Wikibooks jawikibooks https://ja.wikibooks.org/wiki/%E3%83%A1%E3%82%A4%E3%83%B3%E3%83%9A%E3%83%BC%E3%82%B8 MediaWiki 1.46.0-wmf.26 first-letter メディア 特別 トーク 利用者 利用者・トーク Wikibooks Wikibooks・トーク ファイル ファイル・トーク MediaWiki MediaWiki・トーク テンプレート テンプレート・トーク ヘルプ ヘルプ・トーク カテゴリ カテゴリ・トーク Transwiki Transwiki‐ノート TimedText TimedText talk モジュール モジュール・トーク Event Event talk Wikibooks:談話室 4 30 298951 298831 2026-04-30T11:03:05Z MediaWiki message delivery 14540 /* Wikimedians of Japan User Group 2026-4 */ 新しい節 298951 wikitext text/x-wiki {{談話室}} ある程度時間のたった議論は[[/過去ログ]]に移動されます。最新の過去ログは [[特別:固定リンク/291757|2026年01月24日 (土) 01:14(UTC)の版]]です(確認日: 2026年1月26日)。過去ログ化の方法については[[Wikibooks:過去ログ化のガイドライン]]を参照ください。 {{/告知}} == WikipediaからWikibooksへのテンプレートの移入とTranswiki名前空間 == Wikipediaで使用されているテンプレートの多くがWikibooks上では導入されておらず、いつものWikipediaの記法でWikibooksを執筆しようとするとテンプレート不在のエラーが多発します。そこでWikipediaからテンプレートを移入 (移植) したいのですが、3点教えて頂きたいことがございます。 # (移入かゼロから自力作成するかは問わず) Wikibooks上でのテンプレートの新規作成は、事前に合意形成などが必要なのでしょうか?それとも好き勝手作っていいものなのでしょうか? # 仮に移入してくる時には、他言語版からの翻訳時と同様の履歴継承方法 (Oldid指定で継承元を示す、あるいはテンプレート名+日時明記する) で問題ないでしょうか? # 「[[Wikibooks:蔵書一覧/テンプレート一覧#Transwiki名前空間]]」によると、テンプレートを置く名前空間はWikibooksテンプレート空間の場合と、Transwiki名前空間と2種類あるように読めるのですが、このTranswiki名前空間にあるテンプレート群は何なのでしょうか? 質問の背景をお伝えしておくと、私の活動している法学の分野では伝統的に法律の概説はWikipediaに執筆し、逐条解説 (1つ1つの条文の細かい解釈や具体例などの提示) はWikibooksに譲るという棲み分けを行ってきたようです。現在私がWikipedia上で加筆している記事の記述が逐条解説まで踏み込んで肥大化してしまったので、一部はWikibooks側に書いた方が良さそうだ、と判断しました。ご存じのとおりWikipediaでは「[[w:Wikipedia:検証可能性|Wikipedia:検証可能性]]」が重視されていて、そのノリで信頼性の高い出典をガチガチに揃えて逐条解説の下書きをしていたのですが、いざ下書きをWikibooksのサンドボックスに投稿したところ ([[Special:Permalink/264757|編集差分]])、出典・脚注系のテンプレートがことごとく存在せずにエラーが出ています。 また、Transwiki名前空間にあるらしい「仮リンク」のテンプレートは、Wikipediaでも多用していたのでWikibooksでも使用したいのですが、Transwiki上にある「仮リンク」はWikibooksで <nowiki>{{{{仮リンク|あいうえお|en|ABC}}}}</nowiki> と記述してそのまま使えるのか、いまいちよく分かりません。[[特別:リンク元/Transwiki:仮リンク]] を見ても、現時点でWikibooksの標準名前空間で使用しているケースはゼロのようです。 Wikipediaと比較してWikibooksの活動が過疎ぎみなのは承知しておりまして、ここで愚痴を言いたいわけではなく、何とか使える形にしたいという前向きな質問の意図だと汲んで頂ければ幸いです。--[[利用者:ProfessorPine|ProfessorPine]] ([[利用者・トーク:ProfessorPine|トーク]]) 2024年12月7日 (土) 03:15 (UTC) :一年以上、議論が止まっていますが、重要な問題なので検討を継続したいと思います。 :個人的には、翻訳などと同様移植元の履歴が継承されていれば問題はなかろうと考えています。--[[利用者:Tomzo|Tomzo]] ([[利用者・トーク:Tomzo|トーク]]) 2026年1月26日 (月) 00:10 (UTC) ::{{コメント2|横から失礼}} 私は管理者などをやったことがないのでわからないのですが、Wiki間インポートを実施するのはいかがですか? ::その後に、Wikibooksに合う形に微調整した方が楽に感じます。 ::おそらくですが、[[WB:IP]]を見る感じ、コピーアンドペーストは推奨されてない方法に思います。 ::私が、管理者権限を持っていたら、協力したいのですが、[[利用者:Tomzo|Tomzo]]さんなどの管理者の協力が必須に感じます…--[[利用者:なまえみてい|なまえみてい]] ([[利用者・トーク:なまえみてい|トーク]]) 2026年2月4日 (水) 10:40 (UTC) == 「デスクトップLinux入門」を作りたい == サーバーではなくデスクトップ向けの,GNU/Linuxディストリビューションのインストール・利用方法を解説した文書をつくりたいと思っています。構想は[[利用者:KASAI_Toushi/デスクトップLinux入門]]にあります。 これにあたって,二つほど質問があります。 * この構想は,Wikibooksでは受け入れられますか? * タイトルは「デスクトップLinux入門」で問題ないでしょうか? [[利用者:KASAI Toushi|KASAI Toushi]] ([[利用者・トーク:KASAI Toushi|トーク]]) 2025年2月28日 (金) 03:55 (UTC) :内容に関してコメントはしかねますが(後述)、原則として受け入れには何ら問題はないと思います。むしろ歓迎です。 :[[情報技術]]にリンク元を作成して、後はツリー構造で作成することをお勧めします。 :「サーバーではなくデスクトップ向けの」という教科書を既存のLinux関係の教科書から分割して作成するのが適当かは不明ですので、それは知見者の方の間で相談いただければと思います。ただ、統合することのメリットが希薄なようであれば、作成することが、wikibooksにはメリットとは考えます。--[[利用者:Tomzo|Tomzo]] ([[利用者・トーク:Tomzo|トーク]]) 2025年2月28日 (金) 07:06 (UTC) ご返信ありがとうございます。分割すべきかどうかはまだ分からないので、利用者ページに下書きを書いておきます。 [[利用者:KASAI Toushi|KASAI Toushi]] ([[利用者・トーク:KASAI Toushi|トーク]]) == 編集合戦の件 == @[[利用者:Tomzo|Tomzo]]様 ~2025-47348氏とHousehome100氏の編集合戦について、どの版まで差し戻しになりますか?(4月中旬から彼らが編集に関わり始めましたが、彼らが関わる前の版にまで遡るのか、編集合戦が発生した(と判断できる)編集の直前の版になるのか)。もし彼らが関わる前の版に戻すとなると、(~2025-47348氏が行った)すじ肉氏が嘗て書いた問題のある版の修正が取り消されることになるので、それの再修正に多くの労力を割くことになりそうです。--[[特別:投稿記録/&#126;2025-49873|&#126;2025-49873]] ([[利用者・トーク:&#126;2025-49873|会話]]) 2025年5月2日 (金) 08:07 (UTC) :本来、ブロック中の編集者が別アカウントで作成した記事は、ブロックの意味をなくすため新規ページは削除、加筆等の編集は削除の上、不可視化とすべきところですが、今回はあまりにも量が多いため、個別の要望を待って対処したいと思います。もし、ページ削除・不可視化等が必要でしたら、最新版を適当なものにするなどご対応の上、削除等の依頼をお願いします。過去履歴の不可視化まで必要ないとお考えであれば、適当と考えられる最新版作成(過去の版へのリバートも可)で十分足りるとは考えています。--[[利用者:Tomzo|Tomzo]] ([[利用者・トーク:Tomzo|トーク]]) 2025年5月2日 (金) 08:24 (UTC) == 移動依頼 == [[旧課程(-2012年度)高等学校数学A/集合と論理]]を[[高等学校数学I/集合と論理]]へ移動お願いします。 *理由:「集合と命題」の内容は2013年度以降『数学I』の範囲になっている。 --[[特別:投稿記録/&#126;2025-57596|&#126;2025-57596]] ([[利用者・トーク:&#126;2025-57596|会話]]) 2025年5月24日 (土) 02:25 (UTC) :対応に関して 「[[トーク:高等学校数学#「学習指導要領」改正に伴う課程の変動について]]」を作成しましたので、ご確認ください。--[[利用者:Tomzo|Tomzo]] ([[利用者・トーク:Tomzo|トーク]]) 2025年5月28日 (水) 06:56 (UTC) == 検索した時に予測候補(サジェスト)が出ないようにできませんか? == 以前は無かったはずです。人によっては不快に感じると思います。--[[特別:投稿記録/&#126;2025-67762|&#126;2025-67762]] ([[利用者・トーク:&#126;2025-67762|会話]]) 2025年6月14日 (土) 14:13 (UTC) :それは難しいと思います。--[[利用者:KINGDOM OF ITALY|KINGDOM OF ITALY]] ([[利用者・トーク:KINGDOM OF ITALY|トーク]]) 2025年7月31日 (木) 08:24 (UTC) == 管理者の再信任のための「定期的な投票」実施について == 皆さん、こんにちは。このたび、[[Wikibooks:管理者の辞任#管理者の再信任投票]]に基づく2025年9月末で任期末を迎える現管理者3名の再信任のための「定期的な投票」を実施したく存じます。方針によれば、「各管理者に対し原則として毎年」行われるべき再信任投票ですが、ここ5年間行われておらず(前回は[[Wikibooks:管理者への立候補/再信任投票/202009|2020年9月]])、現管理者の方3名の無投票での留任が続いております。そこで当コミュニティの事前告知期間も踏まえ2週間後の2025年9月1日(予定)に投票ページとして「[[Wikibooks:管理者への立候補/再信任投票 202509]]」を作成いたします。そこから2週間(336時間)の投票期間を設けたいと存じます。なお、管理者の一人である {{admin|かげろん}} さんは、この再信任投票開始の時点までに活動がない場合には方針に基づき自動退任となります。以上につきまして何かコメントなどございましたらお寄せください。それでは何卒よろしくお願いいたします。--[[利用者:Shokupan|Shokupan]] ([[利用者・トーク:Shokupan|トーク]]) 2025年8月18日 (月) 04:27 (UTC) :{{コメント2|報告}} 事前告知のとおり、[[Wikibooks:管理者への立候補/再信任投票 202509|管理者の再信任投票ページ]]を作成いたしましたので、ご報告いたします。--[[利用者:Shokupan|Shokupan]] ([[利用者・トーク:Shokupan|トーク]]) 2025年9月1日 (月) 04:16 (UTC) == 根気が足りない…… == 現在[[沖縄語]]を執筆しているのですが、全て書き終わる前に根気が尽きてしまいそうです。 [[沖縄語]]を執筆したとて、正直誰の役に立つのか分かりませんし、需要があるのかもよく分かりませんし、そもそもwikibooksの知名度からして執筆しても自分以外見ないのではないかとさえ思うと書く意味はなんなのかなと思います。 今、完成している語学のページは、私が知る限り[[ペルシア語]]だけです。沖縄語も完成させたいという気持ちはありますが、書くべき章を整理したところあまりにも膨大で……。 章は「初級」「中級」「上級」に分けました。根気が続かなかったら途中で私は失踪すると思いますが、同時に、沖縄語は現在消滅の危機にあり、私が失踪したら誰も続きを書いてくれないだろうな……と思います。 じゃあ書かないと!とは思うのですが、なんかやる気が足りないです。 長々と申し訳ありませんでした。もしこれを読んでくださる方がおりましたら、なにかコメントをくださると嬉しいです。また、ウチナーグチのわかる方がいらっしゃいましたら、[[沖縄語]]に軽く目を通して変なところはないか見てくださると助かります。--[[利用者:さきじょーぐー|さきじょーぐー]] ([[利用者・トーク:さきじょーぐー|トーク]]) 2025年9月18日 (木) 09:28 (UTC) :お疲れ様です。 :当方も哲学・倫理学・歴史を中心にいろいろ書いているのですが、2年前の事案でウィキブレイク状態で、ほとんど大したものは書いていません。さきじょーぐーさんが沖縄語のページを充実させていらっしゃること、敬服しております。 :確かにここは知名度も低いのですが、ウィキペディアほどにはおかしな人物が来ないですし、自由にできると思ってはいかがでしょうか。 :なお、沖縄語は全くわからないのでそちらの方には力になれません……。申し訳ないです。--[[利用者:椎楽|椎楽]] ([[利用者・トーク:椎楽|トーク]]) 2025年9月21日 (日) 11:20 (UTC) ::ありがとうございます。まだwikiに参加したばかりなので出会ったことはありませんが、おかしな方があまり来ないというのは、沖縄という政治的に揉めやすいものを扱っているのもありとても嬉しいです。頑張って執筆します。--[[利用者:さきじょーぐー|さきじょーぐー]] ([[利用者・トーク:さきじょーぐー|トーク]]) 2025年9月24日 (水) 05:13 (UTC) == 申し訳ありませんがご協力ください。 == ===ご挨拶=== まずは、皆様にご挨拶させていただきます。アンサイクロペディアから参りました、「たけのこの土」と申します。まだまだ頭の硬い方には慣れていませんが、どうぞよろしくお願いします。 ===お願いしたい点=== この度、Wikipediaでも活動したいと思い、アカウント作成をしようとしたところ、まさかの自分が使用しているIPアドレスが広域ブロックを受けているということで、アカウントを作成することができませんでした。Wikipediaとアカウントが共通しているということでこちらなら出来るかもしれないとアカウント作成したところ、作成できたので…。 ということで、お手数ではございますが、IPの広域ブロック解除に詳しい方がいらっしゃいましたら、解除していただけるとありがたく存じます。--[[利用者:たけのこの土|たけのこの土]] ([[利用者・トーク:たけのこの土|トーク]]) 2025年10月9日 (木) 03:08 (UTC) == <span lang="en" dir="ltr">Help us decide the name of the new Abstract Wikipedia project</span> == <div lang="en" dir="ltr"> <section begin="function1"/> {{int:Hello}}. Please help pick a name for the new Abstract Wikipedia wiki project. This project will be a wiki that will enable users to combine functions from [[:f:|Wikifunctions]] and data from Wikidata in order to generate natural language sentences in any supported languages. These sentences can then be used by any Wikipedia (or elsewhere). There will be two rounds of voting, each followed by legal review of candidates, with votes beginning on 20 October and 17 November 2025. Our goal is to have a final project name selected on mid-December 2025. If you would like to participate, then '''[[m:Special:MyLanguage/Abstract Wikipedia/Abstract Wikipedia naming contest|please learn more and vote now]]''' at meta-wiki. {{Int:Feedback-thanks-title}} <section end="function1"/> </div> -- [[User:Sannita (WMF)|User:Sannita (WMF)]] ([[User talk:Sannita (WMF)|talk]]) 2025年10月20日 (月) 11:42 (UTC) <!-- User:Sannita (WMF)@metawiki が https://meta.wikimedia.org/w/index.php?title=Distribution_list/Global_message_delivery&oldid=29432175 のリストを使用して送信したメッセージ --> == 運動のいくつかの委員会で新任のボランティア委員を募集中 == <section begin="announcement-content" /> 例年10月から12月の期間に、ウィキメディア運動の委員会の一部では新任のボランティア委員を募集します。 それぞれの委員会の詳細は、個別のページがメタウィキにありますのでご参照ください。 * [[m:Special:MyLanguage/Affiliations Committeee|提携団体委員会]](略称AffCom、Affiliations Committee) * [[m:Special:MyLanguage/Ombuds commission|オンブズ委員会]](頭字語OC=Ombuds commission) * [[m:Special:MyLanguage/Wikimedia Foundation/Legal/Community Resilience and Sustainability/Trust and Safety/Case Review Committee|事案評価委員会]](頭字語CRC=Case Review Committee) これら委員会への立候補申請は2025年10月30日から受け付けます。立候補の受付〆切は、提携団体委員会が2025年12月11日、オンブズ委員会と事案評価委員会は2025年12月11日です。立候補申請の手順は[[m:Special:MyLanguage/Wikimedia Foundation/Legal/Committee appointments|Meta-wiki(メタウィキ)にある任命ページ]]をご一読願います。ご質問はその議論ページに投稿するか、メールの場合は cst[[File:At sign.svg|16x16px|link=|(_AT_)]]wikimedia.org 宛にお送りください。 委員会支援チームの一同より <section end="announcement-content" /> -[[m:User:MKaur (WMF)| MKaur (WMF)]] 2025年10月30日 (木) 14:12 (UTC) <!-- User:MKaur (WMF)@metawiki が https://meta.wikimedia.org/w/index.php?title=Distribution_list/Global_message_delivery&oldid=29517125 のリストを使用して送信したメッセージ --> == Wikimedians of Japan User Group 2025-10 == '''全体ニュース''' * 1月から6月までの[https://wikimediafoundation.org/who-we-are/transparency/2025-1/ 透明性レポート](英語)が公表されました。 * 提携団体委員会、オンブズ委員会、事案審査委員会への[[:m:Wikimedia_Foundation/Legal/Committee_appointments/ja|応募]]受付が開始されました。 '''ESEAPハブからのおしらせ'''[[File:ESEAP logo horizontal.svg|40px|link=:m:ESEAP_Hub/ja]] * 11月9日16時(JST)から[[:m:Event:ESEAP_Community_Call_53_(9_November_2025)|オンラインミーティング]]が行われます。 '''Wikimedians of Japan User Groupからのおしらせ'''[[File:Wikimedians of Japan User Group Logoonly.svg|20px|link=:m:Wikimedians_of_Japan_User_Group]] * 11月7日、8日に開催される[https://www.k-of.jp/2025/ 関西オープンフォーラム]に参加します。 * 11月22日に開催される[https://event.ospn.jp/osc2025-fukuoka/ OSC福岡]に参加します。また、翌23日には[https://techplay.jp/event/987206 オープンデータを作ろう! with ウィキメディアもくもく会 in 北九州]を[https://www.osmf.jp OSMFJ]と共催します。 '''[[:w:ja:メインページ|日本語版ウィキペディア]]'''[[File:Wikipedia-logo-v2.svg|20px|link=:w:ja:]] * [[:w:ja:Wikipedia:ウィキペディア・アジア月間|アジア月間]]が行われます。 * 今月は以下の記事が[[:w:ja:Wikipedia:良質な記事/良質な記事の選考|良質な記事の選考]]を通過しました。 **[[:w:ja:魚梁船|魚梁船]] **[[:w:ja:生得性仮説|生得性仮説]] **[[:w:ja:炎舞|炎舞]] **[[:w:ja:エリダヌス座|エリダヌス座]] **[[:w:ja:中堀由希子|中堀由希子]] **[[:w:ja:いて座|いて座]] **[[:w:ja:スティーブン (イングランド王)|スティーブン (イングランド王)]] **[[:w:ja:君と宇宙を歩くために|君と宇宙を歩くために]] **[[:w:ja:久隔帖|久隔帖]] * 今月の1枚 [[File:Lunar eclipse of 2025 September 7 (Montage s3).jpg|alt=|left|thumb|200x200px|​2025年9月7日の皆既[[:w:ja:月食|月食]]の時系列画像]] '''[[:f:|ウィキファンクションズ]]'''[[File:Wikifunctions-logo.svg|20px|link=:f:]] * * 抽象ウィキペディア(Abstract Wikipedia)の[[:m:Abstract_Wikipedia/Abstract_Wikipedia_naming_contest|正式名称]]の第1回投票は11月3日までです。 '''11月のイベント情報''' * 11/1 [https://tobemori-seeds.com/archives/2999 とべもりウィキペディアタウン] * 11/8 [https://mykoho.jp/article/012084/9874593/9964880 ウィキペディアタウン in 北見ワークショップ] * 11/8 [https://www.lib.city-hokuto.ed.jp/akeno/event-info/316/ ウィキペディアタウン@北杜in明野] * 11/9 [https://www2.city.tahara.aichi.jp/section/library/info/2511wikiatumi.html ウィキペディアタウンin渥美] * 11/9 [https://www.city.higashikurume.lg.jp/library/1024999/1027652.html ウィキペディアタウンin東久留米 ~武蔵野鉄道引き込み線~] * 11/15 [https://www.town.nakai.kanagawa.jp/soshiki/chiikibosaikachiikijohohan/citypromo/3716.html ウィキペディアタウンin里都] * 11/23 [https://facebook.com/events/s/wikipedia%E3%83%95%E3%83%B3%E3%82%AB%E3%82%AF14%E5%9D%82%E5%8F%A3%E5%AE%89%E5%90%BE/1534587237725121/ Wikipediaブンガク 坂口安吾] * 11/29 [https://www.city.yokkaichi.lg.jp/www/contents/1724135632047/index.html みんなで「あさけ」界隈を歩いてウィキペディアと世界地図に足跡を残そう!] * 11/30 [https://www.city.inazawa.aichi.jp/museum/0000005195.html ウィキペディアタウン稲沢] '''前回配信:2025年9月30日''' <hr style="border-top: 2px 破線 #7F9AEB; border-bottom: none;"> 配信元: ''[[:m:Wikimedians of Japan User Group|Wikimedians of Japan User Group]]''<br /> <small>[[:m:Talk:Wikimedians of Japan User Group/メールマガジン|フィードバック]]。[[:m:Wikimedians of Japan User Group/メールマガジン/targets list| 登録・削除]]。</small>2025年10月31日 (金) 09:53 (UTC) <hr style="border-top: 2px 破線 #7F9AEB; border-bottom: none;"> <!-- User:Chqaz-WMJPUG@metawiki が https://meta.wikimedia.org/w/index.php?title=Wikimedians_of_Japan_User_Group/%E3%83%A1%E3%83%BC%E3%83%AB%E3%83%9E%E3%82%AC%E3%82%B8%E3%83%B3/targets_list&oldid=29400209 のリストを使用して送信したメッセージ --> == <span lang="en" dir="ltr">Reminder: Help us decide the name of the new Abstract Wikipedia project</span> == <div lang="en" dir="ltr"> <section begin="function2"/> {{int:Hello}}. Reminder: Please help to choose name for the new Abstract Wikipedia wiki project. The finalist vote starts today. The finalists for the name are: <span lang="en" dir="ltr" class="mw-content-ltr">Abstract Wikipedia, Multilingual Wikipedia, Wikiabstracts, Wikigenerator, Proto-Wiki</span>. If you would like to participate, then '''[[m:Special:MyLanguage/Abstract Wikipedia/Abstract Wikipedia naming contest|please learn more and vote now]]''' at meta-wiki. {{Int:Feedback-thanks-title}} <section end="function2"/> </div> -- [[User:Sannita (WMF)|User:Sannita (WMF)]] ([[User talk:Sannita (WMF)|talk]]) 2025年11月20日 (木) 14:21 (UTC) <!-- User:Sannita (WMF)@metawiki が https://meta.wikimedia.org/w/index.php?title=Distribution_list/Global_message_delivery&oldid=29583860 のリストを使用して送信したメッセージ --> == Wikimedians of Japan User Group 2025-11 == '''全体ニュース''' * ウィキメディア財団の[[:foundation:File:Wikimedia_Foundation_FY_24-25_Audit_Report.pdf|監査報告]](英語)が公表されました。 * 提携団体委員会、オンブズ委員会、事案審査委員会への[[:m:Wikimedia_Foundation/Legal/Committee_appointments/ja|応募]]は12月11日までです。 * ウィキマニア2027はチリのサンディエゴで開催されることが決定しました。 '''ESEAPハブからのおしらせ'''[[File:ESEAP logo horizontal.svg|40px|link=:m:ESEAP_Hub/ja]] * 12月6日17時半(JST)から[[:m:Event:ESEAP_Community_Call_54_(6_December_2025)|オンラインミーティング]]が行われます。 '''Wikimedians of Japan User Groupからのおしらせ'''[[File:Wikimedians of Japan User Group Logoonly.svg|20px|link=:m:Wikimedians_of_Japan_User_Group]] * 12月6日に大阪大学中之島センターにて、[[:m:Wikimedians of Japan User Group/events/West-Japan Wikimedia Conference 2025|West-Japan Wikimedia Conference 2025]]を開催します。 * 翌7日には[https://opendata-mokumoku2025.peatix.com/view もくもく会]を開催します。 '''[[:w:ja:メインページ|日本語版ウィキペディア]]'''[[File:Wikipedia-logo-v2.svg|20px|link=:w:ja:]] * 今月は以下の記事が[[:w:ja:Wikipedia:良質な記事/良質な記事の選考|良質な記事の選考]]を通過しました。 **[[:w:ja:根岸町 (仙台市)|根岸町 (仙台市)]] **[[:w:ja:遮光器土偶|遮光器土偶]] **[[:w:ja:尾去沢銅山事件|尾去沢銅山事件]] **[[:w:ja:雄勝地区|雄勝地区]] **[[:w:ja:ギャラクシー・ズー|ギャラクシー・ズー]] **[[:w:ja:ジ・アート・オブ・チャーリー・チャン・ホックチャイ|ジ・アート・オブ・チャーリー・チャン・ホックチャイ]] **[[:w:ja:第一次ポエニ戦争の講和条約|第一次ポエニ戦争の講和条約]] **[[:w:ja:道鏡|道鏡]] **[[:w:ja:八方池|八方池]] **[[:w:ja:マケドニア名称論争|マケドニア名称論争]] **[[:w:ja:連室細管|連室細管]] **[[:w:ja:オヴィリ|オヴィリ]] **[[:w:ja:原阿佐緒|原阿佐緒]] **[[:w:ja:宇佐八幡宮神託事件|宇佐八幡宮神託事件]] **[[:w:ja:薬師岳の圏谷群|薬師岳の圏谷群]] **[[:w:ja:うしかい座|うしかい座]] **[[:w:ja:上海郵便局|上海郵便局]] **[[:w:ja:日本大辞書|日本大辞書]] **[[:w:ja:細川ガラシャ|細川ガラシャ]] * 今月の1枚 [[File:Irozaki 20210131-2.jpg|alt=|thumb|200x200px|静岡県南伊豆町にある[[:w:ja:石廊崎|石廊崎]]の先端の画像|none]] '''[[:wmfblog:|Diff]]''' Diffはウィキメディアに関するブログプラットフォームです。今月から毎月Diffの掲載された記事を紹介します。タイトル / 著者;翻訳者 (掲載日) の順で記載しています。 * [https://diff.wikimedia.org/ja/2025/11/01/%e3%80%8c%e3%82%a6%e3%82%a3%e3%82%ad%e3%83%9a%e3%83%87%e3%82%a3%e3%82%a2%e3%82%bf%e3%82%a6%e3%83%b3in%e5%b2%a9%e6%9d%91%e3%80%8d%e3%81%ab%e5%8f%82%e5%8a%a0%e3%81%99%e3%82%8b/ 「ウィキペディアタウンin岩村」に参加する] / Asturio Cantabrio (2025/11/01) * [https://diff.wikimedia.org/ja/2025/11/02/%e3%82%a6%e3%82%a3%e3%82%ad%e3%83%a1%e3%83%87%e3%82%a3%e3%82%a2%e3%83%bb%e3%83%af%e3%83%bc%e3%83%ab%e3%83%89in%e5%9b%b3%e6%9b%b8%e9%a4%a8%e7%b7%8f%e5%90%88%e5%b1%952025%ef%bc%9a%e3%82%a6%e3%82%a3/ ウィキメディア・ワールドin図書館総合展2025:ウィキマニア・ナイロビ参加報告] / Wadakuramon ( 2025/11/02) * [https://diff.wikimedia.org/ja/2025/11/02/%e3%80%8c%e3%82%a6%e3%82%a3%e3%82%ad%e3%83%9a%e3%83%87%e3%82%a3%e3%82%a2%e3%81%ab%e3%82%83%e3%82%a6%e3%83%b3-vol-8%e2%91%a1-%e6%96%87%e5%8c%96%e8%b2%a1xwikipedia%e3%80%8d%e3%81%ab%e5%8f%82/ 「ウィキペディアにゃウン vol.8② 文化財×Wikipedia」に参加する] / Asturio Cantabrio (2025/11/02) * [https://diff.wikimedia.org/ja/2025/11/03/wikipedia%e8%a8%98%e4%ba%8b%e3%80%8c%e6%b8%af%e5%8d%97%e5%8f%b0%e3%82%b7%e3%83%8d%e3%82%b5%e3%83%ad%e3%83%b3%e3%80%8d%e3%82%92%e4%bd%9c%e6%88%90%e3%81%99%e3%82%8b/ Wikipedia記事「港南台シネサロン」を作成する] / Asturio Cantabrio (2025/11/03) * [https://diff.wikimedia.org/ja/2025/11/03/%e3%82%a6%e3%82%a3%e3%82%ad%e3%83%a1%e3%83%87%e3%82%a3%e3%82%a2%e3%82%82%e3%81%8f%e3%82%82%e3%81%8f%e4%bc%9a2025%e5%b9%b410%e6%9c%88%e6%9d%b1%e4%ba%ac%e3%81%a7%e8%aa%95%e7%94%9f%ef%bc%81wikidata/ ウィキメディアもくもく会2025年10月東京で誕生!Wikidata項目欠落検索ツール『Wikidata Missing』] / Ecute (2025/11/03) * [https://diff.wikimedia.org/ja/2025/11/04/%e3%82%a6%e3%82%a3%e3%82%ad%e3%83%9e%e3%83%8b%e3%82%a22027%e9%96%8b%e5%82%ac%e5%9c%b0%e6%b1%ba%e5%ae%9a/ ウィキマニア2027開催地決定] / Wikimania Steering Committee (2025/11/04) * [https://diff.wikimedia.org/ja/2025/11/06/73%e6%ad%b3%e3%81%ae%e3%82%a6%e3%82%a3%e3%82%ad%e3%83%a1%e3%83%87%e3%82%a3%e3%82%a2%e3%83%b3%e3%81%ae%e4%b8%80%e6%97%a5/ 73歳のウィキメディアンの一日] / Wadakuramon (2025/11/06) * [https://diff.wikimedia.org/ja/2025/11/07/%e3%82%a6%e3%82%a3%e3%82%ad%e3%82%ab%e3%83%b3%e3%83%95%e3%82%a1%e3%83%ac%e3%83%b3%e3%82%b9%e3%83%bb%e3%82%bd%e3%82%a6%e3%83%ab2025%e3%80%81%e3%82%a6%e3%82%a3%e3%82%ad%e3%83%a1%e3%83%87%e3%82%a3/ ウィキカンファレンス・ソウル2025、ウィキメディアの未来は多様性にあり] / Wikimedia Korea ; Wadakuramon (2025/11/07) * [https://diff.wikimedia.org/ja/2025/11/14/%e3%82%a6%e3%82%a3%e3%82%ad%e3%83%9a%e3%83%87%e3%82%a3%e3%82%a2%e5%88%a9%e7%94%a8%e8%80%85%e3%81%ab%e6%96%b0%e3%81%97%e3%81%84%e3%83%88%e3%83%ac%e3%83%b3%e3%83%89/ ウィキペディア利用者に新しいトレンド] Marshall Miller ; Omotecho (2025/11/14) * [https://diff.wikimedia.org/ja/2025/11/16/%e9%96%a2%e8%a5%bf%e3%82%aa%e3%83%bc%e3%83%97%e3%83%b3%e3%83%95%e3%82%a9%e3%83%bc%e3%83%a9%e3%83%a0%e3%81%a7%e3%82%a6%e3%82%a3%e3%82%ad%e3%83%9e%e3%83%8b%e3%82%a2%e3%81%ae%e8%a9%b1%e3%82%92%e3%81%97/ 関西オープンフォーラムでウィキマニアの話をしました] / Wadakuramon (2025/11/16) * [https://diff.wikimedia.org/ja/2025/11/26/%e3%82%a6%e3%82%a3%e3%82%ad%e3%83%a1%e3%83%87%e3%82%a3%e3%82%a2%e5%9b%b3%e6%9b%b8%e9%a4%a8%ef%bc%9a100%e4%b8%87%e4%bb%b6%e3%81%ae%e3%83%aa%e3%83%b3%e3%82%af%e3%81%a8%e3%81%9d%e3%81%ae%e5%85%88/ ウィキメディア図書館:100万件のリンクとその先] / Vipin SJ;Omotecho (2025/11/26) * [https://diff.wikimedia.org/ja/2025/11/27/international-semantic-web-conference-2025-%e3%81%ab%e5%8f%82%e5%8a%a0%e3%81%97%e3%81%9f%e3%82%a6%e3%82%a3%e3%82%ad%e3%83%a1%e3%83%87%e3%82%a3%e3%82%a2%e3%83%b3%e3%81%ae%e6%84%9f%e6%83%b3/ International Semantic Web Conference 2025 に参加したウィキメディアンの感想] / Eugene Ormandy (2025/11/27) '''前回配信:2025年10月31日''' <hr style="border-top: 2px 破線 #7F9AEB; border-bottom: none;"> 配信元: ''[[:m:Wikimedians of Japan User Group|Wikimedians of Japan User Group]]''<br /> <small>[[:m:Talk:Wikimedians of Japan User Group/メールマガジン|フィードバック]]。[[:m:Wikimedians of Japan User Group/メールマガジン/targets list| 登録・削除]]。</small>2025年11月30日 (日) 13:06 (UTC) <hr style="border-top: 2px 破線 #7F9AEB; border-bottom: none;"> <!-- User:Chqaz-WMJPUG@metawiki が https://meta.wikimedia.org/w/index.php?title=Wikimedians_of_Japan_User_Group/%E3%83%A1%E3%83%BC%E3%83%AB%E3%83%9E%E3%82%AC%E3%82%B8%E3%83%B3/targets_list&oldid=29717105 のリストを使用して送信したメッセージ --> == Wikimedians of Japan User Group 2025-12 == '''全体ニュース''' * ウィキペディアは1月15日で25周年を迎えます。同時に[[:m:Event:Wikipedia_25_Virtual_Celebration/ja|バーチャルお祝い会]]も開催されます。 * 1月20日にBernadette Meehanさんがウィキメディア財団のCEOに就任します。 '''ESEAPハブからのおしらせ'''[[File:ESEAP logo horizontal.svg|40px|link=:m:ESEAP_Hub/ja]] * 2027年のESEAPサミットは日本で開催することに決定しました。 '''Wikimedians of Japan User Groupからのおしらせ'''[[File:Wikimedians of Japan User Group Logoonly.svg|20px|link=:m:Wikimedians_of_Japan_User_Group]] * 1月31日に開催される[https://event.ospn.jp/osc2026-osaka/ OSC大阪]に参加します。 * [https://www.youtube.com/@WikimediaJaUG YouTubeチャンネル]を作成しました。 * 12月6日に[[:m:Wikimedians of Japan User Group/events/West-Japan Wikimedia Conference 2025|West-Japan Wikimedia Conference 2025]]を開催しました。 '''[[:w:ja:メインページ|日本語版ウィキペディア]]'''[[File:Wikipedia-logo-v2.svg|20px|link=:w:ja:]] * 今月は以下の記事が[[:w:ja:Wikipedia:良質な記事/良質な記事の選考|良質な記事の選考]]を通過しました。 **[[:w:ja:ロンドン自然史博物館の天井|ロンドン自然史博物館の天井]] **[[:w:ja:ミャンマーの歴史|ミャンマーの歴史]] **[[:w:ja:ボーラーン|ボーラーン]] **[[:w:ja:天蓋の聖母 (ラファエロ)|天蓋の聖母 (ラファエロ)]] **[[:w:ja:流行神|流行神]] **[[:w:ja:瑠璃坏|瑠璃坏]] **[[:w:ja:や座|や座]] **[[:w:ja:京坂キリシタン一件|京坂キリシタン一件]] **[[:w:ja:ベトナムの歴史|ベトナムの歴史]] **[[:w:ja:オニオオハシ|オニオオハシ]] **[[:w:ja:白瑠璃碗 (正倉院宝物)|白瑠璃碗 (正倉院宝物)]] **[[:w:ja:漢字|漢字]] **[[:w:ja:貞享の半知|貞享の半知]] **[[:w:ja:カンボジア文学|カンボジア文学]] **[[:w:ja:足利政知|足利政知]] * 今月の1枚 [[File:DSC_1418-DeNoiseAI-low-light_(1).jpg|alt=|thumb|200x200px|静岡県南伊豆町にある[[:w:ja:ヤマセミ|ヤマセミ]]のホバリング|none]] '''1月のイベント情報''' * 1/10 [[:w:ja:Wikipedia:オフラインミーティング/ウィキペディア25周年記念エディタソン|ウィキペディア25周年記念エディタソン]] * 1/25 [https://okunoto-archive.jp/202512/223/ ウィキペディアタウンin珠洲] * 1/25 [https://www.city.tambasasayama.lg.jp/chuotoshokan/information/27347.html ウィキペディアタウンin丹波篠山 Vol.2~丹波篠山の自慢「丹波黒」を世界に発信~] '''[[:wmfblog:|Diff]]''' タイトル / 著者;翻訳者 (掲載日) の順で記載しています。 * [https://diff.wikimedia.org/ja/2025/12/01/%e3%82%aa%e3%83%bc%e3%83%97%e3%83%b3%e3%82%bd%e3%83%bc%e3%82%b9%e3%82%ab%e3%83%b3%e3%83%95%e3%82%a1%e3%83%ac%e3%83%b3%e3%82%b92025kyoto%e3%81%ab%e5%8f%82%e5%8a%a0/ オープンソースカンファレンス2025Kyotoに参加] / VZP10224 (2025/12/01) * [https://diff.wikimedia.org/ja/2025/12/03/%e3%82%a6%e3%82%a3%e3%82%ad%e3%83%a1%e3%83%87%e3%82%a3%e3%82%a2%e3%83%bb%e3%83%af%e3%83%bc%e3%83%ab%e3%83%89in%e5%9b%b3%e6%9b%b8%e9%a4%a8%e7%b7%8f%e5%90%88%e5%b1%952025%ef%bc%9a6%e4%ba%ba%e3%81%ae/ ウィキメディア・ワールドin図書館総合展2025:6人のオンラインフォーラム] / Wadakuramon (2025/12/03) * [https://diff.wikimedia.org/ja/2025/12/13/%e3%82%a6%e3%82%a3%e3%82%ad%e3%83%a1%e3%83%87%e3%82%a3%e3%82%a2%e3%83%bb%e3%83%af%e3%83%bc%e3%83%ab%e3%83%89in%e5%9b%b3%e6%9b%b8%e9%a4%a8%e7%b7%8f%e5%90%88%e5%b1%952025%ef%bc%9a%e3%83%96%e3%8w3%bc/ ウィキメディア・ワールドin図書館総合展2025:ブース展示と横浜エディタソン] / Wadakuramon (2025/12/13) * [https://diff.wikimedia.org/ja/2025/12/14/%e3%80%8c%e3%82%a6%e3%82%a3%e3%82%ad%e3%83%9a%e3%83%87%e3%82%a3%e3%82%a2%e3%82%bf%e3%82%a6%e3%83%b3in%e5%92%8c%e6%ad%8c%e5%b1%b12025%e3%80%8d%e3%81%ab%e5%8f%82%e5%8a%a0%e3%81%99%e3%82%8b/ 「ウィキペディアタウンin和歌山2025」に参加する] / Asutrio Cantabrio (2025/12/14) * [https://diff.wikimedia.org/ja/2025/12/14/12%e6%9c%88%e3%82%92%e6%b5%b7%e5%a4%96%e3%81%ae%e3%82%a6%e3%82%a3%e3%82%ad%e3%83%a1%e3%83%87%e3%82%a3%e3%82%a2%e3%83%b3%e3%81%a8%e9%81%8e%e3%81%94%e3%81%99/ 12月を海外のウィキメディアンと過ごす] / Wadakuramon (2025/12/14) * [https://diff.wikimedia.org/ja/2025/12/16/diff%e3%81%af2026%e5%b9%b4%e3%81%be%e3%81%a7%e3%81%8a%e4%bc%91%e3%81%bf%e3%81%97%e3%81%be%e3%81%99/ Diffは2026年までお休みします] / Chris Koerner ; Wadakuramon (2025/12/16) * [https://diff.wikimedia.org/ja/2025/12/17/%e6%ad%a3%e5%80%89%e9%99%a2%e5%b1%95-%e3%81%a8-%e8%a8%98%e4%ba%8b%e5%9f%b7%e7%ad%86-%e7%91%a0%e7%92%83%e5%9d%8f%e3%81%a8%e3%82%82%e3%81%86%e4%b8%80%e3%81%a4%e3%81%ae%e7%99%bd%e7%91%a0%e7%92%83/ 正倉院展 と 記事執筆 -瑠璃坏ともう一つの白瑠璃碗-] / Lin Xiangru (2025/12/17) * [https://diff.wikimedia.org/ja/2025/12/19/%e3%82%a6%e3%82%a3%e3%82%ad%e3%83%9e%e3%83%8b%e3%82%a22026%e3%81%ab%e5%90%91%e3%81%91%e3%81%a6/ ウィキマニア2026に向けて] / Wikimania Core Organizing Team (2025/12/19) * [https://diff.wikimedia.org/ja/2025/12/19/west-japan-wikimedia-conference-2025%e5%8f%82%e5%8a%a0%e8%a8%98%ef%bc%9a%e6%a8%aa%e6%b5%9c%e3%82%a8%e3%83%87%e3%82%a3%e3%82%bf%e3%82%bd%e3%83%b3%e3%82%92%e7%b4%b9%e4%bb%8b/ West-Japan Wikimedia Conference 2025参加記:横浜エディタソンを紹介] / Wadakuramon (2025/12/19) * [https://diff.wikimedia.org/ja/2025/12/19/%e3%82%a6%e3%82%a3%e3%82%ad%e3%83%a1%e3%83%87%e3%82%a3%e3%82%a2%e8%b2%a1%e5%9b%a32026-27%e5%b9%b4%e6%ac%a1%e8%a8%88%e7%94%bb%e3%81%ae%e3%82%b4%e3%83%bc%e3%83%ab%e7%ad%96%e5%ae%9a%ef%bc%9a%e3%82%a6/ ウィキメディア財団2026-27年次計画のゴール策定:ウィキメディア運動の重点となる質問] / Selena Deckelmann ; Omotecho (2025/12/19) * [https://diff.wikimedia.org/ja/2025/12/23/%e6%97%a5%e6%9c%ac%e3%81%ae%e3%82%a6%e3%82%a3%e3%82%ad%e3%83%a1%e3%83%87%e3%82%a3%e3%82%a2%e3%83%b3%e3%81%8cwikiconference-seoul-2025%e3%81%ab%e5%8f%82%e5%8a%a0%e3%81%97%e3%81%a6%e3%81%8d%e3%81%9f/ 日本のウィキメディアンがWikiConference Seoul 2025に参加してきた記録] / Narumi.SBT (2025/12/23) '''前回配信:2025年11月30日''' <hr style="border-top: 2px 破線 #7F9AEB; border-bottom: none;"> 配信元: ''[[:m:Wikimedians of Japan User Group|Wikimedians of Japan User Group]]''<br /> <small>[[:m:Talk:Wikimedians of Japan User Group/メールマガジン|フィードバック]]。[[:m:Wikimedians of Japan User Group/メールマガジン/targets list| 登録・削除]]。</small>2025年12月31日 (水) 11:04 (UTC) <hr style="border-top: 2px 破線 #7F9AEB; border-bottom: none;"> <!-- User:Chqaz-WMJPUG@metawiki が https://meta.wikimedia.org/w/index.php?title=Wikimedians_of_Japan_User_Group/%E3%83%A1%E3%83%BC%E3%83%AB%E3%83%9E%E3%82%AC%E3%82%B8%E3%83%B3/targets_list&oldid=29848173 のリストを使用して送信したメッセージ --> == ほぼ同内容かつ似た題名の記事の並立について(日本語方言など) == [[日本語/方言]]と[[日本語の方言]]は同じような題で同じような内容を載せていますが、この2つはどう違うのでしょう。同じ意図で作ったものならどちらかに統合すべきだと思いますが、統合後はどちらの記事名にするのが良いでしょうか。 加えて、こういった例は他にも必ず存在する気がするのですが、そういった場合の方針などがあれば教えていただきたいです。--[[利用者:BrassSnail|BrassSnail]] ([[利用者・トーク:BrassSnail|トーク]]) 2026年1月12日 (月) 13:28 (UTC) :こちらでシスオペをやっております、[[利用者:Tomzo|Tomzo]] ([[利用者・トーク:Tomzo|トーク]])と申します。 :ご指摘ありがとうございます。本件ご指摘のとおりだと思います。手続き導入からは日が浅いものの、「[[Wikibooks:統合提案]]」という手続きがありますのでご紹介いたします。そちらで、ご提案をいただけるのとありがたいのですが、お忙しいようであれば、機会を見計らい私が対応いたします。 :WBとWPが微妙に異なることとして、ある一つの事柄についての記述でも、教科書として伝える層や伝える体系が異なると記述が異なることとなり、別ページを構成することがあるということで、これは、各々の体系のもので存続させることがあります。または、共通の記述に関してリンクを貼ることで対応するなどの手法も考えられます。この辺りは、決まった手法があるわけではないので、作成の過程で議論によって決めていくことなのかなと思っています。--[[利用者:Tomzo|Tomzo]] ([[利用者・トーク:Tomzo|トーク]]) 2026年1月12日 (月) 16:43 (UTC) ::ご教授ありがとうございます。そちらで提案させていただきました。。--[[利用者:BrassSnail|BrassSnail]] ([[利用者・トーク:BrassSnail|トーク]]) 2026年1月15日 (木) 15:27 (UTC) == Thank You for Last Year – Join Wiki Loves Ramadan 2026 == Dear Wikimedia communities, We hope you are doing well, and we wish you a happy New Year. ''Last year, we captured light. This year, we’ll capture legacy.'' In 2025, communities around the world shared the glow of Ramadan nights and the warmth of collective iftars. In 2026, ''Wiki Loves Ramadan'' is expanding, bringing more stories, more cultures, and deeper global connections across Wikimedia projects. We invite you to explore the ''Wiki Loves Ramadan 2026'' [[m:Special:MyLanguage/Wiki Loves Ramadan 2026|Meta page]] to learn how you can participate and [[m:Special:MyLanguage/Wiki Loves Ramadan 2026/Participating communities|sign up]] your community. 📷 ''Photo campaign on '' [[c:Special:MyLanguage/Commons:Wiki Loves Ramadan 2026|Wikimedia Commons]] If you have questions about the project, please refer to the FAQs: * [[m:Special:MyLanguage/Wiki Loves Ramadan/FAQ/|Meta-Wiki]] * [[c:Special:MyLanguage/Commons:Wiki Loves Ramadan/FAQ|Wikimedia Commons]] ''Early registration for updates is now open via the '''[[m:Special:RegisterForEvent/2710|Event page]]''''' ''Stay connected and receive updates:'' * [https://t.me/WikiLovesRamadan Telegram channel] * [https://lists.wikimedia.org/postorius/lists/wikilovesramadan.lists.wikimedia.org/ Mailing list] We look forward to collaborating with you and your community. '''The Wiki Loves Ramadan 2026 Organizing Team''' 2026年1月16日 (金) 19:45 (UTC) <!-- User:ZI Jony@metawiki が https://meta.wikimedia.org/w/index.php?title=Distribution_list/Non-Technical_Village_Pumps_distribution_list&oldid=29879549 のリストを使用して送信したメッセージ --> == <span lang="en" dir="ltr">Annual review of the Universal Code of Conduct and Enforcement Guidelines</span> == <div lang="en" dir="ltr"> <section begin="announcement-content" /> I am writing to you to let you know the annual review period for the Universal Code of Conduct and Enforcement Guidelines is open now. You can make suggestions for changes through 9 February 2026. This is the first step of several to be taken for the annual review. [[m:Special:MyLanguage/Universal Code of Conduct/Annual review/2026|Read more information and find a conversation to join on the UCoC page on Meta]]. The [[m:Special:MyLanguage/Universal Code of Conduct/Coordinating Committee|Universal Code of Conduct Coordinating Committee]] (U4C) is a global group dedicated to providing an equitable and consistent implementation of the UCoC. This annual review was planned and implemented by the U4C. For more information and the responsibilities of the U4C, [[m:Special:MyLanguage/Universal Code of Conduct/Coordinating Committee/Charter|you may review the U4C Charter]]. Please share this information with other members in your community wherever else might be appropriate. -- In cooperation with the U4C, [[m:User:Keegan (WMF)|Keegan (WMF)]] ([[m:User talk:Keegan (WMF)|talk]])<section end="announcement-content" /> </div> 2026年1月19日 (月) 21:01 (UTC) <!-- User:Keegan (WMF)@metawiki が https://meta.wikimedia.org/w/index.php?title=Distribution_list/Global_message_delivery&oldid=29905753 のリストを使用して送信したメッセージ --> == 無期限保護について == こんばんは。本日からWikibooksの編集を始めました。なまえみていです。 色々なページを見ていて、無期限 <s>保護</s> <u>半保護</u> がなされているページが多く感じられます。もちろん、度重なる荒らし、管理者不足など理由はあるのだと思いますが、Wikipediaに慣れている私からすると、厳しすぎる対応だと思います。(Wikipediaでは基本的に無期限は合意形成がないとできない) ただでさえ、Wikibooksを編集する利用者が少ないのに、積極的に <u>半</u> 保護していると、新規利用者ができづらいと考えます。 [[日本の大学受験ガイド#入試対策]]にある大学のうち保護されているものの解除を検討していただけないでしょうか? 学生による新規参入はWikibooksの存続に大きく影響すると思います。--[[利用者:なまえみてい|なまえみてい]] ([[利用者・トーク:なまえみてい|トーク]]) 2026年1月23日 (金) 16:55 (UTC) <small> 意味合いが変わってしまうので取り消し線と下線で訂正しました。--[[利用者:なまえみてい|なまえみてい]] ([[利用者・トーク:なまえみてい|トーク]]) 2026年1月24日 (土) 01:24 (UTC)</small> :はじめまして、[[利用者:Tomzo|Tomzo]] ([[利用者・トーク:Tomzo|トーク]])と申します。 :本件、一応説明いたしますと、WPに比べると当プロジェクトは、参加者もさながら管理者も圧倒的に少なく、多少の「いわゆる」民主的運営を犠牲にしてでも厳しい措置を取らざるを得ないという事情があります。また、作成保護に関して、強い保護は「Wikibooksのテーマになる可能性が非常に少ないもの」のみについてかけるようにし、その他は基本半保護のはずです(WPも実質永久半保護の記事は少なくありません)。初回ログイン後、数日平穏な編集が継続される限り、特に支障はないはずです。そのような記事に関しては、なまえみていさんも来週には編集可能となると思いますが、どうしても、すぐに編集したいという記事があるのであれば、[[Wikibooks:管理者伝言板#保護解除依頼]]に指定してご依頼ください。--[[利用者:Tomzo|Tomzo]] ([[利用者・トーク:Tomzo|トーク]]) 2026年1月24日 (土) 01:04 (UTC) ::(返信) ご丁寧にありがとうございます。 ::jawpと同じ基準ならおそらく、数時間で自動承認されるので私は困らないのですが、新規利用者が生まれにくく、利用者不足を加速させてしまうのかなと思った次第です。 ::私の方でお手伝いできることがありましたら、ご協力したいと考えています。失礼します。--[[利用者:なまえみてい|なまえみてい]] ([[利用者・トーク:なまえみてい|トーク]]) 2026年1月24日 (土) 01:20 (UTC) == Wikimedians of Japan User Group 2026-1 == '''全体ニュース''' * [[:m:Stewards/Elections_2026|スチュワード選挙2026]]及び[[:m:Stewards/Confirm/2026|現在のスチュワードへの信任投票]]への投票が2月6日 14:00 (UTC) から2月27日 14:00 (UTC) まで行われます。 * ウィキマニア2026の[[:wikimania:2026:Program|プログラム募集]]が3月1日まで行われています。 * 来年度のウィキメディア財団の年次計画についての[[:m:Talk:Wikimedia_Foundation_Annual_Plan/2026-2027|意見募集]]が行われています。 '''ESEAPハブからのおしらせ'''[[File:ESEAP logo horizontal.svg|40px|link=:m:ESEAP_Hub/ja]] * 2月1日16時(JST)から[[:m:Event:ESEAP_Community_Call_55_(1_February_2026)|オンラインミーティング]]が行われます。 '''Wikimedians of Japan User Groupからのおしらせ'''[[File:Wikimedians of Japan User Group Logoonly.svg|20px|link=:m:Wikimedians_of_Japan_User_Group]] * [https://www.ospn.jp オープンソースカンファレンス]のコミュニティサポーターになりました。 * 2月27,28日に開催される[https://event.ospn.jp/osc2026-spring/ OSC東京]に参加します。 * [[:m:「Diff」2025年日本語版記事索引|「Diff」2025年日本語版記事索引]]を公開しました。 '''[[:w:ja:メインページ|日本語版ウィキペディア]]'''[[File:Wikipedia-logo-v2.svg|20px|link=:w:ja:]] * 今月は以下の記事が[[:w:ja:Wikipedia:良質な記事/良質な記事の選考|良質な記事の選考]]を通過しました。 **[[:w:ja:マルキアヌス|マルキアヌス]] **[[:w:ja:高瀬渓谷の噴湯丘と球状石灰石|高瀬渓谷の噴湯丘と球状石灰石]] **[[:w:ja:帯金式甲冑|帯金式甲冑]] **[[:w:ja:百済の里|百済の里]] **[[:w:ja:仙人掌群鶏図|仙人掌群鶏図]] **[[:w:ja:(54598) ビエノール|(54598) ビエノール]] **[[:w:ja:平成の大合併|平成の大合併]] **[[:w:ja:正倉院展|正倉院展]] **[[:w:ja:駿河竹千筋細工|駿河竹千筋細工]] **[[:w:ja:横浜中華街の歴史|横浜中華街の歴史]] **[[:w:ja:毛利輝元の四国・九州出兵|毛利輝元の四国・九州出兵]] * 今月の1枚 [[File:251123 Shinsenkyo Hakone Japan26s3.jpg|alt=|thumb|200x200px|神奈川県箱根町に所在する[[:w:ja:神仙郷|神仙郷]]|none]] '''2月のイベント情報''' * 1/10 [[:w:ja:Wikipedia:オフラインミーティング/ウィキペディア25周年記念エディタソン|ウィキペディア25周年記念エディタソン]] * 2/7 [https://peatix.com/event/4795657 ウィキペディアタウン神保町 Vol.3] * 2/7 [[:w:ja:プロジェクト:アウトリーチ/ウィキペディアタウン#近畿|駅まちウィキペディア 動くエディタン編集室 vol.1 京都丹後鉄道あかまつ号]] * 2/14 [https://www.city.ichinoseki.iwate.jp/library/topics/page.php?p=679 ウィキペディアタウン in 東山] * 2/15 [https://www.city.toda.saitama.jp/koho-toda/260101/kouza04.html ウィキペディアタウン戸田 つくろう!戸田市の歴史事典] * 2/15 [https://iselib.city.ise.mie.jp/ise/?id=262 ウィキペディアタウン伊勢Vol.3] * 2/28 [[:w:ja:プロジェクト:アウトリーチ/ウィキペディアタウン#近畿|丹後古墳ウォーカー 歩いて発見!古代丹後の推し古墳をウィキで紹介! #1 大宮町東川岸]] '''[[:wmfblog:|Diff]]''' タイトル / 著者;翻訳者 (掲載日) の順で記載しています。 * [https://diff.wikimedia.org/ja/2026/01/09/%e5%9b%b3%e6%9b%b8%e9%a4%a8%e7%b7%8f%e5%90%88%e5%b1%952025%e3%81%ae%e3%80%8cedit-tango%e3%80%8d%e3%83%96%e3%83%bc%e3%82%b9/ 図書館総合展2025の「edit Tango」ブース] / Asturio Cantabrio (2026/01/09) * [https://diff.wikimedia.org/ja/2026/01/11/%e3%82%a6%e3%82%a3%e3%82%ad%e3%83%9a%e3%83%87%e3%82%a3%e3%82%a2%e6%97%a5%e6%9c%ac%e8%aa%9e%e7%89%88%e3%82%b3%e3%83%9f%e3%83%a5%e3%83%8b%e3%83%86%e3%82%a3%e3%81%ae%e6%ad%b4%e5%8f%b2%e3%82%92%e3%82%a6/ ウィキペディア日本語版コミュニティの歴史をウィキペディアに刻む] / Wadakuramon (2026/01/11) * [https://diff.wikimedia.org/ja/2026/01/13/%e3%82%a6%e3%82%a3%e3%82%ad%e3%83%9a%e3%83%87%e3%82%a3%e3%82%a225%e5%91%a8%e5%b9%b4%e8%a8%98%e5%bf%b5%e3%82%a8%e3%83%87%e3%82%a3%e3%82%bf%e3%82%bd%e3%83%b3%e3%81%ab%e5%8f%82%e5%8a%a0%e3%81%97%e3%81%be/ ウィキペディア25周年記念エディタソンに参加しました] / Wadakuramon (2026/01/13) * [https://diff.wikimedia.org/ja/2026/01/21/%e3%82%a2%e3%82%b8%e3%82%a2%e6%9c%88%e9%96%932025-%e3%82%92%e7%b5%82%e3%81%88%e3%81%a6/ アジア月間2025 を終えて] / Lin Xiangru (2026/01/21) * [https://diff.wikimedia.org/ja/2026/01/26/%e3%82%a6%e3%82%a3%e3%82%ad%e3%83%9a%e3%83%87%e3%82%a3%e3%82%a225%e5%91%a8%e5%b9%b4%e8%a8%98%e5%bf%b5%e3%83%90%e3%83%bc%e3%82%b9%e3%83%87%e3%83%bc%e3%83%bb%e3%82%b1%e3%83%bc%e3%82%ad%e3%83%bb%e3%82%bd/ ウィキペディア25周年記念バースデー・ケーキ・ソング!] / Wadakuramon (2026/01/26) '''前回配信:2025年12月31日''' <hr style="border-top: 2px 破線 #7F9AEB; border-bottom: none;"> 配信元: ''[[:m:Wikimedians of Japan User Group|Wikimedians of Japan User Group]]''<br /> <small>[[:m:Talk:Wikimedians of Japan User Group/メールマガジン|フィードバック]]。[[:m:Wikimedians of Japan User Group/メールマガジン/targets list| 登録・削除]]。</small>2026年1月31日 (土) 12:17 (UTC) <hr style="border-top: 2px 破線 #7F9AEB; border-bottom: none;"> <!-- User:Chqaz-WMJPUG@metawiki が https://meta.wikimedia.org/w/index.php?title=Wikimedians_of_Japan_User_Group/%E3%83%A1%E3%83%BC%E3%83%AB%E3%83%9E%E3%82%AC%E3%82%B8%E3%83%B3/targets_list&oldid=29923679 のリストを使用して送信したメッセージ --> == ほかの利用者さんとの対話について == 昨年の12月25日にある利用者さんの会話ページで話題を追加したのですが、その利用者さんは私が投稿する2週間ほど前から今月頭まで活動なさっておらず、活動再開後も現在に至るまで返答をいただけておりません。 気づいていらっしゃらないのか故意に返信なさっていないのかはわからないのですが、このような場合、再度会話ページでお知らせするのが良いのか、それとも他に適切な方法があるのでしょうか? 私自身としてはその話題が記事の品質に大きく関わる内容であり対話を行いたいのですが、過剰に返答を求めて当該の利用者さんや他の方に粘着的な行動だと受け取られてしまうと困りますので、こちらで相談させていただきます。--[[利用者:飛火野|飛火野]] ([[利用者・トーク:飛火野|トーク]]) 2026年2月18日 (水) 14:28 (UTC) :{{コメント2|コメント}} こんにちは。初めまして。 :この場合、対話拒否としてコメント依頼を提出したりできそうですが([[Wikibooks:コメント依頼/すじにくシチュー|例]])、Wikipediaみたいに制度が整ってなさそうですし、準備が大変です。 :ひとまず、異論なしとして、[[利用者:飛火野|飛火野]]さんが正しいと思う様に編集してみたらいかがでしょうか? :待っていても、何も始まらないですし……--[[利用者:なまえみてい|なまえみてい]] ([[利用者・トーク:なまえみてい|トーク]]) 2026年2月18日 (水) 17:47 (UTC) ::一般記事は、書かれた段階で「誰が書いたか」というものではなくなりますので、適当でないと思える記述は、適当と思うものに書き換えても全く構いません。--[[利用者:Tomzo|Tomzo]] ([[利用者・トーク:Tomzo|トーク]]) 2026年2月19日 (木) 12:37 (UTC) :::お二人とも、返信ありがとうございます。記事本体には追々手を加えさせていただきます。 :::返信の内容から拝察するに、私の投稿記録をご覧になっていただけたのだと思うのですが、あのような質問になった経緯を時系列順に記しますと、 :::1)当該の編集([https://ja.wikibooks.org/w/index.php?title=%E6%B0%97%E5%80%99%E5%AD%A6/%E3%82%B1%E3%83%83%E3%83%9A%E3%83%B3%E3%81%AE%E6%B0%97%E5%80%99%E5%8C%BA%E5%88%86&oldid=251398 こちら])を見て生成AIによる生成物を、十分に検証できないのに投稿なさっているのではないかという疑義を抱いた :::2)他の記事([https://ja.wikibooks.org/wiki/%E6%BA%96%E6%83%91%E6%98%9F こちら]や[https://ja.wikibooks.org/wiki/%E5%8F%A4%E7%94%9F%E7%89%A9%E5%AD%A6/%E5%A4%A7%E8%A6%8F%E6%A8%A1%E7%B5%B6%E6%BB%85%E3%82%A4%E3%83%99%E3%83%B3%E3%83%88 こちら]など)でも同様の編集をなさっているのが見受けられた :::3)もし当該の編集が私の考えているような「AIで生成し、さらにその内容の検証(この場合、日本の「気候学」や「古生物学」の記述として妥当なのかの判断)を十分に行えないままで投稿なさっているのであれば、手を止めていただく必要があるのではないかと考えた :::4)しかし、私の勇み足であっては失礼ですので、まずは編集の意図を確認した :::というところです。 :::確かに、今思うと誘導尋問的で、必要以上に迂遠な聞き方になってしまっていたとは思うのですが、私としてはまず当該利用者さんの編集の意図をお伺いしたいと思っています。--[[利用者:飛火野|飛火野]] ([[利用者・トーク:飛火野|トーク]]) 2026年2月19日 (木) 14:27 (UTC) == どうしてwikibooksが必要なのか == そのまんま--[[利用者:Guest A1|Guest A1]] ([[利用者・トーク:Guest A1|トーク]]) 2026年2月25日 (水) 09:28 (UTC) <del>:はじめまして。tkkn46tkkn46 と申します。</del> :wikipediaは、リンク?ハイパーテキスト?ハイパーリンク? がステキ。(任意へリンク) :wikibooksは、目次ページがあって、章、節、号、款、目  :(例:<nowiki>[[Wikibooks:ウィキプロジェクト 法学 コンメンタール執筆ガイドライン]]</nowiki>) :wikibooksは、wikipediaより本のイメージに近い思います。 :wikibooksで、「単語」だけ?だと、wikipediaでイイんじゃないの思います。 :wikipediaは、辞書のイメージです。本に、ならないタイトルだとキツイと思います。 :以下、wikibooksへのいつの日にか私の希望 :①標準機能内で、本なので、目次ページを参考に、ページ間の移動が楽だと助かります。 : F7(前頁へ)F8(後頁へ)?F6(1つ上へ)F9(1つ下へ) : 現在は、ページ内のフッターで、自作しています。 :②標準機能内で、books内の索引の自動作成機能。 :もしかしたら、誰かが開発済みカモ。アドバイスいただけると助かります。--[[利用者:Tkkn46tkkn46|Tkkn46tkkn46]] ([[利用者・トーク:Tkkn46tkkn46|トーク]]) 2026年2月25日 (水) 11:53 (UTC) :wikidiaryがあれば、Guest A1様の投稿はステキかも。--[[利用者:Tkkn46tkkn46|Tkkn46tkkn46]] ([[利用者・トーク:Tkkn46tkkn46|トーク]]) 2026年2月25日 (水) 12:12 (UTC) ::お二人に。 ::'''[[Wikibooks:児童・生徒の方々へ]]'''をきちんと読んでいただくことを希望いたします。--[[利用者:Tomzo|Tomzo]] ([[利用者・トーク:Tomzo|トーク]]) 2026年2月25日 (水) 12:37 (UTC) == 過去ログ化のガイドラインについて == [[Wikibooks:過去ログ化のガイドライン|このガイドライン]]はすじにくシチューさん一人で作成されてから草案状態が10年経ちました。正式にガイドライン化したいと考えています。 その前に一つ提案をいたします(この議論では実際に変更するわけではありません)。今現在、日本語版wikibooksではサブページ方式ではなく、固定リンク方式を使っていますが、個人的にはサブページ方式を使ったほうがよいと思います。 理由として # サブページ方式の方が感覚的に実行しやすく、煩わしくない。 # サブページ方式の方がログの保存方法の変更がしやすい。固定リンク方式の場合「今まで1年ごとに過去ログ化していたけど10年ごとに変更したい」となったときに対応が出来ません。 # サプページ方式の欠点として、[[Wikibooks:過去ログ化のガイドライン|ガイドライン]]では「他の方法(サブページをつくるなど)と比べて、固定版方式では編集方法をまちがった場合の差し戻しが容易なことが根拠です。」とありますが、むしろサブページ方式の方が2で挙げた場合もそうですが、差し戻し、過去ログページの削除で対応できるため簡単に対応できます。 本当はを作成されたすじにくシチューさんに理由や意図をお聞きしたいのですが、無期限ブロックされており、お聞きすることが出来ません。皆さんに賛成か反対か、反対ならその理由などをお聞きしたいです。 具体的な提案 サブページ方式で[[Wikibooks:過去ログ]]を作成し[[Wikibooks:過去ログ/談話室]]など項目別にサブページを作成する。ログを追加しないと考えられるものに関しては無期限半保護する。 wikipediaでは[[Wikipedia:談話室/過去ログ]]のような形式ですが、wikibooksでは[[Wikibooks:過去ログ]]で過去ログを一括で管理したいと考えています。「理由として」でも挙げたとおり、やり直しが利くのでとりあえず賛成していただいても大丈夫だと思います。 今後の流れ(←これに関しても意見があればお寄せください) # この議論で1週間程で御意見を募集する、議論で大まかに決める。 # 決定した内容で良いかを投票する(投票権は投票用の議論が開始された時点で自動承認されているユーザーまたはウィキメディアプロジェクトに参加してから3ヶ月経過しているユーザーで考えています。) # 実際に過去ログ化をして1ヶ月ほど経過したら問題が生じていないかを議論する # [[Wikibooks:過去ログ化のガイドライン]]を正式にガイドライン化する議論をする --[[利用者:なまえみてい|なまえみてい]] ([[利用者・トーク:なまえみてい|トーク]]) 2026年2月28日 (土) 12:58 (UTC) :こんにちは、編集お疲れ様です。 :現在の[[Wikibooks:過去ログ化のガイドライン|過去ログ化のガイドライン]]の作成された経緯については、こちらの[[特別:固定リンク/101028#過去ログ作業の公式方針を整備すべき|談話室での議論]]をご参照ください。この議論を経て草案ではありますが、いちおうガイドラインとして現状運用されています。なまえみていさんは、現在のガイドラインとは別方式による過去ログ化のガイドラインをお考えのようですので、まずはご自身の利用者ページ下などになまえみていさん式のガイドライン草案を作成されてみてはいかがでしょうか。現行草案と別方式草案の2案を提示した方が、コミュニティの意見も集まりやすくなるのではないかと思います。また、ここ談話室では議論の呼びかけにとどめ、本格的な議論は[[Wikibooks・トーク:過去ログ化のガイドライン|ガイドライン議論ページ]]でした方がよいかと思います。--[[利用者:Shokupan|Shokupan]] ([[利用者・トーク:Shokupan|トーク]]) 2026年3月15日 (日) 23:44 (UTC) == Wikimedians of Japan User Group 2026-2 == '''全体ニュース''' * ウィキマニア2026の[[:wikimania:2026:Program|プログラム募集]]が3月1日まで行われています。 * [https://diff.wikimedia.org/2026/02/11/announcing-new-policies-related-to-the-use-of-wikimedia-sites-for-advocacy-purposes/ 一部のグローバルポリシー]が変更されました。 '''ESEAPハブからのおしらせ'''[[File:ESEAP logo horizontal.svg|40px|link=:m:ESEAP_Hub/ja]] * 3月7日17時30分(JST)から[[:m:Event:ESEAP_Community_Call_56_(7_March_2026)|オンラインミーティング]]が行われます。 * [[:m:ESEAP_Conference_2026/ja|ESEAPカンファレンス2026]]の登録が開始されました。 '''Wikimedians of Japan User Groupからのおしらせ'''[[File:Wikimedians of Japan User Group Logoonly.svg|20px|link=:m:Wikimedians_of_Japan_User_Group]] * 3月1日に[https://peatix.com/event/4847333/view ウィキペディア25周年記念交流会]を開催します。 '''[[:w:ja:メインページ|日本語版ウィキペディア]]'''[[File:Wikipedia-logo-v2.svg|20px|link=:w:ja:]] * 今月は以下の記事が[[:w:ja:Wikipedia:良質な記事/良質な記事の選考|良質な記事の選考]]を通過しました。 **[[:w:ja:山田美妙|山田美妙]] **[[:w:ja:スペクトル分類|スペクトル分類]] **[[:w:ja:横手市|横手市]] **[[:w:ja:上杉憲方|上杉憲方]] **[[:w:ja:パノルムスの戦い|パノルムスの戦い]] **[[:w:ja:都市伝説解体センター|都市伝説解体センター]] **[[:w:ja:市川少女歌舞伎|市川少女歌舞伎]] **[[:w:ja:うお座|うお座]] **[[:w:ja:南アフリカ文学|南アフリカ文学]] * 今月の1枚 [[File:JRH_Senmo-Main-Line_H100-44.jpg|alt=|thumb|200x200px|オホーツク海沿岸部を走行する[[:w:ja:JR北海道H100形気動車|H100形気動車]]|none]] '''3月のイベント情報''' * 3/8 [https://www.facebook.com/events/731133399814596/ WikiGap in Kanagawa 2026] * 3/21 [[:w:ja:プロジェクト:アウトリーチ/ウィキペディアタウン#近畿|ウィキペディアタウンin網野町木津~駅まちウィキペディア「夕日ヶ浦木津温泉駅」~]] '''[[:wmfblog:|Diff]]''' タイトル / 著者;翻訳者 (掲載日) の順で記載しています。 * [https://diff.wikimedia.org/ja/2026/02/01/%e3%82%a6%e3%82%a3%e3%82%ad%e3%83%9a%e3%83%87%e3%82%a3%e3%82%a225%e5%91%a8%e5%b9%b4%e8%a8%98%e5%bf%b5%e3%83%89%e3%82%ad%e3%83%a5%e3%83%a1%e3%83%b3%e3%82%bf%e3%83%aa%e3%83%bc%e3%82%b7%e3%83%aa%e3%83%bc/ ウィキペディア25周年記念ドキュメンタリーシリーズ] / Wadakuramon (2026/02/01) * [https://diff.wikimedia.org/ja/2026/02/12/lod%e3%83%81%e3%83%a3%e3%83%ac%e3%83%b3%e3%82%b82025%e3%81%a7%e6%97%a5%e6%9c%ac%e3%81%ae%e3%80%8c%e6%b5%b7%e3%81%ae%e9%a7%85%e3%80%8d%e3%82%92%e3%82%aa%e3%83%bc%e3%83%97%e3%83%b3%e3%83%87%e3%83%bc/ LODチャレンジ2025で日本の「海の駅」をオープンデータ化 ― 約200件の海のインフラをWikidataに追加] / Ecute (2026/02/12) * [https://diff.wikimedia.org/ja/2026/02/25/%e9%96%89%e6%a0%a1%e3%81%99%e3%82%8b%e5%b0%8f%e5%ad%a6%e6%a0%a1%e3%81%ae%e8%a8%98%e9%8c%b2%e3%82%92%e3%82%a6%e3%82%a3%e3%82%ad%e3%83%9a%e3%83%87%e3%82%a3%e3%82%a2%e3%81%ab%e6%ae%8b%e3%81%99/ 閉校する小学校の記録をウィキペディアに残す] / VZP10224 (2026/02/25) * [https://diff.wikimedia.org/ja/2026/02/25/eseap%e3%83%8f%e3%83%96%e3%82%92%e6%8e%a8%e9%80%b2%e3%81%99%e3%82%8b%e4%ba%ba%e3%80%85/ ESEAPハブを推進する人々] / FelianiESEAP Hub ; Wadakuramon (2026/02/25) '''前回配信:2025年1月31日''' <hr style="border-top: 2px 破線 #7F9AEB; border-bottom: none;"> 配信元: ''[[:m:Wikimedians of Japan User Group|Wikimedians of Japan User Group]]''<br /> <small>[[:m:Talk:Wikimedians of Japan User Group/メールマガジン|フィードバック]]。[[:m:Wikimedians of Japan User Group/メールマガジン/targets list| 登録・削除]]。</small>2026年2月28日 (土) 13:14 (UTC) <hr style="border-top: 2px 破線 #7F9AEB; border-bottom: none;"> <!-- User:Chqaz-WMJPUG@metawiki が https://meta.wikimedia.org/w/index.php?title=Wikimedians_of_Japan_User_Group/%E3%83%A1%E3%83%BC%E3%83%AB%E3%83%9E%E3%82%AC%E3%82%B8%E3%83%B3/targets_list&oldid=30083678 のリストを使用して送信したメッセージ --> == Wikibooks: (ウイキブックス コロン)が現在何種類あるか教えて下さい。 == ウイキブックス コロンの全リストのページを教えて下さい。あいうえお順が望ましいです。リンクだけ。 よろしくお願いします。 >Wikibooks:ウィキブックスへようこそ(参照) >新規参加者にとって参考になるページ >ページ名に「Wikibooks:」とつくものは、ウィキブックスのプロジェクトそのものに関するページです。その中でも新規参加者にとって役に立つと思われるページをリストしておきます。 11種類以上だと思います。--[[利用者:Tkkn46tkkn46|Tkkn46tkkn46]] ([[利用者・トーク:Tkkn46tkkn46|トーク]]) 2026年3月13日 (金) 03:54 (UTC) :{{コメント2|コメント}} [[特別:ページ一覧|こちら]]で「名前空間」をWikibooksに指定し、検索すれば全リストが表示されます。 :なお、談話室は本来、これからのWikibooksについて話し合うものですので、個人的な質問は談話室ではなく[[WB:HD|こちら]]にお願いします。--[[利用者:なまえみてい|なまえみてい]] ([[利用者・トーク:なまえみてい|トーク]]) 2026年4月16日 (木) 04:39 (UTC) == ノートページの呼び方は、全部で何通りあるか教えて下さい。 == ①ノートの呼び方の種類の数です。違いです。 ②「ノート」は ノートページの意味ですか。 ③「議論」は 議論ページと呼びませんか。 よろしくお願いします。 >Help:ノートページ(wikipedia参照) >^ ノートページはトークページ(talk page)とも呼ばれるが、日本語版の「会話ページ」は、名前空間名がそう翻訳されている「利用者についての」トークページのみを指すことがしばしばある。--[[利用者:Tkkn46tkkn46|Tkkn46tkkn46]] ([[利用者・トーク:Tkkn46tkkn46|トーク]]) 2026年3月13日 (金) 03:56 (UTC) == <span lang="en" dir="ltr">Upcoming deployment of CampaignEvents extension to Wikibooks</span> == <div lang="en" dir="ltr"> <section begin="message"/> Hello everyone, We are writing to inform you that the [[mw:Help:Extension:CampaignEvents|CampaignEvents extension]] will be deployed to all Wikibooks projects during the week of '''23 March 2026'''. This follows last year’s broader rollout across Wikimedia projects. We realized that Wikibooks was not included at the time, and we’re now addressing that to ensure consistency across all communities. The CampaignEvents extension provides tools to support event and campaign organization on-wiki, including features like on-wiki event registration and collaboration lists(global event list). We welcome any questions, feedback, or concerns you may have. We are also happy to support anyone interested in trying out the tools. ''Apologies if this message is not in your preferred language. If you’re able to help translate it for your community, please feel free to do so.'' <section end="message"/> </div> <bdi lang="en" dir="ltr">[[User:Udehb-WMF|Udehb-WMF]] ([[User talk:Udehb-WMF|トーク]]) 2026年3月19日 (木) 18:22 (UTC)</bdi> <!-- User:Udehb-WMF@metawiki が https://meta.wikimedia.org/w/index.php?title=User:Udehb-WMF/sandbox/MM_target&oldid=30284073 のリストを使用して送信したメッセージ --> == Bot Flag Request for [[{{ns:User}}:SchlurcherBot]] == Appologies for posting in English. Also, I could not locate a dedicated page for bot request in {{#language:{{CONTENTLANGUAGE}}}} {{SITENAME}}, so I am posting here. Please direct me to the correct page if one exists. Thank you. * '''Bot name''': [[{{ns:User}}:SchlurcherBot]] * '''Bot operator''': [[commons:User:Schlurcher]] * '''Bot task''': Automatically convert links from <code>http://</code> to <code>https://</code> (secure protocol migration) * '''Technical details''': Please see [[metawiki:User:SchlurcherBot|meta:User:SchlurcherBot]] for full details, including the expected number of affected URLs on {{#language:{{CONTENTLANGUAGE}}}} {{SITENAME}}. * '''Bot flags on other projects:''': [[metawiki:Steward_requests/Bot_status/2025-12#Global_bot_status_for_User:SchlurcherBot|Global bot status granted]]. Also flagged on [[:w:en:Wikipedia:Bots/Requests for approval/SchlurcherBot|English Wikipedia]], [[:w:de:Wikipedia:Bots/Anträge_auf_Botflag/Archiv/2025#2025-02-14_–_SchlurcherBot|German Wikipedia]], [[:w:fr:Wikipédia:Bot/Statut/Archive_12#(Traité)_SchlurcherBot|French Wikipedia]], [[:w:it:Wikipedia:Bot/Autorizzazioni/Archivio/2025#SchlurcherBot|Italian Wikipedia]], [[:w:pl:Wikipedia:Boty/Zgłoszenia/2025#Wikipedysta:SchlurcherBot|Polish Wikipedia]], [[:w:pt:Wikipédia:Robôs/Pedidos_de_aprovação/Arquivo/2025#SchlurcherBot|Portuguese Wikipedia]], and [[commons:Commons:Bots/Requests/SchlurcherBot2|Commons]]. For a full list, see: [[metawiki:Special:CentralAuth/SchlurcherBot|sulutil:SchlurcherBot]] * '''Comment''': The bot is globally approved and active on the top 10 Wikipedia projects. As this wiki has opted out of the global bot policy, I am requesting permission to perform these link updates on {{#language:{{CONTENTLANGUAGE}}}} {{SITENAME}} as well. Please let me know if a local bot flag can be granted or if you have any questions. Thank you. --[[利用者:Schlurcher|Schlurcher]] ([[利用者・トーク:Schlurcher|トーク]]) 2026年3月26日 (木) 22:21 (UTC) ::{{RFB|対処}} I have done your request.--[[利用者:Tomzo|Tomzo]] ([[利用者・トーク:Tomzo|トーク]]) 2026年3月26日 (木) 23:13 (UTC) :::Thanks. --[[利用者:Schlurcher|Schlurcher]] ([[利用者・トーク:Schlurcher|トーク]]) 2026年3月27日 (金) 08:39 (UTC) == Wikimedians of Japan User Group 2026-3 == '''全体ニュース''' * ウィキメディア財団理事会はすべての言語版のウィキニュースを閉鎖することを承認しました。ウィキニュースは5月4日から読み取り専用になります。 '''ESEAPハブからのおしらせ'''[[File:ESEAP logo horizontal.svg|40px|link=:m:ESEAP_Hub/ja]] * 4月4日16時(JST)から[[:m:Event:ESEAP_Community_Call_57_(4_April_2026)|オンラインミーティング]]が行われます。 * [[:m:ESEAP_Conference_2026/ja|ESEAPカンファレンス2026]]の登録が開始されました。 '''Wikimedians of Japan User Groupからのおしらせ'''[[File:Wikimedians of Japan User Group Logoonly.svg|20px|link=:m:Wikimedians_of_Japan_User_Group]] * 4月18日に開催される[https://event.ospn.jp/osc2026-kagawa/ OSC香川]に参加します。 '''[[:w:ja:メインページ|日本語版ウィキペディア]]'''[[File:Wikipedia-logo-v2.svg|20px|link=:w:ja:]] * 4月17日まで[[:w:ja: Wikipedia:日本・韓国_友好編集月間|日本・韓国 友好編集月間]]が行われています。 * 今月は以下の記事が[[:w:ja:Wikipedia:良質な記事/良質な記事の選考|良質な記事の選考]]を通過しました。 **[[:w:ja:普通自転車の交差点進入禁止|普通自転車の交差点進入禁止]] **[[:w:ja:京都市の観光|京都市の観光]] **[[:w:ja:克美茂愛人殺害事件|克美茂愛人殺害事件]] **[[:w:ja:アフガニスタンの歴史|アフガニスタンの歴史]] **[[:w:ja:養老山地|養老山地]] **[[:w:ja:唐津藩|唐津藩]] **[[:w:ja:京都の歴史|京都の歴史]] **[[:w:ja:ムウタスィム|ムウタスィム]] **[[:w:ja:トゥーランガリラ交響曲|トゥーランガリラ交響曲]] **[[:w:ja:ガリレオ裁判|ガリレオ裁判]] **[[:w:ja:優しい世界へ|優しい世界へ]] **[[:w:ja:金属有機構造体|金属有機構造体]] **[[:w:ja:聖なるタラ|聖なるタラ]] **[[:w:ja:ギターを弾く女|ギターを弾く女]] **[[:w:ja:八方尾根のケルン|八方尾根のケルン]] **[[:w:ja:ひばり号|ひばり号]] **[[:w:ja:マリモ|マリモ]] **[[:w:ja:スイスの歴史|スイスの歴史]] * 今月の1枚 [[File:260110_Kosei-ji_Kyoto_Japan12s3.jpg|alt=|thumb|200x200px|京都市に位置する[[:w:ja:光清寺_(京都市)|光清寺]]の心字庭「心和の庭」 |none]] '''4月のオフラインイベント情報''' * 4/19 [https://www.facebook.com/events/1437162964770290 Wikipediaブンガク 吉屋信子 ] '''前回配信:2025年2月28日''' <hr style="border-top: 2px 破線 #7F9AEB; border-bottom: none;"> 配信元: ''[[:m:Wikimedians of Japan User Group|Wikimedians of Japan User Group]]''<br /> <small>[[:m:Talk:Wikimedians of Japan User Group/メールマガジン|フィードバック]]。[[:m:Wikimedians of Japan User Group/メールマガジン/targets list| 登録・削除]]。</small>2026年3月31日 (火) 11:00 (UTC) <hr style="border-top: 2px 破線 #7F9AEB; border-bottom: none;"> <!-- User:Chqaz-WMJPUG@metawiki が https://meta.wikimedia.org/w/index.php?title=Wikimedians_of_Japan_User_Group/%E3%83%A1%E3%83%BC%E3%83%AB%E3%83%9E%E3%82%AC%E3%82%B8%E3%83%B3/targets_list&oldid=30083678 のリストを使用して送信したメッセージ --> == Action Required: Update templates/modules for electoral maps (Migrating from P1846 to P14226) == Hello everyone, This is a notice regarding an ongoing data migration on Wikidata that may affect your election-related templates and Lua modules (such as <code>Module:Itemgroup/list</code>). '''The Change:'''<br /> Currently, many templates pull electoral maps from Wikidata using the property [[:d:Property:P1846|P1846]], combined with the qualifier [[:d:Property:P180|P180]]: [[:d:Q19571328|Q19571328]]. We are migrating this data (across roughly 4,000 items) to a newly created, dedicated property: '''[[:d:Property:P14226|P14226]]'''. '''What You Need To Do:'''<br /> To ensure your templates and infoboxes do not break or lose their maps, please update your local code to fetch data from [[:d:Property:P14226|P14226]] instead of the old [[:d:Property:P1846|P1846]] + [[:d:Property:P180|P180]] structure. A [[m:Wikidata/Property Migration: P1846 to P14226/List|list of pages]] was generated using Wikimedia Global Search. '''Deadline:'''<br /> We are temporarily retaining the old data on [[:d:Property:P1846|P1846]] to allow for a smooth transition. However, to complete the data cleanup on Wikidata, the old [[:d:Property:P1846|P1846]] statements will be removed after '''May 1, 2026'''. Please update your modules and templates before this date to prevent any disruption to your wiki's election articles. Let us know if you have any questions or need assistance with the query logic. Thank you for your help! [[User:ZI Jony|ZI Jony]] using [[利用者:MediaWiki message delivery|MediaWiki message delivery]] ([[利用者・トーク:MediaWiki message delivery|トーク]]) 2026年4月3日 (金) 17:11 (UTC) <!-- User:ZI Jony@metawiki が https://meta.wikimedia.org/w/index.php?title=Distribution_list/Non-Technical_Village_Pumps_distribution_list&oldid=29941252 のリストを使用して送信したメッセージ --> == 「Lintエラーが生じる件について」 の対応について教えて下さい。 == >...このLintエラーは「優先度 高」になっていて、... 私は、機械的?な話である事を理解しました。(別件コメント:私的?には、ガイドラインの「本ガイドラインの有効性(そもそも論)」の方が「優先度 もっと高?」のような気がしました。別件コメント無視して下さい。) >...修正する必要があると考えます。... >...対応はおろか、...>...実害がないので... ○○法第1章 : の各行バックスラッシュ 1個を削除するだけではないカモ。 ①idが、目次ページの他に、条文ページ(判例を含む)もありました。 ②アンカー?第○章、第○条の漢字文字タイトル改正関係なしに、数字の便利さ使用もありカモ でした。←←← ③新規の目次ページ編集者は大変だろうな。感覚でした。 ④[[Wikibooks:ウィキプロジェクト 法学 コンメンタール執筆ガイドライン/目次ページ]]  [[Wikibooks:ウィキプロジェクト 法学 コンメンタール執筆ガイドライン/条文ページ]]  の2種類はどうなりますか。 <nowiki>==<span id="1"/>第1章 総則 (第1条~第5条)==</nowiki> <nowiki>:</nowiki><nowiki>[[○○法第1条|第1条]]</nowiki>(目的)== ... ⑤間違っている事をガイドラインに載せるのは、望ましくない。 フッターに影響するのは困る。 普通に他と同様に?ガイドラインのダブルスタンダードそのままで、←←←トリプル可??? 閲覧操作に違いがなければイイナです。私の理解です。 ⑥リンター?の操作は、何がいいですか。wikibooksの標準機能にありますか。手作業?見てからです。 ⑦wikipedia他はどのようにしていますか。放ったらかし? https://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%89%B9%E5%88%A5:LintErrors/self-closed-tag 自己終了タグ (561 件のエラー) >...より質の高い教科書作りに...(ガイドライン議論より) >...「提案に従う義務はありません。」と記載していながら、...(〃) >...返信もありません(編集活動は続けられています)...(〃) >...彼(私?)の問いかけは論理的なものではないと考えます。...(利用者・トーク:Tomzo#お願いより) と言われませんように。--[[利用者:Tkkn46tkkn46|Tkkn46tkkn46]] ([[利用者・トーク:Tkkn46tkkn46|トーク]]) 2026年4月6日 (月) 13:46 (UTC) == Lint エラーの自己終了タグ (3,295 件のエラー)以外。他のエラー多数について、皆さんは、どのように考えておられますか。 == [[Wikibooks・トーク:ウィキプロジェクト 法学 コンメンタール執筆ガイドライン#Lintエラーが生じる件について]] の続き。 談話室にしました。下に続けるのも?です。 ①他のエラー多数の扱い。 ②リンターは、自動的に編集してくれますか。抽出だけですか。 ③リンターに、自作定義オプションを追加できますか。それを編集してくれるとうれしい。 ④おすすめのリンターを教えて下さい。AIでもいけそうな気もしました。エラー全部のLLM? >...彼の問いかけは論理的なものではないと考えます。...(利用者・トーク:Tomzo#お願いより) と言われませんように。--[[利用者:Tkkn46tkkn46|Tkkn46tkkn46]] ([[利用者・トーク:Tkkn46tkkn46|トーク]]) 2026年4月6日 (月) 13:49 (UTC) :{{コメント2|コメント}} 私たちの議論をご覧になっての質問ということで、ご回答致します。 :# 他のエラーも同様に修正するのが理想です。ただ、我々の能力的な問題があったり、量があったりでそのままにされているだけです。 :# 質問の意図が汲めなかったのですが、問題の箇所を修正すれば自動的にLintエラーのページからは表示されなくなります。 :# おそらく、我々は大元の設定はいじれないかと思います。 :# おすすめのLintエラーの意味がわかりません。ウィキペディアではBotが良く使われますが、同じエラーでもケースバイケースなのでLintエラーに対してはあまり使われていない印象です。結局、現時点では人間の判断が必要です。 :質問に対する答えになってるでしょうか?--[[利用者:なまえみてい|なまえみてい]] ([[利用者・トーク:なまえみてい|トーク]]) 2026年4月16日 (木) 04:33 (UTC) == アイコン?テンプレート?を探しています。英語でも。このページ「○○○」は、まだ書きかけです。出来上がるまでマッテ。 == 他、例えば、 ・このページ「○○○」は、まだ書きかけです。出来上がるまで余計な事言うな。 ・このページ「○○○」は、まだ書きかけです。出来上がるまでコメントするな。 ・このページ「○○○」は、まだ書きかけです。△△△日まで余計な事言うな。過ぎればOK。 ・このページ「○○○」は、コメントされても、返信しません。 (参考例) 以下は、ただちにコメントOKの例。 [[トランプ#関連項目]]を転写。 このページ「○○○○」は、まだ書きかけです。加筆・訂正など、協力いただける皆様の編集を心からお待ちしております。また、ご意見などがありましたら、お気軽にトークページへどうぞ。--[[利用者:Tkkn46tkkn46|Tkkn46tkkn46]] ([[利用者・トーク:Tkkn46tkkn46|トーク]]) 2026年4月11日 (土) 12:59 (UTC) == スタイルマニュアル の ナビゲーションをつける について4点教えて下さい。 == [[Wikibooks:スタイルマニュアル#ナビゲーションをつける]] ①>このうち、1(テンプレート:Pathnav)を使用して下さい。 上記があるので、2、3を<nowiki><del></del></nowiki>にして下さい。 ②><nowiki>{{[[テンプレート:Pathnav|Pathnav]]|メインページ|親項目|子項目}}</nowiki>  >最上位ページは「メインページ」にすること(英語の使用の回避) メインページ が必要ですか。1行目のアイコンと同じに見えます。 ③できれば、pathnav行を 削除したい。表示の重複。 例 [[トランプ]] <nowiki>{{Pathnav|メインページ|ゲーム|frame=1}}</nowiki> [[数学]] <nowiki>{{Pathnav|メインページ|frame=1|small=1}}</nowiki> ゲームの場合、ゲームはイラナイのか。ナントカナルです。 ④法文は、次行をどうして使わなかったのですか。フッタを使っているのですか。 <nowiki>top:[[本のタイトル]] / previous:[[前のページ]] - up:[[章タイトル]] - next:[[次のページ]]</nowiki>--[[利用者:Tkkn46tkkn46|Tkkn46tkkn46]] ([[利用者・トーク:Tkkn46tkkn46|トーク]]) 2026年4月14日 (火) 13:30 (UTC) == カテゴリー内。最新記事の日付を表示できますか。自動更新。ついでに、全記事の最終更新日もです。 == 記事内に自動更新 日付の事例を探しています。 ①(現在)トランプ記事の総数は、...以下の 76 ページを表示しています。 [[カテゴリ:トランプ#カテゴリ: “トランプ”]] ②次行、わかりやすいです。(ちょっと年表示が気になったけど、年表示しないのがステキ。曜日も。新型手動) [[利用者:AkiR27User#※作成・編集ページ]]※4/15時点 前行、wikibooksが自動的に、表示してほしい。 4/15(水)時点のトランプ記事の総数は、...以下の 76 ページを表示しています。(カテゴリー内) ↑↑↑ ??? wikibooksの言い分。そのくらい、人間が投稿履歴を見て、判断できるだろ。情報は提供している。手動。 ??? カテゴリー内でマジックワードが使えますか。 (参考) [[w:Help:マジックワード]]--[[利用者:Tkkn46tkkn46|Tkkn46tkkn46]] ([[利用者・トーク:Tkkn46tkkn46|トーク]]) 2026年4月15日 (水) 03:15 (UTC) == Request for comment (global AI policy) == <bdi lang="en" dir="ltr" class="mw-content-ltr"> Apologies for writing in English. {{int:Please-translate}} A [[:m:Requests for comment/Artificial intelligence policy|request for comment]] is currently being held to decide on a global AI policy. {{int:Feedback-thanks-title}} [[利用者:MediaWiki message delivery|MediaWiki message delivery]] ([[利用者・トーク:MediaWiki message delivery|トーク]]) 2026年4月26日 (日) 00:57 (UTC) </bdi> <!-- User:Codename Noreste@metawiki が https://meta.wikimedia.org/w/index.php?title=Distribution_list/Global_message_delivery&oldid=30424282 のリストを使用して送信したメッセージ --> == Wikimedians of Japan User Group 2026-4 == '''全体ニュース''' * ユニバーサル行動規範調整委員会委員(U4C)の立候補は5月11日21時(JST)までです。 * 5月18日から6月1日21時までU4C委員の投票が行われます。 * ウィキメディア財団理事会はすべての言語版のウィキニュースを閉鎖することを承認しました。ウィキニュースは5月4日から読み取り専用になります。 '''ESEAPハブからのおしらせ'''[[File:ESEAP logo horizontal.svg|40px|link=:m:ESEAP_Hub/ja]] * 5月3日15時(JST)から[[:m:Event:ESEAP_Community_Call_58_(3_May_2026)|オンラインミーティング]]が行われます。 * 5月15日から17日まで台湾で[[:m:ESEAP_Conference_2026/ja|ESEAPカンファレンス2026]]が開催されます。 '''Wikimedians of Japan User Groupからのおしらせ'''[[File:Wikimedians of Japan User Group Logoonly.svg|20px|link=:m:Wikimedians_of_Japan_User_Group]] * 5月23日に開催される[https://event.ospn.jp/osc2026-nagoya/ OSC名古屋]に参加します。 '''[[:w:ja:メインページ|日本語版ウィキペディア]]'''[[File:Wikipedia-logo-v2.svg|20px|link=:w:ja:]] * 今月は以下の記事が[[:w:ja:Wikipedia:良質な記事/良質な記事の選考|良質な記事の選考]]を通過しました。 **[[:w:ja:オシダ科|オシダ科]] **[[:w:ja:美濃電気軌道セミボ510形電車|美濃電気軌道セミボ510形電車]] **[[:w:ja:シャンブル|シャンブル]] **[[:w:ja:東山地域 (一関市)|東山地域 (一関市)]] **[[:w:ja:三方領地替え (1817年)|三方領地替え (1817年)]] **[[:w:ja:フサイン・ブン・ハムダーン|フサイン・ブン・ハムダーン]] **[[:w:ja:マリアノ・リベラ|マリアノ・リベラ]] **[[:w:ja:ナポレオンと田虫|ナポレオンと田虫]] **[[:w:ja:我が心は石にあらず|我が心は石にあらず]] **[[:w:ja:フランク・フラゼッタ|フランク・フラゼッタ]] **[[:w:ja:紀藤真琴|紀藤真琴]] **[[:w:ja:三ヶ島葭子|三ヶ島葭子]] **[[:w:ja:平野 (大阪市)|平野 (大阪市)]] **[[:w:ja:丹沢湖|丹沢湖]] * 今月の1枚 [[File:Matsumoto-castle-2026-HK.jpg|alt=|thumb|200x200px|ライトアップされた[[:w:ja:光清寺_(京都市)|松本城]] |none]] '''5月のオフラインイベント情報''' * 5/10 [[:w:ja:プロジェクト:アウトリーチ/ウィキペディアタウン#2026-05-10_ウィキペディアタウン_in_吉野地区|ウィキペディアタウン in 吉野地区]] * 5/10 [https://countries-romantic.connpass.com/event/389840/ 花博鶴見緑地で学ぶ 地図とWikipediaの編集体験] '''[[:wmfblog:|Diff]]''' タイトル / 著者;翻訳者 (掲載日) の順で記載しています。 * [https://diff.wikimedia.org/ja/2026/03/02/%e3%82%a6%e3%82%af%e3%83%a9%e3%82%a4%e3%83%8a%e3%81%ae%e3%82%a6%e3%82%a3%e3%82%ad%e3%83%a1%e3%83%87%e3%82%a3%e3%82%a2%e3%83%b3%e3%81%af%e3%81%93%e3%81%ae%e5%9b%b0%e9%9b%a3%e3%81%aa%e5%86%ac%e3%82%92/ ウクライナのウィキメディアンはこの困難な冬をどう過ごしているか―4人の物語] / Anton Protsiuk ; Wadakuramon (2026/03/02) * [https://diff.wikimedia.org/ja/2026/03/04/%e6%9d%b1%e4%ba%ac%e3%81%a7%e3%81%ae%e3%82%a6%e3%82%a3%e3%82%ad%e3%83%9a%e3%83%87%e3%82%a3%e3%82%a225%e5%91%a8%e5%b9%b4%e8%a8%98%e5%bf%b5%e4%ba%a4%e6%b5%81%e4%bc%9a%e3%81%af%e5%a4%a7%e7%9b%9b%e6%b3%81/ 東京でのウィキペディア25周年記念交流会は大盛況でした] / Wadakuramon (2026/03/04) * [https://diff.wikimedia.org/ja/2026/03/10/%e3%82%a6%e3%82%a3%e3%82%ad%e3%83%a1%e3%83%87%e3%82%a3%e3%82%a2%e6%8f%90%e6%90%ba%e5%9b%a3%e4%bd%93%e3%81%ae%e5%b0%86%e6%9d%a5%e5%83%8f%e3%82%92%e6%8f%90%e6%a1%88/ ウィキメディア提携団体の将来像を提案] / Kaarel ; Omotecho (2026/03/10) * [https://diff.wikimedia.org/ja/2026/03/11/%e3%82%a6%e3%82%a3%e3%82%ad%e7%a5%9d%e3%81%84%ef%bc%9a%e3%83%a1%e3%83%ab%e3%83%b4%e3%82%a1%e3%83%83%e3%83%88%ef%bc%8d%e7%9f%a5%e8%ad%98%e3%80%81%e3%82%b3%e3%83%9f%e3%83%a5%e3%83%8b%e3%83%86%e3%82%a3/ ウィキ祝い:メルヴァット-知識、コミュニティ、信頼を築いた10年] / Jan Beránek (WMF), Natalia Szafran-Kozakowska ; Wadakuramon (2026/03/11) * [https://diff.wikimedia.org/ja/2026/03/16/%e3%82%a4%e3%83%99%e3%83%b3%e3%83%88%e4%b8%80%e8%a6%a7%e3%81%ae%e7%a7%bb%e5%8b%95%e6%83%85%e5%a0%b1%ef%bc%9adiff%e3%81%ae%e3%82%a4%e3%83%99%e3%83%b3%e3%83%88%e3%82%ab%e3%83%ac%e3%83%b3%e3%83%80/ イベント一覧の移動情報:Diffのイベントカレンダーはメタ・ウィキに移りました] / Chris Koerner ; Wadakuramon (2026/03/16) * [https://diff.wikimedia.org/ja/2026/03/16/%e8%91%ac%e5%84%80%e3%81%a7%e5%ad%a6%e3%82%93%e3%81%a0%e3%80%81%e3%82%a6%e3%82%a3%e3%82%ad%e3%83%9a%e3%83%87%e3%82%a3%e3%82%a2%e3%81%a8%e3%83%9c%e3%83%aa%e3%83%93%e3%82%a2%e3%81%a8%e6%97%a5%e6%9c%ac/ 葬儀で学んだ、ウィキペディアとボリビアと日本のこと:知識と愛情の物語] / Carlillasa ; Wadakuramon (2026/03/16) * [https://diff.wikimedia.org/ja/2026/04/02/wikidata%e3%83%af%e3%83%bc%e3%82%af%e3%82%b7%e3%83%a7%e3%83%83%e3%83%9720260327%ef%bc%a0%e7%ad%91%e6%b3%a2%e5%a4%a7%e5%ad%a6%e6%9d%b1%e4%ba%ac%e3%82%ad%e3%83%a3%e3%83%b3%e3%83%91%e3%82%b9/ Wikidataワークショップ20260327@筑波大学東京キャンパス] / Eugene Ormandy (2026/04/02) * [https://diff.wikimedia.org/ja/2026/04/04/%e4%ba%ba%e5%b7%a5%e7%9f%a5%e8%83%bd%e5%ad%a6%e4%bc%9a%e7%ac%ac68%e5%9b%9eswo%e7%a0%94%e7%a9%b6%e4%bc%9a%e3%81%ab%e7%99%bb%e5%a0%b4%e3%81%97%e3%81%9fwikimedia%e3%81%ae%e8%a9%b1/ 人工知能学会第68回SWO研究会に登場したWikimediaの話] / Eugene Ormandy (2026/04/04) * [https://diff.wikimedia.org/ja/2026/04/06/jacet%e8%8b%b1%e8%aa%9e%e8%be%9e%e6%9b%b8%e7%a0%94%e7%a9%b6%e4%bc%9a2025%e5%b9%b4%e5%ba%a6%e7%ac%ac2%e5%9b%9e%e4%be%8b%e4%bc%9a%e3%81%a7wikipedia%e3%81%ae%e7%99%ba%e8%a1%a8%e3%82%92%e5%ae%9f%e6%96%bd/ JACET英語辞書研究会2025年度第2回例会でWikipediaの発表を実施] / Eugene Ormandy (2026/04/06) * [https://diff.wikimedia.org/ja/2026/04/07/%e6%8f%90%e6%90%ba%e5%9b%a3%e4%bd%93%e8%aa%8d%e5%ae%9a%e3%81%ae%e4%b8%80%e6%99%82%e5%81%9c%e6%ad%a2%e6%9c%9f%e9%96%93%e3%81%8c2026%e5%b9%b49%e6%9c%88%e3%81%be%e3%81%a7%e5%bb%b6%e9%95%b7%e3%81%95/ 提携団体認定の一時停止期間が2026年9月まで延長されました] / CAlmog-WMF ; YShibata (2026/04/07) * [https://diff.wikimedia.org/ja/2026/04/07/%e3%82%a6%e3%82%af%e3%83%a9%e3%82%a4%e3%83%8a%e3%81%ae%e6%96%87%e5%8c%96%e3%82%92%e4%b8%96%e7%95%8c%e3%81%b8%e4%bc%9d%e3%81%88%e3%81%be%e3%81%97%e3%82%87%e3%81%86%ef%bc%9a%e7%ac%ac6%e5%9b%9e%e3%82%a6/ ウクライナの文化を世界へ伝えましょう:第6回ウクライナの文化外交月間がウィキペディアで始まりました!] / OlesiaLukaniuk WMUA ; Wadakuramon (2026/04/07) * [https://diff.wikimedia.org/ja/2026/04/13/%e5%b0%91%e6%95%b0%e8%80%85%e3%81%ae%e3%81%9f%e3%82%81%e3%81%ae%e3%82%a6%e3%82%a3%e3%82%ad%e3%81%af%e7%ac%ac1%e5%9b%9e%e3%80%8c%e3%82%a2%e3%83%95%e3%83%aa%e3%82%ab%e3%81%ae%e5%b0%91%e6%95%b0%e8%80%85/ 少数者のためのウィキは第1回「アフリカの少数者キャンペーン」を2026年4月に開催します] / Fulani215 ; Wadakuramon (2026/04/13) * [https://diff.wikimedia.org/ja/2026/04/17/%e7%a7%81%e3%81%9f%e3%81%a1%e3%81%8c%e3%83%9c%e3%83%aa%e3%83%93%e3%82%a2%e3%81%a7%e5%8f%96%e3%82%8a%e7%b5%84%e3%82%93%e3%81%a7%e3%81%84%e3%82%8b%e7%b9%94%e7%89%a9%e3%81%a8%e8%a1%a3%e6%96%99/ 私たちがボリビアで取り組んでいる織物と衣料] / NairaWM BO ; Wadakuramon (2026/04/17) * [https://diff.wikimedia.org/ja/2026/04/23/%e6%97%a5%e9%9f%93%e3%82%a8%e3%83%87%e3%82%a3%e3%82%bf%e3%82%bd%e3%83%b32026%e3%81%a7%e6%9b%b8%e3%81%84%e3%81%9f3%e6%9c%ac%e3%81%ae%e8%a8%98%e4%ba%8b/ 日韓エディタソン2026で書いた3本の記事] / Wadakuramon (2026/04/23) * [https://diff.wikimedia.org/ja/2026/04/24/%e3%82%a6%e3%82%a3%e3%82%ad%e3%83%9a%e3%83%87%e3%82%a3%e3%82%a2%e3%82%92%e3%81%8a%e7%a5%9d%e3%81%84%e3%81%99%e3%82%8b%e3%81%ae%e3%81%af%e3%80%81%e7%a7%81%e3%81%9f%e3%81%a1%e3%81%ae%e3%82%b3%e3%83%9f/ ウィキペディアをお祝いするのは、私たちのコミュニティを祝うことでもあります] / N1ny4 t ; Wadakuramon (2026/04/24) * [https://diff.wikimedia.org/ja/2026/04/28/%e3%82%a6%e3%82%a3%e3%82%ad%e3%83%a1%e3%83%87%e3%82%a3%e3%82%a2%e8%b2%a1%e5%9b%a3%e5%b9%b4%e6%ac%a1%e8%a8%88%e7%94%bb-2026-2027%e3%81%ae%e3%81%94%e7%b4%b9%e4%bb%8b/ ウィキメディア財団年次計画/2026-2027のご紹介] / Wikimedia Foundation ; Omotecho (2026/04/28) '''前回配信:2025年3月31日''' <hr style="border-top: 2px 破線 #7F9AEB; border-bottom: none;"> 配信元: ''[[:m:Wikimedians of Japan User Group|Wikimedians of Japan User Group]]''<br /> <small>[[:m:Talk:Wikimedians of Japan User Group/メールマガジン|フィードバック]]。[[:m:Wikimedians of Japan User Group/メールマガジン/targets list| 登録・削除]]。</small>2026年4月30日 (木) 11:03 (UTC) <hr style="border-top: 2px 破線 #7F9AEB; border-bottom: none;"> <!-- User:Chqaz-WMJPUG@metawiki が https://meta.wikimedia.org/w/index.php?title=Wikimedians_of_Japan_User_Group/%E3%83%A1%E3%83%BC%E3%83%AB%E3%83%9E%E3%82%AC%E3%82%B8%E3%83%B3/targets_list&oldid=30361722 のリストを使用して送信したメッセージ --> 6vyboct1qe9f2bcr0vvoz0uzqq7gmxx DOS入門 0 579 298939 297579 2026-04-30T05:21:52Z Ef3 694 廃止要素のTTをCODEで置き換え。キーボード操作でないKBD要素をCODE要素で置き換え 298939 wikitext text/x-wiki MS-DOS/PC DOS入門は、マイクロソフト社製のMS-DOS、IBM社製のPC DOSおよびそのほかのDOSに関する解説である。 {{Wikipedia|MS-DOS}} <!-- DOS --> == MS-DOS、PC DOSとは? == MS-DOS、PC DOSは、パーソナルコンピュータ(PC)において、グラフィカルユーザインターフェイス([[w:GUI|GUI]])が普及するまで用いられたIntel 8086(x86)アーキテクチャ用キャラクタインターフェイス([[w:CUI]])オペレーティングシステムである。詳しくは、姉妹プロジェクトのウィキペディアの[[w:MS-DOS|MS-DOS]]を参照。 == MS-DOS、PC DOSの歴史 == IBMが初代IBM PC用のOSの開発を米国マイクロソフト本社に委託し、PC DOSが開発された。その後、PC DOSをベースにマイクロソフトが他社にOEM供給したものは、MS-DOSとされた。 また、Microsoftに許諾を取った上でIBM PC(後のPC/ATアーキテクチャ)以外の多くのアーキテクチャ向けに他社が移植を行っている。(PC-9800シリーズなど) === DOSの変遷 === ; MS-DOS : バージョン1からバージョン6(Windows 95/98のDOS部分はバージョン7とされる) ; PC DOS : バージョン1からバージョン7(バージョン7に若干の改修を加えたPC DOS 2000も存在する) ; [[w:DR-DOS|DR DOS]] : バージョン3.31からバージョン7.03 (バージョン8.1は[[w:GNU General Public License|GPL]]違反により消滅) '''MS-DOS 3.xの頃より'''、次世代の'''マルチタスクOS'''としてMS OS/2およびIBM OS/2が共同開発されたが、後に両社は決別。Windows 3.1やWindows 95が市場を席巻したことで、OS/2が主流になることはなかった。 === 現代のDOS === MS-DOS、PC DOSは、オペレーティングシステムとしてはほとんど使われなくなったが、Microsoft Windowsのコマンドプロンプトとして、また、[[w:Microsoft Windows Vista|WindowsVista]]から([[w:Windows XP|WindowsXP]]からインストール可能)は、[[コマンドプロンプト]]の他に[[Windows PowerShell]]が標準に追加され、そのコマンド体系は残っている。なお、Windows11でいう「ターミナル」アプリで実行されるアプリは規定ではPowerShellである(なお、ターミナルのvボタンで出てくるプルダウンメニューを使えばコマンドプロンプトなど別アプリにも変えられる)。 その他、有志によってFreeDOSやDOSBOX等、MS-DOSの互換OSが生まれた。 == DOSの概念 == DOSは、'''D'''isk '''O'''perating '''S'''ystemの略称であることからもわかるように、基本的にフロッピーディスク・ハードディスク上で運用しその記憶媒体上のデータを操作することにより使用する。 === ディスク・ファイル === ; ディスクドライブ (A, B, C, D, ... Z) : ディスクドライブには「ドライブレター」というアルファベットのドライブ文字が割り当てられ、「Aドライブ」などと呼ぶ。[[w:PC/AT|PC/AT]]アーキテクチャではフロッピーディスクドライブにはAまたはBの文字が、ハードディスクドライブやCD-ROMドライブにはC以降の文字が割り当てられる。[[w:PC-9800シリーズ|PC-98]]アーキテクチャでは、フロッピーディスク、ハードディスクを問わず起動ドライブがAドライブとなり、その後B、C、Dと順番に割り当てられていく。CONFIG.SYSのLASTDRIVEで上限を設定できる。<br> なお、現代のパソコンで内蔵ドライブの多くがCドライブになるのは、このMS-DOSの設定で、A・Bドライブが[[w:フロッピーディスクドライブ|フロッピーディスクドライブ]]、更に詳しく書くと、AドライブがMS-DOSのフロッピーディスク用のドライブ、Bドライブがその他のフロッピーディスク用のドライブ用で、Cドライブが[[w:ハードディスク|ハードディスクドライブ]]用と割り振られているからである。決してCドライブの"C"は「computer」の"C"ではない。コンピューターの記憶装置として普及したフロッピーディスクから順番に割り振っていったらハードディスクのドライブレターが"C"になったということにすぎない。なお、フロッピーディスクドライブがA・Bと二つ割り振られているのは、当時、AドライブでMS-DOSを読み込みながらBドライブのフロッピーディスクの作業をしていたからである。<br> また、[[w:ソリッドステートドライブ|SSD]]は[[w:ハードディスク|ハードディスクドライブ]]の代替であるから、ハードディスクドライブと同じCドライブである。 ; カレントドライブ : カレントドライブとは、対象となっているドライブのことである。カレントディレクトリとともに操作対象のディレクトリを指定する。「C:」や「D:」などのコマンドで変更できる。 ; ディレクトリ : ファイルを階層化して管理する概念としてディレクトリと呼ばれるものがある。バージョン1には、ディレクトリの概念がない。なお[[w:Windows|Windows]]ではフォルダと呼ぶ。 ; カレントディレクトリ : カレントディレクトリとは、対象となっているディレクトリのことである。各ドライブごとに存在し、それぞれを内部コマンドのCDで変更できる。 ; [[w:ファイルシステム|ファイルシステム]] : FAT ([[w:File Allocation Table|File Allocation Table]]) を用いる。FATは[[w:Microsoft Windows 95|Windows 95]]でファイル名の長さ制限を256バイトにした[[w:File Allocation Table#VFAT|VFAT]]に拡張された。なお、VFATをDOS/Vフォーマット、IBMフォーマットなどと呼ぶこともある。<sup><span title="要出典">''<nowiki>[</nowiki>[[w:Wikipedia:「要出典」をクリックされた方へ|<span title="要出典">要出典</span>]]<nowiki>]</nowiki>''</span></sup><!-- VFATはDOS/Vでは正しく扱えないためDOS/Vフォーマットと呼ばれるには疑問が残る.またPC-DOSではVFATはサポートされたことがないためIBMフォーマットと呼ばれるのも疑問. --> : また[[w:NTFS|NTFS]]などのパーティションにアクセスするためのドライバも販売されていた。 <!-- 「ディスクフォーマット」と言いながらフロッピーディスクの種類に言及しているため一旦オミット. フォーマットの違いだけでなく磁性体の違いなどもあるため不適当. ; ディスクフォーマット : ディスクフォーマットは、ファイルシステムを含むディスク上のデータを記録する形式のことである。 :* 2DD - 640KB, 720KB :* 2HD - 1.21MB, 1.25MB, 1.44MB :* 2ED - 2.88MB (2EDはほとんど普及しなかった) : 現在、普及しているフロッピーディスクのフォーマットは、DOS/V 1.44MB 2HDが主であり、1995年以前の日本ではPC-9800シリーズ用の1.25MB 2HDが使われたが、Windowsの登場以降では1.44MB 2HDに移行した。 --> === 起動プロセス === 次の順にファイルを読み込む。 * <code>IO.SYS</code> (必須) * <code>MSDOS.SYS</code> (必須) * <code>CONFIG.SYS</code> * <code>COMMAND.COM</code> (変更可) * <code>AUTOEXEC.BAT</code> {|class='wikitable'| |style='text-align: center;'|<code>IO.SYS</code> |style='text-align: center;'|&rarr; |style='text-align: center;'|<code>MSDOS.SYS</code> |style='text-align: center;'|&rarr; |rowspan='2' style='text-align: center;'|<code>CONFIG.SYS</code><br/>(省略可) |rowspan='2' style='text-align: center;'|&rarr; |rowspan='2' style='text-align: center;'|シェル<br/>(省略時<code>COMMAND.COM</code>) |rowspan='2' style='text-align: center;'|&rarr; |rowspan='2' style='text-align: center;'|<code>AUTOEXEC.BAT</code><br/>(省略可) |- |style='text-align: center;'|<code>IBMBIO.COM</code> |style='text-align: center;'|&rarr; |style='text-align: center;'|<code>IBMDOS.COM</code> |style='text-align: center;'|&rarr; |} なお、PC DOSまたはDR DOSの場合には<code>IO.SYS</code>は<code>IBMBIO.COM</code>に,<code>MSDOS.SYS</code>は<code>IBMDOS.COM</code> となる。また、<code>AUTOEXEC.BAT</code>は<code>COMMAND.COM</code>から呼び出されるため、<code>CONFIG.SYS</code>において<code>SHELL</code>変数を<code>COMMAND.COM</code>以外を指定した場合には読み込まれない。 == 環境設定 == <code>CONFIG.SYS</code>と<code>AUTOEXEC.BAT</code>を書き換えることで行う。 MS-DOSバージョン7では、<code>MSDOS.SYS</code>も用いる。 === <code>CONFIG.SYS</code> === ==== デバイスドライバ ==== <code>DEVICE</code>、<code>DEVICEHIGH</code>文によって組み込む。 主なデバイスドライバには次のものがある。 *メモリ管理ドライバ ** [[Wikipedia:XMS|XMS]]ドライバ (<code>HIMEM.SYS</code>) ** [[Wikipedia:Expanded_Memory_Specification|EMS]]ドライバ (<code>EMM386.EXE</code>) *** 互換ドライバとして[[Wikipedia:QEMM|QEMM]]などが開発・販売された * マウスドライバ (<code>MOUSE.SYS</code>) ** NEC PC-98シリーズ版MS-DOSでのみ提供されている ** PC/AT互換機用のDOSでは常駐プログラムとして<code>MOUSE.COM</code>が提供されている * 日本語フロントエンドプロセッサ (FEP) 具体的には : <code>DEVICE=C:\DOS\HIMEM.SYS</code> などのように記述する。 なお、<code>DEVICEHIGH</code>文を用いる場合には、Upper Memory Blocksを使用するため、<code>HIMEM.SYS</code>またはそれに準ずるドライバを<code>DEVICE</code>文で読み込んだ後に使用しなければならない。 ==== 常駐プログラムの読み込み ==== 日本語FEPやマウスドライバなどの常駐プログラムを<code>CONFIG.SYS</code>から読み込む場合には、 <code>INSTALL</code>文または<code>INSTALLHIGH</code>文を使う 。 <code>INSTALL</code>文を使うことで、 <code>AUTOEXEC.BAT</code>を使わずに設定ファイルを構成することもできるが、 歴史的経緯から<code>INSTALL</code>文はあまり使われない。 なお、 <code>DEVICE</code>文における<code>DEVICEHIGH</code>文と同じく、 Upper Memory Blocksを使う関係上<code>HIMEM.SYS</code>の読み込みよりも後に<code>INSTALLHIGH</code>を使わなければならない。 ; 例 : <code>INSTALL=C:\DOS\MOUSE.COM</code> ==== シェル設定 ==== <code>SHELL</code>文によって設定する。 通常は標準シェルである<code>COMMAND.COM</code>を使用する。 具体的には : <code>SHELL=C:\COMMAND.COM /P</code> などのように記述する。 なお、末尾の<code>/P</code>は必須。 ==== その他 ==== * <code>DOS</code>文<br/>システムの一部をHigh Memory AreaやUpper Memory Blocksに読み込む際に使用する。 ** <code>HIGH</code> ... High Memory Areaに読み込む ** <code>UMB</code> ... Upper Memory Blocksに読み込む ; 例 : <code>DOS=HIGH,UMB</code> * <code>DOSDATA</code>文<br/>PC DOS 7.0以降のみ使用可能。 ; 例 : <code>DOSDATA=UMB</code> === <code>AUTOEXEC.BAT</code> === <code>AUTOEXEC.BAT</code>は<code>COMMAND.COM</code>が起動時に必ず読み込むファイルである。 実体は通常のバッチファイルになっている。 このファイルには常駐プログラムやDOSの起動時に自動的に実行させたいアプリケーションを書きこむ。 主に使われる用途としては次のようなものがある。 * ディスクキャッシュ * CD-ROMドライブ名の割り当て ** DOSでCD-ROMドライブを使うためには、デバイスドライバの読み込みだけではなく、<code>MSCDEX.EXE</code>などの常駐ソフトウェアが必要になる * Windowsを起動させる (Windows 3.xまで) 記述方法は絶対パスもしくは相対パスで行う。 具体的には : A:\WINDOWS\WIN.COM : .\WINDOWS\WIN.COM などのように記述する。 なお、常駐ソフトウェアを読み込む際には<code>CONFIG.SYS</code>の<code>DEVICE</code>文に対する<code>DEVICEHIGH</code>文のように、 High Memory Areaに常駐させるための<code>LOADHIGH</code>文 (省略記法: <code>LH</code>) が用意されている。 === MSDOS.SYS === MSDOS.SYSはCONFIG.SYS、AUTOEXEC.BATと違い、編集できる場所が限られている。もし、編集してはならない場所を編集した場合、MS-DOSが起動できなくなるケースが多い。 主に以下の用途で使われる。 :*デフォルトシェル :*起動ドライブ :*インストールディレクトリ :*Windows起動中のロゴを表示させる。(Windows9x) = コマンド = DOSのコマンドは、 '''内部コマンド'''と'''外部コマンド''' に大別される。 内部コマンドとは標準シェル<code>COMMAND.COM</code>の内蔵コマンドである。 外部コマンドとは<code>COMMAND.COM</code>に内蔵されていない、 <code>.COM</code>形式あるいは<code>.EXE</code>形式で提供されているコマンドである。 <code>.BAT</code>形式を使うと、一度に複数のコマンドを実行できる。 == 基本コマンド == 下記のコマンドは基本的に「コマンドプロンプト」で用いることができる。 ただし Power Shell では使えないコマンドもあるので、都度、確認のこと。 === <code>DIR</code>について === ディレクトリの内容を表示するための内部コマンド (UNIXの<code>ls</code>に相当)。 ディレクトリの中身を知りたい場合によく使われる。 (詳しく知りたい場合は、<code>DIR /?</code>とコマンドの後に<code>/?</code>) サンプル出力 (全てBochs上のFreeDOSより) ==== <code>DIR</code> ==== :<syntaxhighlight lang=doscon> C:\>dir Volume in drive C is FREEDOS Volume Serial Number is 4228-11FA Directory of C:\ KERNEL SYS 41,293 08-04-02 11:32a COMMAND COM 86,413 07-30-02 12:17a DOS <DIR> 11-14-02 10:43a FDCONFIG SYS 263 11-14-02 11:05a EDIT EXE 62,277 08-11-04 7:38p EDIT HLP 29,452 04-28-04 1:22a 5 file(s) 219,698 bytes 1 dir(s) 5,402,624 bytes free C:\> </syntaxhighlight> Powershellでも問題なく使える。(ただし表示は上記とは異なる。) :<syntaxhighlight lang=ps1> PS C:\Users\ユーザー名> dir ディレクトリ: C:\Users\ユーザー名 Mode LastWriteTime Length Name ---- ------------- ------ ---- d----- 2023/07/17 月曜日 20: .thumbnails 01 d-r--- 2023/07/17 月曜日 18: Contacts 20 d----- 2023/07/17 月曜日 18: Documents 41 dar--- 2023/07/24 月曜日 16: Downloads 21 d-r--- 2023/07/17 月曜日 18: Favorites 20 d-r--- 2023/07/17 月曜日 18: Links 20 d-r--- 2023/07/17 月曜日 21: Music 02 dar--l 2023/07/23 日曜日 14: OneDrive 35 d-r--- 2023/07/17 月曜日 18: Saved Games 20 d-r--- 2023/07/17 月曜日 18: Searches 37 d-r--- 2023/07/22 土曜日 11: Videos 57 </syntaxhighlight> ===== <code>DIR /W</code> ===== 例1: :<syntaxhighlight lang=doscon> C:\>dir /w Volume in drive C is FREEDOS Volume Serial Number is 4228-11FA Directory of C:\ KERNEL.SYS COMMAND.COM [DOS] FDCONFIG.SYS EDIT.EXE EDIT.HLP 5 file(s) 219,698 bytes 1 dir(s) 5,402,624 bytes free C:\> </syntaxhighlight> 例2: :<syntaxhighlight lang=doscon> Directory of C:\DOS\BIN [.] [..] RIPCORD.COM ASSIGN.COM ATTRIB.COM CHOICE.EXE CMDXSWP.COM COMMAND.COM KSSF.COM PTCHSIZE.EXE VSPAWN.COM COMP.COM DEBUG.COM DISKCOMP.EXE DISKCOPY.EXE DISKCOPY.INI DELTREE.COM DELTREE2.COM EDIT.EXE EDIT.HLP EMM386.EXE HIMEM.EXE EXE2BIN.COM FC.EXE FDISK.EXE FDISK.INI FDISKPT.INI FDISKB.EXE FDXMS.SYS FDXMST.SYS FDXXMS.SYS FDXXMST.SYS XMSTEST.EXE FDXM286T.SYS FDXMS286.SYS XMS2TEST.EXE FIND.EXE FORMAT.EXE FASTHELP.BAT FDHELP.EXE [FILES] HELP.EXE HELP.HTM LABEL.EXE MEM.EXE [MKEYB] MIRROR.EXE MODE.COM MORE.EXE MOVE.EXE NANSI.SYS PRINT.COM PRINTQ.EXE 28MON.COM 2CMON.COM API28.COM API28I16.COM REPLACE.EXE SCANDISK.EXE SHARE.EXE CDCACHER.EXE CDHDREAD.EXE KLUDGE0.EXE NBSTAT.EXE SHSUCDHD.EXE SHSUCDN.EXE SHSUCDX.EXE SHSUDRVX.EXE SHSUSERV.EXE SORT.EXE JOIN.EXE SUBST.EXE SWSUBST.EXE SYS.COM BITDISK.EXE TDSK.EXE TREE.COM UNDELETE.EXE UNFORMAT.EXE XCOPY.EXE [KEY] KEYB.BAT KEYMAN.EXE LISTXDEF.EXE SCANKBD.EXE XKEYB.EXE XKEYBRES.EXE 82 file(s) 1,872,278 bytes 5 dir(s) 5,402,624 bytes free C:\DOS\BIN> </syntaxhighlight> 場合によっては、<code>DIR</code>コマンドを入力しても、長すぎて全てを見られないときがある。 例: :<syntaxhighlight lang=doscon> SHSUCDX EXE 15,726 10-20-00 3:34p SHSUDRVX EXE 12,849 10-20-00 3:19p SHSUSERV EXE 113,520 05-09-96 8:12p SORT EXE 14,816 01-24-95 3:20p JOIN EXE 54,096 08-05-00 4:07p SUBST EXE 54,096 08-05-00 4:07p SWSUBST EXE 54,096 01-26-97 11:35p SYS COM 10,687 08-16-02 11:29p BITDISK EXE 10,311 06-22-95 1:10a TDSK EXE 18,183 12-12-95 2:30a TREE COM 9,893 07-07-01 12:33p UNDELETE EXE 9,103 08-30-02 11:30p UNFORMAT EXE 36,231 03-24-99 8:31p XCOPY EXE 15,102 09-07-01 12:10a KEY <DIR> 11-14-02 11:03a KEYB BAT 23 08-17-01 4:55a KEYMAN EXE 6,202 04-14-02 2:09p LISTXDEF EXE 3,366 04-14-02 2:09p SCANKBD EXE 6,627 04-14-02 2:09p XKEYB EXE 12,657 07-27-02 6:57p XKEYBRES EXE 5,986 07-27-02 6:57p 82 file(s) 1,872,278 bytes 5 dir(s) 5,402,624 bytes free C:\DOS\BIN> </syntaxhighlight> そのような場合は、 ===== <code>DIR /P</code> ===== コマンドを使用する。 このコマンドを使用すると『次の頁を見るためには、何かキーを押してください』と表示されるので、次の頁を見たい場合は、何かキー(Enter等)を押す。 :<syntaxhighlight lang=doscon> Volume in drive C is FREEDOS Volume Serial Number is 4228-11FA Directory of C:\DOS\BIN . <DIR> 11-14-02 10:44a .. <DIR> 11-14-02 10:44a RIPCORD COM 5,805 09-04-02 7:20a ASSIGN COM 13,867 01-27-97 12:46a ATTRIB COM 7,136 08-01-02 2:00a CHOICE EXE 12,032 08-31-02 4:20p CMDXSWP COM 88,043 07-29-02 10:38p COMMAND COM 86,413 07-29-02 10:42p KSSF COM 828 07-29-02 10:42p PTCHSIZE EXE 13,104 07-29-02 10:42p VSPAWN COM 953 07-29-02 10:42p COMP COM 1,285 11-27-94 3:48p DEBUG COM 19,606 11-24-01 7:55p DISKCOMP EXE 18,688 05-01-01 9:48p DISKCOPY EXE 46,176 07-15-01 2:17p DISKCOPY INI 512 07-15-01 2:05p DELTREE COM 4,210 04-24-00 1:02a DELTREE2 COM 3,858 04-24-00 1:02a EDIT EXE 336,449 06-23-01 2:03p Press any key to continue . . . </syntaxhighlight> === <code>CD</code> (<code>CHDIR</code>) について === '''カレントディレクトリ'''を変更する際に使用するコマンドである。Powwershellでも問題なく使える。 ==== <code>CD</code> ==== ディスクA:\BINからの一つ上のフォルダに移動したい時には、 :<syntaxhighlight lang=doscon> A:\BIN>cd .. A:\> </syntaxhighlight> .(ピリオド)は'''カレントディレクトリ'''を表す。 上記の場合、連続してピリオドを記述しているが、これは'''1階層上のディレクトリ'''を指定した事になる。 なお、たとえばGドライブに移動したい場合、<code>cd /d g:</code> になる。<code>/d</code>オプションが必要。 Powershellの場合、オプション無しでも <code>cd g:</code> というコマンドだけで移動できる。 ※ 最近のwindowsの場合、ホームフォルダやその周辺のディレクトリがクラウド用に処理されている等の理由もあって、従来とは実験結果が異なる場合もある。もしその場合、外付けHDDなどを追加してGドライブやHドライブなどといった外部ドライブなどに移動して実験すれば、簡単であろう。 == コマンドリファレンス == MS-DOSのコマンドには、'''内部コマンド'''と'''外部コマンド'''が存在することは前述の通りである。 そのため、以下で外部コマンドとしたものについては、.COM/.EXE のファイルが無ければ使用できないので注意されたし。 以下内部コマンドにはnとつける。 === 機種共通 === * ATTRIB *:ファイル属性の変更。+R/-R(読みとり専用属性)、+H/-H(隠しファイル属性)、+S/-S(システムファイル属性)、+A/-A(アーカイブ属性)の内操作したい物を記述し、その後に対象のファイル名を指定する。 * CLS *:画面に表示されている情報を消去する。 n * COLOR *:文字色・背景色を設定できる。 * COMMAND *:COMMAND.COMを起動する。プロンプトから呼び出しても、意味がない。 n * COPY *:ファイルをコピーする。コピー元のファイルと、コピー先(別ドライブや別ディレクトリを指定したり、別の名前でコピーを作ったりできる)を指定する。2つ以上のファイルを結合しながらコピーすることもできる。 n * DEL *:ファイルの削除。削除対象のファイル名を指定する。 n * DELTREE *:指定のディレクトリ以下を全て削除する。 * EXIT *:COMMAND.COMを終了する(要するにコマンドプロンプトの終了)。ほかのソフトウェアから呼び出された場合、そのソフトウェアに戻るが、それ以外の場合は何も起こらない。 n<br>Powershellの終了も同様にexitコマンドで可能である。 NEC PC-9800シリーズの場合はハードディスクのアクセスアームを元に戻す機能を備えているため、 実行(CTRL+C または STOP キー)して電源を落とさないとハードディスクのデータが破壊される可能性がある。 * FC *:ファイル比較 * FDISK *:パーティーションの管理を行う。下手に操作すると、データを失うので、慣れるまでパーティーションの編集はしない。Windows 95(MS-DOS 7)以降。 * FORMAT *:ディスクのフォーマットを行う。 * INTERLINK *:DOSレベルで2台のPCをP2P接続するためのソフトウエア。接続にはRS-232Cかパラレルプリンターポートを使う。ホストとなるマシンのHDがゲストとなるPCで操作できるようになる。 * LABEL *:ドライブのボリュームラベルを変更する。ドライブを指定しその後に新しいボリュームラベルを指定するか、もしくはドライブ名だけ指定してコマンドが出すプロンプトで新しいボリュームラベルを指定する。 * MD(MKDIR) *:ディレクトリを作成する。作成するディレクトリを指定する。 n * MEM *:メモリーの使用状況などを確認できる。 * MODE *:デバイスの設定を行う。画面のサイズも変更できる。 * MORE *:1画面毎にキー入力を待つ表示。"<"の後に表示するファイルを指定するか、もしくは他のコマンドの後に"| MORE"を付ける。Windowsでは、ファイル名をパラメーターにすることができる。 * MOVE *:ファイルの移動。RENと異なり、ディレクトリやドライブを超えた移動ができる。 * PROMPT *:プロンプト( '''C:\>''' など)を変更する。 * RD(RMDIR) *:ディレクトリの削除。削除するディレクトリを指定するが、そのディレクトリは空でなければならない。 n * REN *:ファイル名の変更。変更したいファイルの場所と、新しい名前を指定する。 n * SCANDISK *:ディスクのエラーを検査する。バージョン6以降。それ以前ではCHKDSKを使用することで簡易に情報を見ることが出来る。 * SET *:環境変数の設定。例えばSET TEMP=C:\TEMPなどとして設定し、その後COPY ''FILENAME'' %TEMP%と実行するとあたかもCOPY ''FILENAME'' C:\TEMPと実行したかのように振舞われる。 n * SYS *:DOSシステムの転送。IO.SYS, MSDOS.SYS, COMMAND.COMなどを指定ドライブへコピーするが、バージョンによって転送するファイルに若干の違いがある。 * TIME/DATE *:マシンの日付及び時刻を設定する。 n * TREE *:ディレクトリ構造を表示する。 * TYPE *:テキストファイルの中身を表示する。 n * VER *:DOSのバージョン番号を表示する。l <br>なおPowershellでは使えない。Powershellのバージョン確認コマンドは<code>$PSVersionTable</code>である。 * XCOPY *:拡張されたCOPYコマンド。ファイルだけではなく、ディレクトリのコピーを行うことができる。 === NEC PC-9800シリーズ用 === 以下は、NEC PC-9800シリーズ用MS-DOSに付属する外部コマンドである。特定バージョンにのみ付属するもの、同名でもバージョンにより大きく異なる動作をするものについてはその旨併記している。 スイッチ等をつけずに起動すると独自のウィザード・操作メニューが表示される事が多い。(以下mで表記) * AVGDRV *:拡張グラフィックドライバを組み込む。PC-9821シリーズの256色グラフィック機能に対応。そのままでは意味を持たない。 * AVSDRV *:PC-9801-86相当のPCM・FM音源の拡張サウンドドライバを組み込む。そのままでは意味を持たない。 * BATKEY *:バッチファイル用。メッセージを表示してキー入力を要求する。 * COPY2 *:ハードディスクとフロッピーディスクとの間でファイルをコピーする。 * COPYA *: 補助入出力装置との間でデータファイルをコピーする。 m * CUSTOM *:CONFIG.SYS(環境設定ファイル)を作成・編集する。 m * DICM *:NECかな漢字変換の辞書ファイルのユーザー登録単語を登録・編集する。 m * DISKCOPY *:フロッピー・ハードディスクをコピー・照合する。 m * DUMP *:ファイルの内容を16進数と文字で表示する。 * FILECONV *:N88-日本語BASIC(86)とMS-DOSとの間でファイルを交換する。 m * FDNCOPY *:フロッピーディスクを高速で全体コピーする。DISKCOPYより空きメモリが必要。m * FORMAT *:操作メニューに沿ってディスクのフォーマット・情報閲覧を行う。スイッチをつけると通常と同じように動作する。 m * HDUTL *:ハードディスクを診断、スキップセクタの代替処理、全体コピーを行う。 m * INSTAP *:アプリケーションをMS-DOS Shellに登録する。MS-DOS Shellを搭載したバージョン以降のみ。 m * KEY *:ファンクションキーや移動キーに機能を割り当てる。 m * MAOIX *:iスクリプトを使ってアプリケーションを登録する。 m * MENU *:メニュー選択方式でコマンドを実行できるコマンドメニューを起動する。 MS-DOS Shellが搭載されていないバージョンでは初期状態で起動時に表示される。 m * MENUCONV *:上記MENUコマンド用メニューファイル(*.MNU)に登録されているアプリケーションをMS-DOS Shellに登録する。 m * MENUED *:上記MENUコマンド用メニューファイル(*.MNU)を作成・編集する。 m * NECAIKEY *:日本語入力キーの割り当てを変更する。 m * PATCH *:ファイルの内容の一部を変更する。 * RENDIR *:既存のディレクトリ名を変更する。 * SEDIT *:スクリーンエディタ(メモ帳のようなソフト)を起動する。 * SETUP *:SETUP.INIというアプリケーション登録用定義ファイルを使ってアプリケーションプログラムを登録する。 m * SPEED *:RS-232Cインターフェースのパラメータを設定する。 m * SWITCH *:メモリスイッチの設定を変更する。 m * USKCGM *:ユーザー定義文字を作成・編集する。 m * VFDDRV *:仮想FDドライブドライバ。CONFIG.SYSに組み込んで使用。 * VRAMD *:仮想FDドライブ起動ディスクを作成する。仮想ディスクからの起動はPC-9821An/Ap2/As2/Bf/Bp/Bs/Be/Cs2/Ce2/Xn/Xp/Xs/Xe/Cb/Cx/Cf/Ap3/As3のみ使用可能。 m <!-- == MS-DOS API == --> == 参考文献・出典 == * 「MS-DOSってなんどすか?」 粟野邦夫著 (1987/01) ISBN 4-89369-014-0 * PC98固有のDOSコマンドについて https://radioc.web.fc2.com/column/pc98bas/pc98doscmd.htm 2022年7月25日15時09分(JST)取得 * NECパーソナルコンピュータ PC-9800シリーズ Software Library MS-DOS(R) 5.0A ステップアップマニュアル 日本電気株式会社(非売品、同社製 MS-DOS(R) 5.0A 標準機能セット(PS98-1003-32/UF1003-X1)付属品) {{stub|it}} {{DEFAULTSORT:DOSにゆうもん}} [[Category:ソフトウェア]] {{NDC|007.63}} s73e4p7g5zfhaak1t9fapgrjd2rgr0w 初等数学公式集 0 610 298921 295044 2026-04-29T12:11:05Z Tkkn46tkkn46 89925 /* 関連項目 */ 追加 298921 wikitext text/x-wiki {{Pathnav|数学|frame=1}} {{Quote|公式とは、数式で表される定理のことである|[[:w:ja:公式|フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』- 公式]]}} 以下に、日本の数学教育において大学入学程度の水準までに用いられる、主な公式をジャンルごとに分けて記しておく。詳細は、リンク先に記述。 == 数と集合・論理 == {{Dablink|以下は[[初等数学公式集/数と集合・論理|数と集合・論理]]の項目一覧。}} # [[/数と集合・論理#数の性質|数の性質]] ## [[/数と集合・論理#数の体系|数の体系]] ## [[/数と集合・論理#記数法|記数法]] ### [[/数と集合・論理#n進法|n進法]] ### [[/数と集合・論理#小数|小数]] ## [[/数と集合・論理#自然数・整数|自然数・整数]] ### [[/数と集合・論理#不定方程式|不定方程式]] ### [[/数と集合・論理#整数の合同|整数の合同]] ## [[/数と集合・論理#有理数・分数|有理数・分数]] ## [[/数と集合・論理#実数|実数]] ### [[/数と集合・論理#無理数|無理数]] ### [[/数と集合・論理#累乗根|累乗根]] ## [[/数と集合・論理#複素数|複素数]] # [[/数と集合・論理#集合|集合]] ## [[/数と集合・論理#集合の記号と表現方法|集合の記号と表現方法]] ## [[/数と集合・論理#集合の演算|集合の演算]] # [[/数と集合・論理#論理|論理]] ## [[/数と集合・論理#必要条件・十分条件・必要十分条件|必要条件・十分条件・必要十分条件]] ## [[/数と集合・論理#条件命題と逆・裏・対偶|条件命題と逆・裏・対偶]] ## [[/数と集合・論理#証明|証明]] == 初等代数 == {{Dablink|以下は[[初等数学公式集/初等代数|初等代数]]の項目一覧。}} # [[/初等代数#単項式|単項式]] ## [[/初等代数#指数の計算|指数の計算]] ### [[/初等代数#累乗の計算・指数法則|累乗の計算・指数法則]] ### [[/初等代数#累乗根の計算|累乗根の計算]] ### [[/初等代数#指数の拡張|指数の拡張]] # [[/初等代数#多項式|多項式]] ## [[/初等代数#展開公式|展開公式]] ## [[/初等代数#式の変形|式の変形]] ### [[/初等代数#対称式・交代式|対称式・交代式]] ## [[/初等代数#多項式の除法|多項式の除法]] ### [[/初等代数#剰余の定理と因数定理|剰余の定理と因数定理]] # [[/初等代数#方程式|方程式]] ## [[/初等代数#解の公式|解の公式]] ### [[/初等代数#2元1次方程式|2元1次方程式]] ### [[/初等代数#高次方程式の解法|高次方程式の解法]] ## [[/初等代数#解と係数の関係|解と係数の関係]] ## [[/初等代数#方程式の解の存在条件|方程式の解の存在条件]] # [[/初等代数#不等式|不等式]] ## [[/初等代数#絶対不等式|絶対不等式]] ## [[/初等代数#2次不等式|2次不等式]] ## [[/初等代数#3次不等式|3次不等式]] # [[/初等代数#行列|行列]] ## [[/初等代数#一次変換|一次変換]] == 初等幾何 == {{Dablink|以下は[[初等数学公式集/初等幾何|初等幾何]]の項目一覧。}} # [[/初等幾何#平面図形|平面図形]] ## [[/初等幾何#三角形|三角形]] ### [[/初等幾何#三平方の定理|三平方の定理]] ### [[/初等幾何#正弦定理|正弦定理]] ### [[/初等幾何#余弦定理|余弦定理]] ### [[/初等幾何#三角形における正接の性質|三角形における正接の性質]] ### [[/初等幾何#メネラウスの定理・チェバの定理|メネラウスの定理・チェバの定理]] ### [[/初等幾何#三角形の5心|三角形の5心]] ## [[/初等幾何#四角形|四角形]] ### [[/初等幾何#トレミーの定理|トレミーの定理]] # [[/初等幾何#多角形|多角形]] # [[/初等幾何#円|円]] ## [[/初等幾何#中心角と円周角|中心角と円周角]] ## [[/初等幾何#方冪の定理|方冪の定理]] ## [[/初等幾何#扇形|扇形]] # [[/初等幾何#立体図形|立体図形]] # [[/初等幾何#面積と体積|面積と体積]] ## [[/初等幾何#平面図形の面積|平面図形の面積]] ## [[/初等幾何#立体図形の表面積等|立体図形の表面積等]] ## [[/初等幾何#体積|体積]] # [[/初等幾何#ベクトル|ベクトル]] ## [[/初等幾何#ベクトルの演算|ベクトルの演算]] ### [[/初等幾何#1次独立|1次独立]] ### [[/初等幾何#ベクトルの成分表示|ベクトルの成分表示]] ## [[/初等幾何#位置ベクトル|位置ベクトル]] ### [[/初等幾何#三角形の5心のベクトル表示|三角形の5心のベクトル表示]] ## [[/初等幾何#内積|内積]] # [[/初等幾何#複素数平面|複素数平面]] == 初等関数の性質 == {{Dablink|以下は[[初等数学公式集/初等関数の性質|初等関数の性質]]の項目一覧。}} # [[/初等関数の性質#三角関数|三角関数]] ## [[/初等関数の性質#基本公式|基本公式]] ### [[/初等関数の性質#三角関数相互の関係|三角関数相互の関係]] ### [[/初等関数の性質#三角比の相互関係|三角比の相互関係]] ## [[/初等関数の性質#負角の公式(還元公式)|負角の公式(還元公式)]] ## [[/初等関数の性質#補角の公式(還元公式)|補角の公式(還元公式)]] ### [[/初等関数の性質#補角の公式と負角の公式との合成|補角の公式と負角の公式との合成]] ## [[/初等関数の性質#余角の公式(還元公式)|余角の公式(還元公式)]] ### [[/初等関数の性質#余角の公式と負角の公式との合成|余角の公式と負角の公式との合成]] ## [[/初等関数の性質#加法定理|加法定理]] ### [[/初等関数の性質#有名角の値1|有名角の値1]] ## [[/初等関数の性質#二倍角の公式|二倍角の公式]] ## [[/初等関数の性質#半角の公式|半角の公式]] ## [[/初等関数の性質#三倍角の公式|三倍角の公式]] ### [[/初等関数の性質#有名角の値2|有名角の値2]] ## [[/初等関数の性質#和積の公式|和積の公式]] ## [[/初等関数の性質#積和の公式|積和の公式]] ## [[/初等関数の性質#三角関数の合成|三角関数の合成]] ### [[/初等関数の性質#正弦合成|正弦合成]] ### [[/初等関数の性質#余弦合成|余弦合成]] ## [[/初等関数の性質#三角関数の性質|三角関数の性質]] ## [[/初等関数の性質#三角方程式・三角不等式|三角方程式・三角不等式]] # [[/初等関数の性質#指数関数・対数関数|指数関数・対数関数]] ## [[/初等関数の性質#指数法則|指数法則]] ## [[/初等関数の性質#対数|対数]] ### [[/初等関数の性質#対数の定義と計算|対数の定義と計算]] ### [[/初等関数の性質#常用対数|常用対数]] ## [[/初等関数の性質#指数・対数の関数|指数・対数の関数]] ### [[/初等関数の性質#指数関数|指数関数]] ### [[/初等関数の性質#対数関数|対数関数]] ## [[/初等関数の性質#指数・対数の方程式・不等式|指数・対数の方程式・不等式]] ### [[/初等関数の性質#指数方程式・指数不等式|指数方程式・指数不等式]] ### [[/初等関数の性質#対数方程式・対数不等式|対数方程式・対数不等式]] == 解析幾何 == {{Dablink|以下は[[初等数学公式集/解析幾何|解析幾何]]の項目一覧。}} # [[/解析幾何#平面|平面]] ## [[/解析幾何#2点間の関係|2点間の関係]] ## [[/解析幾何#関数のグラフの移動|関数のグラフの移動]] ### [[/解析幾何#平行移動|平行移動]] ### [[/解析幾何#対称移動|対称移動]] ## [[/解析幾何#直線|直線]] ### [[/解析幾何#平均変化率|平均変化率]] ### [[/解析幾何#接線の方程式|接線の方程式]] ## [[/解析幾何#二次曲線|二次曲線]] ### [[/解析幾何#円|円]] ### [[/解析幾何#楕円|楕円]] ### [[/解析幾何#放物線|放物線]] ### [[/解析幾何#双曲線|双曲線]] ## [[/解析幾何#その他の図形|その他の図形]] # [[/解析幾何#三次元空間|三次元空間]] ## [[/解析幾何#直線の式|直線の式]] ## [[/解析幾何#平面の式|平面の式]] ## [[/解析幾何#球面の式|球面の式]] == 数列 == {{Dablink|以下は[[初等数学公式集/数列|数列]]の項目一覧。}} # [[/数列#一般項|一般項]] # [[/数列#数列の和|数列の和]] ## [[/数列#数列の和の性質|数列の和の性質]] ## [[/数列#数列の和の公式|数列の和の公式]] # [[/数列#階差数列|階差数列]] # [[/数列#漸化式と一般項|漸化式と一般項]] ## [[/数列#二項間漸化式|二項間漸化式]] ### [[/数列#等比数列となる漸化式の応用|等比数列となる漸化式の応用]] ## [[/数列#三項間漸化式|三項間漸化式]] ## [[/数列#フィボナッチ数列|フィボナッチ数列]] # [[/数列#数学的帰納法|数学的帰納法]] # [[/数列#数列・級数の極限|数列・級数の極限]] ## [[/数列#極限|極限]] ## [[/数列#数列の極限|数列の極限]] ## [[/数列#級数の極限|級数の極限]] == 微積分 == {{Dablink|以下は[[初等数学公式集/微積分|微積分]]の項目一覧。}} # [[/微積分#関数の極限と連続|関数の極限と連続]] ## [[/微積分#関数の極限|関数の極限]] ## [[/微積分#関数の極限の基本定理|関数の極限の基本定理]] ## [[/微積分#関数の連続|関数の連続]] # [[/微積分#微分|微分]] ## [[/微積分#基本的な関数の微分公式|基本的な関数の微分公式]] ## [[/微積分#接線の方程式等|接線の方程式等]] ## [[/微積分#関数の増減|関数の増減]] ## [[/微積分#陰関数の微分|陰関数の微分]] ### [[/微積分#対数微分法|対数微分法]] # [[/微積分#積分|積分]] ## [[/微積分#基本的な積分の考え方|基本的な積分の考え方]] ## [[/微積分#代表的な関数の積分公式|代表的な関数の積分公式]] ### [[/微積分#基本的な関数の積分公式|基本的な関数の積分公式]] ### [[/微積分#複合的な積分|複合的な積分]] ## [[/微積分#曲線で囲まれる領域の面積|曲線で囲まれる領域の面積]] ## [[/微積分#体積|体積]] # [[/微積分#基本的な関数の微分公式と積分公式の相互関係|基本的な関数の微分公式と積分公式の相互関係]] == 確率・統計 == {{Dablink|以下は[[初等数学公式集/確率・統計|確率・統計]]の項目一覧。}} # [[/確率・統計#順列・組合せ|順列・組合せ]] # [[/確率・統計#確率|確率]] # [[/確率・統計#統計|統計]] ## [[/確率・統計#平均値・分散・標準偏差|平均値・分散・標準偏差]] ## [[/確率・統計#確率分布・二項分布|確率分布・二項分布]] ## [[/確率・統計#正規分布|正規分布]] == 関連項目 == * [[初等数学]] * [[初等数学記号集]]<!-- * [[Wikibooks:数学記号索引 (初等数学)]]--> == 外部リンク == * [https://www.nagoya-u.ac.jp/admissions/exam/upload/3-2_r5mondai_math-ri.pdf#page=2 令和5年度名古屋大学数学(理系)入試問題(4ページ以降公式集)] {{DEFAULTSORT:しよとうすうかくこうしきしゆう}} [[Category:普通教育]] [[Category:数学教育]] [[Category:初等数学公式集|*]] 3tq9xpqclw8sak1i4x2504crkpxr81b 初等数学 0 893 298922 193965 2026-04-29T12:12:15Z Tkkn46tkkn46 89925 /* 集合と論理 */  関連項目追加 298922 wikitext text/x-wiki == 基礎数学 == 算数と数学の一番の違いは、数学では文字を使い、より一般的に考えるということである。 更に数学では証明が最も重要視される。 また、算数では正の有理数しか扱わなかったが、数学ではより広い範囲の数を扱う。 ここでは、算数と数学の橋渡しとなる部分を説明したい。 === 正負の数と文字 === 数学では、数を一般的に表すときに文字を使う。 <!--<メモ:絶対値の説明を入れる> <メモ:単項式、多項式、右辺、左辺などの用語説明> <メモ:方程式の文章題を解けるような理論>--> == 初等代数学 == この初等代数学では、体系的に説明する目的で、日本の新学習指導要領の中一程度の内容(正負の数、文字式、一次方程式の基本)は説明無しで使うことがある。 ここで説明し切れなかった部分は、基礎数学のところで説明したいと考えている。 === 方程式と数の体系 === ==== 方程式と数の体系の関係 ==== 歴史的には、数は自然数から生まれた。これはものを数えるときにごく普通に使用する数であるから、納得できると思う。 その後の数の拡張は方程式を解くことから引き起こされたという解釈がある。 たとえば、方程式 <math>3x=5</math> は自然数の範囲では解が存在しない。しかし、正の有理数の範囲まで考える数の範囲を拡張すれば、 <math>x={5 \over 3}</math> という解が存在する。 さらに、方程式 <math>x+5=0</math> は正の有理数の範囲では解が存在しない。しかし、有理数の範囲まで考える数の範囲を拡張すれば、この方程式は <math>x=-5</math> という解が存在する。 係数が有理数である一次方程式は、有理数の範囲で必ず解を持つ。しかし、係数が有理数である二次以上の方程式は有理数の範囲では解を持たないものがある。このことについては後述する。 ==== 方程式とは? ==== 一次方程式の説明に入る前に、そもそも方程式とは何かについて考えてみよう。 方程式とは、その等式を満たすような文字(主に<math>x</math>など)の値に注目したときの等式のことである。 ここで、等式には'''方程式'''、'''恒等式'''、'''定義式'''のような見方があることに注意しておこう。以下にそれぞれの例を挙げる。 ; 方程式 : 方程式とは、その等式を満たすような文字(主に<math>x</math>など)の値に注目したときの等式のことである。 : 方程式において、等式を満たすような文字の値を全て見つけることを'''方程式を解く'''と言い、その全ての値のことを'''方程式の解'''と言う。 : 例: <math>x^2+5x+6=0</math> と言う式は<math>x=-2,-3</math>のときにのみこの等式が成り立ち、その他の数を代入してもこの等式は成り立たない。よって、この方程式の解は<math>x=-2,-3</math>である。 ; 恒等式 : 恒等式とは文字にどんな値を代入しても、成り立つ等式のことである。 : 例: <math>(a+b)^2=a^2+2ab+b^2</math> と言う式は<math>a</math>や<math>b</math>にどんな数を代入しても成り立つ。(もちろん、この式に現れる全ての<math>a</math>には同じ値を代入し、同様にこの式に現れる全ての<math>b</math>にも同じ数を代入する。) ; 定義式 : 定義式とは、ある文字をどのような数にするかを定める等式である。 : 例: <math>a=5</math> のような式である。この式は<math>a</math>が5であると言うことを示している。 また、方程式の種類に関する用語を説明しておく。 ; n次方程式 : n次方程式とは最高次数がn次の方程式を言う。つまり、最高でn個の文字が掛け合わされている方程式のことを言う。 : 例: <math>3x+2=5</math> は1次方程式である。 <math>x^3-2x^2-3x+4=0</math> は3次方程式である。 ; n元方程式 : 方程式の中にn種類の文字が使われているような方程式である。 : 例:3x+2y=5 は2元方程式である。<math>x^2+2y-3z=0</math> は3元方程式である。 : また、方程式のなかで、値を求めたい数のことを'''未知数'''と言う。 ==== 等式の性質 ==== 等式の性質には次のようなものがある。 a=b のとき次のことが成り立つ。(cは定数) # <math>b=a</math>, つまり、右辺と左辺を入れ替えても等式は成り立つ。 # <math>a+c=b+c</math> , <math>a-c=b-c</math> つまり、等式の両辺から同じものを足しても、引いても等式は成り立つ。 # <math>ac=bc</math> , <math>{a \over c}={b \over c}</math>(ただしc≠0) つまり、等式の両辺から同じものを掛けても、割っても等式は成り立つ。 これによって、与えられた等式をより簡単にすることが出来る。 たとえば a+b=c のような式は、両辺からbを引くことによって (a+b)-b=c-b ⇔ a=c-b と言うように変形することが出来る。(注意:⇔はこれの左側のことが成り立てば、右に書かれていることも成り立つ。右側のことが成り立てば、左に書かれていることも成り立つ。と言う意味である。) この操作を良く見ると、左辺に足されていたbが右辺から引かれている。また、逆の操作をすれば、左辺から引かれていたbが右辺に足されている。 このように、足されているもの、または引かれているもの(すなわち、単項式)の符号を逆にして、反対側に移動するような操作を'''移項'''と言う。 移項は方程式を解く上でもっとも重要な考え方である。 ==== 1元1次方程式 ==== 1元1次方程式とは文字がひとつ、その文字の次数も1であるようなもっとも単純な方程式である。この方程式を解くことが、すべての方程式を解くことの基礎となる。 例:<math>3x+5=0</math>  <math>{(2a+5) \over 3}+{(5a+8) \over 4}=10</math> 2つ目の例は複雑だが、よく見ると文字は1つ(a)しか使われておらず、次数も1であるので、1元1次方程式である。 また、1元1次方程式の性質として、整理すると ax+b=0 の形に整理できる。 この形に整理できれば、移項して両辺をaで割り、 <math>x=-{b \over a}</math> となる。これがこの方程式の解である。 すなわち1次方程式を解くことは、元の方程式を ax+b=0 の形に変形することに帰着される。 具体的な例で、方程式の解き方を学んでみよう。 ; 例1 : <math>3x-5=1</math> -5を移項 : <math>3x=6</math> 両辺を3で割る : <math>x=2</math> ; 例2 : <math>3(x+2)-4(x-3)=0</math> 括弧をはずす : <math>3x+6-4x+12=0</math> 同類項をまとめる : <math>-x=-18</math> 両辺に-1を掛ける : <math>x=18</math> ; 例3 : <math>{4x-2 \over 3}-{2x+5 \over 5}=2</math> 両辺に15を掛けて、分母を払う : <math>5(4x-2)-3(2x+5)=30</math> 括弧をはずす : <math>20x-10-6x-15=30</math> 同類項をまとめる : <math>14x-25=30</math> -25を移項する : <math>14x=55</math> 両辺を14で割る : <math>x={55 \over 14}</math> これらが基本的な方程式の解き方である。これよりも難しい方程式は計算が煩雑なだけか、分母に未知数が来るなどの多少特殊な方程式かのどちらかである。 方程式の場合は、得られた答えを実際にxに当てはめてみることで検算ができる。 =====特殊な1元1次方程式===== では、計算が煩雑なものではなく、特殊な難しさを持った1元1次方程式を紹介しよう。 まずは、分母に未知数が来るタイプである。 ; 例1 : <math>{3 \over x}+{5 \over 2x}=1</math> 両辺にxをかける : <math>3+{5 \over 2}=x</math> 左辺を計算し、右辺と左辺を入れ替える : <math>x={11 \over 2}</math> 分母に未知数がきているものは扱いにくいことが多いので、両辺に適当な数(文字)を掛け、分母から未知数を払う。 <!--<メモ:絶対値を含む方程式>--> これで1元1次方程式の解説を終了する。 これから、より難しい方程式を学んでいくわけだが、難しい方程式には次の2種類がある。 * 未知数が増える。 * 次数が高くなる。(次数は高い、低いであらわす。) 未知数がどれだけ増えても、一定のとき方に従っていけば、計算が煩雑になるだけで、本質的な難しさはあまりない。(多元1次方程式の場合) 一方、次数は1増えるごとに、難易度が格段に上がっていく。たとえば、4次方程式までは解の公式が存在する(3次:カルダノの公式 4次:フェラーリの方法)が、5次以上の方程式になると一般的な公式は存在しない。 ちなみに、複素数と呼ばれる数の範囲では、n次方程式は一般にn個の解を持つことが知られている。ガウスが証明した、「代数学の基本定理」のことである。(厳密に言えば、少し言葉足らずだが) ====2元1次方程式==== 2元1次方程式とは、未知数が2つで、その次数が1であるような方程式である。 例:3x+2y=5,5x+3y=9<math>,{ 3a+4b \over 5}+{ 7a-5b \over 11}=13</math> 三つ目の例も複雑だが、よく見ると、文字は2つで(aとb)次数も1なので、2元1次方程式である。 たとえば、ひとつ目の3x+2y=5を満たすxとyの値を考える。 すぐに見つかるのは、x=1とy=1である。しかし、この方程式を満たすのはx=1とy=1だけではない。 他にも、x=5とy=-5の時も確かに方程式を満たす。また、x=0とy=<math>{5 \over 2}</math>なども方程式を満たす。 実を言うと、この方程式を満たすxとyの値は無数に存在する。 なので、もうひとつ、例の方程式を追加し、それを満たすxとyの値を調べてみる。 <math>\left\{ \begin{matrix} 3x+2y=5 \\ 5x+3y=9 \end{matrix}\right.</math>を同時に満たすようなxとyの値はx=3とy=-2である。 この例から予想できるように、未知数が2つの2元1次方程式がひとつだけ与えられた場合、それの解は無数に存在するが、2つの2元1次方程式が2つ与えられた時、解はただひとつに定まる(一部例外もある)。 また、一般に未知数がn個の方程式がn個与えられた時は、解はただ1つに定まる(一部例外もあるが)。 例えば、<math>(x-1)^2+(y-3)^2=0</math> 2つ以上の方程式がセットになったようなものを'''連立方程式'''という。 では、連立方程式をどのように解くか説明しよう。 =====代入法===== '''代入法'''とは、代入により解く方程式である。 説明よりも具体的に見てみよう。 連立方程式<math>\left\{ \begin{matrix} 3x-y=5 \\ 5x+3y=-1 \end{matrix}\right.</math>を解くことを考える。 一つ目の式を移項してx=(yの式)もしくは、y=(xの式)の形に直す。(この形以外の変形もある) この場合はy=(xの式)の形に直して、y=3x-5になる。 これをもうひとつの式に代入する。代入とは、いわばあるものを同じほかのもので置き換えることである。 この場合はy=3x-5よりもちろんyと3x-5は等しいので置き換えることができる。このような操作が代入である。 もうひとつの式である、5x+3y=-1のyを3x-5で置き換えると、 5x+3(3x-5)=-1 となる。このとき、括弧をつけるのを忘れないようにする。<!--<メモ:その理由>--> 後は、上の1元1次方程式を解き、x=1を得る。これをどちらかの方程式に代入する。 つまり、2式のどちらかのxをそれと等しい1で置き換える。 すると、3-y=5と5+3y=-1の式を得る。(実際はどちらか一方だけでいいが、確認の意味で2式ともに代入する事もある。) どちらの1元1次方程式を解いてもy=-2を得る。 よって答えは、x=1とy=-2である。実際に2式とも等式が成り立つことを確認して欲しい。 =====加減法===== <math>\left\{ \begin{matrix} 3x+y=5 \\ 5x+3y=7 \end{matrix}\right.</math> 次は、'''加減法'''という連立方程式の解き方を説明する。 加減法とは、与えられた2式の加減を行って、1次方程式に帰着させることによって解く。 実際に上の方程式を解いてみる。一つ目の3x+y=5を①、2つめの5x+3y=7を②とすると、 ①の式を3倍して、②の式を引くと・・・ まず、3x+y=5の両辺に3を掛けて、 9x+3y=15 ここから、②の式を引く (9x+3y)-(5x+3y)=15-7 4x=8 x=2 これを元のどちらかの式のxに代入して、yの値を求める。 6+y=5と10+3y=7を得る。どちらの方程式を解いても、y=-1を得る。 よってこの方程式の答えはx=2とy=-1である。 =====2元1次方程式について===== まず答えの書き方について説明する。 たとえば、答えがx=1とy=-2のとき、次のように書く。 *<math>\left\{ \begin{matrix} x=1 \\ y=-2 \end{matrix}\right.</math> *<math>(x,y)=(1,-2)</math> *<math>x=1,y=-2</math> このうちどの書き方でもよい。 次は、代入法と加減法で答えが一致することを確認する。 連立2元1次方程式を一般的に表すと、次のようになる。 <math>\left\{ \begin{matrix} ax+by=c \\ dx+ey=f \end{matrix}\right.</math>(a,b,c,d,e,fは定数) この方程式を実際に代入法と加減法で解いてみる。あまり詳しい説明はしない。また、どちらの解き方も上の式を①、下の式を②とする。 '''代入法で解いた時''' ①⇔<math>x=-{b \over a}y+{c \over a}</math> これを②に代入して、 <math>-{bd \over a}y+{cd \over a}+ey=f</math>⇔<math>{ae-bd \over a}y={af-cd \over a}</math>⇔<math>y={af-cd \over ae-bd}</math> <math>y={af-cd \over ae-bd}</math>を①に代入して、 <math>ax+b{af-cd \over ae-bd}=c</math>⇔<math>ax={(ace-bcd)-(abf-bcd) \over ae-bd}={ace-abf \over ae-bd}</math>⇔<math>x={ce-bf \over ae-bd}</math> したがって、<math>\left\{ \begin{matrix} x={ce-bf \over ae-bd} \\ y={af-cd \over ae-bd} \end{matrix}\right.</math> '''加減法でといた時''' ①⇔<math>adx+bdy=cd</math>…③ ②⇔<math>adx+aey=af</math>…④ ③-④より<math>(bd-ae)y=cd-af</math>⇔<math>y={cd-af \over bd-ae}</math> また、①⇔<math>aex+bey=ce</math>…⑤ ②⇔<math>bdx+bey=bf</math>…⑥ ⑤-⑥より<math>(ae-bd)x=ce-bf</math>⇔<math>x={ce-bf \over ae-bd}</math> したがって、<math>\left\{ \begin{matrix} x={ce-bf \over ae-bd} \\ y={cd-af \over bd-ae} \end{matrix}\right.</math> yの値が代入法の時と少し違うようにも見えるが、どちらかの分母分子に-1をかけると2つは一致する。つまり、どちらのyの値も等しいことが分かる。 ====n元1次方程式==== n元1次方程式とは、未知数がn個ある1次の方程式のことである。 基本的にn元1次方程式はn種類の式があれば解は一意に定まる。 たとえば3元1次連立方程式は次のようになり、解は一意に定まる。 <math>\left\{ \begin{matrix} x+y+z=2 \\ 2x-5y+2z=10 \\ 3x+2y+z=2 \end{matrix}\right.</math> これの解は(x,y,z)=(-1,2,1)のみである。 3つの式があれば解はただひとつに定まるが、どれか1つの式だけや2つの式では解は無数に存在する。 このような方程式の解き方を簡単に説明しよう。基本的には連立2元1次方程式と同じような方法(代入法、加減法)を繰り返し、未知数を1つずつ減らしていく。そうして、1元1次方程式に帰着して解く。 ====n元1次方程式と行列==== <!--<メモ:後ほど執筆>--> ====2次方程式==== 方程式で、もっとも次数が高い項が2次の方程式を'''2次方程式'''と言う。 たかが次数が1つ増えただけと思うかもしれないが、それだけで方程式の難易度が大幅に上がる。 実際にいろいろな2次方程式を見てみよう 例1 <math>x^2=4</math> この2次方程式を解くことを考える。2乗して4になる数をxに代入するとこの等式を満たすので、それが解になる。 そのような数を探すとすぐに2は思いつくと思う。しかし、よく考えると-2も解になる。 よってこの方程式の解はx=±2となる。 これをよくよく考えてみよう。普通の1次方程式は解は1つだけだったが、2次方程式は解が2つある。 しかし、いつでも解が2つとは限らない。1つの時や、1つもないときがある。解をどの範囲で考えるかによって変わってくる。 たとえば、<math>x^2=0</math>の解は、例1と同様に考えるとx=±0となりそうだが、+0も-0も同じものなので、まとめて解はx=0のみとなる。 さらに、<math>x^2=-4</math>や<math>x^2=2</math>などは、分数の世界では解を持たない。しかし、これらに対しても解を持つようにする為に、新たな数を作り出す。 では、2乗すると2になるような数を考えてみよう。 何もそのような数を考えるような手段を持ち合わせていないので、しらみつぶしに調べてみよう。 まずは整数から、 * 1は二乗すると1となり、2よりも小さい * 2は二乗すると4となり、2よりも大きい よってこの数は1と2の間にある。 1.~と言うような数をまずは0.1単位で見てみる * 1.1は二乗すると1.21となり、2よりも小さい * 1.2は二乗すると1.44となり、2よりも小さい * 1.3は二乗すると1.69となり、2よりも小さい * 1.4は二乗すると1.96となり、2よりも小さい * 1.5は二乗すると2.25となり、2よりも大きい よって、この数は1.4と1.5の間にある。 1.4~となるような数を0.01単位で見てみる・・・・・ これを繰り返すと求める数は1.41421356・・・となる。 この数では、数は何の規則性もなしに並んでいる。なので、このような数をまともに扱うのは面倒である。 そこで、このような数を<math>\sqrt{2}</math>と書くことに決める。 この数は分数で表すことはできず、小数で表したとき、循環することなく無限に続く。 === 方程式と不等式 === == 初等幾何学 == === 平面幾何 === === 空間幾何 === == 初等解析学 == === 座標平面 === === 図形と式 === === 関数 === ===確率論=== === 微分積分 === == 集合と論理 == == 関連項目 == *[[初等数学公式集]] *[[初等数学記号集]] [[Category:数学|しよとうすうかく]] ev47d97gb56f50kk4xfww8k89bqjewv 高等学校数学III/積分法 0 1933 298940 298827 2026-04-30T05:40:04Z Nermer314 62933 298940 wikitext text/x-wiki {{pathnav|高等学校の学習|高等学校数学|高等学校数学III|pagename=積分法|frame=1|small=1}} ここでは、数学IIの[[高等学校数学II/微分・積分の考え|微分・積分の考え]]で学んだ積分の性質についてより詳しく扱う。また、三角関数や指数・対数関数などの関数の積分についても学習する。 [[高等学校数学]]の全ての分野を学んだ後に学習に取り組んでほしい。 == 不定積分 == === 積分の基本的な性質 === 積分法について <math>\int \{ f(x) + g(x) \} dx = \int f(x) dx + \int g(x) dx ,</math> <math>\int af(x) dx = a \int f(x) dx</math>(aは定数) が成り立つ。 導出 <math>\int \{ f(x) + g(x) \} dx = \int f(x) dx + \int g(x) dx</math> の両辺を微分すると、 左辺 =右辺 = <math> f + g</math> が従う。 よって、 <math>\int \{ f(x) + g(x) \} dx = \int f(x) dx + \int g(x) dx</math> の両辺は一致する。 (実際には2つの関数の導関数が一致するとき、 それらの関数には定数だけのちがいがある。 仮に、F(x)とG(x)が共通の導関数h(x)を持ったとする。 このとき、 <math>(F(x)-G(x) )' = h(x)- h(x) = 0</math> となるが、0の原始関数は定数Cであることが分かる。 よって、両辺を積分すると、 <math>F(x)-G(x) = C</math> となり、F(x)とG(x)には定数だけの差しかないことが確かめられた。 よって、 <math>\int \{ f(x) + g(x) \} dx = \int f(x) dx + \int g(x) dx</math> は定数だけのちがいを含んで成り立つ式である。 より一般に、不定積分が絡む等式は定数分の差を含めて成り立つというのが通例である。) <math>\int af(x) dx = a \int f(x) dx</math> についても両辺を微分すると、 左辺=右辺= a f(x) が従う。 よって、 <math>\int af dx = a\int f dx</math> が成り立つことが分る。 関数 <math>f(x)</math> の原始関数を <math>F(x)</math> とすると <math>\int_a^b f(x) \, = F(b)-F(a) = -(F(a)-F(b)) = -\int_b^af(x)\, dx</math> である。 <math>\int_{a}^{c} f(x) \, dx + \int_{c}^{b} f(x) \, dx = (F(c) - F(a)) + (F(b) - F(c)) = F(b) - F(a) = \int_{a}^{b} f(x) \, dx</math> === 置換積分法 === 関数の原始関数を求める手段として、 積分変数を別の変数で置き換えて積分を行なう手段が知られている。 これを置換積分と呼ぶ。 <math>\int f(g(x)) dg(x) = \int f(g(x)) g'(x) dx</math> 導出 <math>\int f(g(x)) dg(x) =F(g(x))</math>を<math>x</math>について微分すると、 <math>F'(g(x)) = f(g(x))g'(x)</math> 再び<math>x</math>について積分すると、 <math>\int f(g(x)) dg(x) = \int f(g(x)) g'(x) dx</math> また、特に *<math>\int f(ax+b) dx = \frac{1}{a} \int f(ax+b) d(ax+b)</math> *<math>\int \{f(x)\}^n f'(x) dx = \frac{1}{n+1} \{f(x)\}^{n+1} + C (n \ne -1)</math> *<math>\int \frac{f'(x)}{f(x)} dx = \log | f(x) | + C</math> 例えば、<math>\int (ax+b)^2 dx</math>を考える。 <math>t = ax+b</math>と置く。 この両辺を微分すると <math>dt = adx</math> が成り立つことを考慮すると、 {| |- |<math>\int t^2 \frac {dt} a</math> |<math>=\frac{ t^3} {3a} + C</math> |- | |<math>=\frac{ (ax+b)^3} {3a} + C</math> |} となることがわかる。 実際この式をxで微分すると <math> (ax+b)^2 </math> と一致することが分る。 置換積分を使わずに計算することも出来る。 {| |- |<math>\int (ax+b)^2 dx</math> |<math>=\int (a^2x^2+2abx +b^2) dx</math> |- | |<math>= \frac {a^2} 3 x^3 +abx^2 +b^2x + C'</math> |- | |<math>= \frac {a^2} 3 x^3 +abx^2 +b^2x + \frac {b^3} {3a} +C</math> |} (<math>C'=\frac {b^3} {3a} +C</math>と置き換えた。) <math>=\frac{ (ax+b)^3} {3a} + C</math> となり確かに一致する。 === 部分積分法 === 関数の積の積分を行なうときある関数の微分だけを取りだして積分すると、うまく積分できる場合がある。関数 <math>g(x)</math> の原始関数を <math>G(x)</math> とすると <math>\int f(x) g(x) \, dx = f(x) G(x) - \int f'(x) G(x) \, dx</math> 導出 積の微分法より <math>\{f(x)G(x)\}' = f'(x)G(x) + f(x)g(x)</math> である。これを移項して <math>f(x)g(x) = \{f(x)G(x)\}' - f'(x)G(x)</math> である。両辺をxで積分して <math>\int f(x) g(x) \, dx = f(x) G(x) - \int f'(x) G(x) \, dx</math> が得られる。 例えば、 {| |- |<math>\int x (ax+b)^3 dx</math> |<math>=\int x \left(\frac {(ax+b)^4} {4a} \right)' dx</math> |- | |<math>=x \left(\frac {(ax+b)^4} {4a} \right)- \int (x)' \frac {(ax+b)^4} {4a} dx</math> |- | |<math>=x \left(\frac {(ax+b)^4} {4a} \right)- \int (x)' \frac {(ax+b)^4} {4a} dx</math> |- | |<math>=x \left(\frac {(ax+b)^4} {4a} \right)- \int \frac {(ax+b)^4} {4a} dx</math> |- | |<math>=x \left(\frac {(ax+b)^4} {4a} \right)- \frac {(ax+b)^5} {20a^2} </math> |} 部分積分を <math>n</math> 回行うと、 <math>\begin{align} \int f(x) g(x) \, dx &= f(x) g^{(-1)}(x) - \int f'(x) g^{(-1)}(x) \, dx \\ &= f(x) g^{(-1)}(x) -f'(x) g^{(-2)}(x) + \int f''(x) g^{(-2)}(x) \, dx \\ &= f(x) g^{(-1)}(x) - f'(x) g^{(-2)}(x) + f''(x) g^{(-3)}(x) + \cdots + (-1)^n \int f^{(n)}(x) g^{(-n)}(x) \, dx \end{align}</math> となる。 ここで、<math>g^{(-1)}(x)</math> は <math>g(x)</math> の不定積分の任意の一つ。<math>g^{(-2)}(x)</math> は <math>g^{(-1)}(x)</math> の不定積分の任意の一つ。... <math>g^{(-n)}(x)</math> は <math>g^{(-n+1)}(x)</math> の不定積分の任意の一つというように定める。このように、積分記号で何回も不定積分を計算するのはやや面倒なので、次のような表を作ってみると計算しやすい。 {|class="wikitable" style="background: #ffffff; text-align: center;" |+ !符号 !微分 !積分 |- |<math>+</math> |<Math>f(x)</math> |<Math>g(x)</math> |- |<math>-</math> |<Math>f'(x)</math> |<Math>g^{(-1)}(x)</math> |- |<math>+</math> |<Math>f''(x)</math> |<Math>g^{(-2)}(x)</math> |- |<math>-</math> |<Math>f^{(3)}(x)</math> |<Math>g^{(-3)}(x)</math> |- |<math>\cdots</math> |<Math>\cdots</math> |<Math>\cdots</math> |- |<math>(-)^n</math> |<Math>f^{(n)}(x)</math> |<Math>g^{(-n)}(x)</math> |} この表から、部分積分を <math>n</math> 回行った結果は、 一行目の符号 × 一行目の微分 × 二行目の積分 + 二行目の符号 × 二行目の微分 × 三行目の積分 + ... + <math>\int</math> n行目の符号 × n行目の微分 × n行目の積分 dx と求まる。n行目の微分 が 0 であった場合は、最後の積分は消えて、不定積分は 一行目の符号 × 一行目の微分 × 二行目の積分 + 二行目の符号 × 二行目の微分 × 三行目の積分 + ... + n-1行目の符号 × n-1行目の微分 × n行目の積分 + C となる。 この方法は俗に'''瞬間部分積分法'''と呼ばれており、部分積分を複数回繰り返す際の計算を非常に簡略化できるため、受験数学では重宝されるテクニックの一つである。記述で用いる場合、上の表をそのまま記述するよりも、「部分積分を繰り返し用いると」という文言の後に瞬間部分積分で求めた結果を記述するのが無難である。 === いろいろな関数の積分=== ==== 多項式関数の積分 ==== <math>n \ne -1</math>のとき、<math>\left(\frac{1}{n+1} x^{n+1}\right)'=x^n</math>なので、 <math>\int x^n dx = \frac{1}{n+1} x^{n+1} + C</math> <math>n = -1</math>のとき、<math>(\log |x| )' = \frac{1}{x} = x^{-1}</math>なので、 <math>\int x^{-1} dx = \int \frac {1}{x} dx = \log |x| + C</math> が成り立つ。 ==== 三角関数の積分 ==== *<math>(\sin x )' = \cos x</math> *<math>(\cos x )' = -\sin x</math> *<math>(\tan x )' = \frac{1}{\cos^2 x}</math> が成り立つことを考慮すると、 *<math>\int \cos x dx= \sin x + C</math> *<math>\int \sin x dx = - \cos x + C</math> *<math>\int \frac{1}{\cos^2 x } dx = \tan x + C</math> となることが分る。 <math>\int \tan x dx</math>は、置換積分法を使って {| |- |<math>\int \tan x dx</math> |<math>=\int \frac{\sin x}{\cos x} dx</math> |- | |<math>=\int \frac{-(\cos x)'}{\cos x} dx</math> |- | |<math>= - \int \frac{(\cos x)'}{\cos x} dx</math> |- | |<math>= - \log | \cos x | + C</math> |} :  :なお同様に、<math>\frac{1}{\tan x} = \frac{\cos x}{\sin x}</math> であるので、<math>\int \frac{1}{\tan x} dx = \int \frac{\cos x}{\sin x} dx =\int \frac{(\sin x)'}{\sin x} dx = \log \left|\sin x\right| + C</math> :  より一般に有理関数 <math>R(x,y)</math> に対して、<math>\int R(\sin\theta,\cos\theta) \,d\theta</math> について考える。 <math>t = \tan \frac{\theta}{2}</math> とおく。 <math>\tan^2\frac{\theta}{2} + 1 = \frac{1}{\cos^2\frac{\theta}{2}}</math> よって <math>\cos^2\frac{\theta}{2} = \frac{1}{1+t^2}</math>である。<math>\frac{dt}{d\theta} = \frac{d}{d\theta}\tan\frac{\theta}{2} = \frac{1}{2\cos^2\frac{\theta}{2}} = \frac{1}{2}(t^2+1)</math> であり、<math>\cos\theta = 2\cos^2\frac{\theta}{2} - 1 = \frac{1-t^2}{1+t^2}</math> かつ <math>\sin\theta = \tan\theta\cos\theta = \frac{2\tan\frac{\theta}{2}}{1-\tan^2\frac{\theta}{2}}\cos\theta = \frac{2t}{1+t^2}</math> である。よって <math>\int R(\sin\theta,\cos\theta) \,d\theta = \int R\left(\frac{2t}{1+t^2}, \frac{1-t^2}{1+t^2}\right) \, \frac{2dt}{1+t^2}</math> と有理関数の積分にもち込める。 幾何学的は、この変換は単位円上の点 <math>P(\cos \theta, \sin \theta)</math>と点 <math>A(-1,0)</math> を結ぶ直線の勾配 <math>t</math> で変換したものである。実際円周角の定理より <math>\angle xAP = \frac 1 2 \angle xOP = \frac \theta 2</math>より <math>t = \tan \frac{\theta} 2.</math> 被積分関数の周期が <math>\pi</math> の場合は、被積分関数は <math>\sin 2\theta,\cos 2 \theta</math> の有理関数なので、 <math>t = \tan\theta</math> と置換すると計算が楽である。被積分関数が <math>\sin^2\theta,\cos^2\theta,\sin\theta\cos\theta</math> の有理関数となるときもこの範疇に属する。<math>t = \tan\theta</math> と置換したとき、<math>\cos^2\theta = \frac{1}{1+\tan^2\theta}=\frac{1}{1+t^2}</math>, <math>\sin^2\theta = \tan^2 \theta \cos^2 \theta = \frac{t^2}{1+t^2}</math> , <math>\sin\theta \cos\theta = \pm\sqrt{\sin^2\theta \cos^2\theta} = \frac{t}{1+t^2}</math> (<math>\sin\theta \cos\theta</math> と <math>\tan\theta = \frac{\sin\theta}{\cos\theta}</math> の正負は一致するため), <math>d \theta = \frac {dt}{1 + t^2}</math> となる。 例 <math>\int\frac{1}{\sin x \cos x}dx</math> は <math>t = \tan x</math> と置換すると、<math>\int \frac {1}{\sin x \cos x}dx = \int \frac {1+t^2}{t} \frac { dt}{1+t^2} = \ln|\tan x| + C. </math> <math>t = \tan \frac{\theta}{2}</math> と置換してしまうと、<math>\int \frac{1}{\sin x \cos x}\,dx = \int \frac {1+t^2}{t(1-t^2)}\,dt = \ln \left|\frac{t}{1-t^2}\right| + C' = \ln|\tan x| + C </math> と計算量が少し増える。 ==== 指数・対数関数の積分 ==== 指数関数について <math>(e^x )' = e^x</math> が成り立つことを用いると、 <math>\int e^x dx = e^x + C</math> が得られる。 また、 <math>\left(\frac{a^x}{\ln a}\right)' = a^x</math> なので、 <math>\int a^x \, dx=\frac{a^x}{\ln a}</math> である。 また、<math>\log |x|</math>の 原始関数も求めることが出来る。 {| |<math>\int \log |x| dx </math> |<math>=\int (x)' \log |x| dx </math> |- | |<math>=x \log |x| -\int x (\log |x|)' dx </math> |- | |<math>=x \log |x| -\int x \frac 1 x dx </math> |- | |<math>=x \log |x| -\int dx </math> |- | |<math>=x \log |x| -x + C</math> |} となる。 有理関数 <math>R(x)</math> に対して、積分 <math>\int R(e^x) \, dx</math> は <math>t = e^x</math> すると <math>\frac{dt}{dx} = e^x = t</math> より <math>\int R(e^x) \, dx = \int R(t) \frac{dt}{t}.</math> ==== 二次無理関数の積分(発展) ==== 有理関数 <math>R(x,y)</math> に対して、積分 <math>\int R(x,\sqrt{ax^2 + bx + c}) \, dx</math> について考えよう。平方根の中身は平方完成することによって、<math>\sqrt{p^2-x^2},\sqrt{x^2+p^2},\sqrt{x^2-p^2}</math>のいずれかの形になる。それぞれの場合について、<math>x = p\sin \theta,x = p\tan\theta,x = \frac{p}{\cos \theta}</math> と変数変換すると三角関数の積分に帰着する。 また、<math>y^2 = ax^2 +bx + c</math> は二次曲線で、特に <math>a>0</math> のときは双曲線となる(<math>y^2 -a\left(x+\frac{b}{2a}\right)^2 = \frac{-b^2 + 4ac}{4a}</math>より<ref>右辺が0のとき双曲線とはならないが、このときは簡単に平方根を外すことが出来るので考える必要はない。</ref>)。このとき、<math>y=\pm \sqrt a x + t</math> すなわち <math>t = \mp \sqrt a x + \sqrt{ax^2 + bx + c}</math> と変換するとうまく計算できる(符号はどちらを選択しても良い)。幾何学的には、双曲線の漸近線に平行で切片が <math>t</math> の直線 <math>y=\pm \sqrt a x + t</math> と双曲線のただ一つの交点 <math>(x,y)</math> を変数 <math>t</math> で表したものである。 例 <math>\int \frac{dx}{\sqrt{x^2-1}} </math> は <math>t = x + \sqrt{ x^2-1}</math> と置換すると、<math>\frac 1 t = x - \sqrt{x^2-1}</math> なので、<math>t + \frac 1 t = 2x</math> すなわち <math>2dx = \left(1 - \frac 1 {t^2}\right)dt</math> また、 <math>t - \frac 1 t = 2\sqrt{x^2-1}</math>.なので、<math>\int \frac{dx}{\sqrt{x^2-1}} = \int \frac{1-\frac{1}{t^2}}{t-\frac 1 t}dt = \int \frac{dt}{t} = \ln |x + \sqrt{x^2-1}| + C </math> である。 ところで、この変換は双曲線 <math>y^2 = x^2 - 1</math> と直線 <math>y = -x + t</math> のただ一つの交点による変換であった。その交点を方程式を解いて <math>t</math> で表すと、<math>x = \frac 1 2 \left(t + \frac 1 t\right), \, y =\frac 1 2 \left(t - \frac 1 t\right)</math> を得る。これは双曲線の媒介変数表示の一つである。また、 <math>t \rightarrow e^t</math> とすると、<math>x = \frac{e^t + e^{ -t} }{2} = \cosh t, \, y = \frac{e^t - e^{-t}}{2} = \sinh t.</math> これは <math>x > 0</math> の部分の双曲線の媒介変数表示である。最右辺は双曲線関数と呼ばれ、三角関数と似た性質を持つ。関数名の <math>\mathrm{h}</math> はhyperbolaに由来する。例えば、双曲線の方程式より得られる <math>\cosh^2 t - \sinh^2 t = 1</math> は <math>\sin^2\theta + \cos^2\theta = 1</math> とよく似ている。例示の不定積分は <math>x = \cosh t</math> と置換しても解くことが出来るが、ほとんど同じことなので省略する。 == 定積分 == 定積分について、不定積分と同じように以下が成り立つ。 '''定積分の置換積分法''' <math>\alpha < \beta</math>のとき、開区間<math>[\alpha, \beta]</math>で微分可能な関数<math>x=g(t)</math>に対し、<math>a=g(\alpha), b=g(\beta)</math>ならば<math>\int_{a}^{b} f(x) \, dx = \int_{\alpha}^{\beta} f(g(t)) g'(t) \, dt </math> '''定積分の部分積分法''' <math>\int_{a}^{b} f(x) g'(x) \, dx = \left[ f(x) g(x) \right]^{a}_{b} - \int_{a}^{b} f'(x) g(x) \, dx </math> *問題 **以下の定積分を求めよ(Hint:5, 6は漸化式を利用する) **#<math>\int_{0}^{1} |e^x - \frac{3}{2}| \, dx</math> **#<math>\int_{1}^{0} \frac{x-2}{(3-x)^2} \, dx</math> **#<math>\int_{-5}^{5} x \sqrt{x^2-9} \, dx</math> **#<math>\int_{3}^{7} x \log (x^2 - 2) \, dx </math> **#<math>\int_{0}^{\frac{\pi}{2}} \sin^n x \, dx</math> **#<math>\int_{0}^{\frac{\pi}{4}} \tan^n x \, dx</math> === 特殊な定積分 === ==== 円 ==== <math>a < b</math> とする。積分 <math>\int_a ^b \sqrt{(x-a)(b-x)}\, dx</math> は <math>y = \sqrt{(x-a)(b-x)}</math> とすると、<math>\left(x-\frac{a+b}{2} \right) + y^2 = \left(\frac{a-b}{2} \right)^2</math> より、被積分関数 <math>y</math> は中心 <math>\frac{a+b}{2}</math> で半径 <math>\frac{b-a}{2}</math>の円周の上半分であり、積分区間もその両端なので、積分の値は半円の面積に等しく、<math>\int_a ^b \sqrt{(x-a)(b-x)} \, dx = \frac{\pi}{2}\left(\frac{b-a}{2}\right)^2</math> である。 ==== King Property ==== 一般に、関数 <math>f(a-x)</math> のグラフは関数 <math>f(x)</math> のグラフを直線 <math>x = \frac a 2</math> で対称移動したものである。 従って、連続関数 <math>f(x)</math> を区間 <math>\left[\frac{a+b}{2},b\right]</math> で積分した値 <math>\int_{\frac{a+b}{2}}^{b} f(x) \, dx</math> と、連続関数 <math>f(a+b-x)</math> を区間 <math>\left[a,\frac{a+b}{2}\right]</math> で積分した値 <math>\int_{a}^{\frac{a+b}{2}} f(a+b-x)\, dx</math> は等しい: :<math>\int_{\frac{a+b}{2}}^{b} f(x) \, dx = \int_{a}^{\frac{a+b}{2}} f(a+b-x) \, dx.</math> この等式は単に、 <math>x \to a+b-x</math> の変数変換によっても導出できる。 この等式より、 <math>\int_a^b f(x) \, dx = \int_{a}^{\frac{a+b}{2}} f(x)\, dx +\int_{\frac{a+b}{2}}^{b} f(x) \, dx = \int_{a}^{\frac{a+b}{2}} [f(x) + f(a+b-x)] \, dx </math> が導かれる。 この公式は、<math>f(x) + f(a+b-x)</math> が簡単な形になる定積分で役に立つ。 例えば、<math>\begin{align}\int_{0}^{\frac{\pi}{2}} \frac{\sin x}{\sin x + \cos x} \, dx &= \int_{0}^{\frac{\pi}{4}} \left[\frac{\sin x}{\sin x + \cos x} +\frac{\sin (\frac{\pi}{2}-x)}{\sin (\frac{\pi}{2}-x) + \cos (\frac{\pi}{2}-x)}\right]\, dx \\ &= \int_{0}^{\frac{\pi}{4}} \left[\frac{\sin x}{\sin x + \cos x} +\frac{\cos x}{\cos x + \sin x}\right]\, dx \\ &= \int_{0}^{\frac{\pi}{4}}dx = \frac{\pi}{4}.\end{align} </math> King Property の応用例は <math>\int_{-1}^{1} \frac{x^2}{1+e^x} \, dx = \frac 1 3</math> , <math>\int_0^{\frac \pi 4} \ln(1+\tan x)\, dx = \frac \pi 8 \log 2</math> , <math>\int_0^{\frac \pi 2} \log (\sin x) \, dx = -\frac{\pi}{2}\log 2</math>, <math>\int_0^{2\pi} \cos^2\left(\frac{\pi\tan{x}}{2+2\tan{x}}\right)dx=\frac{\pi}{2}</math> などがある。計算してみよ。 === 定積分と不等式 === 一般に、連続関数について次のことが成り立つ。 :開区間<math>[a, b]</math>において<math>f(x) \leqq g(x)</math>ならば、<math>\int_{a}^{b} f(x) \, dx \leqq \int_{a}^{b} g(x) \, dx</math> :等号成立条件は開区間<math>[a, b]</math>において恒等的に<math>f(x) = g(x)</math>であること。 *例題 :調和級数の第n部分和が<math>\log(n+1)</math>より大きいことを証明せよ。 *解答 自然数kに対して<math>k \leqq x \leqq k+1</math>のとき<math>\frac{1}{k} \geqq \frac{1}{x}</math>であり、等号は常には成り立たないので<math>\int_{k}^{k+1} \frac{dx}{k} > \int_{k}^{k+1} \frac{dx}{x}</math>である。故に<math>\sum_{k=1}^{n} \int_{k}^{k+1} \frac{dx}{k} > \sum_{k=1}^{n} \int_{k}^{k+1} \frac{dx}{x}</math>。 このとき、(左辺)<math>= \sum_{k=1}^{n} \frac{1}{k} \int_{k}^{k+1} dx = \sum_{k=1}^n \frac{1}{k}</math>より左辺は調和級数の第n部分和であり、(右辺)<math>= \sum_{k=1}^{n} \int_{k}^{k+1} \frac{dx}{x} = \int_{1}^{n+1} \frac{dx}{x} = \left[ \log(x) \right]_{1}^{n+1} = \log(n+1) - \log(1) = \log(n+1)</math>なので、題意は示された。 ===発展:広義積分=== '''広義積分'''とは、通常の定積分の範囲を超えて積分区間が無限であったり被積分関数が積分区間内で'''特異点'''(値が定義されなかったり微分不可能だったり不連続であったりする点)を持つ場合に、極限を用いて定義される定積分である。 定積分<math>\int_a^b f(x) \, dx</math>において、<math>b \to \infty</math>の極限を<math>\int_a^\infty f(x) \, dx</math>、<math>a \to -\infty</math>の極限を<math>\int_{-\infty}^b f(x) \, dx</math>のように表す。 例えば、<math>\int_0^\infty e^{-x} dx</math>は以下のように計算できる。 :<math>\int_0^\infty e^{-x} dx</math> :<math>=\lim_{b \to \infty} \int_0^b e^{-x} dx</math> :<math>=\lim_{b \to \infty} [-e^{-x}]_0^b </math> :<math>=\lim_{b \to \infty} (-\frac{1}{e^b} + 1)</math> :<math>=1</math> 但し、極限操作の前に定積分を計算してよいのは以下の場合に限られる。 :被積分関数が連続(定積分可能) :積分区間の内部に特異点が存在しない(特異点が端点のみ) :求めたい積分が(条件)収束する(発散しない) 積分区間の上端が正の無限大で下端が負の無限大のとき、広義積分は以下のように計算される。 :<math>\int_{-\infty}^{\infty} f(x) \, dx = \lim_{a \to -\infty} \lim_{b \to \infty} \int_a^b f(x) \, dx</math> 決して<math>\int_{-\infty}^{\infty} f(x) \, dx = \lim_{A \to \infty} \int_{-A}^A f(x) \, dx</math>(対称極限)のように計算してはならない。 例えば、<math>\int_{-\infty}^{\infty} \frac{x}{1+x^2} \, dx</math>は発散するが、対称極限のように計算すると<math>\lim_{A \to \infty} \int_{-A}^{A} \frac{x}{1+x^2} \, dx = 0</math>という誤った結果を得る。 この例のように、非積分関数が奇関数であっても<math>\int_{-\infty}^{\infty} f(x) \, dx=0</math>は一般には成り立たない。あくまでも、'''上端と下端を独立に考えて極限を取る'''ことに注意が必要である。 例えば、以下が成り立つ。 :<math>\int_{-\infty}^\infty e^{-ax^2} dx = \sqrt{\frac{\pi}{a}}</math> これは'''ガウス積分'''と呼ばれる有名な結果である。 この値の導出には重積分やヤコビ行列といった大学範囲の数学が良く用いられるが、一応は高校数学のみで証明可能である。後述の演習問題を参照。 この結果は[[高等学校数学B/確率分布と統計的な推測#正規分布|正規分布の確率密度関数]]の導出に用いられる。 :元となる関数は<math>y=e^{-x^2}</math>。 :平均値<math>\mu</math>を軸に持ってくる平行移動をして<math>y=e^{-(x-\mu)^2}</math>。 :分布の広さ(ばらつきの大きさ)を標準偏差<math>\sigma</math>に合わせるため<math>\mu \pm \sigma</math>で極値をとるように変形して<math>y=e^{-\frac{(x-\mu)^2}{2\sigma^2}}</math> :ガウス積分の結果より<math>\int_{-\infty}^\infty e^{-\frac{(x-\mu)^2}{2\sigma^2}} \, dx = \sqrt{2\pi}\sigma</math>。 :確率密度関数は<math>\int_{-\infty}^{\infty} f(x) \, dx=1</math>を満たすので、元の関数を<math>\sqrt{2\pi}\sigma</math>(定数)で割って<math>y=\frac{1}{\sqrt{2\pi}\sigma} e^{-\frac{(x-\mu)^2}{2\sigma^2}}</math>。 :これは正規分布の特徴を適切に表すため、確率密度関数として適当である。 他に、<math>\int_{-\infty}^{\infty} \sin(x^2) \, dx = \int_{-\infty}^{\infty} \cos(x^2) \, dx = \sqrt{\frac{\pi}{2}}</math>('''フレネル積分''')が有名な結果である。なお、この積分は不定積分を[[w:初等関数]]で表すことができない。 広義積分の応用例として、'''フーリエ変換'''や'''ラプラス変換'''が存在する。 :<math>\text{ℱ}[f(x)](\xi):=\int_{-\infty}^\infty f(x)e^{-2\pi{i}\xi{x}}dx</math> :<math>\text{ℒ}[f(x)](s):=\int_0^\infty f(x)e^{-sx}dx</math> これらは物理的には信号処理や制御工学に応用されているほか、数学では関数解析学と呼ばれる分野にも関わる概念である。 '''演習問題1''' 次の不定積分を求めよ。 :(1)<math>\int \tan xdx</math> :(2)<math>\int \frac{1}{\cos ^2x}dx</math> :(3)<math>\int \log xdx</math> :(4)<math>\int x\log xdx</math> :(5)<math>\int x^2\log xdx</math> :(6)<math>\int x^3\log xdx</math> :(7)<math>\int x\sin xdx</math> :(8)<math>\int x^2\sin xdx</math> :(9)<math>\int x^2e^xdx</math> :(10)<math>\int \frac{dx}{\sin x}</math> :(11)<math>\int \frac{dx}{\cos x}</math> {{解答}} :(1)<math>-\log |\cos x|+C</math> :(2)<math>\tan x+C</math> :(3)<math>x\log x-x+C</math> :(4)<math>\frac{x^2\log x}{2}-\frac{x^2}{4}+C</math> :(5)<math>\frac{x^3\log x}{3}-\frac{x^3}{9}+C</math> :(6)<math>\frac{x^4\log x}{4}-\frac{x^4}{16}+C</math> :(7)<math>\sin x-x\cos x+C</math> :(8)<math>2x\sin x+(2-x^2)\cos x+C</math> :(9)<math>(x^2-2x+2)e^x+C</math> :(10) <math> t = \tan\frac x 2 </math> と置換すると、 <math> \begin{align} \int \frac{dx}{\sin x} &= \int \frac{1+t^2}{2t}\frac{2dt}{1+t^2}\\ &= \int \frac{dt}{t}\\ &= \log |t| + C\\ &= \log \left|\tan\frac x 2 \right| + C. \end{align}</math> 別解 <math>\begin{align} \int \frac{dx}{\sin x} &= \int \frac{dx}{2\sin\frac x 2 \cos \frac x 2}\\ &= \int \frac{\cos\frac x 2 dx}{2\sin\frac x 2 \cos^2 \frac x 2}\\ &= \int \frac{(\tan \frac x 2)'dx}{\tan \frac x 2}\\ &= \log \left|\tan\frac x 2 \right| + C. \end{align}</math> <math>\begin{align} \int \frac{dx}{\sin x} &= \int \frac{\sin x}{\sin^2 x} dx\\ &= \int \frac{\sin x}{1- \cos^2 x} dx\\ &= \frac 1 2 \int \frac{\sin x}{1 - \cos x} dx + \frac 1 2 \int \frac{\sin x}{1 + \cos x} dx\\ &= \frac 1 2 \int \frac{(1 - \cos x)'}{1 - \cos x} dx - \frac 1 2 \int \frac{(1 + \cos x)'}{1 + \cos x} dx\\ &= \frac 1 2 \log \left|\frac{1-\cos x}{1+\cos x} \right| + C \\ &= \frac 1 2 \log \frac{1-\cos x}{1 + \cos x} + C. \end{align}</math> ちなみに、半角の公式より <math>\log \left|\tan\frac x 2 \right| = \frac 1 2 \log \left|\frac{\sin^2 \frac x 2}{\cos^2 \frac x 2}\right| = \frac 1 2 \log \frac{1-\cos x}{1 + \cos x} </math> が成り立つ。 :(11) <math> \begin{align} \int \frac{dx}{\cos x} &= \int \frac{dx}{\sin(x + \frac \pi 2)}\\ &= \log \left|\tan\left(\frac x 2 + \frac \pi 4 \right) \right| + C. \end{align}</math> 別解 <math> t = \tan\frac x 2 </math> と置換すると、 <math> \begin{align} \int \frac{dx}{\cos x} &= \int \frac{1+t^2}{1-t^2} \frac{2dt}{1+t^2}\\ &= \int \frac{2dt}{1-t^2}\\ &= \int \frac{dt}{1+t} + \int \frac{dt}{1-t}\\ &= \log \left|\frac{1+t}{1-t}\right| + C\\ &= \log \left|\frac{1+\tan\frac x 2}{1-\tan\frac x 2}\right| + C.\\ \Big( &= \log \left|\tan\left(\frac x 2 + \frac \pi 4\right) \right| + C \Big) \end{align}</math> なお、部分分数分解について、 <math>f(t) = \frac{2}{1-t^2} = \frac{A}{1+t} + \frac{B}{1-t}</math> とすると、 <math>A = \lim_{t\to -1}(1+t)f(t) = \lim_{t\to -1} \frac{2(1+t)}{1-t^2} = \lim_{t\to -1} \frac{2}{1-t} = 1</math>, <math>B = \lim_{t\to 1}(1-t)f(t) = \lim_{t\to 1} \frac{2(1-t)}{1-t^2} = \lim_{t\to 1} \frac{2}{1+t} = 1</math> より係数が求まる。 別解2 <math>\begin{align} \int \frac{dx}{\cos x} &= \int \frac{\cos x}{\cos^2 x} dx\\ &= \int \frac{\cos x}{1- \sin^2 x} dx\\ &= \frac 1 2 \int \frac{\cos x}{1 - \sin x} dx + \frac 1 2 \int \frac{\cos x}{1 + \sin x} dx\\ &= -\frac 1 2 \int \frac{(1 - \sin x)'}{1 - \sin x} dx + \frac 1 2 \int \frac{(1 + \sin x)'}{1 + \sin x} dx\\ &= \frac 1 2 \log \left|\frac{1+\sin x}{1 - \sin x} \right| + C \\ &= \frac 1 2 \log \frac{1+\sin x}{1 - \sin x} + C. \end{align}</math> これも、 <math>\log \left|\tan\left(\frac x 2 + \frac \pi 4\right) \right| = \frac 1 2 \log \frac{1-\cos (x + \frac \pi 2)}{1 + \cos(x + \frac \pi 2)} = \frac 1 2 \log \frac{1+\sin x}{1 -\sin x} </math> である。 {{証明終わり}} ==積分の応用== === 面積 === ある関数f(x)の原始関数を求める演算は f(x)とx軸にはさまれた領域の面積を求める演算に等しい。 このことを用いて ある関数によって作られた領域の面積を求めることが出来る。 [[画像:Integral_x%5E2_0-1.png|right|x^2の0から1までの積分]] 例えば、 <math> \int _0 ^1 x^2 dx = \frac 1 3 </math> は、放物線<math> y = x^2</math>について <math>0 < x < 1</math>の範囲でかこまれる面積に等しい。 '''面積(Ⅰ)''' 曲線<math>y=f(x)</math>と2直線<math>x=a, x=b</math>及びx軸で囲まれた領域の面積は、 閉区間<math>[a, b]</math>で常に<math>f(x) \geqq 0</math>のとき<math>S = \int_{a}^{b} f(x) dx</math> 閉区間<math>[a, b]</math>で常に<math>f(x) \leqq 0</math>のとき<math>S = -\int_{a}^{b} f(x) dx </math> 厳密な証明は既に数学Ⅱで扱った。 2曲線で囲まれた領域の面積についても、同様である。 '''面積(Ⅱ)''' 2曲線<math>y=f(x), y=g(x)</math>と2直線<math>x=a, x=b</math>で囲まれた領域の面積は、 閉区間<math>[a, b]</math>で常に<math>f(x) \geqq g(x)</math>のとき<math>S = \int_{a}^{b} \{ f(x) - g(x) \} dx</math> y軸まわりで考えた場合も同様である。 '''面積(Ⅲ)''' 2曲線<math>x=h(y), x=i(y)</math>と2直線<math>y=c, y=d</math>で囲まれた領域の面積は、 閉区間<math>[c, d]</math>で常に<math>h(y) \geqq i(y)</math>のとき<math>S = \int_{c}^{d} \{ h(y) - i(y) \} dy</math> 媒介変数表示された曲線の場合、xとyの好きな方で面積の式を考えてパラメータに関する式へと置換積分すれば良い。 {{コラム|ガウス=グリーンの定理| '''ガウス=グリーンの定理'''という以下のような公式が存在する。 :閉曲面Sで囲まれた空間の領域をV、曲面の外向き法線の方向余弦を(l, m, n)、微分可能な関数をf, g, hとするとき、<math>\int_{V} (\frac{\partial f}{\partial x} + \frac{\partial g}{\partial y} + \frac{\partial h}{\partial z}) dV = \int_{S} (fl+gm+hn) dS </math> この定理を高校レベルの求積で使えるように調整すると、以下のようになる。 :曲線<math>\begin{cases} x = f(t) \\ y = g(t) \end{cases}</math>について、<math>[a, b]</math>の範囲でtの増加とともに点<math>P(f(t), g(t))</math>がxy平面上を原点中心に反時計回りに動くときに線分<math>OP</math>が通過する領域の面積は、<math>\int_{a}^{b} \frac{1}{2} \{ x g'(t) - y f'(t) \} dt</math> この定理を用いると、通常の積分で面積を求めるよりも遙かに計算量が少なくて済む。 もちろん記述では使えないが、答えのみ書けば良い場合や検算用のツールとしては非常に役立つ。 }} ; '''発展:極座標系における面積''' [[高等学校数学C/平面上の曲線#極座標|極座標系]]においても、直交座標系と同様に微積分を考えることができる。ここでは、その一例として極方程式で表された曲線における面積について扱う。 '''面積(Ⅳ)''' 曲線<math>r=r(\theta)</math>と2直線<math>\theta = \alpha, \theta = \beta</math>で囲まれた部分の面積は、 <math>S = \int_{\alpha}^{\beta} \frac{1}{2} \{ r(\theta) \}^2 d\theta</math> *証明 基本的には直交座標の場合と同様である。 :曲線<math>r=r(\theta)</math>と2直線<math>\theta = \alpha, \theta = \tau</math>で囲まれた部分の面積を<math>S(\tau)</math>とおく。 :<math>\Delta \tau > 0</math>として<math>\tau + \Delta \tau</math>の場合を考える。 :閉区間<math>[\tau, \tau + \Delta \tau]</math>における<math>r(\theta)</math>の最小値を<math>m</math>、最大値を<math>M</math>とおくと、微小な扇形の面積を考えることにより<math>\frac{1}{2}m^2\Delta \tau \leqq S(\tau + \Delta \tau) - S(\tau) \leqq \frac{1}{2} M^2 \Delta \tau</math>が得られる。 :上の不等式の各辺を<math>\Delta \tau</math>で割ると、<math>\frac{1}{2}m^2 \leqq \frac{S(\tau + \Delta \tau) - S(\tau)}{\Delta \tau} \leqq \frac{1}{2}M^2</math> :<math>\Delta \tau \to 0</math>の極限を考えると、 ::<math>r(\tau)</math>は連続関数なので<math>\frac{1}{2} m^2 \to \frac{1}{2} \{ r(\tau) \}^2, \frac{1}{2} M^2 \to \frac{1}{2} \{ r(\tau) \}^2</math> ::微分の定義より<math>\frac{S(\tau + \Delta \tau) - S(\tau)}{\Delta \tau} \to S'(\tau)</math> :よってはさみうちの原理より<math>S'(\tau) = \frac{1}{2} \{ r(\tau) \}^2</math> :これにて示された。 この公式は、'''<math>\theta</math>が偏角である場合のみ用いることができる'''。もし<math>\theta</math>が偏角ではない場合、<math>\theta</math>と偏角<math>\phi</math>の関係を求めて置換積分する必要がある。 ; '''楕円の面積''' '''楕円の面積''' 楕円<math>\frac{x^2}{a^2}+\frac{y^2}{b^2}=1</math>の面積は、 <math>S=\pi ab</math> *導出 楕円<math>\frac{x^2}{a^2}+\frac{y^2}{b^2}=1</math>を<math>y</math>について解くと :<math>y=\pm\frac{b}{a}\sqrt{a^2-x^2}</math> となる。そのうち<math>y=\frac{b}{a}\sqrt{a^2-x^2}</math>は半楕円(楕円の上半分)を示している。その半楕円の面積を2倍したものが楕円の面積''S''となるので :<math>S=2\int _{-a} ^a \frac{b}{a}\sqrt{a^2-x^2} = \frac{2b}{a}\int _{-a} ^a \sqrt{a^2-x^2} = \frac{2b}{a} \times \frac{\pi a^2}{2} = \pi ab</math> となる。 === 体積 === ある立体<math>V_0</math>の<math>x = t</math>における断面積が有限な値で、その値が <math>t</math>の関数<math>S(t)</math>となるとき、この立体を平面<math>x = a</math>,<math>x = b</math>(ただし、<math>a < b</math>)で切り取った領域の体積は、底面積<math>S(t)</math>に極めて小さい高さ<math>dt</math><ref>なお、この時、<math>dt</math>が<math>S(t)</math>に対して積分区間で常に鉛直方向の関係にあることが保証されていなければならない。</ref>の積<math>S(t) \, dt</math>の区間<math>[a,b]</math>における累積であるので、以下の式で表すことができる。 :<math> V = \int_a^{b} S(t) \, dt</math> (例1) :<math>O(0,0,0), A(1,0,0), B(1,1,0), C(1,0,2)</math>である三角錐を考える。 :この三角錐を平面<math>x=t (0\leqq t \leqq 1)</math>で切断すると、断面の三角形の各座標は<math>A_t(t,0,0), B_t(t,t,0), C_t(t,0,2t)</math>となる。この時、<math>\triangle{A_t B_t C_t}</math>の面積<math>S(t)=t^2</math>となる。 :これを、区間<math>[0,1]</math>で積分すると、 :<math> V = \int_0^{1} S(t) \, dt = \int_0^{1} t^2 \, dt = \left[ \frac{t^3}{3}\right]_{0}^{1} = \frac{1}{3}</math>となる<ref>三角錐<math>O-ABC</math>は、<math>\triangle{ABC}</math>を底面(<math>S=1</math>)とし、<math>OA</math>を高さ(<math>1</math>)とする三角錐なので、体積は、<math>\frac{1}{3}</math>となり、正しい。</ref>。 (例2) :設問 :#<math>O(0,0,0), A(1,0,0), B(0,1,0), C(1,1,0), D(0,0,1), E(1,0,1), F(0,1,1), G(1,1,1)</math>である立方体を想定。 :#平面<math>x=t (0\leqq t \leqq 1)</math>で切断し、<math>\square{O_t A_t B_t C_t}</math>を得る。 :#線分<math>O_t A_t , A_t B_t , B_t C_t , C_t O_t </math>に、各々点<math>O_t, A_t, B_t, C_t</math>から、長さ<math>t</math>である点<math>H_t, I_t, J_t, K_t</math>をとり、<math>\square{H_t I_t J_t K_t}</math>を<math>S_t</math>とする。 :#<math>t</math>を区間<math>[0,1]</math>で変化させた時、<math>S_t</math>が通過する部分の体積<math>V</math>を求めよ。なお、<math>S_t</math>が正方形である証明は省略してよい。 :解答 :#<math>S_t</math>の1辺の長さを<math>l</math>とおくと、<math>l^2 = t^2 + (1-t)^2 = 2t^2 - 2t + 1</math> :#<math>S_t</math>の面積<math>S(t)</math>は<math>l^2</math>であるから、<math>S(t) = 2t^2 - 2t + 1</math> :#これを、区間<math>[0,1]</math>で積分すると、 :#<math> V = \int_0^{1} S(t) \, dt = \int_0^{1} (2t^2 - 2t + 1) \, dt = \left[ \frac{2t^3}{3} - t^2 +t \right]_{0}^{1} = \frac{2}{3}</math>となる。 ; '''回転体の体積''' <math>y= f(x) (a \le x \le b )</math> で与えられる曲線をx軸の回りに回転させて作られる立体の体積Vは、 <math>V = \int _a ^b \pi \{ f(x) \}^2 dx</math> で与えられる。 導出 立体をx軸に垂直であり、x=cを満たす面とx=c+hを満たす面で切ると(hは小さな 定数)、その切断面で挟まれた立体は半径 f(c)の円と半径 f(c+h)の円 ではさまれた立体となる。 しかし、hが極めて小さいとき、この図形は半径f(c),高さhの円柱で 近似できる。 よってこの2つの面に関して、得られた図形の体積は <math> h \times \pi (f(c) )^2 </math> となる。 これを<math>a<c<b</math>満たす全てのcについて足し合わせると、 <math> S = \int _a ^b \pi ( f(x))^2 dx </math> が得られる。 同様に、<math>x = g(y) (c \le x \le d )</math>で与えられる曲線をy軸の回りに回転させて作られる立体の体積Vは、 :<math>V = \int _c ^d \pi \{ g(y) \}^2 dy</math> で与えられる。 例えば、 <math> y= x^2 ~(0<x<1) </math> をx軸の回りに回転させて得られる図形の体積は、 :図形の絵? <math> S = \int_0^1 \pi (x^2)^2 dx </math> <math> =\pi \int_0^1 x^4 dx </math> <math> =\frac {\pi} 5 </math> となる。 ;球の体積 球の体積<math>V=\frac{4}{3}\pi r^3</math>の導出 半径''r''の球は半円<math>y=\sqrt{r^2-x^2}</math>を''x''軸の周りに回転させてつくることができる。 :<math>V=\pi \int_{-r}^r \sqrt{r^2-x^2}^2 dx=\pi \int_{-r}^r (r^2-x^2) dx= \frac{4}{3}\pi r^3</math> また体積を''r''で微分すると球の表面積<math>S=4\pi r^2</math>が得られる。 ; 補:バームクーヘン積分 上記の回転体の公式の導出では「円盤の面積を積分」しているが、「円筒の側面積」を積分しても同様の結果が得られる。この考え方を'''バームクーヘン積分(円筒分割積分)'''と呼ぶ。 バームクーヘン積分による回転体の体積の公式 曲線<math>y=f(x)</math>とx軸、直線<math>x=a, x=b</math>に囲まれた部分をx軸周りに一回転した立体の体積は、 <math>V = 2\pi \int_{a}^{b} x f(x) dx</math> *導出 :閉区間<math>[x, x + \Delta x](\Delta x > 0)</math>においてx軸と曲線<math>y=f(x)</math>で挟まれた領域をy軸周りに一回転してできる立体の体積を<math>\Delta V</math>とし、同区間におけるf(x)の最小値をm、最大値をMとおく。 :このとき、<math>\pi \{(x + \Delta x)^2 - x^2 \}m \leqq \Delta V \leqq \pi \{(x + \Delta x)^2 - x^2 \}M</math> :変形すると<math>\pi(2x + \Delta x)m \leqq \frac{\Delta V}{\Delta x} \leqq \pi (2x + \Delta x)M</math> :<math>\lim_{\Delta x \to + 0} m = \lim_{\Delta x \to + 0} M = f(x)</math>なのではさみうちの原理より<math>\lim_{\Delta x \to + 0} \frac{\Delta V}{\Delta x} = 2 \pi x f(x)</math> :<math>\therefore \frac{dV}{dx} = 2 \pi x f(x)</math> :<math>\Delta x < 0</math>でも同様。 :この微分方程式を解く(詳細は[[高等学校理数数学#微分方程式|こちら]])と、 ::<math>dV = 2 \pi x f(x) dx</math> ::<math>\int dV = \int 2 \pi x f(x) dx</math> ::<math>V = 2 \pi \int x f(x) dx + C</math>(Cは積分定数) :閉区間<math>[a, b]</math>で定積分を考えると、<math>V = 2 \pi \int_{a}^{b} x f(x) dx</math>となる。 記述問題で用いる場合、念のため上のように証明しておくと良い。 ; 補:パップス・ギュルダンの定理 図形Aを、図形Aと交わらない直線の周りに一回転してできる立体の体積は、V=(Aの重心が描く円の円周長)×(Aの面積)で求まる。 この定理は大学入試においては非常に有名な裏技であり知っておいて損はないが、記述で用いると完全にアウトである。この定理を用いるのは、選択肢形式の問題かどうしても記述の白紙解答を避けたい場合のみに限ろう。(もっとも、重心がわかる図形で出題されるのはごく稀だが。) {{コラム|一般の軸を中心とした回転体の体積の求め方| 一般に空間中の直線Lの周りの回転体('''斜軸回転体''')の体積は、回転軸Lに垂直な平面で回転体を切った断面積を考えて求めることができる。 ここでは、回転前の図形が座標平面上に存在する場合を扱う。 ; '''例題''' xy平面において<math>L:y=x, C:y=x^2</math>で囲まれた部分を, 直線Lの周りに一回転してできる立体の体積を求めよ。 解答) :曲線C上の点<math>P(x, x^2)</math>から直線Lに下ろした垂線の足を<math>H(t, t)</math>とし、直線L上に点<math>Q(x, x)</math>をとる。 :与えられた条件より<math>0 \leqq x \leqq 1</math>である。 :このとき<math>\overline{PH} = \frac{|x-x^2|}{\sqrt{2}} = \frac{x-x^2}{\sqrt{2}} (\because 0 \leqq x \leqq 1 \implies x \geqq x^2)</math>より、 :<math>t = \overline{OH} = \overline{OQ} - \overline{HQ} = \overline{OQ} - \overline{PH} = \sqrt{2}x - \frac{x-x^2}{\sqrt{2}} = \frac{x+x^2}{\sqrt{2}}</math> :<math>\therefore dt = \frac{1+2x}{\sqrt{2}} dx</math> :tの積分範囲は0→√2なので、xの積分範囲は0→1である。 :故に、<math>V = \pi \int_{0}^{\sqrt{2}} \overline{PH}^2 dt = \pi \int_{0}^{1} (\frac{x-x^2}{\sqrt{2}})^2 \cdot \frac{1+2x}{\sqrt{2}} dx</math> :<math>= \frac{\pi}{2 \sqrt{2}} \int_{0}^{1} (2x^5-3x^4+x^2) dx = \frac{\sqrt{2} \pi}{4} [ \frac{1}{3} x^6 - \frac{3}{5} x^5 + \frac{1}{3} x^3 ]_{0}^{1} = \frac{\sqrt{2} \pi}{60}</math> この解答を簡潔に纏めると、直線Lをt軸と見做してt軸についての回転体の式を立て、それをx軸についての回転体の式へと置換積分している。 斜軸回転体の体積を求める方法は他にもあるので、簡潔に纏める。 ①傘型分割積分 上の例題で考えると、長さ<math>\overline{PQ}</math>、微小幅<math>\Delta x</math>の部分をLの周りに一回転すると、傘型状の図形(円錐の側面)になる。 その面積(正確には微小体積)を積分すると回転体の体積が出てくる。この考え方を'''傘型分割積分'''という。不足なく論理展開を記述できれば、入試でこの考え方を用いても減点される可能性は低いだろう。 この過程を一般化すると、以下の公式を導くことができる。 :曲線<math>y=f(x)</math>と直線<math>mx+n, x=a, x=b</math>で囲まれた部分を直線<math>y=mx+n</math>の周りで一回転した体積は、 :<math>V = \pi \cos \theta \int_{a}^{b} \{ f(x) - (mx+n) \}^2 dx</math> :ただし、<math>\tan \theta = m</math>(回転軸がx軸となす角がθである) この公式は完全に裏技なので、記述問題では(証明なしに)使用しない方が無難である。 ②回転移動の利用 図形全体を回転移動することにより、回転軸をx軸(もしくはy軸)に重ねることで、強引に回転体の公式に代入する方法。 回転移動には[[高等学校数学C/複素数平面#回転移動|複素数平面の知識]]、[[高等学校数学C/数学的な表現の工夫#一次変換|行列の知識]]のどちらを用いても良い。 この方法では、回転後の図形の方程式が媒介変数表示で出現する場合がある。その場合、回転体の公式を媒介変数についての積分へと置換積分すれば良い。 }} === 曲線の長さと運動の道のり === ==== 曲線の長さ ==== 曲線<math>\begin{cases} x=f(t) \\ y=g(t) \end{cases}</math>の長さを考える。 :<math>f(t), g(t)</math>とも2階微分可能(第一次導関数が連続)とする。 :<math>a \leqq t \leqq b</math>として閉区間<math>[a, t]</math>における曲線の長さを<math>s(t)</math>とおく。 :<math>t</math>の増分<math>\Delta t</math>が十分小さいとき、<math>\Delta s \fallingdotseq \sqrt{(\Delta x)^2 + (\Delta y)^2}</math>より<math>\frac{\Delta s}{\Delta t} = \sqrt{(\frac{\Delta x}{\Delta t})^2 + (\frac{\Delta y}{\Delta t})^2}</math> :<math>\Delta t \to 0</math>のとき、<math>\frac{ds}{dt} = \sqrt{(\frac{dx}{dt})^2 + (\frac{dy}{dt})^2}</math> :この微分方程式を解くと、 ::<math>ds = \sqrt{(\frac{dx}{dt})^2 + (\frac{dy}{dt})^2}dt</math> ::<math>\int ds = \int \sqrt{(\frac{dx}{dt})^2 + (\frac{dy}{dt})^2}dt</math> ::<math>s = \int \sqrt{(\frac{dx}{dt})^2 + (\frac{dy}{dt})^2}dt + C</math>(Cは積分定数) :ここで<math>s(t)</math>の定義より<math>s(b) - s(a) = \int_{a}^{b} \sqrt{(\frac{dx}{dt})^2 + (\frac{dy}{dt})^2}dt</math> よって、以下のようになる。 曲線の長さ(Ⅰ) 曲線<math>\begin{cases} x=f(t) \\ y=g(t) \end{cases}</math>の閉区間<math>[a, b]</math>における長さLは、 <math>L = \int_{a}^{b} \sqrt{(\frac{dx}{dt})^2 + (\frac{dy}{dt})^2}dt</math> 曲線の式が<math>y=f(x)</math>で与えられている場合、<math>\begin{cases} x=t \\ y=f(t) \end{cases}</math>と考えて上の公式に代入すると、以下のようになる。 曲線の長さ(Ⅱ) 曲線<math>y=f(x)</math>の閉区間<math>[a, b]</math>における長さLは、 <math>L = \int_{a}^{b} \sqrt{1 + (\frac{dy}{dx})^2}dt</math> ==== 速度と道のり ==== [[高等学校数学III/微分法#速度と加速度|微分法で学んだ]]ように、数直線上を運動する点Pの時刻tにおける位置,速度がそれぞれ<math>x(t), v(t)</math>で与えられるとき、<math>v(t) = \frac{d}{dt} x(t)</math>という関係式が成り立った。微分と積分は逆演算の関係にあるので、<math>x(t) = \int v(t) dt + C</math>(Cは積分定数)という関係も成り立つ。このとき、積分定数Cは初期位置<math>x_0</math>を表す。 点Pが<math>t=a</math>から<math>t=b</math>まで運動するとき、位置の変化量は<math>x(b) - x(a) = \int_{a}^{b} v(t) dt</math>で与えられる。すなわち<math>x(b) = x(a) + \int_{a}^{b} v(t) dt</math>であり、<math>x(a)</math>が初期位置<math>x_0</math>を表すことが確かめられた。 また、上の場合において道のりは<math>\int_{a}^{b} |v(t)| dt</math>と計算できる。位置の変化量と道のりが一致するのは、恒等的に<math>x(t) \geqq 0</math>が成り立つ場合のみである。 平面上の運動も同様である。 なお、加速度は位置の二階微分なので、加速度を二階積分すれば位置が求まる。よって、時刻tにおける加速度が<math>a(t) = a</math>であるときの位置は、<math>x(t) = \int \! \int a(t) dt \; dt = \int (at + v_0) dt = \frac{1}{2}at^2 + v_0 t + x_0</math>である。([[高等学校物理基礎/力学#等加速度直線運動|等加速度直線運動]]の式) {{コラム|ベクトル関数|変数tの値を決めるとベクトルA(t)の値が一意に定まるとき、A(t)をtの'''[[解析学基礎/ベクトル解析#ベクトル関数|ベクトル関数]]'''という。基本ベクトルを用いると、ベクトル関数は基本ベクトルのスカラー倍の足し算に分解することができる。このとき、基本ベクトルにかかる係数をベクトル関数の'''成分'''という。ベクトル関数の定義より、成分はtの関数になる。 つまり、'''ベクトル関数に関する微積分はその成分をそれぞれ微分/積分すれば良い'''ということがわかる。 例えば、速度を表すベクトル関数<math>\vec{v}(t) = \begin{pmatrix} 2t \\ 3t^2-1 \end{pmatrix}</math>があったとして、初期位置<math>\begin{pmatrix} x_0 \\ y_0 \end{pmatrix} = \begin{pmatrix} 0 \\ 0 \end{pmatrix}</math>とすると時刻tにおける位置は<math>\vec{x}(t) = \int \vec{v}(t) dt = \begin{pmatrix} \int (2t) dt \\ \int (3t^2-1) dt \end{pmatrix} = \begin{pmatrix} t^2 \\ t^3-t \end{pmatrix}</math>、時刻tにおける加速度は<math>\vec{a}(t) = \frac{d}{dt} \vec{v}(t) = \begin{pmatrix} \frac{d}{dt}(2t) \\ \frac{d}{dt}(3t^2-1) \end{pmatrix} = \begin{pmatrix} 2 \\ 6t \end{pmatrix}</math>というベクトル関数になる。また、<math>t=0</math>から<math>t=2</math>まで運動したときの位置の変化量ベクトルは<math>\begin{pmatrix} \Delta x \\ \Delta y \end{pmatrix} = \int_{0}^{2} \vec{v}(t) dt = \begin{pmatrix} \int_{0}^{2} (2t) dt \\ \int_{0}^{2} (3t^2-1) dt \end{pmatrix} = \begin{pmatrix} \left[ t^2 \right]_{0}^{2} \\ \left[ t^3-t \right]_{0}^{2} \end{pmatrix} = \begin{pmatrix} 4 \\ 6 \end{pmatrix}</math>と求まる 。 すなわち、速度・加速度・位置・道のり等に関する問題はベクトル関数の微積分を計算する問題であると言える。 }} == 区分求積法 == これまでに学んだように、積分は微分の逆演算であると同時に、座標平面上での面積計算でもある。この項では、座標平面上の面積計算の方法の一つである区分求積法、および積分法との関連について学ぶ。 [[File:Riemann Integration 1.png|thumb|300px|面積計算]] 右図のようなある曲線<math>y=f(x)</math>がある。単純のため、ここではつねに<math>f(x)>0</math>であるものとして考える。この曲線と、''x''軸、および直線<math>x = a, x = b (a < b)</math>によって囲まれる領域の面積''S''を求める。この面積は[[#面積]]の項で学んだように、 : <math>S = \int_a^b f(x)dx</math> と積分法を用いて計算することができた。では、これをもう少し原始的な方法で近似的に求めることを考えてみよう。 曲線を含む図形の面積を求めることは簡単ではないが、例えば三角形や長方形、台形などの直線で囲まれた図形の面積を求めることは難しくない。そこで、下図のようにy=f(x)を棒グラフで近似し、長方形の面積の和を計算することで、求めたい面積''S''に近い値を求めることができる。左下のように棒グラフの幅が大きいと誤差も大きいが、棒グラフの幅を狭くすればするほど、すなわち分割数を多くするほど、徐々に求めたい面積の値に近づけることができる。そこで、この区間[''a'',''b'']を''n''等分し、その時の長方形の面積の総和を求め、その後で<math>n \to \infty</math>の極限を考えることにする。このようにして、区間を細かく等分割し、長方形の面積の総和を求めることにより図形の面積を求める方法を、'''区分求積法'''と呼ぶ。 :[[File:Riemann Integration 4.png|350px|棒グラフによる近似]][[File:Riemann Integration 5.png|350px|さらに細かな棒グラフによる近似]] [[File:Integral numericky obd.svg|thumb|左側で近似]][[File:Somme-superiori.png|thumb|右側で近似]] <math>y=f(x)</math>を棒グラフで近似するとき、右図のように、長方形の左上の頂点を曲線上に取る方法と、右上の頂点を曲線上に取る方法がある。どちらの方法でも、分割数を大きくすればいずれ求めたい面積に近づくが、まずは左上の頂点を曲線上に取る方法で考えることにする。 ここでは面積を求めたい区間を、単純のため[0, 1]とする。区間[0, 1]を''n''等分するとき、それぞれの長方形の左端のx座標は、 :<math>0, \frac{1}{n}, \frac{2}{n}, \cdots, \frac{n-1}{n}</math> となる。ここで、一般に第''k''番目の長方形について考えることにする。ただし、いちばん左側の長方形を第0番目とし、いちばん右側の長方形を第''n''-1番目とする。第''k''番目の長方形の左端のx座標は<math>\frac{k}{n}</math>であるから、この長方形の高さは<math>f\left(\frac{k}{n}\right)</math>となり、また長方形の幅は<math>\frac{1}{n}</math>である。そのため、この長方形の面積<math>s_k</math>は、 :<math>s_k = \frac{1}{n}f\left(\frac{k}{n}\right)</math> となる。したがって、これらの長方形の面積の総和<math>S_n</math>は、 :<math>S_n = \sum_{k = 0}^{n-1} s_k = \frac{1}{n}\sum_{k = 0}^{n-1} f\left(\frac{k}{n}\right)</math> この<math>S_n</math>は、区間[0, 1]を''n''等分した時の長方形の面積の総和であるが、''n''を大きくすればするほど、次第にもとの面積に近づいていく。したがって、<math>n\to\infty</math>の極限を考え、 :<math>S = \lim_{n\to\infty} S_n = \lim_{n\to\infty} \frac{1}{n}\sum_{k=0}^{n-1} f\left(\frac{k}{n}\right)</math> となる。このようにして、求めたい面積を計算することができる。さらに、ここでこの区間の面積が積分法により計算できたことから、 :<math>\lim_{n\to\infty} \frac{1}{n}\sum_{k=0}^{n-1} f\left(\frac{k}{n}\right) = \int_0^1f(x)dx</math> が成り立つ。また、長方形の右上の頂点を曲線上に取る場合は、同様にして :<math>S = \lim_{n\to\infty} \frac{1}{n}\sum_{k=1}^{n} f\left(\frac{k}{n}\right) = \int_0^1f(x)dx</math> となる。 区分求積法を計算するとき、'''シグマの範囲の有限個のズレは無視して良い'''。nを無限大に飛ばした極限を考えるとき、有限個あるズレの値は全て0に収束するからである。<br> つまり、l, mを自然数として<math>\lim_{n \to \infty} \frac{1}{n} \sum_{k=l}^{n-m} f\left(\frac{k}{n}\right) = \int_0^1f(x)dx</math>である。 区分求積法は、より一般には次の式で表される。 :<math>\int_{a}^{b} f(x) dx = \lim_{n \to \infty} \sum_{k=l}^{n-m} f(x_k) \Delta x</math> :ただし、<math>\Delta x = \frac{b-a}{n}, x_k = a + k\Delta x</math> 証明は先ほどと同様である。<br> 大学においては、積分の定義を微分の逆演算ではなく、この式の右辺のような和('''リーマン和'''という)の極限とする場合がある。数学Ⅱで扱った微分積分学の基本定理は、リーマン和(面積計算)と原始関数(微分の逆演算)という二つの概念を結びつけている定理であると言える。 なお、<math>\lim_{n \to \infty} \sum_{k=an+l}^{bn-m} f\left(\frac{k}{n}\right) = \int_{a}^{b} f(x) dx</math>が成り立つ。 '''演習問題2''' :次の極限値を求めよ。 :(1) <math>\lim_{n\to\infty} \sum_{k=1}^{n} \frac{1}{n+k} </math> :(2) <math>\lim_{n\to\infty} \sum_{k=1}^{n} \frac{k}{n^2+k^2} </math> :(3) <math>\lim_{n\to\infty} \left(\frac{(2n)!}{n!n^n}\right)^\frac{1}{n}</math><ref group="ヒント">対数を取る</ref> {{解答}} (1) <math>\begin{align} \lim_{n\to\infty} \sum_{k=1}^{n} \frac{1}{n+k} &= \lim_{n\to\infty} \frac 1 n \sum_{k=1}^{n} \frac{1}{1+\frac k n} \\ &= \int_0^1 \frac{dx}{1+x}\\ &= [\log(1+x)]_0^1\\ &= \log 2. \end{align} </math> ちなみに、この結果は交代調和級数 <math>\sum_{n=1}^\infty \frac{(-1)^{n-1}}{n} = 1 - \frac 1 2 + \frac 1 3 - \frac 1 4 + \cdots</math> の値を求めることに利用できる。実際 <math> \begin{align} \sum_{k=1}^{2n} \frac{(-1)^{k-1}}{k} &= 1 - \frac{1}{2} + \cdots + \frac{1}{2n-1} - \frac{1}{2n} \\ &= 1 + \frac{1}{2} + \cdots + \frac{1}{2n-1} + \frac{1}{2n} - 2\left(\frac{1}{2} + \frac{1}{4} + \cdots + \frac{1}{2n}\right) \\ &= 1 + \frac{1}{2} + \cdots + \frac{1}{2n-1} + \frac{1}{2n} - \left(1 + \frac{1}{2} + \cdots + \frac{1}{n}\right) \\ &= \frac{1}{n+1} + \frac{1}{n+1} + \cdots + \frac{1}{n+n} \\ &= \sum_{k=1}^n \frac{1}{n+k} \end{align} </math> より、 <math> \lim_{n\to\infty}\sum_{k=1}^{2n} \frac{(-1)^{k-1}}{k} = \lim_{n\to\infty}\sum_{k=1}^n \frac{1}{n+k} = \log 2 </math> となる。また、 <math> \lim_{n\to\infty}\sum_{k=1}^{2n+1} \frac{(-1)^{k-1}}{k} = \lim_{n\to\infty}\left(\sum_{k=1}^{2n} \frac{(-1)^{k-1}}{k} + \frac{1}{2n+1}\right) = \log 2. </math> 従って、<math>\sum_{n=1}^\infty \frac{(-1)^{n-1}}{n} = \log 2 </math> を得る。 (2) <math>\begin{align} \lim_{n\to\infty} \sum_{k=1}^{n} \frac{k}{n^2+k^2} &= \lim_{n\to\infty} \frac 1 n \sum_{k=1}^{n} \frac{\frac{k}{n}}{1+\frac{k^2}{n^2}}\\ &= \int_0^1 \frac{xdx}{1+x^2}\\ &= \left[\frac 1 2 \log(1+x^2)\right]_0^1\\ &= \frac 1 2 \log 2. \end{align}</math> (3) <math>\begin{align} \log \left(\frac{(2n)!}{n!n^n}\right)^\frac{1}{n} &= \frac 1 n \log\left\{\left(\frac{n+1}{n}\right)\left(\frac{n+2}{n}\right)\cdots \left(\frac{n+2}{n}\right) \right\} \\ &= \frac 1 n \sum_{k=1}^n \log\left(1+\frac{k}{n}\right) \end{align}</math> となるから、 <math>\begin{align} \lim_{n\to\infty}\log \left(\frac{(2n)!}{n!n^n}\right)^\frac{1}{n} &= \int_0^1 \log(1+x)dx\\ &= [(1+x)\log(1+x)-(1+x)]_0^1\\ &= 2\log 2 - 1. \end{align}</math> したがって、 <math>\begin{align} \lim_{n\to\infty} \left(\frac{(2n)!}{n!n^n}\right)^\frac{1}{n} &= \frac 4 e. \end{align}</math> {{証明終わり}} == 演習問題 == * [[高等学校数学III 積分法/演習問題|不定積分44題]] * [[/演習問題]] '''演習問題3''' 第一問、第二問は基本問題である。第三問から第六問はやや難しい。 '''第一問(ウォリスの積分)''' :<math>n</math> は非負整数とし、<math>I_n = \int_{0}^{\frac \pi 2}\sin^n x \, dx</math> とする。 :(1) <math>\int_{0}^{\frac{\pi}{2}}\sin^n x \, dx = \int_{0}^{\frac{\pi}{2}}\cos^n x \, dx</math> を示せ。 :(2) <math>I_n = \frac{n-1}{n}I_{n-2}\quad (n \ge 2)</math> を示せ。 :(3) <math>I_n</math> を求めよ。 '''第二問(ベータ関数の特殊値)''' :<math>m,n</math> は非負整数、<math>\alpha,\beta</math> は <math>\beta > \alpha</math> なる実数とし、<math>I_{m,n} = \int_\alpha^\beta (x-\alpha)^m(\beta - x)^n \, dx</math> とする。 :(1) <math>I_{m,n} = \frac{n}{m+1} I_{m+1,n-1} \quad (n\ge 1) </math> を示せ。 :(2) <math>I_{m,n}</math> を求めよ。 :(3) <math>\int_0^{\frac{\pi}{2}} \sin^{2m+1}\theta \cos^{2n+1}\theta d\theta </math> を求めよ。 '''第三問(ウォリスの公式)''' :非負整数 <math>n</math> に対し、<math>I_n = \int_{0}^{\frac \pi 2}\sin^n x \, dx</math> とする。必要に応じて第一問の結果を用いてよい。 :(1) <math>1 < \frac{I_{2n}}{I_{2n+1}} < \frac{I_{2n-1}}{I_{2n+1}}</math> を示せ。 :(2) <math> \lim_{n \to \infty} \frac{2 \cdot 2}{1 \cdot 3} \frac{4 \cdot 4}{3 \cdot 5} \cdots \frac{2n \cdot 2n}{(2n-1)(2n+1)} </math> を求めよ。 :(3) <math> I_{2n}I_{2n+1} </math> を求めよ。 :(4) <math> \lim_{n \to \infty} \sqrt n I_{2n+1} </math> を求めよ。 :(5) <math> \lim_{n \to \infty} \frac{2^{2n}(n!)^2}{\sqrt n (2n)!} </math> を求めよ。 '''第四問(スターリングの近似)''' :数列 <math>\{a_n\}</math> を <math>a_n = \frac{n!}{n^{n+1/2}e^{-n}} </math> で定める。必要に応じて第三問の結果を用いてよい。 :(1) 整数 <math>k > 1</math> について <math> \log k - \frac 1 2 \{\log k - \log(k-1)\} < \int_{k-1}^k \log x \, dx < \log k - \frac{1}{2k} </math> が成り立つことを示せ。 :(2) 正の整数 <math>n</math> について <math> - \frac{1}{4n} < \sum_{k=n+1}^{2n} \log k - \left(2n+\frac 1 2\right)\log 2n + \left(n+\frac 1 2\right)\log n + n < 0 </math> が成り立つことを示せ。 :(3) <math> \lim_{n\to \infty}\frac{a_{2n}}{a_n} </math> を求めよ。 :(4) <math> \lim_{n\to \infty}a_n </math> を求めよ。 '''第五問(バーゼル問題)''' :非負整数 <math>n</math> に対し、<math>I_n = \int_{0}^{\frac \pi 2}\cos^n x \, dx,\, J_n = \int_{0}^{\frac \pi 2}x^2 \cos^n x \, dx</math> とする。 :(1) <math> n > 0</math> について <math>I_{2n} = n(2n-1)J_{2n-2} - 2n^2 J_{2n}</math> が成り立つことを示せ。 :(2) <math> 0 \le x \le \frac \pi 2</math> について、<math> \frac{2}{\pi}x \le \sin x</math> が成り立つことを示せ。 :(3) <math>J_{2n} \le \frac{\pi^2 I_{2n}}{8(n+1)}</math> を示せ。 :(4) <math>\sum_{k=1}^{\infty} \frac{1}{k^2} </math> を求めよ。 '''第六問(ガウス積分)''' :非負整数 <math>n</math> に対し、<math>I_n = \int_{0}^{\frac \pi 2}\cos^n x </math> とする。必要に応じて第三問の結果を用いて良い。 :(1) <math> x > 0 </math> のとき、<math> 1-x^2 < e^{-x^2} < \frac{1}{1+x^2} </math> が成り立つことを示せ。 :(2) <math> \frac \pi 4 < \theta_0 < \frac \pi 2 </math> とする。正の整数 <math>n </math> について <math> \int_0^1 (1-x^2)^n dx < \int_0^{\tan\theta_0} e^{-nx^2}dx < \int_0^{\tan \theta_0} \frac{1}{(1+x^2)^n} dx </math> を示せ。 :(3) <math> \sqrt n I_{2n+1} < \int_0^\infty e^{-x^2}dx < \sqrt n I_{2n-2} </math> を示せ。ただし、<math>\int_0^\infty e^{-x^2}dx = \lim_{a \to \infty} \int_0^a e^{-x^2}dx </math> である。 :(4) <math> \int_{-\infty}^\infty e^{-x^2}dx </math> を求めよ。 '''解答''' {{解答|第一問}} (1) <math> t = \frac \pi 2 - x </math> と変数変換すると、<math> \int_0^{\frac \pi 2} \sin^n x dx = \int_{\frac \pi 2}^0 \sin^n\left(\frac \pi 2 - t\right)(-dt) = \int_0^{\frac \pi 2} \cos^n t dt </math> となる。 (2) <math> \begin{align} \int_0^{\frac \pi 2} \sin^n x dx &= \left[-\sin^{n-1}x \cos x \right]_{0}^{\frac{\pi}{2}} + (n-1)\int_0^{\frac \pi 2} \sin^{n-2} x \cos^2 x dx \\ &= (n-1)\left(\int_0^{\frac \pi 2} \sin^{n-2} x dx - \int_0^{\frac \pi 2} \sin^n x dx \right)\\ \end{align} </math> 従って、<math>I_n = \frac{n-1}{n}I_{n-2}</math> となる。 (3) <math> I_0 = \int_0^{\frac \pi 2} dx = \frac \pi 2,\, I_1 = \int_0^{\frac \pi 2} \sin x dx = 1. </math> よって、<math> n </math> が偶数のときは <math> \begin{align} I_n &= \frac{n-1}{n}\frac{n-3}{n-2} \cdots \frac 1 2 I_0 \\ &= \frac{n-1}{n}\frac{n-3}{n-2} \cdots \frac 1 2 \frac \pi 2. \end{align} </math> <math> n </math> が奇数のときは、 <math> \begin{align} I_n &= \frac{n-1}{n}\frac{n-3}{n-2} \cdots \frac 2 3 I_1 \\ &= \frac{n-1}{n}\frac{n-3}{n-2} \cdots \frac 2 3 \end{align} </math> となる。 {{証明終わり}} {{解答|第二問}} (1) <math>\begin{align} \int_\alpha^\beta (x-\alpha)^m(\beta - x)^n \, dx &= \left[\frac{1}{m+1}(x-\alpha)^{m+1}(\beta-x)^n\right]_\alpha^\beta + \int_\alpha^\beta\frac{n}{m+1}(x-\alpha)^{m+1}(\beta-x)^{n-1}dx\\ &= \frac{n}{m+1}\int_\alpha^\beta(x-\alpha)^{m+1}(\beta-x)^{n-1}dx. \end{align} </math> (2) <math>\begin{align} I_{m,n} &= \frac{n}{m+1}I_{m+1,n-1} \\ &= \cdots \\ &= \frac{n}{m+1} \frac{n-1}{m+2} \cdots \frac{1}{m+n} I_{m+n,0} \\ &= \frac{m!n!}{(m+n)!}I_{m+n,0} \end{align} </math> ここで、 <math>I_{m+n,0} = \int_\alpha^\beta(x-\alpha)^{m+n} dx = \frac{(\beta-\alpha)^{m+n+1}}{m+n+1} </math> となる。よって、 <math>I_{m,n} = \frac{m!n!}{(m+n+1)!}(\beta-\alpha)^{m+n+1} </math> を得る。 (3) <math>t = \sin^2\theta </math> と変数変換すると、 <math>dt = 2\sin\theta\cos\theta d\theta </math> より、 <math>\int_0^{\frac{\pi}{2}} \sin^{2m+1}\theta \cos^{2n+1}\theta d\theta = \frac 1 2 \int_0^1 t^m (1-t)^n dt = \frac{m!n!}{2(m+n+1)!}. </math> {{証明終わり}} {{解答|第三問}} (1) <math>0 < x < \frac \pi 2 </math> のとき、<math>0 < \sin x < 1 </math> だから、<math>\sin^{2n+1} x < \sin^{2n} x < \sin^{2n-1} x </math> となる。これを積分して、<math>I_{2n+1} < I_{2n} < I_{2n-1} </math> を得る。よって、<math>1 < \frac{I_{2n}}{I_{2n+1}} < \frac{I_{2n-1}}{I_{2n+1}}</math> である。 (2) 第一問(1)より、 <math>\begin{align} \frac{I_{2n}}{I_{2n+1}} &= \frac{2n-1}{2n}\frac{2n-3}{2n-2} \cdots \frac 1 2 \frac \pi 2 \times \frac{2n+1}{2n}\frac{2n-1}{2n-2} \cdots \frac 3 2\\ &= \frac{1 \cdot 3}{2 \cdot 2} \frac{3 \cdot 5}{4 \cdot 4} \cdots \frac{(2n-1)(2n+1)}{2n \cdot 2n} \frac \pi 2 \end{align}</math> となる。また、<math>\frac{I_{2n-1}}{I_{2n+1}} = \frac{2n+1}{2n} = 1 + \frac{1}{2n} </math> となるから、(1) より、 <math>1 < \frac{I_{2n}}{I_{2n+1}} < \frac{I_{2n-1}}{I_{2n+1}} = 1 + \frac{1}{2n} </math> を得る。これより、<math>\lim_{n\to\infty} \frac{I_{2n}}{I_{2n+1}} = 1 </math> となるから、<math> \lim_{n \to \infty} \frac{2 \cdot 2}{1 \cdot 3} \frac{4 \cdot 4}{3 \cdot 5} \cdots \frac{2n \cdot 2n}{(2n-1)(2n+1)} = \frac \pi 2 </math> を得る。 (3) 第一問(3)より、<math>I_{2n} I_{2n+1} = \frac{1}{2n+1} \frac{\pi}{2} </math> である。 (4) <math>\frac{I_{2n}}{I_{2n+1}} = \frac{I_{2n}I_{2n+1}}{I_{2n+1}^2} = \frac{1}{2n+1}\frac \pi 2 I_{2n+1}^{-2} </math> である。<math>\sqrt{2n+1} I_{2n+1} = \sqrt{\frac{I_{2n+1}}{I_{2n}}\frac{\pi}{2}} </math> より、<math>\lim_{n\to\infty} \sqrt{2n+1} I_{2n+1} = \lim_{n\to\infty} \sqrt{\frac{I_{2n+1}}{I_{2n}}\frac{\pi}{2}} = \sqrt{\frac{\pi}{2}} </math> となる。また、 <math>\begin{align} \frac{\sqrt \pi}{2} &= \lim_{n\to\infty} \sqrt{\frac{2n+1}{2}} I_{2n+1}\\ &= \lim_{n\to\infty} \sqrt{n}\sqrt{1+\frac{1}{2n}} I_{2n+1}\\ &= \lim_{n\to\infty} \sqrt{n}I_{2n+1} \end{align} </math> となるから、<math>\lim_{n\to\infty} \sqrt{n}I_{2n+1} = \frac{\sqrt \pi}{2} </math> を得る。 (5) <math>\begin{align} I_{2n+1} &= \frac{2n}{2n+1}\frac{2n-2}{2n-1}\cdots \frac 2 3\\ &= \frac{\{2n(2n-2)\cdots 2\}^2}{(2n+1)!}\\ &= \frac{(2^n n!)^2}{(2n+1)!} \end{align} </math> より、 <math>\begin{align} \lim_{n\to\infty} \sqrt{n}I_{2n+1} &= \lim_{n\to\infty} \frac{\sqrt n}{2n+1} \frac{2^{2n}(n!)^2}{(2n)!}\\ &= \lim_{n\to\infty} \frac{1}{2\sqrt n + \frac{1}{\sqrt n}} \frac{2^{2n}(n!)^2}{(2n)!}\\ &= \lim_{n\to\infty} \frac{1}{2\sqrt n} \frac{2^{2n}(n!)^2}{(2n)!} \end{align} </math> となるから、 <math> \lim_{n \to \infty} \frac{2^{2n}(n!)^2}{\sqrt n (2n)!} = \sqrt \pi </math> を得る。 '''解説''' <math> \lim_{n \to \infty} \frac{2 \cdot 2}{1 \cdot 3} \frac{4 \cdot 4}{3 \cdot 5} \cdots \frac{2n \cdot 2n}{(2n-1)(2n+1)} = \frac \pi 2 </math> はウォリスの公式と呼ばれる。整数の乗除のみで円周率が計算されるという点で興味深いが、収束はとても遅く実用的ではない。例えば、<math>\pi > 3.05</math> を証明するためには <math>n=8</math> まで計算しなくてはならない<ref><math>2\cdot \frac{2\cdot 2}{1\cdot 3} \cdots \frac{16\cdot 16}{15\cdot 17} =</math> 213084064972800/69850115960625 = 2147483648/703956825 = 3.05058...</ref>。また <math>\pi > 3.14</math> を示すには <math>n=493</math> まで計算する必要がある。ちなみに単調増加性は <math>\frac{2n \cdot 2n}{(2n-1)(2n+1)} = \frac{1}{1-\frac{1}{(2n)^2}} > 1</math> から従う。 また、<math> \lim_{n \to \infty} \frac{2^{2n}(n!)^2}{\sqrt n (2n)!} = \sqrt \pi </math> もウォリスの公式と呼ばれる。これはスターリングの公式やガウス積分を証明するために必要となる。 {{証明終わり}} {{解答|第四問}} (1) [[ファイル:Bounding_the_Integral_of_log_x_with_Trapezoids.svg|サムネイル|log x の台形近似]] <math>\log x </math> は上に狭義凸な関数だから、<math>\int_{k-1}^k \log x \, dx</math> は、直線 <math>x = k-1,\,x=k</math> と <math>y = \log x</math> の2つの交点を結んだ線分と <math>x</math> 軸、直線 <math>x = k-1,k</math> によって切り取られる台形(図の青の領域)の面積よりも大きい。台形の面積は、<math>\frac 1 2 \{\log k + \log(k-1)\} = \log k - \frac 1 2 \{\log k - \log(k-1)\}</math> である。また、 <math>\int_{k-1}^k \log x \, dx</math> は、<math>y = \log x</math> の任意の接線と <math>x</math> 軸、直線 <math>x = k-1,k </math> によって切り取られる台形(図のピンクの領域)の面積よりも小さい。特に <math>x = k</math> で接線を引くと、その傾きは <math>\frac 1 k</math> だから、接線と直線 <math>x = k-1</math> の交点の <math>y</math> 座標は <math>\log k - \frac 1 k</math> である。よって、この台形の面積は <math>\log k - \frac{1}{2k} </math> となる。従って、 <math> \log k - \frac 1 2 \{\log k - \log(k-1)\} < \int_{k-1}^k \log x \, dx < \log k - \frac{1}{2k} </math> を得る。 (2) <math>\log k - \frac 1 2 \{\log k - \log(k-1)\} < \int_{k-1}^k \log x \, dx </math> より、<math>\log k < \int_{k-1}^k \log x \, dx + \frac 1 2 \{\log k - \log(k-1)\} </math> となる。よって、 <math>\begin{align} \sum_{k=n+1}^{2n} \log k &< \int_n^{2n} \log x \, dx + \frac 1 2 (\log 2n - \log n) \\ &= \left[x\log x - x\right]_n^{2n} + \frac 1 2 (\log 2n - \log n) \\ &= \left(2n + \frac 1 2\right)\log 2n - \left(n + \frac 1 2 \right) \log n - n \end{align} </math> となる。また、<math>\log k > \int_{k-1}^k \log x \, dx + \frac{1}{2k} </math> より、 <math>\begin{align} \sum_{k=n+1}^{2n} \log k &> \int_n^{2n} \log x \, dx + \sum_{k=n+1}^{2n} \frac{1}{2k} \\ &= \left[x\log x - x\right]_n^{2n} + \frac 1 2 \left(\frac{1}{2n} - \frac{1}{n} + \sum_{k=n}^{2n-1} \frac{1}{k}\right) \\ \end{align}</math> となる。ここで、<math>\frac 1 x </math> は <math>x > 0 </math> で単調減少だから、 <math>\sum_{k=n}^{2n-1} \frac{1}{k} > \int_n^{2n} \frac{dx}{x} = \log 2n - \log n </math> となる。従って、 <math>\begin{align} \sum_{k=n+1}^{2n} \log k &> \left(2n + \frac 1 2\right)\log 2n - \left(n + \frac 1 2 \right) \log n - n - \frac{1}{4n} \\ \end{align}</math> を得る。 (3) <math>\begin{align} \log \frac{a_{2n}}{a_n} &= \log a_{2n} - \log{a_n}\\ &= \log (2n)! - \left(2n + \frac 1 2 \right) \log 2n + 2n - \log n! + \left(n + \frac 1 2 \right)\log n - n\\ &= \sum_{k=n+1}^{2k}\log k - \left(2n + \frac 1 2 \right) \log 2n + \left(n + \frac 1 2 \right)\log n + n \end{align}</math> であるから、(2) より <math>-\frac{1}{4n} < \log \frac{a_{2n}}{a_n} < 0</math> となる。従って、 <math>\lim_{n\to\infty} \log \frac{a_{2n}}{a_n} = 0</math> あるいは、 <math>\lim_{n\to\infty} \frac{a_{2n}}{a_n} = 1 </math> を得る。 (4) <math>\begin{align} \frac{2^{2n}(n!)^2}{\sqrt n (2n)!} &= \frac{2^{2n}}{\sqrt n} \left(\frac{n!}{n^{n+\frac 1 2}e^{-n}}\right)^2 \frac{(2n)^{2n+\frac 1 2}e^{-2n}}{(2n)!} \frac{\left(n^{n+\frac 1 2}e^{-n}\right)^2}{(2n)^{2n+\frac 1 2}e^{-2n}}\\ &= \frac{1}{\sqrt 2} \frac{a_n^2}{a_{2n}} \end{align}</math> であるから、 <math>\lim_{n\to\infty} a_n = \lim_{n\to\infty} \sqrt 2 \frac{2^{2n}(n!)^2}{\sqrt n (2n)!} \frac{a_{2n}}{a_n} = \sqrt{2\pi} </math> を得る。 '''解説''' (1)は凹関数の定積分の値を台形で評価する問題である。このような台形近似の問題は難関大ではよく見られる。 (4) から <math>\lim_{n\to\infty} \frac{n!}{\sqrt{2\pi} n^{n+1/2}e^{-n}} = 1</math> を得る。これは、<math>n</math> が大きいとき階乗を <math>n! \approx \sqrt{2\pi} n^{n+\frac 1 2} e^{-n}</math> と近似できることを意味する。これがスターリングの近似である。 本問は<math> \lim_{n\to \infty}\frac{a_{2n}}{a_n} </math>を求めてから <math> \lim_{n\to \infty}a_n </math> を求めさせているためやや遠回りに思うかもしれない。数列 <math>\{a_n\}</math> が0以外の実数に収束することを既知とすれば <math> \lim_{n\to \infty}\frac{a_{2n}}{a_n} = \frac{\lim_{n\to \infty}a_{2n}}{\lim_{n\to \infty}a_n} = 1 </math> となることはすぐに分かる。しかし、数列が収束することの条件について高校では詳しく扱わないため、厳密に <math> \lim_{n\to \infty}a_n </math> を求めるためには <math> \lim_{n\to \infty}\frac{a_{2n}}{a_n} </math> を経由する必要がある。一般に、下に有界な単調減少数列は収束するということが知られている<ref>詳しくは [[解析学基礎/実数]]を参照</ref>。これを認めれば、数列 <math>\{a_n\}</math> が収束することは、次のように証明することができる。 <math>\log k > \int_{k-1}^k \log x \, dx + \frac{1}{2k} </math> より、 <math>\begin{align} \log n ! &= \sum_{k=2}^n \log k \\ &> \int_{1}^n \log x \, dx + \frac 1 2 \sum_{k=2}^n\frac{1}{k}\\ &> n\log n - n + 1 + \frac 1 2 \int_{2}^{n+1}\frac{dx}{x}\\ &= n\log n - n + 1 + \frac 1 2 \{\log(n+1) - \log 2\} \end{align} </math> <math>\begin{align} \log a_n &= \log n! - \left(n + \frac 1 2\right)\log n + n \\ &> \frac 1 2 \{\log(n+1) - \log n \} + 1 - \frac 1 2 \log 2\\ &> 1 - \frac 1 2 \log 2 \end{align} </math> となるから、<math> a_n > \frac e \sqrt{2} </math> より下に有界である。 また、 <math> \begin{align} \log \frac{a_{n+1}}{a_n} &= \log(n+1) - \left(n + \frac 3 2\right)\log(n+1) + n+1 + \left(n+\frac 1 2\right)\log n - n\\ &= \frac 1 2 \{\log(n+1)+\log n\} - \int_n^{n+1} \log x dx\\ &< 0 \end{align} </math> から、<math> a_{n+1} < a_n. </math> すなわち単調減少であるから、<math>\{a_n\}</math> は収束する。 {{証明終わり}} {{解答|スターリングの近似の応用}} スターリングの近似は階乗を含む極限の問題に応用できる。例えば、演習問題2の(2)は、 <math>\begin{align} \lim_{n\to\infty} \left(\frac{(2n)!}{n!n^n}\right)^\frac{1}{n} &= \lim_{n\to\infty} \left(\frac{\sqrt{2\pi}(2n)^{2n+1/2}e^{-2n}}{\sqrt{2\pi}n^{n+1/2}e^{-n}n^n}\right)^\frac{1}{n}\\ &= \lim_{n\to\infty} \left(\frac{2^{2n + 1/2}}{e^{n}}\right)^\frac{1}{n}\\ &= \frac 4 e. \end{align}</math> また、スターリングの近似から二項分布の極限が正規分布に収束することが証明できる。 二項分布の確率分布は、 <math>P(X=k) = \frac{n!}{k!(n-k)!}p^kq^{n-k} </math> である。スターリングの近似より、 <math>\begin{align} \frac{n!}{k!(n-k)!}p^kq^{n-k} &\approx \frac{\sqrt{2\pi}n^{n+\frac 1 2}e^{-n}}{\sqrt{2\pi}k^{k+\frac 1 2}e^{-k}\sqrt{2\pi}(n-k)^{n-k+\frac 1 2}e^{-(n-k)}}p^kq^{n-k}\\ &= \frac{1}{\sqrt{2\pi}} \left(\frac{np}{k}\right)^k \left(\frac{nq}{n-k}\right)^{n-k} \sqrt{\frac{n}{k(n-k)}} \end{align}</math> となる。ここで、<math>\lim_{n\to\infty} \frac k n = p </math> であるから、 <math>\lim_{n\to\infty}\sqrt{\frac{n}{k(n-k)}} = \lim_{n\to\infty}\sqrt{\frac{1}{n\frac k n (1-\frac k n)}} = \frac{1}{\sqrt{npq}}</math> となる。 次に、<math>\log (1+x) \approx x - \frac 1 2 x^2 </math> の近似式を使うと、 <math>\begin{align}\log \left(\frac{np}{k}\right)^k &= k\log \left(1 - \frac{k-np}{k}\right) \\ &\approx -(k-np) - \frac 1 2 \frac{(k-np)^2}{k} \end{align}</math> <math>\begin{align}\log \left(\frac{nq}{n-k}\right)^{n-k} &= (n-k)\log \left(1 - \frac{n-k-nq}{n-k}\right) \\ &\approx -(n-k-nq) - \frac 1 2 \frac{(n-k-nq)^2}{n-k} \\ &= -(np-k) - \frac 1 2 \frac{(np-k)^2}{n-k}\end{align}</math> となる。さらに、 <math>\begin{align}\log \left(\frac{np}{k}\right)^k \left(\frac{nq}{n-k}\right)^{n-k} &\approx -\frac 1 2 \frac{(k-np)^2}{k}-\frac 1 2 \frac{(np-k)^2}{n-k}\\ &= -\frac 1 2 \frac{(k-np)^2}{npq} \left(\frac{npq}{k} + \frac{npq}{n-k}\right)\\ &\approx -\frac 1 2 \frac{(k-np)^2}{npq} \left(\frac{pq}{p} + \frac{pq}{1-p}\right)\\ &= -\frac 1 2 \frac{(k-np)^2}{npq} \end{align}</math> となる。最終的に、 <math>P(X=k) \approx \frac{1}{\sqrt{2\pi npq}} e^{-\frac{(k-np)^2}{2npq}}</math> を得る。これは、平均 <math>\mu = np</math> 分散 <math>\sigma^2 = npq</math> の正規分布である。 {{証明終わり}} {{解答|第五問}} (1) <math>\begin{align} I_{2n} &= \int_0^{\frac \pi 2} \cos^{2n}x dx \\ &= \left[x\cos^{2n}x\right]_0^{\frac \pi 2} + 2n\int_0^{\frac \pi 2} x\sin x \cos^{2n-1}x dx\\ &= 2n \left[\frac 1 2 x^2 \sin x \cos^{2n-1}x\right]_0^{\frac \pi 2} - n\int_0^{\frac \pi 2} x^2 \{\cos^{2n}x - (2n-1)\sin^2 x \cos^{2n-2}x \} dx \\ &= - n\int_0^{\frac \pi 2} x^2 \{\cos^{2n}x - (2n-1)(1-\cos^2 x) \cos^{2n-2}x \} dx \\ &= n(2n-1)J_{2n-2} -2n^2 J_{2n}. \end{align} </math> (2) <math> 0 \le x \le \frac \pi 2</math> で <math>\sin x</math> は上に凸であるから、<math> \frac{2}{\pi}x \le \sin x</math> となる。 (3) <math> \begin{align} J_{2n} &= \int_0^{\frac \pi 2} x^2 \cos^{2n}x dx \le \frac{\pi^2}{4} \int_0^{\frac \pi 2} \sin^2 x \cos^{2n} x dx \\ &= \frac{\pi^2}{4} (I_{2n} - I_{2n+2}) \\ &= \frac{\pi^2}{4} \frac{I_{2n}}{2n+2} \end{align} </math> となる。ただし、最後の行への変形で第一問(2)の漸化式を使った。 (4) (1) より、 <math> \begin{align} \frac{1}{n^2} &= \frac{(2n-1)J_{2n-2}}{n I_{2n}} - \frac{2J_{2n}}{I_{2n}}\\ &= \frac{2J_{2n-2}}{I_{2n-2}} - \frac{2J_{2n}}{I_{2n}} \end{align} </math> となる。ただし、最後の行への変形で第一問(2)の漸化式を使った。 よって、 <math> \sum_{k=1}^n \frac{1}{k^2} = \sum_{k=1}^n \left(\frac{2J_{2k-2}}{I_{2k-2}} - \frac{2J_{2k}}{I_{2k}}\right) = \frac{2J_{0}}{I_{0}} - \frac{2J_{2n}}{I_{2n}} </math> となる。ここで、<math>J_0 = \int_0^{\frac \pi 2} x^2 dx = \frac{\pi^3}{24},\, I_0 = \frac \pi 2</math> より、<math>\frac{2J_{0}}{I_{0}} = \frac{\pi^2}{6}. </math> また、<math> 0 < \frac{J_{2n}}{I_{2n}} \le \frac{\pi^2}{8(n+1)} </math> より、<math>\lim_{n\to\infty}\frac{J_{2n}}{I_{2n}} = 0 </math> となるから、<math> \sum_{k=1}^\infty \frac{1}{k^2} = \frac{\pi^2}{6} </math> を得る。 '''解説''' 本問は Daniel Daners. (2012). A Short Elementary Proof of Σ 1/k<sup>2</sup> = π<sup>2</sup>/6. ''Mathematics Magazine'', ''85''(5), 361–364. https://doi.org/10.4169/math.mag.85.5.361 を参考にした。 <math>\zeta(s) = \sum_{n=1}^\infty \frac{1}{n^s}</math> はゼータ関数と呼ばれるもので、数論において重要な関数である。この問題から <math>\zeta(2) =\frac{\pi^2}{6}</math> である。また、<math>\zeta(1) = \sum_{n=1}^\infty \frac{1}{n}</math> は調和級数であるため発散する。 <math>s</math> が実数のとき、<math>s > 1</math> で <math>\zeta(s)</math> は収束することを示すことができる。実際、<math>\frac{1}{n^s} < \int_{n-1}^n \frac{dx}{x^s}</math> となるから、<math>\sum_{n=2}^m \frac{1}{n^s} < \int_1^m \frac{dx}{x^s} = \frac{1}{s-1}(1-m^{1-s}) < \frac{1}{s-1}</math> であるから上界を持つ。また、各項は正であるため <math>\sum_{n=1}^m \frac{1}{n^s}</math> は単調増加である。従って、 <math>\zeta(s)</math> は <math>s > 1</math> のとき収束する。 <math>s < 1</math> のとき、<math>\frac{1}{n} < \frac{1}{n^s}</math> から、<math>\sum_{n=1}^m \frac{1}{n} < \sum_{n=1}^m \frac{1}{n^s}</math> となるため発散する。 解析接続という手法を用いることでゼータ関数の定義域を <math>s=1</math> を除く複素数にまで拡張することができる。 {{証明終わり}} {{解答|第六問}} (1) <math>f(x) = e^x - x - 1</math> とすると、<math>f'(x) = e^x - 1 ,\, f''(x) = e^x</math> だから、<math>f(x) </math> は上に狭義凸な関数で最小値は <math>f(0) = 0</math> である。従って、<math>x \neq 0</math> のとき <math>e^x > x + 1</math> である。よって、<math>e^{-x^2} > 1-x^2.</math> また、<math>e^{-x} < \frac{1}{1+x}</math> に <math>x^2</math> を代入して <math>e^{-x^2} < \frac{1}{1+x^2}</math> を得る。 (2) (1) より、<math>(1-x^2)^n < e^{-nx^2} </math> であるから、積分して <math>\int_0^1 (1-x^2)^n dx < \int_0^1 e^{-nx^2} dx </math> を得る。同様に、<math>e^{-nx^2} < \frac{1}{(1+x^2)^n}</math> を積分して <math>\int_0^{\tan \theta_0}e^{-nx^2} dx < \int_0^{\tan\theta_0}\frac{1}{(1+x^2)^n}dx</math> を得る。<math> \frac \pi 4 < \theta_0 < \frac \pi 2 </math> より、<math>1 < \tan\theta_0</math> である。また、<math>e^{-nx^2} > 0</math> から <math>\int_0^{1}e^{-nx^2} dx < \int_0^{\tan \theta_0}e^{-nx^2} dx </math> となる。したがって、 <math> \int_0^1 (1-x^2)^n dx < \int_0^{\tan\theta_0} e^{-nx^2}dx < \int_0^{\tan \theta_0} \frac{1}{(1+x^2)^n} dx </math> である。 (3) <math>x = \sin \theta</math> と変数変換して、 <math>\begin{align} \int_0^1 (1-x^2)^n dx &= \int_0^{\frac \pi 2} (1-\sin^2\theta)^n \cos\theta d\theta\\ &= \int_0^{\frac \pi 2} \cos^{2n+1}\theta d\theta\\ &= I_{2n+1} \end{align} </math> となる。また、<math>x = \tan\theta</math> と変数変換して、 <math>\begin{align} \int_0^{\tan \theta_0} \frac{dx}{(1+x^2)^n} &= \int_0^{\theta_0} \cos^{2n}\theta \frac{d\theta}{\cos^2\theta}\\ &= \int_0^{\theta_0} \cos^{2n-2}\theta d\theta \end{align} </math> となる。 <math>x \to \frac x \sqrt n </math> と変数変換すると、<math>\int_0^{\tan \theta_0} e^{-nx^2}dx = \frac 1 \sqrt n \int_0^{\frac{\tan\theta_0}{\sqrt n}} e^{-x^2}dx </math> となる。よって、 <math> \sqrt n I_{2n+1} < \int_0^{\frac{\tan\theta_0}{\sqrt n}} e^{-x^2}dx < \sqrt n \int_0^{\theta_0} \cos^{2n-2}\theta d\theta </math> となる。ここで、<math> \theta_0 \to \frac \pi 2 - 0</math> の極限を取ると <math> \lim_{\theta_0 \to \frac \pi 2 - 0}\int_0^{\frac{\tan\theta_0}{\sqrt n}} e^{-x^2}dx = \lim_{a \to \infty}\int_0^{a} e^{-x^2}dx = \int_0^\infty e^{-x^2}dx </math> となるから <math> \sqrt n I_{2n+1} < \int_0^\infty e^{-x^2}dx < \sqrt n I_{2n-2} </math> を得る。 (4) 第三問より、<math>\lim_{n\to\infty} \frac{I_{2n+1}}{I_{2n}} = 1 </math>, <math>\lim_{n\to\infty} \sqrt n I_{2n+1} = \frac{\sqrt \pi}{2} </math> であるから、 <math>\lim_{n\to\infty} \sqrt n I_{2n-2} = \lim_{m\to\infty} \sqrt n \frac{I_{2n+1}}{I_{2n}}\frac{I_{2n}}{I_{2n-1}}\frac{I_{2n-1}}{I_{2n-2}}I_{2n-2} = \frac{\sqrt \pi}{2} </math> となる。よって、 <math>\int_0^{\infty} e^{-x^2}dx = \frac{\sqrt \pi}{2}. </math> 被積分関数は偶関数だから、 <math>\int_{-\infty}^{\infty} e^{-x^2}dx = \sqrt \pi </math> を得る。 '''解説''' (4) で <math>x \to \sqrt a x</math> (<math>a</math> は正の実数)と変換すると、<math> \int_{-\infty}^\infty e^{-ax^2}dx = \sqrt{\frac{\pi}{a}} </math> を得る。これを使うと正規分布の確率密度関数が<math> \frac{1}{\sqrt{2\pi \sigma^2}} \int_{-\infty}^\infty e^{-\frac{(x-\mu)^2}{2\sigma^2}}dx = 1 </math> と正規化されていることが分かる。また、 <math> \begin{align} \int_{-\infty}^\infty e^{-ax^2}dx &= [xe^{-ax^2}]_{-\infty}^{\infty} + \int_{-\infty}^\infty 2ax^2 e^{-ax^2}dx\\ &= \int_{-\infty}^\infty 2ax^2 e^{-ax^2}dx \end{align} </math> より、<math> \int_{-\infty}^\infty x^2 e^{-ax^2}dx = \frac 1 2 \sqrt{\frac{\pi}{a^3}} </math> を得る。よって、正規分布の分散は <math> \begin{align} V[X] &= \frac{1}{\sqrt{2\pi \sigma^2}} \int_{-\infty}^\infty (x-\mu)^2 e^{-\frac{(x-\mu)^2}{2\sigma^2}}dx\\ &= \frac{1}{\sqrt{2\pi \sigma^2}} \int_{-\infty}^\infty x^2 e^{-\frac{x^2}{2\sigma^2}}dx\\ &= \sigma^2 \end{align} </math> となる。 {{証明終わり}} == 脚注 == <references/> <references group="ヒント"/> {{DEFAULTSORT:こうとうかつこうすうかくIII せきふんほう}} [[Category:高等学校数学III|せきふんほう]] [[カテゴリ:積分法]] sei9j9f3qoiabvi6y1c8tenppvl12lm 298946 298940 2026-04-30T09:06:41Z Tkkn46tkkn46 89925 /* 脚注 */ 関連項目の追加 298946 wikitext text/x-wiki {{pathnav|高等学校の学習|高等学校数学|高等学校数学III|pagename=積分法|frame=1|small=1}} ここでは、数学IIの[[高等学校数学II/微分・積分の考え|微分・積分の考え]]で学んだ積分の性質についてより詳しく扱う。また、三角関数や指数・対数関数などの関数の積分についても学習する。 [[高等学校数学]]の全ての分野を学んだ後に学習に取り組んでほしい。 == 不定積分 == === 積分の基本的な性質 === 積分法について <math>\int \{ f(x) + g(x) \} dx = \int f(x) dx + \int g(x) dx ,</math> <math>\int af(x) dx = a \int f(x) dx</math>(aは定数) が成り立つ。 導出 <math>\int \{ f(x) + g(x) \} dx = \int f(x) dx + \int g(x) dx</math> の両辺を微分すると、 左辺 =右辺 = <math> f + g</math> が従う。 よって、 <math>\int \{ f(x) + g(x) \} dx = \int f(x) dx + \int g(x) dx</math> の両辺は一致する。 (実際には2つの関数の導関数が一致するとき、 それらの関数には定数だけのちがいがある。 仮に、F(x)とG(x)が共通の導関数h(x)を持ったとする。 このとき、 <math>(F(x)-G(x) )' = h(x)- h(x) = 0</math> となるが、0の原始関数は定数Cであることが分かる。 よって、両辺を積分すると、 <math>F(x)-G(x) = C</math> となり、F(x)とG(x)には定数だけの差しかないことが確かめられた。 よって、 <math>\int \{ f(x) + g(x) \} dx = \int f(x) dx + \int g(x) dx</math> は定数だけのちがいを含んで成り立つ式である。 より一般に、不定積分が絡む等式は定数分の差を含めて成り立つというのが通例である。) <math>\int af(x) dx = a \int f(x) dx</math> についても両辺を微分すると、 左辺=右辺= a f(x) が従う。 よって、 <math>\int af dx = a\int f dx</math> が成り立つことが分る。 関数 <math>f(x)</math> の原始関数を <math>F(x)</math> とすると <math>\int_a^b f(x) \, = F(b)-F(a) = -(F(a)-F(b)) = -\int_b^af(x)\, dx</math> である。 <math>\int_{a}^{c} f(x) \, dx + \int_{c}^{b} f(x) \, dx = (F(c) - F(a)) + (F(b) - F(c)) = F(b) - F(a) = \int_{a}^{b} f(x) \, dx</math> === 置換積分法 === 関数の原始関数を求める手段として、 積分変数を別の変数で置き換えて積分を行なう手段が知られている。 これを置換積分と呼ぶ。 <math>\int f(g(x)) dg(x) = \int f(g(x)) g'(x) dx</math> 導出 <math>\int f(g(x)) dg(x) =F(g(x))</math>を<math>x</math>について微分すると、 <math>F'(g(x)) = f(g(x))g'(x)</math> 再び<math>x</math>について積分すると、 <math>\int f(g(x)) dg(x) = \int f(g(x)) g'(x) dx</math> また、特に *<math>\int f(ax+b) dx = \frac{1}{a} \int f(ax+b) d(ax+b)</math> *<math>\int \{f(x)\}^n f'(x) dx = \frac{1}{n+1} \{f(x)\}^{n+1} + C (n \ne -1)</math> *<math>\int \frac{f'(x)}{f(x)} dx = \log | f(x) | + C</math> 例えば、<math>\int (ax+b)^2 dx</math>を考える。 <math>t = ax+b</math>と置く。 この両辺を微分すると <math>dt = adx</math> が成り立つことを考慮すると、 {| |- |<math>\int t^2 \frac {dt} a</math> |<math>=\frac{ t^3} {3a} + C</math> |- | |<math>=\frac{ (ax+b)^3} {3a} + C</math> |} となることがわかる。 実際この式をxで微分すると <math> (ax+b)^2 </math> と一致することが分る。 置換積分を使わずに計算することも出来る。 {| |- |<math>\int (ax+b)^2 dx</math> |<math>=\int (a^2x^2+2abx +b^2) dx</math> |- | |<math>= \frac {a^2} 3 x^3 +abx^2 +b^2x + C'</math> |- | |<math>= \frac {a^2} 3 x^3 +abx^2 +b^2x + \frac {b^3} {3a} +C</math> |} (<math>C'=\frac {b^3} {3a} +C</math>と置き換えた。) <math>=\frac{ (ax+b)^3} {3a} + C</math> となり確かに一致する。 === 部分積分法 === 関数の積の積分を行なうときある関数の微分だけを取りだして積分すると、うまく積分できる場合がある。関数 <math>g(x)</math> の原始関数を <math>G(x)</math> とすると <math>\int f(x) g(x) \, dx = f(x) G(x) - \int f'(x) G(x) \, dx</math> 導出 積の微分法より <math>\{f(x)G(x)\}' = f'(x)G(x) + f(x)g(x)</math> である。これを移項して <math>f(x)g(x) = \{f(x)G(x)\}' - f'(x)G(x)</math> である。両辺をxで積分して <math>\int f(x) g(x) \, dx = f(x) G(x) - \int f'(x) G(x) \, dx</math> が得られる。 例えば、 {| |- |<math>\int x (ax+b)^3 dx</math> |<math>=\int x \left(\frac {(ax+b)^4} {4a} \right)' dx</math> |- | |<math>=x \left(\frac {(ax+b)^4} {4a} \right)- \int (x)' \frac {(ax+b)^4} {4a} dx</math> |- | |<math>=x \left(\frac {(ax+b)^4} {4a} \right)- \int (x)' \frac {(ax+b)^4} {4a} dx</math> |- | |<math>=x \left(\frac {(ax+b)^4} {4a} \right)- \int \frac {(ax+b)^4} {4a} dx</math> |- | |<math>=x \left(\frac {(ax+b)^4} {4a} \right)- \frac {(ax+b)^5} {20a^2} </math> |} 部分積分を <math>n</math> 回行うと、 <math>\begin{align} \int f(x) g(x) \, dx &= f(x) g^{(-1)}(x) - \int f'(x) g^{(-1)}(x) \, dx \\ &= f(x) g^{(-1)}(x) -f'(x) g^{(-2)}(x) + \int f''(x) g^{(-2)}(x) \, dx \\ &= f(x) g^{(-1)}(x) - f'(x) g^{(-2)}(x) + f''(x) g^{(-3)}(x) + \cdots + (-1)^n \int f^{(n)}(x) g^{(-n)}(x) \, dx \end{align}</math> となる。 ここで、<math>g^{(-1)}(x)</math> は <math>g(x)</math> の不定積分の任意の一つ。<math>g^{(-2)}(x)</math> は <math>g^{(-1)}(x)</math> の不定積分の任意の一つ。... <math>g^{(-n)}(x)</math> は <math>g^{(-n+1)}(x)</math> の不定積分の任意の一つというように定める。このように、積分記号で何回も不定積分を計算するのはやや面倒なので、次のような表を作ってみると計算しやすい。 {|class="wikitable" style="background: #ffffff; text-align: center;" |+ !符号 !微分 !積分 |- |<math>+</math> |<Math>f(x)</math> |<Math>g(x)</math> |- |<math>-</math> |<Math>f'(x)</math> |<Math>g^{(-1)}(x)</math> |- |<math>+</math> |<Math>f''(x)</math> |<Math>g^{(-2)}(x)</math> |- |<math>-</math> |<Math>f^{(3)}(x)</math> |<Math>g^{(-3)}(x)</math> |- |<math>\cdots</math> |<Math>\cdots</math> |<Math>\cdots</math> |- |<math>(-)^n</math> |<Math>f^{(n)}(x)</math> |<Math>g^{(-n)}(x)</math> |} この表から、部分積分を <math>n</math> 回行った結果は、 一行目の符号 × 一行目の微分 × 二行目の積分 + 二行目の符号 × 二行目の微分 × 三行目の積分 + ... + <math>\int</math> n行目の符号 × n行目の微分 × n行目の積分 dx と求まる。n行目の微分 が 0 であった場合は、最後の積分は消えて、不定積分は 一行目の符号 × 一行目の微分 × 二行目の積分 + 二行目の符号 × 二行目の微分 × 三行目の積分 + ... + n-1行目の符号 × n-1行目の微分 × n行目の積分 + C となる。 この方法は俗に'''瞬間部分積分法'''と呼ばれており、部分積分を複数回繰り返す際の計算を非常に簡略化できるため、受験数学では重宝されるテクニックの一つである。記述で用いる場合、上の表をそのまま記述するよりも、「部分積分を繰り返し用いると」という文言の後に瞬間部分積分で求めた結果を記述するのが無難である。 === いろいろな関数の積分=== ==== 多項式関数の積分 ==== <math>n \ne -1</math>のとき、<math>\left(\frac{1}{n+1} x^{n+1}\right)'=x^n</math>なので、 <math>\int x^n dx = \frac{1}{n+1} x^{n+1} + C</math> <math>n = -1</math>のとき、<math>(\log |x| )' = \frac{1}{x} = x^{-1}</math>なので、 <math>\int x^{-1} dx = \int \frac {1}{x} dx = \log |x| + C</math> が成り立つ。 ==== 三角関数の積分 ==== *<math>(\sin x )' = \cos x</math> *<math>(\cos x )' = -\sin x</math> *<math>(\tan x )' = \frac{1}{\cos^2 x}</math> が成り立つことを考慮すると、 *<math>\int \cos x dx= \sin x + C</math> *<math>\int \sin x dx = - \cos x + C</math> *<math>\int \frac{1}{\cos^2 x } dx = \tan x + C</math> となることが分る。 <math>\int \tan x dx</math>は、置換積分法を使って {| |- |<math>\int \tan x dx</math> |<math>=\int \frac{\sin x}{\cos x} dx</math> |- | |<math>=\int \frac{-(\cos x)'}{\cos x} dx</math> |- | |<math>= - \int \frac{(\cos x)'}{\cos x} dx</math> |- | |<math>= - \log | \cos x | + C</math> |} :  :なお同様に、<math>\frac{1}{\tan x} = \frac{\cos x}{\sin x}</math> であるので、<math>\int \frac{1}{\tan x} dx = \int \frac{\cos x}{\sin x} dx =\int \frac{(\sin x)'}{\sin x} dx = \log \left|\sin x\right| + C</math> :  より一般に有理関数 <math>R(x,y)</math> に対して、<math>\int R(\sin\theta,\cos\theta) \,d\theta</math> について考える。 <math>t = \tan \frac{\theta}{2}</math> とおく。 <math>\tan^2\frac{\theta}{2} + 1 = \frac{1}{\cos^2\frac{\theta}{2}}</math> よって <math>\cos^2\frac{\theta}{2} = \frac{1}{1+t^2}</math>である。<math>\frac{dt}{d\theta} = \frac{d}{d\theta}\tan\frac{\theta}{2} = \frac{1}{2\cos^2\frac{\theta}{2}} = \frac{1}{2}(t^2+1)</math> であり、<math>\cos\theta = 2\cos^2\frac{\theta}{2} - 1 = \frac{1-t^2}{1+t^2}</math> かつ <math>\sin\theta = \tan\theta\cos\theta = \frac{2\tan\frac{\theta}{2}}{1-\tan^2\frac{\theta}{2}}\cos\theta = \frac{2t}{1+t^2}</math> である。よって <math>\int R(\sin\theta,\cos\theta) \,d\theta = \int R\left(\frac{2t}{1+t^2}, \frac{1-t^2}{1+t^2}\right) \, \frac{2dt}{1+t^2}</math> と有理関数の積分にもち込める。 幾何学的は、この変換は単位円上の点 <math>P(\cos \theta, \sin \theta)</math>と点 <math>A(-1,0)</math> を結ぶ直線の勾配 <math>t</math> で変換したものである。実際円周角の定理より <math>\angle xAP = \frac 1 2 \angle xOP = \frac \theta 2</math>より <math>t = \tan \frac{\theta} 2.</math> 被積分関数の周期が <math>\pi</math> の場合は、被積分関数は <math>\sin 2\theta,\cos 2 \theta</math> の有理関数なので、 <math>t = \tan\theta</math> と置換すると計算が楽である。被積分関数が <math>\sin^2\theta,\cos^2\theta,\sin\theta\cos\theta</math> の有理関数となるときもこの範疇に属する。<math>t = \tan\theta</math> と置換したとき、<math>\cos^2\theta = \frac{1}{1+\tan^2\theta}=\frac{1}{1+t^2}</math>, <math>\sin^2\theta = \tan^2 \theta \cos^2 \theta = \frac{t^2}{1+t^2}</math> , <math>\sin\theta \cos\theta = \pm\sqrt{\sin^2\theta \cos^2\theta} = \frac{t}{1+t^2}</math> (<math>\sin\theta \cos\theta</math> と <math>\tan\theta = \frac{\sin\theta}{\cos\theta}</math> の正負は一致するため), <math>d \theta = \frac {dt}{1 + t^2}</math> となる。 例 <math>\int\frac{1}{\sin x \cos x}dx</math> は <math>t = \tan x</math> と置換すると、<math>\int \frac {1}{\sin x \cos x}dx = \int \frac {1+t^2}{t} \frac { dt}{1+t^2} = \ln|\tan x| + C. </math> <math>t = \tan \frac{\theta}{2}</math> と置換してしまうと、<math>\int \frac{1}{\sin x \cos x}\,dx = \int \frac {1+t^2}{t(1-t^2)}\,dt = \ln \left|\frac{t}{1-t^2}\right| + C' = \ln|\tan x| + C </math> と計算量が少し増える。 ==== 指数・対数関数の積分 ==== 指数関数について <math>(e^x )' = e^x</math> が成り立つことを用いると、 <math>\int e^x dx = e^x + C</math> が得られる。 また、 <math>\left(\frac{a^x}{\ln a}\right)' = a^x</math> なので、 <math>\int a^x \, dx=\frac{a^x}{\ln a}</math> である。 また、<math>\log |x|</math>の 原始関数も求めることが出来る。 {| |<math>\int \log |x| dx </math> |<math>=\int (x)' \log |x| dx </math> |- | |<math>=x \log |x| -\int x (\log |x|)' dx </math> |- | |<math>=x \log |x| -\int x \frac 1 x dx </math> |- | |<math>=x \log |x| -\int dx </math> |- | |<math>=x \log |x| -x + C</math> |} となる。 有理関数 <math>R(x)</math> に対して、積分 <math>\int R(e^x) \, dx</math> は <math>t = e^x</math> すると <math>\frac{dt}{dx} = e^x = t</math> より <math>\int R(e^x) \, dx = \int R(t) \frac{dt}{t}.</math> ==== 二次無理関数の積分(発展) ==== 有理関数 <math>R(x,y)</math> に対して、積分 <math>\int R(x,\sqrt{ax^2 + bx + c}) \, dx</math> について考えよう。平方根の中身は平方完成することによって、<math>\sqrt{p^2-x^2},\sqrt{x^2+p^2},\sqrt{x^2-p^2}</math>のいずれかの形になる。それぞれの場合について、<math>x = p\sin \theta,x = p\tan\theta,x = \frac{p}{\cos \theta}</math> と変数変換すると三角関数の積分に帰着する。 また、<math>y^2 = ax^2 +bx + c</math> は二次曲線で、特に <math>a>0</math> のときは双曲線となる(<math>y^2 -a\left(x+\frac{b}{2a}\right)^2 = \frac{-b^2 + 4ac}{4a}</math>より<ref>右辺が0のとき双曲線とはならないが、このときは簡単に平方根を外すことが出来るので考える必要はない。</ref>)。このとき、<math>y=\pm \sqrt a x + t</math> すなわち <math>t = \mp \sqrt a x + \sqrt{ax^2 + bx + c}</math> と変換するとうまく計算できる(符号はどちらを選択しても良い)。幾何学的には、双曲線の漸近線に平行で切片が <math>t</math> の直線 <math>y=\pm \sqrt a x + t</math> と双曲線のただ一つの交点 <math>(x,y)</math> を変数 <math>t</math> で表したものである。 例 <math>\int \frac{dx}{\sqrt{x^2-1}} </math> は <math>t = x + \sqrt{ x^2-1}</math> と置換すると、<math>\frac 1 t = x - \sqrt{x^2-1}</math> なので、<math>t + \frac 1 t = 2x</math> すなわち <math>2dx = \left(1 - \frac 1 {t^2}\right)dt</math> また、 <math>t - \frac 1 t = 2\sqrt{x^2-1}</math>.なので、<math>\int \frac{dx}{\sqrt{x^2-1}} = \int \frac{1-\frac{1}{t^2}}{t-\frac 1 t}dt = \int \frac{dt}{t} = \ln |x + \sqrt{x^2-1}| + C </math> である。 ところで、この変換は双曲線 <math>y^2 = x^2 - 1</math> と直線 <math>y = -x + t</math> のただ一つの交点による変換であった。その交点を方程式を解いて <math>t</math> で表すと、<math>x = \frac 1 2 \left(t + \frac 1 t\right), \, y =\frac 1 2 \left(t - \frac 1 t\right)</math> を得る。これは双曲線の媒介変数表示の一つである。また、 <math>t \rightarrow e^t</math> とすると、<math>x = \frac{e^t + e^{ -t} }{2} = \cosh t, \, y = \frac{e^t - e^{-t}}{2} = \sinh t.</math> これは <math>x > 0</math> の部分の双曲線の媒介変数表示である。最右辺は双曲線関数と呼ばれ、三角関数と似た性質を持つ。関数名の <math>\mathrm{h}</math> はhyperbolaに由来する。例えば、双曲線の方程式より得られる <math>\cosh^2 t - \sinh^2 t = 1</math> は <math>\sin^2\theta + \cos^2\theta = 1</math> とよく似ている。例示の不定積分は <math>x = \cosh t</math> と置換しても解くことが出来るが、ほとんど同じことなので省略する。 == 定積分 == 定積分について、不定積分と同じように以下が成り立つ。 '''定積分の置換積分法''' <math>\alpha < \beta</math>のとき、開区間<math>[\alpha, \beta]</math>で微分可能な関数<math>x=g(t)</math>に対し、<math>a=g(\alpha), b=g(\beta)</math>ならば<math>\int_{a}^{b} f(x) \, dx = \int_{\alpha}^{\beta} f(g(t)) g'(t) \, dt </math> '''定積分の部分積分法''' <math>\int_{a}^{b} f(x) g'(x) \, dx = \left[ f(x) g(x) \right]^{a}_{b} - \int_{a}^{b} f'(x) g(x) \, dx </math> *問題 **以下の定積分を求めよ(Hint:5, 6は漸化式を利用する) **#<math>\int_{0}^{1} |e^x - \frac{3}{2}| \, dx</math> **#<math>\int_{1}^{0} \frac{x-2}{(3-x)^2} \, dx</math> **#<math>\int_{-5}^{5} x \sqrt{x^2-9} \, dx</math> **#<math>\int_{3}^{7} x \log (x^2 - 2) \, dx </math> **#<math>\int_{0}^{\frac{\pi}{2}} \sin^n x \, dx</math> **#<math>\int_{0}^{\frac{\pi}{4}} \tan^n x \, dx</math> === 特殊な定積分 === ==== 円 ==== <math>a < b</math> とする。積分 <math>\int_a ^b \sqrt{(x-a)(b-x)}\, dx</math> は <math>y = \sqrt{(x-a)(b-x)}</math> とすると、<math>\left(x-\frac{a+b}{2} \right) + y^2 = \left(\frac{a-b}{2} \right)^2</math> より、被積分関数 <math>y</math> は中心 <math>\frac{a+b}{2}</math> で半径 <math>\frac{b-a}{2}</math>の円周の上半分であり、積分区間もその両端なので、積分の値は半円の面積に等しく、<math>\int_a ^b \sqrt{(x-a)(b-x)} \, dx = \frac{\pi}{2}\left(\frac{b-a}{2}\right)^2</math> である。 ==== King Property ==== 一般に、関数 <math>f(a-x)</math> のグラフは関数 <math>f(x)</math> のグラフを直線 <math>x = \frac a 2</math> で対称移動したものである。 従って、連続関数 <math>f(x)</math> を区間 <math>\left[\frac{a+b}{2},b\right]</math> で積分した値 <math>\int_{\frac{a+b}{2}}^{b} f(x) \, dx</math> と、連続関数 <math>f(a+b-x)</math> を区間 <math>\left[a,\frac{a+b}{2}\right]</math> で積分した値 <math>\int_{a}^{\frac{a+b}{2}} f(a+b-x)\, dx</math> は等しい: :<math>\int_{\frac{a+b}{2}}^{b} f(x) \, dx = \int_{a}^{\frac{a+b}{2}} f(a+b-x) \, dx.</math> この等式は単に、 <math>x \to a+b-x</math> の変数変換によっても導出できる。 この等式より、 <math>\int_a^b f(x) \, dx = \int_{a}^{\frac{a+b}{2}} f(x)\, dx +\int_{\frac{a+b}{2}}^{b} f(x) \, dx = \int_{a}^{\frac{a+b}{2}} [f(x) + f(a+b-x)] \, dx </math> が導かれる。 この公式は、<math>f(x) + f(a+b-x)</math> が簡単な形になる定積分で役に立つ。 例えば、<math>\begin{align}\int_{0}^{\frac{\pi}{2}} \frac{\sin x}{\sin x + \cos x} \, dx &= \int_{0}^{\frac{\pi}{4}} \left[\frac{\sin x}{\sin x + \cos x} +\frac{\sin (\frac{\pi}{2}-x)}{\sin (\frac{\pi}{2}-x) + \cos (\frac{\pi}{2}-x)}\right]\, dx \\ &= \int_{0}^{\frac{\pi}{4}} \left[\frac{\sin x}{\sin x + \cos x} +\frac{\cos x}{\cos x + \sin x}\right]\, dx \\ &= \int_{0}^{\frac{\pi}{4}}dx = \frac{\pi}{4}.\end{align} </math> King Property の応用例は <math>\int_{-1}^{1} \frac{x^2}{1+e^x} \, dx = \frac 1 3</math> , <math>\int_0^{\frac \pi 4} \ln(1+\tan x)\, dx = \frac \pi 8 \log 2</math> , <math>\int_0^{\frac \pi 2} \log (\sin x) \, dx = -\frac{\pi}{2}\log 2</math>, <math>\int_0^{2\pi} \cos^2\left(\frac{\pi\tan{x}}{2+2\tan{x}}\right)dx=\frac{\pi}{2}</math> などがある。計算してみよ。 === 定積分と不等式 === 一般に、連続関数について次のことが成り立つ。 :開区間<math>[a, b]</math>において<math>f(x) \leqq g(x)</math>ならば、<math>\int_{a}^{b} f(x) \, dx \leqq \int_{a}^{b} g(x) \, dx</math> :等号成立条件は開区間<math>[a, b]</math>において恒等的に<math>f(x) = g(x)</math>であること。 *例題 :調和級数の第n部分和が<math>\log(n+1)</math>より大きいことを証明せよ。 *解答 自然数kに対して<math>k \leqq x \leqq k+1</math>のとき<math>\frac{1}{k} \geqq \frac{1}{x}</math>であり、等号は常には成り立たないので<math>\int_{k}^{k+1} \frac{dx}{k} > \int_{k}^{k+1} \frac{dx}{x}</math>である。故に<math>\sum_{k=1}^{n} \int_{k}^{k+1} \frac{dx}{k} > \sum_{k=1}^{n} \int_{k}^{k+1} \frac{dx}{x}</math>。 このとき、(左辺)<math>= \sum_{k=1}^{n} \frac{1}{k} \int_{k}^{k+1} dx = \sum_{k=1}^n \frac{1}{k}</math>より左辺は調和級数の第n部分和であり、(右辺)<math>= \sum_{k=1}^{n} \int_{k}^{k+1} \frac{dx}{x} = \int_{1}^{n+1} \frac{dx}{x} = \left[ \log(x) \right]_{1}^{n+1} = \log(n+1) - \log(1) = \log(n+1)</math>なので、題意は示された。 ===発展:広義積分=== '''広義積分'''とは、通常の定積分の範囲を超えて積分区間が無限であったり被積分関数が積分区間内で'''特異点'''(値が定義されなかったり微分不可能だったり不連続であったりする点)を持つ場合に、極限を用いて定義される定積分である。 定積分<math>\int_a^b f(x) \, dx</math>において、<math>b \to \infty</math>の極限を<math>\int_a^\infty f(x) \, dx</math>、<math>a \to -\infty</math>の極限を<math>\int_{-\infty}^b f(x) \, dx</math>のように表す。 例えば、<math>\int_0^\infty e^{-x} dx</math>は以下のように計算できる。 :<math>\int_0^\infty e^{-x} dx</math> :<math>=\lim_{b \to \infty} \int_0^b e^{-x} dx</math> :<math>=\lim_{b \to \infty} [-e^{-x}]_0^b </math> :<math>=\lim_{b \to \infty} (-\frac{1}{e^b} + 1)</math> :<math>=1</math> 但し、極限操作の前に定積分を計算してよいのは以下の場合に限られる。 :被積分関数が連続(定積分可能) :積分区間の内部に特異点が存在しない(特異点が端点のみ) :求めたい積分が(条件)収束する(発散しない) 積分区間の上端が正の無限大で下端が負の無限大のとき、広義積分は以下のように計算される。 :<math>\int_{-\infty}^{\infty} f(x) \, dx = \lim_{a \to -\infty} \lim_{b \to \infty} \int_a^b f(x) \, dx</math> 決して<math>\int_{-\infty}^{\infty} f(x) \, dx = \lim_{A \to \infty} \int_{-A}^A f(x) \, dx</math>(対称極限)のように計算してはならない。 例えば、<math>\int_{-\infty}^{\infty} \frac{x}{1+x^2} \, dx</math>は発散するが、対称極限のように計算すると<math>\lim_{A \to \infty} \int_{-A}^{A} \frac{x}{1+x^2} \, dx = 0</math>という誤った結果を得る。 この例のように、非積分関数が奇関数であっても<math>\int_{-\infty}^{\infty} f(x) \, dx=0</math>は一般には成り立たない。あくまでも、'''上端と下端を独立に考えて極限を取る'''ことに注意が必要である。 例えば、以下が成り立つ。 :<math>\int_{-\infty}^\infty e^{-ax^2} dx = \sqrt{\frac{\pi}{a}}</math> これは'''ガウス積分'''と呼ばれる有名な結果である。 この値の導出には重積分やヤコビ行列といった大学範囲の数学が良く用いられるが、一応は高校数学のみで証明可能である。後述の演習問題を参照。 この結果は[[高等学校数学B/確率分布と統計的な推測#正規分布|正規分布の確率密度関数]]の導出に用いられる。 :元となる関数は<math>y=e^{-x^2}</math>。 :平均値<math>\mu</math>を軸に持ってくる平行移動をして<math>y=e^{-(x-\mu)^2}</math>。 :分布の広さ(ばらつきの大きさ)を標準偏差<math>\sigma</math>に合わせるため<math>\mu \pm \sigma</math>で極値をとるように変形して<math>y=e^{-\frac{(x-\mu)^2}{2\sigma^2}}</math> :ガウス積分の結果より<math>\int_{-\infty}^\infty e^{-\frac{(x-\mu)^2}{2\sigma^2}} \, dx = \sqrt{2\pi}\sigma</math>。 :確率密度関数は<math>\int_{-\infty}^{\infty} f(x) \, dx=1</math>を満たすので、元の関数を<math>\sqrt{2\pi}\sigma</math>(定数)で割って<math>y=\frac{1}{\sqrt{2\pi}\sigma} e^{-\frac{(x-\mu)^2}{2\sigma^2}}</math>。 :これは正規分布の特徴を適切に表すため、確率密度関数として適当である。 他に、<math>\int_{-\infty}^{\infty} \sin(x^2) \, dx = \int_{-\infty}^{\infty} \cos(x^2) \, dx = \sqrt{\frac{\pi}{2}}</math>('''フレネル積分''')が有名な結果である。なお、この積分は不定積分を[[w:初等関数]]で表すことができない。 広義積分の応用例として、'''フーリエ変換'''や'''ラプラス変換'''が存在する。 :<math>\text{ℱ}[f(x)](\xi):=\int_{-\infty}^\infty f(x)e^{-2\pi{i}\xi{x}}dx</math> :<math>\text{ℒ}[f(x)](s):=\int_0^\infty f(x)e^{-sx}dx</math> これらは物理的には信号処理や制御工学に応用されているほか、数学では関数解析学と呼ばれる分野にも関わる概念である。 '''演習問題1''' 次の不定積分を求めよ。 :(1)<math>\int \tan xdx</math> :(2)<math>\int \frac{1}{\cos ^2x}dx</math> :(3)<math>\int \log xdx</math> :(4)<math>\int x\log xdx</math> :(5)<math>\int x^2\log xdx</math> :(6)<math>\int x^3\log xdx</math> :(7)<math>\int x\sin xdx</math> :(8)<math>\int x^2\sin xdx</math> :(9)<math>\int x^2e^xdx</math> :(10)<math>\int \frac{dx}{\sin x}</math> :(11)<math>\int \frac{dx}{\cos x}</math> {{解答}} :(1)<math>-\log |\cos x|+C</math> :(2)<math>\tan x+C</math> :(3)<math>x\log x-x+C</math> :(4)<math>\frac{x^2\log x}{2}-\frac{x^2}{4}+C</math> :(5)<math>\frac{x^3\log x}{3}-\frac{x^3}{9}+C</math> :(6)<math>\frac{x^4\log x}{4}-\frac{x^4}{16}+C</math> :(7)<math>\sin x-x\cos x+C</math> :(8)<math>2x\sin x+(2-x^2)\cos x+C</math> :(9)<math>(x^2-2x+2)e^x+C</math> :(10) <math> t = \tan\frac x 2 </math> と置換すると、 <math> \begin{align} \int \frac{dx}{\sin x} &= \int \frac{1+t^2}{2t}\frac{2dt}{1+t^2}\\ &= \int \frac{dt}{t}\\ &= \log |t| + C\\ &= \log \left|\tan\frac x 2 \right| + C. \end{align}</math> 別解 <math>\begin{align} \int \frac{dx}{\sin x} &= \int \frac{dx}{2\sin\frac x 2 \cos \frac x 2}\\ &= \int \frac{\cos\frac x 2 dx}{2\sin\frac x 2 \cos^2 \frac x 2}\\ &= \int \frac{(\tan \frac x 2)'dx}{\tan \frac x 2}\\ &= \log \left|\tan\frac x 2 \right| + C. \end{align}</math> <math>\begin{align} \int \frac{dx}{\sin x} &= \int \frac{\sin x}{\sin^2 x} dx\\ &= \int \frac{\sin x}{1- \cos^2 x} dx\\ &= \frac 1 2 \int \frac{\sin x}{1 - \cos x} dx + \frac 1 2 \int \frac{\sin x}{1 + \cos x} dx\\ &= \frac 1 2 \int \frac{(1 - \cos x)'}{1 - \cos x} dx - \frac 1 2 \int \frac{(1 + \cos x)'}{1 + \cos x} dx\\ &= \frac 1 2 \log \left|\frac{1-\cos x}{1+\cos x} \right| + C \\ &= \frac 1 2 \log \frac{1-\cos x}{1 + \cos x} + C. \end{align}</math> ちなみに、半角の公式より <math>\log \left|\tan\frac x 2 \right| = \frac 1 2 \log \left|\frac{\sin^2 \frac x 2}{\cos^2 \frac x 2}\right| = \frac 1 2 \log \frac{1-\cos x}{1 + \cos x} </math> が成り立つ。 :(11) <math> \begin{align} \int \frac{dx}{\cos x} &= \int \frac{dx}{\sin(x + \frac \pi 2)}\\ &= \log \left|\tan\left(\frac x 2 + \frac \pi 4 \right) \right| + C. \end{align}</math> 別解 <math> t = \tan\frac x 2 </math> と置換すると、 <math> \begin{align} \int \frac{dx}{\cos x} &= \int \frac{1+t^2}{1-t^2} \frac{2dt}{1+t^2}\\ &= \int \frac{2dt}{1-t^2}\\ &= \int \frac{dt}{1+t} + \int \frac{dt}{1-t}\\ &= \log \left|\frac{1+t}{1-t}\right| + C\\ &= \log \left|\frac{1+\tan\frac x 2}{1-\tan\frac x 2}\right| + C.\\ \Big( &= \log \left|\tan\left(\frac x 2 + \frac \pi 4\right) \right| + C \Big) \end{align}</math> なお、部分分数分解について、 <math>f(t) = \frac{2}{1-t^2} = \frac{A}{1+t} + \frac{B}{1-t}</math> とすると、 <math>A = \lim_{t\to -1}(1+t)f(t) = \lim_{t\to -1} \frac{2(1+t)}{1-t^2} = \lim_{t\to -1} \frac{2}{1-t} = 1</math>, <math>B = \lim_{t\to 1}(1-t)f(t) = \lim_{t\to 1} \frac{2(1-t)}{1-t^2} = \lim_{t\to 1} \frac{2}{1+t} = 1</math> より係数が求まる。 別解2 <math>\begin{align} \int \frac{dx}{\cos x} &= \int \frac{\cos x}{\cos^2 x} dx\\ &= \int \frac{\cos x}{1- \sin^2 x} dx\\ &= \frac 1 2 \int \frac{\cos x}{1 - \sin x} dx + \frac 1 2 \int \frac{\cos x}{1 + \sin x} dx\\ &= -\frac 1 2 \int \frac{(1 - \sin x)'}{1 - \sin x} dx + \frac 1 2 \int \frac{(1 + \sin x)'}{1 + \sin x} dx\\ &= \frac 1 2 \log \left|\frac{1+\sin x}{1 - \sin x} \right| + C \\ &= \frac 1 2 \log \frac{1+\sin x}{1 - \sin x} + C. \end{align}</math> これも、 <math>\log \left|\tan\left(\frac x 2 + \frac \pi 4\right) \right| = \frac 1 2 \log \frac{1-\cos (x + \frac \pi 2)}{1 + \cos(x + \frac \pi 2)} = \frac 1 2 \log \frac{1+\sin x}{1 -\sin x} </math> である。 {{証明終わり}} ==積分の応用== === 面積 === ある関数f(x)の原始関数を求める演算は f(x)とx軸にはさまれた領域の面積を求める演算に等しい。 このことを用いて ある関数によって作られた領域の面積を求めることが出来る。 [[画像:Integral_x%5E2_0-1.png|right|x^2の0から1までの積分]] 例えば、 <math> \int _0 ^1 x^2 dx = \frac 1 3 </math> は、放物線<math> y = x^2</math>について <math>0 < x < 1</math>の範囲でかこまれる面積に等しい。 '''面積(Ⅰ)''' 曲線<math>y=f(x)</math>と2直線<math>x=a, x=b</math>及びx軸で囲まれた領域の面積は、 閉区間<math>[a, b]</math>で常に<math>f(x) \geqq 0</math>のとき<math>S = \int_{a}^{b} f(x) dx</math> 閉区間<math>[a, b]</math>で常に<math>f(x) \leqq 0</math>のとき<math>S = -\int_{a}^{b} f(x) dx </math> 厳密な証明は既に数学Ⅱで扱った。 2曲線で囲まれた領域の面積についても、同様である。 '''面積(Ⅱ)''' 2曲線<math>y=f(x), y=g(x)</math>と2直線<math>x=a, x=b</math>で囲まれた領域の面積は、 閉区間<math>[a, b]</math>で常に<math>f(x) \geqq g(x)</math>のとき<math>S = \int_{a}^{b} \{ f(x) - g(x) \} dx</math> y軸まわりで考えた場合も同様である。 '''面積(Ⅲ)''' 2曲線<math>x=h(y), x=i(y)</math>と2直線<math>y=c, y=d</math>で囲まれた領域の面積は、 閉区間<math>[c, d]</math>で常に<math>h(y) \geqq i(y)</math>のとき<math>S = \int_{c}^{d} \{ h(y) - i(y) \} dy</math> 媒介変数表示された曲線の場合、xとyの好きな方で面積の式を考えてパラメータに関する式へと置換積分すれば良い。 {{コラム|ガウス=グリーンの定理| '''ガウス=グリーンの定理'''という以下のような公式が存在する。 :閉曲面Sで囲まれた空間の領域をV、曲面の外向き法線の方向余弦を(l, m, n)、微分可能な関数をf, g, hとするとき、<math>\int_{V} (\frac{\partial f}{\partial x} + \frac{\partial g}{\partial y} + \frac{\partial h}{\partial z}) dV = \int_{S} (fl+gm+hn) dS </math> この定理を高校レベルの求積で使えるように調整すると、以下のようになる。 :曲線<math>\begin{cases} x = f(t) \\ y = g(t) \end{cases}</math>について、<math>[a, b]</math>の範囲でtの増加とともに点<math>P(f(t), g(t))</math>がxy平面上を原点中心に反時計回りに動くときに線分<math>OP</math>が通過する領域の面積は、<math>\int_{a}^{b} \frac{1}{2} \{ x g'(t) - y f'(t) \} dt</math> この定理を用いると、通常の積分で面積を求めるよりも遙かに計算量が少なくて済む。 もちろん記述では使えないが、答えのみ書けば良い場合や検算用のツールとしては非常に役立つ。 }} ; '''発展:極座標系における面積''' [[高等学校数学C/平面上の曲線#極座標|極座標系]]においても、直交座標系と同様に微積分を考えることができる。ここでは、その一例として極方程式で表された曲線における面積について扱う。 '''面積(Ⅳ)''' 曲線<math>r=r(\theta)</math>と2直線<math>\theta = \alpha, \theta = \beta</math>で囲まれた部分の面積は、 <math>S = \int_{\alpha}^{\beta} \frac{1}{2} \{ r(\theta) \}^2 d\theta</math> *証明 基本的には直交座標の場合と同様である。 :曲線<math>r=r(\theta)</math>と2直線<math>\theta = \alpha, \theta = \tau</math>で囲まれた部分の面積を<math>S(\tau)</math>とおく。 :<math>\Delta \tau > 0</math>として<math>\tau + \Delta \tau</math>の場合を考える。 :閉区間<math>[\tau, \tau + \Delta \tau]</math>における<math>r(\theta)</math>の最小値を<math>m</math>、最大値を<math>M</math>とおくと、微小な扇形の面積を考えることにより<math>\frac{1}{2}m^2\Delta \tau \leqq S(\tau + \Delta \tau) - S(\tau) \leqq \frac{1}{2} M^2 \Delta \tau</math>が得られる。 :上の不等式の各辺を<math>\Delta \tau</math>で割ると、<math>\frac{1}{2}m^2 \leqq \frac{S(\tau + \Delta \tau) - S(\tau)}{\Delta \tau} \leqq \frac{1}{2}M^2</math> :<math>\Delta \tau \to 0</math>の極限を考えると、 ::<math>r(\tau)</math>は連続関数なので<math>\frac{1}{2} m^2 \to \frac{1}{2} \{ r(\tau) \}^2, \frac{1}{2} M^2 \to \frac{1}{2} \{ r(\tau) \}^2</math> ::微分の定義より<math>\frac{S(\tau + \Delta \tau) - S(\tau)}{\Delta \tau} \to S'(\tau)</math> :よってはさみうちの原理より<math>S'(\tau) = \frac{1}{2} \{ r(\tau) \}^2</math> :これにて示された。 この公式は、'''<math>\theta</math>が偏角である場合のみ用いることができる'''。もし<math>\theta</math>が偏角ではない場合、<math>\theta</math>と偏角<math>\phi</math>の関係を求めて置換積分する必要がある。 ; '''楕円の面積''' '''楕円の面積''' 楕円<math>\frac{x^2}{a^2}+\frac{y^2}{b^2}=1</math>の面積は、 <math>S=\pi ab</math> *導出 楕円<math>\frac{x^2}{a^2}+\frac{y^2}{b^2}=1</math>を<math>y</math>について解くと :<math>y=\pm\frac{b}{a}\sqrt{a^2-x^2}</math> となる。そのうち<math>y=\frac{b}{a}\sqrt{a^2-x^2}</math>は半楕円(楕円の上半分)を示している。その半楕円の面積を2倍したものが楕円の面積''S''となるので :<math>S=2\int _{-a} ^a \frac{b}{a}\sqrt{a^2-x^2} = \frac{2b}{a}\int _{-a} ^a \sqrt{a^2-x^2} = \frac{2b}{a} \times \frac{\pi a^2}{2} = \pi ab</math> となる。 === 体積 === ある立体<math>V_0</math>の<math>x = t</math>における断面積が有限な値で、その値が <math>t</math>の関数<math>S(t)</math>となるとき、この立体を平面<math>x = a</math>,<math>x = b</math>(ただし、<math>a < b</math>)で切り取った領域の体積は、底面積<math>S(t)</math>に極めて小さい高さ<math>dt</math><ref>なお、この時、<math>dt</math>が<math>S(t)</math>に対して積分区間で常に鉛直方向の関係にあることが保証されていなければならない。</ref>の積<math>S(t) \, dt</math>の区間<math>[a,b]</math>における累積であるので、以下の式で表すことができる。 :<math> V = \int_a^{b} S(t) \, dt</math> (例1) :<math>O(0,0,0), A(1,0,0), B(1,1,0), C(1,0,2)</math>である三角錐を考える。 :この三角錐を平面<math>x=t (0\leqq t \leqq 1)</math>で切断すると、断面の三角形の各座標は<math>A_t(t,0,0), B_t(t,t,0), C_t(t,0,2t)</math>となる。この時、<math>\triangle{A_t B_t C_t}</math>の面積<math>S(t)=t^2</math>となる。 :これを、区間<math>[0,1]</math>で積分すると、 :<math> V = \int_0^{1} S(t) \, dt = \int_0^{1} t^2 \, dt = \left[ \frac{t^3}{3}\right]_{0}^{1} = \frac{1}{3}</math>となる<ref>三角錐<math>O-ABC</math>は、<math>\triangle{ABC}</math>を底面(<math>S=1</math>)とし、<math>OA</math>を高さ(<math>1</math>)とする三角錐なので、体積は、<math>\frac{1}{3}</math>となり、正しい。</ref>。 (例2) :設問 :#<math>O(0,0,0), A(1,0,0), B(0,1,0), C(1,1,0), D(0,0,1), E(1,0,1), F(0,1,1), G(1,1,1)</math>である立方体を想定。 :#平面<math>x=t (0\leqq t \leqq 1)</math>で切断し、<math>\square{O_t A_t B_t C_t}</math>を得る。 :#線分<math>O_t A_t , A_t B_t , B_t C_t , C_t O_t </math>に、各々点<math>O_t, A_t, B_t, C_t</math>から、長さ<math>t</math>である点<math>H_t, I_t, J_t, K_t</math>をとり、<math>\square{H_t I_t J_t K_t}</math>を<math>S_t</math>とする。 :#<math>t</math>を区間<math>[0,1]</math>で変化させた時、<math>S_t</math>が通過する部分の体積<math>V</math>を求めよ。なお、<math>S_t</math>が正方形である証明は省略してよい。 :解答 :#<math>S_t</math>の1辺の長さを<math>l</math>とおくと、<math>l^2 = t^2 + (1-t)^2 = 2t^2 - 2t + 1</math> :#<math>S_t</math>の面積<math>S(t)</math>は<math>l^2</math>であるから、<math>S(t) = 2t^2 - 2t + 1</math> :#これを、区間<math>[0,1]</math>で積分すると、 :#<math> V = \int_0^{1} S(t) \, dt = \int_0^{1} (2t^2 - 2t + 1) \, dt = \left[ \frac{2t^3}{3} - t^2 +t \right]_{0}^{1} = \frac{2}{3}</math>となる。 ; '''回転体の体積''' <math>y= f(x) (a \le x \le b )</math> で与えられる曲線をx軸の回りに回転させて作られる立体の体積Vは、 <math>V = \int _a ^b \pi \{ f(x) \}^2 dx</math> で与えられる。 導出 立体をx軸に垂直であり、x=cを満たす面とx=c+hを満たす面で切ると(hは小さな 定数)、その切断面で挟まれた立体は半径 f(c)の円と半径 f(c+h)の円 ではさまれた立体となる。 しかし、hが極めて小さいとき、この図形は半径f(c),高さhの円柱で 近似できる。 よってこの2つの面に関して、得られた図形の体積は <math> h \times \pi (f(c) )^2 </math> となる。 これを<math>a<c<b</math>満たす全てのcについて足し合わせると、 <math> S = \int _a ^b \pi ( f(x))^2 dx </math> が得られる。 同様に、<math>x = g(y) (c \le x \le d )</math>で与えられる曲線をy軸の回りに回転させて作られる立体の体積Vは、 :<math>V = \int _c ^d \pi \{ g(y) \}^2 dy</math> で与えられる。 例えば、 <math> y= x^2 ~(0<x<1) </math> をx軸の回りに回転させて得られる図形の体積は、 :図形の絵? <math> S = \int_0^1 \pi (x^2)^2 dx </math> <math> =\pi \int_0^1 x^4 dx </math> <math> =\frac {\pi} 5 </math> となる。 ;球の体積 球の体積<math>V=\frac{4}{3}\pi r^3</math>の導出 半径''r''の球は半円<math>y=\sqrt{r^2-x^2}</math>を''x''軸の周りに回転させてつくることができる。 :<math>V=\pi \int_{-r}^r \sqrt{r^2-x^2}^2 dx=\pi \int_{-r}^r (r^2-x^2) dx= \frac{4}{3}\pi r^3</math> また体積を''r''で微分すると球の表面積<math>S=4\pi r^2</math>が得られる。 ; 補:バームクーヘン積分 上記の回転体の公式の導出では「円盤の面積を積分」しているが、「円筒の側面積」を積分しても同様の結果が得られる。この考え方を'''バームクーヘン積分(円筒分割積分)'''と呼ぶ。 バームクーヘン積分による回転体の体積の公式 曲線<math>y=f(x)</math>とx軸、直線<math>x=a, x=b</math>に囲まれた部分をx軸周りに一回転した立体の体積は、 <math>V = 2\pi \int_{a}^{b} x f(x) dx</math> *導出 :閉区間<math>[x, x + \Delta x](\Delta x > 0)</math>においてx軸と曲線<math>y=f(x)</math>で挟まれた領域をy軸周りに一回転してできる立体の体積を<math>\Delta V</math>とし、同区間におけるf(x)の最小値をm、最大値をMとおく。 :このとき、<math>\pi \{(x + \Delta x)^2 - x^2 \}m \leqq \Delta V \leqq \pi \{(x + \Delta x)^2 - x^2 \}M</math> :変形すると<math>\pi(2x + \Delta x)m \leqq \frac{\Delta V}{\Delta x} \leqq \pi (2x + \Delta x)M</math> :<math>\lim_{\Delta x \to + 0} m = \lim_{\Delta x \to + 0} M = f(x)</math>なのではさみうちの原理より<math>\lim_{\Delta x \to + 0} \frac{\Delta V}{\Delta x} = 2 \pi x f(x)</math> :<math>\therefore \frac{dV}{dx} = 2 \pi x f(x)</math> :<math>\Delta x < 0</math>でも同様。 :この微分方程式を解く(詳細は[[高等学校理数数学#微分方程式|こちら]])と、 ::<math>dV = 2 \pi x f(x) dx</math> ::<math>\int dV = \int 2 \pi x f(x) dx</math> ::<math>V = 2 \pi \int x f(x) dx + C</math>(Cは積分定数) :閉区間<math>[a, b]</math>で定積分を考えると、<math>V = 2 \pi \int_{a}^{b} x f(x) dx</math>となる。 記述問題で用いる場合、念のため上のように証明しておくと良い。 ; 補:パップス・ギュルダンの定理 図形Aを、図形Aと交わらない直線の周りに一回転してできる立体の体積は、V=(Aの重心が描く円の円周長)×(Aの面積)で求まる。 この定理は大学入試においては非常に有名な裏技であり知っておいて損はないが、記述で用いると完全にアウトである。この定理を用いるのは、選択肢形式の問題かどうしても記述の白紙解答を避けたい場合のみに限ろう。(もっとも、重心がわかる図形で出題されるのはごく稀だが。) {{コラム|一般の軸を中心とした回転体の体積の求め方| 一般に空間中の直線Lの周りの回転体('''斜軸回転体''')の体積は、回転軸Lに垂直な平面で回転体を切った断面積を考えて求めることができる。 ここでは、回転前の図形が座標平面上に存在する場合を扱う。 ; '''例題''' xy平面において<math>L:y=x, C:y=x^2</math>で囲まれた部分を, 直線Lの周りに一回転してできる立体の体積を求めよ。 解答) :曲線C上の点<math>P(x, x^2)</math>から直線Lに下ろした垂線の足を<math>H(t, t)</math>とし、直線L上に点<math>Q(x, x)</math>をとる。 :与えられた条件より<math>0 \leqq x \leqq 1</math>である。 :このとき<math>\overline{PH} = \frac{|x-x^2|}{\sqrt{2}} = \frac{x-x^2}{\sqrt{2}} (\because 0 \leqq x \leqq 1 \implies x \geqq x^2)</math>より、 :<math>t = \overline{OH} = \overline{OQ} - \overline{HQ} = \overline{OQ} - \overline{PH} = \sqrt{2}x - \frac{x-x^2}{\sqrt{2}} = \frac{x+x^2}{\sqrt{2}}</math> :<math>\therefore dt = \frac{1+2x}{\sqrt{2}} dx</math> :tの積分範囲は0→√2なので、xの積分範囲は0→1である。 :故に、<math>V = \pi \int_{0}^{\sqrt{2}} \overline{PH}^2 dt = \pi \int_{0}^{1} (\frac{x-x^2}{\sqrt{2}})^2 \cdot \frac{1+2x}{\sqrt{2}} dx</math> :<math>= \frac{\pi}{2 \sqrt{2}} \int_{0}^{1} (2x^5-3x^4+x^2) dx = \frac{\sqrt{2} \pi}{4} [ \frac{1}{3} x^6 - \frac{3}{5} x^5 + \frac{1}{3} x^3 ]_{0}^{1} = \frac{\sqrt{2} \pi}{60}</math> この解答を簡潔に纏めると、直線Lをt軸と見做してt軸についての回転体の式を立て、それをx軸についての回転体の式へと置換積分している。 斜軸回転体の体積を求める方法は他にもあるので、簡潔に纏める。 ①傘型分割積分 上の例題で考えると、長さ<math>\overline{PQ}</math>、微小幅<math>\Delta x</math>の部分をLの周りに一回転すると、傘型状の図形(円錐の側面)になる。 その面積(正確には微小体積)を積分すると回転体の体積が出てくる。この考え方を'''傘型分割積分'''という。不足なく論理展開を記述できれば、入試でこの考え方を用いても減点される可能性は低いだろう。 この過程を一般化すると、以下の公式を導くことができる。 :曲線<math>y=f(x)</math>と直線<math>mx+n, x=a, x=b</math>で囲まれた部分を直線<math>y=mx+n</math>の周りで一回転した体積は、 :<math>V = \pi \cos \theta \int_{a}^{b} \{ f(x) - (mx+n) \}^2 dx</math> :ただし、<math>\tan \theta = m</math>(回転軸がx軸となす角がθである) この公式は完全に裏技なので、記述問題では(証明なしに)使用しない方が無難である。 ②回転移動の利用 図形全体を回転移動することにより、回転軸をx軸(もしくはy軸)に重ねることで、強引に回転体の公式に代入する方法。 回転移動には[[高等学校数学C/複素数平面#回転移動|複素数平面の知識]]、[[高等学校数学C/数学的な表現の工夫#一次変換|行列の知識]]のどちらを用いても良い。 この方法では、回転後の図形の方程式が媒介変数表示で出現する場合がある。その場合、回転体の公式を媒介変数についての積分へと置換積分すれば良い。 }} === 曲線の長さと運動の道のり === ==== 曲線の長さ ==== 曲線<math>\begin{cases} x=f(t) \\ y=g(t) \end{cases}</math>の長さを考える。 :<math>f(t), g(t)</math>とも2階微分可能(第一次導関数が連続)とする。 :<math>a \leqq t \leqq b</math>として閉区間<math>[a, t]</math>における曲線の長さを<math>s(t)</math>とおく。 :<math>t</math>の増分<math>\Delta t</math>が十分小さいとき、<math>\Delta s \fallingdotseq \sqrt{(\Delta x)^2 + (\Delta y)^2}</math>より<math>\frac{\Delta s}{\Delta t} = \sqrt{(\frac{\Delta x}{\Delta t})^2 + (\frac{\Delta y}{\Delta t})^2}</math> :<math>\Delta t \to 0</math>のとき、<math>\frac{ds}{dt} = \sqrt{(\frac{dx}{dt})^2 + (\frac{dy}{dt})^2}</math> :この微分方程式を解くと、 ::<math>ds = \sqrt{(\frac{dx}{dt})^2 + (\frac{dy}{dt})^2}dt</math> ::<math>\int ds = \int \sqrt{(\frac{dx}{dt})^2 + (\frac{dy}{dt})^2}dt</math> ::<math>s = \int \sqrt{(\frac{dx}{dt})^2 + (\frac{dy}{dt})^2}dt + C</math>(Cは積分定数) :ここで<math>s(t)</math>の定義より<math>s(b) - s(a) = \int_{a}^{b} \sqrt{(\frac{dx}{dt})^2 + (\frac{dy}{dt})^2}dt</math> よって、以下のようになる。 曲線の長さ(Ⅰ) 曲線<math>\begin{cases} x=f(t) \\ y=g(t) \end{cases}</math>の閉区間<math>[a, b]</math>における長さLは、 <math>L = \int_{a}^{b} \sqrt{(\frac{dx}{dt})^2 + (\frac{dy}{dt})^2}dt</math> 曲線の式が<math>y=f(x)</math>で与えられている場合、<math>\begin{cases} x=t \\ y=f(t) \end{cases}</math>と考えて上の公式に代入すると、以下のようになる。 曲線の長さ(Ⅱ) 曲線<math>y=f(x)</math>の閉区間<math>[a, b]</math>における長さLは、 <math>L = \int_{a}^{b} \sqrt{1 + (\frac{dy}{dx})^2}dt</math> ==== 速度と道のり ==== [[高等学校数学III/微分法#速度と加速度|微分法で学んだ]]ように、数直線上を運動する点Pの時刻tにおける位置,速度がそれぞれ<math>x(t), v(t)</math>で与えられるとき、<math>v(t) = \frac{d}{dt} x(t)</math>という関係式が成り立った。微分と積分は逆演算の関係にあるので、<math>x(t) = \int v(t) dt + C</math>(Cは積分定数)という関係も成り立つ。このとき、積分定数Cは初期位置<math>x_0</math>を表す。 点Pが<math>t=a</math>から<math>t=b</math>まで運動するとき、位置の変化量は<math>x(b) - x(a) = \int_{a}^{b} v(t) dt</math>で与えられる。すなわち<math>x(b) = x(a) + \int_{a}^{b} v(t) dt</math>であり、<math>x(a)</math>が初期位置<math>x_0</math>を表すことが確かめられた。 また、上の場合において道のりは<math>\int_{a}^{b} |v(t)| dt</math>と計算できる。位置の変化量と道のりが一致するのは、恒等的に<math>x(t) \geqq 0</math>が成り立つ場合のみである。 平面上の運動も同様である。 なお、加速度は位置の二階微分なので、加速度を二階積分すれば位置が求まる。よって、時刻tにおける加速度が<math>a(t) = a</math>であるときの位置は、<math>x(t) = \int \! \int a(t) dt \; dt = \int (at + v_0) dt = \frac{1}{2}at^2 + v_0 t + x_0</math>である。([[高等学校物理基礎/力学#等加速度直線運動|等加速度直線運動]]の式) {{コラム|ベクトル関数|変数tの値を決めるとベクトルA(t)の値が一意に定まるとき、A(t)をtの'''[[解析学基礎/ベクトル解析#ベクトル関数|ベクトル関数]]'''という。基本ベクトルを用いると、ベクトル関数は基本ベクトルのスカラー倍の足し算に分解することができる。このとき、基本ベクトルにかかる係数をベクトル関数の'''成分'''という。ベクトル関数の定義より、成分はtの関数になる。 つまり、'''ベクトル関数に関する微積分はその成分をそれぞれ微分/積分すれば良い'''ということがわかる。 例えば、速度を表すベクトル関数<math>\vec{v}(t) = \begin{pmatrix} 2t \\ 3t^2-1 \end{pmatrix}</math>があったとして、初期位置<math>\begin{pmatrix} x_0 \\ y_0 \end{pmatrix} = \begin{pmatrix} 0 \\ 0 \end{pmatrix}</math>とすると時刻tにおける位置は<math>\vec{x}(t) = \int \vec{v}(t) dt = \begin{pmatrix} \int (2t) dt \\ \int (3t^2-1) dt \end{pmatrix} = \begin{pmatrix} t^2 \\ t^3-t \end{pmatrix}</math>、時刻tにおける加速度は<math>\vec{a}(t) = \frac{d}{dt} \vec{v}(t) = \begin{pmatrix} \frac{d}{dt}(2t) \\ \frac{d}{dt}(3t^2-1) \end{pmatrix} = \begin{pmatrix} 2 \\ 6t \end{pmatrix}</math>というベクトル関数になる。また、<math>t=0</math>から<math>t=2</math>まで運動したときの位置の変化量ベクトルは<math>\begin{pmatrix} \Delta x \\ \Delta y \end{pmatrix} = \int_{0}^{2} \vec{v}(t) dt = \begin{pmatrix} \int_{0}^{2} (2t) dt \\ \int_{0}^{2} (3t^2-1) dt \end{pmatrix} = \begin{pmatrix} \left[ t^2 \right]_{0}^{2} \\ \left[ t^3-t \right]_{0}^{2} \end{pmatrix} = \begin{pmatrix} 4 \\ 6 \end{pmatrix}</math>と求まる 。 すなわち、速度・加速度・位置・道のり等に関する問題はベクトル関数の微積分を計算する問題であると言える。 }} == 区分求積法 == これまでに学んだように、積分は微分の逆演算であると同時に、座標平面上での面積計算でもある。この項では、座標平面上の面積計算の方法の一つである区分求積法、および積分法との関連について学ぶ。 [[File:Riemann Integration 1.png|thumb|300px|面積計算]] 右図のようなある曲線<math>y=f(x)</math>がある。単純のため、ここではつねに<math>f(x)>0</math>であるものとして考える。この曲線と、''x''軸、および直線<math>x = a, x = b (a < b)</math>によって囲まれる領域の面積''S''を求める。この面積は[[#面積]]の項で学んだように、 : <math>S = \int_a^b f(x)dx</math> と積分法を用いて計算することができた。では、これをもう少し原始的な方法で近似的に求めることを考えてみよう。 曲線を含む図形の面積を求めることは簡単ではないが、例えば三角形や長方形、台形などの直線で囲まれた図形の面積を求めることは難しくない。そこで、下図のようにy=f(x)を棒グラフで近似し、長方形の面積の和を計算することで、求めたい面積''S''に近い値を求めることができる。左下のように棒グラフの幅が大きいと誤差も大きいが、棒グラフの幅を狭くすればするほど、すなわち分割数を多くするほど、徐々に求めたい面積の値に近づけることができる。そこで、この区間[''a'',''b'']を''n''等分し、その時の長方形の面積の総和を求め、その後で<math>n \to \infty</math>の極限を考えることにする。このようにして、区間を細かく等分割し、長方形の面積の総和を求めることにより図形の面積を求める方法を、'''区分求積法'''と呼ぶ。 :[[File:Riemann Integration 4.png|350px|棒グラフによる近似]][[File:Riemann Integration 5.png|350px|さらに細かな棒グラフによる近似]] [[File:Integral numericky obd.svg|thumb|左側で近似]][[File:Somme-superiori.png|thumb|右側で近似]] <math>y=f(x)</math>を棒グラフで近似するとき、右図のように、長方形の左上の頂点を曲線上に取る方法と、右上の頂点を曲線上に取る方法がある。どちらの方法でも、分割数を大きくすればいずれ求めたい面積に近づくが、まずは左上の頂点を曲線上に取る方法で考えることにする。 ここでは面積を求めたい区間を、単純のため[0, 1]とする。区間[0, 1]を''n''等分するとき、それぞれの長方形の左端のx座標は、 :<math>0, \frac{1}{n}, \frac{2}{n}, \cdots, \frac{n-1}{n}</math> となる。ここで、一般に第''k''番目の長方形について考えることにする。ただし、いちばん左側の長方形を第0番目とし、いちばん右側の長方形を第''n''-1番目とする。第''k''番目の長方形の左端のx座標は<math>\frac{k}{n}</math>であるから、この長方形の高さは<math>f\left(\frac{k}{n}\right)</math>となり、また長方形の幅は<math>\frac{1}{n}</math>である。そのため、この長方形の面積<math>s_k</math>は、 :<math>s_k = \frac{1}{n}f\left(\frac{k}{n}\right)</math> となる。したがって、これらの長方形の面積の総和<math>S_n</math>は、 :<math>S_n = \sum_{k = 0}^{n-1} s_k = \frac{1}{n}\sum_{k = 0}^{n-1} f\left(\frac{k}{n}\right)</math> この<math>S_n</math>は、区間[0, 1]を''n''等分した時の長方形の面積の総和であるが、''n''を大きくすればするほど、次第にもとの面積に近づいていく。したがって、<math>n\to\infty</math>の極限を考え、 :<math>S = \lim_{n\to\infty} S_n = \lim_{n\to\infty} \frac{1}{n}\sum_{k=0}^{n-1} f\left(\frac{k}{n}\right)</math> となる。このようにして、求めたい面積を計算することができる。さらに、ここでこの区間の面積が積分法により計算できたことから、 :<math>\lim_{n\to\infty} \frac{1}{n}\sum_{k=0}^{n-1} f\left(\frac{k}{n}\right) = \int_0^1f(x)dx</math> が成り立つ。また、長方形の右上の頂点を曲線上に取る場合は、同様にして :<math>S = \lim_{n\to\infty} \frac{1}{n}\sum_{k=1}^{n} f\left(\frac{k}{n}\right) = \int_0^1f(x)dx</math> となる。 区分求積法を計算するとき、'''シグマの範囲の有限個のズレは無視して良い'''。nを無限大に飛ばした極限を考えるとき、有限個あるズレの値は全て0に収束するからである。<br> つまり、l, mを自然数として<math>\lim_{n \to \infty} \frac{1}{n} \sum_{k=l}^{n-m} f\left(\frac{k}{n}\right) = \int_0^1f(x)dx</math>である。 区分求積法は、より一般には次の式で表される。 :<math>\int_{a}^{b} f(x) dx = \lim_{n \to \infty} \sum_{k=l}^{n-m} f(x_k) \Delta x</math> :ただし、<math>\Delta x = \frac{b-a}{n}, x_k = a + k\Delta x</math> 証明は先ほどと同様である。<br> 大学においては、積分の定義を微分の逆演算ではなく、この式の右辺のような和('''リーマン和'''という)の極限とする場合がある。数学Ⅱで扱った微分積分学の基本定理は、リーマン和(面積計算)と原始関数(微分の逆演算)という二つの概念を結びつけている定理であると言える。 なお、<math>\lim_{n \to \infty} \sum_{k=an+l}^{bn-m} f\left(\frac{k}{n}\right) = \int_{a}^{b} f(x) dx</math>が成り立つ。 '''演習問題2''' :次の極限値を求めよ。 :(1) <math>\lim_{n\to\infty} \sum_{k=1}^{n} \frac{1}{n+k} </math> :(2) <math>\lim_{n\to\infty} \sum_{k=1}^{n} \frac{k}{n^2+k^2} </math> :(3) <math>\lim_{n\to\infty} \left(\frac{(2n)!}{n!n^n}\right)^\frac{1}{n}</math><ref group="ヒント">対数を取る</ref> {{解答}} (1) <math>\begin{align} \lim_{n\to\infty} \sum_{k=1}^{n} \frac{1}{n+k} &= \lim_{n\to\infty} \frac 1 n \sum_{k=1}^{n} \frac{1}{1+\frac k n} \\ &= \int_0^1 \frac{dx}{1+x}\\ &= [\log(1+x)]_0^1\\ &= \log 2. \end{align} </math> ちなみに、この結果は交代調和級数 <math>\sum_{n=1}^\infty \frac{(-1)^{n-1}}{n} = 1 - \frac 1 2 + \frac 1 3 - \frac 1 4 + \cdots</math> の値を求めることに利用できる。実際 <math> \begin{align} \sum_{k=1}^{2n} \frac{(-1)^{k-1}}{k} &= 1 - \frac{1}{2} + \cdots + \frac{1}{2n-1} - \frac{1}{2n} \\ &= 1 + \frac{1}{2} + \cdots + \frac{1}{2n-1} + \frac{1}{2n} - 2\left(\frac{1}{2} + \frac{1}{4} + \cdots + \frac{1}{2n}\right) \\ &= 1 + \frac{1}{2} + \cdots + \frac{1}{2n-1} + \frac{1}{2n} - \left(1 + \frac{1}{2} + \cdots + \frac{1}{n}\right) \\ &= \frac{1}{n+1} + \frac{1}{n+1} + \cdots + \frac{1}{n+n} \\ &= \sum_{k=1}^n \frac{1}{n+k} \end{align} </math> より、 <math> \lim_{n\to\infty}\sum_{k=1}^{2n} \frac{(-1)^{k-1}}{k} = \lim_{n\to\infty}\sum_{k=1}^n \frac{1}{n+k} = \log 2 </math> となる。また、 <math> \lim_{n\to\infty}\sum_{k=1}^{2n+1} \frac{(-1)^{k-1}}{k} = \lim_{n\to\infty}\left(\sum_{k=1}^{2n} \frac{(-1)^{k-1}}{k} + \frac{1}{2n+1}\right) = \log 2. </math> 従って、<math>\sum_{n=1}^\infty \frac{(-1)^{n-1}}{n} = \log 2 </math> を得る。 (2) <math>\begin{align} \lim_{n\to\infty} \sum_{k=1}^{n} \frac{k}{n^2+k^2} &= \lim_{n\to\infty} \frac 1 n \sum_{k=1}^{n} \frac{\frac{k}{n}}{1+\frac{k^2}{n^2}}\\ &= \int_0^1 \frac{xdx}{1+x^2}\\ &= \left[\frac 1 2 \log(1+x^2)\right]_0^1\\ &= \frac 1 2 \log 2. \end{align}</math> (3) <math>\begin{align} \log \left(\frac{(2n)!}{n!n^n}\right)^\frac{1}{n} &= \frac 1 n \log\left\{\left(\frac{n+1}{n}\right)\left(\frac{n+2}{n}\right)\cdots \left(\frac{n+2}{n}\right) \right\} \\ &= \frac 1 n \sum_{k=1}^n \log\left(1+\frac{k}{n}\right) \end{align}</math> となるから、 <math>\begin{align} \lim_{n\to\infty}\log \left(\frac{(2n)!}{n!n^n}\right)^\frac{1}{n} &= \int_0^1 \log(1+x)dx\\ &= [(1+x)\log(1+x)-(1+x)]_0^1\\ &= 2\log 2 - 1. \end{align}</math> したがって、 <math>\begin{align} \lim_{n\to\infty} \left(\frac{(2n)!}{n!n^n}\right)^\frac{1}{n} &= \frac 4 e. \end{align}</math> {{証明終わり}} == 演習問題 == * [[高等学校数学III 積分法/演習問題|不定積分44題]] * [[/演習問題]] '''演習問題3''' 第一問、第二問は基本問題である。第三問から第六問はやや難しい。 '''第一問(ウォリスの積分)''' :<math>n</math> は非負整数とし、<math>I_n = \int_{0}^{\frac \pi 2}\sin^n x \, dx</math> とする。 :(1) <math>\int_{0}^{\frac{\pi}{2}}\sin^n x \, dx = \int_{0}^{\frac{\pi}{2}}\cos^n x \, dx</math> を示せ。 :(2) <math>I_n = \frac{n-1}{n}I_{n-2}\quad (n \ge 2)</math> を示せ。 :(3) <math>I_n</math> を求めよ。 '''第二問(ベータ関数の特殊値)''' :<math>m,n</math> は非負整数、<math>\alpha,\beta</math> は <math>\beta > \alpha</math> なる実数とし、<math>I_{m,n} = \int_\alpha^\beta (x-\alpha)^m(\beta - x)^n \, dx</math> とする。 :(1) <math>I_{m,n} = \frac{n}{m+1} I_{m+1,n-1} \quad (n\ge 1) </math> を示せ。 :(2) <math>I_{m,n}</math> を求めよ。 :(3) <math>\int_0^{\frac{\pi}{2}} \sin^{2m+1}\theta \cos^{2n+1}\theta d\theta </math> を求めよ。 '''第三問(ウォリスの公式)''' :非負整数 <math>n</math> に対し、<math>I_n = \int_{0}^{\frac \pi 2}\sin^n x \, dx</math> とする。必要に応じて第一問の結果を用いてよい。 :(1) <math>1 < \frac{I_{2n}}{I_{2n+1}} < \frac{I_{2n-1}}{I_{2n+1}}</math> を示せ。 :(2) <math> \lim_{n \to \infty} \frac{2 \cdot 2}{1 \cdot 3} \frac{4 \cdot 4}{3 \cdot 5} \cdots \frac{2n \cdot 2n}{(2n-1)(2n+1)} </math> を求めよ。 :(3) <math> I_{2n}I_{2n+1} </math> を求めよ。 :(4) <math> \lim_{n \to \infty} \sqrt n I_{2n+1} </math> を求めよ。 :(5) <math> \lim_{n \to \infty} \frac{2^{2n}(n!)^2}{\sqrt n (2n)!} </math> を求めよ。 '''第四問(スターリングの近似)''' :数列 <math>\{a_n\}</math> を <math>a_n = \frac{n!}{n^{n+1/2}e^{-n}} </math> で定める。必要に応じて第三問の結果を用いてよい。 :(1) 整数 <math>k > 1</math> について <math> \log k - \frac 1 2 \{\log k - \log(k-1)\} < \int_{k-1}^k \log x \, dx < \log k - \frac{1}{2k} </math> が成り立つことを示せ。 :(2) 正の整数 <math>n</math> について <math> - \frac{1}{4n} < \sum_{k=n+1}^{2n} \log k - \left(2n+\frac 1 2\right)\log 2n + \left(n+\frac 1 2\right)\log n + n < 0 </math> が成り立つことを示せ。 :(3) <math> \lim_{n\to \infty}\frac{a_{2n}}{a_n} </math> を求めよ。 :(4) <math> \lim_{n\to \infty}a_n </math> を求めよ。 '''第五問(バーゼル問題)''' :非負整数 <math>n</math> に対し、<math>I_n = \int_{0}^{\frac \pi 2}\cos^n x \, dx,\, J_n = \int_{0}^{\frac \pi 2}x^2 \cos^n x \, dx</math> とする。 :(1) <math> n > 0</math> について <math>I_{2n} = n(2n-1)J_{2n-2} - 2n^2 J_{2n}</math> が成り立つことを示せ。 :(2) <math> 0 \le x \le \frac \pi 2</math> について、<math> \frac{2}{\pi}x \le \sin x</math> が成り立つことを示せ。 :(3) <math>J_{2n} \le \frac{\pi^2 I_{2n}}{8(n+1)}</math> を示せ。 :(4) <math>\sum_{k=1}^{\infty} \frac{1}{k^2} </math> を求めよ。 '''第六問(ガウス積分)''' :非負整数 <math>n</math> に対し、<math>I_n = \int_{0}^{\frac \pi 2}\cos^n x </math> とする。必要に応じて第三問の結果を用いて良い。 :(1) <math> x > 0 </math> のとき、<math> 1-x^2 < e^{-x^2} < \frac{1}{1+x^2} </math> が成り立つことを示せ。 :(2) <math> \frac \pi 4 < \theta_0 < \frac \pi 2 </math> とする。正の整数 <math>n </math> について <math> \int_0^1 (1-x^2)^n dx < \int_0^{\tan\theta_0} e^{-nx^2}dx < \int_0^{\tan \theta_0} \frac{1}{(1+x^2)^n} dx </math> を示せ。 :(3) <math> \sqrt n I_{2n+1} < \int_0^\infty e^{-x^2}dx < \sqrt n I_{2n-2} </math> を示せ。ただし、<math>\int_0^\infty e^{-x^2}dx = \lim_{a \to \infty} \int_0^a e^{-x^2}dx </math> である。 :(4) <math> \int_{-\infty}^\infty e^{-x^2}dx </math> を求めよ。 '''解答''' {{解答|第一問}} (1) <math> t = \frac \pi 2 - x </math> と変数変換すると、<math> \int_0^{\frac \pi 2} \sin^n x dx = \int_{\frac \pi 2}^0 \sin^n\left(\frac \pi 2 - t\right)(-dt) = \int_0^{\frac \pi 2} \cos^n t dt </math> となる。 (2) <math> \begin{align} \int_0^{\frac \pi 2} \sin^n x dx &= \left[-\sin^{n-1}x \cos x \right]_{0}^{\frac{\pi}{2}} + (n-1)\int_0^{\frac \pi 2} \sin^{n-2} x \cos^2 x dx \\ &= (n-1)\left(\int_0^{\frac \pi 2} \sin^{n-2} x dx - \int_0^{\frac \pi 2} \sin^n x dx \right)\\ \end{align} </math> 従って、<math>I_n = \frac{n-1}{n}I_{n-2}</math> となる。 (3) <math> I_0 = \int_0^{\frac \pi 2} dx = \frac \pi 2,\, I_1 = \int_0^{\frac \pi 2} \sin x dx = 1. </math> よって、<math> n </math> が偶数のときは <math> \begin{align} I_n &= \frac{n-1}{n}\frac{n-3}{n-2} \cdots \frac 1 2 I_0 \\ &= \frac{n-1}{n}\frac{n-3}{n-2} \cdots \frac 1 2 \frac \pi 2. \end{align} </math> <math> n </math> が奇数のときは、 <math> \begin{align} I_n &= \frac{n-1}{n}\frac{n-3}{n-2} \cdots \frac 2 3 I_1 \\ &= \frac{n-1}{n}\frac{n-3}{n-2} \cdots \frac 2 3 \end{align} </math> となる。 {{証明終わり}} {{解答|第二問}} (1) <math>\begin{align} \int_\alpha^\beta (x-\alpha)^m(\beta - x)^n \, dx &= \left[\frac{1}{m+1}(x-\alpha)^{m+1}(\beta-x)^n\right]_\alpha^\beta + \int_\alpha^\beta\frac{n}{m+1}(x-\alpha)^{m+1}(\beta-x)^{n-1}dx\\ &= \frac{n}{m+1}\int_\alpha^\beta(x-\alpha)^{m+1}(\beta-x)^{n-1}dx. \end{align} </math> (2) <math>\begin{align} I_{m,n} &= \frac{n}{m+1}I_{m+1,n-1} \\ &= \cdots \\ &= \frac{n}{m+1} \frac{n-1}{m+2} \cdots \frac{1}{m+n} I_{m+n,0} \\ &= \frac{m!n!}{(m+n)!}I_{m+n,0} \end{align} </math> ここで、 <math>I_{m+n,0} = \int_\alpha^\beta(x-\alpha)^{m+n} dx = \frac{(\beta-\alpha)^{m+n+1}}{m+n+1} </math> となる。よって、 <math>I_{m,n} = \frac{m!n!}{(m+n+1)!}(\beta-\alpha)^{m+n+1} </math> を得る。 (3) <math>t = \sin^2\theta </math> と変数変換すると、 <math>dt = 2\sin\theta\cos\theta d\theta </math> より、 <math>\int_0^{\frac{\pi}{2}} \sin^{2m+1}\theta \cos^{2n+1}\theta d\theta = \frac 1 2 \int_0^1 t^m (1-t)^n dt = \frac{m!n!}{2(m+n+1)!}. </math> {{証明終わり}} {{解答|第三問}} (1) <math>0 < x < \frac \pi 2 </math> のとき、<math>0 < \sin x < 1 </math> だから、<math>\sin^{2n+1} x < \sin^{2n} x < \sin^{2n-1} x </math> となる。これを積分して、<math>I_{2n+1} < I_{2n} < I_{2n-1} </math> を得る。よって、<math>1 < \frac{I_{2n}}{I_{2n+1}} < \frac{I_{2n-1}}{I_{2n+1}}</math> である。 (2) 第一問(1)より、 <math>\begin{align} \frac{I_{2n}}{I_{2n+1}} &= \frac{2n-1}{2n}\frac{2n-3}{2n-2} \cdots \frac 1 2 \frac \pi 2 \times \frac{2n+1}{2n}\frac{2n-1}{2n-2} \cdots \frac 3 2\\ &= \frac{1 \cdot 3}{2 \cdot 2} \frac{3 \cdot 5}{4 \cdot 4} \cdots \frac{(2n-1)(2n+1)}{2n \cdot 2n} \frac \pi 2 \end{align}</math> となる。また、<math>\frac{I_{2n-1}}{I_{2n+1}} = \frac{2n+1}{2n} = 1 + \frac{1}{2n} </math> となるから、(1) より、 <math>1 < \frac{I_{2n}}{I_{2n+1}} < \frac{I_{2n-1}}{I_{2n+1}} = 1 + \frac{1}{2n} </math> を得る。これより、<math>\lim_{n\to\infty} \frac{I_{2n}}{I_{2n+1}} = 1 </math> となるから、<math> \lim_{n \to \infty} \frac{2 \cdot 2}{1 \cdot 3} \frac{4 \cdot 4}{3 \cdot 5} \cdots \frac{2n \cdot 2n}{(2n-1)(2n+1)} = \frac \pi 2 </math> を得る。 (3) 第一問(3)より、<math>I_{2n} I_{2n+1} = \frac{1}{2n+1} \frac{\pi}{2} </math> である。 (4) <math>\frac{I_{2n}}{I_{2n+1}} = \frac{I_{2n}I_{2n+1}}{I_{2n+1}^2} = \frac{1}{2n+1}\frac \pi 2 I_{2n+1}^{-2} </math> である。<math>\sqrt{2n+1} I_{2n+1} = \sqrt{\frac{I_{2n+1}}{I_{2n}}\frac{\pi}{2}} </math> より、<math>\lim_{n\to\infty} \sqrt{2n+1} I_{2n+1} = \lim_{n\to\infty} \sqrt{\frac{I_{2n+1}}{I_{2n}}\frac{\pi}{2}} = \sqrt{\frac{\pi}{2}} </math> となる。また、 <math>\begin{align} \frac{\sqrt \pi}{2} &= \lim_{n\to\infty} \sqrt{\frac{2n+1}{2}} I_{2n+1}\\ &= \lim_{n\to\infty} \sqrt{n}\sqrt{1+\frac{1}{2n}} I_{2n+1}\\ &= \lim_{n\to\infty} \sqrt{n}I_{2n+1} \end{align} </math> となるから、<math>\lim_{n\to\infty} \sqrt{n}I_{2n+1} = \frac{\sqrt \pi}{2} </math> を得る。 (5) <math>\begin{align} I_{2n+1} &= \frac{2n}{2n+1}\frac{2n-2}{2n-1}\cdots \frac 2 3\\ &= \frac{\{2n(2n-2)\cdots 2\}^2}{(2n+1)!}\\ &= \frac{(2^n n!)^2}{(2n+1)!} \end{align} </math> より、 <math>\begin{align} \lim_{n\to\infty} \sqrt{n}I_{2n+1} &= \lim_{n\to\infty} \frac{\sqrt n}{2n+1} \frac{2^{2n}(n!)^2}{(2n)!}\\ &= \lim_{n\to\infty} \frac{1}{2\sqrt n + \frac{1}{\sqrt n}} \frac{2^{2n}(n!)^2}{(2n)!}\\ &= \lim_{n\to\infty} \frac{1}{2\sqrt n} \frac{2^{2n}(n!)^2}{(2n)!} \end{align} </math> となるから、 <math> \lim_{n \to \infty} \frac{2^{2n}(n!)^2}{\sqrt n (2n)!} = \sqrt \pi </math> を得る。 '''解説''' <math> \lim_{n \to \infty} \frac{2 \cdot 2}{1 \cdot 3} \frac{4 \cdot 4}{3 \cdot 5} \cdots \frac{2n \cdot 2n}{(2n-1)(2n+1)} = \frac \pi 2 </math> はウォリスの公式と呼ばれる。整数の乗除のみで円周率が計算されるという点で興味深いが、収束はとても遅く実用的ではない。例えば、<math>\pi > 3.05</math> を証明するためには <math>n=8</math> まで計算しなくてはならない<ref><math>2\cdot \frac{2\cdot 2}{1\cdot 3} \cdots \frac{16\cdot 16}{15\cdot 17} =</math> 213084064972800/69850115960625 = 2147483648/703956825 = 3.05058...</ref>。また <math>\pi > 3.14</math> を示すには <math>n=493</math> まで計算する必要がある。ちなみに単調増加性は <math>\frac{2n \cdot 2n}{(2n-1)(2n+1)} = \frac{1}{1-\frac{1}{(2n)^2}} > 1</math> から従う。 また、<math> \lim_{n \to \infty} \frac{2^{2n}(n!)^2}{\sqrt n (2n)!} = \sqrt \pi </math> もウォリスの公式と呼ばれる。これはスターリングの公式やガウス積分を証明するために必要となる。 {{証明終わり}} {{解答|第四問}} (1) [[ファイル:Bounding_the_Integral_of_log_x_with_Trapezoids.svg|サムネイル|log x の台形近似]] <math>\log x </math> は上に狭義凸な関数だから、<math>\int_{k-1}^k \log x \, dx</math> は、直線 <math>x = k-1,\,x=k</math> と <math>y = \log x</math> の2つの交点を結んだ線分と <math>x</math> 軸、直線 <math>x = k-1,k</math> によって切り取られる台形(図の青の領域)の面積よりも大きい。台形の面積は、<math>\frac 1 2 \{\log k + \log(k-1)\} = \log k - \frac 1 2 \{\log k - \log(k-1)\}</math> である。また、 <math>\int_{k-1}^k \log x \, dx</math> は、<math>y = \log x</math> の任意の接線と <math>x</math> 軸、直線 <math>x = k-1,k </math> によって切り取られる台形(図のピンクの領域)の面積よりも小さい。特に <math>x = k</math> で接線を引くと、その傾きは <math>\frac 1 k</math> だから、接線と直線 <math>x = k-1</math> の交点の <math>y</math> 座標は <math>\log k - \frac 1 k</math> である。よって、この台形の面積は <math>\log k - \frac{1}{2k} </math> となる。従って、 <math> \log k - \frac 1 2 \{\log k - \log(k-1)\} < \int_{k-1}^k \log x \, dx < \log k - \frac{1}{2k} </math> を得る。 (2) <math>\log k - \frac 1 2 \{\log k - \log(k-1)\} < \int_{k-1}^k \log x \, dx </math> より、<math>\log k < \int_{k-1}^k \log x \, dx + \frac 1 2 \{\log k - \log(k-1)\} </math> となる。よって、 <math>\begin{align} \sum_{k=n+1}^{2n} \log k &< \int_n^{2n} \log x \, dx + \frac 1 2 (\log 2n - \log n) \\ &= \left[x\log x - x\right]_n^{2n} + \frac 1 2 (\log 2n - \log n) \\ &= \left(2n + \frac 1 2\right)\log 2n - \left(n + \frac 1 2 \right) \log n - n \end{align} </math> となる。また、<math>\log k > \int_{k-1}^k \log x \, dx + \frac{1}{2k} </math> より、 <math>\begin{align} \sum_{k=n+1}^{2n} \log k &> \int_n^{2n} \log x \, dx + \sum_{k=n+1}^{2n} \frac{1}{2k} \\ &= \left[x\log x - x\right]_n^{2n} + \frac 1 2 \left(\frac{1}{2n} - \frac{1}{n} + \sum_{k=n}^{2n-1} \frac{1}{k}\right) \\ \end{align}</math> となる。ここで、<math>\frac 1 x </math> は <math>x > 0 </math> で単調減少だから、 <math>\sum_{k=n}^{2n-1} \frac{1}{k} > \int_n^{2n} \frac{dx}{x} = \log 2n - \log n </math> となる。従って、 <math>\begin{align} \sum_{k=n+1}^{2n} \log k &> \left(2n + \frac 1 2\right)\log 2n - \left(n + \frac 1 2 \right) \log n - n - \frac{1}{4n} \\ \end{align}</math> を得る。 (3) <math>\begin{align} \log \frac{a_{2n}}{a_n} &= \log a_{2n} - \log{a_n}\\ &= \log (2n)! - \left(2n + \frac 1 2 \right) \log 2n + 2n - \log n! + \left(n + \frac 1 2 \right)\log n - n\\ &= \sum_{k=n+1}^{2k}\log k - \left(2n + \frac 1 2 \right) \log 2n + \left(n + \frac 1 2 \right)\log n + n \end{align}</math> であるから、(2) より <math>-\frac{1}{4n} < \log \frac{a_{2n}}{a_n} < 0</math> となる。従って、 <math>\lim_{n\to\infty} \log \frac{a_{2n}}{a_n} = 0</math> あるいは、 <math>\lim_{n\to\infty} \frac{a_{2n}}{a_n} = 1 </math> を得る。 (4) <math>\begin{align} \frac{2^{2n}(n!)^2}{\sqrt n (2n)!} &= \frac{2^{2n}}{\sqrt n} \left(\frac{n!}{n^{n+\frac 1 2}e^{-n}}\right)^2 \frac{(2n)^{2n+\frac 1 2}e^{-2n}}{(2n)!} \frac{\left(n^{n+\frac 1 2}e^{-n}\right)^2}{(2n)^{2n+\frac 1 2}e^{-2n}}\\ &= \frac{1}{\sqrt 2} \frac{a_n^2}{a_{2n}} \end{align}</math> であるから、 <math>\lim_{n\to\infty} a_n = \lim_{n\to\infty} \sqrt 2 \frac{2^{2n}(n!)^2}{\sqrt n (2n)!} \frac{a_{2n}}{a_n} = \sqrt{2\pi} </math> を得る。 '''解説''' (1)は凹関数の定積分の値を台形で評価する問題である。このような台形近似の問題は難関大ではよく見られる。 (4) から <math>\lim_{n\to\infty} \frac{n!}{\sqrt{2\pi} n^{n+1/2}e^{-n}} = 1</math> を得る。これは、<math>n</math> が大きいとき階乗を <math>n! \approx \sqrt{2\pi} n^{n+\frac 1 2} e^{-n}</math> と近似できることを意味する。これがスターリングの近似である。 本問は<math> \lim_{n\to \infty}\frac{a_{2n}}{a_n} </math>を求めてから <math> \lim_{n\to \infty}a_n </math> を求めさせているためやや遠回りに思うかもしれない。数列 <math>\{a_n\}</math> が0以外の実数に収束することを既知とすれば <math> \lim_{n\to \infty}\frac{a_{2n}}{a_n} = \frac{\lim_{n\to \infty}a_{2n}}{\lim_{n\to \infty}a_n} = 1 </math> となることはすぐに分かる。しかし、数列が収束することの条件について高校では詳しく扱わないため、厳密に <math> \lim_{n\to \infty}a_n </math> を求めるためには <math> \lim_{n\to \infty}\frac{a_{2n}}{a_n} </math> を経由する必要がある。一般に、下に有界な単調減少数列は収束するということが知られている<ref>詳しくは [[解析学基礎/実数]]を参照</ref>。これを認めれば、数列 <math>\{a_n\}</math> が収束することは、次のように証明することができる。 <math>\log k > \int_{k-1}^k \log x \, dx + \frac{1}{2k} </math> より、 <math>\begin{align} \log n ! &= \sum_{k=2}^n \log k \\ &> \int_{1}^n \log x \, dx + \frac 1 2 \sum_{k=2}^n\frac{1}{k}\\ &> n\log n - n + 1 + \frac 1 2 \int_{2}^{n+1}\frac{dx}{x}\\ &= n\log n - n + 1 + \frac 1 2 \{\log(n+1) - \log 2\} \end{align} </math> <math>\begin{align} \log a_n &= \log n! - \left(n + \frac 1 2\right)\log n + n \\ &> \frac 1 2 \{\log(n+1) - \log n \} + 1 - \frac 1 2 \log 2\\ &> 1 - \frac 1 2 \log 2 \end{align} </math> となるから、<math> a_n > \frac e \sqrt{2} </math> より下に有界である。 また、 <math> \begin{align} \log \frac{a_{n+1}}{a_n} &= \log(n+1) - \left(n + \frac 3 2\right)\log(n+1) + n+1 + \left(n+\frac 1 2\right)\log n - n\\ &= \frac 1 2 \{\log(n+1)+\log n\} - \int_n^{n+1} \log x dx\\ &< 0 \end{align} </math> から、<math> a_{n+1} < a_n. </math> すなわち単調減少であるから、<math>\{a_n\}</math> は収束する。 {{証明終わり}} {{解答|スターリングの近似の応用}} スターリングの近似は階乗を含む極限の問題に応用できる。例えば、演習問題2の(2)は、 <math>\begin{align} \lim_{n\to\infty} \left(\frac{(2n)!}{n!n^n}\right)^\frac{1}{n} &= \lim_{n\to\infty} \left(\frac{\sqrt{2\pi}(2n)^{2n+1/2}e^{-2n}}{\sqrt{2\pi}n^{n+1/2}e^{-n}n^n}\right)^\frac{1}{n}\\ &= \lim_{n\to\infty} \left(\frac{2^{2n + 1/2}}{e^{n}}\right)^\frac{1}{n}\\ &= \frac 4 e. \end{align}</math> また、スターリングの近似から二項分布の極限が正規分布に収束することが証明できる。 二項分布の確率分布は、 <math>P(X=k) = \frac{n!}{k!(n-k)!}p^kq^{n-k} </math> である。スターリングの近似より、 <math>\begin{align} \frac{n!}{k!(n-k)!}p^kq^{n-k} &\approx \frac{\sqrt{2\pi}n^{n+\frac 1 2}e^{-n}}{\sqrt{2\pi}k^{k+\frac 1 2}e^{-k}\sqrt{2\pi}(n-k)^{n-k+\frac 1 2}e^{-(n-k)}}p^kq^{n-k}\\ &= \frac{1}{\sqrt{2\pi}} \left(\frac{np}{k}\right)^k \left(\frac{nq}{n-k}\right)^{n-k} \sqrt{\frac{n}{k(n-k)}} \end{align}</math> となる。ここで、<math>\lim_{n\to\infty} \frac k n = p </math> であるから、 <math>\lim_{n\to\infty}\sqrt{\frac{n}{k(n-k)}} = \lim_{n\to\infty}\sqrt{\frac{1}{n\frac k n (1-\frac k n)}} = \frac{1}{\sqrt{npq}}</math> となる。 次に、<math>\log (1+x) \approx x - \frac 1 2 x^2 </math> の近似式を使うと、 <math>\begin{align}\log \left(\frac{np}{k}\right)^k &= k\log \left(1 - \frac{k-np}{k}\right) \\ &\approx -(k-np) - \frac 1 2 \frac{(k-np)^2}{k} \end{align}</math> <math>\begin{align}\log \left(\frac{nq}{n-k}\right)^{n-k} &= (n-k)\log \left(1 - \frac{n-k-nq}{n-k}\right) \\ &\approx -(n-k-nq) - \frac 1 2 \frac{(n-k-nq)^2}{n-k} \\ &= -(np-k) - \frac 1 2 \frac{(np-k)^2}{n-k}\end{align}</math> となる。さらに、 <math>\begin{align}\log \left(\frac{np}{k}\right)^k \left(\frac{nq}{n-k}\right)^{n-k} &\approx -\frac 1 2 \frac{(k-np)^2}{k}-\frac 1 2 \frac{(np-k)^2}{n-k}\\ &= -\frac 1 2 \frac{(k-np)^2}{npq} \left(\frac{npq}{k} + \frac{npq}{n-k}\right)\\ &\approx -\frac 1 2 \frac{(k-np)^2}{npq} \left(\frac{pq}{p} + \frac{pq}{1-p}\right)\\ &= -\frac 1 2 \frac{(k-np)^2}{npq} \end{align}</math> となる。最終的に、 <math>P(X=k) \approx \frac{1}{\sqrt{2\pi npq}} e^{-\frac{(k-np)^2}{2npq}}</math> を得る。これは、平均 <math>\mu = np</math> 分散 <math>\sigma^2 = npq</math> の正規分布である。 {{証明終わり}} {{解答|第五問}} (1) <math>\begin{align} I_{2n} &= \int_0^{\frac \pi 2} \cos^{2n}x dx \\ &= \left[x\cos^{2n}x\right]_0^{\frac \pi 2} + 2n\int_0^{\frac \pi 2} x\sin x \cos^{2n-1}x dx\\ &= 2n \left[\frac 1 2 x^2 \sin x \cos^{2n-1}x\right]_0^{\frac \pi 2} - n\int_0^{\frac \pi 2} x^2 \{\cos^{2n}x - (2n-1)\sin^2 x \cos^{2n-2}x \} dx \\ &= - n\int_0^{\frac \pi 2} x^2 \{\cos^{2n}x - (2n-1)(1-\cos^2 x) \cos^{2n-2}x \} dx \\ &= n(2n-1)J_{2n-2} -2n^2 J_{2n}. \end{align} </math> (2) <math> 0 \le x \le \frac \pi 2</math> で <math>\sin x</math> は上に凸であるから、<math> \frac{2}{\pi}x \le \sin x</math> となる。 (3) <math> \begin{align} J_{2n} &= \int_0^{\frac \pi 2} x^2 \cos^{2n}x dx \le \frac{\pi^2}{4} \int_0^{\frac \pi 2} \sin^2 x \cos^{2n} x dx \\ &= \frac{\pi^2}{4} (I_{2n} - I_{2n+2}) \\ &= \frac{\pi^2}{4} \frac{I_{2n}}{2n+2} \end{align} </math> となる。ただし、最後の行への変形で第一問(2)の漸化式を使った。 (4) (1) より、 <math> \begin{align} \frac{1}{n^2} &= \frac{(2n-1)J_{2n-2}}{n I_{2n}} - \frac{2J_{2n}}{I_{2n}}\\ &= \frac{2J_{2n-2}}{I_{2n-2}} - \frac{2J_{2n}}{I_{2n}} \end{align} </math> となる。ただし、最後の行への変形で第一問(2)の漸化式を使った。 よって、 <math> \sum_{k=1}^n \frac{1}{k^2} = \sum_{k=1}^n \left(\frac{2J_{2k-2}}{I_{2k-2}} - \frac{2J_{2k}}{I_{2k}}\right) = \frac{2J_{0}}{I_{0}} - \frac{2J_{2n}}{I_{2n}} </math> となる。ここで、<math>J_0 = \int_0^{\frac \pi 2} x^2 dx = \frac{\pi^3}{24},\, I_0 = \frac \pi 2</math> より、<math>\frac{2J_{0}}{I_{0}} = \frac{\pi^2}{6}. </math> また、<math> 0 < \frac{J_{2n}}{I_{2n}} \le \frac{\pi^2}{8(n+1)} </math> より、<math>\lim_{n\to\infty}\frac{J_{2n}}{I_{2n}} = 0 </math> となるから、<math> \sum_{k=1}^\infty \frac{1}{k^2} = \frac{\pi^2}{6} </math> を得る。 '''解説''' 本問は Daniel Daners. (2012). A Short Elementary Proof of Σ 1/k<sup>2</sup> = π<sup>2</sup>/6. ''Mathematics Magazine'', ''85''(5), 361–364. https://doi.org/10.4169/math.mag.85.5.361 を参考にした。 <math>\zeta(s) = \sum_{n=1}^\infty \frac{1}{n^s}</math> はゼータ関数と呼ばれるもので、数論において重要な関数である。この問題から <math>\zeta(2) =\frac{\pi^2}{6}</math> である。また、<math>\zeta(1) = \sum_{n=1}^\infty \frac{1}{n}</math> は調和級数であるため発散する。 <math>s</math> が実数のとき、<math>s > 1</math> で <math>\zeta(s)</math> は収束することを示すことができる。実際、<math>\frac{1}{n^s} < \int_{n-1}^n \frac{dx}{x^s}</math> となるから、<math>\sum_{n=2}^m \frac{1}{n^s} < \int_1^m \frac{dx}{x^s} = \frac{1}{s-1}(1-m^{1-s}) < \frac{1}{s-1}</math> であるから上界を持つ。また、各項は正であるため <math>\sum_{n=1}^m \frac{1}{n^s}</math> は単調増加である。従って、 <math>\zeta(s)</math> は <math>s > 1</math> のとき収束する。 <math>s < 1</math> のとき、<math>\frac{1}{n} < \frac{1}{n^s}</math> から、<math>\sum_{n=1}^m \frac{1}{n} < \sum_{n=1}^m \frac{1}{n^s}</math> となるため発散する。 解析接続という手法を用いることでゼータ関数の定義域を <math>s=1</math> を除く複素数にまで拡張することができる。 {{証明終わり}} {{解答|第六問}} (1) <math>f(x) = e^x - x - 1</math> とすると、<math>f'(x) = e^x - 1 ,\, f''(x) = e^x</math> だから、<math>f(x) </math> は上に狭義凸な関数で最小値は <math>f(0) = 0</math> である。従って、<math>x \neq 0</math> のとき <math>e^x > x + 1</math> である。よって、<math>e^{-x^2} > 1-x^2.</math> また、<math>e^{-x} < \frac{1}{1+x}</math> に <math>x^2</math> を代入して <math>e^{-x^2} < \frac{1}{1+x^2}</math> を得る。 (2) (1) より、<math>(1-x^2)^n < e^{-nx^2} </math> であるから、積分して <math>\int_0^1 (1-x^2)^n dx < \int_0^1 e^{-nx^2} dx </math> を得る。同様に、<math>e^{-nx^2} < \frac{1}{(1+x^2)^n}</math> を積分して <math>\int_0^{\tan \theta_0}e^{-nx^2} dx < \int_0^{\tan\theta_0}\frac{1}{(1+x^2)^n}dx</math> を得る。<math> \frac \pi 4 < \theta_0 < \frac \pi 2 </math> より、<math>1 < \tan\theta_0</math> である。また、<math>e^{-nx^2} > 0</math> から <math>\int_0^{1}e^{-nx^2} dx < \int_0^{\tan \theta_0}e^{-nx^2} dx </math> となる。したがって、 <math> \int_0^1 (1-x^2)^n dx < \int_0^{\tan\theta_0} e^{-nx^2}dx < \int_0^{\tan \theta_0} \frac{1}{(1+x^2)^n} dx </math> である。 (3) <math>x = \sin \theta</math> と変数変換して、 <math>\begin{align} \int_0^1 (1-x^2)^n dx &= \int_0^{\frac \pi 2} (1-\sin^2\theta)^n \cos\theta d\theta\\ &= \int_0^{\frac \pi 2} \cos^{2n+1}\theta d\theta\\ &= I_{2n+1} \end{align} </math> となる。また、<math>x = \tan\theta</math> と変数変換して、 <math>\begin{align} \int_0^{\tan \theta_0} \frac{dx}{(1+x^2)^n} &= \int_0^{\theta_0} \cos^{2n}\theta \frac{d\theta}{\cos^2\theta}\\ &= \int_0^{\theta_0} \cos^{2n-2}\theta d\theta \end{align} </math> となる。 <math>x \to \frac x \sqrt n </math> と変数変換すると、<math>\int_0^{\tan \theta_0} e^{-nx^2}dx = \frac 1 \sqrt n \int_0^{\frac{\tan\theta_0}{\sqrt n}} e^{-x^2}dx </math> となる。よって、 <math> \sqrt n I_{2n+1} < \int_0^{\frac{\tan\theta_0}{\sqrt n}} e^{-x^2}dx < \sqrt n \int_0^{\theta_0} \cos^{2n-2}\theta d\theta </math> となる。ここで、<math> \theta_0 \to \frac \pi 2 - 0</math> の極限を取ると <math> \lim_{\theta_0 \to \frac \pi 2 - 0}\int_0^{\frac{\tan\theta_0}{\sqrt n}} e^{-x^2}dx = \lim_{a \to \infty}\int_0^{a} e^{-x^2}dx = \int_0^\infty e^{-x^2}dx </math> となるから <math> \sqrt n I_{2n+1} < \int_0^\infty e^{-x^2}dx < \sqrt n I_{2n-2} </math> を得る。 (4) 第三問より、<math>\lim_{n\to\infty} \frac{I_{2n+1}}{I_{2n}} = 1 </math>, <math>\lim_{n\to\infty} \sqrt n I_{2n+1} = \frac{\sqrt \pi}{2} </math> であるから、 <math>\lim_{n\to\infty} \sqrt n I_{2n-2} = \lim_{m\to\infty} \sqrt n \frac{I_{2n+1}}{I_{2n}}\frac{I_{2n}}{I_{2n-1}}\frac{I_{2n-1}}{I_{2n-2}}I_{2n-2} = \frac{\sqrt \pi}{2} </math> となる。よって、 <math>\int_0^{\infty} e^{-x^2}dx = \frac{\sqrt \pi}{2}. </math> 被積分関数は偶関数だから、 <math>\int_{-\infty}^{\infty} e^{-x^2}dx = \sqrt \pi </math> を得る。 '''解説''' (4) で <math>x \to \sqrt a x</math> (<math>a</math> は正の実数)と変換すると、<math> \int_{-\infty}^\infty e^{-ax^2}dx = \sqrt{\frac{\pi}{a}} </math> を得る。これを使うと正規分布の確率密度関数が<math> \frac{1}{\sqrt{2\pi \sigma^2}} \int_{-\infty}^\infty e^{-\frac{(x-\mu)^2}{2\sigma^2}}dx = 1 </math> と正規化されていることが分かる。また、 <math> \begin{align} \int_{-\infty}^\infty e^{-ax^2}dx &= [xe^{-ax^2}]_{-\infty}^{\infty} + \int_{-\infty}^\infty 2ax^2 e^{-ax^2}dx\\ &= \int_{-\infty}^\infty 2ax^2 e^{-ax^2}dx \end{align} </math> より、<math> \int_{-\infty}^\infty x^2 e^{-ax^2}dx = \frac 1 2 \sqrt{\frac{\pi}{a^3}} </math> を得る。よって、正規分布の分散は <math> \begin{align} V[X] &= \frac{1}{\sqrt{2\pi \sigma^2}} \int_{-\infty}^\infty (x-\mu)^2 e^{-\frac{(x-\mu)^2}{2\sigma^2}}dx\\ &= \frac{1}{\sqrt{2\pi \sigma^2}} \int_{-\infty}^\infty x^2 e^{-\frac{x^2}{2\sigma^2}}dx\\ &= \sigma^2 \end{align} </math> となる。 {{証明終わり}} == 関連項目 == *[[w:ガウス積分]] *[[w:フレネル積分]] *[[w:フーリエ変換]] *[[w:ラプラス変換]] *[[w:スターリングの近似]] *[[w:バームクーヘン積分]] *[[w:パップス=ギュルダンの定理]] == 脚注 == <references/> <references group="ヒント"/> {{DEFAULTSORT:こうとうかつこうすうかくIII せきふんほう}} [[Category:高等学校数学III|せきふんほう]] [[カテゴリ:積分法]] g5zxbzeddeotqrnuiubpslo9r2befcf 298950 298946 2026-04-30T10:55:12Z Nermer314 62933 [[Special:Contributions/Tkkn46tkkn46|Tkkn46tkkn46]] ([[User talk:Tkkn46tkkn46|トーク]]) による版 [[Special:Diff/298946|298946]] を取り消し 教科書それ自体で説明は完結しているから関連項目としてウィキペディアへのリンクは必要ない。 298950 wikitext text/x-wiki {{pathnav|高等学校の学習|高等学校数学|高等学校数学III|pagename=積分法|frame=1|small=1}} ここでは、数学IIの[[高等学校数学II/微分・積分の考え|微分・積分の考え]]で学んだ積分の性質についてより詳しく扱う。また、三角関数や指数・対数関数などの関数の積分についても学習する。 [[高等学校数学]]の全ての分野を学んだ後に学習に取り組んでほしい。 == 不定積分 == === 積分の基本的な性質 === 積分法について <math>\int \{ f(x) + g(x) \} dx = \int f(x) dx + \int g(x) dx ,</math> <math>\int af(x) dx = a \int f(x) dx</math>(aは定数) が成り立つ。 導出 <math>\int \{ f(x) + g(x) \} dx = \int f(x) dx + \int g(x) dx</math> の両辺を微分すると、 左辺 =右辺 = <math> f + g</math> が従う。 よって、 <math>\int \{ f(x) + g(x) \} dx = \int f(x) dx + \int g(x) dx</math> の両辺は一致する。 (実際には2つの関数の導関数が一致するとき、 それらの関数には定数だけのちがいがある。 仮に、F(x)とG(x)が共通の導関数h(x)を持ったとする。 このとき、 <math>(F(x)-G(x) )' = h(x)- h(x) = 0</math> となるが、0の原始関数は定数Cであることが分かる。 よって、両辺を積分すると、 <math>F(x)-G(x) = C</math> となり、F(x)とG(x)には定数だけの差しかないことが確かめられた。 よって、 <math>\int \{ f(x) + g(x) \} dx = \int f(x) dx + \int g(x) dx</math> は定数だけのちがいを含んで成り立つ式である。 より一般に、不定積分が絡む等式は定数分の差を含めて成り立つというのが通例である。) <math>\int af(x) dx = a \int f(x) dx</math> についても両辺を微分すると、 左辺=右辺= a f(x) が従う。 よって、 <math>\int af dx = a\int f dx</math> が成り立つことが分る。 関数 <math>f(x)</math> の原始関数を <math>F(x)</math> とすると <math>\int_a^b f(x) \, = F(b)-F(a) = -(F(a)-F(b)) = -\int_b^af(x)\, dx</math> である。 <math>\int_{a}^{c} f(x) \, dx + \int_{c}^{b} f(x) \, dx = (F(c) - F(a)) + (F(b) - F(c)) = F(b) - F(a) = \int_{a}^{b} f(x) \, dx</math> === 置換積分法 === 関数の原始関数を求める手段として、 積分変数を別の変数で置き換えて積分を行なう手段が知られている。 これを置換積分と呼ぶ。 <math>\int f(g(x)) dg(x) = \int f(g(x)) g'(x) dx</math> 導出 <math>\int f(g(x)) dg(x) =F(g(x))</math>を<math>x</math>について微分すると、 <math>F'(g(x)) = f(g(x))g'(x)</math> 再び<math>x</math>について積分すると、 <math>\int f(g(x)) dg(x) = \int f(g(x)) g'(x) dx</math> また、特に *<math>\int f(ax+b) dx = \frac{1}{a} \int f(ax+b) d(ax+b)</math> *<math>\int \{f(x)\}^n f'(x) dx = \frac{1}{n+1} \{f(x)\}^{n+1} + C (n \ne -1)</math> *<math>\int \frac{f'(x)}{f(x)} dx = \log | f(x) | + C</math> 例えば、<math>\int (ax+b)^2 dx</math>を考える。 <math>t = ax+b</math>と置く。 この両辺を微分すると <math>dt = adx</math> が成り立つことを考慮すると、 {| |- |<math>\int t^2 \frac {dt} a</math> |<math>=\frac{ t^3} {3a} + C</math> |- | |<math>=\frac{ (ax+b)^3} {3a} + C</math> |} となることがわかる。 実際この式をxで微分すると <math> (ax+b)^2 </math> と一致することが分る。 置換積分を使わずに計算することも出来る。 {| |- |<math>\int (ax+b)^2 dx</math> |<math>=\int (a^2x^2+2abx +b^2) dx</math> |- | |<math>= \frac {a^2} 3 x^3 +abx^2 +b^2x + C'</math> |- | |<math>= \frac {a^2} 3 x^3 +abx^2 +b^2x + \frac {b^3} {3a} +C</math> |} (<math>C'=\frac {b^3} {3a} +C</math>と置き換えた。) <math>=\frac{ (ax+b)^3} {3a} + C</math> となり確かに一致する。 === 部分積分法 === 関数の積の積分を行なうときある関数の微分だけを取りだして積分すると、うまく積分できる場合がある。関数 <math>g(x)</math> の原始関数を <math>G(x)</math> とすると <math>\int f(x) g(x) \, dx = f(x) G(x) - \int f'(x) G(x) \, dx</math> 導出 積の微分法より <math>\{f(x)G(x)\}' = f'(x)G(x) + f(x)g(x)</math> である。これを移項して <math>f(x)g(x) = \{f(x)G(x)\}' - f'(x)G(x)</math> である。両辺をxで積分して <math>\int f(x) g(x) \, dx = f(x) G(x) - \int f'(x) G(x) \, dx</math> が得られる。 例えば、 {| |- |<math>\int x (ax+b)^3 dx</math> |<math>=\int x \left(\frac {(ax+b)^4} {4a} \right)' dx</math> |- | |<math>=x \left(\frac {(ax+b)^4} {4a} \right)- \int (x)' \frac {(ax+b)^4} {4a} dx</math> |- | |<math>=x \left(\frac {(ax+b)^4} {4a} \right)- \int (x)' \frac {(ax+b)^4} {4a} dx</math> |- | |<math>=x \left(\frac {(ax+b)^4} {4a} \right)- \int \frac {(ax+b)^4} {4a} dx</math> |- | |<math>=x \left(\frac {(ax+b)^4} {4a} \right)- \frac {(ax+b)^5} {20a^2} </math> |} 部分積分を <math>n</math> 回行うと、 <math>\begin{align} \int f(x) g(x) \, dx &= f(x) g^{(-1)}(x) - \int f'(x) g^{(-1)}(x) \, dx \\ &= f(x) g^{(-1)}(x) -f'(x) g^{(-2)}(x) + \int f''(x) g^{(-2)}(x) \, dx \\ &= f(x) g^{(-1)}(x) - f'(x) g^{(-2)}(x) + f''(x) g^{(-3)}(x) + \cdots + (-1)^n \int f^{(n)}(x) g^{(-n)}(x) \, dx \end{align}</math> となる。 ここで、<math>g^{(-1)}(x)</math> は <math>g(x)</math> の不定積分の任意の一つ。<math>g^{(-2)}(x)</math> は <math>g^{(-1)}(x)</math> の不定積分の任意の一つ。... <math>g^{(-n)}(x)</math> は <math>g^{(-n+1)}(x)</math> の不定積分の任意の一つというように定める。このように、積分記号で何回も不定積分を計算するのはやや面倒なので、次のような表を作ってみると計算しやすい。 {|class="wikitable" style="background: #ffffff; text-align: center;" |+ !符号 !微分 !積分 |- |<math>+</math> |<Math>f(x)</math> |<Math>g(x)</math> |- |<math>-</math> |<Math>f'(x)</math> |<Math>g^{(-1)}(x)</math> |- |<math>+</math> |<Math>f''(x)</math> |<Math>g^{(-2)}(x)</math> |- |<math>-</math> |<Math>f^{(3)}(x)</math> |<Math>g^{(-3)}(x)</math> |- |<math>\cdots</math> |<Math>\cdots</math> |<Math>\cdots</math> |- |<math>(-)^n</math> |<Math>f^{(n)}(x)</math> |<Math>g^{(-n)}(x)</math> |} この表から、部分積分を <math>n</math> 回行った結果は、 一行目の符号 × 一行目の微分 × 二行目の積分 + 二行目の符号 × 二行目の微分 × 三行目の積分 + ... + <math>\int</math> n行目の符号 × n行目の微分 × n行目の積分 dx と求まる。n行目の微分 が 0 であった場合は、最後の積分は消えて、不定積分は 一行目の符号 × 一行目の微分 × 二行目の積分 + 二行目の符号 × 二行目の微分 × 三行目の積分 + ... + n-1行目の符号 × n-1行目の微分 × n行目の積分 + C となる。 この方法は俗に'''瞬間部分積分法'''と呼ばれており、部分積分を複数回繰り返す際の計算を非常に簡略化できるため、受験数学では重宝されるテクニックの一つである。記述で用いる場合、上の表をそのまま記述するよりも、「部分積分を繰り返し用いると」という文言の後に瞬間部分積分で求めた結果を記述するのが無難である。 === いろいろな関数の積分=== ==== 多項式関数の積分 ==== <math>n \ne -1</math>のとき、<math>\left(\frac{1}{n+1} x^{n+1}\right)'=x^n</math>なので、 <math>\int x^n dx = \frac{1}{n+1} x^{n+1} + C</math> <math>n = -1</math>のとき、<math>(\log |x| )' = \frac{1}{x} = x^{-1}</math>なので、 <math>\int x^{-1} dx = \int \frac {1}{x} dx = \log |x| + C</math> が成り立つ。 ==== 三角関数の積分 ==== *<math>(\sin x )' = \cos x</math> *<math>(\cos x )' = -\sin x</math> *<math>(\tan x )' = \frac{1}{\cos^2 x}</math> が成り立つことを考慮すると、 *<math>\int \cos x dx= \sin x + C</math> *<math>\int \sin x dx = - \cos x + C</math> *<math>\int \frac{1}{\cos^2 x } dx = \tan x + C</math> となることが分る。 <math>\int \tan x dx</math>は、置換積分法を使って {| |- |<math>\int \tan x dx</math> |<math>=\int \frac{\sin x}{\cos x} dx</math> |- | |<math>=\int \frac{-(\cos x)'}{\cos x} dx</math> |- | |<math>= - \int \frac{(\cos x)'}{\cos x} dx</math> |- | |<math>= - \log | \cos x | + C</math> |} :  :なお同様に、<math>\frac{1}{\tan x} = \frac{\cos x}{\sin x}</math> であるので、<math>\int \frac{1}{\tan x} dx = \int \frac{\cos x}{\sin x} dx =\int \frac{(\sin x)'}{\sin x} dx = \log \left|\sin x\right| + C</math> :  より一般に有理関数 <math>R(x,y)</math> に対して、<math>\int R(\sin\theta,\cos\theta) \,d\theta</math> について考える。 <math>t = \tan \frac{\theta}{2}</math> とおく。 <math>\tan^2\frac{\theta}{2} + 1 = \frac{1}{\cos^2\frac{\theta}{2}}</math> よって <math>\cos^2\frac{\theta}{2} = \frac{1}{1+t^2}</math>である。<math>\frac{dt}{d\theta} = \frac{d}{d\theta}\tan\frac{\theta}{2} = \frac{1}{2\cos^2\frac{\theta}{2}} = \frac{1}{2}(t^2+1)</math> であり、<math>\cos\theta = 2\cos^2\frac{\theta}{2} - 1 = \frac{1-t^2}{1+t^2}</math> かつ <math>\sin\theta = \tan\theta\cos\theta = \frac{2\tan\frac{\theta}{2}}{1-\tan^2\frac{\theta}{2}}\cos\theta = \frac{2t}{1+t^2}</math> である。よって <math>\int R(\sin\theta,\cos\theta) \,d\theta = \int R\left(\frac{2t}{1+t^2}, \frac{1-t^2}{1+t^2}\right) \, \frac{2dt}{1+t^2}</math> と有理関数の積分にもち込める。 幾何学的は、この変換は単位円上の点 <math>P(\cos \theta, \sin \theta)</math>と点 <math>A(-1,0)</math> を結ぶ直線の勾配 <math>t</math> で変換したものである。実際円周角の定理より <math>\angle xAP = \frac 1 2 \angle xOP = \frac \theta 2</math>より <math>t = \tan \frac{\theta} 2.</math> 被積分関数の周期が <math>\pi</math> の場合は、被積分関数は <math>\sin 2\theta,\cos 2 \theta</math> の有理関数なので、 <math>t = \tan\theta</math> と置換すると計算が楽である。被積分関数が <math>\sin^2\theta,\cos^2\theta,\sin\theta\cos\theta</math> の有理関数となるときもこの範疇に属する。<math>t = \tan\theta</math> と置換したとき、<math>\cos^2\theta = \frac{1}{1+\tan^2\theta}=\frac{1}{1+t^2}</math>, <math>\sin^2\theta = \tan^2 \theta \cos^2 \theta = \frac{t^2}{1+t^2}</math> , <math>\sin\theta \cos\theta = \pm\sqrt{\sin^2\theta \cos^2\theta} = \frac{t}{1+t^2}</math> (<math>\sin\theta \cos\theta</math> と <math>\tan\theta = \frac{\sin\theta}{\cos\theta}</math> の正負は一致するため), <math>d \theta = \frac {dt}{1 + t^2}</math> となる。 例 <math>\int\frac{1}{\sin x \cos x}dx</math> は <math>t = \tan x</math> と置換すると、<math>\int \frac {1}{\sin x \cos x}dx = \int \frac {1+t^2}{t} \frac { dt}{1+t^2} = \ln|\tan x| + C. </math> <math>t = \tan \frac{\theta}{2}</math> と置換してしまうと、<math>\int \frac{1}{\sin x \cos x}\,dx = \int \frac {1+t^2}{t(1-t^2)}\,dt = \ln \left|\frac{t}{1-t^2}\right| + C' = \ln|\tan x| + C </math> と計算量が少し増える。 ==== 指数・対数関数の積分 ==== 指数関数について <math>(e^x )' = e^x</math> が成り立つことを用いると、 <math>\int e^x dx = e^x + C</math> が得られる。 また、 <math>\left(\frac{a^x}{\ln a}\right)' = a^x</math> なので、 <math>\int a^x \, dx=\frac{a^x}{\ln a}</math> である。 また、<math>\log |x|</math>の 原始関数も求めることが出来る。 {| |<math>\int \log |x| dx </math> |<math>=\int (x)' \log |x| dx </math> |- | |<math>=x \log |x| -\int x (\log |x|)' dx </math> |- | |<math>=x \log |x| -\int x \frac 1 x dx </math> |- | |<math>=x \log |x| -\int dx </math> |- | |<math>=x \log |x| -x + C</math> |} となる。 有理関数 <math>R(x)</math> に対して、積分 <math>\int R(e^x) \, dx</math> は <math>t = e^x</math> すると <math>\frac{dt}{dx} = e^x = t</math> より <math>\int R(e^x) \, dx = \int R(t) \frac{dt}{t}.</math> ==== 二次無理関数の積分(発展) ==== 有理関数 <math>R(x,y)</math> に対して、積分 <math>\int R(x,\sqrt{ax^2 + bx + c}) \, dx</math> について考えよう。平方根の中身は平方完成することによって、<math>\sqrt{p^2-x^2},\sqrt{x^2+p^2},\sqrt{x^2-p^2}</math>のいずれかの形になる。それぞれの場合について、<math>x = p\sin \theta,x = p\tan\theta,x = \frac{p}{\cos \theta}</math> と変数変換すると三角関数の積分に帰着する。 また、<math>y^2 = ax^2 +bx + c</math> は二次曲線で、特に <math>a>0</math> のときは双曲線となる(<math>y^2 -a\left(x+\frac{b}{2a}\right)^2 = \frac{-b^2 + 4ac}{4a}</math>より<ref>右辺が0のとき双曲線とはならないが、このときは簡単に平方根を外すことが出来るので考える必要はない。</ref>)。このとき、<math>y=\pm \sqrt a x + t</math> すなわち <math>t = \mp \sqrt a x + \sqrt{ax^2 + bx + c}</math> と変換するとうまく計算できる(符号はどちらを選択しても良い)。幾何学的には、双曲線の漸近線に平行で切片が <math>t</math> の直線 <math>y=\pm \sqrt a x + t</math> と双曲線のただ一つの交点 <math>(x,y)</math> を変数 <math>t</math> で表したものである。 例 <math>\int \frac{dx}{\sqrt{x^2-1}} </math> は <math>t = x + \sqrt{ x^2-1}</math> と置換すると、<math>\frac 1 t = x - \sqrt{x^2-1}</math> なので、<math>t + \frac 1 t = 2x</math> すなわち <math>2dx = \left(1 - \frac 1 {t^2}\right)dt</math> また、 <math>t - \frac 1 t = 2\sqrt{x^2-1}</math>.なので、<math>\int \frac{dx}{\sqrt{x^2-1}} = \int \frac{1-\frac{1}{t^2}}{t-\frac 1 t}dt = \int \frac{dt}{t} = \ln |x + \sqrt{x^2-1}| + C </math> である。 ところで、この変換は双曲線 <math>y^2 = x^2 - 1</math> と直線 <math>y = -x + t</math> のただ一つの交点による変換であった。その交点を方程式を解いて <math>t</math> で表すと、<math>x = \frac 1 2 \left(t + \frac 1 t\right), \, y =\frac 1 2 \left(t - \frac 1 t\right)</math> を得る。これは双曲線の媒介変数表示の一つである。また、 <math>t \rightarrow e^t</math> とすると、<math>x = \frac{e^t + e^{ -t} }{2} = \cosh t, \, y = \frac{e^t - e^{-t}}{2} = \sinh t.</math> これは <math>x > 0</math> の部分の双曲線の媒介変数表示である。最右辺は双曲線関数と呼ばれ、三角関数と似た性質を持つ。関数名の <math>\mathrm{h}</math> はhyperbolaに由来する。例えば、双曲線の方程式より得られる <math>\cosh^2 t - \sinh^2 t = 1</math> は <math>\sin^2\theta + \cos^2\theta = 1</math> とよく似ている。例示の不定積分は <math>x = \cosh t</math> と置換しても解くことが出来るが、ほとんど同じことなので省略する。 == 定積分 == 定積分について、不定積分と同じように以下が成り立つ。 '''定積分の置換積分法''' <math>\alpha < \beta</math>のとき、開区間<math>[\alpha, \beta]</math>で微分可能な関数<math>x=g(t)</math>に対し、<math>a=g(\alpha), b=g(\beta)</math>ならば<math>\int_{a}^{b} f(x) \, dx = \int_{\alpha}^{\beta} f(g(t)) g'(t) \, dt </math> '''定積分の部分積分法''' <math>\int_{a}^{b} f(x) g'(x) \, dx = \left[ f(x) g(x) \right]^{a}_{b} - \int_{a}^{b} f'(x) g(x) \, dx </math> *問題 **以下の定積分を求めよ(Hint:5, 6は漸化式を利用する) **#<math>\int_{0}^{1} |e^x - \frac{3}{2}| \, dx</math> **#<math>\int_{1}^{0} \frac{x-2}{(3-x)^2} \, dx</math> **#<math>\int_{-5}^{5} x \sqrt{x^2-9} \, dx</math> **#<math>\int_{3}^{7} x \log (x^2 - 2) \, dx </math> **#<math>\int_{0}^{\frac{\pi}{2}} \sin^n x \, dx</math> **#<math>\int_{0}^{\frac{\pi}{4}} \tan^n x \, dx</math> === 特殊な定積分 === ==== 円 ==== <math>a < b</math> とする。積分 <math>\int_a ^b \sqrt{(x-a)(b-x)}\, dx</math> は <math>y = \sqrt{(x-a)(b-x)}</math> とすると、<math>\left(x-\frac{a+b}{2} \right) + y^2 = \left(\frac{a-b}{2} \right)^2</math> より、被積分関数 <math>y</math> は中心 <math>\frac{a+b}{2}</math> で半径 <math>\frac{b-a}{2}</math>の円周の上半分であり、積分区間もその両端なので、積分の値は半円の面積に等しく、<math>\int_a ^b \sqrt{(x-a)(b-x)} \, dx = \frac{\pi}{2}\left(\frac{b-a}{2}\right)^2</math> である。 ==== King Property ==== 一般に、関数 <math>f(a-x)</math> のグラフは関数 <math>f(x)</math> のグラフを直線 <math>x = \frac a 2</math> で対称移動したものである。 従って、連続関数 <math>f(x)</math> を区間 <math>\left[\frac{a+b}{2},b\right]</math> で積分した値 <math>\int_{\frac{a+b}{2}}^{b} f(x) \, dx</math> と、連続関数 <math>f(a+b-x)</math> を区間 <math>\left[a,\frac{a+b}{2}\right]</math> で積分した値 <math>\int_{a}^{\frac{a+b}{2}} f(a+b-x)\, dx</math> は等しい: :<math>\int_{\frac{a+b}{2}}^{b} f(x) \, dx = \int_{a}^{\frac{a+b}{2}} f(a+b-x) \, dx.</math> この等式は単に、 <math>x \to a+b-x</math> の変数変換によっても導出できる。 この等式より、 <math>\int_a^b f(x) \, dx = \int_{a}^{\frac{a+b}{2}} f(x)\, dx +\int_{\frac{a+b}{2}}^{b} f(x) \, dx = \int_{a}^{\frac{a+b}{2}} [f(x) + f(a+b-x)] \, dx </math> が導かれる。 この公式は、<math>f(x) + f(a+b-x)</math> が簡単な形になる定積分で役に立つ。 例えば、<math>\begin{align}\int_{0}^{\frac{\pi}{2}} \frac{\sin x}{\sin x + \cos x} \, dx &= \int_{0}^{\frac{\pi}{4}} \left[\frac{\sin x}{\sin x + \cos x} +\frac{\sin (\frac{\pi}{2}-x)}{\sin (\frac{\pi}{2}-x) + \cos (\frac{\pi}{2}-x)}\right]\, dx \\ &= \int_{0}^{\frac{\pi}{4}} \left[\frac{\sin x}{\sin x + \cos x} +\frac{\cos x}{\cos x + \sin x}\right]\, dx \\ &= \int_{0}^{\frac{\pi}{4}}dx = \frac{\pi}{4}.\end{align} </math> King Property の応用例は <math>\int_{-1}^{1} \frac{x^2}{1+e^x} \, dx = \frac 1 3</math> , <math>\int_0^{\frac \pi 4} \ln(1+\tan x)\, dx = \frac \pi 8 \log 2</math> , <math>\int_0^{\frac \pi 2} \log (\sin x) \, dx = -\frac{\pi}{2}\log 2</math>, <math>\int_0^{2\pi} \cos^2\left(\frac{\pi\tan{x}}{2+2\tan{x}}\right)dx=\frac{\pi}{2}</math> などがある。計算してみよ。 === 定積分と不等式 === 一般に、連続関数について次のことが成り立つ。 :開区間<math>[a, b]</math>において<math>f(x) \leqq g(x)</math>ならば、<math>\int_{a}^{b} f(x) \, dx \leqq \int_{a}^{b} g(x) \, dx</math> :等号成立条件は開区間<math>[a, b]</math>において恒等的に<math>f(x) = g(x)</math>であること。 *例題 :調和級数の第n部分和が<math>\log(n+1)</math>より大きいことを証明せよ。 *解答 自然数kに対して<math>k \leqq x \leqq k+1</math>のとき<math>\frac{1}{k} \geqq \frac{1}{x}</math>であり、等号は常には成り立たないので<math>\int_{k}^{k+1} \frac{dx}{k} > \int_{k}^{k+1} \frac{dx}{x}</math>である。故に<math>\sum_{k=1}^{n} \int_{k}^{k+1} \frac{dx}{k} > \sum_{k=1}^{n} \int_{k}^{k+1} \frac{dx}{x}</math>。 このとき、(左辺)<math>= \sum_{k=1}^{n} \frac{1}{k} \int_{k}^{k+1} dx = \sum_{k=1}^n \frac{1}{k}</math>より左辺は調和級数の第n部分和であり、(右辺)<math>= \sum_{k=1}^{n} \int_{k}^{k+1} \frac{dx}{x} = \int_{1}^{n+1} \frac{dx}{x} = \left[ \log(x) \right]_{1}^{n+1} = \log(n+1) - \log(1) = \log(n+1)</math>なので、題意は示された。 ===発展:広義積分=== '''広義積分'''とは、通常の定積分の範囲を超えて積分区間が無限であったり被積分関数が積分区間内で'''特異点'''(値が定義されなかったり微分不可能だったり不連続であったりする点)を持つ場合に、極限を用いて定義される定積分である。 定積分<math>\int_a^b f(x) \, dx</math>において、<math>b \to \infty</math>の極限を<math>\int_a^\infty f(x) \, dx</math>、<math>a \to -\infty</math>の極限を<math>\int_{-\infty}^b f(x) \, dx</math>のように表す。 例えば、<math>\int_0^\infty e^{-x} dx</math>は以下のように計算できる。 :<math>\int_0^\infty e^{-x} dx</math> :<math>=\lim_{b \to \infty} \int_0^b e^{-x} dx</math> :<math>=\lim_{b \to \infty} [-e^{-x}]_0^b </math> :<math>=\lim_{b \to \infty} (-\frac{1}{e^b} + 1)</math> :<math>=1</math> 但し、極限操作の前に定積分を計算してよいのは以下の場合に限られる。 :被積分関数が連続(定積分可能) :積分区間の内部に特異点が存在しない(特異点が端点のみ) :求めたい積分が(条件)収束する(発散しない) 積分区間の上端が正の無限大で下端が負の無限大のとき、広義積分は以下のように計算される。 :<math>\int_{-\infty}^{\infty} f(x) \, dx = \lim_{a \to -\infty} \lim_{b \to \infty} \int_a^b f(x) \, dx</math> 決して<math>\int_{-\infty}^{\infty} f(x) \, dx = \lim_{A \to \infty} \int_{-A}^A f(x) \, dx</math>(対称極限)のように計算してはならない。 例えば、<math>\int_{-\infty}^{\infty} \frac{x}{1+x^2} \, dx</math>は発散するが、対称極限のように計算すると<math>\lim_{A \to \infty} \int_{-A}^{A} \frac{x}{1+x^2} \, dx = 0</math>という誤った結果を得る。 この例のように、非積分関数が奇関数であっても<math>\int_{-\infty}^{\infty} f(x) \, dx=0</math>は一般には成り立たない。あくまでも、'''上端と下端を独立に考えて極限を取る'''ことに注意が必要である。 例えば、以下が成り立つ。 :<math>\int_{-\infty}^\infty e^{-ax^2} dx = \sqrt{\frac{\pi}{a}}</math> これは'''ガウス積分'''と呼ばれる有名な結果である。 この値の導出には重積分やヤコビ行列といった大学範囲の数学が良く用いられるが、一応は高校数学のみで証明可能である。後述の演習問題を参照。 この結果は[[高等学校数学B/確率分布と統計的な推測#正規分布|正規分布の確率密度関数]]の導出に用いられる。 :元となる関数は<math>y=e^{-x^2}</math>。 :平均値<math>\mu</math>を軸に持ってくる平行移動をして<math>y=e^{-(x-\mu)^2}</math>。 :分布の広さ(ばらつきの大きさ)を標準偏差<math>\sigma</math>に合わせるため<math>\mu \pm \sigma</math>で極値をとるように変形して<math>y=e^{-\frac{(x-\mu)^2}{2\sigma^2}}</math> :ガウス積分の結果より<math>\int_{-\infty}^\infty e^{-\frac{(x-\mu)^2}{2\sigma^2}} \, dx = \sqrt{2\pi}\sigma</math>。 :確率密度関数は<math>\int_{-\infty}^{\infty} f(x) \, dx=1</math>を満たすので、元の関数を<math>\sqrt{2\pi}\sigma</math>(定数)で割って<math>y=\frac{1}{\sqrt{2\pi}\sigma} e^{-\frac{(x-\mu)^2}{2\sigma^2}}</math>。 :これは正規分布の特徴を適切に表すため、確率密度関数として適当である。 他に、<math>\int_{-\infty}^{\infty} \sin(x^2) \, dx = \int_{-\infty}^{\infty} \cos(x^2) \, dx = \sqrt{\frac{\pi}{2}}</math>('''フレネル積分''')が有名な結果である。なお、この積分は不定積分を[[w:初等関数]]で表すことができない。 広義積分の応用例として、'''フーリエ変換'''や'''ラプラス変換'''が存在する。 :<math>\text{ℱ}[f(x)](\xi):=\int_{-\infty}^\infty f(x)e^{-2\pi{i}\xi{x}}dx</math> :<math>\text{ℒ}[f(x)](s):=\int_0^\infty f(x)e^{-sx}dx</math> これらは物理的には信号処理や制御工学に応用されているほか、数学では関数解析学と呼ばれる分野にも関わる概念である。 '''演習問題1''' 次の不定積分を求めよ。 :(1)<math>\int \tan xdx</math> :(2)<math>\int \frac{1}{\cos ^2x}dx</math> :(3)<math>\int \log xdx</math> :(4)<math>\int x\log xdx</math> :(5)<math>\int x^2\log xdx</math> :(6)<math>\int x^3\log xdx</math> :(7)<math>\int x\sin xdx</math> :(8)<math>\int x^2\sin xdx</math> :(9)<math>\int x^2e^xdx</math> :(10)<math>\int \frac{dx}{\sin x}</math> :(11)<math>\int \frac{dx}{\cos x}</math> {{解答}} :(1)<math>-\log |\cos x|+C</math> :(2)<math>\tan x+C</math> :(3)<math>x\log x-x+C</math> :(4)<math>\frac{x^2\log x}{2}-\frac{x^2}{4}+C</math> :(5)<math>\frac{x^3\log x}{3}-\frac{x^3}{9}+C</math> :(6)<math>\frac{x^4\log x}{4}-\frac{x^4}{16}+C</math> :(7)<math>\sin x-x\cos x+C</math> :(8)<math>2x\sin x+(2-x^2)\cos x+C</math> :(9)<math>(x^2-2x+2)e^x+C</math> :(10) <math> t = \tan\frac x 2 </math> と置換すると、 <math> \begin{align} \int \frac{dx}{\sin x} &= \int \frac{1+t^2}{2t}\frac{2dt}{1+t^2}\\ &= \int \frac{dt}{t}\\ &= \log |t| + C\\ &= \log \left|\tan\frac x 2 \right| + C. \end{align}</math> 別解 <math>\begin{align} \int \frac{dx}{\sin x} &= \int \frac{dx}{2\sin\frac x 2 \cos \frac x 2}\\ &= \int \frac{\cos\frac x 2 dx}{2\sin\frac x 2 \cos^2 \frac x 2}\\ &= \int \frac{(\tan \frac x 2)'dx}{\tan \frac x 2}\\ &= \log \left|\tan\frac x 2 \right| + C. \end{align}</math> <math>\begin{align} \int \frac{dx}{\sin x} &= \int \frac{\sin x}{\sin^2 x} dx\\ &= \int \frac{\sin x}{1- \cos^2 x} dx\\ &= \frac 1 2 \int \frac{\sin x}{1 - \cos x} dx + \frac 1 2 \int \frac{\sin x}{1 + \cos x} dx\\ &= \frac 1 2 \int \frac{(1 - \cos x)'}{1 - \cos x} dx - \frac 1 2 \int \frac{(1 + \cos x)'}{1 + \cos x} dx\\ &= \frac 1 2 \log \left|\frac{1-\cos x}{1+\cos x} \right| + C \\ &= \frac 1 2 \log \frac{1-\cos x}{1 + \cos x} + C. \end{align}</math> ちなみに、半角の公式より <math>\log \left|\tan\frac x 2 \right| = \frac 1 2 \log \left|\frac{\sin^2 \frac x 2}{\cos^2 \frac x 2}\right| = \frac 1 2 \log \frac{1-\cos x}{1 + \cos x} </math> が成り立つ。 :(11) <math> \begin{align} \int \frac{dx}{\cos x} &= \int \frac{dx}{\sin(x + \frac \pi 2)}\\ &= \log \left|\tan\left(\frac x 2 + \frac \pi 4 \right) \right| + C. \end{align}</math> 別解 <math> t = \tan\frac x 2 </math> と置換すると、 <math> \begin{align} \int \frac{dx}{\cos x} &= \int \frac{1+t^2}{1-t^2} \frac{2dt}{1+t^2}\\ &= \int \frac{2dt}{1-t^2}\\ &= \int \frac{dt}{1+t} + \int \frac{dt}{1-t}\\ &= \log \left|\frac{1+t}{1-t}\right| + C\\ &= \log \left|\frac{1+\tan\frac x 2}{1-\tan\frac x 2}\right| + C.\\ \Big( &= \log \left|\tan\left(\frac x 2 + \frac \pi 4\right) \right| + C \Big) \end{align}</math> なお、部分分数分解について、 <math>f(t) = \frac{2}{1-t^2} = \frac{A}{1+t} + \frac{B}{1-t}</math> とすると、 <math>A = \lim_{t\to -1}(1+t)f(t) = \lim_{t\to -1} \frac{2(1+t)}{1-t^2} = \lim_{t\to -1} \frac{2}{1-t} = 1</math>, <math>B = \lim_{t\to 1}(1-t)f(t) = \lim_{t\to 1} \frac{2(1-t)}{1-t^2} = \lim_{t\to 1} \frac{2}{1+t} = 1</math> より係数が求まる。 別解2 <math>\begin{align} \int \frac{dx}{\cos x} &= \int \frac{\cos x}{\cos^2 x} dx\\ &= \int \frac{\cos x}{1- \sin^2 x} dx\\ &= \frac 1 2 \int \frac{\cos x}{1 - \sin x} dx + \frac 1 2 \int \frac{\cos x}{1 + \sin x} dx\\ &= -\frac 1 2 \int \frac{(1 - \sin x)'}{1 - \sin x} dx + \frac 1 2 \int \frac{(1 + \sin x)'}{1 + \sin x} dx\\ &= \frac 1 2 \log \left|\frac{1+\sin x}{1 - \sin x} \right| + C \\ &= \frac 1 2 \log \frac{1+\sin x}{1 - \sin x} + C. \end{align}</math> これも、 <math>\log \left|\tan\left(\frac x 2 + \frac \pi 4\right) \right| = \frac 1 2 \log \frac{1-\cos (x + \frac \pi 2)}{1 + \cos(x + \frac \pi 2)} = \frac 1 2 \log \frac{1+\sin x}{1 -\sin x} </math> である。 {{証明終わり}} ==積分の応用== === 面積 === ある関数f(x)の原始関数を求める演算は f(x)とx軸にはさまれた領域の面積を求める演算に等しい。 このことを用いて ある関数によって作られた領域の面積を求めることが出来る。 [[画像:Integral_x%5E2_0-1.png|right|x^2の0から1までの積分]] 例えば、 <math> \int _0 ^1 x^2 dx = \frac 1 3 </math> は、放物線<math> y = x^2</math>について <math>0 < x < 1</math>の範囲でかこまれる面積に等しい。 '''面積(Ⅰ)''' 曲線<math>y=f(x)</math>と2直線<math>x=a, x=b</math>及びx軸で囲まれた領域の面積は、 閉区間<math>[a, b]</math>で常に<math>f(x) \geqq 0</math>のとき<math>S = \int_{a}^{b} f(x) dx</math> 閉区間<math>[a, b]</math>で常に<math>f(x) \leqq 0</math>のとき<math>S = -\int_{a}^{b} f(x) dx </math> 厳密な証明は既に数学Ⅱで扱った。 2曲線で囲まれた領域の面積についても、同様である。 '''面積(Ⅱ)''' 2曲線<math>y=f(x), y=g(x)</math>と2直線<math>x=a, x=b</math>で囲まれた領域の面積は、 閉区間<math>[a, b]</math>で常に<math>f(x) \geqq g(x)</math>のとき<math>S = \int_{a}^{b} \{ f(x) - g(x) \} dx</math> y軸まわりで考えた場合も同様である。 '''面積(Ⅲ)''' 2曲線<math>x=h(y), x=i(y)</math>と2直線<math>y=c, y=d</math>で囲まれた領域の面積は、 閉区間<math>[c, d]</math>で常に<math>h(y) \geqq i(y)</math>のとき<math>S = \int_{c}^{d} \{ h(y) - i(y) \} dy</math> 媒介変数表示された曲線の場合、xとyの好きな方で面積の式を考えてパラメータに関する式へと置換積分すれば良い。 {{コラム|ガウス=グリーンの定理| '''ガウス=グリーンの定理'''という以下のような公式が存在する。 :閉曲面Sで囲まれた空間の領域をV、曲面の外向き法線の方向余弦を(l, m, n)、微分可能な関数をf, g, hとするとき、<math>\int_{V} (\frac{\partial f}{\partial x} + \frac{\partial g}{\partial y} + \frac{\partial h}{\partial z}) dV = \int_{S} (fl+gm+hn) dS </math> この定理を高校レベルの求積で使えるように調整すると、以下のようになる。 :曲線<math>\begin{cases} x = f(t) \\ y = g(t) \end{cases}</math>について、<math>[a, b]</math>の範囲でtの増加とともに点<math>P(f(t), g(t))</math>がxy平面上を原点中心に反時計回りに動くときに線分<math>OP</math>が通過する領域の面積は、<math>\int_{a}^{b} \frac{1}{2} \{ x g'(t) - y f'(t) \} dt</math> この定理を用いると、通常の積分で面積を求めるよりも遙かに計算量が少なくて済む。 もちろん記述では使えないが、答えのみ書けば良い場合や検算用のツールとしては非常に役立つ。 }} ; '''発展:極座標系における面積''' [[高等学校数学C/平面上の曲線#極座標|極座標系]]においても、直交座標系と同様に微積分を考えることができる。ここでは、その一例として極方程式で表された曲線における面積について扱う。 '''面積(Ⅳ)''' 曲線<math>r=r(\theta)</math>と2直線<math>\theta = \alpha, \theta = \beta</math>で囲まれた部分の面積は、 <math>S = \int_{\alpha}^{\beta} \frac{1}{2} \{ r(\theta) \}^2 d\theta</math> *証明 基本的には直交座標の場合と同様である。 :曲線<math>r=r(\theta)</math>と2直線<math>\theta = \alpha, \theta = \tau</math>で囲まれた部分の面積を<math>S(\tau)</math>とおく。 :<math>\Delta \tau > 0</math>として<math>\tau + \Delta \tau</math>の場合を考える。 :閉区間<math>[\tau, \tau + \Delta \tau]</math>における<math>r(\theta)</math>の最小値を<math>m</math>、最大値を<math>M</math>とおくと、微小な扇形の面積を考えることにより<math>\frac{1}{2}m^2\Delta \tau \leqq S(\tau + \Delta \tau) - S(\tau) \leqq \frac{1}{2} M^2 \Delta \tau</math>が得られる。 :上の不等式の各辺を<math>\Delta \tau</math>で割ると、<math>\frac{1}{2}m^2 \leqq \frac{S(\tau + \Delta \tau) - S(\tau)}{\Delta \tau} \leqq \frac{1}{2}M^2</math> :<math>\Delta \tau \to 0</math>の極限を考えると、 ::<math>r(\tau)</math>は連続関数なので<math>\frac{1}{2} m^2 \to \frac{1}{2} \{ r(\tau) \}^2, \frac{1}{2} M^2 \to \frac{1}{2} \{ r(\tau) \}^2</math> ::微分の定義より<math>\frac{S(\tau + \Delta \tau) - S(\tau)}{\Delta \tau} \to S'(\tau)</math> :よってはさみうちの原理より<math>S'(\tau) = \frac{1}{2} \{ r(\tau) \}^2</math> :これにて示された。 この公式は、'''<math>\theta</math>が偏角である場合のみ用いることができる'''。もし<math>\theta</math>が偏角ではない場合、<math>\theta</math>と偏角<math>\phi</math>の関係を求めて置換積分する必要がある。 ; '''楕円の面積''' '''楕円の面積''' 楕円<math>\frac{x^2}{a^2}+\frac{y^2}{b^2}=1</math>の面積は、 <math>S=\pi ab</math> *導出 楕円<math>\frac{x^2}{a^2}+\frac{y^2}{b^2}=1</math>を<math>y</math>について解くと :<math>y=\pm\frac{b}{a}\sqrt{a^2-x^2}</math> となる。そのうち<math>y=\frac{b}{a}\sqrt{a^2-x^2}</math>は半楕円(楕円の上半分)を示している。その半楕円の面積を2倍したものが楕円の面積''S''となるので :<math>S=2\int _{-a} ^a \frac{b}{a}\sqrt{a^2-x^2} = \frac{2b}{a}\int _{-a} ^a \sqrt{a^2-x^2} = \frac{2b}{a} \times \frac{\pi a^2}{2} = \pi ab</math> となる。 === 体積 === ある立体<math>V_0</math>の<math>x = t</math>における断面積が有限な値で、その値が <math>t</math>の関数<math>S(t)</math>となるとき、この立体を平面<math>x = a</math>,<math>x = b</math>(ただし、<math>a < b</math>)で切り取った領域の体積は、底面積<math>S(t)</math>に極めて小さい高さ<math>dt</math><ref>なお、この時、<math>dt</math>が<math>S(t)</math>に対して積分区間で常に鉛直方向の関係にあることが保証されていなければならない。</ref>の積<math>S(t) \, dt</math>の区間<math>[a,b]</math>における累積であるので、以下の式で表すことができる。 :<math> V = \int_a^{b} S(t) \, dt</math> (例1) :<math>O(0,0,0), A(1,0,0), B(1,1,0), C(1,0,2)</math>である三角錐を考える。 :この三角錐を平面<math>x=t (0\leqq t \leqq 1)</math>で切断すると、断面の三角形の各座標は<math>A_t(t,0,0), B_t(t,t,0), C_t(t,0,2t)</math>となる。この時、<math>\triangle{A_t B_t C_t}</math>の面積<math>S(t)=t^2</math>となる。 :これを、区間<math>[0,1]</math>で積分すると、 :<math> V = \int_0^{1} S(t) \, dt = \int_0^{1} t^2 \, dt = \left[ \frac{t^3}{3}\right]_{0}^{1} = \frac{1}{3}</math>となる<ref>三角錐<math>O-ABC</math>は、<math>\triangle{ABC}</math>を底面(<math>S=1</math>)とし、<math>OA</math>を高さ(<math>1</math>)とする三角錐なので、体積は、<math>\frac{1}{3}</math>となり、正しい。</ref>。 (例2) :設問 :#<math>O(0,0,0), A(1,0,0), B(0,1,0), C(1,1,0), D(0,0,1), E(1,0,1), F(0,1,1), G(1,1,1)</math>である立方体を想定。 :#平面<math>x=t (0\leqq t \leqq 1)</math>で切断し、<math>\square{O_t A_t B_t C_t}</math>を得る。 :#線分<math>O_t A_t , A_t B_t , B_t C_t , C_t O_t </math>に、各々点<math>O_t, A_t, B_t, C_t</math>から、長さ<math>t</math>である点<math>H_t, I_t, J_t, K_t</math>をとり、<math>\square{H_t I_t J_t K_t}</math>を<math>S_t</math>とする。 :#<math>t</math>を区間<math>[0,1]</math>で変化させた時、<math>S_t</math>が通過する部分の体積<math>V</math>を求めよ。なお、<math>S_t</math>が正方形である証明は省略してよい。 :解答 :#<math>S_t</math>の1辺の長さを<math>l</math>とおくと、<math>l^2 = t^2 + (1-t)^2 = 2t^2 - 2t + 1</math> :#<math>S_t</math>の面積<math>S(t)</math>は<math>l^2</math>であるから、<math>S(t) = 2t^2 - 2t + 1</math> :#これを、区間<math>[0,1]</math>で積分すると、 :#<math> V = \int_0^{1} S(t) \, dt = \int_0^{1} (2t^2 - 2t + 1) \, dt = \left[ \frac{2t^3}{3} - t^2 +t \right]_{0}^{1} = \frac{2}{3}</math>となる。 ; '''回転体の体積''' <math>y= f(x) (a \le x \le b )</math> で与えられる曲線をx軸の回りに回転させて作られる立体の体積Vは、 <math>V = \int _a ^b \pi \{ f(x) \}^2 dx</math> で与えられる。 導出 立体をx軸に垂直であり、x=cを満たす面とx=c+hを満たす面で切ると(hは小さな 定数)、その切断面で挟まれた立体は半径 f(c)の円と半径 f(c+h)の円 ではさまれた立体となる。 しかし、hが極めて小さいとき、この図形は半径f(c),高さhの円柱で 近似できる。 よってこの2つの面に関して、得られた図形の体積は <math> h \times \pi (f(c) )^2 </math> となる。 これを<math>a<c<b</math>満たす全てのcについて足し合わせると、 <math> S = \int _a ^b \pi ( f(x))^2 dx </math> が得られる。 同様に、<math>x = g(y) (c \le x \le d )</math>で与えられる曲線をy軸の回りに回転させて作られる立体の体積Vは、 :<math>V = \int _c ^d \pi \{ g(y) \}^2 dy</math> で与えられる。 例えば、 <math> y= x^2 ~(0<x<1) </math> をx軸の回りに回転させて得られる図形の体積は、 :図形の絵? <math> S = \int_0^1 \pi (x^2)^2 dx </math> <math> =\pi \int_0^1 x^4 dx </math> <math> =\frac {\pi} 5 </math> となる。 ;球の体積 球の体積<math>V=\frac{4}{3}\pi r^3</math>の導出 半径''r''の球は半円<math>y=\sqrt{r^2-x^2}</math>を''x''軸の周りに回転させてつくることができる。 :<math>V=\pi \int_{-r}^r \sqrt{r^2-x^2}^2 dx=\pi \int_{-r}^r (r^2-x^2) dx= \frac{4}{3}\pi r^3</math> また体積を''r''で微分すると球の表面積<math>S=4\pi r^2</math>が得られる。 ; 補:バームクーヘン積分 上記の回転体の公式の導出では「円盤の面積を積分」しているが、「円筒の側面積」を積分しても同様の結果が得られる。この考え方を'''バームクーヘン積分(円筒分割積分)'''と呼ぶ。 バームクーヘン積分による回転体の体積の公式 曲線<math>y=f(x)</math>とx軸、直線<math>x=a, x=b</math>に囲まれた部分をx軸周りに一回転した立体の体積は、 <math>V = 2\pi \int_{a}^{b} x f(x) dx</math> *導出 :閉区間<math>[x, x + \Delta x](\Delta x > 0)</math>においてx軸と曲線<math>y=f(x)</math>で挟まれた領域をy軸周りに一回転してできる立体の体積を<math>\Delta V</math>とし、同区間におけるf(x)の最小値をm、最大値をMとおく。 :このとき、<math>\pi \{(x + \Delta x)^2 - x^2 \}m \leqq \Delta V \leqq \pi \{(x + \Delta x)^2 - x^2 \}M</math> :変形すると<math>\pi(2x + \Delta x)m \leqq \frac{\Delta V}{\Delta x} \leqq \pi (2x + \Delta x)M</math> :<math>\lim_{\Delta x \to + 0} m = \lim_{\Delta x \to + 0} M = f(x)</math>なのではさみうちの原理より<math>\lim_{\Delta x \to + 0} \frac{\Delta V}{\Delta x} = 2 \pi x f(x)</math> :<math>\therefore \frac{dV}{dx} = 2 \pi x f(x)</math> :<math>\Delta x < 0</math>でも同様。 :この微分方程式を解く(詳細は[[高等学校理数数学#微分方程式|こちら]])と、 ::<math>dV = 2 \pi x f(x) dx</math> ::<math>\int dV = \int 2 \pi x f(x) dx</math> ::<math>V = 2 \pi \int x f(x) dx + C</math>(Cは積分定数) :閉区間<math>[a, b]</math>で定積分を考えると、<math>V = 2 \pi \int_{a}^{b} x f(x) dx</math>となる。 記述問題で用いる場合、念のため上のように証明しておくと良い。 ; 補:パップス・ギュルダンの定理 図形Aを、図形Aと交わらない直線の周りに一回転してできる立体の体積は、V=(Aの重心が描く円の円周長)×(Aの面積)で求まる。 この定理は大学入試においては非常に有名な裏技であり知っておいて損はないが、記述で用いると完全にアウトである。この定理を用いるのは、選択肢形式の問題かどうしても記述の白紙解答を避けたい場合のみに限ろう。(もっとも、重心がわかる図形で出題されるのはごく稀だが。) {{コラム|一般の軸を中心とした回転体の体積の求め方| 一般に空間中の直線Lの周りの回転体('''斜軸回転体''')の体積は、回転軸Lに垂直な平面で回転体を切った断面積を考えて求めることができる。 ここでは、回転前の図形が座標平面上に存在する場合を扱う。 ; '''例題''' xy平面において<math>L:y=x, C:y=x^2</math>で囲まれた部分を, 直線Lの周りに一回転してできる立体の体積を求めよ。 解答) :曲線C上の点<math>P(x, x^2)</math>から直線Lに下ろした垂線の足を<math>H(t, t)</math>とし、直線L上に点<math>Q(x, x)</math>をとる。 :与えられた条件より<math>0 \leqq x \leqq 1</math>である。 :このとき<math>\overline{PH} = \frac{|x-x^2|}{\sqrt{2}} = \frac{x-x^2}{\sqrt{2}} (\because 0 \leqq x \leqq 1 \implies x \geqq x^2)</math>より、 :<math>t = \overline{OH} = \overline{OQ} - \overline{HQ} = \overline{OQ} - \overline{PH} = \sqrt{2}x - \frac{x-x^2}{\sqrt{2}} = \frac{x+x^2}{\sqrt{2}}</math> :<math>\therefore dt = \frac{1+2x}{\sqrt{2}} dx</math> :tの積分範囲は0→√2なので、xの積分範囲は0→1である。 :故に、<math>V = \pi \int_{0}^{\sqrt{2}} \overline{PH}^2 dt = \pi \int_{0}^{1} (\frac{x-x^2}{\sqrt{2}})^2 \cdot \frac{1+2x}{\sqrt{2}} dx</math> :<math>= \frac{\pi}{2 \sqrt{2}} \int_{0}^{1} (2x^5-3x^4+x^2) dx = \frac{\sqrt{2} \pi}{4} [ \frac{1}{3} x^6 - \frac{3}{5} x^5 + \frac{1}{3} x^3 ]_{0}^{1} = \frac{\sqrt{2} \pi}{60}</math> この解答を簡潔に纏めると、直線Lをt軸と見做してt軸についての回転体の式を立て、それをx軸についての回転体の式へと置換積分している。 斜軸回転体の体積を求める方法は他にもあるので、簡潔に纏める。 ①傘型分割積分 上の例題で考えると、長さ<math>\overline{PQ}</math>、微小幅<math>\Delta x</math>の部分をLの周りに一回転すると、傘型状の図形(円錐の側面)になる。 その面積(正確には微小体積)を積分すると回転体の体積が出てくる。この考え方を'''傘型分割積分'''という。不足なく論理展開を記述できれば、入試でこの考え方を用いても減点される可能性は低いだろう。 この過程を一般化すると、以下の公式を導くことができる。 :曲線<math>y=f(x)</math>と直線<math>mx+n, x=a, x=b</math>で囲まれた部分を直線<math>y=mx+n</math>の周りで一回転した体積は、 :<math>V = \pi \cos \theta \int_{a}^{b} \{ f(x) - (mx+n) \}^2 dx</math> :ただし、<math>\tan \theta = m</math>(回転軸がx軸となす角がθである) この公式は完全に裏技なので、記述問題では(証明なしに)使用しない方が無難である。 ②回転移動の利用 図形全体を回転移動することにより、回転軸をx軸(もしくはy軸)に重ねることで、強引に回転体の公式に代入する方法。 回転移動には[[高等学校数学C/複素数平面#回転移動|複素数平面の知識]]、[[高等学校数学C/数学的な表現の工夫#一次変換|行列の知識]]のどちらを用いても良い。 この方法では、回転後の図形の方程式が媒介変数表示で出現する場合がある。その場合、回転体の公式を媒介変数についての積分へと置換積分すれば良い。 }} === 曲線の長さと運動の道のり === ==== 曲線の長さ ==== 曲線<math>\begin{cases} x=f(t) \\ y=g(t) \end{cases}</math>の長さを考える。 :<math>f(t), g(t)</math>とも2階微分可能(第一次導関数が連続)とする。 :<math>a \leqq t \leqq b</math>として閉区間<math>[a, t]</math>における曲線の長さを<math>s(t)</math>とおく。 :<math>t</math>の増分<math>\Delta t</math>が十分小さいとき、<math>\Delta s \fallingdotseq \sqrt{(\Delta x)^2 + (\Delta y)^2}</math>より<math>\frac{\Delta s}{\Delta t} = \sqrt{(\frac{\Delta x}{\Delta t})^2 + (\frac{\Delta y}{\Delta t})^2}</math> :<math>\Delta t \to 0</math>のとき、<math>\frac{ds}{dt} = \sqrt{(\frac{dx}{dt})^2 + (\frac{dy}{dt})^2}</math> :この微分方程式を解くと、 ::<math>ds = \sqrt{(\frac{dx}{dt})^2 + (\frac{dy}{dt})^2}dt</math> ::<math>\int ds = \int \sqrt{(\frac{dx}{dt})^2 + (\frac{dy}{dt})^2}dt</math> ::<math>s = \int \sqrt{(\frac{dx}{dt})^2 + (\frac{dy}{dt})^2}dt + C</math>(Cは積分定数) :ここで<math>s(t)</math>の定義より<math>s(b) - s(a) = \int_{a}^{b} \sqrt{(\frac{dx}{dt})^2 + (\frac{dy}{dt})^2}dt</math> よって、以下のようになる。 曲線の長さ(Ⅰ) 曲線<math>\begin{cases} x=f(t) \\ y=g(t) \end{cases}</math>の閉区間<math>[a, b]</math>における長さLは、 <math>L = \int_{a}^{b} \sqrt{(\frac{dx}{dt})^2 + (\frac{dy}{dt})^2}dt</math> 曲線の式が<math>y=f(x)</math>で与えられている場合、<math>\begin{cases} x=t \\ y=f(t) \end{cases}</math>と考えて上の公式に代入すると、以下のようになる。 曲線の長さ(Ⅱ) 曲線<math>y=f(x)</math>の閉区間<math>[a, b]</math>における長さLは、 <math>L = \int_{a}^{b} \sqrt{1 + (\frac{dy}{dx})^2}dt</math> ==== 速度と道のり ==== [[高等学校数学III/微分法#速度と加速度|微分法で学んだ]]ように、数直線上を運動する点Pの時刻tにおける位置,速度がそれぞれ<math>x(t), v(t)</math>で与えられるとき、<math>v(t) = \frac{d}{dt} x(t)</math>という関係式が成り立った。微分と積分は逆演算の関係にあるので、<math>x(t) = \int v(t) dt + C</math>(Cは積分定数)という関係も成り立つ。このとき、積分定数Cは初期位置<math>x_0</math>を表す。 点Pが<math>t=a</math>から<math>t=b</math>まで運動するとき、位置の変化量は<math>x(b) - x(a) = \int_{a}^{b} v(t) dt</math>で与えられる。すなわち<math>x(b) = x(a) + \int_{a}^{b} v(t) dt</math>であり、<math>x(a)</math>が初期位置<math>x_0</math>を表すことが確かめられた。 また、上の場合において道のりは<math>\int_{a}^{b} |v(t)| dt</math>と計算できる。位置の変化量と道のりが一致するのは、恒等的に<math>x(t) \geqq 0</math>が成り立つ場合のみである。 平面上の運動も同様である。 なお、加速度は位置の二階微分なので、加速度を二階積分すれば位置が求まる。よって、時刻tにおける加速度が<math>a(t) = a</math>であるときの位置は、<math>x(t) = \int \! \int a(t) dt \; dt = \int (at + v_0) dt = \frac{1}{2}at^2 + v_0 t + x_0</math>である。([[高等学校物理基礎/力学#等加速度直線運動|等加速度直線運動]]の式) {{コラム|ベクトル関数|変数tの値を決めるとベクトルA(t)の値が一意に定まるとき、A(t)をtの'''[[解析学基礎/ベクトル解析#ベクトル関数|ベクトル関数]]'''という。基本ベクトルを用いると、ベクトル関数は基本ベクトルのスカラー倍の足し算に分解することができる。このとき、基本ベクトルにかかる係数をベクトル関数の'''成分'''という。ベクトル関数の定義より、成分はtの関数になる。 つまり、'''ベクトル関数に関する微積分はその成分をそれぞれ微分/積分すれば良い'''ということがわかる。 例えば、速度を表すベクトル関数<math>\vec{v}(t) = \begin{pmatrix} 2t \\ 3t^2-1 \end{pmatrix}</math>があったとして、初期位置<math>\begin{pmatrix} x_0 \\ y_0 \end{pmatrix} = \begin{pmatrix} 0 \\ 0 \end{pmatrix}</math>とすると時刻tにおける位置は<math>\vec{x}(t) = \int \vec{v}(t) dt = \begin{pmatrix} \int (2t) dt \\ \int (3t^2-1) dt \end{pmatrix} = \begin{pmatrix} t^2 \\ t^3-t \end{pmatrix}</math>、時刻tにおける加速度は<math>\vec{a}(t) = \frac{d}{dt} \vec{v}(t) = \begin{pmatrix} \frac{d}{dt}(2t) \\ \frac{d}{dt}(3t^2-1) \end{pmatrix} = \begin{pmatrix} 2 \\ 6t \end{pmatrix}</math>というベクトル関数になる。また、<math>t=0</math>から<math>t=2</math>まで運動したときの位置の変化量ベクトルは<math>\begin{pmatrix} \Delta x \\ \Delta y \end{pmatrix} = \int_{0}^{2} \vec{v}(t) dt = \begin{pmatrix} \int_{0}^{2} (2t) dt \\ \int_{0}^{2} (3t^2-1) dt \end{pmatrix} = \begin{pmatrix} \left[ t^2 \right]_{0}^{2} \\ \left[ t^3-t \right]_{0}^{2} \end{pmatrix} = \begin{pmatrix} 4 \\ 6 \end{pmatrix}</math>と求まる 。 すなわち、速度・加速度・位置・道のり等に関する問題はベクトル関数の微積分を計算する問題であると言える。 }} == 区分求積法 == これまでに学んだように、積分は微分の逆演算であると同時に、座標平面上での面積計算でもある。この項では、座標平面上の面積計算の方法の一つである区分求積法、および積分法との関連について学ぶ。 [[File:Riemann Integration 1.png|thumb|300px|面積計算]] 右図のようなある曲線<math>y=f(x)</math>がある。単純のため、ここではつねに<math>f(x)>0</math>であるものとして考える。この曲線と、''x''軸、および直線<math>x = a, x = b (a < b)</math>によって囲まれる領域の面積''S''を求める。この面積は[[#面積]]の項で学んだように、 : <math>S = \int_a^b f(x)dx</math> と積分法を用いて計算することができた。では、これをもう少し原始的な方法で近似的に求めることを考えてみよう。 曲線を含む図形の面積を求めることは簡単ではないが、例えば三角形や長方形、台形などの直線で囲まれた図形の面積を求めることは難しくない。そこで、下図のようにy=f(x)を棒グラフで近似し、長方形の面積の和を計算することで、求めたい面積''S''に近い値を求めることができる。左下のように棒グラフの幅が大きいと誤差も大きいが、棒グラフの幅を狭くすればするほど、すなわち分割数を多くするほど、徐々に求めたい面積の値に近づけることができる。そこで、この区間[''a'',''b'']を''n''等分し、その時の長方形の面積の総和を求め、その後で<math>n \to \infty</math>の極限を考えることにする。このようにして、区間を細かく等分割し、長方形の面積の総和を求めることにより図形の面積を求める方法を、'''区分求積法'''と呼ぶ。 :[[File:Riemann Integration 4.png|350px|棒グラフによる近似]][[File:Riemann Integration 5.png|350px|さらに細かな棒グラフによる近似]] [[File:Integral numericky obd.svg|thumb|左側で近似]][[File:Somme-superiori.png|thumb|右側で近似]] <math>y=f(x)</math>を棒グラフで近似するとき、右図のように、長方形の左上の頂点を曲線上に取る方法と、右上の頂点を曲線上に取る方法がある。どちらの方法でも、分割数を大きくすればいずれ求めたい面積に近づくが、まずは左上の頂点を曲線上に取る方法で考えることにする。 ここでは面積を求めたい区間を、単純のため[0, 1]とする。区間[0, 1]を''n''等分するとき、それぞれの長方形の左端のx座標は、 :<math>0, \frac{1}{n}, \frac{2}{n}, \cdots, \frac{n-1}{n}</math> となる。ここで、一般に第''k''番目の長方形について考えることにする。ただし、いちばん左側の長方形を第0番目とし、いちばん右側の長方形を第''n''-1番目とする。第''k''番目の長方形の左端のx座標は<math>\frac{k}{n}</math>であるから、この長方形の高さは<math>f\left(\frac{k}{n}\right)</math>となり、また長方形の幅は<math>\frac{1}{n}</math>である。そのため、この長方形の面積<math>s_k</math>は、 :<math>s_k = \frac{1}{n}f\left(\frac{k}{n}\right)</math> となる。したがって、これらの長方形の面積の総和<math>S_n</math>は、 :<math>S_n = \sum_{k = 0}^{n-1} s_k = \frac{1}{n}\sum_{k = 0}^{n-1} f\left(\frac{k}{n}\right)</math> この<math>S_n</math>は、区間[0, 1]を''n''等分した時の長方形の面積の総和であるが、''n''を大きくすればするほど、次第にもとの面積に近づいていく。したがって、<math>n\to\infty</math>の極限を考え、 :<math>S = \lim_{n\to\infty} S_n = \lim_{n\to\infty} \frac{1}{n}\sum_{k=0}^{n-1} f\left(\frac{k}{n}\right)</math> となる。このようにして、求めたい面積を計算することができる。さらに、ここでこの区間の面積が積分法により計算できたことから、 :<math>\lim_{n\to\infty} \frac{1}{n}\sum_{k=0}^{n-1} f\left(\frac{k}{n}\right) = \int_0^1f(x)dx</math> が成り立つ。また、長方形の右上の頂点を曲線上に取る場合は、同様にして :<math>S = \lim_{n\to\infty} \frac{1}{n}\sum_{k=1}^{n} f\left(\frac{k}{n}\right) = \int_0^1f(x)dx</math> となる。 区分求積法を計算するとき、'''シグマの範囲の有限個のズレは無視して良い'''。nを無限大に飛ばした極限を考えるとき、有限個あるズレの値は全て0に収束するからである。<br> つまり、l, mを自然数として<math>\lim_{n \to \infty} \frac{1}{n} \sum_{k=l}^{n-m} f\left(\frac{k}{n}\right) = \int_0^1f(x)dx</math>である。 区分求積法は、より一般には次の式で表される。 :<math>\int_{a}^{b} f(x) dx = \lim_{n \to \infty} \sum_{k=l}^{n-m} f(x_k) \Delta x</math> :ただし、<math>\Delta x = \frac{b-a}{n}, x_k = a + k\Delta x</math> 証明は先ほどと同様である。<br> 大学においては、積分の定義を微分の逆演算ではなく、この式の右辺のような和('''リーマン和'''という)の極限とする場合がある。数学Ⅱで扱った微分積分学の基本定理は、リーマン和(面積計算)と原始関数(微分の逆演算)という二つの概念を結びつけている定理であると言える。 なお、<math>\lim_{n \to \infty} \sum_{k=an+l}^{bn-m} f\left(\frac{k}{n}\right) = \int_{a}^{b} f(x) dx</math>が成り立つ。 '''演習問題2''' :次の極限値を求めよ。 :(1) <math>\lim_{n\to\infty} \sum_{k=1}^{n} \frac{1}{n+k} </math> :(2) <math>\lim_{n\to\infty} \sum_{k=1}^{n} \frac{k}{n^2+k^2} </math> :(3) <math>\lim_{n\to\infty} \left(\frac{(2n)!}{n!n^n}\right)^\frac{1}{n}</math><ref group="ヒント">対数を取る</ref> {{解答}} (1) <math>\begin{align} \lim_{n\to\infty} \sum_{k=1}^{n} \frac{1}{n+k} &= \lim_{n\to\infty} \frac 1 n \sum_{k=1}^{n} \frac{1}{1+\frac k n} \\ &= \int_0^1 \frac{dx}{1+x}\\ &= [\log(1+x)]_0^1\\ &= \log 2. \end{align} </math> ちなみに、この結果は交代調和級数 <math>\sum_{n=1}^\infty \frac{(-1)^{n-1}}{n} = 1 - \frac 1 2 + \frac 1 3 - \frac 1 4 + \cdots</math> の値を求めることに利用できる。実際 <math> \begin{align} \sum_{k=1}^{2n} \frac{(-1)^{k-1}}{k} &= 1 - \frac{1}{2} + \cdots + \frac{1}{2n-1} - \frac{1}{2n} \\ &= 1 + \frac{1}{2} + \cdots + \frac{1}{2n-1} + \frac{1}{2n} - 2\left(\frac{1}{2} + \frac{1}{4} + \cdots + \frac{1}{2n}\right) \\ &= 1 + \frac{1}{2} + \cdots + \frac{1}{2n-1} + \frac{1}{2n} - \left(1 + \frac{1}{2} + \cdots + \frac{1}{n}\right) \\ &= \frac{1}{n+1} + \frac{1}{n+1} + \cdots + \frac{1}{n+n} \\ &= \sum_{k=1}^n \frac{1}{n+k} \end{align} </math> より、 <math> \lim_{n\to\infty}\sum_{k=1}^{2n} \frac{(-1)^{k-1}}{k} = \lim_{n\to\infty}\sum_{k=1}^n \frac{1}{n+k} = \log 2 </math> となる。また、 <math> \lim_{n\to\infty}\sum_{k=1}^{2n+1} \frac{(-1)^{k-1}}{k} = \lim_{n\to\infty}\left(\sum_{k=1}^{2n} \frac{(-1)^{k-1}}{k} + \frac{1}{2n+1}\right) = \log 2. </math> 従って、<math>\sum_{n=1}^\infty \frac{(-1)^{n-1}}{n} = \log 2 </math> を得る。 (2) <math>\begin{align} \lim_{n\to\infty} \sum_{k=1}^{n} \frac{k}{n^2+k^2} &= \lim_{n\to\infty} \frac 1 n \sum_{k=1}^{n} \frac{\frac{k}{n}}{1+\frac{k^2}{n^2}}\\ &= \int_0^1 \frac{xdx}{1+x^2}\\ &= \left[\frac 1 2 \log(1+x^2)\right]_0^1\\ &= \frac 1 2 \log 2. \end{align}</math> (3) <math>\begin{align} \log \left(\frac{(2n)!}{n!n^n}\right)^\frac{1}{n} &= \frac 1 n \log\left\{\left(\frac{n+1}{n}\right)\left(\frac{n+2}{n}\right)\cdots \left(\frac{n+2}{n}\right) \right\} \\ &= \frac 1 n \sum_{k=1}^n \log\left(1+\frac{k}{n}\right) \end{align}</math> となるから、 <math>\begin{align} \lim_{n\to\infty}\log \left(\frac{(2n)!}{n!n^n}\right)^\frac{1}{n} &= \int_0^1 \log(1+x)dx\\ &= [(1+x)\log(1+x)-(1+x)]_0^1\\ &= 2\log 2 - 1. \end{align}</math> したがって、 <math>\begin{align} \lim_{n\to\infty} \left(\frac{(2n)!}{n!n^n}\right)^\frac{1}{n} &= \frac 4 e. \end{align}</math> {{証明終わり}} == 演習問題 == * [[高等学校数学III 積分法/演習問題|不定積分44題]] * [[/演習問題]] '''演習問題3''' 第一問、第二問は基本問題である。第三問から第六問はやや難しい。 '''第一問(ウォリスの積分)''' :<math>n</math> は非負整数とし、<math>I_n = \int_{0}^{\frac \pi 2}\sin^n x \, dx</math> とする。 :(1) <math>\int_{0}^{\frac{\pi}{2}}\sin^n x \, dx = \int_{0}^{\frac{\pi}{2}}\cos^n x \, dx</math> を示せ。 :(2) <math>I_n = \frac{n-1}{n}I_{n-2}\quad (n \ge 2)</math> を示せ。 :(3) <math>I_n</math> を求めよ。 '''第二問(ベータ関数の特殊値)''' :<math>m,n</math> は非負整数、<math>\alpha,\beta</math> は <math>\beta > \alpha</math> なる実数とし、<math>I_{m,n} = \int_\alpha^\beta (x-\alpha)^m(\beta - x)^n \, dx</math> とする。 :(1) <math>I_{m,n} = \frac{n}{m+1} I_{m+1,n-1} \quad (n\ge 1) </math> を示せ。 :(2) <math>I_{m,n}</math> を求めよ。 :(3) <math>\int_0^{\frac{\pi}{2}} \sin^{2m+1}\theta \cos^{2n+1}\theta d\theta </math> を求めよ。 '''第三問(ウォリスの公式)''' :非負整数 <math>n</math> に対し、<math>I_n = \int_{0}^{\frac \pi 2}\sin^n x \, dx</math> とする。必要に応じて第一問の結果を用いてよい。 :(1) <math>1 < \frac{I_{2n}}{I_{2n+1}} < \frac{I_{2n-1}}{I_{2n+1}}</math> を示せ。 :(2) <math> \lim_{n \to \infty} \frac{2 \cdot 2}{1 \cdot 3} \frac{4 \cdot 4}{3 \cdot 5} \cdots \frac{2n \cdot 2n}{(2n-1)(2n+1)} </math> を求めよ。 :(3) <math> I_{2n}I_{2n+1} </math> を求めよ。 :(4) <math> \lim_{n \to \infty} \sqrt n I_{2n+1} </math> を求めよ。 :(5) <math> \lim_{n \to \infty} \frac{2^{2n}(n!)^2}{\sqrt n (2n)!} </math> を求めよ。 '''第四問(スターリングの近似)''' :数列 <math>\{a_n\}</math> を <math>a_n = \frac{n!}{n^{n+1/2}e^{-n}} </math> で定める。必要に応じて第三問の結果を用いてよい。 :(1) 整数 <math>k > 1</math> について <math> \log k - \frac 1 2 \{\log k - \log(k-1)\} < \int_{k-1}^k \log x \, dx < \log k - \frac{1}{2k} </math> が成り立つことを示せ。 :(2) 正の整数 <math>n</math> について <math> - \frac{1}{4n} < \sum_{k=n+1}^{2n} \log k - \left(2n+\frac 1 2\right)\log 2n + \left(n+\frac 1 2\right)\log n + n < 0 </math> が成り立つことを示せ。 :(3) <math> \lim_{n\to \infty}\frac{a_{2n}}{a_n} </math> を求めよ。 :(4) <math> \lim_{n\to \infty}a_n </math> を求めよ。 '''第五問(バーゼル問題)''' :非負整数 <math>n</math> に対し、<math>I_n = \int_{0}^{\frac \pi 2}\cos^n x \, dx,\, J_n = \int_{0}^{\frac \pi 2}x^2 \cos^n x \, dx</math> とする。 :(1) <math> n > 0</math> について <math>I_{2n} = n(2n-1)J_{2n-2} - 2n^2 J_{2n}</math> が成り立つことを示せ。 :(2) <math> 0 \le x \le \frac \pi 2</math> について、<math> \frac{2}{\pi}x \le \sin x</math> が成り立つことを示せ。 :(3) <math>J_{2n} \le \frac{\pi^2 I_{2n}}{8(n+1)}</math> を示せ。 :(4) <math>\sum_{k=1}^{\infty} \frac{1}{k^2} </math> を求めよ。 '''第六問(ガウス積分)''' :非負整数 <math>n</math> に対し、<math>I_n = \int_{0}^{\frac \pi 2}\cos^n x </math> とする。必要に応じて第三問の結果を用いて良い。 :(1) <math> x > 0 </math> のとき、<math> 1-x^2 < e^{-x^2} < \frac{1}{1+x^2} </math> が成り立つことを示せ。 :(2) <math> \frac \pi 4 < \theta_0 < \frac \pi 2 </math> とする。正の整数 <math>n </math> について <math> \int_0^1 (1-x^2)^n dx < \int_0^{\tan\theta_0} e^{-nx^2}dx < \int_0^{\tan \theta_0} \frac{1}{(1+x^2)^n} dx </math> を示せ。 :(3) <math> \sqrt n I_{2n+1} < \int_0^\infty e^{-x^2}dx < \sqrt n I_{2n-2} </math> を示せ。ただし、<math>\int_0^\infty e^{-x^2}dx = \lim_{a \to \infty} \int_0^a e^{-x^2}dx </math> である。 :(4) <math> \int_{-\infty}^\infty e^{-x^2}dx </math> を求めよ。 '''解答''' {{解答|第一問}} (1) <math> t = \frac \pi 2 - x </math> と変数変換すると、<math> \int_0^{\frac \pi 2} \sin^n x dx = \int_{\frac \pi 2}^0 \sin^n\left(\frac \pi 2 - t\right)(-dt) = \int_0^{\frac \pi 2} \cos^n t dt </math> となる。 (2) <math> \begin{align} \int_0^{\frac \pi 2} \sin^n x dx &= \left[-\sin^{n-1}x \cos x \right]_{0}^{\frac{\pi}{2}} + (n-1)\int_0^{\frac \pi 2} \sin^{n-2} x \cos^2 x dx \\ &= (n-1)\left(\int_0^{\frac \pi 2} \sin^{n-2} x dx - \int_0^{\frac \pi 2} \sin^n x dx \right)\\ \end{align} </math> 従って、<math>I_n = \frac{n-1}{n}I_{n-2}</math> となる。 (3) <math> I_0 = \int_0^{\frac \pi 2} dx = \frac \pi 2,\, I_1 = \int_0^{\frac \pi 2} \sin x dx = 1. </math> よって、<math> n </math> が偶数のときは <math> \begin{align} I_n &= \frac{n-1}{n}\frac{n-3}{n-2} \cdots \frac 1 2 I_0 \\ &= \frac{n-1}{n}\frac{n-3}{n-2} \cdots \frac 1 2 \frac \pi 2. \end{align} </math> <math> n </math> が奇数のときは、 <math> \begin{align} I_n &= \frac{n-1}{n}\frac{n-3}{n-2} \cdots \frac 2 3 I_1 \\ &= \frac{n-1}{n}\frac{n-3}{n-2} \cdots \frac 2 3 \end{align} </math> となる。 {{証明終わり}} {{解答|第二問}} (1) <math>\begin{align} \int_\alpha^\beta (x-\alpha)^m(\beta - x)^n \, dx &= \left[\frac{1}{m+1}(x-\alpha)^{m+1}(\beta-x)^n\right]_\alpha^\beta + \int_\alpha^\beta\frac{n}{m+1}(x-\alpha)^{m+1}(\beta-x)^{n-1}dx\\ &= \frac{n}{m+1}\int_\alpha^\beta(x-\alpha)^{m+1}(\beta-x)^{n-1}dx. \end{align} </math> (2) <math>\begin{align} I_{m,n} &= \frac{n}{m+1}I_{m+1,n-1} \\ &= \cdots \\ &= \frac{n}{m+1} \frac{n-1}{m+2} \cdots \frac{1}{m+n} I_{m+n,0} \\ &= \frac{m!n!}{(m+n)!}I_{m+n,0} \end{align} </math> ここで、 <math>I_{m+n,0} = \int_\alpha^\beta(x-\alpha)^{m+n} dx = \frac{(\beta-\alpha)^{m+n+1}}{m+n+1} </math> となる。よって、 <math>I_{m,n} = \frac{m!n!}{(m+n+1)!}(\beta-\alpha)^{m+n+1} </math> を得る。 (3) <math>t = \sin^2\theta </math> と変数変換すると、 <math>dt = 2\sin\theta\cos\theta d\theta </math> より、 <math>\int_0^{\frac{\pi}{2}} \sin^{2m+1}\theta \cos^{2n+1}\theta d\theta = \frac 1 2 \int_0^1 t^m (1-t)^n dt = \frac{m!n!}{2(m+n+1)!}. </math> {{証明終わり}} {{解答|第三問}} (1) <math>0 < x < \frac \pi 2 </math> のとき、<math>0 < \sin x < 1 </math> だから、<math>\sin^{2n+1} x < \sin^{2n} x < \sin^{2n-1} x </math> となる。これを積分して、<math>I_{2n+1} < I_{2n} < I_{2n-1} </math> を得る。よって、<math>1 < \frac{I_{2n}}{I_{2n+1}} < \frac{I_{2n-1}}{I_{2n+1}}</math> である。 (2) 第一問(1)より、 <math>\begin{align} \frac{I_{2n}}{I_{2n+1}} &= \frac{2n-1}{2n}\frac{2n-3}{2n-2} \cdots \frac 1 2 \frac \pi 2 \times \frac{2n+1}{2n}\frac{2n-1}{2n-2} \cdots \frac 3 2\\ &= \frac{1 \cdot 3}{2 \cdot 2} \frac{3 \cdot 5}{4 \cdot 4} \cdots \frac{(2n-1)(2n+1)}{2n \cdot 2n} \frac \pi 2 \end{align}</math> となる。また、<math>\frac{I_{2n-1}}{I_{2n+1}} = \frac{2n+1}{2n} = 1 + \frac{1}{2n} </math> となるから、(1) より、 <math>1 < \frac{I_{2n}}{I_{2n+1}} < \frac{I_{2n-1}}{I_{2n+1}} = 1 + \frac{1}{2n} </math> を得る。これより、<math>\lim_{n\to\infty} \frac{I_{2n}}{I_{2n+1}} = 1 </math> となるから、<math> \lim_{n \to \infty} \frac{2 \cdot 2}{1 \cdot 3} \frac{4 \cdot 4}{3 \cdot 5} \cdots \frac{2n \cdot 2n}{(2n-1)(2n+1)} = \frac \pi 2 </math> を得る。 (3) 第一問(3)より、<math>I_{2n} I_{2n+1} = \frac{1}{2n+1} \frac{\pi}{2} </math> である。 (4) <math>\frac{I_{2n}}{I_{2n+1}} = \frac{I_{2n}I_{2n+1}}{I_{2n+1}^2} = \frac{1}{2n+1}\frac \pi 2 I_{2n+1}^{-2} </math> である。<math>\sqrt{2n+1} I_{2n+1} = \sqrt{\frac{I_{2n+1}}{I_{2n}}\frac{\pi}{2}} </math> より、<math>\lim_{n\to\infty} \sqrt{2n+1} I_{2n+1} = \lim_{n\to\infty} \sqrt{\frac{I_{2n+1}}{I_{2n}}\frac{\pi}{2}} = \sqrt{\frac{\pi}{2}} </math> となる。また、 <math>\begin{align} \frac{\sqrt \pi}{2} &= \lim_{n\to\infty} \sqrt{\frac{2n+1}{2}} I_{2n+1}\\ &= \lim_{n\to\infty} \sqrt{n}\sqrt{1+\frac{1}{2n}} I_{2n+1}\\ &= \lim_{n\to\infty} \sqrt{n}I_{2n+1} \end{align} </math> となるから、<math>\lim_{n\to\infty} \sqrt{n}I_{2n+1} = \frac{\sqrt \pi}{2} </math> を得る。 (5) <math>\begin{align} I_{2n+1} &= \frac{2n}{2n+1}\frac{2n-2}{2n-1}\cdots \frac 2 3\\ &= \frac{\{2n(2n-2)\cdots 2\}^2}{(2n+1)!}\\ &= \frac{(2^n n!)^2}{(2n+1)!} \end{align} </math> より、 <math>\begin{align} \lim_{n\to\infty} \sqrt{n}I_{2n+1} &= \lim_{n\to\infty} \frac{\sqrt n}{2n+1} \frac{2^{2n}(n!)^2}{(2n)!}\\ &= \lim_{n\to\infty} \frac{1}{2\sqrt n + \frac{1}{\sqrt n}} \frac{2^{2n}(n!)^2}{(2n)!}\\ &= \lim_{n\to\infty} \frac{1}{2\sqrt n} \frac{2^{2n}(n!)^2}{(2n)!} \end{align} </math> となるから、 <math> \lim_{n \to \infty} \frac{2^{2n}(n!)^2}{\sqrt n (2n)!} = \sqrt \pi </math> を得る。 '''解説''' <math> \lim_{n \to \infty} \frac{2 \cdot 2}{1 \cdot 3} \frac{4 \cdot 4}{3 \cdot 5} \cdots \frac{2n \cdot 2n}{(2n-1)(2n+1)} = \frac \pi 2 </math> はウォリスの公式と呼ばれる。整数の乗除のみで円周率が計算されるという点で興味深いが、収束はとても遅く実用的ではない。例えば、<math>\pi > 3.05</math> を証明するためには <math>n=8</math> まで計算しなくてはならない<ref><math>2\cdot \frac{2\cdot 2}{1\cdot 3} \cdots \frac{16\cdot 16}{15\cdot 17} =</math> 213084064972800/69850115960625 = 2147483648/703956825 = 3.05058...</ref>。また <math>\pi > 3.14</math> を示すには <math>n=493</math> まで計算する必要がある。ちなみに単調増加性は <math>\frac{2n \cdot 2n}{(2n-1)(2n+1)} = \frac{1}{1-\frac{1}{(2n)^2}} > 1</math> から従う。 また、<math> \lim_{n \to \infty} \frac{2^{2n}(n!)^2}{\sqrt n (2n)!} = \sqrt \pi </math> もウォリスの公式と呼ばれる。これはスターリングの公式やガウス積分を証明するために必要となる。 {{証明終わり}} {{解答|第四問}} (1) [[ファイル:Bounding_the_Integral_of_log_x_with_Trapezoids.svg|サムネイル|log x の台形近似]] <math>\log x </math> は上に狭義凸な関数だから、<math>\int_{k-1}^k \log x \, dx</math> は、直線 <math>x = k-1,\,x=k</math> と <math>y = \log x</math> の2つの交点を結んだ線分と <math>x</math> 軸、直線 <math>x = k-1,k</math> によって切り取られる台形(図の青の領域)の面積よりも大きい。台形の面積は、<math>\frac 1 2 \{\log k + \log(k-1)\} = \log k - \frac 1 2 \{\log k - \log(k-1)\}</math> である。また、 <math>\int_{k-1}^k \log x \, dx</math> は、<math>y = \log x</math> の任意の接線と <math>x</math> 軸、直線 <math>x = k-1,k </math> によって切り取られる台形(図のピンクの領域)の面積よりも小さい。特に <math>x = k</math> で接線を引くと、その傾きは <math>\frac 1 k</math> だから、接線と直線 <math>x = k-1</math> の交点の <math>y</math> 座標は <math>\log k - \frac 1 k</math> である。よって、この台形の面積は <math>\log k - \frac{1}{2k} </math> となる。従って、 <math> \log k - \frac 1 2 \{\log k - \log(k-1)\} < \int_{k-1}^k \log x \, dx < \log k - \frac{1}{2k} </math> を得る。 (2) <math>\log k - \frac 1 2 \{\log k - \log(k-1)\} < \int_{k-1}^k \log x \, dx </math> より、<math>\log k < \int_{k-1}^k \log x \, dx + \frac 1 2 \{\log k - \log(k-1)\} </math> となる。よって、 <math>\begin{align} \sum_{k=n+1}^{2n} \log k &< \int_n^{2n} \log x \, dx + \frac 1 2 (\log 2n - \log n) \\ &= \left[x\log x - x\right]_n^{2n} + \frac 1 2 (\log 2n - \log n) \\ &= \left(2n + \frac 1 2\right)\log 2n - \left(n + \frac 1 2 \right) \log n - n \end{align} </math> となる。また、<math>\log k > \int_{k-1}^k \log x \, dx + \frac{1}{2k} </math> より、 <math>\begin{align} \sum_{k=n+1}^{2n} \log k &> \int_n^{2n} \log x \, dx + \sum_{k=n+1}^{2n} \frac{1}{2k} \\ &= \left[x\log x - x\right]_n^{2n} + \frac 1 2 \left(\frac{1}{2n} - \frac{1}{n} + \sum_{k=n}^{2n-1} \frac{1}{k}\right) \\ \end{align}</math> となる。ここで、<math>\frac 1 x </math> は <math>x > 0 </math> で単調減少だから、 <math>\sum_{k=n}^{2n-1} \frac{1}{k} > \int_n^{2n} \frac{dx}{x} = \log 2n - \log n </math> となる。従って、 <math>\begin{align} \sum_{k=n+1}^{2n} \log k &> \left(2n + \frac 1 2\right)\log 2n - \left(n + \frac 1 2 \right) \log n - n - \frac{1}{4n} \\ \end{align}</math> を得る。 (3) <math>\begin{align} \log \frac{a_{2n}}{a_n} &= \log a_{2n} - \log{a_n}\\ &= \log (2n)! - \left(2n + \frac 1 2 \right) \log 2n + 2n - \log n! + \left(n + \frac 1 2 \right)\log n - n\\ &= \sum_{k=n+1}^{2k}\log k - \left(2n + \frac 1 2 \right) \log 2n + \left(n + \frac 1 2 \right)\log n + n \end{align}</math> であるから、(2) より <math>-\frac{1}{4n} < \log \frac{a_{2n}}{a_n} < 0</math> となる。従って、 <math>\lim_{n\to\infty} \log \frac{a_{2n}}{a_n} = 0</math> あるいは、 <math>\lim_{n\to\infty} \frac{a_{2n}}{a_n} = 1 </math> を得る。 (4) <math>\begin{align} \frac{2^{2n}(n!)^2}{\sqrt n (2n)!} &= \frac{2^{2n}}{\sqrt n} \left(\frac{n!}{n^{n+\frac 1 2}e^{-n}}\right)^2 \frac{(2n)^{2n+\frac 1 2}e^{-2n}}{(2n)!} \frac{\left(n^{n+\frac 1 2}e^{-n}\right)^2}{(2n)^{2n+\frac 1 2}e^{-2n}}\\ &= \frac{1}{\sqrt 2} \frac{a_n^2}{a_{2n}} \end{align}</math> であるから、 <math>\lim_{n\to\infty} a_n = \lim_{n\to\infty} \sqrt 2 \frac{2^{2n}(n!)^2}{\sqrt n (2n)!} \frac{a_{2n}}{a_n} = \sqrt{2\pi} </math> を得る。 '''解説''' (1)は凹関数の定積分の値を台形で評価する問題である。このような台形近似の問題は難関大ではよく見られる。 (4) から <math>\lim_{n\to\infty} \frac{n!}{\sqrt{2\pi} n^{n+1/2}e^{-n}} = 1</math> を得る。これは、<math>n</math> が大きいとき階乗を <math>n! \approx \sqrt{2\pi} n^{n+\frac 1 2} e^{-n}</math> と近似できることを意味する。これがスターリングの近似である。 本問は<math> \lim_{n\to \infty}\frac{a_{2n}}{a_n} </math>を求めてから <math> \lim_{n\to \infty}a_n </math> を求めさせているためやや遠回りに思うかもしれない。数列 <math>\{a_n\}</math> が0以外の実数に収束することを既知とすれば <math> \lim_{n\to \infty}\frac{a_{2n}}{a_n} = \frac{\lim_{n\to \infty}a_{2n}}{\lim_{n\to \infty}a_n} = 1 </math> となることはすぐに分かる。しかし、数列が収束することの条件について高校では詳しく扱わないため、厳密に <math> \lim_{n\to \infty}a_n </math> を求めるためには <math> \lim_{n\to \infty}\frac{a_{2n}}{a_n} </math> を経由する必要がある。一般に、下に有界な単調減少数列は収束するということが知られている<ref>詳しくは [[解析学基礎/実数]]を参照</ref>。これを認めれば、数列 <math>\{a_n\}</math> が収束することは、次のように証明することができる。 <math>\log k > \int_{k-1}^k \log x \, dx + \frac{1}{2k} </math> より、 <math>\begin{align} \log n ! &= \sum_{k=2}^n \log k \\ &> \int_{1}^n \log x \, dx + \frac 1 2 \sum_{k=2}^n\frac{1}{k}\\ &> n\log n - n + 1 + \frac 1 2 \int_{2}^{n+1}\frac{dx}{x}\\ &= n\log n - n + 1 + \frac 1 2 \{\log(n+1) - \log 2\} \end{align} </math> <math>\begin{align} \log a_n &= \log n! - \left(n + \frac 1 2\right)\log n + n \\ &> \frac 1 2 \{\log(n+1) - \log n \} + 1 - \frac 1 2 \log 2\\ &> 1 - \frac 1 2 \log 2 \end{align} </math> となるから、<math> a_n > \frac e \sqrt{2} </math> より下に有界である。 また、 <math> \begin{align} \log \frac{a_{n+1}}{a_n} &= \log(n+1) - \left(n + \frac 3 2\right)\log(n+1) + n+1 + \left(n+\frac 1 2\right)\log n - n\\ &= \frac 1 2 \{\log(n+1)+\log n\} - \int_n^{n+1} \log x dx\\ &< 0 \end{align} </math> から、<math> a_{n+1} < a_n. </math> すなわち単調減少であるから、<math>\{a_n\}</math> は収束する。 {{証明終わり}} {{解答|スターリングの近似の応用}} スターリングの近似は階乗を含む極限の問題に応用できる。例えば、演習問題2の(2)は、 <math>\begin{align} \lim_{n\to\infty} \left(\frac{(2n)!}{n!n^n}\right)^\frac{1}{n} &= \lim_{n\to\infty} \left(\frac{\sqrt{2\pi}(2n)^{2n+1/2}e^{-2n}}{\sqrt{2\pi}n^{n+1/2}e^{-n}n^n}\right)^\frac{1}{n}\\ &= \lim_{n\to\infty} \left(\frac{2^{2n + 1/2}}{e^{n}}\right)^\frac{1}{n}\\ &= \frac 4 e. \end{align}</math> また、スターリングの近似から二項分布の極限が正規分布に収束することが証明できる。 二項分布の確率分布は、 <math>P(X=k) = \frac{n!}{k!(n-k)!}p^kq^{n-k} </math> である。スターリングの近似より、 <math>\begin{align} \frac{n!}{k!(n-k)!}p^kq^{n-k} &\approx \frac{\sqrt{2\pi}n^{n+\frac 1 2}e^{-n}}{\sqrt{2\pi}k^{k+\frac 1 2}e^{-k}\sqrt{2\pi}(n-k)^{n-k+\frac 1 2}e^{-(n-k)}}p^kq^{n-k}\\ &= \frac{1}{\sqrt{2\pi}} \left(\frac{np}{k}\right)^k \left(\frac{nq}{n-k}\right)^{n-k} \sqrt{\frac{n}{k(n-k)}} \end{align}</math> となる。ここで、<math>\lim_{n\to\infty} \frac k n = p </math> であるから、 <math>\lim_{n\to\infty}\sqrt{\frac{n}{k(n-k)}} = \lim_{n\to\infty}\sqrt{\frac{1}{n\frac k n (1-\frac k n)}} = \frac{1}{\sqrt{npq}}</math> となる。 次に、<math>\log (1+x) \approx x - \frac 1 2 x^2 </math> の近似式を使うと、 <math>\begin{align}\log \left(\frac{np}{k}\right)^k &= k\log \left(1 - \frac{k-np}{k}\right) \\ &\approx -(k-np) - \frac 1 2 \frac{(k-np)^2}{k} \end{align}</math> <math>\begin{align}\log \left(\frac{nq}{n-k}\right)^{n-k} &= (n-k)\log \left(1 - \frac{n-k-nq}{n-k}\right) \\ &\approx -(n-k-nq) - \frac 1 2 \frac{(n-k-nq)^2}{n-k} \\ &= -(np-k) - \frac 1 2 \frac{(np-k)^2}{n-k}\end{align}</math> となる。さらに、 <math>\begin{align}\log \left(\frac{np}{k}\right)^k \left(\frac{nq}{n-k}\right)^{n-k} &\approx -\frac 1 2 \frac{(k-np)^2}{k}-\frac 1 2 \frac{(np-k)^2}{n-k}\\ &= -\frac 1 2 \frac{(k-np)^2}{npq} \left(\frac{npq}{k} + \frac{npq}{n-k}\right)\\ &\approx -\frac 1 2 \frac{(k-np)^2}{npq} \left(\frac{pq}{p} + \frac{pq}{1-p}\right)\\ &= -\frac 1 2 \frac{(k-np)^2}{npq} \end{align}</math> となる。最終的に、 <math>P(X=k) \approx \frac{1}{\sqrt{2\pi npq}} e^{-\frac{(k-np)^2}{2npq}}</math> を得る。これは、平均 <math>\mu = np</math> 分散 <math>\sigma^2 = npq</math> の正規分布である。 {{証明終わり}} {{解答|第五問}} (1) <math>\begin{align} I_{2n} &= \int_0^{\frac \pi 2} \cos^{2n}x dx \\ &= \left[x\cos^{2n}x\right]_0^{\frac \pi 2} + 2n\int_0^{\frac \pi 2} x\sin x \cos^{2n-1}x dx\\ &= 2n \left[\frac 1 2 x^2 \sin x \cos^{2n-1}x\right]_0^{\frac \pi 2} - n\int_0^{\frac \pi 2} x^2 \{\cos^{2n}x - (2n-1)\sin^2 x \cos^{2n-2}x \} dx \\ &= - n\int_0^{\frac \pi 2} x^2 \{\cos^{2n}x - (2n-1)(1-\cos^2 x) \cos^{2n-2}x \} dx \\ &= n(2n-1)J_{2n-2} -2n^2 J_{2n}. \end{align} </math> (2) <math> 0 \le x \le \frac \pi 2</math> で <math>\sin x</math> は上に凸であるから、<math> \frac{2}{\pi}x \le \sin x</math> となる。 (3) <math> \begin{align} J_{2n} &= \int_0^{\frac \pi 2} x^2 \cos^{2n}x dx \le \frac{\pi^2}{4} \int_0^{\frac \pi 2} \sin^2 x \cos^{2n} x dx \\ &= \frac{\pi^2}{4} (I_{2n} - I_{2n+2}) \\ &= \frac{\pi^2}{4} \frac{I_{2n}}{2n+2} \end{align} </math> となる。ただし、最後の行への変形で第一問(2)の漸化式を使った。 (4) (1) より、 <math> \begin{align} \frac{1}{n^2} &= \frac{(2n-1)J_{2n-2}}{n I_{2n}} - \frac{2J_{2n}}{I_{2n}}\\ &= \frac{2J_{2n-2}}{I_{2n-2}} - \frac{2J_{2n}}{I_{2n}} \end{align} </math> となる。ただし、最後の行への変形で第一問(2)の漸化式を使った。 よって、 <math> \sum_{k=1}^n \frac{1}{k^2} = \sum_{k=1}^n \left(\frac{2J_{2k-2}}{I_{2k-2}} - \frac{2J_{2k}}{I_{2k}}\right) = \frac{2J_{0}}{I_{0}} - \frac{2J_{2n}}{I_{2n}} </math> となる。ここで、<math>J_0 = \int_0^{\frac \pi 2} x^2 dx = \frac{\pi^3}{24},\, I_0 = \frac \pi 2</math> より、<math>\frac{2J_{0}}{I_{0}} = \frac{\pi^2}{6}. </math> また、<math> 0 < \frac{J_{2n}}{I_{2n}} \le \frac{\pi^2}{8(n+1)} </math> より、<math>\lim_{n\to\infty}\frac{J_{2n}}{I_{2n}} = 0 </math> となるから、<math> \sum_{k=1}^\infty \frac{1}{k^2} = \frac{\pi^2}{6} </math> を得る。 '''解説''' 本問は Daniel Daners. (2012). A Short Elementary Proof of Σ 1/k<sup>2</sup> = π<sup>2</sup>/6. ''Mathematics Magazine'', ''85''(5), 361–364. https://doi.org/10.4169/math.mag.85.5.361 を参考にした。 <math>\zeta(s) = \sum_{n=1}^\infty \frac{1}{n^s}</math> はゼータ関数と呼ばれるもので、数論において重要な関数である。この問題から <math>\zeta(2) =\frac{\pi^2}{6}</math> である。また、<math>\zeta(1) = \sum_{n=1}^\infty \frac{1}{n}</math> は調和級数であるため発散する。 <math>s</math> が実数のとき、<math>s > 1</math> で <math>\zeta(s)</math> は収束することを示すことができる。実際、<math>\frac{1}{n^s} < \int_{n-1}^n \frac{dx}{x^s}</math> となるから、<math>\sum_{n=2}^m \frac{1}{n^s} < \int_1^m \frac{dx}{x^s} = \frac{1}{s-1}(1-m^{1-s}) < \frac{1}{s-1}</math> であるから上界を持つ。また、各項は正であるため <math>\sum_{n=1}^m \frac{1}{n^s}</math> は単調増加である。従って、 <math>\zeta(s)</math> は <math>s > 1</math> のとき収束する。 <math>s < 1</math> のとき、<math>\frac{1}{n} < \frac{1}{n^s}</math> から、<math>\sum_{n=1}^m \frac{1}{n} < \sum_{n=1}^m \frac{1}{n^s}</math> となるため発散する。 解析接続という手法を用いることでゼータ関数の定義域を <math>s=1</math> を除く複素数にまで拡張することができる。 {{証明終わり}} {{解答|第六問}} (1) <math>f(x) = e^x - x - 1</math> とすると、<math>f'(x) = e^x - 1 ,\, f''(x) = e^x</math> だから、<math>f(x) </math> は上に狭義凸な関数で最小値は <math>f(0) = 0</math> である。従って、<math>x \neq 0</math> のとき <math>e^x > x + 1</math> である。よって、<math>e^{-x^2} > 1-x^2.</math> また、<math>e^{-x} < \frac{1}{1+x}</math> に <math>x^2</math> を代入して <math>e^{-x^2} < \frac{1}{1+x^2}</math> を得る。 (2) (1) より、<math>(1-x^2)^n < e^{-nx^2} </math> であるから、積分して <math>\int_0^1 (1-x^2)^n dx < \int_0^1 e^{-nx^2} dx </math> を得る。同様に、<math>e^{-nx^2} < \frac{1}{(1+x^2)^n}</math> を積分して <math>\int_0^{\tan \theta_0}e^{-nx^2} dx < \int_0^{\tan\theta_0}\frac{1}{(1+x^2)^n}dx</math> を得る。<math> \frac \pi 4 < \theta_0 < \frac \pi 2 </math> より、<math>1 < \tan\theta_0</math> である。また、<math>e^{-nx^2} > 0</math> から <math>\int_0^{1}e^{-nx^2} dx < \int_0^{\tan \theta_0}e^{-nx^2} dx </math> となる。したがって、 <math> \int_0^1 (1-x^2)^n dx < \int_0^{\tan\theta_0} e^{-nx^2}dx < \int_0^{\tan \theta_0} \frac{1}{(1+x^2)^n} dx </math> である。 (3) <math>x = \sin \theta</math> と変数変換して、 <math>\begin{align} \int_0^1 (1-x^2)^n dx &= \int_0^{\frac \pi 2} (1-\sin^2\theta)^n \cos\theta d\theta\\ &= \int_0^{\frac \pi 2} \cos^{2n+1}\theta d\theta\\ &= I_{2n+1} \end{align} </math> となる。また、<math>x = \tan\theta</math> と変数変換して、 <math>\begin{align} \int_0^{\tan \theta_0} \frac{dx}{(1+x^2)^n} &= \int_0^{\theta_0} \cos^{2n}\theta \frac{d\theta}{\cos^2\theta}\\ &= \int_0^{\theta_0} \cos^{2n-2}\theta d\theta \end{align} </math> となる。 <math>x \to \frac x \sqrt n </math> と変数変換すると、<math>\int_0^{\tan \theta_0} e^{-nx^2}dx = \frac 1 \sqrt n \int_0^{\frac{\tan\theta_0}{\sqrt n}} e^{-x^2}dx </math> となる。よって、 <math> \sqrt n I_{2n+1} < \int_0^{\frac{\tan\theta_0}{\sqrt n}} e^{-x^2}dx < \sqrt n \int_0^{\theta_0} \cos^{2n-2}\theta d\theta </math> となる。ここで、<math> \theta_0 \to \frac \pi 2 - 0</math> の極限を取ると <math> \lim_{\theta_0 \to \frac \pi 2 - 0}\int_0^{\frac{\tan\theta_0}{\sqrt n}} e^{-x^2}dx = \lim_{a \to \infty}\int_0^{a} e^{-x^2}dx = \int_0^\infty e^{-x^2}dx </math> となるから <math> \sqrt n I_{2n+1} < \int_0^\infty e^{-x^2}dx < \sqrt n I_{2n-2} </math> を得る。 (4) 第三問より、<math>\lim_{n\to\infty} \frac{I_{2n+1}}{I_{2n}} = 1 </math>, <math>\lim_{n\to\infty} \sqrt n I_{2n+1} = \frac{\sqrt \pi}{2} </math> であるから、 <math>\lim_{n\to\infty} \sqrt n I_{2n-2} = \lim_{m\to\infty} \sqrt n \frac{I_{2n+1}}{I_{2n}}\frac{I_{2n}}{I_{2n-1}}\frac{I_{2n-1}}{I_{2n-2}}I_{2n-2} = \frac{\sqrt \pi}{2} </math> となる。よって、 <math>\int_0^{\infty} e^{-x^2}dx = \frac{\sqrt \pi}{2}. </math> 被積分関数は偶関数だから、 <math>\int_{-\infty}^{\infty} e^{-x^2}dx = \sqrt \pi </math> を得る。 '''解説''' (4) で <math>x \to \sqrt a x</math> (<math>a</math> は正の実数)と変換すると、<math> \int_{-\infty}^\infty e^{-ax^2}dx = \sqrt{\frac{\pi}{a}} </math> を得る。これを使うと正規分布の確率密度関数が<math> \frac{1}{\sqrt{2\pi \sigma^2}} \int_{-\infty}^\infty e^{-\frac{(x-\mu)^2}{2\sigma^2}}dx = 1 </math> と正規化されていることが分かる。また、 <math> \begin{align} \int_{-\infty}^\infty e^{-ax^2}dx &= [xe^{-ax^2}]_{-\infty}^{\infty} + \int_{-\infty}^\infty 2ax^2 e^{-ax^2}dx\\ &= \int_{-\infty}^\infty 2ax^2 e^{-ax^2}dx \end{align} </math> より、<math> \int_{-\infty}^\infty x^2 e^{-ax^2}dx = \frac 1 2 \sqrt{\frac{\pi}{a^3}} </math> を得る。よって、正規分布の分散は <math> \begin{align} V[X] &= \frac{1}{\sqrt{2\pi \sigma^2}} \int_{-\infty}^\infty (x-\mu)^2 e^{-\frac{(x-\mu)^2}{2\sigma^2}}dx\\ &= \frac{1}{\sqrt{2\pi \sigma^2}} \int_{-\infty}^\infty x^2 e^{-\frac{x^2}{2\sigma^2}}dx\\ &= \sigma^2 \end{align} </math> となる。 {{証明終わり}} == 脚注 == <references/> <references group="ヒント"/> {{DEFAULTSORT:こうとうかつこうすうかくIII せきふんほう}} [[Category:高等学校数学III|せきふんほう]] [[カテゴリ:積分法]] sei9j9f3qoiabvi6y1c8tenppvl12lm 高等学校物理/力学 0 1943 298929 298919 2026-04-29T14:55:22Z Train earth urban 58608 /* 剛体のつり合い */ 298929 wikitext text/x-wiki {{pathnav|高等学校の学習|高等学校理科|高等学校 物理|pagename=力学|frame=1|small=1}} == 物体の運動 == [[高等学校理科 物理基礎]]では、物体の運動を直線上の運動を中心に扱った。物理では、より複雑な平面上の運動を扱う。平面上の運動では、直線上の運動とは違って、物体の位置を表わすのに必要な量が2つになる。これらは通常<math>x,\ y</math>とされ、どちらも時刻<math>t</math>の一意の関数となる。 これらの関数はどんなものでもよいが、ここでは主に、実際の物体の運動としてよくあらわれるものを扱う。 === 平面上の運動 === {{See also|[[高等学校物理基礎/力学#2次元・3次元における位置・速度・加速度|高等学校物理基礎/力学]]}} 平面上,すなわち2次元において,時刻<math>t</math>における位置は<math>\overrightarrow r(t)=(x(t),\ y(t))</math>,微小時間<math>\mathit{\Delta}t</math>間の変位は<math>\mathit{\Delta}\overrightarrow r =\overrightarrow r(t +\mathit{\Delta}t)-\overrightarrow r(t)=(\mathit{\Delta}x,\ \mathit{\Delta}y)</math>と定義される。このとき :<math>\bar \overrightarrow v =\frac{\overrightarrow r(t +\mathit{\Delta}t)-\overrightarrow r(t)}{\mathit{\Delta}t}=\frac{\mathit{\Delta}\overrightarrow r}{\mathit{\Delta}t}</math> を<math>\mathit{\Delta}t</math>間の平均速度,<math>\mathit{\Delta}t\to 0</math>の極限 :<math>\overrightarrow v(t)=\lim_{\mathit{\Delta}t\to 0}\frac{\overrightarrow r(t +\mathit{\Delta}t)-\overrightarrow r(t)}{\mathit{\Delta}t}=\frac{d\overrightarrow r(t)}{dt}=\left(\frac{dx(t)}{dt},\ \frac{dy(t)}{dt}\right)=(\dot x(t),\ \dot y(t))=(v_x(t),\ v_y(t))</math> を時刻<math>t</math>での(瞬間)速度という。なお,時刻<math>t</math>での速さ(速度の大きさ)は :<math>v =|\overrightarrow v|=\sqrt{{v_x}^2 +{v_y}^2}</math>. この場合も,速度から位置が求まり,各成分毎に :<math>x(t)= x(0)+\int _0 ^t v_x(t)dt</math> :<math>y(t)= y(0)+\int _0 ^t v_y(t)dt</math> が成り立ち,これらをベクトルを用いてひとまとめにして任意の時刻<math>t</math>における位置 :<math>\overrightarrow r(t)=\overrightarrow r(0)+\int _0 ^t\overrightarrow v(t)dt</math> (1.1) が求められる。 また, :<math>\bar \overrightarrow a =\frac{\overrightarrow v(t +\mathit{\Delta}t)-\overrightarrow v(t)}{\mathit{\Delta}t}=\frac{\mathit{\Delta}\overrightarrow v}{\mathit{\Delta}t}</math> (<math>\mathit{\Delta}\overrightarrow v</math>は微小時間<math>\mathit{\Delta}t</math>間の速度変化) を<math>\mathit{\Delta}t</math>間の平均加速度,<math>\mathit{\Delta}t\to 0</math>の極限 :<math>\begin{align}\overrightarrow a(t)=\lim_{\mathit{\Delta}t\to 0}\frac{\overrightarrow v(t +\mathit{\Delta}t)-\overrightarrow v(t)}{\mathit{\Delta}t}& =\frac{d\overrightarrow v(t)}{dt}=\left(\frac{dv_x(t)}{dt},\ \frac{dv_y(t)}{dt}\right)=(\dot v_x(t),\ \dot v_y(t))\\ & =\frac{d^2\overrightarrow r(t)}{dt^2}=\left(\frac{d^2x(t)}{dt^2},\ \frac{d^2y(t)}{dt^2}\right)=(\ddot x(t),\ \ddot y(t))\end{align}</math> を時刻<math>t</math>での(瞬間)加速度という。 この場合も,加速度から速度が求まり,各成分毎に :<math>v_x(t)=v_x(0)+\int _0 ^t\frac{dv_x(t)}{dt}dt</math> :<math>v_y(t)=v_y(0)+\int _0 ^t\frac{dv_y(t)}{dt}dt</math> が成り立ち,これらをベクトルを用いてひとまとめにして任意の時刻<math>t</math>における速度 :<math>\overrightarrow v(t)=\overrightarrow v(0)+\int _0 ^t\overrightarrow a(t)dt</math> (1.2) が求められる。なお,これら<math>\overrightarrow r(0), \overrightarrow v(0)</math>の値を初期値という。 特に,加速度一定のときの運動は'''等加速度運動'''といわれ,上記の公式(1.2, 1)はそれぞれ :{| |- |<math>\overrightarrow v(t)</math> |<math>=\overrightarrow v(0)+\int _0 ^t\overrightarrow adt</math> (1.3) |- | |<math>=\overrightarrow v(0)+\overrightarrow at</math> |} :<math>\overrightarrow r(t)=\overrightarrow r(0)+\int _0 ^t(\overrightarrow v(0)+\overrightarrow at)dt =\overrightarrow r(0)+\overrightarrow v(0)t +\frac{1}{2}\overrightarrow at^2</math> となる。 運動方程式は、力が物体が受ける加速度に比例するという点はかわらない。 しかし、今回は力と加速度はどちらもベクトル量である。よって、外力<math>\overrightarrow f=(f_x,\ f_y)</math>が働き,加速度<math>\overrightarrow a=(a_x,\ a_y)</math>で運動する物体の運動方程式は :<math> m\overrightarrow a =\overrightarrow f </math> とかかれる。 通常は、この方程式を解く場合は要素ごとにわけ、 :<math> ma_x = f_x </math> :<math> ma_y = f_y </math> とかかれる。 *問題例 **問題 時刻t = 0に、 :<math> \overrightarrow x = (0,\ 0) </math> を :<math> v = \frac 1 {\sqrt 2} (1,\ 1)v _0 </math> で通過した物体の時刻tでの位置を求めよ。 **解答 物体のx方向とy方向は互いに独立に等速直線運動をする。 ここではx方向もy方向も速度 :<math> v = \frac 1 {\sqrt 2} v _0 </math> なので、等速直線運動の式のベクトル量とした量 :<math> \overrightarrow x = \overrightarrow v ( t - t _0) + \overrightarrow x _0 </math> に代入すると、 :<math> \overrightarrow x = \frac 1 {\sqrt 2} (1,\ 1)v _0 t </math> となる。 要素ごとにかくと、 :<math> x = \frac 1 {\sqrt 2} v _0 t </math> :<math> y= \frac 1 {\sqrt 2} v _0 t </math> となる。 ** 問題 時刻t=0に原点(0, 0)をy方向に速度<math>v _0</math>で等速直線運動していた質量mの物体に、 x方向の一様な力fがかかり始めた。この場合、時刻tにおける物体の位置と 速度を求めよ。 ** 解答 x軸方向には等加速度運動となる。 物体が受ける加速度は、運動方程式により :<math> a = \frac f m </math> となる。 さらにx方向の初速度0,初期位置0であることを等加速度直線運動の式に 代入すると、 :<math> x = \frac 1 2 a t^2 </math> :<math> = \frac 1 2 \frac f m t^2 </math> :<math> v = a t </math> :<math> = \frac f m t </math> となる。 さらに、y軸方向の運動は等速運動であり、その初速度は、<math>v _0</math>,初期位置は0であるので、 この値を等速運動の式に代入すると、 :<math> y = v _0 t </math> :<math> v _y = v _0 </math> が得られる。 == 運動量と力積 == この章では運動量(うんどうりょう、momentum)を扱う。運動量は、物体の衝突に置いてエネルギーと並び、保存量となる重要な量である。また、この章では力積(りきせき、impulse)という量も導入する。力積は運動量の時間変化を表わす量であり、その導出は運動方程式を用いて成される。 物体が動いている場合、物体の速度と質量の積を物体の運動量 :<math>\overrightarrow p = m\overrightarrow v</math> (2.1) と定義する。運動方程式 :<math>m\frac{d\overrightarrow v(t)}{dt}=\overrightarrow f</math> (<math>\overrightarrow v(t)</math>は時刻<math>t</math>における速度,<math>\overrightarrow f</math>は合力) の両辺を時刻<math>t = t_1</math>から<math>t = t_2</math>まで積分すると :<math>\int _{t_1}^{t_2}m\frac{d\overrightarrow v(t)}{dt}dt =\int _{t_1}^{t_2}\overrightarrow fdt</math> :<math>\therefore\int _{t_1}^{t_2}md\overrightarrow v(t)=\int _{t_1}^{t_2}\overrightarrow fdt</math> :<math>\therefore[m\overrightarrow v(t)]_{t_1}^{t_2}=\int _{t_1}^{t_2}\overrightarrow fdt</math> (注:<math>\overrightarrow f</math>は一定とは限らぬので右辺は積分実行できない) :<math>\therefore m\overrightarrow v(t_2)- m\overrightarrow v(t_1)=\int _{t_1}^{t_2}\overrightarrow fdt</math> となる。<math>\overrightarrow v(t_1)=\vec{v_1}, \overrightarrow v(t_2)=\vec{v_2}</math>とすると :<math>m\vec{v_2}- m\vec{v_1}=\int _{t_1}^{t_2}\overrightarrow fdt</math>. (2.2) この式の左辺は運動量変化,右辺は力積(りきせき、impulse)である。よって,'''運動量変化は力積に等しい'''('''運動量の原理''')ことが分かる。運動量変化を<math>\mathit{\Delta}\overrightarrow p</math>,力積を<math>\overrightarrow I</math>とすると :<math>\mathit{\Delta}\overrightarrow p = m(\vec{v_2}-\vec{v_1}), \overrightarrow I =\int _{t_1}^{t_2}\overrightarrow fdt,\ \mathit{\Delta}\overrightarrow p =\overrightarrow I</math>. 特に,<math>\overrightarrow f =</math>一定のとき,<math>t_2 - t_1 =\mathit{\Delta}t</math>とおくと :<math>\overrightarrow I =\overrightarrow f(t_2 - t_1)=\overrightarrow f\mathit{\Delta}t</math>. * 発展: 微分と変化量 微分を用いた導出については、[[古典力学]]も参照。 * 問題例 ** 問題 静止していた物体に時間<math>\mathit{\Delta}t</math>の間ある方向に一様な力fをかけた。物体が得た 運動量はどれだけか。さらに、物体の質量をmとすると、物体がその方向に 得た速度はどれだけか。 ** 解答 運動量の変化分は物体が受けた力積に等しいので、物体が受けた力積を計算すれば よい。物体が受けた力積は :<math> f\mathit{\Delta}t </math> に等しいので、物体が得た運動量も :<math> f\mathit{\Delta}t </math> に等しい。さらに、運動量が :<math> p = m v </math> を満たすことを考えると、物体の速度は :<math> \frac 1 m f\mathit{\Delta}t </math> となる。 運動量は、物体が全く力を受けない場合には保存される。これは物体に力が働かない場合には、物体の受ける力積は0であり物体の運動量変化も0であることから当然である。 さらに、複数の物体の運動量については、別の重要な性質が見られる。それは、複数の物体のもつ運動量の総和はそれらの物体の間の衝突に際して保存するということである。これはつまり、例えばある2つの物体が衝突した場合、始めに2物体がそれぞれ持っていた運動量の和は衝突が終わった後に2物体が持っている運動量の和に等しいということである。ここで、いくつかの物体がある場合それらの持つ運動量の総和を、対応する物体系の全運動量という。 物体の衝突について、運動量は常に保存する。しかし、物体系の全エネルギーは常に保存するとは限らない。一般に物体の衝突についてエネルギーは常に失われていく。もっとも物体系に限らない全エネルギーは常に一定であるので、物体が持っていたエネルギーは音や熱の形で物体系の外に逃げて行くのである。物体が衝突について失うエネルギーは衝突に関わる物体が持っている物性定数によって決まる。この係数を'''反発係数'''('''反撥係数'''、はんぱつけいすう、coefficient of restitution)と呼び、eなどの記号で書く。反発係数は、物体が衝突したする前後での物体間の相対速度の比によって定められる。 特に物体1と物体2が衝突前に速度 <math>v_1,\ v_2</math>を持っており、衝突後に速度<math>v_1',\ v_2'</math>を持ったとすると、反発係数eは :<math>v_1' - v_2' = -e(v_1 - v_2)\quad\therefore e = - \frac {v_1' - v_2'} {v_1 - v_2} </math> で定められる。ここで、右辺の始めの<math>-</math>符合は、衝突の前後で物体の速度がより大きい物体は、衝突前により小さい速度を持っていた物体よりも衝突後にはより小さい速度を持つことになるからである。 そのため、反発係数は一般に正の数である。 また反発係数は1より小さい数であり、物体間の相対速度は衝突前より衝突後の方が小さくなる。 特に<math>e = 1</math>の場合を'''(完全)弾性衝突'''(elastic collision)と呼び、いっぽう<math>0<e<1</math>の場合を'''非弾性衝突'''(inelastic collision)、<math>e=0</math>の場合を'''完全非弾性衝突'''と呼ぶ。弾性衝突の場合は、力学的エネルギーは保存することが知られている。一方、非弾性衝突の 場合は物体系の全エネルギーは失われる。 * 問題例 ** 問題 ある静止している物体2に運動量pで運動している物体が衝突した。この場合、 衝突した後の物体2が運動量<math>p _2</math>を得たとすると、衝突後の物体1の運動量は どれだけとなったか。 ** 解答 運動量保存則を考えると、衝突の前後で物体1と物体2で構成される物体系の全運動量は保存する。 ここで、衝突前の物体系の全運動量はpであるので、衝突後の物体系の全運動量もpとなる。 さらに、物体2の衝突後の運動量が <math>p _2</math>なので、物体1の運動量は :<math> p - p _2 </math> となる。 ここで、物体系の全運動量が保存されることは、運動に関する 作用・反作用の法則 から従う。 作用反作用の法則を用いると、物体系の間の衝突に際して、衝突に関わるそれぞれの物体が受ける力は、大きさが等しく向きは反対となる。 この場合、それぞれの力に対して、衝突の時間<math>\Delta t</math>をかけたものは 衝突に際してそれぞれの物体が受け取る力積に等しい。 ここで、衝突に関して働く力の力積を全ての物体について足し合わせると、それらの和は、上のことから0となる。 しかし、全運動量の計算ではまさにそのような全物体についての運動量の総和を計算しているので、 衝突によって得られるような力積の総和は、0に等しい。 よって、衝突に際して物体系の持つ全運動量は保存される。 これを'''運動量保存則'''(うんどうりょう ほぞんそく、momentum conservation law)という。 * 問題例 ** 問題 質量mの2つの物体が速度<math>v _1</math>, <math>v _2</math> で移動している。これらの物体が衝突した場合、 衝突後のそれぞれの物体の速度を、エネルギー保存則と運動量保存則を用いて 計算せよ。ただし、物体の衝突に関してエネルギーは保存するとする。 ** 解答 この問題は2つの同じ大きさの物体を異なった速度でぶつけた場合 その結果がどうなるかを計算する問題である。 実験の結果によると、一方が静止しており一方が動いている場合、 動いていた物体は静止し、静止していた物体は動いていた物体が持っていた 速度と同じ速度で動きだすことが知られている。ここでは、それらの 結果が計算によって確かめられることを見ることが出来る。 衝突後の物体の速度をそれぞれ物体1については<math>v _1'</math>,物体2については <math>v _2'</math>とする。この場合、物体の衝突について全エネルギーが保存されることを 用いると、 :<math> 1/2 m v _1^2 + 1/2 m v _2^2 = 1/2 m v _1'{}^2 + 1/2 m v'{} _2^2 </math> が得られる。さらに、物体の衝突について物体系の全運動量が保存されることを用いると、 :<math> m v _1 + m v _2 = m v _1' + m v _2' </math> これらは、<math>v' _1</math>, <math>v '_2</math>についての2次方程式であり、解くことが出来る。実際計算すると、解として :<math> (v '_1,\ v' _2 )=(v _1,\ v _2),\ (v _2,\ v _1) </math> が得られる。前者の解は衝突に際して物体の速度が変化せぬことを示しているが、これは実際の情况として考え難いので、後者の解が現実の解となる。この結果を見ると、物体が持つ速度が入れ替わることが分かる。 このことは実際に同じ大きさの球を用いて実験を行うと、確かめることができる。 <!-- これは例えば、 <math>v _1=v,\ v _2=0</math>の時を考えると、衝突後の結果は <math>v _1=0,\ v _2=v</math>となり、実験の結果を再現することになる。 --> == 剛体のつり合い == 位置のみをもち,大きさがないのが質点である。'''剛体'''とは,大きさがあるが形も大きさも変わらぬ物体のことである。 ===角運動量と力のモーメント=== 剛体の運動を考える前に一定平面上の運動について次のような一般的考察を行う。 時刻<math>t</math>において<math>xy</math>平面内の位置<math>\overrightarrow r=(x,\ y)</math>を速度<math>\overrightarrow v=(v_x,\ v_y)</math>で運動し,力<math>\overrightarrow F=(F_x,\ F_y)</math>が働いている質量<math>m</math>の物体の運動方程式を成分に分けて表せば :<math>m\frac{dv_x}{dt}=F_x,\qquad\qquad\qquad\qquad\;\cdots\cdots</math>① :<math>m\frac{dv_y}{dt}=F_y.\qquad\qquad\qquad\qquad\;\cdots\cdots</math>② ②<math>\times x -</math>①<math>\times y</math>より :<math>m\left(x\frac{dv_y}{dt}-y\frac{dv_x}{dt}\right)=xF_y -yF_x</math> :<math>\therefore \frac{d}{dt}\{m(xv_y -yv_x)\}=xF_y -yF_x.\cdots</math>③ この左辺の :<math>L=m(xv_y -yv_x)</math> (3.1) を原点Oまわりの角運動量という。 ここで<math>\overrightarrow v</math>と<math>\overrightarrow r</math>のなす角を<math>\theta,\ x</math>軸と<math>\overrightarrow r</math>のなす角を<math>\phi</math>とすると :<math>x=r\cos\phi,\ v_x=v\cos(\theta +\phi),\ y=r\sin\phi,\ v_y=v\sin(\theta +\phi)</math>. これらを(3.1)に代入すると :<math>L=m(r\cos\phi\cdot v\sin(\theta +\phi)-r\sin\phi\cdot v\cos(\theta +\phi))=mrv\sin\theta</math> (3.1a) が得られる。なお,これをベクトルで表すと :<math>\overrightarrow L=m\overrightarrow r\times \overrightarrow v</math> (3.1b) となり,角運動量ベクトルは位置ベクトルと速度ベクトルのベクトル積の質量倍,もしくは位置ベクトルと運動量ベクトルのベクトル積と表せる。(3.1b)を計算すると,平面上であるため位置ベクトルと速度ベクトルのz成分は0であるから :<math>\overrightarrow L=m(x,\ y,\ 0)\times (v_x,\ v_y,\ 0)=(my\cdot 0-m\cdot 0\cdot v_y,\ m\cdot 0\cdot v_x-mx\cdot 0,\ mxv_y-myv_x)=(0,\ 0,\ mxv_y-myv_x)</math> となる。角運動量ベクトルはz軸方向,すなわち面の法線方向を向いている。 物体を回転させる力の効果の大きさを表す量を'''力のモーメント'''という。更に<math>\overrightarrow F</math>と<math>\overrightarrow r</math>のなす角を<math>\mathit{\Theta}</math>とすると :<math>F_x=F\cos(\mathit{\Theta}+\phi),\ F_y=F\sin(\mathit{\Theta}+\phi)</math>. よって'''原点Oまわりの力のモーメント'''を<math>N</math>で表すと :<math>N=xF_y -yF_x=r\cos\phi\cdot F\sin(\mathit{\Theta}+\phi)-r\sin\phi\cdot F\cos(\mathit{\Theta}+\phi)=rF\sin\mathit{\Theta}</math>. (3.2) ここに<math>r\sin\mathit{\Theta}</math>は原点から力<math>\overrightarrow F</math>の作用線に下した垂線の長さであり,これを力<math>\overrightarrow F</math>の'''原点に対する腕の長さ'''という。ただし力のモーメントは力<math>\overrightarrow F</math>が位置ベクトル<math>\overrightarrow r</math>を反時計回りに回す向きを正としている(時計回りの際は<math>\mathit{\Theta}<0</math>で<math>r\sin\mathit{\Theta}<0</math>と考える)。なお,(3.2)をベクトルで表すと :<math>\overrightarrow N=\overrightarrow r\times\overrightarrow F.</math> ここで(3.1)の角運動量を時間微分すると,③と(3.2)より :<math>\frac{dL}{dt}=\frac{d}{dt}\{m(xv_y -yv_x)\}=xF_y -yF_x=N</math> (3.3) となり,すなわち角運動量の時間微分が力のモーメントである。これは力のモーメントが加えられた結果として角運動量が変化するという因果関係を表す。特に<math>N=0</math>ならば :<math>\frac{dL}{dt}=0\quad\therefore L=</math>一定 となり,角運動量が保存する。 === 剛体に働く力のモーメント === === 重心 === 物体の各部分に働く重力の作用点を'''重心'''({{Lang-en-short|centre of gravity}})或いは質量中心({{Lang-en-short|centre of mass}})という。<math>n</math>物体(質量:<math>m_1,\ m_2,\ \cdots\cdots,\ m_n</math>,位置<math>\vec{r_1},\ \vec{r_2},\ \cdots\cdots,\ \vec{r_n}</math> (<math>n</math>は自然数)の重心の位置<math>\vec{r_\mathrm{G}}</math>は以下のように定義される。 :<math>\vec{r_\mathrm{G}}=\frac{m_1\vec{r_1}+m_2\vec{r_2}+\cdots\cdots +m_n\vec{r_n}}{m_1+m_2+\cdots\cdots +m_n}</math>. また重心速度<math>\vec{v_\mathrm{G}}</math>は<math>\frac{d\vec{r_k}}{dt}=\vec{v_k}\ (k=1,\ 2,\ \cdots\cdots,\ n)</math>とすると :<math>\vec{v_\mathrm{G}}=\frac{d\vec{r_\mathrm{G}}}{dt}=\frac{m_1\vec{v_1}+m_2\vec{v_2}+\cdots\cdots +m_n\vec{v_n}}{m_1+m_2+\cdots\cdots +m_n}</math>. == 円運動と単振動 == ここでは、初等的な平面上の運動の1つとして、円運動({{Lang-en-short|circular motion}})と単振動({{Lang-en-short|simple harmonic motion}})をあつかう。円運動は、単振り子(たんふりこ、simple pendlum)の運動の類似物としても重要である。それとともに、このページでは万有引力による運動も扱う。 万有引力はいわゆる重力と同じ力であり、 物体と物体の間に必ず生じる力である。一方これらの力は非常に弱いため、 惑星のように大きな質量を持った物体の運動にしか関わらない。 ここでは、太陽のまわりを回転する惑星のような大きなスケールの運動もあつかう。このような運動は円に近い軌道となることがある。このため、惑星の運動を理解する上で、円運動を理解することが重要である。 === 円運動 === 物体が円を描くように運動することを円運動と呼ぶ。円を描くような運動は、例えば、円形のグラウンドのまわりを走る人間のように人間が意思を持って行なう場合も指すが、自然現象として起こる場合も多い。例えば、太陽のまわりを回る地球の運動や、地球の回りを回る月の運動は、いずれも円運動で記述される。また、一定の長さをもったひもと一定の質量を持った物体で作られた振り子の運動は、ひもを固定した点から一定の距離をおいて運動しているため、物体は円軌道上を運動しており、広い意味での円軌道ととらえることも出来る。ここでは、このような場合のうちで代表的なものとして、完全な円軌道上を運動する物体の運動をあつかう。 円軌道上を運動する物体の座標も一般の場合と同様 :<math>\overrightarrow r(t)=(x(t),\ y(t))</math> で表わされる。特に円軌道を表わす関数は[[高等学校数学II いろいろな関数]]で扱った三角関数に対応している。 * 発展: 三角関数を用いた円の表示 ここで、円運動が三角関数を用いて表されることを述べたが、このことは[[高等学校数学C]]の'''媒介変数表示'''を用いている。媒介変数表示について詳しくは、対応する項を参照してほしい。 半径rの円上を等しい速度で、円運動する物体の運動を記述することを考える。 さらに、座標を取る場合原点の位置は円運動の中心の位置とする。 この場合の物体の運動は、x, y座標を用いて、 :<math> x = r \cos (\omega t +\delta) </math> :<math> y = r \sin (\omega t +\delta) </math> によって書かれる。ただし、この場合<math>\omega</math>は角速度と呼ばれ単位は rad/s で与えられる。ただし、ここで rad は[[w:ラジアン]]であり、[[w:弧度法]]によって角度を表わした場合の単位である。弧度法については[[高等学校数学II いろいろな関数]]を参照。角速度は円運動をしている物体がどの程度の時間で円を一周するかに対応している。なお,高等学校の物理において角速度はスカラーとして扱う。また、この量は下で分かるのだが、円運動している物体の速度に比例する。 また、角速度に対応して、 :<math> T = \frac {2\pi} \omega </math> で与えられる量を[[w:周期]]といい、周期の単位は s である。周期は物体が何秒間ごとに 円状を1周するかを表わす量である。この場合には物体は周期 T ごとに円状を1周する。さらに、 :<math> f = \frac \omega {2\pi} </math> を[[w:振動数]]と呼ぶ。振動数は周期とは逆に、単位時間当たりに物体が円状を何周するかを 数える量である。振動数の単位には通常 Hz を用いる。これは、 1/s に等しい単位である。 また、周期Tと、振動数fは、関係式 :<math> Tf = 1 </math> を満たす。この式はある円運動をしている物体について、その物体の円運動の 周期に対応する時間の間には、物体は円状を1周だけするということに対応する。 また、 :<math> x = r \cos (\omega t +\delta) </math> :<math> y = r \sin (\omega t +\delta) </math> の式で<math>\delta</math>は物体の位置の[[w:位相]]と呼ばれ、物体が円状のどの点にいるかを示す 値である。 また、この場合の物体の速度のx, y要素は :<math>v_x =\frac{dx}{dt}= -r \omega \sin \omega t</math> :<math>v_y =\frac{dy}{dt}= r \omega \cos \omega t</math> で与えられる。この式と、後の円運動の加速度の導出については、後の発展を参照。ここで、物体の速さをvとすると、 :<math> v = \sqrt {v _x ^2 +v _x ^2} = \sqrt {r^2 \omega^2 (\sin^2 \omega t +\cos^2 \omega t) } = r \omega </math> となり、物体の速度は<math>r\omega</math>で与えられることが分かる。 さらに、 :<math> \overrightarrow r \cdot \overrightarrow v </math> を計算すると、 :<math> \overrightarrow r \cdot \overrightarrow v </math> :<math> =( r \cos \omega t,\ r \sin \omega t) \cdot (-r \omega \sin \omega t,\ r \omega \cos \omega t) </math> :<math> = r^2 \omega (\cos \omega t \sin \omega t - \cos \omega t \sin \omega t) </math> :<math> = 0 </math> となり、円運動をしている物体の速度と円運動の中心を原点とした場合の座標は直交していることが分かる。さらに、円運動をしている物体の加速度は、 :<math>\frac{dv_x}{dt^2}= -r \omega^2 \cos \omega t</math> :<math>\frac{dv_y}{dt^2}= -r \omega^2 \sin \omega t</math> となる。これは :<math>\overrightarrow a = -\omega ^2 \overrightarrow r</math> に対応しており、円運動をおこなう物体の加速度は、円運動をする物体の座標と ちょうど反対向きになることが分かる。 * 発展: 円運動の速度と加速度 ここでは、円運動の速度と加速度を与えたが、この値は物体の運動が決まれば決まる値なので、円運動の式から計算できる。ただ、実際にこれらの式を得るためには、円運動の式の'''微分'''を行う必要があるため、ここでは詳しく扱わない。導出については、[[古典力学]]を参照。 * 問題例 ** 問題 半径rの円上を角速度<math>\omega</math>で運動する物体の加速度の大きさを計算せよ。 ** 解答 :<math> \overrightarrow a = -\omega^2 \overrightarrow r </math> に注目するとよい。右辺について円運動をしている物体の座標が常に :<math> \overrightarrow r ^2 = r^2 </math> を満たすことに注目すると、 :<math> |\overrightarrow a| = \sqrt {\overrightarrow a^2} </math> :<math> = \sqrt {r^2 \omega^4} = r \omega^2 </math> となる。 ** 問題 50Hzで円運動している物体の円運動の周期を計算せよ。 ** 解答 :<math> T = \frac 1 f </math> を用いると、 :<math> T = \frac 1 {50}\,\textrm s </math> :<math> = 0.020 \, \textrm s </math> となる。 ==== 円運動の方程式 ==== 以上より,円運動の加速度の成分は :向心成分:<math>a_\mathrm{C}=r{\omega}^2=\frac{v^2}{r},</math> :接線成分:<math>a_\mathrm{T}=\frac{dv}{dt}</math>. よって,円運動する物体の質量を<math>m</math>,向心方向に働く力,すなわち'''向心力'''({{Lang-en-short|centripetal force}})を<math>F_\mathrm{C}</math>,接線方向に働く力を<math>F_\mathrm{T}</math>とおくと運動方程式は :<math>mr{\omega}^2=F_\mathrm{C}\Longleftrightarrow m\frac{v^2}{r}=F_\mathrm{C},</math> (4.1) :<math>m\frac{dv}{dt}=F_\mathrm{T}</math>. (4.2) * ※ 執筆中(読者に協力をお願いします。) [[w:向心力]]、[[w:遠心力]](centrifugal force) === 単振動 === 円運動と関係の深い物体の運動として、単振動({{Lang-en-short|simple harmonic oscillation}})があげられる。単振動はあらゆる振動現象の基本になっており、応用範囲が広い運動である。円運動と同様、単振動も三角関数を用いて運動が記述される。また、周期や位相がある点も円運動と同じである。また、単振動は波動に関わる現象とも関係が深く、位相、振幅などの量を共有している。 ここからは、単振動をする物体の性質をより詳しく見て行く。 単振動は様々な情况であらわれるが、単純な例としては'''フックの法則'''で支配されるばねに接続された物体の運動がある。ここでは、ばね定数<math>k</math>のばねに質量<math>m</math>の物体を接続するとする。ばねの自然長の位置を原点として時刻<math>t</math>における原点からの物体の位置を<math>x(t)</math>とおく場合、この物体に関する運動方程式は :<math>m\frac{d^2x(t)}{dt^2}= - kx(t)</math> で与えられる。この方程式の両辺を<math>m</math>で割ると、加速度は :<math>\frac{d^2x(t)}{dt^2}= -\frac{k}{m}x(t)</math>……① で与えられることが分かる。このように、加速度と物体の座標が負の比例係数を持って比例関係にある式が、単振動の運動方程式である。単振動の振動中心を<math>x_\mathrm{C}</math>(単振動では振動中心は定数),角振動数を<math>\omega</math>とし,この運動方程式の解を :<math>x(t)= x_\mathrm{C}+ a\sin\omega t +b\cos\omega t</math>…② とおくと :<math>\dot x(t)=\omega(a\cos\omega t -b\sin\omega t)</math> :<math>\therefore \ddot x(t)=-\omega^2(a\sin\omega t +b\cos\omega t)=-\omega^2(x(t)- x_\mathrm{C})</math> (∵②) [[w:振幅|振幅]]が<math>A=\sqrt{a^2+b^2}</math>であることを用い,以上を整理して時刻<math>t</math>における物体の運動を位置<math>x(t)</math>,速度<math>v(t)</math>,加速度<math>a(t)</math>で表すと :<math>x(t)= x_\mathrm{C}+ A \sin (\omega t +\delta),</math> (4.3) :<math>v(t)= \frac{dx(t)}{dt} = A\omega\cos (\omega t +\delta),</math> (4.4) :<math>\begin{align}a(t)=\frac{d^2 x(t)}{dt^2}& = -A\omega ^2 \sin (\omega t +\delta)\\ & =-\omega^2(x(t)- x_\mathrm{C})\end{align}</math> (4.5) となる。<math>\delta</math>は初期位相である。なお,(4.5)と①より :<math>\omega^2 x(t)=\frac{k}{m}x(t)\ \therefore \omega=\sqrt{\frac{k}{m}}\ (\because\omega >0)</math> となる。 *発展: 単振動の運動方程式 ここで、単振動の運動方程式と、単振動の運動の式を与えたが、実際には単振動の運動の式は運動方程式から導出できるがこれについては[[w:微分方程式]]を扱う必要があるので詳しい導出については、[[古典力学]]を参照。 <math>\sin</math>関数は関数の値の増加に伴って周期的な振動を行なう関数なので、物体は、<math>x=0</math> のまわりで周期的な振動をすることが分かる。 ただし、この場合においてはこれらの量は物体の円運動ではなく、物体の振動についての量であり、それぞれ単位時間当たりに何[rad]だけ位相が進むかの量と振動の周期の中で、どの位置に物体がいるかを表す量に対応している。また、周期と振動数も円運動の場合と同じ定義で与えられる。 :<math>T = \frac {2\pi}\omega</math> :<math>f =\frac \omega {2\pi}</math> * 問題例 ** 問題 質量mを持つある物体について、ばね定数<math>k _1</math>のばねとばね定数<math>k _2</math>のばねに つながれた場合では、 どちらの場合の方が物体の角速度が大きくなるか。 ただし、<math>k _1>k _2</math>が成り立つとする。また、周期と振動数についてはどうなるか。 ** 解答 この場合にはこの単振動の角振動数は、 :<math> \omega = \sqrt {\frac k m} </math> で与えられる。この量はばね定数kが大きいほど大きいので、角振動数は ばね定数<math>k _1</math>を持つばねの角振動数の方がばね定数<math>k _2</math>を持つばねの角振動数 より大きくなる。また、単振動の振動数は単振動の角振動数に比例するので、 振動数についても、 ばね定数<math>k _1</math>を持つばねの振動数の方がばね定数<math>k _2</math>を 持つばねの振動数より大きくなる。一方、この場合の周期については、 :<math> T = \frac {2\pi} \omega = 2\pi \sqrt {\frac m k} </math> が成り立つため、ばね定数kが小さいほど大きくなる。よって、周期については ばね定数<math>k _2</math>を持つばねの周期の方がばね定数<math>k _1</math>を持つばねの周期 より大きくなる。 ** 問題 重力のある中に長さlのひもでつるされた物体によって作られた物体の 鉛直下向きに垂直な方向の運動が単振動となることを求めよ。 ただし、振り子の動く範囲は小さいものとする。 このように単振動をする振り子を 単振り子(たんふりこ、simple pendlum) と呼ぶことがある。 ** 解答 ひも が固定されている位置から鉛直に下ろした直線と、物体がつながれている ひも がなす角度を <math>\theta</math> とする。この場合、図形的に考えるとこの場合の水平方向の運動方程式は :<math>m a _x =- mg \sin \theta </math> となる。ここで、<math>\theta</math> が小さい場合、 :<math>\theta \sim \frac x l</math> となることに注意すると、運動方程式は :<math>a _x = -g \frac x l</math> :<math>a _x = - \frac g l x</math> となり先ほどのばねにつながれた物体の運動方程式と等しくなる。 よって、この物体の運動も単振動で記述されることが分かった。さらに、 先ほどの角振動数と比較すると、この場合の角振動数<math>\omega</math>は :<math>\omega = \sqrt{\frac g l}</math> となることが分かる。 これらの結果から[[小学校理科]]の結果である :単振り子について ::物体の重さは振り子の周期と関係しない。 ::振り子のひもの長さが長くなるにつれて、振り子の周期は長くなる。 の実験事実が運動方程式の結果と一致することが確かめられる。 == 万有引力 == {{see also|高等学校地学}} この章では、万有引力による運動を扱う。万有引力は全ての物体の間に存在しているが、その力が媒介する運動として有名なものは太陽の回りを回転する地球の運動や、地球自身の回りを回転する月の運動である。実際にはこのような何かの回りを回転する構造は宇宙全体に広く見られる。 例えば、空に見られる星は恒星と呼ばれるが、これらの星の回りにも太陽に対する地球と同じように、惑星が回りを回っていると考えられ、実際にそのような惑星が確認された恒星もある(系外惑星)。 このように宇宙の中で万有引力による回転運動は広く観測される。ここではこのような運動は物体間に働くどのような力によって記述されるかを見ていく。 * 発展: 万有引力発見の歴史 歴史的には、逆にこのような物体の間の運動を説明するような力を考えることで 物体間に働く力が発見された。歴史について詳しくは[[w:ニュートン]]などを参照。 === 万有引力の法則 === まずは、物体間に働く万有引力(glavitational constant)の法則を述べる。種々の観測の結果によると、質量<math>m_1</math>を持つ物体と質量<math>m_2</math>を持つ物体の間には :<math>F = -G \frac{m _1 m _2}{r^2}</math> で表わされる力が働く。ここでGは物体によらない定数で、'''万有引力定数'''という。 値は<math> G = 6.67 \times 10^{-11} \, {\mathrm{N}\cdot\mathrm{m}^2/\mathrm{kg}^2} </math> である。 万有引力の法則 :<math>F = -G \frac{m _1 m _2}{r^2}</math> ::F: 万有引力 ::G: 万有引力定数 ::r: 物体間の距離 万有引力は物体間の距離の2乗に逆比例する力である。 物体の少なくとも片方が惑星のように巨大な場合、物体間の距離rは、重心間の距離である。 地球の万有引力を考える。地球の質量をM、地球の半径をR、測定する物体の質量をmとした場合、重力Fは :<math>F = -G \frac{M m}{R^2}</math> となる。 これが地表近くでは大きさが mg と等しいので、 :<math>G \frac{M m}{R^2} = mg </math> 変形して :<math>G M = gR^2 </math> となる。計算問題のさい、この変形が用いられる場合がある。 ;地球の自転の影響 地球は自転をしており、重力の計算では、厳密には自転による遠心力も考える必要があるが、しかし、自転の遠心力の大きさは、万有引力の<math>\frac{1}{300}</math>倍程度しかないので、通常は自転による遠心力を無視する場合が多い。 なお、地球の自転の遠心力は、赤道上でもっとも大きくなる。 === 静止衛星 === 人工衛星が、地球の自転と同じ周期で、自転と同じ向きに等速円運動をすれば、その人工衛星は地上から見て、つねに地面の上空にあるので、地上の観測者からは静止して見える。このような人工衛星のことを'''静止衛星'''という。 ** 問題 質量mの物体が質量Mの大きな物体の回りを、万有引力の力を向心力として、半径rの円運動をしている。この場合の円運動の角速度を求めよ。 ** 解答 半径r、角速度<math>\omega</math>の円運動をする場合の物体の向心力 は :<math>- mr \omega ^2</math> である。一方、質量mと質量Mの物体の間の距離がrである場合、2つの物体間に働く重力は、重力の変数をfとすると、 :<math>f = - G\frac{mM}{r^2}</math> で与えられる。よって、これらの力が等しくなる場合に、質量mの物体は質量Mの物体のまわりを円運動で回転(公転)することができる。よって、<math>\omega</math>を求める式は、 :<math>- mr \omega^2 = - G\frac{mM}{r^2}</math> :<math>\omega = \sqrt { G\frac M{r^3} }</math> となる。 === 万有引力による位置エネルギー === 地球表面での重力による位置エネルギーを考えられるのと同様に、万有引力による位置エネルギーも考えることができる。 :※ 読者が積分を知ってることを前提に説明する。数学3の積分をまなんだほうが理解は早い。進学校などでは、積分で位置エネルギーを求めるのが実態である。 万有引力による位置エネルギーを求めるには、万有引力を積分すればいい。 質量Mの物体からrの距離に質量mの物体が存在するとする。ただし、Mはmよりはるかに 大きいとする。無限遠点を基準にすると(つまり無限遠では位置エネルギーがゼロ)、この場合、質量mの物体の位置エネルギーは :<math>U = -G \frac {mM} r</math> で与えられる。 符号にマイナスがつくことの物理的な解釈は、重力をつくりだす物体に近づくほど、その物体のつくりだす重力圏を脱出するには、エネルギーが追加的に必要になるからであると解釈できる。 無限遠では r=+∞ とすればよく、結果、 U=0 になる。 なお、万有引力は保存力であるので、位置エネルギーは、無限遠点からの経路によらず、現在の位置だけで決まる。 * 図参照 のように与えられる。また、このグラフは直観的な意味を持っている。 実は、このグラフの傾きはグラフが表わす位置エネルギーを持つ点に物体を置いた場合、 その物体が力を受ける方向とその大きさを表わしている。ここでは、 位置エネルギーの傾きが常にr=0に落ち込む方向に生じているため物体Mから距離r (rは任意の実数。)の点に静止している物体は必ずMの方向に吸い込まれて行くことを 表わしている。(詳しくは[[古典力学]]参照。) * 問題例 ** 問題 ある惑星上にある物体を宇宙の無限遠まで到達させるために宇宙船に惑星上で 与えなくてはいけない速度はどのように表わされるか。ただし、計算については 最初に宇宙船が出発した惑星以外の天体からの影響は無視するとする。 また、惑星の半径はR、 惑星の質量はMとする。 ** 解答 惑星の引力による位置エネルギーは惑星表面で :<math>- G\frac {mM} R</math> であり、無限円点では0である。ただし、mは宇宙船の質量とした。 一方、宇宙船が無限円点に達するには、宇宙船の速度が無限円点でちょうど0に 等しくなればよい。ここで、惑星上での宇宙船の速度をvとすると、 エネルギー保存則より、 :<math>\frac 1 2 m v^2 - G\frac {mM} R = 0 - 0</math> となる。よってこの式からvを求めればよい。答は、 :<math>v = \sqrt {2G\frac {M} R }</math> (答) 上記の計算から分かるように、一般に、万有引力だけを受けて運動する物体の力学的エネルギーは、 :<math>E = \frac 1 2 m v^2 - G\frac {mM} R = </math>  '''一定''' である。 === 人工衛星の軌道 === ==== 宇宙速度 ==== [[画像:Newton Cannon.svg|thumb|300px|Cが第一宇宙速度の軌道。]] 仮に高い山から物体を水平に発射したとき(空気抵抗は無視する)、地球のまわりを回り続けるために必要な最小の初速度のことを'''第一宇宙速度'''という。 第一宇宙速度は、遠心力と向心力がつりあう速度である。 第一宇宙速度は、秒速では7.91 km/sである。 ;第一宇宙速度の計算 :<math> m\frac{ {v_1}^2 }{r} = G \frac{mM}{R^2}</math> v<sub>1</sub>について觧き、 :<math> v_1 = \sqrt {gR} </math> なお、およそ R = 6400 × 10<sup>3</sup> m である。 g = 9.8 m/s<sup>2</sup> である。 :<math> v_1 = \sqrt {9.8 \times 6400 \times 10^3 } = 7.9 \times 10^3\, \textrm {m/s} = 7.9 \,\textrm {km/s} </math> (答) ---- さらに初速度が大きくなると、物体は[[高等学校数学C/平面上の曲線#楕円|楕円]]軌道になる。 初速度が約11.2km/sになると、軌道は[[高等学校数学C/平面上の曲線#放物線|放物線]]になり、物体は無限の彼方に飛んでゆく。 この約11.2km/sのことを'''第二宇宙速度'''という。これは、無限遠の点で、速度が0を超える値になるために必要な初速度である。 なので、計算で第二宇宙速度を求めるにはエネルギー保存則を計算には使う。 ;第二宇宙速度の計算 :<math>\frac 1 2 m {v_2}^2 - G\frac {mM} R = 0 - 0</math> の式からvを求め、 :<math>v_2 = \sqrt {\frac {2GM} R }</math> にさらに <math> GM = gR^2 </math> を代入して、 :<math> v_2 = \sqrt { 2gR }</math> これに関係する定数を代入すればいい。 なお、およそ R = 6400 × 10<sup>3</sup> m である。 g = 9.8 m/s<sup>2</sup> である。 :<math> v_2 = \sqrt { 2 \times 9.8 \times 6400 \times 10^3 } \, \textrm {m/s} = 1.1 \times 10^4 \, \textrm {m/s}</math> (答) ---- 初速度 11.2km/s以上では、軌道は[[高等学校数学C/平面上の曲線#双曲線|双曲線]]になり、物体は無限の彼方に飛んでゆく。 {{コラム|無重量状態|地球の周囲をまわっている人工衛星の中で、物の重量が無くなり浮かべる理由は、重力と遠心力が釣り合っているからである。このような状態のことを'''無重量状態'''という。 世間では国際宇宙ステーションの中で物が浮かぶ映像などが有名であるが、これも無重量状態である。 地表から離れて重力が弱まったから人工衛星の中が無重力になったのではない。 もし向心力としての重力が無いのなら、衛星の軌道は円軌道ではなく直線軌道になってしまい、宇宙の彼方に飛んでいっていってしまうだろう。 無重量状態のことを無重力状態という場合も多い。}} ;第三宇宙速度 地球から射出したとき、太陽系外に出るために必要な最小の初速度のことを'''第三宇宙速度''' という。第三宇宙速度の値は約16.7 km/sである。 === ケプラーの法則 === ギリシャ時代から中世まで信じられてきた[[w:天動説|天動説]]({{Lang-en-short|geocentric theory}})に対し,16世紀半ばに[[w:ニコラウス・コペルニクス|コペルニクス]]は全ての[[w:惑星|惑星]]({{Lang-en-short|planet}})が太陽を中心とした円運動をしている[[w:地動説|地動説]]を提唱した。その後[[w:ティコ・ブラーエ|ティコ・ブラーエ]]は長年にわたり惑星の観測を行い,その観測結果を引継いだ[[w:ヨハネス・ケプラー|ケプラー]]はこれらの結果をもとに計算を行い,惑星の運行に関する法則,'''ケプラーの法則'''({{Lang-en-short|Kepler's laws}})を発見した。なお,教科書は太陽と惑星の関係で論じているが,他にも惑星と衛星(自然衛星,人工衛星)でも成り立つ。 ==== ケプラーの第一法則 ==== 惑星(衛星)は太陽(惑星)を1つの焦点とする楕円運動をする('''楕円軌道の法則''')。 ==== ケプラーの第二法則 ==== [[File:Elliptical motion of man-made satellight.png|thumb|right|640px|図 人工衛星の楕円運動]] 惑星(衛星)と太陽(惑星)を結ぶ動径が単位時間に描く面積('''面積速度''')は一定である('''面積速度一定の法則''')。 * 証明 :地球の周りを運動する人工衛星について考える。右図のように地球の中心を原点として<math>xy</math>平面をとり,地球の質量を<math>M</math>,人工衛星の質量を<math>m</math>,万有引力定数を<math>G</math>,時刻<math>t</math>における人工衛星の位置を<math>\overrightarrow r(t)=(x(t),\ y(t))</math>とおく。人工衛星の角運動量<math>L</math>は ::<math>L=m\left(x(t)\frac{dy(t)}{dt}-y(t)\frac{dx(t)}{dt}\right)</math>. ((3.1)を参照) :両辺を時間微分して ::<math>\begin{align}\frac{dL}{dt} & =m\left(\frac{dx(t)}{dt}\frac{dy(t)}{dt}+x(t)\frac{d^2y(t)}{dt^2}-\frac{dy(t)}{dt}\frac{dx(t)}{dt}-y(t)\frac{d^2x(t)}{dt^2}\right) \\ & =m\left(x(t)\frac{d^2y(t)}{dt^2}-y(t)\frac{d^2x(t)}{dt^2}\right).\cdots\cdots(*)\end{align}</math> :ここで,時刻<math>t</math>における人工衛星の運動方程式は ::<math>m\frac{d^2\overrightarrow r(t)}{dt^2}=-G\frac{Mm}{x(t)^2+y(t)^2}\Longleftrightarrow\begin{cases}m\frac{d^2x(t)}{dt^2}=-G\frac{Mm\cdot x(t)}{(x(t)^2+y(t)^2)^\frac{3}{2}} \\ m\frac{d^2y(t)}{dt^2}=-G\frac{Mm\cdot y(t)}{(x(t)^2+y(t)^2)^\frac{3}{2}}\end{cases}</math> ::<math>\therefore \frac{d^2x(t)}{dt^2}=-G\frac{M\cdot x(t)}{(x(t)^2+y(t)^2)^\frac{3}{2}},\ \frac{d^2y(t)}{dt^2}=-G\frac{M\cdot y(t)}{(x(t)^2+y(t)^2)^\frac{3}{2}}</math>. :これらを<math>(*)</math>に代入して ::<math>\frac{dL}{dt}=m\left\{x(t)\cdot\left(-G\frac{M\cdot y(t)}{(x(t)^2+y(t)^2)^\frac{3}{2}}\right)-y(t)\cdot\left(-G\frac{M\cdot x(t)}{(x(t)^2+y(t)^2)^\frac{3}{2}}\right)\right\}=0</math>. :ゆえに角運動量<math>L</math>は一定である(角運動量は保存する)。 :ここで,時刻<math>t</math>における人工衛星の速度<math>\frac{d\overrightarrow r(t)}{dt}=\overrightarrow v(t)</math>とし,図のように人工衛星の位置ベクトル<math>\overrightarrow r(t)</math>と速度ベクトル<math>\overrightarrow v(t)</math>のなす角を<math>\theta</math>,位置ベクトル<math>\overrightarrow r(t)</math>と<math>x</math>軸とのなす角を<math>\phi</math>とする。以上より ::<math>\begin{align}\frac{L}{2m}&=\frac{1}{2}\left(x(t)\frac{dy(t)}{dt}-y(t)\frac{dx(t)}{dt}\right) \\ &=\frac{1}{2}(|\overrightarrow r(t)|\cos\phi\cdot |\overrightarrow v(t)|\sin(\theta+\phi)-|\overrightarrow r(t)|\sin\phi\cdot |\overrightarrow v(t)|\cos(\theta+\phi)) \\ & =\frac{1}{2}(|\overrightarrow r(t)||\overrightarrow v(t)|\{\sin\theta(\cos^2\phi+\sin^2\phi)+\cos\phi\cos\theta\sin\phi-\sin\phi\cos\theta\cos\phi\} \\ & =\frac{1}{2}|\overrightarrow r(t)||\overrightarrow v(t)|\sin\theta=\mathrm{const}.\end{align}</math> (<math>\mathrm{const}.</math>は一定の意味) ===ケプラーの第三法則=== 惑星(衛星)の公転周期<math>T</math>の2乗は楕円軌道の長半径(半長軸)<math>a</math>の3乗に比例する('''調和の法則''')。 :<math>\frac{T^2}{a^3}=\mathrm{const}.</math> *証明 まずは、公転軌道が真円である場合を考える。 :恒星の質量をM、惑星の質量をm、公転半径をaとする。 :惑星は恒星の周りを等速円運動するので、角速度をω、万有引力定数をGとすると、万有引力の法則と円運動方程式より ::<math>m a \omega^2 = G \frac{Mm}{a^2}</math> ::<math>\therefore \omega = \sqrt{\frac{GM}{a^3}}</math> :この等速円運動の周期Tを求めると、 ::<math>T = \frac{2\pi}{\omega} = 2\pi \sqrt{\frac{a^3}{GM}}</math> :両辺の平方をとると、 ::<math>T^2 = 4\pi^2 \frac{a^3}{GM}</math> ::<math>\therefore \frac{T^2}{a^3} = \frac{4\pi^2}{GM} = \mathrm{const}.</math>// 次に、公転軌道が楕円である場合を考える。 :恒星の質量をM、惑星の質量をm、楕円の長半径をa、短半径をb、恒星から近日点・遠日点迄の距離をそれぞれ<math>R_1, R_2</math>とする。 :この楕円の面積は<math>\pi ab</math>であり([[高等学校数学III/積分法#面積|参照]])、楕円の面積速度を<math>V_s</math>、公転周期を<math>T</math>とすると面積速度の定義より ::<math>V_s T = \pi ab</math> :惑星が<math>r = R_1, R_2</math>の位置にいるときの速度をそれぞれ<math>\vec{v_1}, \vec{v_2}</math>とすると ::<math>\vec{v_1} \cdot \vec{R_1} = 0, \vec{v_2} \cdot \vec{R_2} = 0</math> :よってケプラーの第二法則より ::<math>\frac{1}{2} R_1 v_1 = \frac{1}{2} R_2 v_2</math> ::<math>\therefore \frac{v_2}{v_1} = \frac{R_1}{R_2}</math> :また、万有引力定数をGとすると力学的エネルギー保存則より ::<math>\frac{1}{2} m v^2_1 - G\frac{Mm}{R_1} = \frac{1}{2} m v^2_2 - G\frac{Mm}{R_2}</math> ::<math>\therefore \frac{1}{2}v^2_1 \{1 - (\frac{v_2}{v_1})^2\} = \frac{GM}{R_1} (1 - \frac{R_1}{R_2})</math> ::<math>\therefore \frac{1}{2} v^2_1 \{1 - (\frac{R_1}{R_2})^2\} = \frac{GM}{R_1} (1-\frac{R_1}{R_2})</math> ::<math>\therefore \frac{1}{2} v^2_1 (1+\frac{R_1}{R_2}) = \frac{GM}{R_1}</math> ::<math>\therefore v_1 = \sqrt{\frac{2R_2GM}{R_1(R_1+R_2)}}</math> :面積速度について、 ::<math>V_s = \frac{1}{2} R_1 v_1 = \sqrt{\frac{R_1R_2GM}{2(R_1+R_2)}}</math> :ケプラーの第一法則より恒星は楕円の焦点の片方に存在するので、 ::<math>R_1+R_2 = 2a, b = \sqrt{R_1R_2}</math> ::<math>\therefore V_s = b\sqrt{\frac{GM}{4a}}</math> ::<math>\therefore b\sqrt{\frac{GM}{4a}} T = \pi ab</math> ::<math>\therefore \frac{GMT^2}{4a} = \pi^2 a^2</math> ::<math>\therefore \frac{T^2}{a^3} = \frac{4\pi^2}{GM} = \mathrm{const}</math>.// 楕円の場合でも、真円と同じ<math>T^2 = \frac{4\pi^2}{GM} a^3</math>という結果が得られた。 [[Category:高等学校教育|物ふつり2ちからとうんとう]] [[Category:物理学|高ふつり2ちからとうんとう]] [[Category:物理学教育|高ふつり2ちからとうんとう]] [[Category:高等学校理科 物理II|ちからとうんとう]] kqqv576rx94s58c812eq0hm7keh4ddi 298930 298929 2026-04-29T16:37:30Z Train earth urban 58608 /* 剛体のつり合い */ 298930 wikitext text/x-wiki {{pathnav|高等学校の学習|高等学校理科|高等学校 物理|pagename=力学|frame=1|small=1}} == 物体の運動 == [[高等学校理科 物理基礎]]では、物体の運動を直線上の運動を中心に扱った。物理では、より複雑な平面上の運動を扱う。平面上の運動では、直線上の運動とは違って、物体の位置を表わすのに必要な量が2つになる。これらは通常<math>x,\ y</math>とされ、どちらも時刻<math>t</math>の一意の関数となる。 これらの関数はどんなものでもよいが、ここでは主に、実際の物体の運動としてよくあらわれるものを扱う。 === 平面上の運動 === {{See also|[[高等学校物理基礎/力学#2次元・3次元における位置・速度・加速度|高等学校物理基礎/力学]]}} 平面上,すなわち2次元において,時刻<math>t</math>における位置は<math>\overrightarrow r(t)=(x(t),\ y(t))</math>,微小時間<math>\mathit{\Delta}t</math>間の変位は<math>\mathit{\Delta}\overrightarrow r =\overrightarrow r(t +\mathit{\Delta}t)-\overrightarrow r(t)=(\mathit{\Delta}x,\ \mathit{\Delta}y)</math>と定義される。このとき :<math>\bar \overrightarrow v =\frac{\overrightarrow r(t +\mathit{\Delta}t)-\overrightarrow r(t)}{\mathit{\Delta}t}=\frac{\mathit{\Delta}\overrightarrow r}{\mathit{\Delta}t}</math> を<math>\mathit{\Delta}t</math>間の平均速度,<math>\mathit{\Delta}t\to 0</math>の極限 :<math>\overrightarrow v(t)=\lim_{\mathit{\Delta}t\to 0}\frac{\overrightarrow r(t +\mathit{\Delta}t)-\overrightarrow r(t)}{\mathit{\Delta}t}=\frac{d\overrightarrow r(t)}{dt}=\left(\frac{dx(t)}{dt},\ \frac{dy(t)}{dt}\right)=(\dot x(t),\ \dot y(t))=(v_x(t),\ v_y(t))</math> を時刻<math>t</math>での(瞬間)速度という。なお,時刻<math>t</math>での速さ(速度の大きさ)は :<math>v =|\overrightarrow v|=\sqrt{{v_x}^2 +{v_y}^2}</math>. この場合も,速度から位置が求まり,各成分毎に :<math>x(t)= x(0)+\int _0 ^t v_x(t)dt</math> :<math>y(t)= y(0)+\int _0 ^t v_y(t)dt</math> が成り立ち,これらをベクトルを用いてひとまとめにして任意の時刻<math>t</math>における位置 :<math>\overrightarrow r(t)=\overrightarrow r(0)+\int _0 ^t\overrightarrow v(t)dt</math> (1.1) が求められる。 また, :<math>\bar \overrightarrow a =\frac{\overrightarrow v(t +\mathit{\Delta}t)-\overrightarrow v(t)}{\mathit{\Delta}t}=\frac{\mathit{\Delta}\overrightarrow v}{\mathit{\Delta}t}</math> (<math>\mathit{\Delta}\overrightarrow v</math>は微小時間<math>\mathit{\Delta}t</math>間の速度変化) を<math>\mathit{\Delta}t</math>間の平均加速度,<math>\mathit{\Delta}t\to 0</math>の極限 :<math>\begin{align}\overrightarrow a(t)=\lim_{\mathit{\Delta}t\to 0}\frac{\overrightarrow v(t +\mathit{\Delta}t)-\overrightarrow v(t)}{\mathit{\Delta}t}& =\frac{d\overrightarrow v(t)}{dt}=\left(\frac{dv_x(t)}{dt},\ \frac{dv_y(t)}{dt}\right)=(\dot v_x(t),\ \dot v_y(t))\\ & =\frac{d^2\overrightarrow r(t)}{dt^2}=\left(\frac{d^2x(t)}{dt^2},\ \frac{d^2y(t)}{dt^2}\right)=(\ddot x(t),\ \ddot y(t))\end{align}</math> を時刻<math>t</math>での(瞬間)加速度という。 この場合も,加速度から速度が求まり,各成分毎に :<math>v_x(t)=v_x(0)+\int _0 ^t\frac{dv_x(t)}{dt}dt</math> :<math>v_y(t)=v_y(0)+\int _0 ^t\frac{dv_y(t)}{dt}dt</math> が成り立ち,これらをベクトルを用いてひとまとめにして任意の時刻<math>t</math>における速度 :<math>\overrightarrow v(t)=\overrightarrow v(0)+\int _0 ^t\overrightarrow a(t)dt</math> (1.2) が求められる。なお,これら<math>\overrightarrow r(0), \overrightarrow v(0)</math>の値を初期値という。 特に,加速度一定のときの運動は'''等加速度運動'''といわれ,上記の公式(1.2, 1)はそれぞれ :{| |- |<math>\overrightarrow v(t)</math> |<math>=\overrightarrow v(0)+\int _0 ^t\overrightarrow adt</math> (1.3) |- | |<math>=\overrightarrow v(0)+\overrightarrow at</math> |} :<math>\overrightarrow r(t)=\overrightarrow r(0)+\int _0 ^t(\overrightarrow v(0)+\overrightarrow at)dt =\overrightarrow r(0)+\overrightarrow v(0)t +\frac{1}{2}\overrightarrow at^2</math> となる。 運動方程式は、力が物体が受ける加速度に比例するという点はかわらない。 しかし、今回は力と加速度はどちらもベクトル量である。よって、外力<math>\overrightarrow f=(f_x,\ f_y)</math>が働き,加速度<math>\overrightarrow a=(a_x,\ a_y)</math>で運動する物体の運動方程式は :<math> m\overrightarrow a =\overrightarrow f </math> とかかれる。 通常は、この方程式を解く場合は要素ごとにわけ、 :<math> ma_x = f_x </math> :<math> ma_y = f_y </math> とかかれる。 *問題例 **問題 時刻t = 0に、 :<math> \overrightarrow x = (0,\ 0) </math> を :<math> v = \frac 1 {\sqrt 2} (1,\ 1)v _0 </math> で通過した物体の時刻tでの位置を求めよ。 **解答 物体のx方向とy方向は互いに独立に等速直線運動をする。 ここではx方向もy方向も速度 :<math> v = \frac 1 {\sqrt 2} v _0 </math> なので、等速直線運動の式のベクトル量とした量 :<math> \overrightarrow x = \overrightarrow v ( t - t _0) + \overrightarrow x _0 </math> に代入すると、 :<math> \overrightarrow x = \frac 1 {\sqrt 2} (1,\ 1)v _0 t </math> となる。 要素ごとにかくと、 :<math> x = \frac 1 {\sqrt 2} v _0 t </math> :<math> y= \frac 1 {\sqrt 2} v _0 t </math> となる。 ** 問題 時刻t=0に原点(0, 0)をy方向に速度<math>v _0</math>で等速直線運動していた質量mの物体に、 x方向の一様な力fがかかり始めた。この場合、時刻tにおける物体の位置と 速度を求めよ。 ** 解答 x軸方向には等加速度運動となる。 物体が受ける加速度は、運動方程式により :<math> a = \frac f m </math> となる。 さらにx方向の初速度0,初期位置0であることを等加速度直線運動の式に 代入すると、 :<math> x = \frac 1 2 a t^2 </math> :<math> = \frac 1 2 \frac f m t^2 </math> :<math> v = a t </math> :<math> = \frac f m t </math> となる。 さらに、y軸方向の運動は等速運動であり、その初速度は、<math>v _0</math>,初期位置は0であるので、 この値を等速運動の式に代入すると、 :<math> y = v _0 t </math> :<math> v _y = v _0 </math> が得られる。 == 運動量と力積 == この章では運動量(うんどうりょう、momentum)を扱う。運動量は、物体の衝突に置いてエネルギーと並び、保存量となる重要な量である。また、この章では力積(りきせき、impulse)という量も導入する。力積は運動量の時間変化を表わす量であり、その導出は運動方程式を用いて成される。 物体が動いている場合、物体の速度と質量の積を物体の運動量 :<math>\overrightarrow p = m\overrightarrow v</math> (2.1) と定義する。運動方程式 :<math>m\frac{d\overrightarrow v(t)}{dt}=\overrightarrow f</math> (<math>\overrightarrow v(t)</math>は時刻<math>t</math>における速度,<math>\overrightarrow f</math>は合力) の両辺を時刻<math>t = t_1</math>から<math>t = t_2</math>まで積分すると :<math>\int _{t_1}^{t_2}m\frac{d\overrightarrow v(t)}{dt}dt =\int _{t_1}^{t_2}\overrightarrow fdt</math> :<math>\therefore\int _{t_1}^{t_2}md\overrightarrow v(t)=\int _{t_1}^{t_2}\overrightarrow fdt</math> :<math>\therefore[m\overrightarrow v(t)]_{t_1}^{t_2}=\int _{t_1}^{t_2}\overrightarrow fdt</math> (注:<math>\overrightarrow f</math>は一定とは限らぬので右辺は積分実行できない) :<math>\therefore m\overrightarrow v(t_2)- m\overrightarrow v(t_1)=\int _{t_1}^{t_2}\overrightarrow fdt</math> となる。<math>\overrightarrow v(t_1)=\vec{v_1}, \overrightarrow v(t_2)=\vec{v_2}</math>とすると :<math>m\vec{v_2}- m\vec{v_1}=\int _{t_1}^{t_2}\overrightarrow fdt</math>. (2.2) この式の左辺は運動量変化,右辺は力積(りきせき、impulse)である。よって,'''運動量変化は力積に等しい'''('''運動量の原理''')ことが分かる。運動量変化を<math>\mathit{\Delta}\overrightarrow p</math>,力積を<math>\overrightarrow I</math>とすると :<math>\mathit{\Delta}\overrightarrow p = m(\vec{v_2}-\vec{v_1}), \overrightarrow I =\int _{t_1}^{t_2}\overrightarrow fdt,\ \mathit{\Delta}\overrightarrow p =\overrightarrow I</math>. 特に,<math>\overrightarrow f =</math>一定のとき,<math>t_2 - t_1 =\mathit{\Delta}t</math>とおくと :<math>\overrightarrow I =\overrightarrow f(t_2 - t_1)=\overrightarrow f\mathit{\Delta}t</math>. * 発展: 微分と変化量 微分を用いた導出については、[[古典力学]]も参照。 * 問題例 ** 問題 静止していた物体に時間<math>\mathit{\Delta}t</math>の間ある方向に一様な力fをかけた。物体が得た 運動量はどれだけか。さらに、物体の質量をmとすると、物体がその方向に 得た速度はどれだけか。 ** 解答 運動量の変化分は物体が受けた力積に等しいので、物体が受けた力積を計算すれば よい。物体が受けた力積は :<math> f\mathit{\Delta}t </math> に等しいので、物体が得た運動量も :<math> f\mathit{\Delta}t </math> に等しい。さらに、運動量が :<math> p = m v </math> を満たすことを考えると、物体の速度は :<math> \frac 1 m f\mathit{\Delta}t </math> となる。 運動量は、物体が全く力を受けない場合には保存される。これは物体に力が働かない場合には、物体の受ける力積は0であり物体の運動量変化も0であることから当然である。 さらに、複数の物体の運動量については、別の重要な性質が見られる。それは、複数の物体のもつ運動量の総和はそれらの物体の間の衝突に際して保存するということである。これはつまり、例えばある2つの物体が衝突した場合、始めに2物体がそれぞれ持っていた運動量の和は衝突が終わった後に2物体が持っている運動量の和に等しいということである。ここで、いくつかの物体がある場合それらの持つ運動量の総和を、対応する物体系の全運動量という。 物体の衝突について、運動量は常に保存する。しかし、物体系の全エネルギーは常に保存するとは限らない。一般に物体の衝突についてエネルギーは常に失われていく。もっとも物体系に限らない全エネルギーは常に一定であるので、物体が持っていたエネルギーは音や熱の形で物体系の外に逃げて行くのである。物体が衝突について失うエネルギーは衝突に関わる物体が持っている物性定数によって決まる。この係数を'''反発係数'''('''反撥係数'''、はんぱつけいすう、coefficient of restitution)と呼び、eなどの記号で書く。反発係数は、物体が衝突したする前後での物体間の相対速度の比によって定められる。 特に物体1と物体2が衝突前に速度 <math>v_1,\ v_2</math>を持っており、衝突後に速度<math>v_1',\ v_2'</math>を持ったとすると、反発係数eは :<math>v_1' - v_2' = -e(v_1 - v_2)\quad\therefore e = - \frac {v_1' - v_2'} {v_1 - v_2} </math> で定められる。ここで、右辺の始めの<math>-</math>符合は、衝突の前後で物体の速度がより大きい物体は、衝突前により小さい速度を持っていた物体よりも衝突後にはより小さい速度を持つことになるからである。 そのため、反発係数は一般に正の数である。 また反発係数は1より小さい数であり、物体間の相対速度は衝突前より衝突後の方が小さくなる。 特に<math>e = 1</math>の場合を'''(完全)弾性衝突'''(elastic collision)と呼び、いっぽう<math>0<e<1</math>の場合を'''非弾性衝突'''(inelastic collision)、<math>e=0</math>の場合を'''完全非弾性衝突'''と呼ぶ。弾性衝突の場合は、力学的エネルギーは保存することが知られている。一方、非弾性衝突の 場合は物体系の全エネルギーは失われる。 * 問題例 ** 問題 ある静止している物体2に運動量pで運動している物体が衝突した。この場合、 衝突した後の物体2が運動量<math>p _2</math>を得たとすると、衝突後の物体1の運動量は どれだけとなったか。 ** 解答 運動量保存則を考えると、衝突の前後で物体1と物体2で構成される物体系の全運動量は保存する。 ここで、衝突前の物体系の全運動量はpであるので、衝突後の物体系の全運動量もpとなる。 さらに、物体2の衝突後の運動量が <math>p _2</math>なので、物体1の運動量は :<math> p - p _2 </math> となる。 ここで、物体系の全運動量が保存されることは、運動に関する 作用・反作用の法則 から従う。 作用反作用の法則を用いると、物体系の間の衝突に際して、衝突に関わるそれぞれの物体が受ける力は、大きさが等しく向きは反対となる。 この場合、それぞれの力に対して、衝突の時間<math>\Delta t</math>をかけたものは 衝突に際してそれぞれの物体が受け取る力積に等しい。 ここで、衝突に関して働く力の力積を全ての物体について足し合わせると、それらの和は、上のことから0となる。 しかし、全運動量の計算ではまさにそのような全物体についての運動量の総和を計算しているので、 衝突によって得られるような力積の総和は、0に等しい。 よって、衝突に際して物体系の持つ全運動量は保存される。 これを'''運動量保存則'''(うんどうりょう ほぞんそく、momentum conservation law)という。 * 問題例 ** 問題 質量mの2つの物体が速度<math>v _1</math>, <math>v _2</math> で移動している。これらの物体が衝突した場合、 衝突後のそれぞれの物体の速度を、エネルギー保存則と運動量保存則を用いて 計算せよ。ただし、物体の衝突に関してエネルギーは保存するとする。 ** 解答 この問題は2つの同じ大きさの物体を異なった速度でぶつけた場合 その結果がどうなるかを計算する問題である。 実験の結果によると、一方が静止しており一方が動いている場合、 動いていた物体は静止し、静止していた物体は動いていた物体が持っていた 速度と同じ速度で動きだすことが知られている。ここでは、それらの 結果が計算によって確かめられることを見ることが出来る。 衝突後の物体の速度をそれぞれ物体1については<math>v _1'</math>,物体2については <math>v _2'</math>とする。この場合、物体の衝突について全エネルギーが保存されることを 用いると、 :<math> 1/2 m v _1^2 + 1/2 m v _2^2 = 1/2 m v _1'{}^2 + 1/2 m v'{} _2^2 </math> が得られる。さらに、物体の衝突について物体系の全運動量が保存されることを用いると、 :<math> m v _1 + m v _2 = m v _1' + m v _2' </math> これらは、<math>v' _1</math>, <math>v '_2</math>についての2次方程式であり、解くことが出来る。実際計算すると、解として :<math> (v '_1,\ v' _2 )=(v _1,\ v _2),\ (v _2,\ v _1) </math> が得られる。前者の解は衝突に際して物体の速度が変化せぬことを示しているが、これは実際の情况として考え難いので、後者の解が現実の解となる。この結果を見ると、物体が持つ速度が入れ替わることが分かる。 このことは実際に同じ大きさの球を用いて実験を行うと、確かめることができる。 <!-- これは例えば、 <math>v _1=v,\ v _2=0</math>の時を考えると、衝突後の結果は <math>v _1=0,\ v _2=v</math>となり、実験の結果を再現することになる。 --> == 剛体のつり合い == 位置のみをもち,大きさがないのが質点である。'''剛体'''とは,大きさがあるが形も大きさも変わらぬ物体のことである。 ===角運動量と力のモーメント=== 剛体の運動を考える前に質点の一定平面上の運動について次のような一般的考察を行う。 時刻<math>t</math>において<math>xy</math>平面内の位置<math>\overrightarrow r=(x,\ y)</math>を速度<math>\overrightarrow v=(v_x,\ v_y)</math>で運動し,力<math>\overrightarrow F=(F_x,\ F_y)</math>が働いている質量<math>m</math>の物体の運動方程式を成分に分けて表せば :<math>m\frac{dv_x}{dt}=F_x,\qquad\qquad\qquad\qquad\;\cdots\cdots</math>① :<math>m\frac{dv_y}{dt}=F_y.\qquad\qquad\qquad\qquad\;\cdots\cdots</math>② ②<math>\times x -</math>①<math>\times y</math>より :<math>m\left(x\frac{dv_y}{dt}-y\frac{dv_x}{dt}\right)=xF_y -yF_x</math> :<math>\therefore \frac{d}{dt}\{m(xv_y -yv_x)\}=xF_y -yF_x.\cdots</math>③ この左辺の :<math>L=m(xv_y -yv_x)</math> (3.1) を原点Oまわりの角運動量という。 ここで<math>\overrightarrow v</math>と<math>\overrightarrow r</math>のなす角を<math>\theta,\ x</math>軸と<math>\overrightarrow r</math>のなす角を<math>\phi</math>とすると :<math>x=r\cos\phi,\ v_x=v\cos(\theta +\phi),\ y=r\sin\phi,\ v_y=v\sin(\theta +\phi)</math>. これらを(3.1)に代入すると :<math>L=m(r\cos\phi\cdot v\sin(\theta +\phi)-r\sin\phi\cdot v\cos(\theta +\phi))=mrv\sin\theta</math> (3.1a) が得られる。なお,これをベクトルで表すと :<math>\overrightarrow L=m\overrightarrow r\times \overrightarrow v=\overrightarrow r\times \overrightarrow p</math> (3.1b) となり,角運動量ベクトルは位置ベクトルと速度ベクトルのベクトル積の質量倍,もしくは位置ベクトルと運動量ベクトルのベクトル積と表せる。(3.1b)を計算すると,平面上であるため位置ベクトルと速度ベクトルのz成分は0であるから :<math>\overrightarrow L=m(x,\ y,\ 0)\times (v_x,\ v_y,\ 0)=(my\cdot 0-m\cdot 0\cdot v_y,\ m\cdot 0\cdot v_x-mx\cdot 0,\ mxv_y-myv_x)=(0,\ 0,\ mxv_y-myv_x)</math> となり,角運動量のx, y成分は0で,z成分が(3.1)の右辺と一致する。角運動量ベクトルはz軸方向を向く,すなわち面の法線ベクトルである。 物体を回転させる力の効果の大きさを表す量を'''力のモーメント'''という。それは角運動量を時間微分したもの,すなわち力のモーメントNは :<math>N=\frac{dL}{dt}=\frac{d}{dt}\{m(xv_y -yv_x)\}=xF_y -yF_x</math> (3.2) である。これは力のモーメントが加えられた結果として角運動量が変化するという因果関係を表す。特に<math>N=0</math>ならば :<math>\frac{dL}{dt}=0\quad\therefore L=</math>一定 となり,力のモーメントのつり合うと角運動量が保存するという'''角運動量保存則'''を表す。また<math>\overrightarrow F</math>と<math>\overrightarrow r</math>のなす角を<math>\mathit{\Theta}</math>とすると :<math>F_x=F\cos(\mathit{\Theta}+\phi),\ F_y=F\sin(\mathit{\Theta}+\phi)</math>. よって'''原点Oまわりの力のモーメント'''を<math>N</math>で表すと :<math>N=xF_y -yF_x=r\cos\phi\cdot F\sin(\mathit{\Theta}+\phi)-r\sin\phi\cdot F\cos(\mathit{\Theta}+\phi)=rF\sin\mathit{\Theta}</math>. (3.3) ここに<math>r\sin\mathit{\Theta}</math>は原点から力<math>\overrightarrow F</math>の作用線に下した垂線の長さであり,これを力<math>\overrightarrow F</math>の'''原点に対する腕の長さ'''という。ただし力のモーメントは力<math>\overrightarrow F</math>が位置ベクトル<math>\overrightarrow r</math>を反時計回りに回す向きを正としている(時計回りの際は<math>\mathit{\Theta}<0</math>で<math>r\sin\mathit{\Theta}<0</math>と考える)。勿論これは(3.1b)を時間微分して原点Oまわりの力のモーメントベクトルを導出することもでき :<math>\overrightarrow N=\frac{d\overrightarrow L}{dt}=m\frac{d\overrightarrow r}{dt}\times \overrightarrow v+m\overrightarrow r\times \frac{d\overrightarrow v}{dt}=\overrightarrow r\times\overrightarrow F</math> となる(同じベクトル同士のベクトル積は0になるので<math>\frac{d\overrightarrow r}{dt}\times \overrightarrow v=\overrightarrow v\times\overrightarrow v=0</math>)。これより大きさは<math>N=rF\sin\mathit{\Theta}</math>となり(3.3)と一致する。 === 剛体に働く力のモーメント === === 重心 === 物体の各部分に働く重力の作用点を'''重心'''({{Lang-en-short|centre of gravity}})或いは質量中心({{Lang-en-short|centre of mass}})という。<math>n</math>物体(質量:<math>m_1,\ m_2,\ \cdots\cdots,\ m_n</math>,位置<math>\vec{r_1},\ \vec{r_2},\ \cdots\cdots,\ \vec{r_n}</math> (<math>n</math>は自然数)の重心の位置<math>\vec{r_\mathrm{G}}</math>は以下のように定義される。 :<math>\vec{r_\mathrm{G}}=\frac{m_1\vec{r_1}+m_2\vec{r_2}+\cdots\cdots +m_n\vec{r_n}}{m_1+m_2+\cdots\cdots +m_n}</math>. また重心速度<math>\vec{v_\mathrm{G}}</math>は<math>\frac{d\vec{r_k}}{dt}=\vec{v_k}\ (k=1,\ 2,\ \cdots\cdots,\ n)</math>とすると :<math>\vec{v_\mathrm{G}}=\frac{d\vec{r_\mathrm{G}}}{dt}=\frac{m_1\vec{v_1}+m_2\vec{v_2}+\cdots\cdots +m_n\vec{v_n}}{m_1+m_2+\cdots\cdots +m_n}</math>. == 円運動と単振動 == ここでは、初等的な平面上の運動の1つとして、円運動({{Lang-en-short|circular motion}})と単振動({{Lang-en-short|simple harmonic motion}})をあつかう。円運動は、単振り子(たんふりこ、simple pendlum)の運動の類似物としても重要である。それとともに、このページでは万有引力による運動も扱う。 万有引力はいわゆる重力と同じ力であり、 物体と物体の間に必ず生じる力である。一方これらの力は非常に弱いため、 惑星のように大きな質量を持った物体の運動にしか関わらない。 ここでは、太陽のまわりを回転する惑星のような大きなスケールの運動もあつかう。このような運動は円に近い軌道となることがある。このため、惑星の運動を理解する上で、円運動を理解することが重要である。 === 円運動 === 物体が円を描くように運動することを円運動と呼ぶ。円を描くような運動は、例えば、円形のグラウンドのまわりを走る人間のように人間が意思を持って行なう場合も指すが、自然現象として起こる場合も多い。例えば、太陽のまわりを回る地球の運動や、地球の回りを回る月の運動は、いずれも円運動で記述される。また、一定の長さをもったひもと一定の質量を持った物体で作られた振り子の運動は、ひもを固定した点から一定の距離をおいて運動しているため、物体は円軌道上を運動しており、広い意味での円軌道ととらえることも出来る。ここでは、このような場合のうちで代表的なものとして、完全な円軌道上を運動する物体の運動をあつかう。 円軌道上を運動する物体の座標も一般の場合と同様 :<math>\overrightarrow r(t)=(x(t),\ y(t))</math> で表わされる。特に円軌道を表わす関数は[[高等学校数学II いろいろな関数]]で扱った三角関数に対応している。 * 発展: 三角関数を用いた円の表示 ここで、円運動が三角関数を用いて表されることを述べたが、このことは[[高等学校数学C]]の'''媒介変数表示'''を用いている。媒介変数表示について詳しくは、対応する項を参照してほしい。 半径rの円上を等しい速度で、円運動する物体の運動を記述することを考える。 さらに、座標を取る場合原点の位置は円運動の中心の位置とする。 この場合の物体の運動は、x, y座標を用いて、 :<math> x = r \cos (\omega t +\delta) </math> :<math> y = r \sin (\omega t +\delta) </math> によって書かれる。ただし、この場合<math>\omega</math>は角速度と呼ばれ単位は rad/s で与えられる。ただし、ここで rad は[[w:ラジアン]]であり、[[w:弧度法]]によって角度を表わした場合の単位である。弧度法については[[高等学校数学II いろいろな関数]]を参照。角速度は円運動をしている物体がどの程度の時間で円を一周するかに対応している。なお,高等学校の物理において角速度はスカラーとして扱う。また、この量は下で分かるのだが、円運動している物体の速度に比例する。 また、角速度に対応して、 :<math> T = \frac {2\pi} \omega </math> で与えられる量を[[w:周期]]といい、周期の単位は s である。周期は物体が何秒間ごとに 円状を1周するかを表わす量である。この場合には物体は周期 T ごとに円状を1周する。さらに、 :<math> f = \frac \omega {2\pi} </math> を[[w:振動数]]と呼ぶ。振動数は周期とは逆に、単位時間当たりに物体が円状を何周するかを 数える量である。振動数の単位には通常 Hz を用いる。これは、 1/s に等しい単位である。 また、周期Tと、振動数fは、関係式 :<math> Tf = 1 </math> を満たす。この式はある円運動をしている物体について、その物体の円運動の 周期に対応する時間の間には、物体は円状を1周だけするということに対応する。 また、 :<math> x = r \cos (\omega t +\delta) </math> :<math> y = r \sin (\omega t +\delta) </math> の式で<math>\delta</math>は物体の位置の[[w:位相]]と呼ばれ、物体が円状のどの点にいるかを示す 値である。 また、この場合の物体の速度のx, y要素は :<math>v_x =\frac{dx}{dt}= -r \omega \sin \omega t</math> :<math>v_y =\frac{dy}{dt}= r \omega \cos \omega t</math> で与えられる。この式と、後の円運動の加速度の導出については、後の発展を参照。ここで、物体の速さをvとすると、 :<math> v = \sqrt {v _x ^2 +v _x ^2} = \sqrt {r^2 \omega^2 (\sin^2 \omega t +\cos^2 \omega t) } = r \omega </math> となり、物体の速度は<math>r\omega</math>で与えられることが分かる。 さらに、 :<math> \overrightarrow r \cdot \overrightarrow v </math> を計算すると、 :<math> \overrightarrow r \cdot \overrightarrow v </math> :<math> =( r \cos \omega t,\ r \sin \omega t) \cdot (-r \omega \sin \omega t,\ r \omega \cos \omega t) </math> :<math> = r^2 \omega (\cos \omega t \sin \omega t - \cos \omega t \sin \omega t) </math> :<math> = 0 </math> となり、円運動をしている物体の速度と円運動の中心を原点とした場合の座標は直交していることが分かる。さらに、円運動をしている物体の加速度は、 :<math>\frac{dv_x}{dt^2}= -r \omega^2 \cos \omega t</math> :<math>\frac{dv_y}{dt^2}= -r \omega^2 \sin \omega t</math> となる。これは :<math>\overrightarrow a = -\omega ^2 \overrightarrow r</math> に対応しており、円運動をおこなう物体の加速度は、円運動をする物体の座標と ちょうど反対向きになることが分かる。 * 発展: 円運動の速度と加速度 ここでは、円運動の速度と加速度を与えたが、この値は物体の運動が決まれば決まる値なので、円運動の式から計算できる。ただ、実際にこれらの式を得るためには、円運動の式の'''微分'''を行う必要があるため、ここでは詳しく扱わない。導出については、[[古典力学]]を参照。 * 問題例 ** 問題 半径rの円上を角速度<math>\omega</math>で運動する物体の加速度の大きさを計算せよ。 ** 解答 :<math> \overrightarrow a = -\omega^2 \overrightarrow r </math> に注目するとよい。右辺について円運動をしている物体の座標が常に :<math> \overrightarrow r ^2 = r^2 </math> を満たすことに注目すると、 :<math> |\overrightarrow a| = \sqrt {\overrightarrow a^2} </math> :<math> = \sqrt {r^2 \omega^4} = r \omega^2 </math> となる。 ** 問題 50Hzで円運動している物体の円運動の周期を計算せよ。 ** 解答 :<math> T = \frac 1 f </math> を用いると、 :<math> T = \frac 1 {50}\,\textrm s </math> :<math> = 0.020 \, \textrm s </math> となる。 ==== 円運動の方程式 ==== 以上より,円運動の加速度の成分は :向心成分:<math>a_\mathrm{C}=r{\omega}^2=\frac{v^2}{r},</math> :接線成分:<math>a_\mathrm{T}=\frac{dv}{dt}</math>. よって,円運動する物体の質量を<math>m</math>,向心方向に働く力,すなわち'''向心力'''({{Lang-en-short|centripetal force}})を<math>F_\mathrm{C}</math>,接線方向に働く力を<math>F_\mathrm{T}</math>とおくと運動方程式は :<math>mr{\omega}^2=F_\mathrm{C}\Longleftrightarrow m\frac{v^2}{r}=F_\mathrm{C},</math> (4.1) :<math>m\frac{dv}{dt}=F_\mathrm{T}</math>. (4.2) * ※ 執筆中(読者に協力をお願いします。) [[w:向心力]]、[[w:遠心力]](centrifugal force) === 単振動 === 円運動と関係の深い物体の運動として、単振動({{Lang-en-short|simple harmonic oscillation}})があげられる。単振動はあらゆる振動現象の基本になっており、応用範囲が広い運動である。円運動と同様、単振動も三角関数を用いて運動が記述される。また、周期や位相がある点も円運動と同じである。また、単振動は波動に関わる現象とも関係が深く、位相、振幅などの量を共有している。 ここからは、単振動をする物体の性質をより詳しく見て行く。 単振動は様々な情况であらわれるが、単純な例としては'''フックの法則'''で支配されるばねに接続された物体の運動がある。ここでは、ばね定数<math>k</math>のばねに質量<math>m</math>の物体を接続するとする。ばねの自然長の位置を原点として時刻<math>t</math>における原点からの物体の位置を<math>x(t)</math>とおく場合、この物体に関する運動方程式は :<math>m\frac{d^2x(t)}{dt^2}= - kx(t)</math> で与えられる。この方程式の両辺を<math>m</math>で割ると、加速度は :<math>\frac{d^2x(t)}{dt^2}= -\frac{k}{m}x(t)</math>……① で与えられることが分かる。このように、加速度と物体の座標が負の比例係数を持って比例関係にある式が、単振動の運動方程式である。単振動の振動中心を<math>x_\mathrm{C}</math>(単振動では振動中心は定数),角振動数を<math>\omega</math>とし,この運動方程式の解を :<math>x(t)= x_\mathrm{C}+ a\sin\omega t +b\cos\omega t</math>…② とおくと :<math>\dot x(t)=\omega(a\cos\omega t -b\sin\omega t)</math> :<math>\therefore \ddot x(t)=-\omega^2(a\sin\omega t +b\cos\omega t)=-\omega^2(x(t)- x_\mathrm{C})</math> (∵②) [[w:振幅|振幅]]が<math>A=\sqrt{a^2+b^2}</math>であることを用い,以上を整理して時刻<math>t</math>における物体の運動を位置<math>x(t)</math>,速度<math>v(t)</math>,加速度<math>a(t)</math>で表すと :<math>x(t)= x_\mathrm{C}+ A \sin (\omega t +\delta),</math> (4.3) :<math>v(t)= \frac{dx(t)}{dt} = A\omega\cos (\omega t +\delta),</math> (4.4) :<math>\begin{align}a(t)=\frac{d^2 x(t)}{dt^2}& = -A\omega ^2 \sin (\omega t +\delta)\\ & =-\omega^2(x(t)- x_\mathrm{C})\end{align}</math> (4.5) となる。<math>\delta</math>は初期位相である。なお,(4.5)と①より :<math>\omega^2 x(t)=\frac{k}{m}x(t)\ \therefore \omega=\sqrt{\frac{k}{m}}\ (\because\omega >0)</math> となる。 *発展: 単振動の運動方程式 ここで、単振動の運動方程式と、単振動の運動の式を与えたが、実際には単振動の運動の式は運動方程式から導出できるがこれについては[[w:微分方程式]]を扱う必要があるので詳しい導出については、[[古典力学]]を参照。 <math>\sin</math>関数は関数の値の増加に伴って周期的な振動を行なう関数なので、物体は、<math>x=0</math> のまわりで周期的な振動をすることが分かる。 ただし、この場合においてはこれらの量は物体の円運動ではなく、物体の振動についての量であり、それぞれ単位時間当たりに何[rad]だけ位相が進むかの量と振動の周期の中で、どの位置に物体がいるかを表す量に対応している。また、周期と振動数も円運動の場合と同じ定義で与えられる。 :<math>T = \frac {2\pi}\omega</math> :<math>f =\frac \omega {2\pi}</math> * 問題例 ** 問題 質量mを持つある物体について、ばね定数<math>k _1</math>のばねとばね定数<math>k _2</math>のばねに つながれた場合では、 どちらの場合の方が物体の角速度が大きくなるか。 ただし、<math>k _1>k _2</math>が成り立つとする。また、周期と振動数についてはどうなるか。 ** 解答 この場合にはこの単振動の角振動数は、 :<math> \omega = \sqrt {\frac k m} </math> で与えられる。この量はばね定数kが大きいほど大きいので、角振動数は ばね定数<math>k _1</math>を持つばねの角振動数の方がばね定数<math>k _2</math>を持つばねの角振動数 より大きくなる。また、単振動の振動数は単振動の角振動数に比例するので、 振動数についても、 ばね定数<math>k _1</math>を持つばねの振動数の方がばね定数<math>k _2</math>を 持つばねの振動数より大きくなる。一方、この場合の周期については、 :<math> T = \frac {2\pi} \omega = 2\pi \sqrt {\frac m k} </math> が成り立つため、ばね定数kが小さいほど大きくなる。よって、周期については ばね定数<math>k _2</math>を持つばねの周期の方がばね定数<math>k _1</math>を持つばねの周期 より大きくなる。 ** 問題 重力のある中に長さlのひもでつるされた物体によって作られた物体の 鉛直下向きに垂直な方向の運動が単振動となることを求めよ。 ただし、振り子の動く範囲は小さいものとする。 このように単振動をする振り子を 単振り子(たんふりこ、simple pendlum) と呼ぶことがある。 ** 解答 ひも が固定されている位置から鉛直に下ろした直線と、物体がつながれている ひも がなす角度を <math>\theta</math> とする。この場合、図形的に考えるとこの場合の水平方向の運動方程式は :<math>m a _x =- mg \sin \theta </math> となる。ここで、<math>\theta</math> が小さい場合、 :<math>\theta \sim \frac x l</math> となることに注意すると、運動方程式は :<math>a _x = -g \frac x l</math> :<math>a _x = - \frac g l x</math> となり先ほどのばねにつながれた物体の運動方程式と等しくなる。 よって、この物体の運動も単振動で記述されることが分かった。さらに、 先ほどの角振動数と比較すると、この場合の角振動数<math>\omega</math>は :<math>\omega = \sqrt{\frac g l}</math> となることが分かる。 これらの結果から[[小学校理科]]の結果である :単振り子について ::物体の重さは振り子の周期と関係しない。 ::振り子のひもの長さが長くなるにつれて、振り子の周期は長くなる。 の実験事実が運動方程式の結果と一致することが確かめられる。 == 万有引力 == {{see also|高等学校地学}} この章では、万有引力による運動を扱う。万有引力は全ての物体の間に存在しているが、その力が媒介する運動として有名なものは太陽の回りを回転する地球の運動や、地球自身の回りを回転する月の運動である。実際にはこのような何かの回りを回転する構造は宇宙全体に広く見られる。 例えば、空に見られる星は恒星と呼ばれるが、これらの星の回りにも太陽に対する地球と同じように、惑星が回りを回っていると考えられ、実際にそのような惑星が確認された恒星もある(系外惑星)。 このように宇宙の中で万有引力による回転運動は広く観測される。ここではこのような運動は物体間に働くどのような力によって記述されるかを見ていく。 * 発展: 万有引力発見の歴史 歴史的には、逆にこのような物体の間の運動を説明するような力を考えることで 物体間に働く力が発見された。歴史について詳しくは[[w:ニュートン]]などを参照。 === 万有引力の法則 === まずは、物体間に働く万有引力(glavitational constant)の法則を述べる。種々の観測の結果によると、質量<math>m_1</math>を持つ物体と質量<math>m_2</math>を持つ物体の間には :<math>F = -G \frac{m _1 m _2}{r^2}</math> で表わされる力が働く。ここでGは物体によらない定数で、'''万有引力定数'''という。 値は<math> G = 6.67 \times 10^{-11} \, {\mathrm{N}\cdot\mathrm{m}^2/\mathrm{kg}^2} </math> である。 万有引力の法則 :<math>F = -G \frac{m _1 m _2}{r^2}</math> ::F: 万有引力 ::G: 万有引力定数 ::r: 物体間の距離 万有引力は物体間の距離の2乗に逆比例する力である。 物体の少なくとも片方が惑星のように巨大な場合、物体間の距離rは、重心間の距離である。 地球の万有引力を考える。地球の質量をM、地球の半径をR、測定する物体の質量をmとした場合、重力Fは :<math>F = -G \frac{M m}{R^2}</math> となる。 これが地表近くでは大きさが mg と等しいので、 :<math>G \frac{M m}{R^2} = mg </math> 変形して :<math>G M = gR^2 </math> となる。計算問題のさい、この変形が用いられる場合がある。 ;地球の自転の影響 地球は自転をしており、重力の計算では、厳密には自転による遠心力も考える必要があるが、しかし、自転の遠心力の大きさは、万有引力の<math>\frac{1}{300}</math>倍程度しかないので、通常は自転による遠心力を無視する場合が多い。 なお、地球の自転の遠心力は、赤道上でもっとも大きくなる。 === 静止衛星 === 人工衛星が、地球の自転と同じ周期で、自転と同じ向きに等速円運動をすれば、その人工衛星は地上から見て、つねに地面の上空にあるので、地上の観測者からは静止して見える。このような人工衛星のことを'''静止衛星'''という。 ** 問題 質量mの物体が質量Mの大きな物体の回りを、万有引力の力を向心力として、半径rの円運動をしている。この場合の円運動の角速度を求めよ。 ** 解答 半径r、角速度<math>\omega</math>の円運動をする場合の物体の向心力 は :<math>- mr \omega ^2</math> である。一方、質量mと質量Mの物体の間の距離がrである場合、2つの物体間に働く重力は、重力の変数をfとすると、 :<math>f = - G\frac{mM}{r^2}</math> で与えられる。よって、これらの力が等しくなる場合に、質量mの物体は質量Mの物体のまわりを円運動で回転(公転)することができる。よって、<math>\omega</math>を求める式は、 :<math>- mr \omega^2 = - G\frac{mM}{r^2}</math> :<math>\omega = \sqrt { G\frac M{r^3} }</math> となる。 === 万有引力による位置エネルギー === 地球表面での重力による位置エネルギーを考えられるのと同様に、万有引力による位置エネルギーも考えることができる。 :※ 読者が積分を知ってることを前提に説明する。数学3の積分をまなんだほうが理解は早い。進学校などでは、積分で位置エネルギーを求めるのが実態である。 万有引力による位置エネルギーを求めるには、万有引力を積分すればいい。 質量Mの物体からrの距離に質量mの物体が存在するとする。ただし、Mはmよりはるかに 大きいとする。無限遠点を基準にすると(つまり無限遠では位置エネルギーがゼロ)、この場合、質量mの物体の位置エネルギーは :<math>U = -G \frac {mM} r</math> で与えられる。 符号にマイナスがつくことの物理的な解釈は、重力をつくりだす物体に近づくほど、その物体のつくりだす重力圏を脱出するには、エネルギーが追加的に必要になるからであると解釈できる。 無限遠では r=+∞ とすればよく、結果、 U=0 になる。 なお、万有引力は保存力であるので、位置エネルギーは、無限遠点からの経路によらず、現在の位置だけで決まる。 * 図参照 のように与えられる。また、このグラフは直観的な意味を持っている。 実は、このグラフの傾きはグラフが表わす位置エネルギーを持つ点に物体を置いた場合、 その物体が力を受ける方向とその大きさを表わしている。ここでは、 位置エネルギーの傾きが常にr=0に落ち込む方向に生じているため物体Mから距離r (rは任意の実数。)の点に静止している物体は必ずMの方向に吸い込まれて行くことを 表わしている。(詳しくは[[古典力学]]参照。) * 問題例 ** 問題 ある惑星上にある物体を宇宙の無限遠まで到達させるために宇宙船に惑星上で 与えなくてはいけない速度はどのように表わされるか。ただし、計算については 最初に宇宙船が出発した惑星以外の天体からの影響は無視するとする。 また、惑星の半径はR、 惑星の質量はMとする。 ** 解答 惑星の引力による位置エネルギーは惑星表面で :<math>- G\frac {mM} R</math> であり、無限円点では0である。ただし、mは宇宙船の質量とした。 一方、宇宙船が無限円点に達するには、宇宙船の速度が無限円点でちょうど0に 等しくなればよい。ここで、惑星上での宇宙船の速度をvとすると、 エネルギー保存則より、 :<math>\frac 1 2 m v^2 - G\frac {mM} R = 0 - 0</math> となる。よってこの式からvを求めればよい。答は、 :<math>v = \sqrt {2G\frac {M} R }</math> (答) 上記の計算から分かるように、一般に、万有引力だけを受けて運動する物体の力学的エネルギーは、 :<math>E = \frac 1 2 m v^2 - G\frac {mM} R = </math>  '''一定''' である。 === 人工衛星の軌道 === ==== 宇宙速度 ==== [[画像:Newton Cannon.svg|thumb|300px|Cが第一宇宙速度の軌道。]] 仮に高い山から物体を水平に発射したとき(空気抵抗は無視する)、地球のまわりを回り続けるために必要な最小の初速度のことを'''第一宇宙速度'''という。 第一宇宙速度は、遠心力と向心力がつりあう速度である。 第一宇宙速度は、秒速では7.91 km/sである。 ;第一宇宙速度の計算 :<math> m\frac{ {v_1}^2 }{r} = G \frac{mM}{R^2}</math> v<sub>1</sub>について觧き、 :<math> v_1 = \sqrt {gR} </math> なお、およそ R = 6400 × 10<sup>3</sup> m である。 g = 9.8 m/s<sup>2</sup> である。 :<math> v_1 = \sqrt {9.8 \times 6400 \times 10^3 } = 7.9 \times 10^3\, \textrm {m/s} = 7.9 \,\textrm {km/s} </math> (答) ---- さらに初速度が大きくなると、物体は[[高等学校数学C/平面上の曲線#楕円|楕円]]軌道になる。 初速度が約11.2km/sになると、軌道は[[高等学校数学C/平面上の曲線#放物線|放物線]]になり、物体は無限の彼方に飛んでゆく。 この約11.2km/sのことを'''第二宇宙速度'''という。これは、無限遠の点で、速度が0を超える値になるために必要な初速度である。 なので、計算で第二宇宙速度を求めるにはエネルギー保存則を計算には使う。 ;第二宇宙速度の計算 :<math>\frac 1 2 m {v_2}^2 - G\frac {mM} R = 0 - 0</math> の式からvを求め、 :<math>v_2 = \sqrt {\frac {2GM} R }</math> にさらに <math> GM = gR^2 </math> を代入して、 :<math> v_2 = \sqrt { 2gR }</math> これに関係する定数を代入すればいい。 なお、およそ R = 6400 × 10<sup>3</sup> m である。 g = 9.8 m/s<sup>2</sup> である。 :<math> v_2 = \sqrt { 2 \times 9.8 \times 6400 \times 10^3 } \, \textrm {m/s} = 1.1 \times 10^4 \, \textrm {m/s}</math> (答) ---- 初速度 11.2km/s以上では、軌道は[[高等学校数学C/平面上の曲線#双曲線|双曲線]]になり、物体は無限の彼方に飛んでゆく。 {{コラム|無重量状態|地球の周囲をまわっている人工衛星の中で、物の重量が無くなり浮かべる理由は、重力と遠心力が釣り合っているからである。このような状態のことを'''無重量状態'''という。 世間では国際宇宙ステーションの中で物が浮かぶ映像などが有名であるが、これも無重量状態である。 地表から離れて重力が弱まったから人工衛星の中が無重力になったのではない。 もし向心力としての重力が無いのなら、衛星の軌道は円軌道ではなく直線軌道になってしまい、宇宙の彼方に飛んでいっていってしまうだろう。 無重量状態のことを無重力状態という場合も多い。}} ;第三宇宙速度 地球から射出したとき、太陽系外に出るために必要な最小の初速度のことを'''第三宇宙速度''' という。第三宇宙速度の値は約16.7 km/sである。 === ケプラーの法則 === ギリシャ時代から中世まで信じられてきた[[w:天動説|天動説]]({{Lang-en-short|geocentric theory}})に対し,16世紀半ばに[[w:ニコラウス・コペルニクス|コペルニクス]]は全ての[[w:惑星|惑星]]({{Lang-en-short|planet}})が太陽を中心とした円運動をしている[[w:地動説|地動説]]を提唱した。その後[[w:ティコ・ブラーエ|ティコ・ブラーエ]]は長年にわたり惑星の観測を行い,その観測結果を引継いだ[[w:ヨハネス・ケプラー|ケプラー]]はこれらの結果をもとに計算を行い,惑星の運行に関する法則,'''ケプラーの法則'''({{Lang-en-short|Kepler's laws}})を発見した。なお,教科書は太陽と惑星の関係で論じているが,他にも惑星と衛星(自然衛星,人工衛星)でも成り立つ。 ==== ケプラーの第一法則 ==== 惑星(衛星)は太陽(惑星)を1つの焦点とする楕円運動をする('''楕円軌道の法則''')。 ==== ケプラーの第二法則 ==== [[File:Elliptical motion of man-made satellight.png|thumb|right|640px|図 人工衛星の楕円運動]] 惑星(衛星)と太陽(惑星)を結ぶ動径が単位時間に描く面積('''面積速度''')は一定である('''面積速度一定の法則''')。 * 証明 :地球の周りを運動する人工衛星について考える。右図のように地球の中心を原点として<math>xy</math>平面をとり,地球の質量を<math>M</math>,人工衛星の質量を<math>m</math>,万有引力定数を<math>G</math>,時刻<math>t</math>における人工衛星の位置を<math>\overrightarrow r(t)=(x(t),\ y(t))</math>とおく。人工衛星の角運動量<math>L</math>は ::<math>L=m\left(x(t)\frac{dy(t)}{dt}-y(t)\frac{dx(t)}{dt}\right)</math>. ((3.1)を参照) :両辺を時間微分して ::<math>\begin{align}\frac{dL}{dt} & =m\left(\frac{dx(t)}{dt}\frac{dy(t)}{dt}+x(t)\frac{d^2y(t)}{dt^2}-\frac{dy(t)}{dt}\frac{dx(t)}{dt}-y(t)\frac{d^2x(t)}{dt^2}\right) \\ & =m\left(x(t)\frac{d^2y(t)}{dt^2}-y(t)\frac{d^2x(t)}{dt^2}\right).\cdots\cdots(*)\end{align}</math> :ここで,時刻<math>t</math>における人工衛星の運動方程式は ::<math>m\frac{d^2\overrightarrow r(t)}{dt^2}=-G\frac{Mm}{x(t)^2+y(t)^2}\Longleftrightarrow\begin{cases}m\frac{d^2x(t)}{dt^2}=-G\frac{Mm\cdot x(t)}{(x(t)^2+y(t)^2)^\frac{3}{2}} \\ m\frac{d^2y(t)}{dt^2}=-G\frac{Mm\cdot y(t)}{(x(t)^2+y(t)^2)^\frac{3}{2}}\end{cases}</math> ::<math>\therefore \frac{d^2x(t)}{dt^2}=-G\frac{M\cdot x(t)}{(x(t)^2+y(t)^2)^\frac{3}{2}},\ \frac{d^2y(t)}{dt^2}=-G\frac{M\cdot y(t)}{(x(t)^2+y(t)^2)^\frac{3}{2}}</math>. :これらを<math>(*)</math>に代入して ::<math>\frac{dL}{dt}=m\left\{x(t)\cdot\left(-G\frac{M\cdot y(t)}{(x(t)^2+y(t)^2)^\frac{3}{2}}\right)-y(t)\cdot\left(-G\frac{M\cdot x(t)}{(x(t)^2+y(t)^2)^\frac{3}{2}}\right)\right\}=0</math>. :ゆえに角運動量<math>L</math>は一定である(角運動量は保存する)。 :ここで,時刻<math>t</math>における人工衛星の速度<math>\frac{d\overrightarrow r(t)}{dt}=\overrightarrow v(t)</math>とし,図のように人工衛星の位置ベクトル<math>\overrightarrow r(t)</math>と速度ベクトル<math>\overrightarrow v(t)</math>のなす角を<math>\theta</math>,位置ベクトル<math>\overrightarrow r(t)</math>と<math>x</math>軸とのなす角を<math>\phi</math>とする。以上より ::<math>\begin{align}\frac{L}{2m}&=\frac{1}{2}\left(x(t)\frac{dy(t)}{dt}-y(t)\frac{dx(t)}{dt}\right) \\ &=\frac{1}{2}(|\overrightarrow r(t)|\cos\phi\cdot |\overrightarrow v(t)|\sin(\theta+\phi)-|\overrightarrow r(t)|\sin\phi\cdot |\overrightarrow v(t)|\cos(\theta+\phi)) \\ & =\frac{1}{2}(|\overrightarrow r(t)||\overrightarrow v(t)|\{\sin\theta(\cos^2\phi+\sin^2\phi)+\cos\phi\cos\theta\sin\phi-\sin\phi\cos\theta\cos\phi\} \\ & =\frac{1}{2}|\overrightarrow r(t)||\overrightarrow v(t)|\sin\theta=\mathrm{const}.\end{align}</math> (<math>\mathrm{const}.</math>は一定の意味) ===ケプラーの第三法則=== 惑星(衛星)の公転周期<math>T</math>の2乗は楕円軌道の長半径(半長軸)<math>a</math>の3乗に比例する('''調和の法則''')。 :<math>\frac{T^2}{a^3}=\mathrm{const}.</math> *証明 まずは、公転軌道が真円である場合を考える。 :恒星の質量をM、惑星の質量をm、公転半径をaとする。 :惑星は恒星の周りを等速円運動するので、角速度をω、万有引力定数をGとすると、万有引力の法則と円運動方程式より ::<math>m a \omega^2 = G \frac{Mm}{a^2}</math> ::<math>\therefore \omega = \sqrt{\frac{GM}{a^3}}</math> :この等速円運動の周期Tを求めると、 ::<math>T = \frac{2\pi}{\omega} = 2\pi \sqrt{\frac{a^3}{GM}}</math> :両辺の平方をとると、 ::<math>T^2 = 4\pi^2 \frac{a^3}{GM}</math> ::<math>\therefore \frac{T^2}{a^3} = \frac{4\pi^2}{GM} = \mathrm{const}.</math>// 次に、公転軌道が楕円である場合を考える。 :恒星の質量をM、惑星の質量をm、楕円の長半径をa、短半径をb、恒星から近日点・遠日点迄の距離をそれぞれ<math>R_1, R_2</math>とする。 :この楕円の面積は<math>\pi ab</math>であり([[高等学校数学III/積分法#面積|参照]])、楕円の面積速度を<math>V_s</math>、公転周期を<math>T</math>とすると面積速度の定義より ::<math>V_s T = \pi ab</math> :惑星が<math>r = R_1, R_2</math>の位置にいるときの速度をそれぞれ<math>\vec{v_1}, \vec{v_2}</math>とすると ::<math>\vec{v_1} \cdot \vec{R_1} = 0, \vec{v_2} \cdot \vec{R_2} = 0</math> :よってケプラーの第二法則より ::<math>\frac{1}{2} R_1 v_1 = \frac{1}{2} R_2 v_2</math> ::<math>\therefore \frac{v_2}{v_1} = \frac{R_1}{R_2}</math> :また、万有引力定数をGとすると力学的エネルギー保存則より ::<math>\frac{1}{2} m v^2_1 - G\frac{Mm}{R_1} = \frac{1}{2} m v^2_2 - G\frac{Mm}{R_2}</math> ::<math>\therefore \frac{1}{2}v^2_1 \{1 - (\frac{v_2}{v_1})^2\} = \frac{GM}{R_1} (1 - \frac{R_1}{R_2})</math> ::<math>\therefore \frac{1}{2} v^2_1 \{1 - (\frac{R_1}{R_2})^2\} = \frac{GM}{R_1} (1-\frac{R_1}{R_2})</math> ::<math>\therefore \frac{1}{2} v^2_1 (1+\frac{R_1}{R_2}) = \frac{GM}{R_1}</math> ::<math>\therefore v_1 = \sqrt{\frac{2R_2GM}{R_1(R_1+R_2)}}</math> :面積速度について、 ::<math>V_s = \frac{1}{2} R_1 v_1 = \sqrt{\frac{R_1R_2GM}{2(R_1+R_2)}}</math> :ケプラーの第一法則より恒星は楕円の焦点の片方に存在するので、 ::<math>R_1+R_2 = 2a, b = \sqrt{R_1R_2}</math> ::<math>\therefore V_s = b\sqrt{\frac{GM}{4a}}</math> ::<math>\therefore b\sqrt{\frac{GM}{4a}} T = \pi ab</math> ::<math>\therefore \frac{GMT^2}{4a} = \pi^2 a^2</math> ::<math>\therefore \frac{T^2}{a^3} = \frac{4\pi^2}{GM} = \mathrm{const}</math>.// 楕円の場合でも、真円と同じ<math>T^2 = \frac{4\pi^2}{GM} a^3</math>という結果が得られた。 [[Category:高等学校教育|物ふつり2ちからとうんとう]] [[Category:物理学|高ふつり2ちからとうんとう]] [[Category:物理学教育|高ふつり2ちからとうんとう]] [[Category:高等学校理科 物理II|ちからとうんとう]] np3tsvbbszztg2ip9jx6ip9lg2crrq1 倫理学 0 11038 298925 298875 2026-04-29T13:27:25Z 椎楽 32225 /* 倫理と道徳 */ 298925 wikitext text/x-wiki == 倫理学は何をする学問か == 「よいこと」とは何だろうか。たとえば、ボランティアで街の清掃をすることや災害のときに炊き出しなどの救援活動をすることは、ほぼすべての人が「よいこと」だと言うだろう。他にも困っている人のために寄付をする、様々な無償の奉仕活動をする、もっと身近には公共交通機関で高齢者や障碍者に席をゆずる、ベビーカーを押している母親の手伝いをするなども「よいこと」とする人がほとんどだろう。 だが、この「よいこと」が強制されたものだったらどうだろう。例えば無償の奉仕活動が国によって参加を義務付けられたもの(拒否したらペナルティもある)であったら、それを「よいこと」として肯定する人はかなり減少するだろう。現代の先進諸国では、寄付も政治家に対して見返りを求めて行ったのであれば「よいこと」どころか収賄という立派な犯罪行為になりうる。 また、優れたアスリートは、えてして「多くの人々に勇気を与えた」として表彰される。芸術家が多くの人に感動と感銘を与えることもある。こうしたこともまた、「よいこと」とみなされる可能性が高い。一方、私たちの日々の暮らしを支える様々な営み――農業をして食糧を作る、工場でものを作る、トラックや列車などで人やものを運ぶ、様々なインフラを支える、警察や消防などなどを、わざわざ「よいこと」という人はいないかもしれない。 だが、極論すればアスリートや芸術家はいなくても私たちの暮らしに直接の影響はほとんどない。だが、日々の営みを支える人がいなくなれば、途端に私たちの暮らしは行き詰まる。その観点からするとアスリートや芸術家の活動よりも、一見地味な仕事の方が「よいこと」のようにも思われる。 さらに「よいこと」は時代や場所による違いが起きる場合もある。例として、『[[w:忠臣蔵|忠臣蔵]]』を見てみよう。長く『忠臣蔵』は日本におけるエンターテイメントの中心だった。芝居はもちろん、雑誌や小説、ラジオ、映画、テレビといった時代時代のメディアでは必ず取り上げられ、ヒット作となった。だが、2026年現在、『忠臣蔵』は歌舞伎以外では滅多に見なくなった。その背景として指摘されるのは「価値観の変化」である。 曰く「『主君への忠義』や『主君の敵討ち』という価値が理解されなくなった」という。つまり、「忠義」「敵討ち」というかつての「よいこと」が「よいこと」として理解されない――場合によっては、非難されたり嘲笑されたりすることすらある。 こうしてみると私たちが素朴に考える「よいこと」が随分とあやふやなものであることがわかる。だが、それをもって「『よいこと』が曖昧であるならば『よいこと』を考えることそのものが無意味である」と考えるかもしれない。現に、私たちの周りではいわゆる[[w:相対主義|価値相対主義]]とよばれる「絶対的な正義、必ず正しいと言えるものはない」という価値観も珍しいものではない。 だが、「よいこと」は本当に曖昧なものだろうか。「よいこと」を判断する基準はないのか。そもそも何をもって「よい」と言えるのか……。 こうした問いに対する答えを体系的に理論立てていく営みが倫理学である。 === 倫理と道徳 === 倫理と道徳は重なり合うところが多い。実際、日常では倫理と道徳をそれほど区別せずに使うことも珍しくはないかもしれない。しかし、現代の倫理学はこの両者を区別するのが普通である。 結論を先に言えば、道徳moralityは社会や共同体といった人間集団の中で他者と生きていくうえで、守るべきものとして相互に承認されている行為規範の体系である。この中には'''集団を維持するために守るべきとされるもの'''と'''集団生活をより有意義にするためのもの'''に分けられる<ref>『倫理学入門』p.2(品川哲彦著, 中央公論新社, 2020年)</ref>。「集団を維持するために守るべきとされるもの」は、例えば「他人のものを盗んではならない」「人を傷つけてはならない」などがある。「集団生活をより有意義にするためのもの」の場合には、「他人に親切にしよう」「困ったときには助け合おう」などが挙げられよう。 一方、倫理ethicは「個人がどのように生きていくのか」ということと関わりが深い。例えば「自分の能力を高めていこう」「自分の人生を大切にしなければならない」「有意義な人生を送るべきだ」といったことが倫理的な行為として挙げられる。 こうした違いはmoralityとethicの語源の違いに由来する。 morality(道徳)はラテン語で「慣習」を意味するmosに由来する。一方、ethic(倫理)の方は古代ギリシャ語で「慣習」を意味するethos({{ruby|ἦθος|エートス}})に由来する。どちらも「慣習」の意味だが、ethosには「人柄」や「高貴さ」といった意味を含む。そのため、伝統的な西洋の倫理学においては人間個人や魂のあり方に関する問題を扱うことが多い。 === 倫理学と哲学 === === 相対主義との対決 === == 倫理学の基礎 == === 記述倫理学 === === 規範倫理学 === === メタ倫理学 === == 倫理理論 == === 徳倫理学 === === 義務論/義務倫理学 === === 功利主義 === === プラグマティズム === === ケアの倫理 === == 応用倫理学 == {{進捗状況}} 応用倫理学は現実の、より具体的な諸問題に対する倫理学的考察と行為の在り方を探究する分野である。以下は代表的な応用倫理学の分野である。 * [[メディア倫理]]{{進捗|00%|2009-07-18}} * [[生命倫理学]] *[[環境倫理学]] *[[情報倫理学]] *[[動物倫理学]] == 基本的な術語 == === 倫理学全般 === * 公正 * 功利主義 * 自然主義的誤謬 * 自己決定 * 正義 === 生命倫理 === === 環境倫理 === * 自然の生存権 * 持続可能な開発 * 世代間倫理 == 参考文献 == <!-- === トロッコ問題 === 倫理学の用語に、「トロッコ問題」という思考実験がある。詳しくはwikipediaの『[[w:トロッコ問題]]』という記事を調べてもらえればよいが、基本的な知識を知らないと検索の仕方自体が分からなくなるので、wikibooksの本ページで大まかに「トロッコ問題」とは概ね(おおむね)どういう問題かを解説する。 [[File:Trolley problem.png|600px|centre]] トロッコ問題とは、図のように、制御不能になったトロッコ(現代的に例えるなら電車でもイイだろう)の先が二股に分かれており、それぞれに人がいる場合、どうするのが道徳的だろうか? または、線路を切り替えた場合に罪悪感が生じる人がいるがなぜか? というような、倫理や道徳について考察するための思考実験のひとつである。 より正確には、もし線路を切り替えないと、多くの人が死ぬ(図の場合では5人が死ぬ)。 線路を切り替えると、被害の人数自体は少なくなる(図の場合では1人が死ぬ)。 この場合、切り替え制御地点にいる自分は、どうすべきか? このトロッコ問題は、倫理について考察するための思考実験なので、前提として、どちらかを見殺しにしない限り、他の方法では助けられらないとする。(決して鉄道工学などの現実的・客観的な制御を考えるための問題ではない。道徳・倫理に関する問題である。) 線路を切り替えたら、被害の人数自体は少なくなるが、しかし自分が1人を殺すために積極的に行動した事になり、考えようによっては罪悪感にさいなまされる。 一方、線路を切り替えなければ、より多くの人が死ぬ。 ・・・というような問題である。 === 関連する問題 === * カルネアデスの板 「カルネアデスの板」という思考実験がある。 これはたとえば、出航している船で、船が難破して壊れて、船に乗ることができず、複数の乗客が海に放り出されたとする。そして場合など、1人ぶんを浮かすことの出来る板(たとえば壊れた船の切れ端)を、2人の元・乗客が奪い合った場合の倫理問題である。 自分1人が助かるために、相手を突き飛ばして水死させることの是非を問う問題である。(より詳しい状況設定についてはウィキペディア『[[w:カルネアデスの板]]』を参照。) カルネアデスの板は、哲学・倫理学以外にも、よく刑法の理論などで紹介される事がある。 よく、刑法の『緊急避難』という外延の規定について、カルネアデスの板が取り上げられる。刑法では、程度の差はあるが、他に自分の助かる手段の無い場合に、他者を犠牲にすることが法的にも許される場合があり、このような場合を『緊急避難』という。 これ以上の刑法学についての「カルネアデスの板」については、刑法学の専門書を読んでもらうとして、本wikibooks『倫理学』ページでは刑法学についての深入りを省略するとしよう。 さて、歴史学的には、「カルネアデス」とは古代ギリシアの哲学者の名前であるが、その古代ギリシア人の名前を冠している事からも分かるように、古代から取り上げられている古い、典型的な倫理学の問題のひとつでもある。 なお、哲学思想のひとつの「功利主義」という考え方では、もし道徳にとらわれて相手を水死させなかった場合、浮き板は1人ぶんの浮力しかないので、2人とも死んでしまうので、1人でも多くの人を助かるために、相手を水死させるのは、比較的・相対的には良いとする(のが「功利主義」的な考え方である)。 誤解なきように言うが、哲学・倫理学は決して功利主義を信用するわけではない。単に、そういう考え方もある、と紹介しているだけである。 なお、功利主義は、哲学者ベンサムが体系化した。「最大多数の最大幸福」などの格言でも有名な哲学者が、ベンサムである。 「最大多数」というように、より多くの人がカルネアデスの板で助かるのだったら、そちらが合理的であろう、というのが功利主義的な考え方だと、哲学の一般的には考えられている、とされている === この節を作ったわけ === 「トロッコ問題」はよく倫理問題を考える際に使われる用語であるが、しかし日本では意外とそれを書籍で体系的に扱った文献は少ない。 『思考実験』などを題材としたと銘打ってる書籍を読んでも、物理学の『シュレーディンガーの猫』のような倫理と関係のない話題を、上述のトロッコ問題などと同列に扱っている書籍も多く、あまり倫理問題を中心に思考実験を扱った書籍は、少なくとも入門書レベルでは探すのが困難である。 「哲学入門」のような本を読んでも、そこに書いてあるのは高校『倫理』の教科書のような、どこの哲学者が○○論を主張したというような哲学史が細かく書いてあるくらいな入門書が多い。そういう歴史を扱う書籍も必要だが、しかし、歴史ではなく実際の考え方を練習したい場合には哲学史の書籍は不適切であろう。 少なくとも、近年の入門書の出版傾向は、残念ながら、そういう傾向であり、つまり「トロッコ問題」などの学術的な書籍を探すのが、なかなか難しい。(運がよければ、トロッコ問題などを紹介している書籍もあるかもしれない。だが、紹介の記述量はあまり多くないだろう(哲学史的な記述に幅を取られている書籍が多いので)。) また、(リンリではなくロンリの)『論理学』などの書籍を読んでも、たとえば『文科系の論理学』などのような題名を銘打っている書籍を読んですら、内容はほとんどが、数学の一分野である記号論理学の内容のアレンジであり、若干、たとえばゲーデルの不完全性定理などの有名な論理数学の話題が紹介されていたり、あるいは「証明論」など数学基礎論のいくつかが紹介されていたりなどする。よって、とてもでないが『トロッコ問題』などのような倫理的な問題を考えるには適さないのが、『論理学』の教科書である。 社会学や心理学などで『トロッコ問題』などの用語が語彙として使われる場合があるが、しかし社会学や心理学の入門書などを読んでも、少なくとも入門書では「トロッコ問題」などを体系的に紹介しているとは言えないような出版状況である。それらの入門書によっては「トロッコ問題」は紹介すらされて無い場合も多く、たとえば社会学の入門書の索引などのタ行の項目を見ても、「トロッコ問題」という語句自体が無いレベルである場合も多い。 なお、話題は若干脱線するが、たとえば「悪魔の証明」や「わら人形論法」などの論法や証明法あるいは詭弁に関する話題は、残念ながら「文科系の論理学」的な題名の書籍には、記述されていない場合が多い。具体的には、「悪魔の証明」、「循環論」、「わら人形論法」、「道徳主義の誤謬(ごびゅう)」、「自然主義の誤謬」、「前後即因果の誤謬」、・・・さまざまな論法や詭弁や誤謬の例が文科系の論理学では知られているが、しかしそれらを扱った入門書は乏しく、入門レベルの教科書には、記述が全く見当たらないのが(少なくとも入門書レベルでは)のが、残念ながら現状である。 --> [[Category:人文科学|りんりかく]] p6frollcrm5jmanu8hdul6mcbeffszw 298926 298925 2026-04-29T13:29:32Z 椎楽 32225 脚注挿入 298926 wikitext text/x-wiki == 倫理学は何をする学問か == 「よいこと」とは何だろうか。たとえば、ボランティアで街の清掃をすることや災害のときに炊き出しなどの救援活動をすることは、ほぼすべての人が「よいこと」だと言うだろう。他にも困っている人のために寄付をする、様々な無償の奉仕活動をする、もっと身近には公共交通機関で高齢者や障碍者に席をゆずる、ベビーカーを押している母親の手伝いをするなども「よいこと」とする人がほとんどだろう。 だが、この「よいこと」が強制されたものだったらどうだろう。例えば無償の奉仕活動が国によって参加を義務付けられたもの(拒否したらペナルティもある)であったら、それを「よいこと」として肯定する人はかなり減少するだろう。現代の先進諸国では、寄付も政治家に対して見返りを求めて行ったのであれば「よいこと」どころか収賄という立派な犯罪行為になりうる。 また、優れたアスリートは、えてして「多くの人々に勇気を与えた」として表彰される。芸術家が多くの人に感動と感銘を与えることもある。こうしたこともまた、「よいこと」とみなされる可能性が高い。一方、私たちの日々の暮らしを支える様々な営み――農業をして食糧を作る、工場でものを作る、トラックや列車などで人やものを運ぶ、様々なインフラを支える、警察や消防などなどを、わざわざ「よいこと」という人はいないかもしれない。 だが、極論すればアスリートや芸術家はいなくても私たちの暮らしに直接の影響はほとんどない。だが、日々の営みを支える人がいなくなれば、途端に私たちの暮らしは行き詰まる。その観点からするとアスリートや芸術家の活動よりも、一見地味な仕事の方が「よいこと」のようにも思われる。 さらに「よいこと」は時代や場所による違いが起きる場合もある。例として、『[[w:忠臣蔵|忠臣蔵]]』を見てみよう。長く『忠臣蔵』は日本におけるエンターテイメントの中心だった。芝居はもちろん、雑誌や小説、ラジオ、映画、テレビといった時代時代のメディアでは必ず取り上げられ、ヒット作となった。だが、2026年現在、『忠臣蔵』は歌舞伎以外では滅多に見なくなった。その背景として指摘されるのは「価値観の変化」である。 曰く「『主君への忠義』や『主君の敵討ち』という価値が理解されなくなった」という。つまり、「忠義」「敵討ち」というかつての「よいこと」が「よいこと」として理解されない――場合によっては、非難されたり嘲笑されたりすることすらある。 こうしてみると私たちが素朴に考える「よいこと」が随分とあやふやなものであることがわかる。だが、それをもって「『よいこと』が曖昧であるならば『よいこと』を考えることそのものが無意味である」と考えるかもしれない。現に、私たちの周りではいわゆる[[w:相対主義|価値相対主義]]とよばれる「絶対的な正義、必ず正しいと言えるものはない」という価値観も珍しいものではない。 だが、「よいこと」は本当に曖昧なものだろうか。「よいこと」を判断する基準はないのか。そもそも何をもって「よい」と言えるのか……。 こうした問いに対する答えを体系的に理論立てていく営みが倫理学である。 === 倫理と道徳 === 倫理と道徳は重なり合うところが多い。実際、日常では倫理と道徳をそれほど区別せずに使うことも珍しくはないかもしれない。しかし、現代の倫理学はこの両者を区別するのが普通である。 結論を先に言えば、道徳moralityは社会や共同体といった人間集団の中で他者と生きていくうえで、守るべきものとして相互に承認されている行為規範の体系である。この中には'''集団を維持するために守るべきとされるもの'''と'''集団生活をより有意義にするためのもの'''に分けられる<ref>『倫理学入門』p.2(品川哲彦著, 中央公論新社, 2020年)</ref>。「集団を維持するために守るべきとされるもの」は、例えば「他人のものを盗んではならない」「人を傷つけてはならない」などがある。「集団生活をより有意義にするためのもの」の場合には、「他人に親切にしよう」「困ったときには助け合おう」などが挙げられよう。 一方、倫理ethicは「個人がどのように生きていくのか」ということと関わりが深い。例えば「自分の能力を高めていこう」「自分の人生を大切にしなければならない」「有意義な人生を送るべきだ」といったことが倫理的な行為として挙げられる。 こうした違いはmoralityとethicの語源の違いに由来する。 morality(道徳)はラテン語で「慣習」を意味するmosに由来する。一方、ethic(倫理)の方は古代ギリシャ語で「慣習」を意味するethos({{ruby|ἦθος|エートス}})に由来する。どちらも「慣習」の意味だが、ethosには「人柄」や「高貴さ」といった意味を含む。そのため、伝統的な西洋の倫理学においては人間個人や魂のあり方に関する問題を扱うことが多い。 === 倫理学と哲学 === === 相対主義との対決 === == 倫理学の基礎 == === 記述倫理学 === === 規範倫理学 === === メタ倫理学 === == 倫理理論 == === 徳倫理学 === === 義務論/義務倫理学 === === 功利主義 === === プラグマティズム === === ケアの倫理 === == 応用倫理学 == {{進捗状況}} 応用倫理学は現実の、より具体的な諸問題に対する倫理学的考察と行為の在り方を探究する分野である。以下は代表的な応用倫理学の分野である。 * [[メディア倫理]]{{進捗|00%|2009-07-18}} * [[生命倫理学]] *[[環境倫理学]] *[[情報倫理学]] *[[動物倫理学]] == 基本的な術語 == === 倫理学全般 === * 公正 * 功利主義 * 自然主義的誤謬 * 自己決定 * 正義 === 生命倫理 === === 環境倫理 === * 自然の生存権 * 持続可能な開発 * 世代間倫理 == 参考文献 == * 『倫理学入門』(品川哲彦著, 中央公論新社, 2020年) == 脚注 == <references/> <!-- === トロッコ問題 === 倫理学の用語に、「トロッコ問題」という思考実験がある。詳しくはwikipediaの『[[w:トロッコ問題]]』という記事を調べてもらえればよいが、基本的な知識を知らないと検索の仕方自体が分からなくなるので、wikibooksの本ページで大まかに「トロッコ問題」とは概ね(おおむね)どういう問題かを解説する。 [[File:Trolley problem.png|600px|centre]] トロッコ問題とは、図のように、制御不能になったトロッコ(現代的に例えるなら電車でもイイだろう)の先が二股に分かれており、それぞれに人がいる場合、どうするのが道徳的だろうか? または、線路を切り替えた場合に罪悪感が生じる人がいるがなぜか? というような、倫理や道徳について考察するための思考実験のひとつである。 より正確には、もし線路を切り替えないと、多くの人が死ぬ(図の場合では5人が死ぬ)。 線路を切り替えると、被害の人数自体は少なくなる(図の場合では1人が死ぬ)。 この場合、切り替え制御地点にいる自分は、どうすべきか? このトロッコ問題は、倫理について考察するための思考実験なので、前提として、どちらかを見殺しにしない限り、他の方法では助けられらないとする。(決して鉄道工学などの現実的・客観的な制御を考えるための問題ではない。道徳・倫理に関する問題である。) 線路を切り替えたら、被害の人数自体は少なくなるが、しかし自分が1人を殺すために積極的に行動した事になり、考えようによっては罪悪感にさいなまされる。 一方、線路を切り替えなければ、より多くの人が死ぬ。 ・・・というような問題である。 === 関連する問題 === * カルネアデスの板 「カルネアデスの板」という思考実験がある。 これはたとえば、出航している船で、船が難破して壊れて、船に乗ることができず、複数の乗客が海に放り出されたとする。そして場合など、1人ぶんを浮かすことの出来る板(たとえば壊れた船の切れ端)を、2人の元・乗客が奪い合った場合の倫理問題である。 自分1人が助かるために、相手を突き飛ばして水死させることの是非を問う問題である。(より詳しい状況設定についてはウィキペディア『[[w:カルネアデスの板]]』を参照。) カルネアデスの板は、哲学・倫理学以外にも、よく刑法の理論などで紹介される事がある。 よく、刑法の『緊急避難』という外延の規定について、カルネアデスの板が取り上げられる。刑法では、程度の差はあるが、他に自分の助かる手段の無い場合に、他者を犠牲にすることが法的にも許される場合があり、このような場合を『緊急避難』という。 これ以上の刑法学についての「カルネアデスの板」については、刑法学の専門書を読んでもらうとして、本wikibooks『倫理学』ページでは刑法学についての深入りを省略するとしよう。 さて、歴史学的には、「カルネアデス」とは古代ギリシアの哲学者の名前であるが、その古代ギリシア人の名前を冠している事からも分かるように、古代から取り上げられている古い、典型的な倫理学の問題のひとつでもある。 なお、哲学思想のひとつの「功利主義」という考え方では、もし道徳にとらわれて相手を水死させなかった場合、浮き板は1人ぶんの浮力しかないので、2人とも死んでしまうので、1人でも多くの人を助かるために、相手を水死させるのは、比較的・相対的には良いとする(のが「功利主義」的な考え方である)。 誤解なきように言うが、哲学・倫理学は決して功利主義を信用するわけではない。単に、そういう考え方もある、と紹介しているだけである。 なお、功利主義は、哲学者ベンサムが体系化した。「最大多数の最大幸福」などの格言でも有名な哲学者が、ベンサムである。 「最大多数」というように、より多くの人がカルネアデスの板で助かるのだったら、そちらが合理的であろう、というのが功利主義的な考え方だと、哲学の一般的には考えられている、とされている === この節を作ったわけ === 「トロッコ問題」はよく倫理問題を考える際に使われる用語であるが、しかし日本では意外とそれを書籍で体系的に扱った文献は少ない。 『思考実験』などを題材としたと銘打ってる書籍を読んでも、物理学の『シュレーディンガーの猫』のような倫理と関係のない話題を、上述のトロッコ問題などと同列に扱っている書籍も多く、あまり倫理問題を中心に思考実験を扱った書籍は、少なくとも入門書レベルでは探すのが困難である。 「哲学入門」のような本を読んでも、そこに書いてあるのは高校『倫理』の教科書のような、どこの哲学者が○○論を主張したというような哲学史が細かく書いてあるくらいな入門書が多い。そういう歴史を扱う書籍も必要だが、しかし、歴史ではなく実際の考え方を練習したい場合には哲学史の書籍は不適切であろう。 少なくとも、近年の入門書の出版傾向は、残念ながら、そういう傾向であり、つまり「トロッコ問題」などの学術的な書籍を探すのが、なかなか難しい。(運がよければ、トロッコ問題などを紹介している書籍もあるかもしれない。だが、紹介の記述量はあまり多くないだろう(哲学史的な記述に幅を取られている書籍が多いので)。) また、(リンリではなくロンリの)『論理学』などの書籍を読んでも、たとえば『文科系の論理学』などのような題名を銘打っている書籍を読んですら、内容はほとんどが、数学の一分野である記号論理学の内容のアレンジであり、若干、たとえばゲーデルの不完全性定理などの有名な論理数学の話題が紹介されていたり、あるいは「証明論」など数学基礎論のいくつかが紹介されていたりなどする。よって、とてもでないが『トロッコ問題』などのような倫理的な問題を考えるには適さないのが、『論理学』の教科書である。 社会学や心理学などで『トロッコ問題』などの用語が語彙として使われる場合があるが、しかし社会学や心理学の入門書などを読んでも、少なくとも入門書では「トロッコ問題」などを体系的に紹介しているとは言えないような出版状況である。それらの入門書によっては「トロッコ問題」は紹介すらされて無い場合も多く、たとえば社会学の入門書の索引などのタ行の項目を見ても、「トロッコ問題」という語句自体が無いレベルである場合も多い。 なお、話題は若干脱線するが、たとえば「悪魔の証明」や「わら人形論法」などの論法や証明法あるいは詭弁に関する話題は、残念ながら「文科系の論理学」的な題名の書籍には、記述されていない場合が多い。具体的には、「悪魔の証明」、「循環論」、「わら人形論法」、「道徳主義の誤謬(ごびゅう)」、「自然主義の誤謬」、「前後即因果の誤謬」、・・・さまざまな論法や詭弁や誤謬の例が文科系の論理学では知られているが、しかしそれらを扱った入門書は乏しく、入門レベルの教科書には、記述が全く見当たらないのが(少なくとも入門書レベルでは)のが、残念ながら現状である。 --> [[Category:人文科学|りんりかく]] cf2pioqjrx457kol7thfk5m1ka5a5wy 298927 298926 2026-04-29T14:12:09Z 椎楽 32225 298927 wikitext text/x-wiki == 倫理学は何をする学問か == 「よいこと」とは何だろうか。たとえば、ボランティアで街の清掃をすることや災害のときに炊き出しなどの救援活動をすることは、ほぼすべての人が「よいこと」だと言うだろう。他にも困っている人のために寄付をする、様々な無償の奉仕活動をする、もっと身近には公共交通機関で高齢者や障碍者に席をゆずる、ベビーカーを押している母親の手伝いをするなども「よいこと」とする人がほとんどだろう。 だが、この「よいこと」が強制されたものだったらどうだろう。例えば無償の奉仕活動が国によって参加を義務付けられたもの(拒否したらペナルティもある)であったら、それを「よいこと」として肯定する人はかなり減少するだろう。現代の先進諸国では、寄付も政治家に対して見返りを求めて行ったのであれば「よいこと」どころか収賄という立派な犯罪行為になりうる。 また、優れたアスリートは、えてして「多くの人々に勇気を与えた」として表彰される。芸術家が多くの人に感動と感銘を与えることもある。こうしたこともまた、「よいこと」とみなされる可能性が高い。一方、私たちの日々の暮らしを支える様々な営み――農業をして食糧を作る、工場でものを作る、トラックや列車などで人やものを運ぶ、様々なインフラを支える、警察や消防などなどを、わざわざ「よいこと」という人はいないかもしれない。 だが、極論すればアスリートや芸術家はいなくても私たちの暮らしに直接の影響はほとんどない。だが、日々の営みを支える人がいなくなれば、途端に私たちの暮らしは行き詰まる。その観点からするとアスリートや芸術家の活動よりも、一見地味な仕事の方が「よいこと」のようにも思われる。 さらに「よいこと」は時代や場所による違いが起きる場合もある。例として、『[[w:忠臣蔵|忠臣蔵]]』を見てみよう。長く『忠臣蔵』は日本におけるエンターテイメントの中心だった。芝居はもちろん、雑誌や小説、ラジオ、映画、テレビといった時代時代のメディアでは必ず取り上げられ、ヒット作となった。だが、2026年現在、『忠臣蔵』は歌舞伎以外では滅多に見なくなった。その背景として指摘されるのは「価値観の変化」である。 曰く「『主君への忠義』や『主君の敵討ち』という価値が理解されなくなった」という。つまり、「忠義」「敵討ち」というかつての「よいこと」が「よいこと」として理解されない――場合によっては、非難されたり嘲笑されたりすることすらある。 こうしてみると私たちが素朴に考える「よいこと」が随分とあやふやなものであることがわかる。だが、それをもって「『よいこと』が曖昧であるならば『よいこと』を考えることそのものが無意味である」と考えるかもしれない。現に、私たちの周りではいわゆる[[w:相対主義|価値相対主義]]とよばれる「絶対的な正義、必ず正しいと言えるものはない」という価値観も珍しいものではない。 だが、「よいこと」は本当に曖昧なものだろうか。「よいこと」を判断する基準はないのか。そもそも何をもって「よい」と言えるのか……。 こうした問いに対する答えを体系的に理論立てていく営みが倫理学である。 === 倫理と道徳 === 倫理と道徳は重なり合うところが多い。実際、日常では倫理と道徳をそれほど区別せずに使うことも珍しくはないかもしれない。しかし、現代の倫理学はこの両者を区別するのが普通である。 結論を先に言えば、道徳moralityは社会や共同体といった人間集団の中で他者と生きていくうえで、守るべきものとして相互に承認されている行為規範の体系である。この中には'''集団を維持するために守るべきとされるもの'''と'''集団生活をより有意義にするためのもの'''に分けられる<ref>『倫理学入門』p.2(品川哲彦著, 中央公論新社, 2020年)</ref>。「集団を維持するために守るべきとされるもの」は、例えば「他人のものを盗んではならない」「人を傷つけてはならない」などがある。「集団生活をより有意義にするためのもの」の場合には、「他人に親切にしよう」「困ったときには助け合おう」などが挙げられよう。 一方、倫理ethicは「個人がどのように生きていくのか」ということと関わりが深い。例えば「自分の能力を高めていこう」「自分の人生を大切にしなければならない」「有意義な人生を送るべきだ」といったことが倫理的な行為として挙げられる。 こうした違いはmoralityとethicの語源の違いに由来する。 morality(道徳)はラテン語で「慣習」を意味するmosに由来する。一方、ethic(倫理)の方は古代ギリシャ語で「慣習」を意味するethos({{ruby|ἦθος|エートス}})に由来する。どちらも「慣習」の意味だが、ethosには「人柄」や「高貴さ」といった意味を含む。そのため、伝統的な西洋の倫理学においては人間個人や魂のあり方に関する問題を扱うことが多い。 === 倫理学と哲学 === === 相対主義との対決 === == 倫理学の基礎 == === 記述倫理学 === === 規範倫理学 === === メタ倫理学 === == 倫理理論 == === 徳倫理学 === === 義務論/義務倫理学 === === 功利主義 === === プラグマティズム === === ケアの倫理 === == 応用倫理学 == {{進捗状況}} 応用倫理学は現実の、より具体的な諸問題に対する倫理学的考察と行為の在り方を探究する分野である。以下は代表的な応用倫理学の分野である。 * [[メディア倫理]]{{進捗|00%|2009-07-18}} * [[生命倫理学]] *[[環境倫理学]] *[[情報倫理学]] *[[動物倫理学]] == 基本的な術語 == === 倫理学全般 === * 公正 * 功利主義 * 自然主義的誤謬 * 自己決定 * 正義 === 生命倫理 === === 環境倫理 === * 自然の生存権 * 持続可能な開発 * 世代間倫理 == 倫理学上の諸問題 == 倫理学では具体的な問題の解決、ないしはより良い判断を下せるようにするための学問である。そのため、いくつかの思考実験や問いが出されることがある。また、具体的な問題を考えるとジレンマに陥ることもある。ここでは、代表的な倫理学的な問いやジレンマを見ていきたい。 なお、現在ここは加藤尚武『現代倫理学入門』に多くを依っている。読者や参加者の皆さんからのご指摘などの追加をお願いしたい。 === 倫理学の諸原理 === * 人を助けるために嘘をつくことは許されるか * 他人に迷惑をかけなければ何をしても良いか * 貧しい人を助けるのは豊かな人の義務か * 正義は時代によって変わるか === 生命倫理 === * 生命に差はあるのか * 10人の命を助けるために1人を犠牲にすることは許されるか * 10人の重病患者に特効薬が1つしかなければどうするか === 環境倫理 === * 動物や植物にも権利があるのか * 今を生きる我々は将来世代に対して責任があるのか * 人間の暮らしを犠牲にしてでも自然環境は守るべきか === 他の諸問題 === * 正しい戦争は存在しうるか * 科学に限界を定めることは出来るか == 参考文献 == * 『現代倫理学入門』(加藤尚武著, 講談社, 1997年) * 『倫理学入門』(品川哲彦著, 中央公論新社, 2020年) == 脚注 == <references/> <!-- === トロッコ問題 === 倫理学の用語に、「トロッコ問題」という思考実験がある。詳しくはwikipediaの『[[w:トロッコ問題]]』という記事を調べてもらえればよいが、基本的な知識を知らないと検索の仕方自体が分からなくなるので、wikibooksの本ページで大まかに「トロッコ問題」とは概ね(おおむね)どういう問題かを解説する。 [[File:Trolley problem.png|600px|centre]] トロッコ問題とは、図のように、制御不能になったトロッコ(現代的に例えるなら電車でもイイだろう)の先が二股に分かれており、それぞれに人がいる場合、どうするのが道徳的だろうか? または、線路を切り替えた場合に罪悪感が生じる人がいるがなぜか? というような、倫理や道徳について考察するための思考実験のひとつである。 より正確には、もし線路を切り替えないと、多くの人が死ぬ(図の場合では5人が死ぬ)。 線路を切り替えると、被害の人数自体は少なくなる(図の場合では1人が死ぬ)。 この場合、切り替え制御地点にいる自分は、どうすべきか? このトロッコ問題は、倫理について考察するための思考実験なので、前提として、どちらかを見殺しにしない限り、他の方法では助けられらないとする。(決して鉄道工学などの現実的・客観的な制御を考えるための問題ではない。道徳・倫理に関する問題である。) 線路を切り替えたら、被害の人数自体は少なくなるが、しかし自分が1人を殺すために積極的に行動した事になり、考えようによっては罪悪感にさいなまされる。 一方、線路を切り替えなければ、より多くの人が死ぬ。 ・・・というような問題である。 === 関連する問題 === * カルネアデスの板 「カルネアデスの板」という思考実験がある。 これはたとえば、出航している船で、船が難破して壊れて、船に乗ることができず、複数の乗客が海に放り出されたとする。そして場合など、1人ぶんを浮かすことの出来る板(たとえば壊れた船の切れ端)を、2人の元・乗客が奪い合った場合の倫理問題である。 自分1人が助かるために、相手を突き飛ばして水死させることの是非を問う問題である。(より詳しい状況設定についてはウィキペディア『[[w:カルネアデスの板]]』を参照。) カルネアデスの板は、哲学・倫理学以外にも、よく刑法の理論などで紹介される事がある。 よく、刑法の『緊急避難』という外延の規定について、カルネアデスの板が取り上げられる。刑法では、程度の差はあるが、他に自分の助かる手段の無い場合に、他者を犠牲にすることが法的にも許される場合があり、このような場合を『緊急避難』という。 これ以上の刑法学についての「カルネアデスの板」については、刑法学の専門書を読んでもらうとして、本wikibooks『倫理学』ページでは刑法学についての深入りを省略するとしよう。 さて、歴史学的には、「カルネアデス」とは古代ギリシアの哲学者の名前であるが、その古代ギリシア人の名前を冠している事からも分かるように、古代から取り上げられている古い、典型的な倫理学の問題のひとつでもある。 なお、哲学思想のひとつの「功利主義」という考え方では、もし道徳にとらわれて相手を水死させなかった場合、浮き板は1人ぶんの浮力しかないので、2人とも死んでしまうので、1人でも多くの人を助かるために、相手を水死させるのは、比較的・相対的には良いとする(のが「功利主義」的な考え方である)。 誤解なきように言うが、哲学・倫理学は決して功利主義を信用するわけではない。単に、そういう考え方もある、と紹介しているだけである。 なお、功利主義は、哲学者ベンサムが体系化した。「最大多数の最大幸福」などの格言でも有名な哲学者が、ベンサムである。 「最大多数」というように、より多くの人がカルネアデスの板で助かるのだったら、そちらが合理的であろう、というのが功利主義的な考え方だと、哲学の一般的には考えられている、とされている === この節を作ったわけ === 「トロッコ問題」はよく倫理問題を考える際に使われる用語であるが、しかし日本では意外とそれを書籍で体系的に扱った文献は少ない。 『思考実験』などを題材としたと銘打ってる書籍を読んでも、物理学の『シュレーディンガーの猫』のような倫理と関係のない話題を、上述のトロッコ問題などと同列に扱っている書籍も多く、あまり倫理問題を中心に思考実験を扱った書籍は、少なくとも入門書レベルでは探すのが困難である。 「哲学入門」のような本を読んでも、そこに書いてあるのは高校『倫理』の教科書のような、どこの哲学者が○○論を主張したというような哲学史が細かく書いてあるくらいな入門書が多い。そういう歴史を扱う書籍も必要だが、しかし、歴史ではなく実際の考え方を練習したい場合には哲学史の書籍は不適切であろう。 少なくとも、近年の入門書の出版傾向は、残念ながら、そういう傾向であり、つまり「トロッコ問題」などの学術的な書籍を探すのが、なかなか難しい。(運がよければ、トロッコ問題などを紹介している書籍もあるかもしれない。だが、紹介の記述量はあまり多くないだろう(哲学史的な記述に幅を取られている書籍が多いので)。) また、(リンリではなくロンリの)『論理学』などの書籍を読んでも、たとえば『文科系の論理学』などのような題名を銘打っている書籍を読んですら、内容はほとんどが、数学の一分野である記号論理学の内容のアレンジであり、若干、たとえばゲーデルの不完全性定理などの有名な論理数学の話題が紹介されていたり、あるいは「証明論」など数学基礎論のいくつかが紹介されていたりなどする。よって、とてもでないが『トロッコ問題』などのような倫理的な問題を考えるには適さないのが、『論理学』の教科書である。 社会学や心理学などで『トロッコ問題』などの用語が語彙として使われる場合があるが、しかし社会学や心理学の入門書などを読んでも、少なくとも入門書では「トロッコ問題」などを体系的に紹介しているとは言えないような出版状況である。それらの入門書によっては「トロッコ問題」は紹介すらされて無い場合も多く、たとえば社会学の入門書の索引などのタ行の項目を見ても、「トロッコ問題」という語句自体が無いレベルである場合も多い。 なお、話題は若干脱線するが、たとえば「悪魔の証明」や「わら人形論法」などの論法や証明法あるいは詭弁に関する話題は、残念ながら「文科系の論理学」的な題名の書籍には、記述されていない場合が多い。具体的には、「悪魔の証明」、「循環論」、「わら人形論法」、「道徳主義の誤謬(ごびゅう)」、「自然主義の誤謬」、「前後即因果の誤謬」、・・・さまざまな論法や詭弁や誤謬の例が文科系の論理学では知られているが、しかしそれらを扱った入門書は乏しく、入門レベルの教科書には、記述が全く見当たらないのが(少なくとも入門書レベルでは)のが、残念ながら現状である。 --> [[Category:人文科学|りんりかく]] d2aojc0pcdmxakp8tk38u92so9e39um 298928 298927 2026-04-29T14:14:57Z 椎楽 32225 /* 倫理学上の諸問題 */ 298928 wikitext text/x-wiki == 倫理学は何をする学問か == 「よいこと」とは何だろうか。たとえば、ボランティアで街の清掃をすることや災害のときに炊き出しなどの救援活動をすることは、ほぼすべての人が「よいこと」だと言うだろう。他にも困っている人のために寄付をする、様々な無償の奉仕活動をする、もっと身近には公共交通機関で高齢者や障碍者に席をゆずる、ベビーカーを押している母親の手伝いをするなども「よいこと」とする人がほとんどだろう。 だが、この「よいこと」が強制されたものだったらどうだろう。例えば無償の奉仕活動が国によって参加を義務付けられたもの(拒否したらペナルティもある)であったら、それを「よいこと」として肯定する人はかなり減少するだろう。現代の先進諸国では、寄付も政治家に対して見返りを求めて行ったのであれば「よいこと」どころか収賄という立派な犯罪行為になりうる。 また、優れたアスリートは、えてして「多くの人々に勇気を与えた」として表彰される。芸術家が多くの人に感動と感銘を与えることもある。こうしたこともまた、「よいこと」とみなされる可能性が高い。一方、私たちの日々の暮らしを支える様々な営み――農業をして食糧を作る、工場でものを作る、トラックや列車などで人やものを運ぶ、様々なインフラを支える、警察や消防などなどを、わざわざ「よいこと」という人はいないかもしれない。 だが、極論すればアスリートや芸術家はいなくても私たちの暮らしに直接の影響はほとんどない。だが、日々の営みを支える人がいなくなれば、途端に私たちの暮らしは行き詰まる。その観点からするとアスリートや芸術家の活動よりも、一見地味な仕事の方が「よいこと」のようにも思われる。 さらに「よいこと」は時代や場所による違いが起きる場合もある。例として、『[[w:忠臣蔵|忠臣蔵]]』を見てみよう。長く『忠臣蔵』は日本におけるエンターテイメントの中心だった。芝居はもちろん、雑誌や小説、ラジオ、映画、テレビといった時代時代のメディアでは必ず取り上げられ、ヒット作となった。だが、2026年現在、『忠臣蔵』は歌舞伎以外では滅多に見なくなった。その背景として指摘されるのは「価値観の変化」である。 曰く「『主君への忠義』や『主君の敵討ち』という価値が理解されなくなった」という。つまり、「忠義」「敵討ち」というかつての「よいこと」が「よいこと」として理解されない――場合によっては、非難されたり嘲笑されたりすることすらある。 こうしてみると私たちが素朴に考える「よいこと」が随分とあやふやなものであることがわかる。だが、それをもって「『よいこと』が曖昧であるならば『よいこと』を考えることそのものが無意味である」と考えるかもしれない。現に、私たちの周りではいわゆる[[w:相対主義|価値相対主義]]とよばれる「絶対的な正義、必ず正しいと言えるものはない」という価値観も珍しいものではない。 だが、「よいこと」は本当に曖昧なものだろうか。「よいこと」を判断する基準はないのか。そもそも何をもって「よい」と言えるのか……。 こうした問いに対する答えを体系的に理論立てていく営みが倫理学である。 === 倫理と道徳 === 倫理と道徳は重なり合うところが多い。実際、日常では倫理と道徳をそれほど区別せずに使うことも珍しくはないかもしれない。しかし、現代の倫理学はこの両者を区別するのが普通である。 結論を先に言えば、道徳moralityは社会や共同体といった人間集団の中で他者と生きていくうえで、守るべきものとして相互に承認されている行為規範の体系である。この中には'''集団を維持するために守るべきとされるもの'''と'''集団生活をより有意義にするためのもの'''に分けられる<ref>『倫理学入門』p.2(品川哲彦著, 中央公論新社, 2020年)</ref>。「集団を維持するために守るべきとされるもの」は、例えば「他人のものを盗んではならない」「人を傷つけてはならない」などがある。「集団生活をより有意義にするためのもの」の場合には、「他人に親切にしよう」「困ったときには助け合おう」などが挙げられよう。 一方、倫理ethicは「個人がどのように生きていくのか」ということと関わりが深い。例えば「自分の能力を高めていこう」「自分の人生を大切にしなければならない」「有意義な人生を送るべきだ」といったことが倫理的な行為として挙げられる。 こうした違いはmoralityとethicの語源の違いに由来する。 morality(道徳)はラテン語で「慣習」を意味するmosに由来する。一方、ethic(倫理)の方は古代ギリシャ語で「慣習」を意味するethos({{ruby|ἦθος|エートス}})に由来する。どちらも「慣習」の意味だが、ethosには「人柄」や「高貴さ」といった意味を含む。そのため、伝統的な西洋の倫理学においては人間個人や魂のあり方に関する問題を扱うことが多い。 === 倫理学と哲学 === === 相対主義との対決 === == 倫理学の基礎 == === 記述倫理学 === === 規範倫理学 === === メタ倫理学 === == 倫理理論 == === 徳倫理学 === === 義務論/義務倫理学 === === 功利主義 === === プラグマティズム === === ケアの倫理 === == 応用倫理学 == {{進捗状況}} 応用倫理学は現実の、より具体的な諸問題に対する倫理学的考察と行為の在り方を探究する分野である。以下は代表的な応用倫理学の分野である。 * [[メディア倫理]]{{進捗|00%|2009-07-18}} * [[生命倫理学]] *[[環境倫理学]] *[[情報倫理学]] *[[動物倫理学]] == 基本的な術語 == === 倫理学全般 === * 公正 * 功利主義 * 自然主義的誤謬 * 自己決定 * 正義 === 生命倫理 === === 環境倫理 === * 自然の生存権 * 持続可能な開発 * 世代間倫理 == 倫理学上の諸問題 == 倫理学では具体的な問題の解決、ないしはより良い判断を下せるようにするための学問である。そのため、いくつかの思考実験や問いが出されることがある。また、具体的な問題を考えるとジレンマに陥ることもある。ここでは、代表的な倫理学的な問いやジレンマを見ていきたい。 なお、現在ここは加藤尚武『現代倫理学入門』に多くを依っている。読者や参加者の皆さんからのご指摘などの追加をお願いします。ただし、「トロッコ問題」はいりませんのであしからず。 === 倫理学の諸原理 === * 人を助けるために嘘をつくことは許されるか * 他人に迷惑をかけなければ何をしても良いか * 貧しい人を助けるのは豊かな人の義務か * 正義は時代によって変わるか === 生命倫理 === * 生命に差はあるのか * 10人の命を助けるために1人を犠牲にすることは許されるか * 10人の重病患者に特効薬が1つしかなければどうするか === 環境倫理 === * 動物や植物にも権利があるのか * 今を生きる我々は将来世代に対して責任があるのか * 人間の暮らしを犠牲にしてでも自然環境は守るべきか === 他の諸問題 === * 正しい戦争は存在しうるか * 科学に限界を定めることは出来るか == 参考文献 == * 『現代倫理学入門』(加藤尚武著, 講談社, 1997年) * 『倫理学入門』(品川哲彦著, 中央公論新社, 2020年) == 脚注 == <references/> <!-- === トロッコ問題 === 倫理学の用語に、「トロッコ問題」という思考実験がある。詳しくはwikipediaの『[[w:トロッコ問題]]』という記事を調べてもらえればよいが、基本的な知識を知らないと検索の仕方自体が分からなくなるので、wikibooksの本ページで大まかに「トロッコ問題」とは概ね(おおむね)どういう問題かを解説する。 [[File:Trolley problem.png|600px|centre]] トロッコ問題とは、図のように、制御不能になったトロッコ(現代的に例えるなら電車でもイイだろう)の先が二股に分かれており、それぞれに人がいる場合、どうするのが道徳的だろうか? または、線路を切り替えた場合に罪悪感が生じる人がいるがなぜか? というような、倫理や道徳について考察するための思考実験のひとつである。 より正確には、もし線路を切り替えないと、多くの人が死ぬ(図の場合では5人が死ぬ)。 線路を切り替えると、被害の人数自体は少なくなる(図の場合では1人が死ぬ)。 この場合、切り替え制御地点にいる自分は、どうすべきか? このトロッコ問題は、倫理について考察するための思考実験なので、前提として、どちらかを見殺しにしない限り、他の方法では助けられらないとする。(決して鉄道工学などの現実的・客観的な制御を考えるための問題ではない。道徳・倫理に関する問題である。) 線路を切り替えたら、被害の人数自体は少なくなるが、しかし自分が1人を殺すために積極的に行動した事になり、考えようによっては罪悪感にさいなまされる。 一方、線路を切り替えなければ、より多くの人が死ぬ。 ・・・というような問題である。 === 関連する問題 === * カルネアデスの板 「カルネアデスの板」という思考実験がある。 これはたとえば、出航している船で、船が難破して壊れて、船に乗ることができず、複数の乗客が海に放り出されたとする。そして場合など、1人ぶんを浮かすことの出来る板(たとえば壊れた船の切れ端)を、2人の元・乗客が奪い合った場合の倫理問題である。 自分1人が助かるために、相手を突き飛ばして水死させることの是非を問う問題である。(より詳しい状況設定についてはウィキペディア『[[w:カルネアデスの板]]』を参照。) カルネアデスの板は、哲学・倫理学以外にも、よく刑法の理論などで紹介される事がある。 よく、刑法の『緊急避難』という外延の規定について、カルネアデスの板が取り上げられる。刑法では、程度の差はあるが、他に自分の助かる手段の無い場合に、他者を犠牲にすることが法的にも許される場合があり、このような場合を『緊急避難』という。 これ以上の刑法学についての「カルネアデスの板」については、刑法学の専門書を読んでもらうとして、本wikibooks『倫理学』ページでは刑法学についての深入りを省略するとしよう。 さて、歴史学的には、「カルネアデス」とは古代ギリシアの哲学者の名前であるが、その古代ギリシア人の名前を冠している事からも分かるように、古代から取り上げられている古い、典型的な倫理学の問題のひとつでもある。 なお、哲学思想のひとつの「功利主義」という考え方では、もし道徳にとらわれて相手を水死させなかった場合、浮き板は1人ぶんの浮力しかないので、2人とも死んでしまうので、1人でも多くの人を助かるために、相手を水死させるのは、比較的・相対的には良いとする(のが「功利主義」的な考え方である)。 誤解なきように言うが、哲学・倫理学は決して功利主義を信用するわけではない。単に、そういう考え方もある、と紹介しているだけである。 なお、功利主義は、哲学者ベンサムが体系化した。「最大多数の最大幸福」などの格言でも有名な哲学者が、ベンサムである。 「最大多数」というように、より多くの人がカルネアデスの板で助かるのだったら、そちらが合理的であろう、というのが功利主義的な考え方だと、哲学の一般的には考えられている、とされている === この節を作ったわけ === 「トロッコ問題」はよく倫理問題を考える際に使われる用語であるが、しかし日本では意外とそれを書籍で体系的に扱った文献は少ない。 『思考実験』などを題材としたと銘打ってる書籍を読んでも、物理学の『シュレーディンガーの猫』のような倫理と関係のない話題を、上述のトロッコ問題などと同列に扱っている書籍も多く、あまり倫理問題を中心に思考実験を扱った書籍は、少なくとも入門書レベルでは探すのが困難である。 「哲学入門」のような本を読んでも、そこに書いてあるのは高校『倫理』の教科書のような、どこの哲学者が○○論を主張したというような哲学史が細かく書いてあるくらいな入門書が多い。そういう歴史を扱う書籍も必要だが、しかし、歴史ではなく実際の考え方を練習したい場合には哲学史の書籍は不適切であろう。 少なくとも、近年の入門書の出版傾向は、残念ながら、そういう傾向であり、つまり「トロッコ問題」などの学術的な書籍を探すのが、なかなか難しい。(運がよければ、トロッコ問題などを紹介している書籍もあるかもしれない。だが、紹介の記述量はあまり多くないだろう(哲学史的な記述に幅を取られている書籍が多いので)。) また、(リンリではなくロンリの)『論理学』などの書籍を読んでも、たとえば『文科系の論理学』などのような題名を銘打っている書籍を読んですら、内容はほとんどが、数学の一分野である記号論理学の内容のアレンジであり、若干、たとえばゲーデルの不完全性定理などの有名な論理数学の話題が紹介されていたり、あるいは「証明論」など数学基礎論のいくつかが紹介されていたりなどする。よって、とてもでないが『トロッコ問題』などのような倫理的な問題を考えるには適さないのが、『論理学』の教科書である。 社会学や心理学などで『トロッコ問題』などの用語が語彙として使われる場合があるが、しかし社会学や心理学の入門書などを読んでも、少なくとも入門書では「トロッコ問題」などを体系的に紹介しているとは言えないような出版状況である。それらの入門書によっては「トロッコ問題」は紹介すらされて無い場合も多く、たとえば社会学の入門書の索引などのタ行の項目を見ても、「トロッコ問題」という語句自体が無いレベルである場合も多い。 なお、話題は若干脱線するが、たとえば「悪魔の証明」や「わら人形論法」などの論法や証明法あるいは詭弁に関する話題は、残念ながら「文科系の論理学」的な題名の書籍には、記述されていない場合が多い。具体的には、「悪魔の証明」、「循環論」、「わら人形論法」、「道徳主義の誤謬(ごびゅう)」、「自然主義の誤謬」、「前後即因果の誤謬」、・・・さまざまな論法や詭弁や誤謬の例が文科系の論理学では知られているが、しかしそれらを扱った入門書は乏しく、入門レベルの教科書には、記述が全く見当たらないのが(少なくとも入門書レベルでは)のが、残念ながら現状である。 --> [[Category:人文科学|りんりかく]] l6h536oh78os9abpfyy523lu0fp6vjc 高等学校古文/散文・説話/漁父辞 0 15215 298942 193940 2026-04-30T06:58:16Z ~2026-26094-20 91338 /* 原文と書き下し文 */ 298942 wikitext text/x-wiki 漁父の辞 (ぎょほのじ) 楚辞(そじ) :屈原(くつげん) == 原文と書き下し文 == {| style="width:100%" |valign=top style="width:50%;background:#ccf;text-indent:1em"| 屈原既放、游於江潭、行吟沢畔。顔色憔悴、形容枯槁。漁父見而問之曰、「子非三閭大夫与。何故至於斯。」屈原曰、「挙世皆濁、我独清。衆人皆酔、我独醒。是以見放。」 漁父曰、「聖人不凝滞於物、而能与世推移。世人皆濁、何不淈其泥、而揚其波。衆人皆酔、何不餔其糟、而歠其釃。何故深思高挙、自令放為。」 屈原曰、「吾聞之、『新沐者必弾冠、新浴者必振衣。』安能以身之察察、受物之汶汶者乎。寧赴湘流、葬於江魚之腹中、安能以皓皓之白、而蒙世俗之塵埃乎。」 漁父莞爾而笑、鼓枻而去。乃歌曰、 :滄浪之水清兮  可以濯吾纓 :滄浪之水濁兮  可以濯吾足 遂去、不復与言。 |valign=top style="width:50%;background:#fcc;text-indent:1em"| {{ruby|屈原|くつげん}}<ref group="※">屈原(くつげん)- 楚の王族のうちの一人。(※ 本ページ節「屈原」で解説)</ref>{{ruby|既|すで}}に{{ruby|放|はな}}たれて、{{ruby|江潭|こうたん}}<ref group="※">江潭(こうたん)- 川べり。「潭」は川の深いところ。</ref>に{{ruby|游|あそ}}び、{{ruby|行|ゆくゆ}}く{{ruby|沢畔|たくはん}}<ref group="※">沢畔(たくはん)- 沢のほとり。</ref>に{{ruby|吟|ぎん}}ず。{{ruby|顔色|がんしょく}}{{ruby|憔悴|しょうすい}}し、形容{{ruby|枯槁|ここう}}せり。{{ruby|漁父|ぎょほ}}<ref group="※">漁父(ぎょほ)- 年をとった漁師。「父」を「ほ」と読むと老人を指す。</ref>{{ruby|見|み}}て{{ruby|之|これ}}に{{ruby|問|と}}いて{{ruby|曰|い}}はく、「{{ruby|子|し}}は{{ruby|三閭大夫|さんりょたいふ}}<ref group="※">三閭大夫(さんりょたいふ)- 楚の3つの王族を取りまとめる長官。</ref>に{{ruby|非|あら}}ずや。{{ruby|何|なん}}の{{ruby|故|ゆえ}}に{{ruby|斯|ここ}}<ref group="※">斯(ここ)- 境遇・身上・姿。ただし、場所を指すという意見もある。</ref>に{{ruby|至|いた}}れる」と。屈原曰はく、「{{ruby|世|よ}}を{{ruby|挙|あ}}げて{{ruby|皆|みな}}{{ruby|濁|にご}}れるに、{{ruby|我|われ}}{{ruby|独|ひと}}り{{ruby|清|す}}めり。{{ruby|衆人|しゅうじん}}{{ruby|皆|みな}}{{ruby|酔|よ}}へるに、我独り{{ruby|醒|さ}}めたり。{{ruby|是|ここ}}を以て放たる。」と。 {{ruby|漁父|ぎょほ}}曰はく、「{{ruby|聖人|せいじん}}は{{ruby|物|もの}}に{{ruby|凝滞|ぎょうたい}}<ref group="※">凝滞(ぎょうたい)- こだわる。とどこおる。</ref>せずして、{{ruby|能|よ}}く{{ruby|世|よ}}と{{ruby|推移|すいい}}す。{{ruby|世人|せじん}}{{ruby|皆|みな}}{{ruby|濁|にご}}らば、{{ruby|何|なん}}ぞ{{ruby|其|そ}}の{{ruby|泥|どろ}}を{{ruby|淈|にご}}して、其の波を{{ruby|揚|あ}}げざる<ref group="※">揚げ(あゲ)- にごった泥水をかきまわして波を高く上げる。</ref>。{{ruby|衆人|しゅうじん}}{{ruby|皆|みな}}{{ruby|酔|よ}}はば、何ぞ其の{{ruby|糟|かす}}<ref group="※">糟(かす)- 酒かす。</ref>を{{ruby|餔|くら}}ひて、其の{{ruby|釃|しる}}<ref group="※">釃(しる)- 薄い酒。</ref>を{{ruby|歠|すす}}らざる。何の{{ruby|故|ゆえ}}に深く思ひ高く{{ruby|挙|あ}}がり、自ら放たれしむるを{{ruby|為|な}}すや」と。 屈原曰はく、「{{ruby|吾|われ}}{{ruby|之|これ}}を{{ruby|聞|き}}けり。『{{ruby|新|あら}}たに{{ruby|沐|もく}}する{{ruby|者|もの}}は{{ruby|必|かなら}}ず{{ruby|冠|かんむり}}を{{ruby|弾|はじ}}き、新たに{{ruby|浴|よく}}する者は必ず{{ruby|衣|ころも}}を{{ruby|振|ふる}}ふ』と。{{ruby|安|いず}}くんぞ{{ruby|能|よ}}く{{ruby|身|み}}の{{ruby|察察|さつさつ}}<ref group="※">察察(さつさつ)- 清らか。清潔。</ref>たるを以つて、物の{{ruby|汶汶|もんもん}}<ref group="※">汶汶(もんもん)- 汚れた様子。</ref>たるを受くる者ならんや。{{ruby|寧|むし}}ろ{{ruby|湘流|しょうりゅう}}<ref group="※">湘流(しょうりゅう)- 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屈原(くつげん)は追放されて、湘江(しょうこう)の淵や岸をさまよい、歩きながら沢のほとりで歌を口ずさんでいた。顔色はやつれはて、その姿は痩せ(やせ)衰えている。老人の漁師が彼を見るとたずねて言うには、「あなたは三閭大夫(さんりょたいふ)ではありませんか。どうしたわけで、こんなことになったのですか。」と。屈原は言うには、「世の中がすべて濁っている中で、私だけが清らかである。人々すべて酔っている中で、私だけが(酔いから)さめている。こういうわけで、追放されたのだ。」と。 === 第二段落 === 老漁師が言うには、「聖人は物事にこだわらず、世間と共に移り変わるのです。世の人が皆濁っているならば、なぜ(ご自分も一緒に)泥をかき乱し、その濁った波を高くあげようとしないのですか。人々が皆酔っているなら、なぜ(ご自分も)その酒かすを食べて、薄い酒を飲もうとしないのですか。どうして深刻に思い悩み、お高くとまって、自分から追放されるようなことをなさるのですか。」と。 === 第三段落 === 屈原が言うには、「私はこう聞く。『髪を洗ったばかりの者は、必ず冠の塵を弾き(よごれを払ってから被り)、入浴したばかりの者は、必ず衣服をふるって(塵を落として)から着るものだ』と。どうして私自身の潔白な身に、汚れたものを受けることができるだろうか。(いや受けいれない。)(それなら)いっそのことの湘江の流れに行って(身を投げて)、川魚の(えさとなって)腹の中に葬られても、どうして純白の身を世俗の塵やホコリを受けられるだろうか。」と。 === 第四段落以降 === 老漁師はにっこりと笑い、(ふなばたを)櫂で叩きながら漕ぎ去った。そしてそのとき、こう歌った。 :滄浪の水が澄んでいるのなら、 :(大切な)冠の紐を洗おう。 :滄浪の水が濁っているのなら、 :(汚れた)私の足を洗おう。 とうとうそのまま去って、二度と語り合うことがなかった。 === 句法・語法 === * 子非三閭大夫与: 子(し)は三閭大夫(さんりょたいふ)に非ず(あらず)や。 あなたは三閭大夫(さんりょたいふ)ではありませんか。 :「非〜与」で「〜ニあらズや」 :与は「や」と読み、文末について疑問をあらわす助字。 *何故〜: 何ノ故ニ〜 (なんのゆえに) :意味は「どうして〜なのか」。理由についての疑問を表す。 * 是以見放: 是を(これを)以て(もって)放たれたり。 :こういうわけで、追放されたのだ。 :見:受身の助動詞「る」「らル」。この読みの時には必ず返り点がつく。 * 何不淈其泥、而揚其波: 何ぞ(なんぞ)其の(その)泥を淈して、其の波を揚げざる。 なぜ(ご自分も一緒に)泥をかき乱し、その濁った波を高くあげようとしないのですか。 :何<sup>ゾ</sup>不<sub>二</sub><sup>ル</sup>~<sub>一</sub>:「なんゾ~ざル」と読む。再読文字「[[高等学校古文/漢文の読み方/再読文字#盍|盍]]」と同じ意味で、「どうして~しないのか」の意味。 * 自令放為: 自ら(みずから)放たれしむるを為す(なす)。 自分から追放されるようなことをなさるのですか。 :令<sup>ム</sup>: 使役の助動詞「しム」。この読みの時には必ず返り点がつく。 * 安能以身之察察、受物之汶汶者乎: 安んぞ(いずくんぞ)能く身の察察(さつさつ)たるを以て、物の汶汶(もんもん)たる者をうけんや。 どうして私自身の潔白な身に、汚れたものを受けることができるだろうか。 :安<sup>ンゾ</sup>~(乎):「いずくンゾ~(や)」と読む。'''反語'''で、「どうして~か。いや~ではない」の意味。 文末の「乎」(や)は助詞。 * 寧赴湘流: 寧ろ(むしロ)湘流に赴いて(おもむいて)~。 いっそ湘江の流れに行って((身を投げて)川魚の(えさとなって)腹の中に葬られても、どうして純白の身を世俗の塵やホコリを受けられるだろうか。) :寧<sup>ロ</sup>A、B:「むしロA、B」の形で「いっそAのほうがBより良い」の意味。'''選択'''を表す。なお、本文ではBにあたる部分が略されている。 * 不復与言: 復た(また)与(とも)に言はず。 :不<sub>二</sub>復<sup>タ</sup>~<sub>一</sub>:「まタ~ず」と読む。部分否定の表現で、「(一度は~したが、)もう二度とは~しなかった」の意味。全部否定「復不<sub>二</sub>~<sub>一</sub>」と混同しないように。 === 語彙 === :子(し) - あなた。二人称の敬称。 :塵埃(じんあい) - ちり・ほこり。 :遂(ついニ) - そのまま。 (※ 現代語と意味が違うので注意) == 解説 == ここで注目すべきは屈原と魚父の人物の対比である。それぞれの人物像をまとめてみよう。 * 屈原(くつげん) ** 孤高。 ** 妥協しない。 ** 挫折したとしても最後まで自分の考えを変えない。 * 漁父 ** 世の中に交わりつつ、それをコントロールする。 ** 清らかな世の中なら自分の清い面を、汚れた世の中なら自分の汚い面をだす。 この二人の姿からは儒家と老荘思想(道家)の理想の違いを見出すこともできよう。屈原は儒家の思想を、いっぽう漁父は老荘思想を体現しているともいえる。あるいは、作中の「屈原」と漁父の両方とも屈原自身の心が生み出したものであり、一方は理想を求める自己、もう一方は世間の中で生きていこうとする自己であるという解釈も成り立つだろう。 二人が別れる間際、漁父は「莞爾として笑う」が、ここにはどのような意味があるのだろうか。二人の意見は一つの点にまとめられたわけではない。漁父はこのとき、よく言えば一本気、悪く言えばかたくなな屈原の言葉に「自分の意見と異なるが、大変尊いからがんばりなさい」と思ったとも「あなたの意見はずいぶんと尊いが子どもっぽい。しかし、まぁがんばりなさい」と思ったとも解釈される。 なお、この作品は屈原が大変客観的に書かれていることと、「寧ろ湘流に赴いて江魚の腹中に葬らるとも」とあるように彼の最期を暗示するような台詞があることから、屈原本人の作品ではなく、後世の人の作品ではないかとも言われる<ref>『新釈漢文大系34 楚辞』(明治書院) p.278</ref>。また、漁父が一目で「顔色憔悴し、形容枯槁」した人物を元政府高官の屈原であることを見抜いたりしているところからして、この漁父も只者ではない。 === 押韻 === *「清」「醒」(第一段落) *「移」「波」「釃」「為」(第二段落) *「清」「纓」(漁父の歌) *「濁」「足」(漁父の歌) === 対句 === 対句(ついく)表現についてみてみよう。ここでは白文から引用する。 # 顔色憔悴 ⇔ 形容枯槁 # 挙世皆濁 我独清 ⇔ 衆人皆酔 我独醒 # 世人皆濁 何不淈其泥而揚其波 ⇔ 衆人皆酔 何不餔其糟而歠其釃 # 新沐者必弾冠 ⇔ 新浴者必振衣 # 以身之察察 ⇔ 受物之汶汶者乎 # 滄浪之水清兮 可以濯吾纓 ⇔ 滄浪之水濁兮 可以濯吾足 対句かどうかを見抜くにはいささか慣れも必要だが、本文の対句はとてもわかりやすい。まず、一文の字数が5(以身之察察 ⇔ 受物之汶汶者乎)を除いて同じであること、そして2(挙世皆濁 我独清 ⇔ 衆人皆酔 我独醒)以外は返り点も同じところに打っている。漢文の場合、対句になっている部分は返り点が同じになることが多い。対句のある文章では、返り点を打つ問題や複文の問題ではどことどこが対句なのかを見抜くことも重要であることがこれからわかるだろう。 内容面でも対句が大きな役割を果たしている。2と3を見てほしい。2(挙世皆濁 我独清 ⇔ 衆人皆酔 我独醒)は屈原の台詞から、3(世人皆濁 何不淈其泥而揚其波 ⇔ 衆人皆酔 何不餔其糟而歠其釃)は漁父の台詞からだが、はじめの部分(挙世皆濁 / 世人皆濁。 衆人皆酔 / 衆人皆酔 。)はほとんど同じである。そして、対句ではないが屈原の「挙世皆濁、我独清」と「世人皆濁、何不淈其泥而揚其波」という漁父の台詞が対応し、屈原の「衆人皆酔、我独醒」に漁父の「衆人皆酔、何不餔其糟而歠其釃」が対応する。こうした屈原と漁父の台詞が先のような対応関係にすることによって、この二人の姿の対比がより鮮やかとなるのである。 == 屈原 == 屈原(くつげん)は、楚の王族。はじめ楚の懐王に仕えていたが、中傷されて左遷させられた。その後、懐王が秦によって監禁されたころに復帰するが、襄王のときにまたも中傷されて追放された。その後、楚の将来に絶望して汨羅江で入水自殺した。 ちなみにその日が5月5日であったため、この日は「屈原のような立派な人物になってほしい」という願いが込められて、男の子の節句となった。端午(たんご)の節句である。また、この日に ちまき を食べるようになったのも、屈原の死をいたみ、最初は竹筒に入れた米を投げ入れていたが、その米が竜に食べられるというので、竜の嫌う楝(おうち)の葉で包んだ米を投げ入れたことに由来するとされる。 == 脚注 == <references/> [[Category:高等学校教育 国語 漢文|きよほのし]] [[Category:高等学校教育_国語_漢文_漢詩|きよほのし]] si4vtls4u1mqeqqfx7vkag8pngq10zj 298943 298942 2026-04-30T07:01:19Z ~2026-26094-20 91338 /* 原文と書き下し文 */ 298943 wikitext text/x-wiki 漁父の辞 (ぎょほのじ) 楚辞(そじ) :屈原(くつげん) == 原文と書き下し文 == {| style="width:100%" |valign=top style="width:50%;background:#ccf;text-indent:1em"| 屈原既放、游於江潭、行吟沢畔。顔色憔悴、形容枯槁。漁父見而問之曰、「子非三閭大夫与。何故至於斯。」屈原曰、「挙世皆濁、我独清。衆人皆酔、我独醒。是以見放。」 漁父曰、「聖人不凝滞於物、而能与世推移。世人皆濁、何不淈其泥、而揚其波。衆人皆酔、何不餔其糟、而歠其釃。何故深思高挙、自令放為。」 屈原曰、「吾聞之、『新沐者必弾冠、新浴者必振衣。』安能以身之察察、受物之汶汶者乎。寧赴湘流、葬於江魚之腹中、安能以皓皓之白、而蒙世俗之塵埃乎。」 漁父莞爾而笑、鼓枻而去。乃歌曰、 :滄浪之水清兮  可以濯吾纓 :滄浪之水濁兮  可以濯吾足 遂去、不復与言。 |valign=top style="width:50%;background:#fcc;text-indent:1em"| {{ruby|屈原|くつげん}}<ref group="※">屈原(くつげん)- 楚の王族のうちの一人。(※ 本ページ節「屈原」で解説)</ref>{{ruby|既|すで}}に{{ruby|放|はな}}たれて、{{ruby|江潭|こうたん}}<ref group="※">江潭(こうたん)- 川べり。「潭」は川の深いところ。</ref>に{{ruby|游|あそ}}び、{{ruby|行|ゆくゆ}}く{{ruby|沢畔|たくはん}}<ref group="※">沢畔(たくはん)- 沢のほとり。</ref>に{{ruby|吟|ぎん}}ず。{{ruby|顔色|がんしょく}}{{ruby|憔悴|しょうすい}}し、形容{{ruby|枯槁|ここう}}せり。{{ruby|漁父|ぎょほ}}<ref group="※">漁父(ぎょほ)- 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屈原が言うには、「私はこう聞く。『髪を洗ったばかりの者は、必ず冠の塵を弾き(よごれを払ってから被り)、入浴したばかりの者は、必ず衣服をふるって(塵を落として)から着るものだ』と。どうして私自身の潔白な身に、汚れたものを受けることができるだろうか。(いや受けいれない。)(それなら)いっそのことの湘江の流れに行って(身を投げて)、川魚の(えさとなって)腹の中に葬られても、どうして純白の身を世俗の塵やホコリを受けられるだろうか。」と。 === 第四段落以降 === 老漁師はにっこりと笑い、(ふなばたを)櫂で叩きながら漕ぎ去った。そしてそのとき、こう歌った。 :滄浪の水が澄んでいるのなら、 :(大切な)冠の紐を洗おう。 :滄浪の水が濁っているのなら、 :(汚れた)私の足を洗おう。 とうとうそのまま去って、二度と語り合うことがなかった。 === 句法・語法 === * 子非三閭大夫与: 子(し)は三閭大夫(さんりょたいふ)に非ず(あらず)や。 あなたは三閭大夫(さんりょたいふ)ではありませんか。 :「非〜与」で「〜ニあらズや」 :与は「や」と読み、文末について疑問をあらわす助字。 *何故〜: 何ノ故ニ〜 (なんのゆえに) :意味は「どうして〜なのか」。理由についての疑問を表す。 * 是以見放: 是を(これを)以て(もって)放たれたり。 :こういうわけで、追放されたのだ。 :見:受身の助動詞「る」「らル」。この読みの時には必ず返り点がつく。 * 何不淈其泥、而揚其波: 何ぞ(なんぞ)其の(その)泥を淈して、其の波を揚げざる。 なぜ(ご自分も一緒に)泥をかき乱し、その濁った波を高くあげようとしないのですか。 :何<sup>ゾ</sup>不<sub>二</sub><sup>ル</sup>~<sub>一</sub>:「なんゾ~ざル」と読む。再読文字「[[高等学校古文/漢文の読み方/再読文字#盍|盍]]」と同じ意味で、「どうして~しないのか」の意味。 * 自令放為: 自ら(みずから)放たれしむるを為す(なす)。 自分から追放されるようなことをなさるのですか。 :令<sup>ム</sup>: 使役の助動詞「しム」。この読みの時には必ず返り点がつく。 * 安能以身之察察、受物之汶汶者乎: 安んぞ(いずくんぞ)能く身の察察(さつさつ)たるを以て、物の汶汶(もんもん)たる者をうけんや。 どうして私自身の潔白な身に、汚れたものを受けることができるだろうか。 :安<sup>ンゾ</sup>~(乎):「いずくンゾ~(や)」と読む。'''反語'''で、「どうして~か。いや~ではない」の意味。 文末の「乎」(や)は助詞。 * 寧赴湘流: 寧ろ(むしロ)湘流に赴いて(おもむいて)~。 いっそ湘江の流れに行って((身を投げて)川魚の(えさとなって)腹の中に葬られても、どうして純白の身を世俗の塵やホコリを受けられるだろうか。) :寧<sup>ロ</sup>A、B:「むしロA、B」の形で「いっそAのほうがBより良い」の意味。'''選択'''を表す。なお、本文ではBにあたる部分が略されている。 * 不復与言: 復た(また)与(とも)に言はず。 :不<sub>二</sub>復<sup>タ</sup>~<sub>一</sub>:「まタ~ず」と読む。部分否定の表現で、「(一度は~したが、)もう二度とは~しなかった」の意味。全部否定「復不<sub>二</sub>~<sub>一</sub>」と混同しないように。 === 語彙 === :子(し) - あなた。二人称の敬称。 :塵埃(じんあい) - ちり・ほこり。 :遂(ついニ) - そのまま。 (※ 現代語と意味が違うので注意) == 解説 == ここで注目すべきは屈原と魚父の人物の対比である。それぞれの人物像をまとめてみよう。 * 屈原(くつげん) ** 孤高。 ** 妥協しない。 ** 挫折したとしても最後まで自分の考えを変えない。 * 漁父 ** 世の中に交わりつつ、それをコントロールする。 ** 清らかな世の中なら自分の清い面を、汚れた世の中なら自分の汚い面をだす。 この二人の姿からは儒家と老荘思想(道家)の理想の違いを見出すこともできよう。屈原は儒家の思想を、いっぽう漁父は老荘思想を体現しているともいえる。あるいは、作中の「屈原」と漁父の両方とも屈原自身の心が生み出したものであり、一方は理想を求める自己、もう一方は世間の中で生きていこうとする自己であるという解釈も成り立つだろう。 二人が別れる間際、漁父は「莞爾として笑う」が、ここにはどのような意味があるのだろうか。二人の意見は一つの点にまとめられたわけではない。漁父はこのとき、よく言えば一本気、悪く言えばかたくなな屈原の言葉に「自分の意見と異なるが、大変尊いからがんばりなさい」と思ったとも「あなたの意見はずいぶんと尊いが子どもっぽい。しかし、まぁがんばりなさい」と思ったとも解釈される。 なお、この作品は屈原が大変客観的に書かれていることと、「寧ろ湘流に赴いて江魚の腹中に葬らるとも」とあるように彼の最期を暗示するような台詞があることから、屈原本人の作品ではなく、後世の人の作品ではないかとも言われる<ref>『新釈漢文大系34 楚辞』(明治書院) p.278</ref>。また、漁父が一目で「顔色憔悴し、形容枯槁」した人物を元政府高官の屈原であることを見抜いたりしているところからして、この漁父も只者ではない。 === 押韻 === *「清」「醒」(第一段落) *「移」「波」「釃」「為」(第二段落) *「清」「纓」(漁父の歌) *「濁」「足」(漁父の歌) === 対句 === 対句(ついく)表現についてみてみよう。ここでは白文から引用する。 # 顔色憔悴 ⇔ 形容枯槁 # 挙世皆濁 我独清 ⇔ 衆人皆酔 我独醒 # 世人皆濁 何不淈其泥而揚其波 ⇔ 衆人皆酔 何不餔其糟而歠其釃 # 新沐者必弾冠 ⇔ 新浴者必振衣 # 以身之察察 ⇔ 受物之汶汶者乎 # 滄浪之水清兮 可以濯吾纓 ⇔ 滄浪之水濁兮 可以濯吾足 対句かどうかを見抜くにはいささか慣れも必要だが、本文の対句はとてもわかりやすい。まず、一文の字数が5(以身之察察 ⇔ 受物之汶汶者乎)を除いて同じであること、そして2(挙世皆濁 我独清 ⇔ 衆人皆酔 我独醒)以外は返り点も同じところに打っている。漢文の場合、対句になっている部分は返り点が同じになることが多い。対句のある文章では、返り点を打つ問題や複文の問題ではどことどこが対句なのかを見抜くことも重要であることがこれからわかるだろう。 内容面でも対句が大きな役割を果たしている。2と3を見てほしい。2(挙世皆濁 我独清 ⇔ 衆人皆酔 我独醒)は屈原の台詞から、3(世人皆濁 何不淈其泥而揚其波 ⇔ 衆人皆酔 何不餔其糟而歠其釃)は漁父の台詞からだが、はじめの部分(挙世皆濁 / 世人皆濁。 衆人皆酔 / 衆人皆酔 。)はほとんど同じである。そして、対句ではないが屈原の「挙世皆濁、我独清」と「世人皆濁、何不淈其泥而揚其波」という漁父の台詞が対応し、屈原の「衆人皆酔、我独醒」に漁父の「衆人皆酔、何不餔其糟而歠其釃」が対応する。こうした屈原と漁父の台詞が先のような対応関係にすることによって、この二人の姿の対比がより鮮やかとなるのである。 == 屈原 == 屈原(くつげん)は、楚の王族。はじめ楚の懐王に仕えていたが、中傷されて左遷させられた。その後、懐王が秦によって監禁されたころに復帰するが、襄王のときにまたも中傷されて追放された。その後、楚の将来に絶望して汨羅江で入水自殺した。 ちなみにその日が5月5日であったため、この日は「屈原のような立派な人物になってほしい」という願いが込められて、男の子の節句となった。端午(たんご)の節句である。また、この日に ちまき を食べるようになったのも、屈原の死をいたみ、最初は竹筒に入れた米を投げ入れていたが、その米が竜に食べられるというので、竜の嫌う楝(おうち)の葉で包んだ米を投げ入れたことに由来するとされる。 == 脚注 == <references/> [[Category:高等学校教育 国語 漢文|きよほのし]] [[Category:高等学校教育_国語_漢文_漢詩|きよほのし]] h6ff85rp3ridv3elk9zrpjmn0bkr3bo 298944 298943 2026-04-30T07:03:55Z ~2026-26094-20 91338 /* 原文と書き下し文 */ 298944 wikitext text/x-wiki 漁父の辞 (ぎょほのじ) 楚辞(そじ) :屈原(くつげん) == 原文と書き下し文 == {| style="width:100%" |valign=top style="width:50%;background:#ccf;text-indent:1em"| 屈原既放、游於江潭、行吟沢畔。顔色憔悴、形容枯槁。漁父見而問之曰、「子非三閭大夫与。何故至於斯。」屈原曰、「挙世皆濁、我独清。衆人皆酔、我独醒。是以見放。」 漁父曰、「聖人不凝滞於物、而能与世推移。世人皆濁、何不淈其泥、而揚其波。衆人皆酔、何不餔其糟、而歠其釃。何故深思高挙、自令放為。」 屈原曰、「吾聞之、『新沐者必弾冠、新浴者必振衣。』安能以身之察察、受物之汶汶者乎。寧赴湘流、葬於江魚之腹中、安能以皓皓之白、而蒙世俗之塵埃乎。」 漁父莞爾而笑、鼓枻而去。乃歌曰、 :滄浪之水清兮  可以濯吾纓 :滄浪之水濁兮  可以濯吾足 遂去、不復与言。 |valign=top style="width:50%;background:#fcc;text-indent:1em"| {{ruby|屈原|くつげん}}<ref group="※">屈原(くつげん)- 楚の王族のうちの一人。(※ 本ページ節「屈原」で解説)</ref>{{ruby|既|すで}}に{{ruby|放|はな}}たれて、{{ruby|江潭|こうたん}}<ref group="※">江潭(こうたん)- 川べり。「潭」は川の深いところ。</ref>に{{ruby|游|あそ}}び、{{ruby|行|ゆくゆ}}く{{ruby|沢畔|たくはん}}<ref group="※">沢畔(たくはん)- 沢のほとり。</ref>に{{ruby|吟|ぎん}}ず。{{ruby|顔色|がんしょく}}{{ruby|憔悴|しょうすい}}し、形容{{ruby|枯槁|ここう}}せり。{{ruby|漁父|ぎょほ}}<ref group="※">漁父(ぎょほ)- 年をとった漁師。「父」を「ほ」と読むと老人を指す。</ref>{{ruby|見|み}}て{{ruby|之|これ}}に{{ruby|問|と}}ひて{{ruby|曰|い}}はく、「{{ruby|子|し}}は{{ruby|三閭大夫|さんりょたいふ}}<ref group="※">三閭大夫(さんりょたいふ)- 楚の3つの王族を取りまとめる長官。</ref>に{{ruby|非|あら}}ずや。{{ruby|何|なん}}の{{ruby|故|ゆえ}}に{{ruby|斯|ここ}}<ref group="※">斯(ここ)- 境遇・身上・姿。ただし、場所を指すという意見もある。</ref>に{{ruby|至|いた}}れる」と。屈原曰はく、「{{ruby|世|よ}}を{{ruby|挙|あ}}げて{{ruby|皆|みな}}{{ruby|濁|にご}}り、{{ruby|我|われ}}{{ruby|独|ひと}}り{{ruby|清|す}}めり。{{ruby|衆人|しゅうじん}}{{ruby|皆|みな}}{{ruby|酔|よ}}ひ、我独り{{ruby|醒|さ}}めたり。{{ruby|是|ここ}}を以て放たれたり。」と。 {{ruby|漁父|ぎょほ}}曰はく、「{{ruby|聖人|せいじん}}は{{ruby|物|もの}}に{{ruby|凝滞|ぎょうたい}}<ref group="※">凝滞(ぎょうたい)- こだわる。とどこおる。</ref>せずして、{{ruby|能|よ}}く{{ruby|世|よ}}と{{ruby|推移|すいい}}す。{{ruby|世人|せじん}}{{ruby|皆|みな}}{{ruby|濁|にご}}らば、{{ruby|何|なん}}ぞ{{ruby|其|そ}}の{{ruby|泥|どろ}}を{{ruby|淈|にご}}して、其の波を{{ruby|揚|あ}}げざる<ref group="※">揚げ(あゲ)- にごった泥水をかきまわして波を高く上げる。</ref>。{{ruby|衆人|しゅうじん}}{{ruby|皆|みな}}{{ruby|酔|よ}}はば、何ぞ其の{{ruby|糟|かす}}<ref group="※">糟(かす)- 酒かす。</ref>を{{ruby|餔|くら}}ひて、其の{{ruby|釃|しる}}<ref group="※">釃(しる)- 薄い酒。</ref>を{{ruby|歠|すす}}らざる。何の{{ruby|故|ゆえ}}に深く思ひ高く{{ruby|挙|あ}}がり、自ら放たれしむるを{{ruby|為|な}}すや」と。 屈原曰はく、「{{ruby|吾|われ}}{{ruby|之|これ}}を{{ruby|聞|き}}けり。『{{ruby|新|あら}}たに{{ruby|沐|もく}}する{{ruby|者|もの}}は{{ruby|必|かなら}}ず{{ruby|冠|かんむり}}を{{ruby|弾|はじ}}き、新たに{{ruby|浴|よく}}する者は必ず{{ruby|衣|ころも}}を{{ruby|振|ふる}}ふ』と。{{ruby|安|いず}}くんぞ{{ruby|能|よ}}く{{ruby|身|み}}の{{ruby|察察|さつさつ}}<ref group="※">察察(さつさつ)- 清らか。清潔。</ref>たるを以つて、物の{{ruby|汶汶|もんもん}}<ref group="※">汶汶(もんもん)- 汚れた様子。</ref>たるを受くる者ならんや。{{ruby|寧|むし}}ろ{{ruby|湘流|しょうりゅう}}<ref group="※">湘流(しょうりゅう)- 湘江のこと。</ref>に{{ruby|赴|おもむ}}きて{{ruby|江魚|こうぎょ}}の{{ruby|腹中|ふくちゅう}}に{{ruby|葬|ほうむ}}らるとも、{{ruby|安|いず}}くんぞ{{ruby|能|よ}}く{{ruby|晧晧|こうこう}}の{{ruby|白|しろ}}き<ref group="※">真っ白なこと。「晧晧」は白いものの形容。</ref>を以つて{{ruby|而|しか}}も{{ruby|世俗|せぞく}}の{{ruby|塵埃|じんあい}}を{{ruby|蒙|こうむ}}らんや」と。 漁父{{ruby|莞爾|かんじ}}<ref group="※">莞爾(かんじ)- にっこりと笑うこと。</ref>として笑ひ、{{ruby|枻|えい}}を{{ruby|鼓|こ}}して<ref group="※">「枻」は舵(かじ)や櫂(かい)のことを指す。しかし「枻を鼓す」というと「ふなばた(船の縁)をたたく」と訳す。</ref>去る。{{ruby|乃|すなわ}}ち歌ひて曰く、  {{ruby|滄浪|そうろう}}<ref group="※">滄浪(そうろう)- 漢水の下流の川。</ref>の{{ruby|水|みず}}{{ruby|清|す}}まば、 {{ruby|以|も}}つて{{ruby|吾|わ}}が{{ruby|纓|えい}}<ref group="※">纓(えい)- 冠の後ろの部分にたれている飾りひもで、もっとも大切なもの。</ref>を{{ruby|濯|あら}}ふべし。  {{ruby|滄浪|そうろう}}の水{{ruby|濁|にご}}らば、 以つて{{ruby|吾|わ}}が{{ruby|足|あし}}を{{ruby|濯|あら}}ふべし と。 {{ruby|遂|つい}}に去りて、{{ruby|復|ま}}た{{ruby|与|とも}}に言はず。 |} <references group="※"/>   == 現代語訳 == ===第一段落=== 屈原(くつげん)は追放されて、湘江(しょうこう)の淵や岸をさまよい、歩きながら沢のほとりで歌を口ずさんでいた。顔色はやつれはて、その姿は痩せ(やせ)衰えている。老人の漁師が彼を見るとたずねて言うには、「あなたは三閭大夫(さんりょたいふ)ではありませんか。どうしたわけで、こんなことになったのですか。」と。屈原は言うには、「世の中がすべて濁っている中で、私だけが清らかである。人々すべて酔っている中で、私だけが(酔いから)さめている。こういうわけで、追放されたのだ。」と。 === 第二段落 === 老漁師が言うには、「聖人は物事にこだわらず、世間と共に移り変わるのです。世の人が皆濁っているならば、なぜ(ご自分も一緒に)泥をかき乱し、その濁った波を高くあげようとしないのですか。人々が皆酔っているなら、なぜ(ご自分も)その酒かすを食べて、薄い酒を飲もうとしないのですか。どうして深刻に思い悩み、お高くとまって、自分から追放されるようなことをなさるのですか。」と。 === 第三段落 === 屈原が言うには、「私はこう聞く。『髪を洗ったばかりの者は、必ず冠の塵を弾き(よごれを払ってから被り)、入浴したばかりの者は、必ず衣服をふるって(塵を落として)から着るものだ』と。どうして私自身の潔白な身に、汚れたものを受けることができるだろうか。(いや受けいれない。)(それなら)いっそのことの湘江の流れに行って(身を投げて)、川魚の(えさとなって)腹の中に葬られても、どうして純白の身を世俗の塵やホコリを受けられるだろうか。」と。 === 第四段落以降 === 老漁師はにっこりと笑い、(ふなばたを)櫂で叩きながら漕ぎ去った。そしてそのとき、こう歌った。 :滄浪の水が澄んでいるのなら、 :(大切な)冠の紐を洗おう。 :滄浪の水が濁っているのなら、 :(汚れた)私の足を洗おう。 とうとうそのまま去って、二度と語り合うことがなかった。 === 句法・語法 === * 子非三閭大夫与: 子(し)は三閭大夫(さんりょたいふ)に非ず(あらず)や。 あなたは三閭大夫(さんりょたいふ)ではありませんか。 :「非〜与」で「〜ニあらズや」 :与は「や」と読み、文末について疑問をあらわす助字。 *何故〜: 何ノ故ニ〜 (なんのゆえに) :意味は「どうして〜なのか」。理由についての疑問を表す。 * 是以見放: 是を(これを)以て(もって)放たれたり。 :こういうわけで、追放されたのだ。 :見:受身の助動詞「る」「らル」。この読みの時には必ず返り点がつく。 * 何不淈其泥、而揚其波: 何ぞ(なんぞ)其の(その)泥を淈して、其の波を揚げざる。 なぜ(ご自分も一緒に)泥をかき乱し、その濁った波を高くあげようとしないのですか。 :何<sup>ゾ</sup>不<sub>二</sub><sup>ル</sup>~<sub>一</sub>:「なんゾ~ざル」と読む。再読文字「[[高等学校古文/漢文の読み方/再読文字#盍|盍]]」と同じ意味で、「どうして~しないのか」の意味。 * 自令放為: 自ら(みずから)放たれしむるを為す(なす)。 自分から追放されるようなことをなさるのですか。 :令<sup>ム</sup>: 使役の助動詞「しム」。この読みの時には必ず返り点がつく。 * 安能以身之察察、受物之汶汶者乎: 安んぞ(いずくんぞ)能く身の察察(さつさつ)たるを以て、物の汶汶(もんもん)たる者をうけんや。 どうして私自身の潔白な身に、汚れたものを受けることができるだろうか。 :安<sup>ンゾ</sup>~(乎):「いずくンゾ~(や)」と読む。'''反語'''で、「どうして~か。いや~ではない」の意味。 文末の「乎」(や)は助詞。 * 寧赴湘流: 寧ろ(むしロ)湘流に赴いて(おもむいて)~。 いっそ湘江の流れに行って((身を投げて)川魚の(えさとなって)腹の中に葬られても、どうして純白の身を世俗の塵やホコリを受けられるだろうか。) :寧<sup>ロ</sup>A、B:「むしロA、B」の形で「いっそAのほうがBより良い」の意味。'''選択'''を表す。なお、本文ではBにあたる部分が略されている。 * 不復与言: 復た(また)与(とも)に言はず。 :不<sub>二</sub>復<sup>タ</sup>~<sub>一</sub>:「まタ~ず」と読む。部分否定の表現で、「(一度は~したが、)もう二度とは~しなかった」の意味。全部否定「復不<sub>二</sub>~<sub>一</sub>」と混同しないように。 === 語彙 === :子(し) - あなた。二人称の敬称。 :塵埃(じんあい) - ちり・ほこり。 :遂(ついニ) - そのまま。 (※ 現代語と意味が違うので注意) == 解説 == ここで注目すべきは屈原と魚父の人物の対比である。それぞれの人物像をまとめてみよう。 * 屈原(くつげん) ** 孤高。 ** 妥協しない。 ** 挫折したとしても最後まで自分の考えを変えない。 * 漁父 ** 世の中に交わりつつ、それをコントロールする。 ** 清らかな世の中なら自分の清い面を、汚れた世の中なら自分の汚い面をだす。 この二人の姿からは儒家と老荘思想(道家)の理想の違いを見出すこともできよう。屈原は儒家の思想を、いっぽう漁父は老荘思想を体現しているともいえる。あるいは、作中の「屈原」と漁父の両方とも屈原自身の心が生み出したものであり、一方は理想を求める自己、もう一方は世間の中で生きていこうとする自己であるという解釈も成り立つだろう。 二人が別れる間際、漁父は「莞爾として笑う」が、ここにはどのような意味があるのだろうか。二人の意見は一つの点にまとめられたわけではない。漁父はこのとき、よく言えば一本気、悪く言えばかたくなな屈原の言葉に「自分の意見と異なるが、大変尊いからがんばりなさい」と思ったとも「あなたの意見はずいぶんと尊いが子どもっぽい。しかし、まぁがんばりなさい」と思ったとも解釈される。 なお、この作品は屈原が大変客観的に書かれていることと、「寧ろ湘流に赴いて江魚の腹中に葬らるとも」とあるように彼の最期を暗示するような台詞があることから、屈原本人の作品ではなく、後世の人の作品ではないかとも言われる<ref>『新釈漢文大系34 楚辞』(明治書院) p.278</ref>。また、漁父が一目で「顔色憔悴し、形容枯槁」した人物を元政府高官の屈原であることを見抜いたりしているところからして、この漁父も只者ではない。 === 押韻 === *「清」「醒」(第一段落) *「移」「波」「釃」「為」(第二段落) *「清」「纓」(漁父の歌) *「濁」「足」(漁父の歌) === 対句 === 対句(ついく)表現についてみてみよう。ここでは白文から引用する。 # 顔色憔悴 ⇔ 形容枯槁 # 挙世皆濁 我独清 ⇔ 衆人皆酔 我独醒 # 世人皆濁 何不淈其泥而揚其波 ⇔ 衆人皆酔 何不餔其糟而歠其釃 # 新沐者必弾冠 ⇔ 新浴者必振衣 # 以身之察察 ⇔ 受物之汶汶者乎 # 滄浪之水清兮 可以濯吾纓 ⇔ 滄浪之水濁兮 可以濯吾足 対句かどうかを見抜くにはいささか慣れも必要だが、本文の対句はとてもわかりやすい。まず、一文の字数が5(以身之察察 ⇔ 受物之汶汶者乎)を除いて同じであること、そして2(挙世皆濁 我独清 ⇔ 衆人皆酔 我独醒)以外は返り点も同じところに打っている。漢文の場合、対句になっている部分は返り点が同じになることが多い。対句のある文章では、返り点を打つ問題や複文の問題ではどことどこが対句なのかを見抜くことも重要であることがこれからわかるだろう。 内容面でも対句が大きな役割を果たしている。2と3を見てほしい。2(挙世皆濁 我独清 ⇔ 衆人皆酔 我独醒)は屈原の台詞から、3(世人皆濁 何不淈其泥而揚其波 ⇔ 衆人皆酔 何不餔其糟而歠其釃)は漁父の台詞からだが、はじめの部分(挙世皆濁 / 世人皆濁。 衆人皆酔 / 衆人皆酔 。)はほとんど同じである。そして、対句ではないが屈原の「挙世皆濁、我独清」と「世人皆濁、何不淈其泥而揚其波」という漁父の台詞が対応し、屈原の「衆人皆酔、我独醒」に漁父の「衆人皆酔、何不餔其糟而歠其釃」が対応する。こうした屈原と漁父の台詞が先のような対応関係にすることによって、この二人の姿の対比がより鮮やかとなるのである。 == 屈原 == 屈原(くつげん)は、楚の王族。はじめ楚の懐王に仕えていたが、中傷されて左遷させられた。その後、懐王が秦によって監禁されたころに復帰するが、襄王のときにまたも中傷されて追放された。その後、楚の将来に絶望して汨羅江で入水自殺した。 ちなみにその日が5月5日であったため、この日は「屈原のような立派な人物になってほしい」という願いが込められて、男の子の節句となった。端午(たんご)の節句である。また、この日に ちまき を食べるようになったのも、屈原の死をいたみ、最初は竹筒に入れた米を投げ入れていたが、その米が竜に食べられるというので、竜の嫌う楝(おうち)の葉で包んだ米を投げ入れたことに由来するとされる。 == 脚注 == <references/> [[Category:高等学校教育 国語 漢文|きよほのし]] [[Category:高等学校教育_国語_漢文_漢詩|きよほのし]] ayh9stlzb2rgw2mao6exkyem9vndszj 初等数学公式集/初等幾何 0 31713 298931 298495 2026-04-29T21:15:23Z Tkkn46tkkn46 89925 /* 脚注 */  関連項目の追加 298931 wikitext text/x-wiki == 平面図形 == === 三角形 === ==== 三平方の定理 ==== [[File:Right triangle ABC.svg|thumb|]] * 直角三角形の直角をはさむ2辺の長さを''a''、''b''、斜辺の長さを''c''とすると、以下の関係が成り立つ。: ** <math>a^2 + b^2 = c^2</math> * 三角形の三辺の長さ''a,b,c''が<math>a^2 + b^2 = c^2</math>を満たすとき、この三角形は長さ''c''の辺を斜辺とする直角三角形となる。 (参考) [[中学校数学 3年生-図形/三平方の定理|三平方の定理]] ==== 正弦定理 ==== <math>\bigtriangleup{ABC}</math> において、<math>BC = a, CA = b, AB = c</math>, 外接円の半径を <math>R</math> とすると、 * <math>\frac{a}{\sin A} =\frac{b}{\sin B} =\frac{c}{\sin C} =2R</math> (参考)[[高等学校数学I/図形と計量#正弦定理|正弦定理]] ===== 正弦定理の応用 ===== [[ファイル:Law-of-sines2.svg|thumb|310px|]] 一辺とその両端の角の大きさがわかっている時の、他の辺及び当該三角形の既知の辺に対する高さ([[w:三角測量|三角測量]]の原理)。 :右の図において辺<math>AB=c, \angle{A} = \alpha, \angle{B} = \gamma</math>が既知である時、 :<math>\frac{c}{\sin \beta} = \frac{c}{\sin (\pi - (\alpha + \gamma))} = \frac{c}{\sin (\alpha + \gamma)} =\frac{a}{\sin {\alpha}} =\frac{b}{\sin {\gamma}}</math> : : :<math>a = \frac{c\sin {\alpha}}{\sin (\alpha + \gamma)}, b = \frac{c\sin {\gamma}}{\sin (\alpha + \gamma)}</math> : : :<math>h = \frac{c\sin \alpha\sin \gamma}{\sin (\alpha+\gamma)}</math> : : ::<math>AO = b\cos \alpha = \frac{c\cos {\alpha} \sin {\gamma}}{\sin (\alpha + \gamma)}</math>, <math>BO = a\cos \gamma = \frac{c\sin {\alpha} \cos {\gamma}}{\sin (\alpha + \gamma)}</math> ==== 余弦定理 ==== <math>\bigtriangleup{ABC}</math> において、<math>BC = a, CA = b, AB = c, \alpha = \angle{CAB}, \beta = \angle{ABC}, \gamma = \angle{BCA}</math> とすると ===== 第一余弦定理 ===== * <math>a = b \cos\gamma + c \cos\beta</math> * <math>b = c \cos\alpha + a \cos\gamma</math> * <math>c = a \cos\beta + b \cos\alpha</math> ===== 第二余弦定理 ===== * <math>a^2 = b^2 + c^2 - 2bc \cos\alpha</math> * <math>b^2 = c^2 + a^2 - 2ca \cos\beta</math> * <math>c^2 = a^2 + b^2 - 2ab \cos\gamma</math> (参考)[[高等学校数学I/図形と計量#余弦定理|余弦定理]] ===== 中線定理とスチュワートの定理 ===== [[File:Median rules.jpg|thumb|200px|中線定理]] ;中線定理 :三角形の辺 <math>BC, CA, AB</math> の長さを <math>a, b, c</math> とする。辺 <math>BC</math> 上の中点 <math>D</math> を取り、<math>AD</math> を <math>m</math> とすると、以下の式が成り立つ。 ::<math>4m^2 + a^2 = 2 ( b^2 + c^2 )</math> :::別形:<math>AB^2 + AC^2 = 2 (AD^2 + BD^2)</math> <small>(なお、<math>BD = DC</math>)</small> :  ::(証明) :::<math>\angle{ABC} = \beta</math>として、第2余弦定理より、 ::::<math>b^2 = c^2 + a^2 - 2ca \cos\beta</math>、従って、<math>\cos\beta = \frac{c^2 + a^2 - b^2}{2ca}</math> - ① :::同様に、 ::::<math>m^2 = c^2 + \left( \frac{a}{2} \right)^2 - 2c \left(\frac{a}{2}\right) \cos\beta</math>、従って、<math>\cos\beta = \frac{c^2 + \left( \frac{a}{2} \right)^2 - m^2}{ca} = \frac{4c^2 + a^2 - 4m^2}{4ca}</math> - ② :::①、②から、 ::::<math>\frac{c^2 + a^2 - b^2}{2ca} = \frac{4c^2 + a^2 - 4m^2}{4ca}</math> ::::  ::::<math>2 c^2 + 2 a^2 - 2 b^2 = 4 c^2 + a^2 - 4 m^2</math> ::::  ::::<math>4m^2 + a^2 = 2 ( b^2 + c^2 )</math> {{-}} [[File:Satz von Stewart Grafik.jpg|thumb|200px|スチュワートの定理]] ;スチュワートの定理 :三角形の辺 <math>BC, CA, AB</math> の長さを <math>a, b, c</math> とする。辺 <math>AB</math> 上に点 <math>M</math> を取り、<math>CM</math> を <math>d</math> とする。<math>AM, BM</math> の長さを <math>x, y</math> とすると、以下の式が成り立つ。 ::<math>a^2x + b^2y = c(d^2 + xy)</math> :<math>M</math> が辺の中点(<math>x=y</math>)のとき、この式は中線定理の式に一致する。 {{-}} ==== 三角形における正接の性質 ==== <math>\bigtriangleup{ABC}</math> において、<math>\alpha = \angle{CAB}, \beta = \angle{ABC}, \gamma = \angle{BCA}</math> とすると : <math>\tan\alpha + \tan\beta + \tan\gamma = \tan\alpha \tan\beta \tan\gamma </math> ==== メネラウスの定理・チェバの定理 ==== [[image:Menelaos's theorem 1.png|thumb|250px|メネラウスの定理。A→F→B→D→C→E→Aの順で循環する。]] *[[w:メネラウスの定理|メネラウスの定理]] *:任意の直線<math>l</math>と<math>\bigtriangleup{ABC}</math>において、直線<math>l</math>と<math>BC, CA, AB</math>の交点をそれぞれ<math>D, E, F</math>とする。この時、次の等式が成立する。 :::<math>{AF \over FB} \cdot {BD \over DC} \cdot {CE \over EA} = 1</math> {{-}} *[[w:チェバの定理|チェバの定理]] *:<math>\bigtriangleup{ABC}</math>において、任意の点<math>O</math>をとり、直線<math>AO</math>と<math>BC</math>、<math>BO</math>と<math>CA</math>、<math>CO</math>と<math>AB</math>の交点をそれぞれ<math>D, E, F</math>とする。この時、次の等式が成立する。なお、点<math>O</math>は、三角形の内部にあっても外部にあってもよい。 :::<math>{AF \over FB} \cdot {BD \over DC} \cdot {CE \over EA} = 1</math> {| |[[image:Ceva's theorem 1.svg|thumb|200px|チェバの定理。点Oが三角形の内部にある場合]] |[[image:Ceva's theorem 2.svg|thumb|200px|チェバの定理。点Oが三角形の外部にある場合]] |} ==== 三角形の5心 ==== ===== 重心 ===== :三角形の頂点から相対する辺の中点に対して下ろした線分のことを'''中線'''という。各々の頂点から下ろした線分は一点で交わり、その点を'''重心'''(通常、<math>G</math>で表記される)という。 :重心は中線を角側から見て、2:1 に内分する。 ::(参照:[[#重心ベクトル|ベクトルによる表記]]) {| |[[File:Gravity center triangle.svg|thumb|200px|三角形の重心]] |} ===== 外心 ===== :三角形の3つの辺の垂直二等分線は1点で交わり、その点を'''外心'''(通常、<math>O</math>で表記される)という。 :外心は、三角形の'''外接円'''の中心である。= 外心から各角との距離は等しい。 ::(参照:[[#外心ベクトル|ベクトルによる表記]]) {| |[[File:Circumcenter triangle proof.svg|thumb|各辺の垂直二等分線と外心]] |[[File:Circumcenter triangle.svg|thumb|200px|外心と外接円]] |} ===== 内心 ===== :三角形の3角のそれぞれに対して角の二等分線を取ったとき、それぞれの直線は1点で交わり、その点を'''内心'''(通常、<math>I</math>で表記される)という。 :内心は、三角形の'''内接円'''の中心である。= 内心から各辺との距離は等しい。= 内心から内接円と辺の接点とを結ぶ線分は内接円の半径であり、辺に対して垂直。 ::(参照:[[#内心ベクトル|ベクトルによる表記]]) {| |[[File:Inner center triangle.svg|thumb|200px|各角の二等分線と内心]] |[[File:Inner center triangle proof.svg|thumb|200px|内心と内接円]] |} ===== 垂心 ===== :三角形の各頂点から対辺またはその延長に降ろした垂線は、1点で交わり、その点を'''垂心'''(通常、<math>H</math>で表記される)という。 ::(参照:[[#垂心ベクトル|ベクトルによる表記]]) {| |[[File:Orthocenter triangle.svg|thumb|200px|三角形の垂心]] |} ===== 傍心 ===== :三角形の2つの外角のそれぞれの二等分線と、残りの1つの内角の二等分線とは、一点で交わり、その点を'''傍心'''という。 :傍心は各々の頂点に対する辺の反対側に存在するため、3個存在する。 :傍心から、それに相対する辺までの距離を半径とする円は、相対する辺以外の各辺を延長した直線と接し、この円を'''傍接円'''という([[#傍接円|下図参照]])。 ::(参照:[[#傍心ベクトル|ベクトルによる表記]]) {| |[[File:Triangle excenter.svg|thumb|200px|三角形の傍心のひとつ]] |} ===== 5心相互の関係 ===== {{wikipedia|オイラーの定理_(平面幾何学)}} ;オイラーの定理 :三角形の外接円の半径を ''R'' 、内接円の半径を ''r'' 、内心と外心の距離を ''d'' としたとき、以下の式が成り立つ。([[:w:オイラーの定理_(平面幾何学)#証明|→証明]]) :  ::<math>d^2 =R(R-2r)</math> :  :この式を変形すると <math>R \ge 2r</math> が成り立つ('''オイラーの不等式''')。等号が成立するのは、正三角形の時のみであり、<math>d = 0</math> ならば三角形は正三角形である。 {{-}} [[Image:Triangle.EulerLine.png|thumb|200px|オイラー線]] ;オイラー線 :三角形の外心・重心・垂心は同一の直線上にある。この直線をオイラー線という。 :*右図において、 :** 青の線の交点が垂心 <math>H</math> :** 橙色の線の交点が重心 <math>G</math> :** 緑の線の交点が外心 <math>O</math> ::であって、<math>HGO</math>は一直線上(赤線)にある。 {{-}} [[File:Orthocenter triangle proof.svg|thumb|200px|垂心の性質]] ;垂心の性質 :<math>\bigtriangleup{ABC}</math>に関して、<math>A</math>と辺<math>BC</math>に対して反対側に、四角形<math>ABPC</math>が平行四辺形となるような点<math>P</math>をとる。同様に<math>B</math>に対する点<math>Q</math>、<math>C</math>に対する点<math>R</math>をとり、<math>\bigtriangleup{ABC}</math>の各辺が中線となる<math>\bigtriangleup{PQR}</math>(<math>\bigtriangleup{ABC}</math>と相似比1:2の三角形)を得た時、 :<math>\bigtriangleup{ABC}</math>の垂心<math>H</math>は、<math>\bigtriangleup{PQR}</math>の外心となる。 {{-}} [[Image:Incircle and Excircles.svg|thumb|200px|三角形の内接円と傍接円]] ;<span id="傍接円"/>三角形の内接円と傍接円 :傍心は三角形の二等分線上にあるので、三角形の相対する角と内心の同一直線上にある。 :三角形の内心は、3つの傍心で作る三角形の垂心に一致する。 {{-}} === 四角形 === ==== トレミーの定理 ==== {{wikipedia|トレミーの定理}} [[File:Ptolemy Theorem.svg|thumb|200px|トレミーの定理]] :円に内接する四角形 ''ABCD'' において、辺の長さに関して以下の等式が成立する。([[:w:トレミーの定理#証明|→証明]]) :  ::<math>AC\cdot BD = AD\cdot BC + AB\cdot DC</math> :  :また、必ずしも円に内接しない四角形 ''ABCD'' においては、以下の不等式('''トレミーの不等式''')が成立する(辺の長さに関する'''オイラーの定理''') :  ::<math>AC\cdot BD \leqq AD\cdot BC + AB\cdot DC</math> :  :  :逆に、逆に、必ずしも同一平面上にない4点 ''A'', ''B'', ''C'', ''D'' に関して、辺の長さに関する等式: :  ::<math>AC\cdot BD = AD\cdot BC + AB\cdot DC</math> :  :が成り立つならば、4点 ''A'', ''B'', ''C'', ''D'' は同一直線上にあるか、または同一平面上にあり、かつ四角形 ''ABCD'' は同一の円に内接する。 {{-}} === 多角形 === * <math>n</math>角形の内角の和: *:<math>180(n-2)^\circ</math> * <math>n</math>角形の対角線の本数: *:<math>\frac{n(n-3)}{2}</math> === 円 === * 半径<math>r</math>の円の円周<math>l</math>: **:<math>l = 2r \pi </math> * 半径<math>r</math>、中心角<math>\alpha</math>(度)の扇形の弧の長さ<math>l</math>: **:<math>l = 2r \pi \cdot \frac{\alpha}{360}</math> * 半径<math>r</math>の円の中心点<math>O</math>と弦<math>AB</math>との距離を<math>a</math>としたときの弦<math>AB</math>の長さ: *:<math>AB = 2\sqrt{r^2 - a^2}</math> ==== 中心角と円周角 ==== {{wikipedia|円周角}} [[Image:Sehne.png|right|200px|thumb|中心角と円周角]] *円周上の点<math>A,B</math>の各々から円の中心点<math>O</math>に線分を引いた時、<math>\angle\mathrm{AOB}</math>を'''中心角'''という。 *円周上の点<math>A,B</math>の各々から、円周上の点<math>C</math>に線分を引いた時、<math>\angle\mathrm{ACB}</math>を'''円周角'''という。 **'''円周角の定理''' **:円周上にとる点の位置に関わりなく、円周角の大きさ<math>\angle\mathrm{ACB}</math>は対応する円弧<sup>※</sup>を含む扇形の中心角の大きさ<math>\alpha</math>のみに依存し、以下のように表わされる。 **:::※:対応する円弧:<math>\alpha < \pi</math>ならば、円周上の点<math>C</math>は、線分<math>AB</math>から見て中心と同じ側にあり、<math>\alpha > \pi</math>ならば、逆側にある。 **::<math>\angle\mathrm{ACB}=\frac{\alpha}{2}</math> **::*右図において、 **::**円周角<math>\angle\mathrm{AC_3B}</math>と<math>\angle\mathrm{AC_4B}</math>は等しい。この時の中心角の大きさを<math>\psi</math>とすると、<math>\psi=\frac{\alpha}{2}</math>。 **::**円周角<math>\angle\mathrm{AC_1B}</math>と<math>\angle\mathrm{AC_2B}</math>は等しい。この時の中心角の大きさを<math>\varphi</math>とすると、<math>\varphi=\frac{\pi-\alpha}{2}</math>。 **::*:したがって、円に内接する四角形の相対する角の和は、<math>\pi</math>(=180°)となる。 **'''タレスの定理''' **:円周上の点<math>A,B</math>を結ぶ線分<math>AB</math>が円の中心<math>O</math>をとおる時(すなわち、線分<math>AB</math>が直径である時)、点<math>A,B</math>と円周上の点<math>C</math>との間になす角<math>\angle\mathrm{ACB}</math>は直角である。 **:逆である「点<math>A,B</math>と円周上の点<math>C</math>との間になす角<math>\angle\mathrm{ACB}</math>が直角であるならば、線分<math>AB</math>は円の中心<math>O</math>をとおる」もまた真である。 **:[[File:Angle in circle.svg|right|200px|thumb|接線と弦の作る角]] **'''接弦定理''' **:三角形のある一点において外接円の接線を引いた時、接線と弦の作る角(右図において角<math>\alpha</math>)は、三角形の弦に対する角(右図において角<math>\beta</math>)に等しい。 **:<math>\because</math> 角<math>\alpha</math>をなす弦の<math>X</math>ではない点を<math>A</math>、角<math>\beta</math>のある点を<math>B</math>とする。 **::<math>\angle\mathrm{XOA}</math>は、<math>\angle\mathrm{XBA}</math>を円周角とする中心角なので、<math>\angle\mathrm{XOA} = 2\beta</math> **::<math>\triangle{XOA}</math>は、<math>OX=OA</math>である二等辺三角形。したがって、<math>\angle\mathrm{OXA} = \angle\mathrm{OAX}</math> **::<math>\angle\mathrm{OXA} = \frac{\pi-2\beta}{2} = \frac{\pi}{2}-\beta</math> **::<math>X</math>において、<math>OX</math>と接線は直角をなしているから、接線と弦の作る角<math>\alpha = \frac{\pi}{2}-\angle\mathrm{OXA} = \frac{\pi}{2}- \left( \frac{\pi}{2}-\beta \right) = \beta</math> ==== 方冪の定理 ==== * 点Pを通る2本の直線が円とそれぞれ2点<math>A,B</math>と2点<math>C,D</math>で交わっているとき(図1、図2): *:<math>PA \cdot PB = PC \cdot PD</math> * 円外の点<math>P</math>を通る2本の直線の一方が点<math>T</math>で円に接し、他方が2点<math>A,B</math>で交わっているとき(図3): *:<math>PA \cdot PB = PT^2</math> {| |[[image:houbeki 001.svg|thumb|200px|方べきの定理・図1]] |[[image:houbeki 003.svg|thumb|200px|方べきの定理・図2]] |[[image:houbeki 005.svg|thumb|200px|方べきの定理・図3]] |} (参考) [[高等学校数学A/図形の性質#方冪の定理|方冪の定理]] ====扇形==== *半径r、中心角θ[rad]の扇形について、 **弧の長さ:<math>l = \theta r</math> **弦の長さ:<math>\mathrm{crd} \, \theta = 2 \sin \frac{\theta}{2}</math> **:<math>\because \mathrm{crd} \, \theta = \sqrt{\sin^2 \theta + \mathrm{versin}^2 \, \theta}</math> **::<math>= \sqrt{\sin^2 \theta + (1-\cos \theta)^2}</math> **::<math>= \sqrt{2 - 2 \cos \theta}</math> **::<math>= \sqrt{4 \cdot \frac{1 - \cos \theta}{2}}</math> **::<math>= \sqrt{4 \sin^2 \frac{\theta}{2}}</math> **::<math>= 2 \sin \frac{\theta}{2}</math> == 立体図形 == * 縦の長さ''a''、横の長さ''b''、高さ''h'' の直方体の対角線 ''l'': *:<math>l = \sqrt{a^2 + b^2 + h^2}</math> * 底面の半径を''r''、母線の長さ ''l''の円錐の高さ ''h'': *:<math>h = \sqrt{l^2 - r^2}</math> * 凸面体の頂点の数を''v''、辺の数を''e''、面の数を''f''とすると以下の関係が成り立つ(オイラーの多面体定理): *:<math>v - e + f = 2</math> == 面積と体積 == === 平面図形の面積 === ''解説は[[/平面図形|こちらのページ]]をご覧ください'' * 三角形 ** 底辺のながさ <math>a</math>、高さ <math>h</math> の三角形の面積 <math>S</math>: **:<math>S = {1\over 2}ah </math> ** 二辺のながさが <math>a</math>, <math>b</math> でその間の角が ''&theta;'' である三角形の面積 <math>S</math>: **:<math>S = \frac{1}{2}ab\sin \theta </math> ** ある辺のながさが <math>a</math> でその両端の角が ''&theta;'', ''&delta;'' である三角形の面積 <math>S</math>: **:<math>S = \frac{a^2\sin \theta\sin \delta}{2\sin (\theta+\delta)}</math> **::※上記「[[#正弦定理の応用|正弦定理の応用]]」で、底辺と両端の角から高さが求められることを利用。 ** 三辺のながさが <math>a</math>, <math>b</math>, <math>c</math> で内接する円の半径が <math>r</math> である三角形の面積 <math>S</math>: **:<math>S = \frac{1}{2}r(a+b+c) </math> ** 三辺のながさが <math>a</math>, <math>b</math>, <math>c</math> で外接する円の半径が <math>R</math> である三角形の面積 <math>S</math>: **:<math>S = \frac{abc}{4R} </math> ** <span id="ヘロンの公式"/>三辺のながさが <math>a</math>, <math>b</math>, <math>c</math> である三角形の面積 <math>S</math>:(ヘロンの公式) **:<math>S = \sqrt{ \frac{(a+b+c)(a+b-c)(a-b+c)(-a+b+c)}{16}}</math> **:また、<math>s=\frac{a + b + c}{2} </math> とすると、<math>S = \sqrt{s(s - a)(s - b)(s - c)} </math> **:*内接円の半径を <math>r</math> とすると、三角形の面積 <math>S = sr = \sqrt{s(s - a)(s - b)(s - c)} </math> **:*:従って、 <math>r = \sqrt{ \frac{(s - a)(s - b)(s - c)}{s}} </math> **:*外接円の半径を <math>R</math> とすると、三角形の面積 <math>S = \frac{abc}{4R} </math> から <math>R = \frac{abc}{4S} </math> **:*:従って、 <math>R = \frac{abc}{4\sqrt{s(s - a)(s - b)(s - c)}} </math> **:*上2式から、<math>rR = \frac{abc}{2(a+b+c)}</math> ** 一辺のながさ <math>a</math> の正三角形の面積 <math>S</math>: **:<math>S = {\sqrt{3}\over 4}a^2 </math> [[File:Midsquare quadrilateral.svg|right|200px|thumb|直交対角線四角形]] [[File:Midsquare kite.svg|right|200px|thumb|凧形]] * 四角形 ** 縦のながさ <math>a</math>、横のながさ <math>b</math> の長方形の面積 <math>S</math>: **:<math>\displaystyle S = ab </math> ** 一辺のながさ <math>a</math> の正方形の面積 <math>S</math>: **:<math>\displaystyle S = a^2 </math> ** 底辺のながさ <math>a</math>、高さ <math>h</math> の平行四辺形の面積 <math>S</math>: **:<math>\displaystyle S = ah </math> ** 上底のながさ <math>a</math>、下底のながさ <math>b</math>、高さ <math>h</math> の台形の面積 <math>S</math>: **:<math>S = {1\over 2}(a+b)h </math> ** 対角線のながさ <math>a</math>、もう一つの対角線のながさ <math>b</math> でそれらが直行する四角形([[w:直交対角線四角形|直交対角線四角形]] ⊃ 凧形・菱形・正方形)の面積 <math>S</math>: **:<math>S = {1\over 2}ab </math> ** 四辺の長さが<math>a,b,c,d</math>で円に内接する四角形の面積<math>S</math>:(ブラーマグプタの公式) **:<math>S=\sqrt{\frac{(a+b+c-d)(a+b-c+d)(a-b+c+d)(-a+b+c+d)}{16}}</math> **:また、<math>s = \frac{a + b + c + d}{2} </math> とすると、<math>S = \sqrt{(s - a)(s - b)(s - c)(s - d)} </math> * 正多角形 ** 一辺のながさ <math>a</math> の正<math>n</math>角形の面積 <math>S</math>: **:<math>S = \frac{n a^2}{4 \tan{\frac{\pi}{n}} }</math> ** 中心(重心、外心、内心)から各角までのながさ <math>r</math> である正<math>n</math>角形の面積 <math>S</math>: **:<math>S = \frac{n r^2}{2} \sin{\frac{2\pi}{n}}</math> **:*なお、このような正<math>n</math>角形の周の長さは、<math>2 r n \sin \frac{\pi}{n} </math> である。 * 円と扇形 ** 半径 <math>r</math> の円の面積 <math>S</math>: **:<math>S = \pi r^2 </math> ** 半径 <math>r</math> 、中心角<math>a</math>(度)の扇形の面積<math>S</math>: **:<math>S = \frac{a}{360} r^2 \pi </math> ** 半径 <math>r</math> 、中心角 ''&theta;(rad)'' の扇形の面積 <math>S</math>: **:<math>S = \frac{1}{2} \theta r^2 </math> ** 半径 <math>r</math> 、弧の長さ<math>l</math>の扇形の面積 <math>S</math>: **:<math>S = \frac{1}{2} rl </math> === 立体図形の表面積等 === ''解説は[[/表面積|こちらのページ]]をご覧ください'' * 縦のながさ <math>a</math>、横のながさ <math>b</math>、高さ <math>h</math> の直方体の表面積 <math>S</math>: *:<math>S = 2(ab + bh + ah) </math> ** 底面積 <math>b</math>: **:<math>B = 2ab </math> ** 側面積 <math>a</math>: **:<math>A = 2h(a + b) </math> * 一辺のながさ <math>a</math> の立方体の表面積 <math>S</math>: *:<math>S = 6a^2</math> * 底面の周の長さ <math>l</math>、高さ <math>h</math> の柱体の側面積 <math>L</math>: *:<math>L = lh</math> [[File:Cone rhL.jpg|right|200px|thumb|円錐]] *円錐 ** 底面が半径 <math>r</math>、母線 <math>L</math> の円錐: **:側面積 <math>S_l = \pi rL</math> **:表面積 = 側面積 + 底面積 <math> = \pi rL + \pi r^2 = \pi r (L+r)</math> ** 底面が半径 <math>r</math>、高さ <math>h</math> の円錐: **:母線 <math>R = \sqrt{r^2+h^2} </math> **:側面積 <math>L = \pi r \sqrt{r^2+h^2}</math> **:表面積 = 側面積 + 底面積 <math> = \pi r \sqrt{r^2+h^2} + \pi r^2 = \pi r ( \sqrt{r^2+h^2} + r)</math> {{-}} [[File:2D-simplex.svg|right|200px|thumb|3直角四面体]] *直角三角錐(3直角四面体) *:三角錐<math>OABC</math>において,1つの頂点<math>O</math>に集まる3つの角 <math>\angle AOB</math> , <math>\angle BOC</math> , <math> \angle COA</math> がいずれも直角である三角錐 *:* 以下、<math>OA=a, OB=b, OC=c</math>とする。 *:*:頂点<math>O</math>から、<math>\triangle ABC</math>に下した垂線の長さ<math>h</math>; *:*::<math>h = \frac {abc}{ \sqrt {a^2 b^2 + b^2 c^2 + c^2 a^2}}</math> *:*:<math>\triangle ABC</math>の面積<math>S</math>; *:*::<math>S = \frac { \sqrt {a^2 b^2 + b^2 c^2 + c^2 a^2}}{2}</math> *:*:::[[w:ド・グアの定理|ド・グアの定理]](通称:四平方の定理) {{-}} * 半径<math>r</math>の球の表面積<math>S</math>: *:<math>S = 4 \pi r^2 </math> [[File:Spherical cap diagram.tiff|thumb|200px|青で示された部分が球冠の一例である。]] * [[w:球冠|球冠]](平面により切断された球の一部)の曲面部の表面積<math>S</math>: *:関係する諸数値を以下のものとする(右図参照)。 *:* 球の半径 <math>r</math> *:* 球冠の底の半径 <math>a</math> *:* 球冠の高さ <math>h</math> *:* 球の中心から球冠の頂点(極)までの線と球冠の底を形作る円板の端との間の[[w:球面座標系|極角]] <math>\theta</math> *# <math>r</math> と <math>h</math> を用いて、 *#:<math>S = 2 \pi r h</math> *# <math>a</math> と <math>h</math> を用いて、 *#:<math>S =\pi (a^2 + h^2)</math> *# <math>r</math> と <math>\theta</math> を用いて、 *#: <math>S=2 \pi r^2 (1-\cos \theta)</math> {{-}} [[File:LaoHaiKugelschicht1.png|thumb|球台]] * [[w:球台|球台]](球を1対の平行な平面で切断した立体/先端が切り取られた球冠)の曲面部(球帯)の表面積<math>S</math>: *:関係する諸数値を以下のものとする(右図参照)。 *:* もとの球の半径 <math>R</math> *:* 球台の底の半径 <math>r_1, r_2</math> *:* 球台の高さ(2つの平行な底面間の距離) <math>h</math> *# <math>R</math> と <math>h</math> を用いて、 *#:<math>S = 2 \pi R h</math> *# <math>R</math> と <math>r_1, r_2</math> を用いて、 *## 球を切断する平行な2平面の外に球の中心がある場合 *##:<math>S = 2 \pi R \left( \sqrt{R^2 - {r_2}^2} - \sqrt{R^2 - {r_1}^2} \right)</math>(ただし、<math>r_1 > r_2</math>) *## 球を切断する平行な2平面の間に球の中心がある場合 *##:<math>S = 2 \pi R \left( \sqrt{R^2 - {r_1}^2} + \sqrt{R^2 - {r_2}^2} \right)</math> {{-}} [[File:Torus-rotations-flaeche-r.svg|right|250px|thumb|円環体・トーラス]] * 半径<math>r</math>の円を、円の中心からの距離<math>R</math>(但し、<math>r</math> ≦ <math>R</math>とする)の直線を軸として回転させた円環体([[w:トーラス|トーラス]]、ドーナツ型) の表面積: *:<math>S = 4 \pi^2 rR = (2 \pi r) (2 \pi R)</math> {{-}} === 体積 === ''解説は[[/体積|こちらのページ]]をご覧ください'' [[Image:A rectangular parallelepiped.JPG|right|200px|thumb|直方体]] [[File:Cone rhL.jpg|right|200px|thumb|円錐]] [[File:Usech kvadrat piramid.png|right|200px|thumb|錐台]] [[File:Geometric_wedge.png|right|200px|thumb|くさび形]] * 縦のながさ <math>a</math>、横のながさ <math>b</math>、高さ <math>h</math> の'''直方体'''の体積 <math>V</math>: *:<math> V = abh </math> * 一辺のながさ <math>a</math> の'''立方体'''の体積 <math>V</math>: *:<math> V = a^3 </math> * 底面積 <math>S</math>、高さ <math>h</math> の'''柱体'''の体積 <math>V</math>: *:<math>V = Sh </math> * 底面積 <math>S</math>、高さ <math>h</math> の'''錐体'''の体積 <math>V</math>: *:<math>V = \frac{1}{3}Sh </math> **円錐 *** 底面が半径 <math>r</math>、高さ <math>h</math> の円錐の体積 <math>V</math>: ***:<math>V = \frac{1}{3}\pi r^2 h </math> *** 底面が半径 <math>r</math>、母線 <math>L</math> の円錐の体積 <math>V</math>: ***:高さ <math>h = \sqrt{L^2-r^2} </math> ***:<math>V = \frac{1}{3}\pi r^2 \sqrt{L^2-r^2} </math> * 上底の面積 <math>S</math>、下底の面積 <math>S</math>、高さ <math>h</math> の'''錐台'''の体積 <math>V</math>: *:<math>V = \frac h 3 (s + \sqrt{s S} + S) </math> ** 特に、上底が半径<math>r_1</math>の円、下底が半径<math>r_2</math>の円、高さ <math>h</math> の'''円錐台'''の体積 <math>V</math>: **:<math>V = \frac {h \pi}{3} (r_1^2 + r_1 r_2 + r_2^2) </math> * 下底が 縦のながさ <math>a</math>、横のながさ <math>b</math>の長方形、縦と平行である上辺のながさ <math>c</math>、高さ <math>h</math> の'''くさび形'''の体積 <math>V</math>: *:<math>V = bh\left(\frac{a}{3}+\frac{c}{6}\right) </math> * 一辺のながさ <math>a</math> の'''正四面体'''の体積 <math>V</math>: *:<math>V = {\sqrt{2}\over 12}a^3 </math> * 一辺のながさ <math>a</math> の'''正八面体'''の体積 <math>V</math>: *:<math>V = {\sqrt{2}\over 3}a^3 </math> * 一辺のながさ <math>a</math> の'''正十二面体'''の体積 <math>V</math>: *:<math>V = {15 + 7\sqrt{5}\over 4}a^3 </math> * 一辺のながさ <math>a</math> の'''正二十面体'''の体積 <math>V</math>: *:<math>V = {5( 3 + \sqrt{5} )\over 12}a^3 </math> *'''球'''の体積 <math>V</math>: *:<math>V = {4\over 3}\pi r^3 </math> [[File:Spherical cap diagram.tiff|thumb|200px|青で示された部分が球冠の一例である。]] * [[w:球冠|球冠]](平面により切断された球の一部)の体積<math>V</math>: *:関係する諸数値を以下のものとする(右図参照)。 *:* 球の半径 <math>r</math> *:* 球冠の底の半径 <math>a</math> *:* 球冠の高さ <math>h</math> *:* 球の中心から球冠の頂点(極)までの線と球冠の底を形作る円板の端との間の[[w:球面座標系|極角]] <math>\theta</math> *# <math>r</math> と <math>h</math> を用いて、 *#:<math>V = \frac {\pi h^2}{3} (3r-h)</math> *# <math>a</math> と <math>h</math> を用いて、 *#:<math>V = \frac{1}{6}\pi h (3a^2 + h^2)</math> *# <math>r</math> と <math>\theta</math> を用いて、 *#: <math>V = \frac{\pi}{3} r^3 (2+\cos\theta) (1-\cos\theta)^2 </math> {{-}} [[File:LaoHaiKugelschicht1.png|thumb|球台]] * [[w:球台|球台]](球を1対の平行な平面で切断した立体/先端が切り取られた球冠)の体積<math>V</math>: *:関係する諸数値を以下のものとする(右図参照)。 *:* もとの球の半径 <math>R</math> *:* 球台の底の半径 <math>r_1, r_2</math> *:* 球台の高さ(2つの平行な底面間の距離) <math>h</math> *:  *: <math>V = \frac{\pi h}{6} \left(3 {r_1}^2 + 3 {r_2}^2 + h^2\right).</math> {{-}} [[File:Torus-rotations-flaeche-r.svg|right|250px|thumb|円環体・トーラス]] * 半径<math>r</math>の円を、円の中心からの距離<math>R</math>(但し、<math>r</math> ≦ <math>R</math>とする)の直線を軸として回転させた円環体([[w:トーラス|トーラス]]、ドーナツ型) の体積: *:<math>V = 2 \pi^2 r^2 R = (\pi r^2) (2 \pi R)</math> {{-}} == ベクトル == [[File:Vector from A to B.svg|150px|thumb|ベクトル<math>\overrightarrow{AB}</math>]] :平面上または空間で大きさと向きをもつ量を'''ベクトル'''という<ref>広義には、多次元の要素を持つ存在(entity)を指し、本文のものは幾何ベクトル・空間ベクトルというが、初等数学においてはこの理解で足りる。</ref>。 :ベクトルが点<math>A</math>から点<math>B</math>に向かう有向線分で表されるとき,このベクトルを<math>\overrightarrow{AB}</math>と書き,<math>A</math>を'''始点''',<math>A</math>を'''終点'''という。 :ベクトルであることを示すのに、<math>\vec{a}, \vec{x}</math>などと表記することもある。 :ベクトルの大きさは、<math>|\vec{a}|</math>と表記する。 :<math>\vec{a}</math>と大きさが同じで向きが逆のベクトルを'''逆ベクトル'''といい、<math>-\vec{a}</math>と表記する。 ::<span id="逆ベクトル"/>始点終点による表記<math>\overrightarrow{AB}</math>を<math>\vec{a}</math>とすると、<math>-\vec{a} = \overrightarrow{BA}</math>となる。 :大きさ<math>0</math>のベクトルを'''零ベクトル'''(ゼロベクトル)といい、<math>\vec{0}</math>と表記する。 :大きさ<math>1</math>のベクトルを'''単位ベクトル'''といい、しばしば、<math>\vec{e}</math>と表記される。<math>\vec{a}</math>の単位ベクトルは、<math>\vec{e} = \frac{\vec{a}}{|\vec{a}|}</math>である。 ===ベクトルの演算=== ;加法 [[File:Somme vecteurs boutabout.png|thumb|200px|三角形における理解]] :<math>\bigtriangleup{ABC}</math>において、<math>\overrightarrow{AB}</math>の終点<math>B</math>を始点として<math>\overrightarrow{BC}</math>を引くと、<math>\overrightarrow{AC}</math>となる。 :これを、 :<math>\overrightarrow{AB} + \overrightarrow{BC} = \overrightarrow{AC}</math> :として、ベクトルの加法を定義する。 {{-}} [[File:Vecteurs somme.png|thumb|200px|ベクトルの加法]] :これは、ベクトル<math>\vec{u}</math>の終点をベクトル<math>\vec{v}</math>の始点とし、<math>\vec{u}</math>の始点から<math>\vec{v}</math>の終点までの有向線分を<math>\vec{u} + \vec{v}</math>と理解する方法であるが、各ベクトルの始点を一致させた平行四辺形の対角線をベクトルの和と理解する方法もある。 {{-}} :以上の定義により、 :<math>\vec{a}</math>と逆ベクトル:<math>-\vec{a}</math>の和は<math>\vec{0}</math>、すなわち、<math>\vec{a} + (-\vec{a}) = \vec{0}</math>である。 ;減法 [[File:Vector subtraction (new).svg|thumb|200px|ベクトルの減法]] :上記<math>\bigtriangleup{ABC}</math>において、<math>\overrightarrow{AB} + \overrightarrow{BC} = \overrightarrow{AC}</math>が成立していた。 :ここで、通常の計算と同様の方法で<math>\overrightarrow{BC}</math>を移項すると、<math>\overrightarrow{AB} = \overrightarrow{AC} - \overrightarrow{BC} </math>-① ::[[#逆ベクトル|逆ベクトル]]の定義から、<math>-\overrightarrow{BC} = \overrightarrow{CB} </math> :(①の右辺)<math>= \overrightarrow{AC} - \overrightarrow{BC} = \overrightarrow{AC} + \overrightarrow{CB} =\overrightarrow{AB}</math> となり、①は成立し移項が可能であることが分かった。 {{-}} ;実数倍(スカラー倍) [[File:Scalar multiplication of vectors2.svg|thumb|right|200px|実数倍(スカラー倍)の例]] :実数<math>m</math>について、ベクトル<math>m\vec{a}</math>を以下のとおり定義する。 :#<math>m > 0</math>の時、<math>m\vec{a}</math>は、<math>\vec{a}</math>と方向が同じで、大きさが<math>m|\vec{a}|</math>であるベクトル。 :#<math>m < 0</math>の時、<math>m\vec{a}</math>は、<math>\vec{a}</math>と方向が逆で、大きさが<math>m|\vec{a}|</math>であるベクトル。 :#<math>m = 0</math>の時、<math>m\vec{a}</math>は、<math>\vec{0}</math>。 {{-}} ====1次独立==== :以下、それぞれ、零ベクトルではないベクトル<math>\vec{a},\vec{b},\vec{c}</math>について、 :  :<math>\vec{a},\vec{b}</math>について、<math>\vec{a} \neq k\vec{b}</math>(<math>k</math>は実数)であるとき、<math>\vec{a},\vec{b}</math>は一次独立であるといい、 :<math>p\vec{a} + q\vec{b} =\vec{0}</math>ならば、<math>p = q = 0</math> が成立する。 :したがって、<math>\vec{a},\vec{b}</math>が一次独立であるとき、 :<math>m\vec{a} + n\vec{b} = p\vec{a} + q\vec{b}</math>ならば、<math>m = p</math>かつ<math>n = q</math> である。 :逆に、<math>\vec{a},\vec{b}</math>について、<math>pq \neq 0</math>であるとき、<math>p\vec{a} + q\vec{b} =\vec{0}</math>ならば、<math>\vec{a},\vec{b}</math>は一次独立である。 :  :三次元空間においても、<math>\vec{a},\vec{b},\vec{c}</math>が同一平面上にないとき、<math>\vec{a},\vec{b},\vec{c}</math>は一次独立であり、 :<math>p\vec{a} + q\vec{b} + r\vec{c} =\vec{0}</math>ならば、<math>p = q = r = 0</math> が成立する。 :逆に、<math>\vec{a},\vec{b},\vec{c}</math>について、<math>pqr \neq 0</math>であるとき、<math>p\vec{a} + q\vec{b} + r\vec{b} =\vec{0}</math>ならば、<math>\vec{a},\vec{b},\vec{c}</math>は一次独立であり、同一平面上にない。 ====ベクトルの成分表示==== :ベクトル<math>\vec{a}</math>について、平面空間であれば2個の単位ベクトル<math>\vec{x}=(1,0), \vec{y}=(0,1)</math>、三次元空間であれば3個の単位ベクトル<math>\vec{x}=(1,0,0), \vec{y}=(0,1,0), \vec{z}=(0,0,1)</math>を用いて以下のとおり表現できる。これを、ベクトルの成分表示といい、各々の要素を、<math>x</math>成分、<math>y</math>成分、<math>z</math>成分という。 :*平面ベクトル:<math>\vec{a} = p\vec{x} + q\vec{y} = (p,q)</math> :*三次元空間ベクトル:<math>\vec{a} = p\vec{x} + q\vec{y} + r\vec{z} = (p,q,z)</math> ;成分表示でのベクトル演算 :成分表示でのベクトル演算は、各々の成分に対しておこなう ::<math>\vec{a}=(a_x,a_y), \vec{b}=(b_x,b_y)</math>とすると、 ::;加減算 :::<math>\vec{a} \pm \vec{b} = (a_x \pm b_x , a_y \pm b_y)</math> ::;実数倍(スカラー倍) :::<math>m\vec{a} = (m a_x , m a_y)</math> ::;ベクトルの大きさ :::<math>|\vec{a}| = \sqrt{ a_x^2 + a_y^2 }</math> === 位置ベクトル === 以下に挙げる公式で平面ベクトルで成り立つものは、三次元空間ベクトルでも成り立つ(平面ベクトルは、三次元空間ベクトルの <math>z</math> 成分を<math>0</math> としたもの)。 *位置ベクトル:<math>\overrightarrow{OA}=\vec{a}, \overrightarrow{OB}=\vec{b}, \overrightarrow{OC}=\vec{c}, \overrightarrow{OP}=\vec{p}</math>とする時、 **点<math>P</math>が、線分<math>AB</math>を<math>m:n</math>に内分するならば、<math>\vec{p} = \frac{n \vec{a} + m \vec{b}}{m+n}</math> ***特に、線分<math>AB</math>の中点を<math>M</math>とし、<math>\overrightarrow{OM}=\vec{m}</math>とすると、<math>\vec{m} = \frac{ \vec{a} + \vec{b}}{2}</math> ***<math>\triangle{ABC}</math>において、その重心<math>G</math>について、<math>\overrightarrow{OG}=\vec{g}</math>とすると、<math>\vec{g} = \frac{ \vec{a} + \vec{b} + \vec{c}}{3}</math> **点<math>P</math>が、線分<math>AB</math>を<math>m:n</math>に外分するならば、<math>\vec{p} = \frac{-n \vec{a} + m \vec{b}}{m-n}</math> **点<math>P</math>が、2点<math>A, B</math>を通る直線上の点とした時のベクトル方程式: <math>\vec{p} = (1-t) \vec{a} + t \vec{b}</math> **点<math>P</math>が、空間上の3点<math>A, B, C</math>を通る平面上の点とした時のベクトル方程式: <math>\vec{p} = (1-s-t) \vec{a} + s \vec{b} + t \vec{c}</math> ====三角形の5心のベクトル表示==== :三角形の五心(重心、内心、傍心、外心、垂心)の位置ベクトル <math>\vec{p}</math> は、頂点の位置ベクトル <math>\vec{a}, \vec{b}, \vec{c}</math> を用いて、 :一般式:<math>\vec{p} = \frac{w_{\text{A}} \vec{a} + w_{\text{B}} \vec{b} + w_{\text{C}} \vec{c}}{w_{\text{A}} + w_{\text{B}} + w_{\text{C}}}</math>で表される。ここで <math>w_{\text{A}}, w_{\text{B}}, w_{\text{C}}</math> は重みである。 ::なお、<math>a = |\vec{a}|, b = |\vec{b}|, c=|\vec{c}|</math>とし、三角形の面積を<math>S \left( 4S = \sqrt{ (a+b+c)(a+b-c)(a-b+c)(-a+b+c) } \right)</math>とする<sup>[[#ヘロンの公式|※]]</sup>。 ;<span id="重心ベクトル"/>[[#重心|重心]] :<math>\vec{g} = \frac{ \vec{a} + \vec{b} + \vec{c}}{3}</math> ::<math>w_{\text{A}} = 1, w_{\text{B}} = 1, w_{\text{C}} = 1, w_{\text{A}} + w_{\text{B}} + w_{\text{C}} = 3</math> ;<span id="内心ベクトル"/>[[#内心|内心]] :<math>\vec{i} = \frac{ a\vec{a} + b\vec{b} + c\vec{c}}{a+b+c}</math> ::<math>w_{\text{A}} = a, w_{\text{B}} = b, w_{\text{C}} = c, w_{\text{A}} + w_{\text{B}} + w_{\text{C}} = a+b+c</math> ;<span id="傍心ベクトル"/>[[#傍心|傍心]] :<math>\vec{e_1} = \frac{ -a\vec{a} + b\vec{b} + c\vec{c}}{-a+b+c}</math> ::<math>w_{\text{A}} = -a, w_{\text{B}} = b, w_{\text{C}} = c, w_{\text{A}} + w_{\text{B}} + w_{\text{C}} = -a+b+c</math> :<math>\vec{e_2} = \frac{ a\vec{a} - b\vec{b} + c\vec{c}}{a-b+c}</math> ::<math>w_{\text{A}} = a, w_{\text{B}} = -b, w_{\text{C}} = c, w_{\text{A}} + w_{\text{B}} + w_{\text{C}} = a-b+c</math> :<math>\vec{e_3} = \frac{ a\vec{a} + b\vec{b} - c\vec{c}}{a+b-c}</math> ::<math>w_{\text{A}} = a, w_{\text{B}} = b, w_{\text{C}} = -c, w_{\text{A}} + w_{\text{B}} + w_{\text{C}} = a+b-c</math> ;<span id="外心ベクトル"/>[[#外心|外心]] :<math>\vec{o} = \frac{ \left( a^2(b^2 + c^2 - a^2) \right) \vec{a} + \left( b^2(c^2 + a^2 - b^2) \right) \vec{b} + \left( c^2(a^2 + b^2 - c^2) \right) \vec{c}}{16S^2}</math> ::<math>w_{\text{A}} = a^2(b^2 + c^2 - a^2), w_{\text{B}} = b^2(c^2 + a^2 - b^2), w_{\text{C}} = c^2(a^2 + b^2 - c^2), w_{\text{A}} + w_{\text{B}} + w_{\text{C}} = 16S^2</math> ;<span id="垂心ベクトル"/>[[#垂心|垂心]] :<math>\vec{h} = \frac{ \left( a^4 - (b^2 - c^2)^2 \right) \vec{a} + \left( b^4 - (c^2 - a^2)^2 \right) \vec{b} + \left( c^4 - (a^2 - b^2)^2 \right) \vec{c}}{16S^2}</math> ::<math>w_{\text{A}} = a^4 - (b^2 - c^2)^2, w_{\text{B}} = b^4 - (c^2 - a^2)^2, w_{\text{C}} = c^4 - (a^2 - b^2)^2, w_{\text{A}} + w_{\text{B}} + w_{\text{C}} = 16S^2</math> === 内積 === * <math>\vec{a}</math> と <math>\vec{b}</math> の成す角が <math>\theta</math> のとき *:<math>\vec{a}\cdot\vec{b} = |\vec{a}||\vec{b}| \cos \theta </math>(内積の定義) *:*成分表示 *:*:平面ベクトルの場合、<math>\vec{a}=(a_x,a_y)</math>, <math>\vec{b}=(b_x,b_y)</math>とすると、 *:*::<math>\vec{a}\cdot\vec{b} = a_xb_x + a_yb_y </math> *:*:空間ベクトルの場合、<math>\vec{a}=(a_x,a_y,a_z)</math>, <math>\vec{b}=(b_x,b_y,b_z)</math>とすると、 *:*::<math>\vec{a}\cdot\vec{b} = a_xb_x + a_yb_y + a_zb_z</math> * <math>\vec{a}\ne\vec{0}</math>, <math>\vec{b}\ne\vec{0}</math>のとき、 *:<math>\vec{a}\perp\vec{b} \iff \vec{a}\cdot\vec{b}=0</math> * <math>\overrightarrow{OA}=\vec{a}</math>, <math>\overrightarrow{OB}=\vec{b}</math>, ''O'' は原点とするときの三角形 ''OAB'' の面積 <math>S</math>: *:<math>S=\frac{1}{2}\sqrt{|\vec{a}|^2|\vec{b}|^2-(\vec{a}\cdot\vec{b})^2} </math> *::<math>\because</math> <math>S=\frac{1}{2}|\vec{a}||\vec{b}|\sin \theta =\frac{1}{2}|\vec{a}||\vec{b}|\sqrt{ 1 - \cos ^2 \theta } </math>、ここで、<math>\vec{a}\cdot\vec{b} = |\vec{a}||\vec{b}| \cos \theta </math> より <math>\cos \theta = \frac{\vec{a}\cdot\vec{b}}{|\vec{a}||\vec{b}|} </math> *:::与式に代入して、<math>S= \frac{1}{2}|\vec{a}||\vec{b}|\sqrt{ 1 - \frac{(\vec{a}\cdot\vec{b}) ^2 }{|\vec{a}| ^2 |\vec{b}| ^2 } } =\frac{1}{2}\sqrt{|\vec{a}|^2|\vec{b}|^2-(\vec{a}\cdot\vec{b})^2} </math> *:*成分表示 *:*:平面ベクトルの場合:<math>\vec{a}=(a_x,a_y)</math>, <math>\vec{b}=(b_x,b_y)</math>とすると、 *:*::<math>S=\frac{1}{2}|a_xb_y-a_yb_x| </math> *:*:空間ベクトルの場合、<math>\vec{a}=(a_x,a_y,a_z)</math>, <math>\vec{b}=(b_x,b_y,b_z)</math>とすると、 *:*::<math>S=\frac{1}{2}\sqrt{(a_y b_z - b_y a_z)^2+(a_z b_x - b_z a_x)^2+(a_x b_y - b_x a_y)^2}</math> * 二つのベクトル <math>\vec{x}</math>, <math>\vec{y}</math> に対し、 *: <math>(\vec{x}\cdot\vec{y})^2+|\vec{x}|^2\left|\vec{y}-\frac{\vec{x}\cdot\vec{y}}{|\vec{x}|^2}\vec{x}\right|^2 = |\vec{x}|^2|\vec{y}|^2 </math> : よって、 :: <math>|\vec{x}\cdot\vec{y}| \leq |\vec{x}||\vec{y}| </math> : 等号成立は、実数 ''k'' があって <math>\vec{y} = k\vec{x}</math> とできるときのみ。 == 複素数平面 == 複素数の実部を横軸、虚部を縦軸にとった平面を'''複素数平面'''(複素平面、ガウス平面)、横軸を'''実軸'''、縦軸を'''虚軸'''という。 <math>z = a+bi</math>を複素数平面上にプロットした点<math>\mathrm{A}(a, b)</math>について、点<math>\mathrm{A}(z)</math>や点<math>z</math>のように表記する。<math>\cos\theta+i\sin\theta</math>を<math>\mathrm{cis}\,\theta</math>と略す。 *ベクトルとの対応 **複素数平面を単なる実数平面と考えれば、<math>\mathrm{A}(z)</math>は<math>\mathrm{A}(\vec{a})</math>と対応するので、<math>z = a+bi \iff \vec{a} = \begin{pmatrix}a \\ b\end{pmatrix}</math> **<math>z=a+bi</math>の絶対値<math>|z|</math>は原点を基準としたときの位置ベクトル<math>\begin{pmatrix}a \\ b\end{pmatrix}</math>の長さと考えて<math>|z| = \sqrt{a^2+b^2}</math> **3点<math>\mathrm{O}, \mathrm{A}(\alpha), \mathrm{B}(\beta)</math>が一直線上にある<math>\iff \beta = k \alpha</math>となる実数<math>k</math>が存在する。 *<math>\alpha = a+bi, \beta = c+di</math>に対して、 **点<math>\alpha+\beta</math>は点<math>\alpha</math>を実軸方向にc、虚軸方向にdだけ平行移動した点 **点<math>\alpha-\beta</math>は点<math>\alpha</math>を実軸方向に-c、虚軸方向に-dだけ平行移動した点 **点<math>\alpha</math>と点<math>\beta</math>の距離は<math>|\beta-\alpha|</math> *:一つ目の平行移動は「<math>\beta</math>だけ平行移動」、二つ目の平行移動は「<math>\beta</math>だけ平行移動」と表すこともできる。 *:<math>\vec{a} = \begin{pmatrix} a \\ b \end{pmatrix}, \vec{b} = \begin{pmatrix} c \\ d \end{pmatrix}</math>と見ればこれはベクトルの加減法そのものである。 *<math>z = a+bi</math>の共軛複素数<math>\bar{z}</math>に対して、 **<math>\bar{z} = a - bi</math> **点<math>\bar{z}</math>は点<math>z</math>を実軸に関して対称移動した点 **<math>z \bar{z} = a^2+b^2 = |z|^2</math> **<math>a=\frac{z+\bar{z}}{2}</math> **<math>b=\frac{z-\bar{z}}{2i}</math> *絶対値の性質 **<math>|z| = |-z| = |\bar{z}| = |-\bar{z}| </math> **<math>|\alpha + \beta| \leqq |\alpha| + |\beta|</math>(<math>\because \;</math>[[初等数学公式集/初等代数#絶対不等式|CS不等式]]。[[w:三角不等式]]も参照。) **<math>|\alpha\beta| = |\alpha| |\beta|</math> **<math>|\frac{\alpha}{\beta}| = \frac{|\alpha|}{|\beta|}</math> *複素共軛の性質 **<math>\overline{(\bar{z})} = z</math> **<math>z</math>が実数<math>\iff \bar{z} = z</math> **<math>z</math>が純虚数<math>\iff \bar{z} = -z \; (z \neq 0)</math> **<math>\overline{\alpha \pm \beta} = \bar{\alpha} \pm \bar{\beta}</math>(複号同順) **<math>\overline{\alpha \beta} = \bar{\alpha} \bar{\beta}</math> **<math>\overline{( \frac{\alpha}{\beta})} = \frac{\bar{\alpha}}{\bar{\beta}}</math> **<math>\overline{(z^n)} = (\bar{z})^n</math> *複素数の極形式 **偏角を<math>\theta</math>とすると<math>z = r \mathrm{cis}\,\theta</math> **<math>\theta = \arg z</math> **<math>r = |z|</math> *<math>\alpha = r\mathrm{cis}\,\theta, \beta = \rho \mathrm{cis}\,\phi</math>とすると、 **<math>\alpha \beta = r \rho \mathrm{cis}\,(\theta+\phi)</math> **<math>\frac{\alpha}{\beta} = \frac{r}{\rho} \mathrm{cis}\,(\theta-\phi)</math> *ド・モアブルの定理 **<math>\mathrm{cis}^n\,\theta = \mathrm{cis}\,n\theta = e^{in\theta}</math> **<math>z^n = r^n \mathrm{cis}\,n\theta</math> *n乗根 **<math>(z_k)^n = 1 \iff z_k = \mathrm{cis}\,\frac{2k\pi}{n}</math>(<math>\mathbb{Z} \ni k \in [0, n-1]</math>) **:各<math>z_k</math>は単位円周上に点<math>1</math>を頂点の一つとする正n角形を描く。 **<math>(\zeta_k)^n = z \iff \zeta_k = \sqrt[n]{|z|}\; \mathrm{cis}\,\frac{\arg z + 2k\pi}{n}</math>(<math>\mathbb{Z} \ni k \in [0, n-1]</math>) **:各<math>\zeta_k</math>は原点を中心とする正n角形を描く。 以下、点<math>\mathrm{A}(\alpha), \mathrm{B}(\beta), \mathrm{C}(\gamma)</math>で考える。 *内分・外分 **<math>\mathrm{C}</math>が線分<math>\mathrm{AB}</math>を<math>m:n</math>に内分<math>\iff \gamma = \frac{n\alpha+m\beta}{m+n}</math> **<math>\mathrm{C}</math>が線分<math>\mathrm{AB}</math>を<math>m:n</math>に外分<math>\iff \gamma = \frac{-n\alpha+m\beta}{m-n}</math> **:位置ベクトル・座標それぞれの公式に一致する。 *中点・重心 **<math>\mathrm{C}</math>が線分<math>\mathrm{AB}</math>の中点<math>\iff \gamma = \frac{\alpha + \beta}{2}</math> **<math>\triangle \mathrm{ABC}</math>の重心を表す点<math>G(\eta)</math>について、<math>\eta = \frac{\alpha + \beta + \gamma}{3}</math> *二直線のなす角 **<math>\angle \mathrm{BAC} = \arg \frac{\gamma-\alpha}{\beta-\alpha}</math>(半直線<math>\mathrm{AB}</math>を始線、<math>\mathrm{AC}</math>を動径とみた正方向(左回転)の回転角) **<math>\mathrm{A, B, C}</math>が同一直線上<math>\iff \arg \frac{\gamma-\alpha}{\beta-\alpha} = 0, \pi \iff \frac{\gamma-\alpha}{\beta-\alpha}</math>が実数 **<math>\mathrm{AB} \perp \mathrm{AC} \iff \arg \frac{\gamma-\alpha}{\beta-\alpha} = \frac{\pi}{2}, \frac{3}{2}\pi \iff \frac{\gamma-\alpha}{\beta-\alpha}</math>が純虚数 **4点<math>\mathrm{A, B, C, D}</math>が同一円周上にある<math>\iff \frac{\beta-\gamma}{\alpha-\gamma}\div\frac{\beta-\delta}{\alpha-\delta}\in\mathbb{R}</math> *方程式の表す図形 **<math>|z-\alpha|=r</math>を満たす点zの集合は、点<math>\alpha</math>を中心とする半径<math>r</math>の円。 **:円のベクトル方程式の複素数表示。 **<math>|z-\alpha|=|z-\beta|</math>を満たす点zの集合は、2点<math>\mathrm{A, B}</math>を通る線分の垂直二等分線。 **<math>m|z-\alpha|=n|z-\beta| (m \neq n)</math>を満たす点zの集合は、<math>\mathrm{AB}</math>を<math>m:n</math>に内分する点、外分する点をそれぞれ直径の両端に持つ'''アポロニウスの円'''。 **<math>\bar{\lambda}z+\lambda\bar{z}+c=0 \quad(\lambda \in \mathbb{C}, c \in \mathbb{R})</math>を満たす点<math>z</math>の集合は、直線。 **<math>mz\bar{z}+\bar{\nu}z+\nu\bar{z}+l=0\quad(m \in \mathbb{R}_{\neq0}, l \in \mathbb{R}, \nu \in \mathbb{C})</math>を満たす点<math>z</math>の集合は、 **:<math>|\nu|^2>ml</math>のとき点<math>-\frac{\nu}{m}</math>を中心とする半径<math>\frac{\sqrt{|\nu|^2-ml}}{|m|}</math>の円。 **:<math>|\nu|^2=ml</math>のとき点<math>-\frac{\nu}{m}</math>。 **:<math>|\nu|^2<ml</math>のとき半径<math>\frac{\sqrt{|\nu|^2-ml}}{|m|}i</math>の虚円。 *回転移動 *<math>\beta = (\mathrm{cis}\theta) \alpha \iff</math>点<math>\mathrm{B}</math>は点<math>\mathrm{A}</math>を原点中心に<math>\theta</math>だけ回転した先の点。 *複素数と行列 **<math>z = a + bi</math>は<math>\mathbf{A} = \begin{pmatrix} a & -b \\ b & a \end{pmatrix}</math>に対応する。 **:上の回転移動の例では、<math>\theta</math>回転を表す回転行列が<math>\mathbf{R}(\theta) = \begin{pmatrix} \cos \theta & -\sin \theta \\ \sin \theta & \cos \theta \end{pmatrix}</math>であることから、これが<math>\mathrm{cis}\,\theta</math>に対応することがわかる。 == 関連項目 == *[[幾何学]] == 脚注 == <references/> {{DEFAULTSORT:しよとうすうかくこうしきしゆう 01しよとうきか}} [[Category:普通教育]] [[Category:数学教育]] [[Category:初等数学公式集|きか]] 28qlqzjngyo4xyyl2446lvrb76f0693 298934 298931 2026-04-29T23:13:28Z Tomzo 248 [[Special:Contributions/Tkkn46tkkn46|Tkkn46tkkn46]] ([[User talk:Tkkn46tkkn46|会話]]) による編集を取り消し、Tomzo による直前の版へ差し戻す 298495 wikitext text/x-wiki == 平面図形 == === 三角形 === ==== 三平方の定理 ==== [[File:Right triangle ABC.svg|thumb|]] * 直角三角形の直角をはさむ2辺の長さを''a''、''b''、斜辺の長さを''c''とすると、以下の関係が成り立つ。: ** <math>a^2 + b^2 = c^2</math> * 三角形の三辺の長さ''a,b,c''が<math>a^2 + b^2 = c^2</math>を満たすとき、この三角形は長さ''c''の辺を斜辺とする直角三角形となる。 (参考) [[中学校数学 3年生-図形/三平方の定理|三平方の定理]] ==== 正弦定理 ==== <math>\bigtriangleup{ABC}</math> において、<math>BC = a, CA = b, AB = c</math>, 外接円の半径を <math>R</math> とすると、 * <math>\frac{a}{\sin A} =\frac{b}{\sin B} =\frac{c}{\sin C} =2R</math> (参考)[[高等学校数学I/図形と計量#正弦定理|正弦定理]] ===== 正弦定理の応用 ===== [[ファイル:Law-of-sines2.svg|thumb|310px|]] 一辺とその両端の角の大きさがわかっている時の、他の辺及び当該三角形の既知の辺に対する高さ([[w:三角測量|三角測量]]の原理)。 :右の図において辺<math>AB=c, \angle{A} = \alpha, \angle{B} = \gamma</math>が既知である時、 :<math>\frac{c}{\sin \beta} = \frac{c}{\sin (\pi - (\alpha + \gamma))} = \frac{c}{\sin (\alpha + \gamma)} =\frac{a}{\sin {\alpha}} =\frac{b}{\sin {\gamma}}</math> : : :<math>a = \frac{c\sin {\alpha}}{\sin (\alpha + \gamma)}, b = \frac{c\sin {\gamma}}{\sin (\alpha + \gamma)}</math> : : :<math>h = \frac{c\sin \alpha\sin \gamma}{\sin (\alpha+\gamma)}</math> : : ::<math>AO = b\cos \alpha = \frac{c\cos {\alpha} \sin {\gamma}}{\sin (\alpha + \gamma)}</math>, <math>BO = a\cos \gamma = \frac{c\sin {\alpha} \cos {\gamma}}{\sin (\alpha + \gamma)}</math> ==== 余弦定理 ==== <math>\bigtriangleup{ABC}</math> において、<math>BC = a, CA = b, AB = c, \alpha = \angle{CAB}, \beta = \angle{ABC}, \gamma = \angle{BCA}</math> とすると ===== 第一余弦定理 ===== * <math>a = b \cos\gamma + c \cos\beta</math> * <math>b = c \cos\alpha + a \cos\gamma</math> * <math>c = a \cos\beta + b \cos\alpha</math> ===== 第二余弦定理 ===== * <math>a^2 = b^2 + c^2 - 2bc \cos\alpha</math> * <math>b^2 = c^2 + a^2 - 2ca \cos\beta</math> * <math>c^2 = a^2 + b^2 - 2ab \cos\gamma</math> (参考)[[高等学校数学I/図形と計量#余弦定理|余弦定理]] ===== 中線定理とスチュワートの定理 ===== [[File:Median rules.jpg|thumb|200px|中線定理]] ;中線定理 :三角形の辺 <math>BC, CA, AB</math> の長さを <math>a, b, c</math> とする。辺 <math>BC</math> 上の中点 <math>D</math> を取り、<math>AD</math> を <math>m</math> とすると、以下の式が成り立つ。 ::<math>4m^2 + a^2 = 2 ( b^2 + c^2 )</math> :::別形:<math>AB^2 + AC^2 = 2 (AD^2 + BD^2)</math> <small>(なお、<math>BD = DC</math>)</small> :  ::(証明) :::<math>\angle{ABC} = \beta</math>として、第2余弦定理より、 ::::<math>b^2 = c^2 + a^2 - 2ca \cos\beta</math>、従って、<math>\cos\beta = \frac{c^2 + a^2 - b^2}{2ca}</math> - ① :::同様に、 ::::<math>m^2 = c^2 + \left( \frac{a}{2} \right)^2 - 2c \left(\frac{a}{2}\right) \cos\beta</math>、従って、<math>\cos\beta = \frac{c^2 + \left( \frac{a}{2} \right)^2 - m^2}{ca} = \frac{4c^2 + a^2 - 4m^2}{4ca}</math> - ② :::①、②から、 ::::<math>\frac{c^2 + a^2 - b^2}{2ca} = \frac{4c^2 + a^2 - 4m^2}{4ca}</math> ::::  ::::<math>2 c^2 + 2 a^2 - 2 b^2 = 4 c^2 + a^2 - 4 m^2</math> ::::  ::::<math>4m^2 + a^2 = 2 ( b^2 + c^2 )</math> {{-}} [[File:Satz von Stewart Grafik.jpg|thumb|200px|スチュワートの定理]] ;スチュワートの定理 :三角形の辺 <math>BC, CA, AB</math> の長さを <math>a, b, c</math> とする。辺 <math>AB</math> 上に点 <math>M</math> を取り、<math>CM</math> を <math>d</math> とする。<math>AM, BM</math> の長さを <math>x, y</math> とすると、以下の式が成り立つ。 ::<math>a^2x + b^2y = c(d^2 + xy)</math> :<math>M</math> が辺の中点(<math>x=y</math>)のとき、この式は中線定理の式に一致する。 {{-}} ==== 三角形における正接の性質 ==== <math>\bigtriangleup{ABC}</math> において、<math>\alpha = \angle{CAB}, \beta = \angle{ABC}, \gamma = \angle{BCA}</math> とすると : <math>\tan\alpha + \tan\beta + \tan\gamma = \tan\alpha \tan\beta \tan\gamma </math> ==== メネラウスの定理・チェバの定理 ==== [[image:Menelaos's theorem 1.png|thumb|250px|メネラウスの定理。A→F→B→D→C→E→Aの順で循環する。]] *[[w:メネラウスの定理|メネラウスの定理]] *:任意の直線<math>l</math>と<math>\bigtriangleup{ABC}</math>において、直線<math>l</math>と<math>BC, CA, AB</math>の交点をそれぞれ<math>D, E, F</math>とする。この時、次の等式が成立する。 :::<math>{AF \over FB} \cdot {BD \over DC} \cdot {CE \over EA} = 1</math> {{-}} *[[w:チェバの定理|チェバの定理]] *:<math>\bigtriangleup{ABC}</math>において、任意の点<math>O</math>をとり、直線<math>AO</math>と<math>BC</math>、<math>BO</math>と<math>CA</math>、<math>CO</math>と<math>AB</math>の交点をそれぞれ<math>D, E, F</math>とする。この時、次の等式が成立する。なお、点<math>O</math>は、三角形の内部にあっても外部にあってもよい。 :::<math>{AF \over FB} \cdot {BD \over DC} \cdot {CE \over EA} = 1</math> {| |[[image:Ceva's theorem 1.svg|thumb|200px|チェバの定理。点Oが三角形の内部にある場合]] |[[image:Ceva's theorem 2.svg|thumb|200px|チェバの定理。点Oが三角形の外部にある場合]] |} ==== 三角形の5心 ==== ===== 重心 ===== :三角形の頂点から相対する辺の中点に対して下ろした線分のことを'''中線'''という。各々の頂点から下ろした線分は一点で交わり、その点を'''重心'''(通常、<math>G</math>で表記される)という。 :重心は中線を角側から見て、2:1 に内分する。 ::(参照:[[#重心ベクトル|ベクトルによる表記]]) {| |[[File:Gravity center triangle.svg|thumb|200px|三角形の重心]] |} ===== 外心 ===== :三角形の3つの辺の垂直二等分線は1点で交わり、その点を'''外心'''(通常、<math>O</math>で表記される)という。 :外心は、三角形の'''外接円'''の中心である。= 外心から各角との距離は等しい。 ::(参照:[[#外心ベクトル|ベクトルによる表記]]) {| |[[File:Circumcenter triangle proof.svg|thumb|各辺の垂直二等分線と外心]] |[[File:Circumcenter triangle.svg|thumb|200px|外心と外接円]] |} ===== 内心 ===== :三角形の3角のそれぞれに対して角の二等分線を取ったとき、それぞれの直線は1点で交わり、その点を'''内心'''(通常、<math>I</math>で表記される)という。 :内心は、三角形の'''内接円'''の中心である。= 内心から各辺との距離は等しい。= 内心から内接円と辺の接点とを結ぶ線分は内接円の半径であり、辺に対して垂直。 ::(参照:[[#内心ベクトル|ベクトルによる表記]]) {| |[[File:Inner center triangle.svg|thumb|200px|各角の二等分線と内心]] |[[File:Inner center triangle proof.svg|thumb|200px|内心と内接円]] |} ===== 垂心 ===== :三角形の各頂点から対辺またはその延長に降ろした垂線は、1点で交わり、その点を'''垂心'''(通常、<math>H</math>で表記される)という。 ::(参照:[[#垂心ベクトル|ベクトルによる表記]]) {| |[[File:Orthocenter triangle.svg|thumb|200px|三角形の垂心]] |} ===== 傍心 ===== :三角形の2つの外角のそれぞれの二等分線と、残りの1つの内角の二等分線とは、一点で交わり、その点を'''傍心'''という。 :傍心は各々の頂点に対する辺の反対側に存在するため、3個存在する。 :傍心から、それに相対する辺までの距離を半径とする円は、相対する辺以外の各辺を延長した直線と接し、この円を'''傍接円'''という([[#傍接円|下図参照]])。 ::(参照:[[#傍心ベクトル|ベクトルによる表記]]) {| |[[File:Triangle excenter.svg|thumb|200px|三角形の傍心のひとつ]] |} ===== 5心相互の関係 ===== {{wikipedia|オイラーの定理_(平面幾何学)}} ;オイラーの定理 :三角形の外接円の半径を ''R'' 、内接円の半径を ''r'' 、内心と外心の距離を ''d'' としたとき、以下の式が成り立つ。([[:w:オイラーの定理_(平面幾何学)#証明|→証明]]) :  ::<math>d^2 =R(R-2r)</math> :  :この式を変形すると <math>R \ge 2r</math> が成り立つ('''オイラーの不等式''')。等号が成立するのは、正三角形の時のみであり、<math>d = 0</math> ならば三角形は正三角形である。 {{-}} [[Image:Triangle.EulerLine.png|thumb|200px|オイラー線]] ;オイラー線 :三角形の外心・重心・垂心は同一の直線上にある。この直線をオイラー線という。 :*右図において、 :** 青の線の交点が垂心 <math>H</math> :** 橙色の線の交点が重心 <math>G</math> :** 緑の線の交点が外心 <math>O</math> ::であって、<math>HGO</math>は一直線上(赤線)にある。 {{-}} [[File:Orthocenter triangle proof.svg|thumb|200px|垂心の性質]] ;垂心の性質 :<math>\bigtriangleup{ABC}</math>に関して、<math>A</math>と辺<math>BC</math>に対して反対側に、四角形<math>ABPC</math>が平行四辺形となるような点<math>P</math>をとる。同様に<math>B</math>に対する点<math>Q</math>、<math>C</math>に対する点<math>R</math>をとり、<math>\bigtriangleup{ABC}</math>の各辺が中線となる<math>\bigtriangleup{PQR}</math>(<math>\bigtriangleup{ABC}</math>と相似比1:2の三角形)を得た時、 :<math>\bigtriangleup{ABC}</math>の垂心<math>H</math>は、<math>\bigtriangleup{PQR}</math>の外心となる。 {{-}} [[Image:Incircle and Excircles.svg|thumb|200px|三角形の内接円と傍接円]] ;<span id="傍接円"/>三角形の内接円と傍接円 :傍心は三角形の二等分線上にあるので、三角形の相対する角と内心の同一直線上にある。 :三角形の内心は、3つの傍心で作る三角形の垂心に一致する。 {{-}} === 四角形 === ==== トレミーの定理 ==== {{wikipedia|トレミーの定理}} [[File:Ptolemy Theorem.svg|thumb|200px|トレミーの定理]] :円に内接する四角形 ''ABCD'' において、辺の長さに関して以下の等式が成立する。([[:w:トレミーの定理#証明|→証明]]) :  ::<math>AC\cdot BD = AD\cdot BC + AB\cdot DC</math> :  :また、必ずしも円に内接しない四角形 ''ABCD'' においては、以下の不等式('''トレミーの不等式''')が成立する(辺の長さに関する'''オイラーの定理''') :  ::<math>AC\cdot BD \leqq AD\cdot BC + AB\cdot DC</math> :  :  :逆に、逆に、必ずしも同一平面上にない4点 ''A'', ''B'', ''C'', ''D'' に関して、辺の長さに関する等式: :  ::<math>AC\cdot BD = AD\cdot BC + AB\cdot DC</math> :  :が成り立つならば、4点 ''A'', ''B'', ''C'', ''D'' は同一直線上にあるか、または同一平面上にあり、かつ四角形 ''ABCD'' は同一の円に内接する。 {{-}} === 多角形 === * <math>n</math>角形の内角の和: *:<math>180(n-2)^\circ</math> * <math>n</math>角形の対角線の本数: *:<math>\frac{n(n-3)}{2}</math> === 円 === * 半径<math>r</math>の円の円周<math>l</math>: **:<math>l = 2r \pi </math> * 半径<math>r</math>、中心角<math>\alpha</math>(度)の扇形の弧の長さ<math>l</math>: **:<math>l = 2r \pi \cdot \frac{\alpha}{360}</math> * 半径<math>r</math>の円の中心点<math>O</math>と弦<math>AB</math>との距離を<math>a</math>としたときの弦<math>AB</math>の長さ: *:<math>AB = 2\sqrt{r^2 - a^2}</math> ==== 中心角と円周角 ==== {{wikipedia|円周角}} [[Image:Sehne.png|right|200px|thumb|中心角と円周角]] *円周上の点<math>A,B</math>の各々から円の中心点<math>O</math>に線分を引いた時、<math>\angle\mathrm{AOB}</math>を'''中心角'''という。 *円周上の点<math>A,B</math>の各々から、円周上の点<math>C</math>に線分を引いた時、<math>\angle\mathrm{ACB}</math>を'''円周角'''という。 **'''円周角の定理''' **:円周上にとる点の位置に関わりなく、円周角の大きさ<math>\angle\mathrm{ACB}</math>は対応する円弧<sup>※</sup>を含む扇形の中心角の大きさ<math>\alpha</math>のみに依存し、以下のように表わされる。 **:::※:対応する円弧:<math>\alpha < \pi</math>ならば、円周上の点<math>C</math>は、線分<math>AB</math>から見て中心と同じ側にあり、<math>\alpha > \pi</math>ならば、逆側にある。 **::<math>\angle\mathrm{ACB}=\frac{\alpha}{2}</math> **::*右図において、 **::**円周角<math>\angle\mathrm{AC_3B}</math>と<math>\angle\mathrm{AC_4B}</math>は等しい。この時の中心角の大きさを<math>\psi</math>とすると、<math>\psi=\frac{\alpha}{2}</math>。 **::**円周角<math>\angle\mathrm{AC_1B}</math>と<math>\angle\mathrm{AC_2B}</math>は等しい。この時の中心角の大きさを<math>\varphi</math>とすると、<math>\varphi=\frac{\pi-\alpha}{2}</math>。 **::*:したがって、円に内接する四角形の相対する角の和は、<math>\pi</math>(=180°)となる。 **'''タレスの定理''' **:円周上の点<math>A,B</math>を結ぶ線分<math>AB</math>が円の中心<math>O</math>をとおる時(すなわち、線分<math>AB</math>が直径である時)、点<math>A,B</math>と円周上の点<math>C</math>との間になす角<math>\angle\mathrm{ACB}</math>は直角である。 **:逆である「点<math>A,B</math>と円周上の点<math>C</math>との間になす角<math>\angle\mathrm{ACB}</math>が直角であるならば、線分<math>AB</math>は円の中心<math>O</math>をとおる」もまた真である。 **:[[File:Angle in circle.svg|right|200px|thumb|接線と弦の作る角]] **'''接弦定理''' **:三角形のある一点において外接円の接線を引いた時、接線と弦の作る角(右図において角<math>\alpha</math>)は、三角形の弦に対する角(右図において角<math>\beta</math>)に等しい。 **:<math>\because</math> 角<math>\alpha</math>をなす弦の<math>X</math>ではない点を<math>A</math>、角<math>\beta</math>のある点を<math>B</math>とする。 **::<math>\angle\mathrm{XOA}</math>は、<math>\angle\mathrm{XBA}</math>を円周角とする中心角なので、<math>\angle\mathrm{XOA} = 2\beta</math> **::<math>\triangle{XOA}</math>は、<math>OX=OA</math>である二等辺三角形。したがって、<math>\angle\mathrm{OXA} = \angle\mathrm{OAX}</math> **::<math>\angle\mathrm{OXA} = \frac{\pi-2\beta}{2} = \frac{\pi}{2}-\beta</math> **::<math>X</math>において、<math>OX</math>と接線は直角をなしているから、接線と弦の作る角<math>\alpha = \frac{\pi}{2}-\angle\mathrm{OXA} = \frac{\pi}{2}- \left( \frac{\pi}{2}-\beta \right) = \beta</math> ==== 方冪の定理 ==== * 点Pを通る2本の直線が円とそれぞれ2点<math>A,B</math>と2点<math>C,D</math>で交わっているとき(図1、図2): *:<math>PA \cdot PB = PC \cdot PD</math> * 円外の点<math>P</math>を通る2本の直線の一方が点<math>T</math>で円に接し、他方が2点<math>A,B</math>で交わっているとき(図3): *:<math>PA \cdot PB = PT^2</math> {| |[[image:houbeki 001.svg|thumb|200px|方べきの定理・図1]] |[[image:houbeki 003.svg|thumb|200px|方べきの定理・図2]] |[[image:houbeki 005.svg|thumb|200px|方べきの定理・図3]] |} (参考) [[高等学校数学A/図形の性質#方冪の定理|方冪の定理]] ====扇形==== *半径r、中心角θ[rad]の扇形について、 **弧の長さ:<math>l = \theta r</math> **弦の長さ:<math>\mathrm{crd} \, \theta = 2 \sin \frac{\theta}{2}</math> **:<math>\because \mathrm{crd} \, \theta = \sqrt{\sin^2 \theta + \mathrm{versin}^2 \, \theta}</math> **::<math>= \sqrt{\sin^2 \theta + (1-\cos \theta)^2}</math> **::<math>= \sqrt{2 - 2 \cos \theta}</math> **::<math>= \sqrt{4 \cdot \frac{1 - \cos \theta}{2}}</math> **::<math>= \sqrt{4 \sin^2 \frac{\theta}{2}}</math> **::<math>= 2 \sin \frac{\theta}{2}</math> == 立体図形 == * 縦の長さ''a''、横の長さ''b''、高さ''h'' の直方体の対角線 ''l'': *:<math>l = \sqrt{a^2 + b^2 + h^2}</math> * 底面の半径を''r''、母線の長さ ''l''の円錐の高さ ''h'': *:<math>h = \sqrt{l^2 - r^2}</math> * 凸面体の頂点の数を''v''、辺の数を''e''、面の数を''f''とすると以下の関係が成り立つ(オイラーの多面体定理): *:<math>v - e + f = 2</math> == 面積と体積 == === 平面図形の面積 === ''解説は[[/平面図形|こちらのページ]]をご覧ください'' * 三角形 ** 底辺のながさ <math>a</math>、高さ <math>h</math> の三角形の面積 <math>S</math>: **:<math>S = {1\over 2}ah </math> ** 二辺のながさが <math>a</math>, <math>b</math> でその間の角が ''&theta;'' である三角形の面積 <math>S</math>: **:<math>S = \frac{1}{2}ab\sin \theta </math> ** ある辺のながさが <math>a</math> でその両端の角が ''&theta;'', ''&delta;'' である三角形の面積 <math>S</math>: **:<math>S = \frac{a^2\sin \theta\sin \delta}{2\sin (\theta+\delta)}</math> **::※上記「[[#正弦定理の応用|正弦定理の応用]]」で、底辺と両端の角から高さが求められることを利用。 ** 三辺のながさが <math>a</math>, <math>b</math>, <math>c</math> で内接する円の半径が <math>r</math> である三角形の面積 <math>S</math>: **:<math>S = \frac{1}{2}r(a+b+c) </math> ** 三辺のながさが <math>a</math>, <math>b</math>, <math>c</math> で外接する円の半径が <math>R</math> である三角形の面積 <math>S</math>: **:<math>S = \frac{abc}{4R} </math> ** <span id="ヘロンの公式"/>三辺のながさが <math>a</math>, <math>b</math>, <math>c</math> である三角形の面積 <math>S</math>:(ヘロンの公式) **:<math>S = \sqrt{ \frac{(a+b+c)(a+b-c)(a-b+c)(-a+b+c)}{16}}</math> **:また、<math>s=\frac{a + b + c}{2} </math> とすると、<math>S = \sqrt{s(s - a)(s - b)(s - c)} </math> **:*内接円の半径を <math>r</math> とすると、三角形の面積 <math>S = sr = \sqrt{s(s - a)(s - b)(s - c)} </math> **:*:従って、 <math>r = \sqrt{ \frac{(s - a)(s - b)(s - c)}{s}} </math> **:*外接円の半径を <math>R</math> とすると、三角形の面積 <math>S = \frac{abc}{4R} </math> から <math>R = \frac{abc}{4S} </math> **:*:従って、 <math>R = \frac{abc}{4\sqrt{s(s - a)(s - b)(s - c)}} </math> **:*上2式から、<math>rR = \frac{abc}{2(a+b+c)}</math> ** 一辺のながさ <math>a</math> の正三角形の面積 <math>S</math>: **:<math>S = {\sqrt{3}\over 4}a^2 </math> [[File:Midsquare quadrilateral.svg|right|200px|thumb|直交対角線四角形]] [[File:Midsquare kite.svg|right|200px|thumb|凧形]] * 四角形 ** 縦のながさ <math>a</math>、横のながさ <math>b</math> の長方形の面積 <math>S</math>: **:<math>\displaystyle S = ab </math> ** 一辺のながさ <math>a</math> の正方形の面積 <math>S</math>: **:<math>\displaystyle S = a^2 </math> ** 底辺のながさ <math>a</math>、高さ <math>h</math> の平行四辺形の面積 <math>S</math>: **:<math>\displaystyle S = ah </math> ** 上底のながさ <math>a</math>、下底のながさ <math>b</math>、高さ <math>h</math> の台形の面積 <math>S</math>: **:<math>S = {1\over 2}(a+b)h </math> ** 対角線のながさ <math>a</math>、もう一つの対角線のながさ <math>b</math> でそれらが直行する四角形([[w:直交対角線四角形|直交対角線四角形]] ⊃ 凧形・菱形・正方形)の面積 <math>S</math>: **:<math>S = {1\over 2}ab </math> ** 四辺の長さが<math>a,b,c,d</math>で円に内接する四角形の面積<math>S</math>:(ブラーマグプタの公式) **:<math>S=\sqrt{\frac{(a+b+c-d)(a+b-c+d)(a-b+c+d)(-a+b+c+d)}{16}}</math> **:また、<math>s = \frac{a + b + c + d}{2} </math> とすると、<math>S = \sqrt{(s - a)(s - b)(s - c)(s - d)} </math> * 正多角形 ** 一辺のながさ <math>a</math> の正<math>n</math>角形の面積 <math>S</math>: **:<math>S = \frac{n a^2}{4 \tan{\frac{\pi}{n}} }</math> ** 中心(重心、外心、内心)から各角までのながさ <math>r</math> である正<math>n</math>角形の面積 <math>S</math>: **:<math>S = \frac{n r^2}{2} \sin{\frac{2\pi}{n}}</math> **:*なお、このような正<math>n</math>角形の周の長さは、<math>2 r n \sin \frac{\pi}{n} </math> である。 * 円と扇形 ** 半径 <math>r</math> の円の面積 <math>S</math>: **:<math>S = \pi r^2 </math> ** 半径 <math>r</math> 、中心角<math>a</math>(度)の扇形の面積<math>S</math>: **:<math>S = \frac{a}{360} r^2 \pi </math> ** 半径 <math>r</math> 、中心角 ''&theta;(rad)'' の扇形の面積 <math>S</math>: **:<math>S = \frac{1}{2} \theta r^2 </math> ** 半径 <math>r</math> 、弧の長さ<math>l</math>の扇形の面積 <math>S</math>: **:<math>S = \frac{1}{2} rl </math> === 立体図形の表面積等 === ''解説は[[/表面積|こちらのページ]]をご覧ください'' * 縦のながさ <math>a</math>、横のながさ <math>b</math>、高さ <math>h</math> の直方体の表面積 <math>S</math>: *:<math>S = 2(ab + bh + ah) </math> ** 底面積 <math>b</math>: **:<math>B = 2ab </math> ** 側面積 <math>a</math>: **:<math>A = 2h(a + b) </math> * 一辺のながさ <math>a</math> の立方体の表面積 <math>S</math>: *:<math>S = 6a^2</math> * 底面の周の長さ <math>l</math>、高さ <math>h</math> の柱体の側面積 <math>L</math>: *:<math>L = lh</math> [[File:Cone rhL.jpg|right|200px|thumb|円錐]] *円錐 ** 底面が半径 <math>r</math>、母線 <math>L</math> の円錐: **:側面積 <math>S_l = \pi rL</math> **:表面積 = 側面積 + 底面積 <math> = \pi rL + \pi r^2 = \pi r (L+r)</math> ** 底面が半径 <math>r</math>、高さ <math>h</math> の円錐: **:母線 <math>R = \sqrt{r^2+h^2} </math> **:側面積 <math>L = \pi r \sqrt{r^2+h^2}</math> **:表面積 = 側面積 + 底面積 <math> = \pi r \sqrt{r^2+h^2} + \pi r^2 = \pi r ( \sqrt{r^2+h^2} + r)</math> {{-}} [[File:2D-simplex.svg|right|200px|thumb|3直角四面体]] *直角三角錐(3直角四面体) *:三角錐<math>OABC</math>において,1つの頂点<math>O</math>に集まる3つの角 <math>\angle AOB</math> , <math>\angle BOC</math> , <math> \angle COA</math> がいずれも直角である三角錐 *:* 以下、<math>OA=a, OB=b, OC=c</math>とする。 *:*:頂点<math>O</math>から、<math>\triangle ABC</math>に下した垂線の長さ<math>h</math>; *:*::<math>h = \frac {abc}{ \sqrt {a^2 b^2 + b^2 c^2 + c^2 a^2}}</math> *:*:<math>\triangle ABC</math>の面積<math>S</math>; *:*::<math>S = \frac { \sqrt {a^2 b^2 + b^2 c^2 + c^2 a^2}}{2}</math> *:*:::[[w:ド・グアの定理|ド・グアの定理]](通称:四平方の定理) {{-}} * 半径<math>r</math>の球の表面積<math>S</math>: *:<math>S = 4 \pi r^2 </math> [[File:Spherical cap diagram.tiff|thumb|200px|青で示された部分が球冠の一例である。]] * [[w:球冠|球冠]](平面により切断された球の一部)の曲面部の表面積<math>S</math>: *:関係する諸数値を以下のものとする(右図参照)。 *:* 球の半径 <math>r</math> *:* 球冠の底の半径 <math>a</math> *:* 球冠の高さ <math>h</math> *:* 球の中心から球冠の頂点(極)までの線と球冠の底を形作る円板の端との間の[[w:球面座標系|極角]] <math>\theta</math> *# <math>r</math> と <math>h</math> を用いて、 *#:<math>S = 2 \pi r h</math> *# <math>a</math> と <math>h</math> を用いて、 *#:<math>S =\pi (a^2 + h^2)</math> *# <math>r</math> と <math>\theta</math> を用いて、 *#: <math>S=2 \pi r^2 (1-\cos \theta)</math> {{-}} [[File:LaoHaiKugelschicht1.png|thumb|球台]] * [[w:球台|球台]](球を1対の平行な平面で切断した立体/先端が切り取られた球冠)の曲面部(球帯)の表面積<math>S</math>: *:関係する諸数値を以下のものとする(右図参照)。 *:* もとの球の半径 <math>R</math> *:* 球台の底の半径 <math>r_1, r_2</math> *:* 球台の高さ(2つの平行な底面間の距離) <math>h</math> *# <math>R</math> と <math>h</math> を用いて、 *#:<math>S = 2 \pi R h</math> *# <math>R</math> と <math>r_1, r_2</math> を用いて、 *## 球を切断する平行な2平面の外に球の中心がある場合 *##:<math>S = 2 \pi R \left( \sqrt{R^2 - {r_2}^2} - \sqrt{R^2 - {r_1}^2} \right)</math>(ただし、<math>r_1 > r_2</math>) *## 球を切断する平行な2平面の間に球の中心がある場合 *##:<math>S = 2 \pi R \left( \sqrt{R^2 - {r_1}^2} + \sqrt{R^2 - {r_2}^2} \right)</math> {{-}} [[File:Torus-rotations-flaeche-r.svg|right|250px|thumb|円環体・トーラス]] * 半径<math>r</math>の円を、円の中心からの距離<math>R</math>(但し、<math>r</math> ≦ <math>R</math>とする)の直線を軸として回転させた円環体([[w:トーラス|トーラス]]、ドーナツ型) の表面積: *:<math>S = 4 \pi^2 rR = (2 \pi r) (2 \pi R)</math> {{-}} === 体積 === ''解説は[[/体積|こちらのページ]]をご覧ください'' [[Image:A rectangular parallelepiped.JPG|right|200px|thumb|直方体]] [[File:Cone rhL.jpg|right|200px|thumb|円錐]] [[File:Usech kvadrat piramid.png|right|200px|thumb|錐台]] [[File:Geometric_wedge.png|right|200px|thumb|くさび形]] * 縦のながさ <math>a</math>、横のながさ <math>b</math>、高さ <math>h</math> の'''直方体'''の体積 <math>V</math>: *:<math> V = abh </math> * 一辺のながさ <math>a</math> の'''立方体'''の体積 <math>V</math>: *:<math> V = a^3 </math> * 底面積 <math>S</math>、高さ <math>h</math> の'''柱体'''の体積 <math>V</math>: *:<math>V = Sh </math> * 底面積 <math>S</math>、高さ <math>h</math> の'''錐体'''の体積 <math>V</math>: *:<math>V = \frac{1}{3}Sh </math> **円錐 *** 底面が半径 <math>r</math>、高さ <math>h</math> の円錐の体積 <math>V</math>: ***:<math>V = \frac{1}{3}\pi r^2 h </math> *** 底面が半径 <math>r</math>、母線 <math>L</math> の円錐の体積 <math>V</math>: ***:高さ <math>h = \sqrt{L^2-r^2} </math> ***:<math>V = \frac{1}{3}\pi r^2 \sqrt{L^2-r^2} </math> * 上底の面積 <math>S</math>、下底の面積 <math>S</math>、高さ <math>h</math> の'''錐台'''の体積 <math>V</math>: *:<math>V = \frac h 3 (s + \sqrt{s S} + S) </math> ** 特に、上底が半径<math>r_1</math>の円、下底が半径<math>r_2</math>の円、高さ <math>h</math> の'''円錐台'''の体積 <math>V</math>: **:<math>V = \frac {h \pi}{3} (r_1^2 + r_1 r_2 + r_2^2) </math> * 下底が 縦のながさ <math>a</math>、横のながさ <math>b</math>の長方形、縦と平行である上辺のながさ <math>c</math>、高さ <math>h</math> の'''くさび形'''の体積 <math>V</math>: *:<math>V = bh\left(\frac{a}{3}+\frac{c}{6}\right) </math> * 一辺のながさ <math>a</math> の'''正四面体'''の体積 <math>V</math>: *:<math>V = {\sqrt{2}\over 12}a^3 </math> * 一辺のながさ <math>a</math> の'''正八面体'''の体積 <math>V</math>: *:<math>V = {\sqrt{2}\over 3}a^3 </math> * 一辺のながさ <math>a</math> の'''正十二面体'''の体積 <math>V</math>: *:<math>V = {15 + 7\sqrt{5}\over 4}a^3 </math> * 一辺のながさ <math>a</math> の'''正二十面体'''の体積 <math>V</math>: *:<math>V = {5( 3 + \sqrt{5} )\over 12}a^3 </math> *'''球'''の体積 <math>V</math>: *:<math>V = {4\over 3}\pi r^3 </math> [[File:Spherical cap diagram.tiff|thumb|200px|青で示された部分が球冠の一例である。]] * [[w:球冠|球冠]](平面により切断された球の一部)の体積<math>V</math>: *:関係する諸数値を以下のものとする(右図参照)。 *:* 球の半径 <math>r</math> *:* 球冠の底の半径 <math>a</math> *:* 球冠の高さ <math>h</math> *:* 球の中心から球冠の頂点(極)までの線と球冠の底を形作る円板の端との間の[[w:球面座標系|極角]] <math>\theta</math> *# <math>r</math> と <math>h</math> を用いて、 *#:<math>V = \frac {\pi h^2}{3} (3r-h)</math> *# <math>a</math> と <math>h</math> を用いて、 *#:<math>V = \frac{1}{6}\pi h (3a^2 + h^2)</math> *# <math>r</math> と <math>\theta</math> を用いて、 *#: <math>V = \frac{\pi}{3} r^3 (2+\cos\theta) (1-\cos\theta)^2 </math> {{-}} [[File:LaoHaiKugelschicht1.png|thumb|球台]] * [[w:球台|球台]](球を1対の平行な平面で切断した立体/先端が切り取られた球冠)の体積<math>V</math>: *:関係する諸数値を以下のものとする(右図参照)。 *:* もとの球の半径 <math>R</math> *:* 球台の底の半径 <math>r_1, r_2</math> *:* 球台の高さ(2つの平行な底面間の距離) <math>h</math> *:  *: <math>V = \frac{\pi h}{6} \left(3 {r_1}^2 + 3 {r_2}^2 + h^2\right).</math> {{-}} [[File:Torus-rotations-flaeche-r.svg|right|250px|thumb|円環体・トーラス]] * 半径<math>r</math>の円を、円の中心からの距離<math>R</math>(但し、<math>r</math> ≦ <math>R</math>とする)の直線を軸として回転させた円環体([[w:トーラス|トーラス]]、ドーナツ型) の体積: *:<math>V = 2 \pi^2 r^2 R = (\pi r^2) (2 \pi R)</math> {{-}} == ベクトル == [[File:Vector from A to B.svg|150px|thumb|ベクトル<math>\overrightarrow{AB}</math>]] :平面上または空間で大きさと向きをもつ量を'''ベクトル'''という<ref>広義には、多次元の要素を持つ存在(entity)を指し、本文のものは幾何ベクトル・空間ベクトルというが、初等数学においてはこの理解で足りる。</ref>。 :ベクトルが点<math>A</math>から点<math>B</math>に向かう有向線分で表されるとき,このベクトルを<math>\overrightarrow{AB}</math>と書き,<math>A</math>を'''始点''',<math>A</math>を'''終点'''という。 :ベクトルであることを示すのに、<math>\vec{a}, \vec{x}</math>などと表記することもある。 :ベクトルの大きさは、<math>|\vec{a}|</math>と表記する。 :<math>\vec{a}</math>と大きさが同じで向きが逆のベクトルを'''逆ベクトル'''といい、<math>-\vec{a}</math>と表記する。 ::<span id="逆ベクトル"/>始点終点による表記<math>\overrightarrow{AB}</math>を<math>\vec{a}</math>とすると、<math>-\vec{a} = \overrightarrow{BA}</math>となる。 :大きさ<math>0</math>のベクトルを'''零ベクトル'''(ゼロベクトル)といい、<math>\vec{0}</math>と表記する。 :大きさ<math>1</math>のベクトルを'''単位ベクトル'''といい、しばしば、<math>\vec{e}</math>と表記される。<math>\vec{a}</math>の単位ベクトルは、<math>\vec{e} = \frac{\vec{a}}{|\vec{a}|}</math>である。 ===ベクトルの演算=== ;加法 [[File:Somme vecteurs boutabout.png|thumb|200px|三角形における理解]] :<math>\bigtriangleup{ABC}</math>において、<math>\overrightarrow{AB}</math>の終点<math>B</math>を始点として<math>\overrightarrow{BC}</math>を引くと、<math>\overrightarrow{AC}</math>となる。 :これを、 :<math>\overrightarrow{AB} + \overrightarrow{BC} = \overrightarrow{AC}</math> :として、ベクトルの加法を定義する。 {{-}} [[File:Vecteurs somme.png|thumb|200px|ベクトルの加法]] :これは、ベクトル<math>\vec{u}</math>の終点をベクトル<math>\vec{v}</math>の始点とし、<math>\vec{u}</math>の始点から<math>\vec{v}</math>の終点までの有向線分を<math>\vec{u} + \vec{v}</math>と理解する方法であるが、各ベクトルの始点を一致させた平行四辺形の対角線をベクトルの和と理解する方法もある。 {{-}} :以上の定義により、 :<math>\vec{a}</math>と逆ベクトル:<math>-\vec{a}</math>の和は<math>\vec{0}</math>、すなわち、<math>\vec{a} + (-\vec{a}) = \vec{0}</math>である。 ;減法 [[File:Vector subtraction (new).svg|thumb|200px|ベクトルの減法]] :上記<math>\bigtriangleup{ABC}</math>において、<math>\overrightarrow{AB} + \overrightarrow{BC} = \overrightarrow{AC}</math>が成立していた。 :ここで、通常の計算と同様の方法で<math>\overrightarrow{BC}</math>を移項すると、<math>\overrightarrow{AB} = \overrightarrow{AC} - \overrightarrow{BC} </math>-① ::[[#逆ベクトル|逆ベクトル]]の定義から、<math>-\overrightarrow{BC} = \overrightarrow{CB} </math> :(①の右辺)<math>= \overrightarrow{AC} - \overrightarrow{BC} = \overrightarrow{AC} + \overrightarrow{CB} =\overrightarrow{AB}</math> となり、①は成立し移項が可能であることが分かった。 {{-}} ;実数倍(スカラー倍) [[File:Scalar multiplication of vectors2.svg|thumb|right|200px|実数倍(スカラー倍)の例]] :実数<math>m</math>について、ベクトル<math>m\vec{a}</math>を以下のとおり定義する。 :#<math>m > 0</math>の時、<math>m\vec{a}</math>は、<math>\vec{a}</math>と方向が同じで、大きさが<math>m|\vec{a}|</math>であるベクトル。 :#<math>m < 0</math>の時、<math>m\vec{a}</math>は、<math>\vec{a}</math>と方向が逆で、大きさが<math>m|\vec{a}|</math>であるベクトル。 :#<math>m = 0</math>の時、<math>m\vec{a}</math>は、<math>\vec{0}</math>。 {{-}} ====1次独立==== :以下、それぞれ、零ベクトルではないベクトル<math>\vec{a},\vec{b},\vec{c}</math>について、 :  :<math>\vec{a},\vec{b}</math>について、<math>\vec{a} \neq k\vec{b}</math>(<math>k</math>は実数)であるとき、<math>\vec{a},\vec{b}</math>は一次独立であるといい、 :<math>p\vec{a} + q\vec{b} =\vec{0}</math>ならば、<math>p = q = 0</math> が成立する。 :したがって、<math>\vec{a},\vec{b}</math>が一次独立であるとき、 :<math>m\vec{a} + n\vec{b} = p\vec{a} + q\vec{b}</math>ならば、<math>m = p</math>かつ<math>n = q</math> である。 :逆に、<math>\vec{a},\vec{b}</math>について、<math>pq \neq 0</math>であるとき、<math>p\vec{a} + q\vec{b} =\vec{0}</math>ならば、<math>\vec{a},\vec{b}</math>は一次独立である。 :  :三次元空間においても、<math>\vec{a},\vec{b},\vec{c}</math>が同一平面上にないとき、<math>\vec{a},\vec{b},\vec{c}</math>は一次独立であり、 :<math>p\vec{a} + q\vec{b} + r\vec{c} =\vec{0}</math>ならば、<math>p = q = r = 0</math> が成立する。 :逆に、<math>\vec{a},\vec{b},\vec{c}</math>について、<math>pqr \neq 0</math>であるとき、<math>p\vec{a} + q\vec{b} + r\vec{b} =\vec{0}</math>ならば、<math>\vec{a},\vec{b},\vec{c}</math>は一次独立であり、同一平面上にない。 ====ベクトルの成分表示==== :ベクトル<math>\vec{a}</math>について、平面空間であれば2個の単位ベクトル<math>\vec{x}=(1,0), \vec{y}=(0,1)</math>、三次元空間であれば3個の単位ベクトル<math>\vec{x}=(1,0,0), \vec{y}=(0,1,0), \vec{z}=(0,0,1)</math>を用いて以下のとおり表現できる。これを、ベクトルの成分表示といい、各々の要素を、<math>x</math>成分、<math>y</math>成分、<math>z</math>成分という。 :*平面ベクトル:<math>\vec{a} = p\vec{x} + q\vec{y} = (p,q)</math> :*三次元空間ベクトル:<math>\vec{a} = p\vec{x} + q\vec{y} + r\vec{z} = (p,q,z)</math> ;成分表示でのベクトル演算 :成分表示でのベクトル演算は、各々の成分に対しておこなう ::<math>\vec{a}=(a_x,a_y), \vec{b}=(b_x,b_y)</math>とすると、 ::;加減算 :::<math>\vec{a} \pm \vec{b} = (a_x \pm b_x , a_y \pm b_y)</math> ::;実数倍(スカラー倍) :::<math>m\vec{a} = (m a_x , m a_y)</math> ::;ベクトルの大きさ :::<math>|\vec{a}| = \sqrt{ a_x^2 + a_y^2 }</math> === 位置ベクトル === 以下に挙げる公式で平面ベクトルで成り立つものは、三次元空間ベクトルでも成り立つ(平面ベクトルは、三次元空間ベクトルの <math>z</math> 成分を<math>0</math> としたもの)。 *位置ベクトル:<math>\overrightarrow{OA}=\vec{a}, \overrightarrow{OB}=\vec{b}, \overrightarrow{OC}=\vec{c}, \overrightarrow{OP}=\vec{p}</math>とする時、 **点<math>P</math>が、線分<math>AB</math>を<math>m:n</math>に内分するならば、<math>\vec{p} = \frac{n \vec{a} + m \vec{b}}{m+n}</math> ***特に、線分<math>AB</math>の中点を<math>M</math>とし、<math>\overrightarrow{OM}=\vec{m}</math>とすると、<math>\vec{m} = \frac{ \vec{a} + \vec{b}}{2}</math> ***<math>\triangle{ABC}</math>において、その重心<math>G</math>について、<math>\overrightarrow{OG}=\vec{g}</math>とすると、<math>\vec{g} = \frac{ \vec{a} + \vec{b} + \vec{c}}{3}</math> **点<math>P</math>が、線分<math>AB</math>を<math>m:n</math>に外分するならば、<math>\vec{p} = \frac{-n \vec{a} + m \vec{b}}{m-n}</math> **点<math>P</math>が、2点<math>A, B</math>を通る直線上の点とした時のベクトル方程式: <math>\vec{p} = (1-t) \vec{a} + t \vec{b}</math> **点<math>P</math>が、空間上の3点<math>A, B, C</math>を通る平面上の点とした時のベクトル方程式: <math>\vec{p} = (1-s-t) \vec{a} + s \vec{b} + t \vec{c}</math> ====三角形の5心のベクトル表示==== :三角形の五心(重心、内心、傍心、外心、垂心)の位置ベクトル <math>\vec{p}</math> は、頂点の位置ベクトル <math>\vec{a}, \vec{b}, \vec{c}</math> を用いて、 :一般式:<math>\vec{p} = \frac{w_{\text{A}} \vec{a} + w_{\text{B}} \vec{b} + w_{\text{C}} \vec{c}}{w_{\text{A}} + w_{\text{B}} + w_{\text{C}}}</math>で表される。ここで <math>w_{\text{A}}, w_{\text{B}}, w_{\text{C}}</math> は重みである。 ::なお、<math>a = |\vec{a}|, b = |\vec{b}|, c=|\vec{c}|</math>とし、三角形の面積を<math>S \left( 4S = \sqrt{ (a+b+c)(a+b-c)(a-b+c)(-a+b+c) } \right)</math>とする<sup>[[#ヘロンの公式|※]]</sup>。 ;<span id="重心ベクトル"/>[[#重心|重心]] :<math>\vec{g} = \frac{ \vec{a} + \vec{b} + \vec{c}}{3}</math> ::<math>w_{\text{A}} = 1, w_{\text{B}} = 1, w_{\text{C}} = 1, w_{\text{A}} + w_{\text{B}} + w_{\text{C}} = 3</math> ;<span id="内心ベクトル"/>[[#内心|内心]] :<math>\vec{i} = \frac{ a\vec{a} + b\vec{b} + c\vec{c}}{a+b+c}</math> ::<math>w_{\text{A}} = a, w_{\text{B}} = b, w_{\text{C}} = c, w_{\text{A}} + w_{\text{B}} + w_{\text{C}} = a+b+c</math> ;<span id="傍心ベクトル"/>[[#傍心|傍心]] :<math>\vec{e_1} = \frac{ -a\vec{a} + b\vec{b} + c\vec{c}}{-a+b+c}</math> ::<math>w_{\text{A}} = -a, w_{\text{B}} = b, w_{\text{C}} = c, w_{\text{A}} + w_{\text{B}} + w_{\text{C}} = -a+b+c</math> :<math>\vec{e_2} = \frac{ a\vec{a} - b\vec{b} + c\vec{c}}{a-b+c}</math> ::<math>w_{\text{A}} = a, w_{\text{B}} = -b, w_{\text{C}} = c, w_{\text{A}} + w_{\text{B}} + w_{\text{C}} = a-b+c</math> :<math>\vec{e_3} = \frac{ a\vec{a} + b\vec{b} - c\vec{c}}{a+b-c}</math> ::<math>w_{\text{A}} = a, w_{\text{B}} = b, w_{\text{C}} = -c, w_{\text{A}} + w_{\text{B}} + w_{\text{C}} = a+b-c</math> ;<span id="外心ベクトル"/>[[#外心|外心]] :<math>\vec{o} = \frac{ \left( a^2(b^2 + c^2 - a^2) \right) \vec{a} + \left( b^2(c^2 + a^2 - b^2) \right) \vec{b} + \left( c^2(a^2 + b^2 - c^2) \right) \vec{c}}{16S^2}</math> ::<math>w_{\text{A}} = a^2(b^2 + c^2 - a^2), w_{\text{B}} = b^2(c^2 + a^2 - b^2), w_{\text{C}} = c^2(a^2 + b^2 - c^2), w_{\text{A}} + w_{\text{B}} + w_{\text{C}} = 16S^2</math> ;<span id="垂心ベクトル"/>[[#垂心|垂心]] :<math>\vec{h} = \frac{ \left( a^4 - (b^2 - c^2)^2 \right) \vec{a} + \left( b^4 - (c^2 - a^2)^2 \right) \vec{b} + \left( c^4 - (a^2 - b^2)^2 \right) \vec{c}}{16S^2}</math> ::<math>w_{\text{A}} = a^4 - (b^2 - c^2)^2, w_{\text{B}} = b^4 - (c^2 - a^2)^2, w_{\text{C}} = c^4 - (a^2 - b^2)^2, w_{\text{A}} + w_{\text{B}} + w_{\text{C}} = 16S^2</math> === 内積 === * <math>\vec{a}</math> と <math>\vec{b}</math> の成す角が <math>\theta</math> のとき *:<math>\vec{a}\cdot\vec{b} = |\vec{a}||\vec{b}| \cos \theta </math>(内積の定義) *:*成分表示 *:*:平面ベクトルの場合、<math>\vec{a}=(a_x,a_y)</math>, <math>\vec{b}=(b_x,b_y)</math>とすると、 *:*::<math>\vec{a}\cdot\vec{b} = a_xb_x + a_yb_y </math> *:*:空間ベクトルの場合、<math>\vec{a}=(a_x,a_y,a_z)</math>, <math>\vec{b}=(b_x,b_y,b_z)</math>とすると、 *:*::<math>\vec{a}\cdot\vec{b} = a_xb_x + a_yb_y + a_zb_z</math> * <math>\vec{a}\ne\vec{0}</math>, <math>\vec{b}\ne\vec{0}</math>のとき、 *:<math>\vec{a}\perp\vec{b} \iff \vec{a}\cdot\vec{b}=0</math> * <math>\overrightarrow{OA}=\vec{a}</math>, <math>\overrightarrow{OB}=\vec{b}</math>, ''O'' は原点とするときの三角形 ''OAB'' の面積 <math>S</math>: *:<math>S=\frac{1}{2}\sqrt{|\vec{a}|^2|\vec{b}|^2-(\vec{a}\cdot\vec{b})^2} </math> *::<math>\because</math> <math>S=\frac{1}{2}|\vec{a}||\vec{b}|\sin \theta =\frac{1}{2}|\vec{a}||\vec{b}|\sqrt{ 1 - \cos ^2 \theta } </math>、ここで、<math>\vec{a}\cdot\vec{b} = |\vec{a}||\vec{b}| \cos \theta </math> より <math>\cos \theta = \frac{\vec{a}\cdot\vec{b}}{|\vec{a}||\vec{b}|} </math> *:::与式に代入して、<math>S= \frac{1}{2}|\vec{a}||\vec{b}|\sqrt{ 1 - \frac{(\vec{a}\cdot\vec{b}) ^2 }{|\vec{a}| ^2 |\vec{b}| ^2 } } =\frac{1}{2}\sqrt{|\vec{a}|^2|\vec{b}|^2-(\vec{a}\cdot\vec{b})^2} </math> *:*成分表示 *:*:平面ベクトルの場合:<math>\vec{a}=(a_x,a_y)</math>, <math>\vec{b}=(b_x,b_y)</math>とすると、 *:*::<math>S=\frac{1}{2}|a_xb_y-a_yb_x| </math> *:*:空間ベクトルの場合、<math>\vec{a}=(a_x,a_y,a_z)</math>, <math>\vec{b}=(b_x,b_y,b_z)</math>とすると、 *:*::<math>S=\frac{1}{2}\sqrt{(a_y b_z - b_y a_z)^2+(a_z b_x - b_z a_x)^2+(a_x b_y - b_x a_y)^2}</math> * 二つのベクトル <math>\vec{x}</math>, <math>\vec{y}</math> に対し、 *: <math>(\vec{x}\cdot\vec{y})^2+|\vec{x}|^2\left|\vec{y}-\frac{\vec{x}\cdot\vec{y}}{|\vec{x}|^2}\vec{x}\right|^2 = |\vec{x}|^2|\vec{y}|^2 </math> : よって、 :: <math>|\vec{x}\cdot\vec{y}| \leq |\vec{x}||\vec{y}| </math> : 等号成立は、実数 ''k'' があって <math>\vec{y} = k\vec{x}</math> とできるときのみ。 == 複素数平面 == 複素数の実部を横軸、虚部を縦軸にとった平面を'''複素数平面'''(複素平面、ガウス平面)、横軸を'''実軸'''、縦軸を'''虚軸'''という。 <math>z = a+bi</math>を複素数平面上にプロットした点<math>\mathrm{A}(a, b)</math>について、点<math>\mathrm{A}(z)</math>や点<math>z</math>のように表記する。<math>\cos\theta+i\sin\theta</math>を<math>\mathrm{cis}\,\theta</math>と略す。 *ベクトルとの対応 **複素数平面を単なる実数平面と考えれば、<math>\mathrm{A}(z)</math>は<math>\mathrm{A}(\vec{a})</math>と対応するので、<math>z = a+bi \iff \vec{a} = \begin{pmatrix}a \\ b\end{pmatrix}</math> **<math>z=a+bi</math>の絶対値<math>|z|</math>は原点を基準としたときの位置ベクトル<math>\begin{pmatrix}a \\ b\end{pmatrix}</math>の長さと考えて<math>|z| = \sqrt{a^2+b^2}</math> **3点<math>\mathrm{O}, \mathrm{A}(\alpha), \mathrm{B}(\beta)</math>が一直線上にある<math>\iff \beta = k \alpha</math>となる実数<math>k</math>が存在する。 *<math>\alpha = a+bi, \beta = c+di</math>に対して、 **点<math>\alpha+\beta</math>は点<math>\alpha</math>を実軸方向にc、虚軸方向にdだけ平行移動した点 **点<math>\alpha-\beta</math>は点<math>\alpha</math>を実軸方向に-c、虚軸方向に-dだけ平行移動した点 **点<math>\alpha</math>と点<math>\beta</math>の距離は<math>|\beta-\alpha|</math> *:一つ目の平行移動は「<math>\beta</math>だけ平行移動」、二つ目の平行移動は「<math>\beta</math>だけ平行移動」と表すこともできる。 *:<math>\vec{a} = \begin{pmatrix} a \\ b \end{pmatrix}, \vec{b} = \begin{pmatrix} c \\ d \end{pmatrix}</math>と見ればこれはベクトルの加減法そのものである。 *<math>z = a+bi</math>の共軛複素数<math>\bar{z}</math>に対して、 **<math>\bar{z} = a - bi</math> **点<math>\bar{z}</math>は点<math>z</math>を実軸に関して対称移動した点 **<math>z \bar{z} = a^2+b^2 = |z|^2</math> **<math>a=\frac{z+\bar{z}}{2}</math> **<math>b=\frac{z-\bar{z}}{2i}</math> *絶対値の性質 **<math>|z| = |-z| = |\bar{z}| = |-\bar{z}| </math> **<math>|\alpha + \beta| \leqq |\alpha| + |\beta|</math>(<math>\because \;</math>[[初等数学公式集/初等代数#絶対不等式|CS不等式]]。[[w:三角不等式]]も参照。) **<math>|\alpha\beta| = |\alpha| |\beta|</math> **<math>|\frac{\alpha}{\beta}| = \frac{|\alpha|}{|\beta|}</math> *複素共軛の性質 **<math>\overline{(\bar{z})} = z</math> **<math>z</math>が実数<math>\iff \bar{z} = z</math> **<math>z</math>が純虚数<math>\iff \bar{z} = -z \; (z \neq 0)</math> **<math>\overline{\alpha \pm \beta} = \bar{\alpha} \pm \bar{\beta}</math>(複号同順) **<math>\overline{\alpha \beta} = \bar{\alpha} \bar{\beta}</math> **<math>\overline{( \frac{\alpha}{\beta})} = \frac{\bar{\alpha}}{\bar{\beta}}</math> **<math>\overline{(z^n)} = (\bar{z})^n</math> *複素数の極形式 **偏角を<math>\theta</math>とすると<math>z = r \mathrm{cis}\,\theta</math> **<math>\theta = \arg z</math> **<math>r = |z|</math> *<math>\alpha = r\mathrm{cis}\,\theta, \beta = \rho \mathrm{cis}\,\phi</math>とすると、 **<math>\alpha \beta = r \rho \mathrm{cis}\,(\theta+\phi)</math> **<math>\frac{\alpha}{\beta} = \frac{r}{\rho} \mathrm{cis}\,(\theta-\phi)</math> *ド・モアブルの定理 **<math>\mathrm{cis}^n\,\theta = \mathrm{cis}\,n\theta = e^{in\theta}</math> **<math>z^n = r^n \mathrm{cis}\,n\theta</math> *n乗根 **<math>(z_k)^n = 1 \iff z_k = \mathrm{cis}\,\frac{2k\pi}{n}</math>(<math>\mathbb{Z} \ni k \in [0, n-1]</math>) **:各<math>z_k</math>は単位円周上に点<math>1</math>を頂点の一つとする正n角形を描く。 **<math>(\zeta_k)^n = z \iff \zeta_k = \sqrt[n]{|z|}\; \mathrm{cis}\,\frac{\arg z + 2k\pi}{n}</math>(<math>\mathbb{Z} \ni k \in [0, n-1]</math>) **:各<math>\zeta_k</math>は原点を中心とする正n角形を描く。 以下、点<math>\mathrm{A}(\alpha), \mathrm{B}(\beta), \mathrm{C}(\gamma)</math>で考える。 *内分・外分 **<math>\mathrm{C}</math>が線分<math>\mathrm{AB}</math>を<math>m:n</math>に内分<math>\iff \gamma = \frac{n\alpha+m\beta}{m+n}</math> **<math>\mathrm{C}</math>が線分<math>\mathrm{AB}</math>を<math>m:n</math>に外分<math>\iff \gamma = \frac{-n\alpha+m\beta}{m-n}</math> **:位置ベクトル・座標それぞれの公式に一致する。 *中点・重心 **<math>\mathrm{C}</math>が線分<math>\mathrm{AB}</math>の中点<math>\iff \gamma = \frac{\alpha + \beta}{2}</math> **<math>\triangle \mathrm{ABC}</math>の重心を表す点<math>G(\eta)</math>について、<math>\eta = \frac{\alpha + \beta + \gamma}{3}</math> *二直線のなす角 **<math>\angle \mathrm{BAC} = \arg \frac{\gamma-\alpha}{\beta-\alpha}</math>(半直線<math>\mathrm{AB}</math>を始線、<math>\mathrm{AC}</math>を動径とみた正方向(左回転)の回転角) **<math>\mathrm{A, B, C}</math>が同一直線上<math>\iff \arg \frac{\gamma-\alpha}{\beta-\alpha} = 0, \pi \iff \frac{\gamma-\alpha}{\beta-\alpha}</math>が実数 **<math>\mathrm{AB} \perp \mathrm{AC} \iff \arg \frac{\gamma-\alpha}{\beta-\alpha} = \frac{\pi}{2}, \frac{3}{2}\pi \iff \frac{\gamma-\alpha}{\beta-\alpha}</math>が純虚数 **4点<math>\mathrm{A, B, C, D}</math>が同一円周上にある<math>\iff \frac{\beta-\gamma}{\alpha-\gamma}\div\frac{\beta-\delta}{\alpha-\delta}\in\mathbb{R}</math> *方程式の表す図形 **<math>|z-\alpha|=r</math>を満たす点zの集合は、点<math>\alpha</math>を中心とする半径<math>r</math>の円。 **:円のベクトル方程式の複素数表示。 **<math>|z-\alpha|=|z-\beta|</math>を満たす点zの集合は、2点<math>\mathrm{A, B}</math>を通る線分の垂直二等分線。 **<math>m|z-\alpha|=n|z-\beta| (m \neq n)</math>を満たす点zの集合は、<math>\mathrm{AB}</math>を<math>m:n</math>に内分する点、外分する点をそれぞれ直径の両端に持つ'''アポロニウスの円'''。 **<math>\bar{\lambda}z+\lambda\bar{z}+c=0 \quad(\lambda \in \mathbb{C}, c \in \mathbb{R})</math>を満たす点<math>z</math>の集合は、直線。 **<math>mz\bar{z}+\bar{\nu}z+\nu\bar{z}+l=0\quad(m \in \mathbb{R}_{\neq0}, l \in \mathbb{R}, \nu \in \mathbb{C})</math>を満たす点<math>z</math>の集合は、 **:<math>|\nu|^2>ml</math>のとき点<math>-\frac{\nu}{m}</math>を中心とする半径<math>\frac{\sqrt{|\nu|^2-ml}}{|m|}</math>の円。 **:<math>|\nu|^2=ml</math>のとき点<math>-\frac{\nu}{m}</math>。 **:<math>|\nu|^2<ml</math>のとき半径<math>\frac{\sqrt{|\nu|^2-ml}}{|m|}i</math>の虚円。 *回転移動 *<math>\beta = (\mathrm{cis}\theta) \alpha \iff</math>点<math>\mathrm{B}</math>は点<math>\mathrm{A}</math>を原点中心に<math>\theta</math>だけ回転した先の点。 *複素数と行列 **<math>z = a + bi</math>は<math>\mathbf{A} = \begin{pmatrix} a & -b \\ b & a \end{pmatrix}</math>に対応する。 **:上の回転移動の例では、<math>\theta</math>回転を表す回転行列が<math>\mathbf{R}(\theta) = \begin{pmatrix} \cos \theta & -\sin \theta \\ \sin \theta & \cos \theta \end{pmatrix}</math>であることから、これが<math>\mathrm{cis}\,\theta</math>に対応することがわかる。 == 脚注 == <references/> {{DEFAULTSORT:しよとうすうかくこうしきしゆう 01しよとうきか}} [[Category:普通教育]] [[Category:数学教育]] [[Category:初等数学公式集|きか]] im8dwnrmnywfbzku9ln29uqeoboyhtd 初等数学公式集/初等代数 0 31714 298932 298888 2026-04-29T21:29:49Z Tkkn46tkkn46 89925 /* 脚注 */ 関連項目の追加 298932 wikitext text/x-wiki == 単項式 == === 指数の計算 === ==== 累乗の計算・指数法則 ==== :本節では、<math>a, b</math>は正の実数、<math>m, n, p, q</math>は、1ではない正の整数とする。 ;乗算・累乗 *<math>a^m \times a^n = a^{m+n}</math> *<math>( a^m )^n = a^{mn}</math> *<math>( ab )^n = a^n b^n</math>   ;除算 :<math>a^p \times a^q = a^{p+q}</math>から、<math>a^{p+q} \div a^q = a^p</math>となる。ここで、<math>p+q</math> を <math>m</math> に <math>q</math> を <math>n</math> に置き換えると、<math>p = m-n</math> となり、 :  *<math>a^m \div a^n =\frac{a^m}{a^n} =\left\{ \begin{array}{ll} a^{m-n} ( m > n )\\ 1 ( m = n )\\ \frac{1}{a^{n-m}} ( m < n ) \end{array} \right.</math> *:  *:となる。したがって、 *::<math>a^0 = 1</math>、<math>a^{-n} = \frac{1}{a^n}</math> :  :以上をまとめると、<math>a, b</math>は正の実数、<math>m, n</math>は整数として、以下のとおり整理することができる('''指数法則''')。 # <math>a^0 = 1, a^1 = a</math> # <math>a^m\times a^n=a^{m+n}</math> # <math>a^m\div a^n = a^{m-n}</math> #:特に <math>a^{-n} = \frac {1}{a^n}</math> # <math> (a^m)^n=a^{mn}</math> # <math> (ab)^n=a^nb^n</math> ==== 累乗根の計算 ==== :本節では、<math>a, b</math>は正の実数、<math>m, n, k</math>は、1ではない正の整数とする。 :累乗根の計算においては以下の式が成立する。 #<math>\left(\sqrt[n]{a}\right)^n = a</math> #<math>\left(\sqrt[n]{a}\right)^m = \sqrt[n]{a^m}</math> #<math>\sqrt[n]{a^m} = \sqrt[nk]{a^{mk}}</math> #<math>\sqrt[n]{\sqrt[m]{a}} = \sqrt[m]{\sqrt[n]{a}} = \sqrt[mn]{a}</math> #<math>\sqrt[n]{a} \sqrt[n]{b}= \sqrt[n]{ab}</math> #<math>\frac{\sqrt[n]{a}}{\sqrt[n]{b}}= \sqrt[n]{\frac{a}{b}}</math> ==== 指数の拡張 ==== :本節では、<math>m, n</math>を、有理数に拡張する。 *<math>( a^m )^n = a^{mn}</math> および <math>\left(\sqrt[n]{a}\right)^n = a</math> より、 *:<math> \left( \left(\sqrt[n]{a}\right)^n \right)^m = \left(\sqrt[n]{a}\right)^{mn} = a^m</math> *:ここで、<math>m=\frac{1}{n}</math>とすると、 *:<math> \left(\sqrt[n]{a}\right)^{\frac{1}{n} n} = \left(\sqrt[n]{a}\right)^1 = \sqrt[n]{a} = a^{\frac{1}{n}}</math> となり、累乗根も累乗同様、指数を用いて表現できることが分かる。 :  :この表現を上記[[#累乗根の計算|累乗根の計算]]に当てはめると以下のとおりとなる。 #<math>\left(\sqrt[n]{a}\right)^n = a^{\frac{n}{n}} = a^1 = a</math> #<math>\left(\sqrt[n]{a}\right)^m = \left(a^{\frac{1}{n}}\right)^m = a^{\frac{m}{n}} = \sqrt[n]{a^m}</math>(指数法則4より) #<math>\sqrt[n]{a^m} = a^{\frac{m}{n}} = a^{\frac{mk}{nk}} = \sqrt[nk]{a^{mk}}</math> #<math>\sqrt[n]{\sqrt[m]{a}} = \sqrt[n]{a^{\frac{1}{m}}} = \left(a^{\frac{1}{m}}\right)^{\frac{1}{n}} = a^{\frac{1}{mn}} = \sqrt[mn]{a}</math>(指数法則4より) #:<math>\sqrt[m]{\sqrt[n]{a}} = \sqrt[m]{a^{\frac{1}{n}}} = \left(a^{\frac{1}{n}}\right)^{\frac{1}{m}} = a^{\frac{1}{mn}} = \sqrt[mn]{a}</math> #<math>\sqrt[n]{a} \sqrt[n]{b}= a^{\frac{1}{n}} b^{\frac{1}{n}} = (ab)^{\frac{1}{n}} = \sqrt[n]{ab}</math> (指数法則5より) #<math>\frac{\sqrt[n]{a}}{\sqrt[n]{b}}= \frac{a^{\frac{1}{n}}}{b^{\frac{1}{n}}}= \left(\frac{a}{b}\right)^{\frac{1}{n}}= \sqrt[n]{\frac{a}{b}}</math>(指数法則5より) :となって、累乗根の計算は指数で表現しても同様に成立している。このように、累乗根を指数の分母とすることで指数は有理数に拡張できる。 :なお、厳密な証明は高校の範囲を超えるので省略するが、指数は有理数のみならず、実数全体に拡張できる。 == 多項式 == === 展開公式 === ''解説は[[/展開公式|こちらのページ]]をご覧ください'' * '''基本公式''' ** <math>(a+b)(c+d) = ac + ad + bc + bd</math> ** <math>(x+a)(x+b) = x^2 + (a+b)x + ab</math> ** <math>(ax+b)(cx+d) = acx^2 + (ad+bc)x + bd</math> ** <math> (x+a)(x+b)(x+c) = x^3 + (a+b+c)x^2 + (ab + bc + ca)x +abc</math> * '''累乗'''('''<span id="二項定理"/>[[二項定理]]''') *:[[File:Pascal's triangle 5.svg|thumb|[[w:パスカルの三角形|パスカルの三角形]]]] ** <math>(a\pm b)^2 = a^2 \pm 2ab + b^2</math> ** <math>(a\pm b)^3 = a^3 \pm 3a^2b + 3ab^2 \pm b^3</math> ** <math>(a\pm b)^4 = a^4 \pm 4a^3b + 6a^2b^2 \pm 4ab^3 + b^4</math> ** <math>(a\pm b)^5 = a^5 \pm 5a^4b + 10a^3b^2 \pm 10a^2b^3 + 5ab^4 \pm b^5</math> ** <math>(a+b)^n = a^n + na^{n-1}b + \frac{n(n-1)}{2} a^{n-2} b^2 + \cdots + {}_n{\rm C}_{k} a^{n-k} b^k + \cdots + \frac{n(n-1)}{2} a^2 b^{n-2} + nab^{n-1} + b^n </math><math>= \sum_{r = 0}^n{}_n{\rm C}_{r} a^{n-r} b^r</math> **:::記号:<math>{}_n{\rm C}_{r}</math>は「組合せ([[初等数学公式集/確率・統計#組合せ|参照]])」、記号:<math> \sum</math>は「総和(シグマ [[初等数学公式集/数列#組合せ|参照]])」を表す。 ***特に、<math>a = b = 1</math>とすると、 ***: <math>1 + n + \frac{n(n-1)}{2} + \cdots + {}_n{\rm C}_{k} + \cdots + \frac{n(n-1)}{2} + n + 1</math><math>= \sum_{r = 0}^n{}_n{\rm C}_{r} = 2^n</math> * '''応用''' *:'''2変数''' *:* <math>(a+b)(a-b) = a^2 - b^2</math> *:* <math>(a\pm b)(a^2 \mp ab + b^2) = a^3 \pm b^3</math> *:* <math>a^n - b^n</math>, <math>a^n + b^n</math>の一般的な形 *:**<math>a^n - b^n</math> *:**: <math>a^n - b^n = (a-b)(a^{n-1} + a^{n-2}b + a^{n-3}b^2 + \cdots + b^{n-1})</math> *:**<math>a^n + b^n</math> *:*** <math>n</math>が奇数である時、 *:***: <math>a^n + b^n = (a+b)(a^{n-1} - a^{n-2}b + a^{n-3}b^2 + \cdots + (-1)^ka^{n-1-k}b^k + \cdots - ab^{n-2} + b^{n-1})</math> *:***(参考) <math>n</math>が4の倍数である時(<math>n = 4m</math>とおいて)、 *:***: <math>a^n + b^n = a^{4m} + b^{4m} = (a^{2m} + b^{2m})^2 - 2{a}^{2m}{b}^{2m} = (a^{2m} + \sqrt{2}{a}^{m}{b}^{m} + b^{2m})(a^{2m} - \sqrt{2}{a}^{m}{b}^{m} + b^{2m})</math> *:* <math>a^4 + a^2 b^2+ b^4 =(a^2 + ab +b^2)(a^2 - ab +b^2)</math> *:'''3変数''' *:* <math>(a+b+c)^2 = a^2 + b^2 + c^2 + 2ab + 2bc + 2ca</math> *:* <math>(a+b+c)^3 = a^3 + b^3 + c^3 + 3ab^2 + 3ac^2 + 3ba^2 + 3ca^2 + 6abc + 3bc^2 + 3cb^2</math> *:* <math>(a+b+c)^4 = a^4 + b^4 + c^4 + 4ab^3 + 4ac^3 + 4ba^3 + 4ca^3 + 4bc^3 + 4cb^3 + 6a^2b^2 + 6a^2c^2 + 6b^2c^2 + 12a^2bc + 12ab^2c + 12abc^2</math> *:* <math>(a+b+c)^n</math>の展開式の一般項(多項定理): *:**:<math> \frac{n!}{p! q! r!} a^p b^q c^r </math> (ただし、<math>n=p + q + r</math>) *:* <math>(a+b+c)(a^2 + b^2 + c^2 - ab - bc - ca) = {1\over 2}(a+b+c)((a - b)^2 + (b - c)^2 +(c - a)^2)= a^3 + b^3 + c^3 -3abc</math> *:* <math>(ab+c)(bc+a)(ca+b) = (cab)^2 + cab^3 + bca^3 + (ab)^2 + abc^3 + (bc)^2 + (ac)^2 + abc</math> *:'''4変数''' *:* <math>(a+b+c+d)^2 = a^2 + b^2 + c^2 + d^2 + 2ab + 2ac + 2ad + 2bc + 2bd + 2cd</math> *:* <math>(a+b+c+d)^3 = a^3 + b^3 + c^3 + d^3 + 3ab^2 + 3ac^2 + 3ad^2 + 3ba^2+ 3ca^2 + 3da^2 + 6abc + 6abd + 6acd + 3ac^2 + 3cb^2 + 3db^2 + 6bcd + 3cd^2+3dc^2</math> === 式の変形 === * <math>a^2 + b^2 = (a+b)^2 - 2ab</math> <sup>※1</sup> * <math>(a-b)^2 = (a+b)^2 - 4ab</math> <sup>※1</sup> * <math>(a+b)^2 + (a-b)^2= 2(a^2 + b^2)</math> <sup>※1</sup> * <math>a^3+b^3 = (a+b)^3 - 3ab(a+b) = (a+b)\{(a+b)^2 - 3ab\}</math> <sup>※1</sup> * <math>a^3-b^3 = (a-b)^3 + 3ab(a-b) = (a-b)\{(a-b)^2 + 3ab\}</math> <sup>※2</sup> *:上の2式を合わせて、 *:*<math>a^6-b^6 = (a^3+b^3)(a^3-b^3) = (a+b)(a^2-ab+b^2)(a-b)(a^2+ab+b^2)</math> *:*:<math>= (a+b)\{(a+b)^2 - 3ab\}(a-b)\{(a-b)^2 + 3ab\} = (a+b)(a-b)(a^4+a^2b^2+b^4)</math> <sup>※2</sup> * <math>x^3 + y^3 + z^3 -3xyz = (x+y+z)(x^2 + y^2 + z^2 - xy - yz - zx) = (x+y+z)\{(x + y + z)^2 - 3(xy + yz + zx)\}</math> <sup>※1</sup> ** <math>x^3 + y^3 + z^3 = (x + y + z)^3 - 3(x + y + z)(xy + yz + zx) + 3xyz</math> <sup>※1</sup> * <math>x^2 + y^2 + z^2 -xy - yz - zx = \frac{1}{2}\{ (x-y)^2 + (y-z)^2 + (z-x)^2 \}</math><sup>※1</sup> * <math>(a^2+b^2)(c^2+d^2) = (ac+bd)^2+(ad-bc)^2 = (ac-bd)^2+(ad+bc)^2</math>([[w:ブラーマグプタの二平方恒等式|ブラーマグプタの二平方恒等式]]) *[[w:ラグランジュの恒等式 (曖昧さ回避)|ラグランジュの恒等式]] ** <math>(a^2+b^2)(x^2+y^2) - (ax+by)^2 = (ay-bx)^2</math> ** <math>(a^2+b^2+c^2)(x^2+y^2+z^2) - (ax+by+cz)^2 = (ay-bx)^2+(bz-cy)^2+(cx-az)^2</math> ==== 対称式・交代式 ==== {{wikipedia|対称式}} {{wikipedia|交代式}} *'''対称式'''とは、どの変数を入れ替えても、値が変わらない式、'''交代式'''とはいずれか2個の変数を入れ替えると、元の式の−1倍となる式をいう。 *:(上記の変形式で※1は対称式であり、※2は交代式である。) **変数が2個の場合、対称式は<math>f(a,b) = f(b,a)</math>と表され、交代式は<math>f(a,b) = -f(b,a)</math>と表される。 **変数が3個の場合、 **:*対称式は<math>f(a,b,c) = f(a,c,b)= f(b,a,c)= f(b,c,a)= f(c,a,b)= f(c,b,a)</math> **:*交代式は<math>f(a,b,c) = -f(a,c,b)= -f(b,a,c)= -f(c,b,a)</math> **:となる。なお、3変数を全て入れ替えた場合<math>f(a,b,c) = f(c,a,b)= f(b,c,a)</math>が成立している。 **変数が4個以上にも一般化できるが、初等数学では取り扱わない。また、3変数の場合も参考の位置付けとしてのみ取り扱う。 ;<span id="基本対称式"/>対称式の性質 *2変数の対称式は、2変数の和:<math>a+b</math>、積:<math>ab</math>を組み合わせることにより表される。<math>a+b</math>, <math>ab</math>を基本対称式という。 *:3変数の基本対称式は、<math>a+b+c</math>, <math>ab+bc+ca</math>, <math>abc</math>であり、この性質を有する。 *::(例) <math>a^3 + b^3 + c^3 = (a + b + c)^3 - 3(a + b + c)(ab + bc + ca) + 3abc</math> *'''公式''' **<math>a^n + b^n = (a+b)(a^{n-1} + b^{n-1}) - ab(a^{n-2} + b^{n-2})</math> **: <!--行空けのため全角スペース挿入--> **:基本対称式を<math>a+b=\alpha </math>, <math>ab=\beta </math>、<math>a^n + b^n = T_n</math>と表現すると、 **:<math>T_n = \alpha T_{n-1} - \beta T_{n-2}</math>と表されることとなり、<math>a+b=\alpha </math>, <math>ab=\beta </math>が与えられていれば、[[初等数学公式集/数列#三項間漸化式|隣接三項間漸化式]]を解く問題に帰結される。 **::数列未履修であっても出題される形式であるが、一般に次数が小さいものの値を求める問題となるため、次数の低いものから順に求めることが可能である。一般式ではなく、極端に次数が大きい場合は、循環性に着目した問題である場合が多い([[/交代式・例題1|交代式の例題①]]参照)。 *:'''応用問題''' *::<math>x+\frac{1}{x}=k </math>(定数)であるとき、<math>x^n+\frac{1}{x^n}</math>の値を求めよ。 *:: <!--行空けのため全角スペース挿入--> *::(解法) *:::<math>x=a, \frac{1}{x}=b</math>とおくと、与式は<math>a^n + b^n</math>の形となる、ここで、<math>a+b=x+\frac{1}{x}=k</math>, <math>ab=x\frac{1}{x}=1</math>であるので、 *:::<math>x^n+\frac{1}{x^n} = T_n</math>とおいた漸化式;<math>T_n = k T_{n-1} - T_{n-2}, T_1 = k</math>を解く問題に帰結する。 ;交代式の性質 *2変数の交代式は、2変数の差:<math>a-b</math>を因数に持ち、<math>a-b</math>で割った商は対称式である。 *:3変数の交代式は、<math>(a-b)(b-c)(c-a)</math>を因数に持ち、<math>(a-b)(b-c)(c-a)</math>で割った商は対称式である。 *変数が同一である、2つの交代式(<math>f(a,b), g(a,b)</math>、<math>f(a,b,c), g(a,b,c)</math>等)の積は対称式となる。 === 多項式の除法 === {{wikipedia|除法の原理}} 多項式における'''除法の原理''' :多項式<math>f(x)</math>を、それより次数の少ない多項式<math>d(x)</math>で割るとき、次式を満たす多項式 <math>q(x)</math>, <math>r(x)</math>が一意に存在する。 :  ::<math>f(x) = q(x)d(x) + r(x)\quad</math> :  :::このときの <math>q(x)</math> を'''商'''、<math>r(x)</math> を'''剰余'''と呼ぶ。なお、<math>d(x)</math>を除数、除式または除多項式、<math>f(x)</math>を被除数、被除式または被除多項式ともいう。 :::除式<math>d(x)</math> が<math>n</math>次式であるとき、<math>r(x)</math>は、高々 <math>(n-1)</math>次式である。 ==== 剰余の定理と因数定理 ==== {{wikipedia|剰余の定理}} {{wikipedia|因数定理}} 多項式 <math>f(x)</math> を <math>x - c</math> で割った余りは <math>f(c)</math> である。('''剰余の定理''') :<math>\because</math> 除法の原理より、<math>f(x) = q(x)(x-c) + r(x)</math>であり、除多項式<math>x-c</math>は1次式なので、<math>r(x)</math>は定数<math>r</math>。<math>x = c</math>とすると、<math>r = f(c)</math> とくに <math>f(c) = 0</math> のとき、多項式 <math>f(x)</math> は <math>x - c</math> を因数に持つ。('''因数定理''') :上の式で、<math>r = 0</math>となる場合である。 :  ;剰余定理の応用 #'''除多項式が2次式の場合''' #:<math>f(x)</math>を<math>x - a</math> で割った余りが <math>s</math>(<math>=f(a)</math>)、<math>x - b</math> で割った余りが <math>t</math>(<math>=f(b)</math>)であるとき(ただし、<math> a \neq b</math>)、<math>f(x)</math>を<math>(x-a)(x-b)</math> で割った余り<math>r(x)</math>; #:  #::<math>r(x) = \frac{s-t}{a-b}x + \frac{at-bs}{a-b} \big( = \frac{f(a)-f(b)}{a-b}x + \frac{af(b)-bf(a)}{a-b} \big) </math> #:  #:::(解法)<math>f(x) = (x-a)(x-b)Q(x) + px +q</math>とおき、<math>f(a) = pa +q = s</math>, <math>f(b) = pb +q = t</math>を剰余式の係数<math>p, q</math>について解く。 #:  #:*<math>f(x)</math>を2次式<math>ax^2 + bx +c</math> で割った余り<math>r(x)</math>; #:*:<math>ax^2 + bx +c = 0</math>の実数解が<math>\alpha, \beta</math>(<math>\alpha \neq \beta</math>)であるとき、 #:*:  #:*::<math>r(x) = \frac{f(\alpha)-f(\beta)}{\alpha-\beta}x + \frac{\alpha f(\beta)-\beta f(\alpha)}{\alpha-\beta}</math> #:  #:*<math>f(x)</math>を2次式<math>(x-a)^2</math> で割った余り<math>r(x)</math>;(「[[初等数学公式集/微積分#微分と剰余定理]]」参照) #:*:  #'''除多項式が3次式の場合''' #:2次式における解法を拡張する。3元一次方程式の公式等は省略する。 #:<math>f(x)</math>を<math>x - a</math> で割った余りが <math>s</math>(<math>=f(a)</math>)、<math>x - b</math> で割った余りが <math>t</math>(<math>=f(b)</math>)、<math>x - c</math> で割った余りが <math>u</math>(<math>=f(c)</math>)であるとき(ただし、<math> a, b, c</math>は各々異なるものとする)、<math>f(x)</math>を<math>(x-a)(x-b)(x-c)</math> で割った余り<math>r(x)</math>; #:  #::(解法) #:::<math>f(x) = (x-a)(x-b)(x-c)Q(x) + px^2 + qx +r</math>とおき、<math>f(a) = pa^2 +qa +r = s</math>, <math>f(b) = pb^2 +qb +r = t</math>, <math>f(c) = pc^2 +qc +r = u</math>を剰余式の係数<math>p, q, u</math>について解く。 #:  #:*<math>f(x)</math>を3次式<math>ax^3 + bx^2 +cx +d</math> で割った余り<math>r(x)</math>; #:*:<math>ax^3 + bx^2 +cx +d = 0</math>の実数解が<math>\alpha, \beta, \gamma</math>(<math>\alpha, \beta, \gamma</math>は、互いに異なる)であるとき、<math>r(x)=px^2 + qx +r</math>に関して<math>x = \alpha, \beta, \gamma</math>を代入しできた連立方程式;<math>f(\alpha) = p {\alpha}^2 +q \alpha +r</math>, <math>f(\beta) = p {\beta}^2 +q \beta +r</math>, <math>f(\gamma) = p {\gamma}^2 +q \gamma +r</math>を解いて、剰余式の係数<math>p, q, r</math>を求める。 #:*::<small>(コメント) #:*:::大学入試等に出題される場合、<math>ax^3 + bx^2 +cx +d = 0</math>は基本的に因数分解により解は簡単に求められ(<math> x = 0, \pm 1, \pm 2, \pm \frac{1}{2}</math>であることが多い)、また、<math>f(\alpha) , f(\beta), f(\gamma)</math>も<math>f(x) = x^n</math>などであって簡単に求められるよう設定されている。除多項式が簡単に因数分解できない場合などは、この方法での解答は求められていない。</small> #:  #:*<math>f(x)</math>を3次式<math>(x-a)^3</math> で割った余り<math>r(x)</math>;(「[[初等数学公式集/微積分#微分と剰余定理]]」参照) ==== 特殊な剰余の計算 ==== 上記で見られるように、除多項式が<math>n</math>次であれば、剰余式は(高々)<math>n-1</math>次であり、剰余式を求める計算において、各項の係数と定数を合わせた未知数は<math>n</math>個ともなる。<math>n</math>個の未知数を求めるには、<math>n</math>個の方程式(<math>n</math>元1次方程式)を解くことになるが、初等数学(高校までの数学)においては、4元以上の連立方程式を解く問題が出題されることはごく稀なので(未知数を1個ずつ減らすプロセスなので、無理な出題ではないが、労力の割に教育的意義は低い)、除多項式が3次以上のものが出題された場合、解法には上記の剰余定理<u>以外</u>を用いると考えた方がいい。 ::<span id="特殊除法"/>'''例. <math>x^m</math>を<math>n</math>次式<math>f(x)</math>(ただし、<math>m > n</math>)で割った剰余。'''([[/剰余計算・例題・特殊な剰余計算|例題・特殊な剰余計算]]参照) ::(解法) :::<math>f(x)</math>にある関数<math>g(x)</math>をかけると、<math>f(x)g(x) = x^k + c </math> ( <math>c</math>は定数、<math>k</math>は、<math>m > k</math>で、<math>m = kp + q</math> [<math>q < k</math>]とする)と変形できる場合がある。 :::これを、<math>x^k = f(x)g(x) - c </math>と変形し、<math>x^m</math>に代入。 ::::<math>x^m = x^{kp + q} = {x^{kp}}{x^q} = (x^k)^p {x^q}= \{ f(x)g(x) - c \}^p {x^q}</math> ::::[[#二項定理|二項定理]]より、 ::::<math>= \left(\{ f(x)g(x) \}^p + p\{ f(x)g(x) \}^{p-1}(- c)+ \cdots + p f(x)g(x)(- c) + (- c)^p \right)^p {x^q} = \{ f(x)G(x) + (- c)^p \} {x^q}= f(x)G(x){x^q} + (- c)^p {x^q}</math> :::したがって、<math>x^m</math>を<math>f(x)</math>で割った剰余は、<math>(- c)^p {x^q}</math>となる。 == 方程式 == === 解の公式 === * 1次方程式 <math>ax + b =0</math> の解の公式: *:<math>x = - \frac{b}{a}</math> : <!--行空けのため全角スペース挿入--> * 2次方程式 <math>ax^2 + bx + c = 0</math> の解の公式: *:<math>x = \frac{-b \pm \sqrt{b^2 - 4ac}}{2a}</math> *: <!--行空けのため全角スペース挿入--> *::(導出法)与式を'''平方完成'''させる。 *::::<math>ax^2 + bx + c = 0</math> *::::⇔<math>x^2 + \frac{b}{a}x + \frac{c}{a} = 0</math> *::::⇔<math>\left\{ x^2 + 2\frac{b}{2a}x + \left( \frac{b}{2a} \right)^2 \right\} - \left( \frac{b}{2a} \right)^2 + \frac{c}{a} = 0</math> *::::⇔<math>\left( x + \frac{b}{2a} \right)^2 = \left( \frac{b}{2a} \right)^2 - \frac{c}{a} = \frac{ b^2 - 4ac }{4a^2}</math> *::::⇔<math> x + \frac{b}{2a} = \pm \frac{\sqrt{b^2 - 4ac}}{2a}</math> *::::⇔<math> x = - \frac{b}{2a} \pm \frac{\sqrt{b^2 - 4ac}}{2a} = \frac{-b \pm \sqrt{b^2 - 4ac}}{2a}</math> *:*<math>ax^2 + 2bx + c =0</math> の場合: *:*:<math>x = \frac{-b \pm \sqrt{b^2 - ac}}{a}</math> *:*<math>x^2 + bx + c = 0</math> (<math>ax^2 + bx +c = 0</math> において <math>a = 1</math>) の場合 : *:*:<math>x = -\frac{b}{2} \pm \sqrt{\frac{b^2}{4} - c}</math> *:※上記の3つの公式の根号の中の式は、各方程式の判別式<math>D</math>となる。 ==== 2元1次方程式 ==== :以下のとおり公式化できるが、試験等においては代入法・加減法によって解く方が簡便。3元1次方程式など元が増えると爆発的に一般公式は複雑になる([[初等数学公式集/解析幾何#平面の式]]に3元1次方程式の一般公式の利用例を掲載しているので興味があれば参照いただきたい)。 :  : <math>\begin{cases} ax + by = p\\ cx + dy = q \end{cases}</math> :: (但し、<math>ad - bc \neq 0</math>) :の解、 :<math>x = \frac{dp - bq}{ad - bc}</math> :<math>y = \frac{-cp + aq}{ad - bc}</math>  :'''行列を用いた表現''' ::[[#連立方程式|行列の節]]参照。 ==== 高次方程式の解法 ==== :高等学校課程の数学では、3次以上の方程式の一般的な解の公式は取り扱わないが<ref>一般的な[[w:三次方程式#一般解|3次方程式の解の公式]]や[[w:四次方程式#解の公式(全文)|4次方程式の解の公式]]は存在するが、複雑すぎる一方で応用分野も限られるので中等教育には相応しくない(リンク先参考)。また、5次以上の一般の方程式に対する代数的解法は存在しないことが数学的に証明されている。</ref>、3次以上の方程式が出題されることがある。この場合は、一般的な公式によらず、式を変形することにより、公式等が適用できる形になる場合が多い。なお、方程式の解は虚数解も含め次数の数だけ存在することに注意する(重解を除く)。 :以下に例示する。 :#因数分解を用いる。 :#:方程式:<math>f(x) = 0</math> について、<math>f(x) = ( x- \alpha )g(x)</math> と因数分解できる場合は、少なくとも<math>x = \alpha</math> という解を持ち、次に<math>g(x) = 0</math> という方程式を解く過程に移る。 :#:[[#剰余の定理と因数定理|因数定理]]を利用し、因数分解ができるかを確かめ、できるのであれば、因数分解を行う。 :#<math>x^2 = X, x^3 = X</math> などに置換する。 :#:<math>x^4 - 6x^2 + 3 = 0</math> のように未知数の次数が2の倍数である時、<math>x^2 = X</math> と置換し、元の式を<math>X^2 - 6X + 3 = 0</math> のように公式が適用できる形に変形し<math>X = \alpha</math>を求め、さらに、<math>x = \pm \sqrt{\alpha}</math> として解を得る(複2次方程式)。 :#:<math>x^6 - 6x^3 + 3 = 0</math> のような場合も同様(この場合は<math>x^3 = X</math> と置換する)。 :#<math>x + \frac{1}{x} = t</math> など対称式に置換する。 :#:<math>ax^4 + bx^3 + cx^2 + bx + a = 0, ax^5 + bx^4 + cx^3 + cx^2 + bx + a = 0</math> のように、係数が左右対称な方程式を「相反方程式」という。 :#:  :##最高次数が偶数である場合(例: <math>ax^4 + bx^3 + cx^2 + bx + a = 0</math>) :##:対称の軸となる次数(最高次数の1/2)の未知数で割って、対称式<math>x + \frac{1}{x} = t</math> で置換できるようにする。 :##:例示の式を<math>x^2</math>で割ると、<math>ax^2 + bx + c + \frac{b}{x} + \frac{a}{x^2} = 0</math> :##:係数をまとめて、<math>a\left(x^2 + \frac{1}{x^2}\right)+ b\left(x + \frac{1}{x}\right) + c = a \left\{ \left(x + \frac{1}{x} \right)^2 - 2 \right\} + b\left(x + \frac{1}{x}\right) + c = 0</math> :##:<math>x + \frac{1}{x} = t</math> で置換すると、<math>a (t^2 - 2) + bt + c = at^2 + bt - 2a + c = 0</math>という方程式を得る。 :##:方程式の解 <math>\alpha</math> を得た後、方程式:<math>x + \frac{1}{x} = \alpha</math> を解く。 :##最高次数が奇数である場合(例: <math>ax^5 + bx^4 + cx^3 + cx^2 + bx + a = 0</math>) :##:例示の式を<math>f(x)=0</math>とした時、<math>f(-1)=0</math> であり、すなわち <math>f(x)</math> は <math>x+1</math> を因数に持つ。 :##:<math>f(x)</math> を <math>x+1</math> で割ると、<math>f(x)=(x+1) \{ ax^4 + (-a+b)x^3 + (a-b+c)x^2 + (-a+b)x + a \}= 0</math> を得る。 :##:後半の式は、最高次数が偶数の相反方程式であるので、上記1.の方法で解くことができる。 === 解と係数の関係 === *2次方程式 <math>ax^2 + bx + c = 0</math>の2つの解を<math>\alpha , \beta</math>とすると: *:<math>ax^2 + bx + c = a(x-\alpha)(x-\beta)</math> *:であり、この<math>\alpha , \beta</math>は次の関係式を満たす。 *::<math>\alpha + \beta =-\frac{b}{a}</math> *::<math>\alpha\beta =\frac{c}{a}</math> **<math>x^2 + bx + c = 0</math> (<math>ax^2 + bx +c = 0</math> において <math>a = 1</math>) の2つの解を<math>\alpha , \beta</math>とすると: **:<math>x^2 + bx + c = (x - \alpha)(x - \beta) = x^2 - (\alpha + \beta)x + \alpha \beta</math> **:であり、この<math>\alpha , \beta</math>は次の関係式を満たす。 **:零点の和 : <math>\alpha + \beta = -b</math> **:零点の積 : <math>\alpha \beta = c</math> : <!--行空けのため全角スペース挿入--> *3次方程式 <math>ax^3 + bx^2 + cx + d = 0</math>の3つの解を<math>\alpha , \beta , \gamma</math>とすると: *:<math>ax^3 + bx^2 + cx + d = a(x-\alpha)(x-\beta)(x-\gamma)</math> *:であり、この<math>\alpha , \beta, \gamma</math>は次の関係式を満たす。 *::<math>\alpha + \beta + \gamma =-\frac{b}{a}</math> *::<math>\alpha\beta + \beta\gamma + \gamma\alpha =\frac{c}{a}</math> *::<math>\alpha\beta\gamma =-\frac{d}{a}</math> *2次方程式及び3次方程式においては、方程式の係数から、方程式の解を要素とする[[#基本対称式|基本対称式]]の値を得ることができる。 === 方程式の解の存在条件 === *<math>n</math>次方程式の解の個数は、高々<math>n</math>個である。 *:<math>n</math>が奇数である時、少なくとも1個の実数解を有する。 *2次方程式 <math>ax^2 + bx + c = 0</math>に関して、 *:<math>D = b^2 - 4ac</math>(判別式)とする時、 *:#<math>D > 0 \Leftrightarrow</math>この2次方程式は2個の異なる実数解を持つ。 *:#<math>D = 0 \Leftrightarrow</math>この2次方程式は1個の実数解(重解/重根)を持つ。 *:#<math>D < 0 \Leftrightarrow</math>この2次方程式は2個の異なる虚数解を持つ(実数解を持たない)。 *<span id="解の存在条件"/>3次方程式 <math>ax^3 + bx^2 + cx + d = 0</math>(<math>a \neq 0</math>)に関して、 *#実数解を<math>\alpha</math>として、<math>ax^3 + bx^2 + cx + d = a(x -\alpha)(x^2 + px + q) = 0</math>と因数分解できる場合 *#:<math>D = p^2 - 4q </math>(判別式)として、 *#:#<math>D < 0 \Leftrightarrow</math>この3次方程式は1個の実数解<math>\alpha</math>と2個の異なる虚数解を持つ(有する実数解は1個である)。 *#:#<math>D = 0 </math>である時、 *#:##かつ、<math>x^2 + px + q = (x - \alpha)^2 \Leftrightarrow</math>この3次方程式は実数解<math>\alpha</math>(重解/重根)のみを持つ。 *#:##かつ、<math>x^2 + px + q = (x - \beta)^2</math> 但し、<math>\alpha \neq \beta</math><math> \Leftrightarrow</math>この3次方程式は<math>\alpha</math>と<math>\beta</math>(重解/重根)の2個の異なる実数解を持つ。 *#:#<math>D > 0 \Leftrightarrow</math>である時、 *#:##かつ、<math>x^2 + px + q = (x - \alpha)(x - \beta)</math> 但し、<math>\alpha \neq \beta</math><math> \Leftrightarrow</math>この3次方程式は<math>\alpha</math>(重解/重根)と<math>\beta</math>の2個の異なる実数解を持つ。 *#:##かつ、<math>\alpha^2 + p\alpha + q \neq 0 \Leftrightarrow</math>この3次方程式は3個の異なる実数解を持つ。 *#微分を用いる解法。 *#:<math>f(x) = ax^3 + bx^2 + cx + d</math>に対して、<math>f^\prime (x) = 3ax^2 + 2bx + c</math>。 *#:2次方程式<math>3ax^2 + 2bx + c = 0</math>の判別式<math>D = b^2 - 3ac</math>、この2次方程式に実数解がある場合の解を各々<math>\alpha , \beta</math>(但し、<math>\alpha < \beta</math>)とする。 *##<math>D < 0 \Leftrightarrow</math>この3次方程式は1個の実数解と2個の異なる虚数解を持つ(有する実数解は1個である)。 *##<math>D = 0 \Leftrightarrow</math>この3次方程式は1個の実数解を持つ。 *###かつ<math>f(\frac{b}{3a}) \neq 0 \Leftrightarrow</math>この3次方程式は1個の実数解と2個の異なる虚数解を持つ。 *###かつ<math>f(\frac{b}{3a}) = 0 \Leftrightarrow</math>この3次方程式は1個の実数解<math>\frac{b}{3a}</math>(重解/重根)のみを持つ。 *##<math>D > 0 </math>である時、 *###かつ<math>f(\alpha) = 0 \Leftrightarrow</math>この3次方程式は実数解<math>\alpha</math>(重解/重根)と<math>\beta < x_1</math>となる別の解<math>x_1</math>の2個の実数解を持つ。 *###かつ<math>f(\beta) = 0 \Leftrightarrow</math>この3次方程式は実数解<math>\beta</math>(重解/重根)と<math>x_1 < \alpha</math>となる別の解<math>x_1</math>の2個の実数解を持つ。 *###かつ<math>f(\alpha) \cdot f(\beta) \neq 0 \Leftrightarrow</math>この3次方程式は3個の実数解<math>x_1 , x_2 ,x_3</math>を持ち、<math>x_1 < \alpha < x_2 < \beta < x_3</math>となる。 == 不等式 == === 絶対不等式 === '''基本形''' ;<math>a, b, c</math>は、正の実数である場合。 * <math>\frac{a + b}{2} \geq \sqrt{ab}</math> *:等号成立は<math>a = b</math> のときのみ。 *:∵ <math> \frac{a + b}{2} - \sqrt{ab} = \frac{1}{2}( \sqrt{a} - \sqrt{b} )^2 \geq 0</math> * <math>\frac{a + b + c}{3} \geq \sqrt[3]{abc}</math> *:等号成立は<math>a = b = c</math> のときのみ。 *:∵ <math> \frac{a + b + c}{3} - \sqrt[3]{abc} = \frac{1}{3}( \sqrt[3]{a} + \sqrt[3]{b} + \sqrt[3]{c} )(\sqrt[3]{a}^2 + \sqrt[3]{b}^2 + \sqrt[3]{c}^2 - \sqrt[3]{a}\sqrt[3]{b} - \sqrt[3]{b}\sqrt[3]{c} - \sqrt[3]{c}\sqrt[3]{a}) = \frac{1}{6}( \sqrt[3]{a} + \sqrt[3]{b} + \sqrt[3]{c} )\{ (\sqrt[3]{a}-\sqrt[3]{b})^2 + (\sqrt[3]{b}-\sqrt[3]{c})^2 + (\sqrt[3]{c}-\sqrt[3]{a})^2 \} \geq 0</math> '''拡張''' * 正の実数からのみ成る数列 <math>\{a_n\}</math> に対し、 *:<math>\frac{a_1+a_2+\cdots+a_n}{n} \geq \sqrt[n]{a_1a_2\cdots a_n}</math> :等号成立は <math>a_1 = a_2 =</math> &hellip; <math>= a_n</math> のときのみ。(相加平均と相乗平均の関係式) * 複素数から成る数列 <math>\{a_n\}</math> に対し、 *:<math>|a_1+a_2+\cdots+a_n| \leq |a_1|+|a_2|+\cdots+|a_n| </math> : 等号成立はすべての数の偏角が等しいときのみ。(三角不等式) * 二つの数列 <math>\{a_n\}</math>, <math>\{b_n\}</math> に対し、 *:<math>|a_1\bar{b_1}+a_2\bar{b_2}+\cdots+a_n\bar{b_n}|^2 \leq (a_1\bar{a_1} + a_2\bar{a_2} +\cdots+ a_n\bar{a_n})(b_1\bar{b_1} + b_2\bar{b_2} +\cdots+ b_n\bar{b_n})</math> : 等号成立は、複素数 <math>z</math> で <math>b_1 = za_1</math>, <math>b_2 = za_2</math>, ..., <math>b_n = za_n</math> が全て成り立つようなものが存在するときに限る。(コーシー・シュワルツの不等式) === 2次不等式 === * 2次不等式 <math>ax^2 + bx + c \gtrless 0</math> の解法: *:<math>a > 0</math>であり<sup>※</sup>、<math>ax^2 + bx + c = 0</math>の解を<math>\alpha , \beta</math>(但し、<math>\alpha , \beta</math>は実数であり<sup>[[#※2|※2]]</sup>、<math>\alpha < \beta</math>)とする。 *::<small>※:<math>a < 0</math>ならば、<math>-a = d</math>とし、<math>ax^2 + bx + c \gtrless 0</math>を<math>dx^2 + (-b)x + (-c) \lessgtr 0</math>として評価。</small> *:<math>ax^2 + bx + c = a(x -\alpha)(x -\beta)</math>であるので、 *:*<math>ax^2 + bx + c > 0 \Leftrightarrow x < \alpha, \beta < x </math> *:*<math>ax^2 + bx + c < 0 \Leftrightarrow \alpha < x < \beta </math> *: <!--行空けのため全角スペース挿入--> *::*解の公式を用いると、<math>\alpha = \frac{-b - \sqrt{b^2 - 4ac}}{2a}, \beta = \frac{-b + \sqrt{b^2 - 4ac}}{2a} </math>であるので、 *: <!--行空けのため全角スペース挿入--> *:::*<math>ax^2 + bx + c > 0 \Leftrightarrow x < \frac{-b - \sqrt{b^2 - 4ac}}{2a}, \frac{-b + \sqrt{b^2 - 4ac}}{2a} < x </math> *: <!--行空けのため全角スペース挿入--> *:::*<math>ax^2 + bx + c < 0 \Leftrightarrow \frac{-b - \sqrt{b^2 - 4ac}}{2a} < x < \frac{-b + \sqrt{b^2 - 4ac}}{2a} </math> *: <!--行空けのため全角スペース挿入--> *::<small><span id="※2"/>※2:<math>ax^2 + bx + c = 0</math>が異なる2個の実数解を持たない場合の<math>ax^2 + bx + c \gtrless 0</math> の評価 *:::#<math>ax^2 + bx + c = 0</math>が重解を持つ(<math>b^2 - 4ac = 0</math>)とき。 *:::#*<math>ax^2 + bx + c \gtrless 0</math>の解は<math>x = -\frac{b}{2a}</math>であって、不等式を成立させる<math>x</math>は存在しない。 *:::#<math>ax^2 + bx + c = 0</math>が虚数解を持つ(<math>b^2 - 4ac < 0</math>)とき。 *:::##<math>a > 0</math>ならば、 *:::###<math>ax^2 + bx + c > 0</math>は、全ての実数<math>x</math>で成立する。 *:::###<math>ax^2 + bx + c \leq 0</math>を成立させる<math>x</math>は存在しない。 *:::##<math>a < 0</math>ならば、 *:::###<math>ax^2 + bx + c < 0</math>は、全ての実数<math>x</math>で成立する。 *:::###<math>ax^2 + bx + c \geq 0</math>を成立させる<math>x</math>は存在しない。 </small> === 3次不等式 === * 3次不等式 <math>ax^3 + bx^2 + cx + d \gtrless 0</math> の解法: *:<math>a > 0</math>であり<sup>※</sup>、<math>ax^3 + bx^2 + cx + d = 0</math>の解が<math>\alpha , \beta , \gamma</math>(但し、<math>\alpha , \beta , \gamma</math>は実数であり、<math>\alpha < \beta < \gamma </math>)とする。<math>\alpha , \beta , \gamma</math>が、この関係にない場合は[[#3次不等式|後述]]する。 *::<small>※:<math>a < 0</math>ならば、<math>-a = e</math>とし、<math>ax^3 + bx^2 + cx + d \gtrless 0</math>を<math>ex^3 + (-b)x^2 + (-c)x + (-d) \lessgtr 0</math>として評価。</small> *:<math>f(x) = ax^3 + bx^2 + cx + d</math>とすると、<math>f(x) = a(x -\alpha)(x -\beta)(x -\gamma)</math>である。 *: <!--行空けのため全角スペース挿入--> *:この時、各要素の正負とそれをかけ合わせた式全体の正負は、以下のとおりとなる。 <div style="margin:0 4em 0 8em"> {| class="wikitable" style="background-color:#fdd; text-align:center;" |+ 各要素の正負と式全体の正負 |- ! !! <math>x -\alpha</math> !! <math>x -\beta</math> !! <math>x -\gamma</math> !!style="border-left:double" | <math>f(x)</math>  |- style="background-color:#ddf;" !style="text-align:left;"| ① <math>x < \alpha</math> | <math>-</math> | <math>-</math> | <math>-</math> | style="border-left:double" | <math>-</math> |- !style="text-align:left;"| ② <math>\alpha < x < \beta</math> | <math>+</math> | <math>-</math> | <math>-</math> | style="border-left:double" | <math>+</math> |- style="background-color:#ddf;" !style="text-align:left;"| ③ <math>\beta < x < \gamma</math> | <math>+</math> | <math>+</math> | <math>-</math> | style="border-left:double" | <math>-</math> |- !style="text-align:left;"| ④ <math>\gamma < x</math> | <math>+</math> | <math>+</math> | <math>+</math> | style="border-left:double" | <math>+</math> |}</div> :*以上から、 :*#<math>ax^3 + bx^2 + cx + d < 0 \Leftrightarrow </math> <math>x < \alpha</math>, <math>\beta < x < \gamma</math>(表①③) :*#<math>ax^3 + bx^2 + cx + d > 0 \Leftrightarrow </math> <math>\alpha < x < \beta</math>, <math>\gamma < x </math>(表②④) : <!--行空けのため全角スペース挿入--> *<span id="3次不等式"/>'''3次不等式 <math>ax^3 + bx^2 + cx + d \gtrless 0</math> と3次方程式 <math>ax^3 + bx^2 + cx + d = 0</math>の関係''' *:※「[[#解の存在条件|方程式の解の存在条件 3次方程式]]」も参照。 *:3次方程式 <math>ax^3 + bx^2 + cx + d = 0</math>(<math>a > 0</math>とする。<math>a < 0</math>の場合、大小・増減を入れ替え考察)に関して、実数解を各々<math>x_0</math>,<math>x_1</math>,<math>x_2</math>(<math>x_0 \leq x_1 \leq x_2</math>)とする。条件によっては、<math>x_1</math>,<math>x_2</math>は[[#解の存在条件|存在しない場合もある]]。 *:さらに、微分の知識を用いて、<math>f(x) = ax^3 + bx^2 + cx + d</math>に対して、<math>f^\prime (x) = 3ax^2 + 2bx + c</math>、ここで、2次方程式<math>3ax^2 + 2bx + c = 0</math>の判別式<math>D = b^2 - 3ac</math>、この2次方程式に実数解がある場合の解を各々<math>\alpha , \beta</math>(但し、<math>\alpha < \beta</math>)とする。 *::なお以下において、条件に、<math>f(x)=0, f(\alpha) = 0, f(\beta) = 0</math>など、等号成立の場合、存在条件が付加されうるが、場合分けが煩雑になるため割愛する。[[#解の存在条件|上記3次方程式の解の存在条件]]と組み合わせて考察する。 *:#<math>D \leq 0 </math>であるとき、<math>f(x)</math>は単調に増加する。したがって、 *:##<math>ax^3 + bx^2 + cx + d < 0 \Leftrightarrow </math> <math>x < x_0</math> *:##<math>ax^3 + bx^2 + cx + d > 0 \Leftrightarrow </math> <math>x_0 < x</math> *:#<math>D > 0 </math>であるとき、<math>f(x)</math>は<math>\alpha</math>で極大値<math>f(\alpha)</math>を、<math>\beta</math>で極小値<math>f(\beta)</math>をとる。したがって、 *:##<math>f(\alpha) < 0 </math>であるとき、 *:##:なお、この時、<math>\beta < x_0</math> *:###<math>ax^3 + bx^2 + cx + d < 0 \Leftrightarrow </math> <math>x < x_0</math> *:###<math>ax^3 + bx^2 + cx + d > 0 \Leftrightarrow </math> <math>x_0 < x</math> *:##<math>f(\alpha) > 0 , f(\beta) < 0</math>であるとき、 *:##:なお、この時、<math>x_0 < \alpha < x_1 < \beta < x_2</math> *:###<math>ax^3 + bx^2 + cx + d < 0 \Leftrightarrow </math> <math>x < x_0, x_1 < x < x_2</math> *:###<math>ax^3 + bx^2 + cx + d > 0 \Leftrightarrow </math> <math>x_0 < x < x_1 , x_2 < x </math> *:##<math>f(\beta) > 0 </math>であるとき、 *:##:なお、この時、<math>x_0 < \alpha</math> *:###<math>ax^3 + bx^2 + cx + d < 0 \Leftrightarrow </math> <math>x < x_0</math> *:###<math>ax^3 + bx^2 + cx + d > 0 \Leftrightarrow </math> <math>x_0 < x</math> <!-- 書きかけ *:実数解を<math>x_1</math>として、<math>ax^3 + bx^2 + cx + d = a(x - x_1 )(x^2 + px + q) = 0</math>と因数分解できる場合、<math>D_1 = p^2 - 4q </math>(判別式)として、 *:#<math>D \leq 0 </math>である時、 *:##<math>ax^3 + bx^2 + cx + d \geq 0</math>, <math>a > 0 \Leftrightarrow</math><math>x_1 \leq x</math> *:##<math>ax^3 + bx^2 + cx + d \leq 0</math>, <math>a < 0 \Leftrightarrow</math><math>x \leq x_1</math> *:#<math>D_1 > 0 </math>である時、 --> == 行列 == ここでは行列はすべて2次正方行列とする。 ===基礎演算=== <math>O</math>をすべての元が<math>0</math>である行列 <math>O = \begin{pmatrix} 0 & 0\\ 0 & 0\\ \end{pmatrix} </math> (零行列)とし、<math>E</math>を任意の2次正方行列<math>A</math>に対して<math>AE = EA = A</math>となる行列 <math>E = \begin{pmatrix} 1 & 0\\ 0 & 1\\ \end{pmatrix} </math> (2次単位行列)とする。任意の2次正方行列<math>A = \begin{pmatrix} a & b\\ c & d\\ \end{pmatrix} </math> に対し、次が成り立つ。 *<math>AA^{-1} = A^{-1}A = E</math>となる行列を逆行列といい、<math>A^{-1} = \frac{1}{ad - bc} \begin{pmatrix} d & -b\\ -c & a\\ \end{pmatrix} </math>(ただし、<math>ad - bc \neq 0</math>) で与えられる。 *Aの転置行列は<math>{}^t \! A = \begin{pmatrix} a & c \\ b & d \end{pmatrix}</math> *Aの行列式は<math>\mathrm{det} A = |A| = ad-bc</math> *<math>\vec{a} = (a, b), \vec{b} = (c, d), \vec{c} = (a, c), \vec{d} = (b, d)</math>とすると<math>\mathrm{det} A = 0 \iff \vec{a} // \vec{b} \land \vec{c} // \vec{d}</math>(一次従属) *<math>\mathrm{det} ({}^t \! A) = \mathrm{det} A</math> *<math>\mathrm{det} (A^{-1}) = \frac{1}{\mathrm{det} A}</math> *<math>\mathrm{det} (AB) = \mathrm{det} A \mathrm{det} B</math> *<math>\Delta_{ij} = (-1)^{i+j} \mathrm{det} A_{ij}</math>(余因子) *<math>A^{-1} = \frac{\widetilde{A}}{\mathrm{det} A}</math> *<math>\mathrm{det} A = \sum_{j=i}^{n} a_{ij} \Delta_{ij} </math>(余因子展開) *<math>A^2 - (\mathrm{tr} A) A + (\mathrm{det}A) E = O</math> ([[ケイリー・ハミルトンの定理]]) *固有値を<math>\lambda</math>とすると<math>\Phi_A (\lambda) = \mathrm{det} (\lambda E - A) = 0</math> *<math>\Phi_A (\lambda) = \prod_{i=1}^{r} (\lambda - \lambda_i)^{\nu_i}</math>(ただし<math>r \leqq n</math>, <math>\nu_i</math>は固有値の重複度) *<math>\mathrm{tr} A = \sum_{k=1}^{n} \lambda_k</math> *<math>P^{-1} A P = \mathrm{diag} (\lambda_1, \lambda_2, \cdots, \lambda_n) </math>(ただしPは相似行列) A、Bを正則行列とすると<math>(AB)^{-1} = B^{-1}A^{-1}</math> A、Bを同じ型の行列とすると<math>{}^t \! (kA+lB) = k ({}^t \! A) + l ({}^t \! B)</math>(線形性) 正方行列Aの横に同じ次数の単位行列Eを並べた行列<Math>\left ( \begin{array}{c|c} A & E \end{array} \right )</Math>に行基本変形を施して<Math>\left ( \begin{array}{c|c} E & B \end{array} \right )</Math>となる場合、<Math>B = A^{-1}</Math>である。(ガウスの消去法・掃き出し法) === 連立一次方程式 === ;<span id="連立方程式"></span>2元一次方程式と行列 : <math>\begin{cases} ax + by = p\\ cx + dy = q \end{cases}</math> :: (但し、<math>ad - bc \neq 0</math>)である場合、 :行列の形式で以下のように表すことができ、さらに行列の演算を用いることができる。 ::<math> \begin{pmatrix} a &b\\ c &d \end{pmatrix} \begin{pmatrix} x\\ y \end{pmatrix} = \begin{pmatrix} p\\ q \end{pmatrix} </math> :::右から、逆行列をかけると、 :::<math> \begin{pmatrix} x\\ y \end{pmatrix} = \frac 1 { ad - bc } \begin{pmatrix} d&-b\\ -c&a \end{pmatrix} \begin{pmatrix} p\\ q \end{pmatrix} = \frac 1 { ad - bc } \begin{pmatrix} dp - bq\\ -cp + aq \end{pmatrix}</math> ;一般式 連立一次方程式は行列とベクトルを用いて<math>A \vec{x} = \vec{b}</math>と表せる。 *<math>A \vec{x} = \vec{b}</math>が解を持つ<math>\iff \mathrm{rank} A = \mathrm{rank} \left ( \begin{array}{c|c} A & \vec{b} \end{array} \right )</math> *<math>A \vec{x} = \vec{b}</math>の解がただ一つ<math>\iff \mathrm{rank} A = n</math> *連立方程式の自由度は<math>n-\mathrm{rank} A</math>で求まる。 === 一次変換 === 平面座標上の点<math>(x,y)</math>を、以下の式によって点<math>(X,Y)</math>に移す操作を一次変換という。 : <math>\begin{cases} ax + by = X\\ cx + dy = Y \end{cases}</math> :: (但し、<math>ad - bc \neq 0</math>) これを行列を用いて表現する。 ::<math> \begin{pmatrix} a & b\\ c & d \end{pmatrix} \begin{pmatrix} x\\ y \end{pmatrix} = \begin{pmatrix} X\\ Y \end{pmatrix} </math> : <!--行空けのため全角スペース挿入--> ;以下に、代表的な変換行列を示す。 *原点を中心とする<math>\theta</math>回転 *:<math>\begin{pmatrix} \cos\theta & -\sin\theta\\ \sin\theta & \cos\theta\\ \end{pmatrix} </math> **原点に関する対称移動<math>\left(\theta=\pi\right)</math> **:<math>\begin{pmatrix} -1 & 0\\ 0 & -1\\ \end{pmatrix} </math> : <!--行空けのため全角スペース挿入--> *直線:<math>x\sin\theta-y\cos\theta=0</math>(原点を通り、<math>x</math>軸と成す角が<math>\theta</math>である直線)に関する対称移動([[/証明・行列#対称移動|証明]]) *:<math>\begin{pmatrix} \cos 2 \theta & \sin 2 \theta\\ \sin 2 \theta & -\cos 2 \theta\\ \end{pmatrix} </math> **<math>x</math>軸に関する対称移動<math>\left(\theta=0\right)</math> **:<math>\begin{pmatrix} 1 & 0\\ 0 & -1\\ \end{pmatrix} </math> **<math>y</math>軸に関する対称移動<math>\left(\theta=\frac{\pi}{2}\right)</math> **:<math>\begin{pmatrix} -1 & 0\\ 0 & 1\\ \end{pmatrix} </math> **直線<math>y = x</math>に関する対称移動<math>\left(\theta=\frac{\pi}{4}\right)</math> **:<math>\begin{pmatrix} 0 & 1\\ 1 & 0\\ \end{pmatrix} </math> **直線<math>y = - x</math>に関する対称移動<math>\left(\theta=\frac{3\pi}{4}\right)</math> **:<math>\begin{pmatrix} 0 & -1\\ -1 & 0\\ \end{pmatrix} </math> ==== 一次変換と面積 ==== <math>\vec{v}=(x_1,y_1), \vec{u}=(x_2,y_2)</math>として、このベクトルで作られる平行四辺形の面積を<math>S</math>とすると、 :<math>S=|x_1 y_2 - x_2 y_1| </math>である。 ::なお、ここで絶対値の中は、<math>\begin{pmatrix} x_1 & y_1\\ x_2 & y_2\\ \end{pmatrix} </math>の行列式となっている。 :<math>\vec{v}, \vec{u}</math>を行列<math>\begin{pmatrix} a & b\\ c & d\\ \end{pmatrix} </math>で一次変換したベクトルを<math>\vec{V}, \vec{U}</math>とし、このベクトルで作られる平行四辺形の面積を<math>S_t</math>とすると、 :  :<math>S_t=|ad - bc|S =|ad - bc||x_1 y_2 - x_2 y_1| </math>となる([[/証明・行列#面積変換|証明]])。 == 関連項目 == *[[代数学]] ==脚注== <references/> {{DEFAULTSORT:しよとうすうかくこうしきしゆう 02しよとうたいすう}} [[Category:普通教育]] [[Category:数学教育]] [[Category:初等数学公式集|たいすう]] 47rremw9n92gmym4wx1vt1w3bye042r 298935 298932 2026-04-29T23:13:35Z Tomzo 248 [[Special:Contributions/Tkkn46tkkn46|Tkkn46tkkn46]] ([[User talk:Tkkn46tkkn46|会話]]) による編集を取り消し、Tomzo による直前の版へ差し戻す 298888 wikitext text/x-wiki == 単項式 == === 指数の計算 === ==== 累乗の計算・指数法則 ==== :本節では、<math>a, b</math>は正の実数、<math>m, n, p, q</math>は、1ではない正の整数とする。 ;乗算・累乗 *<math>a^m \times a^n = a^{m+n}</math> *<math>( a^m )^n = a^{mn}</math> *<math>( ab )^n = a^n b^n</math>   ;除算 :<math>a^p \times a^q = a^{p+q}</math>から、<math>a^{p+q} \div a^q = a^p</math>となる。ここで、<math>p+q</math> を <math>m</math> に <math>q</math> を <math>n</math> に置き換えると、<math>p = m-n</math> となり、 :  *<math>a^m \div a^n =\frac{a^m}{a^n} =\left\{ \begin{array}{ll} a^{m-n} ( m > n )\\ 1 ( m = n )\\ \frac{1}{a^{n-m}} ( m < n ) \end{array} \right.</math> *:  *:となる。したがって、 *::<math>a^0 = 1</math>、<math>a^{-n} = \frac{1}{a^n}</math> :  :以上をまとめると、<math>a, b</math>は正の実数、<math>m, n</math>は整数として、以下のとおり整理することができる('''指数法則''')。 # <math>a^0 = 1, a^1 = a</math> # <math>a^m\times a^n=a^{m+n}</math> # <math>a^m\div a^n = a^{m-n}</math> #:特に <math>a^{-n} = \frac {1}{a^n}</math> # <math> (a^m)^n=a^{mn}</math> # <math> (ab)^n=a^nb^n</math> ==== 累乗根の計算 ==== :本節では、<math>a, b</math>は正の実数、<math>m, n, k</math>は、1ではない正の整数とする。 :累乗根の計算においては以下の式が成立する。 #<math>\left(\sqrt[n]{a}\right)^n = a</math> #<math>\left(\sqrt[n]{a}\right)^m = \sqrt[n]{a^m}</math> #<math>\sqrt[n]{a^m} = \sqrt[nk]{a^{mk}}</math> #<math>\sqrt[n]{\sqrt[m]{a}} = \sqrt[m]{\sqrt[n]{a}} = \sqrt[mn]{a}</math> #<math>\sqrt[n]{a} \sqrt[n]{b}= \sqrt[n]{ab}</math> #<math>\frac{\sqrt[n]{a}}{\sqrt[n]{b}}= \sqrt[n]{\frac{a}{b}}</math> ==== 指数の拡張 ==== :本節では、<math>m, n</math>を、有理数に拡張する。 *<math>( a^m )^n = a^{mn}</math> および <math>\left(\sqrt[n]{a}\right)^n = a</math> より、 *:<math> \left( \left(\sqrt[n]{a}\right)^n \right)^m = \left(\sqrt[n]{a}\right)^{mn} = a^m</math> *:ここで、<math>m=\frac{1}{n}</math>とすると、 *:<math> \left(\sqrt[n]{a}\right)^{\frac{1}{n} n} = \left(\sqrt[n]{a}\right)^1 = \sqrt[n]{a} = a^{\frac{1}{n}}</math> となり、累乗根も累乗同様、指数を用いて表現できることが分かる。 :  :この表現を上記[[#累乗根の計算|累乗根の計算]]に当てはめると以下のとおりとなる。 #<math>\left(\sqrt[n]{a}\right)^n = a^{\frac{n}{n}} = a^1 = a</math> #<math>\left(\sqrt[n]{a}\right)^m = \left(a^{\frac{1}{n}}\right)^m = a^{\frac{m}{n}} = \sqrt[n]{a^m}</math>(指数法則4より) #<math>\sqrt[n]{a^m} = a^{\frac{m}{n}} = a^{\frac{mk}{nk}} = \sqrt[nk]{a^{mk}}</math> #<math>\sqrt[n]{\sqrt[m]{a}} = \sqrt[n]{a^{\frac{1}{m}}} = \left(a^{\frac{1}{m}}\right)^{\frac{1}{n}} = a^{\frac{1}{mn}} = \sqrt[mn]{a}</math>(指数法則4より) #:<math>\sqrt[m]{\sqrt[n]{a}} = \sqrt[m]{a^{\frac{1}{n}}} = \left(a^{\frac{1}{n}}\right)^{\frac{1}{m}} = a^{\frac{1}{mn}} = \sqrt[mn]{a}</math> #<math>\sqrt[n]{a} \sqrt[n]{b}= a^{\frac{1}{n}} b^{\frac{1}{n}} = (ab)^{\frac{1}{n}} = \sqrt[n]{ab}</math> (指数法則5より) #<math>\frac{\sqrt[n]{a}}{\sqrt[n]{b}}= \frac{a^{\frac{1}{n}}}{b^{\frac{1}{n}}}= \left(\frac{a}{b}\right)^{\frac{1}{n}}= \sqrt[n]{\frac{a}{b}}</math>(指数法則5より) :となって、累乗根の計算は指数で表現しても同様に成立している。このように、累乗根を指数の分母とすることで指数は有理数に拡張できる。 :なお、厳密な証明は高校の範囲を超えるので省略するが、指数は有理数のみならず、実数全体に拡張できる。 == 多項式 == === 展開公式 === ''解説は[[/展開公式|こちらのページ]]をご覧ください'' * '''基本公式''' ** <math>(a+b)(c+d) = ac + ad + bc + bd</math> ** <math>(x+a)(x+b) = x^2 + (a+b)x + ab</math> ** <math>(ax+b)(cx+d) = acx^2 + (ad+bc)x + bd</math> ** <math> (x+a)(x+b)(x+c) = x^3 + (a+b+c)x^2 + (ab + bc + ca)x +abc</math> * '''累乗'''('''<span id="二項定理"/>[[二項定理]]''') *:[[File:Pascal's triangle 5.svg|thumb|[[w:パスカルの三角形|パスカルの三角形]]]] ** <math>(a\pm b)^2 = a^2 \pm 2ab + b^2</math> ** <math>(a\pm b)^3 = a^3 \pm 3a^2b + 3ab^2 \pm b^3</math> ** <math>(a\pm b)^4 = a^4 \pm 4a^3b + 6a^2b^2 \pm 4ab^3 + b^4</math> ** <math>(a\pm b)^5 = a^5 \pm 5a^4b + 10a^3b^2 \pm 10a^2b^3 + 5ab^4 \pm b^5</math> ** <math>(a+b)^n = a^n + na^{n-1}b + \frac{n(n-1)}{2} a^{n-2} b^2 + \cdots + {}_n{\rm C}_{k} a^{n-k} b^k + \cdots + \frac{n(n-1)}{2} a^2 b^{n-2} + nab^{n-1} + b^n </math><math>= \sum_{r = 0}^n{}_n{\rm C}_{r} a^{n-r} b^r</math> **:::記号:<math>{}_n{\rm C}_{r}</math>は「組合せ([[初等数学公式集/確率・統計#組合せ|参照]])」、記号:<math> \sum</math>は「総和(シグマ [[初等数学公式集/数列#組合せ|参照]])」を表す。 ***特に、<math>a = b = 1</math>とすると、 ***: <math>1 + n + \frac{n(n-1)}{2} + \cdots + {}_n{\rm C}_{k} + \cdots + \frac{n(n-1)}{2} + n + 1</math><math>= \sum_{r = 0}^n{}_n{\rm C}_{r} = 2^n</math> * '''応用''' *:'''2変数''' *:* <math>(a+b)(a-b) = a^2 - b^2</math> *:* <math>(a\pm b)(a^2 \mp ab + b^2) = a^3 \pm b^3</math> *:* <math>a^n - b^n</math>, <math>a^n + b^n</math>の一般的な形 *:**<math>a^n - b^n</math> *:**: <math>a^n - b^n = (a-b)(a^{n-1} + a^{n-2}b + a^{n-3}b^2 + \cdots + b^{n-1})</math> *:**<math>a^n + b^n</math> *:*** <math>n</math>が奇数である時、 *:***: <math>a^n + b^n = (a+b)(a^{n-1} - a^{n-2}b + a^{n-3}b^2 + \cdots + (-1)^ka^{n-1-k}b^k + \cdots - ab^{n-2} + b^{n-1})</math> *:***(参考) <math>n</math>が4の倍数である時(<math>n = 4m</math>とおいて)、 *:***: <math>a^n + b^n = a^{4m} + b^{4m} = (a^{2m} + b^{2m})^2 - 2{a}^{2m}{b}^{2m} = (a^{2m} + \sqrt{2}{a}^{m}{b}^{m} + b^{2m})(a^{2m} - \sqrt{2}{a}^{m}{b}^{m} + b^{2m})</math> *:* <math>a^4 + a^2 b^2+ b^4 =(a^2 + ab +b^2)(a^2 - ab +b^2)</math> *:'''3変数''' *:* <math>(a+b+c)^2 = a^2 + b^2 + c^2 + 2ab + 2bc + 2ca</math> *:* <math>(a+b+c)^3 = a^3 + b^3 + c^3 + 3ab^2 + 3ac^2 + 3ba^2 + 3ca^2 + 6abc + 3bc^2 + 3cb^2</math> *:* <math>(a+b+c)^4 = a^4 + b^4 + c^4 + 4ab^3 + 4ac^3 + 4ba^3 + 4ca^3 + 4bc^3 + 4cb^3 + 6a^2b^2 + 6a^2c^2 + 6b^2c^2 + 12a^2bc + 12ab^2c + 12abc^2</math> *:* <math>(a+b+c)^n</math>の展開式の一般項(多項定理): *:**:<math> \frac{n!}{p! q! r!} a^p b^q c^r </math> (ただし、<math>n=p + q + r</math>) *:* <math>(a+b+c)(a^2 + b^2 + c^2 - ab - bc - ca) = {1\over 2}(a+b+c)((a - b)^2 + (b - c)^2 +(c - a)^2)= a^3 + b^3 + c^3 -3abc</math> *:* <math>(ab+c)(bc+a)(ca+b) = (cab)^2 + cab^3 + bca^3 + (ab)^2 + abc^3 + (bc)^2 + (ac)^2 + abc</math> *:'''4変数''' *:* <math>(a+b+c+d)^2 = a^2 + b^2 + c^2 + d^2 + 2ab + 2ac + 2ad + 2bc + 2bd + 2cd</math> *:* <math>(a+b+c+d)^3 = a^3 + b^3 + c^3 + d^3 + 3ab^2 + 3ac^2 + 3ad^2 + 3ba^2+ 3ca^2 + 3da^2 + 6abc + 6abd + 6acd + 3ac^2 + 3cb^2 + 3db^2 + 6bcd + 3cd^2+3dc^2</math> === 式の変形 === * <math>a^2 + b^2 = (a+b)^2 - 2ab</math> <sup>※1</sup> * <math>(a-b)^2 = (a+b)^2 - 4ab</math> <sup>※1</sup> * <math>(a+b)^2 + (a-b)^2= 2(a^2 + b^2)</math> <sup>※1</sup> * <math>a^3+b^3 = (a+b)^3 - 3ab(a+b) = (a+b)\{(a+b)^2 - 3ab\}</math> <sup>※1</sup> * <math>a^3-b^3 = (a-b)^3 + 3ab(a-b) = (a-b)\{(a-b)^2 + 3ab\}</math> <sup>※2</sup> *:上の2式を合わせて、 *:*<math>a^6-b^6 = (a^3+b^3)(a^3-b^3) = (a+b)(a^2-ab+b^2)(a-b)(a^2+ab+b^2)</math> *:*:<math>= (a+b)\{(a+b)^2 - 3ab\}(a-b)\{(a-b)^2 + 3ab\} = (a+b)(a-b)(a^4+a^2b^2+b^4)</math> <sup>※2</sup> * <math>x^3 + y^3 + z^3 -3xyz = (x+y+z)(x^2 + y^2 + z^2 - xy - yz - zx) = (x+y+z)\{(x + y + z)^2 - 3(xy + yz + zx)\}</math> <sup>※1</sup> ** <math>x^3 + y^3 + z^3 = (x + y + z)^3 - 3(x + y + z)(xy + yz + zx) + 3xyz</math> <sup>※1</sup> * <math>x^2 + y^2 + z^2 -xy - yz - zx = \frac{1}{2}\{ (x-y)^2 + (y-z)^2 + (z-x)^2 \}</math><sup>※1</sup> * <math>(a^2+b^2)(c^2+d^2) = (ac+bd)^2+(ad-bc)^2 = (ac-bd)^2+(ad+bc)^2</math>([[w:ブラーマグプタの二平方恒等式|ブラーマグプタの二平方恒等式]]) *[[w:ラグランジュの恒等式 (曖昧さ回避)|ラグランジュの恒等式]] ** <math>(a^2+b^2)(x^2+y^2) - (ax+by)^2 = (ay-bx)^2</math> ** <math>(a^2+b^2+c^2)(x^2+y^2+z^2) - (ax+by+cz)^2 = (ay-bx)^2+(bz-cy)^2+(cx-az)^2</math> ==== 対称式・交代式 ==== {{wikipedia|対称式}} {{wikipedia|交代式}} *'''対称式'''とは、どの変数を入れ替えても、値が変わらない式、'''交代式'''とはいずれか2個の変数を入れ替えると、元の式の−1倍となる式をいう。 *:(上記の変形式で※1は対称式であり、※2は交代式である。) **変数が2個の場合、対称式は<math>f(a,b) = f(b,a)</math>と表され、交代式は<math>f(a,b) = -f(b,a)</math>と表される。 **変数が3個の場合、 **:*対称式は<math>f(a,b,c) = f(a,c,b)= f(b,a,c)= f(b,c,a)= f(c,a,b)= f(c,b,a)</math> **:*交代式は<math>f(a,b,c) = -f(a,c,b)= -f(b,a,c)= -f(c,b,a)</math> **:となる。なお、3変数を全て入れ替えた場合<math>f(a,b,c) = f(c,a,b)= f(b,c,a)</math>が成立している。 **変数が4個以上にも一般化できるが、初等数学では取り扱わない。また、3変数の場合も参考の位置付けとしてのみ取り扱う。 ;<span id="基本対称式"/>対称式の性質 *2変数の対称式は、2変数の和:<math>a+b</math>、積:<math>ab</math>を組み合わせることにより表される。<math>a+b</math>, <math>ab</math>を基本対称式という。 *:3変数の基本対称式は、<math>a+b+c</math>, <math>ab+bc+ca</math>, <math>abc</math>であり、この性質を有する。 *::(例) <math>a^3 + b^3 + c^3 = (a + b + c)^3 - 3(a + b + c)(ab + bc + ca) + 3abc</math> *'''公式''' **<math>a^n + b^n = (a+b)(a^{n-1} + b^{n-1}) - ab(a^{n-2} + b^{n-2})</math> **: <!--行空けのため全角スペース挿入--> **:基本対称式を<math>a+b=\alpha </math>, <math>ab=\beta </math>、<math>a^n + b^n = T_n</math>と表現すると、 **:<math>T_n = \alpha T_{n-1} - \beta T_{n-2}</math>と表されることとなり、<math>a+b=\alpha </math>, <math>ab=\beta </math>が与えられていれば、[[初等数学公式集/数列#三項間漸化式|隣接三項間漸化式]]を解く問題に帰結される。 **::数列未履修であっても出題される形式であるが、一般に次数が小さいものの値を求める問題となるため、次数の低いものから順に求めることが可能である。一般式ではなく、極端に次数が大きい場合は、循環性に着目した問題である場合が多い([[/交代式・例題1|交代式の例題①]]参照)。 *:'''応用問題''' *::<math>x+\frac{1}{x}=k </math>(定数)であるとき、<math>x^n+\frac{1}{x^n}</math>の値を求めよ。 *:: <!--行空けのため全角スペース挿入--> *::(解法) *:::<math>x=a, \frac{1}{x}=b</math>とおくと、与式は<math>a^n + b^n</math>の形となる、ここで、<math>a+b=x+\frac{1}{x}=k</math>, <math>ab=x\frac{1}{x}=1</math>であるので、 *:::<math>x^n+\frac{1}{x^n} = T_n</math>とおいた漸化式;<math>T_n = k T_{n-1} - T_{n-2}, T_1 = k</math>を解く問題に帰結する。 ;交代式の性質 *2変数の交代式は、2変数の差:<math>a-b</math>を因数に持ち、<math>a-b</math>で割った商は対称式である。 *:3変数の交代式は、<math>(a-b)(b-c)(c-a)</math>を因数に持ち、<math>(a-b)(b-c)(c-a)</math>で割った商は対称式である。 *変数が同一である、2つの交代式(<math>f(a,b), g(a,b)</math>、<math>f(a,b,c), g(a,b,c)</math>等)の積は対称式となる。 === 多項式の除法 === {{wikipedia|除法の原理}} 多項式における'''除法の原理''' :多項式<math>f(x)</math>を、それより次数の少ない多項式<math>d(x)</math>で割るとき、次式を満たす多項式 <math>q(x)</math>, <math>r(x)</math>が一意に存在する。 :  ::<math>f(x) = q(x)d(x) + r(x)\quad</math> :  :::このときの <math>q(x)</math> を'''商'''、<math>r(x)</math> を'''剰余'''と呼ぶ。なお、<math>d(x)</math>を除数、除式または除多項式、<math>f(x)</math>を被除数、被除式または被除多項式ともいう。 :::除式<math>d(x)</math> が<math>n</math>次式であるとき、<math>r(x)</math>は、高々 <math>(n-1)</math>次式である。 ==== 剰余の定理と因数定理 ==== {{wikipedia|剰余の定理}} {{wikipedia|因数定理}} 多項式 <math>f(x)</math> を <math>x - c</math> で割った余りは <math>f(c)</math> である。('''剰余の定理''') :<math>\because</math> 除法の原理より、<math>f(x) = q(x)(x-c) + r(x)</math>であり、除多項式<math>x-c</math>は1次式なので、<math>r(x)</math>は定数<math>r</math>。<math>x = c</math>とすると、<math>r = f(c)</math> とくに <math>f(c) = 0</math> のとき、多項式 <math>f(x)</math> は <math>x - c</math> を因数に持つ。('''因数定理''') :上の式で、<math>r = 0</math>となる場合である。 :  ;剰余定理の応用 #'''除多項式が2次式の場合''' #:<math>f(x)</math>を<math>x - a</math> で割った余りが <math>s</math>(<math>=f(a)</math>)、<math>x - b</math> で割った余りが <math>t</math>(<math>=f(b)</math>)であるとき(ただし、<math> a \neq b</math>)、<math>f(x)</math>を<math>(x-a)(x-b)</math> で割った余り<math>r(x)</math>; #:  #::<math>r(x) = \frac{s-t}{a-b}x + \frac{at-bs}{a-b} \big( = \frac{f(a)-f(b)}{a-b}x + \frac{af(b)-bf(a)}{a-b} \big) </math> #:  #:::(解法)<math>f(x) = (x-a)(x-b)Q(x) + px +q</math>とおき、<math>f(a) = pa +q = s</math>, <math>f(b) = pb +q = t</math>を剰余式の係数<math>p, q</math>について解く。 #:  #:*<math>f(x)</math>を2次式<math>ax^2 + bx +c</math> で割った余り<math>r(x)</math>; #:*:<math>ax^2 + bx +c = 0</math>の実数解が<math>\alpha, \beta</math>(<math>\alpha \neq \beta</math>)であるとき、 #:*:  #:*::<math>r(x) = \frac{f(\alpha)-f(\beta)}{\alpha-\beta}x + \frac{\alpha f(\beta)-\beta f(\alpha)}{\alpha-\beta}</math> #:  #:*<math>f(x)</math>を2次式<math>(x-a)^2</math> で割った余り<math>r(x)</math>;(「[[初等数学公式集/微積分#微分と剰余定理]]」参照) #:*:  #'''除多項式が3次式の場合''' #:2次式における解法を拡張する。3元一次方程式の公式等は省略する。 #:<math>f(x)</math>を<math>x - a</math> で割った余りが <math>s</math>(<math>=f(a)</math>)、<math>x - b</math> で割った余りが <math>t</math>(<math>=f(b)</math>)、<math>x - c</math> で割った余りが <math>u</math>(<math>=f(c)</math>)であるとき(ただし、<math> a, b, c</math>は各々異なるものとする)、<math>f(x)</math>を<math>(x-a)(x-b)(x-c)</math> で割った余り<math>r(x)</math>; #:  #::(解法) #:::<math>f(x) = (x-a)(x-b)(x-c)Q(x) + px^2 + qx +r</math>とおき、<math>f(a) = pa^2 +qa +r = s</math>, <math>f(b) = pb^2 +qb +r = t</math>, <math>f(c) = pc^2 +qc +r = u</math>を剰余式の係数<math>p, q, u</math>について解く。 #:  #:*<math>f(x)</math>を3次式<math>ax^3 + bx^2 +cx +d</math> で割った余り<math>r(x)</math>; #:*:<math>ax^3 + bx^2 +cx +d = 0</math>の実数解が<math>\alpha, \beta, \gamma</math>(<math>\alpha, \beta, \gamma</math>は、互いに異なる)であるとき、<math>r(x)=px^2 + qx +r</math>に関して<math>x = \alpha, \beta, \gamma</math>を代入しできた連立方程式;<math>f(\alpha) = p {\alpha}^2 +q \alpha +r</math>, <math>f(\beta) = p {\beta}^2 +q \beta +r</math>, <math>f(\gamma) = p {\gamma}^2 +q \gamma +r</math>を解いて、剰余式の係数<math>p, q, r</math>を求める。 #:*::<small>(コメント) #:*:::大学入試等に出題される場合、<math>ax^3 + bx^2 +cx +d = 0</math>は基本的に因数分解により解は簡単に求められ(<math> x = 0, \pm 1, \pm 2, \pm \frac{1}{2}</math>であることが多い)、また、<math>f(\alpha) , f(\beta), f(\gamma)</math>も<math>f(x) = x^n</math>などであって簡単に求められるよう設定されている。除多項式が簡単に因数分解できない場合などは、この方法での解答は求められていない。</small> #:  #:*<math>f(x)</math>を3次式<math>(x-a)^3</math> で割った余り<math>r(x)</math>;(「[[初等数学公式集/微積分#微分と剰余定理]]」参照) ==== 特殊な剰余の計算 ==== 上記で見られるように、除多項式が<math>n</math>次であれば、剰余式は(高々)<math>n-1</math>次であり、剰余式を求める計算において、各項の係数と定数を合わせた未知数は<math>n</math>個ともなる。<math>n</math>個の未知数を求めるには、<math>n</math>個の方程式(<math>n</math>元1次方程式)を解くことになるが、初等数学(高校までの数学)においては、4元以上の連立方程式を解く問題が出題されることはごく稀なので(未知数を1個ずつ減らすプロセスなので、無理な出題ではないが、労力の割に教育的意義は低い)、除多項式が3次以上のものが出題された場合、解法には上記の剰余定理<u>以外</u>を用いると考えた方がいい。 ::<span id="特殊除法"/>'''例. <math>x^m</math>を<math>n</math>次式<math>f(x)</math>(ただし、<math>m > n</math>)で割った剰余。'''([[/剰余計算・例題・特殊な剰余計算|例題・特殊な剰余計算]]参照) ::(解法) :::<math>f(x)</math>にある関数<math>g(x)</math>をかけると、<math>f(x)g(x) = x^k + c </math> ( <math>c</math>は定数、<math>k</math>は、<math>m > k</math>で、<math>m = kp + q</math> [<math>q < k</math>]とする)と変形できる場合がある。 :::これを、<math>x^k = f(x)g(x) - c </math>と変形し、<math>x^m</math>に代入。 ::::<math>x^m = x^{kp + q} = {x^{kp}}{x^q} = (x^k)^p {x^q}= \{ f(x)g(x) - c \}^p {x^q}</math> ::::[[#二項定理|二項定理]]より、 ::::<math>= \left(\{ f(x)g(x) \}^p + p\{ f(x)g(x) \}^{p-1}(- c)+ \cdots + p f(x)g(x)(- c) + (- c)^p \right)^p {x^q} = \{ f(x)G(x) + (- c)^p \} {x^q}= f(x)G(x){x^q} + (- c)^p {x^q}</math> :::したがって、<math>x^m</math>を<math>f(x)</math>で割った剰余は、<math>(- c)^p {x^q}</math>となる。 == 方程式 == === 解の公式 === * 1次方程式 <math>ax + b =0</math> の解の公式: *:<math>x = - \frac{b}{a}</math> : <!--行空けのため全角スペース挿入--> * 2次方程式 <math>ax^2 + bx + c = 0</math> の解の公式: *:<math>x = \frac{-b \pm \sqrt{b^2 - 4ac}}{2a}</math> *: <!--行空けのため全角スペース挿入--> *::(導出法)与式を'''平方完成'''させる。 *::::<math>ax^2 + bx + c = 0</math> *::::⇔<math>x^2 + \frac{b}{a}x + \frac{c}{a} = 0</math> *::::⇔<math>\left\{ x^2 + 2\frac{b}{2a}x + \left( \frac{b}{2a} \right)^2 \right\} - \left( \frac{b}{2a} \right)^2 + \frac{c}{a} = 0</math> *::::⇔<math>\left( x + \frac{b}{2a} \right)^2 = \left( \frac{b}{2a} \right)^2 - \frac{c}{a} = \frac{ b^2 - 4ac }{4a^2}</math> *::::⇔<math> x + \frac{b}{2a} = \pm \frac{\sqrt{b^2 - 4ac}}{2a}</math> *::::⇔<math> x = - \frac{b}{2a} \pm \frac{\sqrt{b^2 - 4ac}}{2a} = \frac{-b \pm \sqrt{b^2 - 4ac}}{2a}</math> *:*<math>ax^2 + 2bx + c =0</math> の場合: *:*:<math>x = \frac{-b \pm \sqrt{b^2 - ac}}{a}</math> *:*<math>x^2 + bx + c = 0</math> (<math>ax^2 + bx +c = 0</math> において <math>a = 1</math>) の場合 : *:*:<math>x = -\frac{b}{2} \pm \sqrt{\frac{b^2}{4} - c}</math> *:※上記の3つの公式の根号の中の式は、各方程式の判別式<math>D</math>となる。 ==== 2元1次方程式 ==== :以下のとおり公式化できるが、試験等においては代入法・加減法によって解く方が簡便。3元1次方程式など元が増えると爆発的に一般公式は複雑になる([[初等数学公式集/解析幾何#平面の式]]に3元1次方程式の一般公式の利用例を掲載しているので興味があれば参照いただきたい)。 :  : <math>\begin{cases} ax + by = p\\ cx + dy = q \end{cases}</math> :: (但し、<math>ad - bc \neq 0</math>) :の解、 :<math>x = \frac{dp - bq}{ad - bc}</math> :<math>y = \frac{-cp + aq}{ad - bc}</math>  :'''行列を用いた表現''' ::[[#連立方程式|行列の節]]参照。 ==== 高次方程式の解法 ==== :高等学校課程の数学では、3次以上の方程式の一般的な解の公式は取り扱わないが<ref>一般的な[[w:三次方程式#一般解|3次方程式の解の公式]]や[[w:四次方程式#解の公式(全文)|4次方程式の解の公式]]は存在するが、複雑すぎる一方で応用分野も限られるので中等教育には相応しくない(リンク先参考)。また、5次以上の一般の方程式に対する代数的解法は存在しないことが数学的に証明されている。</ref>、3次以上の方程式が出題されることがある。この場合は、一般的な公式によらず、式を変形することにより、公式等が適用できる形になる場合が多い。なお、方程式の解は虚数解も含め次数の数だけ存在することに注意する(重解を除く)。 :以下に例示する。 :#因数分解を用いる。 :#:方程式:<math>f(x) = 0</math> について、<math>f(x) = ( x- \alpha )g(x)</math> と因数分解できる場合は、少なくとも<math>x = \alpha</math> という解を持ち、次に<math>g(x) = 0</math> という方程式を解く過程に移る。 :#:[[#剰余の定理と因数定理|因数定理]]を利用し、因数分解ができるかを確かめ、できるのであれば、因数分解を行う。 :#<math>x^2 = X, x^3 = X</math> などに置換する。 :#:<math>x^4 - 6x^2 + 3 = 0</math> のように未知数の次数が2の倍数である時、<math>x^2 = X</math> と置換し、元の式を<math>X^2 - 6X + 3 = 0</math> のように公式が適用できる形に変形し<math>X = \alpha</math>を求め、さらに、<math>x = \pm \sqrt{\alpha}</math> として解を得る(複2次方程式)。 :#:<math>x^6 - 6x^3 + 3 = 0</math> のような場合も同様(この場合は<math>x^3 = X</math> と置換する)。 :#<math>x + \frac{1}{x} = t</math> など対称式に置換する。 :#:<math>ax^4 + bx^3 + cx^2 + bx + a = 0, ax^5 + bx^4 + cx^3 + cx^2 + bx + a = 0</math> のように、係数が左右対称な方程式を「相反方程式」という。 :#:  :##最高次数が偶数である場合(例: <math>ax^4 + bx^3 + cx^2 + bx + a = 0</math>) :##:対称の軸となる次数(最高次数の1/2)の未知数で割って、対称式<math>x + \frac{1}{x} = t</math> で置換できるようにする。 :##:例示の式を<math>x^2</math>で割ると、<math>ax^2 + bx + c + \frac{b}{x} + \frac{a}{x^2} = 0</math> :##:係数をまとめて、<math>a\left(x^2 + \frac{1}{x^2}\right)+ b\left(x + \frac{1}{x}\right) + c = a \left\{ \left(x + \frac{1}{x} \right)^2 - 2 \right\} + b\left(x + \frac{1}{x}\right) + c = 0</math> :##:<math>x + \frac{1}{x} = t</math> で置換すると、<math>a (t^2 - 2) + bt + c = at^2 + bt - 2a + c = 0</math>という方程式を得る。 :##:方程式の解 <math>\alpha</math> を得た後、方程式:<math>x + \frac{1}{x} = \alpha</math> を解く。 :##最高次数が奇数である場合(例: <math>ax^5 + bx^4 + cx^3 + cx^2 + bx + a = 0</math>) :##:例示の式を<math>f(x)=0</math>とした時、<math>f(-1)=0</math> であり、すなわち <math>f(x)</math> は <math>x+1</math> を因数に持つ。 :##:<math>f(x)</math> を <math>x+1</math> で割ると、<math>f(x)=(x+1) \{ ax^4 + (-a+b)x^3 + (a-b+c)x^2 + (-a+b)x + a \}= 0</math> を得る。 :##:後半の式は、最高次数が偶数の相反方程式であるので、上記1.の方法で解くことができる。 === 解と係数の関係 === *2次方程式 <math>ax^2 + bx + c = 0</math>の2つの解を<math>\alpha , \beta</math>とすると: *:<math>ax^2 + bx + c = a(x-\alpha)(x-\beta)</math> *:であり、この<math>\alpha , \beta</math>は次の関係式を満たす。 *::<math>\alpha + \beta =-\frac{b}{a}</math> *::<math>\alpha\beta =\frac{c}{a}</math> **<math>x^2 + bx + c = 0</math> (<math>ax^2 + bx +c = 0</math> において <math>a = 1</math>) の2つの解を<math>\alpha , \beta</math>とすると: **:<math>x^2 + bx + c = (x - \alpha)(x - \beta) = x^2 - (\alpha + \beta)x + \alpha \beta</math> **:であり、この<math>\alpha , \beta</math>は次の関係式を満たす。 **:零点の和 : <math>\alpha + \beta = -b</math> **:零点の積 : <math>\alpha \beta = c</math> : <!--行空けのため全角スペース挿入--> *3次方程式 <math>ax^3 + bx^2 + cx + d = 0</math>の3つの解を<math>\alpha , \beta , \gamma</math>とすると: *:<math>ax^3 + bx^2 + cx + d = a(x-\alpha)(x-\beta)(x-\gamma)</math> *:であり、この<math>\alpha , \beta, \gamma</math>は次の関係式を満たす。 *::<math>\alpha + \beta + \gamma =-\frac{b}{a}</math> *::<math>\alpha\beta + \beta\gamma + \gamma\alpha =\frac{c}{a}</math> *::<math>\alpha\beta\gamma =-\frac{d}{a}</math> *2次方程式及び3次方程式においては、方程式の係数から、方程式の解を要素とする[[#基本対称式|基本対称式]]の値を得ることができる。 === 方程式の解の存在条件 === *<math>n</math>次方程式の解の個数は、高々<math>n</math>個である。 *:<math>n</math>が奇数である時、少なくとも1個の実数解を有する。 *2次方程式 <math>ax^2 + bx + c = 0</math>に関して、 *:<math>D = b^2 - 4ac</math>(判別式)とする時、 *:#<math>D > 0 \Leftrightarrow</math>この2次方程式は2個の異なる実数解を持つ。 *:#<math>D = 0 \Leftrightarrow</math>この2次方程式は1個の実数解(重解/重根)を持つ。 *:#<math>D < 0 \Leftrightarrow</math>この2次方程式は2個の異なる虚数解を持つ(実数解を持たない)。 *<span id="解の存在条件"/>3次方程式 <math>ax^3 + bx^2 + cx + d = 0</math>(<math>a \neq 0</math>)に関して、 *#実数解を<math>\alpha</math>として、<math>ax^3 + bx^2 + cx + d = a(x -\alpha)(x^2 + px + q) = 0</math>と因数分解できる場合 *#:<math>D = p^2 - 4q </math>(判別式)として、 *#:#<math>D < 0 \Leftrightarrow</math>この3次方程式は1個の実数解<math>\alpha</math>と2個の異なる虚数解を持つ(有する実数解は1個である)。 *#:#<math>D = 0 </math>である時、 *#:##かつ、<math>x^2 + px + q = (x - \alpha)^2 \Leftrightarrow</math>この3次方程式は実数解<math>\alpha</math>(重解/重根)のみを持つ。 *#:##かつ、<math>x^2 + px + q = (x - \beta)^2</math> 但し、<math>\alpha \neq \beta</math><math> \Leftrightarrow</math>この3次方程式は<math>\alpha</math>と<math>\beta</math>(重解/重根)の2個の異なる実数解を持つ。 *#:#<math>D > 0 \Leftrightarrow</math>である時、 *#:##かつ、<math>x^2 + px + q = (x - \alpha)(x - \beta)</math> 但し、<math>\alpha \neq \beta</math><math> \Leftrightarrow</math>この3次方程式は<math>\alpha</math>(重解/重根)と<math>\beta</math>の2個の異なる実数解を持つ。 *#:##かつ、<math>\alpha^2 + p\alpha + q \neq 0 \Leftrightarrow</math>この3次方程式は3個の異なる実数解を持つ。 *#微分を用いる解法。 *#:<math>f(x) = ax^3 + bx^2 + cx + d</math>に対して、<math>f^\prime (x) = 3ax^2 + 2bx + c</math>。 *#:2次方程式<math>3ax^2 + 2bx + c = 0</math>の判別式<math>D = b^2 - 3ac</math>、この2次方程式に実数解がある場合の解を各々<math>\alpha , \beta</math>(但し、<math>\alpha < \beta</math>)とする。 *##<math>D < 0 \Leftrightarrow</math>この3次方程式は1個の実数解と2個の異なる虚数解を持つ(有する実数解は1個である)。 *##<math>D = 0 \Leftrightarrow</math>この3次方程式は1個の実数解を持つ。 *###かつ<math>f(\frac{b}{3a}) \neq 0 \Leftrightarrow</math>この3次方程式は1個の実数解と2個の異なる虚数解を持つ。 *###かつ<math>f(\frac{b}{3a}) = 0 \Leftrightarrow</math>この3次方程式は1個の実数解<math>\frac{b}{3a}</math>(重解/重根)のみを持つ。 *##<math>D > 0 </math>である時、 *###かつ<math>f(\alpha) = 0 \Leftrightarrow</math>この3次方程式は実数解<math>\alpha</math>(重解/重根)と<math>\beta < x_1</math>となる別の解<math>x_1</math>の2個の実数解を持つ。 *###かつ<math>f(\beta) = 0 \Leftrightarrow</math>この3次方程式は実数解<math>\beta</math>(重解/重根)と<math>x_1 < \alpha</math>となる別の解<math>x_1</math>の2個の実数解を持つ。 *###かつ<math>f(\alpha) \cdot f(\beta) \neq 0 \Leftrightarrow</math>この3次方程式は3個の実数解<math>x_1 , x_2 ,x_3</math>を持ち、<math>x_1 < \alpha < x_2 < \beta < x_3</math>となる。 == 不等式 == === 絶対不等式 === '''基本形''' ;<math>a, b, c</math>は、正の実数である場合。 * <math>\frac{a + b}{2} \geq \sqrt{ab}</math> *:等号成立は<math>a = b</math> のときのみ。 *:∵ <math> \frac{a + b}{2} - \sqrt{ab} = \frac{1}{2}( \sqrt{a} - \sqrt{b} )^2 \geq 0</math> * <math>\frac{a + b + c}{3} \geq \sqrt[3]{abc}</math> *:等号成立は<math>a = b = c</math> のときのみ。 *:∵ <math> \frac{a + b + c}{3} - \sqrt[3]{abc} = \frac{1}{3}( \sqrt[3]{a} + \sqrt[3]{b} + \sqrt[3]{c} )(\sqrt[3]{a}^2 + \sqrt[3]{b}^2 + \sqrt[3]{c}^2 - \sqrt[3]{a}\sqrt[3]{b} - \sqrt[3]{b}\sqrt[3]{c} - \sqrt[3]{c}\sqrt[3]{a}) = \frac{1}{6}( \sqrt[3]{a} + \sqrt[3]{b} + \sqrt[3]{c} )\{ (\sqrt[3]{a}-\sqrt[3]{b})^2 + (\sqrt[3]{b}-\sqrt[3]{c})^2 + (\sqrt[3]{c}-\sqrt[3]{a})^2 \} \geq 0</math> '''拡張''' * 正の実数からのみ成る数列 <math>\{a_n\}</math> に対し、 *:<math>\frac{a_1+a_2+\cdots+a_n}{n} \geq \sqrt[n]{a_1a_2\cdots a_n}</math> :等号成立は <math>a_1 = a_2 =</math> &hellip; <math>= a_n</math> のときのみ。(相加平均と相乗平均の関係式) * 複素数から成る数列 <math>\{a_n\}</math> に対し、 *:<math>|a_1+a_2+\cdots+a_n| \leq |a_1|+|a_2|+\cdots+|a_n| </math> : 等号成立はすべての数の偏角が等しいときのみ。(三角不等式) * 二つの数列 <math>\{a_n\}</math>, <math>\{b_n\}</math> に対し、 *:<math>|a_1\bar{b_1}+a_2\bar{b_2}+\cdots+a_n\bar{b_n}|^2 \leq (a_1\bar{a_1} + a_2\bar{a_2} +\cdots+ a_n\bar{a_n})(b_1\bar{b_1} + b_2\bar{b_2} +\cdots+ b_n\bar{b_n})</math> : 等号成立は、複素数 <math>z</math> で <math>b_1 = za_1</math>, <math>b_2 = za_2</math>, ..., <math>b_n = za_n</math> が全て成り立つようなものが存在するときに限る。(コーシー・シュワルツの不等式) === 2次不等式 === * 2次不等式 <math>ax^2 + bx + c \gtrless 0</math> の解法: *:<math>a > 0</math>であり<sup>※</sup>、<math>ax^2 + bx + c = 0</math>の解を<math>\alpha , \beta</math>(但し、<math>\alpha , \beta</math>は実数であり<sup>[[#※2|※2]]</sup>、<math>\alpha < \beta</math>)とする。 *::<small>※:<math>a < 0</math>ならば、<math>-a = d</math>とし、<math>ax^2 + bx + c \gtrless 0</math>を<math>dx^2 + (-b)x + (-c) \lessgtr 0</math>として評価。</small> *:<math>ax^2 + bx + c = a(x -\alpha)(x -\beta)</math>であるので、 *:*<math>ax^2 + bx + c > 0 \Leftrightarrow x < \alpha, \beta < x </math> *:*<math>ax^2 + bx + c < 0 \Leftrightarrow \alpha < x < \beta </math> *: <!--行空けのため全角スペース挿入--> *::*解の公式を用いると、<math>\alpha = \frac{-b - \sqrt{b^2 - 4ac}}{2a}, \beta = \frac{-b + \sqrt{b^2 - 4ac}}{2a} </math>であるので、 *: <!--行空けのため全角スペース挿入--> *:::*<math>ax^2 + bx + c > 0 \Leftrightarrow x < \frac{-b - \sqrt{b^2 - 4ac}}{2a}, \frac{-b + \sqrt{b^2 - 4ac}}{2a} < x </math> *: <!--行空けのため全角スペース挿入--> *:::*<math>ax^2 + bx + c < 0 \Leftrightarrow \frac{-b - \sqrt{b^2 - 4ac}}{2a} < x < \frac{-b + \sqrt{b^2 - 4ac}}{2a} </math> *: <!--行空けのため全角スペース挿入--> *::<small><span id="※2"/>※2:<math>ax^2 + bx + c = 0</math>が異なる2個の実数解を持たない場合の<math>ax^2 + bx + c \gtrless 0</math> の評価 *:::#<math>ax^2 + bx + c = 0</math>が重解を持つ(<math>b^2 - 4ac = 0</math>)とき。 *:::#*<math>ax^2 + bx + c \gtrless 0</math>の解は<math>x = -\frac{b}{2a}</math>であって、不等式を成立させる<math>x</math>は存在しない。 *:::#<math>ax^2 + bx + c = 0</math>が虚数解を持つ(<math>b^2 - 4ac < 0</math>)とき。 *:::##<math>a > 0</math>ならば、 *:::###<math>ax^2 + bx + c > 0</math>は、全ての実数<math>x</math>で成立する。 *:::###<math>ax^2 + bx + c \leq 0</math>を成立させる<math>x</math>は存在しない。 *:::##<math>a < 0</math>ならば、 *:::###<math>ax^2 + bx + c < 0</math>は、全ての実数<math>x</math>で成立する。 *:::###<math>ax^2 + bx + c \geq 0</math>を成立させる<math>x</math>は存在しない。 </small> === 3次不等式 === * 3次不等式 <math>ax^3 + bx^2 + cx + d \gtrless 0</math> の解法: *:<math>a > 0</math>であり<sup>※</sup>、<math>ax^3 + bx^2 + cx + d = 0</math>の解が<math>\alpha , \beta , \gamma</math>(但し、<math>\alpha , \beta , \gamma</math>は実数であり、<math>\alpha < \beta < \gamma </math>)とする。<math>\alpha , \beta , \gamma</math>が、この関係にない場合は[[#3次不等式|後述]]する。 *::<small>※:<math>a < 0</math>ならば、<math>-a = e</math>とし、<math>ax^3 + bx^2 + cx + d \gtrless 0</math>を<math>ex^3 + (-b)x^2 + (-c)x + (-d) \lessgtr 0</math>として評価。</small> *:<math>f(x) = ax^3 + bx^2 + cx + d</math>とすると、<math>f(x) = a(x -\alpha)(x -\beta)(x -\gamma)</math>である。 *: <!--行空けのため全角スペース挿入--> *:この時、各要素の正負とそれをかけ合わせた式全体の正負は、以下のとおりとなる。 <div style="margin:0 4em 0 8em"> {| class="wikitable" style="background-color:#fdd; text-align:center;" |+ 各要素の正負と式全体の正負 |- ! !! <math>x -\alpha</math> !! <math>x -\beta</math> !! <math>x -\gamma</math> !!style="border-left:double" | <math>f(x)</math>  |- style="background-color:#ddf;" !style="text-align:left;"| ① <math>x < \alpha</math> | <math>-</math> | <math>-</math> | <math>-</math> | style="border-left:double" | <math>-</math> |- !style="text-align:left;"| ② <math>\alpha < x < \beta</math> | <math>+</math> | <math>-</math> | <math>-</math> | style="border-left:double" | <math>+</math> |- style="background-color:#ddf;" !style="text-align:left;"| ③ <math>\beta < x < \gamma</math> | <math>+</math> | <math>+</math> | <math>-</math> | style="border-left:double" | <math>-</math> |- !style="text-align:left;"| ④ <math>\gamma < x</math> | <math>+</math> | <math>+</math> | <math>+</math> | style="border-left:double" | <math>+</math> |}</div> :*以上から、 :*#<math>ax^3 + bx^2 + cx + d < 0 \Leftrightarrow </math> <math>x < \alpha</math>, <math>\beta < x < \gamma</math>(表①③) :*#<math>ax^3 + bx^2 + cx + d > 0 \Leftrightarrow </math> <math>\alpha < x < \beta</math>, <math>\gamma < x </math>(表②④) : <!--行空けのため全角スペース挿入--> *<span id="3次不等式"/>'''3次不等式 <math>ax^3 + bx^2 + cx + d \gtrless 0</math> と3次方程式 <math>ax^3 + bx^2 + cx + d = 0</math>の関係''' *:※「[[#解の存在条件|方程式の解の存在条件 3次方程式]]」も参照。 *:3次方程式 <math>ax^3 + bx^2 + cx + d = 0</math>(<math>a > 0</math>とする。<math>a < 0</math>の場合、大小・増減を入れ替え考察)に関して、実数解を各々<math>x_0</math>,<math>x_1</math>,<math>x_2</math>(<math>x_0 \leq x_1 \leq x_2</math>)とする。条件によっては、<math>x_1</math>,<math>x_2</math>は[[#解の存在条件|存在しない場合もある]]。 *:さらに、微分の知識を用いて、<math>f(x) = ax^3 + bx^2 + cx + d</math>に対して、<math>f^\prime (x) = 3ax^2 + 2bx + c</math>、ここで、2次方程式<math>3ax^2 + 2bx + c = 0</math>の判別式<math>D = b^2 - 3ac</math>、この2次方程式に実数解がある場合の解を各々<math>\alpha , \beta</math>(但し、<math>\alpha < \beta</math>)とする。 *::なお以下において、条件に、<math>f(x)=0, f(\alpha) = 0, f(\beta) = 0</math>など、等号成立の場合、存在条件が付加されうるが、場合分けが煩雑になるため割愛する。[[#解の存在条件|上記3次方程式の解の存在条件]]と組み合わせて考察する。 *:#<math>D \leq 0 </math>であるとき、<math>f(x)</math>は単調に増加する。したがって、 *:##<math>ax^3 + bx^2 + cx + d < 0 \Leftrightarrow </math> <math>x < x_0</math> *:##<math>ax^3 + bx^2 + cx + d > 0 \Leftrightarrow </math> <math>x_0 < x</math> *:#<math>D > 0 </math>であるとき、<math>f(x)</math>は<math>\alpha</math>で極大値<math>f(\alpha)</math>を、<math>\beta</math>で極小値<math>f(\beta)</math>をとる。したがって、 *:##<math>f(\alpha) < 0 </math>であるとき、 *:##:なお、この時、<math>\beta < x_0</math> *:###<math>ax^3 + bx^2 + cx + d < 0 \Leftrightarrow </math> <math>x < x_0</math> *:###<math>ax^3 + bx^2 + cx + d > 0 \Leftrightarrow </math> <math>x_0 < x</math> *:##<math>f(\alpha) > 0 , f(\beta) < 0</math>であるとき、 *:##:なお、この時、<math>x_0 < \alpha < x_1 < \beta < x_2</math> *:###<math>ax^3 + bx^2 + cx + d < 0 \Leftrightarrow </math> <math>x < x_0, x_1 < x < x_2</math> *:###<math>ax^3 + bx^2 + cx + d > 0 \Leftrightarrow </math> <math>x_0 < x < x_1 , x_2 < x </math> *:##<math>f(\beta) > 0 </math>であるとき、 *:##:なお、この時、<math>x_0 < \alpha</math> *:###<math>ax^3 + bx^2 + cx + d < 0 \Leftrightarrow </math> <math>x < x_0</math> *:###<math>ax^3 + bx^2 + cx + d > 0 \Leftrightarrow </math> <math>x_0 < x</math> <!-- 書きかけ *:実数解を<math>x_1</math>として、<math>ax^3 + bx^2 + cx + d = a(x - x_1 )(x^2 + px + q) = 0</math>と因数分解できる場合、<math>D_1 = p^2 - 4q </math>(判別式)として、 *:#<math>D \leq 0 </math>である時、 *:##<math>ax^3 + bx^2 + cx + d \geq 0</math>, <math>a > 0 \Leftrightarrow</math><math>x_1 \leq x</math> *:##<math>ax^3 + bx^2 + cx + d \leq 0</math>, <math>a < 0 \Leftrightarrow</math><math>x \leq x_1</math> *:#<math>D_1 > 0 </math>である時、 --> == 行列 == ここでは行列はすべて2次正方行列とする。 ===基礎演算=== <math>O</math>をすべての元が<math>0</math>である行列 <math>O = \begin{pmatrix} 0 & 0\\ 0 & 0\\ \end{pmatrix} </math> (零行列)とし、<math>E</math>を任意の2次正方行列<math>A</math>に対して<math>AE = EA = A</math>となる行列 <math>E = \begin{pmatrix} 1 & 0\\ 0 & 1\\ \end{pmatrix} </math> (2次単位行列)とする。任意の2次正方行列<math>A = \begin{pmatrix} a & b\\ c & d\\ \end{pmatrix} </math> に対し、次が成り立つ。 *<math>AA^{-1} = A^{-1}A = E</math>となる行列を逆行列といい、<math>A^{-1} = \frac{1}{ad - bc} \begin{pmatrix} d & -b\\ -c & a\\ \end{pmatrix} </math>(ただし、<math>ad - bc \neq 0</math>) で与えられる。 *Aの転置行列は<math>{}^t \! A = \begin{pmatrix} a & c \\ b & d \end{pmatrix}</math> *Aの行列式は<math>\mathrm{det} A = |A| = ad-bc</math> *<math>\vec{a} = (a, b), \vec{b} = (c, d), \vec{c} = (a, c), \vec{d} = (b, d)</math>とすると<math>\mathrm{det} A = 0 \iff \vec{a} // \vec{b} \land \vec{c} // \vec{d}</math>(一次従属) *<math>\mathrm{det} ({}^t \! A) = \mathrm{det} A</math> *<math>\mathrm{det} (A^{-1}) = \frac{1}{\mathrm{det} A}</math> *<math>\mathrm{det} (AB) = \mathrm{det} A \mathrm{det} B</math> *<math>\Delta_{ij} = (-1)^{i+j} \mathrm{det} A_{ij}</math>(余因子) *<math>A^{-1} = \frac{\widetilde{A}}{\mathrm{det} A}</math> *<math>\mathrm{det} A = \sum_{j=i}^{n} a_{ij} \Delta_{ij} </math>(余因子展開) *<math>A^2 - (\mathrm{tr} A) A + (\mathrm{det}A) E = O</math> ([[ケイリー・ハミルトンの定理]]) *固有値を<math>\lambda</math>とすると<math>\Phi_A (\lambda) = \mathrm{det} (\lambda E - A) = 0</math> *<math>\Phi_A (\lambda) = \prod_{i=1}^{r} (\lambda - \lambda_i)^{\nu_i}</math>(ただし<math>r \leqq n</math>, <math>\nu_i</math>は固有値の重複度) *<math>\mathrm{tr} A = \sum_{k=1}^{n} \lambda_k</math> *<math>P^{-1} A P = \mathrm{diag} (\lambda_1, \lambda_2, \cdots, \lambda_n) </math>(ただしPは相似行列) A、Bを正則行列とすると<math>(AB)^{-1} = B^{-1}A^{-1}</math> A、Bを同じ型の行列とすると<math>{}^t \! (kA+lB) = k ({}^t \! A) + l ({}^t \! B)</math>(線形性) 正方行列Aの横に同じ次数の単位行列Eを並べた行列<Math>\left ( \begin{array}{c|c} A & E \end{array} \right )</Math>に行基本変形を施して<Math>\left ( \begin{array}{c|c} E & B \end{array} \right )</Math>となる場合、<Math>B = A^{-1}</Math>である。(ガウスの消去法・掃き出し法) === 連立一次方程式 === ;<span id="連立方程式"></span>2元一次方程式と行列 : <math>\begin{cases} ax + by = p\\ cx + dy = q \end{cases}</math> :: (但し、<math>ad - bc \neq 0</math>)である場合、 :行列の形式で以下のように表すことができ、さらに行列の演算を用いることができる。 ::<math> \begin{pmatrix} a &b\\ c &d \end{pmatrix} \begin{pmatrix} x\\ y \end{pmatrix} = \begin{pmatrix} p\\ q \end{pmatrix} </math> :::右から、逆行列をかけると、 :::<math> \begin{pmatrix} x\\ y \end{pmatrix} = \frac 1 { ad - bc } \begin{pmatrix} d&-b\\ -c&a \end{pmatrix} \begin{pmatrix} p\\ q \end{pmatrix} = \frac 1 { ad - bc } \begin{pmatrix} dp - bq\\ -cp + aq \end{pmatrix}</math> ;一般式 連立一次方程式は行列とベクトルを用いて<math>A \vec{x} = \vec{b}</math>と表せる。 *<math>A \vec{x} = \vec{b}</math>が解を持つ<math>\iff \mathrm{rank} A = \mathrm{rank} \left ( \begin{array}{c|c} A & \vec{b} \end{array} \right )</math> *<math>A \vec{x} = \vec{b}</math>の解がただ一つ<math>\iff \mathrm{rank} A = n</math> *連立方程式の自由度は<math>n-\mathrm{rank} A</math>で求まる。 === 一次変換 === 平面座標上の点<math>(x,y)</math>を、以下の式によって点<math>(X,Y)</math>に移す操作を一次変換という。 : <math>\begin{cases} ax + by = X\\ cx + dy = Y \end{cases}</math> :: (但し、<math>ad - bc \neq 0</math>) これを行列を用いて表現する。 ::<math> \begin{pmatrix} a & b\\ c & d \end{pmatrix} \begin{pmatrix} x\\ y \end{pmatrix} = \begin{pmatrix} X\\ Y \end{pmatrix} </math> : <!--行空けのため全角スペース挿入--> ;以下に、代表的な変換行列を示す。 *原点を中心とする<math>\theta</math>回転 *:<math>\begin{pmatrix} \cos\theta & -\sin\theta\\ \sin\theta & \cos\theta\\ \end{pmatrix} </math> **原点に関する対称移動<math>\left(\theta=\pi\right)</math> **:<math>\begin{pmatrix} -1 & 0\\ 0 & -1\\ \end{pmatrix} </math> : <!--行空けのため全角スペース挿入--> *直線:<math>x\sin\theta-y\cos\theta=0</math>(原点を通り、<math>x</math>軸と成す角が<math>\theta</math>である直線)に関する対称移動([[/証明・行列#対称移動|証明]]) *:<math>\begin{pmatrix} \cos 2 \theta & \sin 2 \theta\\ \sin 2 \theta & -\cos 2 \theta\\ \end{pmatrix} </math> **<math>x</math>軸に関する対称移動<math>\left(\theta=0\right)</math> **:<math>\begin{pmatrix} 1 & 0\\ 0 & -1\\ \end{pmatrix} </math> **<math>y</math>軸に関する対称移動<math>\left(\theta=\frac{\pi}{2}\right)</math> **:<math>\begin{pmatrix} -1 & 0\\ 0 & 1\\ \end{pmatrix} </math> **直線<math>y = x</math>に関する対称移動<math>\left(\theta=\frac{\pi}{4}\right)</math> **:<math>\begin{pmatrix} 0 & 1\\ 1 & 0\\ \end{pmatrix} </math> **直線<math>y = - x</math>に関する対称移動<math>\left(\theta=\frac{3\pi}{4}\right)</math> **:<math>\begin{pmatrix} 0 & -1\\ -1 & 0\\ \end{pmatrix} </math> ==== 一次変換と面積 ==== <math>\vec{v}=(x_1,y_1), \vec{u}=(x_2,y_2)</math>として、このベクトルで作られる平行四辺形の面積を<math>S</math>とすると、 :<math>S=|x_1 y_2 - x_2 y_1| </math>である。 ::なお、ここで絶対値の中は、<math>\begin{pmatrix} x_1 & y_1\\ x_2 & y_2\\ \end{pmatrix} </math>の行列式となっている。 :<math>\vec{v}, \vec{u}</math>を行列<math>\begin{pmatrix} a & b\\ c & d\\ \end{pmatrix} </math>で一次変換したベクトルを<math>\vec{V}, \vec{U}</math>とし、このベクトルで作られる平行四辺形の面積を<math>S_t</math>とすると、 :  :<math>S_t=|ad - bc|S =|ad - bc||x_1 y_2 - x_2 y_1| </math>となる([[/証明・行列#面積変換|証明]])。 ==脚注== <references/> {{DEFAULTSORT:しよとうすうかくこうしきしゆう 02しよとうたいすう}} [[Category:普通教育]] [[Category:数学教育]] [[Category:初等数学公式集|たいすう]] p6lpybfiv7vivi34s4hedwrz66hveza 初等数学公式集/微積分 0 31719 298933 273123 2026-04-29T21:42:38Z Tkkn46tkkn46 89925 /* 脚注 */ 関連項目の追加 298933 wikitext text/x-wiki == 関数の極限と連続 == === 関数の極限 === #[[初等数学公式集/数列#極限|数列の極限]]同様、実数 <math>x</math> に対応する関数 <math>f(x)</math> について、<math>x=a</math> に限りなく近づける(<math>x\rightarrow a</math> と表記する)<ref>「限りなく近づける」は、[[初等数学公式集/数列#極限|数列の極限]]におけるものと同様、数学的に厳密な表現ではないが、高校数学の過程では、その理解で足りる。</br>考え方としては<math>f\left(a - \frac{1}{t}\right)</math> または、<math>f\left(a + \frac{1}{t}\right)</math>として、<math>\lim_{x\to\infty}f\left(a - \frac{1}{t}\right)</math> または、<math>\lim_{x\to\infty}f\left(a + \frac{1}{t}\right)</math> である。なお、<math>a - \frac{1}{t}</math> と <math>a + \frac{1}{t}</math> を別に記述するのは、後述する片側極限を意識している。</ref>という操作を <math>\lim_{x\to a}f(x)</math> と記述し、<math>\lim_{x\to a}f(x) = \alpha</math> であるとき、<math>\alpha</math> を'''極限値'''または'''極値'''という。 #:<math>\lim_{x\to a}f(x) = f(a)</math> ではないことに注意する(下記「[[#関数の連続|関数の連続]]」参照)。例えば、関数: <math>f_1(x)=x+1</math> と <math>f_2(x)= \frac{x^2-1}{x-1}</math> は明確に区別され、 <math>f_1(1)=2</math> となるが、<math>f_2(1)</math> の値は存在しない。一方、 <math>\lim_{x\to 1}f_1(x) = \lim_{x\to 1}f_2(x) = 2</math> となる。 #<math>x\rightarrow a</math> のとき、関数 <math>f(x)</math> が、限りなく正(負)の大きな値となる場合、<math>f(x)</math> の極限は <math>+ \infty</math> <math>(-\infty)</math> であるといい、<math>\lim_{x\to a}f(x) = \infty</math> <math>\bigl( \lim_{x\to a}f(x) = -\infty \bigr)</math> または、<math>f(x) \rightarrow \infty (x\rightarrow a)</math> <math>\bigl( f(x) \rightarrow -\infty (x\rightarrow a) \bigr)</math>と表記する。 #:<math>\lim_{x\to a}f(x) = \infty</math> の例; <math>f(x)=\frac{1}{x^2}</math> について、<math>x=0</math> に限りなく近づける演算: <math>\lim_{x\to 0} \left( \frac{1}{x^2} \right) = \infty</math> #:<math>\lim_{x\to a}f(x) = -\infty</math> の例; <math>f(x)= - \frac{1}{x^2}</math> について、<math>x=0</math> に限りなく近づける演算: <math>\lim_{x\to 0} \left( - \frac{1}{x^2} \right) = -\infty</math> #その他、以下の関係も成立しうる。 #*収束:<math>\lim_{x\to \infty}f(x) = a</math>, <math>\lim_{x\to {-\infty}}f(x) = a</math> #*:<math>\lim_{x\to \infty}f(x) = a</math> の例; <math>f(x)=\frac{1}{x}</math> について、<math>x</math> を無限に大きくする演算: <math>\lim_{x\to \infty} \left( \frac{1}{x} \right) = 0</math> #*:<math>\lim_{x\to {-\infty}}f(x) = a</math> の例; <math>f(x)=\frac{1}{x}</math> について、<math>x</math> を負に無限に大きくする演算: <math>\lim_{x\to {-\infty}} \left( \frac{1}{x} \right) = 0</math> #*発散:<math>\lim_{x\to \infty}f(x) = \infty</math>, <math>\lim_{x\to {-\infty}}f(x) = -\infty</math> / <math>\lim_{x\to \infty}f(x) = -\infty</math>, <math>\lim_{x\to {-\infty}}f(x) = \infty</math> #*:<math>\lim_{x\to \infty}f(x) = \infty</math>, <math>\lim_{x\to {-\infty}}f(x) = -\infty</math> となる関数の例; <math>f(x) = x</math> #*:<math>\lim_{x\to \infty}f(x) = -\infty</math>, <math>\lim_{x\to {-\infty}}f(x) = \infty</math> となる関数の例; <math>f(x) = -x</math> #<span id="片側極限"/>左方極限・右方極限([[w:片側極限]]) #:<math>f(x)</math> が、<math>x=a</math> で極値をもつとき、<math>x</math> が<u>左から近づく場合</u>(すなわち、<math>x</math> が <math>x<a</math> から増加して <math>a</math> に近づく場合)と<u>右から近づく場合</u>(すなわち、<math>x</math> が <math>a<x</math> から減少して <math>a</math> に近づく場合)で挙動が異なる場合がある。前者を左方極限、後者を右方極限といい、以下のとおり書き表す。 #::左方極限: <math>\lim_{x\to a^-}f(x)</math>、<math>\lim_{x\to a-0}f(x)</math> #::右方極限: <math>\lim_{x\to a^+}f(x)</math>、<math>\lim_{x\to a+0}f(x)</math> #:*片側極限の例 #:*: <math>f(x)= \frac{1}{x}</math> について、<math>x=0</math> における挙動を見ると、左方極限: <math>\lim_{x\to 0^-} \frac{1}{x} = -\infty</math>、右方極限: <math>\lim_{x\to 0^+} \frac{1}{x} = \infty</math> となる。 #:*:* <math>f(x)= \frac{1}{x^2}</math> について、<math>x=0</math> においては、<math>\lim_{x\to 0^-} \frac{1}{x^2} = \lim_{x\to 0^+} \frac{1}{x^2} = \infty</math> となるため、<math>\lim_{x\to 0} \frac{1}{x^2} = \infty</math> と記述しても支障はないが、極値に至る過程は異なる。 #:*:* 同様に、<math>f(x)= \log x</math> について、<math>x=0</math> において、<math>\lim_{x\to 0^+} \log x = - \infty</math> となるが、<math>\lim_{x\to 0^-} \log x</math> は、<math>x \le 0</math> が、<math>f(x)= \log x</math>の定義域とならないため成立しないことから、<math>\lim_{x\to 0} \log x = -\infty</math> と記述しても支障はない === 関数の極限の基本定理 === * <math>\lim_{x\to a}f(x)=\alpha</math>, <math>\lim_{x\to a}g(x)=\beta</math>のとき、 # <math>\lim_{x\to a}kf(x)=k\alpha</math> ただし、<math>k</math> は定数。 # <math>\lim_{x\to a}\{f(x)\pm g(x)\}=\alpha\pm\beta</math> (複号同順)。 # <math>\lim_{x\to a}f(x)g(x)=\alpha\beta</math> # <math>\lim_{x\to a}\frac{f(x)}{g(x)}=\frac{\alpha}{\beta}</math> ただし、<math>\displaystyle \beta \ne 0</math>。 # <math>a</math>の近傍で常に<math>f(x) \leqq g(x)</math>ならば<math>\alpha \leqq \beta</math>   * <span id="はさみうちの原理"/><math>a</math> のある近傍で定義された関数<math>f</math>, <math>g</math>, <math>h</math> があり、この近傍内の任意の <math>x</math> に対して、<math>\displaystyle f(x)</math> &le; <math>g(x)</math> &le; <math>h(x)</math> かつ <math>\lim_{x\to a}f(x)=\lim_{x\to a}h(x)=\alpha</math> ならば、<math>\lim_{x\to a}g(x)</math> は収束し、 *:<math>\lim_{x\to a}g(x)=\alpha</math> (はさみうちの原理) *追い出しの原理 *:<math>\lim_{x \to a} f(x) = \infty</math>かつ<math>a</math>の近傍で常に<math>f(x) \leqq g(x)</math>ならば<math>\lim_{x \to a} g(x) = \infty</math> *:<math>\lim_{x \to a}f(x) = -\infty</math>かつ<math>a</math>の近傍で常に<math>f(x) \geqq g(x)</math>ならば<math>\lim_{x \to a} g(x) = -\infty</math>   * <math>\lim_{x\to 0}\frac{\sin x}{x}=1</math> (→[[高等学校数学III/極限#三角関数と極限|証明]]) *:<math>\Leftrightarrow \lim_{x\to \pm \infty}x\sin \frac{1}{x}=1</math> * <math>\lim_{x\to 0}\frac{1 - \cos x}{x^2}=\frac{1}{2}</math> (→[[初等数学公式集/微積分/証明#cos極限|証明]]) *: <math>\Leftrightarrow \lim_{x\to \pm \infty} x^2(1 - \cos \frac{1}{x})=\frac{1}{2}</math> * <math>\lim_{x\to 0}\frac{\tan x}{x}=1</math> (→[[高等学校数学III/極限#三角関数と極限|証明]]) *:<math>\Leftrightarrow \lim_{x\to \pm \infty}x\tan \frac{1}{x}=1</math> * <math>\lim_{h\to\infty}\left(1+\frac{1}{h}\right)^h=\lim_{h\to0}(1+h)^{\frac{1}{h}}=e</math> * <math>\lim_{h\to\infty}\left(1+\frac{r}{h}\right)^h=e^r</math> * <math>\lim_{r\to\infty}\sqrt[r]{a}=1</math> (<math>a</math> は正定数)。 * <math>\lim_{r\to\infty}\sqrt[r]{r}=1</math> *<math>\lim_{x \to 0} \frac{\log (1+x)}{x} = 1</math> (→[[高等学校数学III/極限#指数・対数関数と極限|証明]]) {{wikipedia|ロピタルの定理}} *(参考)'''ロピタルの定理''' *:<math>\lim_{x\to c}\frac{f(x)}{g(x)} = \lim_{x\to c}\frac{f'(x)}{g'(x)}</math> *:  *:(条件) *:*<math>c ( - \infty \leqq c \leqq \infty)</math>を含むある区間<math>I</math>があり、関数<math>f, g</math>はその内部で微分可能である。 *:*<math>\lim_{x \to c}f(x) = \lim_{x \to c}g(x)</math> かつその値が<math>0</math>または<math>\pm\infty</math>である。 *:*極限 <math>\lim_{x\to c}\frac{f'(x)}{g'(x)}</math> が存在する。 *:*<math>I</math>における<math>c</math>の除外近傍において <math>\lim_{x \to c}g'(x) \neq 0</math>が成り立つ。 *: <small> *::※利用における注意 *:::ロピタルの定理自体は簡易な形状をしており、また、多くの学習参考書などでも取り上げられるなど、比較的有名なものである。しかしながら、本定理の成立は、上記の条件が成立していることが必要であるので、証明問題等において「ロピタルの定理より」とするには、条件成立が提示されているか条件成立を別に証明することを要する。大学入試等初等教育の場で、これが示されることは基本的に皆無であるので(『学習指導要領』範囲外)、そのような問題においては、利用しないことが無難であり、あくまでも検算用と考えた方がいい([[w:ロピタルの定理#日本の高校数学・大学入試での扱い|ウィキペディア『ロピタルの定理』中の記事「日本の高校数学・大学入試での扱い」]]参照)。 *:::大学入試等において、この形式の問題は、関数<math>f(x), g(x)</math>が共通因数を持っており、それを約分することにより極限値を得るという解法を期待するものが多い。</small> === 関数の連続 === {{main|解析学基礎/連続関数}} :関数 <math>y=f(x)</math> のある区間内の <math>x=a</math> において、<math>\lim_{x\to a}f(x) </math> および <math>f(a)</math> が存在し、かつ、<math>\lim_{x\to a}f(x) = f(a)</math> である時、'''関数 <math>y=f(x)</math> は <math>x=a</math> において連続である'''、または、区間内において'''連続関数'''であるという。 :この条件は、<math>x= a+h</math> として、<math>\lim_{h\to 0}\{f(a+h) - f(a)\}</math> とも表現できる。 ;連続関数の基本定理 :#ある区間において、関数 <math>f(x) , g(x)</math> が <math>x=a</math> において連続であれば、以下に列挙するもの全て <math>x=a</math> において連続である。 :#: <math>kf(x)</math> (<math>k</math>は定数) <math>,\, f(x) \pm g(x),\, f(x)g(x),\, \frac{f(x)}{g(x)}</math> (ただし、<math>g(x) \ne 0</math>) :#<math>u = g(x)</math> は <math>x=a</math> において連続、<math>y = f(u)</math> は <math>u=g(a)</math> で連続ならば、合成関数 <math>y = f(g(a))</math> は <math>x=a</math> において連続である。 ;連続関数の性質 {{wikipedia|中間値の定理}} {{wikipedia|最大値最小値定理}} :#'''中間値の定理''' :#:閉区間 <math>[a,b]</math> 上で定義された連続関数 <math>f(x)</math> に対して、もし <math>f(a) \ne f(b)</math> であって、 <math>f(a)</math> と <math>f(b)</math> の間の値を取るある数 <math>k</math> について、 <math>a < c < b</math> であって <math>f(c) = k</math> となる少なくとも1つの <math>c</math> が存在する。 :#'''最大値最小値定理''' :#:閉区間 <math>[a,b]</math> 上で定義された連続関数 <math>f(x)</math> に対して、<math>y = f(x)</math> はこの区間で少なくとも一つの最大値および最小値をとる。 :#::式で書けば、適当な実数 {{math|''c'', ''d'' &isin; [''a'',''b'']}} が存在して :#:::<math>f(c) \ge f(x) \ge f(d)\quad(\forall x\in [a,b])</math> <math>\bigl(f(c)</math> :最大値, <math>f(d)</math>: 最小値<math>\bigr)</math> :#::が成り立つ。 == 微分 == 導関数の定義 :関数<math> f(x) </math>に対して、<math>\lim_{\Delta x\to 0}\frac{f(x + \Delta x) - f(x)}{\Delta x}</math><math>= f^\prime(x) =\frac{d}{dx}f(x)</math>(変数<math>x</math>で微分する)。 ::*<math>\frac{dy}{dx}</math>; <math>y</math>を<math>x</math> で微分する。 :*'''第2次導関数''' :*:関数<math> y = f(x) </math>を微分して得た導関数<math> y=f^\prime(x) </math>をさらに微分して得た関数<math> y=g(x) </math>を、<math> y = f(x) </math>の第2次導関数という。 :*:*第2次導関数の表記法:<math> y^{\prime\prime} </math>, <math> f^{\prime\prime}(x) </math>, <math>\frac{d^2 y}{dx^2}</math>, <math>\frac{d^2}{dx^2}f(x)</math> :*'''第<math>n</math>次導関数''' :*:関数<math> y = f(x) </math>を微分した結果をさらに微分する操作を<math>n</math>回行って得た関数を、<math> y = f(x) </math>の第<math>n</math>次導関数という。 :*:*第<math>n</math>次導関数の表記法:<math> y^{(n)} </math>, <math> f^{(n)}(x) </math>, <math>\frac{d^n y}{dx^n}</math>, <math>\frac{d^n}{dx^n}f(x)</math> 変数 <math>x</math> の微分可能な関数 <math>f</math>, <math>g</math> に対して * <math>(f+g)^\prime=f^\prime+g^\prime</math> *:  * <math>(fg)^\prime=f^\prime g+fg^\prime</math> (ライプニッツ則 →[[高等学校数学III/微分法#積の導関数|証明]]) *:  * <math>\left(\frac{f}{g}\right)'=\frac{f'g-fg'}{g^2}\quad(\mbox{where } g\ne 0)</math> (<span id="商の微分"/>商の微分公式 →[[高等学校数学III/微分法#商の導関数|証明]]) *:  *:特に、<math>f=1</math>のとき、 *:* <math>\left(\frac{1}{g}\right)'= - \frac{g'}{g^2}</math> *:  * <math>(f\circ g)'=(f'\circ g)\cdot g'</math> (合成関数の微分公式 →[[高等学校数学III/微分法#合成関数の導関数|証明]]) *:  *:別の表現で <math>\frac{df(g(x))}{dx} = \frac{df(g)}{dg}\cdot \frac{dg(x)}{dx}</math>  (連鎖律・チェインルール) *:  * <math>\left(f^{-1}\right)'=\frac{1}{f'\circ f^{-1}}</math> (逆関数の微分公式 →[[高等学校数学III/微分法#逆関数の導関数|証明]]) *: <math>y=f\left( x \right)</math>とおくと、<math>x=f^{-1}\left( y \right)</math>で <math>\frac{dx}{dy} = \frac{1}{\frac{dy}{dx}}</math> とも表せる。 * 媒介変数による微分 <math> x=x\left( t \right),y=y\left( t \right)</math> ならば <math>\frac{dy}{dx}=\frac{dy}{dt}/\frac{dx}{dt}</math>, <math>\frac{d^2 y}{dx^2} = \frac{d}{dt} \left( \frac{dy}{dx} \right) / \frac{dx}{dt}</math> *: *(参考)ライプニッツの定理 n階微分可能な2つの関数<math>f(x), g(x)</math>について、<math>\{ f(x)g(x) \}^{(n)} = \sum_{k=1}^{n} {}_n\mathrm{C}_k f^{(n-k)}(x) g^{(k)}(x)</math> === 基本的な関数の微分公式 === * <span id="基本微分"/>[微分公式1] <math>\left(x^a\right)'=ax^{a-1} </math> (<math>a</math>は実数) (→[[高等学校数学III/微分法#冪関数の導関数 IⅤ|証明]]) * <span id="指数微分"/>[微分公式2] <math>\left(e^x\right)'=e^x </math> (→[[高等学校数学III/微分法#指数関数の導関数|証明]]) *: 従って、[微分公式2-1] <math>\left(a^x\right)'=a^x \log a </math> (ただし、<math>a > 0</math>) * <span id="対数微分"/>[微分公式3] <math>(\log x)'=\frac{1}{x} </math> (→[[高等学校数学III/微分法#対数関数の導関数|証明]]) ** [微分公式3-1] <math>(\log_a x)'=\frac{1}{x\log a} </math>(ただし、<math>a > 0</math>) ** <span id="対数式微分"/>[微分公式3-2] <math>(\log \left|f(x)\right|)'=\frac{f'(x)}{f(x)} </math> *'''三角関数の微分公式''' (→[[高等学校数学III/微分法#三角関数の導関数|証明]]) ** <span id="正弦微分"/>[微分公式4] <math>\left(\sin x\right)'=\cos x </math> *** [微分公式4-1] <math>\left(\sin mx\right)'= m \cos mx </math> *** <span id="微分公式4-2"/>[微分公式4-2] <math>\left(\sin^m x\right)'= m \sin^{m-1} x \cos x </math> **** [微分公式4-2-1] <math>\left(\frac{1}{\sin x}\right)'= \left(\sin^{-1} x\right)'=(-1) \sin^{-2} x \cdot \cos x =-\frac{\cos x}{\sin^2 x}</math> *** [微分公式4-3] <math>\left(\sin^m nx\right)'= mn \sin^{m-1} nx \cos nx </math> **:  ** <span id="余弦微分"/>[微分公式5] <math>\left(\cos x\right)'=-\sin x </math> *** [微分公式5-1] <math>\left(\cos m x\right)'=- m \sin mx </math> *** <span id="微分公式5-2"/>[微分公式5-2] <math>\left(\cos^m x\right)'=- m \sin x \cos^{m-1} x </math> **** [微分公式5-2-1] <math>\left(\frac{1}{\cos x}\right)'= \left(\cos^{-1} x\right)' = - (-1) \sin x \cdot \cos^{-2} x =\frac{\sin x}{\cos^2 x}</math> *** [微分公式5-3] <math>\left(\cos^m nx\right)'=- mn \sin nx \cos^{m-1} nx </math> **:  ** <span id="正接微分"/>[微分公式6] <math>\left(\tan x\right)'=\frac{1}{\cos^2 x} </math> *** [微分公式6-1] <math>\left(\tan mx\right)'=\frac{m}{\cos^2 mx} </math> *** [微分公式6-2] <math>\left(\tan^m x\right)'=\frac{m \tan^{m-1} x}{\cos^2 x} =\frac{m \sin^{m-1} x}{\cos^{m+1} x}</math> *** [微分公式6-2] <math>\left(\tan^m nx\right)'=\frac{mn \tan^{m-1} nx}{\cos^2 nx} =\frac{mn \sin^{m-1} nx}{\cos^{m+1} nx} </math> **:  *** <span id="余接微分"/>[微分公式6-a] <math>\left(\frac{1}{\tan x}\right)'=-\frac{1}{\sin^2 x} </math> **** [微分公式6-a-1] <math>\left(\frac{1}{\tan mx}\right)'=-\frac{m}{\sin^2 mx} </math> **** [微分公式6-a-2] <math>\left(\frac{1}{\tan^m x}\right)'=-\frac{m}{\tan^{m-1} x \sin^2 x} =- \frac{m \cos^{m-1} x}{\sin^{m+1} x} </math> **** [微分公式6-a-3] <math>\left(\frac{1}{\tan^m nx}\right)'=-\frac{mn}{\tan^{m-1} \sin^2 nx} =- \frac{mn \cos^{m-1} nx}{\sin^{m+1} nx} </math> *:  *'''三角関数と対数の複合形の微分''' *:*[[#対数式微分|微分公式3-2]] <math>(\log \left|f(x)\right|)'=\frac{f'(x)}{f(x)} </math>を用いて、 **<span id="複合1"/><math>(\log|\sin x|)'=\frac{(\sin x)'}{\sin x} =\frac{\cos x}{\sin x} =\frac{1}{\tan x} =\cot x</math> **:  **<span id="複合2"/><math>(\log|\cos x|)'=\frac{(\cos x)'}{\cos x} =-\frac{\sin x}{\sin x}=-\tan x</math> **:  **<span id="複合3"/><math>(\log|\tan x|)'=\left(\log \left| \frac{\sin x}{\cos x} \right| \right)'=(\log|\sin x| - \log|\cos x|)'=\frac{1}{\tan x} + \tan x =\frac{1}{\sin x \cos x} </math> **:  ***<math>\left(\log \left| \frac{1}{\tan x} \right| \right)'= \left(\log \left| \tan^{-1} x \right| \right)'= -\tan x -\frac{1}{\tan x} = -\frac{1}{\sin x \cos x} </math> === 接線の方程式等 === *曲線<math> y = f(x) </math>上の点<math>( a , f(a))</math>において、<math> y = f(x) </math>に接する直線の傾きは、<math> f^\prime(a) </math>である。 *:したがって、曲線<math> y = f(x) </math>上の点<math>( a , f(a))</math>における接線の方程式は、<math> y = f^\prime(a)(x - a) + f(a)</math> *曲線<math> y = f(x) </math>上の点<math>( a , f(a))</math>において接線と直行する直線(法線)の傾き<math>-\frac{1}{f^\prime(a)}</math>である(∵直交する2直線の傾きの積は-1)。 *:したがって、曲線<math> y = f(x) </math>上の点<math>( a , f(a))</math>における法線の方程式は、<math> y = -\frac{x - a}{f^\prime(a)} + f(a)</math> *'''ニュートン法''' *:[[File:Newton iteration.svg|thumb|200px|ニュートン法のイメージ]] *:曲線<math> y = f(x) </math>上のある点<math>P_n</math><math>( x_n , f(x_n))</math>における接線と<math>x</math>軸の交点(<math>x</math>切片、<math> y = 0</math>)の値<math>x_{n+1}</math>は、<math> f(x) = 0 </math>の解である<math>x^*</math>に、<math>x_n</math>よりも近似することが期待されるという性質を用い、この操作を反復することで方程式を数値計算によって解く方法。 *:#曲線<math> y = f(x) </math>上に適当に点<math>P_0</math><math>( x_0 , f(x_0))</math>をおき、<math> n = 0 </math>とする。 *:#点<math>P_n</math>における接線;<math> y = f^\prime(x_n)(x - x_n) + f(x_n) </math>を求める。 *:#<math> f^\prime(x_n)(x - x_n) + f(x_n) = 0</math>として、直線との<math>x</math>切片<math>x_{n+1}</math>を求める。 *:#::<math>x_{n+1} = x_n -\frac{f(x_n)}{f^\prime(x_n)} </math> *:#[アルゴリズム終了の条件] *:#*<math>|x_{n+1} - x_n| \leq \epsilon </math>(所定の極めて小さい数値)となった時、<math>x_{n+1}</math>を<math> f(x) = 0 </math>の近似解とする。 *:#*<math>|x_{n+1} - x_n| > \epsilon </math>である時、<math>x_{n+1}</math>を<math>x_n</math>として、上記2の操作に戻る。 === 関数の増減 === *ある関数を<math> f(x) </math>、その導関数を<math> f^\prime(x) </math>としたとき、 **<math> f^\prime(x) \geq 0 </math>である時、この式を満たす<math>x</math>において、<math> f(x) </math>は増加する。 **<math> f^\prime(x) \leq 0 </math>である時、この式を満たす<math>x</math>において、<math> f(x) </math>は減少する。 *方程式<math> f^\prime(x) = 0</math>が実数解<math>x = \{ x_1, x_2, \dots ,x_n \} </math>を持つ時([[#重複|ただし、各々の解に重複はないものとする]])、<math>x = \{ x_1, x_2, \dots ,x_n \} </math>において、正負が変わるため、その点で関数<math> f(x) </math>の増減が入れ替わる。この点を変曲点といい、増加から減少に転じる点を極大、減少から増加に転じる点を極小という。 *;高次多項式関数の増減と区間における最大最小 *:最高次の項の係数を<math>a</math>とする<math>n</math>次の高次多項式関数<math> f(x) </math>、その導関数を<math> f^\prime(x) </math>、かつ方程式<math> f^\prime(x) = 0</math>が[[#重複|各々重複のない<math>n-1</math>個の実数解]]<math>x = \{ x_1, x_2, \dots ,x_{n-1} \} </math>とした時、以下の性質を持つ。 *:*なお、以下において、説明簡素化等のため、特に言及のない場合、条件等を以下のとおりとする。 *:*#方程式<math> f^\prime(x) = 0</math>の実数解<math>x = \{ x_1, x_2, \dots k, \dots ,x_{n-1} \} </math>に対する、関数<math> y=f(x) </math>の値<math>y = \{ f(x_1), f(x_2), \dots ,f(x_k), \dots ,f(x_{n-1}) \} </math>として、<math>y</math>の中で最大・最小のものを各々<math>f(x_{Max}), f(x_{min})</math>とする。 *:*#<math>s,t</math>は、<math> s < x_1, x_{n-1} < t</math>を満たす実数である。 *:#<math>a > 0</math>ならば、 *:##<math>n</math>が奇数である時、関数<math> f(x) </math>は<math> x = x_1</math>まで単調に増加し、以後、<math> x = x_{n-1}</math>まで増減し、<math> x = x_{n-1}</math>を超えると再び単調に増加する。 *:#*区間<math>[s,t]</math>において、<math> f(x) </math>の最大値は、<math>f(x_{Max})</math>または<math>f(t)</math>のいずれか大きい方であり、最小値は<math>f(s)</math>または<math>f(x_{min})</math>のいずれか小さい方である。 *:##<math>n</math>が偶数である時、関数<math> f(x) </math>は<math> x = x_1</math>まで単調に減少し、以後、<math> x = x_{n-1}</math>まで増減し、<math> x = x_{n-1}</math>を超えると単調に増加する(グラフは「上に開く」)。 *:#*区間<math>[s,t]</math>において、<math> f(x) </math>の最大値は、<math>f(s)</math>,<math>f(x_{Max})</math>または<math>f(t)</math>の最も大きいものであり、最小値は<math>f(x_{min})</math>である。 *:#<math>a < 0</math>ならば、 *:##<math>n</math>が奇数である時、関数<math> f(x) </math>は<math> x = x_1</math>まで単調に減少し、以後、<math> x = x_{n-1}</math>まで増減し、<math> x = x_{n-1}</math>を超えると再び単調に減少する。 *:#*区間<math>[s,t]</math>において、<math> f(x) </math>の最大値は、<math>f(s)</math>または<math>f(x_{Max})</math>のいずれか大きい方であり、最小値は<math>f(x_{min})</math>または<math>f(t)</math>のいずれか小さい方である。 *:##<math>n</math>が偶数である時、関数<math> f(x) </math>は<math> x = x_1</math>まで単調に増加し、以後、<math> x = x_{n-1}</math>まで増減し、<math> x = x_{n-1}</math>を超えると単調に減少する(グラフは「下に開く」)。 *:#*区間<math>[s,t]</math>において、<math> f(x) </math>の最大値は、<math>f(x_{Max})</math>であり、最小値は<math>f(s)</math>,<math>f(x_{min})</math>または<math>f(t)</math>の最も小さいものである。 *:;3次関数の増減と区間における最大最小 *::<math>f(x) = ax^3 + bx^2 + cx + d</math>(<math>a > 0</math>)に対して、<math>f^\prime (x) = 3ax^2 + 2bx + c</math>。 *::*ここで、<math>f^\prime (x) = 0</math>が実数解を持たない場合及び[[#重複|重解を持つ場合]](判別式<math>D = b^2 - 3ac \leq 0 </math>)、<math> f(x) </math>は、単調に増加する。 *::*<math>f^\prime (x) = 0</math>が異なる2つの実数解を持つ場合(判別式<math>D = b^2 - 3ac > 0 </math>)、<math>f^\prime (x) = 3ax^2 + 2bx + c = 0</math>の解を各々<math>\alpha , \beta</math>(但し、<math>\alpha < \beta</math>)とすると、<math> f(x) </math>の変曲点は<math> x= \alpha , \beta</math>となり、<math> f(\alpha) </math>まで増加したのち減少に転じ<math> f(\beta) </math>まで、減少した後、再び増加に転じる。この時、<math> f(\alpha) </math>を極大値、<math> f(\beta) </math>を極小値という。 *::*<math>s < \alpha < \beta <t </math>である区間<math>[s,t]</math>において、<math> f(x) </math>の最大値は、<math>f(\alpha)</math>または<math>f(t)</math>のいずれか大きい方であり、最小値は<math>f(s)</math>または<math>f(\beta)</math>のいずれか小さい方である。 :::<small><span id="重複"/>※解に重複がある場合 :::*方程式<math> f^\prime(x) = 0</math>の実数解<math>x = \{ x_1, x_2, \dots x_k, x_{k+1}, x_{k+2} \dots ,x_n \} </math>において、隣接する2個の解が一致する場合、その一致する解の前後で正負は逆転せず、従って、元の関数<math> f(x) </math>の増減の傾向も変わらない。隣接する3個の解が一致する場合、その一致する解の前後で正負は逆転し、従って、元の関数<math> f(x) </math>の増減が逆転する。一般化すると、方程式<math> f^\prime(x) = 0</math>の実数解<math>x = \{ x_1, x_2, \dots x_k, x_{k+1}, x_{k+2} \dots ,x_n \} </math>において、隣接する<u>偶数</u>個の解が一致する場合、元の関数<math> f(x) </math>の増減の傾向は変わらない。隣接する<u>奇数</u>個の解が一致する場合、元の関数<math> f(x) </math>の増減はその点で逆転する。</small> === 微分と剰余定理 === *<math>f(x)</math>を2次式<math>(x-a)^2</math> で割った余り<math>r(x)</math>; *:  *:<math>r(x) = x f^\prime(a) + f(a) - a f^\prime(a)</math> *:  *::なお、<math>f(x)</math>が<math>(x-a)^2</math> で割り切れる必要十分条件は、<math>f(a) = f^\prime(a) = 0</math> *:  *::(解法) *:::<math>f(x) = Q(x)(x-a)^2 + px +q</math>とおくと、<math>f^\prime(x) = Q^\prime(x)(x-a)^2 + 2Q(x)(x-a) + p</math>となり、 *:::<math>x=a</math>を代入すると、<math>f(a) = pa +q</math>, <math>f^\prime(a) = p</math>を得るので、これらを剰余式の係数<math>p, q</math>について解く。 *:  *<math>f(x)</math>を3次式<math>(x-a)^3</math> で割った余り<math>r(x)</math>; *:  *:<math>r(x) = \frac{f^{\prime\prime}(a)}{2} x^2 + \{ f^\prime(a) - a f^{\prime\prime}(a) \} x +f(a) - a f^\prime(a) + \frac{a^2 f^{\prime\prime}(a)}{2}</math> *:  *::なお、<math>f(x)</math>が<math>(x-a)^3</math> で割り切れる必要十分条件は、<math>f(a) = f^\prime(a) = f^{\prime\prime}(a) = 0</math> *:  *::(解法) *:::<math>f(x) = Q(x)(x-a)^3 + px^2 + qx +r</math>とおくと、 *::::<math>f^\prime(x) = Q^\prime(x)(x-a)^3 + 3Q(x)(x-a)^2 + 2px + q</math> *::::<math>f^{\prime\prime}(x) = Q^{\prime\prime}(x)(x-a)^3 +3Q^\prime(x)(x-a)^2 + 3Q^\prime(x)(x-a)^2 + 6Q(x)(x-a) + 2p</math>となり、 *:::<math>x=a</math>を代入すると、<math>f(a) = pa^2 +qa +r</math>, <math>f^\prime(a) = 2pa + q</math>, <math>f^{\prime\prime}(a) = 2p</math>を得るので、これらを剰余式の係数<math>p, q, r</math>について解く。 *一般に、多項式<math>f(x)</math>が<math>(x-a)^n</math> で割り切れる(<math>a</math>が方程式<math>f(x)=0</math>のn重解である)必要十分条件は、<math>f(a) = f^\prime(a) = f^{\prime \prime}(a) = f^{\prime \prime \prime}(a) = \cdots = f^{(n)}(a) = 0</math> === 陰関数の微分 === <math>x, y</math>が関数の関係にある時、<math>y = f(x)</math>の形の表示を陽関数(表示)、<math>f(x, y) = 0</math>の形の表示を陰関数(表示)という。なお、<math>f(x, y, z) = 0</math>のように変数の数が3個以上のものがあるが、初等数学の範囲を超えるので、本公式集では言及しない。 :例. 双曲線 ::陽関数表示: <math>y = \frac{2x+1}{x-1}</math>、陰関数表示: <math>xy-2x-y-1=0</math> 陰関数<math>f(x, y) = 0</math>において、<math>y</math>を<math>x</math> で微分する、すなわち、<math>\frac{dy}{dx}</math>を求める手順は以下のとおり。 :# <math>f(x, y) = 0</math>の各項を、①変数が<math>x</math>のみである関数の項、②変数が<math>y</math>のみである関数の項、③<math>x</math>の関数と<math>y</math>の関数の積である項に分ける。 :# ①変数が<math>x</math>のみである関数の項<math>g(x)</math>については、そのまま<math>x</math>で微分して<math>g^\prime(x)</math>を求める。 :# ②変数が<math>y</math>のみである関数の項<math>h(y)</math>については、<math>\frac{d}{dx}(h(y)) = \frac{d}{dy}(h(y))\frac{dy}{dx}</math>として、<math>\frac{dy}{dx}</math>を求める。 :# ③<math>x</math>の関数と<math>y</math>の関数の積である項については、<math>g(x) h(y)</math>を微分して<math>g^\prime(x) h(y) + g(x) h^\prime(y)</math>とし、<math>\frac{dy}{dx}</math>を上記3の方法で求める。 :# 上記2~4で求めたものにつき、<math>\frac{dy}{dx}</math>でまとめる。 :  :(例題1)<math>xy-2x-y-1=0</math> :::各項を<math>x</math> で微分。①により、<math>(-2x)'=-2</math>: ②により、<math>(-y)'=-y'</math>: ③により、<math>(xy)'=y+xy'</math>。 :::よって、与式を微分したものは、<math>y+xy'-2-y'=0</math>。 :::<math>y' \left( =\frac{dy}{dx} \right)</math>について整理し、<math>y' = \frac{2-y}{x-1}</math>(解1) ::::<math>y = \frac{2x+1}{x-1}</math>であるので、<math>y' = \frac{2- \frac{2x+1}{x-1}}{x-1} = -\frac{3}{(x-1)^2}</math>(解2)- 必ずしも、この形でなければならないわけではなく、解1の形のままで利用することもある。 :::::なお、陽関数形式:<math>y = \frac{2x+1}{x-1}</math>を微分すると、<math>y' = \frac{(2x+1)'(x-1)-(2x+1)(x-1)'}{(x-1)^2} = \frac{2(x-1)-(2x+1)}{(x-1)^2} = -\frac{3}{(x-1)^2}</math>となり、解2に一致する。 :  :<span id="円の微分"/>(例題2)<math>x^2+y^2=r^2</math> ::各項を<math>x</math> で微分。①により、<math>\frac{d}{dx}(x^2)=2x</math>: ②により、<math>\frac{d}{dx}(y^2)= \frac{d}{dy}(y^2) \frac{dy}{dx}=2y \frac{dy}{dx}</math>であるから、 ::<math>2x + 2y \frac{dy}{dx} = 0</math>、したがって、<math>\frac{dy}{dx} = - \frac{x}{y}</math> :  :<span id="楕円の微分"/>(例題3)<math>ax^2+by^2=1</math> ::各項を<math>x</math> で微分。①により、<math>\frac{d}{dx}(ax^2)=2ax</math>: ②により、<math>\frac{d}{dx}(by^2)= \frac{d}{dy}(by^2) \frac{dy}{dx}=2by \frac{dy}{dx}</math>であるから、 ::<math>2ax + 2by \frac{dy}{dx} = 0</math>、したがって、<math>\frac{dy}{dx} = - \frac{ax}{by}</math> ==== 対数微分法 ==== :両辺の対数を取ってから微分する方法。 :*式の乗(除)算を加(減)算に、累乗を乗算に還元して微分計算することができる。 :(手順) :#両辺の対数を取る。 :#*この時、両辺が正でなければならないので、正と限らないときはないときは絶対値を取る。 :#両辺を<math>x</math>で微分する。 :#*この時、<math>\log y</math>の微分が<math>\frac{y'}{y}</math>になること([[#対数式微分|微分公式3-2]])を利用する。 :#<math>y'</math>について解いて<math>x</math>の式で表す。 :(利用局面) :#指数の底にも肩にも変数<math>x</math>が含まれている<math>y=(f(x))^{g(x)}</math>のような関数。 :#:例題: <math>y = x^x ( x > 0 )</math> の微分 :#:#<math>y = x^x </math>について、両辺対数を取る。なお<math>x > 0</math>であるので右辺左辺ともに正であり、絶対値を顧慮する必要はない。 :#:#:<math>\log y = \log x^x = x\log x</math> :#:#両辺を<math>x</math>で微分する。 :#:#:<math>\frac{y'}{y} = x' \log x + x (\log x )' = \log x + 1</math> :#:#<math>y ( = x^x)</math>を両辺にかける。 :#:#:<math>y' = y ( \log x + 1) = x^x ( \log x + 1)</math> :#<math>y=f(x) \cdot g(x) \cdot h(x)</math>のように微分したい関数が,たくさんの関数の積になっているとき。 :#:例題1: <math>y=f(x) \cdot g(x) \cdot h(x) </math> ただし、微分区間では、<math>f(x) , g(x) , h(x) </math> ともに正とする。 :#:#<math>y=f(x) \cdot g(x) \cdot h(x)</math>について、両辺対数を取る。 :#:#:<math>\log y = \log \left( f(x) \cdot g(x) \cdot h(x) \right) = \log f(x) + \log g(x) + \log h(x) </math> :#:#両辺を<math>x</math>で微分する。 :#:#:<math>\frac{y'}{y} = \frac{f'(x)}{f(x)} + \frac{g'(x)}{g(x)} + \frac{h'(x)}{h(x)} = \frac{f'(x) \cdot g(x) \cdot h(x) + f(x) \cdot g'(x) \cdot h(x) + f(x) \cdot g(x) \cdot h'(x)}{f(x) \cdot g(x) \cdot h(x)}</math> :#:#<math>y ( = f(x) \cdot g(x) \cdot h(x))</math>を両辺にかける。 :#:#:<math>y' = f'(x) \cdot g(x) \cdot h(x) + f(x) \cdot g'(x) \cdot h(x) + f(x) \cdot g(x) \cdot h'(x)</math> :#:  :#:例題2: <math>y=\frac{f(x)}{g(x)}</math> ただし、微分区間では、<math>f(x) , g(x)</math> ともに正とする。 :#:#<math>y=\frac{f(x)}{g(x)}</math>について、両辺対数を取る。 :#:#:<math>\log y = \log \left( \frac{f(x)}{g(x)} \right) = \log f(x) - \log g(x) </math> :#:#両辺を<math>x</math>で微分する。 :#:#:<math>\frac{y'}{y} = \frac{f'(x)}{f(x)} - \frac{g'(x)}{g(x)} = \frac{f'(x) \cdot g(x) - f(x) \cdot g'(x) }{f(x) \cdot g(x) }</math> :#:#<math>y \left( = \frac{f(x)}{g(x)} \right)</math>を両辺にかける。 :#:#:<math>y' = \frac{f'(x) \cdot g(x) - f(x) \cdot g'(x) }{ g(x)^2 }</math> ([[#商の微分|商の微分]]に一致) == 積分 == === 基本的な積分の考え方 === *'''不定積分''' *:<math>F'(x) = f(x)</math>の時、 <math>\int f(x) dx = F(x) + C </math> *::別の表現:<math>\int f'(x)\,dx = f(x) + C</math> *:  **変数 <math>x</math> の関数<math>f, g</math>及びその導関数<math>f', g'</math>に対して、微分の逆演算より、 *** <math>\int (f^\prime+g^\prime) dx = f + g + C</math> ***:  *** <math>\int (f^\prime g+fg^\prime) dx = fg + C</math> ***:  **** <math>\int f^\prime g \,dx = fg - \int fg^\prime dx + C</math>と変形し、[[#部分積分|部分積分法]]に利用。 ***:  *** <math>\int \frac{f'g-fg'}{g^2} dx = \frac{f}{g} + C</math> ***:  ***:特に、<math>f=1</math>のとき(<math>f=</math>[定数]と同意)、<math>f'=0</math>であるので、 ***:* <math>\int \frac{g'}{g^2} dx = - \frac{1}{g} + C</math> ***:  *** <math>\int \left((f'\circ g)\cdot g'\right) dx = f\circ g + C</math> *:  **'''置換積分''' **:<math>f(x)</math>において、<math>x=g(t)</math>と置換できる場合、<math>\int f(x) dx =\int f(g(t)) dx </math>(※) **:: ここで、<math>x=g(t)</math>を<math>t</math>について微分すると、<math>\frac{dx}{dt} =g'(t)</math>、したがって<math>dx =g'(t) dt</math> **:: ※に代入すると、<math>\int f(x) dx =\int f(g(t)) dx =\int f(g(t)) g'(t) dt</math> ***'''<math>f(ax + b)</math>の不定積分''' ***: <math>F'(x) = f(x)</math>であるとき、 <math>\int f(ax + b) dx = \frac{1}{a}F(ax + b) + C </math> ***::(証明) ***:::<math>\int f(ax + b) dx</math>に関して、 <math>t=ax + b</math>と置くと、 ***:::<math>\int f(ax + b) dx=\int f(t) dx</math>、<math>\frac{dx}{dt} =\frac{1}{a}</math>であるので、<math>dx =\frac{1}{a}dt</math> ***:::代入して、<math>\int f(ax + b) dx=\int f(t) dx=\frac{1}{a} \int f(t) dt</math> ***:::<math>\int f(t) dx= F(t) + C</math>であるので、<math>\int f(ax + b) dx=\frac{1}{a} F(t) + C</math>、<math>t=ax + b</math>を戻して、(与式) <math>= \frac{1}{a}F(ax + b) + C </math> *:  *'''定積分''' *:<math>F'(x) = f(x)</math>の時、 <math>\int_a^b f(x) dx = F(b) - F(a) </math> *:::なお、<math> F(b) - F(a) = \Big[ F(x) \Big]_a^b</math> と略記。 **'''定積分の性質''' ***<math>\int_a^b f(x) dx = -\int_b^a f(x) dx </math>, <math>\int_a^a f(x) dx = 0</math> **:  ***<math>a < c < b</math>として、<math>\int_a^b f(x) dx = \int_a^c f(x) dx + \int_c^b f(x) dx </math> ***:  ****<math>[a,c]</math>において、すべての<math>x</math>について、<math>f(x) \leq 0</math>であり、<math>[c,b]</math>において、すべての<math>x</math>について、<math>f(x) \geq 0</math>であるならば、 ****:  ****::<math>\int_a^b |f(x)|dx = - \int_a^c f(x)dx + \int_c^b f(x)dx </math> **:  ***<math>f(x) = f(-x)</math>(<math>f(x)</math>は偶関数)ならば、<math>\int_{-a}^a f(x) dx = 2 \int_0^a f(x) dx</math> ***:  ****<math>f(x) = f(-x)</math>(<math>f(x)</math>は偶関数)ならば、<math>\int_{-a}^a \frac{f(x)}{1+p^x} dx = \int_0^a f(x) dx</math>([[/証明#基本偶関数|証明]]) **:  ***<math>f(-x) = -f(x)</math>(<math>f(x)</math>は奇関数)ならば、<math>\int_{-a}^a f(x) dx = 0</math> ***:  ***<math>\left|\int_a^b f(x)\,dx\right| \leq \int_a^b |f(x)|dx </math> *:  *'''置換積分''' *:<math>f(x)</math>において、<math>x=g(t)</math>と置換できる場合、 *:  *:<math>\int_a^b f(x) dx =\int_{\alpha}^{\beta} f(g(t)) g'(t) dt</math> ただし、<math>\alpha = g(a) , \beta = g(b)</math>。 *:  *<span id="部分積分"/>'''部分積分''' *: <math>\int_a^b f(x)g'(x)\,dx = \Big[ f(x)g(x) \Big]_a^b - \int_a^b f'(x)g(x)\,dx </math> *::別の表現:<math>\int_a^b f(x)\,dg(x) = \Big[ f(x)g(x) \Big]_a^b - \int_a^b g(x)\,df(x)</math> *: *'''定積分と不等式''' *:閉区間<math>[a, b]</math>において<math>f(x) \leqq g(x)</math>ならば<math>\int_{a}^{b} f(x) \, dx \leqq \int_{a}^{b} g(x) \, dx</math> *:等号成立は閉区間<math>[a, b]</math>において恒等的に<math>f(x) = g(x)</math>のとき。 *'''コーシー・シュワルツの不等式''' *: <math>\left(\int_a^b f(x)g(x)\,dx\right)^2 \leq \left(\int_a^b f(x)^2\,dx\right)\left(\int_a^b g(x)^2\,dx\right) </math> *:  *'''King Property''' (King's Property とも) *:  *:<math>\int_a^b f(x)\,dx = \int_a^b f(a+b-x)\,dx</math> *:  *::特に、  *:::[1] <math>\int_0^a f(x)\,dx = \int_0^a f(a-x)\,dx</math> *:  *:::[2] <math>\int_{-a}^a f(x)\,dx = \int_{-a}^a f(-x)\,dx</math> *:  *::利用局面1 *:::<math>I = \int_a^b f(x)\,dx = \int_a^b f(a+b-x)\,dx</math>より、 *:  *:::<math>2I = \int_a^b ( f(x) + f(a+b-x))\,dx</math>とすると、積分計算が容易になる場合がある。 *:  *::::なお、このとき、<math>a+b=0</math> ならば、<math>2I = \int_{-b}^b ( f(x) + f(-x))\,dx</math> *:  *::利用局面2 *:::<math>\int_0^a f(x)\,dx = \int_0^a f(a-x)\,dx</math>の形の式で三角関数が登場する時、 *:::<math>f(x)</math>と<math>f(a-x)</math>の形で、[[初等数学公式集/初等関数の性質#補角の公式(還元公式)|補角の公式]](<math>\sin(\pi-x) = \sin x</math>等)や[[初等数学公式集/初等関数の性質#余角の公式(還元公式)|余角の公式]](<math>\sin\left(\frac{\pi}{2} - x \right) = \cos x</math>等)を利用できる場合がある。 === 代表的な関数の積分公式 === ==== 基本的な関数の積分公式 ==== * <span id="基本積分"/>[積分公式1] <math>\int x^a\,dx = \frac{x^{a+1}}{a+1} + C </math> (<math>a</math>は実数かつ<math>a \neq -1</math>) * <span id="指数積分"/>[積分公式2] <math>\int e^x\,dx = e^x + C</math> *: 従って、[積分公式2-1] <math>\int a^x\,dx = \frac{a^x}{\log a} + C</math> (ただし、<math>a > 0</math>) * <span id="分数積分"/>[積分公式3] <math>\int \frac{1}{x}dx = \log \left|{x}\right| + C</math> ** <span id="分数式積分"/>[積分公式3-1] <math>\int \frac{f'(x)}{f(x)}dx = \log \left|{f(x)}\right| + C</math> *:  * <span id="対数積分"/>[積分公式4] <math>\int \log x \,dx = x\log x - x + C</math>([[高等学校数学III/積分法#指数・対数関数の積分|証明]]) *:  *三角関数の積分 (→[[高等学校数学III/積分法#三角関数の積分|証明]]) *: ** <span id="余弦積分"/>[積分公式5] <math>\int \cos x \,dx = \sin x+ C</math> *** [積分公式5-1] <math>\int \cos mx \,dx = \frac{\sin mx}{m}+ C</math> ** <span id="正弦積分"/>[積分公式6] <math>\int \sin x \,dx =- \cos x+ C</math> *** [積分公式6-1] <math>\int \sin mx \,dx =- \frac{\cos mx}{m}+ C</math> *: ** <span id="正接積分"/>[積分公式7] <math>\int \tan x \,dx =- \log \left|\cos x\right| + C</math>(→[[#複合2|上記も参照。]]) **: [積分公式7-1] <math>\int \frac{1}{\tan x} dx \left( = \int \cot x \,dx \right) = \log \left|\sin x\right| + C</math>(→[[#複合1|上記も参照。]]) *: *;三角関数の定積分 *:<math>b - a = 2 n \pi</math>(<math>n</math>は任意の整数)であるとき、 *::<math>\int_a^b \sin x \,dx = \int_a^b \cos x \,dx = 0</math> *:::(拡張) *::::<math>\int_a^b \sin^m x \,dx = \int_a^b \cos^m x \,dx = 0</math> *::::<math>\int_\frac{a}{k}^\frac{b}{k} \sin kx \,dx = \int_\frac{a}{k}^\frac{b}{k} \cos kx \,dx = 0</math> *:  *:積分区間<math>\frac{\pi}{2}</math>ごと *:  *::①<math>\int_0^\frac{\pi}{2} \sin x \,dx = \int_0^\frac{\pi}{2} \cos x \,dx = 1</math> 、②<math>\int_\frac{\pi}{2}^\pi \sin x \,dx = 1 , \int_\frac{\pi}{2}^\pi \cos x \,dx = -1</math> *::③<math>\int_\pi^\frac{3\pi}{2} \sin x \,dx = \int_\pi^\frac{3\pi}{2} \cos x \,dx = -1</math> 、④<math>\int_\frac{3\pi}{2}^{2\pi} \sin x \,dx = -1 , \int_\frac{3\pi}{2}^{2\pi} \cos x \,dx = 1</math> *:  *:積分区間<math>\pi</math>ごと *:  *::①<math>\int_0^{\pi} \sin x \,dx = 2, \int_0^{\pi} \cos x \,dx = 0</math> 、②<math>\int_\frac{\pi}{2}^\frac{3\pi}{2} \sin x \,dx = 0 , \int_\frac{\pi}{2}^\frac{3\pi}{2} \cos x \,dx = -2</math> *:  *::③<math>\int_\pi^{2\pi} \sin x \,dx = -2 , \int_\pi^{2\pi} \cos x \,dx = 0</math> 、④<math>\int_\frac{3\pi}{2}^\frac{5\pi}{2} \sin x \,dx = 0 , \int_\frac{3\pi}{2}^\frac{5\pi}{2} \cos x \,dx = 2</math> ==== 複合的な積分 ==== ===== 複合的な三角関数の積分 ===== *<span id="sin^2"/><math>\int \sin ^2 x \,dx = \frac{2x - \sin 2x}{4}+ C</math>([[/証明#三角関数積分1|証明]]) *:  *<span id="cos^2"/><math>\int \cos ^2 x \,dx = \frac{2x + \sin 2x}{4}+ C</math>([[/証明#三角関数積分2|証明]]) *:  *<math>\int \tan ^2 x \,dx = \tan x - x + C</math>([[#注a|*1]]より) *:  *<math>\int \sin ^n x \cos x \,dx = \frac{\sin ^{n+1} x}{n+1}+ C</math>([[#微分公式4-2|微分公式4-2]]参照) *:  *<math>\int \cos ^n x \sin x \,dx = - \frac{\cos ^{n+1} x}{n+1}+ C</math>([[#微分公式5-2|微分公式5-2]]参照) *:  * <math>\int \frac{1}{\sin x} dx = \frac{1}{2} \log \left( {\frac{1-\cos x}{1+\cos x}} \right) + C = \frac{1}{2} \log \left| \tan {\frac{x}{2}} \right| + C</math>([[/証明#三角関数積分3|証明]]) *:  * <math>\int \frac{1}{\cos x} dx = \frac{1}{2} \log \left( {\frac{1+\sin x}{1-\sin x}} \right) + C</math>([[/証明#三角関数積分4|証明]]) *:  * <math>\int \frac{1}{\sin ^{2} x} dx = - \frac{1}{\tan x} + C</math>(証明:[[#余接微分|微分公式6-a]]参照) *:  ** <math>\int \frac{1}{\tan ^{2} x} dx = \int \frac{\cos ^{2} x}{\sin ^{2} x} dx = \int \frac{1 - \sin ^{2} x}{\sin ^{2} x} dx = \int \left( \frac{1}{\sin ^{2} x} - 1 \right) dx = - \frac{1}{\tan x} - x + C</math> *:  * <math>\int \frac{1}{\cos ^{2} x} dx = \tan x + C</math>(証明:[[#正接微分|微分公式6]]参照) *:  ** <math>\int {\tan ^{2} x} dx = \int \frac{\sin ^{2} x}{\cos ^{2} x} dx = \int \frac{1 - \cos ^{2} x}{\cos ^{2} x} dx = \int \left( \frac{1}{\cos ^{2} x} - 1 \right) dx = \tan x - x + C</math> <span id="注a">(*1)</span> *:  * <math>\int \frac{1}{\sin x \cos x} dx = \log|\tan x| + C </math>([[#複合2|上記参照]],[[/証明#三角関数積分5-0|別証明]]) *:  * <math>\int \frac{1}{1 + \sin x} dx = \tan x - \frac{1}{\cos {x}} + C = -\frac{2}{1 + \tan{\frac{x}{2}}} + C</math>([[/証明#三角関数積分5|証明1]],[[/証明#三角関数積分5-1|証明2]]) *:  * <math>\int \frac{1}{1 - \sin x} dx = \tan x + \frac{1}{\cos {x}} + C = \frac{2}{1 - \tan{\frac{x}{2}}} + C</math>([[/証明#三角関数積分5|証明1]],[[/証明#三角関数積分5-1|証明2]]) *:  * <math>\int \frac{1}{1 + \cos x} dx = - \frac{1}{\tan {x}} + \frac{1}{\sin {x}} + C = \tan{\frac{x}{2}} + C</math>([[/証明#三角関数積分6|証明1]],[[/証明#三角関数積分6-1|証明2]]) *:  * <math>\int \frac{1}{1 - \cos x} dx = - \frac{1}{\tan {x}} - \frac{1}{\sin {x}} + C = -\frac{1}{\tan{\frac{x}{2}}} + C</math>([[/証明#三角関数積分6|証明1]],[[/証明#三角関数積分6-2|証明2]]) *:  *'''[[初等数学公式集/初等関数の性質#積和の公式|積和の公式]]を利用するもの''' **<math>\int \sin mx \cos nx \,dx = \frac{1}{2} \int \left\{\sin(m + n)x + \sin(m - n)x \right\}dx = - \frac{\cos(m + n)x}{2(m + n)} - \frac{\cos(m - n)x}{2(m - n)} + C</math> **:  **:但し、<math>m = \pm n</math>の時、与式<math>= \frac{1}{2} \int \sin 2mx \,dx = - \frac{\cos 2mx}{4m} + C</math> **:  **::特に、<math>\int \sin x \cos x \,dx = \frac{1}{2} \int \sin2x \,dx = - \frac{\cos2x}{4} + C</math> **:  **<math>\int \cos mx \cos nx \,dx = \frac{1}{2} \int \left\{\cos(m + n)x + \cos(m - n)x \right\}dx = \frac{\sin(m + n)x}{2(m + n)} + \frac{\sin(m - n)x}{2(m - n)} + C</math> **:  **:但し、<math>m = \pm n</math>の時、<math>(m + n, m - n) = (2m,0),(0,2m)</math>であるから、与式<math>= \frac{1}{2} \int \left\{\cos 2mx + \cos0 \right\}dx = \frac{1}{2} \int \left\{\cos 2mx + 1 \right\}dx = \frac{\sin 2mx + 2x}{4m} + C</math> **:  **::特に、<math>|m| = |n| = 1</math>の時、結果は、<math>\frac{\sin 2x + 2x}{4} + C</math>であるが、与式<math>=\int \cos (\pm x) \cos (\pm x) dx </math>(複号任意)<math>= \int \cos^2 x \,dx</math>であるので、[[#cos^2|上記の式]]に一致。 **:  **<math>\int \sin mx \sin nx \,dx = -\frac{1}{2} \int \left\{\cos(m + n)x - \cos(m - n)x \right\}dx = - \frac{\sin(m + n)x}{2(m + n)} + \frac{\sin(m - n)x}{2(m - n)} + C</math> **:  **:但し、<math>m = \pm n</math>の時、<math>(m + n, m - n) = (2m,0),(0,2m)</math>であるから、与式<math>= -\frac{1}{2} \int \left\{\pm \cos 2mx \mp \cos0 \right\}dx = - \frac{1}{2} \int \left\{\pm \cos 2mx \mp 1 \right\}dx = \pm \frac{2x - \sin 2mx}{4m} + C</math> **:  **::特に、<math>m = n = 1</math>の時、結果は、<math>\frac{2x - \sin 2x}{4} + C</math>であるが、与式<math>=\int \sin x \sin x \,dx = \int \sin^2 x \,dx</math>であるので、[[#sin^2|上記の式]]に一致。 ====代表的な置換==== 以下、置換積分における代表的な置換を列挙する。置換の方法は複数通り考えられるので、必ずしもこの置換でなければいけない訳ではない。 *<math>\{f(x)\}^n</math>を含む積分は、<math>f(x)</math>を置換する。 *:例:<math>\int \frac{e^{2x}}{(e^x+1)^2} \, dx = \int \frac{e^x}{(e^x+1)^2} \cdot e^x \, dx = \int \frac{t-1}{t^2} \, dt</math> *<math>\sqrt[n]{g(x)}</math>を含む積分は、根号全体を置換する。 *:例:<math>\int \frac{x}{\sqrt{3-x}} \, dx = \int \frac{3-u^2}{u} \cdot (-2u) \, du = \int (3-u^2) \, du</math> *三角関数で置換するもの※ *:<math>\int \sqrt{a^2-x^2} \, dx = \int \sqrt{a^2 - (a\sin \theta)^2} \cdot a\cos \theta \, d\theta = a^2 \int \cos^2 \theta \, d\theta</math> *::<math>x=a\cos \theta</math>と置換する場合は<math>\int \sin^2 \theta \, d\theta</math>が出てくる。 *:<math>\int \frac{dx}{x^2+a^2} = \int \frac{d\theta}{(a\tan\theta)^2+a^2} = \int \frac{\cos^2\theta}{a^2} \cdot \frac{a}{\cos^2\theta} \, d\theta = \frac{1}{a} \int \, d\theta</math> *特殊な置換 **三角関数のみを含む積分について<math>t =\tan \frac{\theta}{2}</math>と置換する。('''ワイエルシュトラス置換''') **:<math>\sin \theta = \frac{2t}{1+t^2}, \cos \theta = \frac{1-t^2}{1+t^2}, \tan \theta = \frac{2t}{1-t^2}</math>('''三角関数の媒介変数表示''')となって分数関数の積分として計算できる。 **<math>\sqrt{x^2+A}</math>を含む積分は<math>x + \sqrt{x^2+A} = t</math>と置換する('''オイラー置換''')。 **:例:<math>\int \sqrt{x^2+a^2} \, dx = \int \sqrt{\frac{1}{4}(t-\frac{a^2}{t})^2+a^2} \cdot \frac{1}{2}(1+\frac{a^2}{t^2}) \, dt = \frac{1}{4} \int (1+\frac{a^2}{t})(1+\frac{a^2}{t^2}) \, dt</math> **参考:<math>\sqrt{x^2+a^2}</math>を含む積分は双曲線関数で置換する。 **:例:<math>\int \frac{dx}{x^2+4} = \int \frac{1}{\sqrt{(2\sinh \theta)^2 + 4}} \cdot 2\cosh \theta \, d\theta = \int \, dt</math> ※三角関数による置換は、大学数学における以下の公式を背景にしている。 :<math>(\arcsin x)' = \frac{1}{\sqrt{1-x^2}}</math>(<math>-1<x<1</math>) :<math>(\arccos x)' = -\frac{1}{\sqrt{1-x^2}}</math>(<math>-1<x<1</math>) :<math>(\arctan x)' = \frac{1}{1+x^2}</math> :<math>\int \frac{dx}{\sqrt{x^2+a^2}} = \arcsin \frac{x}{|a|} + C</math>(ただし<math>a \neq 0, |x|<|a|</math>) :<math>\int \frac{dx}{a^2+x^2} = \frac{1}{a} \arctan \frac{1}{a} + C</math>(ただし<math>a \neq 0</math>) :<math>\int \sqrt{a^2-x^2} \, dx = \frac{1}{2} (x\sqrt{a^2-x^2} + a^2 \arcsin \frac{x}{|a|}) + C</math>(ただし<math>a \neq 0, |x|<|a|</math>) === 曲線で囲まれる領域の面積 === *閉区間<math>[ a,b ]</math>において、曲線<math> y = f(x) </math>及び曲線<math> y = g(x) </math>によって囲まれる領域の面積。 *:<math> S = \int_a^{b} | f(x) - g(x) | \, dx</math> [[File:Lukion taulukot (1993)-page038-image02.png|Lukion_taulukot_(1993)-page038-image02|right|200px]] *曲線<math> y = f(x) </math>, 曲線<math> y = g(x) </math>が、<math>[ a,b ]</math>内の<math>c</math>において交わり、<math>x < c</math> において、<math>f(x) > g(x)</math>、<math>x \geqq c</math> において、<math>f(x) \leq g(x)</math> であるとき、 *:<math> S = \int_a^{b} | f(x) - g(x) | \, dx</math><math> = \int_a^{c} (f(x) - g(x)) \, dx - \int_c^{b} (f(x) - g(x)) \, dx</math> {{-}} *曲線<math> y = a_1{x}^2 + b_1{x} + c_1 </math>をA、曲線<math> y = a_2{x}^2 + b_2{x} + c_2 </math>をBとする(ただし、<math> a_1 \neq a_2</math>)。AとBが、<math> x = {\alpha}, {\beta} ( {\alpha} < {\beta} )</math>で交わるとき、 *:区間<math>[ {\alpha}, {\beta} ]</math>で、曲線Aと曲線Bにより囲まれる領域の面積。 *::<math> S = \frac{ | a_1 - a_2 |}{6} ( {\beta} - {\alpha})^3</math>(1/6公式) *(1/12公式) *(1/20公式) これらはy軸まわりで考えても同様である。 {{wikipedia|グリーンの定理|ガウス・グリーンの定理}} *曲線<math>\begin{cases} x = f(t) \\ y = g(t) \end{cases}</math>について、<math>[a, b]</math>の範囲でtの増加とともに点<math>P(f(t), g(t))</math>がxy平面上を原点中心に反時計回りに動くときに線分<math>OP</math>が通過する領域の面積は、<math>\int_{a}^{b} \frac{1}{2} \{ x g'(t) - y f'(t) \} dt</math>(ガウス・グリーンの定理) *極座標系での求積 *:曲線<math>r=r(\theta)</math>と2直線<math>\theta = \alpha, \theta = \beta</math>で囲まれた部分の面積は、<math>S = \int_{\alpha}^{\beta} \frac{1}{2} \{ r(\theta) \}^2 d\theta</math> (→[[高等学校数学III/積分法#面積|証明]]) *:ただし、θは偏角とは限らない。 ==== 極限と積分の関係(区分求積法) ==== 区分求積法とは、関数の値を細かく区切って足し合わせることで積分を近似する方法である。 :  <math>f(x)</math> は区間<math>[0,1]</math>で連続であるとき、次の極限が成り立つ。 :  :<math>\lim_{n\to\infty} \, \frac{1}{n}\sum_{k=1}^{n} f \left( \frac{n}{k} \right) = \int_0^{1} f(x) \, dx</math> :  同様に、区間<math>[0,m]</math>で連続であるとき、次の極限が成り立つ。 :  :<math>\lim_{n\to\infty} \, \frac{1}{n}\sum_{k=1}^{mn} f \left( \frac{n}{k} \right) = \int_0^{m} f(x) \, dx</math> :  :これは、区分求積法による近似が極限で積分に収束することを表している。 === 体積 === *ある立体<math>V_0</math>の<math>x = t</math>における断面積が有限な値で、その値が <math>t</math>の関数<math>S(t)</math>となるとき、この立体を平面<math>x = a</math>,<math>x = b</math>(ただし、<math>a < b</math>)で切り取った領域の体積は、 *:<math> V = \int_a^{b} S(t) \, dt</math> *:  *:【利用公式】 *:*[[初等数学公式集/初等幾何/体積#錐体の体積|錐体の体積]] *:*[[初等数学公式集/初等幾何/体積#くさび形の体積|くさび形の体積]] *:*[[初等数学公式集/初等幾何/体積#球の体積|球の体積]] *:*[[初等数学公式集/初等幾何/体積#円環体(トーラス)の体積|円環体(トーラス)の体積]] *曲線<math> y = f(x) </math>を<math>x</math>軸を中心に回転させたとき、この立体を平面<math>x = a</math>,<math>x = b</math>(ただし、<math>a < b</math>)で切り取った領域の体積は、 *:<math> V = \pi \int_a^{b} \{ f(x) \}^2 \, dx</math> *: *曲線<math>x = g(y)</math>をy軸を中心に回転させたとき、この立体を平面<math>y=c, y=d</math>(ただし<math>c<d</math>)で切り取った領域の体積は、 *:<math>V = \pi \int_c^d \{ g(y) \}^2 \, dy</math> *: *曲線<math>y=f(x)</math>とx軸、直線<math>x=a, x=b</math>に囲まれた部分をx軸周りに一回転した立体の体積は、 *:<math>V = 2\pi \int_{a}^{b} x f(x) dx</math>(バームクーヘン積分・円筒分割積分) *: *図形Aを図形Aと交わらない直線の周りに一回転してできる立体の体積は、V=(Aの重心が描く円の円周長)×(Aの面積)。(パップス・ギュルダンの定理) *: ====斜軸回転体の体積==== *平面中の直線Lの周りの回転体の体積は、回転軸Lに垂直な平面で回転体を切った断面積の積分で求まる。 *: *曲線<math>y=f(x)</math>と直線<math>mx+n, x=a, x=b</math>で囲まれた部分を直線<math>y=mx+n</math>の周りで一回転した体積は、<math>\tan \theta = m</math>として、 *:<math>V = \pi \cos \theta \int_{a}^{b} \{ f(x) - (mx+n) \}^2 dx</math>(傘型分割積分) *: *回転軸Lをx軸もしくはy軸に重ねる回転移動を行い通常の回転体の求積公式に強引に当て嵌めることで、置換積分により体積が求まる。 === 曲線の長さ === *閉区間<math>[ a,b ]</math>における、曲線<math> y = f(x) </math>の長さ<math>L</math>。 *:<math> L = \int_a^{b} \sqrt{ 1 + \left( \frac{dy}{dx} \right) ^2 } dx</math> **上記曲線が媒介変数<math>t</math>によって、<math> x = x(t) , y = y(t) , a = x(\alpha) , b = x(\beta)</math>と表される時の長さ<math>L</math>。 *:<math> L = \int_{ \alpha }^{ \beta } \sqrt{ \left( \frac{dx}{dt} \right) ^2 + \left( \frac{dy}{dt} \right) ^2 } dt</math> ===平面上の運動と微積分=== xy平面上における運動の時刻<math>t</math>における位置,速度,加速度をそれぞれ<math>\vec{x}(t), \vec{v}(t), \vec{a}(t)</math>とする。 *<math>\frac{d}{dt} \vec{x}(t) = v(t) \iff \int \vec{v}(t) \, dt = \vec{x}(t) + \vec{x_0}</math> *<math>\frac{d}{dt} \vec{v}(t) = \vec{a}(t) \iff \int \vec{a}(t) \, dt = \vec{v}(t) + \vec{v_0}</math> *<math>\frac{d^2}{dt^2} \vec{x}(t) = \vec{a}(t) \iff \int \int \vec{a}(t) \, dt \, dt = \vec{x}(t) + \vec{x_0} </math> *時刻aから時刻bまで運動を続けた時の道のりは<math>\int_a^b |\vec{v}(t)| \, dt</math> == 基本的な関数の微分公式と積分公式の相互関係 == * <math>{d\over dx}\int_a^x f(t)\,dt = f(x) </math> (微積分学の基本定理) * [[#基本微分|(微分公式1)]] <math>\left(x^a\right)'=ax^{a-1} </math> (<math>a</math>は実数) ⇔ [[#基本積分|(積分公式1)]] <math>\int x^a\,dx = \frac{x^{a+1}}{a+1} + C</math> (<math>a</math>は実数かつ<math>a \neq -1</math>) * [[#指数微分|(微分公式2)]] <math>\left(e^x\right)'=e^x </math> ⇔ [[#指数積分|(積分公式2)]] <math>\int e^x\,dx = e^x + C</math> *: 従って、[[#指数微分|(微分公式2-1)]] <math>\left(a^x\right)'=a^x \log a </math> ⇔ [[#指数積分|(積分公式2-1)]] <math>\int a^x\,dx = \frac{a^x}{\log a} + C</math>(<math>a > 0</math>) *::(応用) *:::<math> \left( f(x) e^x \right)' = \left( f(x) + f'(x) \right) e^x </math> ⇔ <math>\int \left( f(x) + f'(x) \right) e^x \,dx = f(x) e^x + C</math> * [[#対数微分|(微分公式3)]] <math>(\log x)'=\frac{1}{x} </math> ⇔ [[#分数積分|(積分公式3)]] <math>\int \frac{1}{x}dx = \log \left|{x}\right| + C</math> ** [[#対数式微分|(微分公式3-1)]] <math>(\log \left|f(x)\right|)'=\frac{f'(x)}{f(x)} </math> ⇔ [[#分数式積分|(積分公式3-1)]] <math>\int \frac{f'(x)}{f(x)}dx = \log \left|{f(x)}\right| + C</math> * [[#正弦微分|(微分公式4)]] <math>\left(\sin x\right)'=\cos x </math> ⇔ [[#余弦積分|(積分公式5)]] <math>\int \cos xdx = \sin x+ C</math> * [[#余弦微分|(微分公式5)]] <math>\left(\cos x\right)'=-\sin x </math> ⇔ [[#正弦積分|(積分公式6)]] <math>\int \sin xdx =- \cos x+ C</math> == 関連項目 == *[[解析学]] == 脚注 == <references/> {{DEFAULTSORT:しよとうすうかくこうしきしゆう 07ひせきふん}} [[Category:普通教育]] [[Category:数学教育]] [[Category:初等数学公式集|ひせきふん]] [[カテゴリ:微分積分学]] 9jvyqefbkkqk9wjqiuwp9u0rfbahkxj 298936 298933 2026-04-29T23:13:40Z Tomzo 248 [[Special:Contributions/Tkkn46tkkn46|Tkkn46tkkn46]] ([[User talk:Tkkn46tkkn46|会話]]) による編集を取り消し、~2025-49873 による直前の版へ差し戻す 273123 wikitext text/x-wiki == 関数の極限と連続 == === 関数の極限 === #[[初等数学公式集/数列#極限|数列の極限]]同様、実数 <math>x</math> に対応する関数 <math>f(x)</math> について、<math>x=a</math> に限りなく近づける(<math>x\rightarrow a</math> と表記する)<ref>「限りなく近づける」は、[[初等数学公式集/数列#極限|数列の極限]]におけるものと同様、数学的に厳密な表現ではないが、高校数学の過程では、その理解で足りる。</br>考え方としては<math>f\left(a - \frac{1}{t}\right)</math> または、<math>f\left(a + \frac{1}{t}\right)</math>として、<math>\lim_{x\to\infty}f\left(a - \frac{1}{t}\right)</math> または、<math>\lim_{x\to\infty}f\left(a + \frac{1}{t}\right)</math> である。なお、<math>a - \frac{1}{t}</math> と <math>a + \frac{1}{t}</math> を別に記述するのは、後述する片側極限を意識している。</ref>という操作を <math>\lim_{x\to a}f(x)</math> と記述し、<math>\lim_{x\to a}f(x) = \alpha</math> であるとき、<math>\alpha</math> を'''極限値'''または'''極値'''という。 #:<math>\lim_{x\to a}f(x) = f(a)</math> ではないことに注意する(下記「[[#関数の連続|関数の連続]]」参照)。例えば、関数: <math>f_1(x)=x+1</math> と <math>f_2(x)= \frac{x^2-1}{x-1}</math> は明確に区別され、 <math>f_1(1)=2</math> となるが、<math>f_2(1)</math> の値は存在しない。一方、 <math>\lim_{x\to 1}f_1(x) = \lim_{x\to 1}f_2(x) = 2</math> となる。 #<math>x\rightarrow a</math> のとき、関数 <math>f(x)</math> が、限りなく正(負)の大きな値となる場合、<math>f(x)</math> の極限は <math>+ \infty</math> <math>(-\infty)</math> であるといい、<math>\lim_{x\to a}f(x) = \infty</math> <math>\bigl( \lim_{x\to a}f(x) = -\infty \bigr)</math> または、<math>f(x) \rightarrow \infty (x\rightarrow a)</math> <math>\bigl( f(x) \rightarrow -\infty (x\rightarrow a) \bigr)</math>と表記する。 #:<math>\lim_{x\to a}f(x) = \infty</math> の例; <math>f(x)=\frac{1}{x^2}</math> について、<math>x=0</math> に限りなく近づける演算: <math>\lim_{x\to 0} \left( \frac{1}{x^2} \right) = \infty</math> #:<math>\lim_{x\to a}f(x) = -\infty</math> の例; <math>f(x)= - \frac{1}{x^2}</math> について、<math>x=0</math> に限りなく近づける演算: <math>\lim_{x\to 0} \left( - \frac{1}{x^2} \right) = -\infty</math> #その他、以下の関係も成立しうる。 #*収束:<math>\lim_{x\to \infty}f(x) = a</math>, <math>\lim_{x\to {-\infty}}f(x) = a</math> #*:<math>\lim_{x\to \infty}f(x) = a</math> の例; <math>f(x)=\frac{1}{x}</math> について、<math>x</math> を無限に大きくする演算: <math>\lim_{x\to \infty} \left( \frac{1}{x} \right) = 0</math> #*:<math>\lim_{x\to {-\infty}}f(x) = a</math> の例; <math>f(x)=\frac{1}{x}</math> について、<math>x</math> を負に無限に大きくする演算: <math>\lim_{x\to {-\infty}} \left( \frac{1}{x} \right) = 0</math> #*発散:<math>\lim_{x\to \infty}f(x) = \infty</math>, <math>\lim_{x\to {-\infty}}f(x) = -\infty</math> / <math>\lim_{x\to \infty}f(x) = -\infty</math>, <math>\lim_{x\to {-\infty}}f(x) = \infty</math> #*:<math>\lim_{x\to \infty}f(x) = \infty</math>, <math>\lim_{x\to {-\infty}}f(x) = -\infty</math> となる関数の例; <math>f(x) = x</math> #*:<math>\lim_{x\to \infty}f(x) = -\infty</math>, <math>\lim_{x\to {-\infty}}f(x) = \infty</math> となる関数の例; <math>f(x) = -x</math> #<span id="片側極限"/>左方極限・右方極限([[w:片側極限]]) #:<math>f(x)</math> が、<math>x=a</math> で極値をもつとき、<math>x</math> が<u>左から近づく場合</u>(すなわち、<math>x</math> が <math>x<a</math> から増加して <math>a</math> に近づく場合)と<u>右から近づく場合</u>(すなわち、<math>x</math> が <math>a<x</math> から減少して <math>a</math> に近づく場合)で挙動が異なる場合がある。前者を左方極限、後者を右方極限といい、以下のとおり書き表す。 #::左方極限: <math>\lim_{x\to a^-}f(x)</math>、<math>\lim_{x\to a-0}f(x)</math> #::右方極限: <math>\lim_{x\to a^+}f(x)</math>、<math>\lim_{x\to a+0}f(x)</math> #:*片側極限の例 #:*: <math>f(x)= \frac{1}{x}</math> について、<math>x=0</math> における挙動を見ると、左方極限: <math>\lim_{x\to 0^-} \frac{1}{x} = -\infty</math>、右方極限: <math>\lim_{x\to 0^+} \frac{1}{x} = \infty</math> となる。 #:*:* <math>f(x)= \frac{1}{x^2}</math> について、<math>x=0</math> においては、<math>\lim_{x\to 0^-} \frac{1}{x^2} = \lim_{x\to 0^+} \frac{1}{x^2} = \infty</math> となるため、<math>\lim_{x\to 0} \frac{1}{x^2} = \infty</math> と記述しても支障はないが、極値に至る過程は異なる。 #:*:* 同様に、<math>f(x)= \log x</math> について、<math>x=0</math> において、<math>\lim_{x\to 0^+} \log x = - \infty</math> となるが、<math>\lim_{x\to 0^-} \log x</math> は、<math>x \le 0</math> が、<math>f(x)= \log x</math>の定義域とならないため成立しないことから、<math>\lim_{x\to 0} \log x = -\infty</math> と記述しても支障はない === 関数の極限の基本定理 === * <math>\lim_{x\to a}f(x)=\alpha</math>, <math>\lim_{x\to a}g(x)=\beta</math>のとき、 # <math>\lim_{x\to a}kf(x)=k\alpha</math> ただし、<math>k</math> は定数。 # <math>\lim_{x\to a}\{f(x)\pm g(x)\}=\alpha\pm\beta</math> (複号同順)。 # <math>\lim_{x\to a}f(x)g(x)=\alpha\beta</math> # <math>\lim_{x\to a}\frac{f(x)}{g(x)}=\frac{\alpha}{\beta}</math> ただし、<math>\displaystyle \beta \ne 0</math>。 # <math>a</math>の近傍で常に<math>f(x) \leqq g(x)</math>ならば<math>\alpha \leqq \beta</math>   * <span id="はさみうちの原理"/><math>a</math> のある近傍で定義された関数<math>f</math>, <math>g</math>, <math>h</math> があり、この近傍内の任意の <math>x</math> に対して、<math>\displaystyle f(x)</math> &le; <math>g(x)</math> &le; <math>h(x)</math> かつ <math>\lim_{x\to a}f(x)=\lim_{x\to a}h(x)=\alpha</math> ならば、<math>\lim_{x\to a}g(x)</math> は収束し、 *:<math>\lim_{x\to a}g(x)=\alpha</math> (はさみうちの原理) *追い出しの原理 *:<math>\lim_{x \to a} f(x) = \infty</math>かつ<math>a</math>の近傍で常に<math>f(x) \leqq g(x)</math>ならば<math>\lim_{x \to a} g(x) = \infty</math> *:<math>\lim_{x \to a}f(x) = -\infty</math>かつ<math>a</math>の近傍で常に<math>f(x) \geqq g(x)</math>ならば<math>\lim_{x \to a} g(x) = -\infty</math>   * <math>\lim_{x\to 0}\frac{\sin x}{x}=1</math> (→[[高等学校数学III/極限#三角関数と極限|証明]]) *:<math>\Leftrightarrow \lim_{x\to \pm \infty}x\sin \frac{1}{x}=1</math> * <math>\lim_{x\to 0}\frac{1 - \cos x}{x^2}=\frac{1}{2}</math> (→[[初等数学公式集/微積分/証明#cos極限|証明]]) *: <math>\Leftrightarrow \lim_{x\to \pm \infty} x^2(1 - \cos \frac{1}{x})=\frac{1}{2}</math> * <math>\lim_{x\to 0}\frac{\tan x}{x}=1</math> (→[[高等学校数学III/極限#三角関数と極限|証明]]) *:<math>\Leftrightarrow \lim_{x\to \pm \infty}x\tan \frac{1}{x}=1</math> * <math>\lim_{h\to\infty}\left(1+\frac{1}{h}\right)^h=\lim_{h\to0}(1+h)^{\frac{1}{h}}=e</math> * <math>\lim_{h\to\infty}\left(1+\frac{r}{h}\right)^h=e^r</math> * <math>\lim_{r\to\infty}\sqrt[r]{a}=1</math> (<math>a</math> は正定数)。 * <math>\lim_{r\to\infty}\sqrt[r]{r}=1</math> *<math>\lim_{x \to 0} \frac{\log (1+x)}{x} = 1</math> (→[[高等学校数学III/極限#指数・対数関数と極限|証明]]) {{wikipedia|ロピタルの定理}} *(参考)'''ロピタルの定理''' *:<math>\lim_{x\to c}\frac{f(x)}{g(x)} = \lim_{x\to c}\frac{f'(x)}{g'(x)}</math> *:  *:(条件) *:*<math>c ( - \infty \leqq c \leqq \infty)</math>を含むある区間<math>I</math>があり、関数<math>f, g</math>はその内部で微分可能である。 *:*<math>\lim_{x \to c}f(x) = \lim_{x \to c}g(x)</math> かつその値が<math>0</math>または<math>\pm\infty</math>である。 *:*極限 <math>\lim_{x\to c}\frac{f'(x)}{g'(x)}</math> が存在する。 *:*<math>I</math>における<math>c</math>の除外近傍において <math>\lim_{x \to c}g'(x) \neq 0</math>が成り立つ。 *: <small> *::※利用における注意 *:::ロピタルの定理自体は簡易な形状をしており、また、多くの学習参考書などでも取り上げられるなど、比較的有名なものである。しかしながら、本定理の成立は、上記の条件が成立していることが必要であるので、証明問題等において「ロピタルの定理より」とするには、条件成立が提示されているか条件成立を別に証明することを要する。大学入試等初等教育の場で、これが示されることは基本的に皆無であるので(『学習指導要領』範囲外)、そのような問題においては、利用しないことが無難であり、あくまでも検算用と考えた方がいい([[w:ロピタルの定理#日本の高校数学・大学入試での扱い|ウィキペディア『ロピタルの定理』中の記事「日本の高校数学・大学入試での扱い」]]参照)。 *:::大学入試等において、この形式の問題は、関数<math>f(x), g(x)</math>が共通因数を持っており、それを約分することにより極限値を得るという解法を期待するものが多い。</small> === 関数の連続 === {{main|解析学基礎/連続関数}} :関数 <math>y=f(x)</math> のある区間内の <math>x=a</math> において、<math>\lim_{x\to a}f(x) </math> および <math>f(a)</math> が存在し、かつ、<math>\lim_{x\to a}f(x) = f(a)</math> である時、'''関数 <math>y=f(x)</math> は <math>x=a</math> において連続である'''、または、区間内において'''連続関数'''であるという。 :この条件は、<math>x= a+h</math> として、<math>\lim_{h\to 0}\{f(a+h) - f(a)\}</math> とも表現できる。 ;連続関数の基本定理 :#ある区間において、関数 <math>f(x) , g(x)</math> が <math>x=a</math> において連続であれば、以下に列挙するもの全て <math>x=a</math> において連続である。 :#: <math>kf(x)</math> (<math>k</math>は定数) <math>,\, f(x) \pm g(x),\, f(x)g(x),\, \frac{f(x)}{g(x)}</math> (ただし、<math>g(x) \ne 0</math>) :#<math>u = g(x)</math> は <math>x=a</math> において連続、<math>y = f(u)</math> は <math>u=g(a)</math> で連続ならば、合成関数 <math>y = f(g(a))</math> は <math>x=a</math> において連続である。 ;連続関数の性質 {{wikipedia|中間値の定理}} {{wikipedia|最大値最小値定理}} :#'''中間値の定理''' :#:閉区間 <math>[a,b]</math> 上で定義された連続関数 <math>f(x)</math> に対して、もし <math>f(a) \ne f(b)</math> であって、 <math>f(a)</math> と <math>f(b)</math> の間の値を取るある数 <math>k</math> について、 <math>a < c < b</math> であって <math>f(c) = k</math> となる少なくとも1つの <math>c</math> が存在する。 :#'''最大値最小値定理''' :#:閉区間 <math>[a,b]</math> 上で定義された連続関数 <math>f(x)</math> に対して、<math>y = f(x)</math> はこの区間で少なくとも一つの最大値および最小値をとる。 :#::式で書けば、適当な実数 {{math|''c'', ''d'' &isin; [''a'',''b'']}} が存在して :#:::<math>f(c) \ge f(x) \ge f(d)\quad(\forall x\in [a,b])</math> <math>\bigl(f(c)</math> :最大値, <math>f(d)</math>: 最小値<math>\bigr)</math> :#::が成り立つ。 == 微分 == 導関数の定義 :関数<math> f(x) </math>に対して、<math>\lim_{\Delta x\to 0}\frac{f(x + \Delta x) - f(x)}{\Delta x}</math><math>= f^\prime(x) =\frac{d}{dx}f(x)</math>(変数<math>x</math>で微分する)。 ::*<math>\frac{dy}{dx}</math>; <math>y</math>を<math>x</math> で微分する。 :*'''第2次導関数''' :*:関数<math> y = f(x) </math>を微分して得た導関数<math> y=f^\prime(x) </math>をさらに微分して得た関数<math> y=g(x) </math>を、<math> y = f(x) </math>の第2次導関数という。 :*:*第2次導関数の表記法:<math> y^{\prime\prime} </math>, <math> f^{\prime\prime}(x) </math>, <math>\frac{d^2 y}{dx^2}</math>, <math>\frac{d^2}{dx^2}f(x)</math> :*'''第<math>n</math>次導関数''' :*:関数<math> y = f(x) </math>を微分した結果をさらに微分する操作を<math>n</math>回行って得た関数を、<math> y = f(x) </math>の第<math>n</math>次導関数という。 :*:*第<math>n</math>次導関数の表記法:<math> y^{(n)} </math>, <math> f^{(n)}(x) </math>, <math>\frac{d^n y}{dx^n}</math>, <math>\frac{d^n}{dx^n}f(x)</math> 変数 <math>x</math> の微分可能な関数 <math>f</math>, <math>g</math> に対して * <math>(f+g)^\prime=f^\prime+g^\prime</math> *:  * <math>(fg)^\prime=f^\prime g+fg^\prime</math> (ライプニッツ則 →[[高等学校数学III/微分法#積の導関数|証明]]) *:  * <math>\left(\frac{f}{g}\right)'=\frac{f'g-fg'}{g^2}\quad(\mbox{where } g\ne 0)</math> (<span id="商の微分"/>商の微分公式 →[[高等学校数学III/微分法#商の導関数|証明]]) *:  *:特に、<math>f=1</math>のとき、 *:* <math>\left(\frac{1}{g}\right)'= - \frac{g'}{g^2}</math> *:  * <math>(f\circ g)'=(f'\circ g)\cdot g'</math> (合成関数の微分公式 →[[高等学校数学III/微分法#合成関数の導関数|証明]]) *:  *:別の表現で <math>\frac{df(g(x))}{dx} = \frac{df(g)}{dg}\cdot \frac{dg(x)}{dx}</math>  (連鎖律・チェインルール) *:  * <math>\left(f^{-1}\right)'=\frac{1}{f'\circ f^{-1}}</math> (逆関数の微分公式 →[[高等学校数学III/微分法#逆関数の導関数|証明]]) *: <math>y=f\left( x \right)</math>とおくと、<math>x=f^{-1}\left( y \right)</math>で <math>\frac{dx}{dy} = \frac{1}{\frac{dy}{dx}}</math> とも表せる。 * 媒介変数による微分 <math> x=x\left( t \right),y=y\left( t \right)</math> ならば <math>\frac{dy}{dx}=\frac{dy}{dt}/\frac{dx}{dt}</math>, <math>\frac{d^2 y}{dx^2} = \frac{d}{dt} \left( \frac{dy}{dx} \right) / \frac{dx}{dt}</math> *: *(参考)ライプニッツの定理 n階微分可能な2つの関数<math>f(x), g(x)</math>について、<math>\{ f(x)g(x) \}^{(n)} = \sum_{k=1}^{n} {}_n\mathrm{C}_k f^{(n-k)}(x) g^{(k)}(x)</math> === 基本的な関数の微分公式 === * <span id="基本微分"/>[微分公式1] <math>\left(x^a\right)'=ax^{a-1} </math> (<math>a</math>は実数) (→[[高等学校数学III/微分法#冪関数の導関数 IⅤ|証明]]) * <span id="指数微分"/>[微分公式2] <math>\left(e^x\right)'=e^x </math> (→[[高等学校数学III/微分法#指数関数の導関数|証明]]) *: 従って、[微分公式2-1] <math>\left(a^x\right)'=a^x \log a </math> (ただし、<math>a > 0</math>) * <span id="対数微分"/>[微分公式3] <math>(\log x)'=\frac{1}{x} </math> (→[[高等学校数学III/微分法#対数関数の導関数|証明]]) ** [微分公式3-1] <math>(\log_a x)'=\frac{1}{x\log a} </math>(ただし、<math>a > 0</math>) ** <span id="対数式微分"/>[微分公式3-2] <math>(\log \left|f(x)\right|)'=\frac{f'(x)}{f(x)} </math> *'''三角関数の微分公式''' (→[[高等学校数学III/微分法#三角関数の導関数|証明]]) ** <span id="正弦微分"/>[微分公式4] <math>\left(\sin x\right)'=\cos x </math> *** [微分公式4-1] <math>\left(\sin mx\right)'= m \cos mx </math> *** <span id="微分公式4-2"/>[微分公式4-2] <math>\left(\sin^m x\right)'= m \sin^{m-1} x \cos x </math> **** [微分公式4-2-1] <math>\left(\frac{1}{\sin x}\right)'= \left(\sin^{-1} x\right)'=(-1) \sin^{-2} x \cdot \cos x =-\frac{\cos x}{\sin^2 x}</math> *** [微分公式4-3] <math>\left(\sin^m nx\right)'= mn \sin^{m-1} nx \cos nx </math> **:  ** <span id="余弦微分"/>[微分公式5] <math>\left(\cos x\right)'=-\sin x </math> *** [微分公式5-1] <math>\left(\cos m x\right)'=- m \sin mx </math> *** <span id="微分公式5-2"/>[微分公式5-2] <math>\left(\cos^m x\right)'=- m \sin x \cos^{m-1} x </math> **** [微分公式5-2-1] <math>\left(\frac{1}{\cos x}\right)'= \left(\cos^{-1} x\right)' = - (-1) \sin x \cdot \cos^{-2} x =\frac{\sin x}{\cos^2 x}</math> *** [微分公式5-3] <math>\left(\cos^m nx\right)'=- mn \sin nx \cos^{m-1} nx </math> **:  ** <span id="正接微分"/>[微分公式6] <math>\left(\tan x\right)'=\frac{1}{\cos^2 x} </math> *** [微分公式6-1] <math>\left(\tan mx\right)'=\frac{m}{\cos^2 mx} </math> *** [微分公式6-2] <math>\left(\tan^m x\right)'=\frac{m \tan^{m-1} x}{\cos^2 x} =\frac{m \sin^{m-1} x}{\cos^{m+1} x}</math> *** [微分公式6-2] <math>\left(\tan^m nx\right)'=\frac{mn \tan^{m-1} nx}{\cos^2 nx} =\frac{mn \sin^{m-1} nx}{\cos^{m+1} nx} </math> **:  *** <span id="余接微分"/>[微分公式6-a] <math>\left(\frac{1}{\tan x}\right)'=-\frac{1}{\sin^2 x} </math> **** [微分公式6-a-1] <math>\left(\frac{1}{\tan mx}\right)'=-\frac{m}{\sin^2 mx} </math> **** [微分公式6-a-2] <math>\left(\frac{1}{\tan^m x}\right)'=-\frac{m}{\tan^{m-1} x \sin^2 x} =- \frac{m \cos^{m-1} x}{\sin^{m+1} x} </math> **** [微分公式6-a-3] <math>\left(\frac{1}{\tan^m nx}\right)'=-\frac{mn}{\tan^{m-1} \sin^2 nx} =- \frac{mn \cos^{m-1} nx}{\sin^{m+1} nx} </math> *:  *'''三角関数と対数の複合形の微分''' *:*[[#対数式微分|微分公式3-2]] <math>(\log \left|f(x)\right|)'=\frac{f'(x)}{f(x)} </math>を用いて、 **<span id="複合1"/><math>(\log|\sin x|)'=\frac{(\sin x)'}{\sin x} =\frac{\cos x}{\sin x} =\frac{1}{\tan x} =\cot x</math> **:  **<span id="複合2"/><math>(\log|\cos x|)'=\frac{(\cos x)'}{\cos x} =-\frac{\sin x}{\sin x}=-\tan x</math> **:  **<span id="複合3"/><math>(\log|\tan x|)'=\left(\log \left| \frac{\sin x}{\cos x} \right| \right)'=(\log|\sin x| - \log|\cos x|)'=\frac{1}{\tan x} + \tan x =\frac{1}{\sin x \cos x} </math> **:  ***<math>\left(\log \left| \frac{1}{\tan x} \right| \right)'= \left(\log \left| \tan^{-1} x \right| \right)'= -\tan x -\frac{1}{\tan x} = -\frac{1}{\sin x \cos x} </math> === 接線の方程式等 === *曲線<math> y = f(x) </math>上の点<math>( a , f(a))</math>において、<math> y = f(x) </math>に接する直線の傾きは、<math> f^\prime(a) </math>である。 *:したがって、曲線<math> y = f(x) </math>上の点<math>( a , f(a))</math>における接線の方程式は、<math> y = f^\prime(a)(x - a) + f(a)</math> *曲線<math> y = f(x) </math>上の点<math>( a , f(a))</math>において接線と直行する直線(法線)の傾き<math>-\frac{1}{f^\prime(a)}</math>である(∵直交する2直線の傾きの積は-1)。 *:したがって、曲線<math> y = f(x) </math>上の点<math>( a , f(a))</math>における法線の方程式は、<math> y = -\frac{x - a}{f^\prime(a)} + f(a)</math> *'''ニュートン法''' *:[[File:Newton iteration.svg|thumb|200px|ニュートン法のイメージ]] *:曲線<math> y = f(x) </math>上のある点<math>P_n</math><math>( x_n , f(x_n))</math>における接線と<math>x</math>軸の交点(<math>x</math>切片、<math> y = 0</math>)の値<math>x_{n+1}</math>は、<math> f(x) = 0 </math>の解である<math>x^*</math>に、<math>x_n</math>よりも近似することが期待されるという性質を用い、この操作を反復することで方程式を数値計算によって解く方法。 *:#曲線<math> y = f(x) </math>上に適当に点<math>P_0</math><math>( x_0 , f(x_0))</math>をおき、<math> n = 0 </math>とする。 *:#点<math>P_n</math>における接線;<math> y = f^\prime(x_n)(x - x_n) + f(x_n) </math>を求める。 *:#<math> f^\prime(x_n)(x - x_n) + f(x_n) = 0</math>として、直線との<math>x</math>切片<math>x_{n+1}</math>を求める。 *:#::<math>x_{n+1} = x_n -\frac{f(x_n)}{f^\prime(x_n)} </math> *:#[アルゴリズム終了の条件] *:#*<math>|x_{n+1} - x_n| \leq \epsilon </math>(所定の極めて小さい数値)となった時、<math>x_{n+1}</math>を<math> f(x) = 0 </math>の近似解とする。 *:#*<math>|x_{n+1} - x_n| > \epsilon </math>である時、<math>x_{n+1}</math>を<math>x_n</math>として、上記2の操作に戻る。 === 関数の増減 === *ある関数を<math> f(x) </math>、その導関数を<math> f^\prime(x) </math>としたとき、 **<math> f^\prime(x) \geq 0 </math>である時、この式を満たす<math>x</math>において、<math> f(x) </math>は増加する。 **<math> f^\prime(x) \leq 0 </math>である時、この式を満たす<math>x</math>において、<math> f(x) </math>は減少する。 *方程式<math> f^\prime(x) = 0</math>が実数解<math>x = \{ x_1, x_2, \dots ,x_n \} </math>を持つ時([[#重複|ただし、各々の解に重複はないものとする]])、<math>x = \{ x_1, x_2, \dots ,x_n \} </math>において、正負が変わるため、その点で関数<math> f(x) </math>の増減が入れ替わる。この点を変曲点といい、増加から減少に転じる点を極大、減少から増加に転じる点を極小という。 *;高次多項式関数の増減と区間における最大最小 *:最高次の項の係数を<math>a</math>とする<math>n</math>次の高次多項式関数<math> f(x) </math>、その導関数を<math> f^\prime(x) </math>、かつ方程式<math> f^\prime(x) = 0</math>が[[#重複|各々重複のない<math>n-1</math>個の実数解]]<math>x = \{ x_1, x_2, \dots ,x_{n-1} \} </math>とした時、以下の性質を持つ。 *:*なお、以下において、説明簡素化等のため、特に言及のない場合、条件等を以下のとおりとする。 *:*#方程式<math> f^\prime(x) = 0</math>の実数解<math>x = \{ x_1, x_2, \dots k, \dots ,x_{n-1} \} </math>に対する、関数<math> y=f(x) </math>の値<math>y = \{ f(x_1), f(x_2), \dots ,f(x_k), \dots ,f(x_{n-1}) \} </math>として、<math>y</math>の中で最大・最小のものを各々<math>f(x_{Max}), f(x_{min})</math>とする。 *:*#<math>s,t</math>は、<math> s < x_1, x_{n-1} < t</math>を満たす実数である。 *:#<math>a > 0</math>ならば、 *:##<math>n</math>が奇数である時、関数<math> f(x) </math>は<math> x = x_1</math>まで単調に増加し、以後、<math> x = x_{n-1}</math>まで増減し、<math> x = x_{n-1}</math>を超えると再び単調に増加する。 *:#*区間<math>[s,t]</math>において、<math> f(x) </math>の最大値は、<math>f(x_{Max})</math>または<math>f(t)</math>のいずれか大きい方であり、最小値は<math>f(s)</math>または<math>f(x_{min})</math>のいずれか小さい方である。 *:##<math>n</math>が偶数である時、関数<math> f(x) </math>は<math> x = x_1</math>まで単調に減少し、以後、<math> x = x_{n-1}</math>まで増減し、<math> x = x_{n-1}</math>を超えると単調に増加する(グラフは「上に開く」)。 *:#*区間<math>[s,t]</math>において、<math> f(x) </math>の最大値は、<math>f(s)</math>,<math>f(x_{Max})</math>または<math>f(t)</math>の最も大きいものであり、最小値は<math>f(x_{min})</math>である。 *:#<math>a < 0</math>ならば、 *:##<math>n</math>が奇数である時、関数<math> f(x) </math>は<math> x = x_1</math>まで単調に減少し、以後、<math> x = x_{n-1}</math>まで増減し、<math> x = x_{n-1}</math>を超えると再び単調に減少する。 *:#*区間<math>[s,t]</math>において、<math> f(x) </math>の最大値は、<math>f(s)</math>または<math>f(x_{Max})</math>のいずれか大きい方であり、最小値は<math>f(x_{min})</math>または<math>f(t)</math>のいずれか小さい方である。 *:##<math>n</math>が偶数である時、関数<math> f(x) </math>は<math> x = x_1</math>まで単調に増加し、以後、<math> x = x_{n-1}</math>まで増減し、<math> x = x_{n-1}</math>を超えると単調に減少する(グラフは「下に開く」)。 *:#*区間<math>[s,t]</math>において、<math> f(x) </math>の最大値は、<math>f(x_{Max})</math>であり、最小値は<math>f(s)</math>,<math>f(x_{min})</math>または<math>f(t)</math>の最も小さいものである。 *:;3次関数の増減と区間における最大最小 *::<math>f(x) = ax^3 + bx^2 + cx + d</math>(<math>a > 0</math>)に対して、<math>f^\prime (x) = 3ax^2 + 2bx + c</math>。 *::*ここで、<math>f^\prime (x) = 0</math>が実数解を持たない場合及び[[#重複|重解を持つ場合]](判別式<math>D = b^2 - 3ac \leq 0 </math>)、<math> f(x) </math>は、単調に増加する。 *::*<math>f^\prime (x) = 0</math>が異なる2つの実数解を持つ場合(判別式<math>D = b^2 - 3ac > 0 </math>)、<math>f^\prime (x) = 3ax^2 + 2bx + c = 0</math>の解を各々<math>\alpha , \beta</math>(但し、<math>\alpha < \beta</math>)とすると、<math> f(x) </math>の変曲点は<math> x= \alpha , \beta</math>となり、<math> f(\alpha) </math>まで増加したのち減少に転じ<math> f(\beta) </math>まで、減少した後、再び増加に転じる。この時、<math> f(\alpha) </math>を極大値、<math> f(\beta) </math>を極小値という。 *::*<math>s < \alpha < \beta <t </math>である区間<math>[s,t]</math>において、<math> f(x) </math>の最大値は、<math>f(\alpha)</math>または<math>f(t)</math>のいずれか大きい方であり、最小値は<math>f(s)</math>または<math>f(\beta)</math>のいずれか小さい方である。 :::<small><span id="重複"/>※解に重複がある場合 :::*方程式<math> f^\prime(x) = 0</math>の実数解<math>x = \{ x_1, x_2, \dots x_k, x_{k+1}, x_{k+2} \dots ,x_n \} </math>において、隣接する2個の解が一致する場合、その一致する解の前後で正負は逆転せず、従って、元の関数<math> f(x) </math>の増減の傾向も変わらない。隣接する3個の解が一致する場合、その一致する解の前後で正負は逆転し、従って、元の関数<math> f(x) </math>の増減が逆転する。一般化すると、方程式<math> f^\prime(x) = 0</math>の実数解<math>x = \{ x_1, x_2, \dots x_k, x_{k+1}, x_{k+2} \dots ,x_n \} </math>において、隣接する<u>偶数</u>個の解が一致する場合、元の関数<math> f(x) </math>の増減の傾向は変わらない。隣接する<u>奇数</u>個の解が一致する場合、元の関数<math> f(x) </math>の増減はその点で逆転する。</small> === 微分と剰余定理 === *<math>f(x)</math>を2次式<math>(x-a)^2</math> で割った余り<math>r(x)</math>; *:  *:<math>r(x) = x f^\prime(a) + f(a) - a f^\prime(a)</math> *:  *::なお、<math>f(x)</math>が<math>(x-a)^2</math> で割り切れる必要十分条件は、<math>f(a) = f^\prime(a) = 0</math> *:  *::(解法) *:::<math>f(x) = Q(x)(x-a)^2 + px +q</math>とおくと、<math>f^\prime(x) = Q^\prime(x)(x-a)^2 + 2Q(x)(x-a) + p</math>となり、 *:::<math>x=a</math>を代入すると、<math>f(a) = pa +q</math>, <math>f^\prime(a) = p</math>を得るので、これらを剰余式の係数<math>p, q</math>について解く。 *:  *<math>f(x)</math>を3次式<math>(x-a)^3</math> で割った余り<math>r(x)</math>; *:  *:<math>r(x) = \frac{f^{\prime\prime}(a)}{2} x^2 + \{ f^\prime(a) - a f^{\prime\prime}(a) \} x +f(a) - a f^\prime(a) + \frac{a^2 f^{\prime\prime}(a)}{2}</math> *:  *::なお、<math>f(x)</math>が<math>(x-a)^3</math> で割り切れる必要十分条件は、<math>f(a) = f^\prime(a) = f^{\prime\prime}(a) = 0</math> *:  *::(解法) *:::<math>f(x) = Q(x)(x-a)^3 + px^2 + qx +r</math>とおくと、 *::::<math>f^\prime(x) = Q^\prime(x)(x-a)^3 + 3Q(x)(x-a)^2 + 2px + q</math> *::::<math>f^{\prime\prime}(x) = Q^{\prime\prime}(x)(x-a)^3 +3Q^\prime(x)(x-a)^2 + 3Q^\prime(x)(x-a)^2 + 6Q(x)(x-a) + 2p</math>となり、 *:::<math>x=a</math>を代入すると、<math>f(a) = pa^2 +qa +r</math>, <math>f^\prime(a) = 2pa + q</math>, <math>f^{\prime\prime}(a) = 2p</math>を得るので、これらを剰余式の係数<math>p, q, r</math>について解く。 *一般に、多項式<math>f(x)</math>が<math>(x-a)^n</math> で割り切れる(<math>a</math>が方程式<math>f(x)=0</math>のn重解である)必要十分条件は、<math>f(a) = f^\prime(a) = f^{\prime \prime}(a) = f^{\prime \prime \prime}(a) = \cdots = f^{(n)}(a) = 0</math> === 陰関数の微分 === <math>x, y</math>が関数の関係にある時、<math>y = f(x)</math>の形の表示を陽関数(表示)、<math>f(x, y) = 0</math>の形の表示を陰関数(表示)という。なお、<math>f(x, y, z) = 0</math>のように変数の数が3個以上のものがあるが、初等数学の範囲を超えるので、本公式集では言及しない。 :例. 双曲線 ::陽関数表示: <math>y = \frac{2x+1}{x-1}</math>、陰関数表示: <math>xy-2x-y-1=0</math> 陰関数<math>f(x, y) = 0</math>において、<math>y</math>を<math>x</math> で微分する、すなわち、<math>\frac{dy}{dx}</math>を求める手順は以下のとおり。 :# <math>f(x, y) = 0</math>の各項を、①変数が<math>x</math>のみである関数の項、②変数が<math>y</math>のみである関数の項、③<math>x</math>の関数と<math>y</math>の関数の積である項に分ける。 :# ①変数が<math>x</math>のみである関数の項<math>g(x)</math>については、そのまま<math>x</math>で微分して<math>g^\prime(x)</math>を求める。 :# ②変数が<math>y</math>のみである関数の項<math>h(y)</math>については、<math>\frac{d}{dx}(h(y)) = \frac{d}{dy}(h(y))\frac{dy}{dx}</math>として、<math>\frac{dy}{dx}</math>を求める。 :# ③<math>x</math>の関数と<math>y</math>の関数の積である項については、<math>g(x) h(y)</math>を微分して<math>g^\prime(x) h(y) + g(x) h^\prime(y)</math>とし、<math>\frac{dy}{dx}</math>を上記3の方法で求める。 :# 上記2~4で求めたものにつき、<math>\frac{dy}{dx}</math>でまとめる。 :  :(例題1)<math>xy-2x-y-1=0</math> :::各項を<math>x</math> で微分。①により、<math>(-2x)'=-2</math>: ②により、<math>(-y)'=-y'</math>: ③により、<math>(xy)'=y+xy'</math>。 :::よって、与式を微分したものは、<math>y+xy'-2-y'=0</math>。 :::<math>y' \left( =\frac{dy}{dx} \right)</math>について整理し、<math>y' = \frac{2-y}{x-1}</math>(解1) ::::<math>y = \frac{2x+1}{x-1}</math>であるので、<math>y' = \frac{2- \frac{2x+1}{x-1}}{x-1} = -\frac{3}{(x-1)^2}</math>(解2)- 必ずしも、この形でなければならないわけではなく、解1の形のままで利用することもある。 :::::なお、陽関数形式:<math>y = \frac{2x+1}{x-1}</math>を微分すると、<math>y' = \frac{(2x+1)'(x-1)-(2x+1)(x-1)'}{(x-1)^2} = \frac{2(x-1)-(2x+1)}{(x-1)^2} = -\frac{3}{(x-1)^2}</math>となり、解2に一致する。 :  :<span id="円の微分"/>(例題2)<math>x^2+y^2=r^2</math> ::各項を<math>x</math> で微分。①により、<math>\frac{d}{dx}(x^2)=2x</math>: ②により、<math>\frac{d}{dx}(y^2)= \frac{d}{dy}(y^2) \frac{dy}{dx}=2y \frac{dy}{dx}</math>であるから、 ::<math>2x + 2y \frac{dy}{dx} = 0</math>、したがって、<math>\frac{dy}{dx} = - \frac{x}{y}</math> :  :<span id="楕円の微分"/>(例題3)<math>ax^2+by^2=1</math> ::各項を<math>x</math> で微分。①により、<math>\frac{d}{dx}(ax^2)=2ax</math>: ②により、<math>\frac{d}{dx}(by^2)= \frac{d}{dy}(by^2) \frac{dy}{dx}=2by \frac{dy}{dx}</math>であるから、 ::<math>2ax + 2by \frac{dy}{dx} = 0</math>、したがって、<math>\frac{dy}{dx} = - \frac{ax}{by}</math> ==== 対数微分法 ==== :両辺の対数を取ってから微分する方法。 :*式の乗(除)算を加(減)算に、累乗を乗算に還元して微分計算することができる。 :(手順) :#両辺の対数を取る。 :#*この時、両辺が正でなければならないので、正と限らないときはないときは絶対値を取る。 :#両辺を<math>x</math>で微分する。 :#*この時、<math>\log y</math>の微分が<math>\frac{y'}{y}</math>になること([[#対数式微分|微分公式3-2]])を利用する。 :#<math>y'</math>について解いて<math>x</math>の式で表す。 :(利用局面) :#指数の底にも肩にも変数<math>x</math>が含まれている<math>y=(f(x))^{g(x)}</math>のような関数。 :#:例題: <math>y = x^x ( x > 0 )</math> の微分 :#:#<math>y = x^x </math>について、両辺対数を取る。なお<math>x > 0</math>であるので右辺左辺ともに正であり、絶対値を顧慮する必要はない。 :#:#:<math>\log y = \log x^x = x\log x</math> :#:#両辺を<math>x</math>で微分する。 :#:#:<math>\frac{y'}{y} = x' \log x + x (\log x )' = \log x + 1</math> :#:#<math>y ( = x^x)</math>を両辺にかける。 :#:#:<math>y' = y ( \log x + 1) = x^x ( \log x + 1)</math> :#<math>y=f(x) \cdot g(x) \cdot h(x)</math>のように微分したい関数が,たくさんの関数の積になっているとき。 :#:例題1: <math>y=f(x) \cdot g(x) \cdot h(x) </math> ただし、微分区間では、<math>f(x) , g(x) , h(x) </math> ともに正とする。 :#:#<math>y=f(x) \cdot g(x) \cdot h(x)</math>について、両辺対数を取る。 :#:#:<math>\log y = \log \left( f(x) \cdot g(x) \cdot h(x) \right) = \log f(x) + \log g(x) + \log h(x) </math> :#:#両辺を<math>x</math>で微分する。 :#:#:<math>\frac{y'}{y} = \frac{f'(x)}{f(x)} + \frac{g'(x)}{g(x)} + \frac{h'(x)}{h(x)} = \frac{f'(x) \cdot g(x) \cdot h(x) + f(x) \cdot g'(x) \cdot h(x) + f(x) \cdot g(x) \cdot h'(x)}{f(x) \cdot g(x) \cdot h(x)}</math> :#:#<math>y ( = f(x) \cdot g(x) \cdot h(x))</math>を両辺にかける。 :#:#:<math>y' = f'(x) \cdot g(x) \cdot h(x) + f(x) \cdot g'(x) \cdot h(x) + f(x) \cdot g(x) \cdot h'(x)</math> :#:  :#:例題2: <math>y=\frac{f(x)}{g(x)}</math> ただし、微分区間では、<math>f(x) , g(x)</math> ともに正とする。 :#:#<math>y=\frac{f(x)}{g(x)}</math>について、両辺対数を取る。 :#:#:<math>\log y = \log \left( \frac{f(x)}{g(x)} \right) = \log f(x) - \log g(x) </math> :#:#両辺を<math>x</math>で微分する。 :#:#:<math>\frac{y'}{y} = \frac{f'(x)}{f(x)} - \frac{g'(x)}{g(x)} = \frac{f'(x) \cdot g(x) - f(x) \cdot g'(x) }{f(x) \cdot g(x) }</math> :#:#<math>y \left( = \frac{f(x)}{g(x)} \right)</math>を両辺にかける。 :#:#:<math>y' = \frac{f'(x) \cdot g(x) - f(x) \cdot g'(x) }{ g(x)^2 }</math> ([[#商の微分|商の微分]]に一致) == 積分 == === 基本的な積分の考え方 === *'''不定積分''' *:<math>F'(x) = f(x)</math>の時、 <math>\int f(x) dx = F(x) + C </math> *::別の表現:<math>\int f'(x)\,dx = f(x) + C</math> *:  **変数 <math>x</math> の関数<math>f, g</math>及びその導関数<math>f', g'</math>に対して、微分の逆演算より、 *** <math>\int (f^\prime+g^\prime) dx = f + g + C</math> ***:  *** <math>\int (f^\prime g+fg^\prime) dx = fg + C</math> ***:  **** <math>\int f^\prime g \,dx = fg - \int fg^\prime dx + C</math>と変形し、[[#部分積分|部分積分法]]に利用。 ***:  *** <math>\int \frac{f'g-fg'}{g^2} dx = \frac{f}{g} + C</math> ***:  ***:特に、<math>f=1</math>のとき(<math>f=</math>[定数]と同意)、<math>f'=0</math>であるので、 ***:* <math>\int \frac{g'}{g^2} dx = - \frac{1}{g} + C</math> ***:  *** <math>\int \left((f'\circ g)\cdot g'\right) dx = f\circ g + C</math> *:  **'''置換積分''' **:<math>f(x)</math>において、<math>x=g(t)</math>と置換できる場合、<math>\int f(x) dx =\int f(g(t)) dx </math>(※) **:: ここで、<math>x=g(t)</math>を<math>t</math>について微分すると、<math>\frac{dx}{dt} =g'(t)</math>、したがって<math>dx =g'(t) dt</math> **:: ※に代入すると、<math>\int f(x) dx =\int f(g(t)) dx =\int f(g(t)) g'(t) dt</math> ***'''<math>f(ax + b)</math>の不定積分''' ***: <math>F'(x) = f(x)</math>であるとき、 <math>\int f(ax + b) dx = \frac{1}{a}F(ax + b) + C </math> ***::(証明) ***:::<math>\int f(ax + b) dx</math>に関して、 <math>t=ax + b</math>と置くと、 ***:::<math>\int f(ax + b) dx=\int f(t) dx</math>、<math>\frac{dx}{dt} =\frac{1}{a}</math>であるので、<math>dx =\frac{1}{a}dt</math> ***:::代入して、<math>\int f(ax + b) dx=\int f(t) dx=\frac{1}{a} \int f(t) dt</math> ***:::<math>\int f(t) dx= F(t) + C</math>であるので、<math>\int f(ax + b) dx=\frac{1}{a} F(t) + C</math>、<math>t=ax + b</math>を戻して、(与式) <math>= \frac{1}{a}F(ax + b) + C </math> *:  *'''定積分''' *:<math>F'(x) = f(x)</math>の時、 <math>\int_a^b f(x) dx = F(b) - F(a) </math> *:::なお、<math> F(b) - F(a) = \Big[ F(x) \Big]_a^b</math> と略記。 **'''定積分の性質''' ***<math>\int_a^b f(x) dx = -\int_b^a f(x) dx </math>, <math>\int_a^a f(x) dx = 0</math> **:  ***<math>a < c < b</math>として、<math>\int_a^b f(x) dx = \int_a^c f(x) dx + \int_c^b f(x) dx </math> ***:  ****<math>[a,c]</math>において、すべての<math>x</math>について、<math>f(x) \leq 0</math>であり、<math>[c,b]</math>において、すべての<math>x</math>について、<math>f(x) \geq 0</math>であるならば、 ****:  ****::<math>\int_a^b |f(x)|dx = - \int_a^c f(x)dx + \int_c^b f(x)dx </math> **:  ***<math>f(x) = f(-x)</math>(<math>f(x)</math>は偶関数)ならば、<math>\int_{-a}^a f(x) dx = 2 \int_0^a f(x) dx</math> ***:  ****<math>f(x) = f(-x)</math>(<math>f(x)</math>は偶関数)ならば、<math>\int_{-a}^a \frac{f(x)}{1+p^x} dx = \int_0^a f(x) dx</math>([[/証明#基本偶関数|証明]]) **:  ***<math>f(-x) = -f(x)</math>(<math>f(x)</math>は奇関数)ならば、<math>\int_{-a}^a f(x) dx = 0</math> ***:  ***<math>\left|\int_a^b f(x)\,dx\right| \leq \int_a^b |f(x)|dx </math> *:  *'''置換積分''' *:<math>f(x)</math>において、<math>x=g(t)</math>と置換できる場合、 *:  *:<math>\int_a^b f(x) dx =\int_{\alpha}^{\beta} f(g(t)) g'(t) dt</math> ただし、<math>\alpha = g(a) , \beta = g(b)</math>。 *:  *<span id="部分積分"/>'''部分積分''' *: <math>\int_a^b f(x)g'(x)\,dx = \Big[ f(x)g(x) \Big]_a^b - \int_a^b f'(x)g(x)\,dx </math> *::別の表現:<math>\int_a^b f(x)\,dg(x) = \Big[ f(x)g(x) \Big]_a^b - \int_a^b g(x)\,df(x)</math> *: *'''定積分と不等式''' *:閉区間<math>[a, b]</math>において<math>f(x) \leqq g(x)</math>ならば<math>\int_{a}^{b} f(x) \, dx \leqq \int_{a}^{b} g(x) \, dx</math> *:等号成立は閉区間<math>[a, b]</math>において恒等的に<math>f(x) = g(x)</math>のとき。 *'''コーシー・シュワルツの不等式''' *: <math>\left(\int_a^b f(x)g(x)\,dx\right)^2 \leq \left(\int_a^b f(x)^2\,dx\right)\left(\int_a^b g(x)^2\,dx\right) </math> *:  *'''King Property''' (King's Property とも) *:  *:<math>\int_a^b f(x)\,dx = \int_a^b f(a+b-x)\,dx</math> *:  *::特に、  *:::[1] <math>\int_0^a f(x)\,dx = \int_0^a f(a-x)\,dx</math> *:  *:::[2] <math>\int_{-a}^a f(x)\,dx = \int_{-a}^a f(-x)\,dx</math> *:  *::利用局面1 *:::<math>I = \int_a^b f(x)\,dx = \int_a^b f(a+b-x)\,dx</math>より、 *:  *:::<math>2I = \int_a^b ( f(x) + f(a+b-x))\,dx</math>とすると、積分計算が容易になる場合がある。 *:  *::::なお、このとき、<math>a+b=0</math> ならば、<math>2I = \int_{-b}^b ( f(x) + f(-x))\,dx</math> *:  *::利用局面2 *:::<math>\int_0^a f(x)\,dx = \int_0^a f(a-x)\,dx</math>の形の式で三角関数が登場する時、 *:::<math>f(x)</math>と<math>f(a-x)</math>の形で、[[初等数学公式集/初等関数の性質#補角の公式(還元公式)|補角の公式]](<math>\sin(\pi-x) = \sin x</math>等)や[[初等数学公式集/初等関数の性質#余角の公式(還元公式)|余角の公式]](<math>\sin\left(\frac{\pi}{2} - x \right) = \cos x</math>等)を利用できる場合がある。 === 代表的な関数の積分公式 === ==== 基本的な関数の積分公式 ==== * <span id="基本積分"/>[積分公式1] <math>\int x^a\,dx = \frac{x^{a+1}}{a+1} + C </math> (<math>a</math>は実数かつ<math>a \neq -1</math>) * <span id="指数積分"/>[積分公式2] <math>\int e^x\,dx = e^x + C</math> *: 従って、[積分公式2-1] <math>\int a^x\,dx = \frac{a^x}{\log a} + C</math> (ただし、<math>a > 0</math>) * <span id="分数積分"/>[積分公式3] <math>\int \frac{1}{x}dx = \log \left|{x}\right| + C</math> ** <span id="分数式積分"/>[積分公式3-1] <math>\int \frac{f'(x)}{f(x)}dx = \log \left|{f(x)}\right| + C</math> *:  * <span id="対数積分"/>[積分公式4] <math>\int \log x \,dx = x\log x - x + C</math>([[高等学校数学III/積分法#指数・対数関数の積分|証明]]) *:  *三角関数の積分 (→[[高等学校数学III/積分法#三角関数の積分|証明]]) *: ** <span id="余弦積分"/>[積分公式5] <math>\int \cos x \,dx = \sin x+ C</math> *** [積分公式5-1] <math>\int \cos mx \,dx = \frac{\sin mx}{m}+ C</math> ** <span id="正弦積分"/>[積分公式6] <math>\int \sin x \,dx =- \cos x+ C</math> *** [積分公式6-1] <math>\int \sin mx \,dx =- \frac{\cos mx}{m}+ C</math> *: ** <span id="正接積分"/>[積分公式7] <math>\int \tan x \,dx =- \log \left|\cos x\right| + C</math>(→[[#複合2|上記も参照。]]) **: [積分公式7-1] <math>\int \frac{1}{\tan x} dx \left( = \int \cot x \,dx \right) = \log \left|\sin x\right| + C</math>(→[[#複合1|上記も参照。]]) *: *;三角関数の定積分 *:<math>b - a = 2 n \pi</math>(<math>n</math>は任意の整数)であるとき、 *::<math>\int_a^b \sin x \,dx = \int_a^b \cos x \,dx = 0</math> *:::(拡張) *::::<math>\int_a^b \sin^m x \,dx = \int_a^b \cos^m x \,dx = 0</math> *::::<math>\int_\frac{a}{k}^\frac{b}{k} \sin kx \,dx = \int_\frac{a}{k}^\frac{b}{k} \cos kx \,dx = 0</math> *:  *:積分区間<math>\frac{\pi}{2}</math>ごと *:  *::①<math>\int_0^\frac{\pi}{2} \sin x \,dx = \int_0^\frac{\pi}{2} \cos x \,dx = 1</math> 、②<math>\int_\frac{\pi}{2}^\pi \sin x \,dx = 1 , \int_\frac{\pi}{2}^\pi \cos x \,dx = -1</math> *::③<math>\int_\pi^\frac{3\pi}{2} \sin x \,dx = \int_\pi^\frac{3\pi}{2} \cos x \,dx = -1</math> 、④<math>\int_\frac{3\pi}{2}^{2\pi} \sin x \,dx = -1 , \int_\frac{3\pi}{2}^{2\pi} \cos x \,dx = 1</math> *:  *:積分区間<math>\pi</math>ごと *:  *::①<math>\int_0^{\pi} \sin x \,dx = 2, \int_0^{\pi} \cos x \,dx = 0</math> 、②<math>\int_\frac{\pi}{2}^\frac{3\pi}{2} \sin x \,dx = 0 , \int_\frac{\pi}{2}^\frac{3\pi}{2} \cos x \,dx = -2</math> *:  *::③<math>\int_\pi^{2\pi} \sin x \,dx = -2 , \int_\pi^{2\pi} \cos x \,dx = 0</math> 、④<math>\int_\frac{3\pi}{2}^\frac{5\pi}{2} \sin x \,dx = 0 , \int_\frac{3\pi}{2}^\frac{5\pi}{2} \cos x \,dx = 2</math> ==== 複合的な積分 ==== ===== 複合的な三角関数の積分 ===== *<span id="sin^2"/><math>\int \sin ^2 x \,dx = \frac{2x - \sin 2x}{4}+ C</math>([[/証明#三角関数積分1|証明]]) *:  *<span id="cos^2"/><math>\int \cos ^2 x \,dx = \frac{2x + \sin 2x}{4}+ C</math>([[/証明#三角関数積分2|証明]]) *:  *<math>\int \tan ^2 x \,dx = \tan x - x + C</math>([[#注a|*1]]より) *:  *<math>\int \sin ^n x \cos x \,dx = \frac{\sin ^{n+1} x}{n+1}+ C</math>([[#微分公式4-2|微分公式4-2]]参照) *:  *<math>\int \cos ^n x \sin x \,dx = - \frac{\cos ^{n+1} x}{n+1}+ C</math>([[#微分公式5-2|微分公式5-2]]参照) *:  * <math>\int \frac{1}{\sin x} dx = \frac{1}{2} \log \left( {\frac{1-\cos x}{1+\cos x}} \right) + C = \frac{1}{2} \log \left| \tan {\frac{x}{2}} \right| + C</math>([[/証明#三角関数積分3|証明]]) *:  * <math>\int \frac{1}{\cos x} dx = \frac{1}{2} \log \left( {\frac{1+\sin x}{1-\sin x}} \right) + C</math>([[/証明#三角関数積分4|証明]]) *:  * <math>\int \frac{1}{\sin ^{2} x} dx = - \frac{1}{\tan x} + C</math>(証明:[[#余接微分|微分公式6-a]]参照) *:  ** <math>\int \frac{1}{\tan ^{2} x} dx = \int \frac{\cos ^{2} x}{\sin ^{2} x} dx = \int \frac{1 - \sin ^{2} x}{\sin ^{2} x} dx = \int \left( \frac{1}{\sin ^{2} x} - 1 \right) dx = - \frac{1}{\tan x} - x + C</math> *:  * <math>\int \frac{1}{\cos ^{2} x} dx = \tan x + C</math>(証明:[[#正接微分|微分公式6]]参照) *:  ** <math>\int {\tan ^{2} x} dx = \int \frac{\sin ^{2} x}{\cos ^{2} x} dx = \int \frac{1 - \cos ^{2} x}{\cos ^{2} x} dx = \int \left( \frac{1}{\cos ^{2} x} - 1 \right) dx = \tan x - x + C</math> <span id="注a">(*1)</span> *:  * <math>\int \frac{1}{\sin x \cos x} dx = \log|\tan x| + C </math>([[#複合2|上記参照]],[[/証明#三角関数積分5-0|別証明]]) *:  * <math>\int \frac{1}{1 + \sin x} dx = \tan x - \frac{1}{\cos {x}} + C = -\frac{2}{1 + \tan{\frac{x}{2}}} + C</math>([[/証明#三角関数積分5|証明1]],[[/証明#三角関数積分5-1|証明2]]) *:  * <math>\int \frac{1}{1 - \sin x} dx = \tan x + \frac{1}{\cos {x}} + C = \frac{2}{1 - \tan{\frac{x}{2}}} + C</math>([[/証明#三角関数積分5|証明1]],[[/証明#三角関数積分5-1|証明2]]) *:  * <math>\int \frac{1}{1 + \cos x} dx = - \frac{1}{\tan {x}} + \frac{1}{\sin {x}} + C = \tan{\frac{x}{2}} + C</math>([[/証明#三角関数積分6|証明1]],[[/証明#三角関数積分6-1|証明2]]) *:  * <math>\int \frac{1}{1 - \cos x} dx = - \frac{1}{\tan {x}} - \frac{1}{\sin {x}} + C = -\frac{1}{\tan{\frac{x}{2}}} + C</math>([[/証明#三角関数積分6|証明1]],[[/証明#三角関数積分6-2|証明2]]) *:  *'''[[初等数学公式集/初等関数の性質#積和の公式|積和の公式]]を利用するもの''' **<math>\int \sin mx \cos nx \,dx = \frac{1}{2} \int \left\{\sin(m + n)x + \sin(m - n)x \right\}dx = - \frac{\cos(m + n)x}{2(m + n)} - \frac{\cos(m - n)x}{2(m - n)} + C</math> **:  **:但し、<math>m = \pm n</math>の時、与式<math>= \frac{1}{2} \int \sin 2mx \,dx = - \frac{\cos 2mx}{4m} + C</math> **:  **::特に、<math>\int \sin x \cos x \,dx = \frac{1}{2} \int \sin2x \,dx = - \frac{\cos2x}{4} + C</math> **:  **<math>\int \cos mx \cos nx \,dx = \frac{1}{2} \int \left\{\cos(m + n)x + \cos(m - n)x \right\}dx = \frac{\sin(m + n)x}{2(m + n)} + \frac{\sin(m - n)x}{2(m - n)} + C</math> **:  **:但し、<math>m = \pm n</math>の時、<math>(m + n, m - n) = (2m,0),(0,2m)</math>であるから、与式<math>= \frac{1}{2} \int \left\{\cos 2mx + \cos0 \right\}dx = \frac{1}{2} \int \left\{\cos 2mx + 1 \right\}dx = \frac{\sin 2mx + 2x}{4m} + C</math> **:  **::特に、<math>|m| = |n| = 1</math>の時、結果は、<math>\frac{\sin 2x + 2x}{4} + C</math>であるが、与式<math>=\int \cos (\pm x) \cos (\pm x) dx </math>(複号任意)<math>= \int \cos^2 x \,dx</math>であるので、[[#cos^2|上記の式]]に一致。 **:  **<math>\int \sin mx \sin nx \,dx = -\frac{1}{2} \int \left\{\cos(m + n)x - \cos(m - n)x \right\}dx = - \frac{\sin(m + n)x}{2(m + n)} + \frac{\sin(m - n)x}{2(m - n)} + C</math> **:  **:但し、<math>m = \pm n</math>の時、<math>(m + n, m - n) = (2m,0),(0,2m)</math>であるから、与式<math>= -\frac{1}{2} \int \left\{\pm \cos 2mx \mp \cos0 \right\}dx = - \frac{1}{2} \int \left\{\pm \cos 2mx \mp 1 \right\}dx = \pm \frac{2x - \sin 2mx}{4m} + C</math> **:  **::特に、<math>m = n = 1</math>の時、結果は、<math>\frac{2x - \sin 2x}{4} + C</math>であるが、与式<math>=\int \sin x \sin x \,dx = \int \sin^2 x \,dx</math>であるので、[[#sin^2|上記の式]]に一致。 ====代表的な置換==== 以下、置換積分における代表的な置換を列挙する。置換の方法は複数通り考えられるので、必ずしもこの置換でなければいけない訳ではない。 *<math>\{f(x)\}^n</math>を含む積分は、<math>f(x)</math>を置換する。 *:例:<math>\int \frac{e^{2x}}{(e^x+1)^2} \, dx = \int \frac{e^x}{(e^x+1)^2} \cdot e^x \, dx = \int \frac{t-1}{t^2} \, dt</math> *<math>\sqrt[n]{g(x)}</math>を含む積分は、根号全体を置換する。 *:例:<math>\int \frac{x}{\sqrt{3-x}} \, dx = \int \frac{3-u^2}{u} \cdot (-2u) \, du = \int (3-u^2) \, du</math> *三角関数で置換するもの※ *:<math>\int \sqrt{a^2-x^2} \, dx = \int \sqrt{a^2 - (a\sin \theta)^2} \cdot a\cos \theta \, d\theta = a^2 \int \cos^2 \theta \, d\theta</math> *::<math>x=a\cos \theta</math>と置換する場合は<math>\int \sin^2 \theta \, d\theta</math>が出てくる。 *:<math>\int \frac{dx}{x^2+a^2} = \int \frac{d\theta}{(a\tan\theta)^2+a^2} = \int \frac{\cos^2\theta}{a^2} \cdot \frac{a}{\cos^2\theta} \, d\theta = \frac{1}{a} \int \, d\theta</math> *特殊な置換 **三角関数のみを含む積分について<math>t =\tan \frac{\theta}{2}</math>と置換する。('''ワイエルシュトラス置換''') **:<math>\sin \theta = \frac{2t}{1+t^2}, \cos \theta = \frac{1-t^2}{1+t^2}, \tan \theta = \frac{2t}{1-t^2}</math>('''三角関数の媒介変数表示''')となって分数関数の積分として計算できる。 **<math>\sqrt{x^2+A}</math>を含む積分は<math>x + \sqrt{x^2+A} = t</math>と置換する('''オイラー置換''')。 **:例:<math>\int \sqrt{x^2+a^2} \, dx = \int \sqrt{\frac{1}{4}(t-\frac{a^2}{t})^2+a^2} \cdot \frac{1}{2}(1+\frac{a^2}{t^2}) \, dt = \frac{1}{4} \int (1+\frac{a^2}{t})(1+\frac{a^2}{t^2}) \, dt</math> **参考:<math>\sqrt{x^2+a^2}</math>を含む積分は双曲線関数で置換する。 **:例:<math>\int \frac{dx}{x^2+4} = \int \frac{1}{\sqrt{(2\sinh \theta)^2 + 4}} \cdot 2\cosh \theta \, d\theta = \int \, dt</math> ※三角関数による置換は、大学数学における以下の公式を背景にしている。 :<math>(\arcsin x)' = \frac{1}{\sqrt{1-x^2}}</math>(<math>-1<x<1</math>) :<math>(\arccos x)' = -\frac{1}{\sqrt{1-x^2}}</math>(<math>-1<x<1</math>) :<math>(\arctan x)' = \frac{1}{1+x^2}</math> :<math>\int \frac{dx}{\sqrt{x^2+a^2}} = \arcsin \frac{x}{|a|} + C</math>(ただし<math>a \neq 0, |x|<|a|</math>) :<math>\int \frac{dx}{a^2+x^2} = \frac{1}{a} \arctan \frac{1}{a} + C</math>(ただし<math>a \neq 0</math>) :<math>\int \sqrt{a^2-x^2} \, dx = \frac{1}{2} (x\sqrt{a^2-x^2} + a^2 \arcsin \frac{x}{|a|}) + C</math>(ただし<math>a \neq 0, |x|<|a|</math>) === 曲線で囲まれる領域の面積 === *閉区間<math>[ a,b ]</math>において、曲線<math> y = f(x) </math>及び曲線<math> y = g(x) </math>によって囲まれる領域の面積。 *:<math> S = \int_a^{b} | f(x) - g(x) | \, dx</math> [[File:Lukion taulukot (1993)-page038-image02.png|Lukion_taulukot_(1993)-page038-image02|right|200px]] *曲線<math> y = f(x) </math>, 曲線<math> y = g(x) </math>が、<math>[ a,b ]</math>内の<math>c</math>において交わり、<math>x < c</math> において、<math>f(x) > g(x)</math>、<math>x \geqq c</math> において、<math>f(x) \leq g(x)</math> であるとき、 *:<math> S = \int_a^{b} | f(x) - g(x) | \, dx</math><math> = \int_a^{c} (f(x) - g(x)) \, dx - \int_c^{b} (f(x) - g(x)) \, dx</math> {{-}} *曲線<math> y = a_1{x}^2 + b_1{x} + c_1 </math>をA、曲線<math> y = a_2{x}^2 + b_2{x} + c_2 </math>をBとする(ただし、<math> a_1 \neq a_2</math>)。AとBが、<math> x = {\alpha}, {\beta} ( {\alpha} < {\beta} )</math>で交わるとき、 *:区間<math>[ {\alpha}, {\beta} ]</math>で、曲線Aと曲線Bにより囲まれる領域の面積。 *::<math> S = \frac{ | a_1 - a_2 |}{6} ( {\beta} - {\alpha})^3</math>(1/6公式) *(1/12公式) *(1/20公式) これらはy軸まわりで考えても同様である。 {{wikipedia|グリーンの定理|ガウス・グリーンの定理}} *曲線<math>\begin{cases} x = f(t) \\ y = g(t) \end{cases}</math>について、<math>[a, b]</math>の範囲でtの増加とともに点<math>P(f(t), g(t))</math>がxy平面上を原点中心に反時計回りに動くときに線分<math>OP</math>が通過する領域の面積は、<math>\int_{a}^{b} \frac{1}{2} \{ x g'(t) - y f'(t) \} dt</math>(ガウス・グリーンの定理) *極座標系での求積 *:曲線<math>r=r(\theta)</math>と2直線<math>\theta = \alpha, \theta = \beta</math>で囲まれた部分の面積は、<math>S = \int_{\alpha}^{\beta} \frac{1}{2} \{ r(\theta) \}^2 d\theta</math> (→[[高等学校数学III/積分法#面積|証明]]) *:ただし、θは偏角とは限らない。 ==== 極限と積分の関係(区分求積法) ==== 区分求積法とは、関数の値を細かく区切って足し合わせることで積分を近似する方法である。 :  <math>f(x)</math> は区間<math>[0,1]</math>で連続であるとき、次の極限が成り立つ。 :  :<math>\lim_{n\to\infty} \, \frac{1}{n}\sum_{k=1}^{n} f \left( \frac{n}{k} \right) = \int_0^{1} f(x) \, dx</math> :  同様に、区間<math>[0,m]</math>で連続であるとき、次の極限が成り立つ。 :  :<math>\lim_{n\to\infty} \, \frac{1}{n}\sum_{k=1}^{mn} f \left( \frac{n}{k} \right) = \int_0^{m} f(x) \, dx</math> :  :これは、区分求積法による近似が極限で積分に収束することを表している。 === 体積 === *ある立体<math>V_0</math>の<math>x = t</math>における断面積が有限な値で、その値が <math>t</math>の関数<math>S(t)</math>となるとき、この立体を平面<math>x = a</math>,<math>x = b</math>(ただし、<math>a < b</math>)で切り取った領域の体積は、 *:<math> V = \int_a^{b} S(t) \, dt</math> *:  *:【利用公式】 *:*[[初等数学公式集/初等幾何/体積#錐体の体積|錐体の体積]] *:*[[初等数学公式集/初等幾何/体積#くさび形の体積|くさび形の体積]] *:*[[初等数学公式集/初等幾何/体積#球の体積|球の体積]] *:*[[初等数学公式集/初等幾何/体積#円環体(トーラス)の体積|円環体(トーラス)の体積]] *曲線<math> y = f(x) </math>を<math>x</math>軸を中心に回転させたとき、この立体を平面<math>x = a</math>,<math>x = b</math>(ただし、<math>a < b</math>)で切り取った領域の体積は、 *:<math> V = \pi \int_a^{b} \{ f(x) \}^2 \, dx</math> *: *曲線<math>x = g(y)</math>をy軸を中心に回転させたとき、この立体を平面<math>y=c, y=d</math>(ただし<math>c<d</math>)で切り取った領域の体積は、 *:<math>V = \pi \int_c^d \{ g(y) \}^2 \, dy</math> *: *曲線<math>y=f(x)</math>とx軸、直線<math>x=a, x=b</math>に囲まれた部分をx軸周りに一回転した立体の体積は、 *:<math>V = 2\pi \int_{a}^{b} x f(x) dx</math>(バームクーヘン積分・円筒分割積分) *: *図形Aを図形Aと交わらない直線の周りに一回転してできる立体の体積は、V=(Aの重心が描く円の円周長)×(Aの面積)。(パップス・ギュルダンの定理) *: ====斜軸回転体の体積==== *平面中の直線Lの周りの回転体の体積は、回転軸Lに垂直な平面で回転体を切った断面積の積分で求まる。 *: *曲線<math>y=f(x)</math>と直線<math>mx+n, x=a, x=b</math>で囲まれた部分を直線<math>y=mx+n</math>の周りで一回転した体積は、<math>\tan \theta = m</math>として、 *:<math>V = \pi \cos \theta \int_{a}^{b} \{ f(x) - (mx+n) \}^2 dx</math>(傘型分割積分) *: *回転軸Lをx軸もしくはy軸に重ねる回転移動を行い通常の回転体の求積公式に強引に当て嵌めることで、置換積分により体積が求まる。 === 曲線の長さ === *閉区間<math>[ a,b ]</math>における、曲線<math> y = f(x) </math>の長さ<math>L</math>。 *:<math> L = \int_a^{b} \sqrt{ 1 + \left( \frac{dy}{dx} \right) ^2 } dx</math> **上記曲線が媒介変数<math>t</math>によって、<math> x = x(t) , y = y(t) , a = x(\alpha) , b = x(\beta)</math>と表される時の長さ<math>L</math>。 *:<math> L = \int_{ \alpha }^{ \beta } \sqrt{ \left( \frac{dx}{dt} \right) ^2 + \left( \frac{dy}{dt} \right) ^2 } dt</math> ===平面上の運動と微積分=== xy平面上における運動の時刻<math>t</math>における位置,速度,加速度をそれぞれ<math>\vec{x}(t), \vec{v}(t), \vec{a}(t)</math>とする。 *<math>\frac{d}{dt} \vec{x}(t) = v(t) \iff \int \vec{v}(t) \, dt = \vec{x}(t) + \vec{x_0}</math> *<math>\frac{d}{dt} \vec{v}(t) = \vec{a}(t) \iff \int \vec{a}(t) \, dt = \vec{v}(t) + \vec{v_0}</math> *<math>\frac{d^2}{dt^2} \vec{x}(t) = \vec{a}(t) \iff \int \int \vec{a}(t) \, dt \, dt = \vec{x}(t) + \vec{x_0} </math> *時刻aから時刻bまで運動を続けた時の道のりは<math>\int_a^b |\vec{v}(t)| \, dt</math> == 基本的な関数の微分公式と積分公式の相互関係 == * <math>{d\over dx}\int_a^x f(t)\,dt = f(x) </math> (微積分学の基本定理) * [[#基本微分|(微分公式1)]] <math>\left(x^a\right)'=ax^{a-1} </math> (<math>a</math>は実数) ⇔ [[#基本積分|(積分公式1)]] <math>\int x^a\,dx = \frac{x^{a+1}}{a+1} + C</math> (<math>a</math>は実数かつ<math>a \neq -1</math>) * [[#指数微分|(微分公式2)]] <math>\left(e^x\right)'=e^x </math> ⇔ [[#指数積分|(積分公式2)]] <math>\int e^x\,dx = e^x + C</math> *: 従って、[[#指数微分|(微分公式2-1)]] <math>\left(a^x\right)'=a^x \log a </math> ⇔ [[#指数積分|(積分公式2-1)]] <math>\int a^x\,dx = \frac{a^x}{\log a} + C</math>(<math>a > 0</math>) *::(応用) *:::<math> \left( f(x) e^x \right)' = \left( f(x) + f'(x) \right) e^x </math> ⇔ <math>\int \left( f(x) + f'(x) \right) e^x \,dx = f(x) e^x + C</math> * [[#対数微分|(微分公式3)]] <math>(\log x)'=\frac{1}{x} </math> ⇔ [[#分数積分|(積分公式3)]] <math>\int \frac{1}{x}dx = \log \left|{x}\right| + C</math> ** [[#対数式微分|(微分公式3-1)]] <math>(\log \left|f(x)\right|)'=\frac{f'(x)}{f(x)} </math> ⇔ [[#分数式積分|(積分公式3-1)]] <math>\int \frac{f'(x)}{f(x)}dx = \log \left|{f(x)}\right| + C</math> * [[#正弦微分|(微分公式4)]] <math>\left(\sin x\right)'=\cos x </math> ⇔ [[#余弦積分|(積分公式5)]] <math>\int \cos xdx = \sin x+ C</math> * [[#余弦微分|(微分公式5)]] <math>\left(\cos x\right)'=-\sin x </math> ⇔ [[#正弦積分|(積分公式6)]] <math>\int \sin xdx =- \cos x+ C</math> == 脚注 == <references/> {{DEFAULTSORT:しよとうすうかくこうしきしゆう 07ひせきふん}} [[Category:普通教育]] [[Category:数学教育]] [[Category:初等数学公式集|ひせきふん]] [[カテゴリ:微分積分学]] i28961mwiqx6o8vkah0ycnzls7qx1hd 初等数学記号集 0 33108 298923 286750 2026-04-29T12:15:38Z Tkkn46tkkn46 89925 関連項目 追加 298923 wikitext text/x-wiki ここでは、小・中・高校までに扱われる数学の記号、及び高校では扱われないことが多いが高校程度の知識でも理解できる記号も紹介する。 == 関数 == {| class="wikitable" style="width:100%;background:#ffffff;" ! style="width:15%" |記号 !意味 ! style="width:60%" |説明 |- !<math>f(x),g(x)</math> |一変数関数の陽関数表示 | |- !<math>F(x, y), f(x, y)</math> |一変数関数の陰関数表示/二変数関数 | |- !<math>\mathrm{dom}</math> |定義域(始域) |<math>\mathrm{dom} f</math>は<math>f</math>の定義域 |- !<math>\mathrm{ran}</math> |値域(終域) |<math>\mathrm{ran} f</math>は<math>f</math>の値域 |- !<math>|\bullet|</math> |絶対値 |<math>|x| = \sqrt{x^2}</math> |- !<math>\bullet !</math> |階乗 |<math>n! = n(n-1)(n-2)\cdots 3\cdot 2\cdot 1</math> |- !<math>\bullet !!</math> |二重階乗 |<math>n!! = \begin{cases}n(n-2)(n-4)\cdots 3\cdot 1 & n\text{が 奇 数 の と き}\\ n(n-2)(n-4)\cdots 4\cdot 2 & n\text{が 偶 数 の と き}\end{cases}</math> |- !<math>\sqrt{\bullet},\sqrt[\bullet]{\bullet}</math> |冪根 |<math>\sqrt[n]{x}</math> は <math>x</math> の <math>n</math> 乗根を表す。<math>n</math> が 2 であるときには単に<math>\sqrt x</math> と書かれる。 |- !<math>\sin</math> |サイン |[[高等学校数学II/三角関数]]参照 |- !<math>\cos</math> |コサイン |[[高等学校数学II/三角関数]]参照 |- !<math>\tan</math> |タンジェント |[[高等学校数学II/三角関数]]参照 |- !<math>\sec</math> |セカント |<math>\sec\theta = \frac{1}{\cos\theta}</math> |- !<math>\csc</math> |コセカント |<math>\csc\theta=\frac{1}{\sin\theta}</math> |- !<math>\cot</math> |コタンジェント |<math>\cot\theta=\frac{1}{\tan\theta}</math> |- !<math>\mathrm{versin}</math> |バーサイン |<math>\mathrm{versin} \, \theta = 1 - \cos \theta</math> |- !<math>\mathrm{cvs}</math> |コバーサイン |<math>\mathrm{cvs} \, \theta = 1 - \sin \theta</math> |- !<math>\mathrm{vercos}</math> |バーコサイン |<math>\mathrm{vercos} \, \theta = 1 + \cos \theta</math> |- !<math>\mathrm{cvc}</math> |コバーコサイン |<math>\mathrm{cvc} \, \theta = 1 + \sin \theta</math> |- !<math>\mathrm{hav}</math> |ハバーサイン |<math>\mathrm{hav} \, \theta = \frac{1}{2} \mathrm{versin} \, \theta</math> |- !<math>\mathrm{hac}</math> |ハコバーサイン |<math>\mathrm{hac} \, \theta = \frac{1}{2} \mathrm{cvs} \, \theta</math> |- !<math>\mathrm{havercos}</math> |ハバーコサイン |<math>\mathrm{havercos} \, \theta = \frac{1}{2} \mathrm{vercos} \, \theta</math> |- !<math>\mathrm{hacovercos}</math> |ハコバーコサイン |<math>\mathrm{hacovercos} \, \theta = \frac{1}{2} \mathrm{covercos} \, \theta</math> |- !<math>\mathrm{exsec}</math> |エクスセカント |<math>\mathrm{exsec} \, \theta = \sec \theta - 1</math> |- !<math>\mathrm{excsc}</math> |エクスコセカント |<math>\mathrm{excsc} \, \theta = \csc \theta - 1</math> |- !<math>\mathrm{crd}</math> |コード |中心角に対する弦の長さ。<math>\mathrm{crd} \, \theta = \sqrt{\sin^2 \theta + \mathrm{versin}^2 \theta} = 2 \sin \frac{\theta}{2}</math> |- !<math>\mathrm{arc}</math> |アーク |中心角に対する弧長。弧度法では常に<math>\mathrm{arc} \, \theta = \theta</math>が成り立つ。 |- !<math>\arcsin</math> |アークサイン |<math>y = \arcsin x \iff x = \sin y</math> |- !<math>\arccos</math> |アークコサイン |<math>y = \arccos x \iff x = \cos y</math> |- !<math>\arctan</math> |アークタンジェント |<math>y = \arctan x \iff x = \tan y</math> |- !<math>\arcsec</math> |アークセカント |<math>y = \arcsec x \iff x = \sec y</math> |- !<math>\arccsc</math> |アークコセカント |<math>y = \arccsc x \iff x = \csc y</math> |- !<math>\arcsin</math> |アークコタンジェント |<math>y = \arccot x \iff x = \cot y</math> |- !<math>\sinh</math> |ハイパボリックサイン、シンシュ、シャイン |<math>\sinh x = \frac{e^x-e^{-x}}{2}</math> |- !<math>\cosh</math> |ハイパボリックコサイン、コッシュ |<math>\cosh x = \frac{e^x+e^{-x}}{2}</math> |- !<math>\tanh</math> |ハイパボリックタンジェント、タンチ |<math>\tanh x = \frac{\sinh x}{\cosh x}</math> |- !<math>\mathrm{sech}</math> |ハイパボリックセカント |<math>\mathrm{sech} \, \theta = \frac{1}{\cosh x}</math> |- !<math>\mathrm{csch}</math> |ハイパボリックコセカント |<math>\mathrm{csch} \, \theta = \frac{1}{\sinh x}</math> |- !<math>\mathrm{coth}</math> |ハイパボリックコタンジェント |<math>\mathrm{coth} \, \theta = \frac{1}{\tanh x}</math> |- !<math>\mathrm{arsinh}</math> |エリアハイパボリックサイン、アーシャイン |<math>y = \mathrm{arsinh} \, x \iff x = \sinh y</math> |- !<math>\mathrm{arsinh}</math> |エリアハイパボリックコサイン、アーコッシュ |<math>y = \mathrm{arcosh} \, x \iff x = \cosh y</math> |- !<math>\mathrm{arsinh}</math> |エリアハイパボリックタンジェント、アータンチ |<math>y = \mathrm{artanh} \, x \iff x = \tanh y</math> |- !<math>\mathrm{arsech}</math> |エリアハイパボリックセカント |<math>y = \mathrm{arsech} \, x \iff x = \mathrm{sech} \, y</math> |- !<math>\mathrm{arcsch}</math> |エリアハイパボリックコセカント |<math>y = \mathrm{arcsch} \, x \iff x = \mathrm{csch} \, y</math> |- !<math>\mathrm{arcoth}</math> |エリアハイパボリックコタンジェント |<math>y = \mathrm{arcoth} \, x \iff x = \mathrm{coth} \, y</math> |- !<math>\exp</math> |(自然)指数関数 |<math>\exp x = e^x</math> [[高等学校数学II/指数関数・対数関数]]参照 |- !<math>\log_\bullet \circ</math> |対数関数 |<math>y=\log_a x \iff x=a^y</math> |- !<math>\ln</math> |(自然)対数関数 |<math>\ln x = \log_e x</math> [[高等学校数学II/指数関数・対数関数]]参照 |- !<math>[ \bullet ]</math> |ガウス記号 |<math>[x]</math>はxを超えない最大の整数を表す。 |- !<math>\lfloor \bullet \rfloor, [ \bullet ]</math> |床関数 |<math>\lfloor x \rfloor</math> は <math>x</math> 以下の最大の整数を表す。 |- !<math>\lceil \bullet \rceil</math> |天井関数 |<math>\lceil x \rceil</math> は <math>x</math> 以上の最小の整数を表す。 |- !<math>\circ</math> |関数の合成 |<math>(f\circ g)(x)=f(g(x))</math> |- !<math>{}^{-1}</math> |逆関数 |<math>y = f(x) \iff x = f^{-1}(y)</math> |- !<math>f^{\bullet} (x)</math> |自身との合成 |<math>f^{n} (x) =\begin{cases} \underbrace{(f \circ f \circ \cdots \circ f)}_n (x) & (n>0) \\ x & (n=0) \\ \underbrace{(f^{-1} \circ f^{-1} \circ \cdots \circ f^{-1})}_{|n|} (x) & (n<0) \end{cases}</math> |} == 代数学 == {| class="wikitable" style="width:100%;background:#ffffff;" ! style="width:15%" |記号 !意味 ! style="width:60%" |説明 |- !<math>=</math> |等しい | |- !<math>\ne</math> |等しくない | |- !<math>\approx, \fallingdotseq, \simeq</math> |ほぼ等しい |<math>x \approx y</math> は <math>x</math> と <math>y</math> がほぼ等しいことを表す。日本では <math>\fallingdotseq</math> が使われることが多いが、 <math>\approx</math> の方がよく使われる。化学ではもっぱら<math>\simeq</math>が使われる。 |- !<math>>,<</math> |不等号 |<math>x > y</math> は <math>y</math> より <math>x</math> の方が大きいことを意味する。 |- !<math>\ge , \le ,\geqq,\leqq</math> |等号付きの不等号 |<math>x \ge y</math> は <math>y</math> より <math>x</math> の方が大きいか等しいことを意味する。高校までは下線が2本のものが広く使われる。 |- !<math>\times</math> | rowspan="2" |乗法 | rowspan="2" |<math>x \times y</math> は <math>x</math> と <math>y</math> の積を表す。<math>x \cdot y</math> や <math>xy</math> とも表される。ベクトルの場合、<math>\cdot</math>は内積、<math>\times</math>は外積である。 |- !<math>\cdot</math> |- !<math>\div</math> | rowspan="2" |除法 | rowspan="2" |<math>x \div y = \frac{x}{y}</math> である。 |- !<math>\frac{\bullet}{\bullet}</math> |- !<math>\pm,\mp</math> |プラスマイナス |<math>x\pm y</math> で <math>x+y</math> と <math>x-y</math> をまとめて表したり、また、<math>(x\pm y)^2 = x^2 + y^2 \pm 2xy</math> のように、符号を変えても同じ形の式になる場合に2式をまとめて表すのに使用する。 |- !<math>\textstyle\sum</math> |総和 | : <math>\textstyle\sum\limits_{k=m}^n a_k = a_m + a_{m+1} + \dotsb + a_{n-1} + a_n</math> で定義される。 命題 <math>P(k)</math> を満たすすべての <math>k</math> についての和を取ることを : <math>\textstyle\sum\limits_{P(k)} \,a_k</math> と書く。 |- !<math>\textstyle\prod</math> |総乗 | : <math>\prod\limits_{k=1}^n a_k = a_1 \times a_2 \times \dots\times a_n</math> |- !<math>_n\mathrm{P}_r</math> |順列 |<math>_n\mathrm{P}_r = \frac{n!}{(n-r)!}</math> |- !<math>{}_n \Pi_r</math> |重複順列 |<math>{}_n \Pi_r = n^r</math> |- !<math>\binom{n}{k},\, {}_n\text{C}_k,</math> |二項係数、組合わせ |<math>\binom{n}{k} = \frac{n!}{(n-k!)k!}</math> |- !<math>_n\mathrm{H}_r</math> |重複組合せ |<math>_n{\rm \Eta}_r= {}_{n+r-1}{\rm C}_{r} </math> |- !<math>\vec{\bullet}</math> |ベクトル |<math>\vec{x}</math>はベクトル<math>x</math>を表す。ベクトルが有向線分を指さない場合、<math>\mathbf{x}</math>と書く方が一般的である。 |- !<math>\|\bullet\|</math> |ノルム |<math>||x||</math> は <math>x</math> のノルムである。 |- !<math>\operatorname{Re}\bullet,\Re\bullet</math> |複素数の実部 | rowspan="2" |複素数 <math>z</math> に対し、<math>\operatorname{Re}z</math> はその実部を、<math>\operatorname{Im}z</math> はその虚部を表す。ちなみに、<math>\Re,\Im</math> はフラクトゥールである。 |- !<math>\operatorname{Im}\bullet,\Im\bullet</math> |複素数の虚部 |- !<math>\overline{\bullet}</math> |共役複素数 |複素数 <math>z</math> に対し、<math>\bar z</math> はその共役複素数を表す。 |- !<math>z_n, \zeta_n</math> |1のn乗根 |<math>\zeta_{n_k} = \cos \frac{2k\pi}{n} + i \sin \frac{2k \pi}{n}</math>(ただし<math>k (\in \mathbb{Z})</math>について<math>k \in [0, n-1]</math>)。複素数平面では単位円上に点<math>1+0i</math>を一つの頂点とする正n角形を描く。 |- !<math>\operatorname{deg}\bullet</math> |次数 |多項式 <math>f</math> に対して、<math>\deg f</math> でその次数を表す。 |- !<math>\mathrm{det} \bullet</math> |行列式 |<math>\mathrm{det} A</math>は正方行列<math>A</math>の行列式を表す。<math>|A|</math>とも書く。 |- !<math>\mathrm{tr} \bullet</math> |跡 |<math>\mathrm{tr} A</math>は正方行列<math>A</math>の跡を表す。 |- !<math>\mathrm{rank} \bullet</math> |階数 |<math>\mathrm{rank} A</math>は正方行列<math>A</math>の階数を表す。 |- !<math>{}^t\! \bullet</math> |転置 |<math>{}^t\! A</math>は行列<math>A</math>の転置行列を表す。 |- !<math>\mathrm{Diag} (\bullet, \circ, \cdots)</math> |対角行列 |<math>\mathrm{Diag} (x, y, \cdots)</math>は対角成分が<math>x, y, \cdots</math>である対角行列を表す。 |} == 定数 == {| class="wikitable" style="width:100%;background:#ffffff;" ! style="width:15%" |記号 !意味 ! style="width:60%" |説明 |- !<math>\pi</math> |円周率 |円周の直径に対する比。 |- !<math>\tau</math> |円周率 |円周の'''半径'''に対する比。 |- !<math>e</math> |ネイピア数(自然対数の底) |<math>e = \lim_{x\to \infty} \left(1+\frac{1}{x}\right)^x</math> |- !<math>i</math> |虚数単位 |<math>i^2 = -1</math> となる数の一つ。 |- !<math>\gamma</math> |オイラーの定数 |<math>\gamma = \lim_{n \rightarrow \infty } \left(\sum_{k=1}^n \frac{1}{k} - \ln n \right) = \int_1^\infty\left({1\over\lfloor x\rfloor}-{1\over x}\right)\,dx</math> |} == 解析学 == {| class="wikitable" style="width:100%;background:#ffffff;" ! style="width:15%" |記号 !意味 ! style="width:60%" |説明 |- !<math>\{ \bullet_n \}</math> |数列 |<math>\{ x_n \}</math>は第n項が<math>x_n</math>である数列を表す。 |- !<math>\Delta \bullet</math> |微小、変化量 |<math>\Delta x</math>は微小な<math>x</math>あるいは<math>x</math>の変化量を表す。 物理学では変化量の意味で使われることが多い。 |- !<math>\ll</math> |非常に小さい |<math>a \ll b</math> は <math>a</math> が <math>b</math> と比べて非常に小さいことを意味する。 |- !<math>\lim</math> |極限 |[[高等学校数学III/極限]]参照 |- !<math>\bullet'</math> | rowspan="4" |導関数, 微分 | rowspan="4" |[[高等学校数学II/微分・積分の考え]]参照 <math>\bullet^{(n)}</math> は n 階微分を表す。 <math>\dot \bullet,\ddot \bullet</math> は主に物理学で時間微分を表す。 |- !<math>\bullet^{(n)}</math> |- !<math>\dot \bullet,\ddot \bullet</math> |- !<math>\frac{d}{dx}\bullet</math> |- !<math>\int</math> |積分 |[[高等学校数学II/微分・積分の考え]]参照 |} == 集合 == {| class="wikitable" style="width:100%;background:#ffffff;" ! style="width:15%" |記号 !意味 ! style="width:60%" |説明 |- !<math>\{\ :\ \},\ \{\ \mid\ \},\ \{\ ;\ \}</math> |集合の内包的記法 |<math>\{x|P(x)\}</math> で命題 <math>P(x)</math> を満たす <math>x</math> の全体の集合を示す。 |- !<math>\in,\ \notin</math> |集合に対する元の帰属関係 |<math>x\in S</math> は、<math>x</math> が集合 <math>S</math> の元であることを意味する。<math>x \notin S</math> は、 <math>x</math> が <math>S</math> の元でないことを意味する。 |- !<math>=</math> |集合の一致 |<math>S = T</math> は集合 <math>S</math> と集合 <math>T</math> が等しいことを示す。 |- !<math>\ne</math> |<math>=</math> の否定 |<math>S \neq T</math> は集合 <math>S</math> と集合 <math>T</math> が等しくないことを示す。 |- !<math>\subseteq,\subset, \subsetneq,\not\subset</math> |集合の包含 |<math>S \subset T</math> は <math>S</math> が <math>T</math> の部分集合であることを示す。<math>S \subsetneq T</math> は <math>S</math> が <math>T</math> の真部分集合であることを示す。 |- !<math>\cap</math> |共通部分(積集合) |<math>S\cap T</math> は集合 <math>S</math> と集合 <math>T</math> の共通部分を表す。また<math>\textstyle\bigcap\limits_{\lambda\in\Lambda} S_\lambda</math>は、集合族<math>\{S_\lambda\}_{\lambda\in \Lambda}</math> の共通部分を表す。 |- !<math>\cup</math> |和集合(合併集合) |<math>S\cup T</math>は集合 <math>S</math> と集合 <math>T</math> の和集合を表す。また、<math>\textstyle\bigcup\limits_{\lambda\in\Lambda} S_\lambda</math> で。集合族 <math>\{S_\lambda\}_{\lambda\in \Lambda}</math> の和集合を表す。 |- !<math>\setminus,\ -</math> |差集合 |<math>S-T</math> は、集合 <math>S</math> から集合 <math>T</math> の要素を除いた集合を表す。 |- !<math>\bullet^\mathrm{c},\bar \bullet</math> |補集合 |<math>S^{\rm c}</math> は集合 <math>S</math> の補集合を表す。c は {{en|complement}} の略である。 |- !<math>\mathcal{P}(\bullet),2^\bullet</math> |冪集合 |<math>\mathcal{P}(S)</math> は <math>S</math> の部分集合の全体の集合である。 |- !<math>(\cdot,\cdot)</math> |開区間 |<math>(a,b)</math> は <math>a < x < b</math> を満たす <math>x</math> 全体の集合を示す。 |- !<math>[\cdot,\cdot]</math> |閉区間 |<math>[a,b]</math> は <math>a \le x \le b</math> を満たす <math>x</math> 全体の集合を示す。 |- !<math>(\cdot,\cdot],[\cdot,\cdot)</math> |半開区間 |<math>(,[</math> を組み合わせたものである。例えば、<math>(a,b]</math> は <math>a < x \le b</math> を満たす <math>x</math> 全体の集合を示す。 |- !<math>\max</math> |最大値 |<math>\max A</math> で集合 <math>A</math> に属する最大の値を示す。 |- !<math>\min</math> |最小値 |<math>\min A</math> で集合 <math>A</math> に属する最小の値を示す。 |- !<math>\varnothing</math> |空集合 | |- !<math>\mathbf{N},\ \mathbb{N}</math> |自然数の全体 | |- !<math>\mathbf{Z},\ \mathbb{Z}</math> |整数の全体 | |- !<math>\mathbf{Q},\ \mathbb{Q}</math> |有理数の全体 | |- !<math>\mathbf{R},\ \mathbb{R}</math> |実数の全体 | |- !<math>\mathbf{C},\ \mathbb{C}</math> |複素数の全体 | |} == 整数論 == {| class="wikitable" style="width:100%;background:#ffffff;" ! style="width:15%" |記号 !意味 ! style="width:60%" |説明 |- !<math>\bullet \equiv \bullet \pmod \bullet</math> |合同 |<math>a \equiv b \pmod m</math> は <math>a, b</math>が法<math>m</math>のもとで合同、つまり<math>a, b</math> を <math>m</math> で割った余りが等しいことを示す。 |- !<math>\gcd(\bullet,\bullet)</math> |最大公約数 |gcd は greatest common divisor の略である。 |- !<math>\operatorname{lcm}(\bullet, \bullet)</math> |最小公倍数 |lcm は least common multiplier の略である。 |- !<math>|</math> |割り切る |<math>x|y</math> は <math>x</math> が <math>y</math> を割り切る、つまり <math>x</math> は <math>y</math> の約数(<math>\iff y</math>は<math>x</math>の倍数)であることを表す。 |- !<math>\not|</math> |<math>|</math> の否定 |<math>x|y</math> でない(<math>\iff y \not\equiv 0 (\mathrm{mod} x)</math>)ことを示す。 |} == 確率・統計 == {| class="wikitable" style="width:100%;background:#ffffff;" ! style="width:15%" |記号 !意味 ! style="width:60%" |説明 |- !<math>\bar{\bullet}, < \bullet >, m_\bullet, \mu_\bullet</math> |平均 |<math>\bar{x}</math>は<math>\{ x_n \}</math>の相加平均。<math><x></math>は大学以上の物理で使う。 |- !<math>Q_{\bullet}</math> |四分位数 |<math>Q_1</math>は第一四分位数、<math>Q_2</math>は中央値、<math>Q_3</math>は第三四分位数。 |- !<math>P(\bullet)</math> |確率 |<math>P(E)</math> は事象 <math>E</math> の起こる確率。 |- !<math>P_\circ (\bullet)</math> |条件付き確率 |<math>P_A (B)</math>は事象<math>A</math>が起きたもとで事象<math>B</math>の起こる条件付き確率。 |- !<math>E(\bullet)</math> |期待値 |<math>E(X)</math> は確率変数 <math>X</math> の期待値。 確率分布に対して定義する場合は平均と呼ばれる。 |- !<math>V(\bullet)</math> |分散 |<math>V(X)</math> は確率変数 <math>X</math> の分散。 |- !<math>\sigma (\bullet)</math> |標準偏差 |<math>\sigma (X) = \sqrt{V(X)}</math> |- !<math>\operatorname{Cov}(\bullet, \circ), \sigma_{\bullet\circ}</math> |共分散 |<math>\operatorname{Cov}(X, Y)</math> は確率変数 <math>X, Y</math> の共分散。 |- !<math>\rho</math> |相関係数 |<math>\rho = \frac{\operatorname{Cov}(X,Y)}{\sigma (X) \sigma (Y)}</math> |- !<math>\varpropto</math> |比例 |<math>y\varpropto x</math> は <math>y</math> と <math>x</math> が比例関係にあることを示す。つまり、<math>y\varpropto x \iff y = ax</math> となる <math>a</math> が存在する。 |- !<math>B(n, p)</math> |二項分布 |試行回数<math>n</math>、起こる確率<math>p</math>の反復試行における二項分布。 |- !<math>N(\mu, \sigma^2)</math> |正規分布 |平均 <math>\mu</math> 分散 <math>\sigma ^2</math> の正規分布。 |- !<math>\sim</math> |分布に従う |<math>Z \sim N(0, 1)</math>は、確率変数<math>Z</math>が標準正規分布<math>N(0, 1)</math>に従うことを示す。 |- !<math>\mathrm{erf}</math> |誤差関数 |<math>\mathrm{erf}(x) = \frac{2}{\sqrt{\pi}}\int_0^x e^{-t}dt</math> |} == 幾何学 == {| class="wikitable" style="width:100%;background:#ffffff;" ! style="width:15%" |記号 !意味 ! style="width:60%" |説明 |- !<math>\bigtriangleup</math> |三角形 |<math>\bigtriangleup \mathrm{ABC}</math>で三角形ABCを表す。<math>\Delta</math>(デルタ)で代用されることもある。 |- !<math>\equiv</math> |合同 |<math>\bigtriangleup \mathrm{ABC} \equiv \bigtriangleup \mathrm{DEF}</math> は <math>\bigtriangleup \mathrm{ABC}</math> と <math>\bigtriangleup \mathrm{DEF}</math> が合同であることを示す。合同な図形は平行移動や反転で一致させることができる。 |- !∽, <math>\sim</math> |相似 |<math>\bigtriangleup \mathrm{ABC} \sim \bigtriangleup \mathrm{DEF}</math> は <math>\bigtriangleup \mathrm{ABC}</math> と <math>\bigtriangleup \mathrm{DEF}</math> が相似であることを意味する。日本の中学・高校では ∽ が使われることが多い。 |- !<math>(\bullet,\bullet,\dotsc)</math> |座標 |座標を示すのに使われる。 |- !<math>\angle</math> |角 |<math>\bigtriangleup \mathrm{ABC}</math>において<math>\angle \mathrm {ABC}</math> や <math>\angle \mathrm B</math> で <math>\mathrm B</math> における角を表す。 |- !<math>\bot</math> |垂直 |<math>\mathrm {AB} \perp \mathrm {CD}</math> で直線 <math>\mathrm {AB}</math> と直線 <math>\mathrm{CD}</math> が垂直であることを示す。 |- !<math>\parallel, /\!/</math> |平行 |<math>\mathrm {AB} \parallel \mathrm {CD}</math> で直線 <math>\mathrm {AB}</math> と直線 <math>\mathrm{CD}</math> が並行であることを示す。日本では斜めに倒して使われることが多い。 |- !<math>\frown</math> |弧 |<math>\stackrel{\frown}\mathrm{{AB}}</math> で <math>\mathrm A</math> と <math>\mathrm B</math> を結ぶ弧を表す。 |- !<math>=</math> |面積が等しい |<math>\bigtriangleup \mathrm{ABC} =\bigtriangleup \mathrm{DEF}</math> は <math>\bigtriangleup \mathrm{ABC}</math> と <math>\bigtriangleup \mathrm{DEF}</math> の面積が等しいことを示す |- !<math>\overline{\bullet \circ}</math> |辺の長さ |<math>\overline{\mathrm{AB}}</math>は辺<math>\mathrm{AB}</math>の長さを表す。 |- !<math>\mathrm{arg}</math> |偏角 |<math>\mathrm{arg} z</math>は複素数zの偏角を表す。ただし、左回転を正として角の向きを考える。 |- !<math>\{ u, v \}</math> |離散グラフの辺 |<math>\{ u, v \}</math>は離散グラフの2頂点<math>u, v</math>を結ぶ辺を表す。 |- |} == 命題 == {| class="wikitable" style="width:100%;background:#ffffff;" ! style="width:15%" |記号 !意味 ! style="width:60%" |説明 |- !<math>\Rightarrow</math> |論理包含、含意 |<math>P \Rightarrow Q</math> は、 <math>P</math> が真なら <math>Q</math> も真という命題を示す。 |- !<math>\Leftrightarrow</math> |同値 |<math>P \Leftrightarrow Q</math> は <math>P</math> と <math>Q</math> の真偽が一致することを意味する。 |- !<math>\neg, \bar{}</math> |否定 |<math>\neg P</math> は「命題 <math>P</math> が偽」という命題を表す。高校では<math>\bar{P}</math>と書くことが多い。 |- !<math>\because</math> |なぜならば |<math>A \because B</math> は 「<math>B</math> なので、 <math>A</math> が成り立つ」ということを示す。 |- !<math>\therefore</math> |ゆえに |<math>A \therefore B</math> は 「<math>A</math> なので、<math>B</math> である」ということを示す。 |- !<math>\land</math> |論理積 |<math>P\land Q</math> は「<math>P</math> と <math>Q</math> がともに真」という命題を示す。 |- !<math>\lor</math> |論理和 |<math>P\lor Q</math> は「命題 <math>P</math> と命題 <math>Q</math> のどちらかは真」という命題を示す。 |- !<math>\forall</math> |全称 |<math>\forall x \in S, P(x)</math> は、集合 <math>S</math> の任意の元 <math>x</math> に対して命題 <math>P(x)</math> が成立することを示す。 |- !<math>\exists</math> |存在(単称) |<math>\exists x \in S, P(x)</math> は、命題 <math>P(x)</math> が成り立つような、集合 <math>S</math> の元 <math>x</math> が存在することを示す。 |- !<math>\exists_1, \exists_!</math> |唯一存在 |<math>\exists_1 x \in S, P(x)</math> は、命題 <math>P(x)</math> が成り立つような、集合 <math>S</math> の元 <math>x</math> がただ一つ存在することを示す。 |- !<math>\not\exists</math> |不存在 |<math>\not\exists x \in S, P(x) \iff \forall x \in S, \lnot P(x)</math> |- !<math>:=,\ :\Leftrightarrow</math> |定義 |<math>A := B</math> で <math>A</math> を <math>B</math> で定義することを明示的に表す。 |- !<math>\{</math> |連立 |<math>\begin{cases} x=a \\ y=b \end{cases} \iff x=a \land y=b </math> 条件を表すだけでなく、連立方程式や媒介変数表示などでも用いられる。 |} == 関連項目 == *[[初等数学]] *[[初等数学公式集]] {{DEFAULTSORT:しよとうすうかくきこうしゆう}} [[Category:普通教育]] [[Category:数学教育]] [[Category:初等数学公式集]] k8crdgwbn8gbzp2yuywkrnmxqemlbm1 利用者:James500 2 36521 298924 219166 2026-04-29T13:01:03Z James500 72634 Remove template 298924 wikitext text/x-wiki {{Userpage}} {{Babel|en}} [[en:User:James500]] m4lmisz6eqbycoecmehzbahntl1krki 日本国憲法第32条 0 38086 298937 296040 2026-04-30T03:06:05Z ~2026-26201-03 91336 298937 wikitext text/x-wiki [[法学]]>[[憲法]]>[[日本国憲法]]>[[コンメンタール日本国憲法]] ==条文== 【裁判を受ける権利】 ;第32条 :何人も、pbdぺb0bwb ==解説== {{wikipedia}} ===審級制度=== 審級制度については、[[日本国憲法第81条|憲法第81条]]に規定するところ(憲法判断に関しては最高裁判所を終審裁判所とする旨)を除いては、憲法はこれを法律の定めるところにゆだねており、事件の類型によって一般の事件と異なる上訴制限を定めても、それが合理的な理由に基づくものであれば憲法32条に違反するものではない(判例)。 ==参照条文== ==判例== #[https://www.courts.go.jp/hanrei/56452/detail2/index.html 強盗、建造物侵入](最高裁判決 昭和23年3月10日) #;刑訴應急措置法第13條第2項の合憲性 #:上告審において原審の事實認定の可否及び刑の量定の當否を判断するには自ら事實審査をしなければならない。盖刑の軽重は犯況、情状等に付き詳細の審査をしなければ之れを定めることが出來ないものだからである。故に原審の事實認定乃至刑の量定に對する批難を上告の理由として認めるか否かは上告審においても事實審査をすることにするかどうかの問題となり、結局審級制の問題に帰着する。刑訴應急措置法第13條第2項が刑訴法第412條乃至第414條の規定【[[刑事訴訟法第412条]]、[[刑事訴訟法第413条|第413条]]、[[刑事訴訟法第414条|第414条]]】を適用しない旨を定めたのは畢竟審級制度の問題として實體上の事實審査は第二審を以て打切り上告審においてはこれをしないことにする趣旨に出たものである。而して憲法は審級制度を如何にすべきかに付ては第81條以外何等規定する處がないから此の點以外の審級制度は立法を以て適宜に之れを定むべきものである。從つて刑訴應急措置法第13條第2項が前記の如く事實審査を第二審限りとし刑事訴訟法第412條乃至第414條の規定を適用しないことにしたからと云つてこれを憲法違反なりとすることは出來ない。故に右規定が違憲であることを主張しこれを前提として原審の刑の量定を攻撃せんとする論旨は上告の理由とならない。 #<span id="最高裁判決昭和24年3月23日"/>[https://www.courts.go.jp/hanrei/56557/detail2/index.html 町村長選挙罰則違反](最高裁判決 昭和24年3月23日) #;管轄違の裁判と憲法第32条 #:憲法第32条の趣旨は凡て国民は憲法又は法律に定められた裁判所においてのみ裁判を受ける権利を有し裁判所以外の機関によつて裁判をされることはないことを保障したものであつて訴訟法で定める管轄権を有する具体的裁判所において裁判を受ける権利を保障したものではない。従つて仮に所論の如く本件公判請求書は昭和22年5月2日に福知山区裁判所において受理したものではなくて同年同月5日京都地方裁判所福知山支部が受理したものであるとしても、その違法はただ管轄違の裁判所のなした第二審判決を原審が是認したという刑事訴訟法上の違背があるということに帰着するだけであつて、そのために原判決を目して憲法違反のものであるとはいい得ない。従つて原判決は憲法に違反することを主張する。論旨は再上告適法の理由とはならない。 #<span id="最高裁判決昭和25年2月1日"/>[https://www.courts.go.jp/hanrei/56524/detail2/index.html 食糧管理法違反](最高裁判決 昭和25年2月1日)[[日本国憲法第36条|憲法第36条]] ##'''刑訴応急措置法第13条第2項と憲法第32条''' ##:所論憲法第32条は、何人も裁判所において裁判を受ける権利であることを規定したに過ぎないもので、如何なる裁判所において、裁判を受くべきかの裁判所の組織、権限等については、すべて法律において諸般の事情を勘案して決定すべき立法政策の問題であつて、憲法には[[日本国憲法第91条|第91条]]を除くの外特にこれを制限する何等の規定も存しない。従つて三審制を採用する裁判制度において、上告審を純然たる法律審すなわち法令違反を理由とするときに限り上告を為すことを得るものとするか、又は法令違反の外に量刑不当乃至事実誤認の上告理由をも認めて事実審理をも行うものとするかは、立法を以て適当に決定すべき事項に属する。されば旧憲法時代の訴訟手続において刑訴法第412条の規定により量刑不当の上告理由を許していたにかかわらず、刑訴応急措置法第13条第2項の規定において右刑訴法の規定を適用しないものと規定しからと云つてその規定を目して右憲法規定の違反なりとする所論は当を得ない。(昭和22年(れ)第56号同23年2月6日宣告大法廷判決参照)。 ##'''憲法第36条にいわゆる「残虐な刑罰」''' ##:憲法第36条にいわゆる「残虐な刑罰」とは刑罰そのものが人道上残酷と認められる刑罰を意味し、法定刑の種類の選択又は範囲の量定の不当を指すものではない([[日本国憲法第36条#残虐な刑罰|昭和22年(れ)第323号同23年6月23日宣告大法廷判決参照]])。 ##'''食糧管理法の目的と国民の生存権''' ##:食糧管理法はその主要な目的手段として国民全体の食生活を安定確保するため、食糧生産者から余剰食糧を供出せしめ一般消費者にでき得る限り多く分配せんとするものであるから、国民食糧生産者は、この法律によつて直接その生命又は生活を害せられることなく、また一般消費者はこの法律によつて寧ろその生命又は生活を保障せられるのであるから、所論のごとく憲法の保障する国民の生存権を否定するものではなく、寧ろこれを保護するものである。また、同法並びにその附属法令は、第二次的手段として、主要食糧の讓渡又は移動等を一般的に禁止又は制限し若しくは配給量につき一定の限度を設け得るものとしたが同時にその讓渡、移動等については許可を認め配給については増配給食等の特別配給の方法をも認めているからこの点からしても所論のごとく同法をもつて合理性を欠き又は社会の現実に合はない国民のひとしく守り得ない。結局国民の生存権を否定する法令であると云うことはできない。(昭和23年(れ)第205号同年9月29日宣告大法廷判決参照)。 #[https://www.courts.go.jp/hanrei/56147/detail2/index.html 家屋収去・土地明渡請求](最高裁判決昭和29年10月13日)[[旧・民事訴訟法第393条]](現・[[民事訴訟法第311条]])、[[裁判所法第16条]]第3号 #;民訴第393条および裁判所法第16条第3号の規定の合憲性 #:民訴第393条および裁判所法第16条第3号の規定は憲法第32条、第76条、第81条のいずれにも違反しない。(本件特別上告の適否については少数意見がある。) #:*最高裁判所の裁判権については、違憲審査を必要とする事件が終審としてその事物管轄に属すべきことは憲法上要請されているところであるが(憲法81条)、その他の事件の審級制度については法律の定めるところに委されていると解すべきであるから、下級裁判所が同時に上告審の一部を掌ることと定めるか否かは審級制度に関する立法の問題であつて、なんらわが憲法の制限するところでない。従つてこの趣旨からいつて、簡易裁判所を第一審とする民事事件の上告審を高等裁判所とすることを定めた民訴第393条および裁判所法第16条第3号の規定は、なんら憲法32条同76条同81条のいずれにも反するものではない。 #<span id="昭和31年10月31日最高裁決定"/>[https://www.courts.go.jp/hanrei/57151/detail2/index.html 家屋明渡調停事件の決定に対する再抗告につきなした決定に対する抗告](最高裁決定 昭和31年10月31日)[[日本国憲法第82条|憲法第82条]] #;調停に代わる裁判の合憲性 #:家屋明渡請求訴訟事件につき、戦時民事特別法第19条第2項、金銭債務臨時調停法第7条第1項によつてなされた調停に代わる裁判は、[[日本国憲法第11条|憲法第11条]]、[[日本国憲法第13条|第13条]]、[[日本国憲法第22条|第22条]]、[[日本国憲法第25条|第25条]]、第32条に違反しない。 #:*本件調停に代る裁判所の裁判は裁判所でない他の機関によつてなされたものではなく、同裁判所が戦時民事特別法19条2項、金銭債務臨時調停法7条1項によつてなしたものであること記録上明らかであつて、これも一の裁判たるを失わないばかりでなく、この裁判には抗告、再抗告、特別抗告の途も開かれており抗告人の裁判を受ける権利の行使を妨げたことにならないから、憲法に違反するものでない旨判断している。そして、原決定の右判断は正当であると認められるから、憲法32条違反の主張はその理由がない。 #:*抗告人は、本件調停に代る裁判並に原裁判が非公開の中に決定された違憲ありというが、右各裁判は対審乃至判決の手続によるものではないから、違憲の主張はその前提を欠く。 #:(関係法令) #::*戦時民事特別法19条2項趣旨 #::*:金銭債務臨時調停法7条及び8条を、借地借家調停法による調停に準用。 #::*金銭債務臨時調停法7条1項趣旨 #::*:同条所定の場合に、裁判所が一切の事情を斟酌して、調停に代え、利息、期限その他債務関係の変更を命ずる裁判をすることができ、また、その裁判においては、債務の履行その他財産上の給付を命ずることができる。 #::*金銭債務臨時調停法8条趣旨 #::*:その裁判の手続は、非訟事件手続法による. #[https://www.courts.go.jp/hanrei/53506/detail2/index.html 調停に代わる裁判に対する抗告についてなした棄却決定に対する再抗告](最高裁決定 昭和35年7月6日)[[日本国憲法第82条|憲法第82条]] #;純然たる訴訟事件につきなされた調停に代わる裁判の効力。 #:戦時民事特別法第19条第2項、金銭債務臨時調停法第7条に従い、純然たる訴訟事件についてなされた調停に代わる裁判は、右第7条に違反するばかりでなく、同時に憲法第82条、第32条に照らし違憲たるを免れない。 #:*若し性質上純然たる訴訟事件につき、当事者の意思いかんに拘わらず終局的に、事実を確定し当事者の主張する権利義務の存否を確定するような裁判が、憲法所定の例外の場合を除き、公開の法廷における対審及び判決によつてなされないとするならば、それは憲法82条に違反すると共に、同32条が基本的人権として裁判請求権を認めた趣旨をも没却するものといわねばならない。 #:*金銭債務臨時調停法7条の調停に代わる裁判は、単に既存の債務関係について、利息、期限等を形成的に変更することに関するもの、即ち性質上非訟事件に関するものに限られ、純然たる訴訟事件につき、事実を確定し当事者の主張する権利義務の存否を確定する裁判のごときは、これに包含されていない。この限りにおいて、[[#昭和31年10月31日最高裁決定|昭和31年10月31日最高裁決定]]の判例は変更される。 #:(事件概要) #::家屋明渡請求及び占有回収請求事件において、各係属中に東京地方裁判所は職権をもつて各別に戦時民事特別法により、自ら借地借家調停法による調停により処理する旨を決定。しかし調停が不調となり、金銭債務臨時調停法7条1項、8条の規定により、右両事件を併合して調停に代わる決定をなしたもの。 #<span id="審級制度"/>[https://www.courts.go.jp/hanrei/51193/detail2/index.html 私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律違反]('''[[私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律第3条#石油価格カルテル|石油価格カルテル刑事事件]]''' 最高裁判決 昭和59年02月24日) #;独禁法85条3号の規定と憲法14条1項、31条、32条 #:独禁法89条から91条までの罪に係る訴訟につき二審制を定めた[[私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律第85条|同法85条]]3号の規定は、憲法14条1項、31条、32条に違反しない。 #:*裁判権及び審級制度については、[[日本国憲法第81条|憲法81条]]の要請を満たす限り、憲法は法律の適当に定めるところに一任したものと解すべきことは、当裁判所の判例([[日本国憲法第81条#審級制度1|憲法81条判例1]]、[[日本国憲法第81条#審級制度2|憲法81条判例2]]参照)のくりかえし判示するところである。もつとも、右各判例も裁判権及び審級制度に関する定めにつき、立法機関の恣意を許すとする趣旨ではなく、ある種の事件につき他と異なる特別の審級制度を定めるには、それなりに合理的な理由の必要とされることを当然の前提としていると解すべきであるが、独禁法89条から91条までの罪については、これらの対象とする行為がわが国の経済の基本に関するきわめて重要なものであつて、これに対する判断が区々に分れその法的決着が遅延することは好ましくないこと等の特殊な事情があることなどに照らすと、独禁法が、右各罪に係る訴訟につき、その第一審の裁判権を東京高等裁判所に専属させ裁判官五名をもつて構成する合議体により審理させることとして、審級制度上の特例を認めたことには、それなりに合理性がないとはいえないというべきである。そうすると、同法85条3号の規定が憲法14条1項、31条、32条に違反するものでないことは、当裁判所の前記各大法廷判例の趣旨に徴して明らかであつて、所論は、理由がない。 #[https://www.courts.go.jp/hanrei/37826/detail2/index.html 業務上横領被告事件](最高裁判決平成21年7月14日)[[刑事訴訟法第403条の2]]第1項 #;刑訴法403条の2第1項と憲法32条 #:刑訴法403条の2第1項は憲法32条に違反しない。 #:*審級制度については、憲法81条に規定するところを除いては、憲法はこれを法律の定めるところにゆだねており、事件の類型によって一般の事件と異なる上訴制限を定めても、それが合理的な理由に基づくものであれば憲法32条に違反するものではないとするのが最高裁判例である。 #:*即決裁判手続は、争いがなく明白かつ軽微であると認められた事件について、簡略な手続によって証拠調べを行い、原則として即日判決を言い渡すものとするなど、簡易かつ迅速に公判の審理及び裁判を行うことにより、手続の合理化、効率化を図るものである。そして、同手続による判決に対し、犯罪事実の誤認を理由とする上訴ができるものとすると、そのような上訴に備えて、必要以上に証拠調べが行われることになりかねず、同手続の趣旨が損なわれるおそれがある。他方、即決裁判手続により審判するためには、被告人の訴因についての有罪の陳述([[刑事訴訟法第350条の22|第350条の22]])と、同手続によることについての被告人及び弁護人の同意とが必要であり([[刑事訴訟法第350条の16|第350条の16第2項及び4項]]、[[刑事訴訟法第350条の20|第350条の20]]、[[刑事訴訟法第350条の22|第350条の22第1号及び2号]])、この陳述及び同意は、判決の言渡しまではいつでも撤回することができる([[刑事訴訟法第350条の25|第350条の25第1項第1号及び第2号]])。したがって、即決裁判手続によることは、被告人の自由意思による選択に基づくものであるということができる。また、被告人は、手続の過程を通して、即決裁判手続に同意するか否かにつき弁護人の助言を得る機会が保障されている([[刑事訴訟法第350条の17|第350条の17]]、[[刑事訴訟法第350条の18|第350条の18]]、[[刑事訴訟法第350条の23|第350条の23]])。加えて、即決裁判手続による判決では、拘禁刑の実刑を科すことができないものとされている([[刑事訴訟法第350条の29|第350条の29]])。[※:各条項は現行法に変更している] #:*刑訴法403条の2第1項は、上記のような即決裁判手続の制度を実効あらしめるため、被告人に対する手続保障と科刑の制限を前提に、同手続による判決において示された罪となるべき事実の誤認を理由とする控訴の申立てを制限しているものと解されるから、同規定については、相応の合理的な理由があるというべきである。 ---- {{前後 |[[コンメンタール日本国憲法|日本国憲法]] |[[コンメンタール日本国憲法#3|第3章 国民の権利及び義務]] |[[日本国憲法第31条]]<br>【法定手続の補償】 |[[日本国憲法第33条]]<br>【逮捕の要件】 }} {{stub|law}} [[category:日本国憲法|32]] lswtyqr5d8jzt1xguprxi1leln7qevp 298938 298937 2026-04-30T03:14:14Z Tomzo 248 [[Special:Contributions/~2026-26201-03|~2026-26201-03]] ([[User talk:~2026-26201-03|会話]]) による編集を取り消し、Tkkn46tkkn46 による直前の版へ差し戻す 296040 wikitext text/x-wiki [[法学]]>[[憲法]]>[[日本国憲法]]>[[コンメンタール日本国憲法]] ==条文== 【裁判を受ける権利】 ;第32条 :何人も、裁判所において裁判を受ける権利を奪はれない。 ==解説== {{wikipedia}} ===審級制度=== 審級制度については、[[日本国憲法第81条|憲法第81条]]に規定するところ(憲法判断に関しては最高裁判所を終審裁判所とする旨)を除いては、憲法はこれを法律の定めるところにゆだねており、事件の類型によって一般の事件と異なる上訴制限を定めても、それが合理的な理由に基づくものであれば憲法32条に違反するものではない(判例)。 ==参照条文== ==判例== #[https://www.courts.go.jp/hanrei/56452/detail2/index.html 強盗、建造物侵入](最高裁判決 昭和23年3月10日) #;刑訴應急措置法第13條第2項の合憲性 #:上告審において原審の事實認定の可否及び刑の量定の當否を判断するには自ら事實審査をしなければならない。盖刑の軽重は犯況、情状等に付き詳細の審査をしなければ之れを定めることが出來ないものだからである。故に原審の事實認定乃至刑の量定に對する批難を上告の理由として認めるか否かは上告審においても事實審査をすることにするかどうかの問題となり、結局審級制の問題に帰着する。刑訴應急措置法第13條第2項が刑訴法第412條乃至第414條の規定【[[刑事訴訟法第412条]]、[[刑事訴訟法第413条|第413条]]、[[刑事訴訟法第414条|第414条]]】を適用しない旨を定めたのは畢竟審級制度の問題として實體上の事實審査は第二審を以て打切り上告審においてはこれをしないことにする趣旨に出たものである。而して憲法は審級制度を如何にすべきかに付ては第81條以外何等規定する處がないから此の點以外の審級制度は立法を以て適宜に之れを定むべきものである。從つて刑訴應急措置法第13條第2項が前記の如く事實審査を第二審限りとし刑事訴訟法第412條乃至第414條の規定を適用しないことにしたからと云つてこれを憲法違反なりとすることは出來ない。故に右規定が違憲であることを主張しこれを前提として原審の刑の量定を攻撃せんとする論旨は上告の理由とならない。 #<span id="最高裁判決昭和24年3月23日"/>[https://www.courts.go.jp/hanrei/56557/detail2/index.html 町村長選挙罰則違反](最高裁判決 昭和24年3月23日) #;管轄違の裁判と憲法第32条 #:憲法第32条の趣旨は凡て国民は憲法又は法律に定められた裁判所においてのみ裁判を受ける権利を有し裁判所以外の機関によつて裁判をされることはないことを保障したものであつて訴訟法で定める管轄権を有する具体的裁判所において裁判を受ける権利を保障したものではない。従つて仮に所論の如く本件公判請求書は昭和22年5月2日に福知山区裁判所において受理したものではなくて同年同月5日京都地方裁判所福知山支部が受理したものであるとしても、その違法はただ管轄違の裁判所のなした第二審判決を原審が是認したという刑事訴訟法上の違背があるということに帰着するだけであつて、そのために原判決を目して憲法違反のものであるとはいい得ない。従つて原判決は憲法に違反することを主張する。論旨は再上告適法の理由とはならない。 #<span id="最高裁判決昭和25年2月1日"/>[https://www.courts.go.jp/hanrei/56524/detail2/index.html 食糧管理法違反](最高裁判決 昭和25年2月1日)[[日本国憲法第36条|憲法第36条]] ##'''刑訴応急措置法第13条第2項と憲法第32条''' ##:所論憲法第32条は、何人も裁判所において裁判を受ける権利であることを規定したに過ぎないもので、如何なる裁判所において、裁判を受くべきかの裁判所の組織、権限等については、すべて法律において諸般の事情を勘案して決定すべき立法政策の問題であつて、憲法には[[日本国憲法第91条|第91条]]を除くの外特にこれを制限する何等の規定も存しない。従つて三審制を採用する裁判制度において、上告審を純然たる法律審すなわち法令違反を理由とするときに限り上告を為すことを得るものとするか、又は法令違反の外に量刑不当乃至事実誤認の上告理由をも認めて事実審理をも行うものとするかは、立法を以て適当に決定すべき事項に属する。されば旧憲法時代の訴訟手続において刑訴法第412条の規定により量刑不当の上告理由を許していたにかかわらず、刑訴応急措置法第13条第2項の規定において右刑訴法の規定を適用しないものと規定しからと云つてその規定を目して右憲法規定の違反なりとする所論は当を得ない。(昭和22年(れ)第56号同23年2月6日宣告大法廷判決参照)。 ##'''憲法第36条にいわゆる「残虐な刑罰」''' ##:憲法第36条にいわゆる「残虐な刑罰」とは刑罰そのものが人道上残酷と認められる刑罰を意味し、法定刑の種類の選択又は範囲の量定の不当を指すものではない([[日本国憲法第36条#残虐な刑罰|昭和22年(れ)第323号同23年6月23日宣告大法廷判決参照]])。 ##'''食糧管理法の目的と国民の生存権''' ##:食糧管理法はその主要な目的手段として国民全体の食生活を安定確保するため、食糧生産者から余剰食糧を供出せしめ一般消費者にでき得る限り多く分配せんとするものであるから、国民食糧生産者は、この法律によつて直接その生命又は生活を害せられることなく、また一般消費者はこの法律によつて寧ろその生命又は生活を保障せられるのであるから、所論のごとく憲法の保障する国民の生存権を否定するものではなく、寧ろこれを保護するものである。また、同法並びにその附属法令は、第二次的手段として、主要食糧の讓渡又は移動等を一般的に禁止又は制限し若しくは配給量につき一定の限度を設け得るものとしたが同時にその讓渡、移動等については許可を認め配給については増配給食等の特別配給の方法をも認めているからこの点からしても所論のごとく同法をもつて合理性を欠き又は社会の現実に合はない国民のひとしく守り得ない。結局国民の生存権を否定する法令であると云うことはできない。(昭和23年(れ)第205号同年9月29日宣告大法廷判決参照)。 #[https://www.courts.go.jp/hanrei/56147/detail2/index.html 家屋収去・土地明渡請求](最高裁判決昭和29年10月13日)[[旧・民事訴訟法第393条]](現・[[民事訴訟法第311条]])、[[裁判所法第16条]]第3号 #;民訴第393条および裁判所法第16条第3号の規定の合憲性 #:民訴第393条および裁判所法第16条第3号の規定は憲法第32条、第76条、第81条のいずれにも違反しない。(本件特別上告の適否については少数意見がある。) #:*最高裁判所の裁判権については、違憲審査を必要とする事件が終審としてその事物管轄に属すべきことは憲法上要請されているところであるが(憲法81条)、その他の事件の審級制度については法律の定めるところに委されていると解すべきであるから、下級裁判所が同時に上告審の一部を掌ることと定めるか否かは審級制度に関する立法の問題であつて、なんらわが憲法の制限するところでない。従つてこの趣旨からいつて、簡易裁判所を第一審とする民事事件の上告審を高等裁判所とすることを定めた民訴第393条および裁判所法第16条第3号の規定は、なんら憲法32条同76条同81条のいずれにも反するものではない。 #<span id="昭和31年10月31日最高裁決定"/>[https://www.courts.go.jp/hanrei/57151/detail2/index.html 家屋明渡調停事件の決定に対する再抗告につきなした決定に対する抗告](最高裁決定 昭和31年10月31日)[[日本国憲法第82条|憲法第82条]] #;調停に代わる裁判の合憲性 #:家屋明渡請求訴訟事件につき、戦時民事特別法第19条第2項、金銭債務臨時調停法第7条第1項によつてなされた調停に代わる裁判は、[[日本国憲法第11条|憲法第11条]]、[[日本国憲法第13条|第13条]]、[[日本国憲法第22条|第22条]]、[[日本国憲法第25条|第25条]]、第32条に違反しない。 #:*本件調停に代る裁判所の裁判は裁判所でない他の機関によつてなされたものではなく、同裁判所が戦時民事特別法19条2項、金銭債務臨時調停法7条1項によつてなしたものであること記録上明らかであつて、これも一の裁判たるを失わないばかりでなく、この裁判には抗告、再抗告、特別抗告の途も開かれており抗告人の裁判を受ける権利の行使を妨げたことにならないから、憲法に違反するものでない旨判断している。そして、原決定の右判断は正当であると認められるから、憲法32条違反の主張はその理由がない。 #:*抗告人は、本件調停に代る裁判並に原裁判が非公開の中に決定された違憲ありというが、右各裁判は対審乃至判決の手続によるものではないから、違憲の主張はその前提を欠く。 #:(関係法令) #::*戦時民事特別法19条2項趣旨 #::*:金銭債務臨時調停法7条及び8条を、借地借家調停法による調停に準用。 #::*金銭債務臨時調停法7条1項趣旨 #::*:同条所定の場合に、裁判所が一切の事情を斟酌して、調停に代え、利息、期限その他債務関係の変更を命ずる裁判をすることができ、また、その裁判においては、債務の履行その他財産上の給付を命ずることができる。 #::*金銭債務臨時調停法8条趣旨 #::*:その裁判の手続は、非訟事件手続法による. #[https://www.courts.go.jp/hanrei/53506/detail2/index.html 調停に代わる裁判に対する抗告についてなした棄却決定に対する再抗告](最高裁決定 昭和35年7月6日)[[日本国憲法第82条|憲法第82条]] #;純然たる訴訟事件につきなされた調停に代わる裁判の効力。 #:戦時民事特別法第19条第2項、金銭債務臨時調停法第7条に従い、純然たる訴訟事件についてなされた調停に代わる裁判は、右第7条に違反するばかりでなく、同時に憲法第82条、第32条に照らし違憲たるを免れない。 #:*若し性質上純然たる訴訟事件につき、当事者の意思いかんに拘わらず終局的に、事実を確定し当事者の主張する権利義務の存否を確定するような裁判が、憲法所定の例外の場合を除き、公開の法廷における対審及び判決によつてなされないとするならば、それは憲法82条に違反すると共に、同32条が基本的人権として裁判請求権を認めた趣旨をも没却するものといわねばならない。 #:*金銭債務臨時調停法7条の調停に代わる裁判は、単に既存の債務関係について、利息、期限等を形成的に変更することに関するもの、即ち性質上非訟事件に関するものに限られ、純然たる訴訟事件につき、事実を確定し当事者の主張する権利義務の存否を確定する裁判のごときは、これに包含されていない。この限りにおいて、[[#昭和31年10月31日最高裁決定|昭和31年10月31日最高裁決定]]の判例は変更される。 #:(事件概要) #::家屋明渡請求及び占有回収請求事件において、各係属中に東京地方裁判所は職権をもつて各別に戦時民事特別法により、自ら借地借家調停法による調停により処理する旨を決定。しかし調停が不調となり、金銭債務臨時調停法7条1項、8条の規定により、右両事件を併合して調停に代わる決定をなしたもの。 #<span id="審級制度"/>[https://www.courts.go.jp/hanrei/51193/detail2/index.html 私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律違反]('''[[私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律第3条#石油価格カルテル|石油価格カルテル刑事事件]]''' 最高裁判決 昭和59年02月24日) #;独禁法85条3号の規定と憲法14条1項、31条、32条 #:独禁法89条から91条までの罪に係る訴訟につき二審制を定めた[[私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律第85条|同法85条]]3号の規定は、憲法14条1項、31条、32条に違反しない。 #:*裁判権及び審級制度については、[[日本国憲法第81条|憲法81条]]の要請を満たす限り、憲法は法律の適当に定めるところに一任したものと解すべきことは、当裁判所の判例([[日本国憲法第81条#審級制度1|憲法81条判例1]]、[[日本国憲法第81条#審級制度2|憲法81条判例2]]参照)のくりかえし判示するところである。もつとも、右各判例も裁判権及び審級制度に関する定めにつき、立法機関の恣意を許すとする趣旨ではなく、ある種の事件につき他と異なる特別の審級制度を定めるには、それなりに合理的な理由の必要とされることを当然の前提としていると解すべきであるが、独禁法89条から91条までの罪については、これらの対象とする行為がわが国の経済の基本に関するきわめて重要なものであつて、これに対する判断が区々に分れその法的決着が遅延することは好ましくないこと等の特殊な事情があることなどに照らすと、独禁法が、右各罪に係る訴訟につき、その第一審の裁判権を東京高等裁判所に専属させ裁判官五名をもつて構成する合議体により審理させることとして、審級制度上の特例を認めたことには、それなりに合理性がないとはいえないというべきである。そうすると、同法85条3号の規定が憲法14条1項、31条、32条に違反するものでないことは、当裁判所の前記各大法廷判例の趣旨に徴して明らかであつて、所論は、理由がない。 #[https://www.courts.go.jp/hanrei/37826/detail2/index.html 業務上横領被告事件](最高裁判決平成21年7月14日)[[刑事訴訟法第403条の2]]第1項 #;刑訴法403条の2第1項と憲法32条 #:刑訴法403条の2第1項は憲法32条に違反しない。 #:*審級制度については、憲法81条に規定するところを除いては、憲法はこれを法律の定めるところにゆだねており、事件の類型によって一般の事件と異なる上訴制限を定めても、それが合理的な理由に基づくものであれば憲法32条に違反するものではないとするのが最高裁判例である。 #:*即決裁判手続は、争いがなく明白かつ軽微であると認められた事件について、簡略な手続によって証拠調べを行い、原則として即日判決を言い渡すものとするなど、簡易かつ迅速に公判の審理及び裁判を行うことにより、手続の合理化、効率化を図るものである。そして、同手続による判決に対し、犯罪事実の誤認を理由とする上訴ができるものとすると、そのような上訴に備えて、必要以上に証拠調べが行われることになりかねず、同手続の趣旨が損なわれるおそれがある。他方、即決裁判手続により審判するためには、被告人の訴因についての有罪の陳述([[刑事訴訟法第350条の22|第350条の22]])と、同手続によることについての被告人及び弁護人の同意とが必要であり([[刑事訴訟法第350条の16|第350条の16第2項及び4項]]、[[刑事訴訟法第350条の20|第350条の20]]、[[刑事訴訟法第350条の22|第350条の22第1号及び2号]])、この陳述及び同意は、判決の言渡しまではいつでも撤回することができる([[刑事訴訟法第350条の25|第350条の25第1項第1号及び第2号]])。したがって、即決裁判手続によることは、被告人の自由意思による選択に基づくものであるということができる。また、被告人は、手続の過程を通して、即決裁判手続に同意するか否かにつき弁護人の助言を得る機会が保障されている([[刑事訴訟法第350条の17|第350条の17]]、[[刑事訴訟法第350条の18|第350条の18]]、[[刑事訴訟法第350条の23|第350条の23]])。加えて、即決裁判手続による判決では、拘禁刑の実刑を科すことができないものとされている([[刑事訴訟法第350条の29|第350条の29]])。[※:各条項は現行法に変更している] #:*刑訴法403条の2第1項は、上記のような即決裁判手続の制度を実効あらしめるため、被告人に対する手続保障と科刑の制限を前提に、同手続による判決において示された罪となるべき事実の誤認を理由とする控訴の申立てを制限しているものと解されるから、同規定については、相応の合理的な理由があるというべきである。 ---- {{前後 |[[コンメンタール日本国憲法|日本国憲法]] |[[コンメンタール日本国憲法#3|第3章 国民の権利及び義務]] |[[日本国憲法第31条]]<br>【法定手続の補償】 |[[日本国憲法第33条]]<br>【逮捕の要件】 }} {{stub|law}} [[category:日本国憲法|32]] qiezj211bh1pp9jkdyq7py5dfj5essz 料理本/ルッコラ 0 42393 298941 298090 2026-04-30T06:26:17Z Ef3 694 校閲と推敲 298941 wikitext text/x-wiki {{食材 | 画像 = Arugula.jpg | カテゴリ = 葉菜類 | カテゴリツリー = {{SUBPAGENAME}} }} '''ルッコラ'''(''Eruca vesicaria'' subsp. ''sativa'')は、アブラナ科に属する一年生植物で、その葉が主に食用とされる野菜です。ピリッとした辛味とスパイシーな風味が特徴で、サラダやピザ、パスタなどの料理にアクセントを加えることができます。 == 特徴 == [[File:Eruca_vesicaria_Rocket_Herb.jpg|thumb|ルッコラの外観|300px]] [[File:Starr 080103-1273 Eruca vesicaria subsp. sativa.jpg|thumb|ルッコラの葉|300px]] ルッコラの葉は細長く、縁に鋸歯が見られます。生で食べると特有の辛味と香りがあり、サラダに適しています。また、加熱しても食べられますが、風味を活かすためには短時間の加熱が適しています。 == 季節 == ルッコラは春から秋にかけて出回ります。特に春と秋が旬で、この時期には品質の良いものが手に入ります。冬季も栽培は可能ですが、成長は遅くなります。 == 選び方と保存 == 新鮮なルッコラを選ぶ際は、葉が鮮やかな緑色で張りのあるものを選びましょう。葉が黄色くなっていたり、しおれているものは避けた方がよいです。 保存する際は、湿らせたペーパータオルに包んでポリ袋などに入れ、冷蔵庫の野菜室で保存します。保存期間の目安は約1週間です。 == 使用方法 == ルッコラは生でサラダにするのが一般的ですが、軽く炒めてパスタに加えたり、ピザのトッピングとしても使われます。焼き上げた後に加えることで、食感と風味を保つことができます。 === 調理 === ルッコラは炒め物やスープにも利用できますが、加熱しすぎると風味が損なわれるため、さっと調理するのがポイントです。 == ルッコラを使った料理 == ルッコラはその辛味と香りを活かして、さまざまな料理に使われます。 * '''[[../ルッコラのサラダ|ルッコラのサラダ]]''' - ピリッとした辛味とさっぱりとした風味が特徴の一品です。 * '''[[../ルッコラのピザ|ルッコラのピザ]]''' - 焼き上げた後に加えることで、シャキッとした食感が楽しめます。 * '''[[../ルッコラのパスタ|ルッコラのパスタ]]''' - 軽く加熱して加えることで、風味豊かに仕上がります。 ルッコラはサラダから温かい料理まで幅広く活用できる食材です。 == 栄養成分 == {{Wikipedia|{{SUBPAGENAME}}}} ルッコラは栄養価が高く、健康に役立つ成分を多く含んでいます。 * '''{{Nutr|食物繊維}}:''' 腸内環境を整えるのに役立ちます。 * '''{{Nutr|ビタミンC}}:''' 抗酸化作用や免疫機能の維持に関与します。 * '''{{Nutr|ビタミンK}}:''' 血液凝固や骨の健康に関与します。 * '''{{Nutr|葉酸}}:''' 細胞の生成や成長に重要な役割を果たします。 * '''{{Nutr|カルシウム}}:''' 骨や歯の健康維持に役立ちます。 ルッコラは、バランスのよい食事に取り入れやすい食材です。 {{DEFAULTSORT:るつこら}} [[Category:{{SUBPAGENAME}}|*]] 6dmvmfqmodlnc3cq0fgjji7u1ej2hqv 高等学校日本史探究/縄文時代の社会と文化 0 47886 298945 298848 2026-04-30T08:35:12Z Kwawe 68789 /* 縄文文化の成立 */ 298945 wikitext text/x-wiki [[小学校・中学校・高等学校の学習]]>[[高等学校の学習]]>[[高等学校地理歴史]]>[[高等学校日本史探究]]>縄文時代の社会と文化 ※本節では縄文時代を扱います。最新の歴史研究結果をもとに叙述しています。 == 縄文文化の成立 == 気候の温暖化は更新世末期から<span style="color:#f29100">'''完新世'''</span>初期にかけて進みました。氷河が気候の温暖化から溶け始めると、海面も次第に上昇しました。その結果、日本列島は約1万年前までにユーラシア大陸から切り離されて現在の形になりました。約7000年前、日本列島の海面は現在より平均2~3メートル高くなりました。約6000年前、陸地部分が海面上昇で一時的に海になりました(縄文海進)。浅くて砂泥質の環境が日本列島各地に広がり、魚介類もそこへ住み着きました。気候の温暖化から亜寒帯性・冷温帯性の針葉樹林が東日本で減少しました。東日本の樹木は落葉広葉樹林[ブナ・ナラなど]に変わりました。一方、照葉樹林[シイ・カシなど]は西日本で広がりました。 ナウマンゾウ・ヘラジカは更新世末期までに日本列島から絶滅しました。また、オオツノジカも縄文時代草創期までに日本列島から絶滅しました。その後、中型動物と小型動物[ニホンシカ・イノシシ・ウサギ・鳥類など]が日本列島に残りました。この変化に合わせて、日本人の生活も大きく変えました。中型動物と小型動物を狩るために<span style="color:#f29100">'''弓矢'''</span>を作ったり、<span style="color:#f29100">'''土器'''</span>を作って食料を煮たり、石を川辺で拾って全体を綺麗に磨いて<span style="color:#f29100">'''磨製石器'''</span>を作ったりしました(<span style="color:#f29100">'''縄文文化'''</span>)。 縄文文化は最新のAMS法[加速器質量分析法]と年輪補正から約1万6500年前より開始と考えられています。当時、青森県大平山元遺跡の無文土器などが作られていました。なお、無文土器は日本最古の土器になります。ユーラシア大陸北東部のアムール川中流でも中国湖南省・中国江西省の洞穴遺跡でも無文土器より古い土器が見つかっています。こうして、人間は土器を使って食料を煮炊き出来るようになりました。木の実を土器に入れてアク抜きまで出来るようになりました。 縄文人は粘土をこねて縄文土器を作りました。土器の表面に縄を転がして目立つ文様を数多く付けました。縄文土器は低温の野焼きで仕上げました。縄文土器はその仕上がりから耐久性ほとんどなく厚くて黒褐色の土器でした。その中でも煮炊きをするため深鉢形の土器は縄文土器の中心でした。縄文時代早期から晩期まで深鉢形の土器を大量に作り続けました。縄文時代前期から盛り付け用の浅鉢も新しく作られるようになりました。縄文時代後期から注口土器・皿壺なども新しく作られるようになりました。こうして、縄文土器の種類が増えました。縄文土器は草創期・早期・前期・中期・後期・晩期とそれぞれ文様の付け方も変わりました。草創期の縄文土器は爪形文か隆起線文でした。早期と前期の縄文土器は縄文か貝殻・竹管文様を付けました。中期の縄文土器は立体的で複雑な装飾的文様でした。特に、火炎土器が中期の縄文土器として有名になりました。後期と晩期の縄文土器は磨消縄文を付けました。 縄文人は豊かな自然の恵みを上手く採り入れながら、食料を森・川・海で集めていました。この事実は土器の窪み・種実・脂質分析結果でも明らかになっており、縄文時代からクリ・アズキ・エゴマなどを集落の近くで大切に育てたり、自然の恵みを上手に活かしたりしました。縄文人は縄文土器を毎日使ったり、磨製石器を作ったり、弓矢の改良をしたりしました。同じ場所にずっと住み続けながら、食料を狩猟と採集で集めていました。磨製石器と土器の使用はユーラシア大陸の新石器時代で共通していても、動物飼育と農業は縄文文化で取り入れていません。なお、様々な学説が縄文時代の開始時期で挙げられています。竪穴住居と貝塚の出現〈約1万1500年前〉からなのか、土器の使用時期〈約1万5000年前〉からなのか、土器の出現時期〈約1万6500年前〉からなのかで現在でも争われています。 石鏃を弓矢に取り付けたり、地面を深く掘って落とし穴を作ったり、様々な罠を上手に使い分けていました。縄文時代早期の落とし穴が東京都・神奈川県の多摩丘陵に数多く見つかっています。また、イヌを狩猟仲間として一緒に連れていきました。 潮位が約6000年前に上がると、縄文人も丸木舟を沖に出して魚を取りました。縄文人の男達は鹿の角を削って釣針を作り、動物の骨を尖らせて銛・ヤスを作りました。石製・土製の丸い重り[網錘]を網につけて真鯛・鰹漁・鱸・黒鯛を捕まえました。また、九州西北部は組み合わせ式釣針も見つかっています。各地で丸木舟が見つかりました。伊豆諸島八丈島・沖縄小島の遺跡から九州産の土器と同じ土器が見つかりました。その理由として、島伝いの丸木舟移動が挙げられます。一方、縄文人の遺伝子を調べたら大陸の集団遺伝子からほとんど完全にかけ離れています。縄文時代草創期から早期にかけて東日本を中心に日本列島内の人口増加が最近のゲノム研究から明らかになっています。 == 縄文時代の生活と習俗 == == 縄文社会と縄文人 == == 資料出所 == * 平雅行、横田冬彦ほか編著『日本史探究』実教出版株式会社 2023年 * 佐藤信、五味文彦ほか編著『詳説日本史探究』株式会社山川出版社 2023年 * 渡邊晃宏ほか編著『日本史探究』東京書籍株式会社 2023年 * 伊藤純郎ほか編著『高等学校日本史探究』株式会社清水書院 2023年 * 大橋幸泰ほか編著『高等学校日本史探究』株式会社第一学習社 2023年 * 山中裕典著'''『'''改訂版 大学入学共通テスト 歴史総合、日本史探究の点数が面白いほどとれる本'''』'''株式会社KADOKAWA 2024年 * 佐藤信、五味文彦ほか編著『詳説日本史研究』株式会社山川出版社 2017年 * 河合敦著『世界一わかりやすい河合敦の日本史B[原始~鎌倉]の特別講座』株式会社KADOKAWA 2014年(絶版本) * 全国歴史教育研究協議会編『[新課程版]日本史用語集』株式会社山川出版社 2023年 q0f9bvnt2nskund5gnsosl7kdbyc4uu トーク:初等数学公式集/微積分 1 47962 298947 2026-04-30T09:41:06Z Tkkn46tkkn46 89925 /* 探しています。表現「x=aに限りなく近づける...」「=」と「を」の違いです。 */ 新しい節 298947 wikitext text/x-wiki == 探しています。表現「x=aに限りなく近づける...」「=」と「を」の違いです。 == :①   ↓ :  「xをaに限りなく近づける...」(私は青チャートを勉強中。?左記も間違い。) :(参考) xを無限に大きくする... :    [[初等数学公式集/微積分#脚注]]...「限りなく近づける」は、... :②「...実数 x に対応する関数 f(x)}について...」 :      ↓ : 「...実数 x の関数 f(x)について...」 :??? "に対応する関数"で検索中。対応する_文です。 --[[利用者:Tkkn46tkkn46|Tkkn46tkkn46]] ([[利用者・トーク:Tkkn46tkkn46|トーク]]) 2026年4月30日 (木) 09:41 (UTC) nxvrquzsej1gjp8v0udhlen8cjtuiyn 298948 298947 2026-04-30T10:16:44Z Tkkn46tkkn46 89925 /* 探しています。表現「x=aに限りなく近づける...」「=」と「を」の違いです。 */ 298948 wikitext text/x-wiki == 探しています。表現「x=aに限りなく近づける...」「=」と「を」の違いです。 == :①   ↓ :  「xをaに限りなく近づける...」 : ↓ :  「xがaと異なる値をとりながら限りなく近づくとき...」 :(参考) xを無限に大きくする... :    [[初等数学公式集/微積分#脚注]]...「限りなく近づける」は、... :②「...実数 x に対応する関数 f(x)}について...」 :      ↓ : 「...実数 x の関数 f(x)について...」 :??? "に対応する関数"で検索中。対応する_文です。 --[[利用者:Tkkn46tkkn46|Tkkn46tkkn46]] ([[利用者・トーク:Tkkn46tkkn46|トーク]]) 2026年4月30日 (木) 09:41 (UTC) kflkj2e15tkf7r95izcg050yrn05mwy 298949 298948 2026-04-30T10:18:58Z Tkkn46tkkn46 89925 /* 探しています。表現「x=aに限りなく近づける...」「=」と「を」の違いです。 */ 298949 wikitext text/x-wiki == 探しています。表現「x=aに限りなく近づける...」「=」と「を」の違いです。 == :①   ↓ :  「xをaに限りなく近づける...」 :    ↓ :  「xがaと異なる値をとりながらaに限りなく近づくとき...」 :(参考) xを無限に大きくする... :    [[初等数学公式集/微積分#脚注]]...「限りなく近づける」は、... :②「...実数 x に対応する関数 f(x)}について...」 :      ↓ : 「...実数 x の関数 f(x)について...」 :??? "に対応する関数"で検索中。対応する_文です。 --[[利用者:Tkkn46tkkn46|Tkkn46tkkn46]] ([[利用者・トーク:Tkkn46tkkn46|トーク]]) 2026年4月30日 (木) 09:41 (UTC) amgrtsmyytinn8pd4ehoy6gg4uryd8z