い、[[:w:標準Cライブラリ|標準Cライブラリ]]は使用できず、ヘッダーファイルも float.h、limits.h、stdarg.h、stddef.h、iso646.h、stdbool.h、stdint.h以外は使用することはできません。 <syntaxhighlight lang="c"> #include <efi.h> #include <efilib.h> EFI_STATUS EFIAPI efi_main (EFI_HANDLE hnd, EFI_SYSTEM_TABLE *SystemTable) { InitializeLib(hnd, SystemTable); Print(L"Hello, world!\n"); while(1){} return EFI_SUCCESS; } </syntaxhighlight> ホスト環境のCプログラムではアプリケーションの[[:w:エントリポイント|エントリポイント]]はint main()ですが、[[w:フリースタンディング環境|フリースタンディング環境]]であるUEFIではEFI_STATUS efi_main()となります。 InitializeLib関数はすべてライブラリ関数の呼び出しの前に(efi_main関数の先頭で)呼び出す必要があります。Print()関数はprintf()同様、フォーマットを指定することが可能です。戻り値 EFI_SUCCESSは処理が正常に完了したことを示すステータスコードです。 == Makefileの作成 == <syntaxhighlight lang="make"> ARCH = #<arch> OBJS = main.o TARGET = hello.efi EFIINC = /usr/include/efi EFIINCS = -I$(EFIINC) -I$(EFIINC)/$(ARCH) -I$(EFIINC)/protocol LIB = /usr/lib EFILIB = /usr/lib EFI_CRT_OBJS = $(EFILIB)/crt0-efi-$(ARCH).o EFI_LDS = $(EFILIB)/elf_$(ARCH)_efi.lds CFLAGS = $(EFIINCS) -fno-stack-protector -fpic \ -fshort-wchar -mno-red-zone -Wall ifeq ($(ARCH),x86_64) CFLAGS += -DEFI_FUNCTION_WRAPPER endif LDFLAGS = -nostdlib -znocombreloc -T $(EFI_LDS) -shared \ -Bsymbolic -L $(EFILIB) -L $(LIB) $(EFI_CRT_OBJS) all: $(TARGET) hello.so: $(OBJS) ld $(LDFLAGS) $(OBJS) -o $@ -lefi -lgnuefi %.efi: %.so objcopy -j .text -j .sdata -j .data -j .dynamic \ -j .dynsym -j .rel -j .rela -j .reloc \ --target=efi-app-$(ARCH) $^ $@ </syntaxhighlight> 上の内容をそのままコピーし、Makefileという名前でソースコードと同じディレクトリに配置してください。 ただし、#<arch>はコンパイルしたいアーキテクチャ(32bit環境ならx86、64bit環境ならx86_64)に置き換えます。また、'''LIB'''と'''EFILIB'''は環境により異なる場合があるので 適宜変更してください。(locate efi.hと検索して、その親ディレクトリを指定します。) == コンパイルと実行 == UEFIアプリケーションを実行するには、二通りの方法があります。 === 実機上での実行 === 実機上で実行するには、まずUSBメモリやハードディスク等のストレージに「EFIシステムパーティション」を作ります。 </br> 作成するストレージのデバイスファイルを/dev/sdcとします。 <syntaxhighlight lang="bash"> gdisk /dev/sdc </syntaxhighlight> 上のコマンドを実行すると、対話式でパーティションを作成します。指示に従い、EFIシステムパーティションを作成してください。100MB程度の容量が一般的です。 </br> 次に、ファイルシステムを作成します。/dev/sdc1にパーティションを作成したとします。 <syntaxhighlight lang="bash"> mkfs.vfat /dev/sdc1 </syntaxhighlight> 最後にプログラムをコピーします。適当な場所にパーティションをマウントしましょう。 <syntaxhighlight lang="bash"> mkdir /mnt/esp mount /dev/sdc1 /mnt/esp mkdir /mnt/esp/efi/boot/ cp /path/to/program.efi /mnt/esp/efi/boot/bootx64.efi #32bit環境ではbootx86.efi </syntaxhighlight> コンピューターを再起動し、ブートメニューでプログラムをコピーしたストレージを選択してください。Hello world!と表示されれば成功です。 ===ハードウェアエミュレータ上での実行=== ここからはターミナル単体では起動できません。また、お使いのデバイスが仮想化支援機能に対応していなければ動作が遅くなりますが仕様です。</br> UEFIをエミュレーションできるハードウェアエミュレータを利用し、システムを構築済みを前提とします。 </br> まずディスクイメージエディタまたはディスクイメージクリエイターを起動します。 無い場合は、外部デバイスやホストのデバイスにアクセスできる事を確認して下さい。 対応している場合CD等を用意します </br> イメージエディタやCD等のルートディレクトリに efi/boot を作ってください そして boot ディレクトリに先ほど作成したefiファイルを bootx64.efi 32bit環境では bootx86.efi とリネームしコピーします。 そして書き込んで(イメージをセーブして)ください。</br> 先ほどのシステムにマウントします。そのまま起動します。 Hello world!と表示されれば成功です {{stub|it}} {{DEFAULTSORT:UEFIあふりけえしよんのかきかた}} [[Category:プログラミング]] [[Category:UEFI]] 4hz1a8y0c1yyjpczf2cxo2j9bbysowq Wikijunior:日本の昔ばなし 0 19771 276328 141987 2025-06-28T15:40:11Z Tomzo 248 276328 wikitext text/x-wiki {{ウィキジュニアのスタブ}} ::(※注意。編集者へ  市販本からは引用をしないでください。市販の昔話の絵本など出版物には著作権があります。なのでウィキブックスでの執筆では、原作古典や世間での物語の通釈などに基づき新規に書き下ろしてください。) ---- *[[Wikijunior:日本の昔ばなし/ももたろう|ももたろう]] ::(※ スタブのため、まだ以下の作品はサブページを作成しておりません。) *Wikijunior:日本の昔ばなし/きんたろう|きんたろう *Wikijunior:日本の昔ばなし/うらしまたろう|うらしまたろう *Wikijunior:日本の昔ばなし/したきりすずめ|したきり すずめ *Wikijunior:日本の昔ばなし/かぐやひめ|かぐやひめ *Wikijunior:日本の昔ばなし/おむすびころりん|おむすびころりん *Wikijunior:日本の昔ばなし/花さかじいさん|花さかじいさん *Wikijunior:日本の昔ばなし/さるかに合戦|さるかに合戦 *Wikijunior:日本の昔ばなし/ぶんぶく茶がま|ぶんぶく茶がま *Wikijunior:日本の昔ばなし/わらしべ長者|わらしべ長者 ---- 外国の むかしばなし については つぎの「Wikijunior:外国の昔ばなし」をクリックしてください。 :[[Wikijunior:外国の昔ばなし]] [[Category:文化・歴史・生命・社会 (ウィキジュニア)|にほんのむかしはなし]] a8zhzgxm4wu9ydl2sotsbu5wped7v32 Wikijunior:偉人伝 0 19772 276327 142090 2025-06-28T15:39:51Z Tomzo 248 276327 wikitext text/x-wiki {{ウィキジュニアのスタブ}} 『[[小学校社会 6学年 歴史の人物事典]]』でも日本の偉人を習います。 こちらのページ(Wikijunior:偉人伝)では、低学年の子供でも読めるように書いてください。 ---- * Wikijunior:伝記/野口英世|野口英世(のぐち ひでよ) * Wikijunior:伝記/キュリー夫人|キュリー夫人(ふじん) * 聖徳太子(しょうと くたいし) * 豊臣秀吉(とよとみ ひでよし) * 徳川家康(とくがわ いえやす) * エジソン * ナイチンゲール * ヘレン・ケラー * ベートーベン [[Category:文化・歴史・生命・社会 (ウィキジュニア)|いしんてん]] [[Category:執筆中 (ウィキジュニア)|いしんてん]] 5xjwk8279skxoiky29t1lzkbym55app Wikijunior:日本の昔ばなし/ももたろう 0 20930 276329 92500 2025-06-28T15:40:31Z Tomzo 248 276329 wikitext text/x-wiki {{ウィキジュニアのスタブ}} == はじめ == むかし むかし 、 ある ところに 、 おじいさんと おばあさんが すんでいました。 あるひ、 おじいさん は しごと で やまへ しばかり に、 おばあさん は かわ へ せんたく に いきました。 おばあさんが かわで せんたくを していると、 かわの うえのほうから おおきな もも が どんぶらこ どんぶらこ と ながれてきました。 おばあさんの からだ と おなじくらい おおきい もも です。 とっても おおきな ももです。 おばあさんは とっても おどろきました。  「まあ、 なんと おおきな もも でしょう。 これを もちかえれば 、おじいさんも きっと よろこぶでしょう 。」 おばあさんは そういって、 ももを いえに もちかえりました。 == いえに かえった おばあさん == おばあさんが いえに かえると、 しばらくして おじいさんも かえってきました 。 おばあさん は 、「みてください おじいさん 。 かわで、 こんな おおきな もも が とれたんですよ。」 おじいさん は おどろきました 。「うひゃあ、これは おおきい ももだ。」 おじいさんは いいました。「しかも、とっても おいしそうな ももだ 。さっそく たべてみよう。」 そういって、おじいさんは だいどころ から ほうちょうを もってきて、 さっそく ももを まんなか から きりはじめました。 きりはじめてから、なかを みると、 なんと 、 ももの なか に 、 ちいさな あかんぼう が いるのでした。 「うわあ、 こどもが いるぞ。 これは きっては まずいぞ。」 あかんぼうを みると、 おとこのこ でした。 おじいさんと おばあさん は、 このこを そだてることに しました。 「まず、このこ の なまえを きめないと いけないですね。」 ももから うまれたので、ももたろう という なまえに きまりました。 おじいさんと おばあさんは、ももたろうを たいせつに かわいがって そだてました。 == ももたろう の たびだち == ももたろうは、すくすくと そだちました。 ももたろう が じゅっさい くらいになると 、そろそろ おとなになる としごろ です。 ももたろう は 、おじいさんと おばあさんの おかげで、たいせつに そだてられたので、 おんがえし を したいと おもいました。 そのころ、 おじいさんたちの むらは 、ときどき、 おにがしまから くる あばれんぼうの おに に おそわれていて 、 むらの たからもの も おに に うばわれていて こまっていたのでした。 そこで ももたろうは、わるい おに を こらしめてやろう と おもいました。 「おじいさん 、おばあさん 、ぼくが おにを たいじしに いきます。」 「ええ 、おにに たべられて しまうよ。」 おじいさんと 、おばあさんは 、しんぱいしました。 「でも 、ぼくは おじいさんと 、おばあさんに 、おんがえしが したいのです。」 おじいさんと 、おばあさんは 、ももたろうの けっしんが つよいことを しり 、ももたろうを おくりだす ことに しました。 おじいさんは 、よくきれる かたなを 、おばあさんは 、とても おいしい きびだんごを 、つくってくれました。 「ももたろう 、きをつけて いくんだよ。」 ももたろうは 、おじいさんと 、おばあさんに 、みおくられながら 、おにがしまに むかいました。 == ももたろう と いぬたち == あるいていくと 、いぬがあるいて きました。 「ももたろうさん 、どこへ いくのですか。」 「おにがしまへ 、おにを たいじしに いくんだ。」 いぬは 、ももたろうの もっている きびだんごを みて、 「そのきびだんごを 、ひとつ わけてください 。ぼくも おともします。」といいました。 いぬは きびだんごを もらって 、ももたろうと いっしょに おにがしまに 、むかいました。 また あるいていくと 、さるが あるいて きました。 さるも きびだんごを もらって 、ももたろうと おにがしまに むかいました。 また あるいていくと 、きじが あるいて きました。 きじも きびだんごを もらって 、ももたろうと おにがしまに むかいました。 == おにがしま == やがて 、ひろいうみに でました。 ももたろうたちは 、ふねに のって おにがしまに むかいました。 しばらくすると 、おにがしまが みえて きました。 「さあ 、おにを たいじしに いこう。」 しまに あがると 、おにたちが おおきなこえで さわいでいる ようでした。 「はっはっは 。こんなに たからものが てにはいったぞ。」 おにたちは 、むらから うばった たからものを みて 、おおさわぎしている ようなのです。 「よし 、おにたちを やっつけるぞ。」 ももたろうたちは 、おにたちに むかって いきました。 「なんだと 、やっつけてしまえ。」 おにたちは 、こんぼうを ふりまわして きましたが 、ももたろうたちが すばしっこいので 、ももたろうたちに なかなか こうげきできません。 そのすきに 、いぬは かみつき 、さるは ひっかき 、きじは おにのめを つつきました。 そして 、ももたろうは おにたちに かたなで とどめを さしました。 「た 、たすけてください 。うばった たからものは おかえしします 。どうか 、いのちだけは おたすけください。」 == かえった ももたろうたち == ももたろうたちは 、むらの たからものを とりかえし 、むらに もどっていきました。 おじいさんと 、おばあさんは 、かえってきた ももたろうを みて 、とてもよろこびました。 こうして 、みんなは いつまでも しあわせに くらしましたとさ。 jseohv1s7a20rjwszxxtrwsbm2lphkd 高等学校歴史総合 0 21706 276388 275933 2025-06-29T00:49:53Z Kwawe 68789 /* 世界経済の拡大と日本 */ 276388 wikitext text/x-wiki [[小学校・中学校・高等学校の学習]]>[[高等学校の学習]]>[[高等学校地理歴史]]>高等学校歴史総合 {{進捗状況}} 「'''歴史総合'''」は標準単位数2単位で'''必修科目'''です。 === 注意事項 === # 目次の項目、本文内容ともに[https://www.shimizushoin.co.jp/info_kyo/rekishisougou/index.html 清水書院『私たちの歴史総合』]【歴総705】に合わせています。ただし、コラムの項目名とかはwikibooksオリジナル表題に変更しています。 # なお、古代と中世に関しては、当科目では扱っていないので、[[高等学校世界史探究|世界史探究]]と[[高等学校日本史探究|日本史探究]]の学習内容を見てください。 == 第1編 歴史の扉 == === 第1章 歴史と私たち === * [[高等学校歴史総合/日本とスポーツの歴史|日本とスポーツの歴史]]{{進捗|100%|2024-11-22}}(スポーツ史) === 第2章 歴史の特質と資料 === * [[高等学校歴史総合/8月15日とそれぞれの「終戦」|8月15日とそれぞれの「終戦」]]{{進捗|100%|2025-06-03}}(玉音放送) == 第2編 近代化と私たち == === 第1章 生活や社会の変化を読み取ってみよう(未記述) === === 第2章 結びつく世界と日本 === ==== 18世紀までの世界 ==== * [[高等学校歴史総合/近世の日本と世界|近世の日本と世界]]{{進捗|100%|2024-11-23}}(日本の「鎖国」と東アジアの交易、近世東アジアの国際秩序) * [[高等学校歴史総合/18世紀の中国とアジア貿易|18世紀の中国とアジア貿易]]{{進捗|100%|2024-12-15}}(清の繁栄、清と近隣諸国とのつながり) * [[高等学校歴史総合/18世紀のイギリス・アジア・アフリカ|18世紀のイギリス・アジア・アフリカ]]{{進捗|100%|2024-12-29}}(ヨーロッパの世界進出と大西洋三角貿易、世界経済の覇権を握ったイギリス) * もっと知りたい 海を渡った日本産陶磁器{{進捗|00%|2023-12-24}}(陶磁器の歴史) * [[高等学校歴史総合/もっと知りたい 琉球と蝦夷地|もっと知りたい 琉球と蝦夷地]]{{進捗|100%|2025-03-26}}(琉球王国、蝦夷地) ==== 工業化と世界市場の形成 ==== * [[高等学校歴史総合/産業革命による経済発展と社会の変化|産業革命による経済発展と社会の変化]]{{進捗|100%|2025-01-01}}(産業革命、資本主義社会) * [[高等学校歴史総合/世界市場の形成とイギリスによるアジア進出|世界市場の形成とイギリスによるアジア進出]]{{進捗|100%|2024-12-27}}(イギリスによる世界市場の形成、イギリスのアジア進出 ) * [[高等学校歴史総合/日本の開国とその影響|日本の開国とその影響]]{{進捗|100%|2024-12-28}}(日本の開国・開港、交通革命の進展と東アジア) * 歴史のなかの16歳 工女と工場法{{進捗|00%|2022-12-25}}(工場法など) * [[高等学校歴史総合/もっと知りたい 産業革命とブラスバンド|もっと知りたい 産業革命とブラスバンド]]{{進捗|100%|2024-11-23}}(金管楽器の歴史) === 第3章 国民国家と明治維新 === ==== 国民国家と立憲体制 ==== * [[高等学校歴史総合/二つの市民革命と近代民主主義社会の成立|二つの市民革命と近代民主主義社会の成立]]{{進捗|100%|2024-12-20}}(アメリカ独立革命、フランス革命、ナポレオン) * [[高等学校歴史総合/国民統合とナショナリズム|国民統合とナショナリズム]]{{進捗|100%|2024-12-12}}(19世紀前半のヨーロッパ諸国、ドイツ統一、南北戦争など) * [[高等学校歴史総合/明治維新期の日本と世界|明治維新期の日本と世界]]{{進捗|100%|2024-01-03}}(明治新政府の成立、近代化と東アジア) * [[高等学校歴史総合/近代国家への移行と憲法の制定|近代国家への移行と憲法の制定]]{{進捗|100%|2025-01-04}}(大日本帝国憲法、条約改正の実現) * もっと知りたい 国境の過去・現在・未来{{進捗|00%|2022-12-26}}(近代国家と領土画定など) * もっと知りたい 女王と天皇 理想の家族{{進捗|00%|2022-02-12}}(近代の天皇史) ==== 帝国主義とアジア・アフリカの変容 ==== * [[高等学校歴史総合/列強による帝国主義|列強による帝国主義]]{{進捗|100%|2024-12-28}}(第2次産業革命と帝国主義、欧米諸国の帝国主義政策) * [[高等学校歴史総合/帝国主義がアジア・アフリカにもたらしたもの|帝国主義がアジア・アフリカにもたらしたもの]]{{進捗|100%|2024-12-28}}(列強のアフリカ分割、西アジア諸国の改革など) * [[高等学校歴史総合/日清戦争とその影響|日清戦争とその影響]]{{進捗|100%|2025-01-02}}(日清戦争、東アジアの構造変動) * [[高等学校歴史総合/日露戦争|日露戦争]]{{進捗|100%|2025-01-03}}(義和団事件、日露戦争、朝鮮の植民地化、辛亥革命) * [[高等学校歴史総合/もっと知りたい 近代の博覧会|もっと知りたい 近代の博覧会]]{{進捗|100%|2025-03-15}}(万国博覧会の歴史) * [[高等学校歴史総合/もっと知りたい ペストと感染症|もっと知りたい ペストと感染症]]{{進捗|100%|2024-12-08}}(ペストの大流行ほか) === 第4章 近代化と現代的な諸課題 === * 鉄道建設{{進捗|00%|2023-03-02}} == 第3編 国際秩序の変化や大衆化と私たち == === 第1章 生活や社会の変化を読み取ってみよう(未記述) === === 第2章 第一次世界大戦と大衆社会 === ==== 第一次世界大戦と国際社会 ==== * [[高等学校歴史総合/第一次世界大戦|第一次世界大戦]]{{進捗|100%|2024-11-25}}(第一次世界大戦) * [[高等学校歴史総合/社会主義革命|社会主義革命]]{{進捗|100%|2024-11-27}}(ロシア革命、コミンテルン、ソビエト社会主義共和国連邦) * [[高等学校歴史総合/国際協調体制|国際協調体制]]{{進捗|100%|2024-11-23}}(ヴェルサイユ体制とワシントン体制、国際協調の高まり) * [[高等学校歴史総合/アジアの民族運動|アジアの民族運動]]{{進捗|100%|2025-01-04}}(アジアの経済成長、東アジアの民族運動、インド・東南アジア・西アジアの民族運動) * もっと知りたい ユダヤ人のパレスチナ移住とパレスチナ分割{{進捗|00%|2022-12-30}}(パレスチナの歴史、シオニズム運動) * [[高等学校歴史総合/もっと知りたい 浅川巧 朝鮮の人々とともに生きた日本人|もっと知りたい 浅川巧 朝鮮の人々とともに生きた日本人]]{{進捗|100%|2025-03-10}}(浅川兄弟) ==== 1920年代の世界と大衆の時代の到来 ==== * [[高等学校歴史総合/大衆の政治参加|大衆の政治参加]]{{進捗|100%|2025-01-02}}(世界史上の民衆運動、大正デモクラシーと大衆の政治参加) * [[高等学校歴史総合/女性の社会参加|女性の社会参加]]{{進捗|100%|2024-12-10}}(女性の社会進出、日本の大正期の女性) * [[高等学校歴史総合/大衆社会の形成|大衆社会の形成]]{{進捗|100%|2024-11-27}}(大衆社会の出現、1920年代のアメリカ、日本の大衆社会) * [[高等学校歴史総合/もっと知りたい 映画と「大衆化」|もっと知りたい 映画と「大衆化」]]{{進捗|100%|2025-03-28}}(映画の歴史) * [[高等学校歴史総合/もっと知りたい オリンピックの歩み|もっと知りたい オリンピックの歩み]]{{進捗|100%|2025-03-26}}(オリンピックの歴史) === 第3章 経済危機と第二次世界大戦 === ==== 国際協調の挫折と2度目の世界大戦 ==== * [[高等学校歴史総合/世界恐慌|世界恐慌]]{{進捗|100%|2025-01-04}}(昭和恐慌、ブロック経済圏) * [[高等学校歴史総合/ファシズムの台頭|ファシズムの台頭]]{{進捗|100%|2024-12-22}}(ファシズム、ナチ党の政権掌握) * [[高等学校歴史総合/日本の大陸進出|日本の大陸進出]]{{進捗|100%|2024-12-07}}(満州事変、日中戦争) * [[高等学校歴史総合/第二次世界大戦|第二次世界大戦]]{{進捗|100%|2025-01-06}}(ドイツの拡大、第二次世界大戦、大量殺戮と民衆の抵抗) * [[高等学校歴史総合/もっと知りたい リンゲルブルム・アーカイヴと『アンネの日記』|もっと知りたい リンゲルブルム・アーカイヴと『アンネの日記』]]{{進捗|100%|2025-03-07}}(アンネ・フランク) * [[高等学校歴史総合/歴史のなかの16歳 満蒙開拓青少年義勇軍|歴史のなかの16歳 満蒙開拓青少年義勇軍]]{{進捗|100%|2025-03-11}}(満蒙開拓青少年義勇軍の活動とか) ==== 世界大戦がもたらしたもの ==== * [[高等学校歴史総合/アジア太平洋戦争|アジア太平洋戦争]]{{進捗|100%|2025-01-12}}(日米交渉の挫折と開戦、日本のアジア支配、戦争の被害と加害) * [[高等学校歴史総合/戦争が変えた人々のくらし|戦争が変えた人々のくらし]]{{進捗|100%|2024-12-08}}(マス・メディアの普及と情報や生活の画一化、国民の組織化と戦時動員ほか) * [[高等学校歴史総合/戦後世界の新たな枠組み|戦後世界の新たな枠組み]]{{進捗|100%|2025-01-08}}(戦後構想と大戦の終結、冷戦の開始とドイツの分断、国際連合の成立) * [[高等学校歴史総合/敗戦後の日本とアジア|敗戦後の日本とアジア]]{{進捗|100%|2025-01-10}}(日本の戦後改革、大衆は敗戦をどう生きたか、冷戦と日本の独立) * [[高等学校歴史総合/冷戦下の東アジア|冷戦下の東アジア]]{{進捗|100%|2025-01-17}}(戦後の中国、朝鮮半島の南北分断、現代の朝鮮半島と台湾) * [[高等学校歴史総合/もっと知りたい 戦争を「記憶」するということ|もっと知りたい 戦争を「記憶」するということ]]{{進捗|100%|2025-03-13}}(明日の神話ほか) * [[高等学校歴史総合/もっと知りたい 核と原子力エネルギー|もっと知りたい 核と原子力エネルギー]]{{進捗|50%|2025-03-27}}(原子力の平和利用、原子力エネルギーの普及と課題) === 第4章 国際秩序の変化や大衆化と現代的な諸課題 === * ナショナリズム{{進捗|00%|2022-03-08}}[発展講義] == 第4編 グローバル化と私たち == === 第1章 生活や社会の変化を読み取ってみよう(未記述) === === 第2章 冷戦と世界経済 === ==== 冷戦と国際政治 ==== * [[高等学校歴史総合/脱植民地化とアジア・アフリカ諸国|脱植民地化とアジア・アフリカ諸国]]{{進捗|100%|2025-01-25}}(アジア・アフリカ諸国の独立、第三世界の形成と連帯) * [[高等学校歴史総合/冷戦下の地域紛争|冷戦下の地域紛争]]{{進捗|100%|2025-01-22}}(ベトナム戦争、中東戦争) * [[高等学校歴史総合/先進国の政治と社会運動|先進国の政治と社会運動]]{{進捗|100%|2025-01-23}}(西側諸国と福祉国家政策、国境をこえる社会運動) * [[高等学校歴史総合/核兵器の脅威と核軍縮|核兵器の脅威と核軍縮]]{{進捗|100%|2025-01-18}}(核拡散と核兵器反対運動、核軍縮の取り組みと課題) ==== 世界経済の拡大と日本 ==== * [[高等学校歴史総合/西ヨーロッパ・東南アジアの地域連携|西ヨーロッパ・東南アジアの地域連携]]{{進捗|100%|2024-12-03}}(西ヨーロッパ統合への動き、東南アジア諸国の動き) * [[高等学校歴史総合/戦後の日本とアジア諸国との関係|戦後の日本とアジア諸国との関係]]{{進捗|100%|2024-12-04}}(日本の国連加盟、アジア諸国との国交回復、沖縄の本土復帰) * [[高等学校歴史総合/高度経済成長|高度経済成長]]{{進捗|100%|2024-12-08}}(日本と西ドイツの経済成長、高度経済成長と人々の生活、成長のもたらした課題) * [[高等学校歴史総合/もっと知りたい グローバリゼーションとストリートダンス|もっと知りたい グローバリゼーションとストリートダンス]]{{進捗|100%|2025-03-16}}(ダンスの歴史) * [[高等学校歴史総合/歴史のなかの16歳 集団就職 「金の卵」たちの時代|歴史のなかの16歳 集団就職 「金の卵」たちの時代]]{{進捗|100%|2025-06-29}}(集団就職列車など) === 第3章 世界秩序の変容と日本 === ==== 市場経済の変容と冷戦の終結 ==== * [[高等学校歴史総合/石油危機と価値観の転換|石油危機と価値観の転換]]{{進捗|100%|2025-01-11}}(戦後経済の転換、石油危機と日本、価値観の転換) * [[高等学校歴史総合/アジアの成長|アジアの成長]]{{進捗|100%|2024-12-15}}(アジア諸国の成長、第三世界の多様化、日本の経済大国化) * [[高等学校歴史総合/冷戦の終結|冷戦の終結]]{{進捗|100%|2024-12-07}}(社会主義世界の変容、冷戦の終結とソ連の崩壊、冷戦後の地域紛争と日本) ==== 冷戦終結後の世界 ==== * [[高等学校歴史総合/民主化の進展と冷戦終結後の日本|民主化の進展と冷戦終結後の日本]]{{進捗|100%|2024-12-18}}(民主化の進展と課題、日本の政治の展開) * [[高等学校歴史総合/市場開放と経済の自由化|市場開放と経済の自由化]]{{進捗|100%|2024-11-29}}(新自由主義の台頭、経済のグローバル化と新たな国際経済組織) * [[高等学校歴史総合/地域統合の進展と課題|地域統合の進展と課題]]{{進捗|100%|2024-11-29}}(地域統合の拡大、地域統合の課題) * [[高等学校歴史総合/情報通信技術の発達|情報通信技術の発達]]{{進捗|100%|2024-11-27}}(情報通信技術の発達と社会の変化、情報化社会とその課題) * [[高等学校歴史総合/冷戦終結後の紛争と平和への取り組み|冷戦終結後の紛争と平和への取り組み]]{{進捗|100%|2024-12-07}}(冷戦終結後の紛争、紛争の解決と国際社会の役割) * [[高等学校歴史総合/もっと知りたい 災害と私たち|もっと知りたい 災害と私たち]]{{進捗|100%|2025-03-15}}(自然災害) * [[高等学校歴史総合/もっと知りたい 中東の少数派クルド人|もっと知りたい 中東の少数派クルド人]]{{進捗|100%|2025-03-17}}(国民国家の中の少数派、クルド人問題の展開) === 第4章 現代的な諸課題の形成と展望 === * 移民{{進捗|00%|2023-02-22}}(近代の移民史) == 近現代史関連用語解説・参考 == * 近現代史関連用語解説{{進捗|00%|2023-02-22}} * 途上国から見た国際関係理論{{進捗|00%|2023-03-05}}[発展講義(イマニュエル・ウォーラースティンなど)] [[カテゴリ:歴史|こうとうかつこうれきしそうこう]] [[カテゴリ:高等学校歴史総合|*]] ijt54wai58ds83iru9d0hben2fmfxvy 276390 276388 2025-06-29T05:05:19Z Kwawe 68789 /* 工業化と世界市場の形成 */ 276390 wikitext text/x-wiki [[小学校・中学校・高等学校の学習]]>[[高等学校の学習]]>[[高等学校地理歴史]]>高等学校歴史総合 {{進捗状況}} 「'''歴史総合'''」は標準単位数2単位で'''必修科目'''です。 === 注意事項 === # 目次の項目、本文内容ともに[https://www.shimizushoin.co.jp/info_kyo/rekishisougou/index.html 清水書院『私たちの歴史総合』]【歴総705】に合わせています。ただし、コラムの項目名とかはwikibooksオリジナル表題に変更しています。 # なお、古代と中世に関しては、当科目では扱っていないので、[[高等学校世界史探究|世界史探究]]と[[高等学校日本史探究|日本史探究]]の学習内容を見てください。 == 第1編 歴史の扉 == === 第1章 歴史と私たち === * [[高等学校歴史総合/日本とスポーツの歴史|日本とスポーツの歴史]]{{進捗|100%|2024-11-22}}(スポーツ史) === 第2章 歴史の特質と資料 === * [[高等学校歴史総合/8月15日とそれぞれの「終戦」|8月15日とそれぞれの「終戦」]]{{進捗|100%|2025-06-03}}(玉音放送) == 第2編 近代化と私たち == === 第1章 生活や社会の変化を読み取ってみよう(未記述) === === 第2章 結びつく世界と日本 === ==== 18世紀までの世界 ==== * [[高等学校歴史総合/近世の日本と世界|近世の日本と世界]]{{進捗|100%|2024-11-23}}(日本の「鎖国」と東アジアの交易、近世東アジアの国際秩序) * [[高等学校歴史総合/18世紀の中国とアジア貿易|18世紀の中国とアジア貿易]]{{進捗|100%|2024-12-15}}(清の繁栄、清と近隣諸国とのつながり) * [[高等学校歴史総合/18世紀のイギリス・アジア・アフリカ|18世紀のイギリス・アジア・アフリカ]]{{進捗|100%|2024-12-29}}(ヨーロッパの世界進出と大西洋三角貿易、世界経済の覇権を握ったイギリス) * もっと知りたい 海を渡った日本産陶磁器{{進捗|00%|2023-12-24}}(陶磁器の歴史) * [[高等学校歴史総合/もっと知りたい 琉球と蝦夷地|もっと知りたい 琉球と蝦夷地]]{{進捗|100%|2025-03-26}}(琉球王国、蝦夷地) ==== 工業化と世界市場の形成 ==== * [[高等学校歴史総合/産業革命による経済発展と社会の変化|産業革命による経済発展と社会の変化]]{{進捗|100%|2025-01-01}}(産業革命、資本主義社会) * [[高等学校歴史総合/世界市場の形成とイギリスによるアジア進出|世界市場の形成とイギリスによるアジア進出]]{{進捗|100%|2024-12-27}}(イギリスによる世界市場の形成、イギリスのアジア進出 ) * [[高等学校歴史総合/日本の開国とその影響|日本の開国とその影響]]{{進捗|100%|2024-12-28}}(日本の開国・開港、交通革命の進展と東アジア) * [[高等学校歴史総合/歴史のなかの16歳 工女と工場法|歴史のなかの16歳 工女と工場法]]{{進捗|25%|2025-06-29}}(工場法など) * [[高等学校歴史総合/もっと知りたい 産業革命とブラスバンド|もっと知りたい 産業革命とブラスバンド]]{{進捗|100%|2024-11-23}}(金管楽器の歴史) === 第3章 国民国家と明治維新 === ==== 国民国家と立憲体制 ==== * [[高等学校歴史総合/二つの市民革命と近代民主主義社会の成立|二つの市民革命と近代民主主義社会の成立]]{{進捗|100%|2024-12-20}}(アメリカ独立革命、フランス革命、ナポレオン) * [[高等学校歴史総合/国民統合とナショナリズム|国民統合とナショナリズム]]{{進捗|100%|2024-12-12}}(19世紀前半のヨーロッパ諸国、ドイツ統一、南北戦争など) * [[高等学校歴史総合/明治維新期の日本と世界|明治維新期の日本と世界]]{{進捗|100%|2024-01-03}}(明治新政府の成立、近代化と東アジア) * [[高等学校歴史総合/近代国家への移行と憲法の制定|近代国家への移行と憲法の制定]]{{進捗|100%|2025-01-04}}(大日本帝国憲法、条約改正の実現) * もっと知りたい 国境の過去・現在・未来{{進捗|00%|2022-12-26}}(近代国家と領土画定など) * もっと知りたい 女王と天皇 理想の家族{{進捗|00%|2022-02-12}}(近代の天皇史) ==== 帝国主義とアジア・アフリカの変容 ==== * [[高等学校歴史総合/列強による帝国主義|列強による帝国主義]]{{進捗|100%|2024-12-28}}(第2次産業革命と帝国主義、欧米諸国の帝国主義政策) * [[高等学校歴史総合/帝国主義がアジア・アフリカにもたらしたもの|帝国主義がアジア・アフリカにもたらしたもの]]{{進捗|100%|2024-12-28}}(列強のアフリカ分割、西アジア諸国の改革など) * [[高等学校歴史総合/日清戦争とその影響|日清戦争とその影響]]{{進捗|100%|2025-01-02}}(日清戦争、東アジアの構造変動) * [[高等学校歴史総合/日露戦争|日露戦争]]{{進捗|100%|2025-01-03}}(義和団事件、日露戦争、朝鮮の植民地化、辛亥革命) * [[高等学校歴史総合/もっと知りたい 近代の博覧会|もっと知りたい 近代の博覧会]]{{進捗|100%|2025-03-15}}(万国博覧会の歴史) * [[高等学校歴史総合/もっと知りたい ペストと感染症|もっと知りたい ペストと感染症]]{{進捗|100%|2024-12-08}}(ペストの大流行ほか) === 第4章 近代化と現代的な諸課題 === * 鉄道建設{{進捗|00%|2023-03-02}} == 第3編 国際秩序の変化や大衆化と私たち == === 第1章 生活や社会の変化を読み取ってみよう(未記述) === === 第2章 第一次世界大戦と大衆社会 === ==== 第一次世界大戦と国際社会 ==== * [[高等学校歴史総合/第一次世界大戦|第一次世界大戦]]{{進捗|100%|2024-11-25}}(第一次世界大戦) * [[高等学校歴史総合/社会主義革命|社会主義革命]]{{進捗|100%|2024-11-27}}(ロシア革命、コミンテルン、ソビエト社会主義共和国連邦) * [[高等学校歴史総合/国際協調体制|国際協調体制]]{{進捗|100%|2024-11-23}}(ヴェルサイユ体制とワシントン体制、国際協調の高まり) * [[高等学校歴史総合/アジアの民族運動|アジアの民族運動]]{{進捗|100%|2025-01-04}}(アジアの経済成長、東アジアの民族運動、インド・東南アジア・西アジアの民族運動) * もっと知りたい ユダヤ人のパレスチナ移住とパレスチナ分割{{進捗|00%|2022-12-30}}(パレスチナの歴史、シオニズム運動) * [[高等学校歴史総合/もっと知りたい 浅川巧 朝鮮の人々とともに生きた日本人|もっと知りたい 浅川巧 朝鮮の人々とともに生きた日本人]]{{進捗|100%|2025-03-10}}(浅川兄弟) ==== 1920年代の世界と大衆の時代の到来 ==== * [[高等学校歴史総合/大衆の政治参加|大衆の政治参加]]{{進捗|100%|2025-01-02}}(世界史上の民衆運動、大正デモクラシーと大衆の政治参加) * [[高等学校歴史総合/女性の社会参加|女性の社会参加]]{{進捗|100%|2024-12-10}}(女性の社会進出、日本の大正期の女性) * [[高等学校歴史総合/大衆社会の形成|大衆社会の形成]]{{進捗|100%|2024-11-27}}(大衆社会の出現、1920年代のアメリカ、日本の大衆社会) * [[高等学校歴史総合/もっと知りたい 映画と「大衆化」|もっと知りたい 映画と「大衆化」]]{{進捗|100%|2025-03-28}}(映画の歴史) * [[高等学校歴史総合/もっと知りたい オリンピックの歩み|もっと知りたい オリンピックの歩み]]{{進捗|100%|2025-03-26}}(オリンピックの歴史) === 第3章 経済危機と第二次世界大戦 === ==== 国際協調の挫折と2度目の世界大戦 ==== * [[高等学校歴史総合/世界恐慌|世界恐慌]]{{進捗|100%|2025-01-04}}(昭和恐慌、ブロック経済圏) * [[高等学校歴史総合/ファシズムの台頭|ファシズムの台頭]]{{進捗|100%|2024-12-22}}(ファシズム、ナチ党の政権掌握) * [[高等学校歴史総合/日本の大陸進出|日本の大陸進出]]{{進捗|100%|2024-12-07}}(満州事変、日中戦争) * [[高等学校歴史総合/第二次世界大戦|第二次世界大戦]]{{進捗|100%|2025-01-06}}(ドイツの拡大、第二次世界大戦、大量殺戮と民衆の抵抗) * [[高等学校歴史総合/もっと知りたい リンゲルブルム・アーカイヴと『アンネの日記』|もっと知りたい リンゲルブルム・アーカイヴと『アンネの日記』]]{{進捗|100%|2025-03-07}}(アンネ・フランク) * [[高等学校歴史総合/歴史のなかの16歳 満蒙開拓青少年義勇軍|歴史のなかの16歳 満蒙開拓青少年義勇軍]]{{進捗|100%|2025-03-11}}(満蒙開拓青少年義勇軍の活動とか) ==== 世界大戦がもたらしたもの ==== * [[高等学校歴史総合/アジア太平洋戦争|アジア太平洋戦争]]{{進捗|100%|2025-01-12}}(日米交渉の挫折と開戦、日本のアジア支配、戦争の被害と加害) * [[高等学校歴史総合/戦争が変えた人々のくらし|戦争が変えた人々のくらし]]{{進捗|100%|2024-12-08}}(マス・メディアの普及と情報や生活の画一化、国民の組織化と戦時動員ほか) * [[高等学校歴史総合/戦後世界の新たな枠組み|戦後世界の新たな枠組み]]{{進捗|100%|2025-01-08}}(戦後構想と大戦の終結、冷戦の開始とドイツの分断、国際連合の成立) * [[高等学校歴史総合/敗戦後の日本とアジア|敗戦後の日本とアジア]]{{進捗|100%|2025-01-10}}(日本の戦後改革、大衆は敗戦をどう生きたか、冷戦と日本の独立) * [[高等学校歴史総合/冷戦下の東アジア|冷戦下の東アジア]]{{進捗|100%|2025-01-17}}(戦後の中国、朝鮮半島の南北分断、現代の朝鮮半島と台湾) * [[高等学校歴史総合/もっと知りたい 戦争を「記憶」するということ|もっと知りたい 戦争を「記憶」するということ]]{{進捗|100%|2025-03-13}}(明日の神話ほか) * [[高等学校歴史総合/もっと知りたい 核と原子力エネルギー|もっと知りたい 核と原子力エネルギー]]{{進捗|50%|2025-03-27}}(原子力の平和利用、原子力エネルギーの普及と課題) === 第4章 国際秩序の変化や大衆化と現代的な諸課題 === * ナショナリズム{{進捗|00%|2022-03-08}}[発展講義] == 第4編 グローバル化と私たち == === 第1章 生活や社会の変化を読み取ってみよう(未記述) === === 第2章 冷戦と世界経済 === ==== 冷戦と国際政治 ==== * [[高等学校歴史総合/脱植民地化とアジア・アフリカ諸国|脱植民地化とアジア・アフリカ諸国]]{{進捗|100%|2025-01-25}}(アジア・アフリカ諸国の独立、第三世界の形成と連帯) * [[高等学校歴史総合/冷戦下の地域紛争|冷戦下の地域紛争]]{{進捗|100%|2025-01-22}}(ベトナム戦争、中東戦争) * [[高等学校歴史総合/先進国の政治と社会運動|先進国の政治と社会運動]]{{進捗|100%|2025-01-23}}(西側諸国と福祉国家政策、国境をこえる社会運動) * [[高等学校歴史総合/核兵器の脅威と核軍縮|核兵器の脅威と核軍縮]]{{進捗|100%|2025-01-18}}(核拡散と核兵器反対運動、核軍縮の取り組みと課題) ==== 世界経済の拡大と日本 ==== * [[高等学校歴史総合/西ヨーロッパ・東南アジアの地域連携|西ヨーロッパ・東南アジアの地域連携]]{{進捗|100%|2024-12-03}}(西ヨーロッパ統合への動き、東南アジア諸国の動き) * [[高等学校歴史総合/戦後の日本とアジア諸国との関係|戦後の日本とアジア諸国との関係]]{{進捗|100%|2024-12-04}}(日本の国連加盟、アジア諸国との国交回復、沖縄の本土復帰) * [[高等学校歴史総合/高度経済成長|高度経済成長]]{{進捗|100%|2024-12-08}}(日本と西ドイツの経済成長、高度経済成長と人々の生活、成長のもたらした課題) * [[高等学校歴史総合/もっと知りたい グローバリゼーションとストリートダンス|もっと知りたい グローバリゼーションとストリートダンス]]{{進捗|100%|2025-03-16}}(ダンスの歴史) * [[高等学校歴史総合/歴史のなかの16歳 集団就職 「金の卵」たちの時代|歴史のなかの16歳 集団就職 「金の卵」たちの時代]]{{進捗|100%|2025-06-29}}(集団就職列車など) === 第3章 世界秩序の変容と日本 === ==== 市場経済の変容と冷戦の終結 ==== * [[高等学校歴史総合/石油危機と価値観の転換|石油危機と価値観の転換]]{{進捗|100%|2025-01-11}}(戦後経済の転換、石油危機と日本、価値観の転換) * [[高等学校歴史総合/アジアの成長|アジアの成長]]{{進捗|100%|2024-12-15}}(アジア諸国の成長、第三世界の多様化、日本の経済大国化) * [[高等学校歴史総合/冷戦の終結|冷戦の終結]]{{進捗|100%|2024-12-07}}(社会主義世界の変容、冷戦の終結とソ連の崩壊、冷戦後の地域紛争と日本) ==== 冷戦終結後の世界 ==== * [[高等学校歴史総合/民主化の進展と冷戦終結後の日本|民主化の進展と冷戦終結後の日本]]{{進捗|100%|2024-12-18}}(民主化の進展と課題、日本の政治の展開) * [[高等学校歴史総合/市場開放と経済の自由化|市場開放と経済の自由化]]{{進捗|100%|2024-11-29}}(新自由主義の台頭、経済のグローバル化と新たな国際経済組織) * [[高等学校歴史総合/地域統合の進展と課題|地域統合の進展と課題]]{{進捗|100%|2024-11-29}}(地域統合の拡大、地域統合の課題) * [[高等学校歴史総合/情報通信技術の発達|情報通信技術の発達]]{{進捗|100%|2024-11-27}}(情報通信技術の発達と社会の変化、情報化社会とその課題) * [[高等学校歴史総合/冷戦終結後の紛争と平和への取り組み|冷戦終結後の紛争と平和への取り組み]]{{進捗|100%|2024-12-07}}(冷戦終結後の紛争、紛争の解決と国際社会の役割) * [[高等学校歴史総合/もっと知りたい 災害と私たち|もっと知りたい 災害と私たち]]{{進捗|100%|2025-03-15}}(自然災害) * [[高等学校歴史総合/もっと知りたい 中東の少数派クルド人|もっと知りたい 中東の少数派クルド人]]{{進捗|100%|2025-03-17}}(国民国家の中の少数派、クルド人問題の展開) === 第4章 現代的な諸課題の形成と展望 === * 移民{{進捗|00%|2023-02-22}}(近代の移民史) == 近現代史関連用語解説・参考 == * 近現代史関連用語解説{{進捗|00%|2023-02-22}} * 途上国から見た国際関係理論{{進捗|00%|2023-03-05}}[発展講義(イマニュエル・ウォーラースティンなど)] [[カテゴリ:歴史|こうとうかつこうれきしそうこう]] [[カテゴリ:高等学校歴史総合|*]] 8grffnxrvkun64nwu8mk53q4i7gsk8o 276398 276390 2025-06-29T08:43:06Z Kwawe 68789 /* 工業化と世界市場の形成 */ 276398 wikitext text/x-wiki [[小学校・中学校・高等学校の学習]]>[[高等学校の学習]]>[[高等学校地理歴史]]>高等学校歴史総合 {{進捗状況}} 「'''歴史総合'''」は標準単位数2単位で'''必修科目'''です。 === 注意事項 === # 目次の項目、本文内容ともに[https://www.shimizushoin.co.jp/info_kyo/rekishisougou/index.html 清水書院『私たちの歴史総合』]【歴総705】に合わせています。ただし、コラムの項目名とかはwikibooksオリジナル表題に変更しています。 # なお、古代と中世に関しては、当科目では扱っていないので、[[高等学校世界史探究|世界史探究]]と[[高等学校日本史探究|日本史探究]]の学習内容を見てください。 == 第1編 歴史の扉 == === 第1章 歴史と私たち === * [[高等学校歴史総合/日本とスポーツの歴史|日本とスポーツの歴史]]{{進捗|100%|2024-11-22}}(スポーツ史) === 第2章 歴史の特質と資料 === * [[高等学校歴史総合/8月15日とそれぞれの「終戦」|8月15日とそれぞれの「終戦」]]{{進捗|100%|2025-06-03}}(玉音放送) == 第2編 近代化と私たち == === 第1章 生活や社会の変化を読み取ってみよう(未記述) === === 第2章 結びつく世界と日本 === ==== 18世紀までの世界 ==== * [[高等学校歴史総合/近世の日本と世界|近世の日本と世界]]{{進捗|100%|2024-11-23}}(日本の「鎖国」と東アジアの交易、近世東アジアの国際秩序) * [[高等学校歴史総合/18世紀の中国とアジア貿易|18世紀の中国とアジア貿易]]{{進捗|100%|2024-12-15}}(清の繁栄、清と近隣諸国とのつながり) * [[高等学校歴史総合/18世紀のイギリス・アジア・アフリカ|18世紀のイギリス・アジア・アフリカ]]{{進捗|100%|2024-12-29}}(ヨーロッパの世界進出と大西洋三角貿易、世界経済の覇権を握ったイギリス) * もっと知りたい 海を渡った日本産陶磁器{{進捗|00%|2023-12-24}}(陶磁器の歴史) * [[高等学校歴史総合/もっと知りたい 琉球と蝦夷地|もっと知りたい 琉球と蝦夷地]]{{進捗|100%|2025-03-26}}(琉球王国、蝦夷地) ==== 工業化と世界市場の形成 ==== * [[高等学校歴史総合/産業革命による経済発展と社会の変化|産業革命による経済発展と社会の変化]]{{進捗|100%|2025-01-01}}(産業革命、資本主義社会) * [[高等学校歴史総合/世界市場の形成とイギリスによるアジア進出|世界市場の形成とイギリスによるアジア進出]]{{進捗|100%|2024-12-27}}(イギリスによる世界市場の形成、イギリスのアジア進出 ) * [[高等学校歴史総合/日本の開国とその影響|日本の開国とその影響]]{{進捗|100%|2024-12-28}}(日本の開国・開港、交通革命の進展と東アジア) * [[高等学校歴史総合/歴史のなかの16歳 工女と工場法|歴史のなかの16歳 工女と工場法]]{{進捗|75%|2025-06-29}}(工場法など) * [[高等学校歴史総合/もっと知りたい 産業革命とブラスバンド|もっと知りたい 産業革命とブラスバンド]]{{進捗|100%|2024-11-23}}(金管楽器の歴史) === 第3章 国民国家と明治維新 === ==== 国民国家と立憲体制 ==== * [[高等学校歴史総合/二つの市民革命と近代民主主義社会の成立|二つの市民革命と近代民主主義社会の成立]]{{進捗|100%|2024-12-20}}(アメリカ独立革命、フランス革命、ナポレオン) * [[高等学校歴史総合/国民統合とナショナリズム|国民統合とナショナリズム]]{{進捗|100%|2024-12-12}}(19世紀前半のヨーロッパ諸国、ドイツ統一、南北戦争など) * [[高等学校歴史総合/明治維新期の日本と世界|明治維新期の日本と世界]]{{進捗|100%|2024-01-03}}(明治新政府の成立、近代化と東アジア) * [[高等学校歴史総合/近代国家への移行と憲法の制定|近代国家への移行と憲法の制定]]{{進捗|100%|2025-01-04}}(大日本帝国憲法、条約改正の実現) * もっと知りたい 国境の過去・現在・未来{{進捗|00%|2022-12-26}}(近代国家と領土画定など) * もっと知りたい 女王と天皇 理想の家族{{進捗|00%|2022-02-12}}(近代の天皇史) ==== 帝国主義とアジア・アフリカの変容 ==== * [[高等学校歴史総合/列強による帝国主義|列強による帝国主義]]{{進捗|100%|2024-12-28}}(第2次産業革命と帝国主義、欧米諸国の帝国主義政策) * [[高等学校歴史総合/帝国主義がアジア・アフリカにもたらしたもの|帝国主義がアジア・アフリカにもたらしたもの]]{{進捗|100%|2024-12-28}}(列強のアフリカ分割、西アジア諸国の改革など) * [[高等学校歴史総合/日清戦争とその影響|日清戦争とその影響]]{{進捗|100%|2025-01-02}}(日清戦争、東アジアの構造変動) * [[高等学校歴史総合/日露戦争|日露戦争]]{{進捗|100%|2025-01-03}}(義和団事件、日露戦争、朝鮮の植民地化、辛亥革命) * [[高等学校歴史総合/もっと知りたい 近代の博覧会|もっと知りたい 近代の博覧会]]{{進捗|100%|2025-03-15}}(万国博覧会の歴史) * [[高等学校歴史総合/もっと知りたい ペストと感染症|もっと知りたい ペストと感染症]]{{進捗|100%|2024-12-08}}(ペストの大流行ほか) === 第4章 近代化と現代的な諸課題 === * 鉄道建設{{進捗|00%|2023-03-02}} == 第3編 国際秩序の変化や大衆化と私たち == === 第1章 生活や社会の変化を読み取ってみよう(未記述) === === 第2章 第一次世界大戦と大衆社会 === ==== 第一次世界大戦と国際社会 ==== * [[高等学校歴史総合/第一次世界大戦|第一次世界大戦]]{{進捗|100%|2024-11-25}}(第一次世界大戦) * [[高等学校歴史総合/社会主義革命|社会主義革命]]{{進捗|100%|2024-11-27}}(ロシア革命、コミンテルン、ソビエト社会主義共和国連邦) * [[高等学校歴史総合/国際協調体制|国際協調体制]]{{進捗|100%|2024-11-23}}(ヴェルサイユ体制とワシントン体制、国際協調の高まり) * [[高等学校歴史総合/アジアの民族運動|アジアの民族運動]]{{進捗|100%|2025-01-04}}(アジアの経済成長、東アジアの民族運動、インド・東南アジア・西アジアの民族運動) * もっと知りたい ユダヤ人のパレスチナ移住とパレスチナ分割{{進捗|00%|2022-12-30}}(パレスチナの歴史、シオニズム運動) * [[高等学校歴史総合/もっと知りたい 浅川巧 朝鮮の人々とともに生きた日本人|もっと知りたい 浅川巧 朝鮮の人々とともに生きた日本人]]{{進捗|100%|2025-03-10}}(浅川兄弟) ==== 1920年代の世界と大衆の時代の到来 ==== * [[高等学校歴史総合/大衆の政治参加|大衆の政治参加]]{{進捗|100%|2025-01-02}}(世界史上の民衆運動、大正デモクラシーと大衆の政治参加) * [[高等学校歴史総合/女性の社会参加|女性の社会参加]]{{進捗|100%|2024-12-10}}(女性の社会進出、日本の大正期の女性) * [[高等学校歴史総合/大衆社会の形成|大衆社会の形成]]{{進捗|100%|2024-11-27}}(大衆社会の出現、1920年代のアメリカ、日本の大衆社会) * [[高等学校歴史総合/もっと知りたい 映画と「大衆化」|もっと知りたい 映画と「大衆化」]]{{進捗|100%|2025-03-28}}(映画の歴史) * [[高等学校歴史総合/もっと知りたい オリンピックの歩み|もっと知りたい オリンピックの歩み]]{{進捗|100%|2025-03-26}}(オリンピックの歴史) === 第3章 経済危機と第二次世界大戦 === ==== 国際協調の挫折と2度目の世界大戦 ==== * [[高等学校歴史総合/世界恐慌|世界恐慌]]{{進捗|100%|2025-01-04}}(昭和恐慌、ブロック経済圏) * [[高等学校歴史総合/ファシズムの台頭|ファシズムの台頭]]{{進捗|100%|2024-12-22}}(ファシズム、ナチ党の政権掌握) * [[高等学校歴史総合/日本の大陸進出|日本の大陸進出]]{{進捗|100%|2024-12-07}}(満州事変、日中戦争) * [[高等学校歴史総合/第二次世界大戦|第二次世界大戦]]{{進捗|100%|2025-01-06}}(ドイツの拡大、第二次世界大戦、大量殺戮と民衆の抵抗) * [[高等学校歴史総合/もっと知りたい リンゲルブルム・アーカイヴと『アンネの日記』|もっと知りたい リンゲルブルム・アーカイヴと『アンネの日記』]]{{進捗|100%|2025-03-07}}(アンネ・フランク) * [[高等学校歴史総合/歴史のなかの16歳 満蒙開拓青少年義勇軍|歴史のなかの16歳 満蒙開拓青少年義勇軍]]{{進捗|100%|2025-03-11}}(満蒙開拓青少年義勇軍の活動とか) ==== 世界大戦がもたらしたもの ==== * [[高等学校歴史総合/アジア太平洋戦争|アジア太平洋戦争]]{{進捗|100%|2025-01-12}}(日米交渉の挫折と開戦、日本のアジア支配、戦争の被害と加害) * [[高等学校歴史総合/戦争が変えた人々のくらし|戦争が変えた人々のくらし]]{{進捗|100%|2024-12-08}}(マス・メディアの普及と情報や生活の画一化、国民の組織化と戦時動員ほか) * [[高等学校歴史総合/戦後世界の新たな枠組み|戦後世界の新たな枠組み]]{{進捗|100%|2025-01-08}}(戦後構想と大戦の終結、冷戦の開始とドイツの分断、国際連合の成立) * [[高等学校歴史総合/敗戦後の日本とアジア|敗戦後の日本とアジア]]{{進捗|100%|2025-01-10}}(日本の戦後改革、大衆は敗戦をどう生きたか、冷戦と日本の独立) * [[高等学校歴史総合/冷戦下の東アジア|冷戦下の東アジア]]{{進捗|100%|2025-01-17}}(戦後の中国、朝鮮半島の南北分断、現代の朝鮮半島と台湾) * [[高等学校歴史総合/もっと知りたい 戦争を「記憶」するということ|もっと知りたい 戦争を「記憶」するということ]]{{進捗|100%|2025-03-13}}(明日の神話ほか) * [[高等学校歴史総合/もっと知りたい 核と原子力エネルギー|もっと知りたい 核と原子力エネルギー]]{{進捗|50%|2025-03-27}}(原子力の平和利用、原子力エネルギーの普及と課題) === 第4章 国際秩序の変化や大衆化と現代的な諸課題 === * ナショナリズム{{進捗|00%|2022-03-08}}[発展講義] == 第4編 グローバル化と私たち == === 第1章 生活や社会の変化を読み取ってみよう(未記述) === === 第2章 冷戦と世界経済 === ==== 冷戦と国際政治 ==== * [[高等学校歴史総合/脱植民地化とアジア・アフリカ諸国|脱植民地化とアジア・アフリカ諸国]]{{進捗|100%|2025-01-25}}(アジア・アフリカ諸国の独立、第三世界の形成と連帯) * [[高等学校歴史総合/冷戦下の地域紛争|冷戦下の地域紛争]]{{進捗|100%|2025-01-22}}(ベトナム戦争、中東戦争) * [[高等学校歴史総合/先進国の政治と社会運動|先進国の政治と社会運動]]{{進捗|100%|2025-01-23}}(西側諸国と福祉国家政策、国境をこえる社会運動) * [[高等学校歴史総合/核兵器の脅威と核軍縮|核兵器の脅威と核軍縮]]{{進捗|100%|2025-01-18}}(核拡散と核兵器反対運動、核軍縮の取り組みと課題) ==== 世界経済の拡大と日本 ==== * [[高等学校歴史総合/西ヨーロッパ・東南アジアの地域連携|西ヨーロッパ・東南アジアの地域連携]]{{進捗|100%|2024-12-03}}(西ヨーロッパ統合への動き、東南アジア諸国の動き) * [[高等学校歴史総合/戦後の日本とアジア諸国との関係|戦後の日本とアジア諸国との関係]]{{進捗|100%|2024-12-04}}(日本の国連加盟、アジア諸国との国交回復、沖縄の本土復帰) * [[高等学校歴史総合/高度経済成長|高度経済成長]]{{進捗|100%|2024-12-08}}(日本と西ドイツの経済成長、高度経済成長と人々の生活、成長のもたらした課題) * [[高等学校歴史総合/もっと知りたい グローバリゼーションとストリートダンス|もっと知りたい グローバリゼーションとストリートダンス]]{{進捗|100%|2025-03-16}}(ダンスの歴史) * [[高等学校歴史総合/歴史のなかの16歳 集団就職 「金の卵」たちの時代|歴史のなかの16歳 集団就職 「金の卵」たちの時代]]{{進捗|100%|2025-06-29}}(集団就職列車など) === 第3章 世界秩序の変容と日本 === ==== 市場経済の変容と冷戦の終結 ==== * [[高等学校歴史総合/石油危機と価値観の転換|石油危機と価値観の転換]]{{進捗|100%|2025-01-11}}(戦後経済の転換、石油危機と日本、価値観の転換) * [[高等学校歴史総合/アジアの成長|アジアの成長]]{{進捗|100%|2024-12-15}}(アジア諸国の成長、第三世界の多様化、日本の経済大国化) * [[高等学校歴史総合/冷戦の終結|冷戦の終結]]{{進捗|100%|2024-12-07}}(社会主義世界の変容、冷戦の終結とソ連の崩壊、冷戦後の地域紛争と日本) ==== 冷戦終結後の世界 ==== * [[高等学校歴史総合/民主化の進展と冷戦終結後の日本|民主化の進展と冷戦終結後の日本]]{{進捗|100%|2024-12-18}}(民主化の進展と課題、日本の政治の展開) * [[高等学校歴史総合/市場開放と経済の自由化|市場開放と経済の自由化]]{{進捗|100%|2024-11-29}}(新自由主義の台頭、経済のグローバル化と新たな国際経済組織) * [[高等学校歴史総合/地域統合の進展と課題|地域統合の進展と課題]]{{進捗|100%|2024-11-29}}(地域統合の拡大、地域統合の課題) * [[高等学校歴史総合/情報通信技術の発達|情報通信技術の発達]]{{進捗|100%|2024-11-27}}(情報通信技術の発達と社会の変化、情報化社会とその課題) * [[高等学校歴史総合/冷戦終結後の紛争と平和への取り組み|冷戦終結後の紛争と平和への取り組み]]{{進捗|100%|2024-12-07}}(冷戦終結後の紛争、紛争の解決と国際社会の役割) * [[高等学校歴史総合/もっと知りたい 災害と私たち|もっと知りたい 災害と私たち]]{{進捗|100%|2025-03-15}}(自然災害) * [[高等学校歴史総合/もっと知りたい 中東の少数派クルド人|もっと知りたい 中東の少数派クルド人]]{{進捗|100%|2025-03-17}}(国民国家の中の少数派、クルド人問題の展開) === 第4章 現代的な諸課題の形成と展望 === * 移民{{進捗|00%|2023-02-22}}(近代の移民史) == 近現代史関連用語解説・参考 == * 近現代史関連用語解説{{進捗|00%|2023-02-22}} * 途上国から見た国際関係理論{{進捗|00%|2023-03-05}}[発展講義(イマニュエル・ウォーラースティンなど)] [[カテゴリ:歴史|こうとうかつこうれきしそうこう]] [[カテゴリ:高等学校歴史総合|*]] dl74u6wjltys8uwwnrf21r47jxup0il 高等学校商業 経済活動と法/権利と義務 0 22608 276356 263231 2025-06-28T15:59:11Z Tomzo 248 /* 自然人の行為能力と制限行為能力者制度 */ 276356 wikitext text/x-wiki == 権利と義務 == === 権利と義務の意義 === 民法第1条「私権は、公共の福祉に適合しなければならない。権利の行使及び義務の履行(りこう)は、信義に従い誠実に行わなければならない。権利の濫用は、これを許さない。」と定めている === 権利の限界 === '''権利の濫用''' {{コラム|宇奈月温泉事件| (※ 代表的な判例なので、覚えること。) }} == 権利・義務の主体と、権利能力 == === 権利・義務の主体 === 仮に、生き物でない石コロなどに、権利や義務を与えても、法律的になんの役立たない。つまり、石コロは、権利をもつ資格が無く、義務をおう資格も無い。 権利をもったり、義務を負ったりする資格をもつ者のことを、'''権利・義務の主体'''という。そして、権利・義務の主体になることのできる資格を'''権利能力'''という。 私たちのような実在の生きている人間の個人個人は、権利義務の主体になりうる。 私達のような実在の人間の他にも、会社や協同組合・学校などの組織も、権利・義務の主体になってもいい法律になっている。 一方、イヌやネコは権利能力をもてないし、権利・義務の主体にもなれない。(※参考文献: 実教出版『経済活動と法』、森島昭夫、平成25年検定版、15ページ傍注。 参考文献:有斐閣『民法 総則・物件 第5版』山野目章夫、2013年第5版2刷、28ページ。) 会社や協同組合などを、契約などの権利・義務の概念から見た場合、'''法人'''(ほうじん)という。 一方、生きている人間の個人個人のことを'''自然人'''(しぜんじん)という。 日本の民法で単に「人」と言った場合、自然人と法人との両方を含む場合もあるが、単に自然人のみを言う場合もあるので、どちらの意味で持ちているか注意が必要である。 外国人に対しても、権利能力は原則として平等に認められている。(民3 (2) )(←※民法第3条の2項めの事。このような場合、法学書では一般には 民3&#9313; のように書かれるが、Wikibooks当記事では、コンピューターによる文字化けのリスクのため、書き方を変えることにする。)(※ 外国人の権利能力についても検定教科書の範囲内。) なお、法人には、選挙権や相続権は無い。(※ 石原豊昭『法律トラブルを解決するなら この一冊』、自由国民社、2013年 第3版、126ページ)選挙権を持てるのは自然人だけであり、さらに法律の定める有権者としての資格を満す必要がある。 == 自然人の権利能力 == 自然人は、出生(しゅっしょう)したときに権利能力を取得する。(←民法3条より) つまり、自然人は、生まれたときから、権利能力を持っており、うまれたばかりの赤ちゃんでも権利能力を持っている。 このような決まりがあるため、赤ちゃんの父母が死んだ時、赤ちゃんは法の定めに従って財産を相続できる。 また、赤ちゃんでも、法律的には物を所有したり、財産を所有したり、土地を所有できる。 自然人の権利能力の取得時期を、「権利能力の'''始期'''(しき)」という。まとめると、自然人の権利能力の始期は、出生のときである。 そして、人(自然人)が死ぬと、その人の権利能力も無くなる。人の権利能力の終わりのとき('''終期'''(しゅうき) )は、その人の死亡のときである。 * 胎児の例外 胎児(たいじ)とは、まだ生まれる前の赤ちゃんで、母親のお腹の中にいる状態の赤ちゃんである。仮に父親が交通事故などで死んだ場合を考えると、もし原則どおりに権利能力の始期が出生からだとすると、胎児である赤ちゃんは、仮にのちに生きて生まれても、その赤ちゃんは父親の財産を相続できなくなってしまう。 そこで、例外的に胎児であっても、親の財産の相続に関しては、その胎児が後に(のちに)生きて生まれることを条件に、法律上では、胎児はすでに生きて生まれた人として扱う。(民886) 同様の理由で、損害賠償についても、胎児は、すでに生きて生まれた者として扱う。(民721) まとめると、日本の民法など法律上では、胎児は、相続と損害賠償については、生きて生まれることを条件に、すでに生まれたものと見なしている。 * (※ 範囲外: ) 刑法と民法とで、人の始期の決まりかたが違う。 == 失踪宣告 == 長年、消息が途絶えていたり、長年の行方不明などで、生死がハッキリしない場合、このような状態を'''失踪'''(しっそう)という。一定の期間を越えた失踪は、すでに死んだものとして扱う。 もし、そういう制度が無いと、仮に、その行方不明者がお金の貸し借りをしていた場合、家族などは本人がいないため、それを解決できなくなるという恐れがある。 海難事故や戦災による失踪の場合、1年で死亡として扱う。なお、海難事故や戦災などによる、特に危険な出来事による失踪のことを'''特別失踪'''という。つまり、民法では、特別失踪は、1年間の生死不明で死亡として扱う。 いっぽう、それ以外の失踪(「'''普通失踪'''」という)の場合、7年間の生死不明で死亡として扱う。(民31) これらの期間(普通失踪なら7年、特別失踪なら1年)の経過によって、家族などが家庭裁判所などに行方不明者の失踪宣告をしてもらう申し立てが可能になり、そして、行方不明者が法律上の死亡として扱われる。 そして、失踪宣告により、すでに死亡したと扱われるので、相続が始まる。 長年の行方不明だったために死亡として処理された者が、のちに生きて帰って来た場合、失踪宣告が取り消される。(民32) しかし、すでに相続によって財産が移動してしまった場合、もし家族が失踪者の生存を知らずに相続を行った場合(このような場合を「善意」の場合、などという)なら、移動してしまったぶんの財産を戻すことはできない。(※ 範囲外)(※ 参考文献: 有斐閣『基本民法 I』大村敦志、第3版、平成23年、183ページ.) == 自然人の行為能力と制限行為能力者制度 == * [[高等学校商業 経済活動と法/自然人の行為能力と制限行為能力者制度]] {{stub|高}} {{DEFAULTSORT:けんりときむ}} [[カテゴリ:高等学校商業]] t3gp88t6i8hnfgvjdjf55kk0j8mbpd9 中学校技術/マルチメディア関係の技術 0 23037 276347 263234 2025-06-28T15:52:14Z Tomzo 248 276347 wikitext text/x-wiki {{半保護S}} == 版画 == *凸版(とっぱん) *凹版(おうばん) [[Image:Intaglio printing.png|thumb|凹版印刷のしくみ。版の凹んだ部分にインクをいれ、上から紙などを押し当てる]] *平板 *孔板 == 書体 == === 和文の書体 === * 明朝体 日本語の文字を描くときに使われる事の多い書体である。 (※ 範囲外) 小学校の教科書や中学の国語教科書など一部の教科書に使われている手書き風の書体は、一見すると明朝体っぽく見えますが、じつは違う書体の「教科書体」である場合があります。「教科書体」と言う、日本の教科書産業において普及している独自の書体が別に存在しています<ref>コンデックス情報研究所 編『いつの間に?!ココまで変わった学校の教科書』、成美堂出版、2019年 8月20日 発行、P197</ref>。教科書体と明朝体とを決して混同しないようにしましょう。なお、中学高校の一般の教科書にある明朝体っぽい書体は、実際に明朝体である場合が多いです<ref>コンデックス情報研究所 編『いつの間に?!ココまで変わった学校の教科書』、成美堂出版、2019年 8月20日 発行、P200</ref>。 :※ なお、教科書体を使いたい場合、Windowsなら既に Office 2021 に入っているので(「 UD デジタル教科書体」が入っている)、Office 2021 を持っているなら購入の必要は無い。 * ゴシック体 [[Image:Japanese gothic typeface comparison.svg|thumb|left|300px|日本におけるコンピュータ用ゴシック体の比較。MS ゴシック・MS P ゴシック(マイクロソフト)、 Osaka (Apple)、東風ゴシック (GNU/Linux)、ヒラギノ角ゴシック・ヒラギノ丸ゴシック・(大日本スクリーン製造)・小塚ゴシック (Adobe)]] 強調したい語句に使われる場合もある。(ゴシック体は、太さがほぼ一定であり、全体的にゴシック体は明朝体よりも太いと感じられる。なお、また、ゴシック体は明朝体とは書体が異なるので、周囲が明朝体の場合、ゴシック体があると明朝体と区別しやすい。) :※ なお、パソコンの有料OS専用の書体は、そのOS購入者のみに利用を許している場合もある。具体例をあげると、windowsに付属する「MSゴシック」や「MS明朝」などは、けっして他人に配布してはならない。けっして、OSから書体のデータを抜き出して他人に書体データを配布してはならない。 :(※ 範囲外: )ちなみに、パソコン用語では書体のことをフ「ォント」という。 {{clear}} * 勘亭流(かんていりゅう) [[File:Kanteiryu sample.png|thumb|left|勘亭流の見本。「江戸文字」と書かれている。]] {{clear}} === 欧文書体 === * ローマン * イタリック 図のように、斜めっぽくになっている書体。 [[画像:TeTeX roman italic.png|400px|left|thumb|立体活字とイタリック体による "The five boxing wizards jump quickly." の例。図の上段に立体活字(立体)、下段にイタリック体を示す。]] {{clear}} *サンセリフ <gallery widths=250px heights=100px> Image:Serif and sans-serif 01.svg|サンセリフフォント Image:Serif and sans-serif 02.svg|セリフフォント Image:Serif and sans-serif 03.svg|セリフフォント(赤い部分がセリフ) </gallery> === 書体の使用時の注意 === 世間一般の書体の中には、有料の物もあるので、学校教科書で紹介されたフォント以外を使用する際には注意。 === まとめ === 上述の書体画像のように、印刷物などの文字では、すでに書体が用意されている。 また、印刷にかぎらず、コンピューター上での画像の制作などでも、画像中に文字が必要な場合、特に芸術的なコダワリがなければ、時間を節約のために、文字の制作は、すでにある書体で済ませよう。 画像ソフトなどでも、書体が利用できるものがあるので、そういうソフトを使えばよい。書体を使えば、いちいち手書きで文字を書かなくて済む。 :※ なお、パソコンの有料OS専用の書体は、そのOS購入者のみに利用を許している場合もあるので、けっして、OSから書体のデータを抜き出して他人に書体データを配布してはならない。つまり、windowsに付属する「MSゴシック」や「MS明朝」などは、けっして他人に配布してはならない。 なお、英語で、ゴシック体や明朝体などのような、印刷などで使われる書体のことを font (フォント)という。パソコンのワープロソフトなどで「フォント」の設定項目があれば、書体の設定のことである。 == 色 == === 色の三要素 === [[File:色の三要素.svg|thumb|600px|明度・彩度・色相の説明図。]] 人間の目の色の感じる細胞には、三種類あるので、それに応じて、美術での色の感じ方も色を3種類に分解するのが一般である。 色の分解の仕方には、いくつかの種類がある。中学範囲を無視して代表的なものを紹介すると、 :* 明度(めいど、英:value バリュー)、彩度(さいど、英:chroma クロマ)、色相(しきそう、英:hue ヒュー)の3種類に分解する方式。 :* 赤・緑・青の三種類に分解する方式。いわゆる「RGB」(アールジービー)。レッド(red)・グリーン(green)・ブルー(blue)の略。家電の映像ディスプレイなどでの発色に用いられることが多い。 :* 赤・黄色・青の三種類に分解する方式。いわゆるCMY(シーエムワイ)。シアン(Cyan、水色)、マゼンタ(Magenta、赤紫)、イエロー(Yellow、黄色)の略。カラー印刷などでは、CMYに黒(blac'''k''')を加えたCMYK(シーエムワイケー)が用いられている。 などがある。 中学校・高校の美術では、「色の三要素」と言ったら、普通は、明度(めいど)・彩度(さいど)・色相(しきそう)の3つのことを言う。 明度(めいど)というのは、「白っぽいか、それとも灰色っぽいか、それとも黒っぽいか?」という事である。 「赤っぽさ」とか「黄色っぽさ」とか白黒灰以外の要素は、明度には含まないない。 <gallery widths=200px heights=200px> Image:Munsell Color.jpg|典型的な色空間。色相、明度、彩度からなる。中心軸(無彩色)からの距離が彩度。 Image:Saturation.gif|色空間の横断面。中心からの距離が彩度。 </gallery> ※ 読者は、これらの話題は「美術の話題では?」と思うかもしれないが、じつは画像処理ソフトなどを扱うとき、色の加工や調整などを行う際、これらの知識が必要になる場合がある。また、テレビモニターなどの画質調整などをする際に、必要になることがありうる知識でもある。 * 色相環(しきそうかん、hue circle、) <gallery widths=200px heights=200px> ファイル:HLSColorSpace.png|色相環 ファイル:MunsellColorCircle.png|色相環 </gallery> === 三原色 === * 減法混色 (げんぽうこんしょく、subtractive color) [[ファイル:Synthese-.svg|left|thumb|減法混合。原色のうち、シアンとマゼンタはそれぞれ青と赤とも呼ばれることもある。]] 赤(正確にはマゼンダ)・黄色(イエロ-)・青(正確にはシアン)の三種類に分解する方式。 印刷物の色を分解するときに用いることが多い方式。 絵の具を混ぜるとき、赤色の絵の具、黄色の絵の具、青色の絵の具の三色をまぜると、黒色になるという事実にもとづく。 ※ 絵の具は工業製品である。中学では「美術」教科で扱うの内容だが、技術を学ぶなら、中学でならう混色の原理くらい理解しておこう。 {{clear}} * 加法混色(Additive color) [[ファイル:AdditiveColorMixing.svg|thumb|180px|left|加法混合]] 色を赤・緑・青の三種類に分解する方式。 光の色を分解するときに用いる事が多い。複数の光を重ねるとき、赤の光と、緑の光と、青の光とをまぜると、白色の光になるからである。 {{clear}} === 色の対比 === * 明度対比 * 彩度対比 * 色相対比 {{clear}} == バリア・フリー == * ピクトグラム <gallery widths=150px heights=150px> ファイル:Wheelchair_symbol.svg|車椅子マーク ファイル:PublicInformationSymbol EmergencyExit.svg|非常口マーク </gallery> * ユニバーサル・デザイン(Universal Design、UD) 世の中には身体や健康に障害を持った人がいます。なるべく、そういった障害のある人でも鑑賞しやすいように作品をつくるべきです。 == アニメーションの原理 == そもそもテレビなどで見られる動居ているように見える映像の原理は、静止画像を瞬時に切り替えて、動いているように見せているだけである。 絵が動いているようにみえる「アニメ」も、絵を瞬時に切りかえているだけである。 詳しくは美術で説明している。(『[[中学校美術/美術1#アニメーションの原理]]』で詳しく説明した。) == カメラ・写真の技法 == === レンズの焦点距離による違い === :※ 中学では「美術」で習うが、技術者志望だったらレンズの広角・望遠の種類くらい知っとけ。だいたい、製造業でも工場内の様子の写真とか撮影することあるわ。まさか、オマエさん、工場内の撮影の際に、いちいち外部からカメラマンを呼ぶつもりでもあるまい。 * 広角(こうかく、wide angle) 焦点距離が近く、広い範囲の角度を写せる。 * 望遠 (telephoto) 焦点距離が長く、遠くを写すのに適する。 広角レンズと望遠レンズは異なる形状のため、同じレンズでは両方は撮影できないのが普通。 {| class="wikitable" style="width: 60%; margin-left: 20px" |+'''焦点距離別の被写界深度の比較(F値=5.6)''' |- | style="padding: 10px" | [[File:Portrait24mm5 6.jpg|150x97px]]<br />'''広角レンズ'''<br />24mm(35mm判)<br />対角線画角84° | style="padding: 10px" | [[File:Portrait50mm5 6.jpg|150x97px]]<br />標準レンズ<br />50mm(35mm判)<br />対角線画角46° | style="padding: 10px" | [[File:Portrait100mm5 6.jpg|150x97px]]<br />中望遠レンズ<br />100mm(35mm判)<br />対角線画角24° |- | colspan="3" |橋の欄干やその影に注目すると、24mmではかなり奥まで合焦しているように感じられる。50mmでは橋の中ほどより先ではボケている。100mmでは欄干はボケている。なお作例では、被写体(人物)の大きさを一定にしようと撮影しているため、カメラから被写体までの距離(ピント位置)は異なる。 |} == 動画の作成 == :※ 文科省の YouTube 動画教材で、マルメディア制作の教育そのものズバリな教材があるので、それを視聴してください。[https://www.youtube.com/watch?v=QUsgNJ-gN9w リンク:文部科学省/mextchannel『【情報Ⅰ】コミュニケーションと情報デザイン(4)「デジタル化の現場で学ぶ!マルチメディア作品の作り方!」 ] ,2023年10月4日に確認. 現代では、パソコンで低価格で動画を編集できる。けっして、テープやフィルムを使わないでも、動画を撮影したり、編集することができる。 ただし、撮影にはデジタルビデオカメラが必要だし、編集にはビデオ編集ソフトなどのソフトウェアが必要になる。 さて、Windowsを出しているマイクロソフト社から、かつてWindowsムービーメーカーというビデオ編集ソフトが出ていたが、しかし、マイクロソフトはムービーメーカーのサポート(不具合対応などのこと)を終了した。マイクロソフト公式サイトでは、もうムービーメーカーを配布してない。 このため、教育現場などでの利用は、不安がある。 ただし、windows11から、別の動画編集ソフト Microsoft Clipchamp (クリップチャンプ)が追加され、現在は windows11 ユーザーなら無料で使える。(だが、教育現場ではまだwindows11が普及してないだろう(2023年の時点)) ほか、他社から出ている動画編集ソフトで、数千円~1万円ていどで、安価な動画編集ソフトがある。 無料でも動画編集ソフトがあるが、しかしサポートなどは無く、バグなどのトラブル解決は自己責任である。 ;撮影 説明の簡単化のため、まず実写ビデオ映像の撮影を例にあげる。 まず、デジタル編集をするので、撮影にもデジタルビデオカメラを使う。 なお、実写ビデオの撮影の場合、映像だけでなく音声も同時に収録することになる。一般的なビデオカメラには録音用マイクが内蔵されているので、中学生レベルなら、わざわざマイクを買う必要は無い。(※ 仮にマイクだけを高品質品に買い換えても、ビデオ映像の画質が普通なので、高品質の録音は無駄になる。テレビ局などで使う業務用のビデオカメラ用マイクは正しく扱えれば高音質だが、しかし取り扱いには、かなりの専門知識が必要なので、中学生では使えこなせず、無駄になるので、本章では説明を省略する。) :※ 教育図書(教科書会社のひとつ)の教科書では、カメラ用の安価な外づけマイクの存在を説明している。 ともかく、映像の撮影とともに録音をするので、映画など映像作品の撮影時には、余計な音を立てないように、気をつけること。(ただし、運動会とか楽しむ学校行事の撮影などは別です。) 映画の撮影の場合、たとえ騒音などで録音に失敗しただけでも、役者の動きごと、取り直すハメになってしまう場合も多い。 一応、実写ビデオ映像に、あとから音声だけ録音しなおして追加する「アテレコ」という手法(映像業界の用語で「当ててレコーディング」のこと)もあるが、手間がかなり増えるのと、役者にアテレコの特殊技能が必要になるので、なるべくビデオ撮影時に録音も成功させたほうが早い。 [[File:Slik pro 700DX 02.jpg|250px|thumb|right|カメラ用の三脚。(ビデオ用かどうかは不明)]] さて、ビデオ作品の撮影中は、カメラを固定させる必要のある場合も多く、その場合には三脚(さんきゃく)を使う。 撮影したビデオのファイルの保存は、最終的に、MPEG(エムペグ)形式やAVI(エーブイアイ)形式など、パソコンで扱える形式で保存することになる。(もし、最初からMPEG形式またはAVI形式で保存できるなら、ファイル形式には、それを選ぶ。) :※ 高校レベルだけど、インターネットの動画によく使われてるのは MPEG4 である(※ 数研出版『情報I』)。mpeg2はDVDのやつなので、少し違う。なお、「MPEG」の4文字は Moving Picture Exports Group の略(※高校の実教出版、日本文教出版の教科書に英訳がある)。 ;音声の編集 なお、Windowsの場合、録音アプリケーションの『サウンド レコーダー』が無料で付属している(Windows7で確認)。ちょっとした録音だけなら、このアプリだけで充分である。 ただし、マイクが無いと録音できない。一般的なビデオカメラには、内蔵マイクがついている。撮影と同時に、マイクで録音できるだろう。 これとは別に、ビデオカメラ専用マイクを取り付ける方法もあるが、専門的なので省略する。 音声の編集では、音声の編集機能のあるソフトを使い、余計な音をカットすることができる。画面には、音声とともに音量の波形の変化が表示されるので、波形を見ながら判断して、不要な音をカットしたり、音量を調節できる。 音声ファイルどうしを合成したり、切り貼りしたりもできる。 :※ もし、もっと画質・音質の良い撮影をしたい場合、上記では説明してない機器がいくつも追加で必要になる。さらに、専門知識も、上述では説明してない多くの知識が必要になる。なので実務では、もし学校が実際に学校行事などを撮影して記録映像として残す場合には、プロの撮影業者に外注する場合もある。 :事実、卒業アルバム写真などの写真撮影などではプロのカメラマンに依頼するのと同様、各種の学校行事のビデオ撮影でもプロに依頼することもある。 ;創作物では絵コンテが必要 単に事実を記録するだけなら、絵コンテは不要です。 しかし、なにか物語のような創作物を芝居(しばい)などで演じたりして動画にする場合には、絵コンテが必要です。創作物の動画にする場合には、事前に絵コンテを作成しておきましょう。(※ 検定教科書でも、教育図書の教科書で、絵コンテが必要だと説明している。) また、シナリオについても、事前に作成しておきましょう。 :(※ 範囲外)実写や演劇の絵コンテの場合、写実的に描く必要も無いし、芸術的に描く必要もないし、マンガ的・アニメ的に描く必要もありません。役者やカメラマンなどがどう動けばいいかが分かるように、絵コンテを書けばいいのです。たとえば絵コンテのなかの人物の目を書く場合は、キティちゃんみたいな、少し大きめの点の目でも構いません。それでも役者とカメラマンに動きが分かるからです。耳も書く必要が無かったりします。顔の絵は丸で済むことも多いからか、こういう絵コンテの書き方を「丸チョン」(まるちょん)とか俗(ぞく)に言います。 :必要ならコンテ中に文章で「背を向ける」「歩き出る」とか書いてもいいくらいです。絵と文字で、撮影スタッフに指示が伝わればいいのです<ref>小島真也 著『動画制作の教科書 企画づくりから撮影技術の基礎、編集と公開まで』、技術評論社、P.40</ref>。 :画面の中で、どのくらいの大きさを被写体が占めるかとか、そういうのを絵で具体的に指定します。 :なお、これは(画面中の被写体の大きさのこと)、アニメの絵コンテでも同じように要求されることです。 ;手書きアニメ なお、手書きのアニメを作りたい場合、現在ではコンピュータ上で編集するのが、アニメ産業での実務でも通例である。(昔は「セル」といわれる透明なプラスチックにアニメ専用の絵の具を塗る「セル画」(セルが)を使っていたが、しかし、絵の具の乾燥の待ちや、物量がかさばるなど、手間が掛かるし、保管場所も必要になってしまうので、もう現代のアニメ産業ではセル画は使わないのが通例。) :(範囲外: )ただしアニメ用語としては「セル」という用語が残っており、画像ソフトなどでいう「レイヤー」のような意味に相当する。しかし物理的なプラスチックセルはもう使われていないのが普通。 アニメ専用のソフトウェアもあるが、専門的なので説明を省略。(いちおう東京書籍の検定教科書には「アニメーション作成ソフトウェア」の画面の例が掲載されている。) :(※ もし情報が必要ならウィキペディア『[[w:2Dアニメーション制作ソフト一覧]]』などを参照せよ。) {{コラム|(※ 範囲外) 個人製作アニメ用の絵の調達の方法| [[Image:Pen Tablet.jpg|thumb|200px|ペンタブレット]] (検定教科書では説明してないが、)そもそも、アニメ用の静止画の絵をどうやって用意するかというと、個人製作の場合、 # 自分で紙にエンピツで線画を描いて、 # スキャナーなどでパソコンに読み込み、線画を下書きにして、パソコン上で画像制作ソフトなどで、(色をぬれるようにするため、)輪郭線を描く。なおマウスだと作業しづらいので、パソコンで絵を描くための専用のデジタル式ペンが市販されている(「ペン タブレット」という)。 # パソコン上で色を塗る、などの追加作業をする。色を塗る際、塗りつぶし機能(いわゆる「バケツ」機能)を使って色を塗る。 こうして絵をパソコン上で何枚も用意していき、今度はアニメ編集ソフトで、その絵を読み込んでいくわけである。 :※ アニメ産業では、業務用の機械で、紙に書いた線画から直接的にスキャンしてアニメ用の線画データを作成する業務用機械があるが、しかし一般の家電屋では入手できないのと、使いこなすのに高度な技能とほかの設備(トレス台(トレスだい)など)が必要である。なので、一般人は市販のスキャナーなどでスキャンしてからパソコン上で輪郭線を入力したほうが早い。 :※ ペンタブレットが無くても、マウスでも清書できるように、いくつかの画像処理ソフトには「パス」という機械的に曲線を描く機能も用意されている(しかし、Windows『ペイント』アプリにはパス機能は無い)。 無料の画像処理ソフトで『GIMP』(ギンプ)というソフトがあって、GIMPにパスの機能があるが、しかしGIMPの操作がとても複雑なので中学生は勉強しなくていい。「パス」という概念さえ知ってればいい。 :※ パソコン上で清書するさい、後述する「レイヤー」機能を使うと、作業しやすい。「下書きレイヤー」と「清書レイヤー」を用意し、スキャンした下書き画像を「下書きレイヤー」にして、その下書きレイヤーの濃さを下げて、その上に「清書レイヤー」を重ね、その清書レイヤーにマウスやペンタブレットで画像をい入力していくという手法がある。 }} 一般に、アニメづくりで必要になる絵の枚数について、コンピュータで動画を表示する場合に、人間の目で「滑らかに動いてる」ように感じさせるために必要な絵の枚数は、1秒あたり、30枚ほど必要である(※ 東京書籍の教科書で、1秒あたり30枚と書かれている)。 つまり、単純計算で、1分あたり1800枚が必要になる。(実際のアニメ産業では、たとえば会話シーンなら、絵の口の部分だけ動かしたりするなどして、同じシーンでの口以外の残りの部分の絵は使いまわしをするなどして、絵の枚数を減らすことによって労力を減らすのが普通。) また、アニメでは、背景の絵の階層(レイヤー)と、人物の絵の階層(レイヤー)というように、動きのまとまりごとに絵を分けることができる。そして、背景のレイヤーの上に、人物のレイヤーを合成表示することができる。(※ 東京書籍の検定教科書に、背景レイヤーの存在が書いてある。) このようにアニメ編集ソフトでは、レイヤーを合成表示できるようになっている。 (検定教科書では書かれてないが、)口なしの顔の絵の階層(「レイヤー」という)の上に、口の絵の階層(レイヤー)を重ねられるようになっている。 (※ 顔と口パクの例は、wikibooksのオリジナル。) :(※ アニメ編集ソフトにかぎらず、画像編集ソフトやアニメ風イラスト作成ソフトなどにも、レイヤーの合成表示の機能がついていることが多い。なお、Windows7に付属してくる『ペイント』アプリには、レイヤーの機能は無い。 :無料ソフトで画像製作ソフトなどで、レイヤー機能のあるアプリがいくつか存在している。もし将来、レイヤーの使い方について勉強したければ、それらの無料ソフトを使えばいい(わざわざ高額な商品を買う必要は無い)。) 絵とは別に音声も必要である。キャラクターの声の調達では、人間の声を録音すればいい。 個人制作のアニメの録音では、マイクなどを使って、サウンド編集ソフトを使いながら録音することになる。 ::(アニメ産業などでは、別々の企業として、絵を描く人(アニメーターという)と、録音の技術者と、音楽担当や、声の俳優などが別々の企業に別れているが、しかし、個人製作では外注は費用的に困難である。個人製作では、自分で絵を描いたり、録音とかをしたりすることになるだろう。) ::アニメ編集ソフトだけがあっても、アニメは作れない。絵を描いたり録音したりとかは、自分で手や足や口を動かさなければならない。 個人製作のアニメの音声の録音では、マイクが必要なので、あらかじめパソコン用で録音用のマイクを購入しておく必要があるだろう。(※ パソコン用の録音マイクは家電量販店で数千円~1万円くらいで販売されている。)(録音用のマイクを買うこと。けっして、まちがえてカラオケ用やスピーカー用のマイクを買わないように。) {{コラム|(※ 範囲外) 個人製作アニメ用のマイク選びの予備知識| :※ パソコン用マイクや録音マイクにも種類があるが、専門的な話題になるので、おおよその説明だけをする。とりあえず、どのパソコンにも接続できる形式の安め(数千円ていど)のマイクを買ってみて、問題点があれば、より高いマイクを買うことになるだろう。現在では、ネット通話などのためのパソコン用の録音マイクが、数千円で家電量販店で購入できるハズ。 :※ マイクの種類はかなり専門的な話題になり、パソコン接続用の録音マイク以外にも、テレビ局・ラジオ局やミュージック会社などの人が使うような業務用の音響機器用の中間装置(「オーディオインターフェース」という)に接続する方式のマイクもある。しかし、初心者は、パソコン接続用マイクを買うのが良い。高価なマイクの中には、専用の音響機器につながないと使用できないものがあり、付属する機材も大きいので、初心者には高価なマイクは不要である。「オーディオインターフェース」は、いくつも調整ツマミがあったりして(いわゆる「ミキサー」の機能を兼ねていたりする場合もある)、中学生・高校生には使いこなせないので、購入は不要である。 ::※ 読者が音響以外の分野にも知識を応用できるように、工業的な原理を説明しよう。そもそも、パソコンは本来、数値計算の機器であり、あまり物理量の測定・計測とか観測とかは苦手である。いっぽう、'''マイクは、じつは音波を計測することのできる計測機器'''なのである。計測機器では一般に、精度の高い計測を行う場合には、ノイズの除去や電圧の安定化のために、専用の外部電源を積んでいる専用の外部機器(大きさは種類にもよるが、これだけで大きさが小型タブレットPC~ノートパソコンくらいの大きさだったりする)が必要だったり、場合によっては専用のケーブル(けっこう太い場合があり、直径1センチくらいあったりする)すらも必要になったりする。外部電源が必要だったりするので、コンセントをもう1個使う場合もある。 ::また、専用の外部機器に調整ツマミがいくつも付いているのも、なにもマイクにかぎらず、計測機器ではよくある仕様である。 ::しかしパソコンでは、小型化や省電力化のため、こういった計測用の外部電源や専用機器・専用ケーブルなどは、まったく付いていない。 ::もし、デジタルの測定機器をパソコンにそのまま接続すると、計測するデータの品質は(業務用の測定機器と比べると)かなり精度は低くなるのが通常である。あるいは、専門の測定機器では、そもそもパソコンには直接接続できない構造になっている場合もある。 :いっぽう、パソコン用のマイクは、小型化・省エネ化のために最低限の品質になっているので、テレビ局・ラジオ局などの業務用のマイクとは、性能がかなり違っている。なのでパソコン用のマイクで録音しても、けっしてテレビ局・ラジオ局とかの人が使っているマイクのような低ノイズの録音は出来ない。(パソコンにかぎらず、ラジカセとかに接続するマイクで録音してもノイズが発生するのは、こういうことが原因のひとつ。家庭用のマイクでは、あまりノイズを除去できない。)なので、テレビ局のような低ノイズの録音は、学生はあきらめよう。 :※ パソコン用マイクですら種類はいろいろとあり、「コンデンサマイク」または「ダイナミックマイク」とか、いろいろマイクの種類がある。さらに「USB接続」または「3.5mmステレオミニプラグ」とか、あるいは「指向性」の有無とか、いろいろな要因があるが、中学高校レベルを大幅に超えるので説明を省略。これらの用語が分からないなら、使用すべきマイクは当面のあいだ、家電量販店で購入できるような、普通のパソコン用の録音マイクを買うのが良いだろう。けっして、通販とか専門店とかで、高いマイクは買わないほうが安全である。 :※ なお、工業高校の科目『電子技術』の教科書を読むと、コンデンサマイクなどの仕組みが大まかに書いてある。よく、子供むけの技術書などに書いてあるマイクの仕組みで、「振動板に取り付けたコイルが一緒に振動することで起電力が発生するのを利用して、・・・」というのはダイナッミクマイクの仕組みである。ダイナミックマイクとは、磁石の近くにあるコイルが振動することにより、コイルに発生する起電力を読み取ることで、音を検出している。(なお、ラジオ局などで使われる「リボンマイク」というのも、磁界のなかにある金属部品のとりついたリボンを音で振動させることで検出している(※ 参考文献: 工業高校の教科書『電子技術』、実教出版)。) いっぽう、コンデンサマイクには、振動板に(コイルではなく)コンデンサの電極の(2枚あるうちの)片方1枚だけが取り付けられているので「コンデンサマイク」という。コンデンサの電極の片方が振動することにより、コンデンサの電気容量も振動するので、それを音の検出に利用している仕組みである。 }} :※ マイクと口との距離は、手に持って使うタイプのマイクや、それと大きさ・形の似たマイクの場合なら、距離は 5~10センチくらいが目安です<ref>さらだたまこ 著『部活でスキルアップ! 放送部 活躍のポイント 増補改訂版』、メイツユニバーサルコンテンツ、P36</ref>。 :(※ 範囲外)どんなに高性能なマイクを使っても、マイクだけでノイズ(雑音)を除去するのは不可能です。実務では、どうしてもノイズを除去する必要のある場合は現代では、専用のソフトウェアで除去しています<ref>小島真也 著『動画制作の教科書 企画づくりから撮影技術の基礎、編集と公開まで』、技術評論社、P.140</ref>。このため、実際の現場での聞こえ方とは、若干の違いがあります。 :その場合でも、完全にノイズを取りきるのは不可能です<ref>小島真也 著『動画制作の教科書 企画づくりから撮影技術の基礎、編集と公開まで』、技術評論社、P.140</ref>。なので、まず、目立つノイズだけを取り除き<ref>小島真也 著『動画制作の教科書 企画づくりから撮影技術の基礎、編集と公開まで』、技術評論社、P.140</ref>、あとは可能で必要なら他のノイズを取り除きます。 :※ 人間の声の録音について、ノイズ除去のための加工とは別に、視聴者が聞きやすくするために声色を加工することもある。(文科省の動画教材でそう取材先の技術者が述べている。) :※ ほかの例としては、英単語のリスニング教材を聞いていると、会話文に使われる単語の例文で、声優さんが声の加工をして、役を演じ分けて一人二役していたりとか。その教材では英語の男性声優と、日本語訳の女性声優とが居て、会話文で急に役が増えると中学生が混乱するから。なるほど、「学校の勉強も、しましょうね」ってことか。 :小型で安物のマイクも、それはそれで持ち運びには便利なので使い道があるので、もしマイクを買い換えても、前のマイクは捨てる必要は無い。 あまり高価なマイクを買ってしまっても、個人には、防音設備のある録音スタジオなどは使用できないので、高価すぎるマイクは無駄になってしまうので、高すぎない値段の録音マイクでいい。 {{コラム|(※ 範囲外) 個人製作アニメ用の録音のノウハウ| ;息継ぎ 実際に録音を始めてみると分かると思うが、息継ぎの音などが、どうしても入る。対策は結論から言うと、サウンド編集ソフトで息継ぎの音を除去したり、編集ソフトの音量調節で息継ぎしている部分の音量を下げたりすることになるだろう。 また、息継ぎの長さは人それぞれなので、けっして、映像制作の段階では、あらかじめ息継ぎの時間の長さを予想して、映像を用意することはできない。 息継ぎの時間は、けっこう長く、数秒ほどの時間である。けっして一瞬では、「一息つく」だけの息継ぎすら、終わらない。なのに「音楽」教科の授業でおこなう合唱や歌唱では、息継ぎの時間の長さが気にならない理由は、じつは作曲家が息継ぎが気にならないようにメロディを工夫しているのである。 消費者の多くは、アニメ鑑賞では息継ぎの音を嫌がる(そもそも世間一般の放映されているアニメでは、通常の声のシーンでは、息継ぎの音が無い)。 もし息継ぎのたびにマイクから離れるたり顔を動かしたりすると、今度はその 足音 とか 顔を動かす際の服のこすれる音 がマイクに入りしかねないので、どっちみちサウンド編集ソフトに頼ることになる。 もし、息継ぎせずに いっぺん に長いセリフをしゃべろうとしても、後半にいくほど声量が低くなり聞き苦しくなってしまうだけで無駄なので、息継ぎは必要である。 これは裏を返すと、絵コンテや台本を書く段階で、息継ぎのことまで少しは考えておく必要がある。長すぎるセリフは、息継ぎで中断されるので、そのままでは発音できない。(おそらく、どうしても長すぎるセリフを録音したい場合、たとえば、まず息継ぎありで録音し、あとから編集で息継ぎを除去して、編集によって息継ぎ前後の音声を合成したりすることになるだろう。) どうすれば息継ぎの無理のない絵コンテ・台本を書けるかというと、答えは単純で、絵コンテ担当者や台本担当者などは実際に自分の口で、発声して確認してみればいいだけである。 個人製作アニメにかぎらず、一般に、なにかを発注依頼する場合、一般的なマナーとして、試作の段階では、自分でかるく作ってみた試作品を、最低でも1回は自分で実験してみて確認してみるのは当然のマナーであろう。 ;口の水分 :そのほか注意事項として、ノドが極端に渇いていたりすると<ref>さらだたまこ 著『部活でスキルアップ! 放送部 活躍のポイント 増補改訂版』、メイツユニバーサルコンテンツ、P39</ref>、閉じた口を開く際に、はりついた口びるがハガれる音が、発生しやすくなる(リップ ノイズ)。空腹だと、リップノイズが発生しやすくなる<ref>さらだたまこ 著『部活でスキルアップ! 放送部 活躍のポイント 増補改訂版』、メイツユニバーサルコンテンツ、P39</ref>。ほか、対策としては、事前に、うがい等をしたり、一口くらい水を飲んで、口の中を通常の水分に保っておくことになる。ツバで くちびるをぬらしてみても、無駄である(試せば分かるが、ノドが渇いていたら、ツバでぬらしても効果が無い)。 ;余計な音 :台本のページをめくる音なども、ノイズの原因になるので、録音の最中には台本に触れないでおくことになる。 ;確認作業 :おそらく、上記のような理由のため、セリフを1フレーズ録音するたびに、いったん録音を終了して、録音が成功しているかを簡易に確認して、もし問題が見つからなかったら次の録音に進むことになるだろう。(これとは別方式で、すべてのフレーズをまとめて録音してから、まとめて確認し、あとから問題のあったフレーズだけを再収録するという方式もあるらしいが、しかし初心者は1フレーズずつ録音を確認していくほうが安全だろう。) ;編集 :実際に息継ぎの音をソフトウェアで除去してみると分かると思うが、キャラクターが黙ったまま何もせずに沈黙しているように聞こえてしまうので、沈黙の部分を編集ソフトで除去して、あたかも役者が沈黙せずにしゃべりつづけているように編集することになる。 個人制作アニメにかぎらず、実写ビデオに後からナレーションなどを追加する場合なども、同じような問題に遭遇することになるので、ナレーションを録音したあとにサウンド編集することになるだろう。 }} 値段はかなり高くなりますが、実写の動画を作る際、高性能マイクで集めた音声と、高性能ビデオで撮影した映像は、AVミキサーという機器で統合できます<ref>平井聡一郎 著『これならできる!学校DXハンドブック 小中高特別支援学校のデジタル化を推進する「授業以外のIT活用事例」』、翔泳社、2022年 3月16日 初版 第1刷発行、P202</ref>。 まあ、家電量販店などでは、AVミキサー無しでもビデオカメラなどで撮影と音声収録とが一体化した商品が昭和の昔から売られていますが。 テレビ局とか音楽レコード会社とかは、AVミキサーなどの機器を使って映像制作しているわけです。学校の放送室などにもAVミキサーが置いてあったりします。 もしかしたらAVミキサー以外の方法でも音声と映像の統合は今どきは可能なのかもしれませんが、とりあえず、放送室にある機材は何なのかの説明のため、AVミキサーという機器のノン材を教えときます。 当然ですが、今時のAVミキサーには、パソコンへの出力のためのUSBポートなども存在しています。パソコンで編集することが前提です。 マイクとビデオカメラがそれぞれ1個だけならミキサー無しでも可能かもしれませんが、しかし立派な映像を作る場合は2個以上のマイクと2個以上のビデオカメラによって撮影することもあります<ref>平井聡一郎 著『これならできる!学校DXハンドブック 小中高特別支援学校のデジタル化を推進する「授業以外のIT活用事例」』、翔泳社、2022年 3月16日 初版 第1刷発行、P203</ref>。つまり、複数台のマイクとビデオカメラで撮影する場合があるのです。そういう場合、AVミキサー無しだと、編集が難しくなります。 技術の授業だけでなく、音楽の授業にも関わってくる話題です<ref>平井聡一郎 著『これならできる!学校DXハンドブック 小中高特別支援学校のデジタル化を推進する「授業以外のIT活用事例」』、翔泳社、2022年 3月16日 初版 第1刷発行、P203</ref>。 ただし、学生レベルでは、AVミキサーまでは使い方を勉強しなくても大丈夫だと思います。きっと、教員または部活の顧問などの大人が、AVミキサーの扱いをやってくれるでしょう。 なぜなら、中高生むけの放送部のマニュアル本を読んでも、ミキサーの使い方までは指導していません<ref>さらだたまこ 著『部活でスキルアップ! 放送部 活躍のポイント 増補改訂版』、メイツユニバーサルコンテンツ、</ref>。つまり、AVミキサーの取り扱いは教員や顧問など大人の仕事、というわけでしょう。 {{コラム|個人製作アニメでの映像と声の製作の順序| 絵のキャラクターの絵での口の開閉のタイミングと、音声でのセリフの聞こえるタイミングとを、どうやって一致させるか? 方法は大まかに2通り。 パターン1: 先に声を収録し、あとから絵描きが口の動きを描く。 パターン2: 先に口の絵を動画をつくり、その動きにあわせて、声を収録する。 簡単なのは、パターン1(先に声を収録)である。 パターン1の重要な点として、'''録音の時点では、じつは動画はまったく完成していない'''のが普通である。 なぜならセリフの具体的な秒数の長さが分からないのに、アニメーター(アニメ用の絵を描く専門職の人)は口の動きや顔の動きの絵を描くことはできないからである。 (アニメ業界用語で「アフター レコーディング」(和製英語)と聞くと、あたかも映像だけは完成してそうな字面(じづら)なので、勘違いしやすい。しかし、おそらく個人製作アニメでは、声の録音の段階では映像はまったく完成してないだろう。) :※ 「アフレコ」・「アフターレコーディング」の用語は不正確である。正確には、先に声を取ってから後から映像製作する手法のことを「プレスコ」(プレ スコアリング)というが、あまり一般には普及していない用語である。 なので、声を収録する際は、個人製作アニメの声の録音なら、声の提供者は、 :あるいは絵コンテの絵(絵は大雑把)をスキャンして制作されたビデオ動画を見ながら録音することになったり(なお、絵コンテをそのままスキャンして作ったビデオ動画や、それにわずかに加工を加えた(たとえば口の開閉などを追加した)ビデオ動画の、動画そのものやその動画を作ることを、映像業界の用語で「絵コンテ撮」(えこんて さつ)という)、 :そもそも映像がない段階だったりして台本とマイク類だけで録音室の中で録音する、 等ということになったりするだろう。 :※ 検定教科書や市販の一般的な書籍でのアニメ制作の工程についての説明の順序では、先にアニメの原理をイラストつきで説明してから、あとの段落で録音を説明する場合が多いので、 :あたかも「先にビデオ映像が完成してから、その映像をもとに録音する」かのように、初心者は勘違いしがちである :しかし、じつは録音の段階ではビデオ映像は完成してない場合も多いようである。 }} ;文字などの表示 映像作品の題名の表示や、スタッフ(製作者の一覧)の表示などで文字を表示したい場合、 けっして、いちいち手書きで書く必要はないのです。(昭和の昔はそういう時代もあったかもしれないが、現代では不要。) 現代では、パソコン上で、題名の表示の画面や、スタッフの一覧の表示画面などの作成も可能です。(検定教科書の開隆堂の教科書で、パソコンで編集した文字ファイルを画面表示できると説明している。ただし、具体的な方法は述べてない。) 方法はおそらく、静止画での文字表示にかぎる手法ですが、次のような手法があると思います(※ 未確認)。 # まず、あらかじめワープロソフトやプレゼンテーションソフトなどで、文字だけの画面で、表示したい文字を配置した画面を作っておき、 # その画面をプレゼンソフトなどのファイル変換の機能を使って静止画像ファイル形式( PNG画像 や JPEG画像 など)に変換し、 # さらに、ビデオ編集ソフトの変換機能で、静止画像ファイルを動画ファイル形式(MPEG動画など)に変換して、 # さらに映像作品に連結したり合成したります(一般的なビデオ編集ソフトに、そういう機能があると思います。) ビデオ作品中での文字の大きさは、やや大きめにしましょう。 ついつい初心者は、書籍のような小さい文字のサイズで、画面上の文字をつくりがちです。しかし、それだと、視聴者には文字が小さすぎて見えません。 テレビ画面でビデオ作品を表示する可能性を考えて、ビデオ作品では文字のサイズは、けっこう大きめにします。 さて、話題は変わり、法律的なハナシですが、映像作品には著作権がありますので、たとえ学校でつくる映像といえども著作者の表示が必要ですので、たとえば「2019年度 △△市立××中学校 3年生 制作」のように、少なくとも、どこの学校の、何年度の何年生の生徒がつくったのかくらいは表示する必要があるでしょう。 たとえ子供がつくった映像作品でも、著作権は発生します。 プライバシー保護などの理由で、生徒名までは書けないにしても、せめて学校名くらいは書く必要があるでしょう。 あと、忘れがちですが題名は必要です。第三者に紹介したりするとき、何の作品か分かるようにする必要があります。 文化祭を撮影した映像なのか、それとも卒業式の映像なのか、題名から分かるようにしましょう。 もし題名で『私たちの思い出』とだけ書かれても、それが文化祭なのか修学旅行なのか卒業式なのか運動会なのか、第三者には、さっぱり分かりません。 『文化祭の思い出』とか『私たちの文化祭』のように、なんの行事を撮影したのか、題名から分かるようにしましょう。 == テレビ電話 == [[File:Webcam On Laptop.JPG|thumb|ウェブカメラ]] 現在の人類のパソコン技術では、パソコンを使って、いわゆる「テレビ電話」ができます。(ここまで検定教科書で説明されています。) インターネットの技術を応用して、ネットを介してテレビ電話ができます。 また、テレビ電話用のソフトウェアも、安価もしくは無料で配布されています。(テレビ電話の「スカイプ」は無料のはず。) ただし、パソコンでテレビ電話をするためには、テレビ電話用にパソコン接続のできるカメラ(「webカメラ」というのがある)や、パソコン接続のできるマイクが必要です。(市販のパソコンには、カメラやマイクが内蔵されていない種類の製品も多い。) :※ 東京書籍の検定教科書に、イラストで、webカメラっぽい機器のとりついたパソコンのイラストが掲載されている。 webカメラは、デジカメとは違う機器です。 ※ webカメラは名前はweb「カメラ」とはいうが、しかし写真カメラとは違っており、けっして1枚しか撮影しないわけではなく、どっちかというとビデオカメラに近い。 なお、テレビ電話で通話をする際、もしイヤホンを使わずに相手からの通話をスピーカーからそのまま出力すると、相手の声がマイクに入力されるので繰り返し同じ声が出力されつづけるので(たとえば相手が「こんにちは」と1回いっただけでも、スピーカーから声をそのまま出力するとマイクに声が ひろわれる結果、「こんにちは こんにちは こんにちは こんにちは ・・・」といつまでもスピーカーから出力が続く)、イヤホンを接続して、イヤホンから音声を出力しましょう。 やまびこ(エコー echo) みたいに、自分の声が返ってくるので、音響機器のこういう繰り返し現象は「エコー」と言われる。 一般の古いアナログ電話などでも、音声が小さくて耳に当てないと聞こえないのは、こういうエコーを防ぐ事情があると思われる。 ときどき、電話機などで、出力音声の大きい電話があるが、あれはどういう仕組みかというと、「エコーキャンセラー」などと言われる電子回路によって、その電話機から発生した音が(電話機にある)マイク部分から入力されるを打ち消しているのである。(※ ウィキペディア日本語版にも『[[w:エコー除去]]』という記事がある。) エコーキャンセラーの原理は、メーカーが非公開にしている部分もあるが、大まかな原理は、スピーカー部への入力信号から予想される音を、マイク入力信号から差し引いているだけであろう。「オペアンプ」(正確には差動増幅器(さどう ぞうふくき)、※ 工業高校で習う)という半導体回路デバイスを使うと、信号どうしを差し引くことができるので、それを使っていると思われる。 なお、エコーキャンセラーは、専門的には「防側音」(ぼうそくおん)回路などとも言われる。ただし、完全に打ち消すことはできないし、音質は変わってしまう。 一般のパソコンには、まったく、そんな気の利いた機能(エコーキャンセラー、防側音回路など)は無いので、テレビ電話の利用者のほうが、自分でイヤホンを使って、スピーカー出力音がマイクに入らないように工夫することになる。 なお、電話機で適度に出力音が遅れる(「遅延」(ちえん)という)のも、通信速度のほかにも、ハウリングなどを防ぐ理由もあるだろう。 == バリアフリー技術 == テレビ電話の技術とは別に、パソコン使用者の動きをパソコン接続カメラを使ってパソコンに入力することによって、目の動きやまばたきの動きだけでパソコンを操作する技術がある。身体障害などで手を使えない人のための技術として、応用されている。(東京書籍の教科書で説明されている。) == 人工音声 == ソフトウェア技術により、声を(人間ではなく)機械で行うことができる。なので人間が録音しなくても、すでに機械で人工的にスピーカーから声を出すためのソフトウェアが存在している。 webページの読み上げなどで、応用されている。(ここまで、東京書籍の教科書で、バリアフリー技術の一環として説明されている。) :(世界には、弱視(じゃくし)などの障害で、文字が読みづらい人がいる。 :また、咽頭(いんとう)ガンなどで声を出せなくなった人のための技術としても、人工音声は活用されている。) 人工音声ソフトでは、音声の生成は、パソコン内部で声を生成している。なので、マイクなど外部機器が無くても、人工音声は使用できる。人工音声に必要な機器は、パソコン本体のほかに、通常のパソコン内蔵のスピーカーで充分である。 :(※ 範囲外: ) :・人工音声のソフトウェアは、無料のものから有料のものまで、いろいろなソフトがある。 :・無料や低価格のものは音質に欠点があり、機械による音声なので、不自然な声色に聞こえる場合が多い。(人間そっくりの人工音声ソフトもあるが、高価格だったりして、とても一般消費者が気軽に購入できるような価格ではなかったりする。) :・また、テキストデータを機会的に読み上げているだけなので、webページの読み上げなどでは、漢字の発音が不正確だったりする。 :・用途はバリアフリー以外にも各種の音声ガイダンスなどとしても、人工音声は活用されている。 :・無料の人工音声ソフトウェアのいくつかは、インターネット上では無料で配布されている。 == 副教材、学校教員むけ専門誌など == === コンピュータ関連 === ==== 3Dプリンタと3D-CAD ==== いちぶの教科書会社の発行出版する教員むけ機関誌をみると、中学技術家の今後の教育カリキュラムの研究として、3Dプリンタを3D-CAD(キャド)と連動させる教育研究も紹介されている(いちぶの中学で教育を実験中らしい)。 (※ 3D-CAD は「スリーディー キャド」と読む。) 中学生に3Dプリンタをつかわせて、作りたい おもちゃ みたいなのを作らせようというカリキュラムが研究されてるらしい。 ただし、ソフトウェアにAutodesk(企業名)の製品を使う事や、プリンタ設備の初期投資など、高価であるのが難点である。 ==== 教育用のプログラム言語 ==== 「スクラッチ」というプログラム言語が初等〜中等教育用に開発された言語として世界的に有名である。 それとは別の言語として、日本では「ドリトル」という言語が日本人によって開発されている。なお、ドリトルを開発したのは日本の大学の教員。大阪電気通信大学の教員。 ==== その他 ==== [[File:Raspberry Pi 3 B+ (39906370335).png|thumb|ラズベリーパイ]] 「ラズベリーパイ」という名の小型のコンピュータがある。 中学技術の教育の業界では、ラズベリーパイを技術教育に活用しようという教育研究の話題がチラホラと聞かれる。 === 熱機関 === :※ マルチメディアとは話題が違いますが、話の流れ上、教員むけ専門誌の話題などが出たので、しばらくの間、このページをお借りしてマルチメディア以外の技術家庭の教育動向も報告します。 検定教科書では、内燃機関の代表例としてガソリンエンジンぐらいしか扱わない。 だが、どうやら、実習などで、外燃機関としてスターリングエンジンの模型をあつかわせる中学もあるらしい。 このほか、ロータリーエンジンも紹介するようだ。なお、高校の『数学活用』(実教出版)でロータリーエンジンが紹介されている(「ルーローの三角形」との関連で)。 == 出典・脚注 == <references/> {{stub|中}} {{stub|it}} {{DEFAULTSORT:まるちめでいあかんけい}} [[Category:中学校技術]] hpzhg46esorcgdctos9dzbevkl8bo3j Manchu/Library/Manchu Veritable Records/Vol.1 0 23177 276320 262854 2025-06-28T15:35:48Z Tomzo 248 /* manju mukdeke da susu (滿洲發跡之處) */ 276320 wikitext text/x-wiki '''manju i yargiyan kooli - ujui debtelin''' '''滿洲實錄·卷一''' ==golmin šanggiyan alin (長白山)== {| |- |'''golmin šanggiyan alin''' den juwe tanggū ba. |長白山高約二百里。 |- |šurdeme minggan ba. |週圍約千里。 |- |tere alin i ninggu de '''tamun''' i gebungge omo bi. |此山之上有一潭名闥門。 |- |šurdeme jakūnju ba. |週圍約八十里。 |- |tere alin ci tucikengge '''yalu''', '''hūntung''', '''aihu''' sere ilan giyang. |'''鴨綠'''、'''混同'''、'''愛滹'''三江俱從此山流出。 |- |'''yalu''' giyang alin i julergici tucifi wasihūn eyefi liyoodung ni julergi mederi de dosikabi. |鴨綠江自山南瀉出向西流直入遼東之南海。 |- |'''hūntung''' giyang alin i amargici tucifi amasi eyefi amargi mederi de dosikabi. |混同江自山北瀉出向北流直入北海。 |- |'''aihu''' bira wesihun eyefi, dergi mederi de dosikabi. |愛滹江向東流直入東海。 |- |ere ilan giyang de boobai tana, genggiyen nicuhe tucimbi. |此三江中每出珠寶。 |- |šanggiyan alin edun mangga, ba šahūrun nofi. |長白山山高地寒,風勁不休。 |- |juwari erin oho manggi, šurdeme alin i gurgu gemu šanggiyan alin de genefi bimbi. |夏日環山之獸俱投憩此山中。 |- |šun dekdere ergi ufuhu wehe noho šanggiyan alin tere inu. |此山盡是浮石,乃東北一名山也。 |- |} {{BookCat}} ==manju gurun i da (滿洲源流)== {| |- |'''manju''' gurun i da, golmin šanggiyan alin i šun dekdere ergi '''bukūri''' gebungge alin '''bulhūri''' gebungge omoci tucike. |滿洲原起於長白山之東北'''布庫哩'''山下一泊名'''布勒瑚里'''。 |- |tere '''bukūri''' alin i dade bisire '''bulhūri''' omo de abkai sargan jui '''enggulen''', '''jenggulen''', '''fekulen''' ilan nofi ebišeme jifi muke ci tucifi etuku etufi sere de, |初天降三仙女浴於泊,長名'''恩古倫''',次名'''正古倫''',三名'''佛庫倫''',浴畢上岸。 |- |fiyanggū sargan jui etukui dele enduri saksaha i sindaha fulgiyan tubihe be bahafi na de sindaci, |有神鵲銜一朱果置佛庫倫衣上, |- |hoirame angga de ašufi etuku eture de ašuka tubihe bilha de šuwe dosifi, |色甚鮮研,佛庫倫愛之不忍釋手,遂銜口中,甫著衣,其果入腹中, |- |gaitai andande beye de ofi. |即感而成孕。 |- |wesihun geneci ojorakū hendume, mini beye kušun ohobi, atarame tutara sehe manggi, |告二姊曰,吾覺腹重,不能回昇,奈何? |- |juwe eyun hendume, muse lingdan okto jekebihe, bucere kooli akū, |二姊曰,吾等曾服丹藥,諒無死理, |- |sinde fulinggan bifi kušun ohobidere, beye weihuken oho manggi, jio seme hendufi genehe. |此乃天意,俟爾身輕,上昇未晚。遂别去。 |- |fekulen tereci uthai haha jui banjiha, jui ofi uthai gisurembi. |佛庫倫後生一男,生而能言。 |- |goidaha akū ambakan oho manggi eme hendume, jui simbe abka facuhūn gurun be dasame banjikini seme banjibuhabi, |倏爾成成,母告子曰,天生汝,實令汝以定亂國, |- |si genefi facuhūn gurun be dasame toktobume banji seme hendufi abka i fulinggai banjibuha turgun be giyan giyan i tacibufi, |可往彼處,將所生緣由一一詳說, |- |weihu bufi, ere bira be wasime gene sefi, eme uthai abka de wesihe. |乃與一舟順水去即其地也。言訖,忽不見。 |- |tereci tere jui weihu de tefi eyen be dahame wasime genehei. |其子乘舟順流而下。 |- |muke juwere dogon de isinafi, dalin de akūnafi, burha be bukdafi, suiha be sujafi, mulan arafi, |至於人居之處,登岸折柳條為坐具,似椅形, |- |mulan i dele tefi bisire de, tere fonde, tere bai ilan halai niyalma gurun de ejen ojoro be temšenume inenggi dari becendume afandume bisirede, |獨踞其上。彼時,長白山東南'''鄂謨辉'''(地名)'''鄂多理'''(城名)内有三姓爭為雄長,終日互相殺傷。 |- |emu niyalma muke ganame genefi, tere jui be sabufi ferguweme tuwafi, amasi jifi becendure bade isaha geren i baru alame, |一人來取水,見其子舉止奇異,相貌非常,囘至爭鬪之處告眾曰, |- |suwe becendure be naka, musei muke ganara dogon de dembei ferguwecuke fulingga banjiha emu haha jui jifi tehebi seme alaha manggi, |汝等無爭,我於取水處遇一奇男子,非凡人也,想天不虚生此人,盍往觀之? |- |becendure bade isaha geren niyalma gemu genefi tuwaci, yala ferguwecuke fulingga jui mujangga. |三姓人聞言罢戰,同眾往觀。及見,果非常人。 |- |geren gemu ferguweme fonjime, enduringge jui si ainaha niyalma? tere jui ini emei tacibuha gisun i songkoi alame, |異而詰之,答曰, |- |bi abkai enduri bihe, bukūri alin i dade bisire bulhūri omo de abkai sargan jui wnggulen, jenggulen, fekulen ilan nofi ebišeme jihe bihe, abkai han suweni facuhūn be safi gurun be toktobukini seme mini beye be fulgiyan tubihe obufi emu enduri be saksaha i beye ubaliyambufi fulgiyan tubihe be gamafi bulhūri omo de ebišeme genehe. fiyanggū sargan jui etuku de sindafi jio seme takūrafi, tere enduri saksaha fulgiyan tubihe be saifi gajifi fiyanggū sargan jui etukui dele sindafi, fiyanggū sargan jui muke ci tucifi etuku etuki serede, tere tubihe be bahafi na de sindaci hairame angga de ašufi bilha de dosifi bi banjiha. mini eme abkai sargan jui gebu fekulen. mini hala abka ci wasika aisin gioro, gebu bukūri yongšon seme alaha manggi, geren gemu ferguweme, ere jui be yafaha gamara jui waka seme juwe niyalma gala be ishunde joolame jalafi galai dele tebufi boode gamafi. |我乃天女佛庫倫所生,姓'''愛新'''(漢語金也)'''覺羅'''(姓也),名'''布庫哩雍順''',天降我定汝等之亂。因將母所囑之言詳告之。衆皆驚異,曰:“此人不可使之徒行。”遂相插手爲輿,擁捧而回。<ref>此段汉文极简略,盖将其出世之详尽情形以"因将母所嘱之言详告之"一言蔽之。</ref> |- |ilan halai niyalma acafi hebdeme, muse gurun de ejen ojoro be temšerengge nakaki, ere jui be tukiyefi musei gurun de beile obufi, beri gege be sargan buki seme gidurefi. uthai beri gebungge sargan jui be sargan bufi, gurun de beile obuha. bukūri yongšon šanggiyan alin i šun dekdere ergi omohoi gebungge bigan i odoli gebungge hecen de tefi, facuhūn be toktobufi gurun i gebu be manju sehe, tere manju gurun i da mafa inu. |三姓人息爭,共奉布庫哩雍順'爲主,以百里女妻之。其國定號'''滿洲''',乃其始祖也(南朝誤名建州)。 |- |tereci ududu jalan oho manggi, amala banjire juse omosi gurun iegen be jobobure jakade, gurun irgen gemu ubašafi ninggun biya de tehe odoli hecen be kafi afafi bukūri yongšon i uksun mukūn be suntebume wara de. |歷數世後,其子孫暴虐部署,遂叛,于六月間,將鄂多理攻破,盡殺其闔族子孫。 |} ==enduri saksaha fanca be guwebuhe (神鵲救樊察)== {| |- |bukūri yongšon i enen fanca gebungge jui tucifi šehun bigan be burulame genere be, batai coohai niyalma amcara de, |内有一幼兒名樊察脫身走至曠野,後兵追之,適有一神鵲, |- |emu enduri saksaha deyeme jifi, tere fanca gebungge jui ujui dele doha, amacara coohai niyalma gūnime niyalma de geli saksaha dombio? mukdehen aise seme hendume, gemu amasi bederehe. tereci fanca guwefi tucike, tuttu ofi manju gurun i amaga jalan i juse omosi gemu saksaha be mafa seme warakū bihe. fanca tucifi beye be somime banjiha. |栖兒頭上,追兵謂人首無鵲之理,疑爲枯木樁,遂回,於是樊察得出,遂隱其身以終焉。滿洲後世子孫皆以鵲爲神,故不加害。 |} ==dudu □□□ batangga niyalma be waha (都督□□□計殺仇人)== ==manju mukdeke da susu (滿洲發跡之處)== {| |- |fancai amaga jalan i omo dudu □□□ erdemungge banjifi, ini nendehe mafari be waha kimungge niyalma juse omosi dehi niyalma be ini mafai yehe omohoi bigan i odoli hecen ci šun tuhere ergi de emu minggan sunja tanggū bai dube be suksuhu bira, hūlan hada hetu ala gebungge ba de jalidame gajifi, dulin be ini mafari kimun bata seme waha, dulin be jafafi ini ahūn deo i boigon be jolime gaifi sindafi unggihe. |其孫都督'''□□□'''<ref name="a">孟特穆 mentemu</ref>生有智略,將殺祖仇人之子孫四十餘計誘于'''蘇克素護河呼蘭哈達'''(山名)下'''赫圖阿拉'''(赫圖,漢語橫也。阿拉,崗也),距鄂多理西千五百餘里,殺其半以雪仇,執其半以索眷族,既得,遂釋之。 |- |tereci dudu □□□ tere hūlan hada hetu ala i ba de uthai tehe. |於是都督□□□<ref name="a">孟特穆 mentemu</ref>居於赫圖阿拉。 |- |dudu □□□ de banjihangge □□□, cuyan. |都督□□□<ref name="a">孟特穆 mentemu</ref>生二子,長名'''□□□'''<ref name="b">充善</ref>,次名'''褚宴'''。 |- |□□□ de banjihangge tolo, toimo, □□□. |□□□<ref name="b">充善</ref>生三子,長名'''妥羅''',次名'''妥義謀''',三名'''□□□'''。<ref name="c">錫寶齊篇古</ref> |- |□□□ de banjihangge dudu □□□. |□□□<ref name="c">錫寶齊篇古</ref>生一子都督'''□□□'''<ref name="d">福滿 fuman</ref>。 |- |dudu □□□ de banjihangge desiku, liocan, soocangga, □□□, boolangga, boosi desiku giorca gebungge bade tehe, liocan aha holo gebungge bade tehe, soocangga holo gašan gebungge ba de tehe, □□□ mafai susu hetu ala de tehe, boolangga nimalan gebungge ba de tehe, boosi janggiya gebungge ba de tehe. |□□□<ref name="d">福滿 fuman</ref>生六子,長名'''徳世庫''',次名'''瑠闡''',三名'''索長阿''',四名'''□□□'''<ref name="e">覺昌安 giocangga</ref>,五名'''寶朗阿''',六名'''寶實'''。徳世庫住'''覺爾察'''地方,瑠闡住'''阿哈和洛'''地方,索長阿住'''何洛噶善'''地方,□□□<ref name="e">覺昌安 giocangga</ref>住其祖居赫圖阿拉地方,寶朗阿住'''尼瑪蘭'''地方,寶實住'''章佳'''地方。 |- |ninggun niyalma ninggun ba de hoton arafi tehe manggi, tereci ninggutai beise sehe, tere ninggun mafa inu.(hetu alai hecen ci jai sunja hoton gorogge orin ba, hancingge sunja ba bi.) |六子六處各立城池,稱爲六王,乃六祖也。(五城距赫圖阿拉,遠者不過二十里,近者不過五六里。) |- |amba mafa desiku de banjihangge suhecen daifu, tantu, niyanggu fiyanggū. |長祖徳世庫生三子,長名'''蘇赫臣代夫''',次名'''譚圖''',三名'''尼揚古篇谷'''。 |- |jacin mafa liocan anjihangge luhucen, maningge, mentu. |二祖瑠闡生三子,長命'''祿瑚臣''',次名'''瑪寧格''',三名'''們圖'''。 |- |ilaci mafa soocangga de banjihangge litai, utai, coki ajugu, longdun, fiongdun. |三祖索長阿生五子,長名'''禮泰''',次名'''武泰''',三名'''綽奇阿珠庫''',四名'''龍敦''',五名'''斐揚敦'''。 |- |duici mafa □□□ de banjihangge lidun baturu, erguwen, jaikan, □□□, taca fiyanggū. |四祖□□□<ref name="e">覺昌安 giocangga</ref>生五子,長命'''禮敦巴圖魯'''(巴圖魯,漢語勇也),次名'''額爾袞''',三名'''齋堪''',四名'''□□□'''<ref name="f">塔克世 taksi</ref>,五名'''塔察'''。 |- |sunjaci mafa boolangga de banjihangge duicin, lengdun. |五祖寶朗阿生二子,長命'''對秦''',次名'''棱敦'''。 |- |ningguci mafa boosi de banjihangge kanggiya, ahana, aduci, dorhoci. |六祖寶實生四子,長命'''康嘉''',次名'''阿哈納''',三名'''阿篤齊''',四名'''多爾和齊'''。 |- |tere fonde, šosena gebungge niyalma uyun haha jui gemu hūsungge etuhun. |彼時,有一人名'''碩色納''',生九子,皆强悍。 |- |jai giyahū gebungge niyalmai nadan haha jui gemu gabsihiyan hūsungge ofi uyun ihan be ilibufi uksin etuhei dabali dabali terkime fekumbihe. |又一人名'''加呼''',生七子,俱驍勇,常身披重鎧連越九牛。 |- |tere juwe mukūn ceni hūsun de ertufi baba dbe nungneme gidašambihe. |二姓恃其強勇,每各處擾害。 |- |ninggutai duicin erdemungge mergen, jui lidun geli baturu mangga ofi, ninggutai beise be gaifi dailame, šosenai juse uyuntai mukūn be efulefi, |時□□□<ref name="e">覺昌安 giocangga</ref>有才智,其子禮敦又英勇,遂率其本族六王,將二姓盡滅之。 |- |giyahūi juse nadan ta be suntebufi. sunja dabagan ci wesihun, suksuhu birai sekiyen ci wasihūn juwe tanggū bai dorgi aiman be dahabufi, tereci ninggutai beise etenggi oho. |自五嶺以東,蘇克素護河以西,二百里内,諸部盡皆臣服,六王自此强盛。 |- |ninggutai boosi ninggucin i jui ahana wejige sakda gebungge bade tehe goloi amban bashan i non be yabuki seme genefi gisureci, bashan bauru hendume, si ninggutai beise mujangga, sini boo yadambi, mini non be burakūnsere jakade. |初,寶實次子阿哈納至'''薩克達部''',欲聘部長巴斯翰巴圖魯妹爲妻,'''巴斯翰'''曰:“爾雖六王子孫,家貧,吾妹必不妻娶。” |- |ahana bi since ainaha seme hokorakū seme hendufi, ini ujui funiyehe be faitafi werifi jihe. |阿哈納曰:“汝雖不允,吾決不甘心。”遂割髮留擲而去。 |- |tereci amala bashan baturu ini non be donggoi aiman i ejen kece bayan i jui elgi warka be buhe. |巴斯翰愛棟鄂部長'''克徹殷富''',遂以妹妻其子'''額爾機'''。 |- |elgi warka sakda de dacalame genefi, amasi ini boode jidere de, tomoho gebungge ba de tehe etu aru gebungge amban i harangga uyun hūlha abdari gebungge dabagan de tosidi elgi warka be waha. |後額爾機自巴斯翰家回,至'''阿布達哩嶺''',被'''托漠河'''處'''額圖阿嚕部'''下九賊<截殺>。 |- |tere tosoho uyun hūlha de encu ahana gebungge niyalma bifi, hūlhai hoki ahana seme hūlha be niyalma donjifi gisurere be kece bayan donjifi hendume, ninggutai ahana wejige yabuki sehe sargan jui be mini ji gaiha, tere kemun de ninggutai beise wahabi dere seme gisurehe be hadai gurun i wan han donjifi donggoi kece bayan de elcin takūrame sini jui be ninggutai niyalma wahakūbi, etu alu i uyun hūlha wahabi, tere uyun hūlha be bi jafafi bure, si minde daha seme takūraha manggi. |截殺之賊中有與阿哈納同名者,群賊驚呼,路人悉傳阿哈納之名,克徹聞之,曰:“先寶實之子阿哈納欲聘吾兒婦,其兄不允,吾兒遂娶。今殺吾兒者必此人也。”時哈達國汗(名'''萬''')聞其言,遣使往告克徹曰:“汝子非寶實之子所殺,乃額圖阿嚕部下九賊殺之,我擒此九賊與爾,爾當順我。” |- |kece bayan hendume, mini jui wabuha dele geli mimbe aihu sinde daha sembi? |克徹曰:“吾兒被殺,何故又令我降? |- |ninggutai niyalma suwe etu aru be bai goro seme jortai tede aname gisurembidere. muse gemu emu halai ahūn deo kai, ninggutai niyalma tondo seci hadai niyalma de uli aisin menggun bufi, etu arui uyun hūlha be gaifi minde gaji bi fonjire, tere uyun hūlha ninggutai niyalma be wahakū seci, hadai niyalma de suweni buhe ulin menggun aisin de bi holbome toodara seme gisurehe be ninggutai soocangga ilacin i boo i ekecin gebungge niyalma donjifi ini ejen de alanjire jakade. |此不過以路遠之額圖阿嚕爲辭耳。吾等地屬同鄰,若果寶實之子未殺吾兒,何不以金帛饋哈達汗擒此賊與我面質?若系賊殺吾子,金帛吾當倍償。”時有索長阿部落'''額克沁'''聞之,即往告其主。 |- |soocangga ilacin donggoi kece bayan de dorgideri niyalma takūrame, sini jui be mini elbengge, ekcingge wahabi, mini niyalma be bi wara, minde ulin gaji sere jakade, kece bayan hendume, hadai gurun i wan han oci etu arui uyun hūlha be waha sembi, soocangga si geli sini elbengge, ekecingge be waha sembi, gemu suweni ninggutai niyalma eiterembi nikai seme, uthai dalin ofi. |索長阿私遣人往誑克徹曰:“汝子是我部下額爾綳格與額克青格謀殺,若以金帛遺我,我當殺此二人。”克徹曰:“哈達汗言額圖阿嚕部下九賊殺之,爾又云爾部人殺之,此必汝等設計誑我。”於是遂成仇敵。 |- |kece bayan ninggutai beisei harangga dergi julergi juwe golo be sucuha. |因引兵攻剋六王東南所屬二處, |- |ninggutai beise anabure isifi hebdeme, muse emu mafa de fuseke beise juwan juwe gašan de teci facuhūn, emu gašan de acafi teki seme gisureme wajiha hebe be ineku soocangga ilacin i jui utai efuleme hedume, emu gašan de acafi adarame tembi? |六王不能支,相謀曰:“我等同祖所生,今分局十二處,甚是渙散,何不聚居共相保守?” |- |ulha ujirakū banjimbio?emu gašan de acafi tere be nakafi, mini amha hadai wan han de cooha baiki seme hendufi, wan han de cooha baifi donggoi aiman be juwe jergi sucufi ududu gašan be gaiha. |衆議界定,獨武泰不從,曰:“我等同往一處,牲畜難以養息,吾今詣妻父哈達汗處借兵報復。” |- |tere cooha baire onggolo, ninggutai beise hadai gurun i wan han de jui bume urun gaime ishunde sadun jafame banjiha. |於是遂借兵往攻剋克徹二次,獲其數寨。初未借兵之先,六王與哈達國汗互相結親,兵勢比肩。 |- |hadai cooha be baihaci, ninggutai aiman majige ebereke. |自借兵后,六王之勢漸衰。 |- |ninggutai □□□ duicin i duici jui □□□ i gaiha amba fujin i hala hitara, gebu □□□, agu dudu gebungge amban i sargan jui. |□□□<ref name="e">覺昌安 giocangga</ref>第四子□□□<ref name="f">塔克世 taksi</ref>嫡福金乃'''阿古'''都督長女,姓喜塔喇,名'''□□□'''<ref name="g">額穆齊</ref> |- |ere fujin de banjihangge ilan jui, amba jui gebu □□□, tukiyehe gebu sure beile, tere manju gurun i taidzu genggiyen han inu, jacin jui gebu šurgaci, tukiyehe gebu darhan baturu, ilaci jui gebu yargaci. |生三子,長名'''□□□'''<ref name="h">努爾哈赤 nurhaci</ref>,即太祖,號'''淑勒貝勒'''(淑勒貝勒,漢語聰睿王也);次名'''舒爾哈齊''',號'''達爾漢巴圖魯''';三名'''雅爾哈齊'''。 |- |jai fujin i hala nara, gebu kenje, hadai gurun i wan han i gaifi ujihe uksun i sargan jui. |側福金乃哈達國汗所養族女,姓納喇,名'''懇哲'''。 |- |tere fujin de banjihangge bayara, tukiyehe gebu joriktu. |生一子,名'''巴雅喇''',號'''卓里克圖'''(卓里克圖,漢語能幹也)。 |- |buya fujin de banjihangge murhaci, tukiyehe gebu cing baturu. |側室生一子,名'''穆爾哈齊''',號'''青巴圖魯'''。 |- |taidzu □□□ han ojoro fulingga bifi eme amba fujin □□□ beye de ofi juwan ilaci biya de nikan ii daiming gurun i giya jing han i gūsin jakūci sohon honin aniya banjiha. |初,□□□<ref name="g">額穆齊</ref>孕十三月生太祖,時乙未歲明嘉靖三十八年也。 |- |tere fonde sara niyalma gisureme, manju gurun de fulingga niyalma tucifi babai facuhūn be toktobume gurun de dahabufi han tembi sehe. |是時,有識見之長者言,滿洲必有聖人出,戡亂政治,服諸國爲帝。 |- |tere gisun be niyalma ilame donjifi bi bi han ombidere seme mujakū niyalma erenume gūniha. |此言傳聞,人皆妄自期許。 |- |taidzu sure beile mutuha manggi, beye den amban, giranggi muwa, derei fiyan genggiyen gu i adali, fucihi šan, funghūuwang ni yasa, gisurere jilgan tomorhon bime yargiyan getuken, emgeri donjiha be onggorakū, dartai saha be takambi, tere ilire de ujen jingji, arbun giru geren ci temgetu, |太祖生鳳眼大耳,面如冠玉,身體高聳,骨骼雄偉,言辭明爽,聲音響亮,一聽不忘,一見即識, |- |muduri tuwara tasha yabure adali horon mangga, mujilen tondo, kengsa lasha, sain be saha de tukiyere be kenehunjerakū, ehe be saha de bederebure be jibgešerakū, coohai erdemu, gabtara niyamniyara baturu hūsun jalan ci lakcahabi, arga bodogon šumin, cooha baitalarangge enduri gese, tuttu ofi genggiyen han sehe. |龍行虎步,舉止威嚴,其心性忠實剛果,任賢不二,去寫無疑,武藝超群,英勇蓋世,深謀遠略,用兵如神,因此號爲明汗。 |- |taidzu sure beilei juwan se de, banjiha eme akū ofi, sirame eme oshon ehe, ama □□□ sargan i gisun de dosifi jui be juwan uyun se baha manggi delhebure de aha ulha be ambula buhekū. |十歲時喪母。繼母妒之,父惑與繼母言,遂分居,年十九歲矣,家產所予獨薄。 |- |amala jui erdemungge sain be safi, neneme buhekū aha ulha be gaisu seci, sure beile gaihakū. |後見太祖有才智,復厚與之,太祖終不受。 |- |tere fonde babai gurun facuhūn ofi, manju gurun i suksuhu birai goloi aiman, hunehe birai goloi aiman, wanggiyai goloi aiman, donggoi goloi aiman, jecen i bai aiman, šanggiyan alin i goloi neyen, yalu giyang ni aiman, dergi mederi goloi weji warka kūrkai aiman, |時各部環滿州國擾亂者,有'''蘇克素護河部'''、'''渾河部'''、'''完顏部'''、'''棟鄂部'''、'''哲陳部'''、長白山'''訥殷部'''、'''鴨綠江部'''、'''東海窩集部'''、'''瓦爾喀部'''、'''庫爾喀部'''、 |- |hūlun gurun i ulai goloi aiman, hadai goloi aiman, yehei goloi aiman, hoifai goloi aiman babade hūlha holo hibsui ejen i gese der seme dekdefi meni meni beye be tukiyefi han beile amban seme gašan tome ejen, mukūn tome uju ofi ishunde dailame afame, ahūn deo i dolo wame, uksun geren, hūsun etuhun niyalma, yadalinggū budun be gidašame durime cuwangname, ambula facuhūn bihe. |'''呼倫國'''中'''烏拉部'''、'''哈達部'''、'''葉赫部'''、'''輝發部'''。各部蜂起,皆稱王爭長,互相戰殺,甚且骨肉相殘,強淩弱,眾暴寡。 |- |tere babai facuhūn gurun be manju gurun i taidzu genggiyen han fudasihūn ningge be cooha horon i dailame, ijishūn ningge be erdemui dahabume uhe obufi. |太祖能恩威並行,順著以德服,逆著以兵臨,於是削平各部。 |- |daiming gurun be dailame deribufi liyoodung guwangning ni babe baha. |後攻克'''明'''國'''遼東'''諸城。 |- |tere babai facuhūn gurun i banjihangge: |諸部世系: |- |ulai aiman i da gebu hūlun, hala nara, amala ulai birai dalin de gurun tehe seme gurun i gebu be ula sehe. |烏拉國本名呼倫,姓’’’納喇’’’,後因居’’’烏拉河’’’岸,故名烏拉。 |- |ulai gurun i da mafa nacibulu, nacibulu de banjihangge šanggiyan dorhoci, šanggiyan dorhoci de banjihangge giyamaka šogojū, giyamaka šogojū de banjihangge suitun, suitun de banjihangge dulgi, dulgi de banjihangge kesina dudu, gudei juyan. |始祖名'''納齊蔔祿''',生'''商堅多爾和齊''',商堅多爾和齊生'''嘉瑪喀額珠古''',嘉瑪喀額珠古生''' 綏屯''',綏屯生'''都爾機''',都爾機生二子,長名'''克錫納'''都督,次名'''古對珠延'''。 |- |kesina dudu de banjihangge cecemu, cecemu de banjihangge wan. |克錫納都督生'''徹徹木''',徹徹木生萬(後為哈達國汗)。 |- |gudei juyan de banjihangge tairan, tairan de banjihangge buyan, buyan ulai aiman be gebu dahabufi, ulai birai dalin i hongni gebungge bade hoton arafi tefi enculeme beile sehe. |古對珠延生'''太蘭''',太蘭生'''布顏''',布顏盡收烏拉諸部,率眾於烏拉河'''洪尼'''處稱王。 |- |buyan de banjihangge bugan, bokdo. |<ref name="i">布顏生布幹、博克多。</ref> |- |buyan beile akū oho manggi, jui bugan siraha. |布彥<ref name="j">"布彥"系"布顏"之誤</ref>卒,其子'''布幹'''繼之, |- |bugan beile akū oho manggi, jui mantai siraha. |布幹卒,其子'''滿泰'''繼之。 |- |hadai gurun i wanhan i hala nara, gurun i da gebu hūlun, amala hada gebungge ba de gurun tehe seme gurun i gebu be hade sehe, ulai gurun i beisei da mafa nacibului nadaci jalan i omolo. | |- |wan i mafa kesina dudu be ini uksun i badai darhan wara jakade, wan burulame tucifi, sibei aiman i hanci suiha gebungge hoton de tehe. | |- |wan i eshen wangju wailan geli burulame genefi, hadai aiman de ejen oho. | |- |amala hadai aiman facuhūnrafi, wangju wailan be waha manggi, wangju wailan i jui bolkon šwjin amai bata be wafi ahūn wan be suiha hoton de ganafi uthai aiman de ejen obuha. | |- |wan hanciki be dailame goroki be dahabume etenggi oho manggi, wan enculeme han ofi, gurun i gebu be hada sehe. | |- |tere fonde wan han de yehe, ula, hūifa, manju gurun i hunehe goloi aiman dahafi. | |- |yaya weile be wan han de habšaname aisin menggun, ulin jodon benehe niyalma weile yargiyan i waka bicibe urunakū uru obume, aisin menggun, ulin jodon benehekū niyalma weile udu uru bicibe urunakū waka obume beideme. | |- |ulin de doosi ehe oshon ofi, ambasa gemu alhūdume golo golo de takūraha bade dabašame gohodome ulgiyan coko be gabtame wame, sain ulin, sain giyahūn indahūn be saha de uthai gaime, ulin buhe niyalma be sain, buhekū niyalma be ehe seme alaha de, wan han da dube be dacilarakū gisun be gaime, gurun de jobobume ofi ini baha doro ini beye de efujeme deribufi, irgen ambula uba šafi yehei gurun de dosika, neneme dahaha gurun gemu gūwaliyaka. | |- |wan han akū oho manggi, jui hūrgan sirafi, goidahakū jakūci biya de akū oho, hūrgan beile akū oho manggi, deo kanggūru siraha, kanggūru beile akū oho manggi, deo menggebullu siraha. | |- |yehei aiman i da maafa monggo gurun i niyalma, hala tumet, jang gebungge bade tehe hūlun nara halai aiman be efulefi, terei babe salifi nara hala oho. | |- |amala yehe gebungge birai dalin de gurun tehe seme gurun i gebu be yehe sehe. | |- |da mafa singgen darhan, singgen darhan de banjihangge sirke minggatu, sirke minggatu de banjihangge cirgani, cirgani de banjihangge cukungge, cukungge de banjihangge taicu, taicu de banjihangge cinggiyanu, yangginu, cinggiyanu, yangginu yehei aiman be gemu dahabufi ,ahūn deo emte hoton de tehe manggi, hadai gurun i niyalma ambula dahame jihe, tereci cinggiyanu, yangginu enculeme belie oho. | |- |daiming gurun i wanlii han taidzi taiboo hergen i lii cweng liyang gebungge amban hadai niyalma šusihiyeme benehe boro dobihi, sahaliyan seke, aisin menggun be alime gaifi, yehei gurun i cinggiyanu, yangginu juwe beile be k'ai yuwan hecen de jio, ejehe ulin bure seme jalidame gamafi, wan lii han i juwan juwe ci niowanggiyan bonio aniya, cinggiyanu, yangginu juwe beile dahame genehe, ilan tanggū cooha be guwan yei miyoo i dolo horifi gemu waha. | |- |tere juwe beile wabuha manggi, cinggiyanu beilei jui bujai, yangginu beilei jui narimbulu gurun be ejelefi beile oho. | |- |daiming gurun i wan lii han i lii ceng liyang yehei gurun i juwe beile be wafi, uthai cooha gaifi, yehei gurun be dailame genefi, duka niyahan gebungge juwe gašan be afame gaiha. | |- |tere afara de coohai niyalma ambula koro bahara jakade, uthai cooha bederehe. | |- |wan lii juwan ningguci suwayan singgeri aniya, lii ceng liyang geli cooha gaifi, yehei gurun be dailame genefi, narimbulu beilei tehe dergi hecen be kafa afame, coohai niyalma ambula koro bahafi, afame muterakǖ, cooha bederehe. | |- |hoifa i gurun i da hala ikderi, sahaliyan ulai(sahaliyan ula helung giyang inu, terei da šanggiyan alin ci tucikebi) dalin de tehe nimaca aiman i niyalma. | |- |da mafa anggūli, singgūli sahaliyan ula ci gurime soki weceku be gajime jifi jaru gebungge bade tefi, jang gebungge bade tehe hūlun i gayangga tumetu gebungge niyalmai nara hala de dosime, abka de nadan ihan meteme nara hala oho. | |- |singgūli de banjihangge liocen beicen, beicen de bajihangge nalingga, naikū wan, nalingga de banjihangge laha dudu, laha dudu de banjihangge gacahan dudu, gacahan dudu de banjihangge cinegen darhan, cinegen darhan de banjihangge wangginu, wangginu hoifai aiman be dahabufi, hoifai birai dalin i hūrki gebungge hada de hoton arafi tefi, gurun i gebu be hoifa sehe. | |- |tere fonde monggo gurun i cahar i jasaktu tumen han ini beye cooha jifi wangginu beilei tehe hoifa hoton be kafi afafi bahakū cooha bederehe. | |- |wangginu beile akū oho manggi, omolo baindari ini nada eshen be gemu wafi hoifai gurun be emhun ejelefi beile oho. | |- |nikan i daiming gurun i wan lii han i juwan emuci sahahūn honin aniya niyengniyeri dulimbai biya de, manju gurun i sukushu birai aiman i turun i hoton i nikan wailan gebungge niyalma wan lii han i taidzi taiboo hergen i lii ceng liyang gebungge amban be šusihiyefi, gure gebungge hoton i ejen atai janggin, šaji gebungge hoton i ejen ahai janggin be dailame, nikan wailan temgutuleme guwafulafi, lii ceng liyang guwangning, liyoodung ni cooha be gaifi juwe jugūn i dosime jifi. | |- |lii ceng liyang ini beye atai janggin i gurei hoton be kaha, liyoodung ni fujiyang ahai janggin i tehe šaji hoton be kame jidere be hoton i niyalma sabufi, dulga burulame nukcike, dulga niyalma faitabufi hoton de kabuha, liyoodung ni fujiyang ni cooha tere šaji hoton be afame gaifi, ahai janggin be wafi. | |- |lii ceng liyang de acanjifi atai janggin i gurei hoton be kaha. | |- |tere hoton i ejen atai janggin de manju gurun i taidzu sure beilei mafa □□□ jui lidun baturu i sargan jui be buhe bihe. | |- |tere cooha jihe medege be manju gurun i taidzu sure beilei mafa □□□ donjifi, ini omolo sargan jui be daiming ni cooha be gaiburahū seme ini duici jui □□□ be gamame genefi gurei hoton de isinafi, lii ceng liyang ni cooha jing afara delimba de, jui □□□ be hoton i tule ilibufi, ini beye hoton de dosifi oomoli sargan jui be tucibufi gajiki seci, atai janggin unggirakū bisire de, jui □□□ ama be goidambi seme geli hoton de dosika. | |- |tereci lii ceng liyang gerei hoton be kafi afaci, tere hoton alin i ninggu de sahafi akdun ofi atai janggin cooha gaifi bekileme tuwakiyafi duka tucifi hoton bitumen afara cooha be sacime udu udu jergi waha. | |- |lii ceng liyang afame muterakū cooha ambula kokirabure jakade, nikan wailan be hafirame, si šusihiyefi gajifi mini cooha kokiraha seme jafaki sere de, nikan wailan golofi hendume, bi hūlame dehabume tuwara sefi hoton i niyalma baru jadalime hūlame, ere amba gurun i cooha jifi suwembe sindafi genenbio? | |- |coohai niyalma suwe atai be wafi daha, jihe coohai ejen i hendurengge atai be waha niyalma be uthai ere hecen de ejen obure sembi seme hūlata jakade. | |- |hoton dorgi niyalma akdafi, ini ejen atai janggin be wafi lii ceng liyang de dahaha. | |- |lii ceng liyang hoton i niyalma be jalidame tucibufi hehe juse ci aname gemu wara de, nikan wailan daiming ni cooha be šusihiyefi, manju gurun i taidzu sure beilei mafa □□□, ama □□□ be emgi suwaliyame waha. | |- |taidzu sure beile daiming gurun i ambasai baru miin mafa ama be umai weile akū ai turgunde waha seme gisurere jakade, daiming wan lli han taidzu sure beile de sini mafa ama be cohome waha weile waka endebuhe seme, ama madai giran gūsin ejehe, gūsin morin benjihe, jai geli nememe dudu ejehe benjihe manggi. | |- |sure beile hendume, mini mafa ama be wa seme šusihiyehe nikan wailan be jafafi minde gaji sere jakade, daiming gurun i niyalma hendume, sini mafa ama be cohome deribuhe weila waka endubuhe seme neneme gūsin ejehe, gūsin morin buhe, te geli dudu ejehe buhe, weile emgeri wajiha kai. | |- |uttu fudaraci, be nikan wailan de dafi giyaban gebungge bade hoton afara bufi, nikan wailan be suweni manju gurun de han obumbi sere jakade, tere gisun de manju gurn i niyalma gemu akdafi nikan wailan de dahaha. | |- |sure beilei emu uksun i ninggutai sunja mafai juse omosi sure beile be wafi geli nikan wailan de dahaki seme tangse de gashūha. | |- |nikan wailan geli sure beile be inde daha sere jakade, sure beile hendume, nikan wailan si mini amai jušen i ton biihe sinde dahafi tanggū se bahambio sseme korsome bisire de. | |- |nikan waialan daiming gurun i fušun šo hecen i hafan de beleme alafi suksuhu birai aiman i sarhū i hoton ejen nominai ahūn gūwara gebungge niyalma be ura dure jakade, deo nomina suksuhu birai aiman i giyamuhū gašan i ejen gahašan hashū. | |- |jan ni birai gašan i ejen cangšu, yangšu ahūn deo gemu korsofi hebešeme mujakū niyalma be tuwame banjire anggala, aisin gioro halangga ninggutai beise be tuwame banjiki seme gisurefi, sure beile de dahame jifi, ihan wame abka de gashūrede, taidzu sure beilei baru duin amban hendume, membe yayaci neneme dahame jihe be gūnici, jušen ume obure, ahūn deo i gese gosime uji seme hendufi gashūha. | |} {{BookCat}} {{stub|言語}} [[カテゴリ:満洲語]] ixjyw0szti1fvyoaiwu5xrevj05kdqy 中学受験社会/歴史/上巻 0 26149 276385 273834 2025-06-28T23:10:46Z Tomzo 248 /* 関連項目 */ 276385 wikitext text/x-wiki {{Pathnav|メインページ|小学校・中学校・高等学校の学習|中学受験参考書|中学受験社会|中学受験社会/歴史|frame=1}} [[{{PAGENAME}}]]では、中学受験社会の歴史分野について、太古~平安時代を解説します。 == はじめに == === 時代の表し方 === * 時代 歴史学習で使う時代の表し方には、まず「時代」があります。これは、「奈良時代」「江戸時代」などと、大きなことがら(都や天皇が変わる)ごとに時代を変えていく表し方です。 * 西暦 {{ruby|西暦|せいれき}}は、イエス・キリストが生まれたとされる年を西暦1年として表します。今は西暦{CURRENTYEAR}}年です。西暦1年より前の年を「{{ruby|'''紀元前'''|きげんぜん}}(B.C.) 〇年」と表します。なお、西暦1年以降の年を「{{ruby|'''紀元後'''|きげんご}}(A.D.) 〇年」と表します。 * 世紀 「{{ruby|世紀|せいき}}」とは、100年ごとに区切って、年を数える単位です。西暦1年から西暦100年までが1世紀です。西暦101年から西暦200年までが2世紀です。西暦2001年から西暦2100年までを21世紀と言います。たとえば、105年は2世紀、1853年は19世紀です。 ===単位の表し方=== *米に関する単位 *長さと面積の単位 *お金に関する単位 == {{ruby|旧石器|きゅうせっき}}時代 == === {{ruby|氷河期|ひょうがき}} - 1万年前のくらし === 1万年くらい前までは、地球は'''{{ruby|氷河期|ひょうがき}}'''と言って、今よりもずっと冷えていたのです。その結果、海水面は今よりも低く、ユーラシア大陸と日本は陸続きだったのです。そのため、大陸の北の方から'''マンモス'''や'''オオツノジカ'''が、南の方から'''ナウマンゾウ'''などの陸上動物が日本にやってきました。これらの動物の化石が、日本列島でも発見されています。 [[File:Sinomegaceros yabei - National Museum of Nature and Science, Tokyo - DSC06925.JPG|thumb|left|200px|オオツノシカの{{ruby|骨格標本|こっかくひょうほん}}]] 古い時代の物が発掘される場所を '''{{ruby|遺跡|いせき}}''' と言います。長野県の {{ruby|[[w:野尻湖遺跡|野尻湖遺跡]]|のじりこいせき}} などから、ナウマンゾウの化石が見つかっています。この発見により、ユーラシア大陸と日本が陸続きで、ナウマンゾウやオオツノジカが渡って来たことが証明されました。 これらの動物達と同じくらいの時期か、しばらくあとに、人間もやってきたと考えられています。それが日本人の{{ruby|[[wikt:祖先|祖先]]|そせん}}です。 {{clear}} === {{ruby|旧石器時代|きゅうせっきじだい}} === [[ファイル:JapanesePaleolithic VariousChippedStoneTools.jpg|サムネイル|石同士を打って作った打製石器]][[File:National park stone tools.jpg|thumb|440px|外国での石器の例]] '''{{ruby|石器|せっき}}'''といって、石を砕いてとがらせた物や、石をみがいて作った物が見つかっています。おそらく、石器は動物の狩りをしたり、野菜や果物をとったりするときなどに利用されたのだろうと考えられています。 石を打ち砕いて作ったと思われる石器を'''<span style="color:red">{{ruby|打製石器|だせいせっき}}'''</span>と言います。打製石器を多く使っていた時代を '''{{ruby|旧石器時代|きゅうせっきじだい}}''' と言います。この旧石器時代は、後述する縄文時代よりも、さらに古い時代です。縄文時代の石器には、旧石器時代とは違い、{{ruby|磨製石器|ませいせっき}}という、石同士を磨き合わせて作った石器があります。旧石器時代には、まだ磨製石器はありません。また、土器が製造されてなかったため、この時代は、「'''先土器時代'''」や「'''無土器時代'''」とも呼ばれます。 ==== {{ruby|岩宿遺跡|いわじゅくいせき}} ==== [[ファイル:ObsidianOregon.jpg|thumb|250px|アメリカ合衆国オレゴン州レイク郡で採取された黒耀石]] 群馬県の '''岩宿遺跡''' からは、一万年以上前にできた地層から打製石器のかけらが見つかっています。岩宿遺跡の石器は、'''{{ruby|相沢忠洋|あいざわただひろ}}'''という青年により1949年に発見されました。 相沢により、群馬県の関東ローム層の地層から、石器のような{{ruby|黒耀石|こくようせき}}の欠片が発見されました。相沢は、この破片を大学に調査してもらおうと思い、{{Ruby|明治|まいじ}}大学に石の破片の調査を依頼しました。学者の調査で、この遺跡が一万年以上前の遺跡であることが分かり、日本に今までなかったとされた旧石器時代があったことが証明されました。 == {{ruby|縄文|じょうもん}}時代――土器の使用 == [[File:Jomon Vessel with Flame-like Ornamentation, attributed provenance Umataka, Nagaoka-shi, Niigata, Jomon period, 3000-2000 BC - Tokyo National Museum - DSC05620.JPG|thumb|250px|縄文土器]] 地球の氷河期から数千年経つと、氷河期が終わり、地球は暖かくなり、海面は上昇し、日本列島は海に周囲を囲まれた島になりました。 このころ、日本列島に住んでいる人々は土器 を作りだしました。その土器に縄目の文様(模様)がついているので、この土器は {{ruby|'''縄文土器'''|じょうもんどき}} と呼ばれます。 今から約1万6,500年前 (紀元前145世紀) から、今から約3,000年前 (紀元前10世紀) あたりまでの時代を、<span style="color:red">{{Ruby|'''縄文時代'''|じょうもんじだい}}</span>と言います。 [[File:Yoshinogari-iseki tateanashiki-juukyo.JPG|thumb|250px|right|弥生時代の竪穴建物(復元、吉野ヶ里遺跡)。]] 縄文時代は、{{ruby|'''竪穴建物'''|たてあなたてもの}} (竪穴住居)といって、地面に穴をほりさげたあとに、柱を立てて草ぶきの屋根をかけた住居に住んでいました。かつては{{ruby|'''竪穴式住居'''|たてあなしきじゅうきょ}}という呼び方もありました。 [[File:Kasori midden preserve north.jpg|thumb|200px|{{ruby|加曽利貝塚|かそりかいづか}}の北貝層断面]] 縄文人の{{ruby|集落|しゅうらく}}があったと考えられる場所からは、貝がらなどを含む、生活ごみが発掘されました。このような場所を<span style="color:red">'''{{ruby|貝塚|かいづか}}'''</span> と言います。 前述しましたが、縄文時代の石器には、打製石器の他に、石同士で表面を磨き合わせて作った <span style="color:red">{{Ruby|'''磨製石器'''|ませいせっき}}</span>が見つかっています。磨製石器は、石の{{ruby|槍先|やりさき}}や、石の矢じり、{{ruby|斧|おの}}などに使われていました。 動物の骨でつくった <span style="color:red">'''{{ruby|骨角器|こっかくき}}'''</span> という刃物も、みつかっています。{{ruby|釣り針|つりばり}}や もり (水中の魚を突き刺す武器)などに使用されたと考えられています。 [[Image:JomonStatue.JPG|thumb|right|200px|亀ヶ岡遺跡で出土した土偶]] 縄文時代の遺跡から、<span style="color:red">{{Ruby|'''土偶'''|どぐう}}</span>という、女性のような形の、土を焼きかためた人形が見つかる場合があります。土偶は、食料が増えることを{{Ruby|祈|いの}}ったり、女性の安産を祈ったものだと考えられていますが、本当なのかは不明です。 有名な貝塚として、{{ruby|大森|おおもり}}貝塚が知られています。明治時代にアメリカ人のエドワード・モースが大森貝塚を発見しました。この大森貝塚の発見がきっかけとなり、日本各地で貝塚の調査や発掘が始まりました。それ以外にも、福井県の{{ruby|鳥浜|とりはま}}貝塚や千葉県の{{ruby|加曽利|かそり}}貝塚があります。 === {{ruby|三内丸山遺跡|さんない まるやま いせき}} === [[ファイル:Reconstructed Pillar Supported Structure.jpg|right|thumb|300px|六本柱建物 (復元) ]] 青森県の '''三内丸山遺跡''' からは、栗の木を、{{ruby|栽培|さいばい}}した形跡が見つかっています。また、多くの土器や石器のかけらもみつかっています。大型の{{ruby|掘立て柱|ほったてばしら}} の穴も見つかっています。掘立て柱の用途はまだ分かっていません。ヒスイの玉や、黒曜石で出来た刃物のようなものも見つかっています。ところが、ヒスイはこの地ではとれず、新潟県の{{ruby|糸魚川|いといがわ}}などの他の土地で取れるので、他の地域と{{ruby|交易|こうえき}}があったと考えられています。 この三内丸山遺跡は、縄文時代を知る遺跡として代表的な遺跡です。 {{Clear}} ==== {{ruby|屈葬|くっそう}} ==== [[ファイル:Oguruwa shell mounds-Flexed burial.jpg|300px|屈葬]] 縄文人の死者の骨は、手足を折り曲げて、{{ruby|葬|ほうむ}}られている遺体が多く見つかっています。このような葬り方を{{ruby|屈葬|くっそう}}と言います。これは、死者から発生すると考えられていた悪霊を寄せ付けないようにするためと考えられています。 {{clear}} == {{ruby|弥生|やよい}}時代――ムラからクニへ == 〜'''米づくりがはじまる'''〜<br> [[Image:YayoiJar.JPG|right|250px|thumb|弥生式土器。<br>紀元1世紀から3世紀に製作されたもの。]] 紀元前の5世紀ごろ、ユーラシア大陸の中国 や朝鮮半島あたりの人々から、米による稲作 が、日本に伝わりました。 米作りは、まず西日本に伝わり、西日本から東日本へと、米作りが広がっていき、東北地方まで広がりました。 この時代の農具の多くは、まだ、木製 です。ただし、米作りとともに鉄器 の技術 も日本に伝わっているので、一部では鉄を用いた農具も見つかっています。 穂から米をとるのに、{{Ruby|石包丁|いしぼうちょう}} が、使われました。 * 弥生土器 また、このころ、土器は、縄文土器よりも うすくて かたい <span style="color:red">{{Ruby|'''弥生土器'''|やよいどき}} </span>を作るようになりました。かつては{{Ruby|'''弥生式土器'''|やよいしきどき}} と言う呼び方もありました。「弥生」とは、学者が発見した場所が、東京の弥生町 で見つかったので、「弥生土器」と、よばれています。 縄文土器と弥生土器の違いは、弥生時代のころには、土器をつくる技術が進歩したので、土器の形が 変わったのだろうと考えられています。 * {{Ruby|高床倉庫|たかゆかそうこ}} 米の保管には、<span style="color:red">{{Ruby|'''高床倉庫''' |たかゆかそうこ}}</span>が使用されました。かつては{{Ruby|'''高床式倉庫'''|たかゆかしきそうこ}} と言う呼び方もありました。 高床倉庫が高いのは、ねずみなどの動物が入りづらくするためというのが主な理由だろうと考えられています。風通しをよくし、湿気を逃すため、という理由もあるでしょう。ねずみの害を防ぐという理由の有力な根拠として、地面から床までの柱の、柱の頂上に「ネズミがえし」がついていて、動物などが登れないように工夫した高床倉庫が見つかっています。 <gallery widths="200px" heights="200px"> Image:Takayukasikisouko.JPG|高床倉庫 妻側より (復元、神奈川県、大塚・{{Ruby|歳勝土|さいかちど}}遺跡) File:Yoshinogari-iseki takayukashiki-souko.JPG|高床倉庫 (復元、吉野ヶ里遺跡) </gallery> 弥生時代の多くの住まいは、竪穴建物です。 {{clear}} * 金属器 [[ファイル:DotakuBronzeBellLateYayoi3rdCenturyCE.jpg|thumb|銅鐸 (日本の青銅器)]] 大陸や朝鮮半島から米作りがつたわるととも)に、{{Ruby|青銅器|せいどうき}} や鉄器 などの金属器 が伝わりました。そして、日本でも弥生時代中に、金属器がつくられるようになりました。 青銅 とは、銅 と すず(金属のひとつ) とを溶かしてまぜあわせた金属でつくられた、合金 です。 青銅器には、銅剣 や、{{Ruby|銅矛|どうほこ}} 、{{Ruby|銅鐸|どうたく}} 、{{Ruby|銅鏡|どうきょう}} などがあります。 <gallery widths="200px" heights="200px"> File:Koujindani Remains 03.JPG|銅矛と共に出土した銅鐸 (島根県・出雲市の{{ruby|荒神谷|こうじんだに}}遺跡) 。古墳時代の遺跡。 ファイル:YayoiBronzeSpearTip1-2ndCenturyKyushu.jpg|弥生時代の銅矛 (九州で出土、1–2世紀) </gallery> 青銅器は、おもに祭りに使われました。一方、鉄器は、農具や武器などの実用品に使われました。 * {{Ruby|登呂遺跡|とろいせき}} [[File:2004年08月25日竪02.JPG|thumb|240px|right|登呂遺跡。復元、竪穴状平地建物。]] 静岡県の{{Ruby|登呂|とろ}}遺跡 からは、竪穴建物に似た平地建物と、高床倉庫が見つかっています。水田の跡もあります。水路やあぜ道は、矢板 という板で、仕切られています。 * {{Ruby|吉野ケ里遺跡|よしのがりいせき}} [[File:Yoshinogari-iseki zenkei.JPG|thumb|440px|right|吉野ケ里遺跡。遠景]] これは佐賀県吉野ヶ里町にあります。 まわりを{{Ruby|濠|ほり}} でかこまれた {{Ruby|'''環壕集落'''|かんごうしゅうらく}} である。 人骨からは矢尻が刺さっているものも見つかっています。これらのことから、人々のあいだで争いがあったことが予想できます。 堀の内側からは、多くの高床倉庫が見つかっています。 おそらくは、米作りによって、食料生産が増えたので人口が多くなって、それぞれの集落で、多くの人口を養うために米の生産量を増やす必要が生じたため、土地や水が必要になり、なので、集落どうしで土地や水をめぐっての争いが起きたのだろうと思われています。 このような争いが、身分の差を作っていった理由の一つだとも思われています。 この吉野ケ里遺跡は、弥生時代を知る遺跡として、代表的な遺跡です。 === {{Ruby|『漢書』地理誌|かんじょちりし}} === ~中国の歴史書に見る日本~ この頃の日本にはまだ文字がありません。ですが、中国の王朝の国には、文字がありました。 その中国の歴史書から、日本の様子も、分かります。 中国の、今の中華人民共和国のあたりに、紀元前1世紀ごろの当時あった帝国の'''漢''' という国の歴史書の『漢書』の中の『地理誌』では、日本の弥生時代のころのようすについても、記述が書かれています。 : (漢書にかかれた漢は、前漢である。前漢については後述。漢には、時代によって前漢と後漢がある。) その頃、漢の人は日本を<span style="color:red">{{Ruby|'''倭'''|わ}} </span>と呼び、日本人を{{Ruby|'''倭人'''|わじん}}と呼んでいます。 漢書によると、そのころの、日本は、100あまりの国に分かれており、漢の王朝へ、定期的に貢物 を持って、あいさつ に やってくるそうです。 日本は、{{Ruby|楽浪郡|らくろうぐん}}(今の朝鮮半島) のむこうにあるようです。 {{コラム|中国の王朝の変化| 漢も、最初からあったわけではありません。 :{{Ruby|夏|か}} :古代文明の{{Ruby|黄河|こうが}}文明があったあと、しばらくして{{Ruby|夏|か}}という国がありました。 :{{Ruby|殷|いん}} :そのあと、紀元前1500年ごろに、殷 という国が出きました。 :{{Ruby|周|しゅう}} :つぎに、紀元前1100年ごろに、周 が殷をほろぼします。 :紀元前8世紀に、その周が分裂しました。 :{{Ruby|秦|しん}} :紀元前221年に、秦 が統一しました :{{Ruby|漢|かん}} :その秦 が漢 に滅ぼされました。 漢は一度ほろびました。そのあと再び漢の王朝になったので、前漢 と後漢 とに分けられました。 :さらに後漢が分裂しました。 :三国時代 :多くの諸国の中から有力な勢力が三つ勝ち残った三国時代になりました。 三国時代とは、「三国志」などで有名な、{{Ruby|魏|ぎ}}・{{Ruby|呉|ご}}・{{Ruby|蜀|しょく}} の三国の時代です。 三国の中で魏が、もっとも強く、最終的に魏が、三国を統一します。統一したあとの王朝の名は「魏」ではなく、別の名前なのですが、まだ覚えなくても良いです。 ここまで、国名だけを、まとめると 「殷 、周 、秦 、漢 、三国時代 」となります。 }} 後漢の歴史書の{{Ruby|『後漢書』東夷伝 |ごかんじょ とういでん}}によると、倭の{{Ruby|奴国|なこく}}の王が、後漢に外交の使者をおくり、日本から漢に貢物を送ったことが記されています。 {{Ruby|奴|な}}とは、100あまり、あった国のうちの一つだと、思われています。 [[File:King of Na gold seal.jpg|260px|thumb|left|金印 (きんいん) 。漢委奴国王印]] [[File:King of Na gold seal imprint 1935.jpg|thumb|right|金印の印文。漢委奴國王印文]] 漢の皇帝の{{Ruby|光武帝|こうぶてい}} は、日本の奴国王に<span style="color:red">'''金印'''</span>を授けたといいます。 金印は、江戸時代の1784年に、今の福岡県の博多湾の{{Ruby|志賀島|しかのしま}}で、発見されています。金印の印の面には、文字がほられ、「漢委奴国王」と、ほられています。「漢委奴国王」は、「かん の わ のな こくおう」などと読みます。 {{clear}} === {{ruby|邪馬台国|やまたいこく}} === * {{Ruby|『魏志』倭人伝 |ぎし わじんでん}} 中国大陸の3世紀ごろの歴史書の '''『魏志』倭人伝''' では、日本の3世紀ごろは、国の数が30あまりになっていることが分かります。東夷伝では100あまりの国が、魏志倭人伝では30ほどの国まで減っているので、このあいだの長い年月に、統一が進んでいったことが分かります。 そして、日本にこれら30あまりの国を従えた <span style="color:red">'''{{ruby|邪馬|やま}}台国'''</span> がありました。邪馬台国は、名を <span style="color:red">{{Ruby|'''卑弥呼'''|ひみこ}}</span> という女の人物が治めていました。 倭人伝によると、倭 の国では、もともとは男の王をたてていたようですが、戦争が続いたので、卑弥呼を女王にしたようです。 邪馬台国の場所は、現在まだ不明であり、近畿説と九州説があります。 もし、倭人伝の記述どおりの方向に場所を特定しようとすると、九州の南の太平洋の海の上に出てしまい、倭人伝の方向の記述が、あてになりません。 邪馬台国の場所の有力な説は、九州北部にあったという説と、奈良県の{{Ruby|大和|やまと}}にあったという説です。 邪馬台国は、魏に、外交の使いを送ります。 卑弥呼は、魏の皇帝から、 '''{{Ruby|親魏倭王|しんぎわおう}}'''という称号の入った<span style="color:red">'''金印'''</span> と、そのほか、100枚の銅鏡と、絹の織物や、毛織物などを、日本は受け取りました。 倭人伝によると、卑弥呼の政治は、まじないや占いによるものだったようです。卑弥呼は、宮殿にこもりきりで、人々の前には、ほとんど姿を見せなかったようです。卑弥呼の弟が、宮殿に出入りをしていて、卑弥呼からの指示を人々につたえていたらしいです。実務は、弟など、卑弥呼でない人物が行っていたようです。 卑弥呼が死ぬと、大きな墓が作られ、また、100人あまりの{{Ruby|奴隷|どれい}} が、いっしょに埋められました。 倭人伝により、当時の日本の様子が分かります。 身分の差は、人々のあいだに、すでにありました。道端で身分の違う者どうしが出会うと、身分のひくい側のほうが道をゆずったといいます。 服装は、女性は{{Ruby|'''貫頭衣'''|かんとうい}} という、布のまんなかに、顔をだすための穴をあけただけの服を着ていたようです。 また、税の制度があると、倭人伝に書かれています。{{Ruby|市|いち}}も、開かれているようです。 == {{Ruby|古墳|こふん}}時代 == [[画像:NintokuTomb Aerial photograph 2007.jpg|thumb|前方後円墳。{{Ruby|仁徳天皇陵|にんとくてんのうりょう}}と思われている{{Ruby|大仙|だいせん}}古墳<br />大阪府堺市]] 3世紀から4世紀ごろになると、王や豪族の間で大きな墓が作られ始めました。 このような、大きな王などをほうむった大きな墓を <span style="color:red"><big>古墳</big></span> といいます。特に近畿地方や瀬戸内海の沿岸に見られました。 この、3世紀ごろの時代から、7世紀ごろまでの時代を {{Ruby|古墳|こふん}}時代 と言います。 古墳には、いろいろな形のものがあります。円形に盛り上がった古墳を円墳と言います。四角く盛り上がった古墳を方墳と言います。円墳と方墳があわさったような、かぎ穴のような形の古墳を <span style="color:red"><big>前方後円墳</big></span>(といいます。 大阪府の堺市にある <big>{{Ruby|大仙|だいせん}}(大山)古墳</big> は、日本で最大の面積の古墳です。 大仙古墳は、まわりが3重の{{Ruby|濠|ほり}}で、かこまれています。 ほかの場所でも、古墳が発見されています。代表的な古墳としては、 :{{Ruby|稲荷山|いなりやま}}古墳…埼玉県 :{{Ruby|五色塚|ごしきづか}}古墳…兵庫県 :{{Ruby|高松塚|たかまつづか}}古墳…奈良県明日香村 :{{Ruby|江田船山|えだふなやま}}古墳…熊本県 などがあります。 * 古墳の副葬品 [[File:KofunSoldier.jpg|thumb|left|140px|はにわ。武装男子立像]] [[画像:HaniwaHorse.JPG|thumb|190px|はにわ。馬形埴輪]] 古墳からは、鏡や玉、剣などの副葬品が、発見されている。他にも、<span style="color:red"><big>はにわ</big></span>(埴輪)という、土を焼いて作られた人型や馬型などの置き物が、発見されています。 {{clear}} ==== 大和朝廷 ==== 奈良県の{{Ruby|大和|やまと}}地方には、大きな古墳が多い。このことから、この大和の地方に、有力な勢力があったと、考えられている。この奈良地方の有力な豪族たちの政治勢力を '''大和政権''' といます。 この大和政権の政府を <span style="color:red"><big>大和朝廷</big></span>(やまと ちょうてい) といい、その最高権力者を <span style="color:red"><big>大王</big></span>(おおきみ) といいます。 大王(おおきみ)の一族は、後の天皇とよばれる一族である。 {{コラム|キビとイズモの王朝| 当時の日本には、地方によっては、ヤマト政権の他にも有力な豪族の治める王国があった。今でいう島根県あたりの出雲や、今でいう岡山県あたりの吉備での、ヤマト以外の豪族たちの政権である。これらの政権を、大和朝廷や大和政権に対応して、出雲のほうは出雲政権とかイズモ政権とかイズモ王国、吉備のほうは吉備政権やキビ政権や吉備王国やキビ王国などと呼ぶこともあります。 最終的に、のちの時代に日本を支配することになったのは奈良を中心とする政権の大和朝廷である。 イズモ政権やキビ政権については、まだ学者たちが研究中のこともあり、よく分かっていないことが多い。 }} [[File:Inariyama sword.JPG|thumb|350px|right|まんなかの剣が発掘された金錯銘鉄剣]] 埼玉県の稲荷山古墳から見つかった鉄剣には、'''ワカタケル'''大王の名が刻まれた文がありました。文を読むと、この地方の王は、ワカタケル大王に使えていたようです。 熊本県の {{ruby|江田船山|えだふなやま}}古墳 にも、おなじ名前の刻まれた鉄刀があり、ワカタケル大王の支配する領域が、関東地方から九州までの広い範囲に、およんでいたことが、分かります。 正確に言うと、当時はまだ漢字しか文字がなかったので、稲荷山の鉄剣には115字の漢字が刻まれており、その漢字の中に「{{Ruby|獲加多支鹵|ワカタケル}}大王」という名が、刻まれています。  また江田船山古墳で発掘されたの鉄刀には、「獲□□□鹵大王」と, 一部が読めなくなっていますが、同じ名前が刻まれています。 後の日本の神話の書の『古事記』や、後の歴史書の『日本書紀』などから「ワカタケル」という人物の存在が知られているので、鉄剣などがワカタケルの存在を裏付ける証拠になったのです。日本書紀に「{{ruby|幼武|わかたけ}}天皇」という記述があるのです。 ワカタケル大王とは、 {{Ruby|雄略|ゆうりゃく}}天皇 だということが分かっています。 * 氏と姓 日本国内では、日本国内での大和朝廷による勢力拡大が進むにつれ、豪族において、{{Ruby|氏|うじ}}と{{Ruby|姓|かばね}}とによる、後の氏姓制度が作られました。 '''氏'''は、主に、血のつながった者どうしの集団で, たとえば, {{Ruby|蘇我氏|そがし}}・{{Ruby|物部|もののべ}}氏・{{Ruby|大伴|おおとも}}氏などが, '''姓''' とは、政治の地位による称号で、たとえば「{{Ruby|臣|おみ}}」や「{{Ruby|連|むらじ}}」という姓があります。 * 渡来人 5世紀ごろ、朝鮮半島や中国大陸から、多くの人が日本に渡ってきて、日本に移り住んだ。このように、古い時代に外国から日本に移り住んだ人たちを {{Ruby|渡来人|とらいじん}} といいます。 この5世紀頃の渡来人により、外国の文化が日本に多く伝わりました。 * '''漢字'''が日本に伝わりました。 * '''{{Ruby|儒教|じゅきょう}}''' が伝わりました。儒教とは、中国の{{Ruby|孔子|こうし}}が始めた、政治や道徳の思想です。 * 用水路の土木技術や、{{Ruby|機|はた}}織りの技術、農具や工具や武器などをつくる技術など、新しい技術も、日本に伝わります。 * 仏教の伝来 また、538年に 仏教も、外国から伝わりました。 仏教は、紀元前5世紀ごろのインドで、 {{ruby|釈迦|しゃか}}が始めました。 {{clear}} == {{Ruby|飛鳥|あすか}}時代 == ~{{Ruby|聖徳太子|しょうとくたいし}}の登場~ {| class="wikitable" style="float:right" |+ 聖徳太子のころ | 年 || 年令 || 太子の行ったこと || 社会のできごと |- ! style="text-align: left;" colspan="4" | 6世紀 |- | || || || 豪族どうしが争う |- |574 || 1才 || 聖徳太子が生まれる || |- | || || || {{Ruby|蘇我|そが}}氏が権力をにぎる |- |589 || || || {{Ruby|隋|ずい}}が中国を統一する |- |593 || 20才 || 聖徳太子が摂政となる || |- ! style="text-align: left;" colspan="4" |7世紀 |- |603 || 30才 || 冠位十二階を定める || |- |604 || 31才 || 十七条の憲法を定める || |- |607 || 34才 || 小野妹子を遣隋使として送る || |- |618 || || || 隋がほろんで{{Ruby|唐|とう}}となる |- |622 || 49年 || 聖徳太子がなくなる || |- |645 || || || 大化の改新 |- |} 日本では、6世紀ごろから 豪族の影響力が強まり, 豪族同士の戦いや争いも出てきました。 後に、{{ruby|蘇我|そが}}氏が{{Ruby|物部|もののべ}}氏と争います。 蘇我氏は、仏教などの渡来人の伝える外国文化の受け入れに積極的でした。いっぽう、物部氏は、仏教には反対でした。 [[ファイル:Prince Shotoku with Two Princes by Kano Osanobu 1842.png|180px|thumb|聖徳太子が描かれた肖像画。まんなかの、一番、背の高い人物が聖徳太子。]] 推古天皇は、<big>摂政</big>(せっしょう)として<span style="color:red"><big>聖徳太子</big></span>(しょうとく たいし)という人物をたて、聖徳太子に、朝廷の強さをますための、あたらしい法律や政治のしくみをつくらせる。 摂政とは、天皇のかわりに、政治の実務を行なうものです。天皇がなんらかの理由で政治の実務が行えない時に、摂政が、たてられます。歴史的には、天皇が幼い場合や、天皇が女性の場合に、摂政がたてられることが多いです。 聖徳太子は 厩戸皇子(うまやどの おうじ) とも言われます。 聖徳太子は蘇我馬子と協力し、これらの改革をすすめました。 聖徳太子らによる改革では、'''<span style="color:red">冠位十二階の制</span>'''と、<span style="color:red"><big>十七条の憲法</big></span>(じゅうななじょう の けんぽう)があります。 * 冠位十二階の制(かんいじゅうにかい の せい) 冠位十二階の制は、家柄に関係なく有能な役人を採用するための制度です。能力や手柄(てがら)によって、役人に位(くらい)が与えられます。位は、一代かぎりです。 役人の位を12段階に分けたので、このような名前で呼ばれます。これ以前は、家柄によって位が与えられたのが、あらためられました。 * 十七条の憲法(じゅうななじょう の けんぽう) 役人の心がまえを、記したものです。豪族などに対して、役人としての心がまえを述べたものでしょう。 内容を現代風に訳すと、およそ、次のようなことが書かれています。 :1条 :争いをやめ、'''仲良くしなさい'''。 :2条 :仏教を'''保護'''しなさい。 :3条 :天皇の命令には、'''したがい'''なさい。 :12条 :百姓(ひゃくしょう)などの民(たみ)から、'''かって'''に税や貢物(みつぎもの)をとっては、いけません。 :17条 :重要なことを決めるときには、'''話し合い'''で決めなさい。 その他にも、いろんなことが書かれていて、全部で17条あるので、十七条の憲法と言います。 もともとの文は漢文で書かれています。この聖徳太子の時代には、まだ、ひらがなが、ありません。のちの歴史書の『日本書紀』(にほんしょき)に、十七条の憲法の原文があります。 原文は、けっこう長いです。 :(小学生は、原文をおぼえなくてもいいです。) 原文に、読みやすいように送り仮名をつけ、記述の一部を抜粋(ばっすい)すると、 :一(いち)に曰く(いわく)、和(わ)を以て貴し(とうとし)と為し(なし)、忤(さか)ふること無きを宗(むね)とせよ。(後略)<br/> :二に曰く、篤く(あつく)三宝(さんぽう)を敬へ(うやまえ)。三宝とは仏(ほとけ)・法(のり)・僧(ほうし)なり。(後略)<br/> :三に曰く、詔(みことのり)を承り(うけたまわり)ては必ず謹(つつし)め、君をば天(あめ)とす、臣をば地(つち)とす。(略)<br/> (中略) :十二に曰く、国司(くにのみこともち)・国造(くにのみやつこ)、百姓(おおみたから)に斂る(おさめる)ことなかれ。国に二君(ふたりのきみ)非(な)く、民に両主(ふたりのあるじ)無し、率土(くにのうち)の兆民(おおみたから)、王(きみ)をもって主となす。(略)<br/> (中略) :十七に曰く、夫れ事独り断むべからず。必ず衆(もろもろ)とともに宜しく論(あげつら)ふべし。(後略) といったふうに、書かれています。 十七条の憲法は、「憲法」と言っても、現代の日本の「日本国憲法」(にほんこく けんぽう)のような、他の法律の基本となる民主主義の理念や、日本国の国家理念がふくまれたものとは、ちがうので、混同しないでください。 聖徳太子らの行った重要な政策には、外交政策も、あります。中国を支配していた<big>隋</big>(ずい)という帝国(ていこく)との外交です。ある国と、別の国とが、政治の取り引きをすることを外交と言います。 607年に、外交の使者として '''<span style="color:red">{{Ruby|小野妹子|おののいもこ}}</span>'''たちを 隋に送りました。<span style="color:red"><big>遣隋使</big></span>(けんずいし)の派遣(はけん)です。 なお、小野妹子は男です。 {{Ruby|隋|ずい}}に外交の使者を派遣するので「遣隋使」といいます。 外交の結果、日本は隋と国交を結びます。国交とは、それまで、つきあいのなかった2つの国どうしが、平和に、かかわりを持ち始めることです。 また、隋の文化や制度は日本よりも進んでいたので、多くの文化や制度を、日本は取り入れます。 隋と国交をむすぶとき、日本は、隋と日本とを対等の立場で、国交を結ぼうとします。そして、対等の立場で国交をむすぶことに、日本は成功します。 それ以前の外交では、中国大陸の帝国には、周辺国が貢物を持ってきて、中国の帝国の属国として外交をむすぶことが、ふつうでした。 当時の隋は、朝鮮半島の{{Ruby|高句麗|こうくり}}と敵対していたので、高句麗と日本が協力することを恐れたのだろう、と言われています。 隋の歴史書である『隋書』(ずいしょ)に、この妹子との外交に関する記述があります。 :(小学生は原文を覚えなくてもいいです。) [[ファイル:Sui-yangdi.jpg|thumb|隋の皇帝である煬帝(ようだい)。真ん中の人物が楊帝。]] 隋の皇帝へと、小野妹子が差し出した国書(こくしょ)には、 「日出ずる処(ひ いずるところ)の天子(てんし)、書(しょ)を日(ひ)没する処(ぼっするところ)の天子に致す(いたす)。恙無きや(つつがなきや)」 ※おぼえなくて良い (原文 :日出處天子致書日沒處天子無恙) ※おぼえなくて良い とあります。両国とも「天子」(てんし)という表現を用いていることに注目してください。つまり、日本の天皇と、中国大陸の皇帝を、同じ地位(ちい)と見ているわけです。 ほかにも、日本のことを「日出ずる処」と書いて、隋(ずい)を「日没する処」と書いてあります。 当初、この日本からの国書を読んだ隋の皇帝の煬帝(ようだい)は、日本を無礼な国だと思い激怒したといいます。 『隋書』には、漢文で書かれています。これを日本語に読み下すと :訳 :帝は国書を読んだが、不満であった。部下の外交官に言うには「日本からの書は、無礼である。二度と私に日本からの国書を見せるでない。」 と、なります。 ですが、隋の皇帝・{{Ruby|煬帝|ようだい}}は高句麗との戦争を有利にすすめるため、隋は日本に良い待遇をしたのです。 日本の側も、隋と高句麗都との敵対した情勢に関する情報をつかんでおり、その情勢を利用して外交での交渉に利用したのです。 ==== 飛鳥文化 ==== 聖徳太子が政治をおこなっていた時期でもある7世紀ごろ、今でいう奈良県である飛鳥地方に都が置かれていました。この時代のことを <big>飛鳥時代</big>(あすかじだい) といい、この時代の文化を <big>飛鳥文化</big>(あすかぶんか) といいます。 この飛鳥文化は仏教を中心とした文化である。 * 法隆寺 [[ファイル:Horyu-ji08s3200.jpg|thumb|法隆寺。金堂と五重塔]] [[File:Shakyamuni Triad Horyuji2.JPG|thumb|法隆寺の釈迦三尊像(金堂)]] 聖徳太子は、法隆寺を、607年に、建てさせます。法隆寺の場所は、今でいう奈良県にあります。法隆寺は、現存する木造建築の中で、世界最古の木造建築です。法隆寺は、世界文化遺産に1993年に登録されました。 法隆寺には、 <big>釈迦三尊像</big>(しゃか さんぞんぞう) や <big>百済観音像</big>(くだらかんのんぞう) 、おさめられている。 [[ファイル:Tamamushi Shrine.JPG|thumb|right|200px|玉虫厨子]] そのほか、法隆寺には絵画の<big>玉虫厨子</big>(たまむしのずし)など、多くの美術品が、おさめられている。 法隆寺の柱は、円柱の中央が、ふくらんでいる。これはギリシア建築に多く見られる特徴でエンタシスという特徴である。 その他、唐草文様などが美術品に見られるが、唐草文様の発祥はギリシアである。 これらのことから、ギリシアや中東の美術文化が、おそらくは中国大陸を通して、日本に美術文化が入って来ていることが分かる。 さて、聖徳太子は、四天王寺(してんのうじ)も、建てさせます。場所は、今でいう大阪府です。 飛鳥時代の、ほかの寺では、広隆寺(こうりゅうじ)の弥勒菩薩像(みろく ぼさつぞう)も、飛鳥時代の仏像として有名である。 <gallery widths="200px" heights="200px"> Image:Maitreya Koryuji.JPG|弥勒菩薩像。京都、広隆寺。 </gallery> ==== 聖徳太子の死後 ==== 622年に、聖徳太子が、死にます。 聖徳太子の死後は、蘇我氏が権力が強まります。 蘇我馬子(そがのうまこ)も、626年に、なくなります。 まず、蘇我馬子の子である<big>蘇我蝦夷</big>(そがの えみし)の権力が、強まります。さらに、馬子の孫であり、蝦夷の子である<big>蘇我入鹿</big>(そがのいるか)の権力が強まります。 643年に、蘇我入鹿は、山背大兄王(やましろのおおえのおう)という聖徳太子の子である人物と、山背大兄王 の一族を滅ぼします。 このような強権的な蘇我氏に対して、豪族たちからの不満が高まります。 * 乙巳の変(いっしのへん)  ※ 小学生は、おぼえなくて良い。 <big>645年</big>に、ついに、皇族の<span style="color:red"><big>中大兄皇子</big></span>(なかのおおえの おうじ)と、豪族の<span style="color:red"><big>中臣鎌足</big></span>(なかとみの かまたり)(藤原鎌足)との協力により、蘇我入鹿は殺害されます。蝦夷は、この事件を知り、自殺します。 この蘇我氏の死亡した事件を 乙巳の変(いっしのへん) という。 (※ 小学生は、おぼえなくて良い。) * 大化の改新(たいか の かいしん) このあと、中大兄皇子らが権力を取り、政治改革を色々と行なう。この皇子らの改革を <span style="color:red"><big>大化の改新</big></span>(たいか の かいしん) という。645年に年号(ねんごう)を「大化」(たいか)に定めたので、この一連の改革は大化の改新と呼ばれています。 「大化」という年号により、日本では、はじめて年号が定められます。年号をさだめることは、中国大陸の帝国を参考にしたのです。 645年の覚え方には、「虫殺し」(むしごろし、645ろし)と覚える語呂合わせ(ごろあわせ)が、あります。 645年 :大化の改新 虫殺し(645ろし) 645年の一連の事件により、皇極天皇(こうぎょくてんのう)は退位して、皇極元・天皇の弟の孝徳天皇(こうとくてんのう)が645年に天皇になります。 ==== 改新の詔 ==== :(かいしん の みことのり) 中国大陸では、すでに618年に隋(ずい)が滅んでおり、<big>唐</big>(とう)という帝国になっていた。日本も、これに対して、政治改革をする必要があった。 さて、改革の内容はと言うと・・・ 646年に<big>改新の詔</big>(かいしん の みことのり)が出されます。これは改革内容の方針や目標を表したものです。この詔の発見は『日本書紀』で発見されています。 改革の内容は、以下の、<big>公地公民</big>(こうちこうみん)、<big>班田収授</big>(はんでんしゅうじゅ)、租(そ)・庸(よう)・調(ちょう)、<big>国司</big>(こくし)の設置(せっち)、です。 * 公地公民(こうちこうみん) これまでは豪族や皇族たちが持っていた土地は、すべて朝廷のものになります。豪族や皇族が持っていた人民も、朝廷が持つことになります。この命令が<big>公地公民</big>(こうちこうみん)です。朝廷が管理できない土地の存在を禁止します。同様に、朝廷が管理できない住民の存在も禁止します。 * 班田収授(はんでんしゅうじゅ) 人民の<big>戸籍</big>(こせき)を作り、人民に耕作をさせるための<big>口分田</big>(くぶんでん)という田を与え耕作させます。 この当時の戸籍とは、人民をひとりずつ、公文書に登録することで、住所や家族の名や年齢、家の世帯主、などを把握することです。 この飛鳥時代に、すでに「戸籍」という言葉がありました。 このような情報の管理は、税をとることが目的です。税の台帳である<big>計帳</big>(けいちょう)をつくるため、戸籍が必要なのです。 現在の日本での戸籍とは、「戸籍」の意味が少しちがうので、注意してください。「計帳」という言葉は、この飛鳥時代の言葉です。詔の本文に書かれています。 詔の本文に、「初造戸籍計帳班田収授之法。」とあります。現代風に読みやすく区切りを入れれば、「初 造 戸籍 計帳 班田収授之法。」とでも、なりましょう。 目的は、収穫から税収をとるためです。前提として、公地公民が必要です。 6年ごとに人口を調査します。 税を取るにも、まずは人口を正しく把握しないと、いけないわけです。女にも、 口分田が与えられます。 原則として、6才以上の男に2反(720歩=約24アール)の田を与え、女(6才以上)には男の3分の2(480歩=約16アール)の田を与えています。5才以下には与えられません。 死んだ人の分の田は、国に返すことになっていました。 * 租(そ)・庸(よう)・調(ちょう) {| class="wikitable" style="float:right" |+ <span style="font-size: large;">一般の人々の負担</span> ! colspan="2" | <span style="font-size: large;">種類</span> ||<span style="font-size: large;">内容</span> |- | rowspan="3" |<SPAN STYLE="FONT-WEIGHT:NORMAL;"><span style="font-size: large;"> 税 </span></SPAN> |<SPAN STYLE="FONT-WEIGHT:NORMAL;"><span style="font-size: large;">租</span></SPAN> |収穫(しゅうかく)の約3%の稲(いね) |- |<SPAN STYLE="FONT-WEIGHT:NORMAL;"><span style="font-size: large;">調</span></SPAN> |地方の特産物(糸、きぬ、わた、塩、<br />魚、海そう、鉄、・・・)などを納める。 |- |<SPAN STYLE="FONT-WEIGHT:NORMAL;"><span style="font-size: large;">庸</span></SPAN> |麻の布を納める。(労役の代わり。) |- | rowspan="1" |<SPAN STYLE="FONT-WEIGHT:NORMAL;"><span style="font-size: large;"><br /> 兵 <br /> 役 </span></SPAN> |<SPAN STYLE="FONT-WEIGHT:NORMAL;"><span style="font-size: large;">防人</span></SPAN> |九州北部で兵士を3年。 |- |} 税(ぜい)の種類です。 祖(そ)とは、田の収穫量の、およそ3%を、国に納めよ(、という税です。 調(ちょう)とは、絹(きぬ)や、地方の特産物を、国に納めよ、という税です。 庸(よう)とは、都に出てきて年10日以内の労働をせよという労役(ろうえき)か、または布を納めよ、という税です。 前提として、公地公民(こうちこうみん)や班田収授(はんでんしゅうじゅ)などが必要です。 この他、防人(さきもり)という、九州で警備(けいび)の兵士をする、兵役(へいえき)の仕事がありました。租庸調(そようちょう)を都に運ぶ負担も、他の農民たちの負担でした。 この防人のつらさを歌った歌として、つぎのような歌が、残っています。 <div style="border:1px solid #000000;">  '''さきもりの歌'''  ( 『万葉集』(まんようしゅう)より ) :: 唐衣(からころも) 裾(すそ)に取りつき 泣く子らを 置きてそ来ぬや 母(おも)なしにして ::(現代語訳) 唐衣の 裾(すそ)に、すがって 泣きつく子どもたちを (防人に出るため)置いてきてしまったなあ、 (あの子たちには)母もいないのに </div> {{clear}} * 国・郡・里 政府の組織や、地方行政の組織にも、改革が加わります。 まず、日本全国をいくつかの 国(くに) に分けて管理し、国は郡(こおり)に分けられ、郡は里(さと)に分けられます。 <div style="font-size:120%;"> <pre>       国 (国司)       ┃       郡 (郡司)       ┃       里 (里長) </pre> </div> 国には、中央の朝廷から、<big>国司</big>(こくし)という役人が派遣され、この国司によって、それぞれの国が管理されます。 郡を管理する役職は、<big>郡司</big>(ぐんじ)という役職の役人に管理させます。たいて、その地方の豪族が郡司です。 ==== 国際情勢 ==== 7世紀のなかばになると、朝鮮半島で戦乱が起きます。 660年に百済(くだら)が、 <big>新羅</big>(しらぎ) という国に滅ぼされます。 朝鮮半島には百済という国があって、その百済は、日本とは親しかったのでした。 新羅は、唐(とう)の協力を、えています。 * 白村江の戦い(はくすきのえ の たたかい) 日本は百済を復活させるため、新羅と戦争をします。663年に、中大兄皇子の指導により朝鮮半島に軍を送り、日本 対 新羅の戦争が起きます。これが<big>白村江の戦い</big>(はくすきのえ[はくそんこう] の たたかい) です。新羅と唐の連合軍に、大敗しました。 なお、後に新羅は676年に高句麗(こうくり)も滅ぼし、朝鮮半島を統一することになります。 ==== 日本国内の強化 ==== 白村江の戦い にやぶれた日本は、国内の政治に集中します。中大兄皇子は、唐と新羅の攻撃にそなえるため、九州の防備を強化します。九州北部に <big>防人</big>(さきもり) という防衛のための兵士たちを置き、水城(みずき)という土塁(どるい)と濠(ほり)を作ります。さらに北九州や瀬戸内海周辺の西日本の各地に山城(やまじろ)を作ります。 667年に、中大兄皇子は都を移します。奈良の飛鳥(あすか)から、今でいう滋賀県である近江(おうみ)に都を移します。大津宮に都が移ります。 この都を近江(おうみ)にうつしたことも、攻撃に備えてなのかもしれません。近江は、飛鳥よりも内陸にあります。 668年に中大兄皇子は天皇として即位し、天智天皇(てんじ てんのう)になります。 668年に、法典である 近江令(おうみりょう) が出来ます。天智天皇が中臣鎌足に命じ、役人たちに編纂(へんさん)させたものです。 全国的な戸籍である 庚午年籍(こうごねんじゃく) が作成されます。 * 壬申の乱(じんしんのらん) 天智天皇がなくなると、天皇の座をめぐり、天智の弟の大海人皇子(おおあまのおうじ)と、天智の子の大友皇子(おおとものおうじ)とが、672年に争い戦争になる。これを <big>壬申の乱</big>(じんしんのらん) という。大海人皇子が勝ち、大海人皇子が <big>天武天皇</big>(てんむてんのう) になる。 天武天皇の死後、皇后の持統天皇(じとうてんのう)が即位します。持統天皇は、都を奈良に移し、藤原京(ふじわらきょう)を建設させます。 ==== 大宝律令 ==== :(たいほう りつりょう) 701年の文武天皇(もんむてんのう)のときに、 <span style="color:red"><big>大宝律令</big></span>(たいほうりつりょう) という法典が完成する。この大宝律令を編纂(へんさん)した人物は、<big>藤原不比等</big>(ふじわらの ふひと) らが中心に編纂(へんさん)した。藤原不比等は、中臣鎌足(なかとみのかまたり)の子である。 「律」は罪人をさばくためのい刑法で、「令」(りょう)は役所や役人などに対する法律です。 政府の中央組織には 二官八省(にかんはっしょう) が置かれた。 二官には、紙をまつる宗教を行なう神祇官(じんぎかん)と、一般の政務をおこなう太政官(だじょうかん)がおかれた。 太政官の下に、大蔵省などの八省が置かれた。 班田収授や、租庸調(そようちょう)も定められた。 <div style="font-size:120%;"> <pre>                      ┏━━中務省    ┏━太政官━━━╋━━式部省    ┃       ┣━━民部省 天皇━┫       ┣━━兵部省    ┃       ┣━━刑部省    ┃       ┣━━大蔵省    ┗━神祇官   ┣━━宮内省            ┗━━治部省 </pre> </div> :中務省(なかつかさしょう)の仕事は、詔(みことのり)や勅(ちょく)の作成。 :式部省(しきぶしょう)の仕事は、役人の人事や教育。 :民部省(みんぶしょう)の仕事は、戸籍や租税。 :兵部省(ひょうぶしょう)の仕事は、軍事や警備。 :刑部省(ぎょうぶしょう)の仕事は、刑罰や裁判。 :大蔵省(おおくらしょう)の仕事は、物資の管理や財政。 :宮内省(くないしょう)の仕事は、宮中の事務や庶務。 :治部省(じぶしょう)の仕事は、儀式や外交。 == {{Ruby|奈良|なら}}時代 == [[File:Heijokyo.jpg|right|500px|平城京 条坊図]] 文武天皇(もんむてんのう)のつぎの天皇である元明天皇(げんめいてんのう)の時代に、都が移る。710年に、奈良の <span style="color:red"><big>平城京</big></span>(へいじょうきょう) へと移る。藤原京から平安京に移る。 年号をおぼえる語呂合わせは「なんと(7、10)、うつくしい(きれいな)平城京」。 794年に平安京(へいあんきょう)に都が移るまで、この平城京が都である。平城京に都があった710年から80年間ほどの時代を<big>奈良時代</big>(ならじだい) と言う。 平城京は、道の通りが碁盤目(ごばんめ)のように、区画(くかく)が整理されています。このような、碁盤目のような区画のつくりを 条坊制(じょうぼうせい) と言います。 {{clear}} [[File:Wadokaichin coin 8th century Japan.jpg|thumb|left|200px|和同開珎]] 経済では、この奈良時代の都では、<span style="color:red"><big>和同開珎</big></span>(わどうかいちん)という貨幣が708年に発行され、流通していました。 これより古い貨幣には、7世紀後半の天武天皇の頃に富本銭(ふほんせん)という貨幣がつくられています。 * 税について。墾田永年私財法(こんでん えいねん しざい の ほう) 農民は貧しく(まずしく)、多くの農民は竪穴住居に住んでいた。また、人口が増えたので口分田は不足した。税の負担は重く、口分田を捨てて逃げ出す農民が増えた、 朝廷は税を増やすため、田を増やす必要があり、そのため、法律を変え、開墾した3代にわたり、田を所有できるように法を制定した。これが <big>三世一身の法</big>(さんぜい いっしん の ほう) であり723年の出来事である。 さらに743年には、期限が無く所有し続けられる <big>墾田永年私財法</big>(こんでん えいねん しざい ほう) が制定された。 これは、つまり公地公民の原則を廃止したことになる。 また、貴族や豪族は、これを利用し、私有地を広げた。この貴族の私有地は、のちに 荘園(しょうえん) と呼ばれることになる。 * 古事記、日本書紀 712年に<span style="color:red"><big>『古事記』</big></span>(こじき)という天皇家や貴族などにつたわる神話の時代をまとめた書が、できます。この『古事記』は、天武天皇により編纂が命じられ、712年に完成しました。 『古事記』は、稗田阿礼(ひえだのあれ)が、暗記していた神話や歴史を、太安万侶(おおのやすまろ)が3巻の書にまとめた書です。 神話の時代から推古天皇にいたるまでの出来事が古事記に書かれています。 また、日本の歴史書の『日本書紀』が720年に完成します。神話の時代の伝説から、7世紀末ごろの持統天皇にいたるまでの国家と天皇の歴史を書いた、歴史書のような書です。 日本書紀の編纂は、時代順に出来事を書く編年体(へんねんたい)で記述しています。 日本書紀は、舎人親王(とねりしんのう)らが、全30巻にまとめています。 {{clear}} === 大仏づくり === 聖武天皇のころ、飢饉(ききん)がつづいたり、貴族の反乱が起きたりします。 [[File:Daibutsu of Todaiji 3.jpg|thumb|right|300px|東大寺盧舎那仏像]] 737年には病気の天然痘(てんねんとう)が流行り、多くの死者が出る。 740年には、九州で、貴族の藤原広嗣(ふじわらのひろつぐ)による反乱も起きた。 政治が不安定になる。 また、人口が増えて公地公民が上手くいかなくなってきた。 聖武天皇は、仏教の力に、すがる。 まず741年に国ごとに <big>国分寺</big> (こくぶんじ)と <big>国分尼寺</big> (こくぶんにじ)を建てさせる。 都には <big>東大寺</big> (とうだいじ)を建てさせた。 743年に、東大寺の本尊(ほんぞん)として大仏を作らせる。 東大寺の大仏は、盧遮那仏(るしゃなぶつ)という仏です。 ※おぼえなくて良い。 <big>行基</big>(ぎょうき)という僧(そう)がいました。彼は、民衆のために用水の池や端をつくったりしながら、諸国をまわって教えをといていたので、民衆に、したわれていました。 しかし、朝廷は、はじめは、行基の行動をとりしまります。当時は、民衆への仏教の布教が禁止されていたし、寺の外での活動も禁止されています。 朝廷からは、おそらく行基は、民衆をそそのかす危険人物だろう、と思われていたのです。 さて、大仏を作るのは、とても多くの労働力を必要とするので、朝廷には、民衆の支持が必要でした。このため、民衆に慕われていた僧の行基(ぎょうき)の活動を認めます。 === 遣唐使と鑑真 === :(けんとうし と がんじん) 中国大陸の帝国が唐にかわっても、かつての遣隋使(けんずいし)と同様に、日本から中国の唐に、外交の使者の (けんとうし)<span style="color:red"><big>遣唐使</big></span> を送ります。 遣唐使は、奈良時代のあいだは、おこなわれています。 のちの時代の平安時代に遣唐使は廃止されます。奈良時代には、まだ遣唐使は廃止されません。 717年に唐にわたった 阿倍仲麻呂(あべのなかまろ) や、仲麻呂と供に唐にわたったこともある 吉備真備(きびのまきび) が遣唐使として有名です。 なお、最初の遣唐使として630年に唐に派遣された犬上御田鍬(いぬがみ の みたすき)は、最後の遣隋使でも、あります。 阿倍仲麻呂は、日本に帰ろうとして乗った船が難破(なんぱ)し、日本に帰れず、最終的に唐の皇帝に仕えることになります。 吉備真備は日本に帰れます。吉備真備は2回も唐にわたり、日本に帰れます。 * 鑑真(がんじん) [[ファイル:Ganjin wajyo portrait.JPG |thumb|鑑真和尚像]] 日本の朝廷らは、唐の有名な僧の <span style="color:red"><big>鑑真</big></span>(がんじん) に、日本でも仏教をひろめてほしいと、鑑真を日本へ招き(まねき)ます。この招きを受け、鑑真は日本への渡航をおこないますが、5回も失敗し、6回目で日本に着きます。6回目で日本についたころには、鑑真は失明しています。海の水しぶきをあびつづけることは、目に悪いのです。 鑑真は、奈良に <big>唐招提寺</big>(とうしょうだいじ) を開きました。 {{clear}} === 天平文化 === :(てんぴょう ぶんか) 奈良時代の文化は、仏教の影響と、唐との交流の影響が、特徴(とくちょう)です。 とくに、聖武天皇の治めた 天平(てんぴょう) の年号の時代に、この傾向が強いので、この奈良時代の文化を 天平文化(てんぴょうぶんか) と言います。 [[Image:Shoso-in.jpg|thumb|300px|正倉院正倉]] [[Image:Azekura-dukuri JPN.JPG|thumb|right|230px|校倉造(あぜくらつくり)。正倉院の宝物庫は、三角形の断面の木を組み合わせたつくりの校倉造で、つくられている。]] 東大寺にある <big>正倉院</big>(しょうそういん) には、奈良時代の美術品や、聖武天皇が日用した道具などが収められています。 :※ 有名な宝物で「螺鈿紫檀五絃琵琶」(らでんしたんごげんのびわ、図参照)や「瑠璃杯」(るりのつき)が保存されているのですが、ウィキペディアに画像がありません。外部サイトや参考書で、画像をお探しください。 宝物には、ギリシャやペルシャ、インドなどから運ばれてきたものもある。シルクロードという中国大陸からヨーロッパまでの貿易の通路を通ってきた宝物である。後世の言い方だが正倉院のことを「シルクロードの終着駅」とも例える。 <gallery widths="250px"> Image:RED LACQUERED CABINET Shosoin N2.JPG|赤漆文欟木御厨子 Image:8Lobed Mirror Inlay Shosoin.jpg|平螺鈿背八角鏡 Image:Silver Backed Bronze Mirror Shosoin.JPG|金銀山水八卦背八角鏡 Image:LADIES UNDER TREES SCREEN4th Shosoin.JPG|鳥毛立女屏風第4 部分 Image:ROCHECHI Screen Panel Shosoin NH44.JPG|羊木臈纈屏風 Image:Silver Incense Burner Shosoin.JPG|銀薫炉 Image:Gold Silver Painted BOX Shosoin.JPG|蘇芳地金銀絵箱蓋 </gallery> (※ 赤漆文欟木御厨子〜蘇芳地金銀絵箱蓋は、おぼえなくて良い。) 文学では、和歌(わか)をまとめた<big>万葉集</big>(まんようしゅう)が759年ごろから編纂(へんさん)されます。 貴族の作った和歌だけでなく、農民や防人などの様々な身分の者が作ったと思われる和歌も収録されています。 合計で4500首の歌が収録されています。 貴族の歌人では、柿本人麻呂(かきのもとのひとまろ)や大伴家持(おおとものやかもち)、山上憶良(やまのうえのおくら)、山部赤人(やまべのあかひと)などが有名です。 万葉集の文字の読みは、万葉仮名(まんようがな)という、漢字の音で日本語を表す読みです。たとえば、次のような句を次のように読みます。 :(万葉仮名文)去來子等 早日本邊 大伴乃 御津乃濱松 待戀奴良武 (※ おぼえなくて良い。) :(訓)いざ子ども 早く日本(やまと)へ 大伴(おおとも)の 御津(みつ)の浜松(はままつ) 待ち恋ひぬらむ(まちこいぬらん)  {{clear}} == {{Ruby|平安|へいあん}}時代 == 〜<big>貴族がさかえた時代</big>〜<br> かつての天平文化の仏教保護の政策などにより、仏教の僧や寺院の影響力が強くなる。 のちの天皇や朝廷は、これらの仏教勢力を嫌がり、そのため、<big>桓武天皇</big>(かんむてんのう)により、寺院の多い現在でいう奈良県から京都府へと都をうつす。まず784年に京都府の 長岡京(ながおかきょう) にうつす。さらに794年に京都府の <span style="color:red"><big>平安京</big></span>(へいあんきょう) にうつす。 <big>鳴くよ(794、なくよ) ウグイス 平安京<ref>鳴くよ(794、なくよ) 感動(桓武天皇、かんどう) 平安京 とも言う。</ref></big> 「ホーホケキョー」とウグイスは鳴きますが、それと「へいあんきょう」をかけたダジャレの語呂合わせ(ごろあわせ)です。 平安時代(へいあんじだい)の当時に、こういうダジャレがあったわけでは、ありません。現代の私たちが、歴史上の出来事のおきた年をおぼえるための語呂合わせ(ごろあわせ)です。 [[画像:HeiankyouMapJapanese.svg|900px]] 奈良から平安京への寺院の移転は禁止されます。 他にも、社会の変化で、もはや、公地公民による昔の政治が上手くいかなくなり、政治のしかたを改める必要もあったのだろう。 平安京に都を移してから約400年間は、政治の中心地は平安京だったので、この時代を <big>平安時代</big>(へいあんじだい) という。 くわしくいうと、後に1192年に武士である源頼朝が権力をにぎる鎌倉幕府(かまくら ばくふ)ができますが、794年から1192年までを平安時代と言うことが多い。 なお、平安時代より、あとの武士による政治の時代になっても、都は平安京のままです。明治時代に東京に都が移るまでは、平安京が日本の都でした。平安京のつくりは、唐の都である 長安(ちょうあん) を、参考にしています。 桓武天皇は、公地公民が上手くいかない理由の一つである、税負担の重さに改革の手をつけます。 税負担の重さを減らしました。 雑用(ぞうよう)の日数を60日から30日に減らします。 また、桓武天皇の政権は、東北地方に支配を広げます。 東北地方の <big>蝦夷</big>(えみし) とよばれる人々は朝廷の支配に反対し、たびたび反乱を起こしていました。朝廷は <big>坂上田村麻呂</big>(さかのうえのたむらまろ) という人物を <big>征夷大将軍</big>(せいいたいしょうぐん) という役職(やくしょく)に任命し(797年)、彼に東北の平定を命じ、東北の平定のため、東北に兵を送らせます。 蝦夷の族長はアテルイ(阿弖流為)という人物で、アテルイの兵力と、対する田村麻呂らの朝廷軍との戦いです。 結果的に、田村麻呂の側が勝ちます。つまり朝廷の側が勝ちます。 アテルイは負け、802年に降伏(こうふく)します。アテルイは平安京に連行されたのち、京にて処刑されます。 田村麻呂は、アテルイの命を助けるよう減刑をもとめましたが、貴族たちの反対により、アテルイは処刑されました。 東北での戦争のさい、胆沢城(いさわじょう、場所は岩手県) などが田村麻呂らにより築かれ、朝廷による東北支配の拠点になります。 * 仏教界の変化 [[ファイル:最澄像 一乗寺蔵 平安時代.jpg|thumb|left|最澄]] [[ファイル:Kukai2.jpg|thumb|空海]] 平安時代に入り、奈良時代の仏教とは、変化をした。<big>天台宗 </big>(てんだいしゅう)や<big>真言宗</big>(しんごんしゅう)という新しい宗派(しゅうは)ができ、それが広まった。奈良時代の仏教とはちがい、新しい平安時代の宗派は、山奥(やまおく)で修行(しゅぎょう)をしたりする仏教である。 僧の<big>最澄</big>(さいちょう)と僧の<span style="color:red"><big>空海</big></span>(くうかい)による、新しい仏教の考え方が広まった。おそらくは朝廷が、奈良時代の政治に深く介入した従来の仏教勢力をきらい、かわりに新しい宗派を保護したのだろう。 最澄も空海も、遣唐使と共に唐にわたり留学し、唐の新しい仏教の教えを学んできた僧である。 最澄は805年に日本に帰国し、比叡山(ひえいざん、滋賀県にある。)に 延暦寺(えんりゃくじ) をたて、<big>天台宗 </big>(てんだいしゅう)をひろめた。最澄は伝教大師(でんきょうだいし)とも言われます。 空海は806年に帰国し、高野山(こうやさん、和歌山県にある。)に 金剛峯寺(こんごうぶじ) をたて、<big>真言宗</big>(しんごんしゅう)をひろめた。空海は 弘法大師(こうぼうだいし)のことです。ことわざの「弘法も筆のあやまり」(こうぼうもふでのあやまり)の弘法大師のことです。 比叡山と言い、高野山と言い、ともに山であることに注目もしよう。朝廷の、仏教の政治介入をきらう事とも、つじつまがあう。 * 荘園(しょうえん) 奈良時代に墾田永年私財法により、開梱した土地の所有が認められるようになったので、貴族たちや寺社は農民らに開墾をさせ、貴族の所有する土地を広げていった。この貴族の所有する私有地が <span style="color:red"><big>荘園</big></span>(しょうえん) である。 また、平安時代に、貴族や寺社の所有する荘園には税をおさめなくてもよいという、貴族につごうのいい権利が出来た。 税を収めない権利を<big>不輸の権</big>(ふゆのけん)と言い、荘園への役人の立ち入りを拒否(きょひ)できる権利を<big>不入の権</big>(ふにゅうのけん)といいます。 これら不輸不入の権もあり、貴族の荘園は、どんどんふえていき、朝廷の税収は減るので財政は悪化し、律令政治が上手くいかなくなります。 有力な貴族でない者の荘園は国司に取り上げられたり、他の豪族にうばわれることもあったので、そのような有力でない者は、朝廷の有力な貴族に、形式的だが荘園を寄付した。これを<big>寄進</big>(きしん) という。 * 摂関政治(せっかんせいじ) 9世紀の中頃になると藤原鎌足(ふじわらのかまたり、中臣鎌足のこと。)の子孫の一族の<big>藤原氏</big>(ふじわらし) が、権力を強めます。 藤原氏の一族は、代々、娘を天皇の妃(きさき)にしています。 すると、藤原氏は天皇の母方の親戚(しんせき)ということになるので、藤原氏の権力が強まる、という仕組みで、さらに権力を強めました。 [[File:Fujiwara no Michinaga 2.jpg|thumb|300px|藤原道長(ふじわらの みちなが)]] 藤原氏の一族では、とくに11世紀の前半に <span style="color:red"><big>藤原道長</big></span>(ふじわらの みちなが) と、道長の子の<big>藤原頼通</big>(ふじわらのよりみち)らの親子が権力をにぎっていた時代が、もっとも勢力が、さかんでした。 道長が有名なので、よく、教科書などに道長が取り上げられますが、藤原氏の権力は、べつに11世紀に急に強まったわけではなく、9世紀ごろから藤原良房(ふじわらのよしふさ)が摂政になったりなど、すでに藤原氏の勢力が強かったです。皇族以外で摂政になったのは、良房が、はじめてです。 天皇が幼いときは、藤原氏の者が摂政になり政治の実権(じっけん)を握り、天皇が成人しても藤原氏は関白(かんぱく)という地位になり実権をにぎり、政治を行いつづける、という手法で権力を強めました。このような摂政や関白として政治を行なうという政治の方法を <span style="color:red"><big>摂関政治</big></span>(せっかん せいじ) といいます。 道長の読んだ歌で、つぎの歌があります。 :<big><big>「この世(よ)をば わが世とぞ思ふ(おもう) 望月(もちづき)の 欠けたることも なしと思へば(おもえば)」</big></big> 意味は、「この世は 自分(道長)のためにあるようなものだ 望月(=満月)のように 何も足りないものはない」という意味です。 <div style="border:1px solid #000000;"> :藤原実資(ふじわら さねすけ)の日記。 ::寛永2年(1018年)、今日は道長さまの娘さまの威子(いし)さまが、中宮(ちゅうぐう)になられる日である。道長さまが私(=日記の作者。実資)を呼んで、こう、いわれた。 ::「和歌をよもうと思う。君もかならず歌をかえしたまえ。」と言われた。 :::私は返事をして「きっと歌をかえしましょう。」と答えた。 ::つづけて、道長さまはこう言われた。「自慢(じまん)の歌なのだよ。べつにあらかじめ作っておいた歌では無いがね。」と。 :そして、歌をよまれた。「この世をば 我が世とぞ思う 望月の 欠けたることも なしと思わば。」と。 :::私は答えた。「とても、すばらしい歌です。かえす歌も作れません。(道長いがいの)みんなで、このお歌を唱和するのがよろしいでしょう。」ともうしあげた。みんなも、私の言葉におうじ、この歌を唱和した。道長さまは、たいそう気をよくして、歌をかえさなかった私をせめなかった。 :(『小右記』(しょうゆうき)より。藤原実資(さねすけ)の日記。一部分。) </div> [[ファイル:Byodoin Phoenix Hall Uji 2009.jpg|300px|thumb|left|平等院 鳳凰堂]] 道長の子である<big>藤原頼通</big>(ふじわらの よりみち) は、<big>平等院鳳凰堂</big>(びょうどういんほうおうどう)を、たてさせています。十円玉に描かれている、あの建物(たてもの)は、平等院鳳凰堂の絵です。 [[ファイル:10JPY.JPG|thumb|10円]] {{clear}} === 平安時代の文化 === * 遣唐使の廃止と、国風文化 まず、894年に、遣唐使が廃止されます。 :語呂合わせ:<big>白紙(はくし、894)に戻そう(もどそう) 遣唐使</big> [[File:Sugawara Michizane.jpg|thumb|200px|菅原道真(すがわらの みちざね)]] 菅原道真(すがわらの みちざね)の進言によります。 遣唐使の廃止の理由は、すでに唐から多くのことを学んであること、中国大陸で内乱が多く唐が弱っていること、船の遭難(そうなん)など死の危険が多く有能な人材の命を損ないかねないこと、経済的な負担が大きい、などです。 この遣唐使の廃止により、日本の貴族文化では、だんだん、中国大陸の文化の影響(えいきょう)が、うすれていきます。 かわりに日本独自の貴族文化が発展していきます。この平安時代に発展した日本独自の貴族文化を<big>国風文化</big>(こくふうぶんか) と言います。 なお、その後、菅原道真は藤原氏と対立し、901年には太宰府(だざいふ)に追放されてしまいます。 [[画像:Hiragana origin new.svg|thumb|right|300px|漢字からひらがなへの変化]] * かな文字の発明 ひらがな や カタカナ などの <big>かな文字</big> が、平安時代に発明されます。 ひらがなは、漢字の形をくずして、発明されました。カタカナは漢字の へん や つくり などの一部をもとに発明されました。 [[ファイル:Katakana origin new.svg|thumb|left|300px|カタカナの由来]] {{clear}} この時代、ひらがなやカタカナは、女が用いる字であった。貴族の<span style="color:red"><big>紀貫之</big></span>(きの つらゆき)は男だが、名を隠し、女を名乗り<big>『土佐日記』</big>(とさにっき)を描いた。 紀貫之が、国司(こくし)として、四国の土佐(とさ)に派遣されていたので、土佐から京にかえるまでの様子をしるした日記です。 ほかにも、<big>古今和歌集</big>(こきんわかしゅう、紀貫之の編集) や<big>竹取物語</big>(たけとりものがたり) などが、かな文字を用いた作品です。 古今和歌集は、<big>紀貫之</big>(きのつらゆき)という人物による編集です。醍醐天皇(だいごてんのう)の命令により、紀貫之らが編集しました。 * その他の文化 [[Image:Miniature Model of HigashiSanjoDono.jpg|thumb|375px|典型的な寝殿造である東三条殿の復元模型(京都文化博物館) ---- 1. 寝殿(しんでん)、2. 北対(きたのたい)、3. 細殿(ほそどの)、4. 東対(ひがしのたい)、5. 東北対(ひがしきたのたい)、6. 侍所(さむらいどころ)、7. 渡殿(わたどの)、8. 中門廊(ちゅうもんろう)、9. 釣殿(つりどの)]] [[image:Abe Masahiro Portrait.png|thumb|left|150px|江戸時代の束帯(阿部正弘)]] [[File:十二単です.JPG|thumb|150px|left|五衣唐衣裳(俗称 十二単)(京都御所にて)]] 平安時代には、貴族の衣服の正装(せいそう・・・正式な服のこと)が変わります。 男の貴族の服は <big>束帯</big>(そくたい) になり、女の貴族の服は <big>十二単</big>(じゅうにひとえ) になります。 貴族の住居の形が <big>寝殿造</big>(しんでんづくり) になる。 絵画には、日本の風景などを書いた <big>大和絵</big>(やまとえ) が出てくる。寝殿造りの屋敷の屏風(びょうぶ)や ふすま などに大和絵が描かれた。絵巻物などにも大和絵は描かれた。 {{clear}} [[ファイル:Chouju thief.jpg|thumb|right|300px|鳥獣戯画の一部分]] 大和絵の作品では、<big>鳥獣戯画</big>(ちょうじゅうぎが)や<big>源氏物語絵巻</big>(げんじものがたりえまき)などが有名です。 鳥獣戯画(ちょうじゅうぎが)は、当時の社会を風刺するために、かえるやさる、うさぎなどの動物たちを擬人的に描いて表現した絵です。 {{clear}} 文学の物語では『源氏物語』(げんじものがたり)という創作(そうさく)の物語が、貴族の紫式部(むらさきしきぶ)によって描かれました。この源氏物語は、主人公は貴族の「光源氏」という人物で、光る人物を中心にして貴族の恋愛などを書いています。 なお、名前が後の幕府の源氏(げんじ)と似ていますが、べつに光源氏は武士ではありません。源氏物語が出来た1007年ごろは、まだ鎌倉幕府はありません。紫式部は女です。藤原為時(ためとき)の娘です。 大和絵にも、「源氏物語絵巻」(げんじものがたりえまき)が、描かれました。絵画を使って、物語を絵で表したものを絵巻物(えまきもの)といいます。 随筆では、貴族の清少納言(せいしょうなごん)が『枕草子』を記しました。清少納言が 日常生活や自然を観察して、感想を述べたものです。 清少納言は女です。 * 浄土教(じょうどきょう) [[Image: Kuya Portrait.JPG |thumb|right|200px|空也の像 (六波羅蜜寺) ]] 平安時代の中ごろは、伝染病が流行ったり(はやったり)、災害が起きたりしたので、社会の不安が大きくなった。このため、宗教では、人々に安心を与える宗教が、平安時代の半ば(なかば)ごろから、流行る(はやる)ようになる。 [[ファイル:Uji Byodo-in Phönixhalle Innen Amida-Buddha 2.jpg|thumb|200px|left|阿弥陀如来像 (平等院・鳳凰堂)]] 浄土教という信仰が流行るようになる。阿弥陀如来(あみだにょらい)にすがり、「{{ruby|南無阿弥陀仏|なむあみだぶつ}}」と念仏を唱えていれば、死後には、極楽浄土へ行ける、という信仰である。 浄土教を布教した人物では、<big>空也</big>(くうや)という人物が有名である。空也(生:903年〜没:972年)は、10世紀中ごろ、諸国をまわり、庶民に浄土教を布教していた。人が集まる市(いち)で布教していたことから、空也は、市聖(いちのひじり)とも呼ばれます。 仏教の教えによると、1052年は釈迦が死んでから1000年後ということらしく、死後1000年ともなると釈迦の教えがおとろえて世の中が悪くなるという思想があり、この思想は <big>末法</big>(まっぽう) と言われた。この末法思想もあって、浄土信仰は広まっていった。 {{clear}} [[ファイル:Konjikido-Ooido.jpg|right|240px|thumb|金色堂。外側の覆堂(おおいどう)]] 地方にも浄土教がひろまり、各地に阿弥陀仏をまつる寺院である 阿弥陀堂(あみだどう) がたてられた。たとえば岩手県の平泉(ひらいずみ)には <big>中尊寺金色堂</big>(ちゅうそんじ こんじきどう)という阿弥陀堂 が、たてられた。大分県に富貴寺大堂(ふきじ おおどう)が、たてられた。 {{clear}} === 平安時代の武士たち === 平安時代には、地方の豪族たちは私有地を広げていったのであった。 9世紀の中ごろから、豪族や有力な農民たちは、自分たちの土地や財産をまもるためには、兵力をたくわえていった。一族の者や、手下の農民たちに武装させるようになった。 このようにして、<span style="color:red"><big>武士</big></span>が、できていった。 武士たちは、一族の かしら を棟梁(とうりょう)として、それぞれの一族ごとに<big>武士団</big>を結成していった。 貴族の中にも、これにならい、武士団をつくり棟梁となって兵を指揮する者が、地方貴族から出てきた。源氏や平氏などが、そのような貴族の武士である。 源氏も平氏も天皇の子孫です。 武士の中には、朝廷に対して反乱を起こす者も出てきました。 * 平将門(たいらの まさかど)の乱 10世紀の935年に、平将門(たいらの まさかど)が反乱を関東地方で起こします。朝廷は、ほかの武士の助けを借りて、将門の反乱を鎮圧します。 * 藤原純友(ふじわらの すみとも)の乱 939年には、藤原純友(ふじわらの すみとも)が反乱を瀬戸内海の周辺で起こし、海賊らを率いて反乱を起こします。朝廷は、ほかの武士の助けを借りて、反乱を鎮圧します。 朝廷の力だけでは、この2つの反乱をしずめることはできず、ほかの武士の協力をえる必要があり、これらの反乱により武士の影響力が増すことになった。 この2つの反乱のことを、起きた年の年号をとり 承平・天慶の乱(じょうへい・てんぎょう の らん) と言う。 * 東北地方での反乱 10世紀の1051年には東北地方で反乱が起き、安倍頼時らが反乱を起こします。この反乱の鎮圧を、源氏である源頼義(みなもとのよりよし)および源義家(みなもとのよしいえ)らの兵が鎮圧します。この反乱と鎮圧の争乱を 前九年の役(ぜんくねん の えき) と言います。 源氏が鎮圧を行ったので、関東地方では源氏の影響力が強まります。 === 院政 === :(いんせい) 11世紀の半ばすぎごろになると、藤原氏の影響力は弱まり、天皇には、藤原氏とは関係のうすい <big>後三条天皇</big>(ごさんじょうてんのう) が即位した。天皇は、藤原氏の政治に不満をもつ貴族も用いて、政治の実権を天皇にもどした。 天皇は1069年には荘園整理令(しょうえん せいりれい)を出し、不法な荘園を取りしまった。 次の天皇の <big>白河天皇</big>(しらかわ てんのう) も、天皇中心の政治を行った。 1086年には生存中(せいぞんちゅう)に次の天皇の堀河天皇(ほりかわ てんのう)に位をゆずり、白河 元・天皇は上皇として、政治の実権をにぎります。 上皇の住む住居が 院(いん) と呼ばれていたので、上皇による政治を <big>院政</big>(いんせい) と言います。 堀河天皇の死後は、白河の孫である 鳥羽天皇(とばてんのう) が即位する。この鳥羽天皇も白河上皇の次の鳥羽上皇(とば じょうこう)になった。 鳥羽上皇の次は、後白河 元・天皇が後白河上皇となり、院政を行った。 このようにして院政が100年ばかり、続いて(つづいて)いく。 いっぽう、藤原氏の権力は、おとろえていった。 さて、天皇家の内部でも天皇と上皇との権力をめぐって対立が起きてくる。 これにくわえて、藤原氏の内部の対立も加わり、ついに1156年には戦乱が起きる。 <big>保元の乱</big>(ほうげん の らん)である。 上皇の側の崇徳上皇(すとく じょうこう)には、左大臣の藤原頼長(ふじわらの よりなが)、平氏の平忠正(たいらの ただまさ)、源氏の源為義(みなもとの ためよし)が、従った(したがった)。 [[ファイル:Taira no Kiyomori.jpg|thumb|200px|平清盛(たいらの きよもり)。]] 天皇の側の後白河天皇には、関白の藤原忠通(ふじわらの ただみち)、平氏の<span style="color:red"><big>平清盛</big></span>(たいらの きよもり)、源次の源義朝(みなもとの よしとも)が、従った。 勝ったのは、御白河天皇の側である。 つまり平清盛と源義朝が加わった側が勝っている。 この乱の後、1159年に、保元の乱での恩賞に不満をいだいた源義朝が兵をあげ乱をおこしたが、平清盛らの軍に鎮圧される。これが <big>'''平治の乱'''</big>(へいじのらん) です。 この件により、平氏の影響力が強まります。 * 平氏の台頭(たいとう) 清盛は、武士の力を利用しようとする後白河上皇との関係を深めます。 1167年には、清盛は武士としては初めての太政大臣(だじょう だいじん)になります。 {{clear}} ==脚注== <references /> == 関連項目 == * 次へ進む:[[中学受験社会/歴史/中巻]] {{スタブ|小}} {{デフォルトソート:ちゆうかくしゆけんれきし1}} [[Category:社会]] [[Category:中学受験参考書|れきし1]] {{カテゴリ準備|中学受験社会|小学校社会|ちゆうかくしゆけんれきし1|れきし1}} s4m9onn5hfvvz7jbst3fj3cncpdgzeq 中学受験社会/地理/上巻 0 26328 276383 246316 2025-06-28T23:08:13Z Tomzo 248 /* 関連項目 */ 276383 wikitext text/x-wiki {{Pathnav|メインページ|小学校・中学校・高等学校の学習|中学受験参考書|中学受験社会|中学受験社会/地理|frame=1}} [[{{PAGENAME}}]]では、これから中学受験をされる方への社会科地理分野を解説します。 == 地図の見方 == === 地図の{{ruby|縮尺|しゅくしゃく}} === 地図上では実際の距離を、そのまま地図に表すことはできません。元の大きさのままそこで、縮小してかいています。 この、実際の距離を、地図に、ちぢめた割合を、'''縮尺'''といいます。 縮尺は、分数で、あらわします。 5万分の1の縮尺の地図では、地図上での 1cm の距離は、実物では、 50000cm = 500m になります。 縮尺の数字は、5万分の1だけでなく、他の数字の場合もあります。 2万5千分の1の縮尺の地図では、地図上での 1cm の距離は、実物では、 25000cm = 250m になります。 10万分の1の縮尺の地図では、地図上での 1cm の距離は、実物では、 100000cm = 1000m = 1km になります。 縮尺の表し方は、「5万分の1」といった表し方のほかにも <math> \frac{1}{50000}</math> といった表し方や、 あるいは 1:50000 と、表す場合も、あります。 [[ファイル:Topographic_map_example.png|thumb|500px|外国の地形図の一例<br>※ 日本の地図ではありません。(日本の地形図がウィキペディア内に見つからないので、外国のもので代用して説明しています)]] 日本の国土の全体の地図や、県の地図など、正確で広い地図をつくるのは、とても、手間が、かかります。 正確な地図は、距離をはかるだけでなく、高さも、はからないと、いけません。 日本では、'''国土地理院'''が、正確な地図を発行しています。 * 等高線(とうこうせん) おなじ高さの地点を結んだ線を <span style="color:Maroon"><big>等高線</big></span>(とうこうせん)といいます。 山の高さ や 谷の深さなど、地図上での土地の高さは、等高線を つかって あらわします。 [[File:Courbe niveau.svg|thumb|left|等高線の考え方<br>この図の場合、間かく(かんかく)のせまい右側は、急な斜面(しゃめん)です。]] {{clear}} 等高線の間かく(かんかく)が、せまいほど、実物のかたむきが、急です。 等高線の間かくが、広いほど、実物のかたむきが、ゆるやかです。 === 地図記号 === {| class="wikitable" style="text-align:left; font-size:small" !記号!!意味(カッコ内に由来)!!実物の例!!記号!!意味(カッコ内に由来)!!実物の例 |- |[[ファイル:Japanese Map symbol (City Hall).svg|60px|市役所]]||市役所、区役所<BR>||[[ファイル:Tsu City Hall.jpg|125px|市役所]]||[[ファイル:Japanese Map symbol (Town or Village Office).svg|60px|町役場・村役場]]||役場・村役場<BR>||[[ファイル:Kota town office 1.jpg|125px|町役場・村役場]] |- |[[ファイル:Japanese Map symbol (Court of law).svg|60px|裁判所]]||裁判所(さいばんしょ)<BR>(裁判内容を知らせた、立てふだを図にした)||[[ファイル:Sapporo-High-District-Court-01.jpg|125px|裁判所]]||[[ファイル:Japanese Map symbol (Fire station).svg|60px|消防署]]||消防署(しょうぼうしょ)<BR>(火消しが用いた道具「さすまた」を図にした)||[[ファイル:Tri-Heart.JPG|125px|消防署]] |- |[[ファイル:Japanese Map symbol (Police station).svg|60px|警察署]]||警察署(けいさつしょ)<BR>(警棒「けいぼう」が、まじわっているようすを、○で図式化し交番と区別)||[[ファイル:Keishicho.jpg|125px|警察署]]||[[ファイル:Japanese Map symbol (Koban).svg|60px|交番]]||交番<BR>(警棒が、まじわっているようすを、図にした。)||[[ファイル:Kameariekimae-Kitaguchi Koban.jpg|125px|交番]] |- |[[ファイル:Japanese Map symbol (Health center).svg|60px|保健所]]||保健所<BR>(旧・日本陸軍の衛生隊の印を○で図式化した。)|| ||[[ファイル:Japanese Map symbol (Post office).svg|60px|郵便局]]||郵便局<BR>(逓信省(テイシンショウ)の「テ」を○で図式化)||[[ファイル:Tokorozawa Post office.jpg|125px|郵便局]] |- |- |[[ファイル:Japanese Map symbol (Government or Municipal office).svg|60px|官公署]]||官公署<BR>(漢字「公」の異体字(いたいじ)を図にした。)||[[ファイル:Kinyucho3.jpg|125px|官公署]]||[[ファイル:Japanese Map symbol (Elementary or Junior high school).svg|60px|小学校・中学校]]||小学校、中学校<BR>(漢字の「文」を図にした。学校で文字を、ならうから。)||[[ファイル:Classroom2.jpg|125px|小学校・中学校]] |- |[[ファイル:Japanese Map symbol (High school).svg|60px|高等学校]]||高等学校<BR>(漢字の「文」を○で図式化し、他学校と区別)||[[ファイル:Kozakai High School 1.jpg|125px|高等学校]]||[[ファイル:Japanese Map symbol (Junior college).svg|60px|短期大学]]||短期大学<BR>(漢字の「文」を図式化、添字で区別)||[[ファイル:Siraumegakuen.jpg|125px|画像募集中]] |- |[[ファイル:Japanese Map symbol (Technical college).svg|60px|専修学校]]||高等専門学校<BR>(漢字の「文」を図式化、添字で区別)||[[ファイル:TohokuBunkaGakuenUniversity(main building).jpg|125px|専修学校]]||[[ファイル:Japanese Map symbol (University).svg|60px|大学]]||大学<BR>(漢字の「文」を図式化、添字で区別)||[[ファイル:Inside_of_Tama_Campus,_Chuo_University.jpg|125px|大学]] |- |[[ファイル:Japanese Map symbol (Museum).svg|60px|博物館]]||博物館<BR>(東京国立博物館を図式化)||[[ファイル:Tokyo National Museum, Honkan 2010.jpg|125px|博物館]]||[[ファイル:Japanese Map symbol (Library).svg|60px|図書館]]||図書館<BR>(開いた本)||[[ファイル:SanDiegoCityCollegeLearningResource_-_bookshelf.jpg|125px|図書館]] |- |[[ファイル:Japanese Map symbol (Shrine).svg|60px|神社]]||神社<BR>(神社にある、鳥居を図にした。)||[[ファイル:Fushimi Inari - front torii.jpg|125px|神社]]||[[ファイル:Japanese Map symbol (Temple).svg|60px|寺院]]||寺院<BR>(古いインドの文字の卍「まんじ」を、そのまま利用した。)||[[ファイル:Horyu-ji10s3200.jpg|125px|寺院]] |- |[[ファイル:Japanese Map symbol (Factory).svg|60px|工場]]||工場<BR>(歯車を図にした。)|| ||[[ファイル:Japanese Map symbol (Hospital).svg|60px|病院]]||病院<BR>(旧・日本陸軍の衛生隊の印を図式化)||[[ファイル:Hospital room ubt.jpeg|125px|病院]] |- |[[ファイル:Japanese Map symbol (the Self-Defense Forces).svg|60px|自衛隊関係]]||自衛隊(じえいたい)<BR>(旗(はた)を図式化)||[[ファイル:陸自第二教育団記念行事.jpg|125px|自衛隊関係]]||[[ファイル:Japanese Map symbol (Oil or Gas well).svg|60px|油井・ガス井]]||油井(ゆせい)・ガス井(ガスせい)<BR> |- |[[ファイル:Japanese Map symbol (Power plant).svg|60px|発電所]]||発電所<BR>(発電機を図にした。)|| ||[[ファイル:Japanese Map symbol (Home for the aged).svg|60px|老人ホーム]]||老人ホーム<BR>(ホーム建物と老人が使う杖で、老人が建物内に居る様子を図式化)||[[ファイル:Altenheim.jpg|125px|老人ホーム]] |- |[[ファイル:Japanese Map symbol (Castle).svg|60px|城跡]]||城跡(じょうせき)<BR>(築城時の縄張(設計)の形を図式化)||[[ファイル:Himeji Castle The Keep Towers.jpg|125px|城跡]]||[[ファイル:Japanese Map symbol (Chimney).svg|60px|煙突]]||煙突(えんとつ)<BR>(煙突と立ち上る煙、煙突の影を図式化)||[[ファイル:Gelsenkirchen Kraftwerk Scholven.jpg|125px|煙突]] |- |[[ファイル:Japanese Map symbol (Historical site-Place of scenic beauty-Natural monument-Protected animal plant).svg|60px|史跡・名勝・天然記念物]]||史跡(しせき)・名勝(めいしょう)・天然記念物<BR>||[[ファイル:NintokuTomb Aerial photograph 2007.jpg|125px|史跡・名勝・天然記念物]] |- |[[ファイル:Japanese Map symbol (Monument).svg|60px|記念碑]]||石碑(せきひ)・記念碑(きねんひ)<BR>(石碑の形と影を図式化)|| ||[[ファイル:Japanese Map symbol (Windmill).svg|60px|風車]]||風車(ふうしゃ)<BR>(風力発電用風車を図式化)||[[ファイル:Wattle Point windmill.jpg|125px|風車]] |- |[[ファイル:Japanese Map symbol (Lighthouse).svg|60px|灯台]]||灯台<BR>(灯台を上から見て光が周囲に照射されている様子を図式化)||[[ファイル:Sugashima Lighthouse and Kami Island (2016-01-16).jpg|125px|灯台]] |- |[[ファイル:Japanese Map symbol (Broadleaf trees).svg|60px|広葉樹林]]||広葉樹(こうようじゅ)<BR>(葉を広げて立つ広葉樹を図式化)||[[ファイル:Forest Floor in Kamikochi.jpg|125px|広葉樹林]]||[[ファイル:Japanese Map symbol (Coniferous trees).svg|60px|針葉樹林]]||針葉樹(しんようじゅ)<BR>(そびえ立つ針葉樹を図式化)||[[ファイル:Larix leptolepis.JPG|125px|針葉樹林]] |- |[[ファイル:Japanese Map symbol (Bamboo grove).svg|60px|竹林]]||竹林<BR>(生えている竹と影を図式化)||[[ファイル:Bamboo maze.jpg|125px|竹林]] |- |[[ファイル:Japanese Map symbol (Field).svg|60px|畑]]||畑<BR>(栽培している植物の二葉を図式化)|| ||[[ファイル:Japanese Map symbol (Rice field).svg|60px|水田]]||田(た)<BR>(稲の刈取り跡を図式化)||[[ファイル:Oryza sativa Rice sprouts ja01.jpg|125px|水田]] |- |[[ファイル:Japanese Map symbol (Orchard).svg|60px|果樹園]]||果樹園(かじゅえん)<BR>(果樹の果実を図式化)||[[ファイル:Sour cherry 3428.JPG|125px|果樹園]]||[[ファイル:Japanese Map symbol (Tea plantation).svg|60px|茶畑]]||茶畑<BR>(茶の実の断面図を図式化)|| |- |[[ファイル:Japanese Map symbol (Mulberry field).svg|60px|桑畑]]||桑畑(くわばたけ)<BR>(くわの木を図式化)||[[ファイル:MorusAlba.jpg|125px|桑畑]] |- |[[ファイル:Japanese Map symbol (Spa).svg|60px|温泉]]||温泉(おんせん)<BR>(お湯と湯気を図にした。)||[[ファイル:Onsen in Nachikatsuura, Japan.jpg|125px|温泉]] |- |[[ファイル:Japanese Map symbol (Important port).svg|60px|重要港]]||港(重要港)<BR>(船の碇を地方港と区別して図式化)||[[ファイル:Kobe takahama01s3200.jpg|125px|重要港]]||[[ファイル:Japanese Map symbol (Local port).svg|60px|地方港]]||地方港<BR>(船の碇を漁港と区別して図式化)||[[ファイル:Shodoshima-maru No.1 Tonosho Port Shodo Island Kagawa pref Japan01bs5.jpg|125px|地方港]] |- |[[ファイル:Japanese Map symbol (Fishing port).svg|60px|漁港]];||漁港<BR>(船の碇を図式化)||[[ファイル:Kamijima-port 01.JPG|125px|漁港]] |- |[[ファイル:Japanese Map symbol (Standard point).svg|60px|水準点]]||水準点(すいじゅんてん)<BR>(水準点の標石を真上から見た形を図式化)||[[ファイル:基準水準点・基21号-2.JPG|125px|水準点]]||[[ファイル:Japanese Map symbol (Triangulation point).svg|60px|三角点]]||三角点(さんかくてん)<BR>(三角測量を行うときの三角網の一部を図式化)||[[ファイル:1 tou sankakuen.jpg|125px|三角点]] |- |[[ファイル:Japanese Map tax office.jpg|100px|税務署]]||税務署(ぜいむしょ)<br />(そろばんの玉を図式化)|| |} == 都道府県 == == 日本の地形 == === 山脈・山地 === === 河川・湖 === === 平野 === === 半島 === == 各地方の暮らし == [[ファイル:Kiso River mouth in Ise Bay.jpg|thumb|300px|木曽川(奥)・揖斐川(手前)。河口の空撮。]] 岐阜県のあたりにある、{{ruby|木曽|きそ}}川・長良川(ながらがわ)・揖斐川(いびがわ)の下流の流域には <big>濃尾平野</big>(のうびへいや) があります。 木曽川・長良川・揖斐川の三つの川は、伊勢湾(いせわん)に通じています。 この三つの川の下流の流域は堤防で囲まれている土地が多いです。堤防で囲まれた土地を<big>輪中</big>(わじゅう)と言います。 濃尾平野の川の流域には輪中が多いです。 輪中の中の土地の高さは川の水面と同じくらいか、水面よりも低いことが多いです。 この濃尾平野の輪中には、水田が多いです。 [[Image:Kaizu city Museum H02.JPG|thumb|right|200px|堀田。海津市歴史民俗資料館の敷地内に再現されている堀田。]] この土地は低地なので水がたまりやすいので、水はけがわるいです。水田は水を必要としますが、水がたまりすぎても、稲はよく育ちません。なので、この土地の人は、かわりに水田を高くしようと、土をもって、そのうえに水田をつくります。水田のまわりの土を掘って、その掘った土で田を高くするので <big>堀田</big>(ほりた) といいます。 最近では、洪水は起きていませんが、もし起きても、被害(ひがい)が少なくなるように、この輪中の住人たちは工夫をしています。 この輪中の土地では、家をたてるときは、盛り土をして家の土台を高くします。 こうすることで、もし洪水が起きても、ひがいを減らしたいわけです。 == 日本の各地方の気候 == 日本には、大きく分けて<big>6</big>つの気候があります。ここでは、その一つ一つを詳しく学びます。 気候の勉強をするときは、<big>雨温図</big>をよく見るとよいです。 === 北海道の気候 === 北海道の気候は、北海道に見られる気候です。 ==== 特徴 ==== * 気温が1年を通して低く、冬には0℃を下回ることもある。 * 降水量が少なく、梅雨がない。 ==== 雨温図 ==== -誰か雨温図を貼り付けてください。- === 日本海側の気候 === 日本海側の気候は、日本海側の府県に見られる気候です。 ==== 特徴 ==== * 冬の降水量が多い。(雪がたくさん降る。) ==== 雨温図 ==== === 太平洋側の気候 === 太平洋側の気候は、 ==== 特徴 ==== * 夏の降水量が他の場所よりも多い。 * 冬は乾燥する。 ==== 雨温図 ==== === 中央高地の気候 === 中央高地の気候は、中部地方の海に面さない場所に見られる気候です。(長野県や山梨県など) === 特徴 === * 1年を通して降水量が少ない。 * 夏と冬の気温の差が大きい。 * 涼しい。 ==== 雨温図 ==== === 瀬戸内の気候 === 瀬戸内の気候は、瀬戸内海に面する場所に見られる気候です。 ==== 特徴 ==== * 四国山地や中国山地に季節風が遮られ、1年を通して降水量が少ない。 * 比較的温暖。 ==== 雨温図 ==== === 南西諸島の気候 === 南西諸島の気候は、沖縄県に見られる気候です。 ==== 特徴 ==== * 台風がよく通るため、夏の降水量が多い。 * だが、大きい川がないため、水不足になりやすい。 * 1年を通して温暖である。 == 気候を見分ける方法 == 雨温図が6つ出てきて、それぞれどの気候かを選ぶ問題は中学入試の定番問題である。 特徴的な気候は日本海側の気候、南西諸島の気候なので、そこから選んでいく。その後、太平洋側を選び、残りは全て降水量が少ない気候になる。残りの見分け方は、まず、冬に気温が0℃を下回っている北海道から選び、その次は自分に合ったやり方でどちらかを選ぶと良い。 中央高地か瀬戸内かは、気温に着目すると良い。 日本海側→南西諸島→太平洋側→北海道→中央高地か瀬戸内か == 世界地理 == == 関連項目 == === 下巻 === このページの続きは[[中学受験社会/地理/下巻|こちら]]です。 {{デフォルトソート:ちゆうかくしゆけんちり1}} [[Category:社会]] [[Category:中学受験参考書|ちり1]] {{カテゴリ準備|中学受験社会|小学校社会|ちゆうかくしゆけんちり1|ちり1}} {{Stub|小}} 1f5qo0rllaoj55xf0xt0qecfa5h526l 中学受験社会/地理/下巻 0 26329 276384 255390 2025-06-28T23:09:37Z Tomzo 248 /* 関連項目 */ 276384 wikitext text/x-wiki {{Pathnav|メインページ|小学校・中学校・高等学校の学習|中学受験参考書|中学受験社会|中学受験社会/地理|frame=1}} [[{{PAGENAME}}]]では、これから中学受験をされる方への社会科地理分野を解説します。 == 産業の種類 == 農業や林業や漁業などを '''第1次産業''' と言います。 製造業や建設業を '''第2次産業''' といいます。商業やサービス業、運輸業などを '''第3次産業''' といいます。 現在は、第3次産業に関わる人が一番多く(71.0%)、次いで第2次産業(25.0%)、第1次産業 (4.0%) です。[()内の数字は2015年のもの] {{コラム|6次産業| 一部の企業では、農作物などの生産 (第1次産業) から、加工(第2次産業)、流通・販売 (第3次産業) まですべて行うことがあります。これを、1と2と3をかけて「6次産業」ということがあります。 }} == 農林水産業 == === 農業 === === 林業 === *日本の森林面積 日本の森林面積は、国土のおよそ'''3分の2'''です。 === 水産業 === === 食料生産と食生活 === ==== 日本の特徴 ==== ==== 低い食料自給率 ==== 日本の食料自給率は、37%(2018年)である。これは、ほかの先進国と比べて、大変低いです。 ==== 食糧管理政策 ==== *減反政策 米は、1942年(第二次世界大戦中)に成立した'''食料管理法'''で、政府が農家から米を買い上げて、米の値段(米価)を安定させ、農家のくらしをささえていました。ですが、戦後の食生活の変化により、だんだん生産があまるようになり、そのため買い上げている国の財政にも負担になりました。 :1970年ごろから、米の'''生産調整'''が行われました。米の農地の面積を減らした政策を減'''{{ruby|反|たん}}政策'''といいます。当時は米の生産量のわりに、食生活の洋風化などでコメの生産量が減っていたため、コメの転作(麦など他の物を作る)や休作(作るのをやめる)が行われました。2018年度から廃止されました。 :1995年には、古い食料管理法は廃止され、現在では、{{ruby|食糧|しょくりょう}}法に変わっている。 == 工業 == === 自動車工業 === 自動車は、部品工場で作った部品を、組み立て工場で組み立てている。 部品を生産する会社は、親会社とは、べつの会社である。親会社の一社では、部品を作っていない。 自動車の部品は、数万点はある。 自動車の組みたては、流れ作業で行なう。'''ベルト コンベア'''方式である。 自動車の組み立て工場での、組み立て手順を示す。 :ここで紹介するもの以外にも、部品工場で、それぞれの部品を作っている。 * プレス 鉄板をプレスし、形を作る。 * 溶接(ようせつ) 溶接とは、金属を高温で溶かして、金属どうしを、つなぐこと。 溶接では、産業用ロボットを使っている。溶接は危険なので、ロボットに行わせている。 産業用ロボットのまわりには、安全のため、人が入らないように、カバーがあり、柵(さく)がある。 * 塗装(とそう) 自動車の場合、産業用ロボットに、塗装を行わせる。上塗り(うわぬり)、下塗り(したぬり)、と複数回の塗装をする。 * 組み立て 取り付ける部品によって、人が組み立てるか、ロボットが組み立てるかが、ことなる。ガラスやシートなどの思い部品の組み立てはロボットで行なう。 * 検査 * 出荷 [[画像:Car Carrier Rhea Leader.jpg|thumb|300px|自動車運搬船 レア・リーダー(RHEA LEADER)<br/>(63,004総トン)]] 輸出する自動車は、専用船で運んで輸出する。 ---- 自動車産業は、日本の主要産業である。また、日本の自動車は、世界でもトップクラスの売上や評判である。 関連工場とは、部品をつくってる子会社の、部品工場のこと。いわゆる、下請け工場。下請け会社である関連会社の工場なので関連工場ということ。 1970年代には、日本とアメリカとの貿易摩擦の原因にもなった。 アメリカでの日本製品への不買運動のこと。日本製品がよく売れるということは、うらをかえせば、アメリカ製の商品が売れなくなるということでもある。 (もっとも、日本製品を買っているのもアメリカ人たちなのだが・・・) アメリカ製の製品が売れなくなれば、そのアメリカの製品を作る企業は経営悪化し、仕事の人は、失業してしまう。 なので、アメリカで、日本製品の不買運動が、もりあがったのである。 不買運動をされたのは、べつに自動車だけでなく、家電製品なども、そうである。 現在では、自動車会社は、アメリカに、現地の工場を持って、現地のアメリカ人を雇って生産している。 ただし、アメリカの日本車が、すべてアメリカでの生産とは限らず、日本国内で生産された自動車が輸出されている場合もある。 アメリカだけでなく、ヨーロッパや東南アジアなどでも、現地生産を進めている。 * 自動車の各国の生産量 中国(中華人民共和国のほうの中国)・日本・アメリカが高い。時期によって順位はちがうが、2010年では中国が1位で日本が2位である。 各国の自動車の輸出量では、フランス・日本・ドイツが高い。 * 自動車の輸送(ゆそう)の方法 [[File:Car transporter 002.JPG|thumb|キャリアカー]] マイカーなどの新車を運ぶときは、自動車を運ぶ専用のトラック車のようなキャリア カーで運ぶ。日本国内で運ぶときは、高速道路を通ったりして運んでいる場合もある。 海外に運ぶときなどは、タンカー船などで運ぶ。 ただし、近年では、海外の工場で現地生産する量も増えており、タンカーで運ぶ自動車の量は減っている、と言われている。 自動車を購入するときの価格には、こういった輸送にかかるお金も、ふくまれているのです。 :※ 自動車にかかわらず、一般に、店で買える物の価格には、輸送などの費用も、ふくまれている。 :なお、自動車を買うには、大人が自動車の販売店に行って(いわゆる「自動車販売店」)、客が 自動車の価格のお金を払って注文すれば、自動車を買え、数週間~数か月後くらいには自宅などに注文した自動車が届きます。 :※ 自動車の「販売店」という概念も、東京書籍などの教科書で扱っている。 * 使い終わった自動車の最終処分 いらなくなった自動車は、中古車市場にも売れる。 だが、古すぎる自動車や、壊れすぎた自動車は、ゴミとして処分するしかない。 もちろん、けっして一般のごみ捨て場では、すてられない。 日本各地に、自動車など大型機械の専用の解体工場があり、専用の解体用クレーンなどの重機がある。その解体工場にキャリアカーなどで運んでいき、解体する。 * 自動車の技術と開発手法 近年の自動車には、ハイブリッド車など、最新のエンジンを積んだ自動車が増えて生きている。 なお、ハイブリッド車とは、動力としてガソリンと電気で走る車である。 また、研究開発では、酸素と水素で走る仕組みである燃料電池車の開発も進められている。 また、事故などのさいの安全の対策も、むかしからのシートベルトに加え、さらにエアバッグや、赤外線センサーなどの各種のセンターによる警告(けいこく)など、さまざまな技術がすでに導入され、すでに自動車の部品の一部として実用化されている。 自動車会社では、このような部品の安全性をたしかめるため、開発のための工場では開発時に、じっさいに、自動車の衝突の実験をしている。 衝突実験といって、人間のかわりに実験用のマネキンを乗せて自動走行させた自動車を、じっさいに障害物などに衝突させて、エアバッグなどが作動するか確認したり、また衝突時にどこが壊れやすいかなどを調べたりなどの調査を行う。 * その他 ;カーシェア 最近では、「カーシェア」といって、複数の家庭の人が、一台の車を共有する仕組みも、登場している。 :※ いまは昔とちがい、自動車の利用する機会も減ってきたので、普段はあまり車を使わない人も増えている。なので、一人一台で買ったのにほとんど運転しないよりも、複数の家庭の人どうしでお金を出し合って一台を共有したほう安上がりな場合もある。 ;工場での金属の処分 自動車にかぎらず機械工場では、加工のさいに、金属のクズや、金属の切れ端などの余りものの金属が発生する。 それらの金属のごみは、専門の業者に回収してもらう。 金属ごみでも、品質のよい状態のごみだと、場合によっては、有料で業者に買い取ってもらえる(自動車会社などの側のほうが、金をもらえる)場合もある。 === 中小工場 === '''中小工場'''とは、従業員数が300人 未満の工場のこと。つまり299人 以下の工場のこと。従業員数が29人以下の工場を小工場と言い、30人以上〜299人以下の工場を中工場という。 300人以上の工場を大工場と言う。 中小工場は、大企業の下請けが多い。中小工場の多くは、大工場でつくっている製品の、部品などを作っている。 部品工場のことを、最終製品を作っている工場からの視点で、<big>関連工場</big>(かんれんこうじょう)ともいう。 部品工場である関連工場が、かならずしも中小工場とはかぎらないので、まちがえないこと。 中小工場ではたらく人は、工場労働者の70%近い。 全工場の99%が中小工場。 === 製鉄業 === [[File:Hochofenprozess.PNG|thumb|400px|高炉プロセスの概略図。<br> Trocken -und Vorwärmzone:乾燥および予熱<br> Reductionzone :還元の領域 。 Kohlungzone :浸炭の領域<br> Schmelzzone :融解の領域 。 <br> Roheisen :銑鉄<br> schlacke :スラグ<br> <br> Erz :鉱石 。  koks :コークス 。 zuschläge :追加物<br> <br> Gichtgas :高炉ガス<br> ]] [[Image:Alto horno antiguo Sestao.jpg|thumb|スペイン、セスタオ (Sestao) の高炉]] 鉄の原料は鉄鉱石(てっこうせき)です。 * 高炉(こうろ) 鉄をつくるには、鉄鉱石から、製鉄所にある高炉(こうろ)で鉄を溶かします。高炉の高さは100m以上もあります。高炉で溶かした鉄が、銑鉄(せんてつ)です。 鉄鉱石は、酸化していて、さびています。鉄鉱石を溶かす時に、さびをとるため、炭素をふくんでいる石炭をむしやきにした'''コークス'''を加えています。 銑鉄は、高炉の中で下に液状になって、たまり、炉の下のほうから取り出されます。 この炭素が鉄に多くまざると、鉄はかたくなり、もろくなる。銑鉄には炭素が多くあるので、銑鉄は、かたくてもろいです。銑鉄に、ふくまれる炭素の濃度は、だいたい4%から5%まで、です。この炭素の濃度だと、銑鉄が、やや低い温度で溶けやすくなるので、結果的に、銑鉄の濃度が、こうなります。 不純物は、酸素の他にも、ふくまれているので、コークスの他に、石灰石を加えています。 * 転炉(てんろ) 鋼(はがね)とは、銑鉄を転炉(てんろ)という炉に送り、転炉で酸素を吹き込むことで、炭素を燃焼させて減らし、ちょうどいいぐあいにまで炭素を減らすことで、丈夫な鋼(はがね)に、なります。ねばりが ありながら、しかも かたくなるように、炭素の量を調節した鉄です。鋼にふくまれる炭素の量が、どのくらいかと言うと、0.02% から 2.1%までの炭素濃度です。 転炉のあと、さらに圧延機におくられ、板のかたちの鋼板(こうばん)や、棒のかたちの棒材(ぼうざい)などへと、加工されます。 鉄や鋼をあわせて、鉄鋼(てっこう)と、よびます。 鉄鋼を生産している産業を鉄鋼業(てっこうぎょう)と言います。 なお、ステンレス鋼とは、鋼(はがね)にニッケルやクロムを加えた合金です。 アルミニウムをつくったり、銅をつくったりなど、鉄鋼以外の金属を生産するのは、金属工業と言います。アルミや銅の生産は、鉄鋼業とは言いません。 日本では、金属生産のなかでも、アルミや銅よりも、鉄鋼生産が、もっともさかんです。 昔は、鉄は「産業の米」と言われていた。しかし、今では半導体が「産業の米」と呼ばれている。 「鉄は国家なり」という格言も、ある。 プレスなどの加工をなにもしていない、製鉄所で作ったままの鉄鋼を、粗鋼(そこう)という。この粗鋼の生産量が、国の製鉄業の規模をはかるのに、よく用いられる。 粗鋼の生産量では、中国(中華人民共和国)が2010年では第1位で、世界の45%ちかくを生産し、約6億トンを生産している。ついで、日本が1億トンで2位、アメリカが8千万トンで3位、それからロシア4位、インド5位、韓国6位・・・というように続く。 このように、中国の粗鋼生産量が、ずばぬけて高い。 製鉄所は、臨海部に多くある。場所が、埋め立て地であることも多い。ほとんどの製鉄所は太平洋ベルトにある。ただし、北海道の室蘭は例外。 臨海部にある理由は、原料の輸入や、製品の輸出に便利であることです。また、埋め立て地を作ることで、広い土地を確保できます。 日本の、主な製鉄所の場所は、以下の通り。 :・室蘭(むろらん)市 (北海道) :北海製鉄(ほっかいせいてつ) 室蘭製鉄所 :・鹿島(かしま)市 (茨城県) :住友金属工業(すみとも きんぞくこうぎょう) 鹿島製鉄所 :・千葉市 (千葉県) :JFEスチール 東日本製鉄所 千葉地区 :・君津(きみつ)市 :新日本製鐵(しんにほんせいてつ) 君津製鉄所 :・川崎(かわさき)市 (神奈川県) :JFEスチール 東日本製鉄所 川崎地区 :・東海市 (愛知県) :新日本製鐵(しんにほんせいてつ) 名古屋製鉄所 :・和歌山市 (和歌山県) :住友金属工業 :・神戸(こうべ)市 (兵庫県) :神戸製鋼所(こうべせいこうしょ) :・加古川(かこがわ)市 (兵庫県) :神戸製鋼所(こうべせいこうしょ) :・倉敷(くらしき)市の水島(みずしま)地区 (岡山県) :JFEスチール 西日本製鉄所 倉敷地区 :・福山(ふくやま)市 (広島県) :JFEスチール 西日本製鉄所 福山地区 :・呉(くれ)市 (広島県) :日新製鋼(にっしんせいこう) 呉(くれ)製鉄所 :・北九州市 (福岡県) :住友金属工業および新日本製鐵 :・大分(おおいた)市 (福岡県) :新日本製鐵 企業名は、記憶しなくても良いが、どれも日本の大企業なので、知っておいても損は無いです。 鉄鉱石は、オーストラリアから、ほとんどを輸入しています。 日本への鉄鉱石の輸入元の国は、オーストラリアからの輸入が約60%です。ブラジルから約28%です。インドから約5%です。 鉄鉱石の合計輸入量は、年にもよりますが、だいたい、1億5000万トンです。 石炭は、オーストラリアから約75%を輸入しています。カナダから約13%を輸入しています。 石炭の合計輸入量は、年にもよりますが、だいたい5000万トン〜6000万トンです。 === 石油化学 === [[File:Crude Oil Distillation.png|thumb|right|500px|蒸留塔。<br>最上は石油ガス。<br>35℃〜180℃: ガソリンおよびナフサ。<br>170℃〜250℃: 灯油およびジェット燃料。<br>240℃〜350℃: 軽油。<br>350℃以上: アスファルト。<br>温度は、おぼえなくてもよいです。]] 石油を原料として、さまざまな製品をつくる産業である。 プラスチックや、ビニル袋などのビニル製品、合成ゴム、灯油や軽油やガソリン、などは、石油から作られている。 * 原油 地中から取り出したままの石油を原油という。この原油が、石油工業の、おおもとの原料である。 原油そのものでは製品にはならず、この原油を工場で成分ごとに分けます。これを石油の精製(せいせい)といいます。 蒸留塔(じょうりゅうとう)で、成分ごとに分けられます。 石油の蒸気は、温度によって、ふくまれる成分の割合がかわってくるので、この現象を利用して、成分ごとに分けています。蒸留塔の中には、数十段ものトレイ( 棚(たな)のこと )が組み込まれています。図では、トレイが数段ですが、じっさいには、もっと多いです。このように、成分ごとに沸騰(ふっとう)する温度のちがいで物質をわけることを、 分留(ぶんりゅう) と言います。 精製によって、原油は成分ごとにわかれ、ガス、ガソリン、'''ナフサ'''、灯油、軽油、アスファルトなどに分かれ、分留されます。分留された成分のことを留分と言うことがあります。「ガソリン留分」、「ナフサ留分」、「軽油留分」などのように言います。ガソリン留分からガソリンがつくられ、軽油留分から軽油が作られます。 ナフサは、プラスチックなど、さまざまな製品の原料になります。ナフサを分解するナフサ分解炉(ぶんかいろ)で、'''エチレン'''やプロピレン、ブタジエン、ベンゼン、トルエンなどのガスの成分が、とり出されていきます。 これらエチレンなどの成分から、プラスチックや合成繊維、合成ゴムなどの誘導品(ゆうどうひん)を作っていきます プラスチックのポリエチレンは、エチレンを原料に作られます。ポリプロピレンは、プロピレンを原料に、作られます。 * '''コンビナート''' [[Image:Anacortes Refinery 31911.JPG|right|thumb|300px|アメリカの製油所。日本の製油所の画像が見つからないので、この画像で代用します。]] 石油工場では、パイプによって、関連する工場どうしがつながっている。このようなパイプラインでつながった石油工場をコンビナートという。'''コンビナート'''とは、ロシア語で、「つながり」とかの意味である。英語のコンビネーションの意味に近いとおもえば、よいだろう。 石油化学コンビナートは、太平洋ベルトにあります。太平洋側の太平洋ベルトの臨海部にあります。臨海部にある理由は、原料を海外から輸入していることや、海岸の埋め立てで広い工場用地を確保しやすかったからです。 輸入先は中東のアラブ地域が、ほとんどです。'''サウジアラビア'''(約30%)やアラブ首長国連邦(約20%)やカタール(約12%)、イラン(約11%)、クウェート(約8%)などから原油を輸入しています。 * 石油化学コンビナートの立地 ::鹿嶋市 (茨城県) : ::千葉市 (千葉県) : ::市原市 (いちはらし、千葉県) :三井(みつい)化学、住友(すみとも)化学、出光興産(いでみつこうさん)、丸善石油(まるぜんせきゆ) ::川崎(かわさき)市 (神奈川県) :新日本石油化学、東燃化学、 ::四日市(よっかいち)市 (三重県)  :三菱化学(みつびしかがく)、東ソー(とうソー) ::高石(たかいち)市 (大阪府) :三井化学 ::倉敷(くらしき)市の水島(みずしま)地区 (岡山県) :旭化成(あさひかせい)、三菱化学(みつびしかがく) ::岩国 (いわくに、山口県) :三井化学 ::周南 (しゅうなん、山口県) :出光興産 ::新居浜(にいはま、愛媛県):住友化学 ::大分 (大分県) :昭和電工(しょうわでんこう) 企業名は おぼえる必要はありませんが、石油化学業界の大企業ですので、知っておいてください。 原油の合計輸入量は、年にもよりますが、だいたい、2億キロリットルです。 === 電気機械工業および電子工業 === ==== 半導体産業 ==== [[ファイル:Chip.jpg|thumb|300px|SOPパッケージに封入された標準ロジックICの例]] [[ファイル:Cleanroom1.jpg|thumb|300px|建設中の半導体製造工場用のクリーンルーム。半導体の配線(はいせん)は、とても細かいので、すこしでもホコリがつくと、配線が断線(だんせん)して故障(こしょう)して使えなくなってしまう。なので、ホコリがつかないように、特別なクリーンルームで半導体を製造(せいぞう)する必要がある。]] ICとは、集積回路とも言われ、数mmのチップに、電子素子を、とても多く、つめこんだ部品です。コンピュータ部品にICが使われます。パソコンだけでなく、計算する機能をもっている「デジタル家電」などの製品のほとんどに、ICは入っています。 IC産業や電子産業が、半導体産業と言われることもあります。ICの材料に、半導体という材料が使われることが多いからです。 [[画像:Monokristalines Silizium für die Waferherstellung.jpg|thumb|110px|right|ケイ素(けいそ)の単結晶<br>これをうすく切断して、シリコンウエハにする。]] 半導体とは、電気の流しやすさが、電気を流す金属などの導体(どうたい)と、電気を流さないゴムなどの絶縁体とのあいだの、半分くらいの流しやすさの材料なので、半導体(はんどうたい)といいます。 元素のケイ素であるシリコンなどが半導体です。 高機能のICの製造には、とても、お金がかかります。どれだけ多くの素子をICチップに多く組み込めるかで性能がきまるので、最先端の精密(せいみつ)技術を持った大企業でないと、製造も開発も、出来ません。 LSI(、大規模集積回路)とは、ICの中でも、1つのチップの中の電子部品の数が、とても多いICです。 かつて1980年代は、日本は世界の半導体生産の半分くらいを生産していました。しかし、その後のアメリカとの競争にやぶれ、また韓国にも競争でやぶれ、日本の影響力(えいきょうりょく)は、落ちています。 世界での半導体生産の企業シェアは、2012年度は、上位から順に、 :インテル(アメリカ) :シェア 15.7% :サムスン電子(韓国) :シェア 110.1% :クアルコム(アメリカ) :シェア 14.3% :テキサス・インスツルメンツ(アメリカ) :シェア 14.0% :東芝(日本) :シェア 13.6% と、なっております。 ==== 半導体ICと真空管 ==== ※この節は、きちんと理解するのは、とても難しいです。半導体の仕組みを完全に理解しようとすると、予備知識には大学生ていど(それも理系の大学)の知識が必要になります。小学生には、完全な理解はむりなので、読み物として、コンピュータの歴史を知ることを、この節では目的にしてください。 ;真空管(しんくうかん) [[File:Elektronenroehren-auswahl.jpg|thumb|300px|left|いろいろな真空管]] [[Image:Diode vacuum tube.png|thumb|200px|right|二極真空管の模式図]] 小学校の理科で習うような電気部品では、デジタルの計算機は、つくれません。 コンピュータに計算させる部品には、今でこそ半導体ICを用いているが、1940年ごろのアメリカでは、真空管というを用いていた時代もあった。 真空管とは、ガラス管の中を真空にしたガラス管の中で、電源のマイナス極に結びついた電極と、電源のプラス極に結びついた電極を取り付け、マイナス極を熱することで電子を放電させることで電気をながすという、大きな電気部品です。 この仕組みを使うと、電気を一方向のみに流すことができます。電子の放電は、マイナス極を熱したときにしか、おきません。プラス極を熱しても、電子は放電しません。なお、この真空管の実験事実から、電子はマイナスの電荷である、ということが科学的に発見されました。 真空管の整流の仕組みは、離れた陽極と陰極に大きな電圧差をかけ、このとき陰極に高温を加えると電子が放出するという、陰極線(いんきょくせん)の発見でした。 この一方向にしか電気が流れないという真空管の性質をもちいると、ふつうのエナメル線や豆電球などの電気回路では出来ないような複雑な処理を、真空管などの電子回路に、処理させることが、できます。 この真空管に、マイナス極とプラス極の2個の電極を取り付けた真空管を、2極真空管と言います。 半導体を用いる現代では、真空管のかわりにダイオードという部品が、この真空管とおなじような一方向にのみ電子を流す機能を持っています。 この真空管に、さらに、もう一本、マイナス極の近くに電極を取り付けます。3本目の電極の電圧の大きさを変えると、陰極から放電される電子の量が変わります。3本目の電極の電圧をかえるのに流した電流の大きさ以上に、陰極からの電流の大きさを変えることができます。これによって、3極真空管には、少ない電流の変化を、大きな変化に変える 増幅が可能になります。(増幅といっても、べつに無から有の電流を作るわけでは無く、外部電源は必要になる。) この3個の極を持つ真空管が、3極真空管です。 半導体を用いる今日では、この、3極真空管は、半導体の実用化後は、トランジスタという部品に、置き換えられていった。 [[ファイル:Glen Beck and Betty Snyder program the ENIAC in building 328 at the Ballistic Research Laboratory.jpg|250px|thumb|プログラミングされるENIAC]] [[ファイル:Two women operating ENIAC.gif|thumb|250px|thumb|2人のプログラマがENIACの制御パネルを操作しているところ]] 陰極線が発見されたばかりのころは、まだコンピュータへの応用には、気づかれていませんでした。それから時代が変わって1940年ごろに、第二次大戦のため、アメリカでは高性能の計算機が必要になり、新型の計算機の開発が進みます。この時代に、陰極線を用いた真空管で計算機が作れる、ということが、気づかれます。 アメリカ軍は、真空管を用いた電子式の計算機の開発に、巨額の資金(しきん)を、つぎ込みます。 そうして、完成した電子計算機が、エニアック ENIAC というコンピュータです。 真空管は、陰極を加熱するという理由から、耐久性に欠陥があった。たとえば電球のフィラメントが焼き切れるように、真空管が熱で電極が焼き切れたりなどして、故障するということが多かった。 また、真空管は小型化も難しかった。 {{clear}} [[ファイル:Transistor description ja.svg|right|frame|NPN型トランジスタの模式図]] しばらく時代がたち、半導体という物質に、いくつかの物質をまぜると、一方向にしか電子が流れないという現象が発見されます。半導体の中を、一方向にのみ、電子が流れます。 しかも、半導体により一方向に流すばあいは、真空管とはちがい、熱する必要がありませんでした。材料の中を電子がながれるので、放電をさせる必要もなくなります。 なので、熱で故障することが無くなります。おまけに加熱のためのヒータを取り付ける必要も無くなります。 半導体ダイオードや半導体トランジスタの実用化後は、加熱の必要がなくなり、真空管を用いていた多くの電子部品で、耐久性の高い半導体部品へと置き換わることになりました。 ICの配線の加工は、とても細かいので、手では不可能です。おもに、光を用いています。 たとえば写真の業界では、銀塩写真は、光を用いて、化学反応を制御しています。半導体の製造でも、光を用いて、シリコンウエハにぬられた感光剤(かんこうざい)の化学反応を制御して、ICを作っています。 なので、半導体製造装置(はんどうたいせいぞうそうち)には、レンズなどの光学部品が、ついています。 シリコンウエハに、写真のように回路図をうつして、ICの配線をつくっているのです。 「半導体産業」と言った場合、最近では、材料が本来の意味の導電率が半分という意味の「半導体」でなくても、製品がICなどと同じ機能をもっている高性能の計算処理能力などを持つ電子部品をつくる産業ならば、その製品をつくる産業も「半導体産業」と言う場合があります。 {{clear}} === 軽工業 === 軽工業には、食品工業や繊維工業など、色々とあるが、食品工業の割合が、もっとも大きい。 ==== 食品工業 ==== たとえば小麦粉からパンをつくったり、果物からジュースをつくったりするように、農産物や畜産物、水産物を加工して <span style="color:Brown"><big>加工食品</big></span>(かこう しょくひん) をつくる産業である。 食料品工業とも言う。 肉からハムを作ったり、魚からカマボコや ちくわ を作るのも食品工業です。 スーパーで売られてるようなカレーライスのルーを作ったり、インスタントラーメンなどをつくるのも食品工業です。 牛乳からバターやチーズなどの加工した乳製品をつくるのも食品工業です。 小麦からビールを作るのも、コーヒー豆からインスタントコーヒーを作るのも食品工業です。 大豆から味噌(みそ)を作ったり、醤油(しょうゆ)をつくるのも食品工業です。 調味料を作ったり、コメの精米や、小麦の製粉、漬物、缶詰食品などの保存食づくり、お菓子工場のお菓子づくりなど、食品工業は、たくさん、あります。 食品工場の工場は、多くの工場は、中小の工場です。工場の場所は、原料の産地のちかく、または東京などの大消費地の近く、または原料の輸入する貿易港の近くが多いです。 なので、全国に工場が、ちらばっています。 ==== 繊維工業 ==== {{ruby|繊維|せんい}}の種類には綿や、絹の生糸などの天然繊維や、ナイロン繊維やアクリル繊維などの化学繊維がある。 綿の材料は、綿花から採れる。コットンとは、綿のことです。 絹の原料は、虫であるカイコの{{ruby|繭|まゆ}}です。シルク silk とは絹のことです。 ウールとは、羊の羊毛のことです。 化学繊維の多くは、ふつうは、石油を原料にしています。 日本では、繊維工業は、第二次世界大戦の前までは、天然繊維の製品の輸出が、日本の主要な工業であった。しかし戦後は、人件費の安い中国(中華人民共和国のほう)や東南アジアなどの外国に工場が移ったことや、ナイロンなどの化学繊維の発明によって、繊維工業の割合は低下した。 人件費とは、従業員の一人あたりに支払う給料のことです。 経済力の高い先進国では、高い給料を払わないと労働者が集まりにくいので、先進国では人件費が高くなる傾向があります。 [[File:1924 Non-Stop Shuttle Change Toyoda Automatic Loom, Type G 1.jpg|thumb|200px|right|無停止杼換式豊田自動織機(G型)。産業技術記念館の展示。]] 戦前の繊維工業の参考として、たとえば、現在では自動車会社で有名なトヨタ自動車も、昔は、1926年(大正15年)に創業したばかりの豊田自動{{ruby|織機|しょっき}}という織機をつくる会社でした。 {{clear}} ==== 製紙・パルプ工業 ==== [[File:Florida Pulp and Paper Company mill, Cantonment, Florida.jpg|thumb|外国企業での、パルプの製造。1947年。]] [[Image:InternationalPaper6413.jpg|thumb|left|製紙・パルプ工場。外国企業。]] [[Image:Papermaking machine at a paper mill near Pensacola.jpg|thumb|left|300px|抄紙機。]] [[File:Paper machine.ogv|thumb|製紙会社の製紙の機械。外国企業。]] ふつうの紙の原料は、木です。 木材をチップにして、さらにチップから <big>パルプ</big> を作ります。 製紙会社の工場で、釜でチップが煮込まれ、苛性ソーダ(水酸化ナトリウム)などを加えられて化学処理されて、チップからパルプになります。 パルプから紙が作られます。 パルプを漂白(ひょうはく)するため過酸化水素水などを使います。漂白して白くしたあと、{{ruby|抄紙機|しょうしき}}という巨大なローラーのついた機械で、均等な厚さに伸ばしていきます。 出来た紙は巨大なので、そのままでは製品にならないので、機械で必要な大きさに裁断(さいだん)されて、取引先に出荷されます。 紙は、木材から作る他にも、古紙から作った再生パルプを使ってつくる再生紙があります。 {{clear}} === よう業 === 陶磁器(とうじき)などの焼き物を作ったり、ガラスを作ったり、セメントを作ったりする工業を '''{{ruby|窯|よう}}業''' と言います。 どれも、石や粘土(ねんど)などを焼いて、作っています。 陶磁器は、ふつう、粘土 をやいて、作ります。 ==== ガラス ==== ガラスの材料は、ケイ{{ruby|砂|しゃ}}です。ケイ砂を高温で溶かし液状にしたものを、成形して固めたものがガラスです。 ==== セメント ==== [[File:06 Contes cimenterie.jpg|thumb|セメント工場。外国。]] [[File:റോട്ടറി ക്ളിൻ.jpg|thumb|250px|回転がま。ロータリー・キルン。]] セメントの材料は石灰岩(せっかいがん)と粘土です。 石灰岩と粘土とを粉々にしてから焼き固めたあとに、冷却して、砕いた(くだいた)ものです。 そして<big>セメントは、コンクリートの原料です。</big> セメントに{{ruby|砂利|じゃり}}と砂を入れ、水を適切な配合でまぜると、水とセメントとの化学反応が起きて、時間がたつとコンクリートとなって固まっていきます。 セメントの原料の石灰岩は、日本国内で自給できています。(2014年に記述。) {{clear}} ==== ファインセラミックス ==== [[Image:Si3N4bearings.jpg|thumb|250px|セラミックスでできたベアリング部材 Si<sub>3</sub>N<sub>4</sub>]] [[Image:Zayka-Ceramic-Knife.jpg|thumb|250px|セラミックス製ナイフ]] このような石などを焼いて作った材料、またはそれと似た化学成分の材料をまとめて、セラミックス とも言います。 セラミックスのなかで、とくに高性能な、とくべつな材料を ファインセラミックス と言います。ファインセラミックスの原材料は、きびしく管理されています。 セラミックスは、金属とちがい、さびないのが普通です。 セラミックスは電気を流さないので、電子材料で、絶縁(ぜつえん)が必要なところに使われることがあります。 電気回路で電気を一時的に保持する部品をコンデンサと言うのですが、セラミックコンデンサなどの応用があります。 {{clear}} == 人口 == === 日本の人口の移り変わり === 2019年4月現在、日本の人口は'''1億2615万人''' (推計値) であるが、減少している。 * 人口ピラミッドと人口の移り変わり 年齢層と性別ごとの人口をグラフにしたものを'''人口ピラミッド'''といいます。ここで、3つの年の人口ピラミッドを見てみましょう。 <gallery> File:Population pyramid of Japan, 1950.svg|250px File:Population pyramid of Japan, 1980.svg|250px File:Population pyramid of Japan, 2015.svg|250px </gallery> ※左、すなわち青いほうが男、右、ピンクの方が女です。 これは、左から順に 1950年、1980年、2015年のものです。(クリックで拡大できます。) まず、1950年のものを見てみましょう。ほぼ三角形の形で、子どもが多く、高齢者が少なくなっています。このような多産多死型の人口ピラミッドを、'''ピラミッド型'''とか、'''富士山型'''といいます。これは、発展途上国でよく見られます。 次に、1980年のものを見てみましょう。1950年のときと比べて、細くなっています。このような多産少死型の人口ピラミッドを、'''つりがね型'''といいます。 最後に、2015年のものを見てみましょう。1980年のときと比べて、さらに細くなっています。子どもが少なく、高齢者が多くなっています(少子高齢化)。このような少産少死型の人口ピラミッドを、'''つぼ型'''といいます。これは、先進国でよく見られます。 *出生率の低下 「{{ruby|出生率|しゅっしょうりつ}}」とは、一人の女性が、一生で何人の子供を産むかの平均です。2.07を切ると人口減少が始まるといわれています。2016年の出生率は、1.44でした。(先進国の中でも、かなり低いが、2018年、韓国の出生率は0.98であった) *ベビーブーム 一時的に出生率が高くなる時期を'''ベビーブーム'''といいます。 第一次ベビーブームは、太平洋戦争の直後に起こりました。先ほどの1950年の人口ピラミッドで、子どもの数が多くなっている1つの原因です。第一次ベビーブームのときに生まれた人を'''{{ruby|団塊|だんかい}}の世代'''ということがあります。現在、70代前半の人です。 第二次ベビーブームは、1970年代に起こりました。第一次ベビーブームのときに生まれた人が、子どもを出産したことにより起こりました(第二次ベビーブームのときに生まれた人を「団塊ジュニア」ということがあります)。現在、40代中ごろの人です。 === 地域と人口 === *{{ruby|過密|かみつ}} 都市部では、人口増加により、交通{{ruby|渋滞|じゅうたい}}などを引き起こしています。 *{{ruby|過疎|かそ}} *ドーナツ化現象 中心部の人口が減少し、周辺部の人口が増加する。 == 貿易 == 外国へ商品を売ることを'''輸出'''(ゆしゅつ)という。外国から、商品を買うことを'''輸入'''(ゆにゅう)という。 輸出額が輸入額より大きい場合を {{Ruby|<b>貿易黒字</b>|ぼうえき くろじ}}という。輸入額が輸出額より大きい場合を {{Ruby|<b>貿易赤字</b>|ぼうえき あかじ}}という。 === 加工貿易 === 日本には、資源が乏しく、外国から原料などを多く輸入している。 このように外国から原料を輸入し、日本国内で加工して工業製品にして、その工業製品を外国に輸出することで外貨をかせぐ貿易の方法を'''加工貿易'''という。 日本にとって、加工貿易は 必要な方法である。 {{clear}} === 貿易摩擦 === ;アメリカとの日米貿易摩擦 1960年代ごろから、せんい製品・カラーテレビ・自動車・半導体電子部品などが多く輸出され、アメリカの製造業が不振になり、アメリカと日本との貿易摩擦が起こる。 アメリカは日本に輸出の規制を求めている。 === 現状 === アメリカと中国が、大きな貿易相手。 日本から外国への輸出先は、多い順に中国、アメリカ、韓国などである。 外国から日本への輸入は、中国からの輸入、アメリカからの輸入、オーストラリアからの輸入が多い。 中国は人件費が安いので、その結果、輸出品の価格も安くなるので、各国の消費者が価格の安い中国製品を好んで買うので、多くの製品が中国から輸出される。 中国からの輸出品の生産は、中国の現地企業が生産している場合もあれば、外国の企業が人件費の安い中国に工場をたてて生産している場合もある。 中国にかぎらず、東南アジアも人件費が安いので、中国と同様に、安い製品の輸出をしている。 日本からも、人件費の安い外国に生産工場をうつす動きがあるが、その結果、国内の工場の仕事が減り、国内の生産力が下がるという「産業の空洞化」が起きている。 また、外国に工場を作ると、日本国内の工場でつちかわれた生産ノウハウも外国の労働者に教えることになるので、外国に技術ノウハウが流出するという 技術流出 も、問題になっている。また、中国は人口が多く、世界最大の人口を持つので、中国市場に多くの企業が参入し、中国への輸出額も多くなっている。 {{コラム|{{Ruby|石油危機|せきゆ きき}}| 1973年におきた中東戦争が原因の、世界的な石油の値上がりを '''石油危機''' と言う。 中東戦争とは、西アジアの中東で起きた戦争である。 石油危機のことをオイルショックともいう。 イスラエルと、アラブ諸国との、戦争である。この1973年の戦争を {{Ruby|第四次 中東戦争|だいよじ ちゅうとう せんそう}}という。 中東戦争の主な理由は、領土問題である。イスラエルは第二次世界大戦後にユダヤ人によりクーデターで出来たばかりの新しい国なので、周辺のアラブ人がおさめるアラブ諸国とは、領土でもめることが多いのである。 イスラエルはアメリカの同盟国なので、アメリカはイスラエルを支援します。アメリカを支援する国の多くは、イスラエルを支援することになります。 産油国であるアラブ諸国は、イスラエルを支援する国への対抗措置として、石油の輸出制限をおこないます。その結果、石油を輸入していた国では、大幅に石油製品の値段が上がり、石油製品の値上がりにともない物価も値上がりし、経済が混乱しました。これが オイルショック です。 [[ファイル:Oil Prices Since 1861.svg|right|thumb|right|800px|1861年~2007年の原油価格。100年近く続いた安値が1970年代に破られたことがわかる。 <br>黄色 実質(物価変動補正) <br>青色 名目(当時の金額) ]] }} {{clear}} == 交通 == === 自動車 === === 鉄道(新幹線) === == 環境と資源 == 工場などからでる排水や排煙などの処理が不十分だと、排水・排煙にふくまれる有害物質により、周辺の環境が汚染され、近隣の住民など多くの人の健康に被害が出る場合がある。このように、産業活動による多くの人への健康への悪影響を <big>{{Ruby|公害|こうがい}}</big> という。 工場から有害な物質が出ている場合は、工場の中で働いている人にも健康への悪影響がある。 工場の中の人だけに健康被害がある場合は、ふつうは「公害」とは呼ばずに、「職業病」など異なったよび方をする。 家庭などから出る物質によっても、環境に悪影響が出る場合があるが、それらの場合は、ふつうは公害とは呼ばずに、単に、環境汚染(かんきょうおせん)として、あつかわれる。 環境汚染とは、環境が、よごれることである。公害によって空気が汚染された場合なども、環境汚染の、ひとつである。 この節では、職業病ではなく、主に、公害を中心に説明する。 公害とは、主に、以下の7つの公害が典型的である。 * {{Ruby|大気汚染|たいき おせん}} ・・・ 排煙などで、空気が、よごれること。 * {{Ruby|水質汚濁|すいしつ おだく}} ・・・ 川や海などの水がよごれること。 * {{Ruby|土壌汚染|どじょう おせん}} ・・・ * {{Ruby|騒音|そうおん}} ・・・ * {{Ruby|振動|しんどう}} ・・・ * {{Ruby|地盤沈下|じばん ちんか}} ・・・ 地下水を大量に取り出すと、地面が低くなる地盤沈下が起きることがある。 * {{Ruby|悪臭|あくしゅう}} ・・・ 環境基本法では、この7つの種類の公害を「{{Ruby|典型七公害|てんけい ななこうがい}}」としている。 世界の各地でさまざまな公害が発生したが、この節では、日本で起きた公害のうち、戦後に起きた公害を取り上げる。 === 四大公害病 === 日本でも、かつて大きな公害が発生したことがある。以下の4つの公害およびその公害による病気が、特に被害が大きい公害として有名である。 * {{Ruby|水俣病|みなまたびょう}} * {{Ruby|四日市|よっかいち|ぜんそく}} * イタイイタイ病 * {{Ruby|新潟水俣病|にいがたみなまたびょう}} この4つの公害を{{Ruby|四大公害|よんだいこうがい|病}}と言います。 ==== 水俣病 ==== [[File:水俣病-位置-地図.jpg |thumb|right|300px|熊本水俣病</BR>赤:水俣市、青:葦北郡、薄黄色:その他の熊本県]] 化学工場の排水にふくまれていた'''水銀'''および水銀化合物(有機水銀、メチル水銀)が原因でおきた病気です。水銀は{{Ruby|猛毒|もうどく}}なので、この水銀に汚染された水を飲んだり、水銀に汚染された海水で育った魚や貝を食べたりすると、病気になります。体が水銀におかされると、神経細胞が破壊され、手足がしびれたり、うごかなくなります。 1953年ごろに熊本県の{{Ruby|水俣|みなまた}}という地域や、{{Ruby|水俣湾|みなまたわん}}の周辺で、有名になった公害なので、水俣病と言います。 なお、有名になったのは1953年ごろからだが、それ以前の1940年代ごろから、水俣病とおぼしき症例が知られている。 人間以外にも、猫や鳥など、水銀に汚染された魚を食べたり水を飲んだりしたと思われる動物の不審死がいくつもあり、当初は、水俣病の原因もよく分かっていなかったので、しびれている猫が踊ってるようにも見えたことから、当初は「{{Ruby|猫病|ねこ|}}おどり病」とも言われた。 ==== 四日市ぜんそく ==== 三重県の{{Ruby|四日市|よっかいち|市}}は、1940年ごろから石油化学工業で、繁栄していました。現在も、多くの石油化学工場があつまった「石油化学コンビナート」といわれる工場の集まりがあります。 1950年ごろから、この周辺では、ぜんそくや{{Ruby|[[w:気管支炎|気管支炎]]|きかんしえん}}など、のどをいためる病気の人が、ふえてきました。また、この近くの海でとれた魚は油くさい、と言われたりもしました。 ちなみに、四日市ぜんそくの原因の物質は {{Ruby|'''亜硫酸'''|ありゅうさん}} ガスだということが、今では分かっています。 この頃はまだ詳しくは分かっていませんでしたが、石油化学コンビナートから出る、けむりや排水が、環境に悪い影響をあたえているらしい、ということが1960年ころから言われはじめ、社会問題になりました。 このうち、とくに 喘息 の被害が有名なので、この四日市でおきた公害を 四日市ぜんそく というのです。 ==== イタイイタイ病 ==== 1955年ごろ富山県の{{Ruby|神通川|じんづうがわ}}の周辺で起きた病気であり、体の ふしぶし が痛くなり、骨が折れやすくなる病気です。これは'''カドミウム'''が原因で、そのカドミウムは猛毒です。 川の上流にある鉱山から流れ出る廃水にカドミウムがふくまれており、その廃水を飲んだ人や、廃水に汚染された米などの農産物などを食べた人に、被害が出ました。感染者が皆「イタイイタイ」というため、この名がつけられたと言われています。 ==== 新潟水俣病 ==== 1964年ごろに新潟県の{{Ruby|阿賀野川|あがのがわ}}の流域で起きた、水銀および水銀化合物による公害で、化学工場の排水の中の水銀化合物が原因です。 症状は、熊本県の水俣病と同じです。{{Ruby|第二|だいに|水俣病}}とも言われます。 === そのほかの公害 === *ヘドロ ==== 四大公害裁判 ==== これらの公害病の原因の物質を排出した会社や工場に対し、住民らが国に裁判を、訴えでます。1960年代の後半に裁判が起こされ、1970年代の前半の1971年〜1973年ごろに判決が出ます。どれも企業側の責任を認め、企業側は被害住民に {{Ruby|賠償金|ばいしょうきん}} を支払うように命じる判決が出ます。 === 公害対策 === 四大公害などの発生を受け、公害対策の気運が高まります。 # 1967年に'''{{Ruby|公害対策|こうがいたいさく}}基本法'''が制定されました。 # 1970年に{{Ruby|環境庁|かんきょうちょう}}が、設置されます。2001年に、環境庁から環境省に格上げされました。 # 1970年に{{Ruby|水質汚濁|すいしつおだく}}防止法が制定されました。 # 1993年に、'''{{Ruby|環境|かんきょう}}'''基本法が制定されました。これにともない、古い公害対策基本法は廃止されました。環境基本法は、公害対策だけではなく、その他の多くの環境問題にも対策をした法律です。 # 2002年に{{Ruby|土壌汚染対策法|どじょうおせん たいさくほう}}が制定されました。 === さまざまな環境問題 === *地球温暖化 *森林の破壊や減少 *砂漠化 *大気汚染 *オゾン層の破壊 *希少動物の絶滅などの生態系の破壊 === 地球温暖化 === [[ファイル:Global Warming Map.jpg|thumb|right|280px|1940年–1980年の平均値に対する1995年から2004年の地表面の平均気温の変化]] [[ファイル:Greenhouse Effect ja.png|thumb|right|300px|温室効果の概念図]] '''地球温暖化''' の主な原因は、石油などの化石燃料の大量使用によって、排気にふくまれる二酸化炭素により、空気中の二酸化炭素が増加したためと考えられている。 *温室効果 :大気中の二酸化炭素には、熱を吸収する働きがあるので、地上の熱が宇宙に逃れず地球の周囲に閉じ込められることが、温暖化の原因と考えられている。また、大気中の二酸化炭素が熱を閉じ込める作用のことを '''温室効果'''</big>と言う。二酸化炭素など、熱を閉じ込める温室効果のある気体のことを温室効果ガスと言う。 国連では温暖化の防止のため、1992年に国連環境開発会議(地球サミット)がブラジルのリオデジャネイロで開かれ、地球サミットで条約として地球温暖化防止条約( 気候変動枠組み条約 )が採択された。 また1997年には、国連の会議(地球温暖化防止 京都会議)で,温室効果ガスの削減目標を定めた京都議定書(きょうとぎていしょ)が採択された。 しかし、中国などの発展途上国と見なされていた国には、削減が義務づけられていない。 また、アメリカは当時に会議から離脱した。 国別の排出量では2016年では、中国が1位であり、アメリカが2位、インドが3位である。 このような理由のため、京都議定書の実効性が疑問視されている。 (削減義務を負わない)発展途上国と見なされた国の反論は、「地球環境問題を引き起こした原因は、主に先進国の活動が原因であり、われわれ途上国に負担を負わせるのはおかしい。」というような反論をしている。 海抜の低いツバル、モルディブ、キリバスでは、海水面が上がれば国土の多くが水没してしまう恐れがある。 南極の大陸上の氷や氷河の氷が溶ければ、海面上昇。低地が水没する。なお、北極の氷が溶けても、もともと北極海に浮かんでいる氷が水に変わるだけなので、海面は上昇しない。 [[ファイル:Anopheles gambiae mosquito feeding 1354.p lores.jpg|left|thumb|200px|マラリア原虫を媒介するハマダラカ]] 温暖化によって、マラリアを媒介する蚊のハマダラカの生息域が広がる恐れが有る。 *チーム・マイナス6% 1990年より6%減少を目標とした。 なお、二酸化炭素のことを化学式から CO<sub>2</sub>(シー・オーツー) とも言う。Cが炭素(英:carbon カーボン)のことで、Oが酸素(英:Oxygen オキシジェン)および酸化(Oxidation オキシデイション)のことである。 {{clear}} === 森林破壊と砂漠化 === *森林破壊 主に発展途上国で、耕作や放牧や工業化を目的にした森林伐採などで、森林面積が減少している。温暖化の原因にもなっていると考えられている。また、動物の生息域が減るので、生態系の保護の観点からも、森林破壊が問題である。 なお、温暖化の化石燃料以外の他の原因として、森林伐採などによる森林の減少によって、植物の光合成による二酸化炭素の吸収量が減ったのも理由の一つでは、という説もある。 *砂漠化 もともと植物の少ない地域で、その地域が砂漠になる現象が世界の各地で起きている。原因は、過度の農業化や周辺の森林伐採などにより、土壌の保水性が失われたことなどである。 === 酸性雨 === [[File:酸性雨.gif|thumb|300px|酸性雨の発生に関わる概念]] 酸性雨の原因は、化石燃料の排気にふくまれる窒素酸化物などの物質が、雨の酸性化の原因と考えられている。酸性雨により、森林が枯れたり、湖や川の魚が死んだりする場合もある。 === オゾン層の破壊 === フロンガスという物質が原因で、オゾン層が破壊されることが1980年代に分かった。 === 国際社会と環境問題への取り組み === 地球環境問題は一国だけの問題ではなく、複数の国々、さらに世界中全ての国に影響を与える問題である。このため、1970年代から国際会議でも取り上げられる重大なテーマとなった。 地球環境問題についての最初の国際会議は1972年にスウェーデンのストックホルムで開かれた'''国連人間環境会議'''(ストックホルム会議)である。このとき「'''かけがえのない地球'''」というキャッチフレーズが用いられた。 1992年にはブラジルのリオデジャネイロで'''国連地球サミット'''が開かれた。( ※ 正式名称は「環境と開発に関する国際連合会議」。ただし、「リオ会議」「国際連合環境開発会議」などとも呼ばれる。 ) 国連地球サミットにおいて、「'''持続可能な開発'''」という考え方が示された。 1997年には京都で開かれた'''京都会議'''( ※ 正式名称は「第3回 気候変動枠組(わくぐみ)条約 締約国(ていやくこく)会議」 )において'''京都議定書'''が締結され、世界の主要国が温室効果ガスの削減を求められるようになった。議定書の発効は2005年からである。 このようにして世界の国々が地球環境問題に対して一致して取り組むことが求められるようになったが、京都議定書からのアメリカの離脱、中国の経済発展にともなう温室効果ガス排出量の急増、発展途上国の経済発展と環境への影響の増大などに見られるように、各国の事情や利害の対立から一致した行動にはほど遠いという問題は解決されていない。 ヨーロッパでは陸続きの国が多いので、一つの国の環境問題が周囲の国に影響を与えることも大きく、環境問題が外交問題になりかねないこともあり、ヨーロッパでは1970年代ごろから環境問題の取り組みが積極的に行われてきた。 == 情報 == === いろいろなメディア === == 資料出典 == *農林水産省 *総務省統計局 *全国地球温暖化防止活動推進センター(JCCCA) *国土交通省 == 関連項目 == === 上巻 === このページの前は[[中学受験社会/地理/上巻|こちら]]です。 {{デフォルトソート:ちゆうかくしゆけんちり2}} [[Category:社会]] [[Category:中学受験参考書|ちゆうかくしゆけん2]] {{カテゴリ準備|中学受験社会|小学校社会|ちゆうかくしゆけんちり2|ちり2}} {{Stub|小}} pdw4spsqzrju672txnb1gdjn4y53i5c 中学受験算数演習/解説 0 26366 276359 245078 2025-06-28T16:00:26Z Tomzo 248 /* 総合演習 */ 276359 wikitext text/x-wiki == 計算 == *ふつうの計算 *逆算 *特別な計算 (1)与式=67×28+33×28=(67+33)×28=100×28=2800 (2)与式=<math>\frac{1}{2}\times \frac{2}{3} \times \frac{3}{4} \cdot \cdot \cdot \frac{49}{50}</math>=1×<math>\frac{1}{50}</math>=<math>\frac{1}{50}</math> == 植木算 == == 周期・数列 == == 仕事算・ニュートン算 == == つるかめ算 == == 和差算 == == 過不足算(差集め算) == == 比 == == 平均 == == 速さ == == 食塩水の問題 == == 売買の問題 == == 数の性質 == === 整数問題 === 問6、かき以外の値段は、すべて17の倍数であることに着目する。かきの値段88円は、17で割ると3余ることから、かき1個につき、値段を17で割った余りは3ずつ変化していく。1216を17で割った余りは9であるから、(17でわると3余る整数)個買ったことがわかる。しかし、20個以上買うと 20個の時点で、88<math>\times</math>20<math>=</math>1760 より、明らかに1216円を超えてしまう。よって、3個である。 === 数の範囲 === === N進法 === === いろいろな問題 === == 場合の数 == == 単位の間の関係 == == 推論 == == 平面図形 == == 立体図形 == == 総合演習 == {{stub|小}} {{DEFAULTSORT:さんすうえんしゆうかいせつ}} [[Category:小学校算数演習|ちゆうかくしゆけんさんすうえんしゆうかいせつ]] [[Category:中学受験算数]] fh1h9tya4474jbfx3tgpk2xziifnm3e Wikijunior:インターネットとの付き合い方/情報化社会の今 0 26923 276324 158043 2025-06-28T15:39:09Z Tomzo 248 276324 wikitext text/x-wiki == {{ruby|情報化社会|じょうほうかしゃかい}} の今== {{ruby|現代|げんだい}}は、いたるところに「情報」があふれている「情報化社会」です。あなたの身の回りを見てみると、今あなたがこの画面を見ているパソコンやタブレットなども情報機器ですし、テレビ、ラジオや新聞、街中の広告なども みんな「情報(機器)」です。しかし情報化社会は、よいことばかりではありません。 ==情報化社会の害== 情報化社会となった今、個人情報もスマートフォンやパソコンの中にもたくさんあります。でも、それを利用して個人情報を抜き取ろうとする悪い人もいます。悪い人は、アプリをダウンロードさせたり、メールを送って開かせたり、変なサイトにアクセスさせたりします。なので、誰から送られてきたかわからいメールは無視し、有名なサイトや信頼できるサイトをつかいましょう。また、うそやデマをインターネットに流す悪い人もいますから、'''流された情報は本当か?'''を冷静に判断しましょう。 {{ウィキジュニアのスタブ}} 45ezv67yq5uq3ndw2ihubytdqrpba4n 応用情報技術者試験 0 28261 276352 160318 2025-06-28T15:56:50Z Tomzo 248 /* 関連外部リンク */ 276352 wikitext text/x-wiki <div class="pathnavbox"> * {{Pathnav|メインページ|hide=1}} ** {{Pathnav|試験|資格試験}} ** {{Pathnav|情報技術}} </div> {{Wikipedia}} {{Ruby|'''応用情報技術者試験'''|おうようじょうほうぎじゅつしゃしけん}}に関するコンテンツです。 == 概要 == '''応用情報技術者試験'''(略号'''AP'''、''Applied Information Technology Engineer Examination'')とは、平成21年度(2009年度)より実施されている[[情報処理技術者試験]]の区分の1つです。試験実施団体は、[[w:経済産業省|経済産業省]]所管の独立行政法人[[w:情報処理推進機構|情報処理推進機構]](IPA)[[w:IT人材育成センター国家資格・試験部|IT人材育成センター国家資格・試験部]](旧・情報処理技術者試験センター)です。 IPAが定めた情報処理技術者試験制度の'''スキルレベル3'''(スキルレベルは1から4が設定されています。)に相当する国家試験です。ちなみに下位区分の[[基本情報技術者試験]]はスキルレベル2、[[ITパスポート試験]]はスキルレベル1です。また、[[情報セキュリティスペシャリスト試験]]など上位の区分はスキルレベル4であり、[[高度情報処理技術者試験]]と総称されます。 '''第一種情報処理技術者試験'''(1970年-2000年実施)、'''[[ソフトウェア開発技術者試験]]'''(2001年-2008年実施)の後継にあたる区分です。2004年(平成16年)までは年1回の実施でしたが、2005年(平成17年)より春期(4月第3日曜日)および秋期(10月第3日曜日)の年2回実施となっています。 対象者像は「高度IT人材となるために必要な応用的知識・技能をもち、高度IT人材としての方向性を確立した者」と規定しており、主に数年の経験を積んだシニアプログラマやシステムエンジニアを主対象としていますが、前身の第一種情報処理技術者試験や[[ソフトウェア開発技術者試験]](ソフ開)とは異なり、システム開発者側だけでなく、従来[[初級システムアドミニストレータ|シスアド試験]]で対象としていた利用者側にもある程度対応した試験となっています(この点は[[基本情報技術者試験]]も同様です)。 一般的に[[基本情報技術者試験]]に合格した人が次に目指す試験区分として知られています。また、[[高度情報処理技術者試験]]への登竜門的な試験区分でもあります。基本情報と同様に出題範囲は広いですが、より深い知識と応用力を試され、午後試験では記述式の設問が大幅に増えます。単純に知識をもとにした回答だけではなく、論理的な回答をアウトプットする能力が問われるため難易度はかなり高いです。 高度試験が各分野([[基本情報技術者試験/セキュリティ|セキュリティ]]、データベース、ネットワーク、組み込みシステムなど)に特化した試験である一方、応用情報はIT全般に関する総合的な知識が必要とされるゼネラリスト的な試験として認知されています(内容は基本情報よりはやや深いが高度試験よりは浅いです)。ただし午後問題は選択式のため、[[情報科学の基礎理論|基礎理論]]や[[擬似言語|アルゴリズム]]といった[[数学]]的要素の強い問題を回避することも可能です。 応用情報は社会人の受験者が多いです。基本情報では大学生などの学生や入社3年以内の新人社員の受験者が比較的多いですが、応用情報では学生、新人の受験者は(全くいないわけではありませんが)比較的少ないです。 == 難易度 == 公表されている合格率は例年20%前後です。しかし、応用情報技術者試験の場合、受験者の大部分は既に[[基本情報技術者試験]]に合格できる実力を持っている場合が多いため、難易度は相対的に高くなっています。 2014年度(平成26年度)秋期試験より、試験方式の改訂で午後試験で[[経営戦略]]や[[プログラミング]]に関する問題が必須回答ではなくなったため、旧第一種情報処理技術者試験や[[ソフトウェア開発技術者試験]](ソフ開)時代の開発者向け試験としての性格が薄れ、インフラ(ネットワーク)エンジニアなど経営やプログラミングとの関わりが薄い人でも挑戦できるようになりました。(ソフ開の頃はアルゴリズムやSQLに関する深い知識がないとどうしても合格することができませんでした。) 現在は午後試験は必須解答のセキュリティ以外の問題はすべて自由選択制となっており選択の幅が広いため、ある意味で基本情報よりも挑戦しやすいと言われることも多いですが、基本情報を受験せずにいきなり応用情報を受験する場合は、全問必須解答の午前試験の対策はより一層力を入れる必要があります。また、午後試験では下位区分(基本情報、[[ITパスポート試験]]、[[情報セキュリティマネジメント試験]])とは異なり、記述式の問題が登場するため、既に下位区分に合格している人もしっかり対策する必要があります。 [[情報技術|IT]]以外の資格試験では、行政書士試験や通関士試験、社会保険労務士(社労士)試験、[[ファイナンシャル・プランニング技能士試験|FP技能士]]1級、[[日商簿記検定]]1級などと同じくらいの難易度と言われています。宅地建物取引士(宅建)試験やFP技能士2級、[[日商簿記検定]]2級よりは難易度が高いと言われることが多いです。 == 応用情報技術者試験が対象とする人材像 == === 対象者像 === 高度IT人材となるために必要な応用的知識・技能をもち、高度IT人材としての方向性を確立した者 === 業務と役割 === 基本戦略立案又はITソリューション・製品・サービスを実現する業務に従事し、独力で次のいずれかの役割を果たす。 *需要者(企業経営、社会システム)が直面する課題に対して、情報技術を活用した戦略を立案する。 *システムの設計・開発を行い、又は汎用製品の最適組合せ(インテグレーション)によって、信頼性・生産性の高いシステムを構築する。また、その安定的な運用サービスを実現する。 === 期待する技術水準 === *情報技術を活用した戦略立案に関し、担当業務に応じて次の知識・技能が要求される。 **経営戦略・情報戦略の策定に際して、経営者の方針を理解し、経営を取り巻く外部環境を正確に捉え、動向や事例を収集できる。 **経営戦略・情報戦略の評価に際して、定められたモニタリング指標に基づき、差異分析などを行える。 **提案活動に際して、提案討議に参加し、提案書の一部を作成できる。 *システムの設計・開発・運用に関し、担当業務に応じて次の知識・技能が要求される。 **アーキテクチャの設計において、システムに対する要求を整理し適用できる技術の調査が行える。 **運用管理チーム、オペレーションチーム、サービスデスクチームなどのメンバとして、担当分野におけるサービス提供と安定稼働の確保が行える。 **プロジェクトメンバとして、プロジェクトマネージャ(リーダ)の下でスコープ、予算、工程、品質などの管理ができる。 **情報システム、ネットワーク、データベース、組込みシステムなどの設計・開発・運用・保守において、上位者の方針を理解し、自ら技術的問題を解決できる。 == 出題範囲 == [[基本情報技術者試験]]と同様に、[[情報技術]]全般から幅広く出題されますが、応用情報技術者試験では基本情報よりも深く掘り下げた内容が出題されます。特に午後は基本情報と異なり、記述式の問題も登場するためしっかり学習してください。 ただし応用情報の午後は基本情報と異なり、[[基本情報技術者試験/セキュリティ|セキュリティ]]以外はすべて選択問題です。そのため、[[擬似言語|アルゴリズム]]([[プログラミング]])の問題を回避することも可能です。 === 午前 === テクノロジ系から50問、マネジメント系から10問、ストラテジ系から20問出題されます。 [[ソフトウェア開発技術者試験]]ではテクノロジ系が中心でしたが、2009年(平成21年)春期以降はマネジメント系、ストラテジ系からの出題数が増えています。 ==== テクノロジ系 ==== 全部で50問出題されます。近年は[[数学]]と[[基本情報技術者試験/セキュリティ|セキュリティ]]からの出題が増えています。 ;[[情報科学の基礎理論|基礎理論]] * '''基礎的な[[数学]]([[確率論]]、[[統計学]]、[[線形代数学]])''' - 近年は出題数が多いです。 * 計算機科学に関する基礎理論 * アルゴリズムと[[プログラミング]] ;コンピュータシステム * コンピュータ構成要素 * システム構成要素 * ソフトウェア * ハードウェア ;技術要素 * ヒューマンインタフェース * マルチメディア * [[初級システムアドミニストレータ/データベース|データベース]] * [[初級システムアドミニストレータ/通信ネットワーク|ネットワーク]] * '''[[基本情報技術者試験/セキュリティ|セキュリティ]]''' - 2014年(平成26年)度春期から出題数が増えています。例年(80問中)10問程度出題されます。 ;[[開発技術]] * システム開発技術 * ソフトウェア開発管理技術 ==== マネジメント系 ==== 80問中10問はマネジメントに関する問題です。[[ソフトウェア開発技術者試験]]の頃よりも配点が上がっています。 ;[[プロジェクトマネジメント]] * プロジェクトマネジメント ;[[サービスマネジメント]] * サービスマネジメント * システム監査 ==== ストラテジ系 ==== 80問中20問は経営戦略や企業活動に関する問題です。[[ソフトウェア開発技術者試験]]の頃よりも大幅に配点が上がっています。 ;[[システム戦略]] * システム戦略 * システム企画 ;[[経営戦略]] * 経営戦略マネジメント * 技術戦略マネジメント * ビジネスインダストリ ;[[企業と法務]] * 企業活動 * 法務 === 午後 === 必須問題1問と選択問題4問の計5問を解答します。配点は各20点です(100点満点)。 ;必須問題 * '''[[基本情報技術者試験/セキュリティ|セキュリティ]]''' - 2014年(平成26年)春から必須問題になりました。他の分野よりは難易度が低いはずなので、全問正解とまでは行かなくても8割以上の正解は目指しましょう。 ;選択問題 以下の10分野から4分野を選択します。[[基本情報技術者試験]]と異なり、アルゴリズム(プログラミング)は必ずしも選択しなくても良くなっています。2014年(平成26年)春期まではストラテジとアルゴリズムのどちらか片方は必須でしたが、現在は完全自由選択となっています。 テクノロジ系が中心の基本情報と異なり、応用情報では商業系の問題(ストラテジ、マネジメント)が充実しているため、文系の人ならむしろ基本情報より勉強しやすいかもしれません。 *[[初級システムアドミニストレータ/情報化と経営|ストラテジ系]]([[経営戦略]]、[[システム戦略]]) - [[簿記]]に関する問題も出題されます。[[日商簿記]]2級に合格できるくらいの実力があるなら選択しても良いでしょう。そうでないならあまりオススメしません。 * アルゴリズム([[プログラミング]]) - [[擬似言語]]と呼ばれる架空のコンピュータ言語を用いた問題です。擬似言語の構文は[[C言語]]に近いです。全問マークシートの基本情報とは異なり、応用情報のプログラミングは記述式なので、はっきり言って苦手な人は回避したほうが賢明です。 *[[初級システムアドミニストレータ/コンピュータシステム|システムアーキテクチャ(設計)]] * データベース、SQL - 基本情報のそれよりも難易度がだいぶ高いです。 * ネットワーク *組み込みシステム - 基本情報のハードウェア・ソフトウェアの応用問題です。 *[[初級システムアドミニストレータ/システムの開発と運用|情報システム開発]] *[[プロジェクトマネジメント]] *[[サービスマネジメント]] *システム監査 == 形式 == '''午前'''、'''午後'''の二部構成です。両方とも正解率60%以上で合格となり、晴れて'''応用情報技術者'''の国家資格を得ることができます(逆に言えば、例えば午前で100点満点を獲得できたとしても、午後で59点しか取れなかった場合は不合格となってしまいますので注意してください)。 なお、応用情報技術者試験では午前が不合格だった場合、午後は採点されません(多段階選抜方式、足切り)。また、応用情報技術者試験では、[[基本情報技術者試験]]のような科目免除制度(午前免除)は存在しません。 === 午前 === 試験時間は2時間30分(150分)です。四肢択一式(マークシート使用)で80問出題されます。すべて必須解答です。素点形式で採点され60点以上で合格です(満点は100点)。 テクノロジ系から50問、マネジメント系から10問、ストラテジ系から20問出題されます。第一種情報処理技術者試験や[[ソフトウェア開発技術者試験]]の頃より、マネジメント系やストラテジ系からの出題数が増えています。 テクノロジ系は基礎理論、数学、コンピュータシステム、データベース、ネットワーク、セキュリティ、開発技術などから幅広く出題されますが、近年は[[数学]]と[[基本情報技術者試験/セキュリティ|セキュリティ]]からの出題が増えているため、この2分野は重点的に勉強するようにしましょう。 [[基本情報技術者試験]]と同様にマークシート方式ですが、問題の難易度が若干高く設定されているので油断しないこと。 === 午後 === 試験時間は2時間30分(150分)です。素点形式で採点され60点以上で合格です(満点は100点)。 長文形式の大問が11問出題され、そのうち必須問題1問(セキュリティ)と選択問題4問の計5問を解くことになっています。配点はそれぞれ各20点です。2014年(平成26年)度春期からは[[基本情報技術者試験/セキュリティ|セキュリティ]]が必須問題となっています。 午前が知識科目ならば、午後は技能、応用力が問われる科目です。そして応用情報技術者試験では下位区分([[基本情報技術者試験]]など)と異なり、記述式の問題が登場するので、しっかり練習する必要があります。 '''[[基本情報技術者試験/セキュリティ|セキュリティ]]'''は必須問題で難易度もあまり高くないので必ず勉強してください。そして8割以上の正解を目指してください。残りの選択問題4問については最低でも2問以上は得意分野にしておくこと。[[プログラミング]]ははっきり言って苦手な人は手を出さないほうが良いです。ストラテジも難易度が高いです。 ;参考 2014年(平成26年)度春期まではストラテジとプログラミングのどちらかが必須解答問題でした(配点20点)。また、残りの選択問題は5問を選択する形式で、配点は各16点でした(2014春ではセキュリティは必須に変わったので選択問題は4問)。 ストラテジとプログラミングはどちらも難易度が高い分野なので、現在は完全自由選択になったことから、だいぶ受験しやすい試験になったと言えます。 == 特典 == 応用情報技術者試験の合格者は以下の特典を受けることができる場合があります。 *応用情報技術者試験の合格者を入学試験(推薦、AO)での優遇や、入学後の単位認定の対象とする大学、短期大学があります。 *公務員採用試験(警察官など)で優遇される場合があります。特にIT関連職種では[[情報処理技術者試験]]の合格者しか採用しないケースが少なくありません。また、採用後も階級評価の対象となる場合があります。 *自衛隊の技術曹および予備自衛官補の任用資格です。階級は2等陸曹、2等海曹、2等空曹とされています。 また、応用情報技術者試験に合格することで、一部の科目が免除になる国家試験があります。 *弁理士試験の選択科目 *中小企業診断士試験の「経営情報システム」 *[[高度情報処理技術者試験]]の午前I - 有効期間は応用情報技術者試験合格の日から2年間です。 == 沿革 == この試験は何度か試験制度が変更されています。 *1970年(昭和45年)'''第一種情報処理技術者試験'''開始 **当時は年1回のみの実施でした。 *2001年(平成13年)春期より'''[[ソフトウェア開発技術者試験]]'''開始 **第一種情報処理技術者試験よりも設計に関する問題が増えました。 *2005年(平成17年)受験者数増加に伴い、現在のような春期と秋期の年2回の実施に変更されました。 *2009年(平成21年)春期より'''応用情報技術者試験'''開始 **システム開発者だけでなく、利用者側(ITを利活用する者)にも対応した試験に生まれ変わりました。[[初級システムアドミニストレータ/情報化と経営|経営]]や[[プロジェクトマネジメント]]に関する問題が増えた他、午後ではアルゴリズム(プログラミング)とデータベース(SQL)が選択問題に変更されました。 *2014年(平成26年)春期から、現在のように午後で[[基本情報技術者試験/セキュリティ|セキュリティ]]が必須問題になりました。また、午前でもセキュリティ分野からの出題数が増えています。 **同年秋期から、午後の解答数が6問から5問に変更されています。 == その他 == 2015年(平成27年)度までは[[基本情報技術者試験]](スキルレベル2)合格後に[[応用情報技術者試験]](スキルレベル3)へとステップアップするというのが王道ルートでしたが、基本情報は午後の[[擬似言語|アルゴリズム]]と[[基本情報技術者試験/ソフトウェア開発|プログラミング]]が必須問題であり配点も大きいため、これらが苦手な人は合格するのが難しいため、応用情報の受験を諦めてしまう人も少なくありませんでした(一応念のため書きますが、制度上は基本情報を受けずにいきなり応用情報を受験することも可能です。)。しかし、2016年(平成28年)度からは基本情報と同じスキルレベル2の[[情報セキュリティマネジメント試験]](セキュマネ)が新設されたため、セキュマネ合格後に(基本情報を経由せずに)応用情報へとステップアップするというルートも新たに追加されました。基本情報は午後の[[擬似言語|アルゴリズム]]と[[基本情報技術者試験/ソフトウェア開発|プログラミング]]が必須問題であり配点も大きいため、これらが苦手な人はセキュマネ合格後にいきなり応用情報を受験するのも良いでしょう(応用情報の午後はプログラミングが選択問題であり回避することが可能です。)。また、先にセキュマネに合格しておくと、応用情報のセキュリティ対策にもなります。ただし、応用情報の午前ではセキュマネになかった[[情報科学の基礎理論|基礎理論]]や[[開発技術]]の問題が出題される上に、午後が記述式になるため、その点は注意が必要です。 == 関連項目 == * [[情報処理技術者試験]][[情報処理技術者試験の概要|の概要]] ** [[ITパスポート試験]](IP) ** [[情報セキュリティマネジメント試験]](SG) ** [[基本情報技術者試験]](FE) == 関連外部リンク == * [https://www.jitec.ipa.go.jp 情報処理推進機構 IT人材育成センター国家資格・試験部] ** [https://www.jitec.ipa.go.jp/1_08gaiyou/_index_gaiyou.html 情報処理技術者試験の概要] ** [https://www.jitec.ipa.go.jp/1_11seido/ap.html 応用情報技術者試験(AP)](情報処理技術者試験の概要 - 試験区分一覧) ** [https://www.jitec.ipa.go.jp/1_11seido/seido_enkaku.html 試験制度の沿革] ** [https://www.jitec.ipa.go.jp/1_04hanni_sukiru/_index_hanni_skill.html 試験要綱・シラバスなど] * [https://www.ap-siken.com 応用情報技術者試験ドットコム] {{stub|it}} {{stub|資格}} {{デフォルトソート:おうようしようほうきしゆつしやしけん}} [[Category:情報処理技術者試験]] [[Category:ソフトウェア開発技術者|*お]] [[Category:資格試験]] [[Category:情報技術]] lvurqxiifbgyffhsw6sv00hueyek7xk 276353 276352 2025-06-28T15:57:10Z Tomzo 248 /* 関連外部リンク */ 276353 wikitext text/x-wiki <div class="pathnavbox"> * {{Pathnav|メインページ|hide=1}} ** {{Pathnav|試験|資格試験}} ** {{Pathnav|情報技術}} </div> {{Wikipedia}} {{Ruby|'''応用情報技術者試験'''|おうようじょうほうぎじゅつしゃしけん}}に関するコンテンツです。 == 概要 == '''応用情報技術者試験'''(略号'''AP'''、''Applied Information Technology Engineer Examination'')とは、平成21年度(2009年度)より実施されている[[情報処理技術者試験]]の区分の1つです。試験実施団体は、[[w:経済産業省|経済産業省]]所管の独立行政法人[[w:情報処理推進機構|情報処理推進機構]](IPA)[[w:IT人材育成センター国家資格・試験部|IT人材育成センター国家資格・試験部]](旧・情報処理技術者試験センター)です。 IPAが定めた情報処理技術者試験制度の'''スキルレベル3'''(スキルレベルは1から4が設定されています。)に相当する国家試験です。ちなみに下位区分の[[基本情報技術者試験]]はスキルレベル2、[[ITパスポート試験]]はスキルレベル1です。また、[[情報セキュリティスペシャリスト試験]]など上位の区分はスキルレベル4であり、[[高度情報処理技術者試験]]と総称されます。 '''第一種情報処理技術者試験'''(1970年-2000年実施)、'''[[ソフトウェア開発技術者試験]]'''(2001年-2008年実施)の後継にあたる区分です。2004年(平成16年)までは年1回の実施でしたが、2005年(平成17年)より春期(4月第3日曜日)および秋期(10月第3日曜日)の年2回実施となっています。 対象者像は「高度IT人材となるために必要な応用的知識・技能をもち、高度IT人材としての方向性を確立した者」と規定しており、主に数年の経験を積んだシニアプログラマやシステムエンジニアを主対象としていますが、前身の第一種情報処理技術者試験や[[ソフトウェア開発技術者試験]](ソフ開)とは異なり、システム開発者側だけでなく、従来[[初級システムアドミニストレータ|シスアド試験]]で対象としていた利用者側にもある程度対応した試験となっています(この点は[[基本情報技術者試験]]も同様です)。 一般的に[[基本情報技術者試験]]に合格した人が次に目指す試験区分として知られています。また、[[高度情報処理技術者試験]]への登竜門的な試験区分でもあります。基本情報と同様に出題範囲は広いですが、より深い知識と応用力を試され、午後試験では記述式の設問が大幅に増えます。単純に知識をもとにした回答だけではなく、論理的な回答をアウトプットする能力が問われるため難易度はかなり高いです。 高度試験が各分野([[基本情報技術者試験/セキュリティ|セキュリティ]]、データベース、ネットワーク、組み込みシステムなど)に特化した試験である一方、応用情報はIT全般に関する総合的な知識が必要とされるゼネラリスト的な試験として認知されています(内容は基本情報よりはやや深いが高度試験よりは浅いです)。ただし午後問題は選択式のため、[[情報科学の基礎理論|基礎理論]]や[[擬似言語|アルゴリズム]]といった[[数学]]的要素の強い問題を回避することも可能です。 応用情報は社会人の受験者が多いです。基本情報では大学生などの学生や入社3年以内の新人社員の受験者が比較的多いですが、応用情報では学生、新人の受験者は(全くいないわけではありませんが)比較的少ないです。 == 難易度 == 公表されている合格率は例年20%前後です。しかし、応用情報技術者試験の場合、受験者の大部分は既に[[基本情報技術者試験]]に合格できる実力を持っている場合が多いため、難易度は相対的に高くなっています。 2014年度(平成26年度)秋期試験より、試験方式の改訂で午後試験で[[経営戦略]]や[[プログラミング]]に関する問題が必須回答ではなくなったため、旧第一種情報処理技術者試験や[[ソフトウェア開発技術者試験]](ソフ開)時代の開発者向け試験としての性格が薄れ、インフラ(ネットワーク)エンジニアなど経営やプログラミングとの関わりが薄い人でも挑戦できるようになりました。(ソフ開の頃はアルゴリズムやSQLに関する深い知識がないとどうしても合格することができませんでした。) 現在は午後試験は必須解答のセキュリティ以外の問題はすべて自由選択制となっており選択の幅が広いため、ある意味で基本情報よりも挑戦しやすいと言われることも多いですが、基本情報を受験せずにいきなり応用情報を受験する場合は、全問必須解答の午前試験の対策はより一層力を入れる必要があります。また、午後試験では下位区分(基本情報、[[ITパスポート試験]]、[[情報セキュリティマネジメント試験]])とは異なり、記述式の問題が登場するため、既に下位区分に合格している人もしっかり対策する必要があります。 [[情報技術|IT]]以外の資格試験では、行政書士試験や通関士試験、社会保険労務士(社労士)試験、[[ファイナンシャル・プランニング技能士試験|FP技能士]]1級、[[日商簿記検定]]1級などと同じくらいの難易度と言われています。宅地建物取引士(宅建)試験やFP技能士2級、[[日商簿記検定]]2級よりは難易度が高いと言われることが多いです。 == 応用情報技術者試験が対象とする人材像 == === 対象者像 === 高度IT人材となるために必要な応用的知識・技能をもち、高度IT人材としての方向性を確立した者 === 業務と役割 === 基本戦略立案又はITソリューション・製品・サービスを実現する業務に従事し、独力で次のいずれかの役割を果たす。 *需要者(企業経営、社会システム)が直面する課題に対して、情報技術を活用した戦略を立案する。 *システムの設計・開発を行い、又は汎用製品の最適組合せ(インテグレーション)によって、信頼性・生産性の高いシステムを構築する。また、その安定的な運用サービスを実現する。 === 期待する技術水準 === *情報技術を活用した戦略立案に関し、担当業務に応じて次の知識・技能が要求される。 **経営戦略・情報戦略の策定に際して、経営者の方針を理解し、経営を取り巻く外部環境を正確に捉え、動向や事例を収集できる。 **経営戦略・情報戦略の評価に際して、定められたモニタリング指標に基づき、差異分析などを行える。 **提案活動に際して、提案討議に参加し、提案書の一部を作成できる。 *システムの設計・開発・運用に関し、担当業務に応じて次の知識・技能が要求される。 **アーキテクチャの設計において、システムに対する要求を整理し適用できる技術の調査が行える。 **運用管理チーム、オペレーションチーム、サービスデスクチームなどのメンバとして、担当分野におけるサービス提供と安定稼働の確保が行える。 **プロジェクトメンバとして、プロジェクトマネージャ(リーダ)の下でスコープ、予算、工程、品質などの管理ができる。 **情報システム、ネットワーク、データベース、組込みシステムなどの設計・開発・運用・保守において、上位者の方針を理解し、自ら技術的問題を解決できる。 == 出題範囲 == [[基本情報技術者試験]]と同様に、[[情報技術]]全般から幅広く出題されますが、応用情報技術者試験では基本情報よりも深く掘り下げた内容が出題されます。特に午後は基本情報と異なり、記述式の問題も登場するためしっかり学習してください。 ただし応用情報の午後は基本情報と異なり、[[基本情報技術者試験/セキュリティ|セキュリティ]]以外はすべて選択問題です。そのため、[[擬似言語|アルゴリズム]]([[プログラミング]])の問題を回避することも可能です。 === 午前 === テクノロジ系から50問、マネジメント系から10問、ストラテジ系から20問出題されます。 [[ソフトウェア開発技術者試験]]ではテクノロジ系が中心でしたが、2009年(平成21年)春期以降はマネジメント系、ストラテジ系からの出題数が増えています。 ==== テクノロジ系 ==== 全部で50問出題されます。近年は[[数学]]と[[基本情報技術者試験/セキュリティ|セキュリティ]]からの出題が増えています。 ;[[情報科学の基礎理論|基礎理論]] * '''基礎的な[[数学]]([[確率論]]、[[統計学]]、[[線形代数学]])''' - 近年は出題数が多いです。 * 計算機科学に関する基礎理論 * アルゴリズムと[[プログラミング]] ;コンピュータシステム * コンピュータ構成要素 * システム構成要素 * ソフトウェア * ハードウェア ;技術要素 * ヒューマンインタフェース * マルチメディア * [[初級システムアドミニストレータ/データベース|データベース]] * [[初級システムアドミニストレータ/通信ネットワーク|ネットワーク]] * '''[[基本情報技術者試験/セキュリティ|セキュリティ]]''' - 2014年(平成26年)度春期から出題数が増えています。例年(80問中)10問程度出題されます。 ;[[開発技術]] * システム開発技術 * ソフトウェア開発管理技術 ==== マネジメント系 ==== 80問中10問はマネジメントに関する問題です。[[ソフトウェア開発技術者試験]]の頃よりも配点が上がっています。 ;[[プロジェクトマネジメント]] * プロジェクトマネジメント ;[[サービスマネジメント]] * サービスマネジメント * システム監査 ==== ストラテジ系 ==== 80問中20問は経営戦略や企業活動に関する問題です。[[ソフトウェア開発技術者試験]]の頃よりも大幅に配点が上がっています。 ;[[システム戦略]] * システム戦略 * システム企画 ;[[経営戦略]] * 経営戦略マネジメント * 技術戦略マネジメント * ビジネスインダストリ ;[[企業と法務]] * 企業活動 * 法務 === 午後 === 必須問題1問と選択問題4問の計5問を解答します。配点は各20点です(100点満点)。 ;必須問題 * '''[[基本情報技術者試験/セキュリティ|セキュリティ]]''' - 2014年(平成26年)春から必須問題になりました。他の分野よりは難易度が低いはずなので、全問正解とまでは行かなくても8割以上の正解は目指しましょう。 ;選択問題 以下の10分野から4分野を選択します。[[基本情報技術者試験]]と異なり、アルゴリズム(プログラミング)は必ずしも選択しなくても良くなっています。2014年(平成26年)春期まではストラテジとアルゴリズムのどちらか片方は必須でしたが、現在は完全自由選択となっています。 テクノロジ系が中心の基本情報と異なり、応用情報では商業系の問題(ストラテジ、マネジメント)が充実しているため、文系の人ならむしろ基本情報より勉強しやすいかもしれません。 *[[初級システムアドミニストレータ/情報化と経営|ストラテジ系]]([[経営戦略]]、[[システム戦略]]) - [[簿記]]に関する問題も出題されます。[[日商簿記]]2級に合格できるくらいの実力があるなら選択しても良いでしょう。そうでないならあまりオススメしません。 * アルゴリズム([[プログラミング]]) - [[擬似言語]]と呼ばれる架空のコンピュータ言語を用いた問題です。擬似言語の構文は[[C言語]]に近いです。全問マークシートの基本情報とは異なり、応用情報のプログラミングは記述式なので、はっきり言って苦手な人は回避したほうが賢明です。 *[[初級システムアドミニストレータ/コンピュータシステム|システムアーキテクチャ(設計)]] * データベース、SQL - 基本情報のそれよりも難易度がだいぶ高いです。 * ネットワーク *組み込みシステム - 基本情報のハードウェア・ソフトウェアの応用問題です。 *[[初級システムアドミニストレータ/システムの開発と運用|情報システム開発]] *[[プロジェクトマネジメント]] *[[サービスマネジメント]] *システム監査 == 形式 == '''午前'''、'''午後'''の二部構成です。両方とも正解率60%以上で合格となり、晴れて'''応用情報技術者'''の国家資格を得ることができます(逆に言えば、例えば午前で100点満点を獲得できたとしても、午後で59点しか取れなかった場合は不合格となってしまいますので注意してください)。 なお、応用情報技術者試験では午前が不合格だった場合、午後は採点されません(多段階選抜方式、足切り)。また、応用情報技術者試験では、[[基本情報技術者試験]]のような科目免除制度(午前免除)は存在しません。 === 午前 === 試験時間は2時間30分(150分)です。四肢択一式(マークシート使用)で80問出題されます。すべて必須解答です。素点形式で採点され60点以上で合格です(満点は100点)。 テクノロジ系から50問、マネジメント系から10問、ストラテジ系から20問出題されます。第一種情報処理技術者試験や[[ソフトウェア開発技術者試験]]の頃より、マネジメント系やストラテジ系からの出題数が増えています。 テクノロジ系は基礎理論、数学、コンピュータシステム、データベース、ネットワーク、セキュリティ、開発技術などから幅広く出題されますが、近年は[[数学]]と[[基本情報技術者試験/セキュリティ|セキュリティ]]からの出題が増えているため、この2分野は重点的に勉強するようにしましょう。 [[基本情報技術者試験]]と同様にマークシート方式ですが、問題の難易度が若干高く設定されているので油断しないこと。 === 午後 === 試験時間は2時間30分(150分)です。素点形式で採点され60点以上で合格です(満点は100点)。 長文形式の大問が11問出題され、そのうち必須問題1問(セキュリティ)と選択問題4問の計5問を解くことになっています。配点はそれぞれ各20点です。2014年(平成26年)度春期からは[[基本情報技術者試験/セキュリティ|セキュリティ]]が必須問題となっています。 午前が知識科目ならば、午後は技能、応用力が問われる科目です。そして応用情報技術者試験では下位区分([[基本情報技術者試験]]など)と異なり、記述式の問題が登場するので、しっかり練習する必要があります。 '''[[基本情報技術者試験/セキュリティ|セキュリティ]]'''は必須問題で難易度もあまり高くないので必ず勉強してください。そして8割以上の正解を目指してください。残りの選択問題4問については最低でも2問以上は得意分野にしておくこと。[[プログラミング]]ははっきり言って苦手な人は手を出さないほうが良いです。ストラテジも難易度が高いです。 ;参考 2014年(平成26年)度春期まではストラテジとプログラミングのどちらかが必須解答問題でした(配点20点)。また、残りの選択問題は5問を選択する形式で、配点は各16点でした(2014春ではセキュリティは必須に変わったので選択問題は4問)。 ストラテジとプログラミングはどちらも難易度が高い分野なので、現在は完全自由選択になったことから、だいぶ受験しやすい試験になったと言えます。 == 特典 == 応用情報技術者試験の合格者は以下の特典を受けることができる場合があります。 *応用情報技術者試験の合格者を入学試験(推薦、AO)での優遇や、入学後の単位認定の対象とする大学、短期大学があります。 *公務員採用試験(警察官など)で優遇される場合があります。特にIT関連職種では[[情報処理技術者試験]]の合格者しか採用しないケースが少なくありません。また、採用後も階級評価の対象となる場合があります。 *自衛隊の技術曹および予備自衛官補の任用資格です。階級は2等陸曹、2等海曹、2等空曹とされています。 また、応用情報技術者試験に合格することで、一部の科目が免除になる国家試験があります。 *弁理士試験の選択科目 *中小企業診断士試験の「経営情報システム」 *[[高度情報処理技術者試験]]の午前I - 有効期間は応用情報技術者試験合格の日から2年間です。 == 沿革 == この試験は何度か試験制度が変更されています。 *1970年(昭和45年)'''第一種情報処理技術者試験'''開始 **当時は年1回のみの実施でした。 *2001年(平成13年)春期より'''[[ソフトウェア開発技術者試験]]'''開始 **第一種情報処理技術者試験よりも設計に関する問題が増えました。 *2005年(平成17年)受験者数増加に伴い、現在のような春期と秋期の年2回の実施に変更されました。 *2009年(平成21年)春期より'''応用情報技術者試験'''開始 **システム開発者だけでなく、利用者側(ITを利活用する者)にも対応した試験に生まれ変わりました。[[初級システムアドミニストレータ/情報化と経営|経営]]や[[プロジェクトマネジメント]]に関する問題が増えた他、午後ではアルゴリズム(プログラミング)とデータベース(SQL)が選択問題に変更されました。 *2014年(平成26年)春期から、現在のように午後で[[基本情報技術者試験/セキュリティ|セキュリティ]]が必須問題になりました。また、午前でもセキュリティ分野からの出題数が増えています。 **同年秋期から、午後の解答数が6問から5問に変更されています。 == その他 == 2015年(平成27年)度までは[[基本情報技術者試験]](スキルレベル2)合格後に[[応用情報技術者試験]](スキルレベル3)へとステップアップするというのが王道ルートでしたが、基本情報は午後の[[擬似言語|アルゴリズム]]と[[基本情報技術者試験/ソフトウェア開発|プログラミング]]が必須問題であり配点も大きいため、これらが苦手な人は合格するのが難しいため、応用情報の受験を諦めてしまう人も少なくありませんでした(一応念のため書きますが、制度上は基本情報を受けずにいきなり応用情報を受験することも可能です。)。しかし、2016年(平成28年)度からは基本情報と同じスキルレベル2の[[情報セキュリティマネジメント試験]](セキュマネ)が新設されたため、セキュマネ合格後に(基本情報を経由せずに)応用情報へとステップアップするというルートも新たに追加されました。基本情報は午後の[[擬似言語|アルゴリズム]]と[[基本情報技術者試験/ソフトウェア開発|プログラミング]]が必須問題であり配点も大きいため、これらが苦手な人はセキュマネ合格後にいきなり応用情報を受験するのも良いでしょう(応用情報の午後はプログラミングが選択問題であり回避することが可能です。)。また、先にセキュマネに合格しておくと、応用情報のセキュリティ対策にもなります。ただし、応用情報の午前ではセキュマネになかった[[情報科学の基礎理論|基礎理論]]や[[開発技術]]の問題が出題される上に、午後が記述式になるため、その点は注意が必要です。 == 関連項目 == * [[情報処理技術者試験]][[情報処理技術者試験の概要|の概要]] ** [[ITパスポート試験]](IP) ** [[情報セキュリティマネジメント試験]](SG) ** [[基本情報技術者試験]](FE) == 関連外部リンク == * [https://www.jitec.ipa.go.jp 情報処理推進機構 IT人材育成センター国家資格・試験部] ** [https://www.jitec.ipa.go.jp/1_08gaiyou/_index_gaiyou.html 情報処理技術者試験の概要] ** [https://www.jitec.ipa.go.jp/1_11seido/ap.html 応用情報技術者試験(AP)](情報処理技術者試験の概要 - 試験区分一覧) ** [https://www.jitec.ipa.go.jp/1_11seido/seido_enkaku.html 試験制度の沿革] ** [https://www.jitec.ipa.go.jp/1_04hanni_sukiru/_index_hanni_skill.html 試験要綱・シラバスなど] * [https://www.ap-siken.com 応用情報技術者試験ドットコム] {{stub|it}} {{stub|資}} {{デフォルトソート:おうようしようほうきしゆつしやしけん}} [[Category:情報処理技術者試験]] [[Category:ソフトウェア開発技術者|*お]] [[Category:資格試験]] [[Category:情報技術]] 2tfpurds6s5a2vipmj90avax250yhy9 情報セキュリティマネジメント試験 0 28375 276377 240495 2025-06-28T22:54:57Z Tomzo 248 /* 関連外部リンク */ 276377 wikitext text/x-wiki <div class="pathnavbox"> * {{Pathnav|メインページ|hide=1}} ** {{Pathnav|試験|資格試験}} ** {{Pathnav|情報技術}} </div> {{Wikipedia}} {{Ruby|'''情報セキュリティマネジメント試験'''|じょうほうせきゅりてぃまねじめんとしけん}}に関するコンテンツです。 == 概要 == '''情報セキュリティマネジメント試験'''(略称'''セキュマネ'''、略号'''SG'''、''Information Security Management Examination'')とは、平成28年度(2016年度)より実施されている[[情報処理技術者試験]]の区分の1つです。試験実施団体は、[[w:経済産業省|経済産業省]]所管の独立行政法人[[w:情報処理推進機構|情報処理推進機構]](IPA)[[w:IT人材育成センター国家資格・試験部|IT人材育成センター国家資格・試験部]](旧・情報処理技術者試験センター)です。 IPAが定めた情報処理技術者試験制度の'''スキルレベル2'''(スキルレベルは1から4が設定されています。)に相当する国家試験です。[[ITパスポート]](スキルレベル1)の上位区分にあたります。ちなみに同じスキルレベル2の試験区分に[[基本情報技術者試験]]があります。 上位区分の[[情報セキュリティスペシャリスト試験]](略称セキュスペ、'''スキルレベル4''')は主にシステム開発技術者を対象としていますが、セキュマネはITを利用する全ての人材を対象としている区分です。また、'''スキルレベル2'''の試験は、2015年(平成27年)度まではシステム開発技術者向けの[[基本情報技術者試験]](FE)しかありませんでしたが、当試験の新設により、[[ITパスポート試験]](スキルレベル1)合格者の次のステップアップ試験として注目されています。 2016(平成28)年度春期に新設され、春期・秋期の年2回実施されています。 == 難易度 == 試験制度上は[[基本情報技術者試験]](FE)と同じスキルレベル2に設定されていますが、FEと異なり[[数学]]や[[擬似言語|アルゴリズム]]、[[基本情報技術者試験/ソフトウェア開発|開発]]に関する内容が出題されないので、実質的にはFEよりだいぶ合格しやすい試験と言われています。合格率もFEは例年20%台であり30%を上回ることはきわめて稀ですが、セキュマネは現在のところ合格率が40%を下回ったことがありません。一般的には、FEよりは難易度が低く、[[ITパスポート]]よりはやや難易度が高いとされます。 ただし、セキュマネは[[基本情報技術者試験/セキュリティ|セキュリティ]]分野に特化した試験であるため、範囲が狭い分、セキュリティ分野に限定すればFEより深い内容が問われる可能性もありますのでその点は注意が必要です。また、午後の長文問題は文章がFEのセキュリティの問題より長くなる傾向にあります。 なお、セキュマネはあくまで一般のIT利用者向けの試験であるため技術的な要素はあまり問われませんが、上位の[[情報セキュリティスペシャリスト試験]]はセキュリティが専門のエンジニアのための試験ですからかなり難易度が高いです。 == 情報セキュリティマネジメント試験が対象とする人材像 == === 対象者像 === 情報システムの利用部門にあって、情報セキュリティリーダとして、部門の業務遂行に必要な情報セキュリティ対策や組織が定めた情報セキュリティ諸規程(情報セキュリティポリシを含む組織内諸規程)の目的・内容を適切に理解し、情報及び情報システムを安全に活用するために、情報セキュリティが確保された状況を実現し、維持・改善する者 === 業務と役割 === 情報システムの利用部門において情報セキュリティが確保された状況を実現し、維持・改善するために、次の業務と役割を果たす。 *部門における情報資産の情報セキュリティを維持するために必要な業務を遂行する。 *部門の情報資産を特定し、情報セキュリティリスクアセスメントを行い、リスク対応策をまとめる。 *部門の情報資産に関する情報セキュリティ対策及び情報セキュリティ継続の要求事項を明確にする。 *情報システムの調達に際して、利用部門として必要となる情報セキュリティ要求事項を明確にする。また、業務の外部委託に際して、情報セキュリティ対策の要求事項を契約で明確化し、その実施状況を確認する。 *部門における情報セキュリティを確実に運用する。 *部門のメンバの情報セキュリティ意識、コンプライアンスを向上させ、内部不正などの情報セキュリティインシデントの発生を未然に防止する。 *情報セキュリティインシデントの発生又はそのおそれがあるときに、情報セキュリティ諸規程、法令・ガイドライン・規格などに基づいて、適切に対処する。 *部門又は組織全体における情報セキュリティに関する意見・問題点について担当部署に提起する。 === 期待する技術水準 === 情報システムの利用部門において情報セキュリティが確保された状況を実現し、維持・改善するために、次の知識・実践能力が要求される。 *部門の情報セキュリティマネジメントの一部を独力で遂行できる。 *情報セキュリティインシデントの発生又はそのおそれがあるときに、情報セキュリティリーダとして適切に対処できる。 *情報技術全般に関する基本的な用語・内容を理解できる。 *情報セキュリティ技術や情報セキュリティ諸規程に関する基本的な知識をもち、情報セキュリティ機関、他の企業などから動向や事例を収集し、部門の環境への適用の必要性を評価できる。 == 出題範囲 == 試験名称の通り、セキュリティに特化した出題内容となっています。 [[基本情報技術者試験]]と異なり、[[情報科学の基礎理論]]([[数学]]、アルゴリズム)や[[プログラミング]]、[[開発技術]]に関する問題は出題されません。 === 重点分野 === ==== 情報セキュリティ ==== ;[[基本情報技術者試験/セキュリティ|情報セキュリティ]]全般 *機密性、完全性、可用性 *情報セキュリティの重要性 *脅威 *脆弱性 *不正のトライアングル(機会、動機、正当化) *サイバー攻撃手法 *暗号化 *認証 *利用者認証 *生体認証(バイオメトリクス) *公開鍵基盤(PKI) ;情報セキュリティ管理 *情報資産 *リスクの種類 *リスクアセスメント *リスクマネジメント *事業継続計画(BCP) *情報セキュリティポリシー *情報セキュリティマネジメントシステム(ISMS) *インシデント管理など各種管理策 *CSIRTなど情報セキュリティ関連組織・機関 ;セキュリティ技術評価 *セキュリティ評価 ;情報セキュリティ対策 *マルウェア対策 *不正アクセス対策 *情報漏洩対策 *アクセス管理 *情報セキュリティ啓発 *RASIS ;セキュリティ実装技術 *セキュアプロトコル *ネットワークセキュリティ *データベースセキュリティ *アプリケーションセキュリティ ==== 法務 ==== ;情報セキュリティ関連法規 *[[サイバーセキュリティ基本法]] *[[個人情報保護法]] *[[不正アクセス禁止法]] *[[刑法]] *その他のセキュリティ関連法規 *情報セキュリティに関する標準 ;知的財産権 *[[知的財産権]] *[[不正競争防止法]] ;労働関連・取引関連法規 *[[労働基準法]] *[[労働者派遣法]] *企業間の取引に関わる契約 ;その他の法律・ガイドライン・技術者倫理 *その他の法律・ガイドライン・技術者倫理 ;[[初級システムアドミニストレータ/標準化|標準化]]関連 *標準・規格と標準化団体 === 関連分野 === ;テクノロジ *[[初級システムアドミニストレータ/通信ネットワーク|ネットワーク]] *[[初級システムアドミニストレータ/データベース|データベース]] *[[初級システムアドミニストレータ/コンピュータシステム|システム構成要素]] ;マネジメント *システム監査 *[[サービスマネジメント]] *[[プロジェクトマネジメント]] ;[[初級システムアドミニストレータ/情報化と経営|ストラテジ]] *経営管理、[[企業と法務|企業活動]] *[[システム戦略]] *システム企画 == 形式 == '''午前'''、'''午後'''の二部構成です。両方とも正解率60%以上で合格となり、晴れて'''情報セキュリティマネジメント'''の国家資格を得ることができます(逆に言えば、例えば午前で100点満点を獲得できたとしても、午後で59点しか取れなかった場合は不合格となってしまいますので注意してください)。 なお、情報セキュリティマネジメント試験では、[[基本情報技術者試験]]のような科目免除制度(午前免除)は存在しません。 === 午前 === 試験時間は1時間30分(90分)です。四肢択一式(マークシート使用)で50問出題されます。すべて必須解答です。素点形式で採点され60点以上で合格です(満点は100点)。[[基本情報技術者試験]]に比べ試験時間は短く、問題数も少ないです。 大まかな出題比率としては、セキュリティ分野から30問(60点分)、法務分野から6問(12点分)、その他関連分野(データベース、ネットワーク、監査、経営など)から14問(28点分)出題されます。 先述の通り出題範囲が狭い分、[[基本情報技術者試験/セキュリティ|セキュリティ]]分野に特化した試験になるため、セキュリティ分野に関しては基本情報以上にしっかり対策しておく必要があります。 午後を技能を試す試験とするならば、午前は知識を測る試験と言えます。 === 午後 === 試験時間は1時間30分(90分)です。素点形式で採点され60点以上で合格です(満点は100点)。 マークシート使用の多肢選択式ですが、午前と異なり、長文形式の大問を複数解く形式となっています。午前が知識問題ならば、午後は技能、応用力が問われます。 情報セキュリティマネジメントシステム(ISMS)に関連する中規模の問題(本文とそれに関する複数の設問から構成されます)が3問出題されます。選択問題はなく、全問必須解答です。 [[基本情報技術者試験]]と異なり[[擬似言語|アルゴリズム]]や[[基本情報技術者試験/ソフトウェア開発|プログラミング]]の問題が出題されないのでその点では楽ですが、反面、出題内容そのものは基本情報の[[基本情報技術者試験/セキュリティ|セキュリティ]]の問題よりレベルが高くなっているため注意が必要です。また、情報セキュリティマネジメント試験では問題の文章が基本情報より長いため読解力(国語力)が低いと苦しいです。 == 2019年新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の影響 == 情報セキュリティマネジメント試験は2019年(令和元年)秋期までは筆記試験として実施されてきましたが、2019年新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の感染拡大を避けるため、2020年(令和2年)度は春期、秋期ともに筆記試験は中止となりました(春期は[[応用情報技術者試験]]などを含む全区分が、秋期は[[基本情報技術者試験]]と情報セキュリティマネジメント試験のみが中止。)。 [[基本情報技術者試験]]と情報セキュリティマネジメント試験については、今後は[[w:Computer Based Testing|CBT方式]](Computer Based Testing)にて随時実施される予定です。CBTとは、会場に用意されたパソコン上で試験を受験する形式のことで、[[ITパスポート試験]]では既に導入されています。 なお、身体障害者向けの筆記試験は引き続き実施する予定です。 [https://www.jitec.ipa.go.jp/1_11seido/cbt_sg_fe.html CBT試験についての詳細はIPAの公式ホームページをご覧ください。] == その他 == 情報セキュリティマネジメント試験の上位の区分として[[応用情報技術者試験]]('''スキルレベル3''')があります。2015年(平成27年)度まではスキルレベル2の区分はシステム開発技術者向けの[[基本情報技術者試験]]しかなかったため、基本情報合格後に応用情報へとステップアップするというのが王道ルートでした(一応念のため書きますが、制度上は基本情報を受けずにいきなり応用情報を受験することも可能です。)が、2016年(平成28年)度からは当試験(セキュマネ)が新設されたため、セキュマネ合格後に(基本情報を経由せずに)応用情報や[[情報セキュリティスペシャリスト試験]](セキュスペ)へとステップアップするというルートも新たに追加されました。基本情報は午後の[[擬似言語|アルゴリズム]]と[[基本情報技術者試験/ソフトウェア開発|プログラミング]]が必須問題であり配点も大きいため、これらが苦手な人はセキュマネ合格後にいきなり応用情報を受験するのも良いでしょう(応用情報の午後はプログラミングが選択問題であり回避することが可能です。)。また、先にセキュマネに合格しておくと、応用情報のセキュリティ対策にもなります。ただし、応用情報の午前ではセキュマネになかった[[情報科学の基礎理論|基礎理論]]や[[開発技術]]の問題が出題される上に、午後が記述式になるため、その点は注意が必要です。 == 関連項目 == * [[情報処理技術者試験]][[情報処理技術者試験の概要|の概要]] ** [[ITパスポート試験]](IP) ** [[基本情報技術者試験]](FE) ** [[応用情報技術者試験]](AP) ** [[情報セキュリティスペシャリスト試験]](SC) == 関連外部リンク == * [https://www.jitec.ipa.go.jp 情報処理推進機構 IT人材育成センター国家資格・試験部] ** [https://www.jitec.ipa.go.jp/1_08gaiyou/_index_gaiyou.html 情報処理技術者試験の概要] ** [https://www.jitec.ipa.go.jp/1_11seido/sg.html 情報セキュリティマネジメント試験(SG)](情報処理技術者試験の概要 - 試験区分一覧) ** [https://www.jitec.ipa.go.jp/1_11seido/seido_enkaku.html 試験制度の沿革] ** [https://www.jitec.ipa.go.jp/1_04hanni_sukiru/_index_hanni_skill.html 試験要綱・シラバスなど] ** [https://www.jitec.ipa.go.jp/sg/ 情報セキュリティマネジメント試験とは] * [https://www.sg-siken.com 情報セキュリティマネジメント試験ドットコム] {{stub|it}} {{stub|資}} {{デフォルトソート:しようほうせきゆりていまねしめんとしけん}} [[Category:情報処理技術者試験]] [[Category:セキュリティ(情報処理技術者試験)]] [[Category:資格試験]] [[Category:情報技術]] tfqaklazk0tskt7lgyqc9nwy43t8wev Go 0 28505 276367 273977 2025-06-28T21:48:01Z Ef3 694 /* Go 1.6 */ 276367 wikitext text/x-wiki {{Pathnav|メインページ|工学|情報技術|プログラミング}} Goは、Googleが開発したオープンソースの汎用プログラミング言語であり、システムプログラミングを主な目的として設計されています<ref name="Introduction">{{cite book | url = https://go.dev/ref/spec#Introduction | title = The Go Programming Language Specification Language version go1.23 (June 13, 2024) | chapter = Introduction¶ | date = June 13, 2024 | publisher = The Go website }}</ref>。 静的型付け言語であるため、高速で効率的なプログラムを作成することができ、また、並行処理を簡単に実装できるため、高い並行性を持ちます。 Goの文法はシンプルで読みやすく、効率的にコーディングできるため、開発者は迅速に新しいコードを書くことができます。 Goは自動的にメモリを管理するため、メモリ管理に関する手間を減らすことができます。 さらに、Windows、macOS、Linuxなど、多くのプラットフォームで動作し、標準ライブラリが豊富であり、多くの外部ライブラリが存在するため、広範な用途に対応することができます。 Goのコミュニティは活発であり、多くの開発者が参加しているため、質問や問題解決のためのリソースが豊富であり、新しい機能やライブラリが定期的にリリースされています。 この教科書では、初めてGoを学ぶ人から、より高度なトピックに興味のある人まで、幅広い読者を対象に、Goの基本から応用までを網羅的に解説します。 __TOC__ == 目次 == ;チュートリアル篇 : [[/環境構築|環境構築]] : [[/実行の方法|実行の方法]] {{---}} [[Go/実行の方法#Hello, World|Hello, World]] : [[/文法の概要|文法の概要]] : [[/変数|変数と型変換]] : [[/算術演算と数学関数|算術演算と数学関数]] : [[/条件分岐と繰り返し|条件分岐と繰り返し]] {{---}} if, switch, select, for, break, continue, return : [[/関数|関数]] : [[/メソッドとインターフェース|メソッドとインターフェース]] : [[/ジェネリクス|ジェネリクス]] : [[/再帰的関数呼出し|再帰的関数呼出し]] : [[/メソッドチェイン|メソッドチェイン]] : [[/defer,panicとrecover|defer, panicとrecover]] : [[/並行処理|並行処理]] : [[/配列とスライス|配列型とスライス型]] : [[/マップ|マップ型]] : [[/構造体|構造体型と構造体スライス]] : [[/イテレータ|イテレータ]] : [[/Goのプログラムがどんなアセンブリにコンパイルされるか?|Goのプログラムがどんなアセンブリにコンパイルされるか?]] {{---}} go tool objdump : [[/クロスコンパイル|クロスコンパイル]] {{---}} GOOS, GOARCH : [[/cgoでGoのコードからCの関数を利用する|cgoでGoのコードからCの関数を利用する]] {{---}} cgo : [[/Goのコードでgoのバージョンを調べる方法|Goのコードでgoのバージョンを調べる方法]] : [[/HTTP|HTTP]] : [[/ファイル入出力|ファイル入出力]] : [[/コードギャラリー|コードギャラリー]] ;リファレンス篇 : [[/ソースコードの表現方法|ソースコードの表現方法]] : [[/キーワードと宣言済み識別子|キーワードと宣言済み識別子]] {{---}} [[/キーワードと宣言済み識別子#キーワード|キーワード]]・[[/キーワードと宣言済み識別子#宣言済み識別子|宣言済み識別子]]([[/キーワードと宣言済み識別子#組込み型|組込み型]]・[[/キーワードと宣言済み識別子#組込み関数|組込み関数]]) : [[/字句的要素|字句的要素]] : [[/定数と変数|定数と変数]] {{---}} [[/定数と変数#定数|定数]]([[/定数と変数#iota|iota]])・[[/定数と変数#変数|変数]] : [[/型|型]] : [[/型と値の特性|型と値の特性]] : [[/ブロック・宣言とスコープ|ブロック・宣言とスコープ]] {{---}} [[/ブロック・宣言とスコープ#ブロック|ブロック]]・[[/ブロック・宣言とスコープ#宣言とスコープ|宣言とスコープ]] : [[/式|式]] {{---}} [[/式#演算子|演算子]] : [[/文|文]] : [[/パッケージ|パッケージ]] : [[/プログラムの初期化と実行|プログラムの初期化と実行]] : [[/エラー|エラー]] : [[/EBNF|EBNF]] ;[[/標準ライブラリー|標準ライブラリー篇]] ;[[/改廃された技術|改廃された技術]] == バージョン間の変更点 == Go は、約半年ごとに新しいバージョンがリリースされます。バージョンが変わると、言語仕様に追加変更があったり、ツールチェーン、ランタイム、およびライブラリの実装に変更が加えられることがあり、稀に既存のプログラムに影響が出ることもあります。以下に、最新のバージョンから順に変更点を記載します。 === Go 1.24 === Go 1.24が、2025年2月にリリースされました<ref>{{cite book | url = https://go.dev/doc/go1.24 | title = Go 1.24 Release Notes - The Go Programming Language | date = 2024/02/11 | accessdate = 2024/02/23 }}</ref><ref>{{cite book | url = https://go.dev/blog/go1.24 | title = Go 1.24 is released! - The Go Programming Language | date = 2024/02/11 | accessdate = 2024/02/23 }}</ref>。 Go 1.24のリリースでは、いくつかの重要な新機能と改善が含まれています。最も注目すべき変更点は以下です。 {{Main|[https://go.dev/doc/go1.24 Go 1.24 Release Notes - The Go Programming Language]|[https://go.dev/blog/go1.24 Go 1.24 is released! The Go Blog]}} ; 言語の変更点: :# ジェネリック型エイリアスが完全にサポートされるようになりました。これにより、型エイリアスに型パラメータを設定できるようになり、既存の型を制約付きで再定義することが可能になりました。たとえば <code>type VectorAlias[T any] = Vector[T]</code> のような定義ができます。この機能は Go 1.23 では実験的な機能(GOEXPERIMENT=aliastypeparams)でしたが、Go 1.24で正式にサポートされました。 ; 新しい標準パッケージ: :# crypto/mlkem:ML-KEM-768とML-KEM-1024を実装したパッケージ。 :# crypto/hkdf:HMAC-based Extract-and-Expand key derivation function (HKDF) を実装したパッケージ。 :# crypto/pbkdf2:password-based key derivation function (PBKDF2) を実装したパッケージ。 :# crypto/sha3:SHA-3ハッシュ関数とSHAKE/cSHAKE extendable-output functionsを実装したパッケージ。 :# weak:弱参照を提供するパッケージ。 :# testing/synctest:並行コードのテストをサポートする実験的なパッケージ(GOEXPERIMENT=synctestが必要)。 ; パフォーマンスの改善点: :# Swiss Tablesベースの新しいマップ実装により、2-3%のCPUオーバーヘッドが削減。 :# 小さなオブジェクトのメモリ割り当ての効率化。 :# 新しいランタイム内部ミューテックス実装。 ; ツールの改善: :# go.modファイルでツール依存関係を追跡できるようになりました。 :# go buildとgo installに -json フラグが追加され、構造化されたJSON出力が可能に。 :# go vetに新しいtestsアナライザーが追加され、テストの一般的な間違いを検出可能に。 ; セキュリティの改善: :# FIPS 140-3コンプライアンスのための新しいメカニズムが追加。 :# TLSサーバーがEncrypted Client Hello (ECH)をサポート。 :# RSAキーは1024ビット未満のキーサイズでエラーを返すように変更。 ; プラットフォームサポートの変更: :# Linuxはカーネルバージョン3.2以降が必要になりました。 :# Go 1.24はmacOS 11 Big Surをサポートする最後のバージョンとなります。 :# Windows 32-bit ARM (windows/arm)は「broken」とマークされました。 また、1.23でサポートされた"for-range"ループのイテレータ機能を活用し、bytes/stringsパッケージに新しいイテレータ関数(Lines、SplitSeq、SplitAfterSeq、FieldsSeq、FieldsFuncSeq)が追加されました。os.Root型による特定ディレクトリ内でのファイルシステム操作が可能になり、testing.B.Loopメソッドにより、ベンチマークの記述がより簡単で安全になっています。 === Go 1.23 === Go 1.23が、2024年8月にリリースされました<ref>{{cite book | url = https://go.dev/doc/go1.23 | title = Go 1.23 Release Notes - The Go Programming Language | date = 2024/08/13 | accessdate = 2024/11/13 }}</ref><ref>{{cite book | url = https://go.dev/blog/go1.23 | title = Go 1.23 is released! - The Go Programming Language | date = 2024/08/13 | accessdate = 2024/11/13 }}</ref>。 Go 1.23のリリースでは、いくつかの重要な新機能と改善が含まれています。最も注目すべき変更点は以下です。 {{Main|[https://go.dev/doc/go1.23 Go 1.23 Release Notes - The Go Programming Language]|[https://go.dev/blog/go1.23 Go 1.23 is released! The Go Blog]}} ; 言語の変更点: :# "for-range" ループでイテレータ関数がサポートされるようになりました。これにより、カスタムイテレーション値を生成する関数を使用できます。 :# ジェネリック型エイリアスのプレビューサポートが追加されました(GOEXPERIMENT=aliastypeparamsを有効にする必要があります)。 ; 新しい標準パッケージ: :# uniqueパッケージ:値の正規化(インターン化やハッシュコンス化)を行うための機能を提供します。 :# iterパッケージ:ユーザー定義のイテレータ機能を提供します。 :# structsパッケージ:構造体のメモリレイアウトなどのプロパティを制御する機能を提供します。 ; パフォーマンスの改善点: :# Profile Guided Optimization (PGO)のビルドオーバーヘッドが大幅に削減されました。以前は100%以上の増加が見られましたが、今回のリリースでは一桁台のパーセンテージまで改善されています。 :# コンパイラがローカル変数のスタックフレームスロットを最適化し、関数内の異なる領域で重複して使用できるようになり、スタック使用量が削減されました。 ; テレメトリーと開発者ツール: :# Goツールチェーンが使用状況と問題点の統計情報を収集できるテレメトリー機能が追加されました(オプトイン方式)。 :# go vetコマンドにstdversionアナライザーが追加され、使用しているGoバージョンと互換性のないシンボルの参照を検出できるようになりました。 ; プラットフォームサポートの変更: :# macOSは11 (Big Sur)以降が必要になりました。 :# Linux kernelは2.6.32以降が必要です(Go 1.24では3.2以降になる予定)。 :# OpenBSDの64-bit RISC-Vサポートが試験的に追加されました。 また、time.TimerとTime.Tickerの実装が大幅に改善され、未使用のタイマーがガベージコレクションの対象となるようになりました。セキュリティ面では、TLSクライアントがEncrypted Client Helloをサポートし、3DESの暗号スイートがデフォルトリストから削除されるなどの改善が行われています。 === Go 1.22 === Go 1.22が、2024年2月にリリースされました<ref>{{cite book | url = https://go.dev/doc/go1.22 | title = Go 1.22 Release Notes - The Go Programming Language | date = 2024/02/06 | accessdate = 2024/02/11 }}</ref><ref>{{cite book | url = https://go.dev/blog/go1.22 | title = Go 1.22 is released! - The Go Programming Language | date = 2024/02/06 | accessdate = 2024/02/11 }}</ref>。 Go 1.22のリリースでは、いくつかの重要な新機能と改善が含まれています。最も注目すべき変更点は以下です。 {{Main|[https://go.dev/doc/go1.22 Go 1.22 Release Notes - The Go Programming Language]|[https://go.dev/blog/go1.22 Go 1.22 is released! The Go Blog]}} ; 言語の変更点: :# 長らく問題視されてきた「for」ループの変数スコープが変更されました。以前は変数が一度だけ作成され、各イテレーションで更新されていましたが、Go 1.22以降は各イテレーションで新しい変数が作成されるようになり、意図しない共有の問題が解消されました。 :# 整数の範囲に対する<code>range</code>のサポートが追加されました。例えば、<code>for i := range 10</code>のような構文が可能になりました。 ; パフォーマンスの改善点: :# ガベージコレクションのメタデータを各ヒープオブジェクトの近くに配置するように最適化されました。これにより、CPUパフォーマンスが1-3%向上し、ほとんどのGoプログラムのメモリオーバーヘッドが約1%削減されました。 :# コンパイラのプロファイル誘導最適化(PGO)が改善され、より多くのインターフェースメソッド呼び出しの仮想化解除が可能になりました。代表的なGoプログラムの多くで、PGOを有効にすることで2-14%のパフォーマンス向上が見られます。 :# コンパイラは仮想化解除とインライン化を交互に行うようになり、インターフェースメソッド呼び出しの最適化が向上しました。 ; 標準ライブラリの追加と改善: :# 標準ライブラリで初めてのv2パッケージとなる<code>math/rand/v2</code>が追加されました。新しいパッケージでは、ChaCha8とPCGという2つの現代的な疑似乱数生成器を提供し、より高速なアルゴリズムを採用しています。 :# <code>net/http.ServeMux</code>のHTTPルーティングがより表現力豊かになりました。メソッドとワイルドカードをサポートし、例えば"POST /items/create"や"/items/{id}"のようなパターンが使用可能になりました。 :# <code>database/sql</code>パッケージに<code>Null[T]</code>型が追加され、任意の型のnullableカラムをスキャンする機能が提供されます。 :# <code>go/version</code>パッケージが追加され、Goバージョン文字列の検証と比較機能が提供されます。 :# <code>slices</code>パッケージに複数のスライスを連結する<code>Concat</code>関数が追加されました。 ; ツールの改善: :# Goコマンドでワークスペースのvendorディレクトリがサポートされるようになりました。<code>go work vendor</code>でディレクトリを作成し、<code>-mod=vendor</code>フラグで使用できます。 :# トレースツールのWebUIが改良され、スレッド指向のビューでトレースを探索できるようになりました。また、すべてのシステムコールの完全な実行時間が表示されるようになりました。 :# <code>go vet</code>ツールに新しい警告が追加され、appendに値を渡し忘れた場合や、time.Since呼び出しの遅延に関する問題を検出できるようになりました。 また、macOSのx86-64アーキテクチャ(darwin/amd64)向けのGoツールチェーンが、デフォルトで位置独立実行形式(PIE)を生成するようになりました。Go 1.23以降はmacOS 11 Big Sur以降が必要になることも発表されています。 === Go 1.21 === Go 1.21が、2023年8月にリリースされました<ref>{{cite book | url = https://go.dev/doc/go1.21 | title = Go 1.21 Release Notes - The Go Programming Language | date = 2023/08/08 | accessdate = 2023-11-28 }}</ref><ref>{{cite book | url = https://go.dev/blog/go1.21 | title = Go 1.21 is released! - The Go Programming Language 5| date = 2023/08/08 | accessdate = 2023-11-28 }}</ref>。 {{Main|[https://go.dev/doc/go1.21 Go 1.21 Release Notes - The Go Programming Language]|[https://go.dev/blog/go1.21 Go 1.21 is released! The Go Blog]}} Go 1.21では、リリースの番号付けにわずかな変更が導入されました。Go 1.Nは、過去にGo言語のバージョン全体とリリースファミリー、およびそのファミリー内の最初のリリースを指すために使用されていました。しかし、Go 1.21から、最初のリリースはGo 1.N.0となりました。今日、Go 1.21言語とその初期実装であるGo 1.21.0リリースが公開されています。これらのノートは「Go 1.21」と呼ばれますが、go versionなどのツールは「go1.21.0」と報告されます(Go 1.21.1にアップグレードするまで)。 ; ツールの改善点: :# Profile Guided Optimization(PGO)機能が一般利用可能になりました。<code>default.pgo</code>という名前のファイルがメインパッケージのディレクトリにある場合、<code>go</code>コマンドはそれを使用してPGOビルドを有効にします。 :# <code>go</code>ツールは今後の言語の後方互換性と前方互換性をサポートします。 ; 言語の変更点: :# 新しい組み込み関数 <code>min</code>、<code>max</code>、<code>clear</code> が追加されました。 :# ジェネリック関数の型推論がいくつか改善され、仕様書の型推論の説明が拡張されました。 :# Goプログラミングの最も一般的な落とし穴の1つに取り組む予定で、そのプレビューがGo 1.21に含まれています。これは環境変数を使用してコードで有効にできます。詳細はLoopvarExperiment wikiページを参照してください。 ;標準ライブラリの追加点: :# 構造化ログのための新しいlog/slogパッケージが追加されました。 :# 任意の要素型のスライスに対する共通操作のための新しいslicesパッケージが追加されました。これには、一般的により高速で使いやすいソート関数も含まれています。 :# 任意のキーまたは要素型のマップに対する共通操作のための新しいmapsパッケージが追加されました。 :# 順序付けられた値を比較するための新しいユーティリティを提供するcmpパッケージが追加されました。 ; 性能の改善点: :# PGOを有効にした際のパフォーマンス向上に加えて、以下のような改善があります。 :# Goコンパイラ自体がPGOを有効にして再ビルドされ、ホストアーキテクチャによってはプログラムのビルドが2〜4%高速化されました。 :# ガベージコレクターの調整により、一部のアプリケーションではテールレイテンシーが最大40%削減される場合があります。 :# runtime/traceでトレースを収集する際のCPUコストが、amd64およびarm64で大幅に低減されました。 ; 新しいWASIポート: :# Go 1.21には、WebAssembly System Interface(WASI)の実験的なポートが追加されました(GOOS=wasip1、GOARCH=wasm)。 :# より一般的なWebAssembly(Wasm)コードの記述を容易にするために、コンパイラはWasmホストからの関数のインポートのための新しい指令 <code>go:wasmimport</code> をサポートしています。 === Go 1.20 === Go 1.20が、2023年2月にリリースされました<ref>{{cite book | url = https://go.dev/doc/go1.20 | title = Go 1.20 Release Notes - The Go Programming Language | date = 2023/02/01 | accessdate = 2023-03-05 }}</ref><ref>{{cite book | url = https://go.dev/blog/go1.20 | title = Go 1.20 is released! - The Go Programming Language | date = 2023/02/01 | accessdate = 2023-03-05 }}</ref>。 {{Main|[https://go.dev/doc/go1.20 Go 1.20 Release Notes - The Go Programming Language]|[https://go.dev/blog/go1.20 Go 1.20 is released! The Go Blog]}} Go 1.20では、スライスから配列への変換が可能になりました。また、unsafeパッケージには新しい関数が追加され、スライスや文字列の値を構築および分解する完全な機能が提供されるようになりました。また、新しい仕様により、構造体のフィールドと配列の要素の比較が最初の不一致で停止するようになり、厳密に比較できない型引数を持つ型パラメータを使用して、比較制約に制限された型をインスタンス化することが可能になりました。 === Go 1.19 === Go 1.19が、2022年8月にリリースされました<ref>{{cite book | url = https://go.dev/doc/go1.19 | title = Go 1.19 Release Notes - The Go Programming Language | date = 2022/08/02 | accessdate = 2022-08-04 }}</ref><ref>{{cite book | url = https://go.dev/blog/go1.19 | title = Go 1.19 is released! - The Go Programming Language | date = 2022/08/02 | accessdate = 2022-08-04 }}</ref>。 {{Main|[https://go.dev/doc/go1.19 Go 1.19 Release Notes - The Go Programming Language]|[https://go.dev/blog/go1.19 Go 1.19 is released! The Go Blog]}} Go 1.19では、ツールチェーン、ランタイム、およびライブラリの実装に変更が加えられています。言語にはわずかな修正があり、既存のプログラムには影響がないです。メモリモデルも更新され、C、C ++、Java、JavaScript、Rust、Swiftなどのメモリモデルに合わせられた。Go 1.19では、sync/atomicパッケージに新しい型が導入され、atomic.Int64やatomic.Pointer[T]などのatomic値をより簡単に使用できるようになっています。Go 1の互換性を維持しており、ほとんどのGoプログラムは引き続き従前どおりにコンパイルおよび実行されることが予想されます。 === Go 1.18 === Go 1.18が、2022年3月にリリースされました<ref>{{cite book | url = https://go.dev/doc/go1.18 | title = Go 1.18 Release Notes - The Go Programming Language | date = 2022/03/10 | accessdate = 2022-08-04 }}</ref>。 {{Main|[https://go.dev/doc/go1.18 Go 1.18 Release Notes - The Go Programming Language]|[https://go.dev/blog/go1.18 Go 1.18 is released! The Go Blog]}} Go 1.18 には、型パラメータプロポーザル<ref>{{cite book | url=https://go.googlesource.com/proposal/+/refs/heads/master/design/43651-type-parameters.md | title=Type Parameters Proposal | accessdate=2021-09-30 }}</ref>で説明されたジェネリック機能の実装が含まれています。 以下は、最も目に付く変更点のリストです。 # 関数と型宣言の構文に型パラメータが使えるようになりました。⇒ [[/関数#ジェネリック関数]] # パラメータ化された関数や型は、その後に角括弧で型引数のリストを記述することでインスタンス化することができます。 # 新しいトークン <code>~</code> が演算子および区切子(punctuation)に追加されました。⇒ [[/字句的要素#演算子と区切子]] # インターフェイス型の構文では、任意の型(インターフェイスの型名だけでなく)、unionや~T型要素を埋め込むことができるようになりました。このようなインターフェースは、型制約としてのみ使用することができます。インターフェイスはメソッドと同様に型の集合を定義するようになりました。⇒ [[/型#インターフェース型]] # 新しい事前宣言された識別子<code>any</code>は空のインターフェースの別名です。これは <code>interface{} </code>の代わりに使用することができます。 # 新しい宣言済み識別子 <code>comparable</code> は <code>==</code> や <code>!=</code> を使って比較できる全ての型の集合を表すインターフェースです. ジェネリックを使った実験的なパッケージが3つあり、便利かもしれません。これらのパッケージは x/exp リポジトリにあります。これらのパッケージの API は Go 1 の保証の対象外であり、ジェネリックの経験を積むにつれて変更される可能性があります。 ;golang.org/x/exp/constraints :<code>constraints.Ordered</code>のようなジェネリックコードに便利な制約です。 ;golang.org/x/exp/slices :任意の要素タイプのスライス上で操作するジェネリック関数のコレクションです。 ;golang.org/x/exp/maps :任意のキーや要素タイプのマップ上で操作するジェネリック関数のコレクションです。 ---- Go 1.18は、言語、ツールチェーン、ランタイム、ライブラリに変更があり、互換性が保たれている。最大の変更点は、ジェネリックスの導入である。ジェネリックスはバックワード互換性があるが、実際に多くの人が書き、使用して初めて本番環境で十分にテストされる。ジェネリックスの使用は推奨されるが、本番環境で使用する場合は注意が必要である。ジェネリックスにはいくつかの制限があるが、これらは将来的に改善される可能性がある。これらの変更により、Goエコシステム全体に影響があり、完全なサポートには時間がかかるだろう。 === Go 1.17 === Go 1.17が、2021年8月にリリースされました<ref>{{cite book | url = https://go.dev/doc/go1.17 | title = Go 1.17 Release Notes - The Go Programming Language | date = 2021/08/16 | accessdate = 2023-03-06 }}</ref><ref>{{cite book | url = https://go.dev/blog/go1.17 | title = Go 1.17 is released! - The Go Programming Language | date = 2021/08/16 | accessdate = 2023-03-06 }}</ref>。 {{Main|[https://go.dev/doc/go1.17 Go 1.17 Release Notes - The Go Programming Language]|[https://go.dev/blog/go1.17 Go 1.17 is released! The Go Blog]}} Go 1.17は、ツールチェーン、ランタイム、およびライブラリの実装の変更が中心で、ほとんどの変更は互換性が維持されています。言語自体には3つの小さな強化があり、スライスから配列ポインタへの変換、unsafe.Add、unsafe.Sliceが追加されました。このうち、スライスから配列ポインタへの変換が実行時にpanicを引き起こす場合があるため、タイプ変換が実行時にpanicを引き起こす可能性があることを考慮する必要があります。新しいプログラムを書く場合も、以前と同様に、unsafe.Pointerの安全ルールに従う必要があります。 === Go 1.16 === Go 1.16が、2021年2月にリリースされました<ref>{{cite book | url = https://go.dev/doc/go1.16 | title = Go 1.16 Release Notes - The Go Programming Language | date = 2021/02/16 | accessdate = 2023-03-06 }}</ref><ref>{{cite book | url = https://go.dev/blog/go1.16 | title = Go 1.16 is released! - The Go Programming Language | date = 2021/02/16 | accessdate = 2023-03-06 }}</ref>。 {{Main|[https://go.dev/doc/go1.16 Go 1.16 Release Notes - The Go Programming Language]|[https://go.dev/blog/go1.16 Go 1.16 is released! The Go Blog]}} Go 1.16では、ツールチェーン、ランタイム、ライブラリの実装が変更されています。Go 1の互換性を維持しながら、ほとんどのプログラムが従来通りにコンパイルおよび実行できるようになっています。言語には変更はありません。 === Go 1.15 === Go 1.15が、2020年8月にリリースされました<ref>{{cite book | url = https://go.dev/doc/go1.15 | title = Go 1.15 Release Notes - The Go Programming Language | date = 2020/08/11 | accessdate = 2023-03-12 }}</ref><ref>{{cite book | url = https://go.dev/blog/go1.15 | title = Go 1.15 is released! - The Go Programming Language | date = 2020/08/11 | accessdate = 2023-03-12 }}</ref>。 {{Main|[https://go.dev/doc/go1.15 Go 1.15 Release Notes - The Go Programming Language]|[https://go.dev/blog/go1.15 Go 1.15 is released! The Go Blog]}} Go 1.15では、リンカーの大幅な改良、高いコア数での小規模オブジェクトの割り当ての改善、X.509 CommonNameの非推奨化、そして新しい埋め込みtzdataパッケージの追加が含まれています。 === Go 1.14 === Go 1.14が、2020年2月にリリースされました<ref>{{cite book | url = https://go.dev/doc/go1.14 | title = Go 1.14 Release Notes - The Go Programming Language | date = 2020/02/25 | accessdate = 2023-03-12 }}</ref><ref>{{cite book | url = https://go.dev/blog/go1.14 | title = Go 1.14 is released! - The Go Programming Language | date = 2020/02/25 | accessdate = 2023-03-12 }}</ref>。 {{Main|[https://go.dev/doc/go1.14 Go 1.14 Release Notes - The Go Programming Language]|[https://go.dev/blog/go1.14 Go 1.14 is released! The Go Blog]}} Go 1.14では、オーバーラップするインターフェースの提案により、埋め込まれたインターフェースで同じ名前とシグネチャを持つメソッドを許可するようになりました。しかし、インターフェース内で宣言されたメソッドは以前と同様にユニークである必要があります。 === Go 1.13 === Go 1.13が、2019年2月にリリースされました<ref>{{cite book | url = https://go.dev/doc/go1.13 | title = Go 1.13 Release Notes - The Go Programming Language | date = 2019/09/03 | accessdate = 2023-03-12 }}</ref><ref>{{cite book | url = https://go.dev/blog/go1.13 | title = Go 1.13 is released! - The Go Programming Language | date = 2019/09/03 | accessdate = 2023-03-12 }}</ref>。 {{Main|[https://go.dev/doc/go1.13 Go 1.13 Release Notes - The Go Programming Language]|[https://go.dev/blog/go1.13 Go 1.13 is released! The Go Blog]}} Go 1.13では、数字リテラルの接頭辞が変更され、バイナリ整数、8進数整数、16進数浮動小数点数、虚数リテラル、数字区切りが使用できるようになりました。さらに、符号付きシフトカウントの制限が撤廃され、制限がなくなりました。これらの変更は、コンパイラの変更によって実現されました。Go 1.13を使用するには、go.modファイルで言語バージョンを指定する必要があります。 === Go 1.12 === Go 1.12が、2019年2月にリリースされました<ref>{{cite book | url = https://go.dev/doc/go1.12 | title = Go 1.12 Release Notes - The Go Programming Language | date = 2019/02/25 | accessdate = 2024/11/13 }}</ref><ref>{{cite book | url = https://go.dev/blog/go1.12 | title = Go 1.12 is released! - The Go Programming Language | date = 2019/02/25 | accessdate = 2024/11/13 }}</ref>。 Go 1.12のリリースには、いくつかの新機能と改善が含まれ、Go言語のパフォーマンスやユーザビリティがさらに向上しました。以下が主な変更点です。 {{Main|[https://go.dev/doc/go1.12 Go 1.12 Release Notes - The Go Programming Language]|[https://go.dev/blog/go1.12 Go 1.12 is released! The Go Blog]}} ; 主要な新機能: :# Windows向けに、標準ライブラリがコントロールグループのサポートやシステムコールの改善により、性能向上と安定性が強化されました。 :# macOS向けの新しいサポートとして、ヒープメモリ使用量の削減や効率化が進められました。 ; パフォーマンスの改善点: :# 文字列操作の最適化が行われ、<code>strings.Trim</code>や<code>strings.Index</code>のパフォーマンスが向上しました。 :# 並列ガベージコレクションが改良され、メモリ管理の効率が向上しています。 :# コンパイラの境界チェックが一部のパターンで自動的に省略されるようになり、コード生成の効率がさらに向上しました。 ; デバッグ機能の改善: :# より正確な変数位置とスタック情報の提供により、デバッグ体験が改善されています。 :# 新たにDWARF生成の機能が拡充され、特に最適化コードにおいて、デバッグ情報の信頼性が高まりました。 ; ランタイムの改善: :# Windows上で、64ビットプロセスのアドレス空間使用が最適化され、より多くのメモリを使用可能になりました。 :# Goランタイムのシグナルハンドリングが強化され、システムシグナルの処理能力が向上しました。 ; 標準ライブラリの改善: :# <code>crypto/x509</code>パッケージで、証明書の検証がmacOSのシステム証明書ストアを使用するようになり、macOSでの信頼性が向上しました。 :# <code>net/http</code>において、HTTP/2の接続管理が改善され、特に大量接続環境での安定性が増しました。 :# <code>os</code>パッケージの<code>Process.Signal</code>がWindowsでも利用可能となり、Windows上のプロセス管理機能が強化されました。 ; ツールの改善: :# <code>go test</code>コマンドに<code>-json</code>フラグが追加され、テスト結果をJSON形式で出力できるようになりました。 :# goコマンドが<code>go.sum</code>ファイルを自動的に更新し、依存関係の信頼性が向上しています。 :# <code>gofmt</code>において、特定のコードパターンの整形が改良され、より一貫したコードスタイルが保たれます。 また、OpenBSD 6.4以降、macOS 10.11 El Capitan以降、またはWindows 7以降が必要となり、これらのOSの以前のバージョンのサポートが終了しました。リリースノートでは、Go 1の互換性は維持されており、ほとんどのGoプログラムは以前と同様に動作すると述べられています。 === Go 1.11 === Go 1.11が、2018年8月にリリースされました<ref>{{cite book | url = https://go.dev/doc/go1.11 | title = Go 1.11 Release Notes - The Go Programming Language | date = 2018/08/24 | accessdate = 2024/11/13 }}</ref><ref>{{cite book | url = https://go.dev/blog/go1.11 | title = Go 1.11 is released! - The Go Programming Language | date = 2018/08/24 | accessdate = 2024/11/13 }}</ref>。 Go 1.11のリリースでは、いくつかの重要な新機能と改善が含まれています。最も注目すべき変更点は以下です。 {{Main|[https://go.dev/doc/go1.11 Go 1.11 Release Notes - The Go Programming Language]|[https://go.dev/blog/go1.11 Go 1.11 is released! The Go Blog]}} ; 主要な新機能: :# モジュールサポートの実験的な導入により、GOPATHに依存しない開発が可能になりました。バージョン管理と依存関係管理が統合され、より信頼性の高いビルドが実現できます。 :# WebAssembly(js/wasm)の実験的なポートが追加され、syscall/jsパッケージを通じてJavaScriptとの連携が可能になりました。 :# RISCVアーキテクチャ向けのGOARCH値("riscv"と"riscv64")が予約されました。 ; パフォーマンスの改善点: :# マップのクリア操作が最適化され、<code>for k := range m { delete(m, k) }</code>のようなコードが効率的に実行されるようになりました。 :# スライス拡張の<code>append(s, make([]T, n)...)</code>が最適化されました。 :# コンパイラの境界チェックと分岐除去が大幅に改善され、より効率的なコードが生成されるようになりました。 ; デバッグ機能の改善: :# 最適化されたバイナリのデバッグ情報が大幅に改善され、変数位置情報、行番号、ブレークポイント位置がより正確になりました。 :# DWARFセクションがデフォルトで圧縮されるようになりました。 :# デバッガー内からのGo関数呼び出しが実験的にサポートされました。 ; ランタイムの改善: :# スパースヒープレイアウトの採用により、Goヒープサイズの制限(従来は512GiB)が撤廃されました。 :# macOSとiOSで、カーネルの直接呼び出しの代わりにlibSystem.dylibを使用するように変更され、将来のOSバージョンとの互換性が向上しました。 ; 標準ライブラリの改善: :# <code>crypto/cipher</code>パッケージに、非標準のタグ長をサポートするGCM実装が追加されました。 :# <code>net/http</code>の<code>Transport</code>型に、ホストごとの最大接続数を制限する<code>MaxConnsPerHost</code>オプションが追加されました。 :# <code>os</code>パッケージに、ユーザー固有のキャッシュディレクトリを取得する<code>UserCacheDir</code>関数が追加されました。 ; ツールの改善: :# 環境変数<code>GOFLAGS</code>が導入され、goコマンドのデフォルトフラグを設定できるようになりました。 :# godocのWebサーバーが、APIの新機能がどのGoバージョンで導入されたかを表示するようになりました。 また、OpenBSD 6.2以降、macOS 10.10 Yosemite以降、またはWindows 7以降が必要となり、これらのOSの以前のバージョンのサポートが終了しました。リリースノートでは、Go 1の互換性は維持されており、ほとんどのGoプログラムは以前と同様に動作すると述べられています。 ---- === Go 1.10 === Go 1.10が、2018年2月にリリースされました<ref>{{cite book | url = https://go.dev/doc/go1.10 | title = Go 1.10 Release Notes - The Go Programming Language | date = 2018/02/16 | accessdate = 2025/05/20 }}</ref><ref>{{cite book | url = https://go.dev/blog/go1.10 | title = Go 1.10 is released - The Go Programming Language | date = 2018/02/16 | accessdate = 2025/05/20 }}</ref>。 Go 1.10のリリースでは、開発体験を大幅に向上させる複数の重要な改善が含まれています。最も注目すべき変更点は以下です。 {{Main|[https://go.dev/doc/go1.10 Go 1.10 Release Notes - The Go Programming Language]|[https://go.dev/blog/go1.10 Go 1.10 is released! The Go Blog]}} ; ビルドシステムの大幅改善: :# ビルドキャッシュの導入により、最近ビルドしたパッケージが自動的にキャッシュされ、ビルド時間が大幅に短縮されました。 :# テスト結果のキャッシュ化により、変更のないテストは再実行せずにキャッシュされた結果を使用するようになりました。 :# <code>go test</code>時に<code>go vet</code>が自動実行され、テスト前にコードの問題を検出できるようになりました。 :# <code>go install</code>コマンドが、コマンドラインで指定されたパッケージのみをインストールするように変更されました。 ; cgoのセキュリティ強化と機能拡張: :# cgoの<code>#cgo CFLAGS</code>などで指定できるコンパイラオプションが安全なもののみに制限され、<code>-fplugin</code>などの危険なオプションは使用できなくなりました。 :# Go文字列値へのC言語からの直接アクセスが可能になり、<code>_GoString_</code>型、<code>_GoStringLen</code>、<code>_GoStringPtr</code>関数が追加されました。 :# CのtypedefがGoの型エイリアスとして実装され、<code>C.X</code>と<code>C.Y</code>を相互に使用できるようになりました。 ; パフォーマンスの改善点: :# ガベージコレクタが割り当て遅延への影響を軽減するよう改善されました。 :# コンパイラの最適化によりコード生成品質が向上し、サポートされている全アーキテクチャで性能が向上しました。 :# スタックトレースから暗黙のラッパー関数(<code><autogenerated></code>マーク)が除外され、より読みやすくなりました。 ; ツールの改善: :# <code>go doc</code>コマンドが、型Tを返すスライスや*Tを返す関数も型Tの表示に含めるようになりました。 :# <code>go test</code>に<code>-failfast</code>フラグが追加され、テスト失敗時に残りのテストを停止できるようになりました。 :# <code>go test -json</code>フラグが追加され、機械読み取り可能なJSON形式でテスト結果を出力できるようになりました。 :# <code>go get</code>コマンドでFossilソースコードリポジトリがサポートされました。 ; ランタイムの改善: :# <code>LockOSThread</code>と<code>UnlockOSThread</code>の呼び出しがネストをサポートするようになりました。 :# <code>GOMAXPROCS</code>の制限が撤廃されました(以前は1024が上限)。 :# <code>GOROOT</code>関数が、環境変数が設定されていない場合にプログラムのコンパイル時の値を使用するようになりました。 ; 標準ライブラリの改善: :# <code>strings</code>パッケージに新しい<code>Builder</code>型が追加され、文字列構築時のメモリ効率が向上しました。 :# <code>math</code>パッケージに<code>Round</code>、<code>RoundToEven</code>、<code>Erfinv</code>、<code>Erfcinv</code>関数が追加されました。 :# <code>net/url</code>の<code>ResolveReference</code>が複数の先頭スラッシュを保持するように修正され、RFC 3986に準拠しました。 :# <code>bytes</code>パッケージの<code>Fields</code>、<code>Split</code>系関数が、返すサブスライスの容量を長さと同じに設定するようになり、メモリ効率が向上しました。 :# <code>archive/tar</code>と<code>archive/zip</code>でより多くのヘッダー形式や時刻エンコーディングがサポートされました。 ; デバッグ機能の改善: :# バイナリ内のDWARFデバッグ情報が改善され、定数値の記録、より正確な行番号情報、パッケージ単位でのコンパイル単位の表現が実現されました。 :# 各種ビルドモードがより多くのシステムに対応し、<code>c-shared</code>、<code>pie</code>、<code>plugin</code>モードの対応プラットフォームが拡張されました。 ; アセンブラの拡張: :# ARM 32ビット、ARM 64ビット、PowerPC 64ビット、S390X、X86 64ビットアーキテクチャで多数の新しい命令がサポートされました。 :# 特にX86 64ビットでは、AVX、AVX2、BMI、BMI2、F16C、FMA3、SSE2、SSE3、SSSE3、SSE4.1、SSE4.2などの拡張命令セットを含む359の新命令が追加されました。 ; ソースコードフォーマットの変更: :# <code>gofmt</code>のデフォルトフォーマットに軽微な変更があり、3つのインデックスを持つスライス式と単一行のインターフェースリテラルの表示が改善されました。 === Go 1.9 === Go 1.9が、2017年8月にリリースされました<ref>{{cite web | url = https://go.dev/doc/go1.9 | title = Go 1.9 Release Notes - The Go Programming Language | accessdate = 2025-05-20 }}</ref><ref>{{cite web | url = https://go.dev/blog/go1.9 | title = Go 1.9 is released - The Go Blog | date = 2017/08/24 | accessdate = 2025-05-20 }}</ref>。 Go 1.9のリリースでは、言語、ツール、ランタイム、標準ライブラリに多くの変更と改善が含まれています。主な変更点は以下の通りです。 {{Main|[https://go.dev/doc/go1.9 Go 1.9 Release Notes - The Go Programming Language]|[https://go.dev/blog/go1.9 Go 1.9 is released - The Go Blog]}} ; 言語の変更点: :# 型エイリアス: パッケージ間で型を移動する際などに、段階的なコードの修正をサポートするための型エイリアスが導入されました。 :#:<code>type T1 = T2</code> :#:の形式で宣言することで、既存の型 T2 に別の名前 T1 を与えることができます。 :# 浮動小数点演算の融合: 言語仕様が更新され、実装が浮動小数点演算(例えば、積和演算)を融合することが許可される条件が定義されました。中間結果の丸めを強制したい場合は、float64(x*y) + z のように明示的な型変換が必要です。 ; 新しい標準パッケージ: :# math/bits: 符号なし整数のビット操作(カウント、操作など)のための最適化された実装を提供する新しいパッケージが追加されました。可能な場合、CPUの特殊な命令が利用されます。 ; パフォーマンスの改善点: :# 並列コンパイル: パッケージ内の関数のコンパイルが並列化され、マルチコア環境でのビルド時間が改善されました。この機能はデフォルトで有効ですが、環境変数 GO19CONCURRENTCOMPILATION=0 を設定することで無効にできます。 :# ガベージコレクション: ストップザワールド型のガベージコレクションを引き起こしていたライブラリ関数 (runtime.GC, debug.SetGCPercent, debug.FreeOSMemory) が、呼び出し元のゴルーチンのみをブロックする並行ガベージコレクションに変更されました。 ; ツールの改善: :# Vendorディレクトリのマッチング: go test などのパッケージ名を引数に取るツールにおいて、./... が vendor ディレクトリ内のパッケージをマッチしなくなりました。vendor ディレクトリをマッチさせるには、./vendor/.... を使用する必要があります。 :# GOROOTの移動: go tool は、実行されたパスからGoのインストールツリーのルートを特定するようになりました。これにより、Goのインストールディレクトリ全体を移動した場合でも、go tool が通常通り動作するはずです。 :# go test -list: テスト、ベンチマーク、またはExampleの名前を正規表現でフィルタリングしてリスト表示する -list フラグが go test コマンドに追加されました。 :# go env -json: 環境変数をJSON形式で出力する -json フラグが go env コマンドに追加されました。 ; その他の注目すべき変更点: :# sync.Map: 並行アクセスに対応した新しいマップ型 sync.Map が追加されました。読み込み、書き込み、削除操作は償却定数時間で行われます。 :# testing.Helper: testing.T および testing.B に Helper メソッドが追加されました。このメソッドを呼び出すと、エラー報告などでファイル名と行番号が表示される際に、ヘルパー関数自身ではなく、ヘルパー関数を呼び出した箇所の情報が表示されるようになります。 :# timeパッケージ: time パッケージは、各 Time 値に透過的に単調時間(monotonic time)を追跡するようになり、壁時計の調整があっても二つの Time 値間の経過時間を安全に計算できるようになりました。 :# runtime.CallersFrames: インライン化されたフレームを含むコールスタックの情報を正確に取得するために、runtime.Callers の結果を直接検査するのではなく、runtime.CallersFrames を使用することが推奨されるようになりました。 :# runtime/pprof: runtime/pprof パッケージで生成されるプロファイルにシンボル情報が含まれるようになり、プロファイルを生成したバイナリなしで go tool pprof で表示できるようになりました。また、プロファイルレコードにラベルを追加する機能も追加されました。 Go 1.9には、上記以外にも多くの追加、改善、および修正が含まれています。詳細については、公式のリリースノートを参照してください。 === Go 1.8 === Go 1.8が、2017年2月にリリースされました<ref>{{cite web | url = https://go.dev/doc/go1.8 | title = Go 1.8 Release Notes - The Go Programming Language | accessdate = 2025-05-20 }}</ref><ref>{{cite web | url = https://go.dev/blog/go1.8 | title = Go 1.8 is released - The Go Blog | date = 2017/02/16 | accessdate = 2025-05-20 }}</ref>。 Go 1.8のリリースでは、ツールチェーン、ランタイム、およびライブラリの実装に多くの変更が含まれています。主な変更点は以下の通りです。 {{Main|[https://go.dev/doc/go1.8 Go 1.8 Release Notes - The Go Programming Language]|[https://go.dev/blog/go1.8 Go 1.8 is released - The Go Blog]}} ; 言語の変更点: :# '''構造体型の変換:''' Go 1.8以降、構造体間の明示的な型変換において、タグが無視されるようになりました。タグのみが異なる2つの構造体は、相互に変換可能です。 :# '''浮動小数点定数の指数:''' 言語仕様が更新され、実装が浮動小数点定数で最大16ビットの指数をサポートすることが要求されるようになりました。ただし、"gc" と gccgo コンパイラは、どちらも32ビットの指数をサポートしています。 ; ポート: :# '''32-bit MIPSのサポート:''' Linux上で、big-endian (linux/mips) と little-endian (linux/mipsle) の両方のマシンで、FPUまたはカーネルFPUエミュレーションを備えたMIPS32r1命令セットを実装する32-bit MIPSがサポートされるようになりました。 ; ツール: :# '''アセンブラ:''' 64-bit x86システム用に、VBROADCASTSD, BROADCASTSS, MOVDDUP, MOVSHDUP, MOVSLDUP, VMOVDDUP, VMOVSHDUP, VMOVSLDUPなどの命令が追加されました。 :# '''Yacc:''' yaccツールは削除されました。 :# '''Fix:''' fixツールに、"golang.org/x/net/context" から "context" へimportを変更する "context" fixが追加されました。 :# '''Pprof:''' pprofツールは、"https+insecure" URLスキームを使用して、TLSサーバーをプロファイルし、証明書の検証をスキップできるようになりました。 :# '''Trace:''' traceツールに、実行トレースからpprof互換のブロッキングおよびレイテンシプロファイルを生成するための -pprof フラグが追加されました。 :# '''Vet:''' Vetは、いくつかの点でより厳密になり、以前に誤検出を引き起こしていた箇所ではより緩くなりました。 ; コンパイラツールチェーン: :# '''SSAバックエンド:''' 64-bit x86システム用の新しいコンパイラバックエンドが導入されました。このバックエンドは、よりコンパクトで効率的なコードを生成し、境界チェックの排除などの最適化のためのより良いプラットフォームを提供します。 :# '''コンパイラとリンカの最適化:''' コンパイラとリンカが最適化され、Go 1.7よりも高速に実行されるようになりました。 ; Cgo: :# Goツールは、make.bash中に設定されたCGO_ENABLED環境変数の値を記憶し、デフォルトですべての将来のコンパイルに適用するようになりました。 ; デフォルトのGOPATH: :# GOPATH環境変数が設定されていない場合、デフォルト値を持つようになりました。Unixでは$HOME/go、Windowsでは%USERPROFILE%/goがデフォルトです。 ; Go get: :# "go get"コマンドは、-insecureフラグが使用されているかどうかに関係なく、HTTPプロキシ環境変数を常に尊重するようになりました。 ; Go bug: :# 新しい "go bug" コマンドは、現在のシステムに関する情報が事前に入力された状態で、GitHubでバグレポートを開始します。 ; Go doc: :# "go doc" コマンドは、godocの動作に従い、定数と変数をその型でグループ化するようになりました。 ; プラグイン: :# Goは、Goで記述されたプラグインを生成するための "plugin" ビルドモードと、実行時にそのようなプラグインをロードするための新しい plugin パッケージによる、プラグインの初期サポートを提供するようになりました。 ; ランタイム: :# '''引数の活性:''' ガベージコレクタは、関数全体の引数をライブとは見なしなくなりました。 :# '''並行マップの誤用:''' Go 1.6で、マップの並行誤用の軽量でベストエフォートな検出が追加されました。このリリースでは、マップへの並行書き込みと反復処理を行うプログラムの検出がサポートされ、その検出器が改善されました。 ; パフォーマンス: :# ガベージコレクションの一時停止が大幅に短縮され、通常は100マイクロ秒未満、多くの場合10マイクロ秒程度になりました。 :# deferred関数呼び出しのオーバーヘッドが約半分に削減されました。 :# GoからCへの呼び出しのオーバーヘッドが約半分に削減されました。 ; 標準ライブラリ: :# '''Examples:''' 多くのパッケージに例が追加されました。 :# '''Sort:''' sortパッケージに、less関数を指定してスライスをソートするための便利な関数Sliceが含まれるようになりました。 :# '''HTTP/2 Push:''' net/httpパッケージに、HandlerからHTTP/2サーバープッシュを送信するメカニズムが含まれるようになりました。 :# '''HTTPサーバーの正常シャットダウン:''' HTTPサーバーは、新しいServer.Shutdownメソッドを使用した正常シャットダウンと、新しいServer.Closeメソッドを使用した突然のシャットダウンをサポートするようになりました。 :# '''コンテキストのサポート:''' context.Contextの標準ライブラリへの採用を継続し、Go 1.8は、既存のパッケージへのコンテキストサポートを追加しました。 :# '''Mutex競合プロファイリング:''' ランタイムとツールが、競合するmutexのプロファイリングをサポートするようになりました。 Go 1.8には、上記以外にも多くの追加、改善、および修正が含まれています。詳細については、公式のリリースノートを参照してください。 === Go 1.7 === Go 1.7が、2016年8月にリリースされました<ref>{{cite web | url = https://go.dev/doc/go1.7 | title = Go 1.7 Release Notes - The Go Programming Language | accessdate = 2025-05-20 }}</ref><ref>{{cite web | url = https://go.dev/blog/go1.7 | title = Go 1.7 is released - The Go Blog | date = 2016/08/15 | accessdate = 2025-05-20 }}</ref>。 主な変更点は以下の通りです。 ; 主な変更点 * '''言語仕様''': 終了ステートメントの定義を明確化(既存の挙動を正式化) * '''パフォーマンス''': x86-64向け新しいコンパイラバックエンドで5-35%の性能向上 * '''標準ライブラリ''': ** <code>context</code>パッケージが標準ライブラリに昇格 ** <code>net/http/httptrace</code>パッケージ追加 ** テスト階層構造をサポート(サブテスト/サブベンチマーク) * '''ツールチェーン''': ** ビルド時間の改善 ** バイナリサイズの削減(20-30%減少することも) ** ベンダリングサポートが正式機能に * '''ポート''': ** macOS 10.12 Sierraサポート追加 ** Linux on z Systems(s390x)の実験的サポート追加 ; 互換性 Go 1の互換性保証を維持。ほとんどのGoプログラムは変更なしで動作する見込み。 ; その他の注目点 * ガベージコレクションの一時停止時間が短縮 * 多数の標準ライブラリで10%以上の性能改善 * Unicode 9.0サポート * WindowsでのメモリOS返還サポート * 実行トレースの収集オーバーヘッドが大幅改善(400%→25%) このリリースは主にツールチェーン、ランタイム、ライブラリの実装改善に焦点を当てています。 === Go 1.6 === ==脚註 == <references /> == 参考文献 == *{{cite book | url = https://go.dev/ref/spec | title = The Go Programming Language Specification | date = JJune 13, 2024 | publisher = The Go website }} == 下位階層のページ == <div style="max-height: 24rem; overflow-y: scroll;"> {{特別:前方一致ページ一覧/{{PAGENAME}}/|hideredirects=yes|stripprefix=yes}} </div> == 外部リンク == {{Wikipedia|Go (プログラミング言語)|Go}} {{Wikiversity|Topic:Go|Go}} * [https://go.dev/ The Go Programming Language] - 公式サイト * [https://go.dev/play/ The Go Playground] {{DEFAULTSORT:GO}} [[Category:Go|*]] [[Category:プログラミング言語]] {{NDC|007.64}} nypueskqgqawrsxt9t0f4dtpw13480u 276368 276367 2025-06-28T22:10:43Z Ef3 694 /* Go 1.6 */ /* Go 1.5 */ 276368 wikitext text/x-wiki {{Pathnav|メインページ|工学|情報技術|プログラミング}} Goは、Googleが開発したオープンソースの汎用プログラミング言語であり、システムプログラミングを主な目的として設計されています<ref name="Introduction">{{cite book | url = https://go.dev/ref/spec#Introduction | title = The Go Programming Language Specification Language version go1.23 (June 13, 2024) | chapter = Introduction¶ | date = June 13, 2024 | publisher = The Go website }}</ref>。 静的型付け言語であるため、高速で効率的なプログラムを作成することができ、また、並行処理を簡単に実装できるため、高い並行性を持ちます。 Goの文法はシンプルで読みやすく、効率的にコーディングできるため、開発者は迅速に新しいコードを書くことができます。 Goは自動的にメモリを管理するため、メモリ管理に関する手間を減らすことができます。 さらに、Windows、macOS、Linuxなど、多くのプラットフォームで動作し、標準ライブラリが豊富であり、多くの外部ライブラリが存在するため、広範な用途に対応することができます。 Goのコミュニティは活発であり、多くの開発者が参加しているため、質問や問題解決のためのリソースが豊富であり、新しい機能やライブラリが定期的にリリースされています。 この教科書では、初めてGoを学ぶ人から、より高度なトピックに興味のある人まで、幅広い読者を対象に、Goの基本から応用までを網羅的に解説します。 __TOC__ == 目次 == ;チュートリアル篇 : [[/環境構築|環境構築]] : [[/実行の方法|実行の方法]] {{---}} [[Go/実行の方法#Hello, World|Hello, World]] : [[/文法の概要|文法の概要]] : [[/変数|変数と型変換]] : [[/算術演算と数学関数|算術演算と数学関数]] : [[/条件分岐と繰り返し|条件分岐と繰り返し]] {{---}} if, switch, select, for, break, continue, return : [[/関数|関数]] : [[/メソッドとインターフェース|メソッドとインターフェース]] : [[/ジェネリクス|ジェネリクス]] : [[/再帰的関数呼出し|再帰的関数呼出し]] : [[/メソッドチェイン|メソッドチェイン]] : [[/defer,panicとrecover|defer, panicとrecover]] : [[/並行処理|並行処理]] : [[/配列とスライス|配列型とスライス型]] : [[/マップ|マップ型]] : [[/構造体|構造体型と構造体スライス]] : [[/イテレータ|イテレータ]] : [[/Goのプログラムがどんなアセンブリにコンパイルされるか?|Goのプログラムがどんなアセンブリにコンパイルされるか?]] {{---}} go tool objdump : [[/クロスコンパイル|クロスコンパイル]] {{---}} GOOS, GOARCH : [[/cgoでGoのコードからCの関数を利用する|cgoでGoのコードからCの関数を利用する]] {{---}} cgo : [[/Goのコードでgoのバージョンを調べる方法|Goのコードでgoのバージョンを調べる方法]] : [[/HTTP|HTTP]] : [[/ファイル入出力|ファイル入出力]] : [[/コードギャラリー|コードギャラリー]] ;リファレンス篇 : [[/ソースコードの表現方法|ソースコードの表現方法]] : [[/キーワードと宣言済み識別子|キーワードと宣言済み識別子]] {{---}} [[/キーワードと宣言済み識別子#キーワード|キーワード]]・[[/キーワードと宣言済み識別子#宣言済み識別子|宣言済み識別子]]([[/キーワードと宣言済み識別子#組込み型|組込み型]]・[[/キーワードと宣言済み識別子#組込み関数|組込み関数]]) : [[/字句的要素|字句的要素]] : [[/定数と変数|定数と変数]] {{---}} [[/定数と変数#定数|定数]]([[/定数と変数#iota|iota]])・[[/定数と変数#変数|変数]] : [[/型|型]] : [[/型と値の特性|型と値の特性]] : [[/ブロック・宣言とスコープ|ブロック・宣言とスコープ]] {{---}} [[/ブロック・宣言とスコープ#ブロック|ブロック]]・[[/ブロック・宣言とスコープ#宣言とスコープ|宣言とスコープ]] : [[/式|式]] {{---}} [[/式#演算子|演算子]] : [[/文|文]] : [[/パッケージ|パッケージ]] : [[/プログラムの初期化と実行|プログラムの初期化と実行]] : [[/エラー|エラー]] : [[/EBNF|EBNF]] ;[[/標準ライブラリー|標準ライブラリー篇]] ;[[/改廃された技術|改廃された技術]] == バージョン間の変更点 == Go は、約半年ごとに新しいバージョンがリリースされます。バージョンが変わると、言語仕様に追加変更があったり、ツールチェーン、ランタイム、およびライブラリの実装に変更が加えられることがあり、稀に既存のプログラムに影響が出ることもあります。以下に、最新のバージョンから順に変更点を記載します。 === Go 1.24 === Go 1.24が、2025年2月にリリースされました<ref>{{cite book | url = https://go.dev/doc/go1.24 | title = Go 1.24 Release Notes - The Go Programming Language | date = 2024/02/11 | accessdate = 2024/02/23 }}</ref><ref>{{cite book | url = https://go.dev/blog/go1.24 | title = Go 1.24 is released! - The Go Programming Language | date = 2024/02/11 | accessdate = 2024/02/23 }}</ref>。 Go 1.24のリリースでは、いくつかの重要な新機能と改善が含まれています。最も注目すべき変更点は以下です。 {{Main|[https://go.dev/doc/go1.24 Go 1.24 Release Notes - The Go Programming Language]|[https://go.dev/blog/go1.24 Go 1.24 is released! The Go Blog]}} ; 言語の変更点: :# ジェネリック型エイリアスが完全にサポートされるようになりました。これにより、型エイリアスに型パラメータを設定できるようになり、既存の型を制約付きで再定義することが可能になりました。たとえば <code>type VectorAlias[T any] = Vector[T]</code> のような定義ができます。この機能は Go 1.23 では実験的な機能(GOEXPERIMENT=aliastypeparams)でしたが、Go 1.24で正式にサポートされました。 ; 新しい標準パッケージ: :# crypto/mlkem:ML-KEM-768とML-KEM-1024を実装したパッケージ。 :# crypto/hkdf:HMAC-based Extract-and-Expand key derivation function (HKDF) を実装したパッケージ。 :# crypto/pbkdf2:password-based key derivation function (PBKDF2) を実装したパッケージ。 :# crypto/sha3:SHA-3ハッシュ関数とSHAKE/cSHAKE extendable-output functionsを実装したパッケージ。 :# weak:弱参照を提供するパッケージ。 :# testing/synctest:並行コードのテストをサポートする実験的なパッケージ(GOEXPERIMENT=synctestが必要)。 ; パフォーマンスの改善点: :# Swiss Tablesベースの新しいマップ実装により、2-3%のCPUオーバーヘッドが削減。 :# 小さなオブジェクトのメモリ割り当ての効率化。 :# 新しいランタイム内部ミューテックス実装。 ; ツールの改善: :# go.modファイルでツール依存関係を追跡できるようになりました。 :# go buildとgo installに -json フラグが追加され、構造化されたJSON出力が可能に。 :# go vetに新しいtestsアナライザーが追加され、テストの一般的な間違いを検出可能に。 ; セキュリティの改善: :# FIPS 140-3コンプライアンスのための新しいメカニズムが追加。 :# TLSサーバーがEncrypted Client Hello (ECH)をサポート。 :# RSAキーは1024ビット未満のキーサイズでエラーを返すように変更。 ; プラットフォームサポートの変更: :# Linuxはカーネルバージョン3.2以降が必要になりました。 :# Go 1.24はmacOS 11 Big Surをサポートする最後のバージョンとなります。 :# Windows 32-bit ARM (windows/arm)は「broken」とマークされました。 また、1.23でサポートされた"for-range"ループのイテレータ機能を活用し、bytes/stringsパッケージに新しいイテレータ関数(Lines、SplitSeq、SplitAfterSeq、FieldsSeq、FieldsFuncSeq)が追加されました。os.Root型による特定ディレクトリ内でのファイルシステム操作が可能になり、testing.B.Loopメソッドにより、ベンチマークの記述がより簡単で安全になっています。 === Go 1.23 === Go 1.23が、2024年8月にリリースされました<ref>{{cite book | url = https://go.dev/doc/go1.23 | title = Go 1.23 Release Notes - The Go Programming Language | date = 2024/08/13 | accessdate = 2024/11/13 }}</ref><ref>{{cite book | url = https://go.dev/blog/go1.23 | title = Go 1.23 is released! - The Go Programming Language | date = 2024/08/13 | accessdate = 2024/11/13 }}</ref>。 Go 1.23のリリースでは、いくつかの重要な新機能と改善が含まれています。最も注目すべき変更点は以下です。 {{Main|[https://go.dev/doc/go1.23 Go 1.23 Release Notes - The Go Programming Language]|[https://go.dev/blog/go1.23 Go 1.23 is released! The Go Blog]}} ; 言語の変更点: :# "for-range" ループでイテレータ関数がサポートされるようになりました。これにより、カスタムイテレーション値を生成する関数を使用できます。 :# ジェネリック型エイリアスのプレビューサポートが追加されました(GOEXPERIMENT=aliastypeparamsを有効にする必要があります)。 ; 新しい標準パッケージ: :# uniqueパッケージ:値の正規化(インターン化やハッシュコンス化)を行うための機能を提供します。 :# iterパッケージ:ユーザー定義のイテレータ機能を提供します。 :# structsパッケージ:構造体のメモリレイアウトなどのプロパティを制御する機能を提供します。 ; パフォーマンスの改善点: :# Profile Guided Optimization (PGO)のビルドオーバーヘッドが大幅に削減されました。以前は100%以上の増加が見られましたが、今回のリリースでは一桁台のパーセンテージまで改善されています。 :# コンパイラがローカル変数のスタックフレームスロットを最適化し、関数内の異なる領域で重複して使用できるようになり、スタック使用量が削減されました。 ; テレメトリーと開発者ツール: :# Goツールチェーンが使用状況と問題点の統計情報を収集できるテレメトリー機能が追加されました(オプトイン方式)。 :# go vetコマンドにstdversionアナライザーが追加され、使用しているGoバージョンと互換性のないシンボルの参照を検出できるようになりました。 ; プラットフォームサポートの変更: :# macOSは11 (Big Sur)以降が必要になりました。 :# Linux kernelは2.6.32以降が必要です(Go 1.24では3.2以降になる予定)。 :# OpenBSDの64-bit RISC-Vサポートが試験的に追加されました。 また、time.TimerとTime.Tickerの実装が大幅に改善され、未使用のタイマーがガベージコレクションの対象となるようになりました。セキュリティ面では、TLSクライアントがEncrypted Client Helloをサポートし、3DESの暗号スイートがデフォルトリストから削除されるなどの改善が行われています。 === Go 1.22 === Go 1.22が、2024年2月にリリースされました<ref>{{cite book | url = https://go.dev/doc/go1.22 | title = Go 1.22 Release Notes - The Go Programming Language | date = 2024/02/06 | accessdate = 2024/02/11 }}</ref><ref>{{cite book | url = https://go.dev/blog/go1.22 | title = Go 1.22 is released! - The Go Programming Language | date = 2024/02/06 | accessdate = 2024/02/11 }}</ref>。 Go 1.22のリリースでは、いくつかの重要な新機能と改善が含まれています。最も注目すべき変更点は以下です。 {{Main|[https://go.dev/doc/go1.22 Go 1.22 Release Notes - The Go Programming Language]|[https://go.dev/blog/go1.22 Go 1.22 is released! The Go Blog]}} ; 言語の変更点: :# 長らく問題視されてきた「for」ループの変数スコープが変更されました。以前は変数が一度だけ作成され、各イテレーションで更新されていましたが、Go 1.22以降は各イテレーションで新しい変数が作成されるようになり、意図しない共有の問題が解消されました。 :# 整数の範囲に対する<code>range</code>のサポートが追加されました。例えば、<code>for i := range 10</code>のような構文が可能になりました。 ; パフォーマンスの改善点: :# ガベージコレクションのメタデータを各ヒープオブジェクトの近くに配置するように最適化されました。これにより、CPUパフォーマンスが1-3%向上し、ほとんどのGoプログラムのメモリオーバーヘッドが約1%削減されました。 :# コンパイラのプロファイル誘導最適化(PGO)が改善され、より多くのインターフェースメソッド呼び出しの仮想化解除が可能になりました。代表的なGoプログラムの多くで、PGOを有効にすることで2-14%のパフォーマンス向上が見られます。 :# コンパイラは仮想化解除とインライン化を交互に行うようになり、インターフェースメソッド呼び出しの最適化が向上しました。 ; 標準ライブラリの追加と改善: :# 標準ライブラリで初めてのv2パッケージとなる<code>math/rand/v2</code>が追加されました。新しいパッケージでは、ChaCha8とPCGという2つの現代的な疑似乱数生成器を提供し、より高速なアルゴリズムを採用しています。 :# <code>net/http.ServeMux</code>のHTTPルーティングがより表現力豊かになりました。メソッドとワイルドカードをサポートし、例えば"POST /items/create"や"/items/{id}"のようなパターンが使用可能になりました。 :# <code>database/sql</code>パッケージに<code>Null[T]</code>型が追加され、任意の型のnullableカラムをスキャンする機能が提供されます。 :# <code>go/version</code>パッケージが追加され、Goバージョン文字列の検証と比較機能が提供されます。 :# <code>slices</code>パッケージに複数のスライスを連結する<code>Concat</code>関数が追加されました。 ; ツールの改善: :# Goコマンドでワークスペースのvendorディレクトリがサポートされるようになりました。<code>go work vendor</code>でディレクトリを作成し、<code>-mod=vendor</code>フラグで使用できます。 :# トレースツールのWebUIが改良され、スレッド指向のビューでトレースを探索できるようになりました。また、すべてのシステムコールの完全な実行時間が表示されるようになりました。 :# <code>go vet</code>ツールに新しい警告が追加され、appendに値を渡し忘れた場合や、time.Since呼び出しの遅延に関する問題を検出できるようになりました。 また、macOSのx86-64アーキテクチャ(darwin/amd64)向けのGoツールチェーンが、デフォルトで位置独立実行形式(PIE)を生成するようになりました。Go 1.23以降はmacOS 11 Big Sur以降が必要になることも発表されています。 === Go 1.21 === Go 1.21が、2023年8月にリリースされました<ref>{{cite book | url = https://go.dev/doc/go1.21 | title = Go 1.21 Release Notes - The Go Programming Language | date = 2023/08/08 | accessdate = 2023-11-28 }}</ref><ref>{{cite book | url = https://go.dev/blog/go1.21 | title = Go 1.21 is released! - The Go Programming Language 5| date = 2023/08/08 | accessdate = 2023-11-28 }}</ref>。 {{Main|[https://go.dev/doc/go1.21 Go 1.21 Release Notes - The Go Programming Language]|[https://go.dev/blog/go1.21 Go 1.21 is released! The Go Blog]}} Go 1.21では、リリースの番号付けにわずかな変更が導入されました。Go 1.Nは、過去にGo言語のバージョン全体とリリースファミリー、およびそのファミリー内の最初のリリースを指すために使用されていました。しかし、Go 1.21から、最初のリリースはGo 1.N.0となりました。今日、Go 1.21言語とその初期実装であるGo 1.21.0リリースが公開されています。これらのノートは「Go 1.21」と呼ばれますが、go versionなどのツールは「go1.21.0」と報告されます(Go 1.21.1にアップグレードするまで)。 ; ツールの改善点: :# Profile Guided Optimization(PGO)機能が一般利用可能になりました。<code>default.pgo</code>という名前のファイルがメインパッケージのディレクトリにある場合、<code>go</code>コマンドはそれを使用してPGOビルドを有効にします。 :# <code>go</code>ツールは今後の言語の後方互換性と前方互換性をサポートします。 ; 言語の変更点: :# 新しい組み込み関数 <code>min</code>、<code>max</code>、<code>clear</code> が追加されました。 :# ジェネリック関数の型推論がいくつか改善され、仕様書の型推論の説明が拡張されました。 :# Goプログラミングの最も一般的な落とし穴の1つに取り組む予定で、そのプレビューがGo 1.21に含まれています。これは環境変数を使用してコードで有効にできます。詳細はLoopvarExperiment wikiページを参照してください。 ;標準ライブラリの追加点: :# 構造化ログのための新しいlog/slogパッケージが追加されました。 :# 任意の要素型のスライスに対する共通操作のための新しいslicesパッケージが追加されました。これには、一般的により高速で使いやすいソート関数も含まれています。 :# 任意のキーまたは要素型のマップに対する共通操作のための新しいmapsパッケージが追加されました。 :# 順序付けられた値を比較するための新しいユーティリティを提供するcmpパッケージが追加されました。 ; 性能の改善点: :# PGOを有効にした際のパフォーマンス向上に加えて、以下のような改善があります。 :# Goコンパイラ自体がPGOを有効にして再ビルドされ、ホストアーキテクチャによってはプログラムのビルドが2〜4%高速化されました。 :# ガベージコレクターの調整により、一部のアプリケーションではテールレイテンシーが最大40%削減される場合があります。 :# runtime/traceでトレースを収集する際のCPUコストが、amd64およびarm64で大幅に低減されました。 ; 新しいWASIポート: :# Go 1.21には、WebAssembly System Interface(WASI)の実験的なポートが追加されました(GOOS=wasip1、GOARCH=wasm)。 :# より一般的なWebAssembly(Wasm)コードの記述を容易にするために、コンパイラはWasmホストからの関数のインポートのための新しい指令 <code>go:wasmimport</code> をサポートしています。 === Go 1.20 === Go 1.20が、2023年2月にリリースされました<ref>{{cite book | url = https://go.dev/doc/go1.20 | title = Go 1.20 Release Notes - The Go Programming Language | date = 2023/02/01 | accessdate = 2023-03-05 }}</ref><ref>{{cite book | url = https://go.dev/blog/go1.20 | title = Go 1.20 is released! - The Go Programming Language | date = 2023/02/01 | accessdate = 2023-03-05 }}</ref>。 {{Main|[https://go.dev/doc/go1.20 Go 1.20 Release Notes - The Go Programming Language]|[https://go.dev/blog/go1.20 Go 1.20 is released! The Go Blog]}} Go 1.20では、スライスから配列への変換が可能になりました。また、unsafeパッケージには新しい関数が追加され、スライスや文字列の値を構築および分解する完全な機能が提供されるようになりました。また、新しい仕様により、構造体のフィールドと配列の要素の比較が最初の不一致で停止するようになり、厳密に比較できない型引数を持つ型パラメータを使用して、比較制約に制限された型をインスタンス化することが可能になりました。 === Go 1.19 === Go 1.19が、2022年8月にリリースされました<ref>{{cite book | url = https://go.dev/doc/go1.19 | title = Go 1.19 Release Notes - The Go Programming Language | date = 2022/08/02 | accessdate = 2022-08-04 }}</ref><ref>{{cite book | url = https://go.dev/blog/go1.19 | title = Go 1.19 is released! - The Go Programming Language | date = 2022/08/02 | accessdate = 2022-08-04 }}</ref>。 {{Main|[https://go.dev/doc/go1.19 Go 1.19 Release Notes - The Go Programming Language]|[https://go.dev/blog/go1.19 Go 1.19 is released! The Go Blog]}} Go 1.19では、ツールチェーン、ランタイム、およびライブラリの実装に変更が加えられています。言語にはわずかな修正があり、既存のプログラムには影響がないです。メモリモデルも更新され、C、C ++、Java、JavaScript、Rust、Swiftなどのメモリモデルに合わせられた。Go 1.19では、sync/atomicパッケージに新しい型が導入され、atomic.Int64やatomic.Pointer[T]などのatomic値をより簡単に使用できるようになっています。Go 1の互換性を維持しており、ほとんどのGoプログラムは引き続き従前どおりにコンパイルおよび実行されることが予想されます。 === Go 1.18 === Go 1.18が、2022年3月にリリースされました<ref>{{cite book | url = https://go.dev/doc/go1.18 | title = Go 1.18 Release Notes - The Go Programming Language | date = 2022/03/10 | accessdate = 2022-08-04 }}</ref>。 {{Main|[https://go.dev/doc/go1.18 Go 1.18 Release Notes - The Go Programming Language]|[https://go.dev/blog/go1.18 Go 1.18 is released! The Go Blog]}} Go 1.18 には、型パラメータプロポーザル<ref>{{cite book | url=https://go.googlesource.com/proposal/+/refs/heads/master/design/43651-type-parameters.md | title=Type Parameters Proposal | accessdate=2021-09-30 }}</ref>で説明されたジェネリック機能の実装が含まれています。 以下は、最も目に付く変更点のリストです。 # 関数と型宣言の構文に型パラメータが使えるようになりました。⇒ [[/関数#ジェネリック関数]] # パラメータ化された関数や型は、その後に角括弧で型引数のリストを記述することでインスタンス化することができます。 # 新しいトークン <code>~</code> が演算子および区切子(punctuation)に追加されました。⇒ [[/字句的要素#演算子と区切子]] # インターフェイス型の構文では、任意の型(インターフェイスの型名だけでなく)、unionや~T型要素を埋め込むことができるようになりました。このようなインターフェースは、型制約としてのみ使用することができます。インターフェイスはメソッドと同様に型の集合を定義するようになりました。⇒ [[/型#インターフェース型]] # 新しい事前宣言された識別子<code>any</code>は空のインターフェースの別名です。これは <code>interface{} </code>の代わりに使用することができます。 # 新しい宣言済み識別子 <code>comparable</code> は <code>==</code> や <code>!=</code> を使って比較できる全ての型の集合を表すインターフェースです. ジェネリックを使った実験的なパッケージが3つあり、便利かもしれません。これらのパッケージは x/exp リポジトリにあります。これらのパッケージの API は Go 1 の保証の対象外であり、ジェネリックの経験を積むにつれて変更される可能性があります。 ;golang.org/x/exp/constraints :<code>constraints.Ordered</code>のようなジェネリックコードに便利な制約です。 ;golang.org/x/exp/slices :任意の要素タイプのスライス上で操作するジェネリック関数のコレクションです。 ;golang.org/x/exp/maps :任意のキーや要素タイプのマップ上で操作するジェネリック関数のコレクションです。 ---- Go 1.18は、言語、ツールチェーン、ランタイム、ライブラリに変更があり、互換性が保たれている。最大の変更点は、ジェネリックスの導入である。ジェネリックスはバックワード互換性があるが、実際に多くの人が書き、使用して初めて本番環境で十分にテストされる。ジェネリックスの使用は推奨されるが、本番環境で使用する場合は注意が必要である。ジェネリックスにはいくつかの制限があるが、これらは将来的に改善される可能性がある。これらの変更により、Goエコシステム全体に影響があり、完全なサポートには時間がかかるだろう。 === Go 1.17 === Go 1.17が、2021年8月にリリースされました<ref>{{cite book | url = https://go.dev/doc/go1.17 | title = Go 1.17 Release Notes - The Go Programming Language | date = 2021/08/16 | accessdate = 2023-03-06 }}</ref><ref>{{cite book | url = https://go.dev/blog/go1.17 | title = Go 1.17 is released! - The Go Programming Language | date = 2021/08/16 | accessdate = 2023-03-06 }}</ref>。 {{Main|[https://go.dev/doc/go1.17 Go 1.17 Release Notes - The Go Programming Language]|[https://go.dev/blog/go1.17 Go 1.17 is released! The Go Blog]}} Go 1.17は、ツールチェーン、ランタイム、およびライブラリの実装の変更が中心で、ほとんどの変更は互換性が維持されています。言語自体には3つの小さな強化があり、スライスから配列ポインタへの変換、unsafe.Add、unsafe.Sliceが追加されました。このうち、スライスから配列ポインタへの変換が実行時にpanicを引き起こす場合があるため、タイプ変換が実行時にpanicを引き起こす可能性があることを考慮する必要があります。新しいプログラムを書く場合も、以前と同様に、unsafe.Pointerの安全ルールに従う必要があります。 === Go 1.16 === Go 1.16が、2021年2月にリリースされました<ref>{{cite book | url = https://go.dev/doc/go1.16 | title = Go 1.16 Release Notes - The Go Programming Language | date = 2021/02/16 | accessdate = 2023-03-06 }}</ref><ref>{{cite book | url = https://go.dev/blog/go1.16 | title = Go 1.16 is released! - The Go Programming Language | date = 2021/02/16 | accessdate = 2023-03-06 }}</ref>。 {{Main|[https://go.dev/doc/go1.16 Go 1.16 Release Notes - The Go Programming Language]|[https://go.dev/blog/go1.16 Go 1.16 is released! The Go Blog]}} Go 1.16では、ツールチェーン、ランタイム、ライブラリの実装が変更されています。Go 1の互換性を維持しながら、ほとんどのプログラムが従来通りにコンパイルおよび実行できるようになっています。言語には変更はありません。 === Go 1.15 === Go 1.15が、2020年8月にリリースされました<ref>{{cite book | url = https://go.dev/doc/go1.15 | title = Go 1.15 Release Notes - The Go Programming Language | date = 2020/08/11 | accessdate = 2023-03-12 }}</ref><ref>{{cite book | url = https://go.dev/blog/go1.15 | title = Go 1.15 is released! - The Go Programming Language | date = 2020/08/11 | accessdate = 2023-03-12 }}</ref>。 {{Main|[https://go.dev/doc/go1.15 Go 1.15 Release Notes - The Go Programming Language]|[https://go.dev/blog/go1.15 Go 1.15 is released! The Go Blog]}} Go 1.15では、リンカーの大幅な改良、高いコア数での小規模オブジェクトの割り当ての改善、X.509 CommonNameの非推奨化、そして新しい埋め込みtzdataパッケージの追加が含まれています。 === Go 1.14 === Go 1.14が、2020年2月にリリースされました<ref>{{cite book | url = https://go.dev/doc/go1.14 | title = Go 1.14 Release Notes - The Go Programming Language | date = 2020/02/25 | accessdate = 2023-03-12 }}</ref><ref>{{cite book | url = https://go.dev/blog/go1.14 | title = Go 1.14 is released! - The Go Programming Language | date = 2020/02/25 | accessdate = 2023-03-12 }}</ref>。 {{Main|[https://go.dev/doc/go1.14 Go 1.14 Release Notes - The Go Programming Language]|[https://go.dev/blog/go1.14 Go 1.14 is released! The Go Blog]}} Go 1.14では、オーバーラップするインターフェースの提案により、埋め込まれたインターフェースで同じ名前とシグネチャを持つメソッドを許可するようになりました。しかし、インターフェース内で宣言されたメソッドは以前と同様にユニークである必要があります。 === Go 1.13 === Go 1.13が、2019年2月にリリースされました<ref>{{cite book | url = https://go.dev/doc/go1.13 | title = Go 1.13 Release Notes - The Go Programming Language | date = 2019/09/03 | accessdate = 2023-03-12 }}</ref><ref>{{cite book | url = https://go.dev/blog/go1.13 | title = Go 1.13 is released! - The Go Programming Language | date = 2019/09/03 | accessdate = 2023-03-12 }}</ref>。 {{Main|[https://go.dev/doc/go1.13 Go 1.13 Release Notes - The Go Programming Language]|[https://go.dev/blog/go1.13 Go 1.13 is released! The Go Blog]}} Go 1.13では、数字リテラルの接頭辞が変更され、バイナリ整数、8進数整数、16進数浮動小数点数、虚数リテラル、数字区切りが使用できるようになりました。さらに、符号付きシフトカウントの制限が撤廃され、制限がなくなりました。これらの変更は、コンパイラの変更によって実現されました。Go 1.13を使用するには、go.modファイルで言語バージョンを指定する必要があります。 === Go 1.12 === Go 1.12が、2019年2月にリリースされました<ref>{{cite book | url = https://go.dev/doc/go1.12 | title = Go 1.12 Release Notes - The Go Programming Language | date = 2019/02/25 | accessdate = 2024/11/13 }}</ref><ref>{{cite book | url = https://go.dev/blog/go1.12 | title = Go 1.12 is released! - The Go Programming Language | date = 2019/02/25 | accessdate = 2024/11/13 }}</ref>。 Go 1.12のリリースには、いくつかの新機能と改善が含まれ、Go言語のパフォーマンスやユーザビリティがさらに向上しました。以下が主な変更点です。 {{Main|[https://go.dev/doc/go1.12 Go 1.12 Release Notes - The Go Programming Language]|[https://go.dev/blog/go1.12 Go 1.12 is released! The Go Blog]}} ; 主要な新機能: :# Windows向けに、標準ライブラリがコントロールグループのサポートやシステムコールの改善により、性能向上と安定性が強化されました。 :# macOS向けの新しいサポートとして、ヒープメモリ使用量の削減や効率化が進められました。 ; パフォーマンスの改善点: :# 文字列操作の最適化が行われ、<code>strings.Trim</code>や<code>strings.Index</code>のパフォーマンスが向上しました。 :# 並列ガベージコレクションが改良され、メモリ管理の効率が向上しています。 :# コンパイラの境界チェックが一部のパターンで自動的に省略されるようになり、コード生成の効率がさらに向上しました。 ; デバッグ機能の改善: :# より正確な変数位置とスタック情報の提供により、デバッグ体験が改善されています。 :# 新たにDWARF生成の機能が拡充され、特に最適化コードにおいて、デバッグ情報の信頼性が高まりました。 ; ランタイムの改善: :# Windows上で、64ビットプロセスのアドレス空間使用が最適化され、より多くのメモリを使用可能になりました。 :# Goランタイムのシグナルハンドリングが強化され、システムシグナルの処理能力が向上しました。 ; 標準ライブラリの改善: :# <code>crypto/x509</code>パッケージで、証明書の検証がmacOSのシステム証明書ストアを使用するようになり、macOSでの信頼性が向上しました。 :# <code>net/http</code>において、HTTP/2の接続管理が改善され、特に大量接続環境での安定性が増しました。 :# <code>os</code>パッケージの<code>Process.Signal</code>がWindowsでも利用可能となり、Windows上のプロセス管理機能が強化されました。 ; ツールの改善: :# <code>go test</code>コマンドに<code>-json</code>フラグが追加され、テスト結果をJSON形式で出力できるようになりました。 :# goコマンドが<code>go.sum</code>ファイルを自動的に更新し、依存関係の信頼性が向上しています。 :# <code>gofmt</code>において、特定のコードパターンの整形が改良され、より一貫したコードスタイルが保たれます。 また、OpenBSD 6.4以降、macOS 10.11 El Capitan以降、またはWindows 7以降が必要となり、これらのOSの以前のバージョンのサポートが終了しました。リリースノートでは、Go 1の互換性は維持されており、ほとんどのGoプログラムは以前と同様に動作すると述べられています。 === Go 1.11 === Go 1.11が、2018年8月にリリースされました<ref>{{cite book | url = https://go.dev/doc/go1.11 | title = Go 1.11 Release Notes - The Go Programming Language | date = 2018/08/24 | accessdate = 2024/11/13 }}</ref><ref>{{cite book | url = https://go.dev/blog/go1.11 | title = Go 1.11 is released! - The Go Programming Language | date = 2018/08/24 | accessdate = 2024/11/13 }}</ref>。 Go 1.11のリリースでは、いくつかの重要な新機能と改善が含まれています。最も注目すべき変更点は以下です。 {{Main|[https://go.dev/doc/go1.11 Go 1.11 Release Notes - The Go Programming Language]|[https://go.dev/blog/go1.11 Go 1.11 is released! The Go Blog]}} ; 主要な新機能: :# モジュールサポートの実験的な導入により、GOPATHに依存しない開発が可能になりました。バージョン管理と依存関係管理が統合され、より信頼性の高いビルドが実現できます。 :# WebAssembly(js/wasm)の実験的なポートが追加され、syscall/jsパッケージを通じてJavaScriptとの連携が可能になりました。 :# RISCVアーキテクチャ向けのGOARCH値("riscv"と"riscv64")が予約されました。 ; パフォーマンスの改善点: :# マップのクリア操作が最適化され、<code>for k := range m { delete(m, k) }</code>のようなコードが効率的に実行されるようになりました。 :# スライス拡張の<code>append(s, make([]T, n)...)</code>が最適化されました。 :# コンパイラの境界チェックと分岐除去が大幅に改善され、より効率的なコードが生成されるようになりました。 ; デバッグ機能の改善: :# 最適化されたバイナリのデバッグ情報が大幅に改善され、変数位置情報、行番号、ブレークポイント位置がより正確になりました。 :# DWARFセクションがデフォルトで圧縮されるようになりました。 :# デバッガー内からのGo関数呼び出しが実験的にサポートされました。 ; ランタイムの改善: :# スパースヒープレイアウトの採用により、Goヒープサイズの制限(従来は512GiB)が撤廃されました。 :# macOSとiOSで、カーネルの直接呼び出しの代わりにlibSystem.dylibを使用するように変更され、将来のOSバージョンとの互換性が向上しました。 ; 標準ライブラリの改善: :# <code>crypto/cipher</code>パッケージに、非標準のタグ長をサポートするGCM実装が追加されました。 :# <code>net/http</code>の<code>Transport</code>型に、ホストごとの最大接続数を制限する<code>MaxConnsPerHost</code>オプションが追加されました。 :# <code>os</code>パッケージに、ユーザー固有のキャッシュディレクトリを取得する<code>UserCacheDir</code>関数が追加されました。 ; ツールの改善: :# 環境変数<code>GOFLAGS</code>が導入され、goコマンドのデフォルトフラグを設定できるようになりました。 :# godocのWebサーバーが、APIの新機能がどのGoバージョンで導入されたかを表示するようになりました。 また、OpenBSD 6.2以降、macOS 10.10 Yosemite以降、またはWindows 7以降が必要となり、これらのOSの以前のバージョンのサポートが終了しました。リリースノートでは、Go 1の互換性は維持されており、ほとんどのGoプログラムは以前と同様に動作すると述べられています。 ---- === Go 1.10 === Go 1.10が、2018年2月にリリースされました<ref>{{cite book | url = https://go.dev/doc/go1.10 | title = Go 1.10 Release Notes - The Go Programming Language | date = 2018/02/16 | accessdate = 2025/05/20 }}</ref><ref>{{cite book | url = https://go.dev/blog/go1.10 | title = Go 1.10 is released - The Go Programming Language | date = 2018/02/16 | accessdate = 2025/05/20 }}</ref>。 Go 1.10のリリースでは、開発体験を大幅に向上させる複数の重要な改善が含まれています。最も注目すべき変更点は以下です。 {{Main|[https://go.dev/doc/go1.10 Go 1.10 Release Notes - The Go Programming Language]|[https://go.dev/blog/go1.10 Go 1.10 is released! The Go Blog]}} ; ビルドシステムの大幅改善: :# ビルドキャッシュの導入により、最近ビルドしたパッケージが自動的にキャッシュされ、ビルド時間が大幅に短縮されました。 :# テスト結果のキャッシュ化により、変更のないテストは再実行せずにキャッシュされた結果を使用するようになりました。 :# <code>go test</code>時に<code>go vet</code>が自動実行され、テスト前にコードの問題を検出できるようになりました。 :# <code>go install</code>コマンドが、コマンドラインで指定されたパッケージのみをインストールするように変更されました。 ; cgoのセキュリティ強化と機能拡張: :# cgoの<code>#cgo CFLAGS</code>などで指定できるコンパイラオプションが安全なもののみに制限され、<code>-fplugin</code>などの危険なオプションは使用できなくなりました。 :# Go文字列値へのC言語からの直接アクセスが可能になり、<code>_GoString_</code>型、<code>_GoStringLen</code>、<code>_GoStringPtr</code>関数が追加されました。 :# CのtypedefがGoの型エイリアスとして実装され、<code>C.X</code>と<code>C.Y</code>を相互に使用できるようになりました。 ; パフォーマンスの改善点: :# ガベージコレクタが割り当て遅延への影響を軽減するよう改善されました。 :# コンパイラの最適化によりコード生成品質が向上し、サポートされている全アーキテクチャで性能が向上しました。 :# スタックトレースから暗黙のラッパー関数(<code><autogenerated></code>マーク)が除外され、より読みやすくなりました。 ; ツールの改善: :# <code>go doc</code>コマンドが、型Tを返すスライスや*Tを返す関数も型Tの表示に含めるようになりました。 :# <code>go test</code>に<code>-failfast</code>フラグが追加され、テスト失敗時に残りのテストを停止できるようになりました。 :# <code>go test -json</code>フラグが追加され、機械読み取り可能なJSON形式でテスト結果を出力できるようになりました。 :# <code>go get</code>コマンドでFossilソースコードリポジトリがサポートされました。 ; ランタイムの改善: :# <code>LockOSThread</code>と<code>UnlockOSThread</code>の呼び出しがネストをサポートするようになりました。 :# <code>GOMAXPROCS</code>の制限が撤廃されました(以前は1024が上限)。 :# <code>GOROOT</code>関数が、環境変数が設定されていない場合にプログラムのコンパイル時の値を使用するようになりました。 ; 標準ライブラリの改善: :# <code>strings</code>パッケージに新しい<code>Builder</code>型が追加され、文字列構築時のメモリ効率が向上しました。 :# <code>math</code>パッケージに<code>Round</code>、<code>RoundToEven</code>、<code>Erfinv</code>、<code>Erfcinv</code>関数が追加されました。 :# <code>net/url</code>の<code>ResolveReference</code>が複数の先頭スラッシュを保持するように修正され、RFC 3986に準拠しました。 :# <code>bytes</code>パッケージの<code>Fields</code>、<code>Split</code>系関数が、返すサブスライスの容量を長さと同じに設定するようになり、メモリ効率が向上しました。 :# <code>archive/tar</code>と<code>archive/zip</code>でより多くのヘッダー形式や時刻エンコーディングがサポートされました。 ; デバッグ機能の改善: :# バイナリ内のDWARFデバッグ情報が改善され、定数値の記録、より正確な行番号情報、パッケージ単位でのコンパイル単位の表現が実現されました。 :# 各種ビルドモードがより多くのシステムに対応し、<code>c-shared</code>、<code>pie</code>、<code>plugin</code>モードの対応プラットフォームが拡張されました。 ; アセンブラの拡張: :# ARM 32ビット、ARM 64ビット、PowerPC 64ビット、S390X、X86 64ビットアーキテクチャで多数の新しい命令がサポートされました。 :# 特にX86 64ビットでは、AVX、AVX2、BMI、BMI2、F16C、FMA3、SSE2、SSE3、SSSE3、SSE4.1、SSE4.2などの拡張命令セットを含む359の新命令が追加されました。 ; ソースコードフォーマットの変更: :# <code>gofmt</code>のデフォルトフォーマットに軽微な変更があり、3つのインデックスを持つスライス式と単一行のインターフェースリテラルの表示が改善されました。 === Go 1.9 === Go 1.9が、2017年8月にリリースされました<ref>{{cite web | url = https://go.dev/doc/go1.9 | title = Go 1.9 Release Notes - The Go Programming Language | accessdate = 2025-05-20 }}</ref><ref>{{cite web | url = https://go.dev/blog/go1.9 | title = Go 1.9 is released - The Go Blog | date = 2017/08/24 | accessdate = 2025-05-20 }}</ref>。 Go 1.9のリリースでは、言語、ツール、ランタイム、標準ライブラリに多くの変更と改善が含まれています。主な変更点は以下の通りです。 {{Main|[https://go.dev/doc/go1.9 Go 1.9 Release Notes - The Go Programming Language]|[https://go.dev/blog/go1.9 Go 1.9 is released - The Go Blog]}} ; 言語の変更点: :# 型エイリアス: パッケージ間で型を移動する際などに、段階的なコードの修正をサポートするための型エイリアスが導入されました。 :#:<code>type T1 = T2</code> :#:の形式で宣言することで、既存の型 T2 に別の名前 T1 を与えることができます。 :# 浮動小数点演算の融合: 言語仕様が更新され、実装が浮動小数点演算(例えば、積和演算)を融合することが許可される条件が定義されました。中間結果の丸めを強制したい場合は、float64(x*y) + z のように明示的な型変換が必要です。 ; 新しい標準パッケージ: :# math/bits: 符号なし整数のビット操作(カウント、操作など)のための最適化された実装を提供する新しいパッケージが追加されました。可能な場合、CPUの特殊な命令が利用されます。 ; パフォーマンスの改善点: :# 並列コンパイル: パッケージ内の関数のコンパイルが並列化され、マルチコア環境でのビルド時間が改善されました。この機能はデフォルトで有効ですが、環境変数 GO19CONCURRENTCOMPILATION=0 を設定することで無効にできます。 :# ガベージコレクション: ストップザワールド型のガベージコレクションを引き起こしていたライブラリ関数 (runtime.GC, debug.SetGCPercent, debug.FreeOSMemory) が、呼び出し元のゴルーチンのみをブロックする並行ガベージコレクションに変更されました。 ; ツールの改善: :# Vendorディレクトリのマッチング: go test などのパッケージ名を引数に取るツールにおいて、./... が vendor ディレクトリ内のパッケージをマッチしなくなりました。vendor ディレクトリをマッチさせるには、./vendor/.... を使用する必要があります。 :# GOROOTの移動: go tool は、実行されたパスからGoのインストールツリーのルートを特定するようになりました。これにより、Goのインストールディレクトリ全体を移動した場合でも、go tool が通常通り動作するはずです。 :# go test -list: テスト、ベンチマーク、またはExampleの名前を正規表現でフィルタリングしてリスト表示する -list フラグが go test コマンドに追加されました。 :# go env -json: 環境変数をJSON形式で出力する -json フラグが go env コマンドに追加されました。 ; その他の注目すべき変更点: :# sync.Map: 並行アクセスに対応した新しいマップ型 sync.Map が追加されました。読み込み、書き込み、削除操作は償却定数時間で行われます。 :# testing.Helper: testing.T および testing.B に Helper メソッドが追加されました。このメソッドを呼び出すと、エラー報告などでファイル名と行番号が表示される際に、ヘルパー関数自身ではなく、ヘルパー関数を呼び出した箇所の情報が表示されるようになります。 :# timeパッケージ: time パッケージは、各 Time 値に透過的に単調時間(monotonic time)を追跡するようになり、壁時計の調整があっても二つの Time 値間の経過時間を安全に計算できるようになりました。 :# runtime.CallersFrames: インライン化されたフレームを含むコールスタックの情報を正確に取得するために、runtime.Callers の結果を直接検査するのではなく、runtime.CallersFrames を使用することが推奨されるようになりました。 :# runtime/pprof: runtime/pprof パッケージで生成されるプロファイルにシンボル情報が含まれるようになり、プロファイルを生成したバイナリなしで go tool pprof で表示できるようになりました。また、プロファイルレコードにラベルを追加する機能も追加されました。 Go 1.9には、上記以外にも多くの追加、改善、および修正が含まれています。詳細については、公式のリリースノートを参照してください。 === Go 1.8 === Go 1.8が、2017年2月にリリースされました<ref>{{cite web | url = https://go.dev/doc/go1.8 | title = Go 1.8 Release Notes - The Go Programming Language | accessdate = 2025-05-20 }}</ref><ref>{{cite web | url = https://go.dev/blog/go1.8 | title = Go 1.8 is released - The Go Blog | date = 2017/02/16 | accessdate = 2025-05-20 }}</ref>。 Go 1.8のリリースでは、ツールチェーン、ランタイム、およびライブラリの実装に多くの変更が含まれています。主な変更点は以下の通りです。 {{Main|[https://go.dev/doc/go1.8 Go 1.8 Release Notes - The Go Programming Language]|[https://go.dev/blog/go1.8 Go 1.8 is released - The Go Blog]}} ; 言語の変更点: :# '''構造体型の変換:''' Go 1.8以降、構造体間の明示的な型変換において、タグが無視されるようになりました。タグのみが異なる2つの構造体は、相互に変換可能です。 :# '''浮動小数点定数の指数:''' 言語仕様が更新され、実装が浮動小数点定数で最大16ビットの指数をサポートすることが要求されるようになりました。ただし、"gc" と gccgo コンパイラは、どちらも32ビットの指数をサポートしています。 ; ポート: :# '''32-bit MIPSのサポート:''' Linux上で、big-endian (linux/mips) と little-endian (linux/mipsle) の両方のマシンで、FPUまたはカーネルFPUエミュレーションを備えたMIPS32r1命令セットを実装する32-bit MIPSがサポートされるようになりました。 ; ツール: :# '''アセンブラ:''' 64-bit x86システム用に、VBROADCASTSD, BROADCASTSS, MOVDDUP, MOVSHDUP, MOVSLDUP, VMOVDDUP, VMOVSHDUP, VMOVSLDUPなどの命令が追加されました。 :# '''Yacc:''' yaccツールは削除されました。 :# '''Fix:''' fixツールに、"golang.org/x/net/context" から "context" へimportを変更する "context" fixが追加されました。 :# '''Pprof:''' pprofツールは、"https+insecure" URLスキームを使用して、TLSサーバーをプロファイルし、証明書の検証をスキップできるようになりました。 :# '''Trace:''' traceツールに、実行トレースからpprof互換のブロッキングおよびレイテンシプロファイルを生成するための -pprof フラグが追加されました。 :# '''Vet:''' Vetは、いくつかの点でより厳密になり、以前に誤検出を引き起こしていた箇所ではより緩くなりました。 ; コンパイラツールチェーン: :# '''SSAバックエンド:''' 64-bit x86システム用の新しいコンパイラバックエンドが導入されました。このバックエンドは、よりコンパクトで効率的なコードを生成し、境界チェックの排除などの最適化のためのより良いプラットフォームを提供します。 :# '''コンパイラとリンカの最適化:''' コンパイラとリンカが最適化され、Go 1.7よりも高速に実行されるようになりました。 ; Cgo: :# Goツールは、make.bash中に設定されたCGO_ENABLED環境変数の値を記憶し、デフォルトですべての将来のコンパイルに適用するようになりました。 ; デフォルトのGOPATH: :# GOPATH環境変数が設定されていない場合、デフォルト値を持つようになりました。Unixでは$HOME/go、Windowsでは%USERPROFILE%/goがデフォルトです。 ; Go get: :# "go get"コマンドは、-insecureフラグが使用されているかどうかに関係なく、HTTPプロキシ環境変数を常に尊重するようになりました。 ; Go bug: :# 新しい "go bug" コマンドは、現在のシステムに関する情報が事前に入力された状態で、GitHubでバグレポートを開始します。 ; Go doc: :# "go doc" コマンドは、godocの動作に従い、定数と変数をその型でグループ化するようになりました。 ; プラグイン: :# Goは、Goで記述されたプラグインを生成するための "plugin" ビルドモードと、実行時にそのようなプラグインをロードするための新しい plugin パッケージによる、プラグインの初期サポートを提供するようになりました。 ; ランタイム: :# '''引数の活性:''' ガベージコレクタは、関数全体の引数をライブとは見なしなくなりました。 :# '''並行マップの誤用:''' Go 1.6で、マップの並行誤用の軽量でベストエフォートな検出が追加されました。このリリースでは、マップへの並行書き込みと反復処理を行うプログラムの検出がサポートされ、その検出器が改善されました。 ; パフォーマンス: :# ガベージコレクションの一時停止が大幅に短縮され、通常は100マイクロ秒未満、多くの場合10マイクロ秒程度になりました。 :# deferred関数呼び出しのオーバーヘッドが約半分に削減されました。 :# GoからCへの呼び出しのオーバーヘッドが約半分に削減されました。 ; 標準ライブラリ: :# '''Examples:''' 多くのパッケージに例が追加されました。 :# '''Sort:''' sortパッケージに、less関数を指定してスライスをソートするための便利な関数Sliceが含まれるようになりました。 :# '''HTTP/2 Push:''' net/httpパッケージに、HandlerからHTTP/2サーバープッシュを送信するメカニズムが含まれるようになりました。 :# '''HTTPサーバーの正常シャットダウン:''' HTTPサーバーは、新しいServer.Shutdownメソッドを使用した正常シャットダウンと、新しいServer.Closeメソッドを使用した突然のシャットダウンをサポートするようになりました。 :# '''コンテキストのサポート:''' context.Contextの標準ライブラリへの採用を継続し、Go 1.8は、既存のパッケージへのコンテキストサポートを追加しました。 :# '''Mutex競合プロファイリング:''' ランタイムとツールが、競合するmutexのプロファイリングをサポートするようになりました。 Go 1.8には、上記以外にも多くの追加、改善、および修正が含まれています。詳細については、公式のリリースノートを参照してください。 === Go 1.7 === Go 1.7が、2016年8月にリリースされました<ref>{{cite web | url = https://go.dev/doc/go1.7 | title = Go 1.7 Release Notes - The Go Programming Language | accessdate = 2025-05-20 }}</ref><ref>{{cite web | url = https://go.dev/blog/go1.7 | title = Go 1.7 is released - The Go Blog | date = 2016/08/15 | accessdate = 2025-05-20 }}</ref>。 主な変更点は以下の通りです。 ; 主な変更点 * '''言語仕様''': 終了ステートメントの定義を明確化(既存の挙動を正式化) * '''パフォーマンス''': x86-64向け新しいコンパイラバックエンドで5-35%の性能向上 * '''標準ライブラリ''': ** <code>context</code>パッケージが標準ライブラリに昇格 ** <code>net/http/httptrace</code>パッケージ追加 ** テスト階層構造をサポート(サブテスト/サブベンチマーク) * '''ツールチェーン''': ** ビルド時間の改善 ** バイナリサイズの削減(20-30%減少することも) ** ベンダリングサポートが正式機能に * '''ポート''': ** macOS 10.12 Sierraサポート追加 ** Linux on z Systems(s390x)の実験的サポート追加 ; 互換性 Go 1の互換性保証を維持。ほとんどのGoプログラムは変更なしで動作する見込み。 ; その他の注目点 * ガベージコレクションの一時停止時間が短縮 * 多数の標準ライブラリで10%以上の性能改善 * Unicode 9.0サポート * WindowsでのメモリOS返還サポート * 実行トレースの収集オーバーヘッドが大幅改善(400%→25%) このリリースは主にツールチェーン、ランタイム、ライブラリの実装改善に焦点を当てています。 === Go 1.6 === Go 1.6が、2016年2月17日にリリースされました<ref>{{cite web | url = https://go.dev/blog/go1.6 | title = Go 1.6 Release Notes - The Go Programming Language | accessdate = 2025-06-29 }}</ref><ref>{{cite web | url = https://go.dev/blog/go1.6 | title = Go 1.6 is released - The Go Blog | date = 2016/02/17 | accessdate = 2025-06-29 }}</ref>。 主な変更点は以下の通りです。 ; 主な変更点 * '''言語仕様''': 言語仕様の変更なし * '''パフォーマンス''': ** Go 1ベンチマークスイートのプログラムが平均数パーセント高速化 ** ガベージコレクターの一時停止時間がさらに短縮(特にメモリを大量に使用するプログラムで) ** <code>compress/bzip2</code>、<code>compress/gzip</code>、<code>crypto/aes</code>、<code>crypto/elliptic</code>、<code>crypto/ecdsa</code>、<code>sort</code>パッケージで10%以上の最適化 ** <code>sort.Sort</code>の実装が効率化され、約10%高速化 * '''標準ライブラリ''': ** <code>net/http</code>パッケージがHTTPS使用時にHTTP/2を透過的かつ自動的にサポート ** <code>text/template</code>パッケージにテンプレート再利用の新メカニズムを追加(アクション周りの空白除去、<code>{{block}}</code>アクション) * '''ツールチェーン''': ** パーサーがyacc生成のものから手書きのものに変更 ** <code>linux/amd64</code>向けにClang MemorySanitizerとの連携のための新しい<code>-msan</code>フラグを追加 ** リンカーに新しい<code>-libgcc</code>オプションを追加 ** Go 1.5で導入されたビルドモードを多くのシステムに拡張(<code>c-shared</code>、<code>shared</code>、新しい<code>pie</code>モード) ** <code>go</code>コマンドがベンダリングをデフォルトで有効化(Go 1.5では実験的機能) ** <code>go doc</code>コマンドの曖昧性解消を改善(ベンダリングされたコピーよりも元のパッケージを優先) ** <code>go vet</code>コマンドが関数やメソッドの値を<code>Printf</code>に誤って渡す診断を開始 * '''ポート''': ** 64ビットMIPS上のLinuxと32ビットx86上のAndroidへの実験的な新しいポートを追加 ; 互換性 Go 1の互換性保証を維持。ほとんどのGoプログラムは変更なしでコンパイルおよび実行される見込み。 ; その他の注目点 * ランタイムでマップの同時誤用を軽量に検出(検出された場合はプログラムがクラッシュ) * プログラム終了時のパニックについて、ランタイムがデフォルトで実行中のゴルーチンのスタックのみを出力 * Goのガベージコレクターとの互換性を確保するため、GoポインタとCコード間の共有ルールを明確化し、強制 * Windowsでのグローバルタイマー解像度の1ms強制を停止 * <code>-buildmode=c-archive</code>または<code>-buildmode=c-shared</code>でビルドされたアーカイブおよび共有ライブラリのシグナルハンドリングを変更 * <code>reflect</code>パッケージで、エクスポートされたフィールドを含む埋め込まれた非エクスポート構造体型に関する非互換性を解決 === Go 1.5 === Go 1.5が、2015年8月19日にリリースされました<ref>{{cite web | url = https://go.dev/blog/go1.5 | title = Go 1.5 Release Notes - The Go Programming Language | accessdate = 2025-06-29 }}</ref><ref>{{cite web | url = https://go.dev/blog/go1.5 | title = Go 1.5 is released - The Go Blog | date = 2015/08/19 | accessdate = 2025-06-29 }}</ref>。 主な変更点は以下の通りです。 ; 主な変更点 *** '''言語仕様''': ** マップリテラルの要素型の省略を許可する構文の制限が緩和 *** '''パフォーマンス''': ** ガベージコレクターが再設計され、並行処理可能に。一時停止時間が劇的に短縮され、通常10ミリ秒未満に ** スケジューラーの改善により、<code>GOMAXPROCS</code>のデフォルト値が論理CPU数に変更 *** '''標準ライブラリ''': ** <code>flag</code>パッケージでよりクリーンな使用法メッセージ ** <code>math/big</code>に任意精度浮動小数点数用の新しい<code>Float</code>型を追加 ** LinuxおよびBSDシステム上のDNSリゾルバーの改善により、名前ルックアップのcgo要件を削除 ** <code>go/types</code>パッケージが標準ライブラリに移動 ** <code>reflect</code>パッケージに<code>ArrayOf</code>および<code>FuncOf</code>関数が追加 *** '''ツールチェーン''': ** コンパイラとランタイムが完全にGoで記述され、GoコードベースからすべてのCコードが削除 ** 従来のツール名(例: <code>6g</code>、<code>8g</code>)が廃止され、<code>go tool compile</code>、<code>go tool asm</code>、<code>go tool link</code>などの単一バイナリに置き換え ** 中間オブジェクトファイルが<code>.6</code>、<code>.8</code>などの代わりに<code>.o</code>サフィックスを使用 ** <code>go/types</code>パッケージの移動に伴い、<code>vet</code>および<code>cover</code>ツールも移動 ** コンパイラが定数評価に<code>math/big</code>パッケージを使用 ** アセンブラが新しいネイティブGo実装になり、わずかな互換性変更あり ** リンカーに拡張されたリンクスタイル(共有ライブラリのビルドなど)のための<code>-buildmode</code>オプションを導入 ** <code>go tool vet</code>コマンドが構造体タグのより厳密な検証を実行 ** <code>go test</code>コマンドに新しい<code>-count</code>フラグ、<code>go generate</code>に<code>-run</code>オプションと新しい環境変数を追加 ** <code>go get</code>コマンドに新しい<code>-insecure</code>フラグを追加 ** 外部依存関係の「ベンダリング」に対する実験的なサポートが導入(<code>go</code>コマンドが有効化) *** '''ポート''': ** Snow Leopardおよび<code>dragonfly/386</code>のサポートが終了 ** <code>darwin/arm</code>、<code>darwin/arm64</code>(AppleのiPhoneおよびiPad用)、<code>linux/arm64</code>、<code>ppc64</code>、<code>ppc64le</code>(IBM 64ビットPowerPC)を含む新しいポートがソースから利用可能 ** FreeBSD (8-STABLE以上) およびNaCl (SDKバージョンpepper-41) の特定の要件 ** Solarisポートで完全な<code>cgo</code>サポートと<code>net</code>および<code>crypto/x509</code>の改善 ; 互換性 主要なアーキテクチャ変更にもかかわらず、Go 1の互換性保証を維持。ほとんどのGoプログラムは以前と同様にコンパイルおよび実行される見込み。ただし、ゴルーチンスケジューリング順序に暗黙的に依存するプログラムや、複数のコアでの実行を想定していないプログラム(<code>GOMAXPROCS</code>のデフォルト値変更のため)は更新が必要になる場合がある。 ; その他の注目点 * 内部パッケージのサポートがすべてのリポジトリで提供 * <code>install</code>サブコマンドがソースディレクトリに<code>build</code>によって作成されたバイナリを削除 * 新しいビルドオプションとして<code>-asmflags</code>、<code>-buildmode</code>、<code>-pkgdir</code>、<code>-toolexec</code>が追加 * <code>-ccflags</code>オプションが削除 === Go 1.4 === === Go 1.3 === === Go 1.2 === === Go 1.1 === === Go 1.0 === ==脚註 == <references /> == 参考文献 == *{{cite book | url = https://go.dev/ref/spec | title = The Go Programming Language Specification | date = JJune 13, 2024 | publisher = The Go website }} == 下位階層のページ == <div style="max-height: 24rem; overflow-y: scroll;"> {{特別:前方一致ページ一覧/{{PAGENAME}}/|hideredirects=yes|stripprefix=yes}} </div> == 外部リンク == {{Wikipedia|Go (プログラミング言語)|Go}} {{Wikiversity|Topic:Go|Go}} * [https://go.dev/ The Go Programming Language] - 公式サイト * [https://go.dev/play/ The Go Playground] {{DEFAULTSORT:GO}} [[Category:Go|*]] [[Category:プログラミング言語]] {{NDC|007.64}} aavc7s2j7jelvv7eote68nukl4kez4l 276369 276368 2025-06-28T22:14:48Z Ef3 694 /* Go 1.5 */ マークアップ修正 276369 wikitext text/x-wiki {{Pathnav|メインページ|工学|情報技術|プログラミング}} Goは、Googleが開発したオープンソースの汎用プログラミング言語であり、システムプログラミングを主な目的として設計されています<ref name="Introduction">{{cite book | url = https://go.dev/ref/spec#Introduction | title = The Go Programming Language Specification Language version go1.23 (June 13, 2024) | chapter = Introduction¶ | date = June 13, 2024 | publisher = The Go website }}</ref>。 静的型付け言語であるため、高速で効率的なプログラムを作成することができ、また、並行処理を簡単に実装できるため、高い並行性を持ちます。 Goの文法はシンプルで読みやすく、効率的にコーディングできるため、開発者は迅速に新しいコードを書くことができます。 Goは自動的にメモリを管理するため、メモリ管理に関する手間を減らすことができます。 さらに、Windows、macOS、Linuxなど、多くのプラットフォームで動作し、標準ライブラリが豊富であり、多くの外部ライブラリが存在するため、広範な用途に対応することができます。 Goのコミュニティは活発であり、多くの開発者が参加しているため、質問や問題解決のためのリソースが豊富であり、新しい機能やライブラリが定期的にリリースされています。 この教科書では、初めてGoを学ぶ人から、より高度なトピックに興味のある人まで、幅広い読者を対象に、Goの基本から応用までを網羅的に解説します。 __TOC__ == 目次 == ;チュートリアル篇 : [[/環境構築|環境構築]] : [[/実行の方法|実行の方法]] {{---}} [[Go/実行の方法#Hello, World|Hello, World]] : [[/文法の概要|文法の概要]] : [[/変数|変数と型変換]] : [[/算術演算と数学関数|算術演算と数学関数]] : [[/条件分岐と繰り返し|条件分岐と繰り返し]] {{---}} if, switch, select, for, break, continue, return : [[/関数|関数]] : [[/メソッドとインターフェース|メソッドとインターフェース]] : [[/ジェネリクス|ジェネリクス]] : [[/再帰的関数呼出し|再帰的関数呼出し]] : [[/メソッドチェイン|メソッドチェイン]] : [[/defer,panicとrecover|defer, panicとrecover]] : [[/並行処理|並行処理]] : [[/配列とスライス|配列型とスライス型]] : [[/マップ|マップ型]] : [[/構造体|構造体型と構造体スライス]] : [[/イテレータ|イテレータ]] : [[/Goのプログラムがどんなアセンブリにコンパイルされるか?|Goのプログラムがどんなアセンブリにコンパイルされるか?]] {{---}} go tool objdump : [[/クロスコンパイル|クロスコンパイル]] {{---}} GOOS, GOARCH : [[/cgoでGoのコードからCの関数を利用する|cgoでGoのコードからCの関数を利用する]] {{---}} cgo : [[/Goのコードでgoのバージョンを調べる方法|Goのコードでgoのバージョンを調べる方法]] : [[/HTTP|HTTP]] : [[/ファイル入出力|ファイル入出力]] : [[/コードギャラリー|コードギャラリー]] ;リファレンス篇 : [[/ソースコードの表現方法|ソースコードの表現方法]] : [[/キーワードと宣言済み識別子|キーワードと宣言済み識別子]] {{---}} [[/キーワードと宣言済み識別子#キーワード|キーワード]]・[[/キーワードと宣言済み識別子#宣言済み識別子|宣言済み識別子]]([[/キーワードと宣言済み識別子#組込み型|組込み型]]・[[/キーワードと宣言済み識別子#組込み関数|組込み関数]]) : [[/字句的要素|字句的要素]] : [[/定数と変数|定数と変数]] {{---}} [[/定数と変数#定数|定数]]([[/定数と変数#iota|iota]])・[[/定数と変数#変数|変数]] : [[/型|型]] : [[/型と値の特性|型と値の特性]] : [[/ブロック・宣言とスコープ|ブロック・宣言とスコープ]] {{---}} [[/ブロック・宣言とスコープ#ブロック|ブロック]]・[[/ブロック・宣言とスコープ#宣言とスコープ|宣言とスコープ]] : [[/式|式]] {{---}} [[/式#演算子|演算子]] : [[/文|文]] : [[/パッケージ|パッケージ]] : [[/プログラムの初期化と実行|プログラムの初期化と実行]] : [[/エラー|エラー]] : [[/EBNF|EBNF]] ;[[/標準ライブラリー|標準ライブラリー篇]] ;[[/改廃された技術|改廃された技術]] == バージョン間の変更点 == Go は、約半年ごとに新しいバージョンがリリースされます。バージョンが変わると、言語仕様に追加変更があったり、ツールチェーン、ランタイム、およびライブラリの実装に変更が加えられることがあり、稀に既存のプログラムに影響が出ることもあります。以下に、最新のバージョンから順に変更点を記載します。 === Go 1.24 === Go 1.24が、2025年2月にリリースされました<ref>{{cite book | url = https://go.dev/doc/go1.24 | title = Go 1.24 Release Notes - The Go Programming Language | date = 2024/02/11 | accessdate = 2024/02/23 }}</ref><ref>{{cite book | url = https://go.dev/blog/go1.24 | title = Go 1.24 is released! - The Go Programming Language | date = 2024/02/11 | accessdate = 2024/02/23 }}</ref>。 Go 1.24のリリースでは、いくつかの重要な新機能と改善が含まれています。最も注目すべき変更点は以下です。 {{Main|[https://go.dev/doc/go1.24 Go 1.24 Release Notes - The Go Programming Language]|[https://go.dev/blog/go1.24 Go 1.24 is released! The Go Blog]}} ; 言語の変更点: :# ジェネリック型エイリアスが完全にサポートされるようになりました。これにより、型エイリアスに型パラメータを設定できるようになり、既存の型を制約付きで再定義することが可能になりました。たとえば <code>type VectorAlias[T any] = Vector[T]</code> のような定義ができます。この機能は Go 1.23 では実験的な機能(GOEXPERIMENT=aliastypeparams)でしたが、Go 1.24で正式にサポートされました。 ; 新しい標準パッケージ: :# crypto/mlkem:ML-KEM-768とML-KEM-1024を実装したパッケージ。 :# crypto/hkdf:HMAC-based Extract-and-Expand key derivation function (HKDF) を実装したパッケージ。 :# crypto/pbkdf2:password-based key derivation function (PBKDF2) を実装したパッケージ。 :# crypto/sha3:SHA-3ハッシュ関数とSHAKE/cSHAKE extendable-output functionsを実装したパッケージ。 :# weak:弱参照を提供するパッケージ。 :# testing/synctest:並行コードのテストをサポートする実験的なパッケージ(GOEXPERIMENT=synctestが必要)。 ; パフォーマンスの改善点: :# Swiss Tablesベースの新しいマップ実装により、2-3%のCPUオーバーヘッドが削減。 :# 小さなオブジェクトのメモリ割り当ての効率化。 :# 新しいランタイム内部ミューテックス実装。 ; ツールの改善: :# go.modファイルでツール依存関係を追跡できるようになりました。 :# go buildとgo installに -json フラグが追加され、構造化されたJSON出力が可能に。 :# go vetに新しいtestsアナライザーが追加され、テストの一般的な間違いを検出可能に。 ; セキュリティの改善: :# FIPS 140-3コンプライアンスのための新しいメカニズムが追加。 :# TLSサーバーがEncrypted Client Hello (ECH)をサポート。 :# RSAキーは1024ビット未満のキーサイズでエラーを返すように変更。 ; プラットフォームサポートの変更: :# Linuxはカーネルバージョン3.2以降が必要になりました。 :# Go 1.24はmacOS 11 Big Surをサポートする最後のバージョンとなります。 :# Windows 32-bit ARM (windows/arm)は「broken」とマークされました。 また、1.23でサポートされた"for-range"ループのイテレータ機能を活用し、bytes/stringsパッケージに新しいイテレータ関数(Lines、SplitSeq、SplitAfterSeq、FieldsSeq、FieldsFuncSeq)が追加されました。os.Root型による特定ディレクトリ内でのファイルシステム操作が可能になり、testing.B.Loopメソッドにより、ベンチマークの記述がより簡単で安全になっています。 === Go 1.23 === Go 1.23が、2024年8月にリリースされました<ref>{{cite book | url = https://go.dev/doc/go1.23 | title = Go 1.23 Release Notes - The Go Programming Language | date = 2024/08/13 | accessdate = 2024/11/13 }}</ref><ref>{{cite book | url = https://go.dev/blog/go1.23 | title = Go 1.23 is released! - The Go Programming Language | date = 2024/08/13 | accessdate = 2024/11/13 }}</ref>。 Go 1.23のリリースでは、いくつかの重要な新機能と改善が含まれています。最も注目すべき変更点は以下です。 {{Main|[https://go.dev/doc/go1.23 Go 1.23 Release Notes - The Go Programming Language]|[https://go.dev/blog/go1.23 Go 1.23 is released! The Go Blog]}} ; 言語の変更点: :# "for-range" ループでイテレータ関数がサポートされるようになりました。これにより、カスタムイテレーション値を生成する関数を使用できます。 :# ジェネリック型エイリアスのプレビューサポートが追加されました(GOEXPERIMENT=aliastypeparamsを有効にする必要があります)。 ; 新しい標準パッケージ: :# uniqueパッケージ:値の正規化(インターン化やハッシュコンス化)を行うための機能を提供します。 :# iterパッケージ:ユーザー定義のイテレータ機能を提供します。 :# structsパッケージ:構造体のメモリレイアウトなどのプロパティを制御する機能を提供します。 ; パフォーマンスの改善点: :# Profile Guided Optimization (PGO)のビルドオーバーヘッドが大幅に削減されました。以前は100%以上の増加が見られましたが、今回のリリースでは一桁台のパーセンテージまで改善されています。 :# コンパイラがローカル変数のスタックフレームスロットを最適化し、関数内の異なる領域で重複して使用できるようになり、スタック使用量が削減されました。 ; テレメトリーと開発者ツール: :# Goツールチェーンが使用状況と問題点の統計情報を収集できるテレメトリー機能が追加されました(オプトイン方式)。 :# go vetコマンドにstdversionアナライザーが追加され、使用しているGoバージョンと互換性のないシンボルの参照を検出できるようになりました。 ; プラットフォームサポートの変更: :# macOSは11 (Big Sur)以降が必要になりました。 :# Linux kernelは2.6.32以降が必要です(Go 1.24では3.2以降になる予定)。 :# OpenBSDの64-bit RISC-Vサポートが試験的に追加されました。 また、time.TimerとTime.Tickerの実装が大幅に改善され、未使用のタイマーがガベージコレクションの対象となるようになりました。セキュリティ面では、TLSクライアントがEncrypted Client Helloをサポートし、3DESの暗号スイートがデフォルトリストから削除されるなどの改善が行われています。 === Go 1.22 === Go 1.22が、2024年2月にリリースされました<ref>{{cite book | url = https://go.dev/doc/go1.22 | title = Go 1.22 Release Notes - The Go Programming Language | date = 2024/02/06 | accessdate = 2024/02/11 }}</ref><ref>{{cite book | url = https://go.dev/blog/go1.22 | title = Go 1.22 is released! - The Go Programming Language | date = 2024/02/06 | accessdate = 2024/02/11 }}</ref>。 Go 1.22のリリースでは、いくつかの重要な新機能と改善が含まれています。最も注目すべき変更点は以下です。 {{Main|[https://go.dev/doc/go1.22 Go 1.22 Release Notes - The Go Programming Language]|[https://go.dev/blog/go1.22 Go 1.22 is released! The Go Blog]}} ; 言語の変更点: :# 長らく問題視されてきた「for」ループの変数スコープが変更されました。以前は変数が一度だけ作成され、各イテレーションで更新されていましたが、Go 1.22以降は各イテレーションで新しい変数が作成されるようになり、意図しない共有の問題が解消されました。 :# 整数の範囲に対する<code>range</code>のサポートが追加されました。例えば、<code>for i := range 10</code>のような構文が可能になりました。 ; パフォーマンスの改善点: :# ガベージコレクションのメタデータを各ヒープオブジェクトの近くに配置するように最適化されました。これにより、CPUパフォーマンスが1-3%向上し、ほとんどのGoプログラムのメモリオーバーヘッドが約1%削減されました。 :# コンパイラのプロファイル誘導最適化(PGO)が改善され、より多くのインターフェースメソッド呼び出しの仮想化解除が可能になりました。代表的なGoプログラムの多くで、PGOを有効にすることで2-14%のパフォーマンス向上が見られます。 :# コンパイラは仮想化解除とインライン化を交互に行うようになり、インターフェースメソッド呼び出しの最適化が向上しました。 ; 標準ライブラリの追加と改善: :# 標準ライブラリで初めてのv2パッケージとなる<code>math/rand/v2</code>が追加されました。新しいパッケージでは、ChaCha8とPCGという2つの現代的な疑似乱数生成器を提供し、より高速なアルゴリズムを採用しています。 :# <code>net/http.ServeMux</code>のHTTPルーティングがより表現力豊かになりました。メソッドとワイルドカードをサポートし、例えば"POST /items/create"や"/items/{id}"のようなパターンが使用可能になりました。 :# <code>database/sql</code>パッケージに<code>Null[T]</code>型が追加され、任意の型のnullableカラムをスキャンする機能が提供されます。 :# <code>go/version</code>パッケージが追加され、Goバージョン文字列の検証と比較機能が提供されます。 :# <code>slices</code>パッケージに複数のスライスを連結する<code>Concat</code>関数が追加されました。 ; ツールの改善: :# Goコマンドでワークスペースのvendorディレクトリがサポートされるようになりました。<code>go work vendor</code>でディレクトリを作成し、<code>-mod=vendor</code>フラグで使用できます。 :# トレースツールのWebUIが改良され、スレッド指向のビューでトレースを探索できるようになりました。また、すべてのシステムコールの完全な実行時間が表示されるようになりました。 :# <code>go vet</code>ツールに新しい警告が追加され、appendに値を渡し忘れた場合や、time.Since呼び出しの遅延に関する問題を検出できるようになりました。 また、macOSのx86-64アーキテクチャ(darwin/amd64)向けのGoツールチェーンが、デフォルトで位置独立実行形式(PIE)を生成するようになりました。Go 1.23以降はmacOS 11 Big Sur以降が必要になることも発表されています。 === Go 1.21 === Go 1.21が、2023年8月にリリースされました<ref>{{cite book | url = https://go.dev/doc/go1.21 | title = Go 1.21 Release Notes - The Go Programming Language | date = 2023/08/08 | accessdate = 2023-11-28 }}</ref><ref>{{cite book | url = https://go.dev/blog/go1.21 | title = Go 1.21 is released! - The Go Programming Language 5| date = 2023/08/08 | accessdate = 2023-11-28 }}</ref>。 {{Main|[https://go.dev/doc/go1.21 Go 1.21 Release Notes - The Go Programming Language]|[https://go.dev/blog/go1.21 Go 1.21 is released! The Go Blog]}} Go 1.21では、リリースの番号付けにわずかな変更が導入されました。Go 1.Nは、過去にGo言語のバージョン全体とリリースファミリー、およびそのファミリー内の最初のリリースを指すために使用されていました。しかし、Go 1.21から、最初のリリースはGo 1.N.0となりました。今日、Go 1.21言語とその初期実装であるGo 1.21.0リリースが公開されています。これらのノートは「Go 1.21」と呼ばれますが、go versionなどのツールは「go1.21.0」と報告されます(Go 1.21.1にアップグレードするまで)。 ; ツールの改善点: :# Profile Guided Optimization(PGO)機能が一般利用可能になりました。<code>default.pgo</code>という名前のファイルがメインパッケージのディレクトリにある場合、<code>go</code>コマンドはそれを使用してPGOビルドを有効にします。 :# <code>go</code>ツールは今後の言語の後方互換性と前方互換性をサポートします。 ; 言語の変更点: :# 新しい組み込み関数 <code>min</code>、<code>max</code>、<code>clear</code> が追加されました。 :# ジェネリック関数の型推論がいくつか改善され、仕様書の型推論の説明が拡張されました。 :# Goプログラミングの最も一般的な落とし穴の1つに取り組む予定で、そのプレビューがGo 1.21に含まれています。これは環境変数を使用してコードで有効にできます。詳細はLoopvarExperiment wikiページを参照してください。 ;標準ライブラリの追加点: :# 構造化ログのための新しいlog/slogパッケージが追加されました。 :# 任意の要素型のスライスに対する共通操作のための新しいslicesパッケージが追加されました。これには、一般的により高速で使いやすいソート関数も含まれています。 :# 任意のキーまたは要素型のマップに対する共通操作のための新しいmapsパッケージが追加されました。 :# 順序付けられた値を比較するための新しいユーティリティを提供するcmpパッケージが追加されました。 ; 性能の改善点: :# PGOを有効にした際のパフォーマンス向上に加えて、以下のような改善があります。 :# Goコンパイラ自体がPGOを有効にして再ビルドされ、ホストアーキテクチャによってはプログラムのビルドが2〜4%高速化されました。 :# ガベージコレクターの調整により、一部のアプリケーションではテールレイテンシーが最大40%削減される場合があります。 :# runtime/traceでトレースを収集する際のCPUコストが、amd64およびarm64で大幅に低減されました。 ; 新しいWASIポート: :# Go 1.21には、WebAssembly System Interface(WASI)の実験的なポートが追加されました(GOOS=wasip1、GOARCH=wasm)。 :# より一般的なWebAssembly(Wasm)コードの記述を容易にするために、コンパイラはWasmホストからの関数のインポートのための新しい指令 <code>go:wasmimport</code> をサポートしています。 === Go 1.20 === Go 1.20が、2023年2月にリリースされました<ref>{{cite book | url = https://go.dev/doc/go1.20 | title = Go 1.20 Release Notes - The Go Programming Language | date = 2023/02/01 | accessdate = 2023-03-05 }}</ref><ref>{{cite book | url = https://go.dev/blog/go1.20 | title = Go 1.20 is released! - The Go Programming Language | date = 2023/02/01 | accessdate = 2023-03-05 }}</ref>。 {{Main|[https://go.dev/doc/go1.20 Go 1.20 Release Notes - The Go Programming Language]|[https://go.dev/blog/go1.20 Go 1.20 is released! The Go Blog]}} Go 1.20では、スライスから配列への変換が可能になりました。また、unsafeパッケージには新しい関数が追加され、スライスや文字列の値を構築および分解する完全な機能が提供されるようになりました。また、新しい仕様により、構造体のフィールドと配列の要素の比較が最初の不一致で停止するようになり、厳密に比較できない型引数を持つ型パラメータを使用して、比較制約に制限された型をインスタンス化することが可能になりました。 === Go 1.19 === Go 1.19が、2022年8月にリリースされました<ref>{{cite book | url = https://go.dev/doc/go1.19 | title = Go 1.19 Release Notes - The Go Programming Language | date = 2022/08/02 | accessdate = 2022-08-04 }}</ref><ref>{{cite book | url = https://go.dev/blog/go1.19 | title = Go 1.19 is released! - The Go Programming Language | date = 2022/08/02 | accessdate = 2022-08-04 }}</ref>。 {{Main|[https://go.dev/doc/go1.19 Go 1.19 Release Notes - The Go Programming Language]|[https://go.dev/blog/go1.19 Go 1.19 is released! The Go Blog]}} Go 1.19では、ツールチェーン、ランタイム、およびライブラリの実装に変更が加えられています。言語にはわずかな修正があり、既存のプログラムには影響がないです。メモリモデルも更新され、C、C ++、Java、JavaScript、Rust、Swiftなどのメモリモデルに合わせられた。Go 1.19では、sync/atomicパッケージに新しい型が導入され、atomic.Int64やatomic.Pointer[T]などのatomic値をより簡単に使用できるようになっています。Go 1の互換性を維持しており、ほとんどのGoプログラムは引き続き従前どおりにコンパイルおよび実行されることが予想されます。 === Go 1.18 === Go 1.18が、2022年3月にリリースされました<ref>{{cite book | url = https://go.dev/doc/go1.18 | title = Go 1.18 Release Notes - The Go Programming Language | date = 2022/03/10 | accessdate = 2022-08-04 }}</ref>。 {{Main|[https://go.dev/doc/go1.18 Go 1.18 Release Notes - The Go Programming Language]|[https://go.dev/blog/go1.18 Go 1.18 is released! The Go Blog]}} Go 1.18 には、型パラメータプロポーザル<ref>{{cite book | url=https://go.googlesource.com/proposal/+/refs/heads/master/design/43651-type-parameters.md | title=Type Parameters Proposal | accessdate=2021-09-30 }}</ref>で説明されたジェネリック機能の実装が含まれています。 以下は、最も目に付く変更点のリストです。 # 関数と型宣言の構文に型パラメータが使えるようになりました。⇒ [[/関数#ジェネリック関数]] # パラメータ化された関数や型は、その後に角括弧で型引数のリストを記述することでインスタンス化することができます。 # 新しいトークン <code>~</code> が演算子および区切子(punctuation)に追加されました。⇒ [[/字句的要素#演算子と区切子]] # インターフェイス型の構文では、任意の型(インターフェイスの型名だけでなく)、unionや~T型要素を埋め込むことができるようになりました。このようなインターフェースは、型制約としてのみ使用することができます。インターフェイスはメソッドと同様に型の集合を定義するようになりました。⇒ [[/型#インターフェース型]] # 新しい事前宣言された識別子<code>any</code>は空のインターフェースの別名です。これは <code>interface{} </code>の代わりに使用することができます。 # 新しい宣言済み識別子 <code>comparable</code> は <code>==</code> や <code>!=</code> を使って比較できる全ての型の集合を表すインターフェースです. ジェネリックを使った実験的なパッケージが3つあり、便利かもしれません。これらのパッケージは x/exp リポジトリにあります。これらのパッケージの API は Go 1 の保証の対象外であり、ジェネリックの経験を積むにつれて変更される可能性があります。 ;golang.org/x/exp/constraints :<code>constraints.Ordered</code>のようなジェネリックコードに便利な制約です。 ;golang.org/x/exp/slices :任意の要素タイプのスライス上で操作するジェネリック関数のコレクションです。 ;golang.org/x/exp/maps :任意のキーや要素タイプのマップ上で操作するジェネリック関数のコレクションです。 ---- Go 1.18は、言語、ツールチェーン、ランタイム、ライブラリに変更があり、互換性が保たれている。最大の変更点は、ジェネリックスの導入である。ジェネリックスはバックワード互換性があるが、実際に多くの人が書き、使用して初めて本番環境で十分にテストされる。ジェネリックスの使用は推奨されるが、本番環境で使用する場合は注意が必要である。ジェネリックスにはいくつかの制限があるが、これらは将来的に改善される可能性がある。これらの変更により、Goエコシステム全体に影響があり、完全なサポートには時間がかかるだろう。 === Go 1.17 === Go 1.17が、2021年8月にリリースされました<ref>{{cite book | url = https://go.dev/doc/go1.17 | title = Go 1.17 Release Notes - The Go Programming Language | date = 2021/08/16 | accessdate = 2023-03-06 }}</ref><ref>{{cite book | url = https://go.dev/blog/go1.17 | title = Go 1.17 is released! - The Go Programming Language | date = 2021/08/16 | accessdate = 2023-03-06 }}</ref>。 {{Main|[https://go.dev/doc/go1.17 Go 1.17 Release Notes - The Go Programming Language]|[https://go.dev/blog/go1.17 Go 1.17 is released! The Go Blog]}} Go 1.17は、ツールチェーン、ランタイム、およびライブラリの実装の変更が中心で、ほとんどの変更は互換性が維持されています。言語自体には3つの小さな強化があり、スライスから配列ポインタへの変換、unsafe.Add、unsafe.Sliceが追加されました。このうち、スライスから配列ポインタへの変換が実行時にpanicを引き起こす場合があるため、タイプ変換が実行時にpanicを引き起こす可能性があることを考慮する必要があります。新しいプログラムを書く場合も、以前と同様に、unsafe.Pointerの安全ルールに従う必要があります。 === Go 1.16 === Go 1.16が、2021年2月にリリースされました<ref>{{cite book | url = https://go.dev/doc/go1.16 | title = Go 1.16 Release Notes - The Go Programming Language | date = 2021/02/16 | accessdate = 2023-03-06 }}</ref><ref>{{cite book | url = https://go.dev/blog/go1.16 | title = Go 1.16 is released! - The Go Programming Language | date = 2021/02/16 | accessdate = 2023-03-06 }}</ref>。 {{Main|[https://go.dev/doc/go1.16 Go 1.16 Release Notes - The Go Programming Language]|[https://go.dev/blog/go1.16 Go 1.16 is released! The Go Blog]}} Go 1.16では、ツールチェーン、ランタイム、ライブラリの実装が変更されています。Go 1の互換性を維持しながら、ほとんどのプログラムが従来通りにコンパイルおよび実行できるようになっています。言語には変更はありません。 === Go 1.15 === Go 1.15が、2020年8月にリリースされました<ref>{{cite book | url = https://go.dev/doc/go1.15 | title = Go 1.15 Release Notes - The Go Programming Language | date = 2020/08/11 | accessdate = 2023-03-12 }}</ref><ref>{{cite book | url = https://go.dev/blog/go1.15 | title = Go 1.15 is released! - The Go Programming Language | date = 2020/08/11 | accessdate = 2023-03-12 }}</ref>。 {{Main|[https://go.dev/doc/go1.15 Go 1.15 Release Notes - The Go Programming Language]|[https://go.dev/blog/go1.15 Go 1.15 is released! The Go Blog]}} Go 1.15では、リンカーの大幅な改良、高いコア数での小規模オブジェクトの割り当ての改善、X.509 CommonNameの非推奨化、そして新しい埋め込みtzdataパッケージの追加が含まれています。 === Go 1.14 === Go 1.14が、2020年2月にリリースされました<ref>{{cite book | url = https://go.dev/doc/go1.14 | title = Go 1.14 Release Notes - The Go Programming Language | date = 2020/02/25 | accessdate = 2023-03-12 }}</ref><ref>{{cite book | url = https://go.dev/blog/go1.14 | title = Go 1.14 is released! - The Go Programming Language | date = 2020/02/25 | accessdate = 2023-03-12 }}</ref>。 {{Main|[https://go.dev/doc/go1.14 Go 1.14 Release Notes - The Go Programming Language]|[https://go.dev/blog/go1.14 Go 1.14 is released! The Go Blog]}} Go 1.14では、オーバーラップするインターフェースの提案により、埋め込まれたインターフェースで同じ名前とシグネチャを持つメソッドを許可するようになりました。しかし、インターフェース内で宣言されたメソッドは以前と同様にユニークである必要があります。 === Go 1.13 === Go 1.13が、2019年2月にリリースされました<ref>{{cite book | url = https://go.dev/doc/go1.13 | title = Go 1.13 Release Notes - The Go Programming Language | date = 2019/09/03 | accessdate = 2023-03-12 }}</ref><ref>{{cite book | url = https://go.dev/blog/go1.13 | title = Go 1.13 is released! - The Go Programming Language | date = 2019/09/03 | accessdate = 2023-03-12 }}</ref>。 {{Main|[https://go.dev/doc/go1.13 Go 1.13 Release Notes - The Go Programming Language]|[https://go.dev/blog/go1.13 Go 1.13 is released! The Go Blog]}} Go 1.13では、数字リテラルの接頭辞が変更され、バイナリ整数、8進数整数、16進数浮動小数点数、虚数リテラル、数字区切りが使用できるようになりました。さらに、符号付きシフトカウントの制限が撤廃され、制限がなくなりました。これらの変更は、コンパイラの変更によって実現されました。Go 1.13を使用するには、go.modファイルで言語バージョンを指定する必要があります。 === Go 1.12 === Go 1.12が、2019年2月にリリースされました<ref>{{cite book | url = https://go.dev/doc/go1.12 | title = Go 1.12 Release Notes - The Go Programming Language | date = 2019/02/25 | accessdate = 2024/11/13 }}</ref><ref>{{cite book | url = https://go.dev/blog/go1.12 | title = Go 1.12 is released! - The Go Programming Language | date = 2019/02/25 | accessdate = 2024/11/13 }}</ref>。 Go 1.12のリリースには、いくつかの新機能と改善が含まれ、Go言語のパフォーマンスやユーザビリティがさらに向上しました。以下が主な変更点です。 {{Main|[https://go.dev/doc/go1.12 Go 1.12 Release Notes - The Go Programming Language]|[https://go.dev/blog/go1.12 Go 1.12 is released! The Go Blog]}} ; 主要な新機能: :# Windows向けに、標準ライブラリがコントロールグループのサポートやシステムコールの改善により、性能向上と安定性が強化されました。 :# macOS向けの新しいサポートとして、ヒープメモリ使用量の削減や効率化が進められました。 ; パフォーマンスの改善点: :# 文字列操作の最適化が行われ、<code>strings.Trim</code>や<code>strings.Index</code>のパフォーマンスが向上しました。 :# 並列ガベージコレクションが改良され、メモリ管理の効率が向上しています。 :# コンパイラの境界チェックが一部のパターンで自動的に省略されるようになり、コード生成の効率がさらに向上しました。 ; デバッグ機能の改善: :# より正確な変数位置とスタック情報の提供により、デバッグ体験が改善されています。 :# 新たにDWARF生成の機能が拡充され、特に最適化コードにおいて、デバッグ情報の信頼性が高まりました。 ; ランタイムの改善: :# Windows上で、64ビットプロセスのアドレス空間使用が最適化され、より多くのメモリを使用可能になりました。 :# Goランタイムのシグナルハンドリングが強化され、システムシグナルの処理能力が向上しました。 ; 標準ライブラリの改善: :# <code>crypto/x509</code>パッケージで、証明書の検証がmacOSのシステム証明書ストアを使用するようになり、macOSでの信頼性が向上しました。 :# <code>net/http</code>において、HTTP/2の接続管理が改善され、特に大量接続環境での安定性が増しました。 :# <code>os</code>パッケージの<code>Process.Signal</code>がWindowsでも利用可能となり、Windows上のプロセス管理機能が強化されました。 ; ツールの改善: :# <code>go test</code>コマンドに<code>-json</code>フラグが追加され、テスト結果をJSON形式で出力できるようになりました。 :# goコマンドが<code>go.sum</code>ファイルを自動的に更新し、依存関係の信頼性が向上しています。 :# <code>gofmt</code>において、特定のコードパターンの整形が改良され、より一貫したコードスタイルが保たれます。 また、OpenBSD 6.4以降、macOS 10.11 El Capitan以降、またはWindows 7以降が必要となり、これらのOSの以前のバージョンのサポートが終了しました。リリースノートでは、Go 1の互換性は維持されており、ほとんどのGoプログラムは以前と同様に動作すると述べられています。 === Go 1.11 === Go 1.11が、2018年8月にリリースされました<ref>{{cite book | url = https://go.dev/doc/go1.11 | title = Go 1.11 Release Notes - The Go Programming Language | date = 2018/08/24 | accessdate = 2024/11/13 }}</ref><ref>{{cite book | url = https://go.dev/blog/go1.11 | title = Go 1.11 is released! - The Go Programming Language | date = 2018/08/24 | accessdate = 2024/11/13 }}</ref>。 Go 1.11のリリースでは、いくつかの重要な新機能と改善が含まれています。最も注目すべき変更点は以下です。 {{Main|[https://go.dev/doc/go1.11 Go 1.11 Release Notes - The Go Programming Language]|[https://go.dev/blog/go1.11 Go 1.11 is released! The Go Blog]}} ; 主要な新機能: :# モジュールサポートの実験的な導入により、GOPATHに依存しない開発が可能になりました。バージョン管理と依存関係管理が統合され、より信頼性の高いビルドが実現できます。 :# WebAssembly(js/wasm)の実験的なポートが追加され、syscall/jsパッケージを通じてJavaScriptとの連携が可能になりました。 :# RISCVアーキテクチャ向けのGOARCH値("riscv"と"riscv64")が予約されました。 ; パフォーマンスの改善点: :# マップのクリア操作が最適化され、<code>for k := range m { delete(m, k) }</code>のようなコードが効率的に実行されるようになりました。 :# スライス拡張の<code>append(s, make([]T, n)...)</code>が最適化されました。 :# コンパイラの境界チェックと分岐除去が大幅に改善され、より効率的なコードが生成されるようになりました。 ; デバッグ機能の改善: :# 最適化されたバイナリのデバッグ情報が大幅に改善され、変数位置情報、行番号、ブレークポイント位置がより正確になりました。 :# DWARFセクションがデフォルトで圧縮されるようになりました。 :# デバッガー内からのGo関数呼び出しが実験的にサポートされました。 ; ランタイムの改善: :# スパースヒープレイアウトの採用により、Goヒープサイズの制限(従来は512GiB)が撤廃されました。 :# macOSとiOSで、カーネルの直接呼び出しの代わりにlibSystem.dylibを使用するように変更され、将来のOSバージョンとの互換性が向上しました。 ; 標準ライブラリの改善: :# <code>crypto/cipher</code>パッケージに、非標準のタグ長をサポートするGCM実装が追加されました。 :# <code>net/http</code>の<code>Transport</code>型に、ホストごとの最大接続数を制限する<code>MaxConnsPerHost</code>オプションが追加されました。 :# <code>os</code>パッケージに、ユーザー固有のキャッシュディレクトリを取得する<code>UserCacheDir</code>関数が追加されました。 ; ツールの改善: :# 環境変数<code>GOFLAGS</code>が導入され、goコマンドのデフォルトフラグを設定できるようになりました。 :# godocのWebサーバーが、APIの新機能がどのGoバージョンで導入されたかを表示するようになりました。 また、OpenBSD 6.2以降、macOS 10.10 Yosemite以降、またはWindows 7以降が必要となり、これらのOSの以前のバージョンのサポートが終了しました。リリースノートでは、Go 1の互換性は維持されており、ほとんどのGoプログラムは以前と同様に動作すると述べられています。 ---- === Go 1.10 === Go 1.10が、2018年2月にリリースされました<ref>{{cite book | url = https://go.dev/doc/go1.10 | title = Go 1.10 Release Notes - The Go Programming Language | date = 2018/02/16 | accessdate = 2025/05/20 }}</ref><ref>{{cite book | url = https://go.dev/blog/go1.10 | title = Go 1.10 is released - The Go Programming Language | date = 2018/02/16 | accessdate = 2025/05/20 }}</ref>。 Go 1.10のリリースでは、開発体験を大幅に向上させる複数の重要な改善が含まれています。最も注目すべき変更点は以下です。 {{Main|[https://go.dev/doc/go1.10 Go 1.10 Release Notes - The Go Programming Language]|[https://go.dev/blog/go1.10 Go 1.10 is released! The Go Blog]}} ; ビルドシステムの大幅改善: :# ビルドキャッシュの導入により、最近ビルドしたパッケージが自動的にキャッシュされ、ビルド時間が大幅に短縮されました。 :# テスト結果のキャッシュ化により、変更のないテストは再実行せずにキャッシュされた結果を使用するようになりました。 :# <code>go test</code>時に<code>go vet</code>が自動実行され、テスト前にコードの問題を検出できるようになりました。 :# <code>go install</code>コマンドが、コマンドラインで指定されたパッケージのみをインストールするように変更されました。 ; cgoのセキュリティ強化と機能拡張: :# cgoの<code>#cgo CFLAGS</code>などで指定できるコンパイラオプションが安全なもののみに制限され、<code>-fplugin</code>などの危険なオプションは使用できなくなりました。 :# Go文字列値へのC言語からの直接アクセスが可能になり、<code>_GoString_</code>型、<code>_GoStringLen</code>、<code>_GoStringPtr</code>関数が追加されました。 :# CのtypedefがGoの型エイリアスとして実装され、<code>C.X</code>と<code>C.Y</code>を相互に使用できるようになりました。 ; パフォーマンスの改善点: :# ガベージコレクタが割り当て遅延への影響を軽減するよう改善されました。 :# コンパイラの最適化によりコード生成品質が向上し、サポートされている全アーキテクチャで性能が向上しました。 :# スタックトレースから暗黙のラッパー関数(<code><autogenerated></code>マーク)が除外され、より読みやすくなりました。 ; ツールの改善: :# <code>go doc</code>コマンドが、型Tを返すスライスや*Tを返す関数も型Tの表示に含めるようになりました。 :# <code>go test</code>に<code>-failfast</code>フラグが追加され、テスト失敗時に残りのテストを停止できるようになりました。 :# <code>go test -json</code>フラグが追加され、機械読み取り可能なJSON形式でテスト結果を出力できるようになりました。 :# <code>go get</code>コマンドでFossilソースコードリポジトリがサポートされました。 ; ランタイムの改善: :# <code>LockOSThread</code>と<code>UnlockOSThread</code>の呼び出しがネストをサポートするようになりました。 :# <code>GOMAXPROCS</code>の制限が撤廃されました(以前は1024が上限)。 :# <code>GOROOT</code>関数が、環境変数が設定されていない場合にプログラムのコンパイル時の値を使用するようになりました。 ; 標準ライブラリの改善: :# <code>strings</code>パッケージに新しい<code>Builder</code>型が追加され、文字列構築時のメモリ効率が向上しました。 :# <code>math</code>パッケージに<code>Round</code>、<code>RoundToEven</code>、<code>Erfinv</code>、<code>Erfcinv</code>関数が追加されました。 :# <code>net/url</code>の<code>ResolveReference</code>が複数の先頭スラッシュを保持するように修正され、RFC 3986に準拠しました。 :# <code>bytes</code>パッケージの<code>Fields</code>、<code>Split</code>系関数が、返すサブスライスの容量を長さと同じに設定するようになり、メモリ効率が向上しました。 :# <code>archive/tar</code>と<code>archive/zip</code>でより多くのヘッダー形式や時刻エンコーディングがサポートされました。 ; デバッグ機能の改善: :# バイナリ内のDWARFデバッグ情報が改善され、定数値の記録、より正確な行番号情報、パッケージ単位でのコンパイル単位の表現が実現されました。 :# 各種ビルドモードがより多くのシステムに対応し、<code>c-shared</code>、<code>pie</code>、<code>plugin</code>モードの対応プラットフォームが拡張されました。 ; アセンブラの拡張: :# ARM 32ビット、ARM 64ビット、PowerPC 64ビット、S390X、X86 64ビットアーキテクチャで多数の新しい命令がサポートされました。 :# 特にX86 64ビットでは、AVX、AVX2、BMI、BMI2、F16C、FMA3、SSE2、SSE3、SSSE3、SSE4.1、SSE4.2などの拡張命令セットを含む359の新命令が追加されました。 ; ソースコードフォーマットの変更: :# <code>gofmt</code>のデフォルトフォーマットに軽微な変更があり、3つのインデックスを持つスライス式と単一行のインターフェースリテラルの表示が改善されました。 === Go 1.9 === Go 1.9が、2017年8月にリリースされました<ref>{{cite web | url = https://go.dev/doc/go1.9 | title = Go 1.9 Release Notes - The Go Programming Language | accessdate = 2025-05-20 }}</ref><ref>{{cite web | url = https://go.dev/blog/go1.9 | title = Go 1.9 is released - The Go Blog | date = 2017/08/24 | accessdate = 2025-05-20 }}</ref>。 Go 1.9のリリースでは、言語、ツール、ランタイム、標準ライブラリに多くの変更と改善が含まれています。主な変更点は以下の通りです。 {{Main|[https://go.dev/doc/go1.9 Go 1.9 Release Notes - The Go Programming Language]|[https://go.dev/blog/go1.9 Go 1.9 is released - The Go Blog]}} ; 言語の変更点: :# 型エイリアス: パッケージ間で型を移動する際などに、段階的なコードの修正をサポートするための型エイリアスが導入されました。 :#:<code>type T1 = T2</code> :#:の形式で宣言することで、既存の型 T2 に別の名前 T1 を与えることができます。 :# 浮動小数点演算の融合: 言語仕様が更新され、実装が浮動小数点演算(例えば、積和演算)を融合することが許可される条件が定義されました。中間結果の丸めを強制したい場合は、float64(x*y) + z のように明示的な型変換が必要です。 ; 新しい標準パッケージ: :# math/bits: 符号なし整数のビット操作(カウント、操作など)のための最適化された実装を提供する新しいパッケージが追加されました。可能な場合、CPUの特殊な命令が利用されます。 ; パフォーマンスの改善点: :# 並列コンパイル: パッケージ内の関数のコンパイルが並列化され、マルチコア環境でのビルド時間が改善されました。この機能はデフォルトで有効ですが、環境変数 GO19CONCURRENTCOMPILATION=0 を設定することで無効にできます。 :# ガベージコレクション: ストップザワールド型のガベージコレクションを引き起こしていたライブラリ関数 (runtime.GC, debug.SetGCPercent, debug.FreeOSMemory) が、呼び出し元のゴルーチンのみをブロックする並行ガベージコレクションに変更されました。 ; ツールの改善: :# Vendorディレクトリのマッチング: go test などのパッケージ名を引数に取るツールにおいて、./... が vendor ディレクトリ内のパッケージをマッチしなくなりました。vendor ディレクトリをマッチさせるには、./vendor/.... を使用する必要があります。 :# GOROOTの移動: go tool は、実行されたパスからGoのインストールツリーのルートを特定するようになりました。これにより、Goのインストールディレクトリ全体を移動した場合でも、go tool が通常通り動作するはずです。 :# go test -list: テスト、ベンチマーク、またはExampleの名前を正規表現でフィルタリングしてリスト表示する -list フラグが go test コマンドに追加されました。 :# go env -json: 環境変数をJSON形式で出力する -json フラグが go env コマンドに追加されました。 ; その他の注目すべき変更点: :# sync.Map: 並行アクセスに対応した新しいマップ型 sync.Map が追加されました。読み込み、書き込み、削除操作は償却定数時間で行われます。 :# testing.Helper: testing.T および testing.B に Helper メソッドが追加されました。このメソッドを呼び出すと、エラー報告などでファイル名と行番号が表示される際に、ヘルパー関数自身ではなく、ヘルパー関数を呼び出した箇所の情報が表示されるようになります。 :# timeパッケージ: time パッケージは、各 Time 値に透過的に単調時間(monotonic time)を追跡するようになり、壁時計の調整があっても二つの Time 値間の経過時間を安全に計算できるようになりました。 :# runtime.CallersFrames: インライン化されたフレームを含むコールスタックの情報を正確に取得するために、runtime.Callers の結果を直接検査するのではなく、runtime.CallersFrames を使用することが推奨されるようになりました。 :# runtime/pprof: runtime/pprof パッケージで生成されるプロファイルにシンボル情報が含まれるようになり、プロファイルを生成したバイナリなしで go tool pprof で表示できるようになりました。また、プロファイルレコードにラベルを追加する機能も追加されました。 Go 1.9には、上記以外にも多くの追加、改善、および修正が含まれています。詳細については、公式のリリースノートを参照してください。 === Go 1.8 === Go 1.8が、2017年2月にリリースされました<ref>{{cite web | url = https://go.dev/doc/go1.8 | title = Go 1.8 Release Notes - The Go Programming Language | accessdate = 2025-05-20 }}</ref><ref>{{cite web | url = https://go.dev/blog/go1.8 | title = Go 1.8 is released - The Go Blog | date = 2017/02/16 | accessdate = 2025-05-20 }}</ref>。 Go 1.8のリリースでは、ツールチェーン、ランタイム、およびライブラリの実装に多くの変更が含まれています。主な変更点は以下の通りです。 {{Main|[https://go.dev/doc/go1.8 Go 1.8 Release Notes - The Go Programming Language]|[https://go.dev/blog/go1.8 Go 1.8 is released - The Go Blog]}} ; 言語の変更点: :# '''構造体型の変換:''' Go 1.8以降、構造体間の明示的な型変換において、タグが無視されるようになりました。タグのみが異なる2つの構造体は、相互に変換可能です。 :# '''浮動小数点定数の指数:''' 言語仕様が更新され、実装が浮動小数点定数で最大16ビットの指数をサポートすることが要求されるようになりました。ただし、"gc" と gccgo コンパイラは、どちらも32ビットの指数をサポートしています。 ; ポート: :# '''32-bit MIPSのサポート:''' Linux上で、big-endian (linux/mips) と little-endian (linux/mipsle) の両方のマシンで、FPUまたはカーネルFPUエミュレーションを備えたMIPS32r1命令セットを実装する32-bit MIPSがサポートされるようになりました。 ; ツール: :# '''アセンブラ:''' 64-bit x86システム用に、VBROADCASTSD, BROADCASTSS, MOVDDUP, MOVSHDUP, MOVSLDUP, VMOVDDUP, VMOVSHDUP, VMOVSLDUPなどの命令が追加されました。 :# '''Yacc:''' yaccツールは削除されました。 :# '''Fix:''' fixツールに、"golang.org/x/net/context" から "context" へimportを変更する "context" fixが追加されました。 :# '''Pprof:''' pprofツールは、"https+insecure" URLスキームを使用して、TLSサーバーをプロファイルし、証明書の検証をスキップできるようになりました。 :# '''Trace:''' traceツールに、実行トレースからpprof互換のブロッキングおよびレイテンシプロファイルを生成するための -pprof フラグが追加されました。 :# '''Vet:''' Vetは、いくつかの点でより厳密になり、以前に誤検出を引き起こしていた箇所ではより緩くなりました。 ; コンパイラツールチェーン: :# '''SSAバックエンド:''' 64-bit x86システム用の新しいコンパイラバックエンドが導入されました。このバックエンドは、よりコンパクトで効率的なコードを生成し、境界チェックの排除などの最適化のためのより良いプラットフォームを提供します。 :# '''コンパイラとリンカの最適化:''' コンパイラとリンカが最適化され、Go 1.7よりも高速に実行されるようになりました。 ; Cgo: :# Goツールは、make.bash中に設定されたCGO_ENABLED環境変数の値を記憶し、デフォルトですべての将来のコンパイルに適用するようになりました。 ; デフォルトのGOPATH: :# GOPATH環境変数が設定されていない場合、デフォルト値を持つようになりました。Unixでは$HOME/go、Windowsでは%USERPROFILE%/goがデフォルトです。 ; Go get: :# "go get"コマンドは、-insecureフラグが使用されているかどうかに関係なく、HTTPプロキシ環境変数を常に尊重するようになりました。 ; Go bug: :# 新しい "go bug" コマンドは、現在のシステムに関する情報が事前に入力された状態で、GitHubでバグレポートを開始します。 ; Go doc: :# "go doc" コマンドは、godocの動作に従い、定数と変数をその型でグループ化するようになりました。 ; プラグイン: :# Goは、Goで記述されたプラグインを生成するための "plugin" ビルドモードと、実行時にそのようなプラグインをロードするための新しい plugin パッケージによる、プラグインの初期サポートを提供するようになりました。 ; ランタイム: :# '''引数の活性:''' ガベージコレクタは、関数全体の引数をライブとは見なしなくなりました。 :# '''並行マップの誤用:''' Go 1.6で、マップの並行誤用の軽量でベストエフォートな検出が追加されました。このリリースでは、マップへの並行書き込みと反復処理を行うプログラムの検出がサポートされ、その検出器が改善されました。 ; パフォーマンス: :# ガベージコレクションの一時停止が大幅に短縮され、通常は100マイクロ秒未満、多くの場合10マイクロ秒程度になりました。 :# deferred関数呼び出しのオーバーヘッドが約半分に削減されました。 :# GoからCへの呼び出しのオーバーヘッドが約半分に削減されました。 ; 標準ライブラリ: :# '''Examples:''' 多くのパッケージに例が追加されました。 :# '''Sort:''' sortパッケージに、less関数を指定してスライスをソートするための便利な関数Sliceが含まれるようになりました。 :# '''HTTP/2 Push:''' net/httpパッケージに、HandlerからHTTP/2サーバープッシュを送信するメカニズムが含まれるようになりました。 :# '''HTTPサーバーの正常シャットダウン:''' HTTPサーバーは、新しいServer.Shutdownメソッドを使用した正常シャットダウンと、新しいServer.Closeメソッドを使用した突然のシャットダウンをサポートするようになりました。 :# '''コンテキストのサポート:''' context.Contextの標準ライブラリへの採用を継続し、Go 1.8は、既存のパッケージへのコンテキストサポートを追加しました。 :# '''Mutex競合プロファイリング:''' ランタイムとツールが、競合するmutexのプロファイリングをサポートするようになりました。 Go 1.8には、上記以外にも多くの追加、改善、および修正が含まれています。詳細については、公式のリリースノートを参照してください。 === Go 1.7 === Go 1.7が、2016年8月にリリースされました<ref>{{cite web | url = https://go.dev/doc/go1.7 | title = Go 1.7 Release Notes - The Go Programming Language | accessdate = 2025-05-20 }}</ref><ref>{{cite web | url = https://go.dev/blog/go1.7 | title = Go 1.7 is released - The Go Blog | date = 2016/08/15 | accessdate = 2025-05-20 }}</ref>。 主な変更点は以下の通りです。 ; 主な変更点 * '''言語仕様''': 終了ステートメントの定義を明確化(既存の挙動を正式化) * '''パフォーマンス''': x86-64向け新しいコンパイラバックエンドで5-35%の性能向上 * '''標準ライブラリ''': ** <code>context</code>パッケージが標準ライブラリに昇格 ** <code>net/http/httptrace</code>パッケージ追加 ** テスト階層構造をサポート(サブテスト/サブベンチマーク) * '''ツールチェーン''': ** ビルド時間の改善 ** バイナリサイズの削減(20-30%減少することも) ** ベンダリングサポートが正式機能に * '''ポート''': ** macOS 10.12 Sierraサポート追加 ** Linux on z Systems(s390x)の実験的サポート追加 ; 互換性 Go 1の互換性保証を維持。ほとんどのGoプログラムは変更なしで動作する見込み。 ; その他の注目点 * ガベージコレクションの一時停止時間が短縮 * 多数の標準ライブラリで10%以上の性能改善 * Unicode 9.0サポート * WindowsでのメモリOS返還サポート * 実行トレースの収集オーバーヘッドが大幅改善(400%→25%) このリリースは主にツールチェーン、ランタイム、ライブラリの実装改善に焦点を当てています。 === Go 1.6 === Go 1.6が、2016年2月17日にリリースされました<ref>{{cite web | url = https://go.dev/blog/go1.6 | title = Go 1.6 Release Notes - The Go Programming Language | accessdate = 2025-06-29 }}</ref><ref>{{cite web | url = https://go.dev/blog/go1.6 | title = Go 1.6 is released - The Go Blog | date = 2016/02/17 | accessdate = 2025-06-29 }}</ref>。 主な変更点は以下の通りです。 ; 主な変更点 * '''言語仕様''': 言語仕様の変更なし * '''パフォーマンス''': ** Go 1ベンチマークスイートのプログラムが平均数パーセント高速化 ** ガベージコレクターの一時停止時間がさらに短縮(特にメモリを大量に使用するプログラムで) ** <code>compress/bzip2</code>、<code>compress/gzip</code>、<code>crypto/aes</code>、<code>crypto/elliptic</code>、<code>crypto/ecdsa</code>、<code>sort</code>パッケージで10%以上の最適化 ** <code>sort.Sort</code>の実装が効率化され、約10%高速化 * '''標準ライブラリ''': ** <code>net/http</code>パッケージがHTTPS使用時にHTTP/2を透過的かつ自動的にサポート ** <code>text/template</code>パッケージにテンプレート再利用の新メカニズムを追加(アクション周りの空白除去、<code>{{block}}</code>アクション) * '''ツールチェーン''': ** パーサーがyacc生成のものから手書きのものに変更 ** <code>linux/amd64</code>向けにClang MemorySanitizerとの連携のための新しい<code>-msan</code>フラグを追加 ** リンカーに新しい<code>-libgcc</code>オプションを追加 ** Go 1.5で導入されたビルドモードを多くのシステムに拡張(<code>c-shared</code>、<code>shared</code>、新しい<code>pie</code>モード) ** <code>go</code>コマンドがベンダリングをデフォルトで有効化(Go 1.5では実験的機能) ** <code>go doc</code>コマンドの曖昧性解消を改善(ベンダリングされたコピーよりも元のパッケージを優先) ** <code>go vet</code>コマンドが関数やメソッドの値を<code>Printf</code>に誤って渡す診断を開始 * '''ポート''': ** 64ビットMIPS上のLinuxと32ビットx86上のAndroidへの実験的な新しいポートを追加 ; 互換性 Go 1の互換性保証を維持。ほとんどのGoプログラムは変更なしでコンパイルおよび実行される見込み。 ; その他の注目点 * ランタイムでマップの同時誤用を軽量に検出(検出された場合はプログラムがクラッシュ) * プログラム終了時のパニックについて、ランタイムがデフォルトで実行中のゴルーチンのスタックのみを出力 * Goのガベージコレクターとの互換性を確保するため、GoポインタとCコード間の共有ルールを明確化し、強制 * Windowsでのグローバルタイマー解像度の1ms強制を停止 * <code>-buildmode=c-archive</code>または<code>-buildmode=c-shared</code>でビルドされたアーカイブおよび共有ライブラリのシグナルハンドリングを変更 * <code>reflect</code>パッケージで、エクスポートされたフィールドを含む埋め込まれた非エクスポート構造体型に関する非互換性を解決 === Go 1.5 === Go 1.5が、2015年8月19日にリリースされました<ref>{{cite web | url = https://go.dev/blog/go1.5 | title = Go 1.5 Release Notes - The Go Programming Language | accessdate = 2025-06-29 }}</ref><ref>{{cite web | url = https://go.dev/blog/go1.5 | title = Go 1.5 is released - The Go Blog | date = 2015/08/19 | accessdate = 2025-06-29 }}</ref>。 主な変更点は以下の通りです。 ; 主な変更点 * '''言語仕様''': ** マップリテラルの要素型の省略を許可する構文の制限が緩和 *** '''パフォーマンス''': ** ガベージコレクターが再設計され、並行処理可能に。一時停止時間が劇的に短縮され、通常10ミリ秒未満に ** スケジューラーの改善により、<code>GOMAXPROCS</code>のデフォルト値が論理CPU数に変更 *** '''標準ライブラリ''': ** <code>flag</code>パッケージでよりクリーンな使用法メッセージ ** <code>math/big</code>に任意精度浮動小数点数用の新しい<code>Float</code>型を追加 ** LinuxおよびBSDシステム上のDNSリゾルバーの改善により、名前ルックアップのcgo要件を削除 ** <code>go/types</code>パッケージが標準ライブラリに移動 ** <code>reflect</code>パッケージに<code>ArrayOf</code>および<code>FuncOf</code>関数が追加 *** '''ツールチェーン''': ** コンパイラとランタイムが完全にGoで記述され、GoコードベースからすべてのCコードが削除 ** 従来のツール名(例: <code>6g</code>、<code>8g</code>)が廃止され、<code>go tool compile</code>、<code>go tool asm</code>、<code>go tool link</code>などの単一バイナリに置き換え ** 中間オブジェクトファイルが<code>.6</code>、<code>.8</code>などの代わりに<code>.o</code>サフィックスを使用 ** <code>go/types</code>パッケージの移動に伴い、<code>vet</code>および<code>cover</code>ツールも移動 ** コンパイラが定数評価に<code>math/big</code>パッケージを使用 ** アセンブラが新しいネイティブGo実装になり、わずかな互換性変更あり ** リンカーに拡張されたリンクスタイル(共有ライブラリのビルドなど)のための<code>-buildmode</code>オプションを導入 ** <code>go tool vet</code>コマンドが構造体タグのより厳密な検証を実行 ** <code>go test</code>コマンドに新しい<code>-count</code>フラグ、<code>go generate</code>に<code>-run</code>オプションと新しい環境変数を追加 ** <code>go get</code>コマンドに新しい<code>-insecure</code>フラグを追加 ** 外部依存関係の「ベンダリング」に対する実験的なサポートが導入(<code>go</code>コマンドが有効化) *** '''ポート''': ** Snow Leopardおよび<code>dragonfly/386</code>のサポートが終了 ** <code>darwin/arm</code>、<code>darwin/arm64</code>(AppleのiPhoneおよびiPad用)、<code>linux/arm64</code>、<code>ppc64</code>、<code>ppc64le</code>(IBM 64ビットPowerPC)を含む新しいポートがソースから利用可能 ** FreeBSD (8-STABLE以上) およびNaCl (SDKバージョンpepper-41) の特定の要件 ** Solarisポートで完全な<code>cgo</code>サポートと<code>net</code>および<code>crypto/x509</code>の改善 ; 互換性 主要なアーキテクチャ変更にもかかわらず、Go 1の互換性保証を維持。ほとんどのGoプログラムは以前と同様にコンパイルおよび実行される見込み。ただし、ゴルーチンスケジューリング順序に暗黙的に依存するプログラムや、複数のコアでの実行を想定していないプログラム(<code>GOMAXPROCS</code>のデフォルト値変更のため)は更新が必要になる場合がある。 ; その他の注目点 * 内部パッケージのサポートがすべてのリポジトリで提供 * <code>install</code>サブコマンドがソースディレクトリに<code>build</code>によって作成されたバイナリを削除 * 新しいビルドオプションとして<code>-asmflags</code>、<code>-buildmode</code>、<code>-pkgdir</code>、<code>-toolexec</code>が追加 * <code>-ccflags</code>オプションが削除 === Go 1.4 === === Go 1.3 === === Go 1.2 === === Go 1.1 === === Go 1.0 === ==脚註 == <references /> == 参考文献 == *{{cite book | url = https://go.dev/ref/spec | title = The Go Programming Language Specification | date = JJune 13, 2024 | publisher = The Go website }} == 下位階層のページ == <div style="max-height: 24rem; overflow-y: scroll;"> {{特別:前方一致ページ一覧/{{PAGENAME}}/|hideredirects=yes|stripprefix=yes}} </div> == 外部リンク == {{Wikipedia|Go (プログラミング言語)|Go}} {{Wikiversity|Topic:Go|Go}} * [https://go.dev/ The Go Programming Language] - 公式サイト * [https://go.dev/play/ The Go Playground] {{DEFAULTSORT:GO}} [[Category:Go|*]] [[Category:プログラミング言語]] {{NDC|007.64}} l9iaauhlo38dl57nr0rslrtziwbg3es 276370 276369 2025-06-28T22:17:25Z Ef3 694 /* Go 1.5 */ マークアップ修正 276370 wikitext text/x-wiki {{Pathnav|メインページ|工学|情報技術|プログラミング}} Goは、Googleが開発したオープンソースの汎用プログラミング言語であり、システムプログラミングを主な目的として設計されています<ref name="Introduction">{{cite book | url = https://go.dev/ref/spec#Introduction | title = The Go Programming Language Specification Language version go1.23 (June 13, 2024) | chapter = Introduction¶ | date = June 13, 2024 | publisher = The Go website }}</ref>。 静的型付け言語であるため、高速で効率的なプログラムを作成することができ、また、並行処理を簡単に実装できるため、高い並行性を持ちます。 Goの文法はシンプルで読みやすく、効率的にコーディングできるため、開発者は迅速に新しいコードを書くことができます。 Goは自動的にメモリを管理するため、メモリ管理に関する手間を減らすことができます。 さらに、Windows、macOS、Linuxなど、多くのプラットフォームで動作し、標準ライブラリが豊富であり、多くの外部ライブラリが存在するため、広範な用途に対応することができます。 Goのコミュニティは活発であり、多くの開発者が参加しているため、質問や問題解決のためのリソースが豊富であり、新しい機能やライブラリが定期的にリリースされています。 この教科書では、初めてGoを学ぶ人から、より高度なトピックに興味のある人まで、幅広い読者を対象に、Goの基本から応用までを網羅的に解説します。 __TOC__ == 目次 == ;チュートリアル篇 : [[/環境構築|環境構築]] : [[/実行の方法|実行の方法]] {{---}} [[Go/実行の方法#Hello, World|Hello, World]] : [[/文法の概要|文法の概要]] : [[/変数|変数と型変換]] : [[/算術演算と数学関数|算術演算と数学関数]] : [[/条件分岐と繰り返し|条件分岐と繰り返し]] {{---}} if, switch, select, for, break, continue, return : [[/関数|関数]] : [[/メソッドとインターフェース|メソッドとインターフェース]] : [[/ジェネリクス|ジェネリクス]] : [[/再帰的関数呼出し|再帰的関数呼出し]] : [[/メソッドチェイン|メソッドチェイン]] : [[/defer,panicとrecover|defer, panicとrecover]] : [[/並行処理|並行処理]] : [[/配列とスライス|配列型とスライス型]] : [[/マップ|マップ型]] : [[/構造体|構造体型と構造体スライス]] : [[/イテレータ|イテレータ]] : [[/Goのプログラムがどんなアセンブリにコンパイルされるか?|Goのプログラムがどんなアセンブリにコンパイルされるか?]] {{---}} go tool objdump : [[/クロスコンパイル|クロスコンパイル]] {{---}} GOOS, GOARCH : [[/cgoでGoのコードからCの関数を利用する|cgoでGoのコードからCの関数を利用する]] {{---}} cgo : [[/Goのコードでgoのバージョンを調べる方法|Goのコードでgoのバージョンを調べる方法]] : [[/HTTP|HTTP]] : [[/ファイル入出力|ファイル入出力]] : [[/コードギャラリー|コードギャラリー]] ;リファレンス篇 : [[/ソースコードの表現方法|ソースコードの表現方法]] : [[/キーワードと宣言済み識別子|キーワードと宣言済み識別子]] {{---}} [[/キーワードと宣言済み識別子#キーワード|キーワード]]・[[/キーワードと宣言済み識別子#宣言済み識別子|宣言済み識別子]]([[/キーワードと宣言済み識別子#組込み型|組込み型]]・[[/キーワードと宣言済み識別子#組込み関数|組込み関数]]) : [[/字句的要素|字句的要素]] : [[/定数と変数|定数と変数]] {{---}} [[/定数と変数#定数|定数]]([[/定数と変数#iota|iota]])・[[/定数と変数#変数|変数]] : [[/型|型]] : [[/型と値の特性|型と値の特性]] : [[/ブロック・宣言とスコープ|ブロック・宣言とスコープ]] {{---}} [[/ブロック・宣言とスコープ#ブロック|ブロック]]・[[/ブロック・宣言とスコープ#宣言とスコープ|宣言とスコープ]] : [[/式|式]] {{---}} [[/式#演算子|演算子]] : [[/文|文]] : [[/パッケージ|パッケージ]] : [[/プログラムの初期化と実行|プログラムの初期化と実行]] : [[/エラー|エラー]] : [[/EBNF|EBNF]] ;[[/標準ライブラリー|標準ライブラリー篇]] ;[[/改廃された技術|改廃された技術]] == バージョン間の変更点 == Go は、約半年ごとに新しいバージョンがリリースされます。バージョンが変わると、言語仕様に追加変更があったり、ツールチェーン、ランタイム、およびライブラリの実装に変更が加えられることがあり、稀に既存のプログラムに影響が出ることもあります。以下に、最新のバージョンから順に変更点を記載します。 === Go 1.24 === Go 1.24が、2025年2月にリリースされました<ref>{{cite book | url = https://go.dev/doc/go1.24 | title = Go 1.24 Release Notes - The Go Programming Language | date = 2024/02/11 | accessdate = 2024/02/23 }}</ref><ref>{{cite book | url = https://go.dev/blog/go1.24 | title = Go 1.24 is released! - The Go Programming Language | date = 2024/02/11 | accessdate = 2024/02/23 }}</ref>。 Go 1.24のリリースでは、いくつかの重要な新機能と改善が含まれています。最も注目すべき変更点は以下です。 {{Main|[https://go.dev/doc/go1.24 Go 1.24 Release Notes - The Go Programming Language]|[https://go.dev/blog/go1.24 Go 1.24 is released! The Go Blog]}} ; 言語の変更点: :# ジェネリック型エイリアスが完全にサポートされるようになりました。これにより、型エイリアスに型パラメータを設定できるようになり、既存の型を制約付きで再定義することが可能になりました。たとえば <code>type VectorAlias[T any] = Vector[T]</code> のような定義ができます。この機能は Go 1.23 では実験的な機能(GOEXPERIMENT=aliastypeparams)でしたが、Go 1.24で正式にサポートされました。 ; 新しい標準パッケージ: :# crypto/mlkem:ML-KEM-768とML-KEM-1024を実装したパッケージ。 :# crypto/hkdf:HMAC-based Extract-and-Expand key derivation function (HKDF) を実装したパッケージ。 :# crypto/pbkdf2:password-based key derivation function (PBKDF2) を実装したパッケージ。 :# crypto/sha3:SHA-3ハッシュ関数とSHAKE/cSHAKE extendable-output functionsを実装したパッケージ。 :# weak:弱参照を提供するパッケージ。 :# testing/synctest:並行コードのテストをサポートする実験的なパッケージ(GOEXPERIMENT=synctestが必要)。 ; パフォーマンスの改善点: :# Swiss Tablesベースの新しいマップ実装により、2-3%のCPUオーバーヘッドが削減。 :# 小さなオブジェクトのメモリ割り当ての効率化。 :# 新しいランタイム内部ミューテックス実装。 ; ツールの改善: :# go.modファイルでツール依存関係を追跡できるようになりました。 :# go buildとgo installに -json フラグが追加され、構造化されたJSON出力が可能に。 :# go vetに新しいtestsアナライザーが追加され、テストの一般的な間違いを検出可能に。 ; セキュリティの改善: :# FIPS 140-3コンプライアンスのための新しいメカニズムが追加。 :# TLSサーバーがEncrypted Client Hello (ECH)をサポート。 :# RSAキーは1024ビット未満のキーサイズでエラーを返すように変更。 ; プラットフォームサポートの変更: :# Linuxはカーネルバージョン3.2以降が必要になりました。 :# Go 1.24はmacOS 11 Big Surをサポートする最後のバージョンとなります。 :# Windows 32-bit ARM (windows/arm)は「broken」とマークされました。 また、1.23でサポートされた"for-range"ループのイテレータ機能を活用し、bytes/stringsパッケージに新しいイテレータ関数(Lines、SplitSeq、SplitAfterSeq、FieldsSeq、FieldsFuncSeq)が追加されました。os.Root型による特定ディレクトリ内でのファイルシステム操作が可能になり、testing.B.Loopメソッドにより、ベンチマークの記述がより簡単で安全になっています。 === Go 1.23 === Go 1.23が、2024年8月にリリースされました<ref>{{cite book | url = https://go.dev/doc/go1.23 | title = Go 1.23 Release Notes - The Go Programming Language | date = 2024/08/13 | accessdate = 2024/11/13 }}</ref><ref>{{cite book | url = https://go.dev/blog/go1.23 | title = Go 1.23 is released! - The Go Programming Language | date = 2024/08/13 | accessdate = 2024/11/13 }}</ref>。 Go 1.23のリリースでは、いくつかの重要な新機能と改善が含まれています。最も注目すべき変更点は以下です。 {{Main|[https://go.dev/doc/go1.23 Go 1.23 Release Notes - The Go Programming Language]|[https://go.dev/blog/go1.23 Go 1.23 is released! The Go Blog]}} ; 言語の変更点: :# "for-range" ループでイテレータ関数がサポートされるようになりました。これにより、カスタムイテレーション値を生成する関数を使用できます。 :# ジェネリック型エイリアスのプレビューサポートが追加されました(GOEXPERIMENT=aliastypeparamsを有効にする必要があります)。 ; 新しい標準パッケージ: :# uniqueパッケージ:値の正規化(インターン化やハッシュコンス化)を行うための機能を提供します。 :# iterパッケージ:ユーザー定義のイテレータ機能を提供します。 :# structsパッケージ:構造体のメモリレイアウトなどのプロパティを制御する機能を提供します。 ; パフォーマンスの改善点: :# Profile Guided Optimization (PGO)のビルドオーバーヘッドが大幅に削減されました。以前は100%以上の増加が見られましたが、今回のリリースでは一桁台のパーセンテージまで改善されています。 :# コンパイラがローカル変数のスタックフレームスロットを最適化し、関数内の異なる領域で重複して使用できるようになり、スタック使用量が削減されました。 ; テレメトリーと開発者ツール: :# Goツールチェーンが使用状況と問題点の統計情報を収集できるテレメトリー機能が追加されました(オプトイン方式)。 :# go vetコマンドにstdversionアナライザーが追加され、使用しているGoバージョンと互換性のないシンボルの参照を検出できるようになりました。 ; プラットフォームサポートの変更: :# macOSは11 (Big Sur)以降が必要になりました。 :# Linux kernelは2.6.32以降が必要です(Go 1.24では3.2以降になる予定)。 :# OpenBSDの64-bit RISC-Vサポートが試験的に追加されました。 また、time.TimerとTime.Tickerの実装が大幅に改善され、未使用のタイマーがガベージコレクションの対象となるようになりました。セキュリティ面では、TLSクライアントがEncrypted Client Helloをサポートし、3DESの暗号スイートがデフォルトリストから削除されるなどの改善が行われています。 === Go 1.22 === Go 1.22が、2024年2月にリリースされました<ref>{{cite book | url = https://go.dev/doc/go1.22 | title = Go 1.22 Release Notes - The Go Programming Language | date = 2024/02/06 | accessdate = 2024/02/11 }}</ref><ref>{{cite book | url = https://go.dev/blog/go1.22 | title = Go 1.22 is released! - The Go Programming Language | date = 2024/02/06 | accessdate = 2024/02/11 }}</ref>。 Go 1.22のリリースでは、いくつかの重要な新機能と改善が含まれています。最も注目すべき変更点は以下です。 {{Main|[https://go.dev/doc/go1.22 Go 1.22 Release Notes - The Go Programming Language]|[https://go.dev/blog/go1.22 Go 1.22 is released! The Go Blog]}} ; 言語の変更点: :# 長らく問題視されてきた「for」ループの変数スコープが変更されました。以前は変数が一度だけ作成され、各イテレーションで更新されていましたが、Go 1.22以降は各イテレーションで新しい変数が作成されるようになり、意図しない共有の問題が解消されました。 :# 整数の範囲に対する<code>range</code>のサポートが追加されました。例えば、<code>for i := range 10</code>のような構文が可能になりました。 ; パフォーマンスの改善点: :# ガベージコレクションのメタデータを各ヒープオブジェクトの近くに配置するように最適化されました。これにより、CPUパフォーマンスが1-3%向上し、ほとんどのGoプログラムのメモリオーバーヘッドが約1%削減されました。 :# コンパイラのプロファイル誘導最適化(PGO)が改善され、より多くのインターフェースメソッド呼び出しの仮想化解除が可能になりました。代表的なGoプログラムの多くで、PGOを有効にすることで2-14%のパフォーマンス向上が見られます。 :# コンパイラは仮想化解除とインライン化を交互に行うようになり、インターフェースメソッド呼び出しの最適化が向上しました。 ; 標準ライブラリの追加と改善: :# 標準ライブラリで初めてのv2パッケージとなる<code>math/rand/v2</code>が追加されました。新しいパッケージでは、ChaCha8とPCGという2つの現代的な疑似乱数生成器を提供し、より高速なアルゴリズムを採用しています。 :# <code>net/http.ServeMux</code>のHTTPルーティングがより表現力豊かになりました。メソッドとワイルドカードをサポートし、例えば"POST /items/create"や"/items/{id}"のようなパターンが使用可能になりました。 :# <code>database/sql</code>パッケージに<code>Null[T]</code>型が追加され、任意の型のnullableカラムをスキャンする機能が提供されます。 :# <code>go/version</code>パッケージが追加され、Goバージョン文字列の検証と比較機能が提供されます。 :# <code>slices</code>パッケージに複数のスライスを連結する<code>Concat</code>関数が追加されました。 ; ツールの改善: :# Goコマンドでワークスペースのvendorディレクトリがサポートされるようになりました。<code>go work vendor</code>でディレクトリを作成し、<code>-mod=vendor</code>フラグで使用できます。 :# トレースツールのWebUIが改良され、スレッド指向のビューでトレースを探索できるようになりました。また、すべてのシステムコールの完全な実行時間が表示されるようになりました。 :# <code>go vet</code>ツールに新しい警告が追加され、appendに値を渡し忘れた場合や、time.Since呼び出しの遅延に関する問題を検出できるようになりました。 また、macOSのx86-64アーキテクチャ(darwin/amd64)向けのGoツールチェーンが、デフォルトで位置独立実行形式(PIE)を生成するようになりました。Go 1.23以降はmacOS 11 Big Sur以降が必要になることも発表されています。 === Go 1.21 === Go 1.21が、2023年8月にリリースされました<ref>{{cite book | url = https://go.dev/doc/go1.21 | title = Go 1.21 Release Notes - The Go Programming Language | date = 2023/08/08 | accessdate = 2023-11-28 }}</ref><ref>{{cite book | url = https://go.dev/blog/go1.21 | title = Go 1.21 is released! - The Go Programming Language 5| date = 2023/08/08 | accessdate = 2023-11-28 }}</ref>。 {{Main|[https://go.dev/doc/go1.21 Go 1.21 Release Notes - The Go Programming Language]|[https://go.dev/blog/go1.21 Go 1.21 is released! The Go Blog]}} Go 1.21では、リリースの番号付けにわずかな変更が導入されました。Go 1.Nは、過去にGo言語のバージョン全体とリリースファミリー、およびそのファミリー内の最初のリリースを指すために使用されていました。しかし、Go 1.21から、最初のリリースはGo 1.N.0となりました。今日、Go 1.21言語とその初期実装であるGo 1.21.0リリースが公開されています。これらのノートは「Go 1.21」と呼ばれますが、go versionなどのツールは「go1.21.0」と報告されます(Go 1.21.1にアップグレードするまで)。 ; ツールの改善点: :# Profile Guided Optimization(PGO)機能が一般利用可能になりました。<code>default.pgo</code>という名前のファイルがメインパッケージのディレクトリにある場合、<code>go</code>コマンドはそれを使用してPGOビルドを有効にします。 :# <code>go</code>ツールは今後の言語の後方互換性と前方互換性をサポートします。 ; 言語の変更点: :# 新しい組み込み関数 <code>min</code>、<code>max</code>、<code>clear</code> が追加されました。 :# ジェネリック関数の型推論がいくつか改善され、仕様書の型推論の説明が拡張されました。 :# Goプログラミングの最も一般的な落とし穴の1つに取り組む予定で、そのプレビューがGo 1.21に含まれています。これは環境変数を使用してコードで有効にできます。詳細はLoopvarExperiment wikiページを参照してください。 ;標準ライブラリの追加点: :# 構造化ログのための新しいlog/slogパッケージが追加されました。 :# 任意の要素型のスライスに対する共通操作のための新しいslicesパッケージが追加されました。これには、一般的により高速で使いやすいソート関数も含まれています。 :# 任意のキーまたは要素型のマップに対する共通操作のための新しいmapsパッケージが追加されました。 :# 順序付けられた値を比較するための新しいユーティリティを提供するcmpパッケージが追加されました。 ; 性能の改善点: :# PGOを有効にした際のパフォーマンス向上に加えて、以下のような改善があります。 :# Goコンパイラ自体がPGOを有効にして再ビルドされ、ホストアーキテクチャによってはプログラムのビルドが2〜4%高速化されました。 :# ガベージコレクターの調整により、一部のアプリケーションではテールレイテンシーが最大40%削減される場合があります。 :# runtime/traceでトレースを収集する際のCPUコストが、amd64およびarm64で大幅に低減されました。 ; 新しいWASIポート: :# Go 1.21には、WebAssembly System Interface(WASI)の実験的なポートが追加されました(GOOS=wasip1、GOARCH=wasm)。 :# より一般的なWebAssembly(Wasm)コードの記述を容易にするために、コンパイラはWasmホストからの関数のインポートのための新しい指令 <code>go:wasmimport</code> をサポートしています。 === Go 1.20 === Go 1.20が、2023年2月にリリースされました<ref>{{cite book | url = https://go.dev/doc/go1.20 | title = Go 1.20 Release Notes - The Go Programming Language | date = 2023/02/01 | accessdate = 2023-03-05 }}</ref><ref>{{cite book | url = https://go.dev/blog/go1.20 | title = Go 1.20 is released! - The Go Programming Language | date = 2023/02/01 | accessdate = 2023-03-05 }}</ref>。 {{Main|[https://go.dev/doc/go1.20 Go 1.20 Release Notes - The Go Programming Language]|[https://go.dev/blog/go1.20 Go 1.20 is released! The Go Blog]}} Go 1.20では、スライスから配列への変換が可能になりました。また、unsafeパッケージには新しい関数が追加され、スライスや文字列の値を構築および分解する完全な機能が提供されるようになりました。また、新しい仕様により、構造体のフィールドと配列の要素の比較が最初の不一致で停止するようになり、厳密に比較できない型引数を持つ型パラメータを使用して、比較制約に制限された型をインスタンス化することが可能になりました。 === Go 1.19 === Go 1.19が、2022年8月にリリースされました<ref>{{cite book | url = https://go.dev/doc/go1.19 | title = Go 1.19 Release Notes - The Go Programming Language | date = 2022/08/02 | accessdate = 2022-08-04 }}</ref><ref>{{cite book | url = https://go.dev/blog/go1.19 | title = Go 1.19 is released! - The Go Programming Language | date = 2022/08/02 | accessdate = 2022-08-04 }}</ref>。 {{Main|[https://go.dev/doc/go1.19 Go 1.19 Release Notes - The Go Programming Language]|[https://go.dev/blog/go1.19 Go 1.19 is released! The Go Blog]}} Go 1.19では、ツールチェーン、ランタイム、およびライブラリの実装に変更が加えられています。言語にはわずかな修正があり、既存のプログラムには影響がないです。メモリモデルも更新され、C、C ++、Java、JavaScript、Rust、Swiftなどのメモリモデルに合わせられた。Go 1.19では、sync/atomicパッケージに新しい型が導入され、atomic.Int64やatomic.Pointer[T]などのatomic値をより簡単に使用できるようになっています。Go 1の互換性を維持しており、ほとんどのGoプログラムは引き続き従前どおりにコンパイルおよび実行されることが予想されます。 === Go 1.18 === Go 1.18が、2022年3月にリリースされました<ref>{{cite book | url = https://go.dev/doc/go1.18 | title = Go 1.18 Release Notes - The Go Programming Language | date = 2022/03/10 | accessdate = 2022-08-04 }}</ref>。 {{Main|[https://go.dev/doc/go1.18 Go 1.18 Release Notes - The Go Programming Language]|[https://go.dev/blog/go1.18 Go 1.18 is released! The Go Blog]}} Go 1.18 には、型パラメータプロポーザル<ref>{{cite book | url=https://go.googlesource.com/proposal/+/refs/heads/master/design/43651-type-parameters.md | title=Type Parameters Proposal | accessdate=2021-09-30 }}</ref>で説明されたジェネリック機能の実装が含まれています。 以下は、最も目に付く変更点のリストです。 # 関数と型宣言の構文に型パラメータが使えるようになりました。⇒ [[/関数#ジェネリック関数]] # パラメータ化された関数や型は、その後に角括弧で型引数のリストを記述することでインスタンス化することができます。 # 新しいトークン <code>~</code> が演算子および区切子(punctuation)に追加されました。⇒ [[/字句的要素#演算子と区切子]] # インターフェイス型の構文では、任意の型(インターフェイスの型名だけでなく)、unionや~T型要素を埋め込むことができるようになりました。このようなインターフェースは、型制約としてのみ使用することができます。インターフェイスはメソッドと同様に型の集合を定義するようになりました。⇒ [[/型#インターフェース型]] # 新しい事前宣言された識別子<code>any</code>は空のインターフェースの別名です。これは <code>interface{} </code>の代わりに使用することができます。 # 新しい宣言済み識別子 <code>comparable</code> は <code>==</code> や <code>!=</code> を使って比較できる全ての型の集合を表すインターフェースです. ジェネリックを使った実験的なパッケージが3つあり、便利かもしれません。これらのパッケージは x/exp リポジトリにあります。これらのパッケージの API は Go 1 の保証の対象外であり、ジェネリックの経験を積むにつれて変更される可能性があります。 ;golang.org/x/exp/constraints :<code>constraints.Ordered</code>のようなジェネリックコードに便利な制約です。 ;golang.org/x/exp/slices :任意の要素タイプのスライス上で操作するジェネリック関数のコレクションです。 ;golang.org/x/exp/maps :任意のキーや要素タイプのマップ上で操作するジェネリック関数のコレクションです。 ---- Go 1.18は、言語、ツールチェーン、ランタイム、ライブラリに変更があり、互換性が保たれている。最大の変更点は、ジェネリックスの導入である。ジェネリックスはバックワード互換性があるが、実際に多くの人が書き、使用して初めて本番環境で十分にテストされる。ジェネリックスの使用は推奨されるが、本番環境で使用する場合は注意が必要である。ジェネリックスにはいくつかの制限があるが、これらは将来的に改善される可能性がある。これらの変更により、Goエコシステム全体に影響があり、完全なサポートには時間がかかるだろう。 === Go 1.17 === Go 1.17が、2021年8月にリリースされました<ref>{{cite book | url = https://go.dev/doc/go1.17 | title = Go 1.17 Release Notes - The Go Programming Language | date = 2021/08/16 | accessdate = 2023-03-06 }}</ref><ref>{{cite book | url = https://go.dev/blog/go1.17 | title = Go 1.17 is released! - The Go Programming Language | date = 2021/08/16 | accessdate = 2023-03-06 }}</ref>。 {{Main|[https://go.dev/doc/go1.17 Go 1.17 Release Notes - The Go Programming Language]|[https://go.dev/blog/go1.17 Go 1.17 is released! The Go Blog]}} Go 1.17は、ツールチェーン、ランタイム、およびライブラリの実装の変更が中心で、ほとんどの変更は互換性が維持されています。言語自体には3つの小さな強化があり、スライスから配列ポインタへの変換、unsafe.Add、unsafe.Sliceが追加されました。このうち、スライスから配列ポインタへの変換が実行時にpanicを引き起こす場合があるため、タイプ変換が実行時にpanicを引き起こす可能性があることを考慮する必要があります。新しいプログラムを書く場合も、以前と同様に、unsafe.Pointerの安全ルールに従う必要があります。 === Go 1.16 === Go 1.16が、2021年2月にリリースされました<ref>{{cite book | url = https://go.dev/doc/go1.16 | title = Go 1.16 Release Notes - The Go Programming Language | date = 2021/02/16 | accessdate = 2023-03-06 }}</ref><ref>{{cite book | url = https://go.dev/blog/go1.16 | title = Go 1.16 is released! - The Go Programming Language | date = 2021/02/16 | accessdate = 2023-03-06 }}</ref>。 {{Main|[https://go.dev/doc/go1.16 Go 1.16 Release Notes - The Go Programming Language]|[https://go.dev/blog/go1.16 Go 1.16 is released! The Go Blog]}} Go 1.16では、ツールチェーン、ランタイム、ライブラリの実装が変更されています。Go 1の互換性を維持しながら、ほとんどのプログラムが従来通りにコンパイルおよび実行できるようになっています。言語には変更はありません。 === Go 1.15 === Go 1.15が、2020年8月にリリースされました<ref>{{cite book | url = https://go.dev/doc/go1.15 | title = Go 1.15 Release Notes - The Go Programming Language | date = 2020/08/11 | accessdate = 2023-03-12 }}</ref><ref>{{cite book | url = https://go.dev/blog/go1.15 | title = Go 1.15 is released! - The Go Programming Language | date = 2020/08/11 | accessdate = 2023-03-12 }}</ref>。 {{Main|[https://go.dev/doc/go1.15 Go 1.15 Release Notes - The Go Programming Language]|[https://go.dev/blog/go1.15 Go 1.15 is released! The Go Blog]}} Go 1.15では、リンカーの大幅な改良、高いコア数での小規模オブジェクトの割り当ての改善、X.509 CommonNameの非推奨化、そして新しい埋め込みtzdataパッケージの追加が含まれています。 === Go 1.14 === Go 1.14が、2020年2月にリリースされました<ref>{{cite book | url = https://go.dev/doc/go1.14 | title = Go 1.14 Release Notes - The Go Programming Language | date = 2020/02/25 | accessdate = 2023-03-12 }}</ref><ref>{{cite book | url = https://go.dev/blog/go1.14 | title = Go 1.14 is released! - The Go Programming Language | date = 2020/02/25 | accessdate = 2023-03-12 }}</ref>。 {{Main|[https://go.dev/doc/go1.14 Go 1.14 Release Notes - The Go Programming Language]|[https://go.dev/blog/go1.14 Go 1.14 is released! The Go Blog]}} Go 1.14では、オーバーラップするインターフェースの提案により、埋め込まれたインターフェースで同じ名前とシグネチャを持つメソッドを許可するようになりました。しかし、インターフェース内で宣言されたメソッドは以前と同様にユニークである必要があります。 === Go 1.13 === Go 1.13が、2019年2月にリリースされました<ref>{{cite book | url = https://go.dev/doc/go1.13 | title = Go 1.13 Release Notes - The Go Programming Language | date = 2019/09/03 | accessdate = 2023-03-12 }}</ref><ref>{{cite book | url = https://go.dev/blog/go1.13 | title = Go 1.13 is released! - The Go Programming Language | date = 2019/09/03 | accessdate = 2023-03-12 }}</ref>。 {{Main|[https://go.dev/doc/go1.13 Go 1.13 Release Notes - The Go Programming Language]|[https://go.dev/blog/go1.13 Go 1.13 is released! The Go Blog]}} Go 1.13では、数字リテラルの接頭辞が変更され、バイナリ整数、8進数整数、16進数浮動小数点数、虚数リテラル、数字区切りが使用できるようになりました。さらに、符号付きシフトカウントの制限が撤廃され、制限がなくなりました。これらの変更は、コンパイラの変更によって実現されました。Go 1.13を使用するには、go.modファイルで言語バージョンを指定する必要があります。 === Go 1.12 === Go 1.12が、2019年2月にリリースされました<ref>{{cite book | url = https://go.dev/doc/go1.12 | title = Go 1.12 Release Notes - The Go Programming Language | date = 2019/02/25 | accessdate = 2024/11/13 }}</ref><ref>{{cite book | url = https://go.dev/blog/go1.12 | title = Go 1.12 is released! - The Go Programming Language | date = 2019/02/25 | accessdate = 2024/11/13 }}</ref>。 Go 1.12のリリースには、いくつかの新機能と改善が含まれ、Go言語のパフォーマンスやユーザビリティがさらに向上しました。以下が主な変更点です。 {{Main|[https://go.dev/doc/go1.12 Go 1.12 Release Notes - The Go Programming Language]|[https://go.dev/blog/go1.12 Go 1.12 is released! The Go Blog]}} ; 主要な新機能: :# Windows向けに、標準ライブラリがコントロールグループのサポートやシステムコールの改善により、性能向上と安定性が強化されました。 :# macOS向けの新しいサポートとして、ヒープメモリ使用量の削減や効率化が進められました。 ; パフォーマンスの改善点: :# 文字列操作の最適化が行われ、<code>strings.Trim</code>や<code>strings.Index</code>のパフォーマンスが向上しました。 :# 並列ガベージコレクションが改良され、メモリ管理の効率が向上しています。 :# コンパイラの境界チェックが一部のパターンで自動的に省略されるようになり、コード生成の効率がさらに向上しました。 ; デバッグ機能の改善: :# より正確な変数位置とスタック情報の提供により、デバッグ体験が改善されています。 :# 新たにDWARF生成の機能が拡充され、特に最適化コードにおいて、デバッグ情報の信頼性が高まりました。 ; ランタイムの改善: :# Windows上で、64ビットプロセスのアドレス空間使用が最適化され、より多くのメモリを使用可能になりました。 :# Goランタイムのシグナルハンドリングが強化され、システムシグナルの処理能力が向上しました。 ; 標準ライブラリの改善: :# <code>crypto/x509</code>パッケージで、証明書の検証がmacOSのシステム証明書ストアを使用するようになり、macOSでの信頼性が向上しました。 :# <code>net/http</code>において、HTTP/2の接続管理が改善され、特に大量接続環境での安定性が増しました。 :# <code>os</code>パッケージの<code>Process.Signal</code>がWindowsでも利用可能となり、Windows上のプロセス管理機能が強化されました。 ; ツールの改善: :# <code>go test</code>コマンドに<code>-json</code>フラグが追加され、テスト結果をJSON形式で出力できるようになりました。 :# goコマンドが<code>go.sum</code>ファイルを自動的に更新し、依存関係の信頼性が向上しています。 :# <code>gofmt</code>において、特定のコードパターンの整形が改良され、より一貫したコードスタイルが保たれます。 また、OpenBSD 6.4以降、macOS 10.11 El Capitan以降、またはWindows 7以降が必要となり、これらのOSの以前のバージョンのサポートが終了しました。リリースノートでは、Go 1の互換性は維持されており、ほとんどのGoプログラムは以前と同様に動作すると述べられています。 === Go 1.11 === Go 1.11が、2018年8月にリリースされました<ref>{{cite book | url = https://go.dev/doc/go1.11 | title = Go 1.11 Release Notes - The Go Programming Language | date = 2018/08/24 | accessdate = 2024/11/13 }}</ref><ref>{{cite book | url = https://go.dev/blog/go1.11 | title = Go 1.11 is released! - The Go Programming Language | date = 2018/08/24 | accessdate = 2024/11/13 }}</ref>。 Go 1.11のリリースでは、いくつかの重要な新機能と改善が含まれています。最も注目すべき変更点は以下です。 {{Main|[https://go.dev/doc/go1.11 Go 1.11 Release Notes - The Go Programming Language]|[https://go.dev/blog/go1.11 Go 1.11 is released! The Go Blog]}} ; 主要な新機能: :# モジュールサポートの実験的な導入により、GOPATHに依存しない開発が可能になりました。バージョン管理と依存関係管理が統合され、より信頼性の高いビルドが実現できます。 :# WebAssembly(js/wasm)の実験的なポートが追加され、syscall/jsパッケージを通じてJavaScriptとの連携が可能になりました。 :# RISCVアーキテクチャ向けのGOARCH値("riscv"と"riscv64")が予約されました。 ; パフォーマンスの改善点: :# マップのクリア操作が最適化され、<code>for k := range m { delete(m, k) }</code>のようなコードが効率的に実行されるようになりました。 :# スライス拡張の<code>append(s, make([]T, n)...)</code>が最適化されました。 :# コンパイラの境界チェックと分岐除去が大幅に改善され、より効率的なコードが生成されるようになりました。 ; デバッグ機能の改善: :# 最適化されたバイナリのデバッグ情報が大幅に改善され、変数位置情報、行番号、ブレークポイント位置がより正確になりました。 :# DWARFセクションがデフォルトで圧縮されるようになりました。 :# デバッガー内からのGo関数呼び出しが実験的にサポートされました。 ; ランタイムの改善: :# スパースヒープレイアウトの採用により、Goヒープサイズの制限(従来は512GiB)が撤廃されました。 :# macOSとiOSで、カーネルの直接呼び出しの代わりにlibSystem.dylibを使用するように変更され、将来のOSバージョンとの互換性が向上しました。 ; 標準ライブラリの改善: :# <code>crypto/cipher</code>パッケージに、非標準のタグ長をサポートするGCM実装が追加されました。 :# <code>net/http</code>の<code>Transport</code>型に、ホストごとの最大接続数を制限する<code>MaxConnsPerHost</code>オプションが追加されました。 :# <code>os</code>パッケージに、ユーザー固有のキャッシュディレクトリを取得する<code>UserCacheDir</code>関数が追加されました。 ; ツールの改善: :# 環境変数<code>GOFLAGS</code>が導入され、goコマンドのデフォルトフラグを設定できるようになりました。 :# godocのWebサーバーが、APIの新機能がどのGoバージョンで導入されたかを表示するようになりました。 また、OpenBSD 6.2以降、macOS 10.10 Yosemite以降、またはWindows 7以降が必要となり、これらのOSの以前のバージョンのサポートが終了しました。リリースノートでは、Go 1の互換性は維持されており、ほとんどのGoプログラムは以前と同様に動作すると述べられています。 ---- === Go 1.10 === Go 1.10が、2018年2月にリリースされました<ref>{{cite book | url = https://go.dev/doc/go1.10 | title = Go 1.10 Release Notes - The Go Programming Language | date = 2018/02/16 | accessdate = 2025/05/20 }}</ref><ref>{{cite book | url = https://go.dev/blog/go1.10 | title = Go 1.10 is released - The Go Programming Language | date = 2018/02/16 | accessdate = 2025/05/20 }}</ref>。 Go 1.10のリリースでは、開発体験を大幅に向上させる複数の重要な改善が含まれています。最も注目すべき変更点は以下です。 {{Main|[https://go.dev/doc/go1.10 Go 1.10 Release Notes - The Go Programming Language]|[https://go.dev/blog/go1.10 Go 1.10 is released! The Go Blog]}} ; ビルドシステムの大幅改善: :# ビルドキャッシュの導入により、最近ビルドしたパッケージが自動的にキャッシュされ、ビルド時間が大幅に短縮されました。 :# テスト結果のキャッシュ化により、変更のないテストは再実行せずにキャッシュされた結果を使用するようになりました。 :# <code>go test</code>時に<code>go vet</code>が自動実行され、テスト前にコードの問題を検出できるようになりました。 :# <code>go install</code>コマンドが、コマンドラインで指定されたパッケージのみをインストールするように変更されました。 ; cgoのセキュリティ強化と機能拡張: :# cgoの<code>#cgo CFLAGS</code>などで指定できるコンパイラオプションが安全なもののみに制限され、<code>-fplugin</code>などの危険なオプションは使用できなくなりました。 :# Go文字列値へのC言語からの直接アクセスが可能になり、<code>_GoString_</code>型、<code>_GoStringLen</code>、<code>_GoStringPtr</code>関数が追加されました。 :# CのtypedefがGoの型エイリアスとして実装され、<code>C.X</code>と<code>C.Y</code>を相互に使用できるようになりました。 ; パフォーマンスの改善点: :# ガベージコレクタが割り当て遅延への影響を軽減するよう改善されました。 :# コンパイラの最適化によりコード生成品質が向上し、サポートされている全アーキテクチャで性能が向上しました。 :# スタックトレースから暗黙のラッパー関数(<code><autogenerated></code>マーク)が除外され、より読みやすくなりました。 ; ツールの改善: :# <code>go doc</code>コマンドが、型Tを返すスライスや*Tを返す関数も型Tの表示に含めるようになりました。 :# <code>go test</code>に<code>-failfast</code>フラグが追加され、テスト失敗時に残りのテストを停止できるようになりました。 :# <code>go test -json</code>フラグが追加され、機械読み取り可能なJSON形式でテスト結果を出力できるようになりました。 :# <code>go get</code>コマンドでFossilソースコードリポジトリがサポートされました。 ; ランタイムの改善: :# <code>LockOSThread</code>と<code>UnlockOSThread</code>の呼び出しがネストをサポートするようになりました。 :# <code>GOMAXPROCS</code>の制限が撤廃されました(以前は1024が上限)。 :# <code>GOROOT</code>関数が、環境変数が設定されていない場合にプログラムのコンパイル時の値を使用するようになりました。 ; 標準ライブラリの改善: :# <code>strings</code>パッケージに新しい<code>Builder</code>型が追加され、文字列構築時のメモリ効率が向上しました。 :# <code>math</code>パッケージに<code>Round</code>、<code>RoundToEven</code>、<code>Erfinv</code>、<code>Erfcinv</code>関数が追加されました。 :# <code>net/url</code>の<code>ResolveReference</code>が複数の先頭スラッシュを保持するように修正され、RFC 3986に準拠しました。 :# <code>bytes</code>パッケージの<code>Fields</code>、<code>Split</code>系関数が、返すサブスライスの容量を長さと同じに設定するようになり、メモリ効率が向上しました。 :# <code>archive/tar</code>と<code>archive/zip</code>でより多くのヘッダー形式や時刻エンコーディングがサポートされました。 ; デバッグ機能の改善: :# バイナリ内のDWARFデバッグ情報が改善され、定数値の記録、より正確な行番号情報、パッケージ単位でのコンパイル単位の表現が実現されました。 :# 各種ビルドモードがより多くのシステムに対応し、<code>c-shared</code>、<code>pie</code>、<code>plugin</code>モードの対応プラットフォームが拡張されました。 ; アセンブラの拡張: :# ARM 32ビット、ARM 64ビット、PowerPC 64ビット、S390X、X86 64ビットアーキテクチャで多数の新しい命令がサポートされました。 :# 特にX86 64ビットでは、AVX、AVX2、BMI、BMI2、F16C、FMA3、SSE2、SSE3、SSSE3、SSE4.1、SSE4.2などの拡張命令セットを含む359の新命令が追加されました。 ; ソースコードフォーマットの変更: :# <code>gofmt</code>のデフォルトフォーマットに軽微な変更があり、3つのインデックスを持つスライス式と単一行のインターフェースリテラルの表示が改善されました。 === Go 1.9 === Go 1.9が、2017年8月にリリースされました<ref>{{cite web | url = https://go.dev/doc/go1.9 | title = Go 1.9 Release Notes - The Go Programming Language | accessdate = 2025-05-20 }}</ref><ref>{{cite web | url = https://go.dev/blog/go1.9 | title = Go 1.9 is released - The Go Blog | date = 2017/08/24 | accessdate = 2025-05-20 }}</ref>。 Go 1.9のリリースでは、言語、ツール、ランタイム、標準ライブラリに多くの変更と改善が含まれています。主な変更点は以下の通りです。 {{Main|[https://go.dev/doc/go1.9 Go 1.9 Release Notes - The Go Programming Language]|[https://go.dev/blog/go1.9 Go 1.9 is released - The Go Blog]}} ; 言語の変更点: :# 型エイリアス: パッケージ間で型を移動する際などに、段階的なコードの修正をサポートするための型エイリアスが導入されました。 :#:<code>type T1 = T2</code> :#:の形式で宣言することで、既存の型 T2 に別の名前 T1 を与えることができます。 :# 浮動小数点演算の融合: 言語仕様が更新され、実装が浮動小数点演算(例えば、積和演算)を融合することが許可される条件が定義されました。中間結果の丸めを強制したい場合は、float64(x*y) + z のように明示的な型変換が必要です。 ; 新しい標準パッケージ: :# math/bits: 符号なし整数のビット操作(カウント、操作など)のための最適化された実装を提供する新しいパッケージが追加されました。可能な場合、CPUの特殊な命令が利用されます。 ; パフォーマンスの改善点: :# 並列コンパイル: パッケージ内の関数のコンパイルが並列化され、マルチコア環境でのビルド時間が改善されました。この機能はデフォルトで有効ですが、環境変数 GO19CONCURRENTCOMPILATION=0 を設定することで無効にできます。 :# ガベージコレクション: ストップザワールド型のガベージコレクションを引き起こしていたライブラリ関数 (runtime.GC, debug.SetGCPercent, debug.FreeOSMemory) が、呼び出し元のゴルーチンのみをブロックする並行ガベージコレクションに変更されました。 ; ツールの改善: :# Vendorディレクトリのマッチング: go test などのパッケージ名を引数に取るツールにおいて、./... が vendor ディレクトリ内のパッケージをマッチしなくなりました。vendor ディレクトリをマッチさせるには、./vendor/.... を使用する必要があります。 :# GOROOTの移動: go tool は、実行されたパスからGoのインストールツリーのルートを特定するようになりました。これにより、Goのインストールディレクトリ全体を移動した場合でも、go tool が通常通り動作するはずです。 :# go test -list: テスト、ベンチマーク、またはExampleの名前を正規表現でフィルタリングしてリスト表示する -list フラグが go test コマンドに追加されました。 :# go env -json: 環境変数をJSON形式で出力する -json フラグが go env コマンドに追加されました。 ; その他の注目すべき変更点: :# sync.Map: 並行アクセスに対応した新しいマップ型 sync.Map が追加されました。読み込み、書き込み、削除操作は償却定数時間で行われます。 :# testing.Helper: testing.T および testing.B に Helper メソッドが追加されました。このメソッドを呼び出すと、エラー報告などでファイル名と行番号が表示される際に、ヘルパー関数自身ではなく、ヘルパー関数を呼び出した箇所の情報が表示されるようになります。 :# timeパッケージ: time パッケージは、各 Time 値に透過的に単調時間(monotonic time)を追跡するようになり、壁時計の調整があっても二つの Time 値間の経過時間を安全に計算できるようになりました。 :# runtime.CallersFrames: インライン化されたフレームを含むコールスタックの情報を正確に取得するために、runtime.Callers の結果を直接検査するのではなく、runtime.CallersFrames を使用することが推奨されるようになりました。 :# runtime/pprof: runtime/pprof パッケージで生成されるプロファイルにシンボル情報が含まれるようになり、プロファイルを生成したバイナリなしで go tool pprof で表示できるようになりました。また、プロファイルレコードにラベルを追加する機能も追加されました。 Go 1.9には、上記以外にも多くの追加、改善、および修正が含まれています。詳細については、公式のリリースノートを参照してください。 === Go 1.8 === Go 1.8が、2017年2月にリリースされました<ref>{{cite web | url = https://go.dev/doc/go1.8 | title = Go 1.8 Release Notes - The Go Programming Language | accessdate = 2025-05-20 }}</ref><ref>{{cite web | url = https://go.dev/blog/go1.8 | title = Go 1.8 is released - The Go Blog | date = 2017/02/16 | accessdate = 2025-05-20 }}</ref>。 Go 1.8のリリースでは、ツールチェーン、ランタイム、およびライブラリの実装に多くの変更が含まれています。主な変更点は以下の通りです。 {{Main|[https://go.dev/doc/go1.8 Go 1.8 Release Notes - The Go Programming Language]|[https://go.dev/blog/go1.8 Go 1.8 is released - The Go Blog]}} ; 言語の変更点: :# '''構造体型の変換:''' Go 1.8以降、構造体間の明示的な型変換において、タグが無視されるようになりました。タグのみが異なる2つの構造体は、相互に変換可能です。 :# '''浮動小数点定数の指数:''' 言語仕様が更新され、実装が浮動小数点定数で最大16ビットの指数をサポートすることが要求されるようになりました。ただし、"gc" と gccgo コンパイラは、どちらも32ビットの指数をサポートしています。 ; ポート: :# '''32-bit MIPSのサポート:''' Linux上で、big-endian (linux/mips) と little-endian (linux/mipsle) の両方のマシンで、FPUまたはカーネルFPUエミュレーションを備えたMIPS32r1命令セットを実装する32-bit MIPSがサポートされるようになりました。 ; ツール: :# '''アセンブラ:''' 64-bit x86システム用に、VBROADCASTSD, BROADCASTSS, MOVDDUP, MOVSHDUP, MOVSLDUP, VMOVDDUP, VMOVSHDUP, VMOVSLDUPなどの命令が追加されました。 :# '''Yacc:''' yaccツールは削除されました。 :# '''Fix:''' fixツールに、"golang.org/x/net/context" から "context" へimportを変更する "context" fixが追加されました。 :# '''Pprof:''' pprofツールは、"https+insecure" URLスキームを使用して、TLSサーバーをプロファイルし、証明書の検証をスキップできるようになりました。 :# '''Trace:''' traceツールに、実行トレースからpprof互換のブロッキングおよびレイテンシプロファイルを生成するための -pprof フラグが追加されました。 :# '''Vet:''' Vetは、いくつかの点でより厳密になり、以前に誤検出を引き起こしていた箇所ではより緩くなりました。 ; コンパイラツールチェーン: :# '''SSAバックエンド:''' 64-bit x86システム用の新しいコンパイラバックエンドが導入されました。このバックエンドは、よりコンパクトで効率的なコードを生成し、境界チェックの排除などの最適化のためのより良いプラットフォームを提供します。 :# '''コンパイラとリンカの最適化:''' コンパイラとリンカが最適化され、Go 1.7よりも高速に実行されるようになりました。 ; Cgo: :# Goツールは、make.bash中に設定されたCGO_ENABLED環境変数の値を記憶し、デフォルトですべての将来のコンパイルに適用するようになりました。 ; デフォルトのGOPATH: :# GOPATH環境変数が設定されていない場合、デフォルト値を持つようになりました。Unixでは$HOME/go、Windowsでは%USERPROFILE%/goがデフォルトです。 ; Go get: :# "go get"コマンドは、-insecureフラグが使用されているかどうかに関係なく、HTTPプロキシ環境変数を常に尊重するようになりました。 ; Go bug: :# 新しい "go bug" コマンドは、現在のシステムに関する情報が事前に入力された状態で、GitHubでバグレポートを開始します。 ; Go doc: :# "go doc" コマンドは、godocの動作に従い、定数と変数をその型でグループ化するようになりました。 ; プラグイン: :# Goは、Goで記述されたプラグインを生成するための "plugin" ビルドモードと、実行時にそのようなプラグインをロードするための新しい plugin パッケージによる、プラグインの初期サポートを提供するようになりました。 ; ランタイム: :# '''引数の活性:''' ガベージコレクタは、関数全体の引数をライブとは見なしなくなりました。 :# '''並行マップの誤用:''' Go 1.6で、マップの並行誤用の軽量でベストエフォートな検出が追加されました。このリリースでは、マップへの並行書き込みと反復処理を行うプログラムの検出がサポートされ、その検出器が改善されました。 ; パフォーマンス: :# ガベージコレクションの一時停止が大幅に短縮され、通常は100マイクロ秒未満、多くの場合10マイクロ秒程度になりました。 :# deferred関数呼び出しのオーバーヘッドが約半分に削減されました。 :# GoからCへの呼び出しのオーバーヘッドが約半分に削減されました。 ; 標準ライブラリ: :# '''Examples:''' 多くのパッケージに例が追加されました。 :# '''Sort:''' sortパッケージに、less関数を指定してスライスをソートするための便利な関数Sliceが含まれるようになりました。 :# '''HTTP/2 Push:''' net/httpパッケージに、HandlerからHTTP/2サーバープッシュを送信するメカニズムが含まれるようになりました。 :# '''HTTPサーバーの正常シャットダウン:''' HTTPサーバーは、新しいServer.Shutdownメソッドを使用した正常シャットダウンと、新しいServer.Closeメソッドを使用した突然のシャットダウンをサポートするようになりました。 :# '''コンテキストのサポート:''' context.Contextの標準ライブラリへの採用を継続し、Go 1.8は、既存のパッケージへのコンテキストサポートを追加しました。 :# '''Mutex競合プロファイリング:''' ランタイムとツールが、競合するmutexのプロファイリングをサポートするようになりました。 Go 1.8には、上記以外にも多くの追加、改善、および修正が含まれています。詳細については、公式のリリースノートを参照してください。 === Go 1.7 === Go 1.7が、2016年8月にリリースされました<ref>{{cite web | url = https://go.dev/doc/go1.7 | title = Go 1.7 Release Notes - The Go Programming Language | accessdate = 2025-05-20 }}</ref><ref>{{cite web | url = https://go.dev/blog/go1.7 | title = Go 1.7 is released - The Go Blog | date = 2016/08/15 | accessdate = 2025-05-20 }}</ref>。 主な変更点は以下の通りです。 ; 主な変更点 * '''言語仕様''': 終了ステートメントの定義を明確化(既存の挙動を正式化) * '''パフォーマンス''': x86-64向け新しいコンパイラバックエンドで5-35%の性能向上 * '''標準ライブラリ''': ** <code>context</code>パッケージが標準ライブラリに昇格 ** <code>net/http/httptrace</code>パッケージ追加 ** テスト階層構造をサポート(サブテスト/サブベンチマーク) * '''ツールチェーン''': ** ビルド時間の改善 ** バイナリサイズの削減(20-30%減少することも) ** ベンダリングサポートが正式機能に * '''ポート''': ** macOS 10.12 Sierraサポート追加 ** Linux on z Systems(s390x)の実験的サポート追加 ; 互換性 Go 1の互換性保証を維持。ほとんどのGoプログラムは変更なしで動作する見込み。 ; その他の注目点 * ガベージコレクションの一時停止時間が短縮 * 多数の標準ライブラリで10%以上の性能改善 * Unicode 9.0サポート * WindowsでのメモリOS返還サポート * 実行トレースの収集オーバーヘッドが大幅改善(400%→25%) このリリースは主にツールチェーン、ランタイム、ライブラリの実装改善に焦点を当てています。 === Go 1.6 === Go 1.6が、2016年2月17日にリリースされました<ref>{{cite web | url = https://go.dev/blog/go1.6 | title = Go 1.6 Release Notes - The Go Programming Language | accessdate = 2025-06-29 }}</ref><ref>{{cite web | url = https://go.dev/blog/go1.6 | title = Go 1.6 is released - The Go Blog | date = 2016/02/17 | accessdate = 2025-06-29 }}</ref>。 主な変更点は以下の通りです。 ; 主な変更点 * '''言語仕様''': 言語仕様の変更なし * '''パフォーマンス''': ** Go 1ベンチマークスイートのプログラムが平均数パーセント高速化 ** ガベージコレクターの一時停止時間がさらに短縮(特にメモリを大量に使用するプログラムで) ** <code>compress/bzip2</code>、<code>compress/gzip</code>、<code>crypto/aes</code>、<code>crypto/elliptic</code>、<code>crypto/ecdsa</code>、<code>sort</code>パッケージで10%以上の最適化 ** <code>sort.Sort</code>の実装が効率化され、約10%高速化 * '''標準ライブラリ''': ** <code>net/http</code>パッケージがHTTPS使用時にHTTP/2を透過的かつ自動的にサポート ** <code>text/template</code>パッケージにテンプレート再利用の新メカニズムを追加(アクション周りの空白除去、<code>{{block}}</code>アクション) * '''ツールチェーン''': ** パーサーがyacc生成のものから手書きのものに変更 ** <code>linux/amd64</code>向けにClang MemorySanitizerとの連携のための新しい<code>-msan</code>フラグを追加 ** リンカーに新しい<code>-libgcc</code>オプションを追加 ** Go 1.5で導入されたビルドモードを多くのシステムに拡張(<code>c-shared</code>、<code>shared</code>、新しい<code>pie</code>モード) ** <code>go</code>コマンドがベンダリングをデフォルトで有効化(Go 1.5では実験的機能) ** <code>go doc</code>コマンドの曖昧性解消を改善(ベンダリングされたコピーよりも元のパッケージを優先) ** <code>go vet</code>コマンドが関数やメソッドの値を<code>Printf</code>に誤って渡す診断を開始 * '''ポート''': ** 64ビットMIPS上のLinuxと32ビットx86上のAndroidへの実験的な新しいポートを追加 ; 互換性 Go 1の互換性保証を維持。ほとんどのGoプログラムは変更なしでコンパイルおよび実行される見込み。 ; その他の注目点 * ランタイムでマップの同時誤用を軽量に検出(検出された場合はプログラムがクラッシュ) * プログラム終了時のパニックについて、ランタイムがデフォルトで実行中のゴルーチンのスタックのみを出力 * Goのガベージコレクターとの互換性を確保するため、GoポインタとCコード間の共有ルールを明確化し、強制 * Windowsでのグローバルタイマー解像度の1ms強制を停止 * <code>-buildmode=c-archive</code>または<code>-buildmode=c-shared</code>でビルドされたアーカイブおよび共有ライブラリのシグナルハンドリングを変更 * <code>reflect</code>パッケージで、エクスポートされたフィールドを含む埋め込まれた非エクスポート構造体型に関する非互換性を解決 === Go 1.5 === Go 1.5が、2015年8月19日にリリースされました<ref>{{cite web | url = https://go.dev/blog/go1.5 | title = Go 1.5 Release Notes - The Go Programming Language | accessdate = 2025-06-29 }}</ref><ref>{{cite web | url = https://go.dev/blog/go1.5 | title = Go 1.5 is released - The Go Blog | date = 2015/08/19 | accessdate = 2025-06-29 }}</ref>。 主な変更点は以下の通りです。 ; 主な変更点 * '''言語仕様''': ** マップリテラルの要素型の省略を許可する構文の制限が緩和 * '''パフォーマンス''': ** ガベージコレクターが再設計され、並行処理可能に。一時停止時間が劇的に短縮され、通常10ミリ秒未満に ** スケジューラーの改善により、<code>GOMAXPROCS</code>のデフォルト値が論理CPU数に変更 * '''標準ライブラリ''': ** <code>flag</code>パッケージでよりクリーンな使用法メッセージ ** <code>math/big</code>に任意精度浮動小数点数用の新しい<code>Float</code>型を追加 ** LinuxおよびBSDシステム上のDNSリゾルバーの改善により、名前ルックアップのcgo要件を削除 ** <code>go/types</code>パッケージが標準ライブラリに移動 ** <code>reflect</code>パッケージに<code>ArrayOf</code>および<code>FuncOf</code>関数が追加 * '''ツールチェーン''': ** コンパイラとランタイムが完全にGoで記述され、GoコードベースからすべてのCコードが削除 ** 従来のツール名(例: <code>6g</code>、<code>8g</code>)が廃止され、<code>go tool compile</code>、<code>go tool asm</code>、<code>go tool link</code>などの単一バイナリに置き換え ** 中間オブジェクトファイルが<code>.6</code>、<code>.8</code>などの代わりに<code>.o</code>サフィックスを使用 ** <code>go/types</code>パッケージの移動に伴い、<code>vet</code>および<code>cover</code>ツールも移動 ** コンパイラが定数評価に<code>math/big</code>パッケージを使用 ** アセンブラが新しいネイティブGo実装になり、わずかな互換性変更あり ** リンカーに拡張されたリンクスタイル(共有ライブラリのビルドなど)のための<code>-buildmode</code>オプションを導入 ** <code>go tool vet</code>コマンドが構造体タグのより厳密な検証を実行 ** <code>go test</code>コマンドに新しい<code>-count</code>フラグ、<code>go generate</code>に<code>-run</code>オプションと新しい環境変数を追加 ** <code>go get</code>コマンドに新しい<code>-insecure</code>フラグを追加 ** 外部依存関係の「ベンダリング」に対する実験的なサポートが導入(<code>go</code>コマンドが有効化) * '''ポート''': ** Snow Leopardおよび<code>dragonfly/386</code>のサポートが終了 ** <code>darwin/arm</code>、<code>darwin/arm64</code>(AppleのiPhoneおよびiPad用)、<code>linux/arm64</code>、<code>ppc64</code>、<code>ppc64le</code>(IBM 64ビットPowerPC)を含む新しいポートがソースから利用可能 ** FreeBSD (8-STABLE以上) およびNaCl (SDKバージョンpepper-41) の特定の要件 ** Solarisポートで完全な<code>cgo</code>サポートと<code>net</code>および<code>crypto/x509</code>の改善 ; 互換性 主要なアーキテクチャ変更にもかかわらず、Go 1の互換性保証を維持。ほとんどのGoプログラムは以前と同様にコンパイルおよび実行される見込み。ただし、ゴルーチンスケジューリング順序に暗黙的に依存するプログラムや、複数のコアでの実行を想定していないプログラム(<code>GOMAXPROCS</code>のデフォルト値変更のため)は更新が必要になる場合がある。 ; その他の注目点 * 内部パッケージのサポートがすべてのリポジトリで提供 * <code>install</code>サブコマンドがソースディレクトリに<code>build</code>によって作成されたバイナリを削除 * 新しいビルドオプションとして<code>-asmflags</code>、<code>-buildmode</code>、<code>-pkgdir</code>、<code>-toolexec</code>が追加 * <code>-ccflags</code>オプションが削除 === Go 1.4 === === Go 1.3 === === Go 1.2 === === Go 1.1 === === Go 1.0 === ==脚註 == <references /> == 参考文献 == *{{cite book | url = https://go.dev/ref/spec | title = The Go Programming Language Specification | date = JJune 13, 2024 | publisher = The Go website }} == 下位階層のページ == <div style="max-height: 24rem; overflow-y: scroll;"> {{特別:前方一致ページ一覧/{{PAGENAME}}/|hideredirects=yes|stripprefix=yes}} </div> == 外部リンク == {{Wikipedia|Go (プログラミング言語)|Go}} {{Wikiversity|Topic:Go|Go}} * [https://go.dev/ The Go Programming Language] - 公式サイト * [https://go.dev/play/ The Go Playground] {{DEFAULTSORT:GO}} [[Category:Go|*]] [[Category:プログラミング言語]] {{NDC|007.64}} 537tb9dngsr4htt3f8sstm3r8ph59rt 売春防止法第6条 0 29048 276345 275898 2025-06-28T15:50:21Z Fukupow 34984 改正反映 276345 wikitext text/x-wiki [[コンメンタール]]>[[コンメンタール売春防止法]]>売春防止法第6条 == 条文 == (周旋等) ; 第6条 # 売春の周旋をした者は、2年以下の拘禁刑又は5万円以下の罰金に処する。 # 売春の周旋をする目的で、次の各号のいずれかに該当する行為をした者の処罰も、前項と同様とする。 ## 人を売春の相手方となるように勧誘すること。 ## 売春の相手方となるように勧誘するため、道路その他公共の場所で、人の身辺に立ちふさがり、又はつきまとうこと。 ## 広告その他これに類似する方法により人を売春の相手方となるように誘引すること。 : <small>(令和4年6月17日法律第68号<ref>{{Cite web|url=https://www.shugiin.go.jp/internet/itdb_housei.nsf/html/housei/20820220617068.htm|title=法律第六十八号(令四・六・一七)|publisher=衆議院|accessdate=2025-06-29}}</ref>改正)</small> === 改正前 === ==== 昭和31年5月24日法律第118号<ref>{{Cite web|url=https://www.shugiin.go.jp/internet/itdb_housei.nsf/html/houritsu/02419560524118.htm|title=法律第百十八号(昭三一・五・二四)|publisher=衆議院|accessdate=2025-03-20}}</ref> ==== (周旋等) ; 第6条 # 売春の周旋をした者は、2年以下の<u>懲役</u>又は5万円以下の罰金に処する。 # 売春の周旋をする目的で、次の各号の<u>一に</u>該当する行為をした者の処罰も、前項と同様とする。 ## 人を売春の相手方となるように勧誘すること。 ## 売春の相手方となるように勧誘するため、道路その他公共の場所で、人の身辺に立ちふさがり、又はつきまとうこと。 ## 広告その他これに類似する方法により人を売春の相手方となるように誘引すること。 == 解説 == 本条は、売春の周旋または周旋の目的による勧誘行為などを処罰する規定である。第1項では周旋行為を規定し、第2項では売春の周旋をするための準備行為のうち、風紀を乱し公衆に迷惑を及ぼすものについて規定している。 === 第1項 === 「'''周旋'''」とは、売春をする者とその相手方との間に立って、売春が行われるように仲介することをいう。あらかじめ双方から依頼がある場合だけでなく、一方から依頼があってその依頼に合致する相手方を探して承諾を取り付ける場合も周旋に当たる。ただし、売春をしようとする者から依頼を受け、相手方となりそうな者を勧誘したが周旋に応じなかった場合には、第1項ではなく第2項第1号の処罰対象となる。 === 第2項 === 第2項は、売春の周旋をするための準備行為を犯罪として規定したものである。 本項各号の規定は、[[売春防止法第5条|本法5条]]に規定する各行為とほぼ対応している。本項では「'''公衆の目にふれるような方法で'''」という方法の制限が置かれていないが、これは周旋行為はいかなる方法であっても処罰しようと意図するものである。 == 参照条文 == == 判例 == * 最高裁判所第三小法廷決定、昭和37年12月18日、昭和37年(あ)第1838号、『[https://www.courts.go.jp/app/hanrei_jp/detail2?id=61365 売春防止法違反]』、最高裁判所裁判集刑事149号217頁。 * 最高裁判所第一小法廷決定、平成23年8月24日、平成22年(あ)第1721号、『[https://www.courts.go.jp/app/hanrei_jp/detail2?id=81556 売春防止法違反被告事件]』、最高裁判所刑事判例集65巻5号889頁。 == 脚注 == {{reflist}} {{前後 |[[コンメンタール売春防止法]] |売春防止法第6条<br>(周旋等) |[[売春防止法第5条]]<br>(勧誘等) |[[売春防止法第7条]]<br>(困惑等による売春) }} {{stub}} [[category:売春防止法|06]] 2nz0rcrrum29j3b6odwt6ioy8ct8i19 売春防止法第7条 0 29049 276348 276206 2025-06-28T15:52:50Z Fukupow 34984 改正反映 276348 wikitext text/x-wiki [[コンメンタール]]>[[コンメンタール売春防止法]]>売春防止法第7条 == 条文 == (困惑等による売春) ; 第7条 # 人を欺き、若しくは困惑させてこれに売春をさせ、又は親族関係による影響力を利用して人に売春をさせた者は、3年以下の拘禁刑又は10万円以下の罰金に処する。 # 人を脅迫し、又は人に暴行を加えてこれに売春をさせた者は、3年以下の拘禁刑又は3年以下の拘禁刑及び10万円以下の罰金に処する。 # 前2項の未遂罪は、罰する。 : <small>(令和4年6月17日法律第68号<ref>{{Cite web|url=https://www.shugiin.go.jp/internet/itdb_housei.nsf/html/housei/20820220617068.htm|title=法律第六十八号(令四・六・一七)|publisher=衆議院|accessdate=2025-06-29}}</ref>改正)</small> === 改正前 === ==== 昭和31年5月24日法律第118号<ref>{{Cite web|url=https://www.shugiin.go.jp/internet/itdb_housei.nsf/html/houritsu/02419560524118.htm|title=法律第百十八号(昭三一・五・二四)|publisher=衆議院|accessdate=2025-03-20}}</ref> ==== (困惑等による売春) ; 第7条 # 人を欺き、若しくは困惑させてこれに売春をさせ、又は親族関係による影響力を利用して人に売春をさせた者は、3年以下の<u>懲役</u>又は10万円以下の罰金に処する。 # 人を脅迫し、又は人に暴行を加えてこれに売春をさせた者は、3年以下の<u>懲役</u>又は3年以下の<u>懲役</u>及び10万円以下の罰金に処する。 # 前2項の未遂罪は、罰する。 == 解説 == 本条は、他人に不当な圧力を加えて売春をさせた者を処罰する規定である。かつては自発的に売春をする者は極めて少なく、親族や情夫、雇い主などから強要され、心理的な圧力を加えられて売春を行う場合が多かったことから、この規定が設けられた。 === 第1項 === 第1項は、脅迫または暴行よらない手段を用いて他人に売春させる行為を処罰することを規定したものである。 「'''人を欺き'''」とは、刑法の詐欺罪における「人を欺いて」と同義である。 「'''困惑させて'''」とは、暴行や脅迫に該当しない程度の方法によって、人に心理的威圧を加え、または人の自由意志を拘束することによって、精神的に自由な判断ができないようにすることをいう。 「'''親族関係による影響力を利用して'''」とは、売春をさせられる者と親族関係にある者が、その情誼を利用して売春をしなければならないように仕向けることをいう。「'''親族関係'''」とは、民法に言う親族(六親等内の血族・配偶者・三親等内の姻族)と同義である。 「'''売春をさせ'''」とは、上記の方法を用いた結果、その不当な圧力を加えられた者が実際に売春を行ったことをいう。「'''売春をさせた者'''」とは、因果関係が認められる方法で売春をするように仕向けた者をいい、老若男女や営利・非営利の別を問わない。 === 第2項 === 第2項は、脅迫または暴行という手段を用いて他人に売春させる行為を処罰することを規定したものである。 「'''脅迫'''」「'''暴行'''」は、刑法にいう脅迫、暴行と同義である。 === 第3項 === 第3項は、第1項、第2項の未遂を処罰することを規定したものである。 == 参照条文 == * [[刑法第246条]](詐欺) * [[民法第725条]](親族の範囲) * [[刑法第222条]](脅迫) * [[刑法第208条]](暴行) == 判例 == == 脚注 == {{reflist}} {{前後 |[[コンメンタール売春防止法]] |売春防止法第7条<br>(困惑等による売春) |[[売春防止法第6条]]<br>(周旋等) |[[売春防止法第8条]]<br>(対償の収受等) }} {{stub|law}} [[category:売春防止法|07]] 9zju8duto66ue7s4z1cia52uwpld4uj 276364 276348 2025-06-28T16:19:17Z Fukupow 34984 /* 条文 */ /* 解説 */ 加筆 276364 wikitext text/x-wiki [[コンメンタール]]>[[コンメンタール売春防止法]]>売春防止法第7条 == 条文 == (困惑等による売春) ; 第7条 # 人を欺き、若しくは困惑させてこれに売春をさせ、又は親族関係による影響力を利用して人に売春をさせた者は、3年以下の拘禁刑又は10万円以下の罰金に処する。 # 人を脅迫し、又は人に暴行を加えてこれに売春をさせた者は、3年以下の拘禁刑又は3年以下の拘禁刑及び10万円以下の罰金に処する。 # 前2項の未遂罪は、罰する。 : <small>(令和4年6月17日法律第68号<ref>{{Cite web|url=https://www.shugiin.go.jp/internet/itdb_housei.nsf/html/housei/20820220617068.htm|title=法律第六十八号(令四・六・一七)|publisher=衆議院|accessdate=2025-06-29}}</ref>改正)</small> === 改正前 === ==== 昭和31年5月24日法律第118号<ref>{{Cite web|url=https://www.shugiin.go.jp/internet/itdb_housei.nsf/html/houritsu/02419560524118.htm|title=法律第百十八号(昭三一・五・二四)|publisher=衆議院|accessdate=2025-03-20}}</ref> ==== (困惑等による売春) ; 第7条 # 人を欺き、若しくは困惑させてこれに売春をさせ、又は親族関係による影響力を利用して人に売春をさせた者は、3年以下の<u>懲役</u>又は10万円以下の罰金に処する。 # 人を脅迫し、又は人に暴行を加えてこれに売春をさせた者は、3年以下の<u>懲役</u>又は3年以下の<u>懲役</u>及び10万円以下の罰金に処する。 # 前2項の未遂罪は、罰する。 === 参考 === ==== 婦女に売淫をさせた者等の処罰に関する勅令(昭和22年1月15日勅令第9号) ==== ; 第1条 : 暴行又は脅迫によらないで婦女を困惑させて売淫をさせた者は、これを3年以下の懲役又は1万円以下の罰金に処する。 == 解説 == 本条は、他人に不当な圧力を加えて売春をさせた者を処罰する規定である。かつては自発的に売春をする者は極めて少なく、親族や情夫、雇い主などから強要され、心理的な圧力を加えられて売春を行う場合が多かったことから、この規定が設けられた。 === 第1項 === 第1項は、脅迫または暴行よらない手段を用いて他人に売春させる行為を処罰することを規定したものである。第1項前段は、婦女に売淫をさせた者等の処罰に関する勅令1条を踏襲した上で、欺罔手段による場合を追加している。 「'''人を欺き'''」とは、刑法の詐欺罪における「人を欺いて」と同義である。 「'''困惑させて'''」とは、暴行や脅迫に該当しない程度の方法によって、人に心理的威圧を加え、または人の自由意志を拘束することによって、精神的に自由な判断ができないようにすることをいう。 「'''親族関係による影響力を利用して'''」とは、売春をさせられる者と親族関係にある者が、その情誼を利用して売春をしなければならないように仕向けることをいう。「'''親族関係'''」とは、民法に言う親族(六親等内の血族・配偶者・三親等内の姻族)と同義である。 「'''売春をさせ'''」とは、上記の方法を用いた結果、その不当な圧力を加えられた者が実際に売春を行ったことをいう。「'''売春をさせた者'''」とは、因果関係が認められる方法で売春をするように仕向けた者をいい、老若男女や営利・非営利の別を問わない。 === 第2項 === 第2項は、脅迫または暴行という手段を用いて他人に売春させる行為を処罰することを規定したものである。 「'''脅迫'''」「'''暴行'''」は、刑法にいう脅迫、暴行と同義である。 === 第3項 === 第3項は、第1項、第2項の未遂を処罰することを規定したものである。 == 参照条文 == * [[刑法第246条]](詐欺) * [[民法第725条]](親族の範囲) * [[刑法第222条]](脅迫) * [[刑法第208条]](暴行) == 判例 == == 脚注 == {{reflist}} {{前後 |[[コンメンタール売春防止法]] |売春防止法第7条<br>(困惑等による売春) |[[売春防止法第6条]]<br>(周旋等) |[[売春防止法第8条]]<br>(対償の収受等) }} {{stub|law}} [[category:売春防止法|07]] 6h0nh6ujj75omhql5v0bvb64u0cmjou 売春防止法第8条 0 29050 276349 276207 2025-06-28T15:54:51Z Fukupow 34984 改正反映 276349 wikitext text/x-wiki [[コンメンタール]]>[[コンメンタール売春防止法]]>売春防止法第8条 == 条文 == (対償の収受等) ; 第8条 # [[売春防止法第7条|前条]]第1項又は第2項の罪を犯した者が、その売春の対償の全部若しくは一部を収受し、又はこれを要求し、若しくは約束したときは、5年以下の拘禁刑及び20万円以下の罰金に処する。 # 売春をした者に対し、親族関係による影響力を利用して、売春の対償の全部又は一部の提供を要求した者は、3年以下の拘禁刑又は10万円以下の罰金に処する。 : <small>(令和4年6月17日法律第68号<ref>{{Cite web|url=https://www.shugiin.go.jp/internet/itdb_housei.nsf/html/housei/20820220617068.htm|title=法律第六十八号(令四・六・一七)|publisher=衆議院|accessdate=2025-06-29}}</ref>改正)</small> === 改正前 === ==== 昭和31年5月24日法律第118号<ref>{{Cite web|url=https://www.shugiin.go.jp/internet/itdb_housei.nsf/html/houritsu/02419560524118.htm|title=法律第百十八号(昭三一・五・二四)|publisher=衆議院|accessdate=2025-03-29}}</ref> ==== (対償の収受等) ; 第8条 # [[売春防止法第7条|前条]]第1項又は第2項の罪を犯した者が、その売春の対償の全部若しくは一部を収受し、又はこれを要求し、若しくは約束したときは、5年以下の<u>懲役</u>及び20万円以下の罰金に処する。 # 売春をした者に対し、親族関係による影響力を利用して、売春の対償の全部又は一部の提供を要求した者は、3年以下の<u>懲役</u>又は10万円以下の罰金に処する。 == 解説 == 本条は、売春によって得られた利益の分け前にあずかる行為を処罰する規定である。 === 第1項 === 第1項は、本法7条の罪を犯した者に関する場合について売春の対償を要求する行為を処罰することを規定したものである。 「前条第1項又は第2項の罪を犯した者」とは、本法7条1項または2項の既遂罪を犯した者をいい、「その売春」とは、本法7条1項または2項に規定する不当な圧力を加えられたことによって行われた売春をいう。 「対償」は、[[売春防止法第2条|本法2条]]の解説と同じである。 「収受」「要求」「約束」は、刑法に用いられる意義と同じである。 === 第2項 === 第2項は、自由意志で売春を行った場合でも、親族関係による情誼を利用して売春の対償を要求する行為を処罰する規定である。 「売春をした者」とは、本法7条1項または2項の被害者として売春をした者以外をいう。 「親族関係」とは、民法に言う親族(六親等内の血族・配偶者・三親等内の姻族)と同義である。 == 参照条文 == * [[売春防止法第2条]](定義) * [[売春防止法第7条]](困惑等による売春) == 判例 == == 脚注 == {{reflist}} {{前後 |[[コンメンタール売春防止法]] |売春防止法第8条<br>(対償の収受等) |[[売春防止法第7条]]<br>(困惑等による売春) |[[売春防止法第9条]]<br>(前貸等) }} {{stub|law}} [[category:売春防止法|08]] 864yvvlyvvwwtf5crl89qfw5sfzjmu0 売春防止法第9条 0 29051 276351 276241 2025-06-28T15:56:25Z Fukupow 34984 改正反映 276351 wikitext text/x-wiki [[コンメンタール]]>[[コンメンタール売春防止法]]>売春防止法第9条 == 条文 == (前貸等) ; 第9条 : 売春をさせる目的で、前貸その他の方法により人に金品その他の財産上の利益を供与した者は、3年以下の拘禁刑又は10万円以下の罰金に処する。 : <small>(令和4年6月17日法律第68号<ref>{{Cite web|url=https://www.shugiin.go.jp/internet/itdb_housei.nsf/html/housei/20820220617068.htm|title=法律第六十八号(令四・六・一七)|publisher=衆議院|accessdate=2025-06-29}}</ref>改正)</small> === 改正前 === ==== 昭和31年5月24日法律第118号<ref>{{Cite web|url=https://www.shugiin.go.jp/internet/itdb_housei.nsf/html/houritsu/02419560524118.htm|title=法律第百十八号(昭三一・五・二四)|publisher=衆議院|accessdate=2025-03-29}}</ref> ==== (前貸等) ; 第9条 : 売春をさせる目的で、前貸その他の方法により人に金品その他の財産上の利益を供与した者は、3年以下の<u>懲役</u>又は10万円以下の罰金に処する。 == 解説 == 本条は、売春をさせるもくてきで財産上の利益を供与する行為を処罰する規定である。 「'''売春をさせる目的'''」とは、売春が行われることを希望または意欲することをいう。 「'''前貸'''」とは、前借金の貸し付けをいう。「'''その他の方法'''」とは、前貸と同じように、利益を供与することによって相手方に事実上の影響を及ぼし、それによって売春をする意思を生じさせ、または強めるような方法をいう。 「'''財産上の利益'''」とは、金員、動産、債務の免除など、金銭によって見積もることのできるあらゆる種類の利益をいう。「'''供与'''」とは、有償・無償を問わず、利益を相手方に移転する一切の行為をいう。 == 参照条文 == == 判例 == == 脚注 == {{reflist}} {{前後 |[[コンメンタール売春防止法]] |売春防止法第9条<br>(前貸等) |[[売春防止法第8条]]<br>(対償の収受等) |[[売春防止法第10条]]<br>(売春をさせる契約) }} {{stub}} [[category:売春防止法|09]] im55dp6y47ahr47cvzjovtsvt5yzdk9 売春防止法第10条 0 29052 276355 276242 2025-06-28T15:58:54Z Fukupow 34984 改正反映 276355 wikitext text/x-wiki [[コンメンタール]]>[[コンメンタール売春防止法]]>売春防止法第10条 == 条文 == (売春をさせる契約) ; 第10条 # 人に売春をさせることを内容とする契約をした者は、3年以下の拘禁刑又は10万円以下の罰金に処する。 # 前項の未遂罪は、罰する。 : <small>(令和4年6月17日法律第68号<ref>{{Cite web|url=https://www.shugiin.go.jp/internet/itdb_housei.nsf/html/housei/20820220617068.htm|title=法律第六十八号(令四・六・一七)|publisher=衆議院|accessdate=2025-06-29}}</ref>改正)</small> === 改正前 === ==== 昭和31年5月24日法律第118号<ref>{{Cite web|url=https://www.shugiin.go.jp/internet/itdb_housei.nsf/html/houritsu/02419560524118.htm|title=法律第百十八号(昭三一・五・二四)|publisher=衆議院|accessdate=2025-03-20}}</ref> ==== (売春をさせる契約) ; 第10条 # 人に売春をさせることを内容とする契約をした者は、3年以下の<u>懲役</u>又は10万円以下の罰金に処する。 # 前項の未遂罪は、罰する。 == 解説 == 本条は、人に売春をさせる趣旨の契約をした者を処罰する規定である。 == 参照条文 == == 判例 == * 最高裁判所第一小法廷決定、昭和52年3月29日、昭和50年(あ)第1409号、『[https://www.courts.go.jp/app/hanrei_jp/detail2?id=51102 売春防止法違反]』、最高裁判所刑事判例集31巻2号150頁。 * 最最高裁判所第三小法廷決定、昭和45年12月15日、昭和44年(あ)第1379号、『[https://www.courts.go.jp/app/hanrei_jp/detail2?id=50940 売春防止法違反]』、最高裁判所刑事判例集24巻13号1755頁。 * 最高裁判所第一小法廷決定、昭和41年10月20日、昭和41年(あ)第1721号、『[https://www.courts.go.jp/app/hanrei_jp/detail2?id=50776 売春防止法違反]』、最高裁判所刑事判例集20巻8号891頁。 == 脚注 == {{reflist}} {{前後 |[[コンメンタール売春防止法]] |売春防止法第10条<br>(売春をさせる契約) |[[売春防止法第9条]]<br>(前貸等) |[[売春防止法第11条]]<br>(場所の提供) }} {{stub}} [[category:売春防止法|10]] rqpqoix95wv4ak8xo8n1zvho8xevmzp 276365 276355 2025-06-28T16:23:04Z Fukupow 34984 /* 条文 */ /* 解説 */ 加筆 276365 wikitext text/x-wiki [[コンメンタール]]>[[コンメンタール売春防止法]]>売春防止法第10条 == 条文 == (売春をさせる契約) ; 第10条 # 人に売春をさせることを内容とする契約をした者は、3年以下の拘禁刑又は10万円以下の罰金に処する。 # 前項の未遂罪は、罰する。 : <small>(令和4年6月17日法律第68号<ref>{{Cite web|url=https://www.shugiin.go.jp/internet/itdb_housei.nsf/html/housei/20820220617068.htm|title=法律第六十八号(令四・六・一七)|publisher=衆議院|accessdate=2025-06-29}}</ref>改正)</small> === 改正前 === ==== 昭和31年5月24日法律第118号<ref>{{Cite web|url=https://www.shugiin.go.jp/internet/itdb_housei.nsf/html/houritsu/02419560524118.htm|title=法律第百十八号(昭三一・五・二四)|publisher=衆議院|accessdate=2025-03-20}}</ref> ==== (売春をさせる契約) ; 第10条 # 人に売春をさせることを内容とする契約をした者は、3年以下の<u>懲役</u>又は10万円以下の罰金に処する。 # 前項の未遂罪は、罰する。 === 参考 === ==== 婦女に売淫をさせた者等の処罰に関する勅令(昭和22年1月15日勅令第9号) ==== ; 第2条 : 婦女に売淫させることを内容とする契約をした者は、これを1年以下の懲役又は5千円以下の罰金に処する。 == 解説 == 本条は、人に売春をさせる趣旨の契約をした者を処罰する規定である。規定の趣旨に若干の相違があるが、婦女に売淫をさせた者等の処罰に関する勅令2条を踏襲している。 == 参照条文 == == 判例 == * 最高裁判所第一小法廷決定、昭和52年3月29日、昭和50年(あ)第1409号、『[https://www.courts.go.jp/app/hanrei_jp/detail2?id=51102 売春防止法違反]』、最高裁判所刑事判例集31巻2号150頁。 * 最最高裁判所第三小法廷決定、昭和45年12月15日、昭和44年(あ)第1379号、『[https://www.courts.go.jp/app/hanrei_jp/detail2?id=50940 売春防止法違反]』、最高裁判所刑事判例集24巻13号1755頁。 * 最高裁判所第一小法廷決定、昭和41年10月20日、昭和41年(あ)第1721号、『[https://www.courts.go.jp/app/hanrei_jp/detail2?id=50776 売春防止法違反]』、最高裁判所刑事判例集20巻8号891頁。 == 脚注 == {{reflist}} {{前後 |[[コンメンタール売春防止法]] |売春防止法第10条<br>(売春をさせる契約) |[[売春防止法第9条]]<br>(前貸等) |[[売春防止法第11条]]<br>(場所の提供) }} {{stub}} [[category:売春防止法|10]] 71bve5a862pxeecne28n15p0bet8oze 売春防止法第11条 0 29053 276299 164655 2025-06-28T12:46:45Z Fukupow 34984 /* 解説 */ 加筆 276299 wikitext text/x-wiki [[コンメンタール]]>[[コンメンタール売春防止法]]>売春防止法第11条 == 条文 == (場所の提供) ; 第11条 # 情を知つて、売春を行う場所を提供した者は、3年以下の懲役又は10万円以下の罰金に処する。 # 売春を行う場所を提供することを業とした者は、7年以下の懲役及び30万円以下の罰金に処する。 == 解説 == 本条は、売春を行う場所を提供した者を処罰する規定である。 === 第1項 === 「'''情を知って'''」とは、その場所で売春が行われることを具体的に認識し、または予見していることをいう。 「'''売春を行う場所'''」とは、売春行為に使用される場所をいい、建物以外の建造物、自動車、船舶なども含まれる。「'''提供'''」とは、売春に利用し得る状態に置くことをいう。 「'''売春を行う場所を提供した者'''」とは、「その提供した場所について事実上の支配力を有する者」であれば足り、「売春を行う場所として提供された旅館等の経営者や会社たる旅館等の代表取締役など」であることは必要ない<ref name="昭和36(う)1144">{{Cite web |url=https://www.courts.go.jp/app/hanrei_jp/detail3?id=21204 |title=売春防止法違反被告事件 |publisher=裁判所 |accessdate=2025-06-28}}</ref>。 === 第2項 === 「'''業とした'''」とは、反復継続して行う意思をもって、売春する場所の提供をすることをいう。 == 参照条文 == == 判例 == * 最高裁判所第一小法廷決定、昭和37年5月17日、昭和36年(あ)第1515号、『[http://rhttps//www.courts.go.jp/app/hanrei_jp/detail2?id=56994 詐欺、売春防止法違反]』、最高裁判所刑事判例集16巻5号520頁。 * 最高裁判所第三小法廷判決、昭和45年12月15日、昭和37年(あ)第2341号、『[https://www.courts.go.jp/app/hanrei_jp/detail2?id=57004 旅館業法違反、売春防止法違反]』、最高裁判所刑事判例集17巻1号15頁。 * 最高裁判所第二小法廷決定、昭和39年2月8日、昭和38年(あ)第2490号、『[https://www.courts.go.jp/app/hanrei_jp/detail2?id=50715 売春防止法違反]』、最高裁判所刑事判例集18巻2号43頁。 * 最高裁判所第三小法廷決定、昭和45年12月15日、昭和44年(あ)第1379号、『[https://www.courts.go.jp/app/hanrei_jp/detail2?id=50940 売春防止法違反]』、最高裁判所刑事判例集24巻13号1755頁。 == 脚注 == {{reflist}} {{前後 |[[コンメンタール売春防止法]] |売春防止法第11条<br>(場所の提供) |[[売春防止法第10条]]<br>(売春をさせる契約) |[[売春防止法第12条]]<br>(売春をさせる業) }} {{stub}} [[category:売春防止法|11]] gkkdat7b6leb1d6wgd3f1xg5s6njxvc 276358 276299 2025-06-28T16:00:13Z Fukupow 34984 改正反映 276358 wikitext text/x-wiki [[コンメンタール]]>[[コンメンタール売春防止法]]>売春防止法第11条 == 条文 == (場所の提供) ; 第11条 # 情を知つて、売春を行う場所を提供した者は、3年以下の拘禁刑又は10万円以下の罰金に処する。 # 売春を行う場所を提供することを業とした者は、7年以下の拘禁刑及び30万円以下の罰金に処する。 : <small>(令和4年6月17日法律第68号<ref>{{Cite web|url=https://www.shugiin.go.jp/internet/itdb_housei.nsf/html/housei/20820220617068.htm|title=法律第六十八号(令四・六・一七)|publisher=衆議院|accessdate=2025-06-29}}</ref>改正)</small> === 改正前 === ==== 昭和31年5月24日法律第118号<ref>{{Cite web|url=https://www.shugiin.go.jp/internet/itdb_housei.nsf/html/houritsu/02419560524118.htm|title=法律第百十八号(昭三一・五・二四)|publisher=衆議院|accessdate=2025-03-29}}</ref> ==== (場所の提供) ; 第11条 # 情を知つて、売春を行う場所を提供した者は、3年以下の<u>懲役</u>又は10万円以下の罰金に処する。 # 売春を行う場所を提供することを業とした者は、7年以下の<u>懲役</u>及び30万円以下の罰金に処する。 == 解説 == 本条は、売春を行う場所を提供した者を処罰する規定である。 === 第1項 === 「'''情を知って'''」とは、その場所で売春が行われることを具体的に認識し、または予見していることをいう。 「'''売春を行う場所'''」とは、売春行為に使用される場所をいい、建物以外の建造物、自動車、船舶なども含まれる。「'''提供'''」とは、売春に利用し得る状態に置くことをいう。 「'''売春を行う場所を提供した者'''」とは、「その提供した場所について事実上の支配力を有する者」であれば足り、「売春を行う場所として提供された旅館等の経営者や会社たる旅館等の代表取締役など」であることは必要ない<ref name="昭和36(う)1144">{{Cite web |url=https://www.courts.go.jp/app/hanrei_jp/detail3?id=21204 |title=売春防止法違反被告事件 |publisher=裁判所 |accessdate=2025-06-29}}</ref>。 === 第2項 === 「'''業とした'''」とは、反復継続して行う意思をもって、売春する場所の提供をすることをいう。 == 参照条文 == == 判例 == * 最高裁判所第一小法廷決定、昭和37年5月17日、昭和36年(あ)第1515号、『[http://rhttps//www.courts.go.jp/app/hanrei_jp/detail2?id=56994 詐欺、売春防止法違反]』、最高裁判所刑事判例集16巻5号520頁。 * 最高裁判所第三小法廷判決、昭和45年12月15日、昭和37年(あ)第2341号、『[https://www.courts.go.jp/app/hanrei_jp/detail2?id=57004 旅館業法違反、売春防止法違反]』、最高裁判所刑事判例集17巻1号15頁。 * 最高裁判所第二小法廷決定、昭和39年2月8日、昭和38年(あ)第2490号、『[https://www.courts.go.jp/app/hanrei_jp/detail2?id=50715 売春防止法違反]』、最高裁判所刑事判例集18巻2号43頁。 * 最高裁判所第三小法廷決定、昭和45年12月15日、昭和44年(あ)第1379号、『[https://www.courts.go.jp/app/hanrei_jp/detail2?id=50940 売春防止法違反]』、最高裁判所刑事判例集24巻13号1755頁。 == 脚注 == {{reflist}} {{前後 |[[コンメンタール売春防止法]] |売春防止法第11条<br>(場所の提供) |[[売春防止法第10条]]<br>(売春をさせる契約) |[[売春防止法第12条]]<br>(売春をさせる業) }} {{stub}} [[category:売春防止法|11]] fdqa3tve6a68yor89jqmmxglt0repjn 売春防止法第12条 0 29054 276306 164656 2025-06-28T13:32:37Z Fukupow 34984 /* 解説 */ 加筆 276306 wikitext text/x-wiki [[コンメンタール]]>[[コンメンタール売春防止法]]>売春防止法第12条 == 条文 == (売春をさせる業) ; 第12条 : 人を自己の占有し、若しくは管理する場所又は自己の指定する場所に居住させ、これに売春をさせることを業とした者は、10年以下の懲役及び30万円以下の罰金に処する。 == 解説 == 本条は、他人を自己の支配下において売春させることを業とした者を処罰する規定である。 「'''自己の占有(する場所)'''」とは、所有権、賃借権その他の権利に基づいて占有する場所をいう。 「'''管理する場所'''」とは、その場所を占有する権限を有していないが、本来の所有者などと特殊な関係であることなどにより、事実上、その場所を管理・支配している場所をいう。 「'''自己の指定する場所'''」とは、他人に売春させることを業とした者の指定した場所で、売春をする者と容易に連絡が取れる状況下にしたものをいう。 「'''居住させ'''」とは、売春をする者がいつでも売春に応じられるように一定期間にわたってその所在場所を拘束することをいう。 「'''売春をさせる'''」とは、売春を勧誘し、または援助するなどの方法で、売春行為に介入することをいう。 == 参照条文 == == 判例 == * 最高裁判所第三小法廷決定、昭和42年11月28日、昭和41年(あ)第1967号、『[https://www.courts.go.jp/app/hanrei_jp/detail2?id=58996 売春防止法違反]』、最高裁判所裁判集刑事165号261頁。 * 最高裁判所第三小法廷決定、昭和42年9月19日、昭和42年(あ)第605号、『[https://www.courts.go.jp/app/hanrei_jp/detail2?id=50869 売春防止法違反]』、最高裁判所刑事判例集21巻7号985頁。 * 最高裁判所第二小法廷決定、昭和40年8月2日、昭和39年(あ)第2033号、『[https://www.courts.go.jp/app/hanrei_jp/detail2?id=61428 売春防止法違反]』、最高裁判所裁判集刑事156号297頁。 * 最高裁判所第三小法廷決定、昭和39年6月16日、昭和37年(あ)第273号、『[https://www.courts.go.jp/app/hanrei_jp/detail2?id=75999 売春防止法違反]』、最高裁判所裁判集刑事151号439頁。 * 最高裁判所第一小法廷判決、昭和37年4月26日、昭和35年(あ)第1671号、『[https://www.courts.go.jp/app/hanrei_jp/detail2?id=50634 児童福祉法違反]』、最高裁判所刑事判例集16巻4号449頁。 * 最高裁判所第二小法廷判決、昭和36年7月14日、昭和36年(あ)第637号、『[https://www.courts.go.jp/app/hanrei_jp/detail2?id=50679 売春防止法違反]』、最高裁判所刑事判例集15巻7号1097頁。 {{前後 |[[コンメンタール売春防止法]] |売春防止法第12条<br>(売春をさせる業) |[[売春防止法第11条]]<br>(場所の提供) |[[売春防止法第13条]]<br>(資金等の提供) }} {{stub}} [[category:売春防止法|12]] o6ymnylw7b1hlicg6comamhug12xn4h 276360 276306 2025-06-28T16:01:18Z Fukupow 34984 改正反映 276360 wikitext text/x-wiki [[コンメンタール]]>[[コンメンタール売春防止法]]>売春防止法第12条 == 条文 == (売春をさせる業) ; 第12条 : 人を自己の占有し、若しくは管理する場所又は自己の指定する場所に居住させ、これに売春をさせることを業とした者は、10年以下の拘禁刑及び30万円以下の罰金に処する。 : <small>(令和4年6月17日法律第68号<ref>{{Cite web|url=https://www.shugiin.go.jp/internet/itdb_housei.nsf/html/housei/20820220617068.htm|title=法律第六十八号(令四・六・一七)|publisher=衆議院|accessdate=2025-06-29}}</ref>改正)</small> === 改正前 === ==== 昭和31年5月24日法律第118号<ref>{{Cite web|url=https://www.shugiin.go.jp/internet/itdb_housei.nsf/html/houritsu/02419560524118.htm|title=法律第百十八号(昭三一・五・二四)|publisher=衆議院|accessdate=2025-03-29}}</ref> ==== (売春をさせる業) ; 第12条 : 人を自己の占有し、若しくは管理する場所又は自己の指定する場所に居住させ、これに売春をさせることを業とした者は、10年以下の<u>懲役</u>及び30万円以下の罰金に処する。 == 解説 == 本条は、他人を自己の支配下において売春させることを業とした者を処罰する規定である。 「'''自己の占有(する場所)'''」とは、所有権、賃借権その他の権利に基づいて占有する場所をいう。 「'''管理する場所'''」とは、その場所を占有する権限を有していないが、本来の所有者などと特殊な関係であることなどにより、事実上、その場所を管理・支配している場所をいう。 「'''自己の指定する場所'''」とは、他人に売春させることを業とした者の指定した場所で、売春をする者と容易に連絡が取れる状況下にしたものをいう。 「'''居住させ'''」とは、売春をする者がいつでも売春に応じられるように一定期間にわたってその所在場所を拘束することをいう。 「'''売春をさせる'''」とは、売春を勧誘し、または援助するなどの方法で、売春行為に介入することをいう。 == 参照条文 == == 判例 == * 最高裁判所第三小法廷決定、昭和42年11月28日、昭和41年(あ)第1967号、『[https://www.courts.go.jp/app/hanrei_jp/detail2?id=58996 売春防止法違反]』、最高裁判所裁判集刑事165号261頁。 * 最高裁判所第三小法廷決定、昭和42年9月19日、昭和42年(あ)第605号、『[https://www.courts.go.jp/app/hanrei_jp/detail2?id=50869 売春防止法違反]』、最高裁判所刑事判例集21巻7号985頁。 * 最高裁判所第二小法廷決定、昭和40年8月2日、昭和39年(あ)第2033号、『[https://www.courts.go.jp/app/hanrei_jp/detail2?id=61428 売春防止法違反]』、最高裁判所裁判集刑事156号297頁。 * 最高裁判所第三小法廷決定、昭和39年6月16日、昭和37年(あ)第273号、『[https://www.courts.go.jp/app/hanrei_jp/detail2?id=75999 売春防止法違反]』、最高裁判所裁判集刑事151号439頁。 * 最高裁判所第一小法廷判決、昭和37年4月26日、昭和35年(あ)第1671号、『[https://www.courts.go.jp/app/hanrei_jp/detail2?id=50634 児童福祉法違反]』、最高裁判所刑事判例集16巻4号449頁。 * 最高裁判所第二小法廷判決、昭和36年7月14日、昭和36年(あ)第637号、『[https://www.courts.go.jp/app/hanrei_jp/detail2?id=50679 売春防止法違反]』、最高裁判所刑事判例集15巻7号1097頁。 == 脚注 == {{reflist}} {{前後 |[[コンメンタール売春防止法]] |売春防止法第12条<br>(売春をさせる業) |[[売春防止法第11条]]<br>(場所の提供) |[[売春防止法第13条]]<br>(資金等の提供) }} {{stub}} [[category:売春防止法|12]] h428ocbsiluw9nbnnxsa1xl02bdn2xx 売春防止法第13条 0 29055 276310 164657 2025-06-28T14:46:14Z Fukupow 34984 /* 解説 */ 加筆 276310 wikitext text/x-wiki [[コンメンタール]]>[[コンメンタール売春防止法]]>売春防止法第13条 == 条文 == (資金等の提供) ; 第13条 # 情を知つて、[[売春防止法第11条|第11条]]第2項の業に要する資金、土地又は建物を提供した者は、5年以下の懲役及び20万円以下の罰金に処する。 # 情を知つて、[[売春防止法第12条|前条]]の業に要する資金、土地又は建物を提供した者は、7年以下の懲役及び30万円以下の罰金に処する。 == 解説 == 本条は、売春の場所を提供する場合または管理売春を行う場合において、それに必要な資金、土地、建物を提供する者を処罰する規定である。 「'''情を知って'''」とは、提供する資金などが売春のための場所提供の業、管理売春の業に使用されることを認識していることをいう。 「'''業に要する'''」とは、管理売春などの業の開始または継続に必要であることをいう。すなわち、資金を提供によって本条の処罰対象に該当するには、その業の開始または継続に影響を持つ程度の金額であることが必要である。 「'''資金、土地又は建物'''」は、限定列挙である。資金は現金のみならず有価証券などでも対象となるが、単なる信用供与や調度品などの物品の提供は本条の処罰対象とならない。 「'''提供'''」とは、譲渡、贈与、賃貸借、使用貸借など相手方の利用に供する行為全般をいう。 == 参照条文 == * [[売春防止法第11条]](場所の提供) * [[売春防止法第12条]](売春をさせる業) == 判例 == * 最高裁判所第二小法廷決定、昭和61年10月1日、昭和61年(あ)第370号、『[https://www.courts.go.jp/app/hanrei_jp/detail2?id=51869 売春防止法違反]』、最高裁判所刑事判例集40巻6号477頁。 * 最高裁判所第二小法廷決定、昭和40年5月20日、昭和39年(あ)第2484号、『[https://www.courts.go.jp/app/hanrei_jp/detail2?id=58869 売春防止法違反]』、最高裁判所裁判集刑事155号771頁。 {{前後 |[[コンメンタール売春防止法]] |売春防止法第13条<br>(資金等の提供) |[[売春防止法第12条]]<br>(売春をさせる業) |[[売春防止法第14条]]<br>(両罰) }} {{stub}} [[category:売春防止法|13]] pw63jx4qxlv9vusahi013c2rlvtl0ji 276362 276310 2025-06-28T16:02:45Z Fukupow 34984 改正反映 276362 wikitext text/x-wiki [[コンメンタール]]>[[コンメンタール売春防止法]]>売春防止法第13条 == 条文 == (資金等の提供) ; 第13条 # 情を知つて、[[売春防止法第11条|第11条]]第2項の業に要する資金、土地又は建物を提供した者は、5年以下の拘禁刑及び20万円以下の罰金に処する。 # 情を知つて、[[売春防止法第12条|前条]]の業に要する資金、土地又は建物を提供した者は、7年以下の拘禁刑及び30万円以下の罰金に処する。 : <small>(令和4年6月17日法律第68号<ref>{{Cite web|url=https://www.shugiin.go.jp/internet/itdb_housei.nsf/html/housei/20820220617068.htm|title=法律第六十八号(令四・六・一七)|publisher=衆議院|accessdate=2025-06-29}}</ref>改正)</small> === 改正前 === ==== 昭和31年5月24日法律第118号<ref>{{Cite web|url=https://www.shugiin.go.jp/internet/itdb_housei.nsf/html/houritsu/02419560524118.htm|title=法律第百十八号(昭三一・五・二四)|publisher=衆議院|accessdate=2025-03-29}}</ref> ==== (資金等の提供) ; 第13条 # 情を知つて、[[売春防止法第11条|第11条]]第2項の業に要する資金、土地又は建物を提供した者は、5年以下の<u>懲役</u>及び20万円以下の罰金に処する。 # 情を知つて、[[売春防止法第12条|前条]]の業に要する資金、土地又は建物を提供した者は、7年以下の<u>懲役</u>及び30万円以下の罰金に処する。 == 解説 == 本条は、売春の場所を提供する場合または管理売春を行う場合において、それに必要な資金、土地、建物を提供する者を処罰する規定である。 「'''情を知って'''」とは、提供する資金などが売春のための場所提供の業、管理売春の業に使用されることを認識していることをいう。 「'''業に要する'''」とは、管理売春などの業の開始または継続に必要であることをいう。すなわち、資金を提供によって本条の処罰対象に該当するには、その業の開始または継続に影響を持つ程度の金額であることが必要である。 「'''資金、土地又は建物'''」は、限定列挙である。資金は現金のみならず有価証券などでも対象となるが、単なる信用供与や調度品などの物品の提供は本条の処罰対象とならない。 「'''提供'''」とは、譲渡、贈与、賃貸借、使用貸借など相手方の利用に供する行為全般をいう。 == 参照条文 == * [[売春防止法第11条]](場所の提供) * [[売春防止法第12条]](売春をさせる業) == 判例 == * 最高裁判所第二小法廷決定、昭和61年10月1日、昭和61年(あ)第370号、『[https://www.courts.go.jp/app/hanrei_jp/detail2?id=51869 売春防止法違反]』、最高裁判所刑事判例集40巻6号477頁。 * 最高裁判所第二小法廷決定、昭和40年5月20日、昭和39年(あ)第2484号、『[https://www.courts.go.jp/app/hanrei_jp/detail2?id=58869 売春防止法違反]』、最高裁判所裁判集刑事155号771頁。 == 脚注 == {{reflist}} {{前後 |[[コンメンタール売春防止法]] |売春防止法第13条<br>(資金等の提供) |[[売春防止法第12条]]<br>(売春をさせる業) |[[売春防止法第14条]]<br>(両罰) }} {{stub}} [[category:売春防止法|13]] ta17c8wr2bc0zvce2i5uup6wnvkl7rc 売春防止法第14条 0 29056 276311 164658 2025-06-28T15:01:15Z Fukupow 34984 /* 解説 */ 加筆 276311 wikitext text/x-wiki [[コンメンタール]]>[[コンメンタール売春防止法]]>売春防止法第14条 == 条文 == (両罰) ; 第14条 : 法人の代表者又は法人若しくは人の代理人、使用人その他の従業者が、その法人又は人の業務に関し、[[売春防止法第9条|第9条]]から[[売春防止法第13条|前条]]までの罪を犯したときは、その行為者を罰するほか、その法人又は人に対しても、各本条の罰金刑を科する。 == 解説 == 本条は、各種法令に規定されている両罰規定と同様の規定である。 最高裁は、本条の法意について、「売春防止法14条は、業務主たる人の代理人、使用人その他の従業者が同法9条等に違反した行為に対し、業務主に右行為者らの選任、監督その他違反行為を防止するために必要な注意を尽さなかつた過失の存在を推定した規定と解すべく、したがつて業務主において右に関する注意を尽したことの証明がなされない限り、業務主もまた刑責を免れ得ないとする法意と解するを相当とする<ref name="昭和37(あ)2341">{{Cite web |url=https://www.courts.go.jp/app/hanrei_jp/detail2?id=57004 |title=旅館業法違反、売春防止法違反 |publisher=裁判所 |accessdate=2025-06-29}}</ref>」としている。 「'''使用人その他の従業者'''」とは、使用人は例示であり、契約上または事実上他人の業務に従事しているすべての者をいう。 「'''業務に関し'''」とは、業務そのものの行為のみならず、業務に関連する行為もしくは附随する行為も含まれる。 == 参照条文 == * [[売春防止法第9条]](前貸等) * [[売春防止法第10条]](売春をさせる契約) * [[売春防止法第11条]](場所の提供) * [[売春防止法第12条]](売春をさせる業) * [[売春防止法第13条]](資金等の提供) == 判例 == * 最高裁判所第三小法廷決定、昭和39年6月16日、昭和39年(あ)第104号、『[https://www.courts.go.jp/app/hanrei_jp/detail2?id=76029 売春防止法違反]』、最高裁判所裁判集刑事151号451頁。 * 最高裁判所第三小法廷判決、昭和38年2月26日、昭和37年(あ)第2341号、『[https://www.courts.go.jp/app/hanrei_jp/detail2?id=57004 旅館業法違反、売春防止法違反]』、最高裁判所刑事判例集17巻1号15頁。 == 脚注 == {{reflist}} {{前後 |[[コンメンタール売春防止法]] |売春防止法第14条<br>(両罰) |[[売春防止法第13条]]<br>(資金等の提供) |[[売春防止法第15条]]<br>(併科) }} {{stub}} [[category:売春防止法|14]] dqv9lhgv5tg5la78o84aldje57yx390 売春防止法第15条 0 29057 276317 164659 2025-06-28T15:29:02Z Fukupow 34984 /* 解説 */ 加筆 276317 wikitext text/x-wiki [[コンメンタール]]>[[コンメンタール売春防止法]]>売春防止法第15条 == 条文 == (併科) ; 第15条 : [[売春防止法第6条|第6条]]、[[売春防止法第7条|第7条]]第1項、[[売春防止法第8条|第8条]]第2項、[[売春防止法第9条|第9条]]、[[売春防止法第10条|第10条]]又は[[売春防止法第11条|第11条]]第1項の罪を犯した者に対しては、拘禁刑及び罰金を併科することができる。[[売春防止法第7条|第7条]]第1項に係る同条第3項の罪を犯した者に対しても、同様とする。 : <small>(令和4年6月17日法律第68号<ref>{{Cite web|url=https://www.shugiin.go.jp/internet/itdb_housei.nsf/html/housei/20820220617068.htm|title=法律第六十八号(令四・六・一七)|publisher=衆議院|accessdate=2025-06-29}}</ref>改正)</small> === 改正前 === ==== 昭和31年5月24日法律第118号<ref>{{Cite web|url=https://www.shugiin.go.jp/internet/itdb_housei.nsf/html/houritsu/02419560524118.htm|title=法律第百十八号(昭三一・五・二四)|publisher=衆議院|accessdate=2025-03-20}}</ref> ==== (併科) ; 第15条 : 第6条、第7条第1項、第8条第2項、第9条、第10条又は第11条第1項の罪を犯した者に対しては、懲役及び罰金を併科することができる。第7条第1項に係る同条第3項の罪を犯した者に対しても、同様とする。 == 解説 == 本条は、売春に関する犯罪が利得を目的にして行われることが多いことから、犯人が得た不当な利益を剥奪し、また経済的に見合わない犯罪であることを感じさせて犯行動機に打撃を与えるために、罰金刑を併科することができるように規定したものである。 == 参照条文 == * [[売春防止法第6条]](周旋等) * [[売春防止法第7条]](困惑等による売春) * [[売春防止法第8条]](対償の収受等) * [[売春防止法第9条]](前貸等) * [[売春防止法第10条]](売春をさせる契約) * [[売春防止法第11条]](場所の提供) == 判例 == == 脚注 == {{reflist}} {{前後 |[[コンメンタール売春防止法]] |売春防止法第15条<br>(併科) |[[売春防止法第14条]]<br>(両罰) |[[売春防止法第16条]]<br>(刑の執行猶予の特例) }} {{stub}} [[category:売春防止法|15]] 1th9jlexd1qxoergbjna64l67vdgtqd 276335 276317 2025-06-28T15:42:59Z Fukupow 34984 /* 昭和31年5月24日法律第118号{{Cite web|url=https://www.shugiin.go.jp/internet/itdb_housei.nsf/html/houritsu/02419560524118.htm|title=法律第百十八号(昭三一・五・二四)|publisher=衆議院|accessdate=2025-03-20}} */ 276335 wikitext text/x-wiki [[コンメンタール]]>[[コンメンタール売春防止法]]>売春防止法第15条 == 条文 == (併科) ; 第15条 : [[売春防止法第6条|第6条]]、[[売春防止法第7条|第7条]]第1項、[[売春防止法第8条|第8条]]第2項、[[売春防止法第9条|第9条]]、[[売春防止法第10条|第10条]]又は[[売春防止法第11条|第11条]]第1項の罪を犯した者に対しては、拘禁刑及び罰金を併科することができる。[[売春防止法第7条|第7条]]第1項に係る同条第3項の罪を犯した者に対しても、同様とする。 : <small>(令和4年6月17日法律第68号<ref>{{Cite web|url=https://www.shugiin.go.jp/internet/itdb_housei.nsf/html/housei/20820220617068.htm|title=法律第六十八号(令四・六・一七)|publisher=衆議院|accessdate=2025-06-29}}</ref>改正)</small> === 改正前 === ==== 昭和31年5月24日法律第118号<ref>{{Cite web|url=https://www.shugiin.go.jp/internet/itdb_housei.nsf/html/houritsu/02419560524118.htm|title=法律第百十八号(昭三一・五・二四)|publisher=衆議院|accessdate=2025-03-20}}</ref> ==== (併科) ; 第15条 : 第6条、第7条第1項、第8条第2項、第9条、第10条又は第11条第1項の罪を犯した者に対しては、<u>懲役</u>及び罰金を併科することができる。第7条第1項に係る同条第3項の罪を犯した者に対しても、同様とする。 == 解説 == 本条は、売春に関する犯罪が利得を目的にして行われることが多いことから、犯人が得た不当な利益を剥奪し、また経済的に見合わない犯罪であることを感じさせて犯行動機に打撃を与えるために、罰金刑を併科することができるように規定したものである。 == 参照条文 == * [[売春防止法第6条]](周旋等) * [[売春防止法第7条]](困惑等による売春) * [[売春防止法第8条]](対償の収受等) * [[売春防止法第9条]](前貸等) * [[売春防止法第10条]](売春をさせる契約) * [[売春防止法第11条]](場所の提供) == 判例 == == 脚注 == {{reflist}} {{前後 |[[コンメンタール売春防止法]] |売春防止法第15条<br>(併科) |[[売春防止法第14条]]<br>(両罰) |[[売春防止法第16条]]<br>(刑の執行猶予の特例) }} {{stub}} [[category:売春防止法|15]] havdwycdhkehf76u2u9fdc3pqenu6n8 売春防止法第16条 0 29058 276332 164660 2025-06-28T15:41:47Z Fukupow 34984 /* 解説 */ 加筆 276332 wikitext text/x-wiki [[コンメンタール]]>[[コンメンタール売春防止法]]>売春防止法第16条 == 条文 == (刑の執行猶予の特例) ; 第16条 : [[売春防止法第5条|第5条]]の罪を犯した者に対し、その罪のみについて拘禁刑の言渡しをするときは、[[刑法第25条|刑法(明治40年法律第45号)第25条]]第2項ただし書の規定を適用しない。[[刑法第54条|同法第54条]]第1項の規定により第5条の罪の刑によつて拘禁刑の言渡しをするときも、同様とする。 : <small>(令和4年6月17日法律第68号<ref>{{Cite web|url=https://www.shugiin.go.jp/internet/itdb_housei.nsf/html/housei/20820220617068.htm|title=法律第六十八号(令四・六・一七)|publisher=衆議院|accessdate=2025-06-29}}</ref>改正)</small> === 改正前 === ==== 昭和31年5月24日法律第118号<ref>{{Cite web|url=https://www.shugiin.go.jp/internet/itdb_housei.nsf/html/houritsu/02419560524118.htm|title=法律第百十八号(昭三一・五・二四)|publisher=衆議院|accessdate=2025-03-20}}</ref> ==== (刑の執行猶予の特例) ; 第16条 : 第5条の罪を犯した者に対し、その罪のみについて<u>懲役の言渡</u>をするときは、刑法(明治40年法律第45号)第25条第2項ただし書の規定を適用しない。同法第54条第1項の規定により第5条の罪の刑によつて<u>懲役の言渡</u>をするときも、同様とする。 == 解説 == 本条は、売春をする者には実刑を科すよりも補導処分に付するのが好ましいと思われるところから、補導処分の言渡しに障害となる執行猶予の回数制限を取り除くために設けられた規定である。 == 参照条文 == * [[売春防止法第5条]](勧誘等) * [[刑法第25条]](刑の全部の執行猶予) * [[刑法第54条]](一個の行為が二個以上の罪名に触れる場合等の処理) == 判例 == == 脚注 == {{reflist}} {{前後 |[[コンメンタール売春防止法]] |売春防止法第16条<br>(刑の執行猶予の特例) |[[売春防止法第15条]]<br>(併科) |[[売春防止法第17条]]<br>(補導処分) }} {{stub}} [[category:売春防止法|16]] s9oca6q3ugltjt33c225b6ms9dyxfvy TypeScript 0 30079 276337 263487 2025-06-28T15:44:51Z Tomzo 248 /* 関連リンク */ 276337 wikitext text/x-wiki {{Pathnav|メインページ|工学|情報技術|プログラミング}} {{Wikipedia}} '''TypeScript'''は、[[JavaScript]]のスーパーセットです。TypeScriptは、静的型付け、クラス、インターフェース、継承などの機能をJavaScriptに加えます。 これにより、開発者はより大規模なプロジェクトでの開発をより効率的に行うことができます。 本チュートリアルでは、TypeScriptの基本的な構文、データ型、関数、クラス、インターフェースなどについて学習できます。 == TypeScriptの概要 == === TypeScriptの概要 === TypeScriptは、マイクロソフトによって開発された、JavaScriptのスーパーセット言語であり、JavaScriptに対して型システムやクラス、インターフェイス、ジェネリクスなどの静的な機能を追加しています。TypeScriptは、JavaScriptの開発をより安全かつ効率的にするために設計されています。 === TypeScriptの特徴 === TypeScriptの主な特徴は以下の通りです。 * 静的型付け:変数や関数の型を宣言し、コンパイル時に型のチェックを行うことができます。 * クラスやインターフェイスのサポート:オブジェクト指向プログラミングをサポートし、コードの再利用性や保守性を高めることができます。 * コンパイル時のエラーチェック:コンパイル時にエラーチェックを行うことで、ランタイムエラーを事前に防止することができます。 * ES6/ES2015以降の構文のサポート:TypeScriptはES6/ES2015以降の構文をサポートしており、コードをより簡潔かつ読みやすくすることができます。 === JavaScriptとの違い === JavaScriptは動的型付けの言語であり、変数の型を宣言する必要がありません。一方、TypeScriptは静的型付けの言語であり、変数や関数の型を宣言することができます。 JavaScriptはオブジェクト指向プログラミングをサポートしていますが、クラスやインターフェイスの宣言方法は限定的です。一方、TypeScriptはオブジェクト指向プログラミングをより豊富にサポートしており、クラスやインターフェイスの宣言がより柔軟になっています。 JavaScriptはコンパイルエラーを実行時に発生させるため、開発者がエラーを特定するのが難しい場合があります。一方、TypeScriptはコンパイル時にエラーチェックを行うため、開発者は実行時にエラーが発生することを事前に防止することができます。 == TypeScriptのインストール == 以下は、[[Node.js]]、Deno、およびTypeScript PlaygroundでTypeScriptをインストールおよびビルドする方法です。 ; [[Node.js]] :# Node.jsをインストールします。 :# ターミナルで、<code>npm install -g typescript</code>を実行して、TypeScriptをグローバルにインストールします。 :# <code>tsc</code>コマンドを実行して、TypeScriptをコンパイルします。 ; Deno :# Denoをインストールします。 :# ターミナルで、<code>deno install -n ts <nowiki>https://deno.land/std/typescript/tsc.ts</nowiki></code>を実行して、TypeScriptコンパイラをインストールします。 :# TypeScriptファイルを作成し、<code>ts</code>コマンドを使用してコンパイルします。例:<code>ts file.ts</code> ; TypeScript Playground :# TypeScript Playgroundにアクセスします( https://www.typescriptlang.org/play )。 :# 左側のペインにTypeScriptコードを入力します。 :# 右側のペインには、JavaScriptにコンパイルされたコードが表示されます。また、コンパイルエラーがある場合は、そのエラーが表示されます。 それぞれの特徴: ; Node.js : Node.jsはJavaScriptを使用してサーバーサイドアプリケーションを開発するためのオープンソースのランタイム環境であり、GoogleのV8 JavaScriptエンジンを基に構築されています。非同期I/O処理、イベント駆動アーキテクチャ、およびモジュールベースのアプローチなどの特徴を備えています。 : 特にWebアプリケーションの開発において優れた選択肢となっており、サーバーサイドのJavaScriptを実行することで、クライアント側とサーバー側のコードを同じ言語で統一できます。また、Node.jsは多くのパッケージやライブラリが提供されており、開発の効率性が向上しています。 : Node.jsはフロントエンドのJavaScriptフレームワークと組み合わせて、ReactやAngularなどの人気フレームワークと連携することで、フルスタックのWebアプリケーションを開発することが可能です。 : 多くの企業や開発者によって採用され、オープンソースのプロジェクトとしてコミュニティによる開発が進められています。その結果、Node.jsは高い人気を誇り、柔軟性と拡張性に優れた選択肢として広く活用されています。 {{Main|Node.js}} ; Deno : Denoは、オープンソースのランタイム環境であり、JavaScriptやTypeScriptを使用してサーバーサイドアプリケーションを開発するためのプラットフォームです。Node.jsと同様にGoogleのV8 JavaScriptエンジンを採用していますが、非同期I/O処理とイベント駆動アーキテクチャの代わりに、シンプルで安全なAPIを強調しています。 : Denoは、Node.jsと比較してよりセキュアなデフォルト設定を採用しており、組み込まれたパッケージマネージャーによって外部の依存関係を管理しています。また、TypeScriptのサポートにおいても優れており、標準でTypeScriptをサポートしています。 : 異なるアーキテクチャとAPIを提供するため、Denoの使用には学習コストが発生しますが、セキュリティや依存関係の管理において強力な機能を提供しています。そのため、特にセキュリティ上の懸念がある企業やプロジェクトにとって適した選択肢とされています。 ; TypeScript Playground( https://www.typescriptlang.org/play ) : TypeScript Playgroundは、オンラインツールで、ブラウザ上でTypeScriptのコードを作成し、それをコンパイルして実行結果を確認するための手段です。JavaScript開発者がTypeScriptの構文、型、および機能を探索し、学ぶための便利なリソースの一つです。Playgroundを使用することで、TypeScriptのコードを試し、実際にどのように動作するかを確認することができます。 : 左側にはTypeScriptコードを入力するエディターがあり、コードの入力後には右側にJavaScriptコードのプレビューが表示されます。また、TypeScriptファイルを読み込むことや、ファイルをアップロードしてプレビューを確認することも可能です。 : TypeScript Playgroundは、TypeScriptの基本を学ぶための有益なツールであり、導入前に実際にコードを書いて、そのコンパイル結果を確認することができます。これにより、開発者は直感的にTypeScriptの特徴や動作を理解し、学習プロセスを効果的に進めることができます。 {{コラム|トランスパイラとは|2=トランスパイラ(transpiler)は、一般的にはプログラミング言語のコードを別のプログラミング言語のコードに変換するツールを指します。トランスパイラはコンパイラの一種であり、ソースコードを別のソースコードに変換するプロセスを担当します。これにより、異なる言語間での互換性や特定の言語の機能を利用することが可能になります。 具体的には、トランスパイラは以下のような用途で使用されることがあります: * '''言語の変換:''' あるプログラミング言語で書かれたコードを別のプログラミング言語に変換することがあります。例えば、TypeScriptからJavaScriptへの変換、CoffeeScriptからJavaScriptへの変換などが挙げられます。 * '''バージョン間の互換性:''' 新しい言語のバージョンがリリースされた際、既存のコードを新しいバージョンに対応させるための変換が必要です。トランスパイラは、古いバージョンのコードを新しいバージョンに変換する手段を提供します。 * '''構文の最適化:''' コードをより効率的に実行するために、トランスパイラは構文やコード構造を最適化することがあります。これにより、コードの実行速度が向上したり、特定のルールに基づいて変換が行われたりします。 例えば、TypeScriptはJavaScriptへのトランスパイラが含まれており、TypeScriptの機能を使いながらも、最終的にはブラウザやNode.jsが実行できるJavaScriptに変換されます。同様に、[[Babel]]と呼ばれるトランスパイラは、新しいECMAScript標準に基づいたJavaScriptコードを、より広くサポートされている古いバージョンのJavaScriptに変換します。 }} === TypeScriptのコードの直接実行 === '''ts-node'''は、Node.jsのランタイム環境でTypeScriptコードを実行するためのツールです。Node.jsは、JavaScriptを実行するためのランタイム環境であるため、TypeScriptのコードを直接実行することはできませんが、ts-nodeを使用することで、TypeScriptのコードをトランスパイルせずに直接実行することができます。 ts-nodeは、TypeScriptの実行を容易にするために開発され、TypeScriptファイルをコンパイルし、実行する必要がないため、より速く開発することができます。また、TypeScriptの実行に必要な設定ファイルや依存関係の管理も自動的に行われます。 ts-nodeは、グローバルにインストールすることができ、コマンドラインから単一のファイルまたはディレクトリを実行することができます。また、ts-nodeは、Node.js REPL(Read-Eval-Print Loop)にも統合されており、TypeScriptのスニペットをインタラクティブに実行することができます。 :<syntaxhighlight lang=console> % npx ts-node ファイル名.ts </syntaxhighlight> だけでコンパイルと実行が行われ、ソースコードが変更されていない場合は、キャッシュ上のコンパイル後の .js を直接実行します。 ts-nodeは、TypeScriptプロジェクトの開発をより迅速かつ簡単にするための便利なツールであり、特にNode.jsとTypeScriptを組み合わせた開発において、大きな利点を提供します。 == TypeScriptの基本文法 == :<syntaxhighlight lang=ts> // 変数と定数 let num: number = 123; // 数値型の変数 const str: string = "Hello TypeScript!"; // 文字列型の定数 var flag: boolean = true; // 真偽値型の変数 // 型の宣言 type User = { name: string; age: number; } const user: User = { name: "Alice", age: 20 }; // User型のオブジェクト // 関数とクラス function greet(name: string): void { console.log(`Hello, ${name}!`); } class Animal { name: string; constructor(name: string) { this.name = name; } sayHello(): void { console.log(`Hello, I'm ${this.name}.`); } } const cat: Animal = new Animal("Tama"); // Animalクラスのインスタンス cat.sayHello(); // インターフェイスとジェネリックス interface Person<T> { name: string; age: T; } const person: Person<number> = { name: "Bob", age: 25 }; // Person型のオブジェクト // 制御構文 /// 分岐 if (flag) { console.log("This is true."); } else { console.log("This is false."); } switch (num) { case 0: console.log("zero"); break; case 1: console.log("one"); break; default: console.log("other"); break; } /// 繰り返し for (let i = 0; i < num; i++) { console.log(i); } let i = 0; while (i < num) { console.log(i); i++; } </syntaxhighlight> このコードの中で、TypeScriptとJavaScriptの主な違いは変数、定数、関数、クラス、インターフェース、ジェネリックス、および制御構文の宣言に型情報を含んでいることです。 具体的には、変数の宣言には型アノテーションが含まれています。JavaScriptでは、変数の宣言時に型を指定する必要はありません。 また、型の宣言にはTypeScriptで導入されたtypeキーワードが使用されており、JavaScriptには存在しません。 関数の引数と返り値に型情報が含まれており、関数が返す値の型を指定する必要があります。JavaScriptでは、関数の引数や返り値に型を指定する必要はありません。 クラスのメンバー変数やメソッドにも型情報が含まれており、JavaScriptではクラスのメンバーに型を指定する方法がありません。 インターフェイスにはジェネリック型パラメータが含まれており、TypeScriptにはジェネリック型パラメータをサポートする機能がありますが、JavaScriptには存在しません。 制御構文は、if-else分岐、switch文、forループ、whileループが含まれていますが、JavaScriptとの違いはありません。ただし、ループ内で使用される変数については、TypeScriptでは事前に型を指定する必要があります。 ==== 変数と型 ==== TypeScriptでは、変数に対して型を指定することができます。これにより、コードの安全性が向上し、読みやすくなります。以下に、変数と型に関する基本的な情報を示します。 ===== 変数の宣言 ===== 変数を宣言する方法はいくつかありますが、基本的な方法は次の通りです: :<syntaxhighlight lang=ts> let variableName: type; </syntaxhighlight> ここで、<code>variableName</code> は変数の名前であり、<code>type</code> は変数の型です。 ===== 型推論 ===== TypeScriptは型推論を行います。つまり、変数に初期値が与えられている場合、TypeScriptはその初期値から型を推論し、その型を変数に割り当てます。例: :<syntaxhighlight lang=ts> let numberVariable = 10; // number型と推論される let stringVariable = "Hello"; // string型と推論される </syntaxhighlight> ===== 明示的な型指定 ===== 型推論が十分ではない場合、または変数の型を明示的に指定したい場合は、型アノテーション(Type Annotation)を使用します: :<syntaxhighlight lang=ts> let numberVariable: number = 10; let stringVariable: string = "Hello"; </syntaxhighlight> ===== 基本的な型 ===== :{| class=wikitable |+ TypeScriptの基本的な型の一覧 !型 !説明 |- !any |任意の型 |- !number |数値 |- !string |文字列 |- !boolean |真理値 (true/false) |- !void |値を返さない (undefined相当) |- !null |null |- !undefined |undefined |- !never |発生しない値(例外が発生して関数が抜け出せなくなった場合など) |- !unknown |anyと同様任意の型、しかし、型の安全性を保持するための安全なany型 |- !object |オブジェクト |- !array |配列 |- !tuple |固定長の配列 |- !enum |列挙型 |- !union |複数の型のいずれか1つを受け入れ可能 |- !intersection |複数の型を結合 |- !type |型エイリアス。型に名前をつけた、再利用可能な定義 |- !class |クラス |- !interface |オブジェクトの構造や形状を定義 |- !function |関数 |} 注意: 上記の型は基本的なものであり、カスタム型を作成することも可能です。 ====== any型 ====== <code>any</code> 型は、任意の型を持つことを示します。すべての型のスーパーセットであり、型チェックが行われません。 :<syntaxhighlight lang=ts> let anyVariable: any = 10; anyVariable = "Hello"; // 問題なく代入できる </syntaxhighlight> ====== 数値型(number) ====== TypeScriptの数値型は<code>number</code>型です。これは整数や浮動小数点数などの数値を扱うことができます。 :<syntaxhighlight lang=ts> let integerValue: number = 10; // 整数値 let floatValue: number = 3.14; // 浮動小数点数 </syntaxhighlight> ======= 数値リテラル ======= 数値リテラルは、コード内で具体的な数値を表現するために使用されます。 これには、10進数、2進数、8進数、16進数などの表記方法があります。 :<syntaxhighlight lang=ts> let decimalLiteral: number = 10; // 10進数 let binaryLiteral: number = 0b1010; // 2進数(10進数の10と同じ) let octalLiteral: number = 0o12; // 8進数(10進数の10と同じ) let hexadecimalLiteral: number = 0xA; // 16進数(10進数の10と同じ) </syntaxhighlight> これらの数値リテラルを使用することで、異なる進数の数値を直接コードに表現することができます。 {{コラム|TypeScriptのnumberは浮動小数点数型|2= [[JavaScript/数値#整数と浮動小数点数は区別されない|JavaScriptの数値]]は IEEE 754 の64ビット倍精度浮動小数点数です。 TypeScriptのプログラムは、JavaScriptにトランスパイルされ、JavaScriptエンジンで実行されるので、同じく型numberも64ビット倍精度浮動小数点数です。 実行時に、<code>Number.isInteger()</code>を使って動的に判定することは出来ますが、コンパイル時に整数に限定した型をアノテートすることは出来ません。 どうしても整数に限定した型がほしい場合は、BigInt オブジェクトがあります。 BigInt オブジェクトのリテラルは、<code>123n</code> の様に数値に続けて <code>n</code> を補います。 TSでの型名は <code>bigint</code> です。 bigint と number の間では四則演算や比較演算は'''出来ません'''<ref>JSのレベルで出来ません。</ref>。 Number() あるいは BigInt() で型を合わせてから演算する必要があります。 C言語などは、浮動小数点数に自動変換されますが、JS(=TS)の場合 BigInt は名前の通り多倍長整数なので 10n ** 309n の様な大きな値を、Number() で型変換すると Infinity になってしまいますので、一概に Number に揃えるべきとも言えません。 }} ====== 文字列型(string) ====== TypeScriptの文字列型は、JavaScriptの文字列型と同様に、文字のシーケンスを表すために使用されます。ただし、TypeScriptにはいくつかの追加機能があります。 まず、TypeScriptの文字列型には、バッククォートを使用したテンプレート文字列があります。これは、JavaScriptのバッククォートを使用したテンプレート文字列と似ていますが、TypeScriptでは、テンプレート文字列内に埋め込まれた式の型チェックを行うことができます。以下は、テンプレート文字列内に変数を埋め込んで使用する例です。 :<syntaxhighlight lang=ts> let name: string = "John"; let age: number = 30; let message: string = `My name is ${name} and I am ${age} years old.`; console.log(message); // "My name is John and I am 30 years old." </syntaxhighlight> また、TypeScriptには、文字列リテラル型があります。これは、文字列リテラルを使用して型を定義することができる機能であり、文字列リテラル型を使用することで、文字列リテラルの集合に対して安全に操作を行うことができます。以下は、文字列リテラル型を使用して、有効な色名のみを受け付ける関数を定義する例です。 :<syntaxhighlight lang=ts> type Color = "red" | "green" | "blue"; function setColor(color: Color) { // ... } setColor("red"); // OK setColor("yellow"); // TypeScript error: Argument of type 'yellow' is not assignable to parameter of type 'Color'. </syntaxhighlight> 以上のように、TypeScriptの文字列型には、JavaScriptにはないいくつかの追加機能があります。これらの機能は、文字列処理をより簡単かつ正確に行うためのものであり、開発者にとって大きな利点を提供します。 ====== 真理値型(boolean) ====== TypeScriptの真理値型(boolean)は、JavaScriptの真理値型と同様に、trueまたはfalseの値を持ちます。 JavaScriptと同様に、TypeScriptの真理値型は、if文や三項演算子などの条件分岐に使用されます。しかし、TypeScriptの真理値型にはいくつかの差異があります。 まず、TypeScriptの真理値型は、明示的な型注釈を使用して変数に型を割り当てる場合に必要です。つまり、TypeScriptで変数に真理値型の値を代入する場合、明示的に型注釈を付ける必要があります。例えば、以下のコードを考えてみましょう。 :<syntaxhighlight lang=ts> let isDone: boolean = true; </syntaxhighlight> このコードでは、変数isDoneにtrueという真理値型の値を代入しています。しかし、この代入文で明示的に型注釈を使用していることに注意してください。 また、TypeScriptの真理値型は、JavaScriptの厳密等価演算子(===)や不等価演算子(!==)の使用を推奨します。これは、TypeScriptが型安全性を重視しているためです。厳密等価演算子と不等価演算子は、値と型が一致しない場合にも比較を行うため、型の不一致によるバグを防ぐことができます。例えば、以下のコードを考えてみましょう。 :<syntaxhighlight lang=ts> let num: number = 0; let isTrue: boolean = false; if (num === isTrue) { console.log('This should not be executed!'); } </syntaxhighlight> このコードでは、変数numに0という数値型の値を代入し、変数isTrueにfalseという真理値型の値を代入しています。その後、if文でnumとisTrueを比較しています。この比較は、JavaScriptではfalseになりますが、TypeScriptではコンパイルエラーとなります。これは、numとisTrueが型が異なるためです。このように、厳密等価演算子や不等価演算子の使用によって、TypeScriptは型安全性を保つことができます。 JavaScriptにおいても真理値型はありますが、明示的な型注釈の必要はありません。また、厳密等価演算子や不等価演算子の使用は推奨されますが、必須ではありません。JavaScriptは動的型付けを採用しており、このため比較演算子の使用によってバグを回避することはできません。 ====== void ====== JavaScriptでは、<code>void</code>キーワードは式を評価して何も返さないことを示します。たとえば、<code>console.log()</code>関数は値を返さないため、型アノテーションとして<code>void</code>を使用することができます。 しかし、TypeScriptでは<code>void</code>はやや異なります。TypeScriptの<code>void</code>型は、戻り値がない関数の戻り値の型を指定するために使用されます。具体的には、<code>void</code>型は何も返さない関数(つまり、<code>return</code>ステートメントを含まない関数)の戻り値の型を指定するために使用されます。<code>void</code>型を指定することで、TypeScriptはその関数が値を返さないことを保証します。 例えば、以下のような関数があるとします。 :<syntaxhighlight lang=ts> function logMessage(message: string): void { console.log(message); } </syntaxhighlight> この関数は、<code>string</code>型の引数を受け取り、それをコンソールに出力しますが、何も返しません。そのため、<code>void</code>型を戻り値の型として指定する必要があります。 一方、JavaScriptでは、<code>void</code>は戻り値がないことを示すために使用されますが、型システムでは使用されません。JavaScriptでは、値を返さない関数は、単に何も返さないため、<code>void</code>キーワードは必要ありません。 ====== null ====== JavaScriptには、<code>null</code>という値があります。この値は、変数に何も割り当てることができないことを示します。つまり、変数は<code>null</code>以外の値を持つことができますが、<code>null</code>自体は値を持ちません。 一方、TypeScriptでは、<code>null</code>型があります。<code>null</code>型は、変数が<code>null</code>値または<code>undefined</code>値を持つことを明示的に示すために使用されます。 以下は、<code>null</code>型の使用例です。 :<syntaxhighlight lang=ts> let myString: string | null = "Hello World"; myString = null; </syntaxhighlight> この例では、<code>myString</code>変数は<code>string</code>型または<code>null</code>型を持つことができます。最初に、<code>myString</code>変数に文字列を割り当て、次に<code>null</code>を割り当てることができます。<code>string</code>型の変数に<code>null</code>を直接割り当てることはできません。 このように、TypeScriptの<code>null</code>型は、<code>null</code>または<code>undefined</code>値を受け入れる変数の型を定義するために使用されます。JavaScriptでは、<code>null</code>は値自体を表すために使用されますが、型として使用されることはありません。 ====== undefined ====== JavaScriptには、<code>undefined</code>という値があります。この値は、変数に値が割り当てられていないことを示します。つまり、変数は<code>undefined</code>以外の値を持つことができますが、<code>undefined</code>自体は値を持ちません。 一方、TypeScriptでは、<code>undefined</code>型があります。<code>undefined</code>型は、変数が<code>undefined</code>値を持つことを明示的に示すために使用されます。 以下は、<code>undefined</code>型の使用例です。 :<syntaxhighlight lang=ts> let myNumber: number | undefined; console.log(myNumber); // undefined </syntaxhighlight> この例では、<code>myNumber</code>変数は<code>number</code>型または<code>undefined</code>型を持つことができます。変数に何も割り当てられていないため、<code>console.log()</code>関数で変数の値を出力すると、<code>undefined</code>が表示されます。 このように、TypeScriptの<code>undefined</code>型は、変数が<code>undefined</code>値を持つことを明示的に示すために使用されます。JavaScriptでは、<code>undefined</code>は値自体を表すために使用されますが、型として使用されることはありません。 ====== never ====== JavaScriptには、<code>never</code>型はありません。しかし、TypeScriptにおいては、<code>never</code>型は存在します。この型は、関数が終了しないことを示します。 例えば、次のような関数があります。 :<syntaxhighlight lang=ts> function throwError(message: string): never { throw new Error(message); } </syntaxhighlight> この関数は、<code>Error</code>オブジェクトをスローしています。<code>Error</code>オブジェクトがスローされた場合、関数は終了することはありません。そのため、この関数の戻り値の型は<code>never</code>となっています。 また、<code>never</code>型は、型システムの中でエラーを表すためにも使用されます。例えば、以下のような関数があった場合、 :<syntaxhighlight lang=ts> function handleError(): never { while (true) { // エラー処理 } } </syntaxhighlight> この関数は、<code>while</code>ループ内でエラーを処理するために、無限ループを行います。このため、この関数の戻り値の型は<code>never</code>になります。 <code>never</code>型は、TypeScriptの静的型付けにおいて、関数が終了しないことや、エラーを表すことを明示的に示すために使用されます。JavaScriptでは、<code>never</code>型は存在しないため、この型を使用することはできません。 ====== unknown ====== <code>unknown</code>型は、TypeScript 3.0から導入された型の一つで、JavaScriptには存在しない型です。この型は、ある値が何であるかを明確にはわからない場合に使用されます。 JavaScriptでは、どんな型の値でも代入可能なのに対し、TypeScriptでは型の厳密さが求められます。そのため、TypeScriptの静的型付けにおいて、未知の型を扱う場合には<code>unknown</code>型が用意されています。 <code>unknown</code>型を使うと、変数の型が未知の場合、型チェックを通過するためには、先に型ガードを行う必要があります。以下は、<code>unknown</code>型の変数を扱う例です。 :<syntaxhighlight lang=ts> let value: unknown = "Hello, TypeScript!"; // 文字列型かどうかを判定する if (typeof value === "string") { // valueはstring型に変更されるため、以下のように文字列メソッドを使用できる console.log(value.toLowerCase()); // "hello, typescript!" } </syntaxhighlight> このように、<code>unknown</code>型は、変数の型が不明な場合に使用されます。そのため、値に対する型チェックを実施する必要があります。<code>unknown</code>型を使用することで、JavaScriptにはない型安全性を保つことができます。 ====== object ====== <code>object</code>型は、TypeScriptにおける型の一つで、JavaScriptにも存在する型です。ただし、TypeScriptの<code>object</code>型はJavaScriptの<code>object</code>型とは異なる点がいくつかあります。 JavaScriptの<code>object</code>型は、すべてのオブジェクトを表す汎用的な型であり、配列や関数も含まれます。一方、TypeScriptの<code>object</code>型は、非プリミティブ型であり、オブジェクトのプロパティとそのプロパティの型を定義するために使用されます。 以下は、<code>object</code>型を使用してオブジェクトを定義する例です。 :<syntaxhighlight lang=ts> let person: object = { name: "John", age: 30 }; </syntaxhighlight> この例では、<code>person</code>変数に<code>object</code>型のオブジェクトを代入しています。この場合、<code>object</code>型は、オブジェクトのプロパティとそのプロパティの型を定義するために使用されています。 一方、JavaScriptでは、<code>object</code>型は汎用的な型であるため、オブジェクトのプロパティやその型を指定することはできません。また、JavaScriptには型注釈がないため、変数の型を指定することもできません。 :<syntaxhighlight lang=ts> let person = { name: "John", age: 30 }; </syntaxhighlight> このように、TypeScriptの<code>object</code>型は、JavaScriptの<code>object</code>型とは異なる点があるため、注意が必要です。 ====== array ====== TypeScriptの配列型は、JavaScriptの配列型と非常に似ていますが、いくつかの追加機能があります。 まず、TypeScriptの配列型には、要素の型を指定することができます。これは、JavaScriptの配列型にはない機能であり、配列内の要素の型が一致しない場合に、TypeScriptは型エラーを発生させます。以下は、number型の配列を定義する例です。 :<syntaxhighlight lang=ts> let numbers: number[] = [1, 2, 3]; </syntaxhighlight> また、TypeScriptの配列型には、ジェネリック型を使用して、任意の型の配列を表現することができます。以下は、ジェネリック型を使用して、文字列型の配列を定義する例です。 :<syntaxhighlight lang=ts> let names: Array<string> = ["John", "Jane", "Bob"]; </syntaxhighlight> さらに、TypeScriptの配列型には、読み取り専用の配列型があります。これは、配列の要素を変更できないことを保証する型であり、TypeScriptは、読み取り専用の配列型を使用して、配列を操作する関数やメソッドが要素を変更しないことを確認します。以下は、読み取り専用の配列型を使用して、配列の要素を変更できないことを保証する例です。 :<syntaxhighlight lang=ts> let numbers: readonly number[] = [1, 2, 3]; numbers[0] = 4; // TypeScript error: Index signature in type 'readonly number[]' only permits reading. </syntaxhighlight> 以上のように、TypeScriptの配列型には、JavaScriptにはないいくつかの追加機能があります。これらの機能は、配列操作をより安全かつ正確に行うためのものであり、開発者にとって大きな利点を提供します。 ====== tuple ====== <code>tuple</code>は、TypeScriptにおける型の一つで、複数の要素を含む配列を表すために使用されます。JavaScriptには<code>tuple</code>型は存在しないため、TypeScriptとJavaScriptとの間には差異があります。 以下は、<code>tuple</code>を使用して数値と文字列を持つ配列を定義する例です。 :<syntaxhighlight lang=ts> let myTuple: [number, string] = [1, "hello"]; </syntaxhighlight> この例では、<code>myTuple</code>変数に<code>[number, string]</code>型の配列を代入しています。<code>[number, string]</code>型は、最初の要素が数値型、2番目の要素が文字列型であることを定義しています。 :<syntaxhighlight lang=js> let myArray = [1, "hello"]; </syntaxhighlight> 一方、JavaScriptでは、配列の要素には制限がありません。任意の型の要素を持つことができます。 このように、TypeScriptの<code>tuple</code>型は、JavaScriptの配列とは異なる点があります。TypeScriptの<code>tuple</code>型は、要素の数と型が固定されており、型安全性を高めることができます。 ====== enum ====== <code>enum</code>は、TypeScriptにおける型の一つで、列挙型を表現するために使用されます。JavaScriptには<code>enum</code>型は存在しないため、TypeScriptとJavaScriptとの間には差異があります。 以下は、<code>enum</code>を使用して曜日を表す列挙型を定義する例です。 :<syntaxhighlight lang=ts> enum DayOfWeek { Sunday, Monday, Tuesday, Wednesday, Thursday, Friday, Saturday } </syntaxhighlight> この例では、<code>DayOfWeek</code>という名前の列挙型を定義しています。<code>enum</code>キーワードを使用し、<code>{}</code>の中に列挙する値を記述しています。ここでは、<code>Sunday</code>から<code>Saturday</code>までの曜日を定義しています。 一方、JavaScriptでは、列挙型を表現する方法はありません。通常は、定数を使用することで同様の機能を実現します。 :<syntaxhighlight lang=js> const DayOfWeek = { Sunday: 0, Monday: 1, Tuesday: 2, Wednesday: 3, Thursday: 4, Friday: 5, Saturday: 6 }; </syntaxhighlight> このように、TypeScriptの<code>enum</code>型は、JavaScriptの定数とは異なる点があります。TypeScriptの<code>enum</code>型は、列挙型を表現するために特別に設計されており、列挙型の使用をより簡単に、かつ型安全に実現することができます。 ====== Union型 ====== 複数の型を持つことを示すために、Union型を使用することができます: :<syntaxhighlight lang=ts> let numberOrString: number | string; numberOrString = 10; // 問題なく代入できる numberOrString = "Hello"; // 問題なく代入できる </syntaxhighlight> ====== intersection ====== JavaScriptには「intersection」という機能はありませんが、TypeScriptでは利用可能です。 「intersection」は、複数の型を結合することで新しい型を作成する方法です。結合された型は、それらのすべての型のメンバーを持ちます。 例えば、以下のように <code>Person</code> と <code>Serializable</code> という2つのインターフェースがあるとします。 :<syntaxhighlight lang=ts> interface Person { name: string; age: number; } interface Serializable { serialize(): string; } </syntaxhighlight> これら2つのインターフェースを結合して、新しいインターフェース <code>PersonSerializable</code> を作成することができます。 :<syntaxhighlight lang=ts> type PersonSerializable = Person & Serializable; </syntaxhighlight> <code>PersonSerializable</code> は、 <code>Person</code> と <code>Serializable</code> の両方のメンバーを持ちます。したがって、 <code>name</code> 、 <code>age</code> 、および <code>serialize</code> の3つのメンバーがあります。 :<syntaxhighlight lang=ts> const person: PersonSerializable = { name: "John", age: 30, serialize() { return `${this.name}, ${this.age}`; } }; </syntaxhighlight> このように、 <code>intersection</code> を使用することで、異なる型の機能を1つの型にまとめることができます。 ====== type ====== 複雑な型を再利用するために、キーワードtypeを用いて 型エイリアスを定義できます: :<syntaxhighlight lang=ts> type Point = { x: number; y: number; }; let point: Point = { x: 10, y: 20 }; </syntaxhighlight> ====== class ====== TypeScriptには、クラス型という型があります。これは、クラスのインスタンスを型として指定できるという点で、JavaScriptとは大きく異なります。 クラス型は、JavaScriptのクラスと同様に、オブジェクト指向プログラミングの概念をサポートします。クラス型を使用することで、型安全性を高め、コードの保守性を向上させることができます。 例えば、以下のようなクラスがあるとします。 :<syntaxhighlight lang=ts> class Person { name: string; age: number; constructor(name: string, age: number) { this.name = name; this.age = age; } greet() { console.log(`Hello, my name is ${this.name}, and I'm ${this.age} years old.`); } } </syntaxhighlight> このクラスを使用して、以下のようにインスタンスを生成することができます。 :<syntaxhighlight lang=ts> const person1 = new Person('Alice', 25); person1.greet(); // Output: Hello, my name is Alice, and I'm 25 years old. </syntaxhighlight> TypeScriptでは、このクラスを型として扱うことができます。 :<syntaxhighlight lang=ts> const person2: Person = new Person('Bob', 30); person2.greet(); // Output: Hello, my name is Bob, and I'm 30 years old. </syntaxhighlight> このように、クラス型を使用することで、変数にクラスのインスタンスを代入する際に、そのインスタンスが持つメンバー変数やメソッドにアクセスできるようになります。これにより、より安全で読みやすいコードを書くことができます。 ====== interface ====== TypeScriptの<code>interface</code>は、JavaScriptには存在しない概念です。<code>interface</code>は、オブジェクトの形状(shape)を定義するために使用されます。オブジェクトが<code>interface</code>で定義された形状に適合しているかどうかを確認するために使用することができます。 JavaScriptには、オブジェクトの形状を定義する方法がありません。そのため、JavaScriptでは、実際にオブジェクトを作成し、プロパティやメソッドが存在するかどうかをチェックする必要があります。 TypeScriptの<code>interface</code>は、この問題を解決するために導入されました。<code>interface</code>を使用することで、オブジェクトの形状を明確に定義することができ、コードの読みやすさや保守性が向上します。 例えば、以下のように<code>interface</code>を使用してオブジェクトの形状を定義することができます。 :<syntaxhighlight lang=ts> interface Person { name: string; age: number; address?: string; } </syntaxhighlight> 上記のコードでは、<code>Person</code>という<code>interface</code>が定義されています。<code>Person</code>は<code>name</code>と<code>age</code>という必須のプロパティと、オプションの<code>address</code>プロパティを持つオブジェクトの形状を表します。 この<code>interface</code>を使用して、以下のようにオブジェクトを作成することができます。 :<syntaxhighlight lang=ts> const person: Person = { name: 'Alice', age: 25, }; </syntaxhighlight> 上記のコードでは、<code>Person</code>インターフェースを使用して、<code>name</code>と<code>age</code>プロパティを持つオブジェクトを作成しています。また、<code>address</code>プロパティはオプションであるため、省略することができます。 <code>interface</code>を使用することで、オブジェクトの形状を明確に定義し、プロパティやメソッドが存在するかどうかを簡単にチェックすることができます。 ====== function ====== TypeScriptにおいて、関数も型付けされるため、関数型を宣言することができます。JavaScriptには関数型の宣言方法がありませんが、TypeScriptでは型アノテーションまたはインターフェースを使用して関数の型を定義できます。 :<syntaxhighlight lang=ts> function add(a: number, b: number): number { return a + b; } </syntaxhighlight> この例では、<code>add</code>という関数が定義されています。<code>add</code>関数は2つの引数(<code>a</code>と<code>b</code>)を取り、それぞれが<code>number</code>型であることをTypeScriptに示しています。また、戻り値も<code>number</code>型であることを示しています。 TypeScriptでは、シグネチャーと呼ばれる機能を使って、関数の型をより詳細に定義することができます。シグネチャーは、関数の引数と戻り値の型のみを定義し、関数の本体は含まれません。 :<syntaxhighlight lang=ts> // シグネチャーを使った関数型の例 type AddFunction = (a: number, b: number) => number; const add: AddFunction = (a, b) => { return a + b; }; </syntaxhighlight> ==== namespace ==== TypeScriptの<code>namespace</code>はJavaScriptにはない機能であり、TypeScriptの静的型付けシステムの一部です。<code>namespace</code>を使用することで、グローバル名前空間を汚染することなく、関連する関数、変数、クラスをグループ化できます。 以下は、TypeScriptの<code>namespace</code>の例です。 :<syntaxhighlight lang=ts> namespace MyNamespace { export const message: string = "Hello, world!"; export function showMessage() { console.log(message); } export class Person { constructor(public name: string, public age: number) {} public sayHello() { console.log(`Hello, my name is ${this.name} and I am ${this.age} years old.`); } } } </syntaxhighlight> この<code>namespace</code>は、<code>MyNamespace</code>という名前の名前空間を作成し、<code>message</code>という変数、<code>showMessage</code>という関数、そして<code>Person</code>というクラスを含んでいます。<code>export</code>キーワードは、これらの要素を名前空間外からアクセス可能にするために使用されます。 以下は、上記の<code>namespace</code>をJavaScriptに変換した例です。 :<syntaxhighlight lang=js> var MyNamespace; (function (MyNamespace) { MyNamespace.message = "Hello, world!"; function showMessage() { console.log(MyNamespace.message); } MyNamespace.showMessage = showMessage; class Person { constructor(name, age) { this.name = name; this.age = age; } sayHello() { console.log(`Hello, my name is ${this.name} and I am ${this.age} years old.`); } } MyNamespace.Person = Person; })(MyNamespace || (MyNamespace = {})); </syntaxhighlight> JavaScriptには、<code>namespace</code>という概念がないため、上記のコードは、IIFE(Immediately-Invoked Function Expression)というテクニックを使用して、名前空間をエミュレートしています。このテクニックは、名前空間内の変数や関数がグローバルスコープに漏れ出すことを防ぎ、名前の競合を回避するために有用です。また、<code>namespace</code>内で定義された要素は、<code>MyNamespace</code>オブジェクトのプロパティとしてアクセスできます。 === 関数 === TypeScriptの関数は、JavaScriptの関数と同じように動作しますが、いくつかの差異があります。 まず、TypeScriptの関数には、パラメータに型を指定することができます。これにより、関数のパラメータが期待される型と異なる場合に、TypeScriptがコンパイル時にエラーを検出することができます。 また、TypeScriptの関数には、戻り値に型を指定することができます。これにより、関数が返す値の型を定義することができます。 さらに、TypeScriptの関数には、オプションのパラメータやデフォルト値を指定することができます。これらの機能は、JavaScriptでも利用できますが、TypeScriptでは型情報を合わせて指定することができます。 TypeScriptの関数には、ジェネリック型やアロー関数など、JavaScriptには存在しない機能もあります。これらの機能を使うことで、より柔軟な関数を定義することができます。 以上のように、TypeScriptの関数は、JavaScriptの関数と比べて、より型安全で、より柔軟な機能を持っています。 ==== 型アノテーションのある関数定義 ==== 以下の例では、パラメータと戻り値の型を明示的に指定しています。 :<syntaxhighlight lang=ts> function greet(name: string): string { return "Hello, " + name; } </syntaxhighlight> 同じ関数をJavaScriptで書く場合は、型アノテーションは不要です。 :<syntaxhighlight lang=js> function greet(name) { return "Hello, " + name; } </syntaxhighlight> ==== ラムダ式の型アノテーション ==== 以下の例では、アロー関数のパラメータと戻り値の型を明示的に指定しています。 :<syntaxhighlight lang=ts> const greet = (name: string): string => "Hello, " + name; </syntaxhighlight> 同じ関数をJavaScriptで書く場合は、型アノテーションは不要です。 :<syntaxhighlight lang=js> const greet = (name) => "Hello, " + name; </syntaxhighlight> ==== 型パラメータを使ったジェネリック関数 ==== 以下の例では、<code>T</code>という型パラメータを使って、配列の中身を逆順にする関数を定義しています。 :<syntaxhighlight lang=ts> function reverse<T>(array: T[]): T[] { return array.reverse(); } </syntaxhighlight> 同じ関数をJavaScriptで書く場合は、型パラメータを使うことはできません。 :<syntaxhighlight lang=js> // JavaScriptでは型パラメータを使えないため、以下のように書く必要がある。 function reverse(array) { return array.reverse(); } </syntaxhighlight> ==== 定義と定義ファイル ==== TypeScriptでは、型定義を別のファイルに分離することができます。以下の例では、<code>greet.d.ts</code>というファイルに、<code>greet</code>関数の型定義を書いています。 :<syntaxhighlight lang=ts> declare function greet(name: string): string; </syntaxhighlight> この型定義ファイルを使用することで、JavaScriptのファイルでもTypeScriptの関数の型情報を利用することができます。 :<syntaxhighlight lang=ts> // greet.d.tsの型定義を読み込むことで、greet関数の型情報を利用できる。 console.log(greet("Alice")); // "Hello, Alice" </syntaxhighlight> JavaScriptでは、型定義ファイルを使用することはできません。 ===== 定義ファイルの入手 ===== TypeScriptでサードパーティ製ライブラリーやES2015などの標準ライブラリの型定義ファイルを入手する方法は以下の通りです。 # <code>npm</code>を使って型定義ファイルをインストールする #:<code>npm</code>はNode.jsのパッケージマネージャーであり、多くの型定義ファイルがnpmのパッケージとして提供されています。例えば、jQueryの型定義ファイルは<code>@types/jquery</code>というパッケージとして提供されています。インストール方法は以下の通りです。 #:<syntaxhighlight lang=bash> npm install --save-dev @types/jquery </syntaxhighlight> #:同様に、ES2015などの標準ライブラリの型定義ファイルも、<code>@types</code>スコープ内に存在します。例えば、ES2015の型定義ファイルは<code>@types/es6-shim</code>というパッケージとして提供されています。以下のコマンドでインストールできます。 #:<syntaxhighlight lang=bash> npm install --save-dev @types/es6-shim </syntaxhighlight> # 型定義ファイルを手動でダウンロードする #:もし、npmに型定義ファイルが存在しない場合や、npmを使用しない場合は、型定義ファイルを手動でダウンロードすることもできます。例えば、jQueryの型定義ファイルはDefinitelyTypedというGitHubリポジトリで管理されています。以下のコマンドでリポジトリをクローンして、<code>index.d.ts</code>を手動で取得できます。 #:<syntaxhighlight lang=bash> git clone https://github.com/DefinitelyTyped/DefinitelyTyped.git cd DefinitelyTyped/types/jquery/ cat index.d.ts </syntaxhighlight> #:同様に、ES2015などの標準ライブラリの型定義ファイルも、DefinitelyTypedリポジトリ内に存在します。 ===== 定義ファイルの生成 ===== TypeScriptの定義ファイルの生成方法には、以下の2つの方法があります。 # <code>--declaration</code>フラグを使用する方法 #: TypeScriptのコンパイラには、<code>--declaration</code>フラグを使用して、定義ファイルを生成することができます。このフラグを指定すると、TypeScriptのコンパイラが、<code>.ts</code>ファイルをコンパイルした際に、<code>.d.ts</code>ファイルを同時に生成します。 #: 以下は、<code>greeter.ts</code>というファイルから<code>greeter.js</code>と<code>greeter.d.ts</code>を生成する例です。 #:<syntaxhighlight lang=bash> tsc --declaration greeter.ts </syntaxhighlight> #: 生成された<code>greeter.d.ts</code>ファイルは、以下のようになります。 #:<syntaxhighlight lang=ts> declare function greeter(person: string): string; </syntaxhighlight> # <code>dts-gen</code>ツールを使用する方法 #:<code>dts-gen</code>は、TypeScriptのコードから定義ファイルを生成するためのツールです。このツールを使用するには、まず<code>dts-gen</code>をグローバルにインストールします。 #:<syntaxhighlight lang=bash> npm install -g dts-gen </syntaxhighlight> #:次に、生成したい<code>.ts</code>ファイルを含むプロジェクトのルートディレクトリで、以下のコマンドを実行します。 #:<syntaxhighlight lang=bash> dts-gen --name myLib --project . </syntaxhighlight> #:<code>--name</code>フラグで指定した名前のディレクトリが作成され、そのディレクトリに<code>.d.ts</code>ファイルが生成されます。生成されたファイルは、<code>/// <reference path="./typings/index.d.ts" /></code>のような参照ディレクティブを含んでいるため、必要に応じて修正する必要があります。 以上の方法は、TypeScriptのプロジェクトで定義ファイルを生成する方法です。一方、JavaScriptでは、定義ファイルを生成する標準的な方法はありません。しかし、JSDocを使用して、関数やオブジェクトの型情報をドキュメントとして記述することで、JavaScriptのコードにも型情報を付与することができます。 ===== 定義ファイルの書式 ===== TypeScriptの定義ファイルの書式は、以下のようになっています。 :<syntaxhighlight lang=ts> declare function functionName(param1: type1, param2: type2): returnType; </syntaxhighlight> このように、<code>declare</code>キーワードを用いて、関数や変数の宣言を行います。また、関数の引数や戻り値には、型アノテーションを付与することができます。 例えば、以下は<code>greeter</code>関数の定義ファイルの例です。 :<syntaxhighlight lang=ts> declare function greeter(person: string): string; </syntaxhighlight> 一方、JavaScriptには、定義ファイルの書式は存在しません。代わりに、JSDocと呼ばれるドキュメントコメントを使用して、関数や変数の型情報を記述することができます。 以下は、JSDocを使用して<code>greeter</code>関数に型情報を付与する例です。 :<syntaxhighlight lang=js> /** * @param {string} person - The name of the person. * @returns {string} - The greeting message. */ function greeter(person) { return "Hello, " + person; } </syntaxhighlight> このように、<code>@param</code>タグや<code>@returns</code>タグを使用して、引数や戻り値の型情報を記述します。 ただし、JavaScriptのJSDocは、TypeScriptの定義ファイルのようにコンパイル時に静的な型チェックを行うわけではないため、注意が必要です。 ==== TSDoc ==== {{Main|TSDoc}} TSDocは、TypeScriptのためのドキュメンテーションコメント記法です。TSDocは、JSDocと同じように、ソースコード内にドキュメンテーションコメントを記述するための標準的な形式を提供します。 TSDocは、TypeScriptコードにおいて、型情報やパラメーター、戻り値などの情報を含むコメントを書くことができます。これにより、開発者は、TypeScriptコードを使用する際に、より詳細な情報を把握することができます。 TSDocは、TypeScriptの型情報に基づいて、APIドキュメントを自動的に生成することができます。これにより、開発者は、手作業でドキュメンテーションを作成する手間を省くことができます。 TSDocは、TypeScriptの公式ドキュメンテーションにも使用されており、広く採用されています。 {{コラム|TypeScriptの変遷|2=TypeScript(以下、TS)は、Microsoftによって開発され、JavaScriptのスーパーセットであり、静的型付けをサポートするプログラミング言語です。以下は、TypeScriptの主な変遷の要点です。 # 開発の開始(2012年10月): #* Microsoftによって、Anders Hejlsberg(C#の主要開発者でもあります)などのチームによって開発が開始されました。 #* TypeScriptは、JavaScriptの開発をより大規模で保守可能なものにするための静的型付けなどの機能を提供しました。 # 公式リリース(2012年10月): #* TypeScript 0.8が公式にリリースされ、広く利用可能になりました。 #* 開発者は、TypeScriptを使用してJavaScriptのコードを書くことができるようになり、コンパイラによってJavaScriptに変換されました。 # 型注釈とコンパイルオプションの拡充(2013年 - 2014年): #* TypeScript 1.0がリリースされ、型注釈やコンパイルオプションなど、言語の安定性と柔軟性が向上しました。 # ECMAScript 6(ES6)のサポート(2015年): #* TypeScript 1.5が、ECMAScript 6(またはECMAScript 2015)のサポートを追加しました。 #* アロー関数、ジェネレータ、クラス、モジュールなど、新しいJavaScriptの機能をサポートしました。 # 型エイリアス、ジェネリクスの強化(2017年 - 2018年): #* TypeScript 2.0からは、型エイリアスや非nullableの型など、型の機能が拡充されました。 #* TypeScript 2.3では、条件型やMapped Typesなど、ジェネリクスに関連する新機能が導入されました。 # 非同期関数のサポート(2017年 - 2018年): #* TypeScript 2.1からは、非同期関数のサポートが向上し、<code>async</code>および<code>await</code>キーワードが導入されました。 # Strict Null Checking(2017年 - 2018年): #* TypeScript 2.0以降、strict null checkingが導入され、nullおよびundefinedの型安全性が向上しました。 # TypeScript 3.xシリーズ(2018年 - 現在): #* TypeScript 3.xシリーズでは、Tuple型、readonly修飾子、Unknown型、Optional Chaining、Nullish Coalescing Operatorなど、新しい機能が追加されました。 # ESNextの機能への追随(常時更新中): #* TypeScriptはECMAScriptの進化に追随し、新しいJavaScriptの機能をサポートしています。 TypeScriptは、プロジェクトの規模が大きくなるにつれてその恩恵がより顕著に現れる言語であり、JavaScriptエコシステムで広く受け入れられています。 }} == クラス == JavaScriptにECMAScript2015(ES6)で導入された、キーワード '''class''' (クラス)を TypeScript もサポートしています。 ;[https://paiza.io/projects/65sUX226hIL1lV32PFpajQ?language=typescript コード例]:<syntaxhighlight lang="typescript" highlight="2" line> class Hello { name: string; constructor(name: string = "world") { this.name = name; } toString(): string { return `Hello ${this.name}`; } print(): void { console.log(String(this)); } } const hello: Hello = new Hello(); hello.print(); const hello2: Hello = new Hello("my friend"); hello2.print(); console.log( `typeof Hello === ${typeof Hello} Object.getOwnPropertyNames(hello) === ${Object.getOwnPropertyNames(hello)} ` ); </syntaxhighlight> ;表示結果:<syntaxhighlight lang="text"> Hello world Hello my friend typeof Hello === function Object.getOwnPropertyNames(hello) === name </syntaxhighlight> : クラスのメンバーには、型を伴った宣言が必要です。 {{See also|JavaScript/クラス}} === 少しまとまったサイズのクラス === [[Ruby#ユーザー定義クラス]]の都市間の大圏距離を求めるメソッドを追加した例を、TypeScriptに移植。 ;[https://paiza.io/projects/oVsotUf_hrz1H3kK53dpgg?language=typescript ユーザー定義クラス]:<syntaxhighlight lang=typescript line> class GeoCoord { longitude: number; latitude: number; constructor(longitude: number = 0, latitude: number = 0) { this.longitude = longitude; this.latitude = latitude; } toString(): string { let ew = "東経"; let ns = "北緯"; let long = this.longitude; let lat = this.latitude; if (long < 0.0) { ew = "西経"; long = -long; } if (lat < 0.0) { ns = "南緯"; lat = -lat; } return `(${ew}: ${long}, ${ns}: ${lat})`; } distance(other: GeoCoord): number { const i = Math.PI / 180; const r = 6371.008; return ( Math.acos( Math.sin(this.latitude * i) * Math.sin(other.latitude * i) + Math.cos(this.latitude * i) * Math.cos(other.latitude * i) * Math.cos(this.longitude * i - other.longitude * i) ) * r ); } } const Sites: { [key: string]: GeoCoord } = { "東京駅": new GeoCoord(139.7673068, 35.6809591), "シドニー・オペラハウス": new GeoCoord(151.215278, -33.856778), "グリニッジ天文台": new GeoCoord(-0.0014, 51.4778), }; for (const prop in Sites) { console.log(`${prop}: ${Sites[prop]}`); } const keys: string[] = Object.keys(Sites); const len = keys.length; keys.forEach(function (x, i) { let y = keys[(i + 1) % len]; console.log(`${x} - ${y}: ${Sites[x].distance(Sites[y])} [km]`); }); </syntaxhighlight> ;実行結果:<syntaxhighlight lang=text> 東京駅: (東経: 139.7673068, 北緯: 35.6809591) シドニー・オペラハウス: (東経: 151.215278, 南緯: 33.856778) グリニッジ天文台: (西経: 0.0014, 北緯: 51.4778) 東京駅 - シドニー・オペラハウス: 7823.269299386704 [km] シドニー・オペラハウス - グリニッジ天文台: 16987.2708377249 [km] グリニッジ天文台 - 東京駅: 9560.546566490015 [km] </syntaxhighlight> == TypeScriptの高度な機能 == :{| class="sortable wikitable" |+ TypeScriptにあってJavaScriptにないキーワード !キーワード !説明 |- |<code>type</code> |型エイリアスを定義するために使用されます。 |- |<code>interface</code> |オブジェクトの形状を定義するために使用されます。 <!-- class はJS/ESにもあるのでコメント化 |- |<code>class</code> |クラスを定義するために使用されます。 --> |- |<code>declare</code> | 外部コードの型情報を宣言するためのキーワードで、型定義ファイル (.d.ts) で主に使われます。 |- |<code>abstract</code> |抽象クラスや抽象メソッドを定義するために使用されます。 |- |<code>implements</code> |インターフェイスを実装するクラスを定義するために使用されます。 |- |<code>enum</code> |列挙型を定義するために使用されます。 |- |<code>namespace</code> |名前空間を定義するために使用されます。 <!-- module はJS/ESにもあるのでコメント化 |- |<code>module</code> |モジュールを定義するために使用されます。 --> |- |<code>import</code> |外部モジュールからエクスポートされた変数や関数をインポートするために使用されます。 |- |<code>export</code> |モジュールから変数や関数をエクスポートするために使用されます。 |- |<code>as</code> |型キャストを行うために使用されます。 |- |<code>readonly</code> |変数やプロパティを読み取り専用にするために使用されます。 |- |<code>never</code> | 決して戻らないことを表すために使用されます。関数が例外を投げるか無限ループする場合などに使われます。 |- |<code>unknown</code> |安全でない任意の値を表すために使用されます。 |- |<code>keyof</code> |オブジェクトのキーを取得するために使用されます。 |- |<code>in</code> |オブジェクトに指定されたプロパティがあるかどうかを判断するために使用されます。 |- |<code>infer</code> |型変数を推論するために使用されます。 |- |<code>Exclude</code> |一方の型にあるが他方の型にない型を取得するために使用されます。 |- |<code>Partial</code> |オブジェクトの全てのプロパティをオプションにするために使用されます。 |- |<code>Required</code> |オブジェクトの全てのプロパティを必須にするために使用されます。 |- |<code>Pick</code> |オブジェクトから指定したプロパティのみを取得するために使用されます。 |- |<code>Record</code> |キーと値のペアを持つオブジェクトを作成するために使用されます。 |- |<code>Omit</code> |オブジェクトから指定したプロパティを削除するために使用されます。 |- |<code>ReturnType</code> |関数の戻り値の型を取得するために使用されます。 |} === モジュールと名前空間 === :<syntaxhighlight lang=ts> // myModule.ts export const myFunction = () => { console.log('Hello from myFunction!'); } export interface MyInterface { name: string; age: number; } // main.ts import { myFunction, MyInterface } from './myModule'; myFunction(); const myObject: MyInterface = { name: 'John', age: 30, }; </syntaxhighlight> このコードは、TypeScriptにおけるモジュールの使い方の例です。 JavaScriptでもES6からは、<code>export</code>キーワードや<code>import</code>キーワードを使用してモジュールを定義することができるようになりました。しかし、TypeScriptでは、これらのキーワードに加えて、型定義も一緒に書くことができます。 <code>myModule.ts</code>では、<code>export</code>キーワードを使用して<code>myFunction</code>と<code>MyInterface</code>を外部に公開しています。<code>myFunction</code>は単純な関数で、<code>console.log</code>でメッセージを表示します。<code>MyInterface</code>は、<code>name</code>と<code>age</code>という2つのプロパティを持つインターフェースです。 <code>main.ts</code>では、<code>myModule.ts</code>から<code>myFunction</code>と<code>MyInterface</code>を<code>import</code>しています。そして、<code>myFunction</code>を呼び出し、<code>MyInterface</code>を使ってオブジェクトを作成しています。 TypeScriptのモジュール機能は、JavaScriptのものとほぼ同じですが、型定義を含めることで、コードの安全性と保守性を向上させることができます。 === アノテーションとデコレータ === :<syntaxhighlight lang=ts> class MyClass { @myDecorator public myProperty: string; constructor(@myParameterDecorator private _myParameter: number) { this.myProperty = 'Hello, world!'; } @myMethodDecorator public myMethod(): void { console.log(this._myParameter); } } function myDecorator(target: any, key: string) { // do something with target and key } function myMethodDecorator(target: any, key: string, descriptor: PropertyDescriptor) { // do something with target, key, and descriptor } function myParameterDecorator(target: any, key: string, index: number) { // do something with target, key, and index } </syntaxhighlight> このコードは、TypeScriptにおけるアノテーションとデコレータの使い方の例です。 デコレータは、クラスのプロパティやメソッド、パラメーターに対して、実行時にカスタム処理を追加するための構文です。アノテーションは、特定の型や属性を指定するための構文です。 このコードでは、<code>@myDecorator</code>、<code>@myMethodDecorator</code>、<code>@myParameterDecorator</code>という3つのデコレータを使用しています。<code>@myDecorator</code>は、<code>MyClass</code>クラスの<code>myProperty</code>プロパティに適用され、<code>@myMethodDecorator</code>は<code>myMethod</code>メソッドに適用されています。<code>@myParameterDecorator</code>は、<code>MyClass</code>クラスの<code>_myParameter</code>パラメーターに適用されています。 それぞれのデコレータ関数内では、引数として与えられた<code>target</code>、<code>key</code>、<code>descriptor</code>、<code>index</code>というオブジェクトにアクセスして、必要な処理を行います。たとえば、<code>@myDecorator</code>デコレータ内では、<code>target</code>と<code>key</code>を使って、<code>MyClass</code>クラスの<code>myProperty</code>プロパティに対するカスタム処理を追加することができます。 また、<code>MyClass</code>のコンストラクターでは、<code>@myParameterDecorator</code>を使用して、<code>_myParameter</code>パラメーターに対するカスタム処理を追加しています。これにより、コンストラクターが実行される前に、パラメーターに対するチェックや変換を行うことができます。 JavaScriptにおいては、デコレータに対応する構文はありませんが、TypeScriptのデコレータはJavaScriptのプロトタイプチェーンを利用して実現されています。また、アノテーションに相当するものもありません。 === オプショナルなプロパティとreadonly修飾子 === :<syntaxhighlight lang=ts> interface MyInterface { readonly id: number; name: string; age?: number; } const myObject: MyInterface = { id: 1, name: 'John', }; // Cannot assign to 'id' because it is a read-only property. // myObject.id = 2; myObject.age = 30; </syntaxhighlight> このコードは、TypeScriptでのインターフェースとオブジェクトの使用例を示しています。 # <code>MyInterface</code> インターフェースは、<code>id</code>、<code>name</code>、<code>age</code> の3つのプロパティを定義しています。 #* <code>id</code> プロパティは <code>number</code> 型で読み取り専用 (<code>readonly</code>) です。 #* <code>name</code> プロパティは <code>string</code> 型です。 #* <code>age</code> プロパティは <code>number</code> 型で、省略可能なオプションプロパティです。 # <code>myObject</code> 定数は、<code>MyInterface</code> インターフェースに準拠したオブジェクトです。 #* <code>id</code>、<code>name</code> プロパティは指定されており、<code>age</code> プロパティは省略されています。 #* <code>id</code> プロパティは読み取り専用なので、オブジェクトが作成された後に再代入することはできません。 # コメントされた行 <code>myObject.id = 2;</code> は、<code>id</code> プロパティが読み取り専用であるため、再代入しようとするとエラーが発生します。 # <code>myObject.age = 30;</code> のように、オブジェクトのプロパティ <code>age</code> に値を追加することはできます。<code>age</code> はオプションプロパティであるため、省略することもできますが、存在する場合は <code>number</code> 型である必要があります。 これにより、TypeScriptでは型安全性が向上し、コードの信頼性と保守性が向上します。 === 列挙型 === :<syntaxhighlight lang=ts> enum Color { Red, Green, Blue, } function printColor(color: Color) : void { switch (color) { case Color.Red: console.log('Red'); break; case Color.Green: console.log('Green'); break; case Color.Blue: console.log('Blue'); break; // default 節がないのは網羅性を担保するため } } printColor(Color.Red); </syntaxhighlight> このコードは、列挙型(enum)を使用して、TypeScriptで列挙値を扱う方法を示しています。 列挙型は、固定値の集合を表すための型であり、定数のように扱えます。TypeScriptにおける列挙型は、JavaScriptのオブジェクトに近いものですが、列挙型には定数に対して名前を与えることができます。 この例では、<code>Color</code>という名前の列挙型を定義し、3つの値(<code>Red</code>、<code>Green</code>、<code>Blue</code>)を持たせています。関数<code>printColor</code>は、<code>Color</code>型の引数を受け取り、その値が何であるかに応じて、対応する色の文字列をコンソールに出力します。 このコードには <code>default</code> 節がないため、すべての <code>enum Color</code> のメンバーに対して <code>switch</code> 文での処理が定義されていないと、TypeScript コンパイラがエラーを出力します。つまり、 <code>enum Color</code> に新しいメンバーを追加するときは、すべての場合分けを考慮して <code>switch</code> 文を更新する必要があります。 そのため、このコードでは網羅性が担保されており、メンバーの追加などの変更があった場合にもコンパイルエラーで指摘されるので、開発者が見落としを防ぐことができます。 JavaScriptには列挙型の概念がないため、同じような機能を実現するためには、オブジェクトや配列を使用することが一般的です。例えば、以下のような<code>const</code>オブジェクトを定義して列挙型の代わりに使用することができます。 :<syntaxhighlight lang=js> const Color = { Red: 0, Green: 1, Blue: 2, }; const myColor = Color.Red; function printColor(color) { switch (myColor) { case Color.Red: console.log('Red'); break; case Color.Green: console.log('Green'); break; case Color.Blue: console.log('Blue'); break; } } printColor(Color.Red); </syntaxhighlight> このようなオブジェクトと比べてTypeScriptの列挙型が優れている点としては、エディターの自動補完機能や、スイッチ文による型安全の検査が利用でき、開発効率の向上に役立つことが挙げられます。 === 型の合成 === :<syntaxhighlight lang=ts> type MyType = { name: string; age: number; }; type MyOptionalType = Partial<MyType>; type MyReadOnlyType = Readonly<MyType>; type MyCompositeType = MyType & MyOptionalType & MyReadOnlyType; const myObject: MyCompositeType = { name: 'John', age: 30, }; </syntaxhighlight> このコードは、TypeScriptにおける型の合成の例です。 まず、<code>MyType</code>という名前の型を定義しています。この型は、<code>name</code>と<code>age</code>という2つのプロパティを持つオブジェクト型です。 次に、<code>MyOptionalType</code>という名前の型を定義しています。この型は、<code>MyType</code>型のすべてのプロパティをオプションにしたもので、<code>Partial</code>というジェネリック型を使用して定義されています。つまり、<code>MyOptionalType</code>型を持つオブジェクトは、<code>name</code>と<code>age</code>の両方、あるいはいずれかのプロパティを持っているかもしれないということです。 その後、<code>MyReadOnlyType</code>という名前の型を定義しています。この型は、<code>MyType</code>型のすべてのプロパティを読み取り専用にしたもので、<code>Readonly</code>というジェネリック型を使用して定義されています。つまり、<code>MyReadOnlyType</code>型を持つオブジェクトのプロパティは、読み取り専用であるため、値を変更することはできません。 最後に、<code>MyCompositeType</code>という名前の型を定義しています。この型は、<code>MyType</code>型と<code>MyOptionalType</code>型と<code>MyReadOnlyType</code>型をすべて組み合わせたものです。つまり、<code>MyCompositeType</code>型を持つオブジェクトは、<code>name</code>と<code>age</code>の両方、あるいはいずれかのプロパティを持っているかもしれず、すべてのプロパティが読み取り専用であるということです。 最後に、<code>myObject</code>という名前のオブジェクトを定義し、<code>MyCompositeType</code>型で型注釈しています。<code>myObject</code>は、<code>name</code>が<code>'John'</code>で、<code>age</code>が<code>30</code>であるオブジェクトであり、すべてのプロパティが読み取り専用であるため、プロパティの値を変更することはできません。 JavaScriptには、型の合成の概念はありません。しかし、JavaScriptでは、複数のオブジェクトを結合して新しいオブジェクトを作成するために、オブジェクトのスプレッド演算子(<code>...</code>)が使用できます。例えば、以下のようにして、<code>Object.assign()</code>メソッドを使用して、複数のオブジェクトを結合することができます。 :<syntaxhighlight lang=js> const myObject = Object.assign({}, obj1, obj2, obj3); </syntaxhighlight> == TypeScriptの開発環境 == TypeScriptには様々な開発環境がありますが、以下に代表的な方法を示します。 === TypeScriptのIDE === TypeScriptのIDEとしては、以下のようなものがあります。 * Emacs * Vim * Visual Studio Code * WebStorm * Atom * Sublime Text 3 これらのIDEはTypeScriptの構文ハイライトや、型チェック、自動補完などの機能を備えています。特にVisual Studio CodeはTypeScriptの開発に最適化されており、TypeScriptのデバッグ機能も利用可能です。 === デバッグ方法 === TypeScriptをデバッグする場合、以下のような方法があります。 * ブラウザのデベロッパーツールを利用する(主にフロントエンド開発) * VSCodeのデバッグ機能を利用する(主にバックエンド開発) フロントエンド開発においては、ブラウザの開発者ツールを利用することが一般的です。開発者ツールを起動し、ブレークポイントを設定することで、TypeScriptのコードをステップ実行することができます。 バックエンド開発においては、Visual Studio Codeのデバッグ機能を利用することが一般的です。VSCodeでプロジェクトを開き、ブレークポイントを設定した上で、デバッグモードで起動することで、TypeScriptのコードをデバッグすることができます。 === テスト方法 === TypeScriptでのテスト方法としては、以下のような方法があります。 * Jest * Mocha + Chai * AVA これらのツールは、TypeScriptのテストをサポートしています。Jestは特にTypeScriptとの親和性が高く、設定の手間が少ないことが特徴です。 テストを書く際は、describeやit、expectなどのAPIを使い、テストスクリプトを記述します。テストコードは通常、TypeScriptで書かれるため、テストランナーによってTypeScriptからJavaScriptへのコンパイルが自動的に行われます。 以上が、TypeScriptの開発環境、デバッグ方法、テスト方法についての簡単な紹介です。 == TypeScriptとフロントエンド・フレームワーク == TypeScriptを活用したフロントエンド開発には、様々なフレームワークが存在し、それぞれの特性によってプロジェクトの選択が可能です。特に、仮想DOMに基づくフレームワークや仮想DOMを使わないアプローチがあり、それぞれ一長一短があります。 === 仮想DOM === 仮想DOM(Virtual DOM)は、ウェブアプリケーションの効率的なUI更新を実現するための概念です。通常、ウェブブラウザ上でのUIの変更はDOM(Document Object Model)と呼ばれる階層構造を持つ要素を直接変更することで行われます。しかし、これには効率上の課題が存在します。 仮想DOMは、UIの変更をより効率的に行うために導入された手法で、以下のような仕組みを採用しています: ;仮想DOMの構築:変更前のUI状態と変更後のUI状態の差分を把握するために、現在のDOMツリーの簡易的なコピーである仮想DOMが構築されます。 ;変更の検出:変更前と変更後の仮想DOMを比較して、変更がある部分を検出します。この過程で効率的に変更点を見つけることができます。 ;差分の適用:変更点が特定されたら、それに基づいて実際のDOMツリーに対する変更が行われます。ただし、これは必要な最小限の変更のみが行われるため、全体の再描画が行われるよりも効率的です。 ;再描画:実際のDOMへの変更が行われた後、ブラウザが必要な部分だけを再描画します。この際、再描画対象が限定されるため、全体のページの再描画よりも高速です。 === 仮想DOMに基づくフレームワーク === ==== React.js + TypeScript: 効率的なUI構築と型安全性の融合 ==== [[React.js]]はMeta(旧Facebook)によって開発されたUI構築のためのライブラリであり、TypeScriptとの組み合わせにより型安全性が向上します。仮想DOMを利用することで、効率的で柔軟なUI更新が可能であり、大規模なアプリケーションにも適しています。 主な特徴: ;型安全性の向上: :TypeScriptとの統合により、静的な型チェックが可能となり、開発者はコードの安全性を確保できます。型の恩恵を受けながら開発を進めることができます。 ;仮想DOMによる効率的なUI更新: :仮想DOMを活用することで、変更がある部分のみを効率的に更新することができます。これにより、UIの更新プロセスが迅速であり、ユーザーエクスペリエンスが向上します。 ;大規模なアプリケーションに適したアーキテクチャ: :React.jsはコンポーネントベースのアーキテクチャを採用しており、これにより大規模なアプリケーションの構築や管理が容易になります。 React.js + TypeScriptの組み合わせは、型安全性と効率的なUI更新の両方を追求する現代のフロントエンド開発において非常に重要な選択肢となっています。 ==== Angular: 大規模で型安全なアプリケーション構築 ==== [[Angular]]はGoogleによって開発され、大規模で複雑なアプリケーションの構築に適しています。元々TypeScriptで記述されており、強力な型システムを活かした開発が可能です。 主な特徴: ;大規模アプリケーション向けのアーキテクチャ: :Angularはモジュール、サービス、ディレクティブ、コンポーネントなどのコンセプトを採用しており、これらを組み合わせて大規模なアプリケーションを構築しやすくしています。 ;強力な型システム: :TypeScriptを採用しているため、開発者は静的な型付けを利用してコードの安全性を確保できます。これにより、エディタの補完機能やエラーチェックが強化されます。 ;豊富な機能セット: :Angularはルーティング、フォーム処理、HTTPクライアントなど、標準で豊富な機能を提供しており、これにより開発者はアプリケーションの開発において効率的に作業できます。 Angularはこれらの特徴を組み合わせ、大規模で複雑なアプリケーションの開発をサポートしています。型安全性と豊富な機能セットにより、堅牢でメンテナンス性の高いアプリケーションを構築することが可能です。 ==== Vue.js + TypeScript: 柔軟性と型安全性の調和 ==== [[JavaScript/Vue.js|Vue.js]]はEvan Youによって開発され、シンプルで柔軟な構文を提供するライブラリです。Vue.jsにTypeScriptを組み込むことで、プロジェクトの可読性や保守性が向上します。 主な特徴: ;柔軟でシンプルな構文: :Vue.jsは直感的で柔軟な構文を提供し、コンポーネント指向のアーキテクチャに基づいています。これにより、初心者から経験豊富な開発者までが手軽に利用できます。 ;TypeScript統合による型安全性: :TypeScriptを導入することで、開発者は静的な型付けによる安全なコーディングを享受できます。タイプミスやエラーを早期に検知し、可読性の高いコードを実現します。 ;単一ファイルコンポーネント: :Vue.jsではHTML、JavaScript、CSSを1つのファイルにまとめた単一ファイルコンポーネントが使われます。これにより、コンポーネントごとに必要なものが一元管理され、開発プロセスがスムーズになります。 Vue.js + TypeScriptの組み合わせは、柔軟性と型安全性のベストなバランスを提供します。豊富なエコシステムと優れたドキュメントにより、開発者は生産性を維持しながら高品質なアプリケーションを構築できます。 === 仮想DOMを使わないフレームワーク === ==== Svelte: 仮想DOMを使わない新しいアプローチ ==== [[Svelte]]は仮想DOMを使わず、ビルド時にコンパイルされる手法を採用しています。この特異なアプローチにより、ランタイムのオーバーヘッドが極めて少なく、最終的なアプリケーションのサイズを著しく小さく保つことができます。 主な特徴: ;ランタイム効率: :コンポーネントはビルド時にフレームワークのコードに変換され、ランタイムには最適化されたバニラJavaScriptが残ります。これにより、実行時のオーバーヘッドが最小限に抑えられます。 ;サイズの最適化: :Svelteは変更の必要な部分だけをコンパイルし、不要なライブラリやフレームワークの追加を排除します。結果として、最終的なアプリケーションのサイズが非常に小さくなります。 ;TypeScript統合: :SvelteはTypeScriptとも統合が可能で、開発者は型安全性を確保しつつ、効率的でコンパクトなアプリケーションを構築できます。 このアプローチにより、Svelteは現代のフロントエンド開発において、軽量で効率的な選択肢として注目を浴びています。 ==== Alpine.js: 軽量かつ直感的なUI制御 ==== [[Alpine.js]]はJavaScriptとHTMLの標準的な属性を利用し、UIを制御するための軽量なライブラリです。仮想DOMを使用せず、直感的でシンプルな構文を提供しています。 主な特徴: ;軽量性: :Alpine.jsは小さなサイズであり、他の大規模なフレームワークやライブラリを必要としません。これにより、アプリケーションのファイルサイズを最小限に抑えます。 ;直感的な構文: :HTMLの標準的な属性を使用してUIを制御するため、開発者は追加の学習コストなしに簡潔で直感的なコードを書くことができます。 ;シンプルなプロジェクトに適している: :仮想DOMを使用せず、コンパクトな構文がアプリケーションのシンプルなプロジェクトに適しています。冗長なコードや複雑な構造を排除し、開発プロセスを簡素化します。 Alpine.jsはこれらの特性により、小規模なプロジェクトや簡潔なUIの実装において優れた選択肢となっています。 ==== Hyperapp: 軽量で効率的な仮想DOMを使わないフレームワーク ==== [[Hyperapp]]は小規模なフレームワークで、特筆すべきは仮想DOMを使用しない点です。基本的な機能を提供しながらも、軽量で効率的なアプリケーションの開発が可能です。 主な特徴: ;軽量性: :Hyperappは小さなサイズであり、必要な機能に焦点を当てています。これにより、アプリケーションのファイルサイズを最小限に抑えます。 ;効率的なアプリケーション: :仮想DOMを使わないことで、ランタイムのオーバーヘッドを削減し、アプリケーションのパフォーマンスを向上させます。簡潔なコードで効率的なアプリケーションを構築できます。 ;自由度の向上: :仮想DOMを使わないアプローチにより、開発者は直接DOMに対して操作を行うことができ、アプリケーションの挙動を完全に制御できます。 これらの特徴により、Hyperappは小規模なプロジェクトや軽量なアプリケーションの開発に適しています。仮想DOMを使わないことで得られる自由度は、柔軟で効率的なフロントエンド開発に貢献しています。 === 仮想DOMでないとコンポーネント化は出来ないのか? ==== 仮想DOMを使用しない場合でもコンポーネント化は可能です。コンポーネント化は、UIや機能を独立した部品として分割し、再利用性や保守性を向上させる開発手法です。仮想DOMはこの手法を実現するための一つのアプローチですが、他のアプローチも存在します。 例えば、Vue.jsは仮想DOMを採用していますが、Svelteは仮想DOMを使わずにコンポーネント化を実現しています。Svelteでは、ビルド時にコンポーネントがフレームワークによって最適化され、効率的なランタイムが生成されます。 コンポーネント化は、仮想DOMがなくても、適切なツールやライブラリを使用することで実現可能です。 ただし、仮想DOMを使用しない場合、手動でDOMの変更や再描画を管理する必要があり、その分コードの複雑性が増す可能性があります。選択はプロジェクトの要件や開発者の好みに依存するため、慎重に検討することが重要です。 === その他のフロントエンドフレームワーク === 他にも様々なフロントエンドフレームワークが存在します。以下はいくつかの注目すべきフレームワークです。 ;Next.js: :React.jsベースのフレームワークで、サーバーサイドレンダリングや静的サイト生成などの機能を提供しています。React.jsの強力な機能に加え、SEO向上やパフォーマンス最適化が期待できます。 ;Nuxt.js: :Vue.jsベースのフレームワークで、Next.jsにインスパイアされています。Vueのシンプルな構文と、サーバーサイドレンダリング、ルーティングの自動生成などを組み合わせています。 ;Gatsby: :React.jsを利用した静的サイトジェネレーターで、高速かつSEOフレンドリーなウェブサイトを構築できます。GraphQLを使用してデータのクエリが可能です。 ;Sapper (SvelteKit): :Svelteフレームワークの一部で、サーバーサイドレンダリングやルーティングの機能を提供します。SvelteKitとして進化しています。 ;Quasar Framework: :Vue.jsベースのフレームワークで、モバイルアプリケーション、デスクトップアプリケーション、ウェブアプリケーションなど、異なるプラットフォーム向けのアプリケーションを効率的に構築できます。 これらのフレームワークはそれぞれ特有の特徴や用途に合わせて設計されており、プロジェクトのニーズや開発者の好みによって選択されることがあります。選択肢を検討する際には、ドキュメンテーションやコミュニティの活発さ、過去の実績なども考慮すると良いでしょう。 == TypeScriptとバックエンド開発 == TypeScriptは、JavaScriptのスーパーセットであり、静的型付けをサポートするプログラミング言語です。TypeScriptは主にフロントエンド開発において人気がありますが、バックエンド開発にも利用されています。以下は、TypeScriptを使用したバックエンド開発においてExpress、およびNestJSとの関連性についての簡単な説明です。 === TypeScriptとExpress === ExpressはNode.jsのWebアプリケーションフレームワークであり、シンプルで柔軟な構造を提供します。ExpressアプリケーションをTypeScriptで書くことで、より安全かつ保守しやすいコードを実現できます。 :<syntaxhighlight lang=ts> // TypeScriptで書かれたExpressの例 import express from 'express'; const app = express(); const port = 3000; app.get('/', (req, res) => { res.send('Hello, Express with TypeScript!'); }); app.listen(port, () => { console.log(`Server is running on http://localhost:${port}`); }); </syntaxhighlight> === TypeScriptとNestJS === NestJSは、エレガントで効果的なNode.jsフレームワークであり、Angularの影響を受けています。NestJSは、TypeScriptをサポートし、デコレータやモジュールのシステムを使用して、コードの構造を明確にし、開発を容易にします。 :<syntaxhighlight lang=ts>// TypeScriptで書かれたNestJSの例 import { NestFactory } from '@nestjs/core'; import { AppModule } from './app.module'; async function bootstrap() { const app = await NestFactory.create(AppModule); await app.listen(3000); } bootstrap(); </syntaxhighlight> これらの例は、TypeScriptを使用してExpress、およびNestJSでバックエンドを開発するための基本的な構造を示しています。各フレームワークやライブラリは異なる特性を持っていますが、TypeScriptを組み合わせることで、コードの品質や保守性を向上させることができます。 == TypeScriptの実践的な活用例 == === 実践的なサンプルコード === === TypeScriptでの開発のメリットとデメリット === == まとめ == === TypeScriptのまとめ === === 次に学ぶべきこと === ---- == .d.ts == <code>.d.ts</code>ファイルは、TypeScriptで型定義ファイルと呼ばれるものです。 型定義ファイルには、JavaScriptライブラリやフレームワークなどの外部コードの型情報が記述されています。TypeScriptコンパイラはこの型情報を使って、外部コードを型チェックしたり、自動補完の情報を提供したりします。 <code>.d.ts</code>ファイルの中身は、通常以下のようなものが含まれます。 * <code>declare</code>キーワードで外部モジュールやグローバル変数などを宣言 * インターフェイスやクラス、型エイリアスなどの型定義 * 関数シグネチャ * モジュールやネームスペースの宣言 例えば、Node.jsの<code>fs</code>モジュールの型定義ファイル(<code>node_modules/@types/node/fs.d.ts</code>)には以下のようなコードが書かれています。 :<syntaxhighlight lang=ts> declare module "fs" { import * as stream from "stream"; export * from "fs/promises"; export const symlink: (...args: any[]) => any; // ... 他の関数やインターフェイスの型定義が続く } </syntaxhighlight> 型定義ファイルは、通常外部ライブラリに同梱されていたり、<code>@types</code>名前空間にパッケージとして公開されています。型定義が存在しない場合は、自分で作成する必要があります。 <code>.d.ts</code>ファイルは、手動で作成することもできますが、もしライブラリがnpmパッケージである場合、<code>@types</code>スコープに公開されている別のパッケージから、簡単に取得することができます。例えば、<code>lodash</code>ライブラリをTypeScriptで使用する際には、<code>@types/lodash</code>パッケージをインストールすることによって、<code>.d.ts</code>ファイルを手動で作成する代わりに、TypeScriptが自動的に型情報を認識できます。 このように、<code>.d.ts</code>ファイルはTypeScriptプロジェクトで外部コードを型安全に扱うために必須の存在となっています。 == 制御構造 == TypeScriptは、JavaScriptと同じ制御構造の構文を持ちます。 {{See also|JavaScript/制御構造}} === 条件文 === ;[https://paiza.io/projects/XlDiRfdVo5RpI9jQb53vXg?language=typescript if文の例]:<syntaxhighlight lang="typescript"> let num: number = 0.0 / 0.0 if (num < 0.0) { console.log('負') } else if (num > 0.0) { console.log('正') } else if (num == 0.0){ console.log('零') } else { console.log('NaN') } </syntaxhighlight> ;実行結果:<syntaxhighlight lang="text"> NaN </syntaxhighlight> ;[https://paiza.io/projects/XPvF50m9BF_EL2Szg8nd_A?language=typescript switch文の例]:<syntaxhighlight lang="typescript"> let num: number = 0.0 / 0.0; switch (true) { case num < 0.0: console.log("負") break case num > 0.0: console.log("正") break case num == 0.0: console.log("零") break default : console.log("NaN") } </syntaxhighlight> ;実行結果:<syntaxhighlight lang="text"> NaN </syntaxhighlight> === 反復文 === 型アノテート以外は、JavaScriptと違いはありません。 ;while文:<syntaxhighlight lang="typescript"> let i: number = 0; while (i < 10) { console.log(i); i++; } </syntaxhighlight> ; do-while文:<syntaxhighlight lang="typescript"> let i: number = 0; do { console.log(i); i++; } while (i < 10); </syntaxhighlight> ; for文:<syntaxhighlight lang="typescript"> for (let i: number = 0; i < 10; i++) { console.log(i); } </syntaxhighlight> ; for-in文:<syntaxhighlight lang="typescript"> const obj: object = { x: 2, y: 3, z: 5 }; for (const prop in obj) { console.log(`${prop}: ${obj[prop]}`); } // x: 2 // y: 3 // z: 5 </syntaxhighlight> ; for-of文:<syntaxhighlight lang="typescript"> const ary: string[] = [..."XYZ"]; for (const el of ary) { console.log(el); } // X // Y // Z </syntaxhighlight> スプライス構文 <syntaxhighlight lang="typescript" inline>[..."XYZ"]</syntaxhighlight> を使うには npx tsc --target es2015 とES2015以降をターゲットに指定する必要がありました。 ES2015以前で、スプライス構文相当のことを行うには [..."XYZ"] を "XYZ".split("") に置換えます。これで、同じ ['X', 'Y', 'Z'] となります。 スプライス構文は、他にも引数リストなどでも使えるので、この方法が全てのスプライス構文の置換えにはなりません。 ちなみに Babal は、 :<syntaxhighlight lang="typescript"> const ary: string[] = [..."XYZ"]; </syntaxhighlight> から :<syntaxhighlight lang="typescript"> "use strict"; function _toConsumableArray(arr) { return _arrayWithoutHoles(arr) || _iterableToArray(arr) || _unsupportedIterableToArray(arr) || _nonIterableSpread(); } function _nonIterableSpread() { throw new TypeError("Invalid attempt to spread non-iterable instance.\nIn order to be iterable, non-array objects must have a [Symbol.iterator]() method."); } function _unsupportedIterableToArray(o, minLen) { if (!o) return; if (typeof o === "string") return _arrayLikeToArray(o, minLen); var n = Object.prototype.toString.call(o).slice(8, -1); if (n === "Object" && o.constructor) n = o.constructor.name; if (n === "Map" || n === "Set") return Array.from(o); if (n === "Arguments" || /^(?:Ui|I)nt(?:8|16|32)(?:Clamped)?Array$/.test(n)) return _arrayLikeToArray(o, minLen); } function _iterableToArray(iter) { if (typeof Symbol !== "undefined" && iter[Symbol.iterator] != null || iter["@@iterator"] != null) return Array.from(iter); } function _arrayWithoutHoles(arr) { if (Array.isArray(arr)) return _arrayLikeToArray(arr); } function _arrayLikeToArray(arr, len) { if (len == null || len > arr.length) len = arr.length; for (var i = 0, arr2 = new Array(len); i < len; i++) { arr2[i] = arr[i]; } return arr2; } var ary = _toConsumableArray("XYZ"); </syntaxhighlight> を生成します。 == tsconfig.json == tsc は、tsconfig.json で動作を変える事ができます。 最初は npx tsc --init とすると雛形が生成されます。 設定項目(一部): * {{code|noImplicitAny}} (boolean): 暗黙的に{{code|any}}と推論された場合は即座にエラーにする。 * {{code|strictNullChecks}} (boolean): {{code|undefined}}や{{code|null}}の可能性がある式に対して操作を試みることを禁止する。 * {{code|strictFunctionTypes}} (boolean): 関数の引数の型、型変数を持つクラスの型引数に対するチェックが厳しくなる。 * {{code|strictBindCallApply}} (boolean): {{code|Function}}及びそのサブタイプに対する{{code|bind}}、{{code|call}}、{{code|apply}}の呼び出しが厳格化される。 * {{code|strictPropertyInitialization}} (boolean): 定義時にもコンストラクタ内でも初期化されないクラスのインスタンス変数をエラーにする。 * {{code|noImplicitThis}} (boolean): {{code|this}}が{{code|any}}と推論される場合はエラーにする。 * {{code|strict}} (boolean): {{code|noImplicitAny}}、{{code|strictNullChecks}}、{{code|strictFunctionTypes}}、{{code|strictBindCallApply}}、{{code|strictPropertyInitialization}}、{{code|noImplicitThis}}を全て有効化する。 == 附録 == === TypeScript チートシート === :<syntaxhighlight lang=ts line> // 変数宣言 // @var x - 変数 // @type {number} let x = 5; x = 6; // OK // 定数宣言 // @var y - 定数 // @type {number} const y = 5; // y = 6; // エラー: y は読み取り専用 // 型アノテーション付き変数宣言 // @var z - 変数 // @type {number} let z: number = 5; // 関数 // @param x - 引数 // @param x.type {number} // @returns - 戻り値 // @returns.type {number} function f1(x: number): number { return x * x; } // 関数 (引数の型アノテーションがない) // @param x - 引数 // @returns - 戻り値 // @returns.type {void} function f2(x) { console.log(x); } // OK: 引数 x の型は any 型と推論される // any型付きの関数 // @param x - 引数 // @param x.type {any} // @returns - 戻り値 // @returns.type {void} function f3(x: any): void { console.log(x); } // OK // 型エイリアス // @typedef {number} T type T = number; // 型エイリアスを使った変数宣言 // @var u - 変数 // @var u.type {T} = number let u: T; // ジェネリック関数 // @template T // @param items - 配列 // @param items.type {T[]} // @returns - 配列 // @returns.type {T[]} function gf<T>(items: T[]): T[] {} // ユニオン型 // @typedef {U} // @type {number | string} type U = number | string; // 交差型 // @typedef {Q} // @type {number & string} type Q = number & string; // 注: number & string は never 型 // タプル型 // @typedef {R} // @type {[string, number]} type R = [string, number]; // 配列リテラル [1, 2, 3]; // 構造化代入 // @var x1 - 変数 // @var x1.type {number} // @var y1 - 変数 // @var y1.type {number} // @var z1 - 変数 // @var z1.type {number} const [x1, y1, z1] = [1, 2, 3]; // const x2, y2, z2 = [1, 2, 3]; // エラー: 左辺値がプロパティアクセスでなくデフォルト値がない // 配列への添字アクセス // @var ary - 配列 // @type {number[]} const ary = [2, 3, 5, 7, 11]; ary[3]; // 添字アクセス // 制御構文 // if文 // @param 条件式 - 条件式 // @param 条件式.type {boolean} // @returns - 戻り値 // @returns.type {void} if (条件式) { /* 文真 */ } else { /* 文偽 */ } // if文 (elseなし) // @param 条件式 - 条件式 // @param 条件式.type {boolean} // @returns - 戻り値 // @returns.type {void} if (条件式) { /* 文真 */ } // switch文 // @param 式 - 式 // @param 式.type {any} // @returns - 戻り値 // @returns.type {void} switch (式) { case 式1: /* 文1 */ break; // ... case 式n: /* 文n */ break; default: /* 文d */ } // while文 // @var x - 変数 // @var x.type {number} let x = 0; while (x < 5) { console.log(x); x++; } // for文 // @var i - 変数 // @var i.type {number} for (let i: number = 0; i < 10; i++) { console.log(i); } // オブジェクト指向 // クラス // @class C class C { // メンバー変数1 // @var member1 - メンバー変数 // @var member1.type {number} member1: number; // メンバー変数2 // @var member2 - メンバー変数 // @var member2.type {number} member2: number; // コンストラクタ // @constructor // @param {...any} 仮引数リスト - 引数 constructor(仮引数リスト) { /* ... */ } // メソッド1 // @returns - 戻り値 // @returns.type {void} method1() { /* ... */ } // メソッド2 // @returns - 戻り値 // @returns.type {void} method2() { /* ... */ } } // インスタンス化 // @var obj - オブジェクト // @var obj.type {C} const obj: C = new C(実引数リスト); </syntaxhighlight> === コードギャラリー === ==== エラトステネスの篩 ==== :<syntaxhighlight lang=ts copy> /** * エラトステネスの篩を用いて、n以下の素数を全て出力する関数 * @param {number} n 素数を探す範囲の上限値 * @returns {number[]} - 素数の配列 */ function eratosthenes(n: number): number[] { const sieve: boolean[] = new Array(n + 1).fill(true); sieve[0] = false; sieve[1] = false; const result: number[] = []; for (let i = 2, len = sieve.length; i * i < len; i++) { if (sieve[i]) { for (let j = i * i; j < len; j += i) { sieve[j] = false; } } } for (let i = 2, len = sieve.length; i < len; i++) { if (sieve[i]) { result.push(i); } } return result; } // Example usage console.log(eratosthenes(100)); </syntaxhighlight> ==== 最大公約数と最小公倍数 ==== :<syntaxhighlight lang=ts copy> /** * 2つの整数の最大公約数を再帰的に求める関数 * @param {number} m - 整数1 * @param {number} n - 整数2 * @returns {number} - 整数1と整数2の最大公約数 */ function gcd2(m: number, n: number): number { if (n === 0) { return m; } else { return gcd2(n, m % n); } } /** * 複数の整数の最大公約数を求める関数 * @param {...number} ints - 最大公約数を求める整数配列 * @returns {number} - 与えられた整数配列の最大公約数 */ function gcd(...ints: number[]): number { return ints.reduce((x, y) => gcd2(x, y)); } /** * 2つの整数の最小公倍数を求める関数 * @param {number} m - 整数1 * @param {number} n - 整数2 * @returns {number} - 整数1と整数2の最小公倍数 */ function lcm2(m: number, n: number): number { return m * n / gcd2(m, n); } /** * 複数の整数の最小公倍数を求める関数 * @param {...number} ints - 最小公倍数を求める整数配列 * @returns {number} - 与えられた整数配列の最小公倍数 */ function lcm(...ints: number[]): number { return ints.reduce((x, y) => lcm2(x, y)); } /** * テストコード */ function main(): void { console.log(`gcd2(30, 45) => ${gcd2(30, 45)}`); console.log(`gcd(30, 72, 12) => ${gcd(30, 72, 12)}`); console.log(`lcm2(30, 72) => ${lcm2(30, 72)}`); console.log(`lcm(30,42,72) => ${lcm(30,42,72)}`); } main(); </syntaxhighlight> ==== 二分法 ==== [[W:二分法|二分法]] :<syntaxhighlight lang=ts copy> /** * 2分法による方程式の数値解を求める関数 * @param {number} low - 下限値 * @param {number} high - 上限値 * @param {(x: number) => number} f - 数値解を求める対象となる関数 * @returns {number} 方程式の数値解 */ function bisection(low: number, high : number, f: (x: number) => number): number { let x = (low + high) / 2; let fx = f(x); if (Math.abs(fx) < +1.0e-10) { return x; } if (fx < 0.0) { low = x; } else { high = x; } return bisection(low, high, f); } /** * テスト用の関数 */ function main() { console.log(bisection(0, 3, (x) => x - 1)); console.log(bisection(0, 3, (x) => x * x - 1)); } main(); </syntaxhighlight> : [[旧課程(-2012年度)高等学校数学B/数値計算とコンピューター#2分法]]の例を JavaScript に移植しました。 ==== クラス定義とインスタンス化とメンバー関数 ==== :<syntaxhighlight lang=ts copy> /** * Hello クラス * @class * @classdesc Hello クラスは、挨拶文を扱うクラスです。 */ class Hello { /** * 挨拶文に含める文字列 * @type {string} */ public s: string; /** * Hello クラスのインスタンスを作成します。 * @param {string} s - 挨拶文に含める文字列 (省略可能) */ constructor(s: string = "world") { this.s = s; } /** * 挨拶文を文字列で表現する関数 * @returns {string} 挨拶文の文字列 */ public toString(): string { return `Hello ${this.s}!`; } /** * 挨拶文を出力する関数 * @returns {void} */ public print(): void { console.log(this.s); } } /** * テスト用の関数 */ function main(): void { const hello1: Hello = new Hello(); console.log(hello1.toString()); hello1.print(); const hello2: Hello = new Hello("my friend"); console.log(hello2.toString()); hello2.print(); console.log( ` Hello.constructor.name => ${Hello.constructor.name} hello1 => ${hello1} hello2.s => ${hello2.s} ` ); } main(); </syntaxhighlight> このコードは、JavaScriptで Hello クラスを定義し、そのクラスを使ってテストを行うためのコードです。Hello クラスは、挨拶文を扱うクラスであり、挨拶文に含める文字列を引数として受け取ります。引数が省略された場合、デフォルトで "world" という文字列を含めます。 Hello クラスには、toString() メソッドと print() メソッドがあります。toString() メソッドは、"Hello [挨拶文に含める文字列]!" という文字列を返し、print() メソッドは、挨拶文に含める文字列をコンソールに出力します。 また、main() 関数を定義し、この関数を呼び出すことで、Hello クラスを使って挨拶文を作成してコンソールに出力するテストを行うことができます。main() 関数の中では、Hello クラスのインスタンスを2つ作成し、それぞれの toString() メソッドと print() メソッドを呼び出しています。また、Hello クラスの constructor.name プロパティをコンソールに出力して、クラス名が取得できることを確認しています。 == 関連リンク == * [https://www.typescriptlang.org/ TypeScript: Typed JavaScript at Any Scale.] - 公式サイト * [https://www.typescriptlang.org/play/ TypeScript: TS Playground - An online editor for exploring TypeScript and JavaScript] == 脚注 == <references/> {{stub|it}} [[カテゴリ:プログラミング言語]] [[カテゴリ:TypeScript|*]] 7xxy2dybg41nre170ug66hvdkvg0onl 情報検定 0 30404 276374 179985 2025-06-28T22:53:10Z Tomzo 248 /* 関連外部リンク */ 276374 wikitext text/x-wiki <div class="pathnavbox"> * {{Pathnav|メインページ|hide=1}} ** {{Pathnav|試験|資格試験}} ** {{Pathnav|情報技術}} </div> {{Wikipedia}} {{Ruby|'''情報検定'''|じょうほうけんてい}}に関するコンテンツです。 == 概要 == '''情報検定'''(略称'''J検''')とは、文部科学省後援の検定試験です。試験実施団体は、一般財団法人職業教育・キャリア教育財団(旧・専修学校教育振興会)です。 1994年(平成6年)6月から2006年(平成18年)6月の試験まで、'''情報処理活用能力検定試験'''(旧J検)として開催されていたものの後継の試験として、2006年(平成18年)12月から実施されています。 現在では、'''情報システム試験'''、'''情報活用試験'''、'''情報デザイン試験'''の3科目に区分されています。団体向けに'''情報活用基礎'''の試験も実施されれいますが、これは情報活用試験3級とほぼ同等の内容になっています。 情報システム試験は旧J検の2級に、情報活用試験は旧J検の準2級および3級に相当する試験です。ちなみに旧J検1級は、かつて実施されていた国家試験の[[第二種情報処理技術者試験]](現在の[[基本情報技術者試験]]に相当します)よりも難易度が高かったと言われています。[[基本情報技術者試験]]は旧J検で言えば準1級クラスと言われています。 一部の高校、大学(短期大学を含む)、専門学校などの教育機関では、J検の合格者を、入学試験での優遇措置や、入学後の単位認定の対象としている場合もあります。 ただし、就職試験・履歴書において、J検の合格者を積極的に評価する民間企業および公共機関は少ないため、この資格を保有するだけでなく[[基本情報技術者]]や[[ITパスポート]]などをあわせて取得することをお勧めします。 試験日には前期と後期の日程があり、前期日程は情報活用試験が6月第3日曜日に、その他の試験が9月第2日曜日に実施されています。後期日程は情報活用試験が12月第3日曜日に、その他の試験が2月第2日曜日に実施されています。 全ての科目がマークシート形式の多肢選択式の試験です。 == 情報活用試験 == この試験のコンセプトは、'''使う'''です。 この試験には、3級~1級があり、パソコンを操作すると言った基礎的なことから[[基本情報技術者試験/セキュリティ|情報セキュリティ]]に関する事まで、主に[[高等学校情報/社会と情報/メディアリテラシー|情報リテラシー]]の内容となっていますが、近年はアプリケーションソフトウェア([[基本情報技術者試験/表計算ソフト|表計算ソフト]]など)の活用法や、[[初級システムアドミニストレータ/情報化と経営|企業の経営戦略]]に関する問題なども出題されています。 3級~1級の実施時間が異なり、併願が可能です。つまり、3級と2級、2級と1級などの複数の級を一度に受験できるのも特徴です。<br> 試験時間は3級が40分、2級と1級は60分です。合格基準は3級が(100点満点中)70点以上、2級と1級は(100点満点中)65点以上です。 情報活用試験1級は旧J検の準2級に、情報活用試験2級は旧J検の3級に相当します。情報活用試験1級は国家試験の[[ITパスポート試験]]とほぼ同じくらいの難易度であり、前哨戦として受験する人も多いです。 ===出題範囲=== 各階級の出題範囲は以下のようになっています。 ;3級 :情報表現と処理手順、パソコンの基礎、インターネットの基礎、インターネットの利用、情報機器の基本操作、情報社会とコンピュータ、情報モラル ;2級 :経営戦略・システム戦略・企業活動、プロジェクトマネジメント・サービスマネジメント、データ構造と情報表現、問題解決処理手順、パソコンの基礎、データベース、インターネットの基礎、アプリケーションソフトウェアの利用([[基本情報技術者試験/表計算ソフト|表計算ソフト]]、プレゼンテーションソフトウェア) ;1級 :情報と情報の利用、パソコンを利用したシステム、ネットワークの利用、情報ネットワーク社会への対応、[[基本情報技術者試験/セキュリティ|情報セキュリティ]]、表計算ソフトやデータベース等を利用した問題解決 == 情報システム試験 == この試験のコンセプトは、'''創る'''です。 この試験には、基本スキル、[[プログラミング]]スキル、システムデザインスキルがあり、[[プログラミング]]から[[開発技術|パソコンを支える技術]]までが出題されます。将来的にプログラマーやシステムエンジニアなど開発職を目指す人向けの試験であり、出題範囲が似ている国家試験の[[基本情報技術者試験]]へのステップアップとしても利用できます。 [[プログラミング]]スキルでは[[基本情報技術者試験]]と同様に、[[擬似言語]]を用いたアルゴリズムの問題や、[[基本情報技術者試験/ソフトウェア開発|ソフトウェア開発]]の問題も出題されます。[[基本情報技術者試験/ソフトウェア開発|ソフトウェア開発]]では[[C言語]]、[[CASL]](アセンブラ)、[[基本情報技術者試験/表計算ソフト|表計算ソフト]]のいずれかを選択して解答します。 この試験においても、実施時間が異なり、併願が可能です。しかし、同日に行われる情報デザイン試験とは時間が重なるため注意が必要です。<br> 試験時間はプログラミングスキルとシステムデザインスキルが90分、基本スキルは60分です。合格基準は各科目とも(100点満点中)65点以上です。 合格した科目によって、認定が変わるのが特徴です。1科目合格の場合は合格した各スキルの合格証が貰えます。ただし、2科目の場合は、基本スキルとプログラミングスキルで'''プログラマ認定証'''、基本スキルとシステムデザインスキルで'''システムエンジニア認定証'''が交付されます。また、3科目合格すると、両認定証が交付されます。実施時間も基本スキルが各スキルにはさまれる形の実施時間になっています。 合格した科目は次期の試験まで受験が免除されます。しかし、それ以降は認定証を持っていても免除されません。 旧J検の2級に相当する試験であり、[[基本情報技術者試験]]よりはやや難易度が低いです。 ===出題範囲=== 各科目の出題範囲は以下のようになっています。 ;基本スキル :プロジェクトマネジメント、情報表現、データ構造・集合と論理、CPUアーキテクチャ・補助記憶装置、システム構成・ソフトウェア ;システムデザインスキル :経営戦略・システム戦略・企業活動、システム開発・ソフトウェア開発管理技術、ネットワーク技術、データベース技術(SQLを含む)、[[基本情報技術者試験/セキュリティ|セキュリティと標準化]] ;プログラミングスキル :データ構造とアルゴリズム、[[擬似言語]]、[[基本情報技術者試験/ソフトウェア開発|プログラミング技術を利用した問題解決]] ::※「プログラミング技術を利用した問題解決」は、[[C言語]]、アセンブラ([[CASL]])、[[基本情報技術者試験/表計算ソフト|表計算ソフト]](マクロを含む)のいずれかから1つ選択します。 === 特典 === 情報システム試験の基本スキルに合格した人には、その後の差分講習を受講した後、修了試験に合格することで、[[基本情報技術者試験]](FE)の[[基本情報技術者試験/午前試験免除制度|午前科目が免除される特典]]が用意されています。 ==情報デザイン試験== この試験のコンセプトは、'''伝える'''です。 この試験には、'''共通科目'''、'''ビジュアルデザイン分野'''、'''インタラクティブメディアデザイン分野'''、'''プレゼンテーションデザイン分野'''があります。デザイン、表現に関する問題が出題されます。Webデザイナーなどを目指す人にお勧めの試験です。 この試験でも、実施時間が異なり、併願が可能です。ただし、共通科目は必須受験科目です。共通科目を合格しないと、合格認定されません。 試験時間は60分です。合格基準は(100点満点中)60点以上です。 == 関連項目 == *[[情報処理技術者試験]] *[[パソコン検定]] == 関連外部リンク == *[http://jken.sgec.or.jp/ 情報検定ホームページ] {{stub|it}} {{stub|資}} {{デフォルトソート:しようほうけんてい}} [[Category:資格試験]] [[Category:情報技術]] iqzj3ymrqd5vfhqh24v5nao4jlst9d9 情報処理技術者能力認定試験 0 30413 276375 202060 2025-06-28T22:54:04Z Tomzo 248 /* 関連外部リンク */ 276375 wikitext text/x-wiki <div class="pathnavbox"> * {{Pathnav|メインページ|hide=1}} ** {{Pathnav|試験|資格試験}} ** {{Pathnav|情報技術}} </div> {{Wikipedia}} {{Ruby|'''情報処理技術者能力認定試験'''|じょうほうしょりぎじゅつしゃのうりょくにんていしけん}}に関するコンテンツです。 ;注意事項 ※国家試験の[[情報処理技術者試験]]とは異なります。 == 概要 == '''情報処理技術者能力認定試験'''は、株式会社[[w:サーティファイ|サーティファイ]]の一部門である情報処理能力認定委員会(旧・日本情報処理教育普及協会)が実施している、民間の検定試験です。<br> 国家試験の[[情報処理技術者試験]]と区別するために、「'''サーティファイ情報処理検定'''」などと呼ばれることもあります。 1983年より実施されています。主に将来プログラマーやシステムエンジニアなどを志望し、情報処理業界への就職・転職を目指している人を対象としています。<br> 他のサーティファイの検定試験と同様に専門学校生の受験者が多いのですが、受験資格は特に設定されていないため、学歴・年齢関係なく誰でも受験することができます。<br> また、本検定は国家試験である[[基本情報技術者試験]](旧・[[第二種情報処理技術者試験]])への登竜門でもあり、本検定の2級第1部の合格者は「差分講習を受講し、その後の修了試験に合格することで、[[基本情報技術者試験]]の午前試験の受験が免除される」という特典が付いていることから、前哨戦として受験する人も多く、民間検定でありながら比較的公益性の強い試験であると言えます。 == 各級の基準 == 本検定では、1級、2級、3級の3つの級が用意されています。 ;1級 コンピュータの知識及びシステム開発の基礎知識を有し、プログラム設計とともに、プログラムの作成ができる中級程度の情報処理技術を有する。<br> サーティファイが実施する検定試験の中では最難関の部類であり、難易度は[[基本情報技術者試験]]とほぼ同じくらいか、それ以上と言われています(ただし[[基本情報技術者試験]]より問題数は少なく、試験時間も短いです。)。 ;2級 コンピュータの知識及びシステム開発の基礎知識を有し、プログラム設計とともに、プログラムの作成ができる初級程度の情報処理技術を有する。<br> 難易度は[[基本情報技術者試験]]より少し易しいです。また、[[基本情報技術者試験]]の前哨戦として受験する人も多いです。 ;3級 大学、短期大学、専門学校、高校、企業等で専門学習を行った者で、コンピュータの基礎知識を有する。<br> 難易度は[[ITパスポート試験]]とほぼ同じくらいです(ただし出題範囲は[[ITパスポート試験]]よりやや狭いです。)。 == 試験方式 == 筆記試験です。1級および2級は第1部と第2部の2科目を、3級では第1部のみを受験します。いずれの試験も多岐選択式・マークシート方式です。 === 第1部 === *問題数はどの級も50問です。 *試験時間は1級および2級では90分、3級では75分です。 *[[基本情報技術者試験]]の午前試験に近い形式です。(ただし[[基本情報技術者試験]]は試験時間150分と長く、問題数も80問と多いです。) *[[情報科学の基礎理論|基礎理論]](数学を含む)、コンピュータシステム、データベース、ネットワーク、[[基本情報技術者試験/セキュリティ|セキュリティ]]、[[開発技術]]、[[プロジェクトマネジメント]]・サービスマネジメント、ストラテジ系([[経営戦略]]・[[システム戦略]]・[[企業と法務|企業活動・法務]])など幅広い範囲から出題されます。 **2019年度第2回(9月)試験より、[[数学]]に関する内容([[線型代数学|線形代数]]、[[確率論|確率]]・[[統計学|統計]]など)の出題が強化されています。 **ただし3級ではデータベース、マネジメント系は出題されません。ストラテジ系もほとんど出題されません。 === 第2部 === *1級および2級で実施されます。3級では実施されません。 *1級、2級ともに試験時間は90分です。 *[[基本情報技術者試験]]の午後試験に近い形式です。(ただし基本情報技術者試験は試験時間が長く、問題数も多いです。) *2019年度第3回(2020年1月)試験より、[[プログラミング]]の選択問題に[[Python]]が追加されています。 ;1級第2部の出題範囲 :問1の「[[基本情報技術者試験/セキュリティ|情報セキュリティ]]」および問5の「[[擬似言語|データ構造及びアルゴリズム]]」は必須解答問題です。 :問2-問4は、3問中1問を選択して解答します。 :問6-問10の[[プログラミング]]に関する問題については、5問中1問を選択します。 *問1:[[基本情報技術者試験/セキュリティ|情報セキュリティ]](必須解答) *問2、問3:「ソフトウェア・ハードウェア」「[[初級システムアドミニストレータ/データベース|データベース]]」「[[初級システムアドミニストレータ/通信ネットワーク|ネットワーク]]」「ソフトウェア設計」のいずれかから出題されます。 *問4:「[[プロジェクトマネジメント]]」「サービスマネジメント」「[[システム戦略]]」「[[経営戦略]]・[[企業と法務]]」のいずれかから出題されます。 *問5:データ構造及びアルゴリズム(必須解答) - [[擬似言語]]に関する問題です。 *問6:[[基本情報技術者試験/ソフトウェア開発|プログラミング]]([[C言語]]) *問7:[[基本情報技術者試験/ソフトウェア開発|プログラミング]]([[Java]]) *問8:[[基本情報技術者試験/ソフトウェア開発|プログラミング]]([[Python]]) *問9:[[基本情報技術者試験/ソフトウェア開発|プログラミング]]([[CASL|アセンブリ言語]]) *問10:[[基本情報技術者試験/ソフトウェア開発|プログラミング]]([[基本情報技術者試験/表計算ソフト|表計算ソフト]]) ;2級第2部の出題範囲 :問1の「情報セキュリティ」および問4の「データ構造及びアルゴリズム」は必須解答問題です。 :問2および問3は、どちらか1問を選択して解答します。 :問5-問9の[[プログラミング]]に関する問題については、5問中1問を選択します。 *問1:情報セキュリティ(必須解答) *問2:「ソフトウェア・ハードウェア」「データベース」「ネットワーク」のいずれかから出題されます。 *問3:「プロジェクトマネジメント」「サービスマネジメント」「システム戦略」「経営戦略・企業と法務」のいずれかから出題。 *問4:データ構造及びアルゴリズム(必須解答) *問5:プログラミング([[C言語]]) *問6:プログラミング([[Java]]) *問7:プログラミング([[Python]]) *問8:プログラミング([[CASL|アセンブリ言語]]) *問9:プログラミング([[基本情報技術者試験/表計算ソフト|表計算ソフト]]) === 合格基準 === *1級および2級では、第1部と第2部の両方とも60%以上の得点率で合格となります。 *2級では科目合格制度があります。第1部と第2部のどちらか一方だけを科目単位で受験することもできます。 *3級は60%以上の得点率で合格です。 === 参考 === 2019年度第2回(9月)試験までの第2部の試験範囲は以下の通りでした。 国家試験である[[基本情報技術者試験]]の制度変更に合わせて、[[COBOL]]に関する内容の出題は廃止となりました。 ;1級第2部の出題範囲 :問1の「情報セキュリティ」および問6の「データ構造及びアルゴリズム」は必須である。 :問2-問5は、4問中2問を選択して解答する。 :問7-問11のプログラミングに関する問題については、5問中1問を選択する。 *問1:情報セキュリティ *問2、問3:ハードウェア、ソフトウェア、データベース、ネットワーク、ソフトウェア設計のいずれかから出題。 *問4:マネジメント系(プロジェクトマネジメントまたはサービスマネジメント) *問5:ストラテジ系(「システム戦略」または「経営戦略・企業と法務」) *問6:データ構造及びアルゴリズム *問7:[[プログラミング]]([[C言語]]) *問8:プログラミング([[COBOL]]) *問9:プログラミング([[Java]]) *問10:プログラミング([[CASL|アセンブラ]]) *問11:プログラミング(表計算ソフト) ;2級第2部の出題範囲 :問1の「情報セキュリティ」および問5の「データ構造及びアルゴリズム」は必須である。 :問2-問4は、3問中2問を選択して解答する。 :問6-問10の[[プログラミング]]に関する問題については、5問中1問を選択する。 *問1:情報セキュリティ *問2、問3:ハードウェア、ソフトウェア、データベース、ネットワークのいずれかから出題。 *問4:プロジェクトマネジメント、サービスマネジメント、システム戦略、経営戦略・企業と法務のいずれかから出題。 *問5:データ構造及びアルゴリズム *問6:[[プログラミング]]([[C言語]]) *問7:プログラミング([[COBOL]]) *問8:プログラミング([[Java]]) *問9:プログラミング([[CASL|アセンブラ]]) *問10:プログラミング(表計算ソフト) == 実施スケジュール、試験会場 == 公開試験は年3回実施されます。1月下旬と9月中旬頃は1級を含めた全ての級が、6月下旬は2級と3級のみが実施されます。 公開会場は札幌市、東京都特別区、名古屋市、大阪市、福岡市の全国5都市に設置されます。 なお、大学、短期大学、専門学校、高校、資格予備校、企業等が団体受験を申し込むこともできます。団体受験の場合、試験日時と会場は個別に設定することができます。 == 国家試験の免除制度 == 本検定の2級第1部に合格した後、講習を受講し、その後の修了試験に合格することで、[[基本情報技術者試験]]の[[基本情報技術者試験/午前試験免除制度|午前科目の受験が免除される特典]]があります。 == 関連項目 == *[[情報処理技術者試験]] == 関連外部リンク == *[http://www.sikaku.gr.jp/js/jss/ 情報処理技術者能力認定試験_資格検定のサーティファイ] *[https://www.sikaku.gr.jp/js/jss/info190523.pdf 基本情報技術者試験の変更に伴う情報処理技術者能力認定試験の変更] - Pythonの追加について {{stub|it}} {{stub|資}} {{デフォルトソート:しようほうしよりきしゆつしやのうりよくにんていしけん}} [[Category:資格試験]] [[Category:情報技術]] rsrpenswzb9zii35wi5fy3n4j2jdr6m 情報セキュリティスペシャリスト試験 0 30436 276376 187510 2025-06-28T22:54:28Z Tomzo 248 /* 関連外部リンク */ 276376 wikitext text/x-wiki <div class="pathnavbox"> * {{Pathnav|メインページ|hide=1}} ** {{Pathnav|試験|資格試験}} ** {{Pathnav|情報技術}} </div> {{Wikipedia}} {{Ruby|'''情報セキュリティスペシャリスト試験'''|じょうほうせきゅりてぃすぺしゃりすとしけん}}に関するコンテンツです。 ※ここでは後継の資格である{{Ruby|'''情報処理安全確保支援士試験'''|じょうほうしょりあんぜんかくほしえんししけん}}についても解説いたします。 == 概要 == '''情報セキュリティスペシャリスト試験'''(略号'''SC'''、''Information Security Specialist Examination''、略称'''セキスペ''')とは、平成21年度(2009年度)より実施されている[[情報処理技術者試験]]の区分の1つです。試験実施団体は、[[w:経済産業省|経済産業省]]所管の独立行政法人[[w:情報処理推進機構|情報処理推進機構]](IPA)[[w:IT人材育成センター国家資格・試験部|IT人材育成センター国家資格・試験部]](旧・情報処理技術者試験センター)です。 IPAが定めた[[情報処理技術者試験]]制度の'''スキルレベル4'''(スキルレベルは1から4が設定されています。)に相当する国家試験です。ちなみにスキルレベル4の試験区分は情報セキュリティスペシャリスト試験以外にもいくつか存在し、'''[[高度情報処理技術者試験]]'''と総称されます。 2006年(平成18年)度春期にシステム開発者向けの[[基本情報技術者試験/セキュリティ|セキュリティ]]の試験である'''テクニカルエンジニア(情報セキュリティ)試験'''として年1回実施されるようになり、2009年(平成21年)度からは技術要素だけでなく管理(マネジメント)要素まで出題範囲を拡大した上で情報セキュリティスペシャリスト試験に改称しています。2009年以降は春期(4月第3日曜日)および秋期(10月第3日曜日)の年2回の実施となっています。 [[基本情報技術者試験/セキュリティ|セキュリティ]]の技術的な専門性を有することを認定する国家試験です。試験対象者には、情報セキュリティの専門家として、情報システムの開発プロジェクトや運用プロセスにおける技術面の支援および、企業の情報セキュリティ管理の品質を維持・向上する情報セキュリティマネジメントの実践能力も求められます。暗号化技術やサイバー攻撃対策といった情報セキュリティの一般知識に加えて、セキュアプログラミング、ネットワークセキュリティなどといった要素技術も問われます。 情報セキュリティ対策の需要と比例する形で試験の人気も上昇傾向が続き、[[高度情報処理技術者試験]]の中では最も受験者数が多い区分となっています。 == 情報処理安全確保支援士 == 2017年春以降は'''[[w:情報処理安全確保支援士|情報処理安全確保支援士]]'''(略号'''RISS'''、''Registered Information Security Specialist''、別名'''登録情報セキュリティスペシャリスト''')という登録制の国家資格に生まれ変わりましたが、試験内容は従来の情報セキュリティスペシャリスト試験とほぼ同じです。 重要インフラ事業者や、国家安全保障にかかわる重要技術を持つ企業へのサイバー攻撃は、ひとたび発生すれば、国民の生命や社会システム全体に甚大な被害が発生する可能性があり、国家として対応を強化すべき課題です。サイバーセキュリティ対策の中核人材の育成、人材の見える化と質の担保の措置として情報処理安全確保支援士が新設されました。 なお、情報処理安全確保支援士には独占業務(この資格を持っていなければ就けない職種)はありませんが、名称独占資格ではあるため、この資格を持っていない者が勝手に情報処理安全確保支援士を名乗ると、逮捕・刑事罰につながります。 == 難易度 == 合格率は例年10%台ですが、受験者の大部分は既に下位区分の[[応用情報技術者試験]](スキルレベル3)や[[基本情報技術者試験]](スキルレベル2)に合格できる実力を有している場合が多いため、難易度は相対的に高くなっています。試験の水準は高く、民間資格を含め、日本国内で実施される[[基本情報技術者試験/セキュリティ|セキュリティ]]に関する資格試験では最難関にあたり、実務経験者であっても合格するのは難しい試験として広く認知されています。 しかし、スキルレベル4の試験区分([[高度情報処理技術者試験]])の中では、情報セキュリティスペシャリスト試験は最も難易度が低いと言われることもあります。スキルレベル4の試験としては唯一、[[応用情報技術者試験]]や[[基本情報技術者試験]]と同様に年2回実施されることが一番の理由ですが、午後試験では[[ネットワークスペシャリスト試験]]や[[データベーススペシャリスト試験]]ほどの技術的知識は要求されず、ある程度の読解力があれば解答できる問題が多いことがあげられます。また、[[プロジェクトマネージャ試験]]や[[システムアーキテクト試験]]、[[ITサービスマネージャ試験]]のような論述式課題(小論文)も課されないため、難易度が高いとはいえ市販の参考書を活用することで合格を狙うことは十分可能だと言われています。 本試験は年2回実施ということもあり、スキルレベル4の試験区分の中で最も受験者数が多いです。[[応用情報技術者試験]]の合格者がステップアップとして次に受験することが多い区分でもあります。 なお、似たような名称の試験区分として、スキルレベル2の[[情報セキュリティマネジメント試験]]がありますが、情報セキュリティスペシャリスト試験のほうが難易度は格段に高いです。 == 形式 == '''午前I'''、'''午前II'''、'''午後I'''、'''午後II'''の四部構成です(ただし午前Iのみ免除制度があります。)。4科目(午前I免除の場合は3科目)全てが正解率60%以上の場合のみ合格となり、晴れて'''情報セキュリティスペシャリスト'''の国家資格を得ることができます(逆に言えば、例えば午前I、午前II、午後Iで100点満点を獲得できたとしても、午後IIで59点しか取れなかった場合は不合格となってしまいますので注意してください。)。 === 午前I === 試験時間は50分です。四肢択一式(マークシート使用)で30問出題されます。全ての問題が必須解答です。午前I科目の問題は、同時間に開催される他の[[高度情報処理技術者試験]]の区分との共通問題です。 [[情報処理技術者試験]]制度におけるスキルレベル3([[応用情報技術者試験]]の午前の部とほぼ同じくらいの難易度です)に相当する、テクノロジ系、マネジメント系、ストラテジ系の3分野の知識が問われます。 スキルレベル3なので出題内容の水準はそれほど高くはありませんが、とにかく範囲が広いので注意が必要です。[[基本情報技術者試験/セキュリティ|セキュリティ]]と関連の薄い[[経営戦略]]や[[企業と法務|企業活動]]、[[プロジェクトマネジメント]]なども含む問題が出題されます。 なお午前I科目に関しては免除制度があります(後述)。午前I試験は範囲がとても広いため、先に午前I試験の免除を受けてからそれ以降(午前II、午後I、午後II)の対策に集中すると効率が高まります。 === 午前II === 試験時間は40分です。四肢択一式(マークシート使用)で25問出題されます。全ての問題が必須解答です。情報セキュリティシステムの開発並びに情報処理システムおよびこれを用いる業務におけるセキュリティ管理に関する専門的知識が問われます。 出題対象となる範囲としては、[[基本情報技術者試験/セキュリティ|セキュリティ]]および[[初級システムアドミニストレータ/通信ネットワーク|ネットワーク]]に関する領域が重点分野([[情報処理技術者試験]]制度におけるスキルレベル4に相当します)ですが、関連領域である[[初級システムアドミニストレータ/データベース|データベース]]、[[開発技術]]、[[初級システムアドミニストレータ/システムの開発と運用|サービスマネジメント]]もスキルレベル3相当の扱いで含まれます。 分野ごとの出題比率としては、例年、セキュリティ分野から15問程度、ネットワーク分野から5問程度、その他関連領域から5問程度出題されています。なお、出題内容に類似性がある[[ネットワークスペシャリスト試験]]の午前IIで過去に出題されたことのある問題がこの試験で再出題されることが時々あります。 === 午後I === 試験時間は90分です。中規模の問題が3問出題され、そのうち2問を選択して解答します。 従来、3題のうち1題はセキュア[[プログラミング]]の問題が出題されていました。言語は[[C++]]、[[Java]]、[[ECMAScript]](2012年春期から)のいずれかでした(2011年秋期までは[[Perl]]も出題対象に含まれていました。)。受験者個人が言語を選択できる[[基本情報技術者試験]]と異なり、いずれの言語にも対応できなければなりませんでした。一般的に[[プログラミング]]未経験者がセキュアプログラミングの問題を選択することは推奨されませんでした。そのため、セキュアプログラミングを回避する場合は実質2問が必須解答となっていたのです。 近年ではセキュアプログラミングは出題されなくなっています。 === 午後II === 試験時間は120分です。情報漏洩対策、公開鍵基盤、アクセス制御などを扱う大規模な事例解析問題が2問出題され、1問を選択して解答します。正解率60%以上で合格です。 === 科目免除 === 午前I科目に関しては免除制度があります。利用条件は以下のいずれかです。 *過去2年以内に[[応用情報技術者試験]]で午前、午後ともに合格していること。 *過去2年以内にいずれかのレベル4の区分([[高度情報処理技術者試験]])に合格していること。 *過去2年以内にいずれかのレベル4の区分([[高度情報処理技術者試験]])の午前Iで60点以上獲得していること(最終的に当該区分の午前II、午後I、午後IIで不合格になってしまっても構いません。)。 == 関連項目 == *[[情報処理技術者試験]][[情報処理技術者試験の概要|の概要]] **[[情報セキュリティマネジメント試験]](SG) **[[応用情報技術者試験]](AP) **[[基本情報技術者試験]](FE) **[[ITパスポート試験]](IP) == 関連外部リンク == *[https://www.ipa.go.jp/siensi/ 情報処理安全確保支援士'''制度'''の紹介] *[https://www.jitec.ipa.go.jp/ 情報処理技術者試験と情報処理安全確保支援士試験のポータルサイト] **[https://www.jitec.ipa.go.jp/1_11seido/sc.html 情報処理安全確保支援士'''試験'''の紹介] *[https://www.sc-siken.com 情報処理安全確保支援士.com] {{stub|it}} {{stub|資}} {{デフォルトソート:しようほうせきゆりていすへしやりすとしけん}} [[Category:情報処理技術者試験]] [[Category:セキュリティ(情報処理技術者試験)]] [[Category:資格試験]] [[Category:情報技術]] 610gi9h02h2nkvk0wrnvabqcm33nn2z Wikijunior:算数/筆算の方法の提案 0 30648 276331 275791 2025-06-28T15:41:39Z Tomzo 248 /* 案1 */ 276331 wikitext text/x-wiki ==足し算== ===案1=== (式)11+11= 11 +11 一一一 22 ==引き算== ===案1=== (式)47-15= 47 –15 一一一 32 ==掛け算== ===案1=== 13 16 一一一 78 13 一一一 208 ===割り算=== ===案1=== {{ウィキジュニアのスタブ}} [[カテゴリ:算数 (ウィキジュニア)]] ohec9jjymnhgjbkgzczeluk4hn3ptth ピアノ学 0 31918 276379 237316 2025-06-28T22:56:49Z Tomzo 248 276379 wikitext text/x-wiki {{Navi|[[音楽]] > 実技 > 器楽 > '''ピアノ'''}} {{stub|music}} == ピアノの歴史 == そもそもピアノという楽器の正式な名称は、『ピアノ』ではなく、『ピアノ・エ・フォルテ』です。意味は「ピアノ(小さい音)からフォルテ(大きな音)まで出せる、即ち強弱の違いがはっきり出せる楽器という意味なのです。 それではなぜこのような意味を持つのか見ていきましょう。 ピアノの前身となったハープシコードやチェンバロは鍵盤を押す強さでは強弱をはっきり表現することができませんでした。そこで1709年、イタリアの[[w:バルトロメオ・クリストフォリ|バルトロメオ・クリストフォリ]]によって、タッチによって強弱が変化する、即ちハンマーアクションを可能にした『クラヴィチェンバロ・コル・ピアノ・フォルテ』という楽器が発明されました。『ピアノ』という呼び名はこれを語源としています。とは言ってもこの時代のピアノは現在のピアノとはかなり形が変わってきます。 このピアノの違いを巧みに生かして楽曲制作を行なった作曲家が[[w:ルートヴィヒ・ヴァン・ベートーヴェン|ルートヴィヒ・ヴァン・ベートーヴェン]]です。ベートヴェンの時代にはピアノという楽器そのものが進化しました。面白いことにベートーヴェンの楽曲そのものに違いが表れているのです。音域と演奏の質が時代に沿って変化してきたベートーヴェンの楽曲はピアノそのものなのです。気になる人はベートーヴェンのピアノソナタを時代を理解して聞いてみましょう。 == ピアノを演奏しよう == さて、これまでピアノの歴史についてめちゃくちゃ大雑把に解説していきましたが次はいよいよ実技編に入りたいと思います。 ピアノという楽器は鍵盤を押すだけで誰でも音が出せる万能な楽器です。しかし、演奏者の表現は一つも同じ音がないのです。つまりピアノという楽器に正解はないのです。 しかし正解はないと言ってもやはり正しい音の出し方というのは存在します。以下において、これをご紹介します。 まず覚えなければならないのが中心音のド(イタリア語表記、詳しくは「[[楽典]]」をご覧ください)です。 ☝︎中心音のドが覚えられれば後の音も確実にとることができますそれでは早速学習していきましょう!。 {{DEFAULTSORT:ひあのかく}} [[category:音楽]] i4h5mbts0bb5jcvbdy7rra9xuh3t8dh Go/Goのプログラムがどんなアセンブリにコンパイルされるか? 0 32613 276366 263413 2025-06-28T20:48:24Z Ef3 694 実行形式を逆アッセンブルするようにした 276366 wikitext text/x-wiki {{Nav}} = Goのプログラムがどんなアセンブリにコンパイルされるか? = Goは簡素化された構文とキャッシュの使用により、非常に高速にコンパイルされますが、(中間コードではなく)ネイティブな機械語を生成します。 では、実際にどのようなコードが生成されるかを検証してみましょう。 == Hello, World を逆アセンブル == ;[https://play.golang.org/p/X0_wfzwyj-E hello.go]:<syntaxhighlight lang=go copy> package main import "fmt" func main() { fmt.Println("Hello, World") } </syntaxhighlight> 上のような単純で完全なプログラム hello.go を用意します。 :<syntaxhighlight lang=shell> % % go build hello.go </syntaxhighlight> : <code>hello</code>にコンパイル結果が出力されます。 : go tool objdump という Go の逆アセンブラーは、実効形式を理解できます(-S はソースも併せて表示するオプションです)。 :<syntaxhighlight lang=shell> % go tool objdump -S -s main.main hello > hello.objdump </syntaxhighlight> ;hello.objdump:<syntaxhighlight lang=c-objdump> TEXT main.main(SB) /home/eguchi/tut/go/hello.go func main() { 0x48fd80 493b6610 CMPQ SP, 0x10(R14) 0x48fd84 7646 JBE 0x48fdcc 0x48fd86 55 PUSHQ BP 0x48fd87 4889e5 MOVQ SP, BP 0x48fd8a 4883ec38 SUBQ $0x38, SP fmt.Println("Hello, World") 0x48fd8e 488d156b970000 LEAQ 0x976b(IP), DX 0x48fd95 4889542428 MOVQ DX, 0x28(SP) 0x48fd9a 488d15076d0400 LEAQ 0x46d07(IP), DX 0x48fda1 4889542430 MOVQ DX, 0x30(SP) return Fprintln(os.Stdout, a...) 0x48fda6 488b1dbb9b0c00 MOVQ os.Stdout(SB), BX 0x48fdad 488d05f4720400 LEAQ go:itab.*os.File,io.Writer(SB), AX 0x48fdb4 488d4c2428 LEAQ 0x28(SP), CX 0x48fdb9 bf01000000 MOVL $0x1, DI 0x48fdbe 4889fe MOVQ DI, SI 0x48fdc1 e8baafffff CALL fmt.Fprintln(SB) } 0x48fdc6 4883c438 ADDQ $0x38, SP 0x48fdca 5d POPQ BP 0x48fdcb c3 RET func main() { 0x48fdcc e80faafdff CALL runtime.morestack_noctxt.abi0(SB) 0x48fdd1 ebad JMP main.main(SB) </syntaxhighlight> : ターゲットは AMD64 なのですが、あまり見慣れないニーモニックだと思います。 : これは、Plan9 のアセンブラフォーマットでIntelともAT&Tとも違います。 : レジスタは8086の頃にあったものならば8086当時の名前で、AMD64で追加されたレジスタはRnnの形式で表示されます。 : 演算や転送の幅は SUB'''Q''' や MOV'''L''' のようにオペレーションの末尾の文字で指定されます。 Goはコンパイラーですが、コンパイラー自体がGoで書かれ、ソースコードとともに配布されており、他にも go tool nm や go tool pack の様なハウスキーピング用のコマンドがあります(機会を見て紹介します)。 {{Nav}} == 脚註 == <references /> == 参考文献 == * {{Cite web |url=https://golang.org/doc/asm |title=A Quick Guide to Go's Assembler |accessdate=2021/10/22 }} m4ly57xidn1ojr0dcowwupi4hh5dya0 設計の理論 0 33394 276297 255387 2025-06-28T12:43:02Z ブレーンストーミング 88276 276297 wikitext text/x-wiki 276302 276297 2025-06-28T13:06:47Z うらふれ 82924 [[Special:Contributions/ブレーンストーミング|ブレーンストーミング]] ([[User talk:ブレーンストーミング|トーク]]) による版 [[Special:Diff/276297|276297]] を取り消し 276302 wikitext text/x-wiki 工学では現状、「設計図とは何か?」といった理論は存在しません。情報工学でも、「IT企業の仕様書をどう書くか?」という書籍は、ほとんどありません。大学生向けの情報工学の参考書でも、まず触れられてない分野です。 本ページでは現状では参照していない文献ですが(2022年2月11日)、設計の理論を紹介していると思われる関連文献として『岩波講座 現代工学の基礎』があります。ある程度、設計についての抽象的な説明があるかもしれません(たとえば『岩波講座 現代工学の基礎〈1〉設計の方法論』(2000/5/10)あたり)。 しかし岩波のこの本はそんなに厚くないし、ソフトウェアも含めては説明していなかったかもしれません(手元にないので確認できません)。 == ITの場合、ビルド手順の記録が必要 == 集団でソフトウェアを作るとき、そのソフトウェアのビルド方法を仕様書に書かないといけません。(これは製造業の設計図などには無い、IT業界の独自の事情です。) ビルドとは、実行ファイルを作ることです。 Visual Studio などのソフトウェア開発環境ツールは大抵、ビルド機能もあるので、最低限、作者が実際に使用した開発ツールを書いておく必要があります。ビルドに必要としたソフトウェア(ビルド実行ソフトや、必要なライブラリ)、ビルドのためのコマンドや操作手順なども、ひとつひとつ詳細に書くべきです。 実際に自分がそれらビルド手順のとおりにソフトウェアだけをインストールと設定を試してみて、もしその手順の指定に従えば(従うのが知識的に簡単かどうかはともかく)、とりあえずビルドできて、実行ファイルを生成できる程度には、書く必要があります。 ソースコード公開サイトなどのプログラムを見ると、説明書を見てもどこにもビルド方法や実行環境が書かれておらず、ビルドできずに使いようのないコードが時々あります。ビルド不可能ではあまり有意義なソースとは言えないでしょう。 == 必要な書類 == 一般のIT業界や製造業の場合、集団作業で必要となる書類は、主に下記のセットでしょう(編集者Sの推測)。 * 設計図(これは完成予想図である必要があります) * 部品と機能の対応表(メンテナンス用です) * 企画に至った経緯を記した書類 * 参考資料(外部メーカーの製品カタログなどは、その製品が販売中止する可能性があるので、会社の手元に製品の仕様表などを抜粋して残す必要有) 設計図とは完成図のことです。 さて、一般のIT企業や製造業では上記の設計図~参考資料に加え、必要に応じて「説明書」、などを加える場合もあります(業界や会社によっては、説明書は上記セットとは別の本棚などに分離する場合もある)。この4〜5点セットの書類を、集団作業の便宜のために、将来にわたって残していきます。(土建や製造業などの堅い業界の場合は、「設計図書」(せっけい としょ)、などの名前で管理されることもあります) 娯楽産業ではない一般のIT企業や製造業でも、製品の企画に至った経緯を記した書類を、大元のアイデアを考えた会社の側では残しています。(ただし一般企業の場合、社内プレゼン用資料の流用の場合もある)。上記セット一覧のうちの「設計図」はゲーム業界では「仕様書」に対応しており、「企画に至った経緯を示した書類」は「企画書」に対応しています。一般企業では書類の名前は、「企画書」ではない場合も多く、業界や会社によって異なります。 企画書だけでなく、マトモな科学論文とかでも、既存品と今回の製品とはどう違うのかという構成が好まれます。つまり、論文なら「何を新発見したのか? → いままでの理論ではどうだったか?それと今回の新発見とでは何が違うか? → 発見のプロセスや詳細など」といった構成が、マトモな科学論文のあるべき構成です。 また、メンテナンスのための図面として、「フロー図」とか「モジュール図」や「システム図」等、設計図としての目的でない将来的なメンテナンス改修などを見越して作成される図を、保存しておく必要があります。 一般IT業界の仕様書の書き方の本やwebサイトを見ると、「要件定義書」「内部設計書」「外部設計書」「ネットワーク図」「業務フロー図」「インターフェース設計書」「モジュール設計書」などの色々な書類・図面がありますが、発注元で最低限必要なのは上記4点セット(完成予想図、メンテ用資料、企画書類、外部資料)でしょう。IT業界特有の設計書類も、完成予想図またはメンテ用資料を作成するため手段に過ぎません。 {{コラム|マツダ自動車では図面で企画説明する| エンタメ業界ではないですが、自動車会社のマツダ自動車では、 新製品の構想などの規格を社長・会長に伝える際、 口頭や文字だけで伝えようとすると「図面もってこい」と、たしなめられるそうです。 別に企業秘密でもなんでもなく、東京ビッグサイトや幕張メッセなどで開催される「自動車部品生産展示会」みたいな感じの名前のイベントで、普通に2010年ごろマツダ社員が会社パンフレットなどでそう説明していたりしていました。 なおマツダの例ではないですが、製造業では企画に限らず、外注業者に対して一品モノの制作作業の指示書や実験の指示書などを書く際にも、 パワーポイントなどで簡易的な絵を作って、外注したい動作を説明することもあります。 なぜこうするかというと、絵にすることによって、文字の解釈ミスを防げるからです。 結局、アニメで言う「絵コンテ」やマンガでいう「ネーム」のような下書きの絵の手法は、エンタメ業界だけでなく、ほかのさまざまな業界の仕事でも企画や作業指示などでも応用が利くのです。(というか、だからこそか中学校の美術や国語などでも「絵コンテ」が検定教科書で紹介されているのでしょう。あらためて、義務教育の教科書はとても考え込まれて著作されていることに気づかされます。税金パワーは凄まじいです。) }} == 「設計図」とは完成図である == では「設計図」とは何かというと、製造業の場合での「設計図」の意味を説明すると、それは「完成予想図」です。「完成予想図」というところがポイントで、実は生産方法などは指定していないのです。なので設計図だけでは、実は何も生産できないのです。 なので設計図に加えて、現場で必要な生産方法の技術をもった技術者が、さらに必要です。なので、設計図はあくまで、最低限必要な情報でしかないのです。実際には、設計図以外にも、生産方法についてのさまざまな情報が必要です。 ですが、どこの業界でも、生産方法については図面化しないか、たとえノウハウを部分的に文書化していても社外秘にしていて非公表なのが通常です。 IT業界でも、あるソフト製品のプログラミングの具体的なノウハウについては、その製品の「仕様書」には記載されないのが通常です。 完成予想図として「部品図として、このような寸法(各部の長さ)・形状・材料をもった部品を図面の指定どおりに作れば、あとは組立図に部品どうしの相互位置が書いてあるので、(組立図の)その位置指定とおりに取り付ければ、必ず完成しますよ」 という状態にまで、部品図と組立図の状態をそれぞれ完成予想図の形で書き上げていくのが、図面を書くという事です。 技術的の企業でいう「設計図」の意味は、おおむね、こういう意味です。 完成図は、実装の手段とは区別しなければなりません。 基本的に、実装時の手段は提示しないのが安全です。なぜなら、多重下請けや大人数などで開発をする場合、事情を知らない相手もいるので、いつのまにか伝言ゲーム的に、完成品への要求事項のなかに、単なる手段の一例とが混ざる可能性があるからです<ref>[https://www.youtube.com/watch?v=cMg7YpFvpL0 『【登壇・講演①】DevelopersSummit2022【俺のプロダクト(システム/IT)開発用語辞典】(大島將義/黒田樹)』 2022/03/01 ]</ref>。ともかく、要求事項と手段は、混ぜてはいけません<ref>[https://qiita.com/juraruming/items/0fecf339735c86fdc2a1 『要求仕様を正しく理解するには?』最終更新日 2022年05月19日投稿日 2022年05月18日]</ref>。 よかれと思って、実装の手段の一例を例示してしまうと、それが下請けなどの際に、伝言ゲーム的にいつのまにか間違って要求事項として混ざっていく可能性があります。 そういった先も見越して、設計図を書く必要があります。 どうしても実装の手段の一例を伝える必要がある場合は、それが一例であるのにすぎないことを確実に伝わりつづけるように、なんらかの工夫が必要になります。 ;設計図はチェックリストを兼ねる もし、納品される品物が仕様を満たしてない場合、けっして合格品としてはいけず(つまり「検収」してはいけず)、(発注者は)協力会社に作り直しを要求します。この仕様違反のさいの作り直し要求はIT業界にかぎらず製造業<ref>澤田善次郎 監修・ 名古屋QS研究会 編 『実践 現場の管理と改善講座 09 試験・計測器管理 第2版』2012年4月25日 第2版 第1刷発行、114ページ</ref>でもどこでも、受け入れ検査は通常、そういう仕組みです。 ソフトウェアを作る場合も、最終的に製品の完成の段階では、最低限このような水準にまで、設計図を作りこんでいきましょう。(ただし、ソフトウェアには「寸法」など形状の条件は無いので、そこはアルゴリズム的な条件に意味を読み替えること。) そもそも仕様が確定していないと、品質の検査のさいの検査基準そのものが無い状態なので、品質の高い・低いすらも測定できなくなってしまいます。品質管理の前提として、仕様の確定が必要です。 製造業では図面をもとに見積もりをします。基本的に技術系の業界では、設計図をもとに見積もりが行われるます。 学生は企業社会を知らないと思うので説明しますが、コンピュータ業界にかぎらず、そもそも製造業なども含む技術系の業界で、設計から生産までの流れがどういう工程で行われているか、説明します。 ;設計図では生産方法を指示しない まず、なにかの設計図では、具体的な生産方法は指示しません。たとえば、組み立てた後の形状がどうなってるかは組立図(くみたてず)に描いても、しかし、「どうやれば組み立てられるか?」とかの情報は一切、そういう事については『設計図』では指示しません。 ともかく、なにかの設計図は通常、その製品の完成図である必要があります。製造業で「図面」と呼ばれているものは、こういった具体的な完成予想図のことです。 そして、その完成図はいくつもの部品から成り立っているのが普通なので、完成品をいくつかモジュールごとに分解した部品図(ぶひんず)をいくつも作成して、それぞれの作成担当の作業者に渡します。 こうすることで、分業もしやすくなり、一石二鳥です。 === あいまいさを無くすのが設計図 === 基本としては、設計図とは、設計図だけを見ても、あいまいさの無い状態で完成品の満たすべき具体的な条件が分かるようにしなければなりません。 さて、製造業などでも、「図面」という完成予想図があります。 よく、IT業界でいう「現場で見つかった仕様書の不具合を仕様書にフィードバックする」とか言う表現は、おそらく完成予想図のような書類のことを指していると思います。 なぜなら製造業でもフィードバックは図面に対して行います。なので、製造中に不具合が見つかれば、どんどんと図面が改訂されてゆくし、そのために設計者は現場に立ち会うし、場合によっては設計者みずからが製造もしていきます。 技術系の業界では一般に、書類で作業指示を出すときに、いちいち、けっして具体的に、「作業員であるアナタは、○○のコンピュータの△△ボタンを押して、××をしてください」のような指示は出さないです。 指示はそう出すのではなく、図面のような完成予想図(ただし決定稿)を出して、「この完成予想図のとおりになるように作っておいてください。」というような指示が出ます。 === 横断的な説明をしたい場合 === さて、IT業界の場合、末端の部品プログラム完成予想図を描く前に、普通の設計では既にフローチャート図または状態遷移図などといった、全体的なシステムの図面を書くのが望ましいとされています。(以降の説明では、言い回しの省略のため、フローチャート図または状態遷移図を単に『フロー図』または『フローチャート図』と略記する。) なので、もし横断的な説明をしたければ、このフローチャート図を作るとき、このフローチャート側に説明を追加するとか、あるいは、フローチャート図を参照する形で別途の参考図を追加するとかすれば、良いかもしれません。 こうすれば、もし末端部品プログラムを訂正することになっても、訂正の必要のある図面は、末端プログラム図面と、その直接の上流のフロー図あるいはフロー別途参考図だけのたった2枚に限定できますので、訂正の手間を減らせるので効率的です。 なお、もしかしたらIT業界でも、状態遷移図やフローチャートを描かないで設計する事態も企業によっては横行しているかもしれませんが(原理的には、状態遷移図やフローチャート図が無くても、エクセルなどで作成した部品プログラム仕様とその組み立て仕様のエクセル形式の完成予想図だけでも、原理的にはソフト設計できてしまう)、しかし、こういう状態遷移図などの画像での説明を省いた設計では設計ミスが発生しやすく、結局、再設計などの手間が掛かってしまうのがオチです。 ;一枚の図面の中では内容重複はオッケー なお、一枚の仕様書の中では、内容の重複はオッケーです。 たとえば、機能の似たモノを2個つくるとき、 2個目の説明では、「○○については△△と同じ」のように、「~~~と同じ」というふうに説明できるから、です。製造業でも、一枚の図面に正面図と側面図の2方向の図のある場合、側面図に参照値として正面図の値を書くと、正面図の設計変更にともない、ときどき側面図にある参照値を修正し忘れるミスがあります。) なので、よほど仕組みの複雑な難しい製品でないかぎり、なるべく2回目以降の説明では具体的内容は書かないのでおくのが、設計の図面では修正モレを防げるので安全です。 ただし、これはあくまで、設計図面の書き方です。教本や指導書などの書き方とは、設計図面の書き方は、違います。もし、新人むけの指導書や教科書・教本を書く場合には、やや重複のある内容でも何度も説明して覚えさせましょう。 == 要求事項書 == 要求事項は、「○○してもらいたい」という指定も必要ですが、ソレとは別に、できれば、「なんの目的で、そういう指定をしているか?」などの理由も書いてあると、ニュアンスが正確に伝わるので、伝達ミスなども減ります。 企業秘密などで無いかぎり、できるだけ、目的も平気したほうが良いでしょう。 要求事項の書類には、要求には理由も併記するのが望ましいと指導されているようです<ref>清水吉男『【改定第2版】<nowiki>[入門+実践]</nowiki> 要求を仕様化する技術・表現する術』、技術評論社、2019年6月28日 初版 第7刷発行、170ページ</ref>。 さて、一般IT企業で要求事項書の話題に戻るとして、また、意外と伝達側が設計ミスをする場合もあるので、目的も書面で伝えておくことにより、相手先の人が、気を聞かして検証してくれます(べつにボランティアで検証してくれるわけではなく、どっちみち相手先が設計中に結果的に検証することになるで、だったら要求事項に目的も書いておいたほうが効率的になる)。 なんども指摘するが、「要求事項」だの「設計図」だの何種類も作る書類セットの書き方では、説明が重なって多いぶんには問題ないのです。(ただし、要点などを抜き出した簡略版の説明も必要。) 大は小を兼ねます。 なお、社会人の情報伝達では、結論を先に言うのがマナーなので(詳しくは『[[中学校国語/現代文/報告書の書き方]]』)、要求を先に伝えてから、理由を直後に伝えます。つまり、文章のテンプレートとしては、 [要求] [理由] のような順番になります<ref>清水吉男『【改定第2版】<nowiki>[入門+実践]</nowiki> 要求を仕様化する技術・表現する術』、技術評論社、2019年6月28日 初版 第7刷発行、174ページ</ref>。 設計図の各書類は一般的に外部には非公開なので、書類セットくらいでしか体系的な説明をできないので、むしろ別書類にて説明の重複などがあって相互検証できるくらいのほうが、安全なのです。なお、要求事項の段階では、あまり細かく事項書を作りすぎずに、そのぶん実際のプログラムの開発を早めましょう。 == データ台帳 == 重要なことは、一般のソフトウェア開発などでの実務では、なんらかの特殊な数値データが組み込まれている場合、台帳と実物プログラムとによってダブルチェックをするという事です。(ゲームだけでなく、製造業の組み込みソフト開発などでも、台帳などによってダブルチェックをしています。) IT業界では、ダブルチェックを軽視している人が多いですが(たとえば電卓とパソコンソフトとの計算結果のダブルチェックを批判する言説がネットに多い)、そういうのは製造業や組み込み業界などでの実務を知らない知ったかぶりのタワゴトなので無視しましょう。 マトモな業界では、プログラムの検証のため、そのソフト以外およびそのソフトを動かしているハードウェアとは別のデバイス(電卓でも良い)を使って、ダブルチェックをするのが常識です。(※この常識には出典を出せませんが(企業秘密などに関わるので)、しかしダブルチェックを軽視する側の主張も満足な出典を出せていないので、対抗的にこの文を残します。) さて、入力されたハズのデータの台帳のような内容の一覧の書類が、一般の技術系企業では必要です。業界で「台帳」と言うのかは知りません。名前が無いと困るので、とりあえず土木工学ではこういうのを「○○台帳」というので<ref>国土交通省大臣官房技術調査課『改訂版よくわかる公共土木工事の設計変更』、一般財団法人 建設物価調査会、60ページ</ref><ref>国土交通省大臣官房技術調査課『改訂版よくわかる公共土木工事の設計変更』、一般財団法人 建設物価調査会、60ページ</ref>、それに習って「データ台帳」という題名を本セクションでは、つけているだけです。なので、IT企業では別の呼び名かもしれません。 == 多項式近似 == 測定値などで、入力変数が一変数なら、エクセルなどを用いて多項式近似が出来ます。 一般にIT業界での実務の多項式近似では、原理的には9次でも20次でも、どんなに次数が高くても(おそらく int 整数型の限界くらいまで)計算できてしまいますが、 しかしIT業界などの実務では人間の検算などの手間を減らすために、なるべく、せいぜい2次式や3次式といった、低めの次数におさえて利用するのが、IT企業では普通です。 もし先端科学のための多項式近似なら、9次を超えるような多項式近似をするような場合もありますが、しかし、一般の企業では、そこまでの多項式近似は不要ですし、むしろ検算などの管理の手間が増えるので、9次のような多すぎる次数は嫌われますので、なるべく2次ていどに抑えましょう。 == バグあると人の死ぬ業界 == ゲームではバグがあっても、人は死にません(過労自殺などを除けば)。なので、アイデアが思いついたら、どんどんとプロトタイプで試してみましょう。 ですが、他の業界だと、バグがあると人が死ぬ場合もあります。たとえば、製造業での、組み込み機器などがそうです。 書籍で紹介されている事例だと『メタルカラーの時代』シリーズ(山根一眞(やまね かずま)による取材)で、 「日本ユニシス」というIT企業がかつて、提携している別企業のNC工作機械に向けた組み込みソフトの開発で(組み込みソフト部分をユニシスが開発)、開発テスト中のバグにより工作機械の刃物が本体にぶつかって折れて飛んできて、あやうく人が死ぬところだった、 ・・・という感じの事例がインタビュー先のプログラマから紹介されています。 それまで日本ユニシスおよびその担当プログラマーでは、組み込みの仕事はほとんど扱わずに、どちらかというとIT業界内での顧客を仕事をしていたので、そういう人が死にそうな事例に経験することがなかったので、製造業の組み込みソフトでは特にバグおよびバグ予防に対する考えをIT業界内の仕事とは変えなければならない必要があることに気づかされた、とユニシスの技術者はインタビューで述懐しています。 == 履歴の管理 == 一般のIT企業でいう仕事の「仕様書」では、開発前の段階で書いた要件定義書や設計図(完成予想図)やコード解説書など」を、ソフト完成後にも残す必要があります。 なぜなら、開発前~開発中の経緯を、上司や他部署に事後的に報告したり、のちに入社してくる後輩などに教育としてソフト開発時の出来事を教えるためです。 このため、こういった仕事の書類には、著者や、著作・改訂の日時(「改訂日: 2018年8月30日」)や改訂者(「改訂者: 山田太郎」)などの履歴(りれき)も記載する必要もあります。 {| class="wikitable" style=" text-align: center; margin: 2pt;" |- ! style="text-align: center;" | 版 !! 年月日 !! 作業者 !! 編集内容の要約 |- | 第1版 || 2018年7月10日 || 鈴木花子 || 著者 |- | 第2版 || 2018年8月30 || 山田太郎 || 改訂 |- |} のようになります。(企業では、こういうページのパソコンでの文書管理は、エクセルなどの表形式データになってるのが普通。) さらに改訂の際には、それぞれの版の改訂内容の要約を書く必要すら、あります。 アマチュアの場合なら、『メモ帳』アプリなどで説明する場合もあるかもしれないので、たとえば : 第2版, 改訂日: 2018年8月30 , 改訂者: 山田太郎 : 第1版, 著作日: 2018年7月10日, 著者: 鈴木花子 のようにアレンジする必要があるかもしれません。 アマチュアのゲーム製作の場合、エクセルまでは不要でしょう。 == ファイル名の冒頭番号 == ゲームを例に説明します。 ゲーム産業に限ったことではないのですが、企業でのパソコン内での、ファイル名やフォルダ名の管理手法として、たとえば何かの説明書きのファイルがいくつもある場合、 01_キャラクター設定 02_モンスター設定 などのように番号順をつけて命名することもあります。「01_キャラクター設定」でひとつのフォルダ名です。なぜこのように番号を冒頭につけるかというと、もしパソコン上で名前順に並び替えたときに、必ず狙った順番どおりにさせるためです。 そして、たとえば「キャラクター設定」フォルダ内に、さらに 000_ゴンザレス設定.doc 001_アルベルト設定.doc 002_エドモンド設定.doc のように、さらに 番号づけの設定があることもあります。 たとえば、「ゴンザレス」というキャラが主人公のゲームの場合、彼が最初に来てもらわないと困るわけです。もし番号が冒頭に無いと、「ゴンザレス」よりも「アルベルト」のほうが五十音順では先に来てしまいます。 しかし、上記のように番号を冒頭につける方式を採用することで、あとでどんな名前の新キャラクターを追加しようが、必ずファイル検索の名前順検索では「ゴンザレス」が最初に来るようになるのです。 なお、業務用のファイルでは一般的に、冒頭番号と項目名とが別々のものであることを強調するために、半角スペースを使わずにアンダーバー「_」を使うのが一般的です。 {{コラム|観察力があるかないか次第(しだい)| 音楽CDでも、Windows media player を使って昔の1990年代の古いCDをmusicフォルダに取り込むと、 01 トラック1.wma 02 トラック2.wma 03 トラック3.wma などと保管ファイルが自動的に出来上がったりするわけです。「01 トラック1」でひとつのファイル名です。 Windowsの接続先サーバがもし曲名を認識できれば、 たとえばもし取り込んだCDがアニメ『新世紀エヴァンゲリオン』TV版のサントラCD『Neon Genesis Evangelion, Vol. 3』なら、 01 幸せは罪の匂い.wma 02 無限抱擁.wma 03 Normal Blood.wma などと曲名の入った保管ファイルが出来上がったりするわけです。この例の場合「01 幸せは罪の匂い」でひとつのファイル名です。 こういうふうに観察力さえあれば、色々なことから技術を勉強できます。最近はもう販売されるCDにコピーガードがあるので、PC取り込み可能かどうか分かりませんが。 なお、CD本体のほうは、windowsのファイルエクスプローラーで閲覧すれば、 Track01.cda Track02.cda Track03.cda のようにトラック情報だけが記録されています。 }} IT企業に限らず製造業でも、たとえば図面ファイルでは 01_構想図 02_外観図 03_部品表 04_部品図 などと、冒頭番号ごと名前をつけてフォルダ管理するのが一般的です。 フリーソフトのファイル構成などでも、本ページはゲーム教科書なのでゲームに置き換えて説明しますが、 01_Read me.txt 02_使用素材.txt 03_更新履歴.txt Game.exe のようなファイル構成のフリーソフトも時々、見かけます。 == 説明書 == ===== 操作テストをしながら書く ===== フリーゲームなどは、あまり説明書が細かくかかれないので、気にする必要はないでしょうが、一般IT企業のソフトウェア説明書や製造業の組み込みソフトなどは、もっと細かく一通りの操作方法を説明します。 イメージしやすさの都合で本ページでは、製造業などの組み込みソフトを例に、説明書の書き方を説明します。 なんと、組み込みソフトの説明書を書くためには、'''操作テストが必要'''です。 だから例えば工場の生産ライン用の設備に組み込まれてる組み込みソフトの説明書なら、その説明書の文面は、工場で下書きしてるわけです。 オフィスで下書きするのではなく、工場で下書きするのです。なので、工場にノートブック(文房具)と筆記用具(要・赤ペン)を持ち込んで、そこで説明書の文面を下書きするわけです。 たいていの新人は、実機での操作テストに気が引けがちです。 実機で操作テストばかりしてると「周囲の先輩から『この新人は書類も読まずに実機をいじって遊んでる』と周囲に見られるんじゃないか?」と不安になったりとかして、実機によるテストを遠慮しがちです。また、仕様書は読んでて勉強になりますので、ついつい仕様書ばかり読みがちで、テストを遠慮しがちです。 しかし、それは新人特有のよくある勘違いなのです。説明書を書く場合にも、実機でテストプレイをするべきなのです。 なので、下書きが終わったら、さっさと実機テストをするべきなのです。 ===== 組み込みソフトの場合の手順 ===== まず、仕様書などをもとに、説明書の大まかな章や節などの構成を、仮決めします。 大まかなページ数などの仮決めのために、仕方なく仕様書を見ながら、仕様書から想定されるハズの操作方法を書きます。 この下書きは、これはこれで必要であり、あとの操作テスト時にチェックすべき項目を示したチェックリスト的な意味合いもあるので、とりあえず、実機プレイなしですが下書きをします。 ですが、この想定した操作方法は、まだ何のテストもしてないので、高確率でミスが含まれています。 なので、下書きした説明書のプロトタイプと筆記用具(赤ペン)を持ちながら、実機のある現場に移動して、到着したら実機で説明書どおりにテストプレイしながら(絶対に説明書を見ながら、杓子定規に説明書どおりにプレイします)、実機操作中に発見した説明書のミスを、赤ペンで下書き説明書に、追記でメモ書きしていくワケです。 このように仕様書ばかり読んでないで、さっさとテストします。 だから、説明書を書くオフィスは、そういうテストが気軽にできる環境の近くに存在する必要があります。 また、組み込みソフトの説明書を書く技術者は、工場の組み込みソフトを書くなら、技術書の服装としてはブルーカラーの作業着で仕事してるわけです(背広ではないです)。作業着でないと原則、現場に入れないので 組み込みソフトは、機械などに組み込まれてるわけですから、安全が確保されていて可能な限り、仮想化などではなく、実機でテストします。 (仮想化でテストすると二度手間になります。なので可能なら最初から実機でテストしたほうが早いです。) このような仕事を、よく新人がやらされます。 新人は消費者目線に近いので、どこの業界でも、新人がよくテスターにさせられることが多いのです。 同様の理由(消費者目線)で、説明書を書く仕事も、どこの業界でも、新人がよく説明書を書かされます。 ===== 子供向け商品など ===== 子供向けの玩具で電子玩具の説明書などだと、場合によっては説明書の文面が子供口調(「~だよっ!」とか「~だね!」みたいな口調)で説明が書かれていたりしますが、けっして説明書を書くお仕事が子供の学校の図工みたいな作り方をしてるワケではないでしょうし、おそらくは実際の執筆手順は上記の組み込みソフトの説明書のような感じの手順で説明書を書いていってると思われます。説明書の口調という表面にダマされないようにしましょう。 ああいう子供口調やら女口調の説明書は、集団作業の場合なら、下書きの段階での口調は、普通のビジネスマン的な書類の口調で書いているか、たとえ くだけた下書きの場合でも普通の大人のくだけた口調で下書きを書いているのであって、あとの工程で口調だけ入れ替えて子供口調や女口調に入れ替えるという手間を掛けていると思われます。けっしてイキナリ、子供口調とかで書類を書きはじめるわけではありません。 == 失敗学 == {{コラム|失敗学| 失敗は無数にパターンがあるので、すべての失敗を学ぶことはできません。 しかし、初心者がよくある失敗パターンというのは割と限られています。 そういうのは、学ぶようにしましょう。 航空事故など大規模事故が起きた際に組織される『事故調査委員会』も、失敗を次世代に繰り返させないために、原因究明をして事故調査をしているわけです。 高校物理などで習う「共振」現象だって、その共振によって米国のタコマ橋が実際に崩壊する事故という失敗例があったから、 その失敗例に学ぶことで橋梁(きょうりょう)設計の理論が進歩したののです<ref>[https://www.jstage.jst.go.jp/article/jjlp1960/43/2/43_2_182/_pdf 『失敗学のすすめ』]</ref>や。 なお、畑村は、2011年の福島原発事故の際、国家の組織する原発事故調査委員会のリーダーを勤めています。 チームにおいて失敗が起きた場合は、人的ミスではなく、組織設計のミスだと見るべきです。畑村はそう提唱しており、だから原発事故調査でも、責任追及をしないこと・させないことを貫きました。 }} == パラメータ調整の理論 == === 手法 === {{コラム|アブストラクト| 「目標はすべて実現しようとするのではなく、優先度の差をつけ」、「機能てんこもり家電だと商品コンセプトが消費者に分かりづらいから、消費者に商品の魅力が伝わらない。だからもっと機能を絞るとかして、分かりやすく」する方が良いでしょう。 }} {{コラム|パラメータ・バリエーション| 背景となる工学的な考えかたとして、下記の「パラメータ・バリエーション」という考えかたがあります。「パラメータ・バリエーション」とは何かと言うと、複数の変数からなる多変数関数のようなモノの適正値を探すときに、とりあえず1種類の変数だけを実験的にイジッてみて、その後に測定してみることで調整していく方法です。フレデリック・テイラーという機械工学者が、工作機械の研究での旋盤加工の回転速度・送り速度・直径・角度などの他変数の最適条件を探す研究の際に、こういう探求手法を1880年ごろに提案しました。<ref>橋本 毅彦 著『「ものづくり」の科学史 世界を変えた《標準革命》』、講談社、2018年3月13日 第7刷発行、143ページ</ref> ただし、あくまでテイラーのこの手法そのものは、研究の方法でしかなく、つまり活用可能なのは大企業の工場のような十分な予算と研究員のいる場所でのビッグビジネス的な企業での科学研究的な方法なので、中小零細の企業での設計の実務では、そのままでは合わない方法かもしれないので、私たちは適宜、自分の勤務先の状況に応じて「パラメータ・バリエーション」をアレンジして応用する必要があるのでしょう。 歴史的には、パラメータ・バリエーションの考え方のほうが古く、ストリンガー経営哲学やゲーム調整方法よりも古いですが、しかし歴史の順番どおりに学ぶ必要はないです。学習はたいてい、現代の実務的な方法から学んでいくほうが効率的です。 :もし数学の用語に読者が詳しいなら、「パラメータ・バリエーション」とは、実験による検証において「偏微分」(へんびぶん)や「変数分離法」を合わせたような、謎(なぞ)の調整手法を、解を求める代わりに擬似的に実験で用いたモノという表現でしょうか。 :ちなみに物理学の解析力学という分野にある「変分法」(へんぶんほう)という計算手法を英語でバリエーションというが、しかし、ギルブレスのいう「パラメータ・バリエーション」は明らかに(物理学の)変分法とは別の手法である。 }} たとえば機械設計の業界で昔から言われている教訓として(なるべく新規設計では)「材料と構造を同時に変えるな」というのがあり、日経クロステックのwebサイトでもそう紹介されています<ref>[https://xtech.nikkei.com/dm/atcl/column/15/417263/090500105/ 『新規設計の問題点を発見する近道 日産で生まれた不具合未然防止手法(7)』インタビュー相手:大島 恵(日産自動車 技術顧問)および奈良 敢也 (日産自動車 車両品質推進部 主管)、2016.09.06]</ref>。引用元の日経クロステックの記事では「2つ以上のものを同時に変更するときは、組み合わせによる問題が起こりやすいことを示唆している」と指摘されています。 自動車業界だけではありません。航空機業界でもそうです。 三菱航空機が国産航空機 MRJ に開発失敗した原因のひとつが、このミスです<ref>[https://www.youtube.com/watch?v=2kg1prxnTms (動画)テレ東Biz 『国産ジェット“MRJ”開発断念 三菱重工 “失敗”の背景にある複雑な事情(2023年2月17日)』, 2023/02/17 . 3:30 ]</ref>。採用事例のまだ蓄積していない最新技術を根本の仕様としていくつも導入してしまい、それを機体の基幹部品にしてしまったために、アメリカでの安全性の証明が取れずに、最終的に事業撤退になりました。 にもかかわらず、経産省が相変わらず、オールジャパンで国産旅客機の開発を再開しようとしており、ロードマップにて、複数の新技術を入れようとしています<ref>[https://www.youtube.com/watch?v=GSwf-z2wHyA 『【復活】国産旅客機の開発を目指すと経済産業省が発表しました!』, 2024/03/30]</ref>。水素利用とか、グリーンイノベーションとか。 日本だけでなく、韓国の兵器開発なんかも、似たような、普通の設計が出来ないのに、先端的な技術ばかりを導入しようとして、いつも頓挫します。いまや、一部の分野では北朝鮮にすら抜かれています。 医学の世界では『標準医療』といって、普通に普及している治療技術こそ、実は世界中で検証されている、費用対効果のもっとも優れた治療法だと考えられています。医学書で、医学書院(出版社名)が『標準生理学』とか『標準薬理学』とか出していますが、そういう意味合いです。 {{コラム|動点固定法| ;悩みは個別に切り分けるのが解決の基本テクニック 例えば、「僕はクラスのA子が美人だと思うのですが、でもA子は特に僕に気がないようで、それどころかA子は僕をいじめるときもあるし、僕は成績も普通でスポーツの成績はあまりよくなく、進路は○○を目指していますが(以下略)」という悩みがある場合、問題を切り離して、解決しやすい問題から解決していけ。 まず、A子がときどきお前をいじめてくる問題については、他の問題と切り離して考えろ。これは他の問題と切り離しやすいから。進路やそのための学力も、他の問題と切り離せる。お前の受験勉強で解決できるからだ。 そして、そういう問題の切り離しをした上で、美人のA子が好きでいるべきかどうかという問題については、まず他の問題と切り離して、これだけ考えろ。 いじめてくるA子なんて忘れるもよし。どうしても美人の忘れたくなくて未練が強く残るなら、イジメの復讐としてレイプするとか、いろいろと行動の選択肢がある。 }} {{コラム|「困難は分割せよ」| 「仕事がうまくいかないときは、この言葉を思い出してください。『困難は分割せよ。』あせってはなりません。問題を細かく割って、一つ一つ地道に片づけていくのです。この言葉を忘れないでください。」 この考え方を大人向けのビジネスや設計にアレンジしましょう。具体的な手順としては、まず、 # 箇条書きなどを用いて、問題をそれぞれ解決可能なレベルにまで分割して書き出すことで、問題の要素分解および「見える化」をします。 # また、問題を分解したことで、とくに解決したい問題は優先的に解決するなど、優先順位をつける事も出来るので、その後は効率的に作業できます。 # そうすればあとは、優先順位の高い順のうち、解決可能な問題をひとつずつ解決・対応など具体的行動をしていけばいいのです。 このように箇条書きなどによる可視化をもちいて して、問題や悩みを、これから自分のするべき行動の「計画表」に置き換えていくのです(つまり問題を「ToDoリスト」「やることリスト」などといったものに置き換える)。 たとえもし結果的に問題を解決しきれなくても、何もせずに放置した場合よりかは事態は遥かに好転しているでしょう。 }} === 数学的に不可能なことなど === {{コラム|小室直樹の「二値最適化」の問題| 政治哲学などの格言で「最大多数の最大幸福」という言い回しがありますが(なおこの格言を『ベンサムの功利主義』という)、しかし京都大学の数学科出身の経済学者・政治学者の故・小室直樹の著書によると(経済評論の書を多く出している)、これは数学的にはありえないとの事です。 小室の言い回しは忘れましたが、たしか「二値最適化」のような表現で言うらしく、それは数学的に存在しえないことが証明されているとおことです。一般に、(二変数関数ではなく)二値以上の関数を同時に最適化するのは、数学的に不可能とのことです。なお、数学・工学では「変数」は入力のことです。一方、「値」は出力のほうです。 小室が言及したか覚えてないですが、二値最適化の例外があるなら、たまたま偶然に同じタイミングで複数の出力値が最大化する関数などの特殊な形状の関数でない限り、一般には二値最適化はありえないでしょう。 小室によると、そもそも「幸福」をどう数値化するのかという議論が昔からありますが、仮になんとか幸福を数値化できたと仮定しても、二値最適化は数学的には不可能とのことです。 数学的にありえるのは、「一定多数の最大幸福」または「最大多数の一定幸福」のみだと小室は著書で言います。 小室は三値以上については述べてませんが、たったの「二値」ですら同時に最適化するのは数学的にはありえないわけですから、ましてや三値の同時最適化はありえないのは明白でしょう。 小室は東大・京大・ハーバード大などを卒業して著書多数で先端の経済学・政治学・法学を学んで著書まで書く経済学者・政治学者ですから(ただし学位は法学博士)、もし三値最適化がありえるのなら、そういった大学の後輩の天才たちがとっくに議論して経済学書などに書かれるわけです。書かれてないのですから、推して(おして)知るべきです。 ただし「二値最適化がありえない」の前提として、人口集団の性質や規模の前提として、経済学で扱うような十分に人口が多くて経済規模も大きい集団を前提にしているでしょう。 小室は特に前提を語っていなかった気がしますが、上述の仮定のため数学的には連続関数(ほとんど途切れずに、つながっている関数)で滑らかな関数(ほとどの場所で微分可能な関数)を前提にしていると思われます。 ;パレート最適 一応、経済学では「パレート最適」という、複数の(出力値ではなく)入力変数の調整に対応する理論もあり、パレート最適はどういう手法かというと、「どうやら現状が最適でありそうだ」と思われる状態になったら試しに条件を部分的に少しだけ変えてみて、もし悪化したら、「変更前の状態こそが、現状の条件の近くででは最適っぽいようだ」とみなす手法です。 しかしこれは出力値ではなく入力変数だけ複数の場合の手法です。出力値そのものが複数個の場合については、「パレート最適」の理論は何も保証していません。 }} == メンテナンス用の書類の概要 == 完成形をつくるだけの「設計図」的な「仕様書」だけでは、バグ発生時や設計ミス発生時などのさいの修理が不可能です。 また、ITソフトウェアなら、移植などの際に、もしソースコードだけしかなくて書類不足だと、「コードがどのように動いているのか?」を後任の人が把握できずに、移植困難になってしまうトラブルもあります。 前任者が会社を辞めてしまっている場合などもあるので、色々と書類が必要でしょう。こういうことから、もし下記のような資料が無いと、不具合の発生時に、修理のための設計変更で、どこをどうイジればいいか特定できず、困ります。 :* 部品と機能の対応表(下記では「フロー図」、「コード解説書」などと呼称することもある) :* 「なぜ、こういう設計になったのか?」という設計者の思考の経緯を伝える資料 というか、残念ながらこういう資料の不足している職場は多く、なので日本のIT技術者は困っています。 上記書類のうち、特に「部品と機能の対応表」、「コード解説書」は、メンテナンス目的以外にも、設計図のチェックにも利用される。なので、そういう目的もあるので、ぜひ作成しておくのが望ましい。 「部品と機能の対応表」のことを、IT業界で何と言うのか、このページの著者は知りません。しかし、ともかくそういう対応表がないと、メンテナンスが後々に困難になります。 === なぜ書くのか === 発売後の(一般のIT企業では)ソフトにも、修理・メンテナンスが不可能になる場合があります。 そのため、製造業などの組み込みソフトなど、まともなIT業務では、ソースコードの内部構造・全体構造のコード解説書とでも言うべき書類があることが望ましいです。(特に名前は決まっていない。また、中小企業などでは作成しない場合もある) 一般のIT企業では「内部設計書」や「プログラム設計書」などの名前の場合もありますが、しかし既に設計図などで大まかな指定はできていますので、設計の時点では、これらの「設計書」が不要な場合も多くあります。 これらの書類の目的は、どちらかというと、設計よりも、後日に読み返したときのメモ書きです。主要な変数、主要な関数などは、第三者が、なんのドキュメントも無い状態でその意図を読み取るのは、なかなか手間が掛かります。なお、最終製品やあるいはコードだけから逆に設計書や設計図などを書き起こすことを「'''リバース・エンジニアリング'''」と言います。リバース・エンジニアリングは、本来なら、後任者などには、させるべきではないのです。 大目的として、完成後のメンテナンスなどの際に、'''リバース・エンジニアリングという手間のとても掛かる作業を、けっして後任者にしないでも済むように書類を残すのが、正しい書類作成および書類管理のありかた'''です。これが、前提の大目的です。これさえ押さえてくれれば、ほぼこのページで言いたいことは尽くされています。このページの残りの説明は、単にイメージを具体化するためのケーススタディです。 会社でリバース・エンジニアリングの手間の発生が起きるのは、経営者にとっても時間と予算のロスでしょう。また、リバース・エンジニアリングをさせられる側である社員も、利益を生み出すわけではない作業に時間を多く取られ、とても負担です。なのでとにかく、リバース・エンジニアリングの発生予防が必要です。 で、具体的にどうすればいいかというと、リバース・エンジニアリングの発生を防ぐためには、なんらかの方法で、少なくとも主要な変数や関数と、その設計意図の対応表のようなものが必要です。 (完成図である)設計図だけでは、このような機能の解説をするのは不可能または困難なので、さらに変数・関数と、設計意図との、対応表のようなものが必要です。この対応表のようなもののことを本wikiでは「コード解説書」と呼んでいます(IT業界で何と言うのか知りません)。(設計図だけでも機能の解説を出来ているなら、その部分は解説書に書く必要はありません。) 要するに、'''機能と部品との対応表'''も残すべきだという亊です。「この部品、どの機能に対応してるの?」ってのが分かればいいのです。 異業種の例ですが、下記の2つの回路の図面を見比べてください。 [[File:Flipflop-RS OR Clock no module japanese.svg|left|thumb|400px|クロック入力付きRSフリップフロップ(NOR型)]] [[File:Flow Drawing example jp.svg|thumb|500px|フリップフロップをフロー図で表現した例]] {{clear}} どう比べても、右の「フロー図」のほうが、仕組みが分かりやすいでしょう。もし回路設計の専門外の素人が上記の回路図面を見ても、フロー図のほうなら機能が一目瞭然です。 このように、部品と機能を比べる書類があれば、とても後任者がラクになります。 また、このような部品と機能の対応の書類を作っておくことで、設計ミスの防止にもつながります。 上記の図面の例は、電気回路の設計の業界のハナシなので、ITではないですが、ともかく、こういう'''部品と機能の対応表'''があると、仕事がいいカンジです。 「フロー図」だの「コード解説書」などの名前はどうでもいいです。重要なのは、'''部品と機能の対応表'''を残しておけ、という事です。 逆に言うと、部品と機能の対応が分からないような書類ばかりを作っていても、無駄です。 けっして、やみくもに「○○設計書」のような名前の書類をいくつも残すのではないべきです。目的である、「部品と機能の対応表」を忘れないようにしましょう。 IT業界でこういう書類を残しているか知りませんが、少なくとも電子回路の業界では、こういう書類を残しています。けっして、(ブラック企業だらけだと悪評高い)日本IT企業の習慣のマネではなく、世界に冠たる競争力をもつ日本のB to Bの電子機器の製造業の手法をマネしましょう。 {{clear}} 一般の企業でのITソフトは、発売後から10年後や20年後にもメンテナンス等が必要な場合があるので、コードの全体構造の解説書が必要なのです。たかが1~2年で流行の廃れるソフトの管理手法なんか、手本にしてはいけません。 コード解説書を書かない場合、それでも将来的なリバースエンジニアリング予防のために解説を残したい場合には、おそらくですが、代わりに「仕様書」などの既存の種類に流用で、変数名や関数などの指定を記載したりする必要が生じるかもしれません。ソフトウェアの設計図(完成予想図)はその性質上、解説などはあまり長く書けません。それはそれで一つの方法です。勤務先などに応じて、うまく方法を選んでください。 しかし、個人製作ソフトの場合、仕様書は無いのが普通なので、簡易的にコード解説書を書いたほうが早いかもしれません。プログラミングは、仕事や学業などの都合で中断される場合もありますが、再開後に、中断前のアイデアなどを思い出すためにも、コード解説書は書かれていると便利です。(コレがないと、時間が経つと、ほぼ作業内容を忘れる。) さて、経団連企業などの東証一部の上場企業のIT業界の人が「仕様書を書かないと、あとでコードの仕組みを忘れる」とか言ってるのは、きっと、このコード解説書のことでしょう。経団連発言の時代的な文脈的に、けっして要件定義書とか完成予想図とかのことではないハズなので、勘違いしないようにしましょう。 このコード解説書の書き方には、けっして、決まった書き方がありません(なので、市販の入門書では、紹介されてない)。ですが、ともかく、経団連企業とかの技術系企業の設計部門では、こういう書類も書くのが望ましいとされています。 重要なことは、コードのどの部分が、ソフトウェアのどのような機能を実現するために、何を構成しているかと言った情報を、コード解説書または仕様書などで残すことです。 === システム構造の書き方 === システム構造を解説するには、要するに変数名や関数名や、モジュールが、設計図に示した設計意図にどう対応しているかを、記載できれば良いのです。こういった大目的をまず忘れないようにしましょう。 では、どうやったら、こういう解説をできるのかを、これから考えていきましょう。 ソフトウェア開発前には実際のシステム構造(プログラムをどういう仕組みにしたとか、変数名をどうつけたか、とか)を書くのが難しいので、ある程度、開発が進んでから、開発中にシステム構造を書くことになります。 このコード解説書には、決まった描き方がありません。(なので、一般むけの「仕様書の書き方」入門書では、紹介されていない。) なお、この「コード解説書」書類の呼び名は特に決まっていません。呼び名が無いと不便なので、とりあえず「コード解説書」と呼ぶことにします。 === ファイルの解説を書く === まず、ソフトウェアのシステム構造を解説する場合、どのファイルがエントリポイント(コンパイル時に最初に呼び出されるファイル。Main関数などがある)なのか、そういうことから、コード解説書に書いてください。 C言語にはファイル分割という機能があり、ソースファイルを複数のファイルに分割できますので、実際のソフトウェアではファイルが何種類もできます。 なので、コード解説書にエントリポイントがどのファイルなのかを書いてないと、いちいち読者がファイルを開いて読まないと、どのファイルが最初に呼び出されるのかを理解できません。 :'''※ 注意:''' 下記では読者の共通知識のためゲームソフトを例に説明しますが(製造業の話題だとIT系の人が理解できないので、ゲームソフトで喩えている)、しかし実際のゲーム業界でどうしてるかは知りません。下記の書き方は、IT企業や製造業組み込みソフトなどでのファイル内容説明の書類の書き方を、単純にゲームにそのまま当てはめただけの説明です。 ファイル分割されたファイルが幾つも(いくつも)ある場合、例えばゲームソフトだとして、ジャンルがRPGなら :wikiFantasy.cpp :battle.cpp :map.cpp :menu.cpp などのようにファイルが幾つもある場合、 システム構造書に、 <pre> ファイルとその内容 * wikiFantasy.cpp : このソフトのエントリポイント(最初に呼び出されるファイル) * battle.cpp : 戦闘処理のファイル * map.cpp : マップ処理(フィールドやダンジョンなど)のファイル * menu.cpp : 「道具」「装備」などのメニュー画面のファイル </pre> などのように、それらのファイルが何を処理しているのかを第三者が分かるように書いてください。また、なるべく箇条書きで書くのが、読みやすくて便利でしょう。 当たり前に残すべきメモのように思えるかもしれませんが、しかしこういったメモが残されてない職場は多くあります。悪い見本です。とにかく、瑣末なことでリバース・エンジニアリングを後任者にさせないように書類を残す習慣をつけましょう。 ダメな一般IT企業だと本当によくあるパターンで、ファイル解説の書類など何も残ってないのに自社アプリのファイルサーバーには「system.cpp」などの漠然とした名前のファイルだけがいくつもある場合が時々よくあり、「systemって何のシステムだよ・・・」と後任者があきれたくなるファイル名のプログラムがいくつもある場合、これは大変にリバース・エンジニアリングの手間を発生させる、プログラマーにとってイヤなパターンです。 暗黙の前提ですが、画面名やファイル名などの名前を決める際には、具体的な名前をつけるべきです。 書籍『ゲームプランナー入門 アイデア・企画書・仕様書の技術から就職まで』によると、ゲーム業界でもそう指導されています<ref>吉富賢介『ゲームプランナー入門 アイデア・企画書・仕様書の技術から就職まで』、技術評論社、2019年5月2日、213ページ、</ref>。 ゲーム業界に限らず、一般のIT業界でも同様に具体的に命名するべきでしょう。つまり、「file1.cpp」とか「a.cpp」みたいなファイル名は厳禁です。また変数名でも「b」とか「variable1」(英語でvariableとは「変数」という意味)みたいな変数名は避けてもらいたいです。 なお、一般企業では箇条書きの説明をするとき、よくエクセルなどの表形式で説明することもあります。 {| class="wikitable" style=" text-align: center; margin: 2pt;" |- ! style="text-align: center;" | 変数名 !! 内容 !! 注記事項 |- | wikiFantasy.cpp || このゲームのエントリポイント(最初に呼び出されるファイル)|| |- | battle.cpp || 戦闘処理のファイル || |- | map.cpp || マップ処理(フィールドやダンジョンなど)のファイル || |- | menu.cpp || 「道具」「装備」などのメニュー画面のファイル || |- |} のような表形式でよく箇条書きが書かれます。 開発した原作者には、「ファイル名から予想がつくだろ?」と当然に思うことであっても、意外と、通じない場合がありますので、きちんとコード解説書に、ファイルの処理内容を文章で書くべきです。 例えば、RPGの「メニュー」と言われても、あなたは「道具」「装備」などの画面を思い浮かべても、ほかの人は、戦闘シーンの「戦う」「逃げる」などのコマンド画面を思い浮かべるかもしれませんし、あるいは会話イベントの「はい」「いいえ」などの返事の選択画面を思い浮かべるかもしれません。 また、「マップ」 map と言われても、あなたは「主人公が現在いる場所の周囲」を思い浮かべても、ほかの人は、道具「地図」を使うと画面表示される世界マップと、世界地図のなかでの、主人公のいる地方の位置を思い浮かべるかもしれません。 または、「洞窟などのダンジョンの構造が書かれた地図のような道具が、そのゲームの中にあるのでは?」とか想像する人もいます。 このほか、数学用語で「map」(日本語でいう写像(しゃぞう)のこと)という用語がありますので、それと混同される場合もあります。 このように、ファイル名だけだと、いろいろと想像されてしまいます。 なのでコード解説書を作る場合、もし仕様書側に解説が無い項目なら、そのファイルのソースコードを読まなくても理解できるように、きちんとファイル内容の要約を解説書に書きましょう。 このほか、どうしても「System.cpp」とかのような漠然とした名前のファイルがある場合、何のシステムなのか、わかるように書いてください。(そもそも、そういう漠然とした名前を避けたほう安全ですが。) === パラメーターの名称と内容を書く === たとえばRPGを作るなら、 <pre> パラメータとその内容 * chara_name : 勇者「イノウエ」や魔法使い「タナカ」などの名前 * chara_level : 人物のレベル * hp : ヒットポイント * hp_max : 最大ヒットポイント * mp : マジックパワー * mp_max : 最大マジックパワー * sp : スキル パワー * sp_max : 最大スキル パワー * attack_power : 人物の攻撃力 * defence_power : 人物の防御力 * strength : 人物の腕力 * magical_force : 人物の魔力 * wise : 人物の賢さ * mental : 人物の精神力 (後略) </pre> などのように、そのゲームで使うパラメーターについて、ひととおり、変数名と、その内容の要約を書いてください。 たとえ原作者には「当然だろ」と思えることであっても、他人には意外と通じません。 たとえば、「defence_power」と言われても、仮にアナタは「防御力」のことだと思っても、ある人は :「戦闘コマンド「防御」を選択したときのダメージ減少量なのか?」 とか、思うかもしれません。 また、防具の防御力と、人物の防御力とを、同じ変数にするか、違う変数にするのかどうかも、「defence_power」という名前だけでは分かりません。 でも「人物の防御力」というように要約があれば、「あっ、防具の防御力は、人物の防御力とは別の変数なんだな!」って分かります。 また、 :magical_force : 魔力 :wise : 賢さ :mental : 精神力 のような、魔法のような非現実的なファンタジーを前提にしたパラメーターがある場合、そのパラメータが何に影響をするのか、仕様書のほかの部分に書いてください。 例えば、 :「魔力は、最大MPだけに影響するのか、それとも魔法の威力にも影響するのか?」とか、 :「敵のつかった魔法攻撃で味方のうけるダメージに、魔力は影響するのか?」とか、 :「賢さが増えると、魔法は強くなるのか?」とか、 :「精神力は、賢さ と、どう違うのか?」とか、 上記の要約だけでは、疑問がどんどんと出てきます。 市販のRPGでも、「魔力」「賢さ」「精神」の数値が増えると、何に影響するかは、ゲームごとに違います。 つまり、 :「このゲームでは、魔法の威力は、○○と△△によって決定される。」 :「最大MPは、□□によって決定される。」 などのように、何によって決定されるのかを、書いてください。 もし要件定義書など別の書類に書いてあるなら、それを参照する形で簡略化してもいいですが、しかし要件定義書には一般に変数名(「attack_power」とか)は書かれていないので、やはり、こういうコード解説書も作っておくのが良いでしょう。 :業界によっては、この変数名などの詳細を指定した書類を「プログラム設計書」と読んだりして区別する場合もあるが、業界や会社ごとに意味がバラバラなので、本ページでは、その呼び方(「プログラム設計書」)は用いないことにする。 たとえ、コード解説書の記述が、他の書類と説明がいちぶ重複していても、かまわないでしょう。 むしろ、他の書類と相互に照合することにより、設計ミスなどを見つけやすくなる場合もあります。 とはいえ、コードのすべてを解説するのも時間的に困難なので、説明に優先順位をつけ、設計者に必要なことを優先して書くようにしましょう。 なお、このコード解説書を書く場合、けっして単に「どこの変数の内容がいつ、どういう内容に変わる」とかだけを書くのではなく、その作業を通して何を実現しようとしているのか等の意図も、書くようにしましょう。 自分の書くコード解説書でバグのある内容を記述してしまうというミスをしてしまう場合もあります。なので、万が一、そういうミスをしてしまった場合に、将来的に仕様書を読まされる後輩たちが修正しやすくするためにも、できれば各コードの意図・目的なども併記するようにしましょう。 たとえ執筆時点でバグは無くとも、ソフトウェアによっては将来的にOSやらミドルウェアやらの変更が必要になったりする場合もあり、そういう場合に既存の仕様では動作しなくなる場合もあるので、仕様に変更の必要が生じる場合もあります。 もちろん、細かいことはソースコードにコメント文で書け済みますが、しかしもしソース側でかけないような事があれば、解説書の側で書くと良いでしょう。 なので、そういった将来のミドルウェア変更のような事態も見越して、特に重要になりそうな各プログラムがあれば、そのプログラムの作業内容の意図・目的なども、できれば、どこかに書いておきましょう。 とにかく、それぞれの書類で説明が他書類と重複していて説明文がやや増えても、説明の多いぶんには、デバッグが効率化するので問題ないのです。仕様書の分野では、説明の「大は小を兼ねる」です。 === 後任者は思考の経緯も知りたい === 後任者が、仕様書や「要件定義書」や「○○設計書」などの各種の書類などを読むのは、仕組みを把握したり完成目標を確認する理由のほかにも、前任者の開発の経緯やそれにともなう思考の経緯を知りたいという理由もあります。 たとえば、もし古いソフトに不具合が出たときなどに、設計ミスなので設計変更が必要ですが、 後任者がどこの設計部分がどういう事情でそういう設計になったかが分からないと、後任者がどう設計変更でイジレナイからです。 (実際には書類不足などで前任者の意図が分からない場合も多く、そのため、テストを頻繁に繰り返すことになり、工期が増えて残業なども増えてしまったりします。)なので、もしも書類がうまく残っていて、前任者の「こういう理由で、こういう設計にしました」という設計者の思考の経緯が書類に残っていれば便利です。というか、それが無いと困ります。しかし困ったことに、無い場合が多いので、日本の技術者はよく困ります。 設計者の思考の経緯を伝えられるような、そういう定型の書類形式というのが、ありません。「要件定義書」、各種の「○○仕様書」、「△△設計書」などを見ても、そこには通常、思考の経緯は書かれていません。 「要件定義書」や「○○設計書」などは無いよりかはマシで、思考の経緯などを推測するヒントにはなりますが、あくまでヒントどまりです。 「部品と機能の対応表」のようなものがあれば、かなりヒントにはなりますが、しかし、それでもヒントどまりです。 なお「部品と機能の対応表」の目的は、けっしてヒント目的だけでなく、設計内容のチェック用資料や他ソフトなどとの連携をする際の資料なども兼ねています。なので、たとえ思考の経緯を残した書類を書けても、「部品と機能の対応表」の種類も書類作成を省略せずに作るべきです。 とにかく、後任者のために書類を残すとき、思考の経緯もうまく手短かに分かるように書類も作りましょう。 このコード解説書のページ数は特には決まっていませんが、おおむね、持ち運びやすい程度の厚さになるページ数にしておくべきでしょう。 === よくあるトラブル: メンテ資料紛失 === この手のメンテナス資料でよくあるトラブルが、退職エンジニアの資料紛失です。 会社の上司が、メンテナンス資料の定期チェックをサボりたいあまりに、担当エンジニア個々人のパソコンにだけ資料を保存させておいて、そのエンジニアが退職などしたときに資料が紛失するトラブルが日本各地で多発しています。(もし印刷すると、正式資料と混同されるので、紛らわしいから、印刷しない場合が多い。)退職したエンジニアの使っていたパソコンは、次の新人のためにフォーマット初期化するので、フォーマットの際にメンテナンス資料も消えてしまうというトラブルです。 「会社の共有フォルダにメンテ資料を置きましょう」と提案しようにも、しかし上司のチェックすらされてない資料が共有フォルダに置かれるわけもないので、結局はそういう会社ではエンジニア個人のパソコンでメンテ資料を管理させられたりもします。そして、いつしかメンテ資料が消失しています。 ;対策 この手の資料消失のトラブルを未然防止する簡単な方法は、定期的に、部署の部長課長などや上司などの管理者が、現場エンジニアから上がってきたメンテナンス資料の原稿を、(管理者が)定期的にチェックする必要があります。 また、こうやって定期チェックすれば、万が一、メンテ資料消失しても、資料を普段から検査してきた上司や検査担当者の頭の中に記憶が残っているので、ノウハウの復旧が比較的に容易です。 ;解説 しかし、部長や課長などが原稿チェックを面倒くさがっていると、上述のようなトラブルになります。 どこの技術系の企業でも、設計図のチェックは念入りに行いますが、しかしメンテナンス用資料のチェックが省略されたりする会社が多くあります。 資料紛失は会社側の自業自得でもあります。 なお、上司がチェックを面倒くさがっているという理由でメンテ資料が個人管理されている場合、当然、その資料は印刷などはされていません(もし印刷すると、正式資料と混同されるので、紛らわしいから、印刷しない) なので、退職しなくても、ハードディスク故障などが起きればメンテ資料は消失して一巻の終わりです。 退職が決まったときに会社は引継ぎ資料をエンジニアに作成させようとしますが、当然、上述のような技術資料が急に作れるわけもなく、そもそも資料の内容が上司や同格の技術力のエンジニアから検証チェックもされてないので信頼性も不明だし、よって急ごしらえの資料作成は大抵、失敗に終わります。 根本的な原因は、メンテ資料のための作成費用を普段から出していなかった会社の態度です。また、この手の会社は、そもそも論として、退職エンジニアより昔の前任者からのメンテ資料すら用意していないのが通例です。そんな杜撰(ずさん)な管理体制なので、大抵の企業では、急ごしらえのメンテ資料の作成は失敗します。会社の自業自得です。 つまり資料消失であわてる会社というのは、そもそも、まともにメンテ資料の上司によるチェックもしていなかったという会社であり、いろいろと自業自得です。 == 「単位動作」という概念 == 主に機械工学教育の用語なのですが、「単位動作」という用語があります。 たとえば、熟練工の動作は、一見すると色んなスキルを習得しているので複雑に見えますが、しかし動作のひとつひとつは、たとえば卓上ボール盤なら教科書どおりの卓上ボール盤の使い方ですし、やすりがけ の動作も、教科書どおりの動作です。 複雑な動作も、教科書どおりの動作を、組み合わせただけに過ぎません。 そして、その やすりがけ だけの動作の説明も、図や写真などを使って、「手順1:○○をする。」、「手順2:△△をする。」などと一段階ずつ、1ステップも抜かりなく 教えます。 だから、工業高校や大学の機械工作実習では、教科書どおりの動作をひとつずつ、教えます。 けっして、いっぺんにまとめて、別種の動作を教えません。 このように、動作をひとつひとつの単純な動作に分解することを単位動作といいます。 なぜ、わざわざこんな事を説明するかというと、世間では複雑な物事を説明するときなのに、いっぺんに教えたがる人がいます。しかし、そういう教え方は、多くの開発現場ではNG(エヌジー、ノー・グッド)です。 残念なことに、インターネット上には、一見すると説明書の文章量が多くても、実態を読むと、このような作者以外でないと操作方法を読み解けないようなダメな説明法をされているツールも、残念ながらネットに多く公開されてしまっています。 単位動作を意識した解説の書き方は、べつに難しくなく、普通に、 たとえばwindowsのオフィスソフトなどのヘルプファイルや、あるいはオフィスソフトについての市販の操作解説書のように、 「~~をしたい」といった操作目的の種類ごとに一個ずつ手順を段階的に教えればよいだけです。 単位動作の説明を軽んじる人が根本的に勘違いしていることは、「複雑な動作を練習したほうが、スキルが上達する」という勘違いです。 むしろ物理学の公式のように、単純で短いものに置き換えたほうが、物事を考える際の部品として使いやすくなるのです。 だから実際の順序は、「単純な動作を見つけ出すために、その何倍もの練習や試作をする」のです。たとえるなら、発明家の努力のようなものです。「99%の努力の上での、1%のひらめき」です。 == 実社会のデータベースでは過去データは消さない == 在庫管理ソフトで、もし在庫部品データで、購入元メーカーで生産中止になったりした部品があっても、一切、在庫データベースからは登録を消しません。 もし消したりすると、次の登録番号の部品との登録情報の連続性が無くなり、登録データが飛び飛びになるので、大変に管理が難しくなるからです。 だからともかく、生産中止部品のデータベース管理では普通、その部品の末尾コメントに「生産中止」などと書き足すだけにして、登録そのものは維持します。 また、自分が使っていなくても、過去の自社製品を購入した客先がその部品を組み込まれた自社製品を使っている場合もありますので、残す必要があります。 だからもし、生産中止でなく単に入力ミスなどで登録済みの部品をまた登録してしまったことが判明した場合も、 最新の登録IDでない限りは、消すのではなく、末尾コメントに「登録ミス。すでにID○番で登録済み。」のような記録を書いて残したままにするのです。 こういうのはデータベースを運用する際の基本テクニックです。 製造業の図面などの「部品表」の番号でも、同じようなテクニックが使われます。設計変更により過去の廃止になった部品に当てられていた番号は、消すのではなく、新規の番号を確保して、その新規番号に代替の新部品を割り当てるというテクニックです。 また、「登録IDを最整列して並び替える」なんてことは、一切、しません。そもそも、在庫ソフトにそのような機能も原則、ありません。 なぜなら、すでに紙に印刷した実物の台帳に保管されている登録ID番号までを、在庫管理ソフトで書き換えることは不可能だからです。 一般に在庫の台帳は小さな事業所でも数千種類の在庫部品があるので、台帳にあるその数千種の再チェックをするのは時間の無駄なので、並び替えはしません。もし在庫番号の並び替えをすると、「本当に並び替え後の番号が合っているか?」などのチェックの手間が生じます。 == 品質の検証 == 製造業でもIT企業でも品質の検証は、部品ごとの検証と、全体の組立てをしたあとの検証という、最低でも2段階です。 少なくとも、自動車業界はそうです。 個々の材料部品などは、実際に引張り試験や荷重試験などを実際に物理実験を行い、部品の耐久値が規定や要求仕様を満たしているかを、事前に確認します。そして自動車の走行試験や衝突試験などは、実際に部品を組み立てて製品の状態である自動車にしてから走らせて見るしか、方法はありません。 チェックにおいて、シミュレーションなどは無駄です。なぜなら、もしそのシミューレション手法自体にバグや不具合が潜んでいたら、元も子もありません。 「チェックの最終確認においてシミュレーションが無駄」といのは、これは自動車業界だけでなく、航空宇宙などでも同様です。日本のJAXAは「はやぶさ」の部品モジュールの開発において、実際に部品を組み立てたうえでの(シミュレーションではなく)物理実験をしています(※ 講談社ブルーバックス『小惑星探査機「はやぶさ」の超技術』で確認できます。)。 また、産業技術総合研究所での測定の国家標準器開発などでも同様の手法であり、実際に測定器を製品として組み立てた上での物理実験をしています(テレビ番組では、TBS科学番組『夢の扉』でメタンハイドレート採掘の産総研の研究者が、そうシミュレーションの問題点を指摘しました)。 ソフトウェアの開発では原理的に物理実験は無理ですが、それでも不具合対策の確認は、最終的には、実際にそのソフトをユーザー視点で使用してみる「実践」/「試用」しかありません。 ソフトウェア業界だと、個々の部品ごとにチェックすることを「単体テスト」といいます。一方、全体的に組みたててみてチェックすることを「ビッグバンテスト」と言います。 ;シミュレーションの目的はコストダウン投資 さて、チェックにおいて、シミュレーションなどは無駄であり。なぜなら、もしそのシミューレション手法自体にバグや不具合が潜んでいたら、元も子もないのでした。 ではシミュレーションの意義は何かと言うと、工業系に強いライター(「文筆家」の意味)の山根一眞『メタルカラー』シリーズのどれかに書かれていると思いますが、意義はけっして直接のチェックではなく、既に行った物理的な検証実験をもとにそれをシミュレーションと照らし合わせることにより相互検証することで、検証回数を減らすことにより費用節約するのが目的です。 たとえばシミュレーションなしでは20台の機械装置を耐久実験のため壊さないといけない工程であると仮定して、もしシミュレーションありなら耐久試験で壊すのは12台ですむ工程にできるなら、今後の自社の新製品では8台ぶんの費用が節約できます。そういうコストダウン投資のためにシミュレーションをするのです。 == 品質テスト == ソフトウェアのテストは、IT企業では、よく新人がやらされる仕事でもあります。新人研修に組み込まれていたり、研修明けによく与えられる仕事でもあります。 なぜなら、自社ソフトウェアの内部構造の知識が乏しくてもテスト自体は可能だからです。 製造業などでも、多品種少量生産の設備機械そのものの生産では、たとえば簡易的な耐久試験などのために「実機のボタンAを押した後に画面遷移後にボタンBを押すのを、50回繰り返す」みたいな簡易的かつ長めの時間の繰り返しテストは、よく新人の仕事です。(なお、50000回の繰り返しみたいにテストが長すぎると人間じゃ無理だし(機械で繰り返すことになる)製品が磨耗して壊れたり製品寿命が大幅に減るので、せいぜい人間でも可能な500回くらいまでにとどめて、人間がテストしたりします。) どの業界でも、テストのうち、時間の掛かる繰り返し試験は、よく新人に与えられる仕事です。 いちおう、設備機械の組立て直後の段階で、「ボタンAを1回だけ押すテスト。ボタンBを1回だけ押すテスト。」みたいな(繰り返しでない)短時間テストは、機械を組み立てした生産者本人が現場で行います。しかし、「500回繰り返す」みたいな仕事は長いので、新人がテスターを行うのがよくある会社風景です。 == オーバーエンジニアリングを避ける == 「オーバーエンジニアリング」(over engineering)という用語があり、善かれと思ってもか、余計な設計をしてしまう事です。」 たとえばソフトウェアの設計の場合、あらゆるバグを想定して個別に対応したコードを書こうようとしてしまうと、コードが長大になってしまい、保守性がいちじるしく低下してしまいます<ref>[https://zenn.dev/yutoo89/articles/f32e466480e102 『オーバーエンジニアリングが悪い理由と対策』2023/07/30に公開]</ref>。 システムのあらゆる部分にバックアップを持つのも、時間的にも費用的にも不可能であり、オーバーエンジニアリングです。 製品と寸分も違わぬデザインパターンを追求しようとして<ref>[https://techracho.bpsinc.jp/hachi8833/2018_02_14/51391 『YAGNIを実践する(翻訳) - TechRacho - BPS株式会社』 ]</ref>、ろくに実装もしないのもあります。また、そのような発想で書かれたマニュアルは、膨大な学習コストが必要であり、実用性が乏しいです<ref>[https://zenn.dev/yutoo89/articles/f32e466480e102 『オーバーエンジニアリングが悪い理由と対策』2023/07/30に公開]</ref>。 * MVP (Minimum Viable Product) 最小限の機能だけのプロトタイプを作る手法です。 生命などの安全にかかわるものでもないかぎり、失敗を許容しましょう。 * YAGNI (You aren't gonna need it、「そんなの必要ない」という意味) 機能が実際に必要になるまで追加しない方法です。 ソフトウェアの場合、あとからでも比較的に容易に追加できることが多いので、こっちのほうが良いでしょう。(ただし、航空宇宙や造船などは別かもしれません。) 「Premature optimization(早すぎる最適化)」も、オーバーエンジニアリングの典型例です<ref>[https://gigazine.net/news/20211126-overengineering/ 『余計な「念のため」でプロジェクトが死に至る「オーバーエンジニアリング」の問題とは?』 2021年11月26日 08時00分 ]</ref>。 == 脚注・参考文献 == [[カテゴリ:工学]] cu1yqwr9mld5aik5c7k1iodh3p0zmrs ジョーク集/エスニックジョーク 0 34208 276305 274944 2025-06-28T13:25:43Z うらふれ 82924 276305 wikitext text/x-wiki {{wikipedia|エスニックジョーク}} エスニックジョーク(民族や国民性や国家を題材としたジョーク)は、ある民族の典型的な特徴を誇張することで笑いを誘うものです。 この項では、エスニックジョークを紹介します。 ブラックジョークもあるので注意! == 前提 == よくジョークに登場する民族とその特徴は、しばしば次のように表現されることが多いです。なお、重複する特徴もしばしばあります。 *アメリカ人:大雑把、陽気、贅沢、ヒーローへのあこがれが強い、訴訟をよくおこす、地理の知識がない、銃社会、ケンカ好き、傲慢、独善的。 *イギリス人:皮肉屋、紅茶好き、紳士の国、合理的、料理が不味い、堅苦しい、賭博好き。 *フランス人:ひねくれ者、キザ、恋愛重視、感覚的、自己中心的。 *イタリア人:女好き、怠け者、陽気、グルメ、情熱的。 *ドイツ人:生真面目、合理的、技術大国、頑固、個人主義。 *ロシア人:酒好き(特にウォッカ)、旧ソ連の影響のあるものは秘密主義などの厳しい政治。 *日本人:真面目、技術大国、集団主義、働きすぎ、家が狭い、勤勉、金持ち、英語が下手。 *中国人:食へのこだわり・グルメ、ケチ、強引、法を守らない。 *韓国人:酒好き、日本へのライバル意識、他責思考、韓国起源説の主張。 *ユダヤ人:狡猾、金儲けがうまい。 *アイルランド人:酒豪、ケチ。 *ルーマニア(ロマ)人:高価なものや財布を見つけたらすぐ盗りに行く。ケチ。 *ポルトガル人:時間にルーズ。うるさい。ロマンチック。味覚が鈍感。 == 沈没船 == 世界各国の人が乗った船が沈没しかかっています。そこで、船長は各国の乗客を海に飛び込ませようとします。 * アメリカ人に対して「飛び込めばヒーローになれますよ」 * ロシア人に対して「海にウォッカのビンが流れていますよ」 * イタリア人に対して「飛び込めば女性に愛されますよ」または「美女が飛び込みました」 * フランス人に対して「絶対に飛び込まないでください」 * イギリス人に対して「海に飛び込めばあなたは紳士です」 * ドイツ人に対して「海に飛び込むのはルールです」 * インド人に対して「牛が溺れていますよ」 * 中国人に対して「おいしい魚が泳いでいますよ」 * 日本人に対して「みなさん飛び込んでいます」 * 韓国人に対して「日本人はもう飛び込みました」 * 大阪(関西)人に対して 「阪神が優勝しましたよ」 * 北朝鮮人に対して「今が脱北のチャンスです」又は「[[ja:w:金正恩|偉大なる第一書記様]]の命令です」 * 台湾人に対して「中国が飛び込めば侵略を諦めると言っていましたよ」 == 酒場にて == 頼んだ酒にハエが入っているのを見て、 * フランス人は怒って帰った。 * イギリス人はウエイターに取り替えさせた。2杯分の代金を払った。 * ドイツ人はハエを除いて飲んだ。 * ロシア人はそのまま飲んだ。 * アメリカ人はウエイターに取り替えさせた。1杯分の料金を払った。 * 日本人はアメリカ人と同じ。 * 中国人はハエを食べた。 * 韓国人はこれは日本のせいだ!と言って帰っていった。 * 台湾人は中国に腐肉を投げつけてあっち行けと言って帰った。 または * アメリカ人はビールを飲んでから不衛生だと裁判所に店を訴えた。 * イギリス人はビールを飲まず、皮肉を言って交換させた。 * ドイツ人は「アルコールで消毒されている」と思い、ハエを取り除いて飲んだ。 * フランス人は激怒して散々悪態をついて、もう一杯せしめた。 * ロシア人はすでに酔っぱらっていたのでハエに気付かずに飲んだ。 * ユダヤ人は「こら、これは俺のビールだ! 飲んだ分を返せ!」とハエを小突いた。 * 日本人は自分のジョッキにだけハエが入っているのを確認してからウエイターを呼んだ。 == 諜報機関 == ([[w:アネクドート#秘密警察]]より) 国連がソ連のKGBとフランスのGIGNとアメリカのCIAは誰が一番犯人を捕まえるのがうまいか証明しようとしていた。国連の事務総長は彼らをテストすることにした。彼は森に1匹のウサギを放つと、それを捕まえてくるよう各々に指示した。 CIAは、動物の情報提供者を森中に配置した。さらに、植物や鉱物の目撃者に尋ねて回った。そうして3ヶ月に渡る徹底的な調査が終了した後、彼らはウサギは存在しないという結論を下した。 GIGNは2週間捜索し、成果が得られないとみると森に火をつけウサギもろともみんな殺してしまった。彼らは謝りもせず、ウサギに責任があると言った。 KGBは2時間ほど森に入っていたかと思うと、ひどく痛めつけられたクマを連れてきた。クマはうめいて言った「へぇへぇ、俺がウサギでございやす、ウサギで」。 == 無人島 == 無人島に男2人、女1人が流された。そのときどうなるか。 *アメリカ人:男Aと女は結婚するが、すぐに離婚。男Bがその際の弁護士役を務める。 *ドイツ人:男Aと女は結婚し、男Bがその証人として書類を作成する。 *フランス人:男Aと女は結婚し、女は男Bと浮気する。 *イタリア人:3人で楽しむ。 *日本人:男2人はそれぞれ、女をどうすればいいかについて東京の本社にお伺いを立てる。 == 料理 == フランス人が言った 「日本は豊かだと思っていたがそうではないようだ。腐った大豆(もしくは海藻)を食べているなんて」 日本人が言った 「フランスは豊かだと思っていたがそうではないようだ。かたつむりを食べているなんて」 フランス人と日本人が言った 「イギリスは豊かだと思っていたがそうではないようだ。イギリス料理を食べているなんて」 == 銃 == アメリカで家族全員が銃殺される事件が起きた。それが報道された時アメリカ人は口を揃えて言った。 「もっと銃規制が軽ければ家族は銃で自分の身を守れたであろう!」 == 酒 == いつも一緒に酒を飲んでいるロシア人とイギリス人とドイツ人がいた。 ある日、ドイツ人が言った「俺の寿命はもう一年もないらしい。俺が死んだら、毎年俺の命日にウォッカを墓にかけてくれないか?」 それを聞いたイギリス人は「毎年欠かさずにかけてやるさ」と言った。 ロシア人も言った「俺もかけてやるよ。ただし一回腎臓を通してからでいいかな?」 == 新聞 == ある新聞が『アイルランド人はケチである』という内容の記事を書いたところ、アイルランド人の団体から抗議の手紙が届いた。その手紙にはこう書いてあった。 「貴紙の書いたアイルランド人はケチであるという話は事実無根でありこのような記事を書き続ける場合は我々アイルランド人は対抗措置として貴紙を他人から借りて読むのをやめることとする」 == 必要なものは == 国際的な会議でコロナ禍の今、なにが必要かについて話し合われた。 *アメリカ人は勇気、 *ドイツ人はルール、 *フランス人は愛、 *日本人は技術、 *ロシア人はウォッカと答えた。 周りはロシア人に聞いた。 どうしてウォッカなのかと。 ロシア人は答えた。 「ウイルスは抑制できないが、不安を抑制することはできる。」 == 来る時間 == *開始一時間前に来たのがドイツ人と日本人とユダヤ人、 *開始30分前に来るのがイギリス人、 *開始時間ちょうどに来るのがアメリカ人、 *10分後に来るのがフランス人、 *15分後に来るのがイタリア人、 *30分〜1時間後に来るのがスペイン人。 *いつ来るのか分からないのがポルトガル人。 *中国人は不法滞在しているので来られない。 == 天国と地獄 == 天国とは、 *コックは中国人(またはフランス人) *政治家がイギリス人 *エンジニアが日本人(またはドイツ人) *銀行員がドイツ人(またはスイス人) *恋人がイタリア人 *警察官がイギリス人 地獄とは、 *コックがイギリス人 *政治家が日本人 *エンジニアが中国人 *銀行員がイタリア人 *恋人がドイツ人(スイス人) *警察官がドイツ人(または中国人) または 天国とは *日本人の妻を持ち、 *アメリカ人の給料をもらい、 *中国人のコックを雇い、 *イギリス人の邸宅に住むこと 地獄とは *アメリカ人の妻を持ち、 *中国人の給料をもらい、 *イギリス人のコックを雇い、 *日本人の家に住むこと ※ 中国が経済成長をする前のバージョン。 == 幸福 == 幸福を買うかと神は各国の人々に言った。 *フランス人はワインとチーズがあるので買いませんと言った。 *イタリア人はパスタとサッカーさえあればいいので買いませんと言った。 *日本人は幸福を買い、領収書をもらった。 == たくさんあるもの == 列車にアメリカ人とキューバ人とロシア人と弁護士と中国人(インド人)と付き添いの中国人(インド人)と日本人が座っていた。 キューバ人は葉巻を吸い終えると「ハバナの葉巻は最高級品だ。だがわが国には捨てるほどある。」と言って残った葉巻を窓の外に投げ捨てた。 ロシア人はウオッカを飲み終えると「ロシアのウオッカは最高だ。だがわが国には捨てるほどある。」と言って残った瓶を窓の外に放り投げた。 日本人はカメラで写真を撮ると「日本の機械は最高だ。だがわが国には捨てるほどある。」と言って写真を取り出して捨てた。 それを聞いたアメリカ人は、弁護士を窓から投げ捨てた。 それも見た中国人(インド人)は隣の中国人(インド人)を投げ捨てた。 韓国人はその話を聞いて「それらのルーツはすべて韓国だ」と言った。 == アジア関連 == === 二次会 === 結婚式の後、日本人と中国人と韓国人が二次会に行くことにした。 * 日本人「みんなが行くなら私も行きます」 * 中国人「おごってくれるなら私も行きます」 * 韓国人(黙って二人を二次会の飲み屋に連れていく) === 国際会議 === *国際会議において一番難しいのはインド人を黙らせ、日本人を喋らせることである。 === 日本誕生 === *神様が日本列島を作りながら言った「この島々は日本と名付けよう。そしてこの国には美しい自然と素晴らしい文化と技術を与えよう。」助手がそれを聞いて言った「それではあまりにも日本が恵まれすぎています」神様は言った「安心しろ。多くの地震プレートや隣に朝鮮と中国、ロシアを作っておいた」 === お会計 === *アジア人はどちらが全額支払うかで揉める。 === 少子高齢化 === 日本の少子高齢化について国会で話し合われた。 それからしばらく経って日本人の代表者がその問題について会見を行った。 その日本人は高らかに宣言した。 「私が最後の日本人だ」 === 不良品 === *各国の工場に不良品は1000個に一個の精度でお願いします、とお願いすると 中国の工場は不良品が10個あった。 日本の工場では999個作り終えると、「不良品用の設計図が届いていないのですが」と連絡しに来た。 === 信用ならない言葉 === アジア人の信用ならない言葉3選 *日本人の「できません」 *韓国人の「できます」 *中国人の「できました」 === 38度 === 韓国の医学校で、生徒が先生に質問した。「先生、人は38度を超えるとどうなりますか?」「射殺されます」 === 診察 === 風邪をひいた日本人がアメリカのクリニックを訪れた。「How are you?」「I'm fine thank you, and you?」 === アンケート === 100人の日本人を対象にアンケートが実施された。「日本人は優柔不断な民族だと思いますか?」 *はい:13人 *いいえ:8人 *どちらとも言えない:79人 === 輸血 === 韓国の大統領が会談のために訪朝したが、道中で不慮の事故に遭い、意識不明の重体に陥った。 手術のために大量の輸血が行われたが、この時北朝鮮の官僚は思った。「今、ヤツの身体には北朝鮮人の血がたくさん流れている。親北思想に生まれ変わるに違いない!そうなれば韓国はあっという間に我らの手中に…!」 何時間にも及ぶ手術が終わり、大統領が意識を取り戻すと、開口一番に叫んだ。「金正恩の馬鹿野郎!」 === ジョークと日本人 === 日本人は1つのジョークで3回笑う。ジョークを聞いた時、隣の人にジョークのオチを説明してもらった時、家に帰ってからジョークのオチを理解した時。 === パン屋 === ロシアを観光中の日本人・中国人・韓国人・北朝鮮人が、パン屋に並ぶ長蛇の列に出くわした。 日本人「パンを買う人の大行列ができている。この店のパンは絶品に違いない」 中国人「パンを買う人の大行列ができている。ロシア人は律儀な民族に違いない」 韓国人「パンを買う人の大行列ができている。この店は苦情が殺到するに違いない」 北朝鮮人「並びさえすればパンが買えるのか。ロシアは民主主義国家に違いない」 === 日本人の怒らせ方 === 中国・韓国・ロシア・北朝鮮・アメリカが、日本人を怒らせたくなって、結託して意地悪をする事にした。 中国は尖閣諸島を奪い取った。韓国は竹島を奪い取った。ロシアは北方領土を奪い取った。北朝鮮は弾道ミサイルを何発も発射した。アメリカは核爆弾を2発もお見舞いした。それでも日本人は怒らなかった。 各国がお手上げ状態になったその時、日本のテレビであるニュースが報じられ、日本人は憤慨した。「回転寿司の卓上醤油のボトルを舌で舐める動画が拡散され…」 == 面白いジョーク == BはAに対して「面白いジョークを言えたら1ドルやるよ」と言った。以下は続き。 '''アメリカ&イギリス''' *A「あるアメリカ人紳士がいた…」 *B「君には負けたよ!絶対にありえないじゃないか!」 '''ロシア人''' *A「ある酒が嫌いなロシア人がいた…」 *B「君には負けたよ!絶対にありえないじゃないか!」 '''ドイツ人''' *A「あるユニークなドイツ人がいた…」 *B「君には負けたよ!絶対にありえないじゃないか!」 == 教皇 == 中世ヨーロッパには教皇が2人存在していた。 ある者が提案した。「みんなが納得する新しい教皇が必要だ。」そして3人目を出した。 結果は他の2人が認めず一時的に3人になり、問題を増やしてしまうだけだった。 == 嘘発見器 == 中国共産党の習近平総書記と日本の安倍首相とアメリカのトランプ(ブッシュ)大統領が、ウソ発見器にかけられることになった。ウソをつくと「ビー」とブザーが鳴る装置である。 はじめに習近平総書記が装置に座って言った。 「私はいつも考えています。中国だけでなく世界中が豊かになればいいと」 「ビー、ビー、ビー」 次に安倍首相が装置に座って言った。 「私はいつも考えています。日本と北朝鮮が良き友人になればいいと」 「ビー、ビー、ビー」 最後にトランプ(ブッシュ)大統領が装置に座って言った。 「私はいつも考えています」 「ビー、ビー、ビー」 == 拉致 == ブッシュ大統領がテロリストに拉致された。「500万ドル用意しろ!さもなくばブッシュを生かして返すぞ」 == 拉致その2 == 通勤中に渋滞に巻き込まれてしまった。すると前方から警察が歩いてきて窓をノックした。 「この先でブッシュ大統領がテロリストに拉致されてしまったんです。犯人は身代金を出さなければブッシュにガソリンを蒔いて火をつけるぞと言っています。いくらか寄付をお願いします」 「なるほど。いくら寄付すればいい?」 「1リットルもあれば十分です」 == 各国のベストセラー == アメリカでは新約聖書、 イスラエルでは旧約聖書、 ロシアでは偉人『スターリン』、 中国では毛沢東語録、 韓国では韓国の栄光、 日本では漫画 つまりどこの国でもフィクションが人気である == 製品開発 == ドイツ人が発明し、 アメリカ人が製品化し、 イギリス人が投資し、 フランス人がデザインし、 イタリア人が宣伝し、 日本人が小型化(高性能化)し、 中国が海賊版をつくり、 韓国が起源を主張する == 懐に入れる == ある酒場に日本人・アメリカ人・ブラジル人の政治家が集まって話をしていた。 日本「あそこに橋が見えるでしょう?」 アメリカ「立派な橋ですね」 日本「実はここだけの話、建設費の10%を懐に入れましてね」 一同、ニヤニヤ アメリカ「あそこにビルが見えるでしょう?」 ブラジル「高いビルですね」 アメリカ「私は30%を懐に入れましたよ」 一同、爆笑 ブラジル「あそこにダムが見えるでしょう?」 日本・アメリカ「いいえ?」 ブラジル「100%懐に入れました」 == 不法滞在 == オーストラリアの首相が言った 「我が国への不法滞在は絶対に許さない!」 アボリジニ「えっ!いつ帰ってくれるの?」 ==オリンピック== オリンピックのマークを見てアメリカ人はこう言った。 「O、O、O、O、Oってなんだ?」 == 時間厳守! == 日本人「アメリカ人は時間にルーズだ。会議の開始時刻になっても全員集まらない」 アメリカ人「日本人は時間にルーズだ。終了時刻になってもまだ会議が終わらない」 == お静かに == 日本のオフィスで静かにしなければならないのは、みんな仕事に集中しているから。 イタリアのオフィスで静かにしなければならないのは、みんな寝ているから。 == 図書館にて == 「『平和国家・アメリカ』という本はありますか?」「ありますよ。ファンタジーノベルの棚をご覧ください」 == 持ち込み禁止 == 2人のアメリカ人弁護士がカフェを訪れ、それぞれのカバンからサンドイッチを取り出し食べ始めた。 店員が注意を促した。「お客様、持参物の飲食はご遠慮願います」 2人は目を見合わせると、互いのサンドイッチを交換した。 == 理想の人間 == 最も望ましい人間とは… *ロシア人の様に酒を慎み *イギリス人の様に料理が上手く(または「賭けを慎み」) *フランス人の様に協調性があり *イタリア人の様に紳士的で(または「よく働き」) *アメリカ人の様に清貧で(または「寛容で」) *ユダヤ人の様に太っ腹で *中国人の様に法を守り *インド人の様に時間を守り *日本人の様に個性的で *韓国人の様に責任感があり *ドイツ人の様にユーモラスな者である。 == 交通事故 == 車を運転中、飛び出してきた歩行者に接触してしまった。ケガをした歩行者が運転手にかけた言葉とは? アメリカ人「私から言う事は何もない。あとは弁護士と話してくれ」 ドイツ人「貴方が加入している保険会社の損害賠償額と免責事項を教えて下さい」 フランス人「なにボサッとしてんだ!こっちにだって飛び出す権利がある筈だ!」 イタリア人「あなたに娘さんはいますか?」 イギリス人「ちくしょう、今日は誰とも話さないって賭けをしてたのに!」 日本人「私にも落ち度があります。示談にしますか?保険を使いますか?」 韓国人「絶対に許さない!孫の代まで謝罪と賠償を要求する」 中国人は不法滞在しているので無言で立ち去る。 == 100万で買えるもの == 日本人「100万もらったぞ!中古車くらいなら買えるかな。」 アメリカ人「は?100万あったら庭付きの家位は買えるだろ。」 韓国人「お前らのところ物価低すぎるだろ、100万あったら買えるのはせいぜいスマホくらいだろ」 日本人は100万円のことを言っており、アメリカ人は100万ドルのことを言っており、韓国人は100万ウォンのことを言っている。 ==アリとキリギリス== アリは夏の間にせっせと働き、冬を耐えるための食べ物を蓄えた。 キリギリスはその間バイオリンを弾いていた。 さて、冬になったらどうする? フランス人「愛し合って冬を凌ぐ」 ドイツ人「キリギリスがアリの家でバイオリンを弾き、演奏料金としてアリから食べ物をもらう」 日本人「アリが過労により死に、キリギリスがそれらを食べて冬を耐えた」 ==優秀な将軍== フランス人とドイツ人とロシア人が、歴史上で最も優秀な将軍が誰か話し合っている。 そこで彼らはこう言った。 フランス人「ナポレオンこそ優秀な将軍だ」 ドイツ人「ヒトラーほど素晴らしい指導者はいない」 ロシア人「冬”将軍”だ」 == 北欧人と道に落ちているりんご == ノルウェー人は拾って食べる スウェーデン人は気づかないふりをする フィンランド人は気づかない デンマーク人はりんごをスウェーデン人に売りつける == 頭文字 == ある日本人がイタリア人とイギリス人に向かって言った。 日本人「イタリアとイギリスって国名と首都名の頭文字一緒なんですね!」 イタリア人・イギリス人「違うけど…?」 イタリア人とイギリス人はアルファベット表記の事を言っている。 == バルカン == 日本人「バルカン半島はどこですか?」 スロベニア人「スロベニアは完全にバルカンじゃなくて中央ヨーロッパだよ。クロアチアからがバルカンです。」 クロアチア人「クロアチアは、文化的にも宗教的にも中央ヨーロッパだよ。バルカンなんかと一緒にしないでほしい。」 セルビア人「セルビアもバルカンじゃないよ。ボスニア・ヘルツェゴヴィナにはボシュニャク人がいるからバルカンかもね。」 ボスニア人「ボスニア・ヘルツェゴヴィナもバルカンじゃないよ。ギリシャは突き出ているからバルカンかな?」 ギリシャ人「ギリシャがバルカンなわけないじゃん。」 e584ckwei6x6qpad5w9h5r7kdfiosbr Wikijunior:言語/日本語 0 35341 276386 208098 2025-06-28T23:12:12Z Tomzo 248 /* 役に立つリンク集 */ 276386 wikitext text/x-wiki {{Pathnav|Wikijunior:メインページ|Wikijunior:言語|frame=1}} == 使われている国・地域 == 日本語は、[[w:日本|日本]]で中心に使われている言語です。[[w:パラオ|パラオ]]では、日本語が公用語となっていますが、使う人はあまりいません。 == 使われている文字 == 時代により{{Ruby|異|こと}}なりますが、今日では46の'''ひらがな'''、46の'''かたかな'''、約3,000の{{Ruby|'''漢字'''|かんじ}}が使われています。日本では、2,136の漢字を小・中学校で学習します。漢字の数は100,000をこえると言われていますが、あまり使われていない文字がたくさんあります。 {|class="wikitable" style="text-align:center; width:15em; font-size:large;" align="left" |+ひらがな |[[wikt:あ|あ]]||[[wikt:い|い]]||[[wikt:う|う]]||[[wikt:え|え]]||[[wikt:お|お]] |- |[[wikt:か|か]]||[[wikt:き|き]]||[[wikt:く|く]]||[[wikt:け|け]]||[[wikt:こ|こ]] |- |[[wikt:さ|さ]]||[[wikt:し|し]]||[[wikt:す|す]]||[[wikt:せ|せ]]||[[wikt:そ|そ]] |- |[[wikt:た|た]]||[[wikt:ち|ち]]||[[wikt:つ|つ]]||[[wikt:て|て]]||[[wikt:と|と]] |- 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[https://yomujp.com/ 日本語多読道場] - いろいろなむずかしさの日本語で読み物を読むことができます。 * [http://www.coelang.tufs.ac.jp/mt/ja/ 東京外国語大学言語モジュール] - 日本語の基本的な発音、文法などを学ぶことができます。 * [https://www3.nhk.or.jp/news/easy/ NEWS WEB EASY] - やさしい日本語で書かれたニュースを読むことができます。 {{ウィキジュニアのスタブ}} {{DEFAULTSORT:にほんこ}} [[Category:執筆中 (ウィキジュニア) ]] [[Category:言語 (ウィキジュニア)]] [[de:Wikijunior Sprachen/ Japanisch]] [[en:Wikijunior:Languages/Japanese]] [[fr:Wikijunior:Langues/Japonais]] [[pl:Wikijunior:Języki/Japoński]] q3aljufqu9cudbu8hu7gdw690i5nlc8 Wikijunior:言語/英語 0 35342 276350 263352 2025-06-28T15:56:01Z Tomzo 248 /* 役に立つリンク集 */ 276350 wikitext text/x-wiki {{Pathnav|Wikijunior:メインページ|frame=1}} == 使われている国・地域 == {{Ruby|'''英語'''|えいご}}は、[[w:アメリカ合衆国|アメリカ合衆国]]、[[w:インド|インド]]、[[w:イギリス|イギリス]]、[[w:パキスタン|パキスタン]]など、80をこえる国で使われている言語です。 == 使われている文字 == 英語には、[[w:ラテン文字|ラテン文字]]のうち、{{Ruby|基本|きほん}}ラテン文字と呼ばれる文字が使われています。26の{{Ruby|'''大文字'''|おおもじ}}と{{Ruby|'''小文字'''|こもじ}}の2種類があります。 {|class="wikitable" style="text-align:center; width: 52rem; margin: 1rem auto; 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[https://www.bbc.co.uk/learningenglish/english/ BBC Learning English] - 簡単な英語で書かれたニュースを読むことができます。 {{ウィキジュニアのスタブ}} {{DEFAULTSORT:えいこ}} [[Category:執筆中 (ウィキジュニア) ]] [[Category:言語 (ウィキジュニア)]] [[de:Wikijunior Sprachen/ Englisch]] [[en:Wikijunior:Languages/English]] [[fr:Wikijunior:Langues/Anglais]] [[pl:Wikijunior:Języki/Angielski]] 20cca8wqx016fhn60cxu5oj44p4shs5 高等学校歴史総合/歴史のなかの16歳 工女と工場法 0 36496 276391 275716 2025-06-29T05:07:00Z Kwawe 68789 過去執筆の事後処理(コラム本文大幅見直し) 276391 wikitext text/x-wiki [[小学校・中学校・高等学校の学習]]>[[高等学校の学習]]>[[高等学校地理歴史]]>[[高等学校歴史総合]]>歴史のなかの16歳 工女と工場法 当時の社会とか産業の仕組みとかが日本の工場法を定めにくくしました。明治時代、自国を豊かにして世界と戦えるような国家を目指していました。そのため、女性労働者の健康と安全をあまり考えていませんでした。例えば、製糸工場などの女性労働者は厳しい長時間労働に毎日向き合っていました。労働環境もかなり悪く、女性労働者は辛い思いをしながら毎日働いていました。このような毎日は当時の労働歌にも表れています。労働歌から女性労働者の苦しみとか社会の冷たさとかがかなり表れています。豊かな国になればなるほど、数多くの人が苦しんだり、我慢をしたりしていました。その結果、日本の工場法も遅れて定められました。 [[カテゴリ:高等学校歴史総合]] 7l3nawmhx441cps220i2s07qhikq68i 276392 276391 2025-06-29T05:08:24Z Kwawe 68789 過去執筆の事後処理(コラム項目名大幅変更)。 276392 wikitext text/x-wiki [[小学校・中学校・高等学校の学習]]>[[高等学校の学習]]>[[高等学校地理歴史]]>[[高等学校歴史総合]]>歴史のなかの16歳 工女と工場法 == 明治時代の産業発展と工場法制定の遅れ == 当時の社会とか産業の仕組みとかが日本の工場法を定めにくくしました。明治時代、自国を豊かにして世界と戦えるような国家を目指していました。そのため、女性労働者の健康と安全をあまり考えていませんでした。例えば、製糸工場などの女性労働者は厳しい長時間労働に毎日向き合っていました。労働環境もかなり悪く、女性労働者は辛い思いをしながら毎日働いていました。このような毎日は当時の労働歌にも表れています。労働歌から女性労働者の苦しみとか社会の冷たさとかがかなり表れています。豊かな国になればなるほど、数多くの人が苦しんだり、我慢をしたりしていました。その結果、日本の工場法も遅れて定められました。 [[カテゴリ:高等学校歴史総合]] l5qvax1nc67vg4tqmvye23we5dd30ua 276394 276392 2025-06-29T07:18:47Z Kwawe 68789 過去執筆の事後処理(コラム項目名大幅変更)。 276394 wikitext text/x-wiki [[小学校・中学校・高等学校の学習]]>[[高等学校の学習]]>[[高等学校地理歴史]]>[[高等学校歴史総合]]>歴史のなかの16歳 工女と工場法 == 明治時代の女性と野麦峠越え == == 明治時代の産業発展と工場法制定の遅れ == 当時の社会とか産業の仕組みとかが日本の工場法を定めにくくしました。明治時代、自国を豊かにして世界と戦えるような国家を目指していました。そのため、女性労働者の健康と安全をあまり考えていませんでした。例えば、製糸工場などの女性労働者は厳しい長時間労働に毎日向き合っていました。労働環境もかなり悪く、女性労働者は辛い思いをしながら毎日働いていました。このような毎日は当時の労働歌にも表れています。労働歌から女性労働者の苦しみとか社会の冷たさとかがかなり表れています。豊かな国になればなるほど、数多くの人が苦しんだり、我慢をしたりしていました。その結果、日本の工場法も遅れて定められました。 [[カテゴリ:高等学校歴史総合]] 1yfq90uhv9225mjap3hnqu3b4md57hl 276395 276394 2025-06-29T07:19:06Z Kwawe 68789 /* 明治時代の女性と野麦峠越え */ 過去執筆の事後処理(コラム本文大幅見直し) 276395 wikitext text/x-wiki [[小学校・中学校・高等学校の学習]]>[[高等学校の学習]]>[[高等学校地理歴史]]>[[高等学校歴史総合]]>歴史のなかの16歳 工女と工場法 == 明治時代の女性と野麦峠越え == 北アルプスの標高1672mに野麦峠があり、長野県と岐阜県の県境にあります。食料もあまりなく、人々は草の実(クマザサ)を食べて、何とか生き延びました。クマザサの実(野麦)は特に飛騨地方で大切にされました。飢饉が飛騨地方で起こっても、この実で団子を作り、飢えを凌いでいました。明治時代になると、飛騨地方の10代女性は家族の生活を守るために野麦峠を越えて長野県の諏訪地方へ向かいました。なぜなら、会社とか工場が飛騨地方にあまりなかったからです。10代女性は諏訪湖付近の製糸工場に数多く勤め、糸を作りました。野麦峠は時代変化とか10代女性の努力とかを伝える場所になっています。 == 明治時代の産業発展と工場法制定の遅れ == 当時の社会とか産業の仕組みとかが日本の工場法を定めにくくしました。明治時代、自国を豊かにして世界と戦えるような国家を目指していました。そのため、女性労働者の健康と安全をあまり考えていませんでした。例えば、製糸工場などの女性労働者は厳しい長時間労働に毎日向き合っていました。労働環境もかなり悪く、女性労働者は辛い思いをしながら毎日働いていました。このような毎日は当時の労働歌にも表れています。労働歌から女性労働者の苦しみとか社会の冷たさとかがかなり表れています。豊かな国になればなるほど、数多くの人が苦しんだり、我慢をしたりしていました。その結果、日本の工場法も遅れて定められました。 [[カテゴリ:高等学校歴史総合]] 6mr10w79cgn2y2kd57l16nz1n0e6k4f 276396 276395 2025-06-29T07:20:31Z Kwawe 68789 /* 明治時代の女性と野麦峠越え */ 276396 wikitext text/x-wiki [[小学校・中学校・高等学校の学習]]>[[高等学校の学習]]>[[高等学校地理歴史]]>[[高等学校歴史総合]]>歴史のなかの16歳 工女と工場法 == 明治時代の女性と野麦峠越え == [[ファイル:Old-Nomugi-road.jpg|サムネイル|195x195ピクセル|野麦峠]] 北アルプスの標高1672mに野麦峠があり、長野県と岐阜県の県境にあります。食料もあまりなく、人々は草の実(クマザサ)を食べて、何とか生き延びました。クマザサの実(野麦)は特に飛騨地方で大切にされました。飢饉が飛騨地方で起こっても、この実で団子を作り、飢えを凌いでいました。明治時代になると、飛騨地方の10代女性は家族の生活を守るために野麦峠を越えて長野県の諏訪地方へ向かいました。なぜなら、会社とか工場が飛騨地方にあまりなかったからです。10代女性は諏訪湖付近の製糸工場に数多く勤め、糸を作りました。野麦峠は時代変化とか10代女性の努力とかを伝える場所になっています。 == 明治時代の産業発展と工場法制定の遅れ == 当時の社会とか産業の仕組みとかが日本の工場法を定めにくくしました。明治時代、自国を豊かにして世界と戦えるような国家を目指していました。そのため、女性労働者の健康と安全をあまり考えていませんでした。例えば、製糸工場などの女性労働者は厳しい長時間労働に毎日向き合っていました。労働環境もかなり悪く、女性労働者は辛い思いをしながら毎日働いていました。このような毎日は当時の労働歌にも表れています。労働歌から女性労働者の苦しみとか社会の冷たさとかがかなり表れています。豊かな国になればなるほど、数多くの人が苦しんだり、我慢をしたりしていました。その結果、日本の工場法も遅れて定められました。 [[カテゴリ:高等学校歴史総合]] ci54wjmad7id3lqzm0o2q8c1j0qn1pi 276397 276396 2025-06-29T08:42:47Z Kwawe 68789 /* 明治時代の女性と野麦峠越え */ 過去執筆の事後処理(コラム本文大幅見直し) 276397 wikitext text/x-wiki [[小学校・中学校・高等学校の学習]]>[[高等学校の学習]]>[[高等学校地理歴史]]>[[高等学校歴史総合]]>歴史のなかの16歳 工女と工場法 == 明治時代の女性と野麦峠越え == [[ファイル:Old-Nomugi-road.jpg|サムネイル|216x216px|野麦峠]] 北アルプスの標高1672mに野麦峠があり、長野県と岐阜県の県境にあります。食料もあまりなく、人々は草の実(クマザサ)を食べて、何とか生き延びました。クマザサの実(野麦)は特に飛騨地方で大切にされました。飢饉が飛騨地方で起こっても、この実で団子を作り、飢えを凌いでいました。明治時代になると、飛騨地方の10代女性は家族の生活を守るために野麦峠を越えて長野県の諏訪地方へ向かいました。なぜなら、会社とか工場が飛騨地方にあまりなかったからです。10代女性は諏訪湖付近の製糸工場に数多く勤め、糸を作りました。野麦峠は時代変化とか10代女性の努力とかを伝える場所になっています。 日本の工場法は20世紀初期まで整わず、女性労働者の労働環境も整いませんでした。例えば、飛騨地方の10代女性(工女)は野麦峠を越えて製糸工場に向かい、朝早くから夜遅くまで長時間働かされました。工女は食事時間とか休憩時間とかもあまり貰えませんでした。もし体調が悪くなると、製糸工場から仕事を辞めるように言われました。厳しい労働環境で命を落としてしまう工女もいました。特に工女の移動経路はとても険しく、家族に見守られながら亡くなりました。当時、労働者の権利とか労働者の健康とかはほとんど守られませんでした。 == 明治時代の産業発展と工場法制定の遅れ == 当時の社会とか産業の仕組みとかが日本の工場法を定めにくくしました。明治時代、自国を豊かにして世界と戦えるような国家を目指していました。そのため、女性労働者の健康と安全をあまり考えていませんでした。例えば、製糸工場などの女性労働者は厳しい長時間労働に毎日向き合っていました。労働環境もかなり悪く、女性労働者は辛い思いをしながら毎日働いていました。このような毎日は当時の労働歌にも表れています。労働歌から女性労働者の苦しみとか社会の冷たさとかがかなり表れています。豊かな国になればなるほど、数多くの人が苦しんだり、我慢をしたりしていました。その結果、日本の工場法も遅れて定められました。 [[カテゴリ:高等学校歴史総合]] 8zw883onywswqziwhq3l74squ53d19d 高等学校歴史総合/歴史のなかの16歳 集団就職 「金の卵」たちの時代 0 36509 276387 276005 2025-06-29T00:49:05Z Kwawe 68789 /* 金の卵の苦労と支え */ 過去執筆の事後処理(コラム本文大幅見直し)。本節修正完了。 276387 wikitext text/x-wiki [[小学校・中学校・高等学校の学習]]>[[高等学校の学習]]>[[高等学校地理歴史]]>[[高等学校歴史総合]]>歴史のなかの16歳 集団就職 「金の卵」たちの時代 == 戦後の労働力移動と日本社会 == 森進一は昭和時代の代表歌手として知られています。戦後の日本社会の様子が彼の人生と重なります。彼は母親と一緒に様々な地域で暮らしていました。彼が中学3年生になると、鹿児島県(母親の出生地)へ引っ越しました。中学校卒業後、彼は中卒として働くようになりました。当時、数多くの若者が地方から都会へ仕事を探しに行くために集団就職列車に乗りました。この集団就職列車に彼も乗りました。彼は長い時間をかけて大阪へ向かいました。1963年、4万4千人以上の中学校卒業生が九州地方などから関西地方・関東地方の企業へ就職しました。このような若者は大切な働き手として戦後日本の経済成長を支えました。このような時代の流れから彼の人生も大きく動き出しました。 日本の高度経済成長期は1950年代後半から始まりました。当時、重化学工業・繊維工業などが大量の労働者を求めていました。大都市の中学卒業生は主に高等学校・大学に進学しました。一方、地方の中学卒業生は経済的な理由などから高等学校・大学にあまり進学出来ませんでした。地方の中学卒業生は仕事を求めて大都市へ向かいました(金の卵)。1965年の記録によると、鹿児島県男子中学卒業生のうち約7.5割が県外で仕事を探しました。鹿児島県女子中学卒業生でも約9割が県外で仕事を探しました。九州地方・中国地方・四国地方の中学卒業生は集団で大阪市・名古屋市へ鉄道・船を使って向かいました。一方、東北地方・北海道地方の中学卒業生は集団で首都圏へ鉄道・船を使って向かいました。このように、田舎と都会の違いが進路にも現れました。金の卵が日本の高度経済成長期を大きく支えました。 == 金の卵の苦労と支え == 高度経済成長期、金の卵は田舎から都会へ出ていきました。しかし、主な金の卵は厳しい労働条件と低賃金の会社で働いていました。例えば、有名な歌手の森進一も都会に出てから寿司屋に住み込みながら働きました。しかし、当時の給料は大学卒業生の3分の1程度しかなくかなり貧しい生活でした。それでも、森進一は家族にお金を送るために何度も仕事を変えなければなりませんでした。中学校の先生も金の卵の貧しい生活を心配していました。中学校の先生が中学校卒業生の働く職場に行って励ましたり、職場の様子を調べたりしました。また、会社も若い働き手と繋がりを深めるため、様々な工夫をしました。大阪市の長居公園「郷土の森」は集団就職者出身地の木を植えて、故郷を思い出せるようにしました。このように、家族・学校・会社が様々な形で金の卵を支えていました。しかし、主な金の卵は大変な思いをしながら働いていました。 高度経済成長期の時代、地方の若者がまとまって都市に働きに行きました(集団就職)。集団就職は、日本の工場・会社を大きく発展させました。1970年代に入ると、日本の経済成長も緩やかになりました。その結果、集団就職をしなくても労働者を賄えました。1977年、労働省が集団就職制度を終わらせました。一方、働く場所が元々少ない地域はそれ以降もまとまって首都圏・大阪市・名古屋市へ向かいました。 [[カテゴリ:高等学校歴史総合]] [[カテゴリ:日本の歴史]] [[カテゴリ:20世紀]] lxhl59qt8zvpjnp7h3x7divzqvxgl6k 絵画 0 38655 276296 245097 2025-06-28T12:29:38Z Tomzo 248 276296 wikitext text/x-wiki {{stub}} == 技法 == *[[水彩画]] *[[油彩画]] *[[水墨画]] *[[日本画]] *[[ペン画]] *[[アナログイラスト]]<!--漫画的なイラストやコピックなど?--> *[[画像処理・CG]] ** [[3DCG作成]] ** [[デジタルイラスト]] {{DEFAULTSORT:かいか}} [[Category:美術]] [[Category:分岐ページ]] rl5q48f15ec5um9v3qtgn1hmmos8kdz Wikijunior:言語/ヌーキ語 0 43184 276333 262798 2025-06-28T15:42:22Z Tomzo 248 276333 wikitext text/x-wiki {{Pathnav|Wikijunior:メインページ|frame=1}} <div align=center><big><big><big><big><big>'''ǃHonkia'''</big></big></big></big></big></div> <div align=center><small>(ヌーキ語で「こんにちは」という意味です)</small></div> こんにちは!ヌーキ{{Ruby|語|ご}}の{{Ruby|世界|せかい}}へようこそ!<br> == {{Ruby|目次|もくじ}} == #'''[[wikijunior:言語/ヌーキ語/入門編|{{Ruby|入門編|にゅうもんへん}}]]''' #*[[wikijunior:言語/ヌーキ語/入門編/発音|{{Ruby|発音|はつおん}}]] #*[[wikijunior:言語/ヌーキ語/入門編/吸着音|{{Ruby|吸着音|きゅうちゃくおん}}]] #[[wikijunior:言語/ヌーキ語/学習編|{{Ruby|学習編|がくしゅうへん}}]] #*[[wikijunior:言語/ヌーキ語/学習編/発音|{{Ruby|名詞|めいし}}]] #*[[wikijunior:言語/ヌーキ語/入門編/発音|{{Ruby|発音|発音}}]] {{ウィキジュニアのスタブ}} [[Category:執筆中 (ウィキジュニア) ]] [[Category:言語 (ウィキジュニア)]] qvqxqfly4klmbkkr1jtypcxum3nj5yb Wikijunior:言語/ヌーキ語/入門編/発音 0 43199 276334 264838 2025-06-28T15:42:51Z Tomzo 248 276334 wikitext text/x-wiki == 子音 == === x === xは、ゴ'''ッホ'''のホの様に、{{Ruby|奥|おく}}の{{Ruby|場所|ばしょ}}({{Ruby|口蓋垂|なんこうがい}})で{{Ruby|発音|はつおん}}する「は」の{{Ruby|音|おと}}です。 次の単語を発音してみましょう: :<big>'''x'''e </big> … 〜ですか :<big>'''x'''a </big> … 〜した === dy (j) === dy (j)は、日本語の「ギャ」のような音です。 次の単語を発音してみましょう: :<big>ki'''dy'''axe </big> … 何 :<big>'''J'''oosi </big> … 空 === ty, c, ky === ty (c)は、日本語の「きゃ」のような音です。 次の単語を発音してみましょう: :<big>'''ty'''in </big> … 感じる :<big>'''c'''u('''ky'''u) </big> … 口 :<big>'''ty'''oe('''c'''oe) </big> … ダチョウ == 母音 == {{Ruby|母音|ぼいん}}は、「あ、い、う、え、お」の音のことです。ヌーキ語では「あいうえお」を英語のように「aiueo」と書きます。 === 鼻母音 === '''{{Ruby|鼻母音|はなぼいん}}'''は、最後に「ん」を{{Ruby|発音|はつおん}}するように{{Ruby|発音|はつおん}}する{{Ruby|母音|ぼいん}}のことです。<br> ヌーキ語は、{{Ruby|母音|ぼいん}}の上に波線(^)をつけると、{{Ruby|鼻母音|はなぼいん}}になります 次の単語を発音してみましょう: :<big>'''â'''i </big> … 食べる === 粗擦性のある母音 === '''粗擦性のある母音'''はとても珍しい音です。日本語では「あ゙」のように表される母音のことです。ヌーキ語では、母音の次にqを書いて表します。 次の単語を発音してみましょう: :<big>z'''eq'''e</big> … 飛ぶ :<big>dy'''aq'''n(j'''a'''ng)</big> … 飛ぶ === 粗擦性のある鼻母音 === '''粗擦性のある鼻母音'''は鼻母音と粗擦性のある母音を合わせた母音です。 {{ウィキジュニアのスタブ}} [[Category:執筆中 (ウィキジュニア) ]] hawkxcbt206wnq23c3f2g3vbzrjdzyr Wikijunior:言語/ヌーキ語/入門編/吸着音 0 43202 276336 263200 2025-06-28T15:43:16Z Tomzo 248 /* 外部リンク */ 276336 wikitext text/x-wiki == 基礎 == === ǀ === 小文字のLと間違いやすい文字ですが、これは'''{{Ruby|歯吸着音|はきゅうちゃくおん}}'''と呼ばれる音であり、thを{{Ruby|発音|はつおん}}する部位で舌打ちすることを表します。<br> [[file:Dental click.ogg]] === ǁ === これは、'''{{Ruby|歯茎側面吸着音|しけいそくめんきゅうちゃくおん}}'''と呼ばれ、Lを発音する場所で舌打ちすることを表します。<br> [[File:Alveolar lateral click.ogg]] === ǂ === これは、'''{{Ruby|硬口蓋吸着音|こうこうがいきゅうちゃくおん}}'''と呼ばれ、「キャ」を{{Ruby|発音|はつおん}}する位置に舌で力を入れて、勢いよく舌から力を抜けさせると、{{Ruby|発音|はつおん}}することができます<br> [[File:Palatoalveolar_click.ogg]] === ʘ === これは、'''{{Ruby|両唇吸着音|りょうしんきゅうちゃくおん}}'''と呼ばれ、キス音を表します。<br> [[File:Clic bilabial sourd.ogg]] === ǃ === これは、'''{{Ruby|歯茎吸着音|しけいきゅうちゃくおん}}'''と呼ばれ、「タ」や「ダ」を{{Ruby|発音|はつおん}}する位置に舌に力を入れ、勢いよく舌を上に上げることで{{Ruby|発音|はつおん}}することができます。<br> [[File:Postalveolar_click.ogg]] == 鼻音 == === Mʘ === マを{{Ruby|発音|はつおん}}するようにʘを{{Ruby|発音|はつおん}}することで、{{Ruby|発音|はつおん}}できます。<br> === N! === ナを{{Ruby|発音|はつおん}}を{{Ruby|発音|はつおん}}するようにǃを発音することで、{{Ruby|発音|はつおん}}できます<br> [[File:Intervocalic_nasal_alveolar_clicks.ogg]] ==外部リンク== *言語学者Sheena Shah氏が作成した[https://www.sheenashah.co.uk/page85.html 吸着音リスト] {{ウィキジュニアのスタブ}} [[Category:執筆中 (ウィキジュニア) ]] auxka0hkryomem3kgcr0hxyurf24tww JavaScript/モダンJavaScript 0 43796 276382 265621 2025-06-28T23:00:00Z Tomzo 248 /* 最適化の具体例 */ 276382 wikitext text/x-wiki <!-- # 目次案 == 第1章: JavaScript エコシステムの深層解析 == * ECMAScript 仕様の最新トレンドと将来展望 * JavaScript エンジンの内部アーキテクチャ * 言語設計の進化と設計思想 * 最新の言語仕様におけるパラダイムシフト == 第2章: 高度な非同期プログラミング == * 非同期処理の理論的基盤 * Promise, async/await の高度な実装パターン * 並行処理と並列処理の最適化戦略 * 複雑な非同期フローの設計と管理 * 分散システムにおける非同期処理のパターン == 第3章: 関数型プログラミングの高度な技法 == * 関数型プログラミングの数学的基礎 * 高階関数の高度な応用 * モナド、ファンクタ、アプリカティブファンクタの実践 * 代数的データ型とパターンマッチング * 合成可能な関数設計 == 第4章: メタプログラミングと言語拡張 == * Proxy と Reflect の高度な活用 * Symbol と言語拡張テクニック * カスタムイテレータとジェネレータの深堀り * 型システムと動的型付けの限界突破 * JavaScript の言語拡張手法 == 第5章: パフォーマンスエンジニアリング == * JavaScript エンジンの最適化メカニズム * V8 エンジンのコンパイルと最適化戦略 * メモリ管理と高速化テクニック * プロファイリングと性能分析の最新技術 * ボトルネック検出と最適化アプローチ == 第6章: アドバンストアーキテクチャパターン == * マイクロサービスアーキテクチャ * サーバーレスコンピューティングの高度な設計 * リアクティブアーキテクチャ * イベント駆動システムの設計原則 * クリーンアーキテクチャとドメイン駆動設計 == 第7章: セキュリティとレジリエンス == * 高度な暗号化手法 * セキュアコーディングの最先端 * 脆弱性対策と防御戦略 * サイドチャネル攻撃への対応 * 耐障害性システムの設計 == 第8章: 分散システムとクラウドネイティブ開発 == * WebSocket と リアルタイム分散システム * マイクロサービスのデザインパターン * クラウドネイティブアプリケーションの設計 * コンテナ化と次世代インフラストラクチャ * GraphQL と高度な API 設計 == 第9章: 次世代フロントエンド技術 == * WebAssembly との統合 * モダンな状態管理アーキテクチャ * Web Components の高度な実装 * サーバーサイドレンダリングの最適化 * フロントエンドマイクロフロントエンド == 第10章: テストと品質保証の最前線 == * 高度なテスト自動化戦略 * 形式検証とプログラム証明 * カバレッジ解析と品質メトリクス * 継続的インテグレーションの高度な実践 * 静的解析とコード品質管理 == 特別附録 == * JavaScript の将来展望 * エマージングテクノロジーとの統合 * 業界トップエンジニアが語る次世代開発 --> == 言語進化の系譜 == JavaScriptの歴史は、単なるウェブスクリプト言語から、フルスタックな開発を可能にする複雑な言語への驚くべき進化の物語です。1995年にNetscape社のBrendan Eichによって10日間で生み出されたこの言語は、今や世界で最も広く利用されるプログラミング言語の一つとなりました。 言語の進化は、常にコミュニティのニーズと技術的挑戦に応えてきました。ECMAScript仕様は、この進化の礎となり、毎年新しい機能と改善をもたらしています。 === ECMAScriptの設計思想 === ECMAScriptの設計における最も重要な原則は、後方互換性です。これは、既存のコードを破壊せずに新機能を導入するという挑戦的な要求を意味します。例えば、ES6(ECMAScript 2015)で導入された<code>[[JavaScript/let|let]]</code>と<code>[[JavaScript/const|const]]</code>キーワードは、従来の<code>[[JavaScript/var|var]]</code>を完全に置き換えるのではなく、新たな変数宣言方法として共存しています。 以下は、変数宣言の進化を示すコード例です: :<syntaxhighlight lang=js copy> // 従来のvar var x = 10; var x = 20; // 再宣言可能(潜在的なバグの元) // ES6以降のlet let y = 10; // let y = 20; // 再宣言でエラー // 定数宣言 const PI = 3.14159; // PI = 3.14; // 再代入不可 </syntaxhighlight> == JavaScriptエンジンの進化 == 現代のJavaScriptエンジンは、単なるインタープリタではなく、高度な最適化を行う洗練されたランタイム環境です。`V8`、<code>[[JavaScript/SpiderMonkey|SpiderMonkey]]</code>、`JavaScriptCore`など、主要なエンジンは、Just-In-Time(JIT)コンパイル、インラインキャッシュ、隠れクラスなどの技術を駆使して、驚異的な実行速度を実現しています。 === V8エンジンの最適化メカニズム === V8エンジンは、動的型付け言語であるJavaScriptを高速化するために、いくつかの革新的な技術を採用しています: # モノモルフィックからポリモルフィック、メガモルフィックへの最適化戦略 # インライン化とホットパス最適化 # ガベージコレクションの高度な実装 実際の最適化の例を見てみましょう: :<syntaxhighlight lang=js copy> // 最適化されやすい関数 function add(a, b) { return a + b; } // 型の一貫性を保つ let numbers = [1, 2, 3, 4, 5]; numbers.map(x => x * 2); // 一貫した型で最適化可能 // 型の不安定な例 let mixedArray = [1, "two", { value: 3 }]; mixedArray.map(x => x * 2); // 最適化が困難 </syntaxhighlight> == 言語拡張とコンパイル戦略 == 現代のJavaScript開発では、トランスパイラとコンパイル戦略が重要な役割を果たしています。<code>[[JavaScript/Babel|Babel]]</code>のようなツールは、次世代の言語機能を今日のブラウザで実行可能なコードに変換します。 === トランスパイルの仕組み === トランスパイルは、最新のJavaScriptコードを、より広範なブラウザで動作する互換性のあるコードに変換するプロセスです。 :<syntaxhighlight lang=js copy> // ES6のアロー関数 const multiply = (a, b) => a * b; // Babelによってトランスパイルされると function multiply(a, b) { return a * b; } </syntaxhighlight> == 型システムの進化 == JavaScriptの型システムは、長年にわたり進化を続けてきました。動的型付け言語として始まった本言語は、開発者にフレキシビリティを提供する一方で、潜在的な型関連のエラーというリスクも抱えていました。 === TypeScriptの登場 === マイクロソフトによって開発された[[TypeScript]]は、JavaScriptに静的型付けのレイヤーを追加しました。以下のコード例は、その型システムの特徴を示しています: :<syntaxhighlight lang=ts copy> // インターフェース定義 interface User { name: string; age: number; email?: string; // オプショナルプロパティ } // 型付きの関数 function createUser(user: User): User { return { name: user.name, age: user.age }; } // ジェネリクスの活用 function identity<T>(arg: T): T { return arg; } </syntaxhighlight> == 非同期処理の進化 == JavaScriptの非同期処理は、コールバックから始まり、<code>[[JavaScript/Promise|Promise]]</code>を経て、<code>[[JavaScript/async|async]]</code>/<code>[[JavaScript/await|await]]</code>へと進化してきました。この進化は、非同期コードの可読性と管理性を劇的に改善しました。 === 非同期処理のパターン === 複雑な非同期フローの処理方法を見ていきましょう: :<syntaxhighlight lang=js copy> // Promiseチェーン function fetchUserData(userId) { return fetch(`/users/${userId}`) .then(response => response.json()) .then(user => { return fetch(`/posts/${user.defaultPostId}`); }) .then(postResponse => postResponse.json()) .catch(error => { console.error('データ取得エラー:', error); }); } // Async/Await async function fetchComplexData() { try { const userResponse = await fetch('/users/current'); const user = await userResponse.json(); const postsResponse = await fetch(`/posts?userId=${user.id}`); const posts = await postsResponse.json(); return { user, posts }; } catch (error) { console.error('複合データ取得エラー:', error); } } </syntaxhighlight> == モジュールシステムの標準化 == ECMAScript 2015(ES6)は、JavaScriptのモジュールシステムを正式に標準化しました。これにより、依存関係の管理と大規模アプリケーションの構築が格段に容易になりました。 === モジュールの高度な使用 === :<syntaxhighlight lang=js copy> // モジュールのエクスポート export const PI = 3.14159; export function circleArea(radius) { return PI * radius * radius; } // 名前付きエクスポートとデフォルトエクスポート export default class MathUtils { static square(x) { return x * x; } } // 動的インポート async function loadModule() { const module = await import('./dynamicModule.js'); module.initialize(); } </syntaxhighlight> == プロキシとリフレクション == ES6で導入された<code>[[JavaScript/Proxy|Proxy]]</code>と<code>[[JavaScript/Reflect|Reflect]]</code>は、JavaScriptにメタプログラミングの強力な機能を提供しました。 :<syntaxhighlight lang=js copy> // プロキシによるオブジェクト操作 const handler = { get: (target, property) => { console.log(`プロパティ ${property} にアクセスしました`); return target[property]; } }; const proxiedObject = new Proxy({name: 'サンプル'}, handler); console.log(proxiedObject.name); // ログ出力とプロパティアクセス </syntaxhighlight> == 非同期処理の理論的基盤 == 現代のJavaScriptにおける非同期処理は、単なる技術的な実装を超えて、コンピューティングの根本的な哲学を反映しています。イベントループ、コールスタック、タスクキューの相互作用は、非同期プログラミングの本質的なメカニズムを形成しています。 === イベントループの内部メカニズム === イベントループは、JavaScriptの非同期処理の中核となるメカニズムです。以下のコード例は、その動作原理を示しています: :<syntaxhighlight lang=js copy> console.log('開始'); // マイクロタスク Promise.resolve().then(() => { console.log('マイクロタスク'); }); // マクロタスク setTimeout(() => { console.log('タイマータスク'); }, 0); console.log('終了'); // 出力順序: // 開始 // 終了 // マイクロタスク // タイマータスク </syntaxhighlight> == 並行処理と並列処理の戦略 == 現代のウェブアプリケーションでは、複雑な非同期タスクを効率的に処理することが求められます。Web Workerは、メインスレッドとは異なるコンテキストで重い計算を実行する手段を提供します。 === Web Workerによる並列処理 === :<syntaxhighlight lang=js copy> // メインスレッド if (window.Worker) { const myWorker = new Worker('worker.js'); // ワーカーへのメッセージ送信 myWorker.postMessage({ type: 'complexCalculation', data: largeDataSet }); // ワーカーからの応答受信 myWorker.onmessage = function(event) { console.log('計算結果:', event.data); }; } // worker.js self.onmessage = function(event) { if (event.data.type === 'complexCalculation') { const result = performHeavyComputation(event.data.data); self.postMessage(result); } }; </syntaxhighlight> == 高度な非同期フロー制御 == 複雑な非同期シナリオを管理するため、様々な高度なパターンが発展してきました。 === 非同期コンポジション === :<syntaxhighlight lang=js copy> // 直列実行 async function processSequentially(items) { const results = []; for (const item of items) { const result = await processItem(item); results.push(result); } return results; } // 並列実行 async function processInParallel(items) { return Promise.all(items.map(processItem)); } // 制限付き並列実行 async function processWithConcurrencyLimit(items, limit = 3) { const queue = [...items]; const results = []; const inProgress = new Set(); while (queue.length > 0 || inProgress.size > 0) { while (inProgress.size < limit && queue.length > 0) { const item = queue.shift(); const promise = processItem(item) .then(result => { inProgress.delete(promise); return result; }); inProgress.add(promise); results.push(promise); } await Promise.race(inProgress); } return Promise.all(results); } </syntaxhighlight> == 分散システムにおける非同期パターン == マイクロサービスアーキテクチャやクラウドネイティブアプリケーションでは、非同期通信が不可欠です。 === メッセージキューとイベント駆動アーキテクチャ === :<syntaxhighlight lang=js copy> class EventBus { constructor() { this.subscribers = {}; } subscribe(eventType, callback) { if (!this.subscribers[eventType]) { this.subscribers[eventType] = []; } this.subscribers[eventType].push(callback); } publish(eventType, payload) { if (this.subscribers[eventType]) { this.subscribers[eventType].forEach(callback => { callback(payload); }); } } } // 使用例 const eventBus = new EventBus(); eventBus.subscribe('userRegistered', (userData) => { // ユーザー登録後の処理 sendWelcomeEmail(userData); }); eventBus.publish('userRegistered', { id: '12345', email: 'user@example.com' }); </syntaxhighlight> == 関数型プログラミングの数学的基礎 == 関数型プログラミングは、数学的な関数の概念を中心に据えたプログラミングパラダイムです。純粋関数、参照透過性、そして代数的データ型は、この paradigm の根幹を成しています。 === 純粋関数と参照透過性 === 純粋関数は、同じ入力に対して常に同じ出力を返し、外部状態に影響を与えない関数です: :<syntaxhighlight lang=js copy> // 純粋関数の例 const calculateArea = (radius) => { return Math.PI * radius * radius; }; // 参照透過性のデモ const prices = [10, 20, 30, 40, 50]; const taxRate = 0.1; const calculateTotalPrice = (prices, taxRate) => { return prices.map(price => price * (1 + taxRate)); }; const totalPricesWithTax = calculateTotalPrice(prices, taxRate); </syntaxhighlight> == モナド、ファンクタ、アプリカティブファンクタ == 関数型プログラミングの高度な概念を、JavaScriptで実践的に理解していきます。 === Maybeモナドの実装 === :<syntaxhighlight lang=js copy> class Maybe { constructor(value) { this.value = value; } static of(value) { return new Maybe(value); } isNothing() { return this.value === null || this.value === undefined; } map(fn) { return this.isNothing() ? Maybe.of(null) : Maybe.of(fn(this.value)); } flatMap(fn) { return this.isNothing() ? Maybe.of(null) : fn(this.value); } } // 使用例 const getUserName = (user) => user ? Maybe.of(user.name) : Maybe.of(null); const getUserNameLength = (user) => getUserName(user) .map(name => name.length) .value; // nullか文字列の長さ </syntaxhighlight> === エイシンク関数と遅延評価 === 遅延評価は、計算を必要とされるまで遅延させる強力な関数型プログラミングの技法です: :<syntaxhighlight lang=js copy> function* lazySequence() { let n = 0; while (true) { yield n++; } } const numberGenerator = lazySequence(); // 必要な時だけ値を取得 console.log(numberGenerator.next().value); // 0 console.log(numberGenerator.next().value); // 1 </syntaxhighlight> == 代数的データ型とパターンマッチング == JavaScriptでは、完全な代数的データ型をネイティブでサポートしていませんが、オブジェクトと関数を使用して類似の概念を実装できます。 :<syntaxhighlight lang=js copy> // 代数的データ型の模倣 const Result = { Ok: (value) => ({ type: 'Ok', value, map: (fn) => Result.Ok(fn(value)), flatMap: (fn) => fn(value) }), Err: (error) => ({ type: 'Err', error, map: () => Result.Err(error), flatMap: () => Result.Err(error) }) }; // エラーハンドリングへの応用 function divide(a, b) { return b === 0 ? Result.Err('ゼロによる除算') : Result.Ok(a / b); } const result = divide(10, 2) .map(x => x * 2) .map(x => x + 1); </syntaxhighlight> == 合成可能な関数設計 == 関数の合成は、小さな関数を組み合わせて複雑な動作を作り出す強力な手法です。 :<syntaxhighlight lang=js copy> const compose = (...fns) => (x) => fns.reduceRight((acc, fn) => fn(acc), x); const addOne = x => x + 1; const double = x => x * 2; const square = x => x * x; const complexOperation = compose( addOne, // 最後に実行 double, // 2番目に実行 square // 最初に実行 ); console.log(complexOperation(3)); // ((3^2) * 2) + 1 </syntaxhighlight> == プロキシによる動的オブジェクト操作 == プロキシは、JavaScript におけるメタプログラミングの最も強力な機能の一つです。オブジェクトの基本的な操作をインターセプトし、カスタマイズする能力を提供します。 === 高度なプロキシパターン === :<syntaxhighlight lang=js copy> // バリデーションプロキシ function createValidatedObject(target, validator) { return new Proxy(target, { set(obj, prop, value) { if (validator.hasOwnProperty(prop)) { if (!validator[prop](value)) { throw new Error(`無効な値: ${prop}`); } } obj[prop] = value; return true; } }); } // 使用例 const userValidator = { age: (value) => value >= 0 && value < 120, email: (value) => /^[^\s@]+@[^\s@]+\.[^\s@]+$/.test(value) }; const user = createValidatedObject({}, userValidator); user.age = 30; // OK // user.age = 150; // エラーをスロー </syntaxhighlight> == リフレクションと動的型操作 == <code>[[JavaScript/Reflect|Reflect]]</code>オブジェクトは、オブジェクトに対する操作を、関数として実行可能な形で提供します。 === 動的メタプログラミング === :<syntaxhighlight lang=js copy> // オブジェクトの動的検査と操作 const target = { method() { console.log('メソッド呼び出し'); }, property: 'サンプル値' }; // メソッドの存在確認 console.log(Reflect.has(target, 'method')); // true // プロパティの削除 Reflect.deleteProperty(target, 'property'); // メソッドの動的呼び出し Reflect.apply(target.method, target, []); </syntaxhighlight> == シンボルによる高度な抽象化 == <code>[[JavaScript/Symbol|Symbol]]</code>は、JavaScript に一意で不変の識別子を導入する機能です。 === シンボルの高度な使用パターン === :<syntaxhighlight lang=js copy> // プライベートな擬似メンバーの実装 const _private = Symbol('private'); class SecureClass { constructor() { this[_private] = { sensitiveData: '機密情報' }; } // プライベートデータへのアクセス制御 getSensitiveData() { return this[_private].sensitiveData; } } // イテレータのカスタマイズ const customIterator = { [Symbol.iterator]() { let n = 0; return { next() { n++; return n <= 3 ? { value: n, done: false } : { done: true }; } }; } }; </syntaxhighlight> == 型システムの動的拡張 == JavaScriptの型システムを動的に拡張するテクニックを探ります。 === 型ガードと動的型チェック === :<syntaxhighlight lang=js copy> // カスタム型ガード function isString(value) { return typeof value === 'string'; } function processValue(value) { if (isString(value)) { return value.toUpperCase(); } return String(value); } // インターセクション型のシミュレーション function extend(base, ...mixins) { const result = {...base}; mixins.forEach(mixin => { Object.keys(mixin).forEach(key => { result[key] = mixin[key]; }); }); return result; } const baseObject = { id: 1 }; const withName = { name: 'サンプル' }; const extendedObject = extend(baseObject, withName); </syntaxhighlight> == JavaScript エンジンの最適化メカニズム == モダンな JavaScript エンジン、特に V8 は、動的型付け言語でありながら驚異的な性能を実現しています。その鍵は、高度な最適化技術にあります。 === ホットパス最適化 === JavaScript エンジンは、頻繁に実行されるコードパス(ホットパス)を識別し、特別に最適化します: :<syntaxhighlight lang=js copy> // 最適化されやすい関数 function calculateSum(arr) { let sum = 0; for (let i = 0; i < arr.length; i++) { sum += arr[i]; } return sum; } // 一貫した型で呼び出すことで最適化を促進 const numbers = [1, 2, 3, 4, 5]; const consistentResult = calculateSum(numbers); </syntaxhighlight> == インライン化と最適化戦略 == V8 エンジンは、小さな関数を呼び出し元のコンテキストに直接「インライン」化することで、関数呼び出しのオーバーヘッドを削減します。 === インライン化の影響 === :<syntaxhighlight lang=js copy> // インライン化に適した関数 function square(x) { return x * x; } function sumOfSquares(a, b) { return square(a) + square(b); } // V8 は内部的に以下のように最適化する可能性がある function sumOfSquares(a, b) { return (a * a) + (b * b); } </syntaxhighlight> == メモリ管理と最適化 == V8 のガベージコレクションは、メモリ解放と再利用を効率的に行うために、複雑な戦略を採用しています。 === オブジェクトの世代別ガベージコレクション === :<syntaxhighlight lang=js copy> // メモリ効率を意識したオブジェクト設計 class DataProcessor { constructor() { // 小さく、短命なオブジェクトの作成を避ける this.cache = new Map(); } processData(data) { // キャッシュを活用し、不要なオブジェクト生成を抑制 if (this.cache.has(data)) { return this.cache.get(data); } const result = this.heavyComputation(data); this.cache.set(data, result); return result; } heavyComputation(data) { // 複雑な計算 return data.map(x => x * 2).reduce((a, b) => a + b, 0); } } </syntaxhighlight> == プロファイリングと性能分析 == [[Chrome DevTools]] や [[Node.js]] のプロファイリングツールを使用して、アプリケーションの性能ボトルネックを特定します。 === パフォーマンス計測 === :<syntaxhighlight lang=js copy> // 高精度な性能計測 function measurePerformance(fn, iterations = 1000) { const start = performance.now(); for (let i = 0; i < iterations; i++) { fn(); } const end = performance.now(); return (end - start) / iterations; } // 比較対象の関数 function normalLoop(arr) { let sum = 0; for (let i = 0; i < arr.length; i++) { sum += arr[i]; } return sum; } function reducedLoop(arr) { return arr.reduce((sum, num) => sum + num, 0); } const largeArray = Array.from({length: 10000}, (_, i) => i); console.log('通常のループ:', measurePerformance(() => normalLoop(largeArray))); console.log('reduce:', measurePerformance(() => reducedLoop(largeArray))); </syntaxhighlight> == 最適化のベストプラクティス == 性能最適化には、いくつかの重要な原則があります: # 早期最適化を避ける # 具体的な計測データに基づいて最適化を行う # アルゴリズムの選択が最も大きな影響を与える # メモリ割り当てを最小限に抑える === 最適化の具体例 === :<syntaxhighlight lang=js copy> // 配列の事前確保 function efficientArrayCreation(size) { // 悪い例 const badArray = []; for (let i = 0; i < size; i++) { badArray.push(i); } // 良い例 const goodArray = new Array(size); for (let i = 0; i < size; i++) { goodArray[i] = i; } } </syntaxhighlight> {{Stub|it}} {{DEFAULTSORT:もたんJAVASCRIPT}} [[Category:JavaScript]] s28mt8cdockwlnqs06wpi28bdmghwww 276389 276382 2025-06-29T03:57:03Z Ef3 694 /* 最適化の具体例 */ // 非常に良い例1: Array.from() を使用 // 要素を初期化しつつ配列を作成するのに最適 const betterArray1 = Array.from({ length: size }, (_, i) => i); // 非常に良い例2: スプレッド構文と map() を使用 // 短い配列や、既存のイテラブルから新しい配列を作成するのに便利 const betterArray2 = [...new Array(size)].map((_, i) => i);  276389 wikitext text/x-wiki <!-- # 目次案 == 第1章: JavaScript エコシステムの深層解析 == * ECMAScript 仕様の最新トレンドと将来展望 * JavaScript エンジンの内部アーキテクチャ * 言語設計の進化と設計思想 * 最新の言語仕様におけるパラダイムシフト == 第2章: 高度な非同期プログラミング == * 非同期処理の理論的基盤 * Promise, async/await の高度な実装パターン * 並行処理と並列処理の最適化戦略 * 複雑な非同期フローの設計と管理 * 分散システムにおける非同期処理のパターン == 第3章: 関数型プログラミングの高度な技法 == * 関数型プログラミングの数学的基礎 * 高階関数の高度な応用 * モナド、ファンクタ、アプリカティブファンクタの実践 * 代数的データ型とパターンマッチング * 合成可能な関数設計 == 第4章: メタプログラミングと言語拡張 == * Proxy と Reflect の高度な活用 * Symbol と言語拡張テクニック * カスタムイテレータとジェネレータの深堀り * 型システムと動的型付けの限界突破 * JavaScript の言語拡張手法 == 第5章: パフォーマンスエンジニアリング == * JavaScript エンジンの最適化メカニズム * V8 エンジンのコンパイルと最適化戦略 * メモリ管理と高速化テクニック * プロファイリングと性能分析の最新技術 * ボトルネック検出と最適化アプローチ == 第6章: アドバンストアーキテクチャパターン == * マイクロサービスアーキテクチャ * サーバーレスコンピューティングの高度な設計 * リアクティブアーキテクチャ * イベント駆動システムの設計原則 * クリーンアーキテクチャとドメイン駆動設計 == 第7章: セキュリティとレジリエンス == * 高度な暗号化手法 * セキュアコーディングの最先端 * 脆弱性対策と防御戦略 * サイドチャネル攻撃への対応 * 耐障害性システムの設計 == 第8章: 分散システムとクラウドネイティブ開発 == * WebSocket と リアルタイム分散システム * マイクロサービスのデザインパターン * クラウドネイティブアプリケーションの設計 * コンテナ化と次世代インフラストラクチャ * GraphQL と高度な API 設計 == 第9章: 次世代フロントエンド技術 == * WebAssembly との統合 * モダンな状態管理アーキテクチャ * Web Components の高度な実装 * サーバーサイドレンダリングの最適化 * フロントエンドマイクロフロントエンド == 第10章: テストと品質保証の最前線 == * 高度なテスト自動化戦略 * 形式検証とプログラム証明 * カバレッジ解析と品質メトリクス * 継続的インテグレーションの高度な実践 * 静的解析とコード品質管理 == 特別附録 == * JavaScript の将来展望 * エマージングテクノロジーとの統合 * 業界トップエンジニアが語る次世代開発 --> == 言語進化の系譜 == JavaScriptの歴史は、単なるウェブスクリプト言語から、フルスタックな開発を可能にする複雑な言語への驚くべき進化の物語です。1995年にNetscape社のBrendan Eichによって10日間で生み出されたこの言語は、今や世界で最も広く利用されるプログラミング言語の一つとなりました。 言語の進化は、常にコミュニティのニーズと技術的挑戦に応えてきました。ECMAScript仕様は、この進化の礎となり、毎年新しい機能と改善をもたらしています。 === ECMAScriptの設計思想 === ECMAScriptの設計における最も重要な原則は、後方互換性です。これは、既存のコードを破壊せずに新機能を導入するという挑戦的な要求を意味します。例えば、ES6(ECMAScript 2015)で導入された<code>[[JavaScript/let|let]]</code>と<code>[[JavaScript/const|const]]</code>キーワードは、従来の<code>[[JavaScript/var|var]]</code>を完全に置き換えるのではなく、新たな変数宣言方法として共存しています。 以下は、変数宣言の進化を示すコード例です: :<syntaxhighlight lang=js copy> // 従来のvar var x = 10; var x = 20; // 再宣言可能(潜在的なバグの元) // ES6以降のlet let y = 10; // let y = 20; // 再宣言でエラー // 定数宣言 const PI = 3.14159; // PI = 3.14; // 再代入不可 </syntaxhighlight> == JavaScriptエンジンの進化 == 現代のJavaScriptエンジンは、単なるインタープリタではなく、高度な最適化を行う洗練されたランタイム環境です。`V8`、<code>[[JavaScript/SpiderMonkey|SpiderMonkey]]</code>、`JavaScriptCore`など、主要なエンジンは、Just-In-Time(JIT)コンパイル、インラインキャッシュ、隠れクラスなどの技術を駆使して、驚異的な実行速度を実現しています。 === V8エンジンの最適化メカニズム === V8エンジンは、動的型付け言語であるJavaScriptを高速化するために、いくつかの革新的な技術を採用しています: # モノモルフィックからポリモルフィック、メガモルフィックへの最適化戦略 # インライン化とホットパス最適化 # ガベージコレクションの高度な実装 実際の最適化の例を見てみましょう: :<syntaxhighlight lang=js copy> // 最適化されやすい関数 function add(a, b) { return a + b; } // 型の一貫性を保つ let numbers = [1, 2, 3, 4, 5]; numbers.map(x => x * 2); // 一貫した型で最適化可能 // 型の不安定な例 let mixedArray = [1, "two", { value: 3 }]; mixedArray.map(x => x * 2); // 最適化が困難 </syntaxhighlight> == 言語拡張とコンパイル戦略 == 現代のJavaScript開発では、トランスパイラとコンパイル戦略が重要な役割を果たしています。<code>[[JavaScript/Babel|Babel]]</code>のようなツールは、次世代の言語機能を今日のブラウザで実行可能なコードに変換します。 === トランスパイルの仕組み === トランスパイルは、最新のJavaScriptコードを、より広範なブラウザで動作する互換性のあるコードに変換するプロセスです。 :<syntaxhighlight lang=js copy> // ES6のアロー関数 const multiply = (a, b) => a * b; // Babelによってトランスパイルされると function multiply(a, b) { return a * b; } </syntaxhighlight> == 型システムの進化 == JavaScriptの型システムは、長年にわたり進化を続けてきました。動的型付け言語として始まった本言語は、開発者にフレキシビリティを提供する一方で、潜在的な型関連のエラーというリスクも抱えていました。 === TypeScriptの登場 === マイクロソフトによって開発された[[TypeScript]]は、JavaScriptに静的型付けのレイヤーを追加しました。以下のコード例は、その型システムの特徴を示しています: :<syntaxhighlight lang=ts copy> // インターフェース定義 interface User { name: string; age: number; email?: string; // オプショナルプロパティ } // 型付きの関数 function createUser(user: User): User { return { name: user.name, age: user.age }; } // ジェネリクスの活用 function identity<T>(arg: T): T { return arg; } </syntaxhighlight> == 非同期処理の進化 == JavaScriptの非同期処理は、コールバックから始まり、<code>[[JavaScript/Promise|Promise]]</code>を経て、<code>[[JavaScript/async|async]]</code>/<code>[[JavaScript/await|await]]</code>へと進化してきました。この進化は、非同期コードの可読性と管理性を劇的に改善しました。 === 非同期処理のパターン === 複雑な非同期フローの処理方法を見ていきましょう: :<syntaxhighlight lang=js copy> // Promiseチェーン function fetchUserData(userId) { return fetch(`/users/${userId}`) .then(response => response.json()) .then(user => { return fetch(`/posts/${user.defaultPostId}`); }) .then(postResponse => postResponse.json()) .catch(error => { console.error('データ取得エラー:', error); }); } // Async/Await async function fetchComplexData() { try { const userResponse = await fetch('/users/current'); const user = await userResponse.json(); const postsResponse = await fetch(`/posts?userId=${user.id}`); const posts = await postsResponse.json(); return { user, posts }; } catch (error) { console.error('複合データ取得エラー:', error); } } </syntaxhighlight> == モジュールシステムの標準化 == ECMAScript 2015(ES6)は、JavaScriptのモジュールシステムを正式に標準化しました。これにより、依存関係の管理と大規模アプリケーションの構築が格段に容易になりました。 === モジュールの高度な使用 === :<syntaxhighlight lang=js copy> // モジュールのエクスポート export const PI = 3.14159; export function circleArea(radius) { return PI * radius * radius; } // 名前付きエクスポートとデフォルトエクスポート export default class MathUtils { static square(x) { return x * x; } } // 動的インポート async function loadModule() { const module = await import('./dynamicModule.js'); module.initialize(); } </syntaxhighlight> == プロキシとリフレクション == ES6で導入された<code>[[JavaScript/Proxy|Proxy]]</code>と<code>[[JavaScript/Reflect|Reflect]]</code>は、JavaScriptにメタプログラミングの強力な機能を提供しました。 :<syntaxhighlight lang=js copy> // プロキシによるオブジェクト操作 const handler = { get: (target, property) => { console.log(`プロパティ ${property} にアクセスしました`); return target[property]; } }; const proxiedObject = new Proxy({name: 'サンプル'}, handler); console.log(proxiedObject.name); // ログ出力とプロパティアクセス </syntaxhighlight> == 非同期処理の理論的基盤 == 現代のJavaScriptにおける非同期処理は、単なる技術的な実装を超えて、コンピューティングの根本的な哲学を反映しています。イベントループ、コールスタック、タスクキューの相互作用は、非同期プログラミングの本質的なメカニズムを形成しています。 === イベントループの内部メカニズム === イベントループは、JavaScriptの非同期処理の中核となるメカニズムです。以下のコード例は、その動作原理を示しています: :<syntaxhighlight lang=js copy> console.log('開始'); // マイクロタスク Promise.resolve().then(() => { console.log('マイクロタスク'); }); // マクロタスク setTimeout(() => { console.log('タイマータスク'); }, 0); console.log('終了'); // 出力順序: // 開始 // 終了 // マイクロタスク // タイマータスク </syntaxhighlight> == 並行処理と並列処理の戦略 == 現代のウェブアプリケーションでは、複雑な非同期タスクを効率的に処理することが求められます。Web Workerは、メインスレッドとは異なるコンテキストで重い計算を実行する手段を提供します。 === Web Workerによる並列処理 === :<syntaxhighlight lang=js copy> // メインスレッド if (window.Worker) { const myWorker = new Worker('worker.js'); // ワーカーへのメッセージ送信 myWorker.postMessage({ type: 'complexCalculation', data: largeDataSet }); // ワーカーからの応答受信 myWorker.onmessage = function(event) { console.log('計算結果:', event.data); }; } // worker.js self.onmessage = function(event) { if (event.data.type === 'complexCalculation') { const result = performHeavyComputation(event.data.data); self.postMessage(result); } }; </syntaxhighlight> == 高度な非同期フロー制御 == 複雑な非同期シナリオを管理するため、様々な高度なパターンが発展してきました。 === 非同期コンポジション === :<syntaxhighlight lang=js copy> // 直列実行 async function processSequentially(items) { const results = []; for (const item of items) { const result = await processItem(item); results.push(result); } return results; } // 並列実行 async function processInParallel(items) { return Promise.all(items.map(processItem)); } // 制限付き並列実行 async function processWithConcurrencyLimit(items, limit = 3) { const queue = [...items]; const results = []; const inProgress = new Set(); while (queue.length > 0 || inProgress.size > 0) { while (inProgress.size < limit && queue.length > 0) { const item = queue.shift(); const promise = processItem(item) .then(result => { inProgress.delete(promise); return result; }); inProgress.add(promise); results.push(promise); } await Promise.race(inProgress); } return Promise.all(results); } </syntaxhighlight> == 分散システムにおける非同期パターン == マイクロサービスアーキテクチャやクラウドネイティブアプリケーションでは、非同期通信が不可欠です。 === メッセージキューとイベント駆動アーキテクチャ === :<syntaxhighlight lang=js copy> class EventBus { constructor() { this.subscribers = {}; } subscribe(eventType, callback) { if (!this.subscribers[eventType]) { this.subscribers[eventType] = []; } this.subscribers[eventType].push(callback); } publish(eventType, payload) { if (this.subscribers[eventType]) { this.subscribers[eventType].forEach(callback => { callback(payload); }); } } } // 使用例 const eventBus = new EventBus(); eventBus.subscribe('userRegistered', (userData) => { // ユーザー登録後の処理 sendWelcomeEmail(userData); }); eventBus.publish('userRegistered', { id: '12345', email: 'user@example.com' }); </syntaxhighlight> == 関数型プログラミングの数学的基礎 == 関数型プログラミングは、数学的な関数の概念を中心に据えたプログラミングパラダイムです。純粋関数、参照透過性、そして代数的データ型は、この paradigm の根幹を成しています。 === 純粋関数と参照透過性 === 純粋関数は、同じ入力に対して常に同じ出力を返し、外部状態に影響を与えない関数です: :<syntaxhighlight lang=js copy> // 純粋関数の例 const calculateArea = (radius) => { return Math.PI * radius * radius; }; // 参照透過性のデモ const prices = [10, 20, 30, 40, 50]; const taxRate = 0.1; const calculateTotalPrice = (prices, taxRate) => { return prices.map(price => price * (1 + taxRate)); }; const totalPricesWithTax = calculateTotalPrice(prices, taxRate); </syntaxhighlight> == モナド、ファンクタ、アプリカティブファンクタ == 関数型プログラミングの高度な概念を、JavaScriptで実践的に理解していきます。 === Maybeモナドの実装 === :<syntaxhighlight lang=js copy> class Maybe { constructor(value) { this.value = value; } static of(value) { return new Maybe(value); } isNothing() { return this.value === null || this.value === undefined; } map(fn) { return this.isNothing() ? Maybe.of(null) : Maybe.of(fn(this.value)); } flatMap(fn) { return this.isNothing() ? Maybe.of(null) : fn(this.value); } } // 使用例 const getUserName = (user) => user ? Maybe.of(user.name) : Maybe.of(null); const getUserNameLength = (user) => getUserName(user) .map(name => name.length) .value; // nullか文字列の長さ </syntaxhighlight> === エイシンク関数と遅延評価 === 遅延評価は、計算を必要とされるまで遅延させる強力な関数型プログラミングの技法です: :<syntaxhighlight lang=js copy> function* lazySequence() { let n = 0; while (true) { yield n++; } } const numberGenerator = lazySequence(); // 必要な時だけ値を取得 console.log(numberGenerator.next().value); // 0 console.log(numberGenerator.next().value); // 1 </syntaxhighlight> == 代数的データ型とパターンマッチング == JavaScriptでは、完全な代数的データ型をネイティブでサポートしていませんが、オブジェクトと関数を使用して類似の概念を実装できます。 :<syntaxhighlight lang=js copy> // 代数的データ型の模倣 const Result = { Ok: (value) => ({ type: 'Ok', value, map: (fn) => Result.Ok(fn(value)), flatMap: (fn) => fn(value) }), Err: (error) => ({ type: 'Err', error, map: () => Result.Err(error), flatMap: () => Result.Err(error) }) }; // エラーハンドリングへの応用 function divide(a, b) { return b === 0 ? Result.Err('ゼロによる除算') : Result.Ok(a / b); } const result = divide(10, 2) .map(x => x * 2) .map(x => x + 1); </syntaxhighlight> == 合成可能な関数設計 == 関数の合成は、小さな関数を組み合わせて複雑な動作を作り出す強力な手法です。 :<syntaxhighlight lang=js copy> const compose = (...fns) => (x) => fns.reduceRight((acc, fn) => fn(acc), x); const addOne = x => x + 1; const double = x => x * 2; const square = x => x * x; const complexOperation = compose( addOne, // 最後に実行 double, // 2番目に実行 square // 最初に実行 ); console.log(complexOperation(3)); // ((3^2) * 2) + 1 </syntaxhighlight> == プロキシによる動的オブジェクト操作 == プロキシは、JavaScript におけるメタプログラミングの最も強力な機能の一つです。オブジェクトの基本的な操作をインターセプトし、カスタマイズする能力を提供します。 === 高度なプロキシパターン === :<syntaxhighlight lang=js copy> // バリデーションプロキシ function createValidatedObject(target, validator) { return new Proxy(target, { set(obj, prop, value) { if (validator.hasOwnProperty(prop)) { if (!validator[prop](value)) { throw new Error(`無効な値: ${prop}`); } } obj[prop] = value; return true; } }); } // 使用例 const userValidator = { age: (value) => value >= 0 && value < 120, email: (value) => /^[^\s@]+@[^\s@]+\.[^\s@]+$/.test(value) }; const user = createValidatedObject({}, userValidator); user.age = 30; // OK // user.age = 150; // エラーをスロー </syntaxhighlight> == リフレクションと動的型操作 == <code>[[JavaScript/Reflect|Reflect]]</code>オブジェクトは、オブジェクトに対する操作を、関数として実行可能な形で提供します。 === 動的メタプログラミング === :<syntaxhighlight lang=js copy> // オブジェクトの動的検査と操作 const target = { method() { console.log('メソッド呼び出し'); }, property: 'サンプル値' }; // メソッドの存在確認 console.log(Reflect.has(target, 'method')); // true // プロパティの削除 Reflect.deleteProperty(target, 'property'); // メソッドの動的呼び出し Reflect.apply(target.method, target, []); </syntaxhighlight> == シンボルによる高度な抽象化 == <code>[[JavaScript/Symbol|Symbol]]</code>は、JavaScript に一意で不変の識別子を導入する機能です。 === シンボルの高度な使用パターン === :<syntaxhighlight lang=js copy> // プライベートな擬似メンバーの実装 const _private = Symbol('private'); class SecureClass { constructor() { this[_private] = { sensitiveData: '機密情報' }; } // プライベートデータへのアクセス制御 getSensitiveData() { return this[_private].sensitiveData; } } // イテレータのカスタマイズ const customIterator = { [Symbol.iterator]() { let n = 0; return { next() { n++; return n <= 3 ? { value: n, done: false } : { done: true }; } }; } }; </syntaxhighlight> == 型システムの動的拡張 == JavaScriptの型システムを動的に拡張するテクニックを探ります。 === 型ガードと動的型チェック === :<syntaxhighlight lang=js copy> // カスタム型ガード function isString(value) { return typeof value === 'string'; } function processValue(value) { if (isString(value)) { return value.toUpperCase(); } return String(value); } // インターセクション型のシミュレーション function extend(base, ...mixins) { const result = {...base}; mixins.forEach(mixin => { Object.keys(mixin).forEach(key => { result[key] = mixin[key]; }); }); return result; } const baseObject = { id: 1 }; const withName = { name: 'サンプル' }; const extendedObject = extend(baseObject, withName); </syntaxhighlight> == JavaScript エンジンの最適化メカニズム == モダンな JavaScript エンジン、特に V8 は、動的型付け言語でありながら驚異的な性能を実現しています。その鍵は、高度な最適化技術にあります。 === ホットパス最適化 === JavaScript エンジンは、頻繁に実行されるコードパス(ホットパス)を識別し、特別に最適化します: :<syntaxhighlight lang=js copy> // 最適化されやすい関数 function calculateSum(arr) { let sum = 0; for (let i = 0; i < arr.length; i++) { sum += arr[i]; } return sum; } // 一貫した型で呼び出すことで最適化を促進 const numbers = [1, 2, 3, 4, 5]; const consistentResult = calculateSum(numbers); </syntaxhighlight> == インライン化と最適化戦略 == V8 エンジンは、小さな関数を呼び出し元のコンテキストに直接「インライン」化することで、関数呼び出しのオーバーヘッドを削減します。 === インライン化の影響 === :<syntaxhighlight lang=js copy> // インライン化に適した関数 function square(x) { return x * x; } function sumOfSquares(a, b) { return square(a) + square(b); } // V8 は内部的に以下のように最適化する可能性がある function sumOfSquares(a, b) { return (a * a) + (b * b); } </syntaxhighlight> == メモリ管理と最適化 == V8 のガベージコレクションは、メモリ解放と再利用を効率的に行うために、複雑な戦略を採用しています。 === オブジェクトの世代別ガベージコレクション === :<syntaxhighlight lang=js copy> // メモリ効率を意識したオブジェクト設計 class DataProcessor { constructor() { // 小さく、短命なオブジェクトの作成を避ける this.cache = new Map(); } processData(data) { // キャッシュを活用し、不要なオブジェクト生成を抑制 if (this.cache.has(data)) { return this.cache.get(data); } const result = this.heavyComputation(data); this.cache.set(data, result); return result; } heavyComputation(data) { // 複雑な計算 return data.map(x => x * 2).reduce((a, b) => a + b, 0); } } </syntaxhighlight> == プロファイリングと性能分析 == [[Chrome DevTools]] や [[Node.js]] のプロファイリングツールを使用して、アプリケーションの性能ボトルネックを特定します。 === パフォーマンス計測 === :<syntaxhighlight lang=js copy> // 高精度な性能計測 function measurePerformance(fn, iterations = 1000) { const start = performance.now(); for (let i = 0; i < iterations; i++) { fn(); } const end = performance.now(); return (end - start) / iterations; } // 比較対象の関数 function normalLoop(arr) { let sum = 0; for (let i = 0; i < arr.length; i++) { sum += arr[i]; } return sum; } function reducedLoop(arr) { return arr.reduce((sum, num) => sum + num, 0); } const largeArray = Array.from({length: 10000}, (_, i) => i); console.log('通常のループ:', measurePerformance(() => normalLoop(largeArray))); console.log('reduce:', measurePerformance(() => reducedLoop(largeArray))); </syntaxhighlight> == 最適化のベストプラクティス == 性能最適化には、いくつかの重要な原則があります: # 早期最適化を避ける # 具体的な計測データに基づいて最適化を行う # アルゴリズムの選択が最も大きな影響を与える # メモリ割り当てを最小限に抑える === 最適化の具体例 === :<syntaxhighlight lang=js copy> // 配列の事前確保 function efficientArrayCreation(size) { // 悪い例 const badArray = []; for (let i = 0; i < size; i++) { badArray.push(i); } // 良い例 const goodArray = new Array(size); for (let i = 0; i < size; i++) { goodArray[i] = i; } // 非常に良い例1: Array.from() を使用 // 要素を初期化しつつ配列を作成するのに最適 const betterArray1 = Array.from({ length: size }, (_, i) => i); // 非常に良い例2: スプレッド構文と map() を使用 // 短い配列や、既存のイテラブルから新しい配列を作成するのに便利 const betterArray2 = [...new Array(size)].map((_, i) => i);  } </syntaxhighlight> {{Stub|it}} {{DEFAULTSORT:もたんJAVASCRIPT}} [[Category:JavaScript]] fnhlra13ezae3gqxge4w2r4enexrx26 HSK 0 44265 276322 276129 2025-06-28T15:37:18Z Tomzo 248 276322 wikitext text/x-wiki {{Pathnav|メインページ|試験|資格試験}} {{substub}} {{Wikipedia|漢語水平考試}} <b>漢語水平考試</b>、<b>HSK</b>は、中国の教育部が認定する、中国語非母語話者向けの語学検定試験である。 1-6級があり、1級が最も易しく、6級が最も難しい。 ==各級の内容== ===HSK1=== [[HSK/HSK 1 Vocab|語彙]]<br/> [[HSK/HSK 1 Grammar|文法]] ===HSK2=== [[HSK/HSK 2 Vocab|語彙]]<br/> [[HSK/HSK 2 Grammar|文法]] ===HSK3=== [[HSK/HSK 3 Vocab|語彙]]<br/> [[HSK/HSK 3 Grammar|文法]] ===HSK4=== [[HSK/HSK 4 Vocab|語彙]]<br/> [[HSK/HSK 4 Grammar|文法]] ===HSK5=== [[HSK/HSK 5 Vocab|語彙]]<br/> [[HSK/HSK 5 Grammar|文法]] ===HSK6=== [[HSK/HSK 6 Vocab|語彙]]<br/> [[HSK/HSK 6 Grammar|文法]] ==外部リンク== *[https://www.chinesetest.cn/HSK 漢語水平考試公式サイト] - 語彙の一覧も掲載されている。 [[カテゴリ:語学系資格]] [[カテゴリ:中国語]] {{stub|言語}} {{status|0%}} sncwq73uvgh5blfkekdcic80z8dla6m ガリア戦記 第6巻/注解/35節 0 45511 276400 274657 2025-06-29T11:43:03Z Linguae 449 /* 整形テキスト */ 修整 276400 wikitext text/x-wiki <div style="font-family:Arial Black;font-style:normal;font-size:15pt;color:#990033;text-align:center;">C &middot; IVLII &middot; CAESARIS &middot; COMMENTARIORVM &middot; BELLI &middot; GALLICI</div> <div style="font-family:Arial Black;font-style:normal;font-size:30pt;color:#990033;text-align:center;">LIBER &middot; SEXTVS</div> <br> {| id="toc" style="align:center;clear:all;" align="center" cellpadding="5" |- ! style="background:#bbf; text-align:center;" |&nbsp; [[ガリア戦記/注解編|ガリア戦記 注解編]] &nbsp; | style="background:#ccf; text-align:center;" |&nbsp; [[ガリア戦記 第6巻/注解|第6巻]] &nbsp; | style="background:#eef; text-align:center;"| &nbsp;[[ガリア戦記 第6巻/注解/34節|34節]] | [[ガリア戦記 第6巻/注解/35節|35節]] | [[ガリア戦記 第6巻/注解/36節|36節]] &nbsp; |} __notoc__ == 原文テキスト == <div style="font-family:Times New Roman;font-style:normal;font-size:15pt;color:#333;text-align:left;"><ref>原文テキストについては[[ガリア戦記/注解編#原文テキスト]]を参照。</ref> </div> <span style="background-color:#ffc;"></span> ---- ;テキスト引用についての注記 <span style="font-family:Times New Roman;font-style:normal;font-size:15pt;"></span> <span style="font-family:Times New Roman;font-style:oblique;font-size:15pt;"></span> <span style="font-family:Times New Roman;font-style:bold;font-size:15pt;"></span> == 整形テキスト == <div style="font-family:Times New Roman;font-style:normal;font-size:15pt;color:#333;text-align:left;"><ref>整形テキストについては[[ガリア戦記/注解編#凡例]]を参照。</ref> </div> <span style="color:#800;"></span> ---- ;注記 <!-- *原文の <span style="font-family:Times New Roman;font-style:normal;font-size:15pt;">[[wikt:en:accommodatae|accommodātae]], [[wikt:en:allatis|allātīs]], [[wikt:en:Aduatuci|Aduatucī]], [[wikt:en:Aduatucis|Aduatucīs]], [[wikt:en:Aduatucos|Aduatucōs]], [[wikt:en:Aeduae|Aeduae]], [[wikt:en:Aedui#Latin|Aeduī]], [[wikt:en:Aeduis|Aeduīs]], [[wikt:en:Aeduorum|Aeduōrum]], [[wikt:en:Aeduos|Aeduōs]], [[wikt:en:Aeduus#Latin|Aeduus]], [[wikt:en:aequinocti|aequinoctī]], [[wikt:en:affecti|affectī]], [[wikt:en:affectus#Participle|affectus]], [[wikt:en:afferat|afferat]], [[wikt:en:afferret|afferret]], [[wikt:en:afferretur|afferrētur]], [[wikt:en:afflictae|afflīctae]], [[wikt:en:affligunt|afflīgunt]], [[wikt:en:aggregabat|aggregābat]], [[wikt:en:aggregaverant|aggregāverant]] ([[wikt:en:aggregarant|aggregārant]]), [[wikt:en:allato|allātō]], [[wikt:en:Alpis#Latin|Alpīs]], [[wikt:en:appelluntur|appelluntur]], [[wikt:en:appetebat|appetēbat]], [[wikt:en:apportari|apportārī]], [[wikt:en:applicant#Latin|applicant]], [[wikt:en:appropinquabat|appropinquābat]], [[wikt:en:appropinquare#Latin|appropinquāre]], [[wikt:en:appropinquarent|appropinquārent]], [[wikt:en:appropinquaverunt|appropinquāvērunt]] ([[wikt:en:appropinquarunt|appropinquārunt]]), [[wikt:en:appropinquavit|appropinquāvit]], [[wikt:en:appulso#Latin|appulsō]], [[wikt:en:arripere|arripere]], [[wikt:en:articlis|articlīs]], [[wikt:en:ascendissent#Latin|ascendissent]], [[wikt:en:ascensu#Noun|ascēnsū]], [[wikt:en:assidua#Latin|assiduā]], [[wikt:en:assuefacti|assuēfactī]], [[wikt:en:assuescere#Latin|assuēscere]], [[wikt:en:attingit|attingit]], [[wikt:en:attingunt|attingunt]], [[wikt:en:attribuit|attribuit]], [[wikt:en:attribuunt|attribuunt]], [[wikt:en:auris#Latin|aurīs]], [[wikt:en:auxili#Latin|auxilī]], [[wikt:en:cedentis|cēdentīs]], [[wikt:en:clientis|clientīs]], [[wikt:en:cohortis|cohortīs]], [[wikt:en:coicere|coicere]], [[wikt:en:coicerent|coicerent]], [[wikt:en:coici|coicī]], [[wikt:en:coiciant|coiciant]], [[wikt:en:coiciebant|coiciēbant]], [[wikt:en:coiciunt|coiciunt]], [[wikt:en:coiecerant|coiēcerant]], [[wikt:en:coiecerunt|coiēcērunt]], [[wikt:en:coiecisse|coiēcisse]], [[wikt:en:coiecta|coiecta]], [[wikt:en:coiecti|coiectī]], [[wikt:en:coiectis|coiectīs]], [[wikt:en:collatis|collātīs]], [[wikt:en:collaudantur|collaudantur]], [[wikt:en:collaudat|collaudat]], [[wikt:en:collaudatis#Participle|collaudātīs]], [[wikt:en:collis#Latin|collīs]], [[wikt:en:collocabant|collocābant]], [[wikt:en:collocabat|collocābat]], [[wikt:en:collocandis|collocandīs]], [[wikt:en:collocant#Latin|collocant]], [[wikt:en:collocarat|collocārat]], [[wikt:en:collocare#Latin|collocāre]], [[wikt:en:collocaret|collocāret]], [[wikt:en:collocari|collocārī]], [[wikt:en:collocatas|collocātās]], [[wikt:en:collocati#Latin|collocātī]], [[wikt:en:collocatis#Participle|collocātīs]], [[wikt:en:collocavit|collocāvit]], [[wikt:en:collocuti|collocūtī]], [[wikt:en:colloquantur|colloquantur]], [[wikt:en:colloquendi|colloquendī]], [[wikt:en:colloqui#Latin|colloquī]], [[wikt:en:colloquium#Latin|colloquium]], [[wikt:en:compluribus|complūribus]], [[wikt:en:compluris|complūrīs]], [[wikt:en:comprehensis|comprehēnsīs]], [[wikt:en:conantis|cōnantīs]], [[wikt:en:consili|cōnsilī]], [[wikt:en:egredientis#Etymology_2|ēgredientīs]], [[wikt:en:ei#Latin|eī]], [[wikt:en:eis#Latin|eīs]], [[wikt:en:existit#Latin|existit]], [[wikt:en:ferventis#Latin|ferventīs]], [[wikt:en:finis#Latin|fīnīs]], [[wikt:en:glandis#Latin|glandīs]], [[wikt:en:hostis#Latin|hostīs]], [[wikt:en:ignis#Latin|ignīs]], [[wikt:en:illatas|illātās]], [[wikt:en:immittit|immittit]], [[wikt:en:immittunt|immittunt]], [[wikt:en:imparatum|imparātum]], [[wikt:en:imperi#Latin|imperī]], [[wikt:en:incolumis#Latin|incolumīs]], [[wikt:en:inopinantis#Adjective_2|inopīnantīs]], [[wikt:en:irridere#Latin|irrīdēre]], [[wikt:en:irrumpit|irrumpit]], [[wikt:en:irruperunt|irrūpērunt]], [[wikt:en:laborantis#Etymology_2|labōrantīs]], [[wikt:en:montis|montīs]], [[wikt:en:natalis#Latin|nātālīs]], [[wikt:en:navis#Latin|nāvīs]], [[wikt:en:negoti|negōtī]], nōn nūllae, nōn nūllōs, [[wikt:en:offici#Noun_2|officī]], [[wikt:en:omnis#Latin|omnīs]], [[wikt:en:partis#Latin|partīs]], [[wikt:en:periclum#Latin|perīclum]], plūrīs, [[wikt:en:praesidi|praesidī]], [[wikt:en:proeli|proelī]], proficīscentīs, [[wikt:en:resistentis|resistentīs]], [[wikt:en:singularis#Latin|singulārīs]], [[wikt:en:spati#Latin|spatī]], [[wikt:en:subeuntis|subeuntīs]], [[wikt:en:suffossis|suffossīs]], [[wikt:en:sumministrata|sumministrāta]], [[wikt:en:summissis|summissīs]], [[wikt:en:summittebat|summittēbat]], [[wikt:en:summittit|summittit]], [[wikt:en:summoveri|summovērī]], [[wikt:en:Trinobantes#Latin|Trinobantēs]], trīs, [[wikt:en:turris#Latin|turrīs]], [[wikt:en:utilis#Latin|ūtilīs]], [[wikt:en:vectigalis#Latin|vectīgālīs]] </span> などは、<br>それぞれ <span style="font-family:Times New Roman;font-style:normal;font-size:15pt;">[[wikt:en:adcommodatae|adcommodātae]], [[wikt:en:adlatis|adlātīs]], [[wikt:de:Atuatuci|Atuatucī]], Atuatucīs, Atuatucōs, Haeduae, Haeduī, Haeduīs, Haeduōrum, Haeduōs, Haeduus, [[wikt:en:aequinoctii|aequinoctiī]], [[wikt:en:adfecti|adfectī]], [[wikt:en:adfectus#Adjective|adfectus]], [[wikt:en:adferat|adferat]], [[wikt:en:adferret|adferret]], [[wikt:en:adferretur|adferrētur]], [[wikt:en:adflictae|adflīctae]], [[wikt:en:adfligunt|adflīgunt]], [[wikt:en:adgregabat|adgregābat]], [[wikt:en:adgregaverant|adgregāverant]] ([[wikt:en:adgregarant|adgregārant]]), [[wikt:en:adlato|adlātō]], [[wikt:en:Alpes#Latin|Alpēs]], [[wikt:en:adpelluntur|adpelluntur]], [[wikt:en:adpetebat|adpetēbat]], [[wikt:en:adportari|adportārī]], [[wikt:en:adplicant|adplicant]], [[wikt:en:adpropinquabat|adpropinquābat]], [[wikt:en:adpropinquare|adpropinquāre]], [[wikt:en:adpropinquarent|adpropinquārent]], [[wikt:en:adpropinquaverunt|adpropinquāvērunt]] ([[wikt:en:adpropinquarunt|adpropinquārunt]]), [[wikt:en:adpropinquavit|adpropinquāvit]], [[wikt:en:adpulso|adpulsō]], [[wikt:en:adripere|adripere]], [[wikt:en:articulis|articulīs]], [[wikt:en:adscendissent|adscendissent]], [[wikt:en:adscensu#Noun|adscēnsū]], [[wikt:en:adsidua|adsiduā]], [[wikt:en:adsuefacti|adsuēfactī]], [[wikt:en:adsuescere#Latin|adsuēscere]], [[wikt:en:adtingit|adtingit]], [[wikt:en:adtingunt|adtingunt]], [[wikt:en:adtribuit|adtribuit]], [[wikt:en:adtribuunt|adtribuunt]], [[wikt:en:aures#Noun|aurēs]], [[wikt:en:auxilii|auxiliī]], [[wikt:en:cedentes#Latin|cēdentēs]], [[wikt:en:clientes#Latin|clientēs]], [[wikt:en:cohortes#Latin|cohortēs]], [[wikt:en:conicere|conicere]], [[wikt:en:conicerent|conicerent]], [[wikt:en:conici#Latin|conicī]], [[wikt:en:coniciant|coniciant]], [[wikt:en:coniciebant|coniciēbant]], 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style="font-family:Times New Roman;font-style:oblique;font-size:15pt;"></span> <span style="color:#b00;"></span> <span style="color:#800;"></span> <span style="font-size:10pt;"></span> <span style="background-color:#ff0;"></span> == 注解 == === 1項 === <span style="font-family:Times New Roman;font-size:20pt;"></span> ;語釈 <span style="font-family:Times New Roman;font-size:15pt;background-color:#fff;"></span> <span style="font-family:Times New Roman;font-size:15pt;"></span> <span style="font-family:Times New Roman;font-size:15pt;"></span> <span style="background-color:#ccffcc;"></span> <!-- ;対訳 《 》 内は、訳者が説明のために補った語。<span style="font-family:Times New Roman;font-size:30pt;">{</span> <span style="font-family:Times New Roman;font-size:30pt;">}</span> 内は関係文。 <span style="font-family:Times New Roman;font-size:15pt;"></span> --> == 訳文 == *<span style="background-color:#dff;">訳文は、[[ガリア戦記_第6巻#35節]]</span> == 脚注 == {{Reflist}} == 解説 == <!-- {| class="wikitable" style="text-align:center" |- style="height:23em;" | | |} --> == 関連項目 == *[[ガリア戦記]] **[[ガリア戦記/注解編]] ***[[ガリア戦記 第6巻/注解]] **[[ガリア戦記/用例集]] == 関連記事 == == 外部リンク == [[Category:ガリア戦記 第6巻|35節]] ff49zsukx7b4sl4x3nalwd1eqq8npzq カテゴリ:スタブ 中学教育 14 45688 276346 2025-06-28T15:52:03Z Tomzo 248 ページの作成:「[[category:スタブ|ちゆかくきよういく]] [[category:中学校教育|*すたふ]]」 276346 wikitext text/x-wiki [[category:スタブ|ちゆかくきよういく]] [[category:中学校教育|*すたふ]] jl5ecnxgl5nqo3cwivk6uk3wwmrmqrz カテゴリ:スタブ 資格試験 14 45689 276354 2025-06-28T15:58:24Z Tomzo 248 新規 276354 wikitext text/x-wiki {{DEFAULTSORT:しかくしけん}} [[category:スタブ]] [[category:資格試験|*すたふ]] 3ucvmct4sx3pmof2q3u41ulv9u6k1aw カテゴリ:スタブ 初等教育 14 45690 276361 2025-06-28T16:01:42Z Tomzo 248 新規 276361 wikitext text/x-wiki [[category:スタブ|しよとうきよういく]] [[category:初等教育|*すたふ]] 0pl753rm54pk6o5hllkq0cmepyh7yrw ガリア戦記 第6巻/注解/36節 0 45691 276401 2025-06-29T11:45:31Z Linguae 449 36節 276401 wikitext text/x-wiki <div style="font-family:Arial Black;font-style:normal;font-size:15pt;color:#990033;text-align:center;">C &middot; IVLII &middot; CAESARIS &middot; COMMENTARIORVM &middot; BELLI &middot; GALLICI</div> <div style="font-family:Arial Black;font-style:normal;font-size:30pt;color:#990033;text-align:center;">LIBER &middot; SEXTVS</div> <br> {| id="toc" style="align:center;clear:all;" align="center" cellpadding="5" |- ! style="background:#bbf; text-align:center;" |&nbsp; [[ガリア戦記/注解編|ガリア戦記 注解編]] &nbsp; | style="background:#ccf; text-align:center;" |&nbsp; [[ガリア戦記 第6巻/注解|第6巻]] &nbsp; | style="background:#eef; text-align:center;"| &nbsp;[[ガリア戦記 第6巻/注解/35節|35節]] | [[ガリア戦記 第6巻/注解/36節|36節]] | [[ガリア戦記 第6巻/注解/37節|37節]] &nbsp; |} __notoc__ == 原文テキスト == <div style="font-family:Times New Roman;font-style:normal;font-size:15pt;color:#333;text-align:left;"><ref>原文テキストについては[[ガリア戦記/注解編#原文テキスト]]を参照。</ref> </div> <span style="background-color:#ffc;"></span> ---- ;テキスト引用についての注記 <span style="font-family:Times New Roman;font-style:normal;font-size:15pt;"></span> <span style="font-family:Times New 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[[wikt:en:immittunt|immittunt]], [[wikt:en:imparatum|imparātum]], [[wikt:en:imperi#Latin|imperī]], [[wikt:en:incolumis#Latin|incolumīs]], [[wikt:en:inopinantis#Adjective_2|inopīnantīs]], [[wikt:en:irridere#Latin|irrīdēre]], [[wikt:en:irrumpit|irrumpit]], [[wikt:en:irruperunt|irrūpērunt]], [[wikt:en:laborantis#Etymology_2|labōrantīs]], [[wikt:en:montis|montīs]], [[wikt:en:natalis#Latin|nātālīs]], [[wikt:en:navis#Latin|nāvīs]], [[wikt:en:negoti|negōtī]], nōn nūllae, nōn nūllōs, [[wikt:en:offici#Noun_2|officī]], [[wikt:en:omnis#Latin|omnīs]], [[wikt:en:partis#Latin|partīs]], [[wikt:en:periclum#Latin|perīclum]], plūrīs, [[wikt:en:praesidi|praesidī]], [[wikt:en:proeli|proelī]], proficīscentīs, [[wikt:en:resistentis|resistentīs]], [[wikt:en:singularis#Latin|singulārīs]], [[wikt:en:spati#Latin|spatī]], [[wikt:en:subeuntis|subeuntīs]], [[wikt:en:suffossis|suffossīs]], [[wikt:en:sumministrata|sumministrāta]], [[wikt:en:summissis|summissīs]], [[wikt:en:summittebat|summittēbat]], [[wikt:en:summittit|summittit]], [[wikt:en:summoveri|summovērī]], [[wikt:en:Trinobantes#Latin|Trinobantēs]], trīs, [[wikt:en:turris#Latin|turrīs]], [[wikt:en:utilis#Latin|ūtilīs]], [[wikt:en:vectigalis#Latin|vectīgālīs]] </span> などは、<br>それぞれ <span style="font-family:Times New Roman;font-style:normal;font-size:15pt;">[[wikt:en:adcommodatae|adcommodātae]], [[wikt:en:adlatis|adlātīs]], [[wikt:de:Atuatuci|Atuatucī]], Atuatucīs, Atuatucōs, Haeduae, Haeduī, Haeduīs, Haeduōrum, Haeduōs, Haeduus, [[wikt:en:aequinoctii|aequinoctiī]], [[wikt:en:adfecti|adfectī]], [[wikt:en:adfectus#Adjective|adfectus]], [[wikt:en:adferat|adferat]], [[wikt:en:adferret|adferret]], [[wikt:en:adferretur|adferrētur]], [[wikt:en:adflictae|adflīctae]], [[wikt:en:adfligunt|adflīgunt]], [[wikt:en:adgregabat|adgregābat]], [[wikt:en:adgregaverant|adgregāverant]] ([[wikt:en:adgregarant|adgregārant]]), [[wikt:en:adlato|adlātō]], [[wikt:en:Alpes#Latin|Alpēs]], [[wikt:en:adpelluntur|adpelluntur]], [[wikt:en:adpetebat|adpetēbat]], [[wikt:en:adportari|adportārī]], [[wikt:en:adplicant|adplicant]], [[wikt:en:adpropinquabat|adpropinquābat]], [[wikt:en:adpropinquare|adpropinquāre]], [[wikt:en:adpropinquarent|adpropinquārent]], [[wikt:en:adpropinquaverunt|adpropinquāvērunt]] ([[wikt:en:adpropinquarunt|adpropinquārunt]]), [[wikt:en:adpropinquavit|adpropinquāvit]], [[wikt:en:adpulso|adpulsō]], [[wikt:en:adripere|adripere]], [[wikt:en:articulis|articulīs]], [[wikt:en:adscendissent|adscendissent]], [[wikt:en:adscensu#Noun|adscēnsū]], [[wikt:en:adsidua|adsiduā]], [[wikt:en:adsuefacti|adsuēfactī]], [[wikt:en:adsuescere#Latin|adsuēscere]], [[wikt:en:adtingit|adtingit]], [[wikt:en:adtingunt|adtingunt]], [[wikt:en:adtribuit|adtribuit]], [[wikt:en:adtribuunt|adtribuunt]], [[wikt:en:aures#Noun|aurēs]], [[wikt:en:auxilii|auxiliī]], [[wikt:en:cedentes#Latin|cēdentēs]], [[wikt:en:clientes#Latin|clientēs]], [[wikt:en:cohortes#Latin|cohortēs]], [[wikt:en:conicere|conicere]], [[wikt:en:conicerent|conicerent]], [[wikt:en:conici#Latin|conicī]], [[wikt:en:coniciant|coniciant]], [[wikt:en:coniciebant|coniciēbant]], [[wikt:en:coniciunt|coniciunt]], [[wikt:en:coniecerant|coniēcerant]], [[wikt:en:coniecerunt|coniēcērunt]], [[wikt:en:coniecisse|coniēcisse]], [[wikt:en:coniecta|coniecta]], [[wikt:en:coniecti|coniectī]], [[wikt:en:coniectis|coniectīs]], [[wikt:en:conlatis|conlātīs]], [[wikt:en:conlaudantur|conlaudantur]], [[wikt:en:conlaudat|conlaudat]], [[wikt:en:conlaudatis#Participle|conlaudātīs]], [[wikt:en:colles#Latin|collēs]], [[wikt:en:conlocabant|conlocābant]], [[wikt:en:conlocabat|conlocābat]], [[wikt:en:conlocandis|conlocandīs]], [[wikt:en:conlocant|conlocant]], [[wikt:en:conlocarat|conlocārat]], [[wikt:en:conlocare|conlocāre]], [[wikt:en:conlocaret|conlocāret]], [[wikt:en:conlocari|conlocārī]], [[wikt:en:conlocatas|conlocātās]], [[wikt:en:conlocati|conlocātī]], [[wikt:en:conlocatis#Participle|conlocātīs]], [[wikt:en:conlocavit|conlocāvit]], 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[[wikt:en:utiles#Latin|ūtilēs]], [[wikt:en:vectigales|vectīgālēs]] </span> などとした。 --> <span style="font-family:Times New Roman;font-style:normal;font-size:15pt;"></span> <span style="font-family:Times New Roman;font-style:oblique;font-size:15pt;"></span> <span style="color:#b00;"></span> <span style="color:#800;"></span> <span style="font-size:10pt;"></span> <span style="background-color:#ff0;"></span> == 注解 == === 1項 === <span style="font-family:Times New Roman;font-size:20pt;"></span> ;語釈 <span style="font-family:Times New Roman;font-size:15pt;background-color:#fff;"></span> <span style="font-family:Times New Roman;font-size:15pt;"></span> <span style="font-family:Times New Roman;font-size:15pt;"></span> <span style="background-color:#ccffcc;"></span> <!-- ;対訳 《 》 内は、訳者が説明のために補った語。<span style="font-family:Times New Roman;font-size:30pt;">{</span> <span style="font-family:Times New Roman;font-size:30pt;">}</span> 内は関係文。 <span style="font-family:Times New Roman;font-size:15pt;"></span> --> == 訳文 == *<span style="background-color:#dff;">訳文は、[[ガリア戦記_第6巻#36節]]</span> == 脚注 == {{Reflist}} == 解説 == <!-- {| class="wikitable" style="text-align:center" |- style="height:23em;" | | |} --> == 関連項目 == *[[ガリア戦記]] **[[ガリア戦記/注解編]] ***[[ガリア戦記 第6巻/注解]] **[[ガリア戦記/用例集]] == 関連記事 == == 外部リンク == [[Category:ガリア戦記 第6巻|36節]] lkv6q6834zmfdo8trwsaxuz5zczlt97