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早稲田大対策
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2026-05-03T22:18:47Z
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{{半保護S}}{{Pathnav|日本の大学受験ガイド|frame=1}}
{{wikipedia|早稲田大学}}
本項は、[[w:早稲田大学|早稲田大学]]の入学試験対策に関する事項である。
早稲田大学ホームページ(入学試験の概要が記載されている)https://www.waseda.jp/inst/admission/
早稲田大学(早稲田、または早大)は[[w:旧制大学|旧制大学]]の一つであり、我が国で最初期(1920年)に大学として認可された8つの私立大学の中の一つである。
出題の傾向としては、「早稲田らしい問題」と言えるような非常に癖のある、難問より奇問に分類されるような問題が出題されることもある。特に、国語、地歴公民でその傾向が強い。また、早大では一部の学部を除いて大学入試共通テスト利用入試を導入している。
== 概観 ==
=== 一般入試 ===
早稲田の一般入試の特徴として、どの科目も'''早稲田特有の癖'''があるということである。その特有の癖による「思っている以上に難しい」という難しさ、つまり「一般的な受験勉強の延長では報われないかもしれない」という思いを味わうことである(問題との戦い、時間との戦い、自分との戦い)。この悩みを解決するには「早稲田入試の癖を体得する」こと、すなわち学部の壁を超えた相当量の過去問演習が必要となる(逆に徹底した過去問演習によって合格率は向上する)。
また、学部によって科目ごとに難易度が全然違うため、それぞれの学部に応じた対策が必要となる。
* '''[[高等学校英語|英語]]'''は試験時間に対して非常に問題量が多い。学部によっては大学受験レベルを逸脱した非常に高度な単語・熟語も出題されるため市販の難関大学受験用の英単語集(お勧めは単語王)を一冊覚えたら、どんどん難しい英文に当たり、そこで出てきた難単語もできるだけ覚えて吸収していくことをお勧めする。また、政治経済学部・法学部・国際教養学部の英語は相当な速読力がないと制限時間内に完答することはできない。さらに、国公立2次試験のように、学部によっては要約問題、和文英訳、自由英作文といった問題も出題されるため、該当する学部を受ける人はそれらの対策も怠らないように。
* '''[[高等学校国語|国語]]''' 「'''国語の早稲田'''」と言われるほど早大受験において国語は重要である。というのも、難易度が高く問題も早大特有であるため、受験生の中で非常に差が付きやすいためである。特に法学部の国語は抽象度が高く内容を理解するには相当な語彙力も必要である。早大特有の癖を体得するために、全学部を通してしっかりとした過去問演習を積んでおく必要がある。
* '''[[高等学校公民|地歴公民]]'''は標準的な知識を問うものと細かい知識を問うものとの二極が目立つ。但し、昔のように早大特有の難問奇問のオンパレードではなくなってきていると思われる。教科書レベルの知識を完璧にしておけば合格点以上は得点可能である。また歴史では年号暗記も必要になる。
* '''文系[[高等学校数学|数学]]''' 商学部以外は受験標準レベル(センター試験数学と同等もしくはそれより少し難しいレベル)の問題が多い。一方、商学部では非常に難易度の高い問題も出題され、受験生の間で差が付きにくくなっている。
* '''理系数学''' 理工学部の場合、例年数学IIIからの出題が多く、特に極限の計算は毎年なんらかの形で出題されている。また、面積・体積といった求積系の問題はほぼ隔年で出題されている。教育学部・人間科学部の場合、受験標準〜やや難レベルの問題が幅広く出題される。
* '''[[高等学校理科|理科]]'''は理工学部の場合、標準的な問題から受験生の思考力を問う難易度の高い問題まで幅広く出題される。難問は取れなくともやや難程度の問題までは取りきらないと合格は厳しい。教育学部・人間科学部の場合、標準的な問題ばかり出題されるので、その分高得点を取らないといけない。
全学部に共通することは、早稲田の入試問題を単なる受験勉強のゴールと限るのではなく、壁の分厚さを強く感じつつも、やればやるほどよく解かる'''早稲田入試問題の特殊性'''にも興味を持ち研究できる者~いわゆる大学に入っても学力オンリーに限るのではなく、それ以外の事にも興味を持ち熱中できる学生~を迎え入れていく方針が垣間見え、「開かれた[[w:大学|大学]]を目指している」といった教授の声も聞かれる。
=== 共通テスト利用入試 ===
早大では、[[w:早稲田大学理工学部|理工学部]]・[[w:早稲田大学教育学部|教育学部]]、[[w:早稲田大学商学部|商学部]]を除く全学部で共通テスト試験利用入試を実施している。早大の入試問題と国立大学の入試問題の質(出題形式・時間設定・難易度)が大きく異なり、受験学部の過去問分析といった個別の対策をとらねばならず、さらに早大自体の入試日程が遅めなため、多くの国立大受験者が同入試に集まる。そのため合格するには相当な高得点が求められる。そのため、この入試方式で早稲田大学に入学する人はかなり少ない。
== 受験状況 ==
; 受験者層
: 例年、関東地方を中心に日本全国から優秀な受験者が集まる。受験者層としては、政治経済学部と法学部、理工3学部は国公立大学の併願者が多い。また、その他の学部は国公立大学の併願者は少なく、私立文系の早慶大専願者が多い。試験日程が2月中旬から下旬と私大としては比較的遅いため、他の私大とは日程が被らず、学部同士では被らないようになっている。また国立大学前期二次試験と日程が近すぎる学部(商学部や社会科学部など)も存在するため、注意が必要である。
: 早稲田大学を第一志望にしている受験者は、第一志望学部以外にも、複数の学部を併願する傾向が強い(法学部志望者でも商学部や社会科学部を併願する)。首都圏在住の受験者の中には4学部以上を併願する者も存在する。
; 合格者数
: 私大の入試の特徴として、募集人員以上の人数の受験者に入学が許可されることが挙げられるが、早大もその例に洩れず、文部科学省が進める「私立大学定員厳格化」の流れをうけ、募集定員に対して入学許可者の数が2倍前後まで抑えられる状況が続いている。実質倍率は、社会科学部でおよそ13倍となっている(19年度入試)。しかし、早稲田大学の受験生は(政治経済学部と法学部を除いて)成績下位層の記念受験が多いため、表面的な倍率の数字におののく必要は無い。むしろ、合格難易度の高い政治経済学部や法学部の方が倍率自体は低い。倍率と合格難易度にはほとんど相関が無い。
== 学部別対策 ==
=== 政治経済学部 ===
{{see also|早稲田大対策/政治経済学部}}
=== 法学部 ===
{{see also|早稲田大対策/法学部}}
=== 理工学部(先進理工・創造理工・基幹理工) ===
{{see also|早稲田大対策/理工学部}}
=== 文学部・文化構想学部 ===
{{see also|早稲田大対策/文学部・文化構想学部}}
=== 商学部 ===
{{see also|早稲田大対策/商学部}}
=== 教育学部 ===
{{see also|早稲田大対策/教育学部}}
=== 国際教養学部 ===
{{see also|早稲田大対策/国際教養学部}}
=== 社会科学部 ===
{{see also|早稲田大対策/社会科学部}}
=== 人間科学部 ===
{{see also|早稲田大対策/人間科学部}}
=== スポーツ科学部 ===
{{see also|早稲田大対策/スポーツ科学部}}
== 模試 ==
早稲田大対応模試として、河合塾の早慶レベル模試、代ゼミ・駿台共催の早大入試プレがある(計2回)。これらの模試は大学の傾向を徹底分析し、精度の高い予想問題を作成しており、多くの早大志願者が受験する。その為、受験すれば本番入試に向けての大きな指針となり、本番の雰囲気に慣れることにもなるので、早大志願者は受験することをお勧めする。
かつては駿台予備学校の早大入試実戦模試(2021年度より、代ゼミと共催の形で復活)、Z会の早大即応模試、早稲田予備校の早大模試、早稲田ゼミナールの早大合格直結模試等があったが、全学部を網羅する試験問題を作ることが不可能であること、そして本番さながらの受験者数を確保することが困難であるということから現在では上記の二つしかない。河合塾の模試も1999年から2003年までは早大オープンという早大受験者のみを対象とした試験であった。
模試では、判定も同時に出るが気にする必要は無い。というのは、全学部の志望者を同時に試験するため、多分に志望学部の出題傾向と異なるからである。しかし、不得意な分野についてはしっかりと復習をし、確実に身につける必要がある。判定が悪くても合格するためには、基礎の徹底を怠ってはならない。それには、一度解いたことのある問題を確実に解けるように復習するのが一番の近道である。多くのD・E判定者が逆転合格を果たしているのも事実であるが、判定が良い人ほど合格しやすいこともまた事実である。
以下で現在開催されている模試についてのメリット・デメリットについて記述する。
=== 代ゼミ・駿台共催 早大入試プレ ===
* メリット
** 国語の試験は特に本番の傾向に近い。
** 模試を集めた問題集が市販されているので、過去問をやりつくした受験者もそれを活用することにより高レベルの演習が出来る。
** 問題用紙・解答用紙のサイズ・様式が実際の試験に使用されるものに近い。
* デメリット
** 母集団のレベルは一般の模試より高いが、国立大学の受験者が受けていないため、判定や順位はあまり参考にならない。
** 学部ごとの色が強いため、全学部の傾向をおさえた問題にはなっていない。
** 社会・理科の問題集が市販されていない。
** 第1志望の学部・学科のみの判定しか出ない。
** 解説が簡略なので、中レベル以下の受験者の復習が大変。
=== 河合塾・早慶レベル模試 ===
* メリット
** 併願者の多い慶大の判定も同時に出せる。
** 代ゼミと異なり、複数学部の合否判定が出される。
** 解答の解説が詳しいので復習がしやすい。
* デメリット
** 母集団のレベルは一般の模試より高いが、国立大学の受験者が受けていないため、判定や順位はあまり参考にならない。
** 全学部の傾向をおさえた問題にはなっていない。
** 問題が優れているのにも関わらず、問題集として市販しない。
** そもそも早大と慶大では問題の傾向が大きく異なる。
== その他 ==
; 私立大志望者へ
私立専願で早大に行きたい受験者は、早めに出願する学部を絞って過去問等から対策を決め、3科目のみに集中して勉強した方が良い。早大の問題は国立大学2次試験や他の私立大学とは出題形式・時間設定・難易度とも異なっており、相当の学力がある受験者でも独自の対策を取らないと合格は厳しい。一方で受験科目を絞り、十分な過去問演習を中軸に据えた[[w:問題解決|問題処理]]能力の高い勉強をすれば、合格率は向上する。早大の場合は学部が異なっても出題傾向が似通っている場合が多いので、是非自分が受験する学部以外にも、演習用として他学部の問題にもチャレンジしてみよう。ただし、明らかに自分が受験する学部では出ない問題の出来具合は気にする必要は無い。(例えば自由英作文や地歴論述、文整序、文補充、語句整序、要約などの特殊な問題)
; 国立大志望者へ
早大を併願する場合であっても、受験学部の過去問分析といった個別の対策をとらなければ合格することはなかなか困難であろう。特に政治経済学部、法学部、理工学部などを併願する場合には過去問に当たるなどの対策を講じないと、英語・国語・地歴公民or数学の3科目のみを勉強してきた私立専願のトップレベル受験者との戦いを勝ち抜くことは容易ではない。これは、早大の試験問題と国立大学の試験問題の質(出題形式・時間設定・難易度)が大きく異なるからである。
; 備考
[[w:河合塾|河合塾]]が早大受験者向けに入試情報をまとめた[http://sodai.kawai-juku.ac.jp/ 早大塾]というサイトを開設しているため、入試情報収集の際に利用すると良い。また受験についての各種関連記事や合格後の学生生活に対する話題については[http://www.waseda.jp/taiken-waseda/ 早稲田大学体験webサイト]、[https://wasedalinks.com/wasedanomori/ 早稲田の杜・合格体験記]にて【受験者応援特集】が定期的に組まれているため、参考にすると良いだろう。
== 関連リンク ==
* [https://www.waseda.jp/top/index-j.html 早稲田大学]:公式サイト
[[Category:大学入試|わせたたいたいさく]]
[[Category:早稲田大学対策|*]]
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高等学校数学C/ベクトル
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Tomzo
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理科において、力は大きさと向きを持つ量であると習っただろう。大きさと向きを持つ量は、力の他にも、速度や風の吹き方などがある。
例えば、ある地点ある時刻における風の吹き方は、風速と風向から成り立つ。このように、大きさと向きを持つ量を導入すると、これらを効率よく扱える。
このページでは、大きさと向きを持つ量である'''ベクトル'''を扱う。
また、図形の問題に対して代数的なアプローチを取れるのもベクトルの利点の一つである。
大学では、ベクトルを拡張した[[高等学校数学C/数学的な表現の工夫#行列による表現とその演算|行列]]とともに、[[線形代数学]]という分野でより一般に扱うことになる。
本項の学習後、同じく数学Cの[[高等学校数学C/数学的な表現の工夫|数学的な表現の工夫]]も参照されたし。ベクトルの回転移動などについて取り扱っている。
== 平面上のベクトル ==
[[ファイル:SameVectors.png|サムネイル]]
平面上の点 <math>\mathrm{S}</math> から点 <math>\mathrm{T}</math> へ向かう矢印を考える。このような矢印のように向きを持つ線分を'''有向線分'''という。
このとき、点 <math>\mathrm{S}</math> を'''始点'''、点 <math>\mathrm{T}</math> を'''終点'''という。
有向線分で、大きさと方向が同じものはベクトルとして同じものとする。
有向線分は位置、長さ(大きさ)、向きという情報を持つ。ベクトルは、有向線分の持つ情報のうち、'''位置'''の情報を忘れて、'''大きさ'''、'''向き'''だけに着目したものと考えることができる。
有向線分 <math>\mathrm{ST}</math> で表されるベクトルを <math>\mathrm{\vec{ST}}</math> とかく。ベクトルは一文字で <math>\vec a</math> などと表されることがある<ref>または、太文字で <math>\bold a</math> などと表記されることもある。しかし、日本の高等学校、大学入試では <math>\vec \cdot</math> がほとんどである。</ref>。ベクトル <math>\vec a</math> の大きさを <math>|\vec a|</math> で表す。
有向線分 <math>\mathrm{ST}</math>、有向線分 <math>\mathrm{S'T'}</math> に対し、大きさが等しく、向きが等しいなら、位置が違っていても、ベクトルとして等しく、<math>\mathrm{\vec{ST}} = \mathrm{\vec{S'T'}}</math> である。<ref>ベクトルとして等しくても、有向線分として等しいとは限らない</ref>(ベクトルの'''相等''')
大きさが 1 であるベクトルを'''単位ベクトル'''という。
単位ベクトルのうち座標軸の正方向を向くものを特に'''基本ベクトル'''という。
[[ファイル:Vector-negation.png|サムネイル|ベクトル <math>\vec A</math> の逆ベクトル]]
ベクトル <math>\vec a</math> に対し、ベクトル <math>\vec a</math> と方向が'''逆'''で、大きさが等しいベクトルを'''逆ベクトル'''といい、<math>-\vec a</math> とかく。
始点と終点が等しいベクトルを'''{{ruby|零|ゼロ}}ベクトル'''といい、<math>\vec 0 </math> で表す。任意の点 <math>\mathrm{A}</math> に対し、<math>\mathrm{\vec{AA}} = \vec 0</math> である。零ベクトルの大きさは 0 で、向きは考えないものとする。
=== ベクトルの加法 ===
[[ファイル:Vector addition explain.svg|サムネイル|ベクトルの和]]
ベクトル <math>\vec a, \vec b</math> に対し、<math>\vec a = \mathrm{\vec{AB}}, \vec b = \mathrm{\vec{BC}}</math> となる点をとる。このときベクトルの加法を <math>\vec a + \vec b = \mathrm{\vec{AC}}</math> で定める。
ベクトルの加法について以下が成り立つ。
* <math>\vec a + \vec b = \vec b + \vec a</math>
* <math>(\vec a + \vec b) + \vec c = \vec a +(\vec b + \vec c)</math>
[[ファイル:Vector commutative.svg|サムネイル|ベクトルの加法は可換である]]
また、<math>\vec a + \vec 0 = \vec a</math> とする。
ほか、上述のベクトルを位置表示をもちいて書き換えただけだが、
* <math>\vec {AB} + \vec {BC} = \vec {AC}</math>
である。もし、Bの代わりに別の位置 G を経由したとしても、
* <math>\vec {AG} + \vec {GC} = \vec {AC}</math>
このように、途中の経路の位置(上述の位置 Bや 位置 G など)に関係なく、ベクトルは最初と最後の点だけで決まる。
もちろん、1個目のベクトルの終点と、2個目のベクトルの始点とが、同じ位置でなければいけない。
ほか、
* <math>\vec {AB} + \vec {BC} + \vec {CD} = \vec {AD}</math>
のように、3つ以上の場合でも成り立つ。もちろん、足しあうベクトルの始点と終点とは連続していないといけない。
上式は、下記のように、文字式でいう結合法則を前提とすれば証明できる。
<math>\vec {AB} + \vec {BC} + \vec {CD} = ( \vec {AB} + \vec {BC}) + \vec {CD} = ( \vec {AC}) + \vec {CD} = \vec {AD}</math>
と計算すれば良い。
なお、大文字 A ,B , C や原点 Oなどで位置を表した場合の、<math>\vec {AB} </math> や <math>\vec {OA} </math> などのようなベクトルの書式を、位置ベクトルと言う。
位置ベクトルの書式の場合は、対応する'''始点'''と'''終点'''の2点を書くことで、ベクトルの向きと大きさを示す。
<math>\vec {AB} </math> の始点はAであり、終点はBである。
<math>\vec {BA} </math> の始点はBであり、終点はAである。
<math>\vec {OA} </math> の始点はOであり、終点はAである。
=== ベクトルの減法 ===
ベクトル <math>\vec a, \vec b</math> に対し、 <math>\vec a - \vec b = \vec a+ (-\vec b)</math> と書く。
[[ファイル:Vector's subtraction.svg|サムネイル|ベクトルの減法]]
位置ベクトルの表示で書けば、
* <math>\vec {OA} - \vec {OB} = \vec {BA} </math>
である。なお、<math> O </math>とは原点のこと。
=== ベクトルの実数倍 ===
零ベクトルでないベクトル <math>\vec a</math> と実数 <math>k</math> に対し、ベクトルの実数倍 <math>k\vec a</math> を以下のように定める。
# <math>k > 0</math> のとき、ベクトル <math>\vec a</math> と方向が同じで、大きさが <math>k</math> 倍されたベクトル
# <math>k = 0</math> のとき、零ベクトル <math>\vec 0</math>
# <math>k < 0</math> のとき、逆ベクトル <math>-\vec a</math> と方向が同じで、大きさが <math>k</math> 倍されたベクトル
また零ベクトル <math>\vec 0</math> に対し、実数倍を <math>k\vec 0 = \vec 0</math> で定める。
任意の実数 <math>k,l</math> に対して、以下の性質が成り立つ。
* <math>(k+l)\vec a = k\vec a + l\vec a</math>
* <math>k(\vec a + \vec b) = k\vec a + k\vec b</math>
* <math>(kl)\vec a = k(l\vec a) = kl \vec{a}</math>
== ベクトルの平行・垂直 ==
零ベクトルではないベクトル <math>\vec a, \vec b \, (\neq \vec 0)</math> に対し、<math>\vec a = \vec{\mathrm{AA'}}, \vec b = \vec{\mathrm{BB'}}</math> となる点をとる。
このとき、直線 <math>\mathrm{AA'}</math> と直線 <math>\mathrm{BB'}</math> が平行であるとき、ベクトル <math>\vec a, \vec b</math> は平行であるといい、 <math>\vec a \parallel \vec b</math> で表す。
また、直線 <math>\mathrm{AA'}</math> と直線 <math>\mathrm{BB'}</math> が垂直であるとき、ベクトル <math>\vec a, \vec b</math> は垂直であるといい、<math>\vec a \perp \vec b</math> で表す。
ベクトル <math>\vec a, \vec b</math> が平行のとき、明らかに、片方のベクトルを実数倍すれば大きさと向きが一致するから、
<math>\vec a \parallel \vec b </math> とは<math> \vec b = k\vec a</math> となる実数 <math>k</math> が存在することと同値である。
[[ファイル:Scalar multiplication of vectors.png|サムネイル|337x337ピクセル|ベクトルの実数倍]]
== ベクトルの分解 ==
ベクトル <math>\vec a, \vec b</math> がともに零ベクトルでなく(<math>\vec a, \vec b \neq \vec 0</math>) 、平行でないとき、任意のベクトル <math>\vec p</math> に対して、 <math>\vec p = s\vec a + t \vec b</math> となる実数 <math>s,t</math> を取ることができる。このとき、<math>\vec a, \vec b</math>は「'''一次独立'''である」という。一次独立でないときは「'''一次従属'''である」という。一次従属であるとき、各ベクトルは平行である。
'''証明'''<!-- 図 -->
<math>\vec a = \vec{\mathrm{OA}},\vec b = \vec{\mathrm{OB}},\vec p = \vec{\mathrm{OP}}</math> となる点をとる。点 <math>\mathrm{P}</math> を通り、直線 <math>\mathrm{OB},\mathrm{OA}</math> に平行な直線が、それぞれ 直線 <math>\mathrm{OA},\mathrm{OB}</math> と交わる点をそれぞれ <math>\mathrm{S,T}</math> と置く。
このとき、 <math>\vec \mathrm{OS} = s\vec a,\vec \mathrm{OT} = t\vec b</math> となる実数 <math>s,t</math> を取ることができる。ここで、四角形 <math>\mathrm{OSPT}</math> は平行四辺形なので、 <math>\vec p = s\vec a + t \vec b</math> が成り立つ。
== ベクトルの成分表示 ==
ベクトル <math>\vec a</math> に対して、座標平面上の原点を <math>\mathrm O</math> とするとき、<math>\vec a = \mathrm{\vec{OA}}</math> となる点 <math>\mathrm A(a_x,a_y)</math> を取ることができる。そこで、 <math>(a_x,a_y)</math> をベクトル <math>\vec a</math> の成分表示とし、座標と同様に<math>\vec{a} = (a_x,a_y)</math>、または「,」を取り除いて<math>\vec{a}= \begin{pmatrix} a_x & a_y \end{pmatrix}</math>、または縦に並べて <math>\vec{a} = \begin{pmatrix} a_x \\ a_y \end{pmatrix}</math> と書く。
:※後者二つはそれぞれ「行ベクトル」「列ベクトル」という。詳しくは[[高等学校数学C/数学的な表現の工夫#行列による表現|行列]]で扱う。
ベクトル <math>\vec a , \vec b</math> に対して、<math>\vec a = \mathrm{\vec{OA}},\, \vec b = \mathrm{\vec{OB}}</math> となる点 <math>\mathrm{A},\mathrm{B}</math> をとり、<math>\vec a = (a_x,a_y),\, \vec b = (b_x,b_y)</math> とするとき
<math>\vec a = \vec b \iff \vec{\mathrm{OA}} = \vec{\mathrm{OB}} \iff </math>点 <math>\mathrm A ,\, \mathrm B</math> が一致する <math>\iff a_x = b_x </math> かつ <math>a_y = b_y</math>
また、 <math>\vec a = (a_x, a_y)</math> に対して、<math>\vec a = \mathrm{\vec{OA}}</math> とするとき、 <math>|\vec a|=\overline{\mathrm{OA}}</math>なので、
<math>|\vec a| = \sqrt{a_x^2 + a_y ^2}</math>
である。
[[ファイル:Vector in 2D space.png|サムネイル]]
ベクトル <math>\vec a = (a_x, a_y) ,\vec b = (b_x, b_y)</math> に対して、以下の性質が成り立つ。
* <math>\vec a + \vec b = (a_x + b_x, a_y + b_y)</math>
* <math>\vec a - \vec b = (a_x-b_x,a_y-b_y)</math>
* <math>k\vec a = (ka_x , ka_y)</math>
練習問題として、基本ベクトルを成分表示してみよう。基本ベクトルとは、大きさが1であり、向きがそれぞれの座標軸の正方向と平行のものである。
基本ベクトルを成分表示すれば、
<math> \vec e_x = (1 , 0 ) </math>
<math> \vec e_y = (0 , 1) </math>
の2種類が存在する。
このように、基本ベクトルは、単に平行な座標軸の成分だけが値が1で、他の軸の値は 0 とすれば良い。
なお、混同しやすいが「単位ベクトル」とは、向きが必ずしも座標軸と平行とは限らない、大きさが1のベクトルの事である。
== 位置ベクトル ==
ある点を基準にして、その点を始点とするベクトルについて考えることにより、ベクトルを用いて点の位置関係について考察することができる。
点の位置関係基準となる点 <math>\rm O</math> を予め定める。このとき、点 <math>\rm A</math> に対して、ベクトル <math>\vec{\rm {OA }}</math> を点 <math>\rm A</math> の位置ベクトルという。位置ベクトル <math>\vec{a}</math> で与えられる点 <math>\rm A</math> を <math>\mathrm{A}(\vec a)</math> で表す。
また、点 <math>\mathrm A (\vec a),\,\mathrm B(\vec b)</math> のとき、<math>\vec{\rm{AB}} = \vec{\rm{OB}} - \vec{\rm{OA}} = \vec b- \vec a</math> が成り立つ。
=== 内分点・外分点の位置ベクトル ===
以下、位置ベクトルの基準点を点 <math>\rm O</math> とする。
点 <math>\rm A (\vec a),\,\rm B(\vec b)</math> を通る線分 <math>\mathrm{AB}</math> を <math>m:n</math> に内分する点 <math>\mathrm{P}(\vec p)</math> を求める。<!-- 図 -->
<math>\vec{\mathrm{AP}} = \frac{m}{m+n}\vec{\mathrm{AB}}</math> より、<math>\vec p - \vec a = \frac{m}{m+n}(\vec b - \vec a)</math> したがって、<math>\vec p = \frac{n\vec a + m\vec b}{m+n}</math> である。<ref><math>\vec p =\frac{m}{m+n}(\vec b - \vec a) + \vec a = \left(1-\frac{m}{m+n}\right)\vec a + \frac{m}{m+n}\vec b = \frac{n\vec a + m\vec b}{m+n} </math></ref>
次に、点 <math>\rm A (\vec a),\,\rm B(\vec b)</math> を通る線分 <math>\mathrm{AB}</math> を <math>m:n</math> に外分する点 <math>\mathrm{Q}(\vec q)</math> を求める。<!-- 図 -->
<math>m > n</math> の場合は、 <math>\vec{\mathrm{AQ}} = \frac{m}{m-n}\vec{\mathrm{AB}}</math> より、<math>\vec q - \vec a = \frac{m}{m-n}(\vec b - \vec a) </math> したがって、<math>\vec q = \frac{-n\vec a + m\vec b}{m-n}</math> である。<ref><math>\vec q = \frac{m}{m-n}(\vec b - \vec a) + \vec a = \left(1-\frac{m}{m-n}\right)\vec a + \frac{m}{m-n}\vec b = \frac{-n\vec a + m\vec b}{m-n} </math></ref>
<math>m < n</math> の場合は、<math>\vec{\mathrm{BQ}} = \frac{n}{n-m}\vec{\mathrm{BA}}</math> に注意して同様に計算すれば、前と同じ、 <math>\vec q = \frac{-n\vec a + m\vec b}{m-n}</math> が得られる。<ref><math>m = n</math> の場合、つまり線分を <math>1:1</math> に外分する点は存在しない。なぜなら、任意の線分ABに対してAP:BP=1:1となる点Pは線分ABの直角二等分線上にあるが、点Pが線分AB上にある場合、これは内分点であり、点Pが線分AB上にない場合、これは外分点ではありえない。</ref>
=== 三角形の重心の位置ベクトル ===
三角形 <math>\mathrm{ABC}</math> に対し、 <math>\mathrm{A}(\vec a),\, \mathrm{B}(\vec b),\, \mathrm{C}(\vec c)</math> と置く。この三角形 <math>\mathrm{ABC}</math> の重心 <math>\mathrm{G}({\vec g})</math> を求める。<!-- 図 -->
線分 <math>\mathrm{BC}</math> の中点を <math>\mathrm{M}(\vec m)</math> とすると、点 <math>\mathrm M</math> は線分 <math>\mathrm{BC}</math> を <math>1:1</math> に内分する点なので、 <math>\vec m = \frac{\vec b + \vec c}{2}</math> である。
点 <math>\mathrm{G}</math> は線分 <math>\mathrm{AM}</math> を <math>2:1</math> に内分する点なので、 <math>\vec g = \frac{\vec a + \vec b + \vec c}{3}</math> である。<ref><math>\vec g = \frac{\vec a + 2\vec m}{2+1} = \frac{\vec a + \vec b + \vec c}{3}</math></ref>
=== 三角形の内心の位置ベクトル ===
三角形 <math>\mathrm{ABC}</math> に対し、 <math>\mathrm{A}(\vec a),\, \mathrm{B}(\vec b),\, \mathrm{C}(\vec c)</math> と置く。さらに、<math>\mathrm{AB} = c,\,\mathrm{BC} = a,\, \mathrm{CA} = b</math> と置く。三角形 <math>\mathrm{ABC}</math> の内心の位置ベクトル <math>\mathrm{I}(\vec i)</math> を求める。<ref>ここで、線分の長さと頂点の位置ベクトルを同じアルファベットで置いているが、記号 <math>\vec \bullet</math> のついているものは、ベクトル。記号 <math>\vec \bullet</math> のついていないものは実数であることに注意せよ。</ref><!-- 図 -->
<math>\rm A</math> の二等分線と線分 <math>\rm{BC}</math> の交点を <math>\mathrm{D}(\vec d)</math> とする。このとき、三角形の二等分線の性質より<math>\overline{\mathrm{BD}}:\overline{\mathrm{DC}} = c:b</math> したがって、<math>\vec d = \frac{b\vec b + c\vec c}{b+c}</math> である。
ここで、<math>\overline{\mathrm{AI}}:\overline{\mathrm{ID}} = \overline{\mathrm{BA}}:\overline{\mathrm{BD}} = c:\frac{ac}{b+c} = (b+c):a</math><ref><math>\overline{\mathrm{BD}}:\overline{\mathrm{DC}} = c:b</math> より <math>\overline{\mathrm{BD}} = \frac{c}{b+c}a</math></ref> である。
したがって、<math>\vec i = \frac{a\vec a + (b+c)\vec d}{a+b+c} = \frac{a\vec a + b\vec b + c\vec c}{a+b+c}</math> である。
== ベクトルの内積 ==
中学理科または高校物理の力学では、力学的な仕事の定義を習ったことがあるだろう。この仕事では、移動方向以外の力は、仕事に寄与しなかった。このような力の仕事の計算をベクトルの観点からみれば、内積という新しい概念が定義できる。<ref>[[物理数学I]]などを参照</ref><ref>これは、内”積”という名前がついているが、実数の”積”とは様子が違い、単純に実数の積をベクトルに拡張したものが内積というわけではない。実数の積は実数から実数への演算であるが、ベクトルの内積はベクトルから実数への演算である。</ref>
ベクトル <math>
\vec a,\vec b
</math> に対し、 <math>\vec a = \vec{\mathrm{OA}}, \vec b = \vec{\mathrm{OB}}</math> となる点 <math>\mathrm{O,A,B}</math> をとる。このとき、 <math>\angle \mathrm{AOB}</math> を'''ベクトル <math>
\vec a,\vec b
</math> のなす角'''という。
ベクトルの内積の導入には、いくつかの流儀がある。ここでは、[[高等学校数学I/図形と計量#余弦定理|余弦定理]]を使う流儀を紹介する。
まず、<math>\triangle \mathrm{OAB}</math> において余弦定理を適用すると、
<math>\overline{\mathrm{BA}}^2 = \overline{\mathrm{OA}}^2 + \overline{\mathrm{OB}}^2 - 2\, \overline{\mathrm{OA}} \cdot \overline{\mathrm{OB}} \cos \theta</math> ・・・・(1)
なお,OAとOB のなす角を {{ruby|θ|シータ}} と置いた。
次に、点Aの位置が直交座標上で (a<sub>x</sub>, a<sub>y</sub>) とする。
同様に、点Bの位置が直交座標上で (b<sub>x</sub>, b<sub>y</sub>) とする。
余弦定理で表した(1)式の右辺と左辺は、上述の座標を用いれば、ピタゴラスの定理(三平方の定理)により、両辺をそれぞれ次のように置換できる。
<math>\mathrm{lhs} = \overline{\mathrm{BA}}^2 = { (b_x - a_x)^2 + (b_y - a_y)^2 } </math> = <math> ( b_x{}^2 - 2 b_x {} a_x + a_x{}^2 ) + ( b_y{} ^2 - 2 b_y {} a_y + a_y{}^2 )</math>
<math>\mathrm{rhs} = ( a_x{} ^2 + a_y{} ^2 ) + ( b_x{} ^2 + b_y{} ^2 ) -2 \sqrt{ a_x {}^2 + a_y {}^2 } \sqrt{ b_x{} ^2 + b_y{} ^2 } \cos \theta </math>
両辺が等しいので、それぞれの辺の結論同士をまとめれば、
<math> ( b_x{} ^2 - 2 b_x {} a_x + a_x{}^2 ) + ( b_y{} ^2 - 2 b_y {} a_y + a_y{}^2 )</math> =
<math> ( a_x{} ^2 + a_y{} ^2 ) + ( b_x{} ^2 + b_y{} ^2 ) -2 \sqrt{ a_x{} ^2 + a_y{} ^2 } \sqrt{ b_x {} ^2 + b_y{} ^2 } \cos \theta </math>
両辺から同じもの同士を引き算すれば、
<math> ( - 2 b_x {} a_x ) + ( - 2 b_y {} a_y )</math> =
<math> -2 \sqrt{ a_x {}^2 + a_y {}^2 } \sqrt{ b_x {} ^2 + b_y {} ^2 } \cos \theta </math>
整理すれば
<math> ( b_x {} a_x ) + ( b_y {} a_y )</math> =
<math> \sqrt{ a_x {} ^2 + a_y {} ^2 } \sqrt{ b_x {} ^2 + b_y {} ^2 } \cos \theta </math>
今後の説明の都合で、式中の文字の順序を下記のように並び変える。
<math> a_x {} b_x + a_y {} b_y </math> =
<math> \sqrt{ a_x {} ^2 + a_y {} ^2 } \sqrt{ b_x {}^2 + b_y {}^2 } \cos \theta </math>
さて、ここでベクトルの内積を定義する。
ベクトル <math>
\vec a,\vec b
</math> のなす角を <math>\theta</math> とするとき、内積 <math>\vec a \cdot \vec b</math><sup>※</sup> を
:<math>
\vec a \cdot \vec b = |\vec a||\vec b| \cos \theta
</math>
で定める。念のため注記するが、内積はベクトルではなく実数である。
:※内積 <math>\vec a \cdot \vec b</math> を <math>\vec a \times \vec b</math> のように表記してはいけない。<math>\vec a \times \vec b</math> はベクトルの外積(範囲外)を表す。
さて、上述の余弦定理を用いた式変形の結論から、
:<math>
\vec a \cdot \vec b = |\vec a||\vec b| \cos \theta = a_x b_x + a_y b_y
</math>
となるので、ベクトルの内積は、'''直交座標上では'''、同じ座標同士の積の和として求められることが分かる。
また、ベクトルの大きさ(ベクトルの長さ、ベクトルの絶対値)は、自分自身との内積として下記のように定義し直す事もできる。
まず、余弦定理の式を再掲。
:<math> \overline{\mathrm{BA}}^2 = \overline{\mathrm{OA}}^2 + \overline{\mathrm{OB}}^2 -2 \overline{\mathrm{OA}} \cdot \overline{\mathrm{OB}} \cos \theta </math> ・・・・(1)
これをベクトルで書き換える。
:<math> |\vec b - \vec a|^2 = |\vec a|^2 + |\vec b|^2 -2 \vec a \cdot \vec b </math> ・・・(2)
とりあえず図形的な意味は無視して、左辺を文字式の分配法則のように展開してみると、
:<math> |\vec b - \vec a|^2 = (\vec b - \vec a) \cdot (\vec b - \vec a) = \vec{a}\cdot\vec{a}+\vec{b}\cdot\vec{b}-\vec{a}\cdot\vec{b}-\vec{b}\cdot\vec{a} = |\vec a|^2 + |\vec b|^2 -2 \vec a \cdot \vec b </math>
となる(この計算は後述の内積の性質 <math>\vec{a}\cdot\vec{b}=\vec{b}\cdot\vec{a},\; \vec{a}\cdot\vec{a}=|\vec{a}|^2</math>から正当化できる)。これは(2)式の右辺に等しい。
このように、ベクトルの内積は、文字式の分配法則のように展開してよい事が分かる
発展的だが、正射影を使った考え方を紹介する。大学では、こちらの考え方を使って4次元以上のベクトルの内積を定義する。
; '''補足:正射影'''
<math>\triangle \mathrm{OAB}</math>において、<math>\angle \mathrm{AOB} = \theta</math>とする。また、<math>\vec{ \mathrm{OC} } = \vec{c}</math>のように表記する。
OBからOAへ伸ばした垂線の足をHとするとき、「線分OHは、線分OBの線分OAへの'''正射影'''である」という。また、線分OHをベクトルとしてみた<math>\vec{h}</math>を'''正射影ベクトル'''という。このとき、<math>|\vec{h}| = |\vec{b}| \cos \theta</math>が成り立つ。
つまり、内積<math>\vec{a} \cdot \vec{b}</math>は<math>\vec{b}</math>を<math>\vec{a}</math>に正射影したときの、<math>\vec{a}</math>の大きさ<math>|\vec{a}|</math>と正射影ベクトルの長さ<math>|\vec{h}|</math>の積<math>|\vec{a}| |\vec{h}|</math>でも定義される。
正射影ベクトルを内積を用いて表現してみよう。
:<math>\vec{a}</math>の長さは<math>|\vec{a}|</math>なので、<math>\vec{a}</math>に平行な単位ベクトルは<math>\frac{\vec{a}}{|\vec{a}|}</math>である。
:正射影ベクトルは<math>\vec{a}</math>に平行で長さが<math>|\vec{b}| \cos \theta</math>なので、<math>|\vec{b}| \cos \theta \times \frac{\vec{a}}{|\vec{a}|} = \frac{|\vec{b}| \cos \theta}{|\vec{a}|} \vec{a}</math>と表現できる。
:分母分子に<math>|\vec{a}|</math>を掛けると<math>\frac{|\vec{a}| |\vec{b}| \cos \theta}{|\vec{a}|^2} \vec{a}</math>であり、
:後述の内積の性質を用いることにより、<math>\frac{\vec{a} \cdot \vec{b}}{\vec{a} \cdot \vec{a}} \vec{a}</math>と内積のみを用いて表現できる。
(図)
=== 成分表示された内積 ===
ベクトル <math>
\vec a,\vec b
</math> を <math>\vec a = (a_x,a_y),\vec b = (b_x,b_y)</math> と成分表示したときの、内積 <math>\vec a \cdot \vec b</math> について考えてみよう。
ベクトル <math>
\vec a,\vec b
</math> に対し、 <math>\vec a = \vec{\mathrm{OA}}, \vec b = \vec{\mathrm{OB}}</math> となる点 <math>\mathrm{O,A,B}</math> をとり、ベクトル <math>
\vec a,\vec b
</math> のなす角を <math>\theta </math> とする。このとき <math>\triangle \mathrm{OAB}</math> に対し余弦定理を用いて
<math>\overline{\mathrm{AB}}^2 = \overline{\mathrm{OA}}^2 + \overline{\mathrm{OB}}^2 - 2 \cdot \overline{\mathrm{OA}} \cdot \overline{\mathrm{OB}} \cos \theta </math>
(図)
ここで、 <math>\overline{\mathrm{AB}} = |\vec b - \vec a|,\overline{\mathrm{OA}} = |\vec a|,\overline{\mathrm{OB}} = |\vec b|</math> と、<math>\overline{\mathrm{OA}} \cdot \overline{\mathrm{OB}} \cos \theta = |\vec a||\vec b|\cos\theta = \vec a \cdot \vec b</math> より
<math>|\vec b - \vec a|^2 = |\vec a|^2 + |\vec b|^2 - 2 \vec a \cdot \vec b</math> であるので、 <math>\vec a \cdot \vec b = \frac{1}{2}(|\vec a|^2 + |\vec b|^2 - |\vec b - \vec a|^2)</math> である。
ここで、 <math>|\vec a|^2 = a_x^2 + a_y^2,|\vec b|^2 = b_x^2 + b_y^2,|\vec b - \vec a|^2 = |(b_x - a_x, b_y - a_y)|^2 = (b_x - a_x)^2 + (b_y - a_y)^2</math> なので、これを代入すれば
<math>\vec a \cdot \vec b = \frac{1}{2}(|\vec a|^2 + |\vec b|^2 - |\vec b - \vec a|^2)</math> <math>= \frac{1}{2}\left[(a_x^2 + a_y^2) + (b_x^2 + b_y^2 )- (b_x - a_x)^2 + (b_y - a_y)^2\right] </math> <math>= a_xb_x + a_yb_y </math> である。
したがって <math>\vec a \cdot \vec b = a_x b_x + a_y b_y</math> が得られた。
=== 内積の性質 ===
内積の計算法則
{{math_theorem|内積の性質|ベクトル <math> {\vec {a}},{\vec {b}},{\vec {c}}</math> と実数 <math> k</math> に対し以下が成り立つ。
# <math> {\vec {a}}\cdot {\vec {b}}={\vec {b}}\cdot {\vec {a}}</math>
# <math> {\vec {a}}\cdot ({\vec {b}}+{\vec {c}})={\vec {a}}\cdot {\vec {b}}+{\vec {a}}\cdot {\vec {c}}</math>
# <math> (k{\vec {a}})\cdot {\vec {b}}=k({\vec {a}}\cdot {\vec {b}})</math>
# <math> 0 \leqq {\vec {a}}\cdot {\vec {a}}=|{\vec {a}}|^{2}</math>}}
これらはベクトルを成分表示して計算すれば証明できる。
{{Math proof|
<math>\vec a = (a_x,a_y),\vec b = (b_x,b_y),\vec c = (c_x,c_y)</math> とする。
# <math>\vec a \cdot \vec b = a_x b_x+a_y b_y = \vec b \cdot \vec a</math>
# <math>{\vec {a}}\cdot ({\vec {b}}+{\vec {c}})=(a_x,a_y)\cdot(b_x+c_x,b_y+c_y) = (a_x b_x+a_x c_x )+ (a_y b_y+a_y c_y ) = {\vec {a}}\cdot {\vec {b}}+{\vec {a}}\cdot {\vec {c}}</math>
# <math>(k{\vec {a}})\cdot {\vec {b}}= (ka_x, ka_y)\cdot (b_x, b_y) =k(a_x b_x+a_y b_y) = k({\vec {a}}\cdot {\vec {b}})</math>
# <math>{\vec {a}}\cdot {\vec {a}} = a_x{}^2 + a_y{}^2 = |{\vec {a}}|^{2} \ge 0</math>}}
なお、
:4 <math> 0 \leqq {\vec {a}}\cdot {\vec {a}}=|{\vec {a}}|^{2}</math>
について、内積は一次元の実数であるので、不等号や大小関係を考える事ができる。
内積を取っていないベクトルそのものは、不等号や大小関係が定義されない。
ベクトルの次元は、高校では、必ず2以上の自然数とする(つまり、2次元、3次元、4次元、5次元、・・・)。図形への応用を考えるなら、2次元ベクトル(a,b)と3次元ベクトル(a,b,c)だけを考えればよい( 4次元ベクトル(a,b,c,d)またはそれ以上の次元は、この単元では考えない )。
また、「 1次元のベクトル 」の存在については考えない事とする(実数の係数 k などとの混同を避けるため。1次元のベクトルについては考えない方が合理的である)。
さて、計算法則ではないが、頻繁に使う計算結果として、次の結果がある。
:0ベクトルでない2本のベクトル <math>\vec {a}</math> と <math>\vec {b}</math> について、
:: <math>\vec {a}</math> と <math>\vec {b}</math> が垂直に交わる ⇔ <math>\vec a \cdot \vec b = \vec 0</math>
ただし、少なくとも片方が0ベクトルだとすると、θの値に関わらず積が0になってしまうので、0ベクトルがある場合は除外する。
上記の公式の結果は、公式のように証明なしで用いて良い。
なお、念のため証明すると、
:<math>\vec a \cdot \vec b = |\vec a||\vec b| \cos \theta = a_x b_x + a_y b_y</math> ・・・(3)
の式から証明できる。上(3)式の2番目の辺 の θ に90°を代入すれば、
:<math>\vec a \cdot \vec b = |\vec a||\vec b| \cos 90^{\circ} = |\vec a||\vec b| \cdot 0 = 0</math>
内積の値は、直交座標の座標軸を回転させても変わらない。内積の値は、両ベクトルの大きさと、図形的な「なす角」によってのみ決まる。
この性質は、物理学の力学などで内積の計算を使うときに重要である。物理学で用いる座標軸は、直交でありさえすれば、計算しやすいような向きに自由に設定してよい。具体的に言えば、力学の「仕事」は、座標系を直交座標で定義さえすれば、どのような向きで座標系を置いても、仕事の値は同じ結果になる。
ほか、x軸方向の基本ベクトル <math> \vec e_x = </math>(1,0) と y軸方向の基本ベクトル<math> \vec e_y = </math>(0,1)の内積は、成分同士の積として内積を計算すれば
:<math>\vec e_x \cdot \vec e_y = 1 \cdot 0 + 0 \cdot 1 = 0</math>
となり、上述の議論のように結果は 0 になり、上述の議論(垂直に交わるベクトル同士の内積はゼロ)と整合性がある。
ほか、
<math>\vec a = \vec 0 = (0 , 0) </math> または <math>\vec b = \vec 0 = (0 , 0) </math> なら、<math>\vec a \cdot \vec b = 0 </math>
である。証明は、それぞれの場合の両ベクトルの成分同士の積による。入試などでは、公式として証明なしで用いてよい。
なお、少なくとも片方のベクトルが零ベクトルである時の「なす角」については、考えない事とする。
{{演習問題|円<math>x^2+y^2=1</math>上の点<math>\mathrm{A}(\cos \theta, \sin \theta)</math>における円の接線をベクトルを利用して求めよ|
円の中心を<math>\mathrm{O}</math>, 接線上の任意の点を<math>\mathrm{P}(x, y)</math>とする。
Oは原点なので<math>\vec{\mathrm{OP}}=(x, y)</math>である。ここでOPのOAへの正射影ベクトル<math>\vec{h}</math>を考えると、円の接線の性質より<math>\angle \mathrm{OAP} = 90^\circ</math>なのでAはPから線分OAに下ろした垂線の足であり、<math>\vec{h} = \vec{\mathrm{OA}}</math>である。
よって<math>\vec{\mathrm{OA}}\cdot\vec{\mathrm{OP}} = |\vec{\mathrm{OA}}| |\vec{h}| =|\vec{\mathrm{OA}}| \times |\vec{\mathrm{OA}}| = |\vec{\mathrm{OA}}|^2</math>。
ここで左辺を成分表示して計算すると<math>\vec{\mathrm{OA}} \cdot \vec{\mathrm{OP}} = (\cos \theta) x + (\sin \theta) y</math>であり、右辺について<math>|\vec{\mathrm{OA}}|</math>は円の半径に等しいので<math>|\vec{\mathrm{OA}}|^2=1</math>が成り立つ。
よって、接線上にある点<math>\mathrm{P}(x, y)</math>は関係式<math>(\cos \theta) x + (\sin \theta) y=1</math>を満たす。逆に、この関係式を満たす点<math>\mathrm{P}(x, y)</math>は全て接線上にある。
故に、この関係式は求める接線の方程式そのものである。
}}
ベクトル(x,y)のような2次元ベクトルのことを「平面ベクトル」とも言う。平面上の位置や変化量を表す事が出来るからである。
ベクトル(x, y, z)のような3次元ベクトルのことを「空間ベクトル」または「立体ベクトル」などとも言う。空間上の位置や変化量を表すことが出来るからである。
このように、2次元、3次元のベクトルは、図形的に解釈する事もできる。
4次元以上については、通常は図形的な意味合いについては考えない。
図形的な意味を考えれば、数直線は1次元のベクトルのように思えそうだが、しかし係数 k などとの混同を避けるため、1次元のベクトルについては考えないのが一般的である。
== ベクトル方程式 ==
数学では、全ての図形を「点の集合」と考える。数学Ⅱで習ったように、「任意の点<math>\mathrm{P}(x, y)</math>について<math>x, y</math>がある方程式(*)を満たす」ことが「<math>\mathrm{P}</math>の集合が図形<math>\mathcal{F}</math>である」ことの必要十分条件であるとき、(*)を「図形の方程式」と呼んだ。
同様に、「<math>\mathrm{P}</math>の位置ベクトル<math>\vec{\mathrm{OP}}</math>がある方程式(**)を満たす」ことが「<math>\mathrm{P}</math>の集合が図形<math>\mathcal{F}</math>である」ことの必要十分条件であるとき、(**)を'''ベクトル方程式'''(vector equation)という。
{{演習問題|
<math>\mathrm A (\vec a),\, \mathrm B (\vec b)</math>とする。
このとき、線分OAを1:3に分ける点と、線分OBを5:2に分ける点をそれぞれ、A',B'とする。
(1) ベクトル <math>\vec{\mathrm{OA'}},\, \vec{\mathrm{OB'}}</math> をベクトル<math>\vec a,\, \vec b</math>を用いてあらわせ。
(2) 線分AB'と、BA'の交点 M の位置ベクトルをベクトル<math>\vec a,\, \vec b</math>を用いてあらわせ。|
ベクトル
:<math>\vec a</math>
と、
ベクトル
:<math>\vec b</math>
は互いに1次独立な2本のベクトルなので、
これらを用いてあらゆる図形上の点が表されるはずである。
図形上のそれぞれの点は、点Oからの位置ベクトルで表される。
例えば、ベクトル
:<math>\vec{\mathrm{OA'}}</math>
は、点Oから見て
:<math>\vec a</math>
と平行な方向のベクトルであり、その大きさが、
:<math>\frac 1 4</math>
であるので、
:<math>\vec{\mathrm{OA'}}= \frac 1 4 \vec a</math>
で表される。
同様に、ベクトル
:<math>\vec{\mathrm{OB'}}</math>
は、点Oから見て
:<math>\vec b</math>
と平行な方向のベクトルであり、その大きさが、
:<math>\frac 2 7</math>
であるので、
:<math>\vec{\mathrm{OB'}}= \frac 2 7 \vec b</math>
で表される。
次に、点A'を通過し、線分A'Bに平行な直線を
ベクトル
:<math>\vec a</math>
と
:<math>\vec b</math>
を用いて記述する方法を考える。
ここでは、
この直線上の点は、
ある定数<math>s</math>を用いて、
:<math>\vec{\mathrm{OA'}} + s(\vec{\mathrm{A'B}})</math>
で表せることに注目する。
例えば、
:<math>s=0</math>
のとき、この式が表す点は
:<math>\vec{\mathrm{OA'}}</math>
に等しく、
:<math>s=1</math>
のとき、
:<math>\vec{\mathrm{OB}}</math>
に等しく、いずれも直線A'B上の点である。
これらに先ほど求めた
:<math>\vec{\mathrm{OA'}}</math>
と、
:<math>\vec{\mathrm{OB}}</math>
の値を用いると、
:<math>\vec{\mathrm{OA'}} + s(\vec{\mathrm{A'B}})</math>
:<math>= \frac 1 4 \vec a + s(\vec b - \frac 1 4 \vec a)</math>
:<math>= \frac 1 4 (1 -s ) \vec a + s \vec b</math>
が得られる。
同様に、線分AB'上の点はある定数
<math>t</math>を用いて、
:<math>\vec{\mathrm{OB'}} + t\vec{\mathrm{B'A}}</math>
で表される。
ここに先ほど得た値を代入すると、
:<math>\vec{\mathrm{OB'}} + t\vec{\mathrm{B'A}}</math>
:<math>= \frac 2 7 \vec b + t(\vec a - \frac 2 7 \vec b)</math>
:<math>=(1-t) \frac 2 7 \vec b + t \vec a</math>
となる。
このようにそれぞれの直線上の点が<math>s</math>,<math>t</math>を
用いて表された。
次に、これらの式が同じ点を示すように
<math>s</math>,<math>t</math>を定める。
そのためには、
:<math>\vec{\mathrm{OM}}= \frac 1 4 (1 -s ) \vec a + s \vec b</math>
,
:<math>\vec{\mathrm{OM}}=(1-t) \frac 2 7 \vec b + t \vec a</math>
を等しいとおいて、
<math>s</math>,<math>t</math>に関する連立方程式を作り、それを解けばよい。
上の式で
:<math>\vec a</math>
の係数を等しいとおくと、
:<math>\frac 1 4 (1-s) = t</math>
が得られ、
:<math>\vec b</math>
の係数を等しいとおくと、
:<math>\frac 2 7 (1-t) = s</math>
が得られる。
この式を連立して解くと、
:<math>\begin{cases} s = \frac 3 {13} \\ t = \frac 5 {26} \end{cases}</math>
が得られる。
この式を
:<math>\vec{\mathrm{OM}}= \frac 1 4 (1 -s ) \vec a + s \vec b</math>
,
:<math>\vec{\mathrm{OM}} =(1-t) \frac 2 7 \vec b + t \vec a</math>
のどちらかに代入すると、求める位置ベクトルが得られるのである。
代入すると、求めるベクトルは、
:<math>\vec{\mathrm{OM}}= \frac 1 4 (1 -\frac 3 {13} ) \vec a + \frac 3 {13} \vec b</math>
:<math>= \frac 5 {26} \vec a + \frac 3 {13} \vec b</math>
となる。
:答え
:<math>\vec{\mathrm{OA'}} = \frac 1 4 \vec a</math>
:<math>\vec{\mathrm{OB'}}= \frac 2 7 \vec b</math>
:<math>\vec{\mathrm{OM}} = \frac 5 {26} \vec a + \frac 3 {13} \vec b</math>
}}
=== 直線のベクトル方程式 ===
点 <math>\mathrm{A}(\vec a)</math> を通り、ベクトル <math>\vec {d} \, (\neq \vec 0)</math> に平行な直線を <math>g</math> とする。<math>g</math> 上の点を <math>\mathrm{P}(\vec p)</math> とすると、<math>\vec \mathrm{AP} = \vec {0}</math>または<math>\vec \mathrm{AP} \parallel \vec d</math> だから
:<math>\vec \mathrm{AP} = t \vec {d}</math><!-- 図 -->
となる実数 <math>t</math> がある。
すなわち、
:<math>\vec {p} - \vec {a} = t \vec {d}</math>
よって、
:<math>\vec {p} = \vec {a} + t \vec {d}</math>
これを、'''直線 <math>g</math> のベクトル方程式'''といい、 <math>\vec{d}</math> を <math>g</math> の'''方向ベクトル'''という。また、<math>t</math> を{{Ruby|'''媒介変数'''|ばいかいへんすう}}('''パラメータ''')という。
点Aの座標を<math>(x_1\ ,\ y_1)</math>、<math>\vec{d} = (a\ ,\ b)</math>、点Pの座標を<math>(x\ , \ y)</math>とおくと、ベクトル方程式 <math>\vec {p} = \vec {a} + t \vec {d}</math> は
:<math>(x\ , \ y) = (x_1\ , \ y_1) + t (a\ , \ b) </math>
となる。したがって
<math>\begin{cases} x = x_1 +at \\ y = y_1 +bt\end{cases}</math>
これを直線 <math>g</math> の'''媒介変数表示'''('''パラメータ表示''')という。
{{演習問題|
点A<math>(1\ ,\ 2)</math>を通り、<math>\vec{d} = (3\ ,\ 5)</math>に平行な直線の方程式を、媒介変数tを用いて表せ。
また、tを消去した式で表せ。|
この直線のベクトル方程式は
:<math>(x\ , \ y) = (1\ , \ 2) + t (3\ , \ 5) = (1+3t\ , \ 2+5t)</math>
したがって
:<math>x = 1+3t\ ,\ y = 2+5t</math>
tを消去すると、次のようになる。
:<math>5x-3y+1=0</math>}}
2点 <math>\mathrm{A}(\vec a),\, \mathrm{B}(\vec b)</math> を通る直線のベクトル方程式を考える。
直線ABは、点Aを通り、<math>\vec{\mathrm{AB}} = \vec{b} - \vec{a}</math>を方向ベクトルとする直線と考えられるから、そのベクトル方程式は
:<math>\vec {p} = \vec {a} + t \left(\vec{b} - \vec{a} \right)</math>
となる。これは次のように書ける。
:<math>\vec {p} = (1-t) \vec {a} + t \vec{b}</math>
{{演習問題|
2点A<math>(2\ ,\ 5)</math>,B<math>(-1\ ,\ 3)</math>を通る直線の方程式を、媒介変数tを用いて表せ。|
この直線のベクトル方程式は
:<math>(x\ , \ y) = (1-t)(2\ , \ 5) + t (-1\ , \ 3) = (2-3t\ , \ 5-2t)</math>
したがって
:<math>x = 2-3t\ ,\ y = 5-2t</math>}}
点Aを通るベクトル<math>\vec{n}(\neq \vec{0})</math>に垂直な直線をgとする。g上の点をPとすると、<math>\vec{\mathrm{AP}} = \vec {0}</math>または<math>\vec{\mathrm{AP}} \perp \vec {n}</math>だから
:<math>\vec{\mathrm{AP}} \cdot \vec {n} =0</math>…(1)
である。
点A,Pの位置ベクトルをそれぞれ、<math>\vec{a}\ ,\ \vec{p}</math>とすると、<math>\vec{\mathrm{AP}} = \vec {p} - \vec {a}</math>だから、(1)は
:<math>\vec {n} \cdot (\vec {p} - \vec {a}) = 0</math>…(2)
となる。(2)が点Aを通って、<math>\vec {n}</math>に垂直な直線gのベクトル方程式であり、<math>\vec{n}</math>をこの直線の'''{{ruby|法線|ほうせん}}ベクトル'''(normal vector)という。
点Aの座標を<math>(x_1\ ,\ y_1)</math>、<math>\vec{n} = (a\ ,\ b)</math>、点Pの座標を<math>(x\ , \ y)</math>とおくと、<math>\vec {p} - \vec {a} = (x-x_1\ , \ y-y_1)</math>だから、(2)は次のようになる。
<center><math>a(x-x_1)+b(y-y_1)=0</math></center>
この方程式は、<math>-ax_1-by_1=c</math>とおくと、<math>ax+by+c=0</math>となるから、次のことがいえる。
'''直線<math>ax+by+c=0</math>の法線ベクトルは、<math>\vec{n} = (a\ ,\ b)</math>である。'''
{{演習問題|
点A<math>(2\ ,\ 5)</math>を通り、<math>\vec{n} = (4\ ,\ 3)</math>に垂直な直線の方程式を求めよ。|:<math>4(x-2)+3(y-5)=0</math>
つまり
:<math>4x+3y-23=0</math>}}
===円のベクトル方程式===
円の数学的な定義は「ある点からの距離が等しい点の集合」である。
よって、中心をC, 円上の任意点をPとすると、<math>|\vec{\mathrm{CP}}|</math>が一定値(半径rの値)をとるならばPの軌跡は円であるといえる。
これを位置ベクトルを用いて書き換えると'''円のベクトル方程式'''を得る。
:<math>|\vec{p}-\vec{c}|=r</math>
これを両辺2乗して成分表示すると[[高等学校数学II/図形と方程式#円の方程式|座標平面上での円の方程式]]を得る。
また、以下のような考え方をしても良い。
直径ABに対する円周角が常に<math>90^\circ</math>であることから、円上の任意点をPとすると常に<math>\vec{\mathrm{AP}}\cdot\vec{\mathrm{BP}}=0</math>である。
これは位置ベクトルを用いて以下のように表せる。
:<math>(\vec{p}-\vec{a})\cdot(\vec{p}-\vec{b})=0</math>
これもまた、'''円のベクトル方程式'''であり、先ほどの形に変形することができる。
*変形できることの証明
:<math>(\vec{p}-\vec{a})\cdot(\vec{p}-\vec{b})=|\vec{p}|^2-(\vec{a}+\vec{b})\cdot\vec{p}+\vec{a}\cdot\vec{b}</math>
:平方完成して<math>\left| \vec{p}-\frac{\vec{a}+\vec{b}}{2} \right|^2 - \frac{|\vec{a}+\vec{b}|^2}{4} + \vec{a}\cdot\vec{b}=0</math>
:ここで<math>\frac{|\vec{a}+\vec{b}|^2}{4}-\vec{a}\cdot\vec{b}=\frac{|\vec{a}|^2+2\vec{a}\cdot\vec{b}+|\vec{b}|^2-4\vec{a}\cdot\vec{b}}{4}=\frac{|\vec{a}|^2-2\vec{a}\cdot\vec{b}+|\vec{b}|^2}{4}=\frac{|\vec{a}-\vec{b}|^2}{4}</math>より、
:<math>\left| \vec{p}-\frac{\vec{a}+\vec{b}}{2} \right|^2=\left( \frac{|\vec{a}-\vec{b}|}{2} \right)^2</math>
:<math>\therefore \left| \vec{p}-\frac{\vec{a}+\vec{b}}{2} \right|=\frac{|\vec{a}-\vec{b}|}{2}</math>
:よって、これは中心<math>\frac{\vec{a}+\vec{b}}{2}</math>、半径<math>\frac{1}{2}|\vec{a}-\vec{b}|=\frac{1}{2}\overline{\mathrm{AB}}</math>の円を表す。
一般にABを直径とする円は中心がABの中点で半径は<math>\overline{\mathrm{AB}}</math>(直径)の半分である。よって、式を変形して得られた結論は妥当である。
円の接線のベクトル方程式も以下の二つの考え方で得る。
:(以下、接線上の任意点をP, 円の中心をC, 接点をA, 半径をrとする。)
円の接点を通る半径と接線は常に垂直であることから、<math>\vec{\mathrm{CA}}\cdot\vec{\mathrm{CP}}=0</math>
これを成分表示して、<math>(\vec{p}-\vec{c})\cdot(\vec{a}-\vec{c})=0</math>//
<math>\vec{\mathrm{CP}}</math>の<math>\vec{\mathrm{CA}}</math>への正射影ベクトルは、接点を通る半径と接線が必ず垂直であることから常に<math>\vec{\mathrm{CA}}</math>と等しい。
よって<math>\vec{\mathrm{CP}} \cdot \vec{\mathrm{CA}} = |\vec{\mathrm{CA}}| \cdot |\vec{\mathrm{CA}}| = |\vec{\mathrm{CA}}|^2 = r^2</math>。
最左辺を位置ベクトル表示して<math>(\vec{p}-\vec{c})\cdot(\vec{a}-\vec{c})=r^2</math>//
これを座標表示すると[[高等学校数学C/平面上の曲線#二次曲線の接線|座標平面上での円の接線の方程式]]を得る。
円のベクトル方程式と同様、片方の形からもう片方の形に変形することができる。
*証明
:<math>(\vec{p}-\vec{a})\cdot(\vec{a}-\vec{c})=0</math>より、
:<math>\{ (\vec{p}-\vec{c}) - (\vec{a}-\vec{c}) \} \cdot (\vec{a}-\vec{c})=0</math>
:<math>\mathrm{lhs} = (\vec{p}-\vec{c})\cdot(\vec{a}-\vec{c})-|\vec{a}-\vec{c}|^2</math>
:ここで<math>|\vec{a}-\vec{c}|=\overline{\mathrm{CA}}=r</math>より、
:<math>(\vec{p}-\vec{c})\cdot(\vec{a}-\vec{c})=r^2</math>
== 空間座標とベクトル ==
ここまでは、平面上のベクトルについて考えてきたが、ここからは3次元空間上のベクトルについて考える。より一般にベクトルはn次元(ユークリッド)空間上で定義することができるが、このようなものは高校では扱わない。
===== 空間座標 =====
(空間座標については2022年度施行課程から[[高等学校数学A/数学と人間の活動#座標の考え方|数学A「数学と人間の活動」]]に移されたが、当該範囲を履修していない生徒が出る可能性を考慮してこちらの記述も残すことにした。)
今までは、平面上の図形をベクトルや数式を用いて表現する方法を学んで来た。ここでいう2次元とは、平面のことである。平面上の任意の点を指定するには最低でも2以上の実数が必要だからこのように呼ばれている。
もちろん容易に分かる通り、2つ以上の次元を持っている図形も存在する。例えば、直方体は縦、横、高さの3つの長さを持っているので3次元立体の1つであり、3次元図形である。
(図 - 空間座標の座標軸の図。およびxy平面、yz平面、zx平面の図)
空間内に点<math>\mathrm{O}</math>を通る1つの平面をとり、その上に直交する座標軸<math>\mathrm{O}_x , \mathrm{O}_y</math>をとる。次に<math>\mathrm{O}</math>を通りこの平面に垂直な直線<math>\mathrm{O}_z</math>をひき、その直線上で、<math>\mathrm{O}</math>を原点とする座標を考える。
この3直線<math>\mathrm{O}_x , \mathrm{O}_y , \mathrm{O}_z</math>は、どの2つも互いに垂直である。これらを'''座標軸'''といい、それぞれ'''x軸'''、'''y軸、'''z軸'''という。
:(単に、2次元の座標軸の「x軸」,「y軸」の最後に、「z軸」が追加で加わっただけである。「x軸」や「y軸」の用語は、2次元でも3次元でも共通である。)
また、x軸とy軸とで定まる平面を'''xy平面'''といい、y軸とz軸とで定まる平面を'''yz平面'''といい、z軸とx軸とで定まる平面を'''zx平面'''といい、これらを'''座標平面'''という。
空間内の点<math>\mathrm{A}</math>に対して、<math>\mathrm{A}</math>を通って各座標平面に平行な3つの平面をつくり、それらがx軸、y軸、z軸と交わる点を<math>\mathrm{A}_1 , \mathrm{A}_2 , \mathrm{A}_3</math>とし、<math>\mathrm{A}_1 , \mathrm{A}_2 , \mathrm{A}_3</math>のそれぞれの軸上での座標を<math>a_1\ , \ a_2\ , \ a_3</math>とする。
このとき、3つの数の組
:<math>(a_1\ , \ a_2\ , \ a_3)</math>を点<math>\mathrm{A}</math>の'''座標'''といい、<math>a_1</math>を'''x座標'''といい、<math>a_2</math>を'''y座標'''といい、<math>a_3</math>を'''z座標'''という。
ある点の位置を座標の値であらわす時、3次元の場合は、単に
:(x座標、y座標、z座標)
のように、3つ目の座標の値が追加されるだけである。
たとえば、座標が(1, 4, 2) なら、x=1, y=4, z=2 の位置にある点である。
上述のように座標の定められた空間を'''座標空間'''と呼び、点<math>\mathrm{O}</math>を座標空間の'''原点'''という。
上述のような3次元の座標空間のことを「xyz空間」とも言う。由来は、座標名の「x座標」・「y座標」・「z座標」から由来している。なお、このxyz空間と言う呼び方をした場合は、当然だが座標軸の名前も「x座標」や「y座標」など対応する名前を用いないといけない。(「a座標、b座標、c座標」とか「u座標、v座標、w座標」のような、空間名に用いてない座標軸を用いてはいけない。)
:(参考)コンピュータ・グラフィック業界では「uv座標」「uv空間」などの語もあるが、高校数学の科目の範囲内では、座標名・空間名は「xy座標」や「xyx座標」や「xyz空間」のようにxyzだけを用いるほうが、採点者に誤解がなく無難であろう。
ほか、xyz空間のことを座標軸が3本あるので(x軸、y軸、z軸で合計3本)、「3次元空間」とも言う。なお、4次元以上の場合も、図示はできないが「4次元空間」のように言ってよい。
入試の答案で、立体図形や空間ベクトルを扱う際には、「xyz空間」や「3次元空間」などの語を用いても大丈夫である。
'''2点間の距離'''は平面座標でも空間座標でも、ピタゴラスの定理により下記のような公式になる。
平面座標での2点<math>\mathrm{A}(x_1, y_1), \mathrm{B}(x_2, y_2)</math>間の距離は<math>\overline{\mathrm{AB}} = \sqrt{(x_1-x_2)^2+(y_1-y_2)^2}</math> である。
空間座標での2点<math>\mathrm{A}(x_1, y_1, z_1), \mathrm{B}(x_2, y_2, z_2)</math>間の距離は<math>\overline{\mathrm{AB}} = \sqrt{(x_1-x_2)^2+(y_1-y_2)^2+(z_1-z_2)^2}</math> である。
説明は省略する(座標平面上の距離は数学Ⅱ「図形と方程式」で、空間座標上の図形は[[高等学校数学A/数学と人間の活動#座標の考え方|数学A「数学と人間の活動」]]で詳しく習う)。
上記の距離の公式の計算練習も兼ねて、原点から空間内の点Pまでの距離も考えてみよう。
空間座標で、原点<math>\mathrm{O}</math>から点<math>\mathrm{P}(x_1, y_1, z_1)</math>までの距離は <math>\overline{\mathrm{OP}} = \sqrt{ x_1{}^2+y_1{}^2+z_1{}^2 }</math>である。
証明は、単に上記の2点間の距離の公式で、片方の点の位置を原点座標である <math> x_2 = 0 , y_2 = 0, z_2 =0 </math> と置いて公式に代入すれば良い。
===== 空間ベクトルの諸公式 =====
平面ベクトルで成り立った多くの公式や概念が、空間ベクトルでも成り立つ。(平面ベクトルの解説と同じような解説になるので、理解しているならば読み飛ばしてもいい。念のため、下記に公式を明示する。)
まず、いくつかの計算の、定義式を明示する。
空間ベクトルの加算、減算、および実数倍は、下記のように定義される。なお、下記の公式の内容は、単に、平面ベクトルの最後にz軸の成分が追加されただけである。
* <math>\vec a + \vec b = (a_x + b_x, a_y + b_y , a_z + b_z)</math>
* <math>\vec a - \vec b = (a_x-b_x, a_y-b_y , a_z - b_z)</math>
* <math>k\vec a = (k a_x , k a_y , k a_z)</math>
また、上記の公式の場合は(単にz軸を追加すれば空間ベクトルの公式になるため)、平面ベクトルで成り立った下記の性質は、空間ベクトルでも成り立つ。
任意の実数 <math>k,l</math> に対して、以下の性質が成り立つ。
* <math>(k+l)\vec a = k\vec a + l\vec a</math>
* <math>k(\vec a + \vec b) = k\vec a + k\vec b</math>
* <math>(kl)\vec a = k(l\vec a) = kl \vec{a}</math>
上記の証明は、成分をひとつひとつ計算すれば可能だが、しかし平面の場合と同じような公式が多いので、本wikiでは省略する。
なお、ベクトルの加算と減算について、基本的には同じ次元のベクトル同士でしか、加算、減算は出来ない。
つまり、計算できない例を挙げると、3次元の空間ベクトル <math>(a_x , a_y , a_z )</math> と 2次元の平面ベクトル <math>(b_ x, b_y )</math> をそのままの形で加算・減算しあう事は不可能である。
どうしても、図形の応用問題などで平面ベクトル(2次元)の計算結果を空間ベクトル(3次元)で使用したい場合は、たとえば <math>(b_ x, b_y , 0)</math> のように次元の不足しているほうのベクトルに、不足している座標軸に 0 などの適切な値を設定すれば良い(設定する値は問題ごとに異なる)。
ほか、3次元の零ベクトル <math>\vec 0 =(0, 0, 0)</math> や逆ベクトル <math> -\vec{a} = ( -a_x , - a_y , - a_z )</math> なども同様に、単に座標軸を1つ増やす方法で定義されるので、平面の場合と同じような下記の性質が成り立つ(証明は省略)。
* <math>\vec{a} + \vec{0} = \vec{a}</math>
* <math>\vec{a} + (-\vec{a}) = \vec{0}</math>
* <math>0 \cdot \vec{a} = \vec{0}</math>
内積も同様に定義できる。空間ベクトル同士の内積は、成分表示を用いれば、次の公式になる。(3次元の作図が難しいので、余弦定理との関係式の紹介よりも先に、成分表示の公式を紹介する)
<math>\vec a = (a_x,a_y,a_z), \vec b = (b_x, b_y, b_z )</math> と成分表示されるベクトル <math>\vec a </math>と <math>\vec b </math> があるとする。このとき、下記の公式が成り立つ。
* <math>\vec a \cdot \vec b = a_x b_x + a_y b_y + a_z b_z = \vec b \cdot \vec a </math>
また、ベクトルのなす角θも、平面ベクトルと同様に内積をもちいて算出できて、下記の式が成り立つ。
:<math>
\vec a \cdot\vec b
= |\vec a||\vec b| \cos \theta
</math>
ただし、三次元の作図は難しいので、本書では余弦定理の作図は省略する。作図は難しいが余弦定理そのものは空間ベクトルでも成り立つので、上記のθの公式が成り立つ。
3次元らしく見えるように、上述の成分表示から求める内積の公式と、なす角θの式を合わせれば、
:<math>
\vec a \cdot\vec b = a_x b_x + a_y b_y + a_z b_z
= |\vec a||\vec b| \cos \theta
</math>
のように書ける。文章題などで「なす角」θ を求めたい場合は、この式を活用すれば解ける場合が多い。
本書では、後述の単元でより詳しく空間ベクトルの公式や性質を説明しているので、今の単元ではこれ以上の深入りを省略する。今の段階では、平面ベクトルの性質の多くが空間ベクトルでも成り立つ事さえ、分かれば良い。
単位ベクトルや基本ベクトルの概念も、空間ベクトルでも存在する。なお、基本ベクトルとは、大きさ1のベクトルであり、さらに座標軸と平行のものである。
つまり、基本ベクトルとは、成分表示すれば、
<math> \vec e_x = (1 , 0 ,0) </math>
<math> \vec e_y = (0 , 1 ,0) </math>
<math> \vec e_z = (0 , 0 ,1) </math>
の3種類が存在する。このように、基本ベクトルは、単に平行な座標軸の成分だけが値が1で、他の軸の値は 0 とすれば良い。
なお、ある空間ベクトル <math> \vec a </math> の成分表示を、 <math> \vec a = (x , y , z) </math> のようにxyzで表すとは限らず、たとえば <math> \vec a = (a_1 , a_2 , a_3) </math> のように番号で書く場合もある。大学数学では、4次元以上のベクトルへの応用も考慮して、番号で書く場合の方が多い。
高校生向けの教材などでも、番号で書く書式の教材があるので、番号の書式にも慣れておくと良い。なお、座標軸の名前は、そのまま「x軸」「y軸」「z軸」のように呼び続ける(「1軸」「2軸」といった呼び方は存在しない)。 「xy平面」や「xyz空間」などの用語も、そのまま呼び続ける。
よく、基本ベクトルを番号の書式で書く事がある。それを紹介すると
:<math> \vec e_1 = (1 , 0 ,0) </math>
:<math> \vec e_2 = (0 , 1 ,0) </math>
:<math> \vec e_3 = (0 , 0 ,1) </math>
となる。このように、eの右下の番号と、左の成分から数えた1の位置が対応している。
[[高等学校数学B/数列|数列]]と同様に、ベクトルの成分を左から第1項、第2項、・・・と呼ぶ場合がある。それを用いれば、「<math>\vec{e}_k</math>は第k項に1という成分を持つ基本ベクトルである」といえる。なお、第n項まで存在するベクトルをn項(行/列)ベクトルと呼んだりする。
===== 球面の方程式 =====
ここでは、特に3次元空間の図形に注目する。
まずはベクトルを用いる前に3次元空間の空間図形を、数式によって記述する方法を考察する。
2次元空間において、もっとも簡単な図形は直線であり、その式は一般的に
:<math>
a x + by = c
</math>
で表わされた。
(<math>a</math>,<math>b</math>,<math>c</math>は任意の定数。)
ここで<math>x</math>,<math>y</math>は、2次元空間を代表する2つのパラメーターであり、3次元空間を用いたときには、これらは3つの文字で表わされることが期待される。
実際このような式で表わされる図形は、3次元空間でも基本的な図形である。つまり、
:<math>
a x + by + cz = d
</math>
が、上の式の類似物として得られる。
(<math>a</math>,<math>b</math>,<math>c</math>,<math>d</math>は任意の定数。)
このような図形はどんな図形に対応するだろうか?
実際にはこの図形を特徴づけるのは、後に学ぶ3次元ベクトルを用いるのがもっとも簡単であるので、これは後にまわすことにする。
しかし、ただ1つこの式から分かることは、3次元空間の座標を表わすパラメーター
:<math>
x,y,z
</math>
のうちに1つの関係
:<math>
f(x,y,z)=0
</math>
を与えることで、3次元空間上の図形を指定できるということである。この場合は、
:<math>
f(x,y,z) =a x + by + cz - d
</math>
を用いていた。
ベクトルを使わなくても図形的解釈が得られる式として、
:<math>
(x -a)^2 +
(y -b)^2 +
(z -c)^2
= r^2
</math>
が挙げられる。
(<math>a</math>,<math>b</math>,<math>c</math>,<math>r</math>は任意の定数。)
この式は、2次元でいうところの
:<math>
(x -a)^2 +
(y -b)^2 +
= r^2
</math>
の式の類似物である。2次元の場合はこの式は、
中心<math>
(a,b)
</math>半径<math>
r
</math>の円に対応していた。
3次元のこの式は、結論をいうと中心<math>
(a,b,c)
</math>半径<math>
r
</math>の円に対応しているのである。
*説明
上の式
:<math>
(x -a)^2 +
(y -b)^2 +
(z -c)^2
= r^2
</math>
を満たすある点<math>
(x,y,z)
</math>を取り、その点と点<math>
(a,b,c)
</math>との距離を考える。
空間座標に置ける<math>x</math>軸、
<math>y</math>軸、
<math>z</math>軸はそれぞれ直交しているので、2点の距離は3平方の定理を用いて
:<math>
\sqrt{ (x -a)^2 + (y -b)^2 + (z -c)^2 }
</math>
で与えられる。
しかし、上の式からここで選んだ点<math>
(x,y,z)
</math>は、条件
:<math>
(x -a)^2 +
(y -b)^2 +
(z -c)^2
= r^2
</math>
を満たしているので、2点の距離は
:<math>
\sqrt{ (x -a)^2 + (y -b)^2 + (z -c)^2 }
</math>
:<math>
= \sqrt{r^2}
</math>
:<math>
= r
</math>
である。
(<math>r>0</math>を用いた。)
よって、上の式を満たす点は全て点<math>
(a,b,c)
</math>からの距離が<math>
r
</math>である点であり、これは中心<math>
(a,b,c)
</math>半径<math>
r
</math>の円に他ならない。
{{演習問題|
中心
:<math>
(3,7,-2)
</math>
半径
:<math>
1
</math>
の球の式を求めよ。|:<math>
(x -a)^2 +
(y -b)^2 +
(z -c)^2
= r^2
</math>
に代入することで、
:<math>
(x -3)^2 +
(y -7)^2 +
(z +2)^2
= 1
</math>
が求められる。}}
{{演習問題|
:<math>
x ^ 2 + 2x + y ^ 2 - 8y + z ^ 2 + 6z - 9 = 0
</math>
がどのような
球に対応するか計算せよ。|このような数式が球に対応するとき、
:<math>
x^2,
y^2,
z^2
</math>
の係数は必ず等しくなくてはならない。そうでない場合はこの図形は楕円体に対応するのだが、これは指導要領の範囲外である。
ここでは上の式はその条件を満たしている。
ここでは、この式を
:<math>
(x -a)^2 +
(y -b)^2 +
(z -c)^2
= r^2
</math>
の形に持って行くことが重要である。
:<math>
x,y,z
</math>
のそれぞれについてこの式を平方完成すると、
:<math>
x ^ 2 + 2x + y ^ 2 - 8y + z ^ 2 + 6z - 9 = 0
</math>
:<math>
(x +1 ) ^2 - 1 + (y -4) ^2 -16 +(z +3)^2 -9 -9=0
</math>
:<math>
(x +1 ) ^2 + (y -4) ^2 +(z +3)^2 = 35
</math>
が得られる。よって、上の式
:<math>
x ^ 2 + 2x + y ^ 2 - 8y + z ^ 2 + 6z - 9 = 0
</math>
は、
中心
:<math>
(-1,4,-3)
</math>
、半径
:<math>
\sqrt{35}
</math>
の球に対応する。}}
=====空間におけるベクトル=====
次に3次元空間上におけるベクトルを考察する。
2次元空間上ではベクトルは2つの量の組み合わせで表わされた。
これは1つのベクトルはx軸方向に対応する量とy軸方向に対応する量の2つを持っている必要があったからである。
このことから、3次元空間のベクトルは3つの量の組み合わせで書けることが予想される。
特に<math>x</math>軸方向の成分<math>a</math>,
<math>y</math>軸方向の成分<math>b</math>,
<math>z</math>軸方向の成分<math>c</math>
(<math>a</math>,<math>b</math>,<math>c</math>は任意の定数。)
で表わされるベクトルを、
:<math>
(a,b,c)
</math>
と書いて表わすことにする。
2次元平面では
あるベクトル
:<math>
\vec a =(a,b)
</math>
は、
(<math>a</math>,<math>b</math>は任意の定数。)
2本の基本ベクトル
:<math>
\vec e _1 = (1,0)
</math>
:<math>
\vec e _2 = (0,1)
</math>
を用いて、
:<math>
\vec a = a\vec e _1 + b\vec e _2
</math>
で表わされた。
3次元空間でもこのような記述法があり、上で用いたベクトル
:<math>
\vec a = (a,b,c)
</math>
は、
3本の基本ベクトル
:<math>
\vec e _1 = (1,0,0)
</math>
:<math>
\vec e _2 = (0,1,0)
</math>
:<math>
\vec e _3 = (0,0,1)
</math>
を用いて
:<math>
\vec a = a \vec e _1 + b \vec e _2 + c\vec e _3
</math>
と表すことができる。
3次元ベクトルに対しても2次元ベクトルで定めた定義や性質がほぼそのまま成立する(一般のn次元でも)。
3次元ベクトルの加法は、それぞれのベクトル要素を独立に足し合わせることによって定義する。
:<math>
(x _1,y _1,z _1)+(x _2,y _2,z _2)
</math>
:<math>
=
(x _1+x _2,y _1+y _2,z _1+z _2)
</math>
また、それぞれのベクトルの要素が全て等しいベクトルを"ベクトルとして等しい(ベクトルの相等)"と表現する。
{{演習問題|
ベクトルの和
:<math>
(1,2,3)+(4,5,6)
</math>
を計算せよ。|:<math>
(1,2,3)+(4,5,6)
</math>
:<math>
=(1+4,2+5,3+6)
</math>
:<math>
=(5,7,9)
</math>
が得られる。}}
=====空間ベクトルの内積=====
ベクトル<math>\vec a</math>,<math>\vec b</math>間のベクトルの内積も平面の場合と同様に
:<math>
\vec a \cdot\vec b
= |\vec a||\vec b| \cos \theta
</math>
(<math>\theta</math>は、ベクトル<math>\vec a</math>,<math>\vec b</math>のなす角。)
分配法則や1次独立の性質もそのまま成り立つ。
ただし、3次元空間の全てのベクトルを張るには、3つの一次独立なベクトルを持って来る必要がある。
{{演習問題|
2つのベクトルの内積
:<math>
(1,2,3) \cdot
(4,5,6)
</math>
を計算せよ。|
2次元の場合と同じようにここでもそれぞれの要素は基本ベクトル
:<math>
\vec e _1\ ,\ \vec e _2\ ,\ \vec e _3
</math>
によって張られている。そのため以前と同じく要素ごとの計算が可能であり、
:<math>
(1,2,3) \cdot
(4,5,6)
</math>
:<math>
=1\times 4 + 2 \times 5 + 3 \times 6
</math>
:<math>
= 32
</math>
となる。
もうすこし細かく計算を行なうと、
:<math>
(1,2,3) \cdot
(4,5,6)
</math>
:<math>
=( \vec e _1
+2\vec e _2
+3\vec e _3)
\cdot
(4\vec e _1
+5\vec e _2
+6\vec e _3)
</math>
が得られる。それぞれのベクトルを
:<math>
(a+b+c)(x+y+z)
= (ax+ay+az + bx+by+bz+cx+cy+cz)
</math>
に従って展開し、
:<math>
\vec e _ i \cdot \vec e _j
</math>
(<math>i</math>,<math>j</math>は1,2,3のどれか。)
を代入することで上の式が計算できるはずである。
しかし、
<math>i</math>と<math>j</math>が等しくないときには
:<math>
\vec e _ i \cdot \vec e _j
</math>
:<math>
=0
</math>
が成り立つことから、上の展開した後の9個の項のうちで、6つは
:<math>
0
</math>
に等しい。
また、
<math>i</math>と<math>j</math>が等しいときには
:<math>
\vec e _ i \cdot \vec e _j
</math>
:<math>
=1
</math>
が成り立つことから、上の式
:<math>
=( \vec e _1
+2\vec e _2
+3\vec e _3)
\cdot
(4\vec e _1
+5\vec e _2
+6\vec e _3)
</math>
の展開は
:<math>
= 4 + 2 \times 5 + 3 \times 6
</math>
:<math>
= 32
</math>
となって確かに要素ごとの計算と一致する。}}
{{演習問題|
2次元空間のベクトルは2本の1次独立なベクトルがあれば、必ずそれらの線形結合によって計算できるはずである。
ここで、
:<math>
\vec a _1= (1,2)
</math>
と
:<math>
\vec a _2= (-5,3)
</math>
を用いて、
:<math>
\vec b = (10,7)
</math>
を、
:<math>
\vec b = c \vec a _1
+d \vec a _2
</math>
の形に書いてみよ。
(<math>c</math>,<math>d</math>は、何らかの定数。)|2次元のベクトルの係数を求める問題である。
<math>c</math>,<math>d</math>の文字をそのまま用いると、<math>c</math>,<math>d</math>の満たす条件は
:<math>
c(1,2) + d(-5,3)
= (10,7)
</math>
つまり
:<math>
(c-5d , 2c + 3d) =(10,7)
</math>
となる。これは
<math>c</math>,<math>d</math>に関する連立1次方程式で書き換えられる。
:<math>\begin{cases}
c -5d = 10\\
2c + 3d = 7
\end{cases}</math>
これを解くと、
:<math>
c = 5
</math>
:<math>
d = -1
</math>
が得られる。
よって、
上の式は
:<math>
5(1,2) -(-5,3)
= (10,7)
</math>
と書け、確かに2本の線形独立なベクトルによって他のベクトルが書き表されることが分かった。
*注意
このような計算は3次元ベクトルに対しても可能であるが、計算手法として行列を用いた3元1次連立方程式を扱う必要があり、数学C「ベクトル」の範囲外である。計算方法は[[高等学校数学C/数学的な表現の工夫#連立一次方程式|数学C「数学的な表現の工夫」]]を参照。}}
この表式を用いて、以前見た
:<math>
a x + by + cz = d
</math>
の図形的解釈を述べる。
この図形上の任意の点を<math>
(x,y,z)
</math>で表わす。
この点は原点Oに対する位置ベクトルを用いると<math>
(x,y,z)
</math>で与えられる。
便宜のために
このベクトルを<math>
\vec x
</math>と書くことにする。
一方、ベクトル<math>
\vec a = (a,b,c)
</math>を用いると、上の式はベクトルの内積を用いて<math>
\vec a \cdot \vec x = d
</math>で与えられる。
つまり、この式で表わされる図形はあるベクトル
<math>
\vec a
</math>
との内積を一定に保つ図形である。
この図形は、実際には
<math>
\vec a
</math>
に直交する平面で与えられる。
なぜならこのような平面上の点は、必ず平面上のある一点の位置ベクトルに加えて、
ベクトル
<math>
\vec a
</math>
に直交するベクトルを加えたもので書くことが出来る。
しかし、
ベクトル
<math>
\vec a
</math>
に直交するベクトルと
ベクトル
<math>
\vec a
</math>
の内積は必ず0であるので、
このような点の集合は
ベクトル
<math>
\vec a
</math>
と一定の内積を持つのである。
よって元の式
:<math>
a x + by + cz = d
</math>
は、
ベクトル<math>
\vec a =(a,b,c)
</math>に直交する平面に対応することが分かった。
次に<math>d</math>が、図形が表わす平面と、原点との距離に関係があることを示す。
特に、ベクトル<math>
\vec a
</math>に比例する位置ベクトルを持つ点<math>
\vec x
</math>を考える。このときこの点と原点との距離は、
平面
:<math>
a x + by + cz = d
</math>
と原点との距離に対応する。
なぜなら、位置ベクトル<math>
\vec x
</math>は、原点から平面
:<math>
a x + by + cz = d
</math>
に垂直に下ろした線に対応するからである。
このことから仮に<math>
\vec a
</math>方向の単位ベクトルを<math>
\vec n
</math>と書き、平面と原点との距離を<math>
m
</math>と書くと、<math>
\vec x = m \vec n
</math>が得られる。
この式を
:<math>
\vec a \cdot \vec x = d
</math>
に代入すると、
:<math>
\vec a \cdot m\vec n = d
</math>
:<math>
m|\vec a| = d
</math>
が得られる。よって、<math>
d
</math>は、
平面と原点の距離<math>
m
</math>とベクトル<math>
\vec a
</math>の大きさをかけたものである。
<!-- 上では割合一般的に3次元の平面を扱ったがこれは -->
<!-- 少し難しい内容であった。実際の指導要領ではもう少し -->
<!-- 簡単な内容を -->
{{演習問題|
特にベクトル
:<math>
\vec a = (0,0,1)
</math>
を取ると、どのような式が得られて、その式は
どのような図形に対応するか。|このとき
:<math>
\vec a \cdot \vec x = d
</math>
は、
:<math>
(0,0,1)\cdot (x,y,z) = d
</math>
:<math>
z =d
</math>
に対応する。
この式は<math>z</math>座標が<math>d</math>に対応し、それ以外の<math>x</math>,<math>y</math>座標を任意に動かした
平面に対応しているが、これは
<math>xy</math>平面に平行であり、
<math>xy</math>平面からの距離が<math>d</math>である平面である。
また、<math>xy</math>平面とベクトル
:<math>
\vec a = (0,0,1)
</math>
は直交しているので、そのことからもこの式は正しい。}}
:答
:: <math>xy</math>平面に平行であり、<math>xy</math>平面からの距離が<math>d</math>である平面。
== 発展:外積 ==
外積は高校数学範囲外で入試には出ないが、外積は数学や物理などに応用でき、便利なのでここで扱う。
三次元ベクトル <math>\vec a ,\, \vec b</math> に対し、外積 <math>\vec a \times \vec b</math> を次を満たすものとする。
# <math>\vec a \times \vec b</math> は <math>\vec a ,\, \vec b</math> それぞれと垂直<ref>数式で表すと <math>\vec a \times \vec b \perp \vec a </math> かつ <math>\vec a \times \vec b \perp \vec b </math></ref>
# フレミングの左手の法則の格好をする。このとき、中指を <math>\vec a</math> 、人差し指を <math>\vec b</math> 、としたとき、<math>\vec a \times \vec b</math> は親指の方向である。
# ベクトル <math>\vec a ,\, \vec b</math> のなす角を <math>\theta</math> とする。<math>|\vec a \times \vec b| = |\vec a ||\vec b|
\sin\theta</math><ref><math>|\vec a ||\vec b|
\sin\theta</math> はベクトル <math>\vec a ,\, \vec b</math> の作る平行四辺形の面積に等しい。</ref>
[[ファイル:Cross product parallelogram.svg|サムネイル|外積の方向を表した図。上の→記号がないが、これはベクトルである。]]
次に外積の成分表示を考えてみよう。この定義から成分表示を直接導くのは面倒なので、天下り的に成分表示を与えてから、それが外積の定義を満たすことを確認する。
<math>\vec a = \begin{pmatrix} a_1 \\ a_2 \\ a_3 \end{pmatrix}</math> 、<math>\vec b = \begin{pmatrix} b_1 \\ b_2 \\ b_3 \end{pmatrix}</math> としたとき、<math>\vec a \times \vec b = \begin{pmatrix} a_2b_3 - a_3b_2 \\ a_3b_1 - a_1b_3 \\ a_1b_2 - a_2b_1 \end{pmatrix}</math> である。
まずは、<math>\vec a \times \vec b</math> は <math>\vec a ,\, \vec b</math> それぞれと垂直であることを確認する。これは、<math>(\vec a \times \vec b) \cdot \vec a = 0</math> と <math>(\vec a \times \vec b) \cdot \vec b = 0</math> であることを成分表示を代入すれば証明できる。
次に、 <math>|\vec a \times \vec b| = |\vec a ||\vec b|
\sin\theta</math> を証明する。<math>|\vec a \times \vec b|^2 = |\vec a |^2|\vec b|^2
\sin^2\theta = \vec | a |^2|\vec b|^2
(1-\cos^2\theta)</math> 。ここで、 <math>\cos^2 \theta = \frac{(\vec a \cdot \vec b)^2}{|\vec a|^2|\vec b|^2}</math> を代入し、<math>|\vec a \times \vec b|^2 = \vec |a |^2|\vec b|^2
-(\vec a \cdot \vec b)^2</math> を得る。この式に、成分表示を代入すれば、両辺が等しいことが確認できる。
最後に、フレミングの左手の法則で <math>\vec a \times \vec b</math> は親指の方向であることを確認する。
<math>\vec a = \begin{pmatrix} 1 \\ 0 \\ 0\end{pmatrix}</math>、 <math>\vec b = \begin{pmatrix} 0 \\ 1 \\ 0 \end{pmatrix}</math> のとき、<math>\vec a \times \vec b = \begin{pmatrix} 0\\ 0 \\ 1 \end{pmatrix}</math> である。これより、二番目の性質も確認できた。
'''外積の応用'''
2つのベクトルに垂直なベクトルを求めたいときなどは、外積の成分表示から計算すれば、面倒な計算をしなくても求められる。
四面体 <math> \mathrm{OABC}</math> の体積は <math> \frac 1 6 |(\vec \mathrm{OA} \times \vec \mathrm{OB})\cdot \vec \mathrm{OC} | </math>
である。
実際、 <math> \frac 1 6 |(\vec \mathrm{OA} \times \vec \mathrm{OB})\cdot \vec \mathrm{OC} | = \frac 1 3 \left|\frac 1 2 \vec \mathrm{OA} \times \vec \mathrm{OB}\right||h|</math>である。ただし、 h はΔABCを底面としたときの四面体の高さである。
また、物理学に於いて[[高等学校物理/力学#剛体のつり合い|力学のモーメント]]、[[高校物理 電磁気学#ローレンツ力|電磁気学のローレンツ力]]は外積を使うとそれぞれ<math>\vec{N}=\vec{r}\times\vec{F}</math>、<math>\vec F = q(\vec v \times \vec B)</math> と簡潔に表せる。
外積は行列を用いて表記できる。具体的には[[高等学校数学C/数学的な表現の工夫#行列式|こちら]]を参照。
'''覚え方'''
図のように要素をかけ合わせる。
[[ファイル:Cross product mnemonic a b.svg|フレームなし]]
== コラムなど ==
{{コラム|ベクトルの理論の歴史|2=[[File:WilliamRowanHamilton.jpeg|thumb|ハミルトン]]
複素数とベクトルの理論はそれぞれ独立した理論として教えられているが、歴史的にはハミルトンによって複素数を拡張した四元数が発見され、四元数を元にギブスなどによってベクトルが発見された。
[[多元数/四元数|四元数]]は、
:a + bi + cj + dk (a,b,c,dは実数)
のように、実数と3つの虚数単位i,j,kをもちいて表される数である。
ここで、i,j,k は i^2=-1, j^2=-1, k^2=-1 を満たす数で、i,j,k は互いに異なる。
実数の単位1個に加えて、さらに3つの単位 i, j, k をもっているので、合計で4個の単位があるので四元数といわれるわけである。
さて、ハミルトンによる四元数の発見後、さらに研究が進むと、図形や物理学などの問題を解く際には 2乗して-1になる性質はほとんどの空間・立体(3次元の図形)の問題を解く応用の場合には不要であることが分かり、学校教育の場ではベクトルと複素数を別々に教えるようになったわけである。
そして、四元数の公式のうち、ベクトルでも類似の公式が成り立つ場合には、その四元数の公式がベクトル用に改良されてベクトルの公式として輸入されたので、結果的にハミルトンはベクトルの公式の発見者としても紹介されることになった。
また、四元数は現代では3DCGなどの分野で応用されている。}}
{{コラム|五心の位置ベクトル・オイラー線|
<math>\Delta ABC</math>の五心の位置ベクトルはそれぞれ以下のように表される。ただし、各頂点の位置ベクトルを<math>\vec{a}, \vec{b}, \vec{c}</math>とし、面積を<math>S</math>とおく。
*内心
:<math>\vec{i} = \frac{(\sin A) \vec{a} + (\sin B) \vec{b} + (\sin C) \vec{c}}{\sin A + \sin B + \sin C}</math>
:<math>= \frac{a \vec{a} + b \vec{b} + c \vec{c}}{a+b+c}</math>
*外心
:<math>\vec{o} = \frac{(\sin 2A) \vec{a} + (\sin 2B) \vec{b} + (\sin 2C) \vec{c}}{\sin 2A + \sin 2B + \sin 2C}</math>
:<math>= \frac{a^2(b^2+c^2-a^2) \vec{a} + b^2(c^2+a^2-b^2) \vec{b} + c^2(a^2+b^2-c^2) \vec{c}}{a^2(b^2+c^2-a^2) + b^2(c^2+a^2-b^2) + c^2(a^2+b^2-c^2)}</math>
:<math>= \frac{a^2(b^2+c^2-a^2) \vec{a} + b^2(c^2+a^2-b^2) \vec{b} + c^2(a^2+b^2-c^2) \vec{c}}{16S^2}</math>
*重心
:<math>\vec{g} = \frac{\vec{a} + \vec{b} + \vec{c}}{3}</math>
*垂心
:<math>\vec{h} = \frac{(\tan A) \vec{a} + (\tan B) \vec{b} + (\tan C) \vec{c}}{\tan A + \tan B + \tan C}</math>
:<math>= \frac{ \{a^4-(b^2-c^2)^2\} \vec{a} + \{b^4-(c^2-a^2)^2 \} \vec{b} + \{c^4-(a^2-b^2)^2\} \vec{c} }{a^4-(b^2-c^2)^2+b^4-(c^2-a^2)^2+c^4-(a^2-b^2)^2}</math>
:<math>= \frac{ \{a^4-(b^2-c^2)^2\} \vec{a} + \{b^4-(c^2-a^2)^2 \} \vec{b} + \{c^4-(a^2-b^2)^2\} \vec{c} }{16S^2}</math>
*傍心
:<math>\vec{j_A} = \frac{(-\sin A) \vec{a} + (\sin B) \vec{b} + (\sin C) \vec{c}}{-\sin A + \sin B + \sin C}</math>
:<math>= \frac{-a \vec{a} + b \vec{b} + c \vec{c}}{-a+b+c}</math>
:<math>\vec{j_B} = \frac{(\sin A) \vec{a} - (\sin B) \vec{b} + (\sin C) \vec{c}}{\sin A - \sin B + \sin C}</math>
:<math>= \frac{a \vec{a} - b \vec{b} + c \vec{c}}{a-b+c}</math>
:<math>\vec{j_C} = \frac{(\sin A) \vec{a} + (\sin B) \vec{b} - (\sin C) \vec{c}}{\sin A + \sin B - \sin C}</math>
:<math>= \frac{a \vec{a} + b \vec{b} - c \vec{c}}{a+b-c}</math>
これらの式を見ると、全て<math>\vec{p} = \frac{w_A \vec{a} + w_B \vec{b} + w_C \vec{c}}{w_A+w_B+w_C}</math>の形('''加重平均''')となっていることがわかる。
外心と垂心の分母が一致していることに注目すると、以下の定理を見つけられる。
:<math>\vec{g} = \frac{2\vec{o} + \vec{h}}{3}</math>
この式から、重心は外心と垂心を結んだ線分を1:2に内分することがわかる。すなわち、'''重心・外心・垂心は必ず一直線上に存在する'''ことが言える。この直線を'''オイラー線'''という。
}}
== 脚注 ==
<references/>
{{DEFAULTSORT:こうとうかつこうすうかくC へくとる}}
[[Category:高等学校数学C|へくとる]]
[[カテゴリ:ベクトル]]
s1z7gu6svq6he9nflp08ipwpyowsjgs
物理数学I ベクトル解析
0
2603
299068
299064
2026-05-03T12:15:29Z
Tomzo
248
[[Special:Contributions/Tkkn46tkkn46|Tkkn46tkkn46]] ([[User talk:Tkkn46tkkn46|会話]]) による編集を取り消し、Nermer314 による直前の版へ差し戻す
295086
wikitext
text/x-wiki
<small> [[物理数学I]] > ベクトル解析</small>
==ベクトル解析==
ここでは、ベクトル解析に就て解説を行なう。[[解析学基礎/ベクトル解析]]も参照。
ベクトル解析は、主に多変数関数の微積分と関連しているが、
特にそれらのうちには計算自体に明確な物理的意味を
持つものがいくつか見られる。歴史的にもこの分野は
数学と物理の間のフィードバックを通して発展して来た。
<!-- 現代では数学と物理の間は広がってしまっているが、 -->
そのため、計算においては物理的な意味を強調していきたい。
また、特にいくつかの定理は数学的に厳密な証明をすることが
難しい。その様なときには常識的に古典的な物理学の範囲で
起こる現象で適用できる程度に、一般的に
書くことにしたいと思う。
また、現代的にはこの分野は微分形式を用いて書かれることが多いが、
ここではまず最初に古典的な計算法を扱う。
これは、特に物理を専攻としない学習者に配慮するためである。
例えば、電気技術者や機械技術者もベクトル解析は依然として学ばねば
ならず、彼らに取っては微分形式の理論はそれほど有用とはいえないものと
思われる。
ベクトル解析の理論は特に電磁気学と関連が深いが、これらの結果は
流体力学や量子力学など、様々な分野で登場する物理の根幹を成す計算法であり、
学習者は十分これらの手法に習熟することが求められる。
なお、ベクトル自体の性質に就ては[[線型代数学/ベクトル]]を参照していただきたい。
===ベクトル関数の定義===
====ベクトル関数の定義====
例えば3次元ベクトルで
:<math>
\vec r=(x,y,z)
</math>
とするとき、ある変数tに就て
x,y,z が、
:<math>
(x,y,z)=(x(t),y(t),z(t))
</math>
で表わされるとき、
:<math>
\vec r
</math>
を、ベクトル関数と呼ぶ。
これは、tを時間と見做すときにはある3次元空間中を
物体が動いて行く軌跡と見なすことが出来る。
例えば、
:<math>
x= t, y=0,z=0
</math>
という軌跡を与えたとき、この値は
物体がxの方向に速度1で等速直線運動しているものとみなすことが
できる。
但し、この定義自体は3次元にとどまらず容易にn次元に拡張することが
出来る。
例えば、
:<math>
(x_1,x_2,\cdots ,x_n)=(x_1(t),x_2(t),\cdots ,x_n(t))
</math>
のようにn次元のベクトルを取ったときに、そのうちの各要素が
ある独立変数tだけに依存すると考えることが出来るとき
これは、n次元空間の中の物体の軌跡と考えることが出来る。
====ベクトルの微分====
ここでは、ベクトルの微分を定義する。
例えば、1次元においては、物体の速度は
:<math>
\dot x=\frac {x(t+dt) - x(t)}{dt}
</math>
で与えられた。この値はある時間における物体の
位置の変化率という直接的な物理的意味を持っている。
これらの自然な拡張として一般的な次元において、
:<math>
\dot r=\frac {\vec r(t+dt) - \vec r(t)}{dt}
</math>
によって、ベクトルの微分を定義する。
例えば、1次元空間に限ったときにはこの結果は上の式と一致することが分かる。
このことによって、例えば
:<math>
(x,y)=(x(t), y(t))
</math>
という2次元ベクトルを取ったとき、
物体の速度のx方向成分は
:<math>
\dot x=\frac {x(t+dt) - x(t)}{dt}
</math>
によって与えられ、物体の位置のx方向成分のみによることが示唆される。
同様に
物体の速度のy方向成分は
物体の位置のy方向成分のみによっている。
このことは一見当然のように思えるが、実際にはそうではなく
我々が用いている座標系によっている。
例えば、2次元の極座標を用いてみると、
:<math>
\vec x=x \vec e_x + y \vec e_y=r \vec e_r
</math>
と書けるが、
この式を正しく微分すると、
:<math>
\vec v=\dot r \vec e_r + r \dot \theta \vec e_\theta
</math>
が得られ、速度の<math>\theta</math>成分は、物体のr成分にも依存している。
このことは、直接的には<math>\vec e_r, \vec{e}_\theta</math>自身が時間依存性を持っていることを示す。
実際に、<math>\vec{e}_r=\cos\theta \vec{e}_x + \sin\theta\vec{e}_y, \vec{e}_\theta=-\sin\theta\vec{e}_x + \cos\theta \vec{e}_y</math>且つ<math>\theta</math>は時間の関数<math>\theta(t)</math>なので、この正規直交基底は時間依存である。
我々が通常用いる(x,y,z)という座標系は
通常直交座標系と呼ばれるが、(デカルト座標系と呼ばれることも多い。)
これらの座標軸の方向は時間的に変わることが無いので、
微分の性質が非常に簡単になっている。
しかし、実際にある物体の動きを記述するとき、直交座標系を用いるより、
その動きに特徴的な量をパラメーターとして用いた方が記述が簡明になることがある。例えば、太陽の周りを円運動する惑星の動きを記述するとき、極座標を用いることで最も簡便となる。
この様に運動の種類によって用いるべき座標系が変わって来るため、それぞれの間の緒量の変化則ち微積分の性質を調べることが重要になる。
====関数の勾配====
ここまでで一般的な微分の方法を見た。
ここでは、特に物理的に重要なベクトルの作り方を
見る。
3次元空間上に位置の関数<math>f(x, y, z)</math>
があるものとする。
このとき、
:<math>
\mathrm{grad} f=\begin{pmatrix} \frac{\partial{f}}{\partial{x}} \\ \frac{\partial{f}}{\partial{y}} \\ \frac{\partial{f}}{\partial{z}}\end{pmatrix}
</math>
を<math>f</math>の勾配と呼ぶ。
また、同様にしてn次元では
:<math>
\mathrm{grad} f(x_1, \cdots , x_n)=\begin{pmatrix} \frac{\partial{f}}{\partial{x_1}} \\ \vdots \\ \frac{\partial{f}}{\partial{x_n}} \end{pmatrix}
</math>
によって定義される。
ここで、勾配はこの式の意味によって付けられた名前である。
例えば、
:<math>y= z=0</math>
に限ってこの式を書いてみる。
このとき
:<math>\mathrm{grad} f=\begin{pmatrix} \frac{\partial{f}}{\partial{x}} \\ 0 \\ 0 \end{pmatrix}</math>
となるが、これはこの関数fのx方向の傾きに等しい。
つまり、この式は傾きを求める式の複数の方向を用いた場合への一般化と
なっている。
より一般的な例として2次元の場合の
例を考えてみる。ここでは
:<math>f(x,y)=x^2 + y^2</math>
とおく。
このときこの式の勾配は簡単に計算でき、
:<math>\mathrm{grad} f=\begin{pmatrix} 2x \\ 2y \end{pmatrix}</math>
となる。
例えば、この式を
:<math>x=a(= \mathrm{const}.), y=0</math>
に就て考えてみる。
このとき、勾配ベクトルは
:<math>\mathrm{grad} f=\begin{pmatrix} 2a \\ 0 \end{pmatrix}</math>
となるが、これの符号はxの符号に依存する。
つまり、この式はこの関数のx座標軸上で見たときに、
x=0で極小値となる擂鉢形のグラフとなっており、更に
原点から離れれば離れるほどグラフの傾きが増すことを示唆している。
実際この式を数値的にプロットすると、この主張が確かめられる。
*TODO
プロットを作製。
次に、この式を
:<math>x=0, y=b(=\mathrm{const}.)</math>
に就て考えてみる。
このときにも全く同じ主張が出来、y方向に見ても
このグラフは擂鉢状になっている。
また、この式を
:<math>x=y=\frac c {\sqrt 2}</math>
に就て考えてみる。このときには
:<math>\mathrm{grad} f=2 \begin{pmatrix} \frac c {\sqrt 2} \\ \frac c {\sqrt 2} \end{pmatrix}</math>
が得られ、この点では勾配はx軸から<math>\frac{\pi}{4}</math>の方向を向いていることが分かる。
一般に勾配ベクトルは関数fが最も大きな傾きで増加する方向を
向いており、その絶対値はその点でそちらへの微分を取った値に等しい。
また、ある点でのある方向への微分(方向微分)を求めたいときには、
求めたい方向の単位ベクトルを
:<math>\vec n</math>
として
:<math>\mathrm{grad} f \cdot \vec {n}</math>
で求まる。
*説明
勾配の計算では、全ての独立変数に対する微分を求めており、
これらの微分を組み合わせることであらゆる方向への微分を
作ることが出来ることが期待される。
微分の最も低いオーダーでは、それぞれの方向への微分は
それぞれの方向の単位ベクトルにそちらの方向への微分の大きさを
かけたものに等しいので、ある方向に対する微分を
計算するにはそれらを適切な方向への重みをつけて足し合わせることが
求められる。このとき、ある方向に対する単位ベクトルと
ある軸の方向に対する単位ベクトルは、2つの方向の重みを表わしていると
考えられるので、確かにこの値は、そちらの方向への微分となっている。
例えば、
:<math>x=a,y=0</math>
でのy方向の傾きは、
:<math>\mathrm{grad} f \cdot \vec {n}= \begin{pmatrix} 2a \\ 0 \end{pmatrix} \cdot \begin{pmatrix} 0 \\ 1 \end{pmatrix}=0</math>
となるが、
これは、この関数の等高線が円形になっていることを考えると
確かにこの点ではy方向の傾きは0になっていなくてはいけない。
====ベクトルの発散====
次には逆にあるベクトルを取ったとき、
あるスカラー量を作りだす計算を導入する。
後に示される通り、この量はある点から流れ出す
粒子や場の束の和という物理的意味を持っており、
電磁気学や流体力学で頻繁に用いられる。
実際前者では磁束や電束に就ての計算に用いられ、
後者では流体中の湧出や吸い込みなどのまわりで
流体の性質を表わすベクトルがnon-zeroになることが
知られている。
あるベクトル関数
:<math>\vec a</math>
があるとき、
:<math>\mathrm{div} \vec a=\frac{\partial{a_x}}{\partial{x}} +\frac{\partial{a_y}}{\partial{y}} + \frac{\partial{a_z}}{\partial{z}}</math>
を、<math>\vec a</math>の発散と呼ぶ。
また、この量もn次元で定義することが出来、そのときの定義は、
:<math>\mathrm{div} \vec a= \sum_{i} \frac{\partial{a_{i}}}{\partial{x_i}}</math>
で与えられる。
但し <math>a_i</math> は<math>\vec a</math> の第i成分である。
この式の物理的意味は上で述べた通りだが、そのことの導出は
ガウスの定理の導出によって与えられるため、ここでは扱わない。
====ベクトルの回転====
ここでもう1つ、物理的に重要な演算を導入する。
この量も電磁気学や流体力学で使われており、ある経路に沿って積分した値がその経路の中のある量の積分によって与えられるという定理である。
実際には電磁気学では古典的にある回路を突き抜ける磁束の時間変化が、その回路内に電流を引き起こすことがレンツの法則として知られている。この法則は、このようなベクトルの演算によって上手く記述される現象の例である。
流体力学では、この量は流体中に巻き起こる渦に対応している。
つまり、渦が流れるルートに沿って、流体の速度を積分していけば0でない値が得られることが期待される。一方、そうでない場合この値は全ての寄与が打ち消し合い、0になると思われる。つまり、この量を用いることで、流体中の渦を記述する方法が得られるわけである。
但し、実際には流体の運動を考えるときには渦が一切発生しないとした方が計算が簡単になることも多い。このような流れは渦無しの流れと呼ばれ、その性質はよく知られている。
ここからはベクトルの回転の定義を述べる。
あるベクトル関数
:<math>\vec a</math>
があるとき、
:<math>\mathrm{rot} \vec a=
\begin{pmatrix}\frac{\partial{a_z}}{\partial{y}} -\frac{\partial{a_y}}{\partial{z}}\\ \frac{\partial{a_x}}{\partial{z}} -\frac{\partial{a_z}}{\partial{x}}
\\ \frac{\partial{a_y}}{\partial{x}} -\frac{\partial{a_x}}{\partial{y}} \end{pmatrix} = \begin{vmatrix} \vec e_x & \vec e_y & \vec e_z \\ \frac{\partial}{\partial{x}} & \frac{\partial}{\partial{y}}& \frac{\partial}{\partial{y}} \\ a_1 & a_2 & a_3 \end{vmatrix}</math>
を
:<math>\vec a</math>
の回転と呼ぶ。
=== 記法 ===
場の量 <math>f(t, \boldsymbol r)</math> は時間 <math>t</math> と位置 <math>\boldsymbol r</math> に関する量だが、混乱の虞れがないときは変数を省略して <math>f</math> のように書く。ベクトルの量は <math>\boldsymbol E, \boldsymbol B</math> のように太字で書く。また、ベクトル量の大きさを同じ文字で <math>E,B</math> のように書く。例えば、<math>E^2=|\boldsymbol E|^2</math> である。
ベクトル量による微分は、ベクトル量の各々の成分による偏微分で作られるベクトルのことである。
例えば、 <math>\frac{\partial A}{\partial \boldsymbol r}</math> は(<math>\boldsymbol{r}</math>の各方向単位ベクトルが直交基底であるとき)勾配に等しい。
また、
<math>\frac{\partial A}{\partial \boldsymbol v}=\begin{pmatrix} \frac{\partial A}{\partial v_x} \\ \frac{\partial A}{\partial v_y} \\ \frac{\partial A}{\partial v_z} \end{pmatrix}</math>
この記法は[[解析力学]]で必要となるが、そのとき<math>\boldsymbol r, \boldsymbol v</math> は独立であるとして扱われる。
場の量 <math>A(t,\boldsymbol r)</math> に就て、ある粒子の軌跡 <math>\boldsymbol r_a</math> に沿った <math>A</math> の変化
:<math>\frac{dA(t,\boldsymbol r_a(t))}{dt}</math>
は、
:<math>\frac{dA(t,\boldsymbol r_a(t))}{dt}=\frac{\partial A} {\partial t} + \frac{d\boldsymbol r_a}{dt} \cdot \frac{\partial A(t,\boldsymbol r)}{\partial \boldsymbol r}</math>
である。物理では、態々 <math>\boldsymbol r_a</math>と記号を新しく導入することをせずに
:<math>\frac{dA}{dt}=\frac{\partial A} {\partial t} + \frac{d \boldsymbol r}{dt} \cdot \frac{\partial A}{\partial \boldsymbol r}</math>
と書く。右辺の第一項は場の時間変化、第二項は粒子の移動による場の変化に対応している。<math>\frac{dA}{dt}</math> を完全導関数、<math>\frac{\partial A}{\partial t}, \frac{\partial A}{\partial \boldsymbol r}</math> を偏導関数といい区別する。なお、完全導関数は両辺に<math>dt</math>を掛ければ完全微分の表記に一致する。
また、例えば、関数 <math>U(x,y,z)=\frac{\alpha}{\sqrt{x^2+y^2+z^2}}</math> は極座標では、<math>U'(r,\theta,\varphi)=\frac{\alpha}{r}</math> である。<math>U,U'</math> は数学的に異なる関数であるが、物理では座標系による関数の違いを書き分けることはほとんどない。つまり、<math>U'</math>もそのまま <math>U</math> と書くことになる。
== ベクトル解析の公式 ==
ここでは、ベクトル解析の公式を証明する。これらの公式はベクトルを成分表示して単純に計算することでも証明できるが、この方法ではあまりにも煩雑になってしまうためレヴィ・チヴィタ記号を導入して証明する。
=== クロネッカーのデルタ ===
クロネッカーのデルタ <math>\delta_{ij}</math>を
{{式番号|<math>\delta_{ij}=\begin{cases} 1 & i=j\\ 0 & i \ne j\end{cases}</math>|1}}
で定義する。
=== レヴィ・チヴィタ記号 ===
レヴィ・チヴィタ記号 <math>\varepsilon_{ijk}</math> を
{{式番号|<math>\varepsilon_{ijk}=\begin{cases}
1 & \, (i, j, k)=(1, 2, 3), (2, 3, 1), (3, 1, 2) \\
-1 & \, (i, j, k)=(1, 3, 2), (3, 2, 1), (2, 1, 3) \\
0 & \mathrm{otherwise}
\end{cases}</math>|2}}
と定義する。則ち、置換 <math>\sigma=\begin{pmatrix}
1 & 2 & 3 \\
i & j & k \end{pmatrix}</math> (但し <math>i,j,k</math> は互いに異なる)が偶置換のとき、<math>\varepsilon_{ijk}=1</math>、奇置換のとき<math>\varepsilon_{ijk}=-1</math> である。また、レヴィ・チヴィタ記号 <math>\varepsilon_{ijk}</math> は <math>\varepsilon_{123}=1</math> であり、2つの添字を入れ替えると -1 倍される(反対称)もの (e.g. <math>\varepsilon_{213}=-\varepsilon_{123}=-1 ,\,\varepsilon_{231}=-\varepsilon_{213}=1 </math>)と理解できる。添字に同じ数字があるときはレヴィ・チヴィタ記号は 0 である(e.g. <math>\varepsilon_{111}=0,\,\varepsilon_{322}=0</math>)。
基本ベクトル <math>\boldsymbol e_i</math> を <math>\boldsymbol e_i=\begin{pmatrix} \delta_{1i} \\ \delta_{2i} \\ \delta_{3i} \end{pmatrix}</math> とする。則ち、<math>\boldsymbol e_1=\begin{pmatrix} 1 \\ 0 \\ 0 \end{pmatrix},\boldsymbol e_2=\begin{pmatrix} 0 \\ 1 \\ 0 \end{pmatrix},\boldsymbol e_3=\begin{pmatrix} 0 \\ 0 \\ 1 \end{pmatrix}</math> である。
空間偏微分作用素 <math>\nabla =
\begin{pmatrix}
\frac{\partial}{\partial x} \\
\frac{\partial}{\partial y} \\
\frac{\partial}{\partial z}
\end{pmatrix}</math> をナブラという。これは記号的な表記である。ナブラを通常のベクトル量と同じように扱うと、勾配・発散・回転は簡単に
:<math>\mathrm{grad } f=\nabla f</math>
:<math>\mathrm{div} \vec a=\nabla \cdot \vec a</math>
:<math>\mathrm{rot} \vec a=\nabla \times \vec a</math>
と書くことが出来る。
<!-- デルタ(U+394)ではなく増分記号(U+2206)である。 --><math> \text{∆} := \nabla \cdot \nabla=\frac{\partial^2}{\partial x^2} + \frac{\partial^2}{\partial y^2} + \frac{\partial^2}{\partial z^2}
</math> をラプラシアンという。スカラー関数 <math> f
</math> に就て <math> \text{∆} f =\frac{\partial^2f}{\partial x^2} + \frac{\partial^2f}{\partial y^2} + \frac{\partial^2f}{\partial z^2}
</math> であり、ベクトル関数 <math> \boldsymbol A
</math> に就て <math> \text{∆} \boldsymbol A=\begin{pmatrix}
\frac{\partial^2A_x}{\partial x^2} + \frac{\partial^2A_x}{\partial y^2} + \frac{\partial^2A_x}{\partial z^2} \\
\frac{\partial^2A_y}{\partial x^2} + \frac{\partial^2A_y}{\partial y^2} + \frac{\partial^2A_y}{\partial z^2} \\
\frac{\partial^2A_z}{\partial x^2} + \frac{\partial^2A_z}{\partial y^2} + \frac{\partial^2A_z}{\partial z^2}
\end{pmatrix}
</math> である。
以下では、簡単のためにベクトル <math>\boldsymbol A</math>の <math>x</math> 成分 <math>A_x</math> を <math>A_1</math>、 <math>y</math> 成分 <math>A_y</math> を <math>A_2</math>、 <math>z</math> 成分 <math>A_z</math> を <math>A_3</math> と書く。偏微分に就ても <math>\frac{\partial}{\partial x}=\partial_x=\partial_1</math> などとする。ベクトル <math>\boldsymbol A</math> の 第i成分 <math>A_i</math> を <math>[\boldsymbol A]_i</math> と書く。また、アインシュタインの縮約記法を採用する。これは同じ項の中に同じ添字が2つ存在したらその添字に就ての総和を取るというものである。例えば、
<math>A_iB_i=\sum_{i=1}^3 A_iB_i</math>
である。
ベクトルの外積 <math>\boldsymbol A \times \boldsymbol B</math> の第i成分 <math>[\boldsymbol A \times \boldsymbol B]_i</math> は
<math>[\boldsymbol A \times \boldsymbol B]_i=\varepsilon_{ijk}A_jB_k</math>
と書ける。
実際に、展開して確認すると、
<math>\begin{align}\varepsilon_{1jk}A_jB_k
&= \varepsilon_{123}A_2B_3 + \varepsilon_{132}A_3B_2 \\
&= A_2B_3 - A_3B_2 \\
&= [\boldsymbol A \times \boldsymbol B]_1
\end{align}</math>
<math>\begin{align}\varepsilon_{2jk}A_jB_k
&= \varepsilon_{213}A_1B_3 + \varepsilon_{231}A_3B_1 \\
&= A_3B_1 - A_1B_3 \\
&= [\boldsymbol A \times \boldsymbol B]_2
\end{align}</math>
<math>\begin{align}\varepsilon_{3jk}A_jB_k
&= \varepsilon_{312}A_1B_2 + \varepsilon_{321}A_2B_1 \\
&= A_1B_2 - A_2B_1 \\
&= [\boldsymbol A \times \boldsymbol B]_3
\end{align}</math>
となる。上の式において、 <math>\varepsilon_{1jk}A_jB_k</math> を展開すると9つの項が出てくるが、その内の7つの <math>\varepsilon_{1jk}</math> が0となるため、2つの項だけが残る。則ち、<math>j=2,j=3</math> に対応する項(対応する <math>k</math> は <math>\{1,2,3\}</math> のうち1でも <math>j</math> でもないもの)、 <math>\varepsilon_{123},\varepsilon_{132}</math> の項のみが残る。<math>\varepsilon_{2jk},\varepsilon_{3jk}</math> に就ても同様である。
'''定理'''
<math>\varepsilon_{ijk}=|\boldsymbol e_i \,\boldsymbol e_j \, \boldsymbol e_k|=\begin{vmatrix}
\delta_{1i} & \delta_{1j}& \delta_{1k}\\
\delta_{2i} & \delta_{2j}& \delta_{2k}\\
\delta_{3i} & \delta_{3j}& \delta_{3k}
\end{vmatrix} </math> が成り立つ。
'''証明'''
<math>|\boldsymbol e_1 \, \boldsymbol e_2 \, \boldsymbol e_3|=\begin{vmatrix} 1 & 0 & 0 \\ 0 & 1 & 0 \\ 0 & 0 & 1 \end{vmatrix}=1=\varepsilon_{123}</math> である。
これと、行列式の性質より、<math>|\boldsymbol e_i \,\boldsymbol e_j \, \boldsymbol e_k| </math> は反対称であることから、<math>\varepsilon_{ijk}=|\boldsymbol e_i \, \boldsymbol e_j\, \boldsymbol e_k| </math> を得る。
基本ベクトルの定義 <math>\boldsymbol e_i=\begin{pmatrix} \delta_{1i} \\ \delta_{2i} \\ \delta_{3i} \end{pmatrix}</math> を代入して、<math>|\boldsymbol e_i \,\boldsymbol e_j \, \boldsymbol e_k|=\begin{vmatrix}
\delta_{1i} & \delta_{1j}& \delta_{1k}\\
\delta_{2i} & \delta_{2j}& \delta_{2k}\\
\delta_{3i} & \delta_{3j}& \delta_{3k}
\end{vmatrix} </math> を得る。
'''定理'''
<math>\varepsilon_{ijk}\varepsilon_{lmn}=\begin{vmatrix}
\delta_{il} & \delta_{im}& \delta_{in}\\
\delta_{jl} & \delta_{jm}& \delta_{jn}\\
\delta_{kl} & \delta_{km}& \delta_{kn}
\end{vmatrix}
= \delta_{il}\left( \delta_{jm}\delta_{kn} - \delta_{jn}\delta_{km} \right)
+ \delta_{im}\left( \delta_{jn}\delta_{kl} - \delta_{jl}\delta_{kn} \right)
+ \delta_{in}\left( \delta_{jl}\delta_{km} - \delta_{jm}\delta_{kl} \right) </math> である。
'''証明'''
<math>\varepsilon_{ijk}=|\boldsymbol e_i \,\boldsymbol e_j \, \boldsymbol e_k|,\, \varepsilon_{lmn}=|\boldsymbol e_l \,\boldsymbol e_m \, \boldsymbol e_n| </math> より
<math>\varepsilon_{ijk}\varepsilon_{lmn}=|\boldsymbol e_i \,\boldsymbol e_j \, \boldsymbol e_k||\boldsymbol e_l \,\boldsymbol e_m \, \boldsymbol e_n|=\begin{vmatrix}\boldsymbol e_i^T \\ \boldsymbol e_j^T \\ \boldsymbol e_k^T \end{vmatrix}|\boldsymbol e_l \, \boldsymbol e_m \, \boldsymbol e_n|=\begin{vmatrix}
\boldsymbol e_i^T\boldsymbol e_l & \boldsymbol e_i^T\boldsymbol e_m& \boldsymbol e_i^T\boldsymbol e_n\\
\boldsymbol e_j^T\boldsymbol e_l & \boldsymbol e_j^T\boldsymbol e_m& \boldsymbol e_j^T\boldsymbol e_n\\
\boldsymbol e_k^T\boldsymbol e_l & \boldsymbol e_k^T\boldsymbol e_m& \boldsymbol e_k^T\boldsymbol e_n
\end{vmatrix}=\begin{vmatrix}
\delta_{il} & \delta_{im}& \delta_{in}\\
\delta_{jl} & \delta_{jm}& \delta_{jn}\\
\delta_{kl} & \delta_{km}& \delta_{kn}
\end{vmatrix}. </math>
また、 余因子展開をして、 <math>\begin{vmatrix}
\delta_{il} & \delta_{im}& \delta_{in}\\
\delta_{jl} & \delta_{jm}& \delta_{jn}\\
\delta_{kl} & \delta_{km}& \delta_{kn}
\end{vmatrix}
= \delta_{il}\left( \delta_{jm}\delta_{kn} - \delta_{jn}\delta_{km} \right)
+ \delta_{im}\left( \delta_{jn}\delta_{kl} - \delta_{jl}\delta_{kn} \right)
+ \delta_{in}\left( \delta_{jl}\delta_{km} - \delta_{jm}\delta_{kl} \right) </math> を得る。
'''定理'''
# <math> \varepsilon_{ijk}\varepsilon_{ilm}=\delta_{jl}\delta_{km} - \delta_{jm}\delta_{kl} </math>
# <math> \varepsilon_{ijk}\varepsilon_{ijl}=2\delta_{kl} </math>
# <math> \varepsilon_{ijk}\varepsilon_{ijk}=6 </math>
が成り立つ。
'''証明'''
次の式ではアインシュタインの規約を使わない。つまり <math>i </math> に就ての和を取らないとする。
<math>\varepsilon_{ijk}\varepsilon_{ilm}=\begin{vmatrix}
1 & \delta_{il}& \delta_{im}\\
\delta_{ji} & \delta_{jl}& \delta_{jm}\\
\delta_{ki} & \delta_{kl}& \delta_{km}
\end{vmatrix}=(\delta_{jl}\delta_{km} - \delta_{jm}\delta_{kl}) - \delta_{il}(\delta_{ji}\delta_{km} - \delta_{jm}\delta_{ki}) + \delta_{im}(\delta_{ji}\delta_{kl} - \delta_{jl}\delta_{ki}) </math>
となる。この式の <math>i=1,2,3 </math> に就て和を取り、アインシュタインの規約を復活させると
<math>\begin{align} \varepsilon_{ijk}\varepsilon_{ilm} &= 3(\delta_{jl}\delta_{km} - \delta_{jm}\delta_{kl}) - (\delta_{jl}\delta_{km} - \delta_{jm}\delta_{kl}) + (\delta_{jm}\delta_{kl} - \delta_{jl}\delta_{km}) \\
&= \delta_{jl}\delta_{km} - \delta_{jm}\delta_{kl} \end{align} </math>
を得る。また、
<math> \varepsilon_{ijk}\varepsilon_{ijl}= \varepsilon_{ijk}\varepsilon_{ijl}= (\delta_{jj}\delta_{kl} - \delta_{jl}\delta_{kj})=3\delta_{kl} - \delta_{kl}=2\delta_{kl} </math>
<math> \varepsilon_{ijk}\varepsilon_{ijk}= \varepsilon_{ijk}\varepsilon_{ijk}= 2\delta_{kk}=6 </math>
となる。
<math>\varepsilon_{ijk} \varepsilon_{kml}</math> の組み合わせは、ベクトルとの積の形でよく出てくるからこれを計算する。ここで <math>T_{ijlm}</math> は添字 <math>l,m</math> のベクトルを含み、 <math>i,j</math> を任意で含むベクトルの積(一般にはテンソル)である。要するに <math>T_{ijlm}=A_iB_jC_lD_m,\, B_jC_lD_m,\, C_lD_m</math> の形である。
<math>\begin{align}
\varepsilon_{ijk} \varepsilon_{klm} T_{ijlm} &= \varepsilon_{kij} \varepsilon_{klm}T_{ijlm}\\
&= (\delta_{il}\delta_{jm} - \delta_{im}\delta_{jm})T_{ijlm} \\
&= T_{ijij} - T_{ijji}
\end{align}</math>となる。
つまり、<math>\varepsilon_{ijk} \varepsilon_{kml}</math> が出てきたら、それを含む項は
(<math>l,m \to i,j</math> と置き換えた式) − (<math>l,m \to j,i</math> と置き換えた式)
に等しい。
=== 三重積と四重積 ===
'''定理'''
次の式が成り立つ。
# スカラー三重積 <math>\boldsymbol A \cdot (\boldsymbol B \times \boldsymbol C)=\boldsymbol B \cdot (\boldsymbol C \times \boldsymbol A)=\boldsymbol C \cdot (\boldsymbol A \times \boldsymbol B)</math>
# ベクトル三重積 <math>\boldsymbol A \times (\boldsymbol B \times \boldsymbol C)=(\boldsymbol A \cdot \boldsymbol C)\boldsymbol B - (\boldsymbol A \cdot \boldsymbol B)\boldsymbol C</math>
# スカラー四重積 <math>(\boldsymbol A \times \boldsymbol B) \cdot (\boldsymbol C \times \boldsymbol D)=(\boldsymbol A \cdot \boldsymbol C) (\boldsymbol B \cdot \boldsymbol D) - (\boldsymbol A \cdot \boldsymbol D) (\boldsymbol B \cdot \boldsymbol C)</math>
# ベクトル四重積 <math>(\boldsymbol A \times \boldsymbol B) \times (\boldsymbol C \times \boldsymbol D)
= [(\boldsymbol A \times \boldsymbol B) \cdot \boldsymbol D] \boldsymbol C - [(\boldsymbol A \times \boldsymbol B) \cdot \boldsymbol C] \boldsymbol D </math>
# ヤコビ恒等式 <math>\boldsymbol{A} \times ( \boldsymbol{B} \times \boldsymbol{C} ) + \boldsymbol{B} \times ( \boldsymbol{C} \times \boldsymbol{A} ) + \boldsymbol{C} \times ( \boldsymbol{A} \times \boldsymbol{B} )=0</math>
'''証明'''
*スカラー三重積の証明
<math>\begin{align}\boldsymbol A \cdot (\boldsymbol B \times \boldsymbol C) &= A_i[\boldsymbol B \times \boldsymbol C]_i \\
&= \varepsilon_{ijk}A_iB_jC_k. \\
\boldsymbol B \cdot (\boldsymbol C \times \boldsymbol A) &= B_j[\boldsymbol C \times \boldsymbol A]_j\\
&= B_j\varepsilon_{jki}C_kA_i \\
&= \varepsilon_{ijk}A_iB_jC_k.\\
\boldsymbol C \cdot (\boldsymbol A \times \boldsymbol B) &= C_k[\boldsymbol A \times \boldsymbol B]_k \\
&= C_k\varepsilon_{kij}A_iB_j \\
&= \varepsilon_{ijk}A_iB_jC_k.
\end{align}</math>
*ベクトル三重積の証明
<math>\begin{align}
{[}\boldsymbol A \times (\boldsymbol B \times \boldsymbol C)]_i &= \varepsilon_{ijk}A_j[\boldsymbol B \times \boldsymbol C]_k \\
&= \varepsilon_{ijk}A_j\varepsilon_{klm}B_lC_m \\
&= A_jB_iC_j - A_jB_jC_i\\
&= (\boldsymbol A \cdot \boldsymbol C)B_i - (\boldsymbol A \cdot \boldsymbol B)C_i
\end{align}</math>
途中で <math>\varepsilon_{ijk} \varepsilon_{klm} T_{ijlm}=T_{ijij} - T_{ijji}</math> の公式を <math>T_{jlm}=A_jB_lC_m</math> に対して使った。
*スカラー四重積の証明
スカラー三重積及びベクトル三重積を使うと
<math>(\boldsymbol A \times \boldsymbol B) \cdot (\boldsymbol C \times \boldsymbol D)
= \boldsymbol C \cdot [\boldsymbol D \times (\boldsymbol A \times \boldsymbol B)]=\boldsymbol C \cdot [(\boldsymbol D \cdot \boldsymbol B ) \boldsymbol A - (\boldsymbol D \cdot \boldsymbol A) \boldsymbol B]
= (\boldsymbol A \cdot \boldsymbol C)\boldsymbol B - (\boldsymbol A \cdot \boldsymbol B)\boldsymbol C.</math>
*ベクトル四重積の証明
ベクトル三重積よりほとんど自明である。
*ヤコビ恒等式の証明
ベクトル三重積の公式を代入して計算するだけである。
=== 微分公式 ===
上の表式を用いると、複雑な微分の計算を簡便に行なうことが出来る。
'''定理'''
<math>\nabla \times (\nabla f)=0</math>
<math>\nabla \cdot (\nabla \times \boldsymbol A)=0 </math>
が成り立つ。
'''証明'''
<math>\begin{align}
{[\nabla \times (\nabla f)]}_i &= \varepsilon_{ijk}\partial_j[\nabla f]_k \\
&= \varepsilon_{ijk}\partial_j\partial_kf
\end{align} </math>
ここで、<math>\varepsilon_{ijk}\partial_i \partial_jf </math> に就て、<math>i>j </math> の項は、 <math>\varepsilon_{jik}\partial_j \partial_if=-\varepsilon_{ijk}\partial_i \partial_jf </math>と打ち消し合う(<math>\varepsilon_{ijk}\partial_i \partial_jf + \varepsilon_{jik}\partial_j \partial_if=0 </math>)。 <math>i=j </math> の項は <math>\varepsilon_{ijk}\partial_i \partial_jf=\varepsilon_{iik}\partial_i \partial_if=0 </math> となるので、結局最後の式は 0 である。
則ち、<math>\nabla \times (\nabla f)=0</math> を得る。
<math>\begin{align}\nabla \cdot (\nabla \times \boldsymbol A) &= \partial_i[\nabla \times \boldsymbol A]_i \\
&= \partial_i \varepsilon_{ijk}\partial_jA_k \\
&= \varepsilon_{ijk}\partial_i \partial_jA_k \\
\end{align} </math>
ここで、<math>\varepsilon_{ijk}\partial_i \partial_jA_k </math> に就て、<math>i>j </math> の項は、 <math>\varepsilon_{jik}\partial_j \partial_iA_k=-\varepsilon_{ijk}\partial_i \partial_jA_k </math>と打ち消し合う(<math>\varepsilon_{ijk}\partial_i \partial_jA_k + \varepsilon_{jik}\partial_j \partial_iA_k=0 </math>)。 <math>i=j </math> の項は <math>\varepsilon_{ijk}\partial_i \partial_jA_k=\varepsilon_{iik}\partial_i \partial_iA_k=0 </math> となるので、結局最後の式は 0 である。
則ち、<math>\nabla \cdot (\nabla \times \boldsymbol A)=0 </math> を得る。
'''定理'''
<math>
\nabla \cdot (\boldsymbol A \times \boldsymbol B ) =
(\nabla \times \boldsymbol A) \cdot \boldsymbol B - \boldsymbol A \cdot (\nabla \times \boldsymbol B)
</math>
<math>\nabla \times ( \boldsymbol{A} \times \boldsymbol{B} )=( \boldsymbol{B} \cdot \nabla ) \boldsymbol{A} - ( \boldsymbol{A} \cdot \nabla ) \boldsymbol{B} + \boldsymbol{A} ( \nabla \cdot \boldsymbol{B} ) - \boldsymbol{B} ( \nabla \cdot \boldsymbol{A} ) </math>
<math>\nabla(\boldsymbol A \cdot \boldsymbol B)=\boldsymbol A \times (\nabla \times B) + \boldsymbol B \times (\nabla \times \boldsymbol A) + (\boldsymbol A \cdot \nabla)\boldsymbol B + (\boldsymbol B \cdot \nabla)\boldsymbol A </math>
が成り立つ。
'''証明'''
<math>
\begin{align}
\nabla \cdot (\boldsymbol A \times \boldsymbol B ) &= \partial_i (\varepsilon_{ijk} A_j B_k) \\
&= \varepsilon_{ijk}(\partial _i A_j) B_k + \varepsilon_{ijk} A_j (\partial _i B_k)\\
&= (\nabla \times \boldsymbol A)\cdot \boldsymbol B - \boldsymbol A \cdot (\nabla \times \boldsymbol B) .
\end{align}
</math>
<math>\begin{align}
{[\nabla \times ( \boldsymbol{A} \times \boldsymbol{B} )}]_i &= \varepsilon_{ijk}\partial_j[ \boldsymbol{A} \times \boldsymbol{B}]_k \\
&= \varepsilon_{ijk}\varepsilon_{klm}\partial_j(A_lB_m) \\
&= \partial_j(A_iB_j) - \partial_j(A_jB_i) \\
&= B_j\partial_jA_i + A_i\partial_jB_j - B_i\partial_jA_j - A_j\partial_jB_i \\
&= (\boldsymbol B \cdot \nabla)A_i + A_i(\nabla \cdot \boldsymbol B) - (\boldsymbol A \cdot \nabla)B_i - B_i(\nabla \cdot \boldsymbol A)
\end{align} </math><ref name=":0"><math>\varepsilon_{ijk} \varepsilon_{klm} T_{ijlm}=T_{ijij} - T_{ijji}</math> の公式を使った。</ref>
より、<math>\nabla \times ( \boldsymbol{A} \times \boldsymbol{B} )=( \boldsymbol{B} \cdot \nabla ) \boldsymbol{A} - ( \boldsymbol{A} \cdot \nabla ) \boldsymbol{B} + \boldsymbol{A} ( \nabla \cdot \boldsymbol{B} ) - \boldsymbol{B} ( \nabla \cdot \boldsymbol{A} ) </math> が成り立つ。
<math>\begin{align}{[\nabla(\boldsymbol A \cdot \boldsymbol B)]}_i &= \partial_i(A_jB_j)\\
&= B_j\partial_iA_j + A_j\partial_iB_j.\\
\end{align} </math>
ここで、<math>[\boldsymbol A \times(\nabla \times \boldsymbol B)]_i= A_j \partial_iB_j - (\boldsymbol A \cdot \nabla) \boldsymbol B_i </math> が成り立つので<ref>この式の導出に困ったらベクトル三重積の導出を参考すること。但し、微分の扱いに注意すること。ベクトル三重積の導出の六行目までは、Bを∇に読み替えても成立するが、七行目の式変形は成立しない。なぜなら、偏微分とベクトルの成分を入れ替えて <math>\partial_i C_j=C_j \partial_i</math> とすることは当然不可能だからである。</ref>、これを第二項に代入する。第一項に就ても同様の式が成り立つため、これを代入すると結局、 <math>\nabla(\boldsymbol A \cdot \boldsymbol B)=\boldsymbol A \times (\nabla \times B) + \boldsymbol B \times (\nabla \times \boldsymbol A) + (\boldsymbol A \cdot \nabla)\boldsymbol B + (\boldsymbol B \cdot \nabla)\boldsymbol A </math> が得られる。
'''定理'''
<math>
\nabla \cdot(f\boldsymbol A )= \nabla f \cdot \boldsymbol A + f \nabla \cdot \boldsymbol A
</math>
<math>\nabla \times(f\boldsymbol A)=\nabla f \times \boldsymbol A + f\nabla \times \boldsymbol A </math>
が成り立つ。
'''証明'''
<math>
\begin{align}
\nabla \cdot (f \boldsymbol A) &= \partial_i (fA_i)\\ &= (\partial_i f ) A_i + f (\partial_i A_i)\\ &= \nabla f \cdot \boldsymbol A + f\nabla \cdot \boldsymbol A
\end{align}
</math>
<math>
\begin{align}
{[\nabla \times f \boldsymbol A]}_i &= \varepsilon_{ijk}\partial_j(fA_k)\\
&= \varepsilon_{ijk}\partial_jf \,A_k + \varepsilon_{ijk}f\partial_j \,A_k \\
&= {[\nabla f \times \boldsymbol A]}_i + {[f\nabla \times \boldsymbol A]}_i
\end{align}
</math>
'''定理'''
<math>\nabla \times (\nabla \times \boldsymbol{A} )=\nabla (\nabla \cdot \boldsymbol{A} ) - \text{∆} \boldsymbol{A} </math> が成り立つ。
'''証明'''
<math>\begin{align} {[}\nabla \times (\nabla \times \boldsymbol{A}){]}_i &= \varepsilon_{ijk}\partial_j[\nabla \times \boldsymbol A]_k \\
&= \varepsilon_{ijk}\varepsilon_{klm}\partial_j\partial_l{ A}_m \\
&= \partial_i\partial_jA_j - \partial_j\partial_jA_i
\end{align} </math><ref name=":0" />
それぞれの成分に就て展開すると
<math> {[}\nabla \times (\nabla \times \boldsymbol{A}){]}_1=\partial_1(\partial_1A_1+\partial_2A_2+\partial_3A_3) - (\partial_1^2+\partial_2^2+\partial_3^2)A_1
</math>
<math> {[}\nabla \times (\nabla \times \boldsymbol{A}){]}_2=\partial_2(\partial_1A_1+\partial_2A_2+\partial_3A_3) - (\partial_1^2+\partial_2^2+\partial_3^2)A_2
</math>
<math> {[}\nabla \times (\nabla \times \boldsymbol{A}){]}_3=\partial_3(\partial_1A_1+\partial_2A_2+\partial_3A_3) - (\partial_1^2+\partial_2^2+\partial_3^2)A_3
</math>
である。これは <math>\nabla \times (\nabla \times \boldsymbol{A} )=\nabla (\nabla \cdot \boldsymbol{A} ) - \text{∆} \boldsymbol{A} </math> であることを意味する。
これらの計算は、電磁気学等で頻繁に用いられるので、よく練習しておかねばならない。
'''定理'''
位置ベクトル <math>
\boldsymbol r
</math> に就て <math>
r=|\boldsymbol r| =\sqrt{x^2+y^2 + z^2}
</math> とすると、<math>
\nabla r^n=n r^{n-2}{\boldsymbol r}
</math>である。
'''証明'''
<math>
\frac{\partial}{\partial x}r^n=nr^{n-1}\frac{\partial}{\partial x}\sqrt{x^2 + y^2 + z^2}=nr^{n-1} \frac x r=nr^{n-2}x
</math>
<math>
y,z
</math> に就ても同様である。
則ち、<math>
\nabla r^n=\begin{pmatrix} nr^{n-2}x \\nr^{n-2}y \\nr^{n-2}z\end{pmatrix}=nr^{n-2}\boldsymbol r.
</math>
=== 極座標系 ===
ここでは、極座標での勾配、発散、ラプラシアンを求める。
極座標では、位置ベクトルは <math>\boldsymbol r = \begin{pmatrix} x\\ y\\ z \end{pmatrix} = \begin{pmatrix} r\sin\theta\cos\varphi\\ r\sin\theta\sin\varphi\\ r\cos\theta \end{pmatrix}
</math> となる。正規直交基底は <math>\boldsymbol e_r := \frac{\frac{\partial \boldsymbol r}{\partial r}}{\left|\frac{\partial \boldsymbol r}{\partial r}\right|} = \begin{pmatrix}\sin\theta\cos\varphi\\ \sin\theta\sin\varphi\\ \cos\theta\end{pmatrix}
</math>,<math>\boldsymbol e_\theta
:= \frac{\frac{\partial \boldsymbol r}{\partial \theta}}{\left|\frac{\partial \boldsymbol r}{\partial \theta}\right|}
= \frac 1 r \begin{pmatrix}r\cos\theta\cos\varphi\\ r\cos\theta\sin\varphi\\ -r\sin\theta\end{pmatrix}
=\begin{pmatrix}\cos\theta\cos\varphi\\ \cos\theta\sin\varphi\\ -\sin\theta\end{pmatrix}
</math>,<math>\boldsymbol e_\varphi
:= \frac{\frac{\partial \boldsymbol r}{\partial \varphi}}{\left|\frac{\partial \boldsymbol r}{\partial \varphi}\right|}
= \frac{1}{r\sin\theta}\begin{pmatrix}-r\sin\theta\sin\varphi\\ r\sin\theta\cos\varphi\\ 0 \end{pmatrix}
=\begin{pmatrix}-\sin\varphi\\ \cos\varphi\\ 0 \end{pmatrix}
</math>である。
微小変位ベクトル <math>d\boldsymbol r = dx\boldsymbol e_x + dy\boldsymbol e_y + dz\boldsymbol e_z
</math> は極座標では、
<math>\begin{align}d\boldsymbol r &= \frac{\partial \boldsymbol r}{\partial r}dr + \frac{\partial \boldsymbol r}{\partial \theta}d\theta + \frac{\partial \boldsymbol r}{\partial \varphi}d\varphi\\
&= \left|\frac{\partial \boldsymbol r}{\partial r}\right|\boldsymbol e_r dr +\left|\frac{\partial \boldsymbol r}{\partial \theta}\right|\boldsymbol e_\theta d\theta + \left|\frac{\partial \boldsymbol r}{\partial \varphi}\right|\boldsymbol e_\varphi d\varphi\\
&= \boldsymbol e_r dr + r\boldsymbol e_\theta d\theta + r\sin\theta\boldsymbol e_\varphi d\varphi
\end{align}
</math>
と書ける。
関数 <math>f
</math> の全微分 <math>df
</math> は <math>df = \frac{df}{dx}dx + \frac{df}{dy}dy + \frac{df}{dz}dz = \nabla f \cdot d\boldsymbol r
</math> となる。
極座標での発散を <math>\nabla f = \nabla_r f \, \boldsymbol e_r + \nabla_\theta f \, \boldsymbol e_\theta + \nabla_\varphi f \, \boldsymbol e_\varphi
</math> とすると、<math>\begin{align}df &= \nabla f \cdot d\boldsymbol r \\
&= (\nabla_r f \, \boldsymbol e_r + \nabla_\theta f \, \boldsymbol e_\theta + \nabla_\varphi f \, \boldsymbol e_\varphi)\cdot (\boldsymbol e_r dr + r\boldsymbol e_\theta d\theta + r\sin\theta\boldsymbol e_\varphi d\varphi)\\
&=\nabla_r f\, dr + r\nabla_\theta f \, d\theta + r\sin\theta\nabla_\varphi f \, d\varphi
\end{align}
</math>
である。これと極座標での全微分 <math>df = \frac{\partial f}{\partial r}dr + \frac{\partial f}{\partial \theta}d\theta + \frac{\partial f}{\partial \varphi}d\varphi
</math> と比較すると、
<math>\nabla_r f = \frac{\partial f}{\partial r},\nabla_\theta f = \frac{1}{r}\frac{\partial f}{\partial \theta},\nabla_\varphi f = \frac{1}{r\sin\theta}\frac{\partial f}{\partial \varphi}{}
</math> を得る。
すなわち、極座標での発散は <math>\nabla f =\frac{\partial f}{\partial r} + \frac{1}{r}\frac{\partial f}{\partial \theta} + \frac{1}{r\sin\theta}\frac{\partial f}{\partial \varphi}{}
</math> である。
基底ベクトルの微分は、
<math>\frac{\partial \boldsymbol e_r}{\partial r} = 0,\frac{\partial \boldsymbol e_r}{\partial \theta} = \boldsymbol e_\theta,\frac{\partial \boldsymbol e_r}{\partial \varphi} = \sin\theta \boldsymbol e_\varphi
</math>
<math>\frac{\partial \boldsymbol e_\theta}{\partial r} = 0,\frac{\partial \boldsymbol e_\theta}{\partial \theta} = -\boldsymbol e_r,\frac{\partial \boldsymbol e_\theta}{\partial \varphi} = \cos\theta\boldsymbol e_\varphi
</math>
<math>\frac{\partial \boldsymbol e_\varphi}{\partial r} = 0,\frac{\partial \boldsymbol e_\varphi}{\partial \theta} = 0,\frac{\partial \boldsymbol e_\varphi}{\partial \varphi} = -\cos\theta\boldsymbol e_r - \sin\theta \boldsymbol e_\theta
</math>
であることを使って極座標でのベクトル <math>\boldsymbol A
</math> の発散を計算すると、
<math>\begin{align}\nabla \cdot A
&= \left(\boldsymbol e_r\frac{\partial f}{\partial r} + \boldsymbol e_\theta \frac{1}{r}\frac{\partial }{\partial \theta} + \boldsymbol e_\varphi \frac{1}{r\sin\theta}\frac{\partial f}{\partial \varphi}\right)\cdot (A_r\boldsymbol e_r + A_\theta \boldsymbol e_\theta + A_\varphi \boldsymbol e_\varphi)\\
&= \boldsymbol e_r \cdot \left(\frac{\partial A_r}{\partial r}\boldsymbol e_r\right) + \frac 1 r \boldsymbol e_\theta \cdot \left( \frac{\partial A_\theta}{\partial \theta}\boldsymbol e_\theta + A_r\boldsymbol e_\theta\right) + \frac{1}{r\sin\theta}\boldsymbol e_\varphi \cdot \left( \frac{\partial A_\varphi}{\partial \varphi}\boldsymbol e_\varphi + A_r\sin\theta \boldsymbol e_\varphi + A_\theta\cos\theta\boldsymbol e_\varphi\right)\\
&= \frac{1}{r^2}\frac{\partial (r^2 A_r)}{\partial r} + \frac{1}{r\sin\theta}\frac{\partial (\sin\theta A_\theta)}{\partial \theta} + \frac{1}{r\sin\theta}\frac{\partial A_\varphi}{\partial \varphi}
\end{align}
</math>
となる。
また、ラプラシアンに極座標での勾配と発散を代入すると、
<math>\triangle f = \nabla \cdot \nabla f =\frac{1}{r^2}\frac{\partial }{\partial r}\left(r^2 \frac{\partial f}{\partial r}\right) + \frac{1}{r^2\sin\theta}\frac{\partial }{\partial \theta}\left(\sin\theta\frac{\partial f}{\partial \theta}\right) + \frac{1}{r^2\sin^2\theta}\frac{\partial^2 f}{\partial \varphi^2}
</math>
となり、ラプラシアンの極座標表示が得られた。
===テンソル代数===
====テンソルの定義====
物理の計算においては、テンソルと呼ばれる量が
頻繁に用いられる。これは3次元における電磁気学の計算や、
古典力学における慣性モーメントなどで用いられるが、
特殊相対論、一般相対論においても用いられる。
但し、特に一般相対論においては、計量テンソルと呼ばれる
特殊なテンソルが導入されるため、計算が非常に複雑になる。
ここでは、主に3次元のテンソル計算を扱うが、
特殊相対論における計算も少し扱う。
まずは、テンソルを定義する。
あるn次元のベクトルを考える。
このベクトルに対して、一般にあるベクトルからそれと同じ
次元のベクトルに変換するような線形変換を考えることが出来る。
この変換は、そのベクトルを同じ次元のベクトルに変換することから、
n*nの行列で書けることが分かる。
さて、次にこれらのベクトルのいくつかの(m個とする。)直積を取って、
mn個の要素を含む列ベクトルを作ることを考える。
直積の取り方に就ては、[[物理数学I]]を参照。
:<math>
V \times V \times \cdots \times V
</math>
この操作によってできたmnベクトルは、上の行列によって表わされる
n行のベクトルから出来たm次のテンソルの一種となっている。
但し、一般のテンソルはもう少し複雑で、
既に上で得たベクトルとのつながりを忘れてしまったmn次元のベクトルが
上と同じ様な変換性を持つとき、これを上のベクトルに対する
m次のテンソルと呼ぶ。
ここでは、さらにこれらのテンソルが従う変換の行列を
構成することを考える。
ここで、先ほど定めたmn行のベクトルの成分のうち、直積を取られる前は別の
ベクトルだった部分のそれぞれが、直積を取られる前と同じように変換するような
mn*mn次の変換行列を作りたい。
このためには、先ほど定めたn*nの行列による変換のm回の直積を取って、
mn*mnの行列を作ればよい。
このとき行列の直積の性質
:<math>
(A_1 \times B_1) \cdot (A_2 \times B_2 ) =
A_1 A_2 \times B_1 B_2
</math>
から、
この行列が先ほどの性質を満たすことが分かる。
ここで、これらの行列やベクトルは添字を上手くつけることによって
書き表すことが出来る。
先ほど述べたうち、元々のベクトルを
:<math>
A^\mu
</math>
と書く。
次に、元々のベクトルを変換する行列を
:<math>
\Lambda ^{\mu\nu}
</math>
と書くと、この行列により変換された後のベクトルは、
:<math>
\Sigma_{\nu=1}^{n} \Lambda ^{\mu\nu} A^\nu
</math>
で表わされる。
ここで、行列を添字を用いて計算する方法を使った。
但し、物理の計算においては、
"同じ式の中に同じ添字が2回出て来たとき、この2つの添字を
足し合わせる"という規約を用いることが多い。
これをEinsteinの規約と呼び、一般相対論でEinsteinが用いてから
よく使われるようになった。
この規約を用いると、上の式は簡単に、
:<math>
\Lambda ^{\mu\nu} A^\nu
</math>
と書かれる。以下の計算では、常にこの規約を用い、
この規約が適用されないところでは、注意書きを行なうこととする。
さらに、元々のベクトルの直積は、
:<math>
A^\mu A^\nu
</math>
となる。
但し、ここでは、簡単にするためm=2と定めた。
これらを変換するmn*mn行列は
:<math>
\Lambda ^{\mu\rho} \Lambda ^{\nu\sigma}
</math>
となる。
また、これらの行列によって変換されたベクトルは、
:<math>
\Lambda ^{\mu\rho} \Lambda ^{\nu\sigma} A^\rho A^\sigma
</math>
で表わされる。
これらの変換則から一般的なテンソルを構成することが出来る。
例えば、ここでもm =2と定める。上の議論からこの量は
2つの添字を用いて、
:<math>
T^{\mu\nu}
</math>
と書くことが出来、この量が従う変換則は、
:<math>
\Lambda ^{\mu\rho} \Lambda ^{\nu\sigma}
T^{\rho\sigma}
</math>
となることがわかる。この量をある変換<math>\Lambda </math>に対する、
2次のテンソルと呼ぶ。
ここでは、テンソルの代数を定義した。このことを用いて、
ここからはより複雑な微分を見て行く。
===多変数関数の積分===
多変数関数の積分は1変数の場合の拡張によって定義される。
特に、いくつかの計算は物理的な意味が明確であるので
物理数学においても扱われることが多い。
====ガウスの定理====
ここで直交座標系を用いた場合に就て、
ある定理を導出する。
この定理は、ベクトルの発散という量の物理的意味を
与えてくれる点で重要である。
:<math>
\iiint_V dxdydz \mathrm{div} \vec A=\iint d\vec s \vec A
</math>
が成り立つ。
ここで、左辺の体積積分はある領域に就て行なわれ、
右辺の表面積分は、その領域を囲む面積全体に対して
行なわれる。
この定理をガウスの定理と呼ぶ。
{{w|ガウス}}は19世紀の非常に有名な数学者の名前である。
導出に移る前に、この定理の意味を述べる。
まずは右辺に注目する。右辺の被積分関数
:<math>
d\vec s \vec A
</math>
は、ある点での面積要素に垂直な
:<math>
\vec A
</math>
の値を表わしている。これは例えば、
:<math>
\vec A
</math>
が、流体力学でいう流体の流れる速度を表わすベクトルだったとするなら、
その流れのうちで今定めた面積要素から流れだす流量を表わしている。
この量を領域Vを囲む表面全体で足し合わせることから、この量は
領域Vから流れ出す流体の流量の和に等しいことが分かる。
ここで、領域Vの中に流体が湧出て来るような場所が合ったとすると、このとき
領域Vから流れ出す流量は、有限になると考えられる。
このためには、左辺で
:<math>\mathrm{div} \vec A</math>
が流体の湧出の周りで有限になっていなければならない。
これらのことからベクトルの発散は、
:<math>
\mathrm{div} \vec A
</math>
の意味は、ベクトルAの湧出に対応していることが分かる。
発散という名前は、ベクトルAがどこからか現われて、周りに広がって行く
様子から来ている。
ここからは、この定理の導出に移る。但し、ここでの導出は直観的なものであり、
局限移行等に就ては数学的に厳密なものではないことを注意しておく。
*導出
まず、ある領域Vを非常に小さい立方体の領域<math>v_i</math>に分割する。
領域Vがどんな形であっても、このことは常に可能だと期待される。
ここで、ある互いに接し合う2つの小さい領域<math>v_1</math>と<math>v_2</math>に就て
この定理が示されたとする。
このとき、領域<math>v_1</math>と領域が<math>v_2</math>接している面を考える。
それぞれの領域からの寄与は、その点でのベクトルの大きさと
その面積要素の大きさが同じであることから同じであると考えられ、
また、それらは互いに接しているので、面積分の性質から見て、
それらの寄与は互いに異なった符合を持っている。
ここで、今考えている領域2つを張りつけて新しい領域
<math>v_3</math>を作り、この領域に就て元の式の左辺を計算すると、
その量は、
:<math>
\iiint_{v_1+v_2} dxdydz \mathrm{div} \vec A
</math>
となる。ここで、右辺に就ても互いに重なった部分の寄与が打ち消し合うことから、
:<math>
\iint_{\partial v_3} d\vec s \vec A
</math>
のように<math>v_3</math>の周りに就て元の式の表式が成り立っている。
ここで<math>v_3</math>の囲む領域の表面として
:<math>
\partial v_3
</math>
という表式を導入した。実際にはこの表式は数学の本から来ており、
物理の本でも割合よく用いられる。
結局、小さい立方体に就てこの定理が示されれば、元の領域に就ても
この定理が正しいことが分かった。
次にこのことが実際小さい立方体に就て正しいことを見る。
立方体の辺の長さを<math>\epsilon</math>とする。
このとき、元の式に就て
:<math>
\begin{matrix}
\mathrm{lhs}=\int _v \mathrm{div} \vec A\\
= \epsilon^3 \mathrm{div} \vec A
\end{matrix}
</math>
となる。
更に、右辺に就ては
:<math>
\begin{matrix}
\mathrm{rhs}=A_x(x+\epsilon,y+\epsilon /2,z+\epsilon /2) \epsilon^2 - A_x(x,y+\epsilon /2,z+\epsilon /2) \epsilon^2\\
+A_y(x+\epsilon/2, y+\epsilon,z+\epsilon/2) \epsilon^2 - A_y(x+\epsilon /2,y+\epsilon,z+\epsilon/2) \epsilon^2\\
+A_z(x+\epsilon/2, y+\epsilon/2,z+\epsilon) \epsilon^2 - A_z(x+\epsilon/2, y+\epsilon/2,z) \epsilon^2
\end{matrix}
</math>
のような表式が得られる。この式は、それぞれの面に対する面積分をあからさまに
積分したものである。ここで、特にそれぞれの面の中心を通るように
積分の点を選んでいる。これは、局限移行を上手く行なうためだが、
もう少し違った点を選んでも結果を得ることは出来る。
次に、上の表式を<math>\epsilon</math>に就てテイラー展開する。このとき、
:<math>
= \epsilon^2( \epsilon(\frac{\partial{A_x(x,y,z)}}{\partial{x}} ))
+ \epsilon^2( \epsilon(\frac{\partial{A_y(x,y,z)}}{\partial{y}} ))
+ \epsilon^2( \epsilon(\frac{\partial{A_z(x,y,z)}}{\partial{z}} ))
</math>
が得られる。
これを纏めると、
:<math>
= \epsilon^3 \mathrm{div} \vec A
</math>
が得られるが、これは丁度左辺からの式と一致している。
よって、小さい立方体に就てはこの定理は正しい。
====ストークスの定理====
次にベクトルの回転の物理的意味を特徴づける定理を扱う。
まずは定理を述べる。
:<math>
\iint dS \mathrm{rot} \vec A =\int d\vec l \vec A
</math>
が成り立つ。
ここで、この式の左辺はある面積Sに就て積分し、
この式の右辺は、その面積の外周に就ての線積分を行なう。
ここでも、ある面積Sの外周のことを、
:<math>
\partial S
</math>
と書くことがある。
この定理をストークスの定理と呼ぶ。
例えば、
:<math>
\vec A
</math>
を流体の速度ベクトルとしてみる。このとき、速度ベクトルをある面積の
外周に就て積分したとき、その値はその面積内の速度の回転の積分に
等しい。このことは、速度ベクトルの回転が、これらの流体の渦のような
ものに対応していることを示している。
実際、流体力学では
:<math>
\mathrm{rot} \vec u
</math>
のことを渦度と呼び、流体中の渦の様子を示す重要な量となっている。
この様に、ベクトルの回転はそのベクトルに就てある閉じた経路に就て
積分したものに対応している。
:<math>
\mathrm{rot} \vec A
</math>
が全ての点で成り立つ場合、全ての閉経路に対する線積分は0に等しくなる。
これは、流体でいうと渦無しの流れに対応している。
また、この結果は複素解析の線積分の定理の1つに対応しており、その面からも
重要である。複素解析に就ては、[[物理数学II]]で扱う予定である。
*導出
まず、ある面積Sを辺の長さが<math>\epsilon</math>に等しい小さな正方形に分ける。
正方形の大きさが十分小さいとき、このことは常に可能であると期待できる。
ここで、互いに接している小さい正方形に就てそれぞれの辺からの線積分の寄与は、
大きさが等しく、符合が反対であることが分かる。このことは、線積分の
経路を反時計周りに取るというきまりを守っていると、その辺で接するためには
積分の向きが逆になっていなくてはいけないということによる。
ここで、今挙げた小さな2つの正方形を張り付けた長方形に就て
同じ計算を行なう。このとき、互いに張りついた1つの辺からの寄与は打ち消し
あうので、同じ計算が張りつけた後の長方形に就ても成り立つ。
このことを繰りかえせば、小さな正方形に就てこの定理が成り立ったとき、
元々の領域に就てもこの定理が成り立つと期待できる。
さて、ここで、辺の長さが<math>\epsilon</math>に等しい正方形に就てこの定理が
成り立っていることを示す。
これらの正方形の各辺に平行になるように、x,y軸を取って
:<math>
\iint dS \mathrm{rot} \vec A =\int d\vec l \vec A
</math>
の左辺を計算すると、
:<math>
(\mathrm{lhs})=\epsilon ^2 \mathrm{rot} \vec A (x+ \epsilon/2,y+\epsilon/2)
</math>
が成り立つ。
次に右辺に就て、
:<math>
\begin{matrix}
(\mathrm{rhs}) =\epsilon \{A_x(x+\epsilon/2,y ) - A_x(x+\epsilon/2,y+\epsilon) \}\\
+ \epsilon \{A_y(x+\epsilon ,y+\epsilon/2 ) - A_y(x,y+\epsilon/2) \} \\
=\epsilon^2 \{ - \frac{\partial{A_x }}{\partial{y}} + \frac{\partial{A_y}}{\partial{x}} \} \\
= \epsilon^2 \mathrm{rot } \vec A
\end{matrix}
</math>
が得られるが、これは右辺の表式と等しい。
よって、小さい正方形に就てこの定理は示された。
また、以前の議論からこのとき元の領域に就てもこの定理は正しいことが
分かっている。よって、全ての領域に就て、この定理は正しいことが
示された。
===直交座標系でないときの計算===
直交座標系でないときにも
grad,div,rotを計算することが出来る。
ここではまず、座標系の定義を行なうことから始める。
また、上の議論からこのことは全ての領域Vに対してもこの定理が正しいことを
示している。
この定理は電磁気学で頻繁に用いられる重要な定理である。
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{{DEFAULTSORT:へくとるかいせき}}
[[カテゴリ:ベクトル解析]]
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299069
299068
2026-05-03T12:29:36Z
Tomzo
248
/* 直交座標系でないときの計算 */
299069
wikitext
text/x-wiki
<small> [[物理数学I]] > ベクトル解析</small>
==ベクトル解析==
ここでは、ベクトル解析に就て解説を行なう。[[解析学基礎/ベクトル解析]]も参照。
ベクトル解析は、主に多変数関数の微積分と関連しているが、
特にそれらのうちには計算自体に明確な物理的意味を
持つものがいくつか見られる。歴史的にもこの分野は
数学と物理の間のフィードバックを通して発展して来た。
<!-- 現代では数学と物理の間は広がってしまっているが、 -->
そのため、計算においては物理的な意味を強調していきたい。
また、特にいくつかの定理は数学的に厳密な証明をすることが
難しい。その様なときには常識的に古典的な物理学の範囲で
起こる現象で適用できる程度に、一般的に
書くことにしたいと思う。
また、現代的にはこの分野は微分形式を用いて書かれることが多いが、
ここではまず最初に古典的な計算法を扱う。
これは、特に物理を専攻としない学習者に配慮するためである。
例えば、電気技術者や機械技術者もベクトル解析は依然として学ばねば
ならず、彼らに取っては微分形式の理論はそれほど有用とはいえないものと
思われる。
ベクトル解析の理論は特に電磁気学と関連が深いが、これらの結果は
流体力学や量子力学など、様々な分野で登場する物理の根幹を成す計算法であり、
学習者は十分これらの手法に習熟することが求められる。
なお、ベクトル自体の性質に就ては[[線型代数学/ベクトル]]を参照していただきたい。
===ベクトル関数の定義===
====ベクトル関数の定義====
例えば3次元ベクトルで
:<math>
\vec r=(x,y,z)
</math>
とするとき、ある変数tに就て
x,y,z が、
:<math>
(x,y,z)=(x(t),y(t),z(t))
</math>
で表わされるとき、
:<math>
\vec r
</math>
を、ベクトル関数と呼ぶ。
これは、tを時間と見做すときにはある3次元空間中を
物体が動いて行く軌跡と見なすことが出来る。
例えば、
:<math>
x= t, y=0,z=0
</math>
という軌跡を与えたとき、この値は
物体がxの方向に速度1で等速直線運動しているものとみなすことが
できる。
但し、この定義自体は3次元にとどまらず容易にn次元に拡張することが
出来る。
例えば、
:<math>
(x_1,x_2,\cdots ,x_n)=(x_1(t),x_2(t),\cdots ,x_n(t))
</math>
のようにn次元のベクトルを取ったときに、そのうちの各要素が
ある独立変数tだけに依存すると考えることが出来るとき
これは、n次元空間の中の物体の軌跡と考えることが出来る。
====ベクトルの微分====
ここでは、ベクトルの微分を定義する。
例えば、1次元においては、物体の速度は
:<math>
\dot x=\frac {x(t+dt) - x(t)}{dt}
</math>
で与えられた。この値はある時間における物体の
位置の変化率という直接的な物理的意味を持っている。
これらの自然な拡張として一般的な次元において、
:<math>
\dot r=\frac {\vec r(t+dt) - \vec r(t)}{dt}
</math>
によって、ベクトルの微分を定義する。
例えば、1次元空間に限ったときにはこの結果は上の式と一致することが分かる。
このことによって、例えば
:<math>
(x,y)=(x(t), y(t))
</math>
という2次元ベクトルを取ったとき、
物体の速度のx方向成分は
:<math>
\dot x=\frac {x(t+dt) - x(t)}{dt}
</math>
によって与えられ、物体の位置のx方向成分のみによることが示唆される。
同様に
物体の速度のy方向成分は
物体の位置のy方向成分のみによっている。
このことは一見当然のように思えるが、実際にはそうではなく
我々が用いている座標系によっている。
例えば、2次元の極座標を用いてみると、
:<math>
\vec x=x \vec e_x + y \vec e_y=r \vec e_r
</math>
と書けるが、
この式を正しく微分すると、
:<math>
\vec v=\dot r \vec e_r + r \dot \theta \vec e_\theta
</math>
が得られ、速度の<math>\theta</math>成分は、物体のr成分にも依存している。
このことは、直接的には<math>\vec e_r, \vec{e}_\theta</math>自身が時間依存性を持っていることを示す。
実際に、<math>\vec{e}_r=\cos\theta \vec{e}_x + \sin\theta\vec{e}_y, \vec{e}_\theta=-\sin\theta\vec{e}_x + \cos\theta \vec{e}_y</math>且つ<math>\theta</math>は時間の関数<math>\theta(t)</math>なので、この正規直交基底は時間依存である。
我々が通常用いる(x,y,z)という座標系は
通常直交座標系と呼ばれるが、(デカルト座標系と呼ばれることも多い。)
これらの座標軸の方向は時間的に変わることが無いので、
微分の性質が非常に簡単になっている。
しかし、実際にある物体の動きを記述するとき、直交座標系を用いるより、
その動きに特徴的な量をパラメーターとして用いた方が記述が簡明になることがある。例えば、太陽の周りを円運動する惑星の動きを記述するとき、極座標を用いることで最も簡便となる。
この様に運動の種類によって用いるべき座標系が変わって来るため、それぞれの間の緒量の変化則ち微積分の性質を調べることが重要になる。
====関数の勾配====
ここまでで一般的な微分の方法を見た。
ここでは、特に物理的に重要なベクトルの作り方を
見る。
3次元空間上に位置の関数<math>f(x, y, z)</math>
があるものとする。
このとき、
:<math>
\mathrm{grad} f=\begin{pmatrix} \frac{\partial{f}}{\partial{x}} \\ \frac{\partial{f}}{\partial{y}} \\ \frac{\partial{f}}{\partial{z}}\end{pmatrix}
</math>
を<math>f</math>の勾配と呼ぶ。
また、同様にしてn次元では
:<math>
\mathrm{grad} f(x_1, \cdots , x_n)=\begin{pmatrix} \frac{\partial{f}}{\partial{x_1}} \\ \vdots \\ \frac{\partial{f}}{\partial{x_n}} \end{pmatrix}
</math>
によって定義される。
ここで、勾配はこの式の意味によって付けられた名前である。
例えば、
:<math>y= z=0</math>
に限ってこの式を書いてみる。
このとき
:<math>\mathrm{grad} f=\begin{pmatrix} \frac{\partial{f}}{\partial{x}} \\ 0 \\ 0 \end{pmatrix}</math>
となるが、これはこの関数fのx方向の傾きに等しい。
つまり、この式は傾きを求める式の複数の方向を用いた場合への一般化と
なっている。
より一般的な例として2次元の場合の
例を考えてみる。ここでは
:<math>f(x,y)=x^2 + y^2</math>
とおく。
このときこの式の勾配は簡単に計算でき、
:<math>\mathrm{grad} f=\begin{pmatrix} 2x \\ 2y \end{pmatrix}</math>
となる。
例えば、この式を
:<math>x=a(= \mathrm{const}.), y=0</math>
に就て考えてみる。
このとき、勾配ベクトルは
:<math>\mathrm{grad} f=\begin{pmatrix} 2a \\ 0 \end{pmatrix}</math>
となるが、これの符号はxの符号に依存する。
つまり、この式はこの関数のx座標軸上で見たときに、
x=0で極小値となる擂鉢形のグラフとなっており、更に
原点から離れれば離れるほどグラフの傾きが増すことを示唆している。
実際この式を数値的にプロットすると、この主張が確かめられる。
*TODO
プロットを作製。
次に、この式を
:<math>x=0, y=b(=\mathrm{const}.)</math>
に就て考えてみる。
このときにも全く同じ主張が出来、y方向に見ても
このグラフは擂鉢状になっている。
また、この式を
:<math>x=y=\frac c {\sqrt 2}</math>
に就て考えてみる。このときには
:<math>\mathrm{grad} f=2 \begin{pmatrix} \frac c {\sqrt 2} \\ \frac c {\sqrt 2} \end{pmatrix}</math>
が得られ、この点では勾配はx軸から<math>\frac{\pi}{4}</math>の方向を向いていることが分かる。
一般に勾配ベクトルは関数fが最も大きな傾きで増加する方向を
向いており、その絶対値はその点でそちらへの微分を取った値に等しい。
また、ある点でのある方向への微分(方向微分)を求めたいときには、
求めたい方向の単位ベクトルを
:<math>\vec n</math>
として
:<math>\mathrm{grad} f \cdot \vec {n}</math>
で求まる。
*説明
勾配の計算では、全ての独立変数に対する微分を求めており、
これらの微分を組み合わせることであらゆる方向への微分を
作ることが出来ることが期待される。
微分の最も低いオーダーでは、それぞれの方向への微分は
それぞれの方向の単位ベクトルにそちらの方向への微分の大きさを
かけたものに等しいので、ある方向に対する微分を
計算するにはそれらを適切な方向への重みをつけて足し合わせることが
求められる。このとき、ある方向に対する単位ベクトルと
ある軸の方向に対する単位ベクトルは、2つの方向の重みを表わしていると
考えられるので、確かにこの値は、そちらの方向への微分となっている。
例えば、
:<math>x=a,y=0</math>
でのy方向の傾きは、
:<math>\mathrm{grad} f \cdot \vec {n}= \begin{pmatrix} 2a \\ 0 \end{pmatrix} \cdot \begin{pmatrix} 0 \\ 1 \end{pmatrix}=0</math>
となるが、
これは、この関数の等高線が円形になっていることを考えると
確かにこの点ではy方向の傾きは0になっていなくてはいけない。
====ベクトルの発散====
次には逆にあるベクトルを取ったとき、
あるスカラー量を作りだす計算を導入する。
後に示される通り、この量はある点から流れ出す
粒子や場の束の和という物理的意味を持っており、
電磁気学や流体力学で頻繁に用いられる。
実際前者では磁束や電束に就ての計算に用いられ、
後者では流体中の湧出や吸い込みなどのまわりで
流体の性質を表わすベクトルがnon-zeroになることが
知られている。
あるベクトル関数
:<math>\vec a</math>
があるとき、
:<math>\mathrm{div} \vec a=\frac{\partial{a_x}}{\partial{x}} +\frac{\partial{a_y}}{\partial{y}} + \frac{\partial{a_z}}{\partial{z}}</math>
を、<math>\vec a</math>の発散と呼ぶ。
また、この量もn次元で定義することが出来、そのときの定義は、
:<math>\mathrm{div} \vec a= \sum_{i} \frac{\partial{a_{i}}}{\partial{x_i}}</math>
で与えられる。
但し <math>a_i</math> は<math>\vec a</math> の第i成分である。
この式の物理的意味は上で述べた通りだが、そのことの導出は
ガウスの定理の導出によって与えられるため、ここでは扱わない。
====ベクトルの回転====
ここでもう1つ、物理的に重要な演算を導入する。
この量も電磁気学や流体力学で使われており、ある経路に沿って積分した値がその経路の中のある量の積分によって与えられるという定理である。
実際には電磁気学では古典的にある回路を突き抜ける磁束の時間変化が、その回路内に電流を引き起こすことがレンツの法則として知られている。この法則は、このようなベクトルの演算によって上手く記述される現象の例である。
流体力学では、この量は流体中に巻き起こる渦に対応している。
つまり、渦が流れるルートに沿って、流体の速度を積分していけば0でない値が得られることが期待される。一方、そうでない場合この値は全ての寄与が打ち消し合い、0になると思われる。つまり、この量を用いることで、流体中の渦を記述する方法が得られるわけである。
但し、実際には流体の運動を考えるときには渦が一切発生しないとした方が計算が簡単になることも多い。このような流れは渦無しの流れと呼ばれ、その性質はよく知られている。
ここからはベクトルの回転の定義を述べる。
あるベクトル関数
:<math>\vec a</math>
があるとき、
:<math>\mathrm{rot} \vec a=
\begin{pmatrix}\frac{\partial{a_z}}{\partial{y}} -\frac{\partial{a_y}}{\partial{z}}\\ \frac{\partial{a_x}}{\partial{z}} -\frac{\partial{a_z}}{\partial{x}}
\\ \frac{\partial{a_y}}{\partial{x}} -\frac{\partial{a_x}}{\partial{y}} \end{pmatrix} = \begin{vmatrix} \vec e_x & \vec e_y & \vec e_z \\ \frac{\partial}{\partial{x}} & \frac{\partial}{\partial{y}}& \frac{\partial}{\partial{y}} \\ a_1 & a_2 & a_3 \end{vmatrix}</math>
を
:<math>\vec a</math>
の回転と呼ぶ。
=== 記法 ===
場の量 <math>f(t, \boldsymbol r)</math> は時間 <math>t</math> と位置 <math>\boldsymbol r</math> に関する量だが、混乱の虞れがないときは変数を省略して <math>f</math> のように書く。ベクトルの量は <math>\boldsymbol E, \boldsymbol B</math> のように太字で書く。また、ベクトル量の大きさを同じ文字で <math>E,B</math> のように書く。例えば、<math>E^2=|\boldsymbol E|^2</math> である。
ベクトル量による微分は、ベクトル量の各々の成分による偏微分で作られるベクトルのことである。
例えば、 <math>\frac{\partial A}{\partial \boldsymbol r}</math> は(<math>\boldsymbol{r}</math>の各方向単位ベクトルが直交基底であるとき)勾配に等しい。
また、
<math>\frac{\partial A}{\partial \boldsymbol v}=\begin{pmatrix} \frac{\partial A}{\partial v_x} \\ \frac{\partial A}{\partial v_y} \\ \frac{\partial A}{\partial v_z} \end{pmatrix}</math>
この記法は[[解析力学]]で必要となるが、そのとき<math>\boldsymbol r, \boldsymbol v</math> は独立であるとして扱われる。
場の量 <math>A(t,\boldsymbol r)</math> に就て、ある粒子の軌跡 <math>\boldsymbol r_a</math> に沿った <math>A</math> の変化
:<math>\frac{dA(t,\boldsymbol r_a(t))}{dt}</math>
は、
:<math>\frac{dA(t,\boldsymbol r_a(t))}{dt}=\frac{\partial A} {\partial t} + \frac{d\boldsymbol r_a}{dt} \cdot \frac{\partial A(t,\boldsymbol r)}{\partial \boldsymbol r}</math>
である。物理では、態々 <math>\boldsymbol r_a</math>と記号を新しく導入することをせずに
:<math>\frac{dA}{dt}=\frac{\partial A} {\partial t} + \frac{d \boldsymbol r}{dt} \cdot \frac{\partial A}{\partial \boldsymbol r}</math>
と書く。右辺の第一項は場の時間変化、第二項は粒子の移動による場の変化に対応している。<math>\frac{dA}{dt}</math> を完全導関数、<math>\frac{\partial A}{\partial t}, \frac{\partial A}{\partial \boldsymbol r}</math> を偏導関数といい区別する。なお、完全導関数は両辺に<math>dt</math>を掛ければ完全微分の表記に一致する。
また、例えば、関数 <math>U(x,y,z)=\frac{\alpha}{\sqrt{x^2+y^2+z^2}}</math> は極座標では、<math>U'(r,\theta,\varphi)=\frac{\alpha}{r}</math> である。<math>U,U'</math> は数学的に異なる関数であるが、物理では座標系による関数の違いを書き分けることはほとんどない。つまり、<math>U'</math>もそのまま <math>U</math> と書くことになる。
== ベクトル解析の公式 ==
ここでは、ベクトル解析の公式を証明する。これらの公式はベクトルを成分表示して単純に計算することでも証明できるが、この方法ではあまりにも煩雑になってしまうためレヴィ・チヴィタ記号を導入して証明する。
=== クロネッカーのデルタ ===
クロネッカーのデルタ <math>\delta_{ij}</math>を
{{式番号|<math>\delta_{ij}=\begin{cases} 1 & i=j\\ 0 & i \ne j\end{cases}</math>|1}}
で定義する。
=== レヴィ・チヴィタ記号 ===
レヴィ・チヴィタ記号 <math>\varepsilon_{ijk}</math> を
{{式番号|<math>\varepsilon_{ijk}=\begin{cases}
1 & \, (i, j, k)=(1, 2, 3), (2, 3, 1), (3, 1, 2) \\
-1 & \, (i, j, k)=(1, 3, 2), (3, 2, 1), (2, 1, 3) \\
0 & \mathrm{otherwise}
\end{cases}</math>|2}}
と定義する。則ち、置換 <math>\sigma=\begin{pmatrix}
1 & 2 & 3 \\
i & j & k \end{pmatrix}</math> (但し <math>i,j,k</math> は互いに異なる)が偶置換のとき、<math>\varepsilon_{ijk}=1</math>、奇置換のとき<math>\varepsilon_{ijk}=-1</math> である。また、レヴィ・チヴィタ記号 <math>\varepsilon_{ijk}</math> は <math>\varepsilon_{123}=1</math> であり、2つの添字を入れ替えると -1 倍される(反対称)もの (e.g. <math>\varepsilon_{213}=-\varepsilon_{123}=-1 ,\,\varepsilon_{231}=-\varepsilon_{213}=1 </math>)と理解できる。添字に同じ数字があるときはレヴィ・チヴィタ記号は 0 である(e.g. <math>\varepsilon_{111}=0,\,\varepsilon_{322}=0</math>)。
基本ベクトル <math>\boldsymbol e_i</math> を <math>\boldsymbol e_i=\begin{pmatrix} \delta_{1i} \\ \delta_{2i} \\ \delta_{3i} \end{pmatrix}</math> とする。則ち、<math>\boldsymbol e_1=\begin{pmatrix} 1 \\ 0 \\ 0 \end{pmatrix},\boldsymbol e_2=\begin{pmatrix} 0 \\ 1 \\ 0 \end{pmatrix},\boldsymbol e_3=\begin{pmatrix} 0 \\ 0 \\ 1 \end{pmatrix}</math> である。
空間偏微分作用素 <math>\nabla =
\begin{pmatrix}
\frac{\partial}{\partial x} \\
\frac{\partial}{\partial y} \\
\frac{\partial}{\partial z}
\end{pmatrix}</math> をナブラという。これは記号的な表記である。ナブラを通常のベクトル量と同じように扱うと、勾配・発散・回転は簡単に
:<math>\mathrm{grad } f=\nabla f</math>
:<math>\mathrm{div} \vec a=\nabla \cdot \vec a</math>
:<math>\mathrm{rot} \vec a=\nabla \times \vec a</math>
と書くことが出来る。
<!-- デルタ(U+394)ではなく増分記号(U+2206)である。 --><math> \text{∆} := \nabla \cdot \nabla=\frac{\partial^2}{\partial x^2} + \frac{\partial^2}{\partial y^2} + \frac{\partial^2}{\partial z^2}
</math> をラプラシアンという。スカラー関数 <math> f
</math> に就て <math> \text{∆} f =\frac{\partial^2f}{\partial x^2} + \frac{\partial^2f}{\partial y^2} + \frac{\partial^2f}{\partial z^2}
</math> であり、ベクトル関数 <math> \boldsymbol A
</math> に就て <math> \text{∆} \boldsymbol A=\begin{pmatrix}
\frac{\partial^2A_x}{\partial x^2} + \frac{\partial^2A_x}{\partial y^2} + \frac{\partial^2A_x}{\partial z^2} \\
\frac{\partial^2A_y}{\partial x^2} + \frac{\partial^2A_y}{\partial y^2} + \frac{\partial^2A_y}{\partial z^2} \\
\frac{\partial^2A_z}{\partial x^2} + \frac{\partial^2A_z}{\partial y^2} + \frac{\partial^2A_z}{\partial z^2}
\end{pmatrix}
</math> である。
以下では、簡単のためにベクトル <math>\boldsymbol A</math>の <math>x</math> 成分 <math>A_x</math> を <math>A_1</math>、 <math>y</math> 成分 <math>A_y</math> を <math>A_2</math>、 <math>z</math> 成分 <math>A_z</math> を <math>A_3</math> と書く。偏微分に就ても <math>\frac{\partial}{\partial x}=\partial_x=\partial_1</math> などとする。ベクトル <math>\boldsymbol A</math> の 第i成分 <math>A_i</math> を <math>[\boldsymbol A]_i</math> と書く。また、アインシュタインの縮約記法を採用する。これは同じ項の中に同じ添字が2つ存在したらその添字に就ての総和を取るというものである。例えば、
<math>A_iB_i=\sum_{i=1}^3 A_iB_i</math>
である。
ベクトルの外積 <math>\boldsymbol A \times \boldsymbol B</math> の第i成分 <math>[\boldsymbol A \times \boldsymbol B]_i</math> は
<math>[\boldsymbol A \times \boldsymbol B]_i=\varepsilon_{ijk}A_jB_k</math>
と書ける。
実際に、展開して確認すると、
<math>\begin{align}\varepsilon_{1jk}A_jB_k
&= \varepsilon_{123}A_2B_3 + \varepsilon_{132}A_3B_2 \\
&= A_2B_3 - A_3B_2 \\
&= [\boldsymbol A \times \boldsymbol B]_1
\end{align}</math>
<math>\begin{align}\varepsilon_{2jk}A_jB_k
&= \varepsilon_{213}A_1B_3 + \varepsilon_{231}A_3B_1 \\
&= A_3B_1 - A_1B_3 \\
&= [\boldsymbol A \times \boldsymbol B]_2
\end{align}</math>
<math>\begin{align}\varepsilon_{3jk}A_jB_k
&= \varepsilon_{312}A_1B_2 + \varepsilon_{321}A_2B_1 \\
&= A_1B_2 - A_2B_1 \\
&= [\boldsymbol A \times \boldsymbol B]_3
\end{align}</math>
となる。上の式において、 <math>\varepsilon_{1jk}A_jB_k</math> を展開すると9つの項が出てくるが、その内の7つの <math>\varepsilon_{1jk}</math> が0となるため、2つの項だけが残る。則ち、<math>j=2,j=3</math> に対応する項(対応する <math>k</math> は <math>\{1,2,3\}</math> のうち1でも <math>j</math> でもないもの)、 <math>\varepsilon_{123},\varepsilon_{132}</math> の項のみが残る。<math>\varepsilon_{2jk},\varepsilon_{3jk}</math> に就ても同様である。
'''定理'''
<math>\varepsilon_{ijk}=|\boldsymbol e_i \,\boldsymbol e_j \, \boldsymbol e_k|=\begin{vmatrix}
\delta_{1i} & \delta_{1j}& \delta_{1k}\\
\delta_{2i} & \delta_{2j}& \delta_{2k}\\
\delta_{3i} & \delta_{3j}& \delta_{3k}
\end{vmatrix} </math> が成り立つ。
'''証明'''
<math>|\boldsymbol e_1 \, \boldsymbol e_2 \, \boldsymbol e_3|=\begin{vmatrix} 1 & 0 & 0 \\ 0 & 1 & 0 \\ 0 & 0 & 1 \end{vmatrix}=1=\varepsilon_{123}</math> である。
これと、行列式の性質より、<math>|\boldsymbol e_i \,\boldsymbol e_j \, \boldsymbol e_k| </math> は反対称であることから、<math>\varepsilon_{ijk}=|\boldsymbol e_i \, \boldsymbol e_j\, \boldsymbol e_k| </math> を得る。
基本ベクトルの定義 <math>\boldsymbol e_i=\begin{pmatrix} \delta_{1i} \\ \delta_{2i} \\ \delta_{3i} \end{pmatrix}</math> を代入して、<math>|\boldsymbol e_i \,\boldsymbol e_j \, \boldsymbol e_k|=\begin{vmatrix}
\delta_{1i} & \delta_{1j}& \delta_{1k}\\
\delta_{2i} & \delta_{2j}& \delta_{2k}\\
\delta_{3i} & \delta_{3j}& \delta_{3k}
\end{vmatrix} </math> を得る。
'''定理'''
<math>\varepsilon_{ijk}\varepsilon_{lmn}=\begin{vmatrix}
\delta_{il} & \delta_{im}& \delta_{in}\\
\delta_{jl} & \delta_{jm}& \delta_{jn}\\
\delta_{kl} & \delta_{km}& \delta_{kn}
\end{vmatrix}
= \delta_{il}\left( \delta_{jm}\delta_{kn} - \delta_{jn}\delta_{km} \right)
+ \delta_{im}\left( \delta_{jn}\delta_{kl} - \delta_{jl}\delta_{kn} \right)
+ \delta_{in}\left( \delta_{jl}\delta_{km} - \delta_{jm}\delta_{kl} \right) </math> である。
'''証明'''
<math>\varepsilon_{ijk}=|\boldsymbol e_i \,\boldsymbol e_j \, \boldsymbol e_k|,\, \varepsilon_{lmn}=|\boldsymbol e_l \,\boldsymbol e_m \, \boldsymbol e_n| </math> より
<math>\varepsilon_{ijk}\varepsilon_{lmn}=|\boldsymbol e_i \,\boldsymbol e_j \, \boldsymbol e_k||\boldsymbol e_l \,\boldsymbol e_m \, \boldsymbol e_n|=\begin{vmatrix}\boldsymbol e_i^T \\ \boldsymbol e_j^T \\ \boldsymbol e_k^T \end{vmatrix}|\boldsymbol e_l \, \boldsymbol e_m \, \boldsymbol e_n|=\begin{vmatrix}
\boldsymbol e_i^T\boldsymbol e_l & \boldsymbol e_i^T\boldsymbol e_m& \boldsymbol e_i^T\boldsymbol e_n\\
\boldsymbol e_j^T\boldsymbol e_l & \boldsymbol e_j^T\boldsymbol e_m& \boldsymbol e_j^T\boldsymbol e_n\\
\boldsymbol e_k^T\boldsymbol e_l & \boldsymbol e_k^T\boldsymbol e_m& \boldsymbol e_k^T\boldsymbol e_n
\end{vmatrix}=\begin{vmatrix}
\delta_{il} & \delta_{im}& \delta_{in}\\
\delta_{jl} & \delta_{jm}& \delta_{jn}\\
\delta_{kl} & \delta_{km}& \delta_{kn}
\end{vmatrix}. </math>
また、 余因子展開をして、 <math>\begin{vmatrix}
\delta_{il} & \delta_{im}& \delta_{in}\\
\delta_{jl} & \delta_{jm}& \delta_{jn}\\
\delta_{kl} & \delta_{km}& \delta_{kn}
\end{vmatrix}
= \delta_{il}\left( \delta_{jm}\delta_{kn} - \delta_{jn}\delta_{km} \right)
+ \delta_{im}\left( \delta_{jn}\delta_{kl} - \delta_{jl}\delta_{kn} \right)
+ \delta_{in}\left( \delta_{jl}\delta_{km} - \delta_{jm}\delta_{kl} \right) </math> を得る。
'''定理'''
# <math> \varepsilon_{ijk}\varepsilon_{ilm}=\delta_{jl}\delta_{km} - \delta_{jm}\delta_{kl} </math>
# <math> \varepsilon_{ijk}\varepsilon_{ijl}=2\delta_{kl} </math>
# <math> \varepsilon_{ijk}\varepsilon_{ijk}=6 </math>
が成り立つ。
'''証明'''
次の式ではアインシュタインの規約を使わない。つまり <math>i </math> に就ての和を取らないとする。
<math>\varepsilon_{ijk}\varepsilon_{ilm}=\begin{vmatrix}
1 & \delta_{il}& \delta_{im}\\
\delta_{ji} & \delta_{jl}& \delta_{jm}\\
\delta_{ki} & \delta_{kl}& \delta_{km}
\end{vmatrix}=(\delta_{jl}\delta_{km} - \delta_{jm}\delta_{kl}) - \delta_{il}(\delta_{ji}\delta_{km} - \delta_{jm}\delta_{ki}) + \delta_{im}(\delta_{ji}\delta_{kl} - \delta_{jl}\delta_{ki}) </math>
となる。この式の <math>i=1,2,3 </math> に就て和を取り、アインシュタインの規約を復活させると
<math>\begin{align} \varepsilon_{ijk}\varepsilon_{ilm} &= 3(\delta_{jl}\delta_{km} - \delta_{jm}\delta_{kl}) - (\delta_{jl}\delta_{km} - \delta_{jm}\delta_{kl}) + (\delta_{jm}\delta_{kl} - \delta_{jl}\delta_{km}) \\
&= \delta_{jl}\delta_{km} - \delta_{jm}\delta_{kl} \end{align} </math>
を得る。また、
<math> \varepsilon_{ijk}\varepsilon_{ijl}= \varepsilon_{ijk}\varepsilon_{ijl}= (\delta_{jj}\delta_{kl} - \delta_{jl}\delta_{kj})=3\delta_{kl} - \delta_{kl}=2\delta_{kl} </math>
<math> \varepsilon_{ijk}\varepsilon_{ijk}= \varepsilon_{ijk}\varepsilon_{ijk}= 2\delta_{kk}=6 </math>
となる。
<math>\varepsilon_{ijk} \varepsilon_{kml}</math> の組み合わせは、ベクトルとの積の形でよく出てくるからこれを計算する。ここで <math>T_{ijlm}</math> は添字 <math>l,m</math> のベクトルを含み、 <math>i,j</math> を任意で含むベクトルの積(一般にはテンソル)である。要するに <math>T_{ijlm}=A_iB_jC_lD_m,\, B_jC_lD_m,\, C_lD_m</math> の形である。
<math>\begin{align}
\varepsilon_{ijk} \varepsilon_{klm} T_{ijlm} &= \varepsilon_{kij} \varepsilon_{klm}T_{ijlm}\\
&= (\delta_{il}\delta_{jm} - \delta_{im}\delta_{jm})T_{ijlm} \\
&= T_{ijij} - T_{ijji}
\end{align}</math>となる。
つまり、<math>\varepsilon_{ijk} \varepsilon_{kml}</math> が出てきたら、それを含む項は
(<math>l,m \to i,j</math> と置き換えた式) − (<math>l,m \to j,i</math> と置き換えた式)
に等しい。
=== 三重積と四重積 ===
'''定理'''
次の式が成り立つ。
# スカラー三重積 <math>\boldsymbol A \cdot (\boldsymbol B \times \boldsymbol C)=\boldsymbol B \cdot (\boldsymbol C \times \boldsymbol A)=\boldsymbol C \cdot (\boldsymbol A \times \boldsymbol B)</math>
# ベクトル三重積 <math>\boldsymbol A \times (\boldsymbol B \times \boldsymbol C)=(\boldsymbol A \cdot \boldsymbol C)\boldsymbol B - (\boldsymbol A \cdot \boldsymbol B)\boldsymbol C</math>
# スカラー四重積 <math>(\boldsymbol A \times \boldsymbol B) \cdot (\boldsymbol C \times \boldsymbol D)=(\boldsymbol A \cdot \boldsymbol C) (\boldsymbol B \cdot \boldsymbol D) - (\boldsymbol A \cdot \boldsymbol D) (\boldsymbol B \cdot \boldsymbol C)</math>
# ベクトル四重積 <math>(\boldsymbol A \times \boldsymbol B) \times (\boldsymbol C \times \boldsymbol D)
= [(\boldsymbol A \times \boldsymbol B) \cdot \boldsymbol D] \boldsymbol C - [(\boldsymbol A \times \boldsymbol B) \cdot \boldsymbol C] \boldsymbol D </math>
# ヤコビ恒等式 <math>\boldsymbol{A} \times ( \boldsymbol{B} \times \boldsymbol{C} ) + \boldsymbol{B} \times ( \boldsymbol{C} \times \boldsymbol{A} ) + \boldsymbol{C} \times ( \boldsymbol{A} \times \boldsymbol{B} )=0</math>
'''証明'''
*スカラー三重積の証明
<math>\begin{align}\boldsymbol A \cdot (\boldsymbol B \times \boldsymbol C) &= A_i[\boldsymbol B \times \boldsymbol C]_i \\
&= \varepsilon_{ijk}A_iB_jC_k. \\
\boldsymbol B \cdot (\boldsymbol C \times \boldsymbol A) &= B_j[\boldsymbol C \times \boldsymbol A]_j\\
&= B_j\varepsilon_{jki}C_kA_i \\
&= \varepsilon_{ijk}A_iB_jC_k.\\
\boldsymbol C \cdot (\boldsymbol A \times \boldsymbol B) &= C_k[\boldsymbol A \times \boldsymbol B]_k \\
&= C_k\varepsilon_{kij}A_iB_j \\
&= \varepsilon_{ijk}A_iB_jC_k.
\end{align}</math>
*ベクトル三重積の証明
<math>\begin{align}
{[}\boldsymbol A \times (\boldsymbol B \times \boldsymbol C)]_i &= \varepsilon_{ijk}A_j[\boldsymbol B \times \boldsymbol C]_k \\
&= \varepsilon_{ijk}A_j\varepsilon_{klm}B_lC_m \\
&= A_jB_iC_j - A_jB_jC_i\\
&= (\boldsymbol A \cdot \boldsymbol C)B_i - (\boldsymbol A \cdot \boldsymbol B)C_i
\end{align}</math>
途中で <math>\varepsilon_{ijk} \varepsilon_{klm} T_{ijlm}=T_{ijij} - T_{ijji}</math> の公式を <math>T_{jlm}=A_jB_lC_m</math> に対して使った。
*スカラー四重積の証明
スカラー三重積及びベクトル三重積を使うと
<math>(\boldsymbol A \times \boldsymbol B) \cdot (\boldsymbol C \times \boldsymbol D)
= \boldsymbol C \cdot [\boldsymbol D \times (\boldsymbol A \times \boldsymbol B)]=\boldsymbol C \cdot [(\boldsymbol D \cdot \boldsymbol B ) \boldsymbol A - (\boldsymbol D \cdot \boldsymbol A) \boldsymbol B]
= (\boldsymbol A \cdot \boldsymbol C)\boldsymbol B - (\boldsymbol A \cdot \boldsymbol B)\boldsymbol C.</math>
*ベクトル四重積の証明
ベクトル三重積よりほとんど自明である。
*ヤコビ恒等式の証明
ベクトル三重積の公式を代入して計算するだけである。
=== 微分公式 ===
上の表式を用いると、複雑な微分の計算を簡便に行なうことが出来る。
'''定理'''
<math>\nabla \times (\nabla f)=0</math>
<math>\nabla \cdot (\nabla \times \boldsymbol A)=0 </math>
が成り立つ。
'''証明'''
<math>\begin{align}
{[\nabla \times (\nabla f)]}_i &= \varepsilon_{ijk}\partial_j[\nabla f]_k \\
&= \varepsilon_{ijk}\partial_j\partial_kf
\end{align} </math>
ここで、<math>\varepsilon_{ijk}\partial_i \partial_jf </math> に就て、<math>i>j </math> の項は、 <math>\varepsilon_{jik}\partial_j \partial_if=-\varepsilon_{ijk}\partial_i \partial_jf </math>と打ち消し合う(<math>\varepsilon_{ijk}\partial_i \partial_jf + \varepsilon_{jik}\partial_j \partial_if=0 </math>)。 <math>i=j </math> の項は <math>\varepsilon_{ijk}\partial_i \partial_jf=\varepsilon_{iik}\partial_i \partial_if=0 </math> となるので、結局最後の式は 0 である。
則ち、<math>\nabla \times (\nabla f)=0</math> を得る。
<math>\begin{align}\nabla \cdot (\nabla \times \boldsymbol A) &= \partial_i[\nabla \times \boldsymbol A]_i \\
&= \partial_i \varepsilon_{ijk}\partial_jA_k \\
&= \varepsilon_{ijk}\partial_i \partial_jA_k \\
\end{align} </math>
ここで、<math>\varepsilon_{ijk}\partial_i \partial_jA_k </math> に就て、<math>i>j </math> の項は、 <math>\varepsilon_{jik}\partial_j \partial_iA_k=-\varepsilon_{ijk}\partial_i \partial_jA_k </math>と打ち消し合う(<math>\varepsilon_{ijk}\partial_i \partial_jA_k + \varepsilon_{jik}\partial_j \partial_iA_k=0 </math>)。 <math>i=j </math> の項は <math>\varepsilon_{ijk}\partial_i \partial_jA_k=\varepsilon_{iik}\partial_i \partial_iA_k=0 </math> となるので、結局最後の式は 0 である。
則ち、<math>\nabla \cdot (\nabla \times \boldsymbol A)=0 </math> を得る。
'''定理'''
<math>
\nabla \cdot (\boldsymbol A \times \boldsymbol B ) =
(\nabla \times \boldsymbol A) \cdot \boldsymbol B - \boldsymbol A \cdot (\nabla \times \boldsymbol B)
</math>
<math>\nabla \times ( \boldsymbol{A} \times \boldsymbol{B} )=( \boldsymbol{B} \cdot \nabla ) \boldsymbol{A} - ( \boldsymbol{A} \cdot \nabla ) \boldsymbol{B} + \boldsymbol{A} ( \nabla \cdot \boldsymbol{B} ) - \boldsymbol{B} ( \nabla \cdot \boldsymbol{A} ) </math>
<math>\nabla(\boldsymbol A \cdot \boldsymbol B)=\boldsymbol A \times (\nabla \times B) + \boldsymbol B \times (\nabla \times \boldsymbol A) + (\boldsymbol A \cdot \nabla)\boldsymbol B + (\boldsymbol B \cdot \nabla)\boldsymbol A </math>
が成り立つ。
'''証明'''
<math>
\begin{align}
\nabla \cdot (\boldsymbol A \times \boldsymbol B ) &= \partial_i (\varepsilon_{ijk} A_j B_k) \\
&= \varepsilon_{ijk}(\partial _i A_j) B_k + \varepsilon_{ijk} A_j (\partial _i B_k)\\
&= (\nabla \times \boldsymbol A)\cdot \boldsymbol B - \boldsymbol A \cdot (\nabla \times \boldsymbol B) .
\end{align}
</math>
<math>\begin{align}
{[\nabla \times ( \boldsymbol{A} \times \boldsymbol{B} )}]_i &= \varepsilon_{ijk}\partial_j[ \boldsymbol{A} \times \boldsymbol{B}]_k \\
&= \varepsilon_{ijk}\varepsilon_{klm}\partial_j(A_lB_m) \\
&= \partial_j(A_iB_j) - \partial_j(A_jB_i) \\
&= B_j\partial_jA_i + A_i\partial_jB_j - B_i\partial_jA_j - A_j\partial_jB_i \\
&= (\boldsymbol B \cdot \nabla)A_i + A_i(\nabla \cdot \boldsymbol B) - (\boldsymbol A \cdot \nabla)B_i - B_i(\nabla \cdot \boldsymbol A)
\end{align} </math><ref name=":0"><math>\varepsilon_{ijk} \varepsilon_{klm} T_{ijlm}=T_{ijij} - T_{ijji}</math> の公式を使った。</ref>
より、<math>\nabla \times ( \boldsymbol{A} \times \boldsymbol{B} )=( \boldsymbol{B} \cdot \nabla ) \boldsymbol{A} - ( \boldsymbol{A} \cdot \nabla ) \boldsymbol{B} + \boldsymbol{A} ( \nabla \cdot \boldsymbol{B} ) - \boldsymbol{B} ( \nabla \cdot \boldsymbol{A} ) </math> が成り立つ。
<math>\begin{align}{[\nabla(\boldsymbol A \cdot \boldsymbol B)]}_i &= \partial_i(A_jB_j)\\
&= B_j\partial_iA_j + A_j\partial_iB_j.\\
\end{align} </math>
ここで、<math>[\boldsymbol A \times(\nabla \times \boldsymbol B)]_i= A_j \partial_iB_j - (\boldsymbol A \cdot \nabla) \boldsymbol B_i </math> が成り立つので<ref>この式の導出に困ったらベクトル三重積の導出を参考すること。但し、微分の扱いに注意すること。ベクトル三重積の導出の六行目までは、Bを∇に読み替えても成立するが、七行目の式変形は成立しない。なぜなら、偏微分とベクトルの成分を入れ替えて <math>\partial_i C_j=C_j \partial_i</math> とすることは当然不可能だからである。</ref>、これを第二項に代入する。第一項に就ても同様の式が成り立つため、これを代入すると結局、 <math>\nabla(\boldsymbol A \cdot \boldsymbol B)=\boldsymbol A \times (\nabla \times B) + \boldsymbol B \times (\nabla \times \boldsymbol A) + (\boldsymbol A \cdot \nabla)\boldsymbol B + (\boldsymbol B \cdot \nabla)\boldsymbol A </math> が得られる。
'''定理'''
<math>
\nabla \cdot(f\boldsymbol A )= \nabla f \cdot \boldsymbol A + f \nabla \cdot \boldsymbol A
</math>
<math>\nabla \times(f\boldsymbol A)=\nabla f \times \boldsymbol A + f\nabla \times \boldsymbol A </math>
が成り立つ。
'''証明'''
<math>
\begin{align}
\nabla \cdot (f \boldsymbol A) &= \partial_i (fA_i)\\ &= (\partial_i f ) A_i + f (\partial_i A_i)\\ &= \nabla f \cdot \boldsymbol A + f\nabla \cdot \boldsymbol A
\end{align}
</math>
<math>
\begin{align}
{[\nabla \times f \boldsymbol A]}_i &= \varepsilon_{ijk}\partial_j(fA_k)\\
&= \varepsilon_{ijk}\partial_jf \,A_k + \varepsilon_{ijk}f\partial_j \,A_k \\
&= {[\nabla f \times \boldsymbol A]}_i + {[f\nabla \times \boldsymbol A]}_i
\end{align}
</math>
'''定理'''
<math>\nabla \times (\nabla \times \boldsymbol{A} )=\nabla (\nabla \cdot \boldsymbol{A} ) - \text{∆} \boldsymbol{A} </math> が成り立つ。
'''証明'''
<math>\begin{align} {[}\nabla \times (\nabla \times \boldsymbol{A}){]}_i &= \varepsilon_{ijk}\partial_j[\nabla \times \boldsymbol A]_k \\
&= \varepsilon_{ijk}\varepsilon_{klm}\partial_j\partial_l{ A}_m \\
&= \partial_i\partial_jA_j - \partial_j\partial_jA_i
\end{align} </math><ref name=":0" />
それぞれの成分に就て展開すると
<math> {[}\nabla \times (\nabla \times \boldsymbol{A}){]}_1=\partial_1(\partial_1A_1+\partial_2A_2+\partial_3A_3) - (\partial_1^2+\partial_2^2+\partial_3^2)A_1
</math>
<math> {[}\nabla \times (\nabla \times \boldsymbol{A}){]}_2=\partial_2(\partial_1A_1+\partial_2A_2+\partial_3A_3) - (\partial_1^2+\partial_2^2+\partial_3^2)A_2
</math>
<math> {[}\nabla \times (\nabla \times \boldsymbol{A}){]}_3=\partial_3(\partial_1A_1+\partial_2A_2+\partial_3A_3) - (\partial_1^2+\partial_2^2+\partial_3^2)A_3
</math>
である。これは <math>\nabla \times (\nabla \times \boldsymbol{A} )=\nabla (\nabla \cdot \boldsymbol{A} ) - \text{∆} \boldsymbol{A} </math> であることを意味する。
これらの計算は、電磁気学等で頻繁に用いられるので、よく練習しておかねばならない。
'''定理'''
位置ベクトル <math>
\boldsymbol r
</math> に就て <math>
r=|\boldsymbol r| =\sqrt{x^2+y^2 + z^2}
</math> とすると、<math>
\nabla r^n=n r^{n-2}{\boldsymbol r}
</math>である。
'''証明'''
<math>
\frac{\partial}{\partial x}r^n=nr^{n-1}\frac{\partial}{\partial x}\sqrt{x^2 + y^2 + z^2}=nr^{n-1} \frac x r=nr^{n-2}x
</math>
<math>
y,z
</math> に就ても同様である。
則ち、<math>
\nabla r^n=\begin{pmatrix} nr^{n-2}x \\nr^{n-2}y \\nr^{n-2}z\end{pmatrix}=nr^{n-2}\boldsymbol r.
</math>
=== 極座標系 ===
ここでは、極座標での勾配、発散、ラプラシアンを求める。
極座標では、位置ベクトルは <math>\boldsymbol r = \begin{pmatrix} x\\ y\\ z \end{pmatrix} = \begin{pmatrix} r\sin\theta\cos\varphi\\ r\sin\theta\sin\varphi\\ r\cos\theta \end{pmatrix}
</math> となる。正規直交基底は <math>\boldsymbol e_r := \frac{\frac{\partial \boldsymbol r}{\partial r}}{\left|\frac{\partial \boldsymbol r}{\partial r}\right|} = \begin{pmatrix}\sin\theta\cos\varphi\\ \sin\theta\sin\varphi\\ \cos\theta\end{pmatrix}
</math>,<math>\boldsymbol e_\theta
:= \frac{\frac{\partial \boldsymbol r}{\partial \theta}}{\left|\frac{\partial \boldsymbol r}{\partial \theta}\right|}
= \frac 1 r \begin{pmatrix}r\cos\theta\cos\varphi\\ r\cos\theta\sin\varphi\\ -r\sin\theta\end{pmatrix}
=\begin{pmatrix}\cos\theta\cos\varphi\\ \cos\theta\sin\varphi\\ -\sin\theta\end{pmatrix}
</math>,<math>\boldsymbol e_\varphi
:= \frac{\frac{\partial \boldsymbol r}{\partial \varphi}}{\left|\frac{\partial \boldsymbol r}{\partial \varphi}\right|}
= \frac{1}{r\sin\theta}\begin{pmatrix}-r\sin\theta\sin\varphi\\ r\sin\theta\cos\varphi\\ 0 \end{pmatrix}
=\begin{pmatrix}-\sin\varphi\\ \cos\varphi\\ 0 \end{pmatrix}
</math>である。
微小変位ベクトル <math>d\boldsymbol r = dx\boldsymbol e_x + dy\boldsymbol e_y + dz\boldsymbol e_z
</math> は極座標では、
<math>\begin{align}d\boldsymbol r &= \frac{\partial \boldsymbol r}{\partial r}dr + \frac{\partial \boldsymbol r}{\partial \theta}d\theta + \frac{\partial \boldsymbol r}{\partial \varphi}d\varphi\\
&= \left|\frac{\partial \boldsymbol r}{\partial r}\right|\boldsymbol e_r dr +\left|\frac{\partial \boldsymbol r}{\partial \theta}\right|\boldsymbol e_\theta d\theta + \left|\frac{\partial \boldsymbol r}{\partial \varphi}\right|\boldsymbol e_\varphi d\varphi\\
&= \boldsymbol e_r dr + r\boldsymbol e_\theta d\theta + r\sin\theta\boldsymbol e_\varphi d\varphi
\end{align}
</math>
と書ける。
関数 <math>f
</math> の全微分 <math>df
</math> は <math>df = \frac{df}{dx}dx + \frac{df}{dy}dy + \frac{df}{dz}dz = \nabla f \cdot d\boldsymbol r
</math> となる。
極座標での発散を <math>\nabla f = \nabla_r f \, \boldsymbol e_r + \nabla_\theta f \, \boldsymbol e_\theta + \nabla_\varphi f \, \boldsymbol e_\varphi
</math> とすると、<math>\begin{align}df &= \nabla f \cdot d\boldsymbol r \\
&= (\nabla_r f \, \boldsymbol e_r + \nabla_\theta f \, \boldsymbol e_\theta + \nabla_\varphi f \, \boldsymbol e_\varphi)\cdot (\boldsymbol e_r dr + r\boldsymbol e_\theta d\theta + r\sin\theta\boldsymbol e_\varphi d\varphi)\\
&=\nabla_r f\, dr + r\nabla_\theta f \, d\theta + r\sin\theta\nabla_\varphi f \, d\varphi
\end{align}
</math>
である。これと極座標での全微分 <math>df = \frac{\partial f}{\partial r}dr + \frac{\partial f}{\partial \theta}d\theta + \frac{\partial f}{\partial \varphi}d\varphi
</math> と比較すると、
<math>\nabla_r f = \frac{\partial f}{\partial r},\nabla_\theta f = \frac{1}{r}\frac{\partial f}{\partial \theta},\nabla_\varphi f = \frac{1}{r\sin\theta}\frac{\partial f}{\partial \varphi}{}
</math> を得る。
すなわち、極座標での発散は <math>\nabla f =\frac{\partial f}{\partial r} + \frac{1}{r}\frac{\partial f}{\partial \theta} + \frac{1}{r\sin\theta}\frac{\partial f}{\partial \varphi}{}
</math> である。
基底ベクトルの微分は、
<math>\frac{\partial \boldsymbol e_r}{\partial r} = 0,\frac{\partial \boldsymbol e_r}{\partial \theta} = \boldsymbol e_\theta,\frac{\partial \boldsymbol e_r}{\partial \varphi} = \sin\theta \boldsymbol e_\varphi
</math>
<math>\frac{\partial \boldsymbol e_\theta}{\partial r} = 0,\frac{\partial \boldsymbol e_\theta}{\partial \theta} = -\boldsymbol e_r,\frac{\partial \boldsymbol e_\theta}{\partial \varphi} = \cos\theta\boldsymbol e_\varphi
</math>
<math>\frac{\partial \boldsymbol e_\varphi}{\partial r} = 0,\frac{\partial \boldsymbol e_\varphi}{\partial \theta} = 0,\frac{\partial \boldsymbol e_\varphi}{\partial \varphi} = -\cos\theta\boldsymbol e_r - \sin\theta \boldsymbol e_\theta
</math>
であることを使って極座標でのベクトル <math>\boldsymbol A
</math> の発散を計算すると、
<math>\begin{align}\nabla \cdot A
&= \left(\boldsymbol e_r\frac{\partial f}{\partial r} + \boldsymbol e_\theta \frac{1}{r}\frac{\partial }{\partial \theta} + \boldsymbol e_\varphi \frac{1}{r\sin\theta}\frac{\partial f}{\partial \varphi}\right)\cdot (A_r\boldsymbol e_r + A_\theta \boldsymbol e_\theta + A_\varphi \boldsymbol e_\varphi)\\
&= \boldsymbol e_r \cdot \left(\frac{\partial A_r}{\partial r}\boldsymbol e_r\right) + \frac 1 r \boldsymbol e_\theta \cdot \left( \frac{\partial A_\theta}{\partial \theta}\boldsymbol e_\theta + A_r\boldsymbol e_\theta\right) + \frac{1}{r\sin\theta}\boldsymbol e_\varphi \cdot \left( \frac{\partial A_\varphi}{\partial \varphi}\boldsymbol e_\varphi + A_r\sin\theta \boldsymbol e_\varphi + A_\theta\cos\theta\boldsymbol e_\varphi\right)\\
&= \frac{1}{r^2}\frac{\partial (r^2 A_r)}{\partial r} + \frac{1}{r\sin\theta}\frac{\partial (\sin\theta A_\theta)}{\partial \theta} + \frac{1}{r\sin\theta}\frac{\partial A_\varphi}{\partial \varphi}
\end{align}
</math>
となる。
また、ラプラシアンに極座標での勾配と発散を代入すると、
<math>\triangle f = \nabla \cdot \nabla f =\frac{1}{r^2}\frac{\partial }{\partial r}\left(r^2 \frac{\partial f}{\partial r}\right) + \frac{1}{r^2\sin\theta}\frac{\partial }{\partial \theta}\left(\sin\theta\frac{\partial f}{\partial \theta}\right) + \frac{1}{r^2\sin^2\theta}\frac{\partial^2 f}{\partial \varphi^2}
</math>
となり、ラプラシアンの極座標表示が得られた。
===テンソル代数===
====テンソルの定義====
物理の計算においては、テンソルと呼ばれる量が
頻繁に用いられる。これは3次元における電磁気学の計算や、
古典力学における慣性モーメントなどで用いられるが、
特殊相対論、一般相対論においても用いられる。
但し、特に一般相対論においては、計量テンソルと呼ばれる
特殊なテンソルが導入されるため、計算が非常に複雑になる。
ここでは、主に3次元のテンソル計算を扱うが、
特殊相対論における計算も少し扱う。
まずは、テンソルを定義する。
あるn次元のベクトルを考える。
このベクトルに対して、一般にあるベクトルからそれと同じ
次元のベクトルに変換するような線形変換を考えることが出来る。
この変換は、そのベクトルを同じ次元のベクトルに変換することから、
n*nの行列で書けることが分かる。
さて、次にこれらのベクトルのいくつかの(m個とする。)直積を取って、
mn個の要素を含む列ベクトルを作ることを考える。
直積の取り方に就ては、[[物理数学I]]を参照。
:<math>
V \times V \times \cdots \times V
</math>
この操作によってできたmnベクトルは、上の行列によって表わされる
n行のベクトルから出来たm次のテンソルの一種となっている。
但し、一般のテンソルはもう少し複雑で、
既に上で得たベクトルとのつながりを忘れてしまったmn次元のベクトルが
上と同じ様な変換性を持つとき、これを上のベクトルに対する
m次のテンソルと呼ぶ。
ここでは、さらにこれらのテンソルが従う変換の行列を
構成することを考える。
ここで、先ほど定めたmn行のベクトルの成分のうち、直積を取られる前は別の
ベクトルだった部分のそれぞれが、直積を取られる前と同じように変換するような
mn*mn次の変換行列を作りたい。
このためには、先ほど定めたn*nの行列による変換のm回の直積を取って、
mn*mnの行列を作ればよい。
このとき行列の直積の性質
:<math>
(A_1 \times B_1) \cdot (A_2 \times B_2 ) =
A_1 A_2 \times B_1 B_2
</math>
から、
この行列が先ほどの性質を満たすことが分かる。
ここで、これらの行列やベクトルは添字を上手くつけることによって
書き表すことが出来る。
先ほど述べたうち、元々のベクトルを
:<math>
A^\mu
</math>
と書く。
次に、元々のベクトルを変換する行列を
:<math>
\Lambda ^{\mu\nu}
</math>
と書くと、この行列により変換された後のベクトルは、
:<math>
\Sigma_{\nu=1}^{n} \Lambda ^{\mu\nu} A^\nu
</math>
で表わされる。
ここで、行列を添字を用いて計算する方法を使った。
但し、物理の計算においては、
"同じ式の中に同じ添字が2回出て来たとき、この2つの添字を
足し合わせる"という規約を用いることが多い。
これをEinsteinの規約と呼び、一般相対論でEinsteinが用いてから
よく使われるようになった。
この規約を用いると、上の式は簡単に、
:<math>
\Lambda ^{\mu\nu} A^\nu
</math>
と書かれる。以下の計算では、常にこの規約を用い、
この規約が適用されないところでは、注意書きを行なうこととする。
さらに、元々のベクトルの直積は、
:<math>
A^\mu A^\nu
</math>
となる。
但し、ここでは、簡単にするためm=2と定めた。
これらを変換するmn*mn行列は
:<math>
\Lambda ^{\mu\rho} \Lambda ^{\nu\sigma}
</math>
となる。
また、これらの行列によって変換されたベクトルは、
:<math>
\Lambda ^{\mu\rho} \Lambda ^{\nu\sigma} A^\rho A^\sigma
</math>
で表わされる。
これらの変換則から一般的なテンソルを構成することが出来る。
例えば、ここでもm =2と定める。上の議論からこの量は
2つの添字を用いて、
:<math>
T^{\mu\nu}
</math>
と書くことが出来、この量が従う変換則は、
:<math>
\Lambda ^{\mu\rho} \Lambda ^{\nu\sigma}
T^{\rho\sigma}
</math>
となることがわかる。この量をある変換<math>\Lambda </math>に対する、
2次のテンソルと呼ぶ。
ここでは、テンソルの代数を定義した。このことを用いて、
ここからはより複雑な微分を見て行く。
===多変数関数の積分===
多変数関数の積分は1変数の場合の拡張によって定義される。
特に、いくつかの計算は物理的な意味が明確であるので
物理数学においても扱われることが多い。
====ガウスの定理====
ここで直交座標系を用いた場合に就て、
ある定理を導出する。
この定理は、ベクトルの発散という量の物理的意味を
与えてくれる点で重要である。
:<math>
\iiint_V dxdydz \mathrm{div} \vec A=\iint d\vec s \vec A
</math>
が成り立つ。
ここで、左辺の体積積分はある領域に就て行なわれ、
右辺の表面積分は、その領域を囲む面積全体に対して
行なわれる。
この定理をガウスの定理と呼ぶ。
{{w|ガウス}}は19世紀の非常に有名な数学者の名前である。
導出に移る前に、この定理の意味を述べる。
まずは右辺に注目する。右辺の被積分関数
:<math>
d\vec s \vec A
</math>
は、ある点での面積要素に垂直な
:<math>
\vec A
</math>
の値を表わしている。これは例えば、
:<math>
\vec A
</math>
が、流体力学でいう流体の流れる速度を表わすベクトルだったとするなら、
その流れのうちで今定めた面積要素から流れだす流量を表わしている。
この量を領域Vを囲む表面全体で足し合わせることから、この量は
領域Vから流れ出す流体の流量の和に等しいことが分かる。
ここで、領域Vの中に流体が湧出て来るような場所が合ったとすると、このとき
領域Vから流れ出す流量は、有限になると考えられる。
このためには、左辺で
:<math>\mathrm{div} \vec A</math>
が流体の湧出の周りで有限になっていなければならない。
これらのことからベクトルの発散は、
:<math>
\mathrm{div} \vec A
</math>
の意味は、ベクトルAの湧出に対応していることが分かる。
発散という名前は、ベクトルAがどこからか現われて、周りに広がって行く
様子から来ている。
ここからは、この定理の導出に移る。但し、ここでの導出は直観的なものであり、
局限移行等に就ては数学的に厳密なものではないことを注意しておく。
*導出
まず、ある領域Vを非常に小さい立方体の領域<math>v_i</math>に分割する。
領域Vがどんな形であっても、このことは常に可能だと期待される。
ここで、ある互いに接し合う2つの小さい領域<math>v_1</math>と<math>v_2</math>に就て
この定理が示されたとする。
このとき、領域<math>v_1</math>と領域が<math>v_2</math>接している面を考える。
それぞれの領域からの寄与は、その点でのベクトルの大きさと
その面積要素の大きさが同じであることから同じであると考えられ、
また、それらは互いに接しているので、面積分の性質から見て、
それらの寄与は互いに異なった符合を持っている。
ここで、今考えている領域2つを張りつけて新しい領域
<math>v_3</math>を作り、この領域に就て元の式の左辺を計算すると、
その量は、
:<math>
\iiint_{v_1+v_2} dxdydz \mathrm{div} \vec A
</math>
となる。ここで、右辺に就ても互いに重なった部分の寄与が打ち消し合うことから、
:<math>
\iint_{\partial v_3} d\vec s \vec A
</math>
のように<math>v_3</math>の周りに就て元の式の表式が成り立っている。
ここで<math>v_3</math>の囲む領域の表面として
:<math>
\partial v_3
</math>
という表式を導入した。実際にはこの表式は数学の本から来ており、
物理の本でも割合よく用いられる。
結局、小さい立方体に就てこの定理が示されれば、元の領域に就ても
この定理が正しいことが分かった。
次にこのことが実際小さい立方体に就て正しいことを見る。
立方体の辺の長さを<math>\epsilon</math>とする。
このとき、元の式に就て
:<math>
\begin{matrix}
\mathrm{lhs}=\int _v \mathrm{div} \vec A\\
= \epsilon^3 \mathrm{div} \vec A
\end{matrix}
</math>
となる。
更に、右辺に就ては
:<math>
\begin{matrix}
\mathrm{rhs}=A_x(x+\epsilon,y+\epsilon /2,z+\epsilon /2) \epsilon^2 - A_x(x,y+\epsilon /2,z+\epsilon /2) \epsilon^2\\
+A_y(x+\epsilon/2, y+\epsilon,z+\epsilon/2) \epsilon^2 - A_y(x+\epsilon /2,y+\epsilon,z+\epsilon/2) \epsilon^2\\
+A_z(x+\epsilon/2, y+\epsilon/2,z+\epsilon) \epsilon^2 - A_z(x+\epsilon/2, y+\epsilon/2,z) \epsilon^2
\end{matrix}
</math>
のような表式が得られる。この式は、それぞれの面に対する面積分をあからさまに
積分したものである。ここで、特にそれぞれの面の中心を通るように
積分の点を選んでいる。これは、局限移行を上手く行なうためだが、
もう少し違った点を選んでも結果を得ることは出来る。
次に、上の表式を<math>\epsilon</math>に就てテイラー展開する。このとき、
:<math>
= \epsilon^2( \epsilon(\frac{\partial{A_x(x,y,z)}}{\partial{x}} ))
+ \epsilon^2( \epsilon(\frac{\partial{A_y(x,y,z)}}{\partial{y}} ))
+ \epsilon^2( \epsilon(\frac{\partial{A_z(x,y,z)}}{\partial{z}} ))
</math>
が得られる。
これを纏めると、
:<math>
= \epsilon^3 \mathrm{div} \vec A
</math>
が得られるが、これは丁度左辺からの式と一致している。
よって、小さい立方体に就てはこの定理は正しい。
====ストークスの定理====
次にベクトルの回転の物理的意味を特徴づける定理を扱う。
まずは定理を述べる。
:<math>
\iint dS \mathrm{rot} \vec A =\int d\vec l \vec A
</math>
が成り立つ。
ここで、この式の左辺はある面積Sに就て積分し、
この式の右辺は、その面積の外周に就ての線積分を行なう。
ここでも、ある面積Sの外周のことを、
:<math>
\partial S
</math>
と書くことがある。
この定理をストークスの定理と呼ぶ。
例えば、
:<math>
\vec A
</math>
を流体の速度ベクトルとしてみる。このとき、速度ベクトルをある面積の
外周に就て積分したとき、その値はその面積内の速度の回転の積分に
等しい。このことは、速度ベクトルの回転が、これらの流体の渦のような
ものに対応していることを示している。
実際、流体力学では
:<math>
\mathrm{rot} \vec u
</math>
のことを渦度と呼び、流体中の渦の様子を示す重要な量となっている。
この様に、ベクトルの回転はそのベクトルに就てある閉じた経路に就て
積分したものに対応している。
:<math>
\mathrm{rot} \vec A
</math>
が全ての点で成り立つ場合、全ての閉経路に対する線積分は0に等しくなる。
これは、流体でいうと渦無しの流れに対応している。
また、この結果は複素解析の線積分の定理の1つに対応しており、その面からも
重要である。複素解析に就ては、[[物理数学II]]で扱う予定である。
*導出
まず、ある面積Sを辺の長さが<math>\epsilon</math>に等しい小さな正方形に分ける。
正方形の大きさが十分小さいとき、このことは常に可能であると期待できる。
ここで、互いに接している小さい正方形に就てそれぞれの辺からの線積分の寄与は、
大きさが等しく、符合が反対であることが分かる。このことは、線積分の
経路を反時計周りに取るというきまりを守っていると、その辺で接するためには
積分の向きが逆になっていなくてはいけないということによる。
ここで、今挙げた小さな2つの正方形を張り付けた長方形に就て
同じ計算を行なう。このとき、互いに張りついた1つの辺からの寄与は打ち消し
あうので、同じ計算が張りつけた後の長方形に就ても成り立つ。
このことを繰りかえせば、小さな正方形に就てこの定理が成り立ったとき、
元々の領域に就てもこの定理が成り立つと期待できる。
さて、ここで、辺の長さが<math>\epsilon</math>に等しい正方形に就てこの定理が
成り立っていることを示す。
これらの正方形の各辺に平行になるように、x,y軸を取って
:<math>
\iint dS \mathrm{rot} \vec A =\int d\vec l \vec A
</math>
の左辺を計算すると、
:<math>
(\mathrm{lhs})=\epsilon ^2 \mathrm{rot} \vec A (x+ \epsilon/2,y+\epsilon/2)
</math>
が成り立つ。
次に右辺に就て、
:<math>
\begin{matrix}
(\mathrm{rhs}) =\epsilon \{A_x(x+\epsilon/2,y ) - A_x(x+\epsilon/2,y+\epsilon) \}\\
+ \epsilon \{A_y(x+\epsilon ,y+\epsilon/2 ) - A_y(x,y+\epsilon/2) \} \\
=\epsilon^2 \{ - \frac{\partial{A_x }}{\partial{y}} + \frac{\partial{A_y}}{\partial{x}} \} \\
= \epsilon^2 \mathrm{rot } \vec A
\end{matrix}
</math>
が得られるが、これは右辺の表式と等しい。
よって、小さい正方形に就てこの定理は示された。
また、以前の議論からこのとき元の領域に就てもこの定理は正しいことが
分かっている。よって、全ての領域に就て、この定理は正しいことが
示された。
===直交座標系でないときの計算===
直交座標系でないときにも
grad,div,rotを計算することが出来る。
ここではまず、座標系の定義を行なうことから始める。
また、上の議論からこのことは全ての領域Vに対してもこの定理が正しいことを
示している。
この定理は電磁気学で頻繁に用いられる重要な定理である。
==脚注==
<references/>
{{DEFAULTSORT:へくとるかいせき}}
[[カテゴリ:ベクトル解析]]
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線型代数学/ベクトル
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299066
299061
2026-05-03T12:13:13Z
Tomzo
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298736
wikitext
text/x-wiki
[[高等学校数学II 式と証明・高次方程式|複素数]]の概念は既知のものとした。ただし、複素数のことを知らない読者は、複素数に関する記述を読み飛ばしたとしても差し支えない。
== ベクトル ==
===ベクトルの定義===
単一の数で表現される量を'''スカラー'''とよぶ。それに対して、n個の数 <math>a_1, a_2, \cdots, a_n </math>を縦に並べて、括弧でかこんだものを'''n次列ベクトル'''とよび、次のように書く。
:<math>\mathbf a=
\begin{pmatrix}
a_1\\
a_2\\
\vdots\\
a_n\\
\end{pmatrix}</math>
また、これを、横に並べたものを'''n次行ベクトル'''とよび、次のように書く。
:<math>\mathbf a= (a_1 , a_2 , \cdots , a_n)</math>
<math>a_1, a_2, \cdots, a_n </math>をベクトル<math>\mathbf a</math>の'''成分'''(element)と呼び、特に<math>\mathbf a_k</math>を'''a'''の第k成分と呼ぶ。<br>
なお、ここで並べた「数」は、体の元のことを指すが、体のことを知らなければ、実数や、複素数のことであると思って差し支えない。<br>
成分がすべて実数のベクトルを'''実ベクトル'''と言う。対して、成分がすべて複素数のベクトルを'''複素ベクトル'''と言う。
'''K'''を成分とするn次列ベクトル全体の集合を<math>\mathbf K^n</math>で表す。
: <math>\mathbf K^n = \left\{ \begin{pmatrix} a_1\\ a_2\\ \vdots\\ a_n\\ \end{pmatrix} \Bigg| a_1, a_2, \cdots, a_n \in \mathbf K \right\}</math>
<math>\mathbf K = \R</math>のとき<math>\R^n</math>は実数を成分とするn次列ベクトル全体の集合であり、<math>\mathbf K = \Complex</math>のとき<math>\Complex^n</math>は複素数を成分とするn次列ベクトル全体の集合である。
=== 相等関係 ===
2つのn次列ベクトル<math>\mathbf a, \mathbf b</math>が「等しい」とは、2つのベクトルの各成分が全て等しいことをいう。すなわち、
:<math>\mathbf a = \begin{pmatrix} a_1 \\ \vdots \\ a_n \end{pmatrix}, \mathbf b = \begin{pmatrix} b_1 \\ \vdots \\ b_n \end{pmatrix}</math> のとき
:<math>\mathbf a = \mathbf b \iff \forall i, a_i = b_i</math>
なお、2つのn次行ベクトルについても同様に定義される。
===加法===
2つのn次列ベクトル
<math>\mathbf{a}=
\begin{pmatrix}
a_1\\
a_2\\
\vdots\\
a_n\\
\end{pmatrix}
,\
\mathbf{b}=
\begin{pmatrix}
b_1\\
b_2\\
\vdots\\
b_n\\
\end{pmatrix}
</math>
について、ベクトルの和 <math>\mathbf a + \mathbf b</math>を次のように定義する。<br>
:<math>\mathbf{a}+\mathbf{b}=
\begin{pmatrix}
a_1+b_1\\
a_2+b_2\\
\vdots\\
a_n+b_n\\
\end{pmatrix}</math>
===スカラー乗法===
またn次列ベクトル
<math>\mathbf{a}=
\begin{pmatrix}
a_1\\
a_2\\
\vdots\\
a_n\\
\end{pmatrix}
</math>
と定数<math>\lambda</math>について、ベクトルの定数倍 <math>\lambda \mathbf a</math>を次のように定義する。<br>
:<math>\lambda\mathbf{a}=
\begin{pmatrix}
\lambda a_1\\
\lambda a_2\\
\vdots\\
\lambda a_n\\
\end{pmatrix}</math>
===零ベクトル===
ベクトルの成分がすべて0であるベクトル<math> \mathbf{0} = \begin{pmatrix} 0 \\ 0 \\ \vdots \\ 0 \\ \end{pmatrix}</math>
を零ベクトルという。<br>
===逆ベクトル===
ベクトルのすべての成分にマイナス1をかけたベクトル<math> - \mathbf{a} = \begin{pmatrix} -a_1 \\ -a_2 \\ \vdots \\ -a_n \\ \end{pmatrix}</math>
を<math> \mathbf a</math>の逆ベクトルという。<br>
===ノルム===
ベクトルの大きさを'''ノルム'''といい、次のように定義する。
:<math>||a||=\sqrt {\sum^{n}_{i=1} a_i^2}</math>
座標に対する長さをn次行ベクトルで一般化したものがノルムであるとも解釈でき、実際に3次行ベクトルのノルムはそのベクトルを空間に描いた際の長さとなる。
==ベクトルの演算の性質==
ベクトルの演算では以下の性質が成り立つ。
#<math> \mathbf{a} + \mathbf{b} = \mathbf{b} + \mathbf{a}</math> (交換法則)
#<math> ( \mathbf{a} + \mathbf{b}) + \mathbf{c} = \mathbf{a} + ( \mathbf{b} + \mathbf{c})</math> (結合法則)
#<math> \mathbf{a} + \mathbf{0} = \mathbf{a}</math>
#<math> \mathbf{a} + (-\mathbf{a}) = \mathbf{0} </math>
#<math>\lambda(\mathbf a+\mathbf b)=\lambda \mathbf a + \lambda \mathbf b</math>
#<math>(\lambda +\mu ) \mathbf a = \lambda \mathbf a + \mu \mathbf a</math>
#<math>(\lambda\mu)\mathbf a= \lambda(\mu\mathbf a)</math>
#<math>1 \cdot \mathbf{a} = \mathbf a</math>
#<math>0 \cdot \mathbf{a} = \mathbf{0}</math>
ただし、<math> \mathbf{a}, \mathbf{b}, \mathbf{c}</math>をベクトル、<math>\lambda, \mu</math>をスカラーとする。
==一次従属と一次独立==
スカラーλ, μ, ν, ...とベクトルa, b, c, ...があるとする。
: <math>\lambda\mathbf{a} + \mu\mathbf{b} + \nu\mathbf{c} + \dots = 0</math>
つまりあるベクトルがその他のベクトルの組み合わせで表せるならば、それは'''一次従属'''であるという。逆にこの式においてスカラー量が全て0でないと成り立たないならば'''一次独立'''であるという。
== 助変数表示 ==
=== 平面上の直線 ===
以後、特に空間ベクトルについて議論する。
まずは、二次元空間上の直線を、助変数を用いて現すことを考える。
<math>\mathbf{x}=
\begin{pmatrix}
x\\
y\\
\end{pmatrix},
\mathbf{a}=
\begin{pmatrix}
a\\
b\\
\end{pmatrix},
\mathbf{x}_0=
\begin{pmatrix}
x_0\\
y_0\\
\end{pmatrix}</math>
とすると、一般の直線は下の式で表される。
: <math>\mathbf{x}=\mathbf{a}t+\mathbf{x_0}</math>
成分を用いて書けば、
<math>
\begin{pmatrix}
x\\
y\\
\end{pmatrix}=
\begin{pmatrix}
a\\
b\\
\end{pmatrix}t
+
\begin{pmatrix}
x_0\\
y_0\\
\end{pmatrix}</math>
である。
成分を用いた式を見れば、この表示によって直線が表されることの妥当性が理解しやすいだろう。
上に挙げた式を直線の助変数表示またはベクトル表示という。また、'''a'''をこの直線の方向ベクトルという。
方向ベクトルはこの直線と平行なベクトルである。
もちろん助変数表示の仕方は一つではないが、方向ベクトルはノルム1のものを選ぶと便利な事も多い。
'''例題'''
*3x+2y=5
を助変数表示にせよ。
:x=2t+1とすると、
:<math>y={{5-3(2t+1)}\over 2} = 1- 3 t</math>
:よって、
:<math>\mathbf{x}=
\begin{pmatrix}
2\\
-3\\
\end{pmatrix}t+
\begin{pmatrix}
1\\
1\\
\end{pmatrix}</math>
'''演習'''
ベクトル表示は座標表示に、座標表示はベクトル表示にせよ
1.6x-3y=9.5
2.x=a
3.<math>\begin{pmatrix}
x\\
y\\
\end{pmatrix}=
\begin{pmatrix}
1\\
-1\\
\end{pmatrix}t+
\begin{pmatrix}
2\\
1\\
\end{pmatrix}</math>
4.<math>\begin{pmatrix}
x\\
y\\
\end{pmatrix}=
\begin{pmatrix}
-1\\
-2\\
\end{pmatrix}t+
\begin{pmatrix}
1\\
0\\
\end{pmatrix}</math>
=== 空間内の直線 ===
平面内の直線は
:<math>ax+by+c=0</math>
という式で表された。しかし、空間において
:<math>ax+by+cz+d=0</math>
という式の表す図形は平面である。直線は2つの平行でない平面の共通部分として表される。式で書けば、
:<math>\left\{ \begin{matrix} a_1x+b_1y+c_1z=d_1 \\ a_2x+b_2y+c_2z=d_2 \end{matrix}\right.</math>
となる。この式が表す直線をベクトル表示することを考えよう。連立方程式を解く要領で
:<math>\left\{\begin{matrix} y=\alpha_1x+x_1 \\ z=\alpha_2x+x_2 \end{matrix}\right.</math>
(但し,<math>\alpha_1,\alpha_2,x_1,x_2</math>は定数)
と書けることはすぐわかる。この式は、形式的にはxをtと置き換えることで、下のように書ける。
:<math>\mathbf{x}=\mathbf{a}t+\mathbf{x}_1</math>
これが空間内の直線の助変数表示である。
'''例題'''
<math>\left\{ \begin{matrix} x+2y+3z=4 \\ 5x+6y+7z=8 \end{matrix}\right.</math>
を助変数表示にせよ。
:x=tとすると、
:2y+3z=-t+4
:6y+7z=-5t+8
これを解いて、
<math>\left\{ \begin{matrix}y=-2t-1\\z=t+2\end{matrix}\right.</math>
よって、
<math>\mathbf{x}=
\begin{pmatrix}
x\\
y\\
z\\
\end{pmatrix}=
\begin{pmatrix}
1\\
-2\\
1\\
\end{pmatrix}t+
\begin{pmatrix}
0\\
-1\\
2\\
\end{pmatrix}</math>
'''演習'''
1.
:<math>\left\{\begin{matrix}x+2y+3z=1\\3x+2y+z=-1\end{matrix}\right.</math>
を助変数表示にせよ
=== 空間内の平面 ===
前述のとおり、空間内の平面はax+by+cz=dであらわせる。今度は2つの助変数s,tを導入することで、同様にして
:<math>\mathbf{x}=
\mathbf{a}t+
\mathbf{b}s+
\mathbf{c}</math>
と表せる。これを平面の助変数表示という。
'''例題'''
*2x+y+3z=5を助変数表示にせよ。
:x=3t+1,y=3sとすると、
:3z=5-2(3t+1)-3s⇔<math>z=1-2t-s</math>
:よって、
:<math>\mathbf{x}=
\begin{pmatrix}
3\\
0\\
-2\\
\end{pmatrix}t+
\begin{pmatrix}
0\\
3\\
-1\\
\end{pmatrix}s+
\begin{pmatrix}
1\\
0\\
1\\
\end{pmatrix}</math>
'''演習'''
1.2x-y+3z=1を助変数表示にせよ
2.
:<math>
\begin{pmatrix}
x\\
y\\
z\\
\end{pmatrix}=
\begin{pmatrix}
1\\
2\\
-3\\
\end{pmatrix}t+
\begin{pmatrix}
5\\
4\\
2.3\\
\end{pmatrix}s+
\begin{pmatrix}
-2\\
-1\\
-3\\
\end{pmatrix}</math>
を、直交座標表示で表せ。
=== まとめ ===
1. 平面上の直線のベクトル表示
:<math>\mathbf{x}=\mathbf{a}t+\mathbf{x}_0</math>
2. 空間内の直線のベクトル表示
:<math>\mathbf{x}=\mathbf{a}t+\mathbf{x}_0</math>
3. 空間内の平面のベクトル表示
:<math>\mathbf{x}=\mathbf{a}t+\mathbf{b}s+\mathbf{c}</math>
'''演習'''
1.
:二点P,Qの位置ベクトルを'''p''','''q'''とすると、線分PQ上の点の位置ベクトルは
:t<sub>1</sub>'''p'''+t<sub>2</sub>'''q''', t<sub>1</sub>+t<sub>2</sub>=1, t<sub>1</sub>,t<sub>2</sub>≧0
:の形で表される。これを証明せよ。
2.
:三点の位置ベクトルを'''x'''<sub>1</sub>,'''x'''<sub>2</sub>,'''x'''<sub>3</sub>とすると、
:この三点が構成する三角形内の任意の点は、
:t<sub>1</sub>'''x'''<sub>1</sub>+t<sub>2</sub>'''x'''<sub>2</sub>+t<sub>3</sub>'''x'''<sub>3</sub>, t<sub>1</sub>+t<sub>2</sub>+t<sub>3</sub>=1, t<sub>1</sub>,t<sub>2</sub>,t<sub>3</sub>≧0
と表される。これを証明せよ。
== 法線ベクトル ==
平面上の直線
:ax+by=c
を考える。この直線の方向ベクトルは
:<math>\mathbf{v}=\begin{pmatrix}
b\\
-a\\
\end{pmatrix}
</math>
である。ここで、
:<math>\mathbf{a}=
\begin{pmatrix}
a\\
b\\
\end{pmatrix}</math>
というベクトルを考えると、
:<math>(\mathbf{a},\mathbf{v})=0</math>
なので、'''a'''とこの直線は直交する。この'''a'''をこの直線の''法線ベクトル''(normal vector)という。
'''例5.1'''
l:'''x'''='''a'''t+'''x'''<sub>1</sub>
という直線を考える。平面内の1点Pから直線lへ垂線を下ろし、足をP'とする。この垂線の長さを求めよう。
'''p'''をPの位置ベクトル、'''x'''<sub>0</sub>をP'の位置ベクトルとすると、垂線の長さは
:||'''p'''-'''x'''<sub>0</sub>||
で与えられる。
まずは'''x'''<sub>0</sub>を他のベクトルを用いて表そう。P'はl上の点なので、'''x'''='''x'''<sub>0</sub>をlの式に代入すると
:'''x<sub>0</sub>'''='''a'''t+'''x'''<sub>1</sub>
:'''p'''-'''x<sub>0</sub>'''='''p'''-'''a'''t-'''x'''<sub>1</sub>
となる。このベクトルが'''a'''と直交するので
:('''a''','''p'''-'''x<sub>0</sub>''')=('''a''','''p''')-('''a''','''a''')t-('''a''','''x'''<sub>1</sub>)=0
:<math>t=\frac{(\mathbf{a},\mathbf{p}-\mathbf{x}_1)}{(\mathbf{a},\mathbf{a})}</math>
これを代入して
:<math>\mathbf{x}_0=\mathbf{a}{(\mathbf{a},\mathbf{p}-\mathbf{x}_1)\over (\mathbf{a},\mathbf{a})}+\mathbf{x}_1</math>
:<math>p-\mathbf{x}_0=p-\mathbf{a}{(\mathbf{a},\mathbf{p}-\mathbf{x}_1)\over (\mathbf{a},\mathbf{a})}-\mathbf{x}_1</math>
をえる。
あとは自分自身との内積を計算するだけである。落ち着いて計算すれば
:<math>||\mathbf{p}-\mathbf{x}_0||={{\sqrt{||\mathbf{a}||^2 ||\mathbf{p}-\mathbf{x}_1||^2-(\mathbf{a},\mathbf{p}-\mathbf{x}_1)^2}}\over {||\mathbf{a}||}}</math>
と計算される。空間内の直線についても、同じ事である。
'''演習'''
1.
:空間内の平面の場合についても同様に考えられる。
:F:ax+by+cz=d
:を平行移動し、原点を通る平面
:F<sub>0</sub>:ax+by+cz=0
:<math>\mathbf{a}=
\begin{pmatrix}
a\\
b\\
c\\
\end{pmatrix}</math> <math>\mathbf{x}=
\begin{pmatrix}
x\\
y\\
z\\
\end{pmatrix}</math>とすれば、
:F:('''a''','''x''')=d
:F<sub>0</sub>:('''a''','''x''')=0
:であるから、'''a'''はF<sub>0</sub>故にFと垂直である。この時'''a'''をF<sub>0</sub>の法線ベクトルと言う。
:さて、F上に無い点Pから、Fに垂線を下ろす。垂線の足をP'とする。
:'''x'''<sub>0</sub>:Pの位置ベクトル,'''x''''<sub>0</sub>:P'の位置ベクトル
:とするとき、||'''x'''<sub>0</sub>-'''x''''<sub>0</sub>||を求めよ。
2.
:平面Fの法線ベクトル'''a'''と平面F'の法線ベクトル'''a''''の交角を平面Fと平面F'の交角と言う
:F:x+2y+2z=3
:F':3x+3y=1
:の交角を求めよ。
== 内積 ==
ベクトルには方向が伴っているので、純粋なかけ算をすることは難しい。そこでまず2次元もしくは3次元ベクトルで考え、ベクトル間の角度θを用いて<math>|\mathbf{a}|\cos{\theta}</math>とすると<math>\mathbf{a}</math>の<math>\mathbf{b}</math>方向成分がスカラーで出てくる。
ここで'''内積'''を以下のように定義する。
: <math>\mathbf{a} \cdot \mathbf{b} = |\mathbf{a}||\mathbf{b}|\cos{\theta}</math>
また、[[/内積の成分公式証明|それぞれ直角な単位ベクトルで各ベクトルを分解して考える]]と、一般に
: <math>\mathbf{a} \cdot \mathbf{b} = a_1b_1 + a_2b_2 + a_3b_3 + \dots + a_ib_i</math>
===内積の性質===
# <math>(\mathbf{a} + \mathbf{b}) \cdot \mathbf{c} = \mathbf{a} \cdot \mathbf{c} + \mathbf{b} \cdot \mathbf{c}</math>
# <math>(\lambda\mathbf{a}) \cdot \mathbf{b} = \lambda (\mathbf{a} \cdot \mathbf{b})</math>
== 外積 ==
=== 二次の行列式 ===
定義(7.1)
<math>A=\begin{pmatrix}
a & b\\
c & d\\
\end{pmatrix}</math>,
<math>\mathbf{a}=\begin{pmatrix}
a\\
c\\
\end{pmatrix}</math>,
<math>\mathbf{b}=
\begin{pmatrix}
b\\
d\\
\end{pmatrix}</math>
の時、
<math>|A|=
\begin{vmatrix}
a & b\\
c & d
\end{vmatrix}=\det A=\det(\mathbf{a},\mathbf{b})
=ad-bc</math>をAの行列式(determinant)という。
次の性質は簡単に証明できる。
'''a''','''b'''が線形独立⇔det('''a''','''b''')≠0
det('''a''','''b''')=-det('''b''','''a''')
det('''a'''+'''b''','''c''')=det('''a''','''c''')+det('''b''','''c''')
det(c'''a''','''b''')=det('''a''',c'''b''')=cdet('''a''','''b''')
|AB|=|A||B|
ここで、'''a''','''b'''が線形独立とは、'''a''','''b'''が平行でないことを表す。
===平行四辺形の面積===
関係ないと思うかもしれないが、外積の定義に必要な情報である。
'''a'''と'''b'''の張る平行四辺形の面積を求める。二ベクトルの交角をθとする。
'''b'''を底辺においたとき、高さは||'''a'''||sinθなので、求める面積Sは
S=||'''a'''||||'''b'''||sinθ
⇔S<sup>2</sup>=||'''a'''||<sup>2</sup>||'''b'''||<sup>2</sup>
-||'''a'''||<sup>2</sup>||'''b'''||<sup>2</sup>cos<sup>2</sup>θ
=||'''a'''||<sup>2</sup>||'''b'''||<sup>2</sup>-('''a''','''b''')<sup>2</sup>
よって、
<math>S=\sqrt {||\mathbf{a}||^2||\mathbf{b}||^2-(\mathbf{a},\mathbf{b})^2}</math> (7.1)
'''演習'''
<math>\mathbf{a}=\begin{pmatrix}
a\\
b\\
\end{pmatrix}</math>,
<math>\mathbf{a}'=\begin{pmatrix}
a'\\
b'\\
\end{pmatrix}</math>
とすれば、<math>S=|\begin{vmatrix}
a & a'\\
b & b'\\
\end{vmatrix}|</math>.
これを証明せよ。
=== 外積 ===
内積が有るなら外積もあるのでは?と思った読者待望の部ではないだろうか。(余談)
定義(7.2)
'''c'''は次の4条件を満たすとき、'''a''','''b'''の外積(exterior product)、あるいはベクトル積(vector product)と呼ばれ,'''a'''×'''b'''='''c'''と表記される。
(i) '''a''','''b'''と直交する。
(ii) '''a''','''b'''は線形独立
(iii) '''a''','''b''','''c'''は右手系をなす。
(iv) ||'''c'''||が平行四辺形の面積
ここで、右手系とは、R<sup>3</sup>の単位ベクトル'''e'''<sub>1〜3</sub>が各々右手の親指、人差指、中指の上にある三次元座標系のことである。
定理(7.3)
右手座標系で、
<math>\mathbf{a}=
\begin{pmatrix}
a\\
b\\
c\\
\end{pmatrix}</math>,
<math>\mathbf{b}=
\begin{pmatrix}
a'\\
b'\\
c'\\
\end{pmatrix}</math>
とすると、
<math>\mathbf{c}=\mathbf{a} \times \mathbf{b}=
\begin{pmatrix}
\begin{vmatrix}
b & b'\\
c & c'
\end{vmatrix}\\
\begin{vmatrix}
a & a'\\
c & c'
\end{vmatrix}\\
\begin{vmatrix}
a & a'\\
b & b'
\end{vmatrix}\\
\end{pmatrix}</math> (7.2)
(証明)
三段構成でいく。
(i)'''c'''と、'''a'''と'''b'''と直交することを示す。要するに、
('''c''','''b''')=0且('''c''','''a''')=0を示す。
(ii)||'''c'''||が平行四辺形の面積Sであることをを証明。
(iii)'''c''','''a''','''b'''が、右手座標系であることを証明。
(i)は計算するだけなので演習とする。
(ii)
||'''c'''||<sup>2</sup>=(bc'-b'c)<sup>2</sup>+(ac'-a'c)<sup>2</sup>+(bc'-b'c)<sup>2</sup>
=(a<sup>2</sup>+b<sup>2</sup>+c<sup>2</sup>)(a'<sup>2</sup>+b'<sup>2</sup>+c'<sup>2</sup>)-(a
a'+bb'+cc')<sup>2</sup>=||'''a'''||^2||'''b'''||^2-('''a''','''b''')^2
||'''c'''||≧0より、式(7.1)から、
<math>||\mathbf{c}||=\sqrt {||\mathbf{a}||^2||\mathbf{b}||^2-(\mathbf{a},\mathbf{b})^2}=S</math>
(iii)
'''a'''='''e'''<sub>1</sub>, '''b'''='''e'''<sub>2</sub>ならば、式(7.2)は両辺とも'''e'''<sub>3</sub>である。'''e'''<sub>1</sub>,'''e'''<sub>2</sub>を、線形独立性を崩さずに移すと、
'''a''','''b''','''c'''は右手系のまま移る。もし、左手系なら、その瞬間||'''c'''||=0となり、([[中間値の定理]])'''a'''、'''b'''は平行になるから、線形独立が崩れたことになる。 #
外積に関して、次の性質が成り立つ。
'''a'''×'''b'''=-'''b'''×'''a''' c('''a'''×'''b''')=c'''a'''×'''b'''='''a'''×c'''b'''
'''a'''×('''b<sub>1</sub>'''+'''b<sub>2</sub>''')=
'''a'''×'''b<sub>1</sub>'''+'''a''''''b<sub>2</sub>'''
('''a<sub>1</sub>'''+'''a<sub>2</sub>''')×'''b'''=
'''a<sub>1</sub>'''×'''b'''+'''a<sub>2</sub>''''''b'''
=== 三次の行列式 ===
定義(7.4)
<math>A=\begin{pmatrix}
a_{1,1} & a_{1,2} & a_{1,3}\\
a_{2,1} & a_{2,2} & a_{2,3}\\
a_{3,1} & a_{3,2} & a_{3,3}\\
\end{pmatrix}</math>,
<math>\mathbf{a}=\begin{pmatrix}
a_{1,1}\\
a_{1,2}\\
a_{1,3}\\
\end{pmatrix}</math>,
<math>\mathbf{b}=
\begin{pmatrix}
a_{2,1}\\
a_{2,2}\\
a_{2,3}\\
\end{pmatrix}</math>
<math>\mathbf{c}=
\begin{pmatrix}
a_{3,1}\\
a_{3,2}\\
a_{3,3}\\
\end{pmatrix}</math>
の時、
<math>|A|=
\begin{vmatrix}
a_{1,1} & a_{1,2} & a_{1,3}\\
a_{2,1} & a_{2,2} & a_{2,3}\\
a_{3,1} & a_{3,2} & a_{3,3}\\
\end{vmatrix}=\det A=\det(\mathbf{a},\mathbf{b},\mathbf{c})
=(\mathbf{a} \times \mathbf{b},\mathbf{c})</math> をAの行列式という。
二次の時と同様、
*'''a''','''b''','''c'''が線形独立⇔det('''a''','''b''','''c''')≠0
*'''a''','''b''','''c'''のどれか二つの順序を交換すればdet('''a''','''b''','''c''')の符号は変わる。絶対値は変わらない。
*det('''a'''+'''a'''','''b''','''c''')=det('''a''','''b''','''c''')+det('''a''','''b''','''c''')
'''b''','''c'''に関しても同様
*det(c'''a''','''b''')=cdet('''a''','''b''')
'''b''','''c'''に関しても同様
*|AB|=|A||B|
一番下は、大変面倒だが、確かめられる。
'''例題'''
次の二直線は捩れの位置(同一平面上にない関係)にある。この二直線に共通法線が一本のみあることをしめし、
最短距離も求めよ
l:'''x'''='''a'''t+'''x'''<sub>1</sub>
l':'''x'''='''b'''s+'''x'''<sub>2</sub>
l.l'上の点P,Qの位置ベクトルを
'''p'''='''a'''t+'''x'''<sub>1</sub>
'''q'''='''b'''s+'''x'''<sub>2</sub>とすると、
PQ⊥l,l'⇔('''a''','''p'''-'''q''')=('''b''','''p'''-'''q''')=0
これを式変形して、
('''a''','''p'''-'''q''')=
('''a''','''a'''t+'''x'''<sub>1</sub>-'''b'''s-'''x'''<sub>2</sub>)
=('''a''','''a''')t-('''a''','''b''')s+
('''a''','''x'''<sub>1</sub>-'''x'''<sub>2</sub>)=0
⇔('''a''','''a''')t-('''a''','''b''')s=('''a''','''x'''<sub>2</sub>-'''x'''<sub>1</sub> (7.3)
同様に、
('''b''','''a''')t-('''b''','''b''')s=('''b''','''x'''<sub>2</sub>-'''x'''<sub>1</sub> (7.4)
(7.3),(7.4)をt,sに関する連立一次方程式だと考えると、この方程式は、ちょうど一つの解の組(t<sub>0</sub>,s<sub>0</sub>)が存在する。
∵
'''a'''//'''b'''('''a''','''b'''は平行、の意味)'''a''','''b'''≠'''o'''より、
<math>\begin{vmatrix}
(\mathbf{a},\mathbf{a}) & -(\mathbf{a},\mathbf{b})\\
(\mathbf{b},\mathbf{a}) & -(\mathbf{b},\mathbf{b})\\
\end{vmatrix}=-[||\mathbf{a}||^2||\mathbf{b}||^2-(\mathbf{a},\mathbf{b})^2]</math>≠0
あとは後述する、連立二次方程式の解の公式による。(演習1)
'''a'''t<sub>0</sub>+'''x'''<sub>1</sub>,'''b'''s<sub>0</sub>+'''x'''<sub>2</sub>を位置ベクトルとする点をP<sub>0</sub>,Q<sub>0</sub>とおけば、P<sub>0</sub>Q<sub>0</sub>が、唯一の共通法線である。
この線分P<sub>0</sub>Q<sub>0</sub>の長さは、l,l'間の最短距離である。そこで、
<math>\mathbf{c}=\overrightarrow{P_0Q_0}</math>(第一章「ベクトル」参照)
P<sub>1</sub>:'''x'''<sub>1</sub>を位置ベクトルとする点
Q<sub>1</sub>:'''x'''<sub>2</sub>の位置ベクトルとする点
とすれば、
<math>\mathbf{x}_2-\mathbf{x}_1=(\overrightarrow{P_1Q_1})
=(\overrightarrow{P_1P_0})+(\overrightarrow{P_0Q_0})+(\overrightarrow{Q_0Q_1})</math>
=(['''x'''<sub>1</sub>+t<sub>0</sub>'''a''']-[<u>'''x'''<sub>1</sub></u>])
”P<sub>0</sub>の位置ベクトル↑ ↑P<sub>1</sub>の位置ベクトル”
+'''c'''+["'''x'''<sub>1</sub>"-"('''x'''<sub>1</sub>+t<sub>0</sub>'''a''')"]
”Q<sub>1</sub>の位置ベクトル↑ ↑Q<sub>0</sub>の位置ベクトル”
='''c'''+t<sub>0</sub>'''a'''-s<sub>0</sub>'''b'''
よって、
('''c''','''x'''<sub>2</sub>-'''x'''<sub>1</sub>)=('''c''','''c''')+t<sub>0</sub>('''c''','''a''')-s<sub>0</sub>('''c''','''b''')
'''a''','''b'''と'''c'''が垂直なので、('''b''','''c''')=('''a''','''c''')=0.
すなわち、('''c''','''x'''<sub>2</sub>-'''x'''<sub>1</sub>)=('''c''','''c''')
'''c'''=k('''a'''×'''b''') (k≠0)
'''c'''≠'''o'''より、求める距離||'''c'''||は、
<math>||\mathbf{c}||={||\mathbf{c}||^2\over ||\mathbf{c}||}={|(\mathbf{c},\mathbf{c})|\over ||\mathbf{c}||}={|(\mathbf{c},\mathbf{x}_2-\mathbf{x}_1)|\over {|k|||\mathbf{a}\times {\mathbf{b}}||}}</math>
<math>={{|(\mathbf{a}\times \mathbf{b},\mathbf{x}_2-\mathbf{x}_1)|}\over {||k|||\mathbf{a}\times \mathbf{b}||}}={|\det (\mathbf{a},\mathbf{b},\mathbf{x}_2-\mathbf{x}_1)| \over ||\mathbf{a}\times \mathbf{b}||}</math>
'''演習'''
1.
:二元一次連立方程式
:<math>\begin{vmatrix}
a & b\\
c & d\\
\end{vmatrix}</math>≠0の時、
:<math>\begin{cases}
ax+by=c\\
dx+ey=f\\
\end{cases}</math>
:の一般解が、
:<math>x={\begin{vmatrix}
e & b\\
f & d\\
\end{vmatrix}\over \begin{vmatrix}
a & b\\
c & d\\
\end{vmatrix}}</math>,
<math>y={\begin{vmatrix}
a & e\\
c & f\\
\end{vmatrix}\over \begin{vmatrix}
a & b\\
c & d\\
\end{vmatrix}}</math> である事を示せ
2.
:多面体Pの二頂点を結ぶ線分上の全ての点がやはりPに含まれる時、Pは凸多面体と呼ばれる。
:Pのk個の頂点P<sub>i</sub>(i=1,2,...,k;k(∈'''N''')>3)の位置ベクトルを'''v'''<sub>i</sub>とすると、P内の任意の点の位置ベクトル'''v'''が、下の式で表せることを証明せよ。
:<math>\mathbf{v}=\sum_{j=1}^k t_i\mathbf{x}_i</math>, t<sub>i</sub>≧0, <math>\sum_{j=1}^k t_i=1</math>
:このような'''v'''のことを、'''x'''<sub>i</sub>の凸結合と言う
3.
:P<sub>1</sub>(x<sub>1</sub>,y<sub>1</sub>),P<sub>2</sub>(x<sub>2</sub>,y<sub>2</sub>)を通る直線の式は、
:<math>\begin{vmatrix}
1 & 1 & 1\\
x & x_1 & x_2\\
y & y_1 & y_2\\
\end{vmatrix}=0</math>と表せる。
これを示せ。
4.
:空間において、('''a''','''x''')=0への折り返しの変換に対応する行列を求めよ
5.
:<math>\begin{vmatrix}
(\mathbf{a},\mathbf{a}) & (\mathbf{a},\mathbf{b}) & (\mathbf{a},\mathbf{c})\\
(\mathbf{b},\mathbf{a}) & (\mathbf{b},\mathbf{b}) & (\mathbf{b},\mathbf{c})\\
(\mathbf{c},\mathbf{a}) & (\mathbf{c},\mathbf{b}) & (\mathbf{c},\mathbf{c})\\
\end{vmatrix}=\det (\mathbf{a},\mathbf{b},\mathbf{c})</math>
:を示せ。
6.
:||'''x'''||=||'''y'''||=||'''z'''||=1の時、det('''a''','''b''','''c''')の最大最小を求めよ。
7.
:(1)
::('''a'''×'''b''')×'''c'''=-('''b''','''c''')'''a'''+('''a''','''c''')'''b'''
:(2)
::('''a'''×'''b''')×'''c'''+('''b'''×'''c''')×'''a'''+('''c'''×'''a''')×'''b'''='''o'''
::を、R<sup>3</sup>について証明せよ。
このページで述べるベクトルの代数学的説明はここまでである。このまま、代数学の学習を続けたい読者は次に、[[行列 (線型代数学)|行列]]を読まれる事を勧める。今までの内容と、密接に関係している。もし、ベクトルの解析的扱いについて学習したい場合は、このページの次の章に進まれるとよい。参考文献:東京大学出版会 『基礎数学1 線型代数入門』齊藤正彦著
== スカラー・ベクトル三重積 ==
{{節stub}}
== ベクトル関数 ==
{{節stub}}
この節は現在執筆中です。概要は[[物理数学I_ベクトル解析]]を参照してください。
== 補足 ==
線型代数学でいう「空間」や「次元」は、物理的な意味の「空間」や「次元」のうち、一部の性質だけを取り出して定義した抽象的な概念である。したがって、大枠では類似しているが、物理的なイメージばかりを気にしすぎると細部の印象が異なることがある。たとえば、物理においてしばしば「空間3次元、時間1次元、合わせて4次元の線型空間である時空」を考えるが、数学的な意味での4次元線型空間は空間と時間という意味合いを持ってはおらず、単に一次独立なベクトルが4本取れるというだけの意味である。4次元線型空間の中でさらに特殊な性質を仮定したものを「ミンコフスキー空間」といい、これはただの4次元線型空間よりもより4次元時空の性質を反映したモデルだが、それでも数学的なモデルに過ぎないことに変わりはない。
一般に数学的な概念は、その定義を作る際には物理などのイメージを元に概念を作ることが多いが、ひとたび定義されたあとはそのイメージから離れて定義のみを基に議論を進めることができる。これが数学を発展させる原動力であり、また数学が汎用的に役に立つ理由である。しかし、数学の持つこのような特性は、初学者にとってはわかりにくく感じられるだろう。以上で述べたことは線型代数学に限った話ではないが、抽象的な数学理論に初めて本格的に触れるのが線型代数学という学生も多いだろうから、ここで述べておく。
{{DEFAULTSORT:せんけいたいすうかくへくとる}}
[[Category:ベクトル]]
[[Category:線形代数学|へくとる]]
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トーク:物理数学I
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/* 検討をお願いします。2項目を物理数学Ⅱへ移動と削除です。 */ 新しい節
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text/x-wiki
物理と数学で完全に分業するのでは、インターネットの利点を生かせません。ここで数学と物理のコネクションを作ります。--[[特別:投稿記録/61.210.225.45|61.210.225.45]] 2009年2月7日 (土) 15:44 (UTC)by テルル
:テルルさん、こんにちは。提案や意見交換をするには「あの時の、あの人」とわかる方が、考え方を周囲に理解してもらいやすいので、ぜひ[[Special:CreateAccount|アカウントを作成]]してください。「いつも『by テルル』と付記するから大丈夫」とお考えかもしれませんが、他人が簡単に騙ることができますので、何の信用もできません。この点、宜しくご理解ください。
:さて、[[利用者‐会話:61.210.225.45]] にも書きましたが、ページ内容を他ページに転記する際は、著作権侵害([[w:GFDL|GFDL]]違反)にならないようご注意ください。また、ここウィキブックスは多人数で教科書を共同編集するプロジェクトです。分野を超えてページ内容を分割するというような、影響の大きいことをなさる前には、ぜひ提案から一週間ほど異議待ちをして頂ければと思います。「[[w:Wikipedia:ページの分割と統合#ページの分割]]」を参考に、このノートページでの異議待ちと、要約欄への出所(転載元)記載をお願いいたします。
:また、ウィキブックスは、インターネット上で教科書的資料を無償公開するサイトではありません。インターネットを利用して、教科書を共同編集するプロジェクトです。従いまして、書籍の構成をある程度は構想して投稿しなければなりません。新規に作成なさるページを、どの書籍の中に、どの章の中に位置づけるのかを、明確にして頂けませんでしょうか。どうぞ宜しくお願いいたします。 --[[利用者:Kanjy|Kanjy]] 2009年2月7日 (土) 17:35 (UTC)
::ご教授感謝します。そうですね、インターネットの書籍を、無理矢理紙の本に当てはめるとするのならば、全学問という名の書籍の中で、高校までの初等教育が終わって、大学からの高等教育を始めるにあたっての、その基礎となる数学という章の中に位置づけられるでしょう。--[[利用者:テルル|テルル]] 2009年2月8日 (日) 13:46 (UTC)
== 検討をお願いします。2項目を物理数学Ⅱへ移動と削除です。 ==
①移動と削除
:<nowiki>*[[物理数学II/特殊関数|特殊関数]]</nowiki> →→→物理数学Ⅱへ移動です。
:<nowiki>*[[物理数学II フーリエ解析|フーリエ解析]]</nowiki> →→→Ⅱにあるので削除です。
②ついでに
:本項は物理学 物理数学 の解説です。
: ↓
:本項は物理学 物理数学I の解説です。
:(参考)[[物理数学II]]
:>...ご指摘は基本的に考えて編集したものなので強い根拠がなければ拒否します....(トーク:初等数学公式集/解析幾何より)
--[[利用者:Tkkn46tkkn46|Tkkn46tkkn46]] ([[利用者・トーク:Tkkn46tkkn46|トーク]]) 2026年5月4日 (月) 00:08 (UTC)
m99ty0ebhz3fqp3o5g8ct11egigx9ij
高校化学 非金属元素
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299070
299042
2026-05-03T13:18:51Z
Nermer314
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{{pathnav|高等学校の学習|高等学校理科|高等学校 化学|frame=1|small=1}}
== 水素と貴ガス ==
=== 水素 ===
[[ファイル:周期表-H.png|right]]
[[File:H,1.jpg|150px|right]]
'''水素'''は、単体として宇宙で最も多く存在する元素である。地球上では水 H<sub>2</sub>O として最も多く存在する。単体 H<sub>2</sub> は常温常圧で無色無臭の気体である。
;製法
工業的には、石油や天然ガスを高温水蒸気と反応させて、得られる。他には、純粋な水素を作る場合は、水を電気分解する。
実験室では、塩酸や希硫酸などの強酸に、亜鉛などの金属を加える。水素は水に溶けにくいため、水上置換で捕集する。
;主な性質・反応
* 空気中で容易に燃焼し、水になる。酸素との混合気体は爆発的に燃焼する。
*: <chem>2H2 + O2 -> H2O</chem>
* 高温では還元性をもち、高温で金属などの酸化物を還元する。
*: <chem>CuO + H2 ->[\Delta] Cu + H2O</chem>
* 殆どの元素と化合して水素化合物を作る。
*: <chem>2 F2 + 2 H2O -> 4HF + O2</chem>
※化学反応式の矢印の上にΔをつけると、加熱が必要な反応であることを示す。
水素化合物は、水素結合により化合しているため、極性分子である。また、化合する元素が周期表の右側にいるほど酸性、左側にいるほど塩基性が強くなる。
水素は、アンモニア、塩化水素、メタノールなどの原料である。
水素は燃焼における生成物が水だけなので、環境に負荷をかけにくい新しいエネルギー源として注目されており、燃料電池自動車(FCV)や水素式燃料電池駆動電車(FV)の開発が進められている。
=== 貴ガス ===
[[File:周期表-希ガス.png|right]]
'''貴ガス'''(noble gas)<ref>希ガス(稀ガス、rare gas)とも</ref>は、18族元素のヘリウム He, ネオン Ne, アルゴン Ar, クリプトン Kr, キセノン Xe, ラドン Rn の総称である<ref>18族元素にはオガネソン Og もあるがこの元素の性質はあまり解明されていない。</ref>。
18族元素は価電子をもたないため、他の原子と結合したり、イオンになることがほとんどない。したがって、化学反応を起こして化合物となることがほとんどない。また、単体の気体として、原子1個で1つの分子を形成している。このような分子を'''単原子分子'''と呼ぶ。
==== 単体 ====
貴ガスには次のような物質がある。これらはいずれも無色無臭で、常温常圧で気体である。また、いずれも融点および沸点が低い。
* '''ヘリウム''' (He): 風船や飛行船を浮かせるために用いられる。また、すべての物質の中で、融点がもっとも低い(-269℃、4K)ので、超伝導など極低温の実験の際の冷媒に液体ヘリウムが用いられる。
* '''ネオン''' (Ne): ネオンサインなどに用いられる。
* '''アルゴン''' (Ar): 溶接するときの酸化防止ガスに用いられる。空気中に0.93%存在する。
* '''クリプトン''' (Kr): 電球などに用いられる。
* '''キセノン'''(Xe): カメラのストロボなどに用いられる。
* ラドン (Rn): 放射能があり、放射線治療などに用いられる。
{|align="center" style="border:solid #aaffaa 1px;"
|[[File:He,2.jpg|100px]]||[[File:Ne,10.jpg|100px]]||[[File:Ar,18.jpg|100px]]||[[File:Kr,36.jpg|100px]]||[[File:Xe,54.jpg|100px]]
|-
|style="text-align:center"|ヘリウム
|style="text-align:center"|ネオン
|style="text-align:center"|アルゴン
|style="text-align:center"|クリプトン
|style="text-align:center"|キセノン
|}
貴ガスは原子単体で安定なため、普通は化合物にならない。ガラス管に内圧が低くなるよう貴ガスを封入し電圧をかけることで、それぞれ異なった色の光を放つ([[高等学校物理/原子物理#陰極線|真空放電]]という)。そのため、電球やネオンサインとして用いられるものが多い。
{|align="center" style="border:solid #aaffaa 1px;"
|[[File:HeTube.jpg|100px]]||[[File:NeTube.jpg|100px]]||[[File:ArTube.jpg|100px]]||[[File:KrTube.jpg|100px]]||[[File:XeTube.jpg|100px]]
|-
|style="text-align:center"|ヘリウム
|style="text-align:center"|ネオン
|style="text-align:center"|アルゴン
|style="text-align:center"|クリプトン
|style="text-align:center"|キセノン
|}
==== エキシマ(発展) ====
アルゴン気体とフッ素気体をつめた放電管に放電をすると、不安定なアルゴンフッ素 ArF (エキシマ)が一時的に生成し、それが分解する際に波長197 nmの紫外線を放出する。
この光は、[[高校物理 電磁気学#半導体|半導体]]製造の際の光化学反応の光源に使われている。また、キセノンでもハロゲンとのエキシマによってレーザー光が放出されることが知られている。
==== 化合物 ====
貴ガスは、反応性が低く化合物を作らないと考えられていたが、1960年代に、<chem>XePtF6</chem> や <chem>XeF4</chem> などキセノンの化合物の合成に成功した。その後も貴ガスの化合物は合成されたが、ネオンの化合物は未だ合成に成功していない。
キセノンとフッ素ガスを混合した気体に放電または熱を加えてできた、二フッ化キセノン XeF<sub>2</sub> や四フッ化キセノン XeF<sub>4</sub> や六フッ化キセノン XeF<sub>6</sub> の固体は無色である。
== ハロゲン ==
[[ファイル:周期表-ハロゲン.png|右]]
周期表の17族に属する、フッ素 F、塩素 Cl、臭素 Br、ヨウ素 I、アスタチン At を'''ハロゲン'''という<ref>17族元素にはテネシン Ts もあるがこの元素の性質はあまり解明されていない。</ref>。
ハロゲンの原子は最外殻に価電子を7つ持っており、1価の陰イオンになりやすく、化合物をつくりやすい。そのため、天然では、ハロゲンは鉱物(ホタル石 CaF<sub>2</sub> 、岩塩 NaCl etc.)として存在している場合が多い。または、海水中に陰イオンとしてハロゲンが存在している場合も多い。
=== 単体 ===
ハロゲンの単体はいずれも'''二原子分子'''で有色、有毒である。
沸点(bp)・融点(mp)は、原子番号の大きいものほど高い。
ハロゲンの単体は酸化力が強い。酸化力の強さは原子番号が小さいほど大きくなる。つまり酸化力の強さは、
:<chem>F2 > Cl2 > Br2 > I2</chem>
である。
たとえば、ヨウ化カリウム水溶液に塩素を加えると、ヨウ素は酸化されて単体となる。
:<chem>2KI + Cl2 -> 2KCl + I2 </chem>
逆に、塩化カリウム水溶液にヨウ素を加えても、ヨウ素よりも塩素のほうが酸化力が強いため、反応は起こらない。
また、ハロゲンの各元素ごとの酸化力の違いは、水や水素との反応にも関わる。
最も酸化力のつよいフッ素は、水と激しく反応し、酸素を発生する。
:<chem>2 F2 + 2 H2O -> 4 HF + O2</chem>
{|border=1 cellspacing=0 align=center text-align=center style="text-align:center"
|- style="background:silver"
! !! フッ素 F<sub>2</sub> !! 塩素 Cl<sub>2</sub> !! 臭素 Br<sub>2</sub> !! ヨウ素 I<sub>2</sub>
|-
| rowspan="2" | 色・状態
| [[File:F,9.jpg|180px]] || [[File:Cl,17.jpg|180px]] || [[File:Br,35.jpg|180px]] || [[File:I,53.jpg|170px]]
|-
|| 淡黄色・気体 || 黄緑色・気体 || 赤褐色・液体 || 黒紫色・固体
|-
| 融点 (℃) || -220 || -101 || -7 || 114
|-
| 沸点 (℃) || -138 || -34 || 59 || 184
|-
| 酸化力
| colspan="4" | 大 ←――――――――――――――――――――――――――――――――――→ 小
|-
| rowspan="2" | 水との反応 || 激しく反応して<br>酸素 O<sub>2</sub> が発生 || 一部が反応<br>HCl などを生じる || rowspan="2"| 塩素より反応は弱いが、<br>似た反応をする || rowspan="2" | 水に反応しにくく、<br>水に溶けにくい
|-
|| 2H<sub>2</sub>O + 2F<sub>2</sub><br />→ 4HF + O<sub>2</sub> || 2H<sub>2</sub>O + Cl<sub>2</sub> <br />⇄ HCl + HClO
|-
| rowspan="2" | 水素との反応 || 低温・暗所でも<br />爆発的に反応 || 光を当てることで<br />爆発的に反応 || 高温にすると反応 || 高温にすると一部が反応
|}
==== フッ素 ====
常温常圧下では淡黄緑色の気体である。
酸化力が非常に強く、様々な物質と激しく反応する。ガラスでさえフッ素を吹き付けると燃えるように反応するため扱いが難しい。
水や水素との反応物であるフッ化水素(HF)が水に溶けたフッ化水素酸(HFaq)はガラスを侵すため、ポリエチレン容器に入れ保管する。
==== 塩素 ====
塩素 Cl<sub>2</sub> は常温常圧で黄緑色の有毒な気体である。
塩素は歴史的に衣類の漂白剤として用いられていたが、第一次世界大戦で毒ガス兵器として用いられ、約3000人を殺害した。
===== 製法 =====
工業的:塩化ナトリウム水溶液の電気分解を用いたイオン交換膜法で生成する。
実験室的:
①酸化マンガン(IV)に濃塩酸を加え、加熱する。
: <chem>MnO2 + 4HCl ->[\Delta] MnCl2 + 2H2O + Cl2 ^</chem>
:なお、この反応では塩素と同時に水も生成する。さらに、濃塩酸には[[#ハロゲンの化合物|次節]]に見るように揮発性がある。したがって、この反応により得られる気体は純粋な塩素ではなく、水や塩化水素を少量含んでいる。それらを取り除くため、この気体を水と濃硫酸に順番に通す。まず水に通すことで、揮発した塩化水素が吸収される。次いで濃硫酸に通すことで、濃硫酸の吸湿作用により気体中の水が吸収され、純粋な塩素を得ることができる。なお、この水・濃硫酸に通す順番を逆にしてはならない。先に濃硫酸に通した後水に通しても、得られる気体の中には最後に通した水から蒸発した水蒸気が含まれているためである。塩素は空気よりも重いため、濃硫酸を通したあとの塩素を、下方置換で集める。
②塩化ナトリウム、酸化マンガン(IV)に濃硫酸を加えて加熱する。
:<chem>2NaCl + 3H2SO4 + MnO2 ->[\Delta] MnSO4 + 2NaHSO4 + 2H2O + Cl2 ^</chem>
③さらし粉に塩酸を加える。
:<chem>CaCl(ClO).H2O + 2HCl -> CaCl2 + 2H2O + Cl2 ^</chem>
④高度さらし粉に稀塩酸を加える。
:<chem>Ca(ClO)2.2H2O + 4HCl -> CaCl2 + 4H2O + 2Cl2 ^</chem>
※化学反応式の右辺の↑は、矢印のすぐ左の生成物が気体であることを示している。
===== 性質 =====
塩素 Cl<sub>2</sub> の水溶液を'''塩素水'''という。塩素は、水に少し溶けて、その一部が'''次亜塩素酸''' <chem>HClO</chem> になる。
:<chem>Cl2 + H2O -> HCl + HClO</chem>
次亜塩素酸は弱酸性で、強い酸化作用がある。これは、普通の塩素イオンの酸化数が-1なのに対し、次亜塩素酸イオン中の塩素原子の酸化数が+1なので還元されやすいためである。
塩素水および次亜塩素酸は、漂白剤や殺菌剤として水道やプールの水の殺菌などに広く用いられている。
: <chem>HClO + H^+ + 2e^- -> H2O + Cl^-</chem>
* さらし粉
水酸化カルシウムと塩素を反応させると、さらし粉(主成分:<chem>CaCl(ClO) * {H2O} </chem>)ができる。
また、<chem>Ca(ClO)2.2H2O</chem> を高度さらし粉(次亜塩素酸カルシウム)という。
高度さらし粉は、漂白剤や殺菌剤として利用される。いわゆるカルキとは、さらし粉のこと。ドイツ語のクロールカルキを略してカルキと読んでいる。
* その他
塩素はさまざまな金属と反応して塩化物となる。たとえば、単体の塩素の中に加熱した銅線を入れると、煙状の塩化銅(II) CuCl<sub>2</sub> を生成する。
: <chem>Cu + Cl2 ->[\Delta] CuCl2</chem>
==== 臭素 ====
臭素(Br<sub>2</sub>)は常温常圧で赤褐色の'''液体'''である。この性質は非金属元素の単体では唯一であり、全元素で見ても他には水銀のみである。水に少し溶け、赤褐色の溶液(臭素水)となる。また、有機溶媒のヘキサンやエタノールに可溶である
==== ヨウ素 ====
ヨウ素(I<sub>2</sub>)は常温常圧で黒紫色の固体である。'''昇華性'''があり、加熱すると固体から液体にならず直接気体となる。これを利用して、固体のヨウ素の純度を上げることができる。1リットルビーカーに不純物を含むヨウ素の固体を入れ、ガスバーナーで加熱する。ビーカーの上部には冷水を入れた丸底フラスコを置いておく。加熱によりヨウ素のみが気体となり、上昇してフラスコの底部付近で冷やされて固体に戻る。そのため、フラスコ底部に純度の高いヨウ素の針状結晶が析出する。
ヨウ素は水に溶けにくいが、エーテルなどの有機溶媒にはよく溶ける。また、ヨウ化カリウム水溶液にもよく溶けて褐色の溶液となる。
デンプン水溶液にヨウ素を溶かしたヨウ化カリウム水溶液を加えると、青紫色を呈する。このようにデンプンにヨウ素を作用させて青紫色となる反応を'''ヨウ素デンプン反応'''と呼ぶ。これにより、ヨウ素やデンプンの検出ができる。なお、ヨウ素デンプン反応が起こっている容器を加熱すると透明になるが、冷却するとまた青紫色に戻る。
ヨウ素デンプン反応を用いた試薬に、ヨウ化カリウムデンプン紙がある。これは、ろ紙にデンプンとヨウ化カリウムを含ませたものであり、酸化力の強い物質の検出に用いられる。酸化力の強い物質がある場合、ヨウ化カリウムは酸化されてヨウ素の単体となる。
: <chem>2I- -> I2 + e^-</chem>
このヨウ素がデンプンに作用して紫色から青紫色に変化する。
=== 化合物 ===
==== ハロゲン化水素 ====
ハロゲンは水素と化合して'''ハロゲン化水素'''となる。いずれも無色刺激臭の気体である。
また、ハロゲン化水素の水溶液は酸性を示す。
{|border=1 cellspacing=0 align=center text-align=center style="text-align:center"
|- style="background:silver"
! colspan="2" | 名称 !! フッ化水素 !! 塩化水素 !! 臭化水素 !! ヨウ化水素
|-
| colspan="2" | 組成式 || HF || HCl || HBr || HI
|-
| colspan="2" | 沸点(℃) || 20 || -85 || -67 || -35
|-
| rowspan="4" | 水溶液 || 名称 || フッ化水素酸 || 塩酸 || 臭化水素酸 || ヨウ化水素酸
|-
| 酸の強さ || '''弱酸''' || colspan="3" | 強酸
|-
| +AgNO<sub>3</sub>aq || AgF(水に可溶) || AgCl↓(白) || AgBr↓(淡黄) || AgI↓(黄)
|-
| 更に+NH<sub>3</sub>aq || - || 沈澱が再溶解 || 沈澱が少し溶ける || 沈澱は溶けない
|}
ハロゲン水溶液の酸性は、フッ化水素酸だけが弱酸である。それ以外は強酸である。
※化学式横の↓は、沈澱が生じたことを表す。
===== フッ化水素 =====
フッ化水素(HF)は、ホタル石(主成分 CaF<sub>2</sub>)に濃硫酸を加えて加熱することで、得られる。
: <chem>CaF2 + H2SO4 ->[\Delta] 2HF + CaSO4</chem>
フッ化水素は水によく溶け、弱酸の'''フッ化水素酸'''となる。
フッ化水素酸は、ガラスの主成分である二酸化ケイ素(SiO<sub>2</sub>)を溶かすため、保存するときはポリエチレン容器に保存する。
: <chem>SiO2 + 6HF -> H2SiF6 + 2H2O</chem>
生成物は水とヘキサフルオロケイ酸である。
工業の用途として、ガラスの表面処理や、くもりガラスの製造に、フッ化水素酸が用いられる。
フッ化水素だけ沸点が他のハロゲン化水素よりも高いが、これは、フッ化水素では水素結合が生じるからである。フッ化水素酸だけ弱酸である理由も、同様に水素結合によって電離度が低くなっているためである。
===== 塩化水素 =====
水素と塩素の混合物に光を当てると、激しく反応して塩化水素(HCl)を生じる。
塩化水素は、実験室では塩化ナトリウムに濃硫酸を加え加熱することで得られる。(不揮発性酸による揮発性酸の遊離反応)
: <chem>NaCl + H2SO4 ->[\Delta] NaHSO4 + HCl ^</chem>
[[File:Hydrochloric acid ammonia.jpg|right|200px|thumb|塩化水素とアンモニアの反応 <br> 白煙( NH<sub>4</sub>Cl )を生じる]]
塩化水素は水によく溶け、その水溶液は'''塩酸'''である。濃度の濃いものは濃塩酸、薄いものは希塩酸と呼ばれる。塩酸は強酸性を示し、多くの金属と反応して水素を発生する。
:<chem>2HCl + Zn -> ZnCl2 + H2 ^</chem>
また、強酸性であることから、弱酸の塩と反応して塩を生じ、弱酸を遊離させる。
: <chem>HCl + NaHCO3 -> NaCl + H2O + CO2</chem>
塩酸には揮発性があり、常温で一部が気体となる。そのため、アンモニアのついたガラス棒を近づけると、塩酸の気体とアンモニアとが触れて反応し、塩化アンモニウム NH<sub>4</sub>Clの固体が生じ、白煙が見える。この反応は、塩化水素やアンモニアの検出に用いられる。
: <chem>HCl + NH3 -> NH4Cl</chem>
==== ハロゲン化銀・ハロゲン化鉛 ====
ハロゲン化銀は、フッ化銀を除いて、一般に水に溶けにくい。このため、ハロゲンの化合物の水溶液に、硝酸銀をくわえると、塩化銀、臭化銀、ヨウ化銀などのハロゲン化銀が沈殿する。
{|border=1 cellspacing=0 align=center text-align=center style="text-align:center"
|- style="background:silver"
! 名称 !! フッ化銀 !! 塩化銀 !! 臭化銀 !! ヨウ化銀 !! !! フッ化鉛(II) !! 塩化鉛(II) !! 臭化鉛(II) !! ヨウ化鉛(II)
|-
| 組成式 || AgF || AgCl || AgBr || AgI || || PbF<sub>2</sub> || PbCl<sub>2</sub> || PbBr<sub>2</sub> || PbI<sub>2</sub>
|-
| 色 || 黄色 || 白色 || 淡黄色 || 黄色 || || 白色 || 白色 || 白色 || 黄色
|-
| 水への溶けやすさ || 溶けやすい || 溶けにくい || 溶けにくい || 溶けにくい || || 溶けにくい || 溶けにくい || 溶けにくい || 溶けにくい
|-
| 熱水への溶けやすさ || 溶けやすい || 溶けにくい || 溶けにくい || 溶けにくい || || || 溶ける || 溶ける || 溶ける
|}塩化水素(HCl)
塩化銀、臭化銀、ヨウ化銀には感光性があり、生じた沈澱に光を当てると銀が遊離する。また、これらはいずれもチオ硫酸ナトリウム水溶液によく溶ける。アンモニア水への溶けやすさは異なり、塩化銀はよく溶け、臭化銀も一部溶けるが、ヨウ化銀は溶けない。
==== 塩素のオキソ酸 ====
分子中に酸素を含む酸を'''オキソ酸'''という。
塩素のオキソ酸には、酸化数の異なる次の4つがある。
{|border=1 cellspacing=0 align=center text-align=center style="text-align:center"
|- style="background:silver"
! 名称 !! width=100px | 次亜塩素酸 !! width=100px | 亜塩素酸 !! width=100px | 塩素酸 !! width=100px|過塩素酸
|-
| 化学式 || HClO || HClO<sub>2</sub> || HClO<sub>3</sub> || HClO<sub>4</sub>
|-
| 性質 || 殺菌・漂白作用 || 殺菌・漂白作用 || 強力な酸化剤 || 塩は爆発性
|}
右にいくほど強酸性である。
;さらし粉
さらし粉・高度さらし粉(化学式: CaCl(ClO)・H<sub>2</sub>O、Ca(ClO)<sub>2</sub>)は、次亜塩素酸イオンを含むため、その酸化作用により漂白剤や殺菌剤として広く用いられている。水酸化カルシウムと塩素を反応させることで得られる。
: <chem>Ca(OH)2 + Cl2 -> CaCl(ClO) * {H2O} </chem>
;塩素酸 および 塩素酸塩
::(※ 検定教科書では「酸素」の単元で習う場合が多い。)
塩素酸HClO<sub>3</sub>は不安定な物質だが、カリウムやナトリウムの塩は安定で、強い酸化剤である。塩素酸カリウムKClO<sub>3</sub>は酸化マンガン(IV)を触媒として用いて加熱すると酸素を発生するため、花火やマッチの火薬中に燃焼を助けるため含まれる。
: <chem>2KClO3 ->[\Delta] 2KCl + 3O2 ^</chem>
==== ハロゲン化物と日用品 ====
ハロゲンの化合物のなかには、日用品の中に広く用いられている物もある。たとえば、フッ素化合物の一つ、ポリテトラフルオロエチレン(テフロン)はフライパンの表面に薄く塗られ、焦げ付きを防ぐ役割を果たしている。また、臭化銀はその感光性を利用して、写真のフィルムに用いられている。塩素は多くのビニル・プラスチック製品に含まれている。また、ヨウ素は消毒剤や うがい薬 に用いられている。
==== まぜるな危険 ====
洗剤の「まぜるな危険」の化学反応(執筆中)
== 16族元素 ==
[[ファイル:周期表-OS.png|右]]
16族に属する'''酸素'''(O)、'''硫黄'''(S)はともに価電子を6つ持ち、2価の陰イオンになる。ともに単体は同素体を持つ。
=== 酸素 ===
酸素の単体には、原子2個で1つの分子を作っている'''酸素'''(O<sub>2</sub>)と、原子3個で1つの分子を作っている'''オゾン'''(O<sub>3</sub>)がある。いずれも常温では気体であるが、大きく異なった性質を示す。
酸素は空気中で約21%ふくまれる。また、酸素は地殻を構成する主な元素でもあり、地殻のおよそ半分は酸素でできている。地殻中ではSO<sub>2</sub>
==== 単体 ====
[[ファイル:Dioxygen-3D-vdW.png|右|サムネイル|100x100ピクセル|酸素 O<sub>2</sub> 分子]]
'''酸素'''(O<sub>2</sub>)は常温で無色無臭の気体である。
工業的な製法は、液体空気の分留または水の電気分解によって酸素を得る。
実験室で酸素を得るには、過酸化水素水に酸化マンガン(IV)を加えればよい。この反応で酸化マンガン(IV)は触媒として働き、過酸化水素が分解して酸素を発生する。
: <chem>2H2O2 ->[(MnO2)] 2H2O + O2 ^</chem>
※化学反応式の矢印の上に括弧で物質を書くと、その物質がその反応における触媒であることを示す。
また、塩素酸カリウムと酸化マンガン(IV)を混合して加熱してもよい(熱分解反応)。この反応でもやはり酸化マンガン(IV)は触媒として働く。
:<chem>2KClO3 ->[\Delta \, (MnO2)] 2KCl + 3O2 ^</chem>
酸素は水に溶けにくいので、水上置換により捕集する。
液体酸素は磁性を持ち、磁石にくっつく。
==== オゾン ====
[[ファイル:Ozone-3D-vdW.png|右|サムネイル|100x100ピクセル|オゾン O<sub>3</sub> 分子]]
'''オゾン'''(O<sub>3</sub>)は、酸素中で無声放電(音の小さい放電)を行うか、強い紫外線を当てることで生成する。
:<chem>3O2 <=> 2O3</chem>
オゾン O<sub>3</sub> は分解しやすく、分解の際に強い酸化作用を示す。オゾンは淡青色・特異臭の気体で、人体には有害である。漂白作用も持つ。
また、オゾンは酸化作用によりヨウ化カリウムデンプン紙を青変する。
:<chem>2KI + O3 + H2O -> 2KOH + O2 + I2</chem>
このためオゾンは水で湿らせたヨウ化カリウムデンプン紙により検出できる。
大気中には上空25 kmほど(成層圏)にオゾンが豊富に含まれる層があり、オゾン層と呼ばれる。オゾン層は人体に有害な紫外線を吸収する働きがあるが、冷蔵庫などに用いられていたフロンガスがオゾンを分解し、このオゾン層が南極付近で局所的に薄くなる現象(オゾンホール)が発生し、環境問題として取り上げられた。現在ではフロンガスの規制などの対策により回復過程にあり、遅くとも21世紀中には全快する見込みである。([[高等学校 地学]]も参照。)
==== 化合物 ====
酸素の化合物は一般に'''酸化物'''と呼ばれる。酸素はあらゆる物質と化合することができ、一般に金属元素とはイオン結合、非金属元素とは共有結合による酸化物を作る。
酸化物は、酸や塩基との反応の仕方から3通りに分類される。
{| class="wikitable" style="float: right;"
|+酸化物の分類
!酸性酸化物
|CO<sub>2</sub> , NO<sub>2</sub> , SiO<sub>2</sub> , SO<sub>2</sub> , SO<sub>3</sub> , Cl<sub>2</sub>O<sub>7</sub> など
|-
!塩基性酸化物
|Na<sub>2</sub>O , MgO , CaO , Fe<sub>2</sub>O<sub>3</sub> , CuO , BaO など
|-
!両性酸化物
|Al<sub>2</sub>O<sub>3</sub> , ZnO
|-
|}
* '''酸性酸化物''' : 水に溶けて酸性を示したり、塩基と反応して塩を生じる酸化物を、'''酸性酸化物'''という。
* '''塩基性酸化物''' : 水に溶けて塩基性を示したり、酸と反応して塩を生じる酸化物を、'''塩基性酸化物'''という。
* '''両性酸化物''': 酸・塩基のどちらとも反応して塩を生じる酸化物を、'''両性酸化物'''という。
一般に、非金属元素の酸化物は酸性酸化物であり、金属元素の酸化物は塩基性酸化物である。
; 酸性酸化物の例
{| class="wikitable" style="float: right;"
!酸性酸化物
|CO<sub>2</sub> , NO<sub>2</sub> , SiO<sub>2</sub> , SO<sub>2</sub> , SO<sub>3</sub> , Cl<sub>2</sub>O<sub>7</sub> など
|-
|}
二酸化炭素や二酸化硫黄など、非金属元素の酸化物の多くは、酸性酸化物である。
酸性酸化物の定義により、酸性酸化物は水に溶けると、酸性を示す。
: <chem>SO3 + H2O -> H2SO4</chem>
:: ※ H<sub>2</sub>SO<sub>4</sub>は酸。
また、酸性酸化物は塩基と反応すると、塩をつくる。
: <chem>SO2 + 2NaOH -> Na2SO3 + H2O</chem>
:: ※ Na<sub>2</sub>SO<sub>3</sub>は塩。
二酸化炭素(CO<sub>2</sub>)は塩基と反応して塩を生じる。
:<chem>CO2 + Ca(OH)2 -> CaCO3 + H2O</chem>
:: ※ CaCO<sub>3</sub>は塩。
二酸化窒素(NO<sub>2</sub>)は水に溶けて硝酸(HNO<sub>3</sub>)となる。
: <chem>3NO2 + H2O -> 2HNO3 + NO</chem>
一般に、酸性酸化物が水と反応するとオキソ酸が生じる。
; 塩基性酸化物の例
{| class="wikitable" style="float: right;"
!塩基性酸化物
|Na<sub>2</sub>O , MgO , CaO , Fe<sub>2</sub>O<sub>3</sub> , CuO , BaO など
|-
|}
水に溶けて塩基性を示したり、酸と反応して塩を生じる酸化物を、'''塩基性酸化物'''という。
:<chem>Na2O + H2O -> 2NaOH</chem>
:: ※ NaOHは塩基。
'''金属元素の酸化物の多くは、塩基性酸化物である'''。酸化カルシウムや酸化ナトリウムなどが、塩基性酸化物である。
酸化カルシウム(CaO)は水に溶けて水酸化カルシウム(Ca(OH)<sub>2</sub>)となる。
:<chem>CaO + H2O -> Ca(OH)2</chem>
また、これは酸と反応して塩を生じる。
: <chem>CaO + 2HCl -> CaCl2 + H2O</chem>
; 両性酸化物の例
{| class="wikitable" style="float: right;"
!両性酸化物
|Al<sub>2</sub>O<sub>3</sub> , ZnO
|-
|}
酸・塩基のどちらとも反応して塩を生じる酸化物を、両性酸化物という。
酸化アルミニウム(Al<sub>2</sub>O<sub>3</sub>)や酸化亜鉛(ZnO)は、酸とも塩基とも反応して塩を生じる。
: <chem>Al2O3 + 6HCl -> 2AlCl3 + 3H2O</chem>
:<chem>Al2O3 + 2NaOH + 3H2O -> 2Na[Al(OH)4]</chem>
下の式の生成物は、テトラヒドロキシドアルミン酸ナトリウムである。
==== オキソ酸 ====
塩素の酸性酸化物を水に溶かすと、水と反応して酸を生じる。
塩素の酸化物には、いくつかの種類があるが、一例として酸を生じる反応として、下記の化学反応がある。
:<chem>Cl2O7 + H2O -> 2HClO4</chem>
リンの酸性酸化物も、水と反応し、酸を生じる。
:<chem>P4O10 + 6H2O -> 4H3PO4</chem>
また、このように酸性酸化物を水と反応させて得られた酸は、分子中に酸素原子と水素原子を含む場合が多い。 塩素の場合は、過塩素酸 HClO<sub>4</sub> などが得られるし、窒素の場合は、亜硝酸(HNO<sub>2</sub>)と硝酸(HNO<sub>3</sub>)などが得られるし、分子式を見ればわかるように酸素原子と原子が分子中に含まれてる。
{| class="wikitable" style="float: right;"
! style="text-align: center;" |化学式
!名称
!酸の強さ
!Clの酸化数
|-
|HClO<sub>4</sub>
|過塩素酸
|つよい側
|+7
|-
|HClO<sub>3</sub>
|塩素酸
|
|+5
|-
|HClO<sub>2</sub>
|亜鉛素酸
|
|+3
|-
|HClO
|次亜鉛素酸
|よわい側
|+1
|-
|}
一般に、分子中に酸素分子のある構造の酸のことを'''オキソ酸'''という。オキソ酸の分子構造について、塩素原子や窒素原子など、由来となった酸性酸化物の元素を中心原子と設定する。
中心元素が同じであれば、結合している酸素の数が多いほど、オキソ酸の酸性は強くなる。
たとえば窒素のオキソ酸として亜硝酸(HNO<sub>2</sub>)と硝酸(HNO<sub>3</sub>)があるが、硝酸の方が強い酸である。
また、中心元素が第3周期のリン、硫黄、塩素であるようなオキソ酸は、この順に酸性が強くなる。リン酸(H<sub>3</sub>PO<sub>4</sub>)は弱酸であるが、硫酸(H<sub>2</sub>SO<sub>4</sub>)は強酸であり、過塩素酸(HClO<sub>4</sub>)はさらに強い酸性を示す。
塩素のオキソ酸の酸性の順は、
: (つよい側) HClO<sub>4</sub> > HClO<sub>3</sub> > HClO<sub>2</sub> > HClO (よわい側)
名称は
: HClO<sub>4</sub> 過塩素酸。 HClO<sub>3</sub> 塩素酸。 HClO<sub>2</sub> 亜鉛素酸。HClO 次亜鉛素酸。
である。
=== 硫黄 ===
==== 単体 ====
'''硫黄'''(S)の単体には、斜方硫黄、単斜硫黄、ゴム状硫黄などの同素体がある。単体は火山地帯から多く産出され、また重油の精製過程のひとつである'''脱硫'''の工程において多く得られる。日本では、この脱硫で得られた硫黄により国内需要を全て賄っている。
; 斜方硫黄(S<sub>8</sub>)
[[ファイル:Sulfur.jpg|100x100ピクセル]] 斜方硫黄は常温で安定な黄色・塊状の結晶である。硫黄原子が8つ環状に結合して1つの分子を形成している。融点は113℃。
; 単斜硫黄(S<sub>8</sub>)
[[ファイル:Cyclooctasulfur-above-3D-balls.png|100x100ピクセル]] 単斜硫黄は高温(95.5℃以上)で安定な黄色・針状の結晶である。硫黄原子が8つ環状に結合して1つの分子を形成している。斜方硫黄を加熱することで得られる。
; ゴム状硫黄(S<sub>x</sub>)
ゴム状硫黄は黒褐色の無定形固体である。ただし、純粋なものは黄色を示すものがある。数十万の硫黄原子がジグザグに結合しているため、引っ張ると結合角が変わり弾力性がある。
斜方硫黄を加熱すると琥珀色の液体となる。これを加熱し続けると次第に暗褐色となり、粘性が増してくる。さらに加熱すると濃青色の液体となり、これを水中に入れ急冷するとゴム状硫黄となる。
* 反応性
硫黄は、高温で反応性が高い。
[[ファイル:Sulfur-burning-at-night.png|右|サムネイル|150x150ピクセル|硫黄の燃焼]]
硫黄は高温では多くの元素と化合して硫化物となる。たとえば鉄粉と硫黄の粉末を混合して加熱すると、硫化鉄(II) FeS が生じる。
: <chem>Fe + S ->[\Delta] FeS</chem>
また、空気中で青白い炎をあげて燃焼し、二酸化硫黄となる。
: <chem>S + O2 ->[\Delta] SO2</chem>
==== 化合物 ====
===== 硫化水素 =====
'''硫化水素'''(H{{sub|2}}S)は無色腐卵臭の気体である。火山ガスや温泉に豊富に含まれる。よく言われる「硫黄の臭い」は硫黄ではなくこれである(硫黄の単体は無臭)。人体に有毒であるため、使用時には十分な換気に注意しなければならない。硫化水素は水に溶け、弱酸性を示す。
: <chem>H2S <=> HS^- + H^+ <=> S^{2-} {+} 2H^+</chem>
実験室では硫化鉄(II)に強酸を加えることで得られる。
: <chem>FeS + 2HCl -> FeCl2 + H2S ^</chem>
: <chem>FeS + H2SO4 -> FeSO4 + H2S ^</chem>
硫化水素は多くの場合に還元剤として働き、二酸化硫黄を還元して硫黄の単体を生じる。
: <chem>2H2S + SO2 -> 2H2O + 3S v</chem>
多くの金属イオンと反応して硫化物の沈殿を作るため、金属イオンの分離や検出に多く用いられる。
: <chem>Fe^{2+} {+} H2S -> 2H^{+} {+} FeS v</chem>
{| class="wikitable"
|+ 主な硫化物沈澱とその色
|-
| style="background-color:#BBB; text-align:center" | '''硫化物沈澱''' || Ag<sub>2</sub>S || PbS || CuS || FeS※ || NiS※ || CdS || MnS※ || ZnS※
|-
| style="background-color:#BBB; text-align:center" | '''色''' || colspan="5" style="text-align:center" | 黒 || style="text-align:center" | 黄 || style="text-align:center" | 淡黄 || style="text-align:center" | 白
|}
※酸性条件下では沈澱しない。
ちなみに、温泉卵の黒は硫化鉄の色である。
===== 二酸化硫黄 =====
'''二酸化硫黄'''('''亜硫酸ガス'''、SO<sub>2</sub>)は刺激臭をもつ無色の有毒な気体で、火山ガスや温泉などに含まれる。
酸性酸化物であり、水に溶けて'''亜硫酸'''(H<sub>2</sub>SO<sub>3</sub>)を生じ、弱酸性を示す。
: <chem>SO2 + H2O <=> HSO3- + H^+</chem>
実験室では、銅を濃硫酸に加えて加熱するか、亜硫酸塩を希硫酸と反応させることにより得られ、下方置換で捕集する。
: <chem>Cu + 2H2SO4 ->[\Delta] CuSO4 + 2H2O + SO2 ^</chem>
: <chem>NaHSO3 + H2SO4 -> NaHSO4 + H2O + SO2 ^</chem>
: <chem>Na2SO3 + H2SO4 -> Na2SO4 + H2O + SO2 ^</chem>
工業的には、硫黄の燃焼により製造される。
: <chem>S + O2 ->[\Delta] SO2</chem>
二酸化硫黄は還元性があり、漂白作用がある。ただし、硫化水素のような強い還元剤がある場合は、酸化剤として作用する。
硫黄を含む物質は燃焼により二酸化硫黄を生じる。二酸化硫黄の水溶液は、弱い酸性を示す。
硫黄は石油や石炭に多く含まれているため、このような化石燃料を大量に燃焼させると、大気中に多量の二酸化硫黄が放出され、雨水に溶け込み、酸性雨の原因となる。
===== 三酸化硫黄 =====
'''三酸化硫黄'''('''無水硫酸'''、SO<sub>3</sub>)は、有毒の結晶である。
水と激しく反応して硫酸を生成する。
:<chem>SO3 + H2O -> H2SO4</chem>
工業的には、二酸化硫黄を空気中の酸素で酸化して得る。このとき用いる触媒が、'''酸化バナジウム(Ⅴ)'''(V<sub>2</sub>O<sub>5</sub>)である。
:<chem>2SO2 + O2 ->[(V2O5)] 2SO3</chem>
===== 硫酸 =====
'''硫酸'''(H{{sub|2}}SO{{sub|4}})は工業的に'''接触法'''(接触式硫酸製造法)により、酸化バナジウム(Ⅴ)を主成分とする触媒をもちいて、次のような工程で製造されている。
# 硫黄 S を燃焼させ、二酸化硫黄 SO<sub>2</sub> を作る。
#: <chem>S + O2 ->[\Delta] SO2</chem>
# 二酸化硫黄と酸素との混合気体を乾燥させ、酸化バナジウム(Ⅴ)を触媒として反応させて三酸化硫黄 SO<sub>3</sub> を作る。
#: <chem>2SO2 + O2 ->[(V2O5)] 2SO3</chem>
# 三酸化硫黄を濃硫酸に吸収させ、濃硫酸中の水と反応させて'''発煙硫酸'''<sup>※</sup>とする。
#: <chem>SO3 + H2O -> H2SO4</chem>
# 集めた発煙硫酸を水また稀硫酸で稀釈し、濃硫酸とする。
※ 発煙硫酸は硫酸が炭化している訳ではなく、空気中で煙のように目視できることが名前の由来。
硫酸は、硫黄のオキソ酸である。通常はH{{sub|2}}SO{{sub|4}}の水溶液を硫酸と呼ぶ。硫酸は無色透明で粘性があり、密度の大きい重い液体である。濃度により性質が異なり、濃度90%以上程度の濃いものを'''濃硫酸'''といい、薄いものを'''稀硫酸'''と呼ぶ。
濃硫酸を水で稀釈することで稀硫酸が得られる。稀釈する際は水を入れたビーカーを水を張った水槽中に入れ、冷却しながら濃硫酸を静かに加えるようにする。これは、硫酸の水への溶解エンタルピーの絶対値が非常に大きいためである。もし、逆に濃硫酸に水を加えるようにすると、放出された熱によって水が激しく蒸発して濃硫酸が跳ねることがあり、非常に危険である。
[[ファイル:Sulfuric_acid_burning_tissue_paper.jpg|右|サムネイル|200x200ピクセル]]
濃硫酸には次のような性質がある。
* '''脱水作用''': 有機化合物の分子内に含まれている酸素原子や水素原子を、水分子H{{sub|2}}Oとして奪う。たとえば紙([[高校化学 天然高分子化合物#セルロース|セルロース]])に濃硫酸を垂らすと、その部分から酸素と水素が奪われ、炭化する。このとき、硫酸自身は還元されて二酸化硫黄となる。
* 吸湿作用: 強い吸湿作用があり、中性・酸性気体の乾燥剤として用いられる。
* 不揮発性: 沸点が高く不揮発性なので、'''揮発性の酸の塩と反応して揮発性の酸を遊離する'''。
*: <chem>NaCl + H2SO4 -> NaHSO4 + HCl ^</chem>
* 酸化作用: 金属を加え加熱すると、銅・銀・水銀などのイオン化傾向の小さい金属を酸化するようになる。加熱した濃硫酸を'''熱濃硫酸'''と呼ぶこともある。
*: <chem>Cu + 2H2SO4 ->[\Delta] CuSO4 + 2H2O + SO2 ^</chem>
稀硫酸は強酸であり、多くの金属と反応して水素を発生する。なお、濃硫酸は水を余り含まないため電離度が小さく、殆ど酸性を示さない。
硫酸イオン(SO{{sub|4}}{{sup|2-}})はBa{{sup|2+}}やCa{{sup|2+}}と反応して白色沈澱を生じる。そのため、これらのイオンの検出・分離に用いられる。また日常生活においても、硫酸はカーバッテリーや非常用電源などとして使われる[[高校化学 電池と電気分解#鉛蓄電池|鉛蓄電池]]の電解液として用いられている。
また、肥料や薬品の製造にも用いられる。
== 15族元素 ==
[[ファイル:周期表-NP.png|右]]
'''窒素'''(N)、'''リン'''('''燐'''、P)はともに15族に属する非金属元素である。価電子を5つ持つ。
=== 窒素 ===
==== 単体 ====
'''窒素'''(N{{sub|2}})は常温常圧で無色無臭の気体である。窒素原子2つが三重結合して1つの分子を作っている、二原子分子の気体である。空気中に体積比でおよそ78%含まれており、工業的には液体空気の分留により生産される。
実験室では、亜硝酸アンモニウムの熱分解で得る。
:<chem>NH4NO2 ->[\Delta] N2 + 2H2O</chem>
液体の窒素('''液体窒素'''、-196℃、7K)は物質の冷却にしばしば用いられている。窒素は水上置換で捕集する。
==== 化合物 ====
===== アンモニア =====
'''アンモニア'''(NH{{sub|3}})は無色刺激臭の気体である。水に非常に溶けやすく、水溶液はアンモニア水と呼ばれ、弱塩基性を示す。
: <chem>NH3 + H2O -> NH4+ + OH^-</chem>
沸点は-33.4℃である。
アンモニアは、工業的には、高温高圧下で四酸化三鉄 <chem>Fe3O4</chem> などの触媒を用いて窒素と水素を直接反応させる'''ハーバー・ボッシュ法'''により製造される。
: <chem>N2 + 3 H2 ->[\Delta \, (Fe3O4)] 2 NH3</chem>
実験室では、塩化アンモニウムと水酸化カルシウムの粉末を混合して加熱することにより得られる。水に非常に溶けやすく空気より軽いため、'''上方置換'''で捕集する。
: <chem>2NH4Cl + Ca(OH)2 -> CaCl2 + 2H2O + 2NH3 ^</chem>(弱塩基遊離反応)
アンモニアが生成したことを確かめるには、[[高校化学 水素と貴ガス#ハロゲン化水素|濃塩酸]]を近づければよい。アンモニアと濃塩酸が反応して塩化アンモニウムの白煙を生じる。
: <chem>NH3 + HCl -> NH4Cl</chem>
水溶液中のアンモニウムイオン(NH{{sub|4}}{{sup|+}})を検出する際には、ネスラー試薬が用いられる。アンモニウムイオンがあれば黄色~褐色の沈殿を生じる。
アンモニアは、硝酸の原料、あるいは尿素((NH<sub>2</sub>)<sub>2</sub>CO)などの窒素肥料の原料などとしても利用される。
:<chem>CO2 + 2NH3 -> (NH2)2CO + H2O</chem>
===== 窒素酸化物 =====
窒素の酸化物は数種類あり、それらの総称を'''窒素酸化物'''と呼ぶ。主なものに'''一酸化窒素'''(NO)と'''二酸化窒素'''(NO{{sub|2}})がある。一般に、窒素酸化物NO<sub>x</sub>を'''ノックス'''と呼ぶ。
; 一酸化窒素 (NO)
常温で無色の気体。水に溶けにくい。'''希硝酸に銅'''を加えることで発生する。空気中で酸化されやすいため、'''水上置換'''で捕集する。
: <chem>3Cu + 8HNO3 -> 3Cu(NO3)2 + 4H2O + 2NO ^</chem>
空気中での酸化の反応式は、
: <chem>2NO + O2 -> 2NO2</chem>
である。
; 二酸化窒素 (NO{{sub|2}})
[[ファイル:CopperReaction.JPG|右|300x300ピクセル]]
常温で赤褐色の刺激臭を持つ気体。水に溶けやすく、反応して硝酸 <chem>HNO3</chem> となる。
: <chem>3NO2 + H2O -> 2HNO3 + NO</chem>
実験室では'''濃硝酸に銅'''を加えることで発生する。水に溶けやすいので'''下方置換'''で捕集する。
: <chem>Cu + 4HNO3 -> Cu(NO3)2 + 2H2O + 2NO2 ^</chem>
空気中では一部で2分子が結合して'''四酸化二窒素''' <chem>N2O4</chem> となる。
: <chem>2NO2 <=> N2O4</chem>
窒素は常温では燃焼しない。すなわち酸素と反応して酸化物にならない。しかし、高温下では窒素と酸素が直接反応して窒素酸化物を生じる。また化石燃料の燃焼によっても窒素酸化物が生成する。そのため車のエンジンなどから窒素酸化物が発生し、大気中に放出されたものが雨水に吸収され、[[高校化学 水素と貴ガス#二酸化硫黄|硫黄酸化物]]と同様に酸性雨の原因となる。
===== 硝酸 =====
'''硝酸''' <chem>HNO3</chem> は窒素のオキソ酸であり、有名な強酸である。通常は<chem>HNO3</chem>の水溶液を硝酸と呼ぶ。濃度によりやや異なる性質を示し、濃度の濃いものを'''濃硝酸'''、薄いものを'''希硝酸'''と呼ぶ。硝酸は揮発性の酸であるため、実験室では硝酸塩に濃硫酸を加えることにより得られる。(不揮発性酸による揮発性酸の遊離反応)
: <chem>NaNO3 + H2SO4 -> NaHSO4 + HNO3</chem>
硝酸の製法は、工業的には、'''オストワルト法'''により製造される。次のような工程を経て硝酸が得られる。
# アンモニアと空気の混合気体を、触媒の白金 Pt に触れさせ、800℃〜900℃でアンモニアを酸化させて一酸化窒素とする。
#: <chem>4NH3 + 5O2 ->[\Delta \, (Pt)] 4NO + 6H2O</chem>
# 一酸化窒素を空気中でさらに酸化して、二酸化窒素とする。
#: <chem>2NO + O2 -> 2NO2</chem>
# 二酸化窒素を水に吸収させ、硝酸とする。ここで発生する一酸化窒素は回収し、2に戻って再び酸化する。
#: <chem>3NO2 + H2O -> 2HNO3 + NO</chem>
硝酸は無色の水溶液であるが、光や熱により分解して二酸化窒素と酸素を生じる。そのため、保管の際には、褐色瓶に入れ冷暗所で保存するようにする。
: <chem>4HNO3 -> 4NO2 + 2H2O + O2</chem>
市販の硝酸(濃度約60%)は発煙性を示す。
稀硝酸・濃硝酸ともに強い酸化作用を持っており、金・白金以外の金属を酸化して溶かす。イオン化傾向の大きい金属と反応するとき窒素酸化物を生じる。希硝酸からは一酸化窒素が、濃硝酸からは二酸化窒素がそれぞれ発生する。
:(希硝酸)<chem>3Cu + 8HNO3 -> 3Cu(NO3)2 + 4H2O + 2NO ^</chem>
:(濃硝酸)<chem>Cu + 4HNO3 -> Cu(NO3)2 + 2H2O + 2NO2 ^</chem>
また硝酸は強酸であり、イオン化傾向の大きい金属と反応して水素を発生する。
: <chem>2Al + 6HNO3 -> 2Al(NO3)3 + 3H2 ^</chem>
* 不動態
ただし、鉄 Fe やアルミニウム Al やニッケル Ni は、硝酸とは反応して水素を発生するが、濃硝酸に加えても溶けない。これは、金属の表面が酸化され、水に溶けにくい緻密な酸化被膜を生成して、内部が保護され、反応が内部まで進行しなくなるためである。このような状態を'''不動態'''という。
* その他
硝酸塩はほとんど水に溶ける。そのため、ガラス器具にこびりついた金属類を洗浄する際に用いられることも多い。
また、硝酸は火薬、染料、医薬品の製造に用いられる。
{{コラム|硝石|硝酸塩の一つである硝酸カリウムは、天然には硝石として存在する。この硝石は、原始的な方法で製造することができる。硝石のおおもとの原料は、糞尿である。尿などにふくまれるアンモニアが、土壌中でさまざまな物質と反応して、硝酸イオンを多く含む物質になる。この硝酸イオンを原料に、カリウムをふくむ{{ruby|灰汁|あく}}とともに煮ると化学反応をして硝酸カリウムになる。中世や近世では、この硝石を中間材料として、火薬などを作っていた。}}
==== 窒素の応用 ====
たとえば、ポテトチップスなどのような油で揚げたスナック菓子の酸化防止のため、袋の中に窒素が詰められる。酸素があると、油が酸化してしまうが、代わりに何らかの気体を詰める必要があるので、窒素を袋の中につめているのである。
=== リン ===
==== 単体 ====
'''リン'''('''燐'''、P)は5種類の同素体を持つ。代表的なものは'''白リン'''(黄リン、P{{sub|4}})と'''赤リン''' (P{{sub|x}})の2つである。
'''白リン'''(P{{sub|4}})は淡黄色の蠟状固体であり、人体にきわめて有毒である。空気中で自然発火するため、水中に保存する。二硫化炭素(CS{{sub|2}})に溶ける。
[[ファイル:Red_phosphorus_in_a_tube_-_P_15_.jpg|右|150x150ピクセル]]
'''赤リン'''(P{{sub|x}})は暗赤色の粉末状固体であり、弱い毒性を持つ。二硫化炭素(CS{{sub|2}})に溶けない。赤リンはマッチの箱の擦り薬として用いられている。{{コラム|マッチの発明の歴史|1669年に発火温度の低い燐が発見されてから最初のマッチ(燐寸)が発明されるまでには200年ほどを要した。最初期のマッチは火つきは悪く、火がつくと飛び散り、二酸化硫黄の腐卵臭がすると欠点だらけであった。これらの欠点は1931年に黄燐マッチが開発されることで改善し、火つきの非常に良いマッチが誕生した。しかし、こちらも黄燐の猛毒性、僅かな摩擦・衝撃での発火、温度上昇による自然発火などの別の問題点があった。同じ燐でも自然発火温度が高く、毒性も弱い赤燐が1845年に発見されると、その10年後には赤燐を用いた安全マッチが開発された。このマッチは現在のものと殆ど相違ない。日本では、1875年に最初のマッチが作られたとされる。なお、西部劇などに見られるマッチは硫化燐マッチであり、黄燐マッチではない。}}
単体のリンは燐酸カルシウム(Ca<sub>3</sub>(PO<sub>4</sub>)<sub>2</sub>)を主成分とする鉱石に珪砂([[高校化学 非金属元素#二酸化ケイ素|二酸化珪素]]を主成分とする砂)を混ぜて電気炉中で強熱して作られる。このとき得られるのは黄燐である。黄燐は窒素中で長時間加熱(250℃付近)することで赤燐となる。
==== 酸化物 ====
リンを空気中で燃焼させると、'''十酸化四リン'''(五酸化二燐、<chem>P4O10</chem>)の白煙を生じる。
: <chem>4P + 5O2 ->[\Delta] P4O10</chem>
十酸化四リンは白色の粉末状固体であり、強い吸湿性を示し、乾燥剤として用いられる。この吸湿性から、空気中に放置すると空気中の水蒸気を吸収して自分自身がその水に溶ける。この現象を'''潮解'''という。 十酸化四リンは水と反応して'''リン酸''' <chem>H3PO4</chem> となる。
: <chem>P4O10 + 6H2O -> 4H3PO4</chem>
リン酸は酢酸のような弱酸よりは強いが、塩酸のような強酸よりは弱い、中程度の強さの酸である。 リンは生物にとって必要不可欠な元素である。生物は、[[高校化学 天然高分子化合物#核酸|アデノシン]](アデニン+リボース)にリンが高エネルギーリン酸結合により3つ化合した化合物である[[高等学校理科 生物基礎/細胞とエネルギー#代謝とATP|ATP]](アデノシン三リン酸)にエネルギーを保存し、利用する。農業においても必要な元素で、リン酸肥料として用いられる。主なものとして、リン鉱石と硫酸と水との反応から得られるリン酸二水素カルシウム <chem>Ca(H2PO4)2</chem> と、硫酸カルシウム <chem>CaSO4</chem> との混合物である'''過リン酸石灰'''がある。 この過リン酸石灰が、リン肥料の主成分である。 リン酸カルシウム <chem>Ca3(PO4)2</chem> およびヒドロキシアパタイト <chem>Ca5(PO4)3(OH)</chem> は、動物の骨や歯の主成分である。
植物の成長に必要な必須元素のうち、窒素・燐・カリウムは'''肥料の三要素'''と呼ばれる。
== 14族元素 ==
[[ファイル:周期表-CSi.png|右]]
'''炭素''' C 、'''ケイ素''' Si はともに14族に属する元素である。価電子を4個持つ。
=== 炭素 ===
'''炭素''' (C) は生物を構成する重要な元素であり、多くの化学製品にも含まれている。炭素を含む物質は一般に'''有機物'''と呼ばれる。有機化合物については別の章で詳しく学ぶ。この節では、炭素の単体、一酸化炭素、二酸化炭素について説明する。
==== 単体 ====
炭素の単体は共有結合の結晶であり、結合の仕方によっていくつかの同素体が存在する。
; ダイヤモンド (C)
[[ファイル:Apollo_synthetic_diamond.jpg|左|サムネイル|150x150ピクセル|ダイヤモンド]]
[[ファイル:DiamantEbene01.png|右|サムネイル|150x150ピクセル|ダイヤモンドの構造]]
'''ダイヤモンド'''は無色の固体で、1つの炭素原子が4つの炭素原子と正四面体の頂点方向に共有結合し、それが多数連結して結晶を形成している。共有結合の結晶であるため、非常に融点・沸点が高く、地球上で最も硬い物質として知られている。電気は通さないが、熱はよく伝える。宝石としての利用のほか、工業的には研磨剤としても使われる。光の屈折率が大きい。
{{-}}
; 黒鉛 (C)
[[ファイル:GraphiteUSGOV.jpg|左|サムネイル|150x150ピクセル|黒鉛]]
[[ファイル:Graphit_gitter.png|右|サムネイル|187x187ピクセル|グラフェン黒鉛(グラファイト)の一層をグラフェンと呼ぶ。上図ではグラフェンが4層描かれている。]]
'''黒鉛'''は金属光沢のある黒色の固体で、炭素原子が正六角形の層状構造を持っている。各層は3つの共有結合によって形成され、残りの価電子は'''自由電子'''として層間を移動する。この自由電子の存在により、黒鉛は電気をよく通し、熱伝導性も高い。層と層の結合は弱いため、黒鉛は柔らかく、鉛筆の芯や電気分解用の電極として使用される。
{{-}}
; フラーレン(C60、C70など)
[[ファイル:C60a.png|右|サムネイル|140x140ピクセル|フラーレン]]
'''フラーレン'''は茶褐色の固体で、多数の炭素原子が球状に結合している。右図はC60フラーレンのモデルで、炭素原子が60個、サッカーボール状に結合している。20世紀後半に発見された物質で、現在も研究が進んでいる。純粋なフラーレンは電気を通さないが、アルカリ金属を添加すると超伝導性を示すことがある。有機溶媒に溶ける性質を持つ。
{{-}}
; グラフェン
'''グラフェン'''は炭素原子が六角形に配列した一層のシート状の物質で、非常に強く柔軟であり、電気や熱を効率よく伝える。
{{-}}
; カーボンナノチューブ
'''カーボンナノチューブ'''は、炭素原子が六角形に結びついたグラフェンシートを丸めて筒状にしたナノ材料。日本人が開発した。非常に高い強度と優れた電気・熱伝導性を持ち、宇宙エレベーターのケーブルとして検討されている。
{{-}}
; 無定形炭素
[[ファイル:Binchotan_(charcoal).jpg|サムネイル|180x180ピクセル|活性炭]]
炭素の同素体とは異なり、黒鉛や[[高校化学 脂肪族炭化水素|炭化水素]]が不規則に結合し、結晶構造を明確に持たない([[高校化学 結晶#アモルファス|アモルファス]]状態の)固体がある。これを'''無定形炭素'''と呼ぶ。木炭やコークスが代表的で、この中でも'''活性炭'''は多孔質であり、さまざまな物質を吸着する性質があるため、消臭剤などに用いられている。
{{-}}
==== 酸化物 ====
炭素が空気中で燃焼すると、酸化物が生成される。
; 一酸化炭素 (CO)
炭素や有機化合物が空気中で不完全燃焼すると、'''一酸化炭素''' (CO) が生じる。一酸化炭素は無色無臭の気体で、非常に有毒である。吸入すると血液中のヘモグロビンと結合し、酸素の運搬を阻害する。水には溶けにくい。
二酸化炭素と炭素の単体を高温接触させることでも得られる。
: <chem>CO2 + C ->[\Delta] 2CO</chem>(酸化還元反応)
実験室では、[[高校化学 酸素を含む脂肪族化合物#ギ酸|蟻酸]]に濃硫酸を加えることで一酸化炭素を生成できる。
: <chem>HCOOH -> H2O + CO ^</chem>(脱水反応)
工業的には、水蒸気を高温のコークスに作用させることで得られる。
: <chem>C + H2O ->[\Delta] H2 + CO</chem>(酸化還元反応)
::※水素と一酸化炭素の混合ガスを'''水性ガス'''という。[[高校化学 酸素を含む脂肪族化合物#メタノール|メタノール]]の原料となる。
空気中では青白い炎を上げて燃焼し、二酸化炭素を生じる。
: <chem>2CO + O2 ->[\Delta] 2CO2</chem>
一酸化炭素は還元性を持ち、金属酸化物を還元して単体にする性質がある。
: <chem>CuO + CO -> Cu + CO2</chem>
; 二酸化炭素 (CO2)
炭素や有機化合物が空気中で完全燃焼すると、'''二酸化炭素''' (CO2) が生じる。実験室では炭酸カルシウムに塩酸を加えて発生させることができる。
: <chem>CaCO3 + 2HCl ->[\Delta] CaCl2 + H2O + CO2 ^</chem>
工業的には、[[高校化学 典型金属#カルシウム|石灰石]]の熱分解によって二酸化炭素が得られる。
二酸化炭素は無色無臭の気体で、毒性はない。酸性酸化物であり、水に溶けると炭酸水素イオン <chem>HCO3^-</chem> を生成し、弱酸性を示す。
: <chem>CO2 + H2O <=> HCO3^- + H^+</chem>
また、塩基と反応して塩を作る。
: <chem>CO2 + 2NaOH -> Na2CO3 + H2O</chem>
二酸化炭素を'''石灰水'''(水酸化カルシウム水溶液)に通すと、炭酸カルシウムが生成され白濁する。この反応は二酸化炭素の検出に用いられる。
: <chem>Ca(OH)2 + CO2 -> H2O + CaCO3 v</chem>
[[ファイル:Dry_Ice_Pellets_Subliming.jpg|右|サムネイル|150x150ピクセル|ドライアイス]]
二酸化炭素の固体は分子結晶で、'''ドライアイス'''として知られ、冷却剤として使用される。常圧下で'''昇華性'''を持ち、液体にならずに直接気体となる。
二酸化炭素は生物の活動によって放出・吸収される。呼吸では、酸素を吸収して糖類と反応し、エネルギーを取り出す過程で二酸化炭素が生成される。
: <chem>C6H12O6 + 6O2 -> 6H2O + 6CO2</chem>
※この反応で合成される[[高等学校理科 生物基礎/細胞とエネルギー|ATP]]は38分子
逆に、植物は光のエネルギーを用いて二酸化炭素を吸収し、糖類を合成する。この過程を'''光合成'''という。
: <chem>6CO2 + 6H2O -> C6H12O6 + 6O2</chem>
※反応エンタルピーは2803 kJ
また、微生物の中には[[高校化学 天然高分子化合物#糖類|糖類]]を醱酵させ、エネルギーを得るものがあり、その過程で二酸化炭素が生じる。
: <chem>C6H12O6 -> 2C2H5OH + 2CO2</chem>
※この反応で合成されるATPは2分子
=== ケイ素 ===
'''ケイ素'''('''珪素'''、Si)は酸素の次に多く地殻中に含まれている元素である。水晶などの鉱物にも含まれている。半導体の主な原料であり、工業的に重要な元素となっている。ケイ素は'''シリコン'''ともいう。
※地殻の元素含有量は、O<sub>2</sub> > Si > Al > Feの順である。
==== 単体 ====
[[ファイル:SiliconCroda.jpg|右|サムネイル|200x200ピクセル|ケイ素]]
'''ケイ素'''(Si)は金属光沢をもつ銀灰色の固体である。ケイ素は金属ではないが金属光沢をもつ。[[ファイル:Monokristalines_Silizium_für_die_Waferherstellung.jpg|左|サムネイル|294x294ピクセル|ケイ素の単結晶電子部品の製造などに用いられる。これを薄く切断してシリコンウェハーにする。]]
ケイ素は天然には単体として存在せず、酸化物を還元することにより製造される。単体は共有結合の結晶であり、ダイヤモンドと同様の構造でケイ素原子が結合する。そのためダイヤモンド同様融点・沸点は高く、固い結晶を作る。導体と不導体の中間程度の電気抵抗を持つ[[高校物理 電磁気学#半導体|半導体]]で、太陽電池やコンピュータ部品に用いられる。
シリコンの結晶に、わずかにリンやホウ素を加えたものは、電気をよく通すものになる。これらは半導体である。
* その他
[[ファイル:Silicon-unit-cell-3D-balls.png|サムネイル|80x80ピクセル|ケイ素の単体の結晶構造]]
ケイ素の結晶構造は、ダイヤモンドの結晶構造と同じ。
{{-}}{{コラム|シリセン|シリセンは、ケイ素(シリコン)原子が六角形に配列し、グラフェンに似た二次元シート構造を持つ新しい物質である。シリコンは通常、三次元のダイヤモンド構造を取るが、シリセンではケイ素原子が平面状に並び、蜂の巣状の構造を作り出す。このため、シリセンは「シリコン版グラフェン」とも呼ばれることがある。
シリセンは、グラフェンと同様に優れた電子的特性を持ち、次世代のエレクトロニクス材料として注目されている。特に、シリコンベースの既存の半導体技術との互換性が期待されており、ナノテクノロジーやトランジスタ、センサーなどの分野での応用が研究されている。
ただし、シリセンはグラフェンよりも安定性が低く、空気中では速やかに酸化されるため、特定の条件下でしか安定した形で存在できない。一般的には金属基板の上に成長させることで安定させる技術が使われている。
シリセンはその特性を利用して、エレクトロニクスやスピントロニクス、さらにはエネルギー材料などの広い分野で革新的な技術を生み出す可能性があるが、まだ研究段階にあるため、今後の発展が期待される。}}{{-}}
==== 二酸化ケイ素 ====
[[ファイル:Quartz_(USA).jpg|右|サムネイル|180x180ピクセル|水晶]]
'''二酸化ケイ素'''('''シリカ'''、二酸化珪素、<chem>SiO2</chem>)は自然界で石英として存在する。透明な石英の結晶は水晶と呼ばれ、宝石として用いられる。また、砂状のものは{{ruby|珪砂|けいしゃ}}と呼ばれ、{{ruby|硝子|ガラス}}の原料となる。
ガラスは身近な様々な場面で用いられている。科学においては耐熱器具や光ファイバーに用いられている。
二酸化ケイ素は常温では共有結合結晶である。ケイ素原子と酸素原子との結合は非常に強く、固く安定な結晶を作る。また、強い結合のためか、融点も高く(1550℃)、塩酸にも溶けない。しかし、フッ化水素酸とは反応して溶ける。
: <chem>SiO2 + 6HF -> H2SiF6 + 2H2O</chem>
[[ファイル:Silica_gel.jpg|右|150x150ピクセル]]
また、二酸化ケイ素は酸性酸化物であり、塩基と反応して珪酸塩を生じる。たとえば水酸化ナトリウムと反応して、ケイ酸ナトリウム <chem>Na2SiO3</chem> を生じる。
: <chem>SiO2 + 2NaOH -> Na2SiO3 + H2O</chem>
そして、上述で得られたケイ酸ナトウリムに水を加えて加熱すると、粘性の大きい透明の'''水ガラス''' <chem>Na2O.nSiO2</chem> と言う物質が得られる。水ガラスは、その粘性や透明性から、よく水飴に例えられる。
水ガラスに塩酸を加えると、白色ゲル状のケイ酸 <chem>H2SiO3</chem>が得られる。
: <chem>Na2SiO3 + 2HCl -> H2SiO3 + 2NaCl</chem>
※ 実際は組成が安定せず、できるのが <chem>H2SiO3</chem> のみとは限らない
※ <chem>H2SiO3</chem>は水にほぼ不溶だが(なので、教材によっては「白色ゲル状の沈殿」のように沈殿として説明される場合もよくあるが)、慣習的に「ケイ酸」と言う。炭酸 <chem>H2CO3</chem> との類推で考えると覚えやすいだろう。
このとき塩化ナトリウムが副生成物としてできるので、塩化ナトリウムを水洗して除き、のこったケイ酸を加熱乾燥すると'''シリカゲル'''が得られる。シリカゲルは多孔質であり、また空気中では水分を吸着するため、乾燥剤や吸着剤として用いられる。(シリカゲルは多孔質なので表面積が大きく、そのため効率的に水分を吸着できる。)
* 発展: 水晶振動子
電子工業における水晶の応用として、'''水晶振動子'''としての利用がある。
水晶に電圧を掛けると、一定の周期で振動することから、クオーツ時計などの発振器として利用されている。
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{{コラム||
SiO<sub>2</sub>が酸性酸化物であることと、上記のケイ酸ナトリウムの合成式
: <chem>SiO2 + 2NaOH -> Na2SiO3 + H2O</chem>
はバラバラに覚えるのではなく、下記のように関連付けて覚えよう。
教科書では二酸化ケイ素は「酸性酸化物なので」上記の反応が起きる、的な事が書いてあるだろうが、それよりも炭素との類推で考えるほうが覚えやすい。二酸化炭素も水酸化ナトリウムと反応して炭酸ナトリウムを生じる性質がある。そもそも二酸化炭素もニ酸化ケイ素も上記のような類似性があるので、同じ「酸性酸化物」というグループに入れられている。二酸化ケイ素も二酸化炭素も、ともに酸性酸化物である。
このように、酸性酸化物をあたかも酸であるかのように考えると、塩基との反応を中和反応のように理解できるので暗記の負担が減る。
※ただし、酸化物に限定した概念であるので一般の酸・塩基の拡張にはならない(一般の酸・塩基は必ずしも酸化物とは限らない)。例えば、塩酸 HCl は酸化物ではない。
同様に、塩基性酸化物は必要に応じて塩基という概念の拡張のように解釈することもできる。なお、塩基性酸化物である酸化カルシウム CaO は所謂「石灰」のことであり、実際に塩基性の物質である。
纏めると、酸性酸化物は厳密には酸ではない場合もあるが(炭酸のように、酸性酸物が酸である場合もある)、塩基と反応させた際に酸と塩基の中和反応のような生成物が得られる場合が多い。同様、塩基性酸化物も酸と反応させた際に酸と塩基の中和反応のような生成物が得られる事が多い。
長々と説明したが、要するに反応式
: <chem>SiO2 + 2NaOH -> Na2SiO3 + H2O</chem>
をそのまま暗記しようとするのではなく、炭酸の中和反応と似たメカニズムとして覚えるのが効率的だという話である。
なお、炭酸ナトリウムの工業的な製法は上述の式とは異なり、[[高校化学_典型金属#アンモニアソーダ法(ソルベー法)|アンモニアソーダ法(ソルベー法)]]を用いる。
}}
[[Category:高等学校化学|ひきんそくけんそ]]
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早稲田大対策/政治経済学部
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早稲田大学の看板学部。現在は政治学科、経済学科、国際政治経済学科の3学科を擁する。パラグラフリーディングや自由英作文、国語や地歴公民でも論述問題が出題されており、明確に共通テストから2次試験まで経験する国公立大学受験者に有利になるような問題構成である。
政治経済学部の英語の難易度は国際教養学部と並んで早大随一の難易度である。また、地歴の難易度も非常に高く、教科書レベルの知識で解くことは難しい。一方で、数学は標準~やや難の典型問題ばかりが出題されるため、地歴と数学が両方出来るのであれば、数学を選択することを強く勧める。地歴の難易度が得点を稼ぎにくいとされているため、私立専願者は英語と国語で出来るだけ点数を稼いでおきたい。
なお、2021年度入試から政治経済学部は一般選抜と大学入学共通テストを利用した入試の改革を他学部に先駆けて着手し、大学入学共通テスト、英語外部検定試験、学部独自試験の合計点で選抜する方式に変更すると公表した。
具体的には、「大学入学共通テスト」(100点)、「英語外部検定試験」および「学部独自試験」(100点)の合計200点満点。大学入学共通テストにおいては、外国語、国語、数学I・数学A、選択科目(地理歴史・公民・数学・理科)の4科目を25点ずつ換算する。
そして、学部独自試験は、日英両言語による長文を読み解いたうえで解答する形式とする。
全科目を満遍なくバランスよく学習した高校生に有利になっていく入試になると思われる。政治経済学部の受験生には従来通り特定の科目に偏った勉強ではなく広くどんな分野にも対応できるバランスの良い学習がますます必要になっていくものと思われる。
== 大学入学共通テスト(2021年~) ==
早稲田政治経済学部の受験生は大学入学共通テストの受験を必須とする。
まず、主要3教科の英語と国語と数学は、「英語」(200点)「国語」(200点)「数Ⅰ」(100点)とし、各科目の配点はそれぞれ、25点、25点、25点に圧縮される。
残りの選択科目は、「世界史B」「日本史B」「地理B」「現代社会」「倫理」「政治・経済」「倫理、政治・経済」「数学Ⅱ」「数学B」「理科基礎から2科目」「基礎なし理科」から1科目(選択科目、100点)を選択して、その科目の配点は25点に圧縮される。
以上の方法によって、その4教科の各配点(25点、25点、25点、25点)の合計点を、早稲田政治経済学部の入試の得点として、まずカウントする。
== 学部独自入試 (2021年~)==
2021年スタートの早稲田政治経済学部の学部独自入試は、日英両言語による長文を読み解いたうえで解答する形式とし、記述式解答を含む'''「総合問題」'''となっている。試験時間は120分。マーク式と記述式である。
総合問題は以下の3つの問題で構成される。
* 大問Ⅰ・・・日本語の長文問題
* 大問Ⅱ・・・英語の長文問題
* 大問Ⅲ・・・自由英作文
日本語の長文問題と英語の長文問題は、いずれもボリュームがあり、表やデータグラフなども出てくる。問題の難易度はとても高く、200字の記述問題が例年出題される。受験生は試験時間内に早く正確に読んで内容を理解することが重要である。
自由英作文は、あるテーマについて、賛成か反対かを英語で論じる問題が例年出題される。現在、自由英作文は、多くの大学でよく出題されるので、早稲田政治経済学部の受験生は早稲田の過去問だけでなく他大学の英語の過去問を解いて、自分の意見をすぐに英語にして述べる訓練をする必要がある。
== 一般入試(~2020年まで) ==
'''英語'''(90分/90点) 1998年までは読解4題、英作文形式の対話文完成1題の計5題が基本だったが、1999年は作文2題の計6題に(但し、もともと和文英訳と会話文の完成で1つの大問にしていたものを別々に切り離しただけ)、2000年以降は読解問題3題と英作文1題が、2008年からは会話文と自由英作文が定着している。2000年は読解問題が1題減ったがそれぞれの長文の語数は99年以前とほとんど変わらず、平均点が37.17点から55点と大幅に易化、そのため合格最低点も143点から170点と一気に上昇し、この傾向は2001年も続いた。2002年は大問Ⅰの語数が700語超と長文化したが、大問Ⅲが約180語と短くなった。2003年以降は語数がさらに増加、2005年にはついに1000語超の文章が出題された。難化の傾向は地歴から英語へ合否の要をシフトするための大学側の思惑だと考えられる。合格の為の具体的な学習法として、全文和訳に固持する必要こそないが、普段から英文構造の正確な理解を意識した精読型の勉強を入念にする事が重要。出題される英文は比較的平易な文章が多いが、抽象度の高い評論文も出題される(1999年以前の大問4、2000年以降の大問3等)。特に2004年度の問題は一見平易に見えるが、論理的展開をつかめないと全く解けない問題が出題されており論理的思考力がかなり要求された。勿論本学部の過去問演習も疎かにしてはいけない。また、最近は断続的ではありますが、小説問題が主題されるのが政治経済学部の特色である。微妙な心理描写や間接話法の表現になれるため日ごろから小説文に的を絞った対策も欠かすことはできない
。余裕があるなら出題傾向が似ている東大の英語の大問5の小説問題などで対策を練っておこう。2008年以降自由英作文を出題形式とすることもあるので受験生は英語の総合力を問われる。
政治経済学部の特徴は、受験生が苦手とする空所補充及び文整序が多い事である。一般の熟語集レベルのイディオムを十分に押さえておく事は前提であり、それに加え英文構造の正確な理解が不可欠。英文を文法的に観察する事により、同一の文法形式が繰り返される部分は内容的にも同一である事が予測可能な為である。選択肢の中の単語の役割(接続詞、動詞、名詞それぞれがどれと結びつくか?イディオムになっていないか?等)を検討し組み立てる作業に日頃から慣れる為にも、センター試験の同類の問題を多く解く事をお勧めする。その上で過去問を研究し、出題者の意図を見抜く事が大切である。文整序は1993年に初登場し、2007年以降は毎年出題、2009年からは読解問題3題すべてに出題されている。論理的な流れも大切ではあるが、その前に指示語・代名詞に注目する事である程度の見当はつけられる。1995年と1996年にはパラグラフ整序が出題されており、今後出題される可能性も全くないわけではないので、類似の問題を出題する東大の英語の大問1の(2)のパラグラフ整序の過去問を通じて演習を深めておきたい。
'''国語'''(90分/70点) <!--難易度は標準~やや難。国語の問題のレベルは全私大トップレベル。(コメント)<「法学部云々」の記述は削除するにせよ>前の記述は両立するのでしょうか? もう少しクリアな表現をお願いします。それまでCOします-->現代文、古文ともに重厚な堅い文章が使われ、対策・演習が必要となる。この学部を受けるならどの受験生にも言える事だが国語常識(漢字、慣用句、カタカナ語等)は出来て当たり前である。文学史は古典文学史のみならず近代文学史からの出題もあり、内容も早稲田ならではのマニアックな問題が多い。日本史選択者は点の取りどころと言えよう。かつては古文が、受験生間に差が生じないほど難しく、その結果「古文無勉」でも受かる例が多数あったが近年は易化(それでもハイレベル)したので人並みに出来る必要がある。古文対策として、古典単語、古典常識、文法(助動詞、敬語、識別、接続条件等)を完璧にしておく事。所謂受験頻出と言われる中世の有名作品からではなく、センター試験の出典のように受験生に馴染みの薄い近世の文章からの出題が多く、初見の文章でも問題が解けるための基礎力の積み重ねが重要。現代文、古文ともに「特定の段落の文から使われていない動詞を探す」や「文脈上合わない表現を抜き出せ」といった時間のかかる設問が有る為、必ず設問に最初に目を通すべき。2009年度は記述式問題が出題されたので、時間配分に細心の注意をはらうように。漢文は白文(記述回答用紙)に返り点を付ける等、独特な出題が有るので過去問で対策しておこう。
大問(1)では主として古文漢文融合問題が出題される。受験生になじみの薄い近世の文章が多く使われている。問題の特徴として空欄補充問題、それも古文の長い文を入れさせることが多い。中心はやはり意味を問う解釈問題だが、それぞれの関連を考慮しなければならない。文法問題は標準的なものが多いですが、答えを文中から抜き出す問題が多いので注意深さと幅広い知識が必要であるといえる。
大問(2)では明治文語文など古い文体の文章が近年多く出題されている。夏目漱石が2年連続で出題された事もあるので森鴎外なども出題される可能性もある。また、毎年近代文学史の出題もあるので取りこぼさないように。ただ2009年度は例外的に出題はなかった。しかし今後とも対策をしておくことに越したことは無い。
大問(3)では空欄補充中心の問題が中心となる。ただし、数年前までは傍線部説明問題が中心であり過去のパターンに戻る可能性もあるので注意が必要。文化論、芸術論も出題され山崎正和、多木浩二、市川浩など抽象的な文章が多い。また2009年度には本格的な記述問題が出現した。書き慣れていない私立専願の受験生にとっては厳しかったかもしれないが、慣れないと厳しいので日ごろから文章をまとめる練習をしておくことが重要。もちろん国立大の現代文の問題を練習するのも十分力になる。
なお2017年度入試では、これまで大問(1)にあった古文が大問(3)に回り、現代文が(1)(2)で出題された。
'''日本史'''(60分/70点) 過去は難問奇問のオンパレード、「カルトクイズ」とさえ評された本学部だったが、数年前から易化が見られ、難易度は平易と言えるレベルになった。2006年度の問題は前年度に比べると難化したが、岸内閣の政策·中井竹山が草もう危言(『草茅危言』(そうぼうきげん)のこと?)を松平定信に奏じた事等は、本学は勿論、他学部·他大学の法学部系で既出の問題であり、幅広く過去問研究を行えば高得点を期待出来る。難問に関して、出題内容は山川出版の教科書よりも用語集からの出題が多く、教科書を読み込むよりも用語集を常に確認するようにこだわれば良い。配点はマーク式が1点で記述式が2点と予想され、記述問題での漢字ミスは命取りになる。'''戦後史に関する論述問題の配点が高い'''ので(12~14点)、軽視することは出来ない。論述問題は国立大受験生に対するサービス問題といえ、私大専願者にはやや難しいが、問われている内容自体は教科書レベルの知識で対処可能。教科書を読み込み、実際に自分の手で書いてみることが重要。東大・一橋大等の本格的な論述問題も参考にするとよい。国立大の論述問題を参考にすればおつりが出るレベルになると思われる。なお、どの学部にも言える事だが、早稲田大学の関係者(大山郁夫など)は徹底的にマークしておく必要がある。
'''世界史'''(60分/70点) 日本史同様過去は難問奇問(有名なのは1992年のユトランド半島の図にエルベ川を書き込む問題。ちなみに1993年にはヨーロッパの地図にアルザス・ロレーヌ地方、トリエステ・南チロル、ヴァチカン市国の位置をそれぞれ塗りつぶし、斜線、◎で図示する問題が出題された)のオンパレード、「カルトクイズ」とさえ評された本学部。近年は易化傾向が続いていたが、2008年度入試では一転して往年の入試問題を髣髴とさせる程の難化の様相を見せた。2009年度には反動もありやや易化したが、勿論それでもハイレベル。なんといってもケアレスミスを無くす事が肝要。また本学部は問題数が多く、即座に情報が引き出せるよう問題演習は数多くする事が重要。教科書·用語集を軸とし、他学部過去問を出来るだけ多く解くように(早大世界史独特の問題に対する勘を養うため)。その際、文学部の問題は基本事項の確認に丁度良い難易度なので、まずはこれを8割以上取れる学力を養成していこう。他学部の問題に比べると一問一答的な問題が多く、年号と人名の正確な暗記が政経世界史勝利の秘訣であるといえる。
'''政治・経済'''(60分/70点) 政治・経済は基本的な知識を問う問題が中心。かつては政治思想から逸脱し、倫理分野と思われるような出題があったが、これは特定の教授による物なので特別の対策をする必要は無い。近年は、市場機構論や図表問題等からの出題が非常に多くなり、知識問題から思考問題へのシフトが際立っているので、60分という時間をうまく使わなければならない。これは知識に偏らない、考える力を求めている本学部の意図であるといえる。思考能力を問う問題は、一般的な国語力によって解決でき、特別な対策は不要。近年の傾向の変化は激しく、過去に出題された古い問題を基礎とするのではなく、3年程前からの過去問を利用して傾向を掴む事が重要。2009年度の問題の難易度は高いものであった。なお、政治・経済は2017年度の入試を持って廃止となった。
'''数学'''(60分/70点) 60分で4題と分量は標準的な問題。国立大併願者で一般入試を受験する場合は数学受験が一番多いようである。また医学部医学科などの理系受験生も併願して受ける事も多い(理工学部や医学部と併願して受ける者も多数存在する)。そのため、数学受験者が選択科目の中で一番多い。マーク式や解答のみを求める客観問題と記述式の問題が混在している。他の私大文系のような教科書レベルの出題ではないが、典型問題がほとんどを占める為、難易度はセンター試験よりやや高いレベル。かつては理工学部の数学に匹敵するか、あるいはそれを上回るレベルの問題を出題していた時期もあったが、最近はそういった難問は影を潜めている。歴史系科目よりはるかに取り組みやすいので、数学にいくらかでも自信がある受験者は選択する価値があるといえる。ただ、選択科目の中では国立大受験生や理系の受験生の併願率が特に高いのが特徴で彼らはほとんど満点に近い点数を取るのでちょっとしたミスが命取りになりかねない。参考書としては、「チャート式基礎からの数学 青」を薦めたい。この問題集の基本例題及び重要例題を全て解けるようになって欲しい。ここまで出来れば7割以上をコンスタントにとれる実力がついてくる。上記の参考書に出て来る幾つかの解法を組み合わせる問題が出題される事が有るので、過去問を時間の許す限り解いて、応用力を身につけて欲しい。早稲田数学の特徴は、その年だけでは全分野の力は試されないが、各年度を通してみると、全分野にわたって問題が作成されている事である。その為、苦手分野を放置してはならない。どの分野が出題されても満足に得点できる力が求められる。
== センター試験利用方式 ==
5教科6科目(800点満点)で、合格するには90%以上の得点が必要。センター試験の成績だけで合格できるため、文系受験生のみならず、理系学部の受験生や国公立大学医学部医学科の受験生も多数出願する。
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[[Category:大学入試]]
[[Category:早稲田大学対策|せいしけいさい]]
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早稲田大対策/法学部
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比較的平易な地歴科目と数学で確実に得点をして周囲に差をつけられないようにし、比較的難しめな英語と国語のうち捨て問以外の問題で得点をかき集めることになる。選択科目を除き、基本的に難問中心の低得点勝負であるため、設問の取捨選択能力が非常に重要である。難解な設問に時間を取られて、本来は取れる問題を取りこぼすことが最も手痛い失敗である。このような失敗を避けるために、過去問演習を十分にこなしておきたい。また、これは詳しく後述するが、'''減点されやすく且つ配点が低い自由英作文や国語記述に関しては、対策や解答時間を最小限にして、それらを極力(出題の大部分を占める)マーク式の問題に集中させるべきである。'''費用対効果の高い部分にリソースを集中投資するのが、最もリターンの大きい手法である。
== 一般入試 ==
'''英語'''(90分/60点)
比較的長い長文読解が出題されている。例年大問1及び2はそれぞれ1000語程度の長文読解問題が出題される。本文は硬質であり、難易度は高い。'''パラグラフ毎の展開及び大意をつかむ練習をしてみよう。'''設問は一致するものを選ぶものと一致しないものを選ぶものが混じっているなど、読み飛ばすと失敗につながるため、指示を正確に読み解くことが必要である。文章が長いので、過去問でどこを精読し、自分なりの解答法を得ることが重要である。
大問3及び4は変動もあるが、文法単独問題が出題される。比較的平易な問題が多いため、ミスは無いようにしたい。
全体の配点と設問数を考慮すると、自由英作文の配点はあまり高くなく(6点〜8点)、差がつきにくいと推測される。そのため、自由英作文の対策は最低限に留め、'''大部分を占めるマークの問題の得点力を固めるのを優先してほしい。早稲田法学部の英語は比較的低得点勝負であるため、マークで少し稼いで自由英作文で耐える戦略を勧める。'''
'''国語'''(90分/50点)
法学部の現代文は、本文の抽象度が高いのが特徴。一般の受験生にしてみれば、本文を読解するだけで骨が折れるような重厚な文が使われる。本文の一字一句を正確に理解しようとしても疲れるだけである。設問を基準に本文を鳥瞰すれば内容把握が容易になり、解答の正確性やスピードもアップするであろう。難しく感じるときは一度論旨を要約し、選択肢を吟味すると良い。
'''現代文を先に解く人が多いが、時間配分を考えると古文の方を先に解く事を勧めたい。'''古文は現代文に比べると得点しやすい作りになっている。古文対策として、古典単語、古典常識、文法(助動詞、敬語、識別、接続条件等)を完璧にしておきたい。
大問(1)では古文+その文に関係のある漢文の出題が含まれるという形が定着している。数年前までは歌論など評論の出題が目立っていたが、ここ最近は随筆・日記・説話など幅広いジャンルから出題されている。和歌についての出題も見られるので、対策しておきたい。古文では『源氏物語』・『十訓抄』・『宇治拾遺物語』、漢文では『蒙求』・『長恨歌』など著名な作品からの出題が多い。問題のレベルも比較的平易であったが、漢文については近年は長文化傾向にある。それでも現代文に比べれば平易であるので、'''なるべく早く正確に解答して現代文に少しでも多く時間を回せるようにしたい。'''
大問(2)・(3)では現代文が出題される。かつては芸術論や仮面論などとても抽象的で読みにくい文章が多かったが、近年では近・現代の社会問題をとりあげ、その問題について根源的に追求・考察する文章や、人が無意識に行っている思考や認識について再認識させるような文章に出題がシフトしている。
設問は傍線部説明問題が極めて多い。〈筆者の言いたいことが何かがわかっているか〉を問う問題がほとんどであるため、その傍線の周辺だけをあたれば答えが選べると思っている受験生には非常に手強い設問が含まれている。このような設問を解答するには、全体の要旨を意識して本文を読むことが必要である。これは最後に出題される難解な記述問題でも同様である。ただ、全体の配点や設問数を考慮すると、記述問題の配点はかなり低いと推測される。つまり、'''記述問題はほぼ差が付かないため、記述の対策は最小限にして、大部分を占めるマークの問題の得点力を固める対策に集中したい。また、早稲田法学部の国語は比較的低得点勝負であるため、難しいと判断した設問は潔く捨て、取れる問題を確実に取り、少しずつ素点を積み重ねる戦略がベストである。柔軟な取捨選択能力を身に付けておきたい。入試は相対評価であるため、満点を目指す競技ではなく、あくまでも合格点を目指す競技であることを忘れてはならない。合格に必要な素点の目安は6割強である。'''
'''日本史'''(60分/40点)
4題中、近現代史から2題が出題され、近現代史に重点を置いた学習が求められる。中でも、戦後史の比率が比較的高く、出題分野は公害史から汚職史、外交史など多岐に渡る。戦後史は難度の高い問題が出題されることが多いため、現役生は学習が戦後史まで間に合うように注意すべきである。
平易な問題が中心であり、やや高得点勝負である(合格に必要な素点の目安は7割強)ため、それらを取りこぼさずに確実に得点することが重要である。他学部に比べると用語記述が多いため、日頃から歴史用語を正しい漢字で書けるよう練習をしておきたい。難度が高い設問は過去問と類似の出題が多く見られるため、過去問をしっかり対策することで差がつく。大学関係者についての出題も頻出であるので、大隈重信や小野梓、石橋湛山など、過去に出題されたことがある大学縁の人物についても抑えておきたい。個人の日記を中心とした史料問題の出題も非常に多いため、日頃から歴史史料にも目を通しながら学習する習慣を身につけておきたい。
また他学部と比べると、正誤の「荒さ、曖昧さ」が目立つため、過去問演習ではそういった設問にも触れておきたい。
'''世界史'''(60分/40点)
西洋史、東洋史満遍なく出題される。西洋史については近世以降を中心とした出題である。東洋史は中国の前近代については毎年出題されると考えてよい。
例年250字の論述問題が出題されており、論述対策が求められる。記述する字数が多い分減点されやすいため、論述で稼ぐ戦略は避けた方が良いだろう。ある程度の対策をして半分程度得点できる力を付けたら、あとは大部分を占めるマークの問題の得点力を固めるのを優先してほしい。ちなみに、マーク式の問題は平易であるものの、論述で減点される分を稼ぐ必要があるため、高得点勝負故にミスが許されない。
'''政治経済'''(60分/40点)
2018年までの問題は平易だったが、2019年以降の問題難易度は標準レベルとなっている。
2008年度で出題された「民法」に関するような問題は、一般の受験生が解けるものを理解・暗記し、それ以外は特別な対策をする必要はない。ただ08年の民法に絡んだ問題は、その前年にいわゆる「300日ルール問題」と「無戸籍児問題」としてマスコミが大きく報道した内容であるので、新聞等を普段から読んでいる受験生ならば容易に回答できたであろう。それでも結局は、合格ラインに達するためには、基礎力が重要だということである。
例年100字程度の論述があるため、忘れずに対策しておきたい。ある程度の対策をして半分程度得点できる力を付けたら、あとは大部分を占めるマークの問題の得点力を固めるのを優先してほしい。
'''数学'''(40点)
数学は大学入試センター試験の「数学I・数学A」「数学II・数学B」の得点を調整して、選択科目の得点として利用される。センター試験対策がそのまま選択科目の対策に繋がるため、国立大学受験生にとっては非常に有利な入試形態となっている。合格に必要な素点の目安は9割弱であるため、ミスが許されない高得点勝負となっている。
== 大学入試共通テスト利用入試 ==
5教科6科目(800点満点)で、合格するには9割弱の得点が必要である。数学が苦手な受験生には、比較的問題難易度の高い数学IIB以外の6科目で得点をかき集める戦略を勧める。
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[[Category:大学入試]]
[[Category:早稲田大学対策|ほうかくふ]]
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早稲田大対策/文学部・文化構想学部
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[[w:早稲田大学文学部|文学部]]・[[w:早稲田大学文化構想学部|文化構想学部]]入試の特徴としては、入試問題の傾向がどちらも似通っていることや、早稲田の他学部よりも国語の配点が高いことが挙げられる。どちらか一方の学部を受験する場合でも出題傾向に慣れるために両方の過去問を解くことが重要であろう。文学部は[[w:坪内逍遥|坪内逍遥]]等によって創設され、2007年かつて存在した旧第一文学部と旧第二文学部を一度合併、リシャッフルしそれをさらに再分割してできたものが現在の文学部と文化構想学部(つまり文化構想学部はかつての第一文学部であり第二文学部でもある。)となっている。文学部と文化構想学部はブリッジ科目として、お互い殆ど同じ講義を選択する事が可能となっている。尚、文学部・文化構想学部の学生は4年間戸山キャンパスで過ごすことになる。
両者の学部の一般入試は
* 3科目型
* 英語4技能テスト利用型
* 共通テスト利用型
合計3つの受験方式が存在している。
; 英語4技能テスト利用型
: 大学が設けている基準に達した英語検定結果を用いることにより、3科目型と配点は変わらず国語と歴史科目の合計125点満点で合否を判定するものである。
; 共通テスト利用型
: 50点満点で規定された共通テストの科目を歴史科目の代わりに判定に使用し、3科目型と配点は変わらず英語と国語と共通テストの科目の合計200点満点で合否を判定するものである。
商学部とは異なり3つの方式を併願することも可能である。併願した場合1つの方式では受験料はそのままだが、2つ目からは値引きされる。どちらの学部も近年英語の難易度が非常に高くなっているため英語で失敗したとしても、国語と歴史で挽回して英語4技能利用型で合格する受験生が増えている。しかしながら4技能利用型では近年どちらの学部も国語歴史の平均点が高いため、求められる得点は8割以上である。したがって4技能利用型だからといって合格しやすいというわけではない。
文学部では近年国語と歴史の平均点が非常に高いため高得点勝負となり、ハイレベルな戦いとなっている。3科目の素点では標準化を考慮すると目標は155〜160前半と8割程必要である。一方文化構想学部も文学部ほどではないが国語と歴史の平均点は比較的高い。3科目の素点では標準化と近年日本史の方が平均が高いことを考慮すると目標素点は日本史選択で140点後半、世界史選択で140点前半程と文学部に比べると安定している。今後国語の難易度がどうなるかはわからないが文学部ではこれ以上平均が高くなってしまうと更に合格するのが難しくなるだろう。どちらの学部も英語で点数を取れると加点されやすく合格がしやすくなる。しかしながら英語の難易度は両学部とも高いため、配点上国語が苦手ではどちらの学部も合格は難しくなっている。
== 一般入試 ==
'''英語'''(90分/75点)
2つの学部の形式は全く同じで、どちらの学部も難易度は高い。不合格者得点開示を参考にすると英語の素点は国語歴史と異なり平均点が非常に低いため点数が加点されやすい。高得点を取れば取るほど加点されやすくアドバンテージとなる。
* 大問Ⅰ・・・A・Bの2つの長文に分かれており、それぞれの穴埋めをするものだが、語法や熟語の知識等が要求され、単語が難しいだけでなく他の設問に比べると文章そのものの抽象度が高いことが多い。近年は英検1級レベルの単語が正解となる問が増えており文章の難易度の高さも重なって全体的に難しい大問となっている。
* 大問Ⅱ・・・こちらはA・B・Cの3つの長文(AとBは200語〜300語で合計5問、Cは500語で5問)に分かれており、全て内容一致問題である。形式内容共に標準的な問題である。一部答えを導きにくい問題が毎年見られるのでそういう問題は消去法も駆使していきたい。大問ⅠとⅢの難易度を考えると2ミス以内に抑えたい。
* 大問Ⅲ・・・形式は8つの短文を長文の中にある7つの空欄に入れる文挿入。この設問を苦手とする受験生は非常に多く、配点が大きいため1番差がつく。対策をしっかりしておきたい。''' 3科目型及び共通テスト利用型受験ではこの設問が合否を分けると言っても過言ではない。'''選択肢にダミー文が1つ有ることに注意したい。対策は、前後の文章との論理関係(品詞、指示語、冠詞、単複、代名詞、同型反復、対比の有無等)に注目する。形で判別できない場合は前後の文脈を参考にし、それでも厳しいならパラグラフの要旨も参考にする。最初から内容面を参考にすると迷いやすくなるため注意。
* 大問Ⅳ・・・難しいものと簡単なものが混ざった会話文問題。基本的な会話表現の知識を押さえて難問を見極められるようにしたい。
* 大問Ⅴ・・・200wordsほどの標準的な文章を英語一文で要約する問題。'''間違っても日本語で答えを書いてはいけない。'''他の注意点は、出来るだけ自分の言葉で言い換える(例えば文中で「take care of~」となっているのを「look after~」に変える等)こと。とはいっても、本文中の言葉を全く使ってはいけないわけでもない。青本の解答例では本文中の構文をそのまま使っていることもある。この微妙なさじ加減が難しいところだ。(←*この点に関して、2020年度入試からは「当該ページ中から'''2つ以上の連続した語句'''を用いてはいけない」という注釈が追加された。)あくまでも「要約」なので、自分の意見は言わないこと。
配点に関しては以下の説が最も有力であると考えられている{{Efn|ちなみに大問5の配点は大学側が公式に認めている。}}。
大問Ⅰ・・・それぞれ1点。大問Ⅱ・・・A・Bはそれぞれ2点。Cはそれぞれ3点。大問Ⅲ・・・それぞれ3点。大問Ⅳ・・・それぞれ1点。大問Ⅴ.8点(部分点あり)。
'''世界史'''(60分/50点)
他学部と同様にマーク式が多い。平易な問題と難しい問題が混在しているが、近年は大部分が平易な問題であり、高得点勝負となっているため、まずは平易な問題を確実に解けるようになる事が必要である。
また、文化史はいきなり多くをやってもほぼ忘れるため、絶対に落とせない基本的な事項から確実に習得することが大切である。なお、文化史は通史に比べて単純暗記要素が強いため、直前期の短期間でも問題無く習得できる。そのため、まずは文化史よりも通史の完成に向けて取り組んでほしい。
'''日本史(文学部)'''(60分/50点)
平易な問題と難しい問題が混在しているが、近年は大部分が平易な問題であり、高得点勝負となっているため、まずは平易な問題を確実に解けるようになる事が必要である。
問題形式としては記述3:マーク7が主流となっている。文学部は2007年の学部改組以来、大問6つの出題が基本になっている。大問1から5までは時代系列順に問題が出題され、大問6に関しては毎年美術史が中心となる。全体的に他学部に比べると誤文指摘よりも正文指摘の問題が多い。
大問1は本学部の特色のひとつである考古学を踏まえた出題が多い。正文または誤文を1~2つ指摘させる問題が多く、一見回答不可能に見えることもあるが、時代や文化の特徴を正確に捉えていれば、選択肢の矛盾から誤りが発見できることも多い。大問2~4にかけては(早稲田大学においては)一般的な入試問題である。大問5は近代史が出題される。他の大問が小問9~10個で成り立っているのに対し、大問5は例年12~13個出題される。
近年は大問1の考古学及び大問6の美術史で極めて難度の高い問題が出題されることが多いため、対策は必須である。
'''日本史(文化構想学部)'''(60分/50点)
平易な問題と難しい問題が混在しているが、近年は大部分が平易な問題であり、高得点勝負となっているため、まずは平易な問題を確実に解けるようになる事が必要である。また文化構想学部の日本史は良問が多いため、この学部を受けない受験生にとっても演習価値はある。
問題形式としては記述3:マーク7が主流となっている。文化構想学部の大問は古代、近世などの時代区分ではなくテーマで分けられている。文学部系統に多い文化史だけでなく、外交史や政治史など入試頻出のテーマも毎回登場する。中には一般的なテーマ史の問題集にはなかなか取り上げられないようなテーマが出ることもあるが、教科書などを中心に基礎からしっかりと積み上げてきた受験生であれば解答は容易であろう。
選択問題は、一見回答不可能に見える問題も出ることもある。しかし、そのような問題は消去法を利用して回答すべきである。また、「2つ選べ」「当てはまらないものを選べ」のような指定が問題文中にあることも多い。緊張や焦りで読み飛ばすことのないようにしてほしい。
近年は平均点が6割前半と世界史よりも高いことが多く、英語の難易度と標準化を考慮すると日本史選択は8割以上の得点を目指さなければならない。
'''国語(文学部)'''(90分/75点)
大問1・2は現代文、大問3は古文、大問4は漢文といったほぼ旧第一文学部・第二文学部と同じ傾向である。問題自体の難易度は平易なのだが、高得点勝負を強いられるため、合格点を取る難易度は低くない。
大問1・2の現代文は多岐にわたる分野から出題される。ごく一部の悪問奇問以外は確実に得点を重ねたい。大問3の古文は文法知識(特に敬意の方向・敬語の種類)を毎年出題している。古典文法の基礎でもあり、本学部を受験する受験生のレベルを考えれば確実に得点できるようにしておきたい。大問4の漢文は、文法知識・内容理解が主であり、文学史的な内容はほぼ出題されていない。出題形式(マーク式・記述式)は異なるが、毎年のように返り点を付ける問題が出題される。
'''国語(文化構想学部)'''(90分/75点)
独特の形式となっている。大問Iは2つから3つの文章が提示され、その文章に対する設問に答えるものだが、その複数の文章をまたぐ設問があるというのは特殊である。明治時代の文語文は大学入試では珍しい出題である。大問IIは普通の形式の現代文である。
大問IIIは甲・乙に分かれており、07年度は甲が現・漢融合文で、乙は古文であった。学部改組・試験の変更が行われた07年ごろは凝ったつくりの問題が頻繁に出題されたが、その後はだんだんと平易な文章に切り替わってきている。しかし、この先も易化が続くとは言えず(12年は非常に長い文語文が出題された)、学習に手を抜いてはならない。
文学史も出ているが、マニアックな出題傾向で且つ費用対効果が悪いため、基本的なものだけは事前に押さえておき、演習時にそれ以外のものに遭遇したら、「こんな難問は誰も出来ない」と言った割り切りを持つことも戦略の一つである。また、消去法を有効利用すると良い。
== 大学入試共通テスト併用方式 ==
共通テスト併用型で、一般入試の外国語と国語を受験する方式。世界史と日本史を以下の科目に変えて受験するため日本史Bおよび世界史Bを選択することはできない。
地理B、現代社会、政治・経済、倫理、『倫理、政治・経済』、数学I・A、数学II・B、化学、物理、生物、地学、「基礎科目2科目」の中から1つ選択する。また、理科・社会を複数科目受験している場合は第一解答科目が利用されるので注意が必要。
なお、一般入試との併願も可能である。
== 脚注 ==
{{Notelist}}
{{DEFAULTSORT:わせたたい たいさく ふんかくふ}}
[[Category:大学入試]]
[[Category:早稲田大学対策|ふんかくふ]]
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早稲田大対策/商学部
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マーク式の問題が主体である。近年、早稲田商学部の数学は非常に難しく、英語がやや難しく、国語と地歴公民は平易という傾向が定着している。尚、早稲田商学部の学生は、4年間早稲田キャンパスで過ごすことになる。
2021年より受験方式は
*地歴・公民型
*数学型
*英語4技能テスト利用型
の合計3つの方式に変わった。文学部及び文化構想学部と違い異なる受験方式での併願は不可能であり、それぞれに応じた定員が設けられている。合格者数は地歴公民型で約700人、数学型で400人、英語4技能テスト利用型で70人程度である。受験方式が分離したことにより合格者数が減ったと思われるが、実際は従来の地歴・公民と数学選択者の混合受験での合格者数を考慮した定員と予想され、逆に実質的に合格者数は増加したとまで言われている。
'''地歴・公民型'''では、英語の配点は80点、国語の配点が60点、地歴の配点が60点の「合計200点満点」である。合格最低点は62〜65%程度である。近年英語の平均が5割を超え、国語が6割程度で日本史が世界史よりも平均点が高くなっているため、標準化を考慮すると目標の素点は140後半〜150ほどとやや高得点勝負となっている。
'''数学型'''では、英語と数学と国語の配点が全て60点、60点、60点の「合計180点満点」である。初年度の合格最低点は107.6/180と約60%ほどであった。数学の難易度は高くほぼ一定なため、大体この程度の合格最低点に今後もなると予想される。また早稲田商学部の数学は非常に難易度が高くこの方式では東大や一橋を志望している上位国立文系志望の受験生の併願や東大理系、医学部志望といった理系の受験生も受験可能なため受験者のレベルは高いと思われる。
'''英語4技能テスト利用型'''では、英検準1級以上またはTOEFL iBTで72点以上で出願可能である。英検の場合準1級で加点0点、1級で5点、TOEFL iBTの場合72〜94点で加点0点、95点以上で5点となっている。4技能テスト5点、その他は地歴・公民型と同じ配点で合計205点満点である。初年度の合格最低点は120.05/205と地歴・公民型よりも10点ほど低い数値となった。加えて倍率も低かったが文学部及び文化構想学部での4技能検定利用型方式導入の初年度も同様に合格最低点が低かったため今後どうなるかはまだ不明である。
== 一般入試 ==
'''英語'''(90分/80点)
500語程度の長文が4問、そして会話文が大問1で毎年必ず出題されている。したがって、口語表現の対策にも時間を割くべきである。長文4題のうち例年1つか2つは抽象度の高い難しい英文が出題される。比較的簡単な長文を早く終わらせて難しい大問に時間をかけたい。かつて英文和訳や和文英訳が出題されていたが近年は姿を消しつつある。英文和訳、和文英訳など設問の形式問わず、'''記述式の設問は配点が高い'''と予想されているため、白紙解答は避けたい。
早稲田商学部の英語は難語の同義選択、単語の穴埋め、前置詞の穴埋め、整序、内容一致、TF問題、文の同義選択、指示語の内容など1個の大問でやることはかなり多い。特に内容一致では一見設問の文章を読むと本文で述べられた内容と違うところがないように思えてしまうが、丁寧に読むと述べられていなかったり、本文に記述があるものの設問で聞かれている因果関係としてはおかしいなど、設問の作り方が他学部と比べて非常に巧妙である。このような問題は過去問で慣れておく必要がある。
和文英訳では、難しい構文等を使おうとせず確実に得点できる平易な文を書くこと。和文英訳やマークとは対照的に、英文和訳の難易度は平易なため、確実に得点できるよう構文の参考書の例題を和訳するなどして対策する必要がある。
なお、受験者平均得点は例年40点前後であるため、問題はやや難しめである。合格に必要な素点の目安は7割弱であり、8割取れた場合はかなりアドバンテージになる。
'''国語'''(60分/60点)
難化した年を除けば現代文に関しては比較的平易な問題(センター試験や共通テストよりも簡単)で、基本的な学習で対応する事が出来る。但し、やや高得点勝負である(合格に必要な素点の目安は、例年だと7割前半〜75%。2016年だけは、平均点が25点程度であり非常に難しかった分、低得点の勝負となった。)。また、2006年の試験から現古融合問題が姿を消し、純粋な古文が出題された。漢文の知識を問う問題も出題された。そのため、問題難易度や出題傾向の変化に左右されない実力を付けておきたい。
現代文は本文の一部が消えていて、文脈に合うように10字程度で自分で内容を予想して書くという商学部特有の設問がある。この設問はさほど難しくないが過去問で慣れておく必要がある。'''英語の記述式の設問同様、国語の記述式の設問も配点が高い'''と予想されているため、白紙解答は避けたい。現代文は平易で差がつかないため、古文と漢文で差がつくと言って良いだろう。難度の高い問題が出題されることも現代文より多く、対策してきた人としてない人で差がつきやすい。
古文対策として、古典単語、古典常識、文法(助動詞、敬語、識別、接続条件等)を完璧にしておきたい。08年度入試では漢文の知識を問う問題は見られなかった。演習として、本学部以外に問題のレベルや設問形式が近い社会科学部や人間科学部の問題が有用である。
'''日本史'''(60分/60点)
概ね出題される問題は標準的な問題が多い。しかし商学部の日本史の難しさは総合的なところにある。問題数が多く時間が厳しい、2つ選べという形式が中心になる大問の存在、近代の経済史、短文論述等、1問1問は難しくないが総合的に難しい。2018年以降は難易度が平易であり、その代わりにやや高得点勝負となっている(合格に必要となる素点は75〜79%程度)。問題数が早大の中で1番多く時間が厳しいため、素早く解く練習が必要である。かつては「適当なものがなければ6をマークせよ」という人間科学部に見られる受験生を悩ませる設問が存在したが近年は姿を消している。
大問1〜4が全てマーク式、大問5がマーク式と記述式の混合、大問6がマーク式と記述式の混合に加えて短文論述が出題される。大問1〜5は各大問につき設問が10個、大問6は論述抜きで設問が8個で安定している。全体の配点と設問数を考慮するとマークと記述で58点分、論述の配点は2点程度と推測されるため論述はあまり差が付かない。そのため、論述の対策は最低限で良い。その代わりに、'''大部分を占めるマークの問題を取りこぼさないように、盤石な得点力を付けておくべきである。'''
大問2、3では主に史料問題が出題される。有名史料の場合は時間をかけずに素早く解きたいが、未見史料の場合、穴埋めや読解も出題されるため時間がかかる。教育学部の問題と似ているため対策に使うことができる。大問4の近代史ではほとんどの設問が'''2つ選べ'''という形式であり本学部の中では1番差のつく大問であるため丁寧な学習が必要とされる。この形式は社会科学部の問題を対策に使うことができる。大問5は近代の経済史が出題され、松方財政や産業の構造といった経済の仕組みを問う問題が出題される。近年は大問6の戦後史で極めて難度の高い問題が出題されるため、対策は必須である。
大問6つのうち4つは近世以降の出題であるため、江戸時代以降を苦手とする受験生は苦戦を強いられる。また、戦後史の大問が毎年必ず1つ出題される。そのため、現役生は学習が間に合わないことが無いように気をつけたい。
'''世界史'''(60分/60点)
2010年以降は難易度が標準であり、近年は日本史よりも平均点が低い。(合格に必要となる素点は70〜75%)。
出題内容は古代から近現代まで幅広く、出題地域は、欧州、北米、南米、中国、東南アジアなど、世界中のどの国、地域からも出題される。高校で使われる世界史教科書の全ての範囲である。
大問1~3はマーク式の正誤問題が中心で、大問4は文中の空欄にあてはまる語句を記述する問題であるが、最後の問題は、文中にある単語または事件について説明する100字論述がある(2007年度は150字)。また、その最後の論述問題の近年の傾向は、1900年代後半に起きた事柄について説明を求める問題がよく出題され、難易度も高い(例、2019年の「プラザ合意」、2016年の「アメリカと中国の国交正常化の背景」、2014年の「ECSCの発足と独仏の関係」)。近現代の分野については、多くの受験生が学校の世界史の授業でやりきれてないケースが多い。そのため、受験生は、世界史だけでなく、世界史とつながりのある時事問題、経済問題にも注意を払って対策をするべきである。近年の早稲田商学部の世界史はやや高得点勝負で、且つ日本史に比べて論述の字数も配点も高いため、日本史と異なり、論述対策がある程度必要である。とはいえ、全体の配点に占める論述のウェイトは高くないため、論述で半分程度の得点力を付けたら、後は'''大部分を占めるマークの問題で確実に得点を稼いでいく方法で臨むべきである。'''
'''政治経済'''(60分/60点)
問題難易度が乱高下しており、難化した年と易化した年の差が激しいため、問題難易度に振り回されない実力が必要である。
入試の形式は、マーク式、記述式の問題が中心であり、政治分野、経済分野から幅広く出題される。2017年にはイギリスEU離脱問題、マックス・ウェーバーに関する問題、2018年には、ヘッジファンドに関する問題、2019年には、ウィリアム・ノードハウスとポール・ローマーがノーベル経済学賞を受賞した理由、などが出た。
また、早稲田商学部の政治経済の入試では、大学の授業で習うような経済学の計算問題が遠慮なく出題される。2019年では、アイドルのチケット販売を題材にした経済学の問題が、2018年では、市場メカニズムについての経済学の問題が出た。これらは、大卒を対象にした公務員試験によく出題されそうな問題であり、一般の大学経済学部に通う大学生でも解くのは難しい問題である。それらの問題を、一般の受験生たちが入試で解くのは大変なことである。もし時間的余裕があるなら、一般の「政治経済」の参考書・問題集だけでなく、大学の授業で使われている「経済学」(マクロ経済学、ミクロ経済学)の教科書を買って、独自に勉強するべきである。
時事問題についての対策は当然必要である。受験生は日頃から最新のニュース、新聞記事をよく読んで政治問題、経済問題を勉強していくべきである。また、、高校の授業で使う「政治経済用語集」(山川出版社)だけでなく、書店で売られてる時事問題を集めた本・参考書を買って独自に勉強するべきである。早稲田商学部の問題は基本問題から発展問題まで幅広く作られている。試験前1週間で時事問題を詰め込んで簡単に解けるような問題は出ない。受験生は、早いうちから、政治経済の勉強をスタートして、高校で習う教科書レベルの基本問題から、大学で習う内容まで広く勉強するべきである。10、11月から読み物感覚で時事問題をまとめた参考書を何周か読み、センター試験終了翌日から1週間で時事問題を総ざらいし、その後は模試の復習等で基本的な問題を1問たりとも落とさないようにすることが合格の最善策である。
'''数学'''(90分/60点)
90分3題で、大問1に答のみを求める小問集合、2と3は記述解答を求めるという構成である。例年、数的思考力を要求する捻られた問題が多い。早稲田商学部の数学は文系数学の中で最高レベルの難易度を誇り、東大を超えた日本一難しい数学の入試などとも言われている。問題の中身は、どの参考書にも載っていないような「新種の数学問題」が遠慮なく毎年出題され、この飛び抜けた数学の難問に多くの受験生は解くのに苦戦し、予備校講師も頭を悩ます程である。例年、大問1の小問集合では、医学部や旧帝大の理系と言った最難関大学の大問で出題されてもおかしくない水準の問題が出題されることがある。また数学Ⅲを履修していると有利になる問題が近年出題されているので、理系の受験生で早稲田商学部を受験するケースもある。参考書としては、「チャート式基礎からの数学 青」と言った基礎の問題集をまず完成させることを薦める。この問題集の基本例題及び重要例題を全て解けるようになって欲しい。この問題集を完成させた後は「文系数学のプラチカ」といったより上のレベルの問題集を解くことを薦める。そして過去問をまずは時間を無制限に設定して、じっくりと考えて解く練習をしたい。時間的余裕があれば「赤チャート」をやるのもいいだろう。
ちなみに、例年記述問題として出題される数列や整数問題は、多くの受験生が解けない問題である。'''平均点が非常に低く、成績標準化(得点調整)で得点がかなり上がりやすいため、難しいと判断した設問は潔く捨て、取れる問題を確実に取り、少しずつ素点を積み重ねる戦略がベストである。入試は相対評価であるため、満点を目指す競技ではなく、あくまでも合格点を目指す競技であることを忘れてはならない。合格に必要な素点の目安は2割弱〜3割程度である。'''
== 大学入学共通テスト利用入試 ==
早稲田大学商学部では実施されていない。
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[[Category:大学入試]]
[[Category:早稲田大学対策|しようかくふ]]
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学内併願で昔から「[[w:早稲田大学教育学部|教育学部]]だけ落ちた」という声が多いように偏差値通りの結果とリンクしづらい学部である。教育学部の英語の問題は、早稲田の傾向を最も色濃く反映しているとされ、教育学部の英語を解くことで、早稲田の殆どの学部の英語対策に対応できるほど典型的な「早稲田の英語」と言われている。入試問題はかなり独特であり、問題の制限時間が厳しく早大の中でも非常にシビアな時間設定となっている為、過去問で問題演習を繰り返す事が必要となってくる。しかも問題傾向も数年毎に変化するので注意が必要である。文系(英語・国語・社会系学科)と理系(数学・理科系学科)の両方による受験が可能。英語英文学科・国語国文学科・数学科以外の学科・専修は各科目の配点が同じであるため、英語が苦手な場合でも英語の配点が高くなっている他学部とは違って合格の確率は向上する。理系併願の特徴として、意外に理工・人間科学部との併願関係が強い。これは理工・人間科学部受験者は一般入試で数学・理科受験できることに加え、理工・人間科学・教育学部ともに難関国立大受験者に併願しやすい問題レベル(英・数・理の3科目受験では私大最高峰)となっているためと考えられる。理系教育学部の教員は[[w:早稲田大学理工学術院|理工学研究科(大学院)]]の教員が兼担しており、理系学部生の多くが同研究科へ進学する。
== 一般入試 ==
'''英語'''(90分/50点)
1985年以降すべて選択式による解答となり、86年からはマークシートが採用されている。長文4題に会話文1題の5題で、総語数は2000語を超える為、長文を確実かつ素早く処理していく能力が求められる。読解問題は1つの長文の語数が300語台から600語台のいわゆる「中文」レベルであるため、文中に下線や空欄が設けられ、細部にわたる理解が求められる。文系・理系共通問題であるので科学論が題材になることが文系他学部より多いので、文系の受験生は注意する必要がある。単独の文法・語法問題は1992年にいったん消滅し、2000年と2001年に復活したものの2002年以降は出題されていない。このため読解問題において文法や語法も問われる。会話問題は1986年以降出題されており、様々な形式がとられていたが、文法・語法、そして論理展開を意識することが重要。1988年に初出題された「あるだけ選べ」は90年代中盤まで非常に受験生泣かせとして有名だった。この形式は91年・94年・97~2000年は出題されておらず、2001年に突如復活するも2002年以降は消滅している。もし「あるだけ選べ」が出題された場合の対処法としては、品詞特定、自動詞・他動詞の違いなど語法で確実に落とせる選択肢を落とし、判断に迷った選択肢は選ばないことに尽きる。ただ近年は「あるだけ選べ」の消滅など、教育学部としての特徴的な設問形式はほとんどなく、かつてと比べるとオーソドックスになっており、あらゆる長文読解の問題集を解くことが有効になるといえる反面、傾向のつかみどころがないという点では対策がしづらい学部であるともいえる。いずれにせよ総合的な英語力を問われる教育学部の問題に慣れておくためには、なるべく多くの過去問をこなすことが最も重要であることはいうまでもない。また2022年には大問4つ構成で大問5にあった会話文が姿を消し、1000語程度の長文の出題や、非常に手間のかかる設問形式が見られるなど大幅難化した。今後どうなるかはわからないがこの年の水準で対策すべきである。
'''国語'''(90分/50点)
現代文2題及び古文・漢文1題の構成で一部記述式を採用している。全体的に難しく、特に設問に現れている。年度によって古文や漢文は簡単になることもあるが、現代文はほぼ一貫して難易度が高めである。特に05年度・06年度・22年度はかなりの難易度を誇っており、早稲田大学の中でも難しい部類に入る。日頃からそれなりの評論文などを読んで、難文に慣れておこう。古文も同様に確固とした文法力、読解力が必要となる。傍線部の前後から和歌の意図や登場人物の気持ちを推測させるような小説的読解力を問われる事に注意しておくべき。漢文は基本的な句法を抑えておけば充分だ。07年度以前は現代文2題と古文と漢文の融合問題であった。
'''日本史'''(60分/50点)
難易度は早大の中でもかなり高い。2021年のように世界史と平均点が約10点離れている学科もある程で目標点は7割である。史料からの出題が多く、過去問を解いている時は問われ方に慣れるように意識して解くようにしよう。未見資料の読解問題や穴埋めも出題されるため商学部の問題は本学部の対策に使える。基本的な内容を問う問題も当然多くが出題されるが、史料を読み取る際の注意力不足で間違える事が考えられる。すなわち、その資料が何の歴史的事項の事を言っているのか解らずに。その設問を全て落とすと言ったような事態も起こりえる。それを防ぐためにも,教科書の隅々までしっかり読んで,頭に入れて問題演習を重ねるようにしよう。大問5は基本的に4、5問と設問数が少なく、女性史、沖縄史などがよく出題されるが、テーマは定まっていなく難問が出題される可能性が極めて高い。例年2〜4個ほど設問に現れる、教育学部特有の'''すべて選べ'''という形式は毎年受験生を悩ませている。基本的に全て選ぶ設問では答えが2個か3個であることが多いが、このような設問にも慣れておきたい。
'''世界史'''(60分/50点)
難易度は早大の中では標準レベル。平均点が日本史より高く、7割ほどになる年も多いため8割以上を目指したい。以前から中国史及びアジア史はマークでも記述でも他学部より難しい問題が出題されることが多い。大問は例年4題、全50問であり、記号・記述ともに各1点でその割合は1:4である。特に記号問題の難度が高く、他学部同様、山川の用語集の文章中に出てくる語句や話題からも多数出題されるので丸暗記するぐらいの気持ちで臨みたい。一方で、記述問題は基本的な問題も多く出題されるので取り溢さないように。例え難解な問題を落としても1点であるので基本問題を抑えれば7割以上も可能である。英語や日本史で出題実績のある「あるだけ選べ」形式が今後出題される可能性もあるので注意。
'''政治経済'''(60分/50点)
例年時事的出題が目立つ。一部において、政治・経済の範囲を明らかに逸脱していると判断される超難問が散見されるが、基本的な部分を確実に習熟しておくことが先決。実際、大問一つ全てが、即ち10点分が全く手が出ないと言う事がある。しかし、その手の問題をすべて落としたとしてもたいした問題はなく、合格への道が遠ざかるということは全くない。国際政治経済など現役生には手の届きにくい分野からの出題が多く、例えばEU(欧州連合)・ヨーロッパにかかわる問題はほぼ毎年のように出題され最近では08年度・05年度・02年度・00年度・98年度と10年で5回も大問丸々EU・ヨーロッパの問題などということもある。また国際貿易体制も頻出のテーマ。政治経済学部・法学部のような思考力等を問う問題は少なく、知識を問う問題がほとんど。
'''地理'''(60分/50点)
レベルはかなり基礎的であるから高得点が求められる。大問は例年4題で、ほぼ毎年特定地域を対象とする地誌で全大問が構成されている他、ヨーロッパに関する大問が毎年出題される。18年度に突如としてプランテーションに関する系統地理が出題されたり、20年度にはヨーロッパに関する問題が無くなり、全大問が系統地理になるなど傾向が掴みにくくなっている。毎年マニアックな地名が1,2問出題されるが、それを除けば標準からやや難レベルの問題構成であるため、主要地域の特色への理解を徹底すれば9割以上も難しくない。
'''数学'''(120分/50点) 数学Ⅰ・Ⅱ・Ⅲ・A・B・Cから出題される{{Efn|「数学B」は、「数学と社会生活」、「数学C」は「数学的表現の工夫」除く。}}。
大問数は4問で、大問1は答えだけ書く方式、大問2以降は記述式である。近年難化傾向にある。
空間座標、微積分、複素数が頻出。
'''理科'''(60分/50点) 「物理基礎、物理」、「化学基礎、化学」、「生物基礎、生物」、「地学基礎、地学」のうちから1科目選択する。
=== その他 ===
* 教育学科初等教育学専攻、複合文化学科志願者は、文科系(A方式)または理科系(B方式)のどちらかを選択する。
* 英語英文学科受験生の英語の得点は調整後の得点を1.5倍にする。
* 国語国文学科受験生の国語の得点は調整後の得点を1.5倍にする。
* 数学科受験者の数学の得点は調整後の得点を2.0倍にする。
* 理学科地球科学専修志願者で、理科の地学選択者については、理学科60名のうち5名を「地学選択者募集枠」として理科の他の科目選択とは別枠で判定を行う。
* 数学・理科については、新教育課程と旧教育課程の共通部分から出題される。
'''※当学部はセンター試験利用方式を採用していない。'''
== 注釈 ==
{{Notelist}}
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[[Category:大学入試]]
[[Category:早稲田大学対策|きよういくかくふ]]
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早稲田大対策/社会科学部
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政治・経済から法律、国際関係など学際的に学問に取り組むことができる学部。英語と国語と社会に関しては全てマーク式であり、記述問題は一切出題されない。合格最低点は例年6割強〜65%であるが、国語が易化した年は7割弱まで上がる。なお、成績標準化による得点調整が行われるのは選択科目だけであるため、英語と国語は素点がそのまま自身の得点となる。[[w:早稲田大学社会科学部|社会科学部]]は2009年度より完全昼間学部となり、他の学部と同様に一時限からの授業が基本となる。政治学、経済学、法学、商学、あるいは、社会学など、複数の科目を学ぶことができる、すなわち学際的な研究(リベラルアーツ)に適した学部であるといえるが一つのことを専門的に学ぶには難しい面もある。
== 一般入試 ==
'''英語'''(90分/50点)
全体的に問題難易度は高く、合格に必要な素点の目安は6割である。難易度が高いため英語で稼ぐという戦略は厳しい。The Economist 、The Guardian 、The New York Times 、The Washington Postなど引用される英文のレベルがかなり高い。ただ、語彙レベルが高いながらも、内容一致や要旨、推論の設問の選択肢は切りやすい。そのため、設問を軸にして、パラグラフリーディングを駆使して解いてほしい。瑣末な語彙は、本文の要点を把握する上ではあまり関係無いことが多いため、'''語彙レベルや語数に圧倒されずに食らいつくことが重要である。時間内に辞書無しで本文全体を完全に理解しようとするのは現実的ではないため、「設問で出された箇所を理解する」「取れる問題を取りこぼさずに合格点に達する」「難しい問題は捨てて良い」という思考回路で臨むべきである。'''
下線部の単語の言い換えを答える問題には、大学受験レベルを逸脱したものが往々にして含まれているため、そのような'''悪問をスルーできるような取捨選択能力を身に付けておきたい。'''
大問1が正誤問題10問、大問2が800語程度の長文読解、大問3〜5が1000語前後の長文読解という合計約4000語、大問5つの問題構成が近年の傾向である。2015年からこの形式が定着している。2014年以前は形式が違い語数も少なく、過去問演習にはあまり適さないため、'''2015年以降の問題を繰り返し演習することを勧める。'''大問1の正誤問題は私大の中で最も難しいものであり、人間科学部や法学部よりはるかに難しい。長文の語数を考えると大問1にかけられる時間は10分程度である。
2019年を境に長文の語数が増えて、設問で聞かれる単語のレベルが非常に上がりつつある。20年21年と極めて難易度が高くなったが、2022年は語数も減り、設問も易し目になり易化した。今後どうなるかはわからないが、19年〜21年の水準で対策すべきである。
'''国語'''(60分/40点)
現代文と現古漢融合問題が一題ずつであり、難易度は平易である(例年だと、センター試験や共通テストよりやや難しい程度。易化した年はそれよりも平易となる)。合格に必要な素点の目安は7割強である(合格最低点は例年6割〜65%であるが、英語は明らかに国語より難しいため、平易な国語で稼ぐ戦略が有効である。また、国語が易化したら合格最低点は7割弱まで上がるため、国語では8割程度の得点が必要となる。)。
人間科学部の問題と類似しているため、演習には有用である。
現代文に関しては、解答の根拠となる部分が離れていることがあり、早稲田の他学部と比べて選択肢の作られ方が異質であるため、社会科学部特有の出題に慣れておく必要がある。
現古漢融合問題に関しては、現代文の内容と古典の内容が連動している(古典の内容を現代文で解説している)ことに注意したい。
'''日本史'''(60分/40点)
大問4つ構成で配点40点に対し、2020年以前は各大問10個の合計40問で1問1点と予想される形式であった。全設問のうち半分ほどが'''2つ選べ'''という形式であり、多い年は半分を超える。「2つ選べ」という形式は2つ正解して得点がもらえるため、これを突破できなければ合格は厳しい。同様の形式は商学部の大問4にもあるため対策に使うことができる。2021年からはマーク38問に簡単な短文論述が出題されるようになった。おそらく論述の配点は2点と予想され、論述というよりは用語の説明である。論述は慶應の商学部に形式が似ているため、対策に使うことができる。
問題難易度はかなり高めである。平均点は歴史科目にしては珍しく5割を切る年もある。目標点は7割である。細かい正誤問題が中心で法学部同様、正誤問題には厳密性に欠ける「荒さ、曖昧さ」が見られる。用語集の文章をそのまま引用した記述などが見られるのが特徴である。難問・奇問に目を向けるのは避けるべきである。'''「取れる問題を取りこぼさずに合格点に達する」「難しい問題は捨てて良い」という思考回路で臨むべきである。悪問をスルーできるような取捨選択能力を身に付けておきたい。'''標準~やや難のレベルだけでも合格点+アドバンテージは取れる。他学部の演習用に社会科学部の問題を解くのはあまり推奨しない。
'''世界史'''(60分/40点)
正誤問題では、細かい知識が問われる。社会科学部という学部の性質上、近代~現代の比重が高まっている。受験生が苦手とする戦後史は標準レベルで、中世以前は難易度が高い事が多い。早大世界史全般に言える事だが、他学部の過去問をなるべく多く解き、多様な視点や方法で正誤問題を解答する能力を身に付けたい。近年は易化傾向にあるものの、依然として問題難易度は比較的高めである。'''「取れる問題を取りこぼさずに合格点に達する」「難しい問題は捨てて良い」という思考回路で臨むべきである。悪問をスルーできるような取捨選択能力を身に付けておきたい。'''標準~やや難のレベルだけでも合格点+アドバンテージは取れる。
'''政治経済'''(60分/40点)
政治・経済の難易度は比較的高い。合格を第一の目標とするならば、'''「取れる問題を取りこぼさずに合格点に達する」「難しい問題は捨てて良い」という思考回路で臨むべきである。悪問をスルーできるような取捨選択能力を身に付けておきたい。'''標準~やや難のレベルだけでも合格点+アドバンテージは取れる。また、計算問題が出題されるため、その類の問題演習をしておく必要がある。
'''数学'''(60分/40点)
問題は平易である(センター試験や共通テストよりやや難しい程度)ため、基礎的な数学I・II及びA・Bの知識があれば余裕を持った解答が可能である。参考書としては、「チャート式基礎からの数学 黄」を進める(しかし、早稲田大学商学部や慶應義塾大学を併願受験する者は「チャート式基礎からの数学 青」の方がよい)。これらの問題集の基本例題及び重要例題を全て解けるようになれば対策は万全だ。記述でケアレスミスをしなければ、9割~満点を出せる実力はつく。
早稲田大学社会科学部の数学の特徴は、その年だけでは全分野の力は試されないが、各年度を通してみると、全分野にわたって問題が作成されていることだ。そのため、苦手分野をそのままにしてはならない。どの分野が出題されても満足に得点できる力が求められる。
'''※当学部は大学入試共通テスト利用入試を採用している。詳しくは早稲田大学ホームページで確認すること。'''
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政治・経済から法律、国際関係など学際的に学問に取り組むことができる学部。英語と国語と社会に関しては全てマーク式であり、記述問題は一切出題されない。合格最低点は例年6割強〜65%であるが、国語が易化した年は7割弱まで上がる。なお、成績標準化による得点調整が行われるのは選択科目だけであるため、英語と国語は素点がそのまま自身の得点となる。[[w:早稲田大学社会科学部|社会科学部]]は2009年度より完全昼間学部となり、他の学部と同様に一時限からの授業が基本となる。政治学、経済学、法学、商学、あるいは、社会学など、複数の科目を学ぶことができる、すなわち学際的な研究(リベラルアーツ)に適した学部であるといえるが一つのことを専門的に学ぶには難しい面もある。
== 一般入試 ==
'''英語'''(90分/50点)
全体的に問題難易度は高く、合格に必要な素点の目安は6割である。難易度が高いため英語で稼ぐという戦略は厳しい。The Economist 、The Guardian 、The New York Times 、The Washington Postなど引用される英文のレベルがかなり高い。ただ、語彙レベルが高いながらも、内容一致や要旨、推論の設問の選択肢は切りやすい。そのため、設問を軸にして、パラグラフリーディングを駆使して解いてほしい。瑣末な語彙は、本文の要点を把握する上ではあまり関係無いことが多いため、'''語彙レベルや語数に圧倒されずに食らいつくことが重要である。時間内に辞書無しで本文全体を完全に理解しようとするのは現実的ではないため、「設問で出された箇所を理解する」「取れる問題を取りこぼさずに合格点に達する」「難しい問題は捨てて良い」という思考回路で臨むべきである。'''
下線部の単語の言い換えを答える問題には、大学受験レベルを逸脱したものが往々にして含まれているため、そのような'''悪問をスルーできるような取捨選択能力を身に付けておきたい。'''
大問1が正誤問題10問、大問2が800語程度の長文読解、大問3〜5が1000語前後の長文読解という合計約4000語、大問5つの問題構成が近年の傾向である。2015年からこの形式が定着している。2014年以前は形式が違い語数も少なく、過去問演習にはあまり適さないため、'''2015年以降の問題を繰り返し演習することを勧める。'''大問1の正誤問題は私大の中で最も難しいものであり、人間科学部や法学部よりはるかに難しい。長文の語数を考えると大問1にかけられる時間は10分程度である。
2019年を境に長文の語数が増えて、設問で聞かれる単語のレベルが非常に上がりつつある。20年21年と極めて難易度が高くなったが、2022年は語数も減り、設問も易し目になり易化した。今後どうなるかはわからないが、19年〜21年の水準で対策すべきである。
'''国語'''(60分/40点)
現代文と現古漢融合問題が一題ずつであり、難易度は平易である(例年だと、センター試験や共通テストよりやや難しい程度。易化した年はそれよりも平易となる)。合格に必要な素点の目安は7割強である(合格最低点は例年6割〜65%であるが、英語は明らかに国語より難しいため、平易な国語で稼ぐ戦略が有効である。また、国語が易化したら合格最低点は7割弱まで上がるため、国語では8割程度の得点が必要となる。)。
人間科学部の問題と類似しているため、演習には有用である。
現代文に関しては、解答の根拠となる部分が離れていることがあり、早稲田の他学部と比べて選択肢の作られ方が異質であるため、社会科学部特有の出題に慣れておく必要がある。
現古漢融合問題に関しては、現代文の内容と古典の内容が連動している(古典の内容を現代文で解説している)ことに注意したい。
'''日本史'''(60分/40点)
大問4つ構成で配点40点に対し、2020年以前は各大問10個の合計40問で1問1点と予想される形式であった。全設問のうち半分ほどが'''2つ選べ'''という形式であり、多い年は半分を超える。「2つ選べ」という形式は2つ正解して得点がもらえるため、これを突破できなければ合格は厳しい。同様の形式は商学部の大問4にもあるため対策に使うことができる。2021年からはマーク38問に簡単な短文論述が出題されるようになった。おそらく論述の配点は2点と予想され、論述というよりは用語の説明である。論述は慶應の商学部に形式が似ているため、対策に使うことができる。
問題難易度はかなり高めである。平均点は歴史科目にしては珍しく5割を切る年もある。目標点は7割である。細かい正誤問題が中心で法学部同様、正誤問題には厳密性に欠ける「荒さ、曖昧さ」が見られる。用語集の文章をそのまま引用した記述などが見られるのが特徴である。難問・奇問に目を向けるのは避けるべきである。'''「取れる問題を取りこぼさずに合格点に達する」「難しい問題は捨てて良い」という思考回路で臨むべきである。悪問をスルーできるような取捨選択能力を身に付けておきたい。'''標準~やや難のレベルだけでも合格点+アドバンテージは取れる。他学部の演習用に社会科学部の問題を解くのはあまり推奨しない。
'''世界史'''(60分/40点)
正誤問題では、細かい知識が問われる。社会科学部という学部の性質上、近代~現代の比重が高まっている。受験生が苦手とする戦後史は標準レベルで、中世以前は難易度が高い事が多い。早大世界史全般に言える事だが、他学部の過去問をなるべく多く解き、多様な視点や方法で正誤問題を解答する能力を身に付けたい。近年は易化傾向にあるものの、依然として問題難易度は比較的高めである。'''「取れる問題を取りこぼさずに合格点に達する」「難しい問題は捨てて良い」という思考回路で臨むべきである。悪問をスルーできるような取捨選択能力を身に付けておきたい。'''標準~やや難のレベルだけでも合格点+アドバンテージは取れる。
'''政治経済'''(60分/40点)
政治・経済の難易度は比較的高い。合格を第一の目標とするならば、'''「取れる問題を取りこぼさずに合格点に達する」「難しい問題は捨てて良い」という思考回路で臨むべきである。悪問をスルーできるような取捨選択能力を身に付けておきたい。'''標準~やや難のレベルだけでも合格点+アドバンテージは取れる。また、計算問題が出題されるため、その類の問題演習をしておく必要がある。
'''数学'''(60分/40点)
問題は平易である(センター試験や共通テストよりやや難しい程度)ため、基礎的な数学I・II及びA・Bの知識があれば余裕を持った解答が可能である。参考書としては、「チャート式基礎からの数学 黄」を進める(しかし、早稲田大学商学部や慶應義塾大学を併願受験する者は「チャート式基礎からの数学 青」の方がよい)。これらの問題集の基本例題及び重要例題を全て解けるようになれば対策は万全だ。記述でケアレスミスをしなければ、9割~満点を出せる実力はつく。
早稲田大学社会科学部の数学の特徴は、その年だけでは全分野の力は試されないが、各年度を通してみると、全分野にわたって問題が作成されていることだ。そのため、苦手分野をそのままにしてはならない。どの分野が出題されても満足に得点できる力が求められる。
== 大学入試共通テスト利用入試 ==
※当学部は大学入試共通テスト利用入試を採用している。詳しくは早稲田大学ホームページで確認すること。
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[[Category:大学入試]]
[[Category:早稲田大学対策|しやかいかかくふ]]
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早稲田大対策/人間科学部
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2026-05-03T22:12:57Z
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人間環境科学・健康福祉科学・人間情報科学の3学科を擁し、環境学や社会学、臨床心理学、人工知能(AI)、脳科学、プログラミングまでのリベラルアーツな([[w:学際|学際的]]に人間を科学する)学問に取り組める学部であり、[[w:慶應義塾大学湘南藤沢キャンパス|慶應SFC(特に環境情報学部)]]に近い雰囲気を持っている。
人間科学部の学生は4年間所沢キャンパスを本部とすることになる。なお、所属学科に関係なく講義を履修することができ、ゼミ選考においても2017年度より学科枠制度が廃止されたため、大学受験時における学科選択の意義には疑問が残る。そのため合格最低点の最も低い学科を受験することを勧める。
入試の特徴としては
# 文系・理系受験の両方が可能。
# 理系併願の特徴として意外に理工・教育学部との併願関係が強い。これは理工・教育学部受験者は一般入試で数学・理科受験できることに加え、理工・教育・人間科学部いずれも難関国立大受験者に併願しやすい問題レベル(英・数・理の3科目受験では私大最高峰)となっていることによるものと思われる。
# どの科目も難易度は早大の中では標準的だが(しかし受験者レベルは高いため合格するにはどの教科でも高得点を獲得する必要がある。)問題の制限時間が厳しく、早大の中でも非常にシビアな時間設定となっているため、一科目でも取りこぼしがあると当学部の合格は難しい。
== 一般入試 ==
'''全体'''
学科にもよるが合計7割あれば合格できるだろう。英語が難しく、さらに国語がやや難で差がつかないため、選択科目で差をつける必要がある。
'''英語'''(90分/50点) 大問一が中文客観式問題8題、二は適当な前置詞を選択させ、三では文法的な誤りを五択で指摘させるというのが傾向である。現在の出題形態は1991年以降一貫しており今後も変化はないと思われる。問一(読解)は平易な反面、問二(前置詞)は対策がしづらく、入らない場合もあり、問三(正誤問題)は近年やや易化傾向にあるとはいえ訂正の必要無しの場合もある為、高得点を狙うことが難しい。勉強次第で読解は高得点を取ることもできるため、どうしても人間科学部に行きたい受験生は長文読解の勉強に重点を置き、問二はハイレベル熟語集の問題を確実にとれるようにすべきである。問三は対策に労力がかかる割に配点が低いので時間をかけてはいけない。従って大問一をいかに得点するかが合否の分かれ目となる。実際の合格者も読解で点を稼ぎ大問二、三は半分ぐらいしかとれていないという声が大半である。TOEFLの問題形式と非常に似ており、問題量が非常に多い(2000〜2500語)ので、速読力を養う必要もある。また、人間科学部という学際的な性質上、文理を問わずあらゆる分野の問題(医学系や生物系も多い)が出題されるので、語彙(特に名詞)の難易度は高い。また社会科学部の問題も時事英文から出題されるので受験しなくとも問題だけは解いてみるとよいであろう。成績標準化を考慮すると、36〜37点程取れると合格に近づくはずだ。
'''国語'''(60分/50点) 他の学部に比べ、少し難易度は高めとなっている。人科志望者ならば過去問を解いてみて、本文の主旨をきちんと読み込めたと思えるくらいの実力は要求される。人科合格者の決まり文句は「英語が難しくて、国語は普通。」である。国語が得意な人も苦手な人も対策次第で勝負の行方は変動する。現代文などでは簡単〜標準問題は確実に取ろう。古文対策として古典単語、古典常識、文法(助動詞、敬語、識別、接続条件等)を完璧にしておきたい。近年漢文も難化しているため、対策を怠ることは禁物である。おそらく合格点は7割くらいだろう。
'''日本史'''(60分/50点) 早大の中では標準レベル。NO ERRORや2つ選べのような独特の形式が出されるが、そういう問題は総じて教科書レベルなのでそこで立ち止まってはいけない。分野に関してはまんべんなく出されるが、一度出てきたところを数年間続けて出すという傾向がある。なお、最後のテーマ史はマイナーなものが多数出されるが、テレビの雑学や講師の雑談から的中される内容のものも多いので色々な話を知っておいた方がいいだろう。ちなみに50問を超える問題が出されることが多いが[(自分の点数/問題数)×X=自分の点数/50]という風に計算されている。人間科学部の問題は良問が多いため、この学部を受けない受験生にとっても演習価値はある。
'''世界史'''(60分/50点) 早大の中では標準レベル。ということは早大対策をしっかりと行ったものには解きやすいが、それ以外にはかなり難しい内容だという事である。問題量は多い。2004年には大学入試では珍しい先史時代に関する出題があった。これは人間科学部という学部のポリシーからなされたのだろう。現代史の難易度もなかなかのもので、総じて教科書レベルでは歯が立たないというのが現状であろう。ただし平均点が高いので、高得点が必要である。
'''政経'''(60分/50点) 早大の中ではやや難レベル。常軌を逸した知識レベルを要求する奇問・珍問・悪問と、通常レベルの問題が同居する。世界史や日本史、地理の知識を必要とする問題がほとんどであるが、元来政経という教科に関して言えば、他学部を含めた早稲田大学の入試問題は教科書・用語集を覚えたからと言って解答出来るものではない。人間科学部は特にその傾向が顕著である。対策としては常日頃から国際関係、政治紛争、民族問題等のニュースをチェックすることが重要。また、その年の経済白書も是非目を通して頂きたい。過去には計算問題が出されたこともあるため、その対策も必要である。
'''数学'''(文系<A方式>・理系<B方式> 何れも60分/50点) 早大の中では標準的なレベルの問題が出題される。「チャート式基礎からの数学 青」レベルの網羅系参考書の基本例題及び重要例題を全て解けるようにし、補充用問題集として「大学への数学 一対一対応の演習」に取り組むのがよい。そのうえ過去問をじっくりやりこめば対策としては十分である。ここまでできれば見たことの無い問題は皆無またはほとんど皆無のレベルに達し、得点は8割をとれるようになる。早稲田数学の特徴は、その年だけでは全分野の力は試されないが、各年度を通してみると、全分野にわたって問題が作成されていることだ。そのため、苦手分野をそのままにしてはならない。どの分野が出題されても満足に得点できる力が求められる。尚、文系(A方式)は「三角関数」が頻出。理系(B方式)は「微分・積分」が頻出、数Ⅲ範囲の典型問題が中心となるが、回転体の求積や極限も頻出となっている。
'''物理'''(60分/50点) 例年、大問3題が出題されており、試験時間は60分で、全問選択肢の多いマーク式である。「力学」「電磁気学」が必出である。大学受験レベルとしては標準的な難易度で、理工学部と比較すると非常に平易な内容になっている。
'''化学'''(60分/50点) 大問6~7題と、制限時間60分に対し、問題量は多い。全問マーク式である。化学ⅠⅡの全範囲から標準的な難易度の問題が幅広く出題される。理工学部と比較すると非常に平易な内容になっている。
'''生物'''(60分/50点) 大問5題と、制限時間に対し、問題量は多い。 全問マーク式で、選択肢には、近接した数値が並んでいる。動物の反応、タンパク質と生物体、生物の集団、分類・進化の出題頻度が比較的高く、全体的にグラフを利用した問題や、正文・誤文選択問題、ヒトに関連する標準的な問題が多い。
== センター試験利用方式 ==
6科目のセンター試験の成績のみで判定する。因みに、2017年度入試のボーダーは88~90%である。
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[[Category:大学入試]]
[[Category:早稲田大学対策|にんけんかかくふ]]
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早稲田大対策/国際教養学部
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英語を中心に、その学生が本当にこの学部で勉強したいのか(また勉強できるのか)を問う問題になっていると言える。一般入試において倍率は他学部に比べ低いが、受験者全体のレベルが非常に高いので、入試レベルは早稲田大学文系学部の中でかなり高い。英語の難易度は非常に高く、早大最高峰と言われている。帰国子女が多く、'''入学後は一年の留学が課される'''。尚、国際教養学部の学生は、留学中以外はずっと早稲田キャンパスで過ごすことになる。
== 一般入試 ==
=== 共通テスト ===
まず共通テストの受験が必須である。100点満点で受験科目は2科目。国語(50点)+選択科目(数IA、数IIB、社会、理科、情報/50点満点に換算)の1科目を使う。ただし社会は公民選択は出来ないので注意。また、理科は発展科目しか選択できないため、文系受験生は基本的に数学か社会のどちらかになると思われる。
=== 英語外部検定 ===
英検2級以上を習得orIELTSで一定スコア以上を習得していると加点される。帰国子女でない限り高校生でIELTSを勉強するのは時間的な問題もあって厳しいため、基本的には英検を使うことを勧める。英検なしでも受験可能だが、大学に入ってから英語で授業を行うこと、国際教養学部の英語の難易度の高さから英検が無いと厳しい戦いとなる。
=== 英語 ===
リーディング90分、ライティング60分で80点満点。難易度は非常に高い。長文3題、日本語要約、自由英作文2題の構成になっている。かつてはリスニングも出題されてたが現在は出題されてない。当然、学部の性質もあるが早稲田大学の中で最も難易度が高い。日本語要約や自由英作文がされるので、相応の対策が必要だ。05年度は自由英作文を中心に難化。初年度の問題を標準的な難易度に抑えた結果、英語力が不十分な学生が少なからず入学して来た為だろう。07年度は更に難化。慣れてきたら慶應義塾大学SFCの超長文問題にも挑戦してみてはいかがだろうか。さらに、ここまで語彙力を身につけても、まだまだ分からない単語が存在するのが怖いところ。しかし、それに対応するためには、背景知識の獲得が最も有効である。具体的には、国際関係、社会、小説、科学、経済、思想など幅広い分野に対しての知見が求められる。いわゆる『教養』が試されている。これらは他の大学の多くの英文に触れて身につけてほしい。なお、リーディングの内容に関して、特に近年は小説が頻出となっており、国際教養学部の過去問を遡って解くなど、独特の形式に慣れておいた方がよい。論説文と比較すると抽象的な内容で、文章量が多く、慣れていないと時間内に解き終わらない。また読解だけではなく要約、英作文、と幅広く求められて大変ではあるが、入学後も絶対必要な能力なのだと思って地道に取り組むしかない。英検で言えば準一級レベルを求められていると言える。リーディングに関しては、精読が出来るように単語、熟語、文法、構文を固めてほしい。速読は精読を心がけると自然と出来る様にになってくる。また、音読も効果的である。音読のメリットは、英文を直読直解(文の頭から、返り読みをせず、英文を読むこと)が出来る様にに成る事である。これは、聞く英語が決して巻き戻せないこと(CDなどで意図的にするのは別にして)からも納得がいくと思う。結果、直読直解ができると英文を速く読める。とにかくここは英語で決まる。
=== その他 ===
赤本と本番の問題冊子は多少違うので、本番さながらの練習をしたい人は、予備校サイトなどが本番の問題を公開しているので、プリントして使うとよい。なお下記URLでは国際教養学部の一般入試の過去問が掲載されている(https://wasedasils.com )。
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[[Category:大学入試]]
[[Category:早稲田大学対策|ほうかくふ]]
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早稲田大対策/理工学部
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先進理工・創造理工・基幹理工の3学部を擁し、[[w:早稲田大学理工学術院|理工3学部]]一括で入学試験が行われる。合格難易度は非常に高い。学内併願の特徴として意外に政治経済学部との併願関係が強い。尚、理工学部の学生は、一部を除き4年間を西早稲田キャンパスで過ごすことになる。(例外として、先進理工学部の生命医科学科や電気・生命情報学科の一部の研究室は[[w:東京女子医科大学|東京女子医大学]]キャンパス内にある先端生命医科学センター(TWIns)にあり、学生も当センターで講義を受けたり、研究活動を行ったりする。)
== 一般入試 ==
'''数学'''(120分/120点) 数学IIIからの出題が多く、特に極限の計算は毎年なんらかの形で出題されている。ほとんどが標準問題~やや難レベルの問題である。青チャートなどで典型パターンを繰り返し、標準問題が確実に解けるようになったら、「やさしい理系数学(河合出版)」や「理系数学の良問プラチカ」等でやや難レベルの問題が解けるくらいの思考力を養った上で、過去問演習に取り掛かろう。また、面積・体積といった求積系の問題はほぼ隔年で出題されているため、しっかり対策をしておくこと。近年は数学III以外からの出題も見られ、特に数列の漸化式や図形と式からの出題が目立っている。完答するには相当な実力を必要とする問題が多く、特に問5は例年、かなり難易度の高い問題が出題される。
'''英語'''(90分/120点) 専門用語中心の学術英文が出題されることが多い。全く得点できないと合格は難しいが、多くのトップレベル理系受験生が抑えているであろう、文法・語法を習得し、長文読解の過去問研究をしっかり行い、傾向分析するしか手はないと言われている。
'''理科'''(120分/120点<1科目60点>) 学科によって指定されている2科目(大半の学科が物理・化学)が課せられ、出願時に科目を選択する。2007年度入試より大問は3つ、1問目はマークシート、2,3問目は記述式となっている。先進理工は学科によって科目の配点が異なる(例、化学・生命化学科…化学:物理=2:1(80点:40点 化学重視)<ref>https://www.waseda.jp/inst/admission/undergraduate/system/general/ </ref>)。標準的な問題から受験生の思考力を問うやや難~難レベルの問題まで出題される。難問は取れなくともやや難程度の問題までは取りきらないと合格は厳しい。
'''空間表現'''(120分/40点) 創造理工学部建築学科受験生に課される。いわゆる鉛筆デッサンである。独学では対策は難しいため、建築系の美術予備校に通い、プロの指導の下練習することをお勧めする。
'''※当学部は共通テスト利用方式を採用していない。'''
== 脚注 ==
{{Reflist}}
{{DEFAULTSORT:わせたたい たいさく りこうかくふ}}
[[Category:大学入試]]
[[Category:早稲田大学対策|りこうかくふ]]
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早稲田大対策/スポーツ科学部
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なまえみてい
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{{要アップデート}}
2008年現在、小論文を除いて全教科でマークシート方式を採用している。一般入試科目は、英語+小論文+国語or数学である。尚、スポーツ科学部の学生は、人間科学部と共に所沢キャンパスで4年間を過ごす(一部の講義は東京都西東京市の東伏見キャンパス)ことになる。
== 一般入試 ==
'''英語'''(90分/75点) 長文問題は他学部と比べると標準的な問題である。また、文法問題は人間科学部と理工学部の出題を踏襲したような形式である。よって本学部だけでなく、これらの学部の過去問も解いておくことをお勧めする。語法正誤指摘問題は人間科学部のものよりは易しいが、それでも難しい部類に入る。
'''国語'''(90分/75点) 現代文2題、古文1題(一部漢文も含まれる)が出題される。現代文では、スポーツや身体に関する文章だけでなく、様々な分野(政治や経済など)の文章が出題される。選択肢は早大らしいややこしいものが多い。ある程度の読解力が身についたら、どのように選択肢から解答を導き出すのかを過去問を使ってじっくり研究すること。古文(漢文)は、常識知識を知らないと解けない問題が数題出題されるため、古文常識・漢文常識はマスターすること。
'''数学'''(90分/75点) 早大の中では比較的簡単な方である。4題構成で全問マークシート方式である。人間科学部や国際教養学部の数学も同様に全問マークシート方式であり、問題の難易度に相違はないのでこれらの学部の過去問も解いて置くことをお勧めする。
'''小論文'''(90分/33点) スポーツや身体に関するものが多い。スポーツの話題がメインである為、新聞や雑誌等で、スポーツ業界の話題に目を通し、興味を示しておくことが大切である。課題文やグラフを読み取る上で、これらの知識が役立つはずである。小論文入試全体に言える事だが、小論文の実力は一朝一夕で身に付くものではない。原稿用紙に何度も文章を書いてみて、高校や予備校の先生に添削して貰うのが効果的である。
== センター試験利用方式 ==
当学部のセンター試験利用方式は様々な受験方式がある。センター試験4科目のみで選考を行う方式以外にも、センター3科目と競技歴で選考を行う方式、センター1科目と一般入試2科目で選考を行う方式もあるため、受験生は大学HPの受験情報をチェックすることをお勧めする。因みに、センター試験4科目の選考の合格ボーダーは85%以上である。
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{{DEFAULTSORT:わせたたい たいさく すほおつかくふ}}
[[Category:大学入試]]
[[Category:早稲田大学対策|すほおつかくふ]]
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高校化学 気体の性質
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text/x-wiki
{{pathnav|高等学校の学習|高等学校理科|高等学校 化学|pagename=気体の性質|frame=1|small=1}}
以下、[[高等学校物理基礎|物理基礎]]を既習であるものとする。必要があれば[[高校物理 熱力学]]も参照。
== 理想気体と実在気体 ==
==== 理想気体と実在気体 ====
実際の気体はボイル・シャルルの法則は、高温・低圧の場合はよく当てはまるが、低温・高圧の場合には、ずれが大きくなってくる。ボイル・シャルルの法則が、厳密に成り立つ気体を考えると、計算の都合がいい。このような、ボイル・シャルルの法則が厳密に成り立つ想像上の気体のことを'''理想気体'''という。現実の気体を'''実在気体'''という。[[File:理想気体からのズレ 温度一定.svg|thumb|500px|理想気体からのズレ。 温度一定]]
;ファンデルワールスの状態方程式
分子の大きさと分子間力を考慮して、理想気体の状態方程式を改良した'''ファンデルワールスの状態方程式'''がある。
ファンデルワールスの状態方程式は、
:<math> \left(P + \frac{n^2}{V^2} a\right)(V-nb) = nRT </math>
である。a,bは定数であり、aが分子間力、bが分子の大きさを反映したものである。
まず式中のaの係数について考えよう。実在気体はファンデルワールス力により分子同士に引力が働いている。そのため、理想気体と比較すると実在気体の圧力は小さくなる。なぜなら、圧力は気体分子が壁に及ぼす単位面積当たりの力積であり、壁に衝突する分子は分子間力によって箱の内側に向かう力を受ける。そのため壁に及ぼす力積が小さくなるためである。
一つの分子について壁に及ぼす力積の分子間力による減少量は、近くにいる分子が多いほど多くなると考えられるため、体積あたりの分子数 <math>\frac{n}{V}</math> に比例する。さらに、一定時間の間に壁に衝突する分子の数も体積あたりの分子数 <math>\frac{n}{V}</math> に比例する。最終的に理想気体からの圧力の減少量は <math>\left(\frac{n}{V}\right)^2</math> に比例すると考えられる。
実在気体の圧力に、ファンデルワールス力による圧力の減少量を補正して、理想気体としたときの圧力に換算すると
<math>P + \frac{n^2}{V^2} a</math>
となる。
係数bは、実在気体の分子が有限の体積を持つことによる体積排除効果を反映している。
<math>V-nb</math>
は正である必要があるので、<math>V>nb</math> となる。これは気体分子の大きさのため、箱の体積を無限に小さくすることができないことを意味している。
== 分圧の法則 ==
反応しあわない分子式の異なる気体を混合させた複数種の気体を、一つの密閉した容器に混ぜた気体を、'''混合気体'''という。
混合して生じた混合気体の圧力を、その混合気体の'''全圧'''という。
例として、2種の気体Aと気体Bを混ぜた混合気体を考える。混合気体の各成分AとBをそれぞれ別に、Aだけにして同じ容器に同じ温度で入れた時の圧力を気体Aの'''分圧'''という。同様に、気体Bを気体Bだけにしておなじ容器に同じ温度で入れたときの圧力を気体Bの分圧という。
気体Aの分圧を<math>p_A</math> として、気体Bの分圧を<math>p_B</math> とすると、全圧pと分圧の間に次の関係が成り立つことが知られている。
<math> p=p_A +p_B </math>
このような、「全圧は分圧の和に等しい。」という関係式を'''ドルトンの分圧の法則'''という。
気体成分が3個以上の場合でも、同様の結果が成り立つ。3種の場合は、気体A,B,Cについて、全圧と分圧の関係は、
<math> p=p_A +p_B+p_C </math>
である。気体成分の種類の数に関わらず、これらの「全圧は分圧の和に等しい。」という関係式を'''ドルトンの分圧の法則'''という。
=== 分圧の法則の導出 ===
分圧の法則は、「混合気体でも、状態方程式が各成分単独の場合と同様に成り立つ」と仮定すれば、状態方程式から分圧の法則を導出できる。この法則は、気体成分の種類が何種類でも成り立つが、説明のため、気体成分は3種類と仮定しよう。混合気体の物質量について、以下のような関係が導出できる。
<math> n= n_A +n_B + n_C </math>
これを示そう。まず、状態方程式より、全圧の状態方程式を表すと、
<math> pv=nRT </math>
である。
このとき、分圧と物質量は、分圧の定義より、次の式になる。
<math> p_A v=n_A RT </math>
<math> p_B v=n_B RT </math>
<math> p_C v=n_C RT </math>
これ等の3個の式を足し合わせると
<math> (p_A +p_B +p_C ) v= ( n_A +n_B + n_C ) RT </math>
これを、pv=nRTで割ると、
<math> \frac{p_A +p_B +p_C }{p} = \frac{ n_A +n_B + n_C }{n} </math>
また、物質量の<math> n </math> と、 <math> n_A +n_B + n_C </math> との関係は、質量保存の法則より、以下の関係が成り立つ。
<math> n= n_A +n_B + n_C </math>
これより、
<math> \frac{p_A +p_B +p_C }{p} = \frac{ n_A +n_B + n_C }{n} =1 </math>
つまり、
<math> \frac{p_A +p_B +p_C }{p} =1 </math>
両辺に分母を掛けて
<math> p_A +p_B +p_C =p </math>
これは、分圧の法則に他ならない。
かくして、ドルトンの分圧の法則は導出された。
=== 分圧とモル分率の関係 ===
混合気体の物質量の総和に対する、各成分の物質量の比を'''モル分率'''という。
たとえば、3種類の混合気体A,B,CにおけるAのモル分率は
<math> \frac{n_A}{n} </math>
である。
同様に、Bのモル分率は、
<math> \frac{n_B}{n} </math>
である。
モル分率と全圧について、次の関係式が成り立つ。
各成分の分圧は、全圧にその成分のモル分率を掛けたものに等しい。
<math> p_A v=n_A RT </math> ・・・(1)
<math> pv=nRT </math> ・・・(2)
これより、(1)を (2)で割って、
<math> \frac{p_A}{ p}= \frac{n_A}{n} </math>
分母の全圧pを両辺に掛ければ、
<math> p_A = p \frac{n_A}{n} </math>
となり、命題「各成分の分圧は、全圧にその成分のモル分率を掛けたものに等しい。」を状態方程式から導出できた。以上。
=== 水上置換法の分圧 ===
水素H<sub>2</sub>などを水上置換法で集める場合を考える。水上置換法で集められる気体は、水蒸気の混じった混合気体である。捕集した気体の圧力には、水蒸気の分圧が含まれている。
この例の水素の場合、水素のみの分圧を求めたい場合は、捕集した気体の全圧から、水蒸気の分圧を差し引く必要がある。
つまり水素の分圧<math> p_{H_2}</math>は、全圧<math>P </math>から水蒸気の分圧<math>p_{H_2 O} </math>を差し引いた値になる。
<math> p_{H_2} = P - p_{H_2 O} </math>
大気圧下での水蒸気圧については表などで与えられるので、それを利用する。なお、参考値を言うと、温度27 ℃で、水蒸気圧は 3.6 kPa である。
=== 平均分子量 ===
酸素と窒素のまじった大気中の空気などのように、2種類以上の気体が混在してる時、この混合気体を、仮に1種類の気体からなると仮定して、その気体の分子量を算出したものを'''平均分子量'''という。たとえば、空気は混合気体であり、主成分の窒素と酸素の物質量の割合が、
窒素:酸素=4:1
であるが、モル質量が窒素28 g/molであり、酸素は32 g/molなので、空気の平均分子量は
28.0 g/mol × <math>\frac{4}{5}</math> + 32.0 g/mol × <math> \frac{1}{5}</math> = 28.8 g/mol
となる。
実際にはアルゴンや二酸化炭素なども含まれているので、これより少し式や値は変わるが、ほとんど同じ値になる。
以上の例では、大気中の空気を例に平均分子量を解説したが、なにも空気で何くても平均分子量は必要に応じて定義される。
[[カテゴリ:高等学校化学|きたいのせいしつ]]
[[カテゴリ:気体]]
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{{pathnav|高等学校の学習|高等学校理科|高等学校 化学|pagename=気体の性質|frame=1|small=1}}
以下、[[高等学校物理基礎|物理基礎]]を既習であるものとする。必要があれば[[高校物理 熱力学]]も参照。
== 理想気体と実在気体 ==
==== 理想気体と実在気体 ====
実際の気体はボイル・シャルルの法則は、高温・低圧の場合はよく当てはまるが、低温・高圧の場合には、ずれが大きくなってくる。ボイル・シャルルの法則が、厳密に成り立つ気体を考えると、計算の都合がいい。このような、ボイル・シャルルの法則が厳密に成り立つ想像上の気体のことを'''理想気体'''という。現実の気体を'''実在気体'''という。[[File:理想気体からのズレ 温度一定.svg|thumb|500px|理想気体からのズレ。 温度一定]]
;ファンデルワールスの状態方程式
分子の大きさと分子間力を考慮して、理想気体の状態方程式を改良した'''ファンデルワールスの状態方程式'''がある。
ファンデルワールスの状態方程式は、
:<math> \left(P + \frac{n^2}{V^2} a\right)(V-nb) = nRT </math>
である。a,bは定数であり、aが分子間力、bが分子の大きさを反映したものである。
まず式中のaの係数について考えよう。実在気体はファンデルワールス力により分子同士に引力が働いている。そのため、理想気体と比較すると実在気体の圧力は小さくなる。なぜなら、圧力は気体分子が壁に及ぼす単位面積当たりの力積であり、壁に衝突する分子は分子間力によって箱の内側に向かう力を受ける。そのため壁に及ぼす力積が小さくなるためである。
一つの分子について壁に及ぼす力積の分子間力による減少量は、近くにいる分子が多いほど多くなると考えられるため、体積あたりの物質量(物質量密度) <math>\frac{n}{V}</math> に比例する。さらに、一定時間の間に壁に衝突する分子の数も物質量密度 <math>\frac{n}{V}</math> に比例する。最終的に理想気体からの圧力の減少量は <math>\left(\frac{n}{V}\right)^2</math> に比例すると考えられる。
実在気体の圧力に、ファンデルワールス力による圧力の減少量を補正して、理想気体としたときの圧力に換算すると
<math>P + \frac{n^2}{V^2} a</math>
となる。
係数bは、実在気体の分子が有限の体積を持つことによる体積排除効果を反映している。
<math>V-nb</math>
は正である必要があるので、<math>V>nb</math> となる。この体積の下限は気体分子そのものが占有する体積であり、bは1 mol の分子が占有する体積である。
== 分圧の法則 ==
反応しあわない分子式の異なる気体を混合させた複数種の気体を、一つの密閉した容器に混ぜた気体を、'''混合気体'''という。
混合して生じた混合気体の圧力を、その混合気体の'''全圧'''という。
例として、2種の気体Aと気体Bを混ぜた混合気体を考える。混合気体の各成分AとBをそれぞれ別に、Aだけにして同じ容器に同じ温度で入れた時の圧力を気体Aの'''分圧'''という。同様に、気体Bを気体Bだけにしておなじ容器に同じ温度で入れたときの圧力を気体Bの分圧という。
気体Aの分圧を<math>p_A</math> として、気体Bの分圧を<math>p_B</math> とすると、全圧pと分圧の間に次の関係が成り立つことが知られている。
<math> p=p_A +p_B </math>
このような、「全圧は分圧の和に等しい。」という関係式を'''ドルトンの分圧の法則'''という。
気体成分が3個以上の場合でも、同様の結果が成り立つ。3種の場合は、気体A,B,Cについて、全圧と分圧の関係は、
<math> p=p_A +p_B+p_C </math>
である。気体成分の種類の数に関わらず、これらの「全圧は分圧の和に等しい。」という関係式を'''ドルトンの分圧の法則'''という。
=== 分圧の法則の導出 ===
分圧の法則は、「混合気体でも、状態方程式が各成分単独の場合と同様に成り立つ」と仮定すれば、状態方程式から分圧の法則を導出できる。この法則は、気体成分の種類が何種類でも成り立つが、説明のため、気体成分は3種類と仮定しよう。混合気体の物質量について、以下のような関係が導出できる。
<math> n= n_A +n_B + n_C </math>
これを示そう。まず、状態方程式より、全圧の状態方程式を表すと、
<math> pv=nRT </math>
である。
このとき、分圧と物質量は、分圧の定義より、次の式になる。
<math> p_A v=n_A RT </math>
<math> p_B v=n_B RT </math>
<math> p_C v=n_C RT </math>
これ等の3個の式を足し合わせると
<math> (p_A +p_B +p_C ) v= ( n_A +n_B + n_C ) RT </math>
これを、pv=nRTで割ると、
<math> \frac{p_A +p_B +p_C }{p} = \frac{ n_A +n_B + n_C }{n} </math>
また、物質量の<math> n </math> と、 <math> n_A +n_B + n_C </math> との関係は、質量保存の法則より、以下の関係が成り立つ。
<math> n= n_A +n_B + n_C </math>
これより、
<math> \frac{p_A +p_B +p_C }{p} = \frac{ n_A +n_B + n_C }{n} =1 </math>
つまり、
<math> \frac{p_A +p_B +p_C }{p} =1 </math>
両辺に分母を掛けて
<math> p_A +p_B +p_C =p </math>
これは、分圧の法則に他ならない。
かくして、ドルトンの分圧の法則は導出された。
=== 分圧とモル分率の関係 ===
混合気体の物質量の総和に対する、各成分の物質量の比を'''モル分率'''という。
たとえば、3種類の混合気体A,B,CにおけるAのモル分率は
<math> \frac{n_A}{n} </math>
である。
同様に、Bのモル分率は、
<math> \frac{n_B}{n} </math>
である。
モル分率と全圧について、次の関係式が成り立つ。
各成分の分圧は、全圧にその成分のモル分率を掛けたものに等しい。
<math> p_A v=n_A RT </math> ・・・(1)
<math> pv=nRT </math> ・・・(2)
これより、(1)を (2)で割って、
<math> \frac{p_A}{ p}= \frac{n_A}{n} </math>
分母の全圧pを両辺に掛ければ、
<math> p_A = p \frac{n_A}{n} </math>
となり、命題「各成分の分圧は、全圧にその成分のモル分率を掛けたものに等しい。」を状態方程式から導出できた。以上。
=== 水上置換法の分圧 ===
水素H<sub>2</sub>などを水上置換法で集める場合を考える。水上置換法で集められる気体は、水蒸気の混じった混合気体である。捕集した気体の圧力には、水蒸気の分圧が含まれている。
この例の水素の場合、水素のみの分圧を求めたい場合は、捕集した気体の全圧から、水蒸気の分圧を差し引く必要がある。
つまり水素の分圧<math> p_{H_2}</math>は、全圧<math>P </math>から水蒸気の分圧<math>p_{H_2 O} </math>を差し引いた値になる。
<math> p_{H_2} = P - p_{H_2 O} </math>
大気圧下での水蒸気圧については表などで与えられるので、それを利用する。なお、参考値を言うと、温度27 ℃で、水蒸気圧は 3.6 kPa である。
=== 平均分子量 ===
酸素と窒素のまじった大気中の空気などのように、2種類以上の気体が混在してる時、この混合気体を、仮に1種類の気体からなると仮定して、その気体の分子量を算出したものを'''平均分子量'''という。たとえば、空気は混合気体であり、主成分の窒素と酸素の物質量の割合が、
窒素:酸素=4:1
であるが、モル質量が窒素28 g/molであり、酸素は32 g/molなので、空気の平均分子量は
28.0 g/mol × <math>\frac{4}{5}</math> + 32.0 g/mol × <math> \frac{1}{5}</math> = 28.8 g/mol
となる。
実際にはアルゴンや二酸化炭素なども含まれているので、これより少し式や値は変わるが、ほとんど同じ値になる。
以上の例では、大気中の空気を例に平均分子量を解説したが、なにも空気で何くても平均分子量は必要に応じて定義される。
[[カテゴリ:高等学校化学|きたいのせいしつ]]
[[カテゴリ:気体]]
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ガリア戦記 第7巻/注解
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/* 各節注解 */ 進捗
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text/x-wiki
<div style="font-family:Arial Black;font-style:normal;font-size:15pt;color:#990033;text-align:center;background-color:#fff0ff;">C · IVLII · CAESARIS · COMMENTARIORVM · BELLI · GALLICI</div>
<div style="font-family:Arial Black;font-style:normal;font-size:30pt;color:#990033;text-align:center;background-color:#fff0ff;">LIBER · SEPTIMVS</div>
<span style="font-size:13pt;">『<span style="background-color:#ffc;">[[ガリア戦記 第7巻]]</span>』の単語や構文を詳しく読み解く <span style="background-color:#fc8;font-size:15pt;">'''[[ガリア戦記/注解編|注解編]]'''</span> の目次。</span>
{| id="toc" style="border:0px #ddf; align:left;clear:all;" align="center" cellpadding="5"
|-
! style="background:#ccf; text-align:center;" colspan="10"| ガリア戦記 第7巻 注解
|- style="background:#f8f8ff; text-align:right; font-size: 0.85em;"
|[[/1節|1節]]
|[[/2節|2節]]
|[[/3節|3節]]
|[[/4節|4節]]
|[[/5節|5節]]
|[[/6節|6節]]
|[[/7節|7節]]
|[[/8節|8節]]
|[[/9節|9節]]
|[[/10節|10節]]
|- style="background:#f8f8ff; text-align:right; font-size: 0.85em;"
|[[/11節|11節]]
|[[/12節|12節]]
|[[/13節|13節]]
|[[/14節|14節]]
|[[/15節|15節]]
|[[/16節|16節]]
|[[/17節|17節]]
|[[/18節|18節]]
|[[/19節|19節]]
|[[/20節|20節]]<!--
|- style="background:#f8f8ff; text-align:right; font-size: 0.85em;"
|[[/21節|21節]]
|[[/22節|22節]]
|[[/23節|23節]]
|[[/24節|24節]]
|[[/25節|25節]]
|[[/26節|26節]]
|[[/27節|27節]]
|[[/28節|28節]]
|[[/29節|29節]]
|[[/30節|30節]]
|- style="background:#f8f8ff; text-align:right; font-size: 0.85em;"
|[[/31節|31節]]
|[[/32節|32節]]
|[[/33節|33節]]
|[[/34節|34節]]
|[[/35節|35節]]
|[[/36節|36節]]
|[[/37節|37節]]
|[[/38節|38節]]
|[[/39節|39節]]
|[[/40節|40節]]
|- style="background:#f8f8ff; text-align:right; font-size: 0.85em;"
|[[/41節|41節]]
|[[/42節|42節]]
|[[/43節|43節]]
|[[/44節|44節]]
|[[/45節|45節]]
|[[/46節|46節]]
|[[/47節|47節]]
|[[/48節|48節]]
|[[/49節|49節]]
|[[/50節|50節]]
|- style="background:#f8f8ff; text-align:right; font-size: 0.85em;"
|[[/51節|51節]]
|[[/52節|52節]]
|[[/53節|53節]]
|[[/54節|54節]]
|[[/55節|55節]]
|[[/56節|56節]]
|[[/57節|57節]]
|[[/58節|58節]]
|[[/59節|59節]]
|[[/60節|60節]]
|- style="background:#f8f8ff; text-align:right; font-size: 0.85em;"
|[[/61節|61節]]
|[[/62節|62節]]
|[[/63節|63節]]
|[[/64節|64節]]
|[[/65節|65節]]
|[[/66節|66節]]
|[[/67節|67節]]
|[[/68節|68節]]
|[[/69節|69節]]
|[[/70節|70節]]
|- style="background:#f8f8ff; text-align:right; font-size: 0.85em;"
|[[/71節|71節]]
|[[/72節|72節]]
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|[[/74節|74節]]
|[[/75節|75節]]
|[[/76節|76節]]
|[[/77節|77節]]
|[[/78節|78節]]
|[[/79節|79節]]
|[[/80節|80節]]
|- style="background:#f8f8ff; text-align:right; font-size: 0.85em;"
|[[/81節|81節]]
|[[/82節|82節]]
|[[/83節|83節]]
|[[/84節|84節]]
|[[/85節|85節]]
|[[/86節|86節]]
|[[/87節|87節]]
|[[/88節|88節]]
|[[/89節|89節]]
|[[/90節|90節]]
| colspan="6" |
|- style="background:#f8f8ff; text-align:right; font-size: 0.85em;"
|[[/1節|1節]]
|[[/2節|2節]]
|[[/3節|3節]]
|[[/4節|4節]]
|[[/5節|5節]]
|[[/6節|6節]]
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|[[/0節|0節]]
-->
|-
| style="background:#f5fefe; text-align:left; font-size: 0.8em;" colspan="10"|
[[ガリア戦記 第1巻/注解|'''注解''' 第1巻]] |
[[ガリア戦記 第2巻/注解|第2巻]] |
[[ガリア戦記 第3巻/注解|第3巻]] |
[[ガリア戦記 第4巻/注解|第4巻]] |
[[ガリア戦記 第5巻/注解|第5巻]] |
[[ガリア戦記 第6巻/注解|第6巻]] |
[[ガリア戦記 第7巻/注解|第7巻]] |<!--
[[ガリア戦記 第8巻/注解|第8巻]]-->
|}
<br style="clear:both;" />
__notoc__
== 各節注解 ==
[[画像:Gaule_-52.png|thumb|right|150px|ガリア戦記 第7巻の情勢図(BC52年)。<br>黄色の領域がローマ領。桃色が同盟部族領。]]
===カルヌーテース族の蜂起===
*<span style="background-color:#fff;">[[/1節]] {{進捗|25%|2025-11-03}}</span> (175語)
*<span style="background-color:#fff;">[[/2節]] {{進捗|25%|2025-11-05}}</span> (71語) 短い節
*<span style="background-color:#fff;">[[/3節]] {{進捗|25%|2025-11-17}}</span> (93語) 短い節
===ウェルキンゲトリークスとガッリア同盟軍の蜂起===
*<span style="background-color:#fff;">[[/4節]] {{進捗|25%|2025-12-05}}</span> (202語)
*<span style="background-color:#fff;">[[/5節]] {{進捗|25%|2025-12-14}}</span> (128語)
*<span style="background-color:#fff;">[[/6節]] {{進捗|25%|2025-12-15}}</span> (67語) 短い節
*<span style="background-color:#fff;">[[/7節]] {{進捗|25%|2025-12-16}}</span> (78語) 短い節
*<span style="background-color:#fff;">[[/8節]] {{進捗|25%|2026-01-03}}</span> (126語)
*<span style="background-color:#fff;">[[/9節]] {{進捗|25%|2026-01-15}}</span> (143語)
*<span style="background-color:#fff;">[[/10節]] {{進捗|25%|2026-01-16}}</span> (96語) 短い節
*<span style="background-color:#fff;">[[/11節]] {{進捗|25%|2026-02-02}}</span> (181語)
*<span style="background-color:#fff;">[[/12節]] {{進捗|25%|2026-02-25}}</span> (118語)
*<span style="background-color:#fff;">[[/13節]] {{進捗|25%|2026-02-25}}</span> (88語) 短い節
===アウァーリクム攻略戦===
*<span style="background-color:#fff;">[[/14節]] {{進捗|25%|2026-03-08}}</span> (177語)
*<span style="background-color:#fff;">[[/15節]] {{進捗|25%|2026-03-08}}</span> (114語)
*<span style="background-color:#fff;">[[/16節]] {{進捗|25%|2026-03-26}}</span> (64語) 短い節
*<span style="background-color:#fff;">[[/17節]] {{進捗|25%|2026-03-29}}</span> (183語)
*<span style="background-color:#fff;">[[/18節]] {{進捗|25%|2026-04-21}}</span> (81語) 短い節
*<span style="background-color:#fff;">[[/19節]] {{進捗|25%|2026-04-21}}</span> (145-147語)
*<span style="background-color:#fff;">[[/20節]] {{進捗|00%|2026-05-04}}</span> (307-310語) 長い節
*<span style="background-color:#fff;">[[/21節]] {{進捗|00%|2026-05-04}}</span>
== 関連項目 ==
*<span style="background-color:#ffd;">[[ガリア戦記]]</span><!--【2006年4月23日起稿】-->
**<span style="background-color:#ffd;">[[ガリア戦記/注解編]]</span><!--(2020-03-27)-->
***<span style="background-color:#ffd;">[[ガリア戦記/注解編/写本と校訂版]] {{進捗|00%|2020-04-17}}</span><!--(2020-04-17)-->
***<span style="background-color:#ffd;">[[ガリア戦記/注解編/表記のゆれ]] {{進捗|00%|2026-03-29}}</span><!--(2026-03-29)-->
**<span style="background-color:#ffd;">[[ガリア戦記/用例集]] {{進捗|00%|2020-03-29}}</span><!--(2020-03-29)-->
**[[ガリア戦記/内容目次]]:巻・章・節の内容を記した目次 {{進捗|75%|2011-04-02}}
**[[ガリア戦記/参照画像一覧]]:本文で参照した画像一覧 {{進捗|75%|2011-04-16}}
*<span style="background-color:#ffd;font-size:15px;">[[古典ラテン語]] {{進捗|00%|2018-04-18}} </span>
<br><div style="font-size:20pt;"> Ā Ē Ī Ō Ū ā ē ī ō ū Ă Ĕ Ĭ Ŏ Ŭ ă ĕ ĭ ŏ ŭ </div>
<div style="font-size:13pt;">
<math>\overline{\mbox{VIIII}} </math>
</div><!-- [[w:Help:数式の表示]] -->
<!--▲三点-->⋯ <!--◀左括弧-->‘ <!--▶右括弧-->’
<span style="font-family:Times New Roman;font-size:15pt;background-color:#fff;"></span>
<span style="font-family:Times New Roman;font-size:15pt;"></span>
<span style="font-family:Times New Roman;"></span>
<!--
*<span style="font-family:Times New Roman;font-style:normal;font-size:15pt;">† : </span>校訂者が、テクストが壊れていると判断した部分をこの記号で囲んでいる。
-->
<!--
<ruby><rb>●漢字●</rb><rp>(</rp><rt>●ルビ●</rt><rp>)</rp></ruby>
-->
<!--
*<span style="background-color:#ffd;">[[/注解/1節]] {{進捗|00%|2026-04-20}}</span>
-->
<!--
: <!-- [[wikt:en:| -->
-->
<!--
<span style="color:#009900;"></span>
<small></small>
**:<span style="color:#009900;">(訳注:
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:
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<!--<sup>()</sup> -->
<!--❶❷❸❹❺❻❼❽❾❿⓫⓬--><!---->
== 関連記事 ==
{{Wikisource|la:Commentarii de bello Gallico/Liber VII|ガリア戦記 第7巻(ラテン語)}}
*ウィキソース
**<span style="font-family:Times New Roman;">[[s:la:Commentarii de bello Gallico/Liber VII]] (第7巻 ラテン語)</span>
**<span style="font-family:Times New Roman;">[[s:en:Commentaries on the Gallic War/Book 7]] (第7巻 英訳)</span>
**<span style="font-family:Times New Roman;">[[s:fr:La Guerre des Gaules/Livre VII]] (第7巻 仏訳)</span>
----
{{Commons|Category:Battles of Caesar's Gallic Wars|Battles of Caesar's Gallic Warsのカテゴリ}}
{{Commons|Category:Murus gallicus|Category:Murus gallicus ガリア壁のカテゴリ}}
*<span style="font-family:Times New Roman;font-size:13pt;">[[wikt:fr:Catégorie:Mots en latin issus d’un mot en gaulois]]</span>
----
*[[wikt:en:Vercingetorix#Latin|Vercingetorīx]] ウェルキンゲトリークス
*[[wikt:en:Arverni#Latin|Arvernī]] アルウェルニー族
:
*[[wikt:en:agri_cultura#Latin|agrī cultūra]]
*[[wikt:en:bellum#Latin|bellum]]
*[[wikt:en:hiberna#Noun|hīberna]]
:
===地名===
*[[wikt:en:Gallia#Latin|Gallia]]
**Gallia [[wikt:en:cisalpinus#Latin|cisalpīna]] ガッリア・キサルピーナ
**[[wikt:en:Gallia_transalpina#Latin|Gallia trānsalpīna]] ガッリア・トラーンサルピーナ < [[wikt:en:transalpinus#Latin|trānsalpīna]]
**Gallia [[wikt:en:comatus#Latin|comāta]]
*[[wikt:en:Germania#Latin|Germānia]]
:
*[[wikt:en:Avaricum#Latin|Avāricum]] アウ
*[[wikt:en:Gergovia#Latin|Gergovia]]
*[[wikt:en:Arduenna#Latin|Arduenna]]
*[[wikt:en:Genabum#Latin|Genabum]]
*[[wikt:en:Hercynia|Hercynia]]
*[[wikt:en:Narbo#Latin|Narbō]] ナルボー
*[[wikt:en:Noviodunum#Latin|Noviodūnum]] ノウィオ
*[[wikt:en:Vellaunodunum#Latin|Vellaunodūnum]] ウェッラ
===部族名===
*[[wikt:en:Galli#Latin|Gallī]]
*[[wikt:en:Aedui#Latin|(H)aeduī]] ➡ [[wikt:en:Haedui#Latin|Haeduī]]
*[[wikt:en:Arverni#Latin|Arvernī]] アルウェルニー族
*[[wikt:en:Bituriges#Latin|Biturigēs]] ビトゥリゲース族
*[[wikt:en:Boii#Latin|Boiī]] ボ
*[[wikt:en:Cadurci#Latin|Cadurcī]] カドゥルキー族 > [[wikt:en:Cadurcus#Latin|Cadurcus]]
**[[wikt:en:Lucterius#Latin|Lucterius]] ルクテリウス
*[[wikt:en:Carnutes#Latin|Carnūtēs]] カルヌーテース族
*[[wikt:en:Cherusci#Latin|Chēruscī]]
*[[wikt:en:Condrusi#Latin|Condrūsī]]
*
*[[wikt:en:Eburones#Latin|Eburōnēs]] (エブローネース)
*[[wikt:en:Gabali#Latin|Gabalī]] ガバリー族
*[[wikt:en:Germani#Latin|Germānī]]
*[[wikt:en:Graecus#Noun|Graecī]]
*[[wikt:en:Haedui#Latin|Haeduī]] ハエドゥイー族
*[[wikt:en:Helvetii#Latin|Helvētiī]] ヘルウェーティイー族
*[[wikt:en:Helvii#Latin|Helviī]] ヘルウィイー族
*[[wikt:en:Menapii#Latin|Menapiī]]
*[[wikt:en:Nervii#Latin|Nerviī]]
*[[wikt:en:Nitiobriges#Latin|Nitiobrigēs]] ニティオブリゲース族
*[[wikt:en:Rauraci#Latin|Rauracī]]
*[[wikt:en:Remi#Latin|Rēmī]] レーミー族
*[[wikt:en:Romani#Latin|Rōmānī]]
*[[wikt:en:Ruteni#Latin|Rutēnī]] ルテーニー族
*[[wikt:en:Segni#Latin|Segnī]] (セグニー)
*[[wikt:en:Senones#Latin|Senonēs]] セノネース族
*[[wikt:en:Sequani#Latin|Sēquanī]] (セークァニー)
*[[wikt:en:Suebi#Latin|Suēbī]]
*[[wikt:en:Sugambri#Latin|Sugambrī]]
*[[wikt:en:Tectosages#Latin|Tectosagēs]] (テクトサゲース)
*[[wikt:en:Tencteri#Latin|Tenctērī]]
*[[wikt:en:Tolosates#Latin|Tolōsātēs]] トローサーテース族
*[[wikt:en:Treveri#Latin|Trēverī]]
*[[wikt:en:Ubii#Latin|Ubiī]]
*[[wikt:en:Usipetes#Latin|Usipetēs]]
*[[wikt:en:Volcae#Latin|Volcae]] ウォルカエ族
**[[wikt:en:Arecomici#Latin|Arecomicī]] ア
:[[wikt:fr:Nemetes]] (ネメテース)
===登場人物===
*[[wikt:en:Caesar#Latin|Caesar]]
:
[[w:fr:Catégorie:Personnalité de la guerre des Gaules]]
:
*[[wikt:en:Commius|Commius]]
**[[w:コンミウス]]
**[[w:la:Commius]]
**[[w:en:Commius]]
**[[w:fr:Commios]]
*[[wikt:en:Cicero#Latin|Cicerō]]
**[[w:クィントゥス・トゥッリウス・キケロ|クイーントゥス・トゥッリウス・キケロー]]
**[[w:la:Quintus Tullius Cicero]]
**[[w:en:Quintus Tullius Cicero]]
**[[w:fr:Quintus Tullius Cicero]]
*[[wikt:en:Crassus#Latin|Crassus]]
*[[wikt:en:Labienus#Latin|Labiēnus]]
**[[w:ティトゥス・ラビエヌス|ティトゥス・ラビエーヌス]]
<!--
*?
**Crassus
***[[w:プブリウス・リキニウス・クラッスス]]
***[[w:la:Publius Licinius Crassus]]
***[[w:en:Publius Licinius Crassus (son of triumvir)]]
***[[w:fr:Publius Crassus]]
**Labienus (副官)
***[[w:la:Titus Labienus]]
***[[w:en:Titus Labienus]]
***[[w:fr:Titus Labienus]]
**Brutus
***[[w:デキムス・ユニウス・ブルトゥス・アルビヌス]]
***[[w:la:Decimus Iunius Brutus Albinus]]
***[[w:en:Decimus Junius Brutus Albinus]]
***[[w:fr:Decimus Junius Brutus Albinus]]
-->
<br>
===第7巻の関連記事===
<div style="font-family:Times New Roman;font-size:13pt;">
</span>
<span style="font-family:Times New Roman;font-size:13pt;"></span>
== 外部リンク ==
*[[ガリア戦記/注解編#外部リンク]] を参照。
*[[ガリア戦記/注解編/写本と校訂版#オンライン注釈書等]] 等を参照。
===オンライン注釈書===
<div style="background-color:#eeeeee;">
====Caesar's Gallic war : notes by F. W. Kelsey (1897)====
:C. Iuli Caesaris De bello gallico libri VII :
::Caesar's Gallic war : with an introduction, notes, and vocabulary
::: by [[w:en:Francis Kelsey|Francis Willey Kelsey (1858-1927)]], Fifteenth Edition (1897)
:::: (HathiTrust Digital Library [[w:ハーティトラスト|ハーティトラスト・デジタルライブラリ]]で電子化)
:: [https://babel.hathitrust.org/cgi/pt?id=hvd.hn1tp9&seq=19 Contents] (#19)
;:─TEXT─
:: '''Book 7''' : [https://babel.hathitrust.org/cgi/pt?id=hvd.hn1tp9&seq=243 Commentarius Septimus] (#243)
;:─NOTES─
:: '''Book 7'''
# [https://babel.hathitrust.org/cgi/pt?id=hvd.hn1tp9&seq=460 BOOK VII., I.-II.] (#460), [https://babel.hathitrust.org/cgi/pt?id=hvd.hn1tp9&seq=461 III.-V.] (#461), [https://babel.hathitrust.org/cgi/pt?id=hvd.hn1tp9&seq=462 VI.-IX.] (#462),
# [https://babel.hathitrust.org/cgi/pt?id=hvd.hn1tp9&seq=463 X.-XII.] (#463), [https://babel.hathitrust.org/cgi/pt?id=hvd.hn1tp9&seq=464 XIII.-XV.] (#464), [https://babel.hathitrust.org/cgi/pt?id=hvd.hn1tp9&seq=465 XVI.-XVIII.] (#465), [https://babel.hathitrust.org/cgi/pt?id=hvd.hn1tp9&seq=466 XIX.-XXI.] (#466),
# [https://babel.hathitrust.org/cgi/pt?id=hvd.hn1tp9&seq=467 XXII.-XXIII.] (#467), [https://babel.hathitrust.org/cgi/pt?id=hvd.hn1tp9&seq=468 XXIV.- ] (#468), [https://babel.hathitrust.org/cgi/pt?id=hvd.hn1tp9&seq=469 XXV.-XXVIII.] (#469),
# [https://babel.hathitrust.org/cgi/pt?id=hvd.hn1tp9&seq=470 XXIX.-XXXII.] (#470),
:: '''Book 6'''
# [https://babel.hathitrust.org/cgi/pt?id=hvd.hn1tp9&seq=441 I.] (#441), [https://babel.hathitrust.org/cgi/pt?id=hvd.hn1tp9&seq=442 II.-III.] (#442), [https://babel.hathitrust.org/cgi/pt?id=hvd.hn1tp9&seq=443 IV.-VII.] (#443), [https://babel.hathitrust.org/cgi/pt?id=hvd.hn1tp9&seq=444 VIII.-IX.] (#444),
</div>
====English translation by W. A. McDevitte & W. S. Bohn (1869)====
# [http://www.forumromanum.org/literature/caesar/gallic.html (www.forumromanum.org)]
# (www.perseus.tufts.edu)
## [https://www.perseus.tufts.edu/hopper/text?doc=Caes.+Gal.+7.1 C. Julius Caesar, Gallic War, Book 7, chapter 1]
<!--
====Eastman, Frederick Carlos., D'Ooge, Benjamin L. 1860-1940.(1917)====
<span style="font-family:Times New Roman;font-style:normal;font-size:13pt;">
*[https://catalog.hathitrust.org/Record/001058370 Catalog Record: Caesar in Gaul and selections from the third... | HathiTrust Digital Library] (catalog.hathitrust.org)
:[https://babel.hathitrust.org/cgi/pt?id=hvd.hn5cnb&view=1up&seq=7&skin=2021 #7 - Caesar in Gaul and selections from the third book of the Civil ... - Full View | HathiTrust Digital Library] (babel.hathitrust.org)
:BOOK IV. [https://babel.hathitrust.org/cgi/pt?id=hvd.hn5cnb&view=1up&seq=393&skin=2021 #393 ]
:IV.34,-38. [https://babel.hathitrust.org/cgi/pt?id=hvd.hn5cnb&view=1up&seq=403&skin=2021 #403 ]
</span>
-->
====Harkness, Albert (1889)====
<span style="font-family:Times New Roman;font-style:normal;"><span style="font-size:15pt;">Caesar's Commentaries on the Gallic War, </span><span style="font-size:13pt;">with notes, dictionary, and a map of Gaul.</span><br> <span style="font-size:15pt;">
edited by <u>[[w:en:Albert Harkness|Albert Harkness (1822-1907)]]</u> <ref>[http://onlinebooks.library.upenn.edu/webbin/book/lookupname?key=Harkness%2C%20Albert%2C%201822%2D1907 Harkness, Albert, 1822-1907 | The Online Books Page]</ref>, New York, [[w:en:D. Appleton & Company|D. Appleton and Company]], 1889 (Rivised Edition)</span></span>
::Caesar's commentaries on the Gallic war; with notes, dictionary, ... (Full View | HathiTrust Digital Library)
; BOOK SEVENTH
# [https://babel.hathitrust.org/cgi/pt?id=hvd.hn3hve&view=1up&seq=373 #373]
; DICTIONARY
# [https://babel.hathitrust.org/cgi/pt?id=hvd.hn3hve&view=1up&seq=387 #387]
====Incerti auctoris(編者不詳)====
; [https://books.google.co.jp/books?id=uLA8AAAAIAAJ&lpg=PA98&dq=Caesar+to+Cicero.+Be+of+good+courage.+Expect+aid&pg=PP1&redir_esc=y#v=onepage&q&f=false Caesar Gallic War V with vocabulary](第5巻)-Google ブックス(プレビュー)
;[https://www.latein.me/ Latein-Wörterbuch - Latein.me]
# [https://www.latein.me/text/3/Caesar/37/De+Bello+Gallico+%28V%29/p/0 De Bello Gallico (V) - Caesar - Latein.me]
<span style="font-family:Times New Roman;font-style:normal;font-size:13pt;"></span>
;nodictionaries.com
<!-- :[https://nodictionaries.com/caesar/de-bello-gallico-1/1 '''Caesar De Bello Gallico 1''' 1 in Latin, with adjustable running vocabulary]
:[https://nodictionaries.com/caesar/de-bello-gallico-2/1 '''Caesar De Bello Gallico 2''' 1 in Latin, with adjustable running vocabulary]
:[https://nodictionaries.com/caesar/de-bello-gallico-3/1 '''Caesar De Bello Gallico 3''' 1 in Latin, with adjustable running vocabulary]
:[https://nodictionaries.com/caesar/de-bello-gallico-4/1 '''Caesar De Bello Gallico 4''' 1 in Latin, with adjustable running vocabulary] -->
:[https://nodictionaries.com/caesar/de-bello-gallico-5/1 Caesar De Bello Gallico 5 1 in Latin, with adjustable running vocabulary]
==脚注==
<references />
[[Category:ガリア戦記 第7巻|*#]]
1ifntqb16gkvg7w2mbcs0try02ehwe7
299097
299095
2026-05-04T11:24:08Z
Linguae
449
修整
299097
wikitext
text/x-wiki
<div style="font-family:Arial Black;font-style:normal;font-size:15pt;color:#990033;text-align:center;background-color:#fff0ff;">C · IVLII · CAESARIS · COMMENTARIORVM · BELLI · GALLICI</div>
<div style="font-family:Arial Black;font-style:normal;font-size:30pt;color:#990033;text-align:center;background-color:#fff0ff;">LIBER · SEPTIMVS</div>
<span style="font-size:13pt;">『<span style="background-color:#ffc;">[[ガリア戦記 第7巻]]</span>』の単語や構文を詳しく読み解く <span style="background-color:#fc8;font-size:15pt;">'''[[ガリア戦記/注解編|注解編]]'''</span> の目次。</span>
{| id="toc" style="border:0px #ddf; align:left;clear:all;" align="center" cellpadding="5"
|-
! style="background:#ccf; text-align:center;" colspan="10"| ガリア戦記 第7巻 注解
|- style="background:#f8f8ff; text-align:right; font-size: 0.85em;"
|[[/1節|1節]]
|[[/2節|2節]]
|[[/3節|3節]]
|[[/4節|4節]]
|[[/5節|5節]]
|[[/6節|6節]]
|[[/7節|7節]]
|[[/8節|8節]]
|[[/9節|9節]]
|[[/10節|10節]]
|- style="background:#f8f8ff; text-align:right; font-size: 0.85em;"
|[[/11節|11節]]
|[[/12節|12節]]
|[[/13節|13節]]
|[[/14節|14節]]
|[[/15節|15節]]
|[[/16節|16節]]
|[[/17節|17節]]
|[[/18節|18節]]
|[[/19節|19節]]
|[[/20節|20節]]
|- style="background:#f8f8ff; text-align:right; font-size: 0.85em;"
|[[/21節|21節]]
|[[/22節|22節]]
|[[/23節|23節]]
|[[/24節|24節]]
|[[/25節|25節]]
|[[/26節|26節]]
|[[/27節|27節]]
|[[/28節|28節]]
|[[/29節|29節]]
|[[/30節|30節]]<!--
|- style="background:#f8f8ff; text-align:right; font-size: 0.85em;"
|[[/31節|31節]]
|[[/32節|32節]]
|[[/33節|33節]]
|[[/34節|34節]]
|[[/35節|35節]]
|[[/36節|36節]]
|[[/37節|37節]]
|[[/38節|38節]]
|[[/39節|39節]]
|[[/40節|40節]]
|- style="background:#f8f8ff; text-align:right; font-size: 0.85em;"
|[[/41節|41節]]
|[[/42節|42節]]
|[[/43節|43節]]
|[[/44節|44節]]
|[[/45節|45節]]
|[[/46節|46節]]
|[[/47節|47節]]
|[[/48節|48節]]
|[[/49節|49節]]
|[[/50節|50節]]
|- style="background:#f8f8ff; text-align:right; font-size: 0.85em;"
|[[/51節|51節]]
|[[/52節|52節]]
|[[/53節|53節]]
|[[/54節|54節]]
|[[/55節|55節]]
|[[/56節|56節]]
|[[/57節|57節]]
|[[/58節|58節]]
|[[/59節|59節]]
|[[/60節|60節]]
|- style="background:#f8f8ff; text-align:right; font-size: 0.85em;"
|[[/61節|61節]]
|[[/62節|62節]]
|[[/63節|63節]]
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|[[/65節|65節]]
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|[[/67節|67節]]
|[[/68節|68節]]
|[[/69節|69節]]
|[[/70節|70節]]
|- style="background:#f8f8ff; text-align:right; font-size: 0.85em;"
|[[/71節|71節]]
|[[/72節|72節]]
|[[/73節|73節]]
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|[[/78節|78節]]
|[[/79節|79節]]
|[[/80節|80節]]
|- style="background:#f8f8ff; text-align:right; font-size: 0.85em;"
|[[/81節|81節]]
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|[[/88節|88節]]
|[[/89節|89節]]
|[[/90節|90節]]
| colspan="6" |
|- style="background:#f8f8ff; text-align:right; font-size: 0.85em;"
|[[/1節|1節]]
|[[/2節|2節]]
|[[/3節|3節]]
|[[/4節|4節]]
|[[/5節|5節]]
|[[/6節|6節]]
|[[/7節|7節]]
|[[/8節|8節]]
|[[/9節|9節]]
|[[/0節|0節]]
-->
|-
| style="background:#f5fefe; text-align:left; font-size: 0.8em;" colspan="10"|
[[ガリア戦記 第1巻/注解|'''注解''' 第1巻]] |
[[ガリア戦記 第2巻/注解|第2巻]] |
[[ガリア戦記 第3巻/注解|第3巻]] |
[[ガリア戦記 第4巻/注解|第4巻]] |
[[ガリア戦記 第5巻/注解|第5巻]] |
[[ガリア戦記 第6巻/注解|第6巻]] |
[[ガリア戦記 第7巻/注解|第7巻]] |<!--
[[ガリア戦記 第8巻/注解|第8巻]]-->
|}
<br style="clear:both;" />
__notoc__
== 各節注解 ==
[[画像:Gaule_-52.png|thumb|right|150px|ガリア戦記 第7巻の情勢図(BC52年)。<br>黄色の領域がローマ領。桃色が同盟部族領。]]
===カルヌーテース族の蜂起===
*<span style="background-color:#fff;">[[/1節]] {{進捗|25%|2025-11-03}}</span> (175語)
*<span style="background-color:#fff;">[[/2節]] {{進捗|25%|2025-11-05}}</span> (71語) 短い節
*<span style="background-color:#fff;">[[/3節]] {{進捗|25%|2025-11-17}}</span> (93語) 短い節
===ウェルキンゲトリークスとガッリア同盟軍の蜂起===
*<span style="background-color:#fff;">[[/4節]] {{進捗|25%|2025-12-05}}</span> (202語)
*<span style="background-color:#fff;">[[/5節]] {{進捗|25%|2025-12-14}}</span> (128語)
*<span style="background-color:#fff;">[[/6節]] {{進捗|25%|2025-12-15}}</span> (67語) 短い節
*<span style="background-color:#fff;">[[/7節]] {{進捗|25%|2025-12-16}}</span> (78語) 短い節
*<span style="background-color:#fff;">[[/8節]] {{進捗|25%|2026-01-03}}</span> (126語)
*<span style="background-color:#fff;">[[/9節]] {{進捗|25%|2026-01-15}}</span> (143語)
*<span style="background-color:#fff;">[[/10節]] {{進捗|25%|2026-01-16}}</span> (96語) 短い節
*<span style="background-color:#fff;">[[/11節]] {{進捗|25%|2026-02-02}}</span> (181語)
*<span style="background-color:#fff;">[[/12節]] {{進捗|25%|2026-02-25}}</span> (118語)
*<span style="background-color:#fff;">[[/13節]] {{進捗|25%|2026-02-25}}</span> (88語) 短い節
===アウァーリクム攻略戦===
*<span style="background-color:#fff;">[[/14節]] {{進捗|25%|2026-03-08}}</span> (177語)
*<span style="background-color:#fff;">[[/15節]] {{進捗|25%|2026-03-08}}</span> (114語)
*<span style="background-color:#fff;">[[/16節]] {{進捗|25%|2026-03-26}}</span> (64語) 短い節
*<span style="background-color:#fff;">[[/17節]] {{進捗|25%|2026-03-29}}</span> (183語)
*<span style="background-color:#fff;">[[/18節]] {{進捗|25%|2026-04-21}}</span> (81語) 短い節
*<span style="background-color:#fff;">[[/19節]] {{進捗|25%|2026-04-21}}</span> (145-147語)
*<span style="background-color:#fff;">[[/20節]] {{進捗|00%|2026-05-04}}</span> (307-310語) 長い節
*<span style="background-color:#fff;">[[/21節]] {{進捗|00%|2026-05-04}}</span>
== 関連項目 ==
*<span style="background-color:#ffd;">[[ガリア戦記]]</span><!--【2006年4月23日起稿】-->
**<span style="background-color:#ffd;">[[ガリア戦記/注解編]]</span><!--(2020-03-27)-->
***<span style="background-color:#ffd;">[[ガリア戦記/注解編/写本と校訂版]] {{進捗|00%|2020-04-17}}</span><!--(2020-04-17)-->
***<span style="background-color:#ffd;">[[ガリア戦記/注解編/表記のゆれ]] {{進捗|00%|2026-03-29}}</span><!--(2026-03-29)-->
**<span style="background-color:#ffd;">[[ガリア戦記/用例集]] {{進捗|00%|2020-03-29}}</span><!--(2020-03-29)-->
**[[ガリア戦記/内容目次]]:巻・章・節の内容を記した目次 {{進捗|75%|2011-04-02}}
**[[ガリア戦記/参照画像一覧]]:本文で参照した画像一覧 {{進捗|75%|2011-04-16}}
*<span style="background-color:#ffd;font-size:15px;">[[古典ラテン語]] {{進捗|00%|2018-04-18}} </span>
<br><div style="font-size:20pt;"> Ā Ē Ī Ō Ū ā ē ī ō ū Ă Ĕ Ĭ Ŏ Ŭ ă ĕ ĭ ŏ ŭ </div>
<div style="font-size:13pt;">
<math>\overline{\mbox{VIIII}} </math>
</div><!-- [[w:Help:数式の表示]] -->
<!--▲三点-->⋯ <!--◀左括弧-->‘ <!--▶右括弧-->’
<span style="font-family:Times New Roman;font-size:15pt;background-color:#fff;"></span>
<span style="font-family:Times New Roman;font-size:15pt;"></span>
<span style="font-family:Times New Roman;"></span>
<!--
*<span style="font-family:Times New Roman;font-style:normal;font-size:15pt;">† : </span>校訂者が、テクストが壊れていると判断した部分をこの記号で囲んでいる。
-->
<!--
<ruby><rb>●漢字●</rb><rp>(</rp><rt>●ルビ●</rt><rp>)</rp></ruby>
-->
<!--
*<span style="background-color:#ffd;">[[/注解/1節]] {{進捗|00%|2026-04-20}}</span>
-->
<!--
: <!-- [[wikt:en:| -->
-->
<!--
<span style="color:#009900;"></span>
<small></small>
**:<span style="color:#009900;">(訳注:
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:
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<!--❶❷❸❹❺❻❼❽❾❿⓫⓬--><!---->
== 関連記事 ==
{{Wikisource|la:Commentarii de bello Gallico/Liber VII|ガリア戦記 第7巻(ラテン語)}}
*ウィキソース
**<span style="font-family:Times New Roman;">[[s:la:Commentarii de bello Gallico/Liber VII]] (第7巻 ラテン語)</span>
**<span style="font-family:Times New Roman;">[[s:en:Commentaries on the Gallic War/Book 7]] (第7巻 英訳)</span>
**<span style="font-family:Times New Roman;">[[s:fr:La Guerre des Gaules/Livre VII]] (第7巻 仏訳)</span>
----
{{Commons|Category:Battles of Caesar's Gallic Wars|Battles of Caesar's Gallic Warsのカテゴリ}}
{{Commons|Category:Murus gallicus|Category:Murus gallicus ガリア壁のカテゴリ}}
*<span style="font-family:Times New Roman;font-size:13pt;">[[wikt:fr:Catégorie:Mots en latin issus d’un mot en gaulois]]</span>
----
*[[wikt:en:Vercingetorix#Latin|Vercingetorīx]] ウェルキンゲトリークス
*[[wikt:en:Arverni#Latin|Arvernī]] アルウェルニー族
:
*[[wikt:en:agri_cultura#Latin|agrī cultūra]]
*[[wikt:en:bellum#Latin|bellum]]
*[[wikt:en:hiberna#Noun|hīberna]]
:
===地名===
*[[wikt:en:Gallia#Latin|Gallia]]
**Gallia [[wikt:en:cisalpinus#Latin|cisalpīna]] ガッリア・キサルピーナ
**[[wikt:en:Gallia_transalpina#Latin|Gallia trānsalpīna]] ガッリア・トラーンサルピーナ < [[wikt:en:transalpinus#Latin|trānsalpīna]]
**Gallia [[wikt:en:comatus#Latin|comāta]]
*[[wikt:en:Germania#Latin|Germānia]]
:
*[[wikt:en:Avaricum#Latin|Avāricum]] アウ
*[[wikt:en:Gergovia#Latin|Gergovia]]
*[[wikt:en:Arduenna#Latin|Arduenna]]
*[[wikt:en:Genabum#Latin|Genabum]]
*[[wikt:en:Hercynia|Hercynia]]
*[[wikt:en:Narbo#Latin|Narbō]] ナルボー
*[[wikt:en:Noviodunum#Latin|Noviodūnum]] ノウィオ
*[[wikt:en:Vellaunodunum#Latin|Vellaunodūnum]] ウェッラ
===部族名===
*[[wikt:en:Galli#Latin|Gallī]]
*[[wikt:en:Aedui#Latin|(H)aeduī]] ➡ [[wikt:en:Haedui#Latin|Haeduī]]
*[[wikt:en:Arverni#Latin|Arvernī]] アルウェルニー族
*[[wikt:en:Bituriges#Latin|Biturigēs]] ビトゥリゲース族
*[[wikt:en:Boii#Latin|Boiī]] ボ
*[[wikt:en:Cadurci#Latin|Cadurcī]] カドゥルキー族 > [[wikt:en:Cadurcus#Latin|Cadurcus]]
**[[wikt:en:Lucterius#Latin|Lucterius]] ルクテリウス
*[[wikt:en:Carnutes#Latin|Carnūtēs]] カルヌーテース族
*[[wikt:en:Cherusci#Latin|Chēruscī]]
*[[wikt:en:Condrusi#Latin|Condrūsī]]
*
*[[wikt:en:Eburones#Latin|Eburōnēs]] (エブローネース)
*[[wikt:en:Gabali#Latin|Gabalī]] ガバリー族
*[[wikt:en:Germani#Latin|Germānī]]
*[[wikt:en:Graecus#Noun|Graecī]]
*[[wikt:en:Haedui#Latin|Haeduī]] ハエドゥイー族
*[[wikt:en:Helvetii#Latin|Helvētiī]] ヘルウェーティイー族
*[[wikt:en:Helvii#Latin|Helviī]] ヘルウィイー族
*[[wikt:en:Menapii#Latin|Menapiī]]
*[[wikt:en:Nervii#Latin|Nerviī]]
*[[wikt:en:Nitiobriges#Latin|Nitiobrigēs]] ニティオブリゲース族
*[[wikt:en:Rauraci#Latin|Rauracī]]
*[[wikt:en:Remi#Latin|Rēmī]] レーミー族
*[[wikt:en:Romani#Latin|Rōmānī]]
*[[wikt:en:Ruteni#Latin|Rutēnī]] ルテーニー族
*[[wikt:en:Segni#Latin|Segnī]] (セグニー)
*[[wikt:en:Senones#Latin|Senonēs]] セノネース族
*[[wikt:en:Sequani#Latin|Sēquanī]] (セークァニー)
*[[wikt:en:Suebi#Latin|Suēbī]]
*[[wikt:en:Sugambri#Latin|Sugambrī]]
*[[wikt:en:Tectosages#Latin|Tectosagēs]] (テクトサゲース)
*[[wikt:en:Tencteri#Latin|Tenctērī]]
*[[wikt:en:Tolosates#Latin|Tolōsātēs]] トローサーテース族
*[[wikt:en:Treveri#Latin|Trēverī]]
*[[wikt:en:Ubii#Latin|Ubiī]]
*[[wikt:en:Usipetes#Latin|Usipetēs]]
*[[wikt:en:Volcae#Latin|Volcae]] ウォルカエ族
**[[wikt:en:Arecomici#Latin|Arecomicī]] ア
:[[wikt:fr:Nemetes]] (ネメテース)
===登場人物===
*[[wikt:en:Caesar#Latin|Caesar]]
:
[[w:fr:Catégorie:Personnalité de la guerre des Gaules]]
:
*[[wikt:en:Commius|Commius]]
**[[w:コンミウス]]
**[[w:la:Commius]]
**[[w:en:Commius]]
**[[w:fr:Commios]]
*[[wikt:en:Cicero#Latin|Cicerō]]
**[[w:クィントゥス・トゥッリウス・キケロ|クイーントゥス・トゥッリウス・キケロー]]
**[[w:la:Quintus Tullius Cicero]]
**[[w:en:Quintus Tullius Cicero]]
**[[w:fr:Quintus Tullius Cicero]]
*[[wikt:en:Crassus#Latin|Crassus]]
*[[wikt:en:Labienus#Latin|Labiēnus]]
**[[w:ティトゥス・ラビエヌス|ティトゥス・ラビエーヌス]]
<!--
*?
**Crassus
***[[w:プブリウス・リキニウス・クラッスス]]
***[[w:la:Publius Licinius Crassus]]
***[[w:en:Publius Licinius Crassus (son of triumvir)]]
***[[w:fr:Publius Crassus]]
**Labienus (副官)
***[[w:la:Titus Labienus]]
***[[w:en:Titus Labienus]]
***[[w:fr:Titus Labienus]]
**Brutus
***[[w:デキムス・ユニウス・ブルトゥス・アルビヌス]]
***[[w:la:Decimus Iunius Brutus Albinus]]
***[[w:en:Decimus Junius Brutus Albinus]]
***[[w:fr:Decimus Junius Brutus Albinus]]
-->
<br>
===第7巻の関連記事===
<div style="font-family:Times New Roman;font-size:13pt;">
</span>
<span style="font-family:Times New Roman;font-size:13pt;"></span>
== 外部リンク ==
*[[ガリア戦記/注解編#外部リンク]] を参照。
*[[ガリア戦記/注解編/写本と校訂版#オンライン注釈書等]] 等を参照。
===オンライン注釈書===
<div style="background-color:#eeeeee;">
====Caesar's Gallic war : notes by F. W. Kelsey (1897)====
:C. Iuli Caesaris De bello gallico libri VII :
::Caesar's Gallic war : with an introduction, notes, and vocabulary
::: by [[w:en:Francis Kelsey|Francis Willey Kelsey (1858-1927)]], Fifteenth Edition (1897)
:::: (HathiTrust Digital Library [[w:ハーティトラスト|ハーティトラスト・デジタルライブラリ]]で電子化)
:: [https://babel.hathitrust.org/cgi/pt?id=hvd.hn1tp9&seq=19 Contents] (#19)
;:─TEXT─
:: '''Book 7''' : [https://babel.hathitrust.org/cgi/pt?id=hvd.hn1tp9&seq=243 Commentarius Septimus] (#243)
;:─NOTES─
:: '''Book 7'''
# [https://babel.hathitrust.org/cgi/pt?id=hvd.hn1tp9&seq=460 BOOK VII., I.-II.] (#460), [https://babel.hathitrust.org/cgi/pt?id=hvd.hn1tp9&seq=461 III.-V.] (#461), [https://babel.hathitrust.org/cgi/pt?id=hvd.hn1tp9&seq=462 VI.-IX.] (#462),
# [https://babel.hathitrust.org/cgi/pt?id=hvd.hn1tp9&seq=463 X.-XII.] (#463), [https://babel.hathitrust.org/cgi/pt?id=hvd.hn1tp9&seq=464 XIII.-XV.] (#464), [https://babel.hathitrust.org/cgi/pt?id=hvd.hn1tp9&seq=465 XVI.-XVIII.] (#465), [https://babel.hathitrust.org/cgi/pt?id=hvd.hn1tp9&seq=466 XIX.-XXI.] (#466),
# [https://babel.hathitrust.org/cgi/pt?id=hvd.hn1tp9&seq=467 XXII.-XXIII.] (#467), [https://babel.hathitrust.org/cgi/pt?id=hvd.hn1tp9&seq=468 XXIV.- ] (#468), [https://babel.hathitrust.org/cgi/pt?id=hvd.hn1tp9&seq=469 XXV.-XXVIII.] (#469),
# [https://babel.hathitrust.org/cgi/pt?id=hvd.hn1tp9&seq=470 XXIX.-XXXII.] (#470),
:: '''Book 6'''
# [https://babel.hathitrust.org/cgi/pt?id=hvd.hn1tp9&seq=441 I.] (#441), [https://babel.hathitrust.org/cgi/pt?id=hvd.hn1tp9&seq=442 II.-III.] (#442), [https://babel.hathitrust.org/cgi/pt?id=hvd.hn1tp9&seq=443 IV.-VII.] (#443), [https://babel.hathitrust.org/cgi/pt?id=hvd.hn1tp9&seq=444 VIII.-IX.] (#444),
</div>
====English translation by W. A. McDevitte & W. S. Bohn (1869)====
# [http://www.forumromanum.org/literature/caesar/gallic.html (www.forumromanum.org)]
# (www.perseus.tufts.edu)
## [https://www.perseus.tufts.edu/hopper/text?doc=Caes.+Gal.+7.1 C. Julius Caesar, Gallic War, Book 7, chapter 1]
<!--
====Eastman, Frederick Carlos., D'Ooge, Benjamin L. 1860-1940.(1917)====
<span style="font-family:Times New Roman;font-style:normal;font-size:13pt;">
*[https://catalog.hathitrust.org/Record/001058370 Catalog Record: Caesar in Gaul and selections from the third... | HathiTrust Digital Library] (catalog.hathitrust.org)
:[https://babel.hathitrust.org/cgi/pt?id=hvd.hn5cnb&view=1up&seq=7&skin=2021 #7 - Caesar in Gaul and selections from the third book of the Civil ... - Full View | HathiTrust Digital Library] (babel.hathitrust.org)
:BOOK IV. [https://babel.hathitrust.org/cgi/pt?id=hvd.hn5cnb&view=1up&seq=393&skin=2021 #393 ]
:IV.34,-38. [https://babel.hathitrust.org/cgi/pt?id=hvd.hn5cnb&view=1up&seq=403&skin=2021 #403 ]
</span>
-->
====Harkness, Albert (1889)====
<span style="font-family:Times New Roman;font-style:normal;"><span style="font-size:15pt;">Caesar's Commentaries on the Gallic War, </span><span style="font-size:13pt;">with notes, dictionary, and a map of Gaul.</span><br> <span style="font-size:15pt;">
edited by <u>[[w:en:Albert Harkness|Albert Harkness (1822-1907)]]</u> <ref>[http://onlinebooks.library.upenn.edu/webbin/book/lookupname?key=Harkness%2C%20Albert%2C%201822%2D1907 Harkness, Albert, 1822-1907 | The Online Books Page]</ref>, New York, [[w:en:D. Appleton & Company|D. Appleton and Company]], 1889 (Rivised Edition)</span></span>
::Caesar's commentaries on the Gallic war; with notes, dictionary, ... (Full View | HathiTrust Digital Library)
; BOOK SEVENTH
# [https://babel.hathitrust.org/cgi/pt?id=hvd.hn3hve&view=1up&seq=373 #373]
; DICTIONARY
# [https://babel.hathitrust.org/cgi/pt?id=hvd.hn3hve&view=1up&seq=387 #387]
====Incerti auctoris(編者不詳)====
; [https://books.google.co.jp/books?id=uLA8AAAAIAAJ&lpg=PA98&dq=Caesar+to+Cicero.+Be+of+good+courage.+Expect+aid&pg=PP1&redir_esc=y#v=onepage&q&f=false Caesar Gallic War V with vocabulary](第5巻)-Google ブックス(プレビュー)
;[https://www.latein.me/ Latein-Wörterbuch - Latein.me]
# [https://www.latein.me/text/3/Caesar/37/De+Bello+Gallico+%28V%29/p/0 De Bello Gallico (V) - Caesar - Latein.me]
<span style="font-family:Times New Roman;font-style:normal;font-size:13pt;"></span>
;nodictionaries.com
<!-- :[https://nodictionaries.com/caesar/de-bello-gallico-1/1 '''Caesar De Bello Gallico 1''' 1 in Latin, with adjustable running vocabulary]
:[https://nodictionaries.com/caesar/de-bello-gallico-2/1 '''Caesar De Bello Gallico 2''' 1 in Latin, with adjustable running vocabulary]
:[https://nodictionaries.com/caesar/de-bello-gallico-3/1 '''Caesar De Bello Gallico 3''' 1 in Latin, with adjustable running vocabulary]
:[https://nodictionaries.com/caesar/de-bello-gallico-4/1 '''Caesar De Bello Gallico 4''' 1 in Latin, with adjustable running vocabulary] -->
:[https://nodictionaries.com/caesar/de-bello-gallico-5/1 Caesar De Bello Gallico 5 1 in Latin, with adjustable running vocabulary]
==脚注==
<references />
[[Category:ガリア戦記 第7巻|*#]]
9mzgha9825bomdxfxd4uqw3ih1ytvvv
初等数学公式集/解析幾何/コラム
0
47884
299065
299059
2026-05-03T12:12:57Z
Tomzo
248
[[Special:Contributions/Tkkn46tkkn46|Tkkn46tkkn46]] ([[User talk:Tkkn46tkkn46|会話]]) による編集を取り消し、Tomzo による直前の版へ差し戻す
298966
wikitext
text/x-wiki
このページは、[[初等数学公式集/解析幾何|初等数学公式集の解析幾何に関係する数学的な事項]]についてのコラムである。
高校数学における三次元の問題の多くは、「計算すれば求まる」ように作られている。しかしその計算は、しばしば試行錯誤的であり、どこに向かっているのか見えにくい場合もある。
本コラムで扱う内容は、そのような計算の背後にある構造を示すものである。すなわち、「なぜその形の計算をすればよいのか」「どの方向に進めばよいのか」という見通しを与える“地図”のような役割を果たすものである。
学習指導要領に定められた高校数学の範囲を超える事項について言及する場合があり、このページの内容や登場する数式を暗記することはもちろん必要ないし、すべてを理解することを目的とはしていない。しかし、入試問題をはじめとした高校数学に隠された意図等について伝わることによって、この単元の理解が深まることが期待できる。それを踏まえ、本ページに記載されたことが理解できるか否かを気にせず、直観を養うための一種の頭の体操として読んでほしい。
なお、ここで現れる関係式は公式として暗記することも可能であるが、本来は計算によって導くことができるものであり、その構造を理解することが重要である。このような見通しを持つことで、個々の計算は単なる作業ではなく、一定の方向性をもった操作として理解できるようになる。
また、本コラムや[[初等数学公式集/解析幾何/証明|本章の証明]]では、できるかぎり計算過程を残すようにしている。大学など高等数学で取り扱う場合には、多くは結論を理解することが目的であり、逆に結論さえ理解していれば、結論への過程は忘れていいものであるが、ここでは、上で述べたとおり実際の過程(計算)の結果として結論(公式)が導き出せることの「発見」を期待するものだからである。
==三次元空間上で一次独立である2つのベクトルと直交するベクトル==
:本節のタイトルである「三次元空間上で一次独立である2つのベクトルと直交するベクトル」は本章の「三次元空間」節に繰り返し登場するものである。
:この方向ベクトル(大きさは考慮する必要がない)の計算は、数値が与えられていれば、ごく簡単に求められ、一般式にしても比較的容易に求めることができる。
:
:(計算例)
::<math>\vec{v}=(p,q,r), \vec{V}=(P,Q,R)</math> とするとき、各々に直交するベクトル<math>\vec{n} = (a,b,c)</math>を求める(なお、法線は英語でnormal又はnormal line、フランス語でnormaleであるので、しばしば、法線ベクトルは<math>\vec{n}</math>と表される。)。
:::直交の条件から
::::<math>\vec{v} \cdot \vec{n} = ap + bq + cr = 0</math> - ①
::::<math>\vec{V} \cdot \vec{n} = aP + bQ + cR = 0</math> - ②
:::これを満たす<math>a,b,c</math>を求めるのに、①× <math>R</math> - ②× <math>r</math> として、
::::<math>apR + bqR + crR = aPr + bQr + cRr</math>
::::<math>apR + bqR = aPr + bQr</math>
::::<math>(pR - Pr)a = (Qr - qR)b</math> - ③
:::<math>a,b</math> 2変数を解くものであるが、方向ベクトルを得ることが目的であるので、この場合、<math>a,b</math> の比が求まれば足りる。したがって、③を満たす<math>a,b</math>の一つは、
::::<math>a = Qr - qR</math>
::::<math>b = pR - Pr</math> (符号を揃えるために順序を入れ替えた)
:::となる。これを①に代入して、
::::<math>cr = -ap - bq = -(Qr - qR)p - (pR - Pr)q = -pQr + pqR - pqR + Pqr = -pQr + Pqr </math>
::::辺々<math>r</math> で割って <math>c = Pq -pQ</math>
:::これらは、<math>p,q,r,P,Q,R</math> に関して、対称性を示しているので整理すると、
::::<span id="外積式1"></span><math>a = Qr - qR</math>
::::<math>b = Rp - rP</math>
::::<math>c = Pq - pQ</math>
:::と表すことができ、これが「<math>\vec{v}=(p,q,r), \vec{V}=(P,Q,R)</math> 各々に直交するベクトル<math>\vec{n}</math>の『ひとつ』<sup>※</sup>」である。
::::::※このようなベクトルは無数に存在し、ここで求めたものはその一例である(定数倍しても同様に直交する)。
:
:このベクトルは、<math>\vec{v}, \vec{V}</math>の <math>x</math>成分、<math>y</math>成分、<math>z</math>成分の6個の要素により構成されてるが、単純なルールにより構成されており、比較的覚えやすい(ただし、繰り返し述べるが、高校範囲における試験等の出題では、この関係は計算で出すことができるようになっており、公式として形を暗記することを目的としてはいけない)。
::ここで、<math>\vec{n}</math>の<math>x</math>成分(<math>a</math>)を例にとると以下のようになっていることがわかる。なお、前提として、ここに登場する成分は<math>p \to q \to r \to p, P \to Q \to R \to P</math>のような循環順序とする。
::*<math>x</math>成分には、<math>\vec{v}, \vec{V}</math>の <math>x</math>成分は含まれない。
::*2番めのベクトル(<math>\vec{V}</math>)の2番め(<math>y</math>成分)と1番めのベクトル(<math>\vec{v}</math>)の3番め(<math>z</math>成分)の積から、1番めのベクトル(<math>\vec{v}</math>)の2番め(<math>y</math>成分)と2番めのベクトル(<math>\vec{V}</math>)の3番め(<math>z</math>成分)の積を引いたものとなる。
::同じ、性質が<math>y</math>成分(<math>b</math>)にも<math>z</math>成分(<math>c</math>)にも当てはまっていることがわかる。
:
:ここで、添字を使って表記すると対称性がより明らかになる。
::<span id="外積式2"></span><math>\vec{v_1}=(p_1,q_1,r_1), \vec{v_2}=(p_2,q_2,r_2)</math> とするとき、各々に直交するベクトルを<math>\vec{n} = (x,y,z)</math>とすると。
:::<math>x = q_2 r_1 - q_1 r_2</math>
:::<math>y = r_2 p_1 - r_1 p_2</math>
:::<math>z = p_2 q_1 - p_1 q_2</math>
:
:'''注目点'''
:#「三次元空間において2個のベクトルに直交するベクトル」は、三次元空間を扱う場合、頻繁に利用される。公式集とその証明においては、以下のように繰り返し微妙に形を変えて登場している。
:##点と直線がなす平面
:##:直線<math>l</math>の方向ベクトル<math>\vec{d}=(p,q,r)</math>と直線外の点<math>P</math>と直線上の点<math>Q</math>による方向ベクトル<math>\overrightarrow{PQ} = (x_1 - x_0,y_1 - y_0,z_1 -z_0)</math>に直交するベクトル<math>\vec{d}=(a,b,c)</math>として、
:##::<math>a = r (y_1 - y_0) - q (z_1 - z_0)</math>
:##::<math>b = p (z_1 - z_0) - r (x_1 - x_0)</math>
:##::<math>c = q (x_1 - x_0) - p (y_1 - y_0)</math>
:##:を得ている([[初等数学公式集/解析幾何/証明#外積1|→参照]])。ここで、<math>x_1 - x_0 = P, y_1 - y_0 = Q , z_1 -z_0 = R</math>とすれば、[[#外積式1|上で示した式]]に一致する。
:##平行な2直線が属する平面
:##:平行な2直線<math>l_1.l_2</math>において方向ベクトル<math> \vec{d}=(p,q,r)</math>であり、<math>l_1.l_2</math>上の点を<math>P_1 (x_1,y_1,z_1), P_2 (x_2,y_2,z_2)</math>とするとき、<math>\overrightarrow{P_1P_2}=(x_2-x_1,y_2-y_1,z_2-z_1) </math>。この2つのベクトルに直交するベクトルを<math>\vec{n}=(a,b,c)</math>とすると、その例として、
:##::<math>a = r(y_2 - y_1) - q(z_2 - z_1)</math>
:##::<math>b = p(z_2 - z_1) - r(x_2 - x_1)</math>
:##::<math>c = q(x_2 - x_1) - p(y_2 - y_1)</math>
:##:を得ている([[初等数学公式集/解析幾何/証明#外積2|→参照]])。ここで、<math>x_2 - x_1 = P, y_2 - y_1 = Q , z_2 -z_1 = R</math>とすれば、やはり、[[#外積式1|上で示した式]]に一致する。
:##交点を持つ2直線が属する平面
:##:交点を持つ各々の方向ベクトルが<math>\vec{v_1}=(p_1,q_1,r_1), \vec{v_2}=(p_2,q_2,r_2)</math> である2直線<math>l_1, l_2</math>について、<math>l_1, l_2</math>に直交するベクトルを<math>\vec{n} = (a,b,c)</math>とすると、これを満たす例としてのベクトルは、
:##::<math>a = q_2 r_1 - q_1 r_2</math>
:##::<math>b = r_2 p_1 - r_1 p_2</math>
:##::<math>c = p_2 q_1 - p_1 q_2</math>
:##:であり([[初等数学公式集/解析幾何/証明#外積2|→参照]])、まさに、[[#外積式2|添字を使って上で示した式]]に一致する。「[[初等数学公式集/解析幾何/証明#直線がねじれの位置にある場合|直線がねじれの位置にある場合]]」の解法にも用いる。
:##同一直線上にない3点を通る平面の式
:##:[[初等数学公式集/解析幾何/証明#外積4|証明]]参照。
:#ところで、上記の3例では、「三次元空間において2個のベクトルに直交する」ということで、その方向ベクトルの性質が利用されてきた。ところが、この形の係数の組み合わせが、長さや面積といった量の表現にも出てくる。
:##点と直線の距離([[初等数学公式集/解析幾何#点と直線の距離|公式集]]、[[初等数学公式集/解析幾何/証明#三次元空間上の点と直線との距離|証明]])
:##:<math> d = \frac{ \sqrt{ \{(y_0 - y_1)r - (z_0 - z_1)q\}^2 + \{(z_0 - z_1)p - (x_0 - x_1)r\}^2 + \{(x_0 - x_1)q - (y_0 - y_1)p\}^2 } }{ \sqrt{p^2 + q^2 + r^2} } </math>
:##::ここに登場する数式を以下のように置く。
:##:::<math>(y_0 - y_1)r - (z_0 - z_1)q = s</math>
:##:::<math>(z_0 - z_1)p - (x_0 - x_1)r = t</math>
:##:::<math>(x_0 - x_1)q - (y_0 - y_1)p = u</math>
:##::そうすると、<math>\vec{v}=(s,t,u)</math>は、直線の方向ベクトル<math>\vec{p}=(p,q,r)</math>と直線外の点<math>P</math>と直線上の所与の点<math>Q_0</math>によるベクトル<math>\overrightarrow{PQ_0} = \vec{a_1} = (x_1 - x_0, y_1 - y_0 , z_1 - z_0)</math>と直交するベクトルの形をしていることがわかる。
:##<span id="2直線がねじれの位置にある場合"></span>2直線がねじれの位置にある場合
:##:ねじれの位置にある2直線の各々の方向ベクトルが<math>\vec{v_1} = (p_1,q_1,r_1), \vec{v_2} = (p_2,q_2,r_2)</math> であって、各々、点<math>P_1 (x_1,y_1,z_1), P_2 (x_2,y_2,z_2)</math> をとおる場合、この2直線<math>l_1,l_2</math> は以下の式で表される。
:##::<math>l_1: \frac{x-x_1}{p_1}=\frac{y-y_1}{q_1}=\frac{z-z_1}{r_1}</math>, <math>l_2: \frac{x-x_2}{p_2}=\frac{y-y_2}{q_2}=\frac{z-z_2}{r_2}</math>
:##:また、<math>\overrightarrow{P_1 P_2} = \vec{a} = (x_2 - x_1, y_2 - y_1 , z_2 - z_1)</math>である。
:##::2直線が最も接近する箇所は、各々の直線と直交する共通垂線の箇所であり、その距離<math>d</math>は以下の式で表される。
:##:::<math> d = \frac{|(x_2 - x_1)(q_2 r_1 - q_1 r_2) + (y_2 - y_1)(r_2 p_1 - r_1 p_2) + (z_2 - z_1)(p_2 q_1 - p_1 q_2) |}{ \sqrt{(q_2 r_1 - q_1 r_2)^2 + (r_2 p_1 - r_1 p_2)^2 + (p_2 q_1 - p_1 q_2)^2} } </math> - ①
:##:<math>\vec{v_1}, \vec{v_2}</math>に直交するベクトルのひとつは、今まで述べてきたことから、
:##::<math>\vec{n}=(q_2 r_1 - q_1 r_2, r_2 p_1 - r_1 p_2, p_2 q_1 - p_1 q_2)</math> であることがわかる。
:##:登場する数式を再構成すると、①式の分子は、<math>\vec{a}</math> と<math>\vec{n}</math> の内積であり、分母は <math>\vec{n}</math>の大きさ(長さ)となっていることがわかる。
:##:この理由については、「[[初等数学公式集/解析幾何/証明#2直線がねじれの位置にある場合|証明]]」にて解説する。
:
:実は、<math>\vec{v_1}, \vec{v_2}</math> の各成分を用いて<math>\vec{n}</math> のように表す操作は「外積」と言って、高等数学(大学以上の課程で取り扱う数学)で用いる重要な操作、すなわち、「2つのベクトルに直交するベクトルを系統的に与える公式」であり、外積ではこれを一つの演算としてまとめて扱うものであるが、高校数学では範囲外であるので、その操作が直接教えられることはない。しかし、三次元空間での取り扱いでは、点・直線・平面の関係を表す操作として各種出題に埋め込まれている場合が少なくない。この背景を理解しておくことで、出題意図の見通しが多少でも良くなることを期待して、次節以降で入門編として解説したい。
==外積とは==
:(高等数学での取り扱いは[[線型代数学/ベクトル#外積]]を参照)
===定義に先立って===
さて、ここで「外積」について考えるが、「外積とは何か」という定義に先立って、これから取り扱うものは、あくまでも高校数学における三次元空間の具体的な成分計算による演算に関するものである。
すなわち、このコラムで想定する「外積」とは、成分表示された2個の空間ベクトル<math>\vec{v_1}=(p_1,q_1,r_1), \vec{v_2}=(p_2,q_2,r_2)</math> の各成分を用いて、以下の形式で表されるものである、
:<math>\vec{n} = (x,y,z)</math>
::<math>x = q_2 r_1 - q_1 r_2</math>
::<math>y = r_2 p_1 - r_1 p_2</math>
::<math>z = p_2 q_1 - p_1 q_2</math>
ここでは、この形により外積を具体的に理解することを目的とする。
ここでは、「外積」の利用法の一つとして、三次元空間の問題にどのように現れるかを中心に扱うが、「外積」の本質は、空間幾何に限らず、さまざまな局面で利用される概念であり、成分による表示は、その一つの具体的な表現に過ぎないからである。さらに、これまで、外積によって得られるベクトルは「向き」に注目して扱ってきた。しかし実際には、このベクトルは「大きさ」にも重要な意味を持っている。さらに、この成分表示そのものが計算の中で直接用いられることにも注意が必要である。
===外積の定義===
あらためて、ここで「外積」を定義する。外積とは、
:<span id="定義"></span>'''3次元空間において定義される、2つのベクトルから新たなベクトルを与える二項演算(2つの対象から新たな対象を決定する規則)であり、3次元空間の2つのベクトルに対し、①両者に垂直で②両ベクトルのなす平行四辺形の面積と等しい長さを③右手系の方向にとったベクトルを得るもの(二項演算)である。'''
::2つのベクトルを<math>\vec{a}, \vec{b}</math>として、外積は乗算記号または角括弧を用いて以下のように表される。
::* 乗算記号を用いる場合:<math>\vec{a} \times \vec{b} </math>
::* 角括弧を用いる場合:<math>[\vec{a}, \vec{b}] </math>
{{wikipedia|クロス積}}
:;「外積」の呼称
::「外積」は"exterior product"の訳だけではなく、さらに高次の高等数学で用いられる関連概念である"outer product"の訳(ただし、一般には「直積」や「テンソル積」と訳される)に当てられる場合もあり、明確に区別するため「'''クロス積'''(ウィキペディアの見出しにはこちらが用いられている)」と呼んだり「'''ベクトル積'''」と呼んだりすることもあるが、本稿においては[[#定義|上の定義]]によるものを「外積」と呼称することで統一する。
[[ファイル:Cross_product_parallelogram.svg|右|260px|サムネイル|3次元ベクトル <math>\vec{a}, \vec{b}</math>の外積(<math>\vec{a} \times \vec{b} </math>)。]]
:以下、定義について解説する。ここでは、2つのベクトルを<math>\vec{a}, \vec{b}</math>として、外積となるベクトル <math>\vec{e} = \vec{a} \times \vec{b} </math>とする。
:#3次元空間の2つのベクトルに対し、両者に垂直 - ①
:#:これは、今まで繰り返し出てきた性質である。すなわち、
:#::<math>\vec{a} \cdot \vec{e} = 0</math>
:#::<math>\vec{b} \cdot \vec{e} = 0</math>
:#:となる。
:#ベクトルの長さは両ベクトルのなす平行四辺形の面積と等しい長さ - ②
:#:すなわち、
:#::<math>|\vec{e}| = | \vec{a} | | \vec{b} |\sin \theta </math>(<math>\theta</math>は、<math>\vec{a}</math>と<math>\vec{b}</math>がなす角)
:#:ということになる。この計算の形は、内積の形が<math>| \vec{a} | | \vec{b} |\cos \theta </math>であることと、好対照である。
:#::(コラム in コラム)
:#:::外積の大きさが面積に等しいとされることに違和感を覚えるかもしれない。「長さ」と「面積」という異なる「次元」の量(実際には、これは「面積を長さとして表現する」ために方向(法線方向)を付け加えた量とみなすことができる)が対応しているように見えるためである。
:#:::しかし、数学においては、このように異なる意味を持つ量であっても、共通の構造に基づいて同一の形式で扱われることがある。すなわち、対象の「属性」そのものよりも、それらの間に成り立つ関係や構造が重視されるのである。
:#:::外積の場合、2つのベクトルが張る平面の「向き」と「広がり」を同時に表す量として、その大きさが面積に対応し、その方向が平面に垂直な方向を与える。
:#:::このように、外積は「向き」と「面積」という異なる意味を同時に扱う量であり、数学における抽象化の考え方と、現実の計算(例えば三次元空間における図形の扱い)における有用性とを結びつける代表的な例の一つである。
:#2つのベクトルに対し、右手系の方向 - ③
:#:[[File:Right hand rule cross product.svg|サムネイル|右|200px|右手の法則による外積の向き]]
:#:「2つのベクトルに対し、両者に垂直」という場合、方向が2つあるということがイメージできるだろうか。すなわち、3次元空間において、<math>z</math>軸は、<math>xy</math>平面<math>(z=0)</math>に対して垂直であるが、<math>z>0</math>の領域と<math>z<0</math>の領域を持っている。ベクトルの始点からの方向は一意に決まる必要があるから、いずれかの方向に決めなければならない。
:#:外積においては、「[[w:右手系|右手系]]」(右図で、<math>\vec{a}</math>を人差し指、<math>\vec{b}</math>を中指の方向とした時、親指の方向)の方向と定める。
:#:このように方向を定めることは単なる約束ではなく、空間における向きの一貫性(向きづけ)を保つために必要なものである。
:#:
:#:これを決めることにより、何が起こるかというと、<math>\vec{a} \times \vec{b} \neq \vec{b} \times \vec{a}</math> ということ、すなわち、外積には交換法則は適用できないということである。
:#:すなわち、2つのベクトルのうち、どちらを先に扱うかで正負が逆転し、<math>\vec{a} \times \vec{b} = - \vec{b} \times \vec{a}</math> ということになる。これを交換法則に代えて、'''反交換法則'''と呼ぶことがある。
:#:これは、ベクトルの並び順そのものが幾何的な意味(向き)を持つことを示している。
:#::(注意点)
:#:::[[初等数学公式集/解析幾何/証明|本章の証明]]や[[#三次元空間上で一次独立である2つのベクトルと直交するベクトル|上記の振り返り]]などでは、正負いずれの方向であっても支障がなかったため、「向き」を特定した解法をとっておらず、また、上で説明したベクトルの量が関係する算式であっても2乗するなり絶対値を取るなりすることで正負の違いが解消されていたこともあって、この性質を厳密に適用していないが、「外積」計算自体では「向き」を一方に特定する必要がある。
:以上をまとめると、
::<math> \vec{a} \times \vec{b} = \left| \vec{a} \right| \left| \vec{b} \right| \sin \theta \ \vec{n}</math>
:::なお、<math>\theta</math>は、<math>\vec{a}</math>と<math>\vec{b}</math>がなす角、<math>\vec{n}</math>は<math>\vec{a}, \vec{b}</math>に直交する右手系に従って定まる方向の単位ベクトル(<math>\vec{a} \cdot \vec{n} = \vec{b} \cdot \vec{n} = 0, |\vec{n}|=1</math>)である。
====外積の計算====
外積の計算は、上記の通り交換法則が成り立たないなど、スカラーの計算を主とする初等数学とは、かなり異なっている。以下に外積の計算のパターンを示すが、高校の数学の範囲で、本来、外積の計算(ベクトル演算)をすることはないので、これも参考程度で眺めておけば良い。なお、"・"は、内積を表す。
#<math>\lambda \vec{a} \times \vec{b} = \vec{a} \times \lambda \vec{b} = \lambda (\vec{a} \times \vec{b})</math>
#<math>\vec{a} \times \vec{b} = - \vec{b} \times \vec{a}</math>
#:[[交換法則]]は成り立たない。
#<math>\vec{a} \times (\vec{b} + \vec{c})= \vec{a} \times \vec{b} + \vec{a} \times \vec{c}</math>、また、<math>(\vec{a} + \vec{b})\times \vec{c}= \vec{a} \times \vec{c} + \vec{b} \times \vec{c}</math>
#:[[分配法則]]は成り立っている。
#:*定義に従った簡易な証明
#:*:<math>\vec{a}</math>を固定し、<math>\vec{b}, \vec{c}</math>を考えると、<math>\vec{a} \times \vec{b} , \vec{a} \times \vec{c}</math>はそれぞれ、<math>\vec{a}</math>と各ベクトルが張る平行四辺形の向き付き面積を表す。一方、<math>\vec{a} \times (\vec{b} + \vec{c})</math>は、<math>\vec{a}</math>と<math>\vec{b} + \vec{c}</math>による平行四辺形を表すが、この図形は、<math>\vec{b}</math>による部分と<math>\vec{c}</math>による部分に分解することができる。
#:*:したがって、面積は加法的であり、向きも一致することから、<math>\vec{a} \times (\vec{b} + \vec{c})= \vec{a} \times \vec{b} + \vec{a} \times \vec{c}</math>が成り立つ。
#<math> \vec{a}\times (\vec{b}\times \vec{c}) \ne (\vec{a} \times \vec{b}) \times \vec{c}</math>
#:すなわち、[[結合法則]]は成り立っていない。これらは、以下の等式となる([[ベクトル三重積の公式]]・ラグランジュの公式)。
#::<math>\vec{a}\times (\vec{b}\times \vec{c}) = (\vec{a}\cdot\vec{c})\vec{b} - (\vec{a}\cdot\vec{b})\vec{c}</math>
#::<math>(\vec{a}\times\vec{b})\times \vec{c} = (\vec{a}\cdot\vec{c})\vec{b} - (\vec{b}\cdot\vec{c})\vec{a}</math>
#<math>\vec{a} \times \vec{a} = \vec{0}</math>
#:<math>\because</math> <math>\vec{a}</math>と<math>\vec{a}</math>がなす角<math> \theta = 0</math>であるので、<math> \vec{a} \times \vec{a} = \left| \vec{a} \right| \left| \vec{a} \right| \sin \theta \ \vec{n} = \vec{0}</math>
#<math> \vec{a}\cdot (\vec{a} \times \vec{b}) = 0</math>
#<span id="計算則7"></span><math>\vec{a}\cdot (\vec{b}\times \vec{c}) = (\vec{a} \times \vec{b}) \cdot \vec{c}</math>
#*[[スカラー三重積]](その意味などについては後述)
#*:なお、循環形として、以下を理解しておくと良い。
#*::<math>\vec{a}\cdot (\vec{b}\times \vec{c}) = \vec{b}\cdot (\vec{c}\times \vec{a}) = \vec{c}\cdot (\vec{a}\times \vec{b}) </math>
#*:::内積には交換法則が成立しているので、右端の辺は<math>\vec{c}\cdot (\vec{a}\times \vec{b}) = (\vec{a} \times \vec{b}) \cdot \vec{c}</math> であって、同じことを意味している。
#*:この演算は、「スカラー三重積」と呼ばれ、ベクトルの順序さえ意識すれば良いので、<math>[\vec{a},\vec{b},\vec{c}]</math> とも表記される。
#*:演算の性質から、<math>[\vec{a},\vec{b},\vec{c}]=[\vec{b},\vec{c},\vec{a}]=[\vec{c},\vec{a},\vec{b}]</math>、であるが、<math>[\vec{a},\vec{b},\vec{c}] \neq [\vec{a},\vec{c},\vec{b}](=[\vec{c},\vec{b},\vec{a}]=[\vec{b},\vec{a},\vec{c}])</math> であることに注意。
#<span id="計算則8"></span><math> (\vec{a} \cdot \vec{b})^2 + |\vec{a} \times \vec{b}|^2 = |\vec{a}|^2 |\vec{b}|^2</math>
#:<math>\because</math> 内積の定義より<math>\cos \theta = \frac{\vec{a} \cdot \vec{b}}{| \vec{a} | | \vec{b} |} </math>、したがって、<math>{\cos}^2 \theta = \frac{(\vec{a} \cdot \vec{b})^2}{| \vec{a} |^2 | \vec{b} |^2} </math>
#::また、外積の定義より<math>\vec{a} \times \vec{b} = | \vec{a} | | \vec{b} |\sin \theta \vec{n}</math>、したがって、<math>|\vec{a} \times \vec{b}|^2 = | \vec{a} |^2 | \vec{b} |^2 {\sin}^2 \theta </math>(<math>\because</math> <math>\vec{n}</math>は単位ベクトルであるから、<math>|\vec{n}|^2 = 1</math>)
#::よって、<math>{\sin}^2 \theta = \frac{|\vec{a} \times \vec{b}|^2}{| \vec{a} |^2 | \vec{b} |^2 }</math>
#:※内積は「同じ方向の成分」、外積は「垂直方向の成分」を表しており、この式はそれらが直交的に分解されていることを意味している。
====外積の成分表示====
:成分表示された空間ベクトル<math>\vec{a}=(x_1,y_1,z_1), \vec{b}=(x_2,y_2,z_2)</math> を用いて<math>\vec{a} \times \vec{b}</math>の定義を検証する。
:ここでは、<math>\vec{a} \times \vec{b} = \vec{e} = (x_e,y_e,z_e)</math>とする。
:
:成分表示による計算にあたって、基本ベクトル([[標準基底]])<math>\vec{e_1}=(1,0,0), \vec{e_2}=(0,1,0), \vec{e_3}=(0,0,1)</math>相互の計算結果について確認し、これを利用する。
:#<math>\vec{e_1} \times \vec{e_2} = \vec{e_3}</math> が成り立っている。
:#::なぜならば、<math>\vec{e_1} \times \vec{e_2}</math> は、定義から<math>\vec{e_1}=(1,0,0), \vec{e_2}=(0,1,0)</math> に垂直、すなわち、<math>z</math>軸上にある位置ベクトル<math>(0,0,z)</math>であり、右手系であることから、<math>z>0</math>である。また、<math>\vec{e_1}, \vec{e_2}</math>が形成する平行四辺形の面積は、1辺が1である正方形であるので1。従って、<math>\vec{e_1} \times \vec{e_2} =(0,0,1)=\vec{e_3}</math>となる。同様にして、基本ベクトル間には以下の関係(<span id="※"></span>※)が成立している。
:#::*<math>\vec{e_1} \times \vec{e_2} = \vec{e_3}</math>
:#::*<math>\vec{e_2} \times \vec{e_3} = \vec{e_1}</math>
:#::*<math>\vec{e_3} \times \vec{e_1} = \vec{e_2}</math>
:#<math>\vec{e_1}, \vec{e_2}, \vec{e_3}</math>を用いると、
:#::<math>\vec{a}=x_1 \vec{e_1} + y_1 \vec{e_2} +z_1 \vec{e_3}</math>
:#::<math>\vec{b}=x_2 \vec{e_1} + y_2 \vec{e_2} +z_2 \vec{e_3}</math>
:#:と表すことができる。外積は一般には結合法則を満たさないが、ここで行う計算は分配法則とスカラー倍に関する性質、および基底ベクトル間の関係を用いることで展開することができる。
:#::<math>\vec{a} \times \vec{b} = (x_1 \vec{e_1} + y_1 \vec{e_2} +z_1 \vec{e_3}) \times (x_2 \vec{e_1} + y_2 \vec{e_2} +z_2 \vec{e_3})</math>
:#:::<math> = x_1 x_2 \vec{e_1} \times \vec{e_1} + x_1 y_2 \vec{e_1} \times \vec{e_2} + x_1 z_2 \vec{e_1} \times \vec{e_3} + y_1 x_2 \vec{e_2} \times \vec{e_1} + y_1 y_2 \vec{e_2} \times \vec{e_2} + y_1 z_2 \vec{e_2} \times \vec{e_3} + z_1 x_2 \vec{e_3} \times \vec{e_1} + z_1 y_2 \vec{e_3} \times \vec{e_2} + z_1 z_2 \vec{e_3} \times \vec{e_3}</math>
:#:::<math> = x_1 y_2 \vec{e_1} \times \vec{e_2} + x_1 z_2 \vec{e_1} \times \vec{e_3} + y_1 x_2 \vec{e_2} \times \vec{e_1} + y_1 z_2 \vec{e_2} \times \vec{e_3} + z_1 x_2 \vec{e_3} \times \vec{e_1} + z_1 y_2 \vec{e_3} \times \vec{e_2}</math>(<math>\because \vec{v} \times \vec{v} = \vec{0}</math>)
:#:::<math> = x_1 y_2 \vec{e_1} \times \vec{e_2} - x_1 z_2 \vec{e_3} \times \vec{e_1} - y_1 x_2 \vec{e_1} \times \vec{e_2} + y_1 z_2 \vec{e_2} \times \vec{e_3} + z_1 x_2 \vec{e_3} \times \vec{e_1} - z_1 y_2 \vec{e_2} \times \vec{e_3}</math>(<math>\because \vec{v} \times \vec{u} = - \vec{u} \times \vec{v}</math>)
:#:::<math> = x_1 y_2 \vec{e_3} - x_1 z_2 \vec{e_2} - y_1 x_2 \vec{e_3} + y_1 z_2 \vec{e_1} + z_1 x_2 \vec{e_2} - z_1 y_2 \vec{e_1}</math>(<math>\because</math> [[#※|上記※より]])
:#:::<math> = (y_1 z_2 - z_1 y_2) \vec{e_1} + (z_1 x_2 - x_1 z_2)\vec{e_2} + (x_1 y_2 - y_1 x_2)\vec{e_3} </math>
:#:文字順を揃え、
:#::<math>\vec{a} \times \vec{b} = ( y_1 z_2 - y_2 z_1,\; z_1 x_2 - z_2 x_1,\; x_1 y_2 - x_2 y_1 )</math>
:#:となる。
:以上を踏まえて、
:#3次元空間の2つのベクトルに対し、両者に垂直であれば、以下の式を満たす。
:#::<math>\vec{a} \cdot \vec{e} = \vec{b} \cdot \vec{e} = 0</math>
:#:上記の結果を代入すると、
:#::<math>\vec{a} \cdot \vec{e} = x_1 x_e + y_1 y_e + z_1 z_e = x_1 (y_1 z_2 - y_2 z_1) + y_1 (z_1 x_2 - z_2 x_1) + z_1 (x_1 y_2 - x_2 y_1) = 0</math>
:#::<math>\vec{b} \cdot \vec{e} = x_2 x_e + y_2 y_e + z_2 z_e = x_2 (y_1 z_2 - y_2 z_1) + y_2 (z_1 x_2 - z_2 x_1) + z_2 (x_1 y_2 - x_2 y_1) = 0</math>
:#:となり、成立している。
:#外積<math>\vec{e}</math>の長さ<math>|\vec{e}|</math>はベクトル<math>\vec{a},\vec{b}</math>のなす平行四辺形の面積<math>S</math>と等しい長さである。
:#:<math>S = | \vec{a} | | \vec{b} |\sin \theta = | \vec{a} | | \vec{b} | \sqrt{1 - {\cos \theta}^2} </math>。ここで、<math>\vec{a}\cdot\vec{b} = |\vec{a}||\vec{b}| \cos \theta </math> より <math>\cos \theta = \frac{\vec{a}\cdot\vec{b}}{|\vec{a}||\vec{b}|} </math>
:#:与式に代入して、<math>S= |\vec{a}||\vec{b}|\sqrt{ 1 - \frac{(\vec{a}\cdot\vec{b}) ^2 }{|\vec{a}| ^2 |\vec{b}| ^2 } } =\sqrt{|\vec{a}|^2|\vec{b}|^2-(\vec{a}\cdot\vec{b})^2} </math>
:#:<math>|\vec{a}|^2 = {x_1}^2 + {y_1}^2 + {z_1}^2</math>、<math>|\vec{b}|^2 = {x_2}^2 + {y_2}^2 + {z_2}^2</math>、<math>\vec{a}\cdot\vec{b} = {x_1}{x_2} + {y_1}{y_2} + {z_1}{z_2}</math> であるから、
:#::<math>S= \sqrt{({x_1}^2 + {y_1}^2 + {z_1}^2)({x_2}^2 + {y_2}^2 + {z_2}^2)-({x_1}{x_2} + {y_1}{y_2} + {z_1}{z_2})^2}=\sqrt{(y_1 z_2 - y_2 z_1)^2+(z_1 x_2 - z_2 x_1)^2+(x_1 y_2 - x_2 y_1)^2}</math>
:#:となり([[初等数学公式集/初等代数#式の変形]]の[[w:ラグランジュの恒等式 (曖昧さ回避)|ラグランジュの恒等式]]参照)、これは、成分表示した<math>\vec{e}</math>の長さ<math>|\vec{e}|</math>に一致する。
:#::なお、[[#計算則8|上記外積の計算8.]]を用いると、<math> |\vec{a}|^2 |\vec{b}|^2 - (\vec{a} \cdot \vec{b})^2 = |\vec{a} \times \vec{b}|^2 </math> であり、式を展開せず外積を利用できる。
===外積の応用と用途===
====平行六面体====
{{wikipedia|平行六面体}}
[[File:Parallelepiped volume - dot and cross products.svg|右|250px|サムネイル|ベクトル <math>\vec{a}, \vec{b}, \vec{c}</math>による平行六面体]]
:原点<math>O</math>ではない、空間上の異なる点<math>A, B, C</math>について<math>\overrightarrow{OA} = \vec{a}, \overrightarrow{OB} = \vec{b}, \overrightarrow{OC} = \vec{c}</math> として、点<math>D, E, F, G</math>を<math>\overrightarrow{OD} = \vec{a}+\vec{b}, \overrightarrow{OE} = \vec{b}+\vec{c}, \overrightarrow{OF} = \vec{c}+ \vec{a}, \overrightarrow{OG} = \vec{a}+\vec{b}+ \vec{c}</math> となるようにとる。
:この、点<math>O, A, B, C, D, E, F, G</math>で囲まれる立体は、6面の平行四辺形で構成されている立体であり平行六面体と呼ばれる。なお、直方体や立方体も平行六面体の一種である。
:(ベクトル方程式としては、<math>s\vec{a} + t\vec{b} + u\vec{c}</math>(ただし<math>0 \le s, t, u \le 1</math>)を領域とする立体とも表現される)
:;平行六面体の体積
::この平行六面体の体積は、平行四辺形<math>OADB</math>の面積<math>S</math>に、平行四辺形<math>OADB</math>に相対する平行四辺形<math>CFEG</math>までの距離(高さ)<math>h</math>をかけた<math>Sh</math>である。
::この値は、外積を使うことにより、簡単に求められる。
:::平行四辺形<math>OADB</math>は、ベクトル<math>\vec{a}, \vec{b}</math>により、作られる図形であり、外積の定義から<math>|\vec{a} \times \vec{b}|</math>はベクトル<math>\vec{a},\vec{b}</math>のなす平行四辺形の面積<math>S</math>と等しい。
:::また、<math>\vec{a} \times \vec{b}</math>は、平行四辺形<math>OADB</math>に垂直であることから、高さの方向ベクトルの向きになっている。ここで、<math>\vec{a} \times \vec{b}</math>ともう一つの要素である<math>\vec{c}</math>の成す角を<math>\theta</math>とすると、<math>h = |\vec{c}| \cos \theta</math>となる。
:::<math>\cos \theta</math> を得るのには内積を用いれば良いので、<math>\vec{a} \times \vec{b}</math>と<math>\vec{c}</math>の内積を計算する。
::::<math>| (\vec{a} \times \vec{b}) \cdot \vec{c} |= ||\vec{a} \times \vec{b}| |\vec{c}| \cos \theta| = Sh</math>
:::と、<math>\cos \theta</math>の値を得るまでもなく、体積を得ることができた。
:したがって、ベクトル <math>\vec{a}, \vec{b}, \vec{c}</math>による平行六面体の体積は、<math> |(\vec{a} \times \vec{b}) \cdot \vec{c}|</math> と表すことができる。
:;四面体の体積
::原点<math>O, A, B, C</math>による四面体の体積は上記平行六面体の体積から簡単に求めることができる。
:::点<math>C</math>を頂点とし、平行四辺形<math>OADB</math>を底面とする四角錐は、上記平行六面体と共通の高さを持つので、体積は平行六面体の<math>\frac{1}{3}</math>である。
:::原点<math>O, A, B, C</math>による四面体は、点<math>C</math>を頂点とし<math>\triangle OAB</math>を底面とする三角錐であり、<math>\triangle OAB</math>は平行四辺形<math>OADB</math>の一部であり、その面積は平行四辺形<math>OADB</math>の<math>\frac{1}{2}</math>であるので、体積は上記四角錐の<math>\frac{1}{2}</math>である。
:::したがって、原点<math>O, A, B, C</math>による四面体の体積は<math>\frac{|(\vec{a} \times \vec{b}) \cdot \vec{c}|}{6}</math> と表すことができる。
::::※[[初等数学公式集/解析幾何#四面体|公式集]]における以下の式は、原点<math>O(0, 0, 0)</math>および3点<math>P,Q,R</math>について、<math>\overrightarrow{OP},\overrightarrow{OQ},\overrightarrow{OR}</math>として、成分表示によったものである。
:<span id="四面体の体積"></span>
:::::<math>\frac{|a_1 b_2 c_3 + a_2 b_3 c_1 + a_3 b_1 c_2 - a_1 b_3 c_2 - a_2 b_1 c_3 - a_3 b_2 c_1 |}{6}</math>
:::::<math>= \frac{|(b_1 c_2 - b_2 c_1) a_3 + (c_1 a_2 - c_2 a_1) b_3 + (a_1 b_2 - a_2 b_1) c_3 |}{6} = \frac{|(\overrightarrow{OP} \times \overrightarrow{OQ}) \cdot \overrightarrow{OR}|}{6}</math>
:::::<math>= \frac{|(b_1 c_3 - b_3 c_1) a_2 + (c_1 a_3 - c_3 a_1) b_2 + (a_1 b_3 - a_3 b_1) c_2 |}{6} = \frac{|(\overrightarrow{OP} \times \overrightarrow{OR}) \cdot \overrightarrow{OQ}|}{6}</math>
:::::<math>= \frac{|(b_2 c_3 - b_3 c_2) a_1 + (c_2 a_3 - c_3 a_2) b_1 + (a_2 b_3 - a_3 b_2) c_1 |}{6} = \frac{|(\overrightarrow{OQ} \times \overrightarrow{OR}) \cdot \overrightarrow{OP}|}{6}</math>
::::::※順序の違いにより符号は変わりうるが、絶対値は一致する。
:::::::なお、これを、右手系を意識して表記すると、
::::::::<math>(\overrightarrow{OP} \times \overrightarrow{OQ}) \cdot \overrightarrow{OR}=(\overrightarrow{OQ} \times \overrightarrow{OR}) \cdot \overrightarrow{OP}
=(\overrightarrow{OR} \times \overrightarrow{OP}) \cdot \overrightarrow{OQ}</math>
:::::::となる(内積は交換法則が成立している)。
:::::::これは、[[#計算則7|上記「外積の計算」の第7番目]]に登場する「スカラー三重積」になっている。すなわち、3個のベクトルで形成される平行六面体の体積は、3個のスカラー三重積の値の絶対値となっている(スカラー三重積自体はマイナスの値も取りうる)。
====外積の用途====
外積は、空間の位置関係の把握だけでなく様々な分野で用いられる。
=====物理計算=====
;力のモーメント(トルク)
{{wikipedia|力のモーメント}}
[[File:Torque_animation.gif|thumb|right|400px|<small>固定された回転軸をもつ系に対して、力を作用させた時の物理量の関係。力のモーメント <math>\vec{\tau}</math>と位置ベクトル <math>\vec{r}</math> と力 <math>\vec{F}</math> との関係(上の式:本文に示す)、なお、下の式は角運動量 <math>\vec{L}</math> と位置ベクトル <math>\vec{r}</math> と運動量 <math>\vec{p}</math> との関係である(参考)。</small>]]
::ある点<math>P</math>のまわりの、物体を回転させる作用の強さを表す「力のモーメント(特に回転軸を持つものを「トルク」という)」は、
:::<math>r</math>:点<math>P</math>と力の及ぼされる点(作用点)を結ぶ位置ベクトル
:::<math>F</math>:力
::として、
:::<math>\vec{\tau}=\vec{r} \times \vec{F}</math>
::によって定義されるベクトルである。
::この式から、
::*大きさ:<math>|\vec{r}| |\vec{F}| \sin{\theta}</math>(回転の強さ)
::*向き:右ねじの方向(回転軸)
::が同時に表されていることがわかる。
::力のモーメントは「どれだけ回そうとするか」という量であり、力の大きさだけでなく、作用点の位置と方向の関係によって決まる。特に、力の向きが回転軸に垂直な成分だけが回転に寄与する。そのため、単なる積ではなく、外積という形で表される。
::高校物理では、未履修であるため外積を用いずに「距離×力」や「回転方向の符号」で扱っているが、これらはこの式の一部だけを取り出したものである。
::([[高等学校物理/力学#角運動量と力のモーメント]]参照)
:{{-}}
;磁場中を運動する電荷に働く力(ローレンツ力)
{{wikipedia|ローレンツ力}}
[[File:Lorentzkraft-graphic-part1.PNG|thumb|ローレンツ力の向き。電荷で考えた場合。<br>速度<math>\vec{v}</math>から磁束密度<math>\vec{B}</math>に右ねじを回した向きがローレンツ力<math>\vec{F}</math>の向き。]]
:荷電粒子が磁場中を動いているとき、磁場から力を受ける。これを「ローレンツ力」という。
:ここで、
::<math>q</math>:荷電粒子の電荷
::<math>\vec{v}</math>:荷電粒子の速度(方向と「速さ」を持つベクトル。なお、電荷が負の場合は力の向きは逆になる。)
::<math>\vec{B}</math>:磁束密度(ベクトル)
:とすると、電荷に働くローレンツ力は、
::<math>\vec{F}= q(\vec{v} \times \vec{B})</math>
:とベクトルの形式で表される。
:磁場による力は、速度と磁場の両方に垂直な方向に働く。したがって、磁場は粒子の速さを変えるのではなく、進行方向だけを変える働きをする。
:
:高校物理での取り扱いは、以下を参照。
:*[[高等学校物理基礎/電気と磁気#ローレンツ力]]
:*[[高校物理_電磁気学#ローレンツ力]]
{{-}}
これらの例からわかるように、外積は単なる計算規則ではなく、「空間の向き(右手系)」と「大きさ(面積や回転の強さ)」を同時に表現する統一的な仕組みである。
=====意外な利用法:コンピューター・グラフィック=====
コンピューター・グラフィックでは、物体の表面の向きを求めるために外積が用いられる。ポリゴン(多角形)の2辺ベクトルの外積を取ることで、その面に垂直なベクトル(法線ベクトル)を得ることができ、これが光の当たり方(陰影計算)に利用される。
===さらに発展:外積と行列===
最後に、外積と行列の関係に触れる。現在の高校数学において、「[[行列]]」も本格的に取り上げられているわけではないため、ここでは、あまり深く立ち入らず、「外積」と「行列」という数学的な操作が、何か関係していそうだ、という現象にちょっとだけ触れる。「行列」自体は、本Wikibooks内にも教科書があるので、あまり馴染みのない読者は、斜め読みで良いからその箇所([[行列 (高校数学)]]、[[行列 (高校数学・発展)]]など)を読んで、本稿を読み進めてほしい。
;行列式
:まず、ここで、行列の演算の中で重要な「行列式」について復習しておく。
:二次行列<Math>A = \begin{pmatrix} a & b \\ c & d \end{pmatrix}</Math>に対し、<Math>ad-bc</Math>という式を'''行列式'''といい、<Math>|A|</Math> 又は <Math>det(A)</Math>で表す。
:これは、
:*行列<Math>A</Math>が<Math>\vec{v_1}=(a,b),\vec{v_2}=(c,d)</Math> 又は <Math>\vec{u_1}=(a,c),\vec{u_2}=(b,d)</Math>の組み合わせによるものであるとした場合、<Math>ad-bc=0</Math>ならば、<Math>\vec{v_1} \parallel \vec{v_2}</Math>、<Math>\vec{u_1} \parallel \vec{u_2}</Math>となっている。
:*<Math>\vec{v_1}=(a,b),\vec{v_2}=(c,d)</Math> による平行四辺形の面積<Math>S</Math>は<Math>S=|ad-bc|</Math>で表される。
:*
:*行列<Math>A</Math>に対して、<Math>AB=BA= \begin{pmatrix} 1 & 0 \\ 0 & 1 \end{pmatrix}</Math>(単位行列)となる行列<Math>B</Math> を逆行列と言い<Math>A^{-1}</Math> と表すが、<Math>A^{-1}= \frac{1}{ad - bc}
\begin{pmatrix}
d & -b\\
-c & a\\
\end{pmatrix}</Math> である。
:*:従って、<Math>ad-bc \neq 0</Math>は、行列<Math>A</Math>に逆行列が存在する必要十分条件となっている。
:*行列<Math>A</Math>に対して、<math>A^2 - (a+d) A + (ad-bc) E = O</math> が成り立つ([[ケイリー・ハミルトンの定理]])。
:と繰り返し登場する重要な式である。
;外積の各成分と行列式
:以下、三次元空間ベクトル<math>\vec{a}=(x_1,y_1,z_1), \vec{b}=(x_2,y_2,z_2)</math> について考察する。
:この2個のベクトルで外積<math>\vec{a} \times \vec{b} = ( y_1 z_2 - y_2 z_1,\; z_1 x_2 - z_2 x_1,\; x_1 y_2 - x_2 y_1 )</math> が得られることは、繰り返し述べてきたところである。
::ここで、<math>\vec{a}, \vec{b}</math> から、<Math>x</Math>成分を取り去ったベクトル<math>\vec{a_x}=(y_1,z_1), \vec{b_x}=(y_2,z_2)</math> を各々列ベクトルとした行列を<Math>A_x = \begin{pmatrix} y_1 & y_2 \\ z_1 & z_2 \end{pmatrix}</Math> とする。
::同様に、<Math>A_y = \begin{pmatrix} z_1 & z_2 \\ x_1 & x_2 \end{pmatrix}</Math>,<Math>A_z = \begin{pmatrix} x_1 & x_2 \\ y_1 & y_2 \end{pmatrix}</Math>
:さて、ここで突然ではあるが <math>(det(A_x), det(A_y), det(A_z))</math> というベクトルを考えてみる。
::<math>(det(A_x), det(A_y), det(A_z)) = ( y_1 z_2 - y_2 z_1,\; z_1 x_2 - z_2 x_1,\; x_1 y_2 - x_2 y_1 ) = \vec{a} \times \vec{b}</math>
:という結果を得るのである。
:(すなわち、外積の各成分は、他の2成分を取り出した小行列式として表される)
;三次行列の行列式
:[[File:Schema sarrus-regel.png|alt=|thumb|サラスの方法: 左三列の行列式は、赤線で結んだ斜め三項の積の和から青線で結んだ逆斜め三項の積の和を引いたものになる。]]
:行列式は二次行列だけではなく3行3列の三次行列でも定義できる。
:
:この場合
:<math>A = \begin{pmatrix}
a_{1 1} &a_{1 2} &a_{1 3} \\
a_{2 1} &a_{2 2} &a_{2 3} \\
a_{3 1} &a_{3 2} &a_{3 3}
\end{pmatrix}</math>
:に対して、
::<math> det(A) = a_{1 1}a_{2 2}a_{3 3}
+ a_{1 2}a_{2 3}a_{3 1}
+ a_{1 3}a_{2 1}a_{3 2}
- a_{1 3}a_{2 2}a_{3 1}
- a_{1 1}a_{2 3}a_{3 2}
- a_{1 2}a_{2 1}a_{3 3}</math>
:となる。
:これは、一見覚えにくいように思えるが、右図のように考えると、二次行列同様、右下りの要素をかけあわせたものから、右上がりの要素を掛け合わせたものを引くという操作であることがわかる([[w:サラスの方法]]、これは3次行列式の計算規則の一つの見方であり、外積の成分表示と同じ構造が現れている。なお、四次以上の行列には適用できない)。
;三次行列の行列式と外積
:ここで、互いに一次独立であるベクトル <math>\vec{p}=(a_1, b_1, c_1)</math>, <math>\vec{q}=(a_2, b_2, c_2)</math>, <math>\vec{r}=(a_3, b_3, c_3)</math> を考える。これも、各々を列ベクトルとした行列にすると、
::<math>A = \begin{pmatrix}
a_1 &a_2 &a_3 \\
b_1 &b_2 &b_3 \\
c_1 &c_2 &c_3
\end{pmatrix}</math>
:が得られ、この行列式を計算すると、
::<math>det(A) = a_1 b_2 c_3 + a_2 b_3 c_1 + a_3 b_1 c_2 - a_1 b_3 c_2 - a_2 b_1 c_3 - a_3 b_2 c_1</math>
:となる。どこかで見た覚えがないであろうか。そう、これは<math>\vec{p},\vec{q},\vec{r}</math> で作る[[#四面体の体積|四面体の体積の成分表示]]の分子の中の式である。この体積を6倍すると、<math>\vec{p},\vec{q},\vec{r}</math> で作る平行六面体の体積の絶対値の中の式となり、これはすなわち <math>(\vec{p} \times \vec{q}) \cdot \vec{r}</math> (スカラー三重積)となっている。
この関係がなぜ成立するかなどについては、もはやコラムの領域を超えるので割愛するが、このように、外積は「面積」や「体積」といった量を、行列式という形で統一的に表す仕組みと深く結びついているということを心に留めておいてもらいたい。
[[Category:初等数学公式集|かいせききかこらむ]]
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299074
299065
2026-05-03T21:19:43Z
Tomzo
248
/* 外積の計算 */
299074
wikitext
text/x-wiki
このページは、[[初等数学公式集/解析幾何|初等数学公式集の解析幾何に関係する数学的な事項]]についてのコラムである。
高校数学における三次元の問題の多くは、「計算すれば求まる」ように作られている。しかしその計算は、しばしば試行錯誤的であり、どこに向かっているのか見えにくい場合もある。
本コラムで扱う内容は、そのような計算の背後にある構造を示すものである。すなわち、「なぜその形の計算をすればよいのか」「どの方向に進めばよいのか」という見通しを与える“地図”のような役割を果たすものである。
学習指導要領に定められた高校数学の範囲を超える事項について言及する場合があり、このページの内容や登場する数式を暗記することはもちろん必要ないし、すべてを理解することを目的とはしていない。しかし、入試問題をはじめとした高校数学に隠された意図等について伝わることによって、この単元の理解が深まることが期待できる。それを踏まえ、本ページに記載されたことが理解できるか否かを気にせず、直観を養うための一種の頭の体操として読んでほしい。
なお、ここで現れる関係式は公式として暗記することも可能であるが、本来は計算によって導くことができるものであり、その構造を理解することが重要である。このような見通しを持つことで、個々の計算は単なる作業ではなく、一定の方向性をもった操作として理解できるようになる。
また、本コラムや[[初等数学公式集/解析幾何/証明|本章の証明]]では、できるかぎり計算過程を残すようにしている。大学など高等数学で取り扱う場合には、多くは結論を理解することが目的であり、逆に結論さえ理解していれば、結論への過程は忘れていいものであるが、ここでは、上で述べたとおり実際の過程(計算)の結果として結論(公式)が導き出せることの「発見」を期待するものだからである。
==三次元空間上で一次独立である2つのベクトルと直交するベクトル==
:本節のタイトルである「三次元空間上で一次独立である2つのベクトルと直交するベクトル」は本章の「三次元空間」節に繰り返し登場するものである。
:この方向ベクトル(大きさは考慮する必要がない)の計算は、数値が与えられていれば、ごく簡単に求められ、一般式にしても比較的容易に求めることができる。
:
:(計算例)
::<math>\vec{v}=(p,q,r), \vec{V}=(P,Q,R)</math> とするとき、各々に直交するベクトル<math>\vec{n} = (a,b,c)</math>を求める(なお、法線は英語でnormal又はnormal line、フランス語でnormaleであるので、しばしば、法線ベクトルは<math>\vec{n}</math>と表される。)。
:::直交の条件から
::::<math>\vec{v} \cdot \vec{n} = ap + bq + cr = 0</math> - ①
::::<math>\vec{V} \cdot \vec{n} = aP + bQ + cR = 0</math> - ②
:::これを満たす<math>a,b,c</math>を求めるのに、①× <math>R</math> - ②× <math>r</math> として、
::::<math>apR + bqR + crR = aPr + bQr + cRr</math>
::::<math>apR + bqR = aPr + bQr</math>
::::<math>(pR - Pr)a = (Qr - qR)b</math> - ③
:::<math>a,b</math> 2変数を解くものであるが、方向ベクトルを得ることが目的であるので、この場合、<math>a,b</math> の比が求まれば足りる。したがって、③を満たす<math>a,b</math>の一つは、
::::<math>a = Qr - qR</math>
::::<math>b = pR - Pr</math> (符号を揃えるために順序を入れ替えた)
:::となる。これを①に代入して、
::::<math>cr = -ap - bq = -(Qr - qR)p - (pR - Pr)q = -pQr + pqR - pqR + Pqr = -pQr + Pqr </math>
::::辺々<math>r</math> で割って <math>c = Pq -pQ</math>
:::これらは、<math>p,q,r,P,Q,R</math> に関して、対称性を示しているので整理すると、
::::<span id="外積式1"></span><math>a = Qr - qR</math>
::::<math>b = Rp - rP</math>
::::<math>c = Pq - pQ</math>
:::と表すことができ、これが「<math>\vec{v}=(p,q,r), \vec{V}=(P,Q,R)</math> 各々に直交するベクトル<math>\vec{n}</math>の『ひとつ』<sup>※</sup>」である。
::::::※このようなベクトルは無数に存在し、ここで求めたものはその一例である(定数倍しても同様に直交する)。
:
:このベクトルは、<math>\vec{v}, \vec{V}</math>の <math>x</math>成分、<math>y</math>成分、<math>z</math>成分の6個の要素により構成されてるが、単純なルールにより構成されており、比較的覚えやすい(ただし、繰り返し述べるが、高校範囲における試験等の出題では、この関係は計算で出すことができるようになっており、公式として形を暗記することを目的としてはいけない)。
::ここで、<math>\vec{n}</math>の<math>x</math>成分(<math>a</math>)を例にとると以下のようになっていることがわかる。なお、前提として、ここに登場する成分は<math>p \to q \to r \to p, P \to Q \to R \to P</math>のような循環順序とする。
::*<math>x</math>成分には、<math>\vec{v}, \vec{V}</math>の <math>x</math>成分は含まれない。
::*2番めのベクトル(<math>\vec{V}</math>)の2番め(<math>y</math>成分)と1番めのベクトル(<math>\vec{v}</math>)の3番め(<math>z</math>成分)の積から、1番めのベクトル(<math>\vec{v}</math>)の2番め(<math>y</math>成分)と2番めのベクトル(<math>\vec{V}</math>)の3番め(<math>z</math>成分)の積を引いたものとなる。
::同じ、性質が<math>y</math>成分(<math>b</math>)にも<math>z</math>成分(<math>c</math>)にも当てはまっていることがわかる。
:
:ここで、添字を使って表記すると対称性がより明らかになる。
::<span id="外積式2"></span><math>\vec{v_1}=(p_1,q_1,r_1), \vec{v_2}=(p_2,q_2,r_2)</math> とするとき、各々に直交するベクトルを<math>\vec{n} = (x,y,z)</math>とすると。
:::<math>x = q_2 r_1 - q_1 r_2</math>
:::<math>y = r_2 p_1 - r_1 p_2</math>
:::<math>z = p_2 q_1 - p_1 q_2</math>
:
:'''注目点'''
:#「三次元空間において2個のベクトルに直交するベクトル」は、三次元空間を扱う場合、頻繁に利用される。公式集とその証明においては、以下のように繰り返し微妙に形を変えて登場している。
:##点と直線がなす平面
:##:直線<math>l</math>の方向ベクトル<math>\vec{d}=(p,q,r)</math>と直線外の点<math>P</math>と直線上の点<math>Q</math>による方向ベクトル<math>\overrightarrow{PQ} = (x_1 - x_0,y_1 - y_0,z_1 -z_0)</math>に直交するベクトル<math>\vec{d}=(a,b,c)</math>として、
:##::<math>a = r (y_1 - y_0) - q (z_1 - z_0)</math>
:##::<math>b = p (z_1 - z_0) - r (x_1 - x_0)</math>
:##::<math>c = q (x_1 - x_0) - p (y_1 - y_0)</math>
:##:を得ている([[初等数学公式集/解析幾何/証明#外積1|→参照]])。ここで、<math>x_1 - x_0 = P, y_1 - y_0 = Q , z_1 -z_0 = R</math>とすれば、[[#外積式1|上で示した式]]に一致する。
:##平行な2直線が属する平面
:##:平行な2直線<math>l_1.l_2</math>において方向ベクトル<math> \vec{d}=(p,q,r)</math>であり、<math>l_1.l_2</math>上の点を<math>P_1 (x_1,y_1,z_1), P_2 (x_2,y_2,z_2)</math>とするとき、<math>\overrightarrow{P_1P_2}=(x_2-x_1,y_2-y_1,z_2-z_1) </math>。この2つのベクトルに直交するベクトルを<math>\vec{n}=(a,b,c)</math>とすると、その例として、
:##::<math>a = r(y_2 - y_1) - q(z_2 - z_1)</math>
:##::<math>b = p(z_2 - z_1) - r(x_2 - x_1)</math>
:##::<math>c = q(x_2 - x_1) - p(y_2 - y_1)</math>
:##:を得ている([[初等数学公式集/解析幾何/証明#外積2|→参照]])。ここで、<math>x_2 - x_1 = P, y_2 - y_1 = Q , z_2 -z_1 = R</math>とすれば、やはり、[[#外積式1|上で示した式]]に一致する。
:##交点を持つ2直線が属する平面
:##:交点を持つ各々の方向ベクトルが<math>\vec{v_1}=(p_1,q_1,r_1), \vec{v_2}=(p_2,q_2,r_2)</math> である2直線<math>l_1, l_2</math>について、<math>l_1, l_2</math>に直交するベクトルを<math>\vec{n} = (a,b,c)</math>とすると、これを満たす例としてのベクトルは、
:##::<math>a = q_2 r_1 - q_1 r_2</math>
:##::<math>b = r_2 p_1 - r_1 p_2</math>
:##::<math>c = p_2 q_1 - p_1 q_2</math>
:##:であり([[初等数学公式集/解析幾何/証明#外積2|→参照]])、まさに、[[#外積式2|添字を使って上で示した式]]に一致する。「[[初等数学公式集/解析幾何/証明#直線がねじれの位置にある場合|直線がねじれの位置にある場合]]」の解法にも用いる。
:##同一直線上にない3点を通る平面の式
:##:[[初等数学公式集/解析幾何/証明#外積4|証明]]参照。
:#ところで、上記の3例では、「三次元空間において2個のベクトルに直交する」ということで、その方向ベクトルの性質が利用されてきた。ところが、この形の係数の組み合わせが、長さや面積といった量の表現にも出てくる。
:##点と直線の距離([[初等数学公式集/解析幾何#点と直線の距離|公式集]]、[[初等数学公式集/解析幾何/証明#三次元空間上の点と直線との距離|証明]])
:##:<math> d = \frac{ \sqrt{ \{(y_0 - y_1)r - (z_0 - z_1)q\}^2 + \{(z_0 - z_1)p - (x_0 - x_1)r\}^2 + \{(x_0 - x_1)q - (y_0 - y_1)p\}^2 } }{ \sqrt{p^2 + q^2 + r^2} } </math>
:##::ここに登場する数式を以下のように置く。
:##:::<math>(y_0 - y_1)r - (z_0 - z_1)q = s</math>
:##:::<math>(z_0 - z_1)p - (x_0 - x_1)r = t</math>
:##:::<math>(x_0 - x_1)q - (y_0 - y_1)p = u</math>
:##::そうすると、<math>\vec{v}=(s,t,u)</math>は、直線の方向ベクトル<math>\vec{p}=(p,q,r)</math>と直線外の点<math>P</math>と直線上の所与の点<math>Q_0</math>によるベクトル<math>\overrightarrow{PQ_0} = \vec{a_1} = (x_1 - x_0, y_1 - y_0 , z_1 - z_0)</math>と直交するベクトルの形をしていることがわかる。
:##<span id="2直線がねじれの位置にある場合"></span>2直線がねじれの位置にある場合
:##:ねじれの位置にある2直線の各々の方向ベクトルが<math>\vec{v_1} = (p_1,q_1,r_1), \vec{v_2} = (p_2,q_2,r_2)</math> であって、各々、点<math>P_1 (x_1,y_1,z_1), P_2 (x_2,y_2,z_2)</math> をとおる場合、この2直線<math>l_1,l_2</math> は以下の式で表される。
:##::<math>l_1: \frac{x-x_1}{p_1}=\frac{y-y_1}{q_1}=\frac{z-z_1}{r_1}</math>, <math>l_2: \frac{x-x_2}{p_2}=\frac{y-y_2}{q_2}=\frac{z-z_2}{r_2}</math>
:##:また、<math>\overrightarrow{P_1 P_2} = \vec{a} = (x_2 - x_1, y_2 - y_1 , z_2 - z_1)</math>である。
:##::2直線が最も接近する箇所は、各々の直線と直交する共通垂線の箇所であり、その距離<math>d</math>は以下の式で表される。
:##:::<math> d = \frac{|(x_2 - x_1)(q_2 r_1 - q_1 r_2) + (y_2 - y_1)(r_2 p_1 - r_1 p_2) + (z_2 - z_1)(p_2 q_1 - p_1 q_2) |}{ \sqrt{(q_2 r_1 - q_1 r_2)^2 + (r_2 p_1 - r_1 p_2)^2 + (p_2 q_1 - p_1 q_2)^2} } </math> - ①
:##:<math>\vec{v_1}, \vec{v_2}</math>に直交するベクトルのひとつは、今まで述べてきたことから、
:##::<math>\vec{n}=(q_2 r_1 - q_1 r_2, r_2 p_1 - r_1 p_2, p_2 q_1 - p_1 q_2)</math> であることがわかる。
:##:登場する数式を再構成すると、①式の分子は、<math>\vec{a}</math> と<math>\vec{n}</math> の内積であり、分母は <math>\vec{n}</math>の大きさ(長さ)となっていることがわかる。
:##:この理由については、「[[初等数学公式集/解析幾何/証明#2直線がねじれの位置にある場合|証明]]」にて解説する。
:
:実は、<math>\vec{v_1}, \vec{v_2}</math> の各成分を用いて<math>\vec{n}</math> のように表す操作は「外積」と言って、高等数学(大学以上の課程で取り扱う数学)で用いる重要な操作、すなわち、「2つのベクトルに直交するベクトルを系統的に与える公式」であり、外積ではこれを一つの演算としてまとめて扱うものであるが、高校数学では範囲外であるので、その操作が直接教えられることはない。しかし、三次元空間での取り扱いでは、点・直線・平面の関係を表す操作として各種出題に埋め込まれている場合が少なくない。この背景を理解しておくことで、出題意図の見通しが多少でも良くなることを期待して、次節以降で入門編として解説したい。
==外積とは==
:(高等数学での取り扱いは[[線型代数学/ベクトル#外積]]を参照)
===定義に先立って===
さて、ここで「外積」について考えるが、「外積とは何か」という定義に先立って、これから取り扱うものは、あくまでも高校数学における三次元空間の具体的な成分計算による演算に関するものである。
すなわち、このコラムで想定する「外積」とは、成分表示された2個の空間ベクトル<math>\vec{v_1}=(p_1,q_1,r_1), \vec{v_2}=(p_2,q_2,r_2)</math> の各成分を用いて、以下の形式で表されるものである、
:<math>\vec{n} = (x,y,z)</math>
::<math>x = q_2 r_1 - q_1 r_2</math>
::<math>y = r_2 p_1 - r_1 p_2</math>
::<math>z = p_2 q_1 - p_1 q_2</math>
ここでは、この形により外積を具体的に理解することを目的とする。
ここでは、「外積」の利用法の一つとして、三次元空間の問題にどのように現れるかを中心に扱うが、「外積」の本質は、空間幾何に限らず、さまざまな局面で利用される概念であり、成分による表示は、その一つの具体的な表現に過ぎないからである。さらに、これまで、外積によって得られるベクトルは「向き」に注目して扱ってきた。しかし実際には、このベクトルは「大きさ」にも重要な意味を持っている。さらに、この成分表示そのものが計算の中で直接用いられることにも注意が必要である。
===外積の定義===
あらためて、ここで「外積」を定義する。外積とは、
:<span id="定義"></span>'''3次元空間において定義される、2つのベクトルから新たなベクトルを与える二項演算(2つの対象から新たな対象を決定する規則)であり、3次元空間の2つのベクトルに対し、①両者に垂直で②両ベクトルのなす平行四辺形の面積と等しい長さを③右手系の方向にとったベクトルを得るもの(二項演算)である。'''
::2つのベクトルを<math>\vec{a}, \vec{b}</math>として、外積は乗算記号または角括弧を用いて以下のように表される。
::* 乗算記号を用いる場合:<math>\vec{a} \times \vec{b} </math>
::* 角括弧を用いる場合:<math>[\vec{a}, \vec{b}] </math>
{{wikipedia|クロス積}}
:;「外積」の呼称
::「外積」は"exterior product"の訳だけではなく、さらに高次の高等数学で用いられる関連概念である"outer product"の訳(ただし、一般には「直積」や「テンソル積」と訳される)に当てられる場合もあり、明確に区別するため「'''クロス積'''(ウィキペディアの見出しにはこちらが用いられている)」と呼んだり「'''ベクトル積'''」と呼んだりすることもあるが、本稿においては[[#定義|上の定義]]によるものを「外積」と呼称することで統一する。
[[ファイル:Cross_product_parallelogram.svg|右|260px|サムネイル|3次元ベクトル <math>\vec{a}, \vec{b}</math>の外積(<math>\vec{a} \times \vec{b} </math>)。]]
:以下、定義について解説する。ここでは、2つのベクトルを<math>\vec{a}, \vec{b}</math>として、外積となるベクトル <math>\vec{e} = \vec{a} \times \vec{b} </math>とする。
:#3次元空間の2つのベクトルに対し、両者に垂直 - ①
:#:これは、今まで繰り返し出てきた性質である。すなわち、
:#::<math>\vec{a} \cdot \vec{e} = 0</math>
:#::<math>\vec{b} \cdot \vec{e} = 0</math>
:#:となる。
:#ベクトルの長さは両ベクトルのなす平行四辺形の面積と等しい長さ - ②
:#:すなわち、
:#::<math>|\vec{e}| = | \vec{a} | | \vec{b} |\sin \theta </math>(<math>\theta</math>は、<math>\vec{a}</math>と<math>\vec{b}</math>がなす角)
:#:ということになる。この計算の形は、内積の形が<math>| \vec{a} | | \vec{b} |\cos \theta </math>であることと、好対照である。
:#::(コラム in コラム)
:#:::外積の大きさが面積に等しいとされることに違和感を覚えるかもしれない。「長さ」と「面積」という異なる「次元」の量(実際には、これは「面積を長さとして表現する」ために方向(法線方向)を付け加えた量とみなすことができる)が対応しているように見えるためである。
:#:::しかし、数学においては、このように異なる意味を持つ量であっても、共通の構造に基づいて同一の形式で扱われることがある。すなわち、対象の「属性」そのものよりも、それらの間に成り立つ関係や構造が重視されるのである。
:#:::外積の場合、2つのベクトルが張る平面の「向き」と「広がり」を同時に表す量として、その大きさが面積に対応し、その方向が平面に垂直な方向を与える。
:#:::このように、外積は「向き」と「面積」という異なる意味を同時に扱う量であり、数学における抽象化の考え方と、現実の計算(例えば三次元空間における図形の扱い)における有用性とを結びつける代表的な例の一つである。
:#2つのベクトルに対し、右手系の方向 - ③
:#:[[File:Right hand rule cross product.svg|サムネイル|右|200px|右手の法則による外積の向き]]
:#:「2つのベクトルに対し、両者に垂直」という場合、方向が2つあるということがイメージできるだろうか。すなわち、3次元空間において、<math>z</math>軸は、<math>xy</math>平面<math>(z=0)</math>に対して垂直であるが、<math>z>0</math>の領域と<math>z<0</math>の領域を持っている。ベクトルの始点からの方向は一意に決まる必要があるから、いずれかの方向に決めなければならない。
:#:外積においては、「[[w:右手系|右手系]]」(右図で、<math>\vec{a}</math>を人差し指、<math>\vec{b}</math>を中指の方向とした時、親指の方向)の方向と定める。
:#:このように方向を定めることは単なる約束ではなく、空間における向きの一貫性(向きづけ)を保つために必要なものである。
:#:
:#:これを決めることにより、何が起こるかというと、<math>\vec{a} \times \vec{b} \neq \vec{b} \times \vec{a}</math> ということ、すなわち、外積には交換法則は適用できないということである。
:#:すなわち、2つのベクトルのうち、どちらを先に扱うかで正負が逆転し、<math>\vec{a} \times \vec{b} = - \vec{b} \times \vec{a}</math> ということになる。これを交換法則に代えて、'''反交換法則'''と呼ぶことがある。
:#:これは、ベクトルの並び順そのものが幾何的な意味(向き)を持つことを示している。
:#::(注意点)
:#:::[[初等数学公式集/解析幾何/証明|本章の証明]]や[[#三次元空間上で一次独立である2つのベクトルと直交するベクトル|上記の振り返り]]などでは、正負いずれの方向であっても支障がなかったため、「向き」を特定した解法をとっておらず、また、上で説明したベクトルの量が関係する算式であっても2乗するなり絶対値を取るなりすることで正負の違いが解消されていたこともあって、この性質を厳密に適用していないが、「外積」計算自体では「向き」を一方に特定する必要がある。
:以上をまとめると、
::<math> \vec{a} \times \vec{b} = \left| \vec{a} \right| \left| \vec{b} \right| \sin \theta \ \vec{n}</math>
:::なお、<math>\theta</math>は、<math>\vec{a}</math>と<math>\vec{b}</math>がなす角、<math>\vec{n}</math>は<math>\vec{a}, \vec{b}</math>に直交する右手系に従って定まる方向の単位ベクトル(<math>\vec{a} \cdot \vec{n} = \vec{b} \cdot \vec{n} = 0, |\vec{n}|=1</math>)である。
====外積の計算====
外積の計算は、上記の通り交換法則が成り立たないなど、スカラーの計算を主とする初等数学とは、かなり異なっている。以下に外積の計算のパターンを示すが、高校の数学の範囲で、本来、外積の計算(ベクトル演算)をすることはないので、これも参考程度で眺めておけば良い。なお、"・"は、内積を表す。
#<math>\lambda \vec{a} \times \vec{b} = \vec{a} \times \lambda \vec{b} = \lambda (\vec{a} \times \vec{b})</math>
#<math>\vec{a} \times \vec{b} = - \vec{b} \times \vec{a}</math>
#:[[交換法則]]は成り立たない。
#<math>\vec{a} \times (\vec{b} + \vec{c})= \vec{a} \times \vec{b} + \vec{a} \times \vec{c}</math>、また、<math>(\vec{a} + \vec{b})\times \vec{c}= \vec{a} \times \vec{c} + \vec{b} \times \vec{c}</math>
#:[[分配法則]]は成り立っており、以下のとおりの式展開ができる。
#::<math>(\vec{a} + \vec{b}) \times (\vec{c} + \vec{d})= \vec{a} \times \vec{c} + \vec{a} \times \vec{d} + \vec{b} \times \vec{c} + \vec{b} \times \vec{d}</math>
#:*定義に従った簡易な証明
#:*:<math>\vec{a}</math>を固定し、<math>\vec{b}, \vec{c}</math>を考えると、<math>\vec{a} \times \vec{b} , \vec{a} \times \vec{c}</math>はそれぞれ、<math>\vec{a}</math>と各ベクトルが張る平行四辺形の向き付き面積を表す。一方、<math>\vec{a} \times (\vec{b} + \vec{c})</math>は、<math>\vec{a}</math>と<math>\vec{b} + \vec{c}</math>による平行四辺形を表すが、この図形は、<math>\vec{b}</math>による部分と<math>\vec{c}</math>による部分に分解することができる。
#:*:したがって、面積は加法的であり、向きも一致することから、<math>\vec{a} \times (\vec{b} + \vec{c})= \vec{a} \times \vec{b} + \vec{a} \times \vec{c}</math>が成り立つ。
#<math> \vec{a}\times (\vec{b}\times \vec{c}) \ne (\vec{a} \times \vec{b}) \times \vec{c}</math>
#:すなわち、[[結合法則]]は成り立っていない。これらは、以下の等式となる([[ベクトル三重積の公式]]・ラグランジュの公式)。
#::<math>\vec{a}\times (\vec{b}\times \vec{c}) = (\vec{a}\cdot\vec{c})\vec{b} - (\vec{a}\cdot\vec{b})\vec{c}</math>
#::<math>(\vec{a}\times\vec{b})\times \vec{c} = (\vec{a}\cdot\vec{c})\vec{b} - (\vec{b}\cdot\vec{c})\vec{a}</math>
#<math>\vec{a} \times \vec{a} = \vec{0}</math>
#:<math>\because</math> <math>\vec{a}</math>と<math>\vec{a}</math>がなす角<math> \theta = 0</math>であるので、<math> \vec{a} \times \vec{a} = \left| \vec{a} \right| \left| \vec{a} \right| \sin \theta \ \vec{n} = \vec{0}</math>
#<math> \vec{a}\cdot (\vec{a} \times \vec{b}) = 0</math>
#<span id="計算則7"></span><math>\vec{a}\cdot (\vec{b}\times \vec{c}) = (\vec{a} \times \vec{b}) \cdot \vec{c}</math>
#*[[スカラー三重積]](その意味などについては後述)
#*:なお、循環形として、以下を理解しておくと良い。
#*::<math>\vec{a}\cdot (\vec{b}\times \vec{c}) = \vec{b}\cdot (\vec{c}\times \vec{a}) = \vec{c}\cdot (\vec{a}\times \vec{b}) </math>
#*:::内積には交換法則が成立しているので、右端の辺は<math>\vec{c}\cdot (\vec{a}\times \vec{b}) = (\vec{a} \times \vec{b}) \cdot \vec{c}</math> であって、同じことを意味している。
#*:この演算は、「スカラー三重積」と呼ばれ、ベクトルの順序さえ意識すれば良いので、<math>[\vec{a},\vec{b},\vec{c}]</math> とも表記される。
#*:演算の性質から、<math>[\vec{a},\vec{b},\vec{c}]=[\vec{b},\vec{c},\vec{a}]=[\vec{c},\vec{a},\vec{b}]</math>、であるが、<math>[\vec{a},\vec{b},\vec{c}] \neq [\vec{a},\vec{c},\vec{b}](=[\vec{c},\vec{b},\vec{a}]=[\vec{b},\vec{a},\vec{c}])</math> であることに注意。
#<span id="計算則8"></span><math> (\vec{a} \cdot \vec{b})^2 + |\vec{a} \times \vec{b}|^2 = |\vec{a}|^2 |\vec{b}|^2</math>
#:<math>\because</math> 内積の定義より<math>\cos \theta = \frac{\vec{a} \cdot \vec{b}}{| \vec{a} | | \vec{b} |} </math>、したがって、<math>{\cos}^2 \theta = \frac{(\vec{a} \cdot \vec{b})^2}{| \vec{a} |^2 | \vec{b} |^2} </math>
#::また、外積の定義より<math>\vec{a} \times \vec{b} = | \vec{a} | | \vec{b} |\sin \theta \vec{n}</math>、したがって、<math>|\vec{a} \times \vec{b}|^2 = | \vec{a} |^2 | \vec{b} |^2 {\sin}^2 \theta </math>(<math>\because</math> <math>\vec{n}</math>は単位ベクトルであるから、<math>|\vec{n}|^2 = 1</math>)
#::よって、<math>{\sin}^2 \theta = \frac{|\vec{a} \times \vec{b}|^2}{| \vec{a} |^2 | \vec{b} |^2 }</math>
#:※内積は「同じ方向の成分」、外積は「垂直方向の成分」を表しており、この式はそれらが直交的に分解されていることを意味している。
====外積の成分表示====
:成分表示された空間ベクトル<math>\vec{a}=(x_1,y_1,z_1), \vec{b}=(x_2,y_2,z_2)</math> を用いて<math>\vec{a} \times \vec{b}</math>の定義を検証する。
:ここでは、<math>\vec{a} \times \vec{b} = \vec{e} = (x_e,y_e,z_e)</math>とする。
:
:成分表示による計算にあたって、基本ベクトル([[標準基底]])<math>\vec{e_1}=(1,0,0), \vec{e_2}=(0,1,0), \vec{e_3}=(0,0,1)</math>相互の計算結果について確認し、これを利用する。
:#<math>\vec{e_1} \times \vec{e_2} = \vec{e_3}</math> が成り立っている。
:#::なぜならば、<math>\vec{e_1} \times \vec{e_2}</math> は、定義から<math>\vec{e_1}=(1,0,0), \vec{e_2}=(0,1,0)</math> に垂直、すなわち、<math>z</math>軸上にある位置ベクトル<math>(0,0,z)</math>であり、右手系であることから、<math>z>0</math>である。また、<math>\vec{e_1}, \vec{e_2}</math>が形成する平行四辺形の面積は、1辺が1である正方形であるので1。従って、<math>\vec{e_1} \times \vec{e_2} =(0,0,1)=\vec{e_3}</math>となる。同様にして、基本ベクトル間には以下の関係(<span id="※"></span>※)が成立している。
:#::*<math>\vec{e_1} \times \vec{e_2} = \vec{e_3}</math>
:#::*<math>\vec{e_2} \times \vec{e_3} = \vec{e_1}</math>
:#::*<math>\vec{e_3} \times \vec{e_1} = \vec{e_2}</math>
:#<math>\vec{e_1}, \vec{e_2}, \vec{e_3}</math>を用いると、
:#::<math>\vec{a}=x_1 \vec{e_1} + y_1 \vec{e_2} +z_1 \vec{e_3}</math>
:#::<math>\vec{b}=x_2 \vec{e_1} + y_2 \vec{e_2} +z_2 \vec{e_3}</math>
:#:と表すことができる。外積は一般には結合法則を満たさないが、ここで行う計算は分配法則とスカラー倍に関する性質、および基底ベクトル間の関係を用いることで展開することができる。
:#::<math>\vec{a} \times \vec{b} = (x_1 \vec{e_1} + y_1 \vec{e_2} +z_1 \vec{e_3}) \times (x_2 \vec{e_1} + y_2 \vec{e_2} +z_2 \vec{e_3})</math>
:#:::<math> = x_1 x_2 \vec{e_1} \times \vec{e_1} + x_1 y_2 \vec{e_1} \times \vec{e_2} + x_1 z_2 \vec{e_1} \times \vec{e_3} + y_1 x_2 \vec{e_2} \times \vec{e_1} + y_1 y_2 \vec{e_2} \times \vec{e_2} + y_1 z_2 \vec{e_2} \times \vec{e_3} + z_1 x_2 \vec{e_3} \times \vec{e_1} + z_1 y_2 \vec{e_3} \times \vec{e_2} + z_1 z_2 \vec{e_3} \times \vec{e_3}</math>
:#:::<math> = x_1 y_2 \vec{e_1} \times \vec{e_2} + x_1 z_2 \vec{e_1} \times \vec{e_3} + y_1 x_2 \vec{e_2} \times \vec{e_1} + y_1 z_2 \vec{e_2} \times \vec{e_3} + z_1 x_2 \vec{e_3} \times \vec{e_1} + z_1 y_2 \vec{e_3} \times \vec{e_2}</math>(<math>\because \vec{v} \times \vec{v} = \vec{0}</math>)
:#:::<math> = x_1 y_2 \vec{e_1} \times \vec{e_2} - x_1 z_2 \vec{e_3} \times \vec{e_1} - y_1 x_2 \vec{e_1} \times \vec{e_2} + y_1 z_2 \vec{e_2} \times \vec{e_3} + z_1 x_2 \vec{e_3} \times \vec{e_1} - z_1 y_2 \vec{e_2} \times \vec{e_3}</math>(<math>\because \vec{v} \times \vec{u} = - \vec{u} \times \vec{v}</math>)
:#:::<math> = x_1 y_2 \vec{e_3} - x_1 z_2 \vec{e_2} - y_1 x_2 \vec{e_3} + y_1 z_2 \vec{e_1} + z_1 x_2 \vec{e_2} - z_1 y_2 \vec{e_1}</math>(<math>\because</math> [[#※|上記※より]])
:#:::<math> = (y_1 z_2 - z_1 y_2) \vec{e_1} + (z_1 x_2 - x_1 z_2)\vec{e_2} + (x_1 y_2 - y_1 x_2)\vec{e_3} </math>
:#:文字順を揃え、
:#::<math>\vec{a} \times \vec{b} = ( y_1 z_2 - y_2 z_1,\; z_1 x_2 - z_2 x_1,\; x_1 y_2 - x_2 y_1 )</math>
:#:となる。
:以上を踏まえて、
:#3次元空間の2つのベクトルに対し、両者に垂直であれば、以下の式を満たす。
:#::<math>\vec{a} \cdot \vec{e} = \vec{b} \cdot \vec{e} = 0</math>
:#:上記の結果を代入すると、
:#::<math>\vec{a} \cdot \vec{e} = x_1 x_e + y_1 y_e + z_1 z_e = x_1 (y_1 z_2 - y_2 z_1) + y_1 (z_1 x_2 - z_2 x_1) + z_1 (x_1 y_2 - x_2 y_1) = 0</math>
:#::<math>\vec{b} \cdot \vec{e} = x_2 x_e + y_2 y_e + z_2 z_e = x_2 (y_1 z_2 - y_2 z_1) + y_2 (z_1 x_2 - z_2 x_1) + z_2 (x_1 y_2 - x_2 y_1) = 0</math>
:#:となり、成立している。
:#外積<math>\vec{e}</math>の長さ<math>|\vec{e}|</math>はベクトル<math>\vec{a},\vec{b}</math>のなす平行四辺形の面積<math>S</math>と等しい長さである。
:#:<math>S = | \vec{a} | | \vec{b} |\sin \theta = | \vec{a} | | \vec{b} | \sqrt{1 - {\cos \theta}^2} </math>。ここで、<math>\vec{a}\cdot\vec{b} = |\vec{a}||\vec{b}| \cos \theta </math> より <math>\cos \theta = \frac{\vec{a}\cdot\vec{b}}{|\vec{a}||\vec{b}|} </math>
:#:与式に代入して、<math>S= |\vec{a}||\vec{b}|\sqrt{ 1 - \frac{(\vec{a}\cdot\vec{b}) ^2 }{|\vec{a}| ^2 |\vec{b}| ^2 } } =\sqrt{|\vec{a}|^2|\vec{b}|^2-(\vec{a}\cdot\vec{b})^2} </math>
:#:<math>|\vec{a}|^2 = {x_1}^2 + {y_1}^2 + {z_1}^2</math>、<math>|\vec{b}|^2 = {x_2}^2 + {y_2}^2 + {z_2}^2</math>、<math>\vec{a}\cdot\vec{b} = {x_1}{x_2} + {y_1}{y_2} + {z_1}{z_2}</math> であるから、
:#::<math>S= \sqrt{({x_1}^2 + {y_1}^2 + {z_1}^2)({x_2}^2 + {y_2}^2 + {z_2}^2)-({x_1}{x_2} + {y_1}{y_2} + {z_1}{z_2})^2}=\sqrt{(y_1 z_2 - y_2 z_1)^2+(z_1 x_2 - z_2 x_1)^2+(x_1 y_2 - x_2 y_1)^2}</math>
:#:となり([[初等数学公式集/初等代数#式の変形]]の[[w:ラグランジュの恒等式 (曖昧さ回避)|ラグランジュの恒等式]]参照)、これは、成分表示した<math>\vec{e}</math>の長さ<math>|\vec{e}|</math>に一致する。
:#::なお、[[#計算則8|上記外積の計算8.]]を用いると、<math> |\vec{a}|^2 |\vec{b}|^2 - (\vec{a} \cdot \vec{b})^2 = |\vec{a} \times \vec{b}|^2 </math> であり、式を展開せず外積を利用できる。
===外積の応用と用途===
====平行六面体====
{{wikipedia|平行六面体}}
[[File:Parallelepiped volume - dot and cross products.svg|右|250px|サムネイル|ベクトル <math>\vec{a}, \vec{b}, \vec{c}</math>による平行六面体]]
:原点<math>O</math>ではない、空間上の異なる点<math>A, B, C</math>について<math>\overrightarrow{OA} = \vec{a}, \overrightarrow{OB} = \vec{b}, \overrightarrow{OC} = \vec{c}</math> として、点<math>D, E, F, G</math>を<math>\overrightarrow{OD} = \vec{a}+\vec{b}, \overrightarrow{OE} = \vec{b}+\vec{c}, \overrightarrow{OF} = \vec{c}+ \vec{a}, \overrightarrow{OG} = \vec{a}+\vec{b}+ \vec{c}</math> となるようにとる。
:この、点<math>O, A, B, C, D, E, F, G</math>で囲まれる立体は、6面の平行四辺形で構成されている立体であり平行六面体と呼ばれる。なお、直方体や立方体も平行六面体の一種である。
:(ベクトル方程式としては、<math>s\vec{a} + t\vec{b} + u\vec{c}</math>(ただし<math>0 \le s, t, u \le 1</math>)を領域とする立体とも表現される)
:;平行六面体の体積
::この平行六面体の体積は、平行四辺形<math>OADB</math>の面積<math>S</math>に、平行四辺形<math>OADB</math>に相対する平行四辺形<math>CFEG</math>までの距離(高さ)<math>h</math>をかけた<math>Sh</math>である。
::この値は、外積を使うことにより、簡単に求められる。
:::平行四辺形<math>OADB</math>は、ベクトル<math>\vec{a}, \vec{b}</math>により、作られる図形であり、外積の定義から<math>|\vec{a} \times \vec{b}|</math>はベクトル<math>\vec{a},\vec{b}</math>のなす平行四辺形の面積<math>S</math>と等しい。
:::また、<math>\vec{a} \times \vec{b}</math>は、平行四辺形<math>OADB</math>に垂直であることから、高さの方向ベクトルの向きになっている。ここで、<math>\vec{a} \times \vec{b}</math>ともう一つの要素である<math>\vec{c}</math>の成す角を<math>\theta</math>とすると、<math>h = |\vec{c}| \cos \theta</math>となる。
:::<math>\cos \theta</math> を得るのには内積を用いれば良いので、<math>\vec{a} \times \vec{b}</math>と<math>\vec{c}</math>の内積を計算する。
::::<math>| (\vec{a} \times \vec{b}) \cdot \vec{c} |= ||\vec{a} \times \vec{b}| |\vec{c}| \cos \theta| = Sh</math>
:::と、<math>\cos \theta</math>の値を得るまでもなく、体積を得ることができた。
:したがって、ベクトル <math>\vec{a}, \vec{b}, \vec{c}</math>による平行六面体の体積は、<math> |(\vec{a} \times \vec{b}) \cdot \vec{c}|</math> と表すことができる。
:;四面体の体積
::原点<math>O, A, B, C</math>による四面体の体積は上記平行六面体の体積から簡単に求めることができる。
:::点<math>C</math>を頂点とし、平行四辺形<math>OADB</math>を底面とする四角錐は、上記平行六面体と共通の高さを持つので、体積は平行六面体の<math>\frac{1}{3}</math>である。
:::原点<math>O, A, B, C</math>による四面体は、点<math>C</math>を頂点とし<math>\triangle OAB</math>を底面とする三角錐であり、<math>\triangle OAB</math>は平行四辺形<math>OADB</math>の一部であり、その面積は平行四辺形<math>OADB</math>の<math>\frac{1}{2}</math>であるので、体積は上記四角錐の<math>\frac{1}{2}</math>である。
:::したがって、原点<math>O, A, B, C</math>による四面体の体積は<math>\frac{|(\vec{a} \times \vec{b}) \cdot \vec{c}|}{6}</math> と表すことができる。
::::※[[初等数学公式集/解析幾何#四面体|公式集]]における以下の式は、原点<math>O(0, 0, 0)</math>および3点<math>P,Q,R</math>について、<math>\overrightarrow{OP},\overrightarrow{OQ},\overrightarrow{OR}</math>として、成分表示によったものである。
:<span id="四面体の体積"></span>
:::::<math>\frac{|a_1 b_2 c_3 + a_2 b_3 c_1 + a_3 b_1 c_2 - a_1 b_3 c_2 - a_2 b_1 c_3 - a_3 b_2 c_1 |}{6}</math>
:::::<math>= \frac{|(b_1 c_2 - b_2 c_1) a_3 + (c_1 a_2 - c_2 a_1) b_3 + (a_1 b_2 - a_2 b_1) c_3 |}{6} = \frac{|(\overrightarrow{OP} \times \overrightarrow{OQ}) \cdot \overrightarrow{OR}|}{6}</math>
:::::<math>= \frac{|(b_1 c_3 - b_3 c_1) a_2 + (c_1 a_3 - c_3 a_1) b_2 + (a_1 b_3 - a_3 b_1) c_2 |}{6} = \frac{|(\overrightarrow{OP} \times \overrightarrow{OR}) \cdot \overrightarrow{OQ}|}{6}</math>
:::::<math>= \frac{|(b_2 c_3 - b_3 c_2) a_1 + (c_2 a_3 - c_3 a_2) b_1 + (a_2 b_3 - a_3 b_2) c_1 |}{6} = \frac{|(\overrightarrow{OQ} \times \overrightarrow{OR}) \cdot \overrightarrow{OP}|}{6}</math>
::::::※順序の違いにより符号は変わりうるが、絶対値は一致する。
:::::::なお、これを、右手系を意識して表記すると、
::::::::<math>(\overrightarrow{OP} \times \overrightarrow{OQ}) \cdot \overrightarrow{OR}=(\overrightarrow{OQ} \times \overrightarrow{OR}) \cdot \overrightarrow{OP}
=(\overrightarrow{OR} \times \overrightarrow{OP}) \cdot \overrightarrow{OQ}</math>
:::::::となる(内積は交換法則が成立している)。
:::::::これは、[[#計算則7|上記「外積の計算」の第7番目]]に登場する「スカラー三重積」になっている。すなわち、3個のベクトルで形成される平行六面体の体積は、3個のスカラー三重積の値の絶対値となっている(スカラー三重積自体はマイナスの値も取りうる)。
====外積の用途====
外積は、空間の位置関係の把握だけでなく様々な分野で用いられる。
=====物理計算=====
;力のモーメント(トルク)
{{wikipedia|力のモーメント}}
[[File:Torque_animation.gif|thumb|right|400px|<small>固定された回転軸をもつ系に対して、力を作用させた時の物理量の関係。力のモーメント <math>\vec{\tau}</math>と位置ベクトル <math>\vec{r}</math> と力 <math>\vec{F}</math> との関係(上の式:本文に示す)、なお、下の式は角運動量 <math>\vec{L}</math> と位置ベクトル <math>\vec{r}</math> と運動量 <math>\vec{p}</math> との関係である(参考)。</small>]]
::ある点<math>P</math>のまわりの、物体を回転させる作用の強さを表す「力のモーメント(特に回転軸を持つものを「トルク」という)」は、
:::<math>r</math>:点<math>P</math>と力の及ぼされる点(作用点)を結ぶ位置ベクトル
:::<math>F</math>:力
::として、
:::<math>\vec{\tau}=\vec{r} \times \vec{F}</math>
::によって定義されるベクトルである。
::この式から、
::*大きさ:<math>|\vec{r}| |\vec{F}| \sin{\theta}</math>(回転の強さ)
::*向き:右ねじの方向(回転軸)
::が同時に表されていることがわかる。
::力のモーメントは「どれだけ回そうとするか」という量であり、力の大きさだけでなく、作用点の位置と方向の関係によって決まる。特に、力の向きが回転軸に垂直な成分だけが回転に寄与する。そのため、単なる積ではなく、外積という形で表される。
::高校物理では、未履修であるため外積を用いずに「距離×力」や「回転方向の符号」で扱っているが、これらはこの式の一部だけを取り出したものである。
::([[高等学校物理/力学#角運動量と力のモーメント]]参照)
:{{-}}
;磁場中を運動する電荷に働く力(ローレンツ力)
{{wikipedia|ローレンツ力}}
[[File:Lorentzkraft-graphic-part1.PNG|thumb|ローレンツ力の向き。電荷で考えた場合。<br>速度<math>\vec{v}</math>から磁束密度<math>\vec{B}</math>に右ねじを回した向きがローレンツ力<math>\vec{F}</math>の向き。]]
:荷電粒子が磁場中を動いているとき、磁場から力を受ける。これを「ローレンツ力」という。
:ここで、
::<math>q</math>:荷電粒子の電荷
::<math>\vec{v}</math>:荷電粒子の速度(方向と「速さ」を持つベクトル。なお、電荷が負の場合は力の向きは逆になる。)
::<math>\vec{B}</math>:磁束密度(ベクトル)
:とすると、電荷に働くローレンツ力は、
::<math>\vec{F}= q(\vec{v} \times \vec{B})</math>
:とベクトルの形式で表される。
:磁場による力は、速度と磁場の両方に垂直な方向に働く。したがって、磁場は粒子の速さを変えるのではなく、進行方向だけを変える働きをする。
:
:高校物理での取り扱いは、以下を参照。
:*[[高等学校物理基礎/電気と磁気#ローレンツ力]]
:*[[高校物理_電磁気学#ローレンツ力]]
{{-}}
これらの例からわかるように、外積は単なる計算規則ではなく、「空間の向き(右手系)」と「大きさ(面積や回転の強さ)」を同時に表現する統一的な仕組みである。
=====意外な利用法:コンピューター・グラフィック=====
コンピューター・グラフィックでは、物体の表面の向きを求めるために外積が用いられる。ポリゴン(多角形)の2辺ベクトルの外積を取ることで、その面に垂直なベクトル(法線ベクトル)を得ることができ、これが光の当たり方(陰影計算)に利用される。
===さらに発展:外積と行列===
最後に、外積と行列の関係に触れる。現在の高校数学において、「[[行列]]」も本格的に取り上げられているわけではないため、ここでは、あまり深く立ち入らず、「外積」と「行列」という数学的な操作が、何か関係していそうだ、という現象にちょっとだけ触れる。「行列」自体は、本Wikibooks内にも教科書があるので、あまり馴染みのない読者は、斜め読みで良いからその箇所([[行列 (高校数学)]]、[[行列 (高校数学・発展)]]など)を読んで、本稿を読み進めてほしい。
;行列式
:まず、ここで、行列の演算の中で重要な「行列式」について復習しておく。
:二次行列<Math>A = \begin{pmatrix} a & b \\ c & d \end{pmatrix}</Math>に対し、<Math>ad-bc</Math>という式を'''行列式'''といい、<Math>|A|</Math> 又は <Math>det(A)</Math>で表す。
:これは、
:*行列<Math>A</Math>が<Math>\vec{v_1}=(a,b),\vec{v_2}=(c,d)</Math> 又は <Math>\vec{u_1}=(a,c),\vec{u_2}=(b,d)</Math>の組み合わせによるものであるとした場合、<Math>ad-bc=0</Math>ならば、<Math>\vec{v_1} \parallel \vec{v_2}</Math>、<Math>\vec{u_1} \parallel \vec{u_2}</Math>となっている。
:*<Math>\vec{v_1}=(a,b),\vec{v_2}=(c,d)</Math> による平行四辺形の面積<Math>S</Math>は<Math>S=|ad-bc|</Math>で表される。
:*
:*行列<Math>A</Math>に対して、<Math>AB=BA= \begin{pmatrix} 1 & 0 \\ 0 & 1 \end{pmatrix}</Math>(単位行列)となる行列<Math>B</Math> を逆行列と言い<Math>A^{-1}</Math> と表すが、<Math>A^{-1}= \frac{1}{ad - bc}
\begin{pmatrix}
d & -b\\
-c & a\\
\end{pmatrix}</Math> である。
:*:従って、<Math>ad-bc \neq 0</Math>は、行列<Math>A</Math>に逆行列が存在する必要十分条件となっている。
:*行列<Math>A</Math>に対して、<math>A^2 - (a+d) A + (ad-bc) E = O</math> が成り立つ([[ケイリー・ハミルトンの定理]])。
:と繰り返し登場する重要な式である。
;外積の各成分と行列式
:以下、三次元空間ベクトル<math>\vec{a}=(x_1,y_1,z_1), \vec{b}=(x_2,y_2,z_2)</math> について考察する。
:この2個のベクトルで外積<math>\vec{a} \times \vec{b} = ( y_1 z_2 - y_2 z_1,\; z_1 x_2 - z_2 x_1,\; x_1 y_2 - x_2 y_1 )</math> が得られることは、繰り返し述べてきたところである。
::ここで、<math>\vec{a}, \vec{b}</math> から、<Math>x</Math>成分を取り去ったベクトル<math>\vec{a_x}=(y_1,z_1), \vec{b_x}=(y_2,z_2)</math> を各々列ベクトルとした行列を<Math>A_x = \begin{pmatrix} y_1 & y_2 \\ z_1 & z_2 \end{pmatrix}</Math> とする。
::同様に、<Math>A_y = \begin{pmatrix} z_1 & z_2 \\ x_1 & x_2 \end{pmatrix}</Math>,<Math>A_z = \begin{pmatrix} x_1 & x_2 \\ y_1 & y_2 \end{pmatrix}</Math>
:さて、ここで突然ではあるが <math>(det(A_x), det(A_y), det(A_z))</math> というベクトルを考えてみる。
::<math>(det(A_x), det(A_y), det(A_z)) = ( y_1 z_2 - y_2 z_1,\; z_1 x_2 - z_2 x_1,\; x_1 y_2 - x_2 y_1 ) = \vec{a} \times \vec{b}</math>
:という結果を得るのである。
:(すなわち、外積の各成分は、他の2成分を取り出した小行列式として表される)
;三次行列の行列式
:[[File:Schema sarrus-regel.png|alt=|thumb|サラスの方法: 左三列の行列式は、赤線で結んだ斜め三項の積の和から青線で結んだ逆斜め三項の積の和を引いたものになる。]]
:行列式は二次行列だけではなく3行3列の三次行列でも定義できる。
:
:この場合
:<math>A = \begin{pmatrix}
a_{1 1} &a_{1 2} &a_{1 3} \\
a_{2 1} &a_{2 2} &a_{2 3} \\
a_{3 1} &a_{3 2} &a_{3 3}
\end{pmatrix}</math>
:に対して、
::<math> det(A) = a_{1 1}a_{2 2}a_{3 3}
+ a_{1 2}a_{2 3}a_{3 1}
+ a_{1 3}a_{2 1}a_{3 2}
- a_{1 3}a_{2 2}a_{3 1}
- a_{1 1}a_{2 3}a_{3 2}
- a_{1 2}a_{2 1}a_{3 3}</math>
:となる。
:これは、一見覚えにくいように思えるが、右図のように考えると、二次行列同様、右下りの要素をかけあわせたものから、右上がりの要素を掛け合わせたものを引くという操作であることがわかる([[w:サラスの方法]]、これは3次行列式の計算規則の一つの見方であり、外積の成分表示と同じ構造が現れている。なお、四次以上の行列には適用できない)。
;三次行列の行列式と外積
:ここで、互いに一次独立であるベクトル <math>\vec{p}=(a_1, b_1, c_1)</math>, <math>\vec{q}=(a_2, b_2, c_2)</math>, <math>\vec{r}=(a_3, b_3, c_3)</math> を考える。これも、各々を列ベクトルとした行列にすると、
::<math>A = \begin{pmatrix}
a_1 &a_2 &a_3 \\
b_1 &b_2 &b_3 \\
c_1 &c_2 &c_3
\end{pmatrix}</math>
:が得られ、この行列式を計算すると、
::<math>det(A) = a_1 b_2 c_3 + a_2 b_3 c_1 + a_3 b_1 c_2 - a_1 b_3 c_2 - a_2 b_1 c_3 - a_3 b_2 c_1</math>
:となる。どこかで見た覚えがないであろうか。そう、これは<math>\vec{p},\vec{q},\vec{r}</math> で作る[[#四面体の体積|四面体の体積の成分表示]]の分子の中の式である。この体積を6倍すると、<math>\vec{p},\vec{q},\vec{r}</math> で作る平行六面体の体積の絶対値の中の式となり、これはすなわち <math>(\vec{p} \times \vec{q}) \cdot \vec{r}</math> (スカラー三重積)となっている。
この関係がなぜ成立するかなどについては、もはやコラムの領域を超えるので割愛するが、このように、外積は「面積」や「体積」といった量を、行列式という形で統一的に表す仕組みと深く結びついているということを心に留めておいてもらいたい。
[[Category:初等数学公式集|かいせききかこらむ]]
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トーク:初等数学公式集/解析幾何/コラム
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/* 今後の参考にして下さい。外積となるベクトルを何も、記号eを使わなくてもいいと思いました。 */ 新しい節
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wikitext
text/x-wiki
== 「操作」使用例を探しています。「操作」は高等数学の固有名詞ですか? ==
①「操作_文」何?。
実は、v1v2 の各成分を用いてn のように表す操作は「外積」と言って、
↓
実は、v1v2 の各成分を用いてn のように表すのは「外積」と言って、
↓
実は、nを、v1v2 の各成分を用いて表すのは「外積」と言って、
「nが重要か,v1,v2の各成分が重要か_文」でした。
②「使わなくていい言葉文」
点・直線・平面の関係を表す操作として各種出題に埋め込まれている場合が少なくない。
↓
点・直線・平面の関係が各種出題に埋め込まれている場合が少なくない。
↓
点・直線・平面の関係を表す出題がある。
↓
/
点・直線・平面の関係の出題がある。
③>...高等数学(大学以上の課程で取り扱う数学)...
初等数学は何? 高校数学と別物と理解していました。高校数学、初等数学、高等数学。
④「操作」使用例を探しています。「操作」は高等数学の固有名詞ですか?
>ただ言い回しは単に好みの問題です。(トーク:初等数学公式集/解析幾何/証明 より)
かもしれません。--[[利用者:Tkkn46tkkn46|Tkkn46tkkn46]] ([[利用者・トーク:Tkkn46tkkn46|トーク]]) 2026年4月12日 (日) 01:47 (UTC)
== 一次独立 が本章に見当たりません。 ==
①>本節のタイトルである「三次元空間上で一次独立である2つのべクトルと直行するベクトル」は本章の「三次元空間」節に繰り返し登場するもので。
一次独立 が本章に見当たりません。繰り返し登場? どこですか。
②タイトルから一次独立を消して、本文で、一次独立の条件が必要です。でいいと思いました。
③参考 と コラム の表示の不一致です。--[[利用者:Tkkn46tkkn46|Tkkn46tkkn46]] ([[利用者・トーク:Tkkn46tkkn46|トーク]]) 2026年4月13日 (月) 14:28 (UTC)
== 直行 を 直交 に置換をお願いします。 ==
9箇所です。--[[利用者:Tkkn46tkkn46|Tkkn46tkkn46]] ([[利用者・トーク:Tkkn46tkkn46|トーク]]) 2026年4月25日 (土) 12:24 (UTC)
== 今後の参考にして下さい。外積となるベクトルを何も、記号eを使わなくてもいいと思いました。 ==
:事例があれば教えて下さい。
:[[初等数学公式集/解析幾何/コラム#外積の定義]]
:①>外積となるベクトル e=axbとする。
:外積を、何もベクトルeにしなくてもです。
:[[w:単位ベクトル]]
:>単位ベクトルは e などで表されることが多い。
:②?そもそも論。「外積となるベクトルe=axbとする。」の行を削除。
:ベクトルa・(ベクトルa x ベクトルb)=0 他2箇所
:外積を、ベクトルに代入する必要はない。
:>新たなベクトルを与える...
:与えてある。?乗算記号を用いる場合?、「axb」と言うひとつの記号の考え方です。
:>...ご指摘は基本的に考えて編集したものなので...(wikibooksの方言ですか。より)
--[[利用者:Tkkn46tkkn46|Tkkn46tkkn46]] ([[利用者・トーク:Tkkn46tkkn46|トーク]]) 2026年5月4日 (月) 10:07 (UTC)
dt44qkii04k27yc3rs8yaz11t7z1oqs
ガリア戦記 第7巻/注解/20節
0
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299094
298664
2026-05-04T11:18:40Z
Linguae
449
/* 原文テキスト */
299094
wikitext
text/x-wiki
<div style="font-family:Arial Black;font-style:normal;font-size:15pt;color:#990033;text-align:center;">C · IVLII · CAESARIS · COMMENTARIORVM · BELLI · GALLICI</div>
<div style="font-family:Arial Black;font-style:normal;font-size:30pt;color:#990033;text-align:center;">LIBER · SEPTIMVS</div>
<br>
{| id="toc" style="align:center;clear:all;" align="center" cellpadding="5"
|-
! style="background:#bbf; text-align:center;" | [[ガリア戦記/注解編|ガリア戦記 注解編]]
| style="background:#ccf; text-align:center;" | [[ガリア戦記 第7巻/注解|第7巻]]
| style="background:#eef; text-align:center;"|
[[ガリア戦記 第7巻/注解/19節|19節]] |
[[ガリア戦記 第7巻/注解/20節|20節]] |
[[ガリア戦記 第7巻/注解/21節|21節]]
|}
__notoc__
== 原文テキスト ==
<div style="font-family:Times New Roman;font-style:normal;font-size:15pt;color:#333;text-align:left;"><ref>原文テキストについては[[ガリア戦記/注解編#原文テキスト]]を参照。</ref> 20. <!--❶--><sup>1</sup>Vercingetorix, cum ad suos redisset, proditionis insimulatus<!--,--> quod castra propius Romanos movisset, quod cum omni equitatu discessisset, quod sine imperio tantas copias reliquisset, quod eius discessu Romani tanta <span style="background-color:#ffc;">opportunitate</span> et celeritate venissent<!--:-->; <!--◆--> <!--❷--><sup>2</sup>non haec omnia fortuito aut sine consilio accidere potuisse; regnum illum Galliae malle Caesaris concessu quam ipsorum habere beneficio<!--─ --> <!--◆--> <!--❸--><sup>3</sup>tali modo accusatus ad haec respondit: <!--◆--> quod castra movisset, factum inopia pabuli, etiam ipsis hortantibus; <!--◆--> quod propius Romanos accessisset, persuasum loci <span style="background-color:#ffc;">opportunitate</span><!--,--> qui <span style="background-color:#ffc;">†se <!--(ω) -->ipsum†</span> <!--(Th. Bentley) ipse sine-->munitione defenderet<!--:-->; <!--◆--> <!--❹--><sup>4</sup>equitum vero operam neque in loco palustri desiderari debuisse et illic fuisse utilem<!--,--> quo sint profecti. <!--◆--> <!--❺--><sup>5</sup>Summam imperi<!--imperii--> se consulto nulli discedentem tradidisse, ne is multitudinis studio ad dimicandum impelleretur<!--,-->; cui rei propter animi mollitiem studere omnis<!--omnes--> videret, quod diutius laborem ferre non possent. <!--◆--> <!--❻--><sup>6</sup>Romani si casu intervenerint, fortunae, si alicuius indicio vocati, huic habendam gratiam, quod et paucitatem eorum ex loco superiore cognoscere et virtutem despicere potuerint, qui dimicare non ausi turpiter se in castra receperint. <!--◆--> <!--❼--><sup>7</sup>Imperium se <!--(α) -->ab<!--(β) a--> Caesare per proditionem nullum desiderare, quod habere victoria posset<!--,--> quae iam esset sibi atque omnibus Gallis explorata<!--;-->: <!--◆--> quin etiam ipsis <!--(S, Stephanus, Vascosan) -->remittere<!--(χBMLNβ) remitteret-->, si sibi magis honorem tribuere<!--,--> quam ab se salutem accipere videantur. <!--◆--> <!--❽--><sup>8</sup> <!--◀左括弧-->‘Haec ut intellegatis,<!--▶右括弧-->’ inquit, <!--◀左括弧-->‘a me sincere pronuntiari, audite Romanos milites.<!--▶右括弧-->’ <!--◆--> <!--❾--><sup></sup>Producit servos, quos in pabulatione paucis ante diebus exceperat et fame vinculisque excruciaverat. <!--◆--> <!--❿--><sup>10</sup>Hi iam ante edocti quae interrogati pronuntiarent, milites se esse legionarios dicunt; <!--◆--> fame <!--(α) -->et<!--(β) atque--> inopia adductos clam ex castris exisse, si quid frumenti aut pecoris in agris reperire possent<!--:-->; <!--◆--> <!--⓫--><sup>11</sup>simili omnem exercitum inopia premi, nec iam vires sufficere cuiusquam nec ferre operis laborem posse<!--:-->; itaque statuisse imperatorem, si nihil in oppugnatione oppidi <!--(SLN) -->profecissent<!--(β) profecisset -->, triduo exercitum deducere. <!--◆--> <!--⓬--><sup>12</sup><!--◀左括弧-->‘Haec,<!--▶右括弧-->’ inquit, <!--◀左括弧-->‘a me,<!--▶右括弧-->’ Vercingetorix, <!--◀左括弧-->‘beneficia habetis, quem proditionis insimulatis; cuius opera sine vestro sanguine tantum exercitum victorem fame <!--(α) om.--><!--(β) paene--> consumptum videtis; quem turpiter se ex <!--(α) om.--><!--(β) hac--> fuga recipientem ne qua civitas suis finibus recipiat<!--,--> a me provisum est.<!--▶右括弧-->’ </div>
<span style="background-color:#ffc;"></span>
----
;テキスト引用についての注記
<span style="font-family:Times New Roman;font-style:normal;font-size:15pt;"></span>
<span style="font-family:Times New Roman;font-style:oblique;font-size:15pt;"></span>
<span style="font-family:Times New Roman;font-style:bold;font-size:15pt;"></span>
== 整形テキスト ==
<div style="font-family:Times New Roman;font-style:normal;font-size:15pt;color:#333;text-align:left;"><ref>整形テキストについては[[ガリア戦記/注解編#凡例]]を参照。</ref>
</div>
<span style="color:#800;"></span>
<!--❶--><!--❷--><!--❸--><!--❹--><!--❺--><!--❻--><!--❼--><!--❽--><!--❾--><!--❿--><!--⓫--><!--⓬--><sup></sup>
<!-- <!--◆--> -->
----
;注記
<!--
*原文の <span style="font-family:Times New Roman;font-style:normal;font-size:15pt;">[[wikt:en:acclivis#Latin|acclīvis]], [[wikt:en:accommodatae|accommodātae]], [[wikt:en:allatis|allātīs]], [[wikt:en:Aduatuca#Latin|Aduātucam]], [[wikt:en:Aduatuci|Aduatucī]], [[wikt:en:Aduatucis|Aduatucīs]], [[wikt:en:Aduatucos|Aduatucōs]], [[wikt:en:Aeduae|Aeduae]], [[wikt:en:Aedui#Latin|Aeduī]], [[wikt:en:Aeduis|Aeduīs]], [[wikt:en:Aeduorum|Aeduōrum]], [[wikt:en:Aeduos|Aeduōs]], [[wikt:en:Aeduus#Latin|Aeduus]], [[wikt:en:aequinocti|aequinoctī]], [[wikt:en:affecti|affectī]], [[wikt:en:affectus#Participle|affectus]], [[wikt:en:afferat|afferat]], [[wikt:en:afferebat|afferēbat]], [[wikt:en:afferret|afferret]], [[wikt:en:afferretur|afferrētur]], [[wikt:en:afflictae|afflīctae]], [[wikt:en:affligunt|afflīgunt]], [[wikt:en:aggregabat|aggregābat]], [[wikt:en:aggregaverant|aggregāverant]] ([[wikt:en:aggregarant|aggregārant]]), [[wikt:en:allato|allātō]], [[wikt:en:Alpis#Latin|Alpīs]], [[wikt:en:appelluntur|appelluntur]], [[wikt:en:appetebat|appetēbat]], [[wikt:en:apportari|apportārī]], [[wikt:en:applicant#Latin|applicant]], [[wikt:en:appropinquabat|appropinquābat]], [[wikt:en:appropinquare#Latin|appropinquāre]], [[wikt:en:appropinquarent|appropinquārent]], [[wikt:en:appropinquassent|appropinquāssent]], [[wikt:en:appropinquaverunt|appropinquāvērunt]] ([[wikt:en:appropinquarunt|appropinquārunt]]), [[wikt:en:appropinquavit|appropinquāvit]], [[wikt:en:appulso#Latin|appulsō]], [[wikt:en:arripere|arripere]], [[wikt:en:articlis|articlīs]], [[wikt:en:ascendissent#Latin|ascendissent]], [[wikt:en:ascensu#Noun|ascēnsū]], [[wikt:en:assidua#Latin|assiduā]], [[wikt:en:assuefacti|assuēfactī]], [[wikt:en:assuescere#Latin|assuēscere]], [[wikt:en:attingit|attingit]], [[wikt:en:attingunt|attingunt]], [[wikt:en:attribuerat#Latin|attribuerat]], [[wikt:en:attribuit|attribuit]], [[wikt:en:attribuunt|attribuunt]], [[wikt:en:auris#Latin|aurīs]], [[wikt:en:auxili#Latin|auxilī]], [[wikt:en:cedentis|cēdentīs]], [[wikt:en:civis#Latin|cīvīs]], [[wikt:en:clientis|clientīs]], [[wikt:en:cohortis|cohortīs]], [[wikt:en:coicere|coicere]], [[wikt:en:coicerent|coicerent]], [[wikt:en:coici|coicī]], [[wikt:en:coiciant|coiciant]], [[wikt:en:coiciebant|coiciēbant]], [[wikt:en:coiciunt|coiciunt]], [[wikt:en:coiecerant|coiēcerant]], [[wikt:en:coiecerunt|coiēcērunt]], [[wikt:en:coiecisse|coiēcisse]], [[wikt:en:coiecta|coiecta]], [[wikt:en:coiecti|coiectī]], [[wikt:en:coiectis|coiectīs]], [[wikt:en:collatis|collātīs]], [[wikt:en:collaudantur|collaudantur]], [[wikt:en:collaudat|collaudat]], [[wikt:en:collaudatis#Participle|collaudātīs]], [[wikt:en:collis#Latin|collīs]], [[wikt:en:collocabant|collocābant]], [[wikt:en:collocabat|collocābat]], [[wikt:en:collocandis|collocandīs]], [[wikt:en:collocant#Latin|collocant]], [[wikt:en:collocarat|collocārat]], [[wikt:en:collocare#Latin|collocāre]], [[wikt:en:collocaret|collocāret]], [[wikt:en:collocari|collocārī]], [[wikt:en:collocatas|collocātās]], [[wikt:en:collocati#Latin|collocātī]], [[wikt:en:collocatis#Participle|collocātīs]], [[wikt:en:collocaverat#Latin|collocāverat]], [[wikt:en:collocavit|collocāvit]], [[wikt:en:collocuti|collocūtī]], [[wikt:en:colloquantur|colloquantur]], [[wikt:en:colloquendi|colloquendī]], [[wikt:en:colloqui#Latin|colloquī]], [[wikt:en:colloquium#Latin|colloquium]], [[wikt:en:compluribus|complūribus]], [[wikt:en:compluris|complūrīs]], [[wikt:en:comprehensis|comprehēnsīs]], [[wikt:en:comprehensos|comprehēnsōs]], [[wikt:en:conantis|cōnantīs]], [[wikt:en:consili|cōnsilī]], [[wikt:en:dubitantis#Participle_2|dubitantīs]], [[wikt:en:egredientis#Etymology_2|ēgredientīs]], [[wikt:en:ei#Latin|eī]], [[wikt:en:eis#Latin|eīs]], [[wikt:en:existit#Latin|existit]], [[wikt:en:exposcentis#Participle_2|exposcentīs]], [[wikt:en:ferventis#Latin|ferventīs]], [[wikt:en:finis#Latin|fīnīs]], [[wikt:en:glandis#Latin|glandīs]], [[wikt:en:haesitantis#Participle_2|haesitantīs]], [[wikt:en:hostis#Latin|hostīs]], [[wikt:en:ignis#Latin|ignīs]], [[wikt:en:illatas|illātās]], [[wikt:en:immittit|immittit]], [[wikt:en:immittunt|immittunt]], [[wikt:en:imparatum|imparātum]], [[wikt:en:impedita#Latin|impedīta]], [[wikt:en:imperi#Latin|imperī]], [[wikt:en:incolumis#Latin|incolumīs]], [[wikt:en:indignantis#Participle_2|indignantīs]], [[wikt:en:inopinantis#Adjective_2|inopīnantīs]], [[wikt:en:irridere#Latin|irrīdēre]], [[wikt:en:irrumpere|irrumpere]], [[wikt:en:irrumpit|irrumpit]], [[wikt:en:irruperunt|irrūpērunt]], [[wikt:en:laborantis#Etymology_2|labōrantīs]], [[wikt:en:montis|montīs]], [[wikt:en:natalis#Latin|nātālīs]], [[wikt:en:navis#Latin|nāvīs]], [[wikt:en:negoti|negōtī]], nōn nūllae, nōn nūllōs, [[wikt:en:offici#Noun_2|officī]], [[wikt:en:omnis#Latin|omnīs]], [[wikt:en:partis#Latin|partīs]], [[wikt:en:periclum#Latin|perīclum]], plūrīs, [[wikt:en:praesidi|praesidī]], [[wikt:en:proeli|proelī]], proficīscentīs, [[wikt:en:resistentis|resistentīs]], [[wikt:en:singularis#Latin|singulārīs]], [[wikt:en:solaci|sōlācī]], [[wikt:en:spati#Latin|spatī]], [[wikt:en:subeuntis|subeuntīs]], [[wikt:en:suffossis|suffossīs]], [[wikt:en:sumministrata|sumministrāta]], [[wikt:en:summissis|summissīs]], [[wikt:en:summittebat|summittēbat]], [[wikt:en:summittit|summittit]], [[wikt:en:summotis|summōtīs]], [[wikt:en:summoveri|summovērī]], [[wikt:en:supplici#Noun|supplicī]], [[wikt:en:timentis#Participle_2|timentīs]], [[wikt:en:Tituri|Titūrī]], [[wikt:en:Trinobantes#Latin|Trinobantēs]], trīs, [[wikt:en:turris#Latin|turrīs]], [[wikt:en:utilis#Latin|ūtilīs]], [[wikt:en:vectigalis#Latin|vectīgālīs]] </span> などは、<br>それぞれ <span style="font-family:Times New Roman;font-style:normal;font-size:15pt;">[[wikt:en:adclivis#Latin|adclīvis]], [[wikt:en:adcommodatae|adcommodātae]], [[wikt:en:adlatis|adlātīs]], Atuātucam, [[wikt:de:Atuatuci|Atuatucī]], Atuatucīs, Atuatucōs, Haeduae, [[wikt:en:Haedui|Haeduī]], [[wikt:en:Haeduis|Haeduīs]], [[wikt:en:Haeduorum|Haeduōrum]], [[wikt:en:Haeduos|Haeduōs]], Haeduus, [[wikt:en:aequinoctii|aequinoctiī]], [[wikt:en:adfecti|adfectī]], [[wikt:en:adfectus#Adjective|adfectus]], [[wikt:en:adferat|adferat]], [[wikt:en:adferebat|adferēbat]], [[wikt:en:adferret|adferret]], [[wikt:en:adferretur|adferrētur]], [[wikt:en:adflictae|adflīctae]], [[wikt:en:adfligunt|adflīgunt]], [[wikt:en:adgregabat|adgregābat]], [[wikt:en:adgregaverant|adgregāverant]] ([[wikt:en:adgregarant|adgregārant]]), [[wikt:en:adlato|adlātō]], [[wikt:en:Alpes#Latin|Alpēs]], [[wikt:en:adpelluntur|adpelluntur]], [[wikt:en:adpetebat|adpetēbat]], [[wikt:en:adportari|adportārī]], [[wikt:en:adplicant|adplicant]], [[wikt:en:adpropinquabat|adpropinquābat]], [[wikt:en:adpropinquare|adpropinquāre]], [[wikt:en:adpropinquarent|adpropinquārent]], [[wikt:en:adpropinquassent|adpropinquāssent]], [[wikt:en:adpropinquaverunt|adpropinquāvērunt]] ([[wikt:en:adpropinquarunt|adpropinquārunt]]), [[wikt:en:adpropinquavit|adpropinquāvit]], [[wikt:en:adpulso|adpulsō]], [[wikt:en:adripere|adripere]], [[wikt:en:articulis|articulīs]], [[wikt:en:adscendissent|adscendissent]], [[wikt:en:adscensu#Noun|adscēnsū]], [[wikt:en:adsidua|adsiduā]], [[wikt:en:adsuefacti|adsuēfactī]], [[wikt:en:adsuescere#Latin|adsuēscere]], [[wikt:en:adtingit|adtingit]], [[wikt:en:adtingunt|adtingunt]], [[wikt:en:adtribuerat#Latin|adtribuerat]], [[wikt:en:adtribuit|adtribuit]], [[wikt:en:adtribuunt|adtribuunt]], [[wikt:en:aures#Noun|aurēs]], [[wikt:en:auxilii|auxiliī]], [[wikt:en:cedentes#Latin|cēdentēs]], [[wikt:en:cives#Latin|cīvēs]], [[wikt:en:clientes#Latin|clientēs]], [[wikt:en:cohortes#Latin|cohortēs]], [[wikt:en:conicere|conicere]], [[wikt:en:conicerent|conicerent]], [[wikt:en:conici#Latin|conicī]], [[wikt:en:coniciant|coniciant]], [[wikt:en:coniciebant|coniciēbant]], [[wikt:en:coniciunt|coniciunt]], [[wikt:en:coniecerant|coniēcerant]], [[wikt:en:coniecerunt|coniēcērunt]], [[wikt:en:coniecisse|coniēcisse]], [[wikt:en:coniecta|coniecta]], [[wikt:en:coniecti|coniectī]], [[wikt:en:coniectis|coniectīs]], [[wikt:en:conlatis|conlātīs]], [[wikt:en:conlaudantur|conlaudantur]], [[wikt:en:conlaudat|conlaudat]], [[wikt:en:conlaudatis#Participle|conlaudātīs]], [[wikt:en:colles#Latin|collēs]], [[wikt:en:conlocabant|conlocābant]], [[wikt:en:conlocabat|conlocābat]], [[wikt:en:conlocandis|conlocandīs]], [[wikt:en:conlocant|conlocant]], [[wikt:en:conlocarat|conlocārat]], [[wikt:en:conlocare|conlocāre]], [[wikt:en:conlocaret|conlocāret]], [[wikt:en:conlocari|conlocārī]], [[wikt:en:conlocatas|conlocātās]], [[wikt:en:conlocati|conlocātī]], [[wikt:en:conlocatis#Participle|conlocātīs]], [[wikt:en:conlocaverat#Latin|conlocāverat]], [[wikt:en:conlocavit|conlocāvit]], [[wikt:en:conlocuti|conlocūtī]], [[wikt:en:conloquantur|conloquantur]], [[wikt:en:conloquendi|conloquendī]], [[wikt:en:conloqui#Latin|conloquī]], [[wikt:en:conloquium#Latin|conloquium]], [[wikt:en:conpluribus|conplūribus]], [[wikt:en:complures#Latin|complūrēs]], [[wikt:en:conprehensis|conprehēnsīs]], [[wikt:en:conprehensos|conprehēnsōs]], [[wikt:en:conantes|cōnantēs]], [[wikt:en:consilii|cōnsiliī]], [[wikt:en:dubitantes|dubitantēs]], [[wikt:en:egredientes|ēgredientēs]], [[wikt:en:ii#Latin|iī]], [[wikt:en:iis#Latin|iīs]], [[wikt:en:exsistit|exsistit]], [[wikt:en:exposcentes#Latin|exposcentēs]], [[wikt:en:ferventes#Latin|ferventēs]], [[wikt:en:fines#Latin|fīnēs]], [[wikt:en:glandes#Latin|glandēs]], [[wikt:en:haesitantes#Latin|haesitantēs]], [[wikt:en:hostes#Latin|hostēs]], [[wikt:en:ignes|ignēs]], [[wikt:en:inlatas|inlātās]], [[wikt:en:inmittit|inmittit]], [[wikt:en:inmittunt|inmittunt]], [[wikt:en:inparatum|inparātum]], [[wikt:en:inpedita#Latin|inpedīta]], [[wikt:en:imperii#Latin|imperiī]], [[wikt:en:incolumes|incolumēs]], [[wikt:en:indignantes#Latin|indignantēs]], [[wikt:en:inopinantes|inopīnantēs]], [[wikt:en:inridere|inrīdēre]], [[wikt:en:inrumpere|inrumpere]], [[wikt:en:inrumpit|inrumpit]], [[wikt:en:inruperunt|inrūpērunt]], [[wikt:en:laborantes#Latin|labōrantēs]], [[wikt:en:montes#Latin|montēs]], [[wikt:en:natales#Latin|nātālēs]], [[wikt:en:naves#Latin|nāvēs]], [[wikt:en:negotii|negōtiī]], [[wikt:en:nonnullae|nōnnūllae]], [[wikt:en:nonnullos|nōnnūllōs]], [[wikt:en:officii#Latin|officiī]], [[wikt:en:omnes#Latin|omnēs]], [[wikt:en:partes#Latin|partēs]], [[wikt:en:periculum#Latin|perīculum]], [[wikt:en:plures|plūrēs]], [[wikt:en:praesidii|praesidiī]], [[wikt:en:proelii|proeliī]], [[wikt:en:proficiscentes|proficīscentēs]], [[wikt:en:resistentes#Latin|resistentēs]], [[wikt:en:singulares#Latin|singulārēs]], [[wikt:en:solacii|sōlāciī]], [[wikt:en:spatii#Latin|spatiī]], [[wikt:en:subeuntes|subeuntēs]], [[wikt:en:subfossis|subfossīs]], [[wikt:en:subministrata|subministrāta]], [[wikt:en:submissis|submissīs]], [[wikt:en:submittebat|submittēbat]], [[wikt:en:submittit|submittit]], [[wikt:en:submotis|submōtīs]], [[wikt:en:submoveri|submovērī]], [[wikt:en:supplicii|suppliciī]], [[wikt:en:timentes|timentēs]], [[wikt:en:Titurii|Titūriī]], [[wikt:en:Trinovantes#Latin|Trinovantēs]], [[wikt:en:tres#Latin|trēs]], [[wikt:en:turres#Latin|turrēs]], [[wikt:en:utiles#Latin|ūtilēs]], [[wikt:en:vectigales|vectīgālēs]] </span> などとした。
-->
<span style="font-family:Times New Roman;font-style:normal;font-size:15pt;"></span>
<span style="font-family:Times New Roman;font-style:oblique;font-size:15pt;"></span>
<span style="color:#b00;"></span>
<span style="color:#800;"></span>
<span style="font-size:10pt;"></span>
<span style="background-color:#ff0;"></span>
== 注解 ==
=== 1項 ===
<span style="font-family:Times New Roman;font-size:20pt;"></span>
;語釈
<span style="font-family:Times New Roman;font-size:15pt;background-color:#fff;"></span>
<span style="font-family:Times New Roman;font-size:15pt;"></span>
<span style="font-family:Times New Roman;font-size:15pt;"></span>
<span style="background-color:#ccffcc;"></span>
<!--
;対訳
《 》 内は、訳者が説明のために補った語。<span style="font-family:Times New Roman;font-size:30pt;">{</span> <span style="font-family:Times New Roman;font-size:30pt;">}</span> 内は関係文。
<span style="font-family:Times New Roman;font-size:15pt;"></span>
-->
== 訳文 ==
*<span style="background-color:#dff;">訳文は、[[ガリア戦記_第7巻#20節]]</span>
== 脚注 ==
{{Reflist}}
== 解説 ==
<!--
{| class="wikitable" style="text-align:center"
|- style="height:23em;"
|
|
|}
-->
== 関連項目 ==
*[[ガリア戦記]]
**[[ガリア戦記/注解編]]
***[[ガリア戦記 第7巻/注解]]
**[[ガリア戦記/用例集]]
== 関連記事 ==
== 外部リンク ==
[[Category:ガリア戦記 第7巻|20節]]
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299096
299094
2026-05-04T11:22:13Z
Linguae
449
/* 外部リンク */
299096
wikitext
text/x-wiki
<div style="font-family:Arial Black;font-style:normal;font-size:15pt;color:#990033;text-align:center;">C · IVLII · CAESARIS · COMMENTARIORVM · BELLI · GALLICI</div>
<div style="font-family:Arial Black;font-style:normal;font-size:30pt;color:#990033;text-align:center;">LIBER · SEPTIMVS</div>
<br>
{| id="toc" style="align:center;clear:all;" align="center" cellpadding="5"
|-
! style="background:#bbf; text-align:center;" | [[ガリア戦記/注解編|ガリア戦記 注解編]]
| style="background:#ccf; text-align:center;" | [[ガリア戦記 第7巻/注解|第7巻]]
| style="background:#eef; text-align:center;"|
[[ガリア戦記 第7巻/注解/19節|19節]] |
[[ガリア戦記 第7巻/注解/20節|20節]] |
[[ガリア戦記 第7巻/注解/21節|21節]]
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__notoc__
== 原文テキスト ==
<div style="font-family:Times New Roman;font-style:normal;font-size:15pt;color:#333;text-align:left;"><ref>原文テキストについては[[ガリア戦記/注解編#原文テキスト]]を参照。</ref> 20. <!--❶--><sup>1</sup>Vercingetorix, cum ad suos redisset, proditionis insimulatus<!--,--> quod castra propius Romanos movisset, quod cum omni equitatu discessisset, quod sine imperio tantas copias reliquisset, quod eius discessu Romani tanta <span style="background-color:#ffc;">opportunitate</span> et celeritate venissent<!--:-->; <!--◆--> <!--❷--><sup>2</sup>non haec omnia fortuito aut sine consilio accidere potuisse; regnum illum Galliae malle Caesaris concessu quam ipsorum habere beneficio<!--─ --> <!--◆--> <!--❸--><sup>3</sup>tali modo accusatus ad haec respondit: <!--◆--> quod castra movisset, factum inopia pabuli, etiam ipsis hortantibus; <!--◆--> quod propius Romanos accessisset, persuasum loci <span style="background-color:#ffc;">opportunitate</span><!--,--> qui <span style="background-color:#ffc;">†se <!--(ω) -->ipsum†</span> <!--(Th. Bentley) ipse sine-->munitione defenderet<!--:-->; <!--◆--> <!--❹--><sup>4</sup>equitum vero operam neque in loco palustri desiderari debuisse et illic fuisse utilem<!--,--> quo sint profecti. <!--◆--> <!--❺--><sup>5</sup>Summam imperi<!--imperii--> se consulto nulli discedentem tradidisse, ne is multitudinis studio ad dimicandum impelleretur<!--,-->; cui rei propter animi mollitiem studere omnis<!--omnes--> videret, quod diutius laborem ferre non possent. <!--◆--> <!--❻--><sup>6</sup>Romani si casu intervenerint, fortunae, si alicuius indicio vocati, huic habendam gratiam, quod et paucitatem eorum ex loco superiore cognoscere et virtutem despicere potuerint, qui dimicare non ausi turpiter se in castra receperint. <!--◆--> <!--❼--><sup>7</sup>Imperium se <!--(α) -->ab<!--(β) a--> Caesare per proditionem nullum desiderare, quod habere victoria posset<!--,--> quae iam esset sibi atque omnibus Gallis explorata<!--;-->: <!--◆--> quin etiam ipsis <!--(S, Stephanus, Vascosan) -->remittere<!--(χBMLNβ) remitteret-->, si sibi magis honorem tribuere<!--,--> quam ab se salutem accipere videantur. <!--◆--> <!--❽--><sup>8</sup> <!--◀左括弧-->‘Haec ut intellegatis,<!--▶右括弧-->’ inquit, <!--◀左括弧-->‘a me sincere pronuntiari, audite Romanos milites.<!--▶右括弧-->’ <!--◆--> <!--❾--><sup></sup>Producit servos, quos in pabulatione paucis ante diebus exceperat et fame vinculisque excruciaverat. <!--◆--> <!--❿--><sup>10</sup>Hi iam ante edocti quae interrogati pronuntiarent, milites se esse legionarios dicunt; <!--◆--> fame <!--(α) -->et<!--(β) atque--> inopia adductos clam ex castris exisse, si quid frumenti aut pecoris in agris reperire possent<!--:-->; <!--◆--> <!--⓫--><sup>11</sup>simili omnem exercitum inopia premi, nec iam vires sufficere cuiusquam nec ferre operis laborem posse<!--:-->; itaque statuisse imperatorem, si nihil in oppugnatione oppidi <!--(SLN) -->profecissent<!--(β) profecisset -->, triduo exercitum deducere. <!--◆--> <!--⓬--><sup>12</sup><!--◀左括弧-->‘Haec,<!--▶右括弧-->’ inquit, <!--◀左括弧-->‘a me,<!--▶右括弧-->’ Vercingetorix, <!--◀左括弧-->‘beneficia habetis, quem proditionis insimulatis; cuius opera sine vestro sanguine tantum exercitum victorem fame <!--(α) om.--><!--(β) paene--> consumptum videtis; quem turpiter se ex <!--(α) om.--><!--(β) hac--> fuga recipientem ne qua civitas suis finibus recipiat<!--,--> a me provisum est.<!--▶右括弧-->’ </div>
<span style="background-color:#ffc;"></span>
----
;テキスト引用についての注記
<span style="font-family:Times New Roman;font-style:normal;font-size:15pt;"></span>
<span style="font-family:Times New Roman;font-style:oblique;font-size:15pt;"></span>
<span style="font-family:Times New Roman;font-style:bold;font-size:15pt;"></span>
== 整形テキスト ==
<div style="font-family:Times New Roman;font-style:normal;font-size:15pt;color:#333;text-align:left;"><ref>整形テキストについては[[ガリア戦記/注解編#凡例]]を参照。</ref>
</div>
<span style="color:#800;"></span>
<!--❶--><!--❷--><!--❸--><!--❹--><!--❺--><!--❻--><!--❼--><!--❽--><!--❾--><!--❿--><!--⓫--><!--⓬--><sup></sup>
<!-- <!--◆--> -->
----
;注記
<!--
*原文の <span style="font-family:Times New Roman;font-style:normal;font-size:15pt;">[[wikt:en:acclivis#Latin|acclīvis]], [[wikt:en:accommodatae|accommodātae]], [[wikt:en:allatis|allātīs]], [[wikt:en:Aduatuca#Latin|Aduātucam]], [[wikt:en:Aduatuci|Aduatucī]], [[wikt:en:Aduatucis|Aduatucīs]], [[wikt:en:Aduatucos|Aduatucōs]], [[wikt:en:Aeduae|Aeduae]], [[wikt:en:Aedui#Latin|Aeduī]], [[wikt:en:Aeduis|Aeduīs]], [[wikt:en:Aeduorum|Aeduōrum]], [[wikt:en:Aeduos|Aeduōs]], [[wikt:en:Aeduus#Latin|Aeduus]], [[wikt:en:aequinocti|aequinoctī]], [[wikt:en:affecti|affectī]], [[wikt:en:affectus#Participle|affectus]], [[wikt:en:afferat|afferat]], [[wikt:en:afferebat|afferēbat]], [[wikt:en:afferret|afferret]], [[wikt:en:afferretur|afferrētur]], [[wikt:en:afflictae|afflīctae]], [[wikt:en:affligunt|afflīgunt]], [[wikt:en:aggregabat|aggregābat]], [[wikt:en:aggregaverant|aggregāverant]] ([[wikt:en:aggregarant|aggregārant]]), [[wikt:en:allato|allātō]], [[wikt:en:Alpis#Latin|Alpīs]], [[wikt:en:appelluntur|appelluntur]], [[wikt:en:appetebat|appetēbat]], [[wikt:en:apportari|apportārī]], [[wikt:en:applicant#Latin|applicant]], [[wikt:en:appropinquabat|appropinquābat]], [[wikt:en:appropinquare#Latin|appropinquāre]], [[wikt:en:appropinquarent|appropinquārent]], [[wikt:en:appropinquassent|appropinquāssent]], [[wikt:en:appropinquaverunt|appropinquāvērunt]] ([[wikt:en:appropinquarunt|appropinquārunt]]), [[wikt:en:appropinquavit|appropinquāvit]], [[wikt:en:appulso#Latin|appulsō]], [[wikt:en:arripere|arripere]], [[wikt:en:articlis|articlīs]], [[wikt:en:ascendissent#Latin|ascendissent]], [[wikt:en:ascensu#Noun|ascēnsū]], [[wikt:en:assidua#Latin|assiduā]], [[wikt:en:assuefacti|assuēfactī]], [[wikt:en:assuescere#Latin|assuēscere]], [[wikt:en:attingit|attingit]], [[wikt:en:attingunt|attingunt]], [[wikt:en:attribuerat#Latin|attribuerat]], [[wikt:en:attribuit|attribuit]], [[wikt:en:attribuunt|attribuunt]], [[wikt:en:auris#Latin|aurīs]], [[wikt:en:auxili#Latin|auxilī]], [[wikt:en:cedentis|cēdentīs]], [[wikt:en:civis#Latin|cīvīs]], [[wikt:en:clientis|clientīs]], [[wikt:en:cohortis|cohortīs]], [[wikt:en:coicere|coicere]], [[wikt:en:coicerent|coicerent]], [[wikt:en:coici|coicī]], [[wikt:en:coiciant|coiciant]], [[wikt:en:coiciebant|coiciēbant]], [[wikt:en:coiciunt|coiciunt]], [[wikt:en:coiecerant|coiēcerant]], [[wikt:en:coiecerunt|coiēcērunt]], [[wikt:en:coiecisse|coiēcisse]], [[wikt:en:coiecta|coiecta]], [[wikt:en:coiecti|coiectī]], [[wikt:en:coiectis|coiectīs]], [[wikt:en:collatis|collātīs]], [[wikt:en:collaudantur|collaudantur]], [[wikt:en:collaudat|collaudat]], [[wikt:en:collaudatis#Participle|collaudātīs]], [[wikt:en:collis#Latin|collīs]], [[wikt:en:collocabant|collocābant]], [[wikt:en:collocabat|collocābat]], [[wikt:en:collocandis|collocandīs]], [[wikt:en:collocant#Latin|collocant]], [[wikt:en:collocarat|collocārat]], [[wikt:en:collocare#Latin|collocāre]], [[wikt:en:collocaret|collocāret]], [[wikt:en:collocari|collocārī]], [[wikt:en:collocatas|collocātās]], [[wikt:en:collocati#Latin|collocātī]], [[wikt:en:collocatis#Participle|collocātīs]], [[wikt:en:collocaverat#Latin|collocāverat]], [[wikt:en:collocavit|collocāvit]], [[wikt:en:collocuti|collocūtī]], [[wikt:en:colloquantur|colloquantur]], [[wikt:en:colloquendi|colloquendī]], [[wikt:en:colloqui#Latin|colloquī]], [[wikt:en:colloquium#Latin|colloquium]], [[wikt:en:compluribus|complūribus]], [[wikt:en:compluris|complūrīs]], [[wikt:en:comprehensis|comprehēnsīs]], [[wikt:en:comprehensos|comprehēnsōs]], [[wikt:en:conantis|cōnantīs]], [[wikt:en:consili|cōnsilī]], [[wikt:en:dubitantis#Participle_2|dubitantīs]], [[wikt:en:egredientis#Etymology_2|ēgredientīs]], [[wikt:en:ei#Latin|eī]], [[wikt:en:eis#Latin|eīs]], [[wikt:en:existit#Latin|existit]], [[wikt:en:exposcentis#Participle_2|exposcentīs]], [[wikt:en:ferventis#Latin|ferventīs]], [[wikt:en:finis#Latin|fīnīs]], [[wikt:en:glandis#Latin|glandīs]], [[wikt:en:haesitantis#Participle_2|haesitantīs]], [[wikt:en:hostis#Latin|hostīs]], [[wikt:en:ignis#Latin|ignīs]], [[wikt:en:illatas|illātās]], [[wikt:en:immittit|immittit]], [[wikt:en:immittunt|immittunt]], [[wikt:en:imparatum|imparātum]], [[wikt:en:impedita#Latin|impedīta]], [[wikt:en:imperi#Latin|imperī]], [[wikt:en:incolumis#Latin|incolumīs]], [[wikt:en:indignantis#Participle_2|indignantīs]], [[wikt:en:inopinantis#Adjective_2|inopīnantīs]], [[wikt:en:irridere#Latin|irrīdēre]], [[wikt:en:irrumpere|irrumpere]], [[wikt:en:irrumpit|irrumpit]], [[wikt:en:irruperunt|irrūpērunt]], [[wikt:en:laborantis#Etymology_2|labōrantīs]], [[wikt:en:montis|montīs]], [[wikt:en:natalis#Latin|nātālīs]], [[wikt:en:navis#Latin|nāvīs]], [[wikt:en:negoti|negōtī]], nōn nūllae, nōn nūllōs, [[wikt:en:offici#Noun_2|officī]], [[wikt:en:omnis#Latin|omnīs]], [[wikt:en:partis#Latin|partīs]], [[wikt:en:periclum#Latin|perīclum]], plūrīs, [[wikt:en:praesidi|praesidī]], [[wikt:en:proeli|proelī]], proficīscentīs, [[wikt:en:resistentis|resistentīs]], [[wikt:en:singularis#Latin|singulārīs]], [[wikt:en:solaci|sōlācī]], [[wikt:en:spati#Latin|spatī]], [[wikt:en:subeuntis|subeuntīs]], [[wikt:en:suffossis|suffossīs]], [[wikt:en:sumministrata|sumministrāta]], [[wikt:en:summissis|summissīs]], [[wikt:en:summittebat|summittēbat]], [[wikt:en:summittit|summittit]], [[wikt:en:summotis|summōtīs]], [[wikt:en:summoveri|summovērī]], [[wikt:en:supplici#Noun|supplicī]], [[wikt:en:timentis#Participle_2|timentīs]], [[wikt:en:Tituri|Titūrī]], [[wikt:en:Trinobantes#Latin|Trinobantēs]], trīs, [[wikt:en:turris#Latin|turrīs]], [[wikt:en:utilis#Latin|ūtilīs]], [[wikt:en:vectigalis#Latin|vectīgālīs]] </span> などは、<br>それぞれ <span style="font-family:Times New Roman;font-style:normal;font-size:15pt;">[[wikt:en:adclivis#Latin|adclīvis]], [[wikt:en:adcommodatae|adcommodātae]], [[wikt:en:adlatis|adlātīs]], Atuātucam, [[wikt:de:Atuatuci|Atuatucī]], Atuatucīs, Atuatucōs, Haeduae, [[wikt:en:Haedui|Haeduī]], [[wikt:en:Haeduis|Haeduīs]], [[wikt:en:Haeduorum|Haeduōrum]], [[wikt:en:Haeduos|Haeduōs]], Haeduus, [[wikt:en:aequinoctii|aequinoctiī]], [[wikt:en:adfecti|adfectī]], [[wikt:en:adfectus#Adjective|adfectus]], [[wikt:en:adferat|adferat]], [[wikt:en:adferebat|adferēbat]], [[wikt:en:adferret|adferret]], [[wikt:en:adferretur|adferrētur]], [[wikt:en:adflictae|adflīctae]], [[wikt:en:adfligunt|adflīgunt]], [[wikt:en:adgregabat|adgregābat]], [[wikt:en:adgregaverant|adgregāverant]] ([[wikt:en:adgregarant|adgregārant]]), [[wikt:en:adlato|adlātō]], [[wikt:en:Alpes#Latin|Alpēs]], [[wikt:en:adpelluntur|adpelluntur]], [[wikt:en:adpetebat|adpetēbat]], [[wikt:en:adportari|adportārī]], [[wikt:en:adplicant|adplicant]], [[wikt:en:adpropinquabat|adpropinquābat]], [[wikt:en:adpropinquare|adpropinquāre]], [[wikt:en:adpropinquarent|adpropinquārent]], [[wikt:en:adpropinquassent|adpropinquāssent]], [[wikt:en:adpropinquaverunt|adpropinquāvērunt]] ([[wikt:en:adpropinquarunt|adpropinquārunt]]), [[wikt:en:adpropinquavit|adpropinquāvit]], [[wikt:en:adpulso|adpulsō]], [[wikt:en:adripere|adripere]], [[wikt:en:articulis|articulīs]], [[wikt:en:adscendissent|adscendissent]], [[wikt:en:adscensu#Noun|adscēnsū]], [[wikt:en:adsidua|adsiduā]], [[wikt:en:adsuefacti|adsuēfactī]], [[wikt:en:adsuescere#Latin|adsuēscere]], [[wikt:en:adtingit|adtingit]], [[wikt:en:adtingunt|adtingunt]], [[wikt:en:adtribuerat#Latin|adtribuerat]], [[wikt:en:adtribuit|adtribuit]], [[wikt:en:adtribuunt|adtribuunt]], [[wikt:en:aures#Noun|aurēs]], [[wikt:en:auxilii|auxiliī]], [[wikt:en:cedentes#Latin|cēdentēs]], [[wikt:en:cives#Latin|cīvēs]], [[wikt:en:clientes#Latin|clientēs]], [[wikt:en:cohortes#Latin|cohortēs]], [[wikt:en:conicere|conicere]], [[wikt:en:conicerent|conicerent]], [[wikt:en:conici#Latin|conicī]], [[wikt:en:coniciant|coniciant]], [[wikt:en:coniciebant|coniciēbant]], [[wikt:en:coniciunt|coniciunt]], [[wikt:en:coniecerant|coniēcerant]], [[wikt:en:coniecerunt|coniēcērunt]], [[wikt:en:coniecisse|coniēcisse]], [[wikt:en:coniecta|coniecta]], [[wikt:en:coniecti|coniectī]], [[wikt:en:coniectis|coniectīs]], [[wikt:en:conlatis|conlātīs]], [[wikt:en:conlaudantur|conlaudantur]], [[wikt:en:conlaudat|conlaudat]], [[wikt:en:conlaudatis#Participle|conlaudātīs]], [[wikt:en:colles#Latin|collēs]], [[wikt:en:conlocabant|conlocābant]], [[wikt:en:conlocabat|conlocābat]], [[wikt:en:conlocandis|conlocandīs]], [[wikt:en:conlocant|conlocant]], [[wikt:en:conlocarat|conlocārat]], [[wikt:en:conlocare|conlocāre]], [[wikt:en:conlocaret|conlocāret]], [[wikt:en:conlocari|conlocārī]], [[wikt:en:conlocatas|conlocātās]], [[wikt:en:conlocati|conlocātī]], [[wikt:en:conlocatis#Participle|conlocātīs]], [[wikt:en:conlocaverat#Latin|conlocāverat]], [[wikt:en:conlocavit|conlocāvit]], [[wikt:en:conlocuti|conlocūtī]], [[wikt:en:conloquantur|conloquantur]], [[wikt:en:conloquendi|conloquendī]], [[wikt:en:conloqui#Latin|conloquī]], [[wikt:en:conloquium#Latin|conloquium]], [[wikt:en:conpluribus|conplūribus]], [[wikt:en:complures#Latin|complūrēs]], [[wikt:en:conprehensis|conprehēnsīs]], [[wikt:en:conprehensos|conprehēnsōs]], [[wikt:en:conantes|cōnantēs]], [[wikt:en:consilii|cōnsiliī]], [[wikt:en:dubitantes|dubitantēs]], [[wikt:en:egredientes|ēgredientēs]], [[wikt:en:ii#Latin|iī]], [[wikt:en:iis#Latin|iīs]], [[wikt:en:exsistit|exsistit]], [[wikt:en:exposcentes#Latin|exposcentēs]], [[wikt:en:ferventes#Latin|ferventēs]], [[wikt:en:fines#Latin|fīnēs]], [[wikt:en:glandes#Latin|glandēs]], [[wikt:en:haesitantes#Latin|haesitantēs]], [[wikt:en:hostes#Latin|hostēs]], [[wikt:en:ignes|ignēs]], [[wikt:en:inlatas|inlātās]], [[wikt:en:inmittit|inmittit]], [[wikt:en:inmittunt|inmittunt]], [[wikt:en:inparatum|inparātum]], [[wikt:en:inpedita#Latin|inpedīta]], [[wikt:en:imperii#Latin|imperiī]], [[wikt:en:incolumes|incolumēs]], [[wikt:en:indignantes#Latin|indignantēs]], [[wikt:en:inopinantes|inopīnantēs]], [[wikt:en:inridere|inrīdēre]], [[wikt:en:inrumpere|inrumpere]], [[wikt:en:inrumpit|inrumpit]], [[wikt:en:inruperunt|inrūpērunt]], [[wikt:en:laborantes#Latin|labōrantēs]], [[wikt:en:montes#Latin|montēs]], [[wikt:en:natales#Latin|nātālēs]], [[wikt:en:naves#Latin|nāvēs]], [[wikt:en:negotii|negōtiī]], [[wikt:en:nonnullae|nōnnūllae]], [[wikt:en:nonnullos|nōnnūllōs]], [[wikt:en:officii#Latin|officiī]], [[wikt:en:omnes#Latin|omnēs]], [[wikt:en:partes#Latin|partēs]], [[wikt:en:periculum#Latin|perīculum]], [[wikt:en:plures|plūrēs]], [[wikt:en:praesidii|praesidiī]], [[wikt:en:proelii|proeliī]], [[wikt:en:proficiscentes|proficīscentēs]], [[wikt:en:resistentes#Latin|resistentēs]], [[wikt:en:singulares#Latin|singulārēs]], [[wikt:en:solacii|sōlāciī]], [[wikt:en:spatii#Latin|spatiī]], [[wikt:en:subeuntes|subeuntēs]], [[wikt:en:subfossis|subfossīs]], [[wikt:en:subministrata|subministrāta]], [[wikt:en:submissis|submissīs]], [[wikt:en:submittebat|submittēbat]], [[wikt:en:submittit|submittit]], [[wikt:en:submotis|submōtīs]], [[wikt:en:submoveri|submovērī]], [[wikt:en:supplicii|suppliciī]], [[wikt:en:timentes|timentēs]], [[wikt:en:Titurii|Titūriī]], [[wikt:en:Trinovantes#Latin|Trinovantēs]], [[wikt:en:tres#Latin|trēs]], [[wikt:en:turres#Latin|turrēs]], [[wikt:en:utiles#Latin|ūtilēs]], [[wikt:en:vectigales|vectīgālēs]] </span> などとした。
-->
<span style="font-family:Times New Roman;font-style:normal;font-size:15pt;"></span>
<span style="font-family:Times New Roman;font-style:oblique;font-size:15pt;"></span>
<span style="color:#b00;"></span>
<span style="color:#800;"></span>
<span style="font-size:10pt;"></span>
<span style="background-color:#ff0;"></span>
== 注解 ==
=== 1項 ===
<span style="font-family:Times New Roman;font-size:20pt;"></span>
;語釈
<span style="font-family:Times New Roman;font-size:15pt;background-color:#fff;"></span>
<span style="font-family:Times New Roman;font-size:15pt;"></span>
<span style="font-family:Times New Roman;font-size:15pt;"></span>
<span style="background-color:#ccffcc;"></span>
<!--
;対訳
《 》 内は、訳者が説明のために補った語。<span style="font-family:Times New Roman;font-size:30pt;">{</span> <span style="font-family:Times New Roman;font-size:30pt;">}</span> 内は関係文。
<span style="font-family:Times New Roman;font-size:15pt;"></span>
-->
== 訳文 ==
*<span style="background-color:#dff;">訳文は、[[ガリア戦記_第7巻#20節]]</span>
== 脚注 ==
{{Reflist}}
== 解説 ==
<!--
{| class="wikitable" style="text-align:center"
|- style="height:23em;"
|
|
|}
-->
== 関連項目 ==
*[[ガリア戦記]]
**[[ガリア戦記/注解編]]
***[[ガリア戦記 第7巻/注解]]
**[[ガリア戦記/用例集]]
== 関連記事 ==
== 外部リンク ==
* [https://babel.hathitrust.org/cgi/pt?id=hvd.hn1tp9&seq=255 #255 - C. Iuli Caesaris De bello gallico libri VII : Caesar's Gallic ... - Full View | HathiTrust Digital Library]
[[Category:ガリア戦記 第7巻|20節]]
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トーク:初等数学公式集/初等代数
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/* 今後の参考にして下さい。imaginary numberについて、wikibooks間の相互リンクがあってもいいと思いました。 */ 新しい節
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wikitext
text/x-wiki
== 修正不要です。単なる仮定です。初等数学で指数法則の指数が1だとまずいのカモ。 ==
:事例があれば教えて下さい。
:[[初等数学公式集/初等代数#単項式]] 2箇所。本節ではm,n,p,q。m,n,k
:>本節では、...1ではない正の整数とする。
:>以上をまとめると、...m,nは整数として、以下のとおり整理することができる(指数法則)。
:>本節では、...1ではない正の整数とする。
:[[高等学校数学I/数と式#指数法則]]
:>...m, n を正の整数とすると、...
:[[高等学校数学II/指数関数・対数関数#指数の拡張]]
:>...n が2以上の正の整数のとき、...
--[[利用者:Tkkn46tkkn46|Tkkn46tkkn46]] ([[利用者・トーク:Tkkn46tkkn46|トーク]]) 2026年4月27日 (月) 14:03 (UTC)
== >右から、逆行列をかけると、...確認をお願いします。 ==
: ①[[初等数学公式集/初等代数#連立一次方程式]]
:: >右から、逆行列をかけると、
:: ↓
:: >両辺に、左から逆行列をかけると、
:: 検討よろしくお願いします。
::
::
(追加)順不同
: ②[[初等数学公式集/初等代数#2次不等式]]
:: ※→※1
:: 2箇所。1があるから2がある?逆カモ。
: ③[[初等数学公式集/初等代数#基礎演算]]
:: 2次単位行列→単位行列
:: 零行列より。>ここでは行列はすべて2次正方行列とする。
: ④[[初等数学公式集/初等代数#一次変換と面積]]
:: >このベクトルで作られる平行四辺形
:: ↓
:: >この2つのベクトルで作られる平行四辺形
:: >2つのベクトルで作られる平行四辺形
:: >両ベクトルのなす平行四辺形
:: ?複数形です。
::(参考)[[初等数学公式集/解析幾何/コラム#外積の定義]]
:: >...両ベクトルのなす平行四辺形...
: ⑤[[初等数学公式集/初等代数#一次変換と面積]]
:: 順番v,u。u,vでも。
:: (参考)
:: [[初等数学公式集/初等代数/証明・行列#面積変換]]
:: ベクトルv,ベクトルu
: ⑥[[初等数学公式集/初等代数#2元1次方程式]]
:: >2元1次方程式
:: ↓
:: >2元連立1次方程式
:: ❴中括弧があるから連立。根拠薄。中括弧なければ不要。
:: 3元1次方程式 2箇所。
: ⑦[[初等数学公式集/初等代数#連立一次方程式]]
:: >2元一次方程式と行列
::?漢字の一 が2箇所
::
: ⑧ついでに
:: ?一次変換
:: 4箇所
--[[利用者:Tkkn46tkkn46|Tkkn46tkkn46]] ([[利用者・トーク:Tkkn46tkkn46|トーク]]) 2026年4月28日 (火) 12:06 (UTC)
== 中等教育について教えて下さい。 ==
①[[初等数学公式集/初等代数#脚注]]
:>...中等教育には相応しくない
: ↓
:>...初等数学には相応しくない
:本ページは初等数学公式集でした。
②初等数学 がありますが、中等数学がありません。
:[[数学#初等・中等教育用教科書]]
③教育用の意味を教えて下さい。
:「数学#初等・中等課程?教科書」の課程はどうでしょうか。
④文字「課程」を使わない。
:高等学校課程の数学→高等学校数学
:[[数学#初等・中等教育用教科書]]
⑤[[w:初等教育]]と[[w:中等教育]]と[[w:高等教育]]と初等数学の違いを教えて下さい。
(参考)
:<nowiki>[[カテゴリ:水先案内のページ]]</nowiki>
:>1.対象となる教育レベルの差異
:>初等教育程度・中等教育程度・高等教育程度
:数学の代わりに教育でした。
:[[初等数学公式集/解析幾何/コラム]]
:>..,大学など高等数学で取り扱う場合...
--[[利用者:Tkkn46tkkn46|Tkkn46tkkn46]] ([[利用者・トーク:Tkkn46tkkn46|トーク]]) 2026年5月1日 (金) 10:14 (UTC)
== 今後の参考にして下さい。imaginary numberについて、wikibooks間の相互リンクがあってもいいと思いました。 ==
>(実数解を持たない)
:[[初等数学公式集/初等代数#方程式の解の存在条件]]
:[[初等数学公式集/数と集合・論理#数の性質]] の複素数。2箇所ありました。
:[[初等数学公式集/数と集合・論理#複素数]]
:前前前行、前前行、前行への相互リンクがあってもいいと思いました。直でも関連項目でも。
:>方程式...の解のひとつである。
:?ステキ
(おまけ)
:>※(参考)代数的数と超越数
:>実部・虚部が共に有理数である複素数:
:[[w:複素数]]
:>実部、虚部がともに有理数のときガウス有理数といい、...
--[[利用者:Tkkn46tkkn46|Tkkn46tkkn46]] ([[利用者・トーク:Tkkn46tkkn46|トーク]]) 2026年5月4日 (月) 10:10 (UTC)
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カテゴリ:早稲田大学対策
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2026-05-03T22:16:54Z
なまえみてい
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ページの作成:「[[早稲田大対策]]に関するカテゴリ。 [[Category:大学入試|わせたたいかく]]」
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[[早稲田大対策]]に関するカテゴリ。
[[Category:大学入試|わせたたいかく]]
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トーク:早稲田大対策/政治経済学部
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2026-05-03T23:54:05Z
Tkkn46tkkn46
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/* 今後の参考にして下さい。行頭が太字の場合そこで、改行が見やすいと思いました。 */ 新しい節
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wikitext
text/x-wiki
== 今後の参考にして下さい。行頭が太字の場合そこで、改行が見やすいと思いました。 ==
①(参考)[[早稲田大対策/法学部]]パターンへです。
: 英語(90分/90点) 1998年...
: ↓
: 英語(90分/90点)
: 1998年...
②節、?号、?目(法律条文表現) の途中の空白行は、不要と思いました。
③太字見出しの次行の空白行(くうはくぎょう)も,、不要と思いました。
: (参考))[[早稲田大対策/法学部]の世界史の行頭一文字ずらす(空白?正式名?)パターン
: 「
: 世界史(60分/40点)
: くうはくぎょう
: 西洋史、東洋史満遍...
: ⬆
: 」
④ 空白行の代わりに、③⬆を使えば、空白行が不要と思いました。
: (私だけ)空白行が、節の区切りに見えます。節内?の一気読みしたいです。
: 何が何でも、ガイドラインが必要と言うのも変ですね?(データベース化?)
⑤1行目にふさわしいレベル2見出しが、ありませんか。
: 対策?はじめに? 目的は単に部分編集したい。だけです。
(別件)[[トランプ]]
⑥(私だけ)文中の太字が見にくく見えます。
: 強調したい気持ちは、わかります。忙しい時代です。
: 一気読みです。途切れて感じます。見出しに見える。単語なら、太字なしの「」でも。
: ?隅々まで読んで、そのくらい読み取れよーです。余計な事は書いてないと信じています。
: (例)[[早稲田大対策/法学部]]
: 大学受験対策の個性でした。学部個性でした。
今後の参考にして下さい。--[[利用者:Tkkn46tkkn46|Tkkn46tkkn46]] ([[利用者・トーク:Tkkn46tkkn46|トーク]]) 2026年5月3日 (日) 23:54 (UTC)
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ガリア戦記 第7巻/注解/21節
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2026-05-04T10:53:35Z
Linguae
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21節
299093
wikitext
text/x-wiki
<div style="font-family:Arial Black;font-style:normal;font-size:15pt;color:#990033;text-align:center;">C · IVLII · CAESARIS · COMMENTARIORVM · BELLI · GALLICI</div>
<div style="font-family:Arial Black;font-style:normal;font-size:30pt;color:#990033;text-align:center;">LIBER · SEPTIMVS</div>
<br>
{| id="toc" style="align:center;clear:all;" align="center" cellpadding="5"
|-
! style="background:#bbf; text-align:center;" | [[ガリア戦記/注解編|ガリア戦記 注解編]]
| style="background:#ccf; text-align:center;" | [[ガリア戦記 第7巻/注解|第7巻]]
| style="background:#eef; text-align:center;"|
[[ガリア戦記 第7巻/注解/20節|20節]] |
[[ガリア戦記 第7巻/注解/21節|21節]] |
[[ガリア戦記 第7巻/注解/22節|22節]]
|}
__notoc__
== 原文テキスト ==
<div style="font-family:Times New Roman;font-style:normal;font-size:15pt;color:#333;text-align:left;"><ref>原文テキストについては[[ガリア戦記/注解編#原文テキスト]]を参照。</ref>
</div>
<span style="background-color:#ffc;"></span>
<!--❶--><!--❷--><!--❸--><!--❹--><!--❺--><!--❻--><!--❼--><!--❽--><!--❾--><!--❿--><!--⓫--><!--⓬--><sup></sup>
<!-- <!--◆--> -->
----
;テキスト引用についての注記
<span style="font-family:Times New Roman;font-style:normal;font-size:15pt;"></span>
<span style="font-family:Times New Roman;font-style:oblique;font-size:15pt;"></span>
<span style="font-family:Times New Roman;font-style:bold;font-size:15pt;"></span>
== 整形テキスト ==
<div style="font-family:Times New Roman;font-style:normal;font-size:15pt;color:#333;text-align:left;"><ref>整形テキストについては[[ガリア戦記/注解編#凡例]]を参照。</ref>
</div>
<span style="color:#800;"></span>
<!--❶--><!--❷--><!--❸--><!--❹--><!--❺--><!--❻--><!--❼--><!--❽--><!--❾--><!--❿--><!--⓫--><!--⓬--><sup></sup>
<!-- <!--◆--> -->
----
;注記
<!--
*原文の <span style="font-family:Times New Roman;font-style:normal;font-size:15pt;">[[wikt:en:acclivis#Latin|acclīvis]], [[wikt:en:accommodatae|accommodātae]], [[wikt:en:allatis|allātīs]], [[wikt:en:Aduatuca#Latin|Aduātucam]], [[wikt:en:Aduatuci|Aduatucī]], [[wikt:en:Aduatucis|Aduatucīs]], [[wikt:en:Aduatucos|Aduatucōs]], [[wikt:en:Aeduae|Aeduae]], [[wikt:en:Aedui#Latin|Aeduī]], [[wikt:en:Aeduis|Aeduīs]], [[wikt:en:Aeduorum|Aeduōrum]], [[wikt:en:Aeduos|Aeduōs]], [[wikt:en:Aeduus#Latin|Aeduus]], [[wikt:en:aequinocti|aequinoctī]], [[wikt:en:affecti|affectī]], [[wikt:en:affectus#Participle|affectus]], [[wikt:en:afferat|afferat]], [[wikt:en:afferebat|afferēbat]], [[wikt:en:afferret|afferret]], [[wikt:en:afferretur|afferrētur]], [[wikt:en:afflictae|afflīctae]], [[wikt:en:affligunt|afflīgunt]], [[wikt:en:aggregabat|aggregābat]], [[wikt:en:aggregaverant|aggregāverant]] ([[wikt:en:aggregarant|aggregārant]]), [[wikt:en:allato|allātō]], [[wikt:en:Alpis#Latin|Alpīs]], [[wikt:en:appelluntur|appelluntur]], [[wikt:en:appetebat|appetēbat]], [[wikt:en:apportari|apportārī]], [[wikt:en:applicant#Latin|applicant]], [[wikt:en:appropinquabat|appropinquābat]], [[wikt:en:appropinquare#Latin|appropinquāre]], [[wikt:en:appropinquarent|appropinquārent]], [[wikt:en:appropinquassent|appropinquāssent]], [[wikt:en:appropinquaverunt|appropinquāvērunt]] ([[wikt:en:appropinquarunt|appropinquārunt]]), [[wikt:en:appropinquavit|appropinquāvit]], [[wikt:en:appulso#Latin|appulsō]], [[wikt:en:arripere|arripere]], [[wikt:en:articlis|articlīs]], [[wikt:en:ascendissent#Latin|ascendissent]], [[wikt:en:ascensu#Noun|ascēnsū]], [[wikt:en:assidua#Latin|assiduā]], [[wikt:en:assuefacti|assuēfactī]], [[wikt:en:assuescere#Latin|assuēscere]], [[wikt:en:attingit|attingit]], [[wikt:en:attingunt|attingunt]], [[wikt:en:attribuerat#Latin|attribuerat]], [[wikt:en:attribuit|attribuit]], [[wikt:en:attribuunt|attribuunt]], [[wikt:en:auris#Latin|aurīs]], [[wikt:en:auxili#Latin|auxilī]], [[wikt:en:cedentis|cēdentīs]], [[wikt:en:civis#Latin|cīvīs]], [[wikt:en:clientis|clientīs]], [[wikt:en:cohortis|cohortīs]], [[wikt:en:coicere|coicere]], [[wikt:en:coicerent|coicerent]], [[wikt:en:coici|coicī]], [[wikt:en:coiciant|coiciant]], [[wikt:en:coiciebant|coiciēbant]], [[wikt:en:coiciunt|coiciunt]], [[wikt:en:coiecerant|coiēcerant]], [[wikt:en:coiecerunt|coiēcērunt]], [[wikt:en:coiecisse|coiēcisse]], [[wikt:en:coiecta|coiecta]], [[wikt:en:coiecti|coiectī]], [[wikt:en:coiectis|coiectīs]], [[wikt:en:collatis|collātīs]], [[wikt:en:collaudantur|collaudantur]], [[wikt:en:collaudat|collaudat]], [[wikt:en:collaudatis#Participle|collaudātīs]], [[wikt:en:collis#Latin|collīs]], [[wikt:en:collocabant|collocābant]], [[wikt:en:collocabat|collocābat]], [[wikt:en:collocandis|collocandīs]], [[wikt:en:collocant#Latin|collocant]], [[wikt:en:collocarat|collocārat]], [[wikt:en:collocare#Latin|collocāre]], [[wikt:en:collocaret|collocāret]], [[wikt:en:collocari|collocārī]], [[wikt:en:collocatas|collocātās]], [[wikt:en:collocati#Latin|collocātī]], [[wikt:en:collocatis#Participle|collocātīs]], [[wikt:en:collocaverat#Latin|collocāverat]], [[wikt:en:collocavit|collocāvit]], [[wikt:en:collocuti|collocūtī]], [[wikt:en:colloquantur|colloquantur]], [[wikt:en:colloquendi|colloquendī]], [[wikt:en:colloqui#Latin|colloquī]], [[wikt:en:colloquium#Latin|colloquium]], [[wikt:en:compluribus|complūribus]], [[wikt:en:compluris|complūrīs]], [[wikt:en:comprehensis|comprehēnsīs]], [[wikt:en:comprehensos|comprehēnsōs]], [[wikt:en:conantis|cōnantīs]], [[wikt:en:consili|cōnsilī]], [[wikt:en:dubitantis#Participle_2|dubitantīs]], [[wikt:en:egredientis#Etymology_2|ēgredientīs]], [[wikt:en:ei#Latin|eī]], [[wikt:en:eis#Latin|eīs]], [[wikt:en:existit#Latin|existit]], [[wikt:en:exposcentis#Participle_2|exposcentīs]], [[wikt:en:ferventis#Latin|ferventīs]], [[wikt:en:finis#Latin|fīnīs]], [[wikt:en:glandis#Latin|glandīs]], [[wikt:en:haesitantis#Participle_2|haesitantīs]], [[wikt:en:hostis#Latin|hostīs]], [[wikt:en:ignis#Latin|ignīs]], [[wikt:en:illatas|illātās]], [[wikt:en:immittit|immittit]], [[wikt:en:immittunt|immittunt]], [[wikt:en:imparatum|imparātum]], [[wikt:en:impedita#Latin|impedīta]], [[wikt:en:imperi#Latin|imperī]], [[wikt:en:incolumis#Latin|incolumīs]], [[wikt:en:indignantis#Participle_2|indignantīs]], [[wikt:en:inopinantis#Adjective_2|inopīnantīs]], [[wikt:en:irridere#Latin|irrīdēre]], [[wikt:en:irrumpere|irrumpere]], [[wikt:en:irrumpit|irrumpit]], [[wikt:en:irruperunt|irrūpērunt]], [[wikt:en:laborantis#Etymology_2|labōrantīs]], [[wikt:en:montis|montīs]], [[wikt:en:natalis#Latin|nātālīs]], [[wikt:en:navis#Latin|nāvīs]], [[wikt:en:negoti|negōtī]], nōn nūllae, nōn nūllōs, [[wikt:en:offici#Noun_2|officī]], [[wikt:en:omnis#Latin|omnīs]], [[wikt:en:partis#Latin|partīs]], [[wikt:en:periclum#Latin|perīclum]], plūrīs, [[wikt:en:praesidi|praesidī]], [[wikt:en:proeli|proelī]], proficīscentīs, [[wikt:en:resistentis|resistentīs]], [[wikt:en:singularis#Latin|singulārīs]], [[wikt:en:solaci|sōlācī]], [[wikt:en:spati#Latin|spatī]], [[wikt:en:subeuntis|subeuntīs]], [[wikt:en:suffossis|suffossīs]], [[wikt:en:sumministrata|sumministrāta]], [[wikt:en:summissis|summissīs]], [[wikt:en:summittebat|summittēbat]], [[wikt:en:summittit|summittit]], [[wikt:en:summotis|summōtīs]], [[wikt:en:summoveri|summovērī]], [[wikt:en:supplici#Noun|supplicī]], [[wikt:en:timentis#Participle_2|timentīs]], [[wikt:en:Tituri|Titūrī]], [[wikt:en:Trinobantes#Latin|Trinobantēs]], trīs, [[wikt:en:turris#Latin|turrīs]], [[wikt:en:utilis#Latin|ūtilīs]], [[wikt:en:vectigalis#Latin|vectīgālīs]] </span> などは、<br>それぞれ <span style="font-family:Times New Roman;font-style:normal;font-size:15pt;">[[wikt:en:adclivis#Latin|adclīvis]], [[wikt:en:adcommodatae|adcommodātae]], [[wikt:en:adlatis|adlātīs]], Atuātucam, [[wikt:de:Atuatuci|Atuatucī]], Atuatucīs, Atuatucōs, Haeduae, [[wikt:en:Haedui|Haeduī]], [[wikt:en:Haeduis|Haeduīs]], [[wikt:en:Haeduorum|Haeduōrum]], [[wikt:en:Haeduos|Haeduōs]], Haeduus, [[wikt:en:aequinoctii|aequinoctiī]], [[wikt:en:adfecti|adfectī]], [[wikt:en:adfectus#Adjective|adfectus]], [[wikt:en:adferat|adferat]], [[wikt:en:adferebat|adferēbat]], [[wikt:en:adferret|adferret]], [[wikt:en:adferretur|adferrētur]], [[wikt:en:adflictae|adflīctae]], [[wikt:en:adfligunt|adflīgunt]], [[wikt:en:adgregabat|adgregābat]], [[wikt:en:adgregaverant|adgregāverant]] ([[wikt:en:adgregarant|adgregārant]]), [[wikt:en:adlato|adlātō]], [[wikt:en:Alpes#Latin|Alpēs]], [[wikt:en:adpelluntur|adpelluntur]], [[wikt:en:adpetebat|adpetēbat]], [[wikt:en:adportari|adportārī]], [[wikt:en:adplicant|adplicant]], [[wikt:en:adpropinquabat|adpropinquābat]], [[wikt:en:adpropinquare|adpropinquāre]], [[wikt:en:adpropinquarent|adpropinquārent]], [[wikt:en:adpropinquassent|adpropinquāssent]], [[wikt:en:adpropinquaverunt|adpropinquāvērunt]] ([[wikt:en:adpropinquarunt|adpropinquārunt]]), [[wikt:en:adpropinquavit|adpropinquāvit]], [[wikt:en:adpulso|adpulsō]], [[wikt:en:adripere|adripere]], [[wikt:en:articulis|articulīs]], [[wikt:en:adscendissent|adscendissent]], [[wikt:en:adscensu#Noun|adscēnsū]], [[wikt:en:adsidua|adsiduā]], [[wikt:en:adsuefacti|adsuēfactī]], [[wikt:en:adsuescere#Latin|adsuēscere]], [[wikt:en:adtingit|adtingit]], [[wikt:en:adtingunt|adtingunt]], [[wikt:en:adtribuerat#Latin|adtribuerat]], [[wikt:en:adtribuit|adtribuit]], [[wikt:en:adtribuunt|adtribuunt]], [[wikt:en:aures#Noun|aurēs]], [[wikt:en:auxilii|auxiliī]], [[wikt:en:cedentes#Latin|cēdentēs]], [[wikt:en:cives#Latin|cīvēs]], [[wikt:en:clientes#Latin|clientēs]], [[wikt:en:cohortes#Latin|cohortēs]], [[wikt:en:conicere|conicere]], [[wikt:en:conicerent|conicerent]], [[wikt:en:conici#Latin|conicī]], [[wikt:en:coniciant|coniciant]], [[wikt:en:coniciebant|coniciēbant]], [[wikt:en:coniciunt|coniciunt]], [[wikt:en:coniecerant|coniēcerant]], [[wikt:en:coniecerunt|coniēcērunt]], [[wikt:en:coniecisse|coniēcisse]], [[wikt:en:coniecta|coniecta]], [[wikt:en:coniecti|coniectī]], 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[[wikt:en:Trinovantes#Latin|Trinovantēs]], [[wikt:en:tres#Latin|trēs]], [[wikt:en:turres#Latin|turrēs]], [[wikt:en:utiles#Latin|ūtilēs]], [[wikt:en:vectigales|vectīgālēs]] </span> などとした。
-->
<span style="font-family:Times New Roman;font-style:normal;font-size:15pt;"></span>
<span style="font-family:Times New Roman;font-style:oblique;font-size:15pt;"></span>
<span style="color:#b00;"></span>
<span style="color:#800;"></span>
<span style="font-size:10pt;"></span>
<span style="background-color:#ff0;"></span>
== 注解 ==
=== 1項 ===
<span style="font-family:Times New Roman;font-size:20pt;"></span>
;語釈
<span style="font-family:Times New Roman;font-size:15pt;background-color:#fff;"></span>
<span style="font-family:Times New Roman;font-size:15pt;"></span>
<span style="font-family:Times New Roman;font-size:15pt;"></span>
<span style="background-color:#ccffcc;"></span>
<!--
;対訳
《 》 内は、訳者が説明のために補った語。<span style="font-family:Times New Roman;font-size:30pt;">{</span> <span style="font-family:Times New Roman;font-size:30pt;">}</span> 内は関係文。
<span style="font-family:Times New Roman;font-size:15pt;"></span>
-->
== 訳文 ==
*<span style="background-color:#dff;">訳文は、[[ガリア戦記_第7巻#21節]]</span>
== 脚注 ==
{{Reflist}}
== 解説 ==
<!--
{| class="wikitable" style="text-align:center"
|- style="height:23em;"
|
|
|}
-->
== 関連項目 ==
*[[ガリア戦記]]
**[[ガリア戦記/注解編]]
***[[ガリア戦記 第7巻/注解]]
**[[ガリア戦記/用例集]]
== 関連記事 ==
== 外部リンク ==
[[Category:ガリア戦記 第7巻|21節]]
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